令和7年12月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇16番(菅野ひろのり君) 希望いわての菅野ひろのりです。登壇の機会を与えていただいたことに感謝を申し上げ、重複する点もありますが、通告に従い、質問に入らせていただきます。
 まず、達増県政について伺います。
 多党化の潮流と国民意識の変容について。
 本年7月の参議院議員選挙の結果を受け高市政権が誕生したその背景には、国民民主党、参政党、チームみらいなどの中堅、新興勢力が台頭し、日本の政治が本格的な多党制へ移行しつつあることを示しました。
 この背景には、和をもって貴しとなすという日本人の気質や多様化した民意が、二者択一を迫る小選挙区制度にいまだ定着していないという状況があります。
 私は、二大政党制に見られる保守対リベラルという二極の対立構造は、複雑化した現代社会の課題解決を停滞させる一要因ではと捉えるようになりました。現に、無党派層が有権者の半数以上を占めるという事実は、国民が既存の対立軸に失望しており、政治的な課題解決は、もはや単純な政治思想の傾向だけで割り切れるものではないというのが私の見解です。
 こうした現代の政治に求められるのは、対立軸を超えた課題解決の思想ではないでしょうか。リベラルの寛容性を基盤としつつも、政策課題に応じて保守的、リベラル的な思考を統合し、中道的で温厚に展開するリベラル保守が必要であると考えます。しかし、残念ながら、言論空間では保守やリベラルが、政策の本質ではなく単に立ち位置を示す表面的なレッテルとして機能し、選挙での政策論争が陣営選びに終始してしまっています。
 これを地方政治の場で考察すると、政策的な課題解決と現実の間にねじれを生じさせています。例えば、ある政治学者は、このねじれの根源を新自由主義的な市場原理や規制緩和が安易に保守と連想される風潮に対し異議を唱えており、生産効率を優先し地域の基幹産業や公共サービスを切り捨てる政策は、大切な共同体の秩序を守り育てるという古典的保守の精神に真っ向から反するものだと指摘しています。
 したがって、現代の喫緊の課題である、例えば少子高齢化、気候変動、デジタル化等は、伝統的な二極の軸だけでは解決できず、地域のきずなと秩序を重んじる保守的要素と、住民の多様な生き方を尊重し変化に対応するリベラル的要素、この両論が必要不可欠です。
 そういう意味で、保守とリベラルの両方の知性を統合することが、複雑化してきた昨今の地方政治の課題解決を探る道であり、二極のどちらにも依存し過ぎない統合の知性が強く求められると考えます。
 そこで伺いますが、国政における多党化があらわすように、国民の意識は、従来の保守対リベラルという二極対立の構造から政策ごとの判断へと変容していると考えられますが、知事は、この多党化の潮流と国民意識の変容を現在の政治情勢の中でどのように捉えているのでしょうか。
 このような政治情勢の中で、知事は、いわて政友会の活動について、政治は行政のチェックというキーワードを示しました。知事のその意図は、県民一人一人が、暮らしの課題から行政に触れ、その声が政策として実現につながり、結果として、類似する考えの集団が政党を結びつけ、それが県民による行政のチェックと政治参加の促進につながるという政治参加のメカニズムにあると思います。
 この行政と政治のかかわりこそが、政治は自由、行政は中立公正という考えにつながり、特定政党の利害を超えた政治の正常化を目指す試みであると私は理解しています。
 知事のこの政友会という名称に込められた熱い政治的思いとそれが促す県民の政治参加が、岩手県の掲げる希望郷いわての実現にどのように結びついていくのか、知事の見解を伺います。
 これら現代の複雑な政治状況において、知事には、行政の執行責任、公務と、政治的信念に基づく政策実現の責任、政務という二重の役割が求められています。
 政務秘書について、大前提として、一職員かつ特定される個人を取り上げるべきではないという考えを述べた上で、私は、多様な価値観が併存する県政運営を推進し、それぞれの課題に対応する、さきに述べた統合の知性に基づく政策立案と実現力を高める上で、公務と明確に区別し政務に専念する政務秘書の存在は、知事のリーダーシップを支え、政策実現能力を高めるための県民利益に資する公的な投資であり、妥当だと考えます。
 政務秘書について知事の考えを伺います。
 次に、マニフェストプラス39について伺います。
 そういう中で、県政史上初の5期目の達増知事のマニフェストプラス39に、県民や県議会の大きな注目と期待がかけられています。
 昨年の決算特別委員会総括質疑において、取り組み状況をわかりやすい形で示すべきとの我が会派の質問に対し、来年2月の当初予算案の公表時に示したいとの答弁がありました。現在、その予算案公表に先立ち、9月16日に取り組み状況を示した県の真摯な対応を評価いたします。
 その取り組み状況によれば、39項目中、子育て支援策の展開と拡充や子どもの居場所、遊び場づくりを初めとする35項目が、既に順次実施や事業に着手に区分されているほか、持続可能で希望ある医療体制の構築や障がい者支援施設の整備などの4項目の取り組みが進展するなど、関係者との丁寧な意思疎通のために一定の時間を要する事例もある中で、全体としては確実に進捗しているものと認識しています。
 そこで、マニフェストプラス39全体の取り組み状況をどのように評価しているのか、知事に見解を伺います。
 次に、リハビリテーションセンターのサテライト施設の整備について伺います。
 マニフェストプラス39には、事業着手前の具体の検討にとどまるものが4項目あります。この4項目には、これまでの答弁や取り組み状況等を分析してみると、スポーツ医・科学センターの建設と活用の検討については、県営体育館等の再編整備とあわせて議論、三陸沖における再生可能エネルギーの推進については、岩手県海洋エネルギー関連産業創出ビジョンに位置づけて議論、三陸振興を総合的にプロデュースするまちづくり会社を設立については、公益財団法人さんりく基金や三陸DMOセンターの役割を発展させるなど、3項目において一定程度その道筋が見えてきたところです。
 一方、リハビリテーションセンターのサテライト施設の整備については、岩手県におけるリハビリテーションのあり方検討会での意見を踏まえ、具体の検討を進めている段階にあります。
 私は、諸課題の検討を加速させ整備の方向性を早期に示すべきと考えますが、県の見解を、あり方検討会における意見や検討の状況とともにお示しください。
 次に、農業振興、岩手県立農業大学校について伺います。
 岩手県立農業大学校は、本県農業の次代を担うリーダーを育成するだけではなく、日本の食料基地としての責務を担う重要な役割を担っています。
 昨年の決算特別委員会において、佐々木副知事が、施設整備に向けた基本構想の策定について答弁されてから、本年10月31日の基本構想策定に至るまで、わずか1年足らずという行政においては驚異的なスピード感であり、本県農業の未来を切り拓く確固たる姿勢が強く示された結果だと心より敬意を表します。
