令和7年6月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

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〇8番(鈴木あきこ君) 自由民主党の鈴木あきこです。このたびは、2度目の一般質問の機会をいただきました先輩議員、同僚議員の皆様に感謝を申し上げ、通告に従い順次質問いたします。よろしくお願いします。
 初めに、女性の就業促進について伺います。
 岩手県の令和6年の人口は114万5、000人で、前年から1万8、000人減少し、全国で3番目に高い減少率となりました。6月16日の岩手県人口問題対策本部会議では、若年女性の県外流出が深刻との認識が示され、今後は、若年女性の県内就職の促進に取り組む方針が確認されました。
 知事は同会議において、若者や女性に選ばれる岩手であるためにも、職場や家庭における性別による役割分担の意識を解消し、誰もが活躍できる環境づくりを着実に進めると述べ、性別にかかわらず活躍できる職場環境整備の重要性を強調しています。
 県では、女性活躍の推進を目的にいわて女性活躍企業等認定制度の普及に取り組み、令和7年5月現在で588社が認定されています。また、えるぼし、プラチナえるぼしの認定企業も、令和7年4月25日現在で35社と、女性雇用への意識が高まっています。
 一方で、岩手県の基幹産業である農林水産業への関心を高め、女性の参画を促すことも地域の持続的な発展に不可欠です。
 先日、農林水産業や建設業で活躍されている女性の皆様と意見交換会を行い、現場での実体験に基づく貴重な御意見を多数伺いました。その中には、男性中心の職場に女性が1人加わったことで、雰囲気が和らぎ、職場環境が向上し、女性の就職希望者が増加したという事例もありました。女性の参画が、農林水産業や建設業の現場において新たな活力や多様な視点をもたらしていることを改めて認識いたしました。
 県は、女性の就労促進に関してさまざまな取り組みを実施していますが、現場レベルではまだ十分な成果が上がっていないとの声も聞かれます。特に、第一次産業や建設業など地域の基幹産業においては、依然として女性の参入や定着が進んでいない状況にあり、現場の課題に即したきめ細やかな支援が必要であると感じています。
 既存の取り組みに加え、現場の実情をよく知る地元の業界団体や部会の活動を県がより一層バックアップし、その声を反映させながら施策を進めていくことが重要と考えますが、今後の具体的な支援方針について知事の所見をお伺いします。
 次に、地域おこし協力隊の定住促進について伺います。
 地域おこし協力隊は、岩手県内では県を含めた32自治体で合計313名が活動しています。活動分野としては、農畜産業・林業・漁業への従事、観光資源の企画・発信が上位を占めており、人口減少や担い手不足の課題を抱えている本県にとって、地域おこし協力隊の存在は非常に大きなものと考えます。
 直近5年間での令和6年3月31日までに任期終了または退任した協力隊員は283名、そのうち岩手県に定住した方は178名で、100名以上の方が定住することなく岩手県を去っていることになります。
 ことし5月に、現在県内で地域おこし協力隊として活動している方々、また、ことしの3月で任期を終了し県内に定着した方々と意見交換を行いました。ポジティブな意見として、閉鎖的なところもあるが、地域の方々が親切でいい人しかいない、子供のいる方は、地域の方が自分たちの子供を見守ってくれる、物々交換で野菜をいただくなどが挙げられた一方で、ネガティブな意見として、コーディネーターの経路や相談窓口の所在が明確でなく、活動マニュアルがあるのかもわからない、市町村によって対応にばらつきがある、賃貸住宅が少ない地域でも単身者であるために公営住宅に入居できない、次の協力隊が入居するため退去を求められた、任期後の相談体制が十分とは言えないなどが挙げられ、このことから、活動についての困り事はもちろん、加えて生活環境に関する困り事も多いことがわかりました。
 人口減少の課題を抱えている岩手県においては、この地域おこし協力隊の定住が重要です。県として困り事をどのように把握し、どのような対策を講じているのか伺います。
 また、前述の困り事を受けて、県が開催している協力隊員や市町村職員向け研修会の今後のあり方について伺います。
 次に、子育て支援員の活動について伺います。
 保育士不足は、令和2年度までは、待機児童解消に向けた定員拡大に対し保育士の確保が追いつかない状況が続いていました。令和3年度以降は、児童数の減少により定員縮小の動きが見られ、急な増員は必要とされていません。
 一方で、業務の多様化や勤務シフトの柔軟化といった勤務環境の改善に加え、令和8年度から実施されるこども誰でも通園制度の対応もあり、保育現場では、依然として保育士不足を感じています。
 このことに対して県では、みなし保育士として、保育士資格を保有していなくても保育施設で働くことのできる子育て支援員の養成研修を行っており、令和6年の実績として178名の子育て支援員が誕生していますが、子育て支援員の活動状況と今後の子育て支援員のあり方について伺います。
 次に、保育士修学資金制度の周知について伺います。
 保育士の勤務環境の改善には子育て支援員の存在は重要ですが、今後、さらなる多様な保育業務が必要となることを鑑みれば、保育士資格を有する専門的人材の確保は非常に重要と考えます。
 県では、新卒保育士の県内定着の促進のため保育士修学資金の貸し付けを行っており、令和6年度は定員の25名を超える27名への貸し付けを実施、さらに、令和7年度は定員を45名に増員しています。
 定員を充足させ、県内定着の促進に向け県内高校への働きかけなど周知の強化が必要と考えますが、県の今後の方針を伺います。
 次に、幼児教育アドバイザーの増員について伺います。
 近年、就学前教育施設は従来の幼稚園、保育所に加え、幼稚園型、保育所型、幼保連携型認定こども園などがあり、それぞれが子育て支援の役割を担っています。さらに、いわゆるグレーゾーンの子供や医療的ケア児への対応、保護者からの育児相談、情報提供など、地域での子育て支援の役割も強く求められています。
 岩手県では、令和4年に研修、訪問支援、調査研究をもとにした情報共有の三つの機能を備えた就学前教育施設、保育者を支援するいわて幼児教育センターを設置しました。その中の訪問支援の一環として、幼児教育に関する専門知識を有する人材を幼児教育アドバイザーとして配置し、保育士の実践に寄り添いながら、保育の質の向上に向けた支援を行っています。
