| 令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録 |
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〇33番(神崎浩之君) 自由民主党の神崎浩之です。一般質問の機会をいただきました先輩、同僚議員に感謝を申し上げ、質問してまいります。
今なお続く大船渡市の林野火災であります。昨年の元旦に能登半島地震があり、お正月にああいう災害があるのかと思っていたところ、ことしは元旦から高病原性鳥インフルエンザの発生ということであります。今避難されている皆様、そして、さまざまな団体を含めて支援に御尽力いただいた皆様に、心から感謝を申し上げ、御慰労申し上げたいと思います。 今回、高病原性鳥インフルエンザ対応では、女性、男性にかかわらず支援に入られ、私は、保健師など数少ない専門職については、退職保健師チームの創設等、災害の場合には協力いただけるような体制の整備などを今後の委員会で提案してまいりたいと思っております。 さて、令和6年の岩手県の自殺者数が人口10万人当たり22.9人で、全国ワーストワン、全国で最も多いという結果となりました。県から要請され、地域で頑張ってきた傾聴ボランティア、ゲートキーパーには、長年自死対策に取り組まれたにもかかわらず、残念な結果となりました。 私は、同級生の自死を経験したこともあり、市議会議員時代から自死対策に取り組み、現在も遺族の相談を受け、一関市、盛岡市、岩手町と自死遺族交流会を開催し、遺族の苦悩を聞かせていただいております。 一般的に政策を立案する場合には当事者の話を聞くのが基本でありますが、しかし、自死の場合には、当事者にその原因や予防対策を聞くことはかなわず、御遺族や未遂者に話を聞くしか手だてはないのであります。 しかし、遺族との時間を持つということは、魂を吸い取られるような繊細な時間であります。県が主催する遺族のこころサロンは、参加者が集まらず苦戦している地域もあります。しかも、沿岸地域の被災地ほど人が集まりづらいという状況もあるようであります。 さて、岩手県自殺対策アクションプランの重点施策に、被災地における包括的な支援により自殺を防ぐを位置づけ、被災地での心のケアを初め、震災関連の自死を防ぐための取り組みを行うとし、こころのケアセンターを位置づけております。 被災地は、まだ心のケアが必要だと皆さん口々に言いますが、実際、心のケアとはどういうものなのでしょうか。そして、13年も続けられている岩手県の心のケアは、4億円もの多額のお金が国から投入されている事業であり、知事初め各位も、どれだけ心のケアの内容を理解されているのでしょうか。 こうした危惧から、私は、今回の一般質問の最初に、このテーマを取り上げました。質問通告を出したところ、新聞で知事が、こころのケアセンターは、市町村と保健所を中心に身近な地域で心のケアに対応できる体制構築が望まれると述べられており、私はびっくりし、うれしく思い、あるべき姿とともに進めてまいりたいと思います。 県では、これまでも自死対策を講じてまいりました。にもかかわらず、今回、全国ワーストワンという結果となりました。これまでの対策の評価を含め、このことに対する所感をお伺いいたします。 岩手県自殺対策アクションプランでは、自殺対策にかかわる人材の確保、養成及び資質の向上を図る重点施策の一つとして、ゲートキーパーや心のサポーター養成に取り組むとし、人材育成が進められております。また、悩みを抱えた人や死にたい気持ちを抱えた人の相談を受ける保健所、市町村の実務担当者の資質向上を目的とした研修会等の開催も、取り組みに挙げられております。 働き盛りの自死が多い岩手県では、福祉関係のみでなく、企業や団体へのアプローチが必要であります。私が知っている遺族の話を聞きますと、いわゆるブラック企業で息子さんが亡くなったという事例も多いわけであります。 研修会を開催すれば参加者数の累計はふえていきますが、質の評価はされているのでしょうか。また、対象の広がりを含め課題はないのでしょうか。 自死者の数は減少し亡くなる人が一人になっても、遺族の数は増加します。人材の育成も進んでいますが、一方、精神障がい者の家族会は減少しており、精神保健ボランティア団体は、活動困難になっている現状があります。 県が養成、育成し結成され活動してきた団体が、活動困難になることについてどのようにお考えなのでしょうか。対応をお聞きいたします。 残された人への支援を充実する、民間団体との連携を強化すると重点施策の項目にはありますが、自死遺族の交流会を開催している、また、民間団体を会議のメンバーにしているというだけでは、支援の充実や連携の強化とは言えないのではないでしょうか。残された家族は、困っていること、悩んでいることを自分から話すことが難しいのであります。家族が声を上げられない、語れないような目に見えない壁を取り払う取り組みは必要ないのでしょうか。 先ほどもお話ししましたが、毎年、国から10分の10で4億円ものお金で実施されている被災者こころのケアセンター事業ですが、今までの運営、これからの運営について非常に危惧しております。東日本大震災津波から14年もたち、また、能登半島地震を初め、全国で大きな災害が起こっている。4億円ものお金が今後も岩手県に続くことはないでしょう。 国の方針も、心のケアは、復興事業から一般施策で対応するよう求められております。宮城県はいち早くそういう体制に移行させ、復興予算がなくなっても、心のケアは県で継続していけるよう体制を整えました。現実的で重要な行政運営だと思います。 国に対し、心のケア事業を継続しろと要望するだけでは、結果的に岩手県の被災者に対し無責任で申しわけない状態になるだけであります。被災3県の中でも岩手県のやり方を非常に憂えております。県や委託先の岩手医科大学には考えてほしいと思います。 さて、こころのケアセンターですが、時間の経過とともに、新たなストレスや精神的問題が生じているのではないでしょうか。また、そのことについて、市町村や保健所との共有はなされているのでしょうか。 被災者支援のほか、支援者支援として支援者のメンタルヘルスケア、技術支援、保健事業への協力など、活動内容に掲載されておりますが、人材育成のための研修や講演会など、こころのケアセンター及び県主催の取り組みはあるのでしょうか。依頼を受けて行っているのであれば、地域格差など問題や課題はないのでしょうか。センターの活動状況、体制、内容、件数について、各保健所、特に沿岸地域の保健所の取り組みとの関係も含めお示しください。 次に、食料・農業・農村基本法の改正から、今年度は基本計画の改定であります。その基本理念では、安定供給から安全保障、そして、新たに環境と調和のとれた食料システムの確立が加わりました。 食料を安全保障として位置づけることは、日本国として農業の重要性を認識したものであり、農業県である本県の重要性がますます高まると期待しております。 このような国の動きに対し、県は、待ちの姿勢ではなく、国の情報を積極的にキャッチし、国の動きを予想し、国と同時進行で、いや、農業県岩手と言うのであれば、国に先駆けて岩手県の計画や農政の推進を進めていかなくてはなりません。 そこで伺います。今までの県の農業の計画と国の新たな計画とはどう関係してくるのでしょうか。国の計画改定の状況を受けて、県は今どのような動きをしているのでしょうか。 国は、この計画の実行のためKPIを設定すると言っております。食料自給率その他、食料安全保障の確保に関する事項の目標の達成状況を公表し、PDCAを回す仕組みを導入するとしています。 