| 令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録 |
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〇47番(飯澤匡君) いわて県民クラブ・無所属の会の飯澤匡でございます。改選後初めての一般質問になります。予算議会の初日に登壇の機会を与えていただいたことに感謝申し上げ、議論がかみ合い実のあるものになることを願うばかりです。
最初に、知事の所信表明演述についてお伺いいたします。 私は、知事という地位にある発信エネルギーは強大なものがあり、議会、県民、職員に対して、みずからの姿勢を語ることが、政策推進の原動力をみずからつくり出すものと思っております。 年に1度しか行われない知事演述の機会は、有効に使うべきものです。しかし、例年と同様に、政策のカテゴリーごとに割り振られた各部局の原稿を集めたものを項目に応じて読み上げることが知事の演述に定型化されており、まさに、ことしもそのとおりでした。 今からちょうど10年前に、私が敬愛する当時社会民主党所属の久保孝喜議員が、知事演述について言及されたことがありました。以下、議事録から抜粋して紹介させていただきます。 〔副議長退席、議長着席〕 私の認識の中での所信表明演述とは、過ぐる年度の成果と課題を丁寧に県民に提示し、提案予算における重点と方向性へのアプローチに理解を求めつつ、県政トップとしての決意や、その理念を明確にする極めて重大な意味合いがあると考えるのであります。 知事のそれは、全く別物でございました。残念ながら、今回もまた一方的な成果、実績を羅列し、課題や問題点、克服すべき点などには深く言及することもなく、したがって、トップとしての謙虚な反省や不十分さへの弁明すらなく、岩手県政の集中点がどこにあるかの訴えも希薄でございました。 県職員の誰もが一生懸命に取り組んでいることを疑う何物もないのは自明のこととして、トップとしての姿勢、振る舞いの問題として、極めて遺憾な態度と受けとめざるを得ません。 行政は、法と計画に基づく真摯な営みであると思います。予算が投下された事業における問題点や課題の存在は、当然ながら常に目の前に繰り返し立ちあらわれます。そのとき、計画の達成や事業の終了を成果に読みかえてよしとしてしまう、そのようなことがあってはならないと思います。 一定の時期に一定の進捗があり、事業が滞りなくまずは完了したとしても、それは新たなスタートにしかすぎません。不断に将来につなぐ課題を洗い出し、原因と背景に関しての不十分さに謙虚な反省の姿勢を示すとともに、これからの決意や展望を語る、そうできるかどうかは、まさにガバナンスのありようとして問われることになるものだと思います。 知事の所信表明には、そうした姿勢が全く読み取れませんでした。トップとしての感性に欠ける態度と言わざるを得ないことを指摘したいと思います。 以上が久保孝喜議員の10年前の指摘です。まさに、知事演述のありように正鵠を得た指摘であり、久保孝喜議員の精緻な表現に、私は今も感動するものであります。 さらに、達増知事への指摘も10年を経過して変化していないことに、私は驚きを禁じ得ないところです。この10年もの間、時代がうねりのように大きく変化し続ける中、達増構文とも言えるこの手法に10年間固執する姿が、まことに奇異に映るのは私だけでしょうか。トップリーダーとしての県民へのメッセージとして適切なのか、有効性があるのか甚だ疑問であります。 そこでお伺いしますが、知事は、この指摘についての考えを示すとともに、知事が持つ発信力を県民のために演述にどのように込められているのかを示してください。 以下、質問席にて質問させていただきます。 〔47番飯澤匡君質問席に移動〕 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 飯澤匡議員の御質問にお答え申し上げます。 知事演述についてでありますが、知事演述は、今後1年間の県政運営について、県議会議員及び県民の皆様に対して、県政の施策方針や主要な内容について述べるものとして作成しております。 本定例会における知事演述においては、長引く物価高騰が県民の暮らしや仕事に及ぼす影響を踏まえつつ、岩手県、日本を取り巻く国際情勢を紹介し、世界に開かれた地方創生の考え方、有効性を述べた上で、その政策的な基本的枠組みとしての四つの重点事項などを説明しました。 さらに、県政の重要課題に対して、県民の皆様からの要望や提案を踏まえて検討してきた個別具体的な施策として、東日本大震災津波からの復興や10の政策分野、地域振興、質の高い行政経営の推進などの項目ごとに主要なものを述べました。 