平成16年2月定例会 第6回岩手県議会定例会 会議録

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〇30番(及川幸子君) 民主・県民会議の及川幸子でございます。
 このたびは、特に地元に大きな難題を抱えていることから、同僚議員の御配慮によりまして6回目の登壇の機会をいただきました。心から感謝申し上げます。
 質問に先立ちまして、私たち会派の重鎮であり、また、よき先輩として多くの御指導を賜りました及川幸郎先生に哀悼の誠をささげ、通告に従い質問してまいります。
 まず初めに、平成16年度当初予算編成に係る知事の基本姿勢についてお伺いいたします。
 このたびの平成16年度政府予算案を見ますと、福祉面で国民にとり暮らしにマイナスになる部分が多く見受けられ、弱い立場の人たちに余り日の当たらぬ編成がなされるとともに、国から地方への補助金1兆円、地方交付税1兆1、800億円の削減となり、大変厳しい予算案となっております。国債残高約483兆円は、国民1人当たり約378万円にもなります。一方、県当初予算案を見ますと、総額7、798億円余は前年度比6.1%減少し、県債残高は1兆4、044億円と過去最高を記録し、県民1人当たり99万6、000円の借金を抱えることとなります。我が家であれば、現在10人家族でございますので、国の借金3、780万円、県の借金996万円で、国と県の借金をあわせて何と4、776万円となり、我が家は恐らく田畑を売り、家屋を手放し、10人家族がばらばらになる生活を強いられるに違いありません。今回の三位一体の改革により、地方の財政が逼迫する中で、この危機を救うため国に対し国庫補助負担金の廃止・縮減や、地方交付税の削減に見合うだけの地方への税源移譲を強く要望していくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 国の施策ではかなりの福祉分野の補助・負担金の削減がありましたが、県においては雇用、福祉、環境保全に重点を置き、それなりの予算措置をなされたことに対し評価をいたします。知事は、平成15年度から18年度までの4年間で約1、750億円の財源不足が見込まれ、極めて厳しい財政状況にあることから、昨年10月に策定した行財政構造改革プログラムに基づき、各種の歳出削減策と歳入確保策に努めると述べられております。県はプログラムに基づき、県出資法人にメスを入れ、県住宅供給公社など、6法人の廃止を含む岩手県出資等法人改革推進プランを策定したところですが、経営に問題を抱えている法人や県が財政面で支援を行っている法人に対し、具体的にどのように指導を行おうとしているのかお伺いいたします。また、見直しにより県財政に与える影響はどうなのか、あわせてお伺いいたします。
 一方、構造改革が求められている建設業については、農業、福祉、環境など新たな分野への進出を支援し、雇用の確保に努めるとしております。しかし、建設業に従事していた方々がすんなりとそれらの分野に就職ができ、収入の確保が可能なのでしょうか。
 知事は、昨年、平成16年度までに公共事業費を30%削減し、約4、000人の雇用が失われる政策を打ち出されたところですが、実際、昨年から相次ぐ建設業者の倒産による雇用対策で、地元では頭を痛めております。次はどこそこが倒産するのでは、いや、自分のところも生き残りは難しいと悲惨な声だけが聞こえてまいります。知事、その声が聞こえてきませんか。
 知事が削減を打ち出してから今まで、建設業従事者の職種転換はどの程度行われたのでしょうか。また、これらの人たちは新たな職種で従前と同程度の収入を得ているのでしょうか、お伺いいたします。
 国の公共事業だからといって指を加えて見過ごすことなく、見たことも聞いたこともないダンプが何台も何台も重荷を運び、私たちの大切な生活道路を傷めつけるのではなく、地元でできる仕事は地元の業者さんが請け負えるよう、地域が潤う業種の展開、国の発注工事においても地元業者を積極的に活用するよう、国に求めていくべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 寸断された道路、危険な箇所、地方は生活基盤整備がまだまだ行き届かぬ実情です。公共事業削減は中央に向けた施策であります。公共事業の事業量確保について、あわせて知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、食の安全・安心についてお伺いいたします。
 毎日の食卓に並ぶ品々に、私たちは何の疑問も抱くことなく、きょうも3度の食事を終えたことに感謝しつつ暮らしてきたのであります。しかし、その食の安全が根本から崩れ去り、買い物に足を運び品物を手にとるたびに、これ大丈夫、生産地はどこと、気遣いの毎日に変わってきました。安全で安心して提供されるはずの農畜産物に、一体何が起こってしまったのでしょうか。米国で牛海綿状脳症いわゆるBSEに感染した牛が発見され、次いでアジアでは鳥インフルエンザが蔓延し、強い感染力で人へも感染、被害は人々の命をも奪ってしまいました。格安の牛丼チェーン店は材料不足で四苦八苦、すべての店から安さで愛された牛丼が消え去りました。この問題が起きて、世の人々はこれほどまで我が国は輸入に頼っていたのかと、驚きの色を隠せないでおります。食料の60%を輸入に頼る我が国は、安全・安心な食品を求めるために、日本農業のあるべき姿を見直さなければならないときを迎えたのではないでしょうか。
 このたび、策定された県食の安全・安心アクションプランでは、今後、岩手県として食の安全・安心を消費者に対してどのように周知させ、また、生産、流通、出荷までの安全対策をどのように指導、徹底していくのかお伺いいたします。
 また、以前の私の一般質問において、残留農薬ホウレンソウ問題で原因となった、中国を含め輸入農畜産物が県内にどれだけあるのか伺ったところ、大手スーパーの取引は把握できないとの答弁であり、今後できるだけ県内の状況を把握していくと述べられておりましたが、その後どうなっているのでしょうか、お示しください。
 輸入農畜産物に限らず、最近、山口県、大分県でも鳥インフルエンザが確認され、ますます食に対する安全性が求められております。情報公開を徹底し、危険性の疑いのあるものについては、原因究明、流通出荷のストップなど早急な対応を望みますが、やはり地元農産物を、いつでも、どこでも、安心して求められる仕組みづくりが必要であることから、地産地消の取組状況と学校給食への地元農産物の利用状況をお示しください。