 その間に実施した農業団体や学識経験者等が参画する懇談会や学生との意見交換において、将来の経営を見据えた実践的な学びの深化やカリキュラムの拡充等の意見が出されています。
 2年制を基本としつつも、学生の高い意欲に応じた長期的な実践機会をどのように設定し、また、現場に直結する、例えば畜産分野におけるTMR―完全混合飼料調製技術の習得や狩猟免許等の資格の取得を支援するカリキュラムの拡充をどのように進めていくのか、県の考えを伺います。
 次に、家畜診療所体制について伺います。
 岩手県農業共済組合の家畜診療所は、平成31年4月の家畜共済制度の改正に伴い、経営赤字が顕在化し、全県的な家畜診療体制の維持が困難となり、家畜人工授精師業務からも令和6年度末で撤退せざるを得なくなりました。
 現在の県内の産業動物獣医療を見ると、岩手県農業共済組合の獣医師23名に加えて、民間の開業獣医師が担っています。民間の開業獣医師には、60代後半から80代の高齢の方も多い状況です。
 国が定めた獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針では、診療施設の廃止等診療の提供が困難となる場合には、当該地域に対する診療を提供する体制の整備を促進する。それでもなお、十分な診療の提供が確保できない場合には、獣医療関係者間の意見の調整を十分に図った上で、家畜保健衛生所等公的機関による補完的な診療の提供に努めると記載されています。
 また、私は東京都千代田区半蔵門にある全国農業共済協会に伺い、常務理事に全国の動向も踏まえ助言をいただいてまいりました。家畜診療体制の整備に当たり、自治体からの財政支援や生産獣医療―予防医療のことでありますが、それらの強化を初め、地域の実態に即して、県と関係各所が連携していくことが重要と伺っています。
 県では、基本方針を踏まえ、令和3年3月に獣医療を提供する体制の整備を図るための岩手県計画を定め、昨年度から、本県の獣医療提供体制の整備に向け関係団体との意見交換を行っていますが、体制整備に向けたロードマップを早々に示すべきと考えます。
 獣医療提供体制の整備について、課題をどう捉え、どのような時間軸で取り組んでいくのか、県の考えを伺います。
 次に、教育施策について。県立岩谷堂高等学校の総合学科の維持について伺います。
 岩谷堂高校は、第3期県立高等学校再編計画において、農業、工業系列の募集停止が示されました。私は、総合学科が専門学科の統廃合の調整弁として理念なく利用され、全国で初めて総合学科を設置したモデル校である岩谷堂高校までもが再編計画の対象になる現状は、県教育の遅滞のあかしであり、県内の総合学科は、いずれ廃校となる危機に直面していると強く危惧いたします。
 総合学科が持つ学びの多様性と選択肢の幅は、農業や工業といった専門分野を含む多様な学びの選択肢によって支えられています。これらを削除することは、総合学科の存在意義を根底から否定し、実質的な骨抜きにほかならず、専門科目の学習指導要領の、幅広く開設するという法的要請を満たさなくなり、実質的に選択科目の多い単位制普通科へと変質させるものです。
 本来、総合学科は、単位制に基づき、幅広い選択肢を提供することで、個性の伸長と進路の複線化を実現する重要な学びの場であり、実践的な機会を提供することは、生徒の進路への高い自覚と主体的な意思決定能力を醸成します。
 また、総合学科は、進学か就職かを迷う生徒にとっての教育的なセーフティーネットとして機能します。生徒の進路選択が段階的に行われることで、不登校生徒がいないなど、適した学びの環境となっている事実も見過ごせません。
 農業、工業などの専門科目は、地域産業との接点となり、地元への就職、定着を目指す生徒の具体的な進路ルートを担保します。岩谷堂高校は、特に農業産地である江刺地域に根づいていた旧岩谷堂農林高等学校との統合も背景にあったことから、地域産業とのかかわりは今後も重要です。
 したがって、総合学科の存続と再構築は、行政的な調整ではなく、生徒の多様な学びのニーズに応えるための重要なツールという教育的な視点からの評価軸への転換を県教育委員会に強く求めます。
 総合学校に対する県の評価と岩谷堂高校の系列維持に対する県の考えを伺います。
 次に、教職員の逮捕事案と信頼回復に向けた取り組みについて伺います。
 本年10月に、奥州市立学校の教職員が、わいせつな行為をして逮捕される事案が発生しました。本年は、奥州市以外でも、盗撮や窃盗による教職員の逮捕事案が連続発生しています。逮捕事案は合計3件です。保護者からは、学校に安心して子供を預けられないといった不安の声が聞かれます。
 教職員の逮捕事案の連続発生は、既存の再発防止策が機能不全に陥っていることを示しています。個人の問題にとどまらず、組織全体あるいは教育現場の、例えば長時間労働、職場、労働環境等におけるストレスなど、構造的な問題でもある可能性もあります。
 児童生徒、保護者が安心できるよう、そして、懸命に職務に取り組んでいる教職員のためにも、県教育委員会は、強い危機感と決意を示し、再発防止策の抜本的な改善を早急に行い、組織を挙げて信頼回復に努めるべきです。
 教育委員会は、この事態を組織全体の構造的な問題として捉え、強い危機感をもって臨んでいるのか、その認識と具体的な再発防止策について伺います。
 次に、国際交流について。国際交流の本質的な意義と平和への貢献について伺います。
 世界的に自国優先のナショナリズムが台頭する中、国際交流の重要性は一層高まっています。そのような情勢の中、10月30日にショーナ=ケイ・M・リチャーズ駐日ジャマイカ大使が初めて岩手県奥州市を訪問し、翌日には知事との懇談が実現しました。大使は、国連軍縮諮問委員会議長としての役割に加え、今回、ハリケーンの被害に見舞われた母国の窮状を訴え、東日本大震災津波からの復興を進めた岩手県の防災、復興手法に関心を示されたと伺いました。
 この交流は、奥州市内でジャマイカ料理店を営み、NPO法人を運営する石川悦哉さんによって、長年の活動を経て実現しました。奥州市立江刺ひがし小学校での特別授業や地域有志による歓迎セレモニーといった交流が実現し、外交における人と人とのつながりの重要性が浮き彫りになりました。
 岩手県が推進してきた国際交流は、相互理解を深め、国境を越えた笑顔が、信頼と平和の土壌を耕すことを改めて示すものだと感銘を受けました。
 さらに、12月19日には、本県とインドの人的交流、経済交流等を促進するため、駐日インド大使館と共催で印日パートナーシップ岩手:岩手デイが開催されるとのことで、岩手県における国際交流の一層の広がりを感じています。
 国際情勢が厳しさを増す中、今、岩手県が目指す国際交流の真の目的はどこにあり、国際交流を通じて平和の構築へどのように貢献していくお考えか、知事の見解を伺います。
 スポーツ交流について伺います。
 陸上強国であるジャマイカは、鳥取県と姉妹提携を結び、元ジャマイカ代表で2015年世界陸上北京大会金メダリストのクリスティン・デイ氏をスポーツ国際交流員として招聘するなど、交流を推進しています。
 来年春ごろにNPO法人の主催と鳥取県の理解のもと、同交流員を奥州市に招き陸上競技教室が開催される予定と伺っていますが、岩手県として、この機会を捉え、陸上交流への支援や岩手県独自の交流事業拡大の可能性について模索してはいかがかと思いますが、県の見解を伺います。
