令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇5番(菅原亮太君) 自由民主党の菅原亮太です。一般質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様に感謝申し上げます。
 また、2月21日に金ケ崎町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの陽性が確認されました。昼夜を問わず対応に当たっていただいております県職員の皆様、一般社団法人岩手県建設業協会奥州支部を初めとします関係各位に心からの敬意と感謝を申し上げ、順次質問させていただきます。
   〔副議長退席、議長着席〕
 初めに、岩手県の人口減少対策の指標となる岩手県ふるさと振興総合戦略及び岩手県人口ビジョンについて伺います。
 第2期岩手県ふるさと振興総合戦略では、令和8年度に社会減ゼロ、合計特殊出生率1.58以上を目標としています。しかしながら、令和7年の社会増減がマイナス3、851人、令和6年の合計特殊出生率が1.09にとどまっている状況ですが、知事は、今後どのように合計特殊出生率を1.58以上に上げ、どのように社会減ゼロを達成していくのか伺います。
 以降の質問は質問席から行いますので、よろしくお願いいたします。
   〔5番菅原亮太君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 菅原亮太議員の御質問にお答え申し上げます。
 合計特殊出生率と社会減ゼロの達成についてでありますが、県では、岩手県ふるさと振興総合戦略のもと、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らす、岩手とつながるの4本柱で、国の交付金も活用しながら地方創生を進めてきており、その成果として、生活環境や雇用情勢、地域の魅力の向上がありました。
 こうした中、昨年度、国は地方創生10年の取り組みについて、人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至っていないと総括しており、東京一極集中とともに、地方の社会減と全国的な少子化が続くなど、地方は厳しい状況にあります。
 本県の社会減は、東京圏と本県との相対的な経済状況の差、例えば、両地域の有効求人倍率の差と強い相関が見られることから、国に対して、地方重視の経済財政政策の実施を強く求めてきました。
 こうした中、昨年末に閣議決定された国の新たな総合戦略では、地方の経済成長率を東京圏よりも高くするとの目標が掲げられ、地方経済が強まるとともに、国、市町村が一体となって国の交付金も活用して施策を推進することで、社会減ゼロの達成が可能になるものと期待しています。
 自然減については、合計特殊出生率が低下する背景として、若い女性の転出超過に加え、地方におけるアンコンシャスバイアスの存在など、女性の働き方の問題が指摘されています。本県では、全国に先駆けた保育料無償化や、出会い、結婚の総合的な支援、若者、女性の雇用、労働環境の整備などに取り組んできました。
 コロナ禍や物価高もあり、若い世代の経済社会活動が縮小する中、合計特殊出生率に関する目標の達成は難しい状況にありますが、国が掲げる強い経済の実現により、地方重視の経済財政政策への転換が進むとともに、ジェンダーギャップの解消などに総合的に取り組んでいくことで、目標達成の希望は出てくると考えます。
〇5番(菅原亮太君) 今の知事の答弁には、国の新たな地方創生の総合戦略についても御答弁がありました。国の新たな地方創生に関する総合戦略は、昨年12月に閣議決定されました。この中で三つの政策目標として、強い経済、豊かな生活環境、選ばれる地方が挙げられ、それぞれの政策目標の2029年のKPIにおいては、東京圏以外における就業者1人当たり労働生産性の伸び率を東京圏以上にすること、生活インフラの質の維持や暮らしへの安心感により、地域での生活がこれからよくなっていくと思う人の割合を向上すること、東京圏以外で暮らすことを希望し実現できている若者や女性の人数及び割合を向上することと挙げられています。
 注目すべき点は、東京圏と地方の人口転出入の均衡の目標については明記がないということであります。これは地方で魅力を高めていく必要があるということ、また、地方にとっては、国の転出入均衡を待っている場合ではないということ、まさに人口政策から経済政策へと重心を移したものであると思います。
 令和7年2月定例会の私の一般質問に対して、国では、今後10年間集中的に取り組む基本構想と取りまとめることとしており、その内容も踏まえ、必要に応じ、本県の長期ビジョン及びふるさと振興総合戦略についても見直しの検討を行う考えですと答弁されていましたが、この国の指針を踏まえて、岩手県人口ビジョンと岩手県ふるさと振興総合戦略をどのように見直すのか、知事に見解を伺います。
〇知事(達増拓也君) まち・ひと・しごと創生法の規定により、地方版の総合戦略は国の総合戦略を勘案して策定することとされており、本県では、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略において、令和8年における合計特殊出生率1.58、社会減ゼロなどの目標を設定したところであります。
 国における新たな総合戦略は、人口の見通しを示す長期ビジョンを改定せず、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計などを踏まえて策定されたところであり、本県においても、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計などを踏まえて検討していきたいと考えています。
 また、国の新たな総合戦略では、政策目標として、強い経済、豊かな生活環境、選ばれる地方の三つを掲げるとともに、特に、強い経済の実現に向けて地域未来戦略の推進が打ち出されたところであり、こうした考え方は、本県が国に対して強く求めてきた地方重視の経済財政政策への転換に沿うものであります。
 県では、こうした動きを地方の経済状況が相対的によくなる好機と捉え、国の総合戦略に示された政策ロジックや東京圏以外のGDP成長率などの数値目標も勘案し、新たな県の総合戦略の検討を進めてまいります。
〇5番(菅原亮太君) これまでは、知事も、国が東京一極集中の是正をしないからだといろいろ答弁されてきたと思いますけれども、先ほど申したように、今回の国の指針にはそういった転出入均衡が示されていなかった。これからは、そういったものを言いわけにすることができなくなると感じています。
 岩手県として、経済力を上げて、所得と雇用をふやし、また人材を確保して、その結果、社会増という流れに持っていく必要があると思います。
 先ほど申し上げた国の新たな地方創生の総合戦略の三つの政策目標と呼応したふるさと振興総合戦略の策定が必要だと思っておりますが、先ほどのKPIといったものを含めて、次の岩手県のふるさと振興総合戦略に取り入れていく、そういったお考えはあるか、もう一度伺います。
〇政策企画部長(小野博君) まち・ひと・しごと創生法によりまして、地方版の総合戦略は国の総合戦略を勘案して策定することとされておりまして、本県ではこれまで、デジタル田園都市国家構想総合戦略に呼応して、現在の総合戦略を改定するなど、国と一体となって地方創生を進めてきたところでございます。先ほど議員からもお話がございましたように、国の東京一極集中、東京圏の転出入の均衡といったことが一つ挙げられておりますので、それに呼応する形での社会減ゼロといったものも取り上げてきたところでございます。
 国の新たな総合戦略におきましては、これまで設定されておりました地方と東京圏との転出、転入の均衡といった数値目標が今回設定されていない一方で、東京圏以外で暮らすことを希望し実現できている若者や女性の人数及び割合や関係人口の濃淡別実人数など、新たな視点からのKPIが設定されております。
 こうした国の設定の内容を踏まえまして、先ほど知事から御答弁申し上げましたように、次期総合戦略の見直しに当たりましては、国でも総合戦略の中で政策ロジックを明確に示しておりますので、こうした点、また、東京圏以外のGDP成長率などの国におけるKPI、これをこのまま地方に落とし込むのはなかなか難しいので、これをどのようにそしゃくしていくかといったこともございます。こういった点も含めながら、新たな総合戦略の策定に向けて検討を進めてまいります。
〇5番(菅原亮太君) 次に、2040年の人口100万人達成について伺います。
 岩手県人口ビジョンにおいて、本県では、ふるさと振興を進め、出生率の向上と社会減ゼロを実現することによって、2040年に100万人程度の人口を確保することを目指すとしています。