 先日、県内の保育施設に勤務する園長や保育士の皆様とお話をする機会がありました。その中で共通して挙げられた課題として、現在の保育士の保育業務は多岐にわたり、日々さまざまな対応に追われており、非常に厳しい勤務環境にあるという現状が指摘されました。
 また、幼児教育アドバイザーについては、県のアドバイザーからの一定の支援はあるものの、緊急性の高い課題に対しては、タイムリーな対応が不十分との声も寄せられました。特に、市町村のアドバイザーを地域ごとに配置し、各施設の状況を把握しながら保育者との信頼関係を築き、継続的な支援を行ってほしいという要望もありました。
 岩手県は子育て支援を充実させていますが、子供たちの成長を最前線で支える就学前教育施設、保育者に対する支援も同様に重要と考えます。現在、県内には幼児教育アドバイザーが県に2名、10市町村に15名配置されていますが、増員などの体制強化が必要と考えます。現場の声を踏まえ今後の対応を伺います。
 次に、子育て不安の軽減について伺います。
 地域社会全体で子育てをする方々や子供を温かく見守る環境づくりに取り組む機運を高めるために、県は、いわてで生み育てる県民運動を掲げ、結婚、妊娠、出産、子育ての支援の取り組み等を行っていますが、令和6年の出生数は4、896人で、前年と比較して536人の減少となりました。初めて5、000人を下回る結果となりました。また、合計特殊出生率は1.09と6年連続で過去最低を更新している状態です。
 出産や子育て支援として、妊娠した方やその家族を対象に母親学級や両親学級が行われ、沐浴や授乳、おむつのつけ方など、乳児に対する基本的な保育技術を人形を使って実習しています。しかし、実習は模擬的な環境で行われるため、実際の赤ちゃんのような予測不能な動きや反応には対応できません。そのため、出産後の実際の育児においては想定外の対応が求められ、妊娠した方や家族にとって大きな不安要素の一つとされています。
 この不安の軽減方策として、医療機関や助産所などで実際に出産を終えた母親や看護師、助産師の方々が新生児に沐浴や授乳を行う様子を出産を控えている妊産婦が見学できる機会を設けることは、現実的で具体的な育児のイメージを持つ助けとなり、子育てに対する不安を和らげる生きた学びの場となるとともに、安心して出産、育児に臨むための大きな支援となると考えますが、このような取り組みの現実可能性について、県の考えを伺います。
 次に、産後ケア事業の充実について伺います。
 産後ケア施設は、出産後の母親が産褥期に心身の回復を図り、心理的な不安や負担の軽減などの支援を受けられる施設です。妊娠期から子育て期への切れ目のない支援体制の構築を目的としており、出産時や家族の支援が少ない場合に特に重要です。県内では全33市町村で産後ケアが行われており、アウトリーチ型が30市町村、デイサービス型が28市町ですが、宿泊型は奥州市のみとなっています。
 岩手県では、令和5年12月定例会において、岩手県における産後ケア事業の更なる充実・強化を求める請願が全員賛成により採択されましたが、一方で、この事業が必要と認識されながらも改善は進んでいない状況にあります。
 県内の保育園の園長から、育児休暇取得率の向上により一部の保育園で空き保育室が見られると伺いました。こうした空きスペースを有効に活用する手段の一つとして、産後ケア施設としての活用も考えられるのではないかとの御意見がありました。このことは、母親は園児の遊ぶ姿を身近に感じることもでき、安心して産後ケアを受けることができます。上の子がいる家庭では、一時的に保育園を利用できる制度を整えることで、心理的負担の軽減や育児不安の解消につながることも期待されます。
 産後ケア事業が市町村の所管であることは承知しておりますが、特に、宿泊型の支援については、県内において整備が進んでいないのが現状です。山梨県では、県が主体となって産前産後ケアセンターママの里という宿泊型産後ケア施設を整備した事例もあり、県の積極的な関与が重要であると考えますが、既存の保育施設等の活用を含めた産後ケア支援のあり方について、県としてのお考えを伺います。
 次に、農業従事者の確保について伺います。
 岩手県の農業は基幹産業として重要な役割を担っていますが、担い手不足や高齢化といった深刻な問題を抱えています。
 農林水産省が公表している統計によると、令和4年における岩手県の食料自給率は、カロリーベースで106%、全国6位、生産額ベースにおいては180%、全国5位となっています。このことから、岩手県は我が国の食料供給基地としての一翼を担っていると言えます。
 しかし、農林業センサスによれば、県内の基幹的農業従事者の平均年齢は、平成17年の64.6歳から令和2年には69歳へと上昇し、農家戸数も、平成12年の9万2、438戸から令和2年には5万2、688戸と43%も減少しました。さらに、農林業センサスをもとに岩手県農業研究センターが推計したデータによると、令和12年には3万4、400戸、令和17年には2万8、200戸にまで減少すると予測されております。本県の食料自給体制の維持に支障を来すおそれがあり、このような状況を打開するには、農業従事者の確保が不可欠です。
 県は、いわて県民計画(2019〜2028)第2期政策推進プランに基づき、新規就農者の確保と定着支援に取り組み、令和5年度の新規就農者は286人、令和6年度は288人と横ばい、令和元年からの定着率は75%となっています。
 また、本県には岩手県立農業大学校があり、高度な専門知識と技術を備えた農業青年の育成を目指していますが、令和6年度の卒業生51名のうち、就農者は20名、県内就農者は10名にとどまっております。県の課題である農業従事者の不足の現状に対し、県立農業大学校が十分な役割を果たせていないのは残念です。
 これからの岩手県の農業を守る担い手となる新規就農者をどのようにふやしていくのか、県の考えをお伺いします。
 次に、基盤整備事業の推進について伺います。
 農業従事者の高齢化、担い手不足の中、農地を守るために圃場の集約、大規模化が進められておりますが、農地を無駄にすることなく耕作するために重要となるのが基盤整備事業です。基盤整備は、災害に強い農地づくりやスマート農業にも欠かせません。
