令和6年9月定例会 第6回岩手県議会定例会会議録 |
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〇42番(高橋はじめ君) 希望いわて、参政党の高橋はじめであります。
改選2年目の冒頭議会、しかも新内閣が発足し、天下分け目の岩手県における衆参ダブル選挙や、県民の命と健康を守れるか否かの重大な時期での議会で登壇の機会を賜りましたことに感謝申し上げます。 質問に入る前に、本年元日の大地震に続き、このたびの大豪雨災害に見舞われました能登半島の皆様に深甚なるお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられました方々の御冥福を心からお祈りいたします。早期災害復旧と安寧の生活が一日も早く戻りますことを、あわせて御祈念いたします。 通告に従い順次質問いたします。 初めに、参議院岩手県選出議員補欠選挙への対応と政治倫理について伺います。 まず、補欠選挙執行に向けた体制について伺います。 9月30日、自由民主党石破茂新執行部の就任記者会見において、石破茂新総裁が、首相選任となれば新内閣の信任を国民に問うとし、衆議院を解散し、10月27日に総選挙を実施すると突然発表いたしました。 本県では、参議院補欠選挙と衆議院総選挙施行日が同日となりましたことで、その対応を至急整えなければならない事態に、関係者の皆様に御慰労を申し上げます。 どのような組織体制のもとに進められるのか。その際の課題は何か伺います。 次に、市町村の投開票体制についてであります。 人口減少に伴い有権者減少による投票所の統廃合が進んでいると見受けられますが、県内市町村はどのような状況であるのか。統廃合に伴う交通手段の確保や移動投票車両などの運行等をどのようにやっているのか伺います。 突然の参議院補欠選挙となりましたが、県内各地で秋季イベントが予定されており、対応する市町村職員への負荷も少なからずかかっているのではないでしょうか。 投開票に問題が起こらないよう留意しなければなりませんが、懸念事項はあるのでしょうか。 選挙区と比例区の開票が行われる国政選挙は、開票作業が深夜に及びます。開票立会人も翌日が仕事の方に依頼しにくい状況にもあります。開票作業に従事される関係者の働き方改革が手つかずのようにも見受けられ、開票作業の翌日実施について議論すべきと思いますが、国の動向はどうなっているのでしょうか。また、県選挙管理委員会として調査研究はされておられるのか伺います。 次に、政治倫理について伺います。 政治倫理の質問に入る前に、昨日の臨時国会において、新首相に石破茂衆議院議員が選出され、新内閣が発足しましたが、新首相、新内閣にどのような期待を持たれているか、知事にお伺いいたします。 このたびの参議院議員補欠選挙は、2年前に実施された参議院議員通常選挙において選出された自由民主党公認の広瀬めぐみ氏の辞任に伴う選挙であります。報道によりますと、広瀬めぐみ氏は、事務所経費捻出のため公設第2秘書の給与を勤務実態のない中で、秘書給与、退職手当、計358万円を国から受け取っていたとし、詐欺罪で東京地検特捜部の捜査と告発を受けて、8月に議員辞職したことに伴い実施されるものであります。 選挙を実施する予算は国費8億円余の支出、加えて、県内各市町村での選挙事務や投開票事務等を現出したことは、選挙事務にとどまらず、地域行事や県民の生活に影響を与え、極めて憂慮されるところであります。いわて盛岡シティマラソン2024は日程変更ができず、市職員最大500人のほか、消防、救護、民間企業、ボランティア、合計3、500人、一方、補欠選挙に最大550人、選挙推進委員含め合計650人態勢で臨むとされ、イベントそのものを変更した自治体もあることなど、市民生活に少なからず負担がかかるものと思われます。 このような事態を招いた関係者には大いに自戒を求めたいと思いますが、達増知事は8月の定例記者会見でこのことに対する所見を述べられておりますが、改めて在宅起訴となった現状について所感を伺います。 広瀬めぐみ氏は弁明の中で、詐欺行為の原因は事務所経費に充てるためとの説明に、はてと思ったのは私だけではなく、多くの県民が疑問に思ったのではないでしょうか。参議院議員になる前は弁護士をなりわいとしていた方が、詐欺行為をしてまで無理と思われる事務所体制を維持しなければならなかったのか、あるいは、参議院選出馬で多額の費用がかかり、その影響で詐欺行為をしてまで埋めなければならなかったのかなど、さまざまな推測や憶測が飛び交い、その説明が広瀬めぐみ氏本人から全くなされておりません。 また、広瀬めぐみ氏の公認候補発表を主催し同席した自由民主党岩手県連会長で広瀬めぐみ氏と同様弁護士の資格を有しておられる藤原崇衆議院議員は、みずからは統一教会との関係や派閥政治資金パーティーの裏金資金の還流問題、広瀬めぐみ氏の辞職に伴う説明責任も果たさない中で、自由民主党岩手県連会長を辞職して責任をとったとし、こちらも自由民主党岩手県連トップとしての説明責任を回避する雲隠れ状態にあり、その一方で、自由民主党岩手県連会長代行以下県議団は、支援団体に説明とおわび行脚をしていると聞き及び、これらの事態にも、はてとの思いを県民とともに抱いております。 広瀬めぐみ氏に詐欺行為を指南し、そのため説明できないのではないかとさえ疑う県民もおり、御本人と政治に対する信頼を回復するために、そして、自由民主党岩手県連の名誉挽回と再生のために、藤原崇前自由民主党岩手県連会長は、県民にこれまでの事件の填末と自己の責任を明らかにし、再発防止についてどうされるのかをしっかりと県民に説明されるべきと思うところであります。 全国の注目を浴びた今回の事件を受けて、岩手県の政治家全てに向けられている厳しい評価に、政治倫理の確立に向けてどうあるべきか知事に伺います。 〔42番高橋はじめ君質問席に移動〕 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 高橋はじめ議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、新内閣への期待についてでありますが、一時は続投が当然視されていた岸田総理総裁が、日本中を驚かす形で総裁選不出馬を表明した際、その理由として挙げたのが、統一教会問題と裏金問題による政治不信に対してけじめをつけるということでした。 そのことを受けて、今般、自由民主党総裁に選ばれ、内閣総理大臣にも選出された石破茂首相の内閣には、いまだ国民も納得していない統一教会問題と裏金問題に関し、事実関係を明らかにしながら、問題の解決を目指すことについて、国会を舞台に広範な国民的合意を得ながら進めていただくことを期待します。 これらを行わないまま新しい政策を掲げて解散総選挙を行うことは、統一教会問題や裏金問題を隠したまま行われた2年前の参議院議員通常選挙や、3年前の衆議院議員総選挙を繰り返すようなものであり、選挙の正当性が疑われかねません。 日本の政権の正当性を回復するには、ただ総選挙を行えばよいというものではなく、公正な選挙の前提となる政治の信頼を回復することをまず優先していただきたいと考えます。 〔副議長退席、議長着席〕 次に、補欠選挙による影響についてですが、政権与党の公認候補であった参議院議員が、みずからの詐欺事件で辞職し、在宅起訴に至ったことは、岩手県では過去に例がなく、極めて重大な事態で、県民の皆様も衝撃を受けているものと感じます。 