平成15年5月臨時会 第1回岩手県議会臨時会会議録

前へ 次へ

〇40番(伊藤勢至君) ただいまの発議案提案者に対して質問をさせていただきたいと思います。
 ただいまは、会議規則第95条の一部の文言を改正しようと、こういうことでございまして、覆面という文言を入れようと、このように聞いたところでありますが、この議場内に覆面をつけておられる方は、たった一人しかおられません。そうしますと、その人を特定して、そのための文言を改正しようと、こういうことかと承ったところでありまして、そこにつきまして質問をいたしたいと存じます。
 ここに地方自治法の抜粋がございますけれども、その中に議会の自律権、つまりは、みずからが律するというところの条項がございますので、若干、読ませていただいて質問をさせていただきたいと思います。
 議会の自律権。議会が、その内部運営について、自主的措置をとり得る権限のことを言う、こう書いてございますが、いろいろその後列記がございますけれども、その中に注意点といたしまして、本会議及び委員会の運営に関する事項は、内部組織に関するものと運営に関するものに大別することができるが、おおむね、議会及び委員会は、法律、会議規則及び委員会条例に違反しない限り、その取り扱いを議会や委員会の議決、議長または委員長の権限で決定することができる、このように書いてございます。
 そういう中で、この法律の部分を、地方自治法あるいは公職選挙法、このように読みかえてまいりますと、この公職選挙法に粛々と所定の届け出を済ませて、ザ・グレート・サスケという、あるいは個人名、片仮名名までも認めていただいて、ポスターも認めていただいて、粛々と選挙運動を展開して、県内で1番と言われる1万6、000を超える票を背中にしょって、堂々と当選をされてきた方に対して、そのような特定の人を言ってみれば排除するような、そういう議論というのは、これはそぐわないのではないか、私はこのように思っているところであります。
 また、この公職選挙法によって獲得した議員の地位、あるいはまた地方自治法によるその議員としての地位保障、あるいは生活権、生存権、肖像権、そういったものをこの会議規則、条例等で否定することはできないのではないかと、私はこのように思うところであります。
 また、この個人は、社会的活動として、プロレス界以外にも岩手県の交通安全キャンペーン、献血推進キャンペーン、まちの美化キャンペーン、買い物袋持参キャンペーン、JR東日本の北東北へ針路をとれキャンペーンへの参加、チャリティー募金のパーソナリティー、中・高・大学での講師、成人式や社会福祉施設への慰問など、さまざまな分野に参加の機会を得ているようでありまして、これらの活動を評価されて、地方自治体から表彰もいただいていると聞いているところであります。したがいまして、この覆面は肉体と一体のもの、常習的に使用しているもの、10年間も使用しているもの、つまりは覆面そのものが個人である、このような考え方から、一人の人を排除するためにこの文言を加えようとするのは、この法治国家にあってフェアではない、私はこのように思うところでありますが、提案者はどのようにお考えなのか、この際お伺いをいたします。

〇34番(千葉伝君) ただいまの質問の部分にお答えします。
 この問題につきましては95条の解釈と、こういうことで、今までなかったことと、こういうことがあったわけであります。そういったことから、一議員に特定するというものではなくて、今後もこういうことがあり得る、こういうことも想定したものであります。
 さらには、1万6、000人の投票があって当選されたと、このことにつきましては、議員の資格を得たものと思う次第であります。ただし、私ども議会としては、140万県民の部分を討議すると、こういう場である、こういうふうに思うところであります。
 また、この議場外においての行動につきましては、規制するものではないということであります。
 この議場においての中身については、標準地方議会の委員会条例あるいは会議規則の解説によれば、この解釈においては、議場に入る者の品位、携帯品について示してあるわけであります。
 この中身によりますと、議場に入る者に対し、通常、室内で用いるべきでないものを着用したり携帯してはならないことを定めているものである。覆面はこれに該当するものであるという考えであります。しかし、覆面は携帯品ではないという解釈もあることから、着用と携帯を両方規定するものにしたと、こういうことであります。
 以上であります。

〇40番(伊藤勢至君) ただいま常用あるいは常用していない云々の話でありますが、10年間もこれを一緒に、一体にやってきたということは、常用に全く当たるもの、つまり、覆面そのものがパーソナリティー、個人それを形成している、このように思うところでありまして、今さら、この第95条にわざわざ字句挿入をしてこれを排除するということがあってはいけないと、このように思うところであります。
 つまり、公職選挙法にのっとって、粛々と所定の手続を瑕疵なく受けて堂々と立候補した人、それはすべてこの議場で同じルールで認めるべきだと、このように思うところでありますが、これについてはどのようにお考えか、再度お伺いをいたします。

〇34番(千葉伝君) 本来、選挙活動と議会活動は区別すべきものと、こういうことであります。
 通常、室内で用いるべきでないものと、こういう部分につきましては、一般的概念で考えるべきものと思います。みんなが覆面をした形でまちの中あるいはこういった議場にいると、こういうことであれば、それは通常用いていると、こういう言葉になるのではないかと私は思います。
 さらには、今回の議運の中でも議論があったところでありますが、本人確認の論も、これもあったわけであります。本来、議会での討議は素顔で正々堂々とすべきものであり、覆面・仮面のたぐいは自分の素顔を隠し、仮面をかぶるという言葉は、本心を包み隠して上辺をそうでないように見せかけると広辞林にあることからも、正論を闘う場にふさわしくないと、こういう考えであります。

〇議長(藤原良信君) ほかにありませんか。


前へ 次へ