令和7年9月定例会 決算特別委員会会議記録

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令和7年10月14日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
事務局長 坊 良 英 樹
議事調査課
総括課長 柳原 悟
議事管理担当課長 佐 藤 博 晃
主任主査 柴 田   信
主査 高橋真悟
主査 高橋美樹
主査 佐藤祐基
主査 佐々木 賢一郎
主査 三 浦 訓 史
1 説 明 員
知事 達 増 拓 也
副知事 八重樫 幸 治
副知事 佐々木   淳
企画理事 千葉幸也
企画理事兼
保健福祉部長 野 原   勝
会計管理者 滝 山 秀 樹
会計課総括課長兼
会計指導監 矢野 睦

政策企画部長 小 野   博

総務部長 福田 直
参事兼
財政課総括課長 佐 藤 直 樹

復興防災部長 大畑光宏

ふるさと振興部長 村 上 宏 治

ILC推進局長 植野歩未

医療局長 小 原 重 幸

教育長 佐 藤 一 男

監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 大 坊 哲 央
参事兼監査第二課
総括課長 長谷川 英 治
監査第一課
総括課長 加 藤  肇
〇坊良議会事務局長 御承知のとおり、委員長が互選されるまでの間、委員会条例第7条第2項の規定により、年長の委員が臨時に委員長の職務を行うことになっております。
 出席委員中、千葉伝委員が年長の委員でありますので、御紹介申し上げます。
 千葉伝委員、委員長席にお着き願います。
〔年長委員千葉伝君委員長席に着く〕
〇千葉伝年長委員 ただいま紹介のありました千葉伝であります。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、ただいまから決算特別委員会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。
 なお、上原康樹委員は療養のため本日から23日まで欠席とのことでありますので、御了承願います。
 これより委員長の互選を行います。
 委員会条例第7条第2項の規定により、委員長互選の職務を行います。
 お諮りいたします。委員長の互選の方法につきましては、先例に基づき、指名推選の方法によりたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉伝年長委員 御異議なしと認めます。よって、互選の方法は指名推選によることに決定いたしました。
 お諮りいたします。指名推選の方法につきましては、当職において指名することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉伝年長委員 御異議なしと認めます。よって、当職において指名することに決定いたしました。
 決算特別委員長に佐々木茂光君を指名いたします。
 お諮りいたします。ただいま当職において指名いたしました佐々木茂光君を決算特別委員長の当選人と定めることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉伝年長委員 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました佐々木茂光君が決算特別委員長に当選されました。
 ただいま当選されました佐々木茂光君が委員会室におられますので、本席から当選の告知をいたします。
 佐々木茂光委員長、委員長席にお着き願います。
〔決算特別委員長佐々木茂光君委員長席に着く〕
〇佐々木茂光委員長 ただいま決算特別委員長に選任されました佐々木茂光でございます。
 御推挙いただき、大変光栄に存じておる次第であります。
 委員各位の御協力をいただきまして、職責を全うしたいと考えておりますので、御協力をよろしくお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手)
 引き続き副委員長の互選を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより副委員長の互選を行います。
 お諮りいたします。副委員長の互選の方法につきましては、先例に基づき、指名推選の方法によりたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光委員長 御異議なしと認めます。よって、互選の方法は指名推選によることに決定いたしました。
 お諮りいたします。指名推選の方法につきましては、当職において指名することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光委員長 御異議なしと認めます。よって、当職において指名することに決定いたしました。
 決算特別副委員長に千葉秀幸君を指名いたします。
 お諮りいたします。ただいま当職において指名いたしました千葉秀幸君を決算特別副委員長の当選人と定めることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光委員長 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました千葉秀幸君が決算特別副委員長に当選されました。
 ただいま当選されました千葉秀幸君が委員会室におられますので、本席から当選の告知をいたします。
 千葉秀幸副委員長、御挨拶をお願いいたします。
〇千葉秀幸副委員長 ただいま副委員長に選出いただきまして、誠にありがとうございます。
 佐々木茂光委員長をしっかりと補佐いたしまして、委員会の円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
〇佐々木茂光委員長 お諮りいたします。当決算特別委員会に付託されました決算15件及び議案1件についての審査の方法でありますが、お手元に配付してあります日程案のとおり、本日及び明日は、知事、副知事、企画理事、会計管理者、関係部局長及び教育長等の出席を求め総括質疑を行い、総括質疑終了後15日から17日まで及び20日から23日までの7日間は、会計管理者及び関係部局長等の出席を求め部局ごとに質疑を行うこととし、決算15件及び議案1件に対する意見の取りまとめと採決につきましては、23日の県土整備部関係の質疑が終わった後、世話人会の意見調整を経た上で行いたいと思います。
 なお、農林水産部の審査については、第1部を農業関係、第2部を林業、水産業関係とし、それぞれ区分して審査することとしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで及び議案第25号の以上16件を一括議題といたします。
 これより、会計管理者に決算の総括説明を求めます。
〇滝山会計管理者兼出納局長 令和6年度歳入、歳出決算の概要について、御説明いたします。
 お手元に令和6年度歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書など8件の法定書類のほか、説明資料として、令和6年度歳入歳出決算説明書をお配りしておりますので、便宜、この説明書に基づき御説明させていただきます。
 それでは、説明書の7ページをごらん願います。
 第1、令和6年度歳入歳出決算の概況、1、決算の状況ですが、令和6年度の当初予算は、東日本大震災津波からの復興を着実に進めるとともに、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランのもと、自然減・社会源対策、GX、DX、安全・安心の四つの重点事項を推進し、新機軸の施策を盛り込んだ希望郷いわてその先へ予算として7、322億1、711万円が措置され、前年度の当初予算に比べ391億9、083万円、5.1%減少しました。
 また、その後13回にわたる補正予算において、原油価格、物価高騰対策として、生活者支援や事業者支援を講じたほか、防災、減災、国土強靱化の推進や高病原性鳥インフルエンザ、大船渡市林野火災への対応等に必要となる予算として656億6、877万円の増額補正が行われています。
 これに前年度からの繰越額808億4、404万円を加えた最終予算額は8、787億2、992万円となり、前年度に比べ156億8、616万円、1.8%減少となりました。
 次に、この予算に対する決算について、一般会計の収支の状況を御説明します。11ページをごらん願います。下段の2、決算収支の項目中、一般会計歳入歳出決算収支の状況の表をごらんください。
 一般会計の歳入総額は8、252億5、438万円余、歳出総額は7、796億9、310万円余であり、前年度比で歳入総額が減少し、歳出総額が増加しました。
 歳入総額から歳出総額の差引額は455億6、128万円であり、この差引額から翌年度へ繰り越すべき財源をさらに差し引いた実質収支額は121億4、952万円余の黒字となりました。
 次に、歳入決算状況を御説明します。少し飛びまして52ページと53ページをごらん願います。第2表、一般会計歳入決算状況の表中、一番下の合計欄をごらん願います。左から三つ目、令和6年度の収入済額は8、252億5、438万円余となり、その右に二つ参りまして、収入未済額は、主に諸収入ですが、267億9、201万円余で、この結果、53ページ左から二つ目、対調定収入率は96.8%となりました。その右に二つ参りまして、収入済額の前年度との比較増減額は24億9、429万円余、0.3%の減少となりました。
 続いて、歳出決算状況を御説明します。60ページと61ページをごらん願います。
 第7表、一般会計歳出決算状況の表中、一番下の合計欄をごらん願います。左から二つ目、令和6年度の支出済額は7、796億9、310万円余となり、その右隣の翌年度繰越額は、主に土木費や農林水産業費などで757億2、016万円余、その右隣の不用額は主に商工費や農林水産業費などで233億1、664万円余となりました。この結果、右隣の対予算執行率は88.7%となりました。
 61ページ左から二つ目、支出済額の前年度との比較増減額は33億1、736万円余、0.4%の増加となりました。
 次に、決算の特色を御説明します。恐縮ですが、7ページにお戻り願います。ページ中段の2、決算の特色をごらんください。
 なお、前年度比較につきましては、便宜、増減率で御説明させていただきます。
 まず第1は、歳入総額が減少し、歳出総額が増加したことです。歳入は、国庫出金や諸収入等の減により、前年度に比べ0.3%減少し、歳出は、商工費等が減となったものの、教育費や土木費等の増により前年度に比べ0.4%増加しています。
 第2に、県税収入の増加です。県税収入は、個人県民税が5.3%減少したものの、企業収益が堅調に推移したことに伴い法人2税が8.0%増加したほか、物価高騰を背景とした取引額の増加に伴い地方消費税が10.8%増加したことなどにより、前年度に比べ1.6%増加し、1、314億1、705万円となりました。
 第3に、投資的経費の増加です。投資的経費の普通建設事業費は、道路や橋梁の補修事業費等の増により、前年度に比べ8.2%増加し、また、災害復旧事業費は、津波防災施設の整備事業費等の増により、前年度に比べ9.0%増加しました。この結果、歳出総額に占める投資的経費の割合は、前年度に比べ1.2ポイント増加し、15.9%となりました。
 第4に、翌年度繰越額の減少です。畜産関係施設の整備完了等に伴い、農林水産業費が減少したことなどにより、前年度に比べ6.3%減少し、757億2、017万円となりました。
 第5に、県債残高の減少です。県債残高は、県債発行額が県債償還に充てられる公債費の元金償還額を下回ったことから、前年度に比べ2.6%減少し、1兆1、645億7、402万円となりました。
 続きまして、特別会計の決算を御説明いたします。41ページをごらん願います。ページ中段の特別会計歳入歳出決算収支の状況の表により御説明申し上げます。
 特別会計全10会計の歳入総額は2、958億5、449万円余で、前年度に比べ47億7、642万円余の増加となり、続いて、歳出総額は2、936億887万円余で、前年度に比べ45億6、694万円余の増加となりました。増減の理由は、歳入歳出ともに公債管理特別会計の増加などによるものです。また、実質収支につきましては、各特別会計とも黒字または収支均衡となっています。
 以上で、令和6年度歳入、歳出決算の概要説明とさせていただきますが、決算内容の詳細につきましては、審査日程に従いまして、担当の部局長から御説明申し上げることとなっております。
 なお、監査委員から御意見のありました事項につきましては、関係部局において所要の措置を講じております。
 説明は以上でございます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇佐々木茂光委員長 ただいまから総括質疑に入るわけでありますが、議会運営委員会の決定に基づき、総括質疑は、各会派及び会派に所属しない議員に質疑時間を配分して行うことになっております。
 質疑時間につきましては、まず、自由民主党が39分、次に、希望いわてが37分、次に、いわて新政会が15分、次に、いわて県民クラブ・無所属の会が15分、次に、日本共産党が9分、次に、会派に所属しない議員は、社民党木村幸弘委員、公明党小林正信委員、無所属田中辰也委員の順に、それぞれ7分となっております。
 各会派は、配分された時間の範囲内で複数の委員が質疑することができること、この場合におきましては、会派として続けて行うこととなっておりますので、御了承を願います。
 また、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、基本的感染対策として、換気のため午後はおおむね1時間半ごとに休憩いたしますので、御協力をお願いします。
 なお、総括質疑は、明日の遅くとも正午までに終了することを目途にしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより総括質疑に入ります。高橋穏至委員。
〔高橋穏至委員質問者席に着く〕
〇高橋穏至委員 自由民主党の高橋穏至でございます。会派を代表して総括質疑を行います。
 令和5年9月に、マニフェストプラス39の公約のもとにスタートした第5期達増県政の折り返しの2年が経過しました。岩手県議会では、令和6年度岩手県一般会計予算審査において、達増知事が5期目の当選後初めて編成する予算であることから、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランの着実な推進に加え、マニフェストプラス39の実現に向け、附帯意見をつけて可決しております。
 そこで、このたびの総括審議では、マニフェストプラス39の進捗状況と附帯意見に対する取り組み、成果について質問いたします。
 初めに、財政に関し、歳入確保策について質問します。
 歳入決算を見ると、県税がプラス20億円、地方消費税清算金がプラス28億円、地方譲与税がプラス32億円と、いわゆる税収に関する項目が軒並み増加しております。
 また、国、他県に目を向けますと、国税は75.2兆円、地方税収全体は47.6兆円と、いずれも過去最高を更新しております。
 全国の傾向とたがわず、岩手県も税収増の年だったと判断できるものと理解しますが、まず当局が、この税収増の要因、全国の傾向も踏まえた本県の特徴についてどのように分析しているかお伺いします。
〇福田総務部長 令和6年度決算では、県税が1、314億円余、地方消費税清算金が642億円余、地方譲与税が297億円余、これらを合わせると2、253億円余であり、前年度と比較して81億円余、3.7%の増となっております。
 税収が増加した要因としては、法人事業税について、半導体需要の回復や、円安を背景とする輸出の増加等により企業収益が伸びたこと。地方消費税について、物価高を背景として、取引額がふえたことなどによるものと考えております。
 個人県民税においては、定額減税の影響による減収も見られましたが、法人事業税や地方消費税の伸びにより、全体としてはプラスになっており、このような傾向は全国的に同様となっております。
〇高橋穏至委員 地方財政の世界では、税がふえれば地方交付税が減るのが原則的な考え方であることは承知しております。しかし、医療福祉政策や人口減少対策など、岩手県独自のサービスの充実、強化を図り、いわば他地域との競争に打ち勝っていこうとする上では、税収を伸ばし、交付税算定において算定されない留保財源を伸ばそうとする努力が、言うまでもなく不可欠であります。
 附帯意見においても、農林水産業、商工観光業のさらなる振興、雇用の場の確保と給与水準の引き上げといった施策のさらなる推進が盛り込まれているところですが、これまでの施策の単なる延長にとどまらず、実情、実態を丁寧に捉え、変化の激しい今の時代に即した施策の立案により、県全体として、戦略的に税収増を図る取り組みが必要であると考えます。
 そこで、この附帯意見を踏まえ、令和6年度には、県全体として、どのように取り組みを展開したのか、新たな取り組みも含めて伺います。
〇達増知事 いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランで掲げる四つの重点事項の推進と総合的な産業政策の展開により、地域内経済循環を拡大して、税源の涵養を図り、人口減少下においても、県税収入の増加を目指していくことは重要であると考えております。
 こうした考えのもと、商工業、観光産業、農林水産業、建設業等、あらゆる産業のDXを促進し、さらなる生産性向上や高負荷価値化に取り組むとともに、令和6年度においては、さらに、県産品の販路拡大と連携した、米国に対するプロモーションの展開による輸出力強化、海外旅行会社等と連携した、県内周遊プロモーションの展開によるインバウンドの拡大、いわてスタートアップ推進プラットフォームを活用した企業支援など、四つの重点事項に係る施策を展開しました。
 また、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる三つのゾーンプロジェクトの取り組みとして、いわて半導体関連人材育成施設―I-SPARKの整備や、国内外のクルーズ船寄港の拡大、食産業やアパレル産業など特徴的な地域産業の振興などに取り組んできました。
 今後も、国際競争力の高いものづくり産業、岩手県の地域の特性や資源を最大限に生かした農林水産業や観光産業など、いわゆる域内市場産業について、地元調達や付加価値を高めながら強化するとともに、商業やサービス業を通じて、地域内経済循環を拡大していく総合的な産業施策を展開してまいります。
〇高橋穏至委員 さまざま取り組みをされたことが、本当にそれで増収につながったと分析しているのか、それぞれの事業が、果たして初期の目的を達成しているかについては、また、個別の部局審査で行いたいと思います。
 令和6年度予算審査では、今後、人口減少や経済の低迷によって、歳入確保が困難になることが見通される中、資産運用、ふるさと納税の獲得、企業会計からの繰り入れ等、これまで以上の取り組みに加え、超過課税のあり方の検討も含め、あらゆる手段を講じて、歳入確保を図られたいと意見を付しました。
 また、マニフェストプラス39でも、県財政の健全化と必要な財源確保の両立において、先ほどの四つの財政目標達成による健全な財政基盤を確保する一方、新たな歳入確保も、検討を進めるとあります。
 そこで、令和6年度に、歳入確保のためにどのような取り組みをしたのでしょうか。資産運用、ふるさと納税の獲得、企業会計からの繰り入れ等を見ますと、令和5年度の決算に比べると、基金の長期運用による運用収益や、ふるさと納税による寄附金収入、企業版ふるさと納税の寄附金収入を合わせて1億2、000万円の増収があったものの、電気事業会計からの繰り入れと未利用県有施設の売却では、5億9、000万円の減収となっております。この結果をどう評価しているのか。また、令和7年度の予算はそのような高い金額となっておりませんが、その考え方をお伺いします。
〇福田総務部長 税収以外の歳入確保にも積極的に取り組んでいるところですが、県有地売却の大型案件の有無や電気事業会計からの繰入金の多寡などにより、各年度の金額の規模には変動があるところです。
 令和5年度は、旧盛岡短期大学跡地の売却や、新型コロナウイルス対策支援のための電気事業会計からの特例的な繰り入れがありましたが、令和6年度は、それらがない中でも、基金の運用益収入や、企業版ふるさと納税を伸ばすなどの工夫を行った結果、総額で12.7億円を確保したところです。
 令和7年度は、税収以外の歳入確保として、前年度決算を上回る13.5億円を当初予算に計上しており、キオクシア岩手株式会社による、いわて県民情報交流センターアイーナのネーミングライツも今月開始したところですので、さらに工夫を重ねながら、歳入確保を図ってまいります。
〇高橋穏至委員 今までの取り組みをそのまま継続して工夫をするといっても、どうしても、そのような大きな伸びは期待できないのかと思って、令和7年度予算も見ているところですが、新たな税源といいますか、新しいことをいろいろ検討する必要があるのかと思っております。
 次に、将来負担比率について、さきの一般質問で、当会派の岩崎友一議員の質問に対し、総務部長から300%を超えていた将来負担比率が200%を下回っており、財政健全化が一定程度進んだと答弁がありました。
 これは、本県の中で、過去との比較においては事実でありますけれども、一方で全国を見ると、全国の数値ですが、令和6年度決算の速報値で144.1%となっており、本県は他県と比較すると、大分高い水準にあるのが実態と考えられます。当局は、これをどのように評価、分析しているのかお伺いします。
〇福田総務部長 財政指標の分析に当たっては、高橋穏至委員御指摘のとおり、本県の過去の数値と比べる経年比較だけでなく、他の都道府県の数値と比べる他団体比較も重要となります。
 本県の将来負担比率は、ピーク時の平成20年度に312.4%であったものが、令和6年度決算では196.8%にまで改善しましたが、全都道府県の加重平均は144.1%となっております。
 この各都道府県の将来負担比率をさらに見ていきますと、最も低い13.6%から最も高い311.3%まで、その数値に大きな開きがあることから、地方税源の偏在是正の必要性も浮き彫りとなっております。
 本県からは、国に対して、地方税源の偏在是正や、地方交付税の留保財源率の見直し、さらには、関係人口の法制化に伴う税財政制度の議論などを提言しているところであり、来年度税制改正に向けては、税収が東京都に集中している道府県民税利子割のあり方が議論される見込みとなっております。
 今後の本県の財政運営に向けては、このような税財政制度そのものの議論も含めて、必要な財源の確保を図ってまいります。
〇高橋穏至委員 税源もそうですけれども、歳出の部分もしっかりと見ていかないといけないかと思います。
 続いて、実質公債比率について伺います。
 先日、兵庫県の実質公債比率が18%を超え、令和8年度から地方債の発行に国の許可が必要となる起債許可団体に移行することが確実という報道を目にしております。兵庫県は、実質公債比率がしばらく23%台で推移する見込みで、近隣の動向によっては25%を超え、一般単独事業債の起債が大幅に制限される財政健全化団体に移行しかねないとのことでした。
 直近では、新潟県が令和5年度に起債許可団体になったのに続いて、兵庫県ですが、くしくも、両県とも岩手県同様、県立病院の経営上、大きな赤字を抱えている団体という共通点が存在します。
 今般、発表された岩手県の実質公債比率は12.3%と、基準となる18%までは、まだ余裕があるように見えますが、同時に発表された、今後の見通しによると、令和11年度には16.4%に上昇する見込みが示されております。
 金利の上昇が続けば、さらなる上昇も懸念され、これは、今後、マニフェストプラス39に掲げられた施設の整備や、県庁舎の建てかえといった、大きな建設投資を進めていくに当たって、看過できないのではないでしょうか。
 今後の実質公債比率の見込みを踏まえた、建設投資の方針について、知事にお伺いします。
〇達増知事 高橋穏至委員御指摘のとおり、財政規模に対する公債費の割合を示す実質公債費比率は、金利上昇に伴う利払い費の増等の影響により、今後、上昇していくことを見込んでおります。
 比率は、金利動向や過去の県債借入額等に応じて上下するものの、過度な上昇は財政の硬直化を招きかねないことから、今後の建設投資については、比率の見通しや毎年度の財政状況等も勘案しながら、財源等とあわせて十分に検討していく必要があると考えております。
 現在、国土強靱化地域計画や公共施設等総合管理計画の改定に向けた作業を進めているところであり、これらに基づく国の補助、交付金の重点配分や有利な地方債の積極的な活用などによって、実質公債費比率の上昇を抑制し、財政負担の低減を図りながら、必要な事業を進めてまいります。
〇高橋穏至委員 今後予定される事業、特にマニフェストプラス39と関連して、見通しはかなり厳しいのではないかと思われるわけですが、それについては、また後ほど触れたいと思います。
 続いて、県立産業技術短期大学校の県北地域への新設について質問します。
 マニフェストプラス39に掲げられた具体的事業として、産業技術短期大学校の県北地域への新設について質問します。
 この事業では、県北地域への産業技術短期大学校の新設などにより、県北地域の高等技術専門校や農業研究センター等の機能や体制を強化し、ものづくりや農業など、岩手県の産業を担う人材の育成、確保を進めますとあります。県北地域における、若者の人口減対策の切り札となる事業でもあり、地域住民の期待が大きい事業です。
 予算審査において、県民との約束であるマニフェストプラス39については、4年間の道筋を示し、市町村との連携を図りながら、実現に向け、取り組まれたいとの意見を付しております。
 そこで、令和6年度までの検討状況、令和7年度、令和8年度の達成目標、実現に向けた道筋をあわせて伺います。
〇達増知事 県北圏域への県立産業技術短期大学校の設置の検討に当たっては、産業技術短期大学校のみならず、県立高等技術専門校を含めた、県立職業能力開発施設のあり方などとあわせた検討が必要であり、現在、県立職業能力開発施設再編整備計画の策定を進めています。
 再編整備計画の策定は、平成18年度から平成22年度までを計画期間とする第8次計画以来となります。これまで、担当部職員による、職業能力開発施設あり方検討ワーキンググループを設置し、入学者数と就職先など、職業能力開発施設の現状や、今後の産業人材の動向、高校卒業者の見通しの分析や、公共施設の総量適正化に基づく老朽化する校舎、実習設備、機械等の更新の見通しの検討、さらに、卒業生受け入れ企業向けのアンケートを実施するなど、今後の職業能力開発施設のあり方等、さまざまな検討を行っているところです。
 今後は、ワーキンググループでの議論を踏まえ、関係部局で構成する、再編整備に関する検討準備委員会において、再編整備計画の素案の策定に向け、より具体的な検討を進めてまいります。
 素案作成後は、外部有識者等で構成する再編整備に関する検討委員会を設置することとしており、県北圏域を含めた幅広い分野の方々からの意見を伺いながら、県立職業能力開発施設再編整備計画の策定に取り組んでまいります。
〇高橋穏至委員 今、いろいろな分野で検討中ということですが、その素案の検討は、いつごろを目途に検討を進めるのでしょうか。
〇佐々木副知事 現在、ワーキンググループでいろいろ検討しておりまして、今度、整備委員会を設置して、素案の取りまとめということで、私どもとすれば、年度内で素案を取りまとめる必要があるという認識です。
 その後、国の職業能力開発計画が来年度初めに出る予定になっておりまして、国の動向、そういったいろいろな制度も生かしながら、職業訓練施設全体を取りまとめ、整理して、来年度の年度初めの国の計画が示された段階で、より具体的にこの検討を進めたいと考えております。
〇高橋穏至委員 私は、今までの一般質問で、必ず人口減少対策について取り上げております。そして、現在、北上市では、市立工科大学の設置をめぐって議論が進められております。
 そこで、学ぶ場と若者の人口動態について調べてみました。平成20年から令和5年までの5歳間隔の人口動態を調べたところ、北上市だけでなく、近隣の花巻市、西和賀町、金ヶ崎町、奥州市を含めた圏域を見ますと、短大や大学を創業して就職する年代に当たる20歳から24歳の人口流出は、数値が改善した平成30年から令和5年の5年間で4、236人、27.3%の減少となっております。
 一方、短大、大学が集中する盛岡市、滝沢市、矢巾町、紫波町の圏域では、わずか427人の2.1%の減少で、平成30年以前では実は2%転入のほうが多くなっております。
 では、産業技術短期大学校を新設しようとする県北地域ではどうでしょうか。仮に、県北広域振興局管内、二戸市、久慈市、洋野町、野田村、軽米町、普代村、九戸村、一戸町を想定すると、令和5年10月における住民基本台帳人口は、98、296人となっております。
 5歳区分で見ますと、15歳から19歳までの年代は、高校を卒業して就職する年代に当たります。この年代の5年ごとの推移は、平成20年から25年にかけては611人減少、平成25年から平成30年にかけては543人減少、平成30年から令和5年にかけては458人減少しており、当該年代の10%が圏域外に転出しております。
 そこから考察すると、この産業技術短期大学校が圏域内の高校卒業生の受け皿になることは、効果が大きいと考えられます。
 しかし、それだけでは不十分で、次の年代、20歳から24歳の年代を見ますと、この年代は、短大や大学を卒業して就職する年代でありますが、平成20年から平成25年にかけては3、469人、平成25年から平成30年にかけては3、040人、平成30年から令和5年にかけては2、722人と減少しており、当年代の52%から55%が県外に転出しているということです。
 先ほど、総合的に関連の施設や、それから、企業に関して、今、調査しながら、素案をつくっている最中ですが、まず、このエリアをどう想定して、学生を集めようとしているのか、また、そのエリアの卒業生とその受け皿が、年度内に素案ができるということでございますので、現在、どのような想定をしているのかお伺いします。
〇達増知事 産業技術短期大学校は、学区を定めておりませんが、矢巾校では、県央圏域の高校からの入学生が6割、水沢校では、県南圏域の高校からの入学生が5割となっており、地元市町村やその周辺市町村からの入学生が多数を占めています。
 卒業後の進路についての圏域別のデータはありませんが、県内企業への就職が多く、令和6年度は85%が県内に就職しており、県内の産業人材の確保に貢献しています。
 国内の人口減少が進む中、産業人材を育成し、地元企業を中心に供給する県立職業能力開発施設の役割は、ますます大きくなるものと認識しております。
 県北圏域への産業技術短期大学校の設置検討を含む、県立職業能力開発施設再編整備計画の策定に当たっては、企業のニーズや地域の特色、産業振興の方向性や社会環境の変化等を的確に捉え、また、県内高校生等が施設の魅力を感じて進路として選択し、将来、本県の産業人材として活躍するよう、しっかり検討を進めてまいります。
〇高橋穏至委員 短期大学校設置だけではなく、その出口戦略となる企業、それから、研究機関、しっかりとつくっていただきたいと思います。
 半導体関連人材育成施設整備事業費補助4億円により、本年4月に、先ほど知事の答弁にありました、いわて半導体人材関連人材育成施設―I-SPARKが開所しました。このいわて半導体関連人材育成施設は、既に就職した人の高度技術の習得のための研修施設でありまして、この施設により人材を直接確保するというものではありません。
 先ほどの人口動態を見ますと、平成30年から令和5年では、キオクシア岩手株式会社操業による効果により、20歳から24歳の年齢層の転出が減少しているとは言うものの、北上市では637人、対象年代の13.9%が減少しております。その前の5年間では1、233人、25.7%が減少しているのが、この状況でございます。
