| 令和8年2月定例会 予算特別委員会会議記録 |
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令和8年3月4日(水)
1開会 午前10時2分 1出席委員 別紙出席簿のとおり 1 事務局職員 事務局長 坊 良 英 樹 議事調査課 総括課長 柳 原 悟 議事管理担当課長 佐 藤 博 晃 主任主査 柴 田 信 主査 高 橋 真 悟 主査 高 橋 美 樹 主査 佐 藤 祐 基 主査 佐々木 賢一郎 主査 三 浦 訓 史 1説明員 知事 達 増 拓 也 副知事 八重樫 幸 治 副知事 佐々木 淳 企画理事 千 葉 幸 也 企画理事兼 保健福祉部長 野 原 勝 政策企画部長 小 野 博 総務部長 福 田 直 参事兼 財政課総括課長 佐 藤 直 樹 復興防災部長 大 畑 光 宏 ふるさと振興部長 村 上 宏 治 ILC推進局長 植 野 歩 未 医療局長 小 原 重 幸 教育長 佐 藤 一 男 〇坊良議会事務局長 皆様御承知のとおり、委員長が互選されるまでの間、委員会条例第7条第2項の規定により、年長の委員が臨時に委員長の職務を行うことになっております。 出席委員中、千葉伝委員が年長の委員でありますので、御紹介申し上げます。 千葉伝委員、委員長席にお着き願います。 〔年長委員千葉伝君委員長席に着く〕 〇千葉伝年長委員 ただいま御紹介ありました千葉伝であります。よろしくお願いいたします。 それでは、ただいまから予算特別委員会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。 なお、木村幸弘委員は本日から3月10日まで、上原康樹委員及び大久保隆規委員は本日から3月17日まで、それぞれ欠席とのことでありますので、御了承願います。 これより委員長の互選を行います。委員会条例第7条第2項の規定により、委員長互選の職務を行います。 お諮りいたします。委員長互選の方法につきましては、先例に基づき指名推選の方法によりたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇千葉伝年長委員 御異議なしと認めます。よって、互選の方法は指名推選によることに決定いたしました。 お諮りいたします。指名推選の方法につきましては、当職において指名することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇千葉伝年長委員 御異議なしと認めます。よって、当職において指名することに決定いたしました。 予算特別委員長に佐々木朋和君を指名いたします。 お諮りいたします。ただいま当職において指名いたしました佐々木朋和君を予算特別委員長の当選人と定めることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇千葉伝年長委員 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました佐々木朋和君が予算特別委員長に当選されました。 ただいま当選されました佐々木朋和君が委員会室におられますので、本席から当選の告知をいたします。 佐々木朋和委員長、委員長席にお着き願います。 〔予算特別委員長佐々木朋和君委員長席に着く〕 〇佐々木朋和委員長 ただいま予算特別委員長に選任されました佐々木朋和でございます。御推挙いただき大変光栄に存じております。 委員各位の御協力を賜りまして職責を全うしたいと考えておりますので、御協力のほどよろしくお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。(拍手) それでは、引き続き副委員長の互選を行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇佐々木朋和委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 これより副委員長の互選を行います。 お諮りいたします。副委員長互選の方法につきましては、先例に基づき指名推選の方法によりたいと思いますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇佐々木朋和委員長 御異議なしと認めます。よって、互選の方法は指名推選によることに決定いたしました。 お諮りいたします。指名推選の方法につきましては、当職において指名することといたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇佐々木朋和委員長 御異議なしと認めます。よって、当職において指名することに決定いたしました。 予算特別副委員長に工藤剛君を指名いたします。 お諮りいたします。ただいま当職において指名いたしました工藤剛君を予算特別副委員長の当選人と定めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇佐々木朋和委員長 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました工藤剛君が予算特別副委員長に当選されました。 ただいま当選されました工藤剛君が委員会室におられますので、本席から当選の告知をいたします。 工藤剛副委員長、御挨拶をお願いいたします。 〇工藤剛副副委員長 ただいま副委員長に選任いただきました工藤剛です。まことにありがとうございます。 委員長を補佐いたしまして委員会の円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。(拍手) 〇佐々木朋和委員長 お諮りいたします。当予算特別委員会に付託されました議案53件の審査の方法についてでありますが、お手元に配付してあります日程案のとおり、本日及び明日は知事、副知事、企画理事、関係部局長及び教育長等の出席を求め総括質疑を行い、明日の総括質疑終了後、5日、6日、9日、10日、12日、13日、16日及び17日は、関係部局長等の出席を求め部局ごとに審議を行うこととし、議案53件に対する意見の取りまとめと採決につきましては、17日の県土整備部関係の質疑が終わった後、世話人会での意見調整を経た上で行いたいと思います。 なお、16日の農林水産部の審査については、第1部を農業関係、第2部を林業、水産業関係とし、それぞれ区分して審査することとしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇佐々木朋和委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 これより議事に入ります。 議案第1号から議案第20号まで、議案第26号から議案第45号まで、及び議案第47号から議案第59号までの以上53件を一括議題といたします。 総務部長に総括説明を求めます。 〇福田総務部長 令和8年度当初予算の概要等につきまして、総括的に御説明申し上げます。 令和8年度の当初予算は、いわて県民計画(2019~2028)第2期アクションプランのもと、人口の自然減・社会減対策を主軸にしながら、GXとDXを両翼に、安全・安心な地域づくりを基盤として、10の政策分野の着実な推進と新しい時代を切り拓くプロジェクトの展開により、世界に開かれた地方創生を推進する施策を盛り込んだ予算として編成したものであります。 それでは、予算の概要について御説明申し上げます。 議案その1の5ページをごらん願います。議案第1号令和8年度岩手県一般会計予算であります。 第1条は、歳入歳出予算の総額をそれぞれ7、742億3、355万7、000円と定めるものであります。令和7年度当初予算と比較しますと5.6%の増となっております。第2条は、債務負担行為の限度額等を、第3条は、地方債の限度額等をそれぞれ定めるものであり、第4条は、一時借入金の最高額を1、000億円とするものであります。第5条は、職員給与について同一款内での予算流用を定めるものであります。 次に、歳入について御説明いたします。便宜、予算に関する説明書により説明いたしますので、予算に関する説明書の10ページをごらん願います。 まず、1款県税のうち、1項県民税は457億9、600万円となっておりますが、これは、個人県民税の増収が見込まれることなどによるものです。 11ページの2項事業税は329億2、500万円となっておりますが、これは、個人事業税の減収が見込まれることなどによるものであります。 12ページの3項地方消費税は299億1、600万円を見込んでおりますが、これは、国内取引の増加が見込まれることなどによるものであります。 13ページの4項不動産取得税は24億3、700万円となっておりますが、これは、大規模不動産の取得の減少が見込まれることなどによるものであります。 14ページの5項県たばこ税は14億8、000万円、15ページの6項ゴルフ場利用税は2億4、900万円をそれぞれ計上しております。 16ページの7項軽油引取税は65億7、500万円と見込んでおります。これは、当分の間措置されていた税率の廃止により減収が見込まれることなどによるものです。 17ページの8項自動車税は162億9、000万円と見込んでおります。これは、環境性能割の廃止により減収が見込まれることなどによるものです。 18ページの9項鉱区税は1、500万円、19ページの10項狩猟税は1、300万円、20ページの11項産業廃棄物税は6、900万円をそれぞれ計上しております。 21ページの12項旧法による税は、令和8年3月以前の自動車税に係る分など2、300万円を見込んでおります。 以上、県税の合計額は1、357億8、800万円で、令和7年度当初予算に比べ9億2、400万円、0.7%の減となるものであります。 次に、22ページの2款地方消費税清算金は734億900万円で、令和7年度当初予算と比べ61億2、300万円、9.1%の増となっておりますが、これは、全国的に消費税収が増加すると見込まれることなどによるものです。 次に、23ページの3款地方譲与税のうち、1項特別法人事業譲与税は276億2、000万円となっておりますが、これは、全国的に法人事業税の増収が見込まれることなどによるものであります。 24ページの2項地方揮発油譲与税は26億400万円、25ページの3項石油ガス譲与税は9、200万円、26ページの4項自動車重量譲与税は2億200万円、27ページの5項森林環境譲与税は1億9、100万円、28ページの6項航空機燃料譲与税は3、200万円をそれぞれ計上しております。 以上、地方譲与税の合計額は307億4、100万円で、令和7年度当初予算に比べ20億8、900万円、7.3%の増となるものであります。 次に、29ページの4款地方特例交付金は82億3、300万円余で、令和7年度当初予算に比べ75億5、700万円余、1、117.0%の増を見込んでおりますが、これは、軽油引取税減収補填特例交付金(仮称)の増などによるものであります。 次に、30ページの5款地方交付税は、国の地方財政計画の内容や震災からの復旧復興事業費等を勘案して2、277億5、200万円余で、令和7年度当初予算に比べ76億5、800万円余、3.5%の増で計上しております。 次に、31ページの6款交通安全対策特別交付金は2億7、900万円で、令和7年度当初予算に比べ2、200万円、7.3%の減を見込んでおります。 次に、32ページの7款分担金及び負担金のうち、1項分担金は、経営体育成基盤整備事業等に係るものであり3億2、800万円余、33ページから34ページまでの2項負担金は、民生費の後期高齢者医療財政安定化対策などの負担金等を計上しており13億5、400万円余となっております。 以上、分担金及び負担金の合計額は16億8、200万円余で、令和7年度当初予算と比べ4、400万円余、2.7%の増となるものであります。 次に、35ページの8款使用料及び手数料でありますが、1項使用料の主なものを申し上げますと、36ページの産業技術短期大学校授業料、37ページの道路及び河川の占用料、県営住宅使用料、県立学校における授業料などであります。これら使用料の総額は、38ページの計欄52億1、400万円余となっております。 次に、39ページからの2項手数料の主なものは、40ページの屠畜検査に係る手数料、41ページの豚熱予防的ワクチン接種に係る手数料、43ページの運転免許に係る手数料などでありまして、これら手数料の総額は、44ページの計欄18億8、300万円余となっております。 以上、使用料及び手数料の合計額は70億9、800万円余で、令和7年度当初予算に比べ1億2、200万円余、1.7%の減となるものであります。 次に、45ページの9款国庫支出金でありますが、1項国庫負担金の主なものを申し上げますと、生活保護に要する経費のほか、47ページの小中学校教職員の人件費や県立学校の授業料に充てるための就学支援交付金、河川等災害復旧事業などであります。これら国庫負担金の総額は、48ページの計欄482億1、800万円余となっております。 次に、49ページ、2項国庫補助金の主なものは、55ページの強い農業づくり交付金、56ページの経営体育成基盤整備事業、59ページの道路環境改善事業や地域連携道路整備事業に係る国庫補助金などであります。これら国庫補助金の総額は、62ページまで進んでいただきまして、579億2、100万円余となっております。 次に、63ページの3項委託金でありますが、64ページの就職支援能力開発事業などにより、総額は、65ページの計欄12億200万円余となっております。 以上、国庫支出金の合計額は1、073億4、200万円余で、令和7年度当初予算に比べ106億6、000万円余、11.0%の増となるものであります。 次に、66ページの10款財産収入でありますが、1項財産運用収入は、土地や家屋の貸付収入など5億3、300万円余、67ページから68ページの2項財産売払収入は、県有未利用地や生産物の売り払いによる収入など6億9、800万円余を計上しており、これら財産収入の合計額は12億3、100万円余で、令和7年度当初予算に比べ2億2、500万円余、22.4%の増となるものであります。 次に、69ページの11款寄附金は、ふるさと岩手応援寄付など6億7、600万円余で、令和7年度当初予算に比べ2億9、600万円余、78.1%の増を見込んでおります。 次に、70ページの12款繰入金のうち、1項特別会計繰入金は、電気事業会計などからの繰入金であり、8億6、300万円余であります。 71ページ、2項基金繰入金は、財政調整基金や県債管理基金、退職手当基金などからの繰入金であり215億6、300万円余を計上しております。 以上、繰入金の合計額は224億2、700万円余で、令和7年度当初予算に比べ42億7、600万円余、23.6%の増となるものであります。 次に、72ページの13款繰越金は1、000円で、整理科目であります。 次に、73ページの14款諸収入のうち、1項延滞金、加算金及び過料等は1億1、300万円余、74ページの2項預金利子は3億3、100万円余を計上しております。 75ページの3項公営企業貸付金元利収入は160億300万円余を計上しておりますが、これは、県立病院等事業会計への貸し付けの償還金であります。 76ページの4項貸付金元利収入は、各行政部門における貸付金に係る元金及び利子の収入で、77ページのとおり846億2、100万円余となっております。 78ページの5項受託事業収入は、基幹河川改修事業などの受託事業収入であり15億1、400万円余となっております。 79ページの6項収益事業収入は、宝くじ発売収益金で28億5、900万円余となっております。 80ページの7項雑入は、82ページのいわてニューファーマー支援事業や83ページの派遣職員給与費負担金などの収入であり、雑入の総額は、83ページの計欄33億500万円余と見込んでおります。 以上、諸収入の合計額は1、087億4、900万円余で、令和7年度当初予算に比べ13億9、700万円余、1.3%の増となるものであります。 次に、84ページの15款県債でありますが、その総額は、87ページの計欄のとおり488億2、200万円余であり、福祉・消費生活関連相談拠点施設(仮称)整備事業などの民生債や一般財団法人クリーンいわて事業団施設整備資金貸付金などの衛生債等の増額により、令和7年度に比べ20億3、200万円、4.3%の増となっております。 この結果、県債の現在高見込みでありますが、304ページをごらんいただき、一番右下の欄になりますが、令和8年度末現在高見込額は1兆998億5、000万円余と、令和7年度から374億円余の減を見込んでおります。 以上で歳入についての説明を終わります。 次に、歳出についてでありますが、主要な事業につきましては、それぞれ所管部局の審査の際に担当部局長から御説明申し上げますので、説明を省略し、私からは、性質別の主なものについて申し上げます。 予算に関する資料で御説明いたします。7ページをごらん願います。第2表令和8年度一般会計歳出性質別内訳表でございますが、この表の右端の令和7年度当初予算からの増減率の欄を中心にごらんいただきたいと存じます。 令和8年度当初予算の特徴的なところを何点か申し上げますと、2物件費につきまして17.1%の増となっておりますが、いわて旅割キャンペーン事業費やプレミアムポイント還元事業費の増等によるものであります。 次に、8ページに参りまして、5補助費等につきましては、税関係交付金の増等により7.9%の増、次に、9ページに参りまして、9積立金につきましては、退職手当基金積立金の減等により26.5%の減となっております。 令和8年度岩手県一般会計予算の概要は、以上のとおりであります。 なお、特別会計につきましては、所管部局において御説明申し上げますので、私からの説明は省略させていただきます。 以上で総括説明を終わります。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。 〇佐々木朋和委員長 ただいまから総括質疑に入るわけでありますが、議会運営委員会の決定に基づき、総括質疑は、各会派及び会派に属しない委員に質疑時間を配分して行うことになっております。 質疑時間につきましては、まず、自由民主党が57分、次に、希望いわてが48分、次に、いわて県民クラブ・無所属の会が21分、次に、いわて新政会が21分、次に、日本共産党が12分、次に、会派に所属しない委員、公明党小林正信委員が9分となっております。 各会派は、配分された時間の範囲内で複数の委員が質疑することができること、また、この場合におきましては、会派として続けて行うこととされておりますので、御了承願います。 また、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、基本的感染対策として、換気のため、午後はおおむね2時間ごとに休憩いたしますので、御協力をお願いいたします。 なお、本日の総括質疑は、世話人会の申し合わせにより、午後5時前に質疑に入った会派等の質疑が終了するまで議事を継続することといたしておりますので、あらかじめ御了承願います。 これより総括質疑に入ります。佐々木宣和委員。 〔佐々木宣和委員質問者席に着く〕(拍手) 〇佐々木宣和委員 自由民主党の佐々木宣和でございます。会派を代表して総括質疑をさせていただきます。57分間という時間を与えていただきました会派を初め、予算特別委員の皆様に感謝を申し上げ、県政の重要課題に対しまして質問させていただきますので、知事を初め、執行部の皆様には、答弁をよろしくお願いいたします。 初めに、高病原性鳥インフルエンザ対応について伺います。 本年2月、金ケ崎町で発生した高病原性鳥インフルエンザ事案では、約56万羽を対象とする防疫措置が進められ、2月27日時点で全ての殺処分が完了するなど、大規模かつ迅速な対応が行われました。 また、県職員を初め、延べ3、200人を超える従事者、さらには県内外自治体や関係団体、民間企業の協力のもと、引き続き防疫作業が進められているところであり、関係各位の御尽力に深く敬意を表します。 こうした対応は、昨年の相次ぐ発生を踏まえた教訓が生かされているものと受けとめております。 伺います。昨年の対応で得られた教訓について、初動対応や防疫措置の手順、体制の見直し、人的配置や応援動員の仕組み、さらには、市町村、国機関、関係団体との役割分担や情報共有体制の強化など、どのように制度化、改善され、本年の対応に生かされたのか伺います。 〇大畑復興防災部長 令和7年1月に発生いたしました高病原性鳥インフルエンザへの対応では、約1カ月にわたり、延べ1万人を超える職員が防疫作業に従事したところであり、行政サービスを安定的、継続的に提供できる体制を維持しながら、緊急的な防疫作業にも適切に対応できる体制の構築が課題となったところであります。 このため県では、令和7年度に検討を行い、職員等動員計画作成や民間事業者との調整など、復興防災部への業務集約による効率化と総合調整機能の強化、殺処分や現地拠点施設運営等への民間委託の導入など、家畜防疫対応を見直すとともに、民間事業者との協定締結など準備を進めてきたところであります。 これらの見直しによりまして、今回の事案におきましては、殺処分に作業開始1日目から民間委託を導入できたところであり、迅速かつ効率的な防疫作業の実施と行政サービス提供体制の維持が両立できたものと考えております。 今回の防疫措置完了後には、対応状況を振り返り、さらなる改善を検討することとしております。今後とも、家畜防疫対応の不断の見直しに取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 本当に、昨年は1万人を超える方々が対応されたところで、防疫措置が最優先というところはそのとおりでありますけれども、ほかにやらなければいけないこともある中で、県庁のリソースを最大化するためにも、関係する方々と協力しながらしっかり進めていくことが重要であろうと思っております。しっかりとした体制の構築を引き続きお願いしたいと思っているところでございます。 二つ目の質問に参ります。第51回衆議院議員総選挙を受け、今定例会においても知事の発言や政治姿勢に関する質疑が重ねられております。 国政選挙の結果は、主権者たる国民、県民の意思が示されたものであり、県政運営の前提となる政治環境を形づくる極めて重いものであります。しかしながら、知事が今回の選挙を誰も望んでいなかった選挙・結果と表現されたことは、主権者が示した選挙結果の重みを十分に受けとめていないのではないか、また、岩手県の行政の長としての受けとめが欠けているのではないかとの疑念を生じさせるものであります。 公的立場にある者の発言は、本人の意図や認識だけではなく、社会にどのように受けとめられるかという観点を伴って評価されるものであり、特に選挙結果のような民主主義の根幹にかかわる事項については、その責任は一層重いものと考えます。 今回の総選挙の結果を行政の長としてどのように位置づけ、どのように尊重して県政運営に向き合っていくのか。今後、政治的な発言を行うに当たり、県益、中立性、根拠といった観点からどのような判断基準で臨むのか、知事の認識を伺います。 〇達増知事 私は個別の候補者の当落について発言しているのではございませんで、衆議院の議席全体の構成―自由民主党で3分の2以上、与党で4分の3以上ということについて発言しております。当然、個別の当選者の当選については何の文句もございませんで、それぞれ衆議院議員として尊重いたします。それぞれの当選という結果を前提にして、知事として仕事しております。 私が言いたいのは、今の衆議院、ひいては国会の構成は、国会運営の仕方によっては非民主的な国会になってしまうから、与党も野党も国民みんなも気をつけようということであります。 現に今、衆議院予算委員会の審議日程が、かつてなかったような短さになろうとしております。こういうところを国民みんなで気をつけるべきでありますし、国会が非民主的な運営になるリスクがある分、国民が、内閣に対するチェックを補う覚悟を持つべきではないかと述べているわけであります。 そして、政治的な発言を行うに当たってでありますが、重要なのは、普遍的原則として自由ということだと思います。政治家であれ、それ以外の人であれ、政治的な発言には、法が定める以外の制限を課すべきではないというのが原則だと思います。さらに、その自由の中で、あるべき政治的な発言の原則は、真実を追求し、真実を共有しようとすることではないでしょうか。 私は、政治は行政のチェックと申し上げておりますが、それは行政に携わる人々の言動をつぶさに監視するという意味ではなく、行政が国民、住民の求めに応えているかどうか、国民、住民は困っていないか、困っているなら、どのような政策を行うべきかを明らかにしていくという意味で申し上げております。それは国民、住民の生活やそれを支える社会、経済の真実に迫ることであり、必要な政策は何かという真実に迫ることであります。 私は、政治的発言について、そのようにしようと努めてまいりましたし、今後、ますますそのようにしなければならないと考えております。 〇佐々木宣和委員 丁寧な御答弁でした。私がまずお伝えしたいのは、行政のトップとしてどのように受けとめるかということで、これは、具体的な例として、日本経済新聞にそれぞれの知事がコメントを出されていたということであります。 秋田県の鈴木知事は、大きく勝っていろいろなことをスピーディーに決められるようになると、大所高所の見方が優先されがちになる。これまでの政治状況の中で東京一極集中が進み、地方が衰退したことを国として看過できるのかという視点を持ち、地方に目が向けられる国の形にしてほしい。福島県の内堀知事。物価高や人口減少などの課題を念頭に、国民、県民の切実な思いに応えるためにも、速やかに来年度予算を成立させてほしい。山形県の吉村知事。加速化する人口減少や少子化対策、物価高騰対策やインフラ整備、減税施策に伴う地方の財源確保など、迅速かつ着実に取り組んでほしいということで、これに並んで達増知事のコメントは、皆様御存じのとおりというところでございます。 結局、選挙結果そのものへの政治的評価に重点が置かれていて、岩手県行政の長として、これからこの国に何を期待していくのかとか、岩手県がこういう方向性を進めていくことに対して、県民にどういうメッセージを出すのかというところが、県行政のトップとしてわかりやすい表現になるのではないかということを思いますが、改めて伺わせていただきたいと思います。 〇達増知事 まず、今御紹介いただいた知事の方々のコメントの中の一番最初の例の前半部分は、国会で圧倒的多数を与党が占めているので、慎重に、丁寧に進めていくべきではないかということで、私が言っていたことと同じ趣旨のことだと思います。 そして、選挙結果にかかわらず、国の政府、内閣と県は、これはもう国民のため、県民のため、力を合わせてやっていかなければならないわけですが、県としてそこにどう臨んでいくかは、ちょうど県議会の知事演述の形でも、岩手県として今後どういう方向性で行政を行い、国とどう連携してやっていくかということが、具体的な事業の形も含めて述べられているところでありますし、知事として、随時、行政の進め方、国との関係については、述べているところであります。 〇佐々木宣和委員 簡単な再質問をさせていただきたいと思いますけれども、見比べたときに、わかりづらいと知事自身は思われなかったのかということを伺いたいと思います。 〇達増知事 新聞の表現の自由、報道の自由というものはありますので、その新聞は、そのような報道をしたと受けとめております。 〇佐々木宣和委員 次の質問に移ってまいります。 知事は、先ほども少しお話をされましたけれども、前例のない国会構成となった今回の選挙結果を踏まえて、国や政府の動きを国民は厳しく見ていく必要があると述べられました。 行政に対する監視や検証は、本来議会が担うべき役割であり、国政においては、とりわけ野党がその機能を果たし、その姿勢や成果が選挙を通じて国民に評価されるのが、議会制民主主義の基本構造であります。 こうした中で、行政の長である知事が、国政に対する評価的、警戒的な姿勢を示されたことは、県として国と対峙する立場を意味するのか、それとも県益の実現に向け成果をとりにいく実務的関係を指すのか、その位置づけが問われます。 また、知事はこれまで、二大政党制の確立を日本政治の大きな方向として述べ、岩手県からその流れをつくるとされてきましたが、現在の国政は、当時想定された政治構造とは大きく様相が異なっております。 そこで伺います。知事が述べた国や政府の動きを厳しく見る必要があるとの認識は、行政の長として国との関係をどのように位置づける中での発言であったのか、その具体的意味と意図を伺います。 また、国政の政治構造が変化する中で、日本の政治のあり方と岩手県の利益実現との関係をどのように捉え、どの方向を目指していくのか、基本的な政治姿勢を伺います。 〇達増知事 行政のチェックは主権者である国民、住民が当然行うべきことであり、行政に対する監視や検証は、国民、住民の権利であります。 今回の解散総選挙の結果を受け白鳥浩法政大学大学院教授は、新聞の論説で、政権の監視機能不全のおそれを指摘し、国会運営のやり方によっては、誰も監視機能を果たせない中で、民意とのそごが一層広がる事態になりかねないと述べています。国民、住民によるチェックが、より重要になっているということだと思います。 私も、これは行政の長というより政治家個人として共有したい真実ではないかと思っております。 日本の政治のあり方と岩手県の利益実現との関係ですが、政治が大きな変動期にある現在のような場合、法の支配のもとでの行政の公正中立さが、より重要になると思います。 岩手県の利益実現に関しても、知事としては、岩手県内における公正中立な事務の執行を心がけつつ、国との関係においても、政治の状況を行政のあり方に直接結びつけるのではなく、法の支配のもとでの公正中立な行政を旨として、東日本大震災津波の救助、復旧、復興の取り組みを通じて育まれた協力関係などを生かしながら、国益及び岩手県の利益がともに実現するよう努めてまいります。 〇佐々木宣和委員 これも再質問させていただきますけれども、コメントとしては、どちらかといえば政治家としてのコメントだったかと思ったのです。しっかり監視していくというか見ていく必要があるという言葉は、そういった意味なのかと思います。 要は、知事としての人格と政治家としての人格が分かれているようにおっしゃられることがあるのですけれども、これは、受けとめる側としては複雑だと思うのですが、その辺の認識は、どういったことを考えられているのか伺いたいと思います。 〇達増知事 どこがどう分裂していると思われているのかが定かではないのでありますけれども、今質問していただいている話の流れや今定例会の本会議での質問の流れからいたしますと、今ある政権の体制、今ある政権与党の体制を、政治的にそこに何かコミットするというか、政治的にそこに逆らわないようにしないと、行政上の任務を果たせないというような考え方が前提にあるかのように受けとめられると思っています。 しかし、行政というのは、あくまで公正中立に行われるべきものでありますので、時の政権与党に対する評価云々ということを離れて、国は国で、県は県で、例えば岩手県における復興の進め方でありますとか産業振興のやり方でありますとか、そういったことを、知事の政治家としての発言を参考にして国の行政のあり方を決めたりは、今まで全然していないと思いますし、これからもしない。むしろ、巨大与党になった分、決してそういうことをしないようにする。 巨大与党は巨大与党で、法の支配のもと、行政の公正中立をより心がけないと、独裁のそしりを免れないおそれも出てくるわけであります。国は国で、巨大与党になった分、より巨大与党に対して、批判というものもいろいろなアドバイスのうちですから、こういうことをやったほうがいいのではないか、今はこういう問題があるのではないかという批判も、巨大与党はどんどん受け入れて、批判してくれるところ、あるいは全然そういう批判がないところも含め、どのような県も地方自治体も、そこは法の支配のもと、行政の中立公正で国は当たるし、岩手県は岩手県で、国と法令条規に従って、国民、住民の権利の実現を図っていくということだと思っております。 〇佐々木宣和委員 行政の公平中立というのはそのとおり、すごく大切な当たり前のことだと思っておりますけれども、一つ、二大政党制の確立という話も質問の中に入れさせていただいております。これは、私の理解として、1党がずっと政権与党を担うという中で、知事がおっしゃられたのは、二大政党制になって、入れかわり立ちかわりやることによって政策が前に進むような形を望んで、それが岩手県も発展する一つのきっかけになるのではないかということだと思っていたのですが、その点は、そういう認識は変わらないのでしょうか。 〇達増知事 明治時代に、伊藤博文初代首相のもと、日本はもともとプロシア型の政治体制にするという明治憲法をつくったのですけれども、運用上、どんどんイギリス型の議院内閣制の運用になっていき、大正時代には、二大政党の政権交代というのが一時期できました。私は、日本人にはイギリス型の議会制、そして二大政党制での民主主義が、過去、自分たちで自主的にやった歴史がありますし、原敬首相がその中で大きな役割を果たしたということも、私にとっては大事だと思うことであります。今でも、日本の人たちの政治のやり方としては、それは一つの好ましい選択肢だと思っております。 そういうことを聞かれたのかということで、今の答弁でよければ、まず、一旦ここで切らせていただきます。 〇佐々木宣和委員 私が伺いたいのは、二大政党制にすることによって政策を展開していくことが、日本にとっていいことだから、そういったフレームを目指していきたいということをおっしゃっていたのかということで、結局、形としては、手段ですので、政策が進むというのは、いろいろな形があり得るということも考え得るかと思っていまして、その点を伺いたい。 〇達増知事 政策が進むに当たりましては、少数意見を最大限尊重して、本当にこれでいいのかというチェックをきちんとやった上で、政策を力強く遂行するのが大事であります。 二大政党制というのは、そういうチェックがしやすいやり方ではあると思っておりますけれども、ほかにもそういうやり方がきちんとできるのであれば、結果が大事ということについては、私も賛成します。 〇佐々木宣和委員 最後に、改めてマニフェストの話だったり政務秘書のお話だったりというところで、知事の政治姿勢に戻っていくような形になっております。 政治の基本姿勢は、そのまま県政運営の姿勢にあらわれると考えております。挑戦を促す政治なのか現状維持に傾く政治なのか。本総括質疑は、岩手県が今、県民、地域、企業、団体、そして県職員にとって、チャレンジができる環境になっているのか、この点を中心に伺ってまいりたいと思います。 予算について伺ってまいります。 一つ目、知事は、令和7年度当初予算を世界に開かれたいわて地方創生予算と命名されました。一方、令和8年度は、県民一人ひとりの地方創生予算と銘打ちつつ、世界に開かれた地方創生を推進する施策を盛り込んだとされています。 令和7年度と令和8年度の本質的な違いは何なのか、令和7年度予算で不十分だった分野、取り組みをどのように認識、分析し、それを令和8年度でどのように強化したのか伺います。 〇達増知事 令和7度当初予算は、海外展開をてこにした新しい地方創生を強力に推し進めるという新たな視点から編成したものですが、令和8年度当初予算案にも、その考えは引き継がれています。 また、令和8年度当初予算案の名称に示されている県民一人一人に寄り添う姿勢は、令和7年度当初予算にも盛り込まれていたものであり、令和8年度は、こちらを予算名称として打ち出したという経緯でございます。 令和8年度当初予算案の県民一人ひとりの地方創生予算は、二つの柱立てになっており、一つ目は、世界に開かれた地方創生として、本県の強みを生かした海外輸出拡大関連事業やインバウンド拡大関連事業、そして、国内外に開かれた新しいスタートアップエコシステムの構築に取り組むことといたしております。 二つ目は、暮らしを守り、共に支え合ういわてとして、新たに無痛分娩の実施体制の整備や産後ケアの充実に取り組むとともに、ツキノワグマ被害等の喫緊の課題への対応など、安全・安心な地域づくりを推進する取り組みを強化したものであります。 〇佐々木宣和委員 二つ目、質問します。令和8年度当初予算案は前年度比5.6%増、約7、742億円規模となっています。単なる規模拡大なのか、それとも岩手県がチャレンジできる体制へと転換する予算なのか。重点化の軸と令和8年度ならではの戦略的変化をお示しください。 