| 令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録 |
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〇知事(達増拓也君) 本日ここに第9回県議会定例会が開会されるに当たり、今後の県政運営について、私の所信の一端を申し上げます。
初めに、改めて、昨年元日に発生した能登半島地震とその後の奥能登豪雨で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。いまだ不自由な避難生活を余儀なくされている方も大勢おられることから、一日も早い復旧、復興を祈念いたします。県では、市町村と連携しながら、ことしも中長期派遣等を通じた支援を行ってまいります。 年明け以降、県内で発生した過去に例を見ない大規模な高病原性鳥インフルエンザ事案に対して、国、19道府県、市町村、陸上自衛隊、そして、一般社団法人岩手県建設業協会や公益社団法人岩手県バス協会などの関係団体の御協力をいただきながら、県の総力を挙げて防疫措置に取り組むことができました。関係者の皆様方に対して、改めて感謝申し上げます。 今、世界では、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢など戦争や紛争がやまず、国際社会においても、各国の国内においても、分断が深刻化する傾向があります。 地球規模の気候変動が一因と考えられる災害の激甚化、頻発化や異常気象の多発も見られます。 こうした国際情勢を背景に、資源、エネルギー価格や食料価格などの高騰が、新型コロナウイルス感染症に伴う打撃から回復途上にある県民生活や県民経済を厳しいものにしています。 この物価高騰に対し、県では、県民の暮らしと仕事を守るため、生活困窮世帯を初めとした生活者支援、広く中小企業者向け、また運輸、交通事業者、農林漁業者、介護、福祉、医療施設等、各分野向けの事業者支援を講じてきました。昨年12月にも、必要な対策を盛り込んだ補正予算を編成しました。 今後も、県民生活や県民経済の状況に応じ、県民に寄り添った施策を機動的に講じてまいります。 2014年にまち・ひと・しごと創生法が施行され、地方創生が国全体で本格始動してから10年がたちました。 これまで岩手県は、日本創生のための将来世代応援知事同盟や全国知事会の人口戦略対策本部など、地方創生の活動の先頭を進んできました。 県内では、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略のもと、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らす、そして、2020年度から岩手とつながるを加えた4本柱で、国の交付金も活用しながら地方創生に取り組みました。 その成果として、自動車や半導体、医療機器関連産業の集積、第2子以降の保育料無償化や在宅育児支援等による子育て環境の改善、女性活躍を推進する認定企業数の増加、道路ネットワークの構築、県外からの移住者の増加などが進み、生活環境や雇用情勢、地域の魅力が大幅に向上しました。 しかし、この間、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に代表される大型事業を契機とした官民投資の東京圏への集中があり、コロナ禍の一定の時期を除き、東京一極集中はむしろ加速しました。出生率の向上も、岩手県を含め全国的に達成できず、むしろ低下傾向にあります。その背景として、若い世代を中心とした可処分所得の低下が指摘されています。 こうした課題は全国共通であり、昨年、民間では、人口戦略会議が地方創生の見直しを提言するとともに、国では、地方創生の再起動に踏み出しました。 昨年、改めて全国的に関心が高まったのが、就職時期の若者、特に女性の都会への転出が高い水準で続いていることです。ジェンダーギャップを解消し、国際的にも通用するような女性の働き方を岩手県で実現し、先進性を高めて、若者、女性に選ばれる岩手県であるようにしなければなりません。 今、日本へのインバウンド観光はコロナ禍前を上回り、世界中で食を初め日本の生活文化に関係する需要が高まっています。