平成16年2月定例会 第6回岩手県議会定例会 会議録

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〇36番(伊沢昌弘君) 社会民主党の伊沢昌弘でございます。
 初めに、先月、任期半ばで急逝されました及川幸郎先生に哀悼の誠をささげ、心からの御冥福をお祈り申し上げます。
 以下、質問に入ります。まず、国際情勢に対する知事の見解について伺います。
 日本国民の多くが派遣に反対、もしくは慎重に対応すべきとの考えを表明し、軍隊によらない人道支援を行うよう求めている中で、小泉首相は自衛隊のイラク派遣を強行し、現在は、多くの自衛隊員がイラクのサマワを中心に活動を始めています。私は、イラク戦争の引き金になったとも言える2001年9月のアメリカにおける同時多発テロ行為を憎むとともに、世界一の大量破壊兵器を保有するアメリカが引き起こしたイラク戦争も大儀なき戦いであり、認めるわけにはいきません。
 あわせて、イラク国内が国連を中心とする国際協調のもとに、早期に自主的な政権を立ち上げて平和を確保し、非軍備による支援により一日も早い復興がなされることと、テロ行為が現在も続いているイラクに派遣された、すべての自衛隊員が無事に帰国できるよう望むものであります。増田知事は、この間のイラク戦争をどのようにとらえ、平和憲法を掲げる日本がイラクに自衛隊を派遣したことにどのような御所見をお持ちなのか、お伺いをしたいと存じます。
 次に、国民保護法案についてお伺いをいたします。
 有事法制関連の国民保護法案を含む7つの法案が今国会で審議されることになりました。国民保護法案の要旨は、適用範囲を大規模なテロにも拡大し、都道府県知事に強制措置を認める形で、土地や家屋の使用、食品や医薬品などの物資の調達や保管等の権限を持たせ、国民は必要な協力に努めるとしながらも、違反行為への罰則を明記して事実上の義務化となっております。また、知事が国の指示に従わない場合、首相に代執行権を付与しており、首相が直接住民に指示することができる規定となっております。
 昨年6月議会で、我が会派の小原宣良議員が、有事関連3法案の成立を受けて知事に質問をしております。その時点で知事は、国民保護法制の内容が、これから説明などがあって順次明らかになっていくと思いますので、市町村や関係機関から幅広く意見を聴取して、国に対してきちんと意見を申し述べていかなければならないと考えていますと述べられているわけであります。
 そこで、お伺いをいたしますが、知事の義務を多く含む国民保護法案について、これまでに国からの説明や意見を述べる機会があったのでしょうか。あったとすれば、述べられた知事の意見の内容も含めてお示しいただきたいと存じます。
 また、国民保護法案が具体的に審議に入ることから、この法案に対する御見解を改めてお示しいただきたいと存じます。
 あわせて、この法案が成立した場合、自治体の対応として、条例整備を行うことになるのでしょうか。総務部長の御見解をお伺いいたします。
 次に、財政問題についてお伺いをいたします。
 知事は、平成16年度一般会計当初予算を、ほぼ平成7年度並みの7、798億3、000万円としました。ないなりに何とか工夫とやりくりで、みんなのための思いやり予算とごろ合わせをしたようでありますが、このごろ合わせはいかがなものかと思えてなりません。私はずばり、悔やんでも悔やみ切れないななくやみ予算と呼びたいと思います。その理由は、御承知のとおり、本県財政を初め、地方財政は、バブル経済崩壊後の国の景気対策に動員され、公共事業や地方単独事業の拡大などで地方財政の歳出が拡大してきたこと。また、その財源補てんは地方債を中心にしてきたため、借金体質が恒常化し、今日の財政難の大きな要因をなしてきているからであります。
 さて、地方自治体の予算編成と深くかかわりのある国の新年度地方財政計画は、前年比マイナス1.8%で、しかも3年連続のマイナスとなっております。その中で特徴的なことは、地方交付税と臨時財政対策債の双方が減額となり、地方財政保障の範囲が大幅に縮小したことであります。
 そこで、お伺いをいたします。三位一体改革の目的は、自治体の自立性、自主性を高めることにあったと思います。しかし、国の地方財政計画では、国庫補助負担金約1兆300億円が廃止されましたが、そのうち、平成16年度に措置されるものは、所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金をあわせた6、558億円が一般財源化されたにすぎず、極めて中途半端な改革に終わっています。知事はこれまで、特に税源移譲について国に対して強く求めてきたことを私は承知しておりますけれども、これら国の三位一体改革の今日の姿をどう受けとめておられるのか。また、今後、地方の立場から具体的にどのような行動を起こすお考えなのかお伺いをしたいと存じます。
 2点目は、国の地方財政計画とのかかわりについてであります。
 国の地方財政計画で打ち出されている削減部分で、地方にも直接影響すると思われるものは、公共事業費補助金が5、143億円、地方単独事業費関係では、投資的経費で約1兆4、100億円、一般行政経費で約374億円、給与費4、314億円の削減があります。また、地方債においても9、270億円の削減が行われております。これらの地方財政計画における削減措置が、本県予算編成にどう影響しているのか、具体的対応策も含めてお知らせ願います。
 次に、国庫補助負担金についてお伺いをいたします。
 増田知事が座長をしている、新しい日本をつくる国民会議、21世紀臨調が、昨年11月に国庫補助負担金の見直しに関する提言を発表しました。私も、国の関与を少なくするために、現在の20兆円に及ぶ国庫補助負担金を削減し、地方で自由に使える一般財源として地方に交付すべきであると考え、基本的にはこの考えに同調するものでありますが、削減を求めている9兆5、926億円の中には、2兆6、000億円に上る義務教育費が含まれている点について疑問がありますので、以下、質問をいたします。
 教育費の国庫補助負担金は、小・中学校及び養護学校等の教職員の人件費や、学校建設費、管理運営費などが対象となっており、教育基本法には、国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しないと規定されており、義務教育の無料の原則があることから、教育に係る費用については、国庫補助負担金制度が堅持されてきたものと私は理解をしております。
 また、本県においては、この間、毎年のように義務教育費の国庫補助負担金の堅持を求める請願が提出され、県議会では採択の上、国に意見書を提出してきております。同様の請願が繰り返されてきた背景には、教育費が一般財源化されることにより、他の財源に回され教育予算が十分に確保されなくなり、地域的な格差が生じるのではないかと懸念されるからであると考えております。確かに自治体の裁量で教員の採用や校舎の建設・改修を行うことができる点で自由裁量の余地が生まれますが、将来にわたって教育予算を確保されることが前提条件でなければなりません。このことを将来にわたって担保することは大変難しいのではないかと考えることから、私は、義務教育費国庫負担制度を堅持していくべきと考えますがいかがでしょうか。一般財源化を提言している知事の御見解をお示しいただきたいと思います。
 また、この際、義務教育に係る財源のあり方について、教育委員会委員長の御見解もお伺いをしたいと存じます。
 次に、出資等法人改革推進プランについて伺います。
 行財政構造改革プログラムの実施計画として、見直しの対象とした58法人のうち、廃止対象6法人を含む34法人について、年度内に県としての対応方針を決めて、平成16年度から3年間で一定の整理を行う計画が示されました。具体的な計画については今後の対応と思われますが、ここでは社団法人林業公社についてお伺いをいたします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 林業公社は、平成13年の包括外部監査において、厳しい指摘を受けてこれまで検討してきた結果、機関造林の経営改善の方針案として、平成19年度までに林業公社を清算し県有林事業とする考えが昨日の質問でも示されたわけであります。私は、多額の借入残高を有する県有林事業と林業公社事業について、林業事業全体が輸入木材の増加と価格の低迷により、厳しい経営状態に置かれている現状を考えれば、早期に改革を行い、将来の国産材時代に備えるとともに、緑を守り県土保全の意味からも、県の責任でこれまで造林した森林を保全していく必要性を感じていました。
 そこで、まず伺いますが、分収造林契約者との契約変更や、市町村が林業公社に対して貸し付けていた債権の処理について、どのように進めようとしているのかお示しいただきたいと思います。
 また、これまで森林造成した8万ヘクタールを超える森林の管理体制について、基本的な考えをお示しいただきたいと存じます。
 次に、環境政策について伺います。
 まず、再生資源利用製品認定制度について伺います。
 県では、循環型地域社会の形成に関する条例に基づき、リサイクル製品の需要を拡大し、資源の有効活用を促進するために、岩手県再生資源利用製品認定制度を創設し、これまでに25の製品を認定したことは、循環型社会の構築に向けて大きな前進であると考えております。
 そこで、お伺いをいたしますが、認定製品は県でも優先的な使用に努めることにより需要の拡大を図ることとしていますが、県におけるこれまでの利用状況と、県民や事業者、市町村等に対する今後の利用促進に向けた取り組みについてお示し願います。
 次に、社団法人日本アイソトープ協会が滝沢村に設置している茅記念滝沢研究所、いわゆるラジオメディカルセンターについてお伺いいたします。
 この施設は、昭和62年から医療用アイソトープ廃棄物を、日本アイソトープ協会が全国の医療機関から集荷して処理をしている施設ですが、建設計画が明らかになった昭和50年代後半から完成時点まで県議会でも多くの議論が交わされ、持ち込まれる放射性廃棄物は19核種、医療系のものに限ると説明されてきたものであります。ところが、平成13年8月に、滝沢村長に対して、アイソトープ協会が集荷・貯蔵するすべてのアイソトープ廃棄物を処理するために、研究所等から排出されるアイソトープ廃棄物も同一敷地内で処理する目的で施設増設の申し出があり、地元住民に対する説明会が開催されたと伺っています。