〇達増知事 引き続き重視してまいります四つの重点事項について、前年度比85億円増の1、001億円、うち新規事業で61億円を確保するなど重点措置を行ったところであり、ジェンダーギャップの解消や全国トップレベルの子育て支援、魅力ある雇用環境の整備など、人口の自然減・社会減対策、再生可能エネルギーの導入促進や高水温に強い養殖種への転換支援などのGXの推進、生成AIの利活用や市町村のデジタル化推進に向けた伴走型支援の実施などのDXの推進、災害への備えや野生鳥獣被害への対策などの安全・安心な地域づくり等、世界に開かれた形で四つの重点事項を一体的に展開してまいります。 特記事項といたしまして、県民の暮らし・仕事を守るための施策として、キャッシュレス決済ポイント還元などの物価高対策を盛り込むとともに、国境を越えて人、物、お金の流れを生かし、世界に開かれた地方創生をさらに進めるため、国際スタートアップカンファレンスの開催や東南アジアへのトップセールス、海外からの誘客プロモーションなどに取り組みます。 こうした各般の施策により、県民一人一人が自分なりの地方創生に取り組んでいけるよう後押しし、県民の幸福―ウエルビーイングの向上につなげてまいります。 〇佐々木宣和委員 具体的な施策に関しては、この後で伺ってまいります。 三つ目、復興の進捗について。 震災分の事業費が増となるのは、平成27年以来11年ぶりであり、宮古市の閉伊川水門の復旧など、長く続いたハード整備の締めくくりの局面にあります。また、国の第2期復興・創生期間も終了を迎えます。 ハード整備が一区切りを迎える今、復興は完遂の段階にあるのか、それとも転換の段階にあるのでしょうか。復興財源に依存した構造から、自立的で持続可能な地域経済への移行は進んでいると言えるのか伺います。 〇大畑復興防災部長 毎年実施しております、いわて復興ウォッチャー調査結果では、地域経済の回復度に対する実感が、令和2年以降、コロナ禍や物価高騰などの影響もあり横ばいの状況が続いております。地域資源や地域特性を生かした取り組みの展開等により、地域経済の活性化を図っていく必要があると考えております。 復興庁では、復興の基本方針に基づき、被災地における関係人口の拡大や産業創出に向け、地方創生の施策を初めとする政府全体の施策が総合的に活用されるよう、令和8年度から取り組んでいく方針と伺っております。 県では、こうした取り組みを進める復興庁と連携し、産業創出等に取り組む市町村を支援していくこととしております。沿岸被災地において、地方創生などの国の施策を有効に活用しながら、地域資源を生かした産業振興や交流人口の拡大などにつながる施策が展開されるよう取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 これからその地域がどうなっていくのかは非常に重要なポイントでございますので、引き続き、復興というキーワードでやっていくのかというところも、地域とこれからどうしていくのかという形になっていくかと思いますけれども、引き続きお願いしたいと思います。 4番目、歳入確保について伺います。 本県の歳入は前年度比413億円増と大きく伸びておりますが、この増加が恒常的な財源の積み上がりによるものなのか外部要因なのか、持続性が問われます。また、自主財源と依存財源の構造を踏まえた場合、本県財政の自立性が高まっているのかについても検証が必要ということでございます。 また、企業版ふるさと納税を初め、さまざまな取り組みをどう戦略的に進めていくのか。企業版ふるさと納税については、目標額、営業体制、成功事例の横展開を含め、どれだけ主体的に取りに行っているのかが問われると思っております。 今回の歳入増の要因、持続性をどのように分析しているのか、また、令和8年度は、特に企業版ふるさと納税の強化を打ち出されていますが、攻めの歳入確保をいかに戦略的に進めていくのか、見解を伺います。 〇福田総務部長 令和8年度当初予算案では、地方交付税や地方消費税などの収入を着実に伸ばしており、今後、このような流れを持続させることが重要となるため、消費税をめぐる国の議論なども注視してまいります。 財源確保における特徴的な取り組みとしては、令和7年度にネーミングライツの大型案件を実現したほか、基金の積極的な運用を拡大し、資金調達としては有利な利率の環境債も発行しております。 令和8年度は、企業版ふるさと納税のマッチング支援による商工労働観光部の新規事業として2億円を当初予算案に計上しており、未来の成長を見据えた産業投資を進めてまいります。 加えて、今後は、地方税源の偏在是正に向けた議論を本格化させる必要があることから、ミクロとマクロの両面から財源確保に取り組み、持続可能な財政基盤を構築してまいります。 〇佐々木宣和委員 現在、日本経済はデフレからインフレ局面へと転換し、金利上昇、資材価格の上昇、人件費上昇という財政環境の大きな変化が生じており、この変化に対応した財政運営へと発想を転換していく必要があるのではないかと考えております。 本県予算は長年、公共事業費シーリングを前提としつつ、補正予算で事業費を確保する、いわゆる実行予算型の編成が続きましたが、必要な政策を当初予算段階で措置するという当初予算主義の考え方に立てば、シーリングのあり方そのものや財政運営の姿勢を見直し、より積極的な財政運営に転換すべき局面にあるものと考えます。 インフレ局面における本県の財政運営の基本姿勢をどのように捉えているのか、当初予算主義への転換や公共事業費シーリングのあり方を含めて、本県財政を積極財政型へ転換していく必要性についてどのように認識しているのか、知事の見解を伺います。 〇達増知事 インフレ局面により県税等収入の増加が見込まれる一方、義務的経費の増加も見込まれることから、本県の厳しい財政状況は今後も継続していくものと認識しております。 厳しい財政状況においても必要な施策を着実に推進していくことが重要であることから、今般の令和8年度当初予算案においても、人口減少対策、GX、DX、安全・安心の四つの重点事項について、前年度比85億円増の1、001億円を計上し、積極的な投資を進めたところです。 公共事業費につきましても、昨年度の当初予算と比較し5.5%増の620億円余、補正予算を含む実行予算ベースで5.2%増の970億円余と、昨年度を上回る予算額を計上しました。 県としては、今後の国の動向等を注視しながら、経済、財政環境が大きく変化する中にあっても、公共事業を初めとする必要な施策を推進し、県民利益や福祉増進に努めるべく本県財政を運営してまいります。 〇佐々木宣和委員 県財政を取り巻く環境が大きく変化する今だからこそ、予算編成においても職員のチャレンジを後押しする仕組みが必要と考えています。 いわゆる3倍要求制度については、令和5年度予算の編成から4年続いてきました。この間、3倍要求によりさまざまな新規事業が生み出されてきたとのことですが、いわて県民計画(2019~2028)第2期アクションプランが最終年度を迎えることもあわせて、この仕組みを再構築すべきときに来ているものと考えます。 当局は、3倍要求制度をどのように評価しているのかお示しください。また、令和9年度予算の編成にかかわるかもしれませんけれども、単なる枠の再配分にとどまらない、職員の挑戦や新規施策創出を実質的に後押しする制度の構築について、見解を伺います。 〇福田総務部長 令和8年度予算編成においては、御指摘のインセンティブ予算枠に加え、政策企画部から予算要求の具体的な着眼点などを示すことで、これまで以上にめり張りある予算となるよう工夫を加えたところです。 その結果、地域未来交付金を活用する事業を初め、スタートアップ支援や出産、子育て支援、ツキノワグマ対策、デジタル人材プールの創設など、令和7年度を上回る新規、拡充事業を令和8年度当初予算案に計上しております。 今後も人手不足や物価上昇の影響が見込まれ、新たな視点に立った政策形成が求められる中、予算編成のあり方をさらに検討するとともに、職員が真に働きやすく、やりがいや成長を実感できる職場づくりも、あわせて進めてまいります。 〇佐々木宣和委員 再質問させていただきます。 この3倍要求に関して資料をいただいておりまして、シーリングにより捻出した要求枠が70.4億円に対して、実際の要求が52.2億円。そのうち40.6億円が新規事業として予算化されたということで、これを見ると、枠をつくるほうが強くなっていて、新規事業をつくるほうが少ないと見えるのですけれども、これはどう受けとめているのかということを伺いたいと思います。 〇福田総務部長 これまでの予算編成は、どちらかというと、緊縮型の中で工夫しながらも新しい事業をやるということでつくってまいったわけですが、おっしゃるとおり、今後、予算全体が拡大局面に入ってきますので、そういう意味では、今は3倍要求ということでやっておりますが、今後の予算編成のあり方については、御指摘を踏まえまして、さらに考えていきたいと思っております。 〇佐々木宣和委員 よりいろいろなことを職員が考えて、チャレンジできるような仕組みづくりも必要かと思っております。 もう一つ伺いたいのが、これは予算編成のときに、毎年これを見て、私も県政報告で使わせていただいていますけれども、この政策推進費プロジェクト、広域振興費というところが182億円で、ある程度いろいろなことに使えるのがこのフレームかと思っています。ここが182億円で足りているのか足りていないのか、私は、もう少しフレームとして大きくできないものかと思うのですが、この点、もう一度伺わせていただいていいでしょうか。 〇福田総務部長 御指摘の182億円の部分につきまして、足りているかどうかということでありますが、課題はさまざまあると思っておりますので、そういったところも改めてチェックしながら、今後考えてまいりたいと思います。 〇佐々木宣和委員 次に、政策評価と施策実行の連動性について伺わせていただきます。 いわて県民計画(2019~2028)の政策評価においては、現行長期ビジョン開始以来、10年近くにわたりD評価が継続している施策が複数存在しております。具体的には、女性の主要疾病死亡、合計特殊出生率、児童生徒の将来目標意識、県内就職率、地域・社会活動参加など、本県の人口動態や社会基盤に直結する根幹指標でございます。 本来、県民計画は10年の長期ビジョンのもと、4年ごとの政策推進プランにより施策を実行し、政策評価を通じて見直しと資源配分を行うPDCAサイクルによって実効性を担保する仕組みであります。 しかし、計画期間の後半に至ってもなお、長期にD評価が固定的に残存している現状は、政策評価が実質的な政策修正や資源投入の転換につながっていないのではないか。すなわち、政策評価とアクションの連動性そのものに課題があることを示唆していると考えております。 長期にわたりD評価が継続している指標群は、県として最重要課題として位置づけ、対応していく必要があると考えますが、これまでどの程度の政策資源―予算、人員、事業手法を重点投入し、その結果、どのような改善成果が確認されたのか。さらに、長期未改善という評価結果を踏まえて、政策手法や組織体制、資源配分の見直しをどのように行い、次期計画において実効的な改善につなげていくのか、政策評価と政策実行の連動性確保の観点から具体的にお示しください。 〇小野政策企画部長 いわて県民計画(2019~2028)の推進に当たりましては、毎年度、いわて幸福関連指標の状況、社会経済情勢等を勘案して政策評価を行い、予算編成において、政策評価結果等を踏まえた積極的な見直しや再構築を行うこととし、具体の事業の検討におきまして、その必要性と優先順位を見きわめ、重点化を図っているところでございます。 委員御指摘の指標につきましては、お話しのとおり、非常に重要な項目でございますが、県民の意識や行動の変容を要するなど、あるいは外部的な要因もさまざまあるなど、成果の発現には時間を要するものもあり、継続的な施策推進が必要なものもあると認識しております。 例えば、政策分野1、健康・余暇分野の10万人当たりのがん、心疾患及び脳血管疾患で死亡する人数では、働き盛り世代への予防、早期治療等の取り組みを強化してきたことにより、長期的には脳血管疾患の年齢調整死亡率が減少傾向となるなど、一定の効果が発現しているものと考えております。 また、令和7年度の政策評価結果等の令和8年度当初予算案への反映に当たりましては、いわて幸福関連指標の達成度が低い分野におきまして積極的な事業の見直しを行っております。例えば、健康・余暇分野では、全体の約4割となります49事業で拡充や見直しを行い、主な事業として、健幸づくりプロジェクト推進費では、医療等ビッグデータの分析結果を活用して、新たに、有識者と連携した市町村の健康課題の解決に向けた伴走型支援などに取り組むとしたところでございます。 計画の指標につきましては、政策評価に基づくマネジメントサイクルを確実に機能させるために、政策手段の検証を不断に行い、適切な指標、それから目標水準の設定に努めることが重要と考えております。 特に、次期アクションプランの策定もございますので、政策の目的と手段の関係を精査したロジックモデルの検証、それから、上位目標の進捗に寄与する指標の設定などにより、こういったことについて改めて検証を行いながら、さらに実効性の高いアクションプランの検討を進めてまいります。 〇佐々木宣和委員 健康・余暇の部分で事務事業を4割ぐらい見直した、新規事業にしたというところですけれども、これは、来年度が第2期アクションプランの最終年だからそうなったのか、毎年このぐらい変えているのか、その辺、どのぐらい変えているのかというイメージがつけばありがたいのですけれども。 〇小野政策企画部長 具体的な数値は今持ち合わせておりませんけれども、議会からの附帯意見なども踏まえまして、事務事業の見直しについては、特に評価の低いものについて見直すといったことを徹底して行っており、年々改善してきていると思っております。 また、第2期アクションプランは来年度が最終年度でございますので、さらにこの点については徹底してまいりたいと思います。 〇佐々木宣和委員 もう一つ、私が問題だと思っているのが、政策評価がピラミッド型になっていますから、事務事業評価をどのぐらい変えたとしても、上の評価が変わっていないと余り意味がない。同じことを繰り返しても余りよくないから、どのぐらい変えられるのかと、また同じことをやらないように改善していくことはすごく重要だと思っているのですけれども、その点、もう一度伺いたいと思います。 〇小野政策企画部長 委員から御指摘ございました事務事業、そして上位の具体的推進方策指標と幸福関連指標との関係ですが、上位目標は何であって、そのために具体的推進方策として何をやっていくか、そのために具体的な事務事業はどういったことをやっていくか、この上位目標との関連性については非常に重要であり、ここがつながっていないと連動しないということが基本でございますので、先ほど申し上げましたように、ロジックモデルを改めてしっかりと検証してまいりたいと思います。 〇佐々木宣和委員 もう一度だけ伺いたいのですけれども、改めて、これを仕組み化し過ぎたことによって、変えることが難しくなっているということはないのかと思うのです。先ほど言ったように、ずっとD評価があって、事業手法を変えているけれども、評価はなかなか変わらないということで、ピラミッド型になっていて、大分下層になっていくごとに、細かい事業になっていくわけですが、それらを変えて、上が変わらないのだったら、次、もう一個上まで変えるように考えるという考え方だと多分思うのですけれども、そうではないのですか。 その辺の、レンジとして、ピラミッド型にしたことによって、ダイナミックな変化がなかなかつけられなくなることはないのかということを伺いたいと思います。 〇小野政策企画部長 アクションプランにつきましては、毎年のPDCAサイクルで事務事業、施策を見直していく、それから、4年間のPDCAをしっかり回してアクションプランの見直しを行っていく、さらに、10年間の長期ビジョンが次どうなっていくのかということもあるかと思います。 今の委員の御指摘も踏まえまして、ピラミッド型の構造についてもどうなのか、改めて検証してまいりたいと思います。 〇佐々木宣和委員 次の質問です。政策優先順位に応じた組織再編でございますけれども、現行の部局体制は、幸福度指標の改善という横断政策を実効的に推進できる構造となっているのか。また、政策優先順位に応じた組織再編や横断責任体制の強化、評価と予算の連動など、組織実効性を高める見直しを知事の任期中に行う考えはあるのか。県庁は挑戦と成果創出を後押しできる組織となっているのか、認識を伺います。 〇達増知事 法令に基づいた責任ある事務の執行が求められる行政の組織は責任や権限が明確な縦割りの組織でありますが、いわゆる縦割りの弊害を補うため、複数分野にまたがる施策を進める際など、横串の体制を導入したほうが効果的な場合があります。 具体的には、いわて県民計画(2019~2028)に掲げる政策を着実に推進するとともに、さまざまな県政課題に柔軟かつ適切に対応するため、必要な組織の見直しを適宜行ってきたところであり、いわて幸福関連指標の向上に向けては、部局横断の政策推進クロス・ファンクショナル・チームを活用し、組織再編だけでは解決できない分野横断的な施策を講じてきているところです。 県は政策推進のために、毎年度、組織体制を見直し、変更を加えているところであり、今後も、組織の実効性を高めるための体制を不断に見直してまいります。 〇佐々木宣和委員 再質問させていただきます。総務委員会で私は組織のあり方を質問させていただきまして、クロス・ファンクショナル・チームに関しても質問させていただいたところでございます。 成果としてお話しされていた部分が、海外漂着物対策だったり盛り土規制だったり、県営住宅の話とかもあったような気がします。要は、政策課題があって、部局横断でやらなければいけないということでスタートするのはわかるのですが、例えば、人口減少をどうやっていこうかというときのクロス・ファンクショナル・チームをつくったことによる成果というのは、なかなか難しいという御答弁もいただいたところです。 県民計画もサイクルで回っています。サイクルと部局横断の部分をどう連動させていくのかということで、クロス・ファンクショナル・チームでやられているのは理解していますけれども、これをさらに発展させて、より成果を残せるような環境をつくっていかなければいけないと思っておりますが、これは総務部長が答弁しますか。 〇福田総務部長 知事答弁の冒頭でも申し上げましたけれども、縦割りと横割りについては、それぞれメリットとデメリットがあるかと思っております。クロス・ファンクショナル・チームについても、これまで取り組んできたところではありますが、おっしゃるとおり、成果と、一方で課題もあると思っております。 そもそも組織体制というのは、時代背景に応じてさまざま変えていかなければならないところでありますので、御指摘の点も踏まえて、成果をチェックし、今後のあり方を考えてまいります。 〇佐々木宣和委員 次の質問に移っていきたいと思います。組織責任の明確化について伺います。 県庁組織の実効性を高めるためには、権限と責任の所在が明確であること、これは先ほど知事もおっしゃられたかと思います。しかしながら、職員のパワーハラスメントに起因する自死事案への対応をめぐっては、組織責任を認めつつも、最終責任の所在が明確に示されないまま、処分や調査の妥当性をめぐる提訴に至るなど、県組織としての責任体系やガバナンスのあり方そのものが問われる状況となっております。 これは、個別事案にとどまらず、公益通報対応や組織の安全配慮義務の履行体制が十分機能しているのかという根本問題でもあります。 また、県職員の筆頭ポストと位置づけられている企画理事については、県行政の特に重要事項の企画立案への参画や全庁的行政改革の推進等を所掌するとされておりますが、その権限、責任範囲や他部局との関係、意思決定上の位置づけが必ずしも明確とは言えず、県庁ガバナンスにおける役割がわかりにくいとの指摘もあります。 県庁組織における最終責任の所在と内部統制、安全配慮義務の責任体系をどのように整理しているのか。また、企画理事の権限、責任、位置づけをどのように明確化し、全庁的ガバナンスと重要政策の統括機能を実効的に担わせていくのか、組織責任の明確化の観点から知事の見解を伺います。 〇達増知事 一般的にパワハラなどの非違行為の責任は、近代法の原則においては行為者本人にあるわけでありますが、本人の行為に関連して、管理職には管理監督責任があり、トップや県幹部には安全配慮義務と内部統制の責任があると考えます。 企画理事の権限、責任については、持続可能な行財政改革や人口減少対策など、県行政において特に重要かつ全庁的な課題に対し、部局横断的な会議等を開催し、課題認識を共有しながら政策形成を図ってきているところであり、企画理事は、それら部局横断的な重要課題に対する総括責任者としての役割を担っています。 非違行為の防止に向けては、発生した非違行為に対して厳正に対処するとともに、発生しないよう防止策を講じることが重要であり、例えばパワハラの防止については、公益通報制度の周知やハラスメントに係る実態調査の拡充などにより、さらなる対策の強化を進めてまいります。 〇佐々木宣和委員 かなりボリューミーな内容となっておりますので、分けて再質問させていただきたいと思います。 まず一つは、パワーハラスメントに起因する自死事案への対応でございます。本事案に係る調査について、調査主体の独立性、事実確認の客観性、処分判断との整合性ということで、しっかり調査されたということを答弁としてはお話しされているかと思いますけれども、それが十分担保されていたと言える理由は何なのか。これは難しい質問になりますけれども、この点、お願いいたします。 〇福田総務部長 こういった不祥事事案に関する調査のあり方は、非常に難しい問題だと思っております。 このパワハラ自死事案については、出先機関においてこういった事案が起こったということで、調査のあり方について顧問弁護士に相談いたしまして、その上で、内部調査を行い、事実関係を確認したところでございます。 〇佐々木宣和委員 弁護士に相談して内部調査をされたということですけれども、これは、第三者委員会というか、第三者的な方の知見から調査するのが普通のような気もするのですが、その点に関しては検討されたのかということを伺います。 〇福田総務部長 第三者委員会を置くとなりますと、例えば組織全体で、組織ぐるみで何かやっている場合、あるいは県の幹部が絡んでいる場合には考えられますけれども、当該自死事案については、そういった事情にはございませんので、顧問弁護士に相談した上で、内部調査を行い、事実関係を確認したところございます。 〇佐々木宣和委員 次に、知事自身の責任というところでは、統治責任等という話をされておりましたけれども、一番は、同じような事案を起こさないために、再発防止策の実効性をしっかり担保することが非常に重要だと思います。 これを、パワーハラスメントがどのぐらいあるのかを全庁的に検証しているのか。あと、これは総務委員会でも話がありましたけれども、全国的な傾向と比べると、なかなか調査している実態と少しずれがあるのではないかという話もあったわけです。全庁的な実態解明に対してどのように取り組んでいくのか、これはすごく大事なことだと思いますけれども、お願いいたします。 〇福田総務部長 実態調査につきましては、今年度、試行的に実施させていただいておりますが、一方で、委員から御指摘いただいたとおり、何らかの事情で声を上げられない職員もいるのではないかといった視点を持つことは、大変重要だと思っております。 来年度、この実態調査について、自身が被害に遭っているかどうかに加えまして、自身の周囲でそういったことを見聞きしていないかといったことも含めて回答いただくようにして、調査を充実していきたいと考えております。 〇佐々木宣和委員 時間が押してきているので再質問しませんけれども、結局、感情的なものは切り捨てて、合理的にしっかり対応していくことが重要かと思っております。 再発防止策をしっかりやることによって、県庁の方々が気持ちよく仕事ができるようにしていただくことが、岩手県がよりよくなる一番の要因になるかと思っておりますので、お願いいたします。 そして、企画理事に関しても再質問させていただきたいと思います。重要政策の企画立案、全庁的な行政改革を担うポストということで、庁議等でも活躍されているという答弁でしたけれども、これまで、企画理事というポストですが、部局長を兼任しない場合には、ILC―国際リニアコライダーの推進やいわてまるごと売込み隊など、明確なミッションを課してポストに就任していただいていたと認識しております。 一方で、現在の職務内容は、総務部長が所管するものと重なる部分もかなり見受けられると思っておりまして、現場の職員にとって指揮命令系統がわかりにくくなる懸念はないのかと考えております。 任命権者として、知事は、この権限と責任の範囲をどのように整理して、総務部長との役割分担と指揮命令系統を明確化されているのか。そして、その職務遂行状況というところ、パフォーマンスをどのような基準で評価されているのかを伺いたいと思います。 〇達増知事 パフォーマンスの評価については担当部長から答弁させたいと思いますけれども、企画理事の役割につきましては、スタッフ的に全体を見ながら会議でリード役を果たしていただいて、全庁的にその成果を活用していくというほかに、やはりラインとして固有の担当業務もあるわけで、行財政改革ということで、施設の見直しでありますとか県庁舎のあり方といった具体的なラインの仕事については、わかりやすい役割分担になっていると思います。 一方、企画理事に限らず、縦割りの業務で複数の部局の担当になり得るようなこと、あるいは逆に、どの部局の業務にもならず、縦割りの縦のすき間に落ちてしまうことがある場合には、部局の部長間あるいは部の中の課長間で調整することは、縦割りの弊害を補うためによくあることであります。 当初、役割分担が明確にわからないような場合でも、調整しながら組織として進めてもらっていますし、今後も、そのようであればいいと思っております。 〇福田総務部長 パフォーマンスの評価につきまして私から申し上げるのはなかなか難しいところではありますが、現在の企画理事には、持続可能な行財政改革や人口減少対策など、部局横断的な重要課題に関する総括責任者としての役割を担うとされており、その成果については、今後あらわれてくるものと考えております。 〇佐々木宣和委員 次に、産業振興施策について。 国の地域未来戦略、東北地域の戦略産業クラスター計画及び地域産業成長プランの中で、本県の自動車、半導体を初めとする産業特性をどのように位置づけ、どの分野を重点として成長を図っていくのか。また、北上川バレープロジェクトの現在の到達段階をどのように評価し、産業クラスターとして自立的成長軌道に乗せるため、令和8年度はどの点を重点的に推進していくのか。本県の成長産業戦略の全体像をお示しください。 〇達増知事 県では、強い経済の実現に向けた国の地域未来戦略推進の動きを好機と捉え、地域産業クラスターの形成、拡大や地場産業の成長に向けた地域産業成長プランを策定することとしています。 プランには、北上川バレーエリアに集積が進む自動車や半導体関連産業などを中心とするものづくり産業を核に、県内各地の地場産業や横断的戦略も含む、県全体の産業構造を俯瞰した体系的な成長戦略を盛り込んでいきたいと考えています。 本県の強みでもある半導体及び自動車関連産業は、東北地方全体で見ても基幹産業として位置づけられるとともに、各地に関連企業の集積が見られるなど、今後さらなる成長が期待されており、現在、素案が検討されている東北ブロックの戦略産業クラスター計画においても、自動車や半導体を含む産業が有望分野として議論されています。 北上川バレープロジェクトの取り組み状況については、令和元年度から令和6年度までに、半導体関連企業48社を含む124社が新規立地したほか、半導体関連企業における新たな製造棟の建設や稼働、自動車部品サプライヤーにおける電子化、電動化に対応した高付加価値製品の製造が拡大するなど、自動車、半導体関連産業を中心に、企業立地や集積、産業の高付加価値化が進んでいます。 地域産業成長プランは、ことし夏前の策定を求められていますが、これに先立ち、令和8年度当初予算案においても、投資促進関連事業や企業版ふるさと納税を活用した産業支援機関等の設備導入支援などを盛り込んでおり、地域未来交付金を初めとする国の財政措置も十分に活用しながら、産業のさらなる集積と地域経済の成長に向けて取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 次に、中小企業支援策について伺います。 昨年の12月補正予算で措置された中小企業支援策全体によって、価格転嫁や生産性向上を通じた収益構造改善と賃上げの実現について、県はどの程度の効果を見込んでいるのか。賃上げや収益改善につながる企業割合などの成果目標をどのように設定しているのか。 さらに、企業間連携、DX投資、専門家支援を単発の補助にとどめず、県内中小企業の持続的競争力強化につなげていくための中長期的戦略をどのように描いているのか、認識を伺います。 〇佐々木副知事 さきの12月定例会及び臨時会において、各種の中小企業支援策を実施することとし、賃上げの直接支援のほか、中小企業者等賃上げ環境整備支援事業費補助事業の拡充や、事業者の経営改善などを支援する専門家派遣事業を新たに設けるなど、県内中小企業が行う適切な価格転嫁や生産性向上のための取り組みを幅広く一体的に支援することとしております。 賃上げ環境整備支援事業費補助は、経営革新を図りながら生産性向上に取り組む中小企業に対し伴走支援を展開するものですが、令和5年度及び令和6年度にこの補助金を活用した事業者のうち7割が、給与支給総額の増加目標2%を達成できる見込みとなっています。 こうしたことを踏まえ、本県では、経営革新計画承認事業者数を東北地区で最も多い100者、専門家派遣を受ける事業者数を令和6年度実績から100者多い延べ600者という目標を設定し、取り組むこととしております。 中小企業の持続的な競争力強化のためには、適切な価格転嫁や生産性向上のための取り組みが重要と認識しております。 先般、価格転嫁の円滑化による地域経済の活性化に向けた共同宣言に、新たに金融機関等が参画し、オール岩手で事業者に対する価格転嫁の働きかけを行うことを確認したところであり、これらの取り組みを確実に推進するとともに、労働生産性の向上に不可欠なデジタル技術の導入支援も行いながら、引き続き、中小企業振興に向け各種施策を推進してまいります。 〇佐々木宣和委員 伴走支援というキーワードも出たところでございますけれども、その中で非常に重要なのが、商工指導団体の人材確保、体制維持でございます。 何度となく人件費補助単価の見直しを含めた処遇改善について私も質問させていただいておりますけれども、単発で終わることなく、計画的な単価引き上げが必要と考えておりますが、どのような方針で取り組んでいくのか、認識をお示しください。 〇佐々木副知事 委員御指摘のとおり、県内の中小企業を取り巻く経営環境が厳しさを増している中、経営指導員等の果たしている役割は大きく、生産性向上や事業承継など、その役割はますます重要となっています。 このような中、県としても、商工指導団体の人材確保、体制維持のため、処遇改善につながる人件費補助単価の引き上げが必要と認識しており、令和8年度予算案においては、令和7年度比で、経営指導員は1万7、600円、経営支援員は1万7、100円をそれぞれ引き上げることとしています。 今後、県全体の予算審議をいただく中で御議論いただくことになりますが、おおむね3年で段階的に東北地区平均の額まで引き上げたいと考えています。 また、この人件費を含む商工業小規模事業経営支援事業費補助事業は、継続して予算措置をしていく必要もあります。国の地方交付税措置の増額を引き続き求めるなど、財源の確保に努めながら、商工指導団体の経営支援体制の強化を図ってまいります。 〇佐々木宣和委員 具体的に3カ年で東北地方の平均ぐらいを目指すというような話もいただきまして、ありがたいと思っているところでもございます。 次に、農林水産業施策について伺います。 いわて農業生産強化ビジョンと国予算の活用についてでございますけれども、いわて農業生産強化ビジョンは、本県農業の構造転換と生産力強化に向けて、どのような戦略的位置づけにあり、新年度予算によりどのように実行段階へ移していくのか。また、国の別枠2.5兆円の農業関連投資について、本県として、どの分野、地域で重点的に活用し、地域農業全体の生産力と産地力の向上に結びつけていくのか、知事の認識を伺います。 〇達増知事 いわて農業生産強化ビジョンは、いわて県民計画(2019~2028)に掲げる政策を一層推進するとともに、本県農業の強化に向け、農業生産の増大や人材の確保、育成などを重点的に推進するために策定したものであり、農業関係の令和8年度当初予算案を前年度と比べ約19億円増と、ビジョンに基づく取り組みを着実に実行していく考えであります。 具体的には、農業生産の増大について、県産米の需要拡大や畜舎等の施設整備、気候変動に対応した桃の作付推進などの人材の確保、育成について、担い手への農地の集約化や岩手県立農業大学校の施設整備などを盛り込んでいます。 また、国の農業構造転換集中対策と連動しながら、国の補正予算を積極的に活用し、圃場整備予算について過去最大規模の150億円を見込んでいるほか、農業共同利用施設の再編、整備について、新たに、県が上乗せ補助を行う経費として約10億円を計上しています。 スマート農業技術の導入について、地域計画の実現や米の生産拡大に向けた取り組みへの支援を強化するため3億2、000万円の予算を見込んでいるほか、輸出拡大について、新たに小規模事業者のトライアル輸出など、約1億5、000万円を計上しています。 こうした取り組みを着実に進めるとともに、ビジョンの施策推進の柱の地域ごとの展開方向に掲げた、水田地帯では水田の大区画化、中山間地域では地域のニーズに合わせた生産基盤の整備、沿岸地域ではスマート農業技術の導入などを推進し、地域の産地力向上を図り、県全体の農業の強化につなげてまいります。 〇佐々木宣和委員 本日の地元紙の1面でも報道されていたところでございますし、この体系立てた予算の説明書もつくっていただいて、非常に見やすくて、わかりやすいと思っております。共同利用施設のお話なども、上乗せ補助ということで具体的に進んでいるところは、本当にありがたいと思っているところでございます。 令和8年度が初年度でございますので、生産力と産地力の向上につなげる取り組みが着実に進んでいくように期待するものでございます。 次に、水産業について伺います。 不漁の構造化と積立ぷらす制度縮小を踏まえ、本県水産業及び漁業協同組合の経営が直面する構造的課題をどのように認識しているのか。下げどめ特例の話ですけれども、制度廃止後を見据えて、漁業者、漁業協同組合経営の持続性を確保するため、水産業の収益構造や経営構造をどのように転換していくのか、方向性を伺います。 〇佐々木副知事 本県の水産業は、漁業協同組合が水産振興の中核的な役割を担い、定置漁業等の自営事業を収益の柱とする中、地域の水産加工業とともに発展してきています。 サケ等の主要魚種の不漁が続く中、定置漁業等においては十分な収益を確保できず、水産加工業では原料の調達が困難になるなど、本県水産業は依然として厳しい状況にあることから、定置漁業や特定魚種に過度に依存しない構造へ転換を図るとともに、漁業協同組合における水産物の販売事業を強化していくことが必要と考えています。 このため県では、海洋環境の変化により増加している資源の有効利用や、新たな漁業、養殖業の導入を推進し、ウニの蓄養、出荷やサケ、マス類の海面養殖が沿岸地域各地に広がっており、県産サーモンの統一キャッチフレーズを関係者で共有するなど、生産と加工、流通分野が一体となった取り組みも進めています。 また、漁業協同組合経営では、県内11カ所のサケふ化場施設を有効活用したサケ、マス類の海面養殖用種苗の生産を支援するとともに、販売事業の強化に向け、水産物のブランド化や新たな商品開発、販路開拓等の先進的な取り組みを学ぶセミナーを開催しています。 こうした取り組みを一層進めながら、本県水産業と、水産振興の中核的な役割を担う漁業協同組合の持続的な発展に向け、市町村や関係団体と連携しながら積極的に支援してまいります。 〇佐々木宣和委員 まず、積立ぷらすの下げどめ特例の5カ年での廃止というところで、令和6年度の漁業自営事業の売り上げが約63億円で、積立ぷらす払い戻し金額が22億円で、このうち16.5億円が下げどめ特例分でございまして、制度依存度が非常に高い。これは本当に頭が痛いというか何と言うか、苦しい数字として見えている状況でもございます。 その中で、次の質問ですけれども、岩手県水産業リボーン宣言と今後の方向性について伺います。 