 しかしながら、令和7年の出生数は4、776人、死亡者数は1万9、756人で、マイナス1万4、980人の自然減、令和7年の転入者数は1万5、283人、転出者数は1万9、134人で、マイナス3、851人の社会減となりました。令和7年はマイナス1万7、594人の人口減となり、令和7年10月1日時点の岩手県の人口は112万6、813人となっています。令和7年の自然減、社会減のペースで行けば、2040年には人口は86万人となります。
 2040年に岩手県の人口100万人を維持するためには、仮にことしから社会減がゼロになったとしても、年間の死亡者数を1万9、000人とした場合、毎年約1万人の出生数が必要となりますが、これは令和7年の出生数4、776人の約2倍という極めて厳しい数値です。
 知事は、この社会減ゼロがことし達成されたとしても、出生数が毎年1万人なければ2040年100万人達成が困難という現状に対して、どのように2040年人口100万人を実現しようとしているのか伺います。
〇知事(達増拓也君) 岩手県人口ビジョンは、国の長期ビジョンや総合戦略を勘案し、出生率の向上と社会減ゼロを達成することによって、2040年に100万人程度の人口の確保と、2115年におおむね80万人程度での定常状態を展望しています。
 近年、東京都の有効求人倍率が本県など地方を上回る状況下で、新型コロナウイルス感染症や物価高騰などの世界的危機に相次いで見舞われ、コロナ禍で急減した婚姻件数が回復せず、また、地方からの若年女性の転出超過が継続し、長期的なトレンドでは、全国的に婚姻件数や出生数が減少傾向にあります。
 本県では、人口減少対策に最優先で取り組み、出会いや結婚の総合的な支援や全国トップレベルの子供、子育て施策、ジェンダーギャップ解消に向けた施策などを展開してまいりました。
 こうした中、昨年度、国は地方創生10年の取組と今後の推進方向において、人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至っていない、自然減の対策については、個々の自治体の努力には限界と総括しており、東京一極集中とともに地方の社会減と全国的な少子化が続くなど、地方は厳しい状況にあります。
 本県では、市町村と連携してさまざまな自然減対策を進めていますが、コロナ禍の影響や物価高問題もあり、若い世代の経済社会活動が縮小する中、2040年に100万人程度の人口を展望する出生率、出生数の実現は、現状ではなかなか難しい状況にあります。
 先ほど御答弁申し上げたとおり、国では、人口の見通しなどを示す長期ビジョンを改定しておらず、国の新たな総合戦略は長期ビジョンの人口見通しを踏まえた内容にはなっていませんが、高市内閣としても、強い経済で地方の経済状況を一変させようとしており、それらの進捗状況を見ながら、県としても、人口見通しの考え方を整理していきたいと考えております。
 結婚や出産は個人の自由な選択に基づくものですが、結婚や出産、子育てを希望する方が、経済的、社会的な困難により諦めることがないよう、市町村と連携しながら総合的な少子化対策に取り組んでまいります。
〇5番(菅原亮太君) 知事から実現は難しいという答弁がありました。ここは国としっかり足並みをそろえながら、岩手県としてこの目標を達成していくといったところが非常に重要だと思っております。この自然減対策、社会減対策について伺ってまいります。
 まず、自然減対策でありますけれども、出生数増加のためには、家事、育児の負担軽減も必要であります。いわて一斉!家事・育児シェア大作戦!の取り組みにより、公民連携の啓発キャンペーンなど、家事、育児を家族が協力して行う意識醸成を行っていると思いますが、家事支援について、令和8年度予算での取り組みを伺います。
〇環境生活部長(中里裕美君) これまで、家庭内の家事、育児の負担割合の現状と理想を見える化する家事・育児シェアシートの普及を通じまして、夫婦や家族が協力して家事、育児を行う意識の醸成に取り組んでまいりました。
 今年度のシェア率診断キャンペーンでは、家事代行サービス事業者の協賛を得て、お試しモニターを募集し、当選者の体験の様子を発信していくほか、応募者アンケートにより、サービス利用意向や課題の把握、分析を行っているところでございます。
 令和8年度は、外食産業など新たな協賛先の開拓を進め、公民連携による効果的なキャンペーンを展開し、家事、育児シェアの機運をさらに高めるとともに、新たに女性活躍や働き方改革の推進に取り組む県内企業と連携し、従業員等を対象とした家事代行サービスモニター事業や、活用事例等のわかりやすい情報発信に取り組むための経費を令和8年度当初予算案に計上しており、家事、育児自体の負担軽減に向け、家事代行サービス等の利用促進を図ってまいりたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 今、環境生活部長の答弁としては、まず県民に対しては、家事・育児シェア大作戦のキャンペーンの一環として、家事・育児シェア率診断をして、アンケートに回答いただいた方から抽選で家事代行サービスの体験機会を図っていく。また、県内企業に対しては、女性活躍推進に取り組む企業の従業員を中心に、家事代行サービスの体験機会の提供を図っていくといった答弁でありました。これは環境生活部の管轄内でしか、この家事支援サービスができていないのではないかと思っております。
 私が求めたいのは、県として家事、育児代行業者に家事、育児支援サービスを委託して、県内全域で365日、一律に家事、育児支援サービスが提供できるようにしてほしいと思っております。
 女性活躍推進企業やキャンペーン利用者に限らないで、全ての県民が一律のサービスを利用できるようにするには、家事だけではなく、育児も含むため、環境生活部よりも保健福祉部で取り組むべきと思いますが、保健福祉部長に見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 議員御指摘のとおり、家事、育児支援サービスは、子育て世帯の負担軽減を図る上で重要な取り組みであると認識しております。
 県におきましては、これまでも市町村と連携し、妊産婦や要支援世帯への訪問による家事、育児支援、ひとり親家庭への家庭生活支援員の派遣など、福祉的な視点に立った施策を進めてまいりました。家事、育児の代行にとどまらず、家庭が抱える不安や悩みに寄り添い、地域につながりを生み出すことも重視して取り組んでいるところであります。
 また、家事、育児の負担の背景には、長時間労働や育児休業制度の運用など、企業側の働き方に関する課題もございます。このため、一般事業主行動計画の策定を支援する専門家派遣の経費を令和8年度当初予算案に新たに計上し、企業の働き方改革の推進を後押ししていきたいと考えております。
 さらに、国におきましても、家事支援サービスやベビーシッターの利用促進に向けて、関係省庁が一体となり総合的に検討を行う方針が示されており、県といたしましても、国の動向に対応しつつ、関係部局がそれぞれの役割を果たしながら、市町村や企業とも緊密に連携し、総合的に家事、育児支援の充実に取り組んでまいります。
〇5番(菅原亮太君) 求めたような形にはまだならないということですけれども、ぜひ検討してほしいと思っております。
 今回の環境生活部の取り組みは、環境生活部のできる範囲内での家事支援サービスでありますけれども、家事支援サービスの普及に当たっては大きな一歩かと思っています。ぜひ、この利用者の満足度調査など、データをしっかりと蓄積していただきまして、何年後になるかわからないですけれども、先ほど申し上げた家事、育児支援サービスが全県で一律に提供できるようになったときには、そのデータをしっかり活用していただきたいと思っております。
 そして、女性活躍推進に取り組む企業の従業員を中心に、家事代行サービスの体験機会を提供するということですけれども、いわて女性活躍認定企業等は環境生活部、いわて働き方改革推進運動参加事業所は商工労働観光部の管轄でもありますので、そういった企業の従業員への普及に当たっては、環境生活部、商工労働観光部の連携による普及対象企業拡大の取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、産後ケア事業について伺います。
 同じく出生数増加のための産後ケア事業について、令和8年度予算案では、産後ケア受け皿拡充事業費として、複数市町村から事業を受託する産科医療施設に対し、新規実施や受け入れ枠拡充に必要な専門職の配置経費を補助とあります。奥州市は、地元の保育園が空き家を購入して産後ケア事業をやろうとしていますが、助産師の確保に向けて、現在、市と協議しながら準備を進めているところであります。
