令和4年12月定例会 第23回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(吉田敬子君) いわて新政会の吉田敬子でございます。
 一般質問の機会を与えてくださいました先輩、同僚議員の皆様、そして県民の皆様に感謝を申し上げます。
 コロナ禍により私たちの日々の生活が制限され、一変して3年、長いようであっという間ですが、特に子供たちへの影響を考えると、本当に心苦しくてなりません。そして、まだまだ課題の多い子育ては、コロナ禍でさらに孤立化しています。今任期最後となる一般質問は、子供の権利、また、母子の命と女性の健康と権利を守るという視点に重点を置いております。
 今朝のサッカーワールドカップの日本の逆転勝利、私も大変感動させていただきました。同じことをいつも取り上げ、訴えていますが、私も決して諦めない気持ちで、以下、通告に従い質問いたします。知事を初め、執行部の皆様の明快な御答弁に御期待を申し上げます。
 子供を産み育てる環境についてお伺いします。
 県では、いわてで生み育てる支援本部を設置し、県民運動のキャッチフレーズとして、いわての子みんなでつくる大きなゆりかごを10月末に決定しました。人口減少対策へ新たなポストを設置するとのことですが、本県の合計特殊出生率は、令和2年1.32から令和3年1.3へ減少、目標である1.58へもほど遠い状況です。
 出産や子育てを支援する公益財団法人1more Baby応援団の調査で、約75%が第2子以降の出産をためらう2人目の壁を実感していることがことし6月わかりました。経済的な問題などは緩和されつつも高どまりし、一方では、心理的な理由が増加傾向にあるということ、女性の就業率が向上したものの、子育て世代の女性は非正規雇用が多く賃金が低いことや、育休制度が改善しても、今なお男性が利用しがたい風土が残されているなど、制度が生かされていない点が挙げられ、子育て環境に不安を抱く人が依然として多く、仕事と家庭の両立も課題であります。
 国においては、出産育児一時金の引き上げや妊産婦をサポートする伴走型支援と、ゼロから2歳児までの経済的支援の創設、首都圏では、シッター代や家事代行への助成支援などがあります。都会と地方ではサービスの格差があり、本県においても独自の支援が必要と考えておりますが、県は合計特殊出生率を目標に近づけるため、どのような支援を検討しているのか知事にお伺いいたします。
 この後の質問は、降壇して質問席にて行います。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔26番吉田敬子君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 吉田敬子議員の御質問にお答え申し上げます。
 合計特殊出生率についてでありますが、国の出生動向基本調査によると、理想の数の子供を持たない理由としては、子育てなどに係る経済的負担が最も多いほか、高年齢での出産や育児の重い負担など、心理的、肉体的な理由もふえてきており、こうした要因が複雑に絡み合って、第2子以降の出産をためらう、いわゆる2人目の壁となり、合計特殊出生率の減少に影響を及ぼしているものと認識しております。
 県ではこれまで、妊産婦の医療費助成、岩手版母子健康手帳や男性の育児参加を促す子育て応援漫画の発行などのほか、本年度は、産後ケア利用料の無償化を行う市町村への補助、新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響が大きい子育て世帯への支援金を給付するなど、子育て世帯への経済的支援や、産み育てやすい環境の整備に取り組んできたところであります。
 さらに、現在策定中の第2期政策推進プランでは、人口減少対策の強化を重点項目に設定し、結婚、妊娠、出産、子育ての各ライフステージに応じた取り組みを総合的に進めていくこととしており、2人目の壁を感じることのないよう、令和5年度当初予算編成において、子供子育て世帯の経済的な負担軽減につながる取り組みの具体化を図ってまいります。
〇26番(吉田敬子君) 昨日の一般質問では、子供の医療費助成の現物給付を高校生にまで拡大されるということで、大変評価いたしますし、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおける指標の見直しの中でも、例えば不妊治療の休暇制度等の導入事業者数の見直しを新規に入れていただいて、大変評価いたしております。先ほど知事の御答弁で、令和5年度当初予算案の中で、経済的な負担の軽減のための措置はされるということでありました。課題として、心理的な部分あること、仕事と家庭の両立の課題というところ、それは経済的負担になるところもあるかと思いますけれども、具体的に令和5年度は何を検討されているのかお伺いします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 今、まさに来年度予算編成に向けまして検討を進めているところでございます。先ほど御答弁申し上げましたとおり、経済的な不安という部分が大きいところがございますので、そうした点、いわゆる2人目の壁ということで、多子世帯なども念頭に置いた支援施策を検討しています。そのほか、心理的な部分でありますが、労働環境について、子育てにやさしい企業認証という取り組みをしておりますけれども、育児などをするに当たっては、男性の参画がしやすいような環境づくりが必要でございます。これは企業とともに取り組んでいかなければならないということで、こういった機運醸成、県民運動も始めましたけれども、さまざま県民の皆様方、企業などを巻き込んで、男性の育児参加などもできるような労働環境について、来年度当初予算案に盛り込むべく、今、検討を進めているところでございます。
〇26番(吉田敬子君) 経済的な負担の軽減のための予算措置というのは、子供の医療費助成の部分のことだけなのか、それ以外に新たに何かあるものなのか。検討中という御答弁でしたけれども、県民運動として企業に対して今やられていて、それをやっていくのだろうと思います。県民運動で大変すばらしいキャッチフレーズをいただいたと思いますけれども、実際の負担を感じている方々にとって大事なのは、企業にお願いすることはもちろん大事なのですけれども、負担軽減していく策を県として用意しているかどうかです。先ほども首都圏でのシッター代だとか家事代行への助成などの例を取り上げましたけれども、そういうことはないということでよろしいでしょうか。
〇保健福祉部長(野原勝君) 議員から、他県の事例などもお示しをいただきました。今、私どもも他県でさまざまやっている先進事例などのベンチマークをさせていただいております。岩手県の課題なども踏まえて、特に未婚率が高いこと、30代後半の有配偶出生率が低いといったようなことを念頭に置きまして、さまざまな経済的施策について、具体的に検討しているところでございます。
〇26番(吉田敬子君) 国からの大きな支援が来て、ただそれを、例えば10万円の資金の補助とかも始まると思うのですけれども、それ自体はとてもありがたいことではあるのですが、サービスの格差があって、実際にお金だけでなく、特に地方は仕組みとしてつくっていかなければいけないと思っていますので、ぜひしっかり検討、検証を議論していただいて、それが令和5年度当初予算案に反映されることを願っております。
 次にまいります。産前産後サポート、産後ケアの推進についてお伺いいたします。
 質の高い安全な周産期医療を適切に提供していくためには、医療圏の設定の見直しや周産期母子医療センターの集約化、重点化を図っていく必要があり、現在、医療提供体制の検討を行っていると認識しております。医師や助産師等の技術の維持や向上には、1施設当たり年間分娩件数は600件の確保が望ましいとも伺っております。今後、ハイボリュームセンター設置など集約化、重点化が図られる中、出産場所が居住地と離れたとしても、身近な地域での産前産後サポートや産後ケアの充実が重要だと認識しております。
