| 令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録 |
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〇33番(神崎浩之君) 自由民主党の神崎浩之です。大船渡市の林野火災からちょうど1年となりました。今なお仮設住宅等に約50世帯が住まわれ、被災された方々にお見舞いと、地元はもとより全国からのさまざまな団体のさまざまな支援に対し、改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
そのような中で、県内で起こった災害の復旧に当たった職員が、そのノウハウを背負って他県の災害支援に出向いた、こういう報道を見ると、これこそが岩手県からの大事な恩返しであるとうれしく感じております。 一般質問の機会をいただき、先輩、同僚に感謝を申し上げ質問してまいります。 今回は、高市新政権の方針や新年度に当たり、国の方針に対する達増知事の対応について伺います。また、質問に際しては、こちらから課題を具体的に細かく例示していきますので、当局の明快な答弁をお願いいたします。 初めに、産業振興について伺います。 高市総理は、今回の選挙選に際し、強い経済の実現に向け、戦略的な危機管理投資、成長投資、成長経済を通じて国民一人一人の所得を上げると表明されました。また、地方が日本経済のエンジンになるとし、都市集中の壁を超え、地方に大きな投資を呼び込み、地方ごとに産業クラスターを戦略的に形成する経済を重視した地域未来戦略を推進するとしております。 こうした国の方向性を受け、本県において県民経済の向上を図るため、知事はこの流れをどう捉え、どのように取り組んでいこうとしているのか、所感を伺います。 一方、急激な物価高騰と賃上げ圧力は、利益が低下し、資金力に乏しい県内の中小企業、とりわけ小規模事業者に深刻な影響を及ぼしております。特に、ここ2年にわたっての賃上げへの対応は限界に近く、ことしもさらに続けば商売の継続が困難になるとの声が多く寄せられます。雇用の維持が難しくなることで、地域交通や医療、行政、民間サービスの縮小を通じた人口流出など、地域経済の基盤、そして社会そのものが危機に直面しています。県内事業者の多くは、原材料費、エネルギーコストの上昇、需要変動、人件費の増大という複合的なリスクを抱えており、倒産、休廃業、事業縮小が強く懸念される状況にあります。 そのような中、国が提示した地域未来交付金や内閣官房の地域未来戦略は、県内小規模事業者の持続的に稼ぐ力を強化する有効な手段であると考えます。 そこで知事に伺います。まず、県内中小企業、とりわけ小規模事業者に対し、物価高騰や賃上げ圧力がどのような影響を及ぼしていると認識しているか。また、県内における倒産件数の推移はどのようになっているのか、伺います。 あわせて、国の地域未来交付金や地域未来戦略と県との整合をどのように図り、ハードとソフトを一体化した事業展開や広域連携、官民学金労の参画を前提とした自走可能な事業モデルの構築について、知事としてどのように主導していくのか、具体的な取り組み事例を挙げて伺います。 また、高市総理は、農林水産業の構造転換と全ての田畑のフル活用を掲げ、需要と供給の両方を強化することで食料安全保障を確立し、農林水産物や食品の輸出を進め、生産の拡大を図るとしています。こうした国の方針を受け、知事はこの流れをどのように捉え、農家の所得向上に取り組んでいくのか伺います。 特に、米については、基盤整備の抜本的な強化が求められています。担い手の高齢化、農地の荒廃、耕作放棄地の増加が進む中、用排水路、ポンプ場、ため池、農道などの農業基盤施設の適正な整備と維持管理が不可欠です。老朽化や機能不全が進む中、全体像を的確に把握し、限られた財源を効果的に配分し、優先順位をつけて早急に進めなくてはなりません。 国は令和7年度から農業構造転換集中対策を実施し、新たな食料・農業・農村基本法に基づく初動5年間において、食料安全保障の確保や農業、畜産業の生産基盤強化を目的とした取り組みを集中的、計画的に進めることとしています。 具体的には、コストの徹底的な低減に向けた農地の大区画化、共同利用施設の再編集約、合理化、スマート農業技術や新品種の開発、輸出産地の育成を集中的、計画的に推進することとしています。知事は、この農業構造転換集中対策をどのように位置づけ、農家の所得向上にどう結びつけていくのか伺います。 大規模な区画整理や用排水施設整備だけではなく、小規模であっても効果の高い簡易な基盤整備を積み上げていくことも重要です。私はここ数年、農業分野の国会議員と意見交換しておりましたが、いよいよ新年度から、簡易な基盤整備という新しいスキームが始まることとなりました。畦畔の除去による小規模な圃場の区画拡大や隣接地の統合、排水溝や小型暗渠の設置、簡易な農作業道の整備などは、比較的短期間、低コストで実施可能であり、現場の省力化や経営改善に直結する取り組みであります。こうした取り組みは、小規模農家や高齢農家にとって即効性が高く、地域ぐるみでの圃場集約、後継者確保にもつながると期待しております。 そこで、本県において、農地の区画拡大や省力化を意図した簡易な基盤整備をどのように位置づけ、今後どのように推進していくのか伺います。 次に、熊対策についてであります。 近年、山間部や林地、里山の生態系変化、森林農地利用の変化、餌資源の変動等により熊の出没が増加し、人身被害や農林畜産物被害が深刻化しております。熊による人的被害は人命に直結する重大な問題であり、住民の生活安全や農林業経営に深刻な影響を及ぼしています。単に捕獲や駆除に依存する対策のみでは、持続可能な人と熊の共生は実現しません。このため、正確な生息数や出没動向の把握、緊急時の対応体制の確立、柵や餌となる農作物の管理、出没情報の周知などの予防的措置、捕獲従事者の確保、養成、安全対策、被害補償制度の整備、さらに、関係部局間、市町村、地域住民、猟友会等との連携が不可欠であります。新たに警察、自衛隊等、国との連携も重要です。 県行政としては、まず、生息管理や保護、生態調査を担う環境生活部と農作物、畜産被害対策や生産者支援を担う農林水産部が、それぞれの役割を明確にしつつ、優先順位を共有し、共同で対策を進めていくことが必要であります。 県では、被害対策を効果的に推進するためにツキノワグマ対策基本方針を策定し、国のクマ被害対策パッケージも踏まえ、強化を図るとしています。これまでに現場から寄せられている課題の内容と、それに対し県がどのように対応してきたのか、また、今後の課題解決について伺います。 そして、環境生活部と農林水産部がそれぞれ分担すべき業務を踏まえ、被害防止対策、捕獲後の搬出、処理、補償スキームなどの技術的、制度的対策について、両部局がどのような連携体制のもとで取り組んでいくのかお伺いいたします。 次に、保健福祉施策について伺います。 