特に日本の地方への関心が高まり、その中で岩手県が注目されています。盛岡市などの町並みや日常風景、複数の海外メディアに取り上げられたみちのく潮風トレイル、世界遺産や伝統芸能、高品質の農林水産物や食文化、伝統工芸品などが、世界から高い評価を受けています。世界が岩手県を求めています。 さまざまな国際交流で重ねられた信頼関係も生かし、インバウンド観光と輸出を拡大していくことで、海外展開と連動した新しい地方創生を進めることが可能になります。海外との交流や経済関係が発展することは、岩手県の社会や経済の先進性を高めることにもつながり、若者、女性に選ばれる岩手県であるためにも重要です。 いわて県民計画(2019〜2028)第2期政策推進プランでは、人口の自然減・社会減対策を主軸に、脱炭素と成長の両立を目指すGX―グリーントランスフォーメーションの推進と情報通信技術の力を生かすDX―デジタルトランスフォーメーションの推進を両翼とし、さらに、安全・安心な地域づくりを基盤とする四つの重点事項を掲げています。 主軸となる人口の自然減・社会減対策では、家庭や地域、職場での固定的な性別役割分担の解消を重視し、オール岩手で取り組みます。 自然減対策では、有配偶率の向上、有配偶出生率の向上、女性の社会減対策の3本柱のもと、結婚、子育て支援などを展開し、経済的、社会的な困難から結婚、出産等を諦める、いわゆる生きにくさの解消を図ります。 社会減対策では、多様な雇用の創出、労働環境と所得の向上、いわてとのつながりの維持・強化、交流人口・関係人口の拡大の3本柱のもと、賃上げ支援や、インバウンド観光、輸出の拡大などを推進します。 さらに、広域振興局を核に、地域の実情や課題に応じた施策を市町村と連携して進めます。特に、行財政資源が限られる小規模町村に対しては、伴走型の支援を強化してまいります。 昨年6月、中国大連市で行われた夏季ダボス会議2024に参加しました。会議を主催する世界経済フォーラムは、新しい経済成長の条件に、包摂―インクルージョン、持続可能性―サスティナブル、革新―イノベーション、強靱化―レジリエント、を挙げています。 この4条件は、本県の四つの重点事項の方向性と重なり、包摂―インクルージョンが、自然減・社会減対策、持続可能性―サスティナブルが、GXの推進、革新―イノベーションが、DXの推進、強靱化―レジリエントが、安全・安心な地域づくりに相当します。 四つの重点事項を一体的に展開し、県全体で幸福、ウエルビーイングを高めながら、世界が求める社会、経済の発展の道を岩手県も歩み、世界に開かれた地方創生を進めてまいります。 広大な県土を有する岩手県において、地域の多様な特性や豊かな資源を最大限に生かす未来志向の施策として、三つのゾーンプロジェクトをさらに推進します。 県央、県南地域の北上川流域では、半導体分野で、昨年デバイスメーカーの新工場が完成するなど生産規模の拡大が続いています。自動車分野を含め世界的な製造拠点として産業集積が進み、医療機器関連産業も本県ものづくりの第3の柱として着実に成長しており、新たな雇用が創出されています。 産学官連携や高等教育機関による高度、専門人材の育成が進んでおり、民間企業によるデジタル人材の育成も展開されています。 また、工業地帯が、農林水産業、世界文化遺産の平泉や民俗芸能、温泉、スキーリゾートなどの自然、歴史、文化に囲まれ、都市型の生活環境とともにあるという全国的にほかに例がないような地域です。 このような北上川流域の特徴を生かしながら、一層の産業振興と生活環境の充実を進めます。 三陸地域では、復興事業により、復興道路、三陸鉄道などの交通ネットワークの形成やまちづくりが進むとともに、港湾機能を生かした新たなコンテナ航路開設のほか、クルーズ船の寄港が増加しています。 また、防災学習を活用した企業研修や大学のフィールドワークの場としての定着が進んでおり、復興、防災をテーマとした交流が活発になっています。 さらに、みちのく潮風トレイルや三陸ジオパーク、三陸地域の豊かな食など、国内外から注目される観光資源に恵まれており、交流人口の拡大が期待されます。 多様な主体の参画と協働により、防災、自然、多様な交通ネットワーク、食や文化、スポーツを通じて、国内外とつながる三陸の創造をさらに進めます。 