令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇35番(佐々木茂光君) 自由民主党の佐々木茂光でございます。令和8年2月定例会に当たり、登壇の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。
 それでは、通告に従い一般質問を行います。知事並びに関係部局長には、県民に向かい誠意ある答弁をお願い、期待するものであります。
 初めに、東日本大震災津波の発災から15年となることを踏まえ、これまでの復興検証と地方創生の取り組みについて伺います。
 発生後、県においては、東日本大震災津波復興基本計画、いわて県民計画(2019~2028)復興推進プランに基づいて、復旧、復興が進められてまいりました。この間、新型コロナウイルス感染症による影響、世界情勢の変化、物価高騰や燃料費の高騰など、我が国や世界を取り巻く環境は大きく変わってきました。現在も復興の取り組みのただ中ではありますが、15年を一つの節目として、復興に対するこれまでの取り組み、また、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯どめをかけ、日本全体の活力を上げることを目的として、平成26年の第2次安倍内閣において開始された地方創生に関する県の取り組みを振り返り、知事はどう検証しているのでしょうか。そして、知事の目指す希望郷いわてに近づいたのか、あるいは途上にあるのか、どのように捉えているのかお尋ねいたします。また、今後どのように進めていくのかお尋ねいたします。
 次に、被災地の人口減少対策について伺います。
 被災地の人口減少には歯どめがかかりません。岩手県人口移動報告年報によると、令和7年10月1日現在の沿岸市町村の人口は20万1、000人余で、前年同時期より約5、000人減少し、東日本大震災津波発生前の平成22年10月の人口から、率にして約27%の減少となっております。同じ期間での県全体の減少率が約15%ですから、沿岸市町村の減少幅の大きさは際立っております。
 これまでの一般質問でも述べてまいりましたが、私は、沿岸被災地に人が戻り、また、まちがにぎわいを取り戻してこそ復興が完了したと言えるとの信念を持っております。日本という国全体での人口減少が進んでいることは確かですが、同じ県内でこれだけの差が生じていることは甚だ遺憾であります。沿岸地域でのこれまでの取り組みをどのように検証し、評価し、今後どのような取り組みを行おうとしているのか、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、なりわいの再生について伺います。
 東日本大震災津波の発生以来、岩手県東日本大震災津波復興計画に基づいて復旧、復興に取り組み、災害公営住宅、防潮堤等の津波防災施設、復興道路、漁船や養殖施設といった水産業のための整備など、いわゆるハード事業についてはおおむね完了したものとされております。
 しかしながら、なりわいについてはどうでしょうか。施設設備の復旧支援や金融支援などにより被災事業者の事業再開は進んだものの、その後、コロナ禍をきっかけとした新しい生活様式や物価高騰による消費マインドの低下など、想定外の事態の影響によって、なりわいの再生に関しては、まだまだ復興の途上にあるものと言わざるを得ません。県では国の動きに応じて対応を検討すると言っておりますが、被災県としてそれでいいわけはありません。県が主体となって取り組むべきと考えます。
 県内全般を見渡してみると、昨年1年の県内の企業倒産件数は81件に上っていますが、地元における雇用や経済、我々の日常生活をまさに支えているのが中小企業であり、雇用を守り、日常生活を守るためにも、中小企業が元気になるような支援をしていくことが重要だと考えます。
 沿岸被災地においては、企業誘致等の取り組みももちろん有効ですが、まずは地元で再建を果たし、地道に成果を出している中小企業、小規模事業者に対して思い切った施策を講ずるべきと思うが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、震災伝承の取り組みについて伺います。
 先般、第40回岩手県東日本大震災津波復興委員会が開催され、私も県議会東日本大震災津波復興特別委員会委員長としてオブザーバー参加いたしました。この委員会で説明のあった県民意識調査の結果によると、震災津波の風化が進んでいると感じている方の割合が増加していること、また、震災語り部ガイド等の受け入れ人数は減少傾向にあり、令和6年度にはピーク時の25.4%まで減少しているとのことであり、委員の皆様からも、風化への懸念と伝承活動の重要性について指摘があったところであります。
 震災の語り部は、震災の経験や教訓を伝えながら、防災意識の向上を促しており、震災から約15年が経過し、風化や関心の低下が懸念されている中で重要な役割を担っていることから、語り部の活動の場を充実させていくことが必要と考えますが、県の取り組みと今後の方向性についてお伺いいたします。
 次に、後発地震注意情報の発表に伴う対応についてお伺いいたします。
 昨年12月8日午後11時15分に発生した青森県東方沖地震では、青森県八戸市で最大震度6強を観測したほか、本県でも、軽米町及び一戸町で震度5強を観測し、一時、津波警報が発表されました。この地震の規模はマグニチュード7.4となり、令和4年12月の運用開始以来、初めて、北海道・三陸沖後発地震注意情報が内閣府及び気象庁から発表されました。
 この北海道・三陸沖後発地震注意情報で、新たな大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まっていることから、備蓄や避難場所、避難経路等などの平時からの備えの再確認、すぐ避難できる態勢での就寝や、非常持ち出し品の常時携帯など特別な備えを行うよう呼びかけられました。東日本大震災津波から15年が経過し、記憶の風化が進む中、今回の後発地震注意情報発表は、改めて巨大地震津波への備えを確認する機会となったのではないかと考えます。
 県としても、後発地震注意情報の県民への周知、浸透を図り、日ごろからの備えの徹底など、防災、減災の意識向上を図っていくべきと考えますが、今回の対応と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、大船渡市林野火災からの復旧、復興について伺います。
 昨年2月26日に発生した大船渡市林野火災は、4月7日の鎮火まで41日間も要し、焼損面積3、370ヘクタール、死者1名、住家被害90棟と平成以降国内最大規模の林野火災となりました。ここで改めて、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 この火災で住家を失った方々への支援として、建設型応急仮設住宅33戸が整備されたところですが、大船渡市議会の大規模林野火災対策特別委員会から大船渡市に提出された提言書によれば、入居された方々からは、ひさしや風除室がないため、降雨時は入室するまでぬれてしまうことや、玄関先に水たまりが生じたりするなどの声が挙がっているとのことであります。
 今般の林野火災に伴う応急仮設住宅に当たっては、東日本大震災津波の経験と教訓を踏まえ、さまざまな改善が行われたようですが、応急仮設住宅の環境整備について、県として、市議会からの提言なども踏まえ、どのように取り組まれているのかお伺いいたします。
