| 令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録 |
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〇21番(臼澤勉君) 自由民主党の臼澤勉です。県議会2月定例会において代表質問の機会をいただきました同僚、先輩議員の皆様方に感謝申し上げます。
地方創生が叫ばれてから10年。本県の最重要課題である人口減少問題に対し、知事はどのような効果的施策を講じてきたのか。 私たちは、未来の子供たちに負担を先送りしない、持続可能な人口構造に対応した政策の強化が求められています。岩手県から日本を変える、これは単なる希望ではなく、課題先進県である私たちの責任であります。デザイン政策とエビデンスに基づく質の高い施策を推進し、地域力を高めることが重要です。そして、何よりも人間力の向上、教育こそが全ての根幹です。 県民一人一人が果敢に挑戦し、新たな価値観を創造するイノベーションこそ、岩手県の未来を切り開く鍵となるのです。若き挑戦者たちが、地域に根づき、活気を生む、選ばれる社会をつくらねばならない。そういう問題意識で質問いたしますので、知事には、真摯かつ具体的な答弁を期待いたします。 人口構造変化に順応した施策の重点化について伺います。 知事演述を拝聴いたしましたが、残念ながら、知事の言葉で本県の人口構造変化に対応したビジョンが明確に示されませんでした。 まず軸足を置くべきは、少子化、生産年齢人口の減少、高齢化を前提とした人口構造の変化に対応した希望に満ちあふれる社会の姿を県民に示すべきであります。その上で、県民や民間の力を引き出しながら、今やるべき政策、将来を見据えて手を打つ対策、将来の人口構造変化に対応する準備を進めるべく、県民や県内事業者の皆様にメッセージを伝えるべきではないでしょうか。 人口減少、少子化に係る施策の効果について伺います。 知事はさきの知事選で、大攻勢をかける次の4年間と約束しました。生きにくさは生きやすさに確実に転換している、危機が希望に変わったとおっしゃいますが、県民の実感と乖離しているのではないでしょうか。 現在まで具体的にどのような成果を上げているのか、圏域別にお示し願います。また、どの施策が効果を上げ、どの施策に改善の余地があるのか、具体例を挙げて教えてください。 自殺率低下への取り組みについて伺います。 知事は、最初の就任時、自殺率を全国平均に引き下げると約束されました。しかし、令和6年の自殺者数は266人、自殺死亡率22.9で全国ワーストという極めて厳しい現状が続いております。 こころのケアセンターや民間病院の医師によるSOSの出し方教室など、関係者の取り組みに敬意を表しつつ、県として、さらに後押しするための具体的な支援策が必要ではないでしょうか。 また、私の質問に知事は、危機を放置すれば悪くなる。悪化を食いとめ上向く方法はわかっていると述べられましたが、その方法とは具体的に何か、それを実現するための効果的な方策と見直すべき現行の対策について伺います。 令和8年までに10万人当たりの自殺者数を14.6に低下させることを目標に掲げていますが、この目標達成の見通しについても教えてください。 以降の質問につきましては質問席で行いますので、御了承願います。 〔21番臼澤勉君質問席に移動〕 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 臼澤勉議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、人口構造変化に対応したビジョンについてでありますが、岩手県人口ビジョンでは、2115年におおむね80万人程度での定常状態を展望しており、これらを踏まえ、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン政策推進プランにおいて人口減少対策に最優先で取り組むこととし、全国トップレベルの子供、子育て支援策や若者や女性に魅力ある雇用、労働環境の整備など、さまざまな生きにくさを生きやすさに変える施策を推進しています。 また、今後の人口減少を見据え、労働力不足へ対応するため、あらゆる産業のDX―デジタルトランスフォーメーションの促進による生産性向上や高付加価値化、地域おこし協力隊制度などを活用した地域の活性化や空き家などを活用したU・Iターンの促進、予防保全型の維持管理による施設の長寿命化や上下水道の広域連携による効率化などの対策を進めています。 本県の生産年齢人口が減少する中、本県の実質の県内総生産は、この10年で8.5%増加しています。また、本県の農業産出額も、農業従事者が減少する中にあって、この10年で22%増加しています。 このように、人口減少下にあっても、DXによる地域課題の解決や生産性と付加価値の向上、地域の魅力を生かした関係人口、交流人口の拡大に向けた取り組み等を進めることによって、地域の社会、経済システムの維持、発展は可能であると考えております。 