産後ケア事業についてであります。 私は、令和4年から産後ケアを取り上げておりますが、出産後の母子の健康と育児支援を提供する産後ケアは、子育て環境を支える重要な施策であります。少子化をとめる施策でもあります。 昨年、自由民主党会派で、岩手県における安全安心で持続可能な周産期医療体制の構築と産前産後ケアサービスの整備・拡充に向けた提言書を達増知事に提出しました。その中で、ハイリスク分娩への対応強化、助産師の育成、待遇改善、宿泊型産前産後ケア施設の整備などを求めております。 産後ケア事業は従来、市町村事業として実施されてきましたが、今年度から県の役割が明確化され、広域調整、市町村への技術的支援、専門的なネットワークの構築を担うこととされました。 広域調整は、市町村単独での実施が困難な場合、近隣自治体との共同実施や、広域的な利用ができるよう調整を行うこととされております。岩手県は、県分の補助金を出しただけで、いまだ県が主体的に動く姿勢は見えません。 以下、先進的な二つの県を紹介します。 山梨県では、県が健康科学大学の協力を得て、全27市町村から委託を受け運営する、広域的な産後ケア拠点である健康科学大学産前産後ケアセンター、愛称ママの里を整備し、県内全ての市町村が共同で利用料を助成する仕組みを整え、住んでいる地域にかかわらず、サービスの利用ができ、助産師などの専門スタッフが常駐し、宿泊型、日帰り型のケアや育児相談を提供しております。 また、山口県では、今年度から全国初となる県単位での取り組みとして、山口県ほっとひといき宿泊施設活用産後ケア事業を開始し、医療機関を中心とした産後ケアを補完し、リフレッシュを主目的として、民間の宿泊施設を活用した全県的な産後ケア提供体制を構築するなど、先進的な取り組みが進められております。 これらを踏まえ、県は県としての役割をどのように捉え、今後、産後ケア事業をどのように進めていくのか伺います。 令和7年4月現在、通所型は23市町、訪問型は30市町村で実施されており、一方、宿泊型は昨年8月から盛岡市が市内産科医療施設に委託を開始しており、現在は2市にとどまっております。通所型や訪問型は確実に拡充しておりますが、宿泊型は助産師や乳児ケア要員など人材の確保が課題であり、導入のハードルが高いのが現状であります。今後、県として宿泊型産後ケアをどのように位置づけ、拡充していくのか伺います。 産後ケアの質と継続性を確保するためには、何よりも助産師の確保、育成、定着が不可欠です。私も他県に聞き取りをしておりますが、産後ケアの課題は全国的にも助産師不足でありました。助産師確保は、単発の雇用対策にとどまらない一貫した人材戦略が求められます。具体的には、助産師を目指す看護師の教育支援、奨学金制度、助産師のスキルアップ、働き続けられる職場づくり、給与、勤務条件の改善、地域誘引策、そして小規模自治体やへき地での効率的配置を可能にする広域連携など、総合的な人材戦略が求められます。 〔副議長退席、議長着席〕 県は現状をどのように把握し、助産師の育成、確保に向け、どのような具体的取り組みを進めていくのか。産後ケアを受ける母子が県内どこでも必要な支援を受けられる体制を速やかに構築すべきであり、助産師の育成、確保するための県の具体的取り組みを伺います。 次に、介護について伺います。 我が国は2040年問題といわれる大規模な人口構造の変化を目前にしており、本県においても、高齢化の進行と地域差が深刻化することが予想されます。とりわけ、介護度が高い要介護3以上に相当する高齢者は、多くの生活や介護支援、医療的ケアが必要で、その受け皿となる在宅サービスや介護施設、それらを支える介護人材の確保、定着は、今後の地域包括ケアの実現における最重要課題であります。 しかしながら、介護施設の整備状況、その基盤となる人材供給力、離職率、人員充足率、加えて地域別の需要見込み等のデータは、3年程度の短期的な数値しか調査されておりません。本県が2040年まで、いつの段階で、どの程度の介護需要が生じるかを正確に見積もり、それに基づく施設整備、その基盤となる人材育成、また、その基盤となる処遇改善やICT、ロボットの導入、介護現場への医療機関の支援体制など、具体的に細かい項目を起こし、施策の数値目標を立て、進捗管理をしていかなければ、課題だと嘆いているだけでは解決しないのであります。ぜひ、県は保険者である市町村と膝を突き合わせ、現実を直視し、計画的に体制整備をしていただきたいと思うのであります。 人口減少に伴って高齢者も減少し、それに伴って要介護者も減っていくから、介護施設も介護人材も減っても大丈夫だと話す人がいます。果たしてそうでしょうか。これは要介護者の実数ではなく、全体の率だけで見ているからだと思います。確かに高齢者の数は減っていきますが、介護施設で見るような重度の要介護者の数は変わらない、いや、むしろふえるというのが私の肌感覚であります。2040年を見据え、本県の高齢者の推移、要介護3以上の高齢者の推移、在宅、施設別のサービスの見込み数についてお伺いいたします。 それに対応する施設や在宅介護人材の供給力、不足見込み数をどう分析し、また碓保、体制整備していくのか、今後の県の具体的取り組みについてお伺いいたします。 次に、ギャンブル依存症対策について伺います。 近年、ギャンブルをめぐる環境は多様化し、従来型のパチンコ、パチスロに加え、インターネットを介したスポーツベッティングやオンラインカジノ、スマートフォンアプリ内課金等、若年層を含む幅広い世代が関与する機会がふえております。また、ギャンブル依存は本人のみならず、家族や職場、地域社会に深刻な経済的、精神的影響を及ぼし、借金、生活困窮、家庭崩壊、自死リスクの増大といった社会問題と密接に結びついております。 ギャンブル依存症は、治療と支援が可能な疾患である一方、早期発見、継続的支援、地域連携の欠如は回復機会を損ない、被害の拡大を招きます。本県においては、相談窓口や関係機関での支援体制整備が進められていると承知しておりますが、送付されてくる相談の実態、対応の成果と課題、相談から医療、福祉、経済支援へつなぐための具体的な仕組み、さらに、若年層や遠隔地における支援の到達性、民間事業者との連携と予防教育の充実など、県民にとって実効性のある施策を示す必要があります。 相談件数や相談内容の推移、対応フロー、支援によるアウトカム―治療導入率、家計改善事例等を明確にすることは、施策評価と今後の方針決定に不可欠です。 以上を踏まえ、県におけるギャンブル依存症相談の現状と対応実績、今後見込まれる課題認識、これに対する具体的な取り組みについてお伺いいたします。 次に、教育施策について伺います。 本県において、児童生徒の不登校や長期欠席の増加、学級崩壊とされる状態の発生並びに児童生徒の心の健康問題は、個々の子供の学びと発達を阻害するのみならず、地域の未来力や社会的結束にも重大な影響を及ぼす深刻な状況であります。 