 昨年度、県内各地域において、おおむね10年後を見据えた地域の農地を誰が、どのように守っていくのかを明らかにした地域計画が策定されました。先日、農業関係者の皆様とお話をする機会があり、地域計画において、区画が狭かったり整っていない部分の農地で、将来の担い手が決まっていないものがあるとのお話を伺いました。
 こうした農地を解消し農地を次世代に引き継いでいくためには、圃場整備を進めるとともに、地域の中核となる経営体に農地を集積、集約化していくことが重要と考えますが、県における圃場整備の今後の推進方策について伺います。
 次に、家畜人工授精師確保について伺います。
 岩手県の農業産出額の6割以上を占める畜産の中でも、肉用牛は約1割を占める重要な分野です。
 昨年6月定例会の一般質問で、令和7年3月に岩手県農業共済組合が家畜人工授精部門から撤退することを受け、盛岡広域、県南広域の繁殖農家が安心して経営を継続できるよう、県が家畜人工授精師の確保に責任を持つよう求めました。その結果、市町や生産団体と協議が行われ、家畜人工授精師の緊急的なマッチング、産業動物獣医師の対応も進められました。
 しかし、4月中旬には、獣医師の調整がつかなかったことから雌牛への事前の処置ができない事態が起こりました。これは緊急的なマッチング対応と家畜人工授精師と産業動物獣医師の不足が要因と考えます。
 また、今後、畜産も集約し大規模での営農が見込まれます。関係者の話では、営農者が個々に家畜人工授精師及び獣医師を雇用することは難しいと伺いました。このままでは安定した繁殖サイクルの構築が困難と考えます。
 繁殖農家や本県の畜産を守るために急務となるのは、岩手県が行っている家畜人工授精に関する講習会の合格者の活動状況の把握と確保、現在開業している家畜人工授精師との連携、そして、家畜人工授精業務を継続していくための仕組みづくりの3点です。このことを踏まえ、県の現在の取り組み状況と今後の対応を伺います。
 次に、産業動物獣医師の確保について伺います。
 県は、獣医療を提供する体制の整備を図るための岩手県計画において、令和12年度までに産業動物獣医師を155名確保する目標を掲げております。令和4年度時点で4名の不足ではありますが、獣医師の高齢化の現状を踏まえれば、産業動物獣医師の確保は大きな課題となります。
 畜産が基幹産業でありながら獣医師不足の課題を抱えていた鹿児島県曽於市では、鹿児島大学と連携し、南九州畜産獣医学拠点スクラブを旧県立高校跡地に整備しました。獣医師確保だけではなく、人材育成や産業の創出、交流人口の拡大を図る取り組みであり、注目すべきは、県ではなく市が主体となったことです。これは市単位でも効果的な取り組みが可能であることを示しており、行政規模の大きい岩手県においても、同様の展開を検討する価値があると考えます。
 岩手県には岩手大学があり、今年度から農学部獣医学科が獣医学部へと移行されたことは、畜産振興を目指しながら獣医師不足という課題を抱える本県にとって、大きな契機となります。
 今後、岩手大学との連携を一層強化していくとされていますが、現在の取り組み状況を伺います。また、曽於市のような先進的な取り組みとまでは行かなくても、県としても能動的かつ弾力的に対応を検討していく必要があると考えますが、県としての考えを伺います。
 次に、無形民俗文化財の保護について伺います。
 岩手県には、神楽や獅子舞、鹿踊りなど多くの無形民俗文化財が受け継がれ、地域の歴史や文化を体現する貴重な財産であり、世代を超えて人々を結び、地域コミュニティーの維持、再生にも大きな役割を果たしています。
 また、東日本大震災津波の際には、地域などで神楽などの披露を通じて人々のきずなが示され、伝統文化が災害時の心の支えになり得ることが明らかとなりました。
 県では、地域に根差した伝統芸能や行事を県指定無形民俗文化財として、その価値を公に認めています。しかし、担い手の高齢化や後継者不足により継承が困難となっており、指定だけでは、保存、継承は困難です。
 地域の文化を将来に引き継ぐためにも、県の積極的な支援が求められますが、県として今後どのような支援策を講じていくのか伺います。
 次に、民俗芸能大会の周知について伺います。
 ことし、第67回北海道・東北ブロック民俗芸能大会が9年ぶりに岩手県で開催されます。この大会は、本県の民俗芸能の魅力を広く発信するとともに、他道県の演舞団体や関係者との交流によって、担い手の活動意欲の向上や若い世代への継承意識の醸成などにつなげる貴重な機会ですが、この大会を県民へどのように周知していくのか伺います。
 次に、少年犯罪への対策について伺います。
 近年、少年が、犯罪の被害者だけでなく加害者になる事例も増加しており、岩手県でも同様の傾向が見られます。特別法犯で検挙、補導された少年は、令和5年の36人から令和6年は47人に増加、うち、児童ポルノ禁止法-児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反が最多の22人、前年比6人増となっています。
 一方、少年の刑法犯被害は、令和5年の384件から573件へと189件増加。内訳は、性犯罪が50件、粗暴犯が40件となっており、少年が多様な犯罪の危険にさらされている実態が浮き彫りになっています。特に、性犯罪被害の増加は深刻で、早急な対策が求められます。
 県は、いわて県民計画(2019〜2028)長期ビジョンに基づき、少年を被害者にも加害者にもさせないことを基本方針の一つとして掲げ、実現に向けて、少年を見守る社会的機運の醸成や立ち直りを支援する活動を通じて健全な育成を促進し、少年の非行防止及び保護推進を図るとしています。
 岩手県警察本部では、少年サポートセンターを設置し、子供や保護者から相談を受けています。岩手県に生まれて、岩手県で育っている子供たちをどのように守っていくのか、現状を踏まえて県警察の取り組みを伺います。
 次に、児童への自分を守る教育について伺います。
 先日、県内で初めて高校生が大麻所持と使用の疑いで逮捕される報道がありました。少年による大麻取締法違反や性犯罪被害の背景には、SNSやインターネットの普及があり、マッチングアプリの悪用や個人情報の流出など深刻な問題がふえています。犯罪を起こさず巻き込まれないためには、家庭での教育に加え、学校における自分を守る教育が重要です。