県は、令和4年3月に水産業リボーン宣言を掲げ、水産業再生に取り組んできたところであります。サーモン養殖など海面養殖の拡大が新たな柱として期待されていますが、令和8年度当初予算案の養殖業振興事業費の幾つかは、予算要求時よりも減額されているようであり、生産拡大が漁業、漁業協同組合経営全体にどの程度の経済効果をもたらすのかは必ずしも明確ではありません。 不漁の常態化や積立制度縮小という環境変化の中で、水産業リボーン宣言が本県水産業の構造転換をどこまで実現してきたのか、その実効性の検証が非常に重要であります。 水産業リボーン宣言に基づくこれまでの取り組みにより、本県水産業や漁業協同組合経営にどのような成果があらわれているのか。現行宣言の検証を踏まえ、今後の取り組みの柱をどう定め、どのように水産業の再生を図っていくのか、所見を伺います。 〇達増知事 県では、関係団体と一丸となって水産業リボーン宣言に基づく取り組みを推進し、ウニの蓄養、出荷は16地区に拡大するほか、漁業協同組合経営の安定化にもつながるサケ、マス類の海面養殖は、来年度の生産計画が約4、000トンとなるなど、取り組みが広がっています。 また、海洋環境の変化による海水温の上昇等の影響を踏まえ、高水温に強い養殖対象種として、アサリやヨーロッパヒラガキの事業化に向けた技術開発のほか、いわて水産連携推進会議による生産と加工、流通分野が一体となった取り組みや、漁村の活性化に向けた海業の取り組みも進めています。 一方、サケやアワビ等の漁獲量は回復に至っておらず、大型で遊泳力の高い強靱なサケ稚魚の生産と適期放流や、アワビ等の資源回復に向けた藻場の造成に粘り強く取り組んでいく必要があります。 こうした水産業リボーン宣言において拡大している取り組み、新しい取り組み、必要な取り組みをあわせ、これまでの三つの柱に新たに藻場の再生と海業を加えた五つの柱とするシン・岩手県水産業リボーン宣言を、来週、関係団体とともに行う予定であります。 本県水産業が持つ価値や魅力を発信し、活力ある浜で夢と希望を持って働くことができる水産業の実現に、官民関係者一丸となって取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 シン・リボーン宣言ということでございますけれども、私は質問の中でリボーン宣言の検証という言い方をしました。シン・岩手県水産業リボーン宣言においては、藻場の話であったり海業の話を加えてやっていくということでしたけれども、具体的に何をどのぐらい進めるのかという目標が、今までのリボーン宣言をやった中で、海面養殖の4、000トンというのは、これまでのことを考えるとすごくありがたいと思うのですが、新しいリボーン宣言の中で、どのような具体的な目標を進めていくのか。これからキックオフなのかもしれませんが、その点、具体性ということでどのようなことを考えられているのか伺いたいと思います。 〇佐々木副知事 岩手県水産業リボーン宣言につきましては、漁業関係者でしっかり水産業を振興していこうといった柱を立てて、みんなで取り組んでいこう、漁業に対して前向きに向かっていこうということで取り組んできたわけですが、今般、藻場の再生等、新しく柱を追加して、本県の水産業について、関係者が課題を共有して、より振興につながる、地域の活性化につながるようなことをさらに強化して取り組んでいこうというものであります。この柱立てが、それぞれの事業で、それぞれが取り組んでいる中で、一つ大事なものをみんなで共有したような宣言になります。 そこで、目標云々というところの話ですけれども、本県の水産振興に関してそれぞれの目標がありますので、それを理解しながら、みんなで取り組んでいくことになろうかと思います。 〇佐々木宣和委員 課題認識を共有するとか地域に寄り添ったということですけれども、先ほど申し上げたとおり、具体的に下げどめ特例の話も出しましたし、数字を出したところなのですが、本当に苦しい状態が続いております。 私も、自分の選挙区の漁業協同組合をかなり歩きますけれども、私が行くと、何か新しいことがあるのか、これから新しくこういう事業をやれないのか、いいニュースはないかという話を毎度されるわけです。なかなか苦しいので、新しく思い切ってこんな事業をやらないのか、何かいいニュースがないのかという、やはり具体的な成果を求めているのが実情だと思っています。 課題認識を共有するというのは、みんなわかっていることでもあって―本当に、私も言っていてあれですけれども―専門的な方々が一生懸命頑張っていただいているのはわかっているのですが、シン・リボーン宣言というところでもありますので、何が変わったのかということを明快にしていただきたい。 リボーン宣言からシン・リボーン宣言になって、藻場と海業、これは、もともと県の計画にも書いてありますよということでもあるのですけれども、シン・リボーン宣言になって何が変わるのかということを改めて伺いたいと思います。 〇佐々木副知事 リボーン宣言では、例えば資源回復のところでは、大型で遊泳力の高い強靱なサケ稚魚の放流に取り組んでおります。また、資源の有効活用については、ウニの蓄養の支援を令和7年、今年度は16地区、また、漁業、養殖業の導入に当たっては、サケ、マス類の海面養殖、令和8年度計画で4、000トン強といったものがある中で、シン・リボーン宣言については、この三つの柱に二つを加えることで、より水産業そのものの再生を目指していこうというもので、藻場の再生あるいはいわての海業を加えさせていただいて、活力ある浜をつくり上げたいというような趣旨になっております。 〇佐々木宣和委員 これは、これからもしっかり見ていかなければいけないような案件かと思ったところでございます。 次に、林野火災を踏まえた森林防災体制と県民税活用について伺います。 今回の大船渡市の大規模林野火災を踏まえ、本県森林の防災機能や管理体制の課題をどのように認識しているのか。また、林野火災復旧における県民税活用はどの程度の規模を見込んでいるのか。さらに、今回の使途拡大は大船渡市林野火災への特例的措置なのか、それとも今後の林野火災や森林災害にも適用し得る制度として位置づけていく考えなのか、認識を伺います。 〇佐々木副知事 平成以降で国内最大規模となった大船渡市林野火災においては、改めて森林の有する水源涵養や山地災害防止などの公益的機能について議論され、その重要性が再認識されるとともに、今後の森林管理については、所有者が個人の場合も多いことから、その理解を得ながら行われる必要があります。こうしたことを踏まえ、公益的機能の回復につながる被災した森林の早期復旧を目指すことが必要と考えています。 県では、森林の早期復旧に向け、森林災害復旧事業を最大限に活用するほか、本県の豊かな森林環境を次の世代に良好な状態で引き継いでいくため、いわての森林づくり県民税も有効に活用することとし、新たに、林野火災からの復旧の取り組みを対象に加え、今回の大船渡市林野火災はもとより、今後の林野火災にも対応できる制度としたところであります。 こうした考えのもと令和8年度当初予算案では、林野火災被害木の除去、林野火災跡地の再生に向けた植栽や保育への支援に約4、000万円を計上しており、今後も、いわての森林づくり県民税を活用し、森林の公益的機能を高め、本県の豊かな森林環境が保全されるよう取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 次に、森林の公益的機能と林業生産基盤の強化について伺います。 被災森林の再生を契機として、再造林の促進、森林整備の加速、被災木の有効利用などにより、本県森林の公益的機能と林業生産基盤の強化をどのように進めていくのか。また、現時点で進めている具体的取り組みと今後の方向性をお示しください。 〇佐々木副知事 大船渡市林野火災を契機に重要性が再認識された公益的機能の増進に向けて、伐採後の再造林等の森林整備や県産木材の利用促進など、森林資源の循環利用を進めることが重要です。 このため県では、林業生産基盤の強化につながる林野火災跡地への再造林の促進に向け、森林災害復旧事業を最大限に活用することとし、被災した人工林1、785ヘクタールのうち1、279ヘクタールを事業対象とする計画を国に提出し、計画どおり認められたところであります。 森林整備の加速化に向けては、市、県、関係団体等と設置した大船渡市林地再生対策協議会で、ことし3月末に策定する復旧計画にドローンやデジタル技術などスマート林業の導入を盛り込むこととしております。 被災木の利用促進に向けては、県として初めて、東京都の国産木材魅力発信拠点MOCTIONでのPRを行ったほか、先月には、民間団体等が立ち上げた被災木利用チームが、全国規模の展示商談会で、被災木を活用して製作した合板等の建築材を商社等に直接PRするなど、販路開拓に取り組んでいるところです。 今後も、こうした大船渡市林野火災での取り組みを本県全体の再造林等の森林整備や森林資源の循環利用に生かしながら、森林の公益的機能の増進につなげてまいります。 〇佐々木宣和委員 地域建設業の維持と事業規模確保について伺わせていただきます。 本県の地域建設業は、災害時の応急復旧、インフラ維持、更新を担う不可欠な基盤産業であり、県土の強靱化と地域の安全確保を支える存在であります。特に、近年は大規模災害時における72時間以内の道路啓開体制の確保が強く求められており、地域に即応できる建設業の維持は、防災力そのものに直結する課題となっています。 一方で、担い手確保や経営基盤の維持のためには、中長期的に安定した公共事業量の見通しが不可欠であります。これまで本県では、国の国土強靱化対策に基づき、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の計画の際には、7兆円のもとで本県は約700億円規模、さらに防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の事業規模約15兆円のもとで約1、100億円規模の事業を実施してきたところであり、国土強靱化関連事業は、県内建設業を支える主要な事業源となってまいりました。 地域建設業の維持及び72時間以内道路啓開体制の持続的確保という観点から、県として、将来にわたり必要と考える公共事業量をどの程度と認識しているのか、また、第1次国土強靱化実施中期計画において、本県としてどの程度の事業規模確保を目標としているのか、基本認識をお示しください。 〇八重樫副知事 委員御指摘のとおり、地域の建設企業は、社会資本の整備や維持、管理、災害対応の担い手であるほか、先月、金ケ崎町で発生した高病原性鳥インフルエンザ事案に係る防疫措置に即応いただくなど、地域に欠かすことのできない重要な守り手であると認識しています。 このような中、公共事業による社会資本の整備等は、県民の安全・安心な暮らしを守り、地域の産業や経済を支えるために重要なものであり、公共事業予算を安定的、持続的に確保していくことが必要です。 このため県では、国の経済対策に対応しながら、令和8年度の実行予算額ベースの公共事業費について、震災前の水準を上回る976億円、前年度比5.2%増の予算を確保したところです。 将来にわたり必要な公共事業量については、本県の財政状況のほか、国の公共事業関係費など国費の動向などを踏まえながら、この水準を一つの目安として検討してまいります。 一方、近年の自然災害の激甚化、頻発化など、広大な県土を有する本県にとって公共事業による社会資本の整備等はますます重要になると考えられることから、委員御提案の第1次国土強靱化実施中期計画に係る予算を、最大限確保していく必要があると認識しています。 このような認識のもと、さきの12月臨時会で議決いただいた補正予算では、国が、能登半島地震等からの復旧、復興や、埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえた下水道対策などに多くの予算を割く中、例年並みの事業費を確保したところであり、引き続き、公共事業予算の安定的、持続的な確保に取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 建設事業者の方々は、震災だったり台風だったり、本当に活躍いただいたところでもあります。これから本当に自然災害はいつ来るかわからないところでもありますし、72時間以内の道路啓開の話も非常に重要な観点かと思っておりますので、予算の確保を引き続きお願いしたいと思います。 鳥獣対策、とりわけツキノワグマ対策を担う捕獲体制について伺います。 熊対応の中核を担う銃猟者―第一種銃猟免許所持者ですけれども、昭和51年には約9、000人であったものが、令和6年度には約1、435人と6分の1まで減少しております。極めて危険性の高い捕獲業務を担う人材がここまで急減している現状は、県民の安全確保の根幹にかかわる深刻な事態であると考えます。 また、市街地等での緊急銃猟は、制度上は市町村判断とされていますが、実際に対応可能な人材、体制を持つ自治体は限られており、地域間の対応力格差も顕在化しております。 さらに、昨年の補正予算で措置されたガバメントハンターは、今後、本格的な運用開始が予定されている段階にあると承知しておりますが、広域的、専門的な捕獲体制として実効性ある仕組みとなり得るかは、まさにこれからの準備、運用設計にかかわっていると考えております。 こうした担い手激減と市町村体制のばらつきを踏まえると、今後は、県が主体的に広域的、専門的な捕獲体制を補完、強化していく必要があると考えます。 また、隣県の秋田県では、熊被害が深刻化する中、知事みずからが危機性と緊急性を明確に発信し、自衛隊派遣要請に至るなど、トップとしての強いリーダーシップを示してきました。 本県においても熊出没が常態化し人身被害が発生している現状を踏まえれば、県民の生命、安全を守る観点から、より明確な危機認識の共有とそれに基づく体制強化の方向性をトップみずからが示していくことが重要であると考えております。 伺います。銃猟者担い手の大幅減少と市町村体制の格差が進む中で、現在の鳥獣捕獲体制を県として持続可能と認識しているのか伺います。 〇達増知事 県では、第5次ツキノワグマ管理計画に基づき、専門家の意見も踏まえ、毎年度の捕獲上限数を定めつつ、出没状況によっては上限数を超えた捕獲も行いながら着実に進めており、現計画期間の平均では、上限数をやや上回る程度の捕獲数を確保しているところです。 今後も、持続的に対策を推進していく上で、捕獲に従事する方々の確保は重要な課題であると認識しております。 県では、免許を持たない県民向けの研修会やPRイベントの開催、受験者に配慮した免許試験の実施方法の見直しなどを行っており、近年、受験者数、狩猟免許所持者数とも増加傾向にあり、令和7年度の受験者数は、ここ5年間で最多となっております。 また、緊急銃猟について、県では、マニュアルの作成や説明会の開催、実地訓練の実施を通じて市町村の体制整備を支援してきたところであり、県内の29市町村が、令和7年度末までに実施体制が整う見込みとなっており、残る4市町についても、令和8年度中に整う予定となっております。 野生鳥獣の捕獲については、市町村や公益社団法人岩手県猟友会など関係団体との連携が不可欠であり、これらの取り組みに加えて、県として、ガバメントハンターの任用や緊急銃猟対策チームの運用など、支援体制の強化も図りながら、持続可能な捕獲体制の構築に努めてまいります。 〇佐々木宣和委員 次に、ガバメントハンター制度について伺います。 昨日、ニュースになっておりましたけれども、ガバメントハンター制度について、本格運用に向けた準備状況と広域的、専門的捕獲体制について、どのように機能させていく考えなのか伺います。 〇達増知事 県では、今般、第一種銃猟免許を持ち、県内で豊富な狩猟経験を有する方5名を、ことし3月1日付で県のガバメントハンターとして新たに任用し、自然保護課に配属いたしました。 このガバメントハンターは、県直営で実施する指定管理鳥獣捕獲等事業において、これまで培ってきた専門的な知識、経験に基づき、箱わなの設置による効果的な個体数管理を実施するほか、4月1日付で任用予定の専門職員とともに、被害防止対策に関する市町村への助言などを行ってまいります。 また、必要に応じて、捕獲従事者等のマンパワーが不足し、体制整備が十分でないなどの事情を抱える市町村への助言や支援等にも携わることとしています。 令和8年度は、新たにガバメントハンターを任用する予定の市町村も複数ありますことから、引き続き、市町村や岩手県猟友会、警察等の関係機関とも緊密に連携しながら、県内全域での捕獲体制の強化を図ってまいります。 〇佐々木宣和委員 最後でございますけれども、熊被害対策における危機認識と今後の対応強化でございます。 熊被害対策におけるトップとしての危機認識と今後の対応強化の方向性について、知事の認識を伺います。 〇達増知事 令和7年度は、大量出没があった令和5年度と比較し、人身被害件数は少ないものの、出没件数、死亡事故件数は、現在の統計方法となった平成5年度以降、過去最高となっており、大変憂慮すべき状況であったと認識しております。 特に秋以降、盛岡市の中心市街地でも出没が数多く確認されましたが、盛岡市や岩手県猟友会など関係者の懸命な対応により、中心部での人身被害の発生は食いとめられ、また、県内で発生した死亡事故に関しても、その状況を県内市町村でいち早く共有するとともに、発生の状況を検証し、地域の対策に反映されたところであります。 こうした地域での対応に加えて、県としての主体的な取り組みを進めるため、知事をトップとするツキノワグマ対策関係部局長会議を開催し、本県におけるコロナ禍対策の例にならい、部局横断で取り組むツキノワグマ対策基本方針を策定いたしました。 この基本方針を国や関係者と共有しながら、国の対策パッケージとも連動した緊急銃猟の体制整備や、指定管理捕獲等事業による県としての捕獲の推進、即戦力となるガバメントハンターの任用など、累次の補正予算により順次取り組みを拡充しながら、総合的な対策に取り組んできたところです。 令和8年度当初予算案においても、指定管理捕獲等事業による個体数管理の強化、河川における刈り払い等の出没防止対策の推進、市町村による出没防止対策への支援、専門職員の任用による被害防止対策の推進など、約6億8、000万円の関連事業を計上し、さらに対策を強化することとしており、県民の安全・安心の確保に向け、市町村、岩手県猟友会等とも連携しながら、全庁を挙げて取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 再質問させていただきたいと思います。 秋田県知事が自衛隊の派遣要請をされたということは、かなり大きなニュースになったと思いますし、本県においても、5名のとうとい命が失われるという極めて重大な事態が発生したところでもございました。 本県においては、北海道東北地方知事会で、東北6県の副知事が国に対して緊急要望をしたところでありましたけれども、知事は、今回の熊事案に関して、国に対して何かアクションを起こしたのか、時間のタイミングが合わなかったから要望に行けなかったのか。 危機的な状況ですので、やはりトップリーダーが何か行動する、岩手県チームとしていろいろな取り組みをしたというのは、先ほど答弁いただきましたので理解したところでもありますけれども、対外的に、特に国への要望だったり、先ほど言った、秋田県の知事が、自衛隊に派遣要請したというのは今までにないことでしたから大きなニュースになったところでもありますが、この点に関して、知事はどのような思いを持ってこの危機対応に当たられて、国なりいろいろな関係機関に要請をしようと考えられたのかを伺いたいと思います。 〇達増知事 新しい内閣ができたばかりのときだったと記憶しておりますけれども、自衛隊の派遣については、所管している環境省とどのくらい相談したのか、また、官邸のツキノワグマ対策の体制の中でどのくらい議論されたのか、よくわからないタイミングで自衛隊の出動が決まったようです。 北海道東北地方知事会の場でありましたでしょうか、秋田県知事も、実は自衛隊の派遣ということは、自分はお願いするつもりはなかったけれども、地元からぜひという声もあって、相談に行って、出動になったという話を伺っております。 その間、岩手県は、2年前の令和5年度には、国と緊急銃猟のやり方について、当時の伊藤環境大臣と調整しながら新しいやり方を進め、そして、国の対策パッケージにもつながったところがあり、広く環境省の所管のもとでのツキノワグマ対策全体に関する対策基本方針を岩手県として策定し、それが環境省でも大変参考になったと聞いております。 そのような形で、国でも総合的なツキノワグマ対策ができるよう岩手県からも働きかけ、そして、岩手県内でもそのような包括的な基本方針を策定し、それが、秋田県も含めて、国と県、そして市町村が連携しながら、ツキノワグマに関する未曽有の出没数への対応につながっていったと思っております。 〇佐々木宣和委員 端的に言うと、リーダーとしての行動として秋田県知事の取り組みを一つ例示して、何でそうなったかわかりませんけれども、知事として、これだけ、死亡事案が5件出ている中での行動として、最大の取り組みをしたのかということを聞きたいということでございます。 〇達増知事 令和5年の際に、緊急銃猟というテーマを中心に市街地に熊が出没した場合の対応をかなり国と議論しておいたことが、昨年の、例えば盛岡市内の4カ所での市街地対応にもつながったと思っております。そして、昨年、国が対策パッケージをつくり、岩手県では対策基本方針を策定して、包括的なツキノワグマ対策に国と地方で連動する形をつくったというところに奔走したところであります。 〇佐々木朋和委員長 この際、佐々木宣和委員の質疑の途中でありますが、昼食のため午後1時まで休憩いたします。 佐々木宣和委員、御了承願います。 午後0時0分 休 憩 午後1時0分 再開 〇佐々木朋和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 〇佐々木宣和委員 人口減少対策について伺います。まず、市町村との将来像やビジョンの共有について伺います。 人口減少社会が進行する中で、地域運営は従来の拡大型前提から、人口減少に対する緩和と適応を一体で進める構造へ転換していく必要があります。その前提となるのは、人口減少社会における地域の将来像を県と市町村が共有することであり、いわゆるスマートシュリンクの考え方と軌を一にするものと認識しております。 その基盤となる人口ビジョンについては、県と市町村の推計や前提に差異が見られ、社会増減や産業配置、公共施設配置、行政サービス水準といった将来戦略の前提が十分に共有されているとは言いがたい状況にあります。 人口推計は単なる統計ではなく、財政運営や施設再編、広域的な行政サービス設計の基礎となる将来設計情報であり、その解像度と共有度を高めていくことが不可欠であります。 人口減少社会において、県と市町村が将来像を共有し、人口減少への緩和と適応を一体で進める必要性をどのように認識しているのか。県と市町村の人口ビジョンの共有と解像度向上を今後どのように進めていく考えなのか、知事の見解を伺います。 〇達増知事 人口減少対策を推進する上で、県と市町村が現状を正面から受けとめた上で一体となった施策を展開することが重要であり、そのためには、県民、住民の生活や仕事に寄り添って課題認識を共有することが前提になるものと考えております。 市町村の総合戦略は、自治の原則に基づき主体的に決定されるものではありますが、まち・ひと・しごと創生法に基づき、国の総合戦略及び県の総合戦略を勘案して策定することとされているほか、行政分野別の計画でも、県計画策定時の市町村に対する意見聴取や市町村の計画策定の支援など、県と市町村が人口減少下における認識を共有し、連携して施策を展開しています。 今後、県においては新たな総合戦略の検討を進めてまいりますが、検討に当たっては、人口の見通し等については、国における考え方を勘案しつつ、現状認識や統計データ、推計手法等を幅広く市町村と共有し、各市町村の状況等を十分踏まえながら検討を進めたいと考えており、こうした取り組みを通じ、県と市町村が一体となった実効性のある人口減少対策を推進してまいります。 〇佐々木宣和委員 これは一般質問でもありましたけれども、昨年12月に示された国の地方創生の方向性では、強い経済、豊かな生活環境、選ばれる地方という3本柱のもと、産業と生活基盤の強化を通じて人が選ぶ地域を形成していく考え方が示された。これは、これまでのように人口目標を設定し、その達成のための施策を積み上げる発想から、地域構造の強化を通じて、結果として人口動向が形成されるという考え方への転換を示しているものと受けとめています。 こうした国の地方創生の考え方の変化を県としてどのように認識しているのか。この転換を踏まえて、本県の人口ビジョンを政策体系の中でどのように位置づけていく考えなのか、知事の所感を伺います。 〇達増知事 国では、令和7年6月に閣議決定した地方創生の基本構想において、人口減少を正面から受けとめた上での施策展開を掲げ、強い経済基盤と豊かな生活環境を構築した上で、若者や女性にも選ばれる地方をつくることを今後10年間の目指す姿としています。 令和7年12月に閣議決定された地方創生に関する総合戦略は、こうした基本構想を踏まえつつ、地方の強い経済の実現に力点を置いていますが、この考え方は、本県が国に対して強く求めてきた地方重視の経済財政政策への転換に沿うものであり、歓迎しております。 県では、こうした国の動きを地方の経済状況が相対的によくなる好機と捉えており、国の総合戦略に示された政策ロジックや東京圏以外のGDP成長率などの数値目標も勘案し、新たな県の総合戦略の検討を進めることとしています。 また、岩手県人口ビジョンについては、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略の策定に当たり、その時点における本県の人口の現状等を分析し、人口の展望を示したものでありますが、今般の国の総合戦略は、人口の見通しを示す長期ビジョンを改定せず、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計などを踏まえて策定されたところであり、本県においても、次期総合戦略の策定に当たっては、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計などを踏まえて検討していきたいと考えております。 〇佐々木宣和委員 非常に重要な考え方かと思っておりますけれども、産業を柱として考えて、強い経済、豊かな生活環境、選ばれる地方ということですから、私もいい発想というか、いいと思うのですが、それこそ10年間この人口減少対策をやってきて、人口ビジョンを立てて取り組んできたわけです。その中で、私はかなりローカルな地域に住んでいるもので、人口減少のスピードがかなり速い。だけれども、その数字を追いかけつつ産業も強くしていくという考え方でやっていたものが、かなり変わるというか、経済を強くするというのはそのとおりなのですが、今までの発想と少し変わるようなイメージもあるかと思って、取り組みとしてどう変えていくのかを改めて伺いたいと思います。 〇達増知事 国としても、東京一極集中を是正していく、つまり地方から東京圏への転出超過の数を減らしていきたいという方向性はあると思っております。また、合計特殊出生率を希望している合計特殊出生率に近づけていきたいという、そこは変わっていないかと思っております。 実際、経済に力を入れて地方経済が東京圏よりもよくなっていきますと、1990年代に実際に起きたように地方回帰の人口の動きが実現するわけで、岩手県でも1995年に転出超過329人というほぼゼロを達成した年もありましたので、そういう意味では、今の高市内閣での人口減少対策が、それまでのものと完全に違ったわけではなく、むしろ経済を強調することで、それまでの10年間でできなかったことを少しでも実現しようというものだと思っておりまして、県としてもそういう方向で対応していけばいいと思っております。 〇佐々木宣和委員 次の質問に行きます。県、市町村の実務的一体運営でございます。 人口減少が進む中で行政運営の持続性を確保するためには、県と市町村を広域的な経営体として捉え、行政サービス提供や基盤整備を一体的に進めていく視点が重要であると考えております。 その観点から、市町村のDX支援、基幹システム共同化は、個別自治体支援にとどまらず、広域的行政運営基盤の整備として位置づける必要があります。 また、人口推計を財政運営や公共施設再編等に反映させていく仕組みも、県と市町村の連携の中で構築していくことが求められるところでございます。 人口減少下における行政運営の持続性確保に向けて、県と市町村の実務的一体運営をどのように進めていくのか。また、市町村DX支援や基幹システム共同化を広域的行政運営基盤としてどのように推進していくのか、知事の見解を伺います。 〇達増知事 急速な人口減少下において人材不足が深刻化する中、将来にわたって行政サービスの提供を持続可能なものとするためには、新たな視点での制度の見直しが求められていることから、現在、地方制度調査会において、国、県、市町村の役割の再定義や最適化などの議論が進められており、県においても、地域の特性や市町村の実情を踏まえつつ、広域的な視点を持って持続的に人口減少対策に取り組んでいくことが重要と認識しております。 こうした状況を踏まえ、まずは、人的資源等の不足が顕著になりつつある小規模町村を中心に、県が補完、調整機能を果たしていくことが重要であり、専門職員の確保が難しい市町村に対し、共同採用やスポット派遣など、職員の確保を目的とした各種の人的支援策を講じるとともに、電子申請システムの共同利用等のデジタル技術による自治体連携を推進してまいりました。 令和8年度は、県において新たにデジタル人材を確保し、各市町村の取り組み状況や課題に応じた伴走型支援を全県的に展開するとともに、行政運営の効率化に寄与する共同調達の取り組みとして、県と市町村が連携し、新たに公共施設予約システムの導入を進めることとしており、こうした施策を通じ、県と市町村が一体となった取り組みを進めていく考えです。 今後におきましても、地域住民が将来にわたって行政サービスを享受できるよう、国の議論の動向を踏まえて、適切な検討を進めながら、県と市町村との連携による持続可能な行政運営に取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 続いて、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトについて伺います。 人口減少が進行する県北地域において、産業振興を通じた地域の将来像を県と市町村が共有し、その実現を目指す広域的な地域戦略であると認識しています。 人口減少が進む地域であるからこそ、将来像を明確に共有し、その実現に向けて着実に前進していくことが重要であります。 しかしながら、これまでの進捗管理を見ると、プロジェクト全体としての到達度や地域への効果をはかる評価は行われておらず、個別事業の事務事業評価にとどまっているのではないかと受けとめております。ゾーンプロジェクトという長期的地域戦略でありながら、KPIの設定や達成度評価が十分に行われておらず、プロジェクトとしてのPDCAが機能していないのではないかという問題意識を持っております。 一つ目、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトについて、地域の将来像実現に向けた進捗や達成度を県としてどのように評価しているのか、見解を伺います。 〇村上ふるさと振興部長 11のプロジェクトは、長期ビジョンの終期である2028年度、さらにその先をも見据え長期的な視点に立って進めていくものであり、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトにつきましては、プロジェクトの狙いとして、あらゆる世代がいきいきと暮らし、持続的に発展する先進的なゾーンの創造を掲げ、施策を推進しております。 その進捗状況につきましては、政策評価を通じて進捗管理を行う10の政策分野とは異なり、ワーキンググループのもとで、定性的、総合的にその進捗を確認しながら取り組んでいるところであり、これまで、スマート農業技術の開発、実証や中小企業等の生成AI導入件数の増加、広域周遊モデルルートの造成等による観光入り込み客数の増加、洋上風力やバイオマスなど再生可能エネルギー分野での調査、研究の進展、中山間地域における農村RMO形成、運営支援事例地区の増加、地場産業における担い手の確保、育成や、いわてグリーン農業アカデミーの開講による農業分野の次代を担う人材の育成人数の拡大等、具体的な取り組みが進展し、各分野における実績をプロジェクトの今の姿などで公表しているところでございます。 〇佐々木宣和委員 まず、今回、三つのゾーンプロジェクトについて、事務事業評価の資料をいただいたところでもあります。私も分析してみましたけれども、北上川バレープロジェクト61事業、三陸防災復興ゾーンプロジェクト31事業、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクト44事業で、評価付与率、北上川バレープロジェクト54%、三陸防災復興ゾーンプロジェクト61%、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクト48%で、特に北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトでは、評価未設定事業が半分ぐらいというところでもあります。 事業費ですけれども、北上川バレープロジェクトが7億円余で、三陸防災復興ゾーンプロジェクトが1.6億円、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトが1.4億円から1.6億円で、全体でも10億円から11億円規模でありますから、県土全体の将来像を担うプロジェクトの事業規模としてはどのぐらいのものなのかということも―北上川バレープロジェクトが多いとか少ないとかというわけではなく、全体しての将来像を目指すところで言うと、多いのか、少ないのかどちらなのかという感覚も持っているところでございます。 北上川バレープロジェクトは、企業立地、人材育成と成果指標が比較的明確で進捗把握が可能なのですけれども、三陸防災復興ゾーンプロジェクトと北いわて産業・社会改革ゾーンプロジェクトはなかなかはかりにくいのではないかということ。KPI、成果指標が設定されておらず、既存事業の事務事業評価のみで全体を把握する構造になっているということです。 繰り返しになりますけれども、人口減少が速く進んでいる地域は、より早く将来像に近づく必要があると私は思っておりまして、全体のプロジェクトとして、地域がどのような姿に近づけばその地域の将来につながっていくのかということを、総合的に把握できるような仕組みが絶対に必要なのではないかと。 これは、実は私も10年前にいわて県民計画(2019~2028)を策定したときに提案していればいい話でもあったのですけれども、今になって改めて思っているところですが、全体を把握する必要性に関して、改めて伺いたいと思います。 〇小野政策企画部長 先ほどふるさと振興部長から答弁がございましたように、プロジェクトにつきましては、委員お話しのとおり、長期的な視点に立って岩手県の新しい時代を切り開いていく分野横断的、先導的な施策を推進するものといったことで、また、10の政策分野とは異なって、関連するさまざまな制度、技術革新といったものの進展等に応じて、タイムスパンやゴールを柔軟に考えていくものといったことで、計画の中での立ち位置が違うかと考えております。 そういった中で、これまでの議会の中でも、11のプロジェクトについて、なかなか見えない、見える化を図るべきといったお話をいただいております。そういったことも踏まえて、岩手県総合計画審議会の中で、今後の展望、現状、課題、次年度以降の取り組みについて、わかりやすい形で明らかにするとともに、当初予算案の公表にあわせまして、予算のあらましの後半にございますが、この中でプロジェクトごとの今の姿や今後の主な取り組みについて公表しながら、取り組みを進めているところでございます。 委員御指摘のKPIの設定等について課題はあるかと思っておりますけれども、さまざまな状況変化の中で柔軟に、またプレーヤーも多く加えながら取り組んでいこうといったプロジェクトでございますので、このようなつくりつけになっているものでございます。 