令和6年6月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇11番(村上貢一君) いわて県民クラブ・無所属の会の村上貢一です。今回、一般質問の機会を与えていただいた会派同僚の皆様、議員の皆様方に感謝申し上げます。通告のとおり順次質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 初めに、人口減少対策についてお伺いいたします。
 今月5日、厚生労働省が2023年の人口動態統計を公表いたしました。それによると、日本人の年間出生数は前年より5.6%減の72万7、277人。1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す合計特殊出生率は1.20で、2022年の1.26を下回り、出生数、出生率ともに8年連続で減少し、過去最低となりました。
 本県においても、2023年の合計特殊出生率は前年比0.05ポイント減の1.16で、過去最低を更新、出生数も前年から356人減の5、432人となり、出生率、出生数の減少に歯どめがかからない状況です。
 他方、民間組織人口戦略会議は、人口減少が加速する中、2020年から2050年までの30年間で全国1、729自治体の4割に当たる744自治体で、20歳から39歳の女性人口が50%以上減り、消滅する可能性があると報告され、本県においても26市町村が該当となりました。
 また、人口戦略会議中間報告として人口ビジョン2100を取りまとめ、定常化戦略と強靱化戦略の二つを提言しております。
 これらの戦略を政府や地方自治体、民間、さらに国民が、今後取り組むべき論点と示しております。
 そこで知事にお伺いいたします。人口動態統計値、また人口戦略会議の今回の報告レポート並びに人口ビジョン2100をどのように受けとめ、本県の施策にどのように反映させていくのか、御見解をお伺いいたします。
 次に、郷土愛、シビックプライドの醸成についてお伺いいたします。
 今回、改めて達増知事の就任1期目、平成19年6月定例会の知事演述を拝読させていただきました。一部を抜粋し紹介させていただきます。
 私は、これからの地域経営においては、市町村合併による基礎自治体の体質強化と同時に、県と市町村がこれまで以上に連携を推し進めることが必要であり、県と市町村は対等なパートナーとして、その果たすべき役割を再確認し、ともに住民と向き合うことが重要であると認識しております。
 そして、連携が進んだ県・市町村と県民の皆様が協働することによって、地域が有する潜在力を最大限に発揮させることになると信じております。
 昭和45年、私が物心つくころ、岩手国体が開催され、テレビからも、映画館でも岩手県民の歌が流れていました。
 この岩手県民の歌の最後には、「岩手、岩手、ふるさと岩手、大空に描く望みよ」と歌われております。この明るい歌詞やメロディーとともに、大人たちは力強くふるさと岩手の発展に邁進しており、周囲は希望にあふれ、私も確かな希望を抱くことができました。
 私がいただいた希望を、次の世代につないでいかなければなりません。……これからの任期4年間、岩手県知事として、県民の方々の先頭に立って、将来の岩手を担っていく子や孫の世代も、大空に希望を描けるような、金色に光り輝く岩手づくりに邁進してまいることをここに誓います。と述べられております。
 そこでお伺いいたします。岩手国体で達増少年が胸に希望を抱いたように、現在の子供たち、女性を初めとした若者にも、郷土愛の醸成、シビックプライドの醸成が人口減少対策の大きなポイントになるのではないでしょうか。郷土愛やシビックプライドを高めることは、人口流出を抑え、少子高齢化の改善、若者の都会への流出減や婚姻率、出生率の増加につながる礎になると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 続いて、男女共同参画推進、男性優位社会からの脱却の観点からお伺いいたします。
 株式会社ニッセイ基礎研究所の天野馨南子氏は、いわて幸福白書2024において、本県の人口では60歳代が最も多く、この中高年の多数派の価値観が優先される。シルバー民主主義によるアンコンシャスバイアス―無意識の偏見の存在を指摘され、現代の女性・男性の若者たちの理想の家族観、就業観の変化に経営者は気づかなければならないとも指摘されました。
 私も、性別を理由に役割を固定的に分ける男女の役割分担意識が根強く残っている風土や企業意識が、女性の流出、失望に影響していると考えます。
 ついては、行政、企業、経営者、地域が、アンコンシャスバイアスを自覚し、その解消に向けた意識変革、働き方改革につながる制度やルールを整備し、人口減少の阻止へ不退転の覚悟で取り組むべきと存じますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、市町村との連携についてお伺いいたします。
 第2期岩手県ふるさと振興総合戦略においては、市町村との協働体制の強化が示され、ふるさと振興は、地域づくりを担う市町村との連携が不可欠であり、市町村と県とで構築した重層的な連携体制を生かしながら、市町村ごとの特徴的な要因分析を進め、具体的な対策の強化につなげていくとなされております。
 そこでお伺いいたします。重層的な市町村との連携体制を生かし、具体的な対策の強化につなげるとのことですが、さらなる実践として、市町村との対等な関係構築を県政の基本原則と位置づけ、県と市町村が、地方自治法に規定される連携協約やさまざまな分野での協定の締結を視野に入れ、可視的で実効性ある施策の展開も必要と存じますが、県の御所見をお伺いいたします。
 続いて、市町村や多様な主体と連携した人口減少対策についてお伺いいたします。
 令和5年1月6日の会見で、知事は、県民運動的な展開の中で、関係する行政や団体、さまざまな主体がそれぞれ力を合わせて、オール岩手で人口減少対策を進めていくことが基本と考えている。中でも県と市町村の連携というのは非常に大事であり、県と市町村の連携を1段、段階を上げるような形をつくって取り組んでいく。そのことを県民の皆さんや、また、県外の皆さんにもわかりやすく伝える手段として、共同宣言のようなものをつくって出そうということ、ほぼ合意をいただいているところですので、新年度の初めにそういうことをして、勢いをつけて人口減少対策を進めていきたいと思いますと述べられております。
