平成15年9月定例会 決算特別委員会(企業会計)会議録

前へ 次へ

平成15年9月29日(月曜日)

1開会 午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
 事務局長 武 田 牧 雄
 議事課長 平 澤 石 郎
 議事課長補佐 八重樫 典 彦
 主任議事管理主査 千 田 利 之
 議事管理主査 近 藤 光 宏
 議事管理主査 多 田   繁
 議事管理主査 嵯 峨 俊 幸
 議事管理主査 安 藤 知 行

1説明員
 医療局長 千 葉   弘
 医療局次長 岩 渕 良 昭
 病院改革室長 佐 藤   巖
 参事兼医師対策監 橘 山 孝 悦
 管理課長 齋 藤 淳 夫
 職員課長 細 川 孝 夫
 業務課長 大 沢   孝
 システム管理室長 桜小路 昭 男
 経営改革監 八 木 善 一
 監査委員 一 戸 克 夫
 監査委員 谷 地 信 子
 監査委員事務局長 久 保 隆 男
 総務課長 八重樫   良
 監査課長 渡 邉 和 男
 参事兼予算調製課長 藤 尾 善 一

〇武田議会事務局長 御承知のとおり、委員長が互選されるまでの間、岩手県議会委員会条例第7条第2項の規定により、年長の委員が委員長の職務を行うこととされております。
 出席委員中、藤原泰次郎委員が年長の委員でありますので、御紹介申し上げます。
 藤原泰次郎委員、どうぞ委員長席に御着席願います。
   〔年長委員藤原泰次郎君委員長席に着く〕

〇藤原泰次郎年長委員 ただいま紹介されました藤原泰次郎でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
 それでは、ただいまから決算特別委員会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。
 これより委員長の互選を行います。委員会条例第7条第2項の規定により、委員長互選の職務を行います。
 お諮りいたします。委員長の互選の方法につきましては、指名推選の方法によりたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原泰次郎年長委員 御異議なしと認めます。よって、互選の方法は指名推選によることと決定いたしました。
 お諮りいたします。指名の方法につきましては、当職において指名することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原泰次郎年長委員 御異議なしと認めます。よって、当職において指名することに決定いたしました。
 決算特別委員長に及川幸子さんを指名いたします。
 お諮りいたします。ただいま当職において指名した及川幸子さんを決算特別委員長の当選人と定めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原泰次郎年長委員 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました及川幸子さんが決算特別委員長に当選されました。
 ただいま当選されました及川幸子さんが委員会室におられますので、本席から当選の告知をいたします。
 及川委員長、委員長席にお着き願います。
   〔決算特別委員長及川幸子君委員長席に着く〕
   (拍手)

〇及川幸子委員長 ただいま委員皆様方の御推挙によりまして決算特別委員長に指名されました。とても心嬉しく、光栄に存じております。
 全力を尽くし、そしてまた、委員皆様のお力をいただきながら会のスムーズな運営に努めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
 引き続いて副委員長の互選を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇及川幸子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより副委員長の互選を行います。
 お諮りいたします。副委員長の互選の方法につきましては、指名推選の方法によりたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇及川幸子委員長 御異議なしと認めます。よって、互選の方法は指名推選によることと決定いたしました。
 お諮りいたします。指名推選の方法につきましては、当職において指名することにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇及川幸子委員長 御異議なしと認めます。よって、当職において指名することに決定いたしました。
 決算特別副委員長に樋下正信君を指名いたします。
 お諮りいたします。ただいま当職において指名した樋下正信君を決算特別副委員長の当選人と定めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇及川幸子委員長 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました樋下正信君が決算特別副委員長に当選されました。
 ただいま当選されました樋下正信君が委員会室におられますので、本席から当選の告知をいたします。
 樋下副委員長、ごあいさつ願います。

〇樋下正信副委員長 ただいまは、各委員の御推挙により決算特別委員会副委員長に御指名をいただき大変光栄に存じている次第でございます。
 委員長を補佐し、各位の御協力によって委員会を円滑に運営できるよう皆様方の御協力をお願い申し上げましてごあいさつといたします。よろしくお願い申し上げます。(拍手)

〇及川幸子委員長 当決算特別委員会に付託されました決算3件についての審査の方法でありますが、本日は医療局関係について、30日は企業局関係についての説明を求め、質疑を行うこととし、決算3件に対する意見の取りまとめと採決につきましては、30日の企業局関係の質疑が終わった後、各会派の意見調整を経た上で行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇及川幸子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成14年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第3号平成14年度岩手県工業用水道事業会計決算までの3件を一括議題といたします。
 認定第1号平成14年度岩手県立病院等事業会計決算について、医療局長の説明を求めます。

〇千葉医療局長 御説明申し上げます。
 認定第1号平成14年度岩手県立病院等事業会計決算についてでございますが、お手元の決算書に基づきましてその概要を御説明いたします。決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税相当額を含めて記載するものでございまして、また、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税抜きの金額で作成することとされております。したがって、そこに金額の相違がございますので、あらかじめ御了承願いたいと存じます。
 決算書の1ページをお開き願います。まず、決算報告書の収益的収入及び支出でございますが、収入の第1款病院事業収益は、予算額997億9、200余万円に対しまして、決算額は1、000億7、200余万円でございます。
 支出でございますが、第1款病院事業費用は、予算額1、023億8、800余万円に対しまして、決算額は1、018億6、600余万円でございます。
 次に、2ページに参りまして、資本的収入及び支出についてでございますが、収入の第1款資本的収入は、予算額143億5、900余万円に対しまして、決算額は129億7、300余万円。
 その主なものでございますが、第1項企業債79億円、第3項負担金41億3、700余万円などでございます。
 次に、3ページに参ります。第1款資本的支出は、予算額197億1、000余万円に対しまして、決算額は191億1、900余万円でございます。
 その主なものでございますが、第1項建設改良費として105億6、000余万円でございますが、花巻厚生病院及び北上病院の統合病院移転新築用地の取得、福岡病院の新築工事、また、大船渡病院増改築工事及び医療器械等の整備に要した経費でございます。
 第2項企業債償還金80億200余万円でございますが、施設等の整備のために借り入れました企業債の償還でございます。
 なお、資本的収入が資本的支出に不足する額62億9、900余万円につきましては、過年度分損益勘定留保資金等51億7、300余万円等で補てんいたしまして、残りは11億2、000万円でございますが、当年度の許可済未発行企業債で措置するものでございます。
 次に、損益計算書に移らせていただきますが、4ページをお開きいただきます。損益計算書の4ページでございますが、医業収益は870億8、900余万円でございまして、前年度に比較いたしまして55億8、300余万円、ちょうど6.0%の減少でございます。
 医業収益の主なものは、入院収益で531億8、000余万円、外来収益で279億7、700余万円でございます。
 医業費用でございますが、946億2、000余万円で、前年度と比較いたしまして32億2、400余万円、3.3%の減少でございます。
 医業費用の主なものでございますが、給与費が548億6、500余万円、薬品費を主といたしますが、材料費が258億5、000余万円、光熱水費、修繕費、賃借料などのいわゆる経費が99億2、900余万円、減価償却費は35億1、700余万円でございます。
 また、医業外収益は126億1、700余万円でございまして、前年度対比2億3、400余万円、1.8%の減でございます。
 医業外収益の主なものは、一般会計からの繰入金でございまして、医業外収益として繰り入れました負担金交付金116億1、200余万円が含まれてございます。
 5ページに参ります。医業外費用は68億5、000余万円で、前年度と比較いたしまして2億6、800余万円、3.8%の減少となっております。
 医業外費用の主なものは、企業債の支払い利息など42億600余万円でございますし、仕入れ控除できない消費税及び地方消費税として17億2、400余万円を含む雑損失が18億5、300余万円でございます。
 特別利益2億5、000余万円がございますが、旧大船渡病院用地の売却に係る利益でございまして、特別損失2億8、600余万円は、旧宮古病院の地価の下落に伴う売却損及び旧沼宮内病院の建物の除却費でございます。
 この結果、平成14年度県立病院等事業会計の損益は、診療報酬のマイナス改定あるいは在院日数の短縮、薬剤の長期投与が緩和されたということで大幅な外来患者減少がありました。そういった要因で収益が減少いたしました。結果として、収支差18億円余の純損失を計上したところでございます。このことによりまして、当年度末累積欠損金はおよそ100億円、99億1、900余万円となるものでございます。
 以上、事業の概要、決算報告書及び損益計算書について御説明申し上げましたが、剰余金計算書及び貸借対照表その他の事項につきましては説明を省略させていただきたいと存じます。
 以上で説明を終わりますが、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

〇及川幸子委員長 これより質疑に入るわけでありますが、世話人会の申し合わせにより、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、また、質疑に当たっては、質疑項目が多い場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑を行うよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 また、関連質疑につきましては、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のあるもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 ただいまの千葉医療局長の説明に対し質疑はありませんか。

〇渡辺幸貫委員 まず、平成14年度県立病院会計決算の状況についてお尋ねします。
 ただいま医療局長から説明のあったところですが、事業収益は999億5、700万円余、前年に比較して56億2、900万円余、5.3%もの減収ということであります。年度末累積欠損は99億1、924万3、000円と18億円の増加となり、大変厳しい内容となりました。これは、昨年4月からの診療報酬改定、そして、同年10月の老人医療75歳以上に見られるように、患者自己負担率の増加、薬の投与回数の制限がなくなったことなどによる外来患者数への影響が大きいと思います。
 8月5日の日経新聞の社説によれば、全国にある約1、000カ所の自治体病院の実に96%が赤字だという。本県の場合、議会資料35ページの総収益対総費用の比率でも98.2で、新潟県を含めた東北7県では一番よく、県立病院として極めて規模が広範にわたる中で努力されておられることに敬意も表したいと思います。しかし、その社説によれば、赤字の理由は、一言で言えば経営感覚の欠如に尽きるという。院長に職員の人事や給与の権限のあるところは少数で、ベテラン看護師の給与が医師のそれを上回ったり、事務責任者が出向者や転勤が多い問題や、職員自身も経営状況が知らされなかったり、知ろうともしない。赤字が出れば補てんしてもらえる親方日の丸の意識が本県においては当てはまらないと思いますが、今年度からは医療費の本人負担率が3割となり、さらに患者数が減っているとの報道もありました。県財政の逼迫目前で、改革待ったなしです。昨年の段階での予想の度合いなどもかんがみながら、改定の影響など赤字の要因をどのように分析されておられるかお聞かせください。
 また、入院患者は前年度に比較して減少傾向にありますが、医学の進歩とあわせて、県立病院と民間開業医や病院との連携が進んでいること、あるいは医師の交代、欠員がなかなか埋まらない医師確保の難しさのあらわれでもあるのでしょう。いかがでしょうか、医師確保も含めてお答えください。

〇千葉医療局長 まず、最初の昨年段階での予想と結果がどうだったかということで、当初予算との乖離のお話と存じます。14年度の当初予算を組む段階におきましては、収入面では、まず、基本となる患者数は、13年度の実績をベースにしまして微増を見込んでございました。それから、患者さん1人当たりの収益、入院、外来ともなんですが、診療報酬のマイナス改定というのが明らかにされておりましたので、その分について約12億円減と見込んだところでございます。この結果、総収入は1、056億円余でございました。支出の見積もりに当たりましては、13年度の職員数をベースにしまして、ベースアップは見込まず、したがって現行ベースで年間分を見込んだものでございますし、材料費等につきましては患者数に連動いたしますので、そういった観点で積算をしまして所要の額を算定したところでございます。その結果、費用が1、068億円余ということで、その差が12億3、800万円の赤字予算。12億8、000万円ですから、ほぼ診療報酬のマイナスによる影響の分が赤字という観点で予算を組んだものでございます。
 決算についてですが、今、委員のお話にもございましたけれども、在院日数の短縮というのは徐々に進行しているわけですが、これらの影響もあります。そういったことで、患者数が入院でマイナス4.2%でございました。外来患者を見ましても、診療報酬改定で薬の長期投与が緩和されまして、この影響を当初段階ではどの程度見込むかということができなかったわけですが、この影響が非常に大きいということで、新しい患者さんはほぼ変わりないんですが、再来患者さん――2回目、3回目と来る患者さんが長期投与の緩和の影響で大幅に減少しまして、これが8.4%。入院で4.2%、外来で8.4%の大幅な患者減少という結果になったものでございます。
 診療報酬の単価につきましては、マイナス改定はあったんですが、いずれ結果としては入院も外来もマイナスでございましたが、自然増という要素もございまして、それほど大きくはなかったと考えてございます。
 また、院外処方を今進めているわけですが、ここ数年間で1けたの率から14年度末で50数%と急激に増加しておりまして、これによって投薬料の収入が減る。これは一方薬代の支出の減にもなりますけれども、相当影響が大きかったと考えてございます。
 トータルで、今申し上げましたとおり、結果的には、先ほど説明でも申し上げました18億円余ということで、当初の見込みを上回る赤字という結果になったわけですが、全体といたしましては、入院、外来ともに患者数の減少がやはり相当大きかったということが決算にあらわれていると考えてございます。
 2点目でございますけれども、患者数の減少の要因ですけれども、まず、入院患者で申し上げますと、入院患者さんの減少は、年間で延べ7万9、000人ほどです。4.2%と先ほど申し上げましたが、これは7万9、000人ほどですが、これは、入院時の入院治療計画でありますとか、クリティカルパスと申しまして、入院の際の医師の処方の標準あるいは看護の標準といったマニュアルをどんどん普及してまいりまして、そんなこともありまして患者さんの平均在院日数が短縮しております。これは、前年度より平均で全病院で1.2日短縮してございます。
 理論的に計算しますと、先ほどの7万9、000人のうちの7万3、000人は、やはり在院日数の減による影響だと考えてございます。
 それから、お尋ねにありましたけれども、病院によりましては医師の欠員、補充ができない。例えば花巻厚生病院での循環器科、今、応援でやっておりますけれども、常勤医が不在となった。それから、遠野病院での小児科、産婦人科の欠員、こういった要因でも病院によっては相当数の影響が出ていると考えてございます。
 いずれ、医師の確保には本当に大変苦労しておりますし、なかなか成果を上げられず大変申しわけないと思っておりますが、いろいろな手だてを講じまして今後とも鋭意努力してまいりたいと考えております。

〇渡辺幸貫委員 先ほどの決算の説明にもありましたが、施設の新築などにも意を注いでいただいているのは大変結構なことでありますが、その中で、空き病棟の活用なり公的病院のあり方について御質問したいと思います。
 岩手県内には病院が、県立が29、公的が3、市町村立が12、国が5カ所、計49病院、そして民間が60カ所と、合計109の病院が存在しております。その中で、広い県土にあまねく光を注ごうと医療の中核を担ってきた県立病院は、より高度の医療にもこたえられるように中央病院をセンター病院と位置づけ、広域中核病院、地域総合病院、そして比較的小規模の地域病院と機能分担を進められ、それに伴い医師、看護体制の重点配置もやむを得ないこととは思います。しかし、交通条件の厳しい地域においては、医師不足に陥っている地域病院や県立病院を補完するように存在する市町村立病院は、自治体の財政悪化も加えて、極めて危機的な状況に追い込まれていることと思います。
 少子・高齢化社会が進む中にあって、たび重なる医療改革は今後も何度となく行われ、患者自己負担率の増加が危惧されます。議会資料の17ページの病床利用率は、50ないし60%台前半の住田、高田、山田、沼宮内、軽米、大東、花泉、大迫病院等見受けられますし、一方、盛岡圏、釜石圏においても必要病床数を2割も上回る数が空きベッドとして存在しております。
 そこで、交通の便に恵まれない地域にあっては、生まれ育った地域から離れがたいお年寄りに長期療養型病床の設置の要望も強いのではないかと思います。一方、宮城県立癌専門病院や要望の多いリハビリ専門病院のように専門化した病院設置も叫ばれております。介護保険制度など今後の医療の需給動向も踏まえながら、現状27病院の施設の活用を考えるべきと思いますが、お聞かせください。
 先ほど述べたように、全国的な公的病院の医療供給体制をどう築くか、厚生労働省内を初め幅広い議論が行われていると思いますが、あわせてお聞かせください。

〇佐藤病院改革室長 空き病棟の活用や公的病院のあり方でございますが、まず、今後の医療の需給動向についてでございますが、平成13年3月施行の第4次医療法改正により、患者の病態にふさわしい医療を提供するため、従来のその他病床を一般病床と療養病床に区分し、本年8月末までに届け出することとされております。本年8月末の本県の届け出状況は、一般病床が1万2、196床、届け出前と比較しまして1、265床、9.4%減少し、療養病床は3、098床で、届け出前と比較して786床、34%増加しております。
 また、県全体の一般病床の利用率は、13年は83.2%となっており、9年と比較しますと1.7ポイント減少しております。これを県立病院で見ますと85%で、同じく2.6ポイント減少しております。
 この下がっている要因としては、県全体の一般病床の平均在院日数が9年から13年にかけて4.3日短縮し、県立病院でも同じく2.8日短縮していることが考えられます。また、介護福祉施設の14年度の定員は1万162人となっており、10年度末と比べますと24.6%増加し、県の計画ではさらに増加する予定となっております。このようなことから、今後におきましても、患者数、病床数減少の傾向が続くのではないか、このように予測されるところでございます。
 それから、県立病院の施設の活用でございますが、県立病院においては、患者の動向や他の施設の整備状況を勘案し、療養病床を、今年に入りまして久慈、一戸、軽米、大東の各病院で整備し、このうち、久慈、大東の病床は回復期リハビリテーション病棟としたところです。今後におきましても、新しい磐井病院、統合後の花巻厚生・北上病院で緩和ケア病棟を整備する予定としております。
 また、空き病床の活用を検討する際には幅広い観点で考えてまいりたいと思っております。
 それから、医療供給体制の厚労省の方の議論でございますが、厚労省では本年4月、医療提供体制の改革のビジョン案を公表し、その中で医療供給体制の将来像のイメージとして三つほど挙げておりますが、患者の病態に応じた医療を提供するため、急性期医療、長期療養など医療機関の機能分化がさらに進むとして、急性期医療は、手厚い治療・サービスの重点・集中化によって早期退院が可能になって在院日数が短縮され、病床数は必要な数に集約されるとしております。また、公的病院については、二次保健医療圏ごとに関係者の協議の場を設置するとともに、医療計画に役割等を記載し、地域の実情に即してあり方を根本的に見直し、必要に応じて病床数を削減すること等が盛り込まれているところでございます。
 今後の県立病院においては、医療技術の進歩等による在院日数の短縮や介護施設の充実あるいは薬剤の投与日数の緩和などにより患者数が減少しており、さらには県の将来人口も減少していくものと推計されていることから、今後とも患者数の増加は期待できないのではないかと考えております。地域医療のニーズや他の医療機関の状況等を考慮し、病床規模の適正化や病床の機能の分担を図ってまいりたいと考えているところでございます。

〇渡辺幸貫委員 今のお答えですと、実情はこうなってだんだん減っていくということですよね。活用については幅広く考えるという1行しかないです、今のお答えには。果たしてそれで、今あいているものの解決、お答えになっているのかという心配を感じますが、検討をしっかりしてもらいたいと思います。
 それぐらいにして、次に移ります。
 最近、高齢化の進行や厳しい経済状態を反映し、リストラや給与カットなど、過労やストレスでうつ病など精神的に悩む人が急増して社会問題化しつつあります。精神病に対する医学的処方は、医師が平常時の個人の状態を把握することが極めて困難であることから、患者と専門医の信頼関係を築くことが特に大切とされています。ややもすると個人の尊厳までも脅かしかねない難しさゆえ、医療体制の充実が大切です。精神科医の確保はもちろんのこと、軽度患者に対するため、各地の一般病院への医師派遣をしていただきたいと存じます。
 また、ややもすると閉鎖的になりがちな医療実態も改善すべきですし、医師と患者の信頼関係が築けない場合は、医師選択の幅もなければ治癒はおぼつきません。軽い症状なのに重度の病室に入れられ、病院に連れ添った家族に対してまで不信に陥ったり、自殺者が出たりする不幸から解放されるためにも、現況と今後についてお示しください。

〇大沢業務課長 精神科についてでございますが、県立病院の精神科は、大船渡、一戸、南光病院に入院病床を有してございますが、外来を専門に扱います一般病院が8病院、計11病院で現在診療を行ってございます。そのうち、一般病院での精神科の患者数でございますが、昨年度は1万3、546人ということで、昨年度より768人増加してございます。この傾向は、年々同じように増加の傾向を示してございます。
 一般病院での精神患者が増加しているということでありますが、委員おっしゃるように、ストレスの増加に対応するということで、心の病に対応することを前提にしまして、平成14年4月から磐井病院の方に心療内科を標榜しまして現在診療を行っているところでございます。そのほか北上病院でも、週1回ではございますが、同じように心療内科を開設しまして精神医療に対応しているところでございます。
 一般病院での精神医療に関しては、可能な限り医師確保に努めまして、他の診療科と同様に、患者さんが気楽に受診できるような環境づくりに努めて、今後とも充実に努力したいと考えてございます。

〇渡辺幸貫委員 次に、患者さんが寝たきりになりまして、今は3年ぐらいして死期を迎える。昔は半月か1カ月ぐらいで死期を迎えたのでありますが、そういう意味で、末期医療についてお伺いいたします。
 これまでの医療は、治癒させることに専念する余り、検査、診断、治療、そして治癒できない場合は延命策が講じられてきました。しかし、延命策は、私の家族の場合も、激しい痛みや息苦しさ、変化する病状への不安が伴い、病と闘えば闘うほど病院砂漠とも言うべき途方に暮れるものでした。しかし、最近、人間の尊厳への声の高まりにより、病状の本人への告知で医療が進められるようになり、医療の本人選択は、病と闘うか、痛みを和らげ穏やかな最後のときを大切にするか方向性が定まります。また、核家族化の中で、介護の悲劇、社会的入院、出口のない高額医療など、それらとつい考えあわせてしまいます。
 本県では、遠野病院の老人在宅ケア総合推進事業など、介護や病院施設を生かした取り組みなど先進的にやられているようですので、末期医療に対する考え方と今後の取り組みについてお聞かせください。

〇千葉医療局長 末期医療でございますが、御案内のとおり、不幸にして回復の見込みがないと診断された末期がんの患者さんなどに対しまして、治癒を目指すという積極的な医療ではなくて、むしろ苦痛の緩和あるいは軽減を目指す、そういったケアを行うものでございます。近年、その取り組みの充実が強く望まれていると認識いたしてございます。
 県立病院でも可能な限り対応してまいりたいと考えてございますが、取り組みの概要というお尋ねでございますが、まず、病院でのターミナルケア――緩和ケアでございますが、程度の違いはありますが、各病院でそれぞれ工夫して取り組んでございます。その中で、本格的にやる場合には医師とか看護師、薬剤師、そういった者がチームを組んでやる必要があると考えます。こういったチームケアということで取り組んでいる病院は、中央病院など7病院、これは定期的に研修会をやるとか、あるいは外部から講師を招聘して勉強するとか、疼痛コントロール、そういった具体的な実践も含めまして研究しているところでございます。
 それから、在宅でのケアという話もございましたが、これにつきましては、これは保健福祉部の事業でございますが、平成14年度から今年度――15年度までの2カ年の予定で今実施中でございますが、在宅緩和ケアモデル事業という事業、これは県立中央病院が中心になっておりますが、中央病院、磐井病院、福岡病院の3病院で、それぞれ地元の医師会、市町村あるいは関係機関と協力しながらいろいろ実践的な研究をしているところでございます。この3地域で21名の患者さんを選定いたしまして、まさに訪問医療・看護、そういった実践的な研究を重ねているところでございます。
 簡単に説明しますが、14年度の3地域での在宅緩和ケアの実践の評価といいますか、それぞれの地域からの報告ですが、例えばその中では、患者さんなり住民の方の意見としまして、自宅で家族が患者をみとることができる、そういった選択肢があるというのは知らなかったといったことがございます。それから、これは反省点ですが、医療を提供する側にも認識に温度差があるといったようなこと、あるいは、患者さんに対してがんの告知が不十分な場合は、むしろ在宅よりも積極的に入院を望むといったようなこと、あるいは介護者が1人しかいない、例えば老々介護ですが、そういった場合には、やはりどうしても在宅でのケアというのは非常に難しいといったことがあります。
 それから、今後の県立病院でのホスピスの病床あるいは病棟の整備、先ほど病院改革室長からも若干話がございましたけれども、平成10年には久慈病院に6床、12年には釜石病院に5床、専用病床を整備してございます。
 さらに、県央部とか県北沿岸部への展開というお尋ねもございましたので、それも含めてお話ししますが、現在、新築予定の福岡病院では専用病床を2床整備することといたしております。また、今年度から建築が始まりますが、磐井病院では初めて専用病棟として24床、それから、統合予定されております花巻総合・北上病院につきましては――これは県央部になるわけですが――やはり何とか専用病棟を設置する方向で考えてまいりたいと思ってございます。

〇渡辺幸貫委員 次の質問に入ったような感じがしますが、今ちらっと話が進みましたが、関連して、ホスピスについて伺います。
 今、お話のとおり、磐井病院ほかにホスピス病棟が整備されるようであります。そのほかの県央部や県北沿岸にも必要と考えますが、ふやす考えは、まあ、あるような気がいたします、今のお話ですと。
 また、ホスピス病棟への入所者は、厚生労働省の緩和ケア病棟承認制度の関係でがん、エイズ患者に限られていますが、緩和ケア病棟の承認を受けていないホスピスでは、末期であれば他の病気でも入院できるところもあるようです。今後は対象の病気の幅も広がることを期待したいのですが、お伺いして終わりにしたいと思います。