 次に、国立天文台水沢VLBI観測所について伺います。
 岩手県は、ILC―国際リニアコライダー計画と奥州市水沢の国立天文台水沢という二つの世界的な科学プロジェクトと深い関係があります。これらは、国際的な基礎科学研究という点で共通点があり、宮沢賢治の理想郷イーハトーブの精神とも連続しています。岩手県は、知と国際協調の聖地だと強く感じています。
 その国立天文台水沢は、ブラックホール研究や火星衛星探査計画―MMXに携わるなど最先端の研究が行われています。しかし、国立天文台水沢の持つ世界遺産級の文化財的な価値が、十分に認識されていないと感じています。
 国立天文台水沢は、明治32年に日本初の国際共同研究・観測事業である国際緯度観測事業の施設として誕生しました。初代所長の木村榮博士が、地球の極運動の謎を解くZ項を発見し、その観測データは現在の高精度GPSに不可欠なものとなっています。敷地内には、初代本館である現木村榮記念館や2代目本館である現奥州宇宙遊学館などが現存し、国の登録有形文化財や日本天文遺産として認められています。米国、イタリアなど世界にも国立天文台水沢と一緒に観測をしていた建物の跡地が大切に保存されており、1世紀以上前の国際研究の跡地が世界に点在し残されている例は、非常に珍しいと言われています。
 2代目の本館は老朽化により取り壊される予定でしたが、地域の熱意で行われた市民運動によって危機を回避し、奥州宇宙遊学館として生まれ変わりました。その背景には、木村博士が地域住民と親しく交わり、文化、教育振興に情熱を注いだという歴史があります。宮沢賢治もこの地に足しげく通い、文学作品のインスピレーションを得ました。
 こうした世界遺産級の文化財的価値を持ちつつ最先端の研究を行う姿勢は、現代へと継承され、ブラックホールの撮影成功に大きく貢献した現所長の本間教授は、日本の物理学界において最も権威ある賞の一つ、仁科記念賞を受賞されました。
 私は、これら一連の流れから、岩手県は、科学と文化を通じて世界とつながる地として極めて顕著な普遍的な価値を有していると考えます。
 達増知事は、国立天文台水沢を訪れたことはありますでしょうか。また、国立天文台水沢が培ってきたイーハトーブの精神、普遍的価値について、世界各地の緯度観測所関連施設との世界遺産登録の可能性も含め、知事の見解を伺います。
 次に、科学技術振興、データセンター誘致について伺います。
 その国立天文台水沢には、世界水準のスーパーコンピューターアテルイ3があります。関連して、現代社会のデジタル化の根幹を支えるデータセンターの誘致について伺います。
 AI技術やアプリゲーム市場が爆発的に進展する一方で、国内データセンターの約8割が都市圏に集中し、災害時のデジタルインフラ停止リスクや電力逼迫という経済安全保障上の深刻な課題を抱えています。
 この状況に対し、政府は、GX戦略地域構想を打ち出し、データセンターの地方分散を進め、この国家的な契機において、北海道では、ソフトバンクと連携し、苫小牧市で日本最大級のデータセンターの建設が進められています。
 また、このGX戦略地域制度の提案募集には、データセンター関連で全国の自治体から90件の提案が寄せられたと承知しています。他県においては、地方データセンターの誘致を促進し、経済効果を生み出すような独自の仕掛けも見られており、例えば奈良県は、データセンター立地促進補助金を設け、補助限度額は2億円、県内新規常用雇用者が10人以上等の要件を付し、産業と雇用の側面から誘致を進めています。
 本県は、自然エネルギーと冷涼な気候、かたい岩盤に守られた適地ですが、現実に誘致実現が足踏み状態です。
 例えば、奥州市にも要件を満たすものがあります。市内にはNTTグループ出資の奥州万年の森メガソーラー太陽光発電所が存在しており、政府や企業が強く求める地産地消型グリーンデータセンターを実現するための電源基盤が確保されています。さらに、国立天文台水沢で既にアテルイ3が稼働しており、高負荷、低遅延を要求するデータセンターとの親和性が高いものと考えられます。
 県として、誘致に向けた現状と課題をどう捉えているのか。また、例えばAIとグリーンエネルギーの融合拠点というビジョンを掲げ、自治体、企業、学術機関が一体となり、この国家戦略の契機を逃さず、データセンターの誘致に取り組むべきと考えますが、県の見解を伺います。
 次に、人工知能AIの活用と県庁内DXについて伺います。
 令和7年9月1日にAI法―人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律が施行され、地方自治体に施策策定の責務を課し、AI導入が急務であると明言しています。さらに、12月2日には人工知能基本計画案の全容が判明し、国民の生成AIの利用率を将来的に8割とする目標を掲げるとのことです。
 AIの能力は、一部の研究でIQ130から142程度と報告され、これは人類の上位2%に相当し、その成長速度は、約7カ月ごとに倍増するとも言われる驚異的な速さです。
 生成AIに関する総務省の調査では、令和6年末現在で、本県を含む87.2%の都道府県が導入済みであり、挨拶文の作成や議事録の要約などに活用されています。
 例えば、岩手県議会の議会改革課題である答弁検討時間の削減にも極めて有効だと思います。議会においても、AI対AIが既に現実となっており、私たち人類側の変容も求められていると痛感します。
 また、県内市町村では、陸前高田市の災害時音声AIシステムなど、複数の市町村で活用事例が生まれており、住民サービス向上や防災に直結する重要な取り組みです。
 しかし、現在の令和8年度までの岩手県DX推進計画では、AIの導入、利用促進にとどまっており、その計画期間と位置づけでは成長速度と社会実装の勢いに対応できず、AI社会を前提とした計画に速やかにアップデートすべきだと考えます。
 人口急減が進む本県において、AIは、もはや業務効率化ツールではなく、行政機能維持のための最重要戦略技術であり、県が率先して取り組むべきテーマです。
 県内市町村及び県庁内の生成AI導入、活用実績がどの程度あり、県として、生成AI導入に当たって市町村が抱える課題の解決に向けた指導、支援や全庁的な今後の生成AI活用に向けた取り組みをどのように進めていくのか伺います。
 次に、地域医療について伺います。
 本県の周産期医療体制は、総合周産期母子医療センターを中核とし、地域周産期母子医療センターや病院、診療所が連携し、機能分担を担う重層的な構造となっています。
 その中で、県央地域から県南地域にかけての周産期医療拠点の一つである北上済生会病院は、地域周産期母子医療センターに位置づけられており、県では、同センターへの一般運営費への恒常的な補助等、各種の財政支援を行っていますが、出生数の減少や物価高騰等により経営環境が厳しさを増しており、郷右近浩県議会議員と伺った北上済生会病院からは、周産期部門の維持が困難になるとお聞きしています。
 この危機的状況に対して、北上市は本年度から3年間、年間1億円の財政支援を行う方針を打ち出しました。一方、同病院が金ケ崎町や奥州市等の広域の分娩実績を担っているにもかかわらず、北上市以外の市町村は財政支援を行っていません。自治体における財政支援にばらつきが見られます。
