| 令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録 |
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〇14番(千葉盛君) いわて新政会の千葉盛でございます。
このたびの大船渡市三陸町綾里地域の林野火災、昨日発生した大船渡市、陸前高田市の林野火災に際しましては、発災以来、岩手県内外の多くの皆様の懸命な消火活動と御支援を賜り鎮圧に至りました。御尽力いただきました全ての皆様に心より感謝申し上げます。 それでは、通告に従い質問いたします。 知事は、これまで人口の自然減対策のため、第2子以降の3歳未満児に係る保育料の無償化やいわて子育て応援在宅育児支援金の支給に加え、産後ケア利用時の交通費や一時預かりへの支援など、子供、子育て施策を展開してきました。令和7年度岩手県一般会計予算案においては、妊産婦の通院等に対する支援を10万円に引き上げるなど、さらなる取り組みの強化を図っており、必要な施策を推進してきたと思います。 一方、ジェンダーギャップの解消という抽象的な概念を取り入れた令和7年度当初予算案の社会減対策の新規、拡充事業については、固定的性別役割分担意識の解消を図るための講演会やセミナーを実施、人口減少対策フォーラムの開催など、必要性は理解しますし、アンコンシャスバイアスやジェンダーギャップの解消の取り組みが必要だと感じる場面もあり、こういった取り組みは長く続けていく必要があると思います。 しかし、今岩手県が直面している危機的状況にしっかりと目を向けたとき、中心に据えるべき課題はこれだけではないように感じます。 東京都の去年の人口は、転入が転出を上回る転入超過が7万9、000人余りと、おととしよりも1万人余りふえ、調査をまとめた総務省は、進学や就職が理由と見られる若い世代の転入超過が目立ち、東京一極集中の傾向が続いているとしております。 今、東京圏の企業では、人材確保のため新卒の初任給引き上げが相次ぎ、40万円を超えるところも出てきており、依然として都市部と地方では大きな所得格差があります。食料品や日用品などの物価も地方とほとんど変わりません。ガソリン価格が高騰している中で、公共交通も充実しており、車で移動しなければならない地方と比べて便利で車の維持費などもかかりません。地方では、病院や診療所、薬局が不足しており、日々不安を感じながら生活していますが、都会に行けばその心配もありません。それに加えて、近年では教育や学力、さらには生活水準や就職においても地域格差が生じています。 より所得の高い地域、より安心して暮らせる地域に魅力を感じ、地方から東京圏に行く若者が増加していることが数字にあらわれているのではないでしょうか。若者や女性から選ばれる岩手県をつくるためには、やはり東京一極集中の要因である所得の格差、教育の格差、生活水準の格差などを解消していかなければならないと思います。 有配偶率の低下や、近年の有配偶出生率の大幅な低下に起因する自然減、若者、女性の流出による社会減の要因について、具体的なデータを用いて分析し、今こそ県と市町村が一体となって、それぞれの地域にとって真に必要な施策を講じていくべきと思いますが、知事の見解を伺います。 株式会社東京商工リサーチ盛岡支店によると、1月に県内で1、000万円以上の負債を抱えて倒産した企業は4件、そのうち2件は物価高が主な理由でした。金利も上昇する中、人件費や物価の高騰がとまらず、企業の経営環境は厳しさを増しています。 この信用調査会社は、倒産の主な要因が、新型コロナウイルス感染症から物価高や賃上げに伴う人件費の高騰、人手不足へと緩やかにシフトしている、日本銀行による金利引き上げで企業向けの貸出金利の上昇も予想される中、中小企業の生き残りは厳しさを増していて、倒産だけでなく、休業や廃業がふえる可能性もあるとしており、事業者が苦境に立たされていることが示されております。 また、今月12日に開催された第38回岩手県東日本大震災津波復興委員会で示されたアンケート調査によると、沿岸部では物価高騰や人口減少の影響などを受けて、生活が回復したと感じている人が減る傾向となっています。沿岸部に限らず、食費、光熱水費、日用品費、ガソリン代などの高騰は家計へも大きな影響を与えており、県民生活は非常に苦しくなっています。 このように、県内経済や県民の暮らしはますます深刻な状況になっており、県では、12月臨時会で可決した令和6年度岩手県一般会計補正予算(第9号)で、国の経済対策と連動した物価高騰対策等を講じていますが、現状からすれば、次々に対策や支援策を打ち出し、もっと充実していかなければならない状況だと思います。 知事は、今後も県民生活や県民経済の状況に応じ、県民に寄り添った施策を機動的に講じていくと述べていますが、新年度予算案には対策が見えてきておりません。県民の暮らしを守るために早急に追加の対策を打ち出すべきだと思いますが、現状をどのように分析し、生活者、事業者支援の必要性について、どのように考えているのか知事の所見を伺います。 令和4年6月7日、岩手県政150周年記念事業、大船渡市制施行70周年記念事業として、ZOZOマリンスタジアムで千葉ロッテマリーンズ冠協賛試合、黄金の國いわて・大船渡ナイターが開催されました。そのときの始球式でバッターボックスに立った佐々木朗希選手は、ことし太平洋を渡り大谷翔平選手の所属するアメリカ大リーグのドジャースに入団しました。150周年記念事業にかかわり、気仙地域、沿岸地域、そして岩手県立大船渡高等学校からメジャーリーグに挑戦する選手が誕生することは本当に誇らしいことですし、結婚もされ、これまで以上に躍動されることを期待しています。 また、昨年、同じドジャースの山本由伸選手が大リーグに挑戦するとき、県立大船渡高等学校の卒業生で大船渡市出身の男性が山本選手にトレーナーとして誘われ、世界への挑戦に携わりたいと渡米し、今ドジャース所属の専属トレーナーとして活躍しております。 知事は、令和7年度当初予算案を世界に開かれたいわて地方創生予算と銘打ち、岩手県の魅力や先進性を高め、発信する取り組みを強化するとしています。また、知事記者会見では、さらなる発展の礎を築く人づくりの取り組みを強化すると発信されています。 私は、海外でも活躍できる人材、人づくりの強化も必要だと考えます。さまざま事例はありますが、例えば、北海道では、外国人観光客の増加や道産食品の輸出拡大といったグローバル化などに柔軟に対応していく人材を育成するため、ほっかいどう未来チャレンジ基金を創設し、道内外の個人や企業の協力を受けて、幅広い年代の若者の海外留学や実践活動を応援しています。 