政策推進プランに掲げる人口減少対策と人口減少下における社会、経済の維持、向上策を推進し、民間企業、市町村、関係団体など多様な主体と連携しながら、人口減少による影響を克服し、持続的な岩手の発展を目指してまいります。 次に、施策の効果についてでありますが、5期目の県政運営では、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランに基づき、物価高騰の影響を受けている生活者、事業者を支えるとともに、全国トップレベルの子供、子育て環境の実現、各ライフステージに応じた総合的な施策の拡充、若年層の県内就職やU・Iターンの促進による移住、定住施策の強化などに取り組んでおります。 その結果、物価高騰対策賃上げ支援金が賃上げの促進に効果を上げ、昨年の岩手地方最低賃金審議会における過去最大の引き上げの答申の後押しにもなったほか、県内全市町村が第2子以降の3歳未満児に係る保育料無償化を実施、県外からの移住、定住者数が増加し過去最多を更新、高卒者の県内就職率が高い水準を維持、いわて働き方改革推進運動に1、000社を超える企業が参加、東北最多の企業が経営革新計画に基づく生産性向上の取り組みを実施など、一定の効果があったと考えております。 圏域別には、県央圏域では、医療機器関連産業拠点の形成を目指す動きの活発化、県南圏域では、半導体分野や自動車分野の産業集積による雇用の創出、沿岸圏域では、みちのく潮風トレイルや三陸ジオパークの活用、クルーズ船の寄港による国内外からの誘客拡大、県北圏域では、高いポテンシャルを生かした再生可能エネルギー導入の動きの加速化など、それぞれの地域の特色を生かした成果があらわれています。 一方で、東京一極集中の加速や出生数の減少が続いていることから、結婚支援の強化や県内企業の働き方改革の推進、ジェンダーギャップの解消などに向けた施策を拡充、強化することとし、令和7年度岩手県一般会計予算案に関連する新規事業等を盛り込んでおります。 次に、自殺対策についてでありますが、自殺は、多様かつ複合的な原因や背景を有するものであり、幅広い分野における包括的な取り組みが重要であります。 本県では、岩手県自殺対策推進協議会を中心に、多様な主体が連携し、官民一体となって自殺対策に取り組んでおります。こうした取り組みにより、自殺死亡率は長期的には減少傾向にあり、全国平均との差は着実に縮小し、事態の悪化を食いとめてきたところです。 しかしながら、依然として本県の死亡率が全国的に高位にあることは重く受けとめており、引き続き、本県における自殺の状況を検証、分析しながら、適時適切な対策を講じていくことが必要です。 このことから、自殺者数の多い働き盛り世代への対策として、事業所等を対象としたメンタルヘルス対策の取り組みの推進、また、全国的には近年増加傾向にあります若年層への対策として、今年度新たに作成したこころの健康啓発動画の活用など、深い悩みを抱えた際に、周囲に援助を求める行動を促す取り組みを進めています。 令和7年度においては、メンタルヘルスセミナーの拡充、県立学校等の心のサポート授業における動画の活用などに取り組むこととしており、引き続き、多様な関係者との連携、協力のもと、実効性の高い施策の推進に努め、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン政策推進プランの目標達成に向けて取り組んでまいります。 〇21番(臼澤勉君) 答弁ありがとうございました。今、答弁をお聞きしまして、人口減少対策、少子化、この圏域別の分析、そして、これまでの県の取り組みの検証がどうだったのかというのを私は聞きたかったのでありますが、その辺の答弁がなかったような気がします。 また、自殺率低下の目標達成の見通しについても、これは達成できるのですかというような趣旨で聞いているのですけれども、そこの回答がなくて極めて残念であります。 大攻勢をかける次の4年間ということで知事はおっしゃっているわけですが、どこまで攻勢がかかっているのか、本当に成果が出ているのかということは、私は非常に疑問に、懐疑的に見ております。知事は胸を張っていろいろおっしゃいましたが、直近の本県の合計特殊出生率は1.16と低迷し、全国との格差は拡大しています。出生数の減少率も全国ワースト2位です。しかも、圏域別に見ると、沿岸、県北地域の出生数は、この25年間で6割減です。女性人口の15歳から49歳も5割減です。 こういうような状況で、私は、人口ビジョンを県は作成しておりますが、2040年に100万人を維持する、この目標自体に無理があるのではないかと思います。そういう意味では、現実的な目標に見直すべきではないかと考えております。実はそのことが、次の人口構造変化に対応する準備を、あるいはそういった効果的な対策といった部分が打てる、あるいは今の対策を変更していくことにつながるのだと思います。 知事に率直にお伺いします。知事は、この人口ビジョンそのものを見直す考えはあるのかどうか、イエスかノーかでお答えください。 