 今年度から、県は産後ケアの実質無償化を開始しておりますが、各市町村における取り組み内容には差があり、常任委員会では広域利用を進めていくとの答弁をいただいておりますが、その検討状況はどのようなものか、市町村の課題は何と把握しているかお伺いいたします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 県では、全ての市町村において産後ケア事業を実施することを目標に掲げ、県内市町村の先行的な取り組みを参考としてもらうため、事例集を作成、配布するなどして市町村の取り組みが促進されるよう支援してまいりました。
 市町村が産後ケア事業を実施するに当たっては、委託先や人材の確保が課題となるほか、小規模市町村におきましては、産婦の数が少ないことから、市町村によっては単独での実施が難しいことも想定されるため、複数の市町村が一つの産科医療機関等を共同で利用する広域連携も有効であると考えております。
 広域連携を推進するため、保健所単位で開催しております連絡調整会議の場を活用し、利用者のニーズや活用可能な地域資源などの把握を行った上で、事業展開に向けた関係機関との調整などを行うため、現在、圏域ごとに意見交換などを進めているところであります。
 今後、妊産婦等が身近な地域できめ細やかなケアを受けられるよう、市町村単独で実施が難しい部分については、県としても各市町村や関係機関等との調整などによりまして、広域的な連携を促進しながら、市町村の取り組みを支援していく考えであります。
〇26番(吉田敬子君) 今年度は既に意見交換、情報交換されているということだと思うのですけれども、具体的に、広域連携はいつからできるのかお伺いしたいと思います。
〇保健福祉部長(野原勝君) 今、例えば、沿岸地域、釜石市と大槌町などで広域連携が始まってまいりました。少しずつそういったノウハウがふえてまいりましたので、先ほど申し上げました、保健所における連絡調整会議の場などにおきまして、こういった事例などを紹介するほか、それぞれ地域の資源が異なりますので、そこは皆で協議をしながら、地域に合った取り組みを我々も一緒になって考え、検討を進めてまいります。
 今は具体的にいつという形で申し上げられる段階にはないのですけれども、まさにそれを速やかに県内全体で進めるために、我々は、今年度、産後ケアの無償化に取り組んだわけでございますので、この施策とあわせまして全県で展開できるように進めてまいりたいと考えております。
〇26番(吉田敬子君) 釜石市と大槌町では、大槌町の方が居住地域ではない釜石市を利用できるだとか、そういう連携を広域連携で進めていただきたいということで今お話しさせていただいているのです。盛岡市には分娩施設がたくさんあり、産後ケアをやれるところが今は3カ所あるのですが、一方で、盛岡広域で、例えば滝沢市や雫石町の方も、盛岡市にある分娩施設は使っているけれども、結局、盛岡市民ではないので、今、利用料の無償化には対象外になっていて、そういった仕組みを広域でつくっていっていただきたいという意味であります。
 改めて確認しますが、今、釜石市、大槌町の事例を今、お話しされましたけれども、そういう意味での広域連携になっているのかお伺いします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 今、申し上げましたのは、地域でなかなか委託先とか人材が少ない小規模な町村で広域的に活用しようという例で申し上げました。議員からいただいたような事例は、確かにそのとおりだと認識しております。自治体をまたいで分娩をなさるといった事例は多数ございますので、そういった部分での広域連携についても、県として必要な調整、支援を行ってまいりたいと考えております。
〇26番(吉田敬子君) ぜひお願いしたいと思います。今、産後ケアを委託している中で、ハイリスクのケースがすごくふえている。これはコロナ禍も相まってだと思います。産後鬱の状態だったり、自分の赤ちゃんに対して虐待をしたり、もう殺してしまうのではないかと思っているというお母さんからの声、そういうお母さんを受け入れて、さまざまな連携をされておりますし、旦那さんからのDVもあって、今、ハイリスクがふえている状況です。
 先日、遠野市助産院、ねっと・ゆりかごの開設15周年記念式典に出席させていただきました。宿泊施設を活用したデイサービス型としては県内初の産後ケアを開始しておりまして、遠野市が助産師を直接雇用し、産後ケアの充実を図っているよい事例と考えております。地域には、コロナ禍も重なり、あいている旅館やホテルがありますが、県が資質向上を図ってきた助産師等を直接雇用して、旅館やホテル等も活用するなど、宿泊型産後ケアセンターの設置を検討すべきと考えておりますが、所見をお伺いします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 産後ケアについては、妊産婦が身近な地域できめ細やかなケアを受けられる環境の整備が重要であり、県においても、産後ケア利用料の無償化などに取り組み、地域における産後ケアの拡充や利用促進に取り組んでまいりました。
 こうした取り組みを進める中、産後ケア事業に取り組む市町村は年々増加し、現在、29市町村となっており、地元の宿泊施設を利用してデイサービス型事業を始めるなど、地域資源を活用した新たな取り組みも進んできております。
 議員から、宿泊施設を活用した県による産前産後ケアセンターの設置の御提案をいただいたところでありますが、広い県土を有する本件の地理的状況なども踏まえ、まずは市町村など身近な地域での産後ケアの充実に向けまして、各圏域の連絡調整会議等の場で、助産師や宿泊施設等を活用した取り組み事例を紹介するほか、単独で実施が難しい市町村には広域での連携を提案するなどによりまして、市町村の取り組みが促進されるよう、引き続き支援してまいります。
〇26番(吉田敬子君) 広域連携については、北上市、花巻市においては、県内初めての産後ケアの事業を2016年に開始していただいて、すばらしい事業をされていると大変評価をするところであります。花巻市と北上市の中部地域は、既に実績もありまして、利用者の方への独自にアンケート調査においては、宿泊のニーズも大変高い状況であることから、花巻市は宿泊型産後ケアセンター設置の具体の検討に花巻市は入っております。
 市町村事業であるのは承知していますけれども、広い県土を持つ岩手県において、県が実際に産み育てることに重点を置いているのであれば、しっかり予算を取って、人を配置して、広域連携に向けてどのように進めていくのか。各圏域の連絡調整会議でもやっていくという御答弁をいただいているのですけれども、それぞれの連絡調整会議でやっていくだけではなくて、そもそもの議論になりますが、県が無償化を何で始めたのか、産後ケアが実際に大事だからということで実質無償化を始めたのだと思います。連絡調整会議ももちろん大事ですけれども、広い視野でビジョンを持って、今回、無償化を実施していただいたと私は思っていますので、そういったところに対する県のもっと前向きな検討を進めていっていただきたいと思っておりますが、花巻市や北上市の具体の検討について、県はどのようにかかわっていこうとされているのかお伺いしたいと思います。
〇保健福祉部長(野原勝君) 安心して子供を産み育てられる環境づくりということで、先ほど答弁いたしましたとおり、今年度、県としても予算を確保いたしまして、産後ケア利用料の無償化に取り組んでまいりました。県としてはベースラインとして、まだ全ての市町村で産後ケアをやっていないということもございますので、全ての市町村において事業が実施できるようにという視点で着手したところでございます。
 さまざまなニーズがあるのは承知しております。デイサービス型で好評を博している事例もございます。宿泊型のニーズもあるということも、そのとおりだと思っております。
 具体に今、花巻市で検討されているところでございますので、我々も管内市町村の保健所の圏域会議のほかにも、当然、県としても具体的にどのような形でできるのか検討しますが、議員から御紹介があったように、産後ケア事業は市町村事業ということで、国から県に直接という財政支援はメニューがない中にあって、どのようにやっていけるのかというのは、市町村と連携していかなくてはならないという部分もございます。そうした部分で、我々も一緒になって知恵を出して、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇26番(吉田敬子君) 県が今回、産後ケアの無償化を始められたことによって、例えば、利用者にアンケート調査をやってみるとか、そういう声を聞き取っていただかないと、連絡調整会議ではなかなか次につながるニーズの把握というのは、もちろん委託の皆さんから伺うこともそのとおりだと思いますけれども、実際に利用者の声を聞いていただきたいと思います。