補欠選挙執行費用の8億円余は大変大きな額であるとともに、当初予定していない選挙の実施による影響は各方面に及ぶと思いますが、選挙は、主権者がその意思を政治に反映させることのできる最も重要かつ基本的な機会であり、民主主義の基盤を支えるものであります。それだけに選挙によって選ばれた人は、その重みを受けとめ、国民、県民の負託に応えなければならないものと考えます。 次に、政治倫理の確立についてでありますが、いわゆるロッキード事件が明るみになった後、1985年に衆議院及び参議院において、政治家が持つべき姿勢を定めた政治倫理綱領が議決されております。 綱領において、国会議員は、国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持しするとともに、政治腐敗の断絶と政治倫理の向上に努めなければならず、また、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合には、みずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならないとされております。 政治家及び政治家を志す全ての者は、改めてこの綱領に立ち返る必要があり、特にも、今回の事件により全国の注目を浴びた岩手県の政治家は、国民及び県民からの信頼回復に向けた行動をみずから率先して行っていくべきものと考えます。 〔選挙管理委員会委員長吉田瑞彦君登壇〕 〇選挙管理委員会委員長(吉田瑞彦君) 県の選挙管理委員長の吉田瑞彦でございます。 日ごろ選挙管理事務に御協力いただきましてありがとうございます。私も弁護士をなりわいにしております。 それでは、高橋はじめ議員の4点のご質問にお答えいたします。 まず、同日選挙への対応についてお答えいたします。 県選挙管理委員会では、10月27日の参議院議員補欠選挙について、単独の選挙であると最初は考えて、その準備はもう既に始めております。衆議院の総選挙については11月下旬ではないかということで、これもシミュレーションしておりまして、今回はそれを合体させるという形で準備を開始したところであります。 これまでも本県の衆参同日選挙はありまして、平成19年に執行された参議院通常選挙と衆議院議員第1区補欠選挙がありました。それから、全県を対象としたダブル選挙が昭和55年と昭和61年の2例あります。今回、全国で同日選挙となるのは、本県だけとなります。 この同日の選挙でありますけれども、それぞれの告示日や公示日、選挙運動期間、選挙前投票の期間などが異なってまいりました。そこで、投票用紙の交付の誤りであるとか開票作業などで現場で混乱が生じないように、担当者会議などにより注意喚起を徹底的に図るとともに、選挙事務経験者を業務支援に当たらせるなど、必要な人員を確保し対応することとしております。 また、県や市町村の選挙管理委員会においては、膨大な事務量や短期間で確実に処理する必要があることから、それぞれが必要な人員体制を構築するとともに、誤りを未然に防止するため、相互に連携を図りながら、迅速かつ適正に選挙事務の管理執行を進めてまいります。 次に、投票所の統廃合についてでありますが、高橋はじめ議員御指摘のとおり、県内では年々投票所が減少している現状にあります。令和4年に執行された参議院通常選挙では、当日投票所が964カ所でしたが、今回の補欠選挙では951カ所と13カ所減少する見込みです。ちなみに、令和3年の衆議院総選挙では1、032カ所の投票所がありました。 この投票所の減少に伴い、例えば、昨年の知事選挙、県議選挙でありますが、11市町村においては、投票所までの巡回バスの運行あるいはタクシー乗車券の交付などによる移動支援を行ったほか、宮古市、一関市、釜石市及び八幡平市の4市においては、移動期日前投票所を開設するなどの取り組みを行いました。 今回も引き続き、市町村の選挙管理委員会に対し、期日前投票所の設置や複数の箇所を巡回する移動期日前投票所の開設など、地域の実情に応じ、県民が選挙権を行使できるよう対応策について助言してまいります。 3点目といたしまして、御指摘のとおり、毎年秋には、各地でイベントが開催されており、多くの市町村職員がその対応に当たっています。今般の国政選挙が実施されることから、確かに例年よりも職員の負担が大きくなるおそれがあります。 選挙の実施に当たっては、人員や会場の確保などの課題があり、イベントとの調整につきましては、基本的には各市町村において判断することになります。例えば一関市では、当初10月27日に開催する予定であった農業祭について、開票所の確保を理由として日程と会場を変更して実施すると伺っております。 選挙管理委員会といたしましては、期日前投票所の運営委託やデジタル化の推進など、職員の負担軽減を図る取り組みを助言するなど、市町村が適正に選挙事務を管理執行できるように支援してまいりたいと思います。 最後に、開票作業日の見直しについてであります。 公職選挙法第65条においては、開票は、投票の当日又は翌日に行うこととされており、法律上は翌日に行うことも可能であります。 本県の国政選挙においては、投票日に開票し、有権者の少ない町村部ではおおむね21時ごろに終了しているところもありますが、一部の市、これは盛岡市と北上市になりますけれども、翌日まで作業が及んでいる状況です。 翌日開票を行うかどうかですけれども、災害の発生や離島という理由を除いては、現在、翌日に開票作業を行う自治体はありません。また、国からは、各都道府県に対し、開票状況を1時間置きに報告することや、開票終了後、直ちに報告することが求められていることから、全国一律で対応する必要があります。 このため、国政選挙においては、有権者に選挙結果を速やかに提供するため、デジタル技術の活用などにより、迅速かつ効率的に開票作業が進められるよう、市町村を支援してまいります。 これは国にも聞きましたけれども、現時点で、本県においても、開票作業時間等に係る調査研究や具体的な検討は行われておりません。今後、作業の効率化を念頭に置きながら、市町村から現状や課題などを伺うなどして、よりよい開票作業のあり方を研究してまいりたいと思います。 最後に、選挙管理委員会は、選挙事務を確実に行うのと同時に、選挙に関するさまざまな論点を検討しており、選挙制度そのものの実質的な発展のために仕事をしていることを御理解賜り、答弁といたします。 〇42番(高橋はじめ君) 御答弁ありがとうございました。 ものづくり産業には製造物責任法というものがあり、事故が起こらないように、製造されたものに対する責任を負うわけですが、政党においても、候補者を擁立し議席を得るわけですから、その議員が当初の目的を果たすため、政党が責任を持って新人議員を育て上げなければならないと思うところであります。 当選した、議席を得た、あとは自力でとは無責任きわまりない。政党は、当選させた議員の育成にもっと責任を持たなければならないということが、本事件の教訓ではないでしょうか。広瀬めぐみ前参議院議員にもお気の毒でならないと、私はそう思っております。 新型コロナウイルス感染症及び新型コロナワクチンについて伺います。 初めに、新型コロナウイルス感染症の検証及び総括について伺います。 新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行してから1年5カ月となりますが、全国では味覚、臭覚、睡眠などの障がいや、せき、息切れ、疲労倦怠感、集中力低下、記憶障がいなど、感染後の後遺症に苦しんでいる方々が多数おられると報道があります。