 そこでお伺いいたします。県と市町村、さらには多様な分野の主体―地域、産業、医療、福祉、保育、教育等―が一堂に会し、知事をリーダーに人口減少対策に係る共同宣言を発出し、県民総意による総動員体制で緊急的かつ抜本的な人口減少対策に邁進すべきと存じますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、地域公共交通政策においての路線バスの維持、確保についてお伺いいたします。
 本県の一般乗合旅客自動車運送事業輸送実績報告書によりますと、乗り合いバスの年間利用者数は、平成30年度には2、234万3、000人でありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度は1、460万3、000人、令和3年度は1、394万7、000人、令和4年度には1、490万7、000人と微増しているものの、コロナ禍以前の平成30年度に比べ66.7%と、コロナ禍以前の利用者数の回復には至っておりません。
 また、利用者数の減少に伴い運賃収入も減少しており、平成30年度の60億7、000万円から、令和4年度は35.8%減の約39億円と厳しい状況であります。
 さらに、慢性的な運転士不足に加え、運転士の労働時間規制が適用される2024年問題への対応等の要因により、本年4月に県内過去最大の路線バスの減便となり、住民の暮らしに影響を及ぼしている状況でもあります。
 現在、バス路線国庫補助に被災地特例の激変緩和措置や新型コロナウイルス感染症の影響に対する特例措置により補助要件の緩和がされており、仮に特例措置が終了した場合、令和5年度の実績値で国庫補助11路線と、国に準じた県単補助14路線も補助要件が満たせなくなる可能性があるとのことであります。
 そこでお伺いいたします。このような状況も踏まえた上で、今後の路線バスの維持、確保に向けて、具体的にどのように取り組んでいくお考えなのかお伺いいたします。
 次に、交通税の導入についてお伺いいたします。
 高齢化や過疎化の進行やバス運転士不足の状況から、県内バス事業者は、バス路線の減便や赤字路線の撤退を実施している状況にあります。
 バス事業者の運行する路線が廃止された場合、市町村では、住民の生活の足の維持、確保の観点から、デマンド交通を含めた交通モードの検討、導入を図っており、多額の財政負担が生じている状況にあります。
 バスは、地域の公共交通機関であり、生活の足という視点から、赤字イコール減便や路線の廃止は好ましいことではないと考えます。
 全国で初めて交通税の導入を検討している滋賀県では、県の目指す地域交通の姿を、誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる、持続可能な地域交通の確保とし、本年3月に滋賀地域交通ビジョンを策定し、今年度は、地域公共交通を支えるための税制の導入の可能性について、県民や関係団体との議論を本格化させるとのことです。
 そこでお伺いいたします。この広大な岩手県内を走行する公共交通を維持するためには、企業の自助努力のみとするのではなく、維持費を広く県民で賄う交通税の導入が必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、農業振興についてお伺いいたします。
 初めに、新規就農者の確保についてです。
 農林水産省の資料によると、我が国の基幹的農業従事者は、65歳以上が70.8%、49歳以下が11.5%と著しくアンバランスな状況となっているとのことです。
 また、持続可能な力強い農業を実現していくためには、内外からの新規就農を促進し、世代間バランスのとれた農業構造にしていくことが重要とのことです。
 本県においても、農業従事者の状況は全国と同様の傾向であり、次世代を担う新規就農者の確保は重要な課題となっています。
 そこでお伺いいたします。県は、いわて県民計画(2019〜2028)において、新規就農者数の目標を年間280人としておりますが、目標達成に向けどのような取り組みを進めているのかお伺いいたします。
 あわせて、小中学生に農業の魅力を伝え、農業を将来の職業として選択してもらえるよう、農業サイドからのさまざまなアプローチが将来の新規就農者の確保につながると考えますが、県のお考えをお伺いいたします。
 次に、県産オリジナル品種、金色の風、銀河のしずくのブランド推進についてお伺いいたします。
 初めに、金色の風の生産戦略についてです。
 平成29年、岩手県のフラッグシップ米としてデビューした金色の風の生産・販売キックオフイベントが、盛岡市内のホテルで、行政、生産者、実需者、消費者が一堂に会し開催されました。私は、会場内の金色の風に対する期待感の高さ、高揚感に包まれていた熱気や感動を今でも忘れることができません。
 その金色の風は、生産から販売まで適正に管理し、ブランド米としての評価を確かなものとするため、栽培適地を指定し、作付経営体も登録制であります。その作付面積と経営体数は、令和元年は295ヘクタール、180経営体、令和5年は250ヘクタール、経営体は113と減少している状況です。
 このような中、全国で数多くの新品種が開発され、ブランドの確立に向けて一般社団法人日本穀物検定協会の食味ランキングでの特A獲得も至上命題と言われておりますが、金色の風は、そのランキング、検定条件の作付面積1、000ヘクタールに及ばない現状があります。
 そこでお伺いいたします。これまでの金色の風の生産戦略をどう総括しているのでしょうか。また、今後の金色の風の目指す作付面積、品質と食味の維持、収益性向上等、生産戦略の展開についてお伺いいたします。
 続いて、金色の風、銀河のしずくの販売戦略についてお伺いいたします。
 全国各県、群雄割拠の良食味のブランド米が流通している中、市場において消費者や実需者にどのようにして手にとってもらえるかの販売戦略は非常に重要であり、その一つのファクターは認知度と承知しております。
 当局からの資料によりますと、金色の風の認知度は、令和5年20%、同年、銀河のしずくの認知度は38%であり、年々向上はしているものの、県産ひとめぼれの69%にはいまだ遠く及びません。