〇千葉医療局長 大変失礼しました。
 県央部、県北沿岸という話ですが、現実に沿岸部では、久慈に病床ですが6、釜石に5、県央部では花北病院で何とかやってまいりたいということでございます。
 それから、緩和ケア病棟への入所対象者ですが、いわゆる診療報酬上の制限というのが一応ございました。診療報酬上では、施設基準で、対象は末期の悪性腫瘍の患者さん、それから先天性免疫不全症候群、いわゆるエイズの患者さんと限られております。他県の状況を見ましても、やはりそういった患者さんの入所がほとんどだと私たちは把握しております。
 お尋ねについてですが、その他の患者さんでも受け入れてはどうかということでございますが、当然あいている場合につきましては、運用の問題もございますが、いずれ磐井病院でのこれからの実践ケースを見ながら、磐井病院には専用病棟を設置しますので、それらの状況を見ながらケース・バイ・ケースで対応していく必要があるのではないかと思っております。

〇小野寺研一委員 大きくは5項目にわたってお尋ねいたすことに相なります。
 まず最初に、平成14年度決算の評価、そして、15年度及び今後の収支見通しについてもお尋ねしてまいりたいと思いますが、ただいまの渡辺委員の質問に重複するところもあるかと思いますけれども、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず、平成14年度県立病院等事業会計決算の状況についてお尋ねいたします。
 提供いただきました議会資料では、収入及び費用の内容を前年度と比較して、収入では特に外来収益が32億6、600余万円、率にして10.5%も減少いたしておりましたし、また、入院収益も25億1、400余万円、4.5%も減少しております。しかし一方では、出の方の費用でございますが、材料費が18億400余万円、率にして6.5%減少し、給与費も12億9、200余万円、2.3%減少していると承知いたしました。しかし、収支全体では、費用は減少したものの収益の減少額の方がかなり大きく、14年度は18億円もの欠損を生ずることになりました。この結果、14年度末の累積欠損金は99億1、900余万円、まさに100億円の大台に乗る寸前となっているのが現状でございます。
 そこでまず、今回のこのような決算についてどのように評価されているのかお伺いいたしたいと思います。
 小さく二つ目でございますけれども、本年4月から健康保険本人の自己負担額が2割から3割へと引き上げられましたが、これは、患者数に影響はないのでしょうか。今年度も経営状況は大変厳しいと思いますが、現時点で把握いたしております患者数の動向と15年度の収支見込みなどについてお示し願います。
 また、小さく3点目、今後の県立病院等事業会計の収支見通しはどうなるのか、また、どのような認識を持っておられるのかお伺いいたします。

〇千葉医療局長 決算の評価という話でございますが、詳しく数字をおっしゃいましたので簡単に申し上げますけれども、やはり収入面では、患者数の減少、診療報酬のマイナス改定ということで、入院、外来あわせて5.3%減少したということでございます。それから、支出の方で給与費の話がございましたが、やはり人事院勧告によるマイナス改定というのが大きい要因でございますし、それから、材料費が減っているというのは、これは収入と連動するわけで、患者数が減少しまして薬代が減る、それから、院外処方に切りかえが進んでいくことによりまして県立病院での薬の購入が減るということで、材料費は、患者減と院外処方が進んだことによる薬代の減が主なものでございます。
 いずれ、今申し上げました患者数の大幅な減少ということで、結果的に当初予算を上回る18億円余という大きな赤字を出してしまったわけでございますが、何度も申し上げますが、今後も続くだろうと思っております患者数の減少というのが今の経営に、この決算に端的にあらわれている。当然いろいろ自助努力で改善すべき点は多々ありますけれども、こういったものが顕著にあらわれた決算だと考えてございます。
 2点目の、ことしの4月から健康保険本人の自己負担が3割に引き上げられた影響ということですが、これはなかなか把握するのは難しいんですが、健康保険本人の患者さんというのは、県立病院全体では10%程度です。ですから、額的には余り大きくないのかなという気もしますが、これを推計するに、4月1日を境に前の3カ月――1月から3月までと後の3カ月――4月から6月までの全体の患者さんの状況を見ますと、入院では2%の減、外来では4%の減ということになります。ただ、1月から3月というのは冬場の時期で、毎年時期的に患者さんがふえる時期ということで、年によって変動があるということでございます。
 今申し上げました入院で2%、外来で4%という患者の減があるんですが、健康保険の本人だけに限って見ますと、これをやはり上回る率で減っている。全体のシェアは10%ですが、大きく上回っておりますので、やはり影響というのは否定できないのではないかと思ってございます。
 次に、ことしの状況をどう見るかということですが、4月から8月末までの状況を見ますと、入院患者さんは、前年同期と比べまして0.6%減ですから、ほぼ横ばいと考えております。落ち込んではおりますが、ほぼ横ばい。ただ、外来患者さんを見ますと、前年同期比で8月まででさらに14%減っております。これは、昨年4月から長期投与の緩和がなりまして、徐々にそれが定着していっている、浸透していっているのではないか。つまり、再来患者さんの病院にいらっしゃる回数が減っているということで、外来患者については大きく減少いたしてございます。
 最終的にどう見込むかということですが、こういったようなことがございます。当初予算で19億円ほどの赤字予算を組んでおりますが、今、額は申し上げることはできませんが、いずれその程度の赤字は覚悟しなければならないのではないかと思ってございます。
 3点目の今後の収支の見通しということでございますが、これは、診療報酬の改定とか、いろいろな要因で大きく変動するんですが、一定の条件、つまり診療報酬の改定は2年に1回あるんですが、これは見込まない。それから、給与改定も現行ベースということ、いずれ14年度の実績をベースに、そういった一定の条件のもとに現行の組織体制で推移すると推計いたしますと、15年度もそうですが、16年度以降もやはり20億円を上回る赤字は避けられないと考えてございますので、いろいろ申し上げておりますが、いずれ患者数の減少なりに対応した、整合をとった体制・組織づくりというのが避けられない、必要だと考えてございます。

〇小野寺研一委員 患者さんをふやせというのも非常におかしな話でございますけれども、患者さんの大幅な減少というのは、そういう制度的なものだけなんでしょうか。それとも、その地域の民間の医療機関あるいは県病以外に大きく流れている、そういうことも含まれているのかお聞かせいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

〇千葉医療局長 数字ではあれですが、いろいろな雑誌とか情報を見ますと、民間の開業医さんも相当苦しんでいらっしゃると伺っております。
 それから、議会資料の中に東北各県の県立病院の決算が出ておりますが、軒並み前年度の赤字を上回った赤字、あるいは黒字だったのが赤字に転落したという状況にありますので、国の医療費抑制策、そういった影響があると考えざるを得ないと思います。

〇小野寺研一委員 元気になって療養が不必要といいますか、病院に通わなくなったというのであれば一番いいわけでございますけれども、そういうところの分析をきちっとされて今後の対応をよろしくお願い申し上げたいと思うところであります。
 大きく二つ目、病院運転資金と病院整備への影響ということでお尋ねしたいと思います。
 運転資金と病院整備への影響でございますけれども、本業である医業収益の減少が収支悪化の原因となっており、一般会計からの繰入金も、県財政の悪化から多くを期待できないような状況にございます。このまま収益の悪化が続けば、県立病院事業を運営していくために必要な給与資金や材料購入代金等の運転資金は底をつくことになるのではないかと心配されますが、こうした場合、現在建設中の福岡病院や、これから着工するであろう磐井・南光病院、さらに花巻厚生・北上の統合病院、山田病院と新築整備が予定されておりますけれども、今後の病院整備にも少なからず影響が出てくるのではないかと危惧するものでございますけれども、病院建設に必要な財源は確保できるものなのでしょうか。また、これから設計作業に入る病院の事業費の圧縮あるいは計画の延期などはないのでしょうか。ないようにひとつお願いをしたいと思いますが、お伺いいたします。

〇齋藤管理課長 まず、病院建設に必要な財源の確保についてでございますが、病院建設の財源につきましては、そのほとんどが病院事業債、ほぼ100%の充当ということになってございまして、これら企業債の償還につきましては、病院事業で蓄積いたしました内部留保資金、それから一般会計の繰入金、この二つで賄ってございます。
 実は、平成15年度の地方財政対策におきまして繰出基準が改正されまして、今まで一般会計から元利償還金の3分の2をいただいておったわけでございますが、新しい病院建設につきましては2分の1に引き下げるという改正が行われまして、今後、病院事業会計の実質的な負担が増加するという状況になってございます。
 それから、今、再三局長の方からも説明があったとおり、病院事業会計は大変収支の見通しが悪化してございまして、このままの体制で推移いたしますと内部留保資金が不足しまして今後の償還財源が不足するという大変厳しい状況も考えられるところでございます。
 そういう大変厳しい状況ではございますが、何とか経営改革を行いまして安定的な経営確立を図り、収支の改善に努めまして内部留保資金を確保いたしまして、可能な限り長期経営計画に基づきまして病院の整備に努力してまいりたいと考えてございます。

〇小野寺研一委員 計画どおりでございますので、その地域の方々の、自治体もそうでございましょうし、患者の皆さんもそうでございます、そういう計画に沿った十分な整備を御期待申し上げたい。ぜひお願いをしたいとお願いしておきます。
 それから、大きく3番でございますけれども、SARS対策についてお伺いいたしたいと思います。
 本年4月に香港、中国などを中心として集団感染が報告され、世界じゅうを震撼させたSARS患者は、これまでのところ我が国では発生しておりませんが、この冬に再発生するのではないかという情報が流れておりますし、テレビでもそういう可能性があるということが報道されております。このウイルスに感染すると、今のところワクチンや治療方法がなくて、感染予防しかないと言われております。
 そこで、疑い症例が発生した場合、あるいは、もしもSARS患者が発生した場合の搬送や病院の対応マニュアルは一体どのようになっているのでしょうか。
 また、県立病院のSARS対策はどのようになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。

〇大沢業務課長 SARS対策でございますが、まず疑い例が発生した場合の対応でございますが、38度以上の急な発熱やせきの呼吸症状があって、その発病前にSARSの発生が報告されている地域に旅行した方々は、事前に病院とか保健所に連絡した上で受診するというルールになってございますが、岩手県行動計画におきましては、医療施設を3区分に分けてございます。主に電話等による問診を担当する一般の医療機関と、外来で簡単な検査をする協力医療機関、それから入院をして詳細な検査あるいは治療を行う入院対応機関という、3区分に分かれてございます。
 そこで、その行動計画の内容ですが、その3区分の医療機関のとる行動を詳細に決めてございまして、例えば一般の医療機関であれば、電話で相談を受けた場合には、渡航歴等の確認をし、受診の必要がある場合には保健所に連絡をし、その協力医療機関に紹介するという流れになってございますし、事前に連絡がないまま来院した場合には、患者さんにマスクを装着してもらい、また、診察するドクター等にもそのマスクをした上で、一般の患者さんと接触しないように専用室を設け、そこに誘導し問診をしろというような細部にわたった行動計画が示されてございます。
 そこで、県立病院における対応でございますが、それらの行動計画に基づきまして、その3区分の医療機関に応じた対応をそれぞれとってございます。主な対応ということで、最初に患者さんへの周知が一番大切だということで、院内に掲示し周知を図っているところでございます。それから、一般の患者さんに接触しないようなルートで専用室の確保を各病院でとる対応を行ってございます。そのほかに感染予防に必要な物品、マスクとか手袋とかゴーグルとかというものも備えつけを完了してございます。そのほかに実際に患者さんが来院したときに対応できるように、外来のトリアージの方法とか診察の手順とか、具体的に各病院で役割に応じた対応をできるようにマニュアルを作成して対応しているところでございます。いずれ御指摘のとおり、冬場流行するという危険性が指摘されてございますので、引き続き、その治療が確立されていないことから、体制に万全を期していきたいと考えてございます。

〇小野寺研一委員 比較するのもどうかと思いますけれども、一昨年来からBSE――狂牛病の関係、ああいうことの再来というか、再現を思い出すわけです。ですから、発生をしてしまえば、とてもではないが予想もしないぐらいの被害といいますか、その対応には多くの苦労と財源を必要とする。要するに、あの経験を生かすならば一つの水際作戦といいますか、決して日本にSARS患者さんを入れない――入れないといいますか、確認をして隔離をするとか、そういうことにとにかく細心の注意を払って、国にも強く働きかけていただきたいと思いますし、県でもやっぱりそのことには十分意を用いていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、医師確保対策についてでございますけれども、これもちょっと重複するところがございます。地域格差の一つに医師の偏在の問題があります。この問題は市町村立病院を初め、県立病院、中でも中小規模の病院では慢性的な医師不足で病院長さん方が大変頭を痛めておりますし、また、地方自治体といいますか、各市町村でもやはり大変な苦労をされているということでございます。私は、ことし2月の定例県議会の一般質問で、一戸病院の内科医師の補充と遠野病院及び高田病院の医師確保の見通しについて質問をいたしました。これまでこれらの病院の医師確保にどのような取り組みをされてきたのでしょうか。
 また、県立病院における平成14年度の医師充足の状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
 また、来年4月から医学生の臨床研修が必修化されることに伴い、県立病院においても本県に勤務する医師を養成し定着させるために、臨床研修病院の指定や研修医の募集の取り組みがなされていると伺いましたが、指定申請をした病院名、募集人員及び実際の応募人員はどうであったのかお伺いをいたします。
 次に、最近、医師確保のため関係大学の医局や教授に医師招聘のため金品の支出があったということが報道されました。このような方法では、一定の成果が上がったとしても、やはり安定的な確保にはつながらないと考えられます。県立病院と病院及び診療所を設置している市町村が、それぞれ個別交渉しながら医師確保に努力しているわけですが、その病院、または診療所に医師数を安定的に確保し、地域医療はもとより保健活動もスムーズにできるような仕組みが必要と考えます。
 そこで、個別交渉も必要と思いますが、岩手県、とりわけ知事を代表とする岩手県と、それからお医者さんを提供していただく医療教育機関の代表との間で、今までもあったのだろうと思いますけれども、医師派遣の契約的なものを締結して、安定的に医師の供給を受けるような方法を検討できないものでしょうか。医療局あるいは保健福祉部の医師確保の対策、あるいは対応は極めて御苦労されていることは承知をいたしてございますが、やはり県のトップがこの医師を確保しようとするその意気込みが、なかなか伝わってこないというのが私の感じでございます。どうかこういう実感、こういうことをトップ同士での話し合いを持ってはっきりと県民に知らせていく、あるいは議会にもそういうことをお知らせいただきたいものだと思うわけでございますが、いかがなものでございましょうか。

〇佐藤病院改革室長 医師確保のお尋ねでございますが、最初に、一戸病院、高田病院等の医師確保でございますが、この3病院の医師確保につきましては、関係大学を初め、東北地域あるいは首都圏の大学及び医師の職業紹介業務を行っている公的な団体がございますが、そういうところに強力に要請を行うとともに、インターネットなどを使った全国公募も行ってきたところでございます。その結果、一戸病院の内科医師については公募によって、また、外科の医師も県立病院間の異動で、それから高田病院の外科は、高田病院を応援するという形で東北大学から大船渡病院の方に確保いたしております。それから、高田病院の小児科については公募で、内科医師につきましては病院長の知人の紹介でそれぞれ確保になりました。それから、遠野病院につきましては現在、県外の小児科の医師と鋭意折衝を行っているところでございます。
 それから、県立病院の平成14年度の医師の充足状況でございますが、県立病院全体で医療法上の充足率は平成15年3月末日で、医師の必要数735人に対しまして669.5人、91.1%となっているところでございます。
 それから、3番目の臨床研修の指定申請でございますが、臨床研修病院は、既に指定を受けております中央、胆沢病院のほかに、広域中核病院を中心にことしの8月、久慈、大船渡、釜石、花巻厚生、宮古、磐井、千厩、北上、それから福岡病院の9病院を指定申請しております。平成16年度からは先ほどの2カ所とあわせまして11病院となる予定でございます。
 それから、応募の募集人員等でございますが、全体で59名を予定しております。その受験者の数でございますが、岩手医大、東北大学を初めとする東北地域の大学、それから日本大学、順天堂大学などの首都圏の大学からも、あわせて17大学で73名の方から応募をいただいております。
 それから最後の、医師の派遣契約を締結して医師確保をやってはということでございますが、医師のその充足率は地方によって大変偏在が大きくございます。東北、岩手では少ないような医師数でございます。それからまた、相手となる大学の方も現在その医師が不足しております。さらに、さっき委員の方からお話しのあったように、来年度から臨床研修が必修化になることによりまして、2年間大学の医局には入局する人がないというような状態でございます。こういう状態から、仮にそういう契約を結んだとしてもなかなか実現、派遣していただくということが難しいのではないか、こういう感じで思っております。

〇小野寺研一委員 本当に大変だろうと思います。ただ、今のままを続けるということよりも、なる、ならないはあれですけれども、やっぱり県のトップは、医療局がどうのこうのということではございません。県挙げて医師確保にということであれば、私は大分違ったものが出てくるのではないかと、短絡的な考え方かもわかりませんが、そう思っているのです。ですから、検討の余地はあるのだろうと思いますが、まずひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 一生懸命頑張っておられるという例では、平成9年から13年ぐらいまでの間に医師の数といいますか、それぞれ岩手県内の病院で160名ぐらいの医師がふえているんですね。各病院に配置になられる。そういうこともあって、充足率は99.5%ということでございますけれども、なお今までの対応をより精力的に進められて、そしてこの数をよりもう少しふやしていただいて、特にもその中心となる内科あるいは外科、そういうところにはひとつ、できるだけ最低限充足をしていただくように努力をしていただきたいとお願いをしておきます。
 最後になりますけれども、県立病院改革についてお尋ねをいたします。
 県立病院の基本理念と基本方針についてでございますけれども、県立病院の事業運営をするための根幹となっているものに、県下にあまねく良質な医療の均てんをという基本理念と、基本方針である心の通う患者中心の医療の展開、こういうものが県立病院の基本理念としてございますし、県立病院の存亡をかけるものであると認識をいたしております。この基本理念、基本方針は今後とも揺るぎないものであると受けとめておりますけれども、その認識でよいのでしょうか。確認をさせていただきたいと思います。
 というのは、サテライト化といいますか、中核病院に集中をして、よくわかりませんけれども、そして地方病院に医師の対応をしていこうということが非常に議論をされているようでございますけれども、この基本理念といいますか、これはやっぱりその地域の病院が患者さんとの、地域住民とのと言った方がいいかもしれません。一つの信頼関係あるいは非常にコミュニケーションを持っていろんな形で接しているということは御案内のとおりでありますし、町であるいは市町村で福祉の関係についていろいろなことを展開する上では、その病院が――私どものところでは一戸病院でございますけれども――非常に密接な関係を持って、患者との信頼関係も非常によくいっているということが、希薄になっていくのではないかという懸念を持っているわけでございます。そういう声もあるということもひとつ御理解をいただいて、病院運営の関係のこのサテライト化の議論の際には、そういう意見もあったということをひとつお示しいただいて、やっぱり医は仁術でもあるという観点からも、ひとつ地域医療を見ていただければと思ったから、この基本理念、そして基本方針について確認をさせていただいたということでございますので、よろしくお願いいたします。
 県立病院改革について、本県の県立病院は御承知のとおり昭和25年に発足をし、これまで地域医療の中核的な医療機関として、厳しい医療環境にありながらも、これまで県民医療サービスの充実向上に努めてまいったわけでございます。現在では27病院、病床数6、189床、職員数5、856人を有する規模になっておりますが、私はこの27病院の県営医療ネットワークは全国にも誇れる本県の財産であると認識をいたしておりますし、これから全国の医療の一つのモデルケースといいますか、いい意味でも悪い意味でもいろんな形でモデルケースになるだろう。ぜひ成功させて県民に医療の安心感をお与えいただいて、ぜひ健康にならなければということを深く啓蒙していただければと思います。これまで経営環境が厳しくても、岩手県の県立病院は何とか解決をしてきた実績がございます。病院の統合や規模の縮小は避けて、現在の体制をぜひとも維持をしながら継続していくことの方が重要ではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
 また、この病院改革は医療局だけではとても実現できるものではなくて、県庁や地方振興局を含め部局横断的に取り組むべき課題と思うのですがいかがでしょうか。行政サイドだけでなくて、これは県民挙げてこのことに協力をしていかなければならない、そのように考えますので、御所見を伺いまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

〇千葉医療局長 まず、県立病院の基本理念、基本方針ということでお話ありました。おっしゃるとおり県立病院、50年余の歴史があるわけでございますが、今まで先人の熱意、あるいはたゆまぬ努力ということで、県営医療の確保ということに貢献してきたと存じてございます。私といたしましても、今後職務に当たりましては、こういった基本理念は引き続き維持し守っていきたいと思っております。そのための最善の努力を傾注してまいる覚悟でございます。
 お話の中に、今懇話会で話題となっておりますが、サテライト化ということ、いわゆる医療圏ごとに病院を大中小あるわけですが、それを集団化して効率的にやっていこう。これは何回もあるのですが、全体の入院患者さんが減ってきている中で、どうやって圏域の医療を守っていくかということ、あるいは医師の確保もなかなか思うに任せない中で、それぞれ補完し合う方法はないものかということで、一方策として提言されていると理解いたしておりますが、いずれ患者減なりいろんな国の制度改革の影響なり、高齢化とか人口減とかいろいろ要因はあるのですが、そういった状況の変化に県立病院、今27体制ですが、これからいかに整合をとって守っていくか、その方法論が今問われているのではないかと思っております。
 いずれ、そういった面で改善・改革計画を今その作業を進めているところでございます。その27体制を維持しろということなのですが、今申し上げましたこととダブるのですけれども、いずれ患者数の減少、そういったものに対応すると考えますと、さらに効率的な医療の提供という意味では、一定の縮小ということはあり得ると、やらなければならないと思ってございます。そのためには、担当部署に限らず他の部局とも協調、協議というお話もございました。当然、主に保健福祉部になろうかと思いますが、あるいは諸条件の整備ではその他の部局も関係あると思っております。地方振興局も関係あると思っておりますが、その辺も必要に応じて協議を行いながら進めてまいりたいと思っております。
 また、県民を挙げてというお話もございます。当然これを進めるに当たりましては、できるだけ今までの体制を――体制といいますか、サービスを後退させないようなシステムはつくっていかなければなりませんが、一定の御不便をおかけする部分はあると思います。そういった意味での県民の皆さんの、地域住民の皆様の御理解も十分得ていかなければならぬということでございますので、そういった面での努力もあわせて行ってまいりたいと考えてございます。

〇飯澤匡委員 政和会の飯澤匡でございます。質問をさせていただきます。
 平成14年度決算は一般会計からの繰り入れが145億4、900万円余でありましたが、それでも18億円の赤字、累積欠損金は99億1、900万円余と相なりました。この状況が続けば累積欠損金が平成17年度で167億円余、平成22年度には286億円余になるという推計をなされております。かかる事態はまさに深刻であると思いますけれども、医療需要の増加という観点から、まず将来の累積欠損金推計根拠についてお伺いをいたします。
 そもそも医療費は個人当たりの1回の診療費と年間受診回数と人口によって決まりますので、少子・高齢社会の突入による人口構造の変化は医療費に大きな影響を与えることとなりますが、一方で人口構造の変化に伴う医療費の分析については、高齢者の数がふえるとその分だけ患者の数がふえるという側面と、医療技術の進展により高度な検査や治療が可能になり、そのために年ごとに増加するという側面が考察されます。単純な考えでございますけれども、医療需要の増加、減少予測をどのようにとらえてこのような累積欠損金の推計になされたのか、基本的な考え方をお知らせ願いたいと思います。

〇千葉医療局長 私から今後の医療の需要予測ということでお答え申し上げますし、累積欠損金の関係については管理課長からお答え申し上げます。
 委員お話の中にありました人口減少というのは、明らかに本県減ってまいります。それから、一方では高齢化が進むということで、当然高齢者の方、病気になる確率が高いわけでございまして、そういう意味では高齢者の患者はふえていくだろう。ちょっと数字を申し上げますと、ここ3年間でいわゆるゼロ歳児から70歳以上ということで、10歳刻みで患者数、入院患者さん、外来患者さんの傾向を見ますと、70歳以上の方は明らかに患者数、ここ3年間なんですがふえています。ただ、ゼロ歳児から69歳未満の方は入院患者、外来患者ともすべて減っております。ただ、これは、先ほどの外来の薬の長期投与とかいろんな要素があると思いますが、明らかにそういった意味ではおっしゃるとおりだと思います。ただ、全体的には人口が減少する。それから、薬の費用の関係で医療の高度化、診療単価が高くなるのではないかという趣旨だと思いますけれども、年々医療の高度化ということで診療単価の自然増というのは、技術が進歩しますとふえてきております。ただ、一方では、技術が進歩しますと、入院の場合在院日数が短縮するという側面もあるわけでございまして、何か裏腹と申しますか、いわゆる費用的には両面を持っていると思ってございます。したがって、やはりこういったことを総体的に考えますと、あるいは国が全体として総医療費を抑制するという基本的な柱で、今後医療制度改革も進んでいくだろうと思っておりますので、医療需要、これは患者の数あるいはお金の面でも今後抑制基調でいくと見るのが妥当ではないかと考えております。