これらの個別具体的な施策については、その一つ一つに、県民の暮らしや仕事の現状、県民の要望、そして、県民の願いが背景としてあり、私は、それらを思い浮かべながら述べたものであります。 知事演述は県民演述でもあると思っております。 なお、個別具体の政策的事業は約860事業なのですが、時間の制約の中で数を絞って述べたものであります。 〇47番(飯澤匡君) 大体想像できた答弁ですけれども、私は、やはりこの機会は最大限に生かすべきだと思います。知事は、自分の考えの中での県民に対するメッセージだというお話でありましたが、なかなかそうなっていないというのが私の印象です。 私は、この機会を本県の最大の課題、人口減少、それから自然減であるとか社会減、どの県もそうですけれども、知事が本当にイの一番でやらなければならない政策、特に、知事は全国トップレベルの子育て支援についてを大きな政策の柱にしています。この進捗ぐあいについては、みずからの道筋、今どの程度まで行っているか、そして、その課題を達成するために今期どういう予算に注力したのか。それを語るだけでも、人的、物的効果の県民への理解が本当に進んで、市町村にもとてもいい効果があらわれるのではないかと私は考えております。 これは見解の違いだと思いますけれども、県民へのメッセージの伝え方が、私はずっと気になっております。でありますから、地元紙にコメントを求められたときにも、ずっと同じようなコメントをしているわけです。なぜ予算が足りないのか、人が足りないのか。追求し、問題解決を図る方策はなぜ説明できないのでしょうか。これこそが岩手県の最大の課題の克服だと思うのですが、知事の見解を述べていただきたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 人口問題につきましては、一人一人に寄り添って、生きにくさを生きやすさに変えていくインクルージョンの考え方、シェンダーギャップの解消やライフステージに応じた支援、魅力ある雇用、労働環境の整備、関係人口拡大などの基本的な方向性を述べた上で、10の政策分野の、特に家族・子育てのところで、議員も指摘してくださいました第2子以降の3歳未満児に係る保育料の無償化や、また、今回特に要望いただきながら予算に盛り込んだ産後ケアの充実、無痛分娩の実施に向けた医療機関への支援、そして、高校の現場からもぜひという声があるプレコンセプションケアの推進を新たに盛り込むなど、県政というものは、やはり県民とともに推進していくものでありまして、知事演述というものも、これは県民のための知事演述、そして県民のものであります。 議会での読み上げが終わった後には、ホームページ上で誰でも見ることができるようになっていて、県民一人一人が、自分に関係のある具体的な施策を見ながら、ことし1年このような方向性で進んでいくことができる、そして、それをもとに、さらに考えたり意見を出したり、県政に参画していくこともできる、そういう県執行部と県民をつなぐ、その間にはもちろん県議会がしっかりあるわけでありますが、そういうものとして知事演述を捉えているところです。 〇47番(飯澤匡君) これはどこまで行っても見解が違うので、私は、もっと有効性のあるものにするべきだという考えに立つものです。 残念ながら、これまで取り組んできた“いきいき岩手”結婚サポートセンターの入会登録者数、成婚率も横ばい、産業成長率を示す失業率も横ばい、自殺死亡率も、昨年は若干改善したものの低位で推移、転出超過も2025年は3、967人。成果が上がっていないことに対する問題意識も、私はしっかり示すべきだと思っております。そういう意味では、県民に対する情報発信力が十分発揮されていないというのが、私の意見であります。 この情報発信という観点から、先ほども議論になりました、誰も望んでいなかった選挙で、誰も望んでいなかった結果が出たとの発言は、私は、県民利益を損なう発言と思っておりますが、知事は、県民利益に関して十分熟慮されて発信したのか。経過経緯は先ほど臼澤勉議員へのお話で理解しましたので、県民利益に関してお話いただきたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 今回の解散総選挙に関しましては、私は本当にびっくりいたしまして、そして、実際に1月23日解散となるまでは、解散はしないほうがいいということを記者会見などでも発信しておりました。 やはり、10年に1度のような大雪、寒波に襲われていましたし、受験シーズンでもありました。