北岩手地域は、食やアパレル、漆関連など、日本文化の根源や先端に関連する産業が発展しており、農林水産資源や再生可能エネルギー資源にも恵まれた、人と自然との調和という点で他地域を先導する可能性を有する地域です。 このため、東京大学を中心とするCOI−NEXT―共創の場支援プログラムの事業に参画し、バイオ炭による収益性の高い循環型農林業や、木質バイオマス資源を生かした地域内エコシステム構築など、イノベーションを通じ地域のポテンシャルを最大限に発揮する地域振興に取り組んでいます。 また、AIを活用できる中小企業の人材育成も進んでいます。 イノベーションに加え、世界遺産の御所野遺跡や漆、琥珀などを生かした交流人口拡大も推進し、持続的に発展する先進的な地域づくりを進めます。 以上のような三つのゾーンの魅力や先端的な取り組みを広く発信し、関心を高め、さらに多様な主体の参画を図ります。 ILC―国際リニアコライダーは、世界中の研究者等が結集するアジア初の大型国際科学技術拠点であり、その実現による波及効果は、日本全国、世界に及びます。東北地域に国際的なイノベーションの拠点が形成され、世界に開かれた地方創生、東日本大震災津波からの創造的復興が実現します。 現在、次期大型加速器について、日本、欧州、中国の三つの計画の検討が進められている中、日本のILC誘致に残された時間は少なくなってきています。 政府による早期の前向きな誘致判断に向けては、国民的な機運を盛り上げていくことが重要です。県では、県内外の関係団体と一層の連携を図り、2025年日本国際博覧会大阪・関西万博等のあらゆる機会を捉えた機運醸成や国への働きかけの強化など、実現に向けて全力で取り組んでいきます。また、受け入れ環境の整備や加速器関連産業への参入促進等を推進していきます。 いわて県民計画(2019〜2028)は、県民、企業、団体、NPO、市町村や県など、あらゆる主体が連携、協働して進めていくものです。昨年、東京大学と県が締結した包括連携協定も、そうした考えを具体化する取り組みの一つであり、東京大学を初めとした世界最先端の研究や知見を生かしながら、いわて県民計画(2019〜2028)の実現につなげていきます。 以下、令和7年度の施策について具体的に申し上げます。 初めに、東日本大震災津波からの復旧、復興です。 東日本大震災津波から14年になろうとしています。 県は、いのちを守り海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造を目指す姿とし、国内外から多くの御支援をいただきながら、県民一丸となって復興に取り組んできました。改めて、被災された方々、御支援いただいた皆様の御尽力に敬意を表し、感謝申し上げます。 これまでに復興道路などが完成し、県土の縦軸、横軸を構成する新たな道路ネットワークが構築され、沿岸部と内陸部が一つになりました。また、防潮堤などの津波防災施設は、計画された事業の多くが完成しました。 一方、被災者の心のケアなどの一人一人の状況に応じたきめ細かい支援や、なりわいの再生に中長期的に取り組んでいく必要があります。 また、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に備え、関係機関と連携して防災、減災対策を進める必要があります。 これまでの成果と課題を踏まえ、誰ひとりとして取り残さないという理念のもと、復興推進プランに掲げる4本の柱に基づき、三陸地域のビルド・バック・ベター―よりよい復興を進めます。 安全の確保として、津波防災施設の早期完成に向けた整備や社会資本の適切な維持管理を行います。 産業の振興や地域の活性化に向けて、国と連携しながら、市町村における移転元地の利活用を支援します。 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に備え、避難訓練の実施や個別避難計画の作成、自動車避難ルートの設定、津波避難ビルの確保など、沿岸市町村と一体となって津波避難対策を推進します。 LINEなどを活用した被災者把握システム岩手モデルの実証実験を重ね、避難所運営のデジタル化を促進します。 