 今、北上市で検討を進められている北上市立工科大学ですけれども、募集する学生は、北上市だけではなく、広く県内及び県外からも募集することとなり、半導体のみならず自動車関連産業を含めて、幅広く企業の人材確保に貢献する事業になります。
 以前、関根敏伸議員が一般質問で取り上げた際には、県として、ただ見守るような答弁でしたが、岩手県の人口減少対策、北上川バレープロジェクトの推進のために、北上市の取り組みを後押しするべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇村上ふるさと振興部長 北上川流域では、自動車、半導体関連産業を中心とした産業集積に伴い、工学系人材のニーズが高まっており、県では、北上川バレープロジェクトの取り組みを通じて、企業が求める専門人材、産業人材の育成、確保、定着支援の強化等に取り組んでおります。
 北上市立大学の構想につきましては、学生や教員の確保、教育環境の整備、地域における機運醸成などの課題があるとされていることから、市内においても、さまざま意見があります一方で、当該構想が実現した場合には、北上川バレーエリアのものづくり産業の一層の集積や、企業の人材確保等に貢献するものと認識しております。
 大学の設置につきましては、まずは、北上市において合意形成が図られることが肝要と認識しておりまして、引き続き、市と丁寧に意思疎通を図りながら、その意向の把握に努め、計画の進捗に応じて、県内他大学との情報共有の場を提供するなど、必要な対応を講じていく考えでございます。
〇高橋穏至委員 そのとおり、市内の合意形成はもちろん大切ですけれども、県として、北上川バレープロジェクトの人材確保という意味で意義があるのだという情報発信も、大きな後押しになるのではないかという意味でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、自殺対策事業について伺います。
 人口減少に関係する事業の成果に関して、自殺対策事業について質問します。
 知事は、人口減少対策において、生きにくさを生きやすさに変える取り組みをすると、何度も説明しておりますが、この生きにくさをあらわす代表的ないわて幸福関連指標が、自殺者数ではないでしょうか。
 令和6年度は、人口10万人当たり22.3人と全国1位になっております。さまざまな自殺予防の取り組みをしていることは承知しておりますが、自殺の原因や動機について、どう捉え、どのように対策を打っているのか伺います。
〇達増知事 本県では、岩手県自殺対策アクションプランに基づき、包括的な自殺対策プログラム、久慈モデルの実践に官民一体となって取り組んでおり、本県の自殺死亡率は、長期的には減少傾向にあり、全国平均との差が縮小しております。
 一方、令和6年の本県の自殺者数は、40歳代及び50歳代が多く、令和5年に比較して、40歳代の働き盛り世代の自殺者が最も増加しています。
 原因、動機別では、健康問題が最も多く、令和5年との比較では、勤務問題や経済、生活問題が増加しています。
 このため、働き盛り世代向け対策として、事業所の経営者等を対象としたメンタルヘルス推進セミナーを拡充し、ハラスメント対策やストレスチェックの活用など、実践的な内容を盛り込むとともに、事業所訪問による相談窓口の周知など、職域における自殺予防対策の普及、啓発の取り組みを強化しております。
 令和6年の自殺死亡率が、4年ぶりに全国で最も高くなったことや、物価高騰など、社会、経済情勢が不安定になる中で、自殺リスクの高まりが懸念されることから、官民関係機関、団体で構成する岩手県自殺対策推進協議会では、本年8月に岩手県自殺予防宣言を改定したところであり、引き続き、県民とともに自殺予防に取り組む社会づくりを推進し、誰も自殺に追い込まれることなく、幸福を実感できる地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。
〇高橋穏至委員 あらゆる分野、それぞれの対象によって、いろいろな事業が絡んできますので、あと具体的なものは、個別の局審査で、また取り上げたいと思います。
 次に、最低賃金引き上げに伴う中小企業者の支援について質問します。
 本定例会の一般質問において、物価高騰や原材料の高騰に加え、大幅な最低賃金の改定による中小企業、小規模事業者の厳しい経営状況について、多くの質問があり、緊急の対策を求める意見が出され、知事は、さらなる支援策については、国に対して一刻も早い経済対策の実施を訴えつつ、県としても、国の動向に対応しながら、独自の予算措置も含め、県内事業者の事業継続に資するよう、臨機応変に取り組んでいきたいと考えていますと答弁しております。
 令和6年度は、令和5年度補正で措置された岩手県物価高騰対策賃上げ支援費約21億円に対し、11億5、000万円の決算となっております。本年度は、事業を拡大して、令和6年度補正予算で措置された19億4、000万円の事業が今行われております。
 県内多くの中小企業、小規模事業者が赤字になっている中でも、最低賃金は強制的に対応しなければならず、苦しい事業者に対して早急な対応が必要です。
 冒頭に、歳入に関して、県税が増加していることに触れましたが、県民税は15億円の増加となっており、賃金上昇の影響もあると考えられます。これまでの賃上げ支援金は、最低賃金を上回る、1回目は50円、2回目は60円を上回る賃上げをする事業者に支援するものでしたが、今回の最低賃金上昇額は、企業が赤字でも、79円の賃上げを強制するものであります。
 北上市では、令和5年度に、北上市中小企業賃上げ支援補助金を、確定申告済みの前期の営業利益率または売上総利益率がゼロ以下、または、前年に比べてマイナスとなっているという条件をつけて実施しております。
 本定例会の一般質問や常任委員会でも議論があり、執行部から、仮に、国に先行して、県単独で支援を実施して、国が後から補助等を創設した場合に、制度設計の違いによって、県の支援策が国の補助金の対象にならないというケースもあるという答弁がありましたが、国による支援スキームが、賃上げをする事業者全体を対象とするものとすれば、県として、独自に赤字企業を対象としてもよいのではないでしょうか。その検討について知事に伺います。
〇達増知事 国では、今般の最低賃金引き上げについて、目安を上回る引き上げが行われた場合には、政府の補助金における重点的な支援を行うことや、交付金等を活用した都道府県のさまざまな取り組みを十分に後押しするとしており、県独自の賃上げ支援策も含め、国の予算と連動する形で、物価高騰対策の支援策を、一定規模のまとまった予算で実施したいと考えているところであります。
 現在、令和7年9月30日までの賃上げを対象とする物価高騰対策賃上げ支援金の申請を受け付けているところであり、多くの事業者の方に利用していただきたいと考えております。
〇高橋穏至委員 今月9日の新聞報道では、全国の倒産が、12年ぶりに高水準となり、特に、人手不足や物価高騰による小規模事業者の倒産が目立った。そして、人件費高騰が一番の要因となっていると報じられ、昨日は、県内倒産39件、東日本大震災津波以来最高となったと報じられています。
 岩崎友一議員の一般質問でも、県内中小企業、小規模事業者の5割が赤字であり、県北地域、沿岸地域ほど、その割合が高く、緊急的な支援の必要性を訴えておりますが、国の支援による大規模な補正は、そのとおり対応していただくわけですけれども、その前に、まずは、緊急避難的にも、赤字企業に対する手当ては、県独自でやっても、国とはダブらない政策ですので、そういったものを緊急に考える必要があるのではないかということで、もう一度お聞きします。
〇佐々木副知事 最低賃金の対応につきましては、1回目、2回目を行っています。2回目については、広く対象を広げるべきだといったような1回目の課題をクリアする形で、20人から50人にするなど、2回目の現在の支援についても、さまざま意見を聞いた中で行っております。
 御提案があった赤字企業に対しては、今の補助制度は、赤字であろうがどうであろうが、賃金を上げるといったところに原資を充てる、そういう支援策になっておりますので、赤字そのものについて云々というよりは、赤字の企業については、例えば環境整備の補助金ということで、生産性向上のための別途補助事業が用意されております。そういったものを活用するような、商工企業団体と連携して、寄り添った形で対応していく。
 あるいは、国においても、業務改善助成金とか、今の拡充している制度もあります。そういったいろいろなものを組み合わせながら、知恵を出して、ここは、本当に赤字企業、中小企業支援対策を進めていくべきタイミングと思っておりますので、引き続き、関係団体と連携しながら、対応を進め、また、具体的にできるものはやっていきたいと思っています。
〇高橋穏至委員 そのとおり、赤字だからと補填したから改善するわけではなくて、抜本的な生産性向上とかそういったことは必要でありまして、それに取り組まなければならないのですけれども、今、これは、79円という条件が出てきたときに、さっきも倒産の件数を言いましたけれども、まずは事業が続かなければ、要は、緊急避難的な対策が今必要ではないかと思います。それをした上で、大規模な事業改善といいますか、そういった補助を使って、体質を変えていくことをしなければならないのではないかと思うのですけれども、もう一回お願いします。
〇佐々木副知事 12月1日の施行前には、国が、これまで話をしていた2020年代後半には1、500円、今回は、目安額以上のものにはしっかりと支援すると、骨太方針あるいは新しい資本主義のグランドデザイン等々で6月に明示され、実は、8月の都道府県への説明会でも、目安額を超えたところは、しっかりと支援しますという話を聞いております。
 私も、関係省庁と意見交換しましたが、そこはフォローすると聞いております。事業者は本当に大変ですので、まずは国として、大きなベースのところの最低賃金の施策を一日でも早く用意していただいて、県もそれにすぐ連動して対応する。それで、12月1日までに何かしらの動きがなければ、そこは、県としても覚悟を持って、一定程度の対応をする必要があると考えているところです。
〇高橋穏至委員 目指す方向性は、そのとおりで間違いないと思うのです。ただ、現在どうかという現状の訴えを、一般質問でも委員会でもありまして、それに対する対応ということで、今、提案したわけですが、それとともに、特に、中小、しかも、零細企業にとっては、それを補助する団体の体制がないと、人手の少ない会社で、それにアプローチするという技量というか余裕がなかなかない。まず目先のことで手いっぱいというのがほとんどではないかと思うのですが、そういったところとの連携と、今後の進め方について、どのようになっているかお伺いします。
〇佐々木副知事 私どもも、商工支援団体などいろいろな企業の団体と話をしているところでございます。その中で、高橋穏至委員御指摘の厳しい状況は伝わっておりますので、そこはいろいろなケースもありますから、丁寧に話を聞いて、対応することかと思っています。
 まずは、12月1日に向けて、マインド的に、よし頑張ろうという気持ちになれるような、そのような対応をこれからしっかりと進める必要があると考えています。
〇高橋穏至委員 マニフェストプラス39に関してです。
 今定例会で、多くの議員が取り上げております。そして、令和7年度予算に意見も付しております。岩崎友一議員の質問に対して、マニフェストプラス39は知事の答弁です。5期目の選挙に向けて、もともとのマニフェストであるいわて県民計画(2019〜2028)やアクションプラン、マニフェストプラス39ということで、39項目取り上げておりますが、それぞれについて、言葉どおりに仕事をしているかが問われる。公約はそういうものだと答弁しております。
 ここで、知事は、マニフェストを公約と置きかえています。では、マニフェストと公約の違いは何でしょうか。インターネット等を調べますと、公約とは、選挙前に掲げる口約束全般のことで、有権者に対する約束する政策のことを指します。法的な拘束力はありませんが、実現できなければ、有権者の信頼を失う可能性があります、とあります。
 一方、マニフェストとは、実現可能性を重視した具体的な政策集のことを言い、重要政策に関して、数値目標、財源、達成期限などを明示することで、政策の達成度を後から検証できるようにした政権公約です、となっています。
 したがって、マニフェストとした場合、重点政策に関して、数値目標、財源、達成期限などを明示する必要があると考えます。
 令和6年度事業終了時では、任期の4分の1が終了、また、現時点では、任期の半分が経過しております。附帯意見にも挙げたとおり、4年間で達成する目標を明確にすべきと考えますが、知事の所見を伺います。
〇達増知事 マニフェストプラス39は、令和5年9月の岩手県知事選挙に当たり、チラシやホームページ、街頭演説などで、県民の皆様にお示ししたものであり、結果として、当選を果たし、県民の付託をいただいたところであります。
 5期目の県政に当たり、マニフェストプラス39については、県民の皆様とともに取り組んでいくため、いわて県民計画(2019〜2028)や第2期アクションプランを踏まえた、具体的な施策として、マニフェストプラス39の各項目に関連する事業等を、予算化し、執行しているものであります。
 マニフェストプラス39に関連する施策は、県議会での質問に対する答弁、県議会議員に対する資料の提供などにより、取り組み状況等をお示しし、また、関連する個々の事業については、その進捗状況に応じて、個別の事業計画などにより、見通しをお示ししているところであります。先ほどの県北地域への産業技術短期大学校の整備についても、同様であります。
 今後も、それぞれ適切なタイミングで、取り組み状況や見通しをお示ししながら、進めてまいります。
〇高橋穏至委員 取り組んでいるというだけで達成期限がわからないのです。達成期限がわからないという中で、しっかりと検証する必要があるわけでして、今、マニフェストと公約を意図的に置きかえたものでしょうか。
〇達増知事 マニフェストプラス39につきましては、その内容は、今も、私のホームページで、各項目全ての文言が確認できるようになっているのですけれども、ここに書かれた文言を示して、選挙に臨み、そして、それを踏まえて、当選させていただいておりますので、この文言どおりにやることが、約束を守ると考えております。
 高橋穏至委員は冒頭、令和5年9月に、マニフェストプラス39の公約のもとにスタートした第5期達増県政が、折り返しの2年が経過しましたとおっしゃっておりまして、マニフェストプラス39の公約、まさにそういうものとして、県民の皆さんにお示ししたものであり、それを実行するに当たっては、これは、県民の皆様とともに進めてまいりますので、先ほどの県北地域への産業技術短期大学校整備のように、関連する分野の方々の意見を伺いながら、また、専門家による委員会、審議会等をつくって、計画を策定し、県民みんなで、それぞれの関連する事業を進めていくということであります。
〇高橋穏至委員 言葉遊びみたいな感じになってしまいましたけれども、まずは、いつまでに達成するのかというのが大事だと思うのです。4年間の中で、どこまでやるか。そして、さきに申し上げましたとおり、財政のところで、大型プロジェクトを実施すると、地方債が発行できない、国の許可になる起債許可団体に移行することが確実でありまして、マニフェストプラス39が絵に描いた餅に終わるのではないかという危惧はされるわけですが、いかがでしょうか。
〇達増知事 それぞれ39の項目に関連する事業を、既に県民の皆様、まずは、それぞれ専門家や直接かかわる皆さんとの協議や委員会、審議会等での審議から始まっているのですけれども、それぞれ既に真剣な検討がもう始まっており、特に直接関係する方々におかれては、やるべきことをしっかり進めながら、実現していこうということで進んでおります。
 そして、財政については、中期的な見通しを持ちつつも、年度ごとの予算編成の中で、それぞれ翌年度必要な財源を確保して、着実に進めていくということであります。
〇高橋穏至委員 いつまでにというのがないのです。10年も20年も30年もかければできるということではないのではないかと思います。要は、県民はそれを聞いたら、がっかりするのではないかと思うわけです。
 次に、最後の項目の政務秘書についてお伺いします。
 令和7年度予算の附帯意見として、政務秘書のあり方については、透明性の確保など、本会議や予算特別委員会の議論を踏まえ、十分に検討することという意見を付しており、佐々木宣和議員の一般質問に対しても、知事は答弁されているわけですが、その答弁の中で、知事は、行政の長であれば、市町村要望に政治家としても臨んでおり、政治は行政のチェックであり、知事の政治家としての発言に対して、同席している政務秘書が、それをきちんと補佐していると答弁がありました。
 行政のトップが知事であり、その行政をチェックするのも政治家としての知事でありと、その行政のチェックの補佐をするのは政務秘書なのでしょうか。行政や、そのトップである知事をチェックするのは、議会の役割ではないでしょうか。
 令和6年度も、政務秘書に対して人件費を支出していますが、その政務秘書の実際の働きというか、効果について、どう評価しているかお伺いします。
〇達増知事 県議会と知事の関係は、いわゆる二元代表制であり、県議会議員はもちろん、知事も、選挙を経て選ばれるため、各々が行政のチェックという役割を持っており、知事の活動を補佐するのが、政務秘書の役割であります。
 令和6年度は、現職参議院議員の詐欺事件に加え、自由民主党青年局のパーティー問題や、いわゆる裏金問題とも相まって、知事の定例記者会見や県議会で、政務に関する質問が多く出るようになり、それらに適切な発言をすることが求められ、政務秘書はそれを補佐しました。
 さらに、そのような政治状況から、10月には、いわゆる岩手衆参ダブル選挙が行われることになり、それに関連する対応にも、政務秘書の補佐がありました。
 また、ことし2月の大船渡市の林野火災では、県が行政機関として、関係機関との調整を行い、現状を把握する一方、私が政務秘書とともに、政務として現場に赴くなどして、関係先からの情報を入手し、行政が得た情報に、政治家としての視点を加えることで、県として、迅速かつ的確な対応をとることができたと考えております。
 政務秘書の活動の成果は、秘書業務を行う一般職の県職員と同様、個々の業務内容ではなく、知事の活動の成果により測られるものであります。令和6年度の知事の政治活動は、記者会見での回答や議会での答弁を含めた、政治家としての活動、いわゆる衆参ダブル選挙での活動にも及ぶものであります。
 政治的立場によって、その評価は異なるものと考えますが、私としては、多くの県民とともに、岩手県の政治を、よい方向に進めていくことに貢献できたのではないかと考えております。
〇高橋穏至委員 そうしますと、政務秘書は政治的と言いますけれども、国との政策部分についての役割は大きいと、今の答弁で思うのですが、それを、果たして本当に公費でやらなければいけないのか。被災地の状況を調査するのは、公務としてできるわけで、別に政治的にやらなければいけないということで、もともとの知事の役割で、要は、行政の役割であって、それ以上のものを何が必要なのかと、非常に疑問であります。
 これ以上言っても、同じ答弁しか来ないのかと思いますので、その後の機会にしたいと思いますが、この後、うちの会派の松本雄士委員が、続けて行いますので、よろしくお願いします。
 以上で、私は終わります。(拍手)
〇佐々木茂光委員長 松本雄士委員。
〔松本雄士委員質問者席に着く〕
〇松本雄士委員 まず、農業振興についてお伺いいたします。
 農業は本県の基幹産業であり、地方創生においても、農業はその中核的分野の一つに位置づけられております。まさに今、岩手農業の大転換期であり、今般、策定したいわて農業生産強化ビジョンは、タイミングもよく、関係者の期待は非常に高いところであります。また、その実効性を高めていくことが強く求められております。
 一方、農業部門における県単独予算の通常分の近年の状況を見ますと、令和5年度当初予算は約68億円、令和6年度当初予算は約64億円、令和7年度当初予算に至っては約61億円と、この3年で68億円から61億円と減額傾向にあります。ビジョンの新たな取り組み、特に、生産基盤の強化を進めていく上で、県単独事業のあり方と財源の確保についての考えをお伺いいたします。
〇佐々木副知事 本県の過去3年の農業予算は、県単独事業も含め、平均で約350億円と、東北第3位となっており、農業施策の推進に当たっては、これまで、国庫補助事業を最大限活用するとともに、県単独事業と組み合わせながら、効果的に事業を推進しています。
 財源確保については、県では、国に対し、十分な予算措置を繰り返し求めるとともに、ことし8月には、知事が、全国知事会農林商工常任委員長として、国に、事業の推進に必要な予算確保を要請したところであります。
 県単独事業では、例えば基盤整備事業において、中山間地域など、国庫補助の対象とならない、小規模な地区を対象とした県単独のいきいき農村基盤整備事業を創設し、今年度は、前年度比約2倍となる1億円を措置するなど、地域のニーズに応じた、基盤整備を進めているところであります。
 いわて農業生産強化ビジョンに掲げる施策の推進に当たりましても、国が打ち出した農地の大区画化やスマート農業等の推進を、別枠で確保する農業構造転換集中対策と連動し、国庫補助事業を最大限活用するとともに、いきいき農村基盤整備事業やデータ駆動型農業推進事業など、県単独事業を効果的に組み合わせたいと考えております。
 以上を、共に推進する関係団体とも連携しながら、事業実施に取り組んでおります。
〇松本雄士委員 国の動向を見ながら進めていくことになろうかと思うのですけれども、特に、その中にあって、共同利用施設についてお伺いします。
 国では、先ほども説明ありましたが、令和6年、令和7年のところで、老朽化した共同利用施設の再編を支援する農業構造転換支援の中の一つとしての新基本計画実装・農業構造転換支援事業480億円を新設し、本県においても、令和6年からかかる事業の採択に向け、取り組みの支援を進めてきているところと認識しております。
 同事業では、さらなる加速化について、県の上乗せ助成が想定されていますが、本県では、この上乗せ助成がなされていない状況にあります。
 一方、全国を見ますと、18道府県で上乗せの対応がされています。いわて農業生産強化ビジョンにおいても、県内の共同利用施設の老朽化が著しいことを強く認識しておりまして、物流問題とあわせ、その整備、更新は、まさに喫緊の課題であります。同ビジョン中、県としても、JA等が所有する共同利用施設の再編整備の支援に取り組むことが明記されております。
 ついては、同事業を進めていくに当たり、県独自の上乗せ助成について、次年度予算への反映を含め、どう考えているのかお伺いします。
 また、この事業を申請、採択するに当たっての成果目標の設定等に、現場では大変苦慮していると聞いております。現場の実情等を踏まえ、県として、技術的助言や関係者間の調整、そういった支援体制を強化すべきと考えますが、あわせてお伺いいたします。
〇佐々木副知事 県内には、農協が所有する174の農業共同利用施設があります。このうち約7割の施設が、整備後30年を経過しており、県では、農協の意向を踏まえながら、国事業を活用し、施設の再編、集約等を支援しているところです。
 県内の施設の状況を踏まえますと、県の上乗せ助成については、相当な額になると見込まれますことから、全国知事会と連携し、国に対して、地方財政措置を充実させるよう要望するほか、県単独でも繰り返し要望しているところであります。
 東北6県でも、上乗せ助成を実施していない状況にあり、来年度予算に向けて、引き続き国に働きかけながら、対応を検討したいと思っています。
 また、事業計画の策定に当たっては、農協では積算が難しい成果目標の設定、さまざま細かいデータとか成果とかといったものが求められておりますが、県では、目標設定に関する農協への助言や、東北農政局との調整に加え、農林水産省本省との意見交換を実施するなど、計画の策定支援を強化しているところであります。
 今後も、関係機関と緊密に連携し、共同利用施設の再建、集約等の取り組みを支援してまいります。
〇松本雄士委員 現在の県の財政状況で、独自上乗せは厳しいのはわかります。国にもっと強く働きかけていただきたいですし、共同利用施設は、農産物を川上から川下に流す、本当に重要なインフラでありますので、着実な維持管理、更新に、県も一緒に頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続いて、公共施設等の維持管理と、県財政について、お伺いいたします。
 令和6年度においては、岩手県公共施設等総合管理計画における、管理目標、県民一人当たり負担額等をクリアしているところと認識しております。
 一方、本県の公共施設等の老朽化はかなり進んでおり、その維持管理、更新が大きな問題となっております。
 現在、第2期総合管理計画を検討中とのことでありますが、人件費、資材高騰等を反映した、精緻な見積もりが求められ、そのことにより、経費の今後30年の見込み、現在の計画では1兆7、000億円となっておりますが、これが大幅に引き上げられるのではないかと推察いたします。
 公共施設、インフラ、公営企業を含め、これまでの見積もりに対し、規模感でも結構ですので、どの程度の増額が見込まれるのかお伺いいたします。
〇千葉企画理事 松本雄士委員御指摘のとおり、第1期総合管理計画を策定した当時と比較し、近年、資材価格や労務単価が急騰しております。
 第2期総合管理計画案については、12月定例会での提示に向けて、策定を進めているところでありますが、第1期計画改定時と比較して、労務費が約27%、資材費が39%上昇しておりますことから、第2期計画案では、それぞれの上昇分を、丁寧に反映させる必要があると認識しております。
 第1期計画では、令和32年度までの30年間で、総額1.7兆円程度の経費を要すると見込んでおりましたけれども、資材価格や労務単価の高騰に加え、施設の老朽化が進んでおりますことから、第2期計画では、さまざまな状況にもよりますが、2兆円を超える可能性もあり、相当の増額が避けられないものと考えております。
〇松本雄士委員 かなり増額が見込まれるといった中で、知事はこれまで、公共施設のあり方について、聖域なき検討を進めていくと発言されており、施設の統合や廃止について、県民には厳しい選択を求める局面が、早晩訪れると考えております。
 その際に、岩手県全体の将来ビジョンと、その中における各地域の将来ビジョンをどのように見せていくのか。そのことが聖域なき検討の合意形成に、非常に重要になると考えますが、見解を伺います。
〇達増知事 持続可能な公共施設のあり方を検討していく上で、施設の現状や将来の経費見通しなどを明確にした上で、施設の将来像について議論を深めていくことは、重要であると認識しております。
 現在、策定を進めている第2期計画では、全ての公共施設において、利用状況の推移や老朽化の度合い、経費効率を一律に見える化し、定量的、定性的な両面から評価を行うこととしており、施設の強みや課題が明らかになるものと考えます。
 過度な将来世代への負担を回避するには、今後、統合、廃止も含めた、持続可能な公共施設のあり方について、検討を具体化していく必要がありますが、この評価結果をもとに、市町村や関係団体との連携をさらに深め、丁寧な議論を重ねることが、合意形成に向けた第一歩になるものと認識しております。
〇松本雄士委員 施設ごとに見える化して、しっかり合意形成を図っていくのは、そのとおりかと思うのですけれども、この岩手県を将来どうつくり上げていくのかという大きい方向性、また、その地域ごとでどう生きていくのかというのにマニフェストプラス39が大きな役割を本来果たすものと考えております。
 ただ、マニフェストプラス39の実現可能性について、これまでも何回も取り上げられているところでありますが、私からも取り上げさせていただきたいと思います。
 本県の中期財政見通しでは、常に厳しい将来を見通しております。さらに、それは、先ほど、公共施設等のさらに増額が見込まれるというところで、さらに厳しくなっていくのが想定されます。
 さらには、本県のここ数年の歳入歳出構造を見たときには、常に、約300億円分の不足、独自の財政需要600億円に対して、留保財源が300億円しかありませんので、300億円が不足する。それを財政調整基金の取り崩しであったり、特例債で賄っているところがあります。
 さらに繰り返しになりますが、広い県土を有する本県の公共施設、インフラ、この維持管理、更新の問題が重くのしかかってくる。さらには、足元では、物価高騰対策を初め、中小企業の経営基盤の支援や、今、冒頭に取り上げた、いわて農業生産強化ビジョン初め、そういった振興策、そのような政策的経費にも、今後、相当額の需要が見込まれる。
 マニフェストプラス39には、数多くの箱物投資やインフラ整備について、以前には、数千億円規模の財源が見込まれると、一般質問での答弁があったところでありますが、今定例会では、その規模感すら示されず、その実現可能性の不透明さを、より浮き彫りにしているのではないかと私は捉えております。
 かかる情勢下にあって、マニフェストに掲げ、県民の期待もかなり大きい主要政策、リハビリテーションセンターのサテライトであったり、スポーツ医・科学センター、県立産業技術短期大学校、消防学校、また、北・北道路、新笹ノ田トンネル、これらを、任期中に道筋をつけていくことすら、極めて難しいのではないかと捉えざるを得ないのですが、改めて、みずから掲げたマニフェストの実現性について、知事の認識をお伺いいたします。
〇達増知事 先ほども申し上げましたとおり、選挙の際掲げた言葉、そのとおりやっていくということでありますけれども、マニフェストプラス39に掲げた施策については、整備方針や場所、規模や機能等の検討とともに、予算規模や所要の財源等についてもあわせて検討をしております。
 現時点で、事業規模等が明確になっている福祉総合相談センターと県民生活センターの一体的整備、中山の園の整備に要する経費については、今般、公表した中期財政見通しにも盛り込んで、具体的な見込みをお示ししております。
 今後も、検討の進捗に応じて、順次、中期財政見通しに追加して、反映していくとともに、国費や有利な地方債の活用など、あらゆる手段により、財政負担の低減を図りながら、毎年度の予算編成過程において、具体的な財源確保に取り組んでまいります。
〇松本雄士委員 今、発言もありましたが、今定例会において、知事からは、マニフェストの達成度は言葉どおり仕事をしているかどうか問われているという答弁がなされました。つまり、検討している、取り組んでいるということで、マニフェストについては達成している、進んでいると知事が判断していると発信されたと、私は受けとめております。
 その言葉どおりやっていればいいということに対して、県民はかなり違和感といいますかギャップを抱くのではないでしょうか、また、その知事の思いを実現しようと頑張っている職員も、それをどう受けとめられるのかと思います。これだけ長期にわたり知事を務められている、岩手県のリーダーである知事が発した言葉、その方向性に、県民は大きな期待を抱いております。その県民の期待や職員の頑張りに対する、リーダーの姿勢であったり、責任といったところが強く問われているのだと思います。
 予算案は、その都度、財源を確保しながら、また、国に働きかけてというところはありますが、言葉どおりやっているというところ、また、今の進捗では、県民の期待とギャップが大分大きいところだと思います。
 そのリーダーの責任というところに対して、また改めて、知事の見解、認識をお伺いいたします。
〇達増知事 福祉総合相談センター、県民生活センター、中山の園についてのほか、例えば北・北道路の関連で、一般国道281号の下平トンネルなどについても、整備を進めているところでありますけれども、これらの事業、また、その他の事業についても、それぞれの分野の専門家を初めとして、広く参画いただきながら、県民的な議論の中で、検討を進めております。
 例えばリハビリテーションセンターのサテライト施設の整備に当たっては、県医師会や県理学療法士会等の関係者をメンバーに、検討会を設置し、沿岸地域におけるリハビリテーション医療の充実が必要という意見をいただいておりまして、非常に真剣に、一緒に事業に参加していただいております。