本来、通常国会で首相の施政方針演説があって、予算の審議があって、そして、それを国民がしっかり見て、そして政策が先に進んでいき、まだ現任期が1年少々しかたっていなかったわけでありまして、よほどのことがない限り、4年間の任期を続けて、そして、国民が、有権者が選挙に臨むというのが、国政選挙の基本と考えておりました。とにかく戦後かつてない解散総選挙ということに、はっきり言って戸惑っておりました。 そして、選挙が始まってからも、有権者の皆さんに対して、こういう非常事態のような選挙であるけれども、主権者国民として投票には行きましょうということを呼びかける、有権者を応援するということを行い、そのほかの選挙運動とかをすることもできず、また、政党や候補者の政策や政権を吟味する余裕も、正直言ってございませんでした。 これは教育上甚だよくないことで、知事が選挙に当たって政策や政権を吟味できなかったということは、本当に恥ずかしいことで、そういうことを発言すること自体が県の利益を損なうことになるのかもしれませんが、御質問がありましたので、正直言って、そこまで自分としてもうまくできなかった選挙でありました。そういったことから生じるさまざまな県としての、不利益という言葉をおっしゃいましたけれども、あるかもしれないとは思います。 〇47番(飯澤匡君) 正直な心持ちを言っていただいたと思います。知事も、みずからのX―旧ツイッターにリンクさせてこのことを発信していましたし、ヤフーニュースなどでもリンクしていましたが、全般的にかなり否定的なコメントが多かったと思います。 だから、発信力は、先ほども言った、演述はもう少し力を入れるべき、力点を置くところを心がけておくべきだし、政治的な部分については、みずからのXとはいえ、そこは県民の利益にかなったことをしっかり熟慮して言うべきだと私は思います。 マニフェストプラス39について。これは順番を変えてお伺いします。 国道343号新笹ノ田トンネルの整備についてですが、これはマニフェストプラス39において整備促進するということで掲げられています。 知事の任期まであと1年半ですが、着工に向けた具体的スケジュールを示していただきたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 国道343号笹ノ田地区につきましては、国道343号笹ノ田地区技術課題等検討協議会をこれまでに4回開催し、有識者の意見や国の南三陸沿岸国道事務所の技術的助言をいただきながら、技術的課題の整理や整備方針案の検討を進めています。 4回目の検討協議会で、空中電磁探査の結果から、笹ノ田峠には断層の可能性がある複数の地質境界、複雑な地山性状や不良地山、地すべり地形などの技術的課題が多数存在していることが判明し、委員から、検討の精度をさらに高めていく必要があるとの意見がありました。このことから、現在、現地での地質調査及び解析を進めております。 笹ノ田峠に新たなトンネルを整備することについては、大規模な事業となることが想定されますので、地質の状況を十分に把握した上で整備方針案を検討する必要があります。現時点では、検討に要する期間など具体的なスケジュールをお示しすることはできませんが、引き続き、検討協議会の意見を伺いながら、必要な調査や検討を着実に進めてまいります。 〇47番(飯澤匡君) 一関市を中心とする遊水地事業も大きな終えん期を迎え、治水から道路へと本県の土木予算枠の流れの変遷期を迎えると聞いております。私は、この機を逃さず国への働きかけを強化し、実現に向けた工程をしっかりと示す、その時宜を逃すべきではないと思っております。 先般、大東大原水かけ祭りで、長い間国道343号の期成同盟会でともにしてきた陸前高田市議会の元議長の伊藤明彦氏と、長い歴史を振り返りながら語り合って、実現に向けた決意を新たにしたところであり、長年の課題でありますから、しっかりと進めていただきたいと思います。 次に、質問の順番が戻りますけれども、マニフェストに対する知事の認識についてお伺いします。 マニフェストとは、候補者が当選後に実現を目指す政策や取り組みを具体的な測定可能な形で示したものであり、4年間で実現するという有権者との約束であると私は認識しています。 昨年9月定例会の岩崎友一議員の一般質問で、マニフェストプラス39について、知事は、マニフェストを守っているかどうかは、そのマニフェストの言葉どおり仕事をしているかどうかを問われるわけでありまして、マニフェストの言葉どおりに仕事をしていきますと答弁されています。 選挙公約から進化したマニフェストの概念が後退した感がありますが、改めて、マニフェストについて知事の基本的な認識を確認します。 