被災者の多様な課題に対応できるよう、関係者が連携して必要な支援を行う災害ケースマネジメントの体制整備を進めます。 ALPS処理水の処分への対応を含め、原子力発電所事故に起因する放射線影響対策を実施します。 暮らしの再建として、複雑かつ多様な課題を抱える被災者の安定した生活に向け、いわて被災者支援センターや市町村等と連携した重層的な支援を行います。 こころのケアセンターによる被災者に寄り添った支援を継続します。 児童生徒の心のサポートのため、スクールカウンセラー等の配置による丁寧な支援を行います。 いわての復興教育を推進し、岩手の復興、発展を支える人材を育成します。 被災者の生活再建先におけるコミュニティーの形成や活動の定着、住民の高齢化を踏まえた維持、活性化に向けて、市町村を支援します。 なりわいの再生として、水産業リボーン宣言に基づき、サケなどの主要魚種の資源回復や、マイワシやブリなどの増加している資源の有効利用、サケ、マス類の海面養殖、ワカメやアサリなどの生産拡大を推進します。 いわて水産アカデミーにおいて、地域漁業の次代を担う人材を育成します。 水産加工事業者の人材確保に向けて、DXの推進や女性が働きやすい職場環境の整備を支援します。水産業における生産分野と流通、加工分野の連携強化を進めます。 高収益な園芸作物の生産や原木シイタケ産地の再生に向けた取り組みを支援します。 事業者の経営安定化のため、商工指導団体等と連携し、経営、金融両面での支援を行います。 未来のための伝承・発信として、東日本大震災津波伝承館を拠点に、東日本大震災津波の事実、教訓の伝承に取り組みます。 いわて復興未来塾などの事業を通じて、震災伝承施設等を巡る機会の創出を図るとともに、国内外に復興の姿を発信します。 次に、いわて県民計画(2019〜2028)の10の政策分野です。県民一人一人が、お互いに支え合いながら、幸福を追求していくことができる地域社会を目指し、各分野の事業を進めてまいります。 健康・余暇の分野では、新たに策定した岩手県立病院等の経営計画に基づき、高度、専門医療の充実と身近な医療の継続的な提供に向けて、県立病院間の機能分化と連携強化を図り、持続可能な医療提供体制を構築します。 医師の確保と地域偏在の解消、看護職の県内定着を図ります。また、医師の働き方改革や医療DXを進めます。 医療機関の受診や救急車の要請に迷う場合の電話相談窓口#7119を設置し、県民の安心の確保と消防や医療機関の負担軽減を図ります。 介護人材の不足に対応するため、介護職員の確保や労働環境の改良を支援します。 地域包括ケアシステムの深化、推進に向け、市町村の取り組みへの支援や認知症に関する正しい知識と理解の普及啓発を進めます。 健康寿命を延ばすため、生活習慣の改善や検診受診率の向上に取り組みます。 包括的な自殺対策プログラムの推進、働き盛り世代や高齢者に対する自殺予防の啓発を強化します。 ヤングケアラーやダブルケアなど複雑化、複合化した支援ニーズに対応するため、重層的支援体制の整備を促進します。 生活困窮者の生活再建のため、関係団体と連携して困窮者に寄り添った支援を行います。 重度心身障がい者等の経済的負担の軽減を図るため、医療費助成の対象者に、精神障害者保健福祉手帳1級を所持する方を新たに追加します。 福祉、消費生活分野における相談機能の一元化と充実を図るため、岩手県立福祉総合相談センターと岩手県立県民生活センターの一体的な整備を進めます。 入所者の高齢化や施設、設備の老朽化が進んでいる中山の園について、整備基本計画の策定を進めます。 性別や年齢、障がいの有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しむことができる環境を整備します。 県内のアール・ブリュット作家、作品を通じて、障がい者文化芸術の魅力を広く発信します。 家族・子育ての分野では、今定例会に提出しております、いわてこどもプランに基づき、子供、若者の権利の保障と最善の利益の推進、心身ともに健やかに生活できる環境づくり、子供の貧困対策、ひとり親家庭への支援、児童虐待防止対策、いじめ問題への適切な対応など、子供施策を総合的に推進します。 