本県での実態と、これまでの相談窓口での相談件数、現在の治療体制及び治療者数はどのようになっているのか伺います。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県が、令和5年12月に実施いたしました後遺症調査では、新型コロナウイルス感染症に罹患した方のうち18.1%の方が2カ月以上にわたり何らかの症状を保有していると回答しており、そのうち半数以上が医療機関を受診しておらず、その理由としては、困っていないからが48%で最も多かったところであります。 また、岩手県民医療相談センターでは、令和6年4月から8月末までに受け付けた1、010件の医療相談のうち、新型コロナウイルス感染症罹患後の症状については23件の相談が寄せられたところであります。 後遺症状を持つ方の実数の把握につきましては、医療機関の負担等を考慮すると難しいと考えておりますが、先ほどの調査結果からも、相当程度症状を有する方がおられるものと認識しております。県では、罹患後症状に悩む方々が、症状に応じて円滑に受診や治療が受けられるよう、県医師会と連携して、後遺症の初期診療が可能な178医療機関の一覧を作成し、県ホームページにおいて地域別、診療科別に確認できるようにしているところであります。 また、後遺症も含めたさまざまな病気を抱えた方が、治療と仕事を両立できるよう、労働者健康安全機構が運営する岩手県産業保健総合支援センターにおいて相談支援を行っているところであります。 引き続き、関係機関等と連携して、後遺症に悩む方々に対する円滑な受診や治療等の支援に取り組んでまいります。 〇42番(高橋はじめ君) パンデミック当初から新型コロナウイルス感染症検査として使用されたPCR検査は、無症状感染者を多数つくり出し、クラスターに伴う飲食店休業、職場閉鎖、介護施設等への入所者訪問禁止など、社会生活に多くの制限を加えただけでなく、行き過ぎた恐怖感を助長したほか、陽性者、偽陽性者に対する差別的な風潮を生み出すなど、まさに大混乱の4年でありました。 このような状況を冷静に振り返り、この感染症の検証と総括を行うとともに、後世に伝えるべき記録を残すべきと思いますが、所管部の考えを伺います。 〇復興防災部長(福田直君) 御指摘のような偽陽性や偽陰性が発生するのは完璧な検査方法が存在しないためですが、そのような中でもPCR検査は、その精度において抗原検査よりすぐれているとして活用されたものと承知しております。 一方、新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、人々の不安が差別や偏見を助長するような場面も見られたところであり、この点は、ことし3月に公表した新型コロナウイルス感染症対応に係る振り返りにも記載しております。 現在、岩手県新型インフルエンザ等対策行動計画の改定に向けた作業を行っておりますので、基本的人権を尊重する観点から、人々の自由や権利の制限は必要最小限のものとすること、感染症に関するリスクコミュニケーションを図ることなどを計画に明記する方向で検討してまいります。 〇42番(高橋はじめ君) 新型コロナワクチン接種の検証及び総括について伺います。 新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受け、人類史上初の新型コロナウイルスの遺伝子を組み込んだmRNA型ワクチンの導入ですが、本来のワクチン治療に至る治験は10年程度とされており、パンデミック時の特例承認のもとに新型コロナワクチン接種が推奨され、国民の8割強が2度の新型コロナワクチン接種を行い、その副作用の体現や生命への危険性が低下したこと等から、3回目以降の接種率が減少し、昨年秋から、65歳以上の高齢者や基礎疾患のある方を対象に推奨され、7回目の新型コロナワクチン接種が行われてきました。 世界の多くの国では7回の新型コロナワクチン接種はなく、なぜ日本だけが繰り返し新型コロナワクチン接種をしているのか甚だ疑問で、製薬会社や医師会の収益確保のために継続されているのではないかと、うがった見方さえ出てきております。 また、我が国のみ第11波感染の波が出てきていることなどの報道もあり、新型コロナワクチン接種をやめた欧米では起きていない現象に、新型コロナワクチン接種を繰り返すことにより、新型コロナウイルス感染の波が発生しているとの見方に間違いはないと思うところですが、御見解を伺います。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 国立感染症研究所による令和6年9月の調査分析によりますと、新型コロナウイルス感染症の世界的流行は継続しており、オミクロン株のJN.1系統が本年1月ごろに主流となった後、4月ごろからはKP.3系統の割合が世界的に増加していることが報告されております。 また、WHOが令和5年3月に公表した新型コロナワクチンに係る指針では、健康な乳幼児、小児、成人等に対する初回接種後のさらなる追加接種は推奨しないものの、高齢者や基礎疾患を持つ方については追加接種を推奨したところであります。 これを受けて、我が国では、昨年の4月接種からは対象者を高齢者や基礎疾患を持つ方等とし、また、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ等の諸外国におきましても、それぞれ制度は異なりますものの、高齢者等への接種は継続されているものと認識しております。 〇42番(高橋はじめ君) 8割を超える国民への新型コロナワクチン接種、高齢者や基礎疾患を患う方々に対する新型コロナワクチン接種によって、人類史上最大の薬害事件に発展してきているのではないでしょうか。 新型コロナワクチン接種後に副反応の疑いがある報告の現状は、厚生労働省発表の今年4月21日分の報告によると、全国では、副反応報告者3万7、091人、そのうち重篤者が9、014人、接種後死亡者は2、204人に上っているほか、予防接種健康被害救済制度の認定数では、わずか3年半の本年9月18日現在で認定数が8、153件と、45年間の累計3、522件の2.3倍となっているほか、死亡者にかかわる認定数835件で、こちらは45年間で151件であったことから5.5倍と、恐るべき事態となっている状況にあり、本県でも予防接種健康被害救済制度に80件の申請が出され、認定数は61件、審査中14件であり、死亡者にかかわる認定数は8件、審査中4件となっている現状にあります。 8月28日の朝に放送された、NHK番組あさイチにおいて、ワクチン接種後の健康被害の実態について特集報道が行われ、息子に接種を勧めて死亡された母親、今も後遺症で職場復帰できない女性などが証言され、番組中、視聴者から多くのファクスが寄せられていました。 国民、県民の命と健康、特にも高齢者を狙い撃ちしているような政策は、もはや政権は高齢者の敵であるとの強い憤りを抱かざるを得ません。 冒頭でも申し上げましたが、人類史上最大の薬害事件に発展してきている現状にあり、早急に新型コロナワクチン接種の健康被害の実態調査、新型コロナワクチンで命と健康が守れたか検証を行い総括すべきと思いますが、いかがでしょうか。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 予防接種の副反応による健康被害が不可避的に起こり得ることを考慮し、国では、健康被害救済制度を設けており、厳密な医学的因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とするという方針で審査が行われております。 