 次に、米改革についてですが、本年から消費者、市場重視の需要に見合った米づくりを基本とする米の政策改革がスタートします。30年も続いた減反政策が変わり、みずからの責任で生産・流通を守っていくことは自己決定も強いられ、良質米だけが流通市場に並べられ、売れない米づくりはもうやめるべきですよとささやかれているようだと、将来の米づくりに不安を抱いている農家の方々もいらっしゃいます。中山間地域の米づくりも今後は難しく、小規模農家にとって米の政策改革が、果たしていい方向へ展望が開けるのかということであります。
 そこでお伺いいたしますが、全国に誇れる岩手県産米9年連続特Aのひとめぼれの消費拡大に向けた外食産業への積極的働きかけなど、流通販路拡大と今後の生産拡大についての御所見をお伺いいたします。
 基幹産業である農業をもう一度岩手の大地に呼び起こし、規模は小さくとも意欲のある農家の営農が継続できる足腰の強い岩手らしさのある農業の確立を求めるものであります。
 次に、福祉施策の充実についてお伺いいたします。
 先日、私のところへ1通の手紙が届きました。その方は年齢70歳で、奥さんと2人暮らしで、腎臓病で透析を余儀なくされて治療中であります。国民年金月13万円の収入で、透析中の治療、食事代と月13回の通院のための交通費とで2万1、000円の支出となり、苦しい生活を強いられていることを訴えてきました。このたび打ち出された県単独医療費助成制度の見直しにより、ことし10月1日から透析医療費も一部負担が生じるため、現況でも苦しいのにさらに負担が増すことから、助けを求めてきたのです。透析の患者さんなど、重度心身障害者を含む県単医療費助成制度の見直しの内容についてお示しください。また、このような県内重度心身障害者の方から寄せられている声にどのように対応するのか、お示しください。
 次に、痴呆性高齢者への取り組みについてお伺いいたします。
 今、県内の痴呆性高齢者の数はおおよそ3万人と言われ、高齢化の進展に伴い、深刻な問題となっております。ほとんどが家族の負担としてのしかかり、しまいには家族のだれかが体調を崩してしまい施設に助けを求めますが、実際施設の受け入れも満員状態であり、順番待ちとなることが多いようであります。居宅にいる要介護認定者のおおよそ3人に1人が痴呆がある高齢者と言われる中で、何とか高齢者が安心して暮らせるように、いえ、高齢者を持つ家族にとっても安心して暮らせるような地域社会づくりを強く望むものですが、痴呆性高齢者の現状と対応策をお示しください。また、痴呆性高齢者同士が暮らすグループホームの推進状況と今後の方策をお示しください。
 次に、児童虐待についてお伺いいたします。
 目に入れても痛くないほどかわいい我が子、赤ん坊を抱くとき、映る瞳のまじりのない美しさに愛らしさを覚え、母であること、父であることを誇ってきたはずでした。しかし、1月26日の報道は余りにも無残な、余りにも悲しい衝撃的な事件でした。その見出しは、中3長男餓死寸前、食事を与えず放置。実の父と同居中の女を写真で見て、この2人は人間なのかと強い憤りを感じたのです。今なお意識が戻らず昏睡状態の少年に、頑張って生きてほしい、枕元に本当の優しいお母さんがいるんだよと願わずにはいられません。中学3年といえば善悪の判断もつき、人に対する考え方、感情も培われているはずです。どんなにひどい仕打ちをされても、実の父に対する愛情があったのでしょう。こんなことが二度と繰り返されてはいけないのに、次から次へと子供に対する虐待はふえ続けます。
 私の気持ちがおさまらない2月19日、また盛岡で23歳の父親が4カ月の我が子を殴り殺してしまう事件が起きました。泣きやまない、ぐずぐずするのでいらいらしてやったと供述していますが、一体この世はどうなったのでしょうか。早急な対応策を講じていかないと、頭にきた、いらいらする、そのとばっちりが幼子の命を奪ってしまいます。
 そこで、子育てのわからないお母さん、お父さんへの支援、助言、児童相談所の対応、不登校児童の原因・対応策など、県においてももう一度子育て支援策の強化に取り組む必要があると思われますが、改善すべき点、今後の対応策をお示しください。また、県内での児童虐待の発生状況とその対応はどうだったでしょうか、お伺いいたします。
 次に、資源循環型社会への取り組みについてお伺いいたします。
   〔副議長退席、議長着席〕
 今、まさに環境の保全が求められており、地球温暖化の防止、新エネルギー利用拡大など、さまざまな取り組みが進められてきております。岩手県は約77%を森林が占めているものの、木材の利用率は昭和55年ごろの半分に減少しており、北海道に次ぐ森林資源量を有する本県も、木質バイオマスエネルギーの導入を推進しているところであります。さきに行われた木質バイオマスサミットinいわては、盛岡を会場に増田知事を初め全国からも多くの方々をお迎えし、また、木質バイオマス利用の先進国スウェーデンからも関係者の参加を得て、環境を守る新エネルギーの導入のあり方が話し合われ、私も参加してまいりました。
 そこでお伺いいたしますが、県におけるペレットストーブ、ペレットボイラーの今後の普及に向けた取り組み、また、葛巻町、住田町2カ所でペレットが十分生産可能であるのかお伺いいたします。
 既に民間でもストーブを購入し利用している状況を聞くとき、問題となるのがストーブの価格、燃料の価格であります。導入促進を図るため一番の問題となるストーブの価格の見通しはどうなのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、教育問題についてお伺いいたします。
 一人一人の生徒に行き届いた教育を進めるため、30人学級の早期実現を求め、各地から多くの署名が届いております。学力の低下が取りざたされている本県にとっても、30人学級の早期取り組みが必要と考えます。30人学級を実施している山形、青森、秋田では、勉強が楽しくなった、学力が向上したなどと、成績向上につながっている発表がなされております。それぞれの子供たちの個性を引き伸ばし、つぼみだった芽を開かせるのも、先生方の強い指導力であります。少人数学級を取り入れた結果、欠席の平均日数が非常に少なくなったことなどから、学校が楽しい場所として学習にも意欲が出て不登校も減少した結果が出ております。本県では、少人数指導を行うすこやかサポート推進事業も進めておりますが、非常勤講師の配置状況とその成果についてお伺いいたします。