 盛岡市出身で警察大学校国際警察センター所長の小笠原和美氏が監修した絵本、おしえて!くもくんは、水着で隠れている部分は大切なところであり、自分がされて嫌なことは他人にはしないといった、自分の身を守る意識を子供たちにわかりやすく伝えています。
 こうした自分を守る教育は、低学年の段階から行うことが極めて重要です。また、SNS等の利用拡大により、トラブルに巻き込まれないためのデジタルリテラシー教育も不可欠と考えますが、学校教育における実施について伺います。
 次に、犯罪被害者等支援条例の県民周知について伺います。
 県内の刑法犯認知件数は、令和4年に2、655件、令和5年には2、856件と増加しており、犯罪被害者の増加が懸念されます。
 こうした状況を踏まえ、被害者支援の充実が求められる中、県は、令和6年4月に犯罪被害者等支援条例を施行し、令和7年3月には岩手県犯罪被害者等支援実施計画を策定、制度としての支援体制が本格的に始動しました。
 この条例では、県民の役割として、犯罪被害者等の置かれた状況や支援の重要性について理解を深め、二次被害を防ぐために十分な配慮を行うことが求められています。県内では、公益社団法人いわて被害者支援センターやはまなすサポートセンターによる相談や付き添い支援などが行われていますが、これらの存在を知らない県民も少なくありません。
 条例の趣旨を実現し、必要な支援につながるためには、県民への制度の周知と支援機関の役割認知が欠かせません。そこで、この条例の理念を県民にどう浸透させ、二次被害の防止と被害者が安心して支援を受けられる環境づくりに向け、どのように条例の実効性を高めていくのか、知事のお考えを伺います。
 最後に、犯罪被害者等支援コーディネーターの増員について伺います。
 性犯罪や重大な暴力事件、DVの被害者は、事件後に警察、医療機関、相談窓口、弁護士など複数の機関に被害状況を何度も説明する必要があり、精神的苦痛を繰り返す二次被害の要因となっています。
 被害者の負担を軽減し、切れ目のない支援を行うためには、関係機関の緊密な連携と支援の一元化が不可欠であり、その中核を担うのがワンストップの対応です。医療、相談、法的支援の調整機能を1カ所に集約する体制は、被害者の安心と心身の早期回復に大きく寄与します。
 県は、複雑化する支援に対応するため、犯罪被害者等支援コーディネーターを配置し対応していますが、今後、ワンストップ体制の強化に向け、犯罪被害者等支援コーディネーターの増員配置や人材育成に向けた取り組みが必要と考えますが、今後の方針を伺います。
 以上で私の一般質問を終わります。答弁によっては再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 鈴木あきこ議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、女性の就業促進についてでありますが、本県の人口の減少は、少子高齢化による自然減に加え、進学、就職期における若年女性の転出による社会減が大きな要因となっており、雇用労働環境の改善と女性が活躍できる環境の創出により女性の社会減対策に取り組むことが必要です。
 県ではこれまで、官民連携組織であるいわて女性の活躍促進連携会議を通じて、若年女性の県内就職や定着促進を図るため、経営者の意識改革や職場環境づくりに取り組んでまいりました。
 今年度は、意欲ある女性農林漁業者の育成支援や、柔軟な働き方の実現に向けた建設企業のDX推進への支援に加え、各業界団体と連携した農山漁村への移住に向けた魅力発信や、県内建設企業の従業員を対象としたアンコンシャスバイアスに関する講習会の開催など、女性の就業促進に強力に取り組むこととしております。
 引き続き、各業界団体が参画する農山漁村で輝く女性部会やけんせつ小町部会などにおける議論を通じて、現場の課題を共有しながら、オール岩手で、女性が持てる能力をより一層発揮し、活躍できる社会の実現に取り組んでまいります。
 次に、圃場整備の今後の推進方策についてでありますが、農業従事者の減少、高齢化が進む中、地域計画により将来の農地利用の姿を明らかにし、担い手がスマート農業技術の導入等による生産性の高い農業に取り組むことができるよう、生産基盤の整備を着実に進めていくことが重要です。
 県では今年度、これまでで最も多い71地区で圃場整備を実施するとともに、24地区では圃場整備の事業化に向けた調査を実施するほか、27地区で事業の前提となる地域の合意形成を進めています。
 県内では、ことし3月までに410の地域計画が策定されていますが、将来の耕作者が位置づけられていない農地も多く、担い手への集積、集約化に向け、農地の大区画化等を実施する圃場整備事業の導入が、より一層重要であります。
 このため県では、国の補正予算を積極的に活用し、圃場整備事業に予算を重点化するほか、資材価格の高騰等により事業費が増加する中、ことし3月に岩手県農業農村整備事業コスト縮減計画を策定し、建設コストの縮減を図りながら、生産基盤の整備や事業実施地区の拡大を進めています。
 今後も、予算のさらなる重点化と建設コストの縮減を図るとともに、国に対し、十分な予算を措置するよう繰り返し求めながら、スマート農業が可能となる水田の大区画化など、圃場整備が早期に進むよう取り組んでまいります。
 次に、犯罪被害者等支援条例についてでありますが、この条例は、犯罪被害者等の権利利益の保護を目的に昨年4月に施行したところであり、犯罪被害者等の尊厳の尊重、犯罪被害者等への適切な支援と二次被害への配慮など四つの基本理念とともに、県の責務や県民の役割などを規定しています。
 本年3月には、岩手県犯罪被害者等支援実施計画を策定し、総合的支援体制の整備・充実、精神的・身体的被害の回復・防止、損害回復・経済的支援等、県民の理解の増進と配慮の四つの柱で、犯罪被害者等支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進に取り組んでいます。
 この4月には、犯罪被害者等の置かれている状況等に応じ、関係機関による支援の調整等を行う犯罪被害者等支援コーディネーターとして、臨床心理士の資格を有する者をいわて被害者支援センターに配置し、必要な支援が途切れることなく、犯罪被害者等が安心して支援を受けられる体制を整備しました。
 また、県民理解の醸成を図るため、条例の内容や犯罪被害者等への支援の必要性などをわかりやすくまとめたリーフレットによる広報などを実施しているほか、今年度は、大学生との協働による啓発活動を実施するなど、内容の充実を図ることとしています。