 そこで、県が事務局を務めるいわてのお米ブランド化生産販売戦略推進協議会では、4月29日を銀河のしずくの日、5月29日を金色の風の日と制定し、この間を認知度向上に向けた強化月間として、消費拡大等に取り組まれたと存じますが、県民の認知度はいかがだったでしょうか。今後も、認知度向上に向けてどう取り組んでいくお考えなのかお伺いいたします。
 また、これまでの金色の風、銀河のしずくの販売戦略をどう総括し、今後、具体的にどのように取り組むお考えなのかお伺いいたします。
 次に、いわて牛のブランド産地の発展についてお伺いいたします。
 私は、本年1月に東京都で4年ぶりに開催されたいわて牛の集いに初めて参加させていただきました。知事を初め、市場関係者、買参人、産地関係者など総勢160人ほどの参加者で会場があふれ、いわて牛を初めとする県産食材を使った料理の提供や参加者の方々との懇談など、いわて牛の認知度向上に向けた催しに初めて触れることができました。
 その中で、市場関係者や買参人の方とお話しする機会があり、岩手県の牛は肉質がよく、生産者が一頭一頭愛情を込めて育てていることが伝わってきます。できることなら、もっと生産して出荷頭数をふやしてほしいと要望を受けました。
 私は、いわて牛が市場関係者から高い評価を受けていることに、誇らしく思い、また、生産者や関係機関の皆様の御努力に敬意を表したいと感じたところであります。
 そこでお伺いいたします。いわて牛というブランド産地を発展させるため、県ではどのような取り組みを進めていくのかお伺いいたします。
 次に、産業振興として、盛岡南地区物流拠点の整備支援についてお伺いいたします。
 現在、物流DX、労働力不足対策と物流構造改革の推進、強靱で持続可能な物流ネットワークの構築を目指し、盛岡市では、盛岡南地区に物流拠点の整備を進めております。
 その物流拠点は、インランドデポ機能を有する盛岡貨物ターミナル駅に隣接している立地条件を生かし、宮古港など沿岸主要港湾と連携することにより、農産物を初め、北東北地域で生産される各種製品の鉄道、船舶によるコンテナ輸送、輸出の拡大を図り、各種産業の活性化及び国際競争力強化、農林水産物、食品の輸出拡大、国際コンテナ戦略港湾政策の推進に寄与するとともに、脱炭素、モーダルシフトの推進を図るものでもあります。加えて、災害時の物資確保拠点の形成による国土強靱化への対応も図るとしております。
 そこでお伺いいたします。県においても、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランの中で、企業誘致等による地域産業の拠点化、高度化の推進を掲げておりますことから、企業誘致等を進める市町村においては、県による伴走型での市町村支援や地域の特性を生かした産業施策支援への充実を望むものでありますが、県の御所見をお伺いいたします。
 次に、本県スポーツ振興施策についてお伺いいたします。
 初めに、県営スポーツ施設のあり方についてです。
 現在、県では、県営スポーツ施設の多くが経年とともに老朽化の進行が著しい状況にあること、岩手県文化スポーツ部所管公共施設個別施設計画が改訂時期を迎えていること、東日本大震災津波の影響で整備計画が凍結されたスポーツ医・科学センター及び多目的屋内練習施設のあり方について検討する必要があること、以上の状況を踏まえ、県営スポーツ施設全体の規模や配置等の適正化を図るため、外部有識者等から意見をいただきながら、県営スポーツ施設の今後のあり方について総合的な検討をしているとのことであります。
 そこでお伺いいたします。県営スポーツ施設の今後のあり方に関する検討について、どのように進め、次期個別施設計画に反映させていかれるのか、御見解をお伺いいたします。
 次に、県営野球場の跡地活用についてお伺いいたします。きのうの高橋但馬議員に続き質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 旧県営野球場は、いわて盛岡ボールパークの供用開始に伴い用途廃止となりましたが、動物愛護センター整備予定地が県営野球場跡地東側駐車場に選定されたとの過日の報道に対して、地域住民から多くの御意見をいただきました。
 私は、旧県営野球場跡地活用には、これまでのレガシーを生かす上で、県民の健康増進、スポーツ振興につなげる活用策の検討、考え方も必要と存じますが、御所見をお伺いいたします。
 続いて、市町村との連携によるスポーツ施設の整備についてお伺いいたします。
 現在、スポーツ庁では、スポーツの場づくりの一環としてスタジアム・アリーナ改革を推進し、スポーツ施設の計画、整備、運営に関する考え方を示しております。
 そのスタジアム・アリーナ改革推進の取り組みとしては、スタジアム・アリーナは、従来のスポーツ施設に対する固定観念から脱却し、スポーツの成長産業化の大きな柱として期待されている。飲食や観光などの周辺産業も巻きこみ、地域活性化、まちづくりの核としていくことが重要ですとのことであります。
 また、国内にある58個のスタジアム・アリーナを対象とした社会貢献活動調査によりますと、スタジアム・アリーナが創出する社会的価値に、地域活性化、健康促進、地域コミュニティーの強化、防災体制の強化、教育水準の向上、育児水準の向上、ビジネスイノベーション、共生社会への貢献、自然環境への貢献の九つの社会価値が示されました。
 さらに、スタジアム・アリーナが多様なステークホルダー、住民、子育て世代、学生、企業、自治体、来訪者に価値が創出されるとも示されました。
 そこでお伺いいたします。本県においても、県施設のあり方の一つとして、市町村との連携も視野に入れた県営体育館のスタジアム・アリーナ化への調査、検討も必要かと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、子供の健康施策についてお伺いいたします。
 国が公表した令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査によると、本県の児童生徒の運動習慣、運動する児童生徒とそうでない児童生徒の二極化傾向が見られること、体力合計点については、令和元年度からおおむね連続して小中学校の男女ともに低下傾向が見られること、さらに、国の令和4年度学校保健統計調査では、肥満度が20%以上の肥満傾向児の割合が、本県の5歳から17歳まで全ての学年で全国平均を上回っている状況にあることであります。
 そこでお伺いいたします。児童生徒の健康、体力の保持、増進に向けて、運動習慣づくり等、発達段階に応じた取り組みが必要と考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。
