令和6年2月定例会 予算特別委員会会議記録 |
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令和6年3月15日(金)
1開会 午前10時2分 1出席委員 別紙出席簿のとおり 1事務局職員 議事調査課 総括課長 昆 野 岳 晴 議事管理担当課長 藤 平 貴 一 主任主査 佐 藤 博 晃 主任主査 増 澤 綾 子 主任主査 及 川 雄 也 主査 阿 部 真 人 主査 堀 合 俊 彦 主査 三 浦 訓 史 1説明員 県土整備部長 加 藤 智 博 副部長兼 県土整備企画室長 小 原 由 香 道路担当技監 上 澤 和 哉 河川港湾担当技監 大久保 義 人 まちづくり 担当技監 菅 原 常 彦 参事兼建築住宅課 総括課長 高 井 知 行 県土整備企画室 企画課長 高 橋 正 志 県土整備企画室 管理課長 大 野 貴 洋 用地課長 岩 渕 貞 美 建設技術振興課 総括課長 沖 野 智 章 道路建設課 総括課長 小野寺 淳 道路環境課 総括課長 高 瀬 文 明 河川課総括課長 馬 場 聡 砂防災害課 総括課長 戸 来 竹 佐 都市計画課 総括課長 小野寺 哲 志 景観まちづくり 課長 藤 原 俊 夫 下水環境課 総括課長 乙 部 智 明 建築指導課長 佐 藤 英 明 営繕課長 刈 谷 洋 祐 港湾空港課 総括課長 君成田 忠 伸 財政課総括課長 佐 藤 直 樹 〇城内愛彦委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。 認定第1号から議案第20号まで、議案第27号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第44号、議案第47号、議案第48号、議案第52号、議案第54号から議案第67号まで、及び議案第69号から議案第76号までの以上60件を一括議題といたします。 本日は、県土整備部関係について、延べ11人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしました。 また、関連質疑の取り扱い、換気のための休憩につきましては、これまでと同様でありますので、御協力をお願いいたします。 あわせて、委員各位御承知のとおり、本日、県土整備部の審査の後、議案60件について、意見の取りまとめをしたいと思いますので、御了承願います。 それでは、県土整備部長に、県土整備部関係の説明を求めます。 〇加藤県土整備部長 県土整備部関係の令和6年度予算関係議案について、御説明を申し上げます。 初めに、当部の予算編成に当たっての基本的な考え方でございますが、12月定例会で議決いただきました令和5年度一般会計第5号補正予算と一体的に事業を実施し、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランのもと、東日本大震災津波からの復興を着実に実施するとともに、安全・安心な地域づくりなど四つの重点事項を初めとする施策を推進してまいります。 まず、復興推進関係でございますが、建設中の閉伊川水門の早期完成に向け、引き続き、整備を推進してまいります。 次に、政策推進関係でございますが、四つの重点事項のうち、安全・安心な地域づくりについては、平成28年台風第10号や令和元年台風第19号、令和4年7月、8月大雨など災害への対応として、小屋畑川の河川改修や赤前上の(2)の砂防施設の整備などを推進してまいります。 また、洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域等の指定などを進め、防災情報の充実、強化を図ってまいります。 災害に強い道路ネットワークを構築するため、また、物流の効率化や観光振興、交流人口の拡大等を図るため、国道282号八幡平市佐比内工区などの整備を推進してまいります。 社会資本の老朽化に対応するため、予防保全型維持管理への転換を図り、長寿命化対策を推進してまいります。 自然減、社会減対策については、県外からの移住希望者等を対象に、県営住宅のストックを活用した移住、定住施策等に取り組んでまいります。 GX―グリーントランスフォーメーションの推進については、改訂後の岩手型住宅ガイドラインを踏まえ、ZEHプラス水準を満たす住宅の普及促進等に取り組んでまいります。 DX―デジタルトランスフォーメーションの推進については、建設業へのICT機器の導入支援などを通じ、生産性の向上や働き方改革の推進に取り組んでまいります。 そして、地域の建設企業が担っている役割を将来にわたって果たしていけるよう、いわて建設業振興中期プラン2023に基づき、建設業団体等と連携し、建設業の振興に取り組んでまいります。 続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。 まず、議案第1号令和6年度岩手県一般会計予算についてでありますが、お手元の議案その1の11ページをごらん願います。 県土整備部関係の令和6年度予算案は、6款農林水産業費、3項農地155億3、218万円余のうち2億8、355万円余、12ページに参りまして、8款土木費608億804万円余、13ページの11款災害復旧費、3項土木施設災害復旧費105億6、048万円、12款公債費914億1、359万円余のうち1億1、333万円余、13款諸支出金2項公営企業負担金230億1、588万円余のうち7億1、473万円余であり、総額724億8、015万3、000円となっております。これを前年度当初予算と比較しますと、43億8、970万円余の増、率にいたしまして、6.4%の増となっております。 予算案の内容につきましては、お手元の予算に関する説明書に記載しておりますので、説明は省略させていただきます。 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。15ページをごらん願います。第2表債務負担行為の表中、県土整備部関係は17ページをごらんいただきまして、37空港管理運営から18ページに参りまして、53河川等災害復旧事業までの17件であり、これは工期等が翌年度以降にわたるものについて、債務負担行為を設定しようとするものであります。 次に、特別会計予算案2件について御説明申し上げます。39ページをごらん願います。議案第7号令和6年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額について、歳入歳出それぞれ3万4、000円と定めようとするものであります。 次に、少し飛びまして52ページをごらん願います。議案第11号令和6年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額について、歳入歳出それぞれ7億3、183万6、000円と定めようとするものであります。55ページに参りまして、第2表地方債でありますが、これは港湾施設整備事業に係る地方債の限度額等を定めるものであります。 次に、企業会計予算案1件について御説明申し上げます。少し飛びまして、67ページをごらん願います。議案第15号令和6年度岩手県流域下水道事業会計予算についてでありますが、第2条は業務の予定量を、第3条は収益的収入及び支出の予定額を定めようとするものであります。68ページに参りまして、第4条は資本的収入及び支出の予定額を定めようとするものであります。第5条は流域下水道管理に係る管理業務委託など10件の工事等について、債務負担行為を設定しようとするものであります。 次に、予算案以外の議案について御説明申し上げます。少し飛びまして、81ページをごらん願います。議案第19号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、令和6年度において実施する土木関係の建設事業に要する経費の一部について、受益市町に負担させようとするものであります。 次に、83ページをごらん願います。議案第20号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、令和6年度において実施する流域下水道事業に要する経費の一部について、受益市町に負担させようとするものであります。 次に、予算関連議案について御説明申し上げます。議案その2の32ページをごらん願います。議案第35号道路占用料徴収条例の一部を改正する条例についてでありますが、道路法施行令の一部改正に伴い、占用料の額を改定しようとするものであります。 次に、38ページをごらん願います。議案第36号海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例についてでありますが、漁港管理条例の一部改正に伴い、漁港区域に係る海岸保全区域の占用料の額を増額しようとするものであります。 次に、39ページをごらん願います。議案第37号岩手県手数料条例の一部を改正する条例でありますが、本条例のうち県土整備部関係の改正内容について御説明申し上げます。41ページをごらん願います。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の題名が改められたことに伴い、所要の整備をしようとするものであります。 次に、118ページをごらん願います。議案第63号県立都市公園条例の一部を改正する条例についてでありますが、物件費の伸びに伴い、県立都市公園の使用料の額を増額しようとするものであります。 次に、127ページをごらん願います。議案第64号建築基準法施行条例の一部を改正する条例についてでありますが、建築基準法の一部改正等に伴い、既存の建築物の敷地等と道路との関係に関する制限の適用除外に係る認定の申請等について手数料を徴収するとともに、所要の整備をしようとするものであります。 次に、129ページをごらん願います。議案第65号岩手県港湾施設管理条例の一部を改正する条例についてでありますが、物件費の伸びに伴い、影響を受ける軌道走行式荷役機械及び上屋の使用に係る使用料の額を増額しようとするものであり、また、岩手県漁港管理条例の一部改正に伴い、同条例に定める額に準じている港湾施設に管類及び電柱等を設置する場合の占用料の額を増額しようとするものであります。 次に、131ページをごらん願います。議案第66号花巻空港管理条例の一部を改正する条例についてでありますが、道路占用料徴収条例の一部改正に伴い、空港の水管等及び電柱等を設置する場合の土地占用料の額を増額しようとするものであります。 次に、132ページをごらん願います。議案第67号道路法等の適用を受けない公共用財産の使用等に関する条例の一部を改正する条例についてでありますが、道路占用料徴収条例の一部改正に伴い、使用料の額を改定しようとするものであります。 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 〇城内愛彦委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事の進行に御協力をお願いいたします。 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。 〇佐々木茂光委員 私からは大きく2点でございます。まず一つは河川改修、そして、道路について御質問したいと思います。 最初に河川改修です。近年は、甚大な被害を及ぼすぐらい降水量が増しております。その中で、県も、そういったところに合わせるようにして、大分大がかりに河川改修を進められており、住民の安心が確保されていると思っております。 私が、河川改修についてお伺いしたいことは、河道掘削です。当然、河川掘削は流域の面積を確保するために河道を掘削したり、河川幅、管理区域にまで手をかけているように私は認識しているのですが、河川掘削が終わった時点で、中州等が残っているのです。河道を確保する上では、中洲も撤去したらどうかと思います。 というのは、河川の水位が上がってくると、中洲のヨシガヤが海まで届いてしまっています。海での漁船の航行では、海水をくみ上げて冷却水にするわけですけれども、ヨシガヤが詰まってしまって漁船が航行できない状態になるのです。河川改修が進むことによって、中州の周辺が荒らされている関係で、毎年のように、そういった状況があります。 そしてまた、上流に行くほど河道の幅が狭いため、増水時にはその周辺の立ち木が流されてくる。それから、間伐材の処理したものが水際にあって流されてくる。それが増水時に流され、海までたどり着いている状況です。 これは、農林水産部でも、流木等の対応はしているのですが、それが追いつかないぐらいの量が出てくるわけなのです。その辺の対策を含めて…… 〇城内愛彦委員長 質疑は簡潔にお願いします。 〇佐々木茂光委員 まずは河道掘削、それと、その周辺の整備を、もう少し踏み込んだ形で整備してはどうかということを今申し上げているところでございますが、その対応についてお願いいたします。 〇馬場河川課総括課長 河道掘削についてでございますが、近年、激甚化、頻発化しております豪雨災害の状況を見ますと、出水による河道の状況変化など、これまで以上に機動的な対応が求められると考えております。 河道掘削につきましては、近年の浸水被害がある箇所や資産の集中箇所などにおきましては、引き続き、優先的に進めております。 中州等の除去につきましては、抜本的な河川改修のときに実施しております。毎年行う河道掘削につきましては、平水位、いつもの水位のところで、河川環境に余り大きく影響のないような形で撤去しているというところです。 また、立ち木の伐採につきましても、河道内の流木として下流に影響が及ぼしそうなもの、それから、河道断面の支障になるような立ち木伐採については、これまでどおり実施していきたいと思っております。 また、洪水後の流木についても、河川巡視の結果を見ながら対応していきたいと考えております。 〇佐々木茂光委員 今、中州にヨシガヤが繁茂している状態です。その中に立ち木も生えたりします。立ち木を伐採して、そのまま水際に倒しておくのですが、それを、例えば水際から5メートルぐらい上に上げるなど、河川管理者として、林業関係の方々に相談、協議する場を設けながら、いずれ、川には流木と立ち木等が流されないような方法をとっていただきたいと思うのですが、その辺の考え方はどうですか。 〇馬場河川課総括課長 県におきましては、流域治水という考え方をもちまして、県内の全水系で流域治水に取り組もうとしています。 その中に、河川管理者だけでなく、森林を管理している国、県、地元の市町村も一緒に入ってもらっていますので、今、佐々木茂光委員御指摘のような内容も、流域治水の協議会の中で共有しまして、一体となって取り組んでまいりたいと考えております。 〇佐々木茂光委員 よろしくお願いいたします。これは、本当に、河川だけ管理している人たちだけでは太刀打ちできないです。気仙川でも、中洲などに野鳥がいるからといって手をかけないでいるケースが結構あるのです。けれども、毎年出水時にヨシガヤなどが海に流される状況に置かれている中で、船の人たちは、本当に落ち着いて船を出せないのです。そういう状況になるので、これは強くもう一度お話を進めていただきたいと思います。それはお願いしておきます。 次は、国道343号、笹ノ田地区の道路整備についてお尋ねをいたします。 国道343号については、これまでも、国道343号笹ノ田地区技術課題等検討会議が設置されて、一般質問の中でも、路線の重要性は受けとめているということで、今は、調査した結果、破砕帯がこの地域に見えているということで、次の報告までには、その辺の取りまとめをしながら、調査を進めていくという答弁でございました。 それはそれでいいのですが、国道343号の、西は大東地区、一関市周辺になります。東は陸前高田市、大船渡市に道路が向かうのでありますが、当該路線が一般広域道路に格上げされた中で、今後どのようにして整備を進めていくのか。もう手をかけようとしているのか、現場調査は終わっているのかなど、進捗状況について、お示し願いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 国道343号の笹ノ田地区の道路整備の取り組み、検討協議会の状況についてでございます。 昨年3月に第1回協議会を開催した後に、その第1回協議会の意見を踏まえまして、現在、地形、地質の検討を含めて、先ほど佐々木茂光委員からお話ありました破砕帯等の脆弱化した地質の分布など、技術的な課題が多いことを確認しております。 現在、第2回協議会でいただいた意見の整理や破砕帯などの技術的課題のさらなる検討を行っておりまして、次回の検討協議会において、それらの整理を踏まえ、整備方針案の検討と技術的課題の整理を行う予定としております。 また、路線全体につきましては、検討協議会の中でも、路線の重要性を確認しておりまして、地域の声を受けとめながら、まずは、一番の隘路であります笹ノ田地区の検討を進めてまいりたいと考えております。 〇佐々木茂光委員 県土整備部も、ILCの進捗状況についてはもう見えているのだろうと思っておりますが、それは大丈夫ですよね。 私たちは、道路整備とILCの進みぐあいを切り離して考えていましたけれども、この間の選挙において、知事からも、ILCに関しては少し踏み込んだお話もあったし、マニフェストプラス39にもしっかりと載せたようですし、今定例会が始まっても、ILCに関係する人たちから、2025年が誘致判断の一つの節目という話も出ておりました。 検討協議会で、国道343号がどういうふうに改良するなり、整備が進むのかということが、地域住民にとっても、ILCの実現に向けた関係者も、期待をしているところがあります。