約30と言われております項目は、県は当然把握され、県の目標を設定すると思いますが、今まで県で設定した農業政策のKPIあるいは目標数値は、どのようなもので、その達成状況はどうなっているのかお伺いいたします。また、今回の国の計画に対応し、県のKPIの項目をどう設定していくのかお伺いいたします。 先日の国会審議の小野寺五典自由民主党政調会長の質疑の中で、水田活用の直接支払交付金の運用において水張りルールは廃止と打ち出されました。これは、田んぼや畜産を初め本県の農業にとっては、大きなプラスの決断、対応になります。 また、国は、備蓄米の放出に踏み切り、価格安定を図ろうとしています。現在の県内の米価高騰、また備蓄米の放出後における県民、農家への影響が心配です。昨年は高値だけでなく、岩手県でも売り場から米が消えるということがありました。値段もそうですし、品薄になるということも心配であります。 引き続き米価が高騰し、現在、岩手県にはどのような影響が出ているのか。消費者は購入できないという事態にならないのか。また、備蓄米放出により急激な米価下落、それに伴う、せっかく上がった概算金の下落も心配であります。今後心配されることはないのかお伺いいたします。 米価の高騰は生産者や農林水産部にはよいことかもしれませんが、一般家庭には逆影響であります。特に、給食を提供している団体は悲鳴を上げています。小学校や中学校の学校給食について、価格高騰の影響と対応を伺います。あわせて、県立病院の病院給食への影響と対応をお伺いいたします。 離農や人口減少が続く中、中山間地域の生活は厳しいとされております。私は、1月に農林水産省担当者と中山間地域の支援について意見交換をいたしました。担当者は、農村RMO―農村型地域運営組織を拡大し支援するとの回答であり、確かに、昨年の国の資料に比べことしの農村RMOの記載分量はふえており、国はこれに力を入れていくのだと感じました。 農村RMOは、地域の複数の関係者が連携し協議会を設立し、農業生産だけではなく、地域課題の解決に向けた取り組みを持続的に実践するものであり、農村RMO形成推進事業により支援していくとしています。 さらに、中山間地域等直接支払交付金については、複数の集落協定間でのネットワーク化等を促進するネットワーク化加算が、国の令和7年度当初予算案に新たに繰り込まれています。このネットワーク化加算は、各集落協定が、独自性を維持しながら、地域の実情に合わせて緩やかに連携する協議会を設置する場合にも支援の対象とすると拡大されました。国では、これらの施策により農用地の保全を支援していくとしております。 そこでお伺いしますが、農村RMOの取り組み状況と形成に向けた課題をどのように捉えているのか。また、国の施策では今回3本の矢が放たれたと思っております。県は、どのように活用し中山間地域への支援を進めていくのかお伺いいたします。 ものづくり産業は、本県経済を支える産業であり、半導体関連産業は、国、県、市がキオクシア岩手株式会社に大型の補助を行っていますが、平成29年から令和4年にかけ、製造品出荷額は約4、000億円、雇用者数は3、800人以上増加するなどの効果を得ております。しかし、その効果は県全体としての見方であり、地域やそれぞれの企業の実情を見ますと、言うまでもなく濃淡が見られます。話題となるのは大手企業が中心で、地元の中小企業はどこまで潤っているのでしょうか。地元の声を聞いても、景気のよい話はなかなか耳にすることはありません。 昨年11月、商工建設委員会で、九州経済産業局、九州工業大学、熊本県のソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社等、半導体関連産業を視察でき、大きな勉強をさせていただき、半導体産業とはこういうものなのかとまざまざと見せつけられ、臼澤勉商工建設委員長を初め、企画、対応された関係者に感謝いたします。 ことし1月には、ヘルステック・イノベーション・ハブを訪問し、医療機器関連産業の調査を行ってまいりました。調査を通じ感じたことは、注目を浴びている業種であっても、そこで業績を上げていくには、歴史や背景があったり、すぐれた技術や開発力など、他の企業をしのぐ強みが必要であるということです。 本県では、自動車、半導体、医療機器の3本柱を中心にものづくり産業の振興に取り組んでおり、これらの業種の今後の発展を期待するところであります。 技術力や開発力に独自の強さを持ち成長している企業を見ると、自社の強みを発揮できるところが、たまたま半導体であったり医療機器であったりというところもあります。例えば、ヘルステック・イノベーション・ハブに入居する企業であっても、最初は医療機器以外であったのが、技術力を活用できる分野として医療機器に進出したというところもあります。最初にその業種を目指したのではなく、結果としてその業種だったということであります。 企業ごとに持っている強みや成長可能性は異なると思います。自動車や半導体産業向けと決められた業種に誘導するのではなく、それぞれの強みを伸ばすという視点も県の企業支援には大事ではないでしょうか。1月に経済産業省の方と意見交換した際、国が半導体関連産業で大型補助した企業は、必ずしも大きな半導体工場の近隣ではなく、全国に点在している企業でした。 独自の強みを持ち、競争力のある企業を県内にふやしていくため、業種にとらわれない支援策を強化すべきではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ものづくり産業が発展を続けていくためには、本県のすぐれた人材が地元に定着することが重要です。ヘルステック・イノベーション・ハブを訪問した際に、関連企業が連携し次世代の人材を育てる取り組みを行っていることを伺い、感銘を受けたところであります。 しかしながら、私の地元にある一関高等専門学校は、すぐれた人材を輩出すると高い評価を得ていますが、県内定着が進んでおりません。岩手大学や岩手県立大学は、すぐれた理工系の人材を育成しておりますが、残念ながら、多くの卒業生が県外に流出しております。 昨年12月、国では地方創生2.0を公表し、女性や若者にも選ばれる地域となるため、自ら考え、行動を起こすことが必要ではないかとの見解が示されました。 県内高等教育機関の卒業生の就職先としての企業誘致は、十分に実現していません。県内企業が県外よりも魅力的な就職先として選ばれるための行動を、さらに進めていかなければなりません。県外に行くより県内にいたほうが自分の能力を発揮できる、そのように学生に評価される企業を、職場をふやさなければなりません。 高等教育機関の理工系学生が、希望を持って就職したいと思える県内企業をふやしていくため、どのように取り組んでいくのか伺います。 12月の補正予算で可決し、最近やっとテレビCMにも登場し始めた岩手県物価高騰対策賃上げ支援金ですが、最低賃金対策と大方の経営者は受けとめております。 昨年に引き続きの第2弾は、折しも最低賃金59円アップを受けた後の60円以上の引き上げが対象とされました。経営者から、余力はないが頑張って最低賃金分59円をやっと引き上げたのに、1円足りないから支援が受けられない。最低賃金額を59円も上げたのに、1円の差で、逆に企業いじめだと、そういう苦情も言われました。県行政への諦めも話されました。 予算を調製する総務部は、商工労働観光部からこの事業を要望されたとき、どう確認したのでしょうか。このような苦情、県行政への諦めになるのは、県の制度設計に問題があったと思います。本当に困っている事業者への支援とするならば、そういう企業に支援が届かないのは大変おかしなことであります。 