 研究用アイソトープの処理を追加して滝沢村のラジオメディカルセンターで行う理由として、国において、ごく低レベルのアイソトープ廃棄物を一般の廃棄物とみなす、いわゆるクリアランス導入を検討しており、もしクリアランスが実施されれば、現在搬入されている医療用アイソトープ廃棄物のほとんどが、通常の産業廃棄物として扱われることが予想されることを掲げ、処理実績のある滝沢村の施設で集中処理を行うということが効果的であると説明をしているわけであります。このことに対して、一部の地域住民の中には、半減期の短い医療用アイソトープと異なり、200種を超え多岐にわたる核種の研究用アイソトープ廃棄物が新たに持ち込まれることに不安を訴える人もおります。近隣市町村にとっても大きな問題であり、県としても県民に対して情報を提供する必要があると考えますがいかがでしょうか。
 また、県もラジオメディカルセンターの誘致に深くかかわり、公害防止協定の締結にも立会人として調印し、公害防止協定に基づいて設置された放射線監視委員会に委員を派遣していることから、新たな施設の建設について承知していたと思われますがいかがでしょうか。県として、これまでラジオメディカルセンターに対してどのように対応してきたのかお示しをいただきたいと思います。
 あわせて、今後の対応についてもお示しをいただきたいと思います。
 また、滝沢村ではこの新たな申し出について、現在どのような検討をしているのかお示しをいただきたいと思います。
 加えて、現在、国で検討している放射性廃棄物のクリアランスが導入されれば、医療用アイソトープのほとんどが一般の廃棄物扱いとなることについてどのようにお考えでしょうか。これらとあわせた御見解をお示しいただきたいと思います。
 次に、中小企業の振興について伺います。
 私は、日本の経済を支えているのは中小企業であり、中小企業の経営が安定し順調に伸びていかなければ、県内経済の活性化も期待できないものと確信をしております。しかし、この間、県内各地の郊外には大型店舗が開店をし、消費者は利便性を求めて集まるものの、中心市街地の中小商店が大きな打撃を受けている現状があります。また、今議会にも中小企業設備近代化資金貸付金の債権回収が不可能となって、少ない額ですが865万円余の権利を放棄する議案が提出されており、県内経済の厳しい現実が伝わってきております。貸し渋り、貸しはがしの時代と言われる今日、融資のみの中小企業対策では、いかに低金利といえども体力的に無理な状況となっており、新たな経営改革への助言や補助制度の新設も含めた新たな施策の展開が必要ではないかと考えます。このような中で、中小企業経営革新支援法に基づき、県では平成14年に岩手県中小企業経営革新推進計画を策定し、中小企業の経営革新計画の策定を支援してきております。新年度からはいわて中小企業経営革新プロジェクトを新たに立ち上げると伺っております。
 そこで、お伺いいたしますが、この推進計画に基づくこれまでの実績と、新たに立ち上げるいわて中小企業経営革新プロジェクトの事業概要についてお示し願いたいと思います。
 次に、雇用対策についてお伺いいたします。
 長引く景気の低迷により、県内の雇用状況は依然として厳しい状況にありますが、雇用対策を新年度における県の緊急課題に掲げたことを私は評価するものであります。今年度、県の総合雇用対策で掲げた雇用創出の目標は達成できる見通しが示されておりますが、基金事業においては、常用雇用に結びつくケースが少なく、新たな雇用対策の展開が求められていると思われますがいかがでしょうか。常用雇用に結びついた実績があればお示し願います。
 また、高校新卒者の県内就職内定率が1月末で68.8%にとどまっているものの、県内の求人数は昨年を上回っており期待される面もあるのではないかと考えます。全国的に見ても求人数が少ないことから、希望する職種が見つからないケースや、定職を嫌ってフリーター志望の若者がふえているとの指摘もありますが、本県の場合はどうでしょうか。
 昨年暮れに開所した、いわてジョブサポートセンターに訪れる若者も日によって増しているように感じますが、これまでの成果と今後の課題についてお知らせ願います。
 また、県教育委員会では、県立高等学校に就職支援相談員を配置して、経済団体への雇用要請や生徒からの相談に当たっていますが、学校における就職促進に向けた関連事業等を含めた取り組みと成果について、教育長からお伺いしたいと存じます。
 次に、試験研究機関についてお伺いをいたします。
 昨年は、低温と日照不足により全県的に農作物、特にも稲作に大きな被害が生じました。我が会派でも、昨年9月、被害の実態を調査するために現地調査を行い、稲作農家の方にも直接被害の状況を伺ってまいりました。共済金の支払いやことしの田植えに必要な種もみの確保など、県や関係機関のこの間の御努力に感謝を申し上げ、ことしの稲作が天候に恵まれ、豊作になることを心から願うものであります。
 私たちは、現地調査の際に軽米町の県北農業研究所にも立ち寄り、稲の実験田んぼを見せていただきましたが、品種や田植えの時期、肥料や水の管理などの条件が異なることにより、同じ品種でも生育状態が全く異なり、明らかに収穫に差が生じる状況を目の当たりにしてまいりました。年によって気象条件は異なることから、単純に品種の選択や田植えの時期を特定することはこれは大変難しいものと考えるわけでありますが、このような研究機関における成果は、これまでどのように活用されてきたのでしょうか。また、今後活用されるのかお示しをいただきたいと思います。
 あわせて、農業研究センターでは新しい作物の開発を含めて、多くの研究成果があると思われますが、地域農業に貢献している成果についてお示しをいただきたいと思います。
 次に、試験研究機関の独立法人化についてお伺いをいたします。
 行財政構造改革プログラムでは、各研究機関の独立行政法人化について、平成16年度内に制度導入の可否について決定するとしています。私は、現在の研究機関を独立行政法人化にするに当たっては検討すべき課題が多くあり、制度導入に向けた判断基準が必要と考えるところであります。基本的な判定基準についてお示しをいただきたいと思います。
 次に、福祉施策についてお伺いをいたします。
 まず、支援費制度についてお伺いいたします。
 今年度から身体障害者、知的障害者、障害児に対する支援費制度が導入されました。この制度は、措置から契約へ変わったことで障害者がみずから入所施設を決定することができ、居宅サービスの質や量を選択することにより、地域社会で生活が可能となるものとして創設をされました。しかし、昨年末には国全体で支援費そのものが不足するのではないかとの情報もあり、十分に障害者のために機能しているのか心配されるところであります。自治体によっては、支援費支給決定を制限しているのではないかと危惧されるところですが、支援費制度の施行状況について県ではどのように把握しているのでしょうか。居宅支援費、施設支援費の支給動向を踏まえてお示しをいただきたいと思います。
 また、支援費に変わったことで受益者の負担増が懸念されていましたが、その実態についてもお示し願います。
 次に、県立福祉施設の改革について伺います。
 県は、管理運営を委託している施設も含めて、県営の福祉施設のあり方を検討する県立社会福祉施設あり方検討委員会を昨年10月に設置し検討を重ね、これまで5回の検討会が開催されたと伺っておりますが、この間の検討状況をお示し願います。
 また、県立の福祉施設がこれまで果たしてきた役割についてどのように認識しているのか、保健福祉部長の御見解をお伺いしたいと思います。
 次に、教育行政についてお伺いいたします。
 まず、4県合同の統一学力テストについてお伺いいたします。
 平成16年度から3年間の予定で、岩手、宮城、和歌山、福岡の4県で小学校5年生と中学校2年生を対象に統一学力テストを実施するための予算が新年度予算に盛り込まれています。私は、この統一学力テストの実施に疑問がありますことから、以下お伺いをしたいと存じます。
 まず、本県が実施している学習定着度状況調査に加えて、4県統一のテストを行う意義はどこにあるのでしょうか。結果の公表方法も検討しているようですが、各県の競争激化を招くことにならないのでしょうか。また、各学校に教育課程の編成権があるにもかかわらず、統一学力テストの日程が年度末に決まるとすれば、学校における教育計画が変更を余儀なくされることになり、問題ではないでしょうか。教育長の御見解を賜りたいと存じます。
 私は、学校教育で学力が重要視されるのは理解ができますが、過度の学力主義はいかがかと考えております。学校教育に求められているのは、子供たちが社会生活を営む最低限の知識と考える力を養い、技術を習得するための基礎を教えることであると思います。学歴偏重の世の中となり、一流大学がもてはやされ長い時間が経過をしておりますが、学歴や職業で人を差別しない社会の到来を私は望んでいるものですが、4県統一テストを行う意義も含めて、教育委員長の御見解を承りたいと存じます。
 次に、県立高等学校新整備計画後期計画についてお伺いをいたします。
 県教育委員会は、後期計画の基本的考えとして、自立した個を確立するための環境の整備、特色ある学校・学科の設置、地域社会との連携、適正規模の学校の配置の4点を掲げております。この後期計画を検討するに当たり大切なことは、前期計画の実施において、生徒、保護者、県民から出されたさまざまな意見や要望がどう生かされたのか、検証をしっかり行うことであります。県教育委員会は、この点をどう受けとめ後期計画に生かすお考えか、お伺いをいたします。
 第2点目は、適正規模の学校の配置についてであります。
 県教育委員会は、このことについて、後期計画策定時において生徒数が2学級の定員を満たしていない学校、また、後期計画の期間内に2学級の定員に満たなくなると判断される学校は原則として統合するとしていますが、この考えは余りに画一的であると思います。特にも、地域社会との連携の項で触れているように、生徒の生活の基盤である地域社会との連携や協力体制をより一層強めるとの考えは重要であります。地域を支える人材の育成は、生徒数の減少が見込まれる地域であるからこそ、この点は一層重要な認識であると考えます。