また、直近では、山梨県で若手職人の海外留学を支援する基金の創設を掲げ、東京都でも世界で活躍する人材を早急に輩出し、若者への投資を一層加速するため、大学生などの若者を対象とした海外留学費用の助成を始める方針を示しています。 岩手県もこういった事業を、あらゆるつながりを生かし、個人や団体、企業と協働して若者のチャレンジを支援していくべきと思います。 知事は、さまざまな国際交流で重ねられた信頼関係も生かし、インバウンド観光と輸出を拡大していくことで、海外展開と連動した新しい地方創生を進めることが可能、海外との交流や経済関係が発展することは岩手の社会や経済の先進性を高めることにもつながり、若者、女性に選ばれる岩手であるためにも重要とおっしゃっており、岩手県に来てもらうだけでなく、こちらから行くという双方向の取り組みが重要だと思います。 そこで、150周年記念事業として、10代から40代くらいまでの岩手県にかかわる学生や社会人を対象に、毎年最大150人を目標に、海外へ1カ月から1年程度留学や研修させることを積極的に進めていくべきではないでしょうか。特に、幸福度が高い北欧を中心に留学させることは岩手県にとって重要なことだと思いますが、知事の見解を伺います。 昨年7月に開催された岩手・大船渡港セミナー2024in東京でのオーシャンネットワークエクスプレスジャパン株式会社の伊藤部長の講演では、大船渡港からのコンテナ貨物輸出入は、近年、アジアが大半を占めており、北米や欧州への拡大の余地がまだまだ大きいとのお話がありました。 東北地方で出るコンテナ貨物のうち、かなりの割合が京浜港から輸出されており、近年拡大している農林水産物や食品の輸出など、県内陸部からの貨物を大船渡港に仕向ける取り組みが重要であると考えます。 例えば、大船渡港は令和6年のコンテナ取扱貨物量が速報値で5、631TEUであり、過去最高を更新しています。港湾取扱貨物量の拡大などにより、港湾の利活用のさらなる促進が図られれば、企業の利便性向上や県内経済へも大きく貢献します。 知事及び港湾所在自治体の長などが、首都圏において、貨物船運航会社や荷主企業、運送事業者等に対し、航路の就航、貨物の取り扱い及び工業用地の分譲についてのセールスに取り組んでいるのは承知していますが、まだまだ港湾管理者としての県の取り組みは不足しているのではないでしょうか。 これに関し3点質問いたします。 まずは、先ほど述べた県内陸部や東北地方から出る貨物を大船渡港に仕向けていくことや、輸出をふやしていくために、県は、大船渡市や関係する民間企業、団体などと密に連携し、情報共有を図り、主体性を持って積極的に行動していく体制を構築していくべきと考えますが、見解を伺います。 2点目に、ポートセールスなどの取り組みに加えて、ハード面ではガントリークレーンの活用などによる受け入れ体制の強化が必要不可欠であることから、釜石港に加え、コンテナ取り扱い能力向上のため大船渡港にもガントリークレーンを設置して、港湾の利用促進を図るべきと考えますが、県の所見を伺います。 3点目に、貨物量をふやしていくためには、道路アクセスの向上が必須であります。大船渡港は内陸部へのアクセスがネックとなっており、速達性や安全面などで最大限に活用されていない状況となっています。早期の国道107号の改良整備や、大船渡内陸道路の高規格化が必要と考えますが、新白石峠トンネル着工後の整備方針について伺います。 知事は、さきの演述において、ILC―国際リニアコライダーは世界中の研究者等が結集するアジア初の大型国際科学技術拠点であり、その実現による波及効果は日本全国、世界に及ぶ。東北地域に国際的なイノベーションの拠点が形成され、世界に開かれた地方創生、東日本大震災津波からの創造的復興が実現する。現在、次期大型加速器について、日本、欧州、中国の三つの計画の検討が進められている中、日本のILC誘致に残された時間は少なくなってきている。政府による早期の前向きな誘致判断に向けては、国民的な機運を盛り上げていくことが重要。県では、県内外の関係団体と一層の連携を図り、2025年日本国際博覧会大阪・関西万博等のあらゆる機会を捉えた機運醸成や国への働きかけの強化など、実現に向けて全力で取り組んでいくと述べております。 本年が誘致判断の節目であるならば、国を動かすにしても、機運を高めるにしても、波及効果が日本全国に及ぶのであれば、その効果をしっかりと全国に示していかなければなりません。 以前から申し上げておりますが、機運の醸成がまだまだ足りないのであれば、首都圏や万博での広報の展開だけでなく、全国、場合によっては世界中に足を運んで協力を仰いで、政府の早期の誘致判断につなげていかなければならないと思います。 政府や関係機関のILCに対する認識をどのように評価し、県としてどのような取り組みを進めていくのか、知事の考えを伺います。 石破首相は、地方創生に掲げた令和の日本列島改造の実現に向け、政府関係機関の地方移転に意欲を示しています。施政方針演説でも、政府関係機関の地方移転、国内最適立地を推進すると強調しました。 政府は過去にも地方移転を検討したものの、本格的に実現したのは文化庁を京都府に移転した程度ですが、今回は新設される防災庁などを念頭に、地方からの提案をもとに適地を絞り込む考えのようです。 移転は政治や経済などの東京一極集中を是正し、人口減少が進む地方への人の流れをつくり、日本全体の活力を取り戻す狙いがあります。 石破首相の発言を受け、富山県では庁内に誘致組織を設けたそうです。今回の防災庁のような政府機能の移転地に選定されれば、復興を後押しする新たな象徴となります。本県も誘致に向けて動くべきと思いますが、県の見解を伺います。 また、東北ILC推進協議会では、ILC誘致の実現に向けて、北海道東北地方知事会、北海道・東北六県議会議長会、東北市長会など共同で政府に対する要望活動を実施してきました。 こういった経緯から、誘致先を岩手県に限定せず、県の枠組みを超えて北海道や東北地域全体で連携、協力して、北海道、東北地域への政府関係機関の誘致に向けて取り組んでいくべきとも思いますが、県の見解を伺います。 水産業を取り巻く環境は、秋サケやサンマ、イカなどの漁獲量の減少や、麻痺性貝毒によるホタテの出荷制限、海洋環境変化に伴うウニやアワビの漁獲量の減少、少子高齢化や人口減少などによる漁業就業者の高齢化や後継者不足などにより急激に深刻化しております。 県では、毎年、水産関係団体に対して、水産業試験研究の実施要望を聴取しているほか、岩手県水産技術センターが個別訪問により、現場のニーズを踏まえた試験研究を行っており、聴取した要望については、試験研究機関と行政機関による水産業試験研究推進連絡調整会議において対応を協議し、各種試験研究の取り組みに反映させているとお聞きしております。 近年の気候変動や海洋環境の目まぐるしい変化により研究すべきことは多様化しており、漁業者のニーズにスピード感を持って対応し、反映していかなければならないと思いますが、県の認識について伺います。 