今回の支援金にかかわらず、今後も中小企業支援施策を行っていく際には、商工業だけではなく、建設、福祉、農業などの雇用にかかわる他分野の声も丁寧に聞き制度設計をしていくべきです。私は、今回の制度は、障がい者の授産施設や農業生産者の経営者の声を聞くと、非常に悲しくて悔しくてしようがないのであります。 さまざまな分野の事業者に影響する事業の場合、分野ごとに県庁の所管部局も異なるため、関係部局と意見交換しながら取り組む必要があります。こういうことは、行政は面倒で苦手でしょうが、県民、事業者のためにやることであります。広く事業者の声を聞き、それぞれの業界の事業者と、その業界を所管する関係部局の声、市町村と意見交換をし、しっかりと反映させるべきです。 商工支援団体や出先機関からの間接的なルートからの情報だけではなく、事業者の生の声を直接聞き、政策をつくるのは当然です。社会も、仕組みも、課題も複雑化しており、行政も部局横断で取り組まなければ、効果が出ない間違った企画になってしまいます。 制度設計に当たり、県の重要課題、予算が大きなものは、担当部局ではなく、また予算を調製する総務部でもなく、政策を担当する部局が制度設計の責任、マネジメントを担うべきです。 また、県庁内の部局の横の意見交換、広域振興局や市町村との縦の意見交換、意思統一が必須であります。現場から遠い県庁だけで企画せず、出先から現場の課題、声、川上から生の声を聞き、当事者に合致した事業を組み立てることが当然であります。 昨年の一般質問で聞いた附帯意見への対応の事業や、今回の賃上げ支援金の関係では、精いっぱい頑張っている事業者へのいじめということにもなり、事業立案方法の見直しが必要です。知事も、答えは現場にあると話されております。御所見をお伺いいたします。 次に教育関係、不登校の課題についてお伺いいたします。 私は、子供の居場所づくりについて議会でも質問してまいりました。今回、不登校対応の一環として、学校内外に教育センターを設置し、受け皿をつくることになりました。家庭環境が多様化する中、放課後を含め子供の居場所づくりは大事なことであります。知事演述でも前向きなお話があり、うれしく思っております。知恵を出し合い、充実させていきたいと思います。 本県の不登校児童生徒数ですが、小学校で843人、中学校で1、616人、高等学校で593人に上り、増加しております。どのような理由で不登校になっているのか、それに対しどう対応していくのかお伺いいたします。 不登校といっても、さまざまなケースがあり、学校に行けない、学校には行けるけれども教室に入れないなど、児童生徒それぞれの状況に応じた対応が必要です。 その中でも教育支援センターの役割は大きいと考えます。教育支援センターは、県と27市町村が設置しているところですが、基本的には出席扱いとなります。また、学校に設置される校内教育支援センターは、学校の別室に学習場所をつくるもので、教室には入れないけれども勉強したいという子供の学習意欲に応えるものであります。 ぜひとも、全市町村、全学校に設置してもらいたいところですが、現状と今後どのように整備していくのかお伺いいたします。 GIGAスクール構想にかかわる取り組みの推進により端末の整備が進み、本県での利用率は、小学校で83.9%、中学校で87.8%と伸びていますが、まだ全国平均には追いついておりません。活用頻度だけでなく、教室の内外でどう活用するのか、中身が大事となってきました。 デジタルの活用は文部科学省の事例にあるように、児童生徒の個々の発想から研究し、まとめる学び方のツールに活用形態を変えていくことが必要です。 昨年、宮城県岩沼市の小学校で授業を参観させていただきました。岩手県の学校ではこのような事例はあるのでしょうか。また、他県の事例研究や県庁にデジタルサポート班の設置、そして派遣、学校への支援体制など、県内に広げるための取り組みはどのように進んでいるのでしょうか、お伺いいたします。 1人1台端末の更新のための大きな予算が国から措置されました。 一方、学校でのデジタルの活用には、幾ら端末を整備しても、動作環境が良好でなければ活用はできません。学習効果は下がります。残念ながら、学校によっては、通信速度が遅く、教育での活用に支障が生じているところもあります。 ネットワーク環境の維持については、生徒数に見合う初期の通信契約や毎年かかるランニングコストがあり、一時的な投資で済むものではなく、継続的な予算確保も必要となるものです。 国では、必要な通信速度の安定的な確保に向け、ネットワークの改善に向けた取り組みが進められております。学校の通信環境はどうなっているのでしょうか。今後の対応はどのようになっているのでしょうか。 以上、この場での質問とさせていただきます。残りは、降壇いたしまして質問させていただきます。 〔33番神崎浩之君質問席に移動〕 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 神崎浩之議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、自殺対策についてでありますが、自殺は、多様かつ複合的な原因や背景を有するものであり、幅広い分野における包括的な取り組みが重要であります。 本県ではこれまで、岩手県自殺対策推進協議会を中心に、多様な主体が連携し、官民一体となって自殺対策に取り組んでまいりました。こうした取り組みにより、自殺死亡率は長期的には減少傾向にあること、全国平均との差は着実に縮小していることという成果があらわれています。 しかしながら、先月公表された警察庁の統計をもとにした発見地ベースの令和6年の自殺者数によると、本県の自殺死亡率は全国で最も高く、このことを重く受けとめ、多様な主体と連携し、岩手県の総力を結集して、誰も自殺に追い込まれることなく、幸福を実感できる地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。 次に、中小企業支援施策についてでありますが、中小企業、小規模事業者は、その持続的な発展により、多くの雇用や所得の創出を通じて地域経済の中核を担っています。 エネルギーや原材料価格の高騰、円安、後継者不足など、厳しい状況に置かれている中小企業等に対して、その安定した経営基盤の構築を支援することは、県の重要な役割であります。 中小企業支援施策を初め、県の各種施策に関しては、神崎浩之議員御指摘のように、現場の課題を踏まえて、事業者を初め、県民の声を適切に反映させていくことは、施策立案の基本であると考えます。 県では、現場主義に基づく県民本位の施策を推進するため、各議員からの御提案のほか、県政懇談会や県政提言などによる県民の方からの御意見、さまざまな立場の方々からの御要望、提言、日常的に事業者や地域住民と接している広域振興局と本庁との情報共有、住民に身近な市町村との意見交換などにより、多様な声やニーズの把握を行っているところです。 また、そのようにして得られた声やニーズを、政策推進クロス・ファンクショナル・チームなどを活用して、部局間で共有し、施策の効果や影響を十分に検討した上で、現場の課題に即した施策の立案に生かしています。 今後も、こうした取り組みをさらに充実させながら、県の各種施策が、より県民の声やニーズを反映したものとなるよう努めてまいります。 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。 〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、自殺対策に係る人材の養成についてでありますが、自殺のリスクの高い人の早期発見、早期対応を図るためには、身近な人の心の変化に気づき、声をかけ、見守っていく人材を養成することが重要でありますことから、県では、市町村等と連携しながら、ゲートキーパーや傾聴ボランティアなど、自殺対策の担い手養成に取り組んでおります。 毎年度1、000人を超える県民の方々がゲートキーパー養成研修等を受講しているところでありますが、受講した方が、地域や職場などで実践的な対応を行い、ゲートキーパーの役割を果たせるよう、繰り返し研修機会を提供していくことが必要であると認識しております。 また、医療、介護、福祉のほか、失業や生活困窮など社会的要因に関連する相談窓口の相談員については、自殺を考えている人のサインに気づき、その方の抱えている問題に応じた専門家にしっかりつなぐことができるよう、資質の向上を図る必要があります。 こうしたことから、引き続き、市町村等と連携して、広く県民にゲートキーパーの普及啓発を図るとともに、精神保健福祉センターや保健所において、相談技術向上のための研修会の実施や技術支援により、専門職員等の資質向上に取り組んでまいります。 次に、精神保健に係る支援団体の活動についてでありますが、家族会や精神保健ボランティアなどの支援団体は、これまでに相互交流による地域での孤立の防止や作業所などの社会資源の開発、運営、精神保健福祉に係る知識の普及啓発などの役割を果たしてきたところでありますが、近年は、会員の高齢化や担い手不足などが課題となっており、団体数が減少傾向にあるところであります。 精神障がい者やその御家族を取り巻く環境も時代とともに変化しており、かつて家族会等が担ってきた社会資源の開発については、障害者自立支援法の施行以降、精神障がい者も障害福祉サービスの支援対象とされたことを契機に、サービス基盤の充実が図られてきたところであります。 また、近年は、地域移行、地域定着支援が我が国の精神保健福祉施策の柱とされており、本県においても、精神障がい者とその御家族が、地域の一員として安心して生活ができるよう、圏域ごとに精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めているところであります。 各支援団体には、引き続き、身近な立場で当事者やその御家族を支援する役割が期待されることから、県では、市町村と連携し、研修等を通じた人材育成や団体の交流、連携の促進を図るなど、民間団体が活動を継続できるよう必要な支援に取り組んでまいります。 次に、自死遺族支援についてでありますが、自死により大切な親族等を亡くされた方は、その置かれた状況やニーズはさまざまであり、つらいお気持ちを周囲の方に話すことが難しく孤立してしまうこともありますことから、それぞれの状況等に応じて、きめ細やかに支援していく必要がございます。 県では、御遺族に対し相談窓口に関するリーフレットを配布しているほか、精神保健福祉センターに自死遺族の相談窓口を設置し、保健師や心理職等による電話、来所による個別相談に応じ、ケアマネジメントを行って、それぞれの状況に応じた必要な支援につないでいるところであります。 また、各保健所では、同様の経験をした遺族同士の語り合いや交流の場として自死遺族交流会を定期的に開催しており、市町村広報や県ホームページにおいて、開催情報等について継続的に情報提供しているところであります。 これらの支援に当たりましては、それぞれの御遺族の心情に寄り添いながら、丁寧に対応しているところであり、引き続き、関係機関、団体と連携して、御遺族が安心して支援を受けられるよう取り組んでまいります。 次に、こころのケアセンターについてでありますが、岩手医科大学に設置しております岩手県こころのケアセンターを中心に、沿岸地域4カ所の地域こころのケアセンターを拠点として専門的ケアを実施し、相談件数は、近年では年間7、000件を超えて推移しております。 被災地では、東日本大震災津波そのものによるストレスに加え、時間の経過に伴い、自身の高齢化や転居等の生活環境の変化といった被災後の二次的なストレスの蓄積などにより、被災者が抱える問題が複雑化、多様化している状況が認められます。 こころのケアセンターは、医師等による専門的な相談支援のほか、市町村が行う保健事業と連携した予防的介入や市町村や保健所が主催する専門研修等の講師対応、困難ケースへの専門的な助言など、市町村や保健所と連携した包括的な支援を行っているところであります。 将来的には、市町村や保健所を中心とした身近な地域で心のケアに対応できる体制が構築できるよう、こころのケアセンターによる専門研修やスーパーバイズなどを継続し、地域の専門人材の育成を図ってまいります。 〔企画理事兼商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕 〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、ものづくり産業の振興についてでありますが、県においては、自動車、半導体関連産業を核に、医療機器関連産業を第3の柱として、ものづくり産業の振興を図っているところでありますが、これら3分野以外にも、コネクタ、空気圧機器、農業用機械、高級時計などさまざまな製品が生産されており、地場企業の多くは、一つの分野だけではなく、複数の分野にまたがって取引を獲得しているところです。 また、例えば、自動車分野に参入している企業がロボット開発や医療機器の製品化を行う事例、半導体製造装置製造にかかわる企業が林業用機械の開発を行う事例なども生まれております。 また、独自の技術を活用して、県内で設立したさまざまな分野の地場企業に地元の金融機関等が投資を行い、さらに成長していくといった循環が、地域経済の活性化に大きな効果をもたらすと考えております。 このような考え方のもと、産学官金の連携をさらに強化し、県内に蓄積されている最先端の技術やオンリーワンの技術を生かした新事業開発や、研究開発型企業の育成に向けた支援を行っていきたいと考えております。 次に、人材の定着についてでありますが、自動車、半導体関連産業を核としたものづくり産業の集積がさらに進んでいるほか、昨年7月には、県南地域で企業の総務事務等を代行する女性社員の割合の高い上場企業が新たに竣工するなど、処遇面を含めた安定した働く場が、幅広い分野でふえております。 こうした状況を若者や女性の県内定着に結びつけていくためには、企業の採用力強化に向けた取り組み支援などを行っているほか、岩手県立大学では、滝沢市IPUイノベーションパークに立地する企業による講義などを必修化するといった取り組みも行われております。 また、大学等の高等教育機関の卒業生の県内定着を促進するためには、先ほど答弁申し上げたような本社機能を含めた研究開発型企業の集積を進めるとともに、一関高等専門学校の学生等が実践しているような、先端技術やオンリーワン技術を活用したスタートアップ企業の育成も効果的であると考えております。 引き続き、こうした取り組みをオール岩手で推進し、高等教育機関の理工系学生を含め、若者や女性の県内定着を高めていきたいと考えております。 〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕 〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、食料・農業・農村基本計画に係る県の対応についてでありますが、県では、食料・農業・農村基本法の改正を契機に、気候変動やGXの進展など、本県農業を取り巻く環境が変化する中、食料供給基地としての役割をしっかりと果たしていくことが重要と考え、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策を一層推進していくため、いわて農業生産強化ビジョンを策定することにしました。 