あわせて、保護者の働き方を見ると、医療や介護、コンビニ等、24時間365日のサービス業での夜勤や早出勤務があったり、また、ひとり親家庭等、保護者の勤務環境も多様化しております。 さらに本県は、児童数の減少により学校の統廃合が進み、都市部の単純な対応を踏襲するのみでは十分な解決が見込めないところであります。 本県の教育施策は、県教育委員会や学校のみでは予算的にも人材的にも解決には至らず、保健、医療、福祉、地域団体、そして保護者が縦横に連携し、支援する体制を整えないと、行政的に言うならば、県教育委員会のみではなく福祉部局や地域づくり部局などの知事部局がお金と人と知恵を出し合い、調整、連携、合築した地域の実情に即した柔軟な支援体制を構築されるべきと、昨年の一般質問でも提案しております。 子供たちの学びの権利と心身の安全を守ることは、県の重要な公共責務であり、部局横断での推進が必要であるため、県が、具体的、財政的裏づけのあるモデルを市町村に提示し、早期に子供の環境づくりを強く進めるべきであります。 そこで伺うのでありますが、不登校対策については、本日、佐々木茂光議員、佐々木順一議員が丁寧に質疑されておりましたので割愛させていただきます。 次に、心の健康観察における1人1台端末の活用状況について伺います。 これも以前、一般質問で取り上げておりましたが、1人1台端末等を活用し、児童生徒の心や体調の変化を把握し、児童生徒のメンタルヘルスの早期発見や相談支援につなげる試みを文部科学省が率先して事例を提示し、全国の学校でも動き始めております。 学校での、心の健康観察アプリの端末活用は有効性が期待されますが、しかしながら、本県の学校現場ではなかなか普及されていない状況であります。本県における活用状況、整備されない理由、今後の取り組みについてお伺いいたします。 学校におけるICT化は、学習の場面でも、また先ほど提案した心の健康観察における1人1台端末の活用を進める上でも、校内ネットワーク―Wi-Fi環境の改善が急務であります。昨年の2月定例会でも危機感を込めて質問したところですが、その際には、国では、全ての学校が通信速度の目安を満たすことを目標に掲げ、県や市町村の教育委員会に対し、ネットワーク整備計画の策定を求めています。このため、県及び市町村教育委員会は、岩手県学校教育DX・学力育成協議会を通じて課題等を共有しながら、計画の策定作業を進めているところですと答弁がありました。その後の策定作業の進捗状況と今後の対応について、お伺いいたします。 以上で、この場からの質問といたします。 〔33番神崎浩之君質問席に移動〕 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 神崎浩之議員の御質問にお答え申し上げます。 地域未来戦略の推進についてでありますが、強い経済の実現に力点を置いた地域未来戦略は、東北地域や北海道などのブロックごとに国が策定する戦略産業クラスター計画と、都道府県が策定する地域産業成長プランの二つにより構成されるものとされています。 本県では、こうした国の動きを世界に開かれた地方創生の推進の好機と捉え、国の検討会議に参画するとともに、地域産業クラスターの形成、拡大や地場産業の成長に向けた地域産業成長プランを策定することとしています。 プランの策定に当たっては、自動車、半導体、医療機器関連産業など本県の経済成長を牽引するものづくり産業や、農林水産業、観光、伝統工芸品など県内各地域で経済、社会、文化的な基盤となる地場産業を中心に、スタートアップ、輸出、インバウンドといった産業横断的な戦略の視点なども取り入れて検討を進めてまいります。 また、プランは、ことし夏前の策定を求められていますが、これに先立ち、令和8年度当初予算案においても、投資促進関連事業などを盛り込んでいるところであり、地域未来交付金を初めとする国の財政措置も十分に活用しながら、産業のさらなる集積と地域経済の成長に向けて取り組んでまいります。 次に、小規模事業者における物価高騰や賃上げ圧力の影響等についてでありますが、県が実施した令和7年11月末時点での事業者影響調査では、エネルギー価格、物価高騰等による経営への影響が継続しているとの回答が8割を超えており、多くの事業者が、原料、資材高騰への対応、人材確保、価格転嫁、賃金の引き上げを経営課題に挙げています。 同調査では、人件費分の転嫁を行った、または行う予定の事業者が全体で約42%にとどまり、さらに従業員数が5人以下では約26%となっていることから、小規模事業者における人件費の価格転嫁は進んでいません。 また、民間調査会社による県内企業の倒産件数は令和3年の25件から増加傾向にあり、令和7年には81件となっています。 事業モデルの構築についてでありますが、県では、地域産業クラスターの形成、拡大や地場産業の成長に向け、地域産業成長プランを策定し、産業のさらなる集積と地域経済の成長に取り組んでいくこととしています。 一方、本県経済の大宗を占める中小企業の多くは、取引先企業に対する立場が弱い、内需依存度が高いなどの状況にあり、物価高騰と防衛的な賃上げ、不十分な価格転嫁などの課題に直面しています。 そこで、産学官が連携し、DXの推進やデジタル人材の育成などにより、企業の生産性向上や高付加価値化を支援し、価格交渉力と賃上げ余力の向上につなげる対策を講じることで、本県経済を支える基盤の底上げを図ります。 県では、国の地方創生関係交付金を活用し、いわて半導体関連人材育成施設―I-SPARKを活用した半導体サプライチェーンへの中小企業の参入支援、中小企業におけるデジタルツール導入に対する専門家の伴走支援など、中小企業の生産性向上に資する施策などに取り組んできました。 令和8年度当初予算案においては、事業者等に対する高付加価値商品の開発から販売までの総合的な支援、県内企業への外国人材の就業及び定着を支援するための相談窓口の設置などの施策も盛り込んでおり、地域の多様な主体と連携し、地域未来交付金など国の財政措置を活用しながら、持続可能な地域経済の成長に取り組んでまいります。 次に、農業構造転換集中対策についてでありますが、いわて農業生産強化ビジョンに掲げたように、県全体の生産量を増大させ、食料供給基地としての地位をさらに向上させるよう、国の農業構造転換集中対策と連動し、生産性、市場性の高い産地づくりに取り組み、生産者の収益力の向上につなげ、本県農業を強化していく考えです。 県では、令和8年度、国の補正予算を活用しながら、圃場整備予算について、前年度と比べ19億円増となる過去最大規模の150億円を見込んでいるほか、農業共同利用施設の再編、整備については、新たに、県が上乗せ補助を行う経費として約10億円を計上しています。 また、スマート農業技術の導入について、地域計画の実現や米の生産拡大支援強化のため、前年度と比べ1億5、000万円増となる3億2、000万円の予算を見込んでいるほか、輸出拡大については、新たに、小規模事業者のトライアル輸出や北米における現地ネットワーク強化を図る経費など、約1億5、000万円を計上しています。 