令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇10番(高橋こうすけ君) 自由民主党の高橋こうすけでございます。一般質問の機会を与えてくださいました県民の皆様、そして、先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。
 まずもって、ことし1月1日から計5事例にわたる高病原性鳥インフルエンザの対応に関しまして、昼夜を問わず防疫作業に従事、協力いただいた県職員、一般社団法人岩手県建設業協会を初めとする関係団体、企業の皆様に対し、深く感謝申し上げます。
 また、今月19日に大船渡市三陸町で、きのうは陸前高田市及び大船渡市で林野火災が発生し、これらは鎮圧に至ったところでしたが、さらに本日、大船渡市で新たな林野火災が発生しております。これまでの消火活動に奮闘いただいている消防関係者の皆様に、感謝と敬意を表しますとともに、早期の鎮圧、鎮火に向け、引き続き関係者の皆様のお力添えをいただきますようお願い申し上げます。
 さて皆様、私は今回、岩手県議会議員として初めて男性の育児休業を取得させていただきました。この機会を得られたのは、議会の皆様や県民の皆様の御理解があってこそです。重ねて感謝申し上げます。
 育児休業を通して、私は、父親が育児に参加することの大切さを身をもって実感しました。そして、同時に育児に向き合いたいけれども向き合えない多くの父親の皆様の葛藤も理解できました。だからこそ、私は皆様に声を大にして伝えたいのです。父親が育児に参加することは、家族の未来を支え、社会の未来を支えることなのだと。今を生きる私たちが考えるべき父親像は、家事や育児をともに担う存在です。
 今の社会は、かつてのように地域ぐるみで子育てを得られる環境ではなくなってきました。出生数が減少し、御近所同士が子育てを助け合う機会も減ってきています。母親が一人で全てを担うことになれば、母親は社会から孤立してしまいます。これは絶対に避けなければなりません。
 私は、今回の育児休業で、その現実を自分の肌で感じることができました。母親しかできない授乳以外は、全て自分でやってみようと決め、全力で向き合いました。ですが、結論は、全部はできませんでした。子供の世話をすればするほど家事がふえ、睡眠時間が十分にとれない日もあり、終わりの見えないマラソンのようでした。何もない瞬間に涙がふとこぼれることもありました。そのとき気づいたのです。ああ、自分はつらいと思っているのだと。そして、同時にこれまで社会を支えながら子供を育ててきた皆様への尊敬の念があふれてきました。
 今回は、私は育児休業をとって本当によかったと心から思っています。子育ては父親も当事者であるべきだと確信できたからです。このかけがえのない経験を私はこれからの議会活動に生かし、より熱い思いで、より強い信念で、岩手県の子育て支援の充実に取り組んでまいります。
 それでは質問に入ります。誠意ある御答弁をいただきますようお願い申し上げます。
 初めに、産後ケア事業について伺います。
 先日、私はNPO法人まんまるママいわて主催の宿泊型産後ケアワークショップに参加し、産後ケアの現状と課題を意見交換しましたが、助産師の皆様からはこうした声が寄せられました。私たちが思っている以上に多くのお母さんたちが、宿泊型産後ケアを必要としている。
 産後は心も体も大きく変化する時期です。この時期こそ、切れ目のないケアが重要であり、宿泊型産後ケアは母親を支える大きな柱となります。だからこそ、県としても、産後ケア事業をさらに推進し、特に宿泊型産後ケアの拡充にしっかりと取り組んでいただきたい。それが母親を支え、家庭を支え、ひいては岩手県の未来を支えることにつながると私は確信しております。
 しかしながら、現在、県内で宿泊型産後ケア事業を実施している施設はわずか1カ所にとどまっております。私は、この宿泊型をふやすことが、産後ケア事業の充実のためには一番重要と考えますが、宿泊型は病院などの空きベッドを活用して行われるものであり、その運営には、場所、費用などの面からも、ハードルが高いことは理解できます。
 産後ケア事業の3類型のうち、デイサービス型及びアウトリーチ型と宿泊型では、運営面での大きな違いがあり、全くの別物と考える必要があります。
 産後ケア事業の拡充のためには、まずはデイサービス型とアウトリーチ型の実施箇所、そして件数をふやしつつ、県の支援のもと宿泊型をふやしていくという進め方も考えられますが、知事の認識を伺います。
 産後ケア事業を市町村が単独で実施していくのには限界があり、県からの一定の支援も必要と考えますが、その一つとして、助産師に対する支援もあるのではないでしょうか。
 例えば、助産師の就職支援です。助産師の資格を持っているものの、その資格を生かしていないといった方の話も伺っております。登録、マッチングサイトの開設など、助産師として就職できるための支援を行う必要があると考えます。
 また、助産師になってからの支援として、研修等の実施があります。ことし1月16日に開催した県政調査会で講師を務めた信州大学医学部の村上寛氏によると、長野県では、県、看護協会、助産師会の3者合同での研修を実施していると聞きました。また、全市町村参加のオンライン事例検討会での事例の共有により、山間部などでは、助産師1人で判断しなければならず負担が大きいことから、この心理的負担の軽減につなげているとのことです。広い県土を持つ本県でも、大変参考となる取り組みと考えます。