国の基本計画の骨子案では、食料安全保障の確保、農業の持続的な発展、環境と調和のとれた食料システムの確立など、基本法の基本理念の実現を図る観点から、国内の農業生産の増大、環境と調和のとれた食料システムの確立、人、農地など食料自給力の確保等を主要なテーマとしています。 これらは、いわて県民計画(2019〜2028)の政策を一層推進するためのいわて農業生産強化ビジョンに掲げる、農業生産の増大に向けた生産性・市場性の高い産地づくり、環境負荷低減と安全・安心な産地づくり、産地づくりを支える人材の確保・育成の三つの柱と方向性を同じくすると認識しています。 県では、国が基本法改正の方針を示したことを受け、令和5年9月に、国に対し、国内生産の増大などを要望したほか、基本計画策定に向けた議論が開始されたことを受け、令和6年9月に、地方の実情を踏まえた基本計画の策定と各施策の充実強化を要望するなど、国の検討状況に応じて適時に対応してきたところです。 今後も、さまざまな機会を捉え国への要望を行うとともに、国の基本計画の内容も踏まえつつ、生産者や関係機関、団体等の意見を伺いながらビジョンの検討をさらに進めていきます。 次に、KPIについてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)において、農業分野では、農業経営体1経営体当たりの農業総産出額など3指標をいわて幸福関連指標に設定するとともに、リーディング経営体の育成数など17指標を具体的推進方策指標に設定しており、令和5年度の目標値に対する達成度は、いわて幸福関連指標では、3指標のうち、おおむね達成以上が2指標、具体的推進方策指標では、17指標のうち、おおむね達成以上が14指標となっています。 今般公表したいわて農業生産強化ビジョンの素案では、食料自給率と農業産出額を目標に掲げ、指標の設定については、いわて県民計画(2019〜2028)の指標等との整合性を考慮しつつ、三つの施策推進の柱ごとに19指標を示しましたが、今後、国の基本計画の目標やKPIを参考に、岩手県農政審議会を初め、生産者や関係機関、団体等の意見を伺いながら、目標値を含め検討していきます。 次に、米価高騰の影響についてでありますが、令和6年産米の小売価格は、全国的に昨年より高い水準で推移しており、岩手県産ひとめぼれのことし1月の価格は、5キログラムで約3、300円と、昨年1月と比較し約6割上昇しています。 この価格上昇により、一般家庭の食費の増加だけでなく、外食事業者等に値上げの動きが広がるなど、幅広い影響があるものと考えています。 また、国の公表資料では、ことし1月の岩手県産ひとめぼれの販売数量は83トンと、昨年1月からほぼ倍増していますが、米卸売業者からは、現時点で、県内スーパー等への米の供給に支障は生じていないと聞いております。 先般、国が公表した政府備蓄米の放出については、放出する量や売り渡しの条件が示されたものの、備蓄米が市場に出回るのは来月中旬以降とのことであり、米の小売価格や販売数量、JA概算金等にどのような影響を与えるか、今後の価格や販売などの動向を注視していきます。 令和7年産の主食用米の生産目安について、岩手県農業再生協議会では、昨年度実績から約1、300ヘクタールふやすこととしており、県としては、関係団体と連携しながら、県産米の生産拡大と安定供給に取り組んでいきます。 次に、中山間地域の振興についてでありますが、農業従事者の減少、高齢化が進む中、農村の維持、活性化に向けては、農業の振興はもとより、多様な主体の連携、協働により、地域コミュニティーの活動を活発化していくことが重要です。 県では、農村型地域運営組織、いわゆる農村RMOの形成と農地保全や地域資源活用、生活支援などの農村RMOの取り組みを支援しています。 農村RMOの形成に当たっては、地域活動をリードする人材の育成や地域の合意形成等が課題となっていることから、県では、リーダー育成に向けた研修会や合意形成を支援する専門家の派遣などを行うほか、県や関係機関、団体等で設置した、いわて農村RMO伴走支援連絡会において、課題の共有や新たな地域の掘り起こしなど、農村RMOの形成を支援しています。 こうした取り組みにより、現在、県内では3市5地区において農村RMOが形成され、将来ビジョンの作成や農地の保全活動、高齢者の買い物支援などが進められており、令和7年度は、新規の2地区を含む7地区で取り組みが行われる予定です。 国では、中山間地域において農業生産活動等が継続的に行われるよう、令和7年度の中山間地域等直接支払交付金について、新たにネットワーク化加算を設けており、県では、この加算措置の周知を図り、活用を促すこととしています。 県としては、今後も、こうした国の事業を積極的に活用しながら、農村RMOの支援などにより、中山間地域の活性化が図られるよう取り組んでいきます。 〔医療局長小原重幸君登壇〕 〇医療局長(小原重幸君) 米価高騰の県立病院給食への影響についてでありますが、県立病院の給食提供における米の購入状況は、本年度下半期の1キログラム当たりの税抜き平均単価が542円と、前年度同期に比べ226円増加しており、本年4月から12月までの米の購入総額についても、前年同期に比べ109万円増加の793万円となっております。 米を含む食材費の高騰への対応については、生産や収穫時期に応じた食材の選択や、緊急入院等に対応するための予備食数の精査による使用量の抑制の取り組みなどにより、1食当たりの食材費を前年度と同等の水準で維持しているところであります。 さまざまな食材費が高騰しておりますが、病院給食は、治療の一環として、患者の状態や病状等に応じた栄養管理に基づき必要な栄養や適正な量の食事提供に努めております。 〔教育長佐藤一男君登壇〕 〇教育長(佐藤一男君) まず、米価高騰の学校給食への影響についてでありますが、学校給食用米については、昨年11月時点で、米飯給食を実施していない2市町を除く31市町村全てで、購入する米の価格が年度当初と比較して上昇している状況です。 学校給食用の米の価格は、各市町村や調理場により米の購入先が違うため、さまざまではありますが、学校給食用食材の提供を行っている公益財団法人岩手県学校給食会では、精米価格を昨年11月分から1キログラム当たり税込み388.8円を523.8円に改定し、改定前と比較すると135円、約35%の上昇となっております。 市町村の対応状況については、米を含む野菜、肉等の食材の購入経費を、昨年11月時点で年度当初額から増額または増額予定としているのが23市町村、年度当初額の範囲内で対応するとしているのが10市町村となっております。 食材の購入経費を増額または増額予定とした23市町村については、7市町村で全額無償化、16市町村では、価格高騰分を補助することにより保護者に負担をかけない対応を行っていると承知しております。 次に、不登校の現状についてでありますが、不登校の背景や要因は多岐にわたり、個々の児童生徒の状況も多様でありますが、文部科学省では、児童生徒の休養の必要性を明示した教育機会確保法―義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の趣旨の浸透等による保護者の学校に対する意識の変化、コロナ禍の影響による登校意欲の低下などが考えられる等との見解を示しており、本県も同様の認識であります。 