平成16年6月定例会 第8回岩手県議会定例会 会議録

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〇26番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第2号、第6号、第7号、第10号、第16号、第17号に反対の討論を行います。
 議案第2号、第7号は、県税条例の一部を改正する条例であります。これは、均等割の納税義務を負う夫と生計を一にする妻が100万円以上の給与収入がある場合、妻にも均等割の課税を行うものであります。これによって約10万人の県民に、県民税分で1億200万円の増税、市町村民税を含めると約4億800万円の増税を強いるものであります。
 また、老年者控除48万円の廃止による増税は、県民税分で2億8、800万円、個人住民税全体では約8億3、500万円の増税となるものであります。
 年金法の改悪による年金の給付の削減、医療費や介護保険料の引き上げの中で、さらに県民と高齢者に12億4、300万円余の増税を強いることは、県民に痛みを押しつける自民・公明による小泉内閣の悪政そのものであります。
 議案第6号は、公の施設に係る指定管理者の指定の手続に関する条例であります。これは、地方自治法の改正によるものでありますが、公の施設の管理を委託方式から指定管理者制度に改めるものであります。
 指定管理者とは法人その他の団体であって、そのねらいは、民間事業者の能力を活用し、効果的・能率的な公の施設の管理を実現するとして、株式会社などの営利法人に委ねようとするものであります。公の施設とは、図書館や体育館、障害児施設など福祉施設、住民福祉の増進を目的とする施設であります。これらの施設が株式会社など営利法人にまで委託が拡大されるなら、公共性が脅かされかねません。
 今回提案された手続条例では、公共性を確保する具体的保障も選定基準も不明であり、反対するものであります。今後、個別の募集要項等で明らかにされるということですが、個別の設置条例を含め、住民福祉の増進という公共性の確保がなされるように強く求めるものであります。
 議案第10号は、県立の看護師養成所、県立看護学校の入学料と寄宿料について新たに徴収しようとするものであります。その負担額は約632万円であります。全国で入学料を徴収している県は37県中16県、東北では4県中、福島県の1県であります。看護師の養成と待遇改善は引き続き重要な課題であり、各県に先駆けて入学料を新たに負担させる必要はありません。
 議案第16号は、職業能力開発校の学生から新たに授業料11万5、200円、入校検定料2、200円、入校料5、650円と寄宿料を徴収しようとするものであります。これは2年間で23万8、250円以上の負担を強いるものであります。総額では2、255万円余の負担増であります。深刻な就職難と10%近くの青年失業率の中で、職業訓練と教育は極めて重要なものであります。諸外国でも、国、地方自治体の責任で実施されているものであります。収入のない青年の職業訓練と教育に対して受益者負担を導入することは、時代の流れにも世界の流れにも逆行するものであります。
 こうした検討が県財政の破綻と行財政構造改革の中で検討されたことは、県政の財政の破綻のツケを青年に押しつけるものであり、反対するものであります。
 議案第17号は、農業大学校の学生から新たに授業料11万5、200円、入学検定料2、200円、入学料5、650円を徴収しようとするものであります。これも2年間で23万8、250円の負担増となります。総額では約1、800万円の負担増でありますが、そもそも農業大学校は、本県の基幹産業である農業の担い手や指導者養成を役割として、授業料等は徴収してこなかったものであります。この目的、役割は一層重要となっているのであります。授業料を徴収しているのは、全国的にも42道府県のうち25道府県であります。東北ではありません。
 重大なことは、青年や学生に負担を押しつける一方で、74億円余の大船渡漁港整備事業は、知事答弁とは違って、大規模事業評価を行うことなく、見直しもされず推進されています。こうした大型開発優先で県民に犠牲を強いる逆立ちした県政の転換こそ必要であります。
 以上申し上げ、私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。

〇議長(藤原良信君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第22号政治倫理の確立のための知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例を採決いたします。
 本案の委員長の報告は、否決でありますので、原案について採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立少数であります。――静粛にお願いします。
 よって、議案第22号政治倫理の確立のための知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例は否決されました。
 次に、議案第7号、議案第10号、議案第16号及び議案第17号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立多数であります。よって、議案第7号、議案第10号、議案第16号及び議案第17号は委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号及び議案第6号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立多数であります。よって、議案第2号及び議案第6号は委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号、議案第3号から議案第5号まで、議案第8号、議案第9号、議案第11号から議案第15号まで、議案第18号から議案第23号まで及び請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立全員であります。よって、議案第1号、議案第3号から議案第5号まで、議案第8号、議案第9号、議案第11号から議案第15号まで、議案第18号から議案第23号まで及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第26 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件

〇議長(藤原良信君) 次に、日程第26、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
受理番号件名
24年金制度の改悪に反対し、最低保障年金制度の創設を求める請願

 政策評価結果(平成15年度分)について
環境福祉委員会
受理番号件名
14志波三山の県立自然公園指定を求める請願

商工文教委員会
受理番号件名
12教育基本法の早期改正を求める請願
15教育基本法に対する国民的議論を深め、慎重な法案審議を求める請願
28教育予算の拡充、義務教育費国庫負担制度の堅持、学級編制基準・教職員定数の改善を求める請願

 平成17年度県立学校の学科改編等について
農林水産委員会
受理番号件名
21民有林造林事業の推進支援について請願

 農村女性の起業活動の支援について
県土整備委員会
 岩洞第一発電所について
   

〇議長(藤原良信君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
日程第27 議案第24号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについて

〇議長(藤原良信君) 次に、日程第27、議案第24号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。竹内副知事。
   〔副知事竹内重徳君登壇〕

〇副知事(竹内重徳君) 本日提案いたしました人事案件について御説明いたします。
 議案第24号は、公安委員会の委員であります熊谷昭三氏の任期が7月25日で満了となりますので、同氏の後任として、新たに、藤原博氏を任命するため、議会の同意を求めようとするものであります。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。

〇議長(藤原良信君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は人事案件でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第24号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第24号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立全員であります。よって、議案第24号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
   
日程第28 発議案第1号中山間地域等直接支払制度の継続・充実に関する意見書から日程第32 発議案第5号岩手医科大学医学部の入学定員増を求める意見書まで

〇議長(藤原良信君) 次に、日程第28、発議案第1号から日程第32、発議案第5号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派共同提案及び委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第1号から発議案第5号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第5号までは、原案のとおり可決されました。
   
日程第33 発議案第6号イラク多国籍軍への自衛隊の参加に反対し、速やかな撤退を求める意見書

〇議長(藤原良信君) 次に、日程第33、発議案第6号イラク多国籍軍への自衛隊の参加に反対し、速やかな撤退を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。伊沢昌弘君。
   〔36番伊沢昌弘君登壇〕


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