平成15年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第17号、第23号に反対の討論を行います。
 議案第17号は、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例であります。これは、勧奨を受けて退職する者に対する退職手当に係る特例措置を講じようとするものであります。平成16年度から18年度までの時限的措置であり、行財政構造改革プログラムに沿って、県職員10%、500人、実質は300人の削減、教職員5%、3、000人の削減を進めるための対策であります。そのために、退職勧奨の年齢を50歳から45歳に引き下げて退職金の割り増しを行おうとするものであります。
 退職勧奨実施要領では、人事管理上の必要に基づいて職員に退職勧奨を行うとしています。これは退職の強要につながりかねません。県職員の状況は、慢性的な残業と4億円に及ぶサービス残業が放置されている状況であります。必要なところに必要な人員を配置すべきであります。退職の強要と、さらに残業をふやす一方的な人員削減を行うべきではありません。
 議案第23号は、岩手県立学校設置条例の一部を改正する条例であります。その内容は、一関第二高校と一関農業高校、久慈農林高校と久慈商業高校、久慈水産高校を廃止して、総合学科制の県立一関第二高校と久慈東高校を新たに設置しようとするものであります。
 また、総合学科制の高校として、紫波高校が紫波総合高校に、黒沢尻南高校を北上翔南高校に名称を変更しようとするものであります。
 さらに、生徒数の減少に対応して、各高校の学科の改編を進めようとするものであります。
 反対する第1の理由は、今回新たに四つの高校が総合学科制の高校とされますが、これは、文部科学省の方針のもとに、高校の多様化を進め、高校間格差を固定化することになるからであります。これまで県内では、岩谷堂高校が唯一の総合学科制の高校でしたが、この成果の検証が不十分であり、全県に広げる必要性も明らかではありません。
 第2に、学科の改編がいつもながら場当たり的で、学問的、教育的根拠に欠けているということであります。盛岡商業高校の場合では、商業科など五つの学科がすべて廃止され、流通ビジネス科など四つの新しい学科に改編されます。水沢商業高校の場合は、商業科を残し、他の三つの学科を廃止し、二つの新しい学科に改編します。水沢商業高校が商業科を残したことは一つの見識だと思いますが、同じ商業高校なのに、学ぶべき学科の看板がこのように異なることは異様であります。学ぶべき基本的学科を大切にして、その中身を発展させることこそ必要ではないでしょうか。新たにつくっては廃止するような場当たり的な学科の改編は、根本的に見直すべきであります。
 第3に、生徒数の減少と学科の改編、総合学科高校の設置に伴って学級数を減ずる高校が少なくありません。特に、今回は岩泉高校の学級減が一方的に発表され、岩泉町やPTAを初め、地域住民の怒りと不安を広げました。今県議会でも議論となりましたが、岩泉高校の学級減は、来年度までの前期の県立高等学校整備計画にはなかったものでありました。また、今年度に小川校が廃止されたばかりでありました。地元自治体と住民が地元の高校を支え、進学率を高めようと取り組んでいるさなかに、こうした学級減を一方的に強行することは、教育的にも、高校の発展と充実にとっても、民主主義のためにも配慮を欠いたものであります。私は、改めて岩泉高校の学級減の見直しを強く求めるものであります。
 また、黒沢尻北高校が1学級減とされますが、この理由は、北上翔南高校が総合学科として6学級にするためであります。普通高校への進学希望が多い状況の中で、総合学科を優先したこうした黒沢尻北高校の学級減には全く根拠がありません。高校再編計画の矛盾であります。
 第4に、こうした県立高等学校の再編と学科の改編が9月県議会の商工文教委員会に報告され、条例改正も規則の改正もなく既成事実として公表され、押しつけられていることは問題であります。今県議会で正式に改正される前に、既に募集要項として事実上進められているのであります。県立高校の再編と学科の改編、学級減の計画については、県議会に十分な余裕を持って早目に報告され、審議されるべきであります。
 また、関係する中学校や受験生、自治体はもとより、地域住民にも説明し、理解と納得を得るようにすべきであります。地域の住民に、また自治体に支えられ発展するように特別の努力を求めるものであります。
 最後に、県立高等学校の後期の整備計画が検討されていますが、中・高一貫校など、文部科学省のメニューの押しつけとならないように、地域の高校が守られ、生徒、受験者や地域住民の要求を一番大事にして検討されるよう求めるものであります。
 以上申し上げ、私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。

〇議長(藤原良信君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第17号及び議案第23号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立多数であります。よって、議案第17号及び議案第23号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第14号から議案第16号まで、議案第18号から議案第22号まで、議案第24号から議案第27号まで及び請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立全員であります。よって、議案第14号から議案第16号まで、議案第18号から議案第22号まで、議案第24号から議案第27号まで及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
   日程第16 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件

〇議長(藤原良信君) 次に、日程第16、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
議案番号件名
28平成15年度岩手県一般会計補正予算(第6号)中、第1条第1項及び第1条第2項第1表中、歳入第5款


環境福祉委員会
 県立病院改革について
受理番号件名
14志波三山の県立自然公園指定を求める請願


商工文教委員会
受理番号件名
12教育基本法の早期改正を求める請願
15教育基本法に対する国民的議論を深め、慎重な法案審議を求める請願


農林水産委員会
議案番号件名
28平成15年度岩手県一般会計補正予算(第6号)中、第1条第2項第1表中、歳出第6款


県土整備委員会
 建設業振興緊急アクションプログラムについて
受理番号件名
10主要地方道紫波川井線の一部ルートを変更し整備促進して公共性を高めることを求める請願

   

〇議長(藤原良信君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
   日程第17 認定第1号平成14年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第28 認定第12号平成14年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算まで

〇議長(藤原良信君) 次に、日程第17、認定第1号から日程第28、認定第12号までを一括議題といたします。
 各案件に関し委員長の報告を求めます。阿部決算特別委員長。
   〔決算特別委員長阿部敏雄君登壇〕


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