今のお話の中では、その辺の話は恐らく出ていたかと思うのですが、私たちが期待したいのは、国道343号の整備は国の事業だからということはなく、自分たちでできるものは少しずつでも進めていったらいいという思いで、今お話ししているわけですが、破砕帯以外にかかわる設計など路線の整備をどういう方向で進めていくかという話は、検討協議会の中では出ていないのでしょうか。 〇小野寺道路建設課総括課長 第2回検討協議会の中では、ILCは参考として情報提供しております。第2回検討協議会の意見交換では、どちらかというと、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園への観光ルートとしての役割も、もう少し丁寧に情報収集したほうがいいのではないかと意見がありましたので、東日本大震災津波伝承館の来訪者がどちらから来ているのかというヒアリングを直営で行うなど、そういう細々した調査も現在行っておりますので、お時間はいただいておりますけれども、できるだけ早く第3回の検討協議会に取り組んでいきたいと考えております。 〇佐々木茂光委員 それは本当に大事なことなのです。今の路線の線形を大幅に変えて、一般広域道路に格上げになったということは、観光ルートとしての役割にまで踏み込んだ道路づくりになると思うので、観光客の意向といったところまで踏み込んだ形で検討を進めていったほうがいいだろうと思います。 道路の整備は、県がやるのも、国がやるのも、最後は、地域の人たちが一緒になって、一日でも早い、立派な道路をつくっていくことが一つの狙いです。でき上がったけれども、このような道路だったのかというような話にならないように、地域の人たちともっと膝詰めで対話を重ねながら、その都度、進捗状況など何かしら皆さんに示せるような動きをしていただきたい。それは要望にしておきますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから、国道107号です。そして、物流の拠点である大船渡港の道路整備、あわせて港湾の拡張ということでお話します。この間の2月定例会の一般質問では、宮守インターチェンジから大船渡地区までの道路整備を進めていくとことが県土整備部の答弁でありますが、今、白石トンネルが事業化されて動き出しております。 今、私がまたお話ししたのは、宮守インターチェンジからトンネルまでの、荷沢峠周辺です。それから、トンネルから大船渡市に向けた道路整備のあり方について、どの程度まで、進んでいるのか、その辺をお願いしたいと思います。 〇城内愛彦委員長 質問は簡潔にお願いします。 〇小野寺道路建設課総括課長 大船渡内陸道路の取り組みについてでございますが、大船渡市から宮守インターチェンジ間の国道107号は、中央港湾の大船渡港と産業集積が着実に進む内陸部を結ぶ、産業振興を支える上で重要な路線だと認識しております。 このため、県では、令和3年に策定した岩手県新広域道路交通計画で、気仙地区と宮守インターチェンジ間の連絡強化を図るために、国道107号の大船渡市と宮守インターチェンジ間を一般広域道路として位置づけ、さらに、これに重ねる形で、仮称大船渡内陸道路構想路線に位置づけたところでございます。 この計画に基づき、現在、白石峠工区の早期着工に向けて整備を推進するとともに、大船渡内陸道路については、沿線の市町と丁寧に意見交換しながら、大船渡港を有する大船渡市と宮守インターチェンジ間の連絡強化に向けて取り組んでまいります。 〇佐々木茂光委員 もう一点、国道107号の起終点は、国道45号の権現堂でよかったのですか。 〇小野寺道路建設課総括課長 国道107号は、国道45号の接続までです。 〇佐々木茂光委員 これは、要望になるかどうか、もしかすると県土整備部にもその話が来ているかと思うのですが、港湾が充実していくためには、その起終点の権現堂とをぶち抜いて港湾までタッチできるような道路が必要になってくるわけです。 起終点のあり方と、それを港湾まで結びつけて初めて国道107号の道路が生きてくるということを頭に置きながら、これからの整備を、しっかりやっていただきたいと思います。いずれ、トンネルだけはでないのです。宮守インターチェンジら大船渡港まで行く間を、一日でも早く、概要だけでも出して、こういう道路ができますという宣伝も、地域にとっては非常に大事なのです。先んじて、よろしくお願いしたいと思います。 まず要望で、終わります。 〇上原康樹委員 私、先月、少し不安になることがありました。花巻市東和町の萬鉄五郎記念美術館に参りましたら、入館料が要りませんということでした。理由を聞きましたら、空調の改修工事が進まず、館内は寒いまま、とてもお客さんからお金を取れる状態ではありませんということでした。館長に理由を尋ねましたら、大阪万博で資材が手に入らず、工事が進まないという話でした。なるほどなと。あの大阪万博がこの岩手県にまで影響、影を落としている。 翻って、県道を整備する上で、資材の確保は大変大きなテーマでございますが、この大阪万博の会場建設、すさまじい突貫工事の影響は出ていないか心配されているところです。現在の状況はどうなっているでしょうか。 〇沖野建設技術振興課総括課長 県内の資材不足の状況についてでございますが、本県における最近の建設資材の需給動向については、先月発表されました国土交通省の調査結果によりますと、コンクリートやアスファルト、鋼材などの主要な資材の需給動向は均衡、それから、在庫状況は普通という調査結果になっており、全体的には逼迫している状況にはないと受けとめております。 また、県土整備部発注工事におきましても、これはメーカーや資材商社等の御協力、御尽力もあるかと思いますけれども、おおむね計画どおりの資材調達ができている状況でございます。 〇上原康樹委員 直接作業に当たられる事業者からの声は、どのように聞いていらっしゃいますか。 〇沖野建設技術振興課総括課長 建設技術振興課といたしまして、県内各地域で行われる完成検査が年間およそ200件以上ございまして、それに職員を派遣しております。 その中で、直接現場を担当している方々から、今、現場で起きている状況とか、資材の状況といったものを直接お伺いして、情報収集しております。 〇上原康樹委員 予定されていたものが不足して、さらに、価格が高騰して、設計の変更を余儀なくされる。場合によっては、理想を下げて妥協するということのないことを祈るばかりですが、そうしたことは、今のところ全く心配はありませんか。 〇沖野建設技術振興課総括課長 県営建設工事におきましては、あらかじめ、仕様書等でその品質などを定義しております。価格が高騰した場合においても、その価格高騰に対応した、契約締結後に生じた物価変動に基づく請負代金の変更と、いわゆるスライド条項といったような手続を行いながら、適切に対応しているところです。 〇上原康樹委員 岩手県の県土整備とは全く無縁とも思えることが影響を与えることもあるわけでございます。戦争、紛争、大災害、今は何が起こるかわからない世界的な状況でございます。 そのために、情報の収集、事業者との連携、間断のない情報共有が重要になってくると思います。県土整備部長の所見を伺います。 〇加藤県土整備部長 上原康樹委員御指摘の県内の公共事業につきましては、我々県民の安全・安心の確保を図り、地域の活性化、暮らしを守るために必要な事業だと思っております。 公共事業を進める上では、発注者、受注者ともに、現場で何か起きた場合、いわゆる予見されないことが起きた場合に関しましては、そこの双方のコミュニケーションはしっかりとるように努めておりますので、事業に影響を与えることのないように、しっかりと工事を進めてまいりたいと考えております。 〇上原康樹委員 カジノや2億円のトイレより、岩手県の県土整備、この1行を添えて、終わります。 〇吉田敬子委員 まずは、都市公園の整備利活用促進についてお伺いいたします。 岩手県には、御所湖広域公園、花巻広域公園、内丸緑地、高田松原津波復興祈念公園の都市公園がありますけれども、遊具など老朽化の課題が各都市公園にあります。今年度までに、例えば花巻広域公園においても、遊具の更新をしていただいたり、御所湖広域公園においても、同じように遊具更新を随時していただいております。感謝申し上げますが、ほかにも総合的な課題があると私は認識しております。県としての課題認識をお伺いいたします。 〇小野寺都市計画課総括課長 県立都市公園の課題の認識でございますけれども、県立都市公園のうち、御所湖広域公園、花巻広域公園につきましては、いずれも供用から40年以上が経過しており、さまざまな設備の老朽化によります施設の維持管理と、また、来園者の減少というところが課題かと認識しております。 このため、県におきましては、岩手県公園施設長寿命化計画に基づきまして、施設の修繕や更新を計画的に行っているところでございます。 今後でございますけれども、御所湖広域公園のローラー滑り台など、大型遊具が一斉に更新時期を迎えるということでございますので、更新に必要な予算の確保とともに、来園者のニーズに合わせた整備が必要と考えているところでございます。 このことから、来年度につきましては、御所湖広域公園につきまして、遊具などの施設を単純更新のみによらない県民ニーズを反映した施設整備のあり方や、今後の公園施設の利活用の方向性につきまして、検討を行いたいと考えております。 〇吉田敬子委員 先ほどは、利用者、来園者の減少というお話もありましたけれども、御所湖広域公園は、コロナ禍によって、レクリエーション広場の利用者が若干ふえているという報告もありまして、一方、花巻広域公園は、利用者が伸びないと管理運営業務報告書に書いてありました。全体的に、利用者が減少傾向にある中で公園施設の利活用の検討が必要だと私も認識しており、来年度やっていただけるということで、大変感謝しております。 御所湖広域公園においては、公共路線バスが廃止されたことによって、今まではバスでも利用できたところですが、鶯宿温泉まで運行されていたものががつなぎ温泉までになってしまったことで、アクセスの部分についても課題があるという、事業者の声がありますし、男子トイレにはおむつ台がないという声もありますので、そのようなソフトの部分も含めた利活用の検討に取り組んでいっていただきたいと思っております。 その中で、県立都市公園に、インクルーシブな遊具も含めた取り組み、公園の整備をぜひしていっていただきたいと思っておりますが、県として、インクルーシブ公園遊具導入の取り組みについて、全国的な流れをどう捉えているのか、県内の状況と市町村への導入支援の方向性をお伺いいたします。 〇小野寺都市計画課総括課長 インクルーシブ公園や遊具の導入の取り組みについてでございますけれども、インクルーシブ遊具につきましては、全国的にも徐々に導入している公園の事例もふえてきていると承知しているところでございます。 今後、遊具の更新などを行う場合には、各々の公園に応じまして、利用する方の潜在的なニーズを踏まえるとともに、全ての方がともに利用できるインクルーシブなどの新しい視点を取り入れていくことも必要と認識しているところでございます。 県内におきましては、一関市の一関遊水地記念緑地公園と宮古市のうみどり公園に設置されていると承知しているところでございますけれども、インクルーシブ公園の整備や遊具の導入に当たりましては、都市公園を多く管理する市町村の担当者の理解促進も必要と考えているところでございまして、今年度におきましては、宮古市のうみどり公園におきまして、市町村の都市公園事業担当者を対象といたしまして、事例見学会を開催し、16の市と町に参加いただいたところでございます。 これにつきましては、来年度も引き続き、理解促進のための研修会等を開催して、導入の支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。 〇吉田敬子委員 今年度初めて市町村の研修会をやっていただいて、来年度も引き続きやっていただけるということで、ぜひ、市町村の理解促進に努めていっていただきたいと思っておりますし、いずれは、市町村に対する補助をしていただけたらいいと思っております。 これまでも取り上げておりますけれども、東京都では、市町村区が導入する場合の補助事業をされておりまして、そういったこともぜひ検討していっていただきたいと思っております。 御答弁にありましたとおり、市町村でやっている公園の整備の中にインクルーシブ遊具がふえることが、一番目に見えやすいと思うのですけれども、例えば最近では、滋賀県でも、県が管理する公園でのインクルーシブ遊具等の導入もふえてきています。利府町と多賀城市にある宮城県立都市公園の加瀬沼公園にもいろいろな遊具、大型のものが入っておりまして、これも今年度新たに、プレイリーダーを配置する取り組みをされています。こういった取り組みが全国で見られますので、いろいろなインクルーシブ遊具の市町村への導入促進もそうですけれども、県立の都市公園の遊具の更新時期に合わせた県のインクルーシブ遊具の導入についても、引き続き、検討をしていっていただきたいと思っております。 次に、まちづくりユニバーサルデザインガイドラインについてであります。先ほど、公園のことを取り上げさせていただきましたが、まちづくりユニバーサルデザインガイドラインについて、改定すべきだということで取り上げさせていただきました。これは公園のみならず、例えばトイレだったり、授乳、おむつがえの場所を、県土整備部でガイドラインを策定しておりますけれども、この課題についてどう捉えているか、改定への方針をお伺いしたいと思います。 〇佐藤建築指導課長 まちづくりユニバーサルデザインガイドラインについてでありますが、このガイドラインは、全ての人にやさしいまちづくりを実現するため、設計者や施工者等の手引書として、平成16年に策定したものであり、ガイドラインの活用により、まちづくりにおけるユニバーサルデザインの普及促進を図ってまいりました。 しかし、策定から20年近くが経過し、個人の生き方やニーズが多様化する中、利用する方々の潜在的なニーズ等を踏まえるとともに、インクルーシブなどの新たな視点も取り入れていく必要が生じてきているものと認識しております。 このことから、現在、現行のガイドラインの内容について検証を進めているところでございます。 来年度には、県の行動指針となる人にやさしいまちづくり推進指針の策定が予定されていることから、これを踏まえ、福祉関連団体等の意見も伺いながら、ガイドラインの改定作業を進めていくこととしております。 〇吉田敬子委員 ぜひ、インクルーシブの視点でもってガイドラインの改定に取り組んでいただきたいと思っております。ありがとうございます。 次に、岩手の景観の保全と創造に関する条例についてお伺いいたします。 岩手県は平成5年に、岩手の景観の保全と創造に関する条例を制定されて、平成16年6月の景観法成立後、平成16年12月に景観行政団体として景観行政に取り組んでおります。 県内市町村の中では、景観行政団体として、岩手県とは別に取り組んでいる市町村がありますけれども、景観地区と指定の状況、課題などあれば、どう捉えているかお伺いいたします。 〇小野寺都市計画課総括課長 景観計画に関する県内市町村の課題と状況についてでございますけれども、県内市町村におきましては、盛岡市など9の市町におきまして、景観法に基づく景観行政団体として、市町村の区域の景観計画の策定などの景観行政事務を処理しているところでございます。 また、良好な景観の保全と形成を図るため、盛岡市の大慈寺地区、平泉景観地区などの4地区が、景観地区に指定されているところでございます。 県では、地域の特性に応じた良好な景観の形成を図るためには、住民に最も近く、地域の状況を的確に把握しております市町村が、景観行政団体として景観行政に取り組むことが重要と認識しておりまして、市町村に対しまして、景観行政セミナーなどを通じまして、景観行政団体に移行した市町村の増加に努めているところでございます。 景観を切り口といたしましたまちづくりの取り組み事例を広く市町村に紹介するなど、市町村が景観行政団体への移行が進むよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 〇吉田敬子委員 住民に近い市町村が積極的に取り組んでいくべきだという県の見解です。盛岡市のほかに、一関市、北上市、遠野市、奥州市、釜石市、陸前高田市、平泉町、一戸町の7市2町が、岩手県とは別で、独自に景観条例計画等を進める景観行政団体になっているということであります。 先日、盛岡市の紺屋町の旧菊の司酒造跡地へのマンション計画に対して、まちづくりや景観の観点から、盛岡市に対する要望が出ております。 盛岡市は、県の計画や条例外、県の管轄外でありますけれども、ニューヨークタイムズ紙に認められた、世界から見た盛岡市の文化や町並みは、本県にとっても重要な財産であり、県のさまざまな施策にも、この件がうたわれていると、私は認識しております。 これに対する県の所感をお伺いできればと思っております。県のホームページに、いわての残したい景観という景観資源データベースを作成していただいておりますが、この中においても紺屋町が紹介されていて、このホームページを見ると、岩手県としても、紺屋町の町並みが大事だと私は認識しております。県として、景観保全、継承のためにできることは何か、お伺いしたいと思います。 〇小野寺都市計画課総括課長 盛岡市の紺屋町かいわいですけれども、ニューヨークタイムズ紙に取り上げていただいた以降、外国人の方が多く訪れるなど、観光地としてにぎわいの創出という点では、大きな効果を得ているのかと思います。 また、バスセンターや、今後、開館いたしますmonakaなど、そういったところの相乗効果も期待できるエリアと考えております。 