県としては、国に対し、農業構造転換集中対策を着実に実施するための予算を十分に確保するよう要望しており、今後も、こうした働きかけを行いながら、国事業を有効に活用し、市町村、関係団体、生産者など、あらゆる主体と一体となって本県農業の強化に取り組んでまいります。 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。 〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、産後ケア事業における県の役割についてでありますが、国のガイドラインでは、議員御指摘のとおり、都道府県の役割として、実施主体である市町村を広域支援することが期待されており、県としては、市町村間の広域連携に向けた調整や医療機関等とのネットワーク構築などを通じて、支援を必要とする全ての方が産後ケアを利用できる体制の整備を促進することが重要であると認識しております。 県では、産後ケア事業の拡充に向けて、これまでも全国に先駆け、市町村と連携し産後ケアの利用料の無償化等に取り組んできたほか、実施主体である市町村や関係部署と課題を共有し今後の支援の方向性を検討するため、昨年7月に産後ケア事業あり方会議を開催したところであり、市町村からは共通の課題として、専門人材や受け皿となる施設の確保などが挙げられたところであります。 このため、県では、令和8年度当初予算案において、新たに、受け皿となる産科医療機関等が限られた地域においても産後ケアの拡充が図られるよう、複数市町村から事業を受託する産科医療施設等に対し、新規実施や受け入れ枠拡充に必要な専門職の配置経費への補助を盛り込み、複数市町村での共同実施による体制の構築を支援していくこととしております。 次に、宿泊型産後ケアについてでありますが、産後ケアについては、必要なときに支援が受けられる環境の整備が最も重要であるとの認識のもと、各市町村において地域の実情に応じた支援が行われているところであり、妊娠期からの切れ目のない支援の一環として重要なものと認識しております。 議員御指摘のとおり、宿泊型の産後ケアについては、設備要件に加え、助産師等の看護職を24時間体制で配置する必要があるなどの課題があることから、県内で実施しているのは2市3施設となっております。 また、先ほども御答弁申し上げました産後ケア事業あり方会議では、優先的な課題として、デイサービス型の予約待ち解消を挙げた市町村が多く見られたことを踏まえ、宿泊型のみならずデイサービス型の拡充にも両輪で取り組むことが必要と考えており、共通の課題である専門人材の確保、育成に係る支援を強化し、先ほども御答弁申し上げました事業の活用も含め、引き続き、宿泊型の実施を希望する市町村の取り組みを支援してまいります。 次に、助産師の育成、確保についてでありますが、近年の少子化や18歳人口の減少に伴い、看護職員を志望する学生数や助産師の県内就業者数も減少していることから、産後ケア事業を担う助産師を確保していくためには、助産師志望の学生をふやすとともに、潜在助産師の活用を促進することが重要であると認識しております。 このため県では、助産師を含む看護職員の確保に向け、令和8年度当初予算案において、看護職員修学資金の貸し付け枠を110名から120名に拡大する予算を計上し、中高生向け進学セミナーなど、さまざまな機会を通じて、助産師の魅力発信とあわせて修学資金の周知を図っていくこととしております。 潜在助産師の活用については、令和6年度から、潜在助産師を確保し、希望する市町村に対し助産師を紹介する助産師活躍推進事業を実施しているところであり、これまでに5名の助産師を確保し、うち2名の助産師を二戸市の産後ケア事業に紹介しているところであります。 さらに、令和8年度当初予算案に産後ケア現場での研修に係る費用を支援する予算を計上するとともに、従来の助産師資質向上研修の一部を、産後ケアに必要な知識、技術の習得を支援する内容に特化して実施するなど、産後ケアに従事する助産師の育成を一層推進していくこととしております。 次に、高齢者等の推移についてでありますが、国の介護保険事業状況報告における昨年10月時点の公表値と、現在の県計画―いわていきいきプラン(2024~2026)策定時に、市町村ごとの将来予測を取りまとめた推計値とを比較いたしますと、令和4年に減少に転じた本県の高齢者人口は、今後も減少が続く見込みであり、昨年10月時点の40万4、000人余から、2040年には37万5、000人余と、約2万9、000人減少する見込みです。 一方で、要介護認定者数は、85歳以上年齢人口の増加に伴い今後も増加する見込みであり、要介護3以上の人数は、昨年10月時点の2万9、500人余から、2040年には3万1、800人余と、2、200人ほど増加する見込みとなっております。 同じく、在宅や施設サービスの利用者も増加する見込みであり、在宅サービスが6万3、300人余から6万5、600人余と2、200人ほど増加するほか、施設、居住系サービスでは、1万8、800人余から2万400人余と1、600人ほど増加する見込みとなっております。 次に、介護人材の確保についてでありますが、ただいま御答弁申し上げましたとおり、今後も在宅、施設の両方で支援ニーズが拡大する一方、生産年齢人口の減少などにより介護職員数は減少が見込まれており、2040年には約6、000人の不足が生ずる見込みであります。 このような中、将来にわたり安定的なサービス提供を行っていくためには、特に、近年増加傾向にあり、今年度から訪問介護への従事が可能となった外国人介護人材や、施設系事業所での活用が進む介護助手など多様な人材を確保し、担い手の裾野を広げていくことや、介護テクノロジーの活用による業務改善、効率化を一層推進し、介護現場の生産性を向上させていくことが重要と考えております。 このため、県では、令和8年度当初予算案に、外国人介護人材の国家資格の取得支援や事業所とのマッチング支援、介護助手の受け入れ促進に向けたアドバイザー派遣など新たな施策のほか、介護テクノロジー導入補助金の拡充を盛り込むなど取り組みを強化することとしており、持続可能なサービス提供体制の構築に向けて、介護人材確保策を総合的に展開してまいります。 次に、ギャンブル依存症対策についてでありますが、県では、岩手県精神保健福祉センターを依存症相談拠点機関と位置づけており、ギャンブルの問題を抱える当事者や御家族からの相談に、近年では年間100件前後対応しているところであります。相談内容としては、ギャンブルによる多重債務や気分の落ち込み、不眠などの精神症状に関する相談が多く寄せられているところであります。 