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査におきましては、不登校のきっかけや背景にある事実の調査がなされ、不登校児童生徒について把握した事実として整理され、本県においては、全国と同様に、学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった、生活リズムの不調に関する相談があった、不安、抑鬱の相談があったとの回答割合が高い結果となっております。 不登校児童生徒への支援については、不登校となった要因を的確に把握し、学校関係者や家庭、関係機関が情報共有し、組織的、計画的に、個々の児童生徒に応じたきめ細かな支援策を策定することや、社会的自立へ向けた支援をすることが重要です。 県教育委員会では、これまで、魅力ある学校づくりによる不登校の未然防止、心と体の健康観察の実施、24時間子供SOSダイヤルの設置、1人1台端末を利用したこころの相談室の開設、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置、市町村の教育支援センターの設置や拡充による相談支援体制の強化などの取り組みを実施してきたところです。 これらに加え、新たに令和7年度一般会計予算案におきまして、校内教育支援センターの支援員配置の補助に係る経費を計上したほか、児童生徒や保護者に対する支援や相談に関する情報が、一体的に、より確実に届くよう、支援ガイドの作成やポータルサイトの構築など情報発信も強化するなど、児童生徒や保護者の一層の支援に取り組んでまいります。 次に、教育支援センターについてでありますが、県教育委員会では、県内全ての市町村に教育支援センターが設置されることを目標に、その整備を支援してきたところであり、現在27の市町村において整備がなされております。 また、本県の校内教育支援センター、いわゆるスペシャルサポートルームの設置状況につきましては、文部科学省の調査によりますと、令和6年7月現在、公立小学校で103校38.7%、公立中学校88校61.5%、公立小中学校を合わせて46.7%で、全国の46.1%とほぼ同様の設置率となっております。 こうした中、令和7年度一般会計予算案におきまして、校内教育支援センターの支援員配置の補助に係る経費を計上するなど、引き続き市町村を支援することとしております。 県教育委員会としましては、市町村教育委員会と連携しながら、不登校児童生徒の多様な学びの場や居場所の確保に取り組んでまいります。 次に、端末を活用した授業についてでありますが、神崎浩之議員から御紹介いただきました宮城県岩沼市の小学校の授業の形態は、学習の内容や進路を子供自らが計画して学習を進める、単元内自由進度学習という学習方法を、1人1台端末を活用しながら進める先端的なものであり、国の指定を受けて行われているものであると承知しております。 本県では、学校全体でこのような授業の形態を実践している事例はなく、全国的にも実践例は限られている状況であり、今後の実践の広がりに注目しているところです。 本県におきましては、1人1台端末の活用により、全ての児童生徒の可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現を図るため、GIGAスクール運営支援センターによる学校訪問研修、総合教育センターにおける教員向けICT活用研修、教育ICT活用指導主事研修会などにより、教員のICT活用能力と授業力の向上を図るとともに、教員のICT活用をサポートするICT支援員の情報共有や能力向上を図るため、ICT支援員等連絡会議を開催するなどして、いるところです。 また、令和5年度、令和6年度、紫波町の小中学校に対して、国及び県のモデル校指定を行うなど、ICTを活用した事業の好事例の創出と普及に取り組んできたところです。 県教育委員会としましては、引き続き、こうした取り組みを通じて、教員のICT指導力の向上を図りながら、ICTを効果的に活用した授業づくりを推進してまいります。 次に、ネットワーク改善についてでありますが、昨年4月に文部科学省が公表した校内通信ネットワーク環境整備等に関する調査の結果では、学校規模ごとの通信速度の目安を満たしている公立の小中学校、高等学校、特別支援学校は、全国で2割程度となっております。 この調査に回答した本県の約500校の状況を県教育委員会が独自に整理、分析したところ、通信速度の目安を満たしている学校は、全国と同様に2割程度であり、各学校の教育活動においてICT機器の活用機会がふえたことなどに伴い、通信ネットワーク環境の改善が必要となったものであります。 国では、全ての学校が通信速度の目安を満たすことを目標に掲げて課題解決に取り組むとともに、この目標の実現に向けて、各都道府県や市町村の教育委員会に対し、ネットワーク整備計画の策定を求めています。 このため、県及び市町村教育委員会は、岩手県学校教育DX・学力育成協議会を通じて、課題等を共有しながら計画の策定作業を進めているところです。 県教育委員会としましては、引き続き、市町村教育委員会と連携して、学校の通信ネットワーク環境の改善に取り組んでまいります。 〇33番(神崎浩之君) 今回、1月から一般質問の準備をしておりまして、その当時は、高病原性鳥インフルエンザ対応の関係で県職員の皆さんが御苦労なさっているときから、当局説明をいただいたりして、きょうまでまとめていただきました。感謝申し上げます。 再質問させていただきます。 まず、自死関係であります。働き盛りへの対応ということですが、福井県で男性の自死が7割を占めるということで、今回、男性向けの電話相談窓口を開設したということであります。男性だから、父親だからというジェンダーバイアスにより相談しづらいというようなこともあり、こういう動きがあるということであります。ぜひとも本県でもそういう対応をとっていただきたい。働き盛りの自死が多いということであります。これは要望です。 それから、自死の遺族交流会は、沿岸地域が結構苦戦しているということです。沿岸地域だからこそ集まってほしいという思いがあるわけですが、逆に沿岸地域が集まらない。 私もいろいろ聞いたところによりますと、東日本大震災津波で亡くなった遺族も来る、それから、自死で亡くした家族も来るということです。そういう中にあっては、死亡のランクづけというのがあるらしいのです。これは目に見えないものでありますけれども、言葉は誤解されないように聞いていただきたいのですが、極端な例で言うと、東日本大震災津波は名誉の死、そして交通事故の死、それから、自ら自分を死に至らせる自死ということがある。 そのような中にあって、なかなか沿岸地域では、自死遺族が死を語れないという空気もある。そういう中で、なかなか取り組みが進まないということもあるそうでありますので、そのようなことも考えながら進めていただきたいと。これも答弁は要りません。 こころのケアセンターでありますけれども、岩手県のこころのケアセンターのホームページを見ると、2019年11月14日が新着情報の最後となっております。2019年で終わっています。リンク先にあるみやぎ心のケアセンターは2024年10月、それから、福島県にあっては2025年2月の進捗状況であります。 こういうことについて、保健福祉部長はどうお考えなのか、所感をお伺いしたいと思います。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、答弁は要らないと言いましたが、福井県の事例をきちんと情報収集してまいりますし、被災地の方々、御遺族の方々が声をなかなか上げられないということを十分念頭に置きながら、丁寧な取り組みを進めてまいりたいと思います。 