〇齋藤管理課長 将来の累積欠損金の推計根拠についてでございますが、将来の収支見通しに当たりましては、県立病院が現行のまま推移したと、それを前提にいたしまして近年の動向や実績をベースに試算したものでございます。具体的には次の条件を設定いたしまして長期収支見通しを推計してございます。まず、基本となる数値につきましては、平成14年度決算及び平成15年度の当初予算をベースといたしまして、長期経営計画に位置づけられております磐井・南光、それから山田、花巻厚生・北上病院の新築に伴う影響額、これは具体的には病院の運営経費でありますとか減価償却費、それから企業債利息などを加味しております。
 それから、平成16年度以降の患者数につきましては、入院、外来とも平成15年度当初予算時に算定した患者数を前提にいたしまして、伸びは見込まないとしてございます。1人当たりの平均単価につきましては、診療報酬の改定は見込まないということで、過去の実績から自然増収分が0.8%ございますので、これを加味いたしまして推計したものでございます。
 それから、一般会計の繰入金でございますが、これは平成15年度当初予算をベースにしてございますが、先ほど申し上げましたとおり平成15年度の繰出基準の改正、いわゆる建設改良費、3分の2から2分の1に引き下げられたと、これもございますのでこれを加味して計算してございます。
 それから、給与費につきましては、職員体制を現員と同数といたしまして、新陳代謝分は加味いたしますが、給与改定については見込まないといった条件を前提に試算したものでございます。

〇飯澤匡委員 ただいま申し上げられたことの根拠に、病院の長期経営計画であるとか懇話会もあると理解をしておりますけれども、かかる事態深刻、これから具体的にその内容についても質問してまいりたいと思います。
 我が国の医療経済はバブル経済のさなか収支均衡を保っておりましたが、1992年の日本経済の失速にもかかわらず、それ以後も年4%近くの成長を保ち続けました。1999年でも国民所得の成長率と医療費の成長率の間には3%程度の差があると報道されております。しかも、医療費の成長はそれが公的社会保険制度に支えられ政策的に増加をとめにくい状況が続いております。1965年に国民所得のわずか4%にすぎなかった医療費が35年後の現在8%を超えております。日本医師会や厚生労働省の推計は、2035年には現在の倍の16%に達し、今日のアメリカ合衆国並みの値となるそうであります。そこで、医療費の成長率を国民経済の成長率の枠内にとどめるという考え方が主流となり、診療報酬のマイナス改定などはそれに沿ったものと推察されます。また、その中で医療需要を減らさない限りこの目標は達成できないという議論があります。
 本県医療局経営において、その議論を置きかえてみると、会計上の側面からは照らさなければならない点があると考えますが、それはすなわちコストの縮減に通じており、例えば病床の削減や薬剤単価の減額であろうと思います。仮にこの考え方が妥当とするならば、平成14年度はどのような取り組みをなされたのかお伺いをいたします。
 また、医療費削減の誘導策として全国大学病院で、同じ病気、治療法であるならば1日当たり一定となる包括払いが導入されておりますが、医療局はどのような所感をお持ちかお聞きいたします。

〇齋藤管理課長 平成14年度の費用節減の具体的な取り組みについてのお尋ねでございます。
 主なものを申し上げますと、薬品費におきまして同種同効薬等の整理統一を行いまして、本庁一括購入品目の全品目拡大によって廉価購入に努めまして、材料費の縮減や病院における業務軽減を図ってまいったこと。それから、もう一つは、医薬分業の推進に伴いまして薬剤師の配置定数の見直しを行いまして、これは削減いたしました。それから、入院患者数の減少に伴いまして病棟の夜勤体制の見直しを行ったこと。それから、医事業務の委託でございますが、これは具体的には、宮古病院におきましてボイラー運転業務や電話交換業務の委託などを行いまして、正規及び臨時職員の削減などを図ったということでございます。
 そのほか、再来患者自動受付機や自動入金機、これは9病院に設置いたしましたが、こういった各種省力機械を導入いたしまして、そのほかオーダリングシステムなど業務のシステム化や業務改善の効率化に努めまして、全体としては超過勤務の縮減に努めたということで、以上のようなものを行ってきたわけでございますが、このほかいわゆる職場におけるエコセービングの徹底など光熱水費の節減などに努めまして、各種会議、あらゆる機会をとらえて全職員にこうした取り組みの徹底を図ってまいったところでございます。
 それから、各病院におきましては、具体的に数値目標を設定いたしまして、収支計画を策定し、四半期ごとに目標達成状況や計画実践の結果分析あるいは評価、対応策などを検討いたしまして、経営の改善を図ってまいりました。

〇飯澤匡委員 それでは、具体的そのコストの縮減についてお伺いいたします。
 給与費について……。

〇及川幸子委員長 飯澤委員に申し上げます。答弁漏れがありました。

〇大沢業務課長 包括払いの導入についてでございますが、本年4月から、全国の特定機能病院、いわゆる大学病院が中心でございますが、82病院につきまして、その診断分類に基づいた入院医療に係る包括評価が導入されてございます。今回導入されました背景ということでございますが、現在の診療報酬であります出来高払いの診療行為につきましては、きめ細かく対応できる一方で、同じ疾病にもかかわらずその診療報酬に差があった、検査とか薬剤が適切に使用されていない等々が指摘されてございますが、今回の包括評価につきましては、疾病分類ごとに単価を設定するという方式でございまして、単価を設定することによりまして、検査の適正化とか在院日数の病院格差が減少するだろうという目的を図ろうとしているものでございます。この単価につきましても一般に公表するという内容になってございまして、各病院が均一になるような金額に努力することを促している制度でございまして、当面、医療局としましては、特定機能病院が、いずれ対象が拡大になるだろうと予想されていますし、そういう傾向が、診療報酬の低減等がありますので拡大するのではないかと考えてございます。県立病院としましても、現在も行っていますが、クリニカルパスの推進、それから在院日数の適正化、あるいは治療データの共有化等を図りながら、標準化に向けて努力して対応する必要があると考えてございます。

〇飯澤匡委員 続けて、給与費について。
 平成14年度は人事院勧告による給与費のマイナス改定及び職員の新陳代謝等により約13億円減少したとのことであります。給与費の適正化については、現在行われている経営懇話会でも議論の中心になっておりますけれども、経営とは無関係に毎年ふえ続けている本県の実情をどのようにお考えになりますでしょうか。黒字の病院であるためには医業収益に占める人件費の割合が少なくとも54%以下でなければならないという指摘があり、本県の県立病院の平成14年度における給与費は60%を超えている実態は、どのようにお考えであるかお知らせを願いたいと思います。
 続いて、収益の拡大策の一例としてお伺いをいたします。私立病院などで導入を図ろうとしている医師の技能報酬――ドクターフィーについて、病院の事業収入をふやす課題は、実は現場の臨床医がいかほど実際の治療に創意・工夫を発揮するかにかかっておると言われております。病院が外来患者紹介率を高め、入院期間を短縮させて、その結果、急性期病院として入院加算料を獲得するのは、現場医師による創意・工夫の結果であり、医師の技能報酬が制度化されますと、現場の臨床医はその専門性が評価され、管理職につかなくてもスタッフとしてその専門性が社会的に評価されるという仕組みでございます。そうなれば患者は間違いなく技能報酬の高い医師に殺到する図式となり、事業収入の拡大となりますけれども、医療局はどのように考察されるのか御所見を伺います。

〇齋藤管理課長 私の方からは、いわゆるコスト縮減の給与費の実態についてということで申し上げたいと思います。
 本県の県立病院の給与費についてでございますが、全国の都道府県立病院の平成13年度決算の医業収益に対する給与比率を見ますと、黒字病院の平均は59.4%でございました。過去この59.4%のほぼ同水準の数字で推移してございまして、一方、赤字病院の平均は69.0%となってございます。こちらの方はここ数年増加傾向を示しているという状況でございます。翻りまして、本県におきましては、平成13年度には黒字決算になりましたが60.6%となってございまして、今回の平成14年度決算では63.0%となって2.4ポイントの増加になってしまったということでございます。この要因といたしましては、給与費がちょっと減少ぎみで横ばいに推移したわけでございますが、患者数の減少、それから院外処方等の発行推進に伴って医業収益の方が大幅に減少してしまって、そちらの方は急激にそのポイントが上がってしまったと考えております。
 本県の給与費総額につきましては、平成10年度以降、実は横ばいでございまして、ここ3年に限りますと逆に1.7%減少しておるということでございます。ただ、給与費の比率が逆に増加しておりますのは、患者数の減少や院外処方せんの発行の推進、先ほども申し上げたとおり、そういったものに伴いまして医業収益がここ3年間でマイナス9.0%と大幅に減少してしまったということでございます。こうしたこと、その患者の減少傾向、これは今後増加が見込めないという状況にございますので、やはりその現状の病棟施設あるいは職員体制のスリム化、いわゆる患者の減少推移に合わせた規模の適正化が必要になってきているのかなと考えております。

〇細川職員課長 医師の業績給の導入についてでございます。
 医師の業績を適正に評価して処遇するということにつきましては、医師のモチベーションを高め、それによって医療の質を向上させることや、あるいは経営意識の醸成につながることから、医業収益の増加を図り安定的な病院経営を行うための有効な方策の一つであると考えられます。しかしながら、一方で、県立27病院ある中で、病院の機能ですとか、あるいは地域差による病院ごとの収益の格差をどう評価する、こういった問題ですとか、小児科など診療単価の低い診療科の業績をどのように評価するのか、あるいは麻酔とか病理検査など一つの診療科に属さない科がございますので、こういった科のセクションの業績をどのように評価するか、あるいは診療科ごとの収益と費用をどのように把握するかといったさまざまな課題もあろうかと存じております。いずれこうした課題も踏まえた上で、業績を適正に反映した仕組みづくりについて、他の公立病院の例も参考にしながら検討してまいりたいと考えてございます。

〇飯澤匡委員 給与費については今懇話会で非常に大きな議論の中心になっているようでございます。また、知事が出された行財政の構造改革プログラムの中にもこれは恐らく組み入れられてくる、既にそのような提案もなされておりますし、これからの推移を見届けたいと思いますけれども、いずれ医業収益の中でそこの中で連動性を持たせながらいかなければ、いかんせん、この収支の悪化の歯どめというのはとどまらないものと私も認識をしております。今後の議論の一つの大きなポイントとしてとらえておきたいと思います。
 次に、医師確保対策について。
 先ほど来お話がありましたように簡潔で結構でございます。平成14年度決算で計上された医師確保対策費7、600万円の使途はどのようになっておりますでしょうか。6月の一般質問でも私はお聞きをいたしましたけれども、医師不足や地域間の医師の偏在が今後の病院経営の改革の引き金になっているように感じております。医療局では組織的な抜本的改革が必要と私は思いますけれども、現状の認識を簡潔で結構でございますから、改めてお知らせ願いたいと思います。
 そしてまた、福岡県などでは県立病院を民営化するというようなお話が出ました。大学の医局に病院丸ごと任す方策も一考と思いますけれども、医療局の御認識はどうでありましょうか。
 続けて、最近頻発する大地震は住民の不安をさらに増大させております。阪神大震災の教訓から全国的に災害拠点病院の設置や広域災害・医療情報システムを取り入れております。本県の災害が発生した場合、被災地外への搬送方法や各病院への連携等のシステムはどのようになっておりますでしょうか。隣県との連携方法もあわせてお知らせを願います。
 また、各県立病院の耐震性はどのように分析なさっているかお伺いをいたします。

〇千葉医療局長 私から医師確保対策費についてのお答えと、それから医師確保の抜本的な改革ということについてお答えします。そのほかにつきましては担当課長からお答えします。
 まず、平成14年度決算の医師確保対策費の総額ですが7、638万2、000円でございます。項目別に申し上げますが、大学の研究・教育活動を支援するという目的で大学研究費助成として5、150万円、これは岩手医大に5、000万円、大阪市立大学に100万円、それから福島県立医大の外郭団体といいますか、財団法人がありますが、そこに50万円でございます。それから、二つ目が学会開催費、平成14年、いわゆる医学会が開催されておりますが、その開催費補助として五つの学会に対し合計で280万円。それから、病院長中心でございますが、いろんな情報収集あるいは医師派遣要請のために大学を頻繁に訪問するわけでございますが、それの盆暮れの歳暮・中元、土産品ということで912万4、000円。それから、医師確保のための病院あるいは本庁もございますが、足代いわゆる出張旅費ですが369万円。それから、医師派遣を要請する際、いろいろ情報を収集する際、あるいは医師派遣を受けた際に医局運営協力費という形で、これは各病院が執行してございますが424万8、000円。それから、各大学にそれぞれいわゆる後援組織といいますか、いろんな協議会がございます。振興会とかいう形で、これは東北大学、弘前大学、福島大学にありますけれども、そこに関連する病院長等が加盟しておりまして、それの年会費あるいは総会の出席会費という形で、合計で142万4、000円ございます。それから、いろんな他県大学、例えば秋田大学、山形大学という、それぞれ学生の県人会が結成されておりますが、そこへの出席のための会費あるいは大学教授の就任、退任、そういったような場合の祝賀会への出席、あるいは慶弔費、弔意をあらわす香典とかいったものでございますが、これら含めて123万9、000円でございます。その他医師募集のためのインターネットにかかる経費とか新聞掲載広告料とかいったようなことで235万7、000円でございます。
 それから、医師確保への抜本的な対応が必要ではないかということでお尋ねでございますけれども、いずれ長年の大きな課題でずっと苦労してきているわけですし、特にも近年大変厳しい状況でございます。申し上げますと、いずれ全国的にも偏在があるという、さらに県内でも地域によって偏在があるという、さらに病院間でも偏在があるといったようなことで、これを何とかしなければならぬと、本当に大きな課題でございます。その理由を考えてみますと、やはり医師自身が大病院志向ということですね。いろんな多様な患者さんが来て症例がいっぱいあると、勉強できると、研究できるということもありますし、逆に中小病院では比較的高齢者の方が多くてなかなか症例がないということで敬遠しがちです。特に若手の医師についてはそういったことがあります。また、地域間の偏在では、やはり生活の利便でありますとか、子供さんの教育であるとかいったようなことで、特にも最近はそういった医師自身の意向というのが反映されていると考えてございます。しかし、これをそのままにしてはおけませんので、これらを解消する手だてというのは、やはり絶対数が限られている中で、いわゆる広域で地域間の定期的な異動の仕組み、あるいは同一医療圏でも中核病院と周辺の中小病院との定期的な異動の仕組み、そういうものをきちっと確立して、医師も行きっ放しではなくて、小さいところに行っても大きなところにも行けるのだといったような仕組みをつくっていく必要が今後あるのではないかと思っておりますが、従前の諸先輩もそういったことでいろいろ挑戦してきてはいるようでございますけれども、いずれ時間がかかります。現実的に大学の理解も得ていただかなければなりませんが、何とかそういった仕組みづくりに努力して、実現するよう頑張ってまいりたいと思います。
 それから、絶対数が不足する中で県立病院間での診療応援というのも、やはり当然夜間当直でもありますし外来でも、そういった応援体制というのも今まで以上に充実するように考えてまいりたいと思います。
 それから、病院ごと大学に任せたらということで福岡県の例、民営化でお出しになりましたけれども、民営化論は別としまして、任せているわけではないのですが現実問題、例えば福岡病院とか久慈病院についてはほとんどの医師が岩手医科大学だとか、いわゆる現実にそういった系列の大学という、任せているわけではないのですが系列大学というのはやはり厳然としてあります。混然として各大学が入りまじっている病院もございますけれども、いずれその方法論につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。

〇齋藤管理課長 災害時の対応についてお答えいたします。
 地震などの災害が発生した場合、県立病院は県災害対策本部の医療部と位置づけられまして、院外から搬送されます被災患者の方々の応急措置や、後方医療機関に対する搬送への要否の決定などを行いまして、何らかの理由で病棟機能が低下した場合などにつきましては、入院患者の搬送の要否あるいは搬送先の決定などを行うことになります。
 患者さんの被災地外への搬送に当たりましては、市町村災害対策本部長、それから県では県災害対策本部長――これは知事でございますが――また、その他の関係機関に対しまして、搬送車両の手配や配車を要請することとしております。なお、県災害対策本部長は、必要に応じましてヘリコプターの手配を行い、搬送を行うこととしております。
 それから、被災地の県立病院独自では患者への対応を行えない場合は、県立病院防災マニュアルというものを設定いたしまして、県立病院が相互に協力して人命救助、救護活動等の医療の確保を行うことにしております。
 それから次に、隣県との連携方法についてでございますが、大規模災害時の北海道・東北8道県相互応援に関する協定というものを結びまして、協力体制を敷いておりまして、医療分野では、応急措置のための必要となる情報の収集の提供、それから被災地の救出に必要な資機材、物資の提供及びあっせん、それから災害応急活動に必要な職員の派遣などを他県に要請することができるとしております。
 それから、病院の耐震設計についてのお尋ねでございますが、基本的には建築基準法上の耐震設計基準に基づき設計しておりまして、現行の基準が制定されました昭和55年以降に建築した14病院につきましては、基準に合致した耐震性を有しております。これ以外の昭和55年以前の13病院のうち3病院につきましては、耐震補強工事が完了しておりまして、残りの病院につきましても、今後の病院整備の中で順次基準を満たしていくこととしております。
 なお、現在整備中の福岡病院、磐井病院及び南光病院におきましては、地震時でも医療機能が継続して維持することが可能となる免震構造を採用しております。

〇及川幸子委員長 飯澤委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩といたします。
   午前11時57分 休 憩
 
   午後1時6分 再 開

〇樋下正信副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇飯澤匡委員 医師確保対策ですけれども、私よりさきに質問された委員の方への御答弁を拝聴しますと、非常に御苦労なさっているのは理解できますけれども、ちょっと悪い表現ですけれども、その場しのぎというか、その対応に追われるのが精いっぱいというような感をしております。
 関連して一つお伺いしたいんですけれども、首長さん方もやはり地元の医療の供給体制については非常に関心を持っておりますし、みずからも大学にいろいろなコネクションがある方はどうにかならないかという打診をされているとも聞いております。一つそこで問題になるのが、医療局にそれをどうでしょうかといった場合、その受け皿があるのかどうか。紹介しても、いや、医療局が余り関心がないのでちょっとそういうのには乗れないということになると、これは非常に残念な、これはあくまで仮定の話ですけれども、その受け皿というのは現状どうなっているか。そしてまた、将来、私は抜本的対策という表現をしましたけれども、その辺を含めてどのように体制づくりを考えているのか、関連して1点お尋ねします。

〇千葉医療局長 医師確保に関連して各首長さんも一生懸命やられていることは私どもも十分承知いたしております。
 医療局の現在の体制ですが、医師対策監というのが実質の課長職の担当でございまして、その下に職員が2名。本年4月から、私の2人隣ですが、病院改革室を設置しまして、医師対策監業務、あわせて病院改革ということで二つの業務を兼務するという形ですが、一定の強化を図ったところでございます。
 首長さんから局に一緒にどうかという話だろうと思いますけれども、決してそれをお断りするということはやらないつもりでございまして、確かに少ない体制で、現実的には、我々医療局の中でいえば各病院長がいろいろなつてを頼って――出身大学中心ですが――走り回っているという状況にあります。先ほど委員からお話ありました首長さんの御努力も十分承知しておりますので、十分に連携をとりながら、何とか確保に向けて、そういった面でも努力してまいりたい。
 それから、やはり本質的なものとすれば、先ほど申し上げましたとおり、個別の、お言葉にもございましたその場しのぎではないような形、システムを何とかしたいということでこれから努力してまいりたい。これはやはり現実的に大学の理解というのが必要です。今、私たち懇話会で、サテライトという言い方をしていますが、医療圏ごとにブロック化して、そこで効率的にやろうと。これは、いろいろな検査とか薬だとか事務だとかはもちろんですが、医師についても、医療法上はそれぞれの病院であることには変わりないんですが、一つの病院ととらえて、その中で医師を機動的に、絶対数が確保されなければこれは難しい話ではあるんですが、できるだけ効率的に応援体制を組むといったような仕組みを何とかつくりながら現状に対応してまいりたいと思いますので、御理解をお願いいたします。

〇飯澤匡委員 次の質問に移ります。
 3点まとめて。過日の新聞報道で、本県、宮城、和歌山の3県が共同で、それぞれの県立病院について、外来患者の待ち時間などの要素を含めた多角的に評価するガイドラインを導入することとなりました。今回の指針では、治癒率などの医療レベルにかかわる評価に加え、外来患者の待ち時間、平均入院日数など医療の質に密接に関連した分野を評価の中心に据えたのが特徴とされ、自治体病院支援委員会が指針を策定、チェックすることになっております。利用者にとってみれば病院の格付の目安になる利点がある一方、客観性の維持の方法等について問題はないのか問われるところでございます。まず、評価の手法について伺います。
 また、県によっては自治体病院を統廃合する際の参考資料として活用する見通し等の報道もありますが、医療局としてどのように活用するのかという基本的姿勢と、県民に対してどのようにこの結果を公開し、役立てようとしているのかお尋ねいたします。
 次に、厚生労働省は、東京女子医大病院であった医療ミス隠ぺい事件を受けて、高度先端医療を重点的に担う特定機能病院や、本県でも本格整備しようとしている臨床研修病院にリスクマネジャーを設置していくように求めております。宮城県では、東北大医学部附属病院、国立仙台病院、仙台市立病院でリスクマネジャー――医療安全管理者を設置しておりますけれども、本県の安全管理体制の状況はどのようになっているかお伺いいたします。
 また、安全管理の中には、他の医療機関との病診連携の強化も課題に挙げられておりますが、あわせて本県の体制もお知らせ願います。
 次に、小児医療について。小児医療は、少子化時代を迎え喫緊の課題であると認識しております。本県も小児科医密度が全国最下位、また、一関で起きた事件等からの検証と対策の強化が急務と認識しております。小児医療は、少子化に加え、薬の使用量が少なく収入が上がりにくいなどの理由から採算性が悪く、民間病院でも撤退、縮小するケースが相次いでいると伺っております。そこで厚生労働省は、99年から人口や医療事情をもとに全国360の二次医療圏ごとに補助金を支給して、複数病院での輪番制度を組むなどの原資に充てさせ小児救急医療体制を整備しようとしておりますが、本県の補助金の使用実態はどのようになっているかお知らせ願います。
 他県におきましても、大分県では24時間体制で子供の異変の電話相談を受け付け、各地域の拠点病院を紹介するシステムを整備しようとしており、県と医師会が連携し、専用回線を設けて電話での相談業務を一元化するシステムであると伺っております。
 本県でも、小児医療の遠隔治療を情報ハイウェイを通じて中核病院から県内の各病院に指導や助言をすることになっております。これらを含めた小児医療、特に小児救急体制の整備をどのように図られていこうとしているのかお知らせ願います。
 関連して、情報ハイウェイを使用した遠隔治療の状況、件数をあわせてお伺いいたします。

〇佐藤病院改革室長 自治体病院の評価についてでございますが、まず、その評価の手法についてでございます。
 自治体病院評価のガイドラインを踏まえまして、現在、地方分権研究会に参加する八つの県と、その企業の担当者で構成する自治体病院評価支援プロジェクトにおきまして実施要領を検討中でございます。この中で評価項目でありますが、例えば診療の内容の項目としましては、一定額以上の高額の手術件数、解剖の剖検率、クリニカルパスなど、それから病院の使命・機能としての項目としましては、医師の充足率、患者の紹介率、救急患者数など、それから経営管理の項目としましては、貸借対照表、損益計算書、医業収支比率、職員1人当たりの給与費、負担金比率などがございます。これらの項目について、各県の意見等を集約しながら現在絞り込みを進めているところでございます。
 評価手法については、可能な限り具体的な指標・数値によることを基本的に考えております。
 それから、評価の活用と県民に対する公開でございますが、病院評価の目的は、住民、患者に対し病院が提供している医療サービスを説明する責任を徹底すること、それから、役割・使命を明確にしてそれを達成しているか評価すること、使命を達成するための目標管理を徹底し、病院を活性化することなどでございます。それらを踏まえて活用してまいりたいと考えているところでございます。
 結果についてですが、インターネットのホームページへの掲載による方法などによりましてわかりやすい形で公表していく予定ですが、それらに対する県民からの御意見などもいただきながら、県立病院の医療の質の向上あるいは経営改善に役立てていきたい、このように考えております。

〇大沢業務課長 医療安全体制についてでございますが、平成13年2月に岩手県医療局医療安全対策指針を作成してございまして、全病院がこの指針に基づきまして各病院に安全対策委員会を設置してございます。13年度からの実施でございますが、内容は、安全対策のマニュアルの策定とかインシデント事例の分析等を行ってございます。14年度に入りまして管理者養成のためのリスクマネジメント研修会を――全病院の60名参加してございますが――実施してございます。それに伴いまして、病院に安全管理者――兼任でございますが――を14年度に配置してございます。
 活動としましては、研修会もそうですし、安全管理のための企画とか立案、評価等を行いまして、職員の意識向上の指導業務を行っているところでございます。
 それから、民間も含めた病診連携の強化も課題ということでございますが、現在まで病診連携につきましては種々連携をとりながらやっているわけですが、安全管理につきましては研修等の連携というのは特にやってございませんでしたけれども、病院単位ではなくて職域団体ごとにその地域の研修会を実施してございまして、そこの中で昨年度等は医療安全に関する研修会を合同で開催したり、あるいは患者さんから診療情報の提供を受ける際には、そういう患者情報も踏まえた内容になるように開業医さんともども努力して連携をしていくとしてございます。
 それから、小児医療の補助金についてでございますが、小児科医の体制が整っている盛岡医療圏だけが制度に参画してございまして、14年度には盛岡地区7病院が輪番に参加してございます。実績としましては、当番回数が485回、受診患者さんが9、068人という状況でございます。
 補助の金額でございますが、913万2、000円ということで、これは、主に勤務した医師あるいは看護師の人件費に充当しているという内容になってございます。
 それから、小児医療体制の整備についてですが、御案内のとおりこれは保健福祉部の担当でございますが、小児医療を確保するという観点から、岩手医大附属病院と中核である医療機関と――今予定されるのは10数病院のようですが――遠隔動画像を媒体としました小児救急患者の診療を行うシステムの整備を行う予定と聞いてございます。まだ詳細は決定していない、今、検討中だということのようでございます。
 県立病院におきましても二次医療圏ごとに整備が予定されてございますので、圏域の小児の救急医療の確保のために最善を尽くしてまいりたいと考えてございます。