 次に、森林の再生について伺います。
 この林野火災により被災した森林3、370ヘクタールのうち、国の森林災害復旧事業の対象となる人工林は約50%の1、785ヘクタールとなっており、市はこの事業を最大限に活用し、所有者の経済的負担の軽減を図りながら、森林の復旧を進めることとしております。
 市が昨年10月に実施した意向調査では、森林災害復旧事業の実施希望は、被災した面積の約4分の1程度となっていることから、これ以外の森林が再生されず、林地が荒廃した場合には、住宅や道路、さらには海への土砂流出が懸念されます。現時点で復旧事業の実施を希望していない所有者に対しては、情報提供や相談支援をより充実させる必要があると考えます。森林災害復旧事業の事業主体は市でありますが、災害の規模に鑑みれば、県として最大限に市をバックアップしていくことが必要と考えます。森林の再生に向けて、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたます。
 また、市当局のマンパワーだけでは厳しいものがあると思われることから、県から職員の派遣等を考えるべきと思うがどうか、お伺いいたします。
 次に、被災木の活用について伺います。
 被災した人工林の材積は、県の試算によると、およそ98万立方メートルと見込まれています。これらは皆焦げているわけではなく、まだ使えるものが多くあると見られております。これらの木を伐採することで再造林の工程に進むことができ、また、昨年7月に伐採した被災木の強度試験では、健全木と遜色ないとの結果が出ていることから、伐採、活用の動きを加速していく必要があるものと考えます。逆に、このまま山に放置されたとすれば、木の劣化が進み、用材として活用できなくなったり、山林の土砂崩壊防止機能が低下したりするなど、デメリットが発生するばかりであります。用材としての価値が高いうちに早期に伐採、活用すべきと思うが、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、林野火災警報等の運用について伺います。
 国ではこの林野火災を受け、林野火災予防の実効性を高めるために、林野火災警報、林野火災注意報の制度を創設し、県内の多くの市町村では、1月から林野火災警報、注意報の制度の運用が始まっています。新たな制度であることから、適切な運用とともに制度の周知が必要であると考えていますが、林野火災警報、注意報の発令実績や林野火災の発生状況、制度の周知に関する県の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、水産業の振興について伺います。
 水産業の振興なくして東日本大震災津波からの真の復興はあり得ません。水産業が衰退し、持続可能性が危うくなれば、沿岸被災地の未来を奪うことにつながってまいります。今、浜ではサケやサンマといった主要魚種の不漁、貝毒の発生など、現状への不安が大きく漂っております。浜の嘆きと危機感、水産業の不況感を県は深刻に受けとめているのでしょうか。そのような浜の危機感から何点かお伺いいたします。
 水産業の振興には、まず第一に、従事する人材が欠かせません。令和5年における漁業就業者数は4、998人で10年前から1、291人減少、漁業経営体数は2、812で10年前から958減少しているのが現状であります。新規規漁業就業者数は令和5年の16人から令和6年は35人となり、少々挽回が見られましたが、さらなる新規漁業就業者の確保と定着が喫緊の課題となっております。
 県では、いわて水産アカデミーを開講するなど、新規漁業就業者確保の取り組みも見られますが、就業者を確保し、定着させていくためには、漁業の魅力の発信により新たな就業希望者を取り込むことや、新たに漁業に従事する方への技術的、経営的な助言など、きめ細かな丁寧な支援が必要ではないかと考えております。県として、新規漁業就業者の確保、定着に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、主要魚種の不漁対策について伺います。
 海洋環境の変化などにより、秋サケ、サンマ、スルメイカなどといった、長年、本県漁業の主力となっていた魚種の不漁が続いています。漁獲量は令和7年と震災前とを比較すると、サンマは20%、スルメイカは24%、サケはわずか0.2%という状況であります。このような回遊魚は、水温の上昇や海流の変動など海洋環境の影響を受けやすく、好不漁の変化が激しい特性を持っているため、今後は生産の安定に向け、養殖業により力を入れていくことが必要ではないかと思うわけであります。
 こうした取り組みは、環境変化に左右されにくい生産体制の構築につながるものであり、次代を担う漁業者が希望を持って漁業を続けられる環境を整えることが重要であります。県では、この不漁に打ち勝つため、どのように施策を進めているのかお伺いいたします。
 一方、近年ふえているのがクロマグロの漁獲量であります。しかしながら、国際的に漁獲枠が設定されているため、せっかく網に入っても放流せざるを得ない状況となっており、漁業者からの報告によると、その量は令和6年度で約43万尾、その重量は約5、400トンにも及ぶとされています。
 クロマグロの漁獲枠は、推定された資源量に見合う形で漁獲枠を設定していると伺っております。漁業者からは、近年の資源量はもっとふえているとの声も多く、資源量がよりふえているのであれば有効に活用すべきと考えますが、県の認識と対応について伺います。
 次に、国土強靱化と道路ネットワークの整備について伺います。
 まず、国道107号白石峠の道路整備の進捗状況について伺います。
 重要港湾大船渡港を擁する気仙地域と工場集積の進む県内陸部を結ぶ広域道路ネットワークは、新たな企業立地、港湾の利活用、流通効率化による農林水産業の振興、交流人口拡大による観光振興や津波伝承による防災教育、災害時の円滑な支援活動、救命救急医療の充実等に資するとともに、ILC―国際リニアコライダー実現の折にも重要な役割が期待されております。
 しかしながら、現在の国道107号については、急カーブ、急勾配、峠部の路面凍結など、安全で安心な通行を阻害する要因が多く残されており、幹線道路としての改良整備は極めて重要な課題となっております。特に、白石峠は、トンネルの幅員が狭くカーブしているため、コンテナ運搬車などの大型車両同士のすれ違いに大きな支障があるほか、急勾配であるため、大型車両等による通行は難所となっています。令和4年度に事業化された白石峠地区の道路整備の進捗状況について伺います。
 また、完成見込みはいつになるのか、あわせてお尋ねいたします。
 次に、国土強靱化対策について伺います。
 近年、気象変動に伴い気象災害は激甚化、頻発化し、全国各地で大きな被害を与える災害が毎年のように発生しております。県ではこれまで、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算を活用し、道路や河川などのインフラ整備や老朽化対策などと重点的に取り組んできたものと承知しております。広大な県土を有する岩手県内には、国道107号を初め、対策を必要とする箇所がまだまだあり、強靱化に向けた取り組みをより一層強化していく必要があるものと考えます。今後の公共事業予算の確保の見通しについてお伺いいたします。
 次に、港湾振興策について伺います。