 先ほど2人目の壁のお話をさせていただきました。あと、きのう知事の御答弁で、市町村に出向いてしっかり要望も伺っていきたいというお話をされていました。2人目の壁について、利用者の方のアンケートの中には、産後ケアを1人目のときに利用したことがあって、2人目でも安心できる場所があるからよかったという結果が出ているので、2人目の壁のお話をさせていただきました。少子化対策をもっとやっていくからには、アンケート調査などでもっと深掘りしていただきたいと思いますけれども、知事に改めてお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 生まれたばかりの赤ちゃんとその親御さんのケアというのは、市町村にとっては、その市町村住民になったときから、その市町村の中ですくすく育って、大きくなっていってほしいということで、市町村それぞれの腕の見せどころであり、また、市町村の存在意義をかけて産後ケアに取り組んでいるというところもあります。それがうまくいくように、県も市町村と一緒に取り組むということが大事ですので、そういう中でも、専門性や、また広域性の部分で市町村単独でできない部分を県がきちんと補っていくということだと思っております。
 そういう中で、それぞれの市町村の背中を押し、先行している市については、さらに励ます意味で、県からそれぞれの事業を補助する、支援するということを、全国でもまだそういう例は少ないのですけれども、岩手県としてはやっているところであり、決して市町村にだけ任せるのではなくて、県、市町村が一体になって生まれたばかりの赤ちゃんとその親御さんをしっかりケアするということを進めていきたいと思います。
〇26番(吉田敬子君) ぜひよろしくお願いいたします。
 男性の家事、育児参加というのも大変大事になってくるわけですけれども、産後パパ育休、男性版産休制度の推進についてお伺いいたします。
 知事は、昨年9月定例会の私の一般質問に対し、共働き世帯の妻に家事労働が集中しないよう、男性の家事、育児へのさらなる参画が必要である旨を答弁されています。秋田県では、出産前から夫婦で産後の環境の変化や子育てへの考えを共有し、親になった喜びを感じることができるよう、NPО法人ファザーリング・ジャパン東北と連携して、プレパパや乳幼児の父親を対象とした子育て等を学ぶ講座を県内8カ所で開催し、男性の育児参加を促進し、父親育児の機運を高める事業を県事業として実施しています。北上市でも今年度から同様の講座を開始したと伺っております。ことし10月スタートした産後パパ育休の推進と合わせ、男性の家事育児参加を促進する取り組みとして、どのようなことを検討しているのかお伺いいたします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 県では、男性の育児参加も含めました仕事と子育ての両立や多様な働き方など、将来のライフプランをパートナーとともに考えてもらうため、新婚世帯やこれから結婚を予定している方などを対象に、出産や妊娠、育児休業などの制度活用や、家事、育児の分担などをテーマとしたライフプランセミナーを開催しているところであります。
 また、女性活躍担当部署と連携して、いわて女性の活躍応援セミナーを開催し、経営者や管理職に向けて、男性社員のワークライフバランス推進の取り組み事例の紹介を行うなど、男女問わず誰もが働きやすい職場環境づくりに取り組んでいるところであります。
 さらに、今年度は、いわてで生み育てる県民運動の一環として、結婚、子育ての機運醸成や子育てにかかわる諸制度の紹介などを行う映像コンテンツを作成しており、今後、各種研修会等での活用を想定しているところでございます。
 このような取り組みを通じまして、ライフプランを考える機会を積極的に提供し、男性のワークライフバランスを推進しながら、家事や育児への参加を促してまいります。
〇26番(吉田敬子君) 県職員の男性職員の育児休業等の取得について、令和3年度の取得率は97.5%となっていますが、取得期間が1カ月以内は62.2%と課題があります。今後は、産後パパ育休の取得促進についても、民間に推進していくと同時に、県もしっかりやっていくべきと考えておりますが、その検討状況についてお伺いいたします。
〇総務部長(千葉幸也君) 男性職員の育児休業の取得状況を見ますと、出産直後の配偶者の心身回復が必要な時期に育児休業等を取得したいというニーズは高い傾向にあり、この時期に産後パパ育休や休暇を一定期間取りやすい環境整備を行うとともに、主体的に育児にかかわるという意識を持つことが重要であると考えております。
 本県ではこれまで、男性職員の育児休業等の取得に向けて、庁議の場で男性職員の育児休業の取得状況を共有しながら、全庁を挙げて1カ月以上の休業等の取得を促進しているほか、子育て支援セミナーにおける男性育休経験者の体験談の共有や育児計画支援シートの作成により、男性職員が育児にかかわるよう意識の醸成に取り組んでまいりました。
 県では、本年10月から産後パパ育休制度の柔軟化を行ったところであり、引き続き、産後パパ育休を含め男性職員の育児休業等の取得促進と育児にかかわる意識の浸透を図り、男女が家事や育児に平等に参画し、パートナーシップを発揮できるよう環境づくりを進めてまいります。
〇26番(吉田敬子君) 次の質問にまいります。
 特定妊婦等への支援についてお伺いいたします。
 矢巾町では2019年、自宅のトイレで出産した男児を屋外に投棄し死亡させたとして10代の母親が逮捕されました。花巻市では2021年、出産直後の男児をお湯の中に沈めて死亡させ、遺棄したとして30代母親がことし3月に実刑判決を受けました。さらには、ことし9月、大船渡市で出産直後の赤ちゃんの遺体を自宅に遺棄したとして20代の母親が逮捕されました。乳児への虐待や遺棄などの痛ましい事件が県内で近年増加傾向にあります。なぜいつも母親だけが処罰されるのか、母親を処罰することだけが根本的な課題解決ではないはずだと私は思っております。
 予期せぬ妊娠や経済苦などで出産直後に支援を必要とする特定妊婦が全国でふえていて、本県では特定妊婦として市町村が対応している件数は、令和元年は140人、令和2年は174人と増加しています。厚生労働省の報告によると、2003年7月以降、生後24時間未満に虐待死した赤ちゃん173人のうち、実母の年齢は19歳以下が27.2%、20歳から24歳が19.7%と、24歳以下で半数近くを占めております。出産場所は自宅のトイレやお風呂が約48%に上り、医療機関はゼロです。
 貧困や虐待から児童買春の被害に遭った少女たちの体験や思いを写真や手記で伝える、私たちは買われた展が9月に開催されました。また、先月末、予期せぬ妊娠で悩む女性や虐待死を救いたいとの思いで、女性の健康を支える県内の医師たちが中心となり、岩手リアルプラットフォーム連絡会が設立されました。若年妊娠、予期せぬ妊娠など支援を必要とする妊婦に対し、県が行う支援は極めて少ないと私は感じておりますが、課題認識と今後の取り組みをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 県は、各保健所を女性健康支援センターと位置づけて、若年妊婦や予期せぬ妊娠などに悩む方からの相談を受けつけておりますが、相談件数は年間数件にとどまっていて、支援を必要とする妊婦を把握し、適切な支援につなげるということが課題であると認識しております。
 このため、市町村における家庭訪問等によるアウトリーチ型の相談支援など、支援機能の充実を図るとともに、民間団体等と連携した支援が重要と考えております。
 このような中、国においては、本年6月に児童福祉法等の一部改正を行って、支援を要する妊産婦等に対するサポートプランの作成を市町村の業務として位置づけ、令和6年度から施行されることとなりました。
