令和7年6月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

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〇4番(千葉秀幸君) 希望いわての千葉秀幸でございます。一般質問の機会をいただき、先輩、同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
 それでは、通告に従い質問に入ります。
 初めに、いわて農業生産強化ビジョンの取り組みについて伺います。
 県は、食料・農業・農村基本法の改正を契機に、気候変動やGXの推進なども踏まえ、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる施策を一層推進するため、いわて農業生産強化ビジョンの策定に取り組まれていると承知しており、さきに開催されました提出予定議案等説明会において、ビジョンの最終案が示されたところであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 最終案においては、農業生産の目標、本県農業の展望を掲げるとともに、農業生産の増大や人材の確保、育成に向けた基本方向と具体的な取り組みを示しています。
 このビジョンに掲げる目標や展望を実現するため、ビジョンの計画期間において、具体的にどのような取り組みを強化していこうとしているのか、お考えを伺います。
 これ以降の質問については、質問席で行いますので御了承願います。
   〔4番千葉秀幸君質問席へ移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 千葉秀幸議員の御質問にお答え申し上げます。
 いわて農業生産強化ビジョンの取り組みについてでありますが、ビジョンの最終案では、総農家数や基幹的農業従事者数は減少すると予想する中、農業生産の増大と人材の確保、育成に向け、ビジョンに基づく施策を着実に推進することにより、この予想を上回る総農家数と基幹的農業従事者数を確保し、10年後に目指す姿を、県全体の生産量が増大し、食料供給基地としての地位がさらに向上しているとしています。
 このため、令和10年に、食料自給率は、令和4年時点の全国第5位の水準である120%、農業産出額は、東北地域第2位から、令和5年時点の東北地域第1位の水準である3、500億円、新規就農者数は、雇用従事者の増加を見込み、300人にまでそれぞれ上昇する目標を設定しました。
 また、施策推進の柱について、いわて県民計画(2019〜2028)で示していない地域ごとの展開方向や、試験研究の推進を初めて盛り込み、五つの柱としました。
 目標の実現に向けては、気候変動に対応した品種開発、県産飼料の生産、利用の拡大、輸出の促進、水田の大区画化などの生産基盤の整備、有機農業やGAPの推進、担い手への農地の集積、集約化、新規就農者の経営の安定化、農業大学校の機能強化、水田地帯での県オリジナル水稲品種の生産拡大、新たな中山間地域モデルの創出、沿岸地域における大規模園芸施設の整備、データ駆動型農業技術の開発など、本県農業の強化に取り組んでまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 先ほど知事から、水田の大区画化等の話もあったところでございますが、実際には小規模兼業農家等もありますから、望む大区画化も必要でありますが、現実として小規模農家の方々もいらっしゃる中で、どうやったらこのビジョンをもとに生産者の皆さんを支えていけるかという議論は必要だなと思っております。
 農業経営体の見直しについて伺います。
 私は、今後の農業に対し非常に大きな不安を抱いております。農業の根本的な施策の多くは国からでありますが、本県農業を守っていくためにも、県の枠組みでできる最大の取り組みを行っていくべきだと考えております。
 今回のいわて農業生産強化ビジョンを見ると、総農家数は、令和17年度に2万8、200戸まで減少する一方で、農業法人は910法人に増加、基幹的農業従事者数は、令和17年度に1万8、900人まで減少することが予想されている一方で、雇用従事者は1万3、300人に増加すると予想されております。
 しかしながら、人口減少がとまらないことに加え、農業経営体の令和5年度全国平均の農業所得は114万2、000円と、決して十分とは言えない金額となっており、農業者への支援を見ても増加に転じるのは極めて厳しい状況であると考えますが、増加に転じる理由とその取り組みについて伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 農業経営体の見通しについてでありますけれども、ビジョンでは、農業経営体や農業従事者の見通しにつきまして、平成22年度から令和2年度までの傾向を踏まえて予想しておりまして、例えば、雇用従事者数につきましては、この間、趨勢が上昇傾向となっているため、令和2年度の1万1、529人から、令和17年度に1万3、300人とまず見込んでおります。
 こうした予想をする中で、産地づくりを支える人材の確保、育成に向けまして、地域計画に位置づけられた担い手の経営基盤の強化、担い手への農地の集積、集約化、リーディング経営体の育成、多様な担い手の確保などに取り組むこととしています。
 このようなビジョンに基づく施策を着実に推進することによりまして、先ほど申し上げた趨勢を上回る1万3、500人の雇用従事者数を確保していくとしたものでございます。
〇4番(千葉秀幸君) わかりました。新たに新規の雇用者を生むことも大切でありますが、これまで非常に厳しい中でも意欲を持って働く現在の生産者も同時に失ってはいけない、希望の持てる農業政策を支援することが必要だと思っております。
 農業従事者に対する支援について伺ってまいります。
 令和2年度の農業従事者の平均年齢は62.3歳、農業法人等の従事者の平均年齢は58.7歳であり、5年、10年先すら見通すことはできないと厳しい声があります。ましてや、先ほどお話しさせていただきましたとおり、農業経営体の平均農業所得が114万2、000円と厳しい現状である以上、この所得では、若い人や家庭を持っている人はやっていくことができないわけでありまして、後継者の確保も厳しい状況にあると思っております。
 農業者の減少理由は、農業に魅力がなくやめていったわけではなく、農業を続けたいが安定しない所得や、それを支える支援が弱いことでやめざるを得なくなり離農していることも事実であります。
 制度の問題は後ほど触れますが、まずは現在、令和の米騒動と言われ、米の価格をどうしていくのかといったニュースが連日、マスコミで取り上げられておりますが、消費者目線だけでなく、卸売業者や生産者にとってどういう対策が必要で、どういう支援が必要なのかを明確に打ち出せないままでは、農業者をふやすことは困難と考えます。
 そういったことから、私は、最低保証や戸別所得補償制度を復活させ、農業者を力強く支えていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
〇知事(達増拓也君) 世界的な人口増加等による食料需要の高まりや気候変動による生産減少、ロシアによるウクライナ侵攻などにより食料安全保障の重要性が高まる中、資材価格の高騰は、依然として農業経営に影響を与えています。
 こうした中、農業経営のセーフティーネットについて、収入の減少を補填する収入保険制度等にとどまっており、資材価格の高騰に対応していないところであり、国は、生産者が将来にわたり意欲を持って生産活動に取り組むことのできる何らかの支援策を検討すべきであります。
 今般の米価高騰への対応については、本質的には、米の生産量を確保した上で、消費者の不安感を解消していくことが重要であります。
 県では、国に対し、米の適正な価格形成に向け、生産者が再生産可能な米価の維持、安定と、消費者が購入しやすい価格に十分配慮した実効性のある対策を要望しており、生産者が安心して米生産ができるよう、国は所得補償制度の導入を真剣に検討すべきであります。
 全国知事会においても、農林商工常任委員長として議論をリードし、あるべき政策を取りまとめ、国に働きかけながら、生産者が将来にわたり意欲を持って生産にいそしみ、日本全体として食料自給率を高めていくことができるよう、全力を尽くしてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) これまでの価格に対し米の価格が高くなったことで、連日、波紋を呼んでいるわけでありますが、一方では、生産者の方々は、育苗から稲刈りまで相当な労務で農業を営まれているということも、私はこういった状況下でございますから、そういった農業者の方々の御苦労を理解していただく場というのも情報提供していく局面に来ているのではないかと思っております。