現在でも、新型コロナワクチンの有効性や安全性について、継続的に国の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で検証が行われており、米国CDC―アメリカ疾病予防管理センターを初め、各国の研究機関においても検証が行われているものであります。 国の厚生科学審議会の副反応検討部会では、現時点では新型コロナワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められず、新型コロナワクチン接種による効果がリスクを上回ると評価しており、県としても、内外の新型コロナワクチンに係る科学的な検証を注視し、引き続き県民への情報提供に努めてまいります。 〇42番(高橋はじめ君) 新型コロナワクチン接種について、行政としてのあるべき姿が泉大津市の取り組みではないでしょうか。泉大津市のホームページで国の方針を伝えつつ、接種ワクチンの現状、副反応リスク、接種後の健康被害相談窓口、専門医療機関、健康被害請求等々、私がこれまで議会で取り上げてきたさまざまな問題や課題について、市民に適切に情報伝達しております。治験といわれている今回の新型コロナワクチンに行政の体制が確立され、市民の命と健康を守る思いが伝わってまいります。 一方、県のホームページでは行政事務一辺倒で、県民の立場に立った情報伝達は欠如しており、泉大津市の取り組みを参考にして見直しを図るべきと思いますがいかがでしょうか。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県民の皆様への情報提供についてでありますが、現在、県のホームページにおきまして、新型コロナワクチンの有効性、副反応や健康被害救済制度などについて情報提供しているところであります。 また、新型コロナワクチン接種後の症状を含めた新型コロナウイルス感染症に関する相談に対応するため、県では、岩手県民医療相談センター及びいわて発熱等相談センターを設置しているところであります。加えて、ワクチンの専門相談に対応するため、岩手医科大学に岩手県予防接種センターを設置し、医学的な相談や医療従事者向けの研修を実施しているところであります。 県では、ワクチン接種の対象者のうち接種を希望される方々が、メリットやデメリットを十分に理解し、みずから選択できるよう、引き続き情報発信に努めてまいります。 〇42番(高橋はじめ君) ワクチン定期接種と増殖型ワクチン、レプリコンワクチンについて伺います。 令和6年9月末の広報きたかみ及び北上市のホームページで、新型コロナワクチンの接種費用の助成についてお知らせがあり、接種日に満65歳以上の方、接種日において60歳以上65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器の機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能のいずれかに障がいがあり、身体障害者手帳1級の交付を受けている方が対象、接種費用、自己負担2、800円で接種できるということであります。私にも定期接種の案内はがきが9月末に届きました。これが、そのはがきであります。 定期接種では、mRNAワクチンメーカーが、ファイザー社、モデルナ社、第一三共社、MeijiSeikaファルマ社の4社製、組みかえたんぱくワクチンが、武田薬品工業社1社の計5社のワクチンが使用されるわけですが、北上市のホームページには、医療機関への予約以外、使用するワクチンの接種などは問い合わせを控えるようにとのことであります。県内各市町村でも同様の取り組みではないでしょうか。 新聞の慶弔欄には連日、高齢死亡者が異常と思えるほど掲載となっています。世界では新型コロナワクチン接種を三、四回で中止しているのに、我が国では、体力と自己免疫力が低下している高齢者や基礎疾患のある方に接種しようとする、この国の現状に私は激しい憤りを覚えてなりません。この国の礎、経済発展をつくり上げた団塊世代が大量に後期高齢者となり、働けなくなった高齢者、年金受給者の口減らしのための政策ではないのか、そのような思いがしてならないのであります。 こうした国の誤った政策に、本県は断固として反対し、この10月1日、昨日から始まった定期接種は、本県では取りやめると宣言すべきと思うところでありますが、所感を伺います。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 新型コロナウイルス感染症は、WHOの新型コロナウイルス感染症対策が危機管理的な対策から中長期的な対策に移行したことなどから、我が国におきましても、令和5年5月に5類感染症に移行となったものであります。 こうしたことに伴いまして、国では、令和6年度以降の新型コロナワクチン接種については、個人の重症化予防により重症者を減らすことを目的とした予防接種法のB類疾病に位置づけ、高齢者や基礎疾患のある方を対象として定期接種を行うこととしたものと承知しております。 県では、接種を希望する方が安全かつ円滑に接種できるよう、ワクチン接種を行う市町村に対し、引き続き必要な支援を行ってまいります。 〇42番(高橋はじめ君) 新たに接種ワクチンの認可を得たMeijiSeikaファルマ社のワクチンは、世界初のレプリコンワクチン、いわゆる増殖型ワクチンであります。開発されたアメリカでも、治験を行ったとされるベトナムでも認可しておらず、世界で唯一、日本が認可し、国民に接種しようとしております。 このワクチンの危険性は、少量のワクチンであるが体内で自己増殖していくことにあり、ブレーキがないことにあるとされています。自己増殖の過程や体内の極限に達したとき、命の危険性と周囲への感染拡大の原因をつくるとされ、映画で話題となったバイオハザードの世が、この日本で現実のものになるのは御免こうむりたい。 このワクチンを一番販売してきたMeijiSeikaファルマ社の現役社員が、危ないワクチンだと全力で警鐘を鳴らしています。チームKが発刊した、私たちは売りたくない!と題するこの書は、書店では売り切れで1カ月ほどの予約待ちの状態と言います。これが本についている表紙であります。帯封に、日本人は実験動物か、安全を示す十分な証拠なしで、なぜ接種開始するのか、インフルエンザワクチンも今後は危険に。あなたと大切な命を守るために、どうしても伝えておきたいこと、などが記載されています。 大切な命、人体実験にされてはたまったものではありません。このワクチンの危険性を県はどのように認識しているのか伺います。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 国によると、レプリコンワクチンは、ウイルス等の設計図を接種するメッセンジャーRNAワクチンの一つでありますが、接種されたメッセンジャーRNAが、細胞内で一時的に複製されるよう設計された新しいワクチンであり、既存のメッセンジャーRNAワクチンに比べて、少量で長期間効果を発揮するとされております。 レプリコンワクチンについては、医薬品の安全に関する法令等に基づき、国の薬事・食品衛生審議会の審議により、ほかのワクチンと同様に有効性や安全性が確認された上で、令和5年11月に薬事承認されており、また、令和6年9月19日に行われた厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、10月1日からの定期接種での利用が承認、了承されたものと承知しております。 