〇佐々木宣和委員 次に、運営体制についてですけれども、人口減少が進む地域における将来像共有型プロジェクトとして、県と市町村が成果と方向性を共有しながら推進していく運営体制をどのように構築していくか、知事の見解を伺います。 〇達増知事 北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトでは、大学や市町村を初めとする多様な主体と連携し、さまざまな分野でイノベーションを進めることが重要と認識しております。 令和3年に市町村、大学、企業、NPО法人などで構成する北いわて産業・社会革新推進コンソーシアムを設立し、プロジェクトに関連する実証事業の成果や先進的な事例について、共有を図りながら取り組んでまいりました。 令和7年度は、市町村や多様な関係団体と連携した取り組みを一層充実させるため、ゾーン内の全ての副市町村長にコンソーシアムの理事に就任いただいたほか、生産性の向上や人手不足などの地域課題に対して、生成AIの導入を推進するプロジェクトチームを設置するなど、運営体制の強化を図ったところです。 今後も、今般再構築した体制を基盤とし、理事会やプロジェクトチームなどの各種会議やシンポジウム等の一層の拡充を図りながら、市町村の地域課題を積極的にイノベーションのシーズとして吸い上げ、多様な主体が参画する施策を通じて解決の方向性を共有することにより、北岩手地域の地域特性を生かした産業と社会の発展につなげ、持続可能な地域社会の構築に向けて取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 マニフェストプラス39について伺います。 さまざま質疑はあるところでございますけれども、マニフェストプラス39は、いわて県民計画(2019~2028)やアクションプラン等の県政計画体系の中でどのように位置づけられているのか。県政運営における政策優先度や施策展開にどのように反映されているのか、知事の見解を伺います。 〇達増知事 マニフェストプラス39は、令和5年9月の岩手県知事選挙に当たって、当初、現職知事として、県民とともにつくった県民計画やアクションプランが自分のマニフェストであると述べていましたが、新機軸の公約も必要という声を受けて作成したものです。 5期目の県政に当たり、マニフェストプラス39の各項目に関連する施策を県として法令や計画に基づきながら推進していくため、いわて県民計画(2019~2028)や第2期アクションプランの具体的な施策として、他の施策と合わせて、関連する事業等を予算化し執行しているところです。 また、関連する事業等の予算化に当たっては、他の施策と同様に、県政を着実に推進していくため、定期的に知事初め幹部職員と各部局等との協議を行うとともに、市町村や関連する分野の方々から意見を伺いながら方向性等を決定、確認し、事業に取り組んでいるところです。 〇佐々木宣和委員 次に、進捗と検証について伺いたいと思います。 先ほども少しお話いただいたかと思いますけれども、このマニフェストプラス39に掲げた各施策の進捗状況や達成度を県としてどのように把握、評価しているのでしょうか。また、マニフェスト全体としての実現状況をどのように検証し、県民に示していく考えなのか、知事の見解を伺います。 〇達増知事 マニフェストプラス39の各項目に関連する個々の事業については、その進捗状況に応じて、個別の事業計画などにより見通しをお示しするとともに、予算化する事業については予算案の形でお示し、事業実施年度の翌年度には、政策評価等によりその評価結果や進捗等を公表しています。 また、マニフェストプラス39の各項目に関連する取り組み状況については、県議会議員の皆様に提供している資料において、便宜的に、既に順次実施、事業に着手、具体の検討の三つの区分に整理し、お示ししているほか、県議会での質問に対する答弁によって関連する取り組み状況をお示ししているところです。 また、知事として進捗状況や達成度について何点をつけるかという質問もいただくところでありますけれども、これは行政としての検証、評価ではなく、選挙で選ばれた政治家個人としての選挙公約の検証、評価を求められたものと受けとめております。これに関しましては、何らかの形で公表できるよう検討してまいります。 〇佐々木宣和委員 実は、再質問でそういった話を聞こうかと思っておりましたけれども、まず、マニフェストプラス39と今までの県民計画とアクションプランとの違いは、知事自身が選挙戦において掲げた公約であるということで、岩手県として立てたマニフェストではないということでありますから、この政策に関しては、具体的内容や進捗状況の説明主体は、本来、提示主体である知事にあるものと私は思っております。 そして、これも少しうがった見方というか言い方が悪いのですけれども、これまでの答弁で、各部局が事業として説明できるという趣旨の説明がされておりますが、結局これは、すごくわかりやすい話で言いますと、知事が一番やりたいと思って掲げたものですから、これは責任を持って知事が進めて、説明もするような形が適切なのではないかと思っております。 知事自身が、政治家としてこのマニフェストプラス39の進捗をどのように評価するのかということ、これから出されるという話でもありますので、しっかり見せていただきたいと思っております。 次に、政務秘書のあり方についてであります。 これまで議会において、その業務範囲、必要性、透明性について多くの議論が重ねられ、予算特別委員会においても、透明性の確保などを踏まえ十分に検討することとの意見が付されたところであります。 知事はこれまで、政務秘書は知事の政治活動を補佐する特別職であり、政治領域に属する業務であることを根拠に正当性を説明してこられました。 また、過去の答弁では、政権交代過程への関与や岩手における政治的結集など、国政及び県民運動レベルの政治的影響を政治活動の成果として挙げられてきたところであります。 しかしながら、昨年の9月定例会では、市町村要望という行政領域の場面における知事の政治的発言部分を政務と位置づけ、政務秘書を同席させているとの整理が示されました。 さらに、直近の答弁では、知事は、行政の長であるとともに選挙で選ばれた政治家であり、選挙民の声を踏まえて行政をチェックする立場にもある。その政治活動を政務秘書が補佐するとの趣旨の説明がなされております。 地方自治制度において、知事は行政執行の責任主体であり、行政の適法性、妥当性のチェックは議会及び監査委員が担う制度構造となっています。 執行機関である知事自身が行政チェック主体であるとの位置づけ、その補佐を政務秘書の役割とすることは、制度上の役割整理と整合していると言えるのか、知事の認識をお示しください。また、政務秘書の役割については、従来の政党政治的活動補佐から行政場面での政治判断補佐、さらには行政チェック補佐へと説明が拡張していっているようにも受けとめられます。 このような役割整理の変化は、附帯意見が求めた業務範囲の整理及び透明性確保の趣旨を踏まえたものと言えるのか、それとも政務秘書の関与領域を拡張する運用整理なのか、知事の考えを明確にお示しください。 〇達増知事 知事の制度上の役割は地方自治法第149条の各号に担任する事務として示されていますが、長野県知事特別秘書に係る訴訟の判決にもあるとおり、知事という特別職に属する公務員は、担当する職務の性質上、その政治活動が職務と何ら矛盾するものでなく、かえって政治的に活動することによって公共の利益を実現することも職分とする公務員であり、公務のみならず、その政治的活動にかかわる政務について、公務員としてこれを補佐する秘書を設けることが、その職務の円滑、効率的な遂行に資するものとされています。 政務秘書の役割については、知事の政治活動が法令に反しない限り無限定の自由な活動であり、今までの説明の中で、委員御指摘の政党政治的活動補佐というのは、長野県知事特別秘書に係る訴訟の判例も認める選挙にかかわる部分を、判例等、根拠を確認しやすいものとして紹介したものであり、行政場面での政治判断補佐というのは、日常的で例示しやすい部分を紹介したものであり、行政チェック補佐は、広く政治活動全体の補佐を示すものとして紹介したものであります。 なお、知事が行政をチェックするという考え方につきましては、行政のチェックというのは、そもそも国民、住民が主権者として行うべきものであり、また権利でもあり、そのような国民、住民の中に知事も含まれるものであります。 政治活動としてわかりやすい例からすると、国会議員時代からの志を同じくする後援会の皆さんと、今、県民、国民の生活はどうか、社会、経済がどうなっているかという、真実を追求し、それを共有していく政治活動の中で、行政はこういうことが今足りないとか行政はこういうことをすべきだという行政のチェックが行われるものであります。知事が政治活動として行うことは、何ら妨げられないものでもありますし、上手にやる必要はありますが、うまくやれば公益に資するということだと思います。 そして、業務範囲と透明性についてでありますが、知事の政治活動の本質的な無限定さ、自由さという性格から、説明に難しさはありますが、今まで、議会での質問に答える形で説明してまいりましたし、今後、他自治体の例や内閣の閣僚等の例を参考にしながら、説明を工夫していきたいと思います。 〇佐々木宣和委員 一つずつ確認していきたいと思いますけれども、まず一つ、政務秘書が行政領域に入ることが適当なのかどうなのかということをどう考えるかということです。市町村要望で、私も市町村から広域振興局に対する要望にも立ち会っておりますから、その場面に政務秘書がいらっしゃる。また、災害対応で大船渡市の林野火災の際にもというような答弁もありましたし、例えば業界の方との意見交換会に政務秘書も同行されたということがあります。 これは、知事の行政のトップとしての活動と、要は、政務であることの区別ができないような案件でもありますから、一般職員が対応すべき領域でもあると思いますけれども、これに政務秘書が同行する制度上の必要性は何があるのか、答弁をお願いします。 〇達増知事 これは、内閣の閣僚の政務秘書の動きと似ているところがあるのでわかりやすいと思うのですけれども、大臣が、例えば復興視察に来られるときに、政務秘書も同行し、そして、復興視察という行政事務の執行を大臣が行うと同時に、しかし、そこには大臣が所属する政党の支部の役員や支持者も集まってきて、そこで政務秘書が出てきていろいろ調整するとか、その件はまた後でというようなこともできます。 そして、県内のことで言えば、市町村長の方々とは政務のおつき合いもふだんからありますので、そちらとの関連で、この案件についてはまた別の機会にということが、その場に政務秘書がいれば話が早くなるわけであります。災害の視察については、先ほどの閣僚の政務秘書の例と同じであります。 もう一つ、閣僚の場合、政務秘書は、議員会館の政治家の公設秘書あるいは私設秘書という議員の秘書ではなく、その大臣の省庁の職員になっていて、大臣室のあたりに席も持っているわけですけれども、政務秘書が、そのように行政組織の中に入ることによって、議員秘書が大臣の行政の現場に、例えば大臣室に自由に出たり入ったりというのは問題がありますよね。また、大臣がさまざまな行政の執行を、行政の関係でいろいろな人と話をしている場に、その省庁に属さない議員秘書がそこにいることはやはり問題がある。 きちんと各省庁の、端的には次官の指導のもとに政務秘書を置くことによって、各省庁が守るべき秘密をきちんと守り、大臣の行政が公正中立を外さないように、役所のチェックも受けられるような形にしておくところが、政務秘書を行政の中に入れておくみそであり、岩手県においても、そういう運用がなされているとわかっていただけるのではないかと思います。 〇佐々木宣和委員 私は、最近こういった答弁をいただいたかと思うのですけれども―先ほど答弁されたことと少し重複するようなところでありますが―要は、政治活動補佐のための特別職であるにもかかわらず行政執行の現場に関与することは、政治と行政の境界を曖昧にするのではないかという意見もあると思いますが、それはどう整理して説明するかということをお願いします。 〇達増知事 大臣と政務秘書の関係でもあるように、大臣自体、選挙で選ばれた人が官僚の上に乗るという民主的統制が官僚組織に対して働いているわけで、選挙で選ばれたわけではない官僚だけが行政をやりますと、行政が暴走する危険性があるので、選挙で選ばれた人がトップに乗ってそれをチェックするというのが、民主主義の基本であります。 そのトップにいる選挙で選ばれた人というのは、必然的に行政の外にいろいろな人脈、関係、政治的資産を持っていて、それは真実の追求や真実の共有ということをふだんやっていて、行政の長の仕事にも役立つようなことをしてくれている。 それがごちゃごちゃにならないようにするためにも、行政の中に政務秘書の職を位置づけて、きちんと省庁から給料が出るようにし、何かあったら、その省庁の次官とか―あるいは秘書課長の場合もあるのでしょうか―が、きちんと政務秘書を監督できるようにもしておいてあるということが、民主主義の制度における政務と行政の整理の一つと理解しております。 〇佐々木宣和委員 少しわかりやすく説明いただきたいのですけれども、これは以前も私は総括質疑で知事に問うたことがあるのですが、選ばれ方の違いに関する制度の理解という話です。 知事は、二元代表制で達増拓也と名前を書いて当選された知事ということでございますけれども、総理大臣の話を前にもされましたが、それこそ今回の総選挙もそうでしたが、高市総理の名前を書くことはできなくて、議院内閣制ですから、そのチームの人の名前を書いて、その人が首班指名で高市総理の名前を書く。 選ばれ方が違うので、行政のトップといえど、政治活動に対して考え方が同じでいいのかということを、どう捉えられて取り組まれているのかということをお願いします。 〇達増知事 最後の部分の、行政の考え方と政治の考え方の整理をどうつけるかという趣旨の質問かと伺いましたけれども、民主主義というのは、近代革命以前、王様などが行政をやっていた。そういう行政に対して、民主的統制を加える、選挙で選ばれた人が行政の上に立って、行政が悪さをしない、暴走しないようにするという仕組みでありまして、それは内閣も、大統領制的なところも、知事というものも共通したところであります。 そして、行政というのは、法の支配のもとに公正中立に、あくまで法令条規の執行という形で行われるものなのですけれども、ただ、そのやり方や、また、場合によっては法律を変えなければまずいのではないかということもあります。行政がやっていることが足りない、例えば、女性の社会的地位、ジェンダーの問題、戸籍、住民票上の扱いなどは、今まさにそういう問題なのですけれども、それを必要であれば政治の世界で政策の議論を行い、それを行政に反映させ、ただ、行政としてそれを執行する場合には、あくまで法律に基づいて行う。そこが行政と政治の違いであり、また連携であると理解しております。 〇佐々木宣和委員 少し論点をわかりやすくしたいのですけれども、私が伺ったのは、議院内閣制で選ばれる方が総理大臣をやられる場合の考え方と、知事が知事選挙で選ばれてやる場合に、政務秘書がついて、首長の政治活動を補佐する役ですけれども、選ばれ方が違うことによって、政治活動をするに当たっての考え方というか、要は、二元代表制で選ばれているので、いろいろな考え方、話し方、チームの方々から支援されるような形で選ばれているということですから、その方と、政党を背負って立って戦っている方の政治活動は違うのではないかということをお伝えしているわけですが、改めてお願いします。 〇達増知事 政治は原則自由に行われるものでありますので、政党に所属しながらの政治活動も、政党に所属しない形での政治活動も、本質的には真実の追求と真実の共有ということに関しては同じだと思います。 〇佐々木宣和委員 改めて整理をしていきたいと思いますけれども、長野県知事特別秘書に係る訴訟判例を理由として政務秘書は必要であるとおっしゃっていたわけですが、行政のチェックという話も知事はおっしゃられるようになって、その責任範囲が曖昧になると仕事も曖昧になるのではないかということが、まず、私は一つ心配なことです。要は、行政職でやられている方がいるところに政務の方が入ることによって、意思決定プロセスが曖昧にならないかということをどう担保しているのかを、改めて伺いたいと思います。 〇達増知事 まず、行政は公正中立であることが担保されるよう、法律に基づいて行われなければならないということが厳にありますので、行政は、そのように公正中立性が担保されているということです。 一方、普通の一般職の職員でも行政の仕事をしながら政治活動をしてもいいわけですけれども、ただ、公務員以外と比べたとき、地方公務員法によって制限が加わるということがあります。そのように、法律は微妙に行政と政治のすみ分けを規定しているところであります。 そして、特別職の知事、副知事、また政務秘書につきましては、一般職員以上に政治の自由が認められていて、そうしたことを役立たせながら、行政の仕事は公正中立に行っていくということであります。 〇佐々木宣和委員 私も少し頭が混乱してきたようなところでもあります。 政務秘書の問題に関して、議会側から何度も質問されているわけでございますけれども、業務範囲の必要性、透明性ということが附帯意見に書かれているところですが、改めて、その附帯意見をどのように受けとめたのかということ、ここから整理していきたいと思います。お願いします。 〇達増知事 附帯意見は重く受けとめているものであります。一方で、例えば業務範囲については、そもそも知事の政治的役割が、法令に反しない限り無限定で自由なものですので、それを補佐する政務秘書の業務範囲も、なかなか説明が難しいのですが、そこは何とか工夫したいと思っております。 ちなみに、戦後岩手県の歴代知事は、7人中5人が国会議員の経験を経て知事に就任しておりまして、国会議員時代の政治的経験や蓄積を生かして、政務秘書の補佐を受けながら国会議員が行うような政治活動も日常的に行っていて、今日に至っております。 他県の知事の中には、国会議員を含め選挙で選ばれる公職の経験がなくて、知事就任後、政治活動をほとんど行わないスタイルの方が多数見受けられますので、そういうところでは、政務秘書による補佐を必要としていないのかもしれません。 そのように、知事によって、政務秘書による補佐を必要としない知事も確かにいるものですから、なかなか政務秘書の業務範囲一般を説明するのは難しいし、また透明性についても、大臣に同行して歩いている政務秘書の活動の透明性を、各省庁においてどのくらい担保しているかも、なかなか公表しているものが見つからなくて難しいのではあります。しかし、議会の決議は重く受けとめておりますので、うまく説明の工夫をしていきたいと思います。 〇佐々木宣和委員 先ほどの大臣の政務秘書が、専門的な省庁の方が政務秘書としてついていて、その大臣が行政のトップとしての活動範囲を、制限ではないですけれども、しっかりそれをやるようにというようなことをおっしゃられたかと思うのですが……そうではない。もう一度、その点を伺います。 〇達増知事 我々におなじみなのは、地元選出の国会議員が大臣職につかれて、ふだんはその方の議員秘書をやっている方が、政務秘書としてその省の中にきちんとポストを確保して、必要に応じて同行したりしている例があるから、それがわかりやすいかと思って申し上げました。 人によっては、議員秘書で各省庁の動きに対応できる人がいない、各省庁の仕組みがわかっている議員秘書がいない場合には、官僚を政務秘書にしているケースがあることは承知しております。 〇佐々木宣和委員 これは、この前の私の一般質問への答弁の中で、市町村要望の際に知事が答弁されることが、要は県行政としてつくった答弁よりも踏み込んでお話をする、政治家として踏み込んで話をするということもおっしゃられたのですけれども、これもまた、行政の公平中立性というところで言うとわからない答弁だったので、これも説明いただきたいのですが、お願いします。 〇達増知事 私がかつて外務省で働いていた官僚時代の経験からしますと、官僚あるいは役人からしますと、きちんと役所の中で積み上げて、ほかの省庁ともすり合わせて確立した大臣の答弁、発言要領を、大臣の政治的な判断でその場で変更して発言されることは、事務方にとっては非常に困ることでありました。 ですから、知事査定というものが年を越えて2月定例会直前にあって、本来、予算というのは知事査定で確定しますし、その知事査定のところで知事の自由度を最大限確保しておくためには、それ以前には、予算に関する知事の意見は言わないでおくほうがいいところもあるのです。 他方、要望というものに対しては、その場で何か返事をするものという作法もございますので、それに関して知事が何も発言しないのも何なのですが、ただ、そこで課長レベルが作成した対外応答要領を知事が棒読みするのも、何のために知事がそこにいるのかよくわからないということなので、県職員が困らない程度に、県職員がそれまで踏み込んでいなかったところに、知事として政治責任で踏み込んだ発言をすることを、実は市町村要望の際にやっております。 これは非常に難しいのですけれども、だんだんなれて、やれるようになってきましたので、今そのようにやっているところです。 〇佐々木宣和委員 よくわからないのは、行政として決めたことを逸脱しない程度に、市町村に寄り添った温かい答弁をするように努力されているというような話を政務秘書がフォローされているという話なのですか。もう一度よろしいでしょうか。 〇達増知事 そう思っていただいて結構です。 〇佐々木宣和委員 それは、関係性の話でもあるので否定はしませんけれども、行政体とすれば何か違和感があるような形なのですが、それはまた知事は政治家だからという話になるのですか。この点も伺いたいと思います。 〇達増知事 そういうこともあって、私はしばらく市町村要望の場に直接出ないようにしていた時期もあったのでありますけれども、やはり市町村長の話を直接知事が聞き、また、知事も何か話すほうが好ましいという意見もたくさんいただいていますので、予算が形成されるかなり初期の夏の段階で、市町村要望に出て、何か話をするということをやっているところであります。 それは、事務方にとっては非常に危なっかしい、怖いことを知事がやっているということではあると思うのですけれども、長年蓄積してきた信頼関係があるので、任せてもらっているところです。 〇佐々木宣和委員 言える範囲でいいですけれども、何か具体的に、知事がコメントしたことによって変わったこと、要は、事務方が決めたことから変わったような話というのはあるのでしょうか。 〇達増知事 正確に思い出せないのですけれども、一方、知事が、公衆の面前で事務方が積み上げてきたことを真っ向から否定するのは、県職員のやる気の問題からしてもよろしくないので、先ほど述べたように、県職員が明確に言葉にはしていなかったけれども、実はそれもいいかと思っていたことを、知事が自分の言葉でつけ加えたような形で進めていると理解していただけばいいと思います。 〇佐々木宣和委員 聞くと、やはり公平中立性に関して、それは違和感があることではないかと思うのです。私は、むしろ知事はこれまでそういうものを丁寧にやられてきたようなスタイルだったと思います。意思決定に関してもプロセスを踏んでやっていく。それをきちんと答弁されるスタイルだったと思うのですけれども、これは、議会から要請されたのでそういうスタイルになったということですか。どういう発想ですか。 〇達増知事 実際にやりますと、市町村側から非常に喜んでもらえることもあり、市町村のためにも、これはやったほうがいいかという感じも受けているところであります。 〇佐々木宣和委員 これは、例えばですけれども、変な話ですが、首長が勘違いしたらまずいところでもあると思うのですが、その辺の整合性が少しわからないのです。何で首長は知事に出席していただきたいかというと、決裁で一番レイヤーが高い方に説明したいということだと思っているのです。それがあるので説明を一生懸命するわけですけれども、かえって惑わすような発言をする意味が、私はよくわからなくて。もう一度よろしいでしょうか。 〇達増知事 そういう意味では、市町村要望では、私は発言は控えて聞き役に回ることがいいのかもしれませんので、委員の御指摘を踏まえて少し考えさせていただきたいと思います。 〇佐々木宣和委員 むしろ私が言いたいのは、議員として立ち会っているときに、そこまで踏み込んだ発言をしているのかというような観点でもいるのです。何とか道路がつくりたいのです、ぜひあの道路を見ていただきたいですという話もあるではないですか。そういった要望などもあるときに、それを受けたとして、例えば行政としての答弁は変わらないけれども、期待させるようなことを言ってしまうと、かえって混乱させるようなこともあるかと思ったりもするので、検討していただきたいという表現になるのでしょうか。 次に、国政との関係と要望活動についてでございます。 知事は、国政との関係構築や要望活動をどのような基本方針で進めていく考えなのか。また、どの分野を重点として、どの程度の要望活動を展開し、体制と戦略性を持って政策実現につなげていくのか、県益実現に向けた対外政治機能の発揮のあり方について認識を伺います。 〇達増知事 県と国の関係や国民や県民の利益を追求する政策実現については、国政であれ県政であれ、行政として法の支配のもと公正中立であるべきものであります。 県では、日常的に担当者間で関係省庁と課題やニーズを共有し、国と地方が一体となって国民、県民の福祉の向上に向けて直面するさまざまな課題に対応しており、制度の見直しや予算の確保などが必要な事項、また、災害等特別な措置を講じる必要がある事項については、知事が直接国に働きかけることが効果的であると考えております。 県においては、こうした考え方に基づき、前年度の政府予算等への反映状況や市町村からの要望、関係団体との意見交換等の内容も踏まえ、県政課題全般のほか、東日本大震災津波からの復興や地方創生の取り組みなどについて、国に対する提言や要望活動を行っております。 また、国に対する要望に先立ち、県選出国会議員に対して、県から要望事項等について説明、意見交換を行い、要望の実現に向け御支援、御協力をいただいているところです。 さらに、国際リニアコライダーの実現に向けた岩手県国際リニアコライダー推進協議会や、地方創生や人口減少対策を推進する日本創生のための将来世代応援知事同盟等の志を同じくする団体、全国知事会、北海道東北地方知事会などと連携して国に働きかけることも、県の政策実現のためには重要であると考えます。 〇佐々木宣和委員 最後の質問でございます。 二元代表制における知事の立ち位置について伺いますけれども、地方自治における二元代表制のもとで、知事は、行政執行機関の長であると同時に、県を代表し対外的に県の利益を実現していく政治主体でもあります。 人口減少と地域間競争が進む時代において、知事の政治的役割は、単なる行政執行を超え、地域の将来像を体現し、国、市町村、産業、県民を結びつけながら地域の利益を実現していく、地域を導く政治主体であるとも考えます。 二元代表制のもとで県民から直接選ばれた知事には、県庁組織の内部統制とガバナンスを確立しつつ、政策実現の仕組みそのものを不断に見直して変革していく統治責任があると考えます。 伺います。二元代表制における知事の立ち位置と政治的役割について、みずからの立ち位置と政治的役割をどのように認識しているのか。県民の代表として対外的に地域の利益を実現していく政治機能をどのように発揮していくのか伺います。 〇達増知事 委員から、知事は、行政執行機関の長であると同時に、県民を代表し対外的に県の利益を実現していく政治主体でもありますと述べられたと今聞き取れたところなのでありますけれども、知事が県や県民を代表するのは地方自治法上の職務であり、対外的に県の利益を実現することも地方自治法上の職務であります。これらは、行政として、法の支配のもと公正中立に行われるべきことであります。 これに対して知事の政治的役割は、法令に反しない限り無限定で自由なところに特徴があると考えておりまして、先ほど述べたように、戦後岩手県の歴代知事、7人中5人の国会議員経験のある知事は、私も含めてでありますが、そうした政治的役割も、そのときそのとき果たしていたと思います。 私は、県の代表としての活動と地域の利益を実現する活動は、法の支配のもと公正中立な行政行為として進め、政治活動としては、自由に、真実を追求し、真実を共有するスタイルで、国民、住民が何に困っているか、どうすれば解決できるか、新しいやり方はないか等、行政とはまた別に、国民、県民と追求、共有していきたいと考えております。 〇佐々木宣和委員 内部統制とガバナンスの確立及び政策実現の仕組み改革をどのように進めていく考えなのか、基本認識を伺います。 〇達増知事 本県では、内部統制制度に関する改正地方自治法の施行に先行して制度を導入し、会計検査院との人事交流や広域振興局への審査指導監の配置により、内部管理体制の強化に継続的に取り組むなど、全庁を挙げて効率的な業務遂行や事務の適正性、透明性の確保を推進してまいりました。 本年度においては、重点的取り組み事項として、業務進捗の可視化、業務の平準化及び適切なリスク評価を掲げ、効果的な取り組みの横展開や研修の充実による職員の資質向上など、より実効性のある取り組みを通じて、組織的なリスクマネジメントを強化し、不適切事案の再発防止、未然防止に取り組んでおります。 今後におきましても、内部統制の推進を通じて、組織的なチェック体制を強化することで、政策の実効性を高め、県民の信頼に応える、より質の高い行政運営を進めてまいります。 〇佐々木宣和委員 知事の強い権限と政治的立場が、対外的戦略と内部統制の両面からいかに岩手県の利益実現のために用いられていくのか、極めて重要であると考えております。 人口減少が進行する地方においてこそ、地域社会の基盤や県民生活を守り抜く責任と同時に、新たな時代に向けた変革へ挑戦していく姿勢が求められていると考えます。 我が自由民主党会派といたしましても、政治は国民のものとの原点に立ち、県民の負託に応えるべく、守るべきものは守り、変えなければいけないことには果敢にチャレンジしていく姿勢で、真摯かつ誠実に取り組んでいくことをお誓いして、終わります。(拍手) 〇佐々木朋和委員長 次に、千葉秀幸委員。 〔千葉秀幸委員質問者席に着く〕(拍手) 〇千葉秀幸委員 改めまして、希望いわての千葉秀幸でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、私からも、今般の高病原性鳥インフルエンザの対策について、伺ってまいりたいと思います。 まず、先月21日に金ケ崎町で発生した高病原性鳥インフルエンザの事例を伺います。 今シーズンとしては県内初、全国20例目の事例となりました。1農場当たり56万羽の殺処分数は、本県では過去最大規模となります。これら防疫作業に従事された県職員や建設業関係者など、全ての関係者に、まずは感謝申し上げます。 過去最悪レベルとなった昨年度に比べれば、その発生件数や殺処分数は抑えられていますが、高病原性鳥インフルエンザの発生防止対策は、本県の主要産業である養鶏業を守る上でも当然重視すべきと考えております。 そこで、これまでどのような対策を講じてきたのか、課題があれば、その対応策も含めて伺います。 〇佐々木副知事 県では、昨年度の高病原性鳥インフルエンザの連続発生を踏まえ、平時から発生防止対策を強化することとし、養鶏農場に対して、立木伐採など農場に野鳥を寄せつけない取り組みのほか、鶏舎内外の点検、修繕や、靴、衣服の交換、消毒の徹底等を指導しています。 昨年9月には、農場管理者を対象とした連絡会議を開催し、各農場における優良事例の共有、専門家の助言を踏まえた対策の強化にも取り組んでいます。 また、国では、昨年10月に飼養衛生管理基準を改正し、新たに、大規模農場を対象に、鶏の羽毛やふんが乾燥して舞い上がった粉じんの鶏舎内への侵入を防ぐ対策や、分割管理の導入の検討とともに、発生リスクが高い地域として指定する大臣指定地域における消毒薬の備蓄、野鳥の生息状況の確認を義務づけたところであります。 本県は、この大臣指定地域に指定されたところであり、昨年12月の補正予算により、消毒薬など資材の備蓄を支援したところです。 令和8年度当初予算案では、ドローンを活用して鶏舎の屋根を点検する取り組みや、鶏舎の入気口へのフィルターの設置に要する経費を盛り込み、対策を強化することとしております。 今般、金ケ崎町の事例もあったところでありますが、今後も、高病原性鳥インフルエンザの発生防止に向け、生産者や関係機関、団体等と緊密に連携して対応してまいります。 〇千葉秀幸委員 さまざまな対策をしながら、あるいはこれからもより強力に進めていくという話でございますが、そういう取り組みもしながら、今般もやはり発生してしまったわけでございます。基本的なところでございますが、今後も予防に向けて全力を尽くしていただくことを、改めて私からもお願いしたいと思います。 令和8年度予算案について伺います。 知事は、先日の記者会見で、令和8年度当初予算案を公表するに当たり、その予算編成に込めた思いを、県民一人ひとりの地方創生予算と表現されました。 人口減少、物価高対策、産業振興、医療、介護、福祉分野の充実、ツキノワグマ対策など、県民が直面する多くの課題に対して、多岐にわたる施策が盛り込まれていると承知いたしております。 また、令和8年度当初予算案におきましては、前年度から400億円を超える大幅な増となりました。通常分の予算額についても、新型コロナウイルス感染症対策、物価高分を除くと7、039億円となっており、20年ぶりの7、000億円規模となったわけでございます。 さらに、令和5年度から令和8年度を期間とする第2期アクションプランにおいて、自然減・社会減対策、そして、GX、DX、安全・安心な地域づくりの4項目に重点投資する方針が示されておりますが、その最終年度となる令和8年度当初予算案には、これら四つの重点項目に対して、過去最大となる1、000億円余の措置がされているところであります。 そこで、令和8年度当初予算案を編成するに当たりまして、県民生活や地域経済にどのような効果を期待しているのか、知事が意識した分野、事業があれば、その率直な思いをお伺いいたします。 〇達増知事 令和8年度当初予算案は、東日本大震災津波からの復興の推進とともに、四つの重点事項を中心に、県民一人一人の暮らしを守りながら、世界に開かれた地方創生を大きく展開していく時期だからこそ、県民一人ひとりの地方創生予算と名づけ、県民一人一人を意識した県政を進めていこうとするものです。 四つの重点事項の主軸である人口の自然減・社会減対策では、ジェンダーギャップの解消や産後ケアの充実、仕事と子育ての両立に向けた企業の一般事業主行動計画の策定への支援、全国を対象とする新たな移住支援金制度によるU・Iターンの促進などに取り組んでまいります。 また、キャッシュレス決済ポイント還元などの物価高対策やツキノワグマ対策など、県民の生活、仕事を守るための施策を強化するとともに、国際スタートアップカンファレンスの開催や東南アジアへのトップセールス、海外からの誘客プロモーションなどにより、世界に開かれた地方創生をさらに進めてまいります。 こうした各般の施策により、県民一人一人が安心して暮らせる岩手、国内外から選ばれる岩手としての姿をより確かなものとし、県民の幸福―ウエルビーイングの向上につなげてまいります。 〇千葉秀幸委員 過去最大となる予算だということで、さまざまな施策、新規事業も盛り込まれておりますが、成果が出ることを大いに期待したいと思います。 今回の施策を、これまでもそうですが、いつ評価をしていくのか、あるいはいつまでに、どのような成果を期待していくのか。短期で成果が期待できるもの、あるいは、これから質問していきますが、長期的に見るもの、さまざまあると思いますが、ビジョンを明確にしていただきまして、成果に反映されることを期待してまいりたいと思います。 令和8年度当初予算案の歳入面を分析すると、物価高を背景とした地方消費税や個人所得の伸びを反映した個人県民税の増などもあり、一般財源は前年度から142億円の増となりました。 一方、歳出面を分析すると、給与改定に伴う給料や退職手当などの人件費が112億円の増、税収と連動した市町村へ支出する税関係交付金や社会保障関係費などの補助費等が163億円の増など、義務的経費や制度的な支出も増加しております。 現在の社会情勢を踏まえると、今後も予算が拡大していく局面が継続するものと推察されますが、県財政の持続可能性との両立を図っていく姿勢を堅持し、財政健全化指標や中長期的な財政運営にどのような影響を及ぼすのか注視していくことが重要であります。 