 そして、恐らくこれから生産調整等も見直されて、米の増数を見込むものと私は考えておりますけれども、今度は当然、米の価格が下振れ、いわゆる価格が下がってくることも懸念されます。それでも継続して生産をしていただくためにも、今回、制度の新設を検討する最大の機会と私は捉えておりますので、ぜひ戸別所得補償制度の創設を国には期待したいと考えております。
 それでは、水田活用直接支払交付金について伺います。
 まず、現行制度の対応状況についてでありますが、水田活用直接支払交付金は、民主党政権下の2009年に所得税特別対策として始まり、その後、自由民主党政権下で、経営所得安定対策の一部として継続され、支給水準の引き下げや、5年水張りルールの導入など、制度の変更が繰り返されてきたと承知しております。
 生産現場では、これまで米価が上がらないことや、転作を行い、補助金による支援を受けながら、畦畔を壊し、牧草を収穫する等のさまざまな工夫を凝らし、やりくりしてきたのが実態でありますが、既に水張り要件に対応し、対策を行った方々に不利益をこうむることはあってはならないと考えております。県が把握する現行制度への対応状況について伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 現行制度への対応状況についてでありますが、県では、昨年10月、各地域農業再生協議会に対し、水張りの取り組み状況について調査を実施しております。
 この調査では、水田活用直接支払交付金の交付対象水田約7万1、000ヘクタールのうち、令和4年から令和6年度までの3年間で、水稲作付や1カ月間の水張りを実施した面積の割合は、約8割となっています。
 未実施となった約2割の主な理由といたしましては、対応を決めかねていることや、リンドウなど5年以上の周期がある作物を作付していることなどが挙げられております。
〇4番(千葉秀幸君) この5年水張りルール要件緩和に対する県の評価を伺ったところでございますが、皆様御承知だとは思いますが、令和4年度に、今後5年に一度も水張りをしない水田は交付対象外とする制度が国から発表されました。現場からは、実態に合わないなどの声が届き、水張りの要件は求めないと変更になったことは当然のことではありますが、大きい成果であったと私は捉えております。
 国の5年水張りルールの要件緩和に対する県の評価について伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 要件緩和についてでございますけれども、5年に一度の水張りにつきましては、リンドウなど5年以上の周期で作付転換を行っている品目もありますことから、県では国に対し、地域の実情を十分に踏まえた運用となるよう繰り返し要望してきたところでございます。
 国がことし1月に示しました、5年に一度の水張り要件は求めないという方針につきましては、これまで本県から要望してきた内容が反映されたものと受けとめております。
〇4番(千葉秀幸君) そこで、これからは新たな制度の周知についてでありますが、まずは、この緩和に当たっては、岩手県選出、横沢たかのり参議院議員が相当粘り強く国会で発言をしていただいたと私は思っております。調べさせていただきましたが、その訴えは、全国の国会議員の中でも、最も多い7回以上に及んで、本会議の場、予算委員会、農林水産委員会の場で発言をしてくださいました。先ほど農林水産部長にも御答弁いただきましたが、まさに、横沢たかのり参議院議員を先頭にした、岩手県の声が届いた瞬間であったと、私も改めて喜びを感じているところでありますし、何より生産者の方々が安堵したものと思っております。
 水田の5年水張りルールは、令和9年度以降廃止される予定ではありますが、令和7年、8年においては、土壌に係る薬剤の散布などの連作障害を回避する取り組みを行った場合、交付金の対象とされるとの条件つきであり、その確認の手法によっては、連作障害を回避したことを申請書に記載した上で作業日誌を地域農業再生協議会が確認するものと伺っておりますが、現場からは、その詳細が示されていないという声が私の耳には届いております。
 農業者に対する今回見直された制度の確実な周知など、見直しにより現場を混乱させない取り組みも必要であると考えますが、県の所見を伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 国の補助制度等につきましては、農業者の収入や営農計画にかかわりますので、その見直しについては、確実に周知していくことが重要と考えています。
 今回の5年水張りの要件の見直しにつきましては、国から見直しの詳細が示された後、速やかに地域農業再生協議会においてチラシ等を作成し、生産者に周知したほか、生産者からの個別の相談等に丁寧に対応していると承知しています。
 また、国では、水田政策を令和9年度から根本的に見直すこととしていますので、県では今月、国に対し、水田政策の見直しに当たっては地域の実情に配慮し、意欲ある農業者が将来にわたって安心して営農に取り組むことができる制度とすることや、新たな制度について、農業者や関係機関等に丁寧な説明を行うことを要望しておりまして、国の動向を注視しながら、今後も必要に応じて国に働きかけてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 令和7年、8年は条件つきということでありますので、現場の方々が、ふたをあけたら交付対象外だったということが決してないように、改めて周知徹底をお願いしたいと考えております。
 次に、狩猟者の確保育成の取り組みについて伺います。
 まず、鳥獣被害の防止対策についてでありますが、農業者を守る、あるいは暮らしを守るためにも、近年、深刻化している鳥獣対策について、農業振興に関連して伺ってまいりたいと思います。
 近年の農作物に対する鳥獣被害額は、令和元年度以降、増加に転じ、令和5年度には過去最大となる約5億2、000万円となり、イノシシによる被害のほか、令和5年度はツキノワグマ被害が大きく増加している状況と伺っており、その被害を防止するためにも、さまざまな対策が講じられているところでございますが、依然、歯どめがかかっている状況ではありません。農作物の鳥獣被害の防止に向けた課題と、その取り組み状況について伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 県では、有害鳥獣の捕獲とともに侵入防止柵の設置や里山周辺の除間伐など、地域ぐるみの被害防止活動を推進しておりますけれども、農作物の被害額は近年増加傾向となっておりまして、その被害低減に向けまして、有害鳥獣の捕獲活動の一層の強化が必要と認識しております。
 このため県では、有害鳥獣の捕獲に関し、今年度は、県が主体となって取り組む広域捕獲活動について、陸前高田市を加えた、昨年度から1カ所増の4カ所で実施するほか、昨年度から実施をしております鹿の集中捕獲などの特別対策について、釜石市を加えた4市町の取り組みを支援することとしています。
 こうした取り組みに加えて、新たに、市町村等が実施する、わな遠隔監視・自動操作システムやドローンなどICT機器を活用したスマート捕獲の実証を支援して、その普及を図るなど、市町村、関係団体と連携しながら、積極的に取り組んでまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 一層の強化という答弁をいただきました。狩猟者確保に向けた課題認識についてでありますが、鳥獣被害額の減少に向けた取り組みの基盤となるのが、市町村において対象鳥獣を捕獲する鳥獣被害対策実施隊であり、その構成員の多くが猟友会の会員であることから、まずは、その対策に尽力いただいている猟友会の会員の皆様を維持、守るべきとの観点で今回は質問させていただきたいと思います。
 岩手県猟友会の構成員の推移ですが、令和元年度1、726人に対し、令和6年度は2、022人と増加傾向にあります。しかしながら、会員の皆様が、有事の際に即座に現場で対応でき、資格を取得した方が、すぐさま猟銃を現場で扱えるかは全く別の話だと思っておりますし、事実、そうだと思っております。そういったことから、実態は、ふえているとはいえ、充足しているとは言えない状況であると考えております。
 近年増加する鳥獣被害に際し、即戦力となる狩猟者の確保が必要と考えますが、県の課題認識について伺います。
〇環境生活部長(中里裕美君) 狩猟者の確保に向けた課題認識についてでありますが、現在、猟友会の会員数、狩猟免許の所持者数ともに増加傾向にあるものの、免許を取得したばかりの狩猟者については、実践的な知識や技能の不足が指摘されていることから、経験の浅い狩猟者をどう支援するかが課題と認識しております。