 周産期医療の広域中核拠点の安定的な運営を確保するため、県は、この財政支援のばらつきの状況をどのように認識しているのでしょうか。法的なたてつけや公的な計画への位置づけの必要性、ほかの地域においても同様の問題が発生する可能性も踏まえて、見解をお示しください。
 次に、県土整備施策、県管理河川の維持管理について伺います。
 県管理河川の維持管理における草刈り作業においては、建設企業への委託業務や住民協働によって行われており、治水対策や熊等の野生鳥獣被害対策の観点からも重要性が増しています。
 一方で、住民協働における住民団体等への委託においては、地域社会において高齢化率が高まっており、体力的な問題や事故発生の懸念等から草刈り作業に対する不安の声が聞かれる中で、近い将来、住民協働による河川の維持管理が困難になることを危惧しています。そのため、住民協働の継続に支障となっている課題を解消することで、県管理河川の維持管理における草刈り作業を継続できるのではないかと考えております。
 ついては、良好な河川環境を維持していくため、課題をどう捉え、どのように取り組んでいくのか、県の考えを伺います。
 最後に、内陸コンテナデポについて伺います。
本テーマにおいては、飯澤匡県議会議員がリーダーシップを図り取り組んでおりますが、私からも質問させていただきます。
 自動車、半導体産業が集積する北上、金ケ崎地域では、東北自動車道沿いに物流施設の建設が活発化しており、北東北地域のハブとしての存在感を高めています。しかし、国際輸送を遠隔港湾に依存する現状は、長距離輸送によるドライバーの長時間労働を招き、喫緊の課題でもある2024年問題を深刻化させています。
 生産年齢人口の激減が予測される中、2040年問題も見据えると、本県経済の持続的な成長に向けては、釜石自動車道と大船渡港やガントリークレーンを持つ釜石港を最大限に活用し、県内完結型のサプライチェーンの確立も視野に入れるべきです。それが県内の物流強化に加え、釜石市や大船渡市の沿岸産業振興にもつながります。
 その切り札となるのが、通関手続も可能とする内陸コンテナデポ、略してICDです。ICDは、非効率な空コンテナの回送を削減するコンテナラウンドユースを促進し、輸送コストの削減とドライバー負担の軽減に貢献します。輸入品の通関を県内で行うことにより、地方消費税収を得ることも期待されています。
 加えて、釜石港と花巻空港、内陸部と港湾を結ぶ道路ネットワークといったインフラとの連携により、海陸空の複合一貫物流ネットワークの形成にも寄与します。
 増田知事以降、通関制度の関係から下火になったとされるICD構想ですが、先週は、北上市において勉強会も開催されました。2024年問題への対応や税収増の必要性が高まっている今、ICDの必要性とその実現に向けた具体的な考えを伺います。
 以上で質問を終わらせていただきます。答弁によっては再質問いたします。御清聴いただきまことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 菅野ひろのり議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、多党化の潮流と国民意識の変容についてでありますが、保守対リベラルという政治の対立軸は、歴史上、絶対王政から民主化への転換と経済的な持てる者と持たざる者との対峙が重なりながら推移してきたという流れがあります。
 日本においては、いわゆる薩長中心の明治政府と自由民権運動の対峙に、大正時代からの労働運動や大衆運動の動きが重なって推移してきたところが、軍国主義化で断絶し、戦後、いわゆる55年体制という形で日本型の左右の対立軸が成立しました。
 日本の55年体制は、米ソを中心とした東西の冷戦構造のもとに位置づけられたものであり、1990年ごろからの冷戦の終結により歴史的使命は既に終わっていました。実際に、1993年の細川内閣発足が、55年体制の終わりだったとも言えます。細川内閣は、冷戦後の新しい時代にふさわしい政治を実現するための政治改革の動きの中から生まれましたが、改革を進めようとする政治は、その後、混迷し、今日に至っていると言えます。
 現在、日本の政治は30年前よりも混迷を深めていると感じられますが、必要なのは、冷戦後の国際社会にふさわしい国際協調と地方重視の政治、第一次世界大戦の終局に当たって成立した原敬内閣のような政治だと考えております。
 原敬内閣の時代は、それまでの藩閥対政党という対立軸を超えて、新しい大衆の政治参加を受け入れながら、旧藩閥勢力と自由民権運動派が入りまじり合いながら、政策を軸に政党の再編が進みました。
 今、日本の政治に求められているのは、菅野ひろのり議員御指摘のとおり、55年体制の延長線のような古い与野党対立の構造を脱したスケールの大きな政治の再編であると思います。
 次に、希望郷いわての実現についてでありますが、政治塾いわて政友会が政友会という名乗りを上げているのは、大正時代の原敬政友会が、今の日本の政治のあり方を考えるに当たっても、また、政治の本質について考えるに当たっても大いに参考になると考えているからであり、そのような政友会が、岩手県出身の原敬のリーダーシップによってつくり上げられたことに、喜びと誇りを感じているからです。
 政治塾いわて政友会は、政治は行政のチェックという政治の本質を共有することで、誰もが自由に政治参加ができるようにしようとするものです。
 では、行政とは何かといいますと、行政の任務は、個人に対する自由の保障と安全の保障であります。自由の保障というのは基本的人権の保障ということでもありますが、現代社会においては、自由のためにはセーフティーネットの保障がなくてはならないものなので、自由の保障と安全の保障は多くの部分が重なります。その意味で、一言で言えば、行政の任務は基本的人権の保障なのですが、わかりやすく言えば、自由の保障と安全の保障ということであります。
 行政が個人の自由と安全の保障という任務を果たすためには、人、財、環境が持続的に必要であり、そのための基盤を共同体のもとに形成する、いわば開発も行政の任務となります。
 教育及び人間の開発、経済産業開発、土地開発及び環境開発、そして社会開発など、民間部門の自由な活動との組み合わせが工夫のしどころですが、これらの共同体開発を行うのが行政であります。
 今、岩手県は、オール岩手で策定したいわて県民計画(2019~2028)のもと希望郷いわての実現を目指していますが、それは、県民計画に沿った形で、県民と岩手県にかかわる人々の自由を守り、安全を守り、そのための共同体開発を進めるということでもあります。
 政治塾いわて政友会が、どのような人でも、行政のチェックという政治の活動を通じて自由と安全のための共同体開発に貢献することができるよう、少しでも役に立てばと思っております。
 次に、政務秘書についてでありますが、菅野ひろのり議員御指摘のとおり、知事の業務は、行政の長としての事務の執行に加えて、国や市町村、各種団体との調整や県民とじかに接しての政策形成や政治的決定への関与のような政務にも及んでおり、政治的行為が制限される一般職の秘書のほかに、知事の政治活動にかかわる秘書業務や行政事務と政務との調整を行う政務秘書を配置しています。