 港湾は、物流の拠点として本県のさまざまな産業を支える重要な社会資本であり、港湾の利活用を促進することで県内の物流の活性化につながり、ひいては沿岸地域全体の振興に資するものと考えております。県内の港湾においてコンテナ輸送の現状を見ると、県において首都圏で開催したポートフォーラムや、港湾所在市と連携した積極的な企業訪問などのポートセールスが功を奏し、堅調に推移しているものと認識しております。
 こうした中、大船渡港については、令和6年における港湾取扱貨物量は約262万トンと県内最大を誇っているほか、コンテナ貨物取扱量も5、636TEUと前年の5、309TEUから約6%増加し、過去最多を更新していることから、ガントリークレーンや上屋の整備などが必要と考えますが、大船渡港の港湾機能の充実に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、ILCの推進について伺います。
 ILCの実現により、最先端の技術や高度な人材の集積が見込まれるほか、世界中から数千人の研究者とその家族が東北地方に居住し、国際的な研究都市が形成されることが見込まれております。ILCの実現に向けては、岩手、宮城両県17市町で構成されるILC実現建設地域期成同盟会や、超党派の国会議員連盟によるさまざまな活動が展開されているところであり、県としても、毎年度の政府予算要望や全国知事会等と連携した国への要望活動を行っていると承知しております。
 政府の日本成長戦略本部の会合では、官民が連携して重点的に投資する17の戦略分野が指定されたところですが、ILCもまさにこれに該当し、強い日本をつくっていくための重要な施策の一つになるものと考えます。
 この機を逃さず、今こそ東北ILC事業推進センター、東北地方選出の国会議員、超党派の国会議連を巻き込み、これまで指摘されてきた機運醸成の強いうねりをつくり出していく必要があるのではないかと思います。今後、ILCの実現に向けてどのような戦略で巻き返しを図るのか、知事の見解についてお伺いいたします。
 次に、学力向上について伺います。
 少子化が叫ばれて久しいところですが、岩手県に生まれた子どもたちには、みずから明るい未来を切り開き、力強く生きていけるような力をつけさせることが我々大人の役目だと考えます。学校、家庭、地域、それぞれでの教育が大事ですが、特に、義務教育課程においては、将来のために一定の学力をきちんと身につけることが大切ではないでしょうか。
 学力テストは、過度な競争をあおるのではなく、学習内容をどこまで理解できているかのバロメーターとなるよう、適切に実施、分析した上で対策を立てていくべきだと考えます。県教育委員会として、児童生徒の学力向上について、どのような考えで取り組んでいるのかお伺いいたします。
 次に、いじめ対策について伺います。
 県内の学校におけるいじめの1、000人当たりの認知件数は、この2年間減少傾向にあるものの、依然として全国平均を超える状況が続いております。受けとめ側の捉え方による面も大きく、いじめ防止教育が行われることによって、今までいじめと捉えられていなかったようなものもいじめと感じるようになり、表面化して件数としてカウントされるようになったのだと考えれば、マイナス面ばかりではないのかもしれません。大事なのは、重大事態に至る前に、問題が小さいうちに解決することだと考えます。どのような原因でいじめが起こっているのかを検証し、直ちに対策を打つことが必要だと考えますが、県ではどのように取り組んでいるのかお伺いいたます。
 次に、不登校ついて伺います。
 県内の不登校児童生徒数もふえ続けています。学校は学習だけの場ではなく、先生や他の児童生徒とのかかわりの中で自身が成長できる大切な場であると考えております。不登校は特に中学生が多くなっており、義務教育の締めくくりの時期で、自分の将来を見据えた進路を考え始める重要な時期であります。不登校の課題についても、どのような原因になっているのか検証し、その対策を行っていくことが必要だと考えますが、県ではどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
 次に、教育現場における課題の対応についてお伺いいたします。
 このような、いじめ、不登校の増加など、学校を取り巻く状況は大きく変化しております。その最前線で対応しているのが学校の教職員であります。このような課題への対応や保護者との対応など、繊細な対応が必要となる場面がふえているのではないかと考えられます。このことによって、先ほど述べた学力の確保のほか、生活指導などへの対応が困難になってしまうのではないかと危惧しております。
 このような課題を解決するためには、学校や教員の対応はもちろんですが、家庭との連携が重要であると考えます。近年では保護者の意識の変化などにより、連携がとりづらくなっている面もあるのではないでしょうか。教員の過度な負担を防ぐためにも、課題の早期解決を図るためにも、家庭とのスムーズな連携を図ることが必要と考えますが、県はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
 以上で一般質問を終了いたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐々木茂光議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、復興検証と地方創生についてでありますが、2014年に国全体で地方創生が本格始動しましたが、この間、東京一極集中はむしろ加速し、全国的に婚姻率や合計特殊出生率の低下が続いており、国は、人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至らなかったと総括しています。
 一方、この間に、地方のまち・ひと・しごとにかかわる環境は向上を続けており、本県でも、人口の自然減・社会減が続く中、岩手県ふるさと振興総合戦略のもと、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らす、岩手とつながるの4本柱で、国の交付金を活用しながら地方創生を進め、生活環境や雇用情勢、地域の魅力には向上が見られます。
 この間、岩手県の沿岸被災地では、復興道路を初めとする交通ネットワークの形成やまちづくりが進み、みちのく潮風トレイルが海外主要メディアに取り上げられ、また、海外からのクルーズ船が増加するなど、世界に開かれた地方創生を進める基盤が着実に形づくられてきました。
 一方で、主要魚種の不漁対策や担い手の不足対策、事業者の販路開拓、安定的な雇用の場の確保など、取り組むべき中長期的な課題があります。
 こうした成果や課題を踏まえて、漁業を初めとする農林水産業やその関連産業、地域の特色ある製造業を振興し、インバウンド観光や輸出の拡大など、海外展開と連動した、世界に開かれた地方創生を推進し、復興の目指す姿である、いのちを守り海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造、そして、いわて県民計画(2019~2028)の基本目標、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを実現してまいります。
 次に、沿岸被災地の人口減少対策についてでありますが、県では、復興の推進が人口減少対策でもあるとの考えのもと、三陸防災復興ゾーンプロジェクトに沿った地域振興に取り組み、広域振興局を拠点に、市町村と一体となって集中的な人口減少対策を強化してきました。