 予期せぬ妊娠は、女性の心身に大きな影響を及ぼし、重篤な結果をもたらすおそれもあります。支援のきっかけとなる相談の選択肢をふやしていくことが重要であり、県としては、特定妊婦の早期把握や相談支援のさらなる充実が図られるよう、市町村や民間団体との連携強化に努めてまいります。
〇26番(吉田敬子君) 先ほど妊娠、出産、育児の切れ目のない支援の話をさせていただきましたけれども、こういった事例も同じく、妊産婦の支援のはずですが、現状ではそこがこぼれ落ちている状況だということを先ほどお話しさせていただきましたので、とにかく相談窓口につながることが一番なのですけれども、なかなかつながらない現状でこういった事件が起きていて、これは本当に氷山の一角というか、実際に出産に至らなかったとしても、悩んでいる女性だとか、その前の段階でいろいろなことが起きています。コロナ禍でさらに孤立化しておりますので、ぜひ、今取り上げました事例も含めて、母子の命を守っていく事業を今後拡充していただきたいと思っております。
 ことし8月、予期せぬ妊娠などに悩む女性などの相談を無料で受け付ける県内初の民間の相談窓口、にんしんSОSいわてが開設されました。相談内容に応じて、公的機関への仲介や特別養子縁組制度の紹介、産婦人科への同行など支援しています。匿名制ということもあって、10代の相談が多いということを聞いておりますし、女性だけでなく男性からの相談も多いということです。また、自分の娘や息子についての親御さんからの相談もあるということで、開設から3カ月で27ケースと聞いております。
 県内では妊娠相談窓口を開設している自治体もありますが、十分に活用されておりません。盛岡市の窓口、妊娠SОS相談に昨年8月からの1年間に寄せられた相談件数は、たったの1件です。また、各保健所に設置されている県の女性健康支援センターへの予期せぬ妊娠など、妊娠に悩む人からの相談件数も、資料をいただきましたけれども、1件、2件、その程度でした。行政相談は名前を名乗る必要もあり、身元を知られたくないという方のハードルがとても高く、また、県立中部病院には県内唯一の思春期外来が設置されていて、その取り組みは高く評価する一方で、こちらも病院へ行くというハードルが高いのが現状です。
 民間窓口の開設は大きな前進ですが、より安定的で継続的な運営には公的財政支援が必須だと考えております。国では、安心、安全で健やかな妊娠、出産、産後を支援する体制の中で、若年妊娠等への支援も掲げていますが、本県は事業実績が今までにありません。まずは、この相談窓口を知っていただくためにも、相談の多い10代の層である県内高校生に相談窓口カードの配布をしてはどうかと私は考えております。
 また、県内には入院できる助産所がなく、県内の母子生活支援施設は妊婦の受け入れを今行っておりません。県からの公的財政支援と厚生労働省の産前産後母子支援事業を活用するなど、居住支援を早急に検討すべきと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 予期せぬ妊娠などに悩む方にとって、民間の相談窓口が設置されたことは、相談の選択肢がふえることとなり、支援を必要とする妊婦の早期把握や、相談支援のさらなる充実につながるものと期待されます。
 にんしんSОSいわてには、議員からも御紹介いただきましたが、開設以来、継続的に相談が寄せられていると聞いており、今後、運営団体等と連携し、県民に対しまして周知を図りながら、支援を必要とする方に安定的かつ継続的な相談支援が提供されることが重要であると考えております。
 また、特定妊婦が出産前後に一時的な居場所を必要とする場合、県では、婦人相談所において一時保護し、相談支援を行っているところでありますが、にんしんSОSいわてにおきましても、一時的な居場所の提供に向けて準備を進めていると伺っております。
 特定妊婦への居場所の支援については、まずは、にんしんSОSいわてにおける相談内容等を注視させていただき、また分析させていただきまして、県内における現状やニーズを把握した上で、県と市町村、民間団体との連携を含めた支援のあり方について検討を進めていく必要があるものと考えております。
〇26番(吉田敬子君) ニーズを把握した上でという御答弁でしたけれども、ニーズがあるということを私は今、お話しさせていただきました。実際に妊婦が滞在できるところがない状況なのですが、これはニーズだとは言えないのでしょうか。お伺いしたいと思います。
〇保健福祉部長(野原勝君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、県では婦人相談所におきまして、公的な部分での居場所づくりを行っているところですが、議員からも御紹介いただいたとおり、行政の相談支援というのは心理的なハードルが高いという部分があるのも事実だと考えております。
 議員から御紹介していただいたとおり、民間団体のにんしんSОSいわてが活動を始めました。そして、居場所づくりについての検討を始めていらっしゃるということでございますので、そうした内容をきちんと我々も分析させていただいて、それに応じて、県としての必要な支援につなげていきたいと考えております。
〇26番(吉田敬子君) ぜひお願いいたします。
 先ほどの岩手リアルプラットフォーム連絡会主催の講演会に私も参加させていただきました。その講演会ではリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康と権利)や性犯罪、性暴力対策として性教育の重要性について多く語られました。
 青森県では現在、産婦人科の学校医を配置しておりますし、東京都教育委員会でも、ことし10月から都立高校へ産婦人科医を学校医として配置すると伺っております。本県も産婦人科の学校医の設置も検討してはいかがかと考えますが、お伺いいたします。
〇教育長(佐藤博君) 妊娠、出産に関する指導につきましては、児童生徒が性に関する正しい知識や行動選択を身につけさせることが重要なことであり、産科医師や助産師などの専門家から指導、助言をいただくことは効果的であると考えます。
 学校では、児童生徒の発達段階に応じて、関係教科の保健体育及び家庭科において、それぞれ必要な性に関する指導に加え、特別活動等において、産科医師や助産師などの専門家を講師に性に関する講演会を開催しており、県内の公立学校では、令和2年度に47校、63.5%で実施したところです。
 議員御提案の産婦人科の学校医の設置につきましては、産科医師の対応等が困難な点も考えられることから、保健福祉部や県医師会などの関係機関と相談してまいりたいと考えております。
 県教育委員会としては、児童生徒が性や妊娠、出産とそれに伴う健康課題について理解し、適切な行動選択を身につけ、生涯を通じてみずからの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力を育てていくよう、関係機関と連携しながら保健教育を推進してまいります。
〇26番(吉田敬子君) きのうの一般質問の中でも御答弁がありました。保健福祉部で今年度から新たに若年層向けにライフプランニングのさまざまな取り組みを開始されたことは、大変評価させていただいております。そして、今後はもっと学校の現場に入って、助産師等を活用するということで、大変ありがたいと思っておりました。産婦人科の医師が少なく、御多忙の中で、そのとおりだということも認識しておりましたが、助産師の活用を保健福祉部と連携して、教育の中に取り込むということが本当に重要だと県内の女性支援をされている医師からお話しされましたので、ぜひ今後期待したいと思っております。
 社会的擁護の取り組みについてお伺いします。
 虐待などを理由に実の親と暮らせない社会的擁護を必要とする子供は、2020年度、全国に4万2、000人、平成28年、児童福祉法改正によって、里親や特別養子縁組などで養育されるよう、家庭養育優先の理念が規定されました。
 本県には二つの乳児院、六つの児童養護施設、児童心理治療と児童自立支援がそれぞれ一つずつ、計10カ所の児童福祉施設があります。令和2年は、延べ約315名の児童生徒が入所していると認識しております。家庭的擁護の推進が言われている中で、身近に知る機会をふやし、里親登録数をふやすこと、一時的に預かる一時里親制度の周知も課題だと私は感じております。また、本県にはファミリーホームが一つもないという状況です。ファミリーホームの開設に向けた相談、指導などの設置支援も推進すべきではと考えております。