加えて、人材確保について伺います。 漁業就労者の高齢化や後継者不足などの状況を踏まえれば、設立から6年が経過した、いわて水産アカデミーの役割はますます大きくなっていると考えます。修了生の方々には、地域漁業をリードする水産業の担い手として、本県漁業の中核を担っていただく必要があります。これまでの修了生の進路について、実績をお示しください。 また、水産アカデミーでは、幅広い知識や技術の習得のほかに、後継者がいない漁業者へのマッチングを強化していかなければならないと考えますが、これまでの実績と取り組みについてもあわせてお示しください。 三陸鉄道株式会社は、平成31年3月23日に東日本大震災津波の影響で不通となっていたJR山田線の経営移管を受け、盛駅から久慈駅まで総延長163キロメートルの日本一長い第三セクター鉄道として再スタートを切りました。 しかし、人口減少に加え、新型コロナウイルス感染症の流行、燃料費の高騰、昨年8月の台風5号の影響による乗客数の減少など、収入減少により厳しい経営が続いており、県や沿線自治体の支援により経営が支えられている状況です。 令和6年度の決算は、経常損失が過去最大の約7億1、450万円となり、当期損失も約4、700万円と2年振りの赤字となる見通しです。 知事も、演述で三陸鉄道に触れておりますし、ことしの仕事始めには三陸鉄道本社を訪問し激励もしていることから、復興のシンボルともいえる三陸鉄道には強い思い入れをお持ちだと推察いたします。 世界中からの支援や多額の税金をかけて復活し運行している以上、それ以上の価値を生み出していく鉄道にしていく必要があります。 今後も三陸鉄道の運行を維持していくため、一層の維持管理費の縮減のほか、利用者増加に向けて誘客事業の積極的な展開など、抜本的な経営改善対策が求められますが、三陸鉄道の取り組みを県はどのように支援していくのか伺います。 また、人口減少や少子高齢化が急速に進む沿岸地域の沿線自治体にとって、公共交通の維持は大きな負担です。沿線市町村の三陸鉄道への負担金もふえております。こういった沿線市町村の実情を鑑み、県の負担金をふやしたり、沿線市町村の負担金を軽減したりすることも必要ではないかと思いますが、県の見解を伺います。 県では、来年度、農業ビジョンを策定します。1月15日の農業共済新聞に国際農業者交流会会長の意見が掲載されていました。要約しますと、世間一般の農業に対する印象には変化の兆しを感じる。気候変動の影響から来る農産物の価格の乱高下は消費者の日常に直結する問題であるし、昨年夏、店舗から米が消えた現象は、物にあふれる日本にあって、飢える恐ろしさが表面に出たと思う。農業は大切だ、日本の農業を未来につなげなくてはという言葉が今ほど実意を持っているときはないのではないか。しかし、農業者になるというのは容易ではない。農地が必要で、知識や技術だって一朝一夕に身につくものではない。だからこそ、まずは農業に夢を見出し、やってみようという若者をふやす、裾野を広げる活動が大切だという内容でした。 この国際農業者交流協会では、昭和27年から長期の農業研修生海外派遣事業を行っています。令和7年度は、アメリカ、デンマーク、スイスなどの国々の農場で1年から1年半研修するプログラムを用意しており、昨今は毎年40人から50人程度の若者が参加しているそうです。そして、研修に参加した人たちは、帰国後、地域の主力農家となり、アジアなどから農業青年を受け入れる人材育成事業にも協力してくれているそうです。 今後の岩手県の農業人材の育成については、市町村、関係団体、生産者と一体となり、農業生産の増大などを推進するため、ぜひ先ほど紹介した観点も取り入れながら、国際的な視野を持った人材育成に取り組んでいくべきと思いますが、見解を伺います。 また、岩手県立農業大学校は、農業、農村が必要とする高度な専門知識と技術、幅広い教養、国際性を身につけた有能な農業の担い手となり、地域社会を発展させる上でのリーダー的役割を担い得る農業青年を輩出することを教育目標としています。農業従事者が減少する中で、岩手県の農業生産を増大させ、食料自給率を向上させていくため、今後その役割はますます重要になっていきます。 令和7年度は、農業大学校の教育機能強化に向けた基本構想の策定に向けた検討を進める予定であるとしています。世界に通用する岩手県の農業の将来を担う有為な人材を育成し、若者、女性に選ばれる学校となってほしいと願っていますが、新たな農業大学校について、どのような方向性で検討を進めるつもりか、県の考えを伺います。 令和7年度当初予算案においては、沿岸地域で農作物被害が増加しているニホンザルの生息状況調査などを実施するため、新たにニホンザル対策調査事業費が計上されています。市町村と連携して被害防止に取り組もうとしている県の強い熱意を感じており、感謝申し上げます。 しかしながら、鳥獣被害対策は早期に集中的に対策を打っていかなければならない待ったなしの状態です。農作物への被害が年々深刻化しています。県内の被害額は、令和5年度で、ニホンジカが2億4、000万円、イノシシが6、000万円、ツキノワグマが1億円、合計で4億円にも上っております。このほか、ニホンザルについても、額はまだ少額ですが、被害額は着実に増加しています。 先月、被害の多い大船渡市、遠野市、陸前高田市、釜石市、住田町、大槌町の6市町から、野生鳥獣による被害の軽減と対策の強化についての要望書が県へ提出されました。必要な施策や支援を一刻も早く集中的に講じていかなければ、さらに深刻な状況になっていくことから、次の2点について質問いたします。 1点目に、野生鳥獣の適正な頭数管理について、鹿や熊、イノシシの適正頭数をどう捉えているのでしょうか。また、捕獲についても、捕獲頭数がふえても被害額がふえている現状から、捕獲場所などをしっかりと定め、被害が減少するような捕獲を進めていかなければならないと考えます。 先ほど述べた6市町の深刻な現状を踏まえ、特にニホンジカについては、この6市町のエリアを中心に全県で毎年3万頭以上の捕獲を目指していくべきと考えます。イノシシや熊も、被害件数や出没件数、被害額が少ない年度の状況等も踏まえ、集中的に捕獲すべきと思いますが、見解を伺います。 2点目に、有害鳥獣の捕獲や電気柵等の侵入防止柵の設置を支援する鳥獣被害防止総合対策事業費について、事業の拡充強化が要望されていますが、令和7年度当初予算案の事業内容はどうなっているでしょうか。また、全国的にも鳥獣被害が深刻な現状を踏まえ、国に対ししっかりと集中的な予算を講じていくよう強力に働きかけていくべきと考えますが、県の見解を伺います。 最後に、教育政策について伺います。 