子供の視点に立った政策推進に向けて、子供を対象に意見聴取を行う、こどもモニター制度を新たに実施します。 市町村と連携し、産後ケア利用時の交通費や一時預かりへの支援、第2子以降の3歳未満児に係る保育料の無償化、在宅育児支援を行い、子供、子育て支援の充実を図ります。子供の居場所、遊び場づくりを進めます。 保育人材の確保に取り組みます。 長時間労働の是正、休暇制度の整備など、仕事と子育ての両立支援に向けた企業等の取り組みを促進します。 機能強化した、いきいき岩手結婚サポートセンターの利用促進や、民間事業者との連携による出会いの機会の創出に取り組みます。 不妊治療に係る経済的負担の軽減を図ります。企業等による仕事と治療の両立環境の整備を促進します。 予期せぬ妊娠等により困難な問題を抱える女性への支援を強化します。 質の高い療育が受けられるよう、地域療育ネットワークの構築と機能の充実を支援します。 地域における医療的ケア児等の支援体制の構築を推進します。 動物の命を大切にする社会の実現に向けて、動物愛護管理センターの整備を進めます。 教育の分野では、市町村等と連携して、県立高等学校の魅力化を推進します。 県立高等学校における医系等分野の専門職を目指すコースなどの設置に向けた検討を進めます。 多様な教育ニーズに対応した特色ある教育活動を支援することによって、私学教育の充実に取り組みます。 中学校の部活動の地域クラブ活動への移行を進めるため、助言や指導などを行うアドバイザーの配置等により市町村を支援します。 子供たちが安心して学校生活を送ることができる環境を整え、いじめや不登校に適切に対応します。 ものづくり産業や農林水産業、建設業等の産業人材の育成、確保、地域を支える国際人材の育成を進めます。 スポーツ医・科学の知見やデジタル技術等を活用して、スポーツ水準と競技力の向上、スーパーキッズの育成に取り組みます。 昨年公表した県営スポーツ施設のあり方に関する報告書を踏まえ、スポーツ医・科学センターの整備について検討を進めます。 パラアスリートの競技力向上と競技環境の整備を進めます。 居住環境・コミュニティの分野では、広域バス路線の維持、確保に取り組むとともに、バス運転士の確保、定着や、市町村による地域公共交通計画等の策定を支援します。 沿線自治体等と連携して、復興のシンボルである三陸鉄道の持続的な運行、IGR及びJRローカル線の維持、確保に向けた取り組みを推進します。 移住、定住を促進するため、本県の魅力の発信、移住支援の拡充、就職マッチング、県営住宅のお試し居住の取り組みを進めます。 空き家の活用による若年層等の住宅取得を支援します。 市町村における地域おこし協力隊の募集、受け入れ、任期終了後の定着を支援します。 スポーツ大会や合宿の誘致を通じた交流人口の拡大を進めます。 汚水処理事業の次期県構想を策定し、汚水処理施設の整備、普及を推進します。 市町村と連携して、木造住宅の耐震化を促進します。 新たな岩手県多文化共生推進プランに基づき、外国人県民等が暮らしやすい環境づくりを推進します。また、海外の県人会との連携を強化します。 安全の分野では、新たに改定した第2期岩手県国土強靱化地域計画に基づき、今後起こり得る地震、津波への備えとして、県と市町村が一体となった具体的な対策の検討や情報共有、市町村への支援、総合防災訓練の実施など、防災、減災対策を推進します。 災害発生時のトイレ、温かい食事、ベッドの提供など、市町村における避難所環境の改善を進めます。 自主防災組織の活動支援や消防団員の確保、育成に取り組みます。 関係団体と連携し、火山活動の観測調査や防災対策を継続して実施します。また、岩手県風水害対策支援チームのもと、市町村の風水害対策を支援します。 新たな岩手県犯罪被害者等支援実施計画に基づき、犯罪被害者等への途切れることのない支援を行います。 特殊詐欺被害を予防するため、効果的な広報啓発活動を実施し、防犯意識の向上を図ります。 被害の多い若年者や高齢者を中心に、消費者被害の防止のための消費者教育の推進、相談対応の充実に取り組みます。 ドローンの利活用による警察活動の高度化を進めます。 新たな新型インフルエンザ等対策行動計画に基づき、新興感染症に備えた医療提供体制の構築に取り組みます。 