 このため、若手狩猟者を対象に、捕獲技術向上を目的として、わなの設置や捕獲個体の解体方法を学ぶスキルアップ研修会のほか、農林水産部と連携してイノシシ捕獲技術研修会を開催しております。
 加えて、新たな狩猟者を確保し、担い手の裾野を広げるため、狩猟の基礎知識の説明や模範射撃の見学などを内容とする研修会を開催するとともに、市町村等が主催するイベントに出展し、狩猟の魅力をPRしているところでございます。
 今後も、市町村や猟友会などの関係機関と連携しまして、若手狩猟者を育成する研修会や、新たな担い手の確保に向けた情報発信などに取り組んでまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 育成勉強会というのも当然必要でありますし、これからもそちらもやっていただきたいと思っておりますが、捕獲手当の拡充について触れさせていただきたいと思います。
 国においては、北海道東北地方知事会の働きかけ等もあり、熊類が指定管理鳥獣に追加されたほか、今般、鳥獣保護管理法-鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律が改正され、一定の要件のもとで市街地等での銃使用による捕獲が可能となりました。
 県においても、さまざまな取り組みが実施されていることは理解しておりますが、成果として鳥獣被害の減少にあらわれているとは言いがたい現状にあることから、まずは、鳥獣被害に強い責任感と覚悟を持たれている猟友会に対する補償を手厚くし、会員を支援していくべきと考えます。
 現在の国の上限単価では、焼却や埋設といった処理費まで含めれば到底足りていないものと、私も地元の猟友会の皆さんからお話をいただいております。
 また、北海道のある自治体では、猟友会が町の依頼する熊の捕獲に関して、報酬が割に合わないということで拒否をするという事案がありました。
 今後、鳥獣被害の増加や高齢化等による狩猟者の減少が見込まれる中、猟友会をより強力に支援するため、手当の拡充をしていく必要があると思いますが、課題認識を含め県の所見を伺います。
〇環境生活部長(中里裕美君) まず、岩手県猟友会への支援についてでありますが、県では、鹿、イノシシ等の野生鳥獣について、指定管理鳥獣捕獲等事業を県猟友会への委託により実施をいたしまして、野生鳥獣の個体数管理に取り組んでおります。
 また、県猟友会の構成員となり得る狩猟免許取得者を拡大するため、狩猟免許の予備講習会についても委託事業として実施しているほか、県猟友会と連携しながら、若手狩猟従事者に対する捕獲技術向上を目的とした研修会を開催しており、これらを通じて県猟友会の活動を支援しているところでございます。
 捕獲活動に係る経費に関しましては、野生鳥獣の捕獲数の増加等に伴い費用負担が増大していること等を踏まえ、国に対し、捕獲活動経費の上限単価引き上げや必要な財源を十分に措置するなど、支援の拡充を要望しているところでございます。
 引き続き、狩猟従事者の多くが所属する県猟友会と十分意見交換しながら、担い手の確保、育成に取り組むとともに、狩猟従事者の捕獲活動に係る環境整備に努めてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 猟友会の方々は、決して金額云々で動いているわけではなくて、先ほどもお伝えさせていただきましたが、強い責任感や使命感で動いていただいていると私も思っております。ましてや、駆除する場合、身の危険も隣り合わせの中で懸命に活動いただいております。繰り返しますが、現在の手当では最低限にも至っていない、いわば赤字でやっていただいているという状況であります。この方々がやめられてしまったら、誰が対処するのかということも非常に問題だと思います。やめられてからでは遅いわけでありますから、まずは、そうした方々には最低限の補償や手当を検討していただきたいと思いますし、国に要望するという話もありましたが、県、あるいは市町村ともその辺もしっかりと詰めていただきながら、ぜひ検討いただきたいと思っております。
 次に、自殺対策について伺います。
 6月4日に厚生労働省が公表した人口動態統計(概数)において、本県の2024年の自殺死亡率は22.3となり、全国ワーストとなってしまいました。まずは、この結果について知事の所感を伺います。
〇知事(達増拓也君) 本県では、岩手県自殺対策アクションプランを策定し、包括的な自殺対策プログラム、久慈モデルの実践に継続的に取り組み、働き盛り世代、高齢者などハイリスク者のメンタルヘルスの推進や、市町村が行う自殺対策への技術的な支援等、対策を充実、強化してまいりました。
 これにより、本県の自殺者数は、平成15年の527人をピークに、年により増減はあるものの、長期的には減少傾向にあり、令和6年は253人とピーク時から274人減少し、半分以下となっています。
 しかしながら、令和6年の本県の自殺死亡率は、4年ぶりに全国で最も高くなったところであり、このことを重く受けとめております。
 自殺は、多様かつ複合的な原因や背景を有するものであり、幅広い分野における包括的な取り組みが重要であることから、岩手県自殺対策推進協議会を中心に多様な主体が連携し、官民一体となって自殺対策に取り組んでまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 今後の取り組みについてでありますが、令和6年度から令和10年度までを計画期間とする岩手県自殺対策アクションプランでは、一人でも多くの自殺を防ぐことをスローガンに、当面の目標として、令和10年の自殺死亡率を14.4以下となることを目指しておりますが、今後、全国ワーストの脱却に向けて、どのような対策を強化していくのか伺いたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 本県の自殺の動向は、警察庁統計によると、令和6年は40歳代及び50歳代の働き盛り世代が最も多く、また、60歳以上の高齢者も多いことから、対象に応じた自殺予防の普及啓発の取り組みの強化が必要と考えております。
 このため、令和7年度は、働き盛り世代向けの対策として、事業所の経営者等を対象としたメンタルヘルスセミナーを拡充し、ハラスメント対策やストレスチェックの活用など実践的な内容を盛り込み、職域における自殺予防対策の普及啓発の取り組みを強化するほか、高齢者向けの対策として、新たに、理容・美容業生活衛生同業組合と連携して、身近な人の心の変化に気づき、声をかけ、見守っていく、地域におけるゲートキーパーを養成するとともに、店舗への、こころの相談電話のポスター掲出による相談窓口情報の周知を強化しているところであります。
 物価高騰に伴う社会経済情勢の悪化など、社会的要因による孤独感や孤立感の深まりなどにより、引き続き自殺リスクの高まりが懸念されることから、岩手県自殺対策推進協議会を初め、多様な関係者との連携、協力のもと、実効性の高い施策の推進により、一人でも多くの自殺者を防ぐ取り組みを進めてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 先ほど御答弁いただいたところではありますが、私は、ワーストに対する要因はさまざま多岐にわたっておりますから、一つの政策、施策で解決できるものとは捉えておりません。
 しかしながら、この結果をまずは真摯に受けとめていただきまして、改善に向けて、当然取り組んでいただきたいと思います。そうでないと、あらゆることで魅力が多いこの岩手県にもかかわらず、自殺率がワーストというイメージに本県の評価が後退することがあれば、それは残念なことであります。
 令和6年度における自殺の状況、先ほど保健福祉部長からも御答弁いただきましたが、世代別では40歳代が多く、男女別では男性の40歳代、女性では50歳代が多いとの分析結果もあるわけでありますので、そこに向けた具体策を講じていく必要があると思っております。
 自死の理由は、さきに申し上げたとおり、人それぞれ多岐にわたっているところでございますが、だからこそ、部局を超え、全庁を挙げた取り組みをしていくことが必要だと考えておりますが、いかがでしょうか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 自殺対策は、家庭や学校、職場、職域など社会全般に深く関係しており、総合的な自殺対策を推進するためには、多様な分野との連携、協力を確保しつつ、実効性の高い施策を推進していくことが重要であります。
 このため、平成23年度から自殺対策については、県として施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、知事を本部長とし、各部局長を構成員とする岩手県自殺総合対策本部を設置し、全庁的、部局横断的に対策に取り組んでおります。