 我が国の内閣総理大臣や各省庁の大臣も、行政の長としての事務の執行に加え政務の活動も行いますので、各機関内に政務秘書を配置し、行政上公的に位置づけながら、大臣の政治活動にかかわる秘書業務や行政事務と政務との調整を行っています。
 長野県知事特別秘書に係る訴訟の判決においても、その政治的活動に係る政務につき、公務員としてこれを補佐する秘書を設けることが、その職務の円滑、効率的な遂行に資するものとされているとおり、今後も、政務秘書の役割を十分に発揮させながら、県政を力強く前進させてまいります。
 次に、マニフェストプラス39の取り組み状況についてでありますが、マニフェストプラス39の各項目に関連する施策については、いわて県民計画(2019~2028)や第2期アクションプランの具体的な施策として、関連する事業等を予算化し執行しているところであり、それぞれ熟度が異なっているものの、いずれも、既に何らかの形で実行に移し、マニフェストプラス39に記載された内容に沿って着実に取り組みを進めています。
 このマニフェストプラス39に関連する施策の推進により、県内全市町村の第2子以降の3歳未満児に係る保育料無償化実施、欧米豪や東南アジアを中心とした外国人宿泊者数の過去最多更新、小規模自治体への専門職員派遣などの成果につながるとともに、岩手県福祉総合相談センターと岩手県立県民生活センターとの合築については、建築工事等の請負契約に係る議案を本定例会に提出し、中山の園の整備については、基本計画を策定するなど取り組みを順次実施しております。
 これらのほか、施設整備など時間を要するものなどについても、市町村や関連する分野の方々から意見を伺いながら取り組みを進めているところであり、今後も、それぞれ適切なタイミングで、取り組み状況や見通しをお示ししながら取り組んでまいります。
 次に、国際交流の本質的な意義と平和への貢献についてでありますが、ロシアとウクライナの戦争やイスラエルとパレスチナの紛争など、菅野ひろのり議員御指摘のとおり、国家のあり方や国家間の関係は不透明さを増していますが、交通の発達や情報通信技術の発展により、個人や企業、団体、地域にとっては、世界を舞台に非常に大きな可能性がある時代となっています。
 県民が、自由に経済活動を行い、あるいはまた、生活を豊かにしようとするに当たって、国境や文化を超えた人と人とのつながりが必要になる、あるいは大いに役立つ場合があり、そのような県民の活動を支援したり活動の基盤づくりを行うところに、県が国際交流に取り組む意義があります。
 世界の中の地方創生を推進し、さまざまな形で世界と積極的な交流を展開することにより、相互理解と連携協力を深め、地方から平和の基盤の構築を目指していくことが重要であると考えております。
 そのため県では、現在展開している地方政府間交流や経済交流、教育、文化交流、さらには民間レベルでの交流などの一層の拡充を図り、引き続き、国連の精神に基づき、平和と人権を尊重しながら信頼の醸成に努め、世界平和にも貢献する取り組みを継続して進めてまいります。
 次に、国立天文台水沢についてでありますが、同所には、私も以前に訪問し、詳しく説明を伺ったことがあります。
 国立天文台水沢は、明治32年に開始された国際緯度観測事業において、世界6カ所に設置された観測所のうちの一つに選定され、天文学、測地学の国際的学術研究拠点として、戦争の混乱期を乗り越え、1世紀以上にもわたり継続して観測を行うなど、これまで数々の輝かしい成果を上げており、世界的な共同研究の歴史的価値を蓄積した施設であります。
 現在は、VLBI―超長基線電波干渉計の技術を用いた最先端研究を行い、天の川銀河の精密な立体地図の作成やブラックホール撮影への貢献など、新たな研究や技術の拠点として国際的にも注目されています。
 さらに、旧緯度観測所本館など建造物4棟が、国登録有形文化財に登録されるとともに、当時の観測機器などが日本天文遺産に認定されるなど、観測所の歴史を今に伝えるものとして高く評価されています。
 また、宮沢賢治は、緯度観測所を何度か訪れ、風の又三郎や銀河鉄道の夜への着想を得られたと言われており、賢治の文学作品にも大きな影響を与えています。
 このように、国立天文台水沢は、岩手県の宝、さらには世界の宝とも言うべき価値を有していると考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、リハビリテーションセンターのサテライト施設についてでありますが、県では、本県のリハビリテーションのあり方について、昨年5月にリハビリテーション関係者で構成する検討会を設置しながら検討を進めてきており、脳梗塞等の脳血管疾患や高齢化により増加が見込まれる骨折等の運動器疾患などに対応するリハビリテーション機能が必要であること、沿岸地域の患者数の見込みから既存の医療機関を活用すること、沿岸地域から盛岡地域へ受療する患者のうち、特に沿岸南部の患者が多い傾向となっていることなどから、沿岸地域におけるリハビリテーション医療の充実が必要との御意見をいただいているところであり、こうした意見等を踏まえ、現在、人員配置や収支のシミュレーションなど具体的な課題について検討を進めており、できる限り早期に整備の方向性をお示しできるよう、引き続き取り組んでまいります。
 次に、地域医療についてでありますが、北上済生会病院においては、周産期母子医療センターのほか、救急医療や訪問診療を初めとする在宅医療などを担っており、令和6年度及び令和7年度に周産期医療の運営に対して、周辺市町村へ財政支援を要望していると伺っております。
 財政支援については、広域で輪番運用している救急医療については、市町村からの負担金のルールはありますものの、基本的には、各市町村の政策的な判断に基づいて行われているものと承知しております。
 県においては、岩手県保健医療計画(2024-2029)において、県内の周産期医療体制を確保するため、必要な支援の取り組みを推進していくこととしており、毎年度、全ての周産期母子医療センターへ運営事業費補助金を交付するとともに、公的病院も含め奨学金養成医師の配置などの人材確保の支援を行っています。
 加えて、北上済生会病院に対しては、感染症指定医療機関運営事業費補助金など政策医療に係る補助を行っているほか、院内保育所運営事業費補助金や医療施設等物価高騰緊急対策支援金など、周産期医療以外の支援も行っているところであります。
 公的医療機関が提供する政策医療に対する地方自治体からの財政支援のあり方については、国の議論や他県での事例などについて調査研究してまいります。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、農業大学校についてでありますが、ことし10月に策定した岩手県立農業大学校の機能強化に向けた基本構想では、2年間の修業期間を維持しつつ、講義や実習など教育内容の充実強化を図ることとしています。