 最後に、障がい者福祉に係る強度行動障がい児・者支援についてお伺いいたします。
 強度行動障害を有する方は全国でおよそ7万人いるとされており、本人の健康を損ねる行動や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要となっています。
 しかし、現状では、行動障害の激しい状態の人たちが、その行動の激しさから事業所に利用を断られ、必要な支援にたどり着けない事情もあります。また、受け入れた事業所において適切な支援を提供することができないことで、同居する家族にとって重い負担となっていることや、意欲のある支援者が苦悩、疲弊し、本人の状態がさらに悪化するなどの実情、課題があります。
 そこでお伺いいたします。県は、いわて県民計画(2019〜2028)において、障がい者が安心して生活できる環境の整備の推進や、共に学び、共に育つ特別支援教育を進める方針を掲げていますが、強度行動障害を有する方やその家族が安心して生活するためには、市町村支援、広域的支援人材の育成、事業所支援等が必要と考えますが、県は、本県における強度行動障害の実態をどう捉え、また、県としての役割とその取り組みについてお伺いいたします。
 以上で私の一般質問を終わります。なお、御答弁によっては再質問させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 村上貢一議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、人口動向の受けとめについてでありますが、今月公表された令和5年人口動態統計によれば、本県を含め全ての都道府県で合計特殊出生率や出生数が前年よりも減少しており、コロナ禍における婚姻数の急減が出生数に大きく影響していると考えられることから、有配偶率や有配偶出生率の向上に向けて、若者、女性を重視した少子化対策を進めております。
 人口戦略会議の分析レポートは、人口規模の大きい、いわゆるブラックホール型自治体における出生率向上の必要性、小さい自治体における社会減対策と自然減対策の両立の必要性など、自治体を類型化し問題提起していますが、ブラックホール型自治体が東京都など大都市に多く、東京一極集中への警鐘でもあると受けとめております。
 人口ビジョン2100は、2115年におおむね80万人程度での定常状態を展望している岩手県人口ビジョンに通じる考え方であり、人口ビジョン2100における定常化戦略と強靱化戦略を並行して進めることにより、人口減少対策の好循環につながると考えております。
 こうしたことから、若年層の県内就職やU・Iターンの促進、結婚や子育てなど一人一人のライフステージにおける支援など、デジタル化による産業、経済の強化やコミュニティー、公共インフラの対策等をあわせて進め、一人一人の希望する生き方を自由に選択できる岩手の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、郷土愛の醸成についてでありますが、岩手県には、幾多の先人たちがこれまで築き上げてきた歴史や美しい自然環境、伝統的な祭り、郷土食などに彩られた独自の風土があり、そうしたものが県民一人一人の心象風景や地元を愛する気持ちを形づくることで、生まれ育った地域や岩手県への強い郷土愛が育まれてきているものと考えます。
 さらに、近年、本県出身の若者による世界や全国を舞台にした目覚ましい活躍や、ニューヨークタイムズ紙で紹介された盛岡市の魅力的な生活文化などが、より一層郷土愛の醸成につながっていくものと言えます。そのような郷土愛が岩手県の将来を担う子供や若者たちにとって、さまざまな形で岩手県とかかわりながら、働き、学び、暮らすことを選択する上での動機となることで、結果として、本県の人口減少の抑制にもつながっていくものと考えます。
 県では、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおいて、郷土を愛し、岩手県の復興・発展を支える人材の育成や、郷土愛を育む母体となる地域コミュニティーを守り育てることなどを掲げており、今後とも、子供や若者たちの郷土愛の醸成に取り組んでまいります。
 次に、アンコンシャスバイアスについてでありますが、本県の人口の社会減は、進学、就職期における若年女性の転出が大きな要因であり、また、少子化対策の面からも、有配偶率や有配偶出生率の向上とともに、女性の社会減対策の強化が必要と考えています。
 こうしたことから、経済団体等と連携し、経営者の意識改革に向けた啓発の強化、学校、地域、団体等を対象とした出前講座の開催、家庭内無償労働の見える化による意識醸成に加え、女性の多様で柔軟な働き方の推進、所得向上を図るためのスキル取得や就労に向けた支援など、さまざまなアプローチにより、アンコンシャスバイアスの解消に向けた取り組みを進めているところです。
 さまざまな分野で世界から高い評価を得ている岩手県においては、ジェンダー平等もより高い水準を目指したいと考えておりまして、家庭や職場、学校等、さまざまな場においてアンコンシャスバイアスとジェンダーギャップの解消を進め、性別にかかわらず、一人一人が生き生きと活躍できる社会の実現に向け取り組んでまいります。
 次に、市町村や多様な主体と連携した人口減少対策についてでありますが、令和5年6月に、いわてで働こう推進協議会における、いわてで働こう宣言2023、同じく6月に、いわて未来づくり機構における第4フェーズの目標実現に向けた行動宣言を行い、産学官が一体となって機運醸成を図りながら人口減少対策を推進してまいりました。
 また、市町村とはこれまで、トップミーティングや実務レベルの会議などを通じ意見交換を重ねてきたところであり、具体的な施策を連携して実施する段階に移行していると認識しております。
 こうした中、今年度、モデル町村に対する少子化対策の伴走型支援を開始したほか、いわて未来づくり機構のもとに、新たに少子化対策支援作業部会が設置されるなど、多様な主体との連携による取り組みが進んでいます。
 市町村や関係機関、団体等と丁寧に議論を重ね、一層連携を強化するとともに、いわてで生み育てる県民運動の推進などを通じて地域社会全体の機運醸成を図りながら、多様な主体の連携によるオール岩手での人口減少対策を進めてまいります。