将来世代への負担も抑制しながら、県民が求める必要な施策を着実に推進していくため、知事は、予算拡大局面における持続的な財政運営をどのような考えで進めていくのか伺います。 〇達増知事 今般の令和8年度当初予算案については、県税等の収入は前年度から比較し増加しているものの、義務的経費等の増加も大きく、依然として39億円のマイナスの収支ギャップが生じております。 昨今の物価上昇の状況等も踏まえますと、今後も、県税等の増収が見込まれる一方、金利上昇に伴う公債費の増といった影響も想定され、厳しい財政状況は継続していくものと考えます。 住民のニーズに的確に応えつつ、さまざまな行政課題に対応しながら一定水準の行政サービスを安定的に提供していくためには、施策の推進を支える安定的な行財政基盤を構築していくことが重要であります。 各種基金の有効活用、ふるさと納税など、あらゆる手法による歳入確保に取り組むとともに、歳出水準の適正化と限られた財源の重点的、効果的な活用に努め、持続的、安定的な財政運営を行ってまいります。 〇千葉秀幸委員 金利上昇に伴う県民生活、県内経済への影響についてでございますが、日本銀行の金融政策を見れば、今後も金利上昇は続いていくものと見込まれております。 県民生活では、預金金利や住宅ローンの変動金利の上昇、経済活動でも融資金利の上昇など、既に影響が生じておりますが、これまでの低金利政策が異常でありまして、ある意味では正常に戻ったものと捉えられ、一定の金利上昇そのものは避けられない社会環境の変化であると受けとめております。 一方、株式会社帝国データバンクの2025年12月調査によりますと、企業の借入金利が0.25%上昇すると、新たに1.6%の企業が経常赤字に転落する可能性があると試算するなど、急激な金利上昇は、県民生活、経済活動に悪影響を与えることも懸念されておりますが、県としては、金利上昇について、県民生活や経済活動への影響をどのように把握し、対策を講じていくのか、見解を伺います。 〇小野政策企画部長 金利上昇の影響と対策についてでありますが、日本銀行は、令和7年12月の金融政策決定会合において、政策金利を現行の0.5%から0.25%上げ、市場金利が0.75%程度で推移するよう促すことを決定いたしました。 帝国データバンクの12月調査では、委員御指摘のとおり、企業の借入金利の上昇によって、新たに1.6%の企業が経常赤字に転落する可能性があると指摘されております。 金利上昇の背景といたしまして、食料品や電気、ガス料金の上昇のほか、円安による輸入コストの増大などに伴い物価高が長期化していることから、政策金利の引き上げによる金融の引き締めを行い、インフレの抑制を図っているものと承知しております。 一方、金利の上昇は、委員御指摘のとおり、県民の預金金利や住宅ローン変動金利の上昇、事業者の融資金利の上昇などへの影響が及ぶものと考えております。 これまで県では、県内中小事業者の資金繰り対策といたしまして、相談窓口の開設や商工指導団体による個別相談を実施してきておりますほか、物価高対策として、累次にわたる補正予算の措置により、生活困窮世帯を初めとした生活者支援、広く県内中小企業の各分野に向けた事業者支援を講じてきております。 また、令和8年度当初予算案では、新たに家計負担の軽減や観光需要の喚起策などの施策を盛り込んでいるところでございまして、引き続き、金利の状況を踏まえつつ、地域の実情に応じたきめ細かな支援が可能となるよう、必要な支援策を機動的に講じてまいります。 〇千葉秀幸委員 金融機関の方々に話を聞いても、金融機関というのは、預金を融資や投資運用して利益を出す仕組みだということからしますと、この恩恵を金融機関や職員が受ける感覚は当然なくて、大切なことは、生活者に負担が増すだろうという厳しい見方をされているのが実態とおっしゃっておりました。 改めて、双方にバランスのとれた金利で推移させることが求められるのだと感じた次第でありますので、今後の金利変動についても、当局には注視をしていただきたいと感じています。 マニフェストプラス39について伺ってまいります。 知事が掲げたマニフェストプラス39を具体化する重要な予算でもあると受けとめております。物価高を背景とした地方消費税や個人県民税など歳入が増加しておりますが、人件費、税関係の交付金、社会保障関係費など歳出の増もあり、財政運営は依然として厳しい水準にあります。 その中で、どのような優先順位で予算分配を行い、どのような成果を導き出すのか、限られた財源の中でマニフェストの着実な推進が求められますが、令和8年度当初予算におけるマニフェストプラス39の反映状況と特に注力した項目について、知事の所見を伺います。 〇達増知事 令和8年度当初予算案においては、マニフェストプラス39に関連する子育て支援策、いじめ・不登校対策、中小企業振興、移住・定住施策など、幅広く既存事業の拡充を図ったほか、無痛分娩の実施に向けた医療機関への支援や、複数市町村で共同実施する産後ケアの新規実施、受け入れ枠拡充への支援など、さらなる新規事業についても盛り込んでいるところです。 また、施設整備においても、中山の園の整備に係る基本設計、実施設計等の経費のほか、県立職業能力開発施設再編整備基本計画の策定に向けた経費を計上するなど、その熟度に応じて令和8年度当初予算案に盛り込み、取り組みを進めています。 今後とも、これまでの財源確保の取り組みを一層強化するとともに、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めつつ、マニフェストプラス39関連施策を初め、必要な施策の推進に取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 マニフェストに掲げられているハード整備のうち、今回最も前進した項目がリハビリテーションセンターのサテライト施設ではないかと考えております。先般の提出予定議案等説明会におきましても、県立釜石病院の建てかえとあわせて、回復期リハビリテーション病棟が設置されること、令和14年度の開設を目指す方針が示されたわけであります。 県立病院の経営環境が厳しい見通しの中で、140億円を超える大規模投資を決定したこと、医療資源が乏しい沿岸部にあっては、より身近な地域で医療提供体制が拡充されることなど、心強い決断をしていただいたと私は思っております。 改めて、リハビリテーションセンターのサテライト機能を県立釜石病院に設置する狙い、期待する事業効果など、知事の所見を伺います。 〇達増知事 高齢化が進行する中、脳卒中患者などの予後の改善や社会復帰、在宅高齢者の自立支援等を図る上で、心身機能や日常生活活動等の向上に資するリハビリテーションは、一層その重要性が増しています。 本県の急性期から回復期までのリハビリテーションを実施している医療機関は内陸部に集中しており、今後増加が見込まれる脳梗塞等の脳血管疾患や骨折等の運動器疾患などに対応するため、沿岸地域の県立釜石病院に回復期リハビリテーション病棟を整備することとしたところであります。 現在、沿岸地域において回復期リハビリテーション医療が必要な患者のうち約4割が盛岡保健医療圏で受療している状況にあり、これらの多くの脳血管疾患等によるリハビリ患者については、今後、身近な沿岸地域で受療できるようになるものと考えております。 〇千葉秀幸委員 今度は、リハビリテーションセンターのサテライト施設に関連して、県立病院の経営見通しについて伺いたいと思います。 医療局は、未曽有の経営危機に直面する中にありまして、あらゆる経営改善に向けた施策を総動員するため、令和7年度から令和12年度までを期間とする岩手県立病院等の経営計画を策定いたしております。 先日提案された令和7年度岩手県立病院等事業会計補正予算(第1号)を見ますと、国や一般会計からの特別な支援を反映した赤字額が約29億円であることから、それら特別な支援を見込まない令和8年度の赤字額が約33億円というのは、必要とする診療報酬の水準に至っていない状況において、努力を重ねた数値として高く評価するものであります。 そこで、県立釜石病院の建てかえという大規模投資に着手するわけでありますが、県民への医療提供体制を持続可能なものとするため、どのような考え方で病院経営を進めていくのか、その基本方針を伺います。 〇小原医療局長 県立病院の経営についてでありますが、人口減少や医療の高度、専門化といった環境の変化に加え、物価高騰や賃金上昇など医療を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあります。 このような中にあって、県立病院では、目下の課題である経営危機への対応について、まずは収益確保に向け、救急や地域の医療機関との連携強化等により入院患者の確保を進めていくほか、今般の診療報酬改定の効果を最大限取り込むべく局内にプロジェクトチームを設置したところであり、医療の質の向上と診療報酬の獲得に努めてまいります。 また、生成AIやRPA等の活用を積極的に進めるとともに、給食業務における食器洗浄ロボットの導入など、DXによる業務の効率化や経費の節減等の取り組みについても、不断の改善を継続してまいります。 県立釜石病院の建てかえなど必要な投資を着実に行いつつ、収益強化、経費節減の両面の取り組みを職員一丸となってさらに強化し、県民が県立病院に期待する役割をしっかりと果たしてまいります。 〇千葉秀幸委員 診療報酬改定の影響についてでありますが、昨年末、診療報酬の改定案が示されたところであります。その改定率は、令和8年度及び令和9年度の2年度平均でプラス3.09%とされております。2月には中央社会保険医療協議会から改定案への答申がなされ、徐々に改定内容が明らかになりつつあるところであります。 まずは、この改定案について、県立病院の収益に与える影響額の見通しを伺いたいと思います。また、県では、診療報酬の改定に向けて、あらゆる機会を通じて要望を重ねてきたと思いますが、今回の改定率をどのように受けとめて評価しているのか、あわせて伺います。 〇小原医療局長 県立病院の診療報酬改定の影響についてでありますが、さきに公表されました中央社会保険医療協議会の答申等をもとに、現在、新たな試算を行っており、現行の施設基準を横置きに積算いたしますと、入院収益の単価は令和7年度から2、000円程度上昇し、結果、入院収益は患者数の増加分と合わせて36億円程度増収するものと見込んでおります。 予算編成時点では2、200円から2、300円程度の単価上昇を見込んだところであり、現時点で、その見込みには幾分届いていない状況ではありますが、今般新設された入院基本料区分など上位施設基準への移行なども検討し、さらなる単価増に向け情報収集や移行に向けた体制整備等を進めてまいります。 今般の診療報酬改定による増収見込みの大部分は基幹病院が占めており、急性期病院の窮状について一定の配慮がなされたものと考えておりますが、依然として巨額の赤字経営を見込まざるを得ない状況に変わりはなく、まずは、経営改善に向けたみずからの努力を継続しながら、地方財政措置の拡充なども含め必要な要望等を言ってまいります。 〇千葉秀幸委員 改定案が示されたわけでありますが、依然厳しいというところが実態であろうと私も捉えております。 再質問させていただきたいと思うのですが、令和6年度の国の補正予算による病床数適正化支援事業については、第1次内示では公立病院は対象外と示されたところであります。これは、本県においても非常に重要な問題だと思っておりまして、国会の場で木戸口英司参議院議員に奮闘していただいたことも把握いたしております。 第2次内示では、公立病院も補助対象となったわけですが、突如上限が追加され70床にとどまりました。つまり14億円程度を見込んでいたものが、内示率17.2%の2.5億円でありました。加えて、休床の場合は半額となる、まさに後出しじゃんけんの方針も示されたと私も理解いたしております。 支援スキームも、厚生労働省から県を経由して医療機関という手順が、県ではなく基金管理団体を経由することになり、交付スピードにおくれが生じるのではないか等、疑問が強まるばかりであります。 令和7年度の国の補正予算について、基金管理団体を通じて交付されることとなっていますが、いまだ交付のめども示されておらず、早期に交付手続を進めること、また、令和6年度に申請した削減病床分については、休床済み病床であっても当初の要件どおり満額交付すべきと考えますが、県の認識を伺います。 〇小原医療局長 委員御指摘の病床数適正化支援事業につきましては、これまで、令和6年度補正予算額が申請額に対し大幅に不足していることから、速やかに追加交付されるよう、国に対し全国自治体病院協議会等と連携し、要望してまいりました。 今回措置されました令和7年度における同事業の要件では、委員御紹介のとおり、休床済みの病床の補助額は単価を半減すると公表されていますが、この件について、県立病院としては、令和6年度中に国の方針を受け、いち早く地域医療構想調整会議での調整を終え、病床削減を申請しております。 国が方針を示したことによって手続をとったものでありますので、少なくとも令和6年度中に手続をしている医療機関に対しましては、令和6年度に示した要件の交付がなされるべきものでありますし、そもそも支援パッケージとして示されている事業でありますので、速やかな交付がなされてしかるべきものと考えており、引き続き、関係団体等と連携し、国に対し強く要望してまいります。 〇千葉秀幸委員 御答弁ありがとうございます。医療局長と全く同じ認識でおりました。 県は、先ほど答弁もございましたが、入院患者の受け入れ増、あるいは施設基準の取得次第では、さらなる単価増を可能と見込んだり、さまざま工夫されながら最大限努力されていると思っております。ぜひとも、先ほど申し上げた課題等も踏まえて、国に訴え続けまして、病院経営の改善に向け、引き続き御尽力を賜りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、物価高対策について伺います。 県ではこれまでも、全国に先駆けたトップレベルの賃上げ支援金など、先般の12月臨時会までに総額127億円の物価高対策を講じてきました。これらの支援も活用しながら県内企業は懸命に努力されておりますが、長引く物価高に賃上げが追いつかず、各家庭からは、家計負担の軽減を求める声が大きいと感じています。 今般の衆議院議員総選挙においても、消費税減税が一つの論点となり、今後の議論の推移を見守りたいところでありますし、国から市町村には、食料品高騰支援として別枠で交付金が措置されており、県内市町村でも検討が進められているところです。 このような中で、県においても、令和8年度当初予算案に家計負担の軽減を目的としたキャッシュレス決済を通じた独自支援が示されました。 そこで、この支援策の具体的な内容、時期、期待する効果などを伺います。 〇佐々木副知事 物価高騰の影響を受けている県民生活を支援するとともに、事業者の経営を下支えするため、県ではキャッシュレス決済を活用したポイント付与を行う、いわて県民応援プレミアムポイント還元事業を実施して、家計負担の軽減と消費喚起につなげたいと考えております。 具体的には、対象となるキャッシュレス決済を利用して対象店舗で物品やサービス等を購入した方に、消費額の20%相当額をポイント還元するもので、ポイント還元原資は10億円、キャンペーンの実施時期は、令和8年8月ごろを予定しております。 前回実施した令和4年度に比べてキャッシュレス決済の普及が一層進んでいる状況を踏まえ、今回の事業においても、多くの県民や事業者に活用していただき、物価高騰の影響を受けている県民生活の支援や消費喚起による県内経済の活性化につなげていきたいと考えております。 なお、10億円分のポイント還元を行った場合には、50億円の需要が喚起され、総務省が公開する経済波及効果簡易計算ツールで試算しますと、約85億円の経済波及効果が見込まれるところです。 〇千葉秀幸委員 次に、観光事業者への支援についても伺ってまいります。 観光事業者への支援策といたしまして、県内宿泊施設の宿泊料金の割引策も講じられます。 観光産業は、お土産購入や宿泊施設における食事提供などを通じた地場産品の消費拡大、認知度向上、公共交通や観光施設の利用客の増加など、地域経済を支える裾野が広い産業分野であります。 本事業について、多くの方に利用していただきまして、地域経済の活性化や観光事業者の経営改善などにつながり、好循環を生み出していくことを期待いたしますが、事業の狙い、支援策の実施時期、具体的な内容についても伺います。 〇佐々木副知事 本事業は、物価高騰の影響を受けている県内観光関連事業者を支援するとともに、地域の観光消費を促し、宿泊、飲食、交通など幅広い分野への波及効果を生み出し、観光需要の拡大につながる流れをつくることを目的として実施するものであります。 実施時期は、令和8年7月から9月までの夏季期間と、10月から令和9年2月までの冬季期間であり、予約サイトを通じて県内宿泊施設を利用する方を対象として行うものであります。 割引額は宿泊料の2分の1以内とし、夏季は上限3、000円、冬季は上限5、000円としております。県北・沿岸17市町村の宿泊施設利用の場合は、さらに2、000円を上乗せし、事業を展開していく考えです。 〇千葉秀幸委員 この支援の中でも本当に大切なことは、今回、宿泊割を通じて県外から本県に来訪された方々に対して、単発事業で終わるのではなく、本県のファンになっていただくことが重要だと思っております。 今後も、一度そういった事業を活用しながら県外から来県された方々が、リピーターといたしまして二度、三度と岩手県にまた来ていただくことが重要と考えますが、それらの対策について伺います。 〇佐々木副知事 直近の令和6年の岩手県観光統計によりますと、本県への訪問回数が2回以上と回答された旅行者の割合が74.4%と、多くの方にリピートいただいております。また、総合満足度においても80.2%が満足と回答するなど、岩手県は高い評価をいただいていると思っております。 こうした岩手県の食や自然、歴史、文化、人々との交流等の魅力ある観光資源をさらに磨き上げることが、岩手ファンの拡大、さらなるリピーターの拡大につながると考えており、いわて観光キャンペーン推進協議会等関係者と、さらに観光地、観光資源のさまざまな磨き上げ等を関係者一体となって取り組んでいき、また、データマーケティングなどのデータも活用した観光地域づくりなども行ってまいりたいと考えております。 〇千葉秀幸委員 ぜひ、その辺も検証していただきながら、岩手県に来る魅力、観光事業者への支援に結びつくことを期待いたしております。 さらなる物価高対策についてでございます。 県では、今般の2月補正予算における県立病院の経営安定化支援20億円も含めた令和7年度の累次の補正予算で148億円、令和8年度当初予算案で27億円、総額175億円の物価高対策を講じております。賃上げ支援金の募集も先月から始まりましたが、これら支援策を早期に執行し、支援を必要とする方々に確実に届けていただくようお願いしたいと思います。 一方、国から分配された重点支援地方交付金の活用状況を見ますと、これは一般質問でも出ておりましたが、本県には東北地方で最も多い約180億円が配分されましたが、現時点で約60億円の残額が生じております。 賃上げの動きは今後もとまらない見通しを踏まえますと、引き続きの物価高対策を求める声は当然強くなっていると感じておりますが、今後の物価高対策に係る知事の見解を伺います。 〇達増知事 これまで県では、累次にわたる補正予算の措置により、生活困窮世帯を初めとした生活者支援、広く県内の中小企業や運輸、交通事業者、農林漁業者、介護、福祉、医療施設等、各分野向けの事業者支援を講じてまいりました。 また、令和8年度当初予算案には、キャッシュレス決済ポイント還元などの物価高対策を盛り込んでおり、生活者、事業者を支え、県民の暮らしを物価高から守る施策を進めてまいります。 物価高の影響が続く中、賃上げに向けた春闘、診療・介護報酬の改定などの影響も見きわめつつ、県民生活や県民経済の状況に応じ、県民に寄り添った施策を機動的に講じてまいります。 〇千葉秀幸委員 この物価高対策は、ぜひとも、これからも危機感を持っていただきながら、まだまだ高どまり、あるいはもっと上がってくるのではないかとも想定されますので、まずは、皆様の声に耳を傾けていただきながら、特に、次の6月補正予算ぐらいには期待していきたいと考えております。 震災対応事業について伺います。 国の第2期復興・創生期間が令和7年度で終了し、令和8年度から新たなステージに移行いたします。県では、さまざまな機会を通じて復興財源の確保を提言し、心のケアなど多くの事業について、引き続き国からの財政支援を確保できたことについて、評価するものであります。 一方、被災者支援総合交付金の対象事業の見直しなど、事業規模の縮小を強いられる取り組みも生じており、私は、被災者の生活支援の継続に向けて、市町村とも連携を図りながら、必要な対策を講じることが重要であると考えています。 そこで、令和8年度の震災対応事業について、どのような視点を重視したのか、国の復興財源の変化を踏まえて、県ではどのような対策を講じたのかお伺いいたします。 〇大畑復興防災部長 県では、令和8年度におきましても、心のケアや水産業の再生など被災地において必要とされる事業が進められるよう、国の復興の基本方針も踏まえ、国や市町村と協議、調整を図るなどしながら、復興事業の内容等を調整してまいりました。 令和8年度当初予算案には、こころのケアセンターや被災者支援センターの運営、スクールカウンセラー等の配置に必要な予算のほか、水産業の再生に取り組む予算などを盛り込んだところであり、財源には、引き続き国の復興施策を活用しながら、一部に一般施策も活用しております。 国の復興施策による支援が終了する取り組みのうち、災害公営住宅自治会への支援につきましては、自治会の要望も踏まえつつ、新たな県単独事業を予算案に盛り込み、専門家、市町村と連携した取り組みを進めることとしております。 〇千葉秀幸委員 被災地の心のケアについては、これからも継続的に支援が必要だと思っております。 インフラ再建について、唯一継続していた閉伊川水門工事が令和8年度で最終年度となり、防潮堤や三陸縦貫道なども整備が進み、一定の道筋が見えてきました。 また、被災事業に対して、交付決定ベースで約1、600件、約920億円の支援を行ったグループ補助金が終了し、コロナ禍による経済の停滞、融資返済など道半ばでありますが、商工関係団体や産業支援機関等による伴走支援など、通常施策を基本に対応していくものと認識いたしております。 そこで課題となるのは、先ほども申し上げました心のケアに関する対策であります。国の財政支援は継続されたものの、阪神・淡路大震災の例を見ても、将来的な縮小は避けられないものと考えます。 岩手医科大学や市町村、NPO等の民間団体など、県以外の主体との連携、意思疎通が欠かせないと考えますが、心のケアに関する被災地ニーズに対して、中長期的にどのような方向性を描いているのか、現時点での考え方を伺います。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 被災地の心のケアについてでありますが、国の復興基本方針においては、心のケアなどの被災者支援については、ソフトランディングのため、真に必要な範囲で第2期復興・創生期間の後も、復興施策による対応も行うとされたところであります。 本県の沿岸市町村は、医療機関や専門職が少ない地域である一方で、相談支援ニーズは依然として高い水準にあることから、当面の間は、国の復興施策の活用により、こころのケアセンターを一定規模で維持しながら、被災者に寄り添った専門的な支援を継続する必要があると考えております。 今年度実施いたしました沿岸市町村との個別の意見交換では、これまでのこころのケアセンターとの連携により、実践的な知識やノウハウの蓄積が進んでいるとの評価がある一方で、多くの市町村からは、複雑、困難な相談などに対する精神科医などの専門家による助言、支援の継続を求める声が寄せられております。 このため、令和8年度以降は、一般施策も活用しながら、専門家と連携し、地域の支援者の複雑、困難な事例への対応力向上に取り組むこととしており、中長期的な視点に立って、市町村や保健所を中心とした包括的な支援体制の構築に取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 ハード面の整備がおおむね完了いたしましても、岩手県議会でも、東日本大震災津波復興特別委員会がいまだ設置されている状況です。やはりそれは、まだまだ被災地に対しまして、心のケアが中心だとは思いますが、手を差し伸べなくてはいけない実態があるからだと私なりに理解いたしております。それは、やはり心のケア等を含めて、改めて、いまだ苦労されている方々に寄り添う、また、その支援を継続しなくてはいけないということであります。 国の支援も重要でありますが、県としても、誰ひとり取り残さないという信念のもと、必要があればこれからも―必要なのですが―継続した支援を求めていきたいと思っております。 自然減対策について伺います。 県では、第2期アクションプランの初年度となる令和5年度予算において、全国トップレベルの子育て支援策となる第2子以降の3歳未満児の保育料無償化や在宅育児支援金を創設しました。その後も、新婚世帯に対する県独自支援金、妊産婦の通院アクセス支援額の引き上げ、産後ケア事業の利用促進など、市町村とも連携を図りながらさまざまな対策を講じてきました。 一方、本県の出生数を見ますと、2024年の出生数は初の5、000人割れとなる4、896人、合計特殊出生率も1.09人と、前年度から0.07人下回っています。国、県、市町村が総力を挙げて対策を講じているものの、いまだに目に見える形での事業効果の発現には至っていないのが現状です。 そのような中、自然減対策をこれからどのように進めていくのか、県の考えを総括的に伺います。 〇達増知事 県ではこれまで、少子化対策の要因分析から有配偶率の向上、有配偶出生率の向上、女性の社会減対策を三つの柱として総合的に取り組みを進めてきたところであり、委員御紹介の第2子以降の保育料無償化や在宅育児支援金の支給を行うなど、子育て世帯の経済的負担の軽減に力を入れて取り組んでまいりました。 令和8年度は、三つの柱を県民に対してよりわかりやすく発信する観点から、出会いや結婚を応援、出産や子育てを応援、女性の活躍を応援に見直すとともに、これまでの取り組みに加えて、新たに無痛分娩の導入支援や不妊治療の交通費支援拡充、産後ケアの受け皿拡充に係る経費を当初予算案に盛り込み、妊娠、出産の安心を高めるための取り組みを強化することとしています。 また、結婚や出産は一人一人の自由な選択に基づくものであり、その選択を尊重し、希望する生き方の実現を応援することが自然減対策の基本であるという考えのもと、若者のライフデザイン形成支援を三つの柱に共通する施策として位置づけ、ジェンダーギャップの解消にも資するプレコンセプションケアと一体で推進していくこととしております。 今後も、これらの施策に体系的に取り組み、県、市町村、関係団体が一体となって、安心して生み育てられるいわての実現に向け、自然減対策を力強く進めてまいります。 〇千葉秀幸委員 全国的にも非常に厳しい中でありますから、当然、東北地域や地方はもっと非常に厳しい中だと改めて思っております。この対策に関しましては、短期での成果は非常に困難であると私も思っております。しかしながら、県と市町村が連携したことで、全市町村で保育料が同水準で無償化される環境が整ったことは、地域間格差の是正につながったと思っておりまして、こういったものも高く評価しなくてはいけないと思っております。 また、子育て世帯の経済的負担の軽減が図られること等を踏まえ、引き続き継続した支援をされ、そして、近い将来には、数字的にも成果が見られることを期待していきたいと思っております。 先ほどの御答弁にもありましたが、無痛分娩についても伺います。 令和6年度の無痛分娩の割合を見ますと、全国は16.2%となっております。10年前は2.3%とのデータもあり、上昇傾向にありますが、本県には、本格的に無痛分娩を取り扱っている医療機関がないため、県外まで移動するための身体的、経済的負担が課題でした。 これらの現状を踏まえ、令和8年度予算案において、無痛分娩の実施に必要な経費を支援する制度が創設されたこと、県内の複数の医療機関で前向きに検討が進められていることについて、私も大きな期待をいたしているところでありますが、麻酔科医や産婦人科医の確保、育成などの課題も引き続き抱えております。 県としまして、無痛分娩を希望する妊産婦に安心してもらえる医療提供体制を整えることが重要と思いますが、この補助制度の活用も含めて、課題認識と進め方について伺います。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 無痛分娩の実施においては、麻酔の使用といった通常の分娩とは異なるリスクもあるため、国における無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言では、安全に無痛分娩を行うことのできる体制として、無痛分娩に係る麻酔管理などができる医師の配置や無痛分娩を担当する医療スタッフの技術的水準の確保などが必要とされております。 現在、県内の分娩取扱施設では、この国の提言による体制を満たすことが難しいことなどから、本格的に無痛分娩を行っている分娩取扱施設はない状況となっております。 このため、令和8年度当初予算案に無痛分娩実施体制整備費補助を盛り込んだところであり、安全に無痛分娩を行うために必要な研修費や医療機器等の購入費を支援することで、本県においても、無痛分娩の実施を希望する分娩取扱施設に対する支援を行い、安全に無痛分娩が実施できるよう取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 他国の例も見ますと、無痛分娩が当然のような国もあれば、日本のように、まだなかなか進まないところもあるわけでございますが、無痛分娩の実施を希望しているクリニックに支援する事業だという御答弁もいただきました。しかしながら、一方では、無痛分娩についてもメリット、デメリット等もあるようでございますので、それらについて正しい理解をしてもらうことも加えて大切だと思いますので、そちらの周知もよろしくお願いしたいと思います。 次に、産後ケアについて。 現在、県内で宿泊型産後ケアの宿泊型を提供できる地域は、盛岡市と奥州市に限られ、特に分娩施設がなくなった釜石地域を中心として、医療資源が限られている沿岸地区においては、その実現を求める声が大きいところであります。 また、産後鬱や強い不安を抱えるケースが増加傾向にありますが、地域によっては、産後ケアの利用まで1カ月あるいは2カ月待ちが常態化している現状を踏まえると、提供体制を充実させていくことが必要です。 これを受けて、県では、令和8年度予算案において新たに産後ケアの立ち上げ、拡充に必要な経費を支援する県独自制度を盛り込んでおりますが、この支援を通じて、どのような事業効果を期待しているのか。特に、産後ケアの宿泊型の提供地域は拡充されるのか、現時点における考えを伺います。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 産後ケア受け皿拡充事業についてでありますが、本事業は、複数の市町村から産後ケア事業を受託する産科医療施設などに対して補助などを行い、複数市町村の共同実施による体制の構築を支援するものとなっております。 これにより、産科医療施設等が限られた地域においても、産後ケアの新規実施や受け入れ枠拡充が進み、市町村が希望する産後ケアの提供につながることを期待しているものであります。 宿泊型の産後ケアについては、令和8年度から県立釜石病院で新たに実施される予定であり、沿岸圏域での拡充が見込まれるほか、複数の市町村や産科医療施設等において、実施に向けた協議が行われていることを把握しているところであります。 県といたしましては、産後ケア受け皿拡充事業を活用しながら、丁寧な調整を行い、宿泊型産後ケアの実施を検討する市町村や医療機関等の取り組みを支援してまいります。 〇千葉秀幸委員 現在、岩手県の周産期医療圏は四つに区分されています。広域な県土も考えますと、四つの圏域より広くなることは、当然望ましくないと私は考えております。そういったことから考えますと、産後ケア施設も、盛岡圏域だけに偏ることなく、四つの圏域にバランスよく整備されてもいいのではないかと、これは個人的な考えですが、感じております。 宿泊型もさることながら、デイサービス型の産後ケア施設についても、先ほど申し上げた提案を含めて今後検討いただきたいと思いますが、所見を伺います。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 デイサービス型の産後ケアについては県内23市町村において実施されており、県北や県南、沿岸地域においても、委託に限らず、市町村直営でも実施が進められているところであります。 一方で、未実施の市町村や実施していても予約待ちが発生している市町村もあることを踏まえ、県といたしましては、産後ケア受け皿拡充事業を活用し、複数市町村が共同で実施できる体制の構築を支援することで、産後ケアの新規実施や受け入れ枠拡充が進み、デイサービス型の産後ケアを実施できる体制が県内全域に広がっていくことを期待しているところであります。 引き続き、市町村が目指す産後ケアの実現に向けて、市町村や医療機関等との丁寧な調整、支援に取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 23市町村でデイサービス型は進んでいるということで、これは評価させていただきたいと思いますが、一方では、宿泊型についても課題があると思いますので、先ほど申し上げたことも含めて御検討いただきたいと考えております。 次に行きます。令和8年度から小学校の学校給食費の抜本的な負担軽減がスタートする見通しであります。おおむね平均月額5、000円前後、年間6万円前後の負担であり、これを6年間とすると約36万円、子供の数が2人なら72万円となり、決して少ない負担ではありませんでしたので、これに対する支援として全国共通施策が措置されたこと自体は、評価するものであります。 しかし、国は唐突に都道府県に2分の1負担を求めるスキームを提案し、全国知事会でも議論されたところであります。令和8年度は地方交付税で全額措置される見通しであるものの、安定財源が明確に示されず、令和9年度以降に先送りされた格好となっており、制度の安定性が懸念される状況であります。 県としては、今般の小学校の学校給食費の抜本的な負担軽減についてどのように評価しているのか、教育長の見解を伺います。 〇佐藤教育長 県はこれまで、学校給食費の無償化は、自治体の財政力の差などによらず、全国どこの地域においても同等な水準で行われること、さらに、長期的な視点で切れ目なく行うことが重要であることから、国全体として学校給食費の負担のあり方を抜本的に整理した上で、学校給食費の無償化を実現するよう国に要望してきたところです。 今般の国の小学校における学校給食費の抜本的負担軽減の取り組みは、全国どこの地域においても同等な水準で行われる点において、県の考え方に沿うものです。 また、この負担軽減の取り組みが、長期的な視点で切れ目なく行われるよう、国には、責任を持って恒久的な財源を確保してもらいたいと考えております。 〇千葉秀幸委員 国は基準額を5、200円に設定いたしましたが、令和7年5月時点でこれを上回る単価で徴収している市町村数は12あり、基準額に合わせて引き下げるのか、または超過分を保護者負担とするのか、市町村が単独で支援するのか、検討が必要となるわけであります。 また、令和8年度の取り組み予定を見ますと、6、000円を超えているのは7市町村ありまして、多くが5、200円でおさまらない状況となっております。超過分への対応をどうしていくのかが改めて問われるわけであります。どこも負担せずに、育ち盛りの子供たちの給食が減食されることはあってはいけないと考えております。 しかしながら、小学校の学校給食費の運営主体は市町村であります。県は、これらの課題をどう想定されるのかについても伺います。 〇佐藤教育長 基準額を超える部分については、学校給食法に基づき、引き続き保護者から給食費を徴収することが可能であること、また、特色ある給食の提供に係る各省関係事業等を柔軟に活用可能とし、各市町村の工夫で、さらなる負担軽減を行うことも可能であることが、国から示されたところです。 