文部科学省は、不登校児童生徒の実態に即して、特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校、学びの多様化学校を全ての都道府県、政令指定都市に設置されるよう支援するとしています。報道によると、現在、16都道府県で35校設置されており、さらに、ことし4月には、少なくとも13都県で21校設置される見込みで、令和8年度以降の設置に向けた動きも進んでいるとのことです。 本県では、学びの多様化学校についてどのように考え、設置に向けて取り組んでいるのか伺います。 知事は、マニフェストプラス39の中で、医師を目指す学生を支援するため、県立高校の理数科の一部を医系進学コースとして再編するとしています。 また、新たな県立高等学校再編計画後期計画においても、県政課題である医師の確保や研究者、技術者等の専門的知識を持つ人材の育成に向けた学力向上に向け、教育内容の充実を図ることとしています。 さらに、県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜最終案においても、県政課題等に対応した人材の育成に向け、医系等分野の専門職を目指すコースや探究的な学び、文理横断的な学びに取り組むコースなど、学力向上に資するとともに、特色あるコースの設置について検討し取り組むとしております。 さきの知事演述でも、県立高校の医系等分野の専門職を目指すコースの設置に向け検討すると述べられており、早急に医系進学コースを設置すべきと思いますが、検討状況を伺います。 また、沿岸南部地区では、高校入学時に内陸部への人材の流出が起きていることから、首長を初め、住民から医系進学コースや特進コースの設置を求める声が多くあり、沿岸地域にも設置を進めていくべきと思いますが、所見を伺います。 国では、高校の授業料無償化、とりわけ私立高校の授業料無償化についての動きがありました。高校授業料の無償化は、家庭の経済状況に関係なく教育を受ける機会を広げる重要な政策だと思いますが、無償化の流れの中で話題に上がるのが、都市と地方の教育格差や公立高校より私立高校を選ぶ家庭がふえるということです。 東京圏や大阪圏など都市部には、進学実績の高い高校や特色のある私立高校が多く存在し、選択肢が豊富です。一方、地方では学校数が限られ、進学実績やカリキュラムの充実度において都市部との差が生じており、受けられる教育の質が全く違います。高校の授業料無償化は、基本的な教育機会の平等化には貢献すると思いますが、むしろ教育環境や進学支援、キャリアの選択肢といった格差が浮き彫りになると思います。無償化とあわせて、地方の教育環境の充実や学習支援策の強化が必要不可欠です。 まだまだ生徒数の多い都市部では関係ないかもしれませんが、岩手県では、入学者数が2年連続で20人以下となった場合には、原則として翌年度から募集停止とし、統合を進めることになっています。今の出生数を踏まえれば、どんどん高校が存在しない自治体が生まれ、生まれ育った場所で教育が受けられない子供たちがふえていきます。 仮に高校が残っていたとしても、いわゆる小規模校では、選択できる科目や部活動が限られてしまいます。質の高い教育を受けられる場所を求めて、若い家族が都市部に出ていってしまいます。本県においては、沿岸部から内陸部へ進学する生徒が増加し、格差が広がっていくことが懸念されます。 まさに、国を挙げて公立高校をなくして生徒を私立高校へ、若い人たちを地方から都市部へと誘導しているように見えます。生まれた場所で教育環境が決まる時代が来てしまいました。生まれた場所や自治体の財政力、政策の違いによってできる教育格差は、日本の教育が抱える深刻な課題だと思います。無償化とともに、どこに住んでいても同じように質の高い教育を受けられる仕組みを整えることは、国や県の責務だと思います。 本県における教育格差をどう捉え、次期高校再編計画の策定に向け、格差是正にどのように取り組んでいくのか伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 千葉盛議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、人口の自然減、社会減対策についてでありますが、県では、人口問題対策本部会議において、人口の自然減、社会減の現状について統計データや各種調査結果をもとに要因分析を行い、得られたエビデンスに基づき、全庁を挙げて課題や対策を議論し、今後の施策の構築等に取り組んでいます。 また、広域振興局ごとに設置している人口減少対策会議においては、本部会議の議論等を踏まえ、地域の特性や課題に応じて市町村との検討を深めながら、広域振興事業の実施や地域経営推進費等の活用により、個別具体の対策に取り組んでおります。 さらに、県内市町村それぞれで人口減少の要因等は異なっており、県と市町村がその状況を共有し、連携して対策を講じていくことが必要であることから、今年度は、人口の少ない小規模町村を対象に、地域課題の分析や少子化対策の立案等について、専門家等と連携した伴走型支援をモデル的に実施するなど、取り組みを強化しています。 人口減少対策は、県、市町村に共通する地域の最重要課題であり、対策の推進には、千葉盛議員御指摘のとおり、市町村との情報共有や連携の強化が不可欠であります。このため令和7年度は、市町村人口減少対策支援の組織体制を強化することとしており、全庁を挙げた総合的な施策の展開に加え、広域振興局を拠点として県と市町村が一層連携し、オール岩手で地域の実情に応じた実効性のある取り組みを推進してまいります。 次に、経済対策についてでありますが、日本銀行盛岡事務所による直近の岩手県金融経済概況では、県内経済は緩やかに持ち直しているとされているものの、県内の多くの中小企業は、エネルギー、原材料価格の高騰の影響、また、最低賃金が過去最大の引き上げ額となったことなどにより、厳しい経営環境にあります。 また、盛岡市の消費者物価指数は、令和3年6月以降一貫して前年を上回って推移しており、令和6年においても、食料品や光熱水費等の上昇の影響を受け、前年同月比プラス3%を超える高い水準となる月が大半を占めております。 このため県では、さきの令和6年12月臨時会において、県内中小企業の賃上げやLPガス使用者等への生活者支援、また、運輸、交通事業者、介護、福祉、医療施設、農業者等への幅広い事業者支援策を予算措置し、順次事業を開始しているところです。 また、令和7年度当初予算案には、経営革新計画の策定や、デジタル、AI技術の導入などにより、生産性向上を図る中小企業に対するさまざまな支援策を盛り込んでおり、これに加え、インバウンドの観光客増大、県産品の輸出増加など、消費の拡大を積極的に目指し、賃上げとの好循環を生み出すことで県内経済を活性化し、持続的な賃上げ原資の確保に結びつけたいと考えております。 