 今後とも、支援実施計画に定める四つの柱のもと、総合的かつ計画的に施策を推進し、犯罪被害者等を社会全体で支え、誰もが安全に安心して暮らすことのできる社会の実現を目指してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、子育て支援員の活動についてでありますが、県が実施している子育て支援員研修は、国の実施要綱に基づき、子育て支援分野の事業等に現に従事する方も対象としており、昨年度の修了者の6割は、保育補助者等として保育所や認定こども園などに勤務しておられます。
 これらの方々は、研修の受講により保育士配置に係る特例の対象となるほか、こども誰でも通園制度における乳児等通園支援従事者としても活躍が期待されることから、勤務する各施設において、計画的に受講を促しているものと認識しております。
 県としては、今後も、保育士の負担軽減を図るとともに、来年度から本格実施されますこども誰でも通園制度の円滑な導入を支援するため、引き続き、保育士とともに保育に従事する子育て支援員の養成に取り組んでまいります。
 次に、保育士修学資金貸付事業についてでありますが、県では、来年度からこども誰でも通園制度が本格実施されることに加え、今後、1歳児に係る保育士配置基準の見直しが予定されていることから、将来的に保育士不足が生じることのないよう、保育士の確保を図っていく必要があると考えております。
 このため、保育士資格の取得を目指す学生の修学を支援し、新卒保育士の県内定着をさらに促進することを目的として、今年度、保育士修学資金の貸付枠をこれまでの25人から45人に拡大したところであります。
 今年度は、実施主体である岩手県社会福祉協議会のホームページのほか、指定保育士養成施設を通じて周知を行い、現在、貸付希望者の募集を行っているところでありますが、来年度に向けては、保育士資格の取得を目指す学生の増加にもつながるよう、県内の高等学校とも連携し周知の強化を図っていく考えであります。
 次に、安心して出産、育児に臨むための取り組みについてでありますが、鈴木あきこ議員御指摘のとおり、妊娠中の早期から具体的な育児のイメージを持つことにより、妊娠や育児に関する不安の解消を図ることが重要でありますことから、現在、産科医療機関や市町村において両親学級や母親教室が行われているほか、多くの市町村においては、妊産婦の孤立解消や妊娠、出産、子育ての悩みに対する相談支援を行う産前・産後サポート事業が実施されております。
 鈴木あきこ議員御提案の実際に出産を終えた母親が沐浴や授乳を行う様子を見学することは、具体的な育児のイメージを持つ一助と考えられる一方で、医療機関からは感染リスク等を懸念する声があるほか、見学の対象となる母子のプライバシー保護や心身の負担などに十分な配慮が必要でありますことから、実施に当たっては慎重な検討が必要と考えております。
 県としては、育児の不安軽減に向けた市町村の取り組みの充実が図られるよう、引き続き、地域の関係者が母子保健事業について情報交換を行う保健所主催の連絡調整会議の場などを活用し、近隣市町村の優良事例の共有などを通じて、地域の実情に応じた市町村の取り組みを支援してまいります。
 次に、産後ケア事業についてでありますが、県ではこれまでも、産後ケア事業の推進に取り組む市町村を支援してまいりましたが、保健所圏域ごとの連絡調整会議により、情報提供や助言を継続的に行ってきた結果、令和6年度から、全市町村において産後ケア事業が実施されているところであります。
 一方で、宿泊型の産後ケアについては、設備要件に加え、助産師等の看護職を24時間体制で配置する必要があるなどの課題があることから、県内で実施しているのは、鈴木あきこ議員御指摘のとおり、1市のみとなっております。
 宿泊型も含めた産後ケア事業のさらなる推進に向けては、実施主体である市町村ごとに、妊娠期から切れ目のない支援における産後ケア事業の位置づけや考え方が異なることから、市町村の実情も伺いながら検討を進めるため、本年7月に市町村と議論の機会を設ける予定としております。
 県では、実施主体である市町村の考え方や意見を十分に踏まえながら、妊産婦の方々が、身近な地域できめ細やかなサービスを継続的に受けられるよう、既存施設の活用による産後ケアの拡充も視野に入れながら、市町村の取り組みを支援してまいります。
   〔ふるさと振興部長村上宏治君登壇〕
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 地域おこし協力隊の定住促進についてでありますが、地域おこし協力隊の定住率の向上のためには、隊員の不安や悩みを的確に把握し、その支援に当たっていくことが、極めて重要であると認識しております。
 このため県では、隊員の連携強化と孤立化防止のため、令和3年度に、いわて地域おこし協力隊ネットワークの設立を支援するとともに、同ネットワークと連携した隊員向けの相談窓口の設置や研修会の実施に加えまして、受け入れ市町村との意見交換会を実施するなど、隊員に寄り添った対応が実現するよう取り組んでまいりました。
 こうした取り組みを通じ、隊員と受け入れ市町村との相互理解を深める必要があると捉えられましたことから、今年度は、新たに隊員と受け入れ市町村の双方の共通理解を図るための合同研修会を開催しまして、課題解決につながる取り組みを強化したところであります。
 今後におきましても、これまで実施してきました取り組みの成果や課題を検証しながら、隊員、受け入れ市町村双方の課題を適時適切に把握しまして、その解決につながるような取り組みを強化することにより、隊員が地域に定着し、その活動により地域力の維持、強化が図られるよう、各般の施策を進めてまいります。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、農業従事者の確保についてでありますが、県では、新規就農者の確保、育成に向け、関係機関、団体と連携し、県内外での就農相談会の開催や生産技術を習得できる研修受け入れ先の紹介などに積極的に取り組み、新規就農者数は、年間確保目標である280人を上回って推移しています。
 今般公表したいわて農業生産強化ビジョンの最終案では、施策推進の柱の一つに、産地づくりを支える人材の確保・育成を掲げ、新規就農者数の目標を令和10年度に300人に上昇させることとしています。