 加えて、助産実践能力が一定の水準に達していることを評価、認証するアドバンス助産師の育成支援も考えられます。
 県では、このような助産師に対する就職、研修等の支援をどのように進めるか、考えを伺います。
 なお、産科医も減少しており、現在の医師数でもぎりぎりの対応となっている中、仮に沿岸部などで産科医がゼロとなった場合、内陸部の産科医に集中することになり、結果、医療崩壊につながることも懸念されることから、産科医への支援も必要との声を聞いています。安心して出産できるための環境整備のため、総合的な施策の展開を期待しております。
 次に、産後ケア事業における県の役割について伺います。
 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律が令和6年6月に公布され、令和7年度から産後ケア事業が子ども・子育て支援法の地域子ども・子育て支援事業に位置づけられたほか、産後ケア事業ガイドラインにおいて、市町村の広域連携に向けた調整、情報提供等を行うことが望まれるとされています。
 県として、市町村が実施する産後ケア事業の支援のためにも、事業の広域化などの調整を積極的に行うべきではないかと思いますが、知事の見解を伺います。
 次に、付き添い入院時の休息スペース等の設置について伺います。
 こども家庭庁が実施した実態調査において、子供が入院した際、付き添いをする家族の休息が十分にとれていないという課題が示され、国では、入院中の子供の家族の付き添い等に関する環境改善事業として、令和6年度補正予算を措置したところです。
 私も実際に子供が入院した際、十分に体を休めることができないという体験もあり、付き添い家族がしっかりと休息できる環境の整備が必要と強く感じました。
 子供が家族のそばで安心して治療を受けられ、かつ、子供に付き添う家族の身体的な負担を少しでも軽減するためにも、一層の環境改善が求められると考えますが、現在の県内の状況はどうなっているのでしょうか。また、今後、市町村や民間の医療機関に対してどのように支援していくか、考えを伺います。
 また、医療局においては、県立病院における休息スペースの整備などの環境整備を、自ら積極的に進めていくべきではないかと思います。
 県立病院における現状と、今後どのように環境整備を進めていく考えか伺います。
 次に、子ども・子育てDXの推進について伺います。
 医療費助成、母子保健、予防接種等の業務については、住民、自治体、医療機関、薬局といった当事者にとって紙での情報連携に係る業務負担が多く、改善が必要な状況とされ、デジタル庁では、情報連携の仕組みとして、PMH―パブリック・メディカル・ハブを開発し、医療費助成、予防接種、母子保健の分野を対象に先行実施事業を行っています。
   〔副議長退席、議長着席〕
 妊婦、乳幼児健診や予防接種における予診票、問診票の記入や接種状況の管理などは、子育てする当事者の大きな負担と手間となっており、PMHの導入、普及は大いに期待されるところです。
 また、PMHとの連携により、電子版母子健康手帳として、スマートフォンアプリを活用して健診の受診や結果等を確認できるようにする方針としていますが、PMH及び電子版母子健康手帳の現状と普及に向けた市町村への支援策など、県の方針を伺います。
 次に、保育現場でのICTの導入について伺います。
 令和5年3月の三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社による、保育分野におけるICTの導入効果及び普及促進方策に関する調査研究報告書によると、保育現場へのICTの導入により、記入業務の削減による業務効率化、負担軽減の効果や、スマートフォンの活用による保護者とのコミュニケーションの改善、職員間でのスムーズな情報共有などの保育の質の向上効果が認められたとされています。
 また、令和4年度には、北上市で導入した保育園の登降園、連絡帳、お便りシステムによる取り組み、保育園DXが起こす自治体変革の波がいわてDX大賞2022を受賞していますが、これは業務効率化などの効果が認められた結果と認識しています。
 保育現場におけるICTの導入は、保護者と保育園双方の時間的、心理的負担が軽減されるとともに、保育園内での円滑なコミュニケーション、保護者の満足度の向上につながるものであり、県としても推進していくべきと考えます。
 県内における保育現場のICTの導入状況はどうなっているのか。また、保育現場でのICTの導入に向けて、県はどのような役割を果たすつもりかを伺います。
 PMHの取り組みの展開、保育現場でのICTのさらなる導入など、子供、子育てに関するDX推進のためには、現場となる市町村を支援するための体制が必要となってきます。特に小規模な市町村では、デジタル人材の不足により、単独での子ども・子育てDXの推進は困難となるのではないかと考えております。
 県では、知事を本部長とする岩手県DX推進本部を設置するとともに、CIO補佐官など、専門知識、見識を有する方々を参画させ、県内におけるデジタル社会の実現に向けたDXの推進を図るとしております。
 また、岩手県DX推進計画においては、事業者、大学、国、市町村、関係団体等と連携し、県が積極的にDXを推進しますとうたっています。
 ぜひ県内市町村で取り残されることがないよう、県がリーダーシップを発揮し、子ども・子育てDXを推進していただきたいと考えますが、推進のための司令塔やデジタル人材の育成、確保、さらには市町村への支援をどのように図っていくのかを伺います。