〇桜小路システム管理室長 情報ハイウェイを利用した遠隔治療の状況につきまして御説明いたします。
 県立病院に関係する情報ハイウェイは、県立中央病院と大船渡病院など九つの広域中核病院、そして岩手医大に整備されてございます。
 使用方法とすれば二つございます。一つは、国立がんセンターと全国のがん関連施設の合同症例検討会、
いわゆるがんネットと言われるものですが、これを中央病院で映像を受像しております。これを情報ハイウェイを使って14年8月から中央病院を中継として九つの広域中核病院でも聴講できるような仕組みをとってございます。14年度の実施回数は43回で、延べ57人が聴講してございます。
 二つ目とすれば、岩手医科大学と県立病院間で症例検討会を85回実施してございます。その内容を御紹介しますと、脳動脈瘤の血管内治療に関する症例などでございます。これらの聴講や症例検討により医療レベルの向上を図っているところでございます。
 その他これに加えまして、電話回線を利用して、専門医のいる医療機関に画像を送る遠隔画像診断を実施してございます。一つは、CT、MRI等の画像診断を実施しております。受け入れ病院とすれば中央病院など5病院であり、依頼病院は釜石病院など15医療機関となっております。実施件数は延べ1、740件になってございます。
 二つ目は、病理組織のがん細胞等の診断をする病理診断を実施してございます。受け入れ機関は中央病院と岩手医大であります。依頼病院は福岡病院など6病院で依頼しております。実施件数は延べ234件となっております。

〇飯澤匡委員 情報ハイウェイの設置については、非常に防災、また、医療関係でそのコストに見合った実績を上げていただくように、また、その周知の方法についても、聞かなければちょっとわからない状況ですから、県民にもよくわかるように、広報なり何なり、その媒体も考えていただきたいと思っております。
 次に、リハビリ広域支援センターの充実について伺います。
 高齢化社会を迎え、リハビリ医療はその重要性を増すものと認識しております。保健福祉部でも地域リハビリテーションの推進を図るため、二次医療圏ごとに協議会を設置し、リハビリの強化を図っているところであります。
 県南のリハビリ担当病院は大東病院で、本年5月から回復期リハビリ病棟を導入して、院長以下スタッフに所期の目的達成のために頑張っていただいているところでありますが、いかんせん作業療法士などのマンパワーが不足して、なおかつリハビリの専属医が14年度から不足している状況は、広域支援センターとしての看板倒れではないかと認識いたします。かかる状況を医療局としてどのように認識しているのかお伺いいたしますし、また、いわてリハビリテーションセンターとの連携はどのようになっているのかあわせてお伺いいたします。

〇大沢業務課長 御案内のとおり、本年5月に38床ではございますが、回復期リハビリテーションの病棟を大東病院に設置したところでございます。その体制につきましては、理学療法士2人、作業療法士1人、医師1人ということで施設基準を満たしておりますが、必要とされる専任医師が院長ということで、医師確保に鋭意努める必要があると考えてございます。
 先ほどお話出ました広域支援センターの活動といたしましては、14年度は、専門あるいは関係職員の研修会を7回、相談窓口への支援7回、実施施設への技術支援を34回実施しているところでございます。
 それから、いわてリハビリテーションセンターとの連携でございますが、主に理学療法士、作業療法士、言語療法士、大東病院の職員でございますが、リハの専門職員等の研修あるいは技術的指導・助言を受けながら技術向上に努めている。今後もこれは継続していきたいと考えてございます。

〇飯澤匡委員 最後の質問に移るわけですけれども、発言の機会があるたびにこの問題を取り上げてまいりました。大東病院の場合、どんどん状況が悪くなっているように思います。特にこういう広域の支援センターとしての位置づけを強く持っていただいて、やはりその趣旨に沿ったマンパワー計画を立てていただきたい。この問題は、昨年及川幸子委員にも御指摘をいただいて本当にありがたく思っておりますけれども、リハビリというのはこれから非常に重要性が増すものと認識しております。医療局サイドも保健福祉部と連携して、さらに一層の充実に努めていただきたい、このように要望申し上げます。
 最後に、話題のサテライト方式について、資料によれば、地域病院は一気に診療所化し、病床数を限りなくゼロにすることに地域の人たち――利用患者は不安を感じているところでございます。先ほど来局長からお話があったように、サテライト化については医師の配置の弾力化を図るものとして有効な手段と認識しておりますけれども、特に地域病院については、その懸念を払拭するためにこれからどのような、まだ策定段階でしょうけれども、その周知の方法なりを御説明していただきたいと思います。
 以前に、かねてから政和会で取り上げてきた県立釜石病院と市立釜石病院の統合など、同一地域にある公的病院の機能統一がまず第一に経営の改革については示されるべきと考えていますが、この状況についてはどのようになっているかお尋ねして質問を終わらせていただきます。

〇千葉医療局長 私から、釜石市民病院との問題についてお答えいたします。その他につきましては経営改革監からお答えします。
 釜石市は、新日鉄の高炉中止などで急激に人口が減少した地域でございまして、現在、病床数が基準に対して330床過剰と。この330という数字は、割合で見ますと141.7%、ということは40%以上オーバーしている。盛岡圏域も1、500床ほど過剰地域ですが、率に直しますと28ですので、いずれ極端に多い地域ということでございます。御指摘あったとおり、その中に釜石市民、県立釜石と、規模も機能もほぼ類似した病院がある。そのほかに国立病院であるとかせいてつ記念病院、四つの病院があるということで、かねてからの懸案である、課題であると認識いたしてございます。
 今、二つの病院とも、こういった状況の中で医師の確保あるいは経営という面でも大変お互いに苦労しているという実態にございます。今、県立病院全体がこういった状況で、組織体制を見直す、スリム化する必要があるという状況も踏まえまして、いずれ釜石市との協議について深める時期であると認識いたしておりますので、そのような形で何とか対応してまいりたいと考えております。

〇八木経営改革監 サテライト方式でございますけれども、県立病院の経営懇話会におきまして、特にも中小規模の病院で医師確保がなかなかできないという問題や、入院患者の減少に伴って空き病床が年々増加している観点から、今後の県立病院の新たな組織形態という形で、今、議論されている状況でございます。
 このシステムの具体化ですけれども、これは、来月また経営懇話会を開催する予定でございますけれども、この懇話会等からの報告を受け具体的に検討していくという中身になりますが、基本的には、保健医療圏ごとに空き病床の現状あるいは患者数の見通し、それから他の医療資源の状況などを踏まえて構築していく必要があると考えておりますし、ある病院が診療所化せざるを得ないという場合におきましても、広域中核病院を中心とした県立病院群の一体的な運営によって圏域の住民の入院需要には支障を来さないよう、やはり計画的に進めていく必要があると考えてございます。
 この具体化に当たりましては、パブリックコメントなども使いながら広く意見を伺い、さらには地域での説明なども計画しながら取り進めてまいりたいと考えてございます。

〇飯澤匡委員 懇話会の中で、町村会を代表して藤原委員が非常にやはり懸念を示しておりました。パブリックコメントを通じながら、とにかく余り地域住民が不安にならないように、これは要望で医療局の方々にお願い申し上げます。
 それに関連して、公営企業法による政策的な予算配分というのがございます。このサテライト化によりまして、過疎地域の公営企業法による政策的な予算配分の考え方に変更はないのかどうか。

〇齋藤管理課長 御質問の趣旨は、現行の不採算地区病院や診療所に係る繰入金などについてのお尋ねと存じておりますが、現在の不採算地区に対する繰入金と申しますのは、例えば病床100床未満であるとか、1日平均外来患者数が200人未満といった要件を課しまして、それに対して過去2年前の決算額の赤字分、収支差を補てんするという方式で算出しております。診療所につきましても同様の考えで出しておるものでございますが、これらの経費につきましては、それぞれ国で定めます繰出基準に基づいて、一般会計との間で私どもルール化いたしまして、その積算方法を定めております。仮にサテライト方式が導入されまして病院の規模が縮小し、あるいは診療所となった場合でありましても、その考え方は変わらない。各病院の実績に応じて算定されるものであります。

〇佐々木一榮委員 平成14年度の決算審議ではありますけれども、県立病院の経営改革が論議されておりますので、若干決算に関連してお伺いすることもありますので、委員長には特段の御配慮をお願い申し上げます。
 5点ほどありますが、2回に分けて質問いたしますので、答弁漏れのないよう、また、お聞きしていないことはお答えにならないようよろしくお願い申し上げます。
 まず一つ目でありますが、収入確保の観点からお尋ねいたしますが、平成14年度の診療報酬の請求漏れ金額はどの程度で、また、防止対策はどのようになされたのでしょうか。
 また、紹介率が30%を超えますと診療報酬もアップすると思いますが、実績と向上対策についてお伺いいたします。
 2番目に、経費面についてお尋ねいたします。まず、材料費についてでありますが、薬品・診療・給食・医療消耗備品の平成14年度の合計金額は258億5、000万円となっていますが、そのうち給食材料を除きますと約248億円となります。また、診療材料費は他と比べ年々増加傾向にあります。医療圏ごとの材料仕入れの単価格差はどのようになっているでしょうか。
 そこでお伺いいたしますが、平成14年度はSPD導入に向けどのような取り組みをされてきたのでしょうか。医療材料は約2万3、000アイテムあると言われており、価格も、同じものでも病院によりあいまいな価格設定がされてきたとも伺っております。これは既に御存じかと思いますが、ある民間商社でありますが、全国の81の病院と契約しまして、全国価格情報の共有により価格低減を図り、在庫管理業務も行っています。試算では、12億円の医材を購入している公立病院が、このシステムを導入しますと3年間で2億円のコスト低減効果があるとしています。これを本県県立病院に置きかえますと、1年間で現在より13億8、000万円の低減になります。SPDの県立病院の取り組みも含め検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、先ほど若干お話がありましたが、給与制度は、地方公営企業法の全部を適用していることから管理者の権限と思いますが、医師も含め、能力主義的人事評価システムの導入についてどのようにこれまで検討されてきたのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
 それから、それぞれ病院の事情もあろうかと思いますが、例を出してお聞きいたしますが、事務職、栄養士、調理師関係でありますが、351床の胆沢病院の事務の方は19人おります。210床の江刺病院で18人、105床の軽米病院で13人、45床の伊保内病院で例に挙げますと8人ということでありますが、これら事務職、栄養士、調理師、ボイラー等の技術者の配置は、病床数や空床率に見合った適正人員配置とお考えでしょうか。お聞きするところによりますと、もう何10年も同じ職場に勤められて、転勤してくる事務局長さんよりも偉い立場にあるという方もいらっしゃると伺っております。医療圏ごとの見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 前段、ここまでの質問とします。

〇大沢業務課長 診療報酬の請求漏れと防止対策についてでございますが、県立病院の請求漏れの実態について、具体的な金額を正確に把握することは困難でございます。ただ、過去に2回ほど調査した経緯がございますが、データは古いんですが、平成10年に胆沢病院、これは入院のレセプトを100件抽出して調査した結果でございますが、0.06ポイントの請求漏れがあるという推計値が出てございます。仮にこれを14年度の入院・外来収益に当てはめてみますと、約5、000万円という試算ができます。
 それから、防止対策でございますが、研修会を定期的に実施してございまして、指導料の算定とか、あるいは各病院に適正算定について指導等を行ってございます。
 それから、請求漏れ防止に効果があるということでオーダリングシステムを計画的に導入してございまして、処方については26病院が実施済みでございます。そのほか、処方を含めた検査等のトータルオーダリングシステムというのをさらにやってございますが、これは5病院に導入してございます。今後新築される2病院についても導入計画がございます。
 あわせまして、本年度につきましても、同じように処置、手術等を担当し、発伝を行います看護職員も加えまして、事務担当者と看護職員合同の請求漏れ対策の研修会を行ってございます。
 それから、急性期加算についてでございますが、急性期加算については、施設基準上、紹介率が30%、在院日数が17日以内となってございます。これに該当するのは現在中央病院ということで、14年度の実績が1億5、900万円、約1億6、000万円ございます。中央病院以外の導入を考えますと、紹介率が30%というのは大変厳しい状況でございまして、現時点では、地域的に見ても中央病院以外は難しいと考えてございます。
 それから、材料についてでございますが、給食材料を除く材料ということでお話がありましたが、医療局で一括購入を進めておりまして、全体の81.9%を本庁で執行してございます。したがいまして、残り大体2割ぐらいは現地で契約するということになりますけれども、契約時には、圏域の病院を初めとしまして、圏域外の同規模病院等の購入の価格調査も実施してございますので、材料の仕入れの格差とか品目の格差は少ないのではないかと認識してございます。
 それから、SPDの取り組みでございますが、SPDはシステムによる物品管理ということでございますけれども、確かに消費管理の把握が大変困難という現状はございます。これの導入について、今、中央病院を対象に分析調査をしてございまして、このSPDについては、病院の規模によって、大小によって効果にかなりばらつきが出てくることが見込まれてございますので、中央病院の導入に係る調査を見ながら進めていきたいと考えてございまして、まず、中央病院に導入し、さらにランニングコスト等も見定めながら他の病院に導入を検討していきたいと考えてございます。

〇細川職員課長 まず、能力主義的人事評価システムの導入についてでございます。
 このことは、経営懇話会においても、病院運営の活性化の観点から必要であるとの意見が出されてございます。能力、業績等を適正に評価し、処遇するということは、職員のモチベーション、いわゆる勤労意欲を高めるということで、医療サービスの向上にもつながるものと考えてございます。しかしながら一方で、病院業務にあって個々の職員の能力あるいは業績を客観的にどのように評価するのか、あるいは職員のモチベーションを高めるためには職員相互の理解が得られる人事評価システムをつくる必要があるということなどさまざまな課題もあるのではないかと考えてございます。しかしながら、いずれ私どもといたしましては、職員の能力、業績に応じた人事評価の導入についてはさまざまな課題もあるとは認識しておりますが、他の公立病院など先進事例等も参考にしながら検討していきたいと考えております。
 それから、もう一点の人事配置についてでございます。
 職員の配置につきましては、平成15年度におきましては、院外処方せんの発行などに伴いまして薬剤師を6名減あるいは看護の職にありましては、育児休業による欠員への対応など増員いたしましたが、一方で患者数の減少などを勘案し、夜勤体制の見直しなどを行って24名減ということもございますし、調理師も配置の見直しを進めて3名減ということで、これまでも業務量に応じた配置に努めてきてございます。
 先ほど具体的に事務の例で3病院ほど御指摘ございましたが、病院によっては、トータルオーダリングシステムの導入ですとか、あるいは医事業務の委託をしているところで若干差がございますので、例えば胆沢病院はトータルオーダーあるいは医事業務委託ということで差が出てございます。
 いずれ、今後におきましても、患者数等の業務の実態に合わせまして、事務、栄養、調理を含めまして、職種全般にわたってより一層の効率的な職員配置を進めていく必要があると思ってございます。また、業務の集約化あるいは病院の機能、役割分担など、そういった仕組みづくりを進めまして、それに合った適正な職員配置についても検討してまいりたいと考えてございます。

〇佐々木一榮委員 大沢業務課長に再度今の点でお伺いしますが、私、さっき民間の商社の例を出しまして、本県の県立病院が導入した場合には1年間で13億8、000万円の低減になりますよ、これについて御検討になるお考えはありませんかという御質問をしましたが、これについて御答弁を再度いただきたいと思っております。
 後段の質問に入りたいと思います。
 電子カルテの導入についてでありますが、これは厚生労働省も推進しておりまして、有無により診療報酬を変える可能性もあるとしています。そこで、平成14年度の電子カルテ導入の検討状況と、認定看護師及び診療情報管理士育成にどのように取り組んでこられたのかお伺いいたします。
 最後であります。平成14年度の県内の病床数は基準病床数より一般で2、162床上回っています。厚生労働省は、本県のような地方事情に関係なく、急性期対応の高機能病院には診療報酬を手厚くして、逆に療養型医療には薄くするなどして減病床へと誘導しようとしています。産婦人科医院などは、少子化の傾向で療養型に移行しているところも見受けられます。国の医療費抑制策のために在院日数の短縮化も迫られていますが、地方においては介護と看護の中間的な社会的入院の希望が高く、もっと病院にいたいという要望もお聞きします。医療は終わっても次に行く場所のない患者をどうするかということも考えなくてはいけないと思っております。
 そこでお尋ねいたしますが、現在検討中のサテライトシステムの中に、先ほどもありましたが、空床を利用した――現在療養型病床は4病院で174病床ありますけれども――、例えば老人保健施設、これは民間の医療法人に言わせますと、80床ないと採算ベースに合わないということも言われております。各広域保健医療圏の枠も残っているベッド数も限られています。これを県立病院がやることによって、私はある程度地域の医療の底上げになると思いますし、逆に診療報酬のアップにもつながるというようにも考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
 あわせて、公設民営方式についてのお考えはありますでしょうか、お尋ねいたします。

〇大沢業務課長 まず、SPDの取り組みでございますが、中央病院に導入したいと考えてございまして、それ以外の病院につきましては、中央病院の導入効果を見ながら検討していきたいと考えてございます。

〇八木経営改革監 まず、電子カルテの導入についてでございますけれども、昨年度に県立病院医療情報化推進委員会におきまして情報化推進方策を取りまとめ、医療の質の向上や患者サービスの向上及び病院経営の効率化などを実現するための、電子カルテを中心とした新しい医療情報システムの構築を今進めているところでございます。
 平成17年度末に開院が予定されています新しい磐井南光病院にこの新しい医療情報システムの導入を計画しているところでございまして、昨年度には基本構想書と基本仕様書を作成し、現在、開発に向けて、本庁あるいは病院ともどもその作業を行っているところでございます。
 次に、空き病床を利用した老人保健施設の設置についてでございますけれども、基本的に、介護老人保健施設につきましては市町村あるいは民間が担うべきものと考えてございまして、県立病院としましては、今のところ医療を超えた分野への展開は考えてはいないところでございます。
 しかしながら、空き病床の利用とか活用ということでございますので、これに関しては、やっぱり幅広く検討をしてまいりたいと考えてございますし、公設民営方式等に関しても、これからその活用の中で検討していきたいと考えてございます。

〇細川職員課長 認定看護師及び診療情報管理士の育成の件についてでございます。
 まず、認定看護師につきましては、救急看護ですとか、あるいは重症集中ケア、ホスピスケアなど認定看護師教育専門課程を受講することによりまして、特定の専門看護分野におきまして熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践ができ、他の看護職員のケア技術向上に資すると考えてございます。私ども医療局といたしましては、平成14年度から認定看護師教育専門課程派遣要領というものを制定いたしまして、具体的に昨年度3名受験いたしました。残念ながら採択はされませんでしたが、今年度――15年度におきましても引き続き育成を目指し、認定看護師教育課程への受験4名を予定してございます。
 それから、診療情報管理士につきましては、入院診療に関する記録あるいはデータの収集と整理ですとか、医師、看護師などの診療に携わるスタッフの記録の不備の点検ですとか病名の付与あるいはそれを活用しての分類とか、さまざまな業務がございます。経営の改善ですとかリクスマネジメントなどの面での効果も期待されると考えてございます。
 現在、中央病院では、業務委託によりまして3人の専任体制で診療情報管理の業務を行っております。いずれ、私ども日本医療機能評価機構の病院機能評価も実施してございますので、その中でも体制整備が求められておりますので、これに対応した配置のあり方について検討してまいりたいと考えてございます。

〇佐々木一榮委員 最後に、医療局長に確認のためにお伺いしたいと思います。
 先ほどSPDについて大沢業務課長からお答えをいただきました。その中で、くどいようでありますが、全国の価格情報の共有により単価を下げるという材料費の質問をいたしましたけれども、懇話会でもいろいろ出ておりますし、やはり医材の占める割合が非常に高くて、県立病院が高く購入しているのではないかというような認識を私は持っております。やはり全国のこういうような今の新しいシステムを導入して、さっき試算で、年間に13億8、000万円ですから、ざっと言いましてもこれだけ本当に利益が上がるのであれば、18億円のうちそのぐらい消せるとなればほかにちょっと努力すればいいのかなという気持ちもあるものですから、ぜひこの辺について前向きに検討するお考えがあるかどうか、局長の答弁をいただきたいと思います。

〇千葉医療局長 SPDの関係、先ほど業務課長が申し上げましたが、中央病院は、今、本格的にやっていますし、ぜひ実現したい。ただ、委員おっしゃる、大変申しわけないんですが、27単純に材料費を掛けますとそういう損益でプラスが出ると申しますが、やはりSPDをやる場合は病院単位でやりますので、そうすると、小さな病院が果たしてそれを導入して同等の効果が出るか。やはり一定規模以上、他県を見ましても、ある程度の規模の病院でやられているという実態があるようです。ただ、中央なりに導入することによって、その情報を小さな病院、SPDを導入しないまでもそういうところに提供して、効率的あるいは安価な購入に資するということはできると思いますので、ぜひとも中央病院で実現して、結局は大きな病院からとなると思いますが、できるだけ効果を見きわめながら、いいものであれば早く導入してまいりたいと思います。

〇佐藤正春委員 医療局長、横顔しか見えない、こっちの方だと。3回お聞きします。答弁の内容によっては知事も呼んで聞くつもりでございますので、ひとつ御用意をお願いいたします。
 千葉弘医療局長は財政課出身であり、医療局に乗り込んできたのは赤字解消を使命として来たものと思われる。しかし、医は算術ではないということを知るべきである。
 私は、かねがね県病は多少の赤字はやむを得ない。理由は、県下にあまねく医療をという創業の精神であり、かつては死ぬときしかお医者さんに診てもらえなかった岩手県民の願いであります。しかし、むだ遣いはだめですよということを言い続けてまいりました。決算を見て、この放漫経営はまさに役人の無責任経営の見本でございます。中元・お歳暮、さらには使い道のはっきりしていない寄附行為などによる毎年1、000万円に近いむだ遣い、単年度18億円の赤字、累積は99億円、03年度は119億円、10年度は286億円の赤字が見込まれております。どうもこの決算は粉飾決算のにおいがいたします。実際にはもっとあるのではないでしょうか、はっきりこの際お示し願いたい。
 累積赤字を100億円以下に抑え、医療保険制度改正の影響という2点を前面に出して、03年度には119億円の赤字を予想するというところに何とか軟着陸をしたいという作為的な数字をはじき出しているのではないでしょうか。頭に手をやってもだめですよ、あなた。
 さすが財政グループの結束が固くてなかなか実は私も見破れません。実際には単年度に費用計上されるべきものを投資計上して費用化を先延ばししている事実はございませんか、具体的にお示しください。
 赤字要因をいろいろ言っているようでございますが、抜本的見直しが急務であることは局長も私ども委員全体もそのとおりでございます。
 1、未処理欠損金等は、累積赤字方式でなく、単年度赤字は翌年解消処理をする。
 2、単年度赤字の解消として、当たり前のことでございますが、医業収入の確保として保険給付以外にも参入する。医業外収入の拡大として、遊休資産の売却、医療器械など不要品の売却、これも私は何カ所か見たんですが、かなり不必要な器材の購入があるようでございます。その他、支出削減、減価償却費の見直し、あとは職員の給与の減額は知事が今提案しているようですから私から申し述べません。さらには、答弁の中にもございましたが、病院の統合、縮小、これらの点についてどのように対処してきたのか、また、来年度から見直す考えがあるのかどうか、この点についてお尋ねいたします。
 毎年交付金、補助金が投入されていながら単年度赤字の解消を図らず累積赤字が膨らむ現状は、いわゆる親方日の丸で緊張感がなかったのではないでしょうか。宮城県では、平成12年度から病院開設者――これは知事でございますが――から独立した権限を持つ病院事業管理者を設置しているようでございますが、本県では設置する考えはございませんか。

〇千葉医療局長 順がずれますけれども、最後の病院事業管理者の件でございますが、本県の医療局は昭和35年から地方公営企業法を全部適用ということで、制度的には企業管理者を置かなければならないということで、35年から宮城県が始まったと同様事業管理者を設置しているものでございます。現在、私がその任に当たってございます。
 それから、統合、縮小をどう進めてきたかというお尋ねでございますが、近年で申し上げますと、一戸町にあります一戸病院、それから北陽病院、これは精神病院と一般病院でございますが、統合をやりました。それから、今現在構想を策定中ですが、花巻厚生と北上病院につきまして統合を目指して、今、用地の買収もほぼ済んでおりますが、進めてまいりたい。それから、委員の地元の、大変おくれて申しわけないんですが、磐井南光につきましては、統合ではございません。非常にお互いに規模が大きく、性格的にも精神病院と一般病院ということで、管理運営面を考えまして同一敷地に併設と。機能的には統合できる部分がかなりありますが、そういった形で統合というものを進めてきている実績がございます。
 その他の御質問についてはそれぞれ担当課長からお答え申し上げます。