 具体的な取り組みとして、生産技術や経営ノウハウの習得支援による新規就農者の経営の安定化、小中学生の農業体験受け入れによる若い世代の就農意欲の喚起、親元就農や第三者継承などの円滑な経営継承の推進などを盛り込んでいます。
 また、県立農業大学校については、令和2年度から令和5年度までの4年間の卒業生の平均約50人のうち、6割に当たる約30人が就農し、15年前の約17人と比べ増加しており、新規就農者数の増加に寄与していることから、ビジョンにその機能強化を掲げるとともに、機能強化に向けた基本構想を策定することとし、農業団体や学識経験者等が参画する検討懇談会を設置しました。
 こうした取り組みを市町村、関係団体等と一体となって推進し、本県農業の次代を担う新規就農者を確保し、地域の担い手として活躍できるよう支援していきます。
 次に、家畜人工授精師の確保についてでありますが、県では、昨年度から新たに家畜人工授精所を対象に家畜人工授精師の活動状況の調査を行っており、この調査結果では、人工授精業務に従事している者は、昨年12月末現在292名で、前年同期より13名増加しています。
 また、昨年度に新たに免許を取得した29名については、23名が県内の農業協同組合や法人等に就職し、このうち16名が人工授精業務に従事しています。
 家畜人工授精業務の継続的な提供に向けましては、広域振興局と地元の市町、農業協同組合等で設置している検討の場で、地域の家畜人工授精師の情報を共有するとともに、地域の全ての畜産農家に家畜人工授精業務が提供されるよう、個人開業の家畜人工授精所と農業協同組合等が連携する体制が構築されております。
 昨年度からは、将来の家畜人工授精業務のあり方について、岩手県家畜人工授精師協会や農業協同組合等と意見交換を行うほか、今年度から新たに、免許を取得した技術者を対象にスキルアップのための研修会を開催することとしており、県としては、今後も、市町村、農業協同組合等と連携し、地域の実情に応じて、安定的な家畜人工授精業務が提供されるよう取り組んでいきます。
 次に、産業動物獣医師の確保についてでありますが、県では、岩手大学と連携し、昨年度から中学生、高校生を対象とした市民公開講座を行うとともに、今年度からは、新設された獣医学部の学生に対し、新たに家畜伝染病対策や食肉検査などの業務について講義を行うなど、公務員獣医師のPRに取り組むこととしています。
 鹿児島県曽於市が鹿児島大学と連携して整備した南九州畜産獣医学拠点は、全国の獣医学生に対し、最新の次世代型牛舎等を活用した実習の場を提供する全国初めての施設であると承知しています。
 本県では、令和4年度から、岩手大学が設置した産業動物臨床・疾病制御教育センターが、全国の獣医学生に加え産業動物獣医師も対象に、地域と連携し、公共牧場など多様な実習の場を提供しています。
 県では昨年度から、今後の獣医療提供体制のあり方について、県獣医師会や関係団体等と意見交換を始め、広域的な人材の活用や遠隔診療を活用した診療の効率化などを検討しています。
 鈴木あきこ議員御紹介の事例や岩手大学における産業動物獣医師の人材育成の取り組みなども参考に、大学や関係機関、団体等と連携して、獣医師確保に積極的に取り組んでまいります。
   〔文化スポーツ部長菊池芳彦君登壇〕
〇文化スポーツ部長(菊池芳彦君) 北海道・東北ブロック民俗芸能大会の周知についてでありますが、ことしで第67回を数える本大会は、平成28年度以来の本県開催となるところで、本年10月26日に盛岡市民文化ホールを会場として開催し、各道県1団体、開催県である本県からは2団体、計8団体の出演を予定しています。
 北海道、東北の地に古くから伝わる民俗芸能が一堂に会し、その魅力を多くの方々に感じていただくことは、担い手の活動意欲の向上や若い世代への継承意識の醸成にもつながる貴重な機会となります。
 大会の周知については、7道県で構成する大会実行委員会において出演団体を決定した後に、各道県の公式ホームページ、ポスターの掲示やSNS等を活用し積極的に周知を図っていくこととしています。
 また、県では、市町村広報紙等の活用や報道各社への周知の働きかけ、民俗芸能団体を通じた周知など、市町村や関係機関等とも連携して広く発信し、多くの方々に御来場いただけるよう努めてまいります。
   〔復興防災部長大畑光宏君登壇〕
〇復興防災部長(大畑光宏君) 犯罪被害者等支援コーディネーターについてでありますが、本年4月に、いわて被害者支援センターに配置した犯罪被害者等支援コーディネーターは、相談窓口等に寄せられた情報をもとに、犯罪被害者等から支援ニーズ等を確認し、市町村、県警察、医療機関などの関係機関と支援内容を調整する役割を担っています。
 犯罪被害者等への直接的な支援は関係機関から提供されることとなりますが、コーディネーターは、支援の進捗状況のほか、犯罪被害者等が置かれた状況や支援ニーズの変化等を随時確認し、必要に応じて支援内容を見直すなど、必要な支援が途切れることなく提供されるよう取り組むこととしています。
 また、今回配置したコーディネーターには、警察庁が今年度から新たに実施する研修を受講し、支援に必要な識見等を網羅的に学んでいただいているところでありますが、将来的には、コーディネーター以外の支援従事者の派遣についても検討してまいります。
 犯罪被害者等の負担軽減や支援の充実に向けて、今後は、関係機関との連携体制のさらなる強化に取り組んでいくことが重要と考えており、連携体制の強化に取り組んでいく中で、鈴木あきこ議員御指摘のコーディネーターの配置のあり方についても検討してまいります。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) まず、幼児教育アドバイザーについてでありますが、いわて幼児教育センターにおいては、県内の幼児教育の質の向上を目指して、幼児教育アドバイザー2名を配置し、市町村等からの要請に応じ、各園への訪問を行い、個別相談への対応や園内研修での助言等の支援を行っております。
 また、県内10の市町村においては、独自にアドバイザーを任用し園への支援を行っておりますが、県内全ての園に対し、よりきめ細かな支援を行うためには、アドバイザーの資質、能力の向上と増員を図っていくことが必要と考えております。