 現在、県では、ライフデザインの推進の取り組みとして、i−サポ―“いきいき岩手”婚活サポートセンターにおける、ライフプランセミナー、ライフプラン設計講座などの実施、または、ライフプランを考えるためのデジタルコンテンツの作成に取り組んでいると聞いています。
 また、令和7年度の重点事項である人口減少対策として、多様なライフステージに応じた支援を強化するとしていますが、若者のライフデザインや出会いに対する支援に力を入れていくことが必要ではないかと考えます。
 昨年11月に公表された公益財団法人日本財団の少子化に関する意識調査の報告書によると、将来結婚の意向ありが45.9%に対し、現実的な結婚の見込みは27.4%となっており、この率の減少の理由には、適当な相手にめぐり会わない、異性とうまくつき合えない、経済的に自信がないが上位に並んでいます。出会いから、その後の経済的側面での支援まで幅広く対策が必要と感じます。
 国においても、地域の結婚支援事業等への支援強化や、若い世代によるライフデザインに関する情報発信等に取り組むこととしていますが、このような国の動きを踏まえ、県ではどのように取り組みを進めるのか、考えを伺います。
 民間企業における男性の育児休業について伺います。
 令和6年度企業・事業所行動調査結果報告書では、男性の育児休業取得率は43.3%と、令和4年度の前回調査の19.9%から大きく上昇したところです。このことに関しては、県のこれまでの取り組みもあってのことと考えられ評価するところですが、総務省の地方公共団体の勤務条件等に関する調査によりますと、岩手県職員の令和5年度取得率は57.9%であり、これと比較すると、依然として官民差があると言えます。
 男性が育児休業をとりやすい環境の整備は、少子化対策はもちろんのこと、企業にとっては人材獲得競争の中、社員のモチベーションの向上や優秀な人材の確保、維持、そして女性活躍の推進にもつながるものと考えます。このためにも、この官民差を埋め、さらに取得率を向上させていく必要があるのではないでしょうか。
 県としても積極的に県内企業の後押しをしていくべきと考えますが、今後どのような取り組みを進めていくか、考えを伺います。
 次に、教職員の育児休業について伺います。
 令和5年度、県の男性職員の取得率は57.9%ですが、この内訳は、一般行政部門87.1%、公営企業53%、警察85%となっているのに対し、教育委員会は26.6%であり、他部門を大幅に下回っています。
 国でGIGAスクール構想を推進している中、整備が進む教育現場でのICT環境を十分に生かすためには、教員のICT指導力の向上や学校現場でのICT活用への支援が求められているところですが、一方で、このICT化の対応など教職員の負担が増加していることも事実であり、育児休業を取得する余裕がないのではないかと考えます。
 教育現場におけるDXの推進により、教職員の業務の効率化を図るなど、教職員が育児休業を取得しやすい環境を整える必要があると思いますが、取得率の向上に向けた県の取り組みについて伺います。
 次に、若者の県内定着について伺います。
 人口減少対策のためには、子供を産み育てる環境の整備といった自然減対策とともに、県外への人口流出を防ぎ、また、県外からの流入を増加させる社会減対策が必要です。
 県の令和6年岩手県人口移動報告年報によると、令和5年10月から令和6年9月までの1年間では、15歳から19歳までが1、361人、20歳から24歳までが2、327人の転出超過と若者の減少が深刻な状況です。15歳から19歳までについては、高校生の県外大学等への進学という要因があるかと思いますが、20歳から24歳までについては、大学卒業後の県外への就職に加え、県外大学に進学した若者が戻ってきていないということになります。
 知事が、今任期の選挙の際にマニフェストプラス39として掲げたいわて県民計画(2019〜2028)に設定されている幸福関連指標の一つであります新規高等学校卒業者の県内就職率は、令和6年3月卒は71.5%であり、県の評価ではおおむね達成としていますが、昨年度に引き続き減少している状況です。また、新規大学卒業者の県内就職率は、令和5年3月卒が41%であったのに対し、令和6年3月卒が39.1%と減少し、過去10年で最低となっております。成果は上がっていないと言えるのではないでしょうか。
 この推移をどのように分析しているのか、また、県内就職率の向上に向けて、令和7年度はどのような取り組みを行うのか、知事に伺います。
 次に、県外大学等への働きかけについて伺います。
 私も大学時代に、岩手県内の就職先などの情報が入ってこなかったという記憶がありますが、情報がないため、岩手県に戻るということが選択肢に入ってこないという可能性があることから、県外大学への進学者に対する情報発信の強化が必要ではないでしょうか。
 県外、特に転出先の多くを占める首都圏の大学において、県内出身学生への説明会など、県外大学への働きかけに対する県の考えを伺います。
 また、昨年2月定例会でも取り上げましたが、県の就職支援マッチングサイト、シゴトバクラシバいわては、県外に出た若者のUターンにつながる大変すばらしいサイトだと考えております。このサイトが一層活用される取り組みをどのように進めていくのか、あわせて伺います。
 次に、消防団への支援について伺います。
 消防団は、火災発生時の消火活動のみならず、地震や風水害等での救助、救出活動など、その役割は多様かつ重要なものとなっています。また、気候変動に伴い大雨などの自然災害が頻発している中、消防団の果たす役割はますます大きくなっています。