 また、魅力あるカリキュラムの充実に向け、教養科目と専門科目を設定し、専門科目の約半分は実践学習とする基本を維持し、栽培技術や生産効率向上につながる知識と技術の習得を目指すこととしています。
 現在、カリキュラムの内容については、毎年度、学生の意見や就農先のニーズを踏まえ、教育部長や教授等による学内委員会において検討し、決定していますが、基本構想で示したカリキュラムの充実という視点を持って学内で検討していきます。
 菅野ひろのり議員から御提案のありました内容については、現在、TMR調製技術や野生鳥獣による農作物被害防止対策の講義を行っていますが、実践学習に関して意欲ある学生からの意見と承知しておりまして、カリキュラムや学習内容にどのように反映していくか検討していきます。
 次に、家畜診療体制についてでありますが、県では昨年度から、今後の獣医療提供体制のあり方について、県獣医師会や関係団体のほか県内10地域の開業獣医師と意見交換を行っており、この中では、産業動物の診療獣医師が減少する中、本県の広大な面積をカバーするには、診療獣医師の連携強化のほか、将来を見据えた診療獣医師の確保、育成が必要といった課題が挙げられたところです。
 診療獣医師の連携強化に向けては、遠隔診療を活用した診療の効率化や獣医師の広域的な人材の活用を検討しており、来年度は、民間家畜診療所に対して、国の事業を活用した遠隔診療の導入を促進するなど、遠隔診療の早期実用化に向け取り組むとともに、共済組合の診療地域を越えた開業獣医師の連携体制を検討していくこととしています。
 診療獣医師の確保、育成に向けては、獣医学生のインターンシップの受け入れや若手獣医師を対象としたスキルアップ研修などについて、県農業共済組合、岩手大学、開業獣医師などと連携して実施できる仕組みを検討していくこととしています。
 こうした獣医療提供体制のあり方の検討をさらに進め、年度内にロードマップも含め一定の方向性を取りまとめることとしており、本県の獣医療が継続して提供されるよう取り組んでまいります。
   〔文化スポーツ部長菊池芳彦君登壇〕
〇文化スポーツ部長(菊池芳彦君) スポーツ交流についてでありますが、県では、中国雲南省との友好交流協定に基づき、競技指導者を派遣するなどのスポーツ交流を行っているほか、民間レベルでも中学校硬式野球の本県選抜チームが、台湾花蓮市からの招待を受けて現地の大会に参加する交流も行われており、こうした交流の広がりは、国際的な友好と親善に寄与するとともに、競技力の向上を図る上でも重要な取り組みと認識しています。
 菅野ひろのり議員御紹介の奥州市における陸上競技元ジャマイカ代表選手との交流事業は、鳥取県でスポーツ国際交流員として活動している世界陸上金メダリストの方を招いて陸上競技教室を開催しようとするものであり、子供たちにとって大変貴重な体験となる意義深いものと考えております。
 この事業は、NPO法人が主催の事業であり、現時点で詳細な内容は伺っていないところですが、スポーツを含め、さまざまな分野で交流を展開することは、世界の中の地方創生の推進にもつながるものであることから、この交流事業も参考にしながら、県の取り組みや競技団体との連携など、スポーツを通じた交流の可能性について探ってまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長箱石知義君登壇〕
〇商工労働観光部長(箱石知義君) データセンター誘致についてでありますが、これまで県では、国や電力会社等からの情報収集に加え、市町村への情報提供と意向確認、候補地の問い合わせがあったデータセンター事業者と市町村とのマッチング、用地の提案、候補地の案内などの取り組みを行ってきたところでございますが、現時点では県内への誘致実績はございません。
 主な課題としては、大規模かつ安定的な電力供給と高品質な通信インフラが必要であること、また、事業者にとって利便性の高い用地の提案が求められていることなどが考えられます。
 一方で、本県の再生可能エネルギーは、全国トップレベルの推定利用可能量を誇っていることから、今後は、その活用も視野に、事業者ニーズを把握しながら、国や電力会社を初め誘致に前向きな市町村等と連携し、データセンターの誘致に取り組んでまいります。
   〔ふるさと振興部長村上宏治君登壇〕
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 生成AI活用に向けた取り組みについてでありますが、県内市町村においては、32市町村が何らかの形で生成AIを活用しておりますほか、県におきましても、本年10月から全職員が利用可能な形で生成AIの本格的な業務への活用を開始しております。
 生成AIの業務への活用拡大に当たり、市町村からは、職員のリテラシー向上や利用に当たってのセキュリティー確保に課題があるとの意見が寄せられているところでございます。
 今後におきましては、市町村職員も対象とする生成AI利活用研修の拡充を図っていくとともに、今般、国の支援が拡充された県によるDX人材のプール機能などの活用を通じて市町村における生成AIの導入拡大を支援していきますほか、生成AIのさらなる業務活用を図るために、職員の利用状況を定期的に検証し、特定業務の効率化、自動化を図ることができるAIエージェント機能の充実、高度、専門的な活用や他職員の指導を行うことができる職員の育成等に取り組み、県、市町村を問わず、生成AIの活用による行政サービスの向上や地域課題の解決が図られるよう積極的に取り組んでまいります。
   〔県土整備部長上澤和哉君登壇〕
〇県土整備部長(上澤和哉君) まず、県管理河川の維持管理についてでありますが、住民協働による河川の草刈りについては、令和6年度は約350団体に委託しており、良好な河川環境の維持向上を図る上で重要な役割を担っています。
 一方、課題として、参加者の減少や担い手の高齢化による活動の継続が難しくなっていると認識しております。
 このことから、県では、住民団体の構成人数の要件緩和や担い手確保のための助言など、地域の実情に応じた体制の確保が図れるよう取り組んでいるところです。
 こうした取り組みに加え、今後は、草刈り作業に支障となる流木の除去を県が行うなど、住民団体の作業負担の軽減にも取り組み、引き続き、各団体から活動継続のための要望等も伺いながら住民協働を推進してまいります。
 次に、内陸コンテナデポについてでありますが、内陸コンテナデポは、輸入に用いた後の空コンテナを港に戻さず輸出に転用することが可能となるなど、いわゆるコンテナラウンドユースが図られ、荷主企業の利便性の向上や物流の効率化に寄与するものですが、その安定的な運用のためには、輸出、輸入とも相当量の貨物が必要と認識しています。
 菅野ひろのり議員御紹介のとおり、県内においては、11月に民間の物流事業者が主体となり、内陸コンテナデポに係る勉強会が開催されたところであり、県から港湾空港課総括課長が参加しています。