 この複数の市町村から受託するという要件の撤廃と、産科医療施設という要件を幅広い事業者に拡充をお願いしたいと考えますが、県の見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 産後ケア受け皿拡充事業費についてでありますが、本事業は、産後ケアを複数市町村で共同実施する際に、市町村と産科医療施設等の双方に生じる委託調整の負担を軽減し、受託先が限られる地域における産後ケアの拡充を円滑かつ早期に実施できるよう支援することを目的に実施するものとなっております。
 事業者の要件については、安全にケアが提供されることが最も重要であることから、国のガイドラインの要件を満たしている産科医療施設等としたものであり、産科医療機関に限らず、医療施設等の運営実績のあるNPO法人なども想定しているものであります。
 また、ことし2月に一般社団法人岩手県助産師会や産婦人科医会などの関係団体や市町村の意見交換の場として開催した産後ケア共有会において、岩手県助産師会からも安全な実施が最優先であることを実施主体である市町村には留意してほしいとの意見があったところであります。
 今後の事業のあり方につきましても、地域の実情も踏まえて、産後ケア共有会などの意見も伺いながら検討していく考えであります。
〇5番(菅原亮太君) 産科医療施設等ということで、保育園もオーケーという認識でいいですか。ありがとうございます。
 複数市町村から受託するというところですけれども、これは県費ですので、一つの市町村だけを優遇することはできないというのが多分県のスタンスかと思いますが、奥州市を例にとりますと、予約待ちが続いていますので、ほかの市町村の人の受け付けは断って、奥州市の人優先で産後ケア事業をやっています。そういった中で、複数の市町村から受託してくださいと言われても、実際には、そういったほかの市町村から受け入れることはほぼ不可能だと思います。
 この複数市町村から受託するという要件について、例えば、受け入れ枠で奥州市民の時間帯、金ケ崎町民の時間帯というようにして、金ケ崎町民の時間帯に予約がなかったら奥州市民に割り当てるといった柔軟な対応は可能なのでしょうか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 類似の事例として、大船渡圏域において、管内の市町村が主体的に市町村間の割合を決めており、予約状況に応じて市町村で調整を行うなど柔軟な対応を行っていると承知しております。
 まずは市町村間で調整を行っていただくことが前提と考えておりますが、必要に応じて県としても調整に係る支援を行ってまいります。
〇5番(菅原亮太君) この産後ケア受け皿拡充事業では、助産師などの専門職の配置経費を補助とありますが、そもそもその助産師の確保が課題であります。県の助産師派遣支援事業における今年度までの助産師の派遣数は何件だったか、また、次年度の助産師派遣数はどのくらいを見込んでいるか伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 産後ケア事業に取り組む市町村への助産師派遣についてでありますが、これまで5名の潜在助産師を確保し、うち2名の助産師を二戸市へ派遣しております。
 令和8年度におきましても、幅広く潜在助産師の把握と確保に努めるとともに、現在確保しております5名を初めとした助産師を活用し、市町村への派遣拡大に取り組んでまいります。
〇5番(菅原亮太君) 潜在助産師の確保は5名で、うち2名の助産師を二戸市へ派遣というのが実績でありました。やはり少ないなと思っています。最終的には、県と市町村の合同委員会という形をつくって、宿泊型産後ケア施設の運営をその合同委員会で行って、県で助産師や心理職の確保をすべきと考えておりますが、改めて県の見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 宿泊型も含め、産後ケアは身近な地域で受けられることが望ましいと考えておりますが、本県では、広い県土を有し、市町村ごとに地理的条件や社会資源の状況が異なる中で、各地域の実情に合ったサービス提供が求められております。
 また、産後ケアは、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない市町村母子保健サービスの中の支援の一つであり、地域資源や個々の妊産婦の状況を最も把握している市町村が、主体的に関与することが重要と考えております。
 このため県では、これまで保健所ごとに市町村で開催している母子保健連絡会議などによる意見交換や、市町村と産科医療機関などとの調整を行うとともに、昨年7月には、市町村と産業ケアあり方会議を開催したほか、本年2月には、岩手県助産師会や岩手県産婦人科医会なども含め、関係者が一堂に会し、本県の産後ケアについて意見交換を行ったところであります。
 こうした取り組みの中、昨年8月に新たに盛岡市の2カ所の医療施設で宿泊型産後ケアを開始したほか、今後に向けて、現在、複数の市町村や産科医療施設などにおいて、宿泊型産後ケアの新規実施を検討していることを把握しているところであります。
 県としては、引き続き、助産師派遣事業により潜在助産師の把握や確保に努めるとともに、本定例会で提案しております産後ケア受け皿拡充事業を活用しながら、関係市町村や医療施設等と丁寧な調整を行い、宿泊型産後ケアの実施を検討する市町村や医療機関等の取り組みを支援してまいります。
〇5番(菅原亮太君) 産後ケアは市町村が主体というのはわかるのですけれども、なかなか市町村では難しいところがある。令和6年度一般会計歳入歳出決算附帯意見には、産後ケアの抜本的な拡充を市町村と連携し、全県的な取り組みとなるよう努めることとあります。ぜひ、支援ではなく、連携して全県的な取り組みを行ってほしいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、社会減対策について伺います。転入者をふやすには、どのような地域から、どのような家族構成で転入しているかを把握して、どの地域にどのような転入者促進策をPRすべきかを考える必要があります。
 福井県では、県と市町村でふるさと福井移住定住促進機構を設立し、移住希望者は、この機構に相談窓口が一本化されて、どの市町村に相談しても、その機構がワンストップで対応できるようにしていらっしゃいます。
 移住相談から定住までの間に、県や市町村の移住支援金とかそういった支援を受けた場合、その支援を受けた人を新ふくい人として、どの地域から、どのような家族構成で移住してきたかを調査、把握されていました。
 この移住者の属性―地域や家族構成をしっかり把握することで、ニーズを的確に把握し、必要な支援策を提供できる。結果、どんどん移住者が増加して、それを県内外にアピールすることによって、さらに移住者の増加につながるという好循環を生み出していました。
 一方、本県は、まず移住相談窓口が県内や県外など多岐に存在し、どこの地域からどのような家族構成で移住しているかなど、移住者の属性等を把握できていないために、どのような移住支援策をどの地域に重点的に打ち出せばいいかが不明瞭で、いろいろな移住支援策を行っていても効果が出ていないと感じます。
 まずは、県と市町村による移住定住促進機構を設立して、移住相談の窓口を一本化するべきと考えますが、県の見解を伺います。
〇政策企画部長(小野博君) 議員御指摘のとおり、社会減対策を推進する上で、移住者の属性等を把握、集約し、施策立案に生かしていくことが重要です。
 県では、移住、定住を希望する方の多様なニーズに対応するため、東京都、大阪府、名古屋市、福岡県の各県外事務所に設置した移住相談窓口や就職マッチングサイト、シゴトバクラシバいわてでのマッチング支援、ハローワークやジョブカフェなど就職支援機関や市町村の移住コーディネーター等との連携により、移住、定住を促進しているところです。
 こうした取り組みを進める中、第2期ふるさと振興総合戦略のKPIに位置づけているU・Iターン就職者数につきましては、それぞれの機関を経由し、県内にU・Iターンをした就職者を集計しております。
 移住相談窓口の一本化につきましては、さまざまな情報の集約でありますとかワンストップ化のメリットがあると考えております。一方、移住のきっかけやプロセスは一人一人さまざまであり、現行の多様な専門窓口による移住希望者の多様なニーズへの対応、就業支援機関のネットワークの活用などのメリットもあると考えております。
 政策の有効性を高め、効果的に推進していくためのデータ収集は重要でありますので、移住、定住を一層促進するため、岩手県総合計画審議会若者・女性部会における議論、県外在住者等のニーズも踏まえながら、移住に関する情報の集約や共有、発信の手法も含めまして、議員御紹介の福井県の例など先進事例も参考にしながら、関係部局が連携して効果的な方策の立案、推進に努めてまいりたいと考えます。
〇5番(菅原亮太君) それぞれに窓口があるということで、その一本化が大事だと思っております。その一本化について検討していただきたいと思うのですけれども、政策企画部が窓口一本化の体制を構築して、その上で、商工労働観光部が移住、定住支援策を講じ、その施策の段階で、そういった移住者の地域だったり、家族構成といった属性を把握すべきだと考えています。