 消防団の活動を確実かつ安全に実施するためにも、消防団の設備の充実が必要ですが、消防のための設備は日々性能が向上しているものもあり、定期的に更新していくことが必要と考えます。
 一例を挙げますと、ドローンについては、災害時の上空からの被害状況の把握や火災による損傷状況の確認、山岳地帯における捜索など多様な場面で活用できるものですが、飛行距離や耐水性など、その性能の進化は目まぐるしいものがあります。
 このような性能が向上した設備の更新に対する支援をお願いしたいところですが、県ではどのような支援を行っているのか、また、今後の方針について伺います。
 消防団員は減少を続け、令和6年4月1日現在で岩手県内の団員数は1万8、372人と、昨年より485人減少しています。地域防災力の維持、向上のためには、消防団員の確保は急務と考えます。
 県では、消防団員の確保のため、県民を対象とした消防団のイメージや入団につながる取り組みに関するアンケートの実施、若手消防団員に対する調査を実施するとのことでしたが、その結果と、その結果を踏まえた令和7年度の取り組みについて伺います。
 全国でも消防団員は同様に減少しており、令和6年と令和5年との比較では1万5、989人減少しています。
 この状況を受け、ことし1月に消防庁が消防団員の確保に向けたマニュアルを作成しています。このマニュアルでは、事業者や大学等との連携など、消防団員確保のために参考にすべき内容が記載されていると考えます。
 県では、このマニュアルを踏まえ、事業者や大学等への働きかけを行うとともに、個々の消防団、市町村に任せるのではなく、県が主導して消防団員の確保に取り組む必要があると考えますが、県の認識を伺います。
 次に、災害時の避難所におけるマイナンバーカードの活用について伺います。
 令和6年3月末時点のマイナンバーカードの保有枚数率は、全国では73.5%、岩手県では73.3%となっています。また、マイナンバーカードを活用しコンビニでの住民票の写しなどの交付や健康保険証との一体化が行われ、また、運転免許証との一体化がことし3月から開始されます。マイナポータル内での各種手続のオンライン化など、書かない窓口、行かない窓口が展開されてきており、行政手続の効率化、住民の利便性の向上が図られてきているところです。
 このような中、マイナンバーカードも活用した災害発生時の避難所支援業務のデジタル化の検討が行われていると聞きました。災害時という混乱状態の中において、従前の紙ベースの避難所の受け付けでは、運営する側の市町村職員の負担が大きく、また、住民にとっても、マイナンバーカードを活用して避難者の情報を瞬時に登録できることは、受け付け時間の短縮につながり、負担軽減につながるものと考えます。加えて、避難所利用者の人数、年齢、性別などの状況を適時把握できることから、各避難所の状況に応じた的確な支援が行われることが期待されています。
 県では、令和6年度からLINEアプリを活用して避難所受け付けや避難状況、支援ニーズの把握を行う避難者把握デジタル実証実験に取り組んでいますが、この実証実験により得られた成果と課題、また、それらを踏まえて令和7年度はどのように取り組むのか伺います。
 この避難者把握のデジタル化が実際に導入され、有効に活用されていくためには、実証実験で使用したようなアプリが住民に広く普及かつ定着していくことが不可欠となります。また、アプリの導入、運用には、1市町村で数百万円、小規模な団体でも百万円単位の費用が必要と伺っており、この費用負担も課題となってきています。
 県では、令和8年度以降の市町村での導入を目指していると聞いていますが、アプリの普及と費用負担に関し、課題と市町村への支援をどのように考えているのかを伺います。
 以上で、私の一般質問を終わります。答弁によっては再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高橋こうすけ議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、産後ケア事業の拡充についてでありますが、県では、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン政策推進プランにおいて、令和6年度末に全33市町村での実施を目標に掲げ、産後ケア利用料の無償化への補助や、産後ケア事業の事例集の作成、配布などを通じ、市町村の取り組みを支援してきており、現時点では達成しております。
 また、令和7年度岩手県一般会計予算案において、引き続き市町村が実施する産後ケア利用時の子供の一時預かりや交通費の支援に要する経費への補助を盛り込み、産後ケアの利用促進に取り組んでいくこととしています。
 一方で、市町村によって宿泊型やデイサービス型の実施状況に差異が見られるところであり、委託先となる産科医療機関や助産師等の専門人材の確保などの課題があると認識しております。
 県としては、身近な地域できめ細かなサービスを受けられる環境の整備という点で、市町村の意向をもとに、他県の状況等も参考にしながら、医療機関や民間事業者との調整や助産師など産後ケアに従事する人材の確保など、地域の実情に応じた産後ケアの提供体制の具体的な整備に取り組んでまいります。