 里親や子供が孤立しないよう、包括的に支援するフォスタリング機関が先月創設されましたが、本県の里親登録数や委託率など里親制度の現状、ファミリーホーム開設支援の現状、児童養護施設との連携についての県の課題認識と今後の取り組みをお伺いいたします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 本県の里親登録数は、平成29年度の183組から、令和3年度には219組と36組増加したものの、里親等委託率は、高校卒業時で委託解除となった児童が多かったことなどによりまして、平成29年度の27.3%から、令和3年度には23.3%と4ポイント減少している状況でございます。
 また、ファミリーホームについては、開設についての相談は寄せられているものの、事業者側の職員体制が整わないなどの理由から、県内での開設にはまだ至っていないところでございます。
 里親養育支援については、乳児院や児童養護施設に配置されている里親支援専門相談員が児童相談所や里親会と連携しながら、委託里親への相談支援や一時里親事業のマッチングを行うなどの取り組みを進めているところです。
 県としては、岩手県社会的養育推進計画に基づき、里親等委託率の向上に向けて、家庭養育の受け皿となる里親の確保を進める必要がありますことから、里親登録者が少ない地域で里親説明会を開催するなど、里親制度の普及、啓発を強化するとともに、今年度新たに開設したフォスタリング機関と緊密な連携を図りながら、質の高い家庭的養育の提供に取り組んでまいります。
〇26番(吉田敬子君) 次にまいります。
 子供が送迎バスに置き去りにされる事案が各地で後を絶ちません。一関市でも先月2日、小学校1年生の児童が一時的に置き去りとなりました。児童の保護者が、何かあったらクラクションを鳴らすよう教えていたことで発見が早く、大事には至りませんでしたが、子供たちに教えることも重要ですが、決して許されざる大人の過失であると私は思っております。
 来年4月から、全国の保育所などの送迎バスへのブザーなど安全装置の設置が義務化されますが、県内の保育所等における送迎バスの保有数と安全装置の設置状況、県の支援についてお伺いいたします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 本年9月に送迎バス車内で発生した園児の死亡事案を受けまして、県では、県内全ての保育所、幼稚園、認定こども園など、計656施設を対象に緊急点検を行ったところであり、その結果、バス送迎のある施設は112施設で、保有台数は184台、このうち見落としを防止する安全装置の設置は3施設でありました。
 県では現在、送迎バスを有する全ての保育所等に対し、送迎バスの運行に係る事故防止の取り組みや危機管理マニュアルの策定等に関する実地調査を実施しており、その中で安全管理を徹底するよう指導を行っているところであります。
 また、設置が義務化されます置き去り防止のためのブザー等の安全装置については、国において財政支援を予定しておりまして、県としても、対象施設が必要な整備を行うことができるよう、早急に検討を進めてまいります。
〇26番(吉田敬子君) ぜひよろしくお願いいたします。
 これまで子供の目線でいろいろ取り上げさせていただきましたけれども、子供たちの声を生かす仕組みについて、子供の権利を大切にしようというこども基本法が来年4月に施行されます。子供の権利は、子どもの権利条約で決められておりまして、県内でも12市町村において、子供の意見を収集する機会を持つ自治体がありました。小学生のみ対象だったり、アンケート実施のみ等、限定的な印象もありましたけれども、そのような場があるということは評価できると感じました。
 いわて子どもプランの政策に子供たちの声を生かす仕組みが重要だと考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。
〇保健福祉部長(野原勝君) 本年6月に成立いたしましたこども基本法は、基本理念に国連の子どもの権利条約に規定する、子どもの最善の利益を第一とする考え方が盛り込まれ、国及び地方公共団体に対し、子供施策の策定、実施、評価に当たっては、その対象となる子供たちの意見を反映させるために必要な措置を講ずることを義務づける規定が設けられたところであります。
 子供の意見の反映については、子供を対象としたアンケートなどの実施、審議会、懇談会等への参画、直接意見を聞く場の設置など、さまざまな手法が考えられるところでありますが、個々の施策の目的などに応じまして、意見聴取するテーマの設定、聴取の手法や頻度などについて、具体的に検討する必要があるものと考えております。
 子供政策に対する子供の意見反映及び子供や若者の参画に関して、現在、国において、地方公共団体の先進事例や諸外国の取り組みについての情報収集やモデル事業を実施しているところであり、その内容なども参考にしながら、子供たちの声を生かす仕組みづくりについて検討してまいります。
〇26番(吉田敬子君) どうぞよろしくお願いいたします。
 子供の教育環境の充実について、まず、多様な学びの場の提供についてお伺いしたいと思います。
 本県の不登校児童生徒数は年々増加傾向にありまして、特に小学校で増加傾向にある状況になっております。小学校段階からの不登校対策が重要になっていると私は考えておりますが、岩手県の不登校対策は、子供たちを学校へ戻すという選択肢しかないように私は感じております。他県では、まずはフリースクールの存在を知ってもらおうと、県の教育委員会のホームページにフリースクールの情報が掲載されているなど、さまざまな取り組みがされております。
 昨年12月の教育・子ども政策調査特別委員会の調査で、校内居場所カフェを設置している高校や、子供たちが安心して冒険できる、不登校の居場所ともなっている川崎市にあるプレイパーク、子ども夢パークへ伺いました。県外では多様な学びや居場所の提供が大変進んでいるように感じました。
 県教育委員会では、10月に新たにいじめ対応不登校支援等アドバイザーを設置しました。不登校児童生徒支援連絡会議で今後の支援のあり方について検討していくとしておりますが、不登校児童生徒等の学びの場の確保について、どのように進めていくのかお伺いします。
〇教育長(佐藤博君) これまで県教育委員会では、令和元年10月に文部科学省から発出されました、不登校児童生徒への支援のあり方についての通知等に基づきまして、不登校児童生徒の支援に関する基本的な考え方の周知や支援体制の整備として、県の総合教育センターに教育支援センターを設置するとともに、市町村教育委員会やフリースクール等の民間団体と連携して、不登校児童生徒の教育機会の確保に努めてきたところです。
 昨年度から、不登校児童生徒の支援に係る今後の連携のあり方等を協議することを目的として開催しております、不登校児童生徒支援連絡会議において、議題となったフリースクール等の運営及び活動状況を市町村教育委員会と全ての公立学校に情報提供したところであり、今年度は、市町村教育委員会が設置している教育支援センター担当者にも出席いただき、ICTを活用した学習支援やスクールソーシャルワーカーとの情報共有、学校との連携のあり方等について議論を深め、教育支援センター相互の交流も深まったところです。
 今後は、ICTやオンラインの特性等を生かした学習支援や体験活動、家庭訪問等を含めたアウトリーチ型支援を行うような体制づくりが有効な手段の一つと考えられることから、県教育委員会しては、国の補助事業を活用しながら、市町村教育委員会やフリースクール等の民間団体とより充実した連携体制の整備を進めていく考えです。
 その中で、県内全ての市町村に教育支援センターを設置することを働きかけるなど、積極的に教育機会の確保に努めていきたいと考えております。
〇26番(吉田敬子君) 教育支援センターを設置している市町村数をアクションプランの指標の見直しに新規に加えられたことは大変評価しますし、アドバイザーを設置したこともそのとおりですけれども、フリースクールが県内各地にさまざまあって、今、県内では公的機関だけでは救えていない子供たちがいるわけです。そういったフリースクール、例えば、不登校特例校もありますし、フリースクールもそのとおりですけれども、教育長自身は、他県の先進県だとか先進校への視察だとか、県内のフリースクールを視察されたことはありますでしょうか。