ワクチン接種については、ワクチンの種類などをみずからの意思により選択することが基本となりますことから、県では、接種対象の全ての方が科学的に検証された正しい情報にアクセスできるよう、引き続き情報発信に努めてまいります。 〇42番(高橋はじめ君) レプリコンワクチン―自己増殖型ワクチンの危険性について、一般社団法人日本看護倫理学会は、次世代型mRNAワクチンとして、世界で唯一、日本のみ認可され、2024年10月1日から定期接種を開始するとされている自己増殖型mRNAワクチン、レプリコンワクチンの安全性及び倫理性に関する懸念を表明しますという緊急声明を8月7日に出しています。 医療現場からこのような声明が出されていることを御存じでしょうか。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 当該ワクチンは、新しい手法で開発されたワクチンであり、高橋はじめ議員御紹介の学術団体の声明や安全性等に関する懸念の声が国民から上がっていることは、承知しております。 また、9月19日に開催されました厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、利用については承認されたものの、委員からは、レプリコンワクチンの客観的データをわかりやすく示すべき、政府が適切にリスクコミュニケーションを行うべき、安全性に関して科学的治験に基づく国の周知が必要などの意見が出されております。 県といたしましては、薬事審査や承認を行った国の責任において、レプリコンワクチンに関する科学的かつ客観的データなどについて、国民に対して丁寧かつわかりやすい周知や広報を期待しているところであり、県としても、引き続き県民への情報提供に努めてまいります。 〇42番(高橋はじめ君) ぜひ、丁寧に情報提供していただければと思っております。 農業振興に関する諸課題について伺います。 初めに、米価高騰について伺います。 昨年夏の猛暑で生産量が減少し、民間在庫が本年6月末で前年同月比41万トン少ない156万トンと、比較可能な1999年以降で最も少なかったことや、ほかの食品が値上がりする中、米の価格上昇が緩やかで需要が増したこと、インバウントで外食需要が高まったことが加わり、さらに南海トラフ地震の臨時情報が発表されたこと等により家庭内備蓄がふえ、首都圏のスーパー等の店頭からお米が消えて、令和の米騒動と化しました。 そもそも国の減反政策で生産現場はぎりぎりの状態にあり、自然災害があれば供給体制が崩れてしまうのは必至であります。政府が食糧管理制度を廃止し、米の生産及び販売価格を市場原理に移行したことが政策の誤りで、食料安全保障の面からもあり得ない農政と言わざるを得ません。 このまま価格高騰が続けば消費者の米離れを引き起こし、負のスパイラルの加速となりかねません。米の価格高騰に対する県の見解と今後の対応策を伺います。 〇農林水産部長(佐藤法之君) 令和5年産米については、高温、渇水の影響による精米歩どまりの低下、米以外の食料品の価格上昇やインバウンド等の人流の増加により民間在庫が減少したところに、ことし8月の地震、台風等による買いだめの動きなどが重なり、全国的に店頭の米が品薄となって、販売価格が上昇したものと承知しています。 今回の米の価格動向を踏まえると、米の価格安定のためには、安定収量の確保が求められる一方、生産資材価格の高どまりを反映した適切な価格転嫁が進められていく必要があると考えています。 このため県では、関係機関、団体と連携しながら、実需者ニーズに対応した作付推進と、高温等の気象条件に対応した栽培管理の徹底等による安定収量の確保に取り組むとともに、再生産に配慮した適正な価格形成への理解醸成について、国への要望等も含め進めてまいります。 〇42番(高橋はじめ君) オーガニックビレッジ宣言の現状と課題について伺います。 国が進めるみどりの食料システム戦略の推進で、より持続可能な農法への転換に向けた取り組みとして、東北地域では、有機農業産地づくりやグリーンな栽培体系への転換サポートなど、令和4年度で44件、令和5年度で51件、令和6年度で69件の地域等で実施され、そのうち有機事業では12市町村でオーガニックビレッジ宣言がなされており、岩手県では一関市一つでありましたが、花巻市でも花巻有機農業推進協議会設立準備会が組織され、オーガニックビレッジ宣言に向けて動き出しております。 8月に農業農村整備推進議員クラブの現地調査で、農事組合法人みずほを訪問し、その取り組みについて研修してまいりました。環境への負荷軽減や微生物を活用しての栽培、健康志向の消費者ニーズへの対応など、時代が求める有機農業の推進に除草や販路確保などさまざまな課題へ挑戦し、的確な状況判断と対応策は、私も無肥料無農薬栽培を試験的に行っている中、見事と思ったところであります。 県内のオーガニックビレッジ宣言への取り組みの現状と、県としての支援策はどうなっているか伺います。 〇農林水産部長(佐藤法之君) オーガニックビレッジは、市町村等が実施主体となり、有機農業の拡大に向け地域ぐるみで生産から消費までの取り組みを進めるものであり、県内では、一関市がことし1月に本県第1号となるオーガニックビレッジ宣言を行い、高能率水田用除草機の実演会やイベント等での有機農産物のPR、学校給食への有機米の提供等に取り組んでいます。 また、花巻市では、ロボットを活用した除草省力化技術の実演会や有機野菜の販売イベントを開催するほか、現在、先ほど高橋はじめ議員からもお話がございました、オーガニックビレッジ宣言に向けまして、有機農業実施計画の策定に取り組んでいます。 オーガニックビレッジの取り組みは、本県の有機農業を推進する上で重要であることから、県では、全ての市町村に事業内容や取り組み事例などを情報提供するとともに、関心を示す市町村等を訪問し、具体的な進め方等の助言を行うなど、オーガニックビレッジの取り組みが一層拡大するよう支援してまいります。 〇42番(高橋はじめ君) 学校給食への有機栽培農作物の活用について伺います。 有機栽培農作物の学校給食への活用は、児童生徒の健やかな成長と農薬や化学物質によるさまざまな食物アレルギーへの対応として、有効かつ必要と思うところであります。 学校給食での地産地消、特にも有機栽培食物の活用は望まれるところで、給食食材費高にとらわれることなく、生産農家支援も含めて農学連携して取り組む必要があると思いますが、学校給食における有機栽培農作物の活用の現状と生産現場との連携はどのようになっているか伺います。 〇農林水産部長(佐藤法之君) 県が令和4年度に実施した、給食施設における県産農林水産物の利用実態調査では、学校給食施設108カ所のうち、有機農産物を既に活用している施設が12カ所、今後検討とした施設が23カ所となっています。 一関市においては、市内で生産した有機米を全小中学校の学校給食で提供するほか、子供たちが参加して、田植えから生き物調査、稲刈りまで、年間を通じて自然環境の保全につながる有機農業を体験するなど、生産現場と連携した取り組みを行っています。 県では、有機農産物を含む県産食材の利用拡大に向け、栄養教諭等への活用事例の紹介や県学校給食会を通じた働きかけに加え、ことし1月に、給食事業者と生産者とのネットワークづくりを目的としたセミナーを初めて開催したところであり、今後も、市町村、生産者団体、教育委員会等と連携しながら、学校給食における有機農産物の活用が進むよう取り組んでまいります。 