今後とも、物価高騰が県内経済や県民生活へ与える影響、また、国の動きなどを注視しつつ、さらに必要となる支援策についての検討を行ってまいります。 次に、学生や社会人の海外研修や留学支援についてでありますが、社会が急激に変化し、グローバル化が急速に進展する中、国際的な視野と地域に貢献する視野を持った人材の育成は大変重要であることから、県では、岩手県多文化共生推進プランにおける取り組みの方向として、地域の国際化に貢献する人材の育成を掲げ、施策を推進することとしております。 具体的には、高校生を対象とした海外派遣研修を実施し、本県と交流のある中国雲南省や国際機関が集まる北米等に派遣を行っているほか、県内の大学、企業、各種団体等を会員とするいわてグローカル人材育成推進協議会において県内大学生の海外留学を支援するなど、国際感覚を備えた人材の育成に取り組んでまいりました。 また、令和7年度を初年度とする次期多文化共生推進プランの策定を契機に、県政150周年記念事業の一環として、新たに社会人を含む若者を、県人会が多数存在し本県とゆかりが深い南米に派遣する事業を来年度当初予算案に盛り込んでおります。 このように、本県の海外派遣研修や留学支援は、多文化共生推進プランのもと、目的やテーマを踏まえて実施しておりますが、その内容については、常に評価や見直しを行いつつ取り組むべきものと考えており、千葉盛議員御提案の趣旨も参考とさせていただきながら、事業の充実に努め、多様な主体とも連携して、若い世代における国際人材の育成を推進してまいります。 次に、ILC誘致についてでありますが、県ではこれまで、ILCの実現に向けて毎年度の政府予算要望を実施してきたほか、全国知事会等と連携し国に要望してきたところであり、各都道府県には、ILC日本誘致に対する一定の御理解をいただいているところであります。 また、全国組織である日本商工会議所は、2022年3月の新しい資本主義実現会議において、ILCは新しい資本主義、震災復興のシンボルたり得るプロジェクトであるとし、早期に省庁を超えた高次元の政治判断を図り、正式な国際交渉、協議に乗り出すべきとするなど、経済界からもILC実現に期待する声が上げられています。一方、文部科学省は、巨額の経費、国際的な費用分担、技術的な問題などに幅広い議論が必要としています。 先月の欧州訪問において、海外の研究者は、ILCのコストや技術の優位性を評価する一方で、日本政府の活動が見えない、グローバルプロジェクトであっても議論をリードする国が必要との意見があったところであり、政府には、スピード感を持って前向きな判断と国際的な議論を推進していただきたいと考えております。 県としては、政府の判断の後押しとなるよう、県内外の推進団体や各都道府県、経済界などとILCの意義や価値を共有し、政府や与党、各政党に対し、あらゆる機会を捉えて働きかけを行うなど、ILCの実現に全力で取り組んでまいります。 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。 〔県土整備部長上澤和哉君登壇〕 〇県土整備部長(上澤和哉君) まず、港湾の利活用促進に向けた体制構築についてでありますが、県ではこれまで、大船渡港の取扱貨物量の拡大に向け、大船渡市や港湾運送事業者と連携して企業訪問やトップセールスに取り組んでおり、さらに今年度は、大船渡市や港湾運送事業者等が参画する団体が東京都で開催したセミナーに県からも参加し、連携して大船渡港の特徴や利便性等を広くPRしたところです。 また、昨年8月には、県と港湾所在市等と連携し、県内陸部市町の企業立地担当者や立地企業を対象としたいわての港湾利用促進セミナーin盛岡を開催し、県内の港湾利用のメリットを紹介するなど、県が主体となった新たな取り組みも行っております。 引き続き、大船渡市や関係企業、団体との円滑な情報共有を図り、連携して農林水産品など新たな輸出品の掘り起こしを行うなど、大船渡港のコンテナ取扱貨物量の拡大に取り組んでまいります。 次に、ガントリークレーンの設置についてでありますが、大船渡港においては現在、国際フィーダーと内航のコンテナ定期航路が就航しており、タイヤ式のクレーンによりコンテナ荷役が行われています。 ガントリークレーンの設置については、大型コンテナ船への荷役やコンテナ貨物が集中した際の荷役を行う上で大きなメリットがあることから、今後の取扱貨物量の推移や船舶の大型化の動向等を見きわめながら、将来的なコンテナ取扱貨物量の増加について確度が高まり、その必要性が見込まれる際に検討する必要があると考えております。 引き続き、大船渡市や港湾関係者と連携して、荷主企業や船会社に対して県内港湾利用を直接働きかけるなど、大船渡港におけるコンテナ取扱貨物量の拡大に取り組んでまいります。 次に、大船渡内陸道路の整備についてでありますが、大船渡市から宮守インターチェンジ間の国道107号は、重要港湾大船渡港と産業集積が進む内陸部を結び、産業振興を支える上で重要な路線と認識しています。 このため、令和3年に策定した岩手県新広域道路交通計画では、国道107号の大船渡市と宮守インターチェンジ間を一般広域道路に、さらに、これに重ねる形で(仮称)大船渡内陸道路を構想路線に位置づけております。 沿線の市町とも共有した上で、この計画に基づき、国道107号大船渡市―住田町間の白石峠工区を令和4年度に事業化し、現在、トンネル設計などを進めており、令和7年度当初予算案には用地測量の経費を盛り込んだところです。 まずは、白石峠工区のトンネル工事の早期着工が図られるよう整備に注力した上で、同工区の事業進捗を踏まえながら、大船渡市と宮守インターチェンジ間の連絡強化に取り組んでいきます。 〔政策企画部長小野博君登壇〕 〇政策企画部長(小野博君) 政府関係機関の誘致についてでありますが、県では、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく平成27年度の政府関係機関の地方移転の提案募集の際に、残念ながら誘致実現には至りませんでしたが、全国的にも早い段階で提案を行い、また、政府予算に係る提言・要望において国に提言を行うなど、積極的に取り組んできたところです。 また、北海道東北地方知事会として、他の道県とともに、国家戦略としての政府関係機関の地方移転について、継続的に国に提言を行っているところです。 今通常国会における石破首相の施政方針演説において政府関係機関の地方移転が示されたことから、その動向、具体的な内容を注視しつつ、国に対し、北海道東北地方知事会等とも連携し、強く働きかけを行うなど取り組みを進めてまいります。 〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕 〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、漁業者ニーズへの対応についてでありますが、県では毎年、漁業団体や市町村等から研究課題に対する要望を聴取し、必要性や緊急性などの観点から検討を行い、令和6年度は要望のあった課題の約9割の試験研究に取り組んでいます。 これまでワカメの高速塩漬け装置の開発や、養殖ワカメの病害虫であるスイクダムシの発生予測などの現場実装を実現していますが、近年、海洋環境変化に対応した技術開発への要望が多く、特に高水温対策が喫緊の課題と認識しています。 このため、県では、令和7年度当初予算案にワカメの高水温耐性種苗の開発や、高水温に強いヨーロッパヒラガキの種苗生産技術の開発に要する経費を盛り込んでいます。 今後も、漁業団体や市町村など現場ニーズを把握の上、試験研究に取り組み、得られた成果を速やかに現場に普及するなど、刻々と変化する海洋環境の変化に的確に対応した水産業が展開されるよう取り組んでいきます。 次に、漁業への新規就業についてでありますが、現在、いわて水産アカデミーの修了生32名が県内で漁業に就業しており、このうち18名が定置網等で雇用就業、10名がホタテガイ等の養殖業で独立就業、4名が漁家子弟で家業就業となっております。 後継者のいない漁業者が施設や技術などの経営資源を引き継ぐ、いわゆる第三者継承は、地域漁業を担う人材の確保に有効であることから、アカデミーでは、就業希望者と漁業者とのマッチングに取り組み、アカデミー修了生2名が第三者継承をしています。また、現在、第三者継承を希望する修了生3名、研修生3名、計6名について、経営継承の時期、条件等の話し合いの場を設けるなど、継承に向けた調整を進めています。 今後も、こうしたマッチングの取り組みをきめ細かく行い、新規就業者を初め地域漁業の担い手が確保、育成されるよう、市町村や漁業関係団体と連携しながら積極的に取り組んでいきます。 次に、農業人材の育成についてでありますが、次代を担う農業者が国際的な視野で地域社会を支え、新たな活力を見出すことが期待されており、こうしたグローバル人材の育成は、農業分野においても極めて重要であります。 県では、国際競争時代に通用する経営能力とビジネス感覚の高い農業経営者を育成するため、岩手大学等と連携して開校しているいわてアグリフロンティアスクールにおいて、海外の農業情勢に関する講義等を行っており、若い農業者等が多数受講しています。 また、岩手県立農業大学校の2年生を対象に海外農業研修を実施するほか、国際農業者交流協会が主催する長期の農業研修生海外派遣事業の活用に向け、県内高校生等への周知を行い、来年度は1名がアメリカへ派遣される予定です。 こうした取り組みに加え、今後は、農畜産物の輸出拡大の取り組みにより生まれている新たな海外との交流機会も生かしながら、国際的な視野を持った農業人材の育成に取り組んでいきます。 次に、農業大学校についてでありますが、農業従事者の減少など農業を取り巻く環境が変化する中、次代を担う人材の確保、育成に貢献する農業大学校の果たす役割はますます重要であるとの認識のもと、さまざまな方の意見を伺いながら、基本構想の策定を進めていきたいと考えています。 県では、これまで、農業高校学校長や学生の研修受け入れ農家、就業先である農業法人等と意見交換を実施し、学生教育について、先端技術を学ぶ農業法人での実習や農産物の高付加価値化を学ぶ販売体験など、魅力あるカリキュラムが必要、農業者研修について、雇用就農者の増加に対応した機械オペレーターの養成や農業機械の点検、整備研修が必要などの意見をいただいております。 令和7年度は、農業団体や学識経験者も参画する検討懇談会を設置して意見を伺うこととしており、農大卒業生や農業研修の受講者等の声も聞きながら、基本構想の策定に向け着実に検討を進めていきます。 次に、鳥獣被害防止総合対策事業費についてでありますが、県では、農作物被害の防止に向け、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を積極的に活用し、被害鳥獣の捕獲や侵入防止柵の設置、里山周辺の除間伐など、地域ぐるみの被害防止活動を推進しています。 今年度は、県が主体となり、昨年度から遠野地域など2カ所で取り組むニホンジカやイノシシの広域捕獲活動を、大船渡地域を加えた3カ所で実施しているほか、新たに、鹿の集中捕獲などの特別対策を実施する遠野市など3市町の取り組みを支援しています。 こうした取り組みに加え、令和7年度当初予算案では、シカ特別対策について、釜石市を加えた4市町で実施するほか、新たに市町村等が実施するわな遠隔監視、自動操作システムやドローンなど、ICT機器を活用したスマート捕獲の実証や、生息状況調査に基づく捕獲対策などのクマ特別対策に要する経費を盛り込んでおり、過去最大となる約4億円の予算を計上しています。 また、野生鳥獣の被害防止対策を一層強化するため、鳥獣被害防止総合対策交付金について、国に対し、必要な予算を十分に措置するよう、全国知事会とも連携しながら繰り返し要望しており、今後も、市町村、関係団体と連携しながら、国の交付金を有効に活用し、野生鳥獣による農作物被害が低減するよう積極的に取り組んでいきます。 〔ふるさと振興部長村上宏治君登壇〕 〇ふるさと振興部長(村上宏治君) まず、三陸鉄道株式会社への県の支援についてでありますが、千葉盛議員御指摘のとおり、三陸鉄道の経営状況は深刻であり、今後の安定的な運行に向け抜本的な対応が必要と認識しております。このため、今年度、鉄道の専門家である学識経験者や鉄道建設、運輸施設整備支援機構に依頼し、経営状況の分析や収支改善に向けた取り組みの検討等を行っていただいたところです。 専門家等による分析によれば、営業費用は他社と比べて相当に低く、これ以上の経費削減は難しいこと、運賃収入が少ないことが課題であり、運賃改定や利便性向上に向けたダイヤ改正、インバウンドなどの観光客利用の拡大等により収入を増加できる可能性があることなどの評価がなされているところでございます。 これらを踏まえまして、今後、県と沿線市町村等で構成する三陸鉄道強化促進協議会の事業を大幅に見直し、三陸鉄道が実施するダイヤ改正や企画列車の誘客拡大などの取り組みを支援することにより、収入の増加に向けた取り組みを強化し、経営改善が着実に実施されるよう取り組んでまいります。 次に、沿線自治体の負担軽減についてでありますが、三陸鉄道の沿線市町村においては、県平均を上回って少子高齢化や人口減少が進んでおり、三陸鉄道への負担金が行財政運営の大きな負担になっていることは、県としても、さまざまな機会を通じて承知しているところでございます。 