〇知事(達増拓也君) マニフェストは、英国の国政選挙で政党がマニフェストを掲げる慣行に原点があり、それが日本にも伝わり、広く公約という意味でマニフェストという言葉が用いられるようになったと理解しております。 マニフェストプラス39は、令和5年9月の岩手県知事選挙に当たり、当初、現職知事として、県民とともにつくったいわて県民計画(2019~2028)やアクションプランが自分のマニフェストであると述べていましたが、新機軸の公約も必要との声を受けて、マニフェストプラス39と銘打って作成したものであります。 〇47番(飯澤匡君) 肝心なところを避けられているのですけれども、私は、今回のマニフェストプラス39を出したことは評価するのです。知事は1期目の選挙のときに、初戦でマニフェストを出して、そのとき以来、初めてのマニフェストを出しました。 もう一回繰り返しますけれども、マニフェストに掲げた公約を実現するには、目標をいつまでにという期限を明示し、工程や方法をきちんと示さなければならない。選挙公約は有権者に対する約束であり、責任を負うことになる。 先ほど来、前の質問者もこの内容についてかなり詰めた議論がありましたが、私は、有権者は4期16年を務めた知事であるならば、財源もよくわかっているだろうし、必ず実現するものだと期待して投票された方がいらっしゃると思うのです。 先ほどの答弁は非常に曖昧でありまして、私が感じた認識が、その期限、工程を示すということを言わないのであれば、改めて県民への説明が必要ではないかと思うのですが、いかがですか。 〇知事(達増拓也君) マニフェストプラス39には、工程や期限等は示されていないものでありまして、それを選挙の何週間か前に公表し、そして、選挙戦の際にも、さまざまな形で県民の皆さんにお示しし、選挙運動を行ってきたものであります。 〇47番(飯澤匡君) いつまでもすれ違いなわけでありますが、1回目のマニフェストについては、青年会議所で検証大会がありまして、知事のマニフェストに点数をつけられたわけです。その中で知事は、非常に有意義な検証大会であった。61点だったわけです。増田知事のときは66点。評価については、なぜそうだったかを勉強したいということでした。この勉強の成果というのはあらわれたのですか。 〇知事(達増拓也君) おっしゃるとおり、1期目の選挙の際にマニフェストということで公約を示した際に、青年会議所主催の行事で、このマニフェスト、公約の評価を求められました。 事ほどさように、政治的な文書に関する政治的な評価でありまして、きょうのこの議論を伺っていて、私もどこかの時点で、政治家達増拓也としてあるいは達増拓也事務所として、マニフェストプラス39に関する達増拓也5期目の活動の評価を、政治的に政務として行う必要があるかということを考え始めています。 1期目の際は、任期満了が近づいた次の選挙の前に、選挙に向けて県民に参考になるようにという趣旨で行われたと記憶しているのですけれども、選挙で参考にするためのことをやるかどうかについては、そうでなければ任期終了後でもいいのかということもあるのですが、私の身の処し方については全然考えていないものであります。 他方、5期目の選挙に当たっての公約を本人が評価するという作業を何らかの形でやっていくことについては、検討したいと思います。 〇47番(飯澤匡君) 検討するという上向きの姿勢は評価しますけれども、マニフェストの考え方が日々進化していく中で、どうもその基礎自体がはっきりしないという印象は受けました。 次に、ILC―国際リニアコライダーの推進について伺います。 ILC推進局の予算については、令和8年度当初予算案で令和5年度より2、200万円余り減少しています。ILCの実現は近年かなり厳しい状況にありましたが、中華人民共和国のCEPC―大型円形加速器計画が5カ年計画に記載されない見込みとなったことや、高市政権が発足し、先端技術に関して積極投資を宣言するなど、以前の針の糸の穴のような状況から、チャンスは若干広がっていると感じています。 まず第1点として、この中でなぜ本県は減額するような形になったのか。また、政府への要望活動は、今までとは全く違うアプローチの仕方を考えるなどギアを上げる必要があると考えますが、ILC実現に向けて、現在の高市政権との向き合い方について方針を伺います。 〇知事(達増拓也君) 来年度のILC関連予算は、国際動向調査や地質調査などが進展し減額となっております。一方、有識者会議の課題解決に取り組む機運醸成事業については増額するなど、国内外の情勢に応じて必要な予算措置をしているものであります。 