 次に、産後ケア事業における県の役割についてでありますが、子ども・子育て支援法における地域子ども・子育て支援事業は、市町村が地域の実情に応じ市町村子ども・子育て支援事業計画に従って実施するものであり、都道府県は、必要に応じて実施主体である市町村の区域を越えた調整等に努めるものとされており、昨年6月の法改正により、産後ケア事業もこれに位置づけられたところです。
 県では、これまで、市町村が行う産後ケア利用料の無償化や産後ケア利用時の子供の一時預かりや交通費の支援に対する補助など、産後ケア事業の推進に取り組む市町村への支援を充実してきたほか、産後ケア事業の拡充を検討している市町村に対して、情報提供や助言を行うなど、当該法改正の趣旨にも沿った支援を行ってきたところであります。
 引き続き、市町村や地域の関係者との意見交換を行いながら、広域連携も視野に、各地域の実情に応じた事業のあり方について議論を進めていく考えです。
 次に、県内就職率についてでありますが、コロナ禍を経て、首都圏の企業の大幅な初任給引き上げや、地方の大学や高校に対する大量の求人に加えて、精力的な採用活動、就職内定の早期化等を背景に、県内就職率は低下傾向にあり、これまで高い県内就職率を維持していた医療、保健、保育関係の分野の高等教育機関において、県外就職が大幅に増加している状況など、いわてで働こう推進協議会において共有しているところです。
 こうした中、令和7年度当初予算案においては、インターンシップのプログラムの充実やSNSを活用した企業紹介などの企業の採用力強化に向けた支援のほか、デジタル、AI技術の導入などによる生産性向上に向けた支援、さらには、ジェンダーギャップの解消を含めた若者や女性に魅力ある職場づくりの推進に向けた支援などの取り組みを盛り込んでおります。
 県内には、人材確保を経営課題に掲げる中小企業が多い一方、待遇面を含めて、若者や女性に魅力ある職場環境を有する企業が着実にふえており、こうした企業をさらにふやしていくとともに、大学生等に知ってもらう取り組みを促進し、県内就職率の向上を図っていきたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、産後ケアを担う助産師に対する就職、研修等の支援についてでありますが、県では、一般社団法人岩手県助産師会や公益社団法人岩手県看護協会と連携し、助産師の就職を支援するため、潜在助産師の復職研修のほか、助産師を含む看護職員を対象とした就職説明会の開催、岩手県ナースセンターでの無料職業紹介などに継続的に取り組んでいるところです。
 また、就業中の助産師の活動を支援するため、産前産後ケアに関する知識、技術の習得などを目的とした資質向上研修を行っているほか、多様な勤務形態の導入や業務の効率化等を進める医療機関への支援など、勤務環境改善の促進などにも取り組んでいるところです。
 これらに加えまして、令和6年度から、市町村へのアドバンス助産師等の紹介に取り組んでいるところであり、引き続き産前から産後までの切れ目のない支援体制の構築のため、助産師の人材確保とともに、スキルアップが図られるよう取り組んでまいります。
 次に、入院中の子供の付き添いに係る休息スペースの設置についてでありますが、医療機関における看護については、原則、看護師により行われるものでありますが、患者の病状などにより、医師の許可を得て家族等が付き添うことは差し支えないとされているところであり、県内の医療機関におきましても、同様の取り扱いが行われているものと認識しております。
 こども家庭庁が令和5年度に実施した実態調査によれば、子供の付き添いを行う家族から、十分な休息が確保されていないなどの声もあることから、今般、国の補正予算において、入院中の子供の付き添い等に係る環境改善を行う医療機関に対する補助事業が措置されたところです。
 このため、県では令和7年度当初予算案に、これらの補助を行うための予算を計上したところであり、本事業を活用しながら、子供やその御家族が安心して入院生活を送ることができるよう、医療機関の環境整備を支援してまいります。
 次に、PMH等の取り組み状況についてでありますが、国では、全国共通の住民、医療機関、自治体の間での母子保健情報を迅速に共有、活用するための情報連携基盤であるパブリック・メディカル・ハブ―いわゆるPMHを整備し、現在、紙の問診票で実施されている妊婦検診、乳幼児健診などについて、自治体システムの標準化スケジュールを踏まえて、令和9年度を目途にデジタル化の全国展開を図るものと承知しております。
 現在、国においてモデル事業を実施しながら、PMHの基盤である電子版母子保健手帳のあり方について、有識者を構成員とした検討会で課題と対応を整理し、今後、ガイドラインを作成することとしていることから、普及に向けた市町村への支援策も含め、国の動向を注視して対応してまいります。
 次に、保育現場でのICTの導入についてでありますが、昨年度、保育所及び認定こども園を対象に行った調査では、約6割の施設で業務のICT化に取り組んでいるとの回答をいただいたところですが、保育現場の負担を軽減し、保護者の利便性を向上するため、ICT化をさらに進めていく必要があると考えております。
 このため、県では、認定こども園によるシステム導入や機器購入などへの支援に取り組んでおり、昨年度は26施設に対して補助を行ったところであります。
 また、今後、国の主導により、入所手続のオンライン化などが進められ、必要な共通システム等は国が一元的に整備することとなっておりますが、取り組みを円滑に進めるためには、保育現場におけるICT環境の整備が必要でありますことから、県としては、引き続き各施設におけるシステム導入や機器購入などを支援し、保育DXの取り組みを推進していく考えであります。