 また、財政状況が大変難しい中で、研究指定校としての少人数学級の実施がなされることを伺い、一歩前進であると関係者一同、大変喜んでいるところでございます。ついては、来年度の実施計画と指定校以外の残る30人を超える学級数はどの程度になるのか、それらの学級についてはすこやかサポートで対応なさるのか、お伺いいたします。
 次に、高校再編整備計画後期プランについてお伺いいたします。
 1月16日、突然4分校の廃止が打ち出され、また、生徒数が1学年、2学級80人に満たない小規模校を統合する計画が発表されました。前期の計画が来年度で最終となりますが、まだ地域からの不満の声が聞かれている中で、後期プランは対象地域にとってますます深刻な問題であります。都市部であれ、過疎地であれ、通える範囲の教育の場があるべきであります。そこには、決して利を追求しない学びの心があってしかるべきです。経済の低迷で職を失った親、しかしながら、何とか子供には高校だけは通わせたいと思う親心であります。分校からも、小規模高校からもたくましく社会の地を踏みしめて活躍している人たちが大勢いることを忘れないでください。高校の空き教室が生じたら、行政と連携して高齢者の集える場の提供、保育所の併設など、何とか策を講じることも考えられるのではないでしょうか。高校再編計画に対する地域住民の声を聞き柔軟な対応をするよう、教育長の前向きな答弁をお願いいたします。
 次に、一般県道佐倉河真城線関谷地区道路改築事業についてお伺いいたします。
 この地区にある通称釜石陸橋は、昭和33年完成、45年を経た今も地域の人々の生活道路として利用されております。老朽化に伴い、かけかえ工事が始まる本年9月から2年間、通行どめが打ち出され、地元住民の方々から不満の声が寄せられております。不満の声を受けて、早速住民説明会を1月26日に開催していただき、迅速な対応に感謝申し上げますが、まだ納得のいかない点をお伺いいたします。
 まず、2年間という期間は現在の進んだ工法から見て長過ぎるのではないか。JR線が走っているとはいえ、夜中2時間だけの工事しかできないのか。また、施行主は県であるのに、JRにもっと協議できないかなどと、疑問の声が上がっております。また、商売を営む側にすれば、2年間の通行どめは死活問題であるとの声も寄せられております。今後のJRとの協議、地元住民への説明会の計画をお示しください。
 また、陸橋工事中の片側通行を望むものですが、御所見をお聞かせください。地域周辺のみならず、多くの人たちが2年間通行どめの期限短縮を願い、新橋の完成を待つものであります。
 次に、ジャスコ水沢店撤退の問題についてお伺いいたします。
 水沢の中心部にあります大型商業ビル・メープルから売り場面積の約3分の2を占めている核となるテナントが抜ける話で、地元ではますますまちの空洞化が進むと、真剣に先行きを心配しているところであります。撤退の申し入れがジャスコ側より6月27付であったことから、市当局初めメープルを管理する側でも、今後商業施設として空き店舗になることだけは避けたいと必死な思いであります。水沢駅前にあったダイエー水沢店も平成10年に撤退しており、地域の人たちから買い物をする場所がなくなったと苦情が聞かれておりました。車社会とはいえ、高齢者の方々、まちの中に住居を構えている多くの人たちは、ジャスコの撤退に、買い物に行く場所がどんどんまちから消えてしまうことにショックを隠せない状況です。しかし、大手スーパーは市街地から郊外へと出店を計画し、既に営業している駐車スペースの広大なジャスコ前沢店や、金ケ崎町へもことしじゅうにイオンの出店が実現するようであります。この現況を踏まえて、既存の施設の活用が図られるときが来たのではないかと思います。
 去る2月12日、会派の行政視察で郡山市駅西口開発ビル・ビックアイを訪れました。国、県、市の複合的整備がなされたその施設は、市民のニーズにこたえ、1カ所ですべての用事が済むように、住民票や証明書等が土日も可能な市民サービスセンターから市民ふれあいプラザ、定時制・通信制の県立高校、もちろん商業施設等もあり、利便性の向上につながる施設として訪れる人が多くなり、駅前通行量もふえたとの報告がなされました。高齢者も市内のあちらこちらからとビルを訪れ、その日も高齢者大学で過ごす姿も多く見られました。売り場面積の3分の1を占めるテナントの営業の危機が迫っているメープルにとっても、商業の火が消えないよう、一日も早く新たな施策を打ち出し、活用策を生み出してほしいという市民の多くの声が寄せられております。
 知事の演述で、構造改革の取り組みがなされようとしている中で、これからは住民に一番身近な基礎的自治体である市町村に、福祉や教育、まちづくりなど住民の生活に係る権限を可能な限り移譲することが必要となると述べております。まさにそのとおりだと思います。県は、水沢中心街のまちづくりを国の制度活用への支援も含め、今後どのように指導、助言なさろうとしているのかお伺いいたします。
 次に、県競馬組合の存廃問題についてお伺いいたします。
 去る2月7日、紙面から飛び込んできた大きな活字に愕然としたのは私だけだったでしょうか。いえ、岩手競馬に従事している多くの人たち、岩手競馬設立の際に携わった関係者、昭和39年岩手競馬として誕生以来、馬事文化水沢として愛着を抱いてきた多くの住民は、信じがたいその活字、岩手競馬廃止の方向の記事を決して受け入れなかったはずです。存続か廃止かを検討する岩手競馬のあり方懇談会で論議が交わされてきたところであり、存続か廃止かの方向の最終報告書のまとめを3月中旬に打ち出すとのことですが、100年も続いた岩手競馬が今消え去ろうとすることに、果たして県民が納得すると言えるでしょうか。
 平成12年度からの単年度赤字の連続は、馬券収入の落ち込みと新競馬場建設の借金返済によるものであり、新競馬場建設が余りにずさんな計画でなかったのかと疑問に思うところですが、どのような見通しのもとに建設が決定されたのかお伺いいたします。
 入場者数は、一昨年までは増加傾向をたどり約242万人に達し、いかに人々が日々の生活に健全な娯楽として競馬を求めているのかがうかがえるところであります。しかし、世の中の経済低迷の結果、1人当たりの馬券購入額は、平成3年の4万5、000円台から10年後の平成13年には1万7、000円台、昨年は一挙に下がり1万2、000円台と落ち込んでおります。他のレジャー産業もこの不況風に押し流されているのですから、競馬に限ってのみ論じられることはおかしい話です。昨年の売り上げ約367億円は、平成3年のピーク時と比較し半分までの落ち込みであると言われております。組合として売り上げが半分まで落ち込むまでの間、どんな対策をとられ、どの部分を削減し改善を図ろうとしてきたのでしょうか、お伺いいたします。