〇知事(達増拓也君) これはどの都道府県も国の人口ビジョンと総合戦略に合わせた形で、それぞれの都道府県の人口ビジョンとふるさと振興総合戦略を策定し、また、それに合わせ、全国の市町村も人口ビジョンと総合戦略をつくっているところであります。 国の人口ビジョンは、10年前当初の目標を2024年まで延長ということで去年まで続けてきたところ、今、石破内閣のもとで、地方創生2.0とバージョンアップする議論が進められておりますが、その中で大きく目標を変更するとなっていないと―これは今、個人的な見方でありますけれども―思っておりまして、県としても、県の事業の多くは国からの交付金を活用して行っているところでもございますし、それを倍増して、都道府県、市町村とともに、国として地方創生をバージョンアップしていく方針とともに進めていければと思います。 〇21番(臼澤勉君) いずれ、国に合わせて目標設定しているという答弁でしょうけれども、岩手県は独立した自治体です。国にならってどうこうするということではなくて、岩手県として、全国の平均よりも2倍のスピードで減っている現実があります。やはり国の社会減、人口減少の問題意識と岩手県が持つ問題意識は、社会減ゼロということでは同じテーマかもしれませんけれども、持つ意味が全く違うのだと僕は思います。 ですから、私が今回のこのテーマに挙げているのは、未来を見据えて、社会の人口構造の変化に対応する仕組みを、今から次の未来の子供たちのために有効な対策を打たなければいけないでしょうということです。そういった意味から、県の最高責任者である知事が、これは国の政策、目標だから、そこに準じていますという言い方をしますが、東北6県でそういうような目標設定をしているところなんてほとんどありません。宮城県は、社会減ゼロとありますけれども、ほかの自治体では、きちんと現実を見据えた社会減の目標設定をしております。 ですから、私は何を言いたいのかと言いますと、現実を見た目標の設定をすることが必要ではないですかということです。目標というものは、県だけが取り組むわけではありませんから、県民あるいは事業者、民間の力をかりながら、一つの目標にみんなで進んでいく、そういった意味合いがある目標ですから、そういった意味で、私は今回述べさせていただいております。 知事は、これまでの質問でも変える考えはないと言っておりますので、そこについては指摘にとどめて、次の質問に参りますが、若者、女性社会減対策について、特にまたお伺いします。 都道府県別の社会減を見ると、宮城県への転出超過が最大である一方、全国との県民所得の格差も拡大しております。加えて、令和7年3月の大学卒業予定者の県内就職率が34.1%まで低下しております。 若者、女性に選ばれる岩手になるため実効性のある取り組みが必要です。特に、県北・沿岸地域での15歳から24歳の女性の流出が深刻で、緊急に対策が必要と私は捉えます。 この現状をどう分析し、これまでの取り組みをどのように改善し、対策を講じるのか、具体的に教えてください。 〇知事(達増拓也君) 本県における若年女性の社会減は顕著であり、特に、県北・沿岸地域において県平均を上回っております。 これまでも、魅力ある職場環境づくりや働き方改革の取り組みを促進してまいりましたが、若者、女性に選ばれる地域であるためには、ジェンダーギャップの解消を進めていくことが特に重要と考えております。 このため、令和7年度においては、アンコンシャスバイアスの解消に取り組む企業への支援の強化、固定的な性別役割分担意識の解消に向けた外部専門人材の派遣、ジェンダーギャップ解消を目的とした企業経営者等を対象とする、県北・沿岸地域でのフォーラム等の開催などの対策を進めることにより、性別にかかわらず、一人一人が生き生きと活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいります。 〇21番(臼澤勉君) ジェンダーギャップの解消も大事だとは思いますけれども、やはり具体的な有効な対策も検討しなければいけないかと思います。 私は、県内の大学の定員をふやして、岩手県で学ぶ子供たちをふやす取り組み、こういったものもぜひ進めていってはどうかと思います。毎年、本県の大学進学者数は約4、500人います。一方で、県内の大学の定員数は2、500人。毎年2、000人の子供たちが県外の大学で学んでいます。 青森県内の大学の定員が3、300人台あるのですけれども、私はぜひ、このくらいに定員をふやして、あるいは私立大学との連携強化とか―山形県が慶応義塾大学との連携で、また学部を設置しているように、そういうような私立大学との連携強化、定員をふやす取り組み、あるいは本社機能を岩手県に持ってくるような積極的な取り組みも必要だと思います。 そういった取り組みを進めながら、次の出生数改善のための取り組みについて聞いていきたいと思います。 合計特殊出生率の目標を1.58に設定しておりますけれども、私の試算によれば約7、400人の出生数が必要になってまいります。