国の推計によると、ギャンブル等依存が疑われる者は成人の1.7%とされており、それに対して相談件数が少ないことから、相談窓口の一層の周知と活用の促進を図るとともに、より多くの県民への依存症に関する知識の普及啓発が必要と考えております。 県では、岩手県アルコール健康障害・ギャンブル等依存症対策推進計画を策定し、関係機関、団体等と連携しながら、将来的な依存症の発生防止や地域での普及啓発、個々の状況に応じた適切な相談や治療につなげるための対策などを推進しているところであります。 この計画に基づき、家族教室や県民向けの講演会の開催、支援者向け研修の実施、自助グループとの連携などに取り組むほか、依存症患者が地域で適切な治療を受けられるよう依存症専門医療機関を2機関選定し、支援体制の充実に取り組んでいるところであります。 引き続き、依存症に悩む方々が早期に適切な支援につながる環境づくりを推進してまいります。 〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕 〇農林水産部長(佐藤法之君) 簡易な基盤整備についてでありますが、県では、本県農業を強化するため策定した、いわて農業生産強化ビジョンにおいて、生産基盤の強化を掲げ、水田の大区画化などの圃場整備に加え、畦畔除去、暗渠排水など、簡易な整備を推進しています。 これまで、国事業や、令和2年度に創設した、県単いきいき農村基盤整備事業を活用し、市町村、土地改良区等が行う簡易な整備への支援に取り組み、畦畔除去による水田の区画拡大については、令和2年度の12ヘクタールから、令和6年度は約3倍の30ヘクタールに拡大しました。 こうした状況を踏まえ、令和7年度から、同県単事業を対前年度比で約2倍となる1億円を措置したところです。 国では、機動的に農地の区画拡大を実施するため、令和7年度補正予算で、農業者などがみずから行う畦畔除去等の簡易な整備を支援する大区画化等加速化支援事業を創設しました。県としては、こうした簡易な整備は今後も増加することが見込まれることから、令和8年度当初予算案において、団体営事業による簡易な整備を事業メニューに追加することとしており、創設された国事業を有効に活用しながら、簡易な整備を含めて基盤整備が着実に進むよう取り組んでまいります。 〔環境生活部長中里裕美君登壇〕 〇環境生活部長(中里裕美君) まず、ツキノワグマ対策の取り組み状況についてでありますが、現場において対策に当たっている市町村や公益社団法人岩手県猟友会との意見交換によりますと、今年度の大量出没状況を踏まえて、市街地等への熊の出没防止や、出没時の適切な捕獲体制の整備、増加傾向にある農作物被害の軽減などが課題として挙げられたところです。 これを受けまして、県では今年度、県管理河川における樹木の伐採や、緊急銃猟のための体制整備への支援、市町村が実施する侵入防止柵の設置やわなの購入等の経費補助など、必要な対策を順次強化してまいりました。 今後は、捕獲体制のさらなる強化に向けて、県としてガバメントハンターを任用するほか、専門的な知見に基づく総合的な対策を進めていくため、新たに野生動物管理の専門職員を採用し、推進体制の整備に取り組むこととしております。 また、人の生活圏と熊の生息域のすみ分けを図り、被害を軽減するため、市町村におけるゾーニング管理を支援するガイドライン等の作成に取り組んでまいります。 今後におきましても、県として捕獲も着実に実施しながら、市町村、岩手県猟友会の課題も踏まえつつ、ツキノワグマ対策基本方針に基づき、総合的な熊被害対策に取り組んでまいります。 次に、熊対策における環境生活部と農林水産部の連携についてでありますが、農林水産部では、農業被害の軽減のため、農地周辺での被害防除対策や有害捕獲の支援を行っており、また、環境生活部では、野生鳥獣の個体数管理や人身被害の軽減のための被害防除対策や捕獲、出没防止対策を行っているほか、捕獲従事者の人材育成など、熊被害における総合的な対策を担っております。 このような役割分担のもと、市町村による侵入防止柵の整備への補助や人身被害防止に向けた出没情報の共有の仕組みづくりを行うとともに、両部所管の事業により捕獲された個体につきましては、関係法令に基づき適切に処理しているほか、それぞれの事業に伴い発生するおそれのある損害等については、あらかじめ加入した保険により補償する形をとっており、そごや支障が生じないようにしております。 また、県が実施する熊対策につきましては、市町村や関係団体、学識経験者などで構成されるツキノワグマ管理検討協議会等において、両部の職員が参加の上、人身被害及び農作物被害の状況や課題を情報共有しながら検討を行っております。 今後も、被害防止や低減に向け、有害個体の捕獲や侵入防止対策を強化するなど、両部で連携して取り組んでまいります。 〔教育長佐藤一男君登壇〕 〇教育長(佐藤一男君) まず、心の健康観察についてでありますが、1人1台端末等を活用した心の健康観察は、教職員が児童生徒の心や体調の変化を把握し、児童生徒が発するSOS等の早期発見、早期支援につながるものであり、いじめ、不登校、自殺リスク等の把握に有効であると認識しております。 本県では、令和6年度、国の事業を活用し、岩手県立一関第一高等学校附属中学校と4市町の小中学校をモデル校として、導入に向けた実証研究を行い、その成果をリーフレットで周知してきており、令和7年度は6市町村で導入されております。導入していない市町村においては、予算確保が困難であること、小規模校の場合、紙媒体による実施のほうが教員の業務負担が少ないことなどの理由があることを把握しております。 このため、今後、事業の成果や評価を取りまとめ、市町村教育委員会に対して活用の促進を働きかけていくとともに、必要な財政措置が講じられるよう、国に対して要望してまいります。 次に、ネットワーク整備計画策定の進捗状況についてでありますが、国が策定を義務づけている当該計画は、昨年度までに県及び県内全ての市町村で策定を終えているところであり、現在、この計画に基づき、ネットワークの改修や通信契約の見直しなど、改善に向けて取り組んでいるところであります。 引き続き、岩手県学校教育DX・学力育成協議会などの機会を通じて県と各市町村が連携し、それぞれの取り組み状況などを共有しながら、学校の通信ネットワークの改善に努めてまいります。 〇33番(神崎浩之君) いろいろ御答弁ありがとうございました。まず、教育現場における1人1台端末の活用については、環境を整備してぜひとも活用していただきたいと思います。 それから、簡易な基盤整備につきましては、今回、小規模な基盤整備の推進というものが出まして、今までの国営等の大きな事業から、中規模の県のいきいき農村基盤整備事業、そして、今回新たに小規模ということで、大規模な基盤整備事業は採択まで時間がかかることもあるので、小規模な基盤整備をきめ細かく紹介して進めていっていただきたいと思っております。 