 次に、ライフデザインの推進についてでありますが、国の調査によると、独身の若者の約8割が、いずれ結婚する意向を持ちながら、必要をまだ感じないや、仕事や学業に打ち込みたいなど、結婚に対し積極的な動機がなく独身でいる場合が多くなっていることが報告されております。
 一方で、結婚後の夫婦が理想の数の子供を持たない理由として、高年齢での出産や不妊を挙げる割合がふえてきていることから、若い世代に対して、妊娠や不妊に関する正しい知識を早い段階から啓発し、結婚や出産など将来のライフデザイン構築を支援することが重要であると考えております。
 そのため、県では、令和2年度に、正しい妊娠、不妊の知識を啓発する冊子を作成し、県内高等学校等に配布してきたほか、令和4年度からは、主に新婚世帯向けのライフプランセミナーの実施、令和5年度からは高校生向けのライフプラン設計講座の実施によりまして、それぞれの対象に合わせた内容で意識啓発を行ってまいりました。
 令和7年度当初予算案におきましても、新婚世帯などを対象としたライフプランセミナーや、県内高等学校におけるライフプラン設計講座の実施などを継続して盛り込んでおり、現在新たに作成を進めているデジタル媒体で閲覧できる普及、啓発冊子も活用し、若者のライフプラン形成の後押しに取り組むこととしております。
   〔企画理事兼商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、男性の育児休業取得の推進についてでありますが、東京一極集中が加速している状況にあって、県内の多くの中小企業は人材確保を経営課題に掲げており、若者や女性の県内定着やU・Iターンの促進を図っていく上で、男性の育児休業の取得率の向上を含めた魅力ある雇用、労働環境の構築を進めていくことが重要であると考えております。
 このため、いわて働き方改革アワードを受賞した、男性育児休業100%宣言や、育児休業取得した男性従業員へのインタビューを社内報に掲載して紹介した取り組みなど、男性の育児休業取得率が向上した好事例の普及拡大に努めているほか、ジョブカフェいわてに設置している働き方改革サポートデスクや、国の両立支援金等助成金の活用を促すことなどにより、民間企業における男性の育児休業の取得向上を図っているところです。
 また、令和7年度当初予算案においては、ジェンダーギャップ解消に向けたさまざまな取り組みを盛り込んでいるところであり、これらの取り組みを通じて、経済団体と一体になって、性別による固定的な役割分担の解消なども図りながら、男性の育児休業取得率のさらなる向上を目指してまいります。
 次に、県内出身学生への働きかけについてでありますが、先ほど知事が答弁申し上げましたとおり、県内には、若者や女性に魅力ある職場環境を有する企業が着実にふえており、こうした企業を首都圏の大学生等に知ってもらう取り組みを促進していくことが重要であると考えております。
 このため、今年度は、U・Iターンクラブ加盟大学における学生に対する説明会の開催に加え、保護者をターゲットに、大学が主催する父母会などに出向いて、シゴトバクラシバいわての紹介を行って登録を促進するなどの取り組みも行っているところです。
 また、このサイト内に開設した就活応援メディア、みんなの想職活動をリニューアルし、就職活動を始める前の大学1年生、さらには、進学を希望する高校生などが関心を示す記事等をわかりやすく掲載するなどの見直しも行ったところです。
 さらに、首都圏の学生等のU・Iターンを促進していくためには、企業情報の効果的な発信など、県内企業の採用力の強化を支援していくことが必要であることから、令和7年度においては、みんなの想職活動におけるSNSによるPR強化を含めた企業情報の掲載内容の充実を図ることとしております。
 首都圏の大学生等が自ら企画する岩手わかすフェスを、先週の土曜日に東京都内で開催したところ、このイベントに約400人の若者が訪れた状況から、今後のUターンの促進に大きな期待を感じたところでございます。シゴトバクラシバいわての一層の活躍を促進し、実際のUターンに結びつけていきたいと考えております。
   〔医療局長小原重幸君登壇〕
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院における付き添い入院時の休息スペースの設置状況等についてでありますが、入院中の子供に家族等が付き添いされる場合、一時的な休息については病棟の談話室を利用いただいているところであり、夜間は子供の年齢や状態に応じ、同じベッドで休息いただくほか、希望により簡易ベッドや寝具の貸し出しを行っているところであります。
 子供の付き添いの際に仮眠をとることができる独立した専用休憩スペース、休息スペースなどの設置については、院内での空きスペースの確保に課題があるところではありますが、今後、患者家族に対するアンケートなどで、付き添いに関するニーズを把握しながら環境整備に努めるとともに、付き添いされる方が少しでも快適に過ごしていただけるよう、院内で利用できるサービスなどを丁寧に説明してまいります。
   〔ふるさと振興部長村上宏治君登壇〕
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 子ども・子育てDX推進のための人材についてでありますが、県では、岩手県DX推進計画の四つの取り組み方針の一つ、社会・くらしのDXの取り組み施策として、医療や子育てサービスのデジタル化による質、利便性の向上を掲げ、各種申請手続のオンライン化など、子供、子育てに関連する業務のDX推進に取り組んでおります。