 沿岸地域においては、年によっては転入超過となる、あるいは出生数が増加する市町村がありますが、全体としては、死亡数の多さ及び進学や就職期の若者、女性の県内外転出の多さなどから、全県平均を上回る人口減少率となっています。
 このうち沿岸市町村からの転出先に注目すると、そのかなりが県内の他の市であり、復興道路などの新たな交通ネットワークの整備による生活圏や経済圏の広域化が強まっていることから、小規模自治体支援を行うとともに、広域的な人口減少対策を展開することが重要です。
 こうした状況を踏まえ、来年度は、小規模町村を中心とした市町村の人口減少対策支援の強化、みちのく潮風トレイルへの外国人ハイカーの増加等のチャンスを生かした誘客拡大、沿岸広域振興局等によるアンコンシャスバイアスやジェンダーギャップの解消に向けた施策の展開に取り組みます。
 さらに、来年度においては、県政150周年記念イベントの沿岸地域での開催、主要魚種の不漁等に対応した水産加工業者に対する支援、高水温に強い県オリジナルのサクラマス種苗の開発、東京大学大気海洋研究所三陸ふるさと社会協創センターと連携、協働した地域課題解決プロジェクトの実施を行います。
 次に、なりわいの再生についてでありますが、商業施設や水産加工施設が順次再開され、復興道路の整備や港湾機能の強化により企業立地が進展し、クルーズ船の寄港が増加しています。
 また、復興、防災をテーマとした教育旅行、みちのく潮風トレイルや三陸ジオパーク、海産物など、国内外から注目される三陸の魅力や資源を生かした観光業の再生が進んでいます。
 一方、近年、コロナ禍の影響や長引くエネルギー価格、原材料価格の高騰に加え、主要魚種の不漁など沿岸特有の要因もあり、内陸地域とはまた異なる厳しい状況にあります。
 このため、さきの令和7年12月臨時会において、沿岸地域の基幹産業である水産加工業者の原材料仕入れのかかり増し経費に対する補助事業を創設し、また、清酒製造業者の県産原料米の購入経費への支援を行うなど、沿岸地域の中小企業の事業継続を支援することとしています。
 また、令和8年度においては、新たに実施する宿泊料割引キャンペーンの中で、県北・沿岸地域の割引金額を上乗せします。また、首都圏において、東日本大震災津波から15年となる三陸復興の歩みと感謝を伝えるイベントを実施するなど、沿岸地域の交流人口の拡大に取り組みます。
 今後、復興により大きく進展した交通ネットワークや港湾機能を生かした企業誘致、産業振興を進め、沿岸地域の多様な魅力を発信し、国内外との交流を拡大し、地域の中小企業の活性化を図りながら、三陸沿岸のなりわいの再生に取り組んでまいります。
 次に、ILCの推進についてでありますが、議員御指摘のとおり、高市内閣では新技術立国を掲げ、17の戦略分野による力強い経済成長を目指すとしており、ILC関連技術は、その戦略分野に広く関連する基盤技術であることから、国の成長戦略にILCを位置づけていきたいと考えています。
 具体的には、再始動した超党派国会議連等と連携しながら、高市内閣のもとで進められている日本成長戦略や地域未来戦略にILC関連技術である先端加速器産業の振興等を盛り込むよう取り組みます。
 また、東北ILC推進協議会などの推進団体や岩手、宮城両県議会の議員連盟等と連携して国への働きかけを強め、来年度は新たに首都圏でシンポジウムを開催し、ILC関連技術の経済波及効果等を広く政財界に訴えながら、日本全体の機運の醸成を図ってまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔復興防災部長大畑光宏君登壇〕
〇復興防災部長(大畑光宏君) まず、語り部の活動の場の充実についてでありますが、国内外で大規模な災害が発生する中、震災語り部の講話等を通じ、東日本大震災津波の事実と教訓を伝承し、一人一人の防災意識の向上を図っていくことは重要です。
 県では、震災伝承施設や団体等を広く紹介するウエブサイトIWATE TSUTAERUを活用した教育旅行等の誘致や、いわての学び希望基金を活用した復興教育の拡充により、伝承施設等をめぐる機会や語り部等の講話を聞く機会の創出に取り組むとともに、語り部等が活動内容を共有し、効果的な活動をともに学ぶセミナー等を開催しています。
 本年3月には、東京都と被災4県が共同で都内で開催する風化防止イベントにおいて、本県の語り部による講話を実施し、首都圏の方々に直接、震災津波の事実と教訓を伝えることとしています。
 また、来年度は新たに、県内の小中学校等のほか、南海トラフ地震被災想定地域の自治体等に対し、語り部活動を出張やオンラインでも実施する伝承施設等を周知し、語り部等の活動の場の拡大につながる取り組みを実施します。
 今後とも、風化の防止や防災意識の向上につながるよう、震災語り部等と連携した震災津波の事実と教訓の伝承に取り組んでまいります。
 次に、北海道・三陸沖後発地震注意情報についてでありますが、通常の社会経済活動を継続しながら、1週間程度、巨大地震や津波に備えるという後発地震注意情報の趣旨を踏まえ、県では対象期間中、災害警戒本部を設置し、県民に対し、日ごろの備えの再確認等についてSNS等を通じ呼びかけるとともに、市町村の対応状況の把握等に取り組んだところであります。
 また、県では、後発地震注意情報の認知度や具体的な行動、日常生活への影響等を把握し、今後の地震、津波対策に生かしていくため、1月30日から今月28日まで、県民を対象としたウエブアンケートを実施しております。
 今後、アンケート結果の詳細な分析を進め、必要な地震、津波対策や効果的な周知方法等について検討していくこととしております。
 この検討結果を踏まえ、後発地震注意情報のさらなる周知に取り組むとともに、停電や断水の長期化等に備えた家庭での備蓄の促進、避難経路や避難場所、避難所の確認など、日ごろからの備えの重要性を普及、啓発し、県民一人一人の防災意識の向上につなげてまいります。
 次に、林野火災警報等の運用についてでありますが、林野火災警報・注意報は、1月から5月までの間、降水量のほか、乾燥注意報や強風注意報の発表を基準に、市町村または消防本部から発令されます。
 注意報の発令では、屋外でのたき火等の火の使用制限に従うよう努め、警報の発令では、屋外での火の使用が制限され、違反者には罰金等の罰則が課される制度となっています。
 県内では、ことし3月から運用開始予定の盛岡地区の8市町を除く25市町村で1月から運用が開始されています。25市町村での発令状況は、運用初日の1月1日から一部の市町村で注意報が発令されるなど、沿岸部を中心に断続的に警報、注意報が発令されており、今月17日までの48日間の発令実績は、14市町村で警報が17日、注意報が29日となっております。
 この間、林野火災の発生はなく、制度が適切に運用され、林野火災予防に一定の効果を発揮していると捉えております。
 県では、制度の周知を図るため、県ホームページや駅、空港等のデジタルサイネージ等を活用し、広報を行うとともに、発令状況についても、報道機関の御協力をいただきながら情報発信に取り組んでおります。
 これから5月までの期間は林野火災が多く発生する時期であり、また、現在、沿岸部を中心に降水量が少ない状態が続いておりますことから、今月26日から始まる山火事防止運動とも連携を図りながら、林野火災警報、注意報の周知や林野火災予防に対する県民意識の醸成に取り組んでまいります。