 今回の公表内容を踏まえまして、岩手県自殺総合対策本部会議を速やかに開催し、本県の自殺の状況、今年度の各部局の自殺対策に資する関連の取り組みについて確認するとともに、県民の生活や安全、安心を守るための各部局のさまざまな取り組みの一つ一つが自殺対策の一翼を担っている意識を全庁で共有し、一人でも多くの自殺者を防ぐという岩手県自殺対策アクションプラン(令和6年度〜令和10年度)の目標達成に向けて、着実に取り組みを進めてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) ぜひ知事を先頭に、先ほども申し上げましたが、自殺者数の数であったり年代であったり、しっかりデータが出ておりますので、そこに基づいて具体的な政策の取り組みをしていただきますことを御期待申し上げます。
 次に、教育振興について伺います。
 まず、公共施設等総合管理計画の改訂についてでありますが、現在の計画では、公共施設の維持、更新等に必要な経費として、30年間で約6、050億円、年平均にして202億円が見込まれており、昨今の労務単価の上昇、資材高騰を踏まえれば、財政負担はこれ以上に増加することは必至の情勢です。
 昨年9月に公表した単年度の実質公債費比率の見通しによれば、令和5年度、12.2%から、令和10年度には17.3%にまで達する見込みとのことであり、金利上昇局面において、公共施設の規模や建設投資の適正水準を見極める時期に差しかかっているのではないでしょうか。
 令和7年2月定例会の代表質問において、知事は、単に現行施設を更新するのではなく、教育施設も含め、聖域なく検討を深めていくと、教育施設を入れるということで非常に前向き、かつ重い答弁をいただいたと思っておりますが、その後の検討状況について伺います。
〇知事(達増拓也君) 公共施設の老朽化が進む中、現在の施設規模を維持した場合、施設の維持、更新に係る経費は、今後30年間にわたって現在の1.4倍程度の水準に上昇すると見込んでおります。
 持続可能な行財政運営と公共施設の適正な維持管理を両立させるためには、施設規模、総量の適正化は急務であり、現在策定中の次期計画においては、学校施設も延床面積の削減対象に含めた目標を策定する方針です。
 加えて、施設の利用状況や老朽化の度合いなど複数の観点から整備の必要性やその優先度を評価し、その結果を財政見通しに反映させることで取り組みの実効性を高め、持続可能な行財政運営と公共施設の適正な維持管理の両立を進めてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 県民に必要とされる時代に即した公共施設のあり方、教育施設について伺います。
 県立高校における校舎制は、令和2年度に県立宮古工業高等学校と県立宮古商業高等学校を統合した際、初めて導入されました。その後も県立福岡工業高等学校と県立一戸高等学校、県立久慈東高等学校と県立久慈工業高等学校と続いています。生徒数と校舎規模、総合学科高校と専門高校の違い、地元市町村の意向など、校舎制の必要性も理解しておりますが、複数校舎の維持管理経費のほか、過去に現地を視察した際にも、それぞれの学校を活用しつつも、体育祭や部活動等、移動の際のバスの燃料費や維持費等、移動に伴う費用が負担となっているという話も伺ったところでございます。
 生徒の移動に伴う負担や統合後の費用面も含め、今後の検討を見直していく必要があるのではないかと考えますが、校舎制導入後の現場の課題なども含めて、教育長に所見を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 現行の新たな県立高等学校再編計画に基づく学校統合におきまして、令和2年度に県立宮古商工高等学校、令和6年度に県立北桜高等学校、令和7年度に県立久慈翔北高等学校で校舎制を採用いたしました。
 統合後、宮古商工高校、北桜高校からは、生徒数等の増加により教育活動が活性化したとの報告があり、宮古商工高校の生徒に対するアンケート調査では、学校生活、部活動が活性化しているとの回答が7割を超えるなど、おおむね肯定的な評価がなされているものと承知しております。
 一方で、校舎間の生徒や教職員の一体感の醸成、バスの借り上げ費用の発生など、生徒や教職員の校舎間の移動に伴って生じる課題などがあり、引き続き、校舎制を導入した学校の課題やニーズ等を把握し、教育環境の整備に努めてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 先ほど前向きなお話もあるということで答弁をいただいたところでありますが、現実的には、費用面だけを考えるわけではなくて、生徒に求められる高校とはどうあるべきかということを当然重要視しなくてはいけないと思っておりますが、今後の方向性について、現在進めている県立宮古商工高等学校、県立宮古水産高等学校の一体整備、県立盛岡南高等学校、県立不来方高等学校の統合で総額150億円を超える建設費が見込まれており、さらに、県内66校舎のうち築40年を超える高校は43校舎、割合は65%となっており、相当程度の建設投資の負担が懸念されています。
 今後、優先すべきはハード整備など巨額投資ではなく、授業の質を高めるなどのソフト的経費の充実であり、生徒へのよりよい教育の実現に向けて、県教委を初め、保護者、教職員、あるいは市町村などの各主体が努力することが必要であり、その一つの方策として、県立高校の適正配置に向けた議論をより深めていくことが必要と考えますが、教育長の認識を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 県立高校の適正配置につきましては、本年4月に策定した長期ビジョンを踏まえまして、本県の広大な県土という地理的な条件、地域の実情、県立高校が担う役割の多様化及び少子化の状況等を勘案しながら、関係者を初め地域の方々からの御意見を頂戴して議論を深めてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 私は、複数の校舎を活用していくということは、維持管理を含め、メリットがどの程度あるのかと非常に疑問に思っております。先ほども話をしましたが、築40年を超える校舎が多く、そこへの費用は避けられない状況であります。校舎制については、それらを踏まえて、改めて議論していくという御答弁をいただいたわけでありますが、その中身も今後とも注視していきたいと思っております。
 工業高校や農業高校は、専門教室等が必要ではありますが、例えば、商業高校であれば、パソコンの教室だけと言ったらあれですが、そういったところで整備がされますから、校舎制も含めて、どういったところが理想なのかというところも今後を見通ししながら議論していっていただきたいと思います。
 次に、県南工業高校について伺います。
 先般、県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜が策定され、学びの環境整備として地区割の変更がなされたところであります。具体的には、二戸ブロックと久慈ブロックが県北地区に、胆江ブロックと両磐ブロックが県南地区など、9ブロックから、先ほども福井せいじ議員の質問でありましたが、6地区に再編されることとなりました。
 この長期ビジョンでは、専門学科及び総合学科については、将来的な生徒数減少の状況に対応しながら専門分野の学びの多様性を確保するため、全県における学校配置バランスを考慮しつつ、広域での再編を検討し、進めると記載されております。
 これまでの間、県南地域における大規模な工業高校の設置の議論が先行してきた状況であると認識しており、本来、今回公表された長期ビジョンを踏まえるべきであったと思いますが、教育長の所見を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 令和3年5月に策定しました現行後期計画におきまして、県南地域の中学校卒業予定者数の減少が見込まれる一方で、ものづくり産業等を担う人材育成に対する高校教育の役割への期待が高まっていることを踏まえ、県立水沢工業高等学校と一関工業高等学校について、ブロックを超えた広域統合とし、大規模な工業高校を設置することとしたものであります。
 また、今般策定した長期ビジョンでは、持続可能な社会の創り手となる人材の育成や地域や地域産業を担う人材の育成を掲げ、これらの基本的な考えのもとに、専門学科は、将来的な生徒数減少の状況に対応しながら、専門分野の学びの多様性を確保するため、全県における学校配置バランスを考慮しつつ、広域での再編を検討することとしているものであります。
 県南地域における大規模な工業高校の設置につきましては、このビジョンの方向性と合致するものと考えております。