それから、産後ケア、介護人材確保など、保健福祉部の課題もいろいろお話させていただいたのですが、産後ケアは単なる市町村に対する技術的支援とか、連携とか、広域連携とか、そういうことのみにとどまらず、先ほどお話ししたように、先進的な県は、県みずから主体的に事業を運営している。宿泊型に関しては、市町村で手が出ない状況であるので、いっそのこと、県が実施主体となって取り組んでいただきたいと思っております。 さまざま質問して、これからさらに部局長に再質問していきたいと思っておったのですが、最初の質問の産業振興と農業振興について、知事から国に参画し、国の財政措置を十分活用して取り組むという話がありましたので、ほかの再質問はいたしませんので、この点について再質問してまいりたいと思っております。 きのうの臼澤勉議員に対する答弁、態度、それから、衆議院議員選挙後の知事の報道機関でのさまざまなコメントを聞いて、私は、国から来る支援について非常に危機感を持ちました。報道によりますと、自由民主党の歴史的大勝となった―これは報道機関が書いているので、私が言っている話ではないので笑わないでいただきたいのですが―自由民主党の歴史的大勝となった衆議院議員選挙の結果について、東北地方の自治体の知事、経済界のトップからは、高市早苗首相の強いリーダーシップへの期待と経済財政運営などへの注文の声が相次いだ。 その中で、福島県の知事からは、物価高や人口減少などの課題を念頭に、国民、県民の切実な思いに応えるためにも、速やかに来年度予算を成立させてほしいというコメントが出されました。 それから、山形県の知事からは、加速化する人口減少や少子化対策、物価高騰対策やインフラ整備、減税施策に伴う地方の財源確保などに迅速かつ着実に取り組んでほしいというコメントでありました。 一般社団法人東北経済連合会の会長からは、力強い政策遂行を望みたい。自由民主党が公約に掲げた強い経済の実現は、東北地方、新潟県の地域経済にとって極めて重要だ。特に、地域未来戦略には大いに期待しているとのコメントが出されております。 一方、我が県の達増知事は、誰も望んでいなかった選挙で、誰も望んでいない結果が出た。国民全体に大きな影響を与えると語ったと報道に出ておりました。選挙後の結果に対するほかの県の知事のコメントの中で、こういうコメントでありました。一方で、国会の状況が変わっても政府に協力し、必要な要請を行っていくことには変わらないと強調したというように報道されております。 私は非常に虫のいい話ではないかと感じたのですが、今のコメント等を比べていただきまして、果たして、岩手県に対する国の支援、財政措置は、このような知事の対応で十分に活用できるものなのかどうかが心配でありますので、この際、知事にお伺いしたいと思います。 〇知事(達増拓也君) まず、選挙で応援する、しないとか、あるいは、政党とか政権とかへの支持を明言する、しないとかによって、そこへの予算とか国の仕事を差別するというようなことがあってはならないということに関しては、これは内閣のあり方とか与党のあり方として、そちらのほうで議論したり考えたりしていただければいいと思っております。 新聞記事については、知事定例記者会見や囲み取材などで記者の質問に対して答える中で、マスコミがそのようにまとめたということなのだと思います。 高市内閣の政策は去年から始まっておりまして、特に地域未来戦略、また、広く地方創生政策に関しましては、岩手県が地方創生10年を通じて常に強調してきた、地方の経済を強化する、東京圏との相対的な経済状況を地方に有利になるように持っていけば、1995年に岩手県の転出超過がほぼゼロになって、地方全体として地方回帰が実現したのですけれども、そういう経済政策、そして地方創生政策というものは、ずっと岩手県が求めていたものであります。去年のうちから、地域産業成長プラン―戦略産業クラスター計画、地域未来戦略に関しましては、東北経済産業局と連携し、私も東北経済産業局長と何度もこの話をしておりまして、岩手県の自動車、半導体などを中心とした東北地方のブロック形成とか、あと、岩手県内の産業振興については、県と政府間の調整を詰めているところであります。 そしてもう一つ、きのうの議論でも、私が選挙の結果を否定しているとか民主主義を否定しているという指摘があったので、改めて言っておきますけれども、選挙の結果は全く否定しておりませんで、岩手県で当選した議員の皆さんには祝電を知事として出しております。また、選挙直後、鈴木俊一自由民主党幹事長の滝沢市にある事務所、地元事務所を訪問し、鈴木俊一幹事長に当選のお祝い、そして、鈴木俊一幹事長のもとで自由民主党が議席をふやしたことへのお祝い言上をしております。そのことは、週末に鈴木俊一幹事長と久慈市の20周年行事でお目にかかった際、鈴木俊一幹事長からも、わざわざ地元事務所においでいただいてありがとうございましたということを言っていただき、岩手県の県政課題、そして、全国知事会としてもさまざま、政府と一緒にやっていこうということがありますので、それを自由民主党ともよくよく協議していこうということなど話し合っているところです。 〇33番(神崎浩之君) 今後とも自由民主党の国会議員と密接に仲よくしていただいて、支援していただきたいと思います。 それからもう一つ、きのうの臼澤勉議員とのやりとりの中で、地域未来戦略等々について、岩手県に本当に支援されるのか心配なことがありまして、知事に確認したいと思います。 たしか高市旋風と発言したタイミングで大きな笑い声を知事が発したと私は記憶しているのですけれども、これは議長から注意するほどの声でありました。テレビにも大きな笑い声が報道されておりました。これはどのような意味で知事が発せられたのかということを確認したいと思うのです。場合によっては、今の政権に対する批判なのか、それとも、臼澤勉議員に対する中傷なのかということもあって、自然に出たものなのか、どのような意図で発せられたのか、今後、岩手県が国の支援を受ける意味で重要なことだと思いますので、確認させてください。 〇知事(達増拓也君) 戦後かつてないような日本の巨大与党が、大きな声で笑うことまでとがめて、おかしいときに笑う自由まで巨大与党が抑圧するという趣旨では全くないものと受けとめてお答え申し上げますけれども、まさにおかしかったから笑ったので、その理由とか原因というのはよくわからないところがあります。今思い返しますと、民意のことでやりとりする中で、どのような民意が選挙結果に示されているのか難しいという中、質問議員から高市効果、高市人気という話があり、それは民意ではありませんので、そのような民意ではないところが選挙結果に影響したかのように聞こえたので、つい笑ってしまったのではないかと推測します。 〇議長(城内愛彦君) 神崎浩之君に申し上げます。ただいまの発言は議題外にわたっておりますから注意いたします。 