 このように、それぞれの項目に関し、直接かかわりのある人たちも、既に、県職員とともに、真剣にこの事業に参画しているところであり、その経過を、随時、県民の皆さんに広くお知らせしながら、県民的に取り組んでいければと考えております。
〇松本雄士委員 中山の園等、進んでいるところはありますが、それ以外の大きな箱物のところについては、まだ全然方向性というか道筋は見えないというところがあります。いろいろ関係機関と議論をやって、それは公表しているところでありますが、まだまだ足りないのではないかと思うところがありますし、本県は、財政的に全く余力がありませんので、もっともっと国に働きかけというところを強くやっていかなければならないかと思っております。
 次の質問に進みます。パワーハラスメント事案とその再発防止についてお伺いいたします。
 知事部局におけるハラスメントの相談件数が、この令和6年度の14件と、増加傾向にあります。平成31年には警察官、令和2年には知事部局の職員が自死されました。取り返しのつかないことでありまして、ただただ悲しみしか覚えません。
 さらには、県財政にも大きな影響を与えております。御遺族の意向であったものの、令和3年3月の懲戒処分を行った時点や、昨年の決算特別委員会総括質疑での答弁においても、その事実を一切伏されてきております。
 御遺族は、警察事案の賠償のことを令和5年にお知りになり、協議を重ね、我々も、本年6月に知るに至ったということでございますが、御遺族の考えに変化がなければ、この事案の事実は、一切伏せられたままだったのかということをお伺いいたします。
〇達増知事 県議会に対して、誠実かつ的確な説明や答弁に努めることは、そのチェック機能が十分に発揮される上で、不可欠であるほか、公務全体の信用を失墜させないためにも、重要であります。
 今般、議会からの申し入れを受け、本事案における県の対応を検証したところ、令和3年3月に、関係職員への懲戒処分を行った時点で、個人の特定に至る内容を伏せた形での公表はできた可能性があったことから、県警事案のような、外的な要因がなかった場合でも、本事案の公表に向け、御遺族に説明を尽くすべきであったと考えております。
 今後、パワハラに伴う懲戒処分については、昨年度までの対応を改め、例外なく、県議会への報告や公表を行ってまいります。
〇松本雄士委員 今、知事からも、個人が特定されない形で報告できた可能性もあったと答弁がありました。これは、議会からの申し入れに対する回答でも、そう記載されているところでありました。
 ただ、これまでの長期間、その事案が発生してから5年以上において、そのような考えに至らなかったのは、なぜなのかをお伺いいたします。
〇達増知事 御遺族に寄り添いながら、その意向を確認し、そして、対応をする中で、本年6月の議会に対して、この議案を提案するというタイミングでの公表に至ったものであります。
〇松本雄士委員 私の質問の答えになっていないのかなと思います。
 ただ、いずれ、この事案は、県のこれまでの答弁を聞きますと、プライバシー権の保護と、議会に対する情報提供、行政監視機能の確保といった、そのバランスの間で悩まれたことかもしれませんけれども、私はそれだけではないと思っております。職場秩序の維持が非常に重要であったと思います。
 この上司の方は、ハラスメントが疑われる事案がほかにもあった。その前で、将来有望な若者が突然消えた。職場に動揺がかなりあったのだと思います。そういったことに対する安全性の確保と、そういった視点を欠いた対応だったのではないかと思います。熟慮されたとは、私は言いがたいと考えています。
 次に、6月10日の知事会見において、本事案の処分において、知事は、記者会見において、まず、組織としての罰を受けつつと、コメントがありました。このコメントの解釈をお伺いします。
 また、本事案について、当事者と、その上司1名が処分されているのみでありますけれども、組織としての責任の取り方についてお伺いいたします。
〇達増知事 松本雄士委員御指摘の記者会見におけるコメントについては、職員の尊い命が失われた事案における、加害職員に対する懲戒処分の所感についての質問に対し、加害職員の受けとめとして、まずは、組織としての罰である懲戒処分を受けた上で、自分の人生を見つめ、反省をしていかなければならないなどとお答え申し上げたものであります。
 パワハラ事案が発生したことに対する組織としての責任については、御遺族の心情に寄り添い、誠意を尽くすとともに、今回の事案を教訓として、同じ悲劇を二度と起こさぬよう、再発防止に不断に取り組むことが、何よりも大切なことであると考えております。
〇松本雄士委員 記者会見におけるコメントは、当事者の処分を、組織のルールに基づいて行い、また、再発防止に取り組んでいくということでありましたが、私が、今、質問をしているのは、将来、希望あふれる若者の尊い未来が、理不尽な上司の振る舞いと、それを野放しにした組織の未成熟さによって、その若者の将来が閉ざされてしまった。そしてまた、県民の貴重な財産にも大きな影響を与えた。そのことに対する組織としての責任、さらには、その組織のトップである知事としての責任を伺っているのであります。改めて、知事にお伺いいたします。
〇達増知事 今回の事案は、パワハラに対する理解の不足と相談体制の不備が問題でありましたので、パワハラの防止には、全ての職員がハラスメントについての認識を共有し、そして、声を上げやすい、風通しのよい職場づくりとともに、再発防止策の徹底と、不断の見直しが重要であります。
 私からは、職員に対し、結果的に空振りとなってもよいので、相談窓口をちゅうちょなく利用することが、職場環境の改善につながると伝えており、今般の相談窓口の拡充について、職員にとってより身近で、敷居の低い相談体制を構築したものであります。
 今後も、ハラスメント防止策の不断の見直しを行いながら、全ての職員が安心して働ける職場づくりを進めてまいります。
〇松本雄士委員 組織のトップとしての知事の責任は、再発防止をしっかりやっていくことだ、それはルールをしっかりつくって、理解を促進するために研修を行って、相談窓口も設置する。それは組織として、当然の取り組みであると考えております。
 そして、再発防止において、その組織のリーダーとして、その役割を質問したいと思います。パワハラ防止の本質は、当事者、それぞれにおける心理的安全性の確保であり、信頼性の構築であると考えています。さまざまな御事情を抱えて、上司も部下も、それぞれに不安と迷いがあって、こういった悲しいことが起きてしまったのかと思います。
 知事は、心理的安全性の向上や再発防止の取り組みにおいて、組織のリーダーとして、どのような姿勢を示し、どのような役割を果たされているのかお伺いいたします。
〇達増知事 今般、自死に至った事案であることを、改めて重く受けとめ、安心して働ける職場づくりに向け、職員に対して働きかけていきたいと考えております。
 御遺族の心情に寄り添い、誠意を尽くすとともに、今回の事案を教訓として、二度と起こさぬよう、再発防止に不断に取り組んでまいります。
〇松本雄士委員 今、知事からしっかり職員へ働きかけていくということでありましたが、これまでに、知事みずからのお言葉で、また、知事名の文書で、全職員向けにメッセージ等の発信はあったのでしょうか。お伺いいたします。
〇福田総務部長 先ほどの知事の答弁にもございましたが、知事からは、結果的に空振りとなってもよいので、相談窓口をちゅうちょなく利用することが、職場環境の改善につながるといったお話をいただいておりまして、それも踏まえて、今回、相談窓口の拡充などを行わせていただいたというものでございます。
〇松本雄士委員 知事みずからのお言葉で、ハラスメントは絶対許さないというトップの強い姿勢、職員は絶対守るのだと、そして、その失敗や他者の評価を恐れずに、県政課題にチームでしっかり向かっていくのだと、そういった知事からの力強いメッセージが、それぞれの職員に直接必要だと、私は考えます。ぜひとも、そういった対応をしていただきたいと思います。
 私からは以上となります。(拍手)
〇佐々木茂光委員長 次に、小西和子委員。
〔小西和子委員質問者席に着く〕
〇小西和子委員 希望いわての小西和子でございます。
 会派を代表して、前半は私が、後半は柳村一委員が質疑を行いますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、第2期アクションプランについて伺います。いわて県民計画(2019〜2028)の具体的な推進方策を定める第2期アクションプランですが、人口減少対策を最優先課題と位置づけ、四つの重点事項、自然減、社会減対策、GXの推進、DXの推進、安全・安心な地域づくりを定めています。
 その計画対象期間は、2023年度から2026年度までの4年間であり、今定例会に2024年度の主要施策の成果に関する説明書等も報告されました。
 初めに、折り返しとなるこの2年間を振り返って、知事は、第2期アクションプランの進捗、達成状況をどのように評価しているのか伺います。
〇達増知事 県では、第2期アクションプランのもと、人口減少対策に最優先で取り組むこととしており、人口の自然減、社会減対策を主軸に、GX、DXの推進を両翼とし、安全・安心な地域づくりを基盤とする四つの重点事項を掲げて、施策を推進しています。
 こうした取り組みとして、全国に先駆けて実施した、所得制限のない第2子以降3歳未満児の保育料無償化については、昨年度は、約6、000人の乳幼児を対象に子育て家庭を支援したほか、県の水力発電で生み出したクリーン電力を使用した自動車生産、いわてスタートアップ推進プラットフォームを活用した企業支援、災害に強い道路ネットワークの整備などの成果につながっております。
 一方、日本全体で合計特殊出生率が低下するとともに、東京一極集中が再加速しており、本県においても、婚姻数や出生数が減少し、特に若年層の県外転出が大きな課題となっています。
 県では、若年層転出の要因の一つであるジェンダーギャップの解消を図るとともに、人口減少化においても、地域の社会、経済を維持、発展できるよう、脱炭素化やデジタル化を通じた産業振興など、第2期アクションプランの四つの重点事項を一体的に推進し、人口減少対策に取り組んでまいります。
〇小西和子委員 おくれが見られる家族・子育ての分野について、施策の充実、強化を切望いたします。
 県では、第2期アクションプランの初年度となる2023年度当初予算編成から、四つの重点事項について、削減額の3倍相当まで要求できるルールを創設し、限りある財源を、人口減少対策に重点投資してきました。
 来年度は、第2期アクションプランの最終年度であり、予算編成方針も総仕上げと位置づけておりますが、知事が思いを込めたい分野や取り組み、また、どのような視点を重視していくのか、現時点の考えを伺います。
〇達増知事 来年度は、いわて県民計画(2019〜2028)に基づく10の政策分野とともに、第2期アクションプランの四つの重点事項に関する施策を着実に進めるため、性別にかかわらず、誰もが活躍できる環境づくりや、ライフステージに応じた結婚、子育て支援、移住、定住施策を強化する取り組み、GXを推進し、カーボンニュートラル等、持続可能な新しい成長を目指す取り組み、DXを推進し、デジタル社会における県民の暮らしの向上と産業振興を図る取り組み、さまざまなリスクに対応できる安全・安心な地域づくりの推進などに取り組みます。
 また、これらの推進とあわせ、物価高騰から、県民の暮らしや仕事を守るために、必要な対策など、喫緊の課題に対しても、臨機に対応してまいります。
 さらに、近年、ニューヨークタイムズ紙の行くべき52カ所への盛岡市の掲載や、みちのく潮風トレイルの世界からの注目、アメリカメジャーリーグを初めスポーツや芸術、文化での県出身の若者の活躍などもあって、世界の中での岩手県のプレゼンスが高まっております。
 世界の中での岩手県を意識した、グローバルな視点も重視しながら、アクションプランに掲げた四つの重点事項と、世界に開かれた新しい地方創生により、若者や女性に選ばれる岩手県であるための取り組みや、一人一人の幸福を守り、育てる取り組みを着実に進めていきたいと考えております。
〇小西和子委員 若者や女性に選ばれる岩手県というところ、私もそう思っております。ぜひ、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、中期財政見通しについて伺います。
 先月公表された中期財政見通しですが、人口減少による地方交付税の減や、地域経済不振による県税の減等により、実質的な一般財源総額は縮小傾向を示してきました。
 ただし、今回は、可能性等の留保はあるものの、実質的な一般財源総額が、増加に転じる方向が示され、大きな転換と受け取りましたが、まずは、その要因を端的に伺います。
 また、中長期にわたって、この傾向は継続すると捉えてよいのか、あわせて伺います。
〇福田総務部長 本県の令和6年度決算では、法人事業税や地方消費税を初めとする税収が伸びているところであり、このような直近の傾向を踏まえて、先月公表した中期財政見通しでは、一般財源が増額となる推計をお示ししたところです。
 このような傾向が中長期にわたって継続していくためには、地域経済の持続的な成長につながる施策の展開が重要であることに加え、我が国全体の経済情勢や税財政制度のあり方が大きく影響してまいりますので、国による機動的なマクロ経済政策や地方重視の税財政制度を訴えつつ、今後の財政運営に当たっていく必要があるものと考えております。
〇小西和子委員 地方交付税の充実、強化を国に提言するなど、歳入確保に向けた努力を要望いたします。
 中期財政見通しで、最大123億円もの収支ギャップが見込まれております。引き続き、歳入確保と歳出水準の適正化に向けた取り組みを進めていくことが必要です。
 2028年度までに収支均衡を図るという財政目標も設定しておりますが、収支ギャップの解消に向けた方策、考えについて伺います。
〇達増知事 災害等の将来の財政支出に備えつつ、時代の変化に即応できる柔軟な予算編成を行っていくため、財政調整基金の取り崩しに頼らない財政運営を目指して、歳入、歳出両面から取り組みを進め、令和4年度の121億円から令和7年度の60億円まで、収支ギャップを段階的に縮小してまいりました。
 中期財政見通しでお示ししたとおり、今後、実質的な一般財源総額の増加が見込まれる一方、給与改定や定年引き上げによる人件費の増加、高齢化の進行等に伴う社会保障関係費の増加に加え、金利上昇といったことなども懸念されます。
 収支均衡に向けた道のりはいまだ半ばでありますことから、各種基金の有効活用、ふるさと納税や使用料の見直し、より低利な資金調達など、あらゆる手法による歳入確保に取り組むとともに、事務事業の精査など、徹底した歳出水準の適正化、限られた財源の重点的、効果的な活用に努めるなど、不断の取り組みを進めてまいります。
〇小西和子委員 安定的な財政基盤を構築し、将来世代に確実にバトンをつないでいくことが、現世代の責任でありますので、県当局には厳しい道のりではございますけれども、ぜひとも、努力を続けていただきたいと思います。
 次に、物価高、賃上げ支援等について伺います。
 県では、全国でも数少ない賃上げ原資に対する直接交付金を創設したことに加え、介護、福祉、医療、交通、農林水産業など、幅広い事業者支援を講じてきました。
 ただし、国の交付金の本県配分額を見ると、過去2年間、2023年、2024年は、単年度50〜60億円でしたが、今年度は9億円にとどまっております。
 政府に対して、一刻も早い経済対策の具体化を求めたいのですが、物価高対策に対する、これまでの県の取り組み状況と今後の対応方針を伺います。
〇達増知事 これまでの県の物価高騰対策については、累次にわたる補正予算の措置により、生活困窮世帯を初めとした生活者支援、広く県内の中小企業や運輸、交通事業者、農林漁業者、介護、福祉、医療施設等、各分野向けの事業者支援を講じてまいりました。
 物価高騰による影響が深刻化する中、地方の実情に応じたさらなる対策が可能となるよう、国に対しては、一刻も早い経済対策の実施と、地方自治体への十分な財政措置を求めるとともに、県としても、国の動向に対応しながら、臨機応変に取り組んでいきたいと考えております。
〇小西和子委員 物価高は国難とも言えるものであり、国にしっかり対応を求めていただきたいと思います。物価高の影響は、県民生活の企業活動にさまざまな影響を与えておりますが、最も大きな課題は、急激な最低賃金の引き上げです。
 県が独自に実施した賃上げ支援金は、本年9月までの賃上げが対象であり、12月1日の最低賃金の適用日が近づくにつれて、その継続を求める声、期待する声は、さらに高まっていくと推察されますが、現時点の検討状況や基本方針について伺います。
〇達増知事 小西和子委員から御紹介ありました、物価高騰対策値上げ支援金は、本年9月30日までの賃上げを対象として、11月14日まで、または、上限3万人に達するまでのいずれか早い時期まで申請を受け付けております。
 9月24日時点での申請事業者数は2、565事業者、申請者数は26、312人、申請金額は15億7、872万円となっており、多くの労働者の賃上げに結びついています。
 国では、今般の最低賃金引き上げについて、目安を上回る引き上げが行われた場合には、政府の補助金における重点的な支援を行うことや、交付金等を活用した都道府県のさまざまな取り組みを、十分に後押しするとしていますが、現時点で、国からの具体的な支援策は示されておりません。
 最低賃金に関しては、国の目安を超えて引き上げる場合には、国が重点支援を講じるとしており、今後、全国知事会とも連携し、国に対して、大胆かつ迅速な支援の実施や、財源の確保を働きかけていくとともに、県内事業者の経営の安定や生産性向上に向け、国の施策とも連動しながら、適時、適切に必要な施策を展開してまいります。
 値上げ支援金を含む支援策については、今後、国の支援策の状況や、地方に対する財源措置の見通しを踏まえて、企業の声も伺いながら、その内容について決定してまいります。
〇小西和子委員 県民、事業者が切に願っているのは、国、県、市町村の主体は関係なく、目の前の窮状に対する支援であり、県独自の支援策に大いに期待しております。よろしくお願いいたします。
 2025年度当初予算から、指定管理料に係る賃金スライドが導入され、2026年度当初予算でも一定の経費を要すると見込まれます。今後の課題は、賃上げ原資相当として加算した賃金スライド額が、的確に労働者の賃金反映に生かされているかにあります。
 指定管理料自体は包括的に支出するため、賃金スライド相当分を賃上げに活用するかどうかは、指定管理者次第であるため、県側では指定はできませんが、制度創設の趣旨を踏まえれば、労働者への賃上げに生かされるべきであります。この検証を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇福田総務部長 指定管理者制度における賃金スライドについては、社会一般の賃金水準が上昇する中で、施設の適切かつ安定的な運営を図ることを目的として導入したものであり、実際の賃金の引き上げにつながることが期待されますが、指定管理料の増額分をどのように活用するかは、指定管理者の裁量に委ねられております。
 そのような中で、賃金スライドによる指定管理料の増額分が、実際に、施設の運営に従事する方々の賃金の引き上げに、どの程度寄与しているかを確認することは、この施策の効果を検証する上で有意義であると考えますので、今後、御指摘の趣旨を踏まえた検証を進めてまいります。
〇小西和子委員 しっかりと検証をお願いしたいと思います。
 介護保険、障がい福祉を初め社会福祉施設等の報酬改定は3年に一度であり、今度は2027年度と見込まれます。しかし、当該報酬では追いついていません。これらの社会福祉施設への人件費増額に対応した施策を講じるべきではないでしょうか。また、国に機動的な報酬改定を求めるべきではないでしょうか。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 小西和子委員御指摘のとおり、介護報酬改定は原則3年に一度でありますが、今般の物価高や最低賃金の引き上げは、介護報酬により事業運営を行う社会福祉施設等の経営を一層逼迫させており、その対策は喫緊の課題と認識をしております。
 安定的な介護サービスの提供におきましては、今般の賃上げ等の影響も踏まえた、適切な報酬額の設定が必要でありますが、介護保険制度の根幹をなす介護報酬は、国が定めているものであり、国の責任において対策を講じる必要がございます。
 県では、これまでも国に対し、令和6年度介護報酬改定の影響を踏まえた、適切な水準の介護報酬の設定や、臨時改定の速やかな措置、緊急的な財政措置などについて要望をしてきたところであり、今後も、あらゆる機会を捉えて、国に働きかけてまいります。
〇小西和子委員 人件費増額に対応した施策を強く要望いたします。国への要望についても、よろしくお願いいたします。
 次に、震災からの復興についてでございます。
 本年6月、2026年度から5年間の第3期復興創生期間の基本方針が決定されましたが、国の復興財源は縮小する事例が生じる見込みです。こころのケアなど、中長期的な支援が必要ですが、国の復興財源が縮小する中、2026年度以降における震災関連施策は、どのように講じていく方針なのか伺います。
〇達増知事 東日本大震災津波からの復興に向けて、誰一人として取り残さないという理念のもと、復興を着実に推進してきたところですが、時間の経過に伴い、被災者が抱える問題が複雑化、多様化しているこころのケアや、水産業の再生など、引き続き取り組むべき中長期的な課題があります。
 こうした中長期的な課題に対応するため、国に対し、さまざまな機会を捉え、支援の継続を訴えてきた結果、今回、国が見直した復興の基本方針では、こころのケア等の被災者支援について、真に必要な範囲で、支援を継続することが明記されたところであり、水産業の再生への支援を含め、これまで強く訴えてきた本県の働きかけに、応えていただいたものと考えております。
 県としては、こうした国の基本方針を踏まえ、令和8年度以降も、中長期的な課題に対応した取り組みを進めていくとともに、今後、復興委員会で議論を重ね、令和9年度からの2年間を計画期間とする第3期復興推進プランの策定を進め、今後の取り組みの方向性等の具体化を図りながら、復興を推進してまいります。
〇小西和子委員 県としても、市町村の取り組みの後押しするよう、支援をお願いいたします。
 本年2月に公表された心とからだの健康観察結果によると、より丁寧な支援が求められる児童生徒の割合は、震災発生以降、これまで一貫して、内陸部より沿岸部のほうが高い割合を示しております。
 国が定める第2期復興創生期間が今年度終了し、来年度以降、復興財源の縮小が懸念されますが、これら背景を踏まえれば、引き続き、心理士、相談員、スクールカウンセラー等による支援体制の維持、拡充が必要と考えますが、被災地の子供たちの現状認識と今後の対応方針を伺います。
〇達増知事 東日本大震災津波発災以降、県教育委員会が毎年実施している心とからだの健康観察の結果によると、サポートを要する児童生徒の割合は、依然として沿岸部が高くなっており、被災による心のダメージはもとより、震災に起因した、家庭の経済環境、住居環境の変化等の影響を受けている児童生徒もあることから、中長期的な対応が必要であります。
 今回、国が見直した復興の基本方針では、こころのケアや子供に対する支援等については、真に必要な範囲で継続することが明記されております。
 教育委員会では、今後も引き続き、学校や地域の実情を把握し、スクールカウンセラーの適正な配置などにより、全ての児童生徒を対象とした、こころのケアに係る取り組みを継続していくとともに、専門家や関係機関と連携を図りながら、丁寧に対応するよう、努めてほしいと考えております。
〇小西和子委員 スクールカウンセラーもそのとおりですけれども、スクールソーシャルワーカーも、その役割が重要視されております。現在は、人員の少なさにより効果が限定的であります。大幅に人員をふやして、拡充すべきであります。
 続けます。内陸部と沿岸部、さらには、沿岸部の中でも市街地と山間部において、経済格差、収入格差は解消されず、それを要因とした学習環境の格差も懸念されます。震災後のような学習支援や体験支援が必要と考えますが、現状認識と今後の対応方針を伺います。
〇佐藤教育長 県教育委員会では、東日本大震災津波発災以降、沿岸被災地における児童生徒の学習環境の確保等を図るため、平成23年度から令和2年度までの間、国庫補助等を活用した沿岸被災地支援事業により、NPO法人等と連携した、放課後の学習や体験活動の場の提供等に取り組んだところです。
 現在は、県内各市町村が実施する放課後子供教室等への補助事業の中で、沿岸地域における学習支援や体験活動等の支援を継続しているほか、陸中海岸青少年の家や県立野外活動センターにおいても、通学合宿や多様な体験プログラムの提供などに取り組んでおります。
 県の調査によりますと、沿岸部は内陸部に比べてサポートが必要な児童生徒の割合が高くなっている状況もありますので、沿岸地域では、意欲や自信を育む上でも有効である体験活動等を充実させていく必要があると考えており、今後も、市町村等と連携しながら、沿岸地域における児童生徒の学習環境や、体験活動の充実に取り組んでまいります。
〇佐々木茂光委員長 この際、小西和子委員の質疑の途中でありますが、昼食のため午後1時まで休憩いたします。小西和子委員、御了承願います。
午後0時2分 休 憩
午後1時2分 再 開
〇佐々木茂光委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇小西和子委員 先ほど教育長に答弁いただきましたけれども、体験格差は子供の将来的な学力意欲とか、社会的なスキル形成にも影響を及ぼしますので、解消に向けて、取り組みを行うことを要望いたします。
 次に、大船渡市大規模山林火災について伺います。
 大船渡市の面積の約10%に当たる3、370ヘクタールを焼失し、お一人の尊い命が失われました。建物被害は226棟、うち住家が90棟、避難者数は4、310人、被害額は30億円に上りました。3月25日、局地激甚災害に指定されましたが、被災者の生活再建や事業者のなりわい再生に向けた支援策とその進捗状況を伺います。
〇大畑復興防災部長 まず、被災者の生活再建でありますが、被災者生活再建支援金の対象となる55世帯のうち、基礎支援金は52世帯、加算支援金は2世帯が支給済みとなっております。
 被災者の円滑な住宅再建に向けて、県では、大船渡市や関係機関と連携し、被災者向けに各種支援制度説明会を開催したところであり、今後も、被災者ニーズ等を踏まえた相談会を、継続的に開催してまいります。
 次に、事業者のなりわい再生については、定置漁業用倉庫や農林業機械など、被災した農林水産業関連の施設、機械等の復旧のため、国事業への上乗せ補助や県、市独自の補助事業により支援しているところであり、事業活動の早期再開に向けて、年度内の完了を目指しております。
 また、商工観光事業者については、県と市で協調し、一部に国庫補助事業も活用しながら、被災した中小企業の施設、設備の復旧を支援しています。
 加えまして、市が行う大船渡復興割事業への支援による観光需要の喚起、県内外の物産店等での地場産品や観光情報のPRにも取り組んでいるところであります。引き続き、早期の復旧に向けまして、市、関係機関と連携し、事業を推進してまいります。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
 続けます。被害木の伐採、搬出や再造林、被害木の活用に向けた検討状況と今後の見通しを伺います。
〇佐々木副知事 大船渡市で発災した林野火災は、小西和子委員御指摘のとおり、被害面積が極めて大きく、関係機関団体と連携を図りながら、被災した森林の復旧に向けた取り組みを早期に進める必要があります。
 県では、市、国、関係団体等とともに設置した大船渡市臨時再生対策協議会において、森林復旧の進め方などを検討しており、速やかに国の森林災害復旧事業に着手できるよう、4月及び6月に事業計画を国に提出し、7月の災害査定において、被害木の伐採、搬出と造林の合計で約240ヘクタールとする計画が全て認められたところであります。今後、順次、面積を追加し、年内に面積、事業費とも確定する予定となっております。
 被害木についてでありますが、被害の程度に応じた活用を促進する必要があることから、国や林業関係団体等とともに設置した、県産木材供給連絡会議を3回ほど開催しておりますが、釜石市林野火災における被害木の活用状況などについて情報共有するとともに、7月時点の被害木の強度が健全木と遜色ないことを強度試験で確認しており、構造材などの建築用材としての活用可能性があることなどについて、広く周知を図っているところであります。
 さらに、県内の加工工場等への調査や復旧支援に関心のある民間企業への訪問に加え、県内商業施設や大宮駅での被害木利用の普及啓発を行うほか、今後、東京都の国産木材魅力発信拠点MOCTIONでの展示等を実施する予定としております。今後もこうした取り組みを着実に進め、被災した森林の復旧が円滑に進むよう、関係機関団体と一体となって取り組んでまいります。
〇小西和子委員 総力を挙げて取り組んでいただくように、お願い申し上げます。
 次に、スフィア基準の遵守等についてですけれども、大規模山林火災では、ピーク時に住民4、312人が避難、その3割近い1、249人が12カ所の避難所で避難生活を送りましたが、避難所はスフィア基準を満たすものだったのでしょうか。女性に配慮した対応ができたのでしょうか。ほか、県内市町村の対応状況も含めて伺います。
〇大畑復興防災部長 大船渡市林野火災における避難所運営では、段ボールベッドやテント等の設置による避難者のプライバシーの確保とともに、温かい食事の提供による食事の質の確保、近隣の入浴施設を活用した入浴機会の確保が進められ、スフィア基準に沿った対応が行われたところであります。また、避難所リーダーに女性も参画し、女性の着がえスペースを確保するなど、女性に配慮した対応も行われております。
 各市町村の対応状況でありますが、県では、避難所運営の主体となる市町村を支援するため、避難所運営マニュアル作成モデルを策定しており、従前より、女性に配慮した避難所運営を促すとともに、8月には、このモデルを改正し、スフィア基準の視点を盛り込んだところであります。
 市町村では、マニュアルの見直しや備蓄品の充実などに取り組みながら、スフィア基準に沿った避難所運営を目指し、鋭意、取り組みを進めているところであります。今後とも、県全体で、良好な避難所環境が確保できるよう、市町村と連携して取り組んでまいります。
〇小西和子委員 ぜひ、力を入れていただきたいと思います。
 県では、福祉避難所で受け入れるべき対象者の把握を進めるために、市町村にアドバイザーを派遣して、要支援者の個別避難計画の策定を促してきましたが、多くの要支援者の避難が想定される福祉避難所の設置、運営が円滑に行われる体制になっているのでしょうか、伺います。あわせて、近年の酷暑を踏まえれば、全ての避難所への冷暖房設備は必須と考えますが、今後の対応方針を伺います。
〇大畑復興防災部長 まず、福祉避難所の設置についてでございます。福祉避難所は、主に高齢者、障がい者など、特に配慮が必要な方を受け入れる避難所として設置されておりますが、4カ所の福祉避難所が設置された大船渡市林野火災では、避難者の受け入れ手順等に課題があったと把握しております。
 県の総合防災訓練や一部市町村の防災訓練では、福祉施設等と連携した、福祉避難所の設置、運営の実践的な訓練を実施し、受け入れ手順等の確認に取り組んでおります。引き続き、訓練で得られた成果や課題を市町村等と共有し、意見交換するなどしながら、適切な運営体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、学校のほか公民館、集会所などを含めた避難所への冷暖房設備の導入状況についてでありますが、令和6年11月1日現在、暖房機器を確保している指定避難所が83.6%、可搬式スポットクーラー等を含む冷房機器を確保している指定避難所が52.5%となっております。