 次に、交通税の導入についてでありますが、持続可能な地域公共交通の維持、確保のためには財源の確保が重要でありますが、これは、本県のみならず地方全般に共通する課題であることから、国が、我が国の公共交通の維持について責任を持って財源を確保すべきものと考えており、国に対し、あらゆる機会を通じて、地域公共交通を守るための財源確保を求めているところです。
 あわせて、運賃収入の増加などによる交通事業者の収支の改善が地域公共交通の維持につながることから、県としても、公共交通事業者や市町村と連携し、利用者数をふやすための利用促進に取り組んでいるところであります。
 村上貢一議員御提案の交通税は、持続的な財源確保策の一つとなり得る一方、導入に当たっては、目的と手段、受益と負担の関係等さまざまな論点があるものと認識しており、丁寧な議論が必要であるものと考えています。
 議論が先行する滋賀県においては、交通税は、さまざまな財源確保策を講じても、なお財源が不足する場合の財源確保の一つの方法として、丁寧に県民等と議論を重ねていくとされていることから、その動向も注視しながら、本県におけるあり方について研究してまいります。
 次に、いわて牛についてでありますが、いわて牛のブランド力を高めるためには、市場関係者等の声に応えられるよう、出荷頭数の確保と効果的なプロモーションの展開が必要と考えています。
 このため、県、農業団体、市町村等で構成するいわて牛普及推進協議会では、農協系統以外の団体の協議会への加入を促進するとともに、市場関係者やいわて牛の取扱業者に対するトップセールス、県内外でのいわて牛フェア、首都圏のシェフ、バイヤーを招聘した産地見学会等を実施してまいりました。
 こうした取り組みにより、この協議会に新たに2団体が加わるなど、いわて牛の出荷頭数の拡大につながるとともに、いわて牛が東京食肉市場において平均を上回る価格で取引されるほか、コロナ禍前の令和元年度と比べ、いわて牛取扱推奨店が86店舗増加しています。
 このように、いわて牛の品質やおいしさは高く評価されているものの、バイヤー等の実需者や消費者の認知度を一層向上する必要があると考えております。
 このため、今年度は、いわて牛の集い等のトップセールスや著名人を起用したPR、スポーツイベントへの協賛等を行うとともに、マスメディア、SNSを通じた情報発信の充実を図ることとしており、県としては、生産者や関係団体等と一丸となって、より高い効果が期待できるプロモーションを展開しながら、いわて牛のブランド力の向上に積極的に取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) 産業振興についてでありますが、県では、企業誘致等による地域産業の拠点化、高度化を推進するため、企業立地の受け皿となる産業立地基盤の整備やビジネス環境、生活環境の整備について、市町村の意向を十分に尊重するとともに、企業のニーズを把握しながら、連携して取り組みを進めているところでございます。
 盛岡市が物流拠点として整備を計画している盛岡南地区は、農業振興地域や市街化調整区域となっていることから、農業振興地域の整備に関する法律や都市計画法に基づき関係機関との協議が必要であり、県関係部局との調整など、土地利用調整が円滑に進むよう支援しているところでございます。
 トラックドライバーの労働時間規制による、いわゆる物流の2024年問題を背景として物流拠点の重要性は増しており、北東北地域の交通の結節点に位置する盛岡市の立地優位性が高まっていることから、引き続き、盛岡市における今般の物流拠点の整備を含めました産業振興に向けた取り組みの支援を行ってまいります。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 強度行動障がい児・者支援についてでありますが、強度行動障害は、先天的な障がいではなく、周囲の環境などによりあらわれる状態であるとされており、現状では、障がいに着目した定量的なデータがないため実態等の把握が難しいところであり、個々の状態により事業所での受け入れが困難である場合も想定されます。
 一方で、個々の特性に合わせて生活環境を調整するなどの支援により、ストレスや不安の軽減、生活に支障を来す行動の抑制に効果があるとされていることから、県では、適切な支援を行う人材育成を目的に、平成27年度から、強度行動障害支援者養成研修を開催しており、これまでに543人が修了したところであります。
 強度行動障害に係る国の検討会報告書では、都道府県には、高い専門性を有する支援人材の育成、広域的な見地からの市町村支援などにより、地域における支援体制の整備を推進する役割が求められております。
 県としては、本年3月に策定した岩手県障がい者プランに基づき、強度行動障害の実態把握に努めながら、市町村に対する専門的な助言や事業所における支援人材の育成に引き続き取り組み、強度行動障害を持つ方々や御家族が、安心して生活できる環境の整備を進めてまいります。
   〔ふるさと振興部長村上宏治君登壇〕
〇ふるさと振興部長(村上宏冶君) まず、市町村との連携についてでありますが、人口減少下において持続的に行政サービスを提供するためには、県と市町村が連携して業務を進めることが重要であると認識しており、県では、市町村との情報共有を図るため、知事と市町村長とのトップミーティングを初め、実務者レベルでの勉強会を開催するなど、階層に応じた連携体制を構築しております。
 村上貢一議員御案内の連携協約につきましては、本県では、盛岡市と野球場の施設管理の充実に取り組んでいるところであり、全国では、秋田県の生活排水処理や鳥取県のICT分野において、効率的な行財政運営を行っている事例があると承知しております。
 また、協定につきましては、本県では、災害対応の分野などで締結しているほか、今年度から新たに、地域の保健活動を支援するため普代村や住田町と協定を締結し、県から保健師を派遣する取り組みを始めたところでございます。
 県といたしましては、引き続き、県と市町村との対等な関係との前提のもと、今年度から始めた取り組みの状況なども踏まえ、村上貢一議員御指摘の連携協約や協定の活用も含め、各種施策の推進に当たって市町村との連携を一層進展させてまいります。
 次に、バス路線の維持、確保についてでありますが、村上貢一議員御指摘のとおり、国庫補助の特例措置の今後の見通しが不透明であることや運転士不足による影響等の課題もあり、地域の足であるバス路線をどのように維持していくかは、喫緊の課題であると認識しております。