   〔県土整備部長上澤和哉君登壇〕
〇県土整備部長(上澤和哉君) まず、応急仮設住宅の環境整備についてでありますが、今般の応急仮設住宅の建設に当たっては、東日本大震災津波時の経験と教訓を踏まえ、設計段階から室内の断熱性能を確保した寒さ対策、大家族世帯向けに2戸を1戸とし、広めの住居とするなどの家族構成に応じた整備など、被災者の住環境の確保に努めたところです。
 あわせて、応急仮設住宅の維持管理につきましては、業務委託による定期点検の実施や電話による修繕等の受付を行っており、これまでに5件の修繕等を実施したところであり、引き続き、入居者の皆様の応急仮設住宅での生活に支障が生じないよう丁寧に対応していきます。
 また、大船渡市議会から大船渡市に提出されました提言書の内容につきましては、今後、市と共有しながら、どのような対応が可能か市と協議してまいります。
 次に、国道107号白石峠の道路整備の進捗状況についてでありますが、大船渡市から宮守インターチェンジ間の国道107号は、重要港湾大船渡港と産業集積が進む内陸部を結び、産業振興を支える上で重要な路線と認識しております。
 岩手県新広域道路交通計画では、気仙地区と宮守インターチェンジ間の連絡強化を図るため、国道107号の大船渡市と宮守インターチェンジ間を一般広域道路に、さらに、これに重ねる形で、(仮称)大船渡内陸道路を構想路線に位置づけたところであり、この計画に基づき、国道107号大船渡市―住田町間の白石峠工区を令和4年度に事業化したところです。
 白石峠工区につきましては、これまでにトンネルを含む道路の詳細設計が完了し、現在、用地測量及び物件調査を進めており、令和8年度当初予算案に用地補償の経費を盛り込んだところです。
 工事着手に当たっては、事業用地の取得等も必要となることから、現時点では完成時期をお示しすることは難しいですが、引き続き、地域の御協力をいただきながら、白石峠工区の早期着工に向けて整備を推進してまいります。
 次に、国土強靱化についてでありますが、近年、激甚化、頻発化する自然災害から県民の安全、安心な暮らしを守るため、県では、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算等を最大限活用し、社会資本の整備や維持管理に取り組んできたところです。
 こうした中、国が昨年6月に策定した第1次国土強靱化実施中期計画を踏まえた補正予算と、令和8年度当初予算案を合わせた実行予算額ベースの公共事業費は976億円と、前年度と比較して48億円、5.2%の増となったところでございます。
 一方、議員御指摘のとおり、広大な県土を有する本県におきましては、対策を要する箇所は数多いと認識しております。今後も社会資本の整備等を着実に進めていくためには、公共事業予算の安定的、持続的な確保が必要であり、国費を確保していくことが重要です。
 これまで、県では、政府予算等に関する提言・要望などに加え、本年2月に開催された東北震災復興のみらいを語る懇談会において、公共事業予算の安定的、持続的な確保などの内容を提言、要望してきたところです。
 引き続き、さまざまな機会を捉えて国に働きかけていくなど、公共事業予算の安定的、持続的な確保に努め、県土の強靱化を進めてまいります。
 次に、大船渡港についてでありますが、大船渡港の取扱貨物量は、太平洋セメント大船渡工場等に関連する貨物を中心に県内港湾で最も多くなっているほか、コンテナ貨物の取扱量も堅調に推移している状況です。
 このような中、ガントリークレーンの整備については、大型コンテナ船への荷役やコンテナ貨物が集中した際の荷役を行う上で大きなメリットがあることから、今後の取扱貨物量の推移や船舶の大型化の動向等を見極めながら、将来的なコンテナ取扱貨物量の増加について確度が高まり、その必要性が見込まれる際に検討する必要があると考えております。
 また、上屋の整備につきましては、屋内での一時保管を要する貨物を対象とすることから、荷主企業の動向を注視するとともに、上屋の利用が想定される貨物の将来見通し等を見極めながら、必要に応じて検討してまいります。
 県としましては、大船渡市や港湾関係者と連携して荷主企業や船会社に対して県内港湾利用を直接働きかけるなど、大船渡港における取扱貨物量の拡大に取り組んでまいります。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、森林の再生についてでありますが、大船渡市で発生した林野火災は被害面積が極めて大きく、市を支えながら、被災した森林の復旧を早期に進める必要があることから、県では現地に総括課長級の林業専門職員を配置し、被害調査を全面的に支援しました。
 また、国の森林災害復旧事業の実施に向け、市と調整し、森林の被害状況や市民生活への影響を勘案し、被災した人工林1、785ヘクタールのうち、早期に復旧が必要な1、279ヘクタールを事業対象とする計画を国に提出し、計画どおり認められたところです。
 昨年、市が行った意向調査では、復旧事業の活用を希望しない森林所有者も多く、復旧事業の実施状況を発信しながら、市では、再度、意向確認を行う予定と伺っています。
 今後、事業実施が本格化しますことから、県では、昨年10月から開始した市の復旧業務を支援する林学職のスポット派遣を継続するとともに、来月、市、国、関係団体等と設置した大船渡市林地再生対策協議会で策定する復旧計画に、平成以降国内最大規模となった林野火災を踏まえた広域的な連携体制の構築を盛り込むこととしており、森林の復旧が着実に進むよう、関係機関、団体と一体となって取り組んでいきます。
 次に、被災木の活用についてでありますが、県では、国や林業関係団体とともに設置した県産木材供給連絡会議を5回開催し、現地の被災木の状況を確認するとともに、昨年7月時点の被災木の強度試験を実施し、健全木と遜色がなく、構造材などの建築用材として活用できることなどを広く周知しました。
 被災木については、被害の程度に応じて活用する必要がありますが、時間の経過とともに材質の低下が懸念され、早期利用を促進するため、県内の加工工場等への調査や復旧支援に関心のある民間企業への訪問に加え、昨年11月、県として初めて、東京都の国産木材魅力発信拠点MOCTIONでPRを行ったところであり、JR東日本では、盛岡駅に被災木を活用することを決定しました。
 ことし2月には、民間団体等が被災木利用チームを立ち上げ、全国規模の展示商談会で、被災木を活用した合板等の建築材を製作し、商社や設計、施工会社等に直接利用を働きかけたところです。
 今後も、こうした被災木利用のPRや販路開拓を着実に進め、森林災害復旧事業の円滑な実施も支援しながら、伐採された被災木の活用が促進されるよう、関係団体等とともに積極的に取り組んでいきます。
 次に、新規漁業就業者の確保等についてでありますが、県では、いわて水産アカデミーを核とし、漁業の次代を担う人材の確保、育成に向けた取り組みを進めており、ホームページ等を活用した情報発信や、首都圏での就業支援フェアへの出展などに加え、今年度は新たに、活躍する女性漁業者の動画配信や、メタバースを活用した就業相談会を行い、相談会の参加者1名が来年度、アカデミーへの入講を予定しています。
 また、アカデミーの修了生に対しては、修了から5年間、定期的な訪問による状況確認とともに、独立に向けた国事業等の活用への助言のほか、今年度は、新たに新規漁業就業者同士やベテラン漁業者との交流会の開催など、定着に向けたきめ細かな支援を行っています。