 テレトラックを初めとして各地に建設した施設を見るとき、県民の多くは、岩手競馬の躍進ぶりを目の当たりにしたはずです。しかし、それとは逆に、盛岡競馬場建設当初計画約208億円から、普通では考えられないような2倍近くに膨らんだ400億円という建設費の元利償還が重くのしかかっていたのが、今に来て存続か廃止かと論じられているのではないのですか。水沢競馬場は、地域の人々の絶大な協力を得て、今の北上川流域の野菜の良好な栽培地、草井沼に移転建設を見たのです。北上川の景観、交通の利便さが受けて、水沢競馬場は近隣市町村、県外の競馬ファンを魅了し、入場者数の落ち込みはなかったはずなのです。立地条件の悪い盛岡競馬場の負担を1、000人とも言われる水沢競馬関係者に覆いかぶせ、それが県民の方を向いた施策と言えるのでしょうか。水沢以外からも今は若い人を含め、4割が従事しております。関連業者を含め、盛岡、水沢あわせて従業員2、800余名の人たちの雇用を一体どうするというのでしょうか。
 水沢競馬場建設に当たり、駐車場については地域住民の多大な協力で農地を提供したり、庭先を広げ駐車場として提供してきた方がいっぱいおります。地権者への現状説明も十分でないまま進められてきたことに、私は憤りを感じます。今後、競馬ファンの期待を多く集めるレースの展開、そして組合役員人事の見直し、むだな投資削減など大幅改善策を打ち出すべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。
 あわせて、県、盛岡市、水沢市の構成団体は、組合とどれだけの協議をしてきたのでしょうか。存続のため、より一層の関係団体同士の協議を望むものですが、いかがでしょうか。
 デビュー以来104連敗のハルウララ、3月22日、武豊騎手を背に、全国の人々を勇気づけるレースが展開されます。負けても、負けても走る続ける姿に、人々は今の世相をはねのけるばねをもらったはずです。
 岩手競馬の存続に向け、明るい展望が見えることを切に願い、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 及川幸子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、三位一体改革の税源移譲の関係でございます。
 この税源移譲は、今回は大変不十分なものであることは、今、議員が御指摘のとおりでございまして、私もこの点については、しっかりと意見を申し上げていかなければならない。そして、知事会や関係するさまざまな団体と力を合わせて、今後より一層政府や関係者に積極的に働きかけていきたいと思っております。この三位一体改革の内容、改めて繰り返し申し上げるまでもなく、地方の自由度の拡大につながっていないという大変な問題点がございますので、こうしたことも含めて強くこの税源移譲を要望していきたいと考えております。
 それから次に、建設業の関係でございます。この建設業従事者の職種転換について今お尋ねがございましたが、私が昨年マニフェストで公共事業の削減を申し上げたわけでございますが、平成15年度――今年度の数字については、4月から12月までの間の数字でございますけれども、岩手労働局の調べによりますと、この間で建設業の離職者数は544人ということになっております。これは全離職者数の20.4%という数字でございます。
 それから、この離職した人たちがどのように次の職についているか。職種転換については、これは別の資料でございますが、昨年5月に、これは建設業協会ですか、こちらの方で実施をした建設業雇用状況アンケート調査、この資料がございまして、これによりますと離職者のうち建設業への再就職者――これは恐らく他の建設業の方に移ったのだと思いますが――が29%、それから農業初め、その他の新たな業種についたというのが27%、それから離職者のうち未就業者が44%という数字になっております。なお、この離職者のうち36%が60歳以上ということになっておりますので、この未就業者――クロス集計になっていないんですけれども――という中には、高齢ということで職につかないという人も含まれているものと思われます。
 それから、こうした職種転換に伴う収入状況についてお尋ねがございましたけれども、収入状況については、離職後の個人あるいは再就職先の事業所等の情報にかかわる内容ということになりますので、その情報の入手が今できておりません。再就職先の事業所等の情報にかかわる内容ということで、この情報の入手が非常に難しくて、どの程度の収入を得ているかというのが現在把握できておりませんので、これは建設業協会の方で設けております経営支援センターで現在アンケート調査を実施しておりまして、そちらの方で建設業従事者の世帯における建設業と兼業職種との間の労働配分や所得割合の状況等を実施しておりますので、そちらの調査結果なども踏まえて、国、そして建設業団体等関係機関と連携して、この建設業からの他分野への進出に対して、より生活者の視点に立った効果的な支援策を検討していきたいと考えております。
 それから、発注の関係でございますが、国の発注の工事での地元業者の積極的な活用でございますけれども、これは当然そのようにしていくべきものと考えておりまして、既に今までも国等と中小企業の受注機会の確保対策についてということで意見交換をし、そしてそのようなことを申し上げているところでございますが、今後も国との意見交換の場でございます建設事業連絡協議会――建連協でございますが、ここでの場をとらえて県内建設業者の受注機会の増大を強く要請していきたいと考えております。
 それから、事業量の確保の方でございますが、この事業量の確保に当たっての考え方は、当然真に必要な社会資本を着実に提供していかなければならないという立場に私どもも立っております。一方で財政状況が厳しいということもございますので、社会資本整備のために大幅な事業量を確保することは、これは非常に厳しい。従来よりは減ることは減るわけでございますが、確保すべきは確保するということで当たっていきたいと考えております。当然、そうした上で事業のより一層の選択集中による重点化で、最小限の経費で最大限の効果が図られるように努めてまいりたいと考えております。
 次に、食の安全・安心についてのお尋ねでございますが、先般、アクションプランを定めまして、平成18年度までの総合的な取り組みを示した行動計画を策定し、お示しをしたところでございます。この消費者に周知する取り組みについては、食品の検査結果の公表や危害情報の提供、さらには、食に関するシンポジウムの開催などを行っていきたい。