盛岡市紺屋町のマンション計画についてですけれども、紺屋町の町並みに関して、要望書が盛岡市に提出されたことは承知しているところでございまして、良好な景観の形成には、先ほど申し上げましたとおり、県や市町村の行政だけではなく、地域の方々など、さまざまな主体の方が参画して、適切な役割分担と協働のもと、積極的に取り組む必要があるものと考えているところでございます。 要望書におきましては、盛岡市に対しまして、まちづくりや景観に対するルールの設定が求められているというところを承知しておりまして、まずは、景観行政団体である盛岡市が取り組むべきと考えておりますけれども、県といたしまして、景観法や都市計画法の手続というところで関係してきますので、こちらに関します助言等の支援をしてまいりたいと考えております。 県として、景観保全継承のためにできることでございますけれども、景観の取り組みにつきましては、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおきまして、地域の魅力を高め、活力ある地域社会の実現を図るために、地域住民、NPOと協働して、良好な景観の形成を推進することと定めておりまして、住民が主体となって、地域の景観の魅力を発見し、その価値を高める地域の景観点検の支援や、子供が地域の景観の魅力や個性を考える景観学習の実施を通じまして、次世代の景観づくりの担い手の育成の推進に取り組んでいるところでございます。 〇吉田敬子委員 まずは盛岡市が主体なので頑張っていただきつつ、県として、景観法のさまざまな手続の助言、アドバイス等を、これからもやっていっていただけるということで、ぜひ、お願いしたいと思っております。 県では、地域の景観点検という取り組みをされておりますけれども、この点検がどのような効果を生んでいるのか、課題等あれば、お伺いいたします。 この点検の過去の事例を見ると、例えば、盛岡市は、八幡町の町並みについての点検の事例も載っておりまして、県の所管ではないところの取り組みがあって、それがどう生かされているかというところをお伺いできればと思います。 〇小野寺都市計画課総括課長 地域の景観点検の取り組みでございますけれども、繰り返しになりますが、良好な景観の保全につきましては、住民の方が主体となるというところが非常に大切かと思っておりまして、県の景観点検の取り組みといたしましては、令和5年度は、北上市の2団体に対しまして、地元の隠れた景観資産の発掘活動や、町内会の町並み美化に係る改善検討への支援を行わせていただいているところでございます。 加えて、景観学習を通じまして、小中学校を対象に、担い手の育成にも取り組んでおりまして、その効果につきましては、なかなか短期的にはあらわれないものと考えております。 地域に帰ってきて落ち着くというところや、地域のよさを発信していただくと、それが最終的には地元に人が定着する、ほかから呼んでくる交流人口の拡大など、いろいろな効果を生み出すと思いますので、短期的にははかれないものの、長期的にはかなり効果のある取り組みだと考えているところでございます。 〇吉田敬子委員 都市計画課でも、子供たちの学習機会のためのキットをつくっていただいているということで、改めて、大変感謝しております。ニューヨークタイムズ紙を契機に、盛岡市だけでなく、岩手県全体で、地域住民、子供たちを含めた地域のよさを学ぶ取り組みが進んでいってほしいと思っております。 引き続き、景観行政団体としては別ですけれども、県として、盛岡市紺屋町かいわいは残したい町並みということで取り上げていただいておりますので、これからもよろしくお願いいたします。 〇飯澤匡委員 それでは、大きく2点質問をさせていただきます。 1点目は、このたび2月の下旬、新聞報道、また、さきに行われた岩手県議会港湾議員連盟の勉強会においても、釜石港に新たに新航路が定期化をされるとありました。コスコシッピングラインズジャパン株式会社―COSCOのフィーダー航路と聞いておりますけれども、この決定に至った経緯、COSCOは中国国営会社ですから、歴史ある会社として、今までの民間会社とは少し違う貨物の流れかと思いますので、今後に対する波及効果もかなり大きいと私は思っておりますが、決定に至った経緯と、期待される月ごとのコンテナ取り扱い貨物量について把握されているか、お知らせください。 〇君成田港湾空港課総括課長 国際フィーダーコンテナ定期航路の開設についてでありますが、この決定に至った経緯といたしましては、県が、港湾所在市等と連携した企業訪問、あるいは首都圏で開催しておりますいわてポートフォーラム等において、県内の港湾機能の向上、さらには、道路整備に伴う県内港湾のアクセス性の向上のPRなど、地道な活動が功を奏し、今回の航路開設につながったものと捉えております。 また、期待される1カ月当たりのコンテナ貨物取り扱い貨物量についてでありますが、200TEUクラスのコンテナ船を使用する予定であると伺っておりますが、現時点におきまして、どの程度のコンテナが釜石港において取り扱われるのかの見通しを把握するには至っておりません。 今回の航路開設により、釜石港のコンテナ船の寄港は、現行の週2便から週3便に増便となることから、県としましては、港湾所在市等と連携し、新航路の開設を広くPRしながら、さらなるコンテナ貨物取扱量の拡大に向けて取り組んでまいります。 〇飯澤匡委員 COSCOのフィーダー航路については、オペレーターが株式会社横浜コンテナラインという会社のようでありまして、ホームページで調べますと、盛岡市にも事業所を構えております。 それから、この航路を見ますと、横浜港、常陸那珂港、仙台港、苫小牧港まで行って、横浜港に戻って、そこから本船に積みかえて、中国もしくは恐らく北米にも行くのだろうと思います。 そうなりますと、この荷物の質的には、新たに開拓されたのか、それとも仙台港に寄って、持ち込まれたものが釜石港になったのか。もしくは、横浜港に直接持ち込まれる貨物が釜石港に寄ったのか。その流れについてはどのように把握されていますか。 〇君成田港湾空港課総括課長 貨物の流れについてでございますけれども、繰り返しになりますが、現時点において、どの程度のコンテナがどのように動いてくるかというところは承知してないところでございます。 〇飯澤匡委員 物の流れをつかむにしても、そこが一番大事なのです。今後、新規開拓するにしても、どういう貨物がどういう流れをとっていくのかということが、核の部分なので、新航路来ました、よかったですでは終わりません。今後の展開についても、もう少し調査をしたほうがよろしいのではないかと思います。 というのは、今までも、中国フィーダー航路も、それから、外貿コンテナもあるわけです。その中で、同じ荷物が動いてしまったのでは、あまり意味がないわけですから、新規にどういう貨物が、どういう荷主が、どういう動きをしているかということは、皆さん方もしっかり調査して、追跡をしていく必要があると思いますから、しっかりお願いしたいと思います。 先ほど言いましたように、COSCOがフィーダー航路とはいえ釜石港に寄るのは、私は非常に意味があることだと思っていますので、これを軸に、しっかり対応していただきたいと、大いに期待しております。 釜石港だけではなくて、大船渡港も、両港切磋琢磨しながら、コンテナの取り扱い数を伸ばしていただけることを、私は大いに期待したいと思いますし、そういう流れになってきているのだろうと思いますから、仙台港に負けないようにしっかりお願いしたい。 この質問が最後になりますが、新聞報道によると、COSCOの輸出入サービスが開始されました。先ほど申し上げましたように、オペレーターは株式会社横浜コンテナラインということですが、輸出入サービスを開始したということになると、釜石港の出先はどういう形になるのですか。 〇君成田港湾空港課総括課長 釜石港の現状になりますが、既存の2便のコンテナ船と同様のところから利用していただくというところでございます。 〇飯澤匡委員 私の言っている意味が理解されてないようですけれども、輸入サービス代理店は、恐らく同じ会社が担うと思われますが、いずれ、そういう会社がどのように拡張されるかも含めて、本県として対応していただきたいと思います。 2点目は、先ほど佐々木茂光委員が質問しました国道343号の整備促進についてお伺いします。 検討協議会は2回行われているということで、その2回目の内容についても、答弁としてはありました。 笹ノ田地区を中心に調査して、その整備促進を図る方向で行っていると、このような答弁でありましたが、3回目の検討協議会はいつ開催されて、どのような着地をするのか、時期も含めて、方針をお示していただきたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 検討協議会の状況でございます。昨年3月に第1回協議会を開催いたしまして、そこで出された意見を踏まえながら、昨年9月に第2回協議会を開催しております。 お尋ねがありました第3回協議会についてでございますけれども、第2回協議会でいただいた意見の整理、あるいは地質等の技術的課題のさらなる検討を現在行っているところでございまして、現時点では、開催時期をお示しすることはできませんけれども、次回の検討協議会については、それらの整理を踏まえて、整備方針案の検討と技術的課題の整理を行う予定と考えております。 〇飯澤匡委員 まとめると言っても、期限があるのではないですか。いつまでもだらだらやっているわけにいかないので、その辺の方針を示していただきたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 次回の検討協議会の開催時期についてでございますけれども、技術的課題が多いことが第2回協議会で確認されております。複雑な地質ということで、大規模な事業であるということも含めますと、慎重に検討を進める必要があります。検討に要する期間を今お示しすることはできませんけれども、着実に検討を進めまして、できるだけ早く次回の開催につなげてまいりたいと思っております。 〇飯澤匡委員 遅くとも来年度中にはやるのでしょうね。 〇小野寺道路建設課総括課長 開催時期については、いずれお示しはできませんけれども、来年度の予算案の中でも調査費を盛り込んでおりますので、できるだけ早く開催するということで考えております。 〇飯澤匡委員 わかりました。 予算案に盛り込まれているということでありますので、その意味たるものを、よく理解をして進めていただきたいと思います。 それで、この件については直接的には関係ないのですが、2月24日の日本経済新聞の電子版で、東北復興工事において、入札せず契約、既存事業に費用を上乗せしたことが同社の調査によって5件ほどわかったとありました。岩手県についても、新区界トンネルの舗装工事において、23億円余で契約、そして、変更契約で追加した別工事、別のトンネルの舗装工事が約8億円、このような報道がされていましたが、この件については聞きません。 ただ、お金の使い方として、我々は、長年、地域の発展のために活動している中で、復興工事といういろいろな影響はあったと私も理解していますが、我々が、非常に切望しているものに対して、このように別の経路で新たに整備が決まってしまうことについては、非常に複雑な心境であります。 この点については、いろいろ内部の背景はあるかと思いますけれども、住民が要望しているという点においては、その進捗をしっかり図っていただきたいという思いでございますが、その点について、県土整備部長から何かコメントがあれば、お願いします。 〇加藤県土整備部長 ただいまの件についてでございますけれども、私も報道等で把握はしておりますが、恐らく、当時、県もそうですけれども、国におきましても、被災地の早期復旧、復興のために、鋭意、各種工事を進める中、入札不調等の状況があった中で起こったものと考えておりますので、この件についてコメントする立場にはないと考えておりますけれども、ただ、国が、東日本大震災津波復興のリーディングプロジェクトとして、復興道路、復興支援道路等の整備を全力で取り組んで、三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路等の早期供用が図られ、被災地の復興に大きく寄与したと考えております。 こういった社会資本の整備はとても大事だと思っておりますので、私たちも、県民の安全・安心の確保を守るため、地域の活性化、暮らしを支えるためにも、必要な社会資本の整備をしっかり進めるために、引き続き、公共事業予算を確保しながら、しっかりと事業を進めてまいりたいと考えております。 〇飯澤匡委員 この件については、私は、背景はよく理解しています。手続としてはまずかったと思いますけれども、やむにやまれぬ状況もあったと思います。 ただ、そのプロセスを見ますと、先ほど申し上げましたように、国道343号の整備も、長い間、署名も9万人筆を超える方々が、住民の要望を添えて行っているのに対して、きょうの答弁でも、次回の検討協議会の開催時期等もなかなか言明できるような状況にないということは、大変残念な思いでございます。 いずれ、昨年一歩進んで、ここまで進めていただいたことは、多としたいと思いますが、いずれ、人口がどんどん減っていく中で、道路整備の効果を、量的に測られてしまいますと、結構つらいものがございます。それを打開するための一つのアクセス戦略と私は捉えて、また、住民の方々もそういうことに希望を乗せておりますので、しっかりとした対応をお願いしたいと思っているわけですが、最後に、事業採択に向けた、県土整備部の活動方針についてお伺いをします。 〇小野寺道路建設課総括課長 事業採択に向けた取り組み、活動の方針というお尋ねでございました。 新規に事業化をしていく際には、県の公共事業評価制度に基づき、必要性、重要性、緊急性、効率性等の評価を行っていく必要があります。 笹ノ田峠に、仮に新たなトンネルを整備することになりますと、大規模な事業になることが想定されることに加えまして、複雑な地質等の分布など、技術的課題が多いことを確認しておりますので、より詳細な検討が必要になると考えております。 こうしたことから、まずは、昨年3月に設置しました検討協議会において、整備方針案の検討や技術的課題の整理を進めていくとともに、現在進めている調査検討について、国に必要な支援を要望していきたいと思っております。 〇飯澤匡委員 建前は何回も聞いていますので、もう進めていただきたいと、こういう強い思いなのでございます。 それで、先ほど県土整備部長からも、復興のためにというお話がありましたが、国道343号も復興支援道路になっているわけです。そして、前段に国際コンテナフィーダー定期航路の話をしたのも全てつながっているわけです。ILCの件についても、まだどうかわかりませんけれども、大船渡港にあっても大いに可能性がつながるわけでありますから、それらを含めて、前々にしっかりと社会資本の投資をしていくと、そういう観点も必要と思っておりますので、最後に、県土整備部長に決意になるのか、しっかりやっていきますというお言葉を期待しながら、所感を求めたいと思います。 〇加藤県土整備部長 国道343号笹ノ田地区に関しましては、ここを、国道343号の中での一番の隘路と感じております。まずは、昨年3月に設置しました、この検討協議会においてしっかりと検討を進めながら、次回検討協議会において、整備方針案の検討、技術的課題の整理を行う予定としておりますので、それがしっかり進むように、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。 〇佐々木宣和委員 まず初めに、県内の建設業者の状況について伺いたいと思います。 県内の公共工事請負金額の推移というところで、信用保証会社の数字が出ておりまして、平成26年がピーク5、252億円で、令和4年が1、700億円ぐらいというところですので、3分の1になっているというのが現状です。 東日本大震災津波から復旧、復興するに当たって、工事の発注量が少なくなっていくのは予測していたわけですけれども、ハードランディングにならないように、ソフトランディングにしましょうということを言っておりましたけれども、どのような取り組みをして、どのような成果が出たのか、また、平成26年と最新の県内の建設業の事業者数、従事者数をお知らせください。 〇高橋県土整備企画室企画課長 公共事業についてでございますけれども、発注に向けた予算についてお答え申し上げたいと思います。 復興事業の進捗に伴いまして、今お話ありましたとおり、公共事業費が減少する中にありましても、県民の安全・安心な暮らしを守り、地域の産業振興に資する社会資本の整備や適切な維持管理のため、公共事業予算を安定的に確保する必要があると考えております。 そのためには、国費の確保が重要でありますことから、これまで、国に対しまして、公共事業予算の安定的、持続的な確保などについて、提言、要望を行ってきたところでございます。 このような中、当初予算と国補正対応分と合わせました実行予算ベースでの県土整備部の公共事業費は、令和3年度から4年連続で、東日本大震災津波前の平成22年度を上回る水準を確保しております。 引き続き、さまざまな機会を捉えまして、国に働きかけていくなど、公共事業予算の安定的、持続的な確保に努めてまいります。 〇沖野建設技術振興課総括課長 県内建設業の事業者数と従事者数についてですが、国の経済センサス活動調査によりますと、事業者数につきましては、平成26年度が5、801社、令和3年度が5、292社となっており、509社の減となっております。 また、従業員数は、同じく平成26年度が5万2、793名、令和3年度が4万8、061名となっており、4、732名の減となっているところでございます。 