 県では、避難所運営マニュアル作成モデルに、冷暖房機器の必要性を明示するとともに、市町村に対し、避難所の冷暖房機器の導入に活用可能な国庫補助事業などを紹介するなどしてきたところであります。引き続き、市町村の積極的な対応を促してまいります。
〇小西和子委員 ぜひ、避難所への冷暖房整備、これは100%を目指して取り組んでいただきたいと思います。
 次に、岩手県男女共同参画センターについて伺います。
 今年度、知事は、自然減、社会減対策として、ジェンダーギャップの解消に取り組むとしております。ジェンダー平等は、少子化対策に直結しているとも言われております。その本来の意義は、誰もが尊重され、多様性を認め合う社会の実現にあるものと考えます。岩手県もそのような社会を目指すべきであります。そのためには、県民の意識を変えていく啓発の場や対話の場が重要であると考えます。
 岩手県男女共同参画センターは、講演会や県民講座の開催、啓発活動、相談支援等を担っております。アンコンシャスバイアス、ジェンダーギャップの解消にとって重要な役割を持つ施設であります。情報、学習、相談、交流の四つの機能を備えた施設として整備されたものです。設置当初より、相談支援や啓発活動の拠点として活用されてきました。
 現行の運用体制について伺います。県民の安全、安心な利用環境が確保され、制度的にも、全国基準でしょうか。現状の課題をお示しください。
〇佐々木副知事 県では、暮らしやすい、働きやすい、若者や女性に選ばれる岩手県であるため、小西和子委員御指摘のとおり、全庁一丸でジェンダーギャップ解消に向けた施策を推進しておりますが、岩手県男女共同参画センターは、その推進拠点として重要な役割を担っております。
 全国の男女共同参画センターの運営状況を見ますと、センターが入居する施設の管理業務も行っている事例があるなど、業務の範囲がさまざまであり、職員体制やその事業費を単純に比較することは容易ではありませんが、本年8月、独自に実施した調査の結果では、センターの活動業務、その事業費については、回答のあった30道府県中、本県は中位に位置しているところであります。
 国が6月に策定しました、女性版骨太の方針2025では、女性の起業支援について、男女共同参画センター等を拠点とし、地域の実情を踏まえた取り組みを進める方針が示されたところであります。
 本県の男女共同参画センターでは、これまでも、県民向けセミナーの開催、学校や企業等への出前講座、相談対応など、男女共同参画社会の実現に向けた取り組みを行ってきておりますが、今後、新たな国の動向等も踏まえ、センターの役割や機能について、検討する必要があると認識しております。
〇小西和子委員 東北地域のほかの県と比較すると、かなり差がございますので、ぜひ、課題を認識いたしまして、解決に向けて努力していただきたいと思います。
 現在のセンターは、他団体と共同利用しています。相談室は共有、学習室は一般貸出対象となっております。
 相談業務では、相談室が共有であることに加え、相談員の氏名が施設内で他団体にも共有することになっており、相談者及び相談員双方の安全を脅かすものであります。認知度はわずか7%にとどまっているにもかかわらず、年間の相談件数は1、000件を超える年もあります。より安全で、信頼性の高い相談環境の整備が急務です。
 全国的には、専用相談室、学習スペース、交流スペースが整備された施設が多く、相談者の安全確保等が守られています。来所者から、これで相談者のプライバシーは守られるのかとの声が寄せられます。
 知事に伺います。岩手県男女共同参画センターの現状について、全国の施設との格差についての見解を伺います。
〇達増知事 本県の男女共同参画センターは、男女共同参画の実現に向けた、情報、学習、相談、交流の四つの機能に基づく取り組みを推進するため、平成18年度に岩手県民情報交流センターアイーナ6階の県民活動交流センターを構成する施設として設置し、さまざま分野の構成施設が連携して、県民の活動を支援するため、団体活動室や相談室などの施設を共有しているところです。
 本年1月に公表された国の調査によると、各都道府県の男女共同参画センター49施設のうち、複合施設に設置されているものは41施設であるなど、施設の立地や形態、運営の手法は、都道府県の状況により多様なものとなっています。
 小西和子委員御指摘の男女共同参画センターの機能の一つである相談事業については、近年、相談の内容が多様化、複雑化していることから、プライバシーの保護や相談者及び相談員の安全、安心の確保の観点から、令和5年度に執務室の移転や専用入口を設置したほか、今年度は、男女共同参画センターが優先使用する相談室を確保したところであり、今後も、その役割や業務の実態に応じて、見直しを検討してまいります。
〇小西和子委員 ぜひ、見直しを進めていただければと思います。
 現在、来年度からのいわて男女共同参画プラン(2026〜2030)作成の協議が行われております。その中に、岩手県男女共同参画センターの拠点機能の充実等と明記されました。岩手県の男女共同参画センターは、この県の中で、男女共同参画を推進する拠点として、唯一位置づけられています。格差が生じないように、全国どこでも男女共同参画を推進するようにという国の方針も出たところです。現行施設では、本来の役割を果たすことが困難であり、県民の信頼を損なう要因となっています。
 知事は、6月定例会一般質問の答弁で、男女共同参画センターがどういう役割を果たしていけるかだと思っていますと答えております。だからこそ、誰もが安心して利用できる、男女共同参画の拠点づくりを推進することが求められます。
 センター機能の独立性及び安全性を確保し、県民が安心して利用できる環境を整備するためには、施設の移転及び専用スペースの確保が不可欠でありますが、知事の所見を伺います。
〇達増知事 令和7年6月に男女共同参画社会基本法が改正され、男女共同参画センターが関係者相互の連携と協働を促進するための拠点として、法的に位置づけられたところであり、本県の男女共同参画センターを、県民の活動交流拠点であり、利便性の高いアイーナに設置し、運営していることは、法の趣旨にも合致しているものと考えております。
 一方、国の女性版骨太の方針2025において、女性に選ばれ、女性が活躍できる地域づくりに向けて、男女共同参画センターの機能の強化、充実が示されたことから、県の次期男女共同参画プランにおいても、その旨明記する方向で、策定作業を進めております。
 現在、国においては、センターのあり方や機能強化の具体的な方法等を示す、男女共同参画センターの業務及び運営に関するガイドラインの策定が進められていることから、今後、ガイドラインの具体的な内容も踏まえながら、男女共同参画を推進する拠点としての環境や機能の充実について、検討してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 岩手県の男女共同参画センターの運営、活動等ですけれども、全国的に高く評価されているのは皆さん御存じでしょうか。かなり高く評価されております。
 2024年度の相談件数は、認知度が7%にもかかわらず、1、249件もありました。それだけ生きにくいと感じている県民が多いことをあらわす数値ではないでしょうか。そして、共同で行っておりますいわて女性のスペース・ミモザは2、311件、合わせて3、650件対応しました。慢性的に相談室が不足している状況であります。
 私、先日行ってまいりました。まず、入口がわからなかったのです。新しく設置したというのですけれども、ドアホーンなのです。びっくりしました。
 大変狭く、プライバシーが守られるのが危惧されます。若者・女性に選ばれる岩手宣言等の政策を実現していくためにも、岩手県では、男女共同参画を推進する拠点として、唯一位置づけられた、男女共同参画センターのあり方について、ぜひ、関係の方々で、東北地域のほかの県の施設とか、あと、少し遠いという場合は、県ではないのですけれども、盛岡市の盛岡女性センターもすごくいい施設だと私は思っておりますので、その施設や体制を調査することを要望いたします。
 次に、ゆたかな教育について伺います。
 岩手県は、幸福を守り育てるための取り組みを進めることを理念の一つとして、2019年〜2028年までのいわて県民計画が実施されているところです。教育においても、2024年3月に、岩手県教育振興計画(2024〜2028)が策定され、学びと絆で夢と未来を拓き、社会を創造する人づくりの目標に向けて取り組んでいます。経済優先、中央一極集中から脱却し、今後の岩手県を、みんなでどうつくっていくのか考えていかなければなりません。
 そこで知事にお伺いいたしますが、いわての教育は、いわて県民計画(2019〜2028)が掲げる理念に合致するものとお考えでしょうか。
〇達増知事 本県の教育は、多くの教育関係者のたゆまぬ研鑚や、地域ぐるみで子供たちを育む、本県独自の教育振興運動などの積み重ねによって築かれたものであり、すぐれた伝統と基盤を継承しながら、時代とともに変化するさまざまな環境や多様なニーズに対応してきたところであります。
 そのような中で、現在直面しているいじめや不登校児童生徒の増加、児童生徒数の減少等のさまざまな課題に対し、教育機会の確保や、教育環境の充実を図るなど、適切に対応していくことが重要であります。
 岩手教育振興計画(2024〜2028)では、学びと絆で夢と未来を拓き、社会を創造する人づくりを基本目標とし、新たな時代の中で誰一人取り残されず、個性や能力が発揮され、自分らしく、生き生きと活躍できる社会の実現に向けた、教育の取り組みを進めています。
 こうしたいわての教育の目標や取り組みは、いわて県民計画(2019〜2028)における、幸福を守り育てようとする理念に相通じるものであり、幸福を追求していくことができる地域社会の実現に向け、引き続き、着実に取り組みを進める必要があると考えます。
〇小西和子委員 震災から14年半が過ぎました。道路や施設といったハード面の復旧は進んでいますが、なりわいの再生を初めとしたソフト面については、まだまだ道半ばであります。学校が再開されたころの学校現場では、教材、教具が不足し、さまざまな支援をいただきながら教育活動が行われました。そこには、学校に行きたい、みんなと一緒に学習したいという子供たちの学びたい思いがあふれていたと聞きます。
 また、その思いに応えようと、教職員はみずからの教えたい思いを胸に、一生懸命取り組み、無駄なものが削ぎ落とされた本当の意味での学びがあったと教えてくれた教員がいました。本当の意味での学びについて、教育長の所見を伺います。
〇佐藤教育長 学習指導要領では、一人一人の児童生徒が豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会のつくり手となるために、各学校が創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、知、徳、体のバランスのとれた生きる力の育成を目指すこととしております。
 また、岩手県教育振興計画(2024〜2028)におきましても、学校における目指す姿として、岩手の子どもたちが、自分らしく生き生きと学び、夢を育み、希望あるいわてを創造する生きる力を身につけていることを掲げております。
 これからの変化の激しい社会の中で、多様な他者と協力し、主体的に歩んでいけるような資質、能力を子供たちが身につけることが大切であると考えており、引き続き、一人一人の可能性を伸ばす学びや復興教育等の岩手らしさを生かした学びの充実を図りながら、いわての教育の推進に取り組んでまいります。
〇小西和子委員 現在、不登校児童生徒数が小中高等学校合わせて、全国で41万人を超えるという深刻な状況にあり、県内の小中高校でも、不登校の児童生徒は過去最多となりました。3、052人です。子供たちが声を上げられず、孤立している状態に加えて、子供の貧困、いじめ、虐待、自殺、そして、教職員不足など、教育を取り巻く課題は山積しています。
 こころのケアを初め、子供たちに寄り添った教育の重要性が増しているとともに、安心して学ぶことのできる、子供の権利が保障された学校づくりに向けた施策の実施は急務ですが、これまで、どのような施策を講じたのか伺います。
〇佐藤教育長 児童生徒一人一人が個性的な存在として尊重され、お互いの個性や多様性を認め合い、安全かつ安心して、教育を受けられるような学校づくりが大切です。
 県教育委員会では、これまで、魅力ある学校づくりによる不登校の未然防止、心とからだの健康観察の実施、一人一台端末等を利用したこころの相談室の設置、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置など、児童生徒が安心して授業や学校生活を送ることができるよう、さまざまな施策を推進してまいりました。
 また、近年、学校の空き教室などを利用して、校内教育支援センターを設置し、教職員を中心として、支援員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの協力や助言も得ながら、チーム学校として、児童生徒のペースに合わせた学習のサポートや相談対応を行うなどの施策も推進しております。
 今後も、専門家との連携を図りながら、児童生徒が安全、安心な学校生活を送ることができる体制の充実に努めてまいります。
〇小西和子委員 岩手県においては、国に先立って、2019年度から、公立全ての小中学校で35人学級を実現していることは、大いに評価していますが、子供たち一人一人に個別に向き合うことが求められていることから、さらに、少人数での学級編成基準について、教育立県岩手として進めてはどうでしょうか。ここは知事にお伺いいたします。
〇達増知事 児童生徒一人一人へのきめ細かな指導を実現する観点から、少人数教育の推進は重要と認識しており、本県では、国から措置された加配定数を活用しながら、国に先んじて、平成18年度の小学校1年生を皮切りに、段階的に学級編成基準の引き下げを行い、令和元年度には、小中学校全ての学年において35人学級が実現されました。
 学級編成基準の引き下げには、教員定数の確保が必要ですが、以前に比べ、国からの加配定数が減少傾向にあることや、必要な教員の確保が課題となっています。
 本県における少人数教育のあり方については、教育委員会において、今後も、国の動向に対応しつつ、検討を進めてもらいたいと考えております。
〇小西和子委員 加配を活用してやれる分はやっていかなければならない状況だと、私は見ております。
 今、学校現場で一番望むのは何かと教職員に尋ねると、人をふやしてほしいと必ず返ってきます。学校に配置された教員や支援員の財源は、国庫負担分は3分の1だけで、残り3分の2は地方財政措置となり、県で予算化することが必要です。
 国では、働き方改革の具体的な策として、教員業務支援員、スクールサポートスタッフを全小中学校に一人ずつ配置できる予算を計上していますが、岩手県では、全県でわずか47人しか配置されず、県内の公立小中学校の1割程度にとどまっています。
 なぜ、10分の1程度に抑えられているのか。この状況についてどう考えているか、岩手県はどのようにして学校の働き方改革を進めるつもりなのか伺います。
〇佐藤教育長 学校教育の質の向上のために、教員が教員でなければできない仕事に集中できる体制を整備する観点から、県教育委員会では、国の補助事業を活用した学校現場への支援スタッフの配置に取り組んでおります。
 令和6年度は、教員業務支援員を45人、今年度は47人任用しておりますが、これ以外に、学校指導員や部活動指導員、スクールカウンセラーを配置するなど、学校を支援する上で、一定のマンパワーの確保が図られているものと認識しております。
 教員業務支援員につきましては、12学級以上の小中学校や特別支援学校に、重点的に配置していますが、増員に伴って、県の財政負担も増加することが課題となっております。
 県教育委員会としては、国に対し、必要な財源措置を講ずるとともに、補助対象経費の拡大や補助率の引き上げ、地方財政措置の拡充など、県の財政負担の軽減が図られるよう、要望しているところであります。
 今後も、国の補助事業を最大限活用して、支援スタッフの配置に取り組むとともに、その効果的な活用や、学校における業務削減にも、積極的に取り組み、学校教育の充実と教職員の負担軽減に努めてまいります。
〇小西和子委員 全国最下位、かなり水をあけられた最下位です。スクールサポートスタッフはどのようなことをするか御存じないようですので、言います。
 授業準備の補助やデータの入力、集計、各種資料の整理、行事、式典等の準備補助等をサポートすることを目的としており、いわゆる働き方改革の具体的な策として、文部科学省が進めています。スクールサポートスタッフは他県の10分の1、欠員は10月2日現在で24人、高校含みですが、病休者は162人にも上ります。
 ということは、全国の小中学校と比べると、各校1人ずつ少ない教職員で教育を行っているということです。教員不足で、担任外や副校長が授業に入るなど、現場が逼迫しています。
 よく聞いてくださいね。中には、ほかの人の負担がふえるから妊娠するなと管理職に言われた教職員もいます。教職員は、もっと子供たちと向き合いたいと思っているのですが、教員不足と業務量の多さに疲弊しています。教職離れがますます加速するのではないかと危惧しています。
 岩手県の小学校の全国学習定着度状況調査の順位は、ずっと十何位でしたが、ここ二、三年で急降下しました。このことは、いわて教育の日の講演の講師の資料で明らかになりました。
 現場からは、人が足りないと、大きな声が上がった時期と一致しています。不登校もふえ、暴力行為もふえました。子供の教育を受ける権利を保障するいわての教育に戻すべきと考えます。
 教職員の長時間労働の実態は、依然として改善されず、教材研究や授業準備といった教育の本質にかかわる業務が、十分な時間を確保できていない状況ですが、教職員が勤務時間内に業務を終わることができるようにするだけの人員増は、今後も難しいでしょう。よって、学校全体の業務を削減するしかありません。
 例えば、業務の3分類をもとに見直しを図る。県教委及び市町村教委に義務づけられた、業務量管理・健康確保措置実施計画を確実に実行していくことなどが必要です。
 また、部活動の地域移行についても、受け皿となる地域団体や指導者の確保など、さまざまな課題を抱えていますが、教職員の負担軽減につながる仕組みとして進めるべきです。
 服務監督権者は市町村教委でありますが、岩手の子供たちの学びを保障するためにも、部活動の負担軽減は、関係部署、文化スポーツ部とも連携を図るなど、県教委が責任を持って、主体的に学校の働き方改革を進めるべきです。決意を伺います。
〇佐藤教育長 学校の働き方改革の目的は、教職員の健康を守ることはもとより、教職員のウエルビーイングを確保することにより、子供たち一人一人に向き合い、よりよい教育を行うことができるようにすることです。
 今般の給特法―公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法改正により、全ての教育委員会に業務量管理・健康確保措置実施計画の策定が義務づけられたことを受け、県教育委員会として、現在、国の指針を踏まえながら、働き方改革が実効性あるものとして進められるよう、検討しているところであります。
 部活動の地域移行については、部活動指導が教職員の長時間勤務の要因の一つとなっており、負担軽減を図っていく必要があることも踏まえながら、文化スポーツ部と連携を図り、生徒が継続的にスポーツ、文化、芸術活動に親しむことができる機会を確保できるよう、取り組みを進めてまいります。
 県教育委員会としては、今後、業務量管理・健康確保措置実施計画に関し、研修会の開催や先進事例の周知、個別相談など、市町村教育委員会への丁寧な支援を行っていくこととしており、全ての市町村で計画が確実に策定され、県全体で、学校の働き方改革を推進していくよう、努めてまいります。
〇小西和子委員 岩手県の現場では、働き方改革が全く進んでいないという声がありますし、年々ひどくなっております。
 県学習定着度状況調査では、調査の実施、事後の採点や入力、分析等、業務軽減、多忙化解消を阻害する部分が多くあります。本来の業務である子供と向き合い、あすの授業準備をすることには程遠い状況となっています。
 学校現場の声を一つだけ紹介します。時間が足りなくて解けなかった問題に対し、この分野に課題があるという分析はおかしい。その結果から、教員の授業に課題があるという分析もおかしい。多くの子供は、この実施と結果によって、自己肯定感が下がっている。これは、県が掲げるウエルビーイングの理想とかけ離れたものである。
 競争や序列で、子供たちの学びを数値化することではなく、子供たちの学びたい思い、教職員の教えたい思いに応え、本当の意味での学びを学校現場に取り戻すためには、大胆な削減策が必要です。
 その一つが、県学習定着度状況調査の廃止です。既に、県独自の県学習定着度状況調査を15県が廃止していますが、子供たちの豊かな学びや発達を保障するため、教職員の業務軽減を進めるため、県学習定着度状況調査の廃止を求めます。ここは知事に伺います。いかがでしょうか。
〇達増知事 県学習定着度状況調査は、児童生徒一人一人の学習上のつまずきを明らかにするとともに、指導の改善を図ることを目的としており、最終的には、児童生徒一人一人の学校における学びがより充実したものとなることを目指して実施しているものと理解しております。
 その実施に当たっては、これまでも、県教育委員会において、実施教科の精選や、ICTの活用等により、教職員の負担軽減を進めてきたものと承知しております。
 県教育委員会においては、教職員の負担軽減を進めながら、児童生徒の学習定着の把握に努めることを期待しています。
〇小西和子委員 県教委の役目は、教育環境の整備を行うことではないでしょうか。子供たちが生き生きと学び、教職員が命と健康を大切に、子供と向き合う時間を十分にとれる働き方に変えなければならないと考えます。
 ことし、知人3人が現職死亡しました。うち2人は突然死です。現在の学校現場の働き方は、限界に来ております。
 国連子どもの権利委員会は、過度に競争的な教育システムが、子供の精神的健康に悪影響を与えていると厳しく指摘し、日本に適切な措置をとるよう、強く勧告し続けています。
 全国学習定着度状況調査については、全国知事会から、都道府県で順番をつけても意味がないなど、疑問の声が上がっています。ここで立ちどまって、各種学習状況調査のあり方を考えるべきです。精神疾患による病休者をなくし、欠員をなくし、子供の教育を受ける権利を保障することのほうが重要と考えます。いわての教育のために、知事、もう一度答弁をお願いいたします。
〇達増知事 教育は、どのような家庭に生まれ、育っても、個人として、未来に希望を持つことができるようになる、そういう力をつける場であり、また、人格の完成という、普遍的な目標に向かって進んでいく、そういう方向性を得る人生の羅針盤を、心とからだの中にしっかり持つ、そういう場であり、非常に重要であると考えます。
 その教育の場において、教員の働き方が非人道的であってはならず、人間としてのお手本といいますか、そういう生き方を児童生徒に見てもらえるような、非人道的にならない働き方が、基本的に求められていると考えます。
 そうした教育の場においてこそ、学習の効果も上がり、それぞれの児童生徒が自分の目標に向かって進んでいくことができるようになると思いますので、県教育委員会においては、そこはしっかりやってほしいと、改めて、この場で申し上げたいと思います。
〇小西和子委員 私の質問はこれで終わります。柳村一委員にタッチいたします。(拍手)
〇佐々木茂光委員長 次に、柳村一委員。
〔柳村一委員質問者席に着く〕
〇柳村一委員 小西和子委員に引き続き質問いたします。
 今定例会でさまざま取り上げられていますが、私からも、マニフェストプラス39と関連施策についてお聞きいたします。
 令和5年夏に行われた県知事選挙において、達増知事はマニフェストプラス39を掲げ、多くの賛同をいただきましたが、その実現を期待する県民、関係者等の思いは、年々高まっているのではないでしょうか。
 先月、執行部からマニフェストプラス39に係る進捗状況を示した資料が提供されました。新たに3項目の進捗度が向上するなど、ハード整備などの検討に時間を要する案件もあり、簡単な道のりではありませんが、その実現に向かって、確実に進めてきた3年間だったと捉えています。
 改めて、マニフェストプラス39の進捗状況について、知事はどのように評価しているのか、また、現実に向けた課題があるとすれば、その認識についてもあわせて伺います。
〇達増知事 マニフェストプラス39は、いわて県民計画(2019〜2028)や第2期アクションプランの内容を踏まえた具体の施策として、他の施策とあわせて各年度の予算の中で予算化し、執行しているところです。
 検討会やワーキンググループなどで検討を進めている段階にあるものも含め、いずれも既に何らかの形で実行に移しており、マニフェストプラス39に記載された内容に沿って取り組んでまいります。
 このマニフェストプラス39に関連する施策の推進により、県内全市町村の第2子以降の3歳未満児に係る保育料無償化実施、1、000社を超える企業のいわて働き方改革推進運動への参加、欧米豪や東南アジアを中心とした外国人宿泊者数の過去最多更新、福祉と生活を支える一元的な相談支援体制の構築、小規模自治体への専門職員派遣などの成果につながっています。
 マニフェストプラス39に関連する施策は、県議会での質問に対する答弁、県議会議員に対する資料の提供などにより、取り組み状況等をお示しし、また、関連する個々の事業については、その進捗状況に応じて、個別の事業計画などにより、見通しをお示ししているところです。
 今後も、それぞれ適切なタイミングで取り組み状況や見通しをお示ししながら進めてまいります。
〇柳村一委員 マニフェストプラス39をいわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランと連動させながら、PDCAサイクルを回して、進捗状況を県民の皆様にわかりやすく示して、任期内に実現に目途をつけられるよう、取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、マニフェストプラス39の位置づけと県民への説明責任について伺います。知事は、マニフェストプラス39をどのようなものとして捉え、県民に対してどのように責任を果たしていくのか、考えを伺います。
〇達増知事 マニフェストプラス39は、5期目の知事選挙に当たり、いわゆる公約として公表した政治的文書であり、その評価等は政治の場において行われるべきと考えております。
 マニフェストプラス39の内容については、各項目に関連する事業等を、いわて県民計画(2019〜2028)やアクションプランに基づく具体的な施策として、議会の議決を経て予算化し、執行しており、その評価につきましては、年度ごとの県の行政の評価の形で評価できるようになっております。
 マニフェストプラス39に関連する施策は、さらに、県議会での質問に対する答弁、また、資料提供などでお示しし、そして、個別の事業につきましては、その事業計画などにより、見通しをお示ししているところであります。
 県民に示し、そして、県民の付託を得たマニフェストプラス39でありますので、県民とともに、必要な、特に法令、条例、規則等、求められている手順を一つ一つきちんと進めながら、また、広く県民的な議論とともに、実行に移してまいりたいと思います。
〇柳村一委員 マニフェストプラス39に沿った形で着実に実行できているのか、その経過が県民の期待に応える上での焦点となるわけでありますので、着実に取り組みを進めていただくとともに、県民生活全般にわたる各種サービスの維持、充実に引き続き御尽力をお願いいたします。
 次に、持続可能な医療体制の構築について伺います。
 昨年度の診療報酬改定が要因となって、全国各地の公立病院、民間病院は、過去に経験のない経営危機に直面しています。
 県医療局は、このような厳しい状況下にあって、新しい経営計画に定める収支改善策に、精力的に取り組んでおり、さきの9月定例会議案等説明会で、7月末時点での状況が報告されました。
 その内容を見ると、医療損益が対前年比8.2億円の改善となっており、医療現場を支える全ての関係者の皆様の努力に、改めて敬意を表します。
 県立病院は、県民の医療を担う最も重要な存在であり、安定的な経営を願うものでありますが、経営計画の進捗状況に対する現時点での評価と、計画達成に向けた課題があれば、対応策も含めて、あわせて伺います。
〇小原医療局長 経営計画の進捗でありますが、病院の機能分化、連携強化に関し、高度医療機能の強化に向け、今年度は、例えば、県立中央病院への手術支援ロボットの導入や、県立胆沢病院にHCU―高度治療室の整備等を進めており、中央病院では、来年1月からロボットの稼働を始められる状況となっています。
 また、地域包括ケア病床の全地域病院への導入や、地域包括医療病棟の県立千厩病院での運用を開始しており、引き続き、高度医療と身近な医療の充実を図ってまいります。
 目下、県立病院が抱える最大の課題は、経営環境の大幅な悪化であり、柳村一委員から現在の収支改善の状況を御紹介いただきましたが、その改善を継続してもなお、巨額の赤字が避けられず、物価高や人件費の増加に診療報酬が見合っていないことを、多くの医療関係団体が指摘しております。
 医療局といたしましては、経営計画6年間の最終年度での収支均衡に向け、救急や医療機関からの紹介患者の増等による患者確保、診療単価の向上や、後発医薬品の使用促進、DXの推進による業務の見直しなど、まずは、みずからの経営改善に取り組んでまいります。
 こうした県立病院としての努力とともに、診療報酬上の課題につきましては、国としての対応が不可欠であり、速やかな改定や地方財政措置の充実、緊急的な財政支援などについて要望してまいります。
〇柳村一委員 大幅に改善されたということですけれども、この改善が、職員の過度な負担になっていないかというのも懸念されますので、そこらへんもしっかりと見ながら、取り組みを行っていただきたいと思います。
 次に、関係人口の拡大について伺います。
 ことし6月に地方創生2.0の主要施策として創設された、ふるさと住民登録制度は、居住地とは別の地域と継続的にかかわる関係人口を可視化し、実人数1、000万人、延べ人数1億人という目標達成を目指すものです。
 現在、総務省が専用アプリの構築を進め、自治体からの情報提供のほか、複業や二地域居住といった、より深いかかわりを持つプレミアム登録者に対し、交通費や宿泊費の負担軽減策を講じることも検討されています。
 これまで県としても、関係人口の創出、拡大に向けた施策を展開してきましたが、このふるさと住民登録制度について、活用主体となる市町村との連携を強めることで、東京一極集中を是正する起爆剤となることが期待されますが、県の認識評価と今後の対応策、方針を伺います。
〇達増知事 人口減少の進行に伴う地域の担い手不足が懸念される中で、将来的な移住、定住や、地域経済の活性化、地域課題の解決など、地域外の人材が地域と多様にかかわる関係人口の重要性はますます高まっています。
 現在、国が検討を進めているふるさと住民登録制度は、居住地以外の地域と継続的にかかわる方が、スマートフォンのアプリに登録し、特産品購入やふるさと納税等を通じ接点を持つ方をベーシック登録、地域の担い手となるボランティア、複業者や二地域居住者をプレミアム登録と位置づけることで、地域へのかかわりの深さに伴って、自治体からの情報提供や各種サポートを享受できる仕組みであると認識しております。
 これらの仕組みは、アプリへの登録による関係人口の可視化が図られるとともに、都市部と地方の新たな関係構築によって、関係人口の拡大や地域間連携の強化につながる手段となるものと考えます。
 本県においては、外部人材による地域課題解決への参画を目指す遠恋複業課や、紫波町によるデジタル町民制度など、国の動きに先んじて取り組んできたところもあり、こうした強みを発揮しつつ、新たに創設されるふるさと住民登録制度の機能と連携させ、市町村の取り組みとも協働しながら、県全体の関係人口拡大につなげられるような仕組みづくりに取り組んでまいります。