〇33番(神崎浩之君) 私は、産業振興、地域未来戦略の推進に大きくかかわってくる知事の言動、態度だったと思って質問させていただいたのですが、本日の議会運営委員会でも話題になっておりますので、この点については、議会運営委員会の場で検討させていただきたいと思います。 続いて、知事の県政運営についてお伺いしてまいります。 海外戦略、知事のトップセールスについてでありますが、我が県が直面する人口減少、地域経済の脆弱性といった課題を克服し、持続的な成長を実現するためには、国内市場に加え海外市場の開拓、外資誘致、観光客、留学生の受け入れ、研究連携の強化など、多面的な海外戦略の推進が不可欠であります。 その中で、知事が直接現地に出向くトップセールスは、自治体の顔として強いメッセージを発信し短期的な注目を集める力にもなります。また、契約の即断即決にもつながる。しかし同時に、公費負担の妥当性、費用対効果、経済活動における外交、安全保障上のリスク、透明性の確保など、行政責任として説明を求められる点も多くあります。 県の海外戦略における知事によるトップセールスの位置づけと実績、そして、今後の進め方について、トップセールスを行うことによって期待される具体的アウトカムをどのように設定し、実際に達成してきたのかを明確に説明する必要があります。専門職員や経済団体、民間コンサルタントを通じた業務遂行と比較して、トップみずからが行くことの追加的効果は何か、お伺いいたします。 岩手県では、いわて国際戦略ビジョン(2024~2028)に基づき、農林水産物の輸出拡大とインバウンドの誘客を柱とした海外戦略を推進しています。農林水産物の輸出戦略は、アジアと北米を主なターゲットとし、品目ごとに重点国を設定しており、例えば、牛肉であれば米国、カナダ、香港、台湾、タイ、ベトナム、シンガポール。米であれば香港、シンガポール、米国となっております。また、インバウンド誘客戦略(観光)であれば、ニューヨークタイムズ紙で盛岡市が紹介された影響もあり、欧米圏への展開も強化していますが、アジア圏を最大のターゲットとしているところです。 これまでどのような成果を上げているのか、また、今後どこの国をターゲットに取り組んでいくのかをお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) 本県では、海外展開施策の基本方針である、いわて国際戦略ビジョン(2024~2028)に基づき、海外市場への展開、インバウンドの誘致拡大、海外との多様なネットワークの強化という三つの基本戦略に基づいて取り組んできました。 その取り組みの一環としてのトップセールスは、自治体の代表の現地訪問により、現地の地方政府、日本大使館等在外公館、ジェトロなど日本政府関係機関、大手民間企業等からのハイレベルな支援協力を得やすくなるほか、現地メディアの取材報道が拡充し、PR効果が格段に高まるなど、販路及び誘客拡大の基盤づくりに大きな効果があると認識しております。 こうしたトップセールスにより、直近の令和4年度、令和6年度及び令和7年度に実施した北米では、県産牛肉や米、日本酒の販路拡大、量販店とのネットワーク強化、外国人宿泊者数の増加等につなげてまいりました。 来年度は成長が見込まれ、訪日客数も増加しているタイ、シンガポールなどのASEAN市場をターゲットとして、県産品の販路拡大やインバウンドの誘致に係るトップセールスを実施し、需要開拓を図る考えであります。 今後におきましても、海外戦略の展開にトップセールスを効果的に組み入れながら、本県の世界に開かれた地方創生を推進してまいります。 〇33番(神崎浩之君) 今後もどんどん進めていただきたいのですが、私は15年前に県議会に来たとき、達増知事に一番望んだのは海外戦略です。出身が外務省、外国も経験しているということで、我々にはできない、達増知事だからできる海外戦略ということを思っておったのですが、前半戦は海外に出ていくことも少なかったようで、最近になってどんどん海外に出ていくという行動も見受けられますが、これについて、ここ三、四年、力を入れるようになった理由についてお伺いしたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 1期目の終盤に東日本大震災津波が起きまして、2期目は、まずは東日本大震災津波の救助、復旧、復興に力を入れたところであります。3期目も引き続きそうでありまして、4期目はほぼコロナ渦と重なり、なかなか海外戦略を展開することが難しかったところがあります。 一方、この間、東日本大震災津波をきっかけに、日本政府が被災三県の海外でのさまざまな交流や、また、地域振興、産業振興につながるような活動の支援を強化してくれるようになりました。そして、新型コロナウイルス感染症に関連しましても、コロナ禍からの脱却の中で、官公庁が岩手県における世界遺産を生かした海外戦略に特に補助金を措置するなど、そういったこともありまして、震災にせよコロナ禍にせよ、なかったほうがよかったのではありますけれども、国の動きとして、それをきっかけに、被災三県の海外戦略を支援してくれるということが追い風になっているところがあります。 〇33番(神崎浩之君) それでは次に、インドヘのアプローチ強化についてお伺いいたします。 世界最大の人口を有し豊富な人的資源と、産学連携の多様なモデルを持っているインドであります。私も昨年11月に北上工業クラブからお声がかかりまして、インドに行ってまいりました。高度人材に関するテーマでありました。工科大学であったり、企業であったり、日本人学校を訪問して話を聞いたのですが、行政と大学と企業が非常に連携をとった仕組みがありました。産学官連携の多様なモデルという感じでした。企業が大学に、このようなカリキュラムで学生に教えてくださいということもあるようで、産学連携の多様なモデルがインドにあると感じてまいりました。 インドに対する県のアプローチが急速に強化されていると思っておりますが、人材確保や産業振興の観点から重要な施策であると考えます。北上工業クラブによる若手経営者の視察派遣やインド国立職業訓練機関との連携模索であったり、企業と大学が密接に結びつくインドの産学官連携モデルの視察、I-SPARKによる半導体製造装置を用いた研修、県とインド大使館等が連携して開催した印日パートナーシップ:岩手、岩手銀行によるインドビジネスセミナー等々、また、副知事による大阪、関西万博インドパビリオン訪問や日本航空株式会社インド支店等と連携した観光誘致等、官民を挙げた多面的な取り組みを評価しているところであります。 一方で、外国人受け入れの法的手続、在留管理―このようなことは外務省出身の知事はお手のものなのでしょうけれども―そのような課題、それから、技能実習制度の適正運用、労働条件の確保、定着支援、住居、医療、教育などの生活インフラの整備、地域雇用構造や賃金水準への影響、半導体等高度技術分野における知的財産管理や技術流出防止、中小企業の受け入れ体制整備、産学官連携の具体的成果指標、費用対効果、日標値の設定と公開など、多くの課題と留意点が存在しております。