〇佐々木宣和委員 会社も500社ほど減っているところでございますけれども、その中で、公共工事請負金額が3分の1ぐらいに減っているのは、事業をやられている方々にとってはかなり大変な状況というところでございます。県内各地で、建設業協会からも、それぞれ委員の方々もさまざまな要望なり、お話をされているかと思いますけれども、地域の安全・安心を支える、それこそエッセンシャルワーカーという表現もされますけれども、その事業者の状況をしっかり見ていただきたいと思っているところです。言い方がなかなか難しいのですけれども、いい状態で会社を畳むようなことを考える方もいるやに、噂も聞いたりするようなところもありまして、そういったことがないように取り組んでいただきたいと思っているところでございます。 次に、道路整備に関して伺います。台風災害の経験からの道路の強靭化の重要性と、多重性の確保に関してでございます。 平成28年台風第10号でございますけれども、復興途上での被災というところであり、県内の被害総額1、400億円を超え、公共土木施設の災害査定件数、東日本大震災津波が2、049件、台風第10号が1、891件という、東日本大震災津波に匹敵するだけの被害となり、国道106号線は11日間、国道455号線は13日間、全面通行どめとなりました。 この中で、特に道路に関して、道路の寸断状況等、災害復旧の進め方について伺いたいと思います。今、能登半島でもかなり大変な状況になっておりますけれども、岩手県はこの台風第10号のときに、どのような災害復旧の進め方をしたのか伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 平成28年台風第10号による道路の寸断状況と、災害復旧の進め方についてでございますけれども、平成28年台風第10号災害におきましては、県管理道路において、55路線、122カ所の全面通行どめが発生いたしました。 一方で、三陸沿岸道路や東北横断自動車釜石秋田線の復興道路については、供用済み区間の被害が少なかったことから、改めて、幹線道路の整備あるいは緊急輸送道路等の防災機能の強化などが重要だと認識したところでございます。 現在、浸水被害が発生いたしました岩泉町小本川沿いの国道455号では、河川の災害復旧と一体となった道路整備を行っているところでございまして、今後とも、災害に強く、信頼性の高い道路ネットワークの構築に取り組んでまいります。 〇佐々木宣和委員 具体的な路線のお話を伺っていきたいと思いますけれども、国道106号線に関して、田鎖蟇目道路において、先般、起工式が行われたところでございます。発災直後は、釜石市を回って、時間が1.9倍かかって盛岡市に来たようなところもございますし、片側交通が937日というところでもございました。この区間に関しての整備の内容と見込みについて伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 国道106号田鎖蟇目道路についてでございます。 国の直轄権限代行として、令和2年度に事業化されました田鎖蟇目道路につきましては、これまで、道路設計や用地買収が進められていたところですが、昨年12月2日に宮古市内において起工式が開催され、その後、老木地区の道路改良工事、蟇目地区の橋梁下部工工事が契約となりまして、現在、現場の着手に向けた準備が進められていると国から聞いております。 令和6年度につきましては、引き続き、道路の設計や道路改良工事、橋梁下部工の工事などを進める予定であると国から聞いております。 〇佐々木宣和委員 本当に完成が待ち遠しいところでございます。 そして、国道455号線でございますけれども、先ほども少し触れていただきましたが、乙茂地区の道路のかさ上げ改良について伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 国道455号線の整備の状況についてでございます。 平成28年の台風第10号により浸水被害が発生いたしました岩泉町の乙茂工区でございますけれども、現在、中里地区、中島地区など5地区において、河川改修と一体となって道路のかさ上げやバイパス整備を進めております。今月中には、中里地区の供用を見込んでいるところでございます。 引き続き、残る4地区の工事を推進しまして、早期完成を目指してまいります。 〇佐々木宣和委員 最後に、台風災害があった際に、サブ道路を補完する道路として使われていました国道340号線に関して伺いたいと思います。 押角トンネル前後の改良に関して、二つの工区で進めていただいているところでございますけれども、今年度の取り組みに関して伺います。 〇小野寺道路建設課総括課長 国道340号線の整備状況についてでありますけれども、岩泉町の浅内工区では、今年度は現地測量、それから、道路詳細設計を進めてきたところでございまして、来年度は、引き続き、道路の詳細設計を進めるとともに、用地測量及び用地補償に必要な費用を当初予算案に盛り込んだところでございます。 また、宮古市の和井内押角工区では、今年度、改良工事や用地補償を進めておりまして、令和6年度は、引き続き改良工事を進めるために必要な費用を当初予算案に盛り込んだところでございます。 今後とも、事業中工区の早期効果発現が図られるよう、整備を推進してまいります。 〇佐々木宣和委員 この2工区以外のところで、残されている区間が、岩泉町側であと7キロメートル、そして、宮古市側であと2キロメートルぐらいというところでございます。この区間に関して、2車線区間でない区間が残り9キロメートルというところでもあり、地元からの強い要望もあるところですけれども、この区間に関してどういった状況になっているのか伺います。 〇小野寺道路建設課総括課長 国道340号宮古―岩泉間の未改良区間についてでございますけれども、幅員が狭く、急カーブが連続しているということで、整備が必要な区間があると認識しております。 このため、宮古市側、岩泉町側とも、走行上の課題が多く、早期整備効果の発現が期待できるということで、現在進めている宮古市の和井内押角工区、岩泉町の浅内工区を事業化したところでございます。 まずは、この2工区の整備に注力しまして、残る未改良区間につきましては、事業中工区の進捗あるいは道路の利用状況を見ながら見きわめてまいります。 〇佐々木宣和委員 何とか全線をしっかりとした道路にしていただきたいところであります。 一般質問でもありましたけれども、沿線の首長から、知事と市町村長と一緒にこの道路の要望ができないかという話もいただいているところでございますけれども、改めて、これはなかなかできないといった理由を伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 市町村とともに要望活動ということでございますけれども、県内には、国道340号を初めとしまして約50もの道路整備を求める団体がございます。各団体が主催する個別の行事への知事の出席等はかなっておりませんけれども、道路ネットワークの骨格をなす直轄道路の整備は特に重要だということで、国道106号の、先ほどの田鎖蟇目道路などの新規採択に向けては、関係する市町村長と団体とともに、知事が国に直接要望してきたところでございます。 また、令和6年度政府予算提言要望におきましては、知事が、財務省、国土交通省、中央官庁に直接赴きまして、道路など公共事業予算の安定的、持続的な確保等の要望をしてきたところでございます。 広大な県土を有する本県におきましては、災害に強い道路ネットワークの構築、それから、物流の基盤となる道路整備などが必要でございますので、いただいた御意見、地域の思いをしっかりと受けとめまして、県内の道路整備が着実に進むように、予算の確保、あるいは直轄道路の新規事業化への対応などについて、市町村と一体となって、効果的な要望活動に取り組んでまいりたいと思います。 〇佐々木宣和委員 期成同盟会もたくさんあるというところで、優先順位がつけられないというところもわかる気もしなくもないのですけれども、結局、執行する立場でもありますので、そもそも優先順位をつけないと事業が進んでいかないというところもあるのかと思っているところでございます。 そして、令和元年には、市町村長と一緒に、国土交通省に要望されていたと思いますし、花巻市で毎年開催されている道路大会にも知事は参加されたのを見たことがないというところでございますけれども、この点に関して、何かコメントがあれば伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 さまざまな要望活動につきましては、日程調整等を踏まえまして、行事への参加がかなっていないという場合も多いかと思いますけれども、先ほどお話ししましたように、地域からいただいた御意見、地域の思いを市町村の要望等々もしっかりと受けとめておりますので、県内の道路整備が着実に進むように取り組んでまいりたいと思っております。 〇佐々木宣和委員 具体的に伺いたいと思いますけれども、地域連携道路整備事業費、また、地域道路整備事業費に関して、昨年の国の経済対策も含めた令和6年の実行予算はどのくらいになっているのかというところと最近の傾向を伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 地域連携道路整備事業費、地域道路整備事業費の令和6年度の実行予算の状況についてでございます。国の補正予算案を含めまして、合計で約76億円盛り込んでおります。 令和5年度の実行予算比で申しますと、1.07倍であります。一方、地域道路整備事業費につきましては、県単事業でございますけれども、こちらの令和6年度実行予算は、補正予算がございませんので、令和6年度の当初予算案のみですけれども、約3.5億円で、こちらも令和5年度の実行予算比で約2倍という状況になっておりまして、道路整備を着実に進める予算を盛り込んでおります。 〇佐々木宣和委員 何とか予算を確保しながら、事業を進めていただきたいと思っているところでございますけれども、そもそもな話なのですけれども、岩手県の道路整備の状況をどのように捉えているのか。道路密度で見ても、東北地域で最下位であります。 復興道路、復興支援道路ができて、私もとても感動してうれしいところですけれども、まだまだ整備をしなければいけない。そして、きょうも質疑があったところですけれども、新設で構想を描いている部分もあって、それを何とか達成しなければいけないというところでございます。岩手県の道路整備の状況をどう捉えられているのか伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 県内の道路整備の状況をどう捉えているかというお尋ねでございますが、県の道路整備におきましては、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げた各分野の政策を力強く推進していくために、社会基盤の強化をしていくことが重要であると認識しております。 広大な県土を有する本県におきましては、東北自動車道であったり、三陸沿岸道路の縦軸、それから、釜石自動車道あるいは宮古盛岡横断道の横軸に加えまして、これらの道路を補完して、あるいは代替となる道路が一体となって機能することが必要だと感じております。 このため、災害に強い道路ネットワークの構築に向けて、令和3年6月に策定いたしました岩手県新広域道路交通計画に基づいて、事業を展開しているところでございます。これらの道路整備につきましては、国費の確保などが必要ですので、さまざまな機会を捉えて、国に働きかけていくなど、公共事業予算の確保に努めていきたいと考えております。 〇佐々木宣和委員 復興道路等の整備が終わって、これから、また新しい道路をつくるのはなかなかハードルが高いところでございますけれども、前向きに取り組んでいただきたいと思います。 〇大久保隆規委員 私からは、192ページ、空港整備事業費11億7、500万円について、1件お尋ねをしたいと思います。 新年度予算計上されています同事業でございますけれども、この主な整備の事業内容について、まずはお示しをお願いいたします。 〇君成田港湾空港課総括課長 令和6年度の空港整備事業の実施内容でございますけれども、航空機がオーバーランなど滑走路を逸脱した場合に備えまして、航空機の損傷を軽減させるために、滑走路の端部に設置いたします滑走路端安全区域、これは県立花巻農業高校側につくりますが、それの整備、あるいは航空灯火設備の更新工事等を予定しているところでございます。 〇大久保隆規委員 ことしは、年明けの元旦に能登半島地震があって、本当に大変なことが起きましたけれども、その救援に向かった海上保安庁の飛行機による、羽田空港での事故も発生したということでございまして、安全性をより高めるということで、とても重要な事業だと思いますので、引き続き、よろしくお願いしたいと思う次第でございます。 また、あわせまして、現在、国内には、拠点空港や地方管理空港も含めて97の空港があるわけでございまして、その中で、各空港に整備されております空港ラウンジについて、お尋ねをしていきたいと思います。 このラウンジは、フライトの合間に乗客が快適に過ごすためのサービスを提供する国内外の主要空港に設置されている待合室でございますけれども、サービス内容は、ラウンジによってそれぞれ異なりますけれども、フリードリンクや軽食、Wi―Fiや充電器の利用などが一般的でございます。 これが、国内97空港のうち34の空港に47カ所整備されております。大きく言うと、成田空港で2カ所、羽田空港で8カ所が整備されているわけでございます。いわて花巻空港も1961年の事業開始から1964年の開港を経まして、60年に及ぶさまざまな取り組みの成果で、2009年には現在のターミナルが完成され、非常に利用しやすい、すばらしい地方空港だと、本当に国内でも指折りのいい地方空港だと思っておりまして、これまでの当局の取り組みに心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。 そこで、今後、このいい空港をよりよい空港にするという観点からお尋ねさせていただきたいのですけれども、今後、いわて花巻空港におきましても、空港ラウンジの整備といったものを、どのようにお考えになっているのか、基本的な考え方がございましたら、お示しをお願いしたいと思います。 〇君成田港湾空港課総括課長 いわて花巻空港のラウンジ整備についてお尋ねがありました。 空港のラウンジについては、大久保隆規委員の御指摘のとおり、利用料金等を支払うなど、一定の条件を満たした方が、飛行機に搭乗するまでの待ち時間を快適に過ごすことができる休憩所と認識しております。 花巻空港は、御指摘のとおり、ラウンジはございませんけれども、休憩する場所といたしましては、食堂や待合室等がございます。ラウンジの整備については、ターミナルビルの管理者でございますいわて花巻空港ターミナルビル株式会社や航空事業者などとともに、利用者のニーズなどを踏まえまして、今後の整備について、研究してまいりたいと思います。 〇大久保隆規委員 現在の拠点空港、成田空港、羽田空港は当然のことながら、地方空港でどうなっているかということを少し調べてみたのですけれども、九州地域の空港においては、拠点の福岡空港以外にも、北九州空港、佐賀空港初め全ての空港で整備されておりました。あるいは島根県では出雲縁結び空港でも整備されまして、これは出雲大社などの観光地を控えているというところもあると思います。北海道でも、新千歳空港以外にも、地方拠点空港の旭川空港と函館空港、ここは観光地でもありますけれども、東北地域においてはやはり仙台空港。そのほか青森空港には青森エアポートラウンジ、秋田空港にはロイヤルスカイラウンジということで、青森県の空港と秋田県の空港にも実は整備されているということでございます。 過般の県産品の輸出に向けた取り組みということで、岩渕誠委員からも、今後、インドの経済の勃興だったり、あるいはマレーシアも含め東南アジアがより進出してくることから、東南アジアの富裕層などをお招きする上でも、非常に有効なものになってくると思うのです。 半導体産業が今後成長していけるようになるとすれば、当然、先進地である九州地方のシリコンアイランドとのやりとりも出るでしょうから、そういったところのビジネスパーソン、あるいはエグゼクティブの利用なども、見込まれると思うのです。 そういった意味で、今すぐ直近の課題ではないですけれども、2009年の整備以来、ちょうど15年という節目にも当たりますから、よりよい空港にしていくといった意味で、こういったものも考えていくことが必要ではないかと思う次第でございます。 花巻空港は、本当にコンパクトで、15年たっても非常にクレンリネスが維持されています。本当に使いやすい、いい空港だと思うのです。 ただ、ラウンジの整備によって一般の利用客から、使い勝手が悪くなったという形は避けなければいけませんので、仮に整備するとすれば、技術的に、設計的にラウンジの整備が可能なのかどうか、技術的な点からどういう形になっているのか、教えていただければと思います。 〇君成田港湾空港課総括課長 大久保隆規委員が御指摘のとおり、空港の利用につきましては、世界各地からも来ていらっしゃるということで、機能向上等をしていくことが非常に大切だと認識しております。 花巻空港のターミナルビルにつきましては、ビルの管理者で建築をしたものでございますが、コンパクトで使いやすいビルをモットーにつくられたビルでございまして、現状のビルの状況からいきますと、スペースが限られておりますことから、ラウンジ整備をすることは難しいと思っております。 