 それから、安全対策については、生産面では、安全な食品生産を推進、そして流通面では、食品の安全性についての検査、監視指導強化、こういう考え方に立って、具体的には食品検査の検査件数を大幅にふやしたり、それから農薬などの生産資材の適正な管理、販売、使用の指導をしたり、それから最近大変ないろんな問題が起きておりますので、と畜検査や食鳥検査の一層の徹底などに積極的に取り組んでいきたいと思います。
 また、これは最低限の安全対策だと思いますが、さらにそうしたことを踏まえて安心感を醸成していかなければいけませんので、消費者みずからが参加する食品表示ウォッチャー制度を充実いたしました。平成14年までは58人だったのですが、来年度――16年度からこれを倍増にしまして100人にいたしましたので、こうしたウォッチャーの皆さん方からも随時情報をいただくということで、真に消費者から理解され信頼される本県の食を確立していきたいと考えております。
 最後に、岩手競馬の問題についてお話がございました。まず、新競馬場建設に当たっての経営の見通しがしっかりしていたのかどうかということでございますが、この盛岡の新しい競馬場の建設を決定したのは、調べますと昭和62年度でございます。昭和62年度に決定をしたものでございまして、これは旧競馬場、緑が丘にございましたが、周辺の交通問題や生活公害問題、施設改善の限界といったようなことがあって、当時移転する必要があったと判断をしたものでございます。そして、その後、まだ完成する前の段階で財政見通しなども変えているようでございますが、完成前の平成7年度に作成した財政見通しが、でき上がる前の最新のものでございますが、そこでは完成した後の発売金額を安定的に715億円と見込んでいて、そしてこの建設された競馬場の、これは当然公債を発行して建てているわけですが、それを十分に償還できると見込んでいたものと考えております。実際のところ、先ほど議員からもお話しございましたとおり、平成15年度の実績は、発売額が367億円ということで半分近くまで落ち込んでおります。この乖離が今申し上げていますような問題に至っているということかと思います。
 では、その間、組合の方で改善策をどのように講じてきたのかということでございますが、まず、平成8年に競馬場がオープンをいたしておりますけれども、その翌年の平成9年度に岩手競馬経営改善5カ年計画というものをつくっておりまして、その中で出走頭数の充実、それから全国での交流競争の開催、それから専用の場外発売所、いわゆるテレトラックですが、こうしたものを設置して売上拡大に取り組もうと、このような主な内容とする経営改善5カ年計画を平成9年度につくりまして、それによって収入の増をもくろんだところでございます。しかし、その思うとおりの売上拡大策につながっていきませんので、さらに、初めて歳入不足額が生じた平成12年度に岩手競馬運営改善委員会、これは外部の皆さん方が委員になっておりますけれども、専門の皆さん方が委員になって、それでつくりましたこの運営改善委員会から報告をいただいて、平成15年度を目標とするみちのくレース岩手競馬改善計画というものをつくりまして、そこで経費の削減と売上増収策に取り組んできたところでございます。
 その主な内容でございますが、これは企業会計方式を導入してもっとしっかりとした財務分析をやるといったような、そういう内部管理的な問題でございますとか、それからITを活用した県外でのテレトラックの新設や、それから遠く九州地区の佐賀・荒尾両競馬との連携による広域間の受委託販売の実施、それによって増収策を図る。それから、近くでは山形の上山競馬がございます。そのほか、特に地方競馬の中では一番格の上のJBC競争でございますが、これを持ってきてそれで売上増を図る。これは平成14年度に盛岡で実施されたものでございますが、そうしたことを内容とする競馬改善計画というものをつくったところでございます。
 14年度までは、御承知のとおり入場者数が右肩上がりでずっとふえてきております。ですから、そうした改善策をつくりましてそれで努力をしてきたことも、そういった入場者数の増につながってきた部分が当然あったと思っておりますが、いかんせん1人当たりの勝ち馬投票券の購入金額が、先ほど議員がお話しございましたとおり4分の1まで減ってしまっている。これは当然レースの内容に起因する問題もあるかもしれませんし、もっと大きくは恐らく景気の問題等もあるのだろうと思いますけれども、そうしたことが大きく影響して売り上げが極端に落ち込んでいるということがございまして、こうした改善策によっても収入増につながらなかったということ、結果としてはそのような事態になっているということでございます。
 そこで、今お話しございましたとおり、この岩手競馬については先ほどお話しございましたとおり、従業員の皆さん方、調教師、騎手、厩務員を初め、直接、間接に実に多くの皆さん方が携わっている。また、今、水沢に多くの馬がおりますので、それをレースにて盛岡開催のときは輸送したりということもございます。実に多くの関連会社や輸送業といったものもございますので、これは県経済全体に及ぼす影響も実に大きいものがあると考えております。
 このことも十分に踏まえながら、この岩手競馬の問題を考えていかなければならないと思っているところでございまして、先ほどお話しございましたとおり、さらにもっと魅力を高めるようなレースの展開、それから組合の役員人事の話、それからむだな投資削減、そして大幅な改善策を打ち出すべきということもございましたけれども、あのお話のとおりでございまして、この岩手競馬、ことしの4月から――再来月からは来年度のレースでございますが――レースが始まるわけでございますので、またしっかりとした、ファンの皆さん方に支持されるようなレースをそこで打ち出して、そして多くの皆様方から支持されるような、そういう岩手競馬にしなければいけない。魅力あるレースづくりをして、ことしの4月から皆さん方に提供しなければいけないと思っています。今、4月からの開催に向けて組合の方でも他の競馬主催者との交流レース等の充実ですとか、それからテレビ局や公共団体等との共催イベントなども開催をして、全体としての売り上げの増大を図るというようなことで、今、組合も検討しているわけでございますが、そうしたことをこれからも検討していかなければならないと思っているところでございます。