現在の出生数と比べると2、000人のギャップが今生まれております。 このギャップを埋めるには、県は、丁寧に県民ニーズを把握し、これまでの取り組みを見直しする必要があると思いますが、具体的な対策についてお伺いします。 〇知事(達増拓也君) 昨年度実施した少子化の要因分析やアンケート調査結果から、出生数減少の対策として、有配偶率の向上、有配偶出生率の向上、女性の社会減対策の三つの柱に加え、地域の実情を踏まえた少子化対策が重要と考えております。 このため、i−サポ―“いきいき岩手”結婚サポートセンター会員へのフォローアップ強化、市町村が行う第2子以降の保育料無償化や在宅育児支援金の支給、既存施設等を活用した遊び場の整備、産後ケア利用時の子供の一時預かり、交通費の支援に要する経費の補助などに加え、企業や地域等における固定的性別役割分担意識の解消に向けた取り組みを令和7年度岩手県一般会計当初予算案に盛り込んでおります。 国のこども未来戦略に基づく次元の異なる少子化対策についても、児童手当の拡充や出産育児一時金の引き上げなどが既に実現している一方、今後、課題を整理するとされている学校給食費の無償化などについて、早期の実現を期待するところであります。 県においては、地域課題に即した施策が立案されるよう、小規模町村への伴走型支援も実施しながら、経済的、社会的な困難から結婚、出産を諦めるなどの、いわゆる生きにくさの解消を図ってまいります。 〇21番(臼澤勉君) この出生数がなかなか改善されないということで、改めてアンケート調査とかを実施しているというようなお話でありました。 私も、その資料をいただいて確認させていただきましたが、このアンケートの精度というか有効性、対象者の設定あるいはサンプル数の規模について、私は少し疑問を持って見せていただきました。 i−サポ会員の有効回答260件、男性185名、女性75名、この調査結果をもっていろいろ対策を打っているようですが、統計学的に言えば、人口100万人規模の統計調査をやるときには500から1、000件ぐらいのサンプルサイズがないと、有効性、信頼水準がはかられないと私は思って見ています。 そういう中で、我々自由民主党会派で周産期医療プロジェクトというものを設立して、昨年、山梨県で調査してまいりました。山梨県では、平成25年にプロジェクトチームを立ち上げて、妊娠中から1歳6カ月児までの養育をしている母親、こういった人たちを対象に1、500人です。1、500人にそういったニーズ調査等をやりながら分析をしているということです。やはりこういった取り組みの結果、産前産後ケアセンターの設立につながっているということを聞いてまいりました。 私は、岩手県も、よくEBPMといったデータサイエンスに基づいて取り組みをしましょうということで議会でもいろいろ議論しておりますが、ぜひ、この出生数の改善に向けてもう一度―議会でも附帯意見が出ましたが、当事者の声を丁寧に聞きながら施策を打ってくださいということを、どう受けとめているのか、改めてお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) 県では今年度、いわて子どもプランの策定に当たって、子供や若者を初めとする幅広い関係者から意見を伺いました。地域の事情に応じた少子化対策に取り組む中、各町村の住民等を対象としたヒアリング調査なども実施しております。 今後も、こうした取り組みに加え、こどもモニター制度なども通じ、子供を初め、子育て世代のニーズについて、さまざまな機会を通じて把握していきたいと思います。 〇21番(臼澤勉君) 政策を立案していくためには、やはりニーズ調査なりアンケート調査が必要です。何のためにやる対策、アンケートなのか、そこは明確にしながら、対象者も絞り込みながら、そういったサンプルサイズも確保しながらやっていくということをぜひ進めていただきたい。 それから、婚姻件数の増加のための取り組みについて伺います。 2、000人のギャップを埋めるための婚姻件数をふやすために、これから3年間で年間約600組の増加が必要になってまいります。2023年の婚姻件数3、376件ですから、約2割増です。相当覚悟して取り組まなければいけない、あるいは取り組んでいるものと信じますが、地域ごとの特性に対する具体的対策をどのように展開していくのか、目標を達成するお考えについてお伺いします。 〇知事(達増拓也君) 国の出生動向基本調査によりますと、独身者が未婚でいる理由は、適当な相手とめぐり会わない、まだ必要性を感じない、結婚資金が足りないが主なものとなっています。 こうしたことから、有配偶率の向上に向けて、高校生など若者へのライフプラン形成支援、29歳以下の新婚世帯に対する県独自の支援金10万円の上乗せ補助、さらに、令和7年度当初予算案において、各広域振興圏における結婚支援イベントの開催、i−サポ会員を対象とした結婚に向けたスキルアップセミナーの実施やマッチングシステム改修による利便性向上などを行ってまいります。 