〇大久保隆規委員 そうしますと、今の本当にコンパクトで使い勝手がいい空港ですから、このよさを残さなければいけませんけれども、また、現状にぽつんと追加するだけでは厳しいという御指摘も今ございましたけれども、どういう方法があるのか、これは今後、専門的に深めていただきまして、また、よりよい空港にするという観点で、今後の時代にあった対応ということで、ラウンジの整備について、検討方進めていただきますよう、要望して、終わります。 〇佐々木朋和委員 最初に、疾病・事業別医療圏の設定による道路整備の必要性について伺いたいと思います。 令和6年度より、疾病・事業別医療圏の設定がなされまして、二次医療圏を越えた中核病院のアクセス向上が求められております。 県土整備部として、この変化をどのように捉えているのか、改めて、保健福祉部との調整や調査が必要ではないかと思いますが、所見を伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 中核病院へのアクセス向上についてでございますけれども、現在、保健福祉部において、岩手県保健医療計画の策定の取り組みが進められておりますけれども、この中では、がんや脳卒中など疾病・事業別医療圏の設定について、医療のデジタル化の推進や、復興道路など道路整備の状況を踏まえた検討が進められていると承知しております。 県内の道路整備におきましては、これまでも、いわて県民計画(2019〜2028)において、日常生活を支える安全な道づくりとして、二次保健医療圏外への救急搬送ルートを含めた、救急医療機関へのアクセス向上を推進することとしておりまして、引き続き、救急搬送ルートの整備を推進してまいります。 〇佐々木朋和委員 保健福祉部でも議論になりましたけれども、中核病院に着くまでの間のさまざまな工夫を行うということですけれども、おっしゃっていただいたように、脳卒中や心血管疾患等については、時間との戦いということもありますので、県民感情としては、一刻も早く中核病院へのルートを確保すべきだという思いなのだろうと思います。 そういった中で、国道4号線の4車線化、このたび、水沢金ケ崎道路の3.1キロメートル区間は妥当性ありということで認められたことは喜ばしいところでありますけれども、一方で、これから、奥州市から県立磐井病院へのルートも確保しなければいけません。今の国道4号線の状況を見ますと、平泉のところで、2車線化になっておりまして、朝あるいは夕方の出勤時、大変多くの車が渋滞をしております。そういった中で、救急車を通していくことができるのか、大変不安に思っておりました。 東北自動車道を使うというルートもあるのですけれども、一関インターチェンジに行きますと、磐井病院から遠ざかる形になってしまう。そうすれば、平泉スマートインターチェンジ等で降りて、国道4号線に入っていく、その部分が、通勤時には一番混んでいるという状況でありました。 そういった意味でも、国道4号線の4車線化の必要性が高まっていると考えられますが、県の認識と、整備に向けた取り組みを伺いたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 国道4号線の4車線化整備に向けた取り組みでございます。 現在、県内の国道4号におきましては、国によって6カ所において4車線化バイパス整備が進められております。3月9日には北上拡幅の4車線区間が延伸するなど、着実に整備が進められているところでございます。 また、3月12日には、先ほどお話ありました水沢金ケ崎道路につきまして、令和6年度予算に向けた新規事業化が妥当であるということで、国の審議会で判断されたところでございます。 県としては、物流の円滑化、救急医療施設へのアクセス確保等による、安全な生活の確保などを図るために、国道4号の整備の重要性を認識しております。令和6年度政府予算提言要望におきましては、国道4号の2車線区間の早期4車線化について要望しており、引き続き、機会を捉えて、国に働きかけていきます。 〇佐々木朋和委員 状況が変化したということですので、改めて、この医療圏の設定等の変更というところも国に説明をしていただきながら、ここを機会と捉えて、ぜひとも強く要望していただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、国道343号笹ノ田地区の技術課題等検討協議会について、先ほど来、議論が続いているところでありますけれども、通告をしておりますので、私からも質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 第2回検討協議会が9月28日に開会されましたけれども、第3回の開催予定と、第2回検討協議会でいただいた意見の整理や、さらなる検討等を行った上で、次回検討協議会において、整備方針案の検討と技術的課題の整理を行うこととされておりますが、こちらの準備の状況を、あわせてお示しをいただきたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 国道343号笹ノ田地区の技術課題検討協議会の第3回の予定、準備の状況についてでございますけれども、これまで検討協議会でいただいた意見の整理や、さらなる検討等を行った上で、次回の検討協議会では、整備方針案の検討と技術的課題の整理を行う予定としております。 現在、第2回検討協議会でいただいた意見をもとに、例えば冬期交通の課題や、道路利用者の声に関する調査、あるいは地質など、技術的課題のさらなる検討等を行っているところでございます。 現時点で、開催時期をお示しすることはできませんけれども、引き続き、着実に、スピード感にも意を用いながら検討を進めてまいります。 〇佐々木朋和委員 ぜひとも、継続して、また、加速をして協議をいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 最後に、住宅の断熱化についてお伺いしたいと思います。 今、岩手型住宅ガイドラインの改訂において、設置水準を上回る、いわゆるZEHプラスの高い省エネ水準を盛り込むとされております。これから、この岩手型住宅を普及させていくということだと思いますけれども、一方で、令和6年度の予算案を見ますと、ZEHプラス水準推進のための補助は、いわて省エネルギー住宅建設推進事業3、000万円余。これは15件分の新築だそうでございます。 ほかは、いわて木づかい住宅普及促進事業費の上乗せに当たります、住みたい岩手の家づくり促進事業費補助650万円、こちらが10万円の上乗せで、55件ですが、等級4が基準になっている。そして、住まいの省エネ改修事業、35件分ですけれども、これは等級4ZEH基準とされております。 これを見ますと、制度もそれぞれでありますし、基準もそれぞれであります。岩手型住宅として、ZEHプラスを普及していこうとしておりますけれども、一方で、さまざまな基準についての補助がある。他県を見てもそうなのですけれども、それらは等級4から、ZEH、ZEHプラスと段階になっておりまして、ZEHプラスを目指していくような基準になっているのですけれども、本県においては、その制度がそれぞれにありまして、また規模的にも、他県と比べても少ないと思っております。 他県では、事業統一をして、また、市町村と連携をして、体系化をしておりますが、本県においても、体系化し、予算の拡充を図るべきと思いますが、所見を伺いたいと思います。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 住宅の断熱化に関する補助事業のことについて、御質問いただきました。 今般、新規事業としまして、ZEH基準を超える住宅へ補助します、いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助は、先進的な住宅への支援を、特にやっていこうという新たな取り組みでございます。 継続事業である、県産木材を多く活用した省エネ性能水準以上の住宅を対象とした、住みたい岩手の家づくり促進事業費補助については、幅広く、断熱性能の向上を図ることということを目的としまして、事業のすみ分けをしながら、総合的に取り組みを進めていきたいというところでございます。 今年度中には、ZEH基準を超える断熱性能について盛り込んだ、岩手型住宅ガイドラインを改訂することとしておりまして、このガイドラインの趣旨に沿った住宅の建設に対する新規補助事業をやっていこうと、新たな取り組みを加えたというところでございます。 今後、これらの事業の執行状況を見つつ、より効果的な事業のあり方を研究しまして、しっかりと省エネ住宅の普及促進に取り組んでいきたいと考えているところでございます。 〇佐々木朋和委員 これまでも、議会の中で、それぞれの議員が、この体系化あるいは予算の拡大を求めてきたわけでありますけれども、少し物足りない状況かと思っておりました。 せっかくこのガイドラインを改訂して、岩手型住宅を普及していこうという反面、金額も張ることもあって、等級4からというところも残したというのは、もちろんわかるのですけれども、一方で、県として向かっていこうという方向性をつけていくためには、事業の体系化をして、等級4ZEH、ZEHプラスと、それぞれで上乗せをしていくような、また、市町村とも連携をしたような形で、県がリーダーシップをとりながらまとめていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 最後に、県営住宅の断熱化の取り組みの状況です。断熱化をしていく中にあっては、どのような断熱基準について行っているのか伺いたいと思います。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅の断熱化に関しての御質問でございます。 県営住宅の整備に当たりましては、温熱環境や、音環境など、入居者の住環境にかかわる整備基準を定めているところでございます。ZEHへの取り組みを推進する観点から、今年度、整備基準を改訂いたしまして、県営住宅を新築する場合の断熱基準でございますけれども、断熱等性能登記を、ZEHに相当する等級5に引き上げているところでございます。 既存の県営住宅につきましては、岩手県公営住宅等長寿命化計画に基づきまして、断熱化や高齢化対応、耐久性向上を含む長寿命化を行うリフレッシュ改善を行っておりまして、断熱化については、既存住宅の改修であるため、一定の制約はあるところでございますが、性能向上の改修を行っているところでございます。 今後も、事業の実施にあわせまして、断熱改修など、入居者の居住環境の向上に努めていきたいと考えているところでございます。 〇佐々木朋和委員 岩手型住宅のガイドラインでは、ZEHプラスを推奨しているのにと言ったら失礼ですけれども、県営住宅の新たな基準がZEHだというところに矛盾を感じます。 県営住宅は、省エネ化、カーボンニュートラルへの取り組みだけではなく、子育て支援であったり、家計支援であったり、岩手県にも、毎年、福祉灯油の要望も来ますけれども、根本的な断熱化をしていくことが、そういった部分にも、政策の波及効果があると思っておりますので、ぜひとも、検討いただきたいと思いますし、改修についても、さまざまな制約があることは承知しておりますけれども、ぜひとも、よりよい断熱化に向けて取り組んでいただきたいと要望して、終わりたいと思います。 〇松本雄士委員 私からは、県の広域サイクリングルートの整備について伺います。 平成28年に自転車活用推進法が施行されて、県としても、令和3年に岩手県自転車活用推進計画を整備したところであります。 この計画は、自転車の利用環境や安全確保、健康づくりが目的ですけれども、目的の一つに観光振興もありまして、その観光振興として、広域サイクリングルートの検討、整備が進められていると認識しております。現時点での検討、整備状況についてお伺いいたします。 〇高瀬道路環境課総括課長 岩手県広域サイクリングルートの検討、整備状況についてでありますが、県では、自転車を活用した観光振興等を促進するため、岩手県自転車活用推進計画に基づく岩手県広域サイクリングルートの設定について、検討を行っているところです。 今年度は、有識者や関係団体で構成する広域サイクリングルート検討会議やパブリックコメント、関係機関等の意見を踏まえ、地域の特性を生かした四つのルートの検討を行っています。 また、ルート名称を公募により募集し、取りまとめを行っており、ルート及びルート名称ともに、年度内に決定し、公表することとしています。 また、ルートの整備につきましては、路面標示や案内看板等の設置を予定しており、令和6年度より設計に着手し、順次、整備を行うこととしています。 〇松本雄士委員 令和6年度内に整備ということは、令和7年度からは、そこを走れるということでしょうか。 〇高瀬道路環境課総括課長 令和6年度から設計を始め、準備、整備ということで、ルート自体は設定できますので、案内がまだできてないところはございますが、自転車での走行は可能ですが、引き続き、路面の標示、案内看板、利用者がルートで迷わずに安全に目的地に到達できるように、分岐部であったり、交差点部、目的地周辺等の優先順位の高い箇所の整備を行ってまいりたいと思います。 〇松本雄士委員 道路はあるので、自転車は走れるかと思うのですけれども。そのサイクリングルート上の安全性確保ということで、自動車専用道路への誤進入を防ぐ標識であったり、通行帯の確保、そういうのを令和6年度から整備していくということだと思うのですけれども、どれくらいのスケジュール感なのでしょうか。 〇高瀬道路環境課総括課長 今回、県が設定するルートは4ルートで、約1、300キロメートルと、東北地域で一番なのですけれども、なかなか最終地点は見出せないのですが、国の交付金等を活用し、順次進めてまいりたいと思います。 〇松本雄士委員 1、300キロメートルというかなり長いルートであるということで、着実に整備を進めていっていただきたいと思うところですけれども、そのサイクリングルートを見ますと、国道107号であったり、三陸沿岸部の国道45号のところは電車を使うよう設定されているところも見受けられました。 そうしますと、電車を活用するというところで、岩手県に自転車を持ってくることや、いろいろ目的地に行くというのも、あわせまして、サイクルトレインの導入の検討であったり、整備の状況についてお伺いいたします。 〇高瀬道路環境課総括課長 サイクルトレインの考え方でございますが、まず、岩手県、今回の設定する中では、沿岸部を縦断するルートにつきましては、一部に国道のトンネルが狭い区間がございますので、三陸鉄道と連携した三陸鉄道活用区間を設けることとしております。 その中で、三陸鉄道は、現在、自転車を袋に入れれば乗れます。また、自転車を組み立てたままでも、前日までに予約をしていただければ乗れるということでございますので、三陸鉄道と連携をより進めながら、今後のサイクリストの利便性を高めるように考えてまいります。 〇松本雄士委員 三陸鉄道以外のところでのサイクルトレインの関係はどうなっていましたでしょうか。 〇高瀬道路環境課総括課長 JR等につきましては、輪行袋という袋に入れて運ぶというのが、現在の運用状況でございます。全国各地では、自転車を組み立てたままでも乗れるようなルートを設定しているところもございますので、今後、また、研究させていただきたいと思います。 〇松本雄士委員 サイクリングルートの設定において、サイクルステーションの整備が必要になってくる。今も順次、サイクルステーションを整備されているところかと思います。 そこにおいて、市町村との連携が重要になってくるのですけれども、市町村との連携状況と、また、市町村においても、自転車活用推進計画の整備が必要かと思うのですけれども、市町村の計画の策定状況についてお伺いいたします。 〇高瀬道路環境課総括課長 いわてサイクルステーションにつきましては、サイクルラックなど自転車利用環境が整っている施設を、いわてサイクルステーションとして登録する制度を令和4年4月に創設したところであり、現在、登録施設は76施設となっています。 現段階では、既存施設を活用した登録の推進を図っていくものとなっております。 サイクルステーションなどの休憩施設は、サイクリストの利便性から考えますと、一定間隔で存在することが望ましいと思います。今後も、ルート沿線の施設の登録が図られますよう、市町村と連携しながら、各施設への働きかけを行っていきたいと考えております。 〇松本雄士委員 計画の策定状況は。 〇高瀬道路環境課総括課長 市町村の自転車活用推進計画につきましては、現在、3市町村、盛岡市、北上市、陸前高田市が策定済みでございます。それらの市町村にも、年に一度勉強会で働きかけを行っております。 〇松本雄士委員 市町村との連携において、まず市町村においては、活用推進計画の策定です。その支援をしていただきたいというところはあるのですけれども、観光振興で、このサイクリングルートを設定しようという動きが地元の市町でもあります。 そこで、サイクリングルートを設定しようとする市において、サイクルステーションの整備をするときに、何か活用できるような事業や後押しのようなものはないのでしょうか。 〇高瀬道路環境課総括課長 現段階では、先ほどもお示ししましたとおり、既存施設の登録ということで考えてございますが、新たに、市町村がそういったサイクルステーションの要件となりますラック等の設置を考える際ですけれども、現在、県ではそういった支援制度がまだございませんが、盛岡地区では、地域経営推進費を活用した動きがあると、滝沢市から伺っております。 〇城内愛彦委員長 この際、松本雄士委員の質疑の途中ではありますが、昼食のため午後1時まで休憩をいたします。松本雄士委員、御了承願います。 