〇4番(千葉秀幸君) 今回発表された県立高校教育在り方〜長期ビジョン〜では、胆江ブロックと両磐ブロックが一つの地区になるとされました。本来は、このブロックが一緒になって、その暁に見直しを含めた上で、水沢工業と一関工業高校の統合案を示すべきであったのではないかと考えているところでございますが、学級数の規模について伺ってまいりたいと思います。
 県は、県南地域における大規模な工業高校の設置について、これまでの間、外部有識者を構成員とする検討会議などを設置し、慎重な検討を重ねられてきたものと承知しております。
 現在、統合が予定される水沢工業高校と一関工業高校の今年度の入学者数は、水沢工業高校が募集定員160人に対し88人、一関工業高校が募集定員120人に対し97人と、両校を合算した入学定員充足率は66%という実態であります。
 そのような中、県が想定されている県南地区の工業高校の学校規模は、1学年6学級であります。現状を見る限り、統合したところで、想定している学級の規模を維持することは難しいと考えますが、地域検討会議における議論の経過と県の所見について伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 県南地区での地域検討会議におきましては、人口減少と少子化の影響を受け、中学生の進路選択の多様性を確保するために県立高校の再編を6地区の広域化で検討する必要がある、AI時代に対応できる専門性や創造力を養う教育が重要であり、地元産業の人材供給ニーズを満たすため、ものづくり産業の持続的発展を考慮し、即戦力となる専門教育が必要である、水沢工業高校と一関工業高校の統合については、地元産業の人材供給の視点と公共交通の利便性を考慮することが重要であるといった御意見を頂戴したところであります。
 県南部の北上川流域におきましては、自動車や半導体関連産業を中心とした産業集積に対応し、高度な技術を備えた人材を育成するため、地域産業のニーズに応える拠点として、一定規模の学科を有する工業高校を設置することが必要であると認識しております。
〇4番(千葉秀幸君) 私も工業高校の必要性を理解はしておりますし、これからの求められている工業高校のあり方について、否定的な態度を示しているわけではありません。しかしながら、実態は、先ほど申し上げました工業高校の定数、そして、人口減少が今後より一層進んでいく中において、この6学級の維持は困難ではないかと危惧しているということであります。少なくとも現場からは維持できないのではないかという不安の声が上がっているのも事実であります。
 以上のことから、1学年6学級の再検討、そもそも県南工業高校の統合自体も踏まえて、本当に必要なのか、あるいは、こういった形があるのではないかという大きい枠の議論も含めて、見直す必要があると考えておりますが、いかがでしょうか。
〇教育長(佐藤一男君) 水沢工業高校と一関工業高校の入学者の状況は、先ほど千葉秀幸議員から御紹介のあったとおりでございまして、このままでは学びの確保ができなくなる。そういう中で、県南地区における大規模な工業高校につきまして、本県の産業動向、あるいは、ものづくり産業を担う人材を育成するといった観点から、大規模工業高校を設置することについて、大きな変更や見直しの必要性は生じていないものと考えております。
 1学年6学級、既設学科にAIなどの新学科を配置することにつきまして、現時点で変更は予定していないところでございます。
〇4番(千葉秀幸君) 定数の維持は非常に困難だと思っております。一方で、先ほど申し上げたとおり、必要な工業高校だということは理解しておりますが、一緒になったから定数が充足するという根拠にはなり得ないと思っております。どういった形で統合すると生徒がしっかりと集まって、県内にも魅力があって、そして、社会に出る器として必要な工業高校になるかということを改めて検討する必要があるのだと思っております。
 公表時期はことしの秋だと言われているわけでございますが、状況が目まぐるしく変化をする中、生徒の学びの環境整備と確保の観点から、引き続き検討していただきたいと思っております。
 次に、寮整備について伺います。
 圏域を超えた学校の統廃合に当たっては、通学などの環境の整備も必要であり、特に寮整備については重要であるものと考えております。寮整備は校舎や実習棟に該当しないため、産業教育施設整備補助金など国の補助メニューの対象外となっており、教育関係経費からの捻出は難しいところであることは承知しておりますが、この寮整備について、ふるさと振興という位置づけで、新たに国が創設した、新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用し、市町村に対し整備を促していく要請があってもいいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
〇教育長(佐藤一男君) 寮整備についてのお尋ねでございます。長期ビジョンにおきましては、将来的な生徒数の減少や、広大な県土を有する本県の通学事情等を考慮し、学校統合を行う場合で、かつ、通学が困難となる場合には、地元市町村と連携した通学支援等のあり方について検討することとしております。地域等の意見を伺いながら、丁寧に検討してまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 例えば、県立葛巻高等学校でありますとか県立西和賀高等学校もそうですが、市町村において寮整備を積極的にやって、この地域には県立高校が必要であるということから、何としても残そうということで、県と市町村が連携しているところもありますから、そういった努力もしていただきながら、あるいは、市町村にそういった理解も求めながら、県立高校を残し、あるいは、魅力ある学校にしていくという取り組みは必要だと思っております。
 今後に向けた市町村との連携についてでありますが、今回は広域な規模での統合となるため、統合を進めるのであれば、寮整備は改めて必須と考えております。県立高校だから県が考えることといった、市町村を切り離して議論していく話ではないと考えております。
 県立高校を維持していくために、先ほどもお話をさせていただきましたが、地元市町村、あるいは近隣市町村とも、そのあり方や魅力づくりをともに議論していくからこそ、地域に求められる必要な学校ができるものと考えますが、今後の県立高校に対する市町村との連携体制について伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 県立高校の教育活動に対しましては、多くの市町村から、生徒にとってよりよい就学や教育、生活環境となるよう幅広い御支援をいただいているところです。
 長期ビジョンにおきまして、本県でこれまで培われてきた各学校と地域等との連携、協働を深化させるとともに、取り組みの持続可能性を高める環境づくりに取り組むこととしております。
 県教育委員会としましては、コミュニティースクールや学校と地域との協働による探究活動の充実などにより、引き続き、市町村との連携を図りながら、地域や地域産業を支える人材の育成に向け、魅力ある学校づくりの取り組みを進めてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) まれに私も市町村の議会を傍聴することが、インターネット中継も含めてあるのですが、県立高校の存続だとか、残したいという話が、市町村でも出ることがあって、執行部の答弁は、基本的には県が考えることだからというところで、何となく壁を感じてしまうと私は見ていました。どういった高校が必要なのかというところに対して、市町村からしっかりと意見をいただく場というのはあってもいいと思いますし、県としても残すのであれば、市町村にどういったことを期待するという議論があってしかるべきだと思います。そういった連携であったり、密接な関係を持ちながら、今後も県立高校の存続、しいては地域の発展にも大きく寄与するということでございますので、引き続き、そこも踏まえて議論をしていただきたいと考えております。
 次に、県立高校の入試制度の見直しについて伺ってまいります。
 まず、制度の見直しに対する評価でありますが、令和7年度以降の県立高校入試制度の見直しが行われ、今年度の特色入学者選抜を導入した学校数は33校、66学科となっております。
 教育長は、昨年の私の一般質問の機会において、入試日程については、生徒確保が十分にできるのかと言った意見も一部あったが、特色入試の時期については、一般入試と合わせて3月上旬に実施することが適切との結論に至ったもの。県教育委員会としては、各高校の特色化、魅力化をよりー層進めていくことで、生徒に選ばれる魅力ある学校づくりを進めてまいりますとの答弁がなされております。