 このため、国に対しては、バス路線の維持に係る支援を強力に要望していますが、一方で、現行制度のもとでも国庫補助を最大限活用できるよう、市町村に利便増進実施計画の策定を促すとともに、策定に向けた各種の支援も実施することとしているところです。
 あわせて、県独自に、補助路線が廃止された場合のセーフティネットとして、市町村が必要な代替交通を確保する取り組みに対する補助も実施しているほか、今年度、バス事業者による運転士の新規採用や職場環境の改善などの取り組みに対する補助制度を創設したところでございます。
 今後におきましては、事業者や市町村の声に耳を傾けながら、こうした取り組みを検証しつつ、昨年度末に策定しました岩手県地域公共交通計画に基づく各種施策を効果的に展開し、引き続き持続可能な公共交通の確保を図ってまいります。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、新規就農者の確保についてでありますが、本県農業の持続的な発展には、地域農業の将来を担う新規就農者の確保が重要です。
 県ではこれまで、関係機関、団体と連携し、県内外での就農相談会の開催や生産技術を習得できる研修受け入れ先の紹介、就農準備資金や経営開始資金、農地等の情報提供のほか、雇用就農希望者を対象とした農業法人での短期農業体験などに取り組んでいるところであり、昨年度の新規就農者数は、年間の確保目標である280人を上回る286人となっております。
 今年度は新たに、移動に係る時間やコストをかけずに、遠隔地からでも参加しやすいメタバースを活用した就農相談会の開催や、県外からの移住、就農希望者と県内の農業法人とのマッチングなどを実施することとしており、今後とも、新規就農者の確保に積極的に取り組んでいきます。
 また、小中学生に農業体験等を通じて農業への興味を持ち理解を深めてもらうことは、将来の農業の担い手確保はもとより、食育や地産地消等の観点からも重要と考えます。
 このため、農業大学校における小中学生の農業体験の受け入れのほか、市町村、関係機関、団体と連携し、生産者を講師とした出前授業やロボットトラクター等のスマート農業技術の実演見学会、農業や食育を学ぶ冊子の配布を行っており、県としては、今後とも、小中学生に魅力ある職業として農業を選択してもらえるよう、さまざまな取り組みを進めていきます。
 次に、金色の風の生産戦略についてでありますが、本県では、金色の風を県産米のフラッグシップと位置づけ、県、農業団体等で策定した、いわてのお米ブランド化生産・販売戦略に基づき、高品質、良食味米の安定生産に取り組んできたところです。
 これまでの取り組みにより、米のヒット甲子園において、トップナインに3年連続で選出されるなど高い評価を得てきたところですが、新型コロナウイルス感染症の影響や物価高騰により高価格帯米の需要が減少していること、ひとめぼれに比べて収量が上がりにくいことや倒伏しやすいことが課題となっています。
 このため、今般新たに策定した同戦略に基づき、現在の作付面積を維持しながら、栽培マニュアルに基づく栽培管理の徹底やリモートセンシング技術の活用等による生産管理、食味や品質をさらに高めた金色の風〜雅〜や、減農薬等に関心を持つ消費者向けの特別栽培米の生産拡大など、引き続き、全国トップクラスの品質と食味の実現に向けて取り組んでいきます。
 また、岩手生物工学研究センターと連携しながら、収量の向上や倒伏の改善など、金色の風の改良に取り組み、生産者の収益性向上につなげていきます。
 次に、金色の風、銀河のしずくの販売戦略についてでありますが、県では、農業団体等と連携し、トップセールスや米卸売業者とのネットワークを生かした販売促進活動などを実施するほか、特に、昨年度からは、いわて純情米消費拡大月間を設定しPR活動に取り組んでおり、昨年末に県内消費者を対象に行った調査結果では、金色の風の認知度が約8割、銀河のしずくが約9割と高い値となっています。
 また、いわての美味しいお米提供店が、コロナ禍前の令和元年度と比べ159店舗増加しているものの、県外での金色の風、銀河のしずくの認知度向上や、中食、外食需要への販路拡大が必要と考えています。このため、今般新たに策定した同戦略に基づき、認知度の向上に向け、トップセールスや首都圏等でのフェアの開催、パック御飯活用による子育て世代へのPRとともに、販路の拡大に向け、大手コンビニエンスストアと連携したおにぎりなどの商品開発や米穀専門店と連携し、こだわりを求める消費者への金色の風〜雅〜の販売強化などに取り組むこととしており、関係機関、団体と連携しながら一層の認知度向上と販路拡大を図っていきます。
   〔文化スポーツ部長小原勝君登壇〕
〇文化スポーツ部長(小原勝君) まず、県営スポーツ施設のあり方についてでありますが、現在、県営スポーツ施設全体の規模や配置、機能等の適正化を図るため、有識者や関係団体の意見をお聞きしながら、人口減少に伴う利用状況の変化、中期的なコストの見通し等も考慮し、県営スポーツ施設の今後のあり方を検討しているところであり、ことしの秋までには取りまとめて公表する予定でございます。
 その内容等を踏まえ、次期個別施設計画には、県営スポーツ施設ごとの対応方針について、長寿命化等の対策の内容や実施時期、概算経費などを具体的に盛り込んでいくこととしています。
 次に、旧県営野球場の跡地の活用についてでありますが、旧県営野球場は、高校野球やプロ野球など数多くの試合が行われ、県民に長年愛されてきましたが、展示コーナーの設置やアオダモの木の移植などを行い、その役割をいわて盛岡ボールパークに引き継いだところです。
 未利用になった県有地については、県では、県有未利用資産等活用・処分方針に基づき、第1に県としての活用、第2に地元自治体での活用、第3に民間における活用を図ることとしており、まず、県と地元市町村として、旧県営野球場跡地の東側駐車場を動物愛護センターの整備予定地とするほか、残りの跡地について、さらに盛岡市の意向を確認するなど利活用の検討を行っているところです。
 利活用の具体化に当たっては、他の自治体の事例も参考にし、地域の効果的なまちづくりに資するよう、地域住民の御意見や民間のアイデアなどを把握しながら活用策を検討してまいります。