震災こころの相談室の周知につきましては、県で作成している暮らしの安心ガイドブックに地域センターの電話番号を掲載しているほか、市町村広報紙等で周知しており、支援が必要な対象者の方に情報が届けられるようにしているところでございます。 一方で、神崎浩之議員御指摘のとおり、センターの活動については情報発信する必要がありますことから、センターと意見交換を行いまして、県民の皆様方、特に被災者や支援が必要な方に必要な情報が届くような情報発信ができるよう、改善に努めてまいりたいと考えております。 〇33番(神崎浩之君) ふくしま心のケアセンターの活動記録は結構分厚いものがあるのですが、見ておりました。この中には、ふくしま心のケアセンターは市町村と連携をとっている、それから、保健所と一緒に取り組んでいるのだということです。それから、何よりも内陸地域にもセンターがあって、内陸地域でもさまざまな活動をしている。 前にも指摘しましたけれども、岩手県こころのケアセンターは、内陸地域に避難している方に対する対応が薄いのではないかと思います。一関市にもあります。この辺については、保健福祉部長はどうお考えでしょうか。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 内陸地域に移動された方々につきましても、こころのケアセンターの対象に含めておりまして、先ほど御答弁申し上げましたとおり、周知に努めているところでございます。 令和5年に8、084件の御相談をこころのケアセンターでいただいたのですけれども、このうち、矢巾町の中央センターで受けているものが1、909件ございまして、この中には、内陸地域で避難されている方からの御相談も一定程度含まれているものと考えております。 一方で、内陸地域に避難されている被災者の方にとっては、御自身が対象ではないという意識があるとされておりますことから、こうした点に留意しながら周知に努めていきたいと考えております。 〇33番(神崎浩之君) 今後、県の一般施策の中で行っていくということであります。どうもこころのケアセンターは、保健所を抜きにして市町村とやっていたりとか、直接こころのケアセンターでやったりということが見受けられるわけです。 もう一度お伺いしますけれども、こころのケアセンターと、それから保健所と市町村と、どういう連携をとりながら現在進められているのか。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、こころのケアセンターで年間約7、000件、ブランチも含めて相談対応をいただいております。そのほかにも市町村で、例えば、鬱のスクリーニングでありますとか、健康相談、健康保健事業をやる中で心の支援が必要だという形で、いわゆるスーパーバイズでありますが、こころのケアセンターに相談事例を求めているものが、年間3、000件ぐらいあると伺っております。こうしたスーパーバイズを通じまして、市町村の保健活動、また、保健所の行っている保健活動とこころのケアセンターが連携しながら、被災地の方々の心のケアに取り組んでいるところでございます。 また、保健所におきましても、精神保健福祉相談の相談を受けているところでございまして、ここ5年ぐらいで4、500件から6、800件の相談対応をいただいております。令和5年の実績を申し上げますと、全保健所で4、474件の相談に対応しておりますが、このうち沿岸地域4保健所で1、085件、24.3%に対応しておりまして、内陸地域との人口比率でいいますと、沿岸地域の保健所でより多く精神保健福祉相談に対応しているものと考えております。 この内容については、心のケアにとどまらず、幅広く精神保健医療福祉に関する相談ではございますけれども、お話を伺うと、東日本大震災津波に関係している相談も多く含まれていると認識しておりまして、そうした個別に相談、対応が必要な事例につきましては、こころのケアセンターとも十分情報交換、またはつなぐといった対応がとられているものと考えております。 〇33番(神崎浩之君) 先ほどの学校給食、病院給食、それから介護施設の給食についてお伺いしますが、これも公定価格があって上げるに上げられない。やればやるほど老人ホームは赤字だという話があります。 その辺については、保健福祉部長はどのような御見解で対応しようと思っていらっしゃいますか。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 昨年、公益社団法人全国老人福祉施設協議会など関係9団体が実施した調査によりますと、令和2年と比べまして、令和6年の給食用の材料費、委託費は156%にも上っているということで、米の価格高騰も影響しているものと考えております。 また、昨年9月に県と関係団体で行った意見交換におきましても、米を含む食料材料費の高騰下においても、介護施設等では、食事の質や内容を低下させないよう可能な限り努め、入所者の生活の質の維持に配慮していると伺っております。 県では、物価高騰による介護施設等の負担軽減を図り、適切で質の高いサービスの安定的な提供を維持するため、国の財源を活用しまして、今月17日から社会福祉施設及び医療施設等物価高騰緊急対策支援金の支給に係る申請受け付けを開始したところでございます。 〇33番(神崎浩之君) 最後に、知事に伺いたいと思います。 社会の変化がどんどん進んでいき、人々の考え、行動、生活、慣習、風土、行政の施策、地球規模の温暖化の影響など、大きな変化を今感じております。我々の分野では、公職選挙法のふぐあいにより、東京都の選挙あたりから、じわじわ想定外のことが起こり、何の手当てもできず過ぎております。まるきり今までのやり方が変わらざるを得ない状況があります。 県の施策はいわて県民計画(2019〜2028)に基づき推進されておりますが、もっともっとその先の岩手県であったり、日本であったり、知事はどのように思いをめぐらしているのか、この機会にお聞きしたいと思っております。 将来を見通すことは変化の激しいこの時代では難しいと思いますが、常に変わらなければならないことは事実であります。私のこれからの質問は、短期的な話ではなく、岩手県のかじ取り役を長年経験されている知事が、私が考える課題についてどのような思いを持たれているのか、三つ大きな視点で質問いたします。将来の話として感想、所感をお話しください。 まずは、岩手県の産業についてお伺いします。企業誘致を推進と県も県内首長も話します。しかし、実は岩手県は広い工業用地も、大量の工業用水も、労働力も、企業が求めるだけ供給できるかというと、そうではないのが現状であります。道路や飛行場、インフラも、他県に比べ圧倒的とは言えないでしょう。そのような中で、他県との競争が激しい自動車産業や半導体産業のこれ以上の誘致は、現実的には難しいのではないかと思ったりします。 今までのイメージの企業誘致はこれからどうなるのでしょうか。知事は、未来の岩手県の産業振興をどうお考えなのかお伺いしたいと思います。 次に、県立病院です。県民の医療を守ることはとても大事なことであり、広い県土で県民を守る県立病院は、岩手県の宝であります。歴史的に合併、統合を繰り返し、今の岩手県の県立病院体制をつくり上げた先人、また、現在も昼夜違わず命を救う使命に奮闘される現役の皆様に、心から感謝を申し上げます。 一方、県立病院には長年大きな財政支援をし、今年度は大きな赤字、さらに来年度も赤字計上からのスタートです。