〇齋藤管理課長 平成14年度決算は粉飾決算ではないかというお尋ねでございますが、地方公営企業法施行令に会計の原則というのがございまして、地方公営企業は、その事業の財政状態及び経営成績に関して真実な報告を提供しなければならないとございます。私どももこれに照らしまして、平成14年度決算につきましては、事業収入及び支出を十分に精査いたしまして適正に会計処理いたしたものでございます。
 それから、次のお尋ねでございます。単年度に費用計上されるべきものを投資計上して費用化を先延ばししていないかというお尋ねでございますが、これも同じ施行令に、資本取引と損益取引――いわゆる3条、4条ですね――を明確に区分しなければならないとございます。これも私どもそれぞれの経費につきまして精査の上、資本的支出と収益的支出に明確に区分いたしまして適正に会計処理いたしたところでございます。
 それから、もう一つのお尋ねでございます。決算全般で翌年度の赤字の解消処理ということでございますが、まず、単年度赤字の翌年度処理という御提言がございましたが、これも地方公営企業法の規定がございまして、未処理欠損金として翌事業年度に繰り越し、翌年度にもし利益が生じた場合、その利益をもって赤字を埋めるというのが処理の原則でございまして、残念ながら今回大きな赤字になったわけでございますが、これも法律の手続にのっとりまして適正な処理をしているところでございます。
 それから、保険外給付にも参入して医業収入の確保を図ってはどうかという御提言でございますが、これまでも私ども、差額ベッド料の算定率の向上あるいは病床の適正管理、学校医、がん検診事業の受託、受託医、産業医としての地域医療活動の実施等に努めてきたところでございます。今後もこういった活動に積極的に参加してまいりたいと考えておりますし、遊休資産の売却のお話もございましたが、14年度は、これまで活用計画のない公舎用地につきましては随時売却処分を行ってきましたが、平成14年度からは民間にも対象を広げまして、一般競争入札による土地の売却を積極的に行ってまいりました。その結果、4、000万円余の売却益を得たところでございます。
 それから、器械等に不要品があって、それを売っているのではないかというお話でございますが、病院現場におきましては、基本的に医療機器を耐用年数以上の期間使用してございます。したがって、これを不必要品として売却するということは行ってございません。
 それから、ある病院におきまして診療科の見直し等に伴いまして使用見込みがなくなった医療器械等が生じました場合は、その器械を必要といたしますほかの病院に分掌がえを行いまして、器械につきましては効率的な運用を図っているところでございます。
 それから、支出――費用の削減というお尋ねもございました。これにつきましては、先ほどの飯澤委員への答弁とちょっと重複いたしますが、具体的な取り組みといたしまして、同種同効薬品の整理統一、それから本庁における一括購入、そして医薬分業推進に伴う薬剤師の配置定数の見直しや入院患者の減少に伴う病棟夜勤体制の見直しなどを行っております。それから、医事業務につきましてもボイラー運転業務の、あるいは電話交換業務の外部委託というものを進めて、正規及び臨時職員の削減などを進めてきたところでございます。
 今後の取り組みでございますが、収入確保の面につきましては、今後一層地域保健、医療のニーズや診療業務とのバランスを工夫しながら収益の確保に努めてまいりたいと思いますし、使用計画のない公舎用地、資産の売却については、今年度以降も積極的に行ってまいるとしております。
 また、経費の縮減につきましては、再三答弁しておりますが、今後とも患者数の増加が期待できないということでございますので、長期的な視点に立ちまして、持続的、安定的に県民に医療を提供していくための経営方策を確立する必要があると考えてございます。こうした検討と並行いたしまして、引き続き病院内の部門のレベル、あるいは個々の職員のレベルにまで経費縮減に関する意識の一層の浸透を図りまして、常にみずからの業務を見直しして、効率化を図る視点を持ちながら、日常的な費用の縮減に努めてまいりたいと考えております。

〇佐藤正春委員 医療局長、あなた、病院事業の管理者を宮城県同様やっていると言うけれども、全然成績が上がっていないですね。宮城県は上げていますよ。行ってお勉強したらいかがですか。けさから決算やっているけれども、これという答弁がないわけだ。それは難しいのはわかっている、各委員さんもみんなわかっていますよ、わかっていますが、これという答弁でどういうふうに見直して、これからどういうふうに病院の経営を立て直すか、しかも、患者サービスを落とさないようにやるかということが全然出ていないじゃないですか。
 それから、私はあなたに聞いているんです。これは粉飾決算ですよ。あなた財政出身だから一番詳しいんだ。昔から私はあなたといろいろ話しているんだから。上手にこれはごまかしてきている。だけどどうも私の方でもこれ以上なかなか審査できないので、これからやっていこうと思うのですが、私はあなたから答弁聞きたい。粉飾決算でしょう、これは。合わせたんでしょう、数を。これはあなた、道路公団の藤井総裁などそう言っているんだから、まねしているんだよ。同じことなんだ、これは。
 次、進みます。7月23日東京Y紙の社説は、医療事故について、幾ら過ちは人の常といっても限度がある。重大なミスを繰り返す人に厳しく対応するのは当然のことだ。アメリカでは、医療事故を繰り返す医師はもちろん、患者に暴言を吐いた医師は処分対象となる。ドイツは医師会が定めた職業規則に反した医師は職業裁判所で裁かれると、こう社説は述べていますね。日本では医師は神様扱いである。ここに医療事故に対する甘さと当局のへっぴり腰、遠慮があるわけでございます。
 7月21日消印の内部告発が私のところに来ております。県立磐井病院で6月に大腸検査で腸に穴をあけた事故でございます。これは承知しておりますか。もう何回目でございますので、私も取り上げるのは気が重い。しかも、この問題は医師も関係者も責任逃れをして看護師に押しつけている。こういう投書でございます。なぜ私たちが悪いのかとおびえております。この実態というものを明らかにしてください。
 県医療局は、このようなミスを平気でやる医師確保のために毎年2、600万円を使っている。今までも委員の皆さんから質問がございました。私はこれをもう少し詳しく細かく質問したいと思います。内容は、研究費、土産、中元・お歳暮でございます。むだ遣いも多い。地元の岩手医大は、これは地元ですからやむを得ませんが、たった1人の医師の確保のために300万円大阪市大医学部、福島県医学振興会には毎年50万円、これは先ほど答弁がございました。
 医学会開催補助280万円の内訳を明らかにしていただきたい。中でも日本眼科学会総会60万円、皮膚科学会10万円、使い道がはっきりしていません。報告を要らないと、こういう寄附というのは何なんですか。支出基準が60万円の範囲というのは、この60万円の範囲の根拠を示してください。
 お中元・お歳暮912万4、000円のあて先を明らかにしてください。御存じのとおり予算決算は、この資料請求は議員の方にございますから、この点については事前通告しているので、文書で提出をしていただきたい。
 さらには、祝金・見舞金・弔慰金123万9、000円、医局運営協力費424万8、000円のあて先、これも同様に明示して、各委員にひとつ文書を配付していただきたい。
 また、この種の支出は、各病院単独ではどうなっているのですか。あるのですか、ないのですか。なぜかというと、数カ所私は調査をしてみました。知らないというところもあるし、受け取った覚えがないというところもございます。これは今後追跡調査をしなければ、受領書もないし、やったかどうかわからない、まことにずさんの限りであります。これは医療局長の責任は重い。また、今後このようなわけのわからない中元、受け取りも何もない中元・お歳暮をやめるお考えはございませんか。
 知事は去る17日の記者会見で、岩手医大の研究助成費5、000万円を県民の理解を得て継続したいと言っております。医大の理事長であって知事の選挙の責任者であることは県民の誤解を招きませんか。どうですか、医療局長。医師確保のために金を使うのが当たり前、使わなかったら医師が来ない。例えば、徳洲会病院では医者は幾らでもおります。御承知でしょう。行って教えてもらってきたらどうですか。あるいは今やっているところの医療特区に手を挙げて、医師確保のために先手を今から打っておくべきではないでしょうか。金、金、金がなくては医者が動かない、来ない。医者は金で買うものなんですか。
 ここに、間接的ですが医師確保対策をやっている団体がございます。この団体、私も入会しているわけでございますが、岩手医大に死後医療研究のために無償でみずからの遺体を提供している篤志団体・白寿会というものがございます。昭和47年に設立以来30年になりますが、現在登録会員は1、870名を超えております。この人たちは大部分が岩手県在住者でございます。岩手医大の卒業生が、卒業して岩手県民のために、岩手の医療のためにとの思いを込めてこの会に入っているわけでございます。このように金でなくても医師確保に尽くしていることを忘れてはなりません。ですから、金をよこさなかったならば、補助金をよこさなかったならば医者をやらないというのはおかしいんですよ。それじゃこの団体は医者をよこさなかったら遺体は医大にやらないということになるのですか。そんなことになったら大変でしょう。
 この際、お金ではなくてこのような医師確保の対策がほかにあれば私は伺っておきたい。午前中の小野寺研一委員からの医師対策の答弁によりますと、やはり努力すればそれぞれの病院には医者が来ているようでございますから、そんなむだ遣いしたから、金を使ったから来るというものではないんですから、ほかにそういう努力の方法がございますか。あったらひとつ伺っておきたい。

〇樋下正信副委員長 ただいま佐藤正春委員から執行部に対して資料の請求がありましたけれども、執行部の方で資料は出せる状況にあるでしょうか。

〇千葉医療局長 あらかじめ御質問の内容、その部分いただいておりましたので、準備いたしてございます。

〇樋下正信副委員長 それでは、資料の配付をお願いします。
   
"〔参照〕平成14年度医師確保対策費執行内訳"

〇千葉医療局長 大変たくさん御質問いただきました。できるだけ答弁漏れないように、課長と協力してお答え申し上げたいと思います。
 まず、経営の建て直しを具体的にどうするというお話ですが、いずれ今、医療局内部でも委員会を立ち上げましたし、外部の委員の皆さんで組織しております経営懇話会で御議論いただいております。懇話会は今月下旬に最後の4回目で終了する予定でございますが、そういった提言も踏まえまして鋭意改善方策を具体化してまいりたい。アクションプランというような形で組み立ててまいりたいと思っております。当然その中にはみずからの自助努力という、例えば病院規模あるいは縮小するとかいったような場合も考えられるわけですが、そういった自助努力をやはりいかにするかというのは、結局県民の皆さんの御理解をいただく上で絶対必要だと思っておりますので、そういった面で計画をつくってまいりたい。
 それから、粉飾決算は絶対ございません。というのは100億円に別にこだわっているわけではありません。当初予算段階でもう100億円をはるかに超える予算を組んでいるわけでございまして、先ほど管理課長、誠実に御答弁申し上げましたとおりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 それから、磐井病院の6月の件を承知しているかということでございますが、恐らくこれは6月下旬の66歳の患者さん、大腸の内視鏡検査を実施した際に、大腸穿孔という事態に至ったという件であろうと思いますが、この患者さんはがん患者さんでございまして、過去に大きな手術をしているといったような状況もありまして、その腸の癒着というのが、非常に可能性が大というふうに、当然このような場合は考えられるわけでございまして、そういったリスクがあるということで、あらかじめこの検査、これは検査のために内視鏡を入れたのですが、検査に先立ちましてその検査の危険性、それから対処法、これは患者さんに十分説明し承諾を得て検査をしたものでございます。具体的にはそういったいわゆる危険性の可能性を記述した文書でもって、承諾書という形で御本人から事前に承諾をいただいております。その内容を見ますと、いずれそういった穿孔の危険性がありますと、あった場合には適切にその場でいわゆる開腹手術等の処置をいたしますということで承諾書をいただいて、実際にそういった穿孔という事態に至ったわけですが、開腹手術を直ちに行いまして、その件については無事治癒されて、その時点で退院されております。ただ、今現在がんの方の関係で9月末から入院されているということでございます。
 それから、医師確保対策費、今の件ですが、お配りいたしました。いっぱい御質問いただきましたけれども、まず学会開催費補助でございますが、午前中にもお答え申し上げましたけれども、昨年度は5学会に対して総額280万円、これはいわゆる助成金交付要綱という基準を持っておりまして、その基準は何かと言いますと、県内で開催する場合と、東北大学等の関係で、県外で開催する場合、それぞれ基準を、差をつけてございます。それから、大会のその規模、これは参加者の数、いわゆる学会に参加する人数といったようなことで基準を一定の基準を設けております。それから、当然その補助の対象となる経費については、例えば飲み食いはだめだとか、大会に直接必要な経費ということで設定しているものでございまして、例えば日本眼科学会総会については、これは仙台で行われたのですが3、000名の参加者が予定されておりまして、先ほど申し上げました要綱の基準で言いますと100万円までという限度がありますが、60万円の御要請に対して60万円助成したというものでございますし、皮膚科……(佐藤正春委員「答弁した分は要らないよ、そんな何回も、答弁していない、隠している分だけ言えよ」と呼ぶ)
 次に、中元・歳暮、それから医局運営協力費と、それから今資料をお配りいたしましたが、大学別、各病院別に件数と金額が書いてございます。3枚目の祝金、弔慰金ですが、これにつきましては、病院別には書いてございますが、病院ごとの内訳が調査をちょっとしかねましたので、うち一番下段に本庁分26万4、000円ございますが、これの内訳がその右隣の表でございます。上から慶弔・見舞金あるいは祝金、それから土産といった形でありますが、後ほど資料についてはごらんいただきたいと思います。
 それから、これから中元・歳暮をどうするのだというお話でございますが、これはいろいろ申し上げました医師確保にかかわって、病院長が何回も病院を訪問して情報収集したり依頼したりいろいろやっているわけでございまして、盆暮れというその節目の時期にそういった土産品を出すといったような形で執行してきたものでございます。
 それから、医局運営協力費につきましては、これは先ほどの資料では1枚目の右の方に記載したものでございますけれども、これもそういった情報収集なり、あるいは医師の派遣を受けた場合の謝礼という形で各病院長が執行しているものでございます。これにつきましては、中元・歳暮、それから医局運営費ということで、どちらかというと混然として使われているという実態もございまして、医局運営費につきましては本年4月から廃止し、中元・歳暮のみ今年度は執行しているところでございます。
 それから、この中元・歳暮についての今後の対応でございますが、今申し上げました趣旨でやってきてございますけれども、いろいろ昨今の社会情勢なり不透明な部分というのも、やはりそしりを免れないと考えてございますので、今後のあり方につきましては、知事も会見で申しておりましたけれども、一層透明性を確保するという観点で見直してまいりたいと考えてございます。
 それから、岩手医科大学に対する助成金についてお尋ねがございました。いずれこれは岩手医科大学に対しまして大学の研究・教育活動を支援するということによりまして、それによって良質な医師を、安定的に供給を受けるというねらいで昭和49年から助成いたしておりますが、段階的に金額が引き上げられ、ここ5年ぐらい5、000万円という額で助成しているものでございます。岩手医科大学、御承知のとおり県内唯一の医師養成機関、しかも私立大学でございますが、これに対しまして研究費の助成という形で支援することが、医師の確保にやはり結びつくと我々は確信いたしておりまして、これについては引き続き継続してまいりたいと考えてございます。現実に医師の確保ですが、例えば10年前の平成5年と今現在の医師の、常勤の医師、正規の医師ですが、現在県立病院に、いわゆる大学に所属する医師という意味ですが、427名常勤の正規医師がございますが、10年前は347名ということで80名ほどふえておりますが、そのうち岩手医科大学に関係する医師46名がふえているといったようなこと、全体で岩手医科大学の、先ほど平成15年、今現在の常勤の正規医師は427名中259名、半分以上を占めているといったようなことで、やはりこういった助成を通じまして医師の安定的、継続的な確保に資するようやってまいりたいと考えてございます。
 徳洲会についてですが、大変申しわけありませんが詳しく承知しておりません。全国に病院を展開して相当医師の需要もあると思いますけれども、今後研究して参考になる事項があれば参考とさせていただきたい。ただ、インターネットのホームページを見ますと、徳洲会自身もホームページに医師募集広告を出しておりまして、それなりに御苦労なさっている部分もあるのかなという気もいたします。
 それから、特区の関係ですが、ちょっと私アイデアがなかなか浮かばないのですが、医師確保にかかわってその特区制度を活用するということ、他の例も見ましたけれども、逆に歯科医師過剰地域について特区でもって緩和するといったようなものは見つけましたけれども、なかなか、絶対数が本県だけではなく東北管内でも足りないという状況の中で、果たして具体的な効果に結びつける特区というのがあるかどうか、今現在では思いつきません。
 それから、委員が理事長をお務めになる白寿会、いわゆる遺体を献体される会でございますが、お話ございました。まことに本当に善意でみずからのお体を医学医術の進歩のために出すと、提供なさるということで非常に善意に満ちた、大いに敬服するものでございます。そういった形で医学・医術に貢献されているということでございますが、我々もいろんな意味で岩手医科大学に対して支援できる範囲で支援いたしまして、医師の確保に結びつけるよう今後とも取り組んでまいりたいと思います。
 先ほど私、懇話会、今月下旬と申し上げましたが、きょうは29日ですから来月の下旬でございます。訂正させていただきます。

〇佐藤正春委員 局長、ちゃんとゆっくり整理して答弁してください。そっちへ飛んだりこっちへ飛んだり、何もおれのところなど褒めることないから、医師確保のことを言っているのだからね。
 磐井病院のその医療事故については、なかなか、この間も東京でもそういう事件があったわけで、問題は、私のところに告発文によると、責任所在がはっきりしないと、看護師に押しつけてくると、こう言っているんだよ。そこまで調査したの。がんの患者だから、まあというようなことの答弁だけれども、そういう内部的な問題もだから出てくるんですよ。責任所在というのは一体どこにあるのかということなんです。ここの病院は何回もだ。私は3回か4回取り上げているわけだから。内部の責任が、だれがあるんですかということを聞いているんですよ。
 それから、きょうは決算ですから、今、内訳を配付した。これからこれをじっくり見ますが、私が聞いているのは、説明もなければ領収書もないのはどうなっているんですかと、その説明はさっぱりないじゃないの。嫌なことは答えなくて、心地いいことばかり言ったってだめだよ。私は、これはこれから調査して追跡調査します。二、三カ所聞いたんだよ。いや、そんなのもらった覚えがない。領収書ないからそう言うよ、あなた。後腐れあってはうまくないから。もらったこともないし見たこともない、こう言うんだから。そういうようなことをやって決算になるんですかと聞いているんだよ。その答弁がきょうまだありませんよ。
 さて、それでは3回目、最後の質問、ここが重大なんだ。監査委員様にお尋ねをいたします。今のきょうの決算状況をそこでお聞きになったと思うんですよ。お聞きになって、決算審査意見書によると、1ページ、事業の運営も経営の基本原則に従って行われていると認められたと述べております。公営企業法では企業の経済性の発揮を求めており、一般会計からの繰り入れ、平成14年度145億円余もあり、さらに累積赤字が99億円余に達しており、これでもって認めることができたと思いますか。監査委員としてお答え願いたい。
 さらに、第3意見の中に患者数の減少に触れております。なぜ減ったのか、なぜ医療事故が多くなったのかという点には触れておりません。なぜですか。これだけ議題になるのに監査意見の中に触れていませんよ。
 財務事項はおおむね適正にされていると、こう認めております。1、000万円近いお中元・お歳暮、学会寄附、中には領収書も報告書もない、こういうものは適正であったと、こう書いてある。本当なんですか。この点2点伺いたい。
 それから、県立磐井・南光病院は、前任者、特に元佐藤文昭局長の無責任によって4年おくれ、やっと先日、入札も決まって建設に入るわけでございます。数日前、私はこの両病院を回ってきました。その老朽化、故障だらけ、器械も故障、病院も故障、よく院長以下我慢してやっていると私は見てまいりました。特に南光病院の窓にはめている安全用の鉄格子はさびついておりまして、まるでどこかの強制収容所を想像されるようなものでございます。局長は見てきましたか。あなた決算の前に見てこなければだめだよ、こういうものをちゃんと。私はちゃんと政務調査費で見てきたんだから。こういう状況というものは新病院ができるまで放置しておくのですか、お伺いいたします。
 それから、今もう一点、同僚委員からぜひぜひということで来たので。今晩、歯科医師会との懇談会があります。要望の中に口腔外科の設置がございます。これは前から小野寺委員や柳村委員が一生懸命言っていた。一関地方の新病院に口腔外科設置についてどうなっているのか、この点について追加質問、これは事前に出していないのですが追加質問。

〇千葉医療局長 私から、いわゆる磐井病院の件に関しての責任転嫁ということですが、いずれつぶさに調査いたしました。その結果、まさに内視鏡というのは医師が直接やるものですから、患者さんへの説明なり同意を得る作業はすべて医師が行ったということでございます。したがって、看護師に押しつけるようなことはしていないというふうに認識いたしてございます。
 それから、中元・歳暮等に関する領収書がない、受け取っていないと言われているというお話ですが、いずれ一般的に中元・歳暮、領収書を出すということなかなか考えられません。県の支出の方で物を買えばその書類には領収書はついてございます。ただ、一部現金で渡されているものが実態としてありました。それにつきましては財務規定で、資金前渡してそれを病院長の支出を確認するという形で、いわゆる規定上支出を認めてきたものでございます。ただ、そういった意味で後に残らないということはやはり透明性に欠ける、今後これは絶対改めなければならぬということで、先ほど申し上げましたとおり、医局運営協力費については4月から廃止しましたし、中元・歳暮につきましても本年4月から金銭によるものは禁止いたしておりまして、必ず病院に領収書が残るように支出手続を改めたところでございます。
 その他につきましては、関係課長からお答えさせます。

〇齋藤管理課長 南光病院の鉄格子の件でございます。南光病院につきましては、御案内のとおり間もなく移転新築を控えておりまして、私ども苦しい状況から経費については極力節減に努めているところでありますが、整備や修繕の必要性及び緊急性のあるものにつきましては、現場の要望を聞きながら検討してまいりたいと考えてございます。
 それから、もう一点、歯科口腔外科の新設ということでございます。歯科口腔外科につきましては、実は歯科医師、歯科衛生士の常時配置というものを検討した場合、それに見合う需要が残念ながら見込まれないということで、常設診療科とすることについては現在のところ困難と考えてございますが、もう少し検討してまいりたい。何分地域における高度、特殊な歯科分野の対応のためということでございますので、病院施設の設備などの活用については、引き続き検討してまいりたいと考えてございます。

〇一戸監査委員 大変多くの御質問をちょうだいし、しかも、様ということでございましたので大変恐縮しております。順次答えさせていただきます。
 まず、一般会計から繰り入れ、さらに累積赤字が99億円余になっているが、経営の基本原則に沿って行われていると認められるのかという御質問でございますけれども、経営の基本原則については地方公営企業法第3条において、企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するよう運営されなければならないとされております。県立病院においては、僻地医療や救急医療など採算面で厳しい部門を担っていることなどもありまして赤字決算となりましたが、業務量に応じた職員の適正配置や薬品、診療用材料等の集中調達を実施するなど、経済性の原則である合理的、能率的な経営に努力していると認められたものであり、また、単に経済性のみならず県民への医療サービスの提供という、本来の目的であります公共の福祉の増進に向かって努力していることから、経営の基本原則に従って運営されていると認められたものであります。
 なお、一般会計からの繰り入れについては、地方公営企業法第17条の2に基づき、病院の建設に要する経費、僻地医療の確保に要する経費、救急医療の確保の経費等は一般会計において負担すべきものとされているところであります。
 次に、患者数はなぜ減少したのか、また、医療事故について意見書で触れないのはなぜかという御質問にお答えいたします。
 患者数の減少につきましては、決算審査意見書で述べているとおり、また、午前の委員会質疑でもありましたように、その主な要因は平均在院日数の短縮による入院患者数の減少、薬剤の長期投与による外来患者数の減少などでありますが、そのほかに医師の交代や退職、医療とかかわりの少なくなった方の受け皿として老人福祉施設等の整備が進んだことなどが考えられます。
 医療事故については、賠償金の収支について監査しているところでありますが、発生状況等については監査していないことから、決算意見審査書に記載していないものであります。
 なお、医療事故の発生防止については、現金出納検査、定期監査等を通じ意見を申し述べているところであります。
 最後に、中元・歳暮、学会寄附について、領収書も報告書もないものは適正と言えるかというお尋ねでありますが、これについてお答え申し上げます。
 監査は抽出で実施しておりますが、見た範囲においては、おおむね適正に処理されているものとして意見を述べているところであります。中元・歳暮については資金前渡による場合は精算報告がなされ、商品券、物品の場合は適正な手続により購入されていることを確認しておりますが、受領書については社会的儀礼として行っているところから、徴取していないものと理解しております。
 大学等に対する助成金については、口座振り込みで支出されており適正に処理されておりましたが、より透明性を高めるためには使途を明らかにした報告書等の提出を要するものと考えております。