 次に、県営スポーツ施設の整備についてでありますが、国の第3期スポーツ基本計画では、地域経済の活性化の基盤となるスタジアム・アリーナ施設の整備等によるスポーツの成長産業化を、5年間で総合的かつ計画的に取り組む施策の一つとしております。
 また、本年3月に策定した第2期岩手県スポーツ推進計画においては、施策の柱として、ライフステージに応じて楽しむ生涯スポーツの推進や地域を活性化させるスポーツの推進を掲げており、スポーツの力を地域の力に変える取り組みが重要と考えております。
 岩手県営体育館は、県規模の大会、競技会が開催されるなど一定の需要はあるものの、施設の老朽化に加え、バリアフリー化や空調の機能性が不十分であることが課題となっております。
 今行っている県営スポーツ施設のあり方の検討の中では、県営体育館については、ユニバーサルデザイン化や脱炭素化等の機能を備えた高機能な体育館整備を検討することが望ましいという意見があったところです。
 今後、全国各地のスタジアム・アリーナ整備の例を参考に、施設の集約化、市町村との連携、PFIなどの民間活力の活用などの手法も検討しながら、さらに検討を行ってまいります。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) 子供の健康施策についてでありますが、児童生徒一人一人が、みずからの体力や健康に関心を持ち、生涯を通じて健康で活力ある生活を送ることができるようにすることが重要であります。
 令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査によると、本県児童生徒の1週間の総運動時間の平均値や、体力、運動能力を50メートル走など八つの項目で評価した体力合計点の平均値、運動やスポーツが好きな割合は、全国と比較して高い傾向にあります。
 一方、運動する児童生徒とそうでない児童生徒の二極化傾向、体力合計点の低下傾向、肥満傾向児の割合が全国平均を上回る状況が見られるところであり、発達段階に応じた良好な運動習慣の形成に加え、食習慣、生活習慣の改善が必要と捉えております。
 そのため、県教育委員会においては、よりよい運動習慣、望ましい食習慣、規則正しい生活習慣を相互に関連させた一体的な取り組みを進める60プラスプロジェクト推進事業を全県的に展開するとともに、運動好きな児童生徒をふやすために、遊びや授業で運動が楽しいと感じられる指導の充実を図っているところです。
 今後も引き続き、市町村教育委員会を初め、関係機関の協力を得ながら、児童生徒の健康の保持、体力の増進に向け、学校、家庭、地域が連携した取り組みを推進してまいります。
〇11番(村上貢一君) 御答弁本当にありがとうございました。何点か質問させていただきます。
 初めに、金色の風と銀河のしずくのブランド推進の件でお伺いいたします。
 まずもって、銀河のしずくが、生産者、また関係者の御努力のおかげで、作付面積も今は当初より3倍ぐらいになったでしょうか。そういうことで認知度も上がってきておりますし、本当に県のブランド米として定着してきたと思っておりますので、ここはしっかりと今後も取り組んでいただければと思います。
 しかしながら、反面、平成29年にデビューした金色の風は、私も先ほどお話ししましたけれども、デビューしたときの生産者の、日本に新しい風を巻き起こす、旋風を巻き起こすのだという思いをすごく感じておりまして、我々実需者としてもそういうところがありましたが、先ほどの農林水産部長の答弁によると、作付面積は維持していくというところでありました。
 最初のころは、平泉町の農家も、特Aを獲得するのだという意気込みでいたのを私は覚えているのですけれども、そうなると、この作付面積を維持するという裏返しを考えますと、要は、販路の拡大につながっていない。他県のつや姫でありますと、同じ高級路線にもかかわらず、他県でも、島根県とか和歌山県、大分県でも作付が始まったりして、どんどんふえております。
 一方、岩手県の金色の風は、当初から同じ250ヘクタール。ということは、裏返すと売れていない。売れているとおのずと、やはりおいしい米を食べてもらうというのが、農家にとっては一番うれしいことだと思います。そうすると、いや、金色の風は人気もあって売れている。では、うちは来年、金色の風を作付しようとなると思うのですが、この高級路線というところでの位置づけですけれども、今、実態は、量販店などをのぞいてみると、例えば、銀河のしずくと金色の風が同じくらいの値段で売っていたり、あとは、江刺地区のひとめぼれのほうが値段的には高かったり。本当は価格までも適正に管理するはずだと思っているのですが、実態はそういうところです。
 そういう中で、流通業者からは、もうこの際、金色の風と銀河のしずくの価格帯を、金ですから、銀河のしずくよりは少し高くするにしても、そういうふうにもう路線を変更したほうが、金色の風がもっと売れるのではないかというような意見も出てきておりました。
 デビューしてから7年、いまだに250ヘクタール、経営体数は減っていく。これはゆゆしき問題だと思います。その辺から考えると抜本的な戦略の見直しもしていくべきだと思うのですが、まず、農林水産部長の御所見をお伺いいたします。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 金色の風の面積ですけれども、平成29年にデビューしまして、その後、令和元年度までは、徐々にではありますが増加してきました。
 ところが、先ほど申し上げましたとおり、やはり新型コロナウイルス感染症の影響などもありまして、高価格帯の米がなかなか厳しい状況であった、あるいは生産面での、収量ですとか倒伏しやすいという課題があって、栽培技術の難しさがあるというところで伸び悩んできたものと思っております。
 生産、販売の戦略を見直していくほうがいいのではないかというようなお話をいただきましたけれども、金色の風自体は、やはり栽培マニュアルに基づいた栽培管理の徹底をしっかりやっていく、あるいは玄米たんぱく質の含有率も品質目標の達成をしっかり図っていく、そういう条件をしっかりクリアしたものを売っていく。そして、評価をしっかり得ていきたいというところでございます。現在、金色の風〜雅〜の販売もしておりますけれども、米の専門家からも非常に高い評価をいただいているところでございます。