 現状、移住者の属性をどのようにつぶさに把握しているか、その取り組み状況について伺います。
〇商工労働観光部長(箱石知義君) U・Iターン者数については、現在、ハローワークを初めとする関係機関の協力により把握しておりますけれども、出身地、年代等の把握については、聞き取り項目がふえることに加え、個人情報を含む可能性もあるため、協力いただく関係機関からの十分な理解や合意を得る必要があり、こうした点について、県のU・Iターン相談窓口と属性把握の課題について意見交換を行っているところでございます。
 また、既にU・Iターン者の属性を把握している福井県から、その取り組み状況について聞き取りを行い、把握する属性や必要性について検討を行っているところであります。
 さらに、今後、各都道府県に属性把握の実施状況の調査を行う予定としております。
 また、来年度、県の相談窓口利用者や来年度から実施予定のいわて若者U・Iターン支援金の支給申請者から、属性の把握を試行的に実施するとともに、ハローワークを所管する岩手労働局や市町村との意見交換を行うなど、引き続き、把握する属性について検討を進めてまいります。
〇5番(菅原亮太君) 答弁で、新しいU・Iターン支援金の制度の中で、支給対象者から属性把握のアンケート調査を試験的に行うということで、一歩進んだかなと思います。
 先ほどの令和7年の人口移動の数字を見ますと、令和6年よりも転入者は433人ふえて、転出者は766人減っているのですけれども、この要因の分析はできていらっしゃるのでしょうか。
〇政策企画部長(小野博君) 今、議員からお話がありましたように、転出者が令和6年に比べて令和7年は433人ふえたといった状況がございます。これは人口移動の比較による考察といったことで恐縮ですけれども、令和7年の県外からの転入者について、市町村別に見ますと、北上市、奥州市、花巻市、八幡平市の増加が大きく、中核となる市の産業振興などの効果もあらわれてきているものと考えます。
 一方、県外への転出者でございますが、盛岡市から県外への転出者数が減少しているほか、次いで、奥州市から県外への転出も減少している状況にございます。
 さらに、年齢階級別に転出入の状況を見ますと、20代前半や30代の県外への転出者の減少が目立ち、いわゆる働き盛りと言われている30代から40代前半の県外からの転入者が増加しております。
 この30代から40代前半の世代ですが、いわゆる子育て世代といったこともありまして、男性、女性も社会増減が改善しておりますので、例えば、子育て環境の評価についてもある程度いただいているのではないかと考えております。
 このような動きからも、就職期の若者が県内を選択する傾向でありますとか、県内への産業集積の効果による働き盛り世代の転入の増加が考えられます。
 全体として見れば、依然として若年層を中心に転出超過の状態ではあり、引き続き、こうした動向を注視しながら、さまざまなデータによる検証を深め、対策に生かしてまいりたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 子育て政策に評価いただいているかと思いますということですが、思いますなのですね。県外に出た人も県外から来た人も、どこから来たかというのはわかっていないわけでありますので、そこはしっかりと属性把握が必要だと思っております。
 大事なのは、そういった移住者の正確な数値を把握しまして、その内訳―どこから来たか、どのような家族構成かを把握して、ニーズ調査を行って、それをもとに効果的な政策を提案していく。これはまさにマーケティングの視点でありますので、そういった意味では、まず、政策企画部として移住者窓口一本化の体制を構築して、その上で商工労働観光部が移住、定住支援策を講じて、その段階で属性を把握するといった形で、さらに効果的な施策を行っていただきたいと思っております。
 その上で、政策企画部として、移住者だけではなく、県民に対する調査体制の構築もお願いしたいのですけれども、統計調査や政策課題の調査分析の担当課が、なぜかふるさと振興部にあります。本来ならば、統計調査し、ニーズ調査し、政策立案するマーケティングをつかさどる政策企画部に統計調査や政策課題の分析の担当課を置くべきではないでしょうか。それによって、スムーズに統計調査から政策立案の親和性が図られると考えますが、いかがでしょうか。
〇総務部長(福田直君) 世の中全体でDXが進んでデータの流通量もふえる中、本県では、調査統計課のうち調査分析担当の職員を政策企画課との兼務とすることで、単に調査統計資料を作成するだけでなく、政策立案に各種データを活用する取り組みを進めております。
 具体的には、来年度当初予算案において、転出入データの分析をもとに、移住支援金の対象を東京23区から全国に拡充するほか、家事労働時間のデータをもとに、家事支援サービスの普及促進策を盛り込み、空き家ストックのデータをもとに、過疎地域等政策支援員を新設するなど、さまざまな新規、拡充事業につなげているところです。
 来年度も調査分析担当の職員の兼務を継続することとしており、データを活用した政策立案や政策推進については、生成AIの活用とも組み合わせながら、御指摘の趣旨も含め、さらに全庁的に進めてまいります。
〇5番(菅原亮太君) 質問に対する答弁にはなっていないと思うのですけれども、何でふるさと振興部にあるのかというところです。先ほど言ったように、政策企画部でそういった政策立案をして、各部局で政策導入していくという中においては、ふるさと振興部ではなく、政策立案する政策企画部にきちんと調査統計課を置いたほうがいいと思うのですけれども、改めていかがでしょうか。
〇総務部長(福田直君) 令和2年度の組織見直しにおきまして、政策企画部及びふるさと振興部を設置する際に、政策立案部門と調査統計部門との連携を強化するため、調査統計課の調査分析担当を政策企画課に兼務させるという取り扱いにしております。
 一方で、全国的には調査統計課を企画担当部局に置いているところも多いと承知しております。
 今後の組織のあり方の検討においては、御指摘の点もテイクノートしながら検討してまいりたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) ぜひ検討をお願いいたします。
 次に、産業振興について伺います。
 国の新たな地方創生に関する総合戦略について、強い経済、豊かな生活環境、選ばれる地方、この三つの政策目標がありました。そのうち、強い経済のKPIについては、東京圏以外のGDPの成長率を東京圏以上にする。また、東京圏以外における就業者1人当たり労働生産性の伸び率を東京圏以上にするとありますが、本県として、この目標達成に向けてどのように取り組むのか伺います。
〇政策企画部長(小野博君) 国の新たな総合戦略では、強い経済の実現に向けて地域未来戦略の推進が打ち出されたところであり、こうした考え方は、本県が国に対して強く求めてまいりました地方重視の経済財政政策への転換に沿うものと考えております。
 県では、こうした動きを地方の経済状況が相対的によくなる好機と捉えておりまして、国の総合戦略に示された政策ロジックでありますとか数値目標も勘案し、新たな県の総合戦略の検討を進めてまいります。
 また、労働生産性の向上や企業の経営力強化に加えまして、スタートアップ、輸出、インバウンドといった産業横断的な観点も含めまして、地域内経済の好循環を実現する施策を推進し、本県の持続的な経済成長へとつながるような取り組みを進めていけるように、これからプランを考えてまいりたいと思います。
〇5番(菅原亮太君) 次に、地域未来戦略に合わせた県の取り組みについて伺います。
 国は、成長分野への投資を通じて地方の経済活性化を目指していくので、本県としては、その投資を呼び込んで経済力を上げて、雇用と所得を生み、人を呼び込み、結果として社会増を目指していく必要があると先ほど申し上げました。県としてどのように国の投資を呼び込むかが課題であります。
 高市政権は、責任ある積極財政のもと、AI、半導体、創薬、国土強靱化などの成長分野への投資を通じて、地方に大規模な投資を呼び込み、地域ごとに産業クラスターを戦略的に形成し、これにより地域の経済基盤を強化し、持続可能な成長を目指すとしています。
 新たな地方創生に関する総合戦略のうちの三つの政策目標のうちの一つであります強い経済については、地域未来戦略において、次の三つの類型の産業クラスター、すなわち17の戦略分野の戦略産業クラスター、地場産業のさらなる付加価値向上支援により既存クラスター拡大を目指す地場産業支援、そして、知事主導で計画される地域産業クラスターを推進するとし、政府としては、知事を初めとする関係地方公共団体の長との戦略的対話を通じ、それぞれの類型のクラスターの形成、発展を効果的に支援としていますが、どのように国と連携し、計画を策定していくのか、知事の見解を伺います。