委員から令和7年5月時点の状況を御紹介いただきましたが、現在、県教育委員会におきまして、県内市町村の令和8年度学校給食費の検討状況について調査しているところでありますが、2月26日時点で、未定の4自治体を除く29自治体について、学校給食費が基準額を超過するのは27自治体となっており、そのうち24自治体が、基準額を超える部分を自治体負担とすること、残り3自治体は、検討中となっているところであります。 県教育委員会としましては、引き続き、市町村教育委員会と連携し、学校給食が児童生徒の心身の健全な発達に資するよう取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 わかりました。まだ未定のところももちろんございますので、市町村も含めて御理解賜りますようにお願いしていかなければいけないと思っておりますし、最初に質問したとおり、来年度以降、先送りされている財源についても、しっかりと国にも求めていただきたいと考えております。 次に、社会減対策について伺ってまいります。 国では、新たにふるさと住民登録制度を創設するなど、関係人口の拡大に向けた取り組みを強化する方針を示しており、県においても、県独自移住支援金や首都圏における相談窓口の開設、各種イベントや企業、大学訪問等を通じた直接的なPRなど、さまざまな対策を講じてきております。 一方、先月の公表資料によれば、東京都は転入者が転出者を上回る転入超過が6万5、219人。人口が流出する転出超過は40道府県に上るなど、東京圏への一極集中という大きな流れを変えるまでには至っておりません。 令和8年度当初予算案には、社会減対策や関係人口拡大策として多くの新規、拡充事業が盛り込まれておりますが、どのような戦略をもって若者、女性の転出超過という流れを変えるとともに、関係人口の拡大に取り組んでいくのか、基本方針を伺います。 〇達増知事 本県の社会減は、東京圏との経済状況の差などを背景とした若年層の転出超過を主な原因としており、経済団体を初め多様な主体と連携して、オール岩手で人口減少対策に取り組み、本県が若者、女性に選ばれる地域となることが極めて重要であります。 また、東京圏への一極集中の流れを変える上で、地域外の人材が地域と多様にかかわる関係人口の重要性がますます高まっていることに加え、生活圏や経済圏の広域化が強まっていることから、広域振興局を核に、各市町村の人口減少対策を伴走支援していく必要があります。 こうした状況を踏まえ、令和8年度は、市町村や地域の状況に応じた取り組みの強化、ジェンダーギャップの解消を2本の基軸とし、希望する仕事や働き方の実現、岩手での定住、移住、岩手との交流や関係づくりをそれぞれ応援する社会減対策の3本柱を強力に推進するとともに、国が新たに創設するふるさと住民登録制度に呼応し、広域的な関係人口拡大施策を展開することで、新たな人の流れを生み出しながら、地域の実情に応じた社会減対策に取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 移住支援金について伺いたいと思います。 地方への移住を促進するため、内閣府は、令和元年度に移住支援金制度を設けましたが、支給対象者が23区内に限定され、令和6年度の本県利用実績は177人にとどまるなど、本県転出超過5、000人から6、000人という規模を考えると、その効果は限定的です。 また、県では、東京圏在住者を対象とした独自の移住支援金を令和3年度に創設し、これまで約150人の利用実績となっておりますが、東京圏以外の移住者も一定数存在し、移住された方からは、対象地域の拡充を求める声も聞きました。これらが背景にあり、県は、市町村と連携した全国を対象地域とする制度として再構築いたしました。 岩手県の住みやすさなども積極的にアピールすることも重要と考えますが、移住支援金を全国に拡充した狙いと期待する事業効果を伺います。 〇佐々木副知事 国の学校基本調査を用いた推計によりますと、県内の高校生の進学先は関東地方が約4割と一番多く、残りの約6割は全国に広がっております。 また、令和6年度住民基本台帳人口移動報告によりますと、本県への20歳から39歳までの転入者のうち約7割は、東京圏以外からの転入となっています。 こうしたことから、東京圏のみならず、全国の若者、女性に対し本県への移住を促すメッセージを強く発信し、一人でも多くの移住に結びつけるため、これまでの議会での議論も踏まえ、令和8年度から、市町村と連携し、全国を対象とする新たな制度として、いわて若者U・Iターン支援金を実施することとしたものであります。 本支援金は、個々の市町村の実情に合わせた移住施策となるよう、要件設定等で市町村の自由度を高めており、地域の特色を生かした移住支援策として積極的に活用いただくことで、特に、小規模町村における移住支援策の取り組みのさらなる充実に資することを期待しております。 〇千葉秀幸委員 先ほど御答弁もありましたが、関東圏域以外にも多くいらっしゃるということでございますので、対象地域を拡充していただいたことは、私も大きく御期待させていただきたいと思っておりますし、新たに市町村にも財政負担をしていただいて支援を拡充されたことは、加えて、高く評価させていただきたいと思います。これをきっかけに、本県に移住者が多く来てくれることを私も期待してまいりたいと思います。 〇佐々木朋和委員長 この際、千葉秀幸委員の質疑の途中でありますが、10分間ほど休憩いたします。 千葉秀幸委員、御了承願います。 午後2時57分 休 憩 午後3時16分 再開 〇佐々木朋和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 〇千葉秀幸委員 それでは、GX、DXの推進について、本県が果たすべき役割について伺います。 国は、2050年カーボンニュートラルの実現を掲げ、脱炭素と経済成長を同時に実現するGXを成長戦略の柱に位置づけており、再生可能エネルギー資源、森林資源、広大な土地を有する地方こそが主役になり得る分野であると考えています。 県では、県有施設の脱炭素化も含め、脱炭素社会の構築に向けて取り組みを推進しているところでありますが、昨今の気候変動や海洋環境の変化にも対応した施策を講じていくことも必要と考えております。 GXの推進に向けて、岩手県こそが果たすべき役割、取り組み方針について、総括的に知事に伺います。 〇達増知事 近年、世界各地で猛暑や渇水、台風、集中豪雨などの異常気象が頻発し、本県においても、農産物の品質の低下、災害の増加、熱中症リスクの増加など、気候変動は県民の暮らしに大きな影響を及ぼしています。 このため、GXの推進はますます重要になっており、国際社会の一員として、本県の有する全国2位の森林面積や全国トップクラスの再生可能エネルギーのポテンシャルを生かしながら、地球温暖化の抑制に貢献することが求められていると考えております。 県では、いわて県民計画(2019~2028)の第2期政策推進プランにおいて、GXの推進を重点事項に掲げ、省エネルギー対策の推進、再生可能エネルギーの導入促進、森林吸収等の多様な手法による地球温暖化対策の推進の三つの柱のもと、県民理解の増進や事業者の脱炭素経営、森林整備や藻場再生等に取り組んでいるところです。 今後も、地域経済と環境に好循環をもたらす持続可能な脱炭素社会を実現し、県民生活のウエルビーイングにつなげるよう、市町村や関係団体と連携しながらGXを推進してまいります。 〇千葉秀幸委員 GXについて、もう一つ再質問させていただきます。 本県もさまざまな取り組みを進めておりますが、県内企業等に対する太陽光発電やEV、蓄電池等の整備を一体的に支援する県事業の実績が低調となっております。 県内における太陽光発電や蓄電池の普及に向けた支援を加速させる必要があると考えますが、現在の考えや取り組み状況について伺います。 〇佐々木副知事 県では、事業者が太陽光発電設備と蓄電池やEVを一体で整備する場合の支援のほか、自家消費型太陽光発電設備を導入する際の支援も行っております。令和8年度当初予算案においても、これらに対する補助経費を盛り込んでいるところです。 また、県内事業者の先進的取り組み事例をまとめた岩手県脱炭素経営事例集を活用して、太陽光発電やEV等の導入メリット、各種補助制度の活用事例を事業者に伝えながら、間接的ではありますが、事業者のGXに向けた取り組みを支援しております。 参考までに、県の企業局においては、市町村が公共施設へ太陽光発電設備などを導入する経費の支援を行っております。こうした公共施設への積極的導入は、民間事業者の取り組みを喚起することにもつながり、官民挙げてこういった流れになればと思い、積極的に取り組んでいきたいと思います。 〇千葉秀幸委員 どうぞよろしくお願いいたします。 水産分野についてです。 本県の水産業は、東日本大震災津波によって大きな被害を受け、ハード、ソフト両面の支援により一定の回復はなし遂げたものの、その道のりはいまだ途上にあると考えます。 さらに、近年の海洋環境の変化により、主力魚種の不漁による漁業経営の不安定化、これら現状による担い手確保の不足などの課題が顕在化しております。 今後は、高水温に強い魚種、養殖への転換、新たなビジネスや加工、流通との連携など、とるだけではない水産業への転換が必要と考えます。 そこで、海洋環境の変化を踏まえ、本県の水産業の将来像をどのように描いていくのか、転換していくのか、県の方向性を伺います。 〇佐々木副知事 主要魚種の不漁が続く中、定置漁業等においては十分な収益を確保できず、水産加工業では原料の調達が困難になるなど、本県水産業は依然として厳しい状況にありますことから、定置漁業や特定魚種に過度に依存しない構造への転換が必要だと考えております。 県が関係団体とともに宣言した、先ほども議論がありましたが、不漁に打ち勝つ!シン・岩手県水産業リボーン宣言においては、増加している資源の有効利用に向け、ウニの蓄養、出荷は16地区に拡大、蓄養ウニを高鮮度で首都圏に届ける物流モデルの構築等に取り組んでいるところです。 新たな漁業、養殖業の導入に向けては、高水温に強いアサリやヨーロッパヒラガキの事業化に向けた技術開発を進めるほか、サケ、マス類の海面養殖は、令和8年度の生産計画が約4、000トンとなるとともに、いわて水産連携推進会議において、県産サーモンの統一キャッチフレーズを共有し、活用できる状況となるなど、生産と加工、流通分野が一体となった取り組みを進めております。 令和8年度当初予算案には、アサリやワカメ養殖への転換、蓄養ウニの事業化に向けた資材等の導入支援、県産サーモンのロゴマーク作成や県外イベントでのPRに要する経費を盛り込んだところであり、今後も、海洋環境の変化に的確に対応した水産業が展開できるよう、漁業者、関係団体等と一丸となって全力で取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 午前中も水産業の厳しい現状の声があったわけでございますが、技術開発や新規事業等、さまざま検討されながら、変化する水産業の支援を引き続きお願いしたいと思っております。 農業分野についてです。 気候変動の影響を受けやすい分野は、自然を相手とする第1次産業ではないかと捉えておりますが、気候変動に対応した農業への転換とは、単に品種を変えることだけではないと考えます。 例えば、高温に適応した栽培体系、データや技術を活用したスマート農業、環境負荷を抑えた農業と収益性の両立などを実情に応じて組み合わせることが重要ではないでしょうか。 また、本県は広大な土地を有しており、地域ごとの気象条件などが異なることから、画一的な対策ではなく、それぞれの地域特性を踏まえた取り組みが求められますが、気候変動に適応した農業分野の対策をどのように展開していくのか伺います。 〇佐々木副知事 県では、令和7年4月に取りまとめた品目ごとの高温等の気候変動への適応策に基づき、高温に強い農作物の品種開発のほか、高温に適応する栽培時期の変更や栽培管理方法の改善、栽培適地の変化に対応する新たな品目の導入を進めています。 具体的には、地域の特性に応じて、水田地帯では、リモートセンシング技術を活用した適期収穫、自動水管理システムを活用した夜間かんがいの推進、高温を回避する直播栽培などの実証、中山間地域では、ホウレンソウのハウス内の温度を下げるミスト装置やリンゴの日焼け果の発生軽減に向けた被覆資材の導入、沿岸地域では、大規模施設園芸での温度や湿度などの高度な環境制御技術の導入などに取り組んでいます。 令和8年度当初予算案には、新たな高温対策として、低コストで導入可能な露地ピーマンや秋に収穫するトマトの導入、栽培適地の北上に対応した桃の栽培技術の開発などに要する経費を盛り込んでおり、今後も、生産者が気候変動への適応力をさらに高め、各地域の生産活動が持続的に展開できるよう取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 非常に広大な県土でありますから、気候変動に加えて、地域特性を踏まえた取り組みが求められると思っております。 再質問させていただきたいのですが、昨年は、岩手県の多くのダムで渇水となりました。参考までに、私の地元の胆沢平野土地改良区では、昨年、東北地方整備局を訪問いたしまして、洪水災害を視野に入れ、ダムの水を流す量を再度検討してほしいと要望したところでございます。 回答といたしましては、柔軟に対応したいと前向きな答弁をいただいたようでありまして、ぜひ、県といたしましても、気候変動に影響されず農業者が生産に努められるよう、限られた水の有効活用に向け、土地改良区における用水確保の取り組みを支援すべきと考えますが、所見を伺います。 〇佐々木副知事 昨年の渇水により取水に影響が生じた土地改良区では、エリアを分けて順番に配水する番水に加え、応急ポンプの活用による水の反復利用などに取り組み、県では、国庫事業を活用し、こうした渇水対策を支援するとともに、来春の作付に向けた事前の備えとして、用水管理の徹底やさらなる節水対策を働きかけております。 こうした状況においても、2025年産米の食味ランキングで本県の主力2品種が7年ぶりに最高の特Aを獲得し、米の一等米比率も6年連続で全国第1位となったことは、生産者の皆様の丁寧な栽培管理や土地改良区による渇水対策のたまものと考えております。 高温少雨の傾向は今後も続くことが見込まれることから、節水対策の働きかけを継続するほか、令和8年度当初予算案では、国事業を活用した渇水時の具体的な行動手順等の策定や応急ポンプの追加購入などの支援に要する経費を盛り込んでおり、県としては、農業者が安心して生産活動ができるよう土地改良区を支援してまいります。 〇千葉秀幸委員 ことしも大分早い時期から雪解けが始まっていたこともあって、引き続きの渇水対策が必要かと考えておりますので、事前に想定しながら御対応いただきたいと思っております。 いわて農業生産強化ビジョンに関する予算について伺います。 国際的な食料需要の増加と食料生産、供給の不安定化や人口減少、高齢化に伴う国内市場の縮小などを背景として、食料・農業・農村基本法が改正されました。 岩手県では、これら社会情勢の変化を踏まえ、昨年7月にいわて農業生産強化ビジョンを策定しました。10年後の目指す姿として、それぞれの地域の強みを生かした農業を各地域で展開し、生産量の増大につなげ、食料供給基地としての地位をさらに向上すること等を掲げており、また、令和10年の農業産出額3、500億円など、目指すべき具体的な数値目標も設定しております。 当該ビジョンでは、農業者、JA等とも共有されており、関係者一丸となって進めていくべきものと認識しておりますが、県には先導的な役割を期待しているところであります。 そこで、令和8年度予算は、当該ビジョン策定後の実質初年度となることから、従来よりも対策を強化すべきと考えますが、どのような分野、事業に注力したのか、その期待する効果も含めて伺います。 〇佐々木副知事 令和8年度当初予算案は、いわて農業生産強化ビジョンに掲げた生産性・市場性の高い産地づくりなど、施策推進の五つの柱ごとに積極的に事業を盛り込み、令和7年度の350億円から約19億円増としたところであり、本県農業の強化に向け、農業生産の増大や人材の確保、育成などに重点的に取り組んでいく考えです。 農業生産の増大については、県産米の需要拡大や畜舎等の施設整備、気候変動に対応した桃の作付推進などを、人材の確保、育成については、担い手への農地の集約化や農業大学校の施設整備などを盛り込んでいるところであります。 また、圃場整備でありますが、国の農業構造転換集中対策と連動しながら、国の補正予算を積極的に活用し過去最大規模の150億円を見込んでいるほか、農業共同利用施設の再編、整備については、新たに、県が上乗せ補助を行う経費として約10億円を計上したところであります。 さらに、スマート農業技術の導入については3億2、000万円ほど、輸出拡大については約1億5、000万円を計上しているところであります。 こうした事業により、ビジョンに基づく取り組みを着実に進め、食料自給率や農業産出額、新規就農者数の増加を図り、本県農業の強化につなげてまいります。 〇千葉秀幸委員 後半に圃場整備予算の話も出たところであります。私は、今盛んと岩手県でも圃場整備が行われておりますが、やはり区画整理していって、労働力の軽減であったり、担い手確保等、さまざまな分野に大きく期待されるものでありますから、必要不可欠な事業だと思っております。 圃場整備予算については、国の補正予算を積極的に活用した結果、前年度と比べて19億円の増、過去最大の150億円が見込まれているというこは先ほど答弁いただきました。 そこで、その増額によって従来と比べてどの程度基盤整備が進められるのか、想定されている整備面積を含めてお示し願いたいと思います。 〇佐々木副知事 整備面積につきましては、過去5年間の平均、約330ヘクタールに対して、令和8年度は、予算の規模から考えますと、整備面積は約390ヘクタールとなる見込みであります。 今後も、国の農業構造転換集中対策と連動しながら、地域のニーズに応じた圃場整備が早期に進むよう取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 物価も高騰しておりますから、この程度の面積かと思ったわけでございますが、面積自体もしっかりふえるということで、少しではありますが、前向きに捉えたいと思っております。実態はまだまだ道半ばでありますから、引き続き期待したいと思いますし、よろしくお願いしたいと思っております。 周産期救急の情報高度化について伺ってまいります。 令和8年度当初予算案には、母体及び新生児の救急搬送時における連携強化のため、新たな医療用コミュニケーションアプリを導入する経費が盛り込まれました。これまでも、医療機関や市町村等が連携した周産期医療情報ネットワークの構築や周産期救急搬送コーディネーター事業など、ハード、ソフト両面での支援を行ってきました。 広い県土を有し、かつ分娩施設や産科医が限られる本県といたしましては、救急現場と産科医療の情報連携を高度化することが必要であります。救急隊員や医師など、現場ニーズを踏まえながら、常に進化する新技術を積極的に導入して利便性を高めていくことは、県民が求める周産期医療提供体制を構築することにもつながります。 そこで、本事業による期待する効果、県内医療機関や救急現場に広く普及させていくための取り組みについて、あわせて伺います。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 委員御紹介のとおり、県ではこれまで、周産期医療情報ネットワークいーはとーぶの運用などにより医療情報連携に取り組んできたところでありますが、現行のいーはとーぶには、救急搬送前の医療機関の間での患者情報の共有はできるものの、救急隊と搬送先医療機関のリアルタイムでの情報連携ができないなどの課題があったところであります。 このため、令和8年度当初予算案に周産期救急医療情報連携推進事業費を盛り込んだところであり、医療用コミュニケーションアプリを県内全ての救急車と分娩取扱医療機関に導入し、搬送段階から専門医と患者の情報を共有し、搬送先で速やかに対応する準備を行うことにより、安全・安心な周産期医療の提供につなげられるものと考えております。 今後、医療機関や消防本部の意見を伺いながら、具体的な運用方法を検討していくこととなりますが、現場の実態に即した運用ルールのもと、周産期における救急搬送体制の充実に向けて広く活用されるよう取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 これまでのいーはとーぶとあわせて新たに整備するということで、より安心した出産体制構築につながることを期待しております。 特に、国で医療DXの施策がさまざま出てきておりますから、その辺も注視いただきながら、連携して、より一層の安心した周産期体制整備についての取り組みをよろしくお願いしたいと思います。 次に、地域未来戦略について伺います。 高市内閣は、地域未来戦略を掲げ、人口減少や東京一極集中の是正、地域の稼ぐ力の強化などを通じて、地方が発展する新たな国づくりを目指す方針を示しました。 地方創生が新たな段階に入るものであり、地方の投資を促進するなど、経済成長に軸足を置くものと私は認識しておりまして、国のこれからの戦略と本県の産業構造の実態、強みをどのように結びつけるか、今後の検討における重要な論点と捉えています。 こうした中、本県においてもスタートアップエコシステムの構築など、先進的な視点による施策を強化、拡充する方針ですが、国の地域未来戦略をどのように受けとめているのか、現時点での認識を伺います。 〇小野政策企画部長 令和7年12月に閣議決定された地方創生に関する総合戦略において、地方の強い経済実現に力点を置いた地域未来戦略の推進が打ち出されましたが、こうした動きは、本県が国に対して強く求めてきた地方重視の経済財政政策への転換に沿うものであると認識しております。 本県には、自動車や半導体関連産業に代表されるものづくり分野の産業集積のほか、世界から評価される高品質な県産品、国内外で活躍するスタートアップ企業など、成長が期待される産業分野や多様な魅力があります。 さらに、本県が誘致を進めるILC―国際リニアコライダーについて、その関連技術は、さまざまな産業の基盤となり、半導体や先端医療などの国が掲げる成長戦略分野の推進にも大きく貢献する可能性を有しているものと考えます。 こうした産業や先端技術は、本県のみならず東北地方、ひいては国全体の経済成長を牽引し得るポテンシャルを有しておりますので、国と県それぞれの政策効果が相乗的に発現されるよう、連携して施策を推進し、本県の持続的な経済成長へとつながるよう取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 今後の対応について伺います。 国は、知事主導で地場産業の成長プランを策定することを求めておりますが、本県は、半導体産業や自動車産業、質の高い農林水産物や伝統工芸品、さらには国内外に向けたスタートアップ支援など、国際競争力が高くて今後の成長も見込まれる世界に誇れる資源を数多く保有しています。 知事は、東南アジアや北米地域などでトップセールスを行うなど、県内経済を成長させるために率先して活動されており、今般、高市政権による地方の経済を強くしていく、成長させる施策が表明されましたが、先んじて取り組まれてきたものと評価しております。 今後、県が策定する成長プランをどのように位置づけ、岩手県ならではの持続的な地域経済の発展にどうつなげていくのか。また、市町村との連携のあり方をどうするのか。国の財政支援も積極的に活用すべきと考えますが、県としての基本的な対応方針について、知事の所見を伺います。 〇達増知事 国の新たな地方創生に関する総合戦略では、強い経済の実現に力点を置いた地域未来戦略の推進が打ち出され、都道府県ごとに、地域産業クラスターの形成、拡大や地場産業の成長に向けた地域産業成長プランを策定することが求められています。 こうした動きは、世界に開かれた地方創生をさらに進めるための好機であり、本県プランには、県全体の経済成長を牽引するものづくり産業や、世界から評価される高品質な農林水産物、伝統工芸品などの地場産業を中心に、スタートアップ、輸出、インバウンドといった産業横断的な戦略の視点なども取り入れたいと考えています。 人口減少下においても持続可能な地域経済を実現するためには、各地域のニーズや課題に応じた施策を展開することが重要であり、各市町村や関係団体との情報共有や意見交換を行うなど、連携を密にしながらプランの策定を進めてまいります。 また、プランは、ことし夏前の策定を求められていますが、これに先立ち、令和8年度当初予算案において、投資促進関連事業などを盛り込んでいるところであり、地域未来交付金を初めとする国の財政措置も十分に活用しながら、産業のさらなる集積と地域経済の成長に向け取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 世界に開かれた地方創生、または、これだけグローバルな時代にありまして、知事も積極的にトップセールスを行っているわけであります。答弁にもございましたが、本県には、魅力のある産業や工業、農林水産物も非常に多いわけでありますから、ぜひ、岩手県のトップである知事にしかできないトップセールスを期待していきたいと思っております。 県立高校の再編等について伺います。 県が昨年8月に公表した第3期県立高等学校再編計画について、その後の地域説明会や地元市町村等からの要望も踏まえ、今定例会に最終案として提出されました。 再編計画では、少子化に伴う学校統合や定員見直しを通じて、教育の質の確保や経営効率化を掲げていますが、地元市町村や保護者等からは、進路選択の幅が狭まる、通学負担が増す、地元雇用に影響が出るなど懸念する声が上がったところであります。 一方、人口減少は避けられない現実であり、現在の県立高校の学科、定員数などを維持し続けることは限界であり、一定の再編は避けられないことも事実と認識しております。 そこで、県はこれらの声をどのように受けとめているのか、パブリックコメントなどで提出された意見の反映状況なども含めて、将来の県立高校のあり方をどのように捉えて最終案をまとめるに至ったのか、教育長の認識を伺います。 〇佐藤教育長 再編計画の当初案から最終案に至るまで、地域検討会議やパブリックコメント等において、地元市町村や保護者などから、委員御指摘のような高校の存続や地域や地域産業の将来を懸念する声など、多くの切実な思いが寄せられました。 各地域から寄せられたさまざまな御意見を踏まえ最終案を策定してまいりましたが、全ての御意見を反映するには至らなかったものであります。 最終案は、今後見込まれる中学校卒業予定者数の急激な減少を踏まえ、全県的な視点やよりよい教育環境を将来に残すという観点から策定したものであります。 県教育委員会では、生徒が将来に夢や希望を持ち、岩手の未来を創造していく生きる力を身につけることができる学びの実現を目指してまいります。 〇千葉秀幸委員 広い県土を有する本県は、多くの県立高校を抱えておりまして、県立高校の運営、維持に必要な予算規模に対して、国からの財源措置は8割にとどまっている状況であります。 将来の人口減少を踏まえた統合は一定程度理解いたしますが、今後、老朽化していく県立高校の校舎をどのように維持していくのか、再編後の利活用も含めて県の方針を伺いたいと思います。 〇佐藤教育長 県立高校の学校施設につきましては、安全・安心で充実した学校生活を送ることができる教育環境を目指し、県立高等学校再編計画との整合性を図りながら、老朽化の状況に応じて計画的に整備を進める必要があります。国に対しては、引き続き、高等学校施設への財政支援措置について要望してまいります。 また、統廃合による空き校舎やグラウンド等につきましては、これまでも、貸し付けや譲渡により小中学校や地域の民間団体等で活用されている例がありますので、引き続き、施設等の状況を市町村などに情報提供を行い、有効に活用されるよう取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 私立高校の授業料無償化に伴う対応についても伺ってまいります。 私立高校の授業料無償化に伴って、都市部を中心として施設、設備が整っている私立高校の人気が高まる一方、公立高校離れが懸念されております。 本県の私立高校の募集要項を見ても、国の支援基準である約45万円を想定して授業料を引き上げている実態が見てとれます。 県としては、認可権を有する私立高校の定員数を適切に捕捉する立場、設置者である県立高校の生徒確保に努めていく立場、その両方のバランスをどう保っていくのか、難しいかじ取りを迫られているのではないでしょうか。 政府方針の変更によって支援が見直される可能性も考えられ、私立学校経営の安定性に懸念もありますが、私立高校の授業料無償化について、県の認識を伺います。 あわせて、県立高校への影響をどう捉えているのか、対応方針を含め伺います。 〇村上ふるさと振興部長 令和8年度から実施される高等学校等就学支援金の拡充に伴いまして、家計における教育費の負担軽減が図られ、多様な学びのニーズに応じた学校の選択肢が広がりますほか、私立高等学校の運営におきましては、経営の安定化と建学の精神に基づく、多様で質の高い教育活動の一層の充実が期待されると考えております。 現時点で、本県では無償化による明確な影響までは確認されておりませんが、全国的に言われますとおり、今後、授業料負担の軽減によって、私立高校の魅力が相対的に高まり、公立高校への入学動向に一定の影響が生じる可能性も考えられます。 本県ではこれまで、私立学校の自主性に配慮しつつ、公私がそれぞれの特徴を生かし、役割分担しながら高校教育の場を構築してまいりましたが、急速な少子化の進行に伴いまして、県立高校において再編の議論が進められていること等への留意も必要であるものと認識しております。 無償化の実施とあわせ公立高校の魅力向上に向けた国の支援も拡充されますことから、こうした動向による進路選択への影響を見きわめつつ、私学団体や教育委員会との意見交換の場などを通じて、適正な公私バランスのあり方について議論を深めていきたいと考えております。 〇佐藤教育長 県立高校への影響と対応方針についてでありますが、本県では、県立高校と私立高校が補完し合いながら、各学校が特色ある教育を実践するとともに、互いに切磋琢磨することによって高校教育の充実、発展に寄与してまいりました。 無償化による県立高校の志願状況等への影響については、高校の選択肢が幅広く私立高校に通う生徒の割合が多い大都市に比べ、本県では限られたものになると見込まれますが、高い関心を持って注視していく必要があると考えております。 県教育委員会といたしましては、県立高校における特色化、魅力化の取り組みのより一層の推進と教育環境の充実に努め、生徒に選ばれる魅力ある学校づくりを進めてまいります。 〇千葉秀幸委員 私立の魅力と県立のバランスは、これからすごく難しくなってくるのではないかと思っております。選択の幅がふえるとおっしゃっておりますが、県立高校においては、私もこれまで質問してまいりましたが、新たな自己推薦制度等も含めて、やはり県立高校離れを促しているような制度もあると思っております。それら全ての取り組みも含めて検証していただき、県立高校の魅力も十分に引き出していく必要があると思っております。 県立高校の魅力向上について伺います。 文部科学省では、志願者数の減少が懸念される公立高校を重点的に支援するため、令和7年度補正予算において、高等学校教育改革促進基金約3、000億円を計上し、各都道府県に基金を設置し、改革を先導する公立高校を支援する方針を示しました。これは、47都道府県で機械的に割り返すと60億円程度の配分目安となります。 使途の具体例としては、高度な技能を備えたエッセンシャルワーカーや理数系人材の育成、遠隔授業を活用した学びなどが想定されており、改革を先導するパイロット校に集中投資する制度となっております。 そこで、今般の支援策を有効に活用するため、改革を先導するパイロット校の支援にとどまらず、それを横展開させる仕組みも構築し、再編後の県立高校の魅力を全県的に高めていく必要があると思いますが、現在の検討状況や今後の見通しを伺います。 〇佐藤教育長 今般、文部科学省では、高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)を示し、公立高等学校等への支援の拡充を図るため、各都道府県に対して、高等学校教育改革促進基金の交付、高等学校教育改革交付金の交付を行うこととしたところです。 高等学校教育改革促進基金の活用に当たっては、専門高校の機能強化・高度化、普通科改革を通じた高校の特色化・魅力化、地理的アクセス・多様な学びの確保の三つの類型ごとに改革を先導する拠点校を創設した上で、取り組みや成果を拠点校だけにとどめることなく、県内の高校に共有、普及することが求められております。 また、各都道府県が令和8年度中に策定する高等学校教育改革実行計画に基づく取り組みについて、令和9年度以降、高等学校教育改革交付金の交付を行い、地域人材育成の中心となる高校を広く応援し、高校生の学びを支援することが示されております。 県教育委員会としましては、先端技術を活用した機器の導入、探究的な学びの実施に向けた施設、設備や遠隔授業配信拠点の整備など、基金事業による支援が受けられるよう検討を進めるとともに、実行計画を策定し、生徒にとってよりよい教育環境の整備に努めてまいります。 〇千葉秀幸委員 今回の支援は、高等学校教育改革促進基金の交付と各都道府県が令和8年度中に策定する高等学校教育改革実行計画に基づく高等学校教育改革交付金の交付と分かれております。交付金事業は充当率が未定でありますが、もう一つは満額交付となっています。 ぜひ、この60億円をフル活用していただきまして、専門高校の機能強化、高度化につなげていただきたいと考えておりますが、意気込みや所見を伺いたいと思います。 〇佐藤教育長 県教育委員会としましては、先ほど申し上げたことに加えまして、専門高校の機能強化等を図るため、産業界等と連携、協働し、地域に根差した産業など地域の強みを生かすことができる分野について、より高度で実践的な内容を学ぶ学校設定科目などを開設するなど、卒業後の進路、進学、就職等も意識して、地域や産業界が求める人材育成に取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 それでは次に、私からもツキノワグマ対策について伺います。 近年、ツキノワグマの出没が県内各地で相次ぎ、深刻な状況となりました。県の公表によれば、令和7年度は38件39名の人身被害が発生しており、県民にとって、安心して暮らせる環境整備が喫緊の課題であります。また、農業分野への影響も大きく、ツキノワグマの出没が多かった令和5年度の農業被害額は約1億円に上っております。 県では、ガバメントハンターなどの捕獲体制の強化、電気柵設置の支援などに取り組んでいますが、市町村や地域住民の負担は増していると思っております。 今後、県としましても適正な個体数管理や危険地域における刈り払い等の対策、緊急銃猟の実施主体となる市町村への支援など、どのように進めていくのかお伺いいたします。 〇佐々木副知事 県では、現行の第5次ツキノワグマ管理計画に基づき、市町村による有害捕獲に加え、県としての指定管理鳥獣捕獲も行いながら、個体数管理を着実に進めていくとともに、令和8年度に取りまとめる最新の生息状況調査結果を踏まえ、新たな管理計画を策定することとしています。 また、人の生活圏と接する山林や耕作放棄地、河川等の刈り払いなど、緩衝帯の整備に引き続き取り組むとともに、人の生活圏と熊の生息域のすみ分けを図るため、県としてゾーニング管理指針を策定し、市町村が行うゾーニング管理計画の策定を支援することとしており、エリアに応じた効果的な被害防止対策を講じてまいります。 市町村による緊急銃猟への支援については、令和7年度に新設した岩手県指定管理鳥獣対策事業費補助による捕獲従事者手当や必要な資機材の整備等への支援を継続するほか、実地訓練の実施や岩手県緊急銃猟対策チームによる助言などに取り組んでまいります。 これらの取り組みも含め、令和8年度当初予算案においては約6億8、000万円の関連事業を盛り込んだところであり、今年度から切れ目なく、市町村を支え、住民の安全・安心につながる取り組みを進めてまいります。 〇千葉秀幸委員 ガバメントハンターについて、前段ははしょって御質問します。 環境省が新たな財政支援を行うこともあり、都道府県単位では、他県に先駆けて、岩手県ではガバメントハンターの採用方針を打ち出しました。県が直接雇用することで、柔軟かつ臨時に対応できる体制が整うことは、住民の安心感にもつながり、猟友会の人手不足の解消にも効果があるものとして、その取り組みに期待いたしております。 