令和7年6月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

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〇18番(佐藤ケイ子君) 希望いわての佐藤ケイ子でございます。
 発議案第3号選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書について、提案理由を申し上げます。
 提案に当たって賛同署名をいただきました議員各位にお礼を申し上げます。
 まず、岩手県議会は、これまで同様の趣旨の意見書を4回採択しております。また、一般社団法人あすにはの選択的夫婦別姓・全国陳情アクションの調べによると、ことし7月3日、きのうの時点で地方議会からの意見書数は530件、本県は13件が国会に提出されているようです。
 地方議会からの意見書は1992年の東京都江東区議会から始まり、33年間の長きにわたって全国的に国会の動きを求めています。1996年、平成8年に法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を含む民法改正を答申してからも29年が経過いたしました。昨年秋の衆議院議員総選挙で国会の勢力図が変わったことを一つの契機として、野党側から別姓制度を目指す法案や通称使用の法制化の法案が出されましたが、結果的には、採決には至らず、いまだ法改正の見通しは立っておりません。
 当事者はアイデンティティーの喪失に苦しみ、改姓による不利益、不便に長年耐えてきており、選択的夫婦別姓を求める集団訴訟も行われてきました。
 最高裁判所は2015年、平成27年12月の判決に続き、2021年、令和3年6月の決定で、選択的夫婦別姓を含めた制度のあり方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないと言うべきであると示されました。最高裁が2度にわたり国会での議論を求めていることを重く受けとめなければなりません。
 政府答弁によると、法律で夫婦同姓を義務づけている国は日本だけということですが、国際連合の女性差別撤廃委員会は、2003年、平成15年以降、3回にわたって選択的夫婦別姓を実現するよう日本政府に勧告し、2024年、昨年10月には4回目の勧告が出されました。勧告に対しての実施措置を2年以内に書面で報告するよう求められています。
 たび重なる勧告にもかかわらず、長年にわたり措置をとっていないことは、条約国として許されるものではありません。条約締結国の日本政府が勧告に対応しないのは怠慢であります。
 国民の意識については、2024年、令和6年に公表されたNHKの調査によれば、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成と答えた割合は約6割に上り、社会、経済情勢の変化に伴い、国民の意識や価値観は確実に変化しています。
 また、日本経済団体連合会は2024年、昨年、選択的夫婦別姓の導入を求める提言を出しました。現行制度では、結婚するときに9割以上が夫の姓を選ぶ状況であり、女性にとって、海外出張や社内手続で不都合が生じ、アイデンティティーの喪失にもつながっていると主張しています。
 旧姓使用の制度化もよく言われますが、旧姓の通称使用になじみがない海外では通用しにくく、経団連が2024年5月に実施した調査によると、企業の女性役員の88%が、旧姓の通称使用ができても、何かしら不便さ、不都合、不利益が生じると思うと回答したということです。
 さらに、経営者や研究者でつくる一般社団法人日本取締役協会も、昨年7月に、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める声明を出し、日本弁護士連合会も、速やかな導入を求める会長談話を発表しています。
 女性活躍を推進しようとする動きの一方で、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数は、ことしも118位と低迷しています。ジェンダー平等が改善されない一因として、多様性に対応できない制度の硬直化も言われております。
 2019年、令和元年の厚生労働省が取りまとめた人口動態統計によれば、婚姻で改姓する95%が女性であり、この現状は女性の活躍を阻んでいます。改姓によって、これまで築き上げたキャリアに分断が生じる例や夫婦別姓が認められないために結婚を諦める例、旧姓の通称使用では海外で通用しないことや銀行口座がつくれない場合があるなど、さまざまな不利益をこうむっている人が一定数いることも事実です。
 選択的夫婦別姓制度は、選択的という言葉の示すとおり、同姓を希望するカップル、別姓を希望するカップルそれぞれに対し、選択の自由と多様性を認める制度です。女性、男性、どちらも改姓による不利益をこうむることなく、老後も法的な家族として支え合える、誰もが生きやすい社会を実現しようとするものです。
 一方で、名字が異なると家族の一体感が失われるとか、子供がいじめられるとか、親子の関係に不安を覚えたりするといった根拠のない根強い反対意見もありますが、国際結婚や離婚などで名字が違うことはよくあることです。名字が違うことでいじめが起こるというのであれば、いじめ根絶の人権意識を強めていくことが大事であり、それぞれの家族にはそれぞれのきずながあり、同じ名字であることだけが一体感の源ではないはずです。
 家族の多様化が進む中、旧姓を通称使用する人や事実婚を選択するカップルも少なくありません。そうした方々が不都合、不利益をこうむっている状況に鑑み、選択的夫婦別姓を実現することは、国会及び政府の責務であり、これ以上の先送りはするべきでないと考えます。
 以上、国においては選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正を行うよう求め、意見書を提出しようとするものであります。議員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
〇議長(工藤大輔君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第3号は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(工藤大輔君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第3号は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第3号選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(工藤大輔君) 起立多数であります。よって、発議案第3号は、原案のとおり可決されました。
   
   日程第21 発議案第4号ガソリン税の暫定税率の廃止を求める意見書
〇議長(工藤大輔君) 次に、日程第21、発議案第4号ガソリン税の暫定税率の廃止を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。軽石義則君。
   〔32番軽石義則君登壇〕

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