 その推進に当たりましては、岩手県DX推進本部の本部長、副本部長である知事、副知事の指揮のもと、子供、子育てを所管する本部員の保健福祉部長とデジタル推進を所管する本部員のふるさと振興部長が連携しながら、データやデジタル技術の活用による施策立案の研修や先進事例の共有などにより、市町村の牽引役となる人材育成を図っております。
 また、特に小規模町村におきましては、専門人材の確保が困難でありますことから、県では、市町村に対し、意識醸成研修のためのデジタル専門人材の派遣、DX推進の基礎となるデータリテラシー向上研修などを行い、デジタルスキルの向上を支援しております。
 今後におきましても、保健福祉部とふるさと振興部が連携を強化し、子供、子育て分野に係る事務事業のデジタル化に取り組むとともに、研修の充実等を通じて人材の確保、育成を加速させていくほか、市町村と丁寧なコミュニケーションを重ねてニーズの的確な把握に努め、取り残される自治体が生じないよう、専門人材の派遣や研修の拡充など、寄り添った支援を展開してまいります。
   〔復興防災部長福田直君登壇〕
〇復興防災部長(福田直君) まず、消防団についてでありますが、消防団の皆様は地域防災のかなめであり、今般の大船渡市や陸前高田市の林野火災でも懸命に御対応いただいております。
 資機材の整備については、例えば盛岡市や奥州市、矢巾町、野田村の消防団では、既にドローンが配備されており、これによって災害時の情報収集能力の向上などが期待されるところです。
 県としては、国の消防団設備整備費補助金について、市町村からの申請を取りまとめているところであり、この補助金を活用することによって、ドローンを含む消防団の資機材の整備をさらに進めていただきたいと考えております。
 また、県消防学校では、今年度、国の事業を活用して、消防団員に対するドローンの操縦講習を行ったところであり、来年度も引き続き実施することを予定しております。
 これらの県の取り組みを通じて、消防団における必要な資機材の整備やドローンの活用を図っていただき、地域防災力の向上につなげてまいります。
 次に、消防団に関するアンケート調査についてでありますが、今年度行ったこの調査では、団員確保のために必要な取り組みとして、まず処遇の改善や負担の軽減が挙げられたところであり、年額報酬、出動報酬の引き上げや直接支給、さらには機能別団員制度の導入などを促してまいります。
 また、消防団員の職業構成の変化、具体的には、自営業者ではない被用者、いわゆる雇われ人の割合が7割以上にまでふえる中、勤務先へのインセンティブや職場の理解が必要との意見も多く見られたところです。
 現在、従業員の消防団活動に配慮してくださる消防団協力事業所は県内に400カ所ほどありますが、今回の調査結果を踏まえ、来年度からは、県の一部の補助金の審査における加点措置など、インセンティブの付与を検討しているところであり、それによって団員確保の取り組みを強化してまいります。
 次に、消防団員の確保に向けたマニュアルについてでありますが、総務省消防庁が作成したこのマニュアルには、処遇の改善や負担の軽減などのノウハウが記載されており、県内市町村にもその活用を促しているところです。
 また、消防団のような義勇消防は海外でも運用されており、中でもその活動が特に充実しているとされるドイツでは、企業の協力が社会制度の中にうまく織り込まれているといった特徴があります。
 消防団や自主防災組織の充実は、地域コミュニティーの活性化にもつながるものであり、来年度、県や市町村、有識者等で構成する新たな検討会を立ち上げますので、そのような海外の事例も踏まえつつ、地域防災力の強化に向けたさらなる施策を検討してまいります。
 次に、被災者把握に関する実証実験についてでありますが、本県が実施しているこの実証実験では、個人番号そのものを活用することはなく、マイナンバーカードの利用も必ずしも前提とはしておりませんが、マイナンバーカードによる公的個人認証サービスの活用により、氏名や住所などの入力を省略することもできます。
 昨年実施した実証実験では、避難所における受け付け事務の省力化、時間短縮を図ることができましたが、そこで取得した被災者データをどのように活用して必要な支援につなげるかが発展的な課題となっております。
 県の復興防災DX研究会では、災害支援NPOなどとの被災者データの共有のあり方を議論しておりますので、来年度の実証実験はその部分にも踏み込んだ内容としたいと考えております。
 また、ここで取得した被災者データをもとに災害ケースマネジメントを進めることも考えられますので、単なる被災者の把握だけではなく、被災者一人一人に寄り添った支援につながるように取り組みを進めてまいります。
 次に、被災者把握システム岩手モデルについてでありますが、昨年、久慈市と遠野市で実証実験を行い、先月のいわて防災DXセミナーでは体験会を開催した結果、サービスの導入に一定のコストがかかるものの、被災者把握の人的コスト削減につながることが確認されたところであり、既に複数の市町村で導入に関する検討を行っていただいております。
 また、この岩手モデルというものは、特定のサービスを指すものではなく、既に普及しているスマホアプリを活用して被災者データを把握し、災害支援NPOなどと情報共有を図る仕組みそのものを指しております。