〇知事(達増拓也君) 強い経済の実現に力点を置いた地域未来戦略は、東北地方や北海道などのブロックごとに国が策定する戦略産業クラスター計画と、都道府県が策定する地域産業成長プランの二つにより構成され、本県でも、こうした国の動きは、地方の経済状況が相対的によくなるような好機と捉えています。
 国の戦略産業クラスター計画については、現在、本県も参画する東北経済産業局の戦略会議において素案が検討されており、現時点では、本県の強みである半導体や自動車を含む産業が、有望分野として議論されています。
 これに加えて、県では、ILCに関連する先端加速器関連産業についても戦略産業クラスターに位置づけることを求めており、今後、本県の強みをさらに伸ばすような計画となるよう国に働きかけてまいります。
 県の地域産業成長プランについては、市町村や関係団体と連携して検討を進めるとともに、今後、詳細が示される見込みの基金を含む財政措置などの積極的な活用も見据え、課題等について関係省庁と情報共有や意見交換を行いながら、国と連携してプランの策定に取り組みます。
〇5番(菅原亮太君) 国と連携してプランを策定するということでありましたので、余りむやみに政府批判をしないで、政府と足並みをそろえて、投資を呼び込むように頑張っていただきたいと思っております。
 先ほど申したように、政府としては、知事を初めとする関係地方公共団体の長との戦略的対話を通じて支援していくとありましたけれども、どうやって岩手県に投資を呼び込んでいくのか、知事としてどのように取り組むおつもりか、伺いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 例えば、自動車については、オール東北のとうほく自動車産業集積連携会議―岩手県がその代表幹事を務めておりますけれども―設立時から東北経済産業局が参加してくださっており、東北地方における自動車産業の広域的な発展については、もう既に国と県が一体的になりながら取り組んできた実績があり、半導体に関しても同様であります。
 南部鉄器、漆等の伝統工芸品につきましても、経済産業省と県と連携しながら、それぞれの地域の団体とともに取り組んできた実績がございますし、地場産業の関係につきましても、それぞれ国の出先と連携しながら取り組んできた実績がございます。
 そうした実績を踏まえながら、いよいよ総理大臣や各大臣、また、国のトップと地方のトップが一緒になって取り組んでいく。
 昨日の国会で、高市首相の施政方針演説に対する自由民主党鈴木俊一幹事長の質問でも、岩手県における自動車、半導体の産業集積の促進について言及され、地域経済の活性化を総理に求めたところ、総理から、地域未来戦略の政策パッケージのことや、そういった投資、産業用地インフラ整備などに言及され、産業クラスター形成に総理から意欲を示していただいたところであり、岩手県における地域未来戦略の取り組みは、全国の中でも先進的な例として進めていけるのではないかと思っております。
〇5番(菅原亮太君) 知事から国と地方のトップが一緒になってやっていくという言葉がありましたので、ぜひそこをお願いしたいと思っています。その要望については、後ほど取り上げたいと思います。
 住宅産業振興に係る農地転用許可の早期化について伺っていきます。
 過去3年の県内の新築住宅着戸数を見ますと、令和5年は6、744戸、令和6年は5、850戸、令和7年は11月までの累計で4、342戸と、前年同期比でマイナス19%、さらに減少傾向が続いています。
 主な要因は、人口世帯数の減少、資材費、人件費の上昇、金利上昇による住宅取得意欲の低下などがありますが、もう一つ、住宅関連業者から聞かれるのは、盛土規制法―宅地造成及び特定盛土等規制法の運用により、農地転用申請から許可までの期間が長期化していることだと感じています。
 これまでは、田んぼを埋めて宅地開発する際は農地転用許可申請のみでよかったものが、本県では、令和7年5月に盛土規制法の規制を開始し、新たに、農地転用許可申請に加え盛土規制法の許可に係る書類の添付も必要となりました。このため、盛土規制法の許可に係る書類の確認が追加で必要になり、その内容確認に相当の時間を要していると聞きます。
 そのため、田んぼを埋めて宅地造成工事が完了するまでに相当な時間がかかり、この宅地分譲予定地で家を建てたいと思っても、思ってから家が完成するまで1年以上かかっているという事案もあります。それが住宅着工数にも影響しています。
 ただでさえ、先ほどの要因で住宅着工数が減って苦境にあえいでいる住宅関連業者にとっては、一日でも早く農地転用許可を出せるようにしてほしいというのが現場の切実な声であります。
 そこで伺いますが、現状、農地転用許可申請を出してから許可がおりるまでには、盛土規制法の許可が不要な場合と、必要な場合ではどのような手続があり、また、どれくらいの期間を要しているのか伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 盛土規制法は、静岡県熱海市で発生しました大規模な土石流によりまして、甚大な人的、物的被害が生じたことを踏まえ、盛り土等に伴う災害から人命を守るため、農地、宅地など土地の用途にかかわらず、全国一律の基準で包括的に規制するものであり、本県では昨年5月から同法の運用を開始しております。
 農地転用の許可申請におきまして、県では、盛土規制法の許可等が不要な場合は、建築士が許可不要を確認し、作成した書面を審査しておりますし、許可等が必要な場合は、盛り土等の安全性を確認するため、災害防止のために必要な許可基準に基づきまして、土地の平面図や断面図等により工事の計画を審査しております。
 許可まで実際に要した期間でございますが、許可が不要な場合は14日程度、必要な場合は、事前指導と許可申請を合わせまして3カ月程度となっております。
 いずれも県の規定等で定めた当該許可に係る事務を処理すべき標準の日数、いわゆる標準処理日数と言っておりますが、この日数の範囲内となっております。
〇5番(菅原亮太君) 今年度までに、県としては、この申請から許可までの早期化を図る上で、どのような人員体制の強化を図ったのか伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 盛土規制法の運用開始以降、県内で最も事務手続の多い県南広域振興局農政部におきまして、事前指導の件数が、昨年5月は1件、6月は5件、7月には10件に増加しますとともに、8月からは、具体的に許可申請手続があったところです。
 こうした状況を踏まえまして、県南広域振興局農政部におきます業務推進体制を強化するため、昨年9月から担当職員を1名増員したところでございます。
〇5番(菅原亮太君) この農地転用許可の申請においては、申請者側も早期化を図る上でどのようなことをしていくかという点も大事だと思います。その辺で、申請から許可までの早期化を図る上で、申請者側において取り組むべき点は何か、また、県としてどのように申請者側にも周知を図っていくのか伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 農地転用の許可申請に当たりまして、申請者におきましては、盛土規制法の規制内容や申請書類の作成方法など、制度や手続に対する十分な理解が必要となります。
 このため県では、事業者向けの説明会や県の広報等で制度の周知を図っておりますほか、申請者に対しまして、県ホームページで許可基準や申請書類のチェックリストを公開し、手続の理解促進に努めております。
 また、盛土規制法の許可申請に向けた事前相談を受け付け、必要な書類の作成や許可要件への適合性について助言を行っております。
 こうした取り組みを通じまして、今後も申請者への制度や手続の周知と理解促進に向け、丁寧に取り組んでまいります。
〇5番(菅原亮太君) 本県として、今年度までの体制に加えて、今後もより一層の早期化を目指す上で、来年度の体制づくりをどのように考えているか伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 盛土規制法の運用開始以降、広域振興局農政部等での手続に係る事前指導や許可申請に届け出を含めた県全体の件数は、昨年12月末時点で157件、このうち約8割の121件が県南広域振興局農政部に集中しております。
 県南広域振興局農政部におきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、昨年9月から担当職員を1名増員し、ことし4月からは、盛土規制法に関する業務の推進体制を一層強化するため、さらに1名増員する予定です。
 県としましては、今後も、事務手続の件数等の状況を見ながら、業務推進体制の確保に努め、盛土規制法の趣旨を踏まえた手続が適正に行われるよう取り組んでまいります。