一方で、三陸鉄道への支援に対する県と沿線市町村の負担については、三陸鉄道の設立時の経緯を踏まえ、これまで長期にわたって相互理解のもと割合を定めて担ってきたものでもございます。これを見直し、県の負担割合を増加させることは、厳しさを増している県財政の状況を考慮すると困難と考えられますことから、まずは利用促進の強化による収入の増加や有利な国庫補助の活用などにより、県、沿線市町村双方の負担を圧縮していくことが重要と考えております。 引き続き三陸鉄道の収支改善と県、沿線市町村の負担軽減に取り組むとともに、国に対しましても、あらゆる機会を通じて財政支援の拡充について要望してまいります。 〔環境生活部長大畑光宏君登壇〕 〇環境生活部長(大畑光宏君) 野生鳥獣の個体数管理についてでありますが、野生鳥獣の個体数管理に当たっては、鳥獣の種類ごとの生息状況や推定個体数のほか、農作物被害や人身被害の状況も踏まえ、第二種特定鳥獣管理計画に捕獲目標等を定め取り組みを進めております。 ニホンジカについては、管理計画で推定個体数を10万7、000頭とし、早期に個体数を半減させることができるよう、基本的な捕獲目標を年間2万5、000頭以上と定め、指定管理鳥獣捕獲等事業や有害捕獲に加え、県による広域捕獲や、市町村による集中捕獲も実施するなど、捕獲の強化に取り組んでいます。 令和5年度の鹿捕獲頭数は2万9、138頭となったところであり、令和7年度当初予算案においても同程度の捕獲を目指した予算を計上しているところです。また、イノシシについては、可能な限り捕獲する方針を管理計画に定め、鹿と同様、広域捕獲なども実施しながら捕獲の強化に取り組んでいるところであり、令和5年度の捕獲実績は1、614頭と初めて1、000頭を超えたところであります。ツキノワグマにつきましては、地域個体群を維持しつつ被害を抑制するため、個体数を3、700頭から3、400頭に低減させる方針を管理計画に定めており、令和5年度の捕獲実績は898頭で、今年度からは指定管理鳥獣捕獲等事業も実施しているところです。 今後とも、農作物被害や人身被害の防止に向けた野生鳥獣の個体数管理について、市町村や猟友会など関係機関と連携し、取り組みを進めてまいります。 〔教育長佐藤一男君登壇〕 〇教育長(佐藤一男君) まず、学びの多様化学校についてでありますが、学びの多様化学校は、不登校児童生徒の個々の状況の応じた柔軟な教育課程の編成が可能であり、自己肯定感や進学意欲の向上等、一定の成果が上がっており、千葉盛議員御指摘のとおり、現在、全国的に市町村を中心に設置の動きが進んできているものと承知しております。 一方、学校に登校できない、あるいは学校に不安を感じている児童生徒にとって、学びの場や居場所となる施設は、家庭から身近な地域にあることが望ましいことから、広い県土を有する本県においては、全ての市町村に教育支援センターを設置することを目標に、市町村教育委員会と連携して、その取り組みを進めてきたところです。そうした中で、今年度、市町村教育委員会に対して、今後の学びの多様化学校の設置に係る意向等を調査したところ、いずれの市町村からも設置の意向や計画は示されなかったものです。 これは、学びの多様化学校の設置には、学校設置基準に規定する設備等の基準を満たす必要があること、必要な教職員等の確保を要することなど一定のハードルが存在することなどもあり、多くの市町村においては、現在取り組んでいる校内外の教育支援センターの充実強化に努めたいとの考えによるものと捉えております。 県教育委員会としましては、市町村教育委員会と連携して、校内外の教育支援センターの設置促進と機能強化に取り組むとともに、全国の学びの多様化学校の設置事例について情報収集するなど、引き続きそのあり方について検討してまいります。 次に、県立高校の医系進学コースの設置についてでありますが、県教育委員会では、これまで本県の地域医療を担う医師の確保に向け、いわて進学支援ネットワーク事業や保健福祉部、医療局との連携による岩手メディカルプログラムの実施等により、医学部進学者の裾野の拡大に取り組んできました。また、現在、策定に向け検討を進めている県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜では、10年、15年後の将来を見据えた岩手県の高校教育の基本的な考え方の五つの柱の一つに、大学進学率の向上や、専門的知識を持つ人材の育成を掲げることとしております。 医系進学コースの設置については、当該ビジョン策定を踏まえ、医学部医学科等への進学を見据えたカリキュラムの見直し、国からの教員加算を活用した単位制等の導入、地域の児童生徒の志望動向や、保護者、地域のニーズ、地域の中学校卒業予定者数の推移等、さまざまな観点から設置校も含め検討を進めてまいります。 次に、次期高校再編計画の策定に向けてでありますが、県教育委員会では、現行の新たな県立高等学校再編計画後期計画において、本県の地理的条件を踏まえ、どの地域に居住していても高校教育を受けられる機会の保障と、将来の高校生も充実した高校生活を送ることができる環境の整備を目指し、地域の小規模校を維持した上で、高校魅力化の推進や教育の質の確保に取り組んできたところです。 今後さらに県内全ての地域で少子化が進行し、学校の小規模化なども懸念されるところでありますが、現在策定に向け検討を進めている県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜では、今後の本県における高校教育の基本的な考え方の五つの柱の一つに、教育の機会の保障、教育の質の保証を掲げ、教育環境の構築に取り組むこととしております。 次期高等学校再編計画については、このような長期ビジョンの方針を踏まえ、広大な県土を有する本県の地理的要因によって、子供たちの教育の機会を損なうことなく、さまざまな社会的変化を乗り越えて豊かな人生を切り開く力を身につけさせ、持続可能な社会のつくり手、地域や地域産業を担う人材として育成していけるよう策定に取り組んでまいります。 〇14番(千葉盛君) 再質問させていただきます。 まず、先ほど知事にお伺いした150周年記念事業の若者の海外への留学、研修ですけれども、先ほどの答弁だと、高校生、大学生、社会人もことし南米に行くということでやっているということでした。 私は、北海道のやり方がとてもいいと思って紹介させていただきました。何も岩手県だけでお金を出したり支援したりということではなくて、さまざまな方々、個人や企業と、まさに世界中の方々と結びつきながら、こういった研修とか留学、そして幅広い年代でやっていけるというのは、本当にすばらしいことだと思います。 