〇柳村一委員 その取り組みの中で、漠然と取り組んでもどうかと思うのですけれども、具体的な登録者数の目標を設定したりとかそういうことはお考えでしょうか。
〇村上ふるさと振興部長 今回のふるさと住民登録制度でありますけれども、9月現在で、ここまで検討が進んでいるのは、柳村一委員からも御紹介があったとおりですが、その後の詳細な運用等について、国でも、まだ検討を進めているところでありますので、今回の実人員1、000万人、延べ人員1億人という国の目標に対応して、県として、どのようにターゲットを設定していくかということは、引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 一斉に、どこでも始まるわけですので、県も先んじてやっているという自負があると思います。できるだけ早い段階で、目標を設定していただければと思います。
 次に、市町村のDX推進について伺います。
 小規模自治体の多くは、情報システム担当者が一人しかいない、いわゆる一人情シスと呼ばれる状態にあり、デジタル業務の多忙化、専門知識、経験の不足といった構造的な課題を抱えています。
 このような実態を踏まえ、国では、アドバイザー的な助言ではなく、実際の行政業務を直接に支援する専門人材を都道府県がプールした場合、その必要な財源を普通交付税で措置する仕組みを、今年度創出しました。
 県では、既に、専門職種における市町村との共同選考採用、人的支援と財政支援をセットとした小規模町村支援などに取り組んでいます。
 現在、市町村が外部人材を任用する場合には、特別交付税が措置されていますが、この支援も今年度末で終了する予定であり、小規模町村支援の新たな施策として、この人材プール事業を積極的に導入すべきと考えますが、検討状況や対応方針を伺います。
〇村上ふるさと振興部長 現在、県内では、12の市町村において、デジタル化やDX推進のため、外部の専門人材を延べ15名登用しておりまして、このうち3名が、市町村に対する特別交付税措置を活用しているものと承知しております。
 柳村一委員御案内のとおり、今般、国では、市町村の外部人材等の任用等に対する地方交付税措置を本年度末で終了するとともに、県における地方交付税措置を拡充し、県によるデジタル人材のプール機能の強化を図っているところであります。
 こうした国の見直しは、貴重なデジタル人材を有効活用するとともに、特に人材確保に苦慮する小規模自治体の支援に有効と考えられますことから、国の新たな地方交付税措置の活用について、検討を進めているところでありまして、市町村が必要なDX施策を展開できるよう、その意向も確認しながら、支援を強化してまいります。
〇柳村一委員 ぜひ、積極的に検討をお願いします。
 次に、GXの推進について伺います。
 県営施設の脱炭素化に関しては、公用車のEV化やLED照明の導入、県立高校への太陽光発電の設置や、福祉総合相談センターと県民生活センターの集約施設のZEB対応とするなど、比較的順調に進んでいる印象を受けます。
 一方、産業分野に目を向けると、国がGX推進法―脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律やGX推進戦略―脱炭素成長型経済構造移行推進戦略を策定し、産業競争力の強化と経済成長を図る政策を積極的に進める中、県内事業者の多くは、急激な賃上げや物価高の直面し、GXへの投資や新たな取り組みに着手することが、困難な状況にあると推察されます。
 このような状況下ですが、新たな技術導入、産業誘致を通じた雇用創出、投資促進など、県内経済の活性化を図るため、産業分野のGXを積極的に進めていくことが重要ですが、県の基本的な方針、考え方を伺います。
〇佐々木副知事 本県における、産業部門の温室効果ガス排出量は、全体の約25%を占めており、生産や経済活動の脱炭素化を促進しながら、産業の活性化を図ることが重要と考えております。
 このため、県では、事業者の省エネルギー設備や、自家消費型太陽光発電設備の導入など、国の交付金も活用しながら、継続的に支援を行っているほか、令和6年度に作成した脱炭素経営事例集を用い、金融機関と連携して、県内事業者の先進的な取り組み事例の横展開を図っているところであります。
 県内の製造業者におきましても、地域新電力会社を立ち上げ、早池峰ダムの水力発電などの電力をサプライヤー企業に供給するなど、関連企業も含めた、製造工程の脱炭素化にも取り組んでいるところです。
 また、県内市町村におきましては、八幡平市では、地域内の地熱発電所の電源を核とした地域新電力会社が供給する電力を企業誘致につなげる動き、久慈市では、林地残材を活用して、地域に熱や電気を供給する取り組みによって、森林事業者の収益拡大を図っていること、また、宮古市では、再エネ事業で生み出させる収益を、脱炭素ビジネスへの参入支援に活用するなど、脱炭素化による環境と、経済の好循環に向けた取り組みも始まっているところであります。
 県といたしましては、このような先進的な取り組みを、温暖化防止いわて県民会議や県市町村GX推進会議あるいは商工団体のいろいろな機会を通じて、広く情報を共有しながら、県全体へ波及するよう、取り組んでまいります。
〇柳村一委員 今、御紹介いただいた脱炭素に関係する企業とかそういう部分では、ある程度活用できると思うのですけれども、余り関係ないと言っては失礼かもしれないですけれども、先ほど来出ている賃上げで困っている中小企業とかそういう部分に対しても、県独自に支援をしていく必要があると思いますので、今後、検討していただければと思います。
 次に、社会資本の長寿命化について伺います。
 埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、全国ニュースで大きく報道され、国民の日常的な安全に対する不安と、公共インフラの維持管理への関心を、改めて高めました。
 先月、国土交通省が公表した全国の下水道管特別調査の結果では、35都道府県で、合計72キロメートルにわたる下水道管に、重度の腐食や破損が確認され、1年以内の速やかな対策が必要とされています。
 幸い、本県に該当例はありませんでしたが、この結果を対岸の火事とすることはできません。
 そこで、県が管理する道路、トンネル、橋梁といった公共インフラについて、老朽化に対する現状認識と、今後の対応策について、基本的な考え方を伺います。
〇八重樫副知事 建設後50年以上経過するインフラ施設の割合は、令和12年度時点の見込みで、下水道の管路施設が7%であるものの、道路の橋梁が53%、トンネルが32%となるなど、高度経済成長期を中心に整備した多くの社会資本の老朽化が進んでいると認識しています。
 このため、県では、施設の長寿命化と中長期的なトータルコスト縮減の観点から、損傷が深刻化してから修繕を行う事後保全型から、損傷が軽度なうちに対応する予防保全型への転換を目指し、道路など社会資本の個別施設計画に基づき、計画的な修繕等に取り組んでいるところです。
 引き続き、県民の安全、安心な暮らしを支え、産業や観光振興の基盤となる社会資本の安全性を確保するため、国土強靱化関係予算も活用しながら、長寿命化対策の加速化を図り、予防保全型維持管理への転換を進めてまいります。
〇柳村一委員 よろしくお願いいたします。
 最後に、いわて未来づくり機構について伺います。
 県が抱える多くの県政課題は、県だけの資源を投じても解決できない場合が多く、自治体、産業界、経済界、学術、教育機関などが連携して対応していく必要があり、産学官ネットワーク組織であるいわて未来づくり機構は、今後の県政を推進していく上で、不可欠な存在になると捉えています。
 平成20年度に設立されてから今日まで、未来づくり機構が果たしてきた役割を踏まえ、引き続き、地域活性化の推進力のあることを期待しておりますが、機構を、どのような位置づけで、どのように展開していくのか、県の方針を伺います。
〇小野政策企画部長 いわて未来づくり機構は、官民の多様な団体がネットワークを構築し、地域社会の発展に向けて、オール岩手で取り組み、実践していくことを目的に設置されたものでございます。
 これまで、産学官のトップから構成されるラウンドテーブルにおける、本県の発展の方向性などについての議論に加え、東日本大震災津波発災後のいわての復興と未来づくりに向けた共同宣言、新型コロナウイルス感染症流行下のいのちと健康を守り、生活となりわいと学びを支える岩手宣言など、その時々の喫緊のテーマに関する共同宣言のほか、震災からの復興や少子化対策など、特定分野に関する作業部会において、調査、研究、企画立案等の取り組みが行われております。
 現在、令和9年度までの第4フェーズの目標といたしまして、デジタル化やカーボンニュートラルを推進し、持続可能で、人口減少に負けない岩手の実現を掲げ、ジェンダーギャップの解消や少子化対策など、魅力ある地域づくりや、誰もが活躍できる環境づくり等の取り組みが進められております。
 今後も、岩手県の発展の方向性を共有し、県民運動の推進を担う組織として、経済界を初め、県内の関係機関、団体、地域と一体となった取り組みを加速させていくことが重要と考えておりまして、県もその一員として、役割を果たしてまいります。
〇佐々木茂光委員長 次に、中平均委員。
〔中平均委員質問者席に着く〕
〇中平均委員 いわて新政会の中平均です。会派を代表して総括質疑を行わせていただきます。
 では初めに、令和6年度決算審査意見書の受けとめと対応について伺います。
 令和6年度決算の監査結果では、指摘事項は20件、前年度から3件増加となっています。また、指摘事項には至っていませんが、財務事務における不適切な事例も記載されております。内部統制の文書を見ましたが、再発防止策が機能していないことも記載されていますが、これらの事項に対する知事の受けとめと、今後の対応についてお伺いいたします。
〇達増知事 令和6年度決算審査意見書においては、復旧、復興、人口減少対策、行財政運営などの観点から、総括的な御意見や、財務事務の適正な執行に関し、留意、改善を要する事項や、内部統制、職員の資質向上等に関する事項について、個別的な御意見をいただいており、これらについて真摯に受けとめております。
 これまでも、会計事務の適正化については、内部統制を導入し、会計事務自己点検等による組織的なチェック体制の強化を図り、各種研修の充実による職員の資質向上に取り組むなど、県組織全体として対応を進めてまいりました。
 今回いただいた御意見等を踏まえ、不適切事案の未然再発防止に向け、不備の是正に資する取り組みの共有や、不適切な事務処理があった公所への事後指導を徹底するなど、内部統制等の取り組みを一層推進し、県民や県議会の信頼にお応えできるよう、適切な会計事務の執行に努めてまいります。
〇中平均委員 完璧なゼロはどうしても難しいのかもしれませんが、進めていっていただきたいです。
 では、次です。公共事業費の関係についてお伺いします。
 今定例会で提案された補正予算において、公共事業費は35億円余の減額となっておりますが、この理由と、この減額が事業執行にどのように影響を与えているかをお伺いいたします。
〇八重樫副知事 先般、議決いただいた一般会計補正予算(第3号)において、減額補正を行ったところですが、本県が公共事業を着実に実施していくためには、国に対し、本県の社会資本の整備等の必要性を説明し、国費を確保していくことが重要である一方、近年、国の公共事業関係費がおおむね横ばいで推移する中、事業の継続性等の観点から、各都道府県の国費の配分が大きく変わらないことなどから、補助事業費等の予算額と内示額の差額が生じたものです。
 こうした中、県では、社会資本の整備や適切な維持、管理に向けた公共事業費の確保を図るため、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算等を最大限活用したところであり、当初予算と補正予算を合わせた9月補正後の実行予算ベースは921億円余と、昨年度に比較して21億円余の増となるなど、所要額の確保に努め、事業実施への影響が生じないよう、取り組んでいるところであります。
〇中平均委員 先週金曜日に議決した35億円減ですけれども、実際の実行予算で見れば、去年は12月、おととしは3月の補正で措置されているので大丈夫だという説明だと認識しています。
 ただ、今回の補正での減額が結構大きな額なので、その内容までわからないと、見た人たちはみんな不安に感じるのではないかと正直感じるのです。
 例えば久慈市で言えば、今、小屋畑川の河川改修を行っていますけれども、補正は減額になって、実行予算ベースでは減額とはなっていないのです。今、答弁があったとおり、経済対策を踏まえた国土強靱化等の予算で対応してきているということです。
 この先、今年度の国土強靱化等の予算額の確保を進めていかなければ、今回、減額になった分が埋まらないことになりますけれども、この点をどのように見込んでいるのでしょうか。また、予算額をどう確保していこうとして、国に対して行動していくのかをお伺いします。
〇八重樫副知事 本年度、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策が最終年度となることから、県では、本年6月、令和8年度政府予算等に関する提言、要望を実施し、国土交通省等に対し、公共事業予算の安定的、持続的な確保や、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の期間終了後における取り組みの推進等について要望したところです。
 本年6月には、ポスト5か年加速化対策となる第1次国土強靱化実施中期計画が策定されたところであり、計画期間である令和8年度から令和12年度における事業規模は、おおむね20兆円強程度と、現在の5か年加速化対策のおおむね15兆円程度を上回ることも踏まえ、引き続き、国に対し、地域事情を説明し、施策を提案することなどにより、今年度の予算額の確保も含め、公共事業費の安定的、持続的な確保に努めてまいります。
〇中平均委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
 物価高騰と人件費の高騰も相まって、同じ事業予算でも、やれる事業が少なくなって、規模感が小さくなってきていますので、その点も踏まえながらの国への働きかけを今後もお願いしたいと思います。
 続きまして、人口減少への対応ということでお伺いいたします。
 地方創生への総括と地方創生2.0に対応する取り組みということで、2014年に開始された国の地方創生について、これまでの10年間の総括、そして、政府が令和の日本列島改造として力強く進めていくとしています、地方創生2.0に対応する取り組みについて、知事の考えをお伺いいたします。
〇達増知事 国において、これまでの地方創生の取り組みを総括しているように、全国的に、人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至りませんでした。
 一方で、地方では、国の交付金も活用しながら、施策を積み重ねてきた結果、まち・ひと・しごと、それぞれに対応し、地域の魅力、子育て環境、雇用環境は、大幅に向上していると思います。
 本県におきましては、第2子以降の3歳未満児の保育料無償化や、在宅育児支援金の支給による子育て支援策の充実、ヘルステック・イノベーション・ハブや、いわて半導体関連人材育成施設―I-SPARKの整備、陸前高田オートキャンプ場やクライミング施設の整備など、岩手県の子ども子育て環境や雇用環境、魅力を高める取り組みを進めてきた結果、今後の基盤がつくられた10年間だったと考えております。
 一方、本県でも人口減少が続いており、特に、就職期における若者、女性の県外転出が大きな課題であります。県外転出に影響を与える要因の一つとして、性別によるアンコンシャスバイアスが指摘されていることから、ジェンダーギャップ解消を進めていくことが必要であります。
 さらに、東京一極集中を逆転させていくため、公共事業や民間投資の地方への誘導のほか、個人の活躍に対するエンパワーも含めた地方への投資重点化も必要であることから、今後においても、国に対し、地方重視の経済財政政策の実施を強く要望するとともに、県として、市町村や民間企業を初めさまざまな主体と連携し、オール岩手で取り組んでまいります。
〇中平均委員 私も、国の文書を読みましたけれども、最初の地方創生は、結果的には、今、知事が答弁したように、この10年間で基礎的なものができた。ただ、思うようにいかないところもあったくらいで終わっているのです。
 でも、実際は、最初は、岩手県の自治体も、県を含め、全部で、社会減ゼロを各自治体で取り組みましょうと掲げたではないですか。実際、その計画をつくらなければ補助金が下りないという通知が国からも来て、取り組んだわけではないですか。
 その反省というか、その結果がどうなってきて、その上でどうしていくのだということがなければ、この地方創生2.0について、国は音頭をとって取り組んでいくことに付随して県や自治体が取り組んでいくというのですが、最初の地方創生1.0が国としては、自分は間違っていないということを言っているような気がするのです。
それに対して県は、国に対して、もしくは県自身の社会減ゼロがうまくいかなかった理由をどう捉えているかというのをきちんと示していかなければ、また同じことの繰り返しになるのではないかと危惧するところでもあります。その点について、一つ所感をお伺いします。
〇達増知事 日本全体が、地方創生の交付金により、子育て環境や雇用環境、また、まちの魅力も、全ての市町村、全ての都道府県が、予算をかけて取り組んだなりの成果はあったわけでありますけれども、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への投資を初め、地方がよくなったことを上回る雇用環境の伸び、雇用条件の上昇が東京圏で起き、また、地方創生10年の後半では、大阪・関西万博の準備もありましたので、西日本では、大阪圏への集中的な投資があったと思います。
 先ほど、地方への投資重点化、地方重視の経済財政政策を要望すべきと言ったのは、そういったことが、過去10年にはむしろ東京一極集中型プラス大阪圏への投資という形だったので、人口の社会移動に関しては、成果がむしろ逆に出たことと考えております。
 岩手県においては、自動車関連産業、半導体関連産業など、空前と言っていいような雇用環境の改善があり、雇用条件もよくなったのですけれども、有効求人倍率などさまざまな指標で、東京圏のほうが、伸びが大きかった、よりよい条件になっていったことがあり、地方において、かつて例がないほど条件がよくなっているにもかかわらず、実際には、東京一極集中が加速したのは、東京圏への集中的な投資、そうした経済政策があったことが大きかったと考えます。
〇中平均委員 この辺の総括的なものについて、国は出した書類で終わりなのでしょうけれども、岩手県としては考えていかなければならないということで、あえて触れました。各自治体で社会減ゼロだったら、実際、人口がふえるのではないかと、その当時質問した記憶があるのですけれども、結果としては、今、皆さん御存じのとおりです。
 それに続けて、先ほど柳村一委員からもお話がありましたが、関係人口創出に係る取り組みと、地方創生2.0基本構想において、さきほど質問ありました関係人口実質1、000万人、延べ1億人という数値目標についてでございます。県としての対応と、今後の取り組みを私からも伺います。
〇村上ふるさと振興部長 人口減少の進行に伴う地域の担い手不足が懸念される中で、将来的な移住、定住や地域経済の活性化、地域課題の解決など、地域外の人材が地域と多様にかかわる関係人口の重要性は、ますます高まっているものと考えております。
 このため、県ではこれまで、遠恋複業課による複業マッチングや、地域おこし協力隊の受け入れ、定着に向けた市町村への支援など、さまざまな形で関係人口とのつながりを深めるための取り組みを進めてまいりました。
 今回、国の新たな目標設定を受け、県としても、これまでの取り組みを一層強化し、関係人口拡大に向けた施策を推進していく必要があるものと認識しておりまして、新たに創設されるふるさと住民登録制度を積極的に活用して、関係人口の可視化を進めますとともに、これまでの県及び市町村の関係人口拡大に係る取り組みを改めて整理し、それぞれの施策の連携を強化しながら、その拡充に努め、市町村と協働した、県全体の関係人口の拡大につなげられるよう取り組んでまいります。
〇中平均委員 人口が多い東京圏とかもそうですけれども、例えば県内においても、域内の交流人口をもっとふやしていく。国道281号はこれからですけれども、復興道路もできて、沿岸部と内陸部は、縦軸と横軸をますますふやしていきながら、これを関係人口につなげていくことを、まず足元からやっていくというのも、対東京圏なり、仙台圏も含めて、また必要だと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
〇村上ふるさと振興部長 県全体として、転出者を見ますと、東京圏がやはり多いわけですけれども、県内の個別の市町村を着目しますと、特に人口減少の少ない町村部は、盛岡市や近隣の市への転出も多く見られるということで、中平均委員がおっしゃられた、県内市町村間での人の移動に着目した関係人口づくりは、人口減少対策としても、重要であると認識しております。
 県では、地域経営推進費を活用しまして、市町村の関係人口拡大の取り組みを支援しておりますけれども、このうち、例えば花巻市と遠野市が連携して、旅行商品を造成する事業のように、複数の市町村が連携した取り組みを広域連携事業と位置づけまして、市町村連携による事業推進を特に強化しております。
 現状における、こうした複数市町村の関係人口創出の取り組みは、主に近隣市町村間で行われていますけれども、こうした取り組みは、県内における転出と転入の市町村間相互の連携にも活用できるのではないかと考えておりまして、この推進に向けて、必要な検討を進めていきますほか、関係人口に係る、今後の県と市町村及び市町村間の連携強化の取り組みを進める中で、県内における転出入、市町村間相互の連携が推進されるように取り組みたいと考えております。
〇中平均委員 次は、岩手県総合計画審議会における若者・女性部会の設置について伺います。
 県では、次期総合戦略の策定に向けて、若者・女性部会を設置する方針を打ち出しましたが、想定されるメンバー構成と、設置に対する知事の狙いについて伺います。
 また、地方創生に向けて、若者、女性の視点からの議論を行うのであれば、U・Iターンの理由や、本県からの転出理由などの要因を把握し、それらのデータを参考にした対策を施策として実行することが必要ではないでしょうか。知事の考えをお伺いします。
〇達増知事 県では、これまで、魅力ある雇用環境の構築や、全国トップレベルの子育て支援、ジェンダーギャップの解消など、若者、女性に選ばれる岩手県であるための取り組みを進めてまいりました。
 若者、女性一人一人の人生選択の中で選ばれる岩手県であるとともに、一人一人が希望をかなえながら活躍できる岩手県を実現するためには、当事者の視点に立ち、真に求められる施策を進めることが重要です。
 このため、岩手県総合計画審議会に(仮称)若者・女性部会を設置することといたしました。部会には、県内外で活躍するさまざまな分野の若者、女性に参画いただき、御議論をいただくこととしています。
 部会では、さまざまな統計データやアンケート等も活用して、県を取り巻く課題やその背景を共有しながら、自由闊達に意見交換を行い、議論を深めていきたいと考えています。
 いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン及び第2期岩手県ふるさと振興総合戦略については、令和8年度が計画期間の終期でありますので、部会の御意見を踏まえて、今後、次期プラン等の検討を進めてまいります。
〇中平均委員 部会を設置するということでございますので、当然、きちんとした内容ある取り組みを進めるのは重々承知しておりますが、国の計画がこうだから県も予算を措置するではなくて、生きた会議にしていってもらいたいですし、さまざまな理由があって出ていって、転出される方、入ってくる方がいますので、それを少しでも、統計学上といいますか、データ化していって、それで対策を打つことがやはり大切だと思いますので、この点をお願いします。
 次は、少子化を起因としている県立高校の再編で、一般質問でも出ておりますが、第3期県立高等学校再編計画で、県立久慈翔北高等学校の水産と調理師養成施設、県立高田高等学校の水産と県立大船渡東高等学校の調理師養成施設を県立宮古水産高等学校に集約とありますが、改めて、その理由を伺います。
〇佐藤教育長 本年4月に作成しました、県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜では、水産に関する学科につきましては、将来的にも、水産の学びを確保できるよう、より広域での再編も視野に入れ、学びの配置バランスを考慮するとともに、他の学科との併置校への再編等、教育環境の整備のあり方について検討し、進めることとしており、家庭に関する学科につきましては、専門性を維持しながら、学校の活力を向上させ、よりよい教育環境の整備を図るため、学びの配置バランスを考慮するとともに、より広域での再編も視野に入れ、他の学科との併置校への再編等を検討し、進めることとしたところでございます。
 今回の再編計画当初案では、県立高田高校と県立久慈翔北高校の水産の学び、県立大船渡東高校と県立久慈翔北高校の調理師養成施設の学びの機能について、これまでの全県的な志願者数の状況、今後の教員配置などを踏まえた上で、県立宮古水産高校に集約し、水産及び調理師養成施設の学びの機能の重点化を図ることとしたものであります。
〇中平均委員 知事にお伺いします。
 今、教育委員会で、まず、その方針を出しました。そして、そういった中で、宮古水産高校が悪いとかいいとかというのではなくて、例えば久慈市から宮古市まで通えるのか、大船渡市や陸前高田市から宮古市まで通えるのかについて一般質問でも出ております。
 教員の数が足りないという面を踏まえながら、今回決めた案ということですが、久慈市から宮古市まで、三陸鉄道で1時間半といった中で、どうやってこの調整をとっていくのかという点について、教育委員会のマターであると思うのですが、知事としてどう考えているのかをお聞かせください。
〇達増知事 高等学校教育のあり方については、身近な地域において学ぶことができるという面と、社会に出て活躍していくことを視野に入れた、高いレベルの学びが可能であるという面があります。
 その中で、実際の小中学生の現在の人数とか、また、経済、社会の地域の状況などを考慮しながら、高校のあり方を決めていくということで、先ほど教育長が述べたような経緯と理由の中で、現在の当初案があると考えておりますので、そこは、地域で学びたい、また、高いレベルのものを学びたい、さまざまな意見を出して、県民的な議論をしていくことが重要と考えます。
〇中平均委員 わかりました。これから、また議論が進むことになると思います。
 次は、自然エネルギー発電で、久慈市沖の洋上風力発電についてです。2月の代表質問において、知事からも前向きな答弁をいただいております。
 県北、沿岸振興はもとより、県の発展に大きくつながる浮体式洋上風力発電だと思っておりますが、重ねてになりますが、実現について、ぜひとも、知事が先頭に立って、スピード感を持って取り組みを進めていってもらいたいと考えますが、知事の考え、決意をお伺いします。
〇達増知事 浮体式洋上風力は、水深の深い海域での導入が可能であることから、国際機関の報告によると、2050年には、ヨーロッパと比べて、遠浅の海域が少ないアジア地域が最大の市場となることが見込まれています。
 国では、排他的経済水域における浮体式洋上風力発電の設置許可制度の創設にあわせて、2029年度を目途に案件形成する目標を設定し、国内産業基盤の構築を目指すなど、実現に向けた取り組みを着実に実行することとしています。
 久慈市沖は、大規模な浮体式洋上風力では、全国で最も早く準備区域に整理された海域であり、これまで、県内及び全国の関係団体との協議を重ねてきた結果、徐々に、協議会の設置について理解が得られるなど、現在、国内で11海域ある浮体式洋上風力発電計画の中でも、期待の大きいリーディングプロジェクトの一つであると認識しております。
 久慈市沖の洋上風力発電は、国家プロジェクトとして国内外からの投資や、すぐれた技術を呼び込み、県全域の産業基盤の構築につながる、本県にとって重要な取り組みでありますので、来年度を初年度とする次期岩手県海洋エネルギー関連産業創出ビジョンの中心に位置づけ、着実な実現に向け取り組んでまいります。
〇佐々木茂光委員長 中平均委員の発言の途中でありますが、再開後おおむね1時間半が経過いたしますが、区切りの関係から中平均委員の質疑終了まで続行したいと思いますので、御了承願います。
〇中平均委員 知事、ありがとうございました。
 協議会でいろいろやってみて、相手方があることで、全部はうまく進んでいないかもしれませんけれども、まずは、進んでいくという中では、地元の自治体も頑張っておりますが、県の協調した御尽力が必要でございますので、ぜひともお願いしたいと思います。
 その洋上風力ですけれども、秋田沖では、三菱商事株式会社の連合の撤退等がありました。この点についてどのような影響があると、県は考えているでしょうか。
〇村上ふるさと振興部長 三菱商事株式会社の連合が撤退した事業でございますが、落札価格が売電価格として固定されることが公募時の入札条件だったことから、ウクライナ戦争に端を発する世界的なインフレに伴う建設費の高騰で、想定した収入を費用が大幅に上回り、事業継続が困難になったものと承知しております。
 その後の公募事業では、市場を通じて、落札価格より高い価格で売電することが可能な入札条件となっておりまして、事業者の工夫次第で採算をとりやすい仕組みとなっておりますので、久慈市沖の案件につきましては、三菱商事株式会社の連合の撤退による直接的な影響はないものと考えております。
 現在、国では、洋上風力発電をめぐる事業環境の変化を受けまして、入札後の物価変動等を踏まえて、価格の調整を行う仕組みの導入など、公募制度の見直しを含めた事業環境整備を進めているところであります。
 今後におきましても、事業者選定後の収入や費用の変動リスクに対応できる事業環境整備に係る情報収集やその分析に努め、久慈市沖への投資の確実性を高めていくための検討を進めてまいります。
〇中平均委員 引き続きよろしくお願いいたします。
 次は、太陽光発電についてです。
 ペロブスカイト太陽電池の導入に向けた、県の考えについてお伺いします。
 以前、視察で行った福岡市では、学校、体育館等に設置を始めていて、福岡ドームにも設置を進める予定と聞いています。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、公共施設や大規模工場などにおいて、岩手県としても、積極的に導入を進めていくべきと考えますが、県の考えを伺います。
〇佐々木副知事 地上等に設置する一般の太陽光発電は、その適地が限られる中、ペロブスカイト太陽電池は、薄くて軽く、柔軟であることから、これまで太陽光発電設備の設置が難しかった建築物の屋根や建物の壁面など、場所の制約なく設置が可能となるものであり、再生可能エネルギーの導入、拡大に向け、こうした新技術を積極的に活用していくことが重要と考えています。
 国では、第7次エネルギー基本計画に基づき、ペロブスカイト太陽電池の発電コスト低減に向けた技術開発を進めるとともに、量産技術の確立、生産体制整備、需要の創出に取り組むこととしており、令和7年度から補助事業を実施しているところであります。
 国内企業では、早期の量産化に向けた設備投資が進められているなど、製造販売体制の確立に向けた動きが見られるほか、県内に工場を有する企業でも、生産体制の整備に向けた動きがあるところです。ペロブスカイト太陽電池は、再エネ導入、拡大と地域共生を両立するものとして期待されています。