〇5番(菅原亮太君) 来年度4月からまた増員ということで対応していただくと、本当に感謝申し上げたいと思います。きょうも傍聴席には一般社団法人岩手県宅地建物取引業協会の方もいらっしゃるようでございますので、改めてPRしたいと思っております。
 次に、政府への要望活動と知事の政治姿勢について伺ってまいります。
 まず、政府への要望活動について。陳情行政を否定する知事でございますが、令和7年12月定例会の松本雄士議員の一般質問では、全国知事会の役職としていろいろ要望して実現している旨の答弁でありました。その役職がない一知事として県政課題の要望は行っているのでしょうか。また、その成果について知事に伺います。
〇知事(達増拓也君) 県政課題全般のほか、東日本大震災津波からの復興や地方創生の取り組みなどを着実に推進していくため、岩手県の現状や課題を国と共有しながら、予算の確保や制度の見直しについて、国に対して要望していくことが重要であり、例年6月に実施しております。
 今年度、県として実施した令和8年度政府予算要望では、8府省庁等を訪問し、大臣等に加え、当時の鈴木自由民主党総務会長にも面会し、本県が直面する課題を直接説明して、国土強靱化のための公共事業予算やILCの推進に関する予算の確保、診療報酬の改定や県立病院の運営に関する財源確保などにつながったところであります。
 また、震災復興については、第2期復興・創生期間以降における心のケアや水産業の再生等に対する支援の継続を訴えてきたところであり、本県の働きかけにおおむね応えていただいたものと受けとめております。
 地方創生については、国において、地方の強い経済の実現に重点を置く新たな総合戦略を閣議決定したところでありますが、これまで本県が国に対して強く求めてきた地方重視の経済財政政策への転換に沿うものと考えております。
 このほか、昨年2月に発生した大船渡市林野火災による被害からの復旧、復興に向け、大臣来県時のほか、3月及び6月に要望活動を行い、定置網の再導入に対する補助率の特例的な引き上げや、水産業共同利用施設の復旧に対する県と市による補助率のかさ上げ分への地方財政措置などに結びついたところであります。
 これからも、本県に必要な政策の実現に向け、さまざまな機会を通じて現場の声を国に届けてまいります。
〇5番(菅原亮太君) いろいろ要望はされているようですけれども、なかなか道路とか、そういった特定課題についての要望活動を、もっとこうしたほうがいいのではないかと思っていることがありまして、少し聞いていただきたいのです。
 昨年11月20日に、北上金ケ崎パシフィックルート整備促進期成同盟会と県土整備部長及び議長への要望会に参加してまいりました。その際、共通の課題認識として財源の確保が挙げられ、県土整備部長からは、国への要望を引き続き求めていくといった答弁で、議長からは、課題は予算の確保。政治は手段であり、道路整備という目的のために予算を出せるところは出してもらえるよう政治的にも働きかける必要がある。しっかり皆様と連携しながら、予算化してもらえるよう汗をかいていきたいとおっしゃっていらっしゃいました。
 知事は、この北上金ケ崎パシフィックルートに関しては、6月に知事と県土整備部長とで国土交通省や自由民主党本部に、また、11月には県土整備部長単独で国土交通省、自由民主党本部に要望を行っているようでありますけれども、予算確保に向けた国への要望には、期成同盟会だけとか、議員だけとか、知事だけとか、それぞれ単独で動いては効果が薄いのではないかと思っております。我々自由民主党会派も、知事とともに自由民主党本部や国土交通省に継続的に要望活動を行う必要があるのではないかと感じているところでもあります。
 道路要望とか、熊対策だったり、先ほどの地域未来戦略の成長投資の要望については、全国知事会としての要望ではなく、知事としての要望活動が重要だと思います。
 知事が政局の関係で、我々自由民主党会派とともに行動するのを嫌っているような印象を受けるのですけれども、先ほどの議長のお話のように、政治は手段、目的は県民の利益でありますので、与野党の対立とかではなく、県民の利益のためにともに行動していただくことを求めたいと思っています。
 そこで伺いますけれども、与党、自由民主党の国会議員を活用しながら、我々自由民主党会派と合同でのこういった要望活動を行うことが重要かと思いますが、一緒に要望活動を行うつもりはないか、知事に伺います。
〇知事(達増拓也君) 与党ということで言えば、岩手県においても、毎年行われる公明党岩手県本部の政経懇談会には、国土交通大臣がゲストに呼ばれることが多く、その際には、知事や県内市町村長に呼びかけがあり、直接話す機会をつくってもらったことが何度もあります。また、東京都の国土交通大臣室で大臣と会わせていただいたこともあるところです。今、記憶で話しておりますけれども、ぜひ自由民主党にもそういうことを、今までもやっていただきたいと思っておりましたが、これからもやっていただきたいという気持ちは変わりません。
〇5番(菅原亮太君) 結構前向きな答弁でびっくりしました。我々も県民の利益というところは、目標は一緒だと思いますので、政府批判とか、そういった対立を余りしないほうがいいのではないかと私は思っております。知事からも一緒に要望したいという答弁がありましたので、そこはぜひ私も一緒にやっていければと思っています。
 そうした中で、知事の政治姿勢になるのですけれども、伺っていきます。
 衆議院議員選挙について、政治の師と仰ぎ、いつも応援演説のマイクを握って応援していた小沢一郎さんを、知事は今回の選挙ではなぜ応援しなかったのか、知事に理由を伺います。
〇知事(達増拓也君) 今回の衆議院議員総選挙は、突然の解散表明に大変驚きまして、ことし1月23日に解散が正式決定するまでは、私は、解散はすべきではないと主張していました。
 戦後かつてないような突然の解散、短期間での選挙であり、受験シーズンや大雪、寒波に見舞われる中での選挙でもあるということで、全国の有権者は、とても対応できない解散総選挙になるのではないかとおそれておりました。
 1月23日の衆議院解散以降は、解散総選挙が決まってしまったからには、かつてないような解散総選挙だからといって、有権者の皆さんが棄権することがないよう、岩手県を含め全国の有権者を応援するスタイルで、定例記者会見の質問に答える形で意見を述べました。それ以外に、公の場で選挙に関して発言する機会はありませんでした。
 日ごろ、選挙においては、有権者は、投票はもちろん、選挙運動にも積極的に参加するのがよいと述べていた私でありますが、今回は選挙運動をする機会もなく、県外出張を含め、予定されていた知事の公務を行い、県の来年度予算の準備や県議会での知事演述の準備をするなどして投開票日を迎えたものであります。
〇5番(菅原亮太君) 知事は、いつもタブーなしでやるとおっしゃっていたにもかかわらず、今回は応援しなかったというのは、甚だ疑問であります。
 衆議院議員選挙前の1月16日の記者会見では、このように述べています。前回の衆議院議員選挙が岩手県の政治の正常化につながる選挙となった。今回の選挙が日本の政治の正常化につながるのであれば、前回と同じような対応になるという御発言がありました。
 今回応援しなかったということは、これは、つまり小沢さんや中道改革連合では、日本の政治の正常化ができないと判断したということでよろしいでしょうか。
〇知事(達増拓也君) まずは、その突然さに驚いていたということがあったこと、そして、実際、自分の時間のほとんどは公務に使うような時期であったこと、そして、選挙の争点―何がテーマになるのかということについてもわからないままで選挙に臨むというのは、主権者、国民として問題ではあるのですけれども、結局、選挙のテーマというものを私もつかみかねて、参加できなかったところがあります。
〇5番(菅原亮太君) 小沢さんに関しては、これからも応援をしていきたいというか、支持をしていきたいという考えに変わりはないのでしょうか。
〇知事(達増拓也君) わかりません。
〇5番(菅原亮太君) 小沢さんの今後については、きょうの新聞にもありましたけれども、引退か後継者探しかなど、さまざまな憶測が飛び回っておりますが、小沢さんが日本の政治の正常化に必要であると知事が考えていらっしゃるならば、知事としては、日本の政治の正常化のために、これからどうしていきたいとお考えか伺います。
〇知事(達増拓也君) まず、今回の解散総選挙の前例のなさ、かつてなさ、戦後かつてないような形で行われたということを、やはり国民は強く自覚すべきだと思っております。その結果、かつてなかったような結果、戦後、日本国憲法のもとで経験したことがないような国会の構成になっておりまして、理論的には、巨大与党がやろうと思えば何でもできるような、かつてないような国会の構成になっていますので、まず、そういうことを国民がきちんと自覚し、よくわかった上で、国民の力で行政をチェックする。