高病原性鳥インフルエンザや豚熱などの家畜伝染病の発生予防、蔓延防止のため、飼養衛生管理の徹底や病原体の侵入防止対策、豚熱ワクチン接種など家畜衛生対策を推進します。また、発生時を想定した訓練を実施し、防疫体制を強化します。 仕事・収入の分野では、賃上げに取り組む中小企業、小規模事業者を支援します。経営革新計画の策定やAIなどデジタル技術を活用した自動化、省力化による生産性の向上、円滑な価格転嫁等を進め、賃上げ環境の整備に取り組みます。 農林漁業者に対する燃料、資材価格高騰の影響緩和対策や省エネ技術の導入支援に取り組みます。 県産品の輸出やインバウンドを含む観光客の誘客拡大を推進します。 県産農林水産物、加工食品、日本酒、伝統工芸品等のトップセールスやECサイトの活用などにより、国内外の販路開拓、拡大、高付加価値化を支援します。 みちのく潮風トレイルなど、魅力的な観光資源を生かした滞在型の商品造成や観光推進体制の強化、世界の各市場に対応した戦略的なプロモーションを展開します。 航空会社や関係機関と連携し、いわて花巻空港のより一層の利用促進に取り組みます。 クルーズ船の寄港がさらに増加するよう、港湾ごとにターゲットを絞った効果的なポートセールスを行います。 いわてで働こう推進協議会を核に、企業等による若者、女性に魅力ある職場環境づくりや働き方改革の取り組みを促進し、高校、大学等卒業者の県内就業やU・Iターンによる人材確保を支援します。 いわてスタートアップ推進プラットフォームを核とした若者、女性の創業支援や県内スタートアップの成長に向けた海外との連携に取り組みます。また、事業承継や経営力の向上を支援します。 商工指導団体の体制の維持、強化を図りながら、中小企業等への伴走支援を促進します。 自動車や半導体、医療機器関連産業など、県内ものづくり産業の一層の集積と高度化を促進します。また、企業の新規立地や増設などにより、多様な就業の場を創出します。 JR東日本の重点共創エリア指定を受けた秋季観光キャンペーンにより、観光需要を創出します。大阪・関西万博での東北合同出展により、本県の魅力を発信します。 農林水産業の経営体育成やメタバースを活用した農林水産業への就業相談、いわて林業アカデミー、いわて水産アカデミーを通じた新規就業者の確保、育成を推進します。 シニア世代や外国人材等の多様な農業人材と農業法人とのマッチングに取り組みます。 女性農林漁業者が働きやすい環境づくりを進めます。 農業大学校の教育機能強化に向けた基本構想の策定に向け、検討を進めます。 市町村、関係団体、生産者と一体となって、本県農業を強化していくための、いわて農業生産強化ビジョンを策定します。 主食用米、高収益の園芸作物、畜産物、シイタケや木炭、生漆等の特用林産物の生産振興を図ります。また、主要魚種の資源回復に向けた取り組みと新たな漁業、養殖業の導入を推進します。 生産基盤整備や林業経営体の人材育成、県産木材の供給体制の構築を推進します。 新たな県北地域向け県オリジナル水稲品種、白銀のひかりのプロモーションを展開します。 AI等を活用した飼料生産コスト低減技術の実証や高水温耐性を持つ県オリジナルサクラマス種苗の開発に取り組みます。 グリーンツーリズムの受け入れ体制強化や海業の新たなビジネスモデル構築を支援し、農山漁村の交流人口拡大を進めます。 野生鳥獣による農作物被害に対して、有害捕獲や侵入防止柵の設置、ICT機器等を活用した被害防止対策に取り組みます。 歴史・文化の分野では、本年、橋野鉄鉱山が世界遺産登録10周年となることを記念し、橋野鉄鉱山への来訪促進、平泉、御所野遺跡を合わせた三つの世界遺産の価値や魅力の普及、交流、周遊促進に取り組みます。 世界遺産の構成資産及び関連資産から成る、ひらいずみ遺産を中心とした文化観光を進めます。 昨年12月、日本の伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されました。南部杜氏発祥の地として、県内各地に根づいている日本酒の魅力を世界に発信します。 今定例会に提出しております第4期岩手県文化芸術振興指針に基づき、県民誰もが文化芸術に親しみ創造できる環境づくりを進めます。 