 これまでも盛岡市、それから水沢市とも随時協議をして、そして岩手競馬の厳しい経営状況の中で、この岩手競馬の問題を協議してきたわけでございますが、当然これからもこうした構成団体との十分な協議をしていかなければならないと思っているところでございます。この問題については大変大きな問題でございまして、昨日も答弁をさせていただきましたけれども、今、あり方懇談会のところで議論が重ねられておりますので、そこでの答申を当然踏まえなければいけないと思いますが、一方で競馬法の改正が行われるということで、その中にも大きな改正項目が入っておりますので、そうした競馬法の改正ということも十分に検討して、その上で最終的には構成団体としての判断をしていきたいと考えているところでございます。
 その他のお尋ねは、関係部長に答弁をさせますので、御了承をお願いいたします。
   〔総務部長時澤忠君登壇〕

〇総務部長(時澤忠君) 県出資法人等の見直しについてでございます。
 まず、法人等の指導につきまして、これは経営上問題を抱えております法人につきましては、事業の徹底した見直しを行いまして、経営改善計画を策定し、早急に経営の改善に取り組むことといたしております。また、県が財政面での支援を行っている法人につきましては、法人の自立という観点から、県からの補助金などの財政的な支援は、廃止を前提といたしまして、その必要性、効果などにつきまして徹底した見直しを行い、支援が必要な場合でも、その限界点を明確にした上で、支援の廃止に向けて経営改善に取り組むということといたしております。また、これまで県の施策における法人の位置づけが必ずしも明確でなかったという点もございまして、今後、すべての法人を対象にいたしまして県の施策推進における法人の位置づけというものを明確にする。そして、具体的な経営に関する目標の設定をいたしまして、その成果をまた検証するという新たな運営評価制度を構築いたしまして、法人の使命達成と経営の自立化が図られるように取り組んでいくことといたしております。
 法人の見直しによります県財政に与える影響等につきましては、法人の解散によります出資金の返還等につきましては法人を清算した時点での算出となるということ、あるいはその財団法人に対する出捐の場合は性格上寄附でございまして、県に当然に返還されるものではないというような事情もございまして、現時点で、どの程度の影響があるかということを具体的に見通すことは困難なものということでございます。
 今回の見直しは、直接的には財源対策というものに結びつくというものではなくて、官民の役割分担あるいは県の関与のあり方などを見直す中で、あくまで将来にわたって県民の負担が増すことのないように、先送りすることなく法人のあり方についての検討に取り組んでいくために行うというようなものを目的としているものでございます。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) まず、県内での輸入農畜産物の販売状況についてでありますが、公となっております資料がありませんので、野菜につきましては、昨年、県内大手2業者、34店舗の御協力をいただきまして、県産野菜の収穫期である7月から9月の3カ月間における輸入品の取扱実績を、県内で生産される主要9品目について取りまとめていただいたところでございますが、中国産ネギが全取扱量の2.1%ということで、少量ではございますがそういう販売状況になっておりました。
 それから、畜産物の輸入品の割合につきましては、大手量販の4業者から昨年1年間に取り扱った実績を調査したところでございますが、牛肉では3割から6割までとなっておりましたし、一方、豚肉と鶏肉につきましては、輸入品が3割程度から、ほとんど国産品で占められている業者まで、畜産物については大きな開きがございました。このような実態を踏まえまして、より多くの販売店で地産地消に取り組んでいただけるよう、さらに働きかけてまいりたいと思っております。
 それから、地産地消の取組状況と学校給食での地域食材の利用状況についてでございますが、県では、地産地消を推進するため、地場流通の仕組みづくりに向けた話し合いの場の設定、地場供給のための生産体制づくり、地元食材を利用した学校給食への提供などを支援してきたところでございます。幾つか例を挙げさせていただきますと、量販店の店内に生産者が運営する産直のコーナーの常設、これは水沢市でございますし、それから農協と学校給食施設との間で地場食材供給の覚書を締結したと、これは矢巾町でございます。それから、毎月12日の豆腐の日の給食ということを設けている、これは盛岡市でございますが、こういう形で、県内各地域で関係者間の連携による地場流通の具体的な取り組みが見られ、地産地消が着実に広がりつつあるものと思っております。特にも、学校給食における県産農林水産物の利用割合は、地産地消運動を始める前であります平成11年度の県平均30%から、14年度には約50%と大きく伸びているところでございます。
 次に、ひとめぼれの販路拡大と今後の米生産についてでありますが、米の総消費量が減少している中で、需要が安定している外食産業への販売拡大を図る必要があると考えております。外食産業におきましては、差別化されたこだわり商品を求める傾向にありますので、農業団体等と連携して、特別栽培米の拡大でございますとか、栽培履歴の全戸記帳などに重点的に取り組みまして、安全・安心で、生産者の顔が見える産地として、外食産業に対する売り込みを強化してまいる考えでございます。
 また、米の生産につきましては、適地適品種の配置、土づくりによる生産の安定を基本に、今年度から、県南の地域でございますが、先導地域で取り組んでおります人工衛星画像を活用した刈り取り適期の判定でございますとか、施肥管理マニュアルを作成いたしまして、品質・食味の向上を図るなど、売れる米づくりを支援することとしております。
   〔保健福祉部長長山洋君登壇〕

〇保健福祉部長(長山洋君) まず、県単医療費助成の制度の見直しについてでありますが、受給者の増加あるいは国の制度の改革によりまして財政負担が年々増加しておりまして、数年後には30億円にも達する状況になっております。一方、市町村、団体等から乳幼児医療費助成事業の対象年齢の拡大等に対する強い要望もあります。今回の見直しは、こうした背景のもと、将来にわたってこの制度の維持、充実を図っていくという観点で進めたものでございます。