 さらに、令和8年度当初予算案では、本県漁業に興味、関心を持つ県内外の方々を対象に、メタバース就業相談会に加え、アカデミー研修のバーチャル入講体験を新たに実施する経費を盛り込んでおり、新規漁業者の確保、定着に向け、市町村、漁協等と連携して積極的に取り組んでいきます。
 次に、不漁対策についてでありますが、県では、関係団体と一丸となって、岩手県水産業リボーン宣言に基づく取り組みを推進し、大型で遊泳力の高い強靱なサケ稚魚の生産と適期放流を進めるとともに、ウニの蓄養、出荷は16地区に拡大するほか、サケ、マス類の海面養殖は来年度の生産計画が約4、000トンとなるなど、取り組みが着実に広がっています。
 また、近年の海洋環境の変化による海水温の上昇等の影響を踏まえ、高水温に強い養殖対象種として、アサリやヨーロッパヒラガキなどの事業化に向けた技術開発に取り組んでいるほか、今年度、新たに、品目ごとに被害を回避し軽減する、水産業における高水温化への適応策を策定しました。
 こうした取り組みを踏まえ、令和8年度当初予算案には、アサリやワカメ養殖への転換に向けた資材等の導入を支援する経費を盛り込むとともに、水産業の再生と漁村の活性化に向け取り組む藻場の再生や海業も含め、リボーン宣言の取り組みをさらに進化させたいと考えています。沿岸地域の基幹産業である水産業が不漁に打ち勝ち、持続的に発展するよう、漁業者、関係団体等と一丸となって取り組んでいきます。
 次に、クロマグロについてでありますが、近年、本県沿岸にクロマグロの来遊が増加し、漁業者から漁獲量をふやしたいとの声が多く寄せられている一方、クロマグロは、国際的な資源回復の取り組みが進められており、県では、資源管理に取り組みながら、漁獲可能量を拡大していくことが重要と認識しています。
 クロマグロは、国際合意に基づいた国全体の漁獲可能量をもとに、国から本県の漁獲枠が配分されています。県では、国に対し、国際会議での漁獲可能量の拡大に向けた働きかけや、配分方法の見直しによる本県への漁獲枠の拡大を要望したところであり、令和7年度に日本の漁獲可能量が拡大され、本県への当初配分は、前年度と比べ、大型魚が62%、小型魚が15%増加しました。
 国では、昨年開催された国際会議で、さらなる漁獲可能量の拡大を提案しましたが、実現しなかったことから、ことし開催される同会議においても同様の提案をすると承知しています。
 県としては、漁獲可能量の拡大とともに、漁業者の要望を丁寧に聞きながら、本県への漁獲枠の拡大が実現するよう、国に必要な働きかけを継続してまいります。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) まず、児童生徒の学力向上についてですが、県教育委員会では、確かな学力の育成に向けて、児童生徒の学習上のつまずきに着目したきめ細かな指導が重要であるとの考えのもと、全国学力・学習状況調査など諸調査の結果を効果的に活用した、実態把握に基づく授業改善に向けた取り組み等を推進しています。
 具体的には、諸調査結果の詳細な分析を行い、解説を添えて、県内全ての小中学校等に情報提供するほか、令和6年度から、教育事務所ごとに1校ずつモデル校を指定し、当該校の学年や教科を超えた課題分析と学力向上に向けた組織的取り組み、本庁や教育事務所の指導主事による助言、管内他校との情報共有と成果の展開などに注力しています。
 今後もこれらの取り組みを進めるとともに、成果を上げている学校の取り組みを積極的に周知していくこと等を通じて、児童生徒の確かな学力の育成に努めてまいります。
 次に、いじめ対策についてでありますが、いじめは、どの子供にも、どの学校でも起こり得るとの前提のもと、初期段階のいじめであっても積極的に認知することが重要であり、認知件数が多い状況については、学校が組織的に対応してきたことも要因の一つと捉えております。
 各学校においては、いじめ認知のため、定期的な児童生徒に対するアンケート調査の実施や早期の聞き取り等による事実関係の把握と関係者間の迅速な情報共有、いじめが判明した際には、児童生徒に対する指導の体制、対応方針の速やかな決定と保護者との連携など、学校のいじめ対策組織を中心に、チーム学校として児童生徒に寄り添った対応に努めているところです。
 今後も、全ての児童生徒が安心して学校生活を送り、さまざまな活動に取り組むことができるよう、市町村教育委員会と連携し、学校におけるいじめへの適切な対応に向けて取り組んでまいります。
 次に、不登校対策についてでありますが、不登校の背景や要因は多岐にわたり、個々の児童生徒の状況も多様でありますが、令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査においては、不登校のきっかけや背景にある事実の調査がなされ、不登校児童生徒について把握した事実として整理され、本県公立学校においては、全国と同様に、学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった、生活リズムの不調に関する相談があった、不安、抑うつの相談があったとの回答割合が高い結果となっております。
 不登校児童生徒への支援については、不登校となった要因を的確に把握し、学校関係者や家庭、関係機関が情報共有し、組織的、計画的に、個々の児童生徒に応じたきめ細かな支援策を策定することや、進級、進学時におけるつながりを絶やさない取り組みの充実が重要であると認識しております。
 このため、県教育委員会としましては、魅力ある学校づくりによる不登校の未然防止、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置のほか、校内教育支援センターの設置促進、1人1台端末等を利用した児童生徒のペースに合わせた学習のサポート、多様な学び支援ガイドブックを利用した進学情報の提供、県立高校入試における調査書を評価の対象としないチャレンジ枠の設置などの取り組みを実施してきたところであり、今後も児童生徒に寄り添った支援体制の充実に取り組んでまいります。
 次に、教育現場における課題への対応についてでありますが、学校現場においては、いじめや不登校など複雑化、多様化する個々の教職員のみでは解決が難しい課題も生じてきているところです。
 こういった中、学校教育を円滑に進めるため、校長のリーダーシップのもと、教諭や養護教諭を中心として、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スクールロイヤー等の助言も得ながら、チーム学校として家庭と緊密な連携を図っているところです。
 また、児童生徒の状況に応じて、福祉や医療、保健、警察など、さまざまな関係機関との連携や支援を得ながら課題解決に当たっています。
 県教育委員会としては、引き続き、学校教育の円滑な運営を図るため、市町村教育委員会と連携して、専門人材による指導助言や関係機関の協力、コミュニティスクール等による連携、協働などを通じ、学校と家庭の一層の連携を図ってまいります。
〇35番(佐々木茂光君) どうもありがとうございます。私からは、大きく4点お尋ねしたいと思います。