市町村や関係団体等と連携しながら、出会いの機会のさらなる創出や結婚新生活支援の強化を図り、県民の結婚したいという希望がかなえられるよう、総合的な結婚支援を推進してまいります。 〇21番(臼澤勉君) ぜひ、この危機的な状況について、具体的な対応、そして、私は、PDCAサイクルを1年間回して取り組んでいくような基本的な行政のやり方がありますけれども、もう今の時代はスピードだと思います。そういった意味では、ウーダループという手法もあるのは多分御存じだと思いますけれども、短期間で、そして、政策を実現するためのチャレンジ予算のようなものを別枠で設けながら、具体的な結婚あるいは少子化対策に取り組んでいくことも並行して検討していただきたい。 次に、フューチャーデザインに基づく財政運営について伺います。 事業見直しの視点について伺います。 令和10年度までの5年間に、一般会計の通常分累計で677億円の赤字が見込まれ、財政調整基金も令和9年度までには枯渇する見通しです。 県は、事業の精査による歳出の適正化を図るとしておりますが、具体的にどのような事業を見直す予定でしょうか。その際に重視するお考え、基準について、あわせてお聞かせください。 〇知事(達増拓也君) いわて県民計画(2019〜2028)の推進に当たり、効果的かつ効率的な行政の推進を目的に、毎年度、政策、施策及び事務事業について、総合的に評価を実施し、施策や事務事業等の見直しを行っております。 事業の見直しに当たっては、各事業の指標や上位の施策、政策の状況、また、社会経済情勢の変化も踏まえながら、必要性、有効性等を総合的に検討し、毎年度の予算編成につなげております。 今後も、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン政策推進プランに掲げる自然減・社会減対策、GX、DX、安全・安心な地域づくりの四つの事項について重点措置を行うとともに、10の政策分野の評価と政策形成、予算編成の連動を図り、政策手段の検証を不断に行いながら施策の重点化を図ってまいります。 〇21番(臼澤勉君) 新年度予算の編成に当たって、県は、さまざまな政策をゼロベースで見直すと言っておりました。私から提案が一つあります。それは知事の政務秘書制度についてであります。 私は全国都道府県を調査させていただきました。38府県、8割もの自治体で知事の政務秘書は設置しておりません。その理由として、政務を担う職員を公費で雇用することは適切でない。政務は知事の私設秘書が担う。県が行う秘書業務は公務の範囲内に限ると理解している。政務活動は知事後援会が対応する。限られる資源の中、配置に当たっては職務内容や必要性を慎重に検討すべき。政治活動については、別途設置している私設秘書が対応するとの回答でありました。 また、設置している8都県のうち長野県を含む多くの県が、知事の政務秘書が国政選挙運動にかかわっていないと回答されております。 年間800万円、達増県政で約1億2、000万円もの公費をかけて設置する財政的余裕はありません。しかも、県民の税金で雇用されている政務秘書が、特定の政党の国政選挙にかかわらせることを岩手県議会の良識として認めてよいのか。全国の動きに賛同しゼロベースで見直すことを私から提案いたします。 そして、フューチャーデザインに基づく組織、機構改革について伺います。 私は、県職員の長期療養者数が10年前に比べて2倍の100人に拡大、そして、20代職員が約半数の51人、10年前の約10倍の現状だということを昨年指摘させていただきました。私は、この大きな要因に、30代から40代の中間層がいない構造的な問題があるのではないかと見ております。 今回の組織、機構改革でどのような効果を期待しているのか。中長期的な人事制度や広域振興局を含めた組織のあり方に関する検討を本格化させるべきだと考えますが、知事の考えをお示し願います。 〇知事(達増拓也君) 地方自治法でも認められております知事の政務秘書につきましては、長野県知事特別秘書に係る訴訟の判決におきまして、知事という特別職に属する公務員は、かえって政治的に活動することによって公共の利益を実現することも職分とする公務員であり、その政治的活動にかかわる政務につき、公務員としてこれを補佐する秘書を設けることが、その職務の円滑、効率的な遂行に資するものとして判示されており、そのとおりだと思っております。 県組織についてですが、令和7年度は、本県の最重要課題である人口減少対策を一層推進するため、市町村と連携した施策推進体制や子供、子育て支援体制のさらなる強化を図るとともに、職員が働きやすい環境づくりのため、メンタルヘルスケア体制を強化するなど、さまざまな県政課題に適切かつ柔軟に対応できる組織、職員体制を整備しているところです。 また、中長期的な観点から、2050年の人口減少社会を想定し、本庁組織の大くくり化や出先機関の活動エリア等の見直しなど、スリム化を前提とした組織のあり方を検討しており、令和7年度は、職員のさらなる確保、育成策とあわせ、この検討を本格化させることとしています。 