 ことしその制度が導入されました。初めて受験が行われたわけでありますが、今回の高校入試制度の見直しに対する周囲の評価と県の評価について伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 新たに実施しました入試制度は、生徒が日常的な学習や活動で身につけた資質、能力を適切に評価すること、生徒がより時間をかけて適切な高校選択ができること、各校の特色化、魅力化をより一層推進することなどを目的に、従前の制度から見直しを図ったものであります。
 実施後に各校からは、特色入試について、受験生は上手に自己アピールをしてくれた、受験生の資質能力を適切に評価することができた、受験生のよい点をさらに見つけ出すように改善していきたいという意見があったほか、高校の事務処理日程にゆとりがあるほうが望ましいという意見もあったところです。
 県教育委員会としましては、生徒一人一人が各高校の求める生徒像を参考に、その多様な能力、適性や意欲、関心に基づいて、自分の進路選択を実現するためにより適切な高校を主体的に選択できるようになったものと捉えており、今後も各高校の選抜方法について、中学生が十分に理解した上で受験できるように周知していきたいと考えております。
〇4番(千葉秀幸君) 教育長、先ほど前向きな答弁というか、現場の声があったという話もあったところでありますが、私は、現場の実態はそんなにいい評価ばかりではないと思っておりますし、事実、そういったお声をいただいているところであります。
 今回の入試制度の見直しでは、まさに私が懸念していたことが実際に起きてしまったのではないかとも考えております。実際にいただいたお話もお伝えさせていただきますが、まず一つは、県立高校の入試が3月に1回の実施になったことにより、それよりも早く入試が行われ、合否が発表される私立高校に入学を決めてしまう、県立高校が活性化につながる人材が確保できない事態となるのではないかということ。あるいは、先ほど答弁になかったですが、もう一つは、盛岡地区一極集中を促してしまったのではないかということであります。事実、県立平舘高等学校の家政科学科や県立大東高等学校の情報ビジネス科など、入学者数が募集定員を大きく下回ってしまった高校があった一方で、盛岡市近郊の高校の定員充足率が100%を超えるなど、地域間で格差が生じる結果となったと私は分析させていただいております。
 このような実態を踏まえ、今回の入試制度の見直しにより浮き彫りとなった課題は何か、改めて伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 特色入試につきましては、導入初年度だったこともあり、全県的な実施に至りませんでした。特色入試は、一般入試に比べて、より受験生の多様な資質、能力を評価できるシステムでありますので、一部実施にとどまったことが課題と県教育委員会では捉えております。
〇4番(千葉秀幸君) わかりました。今後の方向性について伺ってまいりますが、昨年度の県立高校の入学試験の志願状況は、県立高校の全日制で平均志願倍率は0.8倍と、記録が残る1976年以降で最も低くなっております。少子化の影響により志願倍率が年々低下する中、今回の制度変更がそれに追い打ちをかけるものにならないか危惧しております。
 地域間格差を生み出さない高校入試制度の導入が必要と考えますが、来年度以降の特色入学者選抜をどのように進めていくのか、あるいは、先ほどお話もさせていただきましたが、見直しも含め、今後の方向性について伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 今年度実施してみての課題は今、申し上げたとおりでございますが、特色入試の趣旨及び各校からの意見等を踏まえまして、今年度実施する令和8年度入試からは、特色入試を全日制の全校、全学科で原則実施することとし、各高校及び中学校へ周知したところであります。
 県教育委員会としましては、各校の特色化、魅力化をより一層進めていくことで、生徒に選ばれる魅力ある学校づくりを進めたいと考えております。
〇4番(千葉秀幸君) 繰り返しにはなりますが、今回の特色入学者選抜は、教員の勤務負担軽減も目的に入っていたところでありますが、実態は、3月のみの受験実施のため、一般入試が終わってすぐ特色入学者選抜があるので、非常にタイトであるという声も伺っておりますし、準備が間に合わない等の事実から、当初の目的にはつながっていないのではないか。そもそもこれまで頑張ってきた生徒を評価する制度を設けてあげないと、頑張る生徒が減ってしまうのではないか、新制度による面接でアピールできる場面があったと教育長は申し上げましたけれども、さまざまな生徒もおりますから、中学生レベルには限界というか、非常に苦しく考えている生徒もいるのではないかという声が届いております。
 特色入学者選抜は、ことしから始まったばかりで、当面は注視していくという答弁になるかと思われますが、先ほど答弁いただきましたけれども、ことしからは全ての高校で導入するとの方針を伺っております。本当に生徒のためとなっているのか、現在の県立高校の維持や存続に相反する制度となっていないか、改めて分析、検討をお願いしたいと思っておりますし、現に、この制度を取り入れたけれども、廃止した都道府県もあるのも事実だと思います。それぐらいハードルといいますか、難しい実態もあるということも改めて教育長には御理解いただきたいと考えております。
 次に、若者層への相談支援体制について伺います。
 まず、相談件数増加の要因についてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)では、社会的に弱い立場にある方々が孤立することのないよう、ソーシャルインクルージョンの観点に立った取り組みを進めることを理念に掲げておりますが、私は、若者、特に学生の困っている方の声をくまなく拾い上げ、その方々に対するきめ細やかな支援を提供できる相談体制の構築が重要であると考えます。
 本県の令和5年度の児童相談所が受理した虐待相談対応件数は、1、838件と過去最多となり、また、県警察に寄せられた少年の非行や保護に関する相談も、過去5年、2、000件台で推移するなど増加の一途をたどっております。県は、増加傾向にある現状をどのように分析しているのか、御所見を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 本県の児童相談所における児童虐待相談対応件数は、千葉秀幸議員御紹介のとおり、令和5年度は1、838件で過去最多となっており、増加傾向にある要因としては、児童虐待防止対策についての啓発が進み、県民全体の理解が高まったことや、子供の面前におけるDVが心理的虐待として認知されるようになったことなどが背景にあると考えております。
 また、県警察に寄せられた少年相談についても、令和7年1月から5月末までの受理件数が1、071件と、前年同期と比較して121件増加しており、増加傾向にある要因としては、警察職員による非行防止教室などでの広報啓発活動により、少年が犯罪について関心を持ち、身近な問題として捉えていることや、教育、福祉、医療などの関係機関からの相談、地域の住民からの相談が増加していることから、関係機関との連携強化による相談体制の充実や少年問題に関する県民の関心の高さなども要因として考えられるところであります。
〇4番(千葉秀幸君) 現在、社会生活に困難を有する子供、若者の相談支援については、児童相談所や警察、市町村等の機関によるサポート体制が構築されておりますが、今回、私が注目したのは、18歳となった高校生であり、現行の支援体制では対応が行き届いていない領域であると感じております。
 児童相談所の支援対象は原則として18歳未満とされておりますが、18歳を迎えて高校に在学している生徒も少なくありません。仮に18歳の高校生が家庭内問題や虐待、生活困窮などの課題を抱えていた場合は、児童福祉法の支援から外れることとなりますが、子ども・若者総合相談センターや女性相談支援センター等の支援対象となり、教育現場と連携のもと、相談支援が行われているものと承知しておりますが、在学中の高校生に対して適切にリーチできているかについては、課題が残っていると考えております。現行のサポート体制に対する課題認識について、県の所見を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 千葉秀幸議員御指摘の18歳を迎えた高校生への支援については、年齢に起因する制度のはざまで支援につながりにくいことや、いわゆる行政相談窓口が若者にとって利用のハードルが高いことなどが課題と認識しています。
 また、令和6年度の国の調査研究では、困難を抱える若者への支援における課題として、本人の置かれた状況により支援の入り口も、かかわりのプロセスもさまざまであること、制度間の接続性の問題などにより、適切な支援につながりづらい状態となっていることなどが挙げられており、本県においても同様の課題があるものと捉えております。