〇42番(高橋はじめ君) 県南地域での白い農地問題について伺います。 県南地域で、石灰の石や砂で盛り土され耕作できない農地16.3ヘクタールが、違反転用とされたとする白い農地問題であります。 本年3月15日の新聞報道によると、白い農地について、一関市の聞き取り調査によれば、施工業者は石や砂は提供業者が依頼、提供業者は農地を探したことはない、所有者は近隣住民や業者が勧誘と、それぞれ主張が食い違うとのことであり、補助金の返還と原状復帰が課題であります。 どのような経過のもとにこの問題が起こり、なぜ地権者の農家が今になって苦難を強いられるのか、責任の所在はどこにあるのか、そして、県もこの問題を未然に防げなかったのか、最良の解決策は何なのか伺います。 〇農林水産部長(佐藤法之君) 今回の事案は、一関市内の複数箇所の農地において、県に対し農地法に基づく農地転用許可の申請等が行われないまま、無許可で農地に石灰砂れき等が盛り土されたものであります。 一関市からは県に対し、令和4年6月に報告があり、県では、事実関係を把握するため、市と市農業委員会に対し、直ちに現地確認や農地所有者、関係者への聞き取り調査を行い報告するよう指示するとともに、事案の重大さに鑑み、県も、市及び市農業委員会とともに、これらの調査を行ったところです。 現在、原因者の特定に向けまして、土地所有者や盛り土工事を行った関係者へ追加の聞き取り調査等を実施しているところです。 農地法違反の農地につきましては、今後、関係法令に基づき是正を求めることとなりますが、現在、国からの助言をいただきながら是正内容を検討しており、できるだけ速やかにその方針を決定し、原因者に対し指導等を行ってまいります。 また、中山間地域等直接支払交付金等につきましては、国が定めた要領等に基づき返還する必要があるものであります。 〇42番(高橋はじめ君) 県北地域の県境産廃の不法投棄問題が、20年の長きにわたる処理作業の取り組みでようやく完了しましたが、この県南地域の白い農地問題に関する排出業者について、何ら情報がもたらされていません。 そもそも排出業者も、この盛り土の土壌内容、農地に適用可能なのかどうかは知っていたはずで、後々現在のような問題が起こることは予見できていたはずであります。 処理費用を支払ったから無関係ではなく、排出事業者の応分の責任はあってしかるべきだと思いますが、どのような見解をお持ちか伺います。 〇農林水産部長(佐藤法之君) 排出事業者の責任についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、現在、原因者の特定に向けまして、一関市及び市農業委員会とともに、土地所有者や盛り土工事を行った関係者へ追加の聞き取り調査等を実施しているところであります。 この調査結果を受けまして、関係法令の規定に基づき適切に対応していきたいと考えております。 〇42番(高橋はじめ君) 県立西和賀高等学校の2学級導入といわて留学について伺います。 初めに、県立西和賀高校における1学年2学級導入について伺います。 過疎化と高齢化が進む西和賀町において、県立西和賀高校が元気に存在感を増しております。教職員のたゆみない努力によって、生徒一人一人に寄り添うきめ細かな取り組みは、教育の最も大事な人づくりの中で、それぞれの個性や能力を引き出し、未来に大きな夢や希望を見出すことができ、輝きを増しているようにも見えます。西和賀町という山間地で豪雪地帯にもかかわらず、JR北上線を利用して通学する生徒は多く、下宿する生徒にとっても快適な生活に底堅い人気を持つ高校であります。 令和6年度の一般入試では、実質定員39人に対して志願者数48人、倍率1.23倍と小規模校としては異例の倍率で、4人の不合格者を出す結果になっております。全校生徒106人のうち町外出身者は74人と、約7割を占めているとのことであります。 来年度は県立北上翔南高等学校が1学級減となり、志願倍率が上がることは明白であり、西和賀高校の志願者が本年度以上に高まる可能性もあり、定員を変えなければ志願回避となり、西和賀高校の存続そのものが危うくなってくると推測されます。北上翔南高校の学級減分を西和賀高校に回してふやすことはできないものかと思ったところであります。 本年6月定例会で、我が会派の関根敏伸議員の質問に対し、佐藤教育長の答弁は、1学級が、いわて留学を通じて定員を超えたことは過去にない。これが複数年続けば、学級数増は考える必要があると答弁されています。 しかし、事はそのような悠長なことではありません。東京都で行われたいわて留学の説明会に、昨年は約20世帯、本年は約40世帯と多くの生徒や保護者が訪れたとも伺い、西和賀高校の知名度アップとともに留学希望者がふえ、一方で、地元入学者の入学漏れを防ぐ意味でも、令和7年度から当面1学級をふやし、その動向を見きわめて将来の学校編制等を検討すればよいのではないでしょうか。佐藤教育長の英断を求めます。 〇教育長(佐藤一男君) 西和賀高校の学級増についてでありますが、今年度の西和賀高校の入学者数が増加したことにつきましては、これまでの高校魅力化、特色化の取り組みと教育活動の充実、地域の方々や地元自治体からの継続的な協力や御支援による成果であると認識しております。 県教育委員会では、これまで学級数を減じる際には、単年度の入試の状況に応じた対応はせず、入学者の状況や地域の取り組み、今後の中学校卒業予定者数の推移など、複数年の実績を十分に見きわめながら慎重に対応してきたところであります。 いわて留学の取り組みなどにより、定員を一定程度上回る志願者数や入学実績があった場合においても、同様に複数年の実績を十分に見きわめながら、学級数の増について、教育の機会の確保及び教育の質の保証の観点から検討することとしております。 県教育委員会としましては、西和賀高校の学級増につきまして、令和7年度の志願者数などの実績を見きわめるとともに、管内の中学校卒業者数及び進学先、管内高等学校の学級数など、さまざまな観点から慎重に検討し判断してまいりたいと考えております。 〇42番(高橋はじめ君) 教育長の答弁では、令和7年度の志願者の状況を見て学級増もあり得るということで、そのような思いで聞いたのですが、それはどうですか。 〇教育長(佐藤一男君) 私が今答弁申し上げたのは、令和7年度の入試の志願者数、それから、実績を見きわめて、その上で判断させていただきたいと考えておりますという御答弁を申し上げた次第であります。 〇42番(高橋はじめ君) 志願者、そして入試ということも含めて、時機があるわけです。それぞれの時機を逸すると、そのことが、後から学級をふやすということはかなわなくなってくるわけです。 先ほども申し上げましたが、県内の高校のさまざまな変遷等を考えて、北上地区では北上翔南高校が1学級減ということの方向性が出ましたので、その分をスライドして、まずこの二、三年、西和賀高校で2学級をやってみる。その様子を見て、一時的なものであったということであれば、また1学級に戻せばいい話であります。 例えば、1学級だけで志望者数がどんどん膨らんで、それを今度、進路調整しなければならないということになれば、逆に逃げ出すというか志願を取りやめる生徒がどんどんふえてくる。そういうことを考えますと、もうその時点では、令和7年度に限らず、令和8年度以降も入学志願をする人が出てこないとも思うわけです。 ですから、令和7年度の募集のところが一番大事だと私は思うのですが、再度、お答えをお願いしたい。 