 そこでお伺いいたしますが、平成16年度県立高等学校入学者選抜の調整後の志望者数の動向を踏まえ、この点について教育長はどのようにお考えなのかお示しをいただきたいと存じます。
 最後に、犯罪防止対策についてお伺いをいたします。
 戦後の長い間、日本の治安は世界のトップクラスでしたが、現在はどうでしょうか。凶悪犯罪から詐欺事件や窃盗事件が頻発をしております。このことは、経済不況が長引く中で、生活が安定していないことが一つの要因になっているのではないでしょうか。最近は県内でも幼児虐待事件が発生するなど、都会と変わらない状況に変化しつつあるのではないかと心配されるところであります。
 そこで警察本部長にお伺いいたしますが、県内における犯罪の発生状況の推移をどのように分析しているのでしょうか。また、犯罪の防止対策に向けた取り組みについてもお示しいただきたいと存じます。
 以上でこの場からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 伊沢昌弘議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、イラク戦争についてであります。
 最近の国際紛争の解決方法として、軍事力などの力によって国際秩序を維持しようと、このような考え方が台頭してきていると受けとめておりまして、そのことについて私は危惧を持っているところでございます。国連を中心とする国際協調のもとで平和を確保すると、このような考え方に立つべきと考えているからであります。イラク戦争は現在もその災禍が依然として続いているわけでございますが、国民的な議論が不十分なままに政府がイラク復興支援のために自衛隊を派遣したと受けとめております。戦後の混乱からイラクがいち早く立ち上がって復興を遂げると、そして民主的な国家体制を構築するということが必要でございますし、そのために日本が強力に支援をしていく必要があると考えておりますが、そのためには関係各国それから国際機関の関与のもとで戦後処理を進めていくと、これを特にアメリカに強く働きかけるなど、外交面において我が国が独立した影響力を行使することが大変肝要だと考えております。
 国民保護法案についてでございますが、この国民保護法案の説明会は、平成14年11月8日のこの法制の輪郭から始まりまして、15年8月に概要、そして15年11月に要旨、そして16年になりまして先月の2月24日に法案要綱ということで、何度か国の方から都道府県の方に説明会がございました。また、知事と国民保護法制整備本部、これは官房長官が本部長でございますが、その整備本部との意見交換会が2回開催をされまして、さらには全国知事会を通じて意見、要望を私どもの方から申し述べてきたところでございます。本県もその中で意見を申し上げておりますし、知事会の中でも調整をしたわけでございますが、主に国の出先機関とそれから都道府県との役割分担、それから権限などについてこの法案の中で具体的に明確にすること、それから私権制限の程度や罰則及び補償の内容や運用の方法を想定ごとに具体的に示すこと、それから広域的な避難をする際、特に緊急を要する際には複数の県の調整の主たる部分は時間的なこともございますし、国主導で行うような仕組みとすることなど、幾つかのものをこの中で私どもの方から申し上げてきたところでございます。
 そしてこの国民保護法案、先般示されたわけですが、これについての見解を聞かれているわけでございますが、現時点で示されている法案要綱につきましては、当県も含めて各都道府県知事からの要望がおおむね盛り込まれております。法案要綱に至るまでの作成の過程もかなり国の方で丁寧に作業をしてきましたので、私は一定の評価はできると考えておりますが、まだ我々が申し上げた中で取り扱いが明確になっていない点があるのと、それから法案の要綱なものですから、法案や法施行令の中で具体的に基準が明確になっていくものも多いようでございます。したがいまして、引き続きそうした内容が明確になるように求めていきたいと。
 いずれにしても、この法案要綱には国民の協力や私権制限、罰則などが多数含まれておりますので、厳格かつ適正な運用が図られるということが大前提でございまして、国民の理解が得られる内容となりますように、特に国会においてはさまざまな有事のケースを想定した議論の積み重ねなど、十分な時間をかけた慎重審議を期待しているところでございます。
 いずれにしても、この法案、法制が対処療法でございますので、そもそもこうした法律が発動されることのないような、外交に重点を置いた予防という観点が今さらながら必要になると考えております。
 それから、三位一体改革についてでありますが、これにつきましては何度かこの場で申し上げましたが、今回の初年度の結果でございますが、自治体の政策形成における自由度の拡大、裁量の発揮にほとんどつながらない内容になっていると、大変問題があると思っております。こうした地方の自由度や裁量が拡大をされれば、税源移譲額は必ずしも全額でなくても、地方の工夫によってそれは吸収できるということを私どもは主張をしてまいりました。知事会でもそのような考え方でございましたけれども、今回のこの内容はそうした裁量の工夫の余地がほとんど働かないと、そしてその範囲をはるかに超えた形で地方交付税などが削減をされている、税源移譲が不十分だということでございますので、自治体につけ回しをしたと言っても誤りではないと思っているところでございます。
 今後は、こうした誤った方向をたどりつつあるこの三位一体改革を軌道修正していかなければならないと思っておりますので、国の関与や規制を極力排除した国庫補助金の廃止、それから税源移譲、そして交付税改革ということ、この実現に向けて提言も含めて政府や関係者にさらに強く働きかけをしていきたいと考えております。
 この地方財政計画が三位一体改革の進展に伴いまして大変影響を受け、結局、本県の予算編成にも大きな影響が出てきたわけでございますが、地方財政計画上は、投資的経費の単独事業部分が一方的な前倒しで5%の予定が9.5%減になるなど、地方財政計画全体の規模が前年度1.8%減ということになっております。特に、地方交付税総額と臨時財政対策債発行額とをあわせまして、この部分が12%減ということで大幅に目減りをしておりますので、その結果として、本県の当初予算も、交付税は前年の6月現計と比較して5.8%の減、それから臨時財政対策債は30%減と大幅に減額をいたしまして、歳入の確保が大変厳しい状況に立ち至りました。これらの影響によりまして、平成16年度の歳入歳出ギャップ、これは予算編成過程の中で、実は昨年10月の中期財政見通しでは約60億円ほどは出てくるだろうと見込んでおりましたが、暮れの三位一体改革の突然の地方交付税カットということがございましたので、その段階でさらに200億円上積みになって、260億円程度までこの歳入歳出ギャップが拡大をするということになりました。幸いなことに、県税収入が法人二税の増収などで中期財政見通しを40億円ほど上回ったという好材料もございましたけれども、それにしても残る財源については大幅に不足をするということがございましたので、公共事業の投資規模を適正化する、それから大規模事業の実施時期を見直しするといったような投資的経費を中心に一層の歳出削減を図りまして、そのほか一方で自治振興基金からの繰り入れ、電気事業会計からの借り入れなどで歳入の確保をして、何とか予算編成を行ったということでございます。
 来年度のこの作業、すなわち再来年度予算の編成につきましてまた同じようなことになりますと大変なことになりますので、先ほど申し上げましたように、特にこの三位一体改革については、今年度の前半にしっかりと国に申し入れをしなければいけないと考えております。
 それから、国庫補助負担金の廃止の関係で、義務教育費国庫負担金制度についての考えを問われておりますが、この地方分権時代の教育のあり方は、地域の実情というものを十分に踏まえた住民が、地域で議論しながら内容を決めていくのが本来の姿ではないかと。これは教育分野と他の分野とを区別するのではなく、他の分野においても同様な考え方でございますが、それは教育分野にも当てはまるものと、そして住民がその責任と気概を持ちながら地域の教育をつくり上げていくことが必要と、このように考えております。
 今、この教育の分野、余りにも国の統制が強過ぎるわけでございますが、特に国が細部まで使途を決めている国庫補助負担金については原則としてすべて廃止をすべしと、このような立場を私どもはとっておりまして、義務教育費のような義務的経費につきましては100%地方に税源移譲を行うと、これが大前提でございますが、100%地方に税源移譲を行った上で、地方がみずからの財源とみずからの判断で政策選択ができるような地域主権型社会を構築していくべきだと、このような考え方でこの義務教育費についても提言をしているものでございます。
 最後に、林業公社の改革推進プランについて御質問がございましたけれども、林業公社、現在多額の借入金を抱えておりまして、これは早急に経営改善措置策を講ずる必要がございます。林業公社事業と県有林事業と今二つございますが、これを一元化するという経営改善方針を県として取りまとめたところでございまして、この方針案に基づいて今関係市町村と話し合いを進めておりますが、その関係市町村の理解が得られた場合には、土地所有者にも十分説明を行った上で、分収造林契約の造林者を、林業公社の理事長名から岩手県知事名に名義変更をする手続をこれから行っていきたいと考えております。
 清算される場合の債権の処理でございますが、これは債権放棄も含めて検討することとしてございまして、今後、公社や関係市町村と細部について協議をして、できるだけ早い時期に経営改善に着手できるように取り組みたいと考えております。
 この林業公社が解散をされた暁でございますが、その際には、林業公社の分収林は県が管理をするということで考えておりまして、具体的にはこの管理について林業関係団体へ県から業務委託する方向で今後検討することとしております。
 その他のお尋ねは、関係部局長より答弁をさせますので、御了承をお願いいたします。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕

〇総務部長(時澤忠君) 国民保護法制に関連をいたしました条例整備についてでございます。
 現時点で国から示されております法律案要綱によりますと、県及び市町村におきまして三つの事項について条例で定めるとされております。
 一つは、都道府県対策本部、市町村対策本部というものがございまして、法律に規定するもののほか、必要な事項を条例で定めるとされております。
 二つ目が、都道府県国民保護協議会、市町村国民保護協議会というものが法律上規定されておりまして、これは国民の保護のための措置に関し広く住民の意見を求め、国民の保護のための措置に関する施策を総合的に推進するために設置するというものでございまして、法律に規定するもののほか、条例で必要な事項を定めることとされております。
 三つ目が、武力攻撃災害の被災者の公的徴収金の減免等に関する事項でございまして、被災者によります地方税その他の地方公共団体の徴収金につきまして、条例で軽減、免除、猶予、その他必要な措置を講ずることができるとされているものでございます。
   〔環境生活部長中村世紀君登壇〕

〇環境生活部長(中村世紀君) まず、再生資源利用製品認定制度についてでございますけれども、県における本年度分の利用状況は、昨年11月時点で中間調査いたしましたところでは、8製品につきまして延べ62公所で使用実績がございます。
 また、県民の方や事業者、市町村等に対する今後の利用促進に向けた取り組みでございますけれども、マスコミに資料提供を行っておりますほか、この認定製品は県の環境保健研究センターに常時展示いたしまして、県が行う環境に関するイベント等に展示紹介を行っているところでございます。
 認定制度発足まだ間もないところでございますので、これから県民の皆様や事業者、市町村、関係団体等に対しまして啓発パンフレットを配布するなどいたしまして、より一層の利用促進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、ラジオメディカルセンターに関しましてのお尋ねでございますけれども、まず、県民の皆様への情報提供についてでございますけれども、基本的には当事者であります滝沢村とそれから社団法人日本アイソトープ協会が行うべきものであると考えてございます。
 ラジオメディカルセンターに対して県がこれまでどのような対応を行ってきたかということでございますけれども、ラジオメディカルセンターにおきましては、現在、低レベルの放射性廃棄物の処理が行われておるところでございます。この処理につきましては、安全性が確保されることが最も重要であると考えておりまして、県におきましては、環境放射能水準調査というものを実施しております。これの一角といたしまして、昭和63年度から毎年、ラジオメディカルセンター施設周辺の農産物等について調査を実施してきているところでございますけれども、これまでのところ、自然界での放射能レベルを超えるような状況は観測されておらないところでございます。
 また、新たな施設の建設計画についてでございますけれども、県は滝沢村及び日本アイソトープ協会から新たな施設の建設計画につきまして情報提供を受けているところでございます。滝沢村では、協会からの申し出を受けまして、役場内の検討組織のほか、村議会に調査特別委員会を設置いたしまして、検討を重ねていると聞いておるところでございます。
 協会自体は、昭和62年の操業開始以来、現在まで安全性に配慮いたしまして、関係法令を遵守した操業を行ってきておるところでございます。したがいまして、県といたしましては、当面この新しい施設の建設計画につきましては、滝沢村での検討及び滝沢村と協会との間で行われております協議の進捗状況を、関心を持って見守りたいと考えてございます。
 また、いわゆるクリアランスレベルの導入に関してでございますけれども、この導入につきましても、当然安全性が確保されることが最も重要であるわけでございますけれども、放射性物質の使用・廃棄などの取り扱いは、放射線障害防止法などによりまして国直轄で規制していることでございますので、放射性廃棄物の安全管理対策についても国の責任において適切に行われるべきものと考えてございます。この問題、クリアランスレベルの導入でございますが、これにつきましては、現在、国の委員会におきまして専門家による科学的な議論が行われているところでございますので、この検討の結果を見きわめたいと考えているところでございます。
   〔商工労働観光部長小原富彦君登壇〕