〇4番(千葉秀幸君) 先ほど、若者の相談にはハードルがあるというお話もいただきました。まさにそのとおりであります。ですから、今後のあり方について伺ってまいりますが、現行制度上、サポート体制が縦割りとなってしまうことは、私は一定程度はやむを得ないものであるということは理解しておりますが、相談ダイヤルや窓口が複雑となり、相談する側が混乱を来してしまうことは問題であると感じております。
 今回は18歳を迎えた高校生を例としましたが、どこに相談すればよいのか明確にわかる体制づくりが求められており、関係機関の連携をより-層強化し、困難を抱える方々に対し、切れ目のない支援を保障する仕組みの構築が必要であると思います。今後の相談支援体制のあり方について、県の所見を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 若年層の相談支援については、先ほど御答弁申し上げたとおり、制度のはざまでの支援へのつながりにくさなどの課題があるほか、若者が抱える課題は、福祉、教育、雇用などの領域で明確に分けることが難しい複合的なものも多いことから、県では、これまでも、利用可能な相談窓口の周知や関係機関とのネットワーク構築に努めてきたところであります。
 一方で、支援を必要とする若者の中には、相談することにためらいを感じている方や、みずから相談につながることが難しい方もいると承知しております。
 こうしたことから、他県の事例なども研究しながら、若者が相談しやすい体制づくりに取り組んでいくとともに、相談の入り口としてかかわった支援機関が本人のニーズを十分に把握し、確実に必要な支援につなげていくことができるよう、子ども・若者自立支援ネットワーク会議などを通じまして、関係機関、団体相互のさらなる連携強化に取り組んでまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 先ほど保健福祉部長からも答弁がありましたが、近年、家庭内の虐待やDV等が増加しておりますことから、相談ダイヤルはより重要であると思っております。そのときに速やかに相談できる体制整備は非常に必須であると考えておりますが、相談ダイヤルによっては、夜間は対応していないところもあります。現に、子ども・若者相談センターの対応は、平日10時から18時、土日は10時から4時です。女性相談支援センターこそ24時間対応でありますが、適切な連絡先がわからず、時間外相談ダイヤルに連絡をし、対応されず路頭に迷う人がいるのも事実であります。
 また、相談する側は、当事者だけではありません。当時者に対応する側の支援も重要です。例を挙げますと、ある女子高校生が家庭のトラブルで家出をし、学校側は県教育委員会に助言を求めましたが、具体的な指示がなく、教員と生徒で寝泊まりをし対応した事例もあったと聞いております。当事者の相談だけではなく、現場に助言できる体制の構築も必要であると思います。
 質問したいけれども、時間がないので、次に行かせていただきます。
 次に、医療提供体制の確保について伺います。
 県立病院の経営状況について、本年3月の予算特別委員会総括質疑において質問したところであり、その際、医療局長からは、収益の確保に取り組むとともに、職員の適正配置や各種見直し等による経費増加の抑制といった取り組みを不断に進めていくという答弁をいただいたところであります。
 依然、病院の経営は厳しい状況にあることは承知しておりますが、県立病院は単なる医療機関ではなく、地域社会の安心と未来を支える社会インフラであり、県民の命を守る地域の命綱として重要な役割を担い、今後も維持していく必要があると考えます。現時点における経営計画の取り組み状況と今後の見通しについて伺います。
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院の経営状況についてでありますが、まず、経営計画の基本方向である病院の機能分化、連携強化に関し、高度医療機能の集約に向けた取り組みとして、今年度中に県立中央病院への手術支援ロボットの導入や県立胆沢病院にHCU-高度治療室の整備などを予定しており、現在、入札手続等に着手しているところであります。また、地域包括医療病棟の県立千厩病院での運用を開始したほか、地域包括ケア病床を全ての地域病院に導入するなど、身近な医療の充実に関する取り組みを進めております。
 喫緊の課題である経営の改善に向けましては、県立病院を挙げて患者確保と診療単価の向上に取り組んでいるほか、材料費や経費の効率的な執行といった費用面での取り組みもあわせて進めているところであり、5月までの経営状況は、昨年と比べ、入院患者延べ数は6.9%増加し、医業損益でも7億円余の改善が図られているところであります。
 今後の見通しとしては、今年度の人事委員会勧告の状況など不確定な要素もありますが、まずは、収益、費用両面において、当初予算で見込んだ取り組みが進められているものと認識しており、持続可能な医療提供体制の構築に向け、引き続き、職員一丸となって取り組んでまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 私も県立病院の重要性は非常に理解しているつもりでありますし、先ほど医療局長からの答弁でも、まさにそのとおりだと思っております。本県にとって県立病院は非常に重要な役割を果たしておりまして、その県立病院を中心に、岩手の地域医療を支えていると言っても過言ではないと私は評価をさせていただいております。
 その県立病院と市町村立病院との連携について伺ってまいります。
 国のガイドラインによる県の役割は、市町村のプラン策定や公立病院の施設の新設、建てかえに当たり、地域医療構想との整合性について積極的に助言する立場とされております。
 現在、私の地元奥州市では、老朽化する奥州市総合水沢病院をどう維持していくのか議論が行われているところでありますが、自治体病院を市町村が議論する上で県立病院の今後のあり方は極めて重要であると考えております。
 地域医療構想の達成に向けた病床機能の分化及び連携に当たっては、県が定めた構想区域における病床の機能区分ごとの必要病床数に基づき、医療機関の自主的な取り組み及び医療機関相互の協議によって進められることが前提とされており、必要な医療を提供するために県が助言する場面は必要であると考えております。
 県が考える胆江医療圏に対する県立病院と県立病院以外が担う役割をどう捉えているのかについて伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県では、圏域内で一般的な医療需要の充足が図られることを基本として二次医療圏を設定しており、胆江医療圏については、県立胆沢病院が二次救急医療や高度、専門的な医療を提供し、県立江刺病院や奥州市総合水沢病院など、そのほかの公立医療機関や民間医療機関が、比較的軽度の急性期医療や回復期医療、慢性期医療を担っているところであります。
 地域の医療提供体制については、圏域における医療資源等の実情に応じて検討する必要があり、県立病院と県立病院以外の医療機関が担う役割は、地域によってさまざまな形態がありますが、県民が地域で安心して医療を受けられるよう、将来にわたって安定的に提供できる体制の確保に努めてまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 胆江医療圏の現状についてでありますが、先ほど説明いただきましたが、私は、県立病院とそれ以外の役割を果たす公立病院との役割は、それぞれ違うとはいえ、地域医療を維持し、円滑に運営する意味において、県と市町村の枠組みを超えた密接な連携がもっとあるべきだと思っております。
 現在、胆江圏域の機能別病床数は、令和7年必要病床数に対し、令和5年7月時点の機能別病床数は、急性期が10床過剰、回復期が213床過剰、慢性期が82床不足となっております。
 胆江医療圏では、急性期は県立病院を中心として主に公的病院が担い、慢性期では主に民間病院が担う形で医療提供体制が確保されている、これは先ほど保健福祉部長からいただいたところでありますが、まずは、先ほど私がお伝えさせていただきました、超過している実態を県はどう捉えているのか伺いたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 平成28年3月に策定いたしました岩手県地域医療構想に基づいて、胆江医療圏において病床転換などの取り組みを進めた結果、令和7年の必要病床数1、198床に対して、平成27年には1、434床だったところ、令和5年には1、255床と179床減少し、必要病床数に近づいているところであります。
 特に、急性期病床は、平成27年の816床から転換が進み、令和5年には367床と、令和7年の必要病床数357床とほぼ同水準となったところであります。