高市首相は、所信表明において新技術立国を掲げ、強い経済の基盤となるのは、すぐれた科学技術力であり、イノベーションを興す人材と強調されています。 県としては、国の成長戦略に即して、科学技術、イノベーションの拠点形成として、国がILCの研究開発、人材育成の体制を強化し、かつ、ILCが国の重点投資対象となるよう提案を行ってまいります。 具体的には、関係団体や再始動した超党派国会議員連盟と連携しながら、高市内閣のもとで新たに進められている日本成長戦略や地域未来戦略にILC関連技術である先端加速器産業の振興等を盛り込むよう取り組んでまいります。 加えて、経済安全保障の観点から、ILCに関連する先端技術の保護、育成や、アジア初の大型国際科学技術拠点の設置に向け、国に働きかけてまいります。 〇47番(飯澤匡君) ギアを上げるということに対する説明が少し希薄のように感じました。私は、知事のリーダーシップが成否の鍵を握るのではないかと考えています。みずから動けないのであれば、佐々木副知事に全権を委任するような、そういうポストを与えてもいいのではないかと思います。 私も昨年5月の宮城県との合同要望で、工藤大輔議長の御配慮によってその席にも同席させていただきましたが、私はこのときに気づいたことがありました。復興大臣に要望した際に、復興大臣からは、加速器の性能向上に向けた要素技術の開発について言及されました。この大臣の発言は、文部科学省のレクチャーをそのままなぞった内容でありました。後刻、同席した鈴木厚人岩手県立大学学長にその進捗状況を聞いたところ、そういう技術的なものについてはほぼ解決していると。 これは、実現を一気にできない言いわけみたいなことだと思うのですが、このように問題の本質をそらしているときに、岩手県の知事として、なぜそこの場面で軌道修正を図る発言がなかったのか、私は非常に残念に思った次第であります。 お隣の宮下宗一郎青森県知事は、物流の2024年問題で、地域の実情に応じた1日の拘束時間15時間を緩和する特例を求めて国に要望したり、鈴木健太秋田県知事は、熊対策で防衛省自衛隊に数々の要請活動をしたり、時宜を得た行動が、私は県民の共感と関心を呼ぶ典型的な事例であると思うのですが、達増知事のこれからの行動指針について改めてお伺いします。 〇知事(達増拓也君) 歴代の復興大臣の中には、直接の担当ではないということでILCへのコミットメントを深めようとなさらないかのような方々もいらっしゃったのですが、当時の復興大臣は、非常にILCについて買ってくださいまして、いろいろな機会を捉えて、ILCは大事だ、自分はILCを応援すると言ってくださっていました。 そして、要素技術の問題は非常に重要でありまして、まず、文部科学省が要素技術を軸にしながら、以前はなかったようなILC関係予算を毎年措置するようになりましたし、つくば市の高エネルギー加速器研究機構では、要素技術の研究の中で、半導体にかかわる分野が進んできており、経済界もそこに関心を高めているということも起きております。 そのように、岩手県、東北地方関係者で政府に働きかける中で、共有する思いを大切にし、また、理解をしてくださっている方や実際に動いている方々との連携を重視しながら進めていきたいと思います。 〇47番(飯澤匡君) まさに優等生の答弁なのですが、私があえて青森県の話をしたのは、これは言ってもかなり難しい話なのだけれども、県民の位置を、問題点をきちんと捉えて、しっかりと国に伝えたということは、とても勇気のあることだと思うわけです。 復興大臣に御理解があり、そのような考えで共鳴してくれたというのではなく、要素技術については、私たちにしてみれば、悪いけれども、ILCにとっての優先順位的にはそんなに上位ではないわけですから、それはそれと踏まえて、ぜひとも実現に向けた国際協議であるとか、そういうものは政府として進めるような形で進んでいっていただきたい。これが私が期待したところでございましたので、これからの状況についてもなかなか見えてこないのが、かなり残念なところであります。 次の質問に移ります。県政の主要政策についてですが、産業施策についていろいろと質問を用意しましたが、これは時間があったら後に回したいと思います。 ただ、その中でインランドポートについて、先ほど質問がありましたが、答弁ではかなり積極的に関与するというお話でありまして、私は、この答弁を了としたいと思います。 また、岩手県も農産物の輸出についてかなり一生懸命やっているということで、これは生産基盤の確立を軸にさらに進める政策を一気に広めていくことについても、輸出というのは非常に大きな柱になると思います。 