これらにより、直面する県政課題への対応だけではなく、将来を見据え、限られた行政経営資源の中にあっても、職員が個々の能力を十二分に発揮しながら、中長期にわたって県民サービスを維持、向上し得る機動的かつ最適な組織、職員体制の構築を進めてまいります。 〇21番(臼澤勉君) 政務秘書の話については、いろいろと言い分があるでしょうけれども、いずれ、長野県ですら国政選挙にかかわらせることはしていないということもあります。いずれ、そこの必要性については、議会でもこれから議論していきたいと思います。 次に、生産性所得向上とマニフェストプラス39について。 まず最初に、経費の試算とタイムフレームについて伺います。 いわてリハビリテーションセンター沿岸サテライト施設、スポーツ医・科学センター、消防学校等の整備に、ざっと見積もっても660億円もの費用が必要となると私は試算いたしました。 県民にとって、この計画の実効性を確認するために、具体的な数字とタイムフレームを把握することは必要不可欠であります。今後の財政運営評価においても極めて重要であります。 県庁舎の一部建てかえ費用417億円も見込まれる中、経費の試算と任期期間中のタイムフレームをお示し願います。 〇知事(達増拓也君) マニフェストプラス39実現のための経費については、国の経済財政政策の方向性や民間投資の動向等により左右されることから、現時点での大まかな推計となりますが、道路の整備などの公共事業や施設整備事業で数百から数千億円規模と見込まれます。 マニフェストプラス39に掲げた内容は、いわて県民計画(2019〜2028)や同計画アクションプランの内容を踏まえた具体の施策として位置づけられ、いわて県民計画(2019〜2028)、同計画アクションプランと一体として取り組んでいくものであります。 これまでも、他の施策と同様、その進捗状況に応じてマニフェストプラス39の各項目に関係する個別の事業計画等により見通しをお示ししているところでありますが、今後も、関連事業の進捗、財源、関係者との調整状況等を踏まえ、それぞれ適切なタイミングで見通しをお示ししながら進めていきたいと思います。 〇21番(臼澤勉君) 交付税措置のない県債を約600億円発行した場合には、後年度の実質公債費比率が約1%上昇するとのことでありますが、本県は、実質公債費比率全国ワースト12位、令和7年度以降上昇する傾向にあり、令和10年度には16.6%と4%も上昇する見通しであります。 具体的に財政全体にどのような影響を及ぼすとお考えか、お聞かせください。 〇知事(達増拓也君) 臼澤勉議員御指摘のとおり、財政規模に対する公債費の割合を示す実質公債費比率は、金利上昇に伴う利払い費の増等の影響により、今後上昇していくことを見込んでいます。 比率は、金利動向や過去の県債借入額等に応じて上下するものの、過度な上昇は財政の硬直化を招きかねないことから、常に適正な投資規模を見定め、不断に検討していく必要があります。 公債費が財政に及ぼす影響も踏まえつつ、国債や有利な地方債の活用など、あらゆる手段により財政負担の低減を図り、マニフェストプラス39を含め必要な施策を推進してまいります。 〇21番(臼澤勉君) 実質公債費比率の上昇が見込まれる中において、こういった大規模な事業についても、やはり知事は、県民の皆様、我々県議会に対してもしっかり説明していく、任期の期間中にこのくらいまで進めていくと、透明性、信頼性の観点から、ぜひそういった情報についても丁寧に開示していただきたい、このように要求いたします。 次に、中小企業対策について、賃上げ対策と生産性向上について伺います。 我々議会の要望を受けて、年末の補正予算で賃上げ支援金の規模を拡大していただいたことは評価いたします。 中小企業団体中央会の緊急アンケート調査結果では、活用見込みが48%にとどまっております。この現状をどのように改善し、支援の効果を高めるおつもりか伺います。 また、賃上げ支援金の対象が限られているため、経営に影響が出ているとの声もあります。支給要件の緩和、対象範囲の拡大、地域の実情を考慮した生産性向上対策について、具体的にどのような施策を行う予定か、また、賃金アップのための原資をどのように確保するのか、詳しく教えてください。 〇知事(達増拓也君) 物価高騰対策賃上げ支援金の実施に当たっては、県内の多くの中小企業が、エネルギー、原材料価格の高騰などの影響により厳しい経営環境にあり、また、最低賃金が過去最大の引き上げ額となったことなどを踏まえ、より多くの企業に活用していただくため、支給対象とする賃金の引き上げ額について、最低賃金の引き上げ額である59円とほぼ同額の60円とするとともに、1事業所当たりの対象人員数を前回の20人から50人まで拡大するなど、事業の拡充を行いました。 岩手県中小企業団体中央会の調査結果については、活用見込み48%のほか、わからないが30%となっており、内容について一定の評価をいただいている状況から、多くの事業者に活用されるものと考えており、さらなる周知に努めてまいります。 