 最初に、先ほど、東日本大震災津波から15年ということで、被災者にとっては一つの節目という捉え方の中で、今回質問したわけであります。私が一番言っているのは、いつもそうですが、人口減少対策です。まちのにぎわいがそこからつくられてくるという思いでいつもお話しするのですが、県と市町村と連携を図りながら取り組んでいくわけですけれども、このやり方がいいのか悪いのか、この事業の取り組みがいいのか悪いのか、どのような時点で調査し、そのことによって、やり方を変えるという取り組みがあるのかどうかをまず1点、聞きたいと思います。
 あとは、漁業関係で、これもいつも言う話なのですけれども、マグロを再放流する取り扱い―毎回同じ答えをもらっているので、私も毎回同じ話をしています。例えば、世界の中の割り当ての中で、当然、日本に幾らと来る。それを都道府県に分けて、それぞれの枠が決まっていくわけです。とれているというのは、南の定置に入っているのか、北でも東北地方、宮城県、岩手県と割り当てがそこに出てくるわけですよね。
 そのときに日本全国みんな枠がふさがっているのであれば、貸すこともいただくこともできないわけだけれども、総じて三陸沿岸地域に速いスピードでマグロが来た。そういうものは他県の枠を調達する、お願いして分けてもらうとか、借りるとか、いいか悪いかは別にしても、何らかの形でせっかく網に入ったものを金にする。
 なぜマグロ、マグロといつも騒ぐかというと、主力のサケ、サンマ、魚種が変わったこともあるけれども、抜けた分をいくらでも埋め合わせし、将来的に水産界はそういう形で売り上げを上げていく、水揚げを上げていくという仕組みをつくらないとだめだと思うのです。世界の中の枠までは何ともならないと思うけれども、国内については、何かそういう手だてをすることができないものかどうか。これから取り組むとか、何か糸口をつかんでもらえるようにできるものかどうか、質問したいと思います。
 三つ目になりますけれども、国道107号と港湾の整備のあり方ということで、まず最初に港湾です。
 正直に申し上げると、気仙地区管内では、今、港湾が非常にいい成績を上げています。そういうところにはそれなりの対応をするということが、ある意味、仕事として地元で走る企業があると、総じて底上げになっていく。私はそういう考えであるものですから、再三申し上げているガントリークレーンの設置、上屋の整備、荷物の動きによって整備しますみたいな話をいつも言われるけれども、逆に、整備されることによって、さらに荷物が寄ってくるのではないかという考え方に立てば、今々にでも整備できるのではないかと思うのです。その辺が1点。
 それから、教育委員会関係ですけれども、最後にお話ししたのは、本来、教職員のやるべき仕事でないクラス崩壊とかいろいろな問題で、先生たちは非常に厳しい環境の中で子供たちに教えているのだと聞き及ぶことがあります。昔の話をしていいか悪いかは別にしても、我々のときは、いじめがふえていくのは、PTAのかかわりがすごく薄くなっているような気がするのです。学校とPTAの関係はどのように今なっているのかということを最初に聞きたいと思います。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 私から、人口減少対策のお話しさせていただきます。
 人口減少対策につきましては、人口問題対策本部会議におきまして、沿岸地域を含みます人口減少、社会減の現状につきまして、統計データや各種調査結果などをもとに評価や要因分析を行い、得られたエビデンスに基づき、全庁を挙げて課題や対策を議論し、今後の施策の構築等に取り組んでいるところであります。
 また、沿岸振興の取り組みにつきましては、県北・沿岸振興本部会議におきましても、取り組み施策の状況等について共有の上、今後の取り組みについて議論をしておりますけれども、来年度の県北・沿岸振興に係る重点取り組み方針におきましては、新たに多様な指標を用いて地域を取り巻く状況を多角的に把握、分析し、効果的に施策を推進することを掲げたところでありまして、こうした取り組みを着実に進めることによりまして、沿岸被災地の人口減少対策が実効性のあるものとなるよう取り組んでまいります。
〇農林水産部長(佐藤法之君) クロマグロの御質問をいただきました。議員から御指摘のありましたとおり、漁業者の所得確保という面のほかに、とった魚を逃さなければならないという漁業者のお気持ちに寄り添う姿勢を持たなければならないと思っております。
 お話のあった融通制度でございますが、国の融通制度に基づいて、都道府県間、または大臣管理区分と都道府県との間で漁獲枠の融通が可能となっております。現実的な対応としまして、令和7年度は、小型魚について、国の仲介により、大臣管理区分である大中型まき網漁業から本県に対して、約4トンの融通をいただいたことも実現しているところでございます。
 今後も、漁獲枠の増加につながる融通につきましては、漁獲の状況も見ながら、必要に応じて国に対応を求めていきたいと思いますし、あとは、国全体の漁獲枠の拡大の要望、さらには、水産業リボーン宣言に基づく取り組み、こういったものを総合的に進めていきたいと思います。
〇県土整備部長(上澤和哉君) 大船渡港においてガントリークレーンや上屋等の施設を先行して整備してはどうかという質問であったかと思います。まず、ガントリークレーンにつきましては、港湾管理者が地方債により資金を調達して実施した上で、その後の施設の使用料収入により償還を行うことになっております。
 ガントリークレーンの設置につきましては、整備費や維持管理費の採算性等の確保ということもきちんと見極めていかなければならないと思います。採算性の確保の面からいきますと、年間数万TEUの取り扱いが継続的に見込める必要があるということでもございます。
 また、上屋の整備についてのお話もございました。大船渡市からの要望等もいただいておりますが、大船渡港は、太平洋セメント株式会社大船渡工場等による石炭灰、パームヤシ殻、廃プラスチック等の取り扱いがあって、経済活動における資源循環の重要な拠点の役割も果たしているということは認識しております。
 国では、循環経済の拠点となる港湾をサーキュラーエコノミーポートとして選定する取り組みを進めておりまして、その要件等につきましては、国から今年度示されるということも聞いております。
 こういった資源循環型貨物の増加に対応するための上屋等の整備につきましては、国による支援の具体的な内容を確認するとともに、荷主企業の動向、港湾施設の利用状況、取扱貨物の推移や将来見通し等を総合的に勘案しながら、必要に応じて検討してまいりたいと思います。
〇教育長(佐藤一男君) PTA活動の状況についてのお尋ねをいただいたわけですが、高等学校PTA連合会、あるいは、県PTA連合会の方々とも意見交換をすることがあるのですが、PTA活動は地域や学校によって活動の状況はさまざまであると思います。
 全国の状況を見ましても、全国のPTAの組織から、県によっては抜けるという状況も生まれてきていることもありまして、PTA活動は過渡期という状況も生まれてきているようです。いずれ、コミュニティスクールというような、地域の協力を得て学校を運営していくという新しい制度も出てきています。さまざまな課題を解決していくためにはPTA組織との連携というのは非常に大事だと思っておりますので、本県におきましては、連合会のみならず、単体のPTA活動の活性化ということをしっかり意識して、教育委員会としても取り組んでいきたいと考えております。