〇教育長(佐藤博君) フリースクールの現場といいますか、実際のところ、私はまだ拝見してはおりません。ただ、今後の不登校児童生徒支援連絡会議、来年度3年目になるわけですけれども、これまでの会議の成果、それから、市町村の教育支援センターは、議員御説明のとおり、33市町村のうち22市町村、3分の2にとどまっているということで、今後はまず市町村に教育支援センターを設置していただこうということ。それから、国の提言の中では、学校内に教育支援センターを整備するというような方向性も示されております。また、学校に行けない児童生徒に対しましては、民間のフリースクール等との連携が欠かせないものと考えておりますので、次年度以降の連絡会議において、そういった方々との本県におけるフリースクール、不登校特例校の設置、あるいは夜間中学校の設置とか、幅広い受け皿の検討の議論を進めていくことが必要だと考えております。
〇26番(吉田敬子君) 教育長もぜひ時間をつくって、県内のフリースクールに行って見ていただきたいと思っております。
 次の質問にもかかわりますけれども、県内のフリースクールにもいろいろありまして、教育支援センターもそのとおりでありますけれども、出席扱いの可否についてお伺いいたしたいと思います。
 出席扱いの可否について、一定の要件はあるものの、判断するのは校長というのが現状です。子供たちそれぞれの状況に応じて対応せざるを得ないのは理解いたしますが、学習支援や多様な体験活動等によって、児童生徒の社会的自立を目指すことが重要で、出席扱いを認める条件が、学校や自治体によって判断に幅があるのは公平ではないと私は感じております。
 これからの学校のあり方に加えて、出席扱いのあり方についても広く議論いただきたいと考えておりますが、不登校児童生徒の教育支援センターやフリースクールの出席扱いの状況、ICTを活用した自宅学習を出席扱いにできる要件も文部科学省から出ておりますけれども、本県の状況についてお伺いしたいと思います。
〇教育長(佐藤博君) 市町村教育委員会設置の教育支援センターに通っている児童生徒については、出席扱いとなっているところです。フリースクール等の民間団体に通っている児童生徒については、児童生徒の出席及び学習活動等の状況を学校が直接報告を受け、一定の要件を満たしていることを確認することが必要とされておりまして、本年9月の不登校児童生徒支援連絡会議において確認したところ、3団体で出席扱いとなった例があると伺っております。
 また、不登校児童生徒のうち、自宅におけるICT等を活用した学習活動を出席扱いとした児童生徒数については、令和3年度の実績として、小学校で6名、中学校で4名と把握しております。
〇26番(吉田敬子君) 教育支援センターもそのとおりですけれども、充実した学習機会を確保していただいているフリースクールもたくさんありますので、今後、フリースクールのあり方をこれから議論していく際に、もちろん、学校と教育支援センターは大事ですけれども、教育長自身がフリースクールの現状をもっと知っていただきたいと私は思っておりますので、ぜひフリースクールのほうに教育長も足を運んでいただきたいと思っております。
 9月定例会でたくさんの議員が取り上げられました星北高等学園に私も伺いました。ふるさと振興部長もその後、視察されたと伺っておりますけれども、同校では、小中学校等で不登校や学校不適応等を経験した生徒や発達特性の強い生徒も受け入れられております。県では、私立専修学校である同校に対して、令和4年度、生徒1人当たり3万5、960円の補助金を交付しておりますけれども、全日制私立高等学校並みの運営費補助金を検討すべき、同額にすべきではないかと考えますが、お伺いいたします。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) 私立専修学校への運営費補助についてでありますが、私立専修学校につきましては、私学助成について定めた、私立学校振興助成法において、経常的経費を補助することができる旨の規定がなく、その運営費に係る国庫補助制度がないことから、県単独で運営費補助金を交付しているところでございます。
 その一方で、県の一般財源だけでは限りがありますことから、本年6月、政府予算要望において、大学入学資格が付与される私立専修学校高等課程に対し、高等学校に対する支援と同様の支援ができるよう、国に対して国庫補助制度の創設と普通交付税措置を要望したところでございます。
 引き続き、国に対して制度改善の要望をしてまいりたいと考えておりますし、議員御指摘のとおり、先月22日に私も星北高等学園にお邪魔しまして、同校の理事長、校長から直接お話を伺ってきたところでございます。そうしたことも踏まえ、また、他県の支援状況等も踏まえながら、県として可能な支援につきまして、引き続き検討してまいります。
〇26番(吉田敬子君) そこで、知事にお伺いしたいわけですけれども、先ほどの星北高等学園もそのとおりですが、知事が不登校児童生徒の学びの確保をどうしていくかというところの考えが一番重要になってくると思います。目指すべきは学校復帰のみでなく、学校へ通っていない子供たちの学習機会の確保だと考えておりますが、知事の所見をここで伺わせていただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 不登校児童生徒の学習の機会については、個々の状況に応じたきめ細かい支援を行うという観点から、地域の実情に応じて教育委員会、学校と多様な教育機会を提供している民間団体とが連携して、相互に協力、補完し合いながら不登校児童生徒に対する支援を行うことが肝要と考えます。
〇26番(吉田敬子君) 知事のおっしゃる御答弁であれば、ふるさと振興部のほうでも、もちろん国に対して要望することもそのとおりですけれども、ぜひ県としてもしっかり独自に、他県の状況の資料をいただいたのですけれども、県独自でやられているところもありました。教育長には先ほど、現場にぜひ行っていただきたいというお話をしましたけれども、知事の御答弁で、全ての子供たちにしっかり学びの機会を確保するというのであれば、フリースクールの方々との連携もそうですけれども、フリースクールへの支援もそのとおりになってくるかと思いますので、ぜひ強く要望したいと思います。
 読書活動の推進についてお伺いいたします。
 子供たちの心の健やかな育ちに必要なたくさんの経験。最も身近で手軽に得られる体験は、絵本の読み聞かせだとも言われております。人生をより深く生きる力を身につけて行く上で欠かすことのできない読書活動。それを支える県内の取り組みの一つに、昨年8月に開始の象と花プロジェクトというのがあります。皆さんが読み終えた本を新しい1冊に変えて、病気と闘う子供たちに届けるというものです。支援の輪が広がり、1年間で銀行を初め県内43カ所に回収ボックスが設置されて、これまでに2万4、253冊が集まり、岩手医科大学附属病院の小児科に入院する子供たちへ全部で102冊の本が届けられたと伺っておりまして、すてきな取り組みだと思っておりました。
 全国の小中学校1校当たりの図書購入費が2021年度、9年前の2012年度より7万円から10万円も減ったという報道を見て、大変残念に思いました。本県の学校図書館図書標準の達成状況について、小学校、中学校それぞれゼロ%のところもあれば100%になっているところもあります。また、図書館資料選定基準についても、全国平均の半分以下の状況になっております。さらには、図書館資料廃棄基準の作成状況についても、同じように、全国平均の半分程度となっております。
 県は、子供たちの読書活動の推進目標として、読書の冊数を掲げていますけれども、子供たちが一番図書に触れる機会の多いはずの学校図書館にある本の質が基準に達していない現状で、読書の冊数をはかることについて、どのように評価しているのかお伺いいたします。