一方、現在、指定管理鳥獣捕獲を請け負っている公益社団法人県猟友会、市町村に配置された鳥獣被害対策実施隊、緊急銃猟における警察の熊駆除対応プロジェクトチームなど、それぞれの役割分担を整理しながら、現場で混乱しないような運用が求められます。 そこで、ガバメントハンターの実施体制、これら既存の捕獲体制との役割分担など、どのように整理して対策を進めていくのか、現時点の方針を伺います。 〇佐々木副知事 人里と熊の生息域の境界域において県が実施する指定管理鳥獣捕獲においては、これまでの県猟友会による捕獲に加え、新たにガバメントハンターによる捕獲も行って、実施エリアを分担して対応したいと考えております。 農業被害の防止を目的に市町村が実施している有害鳥獣捕獲におきましては、従来どおり、地区猟友会会員などで構成される鳥獣被害対策実施隊による捕獲が主となりますが、小規模市町村など地域の捕獲従事者が十分でない場合など、市町村からの要請を踏まえて、必要に応じてガバメントハンターが助言、支援を行うことも想定しているところであります。 また、緊急銃猟におきましては、実施主体である市町村からの求めに応じて岩手県緊急銃猟対策チームが設置された場合には、ガバメントハンターが市町村への助言や捕獲従事者のサポートなどに従事することを想定しています。 なお、県警察の熊駆除対応プロジェクトチームは、緊急銃猟等が想定される場面で、市町村においてハンター等を確保できない場合などに、県警察の判断により出動し、現地の状況を慎重に見きわめながら捕獲に当たることになるものであります。 今般、任用したガバメントハンターは、捕獲以外にも、捕獲人材の確保、育成などの役割も担うものであり、猟友会や市町村、県警察など、これまで捕獲にかかわってきた関係機関と密接に連携し、分担を図りながら被害防止対策に取り組んでまいります。 〇千葉秀幸委員 時間の関係で全て質問できなかったわけでありますが、いずれにいたましても、引き続き、今後も全庁挙げて県政課題に向き合っていただくことを期待して、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 〇佐々木朋和委員長 次に、村上貢一委員。 〔村上貢一委員質問者席に着く〕(拍手) 〇村上貢一委員 いわて県民クラブ・無所属の会の村上貢一です。会派を代表いたしまして、総括質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず初めに、世界に開かれた地方創生について伺います。 知事は、知事演述において、岩手県のよさが世界から評価され、インバウンド宿泊者数が過去最多を更新し、地場産品の輸出額も増加傾向が続いている中で、世界に開かれた地方創生を進めることが有効である。また、世界に開かれた地方創生とは、国境を越えて人、物、お金を生かす取り組みであり、そのためにも、岩手県のよさを県民が共有し、積極的に発信していくことが求められると述べられました。 世界から選ばれる地域づくりの重要性については、私も十分に認識しております。しかし、その前提として、少子化対策を初めとして、県民一人一人が安心して働き、暮らし、子育てできる環境を整えることこそが、地方創生の出発点であると考えます。 インバウンドの増加や輸出拡大は、確かに前向きな動きであり、岩手県の価値が世界から評価されることは大変喜ばしいことであります。一方で、本県は、依然として人口減少と若者流出が続き、地域経済の縮小に歯どめがかかっていない現実があります。 そのような中で、令和8年度当初予算案に、世界に開かれた地方創生を推進する施策を盛り込まれたことについて、知事はどのような問題意識と狙いを持って編成されたのか、見解を伺います。あわせて、地域の雇用や所得の向上、生活基盤の安定など、足元の課題解決と世界志向の施策をどのように両立させていくお考えなのか、お示しください。 〇達増知事 委員御指摘のとおり、世界に求められている岩手県における質の高い生活文化は、県民の生活の安定が基盤にあってこそ育まれるものであります。 令和8年度当初予算案は、東日本大震災津波からの復興の推進とともに、四つの重点事項を中心に、県民一人一人の暮らしを守り、世界に開かれた地方創生を進めていくことにより、いわて県民計画(2019~2028)に掲げる、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての着実な実現につなげていく予算として編成しました。 四つの重点事項については、ジェンダーギャップの解消や全国トップレベルの子育て支援、魅力ある雇用環境の整備などの人口の自然減・社会減対策、再生可能エネルギーの導入促進や気候変動適応策などのGXの推進、生成AIの利活用や生産性向上を図るDXの推進、災害への備えや野生鳥獣被害への対策などの安全・安心な地域づくり等、世界に開かれた形で、四つの重点事項を一体的に展開してまいります。 さらに、キャッシュレス決済ポイント還元などの物価高対策など、県民の暮らし、仕事を守るための施策を強化するとともに、国際スタートアップカンファレンスの開催や東南アジアへのトップセールス、海外からの誘客プロモーションなど、国境を越えて人、物、お金の流れを生かす施策に取り組み、世界に開かれた地方創生を進めてまいります。 こうした各般の施策により、県民一人一人が自分なりの地方創生に取り組んでいけるよう後押しし、県民の幸福―ウエルビーイングの向上につなげてまいります。 〇村上貢一委員 ぜひお願いしたいと思いますが、県民一人一人は、やはり県民それぞれでありますし、あと市町村でもあると思います。さまざまな主体であり、漁家であり、農家であり、それぞれの方々にしっかり寄り添っていただきたいと思います。 あと、仮に、今、中東不安があります。国際情勢が変化することが考えられます。仮に、外需拡大が想定どおりに進まなかった場合の備えとして、内需、県内循環を強化する施策についても、しっかりと対応、対策に取り組んでいただきたいと思います。 次に進みます。世界に開かれた地方創生の取り組みは、一過性の広報施策や観光PRにとどまることなく、県民一人一人の誇りの醸成や若者の定住意識の向上につながるかどうかが重要と考えます。 そのためには、知事がリーダーシップを発揮し、部局横断的かつ戦略的に取り組む必要があると考えますが、令和8年度、どのような体制で取り組むのかお示しください。また、知事は、岩手県のよさを県民が共有し、発信していくことが求められると述べられましたが、県民が共有し、発信していく仕組みをどのように構築するのか、あわせてお示しください。 〇達増知事 県では、いわて県民計画(2019~2028)第2期アクションプランのもと、人口減少対策に最優先で取り組むとの方針のもと、世界に開かれた形で四つの重点事項を一体的に展開していくことで、世界に開かれた地方創生を推進しているところです。 世界に開かれた地方創生において開いていくものは、豊かな自然と歴史に育まれた食文化に代表される質の高い生活文化でありますが、令和8年度当初予算案においては、世界から評価される高品質の県産品や豊かな自然環境、歴史、国内外で活躍するスタートアップ企業などの岩手県のよさを生かしたインバウンド観光と海外輸出の拡大、スタートアップ振興などの施策を盛り込んでおり、これを通じて岩手県のよさが県民に共有され、さらに国内外に広がっていくよう取り組んでまいります。 こうした施策の推進に当たっては、例えば、海外輸出の拡大について、いわて国際戦略ビジョン(2024~2028)に基づいて、市場ニーズに応じた戦略的な知事のトップセールスと、取引拡大につなげるための事業者に対する継続的なフォローアップなどの関係部局が連携した取り組みとを一体的に展開します。 また、国際スタートアップカンファレンスについては、令和6年6月に開催された夏季ダボス会議2024への参加を契機とする、知事とシンガポールのベンチャーキャピタル企業のトップ同士のつながりを生かして開催されるものであり、同社が開設を計画しているアカデミーとの連動も見据えて、産学官金連携で、戦略的に県内スタートアップの成長機会の創出を図ります。 岩手県のよさを県民が共有して、さらに発信していくことができるよう、部局間の緊密な連携を図りながら施策の推進に取り組み、世界に開かれた地方創生を展開してまいります。 〇村上貢一委員 部局間の緊密な対応ということですが、それが、単なる連絡調整会議にとどまらず、実際に司令塔機能を持つかどうかが重要と私は考えます。また、県民が共有し、発信する仕組みについても、広報強化にとどまるのではなく、若者の地元就業や起業、地域活動への参画といった具体的な行動につながるよう、その成果が県民の所得と若者定住に結びつくロジックになるよう取り組んでいただきたいと思います。 次に、震災を語り継ぐ取り組みについて伺います。 東日本大震災津波から15年という大きな節目を迎えようとしております。本県は、第2期復興推進プランのもと、これまで14年間にわたり復旧、復興に懸命に取り組んでこられたものと承知しております。 しかしながら、沿岸市町村の人口は、震災前と比較して約27%減少し、とりわけ10代後半から20代前半の若者、特に女性の社会減が顕著であり、地域の担い手そのものが失われつつある現実は、極めて深刻であります。 本県は、令和3年に東日本大震災津波を語り継ぐ日条例を制定し、東日本大震災津波により失われた多くのとうとい命に深甚なる哀悼のまことをささげるとともに、その未曽有の災禍から得られた教訓を確かに次世代へと引き継ぎ、復興の歩みの中で育まれてきた数多くのきずなを大切にしながら、一人一人が大切な人への思いを胸に、ふるさと岩手の未来を築いていくことを誓いました。 震災から15年という歳月を経た今、記憶の風化が懸念され、震災を直接知らない世代もふえてきている中にあって、震災を語り継ぐ取り組みは、単なる記録の継承にとどまるものではなく、県民一人一人の防災意識や行動の変化につながり、次代を担う子供たちの学びと命を守る力として結実してこそ、真に意義を持つものと考えます。 そこで伺います。岩手県の東日本大震災津波からの復興に関する意識調査によれば、震災の風化が進んでいると感じる県民の割合が年々増加しておりますが、知事は、今後、この条例の趣旨をどう県民意識に浸透させ、震災を語り継ぐ取り組みを進めていこうと考えているのか、所見を伺います。 〇達増知事 震災の悲劇を二度と繰り返さないために、震災を経験していない世代や、これから生まれてくる子供たちを初め、県民一人一人に震災の事実と教訓を風化させることなく伝承していくことが重要と受けとめております。 県では、条例の趣旨にのっとり、毎年3月11日に追悼式を開催し、改めて東日本大震災津波を振り返り、犠牲になられた方々を慰霊、追悼するとともに、県民に対し、犠牲になられた方々のふるさとへの思いを受け継ぎ、震災の事実と教訓を未来に伝承し、復興の姿を国内外に発信することの重要性を伝えています。 伝承、発信の中核を担う東日本大震災津波伝承館は、日本を代表する震災津波学習拠点として広く認識され、県内外の教育旅行を初め、国内外から約137万人の方々に来館いただいており、震災の事実と教訓の伝承を通じ、防災意識の向上につながっています。 さらに、県教育委員会では、防災、復興を支える人づくりとして、県内全ての公立学校でいわての復興教育に取り組んでおり、令和8年度は、いわての学び希望基金を活用し、内陸部の児童生徒が被災地で学ぶ震災学習の機会を拡充します。 震災の事実と教訓の伝承は、令和8年度に策定する第3期復興推進プランにおいても重要な取り組みの一つに位置づける考えであり、条例の趣旨を踏まえ、震災の事実と教訓を次の世代へ語り継ぐ取り組みを積極的に展開してまいります。 〇村上貢一委員 私も、東日本大震災津波を語り継ぐ日条例は、震災を語り継ぐことは、単なる記憶の保存ではなく、この地で生き続ける意味を次世代に示していく営みであると考えます。県民にとっては、最も大切にしなければならない条例とも思います。 これからも、未来につながる条例として、その点も視野に入れてブラッシュアップを重ねていただきたいと思います。 次に、人口減少対策について伺います。 岩手県の出生率は近年、過去最低を更新し続けており、非常に厳しい状況にあります。2024年人口動態統計確定数の概況によると、合計特殊出生率は1.09であり、前年を0.07ポイント下回るとともに、全国平均1.15も下回っております。 また、出生数は、令和7年岩手県人口移動報告年報によると、2025年に4、776人となり、統計開始から初めて5、000人を割り込み、わずか数年で大幅に減少しています。 県は、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略に基づき、少子化対策、移住、定住対策、雇用創出、子育て支援など、さまざまな施策を講じてきました。しかし、その成果は数字として十分にあらわれているとは言いがたく、人口減少、少子化に歯どめがかかっているとは到底言えないのが現実であります。 このような厳しい人口、出生動向の現状を知事はどのように受けとめておられるのか。また、令和8年度、新たな県独自の事業によって、どのような実効性のある対策を講じるのか、あわせて伺います。 〇達増知事 近年、コロナ禍や物価高もあり若い世代の経済社会活動が縮小する中、長期的なトレンドでは、全国的に婚姻件数や出生数が減少傾向にあり、また、本県を初め地方の社会減と東京一極集中が継続するなど、地方は厳しい状況にあります。 県では、令和5年度から、当時全国2事例目であった所得制限のない第2子以降3歳未満児の保育料無償化など、全国に先駆けて充実した子供、子育て支援策を展開してきたほか、これまでに、若者の可処分所得や可処分時間の向上、仕事と子育てが両立できる働き方と子育て環境の実現、職場や家庭、地域におけるジェンダーギャップの解消など、経済団体を初め多様な主体と連携しながら、さまざまな取り組みを進めてまいりました。 令和8年度当初予算案においては、各分野の施策の一層の浸透と充実強化を図るため、全国に先駆けて実施した充実した子供、子育て支援策の継続や、新たに県内での無痛分娩の実施に向けた取り組み、母体及び新生児の救急搬送時の情報連携体制の構築、企業の一般事業主行動計画の策定を支援するためのセミナーの開催や専門家の派遣等に係る予算を盛り込んだところです。 総合的な取り組みが重要である中、各施策の推進を通じ、本県の生活や子育てのしやすさ、働く場としての魅力の向上を図ることで、より一層、若者や女性に選ばれる岩手県となるよう取り組んでまいります。 〇村上貢一委員 さまざまな施策に積極的に取り組んでおられるのは重々承知しておりますが、そこに歯どめがかかっていない、成果が出ていないという現実もございます。 そこで、やはり全ての課題にひとしく取り組むのではなく、昨年の出生数4、776人を最後の警鐘として受けとめ、知事の、これ以上出生数、婚姻数を減少させないという断固たる決意のもと、市町村と連携して、県政の総力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。 次に、少子化対策の財源について伺います。 埼玉県や兵庫県では、法人県民税の超過課税を活用し、少子化対策、子育て支援を使途として明確に位置づけ、子供医療費助成や保育料軽減などの施策を県税による恒常財源で支える仕組みを構築しています。これは、国の交付金等に依存するだけでなく、県として責任を持って子育て施策を支えるという、一つの先行モデルであります。 本県は、これらの先行県と比べても人口減少率が高く、少子化の進行がより深刻です。我が会派ではこれまで、少子化対策は、一時的な補助金や単年度事業にとどめるのではなく、県民全体で広く薄く支え合う、少子化対策県民税を含めた恒常的な財源のあり方を検討すべきであると一貫して主張してまいりました。 今回の令和8年度当初予算案では、人口の自然減・社会減対策に係る予算が、令和7年度の228億円から284億円へと大幅に増額されております。結婚支援、出産、子育て支援、移住、定住促進、関係人口の拡大など、施策の裾野は年々広がり、事業数も予算規模も拡充されましたが、国の交付金等に依存しない、県として自立した恒常的施策として、少子化対策県民税の導入を今こそ図るべきと思料しますが、所見を伺います。 〇達増知事 子供、子育て施策の効果が十分に発現されるには、総合的で息の長い取り組みが必要となることから、継続的かつ安定的な財源の確保が重要であると認識しております。 少子化対策の新たな財源については、国において、子育てを社会全体で支えるための制度として子ども・子育て支援金が制度化され、この4月から、全世代や企業から、医療保険の保険料と合わせて子ども・子育て支援金を徴収することとなっています。 物価高騰が長引く中、国の支援金制度が始まることに加えて、県においても少子化対策に係る超過課税を実施することは、県民のさらなる負担増ともなり、県民生活への影響も大きいと考えられることから、県といたしましては、少子化対策の財源については、こうした国の動向や県民への影響も注視しながら、引き続き、さまざまな選択肢から検討を行い、継続的かつ安定的な財源の確保に努めていく必要があると考えております。 〇村上貢一委員 そこはわかってはおりますが、本県では既にいわての森林づくり県民税がございます。将来世代のための環境保全を目的に県民負担をお願いし、定着させてきた実績があり、令和8年度以降も継続してまいります。一方で、人口減少と少子化は、本県の地域社会や財政の持続性そのものを左右する、より根幹的な課題と考えます。 森林分野には、毎年、税収の約7億2、000万円を恒常財源として充てながら、子供、子育て分野については、国の交付金等を中心とした措置にとどまっている現状は、政策の優先順位という観点からバランスを欠くのではないでしょうか。 いわての森林づくり県民税の経験を有する本県だからこそ、少子化対策についても、県民全体で支える恒常財源のあり方を具体的に検討すべきと考えます。改めて所見を伺います。 〇達増知事 昨今の物価高が県民生活に影響を与える中で、県民に新たな負担を求める際には、税の使途や効果について説明を尽くした上で、県民の担税力や課税に対する公平感などについても十分に配慮し、県民の理解を得る必要があると認識しております。 少子化対策の新たな財源として、国において、医療保険の保険料などと合わせて拠出される子ども・子育て支援金が制度化されたことから、県としては、こうした国の動向も踏まえ、引き続き、関係部局による情報共有や意見交換を通じて、あらゆる歳入確保策を講じつつ、さまざまな選択肢から研究を行い、継続的かつ安定的な財源の確保に努めてまいります。 〇村上貢一委員 国の動向は確かに重々承知しています。しかし、本県は人口減少率が全国でも上位に位置し、危機の深刻さに見合う財源構造の決断なくして、人口減少対策の本気度は示せないと私は考えます。 知事は、将来世代に責任を持つ決断に踏み出す覚悟があるのか、残りの任期中に新税の是非を県民に提示するお考えがあるのか、改めて伺います。 〇達増知事 まずは、令和8年度から始まります医療保険の保険料に上乗せされる子ども・子育て支援金の拠出金が、どのくらい県民生活に影響を与えるか、また、物価高に関しましても、アメリカ、イスラエル、イラン戦争の勃発もあり、県民生活、県民経済への影響も、今注視しなければならないところだと思っております。 そういう中で、県民の皆さんに、あるいは県民経済として、この負担能力、負担の力があるのかどうか、そして、それを増税の形で県民施策に公平性に配慮した形で行えるのか、研究を続けさせていただきたいと思います。 〇村上貢一委員 子供政策は未来への投資だと思いますので、しっかりとそこは取り組んでいただきたいと思います。 次に、不登校児童生徒支援の体制強化について伺います。 昨年、私どもの会派で鳥取県を訪問し、不登校支援の取り組みについて視察してまいりました。鳥取県では、不登校を、発生してから対応する課題ではなく、未然に防ぐべき社会的課題と明確に位置づけて対応する体制を構築しています。具体的には、学校の困り事に即応する学校支援チームの設置、校内に安心できる居場所を整備するサポート教室の制度化、フリースクールの認定制度、公的連携、さらには保護者への経済的支援までを一体的に進めており、いずれも現場や家庭任せにするのではなく、県が責任を持って支えるという明確な姿勢のあらわれであります。 不登校は、決して子供や家庭だけの問題ではなく、将来の地域社会を支える人材の育成、ひいては本県の持続可能性そのものに直結する重要な政策課題であります。 鳥取県の取り組みを一つの参考事例として、本県においても、未然に防ぐべき社会的課題と明確に位置づけ、予算と人材を重点的に投入し、重層的かつ多様な連携ができる支援体制の構築が必要と考えますが、令和8年度の取り組みについて教育長の所見を伺います。 〇佐藤教育長 児童生徒が、学校が自分にとって大切な意味のある場になっている、自分という存在が大事にされていると実感できるなど、学校が安心して通える場となることが重要であり、各学校においては魅力ある学校づくりに努めているところです。 また、児童生徒の不登校の予兆を早期に把握するためには、学校関係者や家庭、関係機関が情報共有し、個々の児童生徒に応じたきめ細かな支援をすることが重要であり、県教育委員会では、1人1台端末等を活用した、こころの相談室や心の健康観察を通じた児童生徒からのSOSの早期把握、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置、校内外の教育支援センターの設置促進、管理職や教員を対象とした研修など、児童生徒に寄り添った支援体制の充実に努めております。 さらに、令和7年度は、これまで事務局内に配置してきた、いじめ対応・不登校支援等アドバイザーに加え、関係部局と連携し、新たに心理職の職員を配置するなど、体制の整備、充実に取り組んでいるところです。 令和8年度は、この多職種チームによる支援の充実強化を図るため、さらなる体制整備を図るとともに、学校や教育関係者、家庭、医療、福祉等の関係機関など多様な主体と連携し、児童生徒の社会的な自立に向けて取り組んでまいります。 〇村上貢一委員 去年は3、351人と、小学校低学年も本当に多いので、ぜひそこは、幼保連携も含めて未然の防止に努めて、頑張っていただきたいと思います。 次に、フリースクールへの支援について伺います。 不登校の子供の背景も多様化、複雑化している中、民間のフリースクールの存在は、大変重要な役割を果たしております。 以前にも一般質問において質問しましたし、私どもの会派でも要望しておりますが、全ての子供に学ぶ権利と居場所を保障するためにも、フリースクールを教育施策の一部として明確に位置づけ、制度的、財政的支援を講ずるべきと考えますが、所見を伺います。 〇佐藤教育長 フリースクールは、子供たちの居場所としての役割を担うほか、学習支援や体験活動を行うなど、児童生徒の状況等に合わせた取り組みを行っており、その運営形態や運営状況、規模、活動内容等は、さまざまであると承知しております。 こうした中、全国都道府県教育長協議会では、昨年11月、国に対し、不登校児童生徒の教育機会確保のため、学校以外の場における学習活動を行う不登校児童生徒及び当該児童生徒が利用する民間の団体等との連携や支援のあり方について、速やかに検討し、必要な措置を講じるよう要望したところであります。 フリースクールにつきましては、その活動目的や活動内容等、個々に状況を見ていく必要があると考えており、県教育委員会では、フリースクールの実態把握と支援のあり方について検討を進めてまいります。 〇村上貢一委員 鳥取県ではフリースクールを、県として責任を持って認定制度をつくっております。その辺は、そういう先進事例に学んで、しっかりと鳥取県のように取り組んでいただきたいと思います。 そして、先ほど来ありますけれども、やはり国任せ、待ちの姿勢ではなく、本当に認定制度と経済的支援で一体的な整備を進めてほしいと思います。 次に、星北高等学園への支援について伺います。 私立の高等専修学校に対する運営費補助金は、私立の全日制高等学校のおよそ5分の1であり、星北高等学園は、大変厳しい経営環境のもと、先生方の献身的な努力に支えられながら運営されております。しかし、自助努力にも限界があり、家庭負担にも頼らざるを得ないのが現状ではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。星北高等学園に対する令和8年度の支援内容について、令和7年度との比較を含めてお示しください。また、このような状況では、支援を必要とする子供ほど支援から取り残されてしまいます。県として、より積極的に支援すべきと考えますが、所見を伺います。 〇村上ふるさと振興部長 星北高等学園への支援につきましては、令和5年度に、生徒1人当たりの補助単価をそれまでの倍額となる7万1、920円としましたほか、令和6年度には、スクールカウンセラーなどの配置への補助を新たに措置したところであり、令和8年度当初予算案には、生徒数の増加を見込み、前年度比14万4、000円増の1、350万5、000円を計上しております。 本県の支援額は、スクールカウンセラーへの補助を加味すれば、東北地方では最も高く、全国でも高水準となっておりますが、他都道府県の状況を見ますと、私立高校と同程度の補助を行っているところから補助金額ゼロのところまで、非常に大きな差が生じております。 これは、国による支援が、本県を例にとりますと、私立高校が国庫補助5万9、325円、交付税措置30万3、296円で、合計36万2、621円であるのに対し、私立高等専修学校は交付税措置の8、941円のみと大きな乖離が生じていることによるものでありまして、この是正が何より重要でありますことから、これまで県では、国に対し、国庫補助制度の創設と十分な交付税措置について要望してまいりました。 令和7年度は、これに加えまして、星北高等学園理事長とともに文部科学省に出向き、合同で要望を実施し、学園の実情を国に直接訴える場を設けましたほか、全国高等専修学校協会に対しても、国への組織的な働きかけについて協力要請を行ったところでございます。 星北高等学園は、不登校経験のある生徒等への支援に重要な役割を担っている学校であり、引き続き、丁寧に意見交換を重ねながら、全国協会を通じて他県との連携を図るなど、国への働きかけを強化していく考えであります。 〇村上貢一委員 星北高等学園は、不登校経験者や発達特性を持つ生徒の受け皿であって、公的役割を果たしていると思います。本来であれば公教育が支えるべき機能を補完していると私は考えます。学びの多様化も検討するという令和8年度ではございますが、まだまだ検討段階で、めども立っていない中、やはりしっかりと支援しなければいけないと思います。 約5分の1という補助水準で、多様な困難を抱える子供を支える教育が持続可能と言えるのでしょうか。これまで多くの議員が要望、議論も交わしております。先月も学園より陳情書も提出されております。ぜひ、倍にしたからいいのではなく、全日制高等学校と同等水準の運営費補助金、人件費補助金の拡充を強く求めます。 時間がないので次に行きます。次に、本県が開発したオリジナルブランド米、金色の風について伺います。 令和9年にデビューから10年を迎えますが、状況は順風満帆とは言えず、直近のデータを見ると、金色の風の作付面積は、令和3年産の250ヘクタールから、令和7年産には130ヘクタールとほぼ半減しています。また、登録経営体数も145から52へと大きく減少しています。これは一時的な変動ではなく、担い手の撤退が進んでいる構造的な問題と受けとめるべき段階ではないでしょうか。 金色の風は、高品質を保つための栽培管理が難しいにもかかわらず、価格や販売面で十分な優位性が確保されていない、農家にとって割に合わない品種となっていないでしょうか。また、消費者の認知度も低迷していると聞いております。 県が開発したフラッグシップ米が、生産者から選ばれなくなりつつある現状や認知度を、県はどのように認識、分析しているのでしょうか。また、金色の風を持続可能な基幹ブランドとして再生していくために、今後どのような具体策を講じていくお考えなのか、所見を伺います。 〇佐々木副知事 金色の風は、ひとめぼれに比べ収量が上がりにくいことや倒伏しやすいことが課題となり、全体として、委員御指摘のとおり、作付面積が減少している状況にあると認識しておりますが、生産面では、減農薬等に関心を持つ消費者向けに、高い栽培管理技術を生かした特別栽培米の生産拡大に取り組み、令和7年度の面積は、令和6年度に比べ約2倍に拡大しています。 販売面では、消費者の認知度が年々上昇しているものの、やはり低い状況にあります。こだわりを求める消費者をターゲットに、米穀専門店等へのPRを初め、豪華リゾート列車四季島での提供に加え、今年度は有名飲食店での採用が決定するなど、高価格帯の販売、取引につながっていると認識しております。 また、金色の風を取り扱っている米穀専門店等からは、価格を下げずに、さらに付加価値を高めるべきといった声を複数いただいているほか、今年度は新たに、生産者が首都圏の米穀専門店を訪問する機会を設け、直接、実需者から金色の風への高い評価を伝えていただきました。 今後も、生産者の意欲向上を図りながら、県産米のフラッグシップとしての評価をさらに高めていきたいと考えています。 こうしたことから、食味や品質にこだわった金色の風~雅~や特別栽培米の販売による付加価値向上、米穀専門店への売り込みを継続して進めるとともに、来年度は、新たに金色の風を改良した品種候補の現地試験を実施することとしており、今後も、金色の風のブランドイメージを高めていけるよう、生産者、関係団体と一体となって取り組んでまいります。 〇村上貢一委員 金色の風の特別栽培米も大分ふえたということで今答弁をいただきましたが、私は、県内で金色の風の特別栽培米を見たことがありません。 金色の風を象徴的ブランドで終わらせるのか、稼げる主力品種として再生させるのか、いわて農業生産強化ビジョンも策定された令和7年度、県の打開策への本気度を改めて伺って、終わります。 〇佐々木副知事 金色の風につきましては、特別栽培米の生産拡大、金色の風~雅~による付加価値向上、米穀専門店への売り込み、さらには、品種改良を進め生産面の課題克服など、一体的に取り組んでいきたいと思っています。 引き続き、銀河のしずく、白銀のひかりの県オリジナル品種を牽引する県産米のフラッグシップとして、生産者、関係団体と一体となって力強く取り組んでまいります。 〇村上貢一委員 ありがとうございました。(拍手) 〇佐々木朋和委員長 次に、吉田敬子委員。 〔吉田敬子委員質問者席に着く〕(拍手) 〇吉田敬子委員 いわて新政会の吉田敬子です。会派を代表して質問させていただきます。 いわて未来づくり機構令和6年度第3回ラウンドテーブルにおいて採択された若者・女性に「選ばれる岩手」宣言から1年が経過しました。知事は、若者、女性に選ばれる岩手県に近づいたという認識なのかお伺いいたします。 〇達増知事 令和7年度は、県としても、職場や地域、家庭における意識改革に向けた啓発や機運醸成、仕事と子育ての両立に向けた環境整備、リスキリングや新規創業に向けた支援などに取り組んできたほか、いわて未来づくり機構第1回ラウンドテーブルにおいても、アンコンシャスバイアスをテーマに、有識者による講演や参加者によるディスカッションを行い、産学官の各団体のトップが、それぞれの立場でのさらなる取り組みの必要性について認識を深めました。 また、一般社団法人岩手経済同友会や岩手県商工会議所連合会などにおいても、女性経営者などのパネリストによる戦略会議の開催や、専門家派遣を通じた女性の働き方改革の推進などに取り組んでおり、令和7年度のいわて女性活躍認定企業数が12月末時点で120社と、民間企業等へ着実に取り組みが広がっていると認識しております。 こうした取り組みを通じて、県民一人一人や職場の具体的な行動変容につなげていくことが重要であり、市町村や関係団体とともに、中長期的にジェンダーギャップの解消に取り組み、若者や女性に選ばれる岩手の取り組みを進めてまいります。 〇吉田敬子委員 近づいているかという認識は端的になかったわけですけれども、その実績自体が積み重なっていることは私も認識しておりますが、私が問いたいのはスピード感です。 私は、27歳で盛岡市にUターンして、ことしで20年になるのですけれども、当時の私と同じ年代の若者、女性が、今もなお、当時私が感じた生きづらさであったり閉塞感を感じている現実を知りました。私自身も大きな反省と自戒の中にいるわけですけれども、改めて、語気を強めて同じことを訴えさせていただいております。 県では、ジェンダーギャップの解消に取り組むことによって、えるぼし認定企業やいわて女性活躍認定企業、いわて働き方改革推進運動参加事業者が増加していると評価していますが、既存の枠組みの継続という危機感に欠ける印象です。 機運醸成や中長期的な取り組みの継続性は重要です。広域振興局を含め担当部局では頑張ってもらっているという認識ではありますけれども、啓発や認定制度をただ続けるだけでは、構造的な壁を突破できないですし、スピード感に欠けると私はずっと指摘させていただいております。 令和8年度当初予算案では、人口の自然減・社会減対策を重点事項に掲げ、ジェンダーギャップ解消は自然減・社会減対策の二つの機軸としておりますが、どのようにしてジェンダーギャップの解消を図るのか、知事にお伺いいたします。 〇達増知事 ジェンダー平等は、そもそも基本的人権の問題であり、これまでも、いわて男女共同参画プラン等に基づき施策を推進してきましたが、人口減少対策の観点からも、今、ジェンダーギャップの解消が重要となっております。 令和8年度予算案では、アンコンシャスバイアスへの気づきや見直しを促す意識啓発に加えて、女性の所得向上と多様で柔軟な働き方につながる女性デジタル人材の育成から就労までの一貫支援、企業における仕事と子育ての両立の促進に向けた次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定支援、若者や女性などに魅力ある雇用・労働環境の整備に向けた総労働時間の短縮や女性従業員のキャリア形成等に取り組む中小企業への支援など、より実効性のある事業を盛り込み、令和7年度を上回る予算規模としております。 また、岩手県商工会議所連合会を初めとした経済団体、農林水産分野の団体、また、男女共同参画や地域づくりに取り組む団体など、いわて女性の活躍促進連携会議を構成する全ての団体が、女性活躍やジェンダー平等の実現に向けた取り組みを実施しており、例えば、商工関係団体においては、女性創業者の発掘、支援に向けたセミナーやアンコンシャスバイアスをテーマとした研修会等の開催、農業関係団体においては、女性リーダー育成研修会の開催や女性役員等の運営参画目標の設定、金融機関においては、女性役席者の登用割合や男性の育児休業取得率などの数値目標の設定と達成に向けた取り組みの推進など、多様な取り組みを展開しています。 こうした官民連携によって、ジェンダーギャップの解消を推進してまいりたいと思います。 〇吉田敬子委員 予算増というところはわかりましたけれども、知事に改めてお伺いしたいのですが、先ほど私がお伝えさせていただいた、生きづらさや閉塞感という若者、女性の感情は、知事に十分届いているか、どのように認識しているかお伺いしたいと思います。 〇達増知事 さまざまな活動をしている方から直接話を聞く機会もありますし、インターネット上でやりとりされている意見を見る機会もあります。また、最近は、どうしても生まれ育った場所にはいられなくなったということで東京都等に出た若い女性たちが、地方の問題、会社や地域の実態を漫画なども活用して広く情報発信し、変えていかなくてはならないということを訴える、そういったものにも触れさせていただいております。 非常に根の深い問題であり、世界の中でも日本の社会の前近代性、封建制が今でも残っている実態というのは、さまざまな形で受けとめているところです。 〇吉田敬子委員 届いているというところはわかりましたけれども、私が最近思うのは、実際に声にならないものも結構現実的にあるのだなということがわかりました。知事に届いているものだけではない、実際、声にならない声もたくさんあることを、ぜひもっと認識していただけたらと思っております。 女性活躍推進に関する2024年度の県の調査結果において、女性管理職の割合は22%と横ばいで、登用されない理由の最多が、必要な知識や経験、判断力などを有する女性がいない56.9%となっていて、これこそが能力不足という名のアンコンシャスバイアスではないかと私は常々お伝えしております。 県は副知事2人体制ですが、例えば1人は女性にするとか、そのような組織改革は、県の大きなメッセージにもなり得ると私は考えています。 