 そのため、令和6年度から幼児教育アドバイザー認定制度検討会議を設置し、この中で、所定の研修を受講した幼稚園教諭や保育士、小学校教諭等をアドバイザーとして県が認定し、市町村が活用できるようにする制度を検討しております。
 県教育委員会としては、この認定制度の構築に取り組むとともに、市町村のアドバイザーの確保と資質、能力の向上が図られるよう、引き続き努めてまいります。
 次に、無形民俗文化財の保護についてでありますが、県教育委員会では、人々の生活の中から自然に発生した風俗、慣習や民俗芸能などの無形民俗文化財のうち、地域の風土と密接に関連し、変容を遂げつつも本質的な価値を維持しているものについて、その価値を認め、県指定文化財として指定し、保護しているところです。
 指定された無形民俗文化財の保護のためには、本質的な価値を適切に保存するとともに、将来へと伝えていくことが大切であることから、指定文化財の保存団体等を対象として、記録等の作成に加え、伝承者の養成などの継承活動に対しても補助を行っているところです。
 また、保存団体等が行う後継者育成等の取り組みに対し、文化庁の事業や民間の助成事業などの支援についての情報提供を行い、これまで、県内の多くの保存団体等が活用してきたものと承知しているところです。
 県教育委員会としましては、民俗芸能などの後継者育成に取り組んでいる文化スポーツ部など関係部局等と連携しながら、引き続き無形民俗文化財の支援に努めてまいります。
 次に、児童への自分を守る教育についてでありますが、小学校においては、特別の教科道徳の授業や外部講師を招いての安全教育の実施などを通じて、トラブルから身を守る方法やその未然防止について理解を促す指導を行っております。
 また、情報の収集、整理、比較、発信など情報を主体的に活用する能力である情報リテラシーの教育を教科横断的に行っております。この中では、犯罪被害を含む危険の回避など、情報社会で適正な活動を行うためのもとになる考え方や態度を育む情報モラル教育も実施しております。
 県教育委員会では、情報モラル教育指導資料わんこ情報室や、情報モラルに係る児童生徒の主体的な取り組み事例集を作成し、各学校に配布するなど、学校における情報モラル教育の充実に努めているところです。
 今後も、児童生徒の発達段階に応じて、犯罪、トラブル等の未然防止や適切な対処が図られるよう、各学校の支援に取り組んでまいります。
   〔警察本部長増田武志君登壇〕
〇警察本部長(増田武志君) 県警察における少年犯罪への対策についてでありますが、県内における少年を取り巻く犯罪情勢は依然として厳しい状況にあり、鈴木あきこ議員御指摘のとおり、少年が犯罪の被害者だけではなく、加害者となる事例も増加しているところ、令和6年中の被害については、特に、児童ポルノ禁止法違反や青少年のための環境浄化に関する条例違反等の福祉犯被害者が58人と、前年比で19人増加するなどしているところでございます。
 県警察におきましては、少年を被害者にも加害者にもさせない取り組みとして、警察本部に少年サポートセンターを設置した上で、各警察署と連携を図りながら、小中高等学校等において、警察職員による非行防止教室や情報モラル教室を開催し、非行や犯罪からの被害防止に努めているほか、立ち直り支援を必要とする少年に対しましては、大学生の少年ボランティアと協働した農業体験等を通じて交流を図りながら、少年の居場所づくりに努めるなどの支援活動にも努めているところでございます。
 また、さまざまな問題を抱える少年や保護者等に寄り添い、必要な指導等を行うため、警察本部にヤングテレホンコーナーを設置して、犯罪被害や少年非行に関する相談に対応しております。
 引き続きまして、少年の規範意識の向上と積極的な立ち直り支援に取り組み、少年の健全育成を期してまいります。
〇8番(鈴木あきこ君) 御答弁ありがとうございました。2点ほど再質問させていただきたいと思います。
 まず、家畜人工授精師のことについて伺います。
 現在292名の人工授精師が県内にいるということでしたが、ことしの3月に農業共済組合が撤退して、そのときのマッチングもなかなか厳しい状況であった。感覚としては、非常に少なかったのではないかと思っています。
 今はもう緊急的なマッチングしかされていないと伺っていますが、この292人というのはどのような配置になっているのか。あとは、家畜人工授精師は、県がやっている家畜人工授精に関する講習会の合格者について、どういう働き方をしているかを県がこれからも押さえていくことで、毎年30人ぐらいはふえていくのだろうという見当はつくのですが、獣医師に関しては、やはり6年かかるということで、岩手大学に行っていろいろお話をしたり、若い子供たちに獣医師とか畜産ってどういうものだよというお話をしていても、これは長期的に見てふえていくだろうという中で、現在の時点で獣医師が足りないというところが非常に問題なのだろうと思っています。
 先ほども申し上げたとおり、獣医師は不足していないような状況ですが、高齢化ということも課題になっているので、そこも含めて、もっと岩手県獣医師会と連携してやることが必要と思います。獣医師と家畜人工授精師の仕組みを何かつくっていかないと、これからまた、来年、再来年、やはり足りなかった、緊急的なマッチングだということであると、これからの岩手県の牛肉といいますか繁殖農家、肥育農家も、それをなりわいにしているので、非常に心配なことが多くなっていくと思います。
 岩手大学との連携もそうですが、県として、農業機関、農業団体と連携して、何か獣医師と家畜人工授精師がうまく回っていけるような仕組みづくりが早急に必要だと思うのですが、その点を再度質問させていただきます。
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず最初に、292名の配置の状況というお話がございましたので、こちらについて、地域ごとの状況をお伝え申し上げます。
 4地域、盛岡地域では家畜人工授精業務を行う者が103名、県南地域ですと106名、沿岸地域が15名、県北地域が42名で、県機関等で業務を行っている者が26名、これを足し上げますと292名という状況になっております。やはり地域によって数は異なってくるような状況でございます。
 それから、家畜人工授精師、産業動物獣医師はなかなか、特に産業動物獣医師の数が足りていないという御指摘もいただきました。家畜人工授精師も産業動物獣医師も、関係団体と意見交換を行うということを昨年度来、進めてきたところがございます。