〇教育長(佐藤一男君) ただいま北上翔南高校のお話がございました。ことし8月に公表させていただいた来年度の学校編制におきまして、北上翔南高校1学級減ということでありますが、3年連続で定員を割りまして、令和5年度及び令和6年度の2カ年連続して40人以上の欠員、1学級以上の欠員が出たということで、これは学級減とさせていただきました。 あわせて、北上市、岩手中部ブロックともに中学校卒業予定者数が減少傾向にありまして、今後、入学者の大幅な増加は見込めない状況にあるという判断の中で、こういう判断をさせていただきました。 一方で、西和賀高校は、いわて留学等、県外からの入学者数もふえてきているということでございまして、これまでの取り組みには、地元自治体の取り組み、あるいは地域の取り組みに大いに御貢献いただいているということで、まさに冒頭申し上げたとおり、その成果だと理解しております。学級を減じたりふやしたりと、特に、今まで増というのはないのですが、減じる際にも、これが継続的にそういうふうに減じていいのかということは慎重に判断してきているという実績もありますので、そういうことも踏まえまして判断させていただきたいとは考えております。 〇42番(高橋はじめ君) 事務方の責任者としては、それ以上踏み出すことができないと私は思うわけであります。 佐藤教育長は、教員配置あるいは学校経営等を考慮して、いわば事務方の責任者として最良の道はないかお考えになり答弁されているわけでありますが、四国4県に匹敵する広大な本県の中にあって、次世代を担う子供たちの教育のあるべき姿、地域をどう守っていくか、交流人口を全世代でどうつくっていくか等については、県政運営にかかわることで政治判断していかなければならないわけです。 達増知事は、中山間地域の高校教育のあり方、西和賀高校の1学年2学級についてどのような思いを持っているのか、所感を伺います。 〇知事(達増拓也君) 西和賀高校において、令和6年度の入学者数が定員を超えたことについては、いわて留学実施校に対する地元のさまざまな支援の成果であり、また、高校魅力化を地域と学校が協働して進めてきた努力が報われたものと受けとめており、改めて関係者の皆様に感謝申し上げたいと思います。 県教育委員会では、1学年1学級校の定員超過や学級数の増を検討することについて、これまで想定してこなかったことと思われますが、西和賀高校のように、県外の中学生や保護者に進学先として選択していただいていることは、人口戦略の観点からも重要であると思います。県教育委員会において、適切な学校編制について取り組んでほしいと考えております。 〇42番(高橋はじめ君) この県の教育のあり方もありますし、どうやって次世代の人づくりをしていくかということであります。かつて、江戸時代は、各藩にそれぞれ藩校があって、藩の運営についてさまざまな人材を育成してきたということもあります。 そして、私どものこの岩手県は四国4県分の広大な県土で、人口120万人弱ということ、少子化がどんどん進んでいるということ、これらを含めると、高校の統廃合がどんどん加速的に進んでいくのではないかと、そういう懸念もあるわけであります。 そうした中において、それぞれの地域の高校が、あるいは地域と一体となって存続していこうと、そのような取り組みをしている。これをしっかりと守っていかないと、本当の意味での高校教育機関、これが消滅してしまう。そこの消滅とともに、地域がもっともっと衰退し空白となる、そのような地域が出てくるのではないかという危険性があるわけです。 そこに、この高校留学を通じて多くの交流人口をふやしていく、若い世代でもふやしていく。やがては自分が学んだところで生活していきたい、そのような思いをする生徒がふえてくると、私は思うわけであります。 どうかそのようなことからも、ぜひ早急に西和賀高校の1学年2学級導入を再度検討していただいて、前向きな取り組みをお願いしたいと思うわけであります。 いわて留学について伺います。 募集定員に対する県内生、留学生の受け入れ枠、受け入れる高校や自治体の負担等の課題と県教育委員会としての利点、地域のにぎわい等、受け入れによる波及効果、県内生と留学生の交流による人生の充実等、費用対効果について相反する事項が数多く内在していると思いますが、県教育委員会はどう検討し、その方針を定め、いわて留学を実施している自治体との協議を進めているか伺います。 本年2月にまとめられた岩手県教育振興計画(2024〜2028)には、残念ながら、いわて留学についての記述がなく、早急に方針や実施要項をまとめるべきではないでしょうか。 〇教育長(佐藤一男君) いわて留学についてでありますが、この留学実施校におきましては、県外から入学した生徒と県内生徒がともに学ぶことにより、互いに刺激し合い、切磋琢磨する環境がつくられ、高い教育的効果が上がっており、また、生徒による地域の歴史、文化の理解促進、それから、地域産業等との協働、伝統芸能等の継承などが図られるといった成果も認められているところであります。 いわて留学の実施に当たりましては、毎年度、県教育委員会と地元自治体との間において、留学後の生活環境など受け入れ体制を確認し、募集定員などを協議の上定め、高等学校入学者選抜実施要項によって、これを公表する取り扱いとしているものあります。 〇42番(高橋はじめ君) 北上総合運動公園北上陸上競技場の活用と維持管理について伺います。 初めに、県営スポーツ施設の整備計画と市町村施設の連携について伺います。 スポーツ施設建設には多額の予算を要し、県営施設を全て建設することはかなわず、市町村とどう共同して取り組むかが必要であり、県営野球場と盛岡市営野球場の共同建設は時宜を得たものと思います。施設の多くが老朽化している現状にありますが、人口減少下に単独での建設は非効率であり避けなければなりません。 本年3月に策定された第2期岩手県スポーツ推進計画のスポーツを楽しむ環境の整備の項に、競技ごと公立スポーツ施設の施設数が掲載されているが、全国レベル、東北レベル、あるいは競技ごとの開催規模に対応できる施設明記がなされておらず、それぞれ主要5施設等の位置づけが必要ではないかと思ったところであります。 また、取り組みの方向性として、県営スポーツ施設については、市町村施設との役割分担等も踏まえ必要な整備を検討するとされているが、市町村において公共施設やスポーツ施設の長寿命化、統合、廃止について検討している時期でもあり、県としても、この役割分担について早急に検討し考えを示すべきと思いますが、いかがでしょうか。 〇文化スポーツ部長(小原勝君) 県や市町村が有する特に高規格な施設として整備されたスポーツ施設については、県全体としてスポーツ振興を図るため、大規模大会の開催や全県的な競技力向上に向けた有効活用に一体となって取り組んでまいりました。 先日公表いたしました県営スポーツ施設のあり方に関する報告書におきましては、県営スポーツ施設のそれぞれの現状から、県の役割や各県営スポーツ施設の今後の方向性についてお示ししたところであり、市町村施設との連携につきましては、陸上競技場など種類ごとに個別具体に検討していく必要もあります。その市町村のスポーツ施設の重要性や置かれている状況を踏まえまして、県民がスポーツに親しむ環境の確保に向けてともに取り組んでまいります。 〇42番(高橋はじめ君) 県内唯一の1種公認陸上競技場、北上総合運動公園北上陸上競技場は、全国高校総体や国民体育大会総合開会式、陸上競技などが開催された場所であります。 