 中平均委員御紹介の事例も承知しているところでありますが、県といたしましては、こうしたペロブスカイト太陽電池のメリットを事業者に発信することを進めつつ、コストや耐久性など、今後解決されるべき課題の対応状況もありますので、県としての導入について、しっかり、広く議論してまいります。
〇中平均委員 壁などにもつけられるわけですし、新しい県の庁舎にも、そのころにはもっと安くなってくるのでしょうから、つけられるようになるだろうと思います。あと、国の補助等も出てくると思いますので、その点を、アンテナを高くして、進めていっていただきたいですし、自治体等が手を挙げたときにも、ぜひ協力していただきたいと思います。
 次に、久慈港の活用ということで、長期構想がことし7月に策定されました。さまざま盛り込まれておりますが、久慈港港湾計画の改定も必要になってくると認識しておりますけれども、長期構想の実現に向けた具体的な工程を検討していく必要があると考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇八重樫副知事 久慈港長期構想は、行政だけでなく、地域住民、企業等、あらゆる主体が久慈港の将来図を共有し、連携しながら、港湾整備、港湾利用の取り組みを進めていくためのビジョンであります。
 その主な取り組みには、物流ニーズに合った埠頭の再編や、エネルギー産業拠点の形成等の港湾管理者が主体的に取り組むものと、養殖業の振興やにぎわい空間の創出等、市や漁協など、他の事業主体が取り組むものがあります。
 県としては、施設整備計画となる港湾計画の改定に向けた検討を進めるとともに、その他の事業主体が実施する取り組みについても、関係者と連携しながら、引き続き、長期構想に掲げたビジョンの実現に向けて取り組んでまいります。
〇中平均委員 その中で、久慈港の静穏域を活用していくということで、ブルーカーボンの生態系の創出の可能性が大きいのかなと思います。財政状況が非常に厳しい岩手県また自治体にとって、ブルーカーボン・オフセット制度によるクレジット販売の収益は、貴重な自主財源の一つになり得ると考えます。
 県としても、ぜひとも検討して、地元関係者、自治体等と協力して、実現してもらいたいと考えますが、考えをお伺いいたします。
〇八重樫副知事 久慈港長期構想においては、湾口防波堤の整備により、広大な静穏海域が確保されることから、この静穏海域を活用してブルーインフラを展開する環境、空間づくりに取り組むこととしています。
 具体的には、ブルーカーボンオフセットにより、藻場等のCO2吸収量をクレジット化し、その販売利益を活用した藻場等の保全、再生活動などが考えられます。
 こうした取り組みを進めるためには、久慈市や地元漁業協同組合など、実施主体を明確にする必要があることから、先行してブルーカーボン事業を進めている他港の事例等も参考にしながら、調査、研究を進めてまいります。
〇中平均委員 進めていきながら、実際には、どのように確保していくかということだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次は、安心、安全な地域づくりということで、第1次国土強靱化実施中期計画に対応した事業展開について、気候変動に伴い、災害が非常に激甚化、頻発化しており、再度災害の発生を抑止できる対策が必要と考えますが、県として、どのように展開していくのかをお伺いします。
〇八重樫副知事 平成28年台風第10号や令和元年台風第19号で被災した本県においては、復旧、復興事業に当たって、第1次国土強靱化実施中期計画の前身である防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算を活用し、例えば、岩泉町の小本川における河川改修など、単純な災害復旧によらない、将来の災害リスクの低減を目指す、再度災害防止に取り組んできたところです。
 こうした改良復旧工事を進めてきたことにより、小本川では、令和6年台風第5号の際、被災当時と同規模の総雨量を記録しましたが、河川事業を導入した区間では、住宅等の浸水被害はありませんでした。
 第1次国土強靱化実施中期計画では、重点的に取り組む施策として、国民の生命と財産を守る防災インフラの整備、管理や、地域における防災力の一層の強化など、五つの施策を掲げていることから、激甚化、頻発化する自然災害に備えるため、状況に応じて、再度災害防止に取り組むほか、国土強靱化に資する地方単独事業も活用しながら、次期岩手県国土強靱化地域計画に基づき、流域治水の考え方のもと、ハード対策とソフト施策を組み合わせた防災、減災対策や、災害に強い道路ネットワークの構築などに取り組んでまいります。
〇中平均委員 そして、河川の次は道路でございます。
 先週の本会議において、国道281号の(仮称)下平トンネルの築造工事の請負契約案件が議決されました。また、一般質問における答弁では、葛巻町の(仮称)小屋瀬道路の事業化の検討を優先していくという答弁もございました。
 久慈内陸道路については、マニフェストプラス39にも掲げられており、構想路線の整備は、早期の実現が必要と考えていますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇達増知事 国道281号久慈市案内-戸呂町口工区については、令和5年9月に着手したトンネル前後の改良工事が進捗し、本議会において、(仮称)下平トンネル築造工事の請負契約議案が議決されたところであり、まずは、早期のトンネル本体工事の着手を目指してまいります。
 また、優先区間として調査を進めてきた葛巻町内の区間においては、本年9月に、(仮称)小屋瀬道路の事業化の検討を優先していくことを、関係市町村長と共有し、より詳細なルート検討を行うための設計業務を発注しました。
 引き続き、案内-戸呂町口工区の事業推進とともに、沿線の市町村と意見交換をしながら、(仮称)小屋瀬道路のルート検討の精度をさらに高め、産業の基盤となり、災害に強い道路ネットワークの構築に取り組んでまいります。
〇中平均委員 引き続き、知事に対してになりますけれども、県立久慈病院の医療提供体制ということで、県北地域におけるドクターヘリの出動要請は、消防本部、岩手医科大学、八戸市民病院の3者通話による柔軟な運用が、今月から開始となりました。
 救命率の向上が期待される一方で、地域の基幹病院である久慈病院の体制強化が必要なことは、今までも機会あるごとに発言してきていることでありますけれども、この医師不足、診療科偏在の中、久慈病院の現況に対する知事の所感、そして、医療提供体制充実に向けた取り組みについてお伺いいたします。
〇達増知事 県立久慈病院は、久慈保健医療圏唯一の急性期病院として、昨年度は、延べ8、000人を超える救急患者を24時間体制で受け入れ、圏域の医療の中核として、大きな役割を果たしています。
 また、常勤医が不在となっている脳血管疾患等の救急患者については、医師の派遣元である岩手医科大学を初め、関係する消防、医療機関と調整し、八戸市など、近接する医療圏の医療機関に迅速かつ円滑に搬送し、圏域の住民が、専門的な検査、治療を確実に受けられる体制を確保しているところであります。
 県では、奨学金養成医師の県北、沿岸地域への配置の充実や、関係大学への派遣要請等による医師確保を進め、久慈病院の医療提供体制の充実を図り、地域の医療ニーズに応えてまいります。
〇中平均委員 それでは、次に復興、防災の関係で、第3期復興・創生期間の財源確保です。
 令和7年度で第2期復興・創生期間が終了して、令和8年度から第3期復興・創生期間に入りますが、国の一般施策に移行する事業もあります。地方の負担が増加するのではないかという懸念がありますが、県はどのように想定して、対応していくのかをお伺いいたします。
〇大畑復興防災部長 本年6月に見直されました、国の復興の基本方針では、こころのケア等の被災者支援や水産業の再生など、中長期的な課題への支援の継続が明記されたところであり、現在、国の各省庁において、各事業の調整が進められております。
 個別事業の取り扱いにつきましては、地方財政措置の取り扱いも含め、詳細が示されていない状況でありますが、国の基本方針では、復興施策による支援の継続とともに、政府全体の施策を活用する方針も示されておりますので、将来的な復興の進展に伴い、国の復興施策の見直しや、一般施策への移行も想定されます。
 このため県としては、被災地の現状や課題を国と共有し、丁寧に意見交換しながら、被災地の実情に合った事業の運用や内容の充実、必要な予算の確保を国に求めていくなど、被災地で必要とされる事業が実施できるよう取り組んでまいります。
〇中平均委員 そこで関連して、岩手県こころのケアセンターについてお伺いします。
 これは、先ほど小西和子委員からも質問がありましたけれども、今まで、岩手県こころのケアセンターは、年間4億円の予算で運営してきたと認識しておりますが、来年度以降、どのような予算措置となり、運営となるのでしょうか。
 その上で、サービス内容等が低下することは、誰一人取り残さないとする知事の考えや、国の復興大臣等が来るたびに、こころのケアが必要だとする発言と逆行すると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
〇達増知事 岩手県こころのケアセンターについてでありますが、本年6月に閣議決定された国の復興の基本方針において、こころのケアについては、中長期的な対応が必要なものがあり、ソフトランディングのため、真に必要な範囲で、第2期復興・創生期間の後も、復興施策による対応も行うとされ、来年度以降も、復興施策による国の支援の継続の方針が示されております。
 被災地である本県の沿岸市町村は、医療機関や専門職が少ない地域であることを考慮し、こころのケアセンターの運営体制を一定規模維持しながら、当面の間、支援を継続できるよう、国と調整をしてまいります。
 将来的には、地域が主体となった支援体制への移行も見据え、保健師など地域の人材を育成しながら、市町村や保健所を中心とした包括的な支援体制づくりに取り組んでまいります。
〇中平均委員 将来的にはということですが、何年先を見据えるかまでは聞きませんけれども、例えば、今、年間4億円で維持していて、来年度、国から、極端に言えば3億円でやりますとか、2億円で維持できるでしょうと来た場合、県として、まだ人材がそろっていないときに、どのように対応していくと考えているのかをお伺いいたします。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 今、知事から御答弁申し上げましたとおり、来年度以降についても、真に必要な事業ということで、こころのケアについては、国が支援をするという形で、方針が示されておりますので、まずは、当面の間、今の体制は維持したいと考えております。一方で、国の方針にはソフトランディングまでの間といったような修飾語もございますので、地域での市町村、保健所での一般施策、また、これまで、こころのケアセンターの対応で、地域の精神保健の分野の担い手等の資質もかなり高まっておりますので、そういった地域への移行も、こころのケアセンターとも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇中平均委員 部局審査のときにも、少しお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次は、1次産業ということで、まず海業の関係です。今、吉里吉里漁港を初め取り組んでいますけれども、今後の全県展開をどう考えているのかをお伺いします。
 久慈市で言えば、先ほど久慈港の話もしましたけれども、海面養殖とレジャー、みちのく潮風トレイルを組み合わせた複合的な展開ということで、経済効果が各所に生じて、将来的には、国からの補助金がなくても進んでいける、自走システムができるのではないかと考えますが、県の見解をお伺いいたします。
〇佐々木副知事 地域の活性化に向けては、海や漁村の地域資源を最大限に活用し、海業を推進していくことが重要と捉えております。
 現在、県内では、国の海業の推進に取り組む地区への選定と、海業振興に係る計画策定、これは合わせて重複も含めて4地区と今なっておりますが、今年度新たに、洋野町の種市漁港において計画策定が進められるなど、取り組みが着実に広がっています。
 こうした取り組みのさらなる拡大に向け、県では、県内外の先行事例の紹介などを行うシンポジウムを継続して開催するとともに、沿岸12市町村ごとに、漁協や市町村職員と意見交換会を開催するなど、海業へのさらなる理解醸成に取り組んでいるところです。
 また、昨年度から、大槌町での天然ウニの殻むき体験や、山田町でのカキ養殖の漁業体験などのモニターツアーを実施して、ビジネスモデルの構築を進めているほか、久慈地域では、管内4市町村、漁協や県で構成する協議会において、地域資源の魅力等を探る海業のワークショップなどを実施しています。
 今後も、海業へのさらなる理解醸成を図るとともに、ビジネスモデル構築の成果を他地域にも展開し、新たなビジネスモデルとして定着させるなど、関係機関、団体と連携しながら、積極的に取り組んでまいります。
〇中平均委員 ぜひ、海業をお願いいたしたいと思います。今の久慈地区におけるワークショップについて、ことしは野田村が10月20日、洋野町が10月21日、久慈市が10月22日に行うということでございますので、お願いいたしたいと思います。
 夏季の高温に対応した農作物についてです。
 非常に暑い時期が続いていて、県においても、さまざま農作物の転換に取り組んでいると認識しています。
 ただ、生産施設への投資が難しいと、金額もかさむということでありますけれども、ここが課題と考えますが、県における、今後の取り組みについてお伺いします。
〇佐々木副知事 農業は気候変動の影響を受けやすい産業であり、近年、夏季の高温など、気象災害が頻発化していることから、気候変動の影響に、的確かつ効果的に対応していくことが重要と捉えております。
 このため、県では、ことし4月に新たに品目ごとの高温等の気候変動への対応策を取りまとめ、技術対策の指導を強化するとともに、高温に強い農作物の品種開発のほか、栽培適地の変化に対応する新たな品目の導入を進めています。
 水稲の高温耐性品種の開発については、今年度、二期作が可能な沖縄県と連携し、年2回の試験栽培を行うなど、品種開発の加速化に取り組んでいます。
 県北地域では、ホウレンソウについて、ハウス内の温度を下げるミスト装置の導入等による夏季の安定生産に取り組むほか、新たな品目として、ホウレンソウよりも効率よく低コストで導入可能な露地ピーマンの導入を進めているところです。
 また、新たに温暖化に適応した市場性の高いモモの導入に向け、県内17カ所で栽培実証や生産者等を対象とした勉強会、国事業を活用した新改植や園地整備等への支援を実施するほか、今後、栽培マニュアルを策定することとしております。
 今後も、農業者が気候変動への適応力をさらに高めて、持続的に生産活動に取り組むことができるよう支援してまいります。
〇佐々木茂光委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時55分 休 憩
午後3時17分 再 開
〇佐々木茂光委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。次に、工藤剛委員。
〔工藤剛委員質問者席に着く〕(拍手)
〇工藤剛委員 いわて県民クラブ・無所属の会の工藤剛です。
 会派を代表いたしまして、令和6年度決算特別委員会での総括質疑をさせていただきます。明確な御答弁をよろしくお願いいたします。
 まず初めに、今後、増加していくと予想される財政負担についてであります。
 先ほど、自由民主党会派の総括質疑の中でもありましたが、地方公共団体の財政状況の健全性を示す指標の一つである実質公債費比率や将来負担比率を見ますと、実質公債費比率では、早期健全化基準が25%以内であるところ、岩手県の令和6年度は12.3%、将来負担比率は早期健全化基準が350%以内であるところ、令和6年度は196.8%と、今のところ健全であると言われます。
 しかし、県庁舎及び議会棟の建てかえ、県立病院の経営問題など、将来的に、多額の歳出予算が必要となる本県独自の案件に加え、橋梁等の修繕や下水道管の破裂による道路陥没事故を教訓としたインフラ整備、頻発する自然災害への対応、さらには、賃上げ支援も含めた物価高騰対策、市町村支援など、今後の歳出予算が超高額になることは安易に予想されます。
 この状況を踏まえると、歳入、歳出の両面から、財政健全化を図る取り組みが必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
〇達増知事 本県では、人件費や社会保障関係費、公債費の増加に加え、工藤剛委員御指摘のとおり、県庁舎の建てかえや、毎年度200億円を超える県立病院への繰出金など、今後、多額の財政需要が見込まれます。
 こうした中においても、住民のニーズに的確に応えつつ、公共インフラの維持や大規模な自然災害への備えを初めとするさまざまな行政課題に対応しながら、一定水準の行政サービスを安定的に提供していくためには、施策の推進を支える安定的な行財政基盤を構築していくことが重要であります。
 各種基金の有効活用、ふるさと納税や使用料の見直し、より低利な資金調達など、あらゆる手法による歳入確保に取り組むとともに、事務事業の精査など、徹底した歳出水準の適正化と、限られた財源の重点的、効果的な活用に努め、持続的、安定的な財政運営を行ってまいります。
〇工藤剛委員 それでは、単純な質問をさせていただきます。簡単に答えていただきたいのですが、具体的な数字は問いません。今後、3ないし5年間の短期間の歳入、歳出の今後の岩手県の見込みから考えますと、岩手県は大丈夫です、計画どおり進めていけますという状況に向いていくのか、危機的状況が予想されて、緊張感を持った財政運営が必要なのかということであれば、知事はどちらを想定しておられますか。
〇達増知事 中期財政見通しで、ここ四、五年の財政について、大変厳しい状況であるのですけれども、100億円とか200億円とか、そのくらいのところの超過分を対応していくことに関しましては、過去にも、さまざま例がありますので、その規模であれば、決して楽ではないのですけれども、よほど変なことをしない限りは、しっかり対応していくことができると考えております。
〇工藤剛委員 それでは次に、消費税減税についてお伺いいたします。
 岩手県の令和6年度の地方消費税額は、前年比10.8%と増加傾向にありますが、昨今の物価高への対応、国民の生活苦への解消策として、さきの参議院議員選挙でも争点の一つになりました消費税の減税に関して、仮に、何の国策もなく、単純に消費税が減税となれば、県や市町村の財源が減少することが予想されます。
 今回の一般質問の中で、消費税減税が喫緊の課題に対応する施策の有効な選択肢の一つであること、一方で、地方の財源として不可欠であり、減税に当たっては、代替財源の確保が必要であると、知事からの答弁もございました。
 消費税の減税が県財政に及ぼす影響と代替財源の確保について、知事の所見をお伺いいたします。
〇達増知事 消費税減税が県財政に及ぼす影響についてでありますが、地方財政全体で見ると、令和6年度の消費税収入31.9兆円の約4割に当たる11.7兆円が地方の財源となっており、本県では、地方消費税の収入652億円、地方交付税の原資として交付される577億円の合計約1、229億円が消費税関連の歳入として、本県歳入の15%程度を占める規模となっています。
 消費税減税は、喫緊の課題に対応する施策の有効な選択肢の一つであるものの、消費税は、地方において、子育て支援や介護人材確保等の社会保障の財源として不可欠なものでありますので、その減税に当たっては、代替財源の確保が必要であります。
 県では、これまで、国に対し、全国知事会を通じて消費税が社会保障制度の基盤として果たしている役割や、地方への影響等を十分に考慮して、将来世代の負担にも十分配慮した丁寧な議論を行うよう求めてきておりますが、今後も引き続き、地方に負担を転嫁するような制度改正等を行うことがないよう、さまざまな機会を通じて提言等を行ってまいります。
〇工藤剛委員 実は、前回の私の一般質問のときに、結果的に、質問には至らなかったわけでございますが、達増知事が、全国知事会とか北海道東北地方知事会として、国に対してどのぐらい要望に行っているのか、または、県単独の要望として、どこに何回行っているのかという資料をいただいた経緯もございます。大変御苦労さまでございます。
 国への要望は大変重要でございますけれども、実際、要望をしました、でも、予算はつきませんでしたでは、県財政は運営できないわけでございまして、この消費税減税という部分に関しまして、国からの代替財源が担保されないという限りは、知事としては、消費税減税に反対の立場だということでよろしいのでしょうか。
〇達増知事 物価高騰は、まず、消費者、一般家庭を直撃しておりますし、また、その物価高騰プラス賃上げが中小企業を直撃しております。過去30年以上なかったような厳しい状況に、今、地方の住民や地方経済、中小企業が直面している状態であり、これを乗り越えるために、給付か減税か、減税か給付かというような、財政出動が求められているという状況でありますけれども、同時に、この30年余り、特に若い世代を中心に、収入が少なく、過処分所得が少ないことが、婚姻数、出生数の減少にもつながっているところもあり、それを支援し、支える地方財源の確保も非常に重要になっております。
 ということで、地方財源の確保、また、特に地方財源をふやしていくことと、目の前の物価高騰や賃上げを乗り越えていくのは、両方やらなければならないことでありますので、それを両立できるような政策を国には求めたいと思います。
〇工藤剛委員 両方成れば、私もいいと思います。
 次は、本県の観光予算についてお伺いいたします。
 週刊観光経済新聞が行いました、2025年度当初予算都道府県観光予算アンケートにおいて、東北6県の中で、岩手県の観光予算は2億8、516万3、000円と、ほかの5県と比べまして、桁が一つ違うくらいの低額でございました。
 単純に、この数字だけを見比べますと、人口の自然減、社会減が加速度的に進んでいる本県にとって、せめて、交流人口はふやさなければならない状況のもと、非常に残念なアンケートだと言わざるを得ません。
 この結果の見解について、東北6県で比較した本県の予算だけではなく、宿泊者数等の観光関係の現状とあわせましてお伺いいたします。
〇佐々木副知事 令和7年6月23日の観光経済新聞に掲載された各県の予算額でありますが、これは、新聞社からのアンケートに対して、各県が回答する形になっておりまして、観光分野に加えて、交通、空港に係る予算、文化、芸術、スポーツ、県産品販売、輸出等、都道府県によって、事業の範囲に違いがあるため、単純に比較できない数字と捉えています。
 本県では、昨年度に引き続き、現在、JR東日本と連携して、秋の観光キャンペーンを実施するなど、いわて観光キャンペーン推進協議会といった体制を初めとするオール岩手の体制で、関係者と密接に連携しながら、誘客促進に取り組んでいるところです。
 このような取り組みにより、本県の令和6年の延べ宿泊者数は588万人泊となっており、コロナ禍前と比較して、約94%までの回復というところであります。
 東北6県で比較しますと、3番目の伸び率となっているほか、全体の延べ宿泊者数及び国内旅行客、インバウンドのいずれも3番目となっています。この3番目に甘んずることなく、取り組む必要があると思っております。
 今後とも、三つの世界遺産や、国内外から関心が高まっているみちのく潮風トレイルなど、本県のすぐれた観光資源を生かして、関係者が一丸となって、観光振興を図っていく考えです。
〇工藤剛委員 各県によって、観光予算としてアンケートに答えた項目に違いがあるので、単純に比較にならないということであれば、ただ、これが、例えば県議会に報告する数字であれば、もちろん確かなものでなければいけないわけでございますが、あくまでも、マスメディアに対するアンケートの中で、この記事を見た人が、岩手県が見劣りするように感じているようでは、これはもう、失敗だと思うのです。逆に、この記事を見て、岩手県に訪れたくなるような数字を載せて、全国にPRしていく必要があったのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
〇佐々木副知事 アンケート等の範囲をしっかりと確認した上で、答えるべきものだったと思っております。各県は、どちらかというととにかく広く数字を上げる等々のこともあったようですので、それは岩手県の真面目なところと言ったらいいのか、そういうところもあってはいけないので、そこはしっかりと範囲を決めて、マスコミ対応はきちんとやるべきだと思っています。
 岩手県そのものは、予算そのものを分析していますが、確かに、全国に比較して決して高いほうではありません。そうした中でも、さまざま国内外からの評価の高い資源については、みんなでブラッシュアップして、PRして、いろいろと誘客を促進しているという状況にあると考えております。
〇工藤剛委員 このアンケートは、ことし初めてというわけではなくて、今までにも、毎回同じような回答をしていまして、同じような結果が出ていたという話を聞きました。
 ということであれば、例えばそれを見たときに、あれ、本県と他の県とちょっと違うのではないか、真面目に載せたという意味ではなくて、何か見劣りするのではないか、まずいのではないかと言って、どこかで是正していくとか、ほかの県と確認をとり合うとか、何かあってもよかったように思うのですが、何もなく、今まで来ていたのは、少し納得できないのですが、その辺はいかがですか。
〇佐々木副知事 この数字につきましては、さまざまな思いがあるのも理解しているところでありまして、決して、今後、こういうことがないようにしたいと考えております。
〇工藤剛委員 続いて、国内の観光客の誘客についてお伺いいたします。
 今、確かにインバウンドの観光客は順調に増加しておりまして、その対策、施策等は、引き続き推進していくことが大事だと思っております。
 ただ、安定した観光収入ということで、観光客の集客等を考えますと、円高、円安、戦争やテロ、反日感情など、海外情勢の変化によっても変わらない国内の観光客の誘客と、やはり岩手県に行ったらよかった、もう一回行ってみようかというリピーターをふやしていくことが、安定した観光客の集客に重要だと考えますが、その辺のお考えと、もしそういう対策を行っているのであれば、お伺いいたします。
〇佐々木副知事 近年、インバウンドの増加がクローズアップされる中、令和6年の本県への延べ宿泊者数約588万人泊のうち、国内からの宿泊者数は約549万人泊であり、率にして93.4%を占めていることから、安定的な観光客誘致に向けて、国内観光客のさらなる誘客促進を図ることは重要だと考えております。
 このことから、本県では、先ほど申し上げましたが、オール岩手の推進体制であるいわて観光キャンペーン推進協議会による観光キャンペーンを初めとした各種誘客施策を展開しているほか、公益財団法人岩手県観光協会と連携して、データマーケティングの推進、あるいはDMOに対する支援と、持続可能な観光地域づくりに向け取り組んでいるところであります。
 こうした取り組みにより、本県が行っている直近の令和6年の岩手県観光統計によりますと、本県への訪問回数が2回以上と回答した旅行者の割合が74.4%と、多くの方々にリピートいただいているほか、総合満足度においては、80.2%が満足と回答するなど、訪問いただいている方には高い評価をいただいているところです。
 今後におきましても、海外からの誘客促進とあわせ、これまで高い評価をいただいている本県の食、自然、歴史、文化、人々の交流等といった魅力ある観光資源をさらに磨き上げながら、国内からのさらなる誘客促進と、リピーターの拡大に向けて取り組んでまいります。
〇工藤剛委員 続きまして、昨年、一昨年と行いました物価高騰対策への賃上げ支援金施策の効果と課題についてお伺いいたします。
 岩手県が全国に先駆けて行いました一昨年の賃上げ支援策では、2、889社、2万313人が利用し、昨年10月からの実施分は、9月26日までの申請分で、2、565社、2万6、312人が利用しております。
 利用した事業者数で見ますと、1回目、2回目とも、従業員20人以下の事業者が約7割を占めております。利用人数では、それまで1社20人までだったところ、2回目は50人まで利用できるとしたため、21人から50人の事業者の人数が7、679人と一番多くなっております。
 この2年間の実績が、約26億円にもなる事業でございますので、次へつなげるためにも、しっかりとした検証が必要と考えます。この2回の賃上げ支援策について、県としてどう捉えているのか、その成果と課題をお伺いいたします。
〇佐々木副知事 まず、支援金の成果でありますが、従業員数別の申請件数の状況を見ますと、1回目、2回目とも20人以下の事業者からの申請が多く、小規模な事業者の賃上げにつながっていると捉えています。
 さらに、2回目については、支援内容等の見直しを行ったこともあって、現時点で、既に1回目の支給人数を上回る申請を受け付けておりまして、より多くの労働者の賃上げに結びついていると考えています。
 先般、岩手県中小企業団体中央会が行った最低賃金引き上げに関するアンケートによりますと、本支援金について、支援金の増額、要件緩和、申請手続の簡素化などを望む意見があったところであり、こうした点が課題であると認識しております。
 このような課題も念頭に置きながら、今回の最低賃金の引き上げ額が、過去最大の上げ幅であることも踏まえて、国による大胆かつ迅速な支援策の実施と、地方に対する交付金などの財源の確保を国に働きかけていくとともに、国の施策とも連動しながら、県としても、適時、適切に必要な対応を打っていくことと考えております。
〇工藤剛委員 先ほど来、倒産件数がふえているというお話もありましたけれども、例えば、今後、どういう方策をするかということを考えたときに、今までのように、賃金アップに特化した支援よりも、例えば企業そのものの利益が上がるような支援策を考えて、企業が潤って、結果的に、賃金が上がるという流れのほうが、企業として存続できるのではないかということも考えますが、それについてはいかがでしょうか。
〇佐々木副知事 工藤剛委員御指摘のとおり、賃上げの原資そのものを補填する、支援するというものに加えて、持続可能な企業の活動ができるような支援も重要だと捉えています。事業を継続していくためには、生産性向上と価格転嫁の推進により、利益を維持、拡大していくこと、これが重要であります。
 県では、令和5年度から、中小企業者等賃上げ環境整備支援事業費補助金により、経営革新を図りながら生産性向上に取り組む中小企業、小規模事業者に対する伴走支援を行っています。こういった取り組みをしっかりあわせて企業に支援していくことが重要だと考えています。
〇工藤剛委員 私が今一番懸念しているのは、このような状況が続いていきますと、例えば賃上げをどんどん続けていける企業と、それがなかなかできない企業という、岩手県の企業の中でも、企業間同士の二極化です。
 それとあわせまして、例えば社内でも、人員削減とかが実際に起こった場合に、要は、会社に残る人といわゆる退社を迫られる人という、その会社の中でも、そういう二極化が起きることをすごく懸念をしているのですが、そういうことに対しては何かお考えでしょうか。
〇佐々木副知事 さまざま企業の状況によって、支援の仕方あるいは展開の仕方が変わってくるかと思いますが、一つの事例として、経営革新計画というものを作り、新しく展開した場合には、いろいろな支援を受けたり、いろいろな取り組みが展開されるものがありますが、岩手県は、東北地方で第1位、令和6年度で80件になっています。
 この中には、パートナーシップ構築宣言ということで、経営革新をするに当たって、連携する企業を多くふやしていく取り組みがあります。それは、岩手県では、今、423社になっておりまして、増加率は、昨年比で233.1%ということで、各企業も新しく展開するに当たっては、いろいろなつながりも大事にしていこうといった動きもあります。
 こういったことにもしっかりと支援していくこと、それから、いろいろなケースに寄り添って、きめ細かくどういう対応がいいか、中長期の視点を持ちながら、対応していくことが大事だと思っていますので、そういった対応を進めたいと思います。