秋田県では、岩手県ほど輸出額が多くないのですが、政策パッケージとして進めている中で、物流についてもしっかりその対策を明示しているわけです。そういう意味でも、インランドポートについては、岩手県にとってかなり有効な物流的な手段になると思っています。 これは、実は保全運送の考え方の拡大で、一時期は岩手県も考えてくれたのですけれども、一気にトーンダウンしてしまいまして、最近なかなか表に出る議論ではなくなったのですが、釜石港や大船渡港が大分活況を呈していますので、船社との連携によって、その会議等について、岩手県もしっかり関与していただきたいと思います。この点は要望にとどめておきたいと思います。 次に、県立病院の運営についてお伺いします。最初に、医療局管理者設置に係る議案提出までの経緯について。 県立病院の安定的な運営は、県政の最重要課題であると認識しています。令和7年12月定例会で提案された、医療局に新たな管理者を設置するための二つの条例案が撤回されました。 まずは、今回の新たな管理者設置についての政策立案から提案されるまでの経緯について、説明を求めます。 〇知事(達増拓也君) 県立病院の経営状況が悪化する中、病院事業の経営層を強化することによって、さらなる収支の改善や医師の確保、福祉との連携を図る旨、整理した上で議会に御説明いたしましたが、病院事業の経営体制に関する重要な議案でありますことから、慎重に御審議いただいたものと思っております。 条例提案の際には、県立病院事業がかつてないほど経営状況が悪化し、医療従事者の確保、新興感染症への対応、医療、介護連携など、経営計画の着実な推進や新たな地域医療構想との連動に向けても組織体制の強化が必要ということで、条例案を提出したものであります。 しかしながら、慎重な御審議の中、その論点整理に相応の期間を要することから、議案を一旦撤回したところでありまして、今後、再提案の可否を含め対応を検討してまいります。 〇47番(飯澤匡君) これからのことは、恐らくあした以降もかなり質問者から質問があると思うので、今回は、私は政策形成過程について質問します。これは大変重要な課題だと思っていまして、私も審議の中で大分足らざる点を指摘しました。要は、知事はこの提案をするまで、この案でよしということでやったわけです。よしとしたものについて、どういう根拠でいいと思ったのか。 知事として、ゴーサインを出したことについて、あとのことはいいですから、提出した責任者としての責任について、どういう責任感を持って提出したのか、そして、庁内ではどういう議論があって、こういう管理者という設置案に至ったのか、その点についてだけお聞きしたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 条例の提案に際しましては、知事の決裁を得て提案しております。ただ、条例の内容の趣旨でありますとかその理由につきましては、これは何度も述べて恐縮ではあるのですけれども、論点整理をしっかり行う必要があり、また、今後の対応についても検討が必要と考えておりますので、撤回させていただいたところであります。 条例提案に至る経緯でありますけれども、方針検討を行ったのは昨年度、令和6年11月からで、具体的な検討に入ったのは令和7年度当初からと言えると思います。そして、昨年度、令和7年度の秋ごろ、医療局において本格的な準備に入り、そして、庁内調整を経て、12月定例会の条例提案に至ったものであります。 〇47番(飯澤匡君) この際言いますけれども、私は、余りにも生煮えの案だからやめたほうがいいと2回常任委員会で言ったのです。取り下げたほうがいい。そのことはいいです。取り下げたので、次の展開が待っていますから。 ただ、この管理者案でよしとしたということが、私は大変問題だと思っているわけです。これは、常任委員会で他の委員からもその点についてかなりの追及がありました。 私は、現場対応でこの案が上がってきたなら、まずは医療局長や保健福祉部長を呼んで、今、医療局改革について足らざるところは何なのか、これをしっかり把握しながら、この人事案を見比べながら判断するのが不可欠ではなかろうかと思うのですが、そういう作業はなかったのでしょうか。 〇知事(達増拓也君) もともと庁議、政策会議、知事への業務説明など、知事部局と医療局が同じ会議で意見交換を行ったり情報の共有を行ったりすることはよくございまして、そういう中の議論から、医療局における本格的な検討、庁内調整に進んでいったものであります。当然、この条例提案の際には、議会で可決いただくにふさわしいものとして提案させていただいたものであります。 