ぜひとも、基金の創設なのかどうなのか、やり方はいろいろあると思いますけれども、こういったやり方で、また幅広い年代が海外でさまざま勉強できる機会をつくるというのは重要だと思うのですが、もう少し長期間で、多い人数が行けるようになってもらえればいいと思うのですけれども、またその辺、再度知事にお伺いいたします。 あと、鳥獣被害対策ですけれども、過去最高の4億円だということで、そういう意味では、予算が上がったということは素晴らしいのですが、それだけ被害が拡大して、どんどん対策を講じなければいけなくなっているという、深刻な状況だと思います。 結局は、国の交付金も少ないので、集中的にやろうとしても限度があると思うのですが、そこを何とか、環境省だ、農林水産省だといろいろありますけれども、被害を減らすためなので、県はもちろん連携してですが、ハンターの報酬も本当になかなか低くて、経費等も、今物価高騰でかかっていますし、国に、もう少し報酬を上げてほしいのもあります。さまざま経費がかかっているので、そういった補助も含めて、県がたくさん出せるのであればいいのですけれども、市町村もなかなかそうもいかないので、本当にこれは国がしっかりとお金を出して集中的にやっていく。それが将来的にお金がかからないような状態になっていくということだと思います。 再度聞きますが、岩手県だけの話ではないですので、本当に全国一丸となって国に積極的に、交付金をもっと上げて、短期間で集中的に、将来お金がかからないようになるようにということで岩手県としてしっかりと、働きかけてほしいと思いますので、その辺をお伺いしたいと思います。 あと、県立高等学校の医系進学コースについてですけれども、今の答弁であれば、これから設置校を検討していくということだと思うのですが、それは本当に速やかに検討して、速やかに設置に動いていくということなのか。やはり岩手県は日本一医師が少ない県ですので、早期にそういった医師不足を解消できるような体制づくりというのは、本当に重要なことだと思いますので、早期にそういう教育環境をつくっていくべきだと思います。 その辺のスケジュールや、早期にやっていくのかというところをもう一度お伺いしたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 現在の岩手県では、国際交流という視点からは、高校生を中国雲南省や北米等への派遣を行い、また、企業と連携したグローカル人材育成という観点からは、県内大学生の海外留学を大学、企業、各種団体と連携しながら支援しているところであります。 市町村が中学生を、また高校生も研修派遣するということもふえてきておりまして、そのような中で、目的やテーマごとに、どのような研修や留学が望ましいのか。農業は農業でまた海外での研修、留学がありますし、そういったものも含めて、千葉盛議員御提案の趣旨も参考とさせていただきながら、若い世代における国際人材の育成を推進していきたいと思います。 〇農林水産部長(佐藤法之君) 鳥獣被害の国への働きかけといったところかと思います。例えばというところで、報償費の単価のアップといったところの例示もございました。 有害捕獲の国の交付金でございますが、交付金の上限単価というのが、例えば鹿については1頭当たり8、000円、それから、イノシシについては1頭当たり7、000円となっております。 県では、野生鳥獣の捕獲数が増加して、これに伴って捕獲従事者の費用負担も増加しているということでございますので、国に対して、この上限単価を引き上げると、それから、必要な予算を措置するようにという要望をこれまでもしておりましたので、今後も、これはさまざまな機会を捉えて国に働きかけを行っていきたいと思っております。 なお、答弁の中でも申し上げましたが、今年度、新たに国の交付金を活用して集中的に鹿の被害を低減させるというシカ特別対策費でございますが、この捕獲活動経費の上限単価は、1頭当たり1万8、000円となっております。 それから、この事業をぜひもっと活用していきたいと思っておりまして、これは令和7年度の国の予算案にも盛り込まれておりますし、今回の県予算案でも活用を見込んでおりますので、こういったものも活用を図りながら、被害低減に取り組んでいきたいと思います。 〇教育長(佐藤一男君) 医系進学コースの設置についてでございますが、具体的なスケジュールは今の段階では申し上げられませんけれども、既に今年度、先進地調査も行い、内々に検討を行っておりますので、今後検討の上、早期にお示しいただけるように努力してしてまいりたいと思っています。 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって千葉盛君の一般質問を終わります。 〇議長(工藤大輔君) この際、暫時休憩いたします。 午後2時14分 休 憩 出席議員(48名) 1 番 田 中 辰 也 君 2 番 畠 山 茂 君 3 番 大久保 隆 規 君 4 番 千 葉 秀 幸 君 5 番 菅 原 亮 太 君 6 番 村 上 秀 紀 君 7 番 松 本 雄 士 君 8 番 鈴 木 あきこ 君 9 番 はぎの 幸 弘 君 10 番 高橋 こうすけ 君 11 番 村 上 貢 一 君 12 番 工 藤 剛 君 13 番 小 林 正 信 君 14 番 千 葉 盛 君 15 番 上 原 康 樹 君 16 番 菅野 ひろのり 君 17 番 柳 村 一 君 18 番 佐 藤 ケイ子 君 19 番 高 橋 穏 至 君 20 番 佐々木 宣 和 君 21 番 臼 澤 勉 君 22 番 福 井 せいじ 君 23 番 川 村 伸 浩 君 24 番 ハクセル美穂子 君 25 番 高 田 一 郎 君 26 番 木 村 幸 弘 君 27 番 佐々木 朋 和 君 28 番 吉 田 敬 子 君 29 番 高 橋 但 馬 君 30 番 岩 渕 誠 君 31 番 名須川 晋 君 32 番 軽 石 義 則 君 33 番 神 崎 浩 之 君 34 番 城 内 愛 彦 君 35 番 佐々木 茂 光 君 36 番 佐々木 努 君 37 番 斉 藤 信 君 38 番 中 平 均 君 39 番 工 藤 大 輔 君 40 番 郷右近 浩 君 41 番 小 西 和 子 君 42 番 高 橋 はじめ 君 43 番 五日市 王 君 44 番 関 根 敏 伸 君 45 番 佐々木 順 一 君 46 番 岩 崎 友 一 君 47 番 千 葉 伝 君 48 番 飯 澤 匡 君 欠席議員(なし) 説明のため出席した者 休憩前に同じ 職務のため議場に出席した事務局職員 休憩前に同じ 午後2時32分再開 〇議長(工藤大輔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 日程第1、一般質問を継続いたします。上原康樹君。 〔15番上原康樹君登壇〕(拍手) |
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