加えて、令和7年度一般会計予算案には、経営革新計画の策定やデジタル、AI技術の導入などにより、生産性向上を図る中小企業に対するさまざまな支援策を盛り込んでいます。 インバウンドの観光客増大、県産品の輸出増加など、消費の拡大を積極的に目指し、賃上げとの好循環を生み出すことで、県内経済を活性化し、持続的な賃上げ原資の確保に結びつけていきたいと考えております。 〇21番(臼澤勉君) いずれ、この賃上げの原資を生み出すために、生産性向上の取り組み、あるいはイノベーションによる産業、経済の活性化は極めて大事になってくると思います。県として、積極的にこの辺に予算を集中させながら、企業の活動を支援しながら、最初のところの後押しをしていただきたい。 そして、今回のこの申請状況を見ますと、県北・沿岸地域の申請割合が低調にあるということです。御案内のとおり、今、魚種がなかなかとれなくて、沿岸地域の企業も非常に厳しいところにあります。そういった中においても、県北・沿岸地域の牽引企業をぜひ支援していただくよう、お願いしたいと思います。 次に、半導体産業における人材育成について伺います。 新年度予算案に半導体の製造を担当する人材育成施設の予算が組み込まれております。まさに今回、北上市を中心として岩手県が、東日本の新たな産業拠点として飛躍していく、そして、ここから人材を発掘していく。大学、産業界と連携しながら、社会変革を担う人材育成に取り組んでいく必要があると私は思っております。 そのことによって、岩手県の農業であったり、医療、福祉といった分野に社会実装を進めることが可能になってくると考えますが、県として、この地域課題の解決あるいは新たな価値創造をどのように実現していくのか、この半導体人材の育成と絡めてお聞かせください。 〇知事(達増拓也君) 国は、半導体産業の国内における集積に力を入れており、その代表地域として、岩手県、北海道、広島県、熊本県の4道県を選定し、生産環境整備に向けた新たな交付金を創設するなど、本県に対する期待が高まっています。 国の動きと連動して、県では、北上市内に全国初の産学官連携による半導体関連人材育成施設の整備を進めてきたところであり、この施設を核に、本県の半導体関連産業の集積、発展を支える人材を育成していくこととし、本年4月の開所に向け、関係機関が一体となって取り組んでおります。 半導体関連産業の発展を地域産業の振興や高度化のみならず、住環境や交通インフラなどの生活基盤やまちづくりなどの生活環境の充実、また、最先端の技術の農業や医療、福祉分野への波及、さらには、人々の生活の質の向上にもつなげていくことが必要と考えております。 このような考え方は、いわて県民計画(2019〜2028)の北上川バレープロジェクトに掲げており、半導体関連人材育成施設を拠点とした人材育成などを進めることで、このプロジェクトの狙いの実現に結びつけていきたいと考えております。 〇21番(臼澤勉君) 次に、医療機器関連産業の集積と高度化について。 東北ライフサイエンス・インスツルメンツ・クラスター、通称TOLICは、地域の知的、人的資源を生かし、イノベーションによる地域活性化の好事例となっております。また、ヘルスケア関連産業の拠点の拡充に向けて、現在検討を進めていると伺っております。 こうした取り組みは、まさに地方創生2.0に沿うものであり、県として、これらのイノベーション活動をどのように支援していくお考えか、具体的にお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) 県では、医療機器関連産業を自動車、半導体関連産業に次ぐ第3の成長産業に位置づけ、岩手県発のイノベーションの創出、新製品の開発促進、集積促進、人材の育成、確保に向け取り組んでおります。 令和2年にヘルステック・イノベーション・ハブを設置し、これを拠点に、入居企業等に対し、技術開発、製品化に対する補助、地方独立行政法人岩手県工業技術センターや公益財団法人いわて産業振興センター等による共同研究、技術者育成、経営、販売支援などを行っております。 現在、TOLICを核に県内外の企業や大学、試験研究機関等との連携のもと、13社のベンチャー企業が設立され、ヘルステック・イノベーション・ハブの入居企業が開発したリハビリテーションロボットが、厚生労働省から医療機器として承認され、TOLICも、新産業創出等の取り組みを表彰するプラチナ大賞において、総務大臣賞、経済産業大臣賞に次ぐ優秀賞を受賞するなど、成長を遂げております。 イノベーションを活用した医療機器関連産業に代表される研究開発部門の集積は、県内の高等教育機関を卒業した若者や女性の地元定着、さらに移住の促進にも結びつきますことから、産学官金連携のもと、ヘルステック・イノベーション・ハブの拡充のあり方について検討を進めながら、医療機器関連産業の第3の柱としての確立に向けて取り組んでまいります。 