他方、審議の過程におきまして、具体的な数値目標や経営戦略に関する御指摘等の論点に関し、組織の改革に先立って具体的な数値目標を設定することは、岩手県政で前例があるか記憶にないところでありますが、そこまで慎重に審議いただいていることにきちんと応えるべく、論点の整理や対応の検討を行わせていただきたいということで、撤回をお認めいただいたという経緯でございます。 〇47番(飯澤匡君) 下げた後はいいですから、下げる理由はいいです。我々が指摘して、そのようにやってもらったと私は理解していますから。 それで、実際は総務部から秋ごろに医療局にこの案が示されて、医療局の現場を預かる者は大変当惑したと聞いております。私自身も、なぜ総務部からそういう案が出てきて、医療現場の話も聞かないで、実際にそういう政策を詰めないで、そういうことになったのかと非常に大きな違和感がありました。 知事は、その点について何か感じませんでしたか。 〇知事(達増拓也君) この方向性については、先ほど申し上げたような、しょっちゅう行っている知事部局と医療局の会議、意見交換の場の中からアイデアが出てきたものであり、また、組織のあり方として、総務部において、こういう考え方、こういうやり方もあるというようなアイデアを医療局に示したとしても、具体的に検討して、そして条例提案に至る―条例そのものは知事の名において知事部局から出すわけでありますけれども、まず医療局における意思決定が必要ということで、医療局の中で検討し、庁内調整を経て、12月定例会での条例提案に至ったと理解しております。 〇47番(飯澤匡君) 条例の提案者は、最終的に知事が責任を負うわけですから、その間の知事のコミットについてお伺いしたいと思います。この案でいいのかどうかという疑問は持たなかったのか、持てなかったのか。これは政策立案で大変重要な点だと思うのです。知事も、県立病院の無床化のときにかなり苦労されましたよね。そして今、非常に厳しい状況にある中で、悪いけれども、このような簡単なプロシージャーでいいのかという疑問を持たなかったのですか。どういうコミットをしたか、その点についてお伺いします。 〇知事(達増拓也君) 12月定例会での条例提案の段階では、これはもう県議会で可決いただくにふさわしいものとして提案していたわけでありますが、その後の審議の中でさまざま御意見をいただき、そして、数値目標の件などを含めて答えられないことも多く、ここは論点の整理、対応の検討が必要である。対応の検討も必要という意味は、条例を正当化する理由の部分についても、その論点の再整理が必要ということでありますので、今は、議案提出当時とは違う考え方になっているということであります。 〇47番(飯澤匡君) これはかなり苦しいですよね。県立病院のあり方、これからの経営は、県政のかなりの重要案件なわけです。私の見解は、当初の案は、民間で言えば新たな会長を外部から招聘し、社長である医療局長の存在をうやむやにするようなものだと思っております。これまで一生懸命やってきた職員の足跡を顧みないで進んだのではないか。なぜなら、総務部からこの案が出てきたわけですから、これは今の県庁の機構状況では、医療局はなかなか断れない、そのように私は理解しております。ですから、このような、非常に意思の疎通が政策として未完成のまま出てきたから、こういうことになったと私は思っております。 このことについて知事もなかなか答え切れない部分があるのですが、ただ、結果としてこの議案が撤回に至ったということは、県政にとって大きな失態だと思っております。私は、県庁内の機構の中で、政策意思決定過程に極めて大きな禍根を残したと考えます。 それは、すなわち知事自身の県立病院問題に対する課題認識の甘さが最大の原因ではないかと考えますが、いかがでしょうか。撤回に至った知事の責任の認識について伺います。 〇知事(達増拓也君) 県立病院が直面している事態に関する認識につきましては、まさに、かつてなかったような危機的状況、輸入物価の高騰による物価高が原因で、プラス人件費の賃上げのことも重なって、かつてないような赤字に陥っているということで、これはもう全国知事会でも盛んに議論しておりますし、県単独、全国知事会として、また、地域医療を担う医師確保を目指す知事の会という団体でも、政府に要望を重ねてきたところであり、医療局経営問題について、この1年2年は、今までにないような対応をしてきたところであります。 そして、県が条例案を議会に提案し、議会からさまざまな御意見をいただいて再検討させていただくということは、絶対やってはいけないことというわけではなく、むしろ、そうすべきときにはそうするのが当然と思っております。 