午後0時1分 休 憩 午後1時1分再開 〇城内愛彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 〇松本雄士委員 午前中に、市町村の中でのサイクルステーションの推進で、地域経営推進費等を充てられているといったところ、また、それを検討しているというところでありましたけれども、県として、この広域サイクリングルートを整備し、そしてまた、市町村との連動も活性化させていくというところにおきまして、市町村の取り組みを後押しするような、サイクルステーションの整備事業などを考えていないか、改めて、お伺いいたします。 〇高瀬道路環境課総括課長 午前中の答弁につきまして、修正をさせていただくものがございます。 ルートの整備をいつまでに行いますかという質問がございましたが、路面標示や案内看板等の整備については、まずは、令和7年度をめどに、利用者がルートを迷わず安全に目的地に到達できるよう、各道路管理者が、分岐部、交差点、目的地周辺等、優先順位の高い箇所の整備を行い、その後、順次整備の充実を図っていきたいと考えています。 先ほど御質問がありました、県としての支援ということですが、現在、そういった制度がまだございませんので、市町村との意見交換をしながら、考えてまいります。 〇松本雄士委員 ぜひとも、市町村の取り組みを後押しするような制度の御検討をお願いしたいと思います。 今、補足があった令和7年度までに、道路の管理者が路面標示などの整備を行うということでありますけれども、県の4ルートは主に国道のところでありますので、国が令和7年度までに整備を進めていくということになるのでしょうか。 〇高瀬道路環境課総括課長 沿岸部のルートにつきましては、国道45号がメインとなっておりますので、国と情報提供しながら、進めていくこととしております。 それ以外の県管理道路につきましても、令和7年度をめどに目指してまいりたいと思います。 〇松本雄士委員 県の広域サイクリングルートの今後の展開ですけれども、せっかく岩手県の強みであるこの豊かな雄大な自然を生かした観光振興にもつなげていくということで、この広域サイクリングルートをもっと知ってもらうためのイベントであったり、どういった感じでこれを今後進めていくのか、その点についてお伺いいたします。 〇高瀬道路環境課総括課長 今後の展開ということでございますが、まず、先ほどもお話ししましたが、路面標示、案内看板等のルートの整備を行うとともに、広域サイクリングルートの利活用を推進するために、三陸鉄道株式会社と連携しながら、三陸鉄道活用区間の利用促進を図るほか、県内の市町村と連携して、当該ルート周辺の観光スポットの情報の充実や、地域ルールの設定を行うとともに、走行会等を主催しながら、周知に努めてまいりたいと考えております。 〇松本雄士委員 商工労働観光部との連携も重要になってくるかと思いますので、連携して進めていってほしいのですけれども、今、日本には、世界にも有名なしまなみ海道のサイクリングルートや、十勝地域のトカプチ400、琵琶湖のビワイチのようなナショナルサイクルルートがあるのですけれども、今後、方向性として、そういったナショナルサイクルルートまで目指していくと、そういったところまでの考えはあるものでしょうか。 〇高瀬道路環境課総括課長 ナショナルサイクルルートは、すぐれた観光資源を有機的に連携したサイクルツーリズムの推進により、日本における新たな観光価値を創造し、地域の創生を図るために、一定の水準を満たすルートを対象として国が指定するものです。 県では、このたび設定する四つのルートのうち、沿岸部を縦断するルートについては、将来的には隣県のルートと一体となったナショナルサイクルルートの指定を目指し、走行環境整備やPRを進めながら、隣県との連携を図っていきたいと考えています。 〇松本雄士委員 ぜひ、その方向で進めていっていただきたいと思います。 本県の強みである自然を使った、潮風トレイルであったり、このサイクリングルートは非常に強みであるし、いいコンテンツだと思っております。いろいろ部局横断的な連携であったり、市町村との連携といったところが重要になると思いますので、そういうところから着実に進めて、ぜひとも、ナショナルサイクルルートを目指して取り組んでいっていただきたいと思います。 〇畠山茂委員 私からは、4点ほど通告しておりましたので、よろしくお願いします。 1点目が、新規事業のクルーズ船誘致プロモーション事業900万円について、お伺いいたします。クルーズ船については、近年のポートセールスの成果もありまして、令和6年は、県内に12隻の寄港が予定されています。 新規事業では、さらなる寄港拡大を図るため、港湾ごとにターゲットを絞ったポートセールスを展開するとあります。具体的には、県内重要港湾が四つあるわけでありますが、港湾ごとにターゲットを絞ったポートセールスとは、どういった取り組み、事業内容なのか、お伺いいたします。 〇君成田港湾空港課総括課長 港湾ごとにターゲットを絞ったポートセールスのお尋ねがありました。 クルーズ船は、その規模、いわゆる大きさによりまして、寄港ができるできないといった港湾がございます。その規模に合ったクルーズ船社をターゲットとして取り込むことが必要と考えております。 また、その規模の中でも、5万トン以下のクルーズ船については、いわゆるラグジュアリープレミアムクラスと呼ばれておりまして、これらのクラスには、富裕層の方が多く乗船していることから、これらの富裕層をターゲットにした県内の魅力ある観光資源等の磨き上げを行いまして、オプショナルツアーとして提案していくことが重要と認識しております。 令和6年度に実施予定のクルーズ船誘致プロモーション事業については、これらのターゲットへの的確なアプローチに主眼を置きまして、乗客のニーズの把握を初め、オプショナルツアーの掘り起こしや、魅力の向上を図ることで、さらなるクルーズ船の誘致の拡大に努めてまいりたいと思います。 〇畠山茂委員 わかりました。 次にお聞きしたいのは、ことしはクルーズ船が12隻来るわけでありますけれども、クルーズ船の受け入れ体制についてお伺いしたいと思います。 新年度は、そのクルーズ船受け入れに当たって、港湾の景観あるいは歓迎行事、観光ルートに対しまして、どのようなおもてなしの計画をしているのかお伺いしたいと思います。 〇君成田港湾空港課総括課長 クルーズ船のおもてなしの計画についてのお尋ねがありました。 クルーズ船の受け入れ体制についてでありますけれども、クルーズ船の受け入れ時におけるおもてなしにつきましては、港湾所在市が主体となって組織しております協議会等が中心となって取り組んでいるところでございます。 県においては、港湾所在市のおもてなしの取組とあわせまして、誘導員の配置や外国船社クルーズ船の寄港時における通訳案内士を配置するなどを行っているところでございます。 今後も、これまでの取組を継続するとともに、来年度実施することとしております、先ほどのプロモーション事業の実施を踏まえまして、関係市町村や関係部局と連携しまして、乗客のニーズに応じたおもてなしを行ってまいります。 〇畠山茂委員 受け入れ主体は市町村だというお話もありましたけれども、ぜひ、県も御協力をお願いしたいと思いますし、12月の一般質問でも質問しましたけれども、青森県では、青森港クルーズ船アクションプランということで、100隻10万人を目指す取組を行っていますので、青森県に負けないようなクルーズ船の取組を、ぜひお願いしたいと思います。 2点目に移ります。地域連携道路整備事業費63億4、800万円と道路環境改善事業費118億7、100万円についてお伺いします。 生活道路の改善や災害に強い道路ネットワークの構築を図るため、緊急輸送道路等の整備を実施していくという説明でありますけれども、午前中も多くの議論があったように、私も議員になって、住民の要望が一番多いのが道路整備だと思っています。ただ一方で、広い県土、あるいは限られた予算でやりくりする必要があるので、本当に当局も大変苦労なさっていると思います。 そこでお伺いしたいのは、道路整備における優先順位の考え方です。危険性など、緊急性や交通量の需要等が考えられるわけですけれども、最近、要望を受けている理由の一つにあるのが、少子化で学校の統廃合が進んでいまして、スクールバスが、例えば宮古市で言うと、重茂半島は30分ぐらいかかって行きますし、今度、岩泉町の統廃合した学校だと、1時間ぐらい、曲がりくねった道路を通っています。道路が狭隘なので、すれ違いも大変なところを、この子供たちを毎日通わせるのは、本当にふびんでならないという住民の要望があります。県では、道路整備に当たって、どのような優先順位で考えているのか、まずお伺いしたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 道路整備の優先順位についてでありますけれども、道路整備につきましては、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げた防災対策や産業振興など、幸福の追求を支える社会基盤が整っている岩手の実現に向けて、災害に強い道路ネットワークの構築や、日常生活を支える安全・安心な道づくり、図書館や主要な観光地を結ぶ道路の整備を進めることとしております。 整備の優先順位については、いわて県民計画(2019〜2028)等を踏まえながら、公共事業評価制度に基づき、必要性、重要性、緊急性、効率性などの事前の評価を実施した上で、公共事業予算の動向等も見きわめながら、総合的に判断しております。 〇畠山茂委員 さまざまな角度から、総合的に判断をして、着手していくと、ここはなかなか答えが出てこないところだと思うのですが、いずれ、3月11日の東日本大震災津波の特集の新聞記事でも大きく出ていましたけれども、沿岸部は、人口減少が23%減ということで、あわせて、学校統廃合が進んでいるという記事が出ております。これからもますます少子化で、県内でそういう学校の統廃合などが進んでくる可能性があるので、総合計画もそうですが、そこも重視して、ぜひ、道路の整備を考えていただきたいということをお願いします。 三つ目の質問に移ります。土砂災害の警戒区域への対応についてです。 地球温暖化の影響によりまして、全国各地で集中豪雨による土砂災害が発生してもおかしくない時代になっています。1月の能登半島地震での土砂災害による犠牲も記憶に新しいところです。 現在、県内の土砂災害警戒区域は、指定が1万3、000カ所以上あります。新たに、調査中の指定箇所が9、000件あって、それも足すとかなりの件数になるということですが、宮古市においては、県内の1割が存在しているような状況にあります。 そこで、1点目にお伺いしたいのは、日ごろの住民に対する警戒区域の周知や、大雨のときに、危険時の情報発信はどのように取り組んでいるのか、お伺いしたいと思います。 〇戸来砂防災害課総括課長 土砂災害警戒区域の周知や大雨等の危険時の情報発信についてでありますが、県では、土砂災害警戒区域等のリスク情報のホームページでの公表や、現地への標識設定などによりまして、防災情報の周知に取り組んでいるところであります。 また、大雨等の危険時における県民の迅速な避難や市町村の的確な避難指示の判断への支援を図るため、土砂災害警戒システムによりまして、土砂災害の危険度に関する情報を提供したり、今般、スマートフォン版の提供を新たに開始するなど、システムのリニューアルを行いまして、昨日から運用を開始したところであります。 今後も、県民の迅速な避難行動につながるよう、市町村と連携を図りながら、防災情報の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。 〇畠山茂委員 次にお伺いしたいのは、災害警戒区域に対する主な対策事業について、ハード面、ソフト面も含めて、取り組み状況をお伺いしたいと思います。 〇戸来砂防災害課総括課長 主な対策事業の取り組み状況についてでありますが、まず、主なハード事業としましては、砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業、地すべり対策事業を実施しておりまして、令和5年度は、高浜の沢(2)など62カ所で砂防施設等の整備を実施し、令和6年度は赤前上の沢(2)など51カ所での実施を予定しております。 また、主なソフト事業といたしましては、がけ崩れ危険住宅移転促進事業による住宅移転の支援や、総合流域防災事業による土砂災害警戒区域標識の設置を実施しておりまして、標識につきましては、令和5年度は、盛岡市などにおいて69カ所、令和6年度は、宮古市などにおいて約250カ所の設置を予定しております。 〇畠山茂委員 そこで、次にお伺いしたいのは、先ほど来説明がありましたイエローゾーンやレッドゾーンという指定があるのですけれども、先ほど来説明がありました、がけ崩れ危険箇所からの住宅移転においては、支援制度があります。先ほども少し触れた部分がありますけれども、最近の支援実績、どのような状況かお伺いしたいと思います。 〇戸来砂防災害課総括課長 がけ崩れ危険箇所からの住宅支援制度の最近の実績についてでありますが、支援制度といたしましては、市町村によるがけ地近接等危険住宅移転事業と、県によりますがけ崩れ危険住宅移転促進事業がございます。 市町村による事業は、住宅の除去費用や住宅建設の助成費など、最大約518万円を支援する事業でありまして、最近の実績では、令和2年度から令和4年度の3カ年において10件となっております。 また、県による事業につきましては、市町村事業に上乗せする形で、土砂災害警戒区域に住宅が5戸以上ある箇所において、土砂災害特別警戒区域内の全ての住宅が移転に合意した場合に、補助を行うものでありまして、最大約582万円を支援する事業となっております。 実績につきましては、平成27年度までに、宮古市など9地区の13戸で、この事業を活用して移転しているところでございますが、最近の実績はない状況となっております。 〇畠山茂委員 私も、宮古市議会議員時代に取り上げたことがあるのですけれども、支援制度はあっても、実績がなかなかないというのが現実なわけでございまして、この支援制度が低調な理由をどのように分析しているか、お伺いしたいと思います。 〇戸来砂防災害課総括課長 支援制度の利用が低調な理由についてでございますが、現在の居住地域への愛着や、住宅建設等に係る資金調達、移転先の確保など、住民の方々の個々のさまざまな事情から移転合意が進まないことでしたり、また、住民からの問い合わせはありますけれども、本事業の交付要件に合致しないため移転に至らないケースが出ております。また、本事業の住民への認知度の向上が課題であると考えております。 〇畠山茂委員 条件だったり、あるいは資金は自分でも持ち出しが出てくるので、なかなかこれは厳しいというのはそのとおりだと思うのですけれども、先ほど言った周知不足もまだあると私は思いますので、その点も、ぜひ、市町村を含めて取り組んでいただきたいと思います。 最後に、国土交通省は、2024年度から、土砂災害や浸水被害区域など、災害想定区域への新築を抑制するため、複数の新築への補助金を見直し、低リスクな地域へ居住誘導を行うような取組が来年度から始まります。 私は、人口減少あるいは少子高齢化社会に合わせて、最近は8掛け社会といわれているようですけれども、住みやすくて、災害に強い安全な地域への居住に誘導していくようなことが、これから求められると思っています。そういった意味で、県が、国の立地適正化計画について、県内の市町村と連携して、広域的なまちづくり、こういったことも取り組む時期に来ていると思うのですが、県の認識をお伺いしたいと思います。 〇小野寺都市計画課総括課長 立地適正化計画についてでございますけれども、この制度は、人口減少や少子高齢化等の社会環境の変化を踏まえまして、都市機能や、居住機能を適正に誘導し、拠点間を結ぶ交通サービスの充実を図る、いわゆるコンパクト・プラス・ネットワークの考え方に基づくものでありまして、必要な防災、減災対策を盛り込み、災害リスクを踏まえた適正な土地利用に計画的に取り組むこととされているところでございます。 県内におきましては、これまで5市町が策定済み、宮古市を含めます7市町村が、現在、策定に取り組んでいるところとなっております。このような取り組みを通じまして、コンパクトで災害に強いまちづくりを進めていくことは、畠山茂委員御指摘の人口減少化というところや、災害の多発化、激甚化する中で、安全・安心に暮らせる都市を維持していく上で、極めて重要であると認識しているところでございます。 県といたしましては、関係課が連携いたしまして、土砂災害警戒区域等のハザード情報等を市町村と共有するとともに、市町村を対象といたしました計画策定のための研修会の開催や、市町村が行う計画策定協議会への参画、技術的助言などの支援を通じまして、市町村の計画策定を促進し、コンパクトで災害に強いまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 〇畠山茂委員 これからの人口減少の中で、あるいは災害が発生する、今こういう時代の中で、こういう適正化計画はどんどん進めていくべきだと思いますので、ぜひよろしくお願いします。 最後の質問になります。三陸沿岸道路の機能強化についてです。 三陸沿岸道路については、生活や観光、物流、医療のほか、人口交流の拡大、あるいは、ひいてはフェリー就航の再開など、さらなる利用促進に向けまして、トイレと休憩施設、2車線化が、今、強く求められています。 県として、どのような国への要望状況なのか。そして、今後の実現の見通しについて、お伺いしたいと思います。 