〇21番(臼澤勉君) 私は、人口減対策のうち社会減対策について、やはり賃上げの原資を生み出しながら経済を活性化させていくこと、そして、岩手県の地元中小企業の生産性向上あるいはスタートアップの支援によって岩手県の経済が活性化し、そして、企業は売り上げを上げ、それを原資として買い物をし、循環していく、雇用が生まれる。そういうような動きをつくっていくことがとても大事だと思っております。 そういったことから、ぜひ県として次の三つの指標の改善の取り組みをしていただきたい。 一つは、まず、岩手県の特許出願件数です。過去5年間平均を見ると119件、全国ワースト4位です。これは、製造品出荷額、付加価値額が同じ規模の石川県、山梨県と比較して4倍から5倍の差があるのです。まずこれが1点です。 それから、開業率と廃業率の差です。これは、まさに地域の経済成長率と私は捉えますが、これは全国のワースト2位です。まさにスタートアップを支援するような取り組みをぜひ進めていただきたい。 それから、三つ目は、県立大学、特にソフトウェア学部の県内就職率は25%です。4人のうち3人が、せっかく岩手県で学んでいるのに県外に就職している。ぜひ、地方創生2.0、付加価値創出型の新しい岩手県の経済をつくっていくという取り組みにおいて、特許出願であったりスタートアップ、あるいはIT人材の県内定着、これは決してIT企業に限っただけではなくて、地場の企業に就職していただいて、そこで企業課題について取り組む有効な人材であると私は思っております。そういった企業を育てることが、まさに岩手県の経済を力強くしていくと思います。 次に、持続可能な農業の確立について。生産性所得向上対策のための中長期的な見通しについてお伺いいたします。 ことしの夏までに新たな農業ビジョンを策定すると承知しております。国土強靱化のための5か年加速化対策のように、生産性、所得向上対策に必要な事業量、予算額について、中長期的な見通しを持って取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。 〇知事(達増拓也君) 国では、食料・農業・農村基本法の改正を踏まえ、食料安全保障の強化等を図るため、農業の構造転換の実現に向けた施策を初動の5年間で集中的に実行することとし、毎年度、必要な予算は検討されるものと承知しております。 県では、今般公表したいわて農業生産強化ビジョン素案において、食料自給率と農業産出額の目標を掲げ、10年後の目指す姿を描きながら、農業生産の増大に向けた生産性・市場性の高い産地づくり、環境負荷低減と安全・安心な産地づくり、産地づくりを支える人材の確保・育成の三つの柱ごとに、令和7年度から令和10年度までの4年間における具体的な取り組みを示しております。 ビジョンに盛り込む取り組みについては、毎年度の予算編成において、国の施策や予算を有効に活用しながら、その内容や規模について検討してまいります。 〇21番(臼澤勉君) 岩手県の農業ビジョン元年でございます。これから、岩手県の農業をつくっていくのは人であります。予算も大事ですが、人がイノベーションを起こすのであります。そういう意味において、全国の農業の担い手が集うサミットを、ぜひ、これをきっかけに本県で開催して、岩手県を農業の聖地にしていただきたい、このように願うものであります。 農業生産基盤の着実な整備と地域計画との連動についてお話します。 これについては、予定工期がどんどん延びていると、現場を歩いていて伺っております。標準予定工期6年のところが10年以上かかるということです。自分が事業認定3条資格者になって申請してから、工事が完了するまで俺はどうするのだ、耕作できるのかという不安を抱いていると聞いております。そして、そういった部分においても、ぜひ、予算の重点化を図りながら、卒業生をどんどん出していくことが必要だと思います。 そして、最後に、知事の政治姿勢について、私から一言言います。 令和元年の知事選挙で、知事は日本共産党と政策協定を結ばれましたが、昨年の衆議院議員総選挙時の達増拓也後援会連合会と日本共産党との協定は、なぜ後援会名義の協定なのか。また、同日行われた参議院議員選挙では、なぜ同様の協定が締結されていないのか。知事自身が当事者としての責任を回避しようとする印象を私は受けてしまいました。 また、衆議院議員選挙の1区が協定から除外されております。知事の政治判断が本当に全県の利益を考えたものであるのか疑問であります。 私たち議員は、来年度予算審議に際して、こうした国政選挙で結ばれた政党間協定が県政に与える影響を厳しくチェックしなければなりません。知事には、真に県民の福祉の向上、不偏不党、公正中立の県政推進を求めて、私の代表質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって臼澤勉君の一般質問を終わります。 次に、岩渕誠君。 〔30番岩渕誠君登壇〕(拍手) |
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