 この勉強会では、内陸コンテナデポの概要や全国の立地状況等の説明と意見交換が行われ、今後、研究会を立ち上げ議論していく方針とされたところであり、港湾、空港管理者としては、内陸コンテナデポの必要性及び実現可能性等について、引き続き関係者とともに研究してまいります。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) まず、総合学科に対する県の評価等についてでありますが、総合学科高校は、幅広い科目の中から、生徒が自己の興味、関心や進路希望に基づいて主体的に科目を選択し、系統立てて学ぶとともに、地域や企業、大学等との協働、連携を図りながら、生徒の希望する進路の実現に成果を上げております。
 県立岩谷堂高等学校においても、多様な専門科目を設け、生徒の個性や進路に応じた学びを展開し、地域に密着した魅力ある学校づくりを進め、郷土に貢献できる人材育成を行ってきたものと認識しております。
 一方、当該校の課題としては、現在、総合学科高校における学級数の最低規模である1学年3学級であり、ここ数年、志願者数が大幅に減少してきていることから、系列のあり方や学級減等の検討が必要となったものです。
 このことを踏まえ、県南地域における学びの配置バランスを考慮し、専門高校への農業及び工業の学びの集約を実施することとし、岩谷堂高校の生物生産系列と産業工学系列の選択の募集停止を再編計画プログラムに位置づけたところであります。
 次に、教職員の逮捕事案と信頼回復に向けた取り組みについてでありますが、今年度、3件の教職員の逮捕事案が立て続けに発生したことはまことに遺憾であり、児童生徒、保護者の信頼を損なう極めて重大で深刻な事態であると認識しております。
 県教育委員会では、これまでコンプライアンスの徹底について、各所属における研修、県立学校長会議や教育事務所長会議、市町村教育委員会との意見交換などの場での注意喚起、管理監督者等を対象とした研修などの取り組みを行ってきたところですが、教職員一人一人に十分浸透していなかったと言わざるを得ません。
 不祥事案は決して他人事ではないという当事者意識や危機意識を教職員一人一人に徹底することが必要であり、今回の逮捕事案の発生を受けて、全ての教職員に対し、改めて綱紀保持の徹底と服務規律の確保について厳しく注意喚起し、不祥事根絶に向けて、各所属が繰り返しコンプライアンス意識の醸成に取り組むこととしたところです。
 また、発生した不祥事案については、その概要等を全ての教職員が共有するとともに、再発防止に向けて具体的な取り組みにつなげていく必要があることから、現在、全国の取り組みや国の通知を参考に、教職員個人のスマートフォン等で児童生徒を撮影しないことや、児童生徒の画像を管理職の許可なく学校外に持ち出さないこと、教室の定期的な点検などの組織的な取り組みを進めています。
 こうした取り組みを各所属で確実に実施するとともに、取り組み状況の情報発信に努めることなどにより、児童生徒が安心して学校生活を送ることができ、また、保護者が信頼して子供を学校に通わせることができるよう、不祥事を出さない、許さない職場風土の醸成と教職員一人一人の意識改革に、学校、市町村教育委員会、県教育委員会が一丸となって取り組んでまいります。
〇16番(菅野ひろのり君) 御答弁ありがとうございました。家畜診療所体制について伺います。
 年度内中に一定の方向性を出していただくという点、あとは遠隔診療と民間の獣医師との連携、この二つを強調されていた答弁だと思っています。
 まず、前提としてお聞きしたいのですが、他の議員も含め認識をいろいろと聞いていると、共済であったり、どこが悪いのだ、問題だというようなニュアンスでこの課題を話されていることがあると認識しています。
 そういう中で、家畜診療所体制について、人工授精師や獣医師、家畜診療所といろいろある中で、少し整理して県の認識を伺いたいと思っているのですけれども、まず、そもそも岩手県の獣医師医療体制は、主に農業共済組合が担いながら、その家畜診療所の中に人工授精師、そして獣医師があって、畜産を進めてきたところがあります。
 一方で、そういう中で、平成31年の獣医師法改正によって、家畜診療所の収入の中で、乙額と言われる獣医師に係る人件費の部分が切り離されたことによって、家畜診療所全体で赤字が顕著化してきた。だから、農業共済組合は、今後の獣医師医療の体制を考えたときに、まず人工授精師業務を農協やほかの団体にお願いしたという経緯があります。ただ、現段階でも、獣医師医療の体制は、広大な県土の中で固定費を維持しつつ人件費を賄えない。診療点数だって上げたりしました。だけれども継続できないから、では、どうするのだといったときに、もとになるのが県の計画です。県のリーダーシップがあって、それぞれの地域、団体がどうするかとなっていくのだと思います。
 私はこういう認識でおりますが、県は、団体指導課がいて、農業共済組合の経営状況を理解していると思いますが、どういう認識でおられるのか伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 農業共済組合の認識の部分になろうかと思います。
 県の農業共済組合では、菅野ひろのり議員から今お話があったような中で、家畜診療所の収支の改善のために、診療料金の引き上げですとか未収金の回収強化により収入の確保をしますとともに、人件費や固定費の抑制に努めてきたものと承知しております。
 こういった点に関しましては、県も、地域の獣医療を担っている共済組合の経営を安定させる観点で、共済組合への助言指導あるいは国への要望等も行ってまいりました。
 こういった中で、今回、家畜人工授精業務については、収支改善のためにはやめざるを得ないという、共済組合としての経営判断であったものと受けとめているところでございます。
〇16番(菅野ひろのり君) そういう判断の中で、これからどうしていくのかとあるわけで、そのためには、先ほど農林水産部長が答弁されていた、いろいろなところを変えていかなければいけないと思います。
 まず一つは遠隔診療。これは、広大な県土にあっては、そういった遠隔診療の中で、わざわざ来ていただかなくても、例えば子牛の白痢、下痢であったり、投薬が自分たちでできるようなものに関しては遠隔でも十分だと思います。一方で、点滴であったり投与が必要なものは、遠隔診療の中ではまだ対応し切れないわけです。遠隔診療をすれば全て済むわけではなく、いろいろな課題の中の解決策の一つの手段でありますから、これは獣医師確保と並行してそういう取り組みも進めていただきたいと思っています。
 その中で、先ほど年度内に一定の方向性を示す、連携とおっしゃいました。連携というのは非常に幅広い言葉だと思っておりまして、具体的にどうしていくのかが、もうある程度明言されてもいいのではないか。それは、今まで共済組合がやっていた中でも、例えば平場のところはできる。一方で、県北地域などは、大規模化の農業地帯が進んで、かつ、若い獣医師も数多くいらっしゃるという企業的な経営になっていくのだろう。一方で、宮古市や岩泉町は、ここはもう空白地帯。さらに深刻なのは一関市。小規模な農家がたくさんある中で、80代以上の獣医師がいるなど高齢化が進んでいて診療の効率も悪いとなったときに、空白地帯とできる地域が明確化されていくのです。
 そのときに、では、どの地域、どのエリアはどういう業態が見合う、ここはどうしようもない空白なところ。では、そこに対してどう注力していくのか。やはり具体的に踏み込んだ体制にしていかなければいけないと思っています。