 制度の見直しの概要でございますけれども、まず、重度の知的障害者――療育手帳Aの所持者でございますけれども――この方々を受給対象に追加いたしました。約2、600人の方が手帳をお持ちです。次に、乳幼児の医療費助成については、外来も入院と同様に、これまで3歳まで対象でございましたけれども、就学前まで拡大いたしたいと思っております。そして、受給者の負担についてであります。これは患者さん、医療機関ごと、診療科ごと、入院の場合には1カ月につき5、000円の範囲で負担していただきます。外来の場合には1カ月につき1、500円の範囲内で負担をお願いするものであります。
 重度障害者の声ということでございますけれども、今回の見直しに当たりましては、障害者団体等との懇談あるいは意見交換会などを行いまして、その意見を聞いたところでございます。障害者団体の要望としましては、現状のままという声もありましたけれども、ある程度の負担はやむを得ないのではないかという声がございました。しかし、障害者年金だけが頼りの低所得者の高齢者など、負担が難しい方への十分な配慮を望む声、自己負担の額について上限の設定を望む声や、急激な負担増とならないような緩和措置を望む声などが主なものでありました。
 このような障害者団体の要望をできる限り取り入れまして、当初の案、つまり定率1割負担という考え方で設定したものでございましたが、これを見直しまして、無理なく負担ができるよう入院・外来の基準額を設定したものでございます。さらに、家計に与える影響を考慮し市町村民税非課税の方、また、少子化対策の観点から3歳未満の乳幼児につきましては、これまでどおり自己負担なしで全額給付するということでございます。この結果、制度全体でこうした全額給付の方の割合は46%と見込んでおります。
 次に、痴呆性高齢者の現状についてであります。
 本県における痴呆性の高齢者は、平成15年度で約3万3、000人と推計しております。うち、日常生活に支障があり、何らかの介護が必要な痴呆性高齢者は約1万1、000人と把握しておりまして、これらの方々は現在、福祉施設あるいは医療機関、在宅というところで介護サービスを受けながら対応しておられるということでございます。
 痴呆性高齢者事業についてでありますが、昨年策定いたしましたいわていきいきプラン2008に基づきまして、まず原因疾患であります脳卒中等の発症予防、このための検査あるいは教育、それから軽度の高齢者の方々あるいは家族を対象としました介護教室の開催、在宅介護支援センターでの相談の実施など、市町村の事業に対して取り組みを支援しております。また、市町村と連携しながら、家族介護負担の軽減にも大きな役割を持っておりますショートステイ、あるいはデイサービスなどの利用促進を図りますとともに、家庭的な環境の中、精神的にも安定した生活を送ることができ、痴呆性高齢者ケアに有効とされております高齢者グループホームについて、積極的に整備を促進してきたところでございます。このグループホームの推進状況は、ことし2月1日現在で、51事業所、定員540人となっておりまして、発足当時の12年に比べますと約8倍ほどふえているということでございます。
 今後でございますけれども、市町村の計画が基本になりますけれども、地域バランス等を考慮しながら、平成19年度までには定員が992人となるような目標を設定しまして、市町村の整備について支援をしてまいりたいと考えております。
 児童虐待防止についてでございます。
 児童虐待の発生状況でございますけれども、相談件数は、平成14年度では176件、平成15年度では1月末で155件、ほぼ横ばいの状況で推移しております。これらの対応としましては、施設入所あるいは福祉司等の指導助言といったことが行われております。
 改善すべき点、今後の対応ということでございますけれども、先般、県の児童虐待防止連絡会議というものを開催いたしまして、児童虐待の防止や早期発見について、関係者と協議をいたしました。なかなか家庭の中に入り込むのは難しいという環境にはございますけれども、子育て中の親同士の交流の場が必要である。あるいは身近なところで子育ての悩み、不安というものが相談できるような、市町村あるいは保育所等での機能の充実が必要である。それから、児童相談所はもちろんでありますけれども、学校、医療機関、保育所、民生・児童委員等の情報の共有化ということで、早期発見、早期対応ということが求められるということでございます。それから、NPOの法人でございますいわて子育てネット等、民間サークルの取り組みがかなり効果がある等の非常に多くの意見が出されました。
 子育ての支援につきましては、思春期のころ、あるいは妊産婦、子育て中の親など、それぞれのライフステージに応じまして、近隣の方々が相談できるような適切な環境づくりが大変重要であるということで認識が一致しました。
 今後でございますけれども、県では、子育てサークルあるいは地域子育て支援センター等の設置を促進したいと考えております。子育てサークルは現在164カ所ほど県内にございます。あるいは、子育て支援センターは37カ所になっております。16年度からは新たに空き店舗等を活用したつどいの広場、この事業を創設し、在宅の親子が自由に交流できるような場を整備、充実してまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長小原富彦君登壇〕

〇商工労働観光部長(小原富彦君) まず、ペレットストーブ、ペレットボイラーの普及に向けた取り組みについてでありますが、木質バイオマスエネルギー普及促進の一環として、県と民間企業が平成14年度に共同開発いたしましたいわて型ペレットストーブについては、業務用のストーブが今年度から量産が始まっており、また、これを小型化した家庭用ペレットストーブはことしの秋から発売予定となっております。県では、ペレットストーブの一層の普及を図るため、今年度、業務用のストーブを県の公共施設を中心に率先導入するとともに、家庭用の小型ペレットストーブについても試作機を公募モニターの方々に利用していただき、PRに努めているところであります。
 平成16年度においては、これらペレットストーブを小・中学校等、市町村の施設や一般家庭、レストラン等に設置する場合の経費に対して補助を行い、一層の普及に努めることとしております。また、ペレットボイラーは公共施設等の全館暖房に適した設備であり、これまで国の補助制度を活用して福祉施設や市町村の学校に導入を進めてきており、16年度においても市町村立の保育所に導入する計画であります。