〇教育長(佐藤博君) 県教育委員会では、文部科学省が実施しました学校図書館の現状に関する調査の結果を踏まえ、学校図書館の充実を図るため、第6次学校図書館整備等5か年計画に基づく地方財政措置の適切な予算化や、収蔵されている図書の質の維持に向けた更新や廃棄の基準の策定について、この11月に市町村教育委員会に通知したところです。
 読書活動を推進していくためには、学校図書館等の充実による本に親しむ環境づくりとともに、読書への関心を高める取り組みが重要なものと考えており、令和元年度から令和5年度までを計画期間とする第4次岩手県子どもの読書活動推進計画に基づき、読書活動推進に係る人材育成と資質向上を図るとともに、ブックリストの作成、配布とその活用促進に取り組んできました。
 こうした取り組みのもと、県内の令和3年度の1カ月の平均読書冊数は、全ての校種において全国平均を上回っている状況にあります。
 来年度は、令和6年度からの次期計画の策定年度となることから、学校図書館の取り組み状況や子供の読書活動に係る国の有識者会議の議論の状況、スマートフォンの普及状況等の子供を取り巻く環境を踏まえるとともに、地域の声もお聞きしながら計画策定に取り組み、子供の読書活動の一層の推進を図っていきたいと考えております。
〇26番(吉田敬子君) 先ほど御紹介した象と花プロジェクトには続きがありまして、実は、盛岡第一高等学校の探求活動の中の一つで、象と花プロジェクトにすごく関心のあった生徒が何名かいると聞きました。その生徒が、自分の小学校で読みたい本が少なかったという経験があって、今、盛岡第一高等学校の何名かの子供たちが象と花プロジェクトを知って、自分の母校の小学校に本を寄贈する仕組みをこのプロジェクトと連携してやるということを最近伺ったのですけれども、まさにこれが子供たちの声で、小学校のときに図書館に読みたい本がなかったそうなのです。そういった現状が実際、高校生からあって、こういう取り組みがあるということで、冊数だけでなくて、しっかり図書館の整備をしていただきたいと思っております。
 学校司書の配置と学校図書館の機能充実についてです。児童生徒と本をつなぐ役割を果たす学校司書の必要性を周知する必要があり、配置目標の設定、また、学校図書館サービスの改善、充実を図るべきと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。
 また、学校図書館は、子供たちの居場所ともなり得るところだと私は思っておりまして、不登校対策の一つとして、先ほど御答弁がありましたけれども、学校図書館の充実、強化も有効と考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇教育長(佐藤博君) 本県では、県立学校については、障がい者雇用の一環で任用している校務補助員を学校司書として勤務させており、令和4年度は13校へ配置となっています。
 また、未配置の学校につきましても、校務分掌上、学校図書館業務を学校事務職員の役割として明確に位置づけ、司書教諭等と連携、協力しながら従事しており、学校図書館の運営体制の充実に取り組んでいるところです。
 市町村立小中学校につきましては、先ほど答弁申し上げました通知の中で、国から提供された図書館整備状況について、全国平均との比較や市町村ごとの課題が把握できるデータをそれぞれの市町村教育委員会に提供しまして、地方財政措置の適切な予算化を通じて学校司書の配置に努めていただくよう、強く働きかけたところです。
 また、学校図書館は、読書センター、学習センター、情報センターとしての機能に加え、別室登校や特別な配慮が必要な児童生徒にとっての居場所としての役割をあわせ持っておりますことから、不登校対策を初めとした多様なニーズに対応できる魅力ある学校図書館として、図書資料等の充実も含めた整備充実に向け、市町村教育委員会と連携しながら、各学校を支援していきたいと考えております。
〇26番(吉田敬子君) 私もことしに入って、県内の小学校の学校図書館を何カ所か視察させていただきました。学校司書がいるところといないところの差が歴然としていまして、大体、毎年4月に新しい本が200冊配架されて、私が行った8月の段階でまだ配架されていないのです。今、コロナ禍も相まって、司書がいないところはボランティアも入れない状況で、せっかく新しい本を買っても学校図書館に配架されていないという大変残念な状況で、それでは子供たちが借りられないのです。結局は、新しい本は配架されていないですし、たくさん読まれる本はまた直さないといけないのですけれども、直されないでそのまま置いてある状況です。小学校だと特に、ポップが書いてあるとわかりやすいと思うのですけれども、司書がそういう取り組みをしていると、図書館が子供たちですごくにぎわって、全く違うということを感じましたので、ぜひ充実を図っていただきたいと、ここは強くお願いしたいと思います。
 先ほどフリースクールに行っていただきたいというお話をしましたけれども、不登校対策の中の一つの居場所ともなるので、学校図書館にもぜひ行っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、インクルーシブ遊具を備えた公園についてお伺いいたします。
 本県には約1、300カ所の都市公園があり、そのほとんどの公園に児童遊具広場が整備されておりますけれども、バリアフリー法施行から10年以上たった現在でも、障害の有無にかかわらず、あらゆる児童が一緒に遊べる広場は、残念ながら、極めて少ない現状にあります。県内では一関市の一関遊水地記念緑地公園や、宮古市のうみどり公園がインクルーシブ公園としてありますけれども、整備事例は県内には多くありません。そのため、広場の性格や必要な整備費、アクセシビリティーや安全性の確保、管理のあり方などについて知られていないことも多いということで、こうした背景を踏まえて、東京都では、だれもが遊べる児童遊具広場の整備ガイドラインを作成し、障害のあるなしにかかわらず子供たちが安全に遊ぶことができる遊び場の整備に取り組んでおります。本県もぜひガイドラインを作成していただきたいと考えますが、インクルーシブ遊具を備えた公園の県内の現状と、今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇県土整備部長(田中隆司君) いわゆるインクルーシブ遊具は、車椅子に乗ったまま楽しめるブランコなど、障がいがある人も、そうでない人も一緒になって遊ぶことができるユニバーサルデザインに配慮した遊具のことであり、本県の都市公園においては、市が管理する一関遊水地記念緑地公園と、宮古市の旧市役所跡地にあるうみどり公園に設置されていると承知しております。
 県では、高田松原津波復興祈念公園において、国の都市公園の移動等円滑化整備ガイドラインを踏まえた設計を行い、遊具は設置していないものの、園路の勾配を車椅子使用者に配慮した構造とするなど、バリアフリーに配慮した施設整備を行ってきたところであります。
 県といたしましては、全ての利用者がより円滑に利用できるよう、公園施設の整備を行う際の考え方を示した当該ガイドラインに基づき、費用や安全管理の面などの課題も考慮しながら、県立都市公園の施設の更新等を行ってまいります。
 また、都市公園の主な設置主体である市町村に対しましては、他の都道府県や県内の事例を情報提供するなど、ユニバーサルデザインの視点に立った公園整備について、理解促進に努めてまいります。
〇26番(吉田敬子君) 高田松原津波復興祈念公園の園路のバリアフリー化は、遊具のことではないですね。済みません、確認です。
〇県土整備部長(田中隆司君) 高田松原津波復興祈念公園は、震災の教訓といったものを伝えるという場になっておりまして、遊具は設置しておりません。ですが、多くの皆さんに来ていただけるように、車椅子も通れるような幅広い公園とか、勾配も緩くするなどといった施設への配慮をしております。
〇26番(吉田敬子君) 高田松原津波復興祈念公園もそのとおりだと思うのですけれども、私は遊具がある公園についての話をさせていただいております。県立の公園というのは少なく、都市公園では花巻市にあるのですけれども、県内で老朽化して、さまざまな市町村立の公園もそのままになっている状況です。ただ、一方で、遊具が更新されているところもあるのですが、バリアフリーという、障害があってもなくても子供たちが遊べる施設や遊具はとても大事な視点だと私は思っておりまして、そこをしっかり県が、障害があってもなくてもという視点で公園の整備をしていただきたいと思って取り上げさせていただいております。