1種公認を受けるには、メーングラウンド及びサブグラウンドがセットで承認を受けなければならず、それを維持していくために2億円余りの予算が必要となったと市当局から伺っております。 県営運動公園陸上競技場は長期的に維持をする方向とのことですが、全国大会には使用できず、北上総合運動公園北上陸上競技場が県を代表する県内唯一の1種公認陸上競技場であるからには、盤石な使用管理が必要であります。 この負担を県としても応分の予算を確保し財政支援を行うべきと思いますが、そのような考えはないか伺います。 〇文化スポーツ部長(小原勝君) 県ではこれまで、全国高等学校総合体育大会や国民体育大会等の大規模大会の県内開催に当たり、必要な大会開催の基盤を整備するため、県内市町村のスポーツ施設整備に対する財政支援を行っており、北上総合運動公園北上陸上競技場につきましても、平成11年の岩手インターハイや平成28年の希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の開催の際に、必要な規格となるよう整備、改修に対する補助を行ったところであります。 競技施設に対する支援については、大規模大会開催の見通しなど、市町村の考える施設の利活用方策を踏まえまして、そのあり方を検討してまいります。 〇42番(高橋はじめ君) 大会開催の都度、県としては支援をしているという状況の答弁のように聞こえましたが、いずれ、これを開催できるようにしていき、何年かごとに公認の審査を受けなければならない。そのための施設の維持管理もしっかりやっていかなければならない。つまり通年の取り組みが必要になってくるわけで、そのあたりについてもしっかり考えていただかなければならないのではないかと思うわけですが、そうした考えはないのか伺います。 〇文化スポーツ部長(小原勝君) 北上総合運動公園北上陸上競技場が県内唯一の1種公認であり、重要な役割を担っていただいていることは認識しております。 県といたしましても、市と連携いたしまして、大会誘致やさまざまな試合、合宿利用など活発に利活用していきたいと考えておりますので、そうした施設の利用の見込みや、維持するためにどれだけかかり増しになるのかといった費用面などもよくお聞きしながら、検討してまいりたいと思います。 〇42番(高橋はじめ君) どうぞよろしくお願いいたします。 再生可能エネルギー条例の制定について伺います。 初めに、官民再生可能エネルギー施設の設置計画と課題について伺います。 昨年10月に説明いただいた資料では、稼働中の発電所は、風力発電8カ所、太陽光発電158カ所であり、また、計画中の風力発電は8カ所、太陽光発電4カ所でありました。現在の稼働数、設置計画はどのようになっているのか伺います。 この間、本年3月27日に国の天然記念物イヌワシの生息地として風力発電開発に適さない保全エリア、レッドゾーンを公表しております。これにより設置計画の変更が出てきているのではないでしょうか。 風力発電の調査コストは一般的に億単位と膨大であり、動き出すと撤退が難しいとのことであります。本年2月21日、イヌワシの生息地として盛岡簗川風力発電所について、抜本的な見直しを求める知事意見書を事業者に送ったとのことでしたが、その後の経過はどうなっているのか伺います。 〇環境生活部長(大畑光宏君) まず、発電設備の稼働状況等であります。本年8月末時点の固定価格買取制度等で認定済みの1メガワット以上の発電施設は、稼働中が風力発電で8カ所、太陽光発電で159カ所、それから、計画中が風力発電で11カ所、太陽光発電で10カ所となっております。 次に、環境影響評価手続についてでありますが、県では、大規模な風力発電事業がより環境と共生したものとなるよう、本年3月に県の洋上風力発電事業に係る環境影響評価ガイドラインを改定し、イヌワシの重要な生息地など、立地を回避すべく区域、いわゆるレッドゾーン等を示したところであります。 現在、環境影響評価手続中の風力発電事業につきましては、ガイドライン改定前から手続が開始されたものを含め、既に事業者等に対し知事意見を示しております。イヌワシの重要な生息地など環境リスクに応じて環境影響の回避、低減を求めているところでありますが、事業者においては、こうした知事意見を踏まえ、調査、予測等が進められているものと認識しております。 また、高橋はじめ議員御指摘の盛岡簗川風力発電事業につきましては、知事意見を踏まえ、ビデオカメラを設置し、イヌワシの観察を進めるなど、継続的な調査が行われていると伺っております。 〇42番(高橋はじめ君) 再生可能エネルギー条例の制定について伺います。 昨年、決算特別委員会環境生活部審査において、再生可能エネルギー導入に関する条例の制定について提言をさせていただきました。 その後、隣県の青森県が、青森県自然・地域と再生可能エネルギーとの共生制度検討有識者会議を設置、本年5月2日に初会合が開かれ、以降、9月3日に4回目の有識者会議が開催されています。論点は三つあり、一つ目がゾーニング、二つ目が市町村や住民を巻き込んだ合意形成のプロセス、三つ目が新税ということであります。再生可能エネルギー事業者への新税については、昨年紹介させていただきました。 青森県が条例制定に動き出しました。しかも、新税導入も含めて県の関与を明確に条例で定めようとしていることは、評価されるものと思います。 本県でも再生可能エネルギー導入に関する条例を制定すべきと改めて提言いたします。お考えを伺います。 〇環境生活部長(大畑光宏君) 県では、再生可能エネルギーの導入に関し、環境保全を図るための適正立地と地元のメリットにつながる地域裨益のあり方について、昨年度、県市町村GX推進会議等で意見交換を行うなど議論を進めてきたところであります。 こうした場での議論も踏まえ、県では、適正立地については、陸上風力発電事業に係る環境影響評価ガイドラインにおいて、立地を回避すべき区域等を示し、こうした区域を避けた事業計画とするよう事業者に求めているところであります。 また、地域裨益については、立地市町村重視の観点から、市町村と事業者が締結する協定の規定内容を示した地域裨益協定の手引きを本年3月に策定し、エネルギーの地域内循環や売電収入の地域還元など、地域における経済循環の取り組みを後押ししているところであります。 県としては、引き続きこうした取り組みにより適正立地と地域裨益を推進していく考えでありますが、県条例制定につきましては、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく再生可能エネルギー促進区域の設定状況、あるいは他県における条例制定の効果等を十分に踏まえ、研究していく必要があると考えております。 〇42番(高橋はじめ君) 各般にわたり質問させていただきましたが、それぞれの御答弁、大変ありがとうございました。 いずれ、県政課題はたくさんございますので、それぞれ一つ一つ解決を図っていかなければならないと思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。(拍手) 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって高橋はじめ君の一般質問を終わります。 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後6時7分 散 会 |
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