〇工藤剛委員 では次に、犯罪のない安全、安心なまちづくりについてお伺いいたします。
 昨年度の特殊詐欺被害は53件で前年比29件増、被害額は9億7、715万円で、前年比9億2、648万円の増と、本県でも、特殊詐欺被害が急増しており、中でも、オレオレ詐欺の類いが群を抜いて増加している状況です。
 また、ことし8月末時点の昨年度同時期で比較しても、被害件数が29件から92件と63件の増、被害額も2億7、703万円が4億8、026万円で、約2億円も急増し、昨年度以上に県民の生活を脅かしております。
 県では、岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり推進会議を平成19年度に設置し、63関係機関、団体が一体となり、なくそう犯罪ふやそう笑顔みんな大好き岩手県のスローガンのもと、例えば機関紙の中で、家庭では、住宅、倉庫、自転車等の鍵かけを徹底する。地域では、子供の見守りや防犯パトロール活動への参加の気運を高める。事業所では、従業員やその家族に、詐欺被害防止や鍵かけの徹底を呼びかけるといった、各々の役割を明記するなど、犯罪のないまちづくりに取り組んでおります。
 しかし、近年の特殊詐欺被害の急増等を踏まえ、犯罪のない安心、安全なまちづくりのさらなる取り組みが必要と考えますが、協議会会長でもある知事の所見をお伺いいたします。
〇達増知事 本県の刑法犯認知件数は、近年、増加傾向にあり、特に特殊詐欺については、工藤剛委員御指摘のとおり、件数、被害額ともに著しく増加し、県民誰もが犯罪に巻き込まれる可能性がより高まっています。
 こうした犯罪の抑止には、県警察、市町村、関係機関、団体が連携し、県民一人一人が日常生活に迫る犯罪から身を守る意識を高められるよう、地域ぐるみで取り組んでいくことが重要です。
 63の関係機関、団体で構成する岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり推進協議会では、窃盗や特殊詐欺などの犯罪被害の抑止に向けて、構成団体と緊密に連携し、年4回の地域安全運動を実施するとともに、特殊詐欺の発生状況や手口の特徴、対策のポイント等を掲載した広報紙の発行などに取り組んでいます。
 多くの関係機関等で構成する協議会を核に、犯罪のない安全で安心なまちづくりに向けた県民運動を積極的に展開し、県民の防犯意識の向上や、地域一体となった防犯活動を一層促進するなど、県民が安全で安心に暮らせる地域社会の実現に取り組んでまいります。
〇工藤剛委員 次に、県立高校のあり方についてお伺いいたします。
 県では、いわて高校魅力化推進事業費等によって、各学校が魅力ある学校づくりに取り組んでいるほか、いわて留学等により、生徒数の確保に取り組んでおりますが、地元の高校を存続するために、市町村がかなりの費用を負担していることについて、教育長の見解を伺います。
〇佐藤教育長 県立高校におきましては、県内の多くの市町村から、生徒の学びの充実を図るため、制服等の購入支援や通学費補助、県外生等に対する寄宿舎整備など、生徒にとってよりよい就学や教育、生活環境となるよう、幅広い御支援をいただいているところであります。
 県教育委員会におきましては、県立高校の魅力ある学校づくりの取り組みに必要ないわて高校魅力化推進事業費に重点的に予算措置をしているところです。
 今年度は、これまでの成果や課題を踏まえつつ、さらに、高校の魅力化を推進するため、新たに、県外留学に知見を有する民間団体との協働により、受け入れ校や地元自治体と入学希望者とのマッチング機会の充実や、生徒が不安なく学校生活や日常生活を送ることができるよう、受け入れ校や地元自治体に対して、助言等の支援を進めているところであります。引き続き、市町村等との連携を図りながら、高校の特色化、魅力化の取り組みの推進を図ってまいります。
〇工藤剛委員 県立高校でございますので、市町村と協力しながらというのは当然だと思うのですが、もう少し、高校の魅力化、それこそ入学生の確保という部分も含めて、県のほうが主体的になって取り組むべきではないかと思いますが、その辺はいかがお考えですか。
〇佐藤教育長 県が主体的にというお話でございましたが、まさに、先ほど御答弁申し上げました、いわて高校魅力化推進事業費につきましては、県教委が主体的に、そして、学校も一緒になって、地域も一緒になって進めているということでございますので、引き続き、県内中学生に対する、高校の魅力化のPR、アピールに加え、県外からの岩手県で学びたいという子供たちに対して、しっかりとアピールをしていきたいと考えております。
〇工藤剛委員 最後に、第3期県立高等学校再編計画当初案についてですが、県の教育委員会では、市町村や地域への説明会で、皆様の声を聞き、それを計画に反映させて、来年度4月に決定するとしておりますが、説明会に出席した方々からは、県教委は、初めからその案を押し通そうとしているのではないかとか、余りにも唐突な話だとの声を、特にクラス再編の対象となっている市町村や地域の方々から多く聞こえてきます。このことについて、教育長の見解をお伺いして、終わります。
〇佐藤教育長 県教育委員会におきましては、第3期県立高等学校再編計画当初案の公表後に、地域検討会議、意見交換会、出前説明会、それから、パブリックコメント、子供からの意見聴取を実施したところであります。
 この再編計画当初案にお示しした内容につきまして、例えば学級数の増減、募集停止に関する規則及び基準、具体的な統合、学級減を伴う学科改編などにつきまして、各地区、各界の方々から、現状等を踏まえた、さまざまな御意見をいただいたものと承知しております。
 また、11月中旬に予定しております、再編計画修正案の公表後におきましても、地域検討会議、意見交換会等を開催し、さらに、県民からの御意見を頂戴することとしております。
 再編計画の策定に向けまして、県民の皆様から頂戴した貴重な御意見を検討の参考としながら、丁寧に議論を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木茂光委員長 次に、高田一郎委員。
〔高田一郎委員質問者席に着く〕
〇高田一郎委員 日本共産党の高田一郎でございます。
 まず、熱中症対策について伺います。
 熱中症による救急搬送者数は、速報値で、全国で10万件を超えて、過去最多となりました。県内の救急搬送の実態はどのようになっているでしょうか。
〇大畑復興防災部長 総務省消防庁が、毎年5月から9月までの期間を対象に実施をしております、夏の期間における熱中症による救急搬送人数の調査によりますと、本県の熱中症による救急搬送人数は、本年は、速報値で994人となっており、令和6年の確定値758人と比較しますと、約31%の増となっております。
 発生場所別では、庭など敷地内の全ての場所を含む住居が531人で最も多く、次いで、道路の110人、屋外の不特定多数が出入りする場所で109人などとなっています。
 また、傷病程度別では、多い順に、軽症が652人、中等症が307人、重症が23人、死亡が2人となっています。なお、年齢区分別では、65歳以上の高齢者が全体の67.2%となっています。
〇高田一郎委員 気候変動の影響を研究する東京大学の橋爪真弘教授によりますと、暑さでふえる病気は、熱中症だけではなくて、心筋梗塞とか糖尿病なども悪化して、死に至る可能性が高く、エアコンへの行政による補助など、社会的サポートが必要だと指摘されています。エアコンの設置の必要性や効果及び県内の支援状況について、県はどのように把握されているのでしょうか。
〇佐々木副知事 ことし9月には、盛岡市の最高気温が観測史上最高タイとなる37.2℃を記録するなど、気候変動の影響に対し、適切な対処を講ずることの重要性が高まっています。
 特に熱中症予防に関しては、暑さを避けること、こまめな水分補給などが必要であり、県では、ホームページやSNS等を通じて、適切なエアコンの活用などを県民に呼びかけているところであり、エアコンの有用性は認識しております。
 県内のエアコン設置に係る支援状況でありますが、平泉町で、住民税が非課税の世帯に対して補助を行っているほか、普代村でも、65歳以上の高齢者世帯に対するエアコン設置の補助を行うなど、今年度は、10市町村で、家庭向けの補助事業を実施しています。
 また、市町村では、気候変動適用法に基づき、指定暑熱避難施設、いわゆるクーリングシェルターを指定しているほか、県におきましても、図書館等の公共施設や観光スポットなど、地域で集まって涼むことのできる場所をいわてクールシェアスポットとして登録するなどの取り組みを実施しております。
 今後も、市町村と連携しながら、暑熱に対する県民生活の影響の軽減に取り組んでまいります。
〇高田一郎委員 県内でも、支援をする自治体が、10市町村に広がっているということです。特に、生活保護世帯のエアコン設置については、現行制度では、生活保護金のやりくりとか、あるいは生活福祉資金、つまりお金を借りないと設置をできません。これが基本です。
 そういう中で、我慢している生活保護者を私は何回も見てきました。夏季加算の創設などを国に求めることや、県としても支援を行うべきではないかと思いますが、いかがですか。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 生活保護制度は、国の責任において一元的に運用されるものであり、夏季加算の創設については、制度全体の中で検討されるべき課題であると認識しております。
 また、生活保護世帯を対象としたエアコン購入費補助制度については、既に設置している世帯との公平性の課題があること、県内市町村からの要望等も受けていないことなどから、県としては、まずは、生活福祉金制度等の現行制度の周知が必要と考えており、生活保護世帯に対する日ごろのケースワークなどの機会を捉えて、周知を図っているところであります。
 県としては、引き続き、民生委員等の関係機関と連携して、生活保護世帯を含む、いわゆる熱中症弱者と言われる方々に対する積極的な見守り、声がけなどにより、熱中症予防に取り組んでまいります。
〇高田一郎委員 熱中症の発症場所は、冒頭、答弁あったように、岩手県内では半数を超える方々が住居になっています。つまり、エアコンがあっても、電気代を気にして使用しない人がいるのではないでしょうか。電気代助成など、経済的支援も含めて行うべきだと思いますが、いかがですか。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 近年の温暖化による熱中症のリスクの増大や、食料品価格等の物価高騰と相まった家計への負担は、全国的な課題となっていることから、県としては、低所得者世帯等への支援策を継続的に講じるよう、国に要望しているところであり、引き続き必要な措置を求めてまいります。
 また、熱中症対策に係る生活困窮者等への支援については、先ほど申し上げた見守り支援を行いながら、国の動向や他都道府県の検討状況について、注視しつつ、支援のあり方を研究してまいります。
〇高田一郎委員 支援は必要だけれども、国に求めていくということですけれども、最近の気候変動による猛暑は本当に異常です。ですから、私は、災害と捉えて、県民の命を守るという立場で、来年に向けて、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。
 次に、訪問介護事業所の課題についてお伺いいたします。
 訪問介護は、在宅介護のかなめだと思います。県は、訪問介護事業所の果たす役割あるいは重要性について、どう認識されているのか、まず伺います。
〇達増知事 訪問介護は、要介護状態となった場合においても、利用者が可能な限り、居宅において自立した日常生活を営むことができるよう、入浴、食事などの援助を行うものであり、高齢者の在宅生活を支える重要な介護サービスと認識しております。
 本県においては、一人暮らしの高齢者や高齢夫婦のみの世帯が増加していますが、年老いて、独力で生活することが難しくなったとしても、長く生活してきた空間や家族はかけがえのないものであり、最後まで、住みなれた環境で生活を送ることを多くの高齢者が望んでいると考えております。
 現在、国において、地域事情を踏まえた介護サービスの重要性について議論が行われていますが、広大な県土をカバーし、サービス提供を行う訪問介護事業者は、地域包括ケアシステムの充実に不可欠な存在であり、その役割と機能が、しっかり発揮されることで、より質の高い介護サービスの提供体制が構築されると考えております。
〇高田一郎委員 今、知事から重要なサービスだという話をされましたが、訪問介護事業所が全国的に廃止や休止になっているのが、過去最大となったということです。
 事業所が一つもない、あるいは一つしかない自治体も全国に広がっていますが、県内の状況はどうなっているのか。介護離職や介護崩壊を招きかねない深刻な事態にあると捉えるべきでありますが、県の認識を伺います。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 本県における訪問介護事業所は、令和7年8月末現在で336事業所となっておりますが、休廃止等により県内の8町村において、管内の事業所が1カ所となるなど、地域偏在が生じております。
 また、休廃止した訪問介護事業所は、令和6年度が19事業所で、過去最多となっておりますが、本年度も、4月から8月末の5カ月間で4事業所が新規開設された一方、10事業所が休廃止となり、昨年度を上回るペースとなっております。
 県土が広く、山間部が多い本県においては、訪問による移動時間や経費の負担が大きく、介護報酬のマイナス改定や、物価高騰等も相まって、訪問介護事業所の経営は厳しさを増しており、地域における安定的な介護サービスの提供が危ぶまれる状況にあると認識しております。
〇高田一郎委員 昨年を上回るペースで減少していることが答弁されました。今、介護事業サービス事業所では、生活援助の提供時間を短縮して、回数をふやす、そういう努力をしている事業所もあれば、経営者の給与を減額する、あるいは社会福祉協議会などでは、介護事業の基金を取り崩して人件費に充てて、もう枯渇状態という、こういうぎりぎりの運営が行われています。
 茨城県では、赤字事業者を対象にして、引き下げた介護報酬の差額分を支給して、事業の継続支援を行っています。ここに学んで、岩手県でも対応すべきではないかと思いますが、いかがですか。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 訪問介護事業所における基本報酬のマイナス改定は、全国的な課題となっており、株式会社東京商工リサーチの調査によれば、令和7年の全国における訪問介護事業所の倒産件数は、過去最多のペースとなっております。
 介護報酬は国が定めるものであり、国の責任において、適切な措置を講じる必要があることから、県では、これまでも、訪問介護における基本報酬の引き下げの影響を踏まえた臨時改定の実施などについて、国に要望してまいりました。
 一方、県内の訪問介護事業所の経営は、自助努力では限界との声も多いことから、県では、今後、実施が見込まれる国の経済対策の内容なども注視しながら、必要な対応を図ってまいります。
〇高田一郎委員 国の対策を待っていたら、なかなか厳しいと思うのです。今、国の経済対策の話が出ましたけれども、今、国会は空白の状況です。いつ国会が開かれるかわからない。恐らく、国の経済対策は、ことし中に国会を通るかどうかということも言われているのです。この経済対策を待っていたら、大変厳しくなると思います。
 先ほど、知事は臨機応変に対応したいという答弁をされました。改めてお聞きしますけれども、国会の状況を待たないで、独自の支援で対応すべきだと思うのですけれども、知事いかがですか。
〇達増知事 去年の今ごろを思い出しますと、岸田首相退陣から自由民主党総裁選挙になり、石破総裁が選ばれて、すぐ解散、総選挙で、今ごろ、解散、総選挙の最中だったわけでありますが、その結果、大型の経済対策、補正予算については、11月末に閣議決定で、12月の十何日かが国会成立、その結果、県議会には、12月23日に臨時会を開いて、県の補正予算の可決をお願いしたということですけれども、ことしは、そういうスケジュールでは、もう間に合わないような危機的な状況に私たちは直面していると思います。
 さすがに、解散、総選挙までやった去年よりは早く大型補正予算を国のほうでも可決されると期待するのですけれども、ただ、そのためには、今ぐらいから、国会で議論されていて然るべきであり、誰が総理になろうとも、どのような内閣ができようとも、ことしの夏の参議院議員選挙の議論を通じて、今、全ての国会議員は、減税か給付か、何らかの形での財政出動による国民救済は必要という共通認識のもとでいると思いますので、単純に考えられるのは、去年と同じような臨時予算です。
 内閣が機能しない場合に、アメリカで、新しい予算を決められない場合に、過去の予算をそのまま踏襲する、続けることもありますので、そのくらいのことは、全ての政党の国家対策委員長会議、そして、幹事長会議ぐらいで決められると思うのです。党首会議をやってもいいのですけれども、そのくらいの緊急事態的な対応を国会ではとらなければならない状況だと思います。
 そういったことも含めて、今、暮らしや仕事が、非常に厳しい現場に直面している地方から、国に対して発信をしていきたいと思いますし、地方の暮らしや仕事の現場が見えている地方自治体としては、本当に手おくれにならないような形で、いざというときには、きちんと対応をしていきたいと思います。
〇高田一郎委員 まさに知事が言うように、緊急事態だと思いますので、スピード感を持った対応をしていただきたいと思います。
 次に、医療的ケア児の支援について伺います。
 時々酸素吸入器を使う気管狭窄症のお子さんは、重度の知的障がい、難聴も重複しています。お母さんから次のような訴えがありました。
 毎日、少し目を離しただけで何かしてしまう娘を24時間見てきました。普通のお母さんは、産後1年もすると職場復帰。私は無資格で命を守り、交代なく、やめることができない。働く環境をください。こういう訴えがありました。
 県はこうした方々の声をどのように受けとめているのでしょうか。
〇達増知事 県が実施した調査では、県内の医療的ケア児の約8割が在宅で生活をしており、主な介護者は母親で、その多くが介護のための時間的拘束に負担を感じているという状況でございます。
 家族会等当事者の方々からも、家族の負担軽減につながる短期入所事業所の拡充等について、要望をいただいております。
 県では、令和3年に施行された医療的ケア児支援法―医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律に基づき、令和4年に岩手県医療的ケア児支援センターを設置し、医療的ケア児とその家族の相談対応、医療的ケアに対応できる人材の育成などに取り組んでまいりました。
 医療的ケア児の支援に当たっては、医療的ケア児の健やかな成長を図ることに加え、その家族の介護負担の軽減や離職の防止のための支援を充実させることが重要であります。
 県では、医療的ケア児とその家族が、身近な地域で必要な支援が受けられるよう、地域の関係機関が連携した支援体制の構築や、家族の介護負担の軽減に資するサービスの拡充に取り組んでまいります。
〇高田一郎委員 今、課題は、サービスを受けられる事業所が決定的に少ないこと、そして、そもそも報酬や補助金が少ないために、事業経営が厳しくて、これが悪循環になっているということです。
 こうした現状を、県はどのように把握されているのか。特に、今、知事からお話しされた短期入所施設の拡充を求める声が切実に高まっています。これに対して、どのように対応されてきたのでしょうか。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 県ではこれまで、短期入所事業所の拡充を図るため、独自に市町村が行う短期入所の介護給付費に上乗せ支給する事業への補助や、受け入れのために必要な医療機器等の購入費の補助に取り組んできており、現在、県内で医療的ケア児を受け入れられる医療型の短期入所事業所は6事業所となっております。
 家族の介護負担軽減に対するニーズは高く、短期入所事業所のさらなる拡充が重要であると考えており、県では、今年度、介護老人保健施設など、事業参入が見込まれる施設への働きかけなどを強化しております。
 医療的ケア児は、それぞれ障がい特性が異なることから、受け入れに当たっては、御家族と事業所の相互理解が不可欠であることから、県医療的ケア児支援センターにより、個別のマッチングを行っており、本年8月には、花巻市において、福祉型でありますが、医療的ケア児も受け入れる短期入所事業所が1カ所新たに開設されたところであります。
 そのほか、複数の介護老人保健施設等からも関心が示されており、県としては、今後も引き続き、県内各地域での短期入所事業所の開設が進むよう、積極的な働きかけやマッチングに取り組んでまいります。
〇高田一郎委員 介護福祉施設への参入を促す取り組みが行われて、成果もあらわれているようでありますが、それでもまだまだ足りないという状況もありますので、さらなるスピード感を持って対応していってほしいと思います。
 次に、訪問介護事業所が少なくて、遠くの事業所を利用すれば、交通費もかさむ。しかし、善意で事業所が負担しているところもあります。交通費の支援を、保護者は切実に求めていますけれども、この点についても検討すべきではないでしょうか。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 遠隔地への訪問、送迎サービスの提供は、本県を含む地方における課題であることから、国に対して、かかり増し経費について、加算等、報酬上の措置を講ずるよう要望してまいりました。
 こうした中、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定において、比較的重度の医療的ケア児の通所サービスの送迎については、従前よりさらに高い単位が設定されるなど、一定の配慮がなされたところでありますが、依然として距離にかかわらず定額であり、訪問系サービスも含め、長距離の場合は、事業所の負担が増大する実態にあるものと認識をしております。
 本県のように広い県土を有し、利用者が点在する地域では、遠隔地への訪問や送迎に係る事業者の負担が大きいことから、国に対して、サービス提供の実態を踏まえた、適切な報酬水準を設定するよう、引き続き要望してまいります。
〇高田一郎委員 かかり増し経費についての加算措置を国に要望していくということでありますが、問題はそこにあるのですけれども、しかし、それだけ待っても、困っている状況はなかなか打開できないわけですから、これも市町村とも協議をしながら、さらなる支援をぜひお願いしたいと思います。
 日中一時支援についてもお聞きしたいと思います。これは市町村事業でありますけれども、ある事業者から、単価がわずか5、000円にしかならなくて、最低賃金にもならないという声をいただきました。これについても、市町村と連携をして、さらなる見直し、改善を図るべきではないかと思いますが、これについてはいかがですか。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 日中一時支援事業は、障害者総合支援法―障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律による地域生活支援事業の任意事業として、市町村が実施主体となり、地域の特性や利用者の状況に応じて実施をされております。
 県内では、27市町村で本事業を実施しており、それぞれの要項によって、受け入れ単価や医療的ケア児の受け入れ加算、送迎加算などの要件が定められているところであります。
 市町村が実施する地域生活支援事業に対しては、実施に要する経費の2分の1を国が、4分の1を県が補助することができるとされており、県では、市町村に対する財政支援をしてきたところでありますが、国庫補助金交付額が地方の事業実施に要する額に満たない状況が続いていることから、国に対し改善を働きかけてまいりました。
 今後も市町村において、円滑に事業の実施ができるよう、引き続き国に対して必要な財政措置を講ずるよう要望してまいります。
〇高田一郎委員 国に対して財政措置を求めていくということですけれども、交通費の問題もお話ししましたけれども、保護者が負担に耐えかねて利用を抑制しているので、事業者が交通費を持っているところもあるのです。さらに、日中一時支援事業でも、なかなか最低賃金にもならないという状況ですので、ぜひ現場に出向いて、よく実態を把握して、必要な支援につなげていただきたいと思います。
 次に、家族の付き添いなしで、希望する保育園とか放課後児童クラブなどに通えるような看護師の配置などの整備が求められていますが、どのような対応をされているのでしょうか。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 県では、これまで、看護師の配置に対する財政支援などにより、医療的ケア児の受け入れ体制の整備を推進してきたところであり、保育所及び認定子ども園では、昨年度、12市町の16施設において、20人の看護師を配置し、18人の医療的ケア児を受け入れたところであります。
 県内の保育所等における受け入れ児童数は、令和2年度の6市町7人から年々拡大しておりますが、今後、さらなる拡大を図るに当たっては、看護師の確保が課題であると認識しております。
 こうした中、一関市において、多くの園に看護師が配置されていない状況を踏まえ、市内の訪問看護ステーションと連携し、看護師が定期的に保育施設を訪問して、ケアを行うことで、医療的ケア児の受け入れ体制を確保しております。
 保護者の団体である岩手県重症心身障害児・者を守る会からも、訪問看護の活用について、周知を図るよう要望を受けているところであり、県としては、看護師の配置に対する財政支援に加え、一関市などの好事例を積極的に情報提供することにより、地域の事情に応じた受け入れ体制の整備を支援してまいります。
〇高田一郎委員 日中一時支援とか、交通費の支援とか、サービス提供体制が少ない問題等々、質問をいたしましたけれども、まだまだ支援が足りないと思うのです。
 国会で成立した医療的ケア児支援法は、こういう保護者の大変な状況を見て、これはもう家族任せにしないで、社会全体で支えるために自治体は、これまでの努力義務だったものが責務に変わったわけです。こういった法律の趣旨を踏まえて、さらなる努力が必要ですし、さらなる支援をお願いしたいと思っています。
 最後に、今、一番支援を強めなければいけないのは人材の確保だと思うのです。人がいなければサービスも利用できない、重度の訪問介護サービスのヘルパーがいないと生活できないと、保護者の皆さんが言っているのです。
 人材確保は決定的だと思いますけれども、県も努力していると思うのですが、さらなる努力が必要だと思うのですけれども、県の今後の対応について伺って、終わりたいと思います。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 県医療的ケア児支援センターでは、地域の体制づくりを支援する役割もあることから、日々の業務の中で、市町村配置のコーディネーター等と意見交換を行っており、支援人材や事業所の不足といった地域の状況についても把握に努めております。
 県では、医療的ケア児に対応できる看護職員等を育成するため、令和2年度から医療的ケア児支援者育成研修を実施しており、これまでに285人が修了し、保育園や学校等における看護師配置や、医療的ケア児の受け入れにつながっていると認識をしております。
 また、先月開催いたしました県医療的ケア児支援センター主催の市民公開講座では、子供に寄り添うお仕事をテーマに、医療的ケア児にかかわる医師や看護師などから講演をいただき、学生を初め多くの県民に対し、医療的ケア児にかかわる仕事について理解を促進したところであります。引き続き、福祉人材センターやハローワーク等の関係機関とも連携しながら、支援人材の確保に取り組んでまいります。
〇佐々木茂光委員長 次に、木村幸弘委員。
〔木村幸弘委員質問者席に着く〕
〇木村幸弘委員 人口減少対策について伺います。
 これまでの取り組みと成果、課題について、県の人口問題対策会議で、2026年度社会減ゼロを掲げて取り組んでいますが、社会減ゼロの目標達成は果たして可能であると捉えているのでしょうか。対策の柱として、少子化対策では、有配偶率、有配偶出生率の向上、女性の社会減対策を、社会減対策では、雇用と労働環境、所得の向上、岩手とのつながり強化、地域価値、魅力発信と、交流関係人口の拡大を掲げています。
 こうした取り組みの実態や成果を、知事は、統計数字から原因と課題を見抜く、個人個人の課題に応え、展開すると、ことし6月17日の本部会議で述べました。
 9月19日には、結婚、出産、子育てについて、女性も男性も、仕事と両立できるようにしていかなければならない、この考え方を広げ、岩手県が先進県となるようにしていこうと述べておりますが、統計数字から見えてきた課題と成果、その上で、先進県と言える施策の数値目標は、具体的にどのようなものであるのか伺います。
〇小野政策企画部長 人口減少に係る分析、検討により、さまざまな背景、要因などが明らかになっておりますが、本県の社会減は、若年層の東京圏や宮城県への転出超過が大きな要因となっており、また、男女別に見ますと、20代前半では、女性の転出超過が多い傾向となっておりまして、転出先については、女性のほうが東京圏への転出が多く、その要因として、地方における性別によるアンコンシャスバイアスが指摘されております。
 このため、少子化対策、社会減対策の三つの柱に加えまして、令和7年度は、女性の転出要因の一つでありますジェンダーギャップの解消を施策の推進ポイントとして取り組んでおります。
 これまでに、ジェンダーギャップの解消に向け、人材の育成と就業までの一貫した支援のほか、講演会の開催や、いわてグラフへの特集記事掲載、キャンペーンの実施による意識啓発などを行っているところでございます。経済界を初めさまざまな主体へ取り組み機運の波及が見られております。
 数値目標といたしましては、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略のKPIといたしまして、共働き世帯の男性の家事時間割合、えるぼし認定企業、いわて女性活躍認定企業数、女性の全国との賃金格差などを設定しておりますが、こうした指標を踏まえながら、ジェンダーバイアスのない先進的な働き方の実現を図るなど、若者や女性の定着を促進してまいります。
〇木村幸弘委員 石破政権が、重点課題としてきた地方創生2.0の今後10年間の基本構想をまとめ、首都圏から地方への移住など、若者の流れを倍増させることを目標に掲げていますが、石破首相の退陣により、道半ばの地方創生2.0について、具体的にどのような施策を期待し、また、評価をしているのか、知事に伺います。
〇達増知事 国の地方創生2.0についてでありますが、本年6月に閣議決定された、地方創生2.0基本構想では、10年後に目指す姿と地方創生を展開していくための政策の5本柱を掲げ、若者、女性にも選ばれる地方づくり、拡大するインバウンド需要の取り込みや海外展開による稼ぐ力の強化、東京一極集中の是正に向けた、人や企業の地方分散などに取り組んでいくこととしています。
 こうした方向性は、全国知事会の提言や日本創生のための将来世代応援知事同盟の声明とも軌を一にするものであり、一定程度評価できると考えております。
 県では、若者、女性に選ばれる岩手県であるために、第2子以降3歳未満児の保育料無償化等による過処分所得の向上、県内企業における働き方改革の促進等による可処分時間の向上、岩手県の魅力を生かしたインバウンド観光と輸出の拡大による海外展開、家庭や地域、職場での固定的性別役割分担意識の解消等によるジェンダーギャップの解消などを進めていますが、国においては、こうした取り組みを後押しするような施策により、地方と一体となって地方創生を推進していくことを期待します。