 したがいまして、今後も、県産米のフラッグシップといたしまして、こだわりを持つような消費者に向けまして、量はふえるということにはなりませんけれども、高価格帯での販売を目指していきたいと考えております。
 生産者の皆様が高い栽培技術を必要としておりますので、そういった技術をしっかり生かしながら、一生懸命生産に取り組んでいただいているものと思っております。その思いにしっかり応えられるように取り組みを進めていきたいと考えております。
〇11番(村上貢一君) 生産者サイドから見れば、それはもういいと思います。違うのですよ。消費者サイドからの視点で考えてもらいたい。つや姫は、同等の値段でも勢いよく売れています。それはなぜかというと、高くてもおいしい、満足感があるからなのです。ところが、金色の風は、現状では贈答用米がほとんどだと思います。その贈答用米で贈っていただいた方からの、おいしかった、では、今度は金色の風を自分で買ってみようとかというリピートがない。
 生産者サイドはきっちり頑張ってもらいたいのですけれども、いわゆるマーケティングをどういうふうにするか。消費者サイドから見た目線での満足度があれば、高くても買うのです。いっぱい売れると、たかだか250ヘクタールですから、岩手県の水稲の面積でいえば多分0.5%とか0.6%ぐらいしかないです。そうなると、そのときに人気が出て売れれば、需給が逼迫して、金色の風は、もうことしの分はないですというぐらいにならないと、前に進んでいかない。
 生産者が技術をやるのはいいのですけれども、消費者サイドからの目線が大事だと思うのですが、いかがですか。
〇農林水産部長(佐藤法之君) やはり生産面の取り組みだけではなくて、消費者に理解をいただいていく、マーケットを意識しながら取り組んでいく、これは重要だと思っております。
 金色の風自体は、米の特徴としても食感としても、ふわりとした食感を持って、甘みも豊かだという特徴を十分に消費者の皆様に訴求していきながら取り組んでいくことが大事だと思っております。
 先ほど、コロナ禍で高価格帯の米が大分伸び悩んでいるというお話もしましたが、新型コロナウイルス感染症も5類に移行になりまして、今年度は、首都圏のデパートでの販売もございますけれども、そういったところにもしっかり取り組んでいって、消費も伸びるように取り組んでいきたいと思います。
〇11番(村上貢一君) ぜひ、取り組むのはいいですけれども、なぜリピートがないのだ、なぜもっと売れていかないのだというところにフォーカスして、そこのエビデンスから次の戦略をしっかり考えていただきたいと思います。
 最後に、強度行動障害の件についてお伺いいたします。
 そもそも今のところ実態を把握していない、これからやるというところが、非常に残念でありました。国内には7万人がいると推定されているということから言えば、県内にはおよそ700人いるというところであります。その実態もわからずに、研修しているからいいのだと。そこは私にはよくわからないのです。実態があるからこそ研修に力が入るわけで、それは、ただやっているだけということにしか思えないというところがあります。
 強度行動障害の方が、事業所に行っても、うちでは手に負えませんと断られる。手に負えるような頑張っていただいているところには集中する、そういう状況もあります。そういうところでも、あぶれますと、結局は家族が見なければいけない。親なき後の問題もあります。
 国の機関も、群馬県ののぞみの園という1カ所しかありません。県内にもそういう施設はないわけでございますから、ぜひ、そういう施設の整備、また、国に対しても整備、拡充をお願いしたいと思いますが、保健福祉部長に最後、その点をお伺いして、終わります。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 強度行動障害でさまざま在宅でお悩みになっている方は、かなり多くいらっしゃるだろうと我々も考えております。先ほど御答弁申し上げましたとおり、強度行動障害に着目した届けとかそういったものがなかなかない。疾病として届けられていないといったこともあって、なかなか難しいのですが、我々も実態把握は必要だと認識しております。
 今後、入所施設にどれくらいいらっしゃるのか、在宅にどれぐらいいらっしゃるのか、また、どのようなサービスを受けていらっしゃるのか、どのような支援を必要としているのかといったことの把握が必要だろうと考えております。
 そのため、障がい者支援施設や訪問通所系の障がい福祉サービス事業所に対しまして、強度行動障害を持つ利用者の有無や実施している支援、必要と考えられる支援の内容などもお聞きすることを検討しているところでございます。
 また、村上貢一議員から御紹介のありました国立のぞみの園でございます。今年度、県からも、今後中核的な支援を行うものという形で、国立のぞみの園にも研修派遣をする予定としているところでございまして、まずは、こうした実態の把握に努めることと、市町村を適切に支援できるような体制整備に努めてまいります。
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって、村上貢一君の一般質問を終わります。
   
〇議長(工藤大輔君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時18分 休 憩
   
出席議員(48名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
15  番 上 原 康 樹 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
27  番 佐々木 朋 和 君
28  番 吉 田 敬 子 君
29  番 高 橋 但 馬 君
30  番 岩 渕   誠 君
31  番 名須川   晋 君
32  番 軽 石 義 則 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 五日市   王 君
44  番 関 根 敏 伸 君
45  番 佐々木 順 一 君
46  番 岩 崎 友 一 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時37分 再開
〇議長(工藤大輔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。関根敏伸君。
   〔44番関根敏伸君登壇〕(拍手)

前へ 次へ