〇商工労働観光部長(小原富彦君) まず、中小企業の振興に関して、経営革新推進計画の実績と中小企業経営革新プロジェクトの事業概要についてでありますが、経営革新計画は、意欲と能力のある中小企業が、自社の事業状況の分析あるいは強み、弱みの把握を通じて経済環境の変化に対応できる経営基盤の強化、経営の向上を図るため策定するものでありますが、この取り組みを支援するため、計画の策定あるいは計画の実現性の見きわめ、事業実施のフォロー等多面的な後押しが必要なことから、平成14年4月、岩手県経営革新推進計画を策定したところであります。この中で、平成14年度から16年度までの3カ年間で、500社が経営革新計画の策定に取り組むことを目標としております。
 また、計画策定に当たっては、県内7カ所に設置しております地域中小企業支援センター等が実施する経営革新講座、センター配置のコーディネーターによる計画策定の個別指導などを通じまして支援を行ってきたところであります。この結果、経営革新計画の策定企業数は現在のところ、14年度125件、15年度98件の223件となっております。しかしながら、実現可能性の高い計画を策定するための支援体制、策定した計画の実施に向けたフォローなどの仕組みが必ずしも十分でないため、16年度においては中小企業経営革新プロジェクトを構築し、実現可能性の高い計画策定に向け、ビジネス経験者やコンサルタント等の有識者で構成される委員会を設置しまして、実現可能性の高い経営革新計画として認定する仕組みを構築するとともに、マーケティング調査等、計画の実現性を高めるための取り組みに対する助成制度を創設することとしております。さらには、策定した計画の実現を支援する新たな県単融資制度を創設するほか、専門家派遣等のフォローアップ事業を実施することとしております。このプロジェクト事業によりまして、中期的見通しのもと、計画性を持って経営革新に取り組む県内中小企業を積極的に支援してまいりたいと考えております。
 次に、いわてヤングジョブサポートセンターの成果と課題についてでありますが、昨年12月15日の開所から本年2月末までの約2カ月間の来所者数は、新規来所数としては196人で、再来者が355人ということでございますが、総人数551人となっております。来所者数のうち21人が就職に至っておりまして、その大半がサポートセンターを通じて隣接する盛岡学生職業相談室で職業紹介を受けており、カウンセリングから職業紹介までをワンストップでサービス提供するという成果があらわれているものと考えております。
 また、カウンセリングは、求職の悩みや適職探しなど、相談者一人一人の特性に応じて一定程度時間をかけて対応する必要がありますが、再来者が来所者の約65%を占めておりまして、カウンセリング重視というサポートセンターの設置趣旨が利用者に支持されているものと理解しております。
 今後、このサポートセンターの設置効果を県内全域に波及させていくことが重要と考えておりまして、サポートセンターと地方振興局の就職支援センター相互の情報共有や、相談実務のノウハウの提供などを通じまして、サポートセンターの機能が県内各地の若年者対策に寄与できるようなネットワークを構築するとともに、より多くの若い人たちに知ってもらうよう、県のホームページあるいは新聞広告等を活用いたしまして、このセンターの周知に努めてまいりたいと考えております。
   〔総合雇用対策局長上村俊一君登壇〕

〇総合雇用対策局長(上村俊一君) 新たな雇用対策の展開と常用雇用に結びついた実績についてでありますけれども、今年度は、雇用創出目標7、800人のうち、産業支援等によりまして4、200人の常用雇用を創出する目標を掲げ、12月末現在で3、556人の常用雇用を創出したところであります。今後も、産学官による戦略的な技術開発や自動車関連産業等ものづくり産業の集積促進、創業・ベンチャー企業の育成などによりまして、雇用の受け皿となる新たな産業の創出に努めるほか、NPOなど新たな事業活動の担い手の育成や、新たに身近な地域で居宅サービスを提供するご近所介護ステーションの設置支援、空き店舗等を活用した子育て支援などに取り組み、常用雇用を創出してまいりたいと考えております。
 また、基金事業による常用雇用の実績でありますけれども、国の基金事業につきましては、多くの失業者に雇用の場を提供することをねらいとしておりまして、雇用期間は短期間なものとならざるを得ず、常用雇用に結びつく例が極めて少ないわけでありますけれども、平成14年度の例におきましては、雇用主への働きかけにより、公有林の整備やパソコン教室の開設などにより68人、わずか全体の2.2%ですけれども常用雇用に結びついたところであります。
 また、国の基金を補完するものとして造成しました県基金事業につきましては、できるだけ常用雇用の創出につながる事業に活用することとしておりまして、平成14年度は、設備投資により新たに失業者を雇用する企業への助成や、コールセンターのオペレーター養成などにより83人の常用雇用を創出したところであります。
 今後も、これら基金事業につきましても、地方振興局、市町村とも連携し、雇用主への働きかけを強めるなどにより、1人でも多く常用雇用につなげるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、フリーター志望の若者等につきましてでありますけれども、フリーターにつきましては、必ずしも明確な定義はございません。国民生活白書によりますと、働く意思はあっても正社員としての職になく、アルバイトやパートなどの臨時的な就業と無業を繰り返している若者と定義しております。全国で、平成2年が183万人、平成13年が417万人、約2.3倍の増加となっており、このように推計しているところであります。
 県内におきましては、フリーターを含めた不安定な就業または失業状態にある若者の数は、平成14年度就業構造基本調査をもとに推計しますと、約5万1、000人と推計されております。この傾向は全国と同じように増加の傾向にあると考えております。こうした状況は、働く意欲の希薄化、生活に対する切迫感の欠如など若年者自身の問題のみならず、企業の即戦力志向などによる若年者への求人の減少なども大きな要因と考えられております。こうしたいわゆるフリーターの方々につきましても、いわてヤングジョブサポートセンターの活用等を勧めるなどしまして、希望した職業につけるよう支援してまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) 農業研究センターの研究成果の活用についてでありますが、本県におきましては、冷災害が頻繁に発生している中で、こうした被害を軽減するための研究開発を進め、その成果を現場に生かしていくことが極めて重要であると考えております。昨年の低温下におきましても、深水管理や刈り取り時期の予測など、これまでの研究センターの研究成果が、対策技術として現地で活用され、被害の軽減に結びつくとともに、東北1位の高い一等米比率を確保することができたものと考えております。また、深水管理による保温効果、低温遭遇期間と不稔歩合、不稔の発生と刈り取り時期の関係などについて、今後の異常気象年に活用できる詳細なデータを収集することができたところであります。
 また、地域農業に貢献している研究成果につきましては、いわてっこやもち美人など水稲6品種を初め、リンドウ、小菊、リンゴなどで本県オリジナル品種の開発をするとともに、黒毛和種の種雄牛では全国トップクラスの肉質能力を有する糸安菊などを造成しており、高品質で安定した農畜産物の生産振興が図られているところであります。
 生産技術面におきましては、水稲や大豆の収穫後の根雪直前に小麦を播種する冬期播種栽培技術を開発しており、これら作業との競合を回避することができましたことから、水田農業における輪作体系の普及に生かされているところであります。
 また、家畜由来の堆肥を使った減化学肥料栽培や交信攪乱剤を用いた減農薬栽培など環境に優しい農業技術を開発し、エコファーマーの認定や特別栽培農産物の生産拡大につながっているものと考えております。
 今後とも、消費者や生産者のニーズを的確に把握し、農業改良普及センター等との密接な連携を深め、地域の特色を生かした農業の発展に寄与する研究開発を進めてまいる考えであります。
   〔地域振興部長大沼勝君登壇〕

〇地域振興部長(大沼勝君) 試験研究機関の独立行政法人化についてでありますが、試験研究機関の機能強化と効率的な業務運営を実現していくためには、弾力的な財政運営によって自律的な業務運営が可能となる地方独立行政法人化は有効な選択肢と考えております。その導入の可否を決定いたします制度面の基準につきましては、今後、国が地方独立行政法人を認可する基準を明らかにすることとなっております。法人化の検討に当たりましては、その国の認可基準に照らして検討することが必要になりますが、県の試験研究機関の業務の実態面から申し上げますと、地方独立行政法人化に伴いまして、依頼分析試験あるいは技術相談といった現場に密着した業務に支障を来すことがないか、あるいは技術普及部門との連携が円滑に行われるかなど、こういった点を含めまして総合的な観点から、研究機関ごとに慎重な検討を進めることが必要であると考えております。
   〔保健福祉部長長山洋君登壇〕

〇保健福祉部長(長山洋君) まず、支援費制度についてであります。
 制度発足8カ月を経た昨年末の支援費の支給決定状況を見ますと、決定者数は7、317人で、当初の予想より約2、500人ほど増加しております。特に居宅支援費が31.2%の伸びとなっておりまして、その中でもデイサービスが74.7%と最も大きく伸びております。利用者負担の実態についてでありますけれども、利用者負担の仕組みは応能負担であります。ことし2月に実施しました利用者アンケートでは、デイサービスやショートステイの利用者は、やや負担増を感じており、一方、ホームヘルプサービスの利用者の中には、負担の軽減を感じている者も見受けられます。これは負担額を決める際の所得認定対象が、前は主たる生計維持者ということになっておりましたけれども、新しい制度では障害者本人、配偶者及びその子に限定するということが、負担軽減などなされた方が多かったのではないかと見ております。
 次に、県立施設についてでございます。
 県立社会福祉施設等あり方検討委員会の検討状況ということでございますけれども、これまで出されました意見の主なものは、民間で可能なものは民間移管を基本とすべきではないか、あるいは県立施設の先駆的セーフティネット的な公共的機能や役割を認識する必要があるのではないか。県は、入所者の地域生活移行のための環境整備等を進めるべきではないかなどの意見が出されております。今後この委員会において、まだ検討中でございますけれども、今月中に最終の取りまとめが行われる予定となっております。
 県立社会福祉施設が果たしてきた役割についてでございます。
 一つは、民間施設も不十分であった時代に、モデル的、先導的な施設として機能を果たしてきたほか、処遇の難しい重度の障害児(者)の受け入れなどセーフティネット的な機能を果たしてきた。さらには、民間施設に対しましても技術支援など、本県の社会福祉施設サービス向上のために重要な役割を担ってきたものと認識しております。
   〔教育委員会委員長船越昭治君登壇〕