 加えて、これは関係機関だけではなく農業者の意識改革も必要なのです。今までは、呼べば先生がすぐ来るべと言っていましたけれども、そうではなくて、病気にならないようにする、予防獣医療をしっかりと行うことで、必要なときに来ていただくということをしていかなければいけない。
 そういう中で、県は、そういう細かい、それぞれの団体や関係者がやるべきことをしっかりと旗を振って、具体的なものを年度内に示していかなければいけないと思っています。
 農林水産部長にもう一度、その点について具体的な内容、どういう方向まで突き詰めていくのか、今のお考えでお示しできるところをお願いします。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 獣医療のあり方の検討の部分と獣医療計画の関係という部分でお答え申し上げたいと思います。
 まず、先ほど答弁申し上げましたけれども、県で昨年度から、今後の獣医療提供体制のあり方について、県獣医師会、関係団体、開業獣医師の皆さんとも意見交換して、時間軸でいいますと、遠隔診療といったものにまず取り組んでいこうというところがありますけれども、診療獣医師の連携強化、将来を見据えた診療獣医師の確保、育成といったことが課題であると捉えております。
 この課題を踏まえて、先ほど答弁した、さらに検討を進めて、年度内にロードマップを含めて一定の方向性をまとめるという考えでございます。
 もう一つ、獣医療を提供する体制の整備を図るための岩手県計画、いわゆる獣医療計画でございますけれども、令和3年3月に策定しておりまして、こちらは、おおむね5年後をめどに検証することになっております。ちょうど今の時期がその検証の時期でありますので、有識者、関係者による検証をこちらは行っていくこととしています。獣医療のあり方の検討と獣医療計画の見直し、検証を一体的に進めていきたいと考えております。
 あり方の意見交換の中でも、県の獣医療計画で、現状、獣医療を提供する地域区分も記載しておりますので、こういった部分をどうしていくのだという意見があり方検討の中でも出てきておりますので、こういった意見も踏まえながら、先ほど申し上げましたとおり、あり方の検討と獣医療計画の見直しを一体的に進めていく。これについては県が主体的に、そして、スケジュール感を意識して、本県の獣医療が継続して提供されるように、関係団体と連携して取り組んでいきたいと考えております。
〇16番(菅野ひろのり君) ぜひ、これは時間的に危機的な岩手県の畜産の体制でありますから、さらに本腰を入れてやっていただきたいと思います。
 私が言っているのは、畜産課や県がやっていないということを言っているのではなく、今、畜産をめぐる環境は、日々の畜産振興、あとは衛生管理、さらには鳥インフルエンザ、豚熱等の幅広いリスク、こういった状況がある中で、今の例えば岩手県の家畜保健衛生所の獣医師の体制は、令和3年度は58人いて、充足率が定数の95%、だけれども、令和7年度は46人で定数の77%とどんどん下がってきている。さらに、県庁の畜産課を見ますと、振興と衛生が一つで課長がお一人なのです。これは、しっかりと分けて県庁内の畜産体制に対する人員配置の拡充をしていかなければ、きめ細かい対応は難しいと思うのです。やはりそこに踏み込んでいただかなければいけない。
 なぜなら、他県では、例えば島根県などは、民間の獣医師、共済の獣医師と家畜保健衛生所の獣医師が人事交流しながら現場を一緒に回ったりもするのです。岩手県は、残念ながらそこまでできない。そういう中で、県庁的にはいろいろな課で専門職が不足している中だと思いますが、私からは、こういう現状を鑑みて、畜産課の体制強化を農林水産部長にはお願いしたいと思います。最後に答弁を聞いて、終わります。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 県の組織体制については、やはり業務量がふえてくれば課を分けるとか、そういうことは、組織論としてはあり得る話だと思っております。一方で、業務が関連している、連携して取り組まなければならない業務については、ある程度組織規模が大きくなったとしても、一体的にやる体制をつくっていくということではないかと思っています。これは、組織論としてはどちらもあり得ると思っています。
 現状の畜産課の状況を見ますと、振興分野では、生産振興や経営安定の対策を担っておりますし、衛生分野では、飼養衛生対策あるいは、お話がございました家畜伝染病発生時の防疫対策を担っていて、双方の分野が連携しまして業務を行うことも多いと思っておりますので、連携して行うことが、現時点では望ましいということで今の体制になっていると思っております。東北各県の状況を見ますと、宮城県を除いて、畜産課一本という体制になっていると承知しております。
 これまでも畜産課の体制については、業務課題に対応した組織の見直しを不断に行ってまいりまして、直近ですと、令和5年度に家畜伝染病の発生リスクへの対応、危機管理体制の強化を目的に、1名ですが増員をした。あるいは、全国和牛能力共進会への対応ということで特命課長を配置したという、それぞれのそのときの状況に応じて組織体制の見直しを図ってまいりました。
 畜産は、本県農業産出額の6割を占めます重大な産業であります。畜産県岩手ということでありますので、今後も、状況、状況に応じた業務課題に的確に対応するような組織の見直しを検討していきたいと考えております。
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって菅野ひろのり君の一般質問を終わります。
   
〇議長(城内愛彦君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時18分 休 憩
   
出席議員(44名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
27  番 吉 田 敬 子 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 岩 渕   誠 君
30  番 名須川   晋 君
31  番 軽 石 義 則 君
32  番 佐々木 朋 和 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 関 根 敏 伸 君
44  番 佐々木 順 一 君
45  番 岩 崎 友 一 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(2名)
15  番 上 原 康 樹 君
26  番 木 村 幸 弘 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時38分 再開
〇議長(城内愛彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。松本雄士君。
   〔7番松本雄士君登壇〕(拍手)

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