〇亀卦川富夫委員 政和会の亀卦川でございます。よろしくお願いいたします。
 ただいままでの質問の中でサテライトシステム、情報ハイウェイ、あるいは電子カルテなどのお話がありましたが、今後の病院経営においてIT化は特にこの改革上も必要不可欠と思われますので、その点についてお伺いいたします。
 ただいままでのとおり、県立病院の経営は大変な累積赤字の急増で危機に陥っているという指摘があります。報道によれば県立中央病院の樋口院長先生は、山形県において採用したサテライトシステム医療施設方式の導入を提言され、県医療局はこれに前向きの姿勢を示すとなっておりましたが、これについては今までの御答弁で触れられておるところであります。一方、日本経済調査協会、これは産業の方でございまして、医療産業のあり方を考える、この中に調査専門委員会で大星委員長、NTTドコモの会長、現在相談役ですが、この委員長のもとに医療の硬直した現況を破る方法として、提案としては、一つは先ほども触れられましたが、医療特区、ここに限定した地域での、これはまだ実験的な段階のようであります。二つ目にITの活用を図ること、これが必要だと指摘されております。このITについては、例えば先ほども出ましたが、カルテの電子化などは全国的には個々の病院ごとにかなり進んでおりますが、これをネットワーク化しないとITの十分な機能は発揮できない、このように指摘されているわけです。特に本県のように国内でも最多の27の県立病院を持つ県、さらには、市町村立病院を数えますと自治体病院は非常に多いわけであります。これに岩手医大や民間の病院を加えますと大変な、いわゆる産業としてとらえれば産業群というものが形成されておりますが、近年の特にそういう意味では雇用創出産業として、医療あるいは介護・福祉関係の領域が挙げられているのがうなずけるわけです。
 そこで、特に今日、ブロードバンド通信の実現ということで、いろんな言葉がはやっておりますが、ユビキタス社会、こういうふうな時代がいよいよ到来している、現実のものになりつつある。こういう中でこれが今の県の医療というものを一つとらえる大きな部分があるのではないか。これをどうネットワーク化していくのか、そのグランドデザインが今必要だろうと思うのですが、この辺の認識をお伺いいたします。
 そこで、先ほど申し上げましたITの活用について、現在までどのように医療局としては対応してきたのか、その辺の実績を含めてお答え願えればと思います。

〇八木経営改革監 まず、IT化に関する認識ということでございますけれども、県ではいわて情報ハイウェイを活用した医療情報ネットワークの整備を進めておりまして、これを利用した医療情報のオンライン化ということで、岩手医大と県立病院、あるいは県立病院間を結んだ画像診断や症例検討会などを今実施しているところでございます。県立病院で見ますと、地域における医療の連携、それから委員おっしゃいましたような経営の安定的な運営を図るということの改革・改善のためにも、機能分担とか連携に対応した病院間のネットワークと、やはり将来的には電子カルテを中心とした新しい医療情報システムの構築が必要であると考えておりまして、昨年度、県立病院の中の基本構想書等を作成しながら、現在作業を進めているところでございます。したがいまして、県立病院のみならず全県がこうしたネットワーク化をして、医療の質の向上と効率的な医療の提供体制を地域全体でつくり上げていくということは、大変重要な課題であると認識をしているところでございます。
 次に、今までに要した費用ということでございますけれども、過去5年間くらいの状況を申し上げますと、総体で13億8、000万円ほどのIT化の費用を投資してございますし、主な内容は医事会計システム、これに4億7、800万円ほど、それからオーダリングシステムという、院内の処方とか、いろんなものがございますが、これに1億8、700万円ほど、さらに、栄養管理システムに5、500万円ほどと、こういったものが主なものでございまして、今年度、いわゆる平成15年度からは新たに財務会計システムということの構築をしてございまして、これも1億円を超えるような予算を組んで今取り組んでいる状況でございます。

〇亀卦川富夫委員 今IT化の対応とか、あるいは今後大切だというような御見解をお伺いしました。非常にITの部分は、私は、これは今後大いに認識してきっちりやっていかなければならないことだと思いますが、ただ、ここに留意しなければならない部分があります。留意点、これは従前のようにITシステムを単なる製品として、今までは恐らく初期ですから単なる製品として納入していただくというやり方でありましたが、これは大変今技術革新のテンポが速いんですね。こういう世界ではシステムの進化、あるいは拡張性、いわゆる更新の都度大変な投資がかかるので、大変なこれはいってみれば金食い虫になる可能性があるわけです。したがって、本県のようにインフラが今後、大変県内も大きいわけですが、この大きさに見合う、特に27も病院があるわけですから、こういったところに見合うIT関連の設備投資というのは、維持費とあわせますと大変な負担になってくるのではないかと思います。ただ、これをやらないと今後の時代に対応して医療の質の向上等を進められない、旧式のシステムに甘んじていく以外ないとなりますと、いわゆる今後の時代に本当にネットワーク化などを求めていくのには大変だと思うわけです。
 したがって、IT関連のこの導入に当たっては段階的進化、あるいは拡張、こういったものを柔軟にチェックしながら、システム評価のできるマニュアル等が必要だろうと思うわけです。そこで、今までのように単に企業からこのシステムを購入するのではなくて、医師あるいは患者さんも含めて医療の現場、ユーザー自身がこのシステム開発をすることが大変大切なことだろうと私は思います。そこで、これが膨大な設備投資や次の更新の維持費を少なくすることであります。これは先ほど以来、心が通うという基本理念とか、あるいは医師の業績評価など、こういったことを含めますと、非常にこの辺は現場でやらなければならないことだろうと思います。ただ、現場でやらなければという場合、今の国などでも方針を出しているのですが、ITコーディネーターなどの分野、これは経営とか技術のわかる、そういった企業へのサポートする、こういった人材とか機関との連携が、私は医療局としては必要になってくるのではないかと思うわけですが、この辺の御認識と今後の対応についての御所見をお伺いしたいと思います。

〇八木経営改革監 今、委員の方からお話しありました新しい医療情報化を進めるということに当たっては、当然病院の機能に合わせたシステム開発というのが、使う側にとっては非常に使いやすいということは言えると思います。そのための組織とか人材、これらの設置についても重要とは認識はしてございますけれども、専門的な知識、技術を要する職種でございますので民間での、今やっている民間も活用しながら検討してまいりたいと考えてございます。

〇亀卦川富夫委員 これは具体的に沖縄県でこういう実例が今出てきている。言ってみますと大変資金に困難なところで、どうしたらいいかということで、医療の現場で医師を中心にシステムを開発した。それがもとになりますと次々と更新できるわけですね。そうでないとさっき申し上げたとおり、更新の都度さらに投資ということで大変な金食い虫になる。これは皆さん御承知のとおりだろうと思うのです。そこで、そういった部分を、私も調べて情報があればお届けしますが、ぜひ御検討されて、今後そういうものに立脚してその次のネットワーク化、恐らくこのサテライトシステムというようなものも取り上げるとすれば、当然この部分が必要になってくるのだろうと思います。ひとつこれは要望いたしまして終わります。

〇樋下正信副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時55分 休 憩
 
   午後3時13分 再 開

〇及川幸子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇伊沢昌弘委員 社民党の伊沢でございます。
 医療局の決算審査に当たりまして質問させていただきたいと思います。
 まず、長期財政見通し、それから今後の計画等についてお伺いしたいと思います。
 14年度の決算は、収益的収支において、大幅な患者の減少と診療報酬及び薬価基準等の引き下げによりまして18億円余の損失となり、累積損失が99億1、900万円余と増加する大変厳しい状況となりましたけれども、県医療局は、27の県立病院の経営に当たるとともに、県民医療の確保に鋭意御努力されていることにまずもって敬意を表したいと思います。
 しかし、平成14年度末の企業債残高が1、209億円となり、その償還額も、13年度より減少しているものの、14年では80億円余ございます。企業債利息についても、42億円余と多額になっている状況にあるわけであります。この結果、企業債償還元金対減価償却比率が217.7%と、前年に比べても上回ってきております。企業債の償還財源である内部留保資金が不足してくるのではないかと心配されるところであります。
 医療局では平成12年に県立病院長期経営計画を策定しておりますが、その後に導入された介護保険制度や診療報酬の低下、さらには健康保険法の改正等が行われ、収支計画が大きく乖離してきたものと存じます。これまでの質疑にもありましたとおり、大変大きな差が生じているという御答弁があったところであります。
 そこで伺っていきますが、この長期経営計画の見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか。県立病院の経営懇話会で今検討がなされているようでございますけれども、新たな計画策定の予定と今後の中長期の経営見通しについてお示しいただきたいと思います。

〇千葉医療局長 まず、お話の中に現在の長期経営計画との乖離のお話がございましたけれども、この計画は12年2月に策定したものでございますが、14年度決算でいいますと、当初14年度で見込んだ額に対しまして、診療収入の減、これはお話のとおり患者数の減あるいは診療単価のマイナス改定ということですが、約187億円乖離があります。一方、費用では、材料費が薬を中心に減っているという部分がありますし、給与の伸びがないということで給与費の減もありますが、やはり158億円当初見込んだより減じている。これは、それぞれ20%近い乖離でございます。この収支差で29億円が悪化しているということになります。
 この要因は、今申し上げましたけれども、報酬のマイナス改定とか在院日数の減あるいは12年から始まった介護保険制度、こういった要因もあろうかと思ってございます。
 そこで、長期収支見通しの見直しということでございますけれども、いずれ人口の減少あるいは少子・高齢化の進展、また、国によるいろいろな医療制度改革といったようなことで、何回も申し上げておりますが、今後患者数の増は望めないだろうという状況にございます。こういった状況がやはり大きく変わってきているという認識のもとにありますが、このまま現体制で経営を続けますと、毎年やっぱり20億円以上の赤字が出ると考えます。したがいまして、緊急に経営改善あるいは改革を進めなければならないと思います。
 企業債の償還に関しては、内部留保の話もありましたが、14年度では92億円ほどございますけれども、これは当然収支がマイナスになりますとその分どんどん目減りしていくということになりますので、仮に20億円ベースで赤字が続けば数年後には資金ショートする、資金繰りが逼迫するという状況にございます。いずれ改革、改善が避けられない。
 それから、今後の中長期見通しの見直しですが、委員からお話のとおり、現在、御意見、提言を得るために懇話会を開催しておりますが、そういった提言を踏まえまして早急に経営改革・改善の方策を取りまとめたい。その中で収支の見通しもお示ししてまいりたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 早急にということでずっとあったんですが、15年度は動いているわけですが、16年度予算執行前にはこれが出るのかどうかというところを1点だけお伺いします。

〇千葉医療局長 そういう目標で頑張ってまいりたいと思います。

〇伊沢昌弘委員 次に、今後の対応について二、三お伺いしたいと思います。
 先ほど来お話ありました点と重複するんですが、空き病床対策についてでございます。資料によりますと、病床利用率が80.3%まで全県平均で低下しております。このことに対する見直しが必要だというのは先ほど来お話があったとおりであります。私お聞きしたいのは、病院ごと、もしくは診療科によっては空きベッド待ちの患者さんも存在しているのではないか、全体で80だから20%全部余っているということでいいのかという思いがありまして、この空きベッド待ちの患者さんの実態と、それから、空きベッドの今後の利用方法等を含めて検討していくことが必要だと思うんですけれども、それについてのお考えをまずお示しいただきたいと思います。
 次に、地域医療の担い手としての県立病院の役割についてでありますけれども、民間の医療機関との連携をさらに強化する必要があるということはこれまでも御答弁をいただいているわけであります。入院に係る急性期加算要件について、病院の病床数、それから在院日数に加えて他の病院からの紹介率があることも御答弁いただいているわけでありますが、これの30%超える見込みというのは中央病院だけだというお話がございました。私は、以前からホームドクター等の紹介も含めて全体的な取り組みをしながら民間との連携を強化すべきだということを言ってきた経緯があるわけでありますけれども、今の時点において、ホームドクターからの紹介率というのは各病院どのくらいの率になっているのか、中央病院以外は望めないという話もあったんですけれども、どの程度あるのか、把握していればお示しいただきたいと思います。
 もう一点続けさせていただきます。決算書には病院ごとの損益が示されております。14年度は20病院が赤字になっているわけであります。県立病院すべての経営権限は、先ほど佐藤委員からの質問にもありましたとおり、管理者である医療局長にあると存じているわけでありますけれども、各病院の経営状況を的確に把握しているとの前提で、責任を負っているのは各病院の病院長ではないかと思うわけです。病院長が診療全般の責任と経営全般の責任を負担している現状を打破するためには、名前として病院長がふさわしいかどうかは別にして、病院長2人制にして役割分担をすることも必要ではないかと考えるわけであります。経営と診療全般の分担をするという意味での2人制を提唱したいと思うわけでありますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
 もちろん今は、経営全般については事務局長さんなり事務長さんが担っていて、その方の経営手腕が不足しているとは私は思っていませんが、病院長にかわる職の方を置いて病院ごとの経営等々を含めた指導をする、そういった体制をとるべきだと思うのでありますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。

〇細川職員課長 病院長を2人制にして役割分担をしたらどうかという御提言についてでございます。
 病院長には、診療面ですとか、あるいは経営面など幅広い観点から各部署を統括し、そして運営全般に関する責任を担っていただく必要があろうと認識しております。また、病院長の強力なリーダーシップのもとに、診療面の専門分野をカバーする副院長、それから、お話がありましたが、経営管理面を補佐する事務局長、それから、病院には過半数を占める看護職員がいるわけですが、そういう患者サービスの中心を担う看護部門を統括する総看護師長が院長と連携、協調することによって良質な医療の提供と病院経営の向上につながっていくのではないかと考えてございます。
 今後とも、職責に応じた役割を十分に果たしてもらえるよう、例えば専門機関への研修の派遣ですとか、あるいは幹部職員の研修などを通じて資質の向上を図り、しっかりとした院長のバックアップ体制をつくってまいりたいと考えてございます。

〇大沢業務課長 病床利用率の低下に伴うベッド利用という観点の御質問でございますが、空きベッド待ちの実態でございますが、9月に、ワンデーでございますが調査した結果、現在、空きベッドに対する入院待ちの患者さんは発生していないという状況はございます。
 その利用についてでございますが、先ほど来お話がありますように、病床の休廃止あるいは減少、転用などを含めまして、計画の見直しの段階で決定していきたいと考えてございます。
 それから、ホームドクターの件でございますが、県立病院、特にも広域中核病院については二次・三次救急あるいはがんとか心疾患、脳外科等の専門分野を担ってございますので、民間医療機関と連携を図る必要があるということで、逆紹介についても鋭意努力しているところでございます。
 その実態でございますが、全病院の紹介率でございますが、民間から紹介を受けている患者さんは、14年度は3万756人ということで、昨年度より1、100人ほど、3.8%増加してございます。逆に民間に紹介した患者さんが、特に民間の診療所でございますが、これは1万6、732ということで、昨年度より2、576件、18.2%増加している状況でございます。
 紹介率の病院ごとというお話がございましたが、先ほどの中央病院の件は紹介が36.6%ございますが、次に高い病院は胆沢病院で23.3%ございます。そのほか、10%超えている病院が2病院でございます。あと10%以下の病院ということで、平均で県病全体で10.4%という状況でございます。

〇伊沢昌弘委員 民間病院が少ない地域が多いのでどうしてもこういう形になるのかと思いますけれども、できるだけ民間との連携強化を図るようにお願いしたいと思います。
 次に、固定資産の売却についてお伺いしたいと思います。
 御説明の中で、土地の売却によって益が生じたという報告があったわけでありますけれども、14年度の決算書の中に特別損失固定資産売却損として2億900万円が計上されているわけでありますけれども、この生じた理由についてまずお伺いしたいと思います。
 また、この間に県立病院跡地を更地に変えて整備し、売却してきておりますけれども、建物の解体撤去費用等を差し引くと、土地帳簿価格――簿価を割り込む場合も生じているのではないかという心配をしているところであります。
 そこでお伺いいたしますけれども、ここ数年間に売却した病院跡地の収支実績はどのようになっているでしょうか。わかる範囲内で結構でありますのでお示しいただきたいと思います。
 続けてもう一点お伺いします。
 医療事故・院内感染防止についてであります。SARSについても質問予定をしていましたが、前の方から出ていますので、私は、医療事故・院内感染防止対策について、この間いろいろな対策を行ってきていると承知しています。これまでの病院内での実践事例なり研修の状況も御答弁あったわけでありますけれども、14年度における医療事故等の発生状況はどのようになっているのでしょうか。いろいろな対策を講じてきて、これまでの前年比といいますか、対策を何もしてこなかったという言い方はまずいんですけれども、対策を講じてから発生状況が減少していることを期待するわけですけれども、その状況についてお伺いしたいと思います。
 SARSについてなんですが、先ほど来岩手県行動計画の中で病院でも頑張ってやっているという御答弁をいただきました。私、心配なのは、患者さんがみずからの症状を訴えて、感染地区に旅行したという認識のもとで病院に相談をした場合はSARSの疑いというのは診療する前にわかるわけです。しかし、岩手県が日本国内で初といった場合については、今の対策では大変心もとないのではないかという思いがしています。きのう、きょうの新聞で、厚生労働省が、1時間以内もしくは30分以内に遺伝子等々の分析をしながら数百円のキットでSARSの対策ができるというのも出て近々実用化されるのではないかという報道もあるわけですけれども、この報道を受けて、県立病院としても独自の新たな対策も必要ではないかと思うんですけれども、きのう、きょうの話でなかなか恐縮なわけですけれども、こういった研究成果等を含めた医療局としての対応がもしあればお示しいただきたいと思います。

〇齋藤管理課長 私の方から特別損失等について御答弁申し上げます。
 まず、今回計上いたしました特別損失は、旧宮古病院跡地の売却に伴うものでございます。この宮古病院跡地につきましては、平成4年度に東北郵政局に売るということで進めておりましたが、境界問題が発生いたしまして、一たん岩手県土地開発基金に売却いたしまして、その当時9億8、000万円余の特別利益を計上してございます。その後、14年度でございますが、東北郵政局が宮古郵便局を晴れて取得という運びになったわけでございまして、これを土地開発基金から買い戻しましたが、この間、地価が下落いたしまして、その差が2億900万円という形になって特別損失になったわけでございます。ただ、この二つをトータルしますと7億7、000万円余の売却益が生じているということで、トータルでは利益が出ているということでございます。
 それから、売却しました病院跡地の収支実績でございますが、跡地の売却につきましては、10年度以降、胆沢病院初め合計6病院で9件となってございます。売却価格から帳簿価格と建物の解体費用等を差し引いた収支実績についてはすべての病院でプラスになっておりまして、この6病院のトータルで9億6、000万円余となってございます。

〇大沢業務課長 医療事故についてでございますが、毎年取り組んでいるわけですが、マニュアルの作成とかインシデント事例の分析とか評価をして対応しているわけでございますが、残念ながら14年度の発生につきましては昨年度より増加している状況でございます。増加した理由というのは、患者さんへの説明が十分にいっていないというところのものが増加しているというようになってございまして、診療に対する不信、そういう部分が多くなっているということで、非常に残念な結果になってございます。
 それから、SARS対策でございますが、先ほどお話がありましたように、厚生労働省の研究班がキットを完成したということで、判定する検査キットが開発になったということで大変喜んでおりますが、今回の冬場に間に合うかどうかというのが大変心配されるところでございます。
 医療局としましては、あくまでも岩手県の行動計画に沿いながら、この冬場、準備を怠りなくしたいと考えてございます。

〇伊沢昌弘委員 事故について、患者さんへの説明が十分でないものがあった、これは苦情になりませんでしょうか。事故等の部分をお聞きしたんですが、それはふえているんですか。苦情がふえているということなのかどうか、そこだけ確認させてください。

〇大沢業務課長 昨年度までですが、苦情があったものについても医療事故という処理をしていたものですから、そういう部分がふえているということで、昨年度途中からですが、医療事故の分類をきちっとしましたので、そのレベルに沿った対応というのは今年度やってございますが、昨年度までは医療に係る苦情も医療事故ということで病院から報告をもらっていたものでございまして、その部分が増加しているということでございます。

〇伊沢昌弘委員 後で内訳等をいただければ幸いだと思います。
 あと2点お伺いします。
 県政に対する意見、提言についてであります。以前にも私お伺いしました。県民等から各部局に対して意見や提言が文書や電話、電子メール等で送付された内容が県のホームページに公開されているわけであります。以前にも医療局の関係が多いということでお伺いした経緯がありました。中には、意見でございますから、看護師さんから優しく対応していただいて大変心が休まって感謝した、そういう内容のものもあるんですが、大半は医師、看護師等の対応の悪さ、施設の不備を訴えるもので、まさに苦情が多いのではないかと思っています。それぞれの当該病院や医療局としては、申し出人がわかる場合は多分誠意を持って回答していると思われます。また、病院内に掲示をしながら対策を講じているというのも宮古病院等を見た際にお伺いしてまいりました。県立病院における医師不足とか看護師さんの過酷な勤務条件のあらわれだとも思うわけでありますけれども、こういう意見、提言、特に苦情が多いものについて医療局としてどのような所見を持っているのか、また、該当する病院に対する対策、医療局としてどのような対策を講じてきているのかお示しいただきたいと思います。

〇齋藤管理課長 県民からの意見、提言についてのお尋ねでございます。
 平成15年4月から6月までに県に寄せられました苦情、提言は757件ございましたが、そのうち、医療局に関するものは73件ございました。本庁では県土整備部が79件でございまして、それに次ぐ件数となってございます。
 主な内容といたしましては、医師確保、診療体制の充実など病院運営に関するものが15件、診療内容の説明や職員の接遇に関するものが22件、待ち時間の改善に関するものが3件などで、やはり病院運営、職員の応対に関するものが大半を占めてございました。
 一向に苦情などが減らないということで、その要因といたしましては、県立病院は、日々患者さんを初め多くの方が出入りしておられまして、各病院、診療科によっては多忙な時間帯が生じます。こうしたことなどから、医師や看護師などの職員の中には必ずしも十分な応対や対応などができかねる面があるのではないかと存じております。こうした点については、まだ改善の余地があるのではないかと考えてございます。
 これまで寄せられた苦情、提言につきましては、事実関係の調査を行った上で、その都度提言された方々に対して説明を行うように努めております。また、いただきました苦情については、病院内で情報をそれぞれ共有いたしまして、接遇教育や業務改善などに取り組むよう指導しております。
 今後とも、県民の方々から寄せられた苦情、提言などにつきましては真摯に受けとめまして、病院事業の運営に反映させていきたいと存じております。

〇伊沢昌弘委員 褒める内容のものというのは、この意見、提言の中には多分少ないと思うんです。悪いやつだけが来ているのではないか。それが減ってくるような方向でぜひ対応していただきたい。昨年以降出ている分で減ったかなと思って見ますと、決して減っている様子はないということで、ぜひお願いをしたいと思います。
 今の御答弁に関連するんですが、医師確保に関してのいろいろな苦情、お医者さんがいないを含めてそれも一つの内容になっているわけです。先ほど来医師確保対策についていろいろな議論があったんですが、決算書の27ページに職員の異動状況という表がございます。これを見てちょっと気になった点がありますのでお伺いしたいんですが、正規職員の欄に、13年度、医師が497人、臨時職員が148人、合計645人、14年度末でも同様に645人になっているんですが、正規職員として、医師の採用が89人、退職が92人と載っているわけであります。正規職員のお医者さんが500人のうち89人ですから18%ぐらいの方が退職や新規に採用されている、こういう実態があります。先ほど来の話で、大学病院等の医科大学等からいろいろな意味での派遣をいただいている。その中で、多分正規職員という枠で来られる方が戻らなければならない意味で異動が多いのかと思うんですが、今までの実績として、平均的に何年くらい来ていただいているのか。1年未満だと多分臨時職員的な扱いの150人の中に入っていると思うんですけれども、こういった実態について把握していれば教えていただきたいものだと思っております。
 大変簡単な質問なんですけれども、よろしくお願いいたします。

〇千葉医療局長 今の医師の増減なんですが、これは基本的には大学等との出入りでございます。医師の場合は、県病に来ても、例えば1年以上の場合正規で採用しますけれども、必ずしもずっといるのではなくて、大学に戻って大学でまた研究する、そしてまた現場に出る、そういった繰り返しというのが往々にしてありますので、こういった出入りが非常に多い。それから、減の中には、開業で退職なさる方というのがやはり最近目立ってきたという気がいたします。これは、やはり勤務医を嫌うといいますか、そういった傾向がふえているかなという気がいたします。
 それから、平均的な年数は、長くいる人はずっと長くいます。出入りが多いというのは、今申し上げましたとおり、特に若手医師について大学なり他の病院との行ったり来たりということでございます。

〇伊沢昌弘委員 医療局なり県としても、医師確保対策で奨学金等々を含めていろいろな対策を講じてきているわけであります。そういった中で各方面へのお歳暮問題もいろいろ論議されているんですが、知事がいろいろな意味で記者会見で述べているように、ぜひ透明性を確保しながら、県民がだれでもなるほどなという形でやっていただくことが必要ではないかと思います。そういった意味で、医師確保対策を含めて、先ほどの意見、提言の問題も含めて、属人的に同じ方にいろいろな意見が来るということであれば、これはやっぱり対応もしなければならないだろうし、実際病棟ごとに忙しい面もあるのかなという思いもありますので、実態をきちっと把握しながら、ぜひ県民の負託にこたえる、信頼される医療を展開していただきたい。
 御要望申し上げて終わります。

〇斉藤信委員 最初に私、監査委員にお聞きしたい。
 審査意見書の中の審査の結果というところで、財務事務については一部に留意、改善を要するものが見受けられた、これはどういうことでしょうか。
 審査意見の中で、医師の適正配置、高度医療設備の整備の推進、病院機能の見直しや固定経費の削減というのが提起されていますが、これはどういう具体的な趣旨で述べられたのでしょうか。