 政府がデータ連携基盤を開発していることを踏まえれば、今後このモデルに準拠した複数のサービスが登場した場合でも、データのやりとりを円滑に行うことが可能であり、その場合、価格面やサービス面でさらに工夫が加えられることも想定されます。
 いずれにせよ、現在関心を示していただいている市町村がありますので、来年度予定している実証実験も含め、社会実装に向けた取り組みをさらに進めてまいります。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) 教職員の育児休業についてでありますが、本県の男性教職員の育児休業取得率は、全国の教育委員会の中では中位にあるものの、御指摘のとおり、本県他部門に比べ低い状況にあることは課題と認識しており、国が令和5年に閣議決定したこども未来戦略方針において、教育委員会の男性職員の育児休業取得率として定めた令和7年度までに取得率50%以上を当面の数値目標とし、取得促進に向けて取り組んでいるところです。
 具体的には、今年度新たに、男性教職員が利用できる育児支援制度や育児休業の取得パターンを例示したリーフレットを作成し、全教職員に配付しているほか、各種会議で、県立学校長や市町村教育長に対し取得促進を働きかけているところです。
 こうした取り組みにより、直近で把握できる市町村立学校を除いた事務局及び県立学校の取得率を見ると、令和6年12月現在で40.0%と、前年同時期より11.7ポイント上昇しています。
 今後においても、目標達成に向け、GIGAスクール運営支援センターやICT支援員による学校のICT活用支援のほか、統合型校務支援システムの順次導入などにより、業務効率化などの働き方改革の取り組みを一層推進するとともに、積極的な育児休業取得を奨励し、男性教職員が育児休業を取得することが当たり前となるような職場風土の醸成に取り組んでまいります。
〇10番(高橋こうすけ君) 御答弁いただきありがとうございました。
 産後ケア事業の拡充について再質問させていただければと思います。
 全国の数字ではございますが、こども家庭庁によると、約9割の自治体で今、産後ケア事業を実施しております。ただし、利用率は2022年度で10.9%となっているという数字が出ております。
 これは先ほどの答弁の中でもございましたが、助産師の人手不足だとか、産科医の人手不足だというところももちろんあるかとは思うのですけれども、利用が進まない理由の一つとして、私は、産後ケアを受けられる期間が限られているというところもあるのだと思っております。例えば宿泊型でございますが、親子で滞在して赤ちゃんを預かってもらうことができるという宿泊型は、全国で生後4カ月以降に対応していないところが約半数。対応する自治体でも、枠が少なくて利用を断ることが多いというのが現状だということでありまして、県内唯一の宿泊施設でも5カ月未満が対象となっているというのが現状でございます。
 これにプラスアルファで助産師の人手不足ということが入ってきまして、実はこれ、生後4カ月を過ぎると寝返りをする子供も出てきますので、助産師の方々は、赤ちゃんが動くようになると1人につきっきりにならなければいけなくなる。これではぎりぎりの人員では対応が難しいという話も聞こえてきております。
 何で4カ月なのかというところなのですけれども、母親の産後ケアというのは、4カ月以降もすごく重要だと私は思っておりまして、データとして、国立成育医療研究センターの調査によりますと、産後1年未満で自殺者が最も多いのは、産後9カ月というデータが出ております。1年間を通して自殺している方がいるのですけれども、特に産後9カ月が多いという調査結果が出ています。産後鬱などの原因と見られる子供の成長に応じた悩みがふえていって、産後半年を過ぎて体調が悪化するという人も中にはいます。
 本当にセンシティブな早目のケアが望ましいものなのだろうと思っておりまして、ぜひこういう事実があるということも知っておいていただきたいと思っております。
 その中で、知事は日本一の子育てをしやすい岩手をつくるとたびたびお話をされていますが、前回、私が質問したとき、岩手県は宿泊型産後ケアを行う事業所が実は日本全国で一番少ないということで、これは今も変わっておりません。ぜひ子育てしやすい環境づくりをさらに進めていただきたいと思っているのですが、こういった事実もあることを踏まえて、知事の所見をお伺いさせていただければと思います。
〇知事(達増拓也君) 宿泊型も含めたきめ細かい産後ケアを受けられる環境の構築に当たりましては、施設整備だけでは実現できず、母子保健法上の事業実施主体である市町村において、継続的な事業化がなされることにより、持続的に運営が可能となるものであります。
 そのため、県としては、医療機関や民間事業者との調整、地域の既存施設の活用や助産師等の人材の確保などの市町村における産後ケアの提供体制の構築を支援することが重要という考えのもと、市町村の意向を踏まえながら、地域の関係者等とも議論を進め、地域の実情に応じた産後ケアの充実が図られるよう、市町村の取り組みを支援しているところです。
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって高橋こうすけ君の一般質問を終わります。
   
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時46分 散 会

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