〇教育委員会委員長(船越昭治君) 義務教育にかかわる財源の問題と、学校教育の目標やいかんということについて申し上げます。
 義務教育にかかわる財源の問題につきましては、国において、平成18年度末までに国庫負担金全額の一般財源化について所要の改正を行うという形で現在進んでいるわけでございます。平成15年度においては、共済費長期給付、公務災害補償基金負担金、これが見直しを図られたわけでありますし、平成16年度においては退職手当、児童手当が一般財源化されるなどの見直しが図られてきているところであります。また、平成16年度には、教職員給与費について、地方の自由を高めるという意味から、新たな制度として総額裁量制が導入されると聞いております。この総額裁量制は、一定の基準によって算定された給与費総額の中で、地方が自由に使用可能となるものでありまして、これによって教職員給与や学級編制、教職員配置等が、地方が自主的に決定できるとなるものと承知しております。
 県教育委員会としましては、義務教育は国民に対して、教育の機会均等と水準を保持するという憲法の要請に基づいて、その経費については国が責任を持って財源を確保するということ、その一方で、時代の要請であります教育の地方分権を推進するという立場から、地方の実情に応じた特色ある教育活動が展開できるような柔軟な仕組みを検討されるべきであると考えております。
 また、学校教育、過度の学力主義はいかんということでございますが、現在、学校教育では、子供たちが社会の変化に主体的に対応して生きていくために基礎・基本はしっかりと身につけさせる。それは当然でありますが、進んで社会の変化に柔軟に対応して、生涯にわたって主体的に学び続け、問題を解決していく学び方に結びつくよう、学ぶ意欲でありますとか、思考力であるとか、あるいは判断力、表現力等を含めて確かな学力をはぐくむことを目標にしております。
 各学校では、子供たちにこうした意味の確かな学力をはぐくむために、さまざまな取り組みを行っているところでありますが、子供たちの確かな学力の状況を的確に把握して、教育課程及び指導方法の充実、改善を進めていくことが重要であります。4県統一テストを含めたペーパーテスト等は、基礎・基本の定着状況を把握して、よりよききめ細かな指導を行う上で有効な一つの手段であると理解しております。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕

〇教育長(佐藤勝君) 県内高等学校における就職促進についてでありますが、本年度の県内公立高校における就職希望者の12月末日現在の就職内定率は、県の教育委員会の調べで70.1%となっており、前年同期の67.4%より2.7ポイント上昇しておりますが、依然として厳しい状況が続いているものと認識いたしております。県教育委員会では、本年度は県立高等学校63校に63名の就職支援相談員を配置して就職支援を行っております。その成果としては、2月末日現在において延べ613社からの新規求人を開拓し、377名がそれらの企業に内定しております。
 また、ジョブサポート・エリアマネージャーを県内8地区に配置し、各校の就職支援相談員が開拓した企業情報の集約や求人開拓活動のコーディネートなど、効果的な求人開拓の支援を行っております。さらに、就職希望者の割合が多い県立高校67校を会場といたしまして、高校生キャリアアップ講座を実施いたしております。就職を希望する1年生、2年生を中心といたしまして、専門学校の講師や企業経営者などから、高校生を取り巻く雇用情勢や、社会人として必要なマナー、卒業までに身につけたい技術や技能について学んでおります。今後も関係機関との連携をさらに密にして、高校生の就職支援の強化を図っていきたいと考えております。
 次に、4県統一のテストを行う意義等についてでありますが、まず、4県による統一学力テストは、4県共同で実施することにより、他県の実態を把握することができます。より広い視野から調査結果を分析し、今後の指導に生かすための基礎的資料として活用することを目的とするものであります。具体的には、学習の定着状況を把握し、一人一人の指導の改善につなげることができることはもとより、さらに参加県の調査結果を比較することにより、参加県においてこれまで行われてきた教育施策を評価することが可能となり、各県相互のベンチマーキングを促し、各県でのいわば次なる教育施策に反映させることができると考えております。
 また、結果の公表についてでありますが、その目的を踏まえ、何をすれば児童生徒の確かな学力をはぐくむことができるのか、学力向上に向けての学校、家庭、地域のそれぞれの果たすべき役割をどう見るかなどの観点から考えてみる必要があると考えておりますが、いずれ実施結果等の公表につきましては、現在、地方分権研究会においても検討中ということで、一緒になって研究していきたいと考えております。
 実施時期でございますが、各学校の教育活動にもちろん影響を与えないように、その時期を見て早目に通知したいと考えております。
 次に、県立高等学校新整備計画についてでありますが、まず、後期計画について、平成12年1月に公表した県立高等学校新整備計画の策定に際しては、広く県民から意見を聞く、要望を聞く、そういう機会を設け、策定の考え方や趣旨等について十分に周知を図ることなど、その理解を得ながら進めてきたところであります。
 後期計画におきましては、前期計画に比べより一層地域の関係者の意向をしっかりと把握するため、本計画策定の前に、マスタープランとして計画の基本的な考え方、基本的な方向、これをあらかじめ示して、パブリックコメントや意見を聞く会など、広く地域や関係者の声を聞きながら進めることとしており、今後も、できるだけ多くの機会を設けて話し合いを重ね、意見を聞きながら取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、適正規模の学校の配置についてでありますが、県立高等学校新整備計画の後期マスタープランでは、前期計画と同様、適正な学校規模を1学年4学級から8学級程度としております。この規模は、教育課程、教員配置などの面では、少人数指導や習熟度別指導の導入が容易であること、進路希望に対応した幅広い科目が開設できることなど、きめ細かい学習指導、進路指導が可能になるものであります。また、部活動など生徒の活動の面では、生徒の希望に応じた幅広い活動が成立すること、活発な学校行事が行われること、豊かな人間関係の中で、社会性や協調性が培われることなどの機会が十分に確保されるものであります。しかしながら、本県の持つ地理的条件、自然的条件などの地域の持つ事情から、必ずしも想定される適正な規模が得られがたいところにありましては、それらの状況を考慮して本校としての基準――これは1学年当たり定員80人です――とされる1学年当たり定員80人を最小限の基準とすることとしたものであります。また、80人を維持できない状況になった場合には、子供たちの立場、思いを酌みながら、広域的な視点に立って適切な生徒の学習環境を整えていくことが適当と考えたものであります。
 後期計画の策定に当たりましては、お話しのありました16年度の入学者選抜の志願動向をも踏まえながら、また、できるだけ多くの機会を設けて、地域との話し合いを重ね、県民の意見を聞きながら取り組んでまいる考えであります。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕

〇警察本部長(山内正和君) 初めに、犯罪発生状況の推移の分析についてお答えいたします。
 全国における刑法犯罪は、議員御指摘の要因などにより、平成8年以降7年連続して戦後最多を記録していたところでありますが、昨年中の発生は279万件余と前年に比べて2.2%減少したところであります。一方、県内における発生は1万3、686件で、前年に比べて8.8%減少し、2年連続して前の年を下回ったところであります。しかしながら、全国と同様、強盗・放火などの凶悪犯罪が増加傾向にあるほか、住宅等に侵入して行われる犯罪が減少しておらず、県民の体感治安は必ずしも回復の兆しが見えない状況と認識しているところであります。
 次に、犯罪の防止に向けた取り組みについてでありますが、県警察といたしましては、このような情勢に対処するため、組織の合理化等による現場部門への体制の増強を図り、パトロール活動の強化や捜査力を充実させることにより、犯罪の減少基調の定着化を図ることとしております。また、具体的な防止対策としては、昨年に引き続き、街頭犯罪等抑止総合対策に取り組むとともに、凶悪犯罪や侵入窃盗などについても徹底して検挙に努めてまいる所存であります。