〇一戸監査委員 一部に留意、改善を要するものが見受けられたというくだりでございますけれども、この中身につきましては、指摘が1件ございまして、これは勤勉手当の過大支給ということで、金額的には52万7、888円というものがこの指摘に当たります。それから、注意というのが8件ございまして、あわせまして14年度会計では、9件がこの一部に留意、改善を要するものが見受けられたという表現になっております。
 この注意の中で、今まで問題に以前になったことがありますけれども、午前中は触れておりませんけれども、個人未収金が前年度に比較して増加している病院が25病院ございまして、この金額が前年度に対して非常にふえているということで、累積で2億9、189万円になっておりますので、これは医療局に対して一層の解消努力するように注意をしたものでございます。
 その他、注意の中は細かいことでございますので略させていただきます。

〇及川幸子委員長 答弁漏れがありますが。

〇一戸監査委員 病院機能の見直しについてでありますけれども、病院を取り巻く諸条件の変化を踏まえて、診療圏ごとに病院の役割を明確にして、患者数等地域に応じ、診療科目、病床規模、職員配置等の見直しを行うことということでここに載せております。

〇斉藤信委員 ゆっくり話したつもりですが、審査意見の中で、今、病院機能の見直しについては答えられました。医師の適正配置、高度医療設備の整備の推進ということで、この具体的趣旨は何なのか。
 続いてお聞きします。
 県立病院の経営問題について、経営懇話会で議論をされていますが、意見集約もされつつあります。今、経営懇話会で出されている改善の基本的な課題について示していただきたい。

〇一戸監査委員 医師の適正配置、高度医療設備の整備を推進し、県営医療のより一層の充実に努めるという中身についてでありますけれども、県の総合計画が平成11年8月に策定され、それから県の保健福祉計画が平成11年12月に作成されておりますし、岩手県の行政指針の改革大綱は平成11年2月に策定されておりますので、この整合性を図りながら、平成10年2月に作成された岩手県立病院等長期経営計画に基づき、長期展望に立った県営医療の安定した基盤づくりを計画的に進めるよう努力を求めているものであります。

〇八木経営改革監 懇話会で議論されている改善の基本的な課題でございますけれども、まず、一番大きいのは、制度上のいろいろな改正によってのこともありますけれども、患者数が減少しているといったこと。これに伴って、当然収支が悪化している。それから、医師の確保でございます。やはり医師が偏在化している。地域的に偏在している。こういったものを解消する必要があるのではないかというのがやはり大きな課題ということで、これらの中の項目等について議論をしているという状況でございます。

〇斉藤信委員 私は、そんな中途半端な、不十分な答弁はだめだと思いますよ。私は、第3回の経営懇話会を傍聴して、意見集約という文書をもらっているし、議論も聞きました。かなり具体的なことがどんどん提起されているじゃないですか。
 例えば経費の節減では、職員給与、材料費の抑制、空床の増加への対応、医療局機能の充実、医師の確保、組織の機能の問題、ここでサテライト方式というのが出ているわけでしょう。かなり全面的な改善が提起されているんですよ。
 それで私は聞きたいんだけれども、医療局として行財政構造改革の取り組みについて具体化、検討していると思いますが、どういうことを検討していますか。

〇八木経営改革監 やはり今の経営状況を見ますと、収入改善あるいは費用の節減といったものが当然必要ではないかということで、収入の確保策に関しましてはいろいろと各病院の方にも要請をしまして、調定漏れあるいはその他の収益の確保等について依頼してございますし、入院患者の減少に対応した業務の効率化といったようなことで、規模を含めた、今の患者数に見合った配置などの検討、それから、懇話会の方でも議論はされていますけれども、圏域にある程度の業務の集約化がやれないかということを今、医療局の中でも検討はしているということでございます。

〇斉藤信委員 局長にお聞きしたい。
 医療局は、今こういうことを検討しているのではないんですか。入院患者数の減少に対応した病院のスリム化、在院日数の短縮などに伴い空床が増加していることから、病棟単位で病床を休止する、これが第1点。
 第2点は、病院経営の効率化、ここは、職員配置の見直し、外部委託の推進、給与のあり方を見直し、特に諸手当の適正化、医療圏を単位とした広域中核病院への職員の集中配置、医療機器等の重点整備、業務の集約化による医療資源の効率的な活用、廉価購入の推進や在庫の適正管理等による診療材料費の抑制、そして、新たな組織形態としてサテライトシステムの構築、こういうことを来年度から実施の方向で具体的に検討しているんじゃないですか。

〇千葉医療局長 今、委員がお述べになったのは経営懇話会での検討の内容でございまして、そのとおりでございます。
 私どもは、今何もしていないわけではございませんで、懇話会の検討を踏まえて、内部的には同様の内容のものをできるものから今検討を進めているものでございます。

〇斉藤信委員 私は、医療局として検討しているのではないかと聞いたんですよ。今、私、医療局の文書を読み上げたんですよ。
 詳しくお聞きしたい。あなた方は、こういうサテライト方式も16年度から実施という計画ですよ。そして、このサテライト方式の案の中には、こういう中身になっているんですよ。例えば、16年度は、休止・新規病棟数は3病棟、病床数の減少は180床、そして、5年間で12病棟、720床減らしたい、内部検討ですよね。私、16年度から実施するというなら、この9月県議会の決算の審議でこそそういうことを示すべきだと思いますよ。決めてから来年度予算の審査では間に合わないんですよ。私は、そういう意味でもっと、さっき中元・歳暮の問題も出たけれども、透明性というなら県議会での議論が一番大事なんですよ。そのことを指摘して、この中身について具体的にお聞きしたい。
 実は、経営懇話会でも議論されていないのが病棟ごとに廃止するということなんです。経営懇話会の資料には、空床率を出して、実態的にどのぐらい空床なのかというのが約700床指摘されていました。これは病院ごと20床とか30床とか50床とかということです。しかし、病棟ごとに廃止するということになると、そういう空床の数じゃないわけですよ。1病棟基準は60床です。だから、1病棟あるところは1病棟全部なくす、2病棟あるところは2病棟のうち1病棟なくすという削減を検討しているわけでしょう。私は、そういう点で、これは経営懇話会に出されたけれども、サテライト方式のシミュレーション、まさにそのとおりなんですね、これは。1病棟のところは病棟をなくして診療所にします、2病棟のところは1病棟に減らします、だから人は減らせるんですよ。しかし、実態としてこういうことが本当に可能なのか、このことを私は聞きたいんです。
 私はこの間、八つの県立病院を見てきました。このシミュレーションに一番近いところは気仙地区ですね。大船渡、陸前高田、住田というのが一番このシミュレーションに近いところなので、私は住田病院の院長にも聞きました。60床の病棟がなくなって大丈夫ですかと。とんでもない、無床化になったら地域の医療を守れない、絶対やめてくれ、こういう話でした。私は、そういう点で、こういう形のシミュレーションも出たし、医療局が病棟ごとの廃止ということを今検討しているようだけれども、特に住田病院でそういうことが可能ですか。病棟ごとに廃止するということになったら、今入っているベッドもあけなければならない、そういう廃止ということになりませんか。

〇千葉医療局長 委員誤解なさっている部分があるのではないかと思いますが、16年度から何もかもやるというもの、つまり、まだ計画を出しておりませんので、シミュレーションと住田の関係は経営改革監からお答えいたしますけれども、現在、経営懇話会で種々検討するに当たりまして、圏域ごとなり病院ごとの患者の実態はこのとおりですと。例えば病床が100あったとしても100%の利用率ということはまずあり得ませんので、適正な、経営的にもいろいろなデータがございますけれども、おおむね90%ぐらいと見ればこれぐらいの病床が過剰ですよと。単純にその算式でもって病院ごとに出しているわけでございまして、ただ、現実に今、県病の一般病床の場合、全体で病床利用率は80%ですので、毎日とにかく1、000床あいているわけです。それをやはりある程度集約化して病棟数についても整理していかなければ、患者さんが何人かでもいれば看護師体制を組まなければなりませんので、そういったことを今後圏域ごとに機能を分担しながら、補完し合いながらそういった効率的な医療体制をつくっていきましょうというのが今の考え方です。そういうことで出しているものでありまして、今、計画の成案を出しているわけではございませんので、御了承願います。
 それから、いずれ今後のあれになりますけれども、その計画には、例えば経営改善とか病院、病床の形態の変更とかいろいろあると思いますが、16年度からすべて一斉にできるとは当然考えてございません。午前中の質問で経営改革監が申し上げましたけれども、やはり計画的に順次進めていくべきだ。あるいは準備期間で相当かかるものもあるだろうと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

〇及川幸子委員長 執行部に申し上げますが、答弁漏れのないようにお願いいたします。

〇八木経営改革監 モデル医療圏での試算でございますけれども、これは2回目の懇話会の中で、いわゆる大・中・小の病院の組み合わせによる試算をという、それが現状の病床数を、大を300床、中を120、小を60、それを全体の今の病床利用率である程度の患者数を想定しまして、将来的には若干在院日数が短くなるだろうということも加味して、今、懇話会で議論をしているサテライトシステムに移行した場合にはどのような形になるかということで、将来的な見通しの患者数もある程度見込みまして、そして圏域の中での患者数でいくとサテライトの中では病床がやはり120床多くなります、余りますということで1病棟、それから一つの病院は病床なしという形のシミュレーションをしたということでございまして、これは気仙をモデルにしてつくったということではございませんので、病院が四つある医療圏もございますし、二つしかない医療圏もございますし、必ずしもこれがそのとおりなるというものではなくて、仮にそういう仮定で動いた場合はどうなるんだという形のモデルのシミュレーションでございます。

〇斉藤信委員 ちょっと確認したいんだけれども、私は、来年度全部これを具体化するなんて全然紹介しませんでしたよ。医療局の計画だと、16年度から実施をして、16年度は3病棟、180床廃止する、5カ年間で12病棟、720床削減するという計画を検討していますね。そして、このやり方が、病棟ごとの廃止という方針になれば、いわば経営懇話会に出した余剰病床数というのが703床なんですよ。これ、各病院ごとにさっき言ったように20床とか30床とか、しかし、病棟ごとの廃止となると60床単位なんですね。そうした場合、同じ700床規模の廃止という数になるけれども、これは大変なことですよというのを私は一つ指摘したい。これに間違いないですね。
 その上で、住田の病院は、私は余りにもモデルが近いので危機感を感じて率直に現状を視察してお話をしました。今、住田病院がどうなっているかというと、14年度決算でも入院患者がふえているんですよ。大船渡病院から転院する患者もふえてきている。あそこにはほとんど病院というものがなくて、県立病院の占める比率が圧倒的なんですね。だから、大船渡病院が本当に急性期対応で在院日数を減らせば減らすほど住田病院の地域における役割も高まるということで、私は、これが無床化になってはならない、してはならないと思うが、今の段階でどう考えているか示していただきたい。
 それと、この経営懇話会の中でも、そして、医療局の改革方針でも諸手当の適正化というのがありますが、どういう手当が見直しの対象になっているんでしょうか。

〇千葉医療局長 空床が多いということで、病棟単位で減らすのかということですが、先ほど申し上げましたとおり、例えば70を60にしてもその看護体制というのは基本的に余り変わりないわけでございまして、やはり病棟単位で減じられる部分はそういった形で減ずる方向で考えてまいりたいと考えてございます。
 それから、住田については、個別病院について今具体的に検討しておりませんので、今のお話は御意見として承っておきたいと思います。
 手当については職員課長から答弁させます。

〇細川職員課長 手当の見直しをしている内容についてということでございますが、特殊勤務手当等実態に合っているか等、あるいはなじまない手当があるかないか等を含めまして、いずれそういったことを中心にして検討していきたいと考えてございます。

〇斉藤信委員 私は、このサテライト方式というのは、現場で聞きますと、現状でもかなり広域基幹病院と地域総合病院、地域病院の関係で連携が強化されて、それはどこの病院でも評価していました。しかし、病棟がなくなったり、そうなると話は別だよということも現場の院長先生の声ですよ。
 病院改革を考えるときに全体的な特徴を踏まえなければならないけれども、病院ごとの状況というのもしっかり見なければだめだと思うんです。私は、ベッド数の少ない病院で成果を上げている東和病院、千厩病院、最近は軽米も好転していますが、この三つの病院を見てきました。千厩病院は病床利用率が100%を超えているわけですね。5年連続の黒字で、自治体病院協議会から表彰されている。来年も黒字を続ければ総務大臣表彰になるということで大変頑張っていました。東和病院は病床利用率が104%。ここは宮城県涌谷町の福祉、保健、医療一体となった取り組みから学んで、毎年研修もして東和町との連携を強めていました。院長の話は、地域のニーズにこたえれば患者はふえます、こういう回答でした。私は、そういう点では、軽米病院も療養病床を45床にしたら、今、40床埋まっていて、6、000万円の赤字予想がことしは2、300万円の黒字になりそうだ。だから、病院改革を考えるときに、本当に地域のニーズは何なのか、それにこたえる県立病院はどうあるべきか、このことを一緒に考えないと、私は本当に上からの改革になってしまうと思います。東和や千厩などで成果を上げているこういう教訓をどう医療局で受けとめて、改革にどう生かそうとしているか示していただきたい。

〇八木経営改革監 今、委員おっしゃった病院に関しては、患者数の減少や診療報酬のマイナス改定など経営環境が厳しい状況にある中で、当然病院の規模とか診療科の構成など、こういった条件の他の病院との違いはありますけれども、院長先生を初め、やはり職員のいろいろな取り組みによった結果がこうした成果としてあらわれているのではないかと考えてございますし、こういった病院の取り組みの事例等を参考にしながら、今後の改革なり、あるいは経営改善なり、こういったものに取り組んでいきたいと考えてございますし、今、懇話会の方で議論されてございますシステムの具体化に当たっては、圏域内の地域のニーズを当然加味しながら、あるいは他の保健医療機関の動向を総合的に見た形での適切なシステム、こういう形で検討していきたいと考えてございます。

〇斉藤信委員 率直に言うと、八木経営改革監の答弁は中身がないよ。私が幾つか具体的な事例を示して話をしているのに、そんな中身のない答弁ではだめだ。あなた方は当事者でしょう。これだけ厳しい状況の中で成果を上げている病院があるのに、それを医療局としてどう受けとめて、その他の病院にどう生かそうとしているか、そういう意欲がなかったら改革なんかできないじゃないですか。これは率直に私は指摘したい。どこの病院だって地域だって、厳しい中でやっているということでしょう。そこをしっかり学んでやらなかったら、全体の患者が減っているからこうです、サテライトで無床化してなくしますなんていう、こんな乱暴なやり方をされたら困るんですよ。そのことを私は指摘して、もっとまともな答弁をしていただきたい。
 私は、病院改革のもう一つの問題として、むだと浪費の解決ということがあると思うんです。
 一つは、病院建設の問題です。この間、沼宮内病院も建設されて、今、福岡病院も建設中です。そして、これから磐井・南光と大規模な病院建設です。今、岩手県全体でこんな規模の事業が続くところはありません。まさに医療局の事業規模というのは大変大きなものです。だから、この事業にどう臨むのかというのは大変大きいですね。例えば、沼宮内病院は60床の病院で16億円かかっているんですね。私は民間の人に聞いてみた。120床の病院を新築するのに私たちだったら10億円でやりますと。民間病院ならそういうことでやるんですよ。半分近い規模の病院で、それを大幅に上回るような病院建設を実際にしています。
 福岡病院の場合、私は建築中の免震構造も見てきました。大変すばらしい建築をされているが、病院の場合、なぜ耐震建築でだめなのか。病院の耐震建築というのは基準が高いんですよ。私、予算委員会でしたか、これを聞いたときに、全体工事費では1割割高だと言いましたね。福岡病院は実際に何億円割高だと考えられるんでしょうか。
 そして、磐井・南光も入札結果が出ました。大体予定価格に対して95%弱というところです。磐井も南光も免震構造ですよ。特に南光病院は災害拠点病院でもないでしょう。なぜここまで免震構造にしなければだめなんですか。これだけ深刻な財政危機のもとで、なぜ数億円規模の過大投資をしなければならないのか。免震構造、私、聞いてきたけれども、横揺れには強いけれども直下型の縦揺れには何の効果があるかわからないという話でした。だから私は、何でもかんでも免震構造にすればいいということではないのではないか、今の財政状況にあって、最大限節約するところは節約するべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

〇齋藤管理課長 県立病院の建設についてのお尋ねでございますが、今、名前の挙がった病院につきましては、これはすべて長期計画に基づいて計画的に建て直しをする、これは県民にお約束をしてやっているものでございます。
 建物の単価が高いということでございますが、建物の設計に関しましては、これは公共施設でございますので、国で定めます建築設計基準、これは設計に関する基本的な事項を定めております、それから必要な構造性能の確保を図る、そういったものを使いまして、さらに、県の積算単価表、それから、資材その他については市場単価等に基づいて適正に積算して設計しているものでございます。
 それから、免震構造のことでございますが、免震構造につきましては、今御案内があったとおり、地震の際の揺れが低減する構造でございまして、いわゆる耐震構造に比べまして揺れを2分の1から3分の1吸収するということで、資器材、例えば薬品が棚から落ちないとか、いわゆる耐震構造に比べて非常に、建物ではなくて建物の中の損傷が少ない。それから、中にいる患者さんが、揺れが少ないことから不安から逃れられるというさまざまなメリットもございます。ただ、これは確かにかかり増しの部分もございますので、いわゆる地域災害拠点病院に指定されているところから採用するということでございますが、これは個別にその都度免震構造の採用を考えてございます。御指摘のあった南光病院は、これは磐井と南光病院を合築して相互の性能を確保するということから、南光病院についても免震構造としたということでございます。
 それから、今、福岡病院について、実際どれぐらいかかり増しがあったのかということでございますが、ちょっと手元に資料がございませんので、これについては後で御説明したいと思います。

〇斉藤信委員 免震構造にするという判断は、どういう経過で、どこでどういうことになったのか。
 そして、この間、大きな病院はみんな免震構造になっていますよね、福岡、磐井・南光と。南光病院というのは共用施設が間にあって別棟でしょう。何でそこまで免震構造にしなければだめなんですか、災害拠点病院でもないのに。この磐井・南光の割高額も示してください。
 やっぱり財政がこんなに厳しいというときであれば、真剣に考えるというのが経営感覚じゃないですか。あなた方が真剣な経営感覚を示さなかったら、下はどうやってコスト意識を持つんですか。私はそのことを厳しく指摘したい。なぜ病院の耐震建築ではだめなのか。
 それと、私がこの間ずっと取り上げている医療機器の問題についても改めてお聞きしたい。
 自治体病院共済会が入札参加した落札の実態は、平成14年度でどうなっているでしょうか。この自治体病院共済会が落札した場合、私は、実際納入する業者もメンテナンスをする業者も代理店だと思いますが、実態はどうなっているでしょうか。

〇齋藤管理課長 まず、免震構造の採用の経緯でございますが、契機は、阪神・淡路大震災が契機になってございます。このとき、災害拠点病院の果たす役割というのが非常に大きかった。そして、特に地震に対する揺れ方というのはその周辺住民、それから中に入っておられる患者さん、大変強いものがありまして、この免震構造の採用というのは非常に効果があるということで、災害拠点病院については採用を始めたということでございます。
 それから、なぜ、では南光病院もということでございますが、南光病院は合築するということでかなり構造が共用化してございます。この構造上、それぞれ、例えば南光病院だけを耐震構造にしますと、一緒につくったところが片方は揺れて片方は揺れないということになって、かえって建物そのものに損傷を与えるとこれは大変マイナスになりますので、これはやはり一緒につくると、その方がかえって経済的であるということから、合築構造としたものでございます。
 それから、同様にかかり増し経費につきましては、これもちょっと手元に資料がございませんので、後ほどお届けしたいと思います。

〇大沢業務課長 医療器械に係る自治体病院共済会の入札結果ということでございますが、平成14年度は一般競争12件執行してございます。そのうち共済会が参加したのは10件、うち落札したのは4件でございます。
 それから、納入に関して、あるいはメンテナンスについてでございますが、共済会が落札した物品は共済会が納入していますし、メンテナンスにつきましては、当該装置のメーカーである支店あるいは本店と契約しているという状況でございます。

〇斉藤信委員 医療器械については、私は去年の決算とことしの予算で取り上げましたから、結果は、10件中、自治体病院共済会は4件なんです。ただ、とっていないあとの4件は自治体病院共済会の代理店ですよ。そして、3件は、大体入札が自治体病院共済会と代理店の県内業者の入札ですよ。出来レースですよ。私はそういう点では、9月の決算を聞いたときに、医療局長、前の日に入札の札を提出して翌日開札というやり方、これは改善されましたか。そして、入札価格はだれがどういう形で検討して決めるのですか。去年9月は、医療局長が私1人で決めますと言っていたんですよ。そんなことないと思うんですよ。医療器械の専門家でもない局長がだれとも相談しないで、いろんな検討の経過もなしに、というのは、私は予定価格が漏れているのではないかと思っているからですよ。そういう入札の改善はされましたか。そして、入札価格がどのように医療局の中では決められているのですか。

〇千葉医療局長 入札の改善については業務課長から申し上げますが、予定価格は1人で決めるというのはそのとおりです。ただ、そのための資料は部下に集めさせます。というのは、医療器械というのは御承知のとおり定価があってないようなものなんです。例えば、定価の2割で買えるとか、そういう世界ですので、やはりいろんなところから納入実績の情報を得て、その予定価格を見積もるということです。その段階では資料を受けた私が、これは一定額以上のものですが、私の判断で予定価格を設定しております。

〇大沢業務課長 予定価格につきましては、今、局長が答弁したとおりでございまして、過去の入札価格とあと直近の他県での納入実績等を種々調査していまして、それで予定価格を他県の状況等も踏まえながら設定しているというようなことでございます。(斉藤信委員「入札はどうしているの、前の日の札は」と呼ぶ)

〇千葉医療局長 ちょっと時間を貸してください。すぐ調べます。私は去年のあれですぐ指示しておりまして、申しわけありませんが、ちょっと時間をお借りしたいと思います。

〇及川幸子委員長 斉藤委員、よろしいでしょうか。

〇斉藤信委員 はい。去年大問題になったことなんですよ。それがぱっと出てこないというのは、これは極めて重大です。後から答えてください。
 あと、まとめてお聞きします。中央病院の実態と改善すべき課題についてお聞きをしたい。
 中央病院は今、急性期高機能センター病院として、大変私は重要な役割を果たしていると思います。しかし、収支からいくと赤字なんですね。この赤字の原因を医療局としてはどう見ているか。私は院長先生からも詳しく聞いてきました。入院在院日数は短縮されて16日台ですよ。そして、本当に入退院が激しくて、入院患者も外来患者も新患者数は、中央病院はふえているんです。中央病院が年間1、072件、他の病院にお医者さんが応援しているんですね。このことが正しく評価されていないのではないか。これをきちっと評価すればこれは黒字転換するのではないかと思いますが、中央病院の実態をどういうふうに見ているのか。
 もう一つ、中央病院はがんに強い病院全国ベスト50、これは週刊現代でも報道されて大変高く評価されていました。がんの手術例では全国でも有数の病院と私は評価をしています。そこで、厚生労働省は、大体各県にがんセンターをつくりなさいという方針を出していますが、私は実態的には中央病院が岩手県におけるがんセンターの役割を果たしていると思うのです。そうした場合、がんセンターには緩和ケア病棟というのが今整備されているわけです。だから、中央病院でも私は緩和ケア病棟が必要だと、これは樋口院長も経営懇話会の中でも言っていましたし、今病院内でも検討をしている状況ですが、この中央病院、がんセンターの役割を果たしている中央病院でも緩和ケア病棟が必要なのではないか。
 もう一つ、がん治療の今後の前進のためにはポジトロン断層撮影法――PETの導入というのがこれは中央病院でも検討されているそうです。これは、医療局はどういうふうに受けとめているでしょうか。
 それと、私が毎回取り上げている看護師さんの2人夜勤の改善の問題であります。在院日数が短縮化して重病患者が増加して看護師の超過勤務というのは大変な状況になっています。これは樋口院長も中央病院は看護単位を2.5対1から2対1にしなければだめだと、そのぐらい大変だと。いわば看護の中身、質が本当に変わってきているのですよ。私は去年も取り上げましたが、特にその中で2-3の夜勤体制になっている5階西病棟、これはぜひ改善をしていただきたい。これは今まさに混合病棟になって入退院が繰り返される、透析患者もいる、本当に2人夜勤では準夜で対応できない。こういう状況を私は改めて今回も看護師さんから実態を聞いてきました。急性期高機能、重症患者が多くて入退院が一日に7人、8人出るような病棟で、準夜2人で本当に安全が守られるか、まともな医療ができるか。私はこの改善というのは急務だと思うけれどもいかがでしょうか。

〇佐藤病院改革室長 中央病院のその果たしている役割ということですが、県立病院のセンター病院として、医療体制の充実とか診療機能の高度化、それから救急、高度医療器械、そういうものの整備を行ってきたところですし、委員からお話しのありましたように、がんのその治療でも相当の効果を上げているということについては申すまでもございません。それから、お話しのありましたように地域医療部を中心に、県立病院、それから市町村立病院に対してもそれなりの診療応援を行っております。これらについては、ある意味での繰り入れというものはあたりでも見ておりまして、そういう意味では中央病院が県立病院のセンター病院、あるいはその中心的役割を果たしていくということは認識しておりますし、今後もそういう必要があるのではないかと思います。中央病院についてはそういう医療体制の充実とか診療機能の高度化を図ってきたところですが、やはりこの医療を取り巻く厳しい環境、それから病床利用率の低下とか外来患者数が減少している。こういう中ではまた経営は大変厳しいところでございます。中央病院の機能を再構築して経営を改善する必要というものについては、考えているところでございます。