岩手県の産学官で構成されるいわて未来づくり機構のラウンドテーブルのメンバー、いわて女性の活躍促進連携会議の構成員など、県の会議に占める若者、女性の割合を、部会ではなく同じメンバーとしてふやすなど、構造的に変えることをこれまでも提言させていただいておりますが、所感をお伺いいたします。 〇達増知事 県ではこれまで、ジェンダー平等の実現に向けて、県の政策、方針決定過程への女性の参画を拡大するため、審議会等委員に占める女性の割合を40%以上とする指標を定め、役職員に限らない幅広い人選を進めるとともに、人材育成の観点から、若い方や経験の浅い方でも選任を検討するなど、若者の積極的な登用にも取り組んでまいりました。 一方、委員御指摘のいわて未来づくり機構は、本県の産業界、経済界、学術、教育機関及び行政がネットワークを構築する組織であり、いわて女性の活躍促進連携会議は、商工業、防災、農林水産業や建設業など、さらなる女性の活躍が期待される各分野の団体で構成され、団体間の連携を促進するための組織であり、どちらも各構成団体のトップにお集まりいただいているところであります。 今後、こうした会議のメンバーにも女性が就任していくよう、ジェンダーギャップの解消に取り組んでまいりたいと思います。 なお、県政の推進に関する重要事項を調査、審議する総合計画審議会の委員における女性の割合は45%、若者の割合は50%となっており、若者、女性に選ばれる岩手であるため、今年度さらに若者・女性部会を設置し、さまざまな分野で活躍する若者、女性の視点で議論いただいているところであり、今後も、こうした議論の結果が審議会にも反映され、ひいては地域の重要な課題の解決につながるよう取り組んでまいります。 〇吉田敬子委員 私は、審議会ではなく、いわて未来づくり機構といわて女性の活躍促進連携会議のメンバーのことをお話ししましたけれども、そこに、先ほど連携会議のほうは女性もふえていけばいいなというお話だったと思いますが、具体的に来年度、何かふやす取り組みがあるのか、改めてお伺いします。 〇達増知事 いわて女性の活躍促進連携会議は、先ほど、さらなる女性の活躍が期待されている各分野の団体で構成されていると申し上げましたが、これは、裏を返しますと、女性活躍という点で課題がある団体のトップに集まっていただいているということであります。 問題意識をそれぞれの団体の活動にまで移して活動はしていただいているところでありますけれども、まだ、トップに女性が就任するというところにまでは至っていないところであります。そこを、いつまでにトップを女性にせよということは、県として直接は、団体の自治の観点から難しいところもありますけれども、ただ、そういう方向が望ましいという方向性は共有いただいていると思いますので、さらに力を入れて取り組んでいきたいと思います。 〇吉田敬子委員 構成団体の長を女性にということではなく、個々の団体ではなく、今、構成団体が19あると思うのですけれども、それに加えて、例えば若者とか女性を構成メンバーにふやしたらいいのではないかという御提言だったのですが、改めてお伺いしたいと思います。 〇達増知事 基本的には、課題のある分野の団体を主軸とはしているのですけれども、それに対して、その課題解決のための先頭に立っている女性活躍推進とか女性の生活、仕事向上のためのNPO等団体の代表にも参加していただいておりまして、そちらは、基本的に女性の方々が代表になっている実態があります。 その間でやりとりが行われて、相互理解が進むような形になっていると理解しております。 〇吉田敬子委員 次に進みたいと思います。 2022年4月から保険適用となった生殖補助医療に対し、本県では、2023年度より交通費の助成を開始しました。経済的、身体的負担の大きい当事者にとって大きな希望となりましたが、私はこれまで、県内から仙台市等の遠方へ年間往復30回以上の通院を余儀なくされている切実な事例も挙げまして、現状の通院回数上限10回や市町村基準額の引き上げなど支援の拡充を求めてきました。これまでの利用実績、通院実態をどう把握しているのか。 青森県では、2024年度から不妊治療費の自己負担分の全額補助を開始し、さらに踏み込んだ支援にも乗り出しております。治療費そのものへの上乗せ助成などさらなる拡充も提言させていただきましたが、令和8年度はどのように取り組むのかお伺いいたします。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 県では、委員御指摘のとおり、令和5年度から生殖補助医療を受ける方への交通費助成を実施しており、利用実績は、令和5年度は91件、令和6年度は105件と増加しております。 また、通院実態については、今年度、医療機関への聞き取りやアンケート調査を行い、治療開始から妊娠が確認されるまでの一連の治療サイクルで妊娠に至らず、補助対象の10回を超えて繰り返し治療を受けている方が4割に上り、年間の平均通院回数が14.4回と推定されることを把握したところであります。 こうした実態を踏まえ、令和8年度からは、繰り返し治療を受ける場合も補助対象とし、通院回数の上限も15回に拡大し、負担軽減を図ることとしたところであります。 今後も、引き続き実態把握に努めるとともに、不妊治療費への上乗せ助成についても、岩手県産婦人科医会や生殖補助医療を行う医療機関の医師等で構成する岩手県不妊治療協議会などの御意見も踏まえ、支援のあり方を研究し、安心して治療に向き合うことができる環境整備を進めてまいります。 〇吉田敬子委員 大変大きい一歩だと思いますので、引き続き拡充をお願いしたいと思っております。 岩手県初の産後ケア施設まんまるぽっとが、2016年10月に花巻市に開所されて、ことしは10年目になります。11年前から産後ケアの重要性について私は訴えさせていただいていて、当時はまだ国の施策に産後ケアという言葉も存在せずに、産後ケアとは何ぞやとか、ぜいたくだという雰囲気すら正直ありました。そのような中で、必要性を訴えてくださる議員の皆さんもふえ、来年度は県の産後ケア施策が進展することは大変うれしく思っております。 改めて、現場で御奮闘くださり、一緒に声を上げてきてくださった助産師の皆さんにも心からの敬意と感謝をお伝えしつつ、さきの一般質問を含めて多くの質疑が交わされましたので、触れられていない部分の質問をさせていただきたいと思います。 新年度、産後ケア受け皿拡充事業を行うことで、県全体にデイサービス型や宿泊型の産後ケアが広がることを大変期待しております。専門職の配置について2024年10月30日に改定された産前・産後サポート事業ガイドライン及び産後ケア事業ガイドライン内にて、産後ケア事業の実施担当者として理学療法士等も明記されました。 助産師が母子の健康と心をサポートする一方、理学療法士が産後の運動器症状に対し、専門的な評価、リハビリを実施し、産後ケアがより包括的な体制へ拡充されます。 県は、このような助産師と理学療法士等の連携による産後ケアの活動実態をどのように把握し評価しているのか。また、人件費の補助は理学療法士等も対象にしつつ、産後ケアを担える専門職の育成を図るべきと考えるが、所感をお伺いいたします。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 助産師と理学療法士などの連携については、現在、一部の産科医療施設等において、骨盤ケアなど母親の身体的な悩みに対し、理学療法士がケアを実施していることを把握しているところであり、こうした各施設の工夫によりケアの質が高められているものと伺っております。 産後ケア受け皿拡充事業における人件費の補助については、受託先が限られる地域においても、産後ケアを円滑かつ早期に実施できる体制を確保し、受け入れ枠の拡充により予約待ちの解消を図ることを目的としており、補助対象の職種として、まず、国のガイドラインで必ず配置することが求められている看護職を想定しているところであります。 また、産科医療施設等への聞き取りでは、子供の一時預かりを助産師が担っている例も確認していることから、助産師が母子のケアに専念できるよう、保育士も補助対象として想定しているところであります。 まずは、産後ケア受け皿拡充事業により、地域における受け入れ体制の量的拡充を着実に進めることが重要と考えており、受け皿が一定程度確保された次の段階において、理学療法士の専門性をどのように本事業に位置づけていくかが検討課題になるものと認識しております。 今後も、関係機関や市町村と丁寧に情報共有を図りながら、理学療法士による支援のあり方についても、引き続き研究を進めてまいります。 〇吉田敬子委員 現在、県立釜石病院と県立大船渡病院ではデイサービス型を実施しており、県立二戸病院では、二戸市の事業に助産師を派遣しております。 今後、県立病院における産後ケアの取り組みを拡充する予定についてお伺いしたいと思います。 〇小原医療局長 県立病院での産後ケアについてでありますが、令和8年度におきましては、委員から御紹介いただきましたとおり、現在実施しております県立釜石病院及び県立大船渡病院におけるデイサービス型の産後ケアを継続して実施する予定でございます。 また、県立二戸病院におきましては、二戸市が実施する産後ケア事業に対し、引き続き助産師を派遣する形で協力していくものであります。 今後の産後ケアの拡充に向けた取り組みといたしましては、釜石病院において宿泊型産後ケアの導入に向けた準備を進めており、令和8年度早期の実施を目指しているところでございます。 吉田敬子委員を初め、委員の方々から県立病院での産後ケアの実施について多くの声をいただいておりまして、県立病院に寄せる期待が大きいことを医療局としても認識しているところでございます。 県立病院といたしましては、助産師の数が限られている中、地域周産期母子医療センターとして、周産期に係る比較的高度な医療の提供や救急搬送の受け入れにも対応しており、安全な分娩を提供するという重要な責務を担っているところでございます。 県立病院の分娩件数は減少傾向にあるものの、限られた人員の中で夜勤を含む体制の維持に努めておりますが、特に、夜勤体制の維持に必要な看護師の確保が十分とは言えず、待機制との組み合わせなどにより体制を維持している状況でございます。 こうした厳しい状況の中にあっても、夜勤を担える人材の確保や若手助産師の育成に取り組みながら、分娩体制の整備と両立する形で産後ケアの拡充についても引き続き検討してまいります。 〇吉田敬子委員 今回、県が行う宿泊型の産後ケアとして、県立病院が真っ先にやっていただけるということで大変ありがたく思っておりますし、まず、そのモデルとなるように大変期待をしております。 県立病院での産後ケア宿泊型は、対象が産後4カ月までということですけれども、例えば、デイサービスは産後1年だったりする中で、県立病院だけでなく、現在、市町村や施設によって産後ケアを受けられる回数も対象時期も、先ほど言ったとおり、産後4カ月までなのか1年までなのかと結構異なります。ぜひ、今回の新年度は大きな拡充になりますので、保健福祉部、医療局ともに、市町村格差なく事業実施されるよう、引き続き連携と課題把握に努めていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、妊娠中から産後や子育て期の日常生活にお困りの家庭に対し、自宅に家事代行やベビーシッター等のヘルパーが訪問する家事及び育児支援について、本県では、陸前高田市、八幡平市、紫波町、矢巾町の4市町において、助成対象の時期や内容などが異なりますが、利用料に対する助成を実施しています。 この取り組みを県内全市町村で取り組んでもらえるよう提言してきましたが、全国での取り組み状況などから、この事業に対する必要性についての県の認識と今後の方向性をお伺いいたします。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 家事代行サービスやベビーシッターの利用は、子育て家庭に対する支援策の一つとして重要と考えており、全国では、幅広く子育て家庭を対象とした支援を実施している自治体もあると承知しております。 本県では、委員御紹介のとおり、4市町において市町村単独事業として実施されておりますが、県としては、さまざまなリスクを抱える世帯に対する支援は、家事、育児の代行にとどまらず、その家庭が抱える不安や悩みに寄り添い、地域につながりを生み出すことも重視して取り組むことが重要と考えております。 また、家事、育児の負担の背景として、長時間労働や育児休業制度の運用など、企業側の働き方に関する課題もあると捉えており、令和8年度当初予算案に、一般事業主行動計画の策定支援に関する経費を新たに計上し、企業の働き方改革の推進を後押ししてまいりたいと考えております。 国においても、家事支援サービスやベビーシッターの利用促進に向けて、関係省庁が一体となり総合的に検討を行う方針が示されており、県といたしましても、国の動向に対応しつつ、関係部局がそれぞれの役割を果たしながら、市町村や企業とも緊密に連携し、総合的に家事、育児支援の充実に取り組んでまいります。 〇吉田敬子委員 家事、育児のアウトソーシングの促進として、家事支援サービスの利用促進を来年度開始いたします。さきの菅原亮太議員の一般質問でも同様の趣旨で取り上げられておりましたけれども、これまでの提言で、私も、家事支援と育児支援はセットで考えており、今回は家事支援のみが先行してしまう形になりましたが、先ほど野原保健福祉部長がお話しされたとおり、国が行う予定の家事支援サービスやベビーシッターの利用促進について、動向を注視しつつ、県民の家事、育児の負担軽減策となる制度設計へとつなげていっていただきたいと思っております。 県内で家事支援、育児支援を実施している事業者数をそれぞれどの程度と把握しているのか。また、今後の家事、育児支援サービスの事業展開における課題をどう捉えているのか、お伺いしたいと思います。 〇佐々木副知事 まず、県内の家事代行等を行う事業者については、県内で利用可能な、いわゆる家事代行サービス提供事業者として6者を確認しているところです。 また、ベビーシッターについては、乳幼児の居宅を訪問して保育を行う居宅訪問型保育事業所が8市町、15カ所で活動していることを把握しています。 今後の家事、育児サービスの事業展開における課題については、国の調査におきまして、利用に対する価格面での負担や心理的抵抗感、サービス提供側の人材不足や提供エリアの偏在、サービスの安全性と品質の確保などが指摘されており、県でも同様の課題があると認識しています。 家事、育児の負担軽減に資するサービスの利用促進につきましては、国においても総合的な検討が進められておりますが、県としては、固定的性別役割分担意識の解消、サービス利用に対する心理的抵抗感の払拭により、県民に身近で利用しやすいものとなることが重要と考えています。 このため、令和8年度は、女性活躍や働き方改革に取り組む県内企業等と連携し、従業員を対象とした家事代行サービスのモニター事業を実施することとしております。 〇吉田敬子委員 家事代行サービス提供事業者6者が8市町、15カ所にあるということでしたが、実際やっていたけれども、やめてしまったという方も個人事業者で結構いらっしゃるので、数としては6者とか15カ所ということではあると思うのですが、実際に県がやっていこうとなると必ず出てくるはずですので、そこも注視していただきたいと思っております。 先ほどの4市町のみ行っている取り組み、まずそこを拡充しながら、それに対する県の利用料の補助になっていけばいいかと私は思っておりまして、商工労働観光部、環境生活部、保健福祉部で連携して制度設計をぜひ図っていっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 次に行きます。2025年の小中高生の自殺者数は532人で、統計のある1980年以降で最多となりました。内訳は、小学生が10人、中学生が170人、高校生が352人。小中高生の自殺者数は、コロナ禍に入った2020年に急増し、以降も高どまりが続いています。特に、女子中高生で増加傾向が目立っており、2019年と2025年を比べると、中学生で2倍、高校生で2.2倍にもなっています。しかも、少子化で子供の数は減っているわけであり、子供の自殺リスクは実数以上に高まっていると私は思っています。 小中高生の自殺の原因や動機は、健康問題、学校問題、家庭問題と続きますが、その背景のおよそ半数が不明となっています。困難な状況にある子供たちのために、相談窓口の設置や拡充はもちろん、学校や家庭以外の第3の居場所支援も重要と考えております。 そこで、子供の自殺の現状に対する知事の受けとめと子供たちへのメッセージについてお伺いします。また、2025年の改正自殺対策基本法により、子供の自殺対策が強化され、社会全体で取り組む理念が追加されましたが、本県の令和8年度事業で新規または強化される取り組みをお伺いします。 〇達増知事 子供の自殺については、家庭や友人関係の悩み、学業不振、健康問題など、さまざまな生きにくさが背景にあると考えられますが、いかなる事情であれ、子供たちがみずから命を絶つようなことはあってはならないことであり、子供たちのSOSを見逃さず、生きにくさを生きやすさに変えていかなければなりません。 子供たちには、悩んだり不安を感じたりすることは決して特別なことではなく、誰にでも起こり得ることであり、深い悩みを抱えたときは、信頼できる身近な大人に相談してほしいと思います。私たちは、子供たちの思いや気持ちを大切に受けとめ、信頼できる大人がいると思える社会をつくりたいと思います。 県では、岩手県自殺対策アクションプランの重点施策に子ども・若者の自殺対策を掲げ、24時間子供SOSダイヤルの設置及び全児童生徒への周知、スクールカウンセラーの配置による心のサポート、県独自のこころの健康啓発動画を活用した授業の実施などに取り組んでいます。 令和8年度もこれらの取り組みを継続し、多様かつ複雑な困難を抱える子供たちが、誰ひとり取り残されることなく、社会の中に安心できる居場所を持ちながら成長、活躍ができるよう、多様な主体との協働や各種施策との連携により、岩手県の総力を結集して、幸福を実感できる地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。 〇吉田敬子委員 先ほど若者、女性のお話を取り上げさせていただきましたけれども、それ以上に、子供たちの声が私たちには届いていないかもしれないということ前提で、県政運営、施策にぜひ反映していっていただきたいと思っております。 県では、こどもモニター制度を導入されましたが、現在登録されているこどもモニターの年齢、性別、居住地域などの属性と、今年度、各部局が12項目について行ったアンケート結果をどう評価しているのか。令和8年度の県の施策にどのように生かされたのか、お伺いいたします。 〇小野政策企画部長 県では、令和7年度を初年度として、子供に特化したモニター制度を導入し、子供の意見の聴取と反映に取り組んでおります。 令和7年度のこどもモニターは115名おりますけれども、その属性を見ますと県央及び県南地域が多く、沿岸と県北地域が比較的少ない、それから女性が約5割、男性も約5割となっており、性別バランスは比較的とれているかと思います。また、小学生が約5割、中学生が約3割、高校生が約2割となっており、高校生が比較的少ないといった属性上の特徴があります。 募集時の周知に課題があると考えておりまして、令和8年度の募集については、早期に募集を開始するとともに、SNSや県教育委員会等を通じ広く周知を行い、より多くの方々にモニターとして御参加、活動いただけるよう取り組んでまいります。 また、12項目について行ったアンケート結果についてですが、現時点におきまして、次期児童虐待防止アクションプランへの反映、令和8年度のライフデザイン設計講座の内容への反映などが行われております。多くの部局から、子供の困っていることや希望がわかり、とても参考になったといった声がございます。私も読んでみまして、子供の皆さんの考えについて多くの気づきがございました。 こうしたことから、令和8年度におきましても、こどもモニター制度を活用し、次代の社会を担う子供たちの意見の把握、そして県政への反映にしっかり取り組んでまいります。 〇吉田敬子委員 こどもモニター制度は、私も細かく見せていただいて、本当にしっかり回答していただいて、回答率もすごく、大人より高い状況であります。先ほど政策企画部長がおっしゃっていただいたように、沿岸地域、県北地域が少ないということで、やはり地域性を考慮して、広く多くの子供たちにこのモニター制度を担っていただけるよう、ぜひ来年度はそこをしっかりお願いしたいと思っております。 不登校児童生徒の学びの場についてお伺いしたいと思います。 現在、市町村の教育支援センターは27市町に、校内教育支援センターの設置率は、小学校61.6%、中学校87.2%、フリースクールは県内に18団体、ほか出席扱いとなったのは、小学校18名、中学校27名と全体の1.7%ではありますが、オンラインという選択肢もあります。 それぞれについて、県が目指す姿はどのようなものなのか、また、その姿に向けて新年度はどのように取り組むのか。ポータルサイトのアクセス性の低さについても指摘させていただきましたが、その他の改善点、支援策等あればお伺いいたします。 〇佐藤教育長 県教育委員会では、全ての市町村に教育支援センターが設置されることを目標としておりますが、現時点で6町村が未設置となっております。これらの町村の中には、具体的に設置の検討を進めている自治体がある一方で、児童生徒数や学校数が少なく、校内教育支援センターや別室登校などで対応が可能であるなどとして、検討に至っていない自治体もあります。 校内教育支援センターにつきましては、令和7年6月末時点の設置率が70.6%となっているところですが、さらなる設置促進のため、令和8年度は、市町村に対する運営費補助を拡充することとしております。 県教育委員会では、引き続き、市町村に対し、校内外の教育支援センターの設置に向けた働きかけを行ってまいります。 フリースクールは子供たちの居場所としての役割を担うほか、学習支援や体験活動を行うなど、児童生徒の状況等に合わせた取り組みを行っておりますので、今後も、フリースクール等民間団体との連携強化を図ってまいります。 オンラインでの学びについては、各学校において、自宅や校内教育支援センターにいる児童生徒に対し、授業の配信を行うなど学びの提供に取り組んでおり、引き続き、1人1台端末を効果的に活用した教育機会の確保を促進してまいります。 今年度立ち上げた不登校支援ポータルサイトについては、アクセス性の向上やSNSによる相談窓口の紹介のページを追加するなどの改善を図ったところですが、継続的に見直しや充実を図ってまいります。 〇佐々木朋和委員長 再開後おおむね2時間が経過いたしますが、質疑を続行したいと思いますので、御了承願います。 〇吉田敬子委員 ぜひ、ポータルサイトの部分については、12月定例会でもお話ししましたけれども、なかなか、飛んで飛んで飛んで飛ばないと必要なところに行きませんので、教育長も見ていただいたということですから、そこは来年度しっかり改善されていることを期待して、また改めてそのときに質問したいと思っております。 県立図書館内に県の教育支援センターふれあいルームの分室を設置していただきまして、大変評価しております。県は、この県立図書館における取り組みをどう評価しているのか。また、同様の取り組みを市町村立図書館でも展開できるよう支援することを提言してきましたが、市町村への支援についての県の考えをお伺いいたします。 〇佐藤教育長 ふれあいルーム盛岡についてでありますが、令和7年度は、令和8年1月末時点で5名の高校生が利用しており、学校、家庭、ふれあいルームの3者が協力し、それぞれの生徒の状況、カリキュラム等に合わせた支援を行い、学習機会の確保に努めているところです。 このように、ふれあいルーム盛岡の設置により、不登校の高校生が、みずからの進路目標に向かって主体的に取り組むことができていると認識しております。 県教育委員会では、ふれあいルーム盛岡の取り組み状況や成果について市町村教育委員会に情報提供しており、引き続き連携、協力して、誰ひとり取り残されない学びの保障に向けて取り組んでまいります。 〇吉田敬子委員 前にもお話ししましたけれども、例えば熊本県は、県がやっているものを市町村にもやってもらおうということで、市町村に対する補助を始めたということを以前取り上げさせていただきました。 情報提供して、もしなかなか進まないのであれば、県立図書館でやっている事例は、私はすごくいい取り組みだと思っておりますので、そこをぜひ来年度、次に続くようにまた質問させていただきたい、継続したいと思っております。 また、県立図書館での実績を踏まえて、社会教育施設である県立美術館、県立博物館においても不登校支援の拡充に取り組むことを提言させていただいていますが、令和8年度の県立美術館、県立博物館における不登校支援についてお伺いしたいと思います。 〇佐藤教育長 県立美術館や県立博物館は、学校では体験することが難しい芸術や科学、歴史等に関する豊富な情報の提供が可能な施設であり、さまざまなプログラム等を用意し、多くの児童生徒を個人または団体で受け入れており、児童生徒にとっても貴重な存在となっております。 このため、県立美術館や県立博物館を不登校児童生徒に利用してもらうため、令和8年度は、県教育委員会が民間団体等とともに開催している不登校支援フォーラム等を通じて、県立美術館、県立博物館についてフリースクール等に積極的に周知を図るとともに、不登校児童生徒も対象とした鑑賞サポートや出前授業等の充実に引き続き取り組んでまいります。 〇吉田敬子委員 今回、これまでも制度としては可能だったものを、来年度はしっかり周知していただけるということで、ぜひ、実際に利用していただけるように、フリースクールだったり民間の方々への周知をお願いしたいと思っております。ありがとうございます。 次に、知事部局が主体となったフリースクールへの支援について、佐藤ケイ子議員の代表質問では、県ではフリースクールの支援のあり方について検討を進めていく必要があると考えていると答弁されましたが、令和8年度は具体的に何をするのかお伺いしたいと思います。 〇佐藤教育長 フリースクールについては、運営形態、運営状況、規模、活動内容等さまざまであるということでございますが、こうした中、全国の教育委員会でも国に対して、支援のあり方について整理してくださいという申し入れをしております。これは、都道府県によりましてもさまざまな支援がなされているということで、従前、市町村が多かった経済的支援について、都道府県でも行うところがふえてきたという事実もございます。 そういう中で、本県としましても、フリースクールの実態把握と支援のあり方について、全国の状況も見ながら検討を進めてまいりたいと考えております。 〇吉田敬子委員 これは知事部局がやっていただくことが大事で、教育長に答弁いただいたのですけれども、教育長から、フリースクールの連携会議等も含めて、今後、多分検討はしていっていただけると思うのですが、やはり知事部局がやっていくことなのです。12月定例会でも取り上げさせていただいたのですけれども、私は、今、環境生活部が子供の居場所支援をやっているので、そういったところと連携したらいいのではないかということを提言させていただいたのですが、知事部局と県教育委員会との話し合いはあるのでしょうか。 〇佐藤教育長 これまで県教育委員会は県教育委員会中心に検討してきたところがございますが、全国の状況を見ましても、知事部局でこういう支援をしているところもありますので、我々としても、知事部局ともしっかり意見交換してまいりたいと思います。 〇吉田敬子委員 意見交換していただけるということなので、よろしくお願いいたします。 次に、2021年9月に施行された医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律があります。この支援法ができた後に、県では、2022年9月に岩手県医療的ケア児支援センターを設置しました。設置されて3年半がたちます。 これまで、看護師であるコーディネーターがお一人で全県をカバーし、丁寧な対応を続けてこられたことは高く評価されるべきだと思っております。しかし、医療的ケア児が地域で育つ上で、特に保育、教育の場における受け入れ体制の構築は、喫緊の課題であります。医療的ケア児の保護者が直面する就園や就学の壁は物すごく厚く、学校現場等との橋渡しには教育分野の知見を持ったコーディネーターによる専門的な支援も欠かせないと思っております。 県及び重症心身障害児・者及び医療的ケア児・者支援推進会議では、現在の1名体制の課題をどのように認識しているのか。また、保育、教育分野における課題をどう認識しているのかお伺いいたします。また、相談件数の増加や多様化に鑑み、保育、教育分野のコーディネーターを配置するなどセンターの体制を拡充すべきと考えますが、令和8年度の具体的な取り組みについて、あわせてお伺いいたします。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 医療的ケア児の御家族からのニーズの高まりを背景に、保育所や地域の小中学校などにおける医療的ケア児の受け入れ数は年々増加傾向にありますが、ニーズに十分に対応するためには、受け入れ側の医療的ケアの知識やスキルの習得や、保育や教育といったライフステージに応じた切れ目のない支援体制の構築が課題であると認識しております。 このため、県医療的ケア児支援センターでは、保育所や学校等における医療的ケア児の受け入れに係る対応力向上を図るため、保育所等を対象とした医療的ケア出張講座や、医療的ケア児の教育にかかわる支援者同士の情報交換会の開催などに取り組んでまいりました。 また、広い県土を有する本県にあっては、身近な地域において希望する支援を受けられるよう、各地域において市町村コーディネーターを中心とした切れ目のない支援体制が構築されることが重要であり、県センターは、地域での支援構築を伴走支援する役割を担っております。 そのため、令和8年度も引き続き、市町村コーディネーターの養成研修のほか、医療関係者参画のもと、医療的な見地から助言などを行う医療的ケアアドバイスチームの設置などに取り組み、医療的ケア児及びその御家族が地域において希望する就園、就学が実現できるよう、支援体制の充実を図ってまいります。 〇吉田敬子委員 改めてお伺いしますが、今、お一人でやっている現状で、保育、教育の相談がすごくふえているということは常任委員会の質疑でもやっているのですけれども、その保育、教育の分野について、今、足りないという認識とかは、保健福祉部長はお持ちでしょうか、改めてお伺いしたいと思います。 〇野原企画理事兼保健福祉部長 委員からも常任委員会で御指摘いただいて、保育所ではきちんと保育士等が支援する体制がとれているのが、就学で小学校に移ると、きちんと引継ぎが行われていなくて、また一から始まってしまうという話をいただきました。 また、花巻市がすごく先進的な取り組みをされていて、保育や教育、医療等のさまざまな方々の支援で個別的な会議をやっていらっしゃる。 その花巻市の関係機関の聞き取り調査を見ると、例えば、小学校においても、担任がかわるとまた一からの状態になるといった話もあって、医療的ケア児を支える支援者の方々が、お子さんや御家族のことを、個人情報の引き継ぎがあるかとは思いますが、そこはきちんと連携して、情報共有していくことは重要なことであり、花巻市は結構丁寧にされています。我々も、花巻市のような取り組みのようなところを横展開していきたいと思っています。 県のコーディネーターは1人ですが、市町村のコーディネーターは23人いるのです。市町村コーディネーターを我々はこれまで250人以上養成してきました。市町村で担い手は育成してきた。市町村のコーディネーターは23人いる。そこは身近なところで機能させていきたいと我々は考えています。 そのために、県の役割として、伴走支援は県センターの1人が担うのではなく、市町村のコーディネーターと連携しながら、医療的ケア児とその御家族に丁寧に寄り添った支援をしていきたいと考えております。 〇吉田敬子委員 本当に保育園で何とか頑張って入れたものが、今度、小学校入学でまた同じことをやらなければいけない。中学校、高校と毎回同じことをゼロからやらなければいけないということを保健福祉部長は認識していただいたと思います。その課題が、私は県教育委員会にもあるかと思いますので、県教育委員会にお伺いしたいと思います。 県教育委員会は、岩手県立学校における医療的ケア実施指針を策定し、県立学校でのたんの吸引、経管栄養などの医療的ケア体制を定めております。法にのっとり、各市町村教育委員会においても同様に、保育及び教育現場におけるガイドラインの策定が必要だと私は考えております。 文部科学省は、都道府県教育委員会に対し、小学校等における医療的ケアの実施体制について、留意すべき事項を示し、対応を求める通知を2024年4月に発出しているとのことですけれども、県は、各市町村の保育及び教育におけるガイドライン策定の取り組みをどう把握し、これまでどのように支援してきたのかお伺いいたします。 〇佐藤教育長 医療的ケアが必要な子供たちが安全で安心な学校生活を送るために、学校を設置する教育委員会は、医療的ケアガイドラインを策定することが必要とされております。 本県におきましては、委員御紹介の県教育委員会が定める岩手県立学校における医療的ケア実施指針のほか、盛岡市を初めとする15の市町においてガイドラインを策定済み、令和8年度に3市町村で策定予定です。 県教育委員会では、令和7年度、市町村教育支援担当者研修会において、ガイドラインの策定を行った市町村教育委員会の取り組み事例に加え、県医療的ケア児支援センターが、市町村と連携して、医療的ケア児の地域の小中学校への就学を支援した事例を紹介するなど、学校における医療的ケアの実施に関する理解促進と体制整備の支援を行っているところです。 今後も、関係機関と連携しながら、ガイドラインの策定など、市町村教育委員会の取り組みを支援してまいります。 〇吉田敬子委員 先ほど策定済みの市町村数を教えていただきましたけれども、市町村のガイドラインの策定状況の御答弁は、今回の私の質問の後に市町村に照会をかけられて把握されたと私は―資料提供を事前にしようと思ったら、把握していないということだったのです。ですので、把握していないということは、これまで支援ができていなかったと私は思ったのですけれども、先ほどの御答弁だと支援しているようなお話だったのですが、改めて認識についてお伺いしたいと思います。 〇佐藤教育長 令和3年度に、県教育委員会が先ほど申し上げました実施指針を策定した時点では、本県の市町村教育委員会でこのガイドラインをつくっているのは、盛岡市、滝沢市、金ケ崎町の3市町でありました。その後、先ほど令和7年度の取り組みを申し上げましたが、県教育委員会としても体制を整えるべきということで照会する中で、現在、先ほど申し上げたとおり15の市町でガイドラインを策定済み、来年度は3市町村で策定予定ということですので、引き続き、県教育委員会としても市町村教育委員会をしっかり支援して、速やかに策定されるよう取り組んでまいりたいと思います。 〇吉田敬子委員 先ほど野原企画理事兼保健福祉部長には、支援センターで頑張っていただいていると御答弁いただいたのですけれども、実際、現場の市町村教育委員会でガイドラインが―例えば、先ほど盛岡市の話がありましたが、盛岡市でガイドラインが策定されていても、同じような児童がおります。保育園、小学校、中学校と毎回同じようにやっているような現状です。 せっかく支援センターができて、現場では相談員、コーディネーターの方が頑張っているのですけれども、まだ市町村において、ガイドラインを策定しても、実際には支援につながっていない現状ですので、ぜひそこは、教育長、改めてしっかり来年度取り組んでいっていただきたいと思っております。 以上です。終わります。ありがとうございます。(拍手) 〇佐々木朋和委員長 お諮りいたします。続く総括質疑は明日行うこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇佐々木朋和委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 明日以降は、毎日午前10時から開会いたしますので、よろしくお願い申し上げます。 本日はこれをもって散会いたします。 午後5時34分 散 会 |
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