 特に産業動物獣医師については、先ほども答弁させていただきましたけれども、関係団体との意見交換は、県が主体となって関係団体に声がけをして意見交換を始めたということもあります。それから、獣医師が足りないということで言えば、岩手大学と連携して、先ほど答弁したような公務員獣医師のPRにも、新たに取り組んできているという状況があります。
 県としても課題意識をしっかり持っておりますので、主体的に、あるいは新たな取り組みをやるという意味では、柔軟な対応というところも含めて対応してきましたけれども、今後も、鈴木あきこ議員からいろいろ御紹介いただいた他県の取り組みあるいは岩手大学との連携といったところを、なかなか難しい課題ではありますが、ゆっくりということではなく、関係団体との意見交換を精力的に進めていきたいと考えております。
〇8番(鈴木あきこ君) では、前向きな答弁はいただきましたが、獣医師も人工授精師もなりわいとしていますし、畜産農家もなりわいとしているので、皆さんがなりわいで成り立つような仕組みをぜひお願いしたいと思います。
 次に、宿泊型産後ケアについて伺います。
 自由民主党の会派で山梨県の産後ケア施設ママの里を視察いたしました。そのときに、説明を受けている間に、お母さんたちが外で足湯をして、4名ぐらいだったと思うのですが、すごく楽しそうにお話ししている姿を見たときに、産後ケア施設の役割はもう一つあるのではないかと思いました。もちろん精神的に安定するよう、心を落ちつけて育児ができるよう、また、育児の技術を産後ケア施設で学んでいくのと同時に、仲間づくりというところでは、非常に大きな役割を果たしていると思いました。
 例えば、今、産後鬱であったり乳児に対しての虐待であったり、そのような悲しい報道もされていますが、同じころに生まれた子供を持っているお母さんたちが、そうやって数日間、宿泊型ケア施設で一緒に生活することによって、そこを出てからも、お互いに情報交換であったり、いろいろな連絡であったりができることは、お母さんたち、またお父さんたちも、孤立しないでやっていけるのだということをすごく感じました。
 また、宿泊型ケア以外にも、アウトリーチ型とかいろいろなケアを利用することで、何か困ったら、その施設に行って専門の人に相談できるのだという一つの安心感もあると思います。その部分に鑑みましても、やはり宿泊型の産後ケア施設は非常に重要だと思います。
 それは市町村の所管だということはわかっておりますが、市町村でなかなか取り組めないというところであれば、先ほどもお話し合いをするとおっしゃっていましたが、山梨県のように県が積極的に取り組んで、また、少子化問題は岩手県の重要課題でありますので、その課題に向き合う上でも、宿泊型産後ケア施設は重要な位置を占めると思います。そのことを踏まえて、もう一度、保健福祉部長から御答弁いただきたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 鈴木あきこ議員御指摘のとおり、産後ケア事業については、助産師や保健師などがきめ細やかなサポートをすること以外にも、横のつながりといいますか、さまざまな情報交換を行ったりといったことで、孤独、孤立の解消にもつながるものと考えております。
 本県の産後ケアについては、令和4年度から、市町村と連携して、いわゆる無償化を実施し、また、一時預かり支援とかアクセス支援なども行いまして、この2年間、3割前後ずつ利用者数は着実にふえてきていると考えております。
 そうした中にあって、宿泊型産後ケア施設ということで鈴木あきこ議員から御紹介がございました。県内の市町村もそれぞれ工夫を凝らして、地域事情に応じてこの取り組みをしております。宿泊型には至っていないのですが、いわゆるデイサービス型で妊婦の方々が交流できるような、例えば先日報道された二戸市での宿泊施設を活用したデイサービス型の産後ケアの取り組みを始めているなど、市町村ごとにそれぞれ今新しい取り組みを模索している状況と我々は認識しております。
 今月、市町村の担当者との意見交換を行いますので、その中で市町村がそれぞれ今どのようなことを課題と捉えているか、どのような取り組みを検討されているのか、また、市町村から県にどのようなことを求めているのか、十分意見交換させていただきまして、今後の方向性、必要性は十分我々も認識しておりますので、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇8番(鈴木あきこ君) 市町村との連携も必要だと思いますし、そこに、助産師会であったり看護連盟だったり看護協会だったり、そういうところも入っていただいて、前向きに検討していただくようお願いして、終わります。
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって、鈴木あきこさんの一般質問を終わります。
   
〇議長(工藤大輔君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時12分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千葉秀幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
27  番 佐々木 朋 和 君
28  番 吉 田 敬 子 君
29  番 高 橋 但 馬 君
30  番 岩 渕   誠 君
31  番 名須川   晋 君
32  番 軽 石 義 則 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 五日市   王 君
44  番 関 根 敏 伸 君
45  番 佐々木 順 一 君
46  番 岩 崎 友 一 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
15  番 上 原 康 樹 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時32分 再 開
〇議長(工藤大輔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。小林正信君。
   〔13番小林正信君登壇〕(拍手)

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