〇細川職員課長 中央病院の看護の体制の問題についてでございますが、看護体制につきましては、これまでも患者数の動向ですとか、あるいは重症度を勘案して必要に応じて対応してまいってございます。中央病院の夜勤体制につきましては、平成9年度以降、患者数の動向等を考慮しまして、六つの病棟について2人夜勤体制を解消し3人夜勤体制としてまいったところでございます。5階西病棟についてでございますが、経営状況に配慮しながら、今後とも患者数の動向や看護度の状況等を総合的に勘案し、必要に応じて対応してまいりたいと考えてございます。

〇大沢業務課長 先ほど大変失礼しました。入札方法についてでございますが、平成15年度入札書の受領と開札を同一日として執行してございます。
 それから、中央病院の緩和ケア病棟でございますが、既存の病棟を緩和ケア病棟とするということにつきましては、一部個室化を図る必要がある、あるいは病室に設備が必要で大規模な改修が必要だと考えてございまして、今般、新築を機に予定しています磐井病院の運用状況を見ながら、もう少し検討していきたいと考えてございます。
 それから、PET――ポジトロン断層撮影装置の導入についてでございますが、御存じのとおり微小ながん細胞の診断に大変威力を発揮するという装置でございまして、その分導入費あるいは施設費がかなり高い、高額な状況でございまして、現時点では場所もかなりスペースが必要ということ等もございますので、中央病院ということばかりではなくて、県立病院全体の中で検討していきたいと考えております。

〇及川幸子委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇斉藤信委員 5階西病棟について推移を見てと、これは私去年から指摘していることなんですよ。それで、やっぱり看護の実態を僕は医療局としても見てほしいと思いますよ。こういう声が出ています。総合内科には診断が特定されない緊急入院が多くて2人では対応できない、患者さんの安全を守れない、患者のコールに対応できない、腎内重症患者が多くて透析患者が1病棟に9名もいますよ。糖尿病の患者がいてインシュリンも打たなくてはならない。6人の患者さんのうち4人はトイレに毎回ついていかなければだめだ。2人の看護師さんでこんなことをやったら、あとはだれも見れない状況なんですよ、重症患者が多いところで。こういう要求も出ているのです。白衣、パンツスーツの枚数をふやしてほしい。スカートなどはいて仕事をやっていられないというこれは意味ですよ。私はそういう点で、やっぱりこういう高度重症患者、手術が多いところ、入退院が激しいところ、それはそれなりに対応しないと、医療事故が起きてからでは対応は遅過ぎると思いますので、これは1回現場を見ていただきたい、そして対応していただきたい。
 あわせて、医療事故の対策について一言だけお聞きしたい。最近、大船渡病院で点滴を間違ったというのがありました。私は、医療事故の対応について大事なのは、なぜそういう事故やミスが起きたのか、それを未然に防ぐシステム、体制をつくることだと思うのですよ。絶対に個人の責任にしてはならない。やっぱりミスというのは個人がミスしても二重三重にそういうことが守られるようなシステムが必要だと思うのです。そういう点で、医療局はこういう医療ミスに対してそういう対応をしているかどうか。
 あと県立病院のSARS対策ですが、中央病院でこういうこともありました。ことしのSARSが問題になったときに、医大から疑いのある患者が中央病院に運ばれてきたのです。これは疑いで済んだからよかった。しかし、これがSARS患者だったら恐らく中央病院はパニックだったでしょうね。私はそういう点でこのSARS対策については水際の対策、これをきっちりやるというのと、県立病院が、受診する場合、入院する場合、かなり厳格な基準、必要だと思うのです。特に今、台湾等から観光客たくさん来ていますよ。そういう点で県立病院が、受診できる病院はどこなのか、入院できる病院はどこなのか、そういうきちっとした――陰圧室の整備もされているようですけれども――対応がつくられているのかどうか、これを聞いて終わります。

〇大沢業務課長 医療事故防止には、インシデント等の職員の責任追及はということでございますが、病院の今までのインシデント、昨年度と比べましてもニアミスとかインシデント報告は増加してございまして、常日ごろ、職員が出せないような環境にはしないというような環境をつくって、できるだけ実際のインシデント事例が多く集まるように努めてございますので、職員を個々に攻撃するというようなことは避けてございますし、現実にやっていないという状況でございます。それが結果として事例報告が、若干ではございますが増加しているという結果ではないかと考えてございます。
 それから、SARS対策でございますが、先ほどの中央病院の搬送という事例でございますが、この件につきましては、SARSが発生された初期の段階でございまして、この時点では、空気感染するのか飛沫感染するのかわからない時点での患者さんの発生ということで、中央病院におきましては陰圧装置が整備されている等々もございまして、中央病院の方に回ってきたという状況でございます。
 それから、陰圧装置の整備につきましてでございますが、これは今、県立病院7病院、第二種の感染指定病床の指定を受けてございまして、そのうち4病院に整備を図ったところでございます。

〇小野寺好委員 公明党・小野寺好であります。通告しておりました事項について、変更しながら簡潔にお伺いいたします。
 初めに、災害に対する県立病院の備えでありますけれども、午前中の飯澤委員の質問に対して、県立病院は建築基準法に適合しているという御答弁でしたけれども、一般の鉄骨鉄筋コンクリートの建物との違いはどうなのかお聞きしたいと思います。
 それから、災害時に水や電力の自給態勢はどうなっているのか、また、非常食はどの程度の準備なのかについて、昨年度どのようなチェックがなされたかお伺いいたします。
 あわせて、災害拠点病院用医療機器の配置ですけれども、その内容と配置先をお伺いしたいと思います。
 2番目の新型肺炎については省略いたします。
 3番目の医師確保についてでありますけれども、医療局の奨学資金、平成14年度については47人に1億円余、1人当たり大体200万円余なんですけれども、この医療局の奨学資金の成果、最近はどうなのか。
 それから、自治医大との関係でどのような成果が上がっているか。
 もう一つは、岩手医大にお願いして本県の医師養成のための人数枠、平成14年度は5人分で2億円余りですが、その前の年は2億円に至らないのですが、これは毎年この金額が変わるものかどうか。1人当たり割り算すれば4、000万円くらいなんですけれども、これは仮に個人で医大に入学したときの協力金という、そういった内容なのでしょうかお伺いいたします。

〇齋藤管理課長 病院がほかの建物とどういう違いがあるかというお尋ねでございますが、昭和55年の建築基準法の改正で、いわゆる耐震設計というものを2段階に分けてつくるということになっておりまして、一つは、震度5以上に対して建物の機能を保持する。これを一次設計と言っております。それから、震度6以上の大地震に対応する建物を二次設計と言ってございまして、一応県立病院は震度6以上の地震に対応するということでございます。
 それから、さっき斉藤委員のところで出た御質問で免震設計についてのかかり増しでございますが、今数字が来まして、ちょっとついでで申しわけございませんが、おおむね1割程度の建設費がかかり増しになるということを、ここで説明申し上げておきます。
 それから、災害時には水の供給とかその他のことございますが、災害時に水や電力の供給が断たれるということが想定されますので、全病院に非常用の自家発電装置を整備して、断水、停電時でも自家発電によりある程度自家水槽等からの給水や電力自給が可能になるというふうにしてございます。常に点検を怠らずに保守管理を行っているところでございます。

〇橘山参事兼医師対策監 奨学資金の貸し付けによりまして医師確保への成果についてでございますが、この質問の中で平成14年度47名中の貸し付けでどのような効果があったかということでございますが、この中で、平成14年度末で6名の方が卒業してございまして、2名の方が義務履行しております。なお、残る4名の方は現在大学等で研修中でございます。なお、現行制度の9年度以降から貸し付けした奨学生が16名ございますが、そのうち義務履行が6名で、大学での研修により猶予している者が8名等になってございます。
 なお、自治医科大学の研修医につきましては、毎年2名なり3名の方がそれぞれ中央病院で2年間研修の後、県立病院なり市町村立病院で義務履行しているという状況になってございます。
 それから、医師養成事業に係る負担金の関係でございますが、この医師養成制度は、国立大学並みの授業料で地元出身者を地元の大学で6年間毎年5人ずつ養成するものでありまして、国立大学と地元大学の授業料の差額分を私ども県の医療局の方で負担するというものでございます。したがいまして、今回の負担金の違いでございますが、地元医科大学の学納金なり、それから国立大学の授業料がそれぞれアップしたわけですが、その差額分が1人当たり85万1、000円増額になったということでございます。詳しくは、1人当たり6年間で3、974万2、200円のものが4、059万3、200円に引き上げになったということでございます。

〇齋藤管理課長 一つ答弁漏れございました。失礼しました。食料の備蓄でございます。原則としまして非常用の食料1日分に加えまして、前日分の食材、本日調達分、2日分というのが備蓄の基本でございます。

〇小野寺好委員 医療局として市町村病院への支援で、どのような実態であったかお伺いします。
 あわせて、局長にちょっと所感をお尋ねしたいのですけれども、例えば釜石市民病院の場合600万円、国保水沢病院の場合は500万円を東北大医学部の関係機関に寄附しておりますが、非常に悲しいほどのこういった医師確保のための努力をしているのですが、医療局長としての所見をお伺いしたいと思います。
 あわせて、いろいろ議論になっていますけれども、お中元・お歳暮、これがなければ医者は派遣してもらえないのかどうか、本当に必要なものであると思っているのかどうかお伺いいたしたいと思います。
 あと、前に県立病院の勤務医の医師会の会費について、県で負担しているとか医療局で負担しているとかというのがありましたけれども、これ今はどうなっているのかと、あと先ほど来いろいろ出ていました医学会の会議とか祝賀会、本当にこういったものについても医療局長としては必要とお考えなのか、しつこいようですけれどもお伺いしたいと思います。

〇千葉医療局長 医師対策費、医師会費については医師対策監から後ほどお答え申し上げますが、市町村含めて県も岩手医大に5、000万円と、これは昭和49年から随時若干ずつ上げながら今来ているわけでございますが、いずれ市町村も含めて医師確保には本当に奔走し苦労しているというのが実態でございます。やはりそういった気持ちがあらわれておりますし、ただ単に寄附するのではなくて、そういった使途をきちっと明確にし、目的をしっかり持ってやるという必要があろうかと思います。
 先ほど佐藤委員の御質問にもお答えしましたけれども、本県の場合、唯一の医師養成機関であります岩手医大、これは私立でございますし、一定の御支援申し上げながら、いい医師をできるだけ多く、岩手医大の場合は本県出身者が20%弱でございます。県外に帰っていくのがかなり多いわけでございますので、そういった中で医師に県内に定着していただき協力を仰ぐと、県立病院、市町村立も同じでございますが、そういう意味で必要なものと考えて実施してきたものでございます。
 それから、中元・歳暮、これも佐藤委員にもお答えしましたけれども、今の時勢、なかなか県民の理解をいただけるのか、あるいは支出の手続等もやはり透明性というのが求められてもおりますので、そういった意味におきまして何らかの別途な方法があるかどうか、それも含めて検討してまいりたいと思っております。中元・歳暮をやったから医師が来るのかということについては、直接的には因果関係はないと考えてございます。

〇橘山参事兼医師対策監 医師会費につきましては平成14年度から廃止しておりまして、現在負担してございません。

〇小野寺好委員 女性を取り巻く社会環境が大きく変化したことにより、女性の健康、医療施策は総合的になされなければならないということで、女性医師による女性専門外来の設置が望まれております。公明党県本部では、この要望運動を行いましたところ、1カ月で、県内で18万5、000人の署名が集まり関心の高さに驚いたところであります。他県の例ですと月に数回の開設で、1人30分程度で丁寧に行われ、数カ月先まで予約が入るほどと言われております。過日の知事答弁では、来年度、中央病院に女性専門外来の設置を考えているとのことでしたが、現在の女性医師の人数をお伺いするとともに、県南、県北、沿岸地域への女性専門外来の設置の可能性をお伺いいたします。
 また、複雑な社会情勢のせいでしょうか、ストレス等によってか、なかなか他覚症状の見られない、また、原因も特定しがたいめまいとか頭痛、こういったものについても専門外来の設置が望まれておりますがいかがでしょうか。患者さんが減ってなかなか困っているといったことでございますが、医療需要の拡大策を積極的に探っていくのもまた一つの経営の手法ではないかと思いますが、お伺いいたします。
 監査所見に医師の適正配置とありましたけれども、その後どのような対策を講じているのかお伺いいたします。
 続けて行います。電子カルテ、1年前に聞いたときに、メリット、デメリットを考えながら対応していきたいということでありましたが、この1年間どのような考察が加えられたかお伺いいたします。
 最後に、高度医療設備の配置ですけれども、医師の数や患者さんの数を考えると、また、専門性を考慮すると規模の大きな病院にだけこういった高度医療設備が集中してしまうように思われます。地域病院の医療設備の配置計画はどのように進められているかお伺いいたします。
 あわせて、患者移送車、2台で1、300万円余りですが、これはどこに配置されたのかお伺いいたします。

〇大沢業務課長 女性医師の人数でございますが、現在県立病院で、13病院で33名となってございます。他県の女性専門外来を設置しています先進病院を見ますと、多くは内科系、あとは精神科、婦人科のドクターが担当しているということでございまして、そういう診療科のドクターを県立病院に当てはめますと、33名が15名でございます。他の地域の設置の可能性ということでございますが、いずれ医師確保の諸条件がかなり、15名ですので必要かなと考えてございまして、差し当たり中央病院、平成16年度の設置を目指しているところでございまして、他の地域についてはその経過を見ながら、ということで考えていきたいと考えてございます。
 それから、めまい、頭痛の専門外来につきましてでございますが、専門のドクターの早期の設置は現時点では困難と考えてございまして、当面、対象診療科であります神経内科で対応したいと考えてございます。
 それから、高度医療器械の設置ということでございますが、地域病院に高度医療器械は、例えばCT装置ですが、平成14年度は沼宮内病院、大東病院、東和病院に整備を行ったところでございます。そのほかMRI装置とか血管撮影装置等につきましては、広域中核病院中心に整備を行ってございまして、二次医療圏単位で機能分担を、あるいは連携を図って対応しているところでございます。
 それから、患者移送車でございますが、平成14年度につきましては中央病院と大船渡病院2カ所に整備してございます。規模につきましては、通常の仕様でございますが、赤色灯がついてストレッチャーを備えた救急車でございまして、あとはモニターあるいは新生児保育器積載可能な仕様の救急車でございます。

〇橘山参事兼医師対策監 医師の適正配置のことにつきましてでございますが、病院ごとの人員配置、診療科ごとの配置の状況でございますけれども、県立病院の診療科は平成15年3月31日現在で、27病院で延べ282診療科を標榜しておりますけれども、16病院で45診療科について常勤医師が今不在となってございます。特にも小児科、産婦人科、眼科等特殊診療科の医師が不足してございまして、その状況につきましては、小児科が17病院で標榜しておりますが、二つの病院で今非常勤で対応している。それから、産婦人科につきましては15病院中2病院が非常勤、眼科につきましては17病院中6病院が非常勤、耳鼻科につきましては17病院中5病院が非常勤で、二つの病院が休診しているという状況になってございます。
 今後の改善策といたしましては、県立病院の9割ほどを関係大学からの派遣で賄っている状況でございますので、引き続き関係大学への要請を行うとともに、奨学資金の貸し付け、それから先ほど説明いたしました修学生制度、それから県外大学卒業生の招致等の方策によりまして、医師確保などに引き続き努めてまいりたいと思いますが、やはり全国的風潮として医師の都市への集中が進む一方でございます。地方への病院の医師確保は今後ますます厳しいことと、その経営状況が厳しい状況から、今進めております病院改革・改善の中で議論をされておりますが、センター病院である中央病院、それから広域中核病院からの診療応援の仕組みを強化するなどいたしまして、検討してまいりたいと考えてございます。
 それから、先ほどの質問の中で答弁漏れがございましたのでお答えいたしますが、市町村立病院への支援の状況でございますが、センター病院である中央病院のほか、広域中核病院から沢内病院、それから西根病院など11施設に年間で332件の応援を行ってございます。今後もでき得る限り応援をしてまいりたいと考えてございます。

〇八木経営改革監 電子カルテについてでございますけれども、県立病院の情報化推進委員会におきまして、新しい情報化の構築といったこととあわせまして、電子カルテの効果等も検討し、医療の質の向上や患者サービスの向上及び病院経営の効率化などの実現のため、新しい医療情報システムの構築をするということで、この電子カルテの導入もやっていこうという形になったものでございます。新しく開院されます磐井・南光病院にこの電子カルテを中心とした新しい医療情報システムの導入を計画しており、現在、病院等といろんな仕様書等について協議をしているということでございます。

〇及川幸子委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇平野ユキ子委員 皆さんお疲れのところ申しわけないのですけれども、きょうは決算委員会ということで病院の改善・改革について、るる、各委員から指摘ありましたのですが、少しでもそういった経営改善に結びつくのではないかという思いから私からも提言をいたします。
 それは、中央病院の診療体制、患者側からの提言です。診療待ち時間についてお尋ねいたします。これは私自身も経験したことですので、それに基づきながら述べさせていただきたいと思いますが、新患ではなくて再来の予約についてです。かつて中央病院は患者の待ち時間が長いという悪評がございまして、それに伴い予約の導入に踏み切ったと聞いておりました。先日、私もその再来の予約で伺いましたところ、10時半の予約にもかかわらず1時間、2時間たっても診療が始まらず、結局午後の予約がありましたので、その日は診療を受けられずに戻ってくる状況にありました。そのときにお伺いしましたら、12時半です、2時間待ちましたので、10時の予約の患者さんがまだ診察が始まっておりませんという答えをいただきました。これでは予約という意味がないのではないでしょうか。
 そこで、お伺いしたいのですが、予約の決め方、12時半で10時の予約の患者さんの診察が始まらないということは、10時の前に何人の予約の患者さんがあったのだろうと私は疑問に思います。これは再来ですから、既に診療が終わっている患者さんの再診ですから、診療のプロであれば、どのくらいの時間1人当たり患者さんの診療時間が要するのかということはわかると思います。その辺のところを考えて予約をとっているのでしょうか。そして、実際その予約時間に従った診療状況はどうなっているのかということをお伺いしたいと思います。

〇大沢業務課長 診察に時間を要したということで大変申しわけなく思ってございます。当日の状況を調査しましたら、月曜日ということで、通常であれば整形外科の外来の配置は新患――新患は予約をとっていないということで、新患体制を2人敷いてございまして、再来の患者さんについて再来担当ということで1人、あと病棟を担当するということで計4人の体制で行ってございまして、当日はその新患対応を2人、再来担当を1人という医師体制で診察を予定してございましたが、当日は急遽1人出張になってしまいまして、外来が2人担当になってしまったという状況がございました。それにあわせまして10時から12時の間に救急車が来院してございまして、全部で8人というような状況でございまして、かなり重症の方がいまして1人外来の担当がそちらの方に回ったということで、たまたまというか、かなり当日は厳しい、最終的には1人で診察したという厳しい状況がございました。それで、患者さんにはそういう状況を逐一説明するということが若干不足したのかなということで、このようなことがないようにさらに予約の精度が上がるように工夫をして、その待ち時間の短縮には今後とも気をつけていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

〇平野ユキ子委員 大沢孝課長の答弁にありましたのをお聞きになるとわかると思いますが、私はこれを事前通告したんですね。こういう質問をしますという通告を、実を言いますとしてあるわけです。ですから、その当日に沿ってお調べになったのでしょうが、私はそのことも言いましたが、その日救急の外来は1人だけでした。なぜ私がわかったかと言いますと、実は私、内科ではなくて軽い捻挫で行ったのですけれども、待っている間にぐあいが悪くなってちょっと休ませてもらったんですね。救急病棟に行って休ませてもらいましたが、そこで休んでいる患者さんは1人でしたし、ついでなので、きょうは救急の外来は多いのですかと聞いてきましたが、いつものとおりですという答弁でした。その12時半に私はもう戻らざるを得なくなって、きょうの10時のその予約の患者さんがまだですというのを聞いたときに、それをさらに聞いたんですね。救急とか、どうしてこういう状況ですかと、そうするとそのときに答弁が、救急の患者さんが入りましてという答弁があったのですが、そのことも実はこの事前通告の中で見ましたら、実はなかったはずですと、こういう状況であれば、なぜ私が今こういうことを言うかといいますと、私だけではないんですね。
 その後いろいろ調べましたら、あらゆる人が2時間どころか半日待つのが当たり前だと言いました。こういった経営改善をしなければならないと言いながら、かつて患者を待たせるということを改めたはずなのにもかかわらず、そして予約制を導入したにもかかわらず、予約というのは2時間も半日も待たせるのは予約の意味がないと思います。ですから、きょうの決算委員会で病院の経営の体制について改善が図られていないという指摘が各委員から、るるございました。その体質が、どうせ累積赤字をつくっても税金で補てんしてもらえるといったような親方日の丸的な発想が、県民へのサービスまでこのような状況に至っているのではどうかなと、そうでないことを願うわけですけれども、そういうことを願いつつ質問させていただきました。これは改善できない問題ではありません。お金の問題でもなく、気持ちでサービスの改善ですから、あすにでもできるはずですがいかがでしょうか。

〇千葉医療局長 御質問、本当にお怒りごもっともでございます。いずれ経営に結びつけてお話しされましたけれども、安易に親方日の丸、赤字は全部税金からもらえる、そんなつもりは毛頭ございません。ですから、経営改善に一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、今の事例、その事実関係ちょっと詳細に承知いたしませんが、やはり一番の問題は、いかにそういった患者さん、救急患者等でお待ちいただかなければならない場合でも、やはりその説明がなかったのが一番ではないかと思います。こういう事情でおくれますと、それぞれ時間が決まって患者さんのお名前もわかっているわけですので、それが一番大事ではないかと思います。特に今、中央病院での御指摘でございましたし、いろいろ御批判あるということでございますので、いずれ実態をもう一度把握しまして改善をするよう、十分に配慮してまいりたいと思います。

〇平野ユキ子委員 親方日の丸的、お役所的放漫体質が原因ではないことを願っておりますと申し上げましたので、ただここで要望のみに終わることがないようにという冒頭で委員長の発言もございました。ここで改善をしてくださるというのであれば、診療時間は予約をとった場合は30分以内にするということを明言していただければ幸いに存じます。

〇千葉医療局長 原則いずれたしか30分刻みで予約をとっているはずですので、おっしゃるのが理想だと思います。ただ、どうしても救急患者なり、あるいは急にその場で、ぐあい悪くなされた患者さんがいる場合は順番を変えて、お待ちいただける方には待っていただかなければならぬという場合もあろうかと思います。いずれ先ほど申し上げましたとおり、そういった場合はしっかりとその説明申し上げてやるべきだろうと思っております。いずれ基本的にはお約束した時間にきちっとできるように努力してまいりたいと思いますので、御了承をお願いいたします。

〇工藤勝子委員 時間がたっておりますので、前段を全部省かせていただきまして、その中身だけ申し上げたいと思います。
 実は8月の下旬に知事が遠野市をお訪ねになりまして、遠野市としての要望をお受けになりました。そのときに、遠野市としては小児科、産婦人科の医師の要望をしたわけですけれども、広島県からほぼおいでになるというようなお話をなされまして、次の日に新聞に、遠野の県立病院に小児科医師というようなことで発表になりました。それを受けて遠野の市民は安堵いたしまして、首長さんも昨晩、今年度中においでになるという話をいたしておりましたが、先ほどの話では医療局では折衝中という言葉が出てまいりまして、知事が話ししたのが正しいのか、折衝中と言った医療局が正しいのか、その辺のところを確認の意味で聞きたいと思います。

〇千葉医療局長 実は12月1日付で我々目指しております。知事が強い言葉で言ったのですが、我々はまだ契約といいますか、そこまで至っていませんので慎重を期してこういう言葉を使っておりますが、大きな期待を持っております。折衝中よりはもうちょっと踏み込んで、何とか来ていただけるのではないかと思っております。

〇工藤勝子委員 折衝中から一歩進んでいるということでございますので、その辺のところをもう一度念を押しながら、ぜひおいでいただけるようにお願いをしたいと思います。
 さらに、厚生労働省の方に、全体に日本で小児科の医師が不足しているということでございますので、この小児科の医師の環境改善も含めて県としてどのような提言をなさっているのか、最後に確認したいと思います。

〇千葉医療局長 小児科医の不足というのは、本県に限らず全国的な課題であると思っております。我々全国自治体病院協議会というのに入っておりますが、そういった場あるいは全国自治体病院開設者協議会という場もあります。こういった中で厚生労働省に対しまして小児科医の充足、それはさらにどういう形かと言いますと、診療報酬を高くしてくれと、やっぱり小児科医が不足する理由の一つに診療報酬が他の診療科と比べて安いという評価をされておりますので、そういったような要望を強く出しているというところでございます。

〇及川幸子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇及川幸子委員長 質疑がないようでありますので、医療局関係の質疑を終わります。
 次回は30日午前10時から開会いたしますので、よろしく御協力をお願いいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時3分 散 会


前へ 次へ