〇35番(佐々木茂光君) 最初に、ガントリークレーンと上屋の件ですが、例えば、見通しを立てるというのは、実績を踏まえての今後の見通しを立てていくと思うのですが、その辺、理解できないところがあるのです。私が申し上げているのは、整備することによって荷物がふえるでしょうという考え方なのです。いくら荷物がふえていますといっても、例えば、大船渡港に持っていくかというときに、それを取り扱うクレーンがなかったり重機がなかったりすると、機械のあるところに行きましょうということに恐らくなると思うのです。最初からそういう設備をそろえておくことによって、逆に荷物がふえてくるのではないかと思うのですが、その辺は、考え方とすれば何ともならないでしょうか。
 今、大船渡港が貨物の量が非常にふえている現状ですよね。そこまで荷物を集めるのは、企業の人たちも相当努力している賜物だとは思うのですが、それをさらに広げていくためにも、我々の港にはこれだけの設備がありますというものを示していくためにも、先行投資した形で進めていくのが逆に説得力があるのではないかと思うのですが、その辺のお考えを一つ。
 それから、林野火災の伐採の話をしたのですが、既に1年たっています。使える木ですと1年たっているわけです。早く切り倒して、使えるものはどんどん活用に回すという取り組みが私はいいのではないかと思うのです。ことしはここを切ります、来年はここを切りますという進め方だと、いつになっても切らないところは最後まで残るわけです。用材として使えるものがあるのであれば、それこそ山の四方八方から切り倒して、使えるうちに引っ張り出してしまうという方法が一番早いのではないかと私は思うのです。
 当然、人がそれくらい必要にもなってくるけれども、この管内で人が調達できなければ他県からでも、とにかく金にできるものは早く出したほうがよろしいのではないかと思うのですが、すぐできない理由が何かあるのか。なければ、すぐ切り出したほうがいいと私は思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
 教育委員会関係になりますけれども、いじめの事例が出てきます。そういうときの解決する方法は、例えば、学校でおさまるものなのか。いずれ、大なり小なり、PTAの人に来てもらって情報を共有するといえばおかしいけれども、その事例がどういうわけで起きたのか、はっきりしておかないと、規模が小さいと、このぐらいで大丈夫だ、このぐらいでどうだと、そういうものが見えてくると思うのです。起きたらすぐ呼んで、ガツンということはないとしても、お互いの子供にもそうだし、もちろん、親とも情報をきちんと交換して、いいものはいい、悪いものは悪いと小さいうちにはっきりしないと、その辺を見逃してしまうと、だんだん大きく踏み込んでいく子供も出てくると思います。親と学校とのかかわり、いじめについては、家庭にあると思っています。その辺が教育の中から抜けてきていると思っていて、その辺どうですか、お考えがあったらお聞かせください。
〇県土整備部長(上澤和哉君) 先ほどお話ししましたけれども、ガントリークレーンの設置に関しては、整備費、そして、その後のランニングコスト、採算性の確保ということもきちんと見極めながら、設置の可否等を慎重に検討していく必要があると思っております。
 繰り返しになりますが、ガントリークレーンのメリットの部分については、大型コンテナ船への荷役、コンテナ貨物が集中した際の荷役を行う上でメリットがあるということでありますけれども、今後の取扱貨物量の推移や、船舶の大型化の動向等を見極めながら、将来的なコンテナ取扱貨物量の増加について確度が高まり、その必要性が見込まれる際に検討する必要があると考えております。
 まずは、大船渡港における取扱貨物量の拡大に向けて、大船渡市、港湾関係者とともに取り組んでまいりたいと思っております。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 大船渡市の林野火災の関係でございますけれども、先ほど答弁で最初に申し上げましたとおり、今回、国に提出した事業計画というものが、全体で1、279ヘクタールを事業対象にするということで、非常に膨大な面積、そして量になると思っております。これを今の段階では、復旧事業の対象が5年間ですので、5年間で実施するという計画で提出しております。
 切り出したものをすぐに使ったほうがよいのではないかというお話でございますが、確かに、被災木の状況を考えても、早く使ったほうがいいのはそのとおりでありますけども、これだけの多い量でありますから、切ってすぐに活用できない場合、どこかに集積するようなポイントを設けるとか、そういったことも検討していかなければならないと思っております。
 それから、復旧体制についても、当然ながら、地元の森林組合だけでは対応が難しいという状況にあると思いますので、県内、全県の組織、場合によっては県外からも応援をいただくような体制も検討していかなければならない。
 こういった点を、先ほど申し上げました、来月まとめる復旧計画の中で、しっかり位置づけて取り組んでいきたいと思っておりますので、この計画ができた暁には、それに基づいて、オール岩手で林野火災からの復旧、復興に取り組んでいきたいと思います。
〇教育長(佐藤一男君) いじめにつきましては、ささいなものでも積極的に認知する、初期段階でいじめを捉える、いじめと認知した以上は、その要因、背景をしっかり探って、関係者で対処方針を決める。どういうふうに解決していくかを決めて、その過程で保護者とは情報共有しながら、一緒になって、学校、場合によっては専門家にも入っていただいて、なるべく早いうちに解決して、できるだけ重大事態に至らないような形で解決することが大切だと考えます。
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって、佐々木茂光君の一般質問を終わります。
   
〇議長(城内愛彦君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時29分 休 憩
   
出席議員(43名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
27  番 吉 田 敬 子 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 岩 渕   誠 君
30  番 名須川   晋 君
31  番 軽 石 義 則 君
32  番 佐々木 朋 和 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
39  番 斉 藤   信 君
40  番 工 藤 大 輔 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 関 根 敏 伸 君
44  番 佐々木 順 一 君
45  番 岩 崎 友 一 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(2名)
3  番 大久保 隆 規 君
15  番 上 原 康 樹 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時45分 再開
〇議長(城内愛彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。佐々木順一君。
   〔44番佐々木順一君登壇〕(拍手)

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