関係者の努力にもかかわらず、今後も大きく改善する要素はなかなか見当たりません。 知事は、岩手県の医療、県立病院を将来的にどうあればよいと考えていらっしゃるでしょうか。 最後、学校教育についてであります。最近とても驚かされたことがありまして、子供が学校に行き、教室で先生の話を一斉に聞くという教育の形態は、誰もが疑わないことだと思います。しかし、不登校の増加やオンライン授業も可能になり、果たして、みんなが学校に集合しての形式は、今後どうなっていくのでしょうか。 1月14日、文部科学省の担当者と不登校について意見交換をした際、あのかたい文部科学省の方が、これからは必ずしも学校に集まり学ぶだけの形式はどうなのでしょうかとぼそっと話されました。 15年前、東京都のフリースクールの校長先生から、親も学校も、不登校児童生徒に無理に学校に行けと言ってはだめだという考えを聞いたことがありました。また、コロナ禍により、無理に学校に行かなくてもよい、そういう社会的風潮の変化もあり、また情報通信技術の発展もありました。 今、学校現場でも変化が進んでおります。どこでも学ぶことができる環境への変化も進んでいます。学校教育も過度期を迎えているのではないでしょうか。 子供が学校に行き、教室で先生の話を一斉に聞くということもあります。一方、必ずしも学校に集まり学ぶだけの形式はどうなのかということもあります。私の話や、これまでの学び方が大きく変わりつつあることに対し、知事は、どのような所感をお持ちでしょうか。お願いします。 〇知事(達増拓也君) 今後の産業振興についてでありますが、自動車関連産業については、今後、トヨタ自動車株式会社が、国内の生産体制を再編し東北地方での生産を強化するとの報道があり、トヨタ自動車東日本株式会社岩手工場を中心とした、地場企業を含めたサプライチェーンのさらなる集積が必要になると考えております。 半導体関連産業については、ことしの秋にはキオクシア岩手株式会社の第2製造棟が稼働し、半導体製造装置メーカーである東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社の新工場が竣工予定となっており、地場企業の参入も含め、半導体製造装置関連企業の集積が一層進むと考えております。 また、技術革新の一層の進展に伴い、今後、水の使用量が著しく減少し、電気は再生可能エネルギーに次々と置きかえられ、労働力の省力化もさらに進むなど、生産効率が格段に向上した次世代型ものづくりの展開が見込まれることから、このような進化に的確に対応した産業振興を図っていきたいと考えます。 県立病院方式の岩手県の医療についてでありますが、岩手県においては、県立病院が、広大な県土の中で、採算性と人材確保の面から民間医療機関の立地が困難な地域の救急医療や、小児、周産期、精神等、不採算、特殊部門に係る医療、そして初期医療も担うなど、県民福祉の増進のため最も重要な社会基盤を提供してきました。 災害医療や新興感染症の対応についても、東日本大震災津波の被災時には、沿岸地域と内陸地域の病院間での患者搬送や医療従事者の応援が円滑に行われ、新型コロナウイルス感染症への対応に当たっては、県内の入院患者の大半を県立病院が受け入れるなど、全国でも類例のないネットワークを生かして患者の命と健康を守ってきたところです。 人口減少等による医療需要の動向等、医療を取り巻く環境は大きく変化しますが、今後も、県民が県内で高度専門医療と身近な医療を受けることができる体制が必要であり、県立病院が、機能や規模等を見直しながら、地域医療体制を確保して、主要な役割を果たしていく必要があると考えております。 学校教育の変革についてでありますが、財政学者の神野直彦先生の著書、教育再生の条件によりますと、学校教育の基本原則には、生まれも育ちも違う子供たちが、学校という場に集い、生まれも育ちも違うけれども、自分たちは同じ仲間だという意識を培養するという社会的統合の原則があるとのことであります。 子供たちは、学校という場においてさまざまな体験や経験を重ね、多様な背景を持つ友人たちと交流し、切磋琢磨することで、社会の一員として育っていきます。このような社会的統合を実現する上で、学校教育や場としての学校が果たしてきた役割は、将来においても色あせることはないと考えております。 その上で、誰ひとり取り残されることなく、その個性や能力を発揮し、自分らしく生き生きと活躍できる社会を実現するための教育を目指し続けることが重要と考えます。 〇33番(神崎浩之君) 通常は、県立病院は医療局長、それから教育は教育長ということになるのですが、知事から答弁をいただきましてありがとうございました。 私は、若い世代が、県外に行かなくても世界と戦っている県内企業に就職できる、そういう岩手県の産業振興をしていただきたい。 それから、最後に、菊池雄星選手、大谷翔平選手、佐々木朗希選手のきずなで、今こそ、外交官出身である知事にしかできない、ロサンゼルスと提携していわて花巻空港のローカル空港からアメリカに直接飛ぶ、直行便を飛ばす。日本の野球の聖地のいわて花巻空港からロサンゼルスの直行便です。そして、インバウンドもいわて花巻空港から岩手県に来る、そういう岩手県にしていただきたいことをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって神崎浩之君の一般質問を終わります。 〇議長(工藤大輔君) この際、暫時休憩いたします。 午後2時28分 休 憩 出席議員(48名) 1 番 田 中 辰 也 君 2 番 畠 山 茂 君 3 番 大久保 隆 規 君 4 番 千 葉 秀 幸 君 5 番 菅 原 亮 太 君 6 番 村 上 秀 紀 君 7 番 松 本 雄 士 君 8 番 鈴 木 あきこ 君 9 番 はぎの 幸 弘 君 10 番 高橋 こうすけ 君 11 番 村 上 貢 一 君 12 番 工 藤 剛 君 13 番 小 林 正 信 君 14 番 千 葉 盛 君 15 番 上 原 康 樹 君 16 番 菅野 ひろのり 君 17 番 柳 村 一 君 18 番 佐 藤 ケイ子 君 19 番 高 橋 穏 至 君 20 番 佐々木 宣 和 君 21 番 臼 澤 勉 君 22 番 福 井 せいじ 君 23 番 川 村 伸 浩 君 24 番 ハクセル美穂子 君 25 番 高 田 一 郎 君 26 番 木 村 幸 弘 君 27 番 佐々木 朋 和 君 28 番 吉 田 敬 子 君 29 番 高 橋 但 馬 君 30 番 岩 渕 誠 君 31 番 名須川 晋 君 32 番 軽 石 義 則 君 33 番 神 崎 浩 之 君 34 番 城 内 愛 彦 君 35 番 佐々木 茂 光 君 36 番 佐々木 努 君 37 番 斉 藤 信 君 38 番 中 平 均 君 39 番 工 藤 大 輔 君 40 番 郷右近 浩 君 41 番 小 西 和 子 君 42 番 高 橋 はじめ 君 43 番 五日市 王 君 44 番 関 根 敏 伸 君 45 番 佐々木 順 一 君 46 番 岩 崎 友 一 君 47 番 千 葉 伝 君 48 番 飯 澤 匡 君 欠席議員(なし) 説明のため出席した者 休憩前に同じ 職務のため議場に出席した事務局職員 休憩前に同じ 午後2時47分再開 〇議長(工藤大輔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 日程第1、一般質問を継続いたします。佐藤ケイ子さん。 〔18番佐藤ケイ子君登壇〕(拍手) |
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