〇36番(伊沢昌弘君) 大変御丁寧な多くの御答弁ありがとうございました。
 二、三点再質問させていただきたいのですが、最初に知事の方から国際情勢に関しての御所見をいただきました。いろんな法律をつくって有事法制なり国民保護法、これはあくまでも対処法であって、発動させてはならない。これが発動するとなると、後段質問いたしましたが、地方財政なり国家財政を含めてこれは予測ができないし、計画など立てられないということから、ぜひ機会をとらえて、国の責任でこれが発動しない、そのような形でのことをぜひ意見として続けて申し上げていただきたいものだと思っております。
 RMCについてお伺いをいたします。
 ラジオメディカルセンターでありますが、環境生活部長の方からは御答弁をいただいたわけでありますが、私、これ50年代、本当に県の誘致企業として19核種の、半減期が非常に短くて医療用に使う放射性廃棄物を持ってくるのだと、私たちの健康に十分に寄与するものが最終的に滝沢村で保管をされて安全に措置をされるということで、県議会の中でもそういう御答弁がずっと続いていたわけであります。公害防止協定が結ばれていますけれども、この中でも、研究用のものを持ってくるとか、半減期の長いものだとかというものは含まれていなかったと承知をしているわけであります。環境生活部というのは、放射能汚染があるのかないのか、これは言ってみれば監視を行う部署であります。誘致をしたり、その企業がどのような新たな計画を立てるのか、きちんとした業務内容を含めて審査をしながら、いわば許可をするというセクションが県にとっても必要なのではないかと思うわけであります。環境生活部で監視をしながら新たなものについて、これ許可権限も何もないわけでありますけれども、県としては放射性廃棄物が持ち込まれる、それも新たなものが持ち込まれるということを考えれば、別なセクションできちっとした対応をすべきだと思うわけであります。放射性の医療系廃棄物に限られたものが研究用も含めて200種以上を超えるということについて、県としてはどのような御所見をお持ちなのか、どなたに答えてもらえばいいのか私もちょっとわからないわけでありますけれども、改めてお願いをしたいと思うんです。自治体と協会が話をしていると、その推移を見守るというだけでは、県民に対しての責任が私は果たせないと思う観点で重ねてお伺いをしたいと思います。
 それから、保健福祉部長にお伺いをいたします。
 今、県立の福祉施設についていろいろ御検討されていると。御努力は多とするわけでありますけれども、実はこれは行財政構造改革プログラムにも明記をされていまして、県立の施設のあり方を今後どうするかということになっているわけです。たしかおととしだと思うんですが、地方自治法244の2で指定管理者制度がつくられて、県なり市町村が管理をしている公の施設を、いわば民間の手法により条例を制定して民間委託ができると、3年以内にしろともとれるし、できるというふうにもとれるんですが、そういう自治法の改正があって、あわせてこれは千載一遇のチャンスだと、お荷物になっている県の施設も含めて民間へという形で行ったとすれば、私は大きな間違いだと思いますのでお伺いをしたいわけであります。
 あり方委員会で検討を始めたというのもわかりますが、本当は県の施設がどのように福祉行政に関して県としての責任を果たしてきたのかの検証がなされるのが先であって、県としてどのような形でこの福祉施設が民間委託なりいろんな方向をとられるのか、一定程度の方向性を県が打ち立てて、その打ち立てた方向について民間の皆さんの御意見を聞くというのが私は筋ではないかと思うわけであります。
 あり方検討委員会のメンバーを見ますと、県の関係者はもちろん入っていませんが、14施設を委託している社会福祉事業団の方も入っていません。民間の方々、市町村の方、学識経験者ということで、民間の福祉事業をやっている方々がいわば御議論をしているんじゃないかという思いをしたものですから、民間に委託ありきの中で、それも小さく切り売りをするのではないかという思いがあるものですから、これから報告書がどういう形で出て県が打ち立てるかわかりませんが、県がみずから行ってきた事業を反省し、いわば検証をして次のあり方をやるというのは、私が今申し上げたように、県として最初に方向性を出しながら御検討をいただくという方法が筋ではないのかという思いがありますので、これから検討ということでありますから、私が申し上げた部分について御所見があれば承りたいと思います。
 教育問題について、4県統一についてお伺いをいたします。
 本県、先ほど私も申し上げたとおり、学習定着度状況調査をこの間行ってきていると思っています。この定着度状況調査で本県の子供たちがどのような学力を持ってどこが足りないのか、私はわかるんじゃないかという思いがしています。4県でやる。この計画は、随時知事が入っている会議なわけですが、8県知事が入っていて、ふやしていきながら将来は全国に持っていくという構想もあるようでありますが、これは全国一斉にやってどのような位置づけにその県があるのかという、やっぱり競争に結びつくんじゃないかと思うわけであります。そういった意味で、定着度状況調査もあわせて今回やるのかどうか、これひとつ教えてください。
 それから、各県によって教育のいわば教える項目、いろんなものがあると思うんですが、全部教えているかというと全部教えなくてもいいと。こういうものがあって、これは余力があれば教えてもいいですよというのがたしかあるやに聞いているわけであります。そうしますと、これらがテストに出れば、教えられた人はわかるし教えていないのはわからないと。習熟度ではなくて教え方が悪かったということになっていくのか、その辺があると思うんです。したがって、本県がやってきたこの定着度状況調査そのものも、現場からはいろんな御意見をいただいています。その中でいわば本県の子供たちのものというのはわかるような気がするので、重ねてこの4県統一テスト、行わなければそれぞれの県の子供たちの学力といいますか学習定着度がはかられないものなのかどうか、そこをお示しいただきたいと思います。
 それから、義務教育についてお話がございました。知事から御答弁もいただきましたし教育委員長からもいただきました。確かに自由裁量の中で学校の形なりいろんなものがつくれる、これはそのとおりだと思います。教員の配置も含めて新年度から30人学級もやるというのは、国の方でいろいろ束ねがあった部分が使えるよということで始まったと私も了知をしています。そこに裏打ちをされるのは、知事がおっしゃいましたが、すべての事業が国庫補助でひもがついたのをそれぞれの地方で自由裁量でやるというのは、言ってみればすごくきれいだし理想だと思います。教育についてはやはりナショナルミニマムという部分を含めて、これが削られることがあってはならないと。どのような形で担保をしながら一般財源化を求めていくのかというところで、改めてお考えをそこのところに絞ってお示しをいただきたいと思います。

〇知事(増田寛也君) 私の方から、まずイラクを初めとする国際紛争の関係で議員からお話がございましたが、私もこうした有事法制それから国民保護法制などがそもそも発動されない社会づくりが必要だと思いますので、今議員の方からお話いただきました御提言も十分踏まえた対応をとっていくということが必要かと考えております。
 それから、義務教育の関係でございますが、これは一般財源化というのも大前提として、税源移譲が100%必ず財源が保障されるということが大前提だと思っておりますが、いずれにしても、今文部科学省の方から総額裁量制という、かなり教員配置などの自由度が高まるような制度提案がなされて、これがこの4月から現実に動いていくという状況になっておりますので、私はこの三位一体改革、17年度、18年度に向けていろいろな動きがあろうかと思いますが、まずこの文部科学省がこれから行おうとする総額裁量制、この運用を十二分に見きわめるといいますか、本当にその中で自由裁量が十二分に発揮されるような運用を期待していくと。そして、総額裁量制の中で義務教育の国庫負担制度を文部科学省は維持していこうという考え方のようですから、それはそれで私も従前に比べればかなりの進歩ではないかと考えておりますので、この運用をしっかり見て、そしてその中で、本来的な地方分権の趣旨が十二分に発揮されるようにしていけばいいのではないかと思っているところでございます。18年度に向けてその運用をよく見きわめたいと思います。

〇環境生活部長(中村世紀君) ラジオメディカルセンターが取り扱います研究用の廃棄物、これを新たに持ち込みたいという、そういう処理工場を建設したいということで、今、村に協議をしているわけでございます。これについての県の考え方ということでございました。
 前段、環境生活部、監視担当であるので、放射性廃棄物持ち込みの是非はもっと別なセクションできちんと組織をつくって検討したらいいのではないかというお話もございましたので、私がお答えしてしかるべきかどうか大変恐縮でございますけれども、最初の御質問にお答えいたしました関係上、申しわけございません、私の方からお答えをさせていただきます。
 今回、日本アイソトープ協会が滝沢村に協議をしております研究所用等の廃棄物の処理施設をつくりたいという申し出でございますけれども、この廃棄物、私が承知しております限りでは、直ちに非常に安全性が保障できないものという認識はしてございません。
 きのう、本会議におきまして高レベル放射能の最終処理施設についての議論があったわけでございますが、現時点で、一見して安全性がまだ確保されていないというものではなくて、極めて低レベルの放射能を含む廃棄物であると認識してございまして、これをもって直ちに安全性が損なわれるという認識はしてございません。ただし、そのゆえをもって、村が導入といいますか処理施設の設置に同意をするかしないかということは、これはまた別の問題でございます。地元としては地元としていろいろな立場での考え方もあろうと思いますし、県といたしましても、直ちに安全性が損なわれると認定するほどのものではないけれども、だからといって全くの危険性があるのかないのか、どういう影響があるのか、そこまでの詳しい調査を今している、識見を持っているものでもございません。本来、これにつきましては、事業者であります国、この場合は国の指揮を受けます日本アイソトープ協会でございますけれども、協会がみずからの責任で安全性について十分な説明責任を果たすべきものと考えてございます。どういう説明責任をこれから果たしていくのか、その推移を見守りたいと考えているものでございます。