 また、基本構想では、東京一極集中の是正に向けて一定の方向性が示されているものの、地方への投資重点化などの対策が不十分であることから、地方重視の経済財政政策の実施について、国に働きかけてまいります。
〇木村幸弘委員 地方重視の政策の重点的な課題がまだまだおくれていることは、そのとおりだと思います。そこで特に、首都圏や大都市への転出超過と集中、その結果、都市における超過密社会がさらに拡大しているという実態について、問題をどう捉えていくのか。
 また、そのため、国に対し何を具体的に求めていくのか、現実の地方の実態は、少子高齢社会のもとに、あらゆる社会的、経済的機能、そして、行政組織とサービスのあり方さえも、根本的な見直しが迫られています。
 ふるさと住民登録制度による関係人口だけでは、最大の課題である人口減少の歯どめにはなりません。東京圏から地方へ移住する若者の割合を倍増させるという目標にしても、そもそも本県に首都圏からどれだけの若者が移住、定住をした実績があるのか。倍増とはどれほどのものなのか。雲をつかむような目標ではなく、より具体的な、そのための施策は何か。そのための数値目標が明確に示される必要がありますが、どう検討されているのか伺います。
〇小野政策企画部長 国の地方創生2.0では、若者や女性にも選ばれる地域づくりを基本姿勢に掲げ、若者や女性が東京圏の大学で学んだ後に、地方へ戻るなどといった形にも着目をして、今回新たに、東京圏から地方への若者の流れの倍増という目標が設定されております。
 こうした国の新たな目標設定に着目しているところではございますけれども、木村幸弘委員御指摘のように、その目標がどのような手法で、それぞれの地方にどの程度の効果を想定しているのかについて、現時点では明らかになっておりません。
 本県といたしましては、若者、女性に選ばれる地域であるために、可処分所得、可処分時間の向上とか、若者へのエンパワーメント、ジェンダーギャップの解消に向けた取り組みを展開しているところでございます。
 こうした中、県といたしましては、本年中に策定される国の総合戦略を注視しつつ、岩手県総合計画審議会や、今後、設置を予定しております仮称でございますが、若者・女性部会での議論、統計数値から見えてまいりました課題や成果、これを踏まえまして、若者、女性に選ばれる岩手であるために必要な施策、それから、数値目標について検討してまいります。
〇木村幸弘委員 また、この間、示された新たな総合経済対策に基づく新しい地方経済・生活環境創生交付金の創設、地方創生交付金の当初予算の倍増、農林水産業の持続可能な成長、食料安全保障の強化など、県では、地方重視の政策に関する内容を、一定程度評価するとしていましたが、これらの施策は、本県では、実際、どう具体的な形となっているのか伺います。
〇小野政策企画部長 国では、令和6年11月に閣議決定した、国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策に基づき、新たな地方創生施策として、新しい地方経済・生活環境創生交付金の創設や、地方創生交付金の当初予算ベースでの倍増などが行われたところであります。
 本県では、新しい地方経済・生活環境交付金の創設に伴い、ふるさと振興総合戦略に掲げる事業のうち、国が新たに設定した重点テーマであります地方経済、生活環境、若者、女性にも選ばれる地方の趣旨に沿う事業を中心に、同交付金を活用しております。
 具体的には、地方経済に該当するものといたしまして、地域資源を生かした稼ぐ観光地域づくりを進める事業、加工食品や伝統工芸品等の高付加価値化や、海外販路の開拓、拡大を図る事業、また、若者、女性にも選ばれる地方に該当するものといたしまして、若者から選ばれる企業への転換を推進する事業、アンコンシャスバイアスの解消や、若者の活躍を支援する事業、また、過年度になりますが、いわて半導体関連人材育成施設―I-SPARKの整備事業などに、同交付金を活用しております。今後とも、地方創生の施策推進に向かいまして、交付金の活用を積極的に図ってまいります。
〇木村幸弘委員 一方で課題となっておりますが、大学、企業の本社機能の地方への分散、政府関係機関の地方移転など、東京一極集中の構造そのものを是正する対策はどうなっているのでしょうか。
〇小野政策企画部長 東京一極集中の構造を是正する対策についてでありますが、国の基本構想では、五つの政策の柱の一つとして、人や企業の地方分散を掲げ、東京一極集中の是正に向けて、政府関係機関の地方移転や、企業、大学の地方分散、地方大学による人材育成機能の強化、人材の交流、循環、結びつきを促進する政策の強化などにより、地方への新たな人の流れを創出していくこととしております。
 これまでも、国では、政府関係機関の地方移転などを掲げてきたところではございますが、抜本的な対策の提示には至っていないことから、今後、さらに具体的な施策が打ち出されるよう求めてまいります。
 また、東京一極集中の背景といたしましては、国の経済財政政策や官民投資の東京圏への集中がありますことから、公共事業や民間投資の地方への誘導、個人の活躍に対するエンパワーも含めた、地方への投資重点化などにより、この構造を変えていく必要がございます。
 県におきましては、ものづくり産業の人材育成確保、再生可能エネルギーの導入促進など、地域の特性を生かした産業振興等により投資拡大を図っているところでありますが、東京一極集中の是正には、自治体単位での取り組みに加えまして、地方重視の経済財政運営への転換など、国全体として取り組む必要があることから、引き続き、国に対して強く要望してまいります。
〇木村幸弘委員 以前、一般質問で質問した際に、今のお答えにもありましたけれども、なかなか進まない、新学期における東京圏への転出が2割強の状況で、転出超過を加速させる要因として捉えている問題で、国に対し、東京圏における大学の定員の抑制及び地方への高等教育機関の分散を積極的に推進するよう要望していることを答弁いただいていますが、その後における、具体的な取り組みについてはどうなっているでしょうか。
〇村上ふるさと振興部長 県では、高等教育機関の東京圏への集中が、新学期における転出を加速させる要因の一つと考えられますことから、国による実効性ある施策の推進が重要と認識しており、本年6月4日に実施しました令和8年度政府予算提言・要望におきましても、東京圏における大学定員の抑制及び地方への高等教育機関の分散の推進と対策の強化を、強く要望したところであります。
 そうした中、国では、本年6月に閣議決定された骨太の方針に、大学の地方分散を促進することを新たに明記し、その実現に向けた具体的な施策を、地方創生2.0基本構想に掲げ、また、県内では、ことし7月に立教大学が陸前高田サテライトを、9月には東京大学が大槌町に三陸ふるさと社会協創センターを設置したほか、北上市では市立大学新設の検討が、また、富士大学では、新学部の設置と定員増が計画されるなど、国、県の双方で、高等教育機関をめぐる新たな動きが見られております。
 県としては、こうした動向に的確に対応しながら、国の打ち出す施策の活用の可能性を検討しますとともに、近隣他県とも連携を強化しながら、引き続き、地方への高等教育機関の分散の推進について、国に働きかけてまいります。
〇木村幸弘委員 次に、戦後80年の節目における知事の所見と平和への決意について伺いたいと思います。
 国においては、歴代内閣総理大臣が、80年前、戦争によって多大な犠牲者をもたらしたその歴史を踏まえて、国内外に対して、我が国の侵略戦争を認め、戦争を二度としないと決意し、反省と謝罪に基づく節目における談話が発出されてきました。
 しかし、石破総理は、退陣表明したいわゆる死に体の責任のない立場でメッセージを出すとしていました。そして、その日程は自由民主党総裁選後となり、総裁選に影響を与えないためとか、党内保守層の談話反対勢力に配慮という推論も飛び交っており、戦争の犠牲となった国民、被爆者、日本の平和希求と戦争をしないとの決意に期待を寄せる世界の人々に対する背信行為と断じざるを得ません。
 10月10日に所感が述べられましたが、退任間際の責任のない立場で語られる個人的見解でしか、自由民主党では物言えないということなのでしょうか。それはつまり、自由民主党の認識は、戦後80年ではなく、新たな戦前意識に基づく国防体制、軍事力増強路線へと大きくかじを右へ切ろうとしているにほかならないからであります。
 かつて、中曽根康弘元首相が、日米軍事同盟強化のために、日本列島を不沈空母にすると発言された。そのことが、今まさに、敵基地攻撃能力の増強のために防衛費を倍増し、南西諸島のミサイル基地整備、全国の民間地方空港や港湾の特定利用の名のもとに、軍事利用可能な施設へ転用できるように、その整備と運用を進め、不沈空母列島が現実化されようとしております。
 石破総理の80年メッセージにかかわるその自由民主党政治と石破総理の姿勢について、改めて知事の所見を伺います。
 また、知事は、戦後80年というこの節目をどのように捉え、県民に対して、未来志向を持って、日本と世界の平和のあり方、その悲惨な戦争経験を風化させずに、どう取り組み、伝えていくべきとお考えか、東日本大震災津波の教訓も踏まえ、所見を伺います。
〇達増知事 戦後50年の閣議決定で出された、いわゆる村山談話以降、日本は10年ごとに総理談話を出してきました。戦後生まれの世代が大半を占める時代となった中にあって、戦後80年の節目での首相談話が閣議決定されていれば、平和国家としての姿勢を改めて国内外に示し、戦争の記憶と平和の尊さを次世代に継承する、重要な機会となったであろうと思います。
 戦後80年の節目の行事や何らかのメッセージの発信は、世界各国で行われており、特に日本は、国内外に大きな犠牲を出したさきの戦争の当事者として、何かを発信することが期待または求められる立場にあったものと考えます。
 戦後80年の節目における平和への決意についてでありますが、世界では、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢など、戦争や紛争がやまず、国際社会においても、各国の国内においても、分断が深刻化する傾向にありますが、戦争のない、平和な国際社会を実現していくことは、全ての人々の願いであると思います。
 昨年12月には、日本原水爆被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞し、ことしは戦後80年を迎え、非核、平和に対する関心が高まっている一方で、戦争を直接経験した方々が年々減少し、戦争の記憶と教訓の伝承について、危機意識が高まっているものと承知しております。
 木村幸弘委員からお話のありました、東日本大震災津波におきましても、発災から14年と7カ月という年月が経過し、震災を経験していない世代がふえていますが、震災の事実と教訓を未来に伝承していくことは、今後、ますます重要となっています。
 これからの世界をより平和なものにし、また、日本の民主主義をよりよいものにしていくためには、さきの戦争について、伝えていかなければならない、そして、学ばなければならないという意識を、県民とともに、深く思いをいたしていくことが大切と考えております。
〇佐々木茂光委員長 再開後おおむね1時間半が経過いたしましたが、質疑を続行したいと思いますので、御了承願います。次に、小林正信委員。
〔小林正信委員質問者席に着く〕
〇小林正信委員 令和6年度の決算の特色の一つとして、県債残高が2.6%減少、実質公債費比率も近年低下しており、知事は持続可能な財政構造の構築による財政改革に取り組むと述べられております。
 その上で、県では、財務事務、内部管理事務に不可欠な庁内基幹業務システムの構築を進めているところと承知しておりますが、その概要についてお伺いするとともに、新たなシステムの構築に当たっては、公会計制度における、日々仕訳の導入や、職員の業務効率化など、機能強化が必要と考えますが、どのような機能強化を図り、どのような効果を期待しているのかお伺いします。
〇村上ふるさと振興部長 経理、会計、財務などのバックオフィス業務を支えるシステムは、これまで長期にわたりまして、各システムが独立して設置、運用されてきたため、システム間での連携が図られず、事務処理が非効率となっていることなどが課題となっております。
 このため、限られた行政経営資源を有効活用する全体最適の視点に立って、財務会計、予算編成、財産管理及びこれまでシステム化してこなかった決算統計の4システムを一体化し、関係する業務を一連のものとして処理できるよう、令和11年度からの稼働を目指して、整備を進めているところであります。
 新たなシステムでは、完全ペーパーレス化が可能となるような運用を予定しておりますことから、決裁等のための資料の搬送が不要となること、一つのシステムに登録したデータが他のシステムにも自動的に反映されるため、これまで、重複して行っていた業務が削減されるとともに、誤登録の回避といったミスの縮減にもつながることなどから、大幅な業務効率化と精度向上が期待されるものと考えておりまして、実現に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
〇小林正信委員 わかりました。
 岩手県では、平成28年度の決算分から新公会計制度を導入しております。公会計制度を導入し、事業別や施設別といった単位で、コスト分析を行う、セグメント分析などを行うことによって、県の財政運営にどのような効果があったのかお伺いします。
〇福田総務部長 予算、決算資料に加えて、公会計に基づく財務書類を作成することで、減価償却費などの見えにくいコストが可視化され、箱物やインフラの老朽化度合いも一定程度把握できるようになると考えております。
 財務会計的な活用としては、本県の財政状況資料集に、有形固定資産減価償却率、いわゆる老朽化比率を記載するとともに、将来負担比率との組み合わせ分析を行っており、さらに、施設類型別の老朽化比率も公表しております。
 管理会計的な活用としては、公共施設等総合管理計画の下位計画である個別施設計画に減価償却費を含むコスト情報を記載することで、施設別のセグメント分析を行ってまいります。
 箱物やインフラの老朽化が進む中で、公会計に基づく財務書類を活用することは有意義であり、今後、その活用を図りながら、財政マネジメントを進めてまいります。
〇小林正信委員 わかりました。
 県では、資金管理運用方針を定め、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおいて、財源対策基金における、有価証券運用額の目標値を掲げておりますが、令和6年度の運用状況はどうであったのかお伺いします。
〇福田総務部長 令和6年度の有価証券による基金の運用については、行政経営プラン上の目標額であった150億円を上回る219億円を運用しております。
 その運用益収入は1億4、000万円ほどで、前年度と比べて9、000万円程度増加しております。
 今後も、基金の確実かつ効率的な運用を図ってまいります。
〇小林正信委員 過去に、地方公共団体金融機構が実施した、地方公共団体ファイナンス表彰があるのですけれども、これにおいて、大分県の国東市は、基金運用利回りで全国トップの1.96%を達成し、年間約2億円の運用益を得て、表彰されています。
 岩手県においても、これまで、財源確保のため、さまざまな努力を払ってこられたものと思いますけれども、財源対策基金などの運用を行うに当たって、運用の調査研究に関して、どのような取り組みを行ってこられたのかお伺いします。
〇福田総務部長 基金の運用に当たっては、元本の確実な保全という安全性、必要なときに取り崩すことができる流動性、可能な限り有利な運用を図る収益性、これら3点に留意する必要があると考えております。
 具体的には、金融機関への預金のほかに、地方債や財投機関債などを購入するわけですが、これまでの全国型市場公募地方債の発行などの経験やスキルも生かしつつ、金融市場の動向や金融政策の見通し、他の自治体の事例などを把握した上で、基金運用業務を進めております。
 今年度の有価証券による基金の運用額は283億円、運用益収入は2億円を超える見込みであり、今後、さらに金利のある世界になっていくと予想される中で、安全性や流動性に加えて、その収益性にも留意しながら、基金の運用を図ってまいります。
〇小林正信委員 今後、財源をつくり出すという観点から、基金運用に特化した人材の育成や、あるいは外部人材の活用等、組織機能の強化、あるいは各部が所管している基金について、出納局が一括して運用する体制の整備など、さらなる運用益の確保に向けた取り組みも必要と考えますが、御所見をお伺いします。
〇滝山会計管理者兼出納局長 運用益の確保に向けたさらなる取り組みについてでありますが、各基金の安全性や流動性を確保しながら、利息収入をふやしていくためには、最新の金融情勢や専門的な知識が必要となることから、金融機関との意見交換や、専門誌の定期講読、他県との情報交換などを実施し、職員の育成、運用ノウハウの蓄積に努めているところです。
 また、出納局においては、各部局が所管する33の基金について、要請に応じて、基金総額の約8割を一括で繰りかえ運用しており、主に短期の預金で運用することで、資金管理業務の効率化と歳計現金の一時的な不足に対応しているところです。
 なお、資金に余裕のある機関は、利息収入の増加に向け、預金金利の入札を実施しております。
 出納局が基金を長期の債権で運用することについては、平成30年度から毎年1億円程度を試行的に実施しているところですが、その規模を拡大していくためには、各部局の基金の目的に応じた、より精緻な長期計画の策定や、それに対応した資金の流動性の確保が必要なことから、先進事例も参考にしながら研究してまいります。
 今後も、金融機関等が実施する各種セミナーへの参加や、先進事例の調査、金融機関からの助言を受けることなどにより、職員の着実な資質向上を図りながら、さらなる運用益の確保に向けて取り組んでまいります。
〇小林正信委員 ぜひとも、よろしくお願いいたします。
 次に、子育て施策について、知事は、令和6年度においても、全国トップレベルの取り組みを実施したと述べられておりますが、周産期医療の維持、充実、産後ケアのさらなる推進、子供の遊び場の確保など、引き続きの政策の充実が必要なものと考えます。
 令和6年度における、子育て施策の充実に向けた取り組みについてお伺いします。
〇野原企画理事兼保健福祉部長 県では、子育て世帯の経済的負担を軽減し、希望する子供の数を実現できる環境を整備するため、令和5年度から、第2子以降の3歳未満児に対する保育料の無償化や、在宅育児支援金の支給などの子育て支援施策に取り組んでまいりました。
 こうした取り組みに加え、令和6年度においては、子供、若者、子育て当事者などの意見を反映して、市町村が実施する既存施設等を活用した遊び場の整備に要する経費の補助などの新たな施策に取り組んだところであります。
 また、令和6年度は、国においても、こども未来戦略に基づく加速化プランにより、児童手当の抜本的拡充や、出産・子育て応援交付金による経済的支援など、子育て支援施策の大幅な強化が図られており、県としては、引き続き、国や市町村等と連携しながら、安心して子供を産み育てられる環境づくりを推進してまいります。
〇小林正信委員 これまで、佐々木努委員が取り上げてこられた、子育て、また、少子化対策のための県民税、超過課税について、岩手県の未来を持続可能なものにするためには、必要な財源であり、保健福祉部長は、新たな超過課税については、当部としても、研究し、課税のあり方については、関係する部局と意見交換してまいりたいと答弁されました。
 今後の研究あるいは意見交換の予定についてお伺いをするとともに、子育て少子化対策のための超過課税に対する知事のお考えをお伺いします。
〇達増知事 超過課税についてでありますが、子ども子育て施策の効果が十分に発現されるには、総合的で息の長い取り組みが必要となりますことから、継続的かつ安定的な財源の確保が重要であります。
 少子化対策の新たな財源については、国において、子育てを社会全体で支えるための制度として、子ども・子育て支援金が制度化され、来年度から、全世代や企業から、医療保険の保険料とあわせて子ども・子育て支援金を徴収することとなっています。
 国の支援金制度が始まることに加えて、県においても、少子化対策に係る超過課税を実施することは、県民のさらなる負担増となり、県民生活への影響も大きいと考えられますことから、県としては、少子化対策の財源については、こうした国の動向や県民への影響を考慮しながら、関係部局による情報共有や意見交換を通じて、さまざまな選択肢から検討を行い、継続的かつ安定的な財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 了解いたしました。
 確かに県民に負担を求めるという部分はあるかと思いますけれども、知事から、例えば県民に対して、これだけ未来に対する財源が必要だという負担を共有するという思いを県民に伝えていただければ、県民としても、子育て少子化対策の県民税については、理解をしていただけるものではないかと考えているところでございます。
 その部分については、知事にも考えを深めていただいて、取り組みについてお願いしたいと思いますけれども、一言お願いいたします。
〇達増知事 県民、ひいては日本国民の公的な負担増に対する難しさといいますか、それがもたらすマイナス効果の深刻さは、最近どんどん高まっており、また、その高まる度合いが加速化しているような状況もありまして、かなりの大規模な財政出動による国民生活や国民経済の底上げが行われないような状況で、何らかの負担増は、今、大変難しい状況であると思うのですけれども、一方で、そういう状況だからこそ、婚姻数、そして、出生数、また、その率、割合も減ってきているところもあるわけであります。
 そういう状況の中で、若い世代が希望を持って進んでいくようになるための施策といたしましては、今、岩手県において現実的なのは、インバウンド観光の増大や輸出の増加という、顕著に生数字としてふえている経済効果をてこにしながら、県内を回るお金を少しでもふやすことによりまして、経済的な状況、そして、収入に関する希望を若い世代に持っていただくところが現実的かと思っております。
 また、賃上げによって可処分所得が4%ふえれば、それは4%の消費減税をされたことと同じになるわけでありますので、賃上げが物価高騰を上回っていくことが軌道に乗れば、そこは一気に負担をお願いしていけるような状況になるわけでありまして、今、県としても、賃上げが物価高騰を上回る、また、賃上げに県内中小企業が耐えられる、その部分に対して注力することが、その後の県民がさまざまな負担をふやせる状況につながっていくことかと考えます。
〇小林正信委員 了解しました。
 知事は、かつて、世界で活躍する若者が岩手県に生まれ育っており、世界が岩手県を求めていると、そういう時代になっていると答弁されておりますけれども、世界とつながるきっかけの一つが、英語の習得、英語教育であると思います。
 令和5年度の全国学力学習状況調査では、岩手県における中学生の英語の正答率は37%、全国46位に位置しており、英検2級、準2級相当以上を取得している高校生の割合も、全国平均との差が出ております。
 令和6年度における英語教育の充実について、取り組みの状況をお伺いします。
〇佐藤教育長 令和5年度の全国学力学習状況調査の結果を踏まえ、県教育委員会におきましては、それまでの施策や指導のあり方等について見直しを図り、令和6年度から、新たな重点事業として、確かな学力育成加速化事業費を立ち上げるとともに、関係公所や市町村教育委員会との連携強化を図るなど、各学校における学習指導要領に基づく、教育課程の着実な実施に向けた支援体制の充実を図っています。
 特に英語につきましては、デジタルを効果的に活用した英語力向上を目指し、中学校10校を指定校としてデジタル教科書や読む、聞く、話す、書くの英語4技能調査を活用した授業改善、国のオンライン調査システムであるMEXCBTを活用した家庭学習支援などを内容とする取り組みを進めてきているところです。
 また、令和6年度から、県学習定着度状況調査での調査教科を英語にする等の見直しを図り、英語の学習状況をより丁寧に把握することとしました。これらの取り組みを通じ、本県の英語教育の充実に努めてきているところであります。
〇小林正信委員 児童生徒の英語力の向上に向けて、一人一台端末を活用し、一人一人の英語力に沿った個別的な英語教育を実施している自治体もあり、県内でも私立高校でこうした取り組みが実施されていると伺っております。
 今後、例えば、今述べたような英語力向上の取り組みについて、モデル校やモデル地域を定め、推進していく考え方もあると思います。世界で活躍できる児童生徒の育成に向け、英語力向上のための先進的、具体的な取り組みを行うべきと考えますが、知事の御所見をお伺いします。
〇達増知事 急速に進展するグローバル化の中で、国際的な視野と、地域に貢献する視野を持つ人材の育成がますます重要となっています。
 岩手県内においては、学校の授業のほか、課外活動などでも、英語の学習について、それぞれ独自に取り組む、志高い児童生徒がいることを、大変心強く感じているところでありますが、県内高校生の北米地域等への派遣や、大学生等の海外留学支援を行っており、多様な考え方や異文化に対する理解、外国語による実践的コミュニケーション能力の向上を図っているほか、児童、生徒、学生を対象とした、海外で活動する本県出身者によるオンライン講演会の実施などにより、世界に羽ばたく可能性を備えた、国際感覚豊かな人材の育成に取り組んでおります。
 こうした派遣や留学を目標に、英語力向上に励む生徒もおり、生徒の英語学習への意欲喚起や英語力向上に取り組んでまいりたいと思います。
〇小林正信委員 多文化共生についてお伺いします。
 さきの参議院議員選挙においては、外国人に対する差別を助長するような言説や、日本の核武装を肯定するなどの極端な言説が見られ、こうしたことから、私ども公明党は、対立を超えて、誰もが安心できる平和と共生社会の構築をと題した党声明を発表し、外国人の共生についても、改めて考え方を示しました。
 県では、日本語教育の総合的な支援体制の構築など、外国人県民が暮らしやすい環境づくりに取り組むとしておりますが、令和6年度における外国人材の受け入れの状況と、多文化共生の実現に向けた、県の具体的な取り組みについてお伺いします。
〇村上ふるさと振興部長 岩手労働局の発表によりますと、県内の令和6年10月末現在の外国人労働者数は、過去最高の7、866人となっており、前年同期比で784人、11.1%増加しております。
 その内訳を見ますと、国籍別では、ベトナムが最多の2、345人で、全体の約3割となっておりまして、在留資格別では技能実習が3、825人で、全体の約半数を占めております。
 こうした労働者を含む外国人県民が、安心して暮らすことができる地域づくりを目指し、県では、本年3月に、岩手県多文化共生推進プラン(2025〜2029)を策定したところであります。
 今後におきましても、このプランに基づくインターンシップやキャリアフェアの開催等による外国人材等の受け入れ・定着支援、ワンストップ相談窓口の設置や日本語学習支援等による、ともに安心して生活できる地域づくり、やさしい日本語の積極的な普及や、外国人県民である児童、生徒への支援等による多様性を理解、尊重する共通認識の醸成等の取り組みを進めることにより、お互いの文化的背景や考え方を理解し、地域社会を支える主体として、ともに生きる、多文化共生社会の実現を目指してまいります。
〇小林正信委員 私ども公明党の東北方面本部では、昨年、多様性のある社会の実現に向け、東北ダイバーシティプロジェクトを立ち上げました。本年5月には、盛岡市でフォーラムを開催し、この中では、ジェンダー平等には人権意識の向上が不可欠との考え方が示され、改めて県民一人一人の意識を変えていく必要性を感じた次第です。
 特に無意識の偏見、アンコンシャスバイアス解消について、令和6年度の取り組み状況をお伺いするとともに、今後は、岩手県男女共同参画センターを初め、県環境生活部、市町村の取り組みの強化が必要と考えますが、県の御所見をお伺いします。
〇佐々木副知事 アンコンシャスバイアスの解消に向け、令和6年度におきましては、経済団体などとも連携しながら、いわて女性活躍エグゼクティブアドバイザーによる、経営者の意識改革に向けたセミナーの開催、岩手県男女共同参画センターによる、企業や団体等への出前講座の開催、家事、育児シェアシートの作成、普及により、夫婦や家族が協力して家事、育児を行う意識の醸成などの取り組みを進め、アンコンシャスバイアスや固定的性別役割分担意識の解消を促進したところであります。
 今年度新たに、アンコンシャスバイアスに関する教育、普及啓発の第一人者で、全国的に活躍している外部人材を、いわて女性活躍アドバイザーに委嘱し、企業の経営者や地域等を対象に、県内各地で講演会を開催しているほか、最新号のいわてグラフを初めとした広報媒体への特集記事の掲載など、県民への意識啓発にも取り組んでいるところであります。
 これらの取り組みを通じて、現在、経済団体や企業、市町村から、アンコンシャスバイアスの解消に向けた講演会の開催要望も多数寄せられており、こうした機運の高まりを捉え、関係団体や市町村とも連携しながら、全庁挙げて施策を展開し、ジェンダーギャップの解消につなげていく考えであります。
〇小林正信委員 わかりました。よろしくお願いいたします。
 近年、全国では、書店がない自治体が増加しており、岩手県においては、7つの自治体において書店がない状況と伺っております。
 政府がことし6月に策定した、書店活性化プランでは、書店を多様な作品に触れることができる地域の重要な文化拠点と位置づけ、読書人口の減少や書店の魅力向上、地域における書店と図書館、自治体との連携のあり方などが課題として整理されております。
 文学の国を標榜し、日本一漫画好きが多い我が岩手県として、プランの内容を踏まえ、どのように取り組んでいくお考えか、知事の御所見をお伺いして、終わりたいと思います。
〇達増知事 書店は、創造性が育まれる文化創造基盤として重要であるという認識のもと、国では、書店活性化のための課題整理を行い、関係省庁が連携してその対応策について取りまとめ、本年6月に書店活性化プランとして公表されました。
 本プランでは、書店活性化の課題を五つにまとめ、国が取り組む施策を整理しており、その一つとして、読書人口の減少や書店の魅力向上に関する課題が示されています。
 県では、文学的土壌の豊かさを生かして、文学に親しむ機会を提供するため、平成30年度から文学の国いわての取り組みを初め、本県ゆかりの作家による講演会や、若年層を対象とした文学交流会を実施してまいりました。
 本県においても、中学生以降の読書機会が減少傾向にあり、文字、活字に親しみ、触れる機会をより幅広く提供することが重要であります。
 このため、県では、本年度、国のプランに掲げる文字・活字文化資源活用推進事業のモデル事業に、自治体として唯一採択を受け、書店、出版社、教育機関等で構成する文学の国いわて実行委員会を新たに設置し、読書への関心を高めるための児童向け教材を作成するとともに、本県の文字、活字文化の資源の収集と、その活用方策について検討しているところであります。
 今後におきましても、文学の国いわての取り組みなどを通じて、子供たちを初め幅広い世代に文字、活字文化に触れる会の提供など、読書人口の増加につながる取り組みを推進してまいります。
〇小林正信委員 文学の国いわて実行委員会が設置されたということで、ぜひとも、この取り組みを強化し、充実させていただきながら、読書人口をしっかり、また、書店の振興についても、取り組みを充実していただければと思います。
 以上です。終わります。(拍手)
〇佐々木茂光委員長 お諮りいたします。
 時間も午後5時を過ぎましたので、続く総括質疑は明日に行うこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 明日以降は、毎日午前10時から開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時9分 散 会

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