〇小野寺道路建設課総括課長 三陸沿岸道路の国への要望状況と今後の見通しについてでありますけれども、三陸沿岸道路の沿線市町村の地域活性化等を図るためには、追い越し車線あるいはトイレ等の休憩施設など、三陸沿岸道路の機能強化が必要であると認識しております。 令和6年度政府予算提言・要望においては、これらの機能強化の推進を国に要望しているところでございます。県内の三陸沿岸道路では、令和5年度から、宮古市にある津軽石パーキングエリアにおいて、県内初となるトイレの整備に着手しており、現在、国で設計を進めているということを聞いております。 三陸沿岸道路のさらなる利用促進に向けて、今後とも、機会を捉えて、三陸沿岸道路の機能強化を国に働きかけてまいります。 〇畠山茂委員 トイレと休憩施設、2車線化は、ますます三陸縦貫道路を活用するためにも必要なことなので、ぜひよろしくお願いして、終わります。 〇斉藤信委員 先ほど、吉田敬子委員から、盛岡市紺屋町におけるまちづくり問題、マンション建設問題について質問がありましたが、私は最初に、関連して、この点についてお聞きいたします。 実は、盛岡地区選出の県議会議員も、紺屋町まちづくりの会から要望もいただきました。14階建ての高さ43メートルのマンション建設計画が浮上いたしました。 そこで、最初にお聞きしたいのは、岩手県のホームページでも、岩手の残したい景観、盛岡市紺屋町、擬宝珠の景観が写真で出ているのですけれども、紺屋町かいわいの残したい景観の意味はどういうものでしょうか。 〇小野寺都市計画課総括課長 紺屋町かいわいの残したい景観の位置づけというところでございますけれども、盛岡市全般にそうですけれども、鉈屋町から河南地区、それから、紺屋町につながる町並みが、非常に古くからの町並み、商家などそういうものが残っていると認識しております。 その中で、そちらを観光資源や、交流人口増加のための観光的資産、地域的資産などに活用できるという位置づけから、残したい景観ということで位置づけているものでございます。 〇斉藤信委員 盛岡市の景観計画では、大慈寺地区は、景観地区に指定をされています。指定されていると、建築物の高さの最高限度がありまして、12メートル以下となっています。 残念ながら、紺屋町地区は、歴史景観地となっているのですけれども、景観指定を今後検討していく地域になっているのです。盛岡市はどのようにこの歴史景観を評価しているかというと、商家というのですか、茣蓙九に見られる城下町の風情と明治、大正期の建築物が混在する特徴を持つ歴史景観上重要な地域と評価しています。景観指定が遅かったというのが一番の反省だと思います。しかし、ニューヨークタイムズ紙で、一度訪れたい世界の53の2番目に、昨年、盛岡市が紹介をされた。その一つが、私は、この紺屋町かいわいの景観であったと。まちづくりの会の方々も、欧米からの観光客がふえていますという話でした。 今の段階で、法令上、条例上、規制する根拠はないのですけれども、話し合いで、この紺屋町の歴史的な景観をどのように維持するのか、これは、地域住民とマンション建設会社と、中心的には両者だけれども、しかし、これだけの価値があるということは、盛岡市が本当に一緒になって、盛岡市の貴重な景観を守るという立場で取り組む課題なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 〇小野寺都市計画課総括課長 今回のマンション問題につきましては、まず、午前中の答弁でも申し上げましたとおり、盛岡市が景観行政団体となりますので、盛岡市が対応していくということと考えております。 また、今回の問題につきましては、盛岡市で定めております中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全に関する条例がございます。それに基づきまして、マンション事業者が、マンション計画地にこういうものが建ちますというお知らせを出したことから、地域の皆様がこういうものが建つことを知って、今に至っていると考えておりますけれども、そちらによりますと、地域住民ときちんと対話してくださいなど、そういう手続についても、盛岡市で御案内しているところでございます。 そして、午前中答弁しました、地域の方々からの要望書におきましても、ルールづくりをまず盛岡市に求めているということですので、その辺のルールづくりは盛岡市でやるかと思いますけれども、ルールづくりに当たっては、都市計画法上、県との手続のやりとりなどが発生する場合がございますので、この辺につきましては、県といたしましても、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。 〇斉藤信委員 きょうは地域説明会も行われると聞いております。かなりせっぱ詰まった状況になっていまして、しかし、ニューヨークタイムズ紙の報道にもあるように、盛岡市の景観が評価された。そして、先ほど私が紹介したように、県も、盛岡市も、この歴史的景観の価値は、正確に評価しているわけで、私は、県も市も一緒になって、この紺屋町かいわいの歴史的な景観を守る、それにふさわしい、マンション建設をやめろというわけにいきませんけれども、しかし、そういうものに、話し合いで解決するために、特段の努力をしていただきたい。 それでは、次に移ります。 これは佐々木朋和委員も取り上げましたが、ZEH基準を上回る断熱性能の高い住宅リフォーム助成の取組についてです。岩手型住宅ガイドラインの改訂について、3月中には示すということで、恐らく常任委員会に成案が示されると思うのですけれども、この新しい改訂案の中身、特徴について、示していただきたい。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 岩手型住宅ガイドラインの改訂内容でございますけれども、断熱性能について、ZEH基準を上回る水準を盛り込むとともに、省エネ住宅の効果をより高めるための気密性能の確保、及び太陽光発電などの創エネ設備や省エネ設備の設置といったことを盛り込むといった内容にするところでございます。 この作成でございますが、御紹介いただきました3月末に完了する見込みで作業を進めております。今回は、ガイドライン改訂ということで、計画的なものではございませんので、そういった考え方を普及するということで、常任委員会等での説明は想定していなかったところでございます。 〇斉藤信委員 そうですか。私がいただいた資料では、断熱等の性能等級6または7。岩手県のこれからの断熱性能は、断熱等性能等級6以上をスタンダードと考えますということでした。これは抜本的な発想の転換です。等級6以上、これがスタンダード。 佐々木朋和委員が先ほど言ったけれども、だったら県営住宅はなぜそうならないのだと。スタンダードだと言うのだから、これは矛盾ですよね。スタンダード未満での県営住宅の新築、改築はないのだと思います。県民にはスタンダードと言っておいて、県営住宅はそのレベルを下げるということはないと思うので、それはぜひ正していただきたい。 それで、欧州のレベルはもう既にこのレベルです。ZEHレベルといったら、もうほとんど世界では通用しないレベルになっています。そこで、私は、今回、それを見越した助成事業も提起されております。これを少し詳しく言ってください。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 今後の新規事業について御質問をいただきました。 いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助ということで、設置基準6、7という高い省エネ基準を想定した新規住宅、想定では15戸分の予算ということで、令和6年度当初予算案で3、000万円余の予算を計上させていただいているところでございます。 〇斉藤信委員 詳しくと言ったのは、例えば断熱性能等級6であれば、1戸当たり100万円、等級7であれば180万円、太陽光発電設備で35万円、HEMS6万6、000円、蓄電池35万7、000円と、こういうレベルです。 中身も私は大変重要だと思うけれども、たった15戸分というのが物足りない。これがスタンダードだというのですから、大規模に推進していただきたい。その際、等級6、7にしたらどのぐらい割高になるのか。しかし、こういうレベルの高い住宅を整備すれば、どれだけの省エネ効果があるのか。健康にとってどれだけいいのか。CO2はどれだけ排出されるのか。やはり得で、全体を考えたら、例えば10年なり20年ではもとがとれるという、ここを示さないと説得力ないと思うのです。 だから、こういう補助の事業、頭出しのような感じですけれども、これがスタンダードという意味をよく理解していただく。そして、割高だけれども、これだけのメリットが出ますと、それをわかりやすくする必要があるのではないでしょうか。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 斉藤信委員に御丁寧に紹介いただきましたいわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助は新しい事業でございますけれども、我々も、予算の上限もあって、戸数もすごい数はなかなかいけないところですが、実際に建てた住宅のよさを広めるところがポイントだと思っておりまして、その省エネ住宅に住んでみての実感や、住んだ方にお聞きするようなことを条件に補助する仕組みにしていって、そのメリットについて、広く県民、事業者等に周知を図っていこうと考えているところでございます。 〇斉藤信委員 私が先ほど言ったように、長野県などはやはりちゃんと説明しているのです。これだけ割高になるけれども、何年でもとがとれます、これだけのメリットがありますと、それがセットにならないとスタンダードにはならないので、そこをセットで取り組むように、ぜひ推進していただきたい。 次に、災害公営住宅の課題についてお聞きをいたします。 私は、これについて一貫して取り組んでいるのです。一つは、災害公営住宅の高齢化の状況。コミュニティー形成のための立派な集会場が設置されているけれども、その集会所の活用状況、コミュニティー形成の取組はどうなっているか、示してください。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 災害公営住宅について御質問いただきました。 集会所の活用状況でございます。集会所のある29団地の令和5年度第3四半期における一月当たりの集会所の活用状況は、0回が2団地、1回から4回が22団地、5回から20回が5団地となっているところでございます。 コミュニティーの関係でございますけれども、自治会が組織されておりますけれども、その組織状況でございますが、これまで、県営住宅指定管理者を通じた自治会形成に向けた支援といったものを行ってきましたので、全31団地の中で29団地がそういった組織がなされているというところでございます。残る2団地についても、市町村において、自治会組織の結成に向けた取組が行われると聞いているところでございます。 〇斉藤信委員 リアリズムで言いますと、0回が2団地、1回が11団地、3回が1団地、4回が2団地です。これだけで、29団地中23団地になるのです。だから、率直に言えば、ほとんど使われてない。本当に深刻な事態です。何度も私はここで紹介してきたけれども、立派な集会所、支援員の事務室までセットされている。阪神淡路大震災で孤独死が発生した。コミュニティー形成の拠点として立派な集会所が設置されたのです。これは、東日本大震災津波の教訓なのです。重要な教訓として生かされた。集会所の設置は生かされた。しかし、それが使われていないことについて、どう受けとめて、どう改善しようとしているか伺います。 もう一つ言いますと、生活支援相談員が配置されたところは、10回以上20回程度この集会所を活用されているのです。自治会任せにしないで、生活支援相談員のような行政の援助が必要なのではないか。この点についていかがですか。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 災害公営住宅におけます生活支援相談員等の関係について、御質問をいただきました。 生活支援相談員につきましては、市町村社会福祉協議会が、地域の支援ニーズを踏まえて、災害公営住宅4カ所のほか、防災集団移転先団地や被災者が通いやすい商店街などに拠点を設置して、取組を行っていると聞いております。 災害公営住宅の入居者に加えて、持ち家を再建した被災者等も対象に支援を行っているというものでございます。 斉藤信委員御指摘のとおり、生活支援相談員の配置された団地の集会所の活用等が図られているところでございますけれども、こういった生活支援相談員の配置等につきましては、関係部局と情報共有に努めまして、連携して取り組んでいきたいと思っております。 〇斉藤信委員 2月に災害公営住宅の交流会が開催され、これには、福島県、宮城県、岩手県が参加して、新聞でもテレビでも報道されました。つい最近はNHKですか、山田町の町営の災害公営住宅、駅前にある中央団地ですが、19人の自治会役員のうち10人しか今はいない、なり手がいない、大変だという話でありました。 東日本大震災津波からもう13年たっています。自治会としてももう10年近くたつわけで、本当にそういう意味でいけば、そういう実態をしっかり踏まえて、必要な支援を行うと、これが新しい教訓になるように取り組んでいただきたい。 次に、家賃問題であります。 国の家賃減免も、10年間でなくなります。なくなったら、家賃は倍になるのです。一方で、県の減免制度というのがあります。これはほぼ同等の減免が可能な制度であります。既に、国の減免はどんどん減らされていますから、国の減免の対象が何人いて、県の減免制度にどれだけ移行して、あとは今どうなっているのか。あとは、国と県の減免のすき間にある人たち、私は、これを救済措置をとるべきだと思うけれども、いかがですか。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 災害公営住宅の家賃の減免の関係で、御質問いただきました。 県の独自減免を活用している世帯数でございますけれども、令和5年12月末時点で149世帯となっておりまして、割合は10.1%。順番が前後しますが、国の東日本大震災特別家賃低減事業対象世帯数、令和5年12月末時点で859世帯、全入居世帯1、469世帯に対する割合が58.5%となっているところでございます。 斉藤信委員に御説明いただいたとおり、国のこの低減事業が10年間とされておりますので、この事業終了によりまして、公営住宅法に規定する収入が8万円以下の入居者には、こういった減免が適用されないこととなるところでございますが、これも斉藤信委員に御紹介いただきましたが、国の事業終了後も、収入が6万9、000円以下の入居者については、県の独自減免が適用され、収入が著しく低額であるときや、病気のとき、災害により著しい損害を受けたとき、このほか特別の事情があるときも減免できるとなっているところでございます。 これも斉藤信委員御指摘いただきました、収入が6万9、001円から8万円までの間の方が、県の独自減免の対象外となるところでございますが、国の事業終了前と比較して、家賃が数百円程度上昇するという試算を行っております。こういったところについて、理解の促進に努めますとともに、また、個別の事情がある場合には、特別減免もできますので、入居者のお話を丁寧に伺っていきたいと思います。 〇小林正信委員 私から、住まいの確保についてお伺いします。 日本の社会保障の取組として、医療、介護、年金、子育て、障がい者、福祉、生活保護などが挙げられるかと思いますけれども、近年では、これに住まいを加えて、支援を強化すべきとの声がふえているということです。政府の有識者会議である全世代型社会保障構築会議では、住まい政策について、社会保障の重要な課題として初めて位置づけられたとのことです。 これを受け、昨年、厚生労働省、国土交通省、法務省が、住宅政策と福祉政策が一体となった支援に関する検討会を開いて、住まい支援のあり方について、具体的な議論が、今、スタートしているところだとのことです。 県としても、これまで、住宅の確保に困難を有する方々や、生活困窮者への支援を実施してきたものと思いますけれども、その支援の状況についてお伺いしたいと思います。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、いわゆる住宅セーフティネット法に基づく取組の関係ということで、御質問をいただいたと思います。 こういった取組の状況でございますけれども、生活困窮者を含む住宅確保要配慮者が、安心して生活を送るための住まいのニーズは、単身高齢世帯の増加等を背景として高まっていくことが見込まれているところでございます。 こうした住宅確保要配慮者の住まい探しや、家賃の債務保証支援、契約手続の立ち会いなどの入居前支援のほか、生活ルールの確認や、定期的な訪問などの入居後の支援、こういったものは、居住支援法人が中心となって担っておりまして、本県においては、現在、10団体を指定しているところでございます。 また、県では、平成23年度に、岩手県居住支援協議会を設立いたしまして、市町村、居住支援法人、社会福祉協議会等とともに、住宅確保要配慮者の住まいの確保に向け、協議会事務局への相談窓口の設置や、セミナー、情報交換会の開催、セーフティネット住宅の登録促進に向けた、普及啓発等の取組を行っているところでございます。 〇小林正信委員 住まいの支援については、住宅分野と福祉分野の連携が重要ということで、神奈川県座間市では、不動産会社や社会福祉法人、NPOなど、官民が連携し、住宅確保から生活の再建支援までをトータルで相談に応じているということです。