〇保健福祉部長(長山洋君) 検討のあり方について御質問がございました。
 県が方向性を示した上で、その意見を聞くというのがあるのではないかということでございましたが、これも今まで行われてきた一つの方法であろうと思います。今回の場合は、当事者が入らない、そういうことで先入観を持たないで自由に討論をしていただき、それらの意見、提案をもとにして、これらを十分尊重しながら、県として検証を加えたものをさらに具体的なプランあるいはプログラムというものをつくっていきたいという手法で考えたものでございます。

〇教育長(佐藤勝君) 学習定着度状況調査、これ現在進めているわけですが、それとあわせて4県による統一学力テストの関係ですが、学習定着度状況調査についても明年度やるのかということについては、実施いたします。
 学習定着度状況調査については、子供たちの学力の状況、これをまず知る必要があるということで悉皆調査の形で調査を行っている。これは子供たちの比較であるとか学校間の比較とか、そういうことではなくして、指導上どこがつまずきがあるのか、どうすれば学力向上といいますか、弱いところ、強いところ、よく見きわめてそれを進める意味で学力の状況を把握するという観点から行うと。
 それから、4県による統一学力テストについては、もちろんベースとしては同じような流れもありますけれども、これを他県と合同でやるところにまた意義を見出す。これは他県のその実態を把握する、あるいは一緒に参加県の調査結果とこれを比較することによって、例えば指導方法、あるいは教材、そういういろいろと、我々、一つの域の中で様子を見ないというわけにまいりませんから、そういういい機会ではないかということで、これは文部科学省におきましても、地方分権の研究会が進めているこの学力テストの向上には着目しておりまして、これをさらに広げるべきではないかという国の動きもあります。それから、もちろん分権研究会の中でも、ことしは4県でございますが、さらにふやしたいという意向であります。
 それから、指導要領の関係だと思いますが、指導要領は、一つの最低基準ということでそれを超えてということですが、私ども学習定着度の状況調査を把握するについては、しかも1学期ということで限定的にここまでといういわばレベルを同じにして、そして全くの基礎・基本の状況について把握するということで、条件を合わせながら進めているということでございます。
 それから、行わなければ定着度がはかれないかというのは、今申し上げたように目的が違いますので、あくまでも指導をどうするかという観点から実施するものでございます。

〇36番(伊沢昌弘君) すれ違いの部分も多くあるんですが、RMCについてしつこいようですがお伺いします。
 今御答弁いただいたように、環境生活部長のところでは、この問題について新たな申し出があった際に、どのような核種でどういうものなのかというのは御説明を受けたが、きちんとした形でわかっていない――わかっていないというのは大変失礼なんですが、協会の方も県に対して教える必要がないというふうに思っているんじゃないかと思うんです。法的に県が同意するというものではないと私も承知していますが、かつて19種の医療系の放射性廃棄物を持ってくるときに、県議会としてもいろんな議論をしたわけであります。そのときには19の医療系だけですよと、思われるというくだりもあったわけです。しかし、半減期が非常に長いものも研究用にはあるんじゃないかと。医療用の研究だけじゃなくて原子力そのもの、そのほかのいろんなところで使っている核種もあるから200種を超えるものがあると思うんです。そうしますと、私は県として危機管理の関係から含めて、こういう施設が今後どうなるかということを考えれば、組織管理の中できちっとした対応をここがやりながら、そしてこの施設はこういうもので、機種はこういうもので、核種はこういうもので、どういう形態を持って半減期がどのくらいで、最終的にはこのような措置をするのだというのが議会にも教えていただかなければならないと思うんです。だれか知っている人いますか。いないはずです。それぞれのところで、役場の方に出された検討委員会なり、それから滝沢村議会の方に出された全員協議会の資料を入手すればできるわけですが、県として、これはそういうものがあって、私たちにも、県民を代表する県議会の方にも、これは県としての同意事項ではないが、こういう形で動いていますよというのをやるべきだと思うわけであります。
 重ねてお伺いしますが、今の時点で200を超える核種がどうのこうのと言ってもお答えがいただけないかと思います。別な意味で、環境生活部以外で新たなこういうものができて将来的に新しく設置をされるというときに、県として検討するセクション、危機管理という考えで言えば語弊があるかもしれませんが、そういった部分をつくるお考えがないのかどうか、ここは総務部長の方からの御答弁をぜひ賜りたいと思います。
 あと教育長、平行線になるわけですが、私は試験をやってテストで判定をするというのはやむを得ない部分だとは思っています。しかし、これが報道された際の新聞記事にもあったように、多くの教育関係者の皆さんが新たな混乱を招くことにはならないか。それから、テストのための勉強をさせる、そのことが教室の中で新たな子供に対する負担にならないのかという問題点を指摘する声もあったわけであります。行政としていろんな意味でいろんな手法をやるというのに、私たちが口を挟む、管理運営事項があるわけですからそれはいいと思うんですが、今後実施に当たって現場の方々、教育関係者の皆さんときちんとした意思の統一を行うようここは要望しておきたいと思うんですが、御所見があれば賜りたいと思います。

〇総務部長(時澤忠君) ただいま御質問のありましたラジオメディカルセンター関係につきましては、環境生活部長の方から答弁いたしましたように、現在環境生活部において対応しているところでございます。これは現在進行形のものでございますけれども、危機管理につきましても、これは例えば健康被害、財産に損害が生じるというときには、危機管理対応ということで現在マニュアルを策定しておりますが、この所管につきましても、放射能関係施設の事故につきましては環境生活部の方で所管をしているということになっているものでございます。したがいまして、一義的に現在環境生活部の方でこの問題に取り組んでいるわけでございますが、事象によりまして環境生活部だけで対応できない、あるいはその他のことが出てきた場合には柔軟に対応できるように連絡会議等の設置も含めまして、必要な支援については検討していきたいと考えております。

〇副議長(菊池勲君) 環境生活部長に聞きますけれども、県議会にも知らせる必要があるのではないかという質問があるけれども、その点はどうなんですか。

〇環境生活部長(中村世紀君) ラジオメディカルセンターの設置がいろいろ議論になりました、たしか昭和50年代の後半から60年代初めにかけてのことだったと思います。そのときにいろいろな議論がありまして、県議会でも御議論があって、そういう紆余曲折といいますか、いろいろな議論を経て公害防止協定を事業者の協会と村が締結をしている。それに県の担当部長が立会人という形で三者協定を結んで操業を開始したという経緯がございます。御指摘のとおりです。
 今回、協会が滝沢村に新たに協議をしておりますのは、これの変更ではなくて、それはそれといたしまして、全く新しいものを、研究用のものを、医療系というものを前には処理するのだという協定なわけですが、医療系のものではなくて、研究所から出たものを新たに持ち込みたいと、処理をしたいということで、変更ではなくて新しい提案だと理解してございます。この提案につきまして、県議会の皆様方に御報告を今までたしかしておらないわけでございます。ただ、きょうの議論といいますか御質問等もございました。必要があれば、皆様方に御報告をできる方途を今これから考えてみたいと思います。

〇副議長(菊池勲君) 必要があらばではなくて、必要だから今質問しているわけだから、やる気があるのかどうか。どうなんですか、その点は。

〇環境生活部長(中村世紀君) 私どもが承知しております情報につきまして、県議会の皆様に御報告できるように、その方法について検討してみたいと思います。

〇教育長(佐藤勝君) ただいまお話があったように、学習定着度状況調査、あるいはことしといいますか明年度進めようとしている4県合同の学力テストについては、現場でいろんな声があるということは私も承知いたしております。何事もそうでございますが、現場と一体となって進める施策の展開に当たりましては、現場の声を十分聞いて、あるいは教育委員会におきましても十分説明責任を果たしながら、意見を聞きながらやっていくということにしたいと思っております。


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