 現在、国では、85歳以上人口の増大や人口減少がさらに進む2040年を見据え、医療提供体制全体の課題の解決を図るため、入院医療だけではなく、外来医療や在宅医療、医療と介護の連携などを加えた新たな地域医療構想の推進に関するガイドラインの策定に向けて、検討が進められているところであります。
 今後、国から示されるガイドラインを踏まえまして、都道府県において新たな地域医療構想を策定することとなりますが、本県では全国よりも早く高齢化が進み、高齢者救急や在宅医療などの医療需要が増加すると見込まれることから、市町村や保健、医療、介護、福祉の関係者、各種団体等との連携を図りながら、地域医療構想調整会議等で必要な議論を行い、急性期医療から在宅医療に至るまで切れ目のない医療提供体制を構築してまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 先ほどの病床数は、基本的な数値とはいえ、既に県立病院を含め、公立病院でも多くの赤字経営を強いられているのが実態であります。まさに診療報酬、昨年見直しが図られましたが、まだまだ物価高には追いついていないために診療報酬を上げてほしいという話も県としても要望を上げておりますが、実現してほしいと思う一方で、極端に上がることは非常に厳しい現状ではないかと思っております。ですから、これからもなくてはいけないけれども、引き続き厳しい経営が強いられていくのだと思っております。
 そこに加えて、本県の10万人当たりの医師数は、令和4年12月末時点で233.5と全国40位の状況であります。医師不足の取り組みをされているのは承知しておりますが、今後も非常に厳しい医師不足課題を抱えることは明らかであると思っております。
 そういったことから、機能の維持や強化のために、例えば、再編統合も含め検討する状況は避けられない中、そのようなあらゆる可能性やあり方の議論が市と県でなされていないことは非常に残念だと私は考えております。
 県と市町村との連携についてでありますが、県と奥州市に対するこれまでの支援は、病床機能等に関するデータの分析結果の提供など4項目と承知をしておりますが、経営の逼迫や医師不足の観点からも、最終的には自治体の判断とはいえ、今後、再編統合も視野に入れた県と市町村の議論が必要であると考えております。
 全国に目を向けますと、山形県では、県立河北病院と寒河江市立病院で統合に向けた動きがあり、この協議に当たっては、県、市町などを構成員とする検討会や協議会を設置し、積極的な議論が交わされていると伺っております。
 本県も県や市町村の枠組みを超え、よりよい医療を持続可能に提供するために、より踏み込んだ連携や支援を講じていくことこそが、今後の人口減や自治体の財政難などに立ち向かうためにも必要と考えますが、県の考えを伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 本県におきましても、平成19年に県立釜石病院と釜石市民病院が統合し、また、県立病院間ではありますが、平成21年に県立花巻厚生病院と県立北上病院が統合して県立中部病院を開設した例がございます。
 さらに、令和元年に独立行政法人国立病院機構盛岡病院が盛岡医療センターと改称した際、民間病院のもりおかこども病院が担ってきた重症心身障がい児・者の入院機能を引き継いだ事例などがあり、その時々の状況に応じて、医療機関の意向を踏まえて、県として必要な調整を行ってきたところであります。
 市町村立病院につきましては、住民に密着した医療を提供するなど、病院ごとに開設者の考えに基づいて設置、運営されているものと認識しており、そのあり方については、一義的には開設者が検討するものと考えておりますが、今後におきましても、開設者の求めに応じて必要な助言や調整などを行っていく考えであります。
〇4番(千葉秀幸君) 少し余談になりますけれども、本来、物事を進める場合は、まずは、どういった医療や機能が求められて、何が必要なのかを決めた上で、そこに必要な建物、あるいは規模を検討していくということが物事を進める順序だと私は考えておりますが、残念ながら、奥州市の事案は逆であったかと考えております。それも一つ、混乱を招いている要因かと思っております。
 話を戻させていただきまして、保健福祉部長、私は県の立ち位置もわかっているつもりであります。必要以上に上から目線で議論に入っていくだとか、指示するだとか、当然あってはいけないことだと思います。自治体が考えることとはいえ、胆江圏域に住む奥州市民も岩手県民であります。その県民が医療を引き続き安定して支援を受けられるためにも、県も他人事ではないと当然思っております。改めて、今後の市町村との連携体制をどうしていくべきかということを伺いたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 先ほども答弁しましたけれども、岩手県内でも圏域によってかなり地域事情が異なるかと考えています。例えば、奥州圏域ですと、県立2病院、市立の4病院のほかにも民間病院が4病院、有床診療所もございます。公立病院以外の民間病院の役割というのもかなり大きなものがありますので、県と市だけで決めるのではなくて、医師会や民間病院のお考えも十分伺いながら進めるべきだと思います。
 一方、例えば県北地域に目を移しますと、公的医療機関しかない病院があります。こうしたところについては、ある程度、県、特に医療局が主体となって考える部分や、県立や市町村立病院、市町村とで考える部分などもあろうかと思います。
 そうした中で各圏域それぞれ事情が異なりますので、皆様方、将来に向けてどうあるべきか、いわゆるデータ、今後あるべき医療機能、どうするべきかということを県としてお示ししております。例えば、2040年に向けては高齢者救急の課題をどうしていくのかとか、医療と介護の連携をどうしていくのか、在宅医療体制をどうしていくのかということが主要な論点となってまいります。
 こうした材料を県としてきちんと提供し、地域の医療を提供する方々がみんなで議論を重ね、住民の方々も交えて、全員が納得するプランはなかなか難しいのかもしれませんが、皆がお互いの意見を尊重できる形で議論を今後も県として調整してまいりたいと思いますし、県としても必要な助言、調整は行っていきたいと考えております。
〇4番(千葉秀幸君) 保健福祉部長がおっしゃったとおりだと思います。非常に重要なお考えをお持ちだと思っておりますし、まさに自治体だけで財政、あるいは人口減少に立ち向かうのは非常に困難だと思っております。これからどういった機能が求められるのか、最終的には、繰り返しになりますが、自治体で判断することではありますが、最大限、県からも助言であったりデータの提供はしながら、自治体が決断することであるけれども、県としてはこういった必要性を考えているだとか、そういった議論がなされてもいいのではないかと思っておりますが、改めて先ほどのお話を自治体にお話をした経緯がこれまであったかについて伺いたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県としては、これまで答弁しているとおり、さまざまなデータを提供し、地域医療構想調整会議の場で皆さんに議論していただく。また、アドバイザーを派遣して、そういった医療的な助言なども行う。また、県としてどうあるべきかという方向性はもちろんお示しをさせていただく。その中で、将来、自分の病院、開設者としてそれぞれの病院がどのようになっていくべきかということを主体的に考えていく。医療提供は従事者のマインドが非常に重要です。県がこうしろと言って皆が動くわけでは決してないので、皆の議論のプロセスが重要だと思っています。その中にあっては、県としてはこうあるべきだと、どう考えますかという部分については、もちろん市町村から御意見をいただければ、当然我々も考えとかをお伝えしますし、必要な調整はさせていただきます。
 今後においてもそのような立場で、もちろん県民が将来にわたって安心して医療を受けられる体制が大前提、質の高い医療を受けられる体制が大前提でございますので、それを大前提としつつ、県として必要な体制確保に尽力してまいります。
〇4番(千葉秀幸君) 先ほど県の考える胆江圏域のあり方をしっかりと、必要があれば伝えていくという姿勢も見せていただきました。どうあれば持続可能な医療が急性期を担う県立胆沢病院を中心に提供できるのか、引き続き一緒に考えていくことを期待したいと思います。
 終わります。(拍手)
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって、千葉秀幸君の一般質問を終わります。
   
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時9分 散 会

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