また、静岡県静岡市では、先ほどお話ありました居住支援法人に対して助成金を支給しているという、全国でも珍しい取組をやっていて、支援する側の体制整備をしている。さらには、今後、空き家等も活用していくということも必要なのかと思います。 そうしたことも踏まえて、今後の住まいの確保支援の取組について、県としては、どのように充実させていくお考えなのか、お伺いしたいと思います。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県の今後の取組ということでございます。 先ほど御説明いたしました岩手県居住支援協議会の取組、こういったものをしっかりと継続していくことが必要でございますが、加えまして、居住支援法人の指定の拡大や、セーフティネット住宅登録戸数の増を図るほか、県協議会への市町村の加入促進、市町村居住支援協議会の設立支援などを行っていくことが必要だと考えております。 また、住宅確保要配慮者への支援のためには、小林正信委員からも御紹介ありました福祉部門との連携が不可欠であることから、県、市町村の福祉担当部局や社会福祉協議会との連携を進めまして、住宅確保要配慮者の住まいの確保を図っていきたいと考えているところでございます。 〇小林正信委員 岩手県でも、居住支援法人は10団体あり、協議会としても、それをしっかり支援しているというところもあるかと思うのですけれども、この居住支援法人は非常に重要な取組なのだろうと思います。もっとふやしていくという取組の支援も、今後、重要なのかと思いますので、ぜひとも、その取組を進めていただきたい。 続きまして、建築物の中間検査について、新しく建物を建築する工程において、建築物の構造の安全性を前もって確認するため、指定された工程後に中間検査を実施しなければならないと建築基準法で定められているところです。 どういった建物について中間検査を義務づけるかは、特定行政庁である、都道府県が決めることとなっており、岩手県においても、県内全域で中間検査事業を実施しているというところです。 この中間検査は、阪神淡路大震災の建築物被害を受けて創設されたということで、東日本大震災津波、熊本地震、そして、今般の能登半島地震と、建築物の安全確保に対する関心が高まる中で、重要な取組なのだろうと思います。 その中で、自己居住用一戸建て、戸建て住宅の中間検査、これは岩手県では行っていないということですけれども、他方で、宮城県、福島県では実施していると。岩手県で実施していない理由についてお知らせください。 〇佐藤建築指導課長 一戸建て住宅の中間検査を実施していない理由についてでございますが、本県においては、現在のところ、戸建て住宅に中間検査を実施しないことにより支障が生じている事実は把握していないところでございます。 また、現行制度におきましても、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律により、住宅の建設業者等に対し、資力確保措置が義務づけられており、建設業者が保険に加入する場合には、保険法人による工事中の現場検査が複数行われるなど、一定の品質確保対策が図られていると認識しているところでございます。 なお、本県におきましては、建設業許可を受けている事業者のほとんどが、この保険に加入しており、保険法人による現場検査が適切に行われているものと考えております。 〇小林正信委員 現場検査等も行っており、中間検査を実施しない理由についてもわかりました。しかし、国土交通省では、熊本地震における建築物被災の原因分析を行う委員会を設置して、その報告書では、木造建築物の被害分析結果をまとめました。その中では、旧耐震基準の倒壊率が高かった。新耐震基準の有効性が確認されたが、この新耐震基準の一部でも倒壊があった。その原因は、現行の仕様に適合しない接合部の存在、また、接合部の規定を明確にした平成12年以降の一部でも倒壊が見られたということで、この木造建築物の結合部が現行の仕様に適合しているかを確認することが大事だ。中間検査の重要性が、改めて、この報告書では明確になったところです。 福島県では、この報告書を受けて、一戸建て住宅も中間検査の対象としたということですけれども、さまざまな実施の必要性はないという理由はあるかと思うのですけれども、住民の生命と財産を守るという点にどれだけこだわって政策を立てるかという点で、福島県も宮城県も、東日本大震災津波の経験から、減災対策においては、やれることはどんな小さなことでもやるという姿勢が感じられるというところです。 岩手県における戸建て住宅の中間検査について、今後、実施するお考えがあるのかというところを、改めて、お伺いしたいと思います。 〇佐藤建築指導課長 中間検査の実施についてでございますが、中間検査を実施する場合には、その有効性の判断と、建築主の費用負担などが課題と認識しているところでございます。 現行の建築基準法では、小規模な住宅の建築確認や、完了検査の際に、構造に関する審査が省略されておりますが、今般、建築基準法が改正され、2025年以降には、建築確認等の審査省略制度が見直される予定となっております。 これにより、2階建ての住宅につきましては、構造審査等の厳格化が図られることになることから、建築確認や完了検査の機会を捉えた法適合性の確認がより確実にできる体制になるものと考えております。 戸建て住宅の中間検査の実施につきましては、現状における住宅の品質確保の状況や、今後、予定されております改正法施行後の法適合確認の状況などを踏まえまして、関係者の意見なども伺いながら判断してまいりたいと思います。 〇小林正信委員 了解いたしました。 次に、公営住宅についてお伺いします。 先日、一般質問で、富山県の若者向け公営住宅SCOP TOYAMAについて質問させていただいて、商工労働観光部長からは、起業スタートアップと居住の一体的な支援のあり方について検討していくと、答弁いただきました。 公営住宅は、住民の住まいのセーフティネットとしての役割が基本と思いますが、近年では、人口減対策、若者の活躍促進、また、移住、定住にも活用されている。岩手県としても、積極的に取組を進めているところと思います。 富山県の整備は、公営住宅のリノベーションということでしたけれども、今後、商工労働観光部とも連携しながらの起業、就業と居住の一体的な取組、リノベーションも含めた公営住宅の整備を進めていく取組について、県のお考えをお伺いしたいと思います。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 公営住宅に関する御質問をいただきました。 県では、県営住宅の長寿命化に関する基本方針や事業手法等を定めた岩手県公営住宅等長寿命化計画に基づきまして、原則として、新規の団地整備については行わず、既存の管理戸数の適正化や集約、再編を行うこととしているところでございます。 また、既存の公営住宅の空き室等について、移住、定住促進等の新たな社会的要請による活用をしようとする場合には、本来、入居対象者の入居を阻害しないなど、その使用に制限があるところでございまして、この目的外使用について、国土交通大臣の承認を得るといった流れとなっているところであります。 この目的外使用を活用した本県における移住、定住に向けた取組として、令和4年度から、1万円で家電等を整備した住宅ということで、いわてお試し居住体験事業といったことにも取り組んでいるところでございます。 〇小林正信委員 了解いたしました。 先ほど申し上げたとおり、住まいを社会保障の一つと考えたときには、先ほどおっしゃったようなお試し居住のような、若年世代に対する居住支援は、人口減少対策としても必要なものと思います。 先ほども触れましたけれども、若年世代に対する公営住宅の取組を岩手県も積極的に行っていると感じておりますけれども、今後も、その充実を図っていただければと期待するところですけれども、若年世代に対する県の取組の現状についてお伺いしたいと思います。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅を活用した取組の現状について、御質問をいただきました。 若い世代に対する支援ということで、我々も、令和3年度から、県営住宅の目的外使用によりまして、若者世代へ、Wi―Fi通信環境を整備した県営住宅を低廉な家賃で貸し出す県営住宅活用促進モデル事業といったものを実施してきておりまして、これまでに8戸の入居に至ったところでございます。 令和6年度からは、名称を変えまして、若い世代に対して、家賃をより低減して貸し出す、若者地域応援住宅支援事業といった形で、若者の活躍を支援する取組を行っていこうとしているところでございます。 〇小林正信委員 コンセプトはすばらしいと思うのですけれども、まだ8戸ということで、8世帯ですか。 もっとアプローチというか、プロモーションというか、そういうものが必要だと思いますし、先ほど答弁のあった居住支援法人などとも連携をしながら、生活が困窮している若者などに対し、御支援もぜひやっていただきたいと思っております。 大阪府では、不安定な就労状況にある15歳から34歳の若者、あるいは就職氷河期世代、また、コロナ禍や物価高で失業した方々を対象に、就職支援もあわせた公営住宅の提供を全国初の取組として行ったと。若者を支援しながら、また、この若者や地域とかコミュニティーに入っていくと、そういった取組もやりつつ、公営住宅の住民のつながりを強める取組として注目されているということです。2021年には、公営住宅法において、NPO法人等が、住宅確保が困難な人たちの自立を支援する際、全国の公営住宅の空き住戸を積極的に活用できるよう、公営住宅法の省令の改正が行われたと伺っております。 以前にも取り上げましたけれども、今後は、空き住戸や集会場を活用して、さまざまな取組が、この公営住宅の老朽化あるいは高齢化していく公営住宅にとっては、必要なものなのだろうと思います。 全国でも、さまざまな先進事例があるかと思いますけれども、この空き住戸や集会所を活用した、例えば民間団体や企業などにそういったところに入っていただく、あるいは空き住戸自体を活用して何か取組をさらに進めていくなど、そういう今後の取組について、県のお考えをお伺いしたいと思います。 〇高井参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅を活用した取組ということで、事例から御紹介させていただければ、令和2年度から、南青山アパートでございますけれども、盛岡市による東日本大震災津波被災者に対する常駐型の支援拠点として、もりおか復興支援センターの南青山拠点青山コミュニティ番屋という名前で設置されまして、盛岡市内に避難した被災者へのさまざまな支援活動や地域コミュニティー活動の活性化に向けた取り組みが行われているところでございます。 また、令和5年度─今年度ですけれども、松園北アパートにおきまして、介護サービス事業者による高齢入居者等の見守りや買い物支援、交流サロンの開催、こういった取り組みを行われているところでございます。 今後とも、公営住宅法の趣旨を踏まえてということにはなるのですけれども、県営住宅の本来入居者の入居を阻害しない範囲になりますが、公営住宅における民間団体や企業の活用といいますか、そういったことも、地域のニーズや先進県の事例等を参考に研究していきたいと思っております。 〇小林正信委員 すばらしい事例を二つ紹介していただきました。盛岡市南青山地区の災害公営住宅は、コミュニティーを守っていくという点で、非常にすばらしい取り組みをされていますし、そして、盛岡市松園地区でも、これは、多分、企業の力を借りての取組だと思います。 これから、県内の公営住宅も、高齢化あるいは孤立化という部分が顕著になってくると思いますので、民間の力、そのほか、県としても、ここをつなぐ取組をさらに強化していただいて、取り組みを進めていただきたいと要望して、終わりたいと思います。ありがとうございました。 〇城内愛彦委員長 ほかに質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 〇城内愛彦委員長 質疑がないようでありますので、これで県土整備部関係の質疑を終わります。 県土整備部の皆さんは退席をされて結構です。御苦労さまでした。 お諮りいたします。当委員会に付託されました議案60件についての意見取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において、世話人会で御協議を願い、その結果をもって委員会を開き、結論を出すことといたしますが、これに御異議ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 〇城内愛彦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 この際、世話人会を開催するため暫時休憩をいたします。 午後2時6分 休 憩 午後10時41分再開 〇城内愛彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 当委員会に付託されました議案60件について、世話人会で協議をした結果を御報告申し上げます。 議案第1号令和6年度岩手県一般会計予算については、次の意見、すなわち、令和6年度岩手県一般会計予算については、達増知事が5期目の当選後初めて編成する予算であることから、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランの着実な推進に加え、マニフェストプラス39の実現に向け、以下の点に特段の配慮を求める。 今後、人口減少や経済の低迷によって歳入確保が困難になることが見通される中、資産運用、ふるさと納税の獲得、企業会計からの繰り入れなど、これまで以上の取組に加え、超過課税のあり方の検討も含め、あらゆる手段を講じて歳入確保を図られたい。 県立病院等事業会計への繰出金の増加等が県財政に大きな影響を与えている中、本県の最重要課題である人口減少対策を初め、山積する課題解決のためには、限られた予算の効果的な活用が必要である。 しかしながら、今定例会に提出された令和5年度政策評価結果等の政策等への反映状況報告書によれば、事務事業評価を実施した863事業のうち、純粋な廃止、休止は17事業にとどまっており、今後は、成果指標の達成度の低い事業や効果が低いとみなされる事業について、積極的な見直しや再構築が求められる。 特に、予算特別委員会において指摘のあった若者支援関連事業やソフトパワー事業、岩手であい・幸せ応援事業など、費用対効果が疑問視された事業については、事業の成果が発現されるよう取り組まれたい。 少子化と若者、女性の県外流出に歯どめがかからない中で、結婚支援の充実、出産環境の整備、産後ケアの拡充、不登校・ひきこもり対策を一層進めるとともに、多くの若者が、子育てしやすい県であることを実感できる大胆な施策について、若者、女性を初め、当事者の声を聞き、検討を進めるなど、少子化対策に全力で取り組まれたい。 将来的に人口減少が避けられない状況にあって、県民の生活を守るためにDXの推進、農林水産業・商工観光業のさらなる振興、雇用の場の確保と給与水準の引き上げ、地域公共交通の維持・確保、県立病院の機能強化及び医療人材の確保や適切な教育環境の検討等、社会減対策と人口減少対策を見通した諸施策のさらなる推進を図られたい。 震災復興にあっては、被災者の心のケアや不漁に苦しむ水産業の振興に取り組むとともに、県民との約束であるマニフェストプラス39については、4年間の道筋を示し、市町村との連携を図りながら、実現に向けて取り組まれたい旨の意見を付し、原案を可とすることとし、また、そのほかの議案につきましては、それぞれ原案を可とすることとした次第であります。 これより、討論を省略し、採決を行います。 まず、議案第1号について、採決いたします。 本案は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〇城内愛彦委員長 起立全員であります。よって、議案第1号は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。 次に、議案第2号から議案第20号まで、議案第27号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第44号、議案第47号、議案第48号、議案第52号、議案第54号から議案第67号まで、及び議案第69号から議案第76号までの以上59件を一括し、採決いたします。 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〇城内愛彦委員長 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第20号まで、議案第27号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第44号、議案第47号、議案第48号、議案第52号、議案第54号から議案第67号まで、及び議案第69号から議案第76号までは、原案を可とすることに決定いたしました。 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。 委員各位の御協力に対しまして、深く感謝を申し上げ、これをもって予算特別委員会を閉会いたします。大変ありがとうございました。(拍手) 午後10時48分 閉 会 |
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