 ペレットの生産についてでありますが、県では、平成18年度までに一般家庭や市町村の公共施設等に約2、000台のペレットストーブやペレットボイラー等を導入することを目指しております。その時点でのペレットの需要量は年間3、500トンと見込まれるところでありますが、県内のペレット生産の年間生産能力は、葛巻町、住田町2工場あわせて5、200トンであることから、当面の供給は可能であると考えております。
 また、ペレットストーブの価格の見通しについてでありますが、現在発売されておりますペレットストーブは、県内企業2社が製造販売しているほか、外国製のものもありまして価格には幅がございます。業務用のいわて型ペレットストーブは本体価格が40万円となっておりまして、また、家庭用ペレットストーブはことしの秋からですが、20万円から25万円程度で設計予定とメーカーから聞いているところであります。
 発売初期段階におけるペレットストーブの価格は、普及の拡大とそれに伴う量産化によって下がっていくと考えますので、県といたしましては、当面、助成制度により普及拡大を図ってまいりたいと考えております。
 次に、ジャスコ水沢店撤退問題についてでありますが、水沢市の大型商業ビルの利活用問題については、これまでもビルの所有者、水沢市、商工会議所等の関係機関において検討が重ねられてきたところであり、また、県といたしましても、水沢市を初めとする関係者からいろいろと相談、協議を受けて指導、助言を行ってきたところであります。こうした中で、課題として地域の消費者ニーズを踏まえた集客力のある店舗の導入や配置計画など、店舗構成の検討が十分でないこと、それから、この大型商業ビルの再生が水沢の中心市街地を活性化するためにどのような役割を担うかといったようなことが明確になっていないなどの課題が浮かび上がってきたところであります。こうした課題を解決するためには、地元水沢市を初め、事業実施主体、商工会議所、そしてTMO等の関係機関が一体となり、地域住民や商業者の声を踏まえながら、まちづくりの核としての商業施設のコンセプトを明確にした事業プランを早急に策定することが必要であります。
 県といたしましては、この事業プランの策定とその実現に向けた事業実施主体を初めとする地元関係者の取り組みに対しまして、国の助成制度の活用方法も含めまして事業が確実に進められるよう、積極的に助言を行ってまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長猪股純君登壇〕

〇県土整備部長(猪股純君) 通称釜石陸橋の施行についてでありますが、関谷地区の道路改築工事のうち跨線橋の部分、この釜石陸橋でございますが、これについては列車の安全運行の観点からJRに委託するということにしておりまして、この部分の施工方法をJRとも協議した結果、工事は列車運行の合間に行う必要があること、また、送電をとめる必要のある工事、これについては夜間の極めて限定された時間となるなどの作業時間の制約が示されました。また、車両の通行を確保しながらの施工方法には、作業スペースが狭いこと、工事期間が延びること、仮設工事が大規模になることなど厳しい状況が予想され、さらには迂回路があることから、全面通行どめによる工事の方法が適切であり、工事の施工には約2年間の期間が必要と考えたものであります。
 1月26日に行った地域への説明会では、工期の短縮、また、片側交互通行などいろいろな要望が出されたこともありまして、現在これらの要望も踏まえまして、できるだけ工事期間を短縮するための方策や、さらには片側交互通行の可能性も含めまして、JRとの協議の中で詳細な検討を行っているところであります。これらの状況については、改めて地元の方々へもお知らせすることとしており、また、今後の検討内容についても、適宜、状況を説明する予定にしております。
 県としては、これらの説明会を通じて、地元からの御理解と御協力をいただきながら事業を進めてまいりたいと考えております。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕

〇教育長(佐藤勝君) まず、すこやかサポート推進事業の非常勤講師配置状況とその成果についてでございますが、平成15年度、本年度の状況で申し上げますと、1学級の児童数が25人を超える多人数学級を有する学校の学級数に応じて、130校に160名の非常勤講師を配置いたしております。このすこやかサポートにおきましては、ことしの2月に行った調査によりますと、登校を渋る傾向にあった児童のうちの98%が、2学期には元気に学校に通うようになったり、また、入学当初落ち着きがなく立ち歩いていた児童のうち、95%がよく授業に集中するようになったなどの改善が見られたところであります。
 次に、研究指定校としての少人数学級の実施計画についてでありますが、各教育事務所で小・中学校各1校程度、県内では12の教育事務所がございますので、合計24校程度を原則2年間の研究指定を行い、少人数学級についても、この研究指定校方式によりまして学校の実態に応じた実践的な取り組みをし、研究をしていこうと考えております。
 次に、少人数学級指定校以外の30人超え学級数はどの程度か、それから、これらについてはすこやかサポートでも対応するのかというお尋ねでございますが、平成16年度の30人超えの学級数は、小学校は160校に1、100学級程度、これは全学校数、小学校453校ございますが、そのうち160校に1、100学級程度になります。それから、中学校では全中学校205校ございますが、そのうち140校に950学級程度、学級につきましては4月に入って確定するということで今ちょっと丸めてありますが、950学級程度が見込まれる状況にございます。
 明年度においても、30人超えの学級を有するすべての学校に国の少人数指導加配による常勤の教員、それからすこやかサポートの非常勤講師、それから学校いきいきプラン非常勤職員のいずれかを配置し、少人数指導がきめ細かに進められるように支援していきたい。これは平成15年度に比べまして88名ほど増員を予定いたしまして、トータルで688名になります。
 なお、すこやかサポートにつきましては、明年度におきましては、小学校2年生とそれから多人数を抱える複式学級にも拡大をさせて少人数教育のより一層の充実を目指したいと、こう考えております。
   

〇議長(藤原良信君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時41分 散 会


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