 行政のチェックというのは、国民の生活や国民の仕事が、きちんと必要な対策が行政によって行われているかも含めて広く言っているのですけれども、国民が行政のチェックをみずからやるということを少しでも自覚し、関心を高めていくことが、今一番必要だと思っています。
〇5番(菅原亮太君) これは知事としてそのようにしていきたいという御答弁ですか。つまり、小沢さんの後釜というか、そういったことは考えていないと。後釜となって衆議院議員になるとか、そういったことは考えていなくて、知事として行政のチェックをしていきたいということでよろしいですか。
〇知事(達増拓也君) 選挙のころから一貫して発言し、また、何度もこの議会でも質問されて答えていることをもとにして、今の私の考えを判断していただきたいと思います。
〇5番(菅原亮太君) それでは次に、衆議院議員選挙結果への所感について伺っていきます。
 2月9日の囲み取材で、知事は、衆議院議員総選挙の結果について、誰も望んでいない結果と述べられました。知事にその真意を伺いますと通告しておりますけれども、今までのいろいろな議員への答弁を聞いていますと、臼澤勉議員への答弁では、3分の2超の自由民主党議席獲得や与党で4分の3以上の議席を獲得すると誰が予想したでしょうか、と思うわけですと答弁されていましたので、この質問に対する答弁は結構でありますが、今回の発言が県民に不利益をもたらす発言だと知事はお思いならないでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 菅原亮太議員は、2月9日の囲み取材で知事は、誰も望んでいない結果と述べられたがとおっしゃいましたけれども、そうは言っていないということを、きのうもその前もずっと言っております。
 私がそのときに話したのは、最初に幹事社質問に対して、誰も予想していなかったような結果と述べ、その後のさらなる質問に対して、誰も望んでいなかった結果、そして、戦後今までなかったような国会と敷衍して言ったわけでありまして、まず、誰も予想していなかったような結果という意味が最初にあり、それを言いかえて、誰も望んでいなかった結果、過去の時点―解散総選挙が想定されていなかった時点で、誰も望んでいなかった結果と言ったわけであります。
 議員が今おっしゃったように、誰も望んでいない結果と、あとは別の機会には別の議員が、誰も望まない結果と、終わった後の判断として、選挙の評価としてそのように言ったと言っているのですけれども、私が実際に言った言葉をもとにして質問をしていただきたいし、いろいろ判断していただきたいと思います。
 ですから、私が言っていない言葉をもとにして、それが政府に反することになって、県の利益を害するのではないかという質問は、そもそも成り立たないのですけれども、ただ言えるのは、戦後かつてない巨大与党ですから、それが、言うなりにならないとか言うことを聞かない人の発言を一々とがめるでありますとか、そういう人を敵とみなして何やら攻撃するということは、本当に危険なことだと思うのですけれども、そういう趣旨ではないと受けとめております。
 これは、もう同じような雰囲気の質問が、この本会議場で先週からずっと続いているのですけれども、決して巨大与党が、自分たちの言うことを聞かない人の発言をとがめたり、その態度をとがめたりしているわけではないと理解いたします。
〇5番(菅原亮太君) それでは聞きますけれども、誰も望んでいなかった結果という発言については、県民に不利益をもたらす可能性があるというか、県民に不利益をもたらす発言だと思いませんか。
〇知事(達増拓也君) そのロジックがわからないのです。そのロジックは、巨大与党に、しかも、巨大与党に実際に逆らわなかったとしても、その言葉を曲げて解釈すれば、巨大与党に逆らったと思われるようなことすら発言してはならない、そういった発言すら巨大与党にはとがめられるのだということが前提になった理論だと思うのですけれども、私は、特に鈴木俊一幹事長のきのうの質問を見ていても、決して巨大与党はそういうつもりはなく、むしろ、戦後かつてないような巨大与党は、戦後かつてないような寛容さを持って、戦後かつてないような丁寧さを持って、そして、戦後かつてないような優しさを持って、自分たちと考えが違う、意見が違う、実際に違う人たちに対しても包摂的に臨んで、日本をよくしていこうとしているものだと理解しております。
〇5番(菅原亮太君) この発言に関して私が思うことは三つございます。一つ、それは、誰もではなくて、自分がの間違いだと思います。主語が大きいです。
 二つ目、知事も選挙で選ばれた立場です。誰も望んでいない知事だと言われたら、当然かちんと来ると思います。しかも、知事という公人からそのような発言が出ますと、この結果を望んだ県民からは、なおさら反感が来ます。この発言によって誰が傷つくか、きちんと考えて発言してほしいと思います。大事なのは、自分がどう思ったかではなく、相手がどう捉えたかであります。
 三つ目、選挙は民主主義の根幹です。知事の発言は民主主義の冒涜です。知事は、都合がいい結果になると民意が反映されたと言い、都合が悪い結果になると誰も望んでいないと言います。左派の人も包摂的とか多様性とか言いますけれども、自分に都合が悪いと、すぐ攻撃したがると思います。
 衆議院議員選挙は民主主義の象徴です。これが民意であり日本国民の総意です。半世紀にわたる小沢さんの政治にノーを突きつけたのも、岩手県民の民意だと思うのであります。そして、岩手県で初めて国民民主党の国会議員が誕生したのも民意の結果です。
 その民意に対して、誰も望んでいない結果、望んでいなかった結果といった発言は、自由民主党だけではなく、国民民主党に対しても侮辱、何よりもこの結果を望んだ県民、国民に対する侮辱であると思います。よって、県民、国民に対しての謝罪と発言の撤回をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 私は終始、国会全体の構造について、誰も望まなかった結果と申し上げておりまして、そして、この話は議員御指摘の2月9日の囲み取材でも記者たちに言ったのですけれども、高市首相は、与党で過半数を超えることを目標と当初おっしゃっておられたということは、高市首相も、最初から今のような国会の構成を望んで、それを狙って解散総選挙をしたわけではなかったと思うのです。
 私が、誰も望まなかった、誰も望んでいなかった結果が出たというのは、足りない数しか比例候補の立候補を届けなかった自由民主党全体もそうですし、高市総理も、そういった皆さんを含めて、このような戦後かつてなかったような国会の構成になることは、誰も望んでいなかったのではないか。
 それについて、その後、2月13日の記者会見で問われまして、私はきちんとそれを、驚きの解散総選挙で驚きの国会構成になったということだと思いますと、これが私の公式見解、公式説明で、知事会見記録として誰でもホームページで読めるようになっておりますので、これの謝罪とか撤回の必要はないと思っております。
〇5番(菅原亮太君) 何度も言いますけれども、周りがどう受けとめたかということが大事なのであります。
 知事はみずからのX―旧ツイッターに、誰も望んでいなかった結果という発言に関する報道をリツイートして自分を正当化しようとしていましたが、それに対して130件のコメントがつき、うち125件は知事に対して批判的なコメントでありました。
 この知事のXに対するコメントをチャットGPTでまとめてみましたけれども、次のとおりです。
 民意の軽視で、有権者の投票結果を否定し、有権者をばかにしているとか、誰もではなく、自分が望まなかった結果という意味ではないか。これは国民、県民が望んだ結果だとか、知事という立場での発言として不適切だとか、発言を撤回すべきだなどの意見であふれています。
 生成AIのまとめなので事務的な表現になりましたけれども、実際は、もっと知事に対する反感をむき出しにした非常にきつい言葉で批判されており、まさに炎上しております。
 知事は、選挙結果は否定しないと弁解されましたけれども、聞いた側がどう受けとめたかが大事であります。セクハラやパワハラと同じであります。コメントの反応が、まさにそのどう受けとめたかをあらわしていると思います。
 知事は、令和8年度当初予算案を世界に開かれた地方創生予算とおっしゃいましたが、残念ながら、民意を否定する知事の姿が世界に開かれてしまいました。県民として恥ずかしいです。県民の代表の知事がこのようなに批判されていることは、ゆゆしき事態だと思います。
 このコメントを見ても、県民に申しわけない、撤回しようとは思わないでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 私もちらちら見て、私に対する批判的なコメントや怒りのコメントがあったことを見ましたけれども、その全てと言っていいと思うのですが、私が、誰も望まない結果と言ったということを前提にしているのです。誰も望まない結果というのはひどいだろう、誰も望まない結果というのは民意の無視ではないかと。それは私が言った言葉ではないのです。