これらを踏まえ、県のインドに対する総合的な戦略の現状と今後の展開についてお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) インドは、日本にとって最重要国の一つであり、昨年8月の日印首脳会談において共同ビジョンが発表され、安全保障協力や経済連携に加え、先端技術や地方自治体交流など幅広い分野での連携を強化していくことが確認されました。 このような両国の関係強化は、本県にとってもインドとの関係を発展させる好機と捉え、今年度、JICA―国際協力機構招聘による副知事の訪印や、駐日インド大使館との共催事業、岩手デイ―印日パートナーシップ:岩手等を通じた相互理解の促進を図り、人的ネットワークの基盤づくりに努めました。 本県とインドを取り巻く環境変化が急速であったこともあり、本県の海外展開施策の基本方針である、現行のいわて国際戦略ビジョン(2024~2028)には、インドに関する取り組みが盛り込まれていないため、来年度中にこの見直しを行いながら、まずは、連携対象となる地方政府を絞り込み、今後のパートナーシップ関係構築のため知事が訪問したいと考えております。 こうした取り組みにより、短期的には、半導体関連分野におけるインド側の人材養成支援や産学官の協力を基軸とした交流促進に取り組み、中長期的には、インドからの本県への人材供給ネットワークの構築や、ものづくり産業を初めとした幅広い県内産業への効果創出を目指してまいります。 〇33番(神崎浩之君) 私もインドに行きましてわかったのは、インドは一つの国のように見えて、いろいろな国の集まりのような、民族も違うし、宗教も違うし、考え方もいろいろ違うことがあって、インドと一概に言っても、東の地域、西の地域、南の地域、北の地域といろいろあって、地域政府を絞ってということなのですけれども、どのようなところにどうアプローチしていくのか。インドは本当に広いので、難しいものだと思っておりました。確かに、自動車産業や半導体等々が立地している州もあるし、そうでない州もある。そういうこともあって、どのように対象を絞り込んでいくのか、まずエリアの考えをお聞かせいただきたいと思います。 〇知事(達増拓也君) ナレンドラ・モディ首相の出身地であり、また、モディ首相がその州の首相を務めていらっしゃったグジャラート州が、これもモディ首相の指導のもとで半導体の産業集積に力を入れていて、インドの中でも半導体の振興の一つの代表的な州になっています。 既にグジャラート州から、州政府クラス、大学関係者が岩手県庁やI-SPARKを訪問されておりまして、そして、グジャラート州からI-SPARKに既に研修に来てもらっているところであります。まずは半導体に関する連携ということを軸にし、日印両国政府の指導を仰ぎながらグジャラート州との関係をまず進めたいと考えています。 〇33番(神崎浩之君) これからインドとどう交流というか、経済的にもどのような方法で、どのような方向に向かっていくのかを確認させていただきたいのですけれども、米を売る、牛肉を売る、そのような目的でアメリカ、カナダ、アジアについては、はっきりとした、ここにこれを売っていく、岩手県のいいものを売っていくというビジョンがあるし、それから、人材不足に対してアジアから人を借りてくるということもあるのですけれども、インドに対しては物を売るのか、人材の派遣を受けるのか、はたまた観光で行くのか、ほかの外国と比べてビジョンがぼやっとしているような気がするのです。その点について、今、半導体で、I-SPARKにインドの方が勉強に来られているという実績はあるのですけれども、今後、岩手県として、インドとの経済交流について、具体的なものが見えていれば教えていただきたい。 〇知事(達増拓也君) まずは半導体に関して、日本政府とインド政府、両国とも半導体振興に力を入れようとしていて、両国の友好関係、協力関係の中に岩手県とグジャラート州の連携が位置づけられるような形でスタートしています。 これを進めていくに当たりまして、東京都にある駐日インド大使館、また、インドにある在インド日本国大使館、そして、国際的な経済協力に関連するJICA、こうしたところがサポートしてくださいまして、そのような中で、幅広い人材の供給でありますとか、大使館からは何でもやりましょうという勢いで、観光から物産から、さまざまなアイデアをどんどん出してくれているところでありますが、急な展開でありますので、先ほど申し上げましたように、来年度中にいわて国際戦略ビジョン(2024~2028)の中にインドを位置づける形で整理していきたいと思います。 〇33番(神崎浩之君) わかりました。 最後の質問になると思いますが、2040年に向けた本庁、広域振興局体制についてお伺いいたします。 2040年に向けて地域社会を維持することは大変なことでありまして、県の本庁機能、広域振興局の役割、組織体制、人員配置のあり方が今後心配であります。以前にも紹介しましたが、総務省は、2040年には役所の人数が半分になると言っているということもあります。 今、知事は、県の広域振興局組織、人員の実態を踏まえ、2040年を見据えた組織体制、人員を、本庁を含めどう考えているのかお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) 我が国全体で人口減少が進む中、広域振興局を含む県組織の将来を見据え、さらなる行政改革や人事戦略を打ち出していくことが求められます。将来を展望した組織再編としては、ことし4月の県税センター設置に伴い、広域振興局を含む県税組織の再編を予定しており、電子申告やキャッシュレス納付を組み合わせることで、単なる縮小均衡に陥ることなく、県民と職員の双方がメリットを感じられる組織再編を進めてまいります。 広域振興局を含む県組織の膨大な業務については、事務そのものを減らす、まとめる、担い手を広げる、生産性を高めるといったことが重要であり、法定事務の見直しに向けた国への提案、市町村との事務の共同化、民間委託を含む公民連携、さらに生成AIの活用などをこれまで以上に進めてまいります。 〇33番(神崎浩之君) 今、県庁舎の建てかえを検討しておりますけれども、本来であれば、人員とか体制が決まって、それに合わせた箱をつくるべきだと思うのですが、県庁の再編計画の中で一緒に進めながら、2040年に向けた県の組織体制、人員体制について、あわせてまとめていって、県民サービスが低下しないように構築していただきたいと思います。 終わります。(拍手) 〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕 〇議長(城内愛彦君) 千葉伝君。 |
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