〇47番(飯澤匡君) 私は、撤回に至った原因は徹底して庁内で究明すべきだと思います。総務部から突如としてこのような人事案が出された背景について、知事は、みずからよく調べるべきだと思います。ぜひそうしてください。 次、最後、市町村要望について伺います。 市町村要望については、昨年の一関市の要望会の際に私が指摘したとおり、首長同士が限られた時間の中で積極的に建設的な議論を出し合い、課題の新たな論点を明らかにし、要望側と要望を受ける側も共通認識を図れることが、最も効率的で健全なやり方だと思います。私の印象ですが、実際のところ、知事はそうしたやり方を好まないように感じます。 増田知事時代は普通に行ってきたものを、なぜ達増知事は採用しないのか、理由を明確にしてください。 〇知事(達増拓也君) 平成7年度から就任されていた増田前知事は、平成10年度から、地方振興局長が同席の上、知事が現地で要望を受けることとしていましたが、平成16年度に地方振興局長が受けて、知事に進達する形に改めました。 退任前年の平成18年度に、地方振興局長が受ける市町村要望とは別の取り組みとして、知事が各地域に出向き、全35市町村の長と個別に対話する機会を設けたということであります。 私が就任した平成19年度には、知事が現地に出向いて市町村要望を受ける形としましたが、4広域振興局体制が整った平成22年度以降は、増田知事の平成16年度以降のように、各広域振興局長が、管内の広域行政の責任者として要望を受けることとし、行政の中立性や公平性が確保された中で、組織的な相互理解を深めることが重要との観点から、こうした方法を継続してきたところです。 その後、東日本大震災津波からの復興への対応、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行を経て、令和5年度の市町村要望から知事も同席しております。 全国的に見ると、市町村からの要望に現地で知事が対応している例は、本県を含め3団体のみとなっているということですけれども、本県では、知事の市町村要望への出席のほか、個別の意見交換もさまざまな形で実施してまいりました。 なお、来年度の市町村要望においては、それぞれの組織を代表する首長間の意見交換に充てる時間の確保についても、現在検討しているところです。 〇47番(飯澤匡君) 知事が今回3回目ということで要望会に出たことは、私は了としたいと思います。ただ、その中身ですね。これから検討するという答弁でありましたが、知事の前の増田知事は、要望会も、ただ聞くだけでなく、この要望会も年々進化して、要望箇所の現地調査まで行いました。特筆すべきは、自治体が用意したマイクロバスに一緒に乗り込んで、決して広くない座席にともに座り、じかに首長から聞き取り、意見交換していた姿は、私の中で鮮明であります。 ぜひとも、せっかくこうした場を1時間だけ用意するのであれば、私は、どんどん進化させる方向にしていただきたい。 私たちいわて県民クラブ・無所属の会では、毎年33市町村を訪問し、県要望についてヒアリングを実施しておりますが、その中で、知事との直接対談を希望する自治体が少なくありません。 知事は、今までの議会答弁でも機会は確保していると言っていますが、問題はその中身なのです。時間の使い方。常に世の中は動いていますので、やはり知事がじかに意見を、いろいろな意見を出し合って、それで化学反応を起こしていく。周りの自治体の職員もそれを聞いて、やはり県と市はこうやって進むのだという実感を得て、ともに進む方向性が明らかになると私は信じて疑わないわけです。 私は、前回の一関市の要望の際にそういう希望を申し上げましたら、知事は勘違いしたようで、いろいろとおっしゃいましたが、ぜひともこの点については改善していただきたい。ぜひとも進化させていただきたいと思います。 市町村は基礎自治体でありますから、県の助力なしにはなかなかできないことが多い。そういうものをしっかり姿勢を低くして聞く姿勢が、私は本当に大事だと思っております。 以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 〇議長(城内愛彦君) 以上をもって飯澤匡君の一般質問を終わります。 〇議長(城内愛彦君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時43分 散 会 |
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