民俗芸能の宝庫である岩手県の魅力を発信し、伝統文化への理解を深め、次世代へ受け継ぐ取り組みを推進します。 県政150周年期間の最終年度となる令和8年度に向けて、県民の機運を醸成します。 自然環境の分野では、温室効果ガスの削減目標達成に向けて、県民理解の増進やZEHプラス住宅である岩手型住宅の普及、事業者の省エネ設備更新を支援します。 県有施設や港湾、空港の脱炭素化を進めます。 環境負荷を低減する農業や森林整備、藻場の再生、造成を推進します。令和6年度から発行を開始した県有林Jクレジットの販売を促進します。 次期海洋再生可能エネルギー関連産業創出ビジョンの策定を進め、海洋再生可能エネルギー発電事業の導入に向けて取り組みます。 県で発電したCO2フリー電力の県内企業等への供給を行い、再生可能エネルギーの地産地消と企業の付加価値向上を推進します。県の既設水力発電所の再開発を進めます。 三陸ジオパークを活用した交流人口拡大や世界ジオパーク認定を見据えた取り組みを推進します。 ツキノワグマの個体数管理のための捕獲や被害防止対策を進めます。沿岸地域で農作物被害が増加しているニホンザルの生息状況調査を実施し、市町村と連携して被害防止を図ります。 社会基盤の分野では、岩手県DX推進計画に掲げる四つの取り組み方針に基づき、行政、産業、社会・暮らし、基盤整備の分野におけるDXを推進します。 流域治水の考え方のもと、河川改修や砂防堰堤の整備などのハード対策と、洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域等の指定などのソフト施策を効果的に組み合わせ、防災、減災対策を推進します。 盛り土等の崩落に伴う災害から県民を守るため、規制区域の指定や周知広報、監視強化を行います。 災害に強い道路ネットワークを構築するため、緊急輸送道路の橋梁耐震化、道路防災対策、無電柱化、交通隘路の解消を推進します。 物流の基盤となり観光振興に資する道路の整備を進めます。岩手県新広域道路交通計画に位置づけた広域道路ネットワークの強化に向けて、構想路線等の整備や調査を推進します。 岩手県広域サイクリングルートの整備など、サイクリング環境の向上に取り組みます。 社会資本の長寿命化計画に基づき、予防保全型維持管理への転換を図り、計画的な維持管理を推進します。 建設関連団体と連携し、建設業の担い手の確保、育成に向けた魅力発信や職場環境の改善、ICT技術等を活用した建設DXを進めます。 参画の分野では、国のえるぼし認定や、いわて女性活躍企業等認定制度の普及と取得企業の拡大を促進します。経営者層への理解促進や女性のエンパワーメントを目的としたセミナー、研修の開催、デジタルスキルの取得支援など女性の活躍支援を強化します。 家庭、地域、職場などあらゆる場面におけるジェンダーギャップの解消に向けて、オール岩手での取り組みを推進します。 若者が生き生きと活動できる地域をつくるため、いわて若者カフェの県内連携拠点の拡充や若者のアイデア実現への支援、社会全体で若者を理解し応援する機運の醸成に取り組みます。 パートナーシップ制度の導入拡大に向け市町村を支援します。また、制度利用者が利用可能なサービスの拡大を推進します。 いわて県民計画(2019〜2028)の新しい時代を切り拓くプロジェクトについては、さきに述べた三つのゾーンプロジェクトやILCプロジェクトに加え、岩手らしさを生かした先導的な施策を進めてまいります。 活力ある小集落実現プロジェクトでは、買い物や通院の移動支援など日常生活維持の仕組みづくりや、農村型地域運営組織等による集落機能維持への支援などを進めます。 農林水産業高度化プロジェクトでは、沖縄県と連携した高温登熟耐性を持つ水稲品種の早期開発や、本県海域で定着が確認されたヨーロッパヒラガキの種苗生産技術開発など、収益性の高い農林水産業を目指します。 人交密度向上プロジェクトでは、いつでも岩手県につながることができる環境を整備しながら、地域おこし協力隊の受け入れ、定着促進や、遠恋複業課による外部人材と地域とのマッチングなど、関係人口を質的、量的に拡大します。 また、ビッグデータを活用した地域の健康課題の見える化や、効果的なICT活用による学びの充実、文化芸術やスポーツによる特色あるまちづくりの推進、再生可能エネルギー由来の水素の利活用など、それぞれのプロジェクトを進めていきます。 