 一部マスコミが、私がそのように言ったかのような見出しをつけたりしたのですけれども、その原因は、臼澤勉議員との質問、答弁のやりとりの中で、臼澤勉議員も、誰も望んでいない結果というような現在形を使われたから、新聞社も間違って、それが拡散した結果、それをベースにした意見がたくさんあったのだと思います。
 少数の意見―私はこれは少数の意見だとは思っていないのですけれども―少数の意見であったとしても、それが妥当な意見であれば、時間をかけてそれは広がっていくものでありまして、まず、今はもう私に対する批判のコメントというものは、ネットで見なくなっております。いわゆる沈静化したというのでしょうか。
 そして、その間に、県議会でも、私から、私の発言の真意を繰り返し述べ、そして、誤解が起きた原因についても私から指摘させていただいております。県のホームページには、私の真意というものが公式見解、公式説明で載っていて、それをごらんになっている人たちもいるのだと思います。
 その結果、今はもう批判は来なくなっているところでありまして、私の発言に対する理解は、これからしっかり広まっていき、そういう人たちは、日本全体をよくしていこう、その中で岩手県もよくしていこうというようなポジティブな共感の中で、岩手県にかかわってくれるものと信じております。
〇5番(菅原亮太君) 残念ながら、批判は続いていると思っています。新聞記事もヤフーニュースで取り上げられて、またコメントも大分炎上しています。知事も、自分の考えが正しいということが世間に広まっていくとお考えであれば、きょうの話もぜひまたツイートしてみてください。改めて同じようなコメントが来ると信じています。
 知事は謝罪も撤回もしないということでよろしいですか。
〇知事(達増拓也君) もし謝罪ということであれば、私が口にしていない言葉を、私が口にしたということを公の場で言っている人たちに、まず謝罪していただきたいと思います。
〇5番(菅原亮太君) 2月20日の高市総理の施政方針演説にこのような言葉がありました。信をもって義を行い、義をもって命をなす。これは、誠実さと信頼を土台に正しい判断と行動を積み重ね、その結果として、みずからに与えられた使命や責任を果たしていくという意味であります。まずは誠実さと信頼ということが大事だと思いますので、そのことをぜひお酌み取りいただきたいと思います。
 物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金について質問いたします。
 活用状況について。令和8年度当初予算案には、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、物価高対策として、キャッシュレス決済を活用したポイント付与による消費喚起策、また、県内宿泊施設の宿泊割引キャンペーンが示されたところですが、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金は、残額がまだ約60億円程度あると思います。残りの物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金をどのように活用するのか伺います。
〇総務部長(福田直君) 物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金について、本県への交付限度額は、令和5年度が44億円余、令和6年度が57億円余で、いずれも東北地方で4番目でありましたが、今年度補正予算分は181億円余で、東北6県で最大となっております。
 このうち、令和7年度12月補正予算で78億円余を活用したところであり、今回の2月補正予算案や来年度当初予算案では、県立病院の経営支援や県民の消費生活支援などで、合わせて43億円余を財源として計上しております。
 今年度予備費分と合わせた残額は、御指摘のとおり62億円余となりますが、今月20日の高市総理の施政方針演説では、国において、毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別すると表明されたところでもあります。
 来年度も物価高や賃上げなどの影響が見込まれることから、それらを勘案した上で、医療、介護や運輸などの事業者支援を視野に入れつつ、令和8年度の補正予算で有効な活用を図ってまいります。
〇5番(菅原亮太君) 公共工事の活用について伺っていきます。
 国が示す物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の活用例には、公共調達のうち、実質的な賃上げにつながる契約単価の引き上げなどがあり、その対象には、公共施設の整備など公共工事も含まれます。
 本交付金を活用し、そうした公共工事への価格転嫁の予定があるか伺います。
〇県土整備部長(上澤和哉君) 今般の国の総合経済対策では、公共事業等について、適切な価格転嫁を図りつつ、必要な事業量を確保することが掲げられています。
 これを踏まえ、本県では、公共事業について、その積算に当たり、随時、設計単価の見直しを行うとともに、賃金水準の上昇分等を設計額に反映させ、適切な価格転嫁を図っており、また、国の経済対策に対応した補正予算と令和8年度当初予算案を合わせた実行予算額ベースで、前年度と比較して48億円の増となる公共事業費976億円を確保しているところであります。
 議員御指摘の交付金の活用につきましては、受注者が、物価高騰対策賃上げ支援金を別途活用した際、いわゆる二重補助につながる可能性も否定できないことや、受注者に実質的な賃上げ等につながることを確認できるような書類等をどのように求め、どのように整理してもらうのか、また、工事は適正に完了したものの、賃上げ等の交付金の目的を果たせなかった場合に、工事の契約そのものの扱いをどうするかなど、実務的に整理が難しい課題が考えられることから、現時点では、公共工事への本交付金の活用は見込んでいないところです。
 引き続き、他県の動向などを注視しながら研究してまいります。
〇5番(菅原亮太君) 少し消極的な答弁でありました。そういう課題、懸念実態について、やはり国とか省庁とかといろいろ意見交換して払拭してほしいと思っておりますので、ぜひお願いいたしたいと思います。
 次に、酒蔵支援について。昨年の主食用米の高騰を受けて、酒米も1.7倍に高騰したところですが、昨年10月の決算特別委員会で、福井せいじ議員を初め多くの議員から酒造業者への酒米購入支援が求められ、12月の補正予算で、上昇分の半額を補填する措置をしていただきました。ただ、他県では、上昇分全額補填しているところもあり、本県としてはまだ不十分だと感じます。
 物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、お米券ならぬ日本酒券のように、日本酒の購入割引キャンペーンを打ち出してはどうかと考えますが、県の見解を伺います。
〇商工労働観光部長(箱石知義君) 本県の日本酒は、令和5年にGI岩手に指定され、さらに、令和6年には伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたこと等を受け、ブランドの価値が高まっており、日本酒の販売のみならず観光面にもよい影響が出ております。
 酒造好適米の価格が大幅に上昇する中、質の高い岩手県の日本酒の安定的な生産を確保するため、県内酒蔵の酒米購入を支援しているところでありますが、岩手県の日本酒のさらなる振興に向けて、引き続き、販路の拡大等を支援することが重要と認識しております。
 このため、岩手県酒造組合等とも連携して、海外トップセールスを初め、国内の大手量販店と連携したフェアや商談会、物産展等の開催などにより、岩手県の日本酒のさらなる販路拡大を支援してまいります。
 なお、日本酒券や割引クーポンなどの発行につきましては、生活必需品であるお米などとは異なり、嗜好品であることや、購入できる年齢にも制限があるなど、さまざまな課題があるものと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 県教育委員会につきましては、時間の都合上質問できなかったことをおわび申し上げます。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって菅原亮太君の一般質問を終わります。
   
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時12分 散 会

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