 盛岡市から宮古市まで行くのがすごく近くなったので、うみどり公園に私はよく行くのですが、本当にたくさんの子供たち、家族連れが来ておりまして、実際に障がいがあるお子さんたちも来て、遊んでおりました。県のアンケート調査でも、子供の遊び場が少ないというお話がある中で、県としてのガイドラインの制定を考えていただきたいと改めて思いますが、お伺いしたいと思います。
〇県土整備部長(田中隆司君) 東京都のようなガイドラインということだと思いますが、東京都のガイドラインは、児童遊具広場や遊具を対象としたものとなっておりますが、この考え方は、ユニバーサルデザインの視点で整備する、それから、計画段階から利用者、当事者が参加する、維持管理を想定した整備をするといったようなことが基本的な考え方としてうたわれております。
 それから、国の都市公園の移動等円滑化整備ガイドラインにつきましても、これと同じような考え方が整理されております。したがって、東京都のガイドラインということではなくて、まず、県といたしましては、今後の都市公園の遊具の更新等に当たりまして、国のほうのガイドラインを踏まえながら、ユニバーサルデザインに配慮した対応を行っていきたいと考えております。
〇26番(吉田敬子君) パートナーシップ制度の導入についてお伺いいたします。
 パートナーシップ制度は、9府県を含めて全国239の自治体に広がり、東北地方ではことしに入り、青森県、秋田県が導入しました。県内では2市が導入予定で、4市町が導入を検討しているということです。導入自治体の数は全国の1割強ですが、人口で換算すると6割を超すと言われております。
 制度導入に関しての課題について、9月定例会では、導入する自治体ごとに対象の範囲や認定の手続が大きく異なると混乱が生じかねないことと、市町村と県が別に制度を導入すると、利用者が双方に申請する手間が生じてしまうとの見解でしたが、私は、県が導入する意義は大変大きく、当事者にとっては、二重になることへの負担感ではなく、むしろ後押しになる存在だと聞いております。市町村の導入を後押しし、負担や格差が生じないよう、市町村と連携することこそ県の役割ではないかと考えております。
 また、県営住宅への運用というというのは、市町村での制度では対象になりません。県でもパートナーシップ制度を導入すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇環境生活部長(福田直君) パートナーシップ制度については、県内でも複数の市町村で導入に向けた検討が行われているほか、ことし8月には県としても当事者の方を含む関係団体の皆様から要望をいただき、公営住宅への入居などにおけるメリットを改めて認識したところです。
 一方、婚姻を含む戸籍事務は市区町村で取り扱われておりまして、仮に、我が国でも同性婚が実現するような場合には、市区町村で事務が取り扱われることになると思われますので、このパートナーシップ制度も渋谷区に始まり、やはり市区町村での導入が進められてきたところです。
 しかしながら、途中から一部の都道府県でも導入されるようになり、その後、自治体間の役割分担が特に整理されることのないまま現在に至るというのが我が国の状況となっております。
 そのような中、県と市町村の役割分担を整理した上で、二重行政になることなく全体最適な形で制度の導入を後押しする手法を模索しておりまして、例えば、市町村がパートナーシップ制度を創設した場合に、県の施設でも活用できるようにするなど、県内での制度普及を促すための新たなアプローチについて検討を進めてまいります。
〇26番(吉田敬子君) 先ほど答弁がありましたとおり、ことし8月に県内六つの団体で県に対して要望書を提出させていただきました。同姓パートナーとその養育する子、性的マイノリティーのひとり親家庭等、多様な家族のあり方を支援するファミリーシップ制度の創設を初めとした学校における制服の見直し等、13項目の要望がありましたが、要望13項目のうち、対応予定のものがあればお伺いいたします。
〇環境生活部長(福田直君) ことし8月にいただいた要望事項は、関係部局とも共有しておりまして、例えば、申請書類の性別記入欄については、さまざまな考え方もありますが、県立高校入試の出願書類では性別記入欄が削除されているほか、県立高校の制服について、女子生徒がスカートだけでなくスラックスも選択できるようにするといった動きも出始めております。
 また、防災の分野でも、ことし10月の県の総合防災訓練において、多様な性自認を前提とした対応がなされたと伺っておりまして、このように、可能なものから対応が図られているところです。
〇26番(吉田敬子君) 11月30日に同性婚の訴訟がありまして、パートナーが異性であっても同性であっても、家族として築ける、同じように価値あるものだということを認めた判決がありましたけれども、これは同性カップルが家族になる制度がないのは憲法に反する状態にあるというようなことで、当事者にとっては大変大きな前進になったと受けとめていると思っております。
 本県のパートナーシップ制度の導入については、先ほど導入をする見込みがあって、その内容を今、どういうふうにしようか検討しているという御答弁だったのか、先ほど13項目のうち、それぞれ個別の対応はそのとおりあるのですけれども、県としてのパートナーシップ制度、9月定例会でも今年度までの方針を決定するということでありましたが、導入する方向での方針の中身の決定なのか、改めてお伺いしたいと思います。
〇環境生活部長(福田直君) ことし8月に当事者の声を聞かせていただく中で、性自認や性的指向の関係で、数多くの苦悩を抱えておられること、また、これまでの歴史の中でも苦難の道のりがあったことについて、改めて認識させていただいたところです。
 その上で、制度のあり方を考える際には、市町村との役割分担を踏まえる必要があり、既に複数の県内市町村で導入に向けた検討が行われ、基礎自治体優先の原則もある中、本県としては市町村との連携を前提とした新たなアプローチを図ることができないかと考えております。今年度中を目途に、対応の方向性を整理してまいります。
〇26番(吉田敬子君) 新たなアプローチということは、パートナーシップ制度という名称かどうかわかりませんけれども、導入するという方向でいいと私は受け取ったのですが、部長の御答弁が導入するという方向での新たなアプローチ、大変難しい御答弁だと思っているのですけれども、簡潔にお願いしたいと思います。
〇環境生活部長(福田直君) 制度の導入を後押しする手法を模索しているという状況でございます。
〇26番(吉田敬子君) 済みません、私には理解がなかなかできないのですが、導入する方向であるということを期待したいと思います。今年度中にその方向性を示していただけるのかなというところでありますけれども、時間になりましたので、これで終わりたいと思いますが、今年度中にその検討をよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
   
〇議長(五日市王君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時31分 休 憩
   
出席議員(45名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 高 橋 穏 至 君
10  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 千 葉 絢 子 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
15  番 菅野 ひろのり 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時48分再開
〇議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。軽石義則君。
   〔29番軽石義則君登壇〕(拍手)

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