地域振興について、住民に身近なサービスは市町村が担うことを基本としつつ、より広域的な視点から、四つの広域振興局を拠点に各圏域のニーズや課題に応じた施策を展開します。 各広域振興局の人口減少対策体制を強化し、市町村と一体となった集中的かつ効果的な取り組みを推進します。特に人口減少が進んでいる県北・沿岸圏域を中心に、本庁と広域振興局が連携して、各地域の実情を踏まえた伴走型の支援を展開します。 市町村の人材確保に向けて、合同就職セミナーの開催やインターンシップ受け入れを支援します。複数市町村の共同による職員採用など、新たな人材確保支援策の検討を進めます。 小規模町村に対しては、職員の相互交流、保健師や林学職等の専門職員の派遣、地域経営推進費の活用など、人的、財政的支援を一体的に行います。 また、標準準拠システムへの円滑な移行や電子申請システム共同利用の拡大を通じ、市町村の行政事務のデジタル化を支援します。 施策の推進に当たり、県民サービスを持続的、効果的に提供していくため、職員の確保や働き方改革、行財政改革を一層進め、より質の高い行政経営を行います。また、組織のスリム化を前提とした中長期的なあり方検討を本格化し、機動的かつ最適な組織、職員体制を構築します。 全職員を対象としたフレックスタイム制の導入など柔軟な働き方環境の整備や、生成AIの利活用により業務を効率化します。 将来にわたり、公共施設の維持管理、サービスの提供を持続可能なものとするため、個々の公共施設等について丁寧な評価を行い、それを踏まえた次期公共施設等総合管理計画の策定を進めます。 県庁舎整備については、本年度内に取りまとめる予定の大まかな整備の方向性を踏まえ、県民の意見を広く聞きながら基本構想の策定を進めます。 ふるさと納税やグリーン/ブルーボンドの発行、基金の有効活用等による歳入確保策を実施しつつ、持続可能な財政構造を構築します。 昨年開業40周年を迎えた三陸鉄道が、東日本大震災津波の甚大な被害から全線復旧を果たしたのは2014年3月でした。復興支援に携わる方々や三鉄ファン、あまちゃんファンなど、全国、海外の皆さんと迎えたあの日を忘れることはできません。 その2014年、地方の魅力を高め、人口減少に歯止めをかけようとする地方創生が国全体で本格始動し、それから10年がたちました。地方創生10年の反省を踏まえ、若者、女性に選ばれるという視点を重視し、地方創生をバージョンアップすべきときです。開かれた復興として、全国や海外とのつながりの力を高めてきた姿勢を、これからの地方創生でも大事にすべきです。 また、大谷翔平選手に代表される、全国や海外で活躍する若者を育ててきた地域の力を大事にすべきです。菊池雄星選手、大谷翔平選手に続き、佐々木朗希選手が、ことし海外で飛躍のときを迎えます。合唱の分野では、毎年全国的な受賞が相次ぎ、特に、北上市内の中学校6校合同チームは、金賞を受賞し、紅白歌合戦で緑黄色社会とコラボしました。 こうした活躍の背景には、復興や地方創生の事業によって、交通ネットワークやスポーツ、文化施設、交流施設が充実し、意欲ある指導者のもと、関係者が力を合わせ若い力を育ててきたことがあります。 そして、これからの地方創生では、東日本大震災津波という深い悲しみを共有し、ともに苦楽を重ねてきた中で私たちが築いてきた、お互いの幸福を守り育てる風土を大事にすべきです。 地方創生は、個人一人一人の多様な幸せを実現するものでなければなりません。地方創生のこれまでの10年を経て、全国や海外に開かれた、全国や海外に通用する、幸福、ウエルビーイングを志向する新しい地方創生に取り組んでいきましょう。 ここにおられる議員の皆様並びに県民の皆様の深い御理解とさらなる御協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明を終わります。(拍手) 日程第5 教育委員会教育長の演述 〇議長(工藤大輔君) 次に、日程第5、教育委員会教育長の演述であります。佐藤教育長。 〔教育長佐藤一男君登壇〕 |
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