令和4年9月定例会 決算特別委員会会議記録

前へ 次へ

令和4年10月27日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 中 村 佳 和
議事管理担当課長 藤 平 貴 一
主任主査 佐 藤 博 晃
主任主査 糠 森 教 雄
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 及 川 雄 也
主査 阿 部 真 人
主査 刈 屋 江美子
1説明員
県土整備部長 田 中 隆 司
技監兼
河川港湾担当技監 加 藤 智 博
技監兼
道路担当技監 幸 野 聖 一
副部長兼
県土整備企画室長 小 島   純
まちづくり
担当技監 上 澤 和 哉
技術参事兼
道路建設課
総括課長 照 井   巧
県土整備企画室
特命参事兼
企画課長 川 村   守
県土整備企画室
管理課長 大 野 貴 洋
特命参事兼
用地課長 吉 田   治
特命参事兼
空港管理課長 中 嶋 英 俊
建設技術振興課
総括課長 菅 原 常 彦
道路環境課
総括課長 菅 原 博 秋
河川課総括課長 馬 場   聡
砂防災害課
総括課長 戸 来 竹 佐
都市計画課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
下水環境課
総括課長 小野寺   淳
建築住宅課
総括課長 小野寺 哲 志
港湾課総括課長 乙 部 智 明

会計管理者 木 村   久
会計課総括課長兼
会計指導監 今 雪 博 貴

監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 藤 澤 良 志
監査第一課
総括課長 及 川 博 英
監査第二課
総括課長 佐々木 良 生

財政課総括課長 山 田 翔 平
〇名須川晋委員長 これより本日の会議を開きます。
 木村幸弘委員は所用のため欠席とのことでありますので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、及び議案第37号から議案第39号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部関係について、延べ14人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしましたので、議事進行に御協力をお願いします。
 また、関連質疑の取り扱い、換気のための休憩につきましては、これまでと同様でありますので、御協力をお願いします。
 なお、委員各位御承知のとおり、本日の県土整備部の審査の後、決算15件及び議案3件について、意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 初めに、県土整備部長に、県土整備部関係の説明を求めます。
〇田中県土整備部長 令和3年度決算における当部所管の事務事業に係る主な取り組みと成果について、御説明いたします。
 まず、復興関係についてでありますが、海岸保全施設の復旧や復興まちづくりと連携した道路整備などに取り組みました。復興道路については、令和3年12月の野田久慈道路の開通により、県内の計画延長359キロメートルが全て開通いたしました。
 高田松原津波復興祈念公園は、砂浜を再生した海水浴場が11年ぶりにオープンするなど、昨年12月までに全面供用をいたしました。
 次に、平成28年台風第10号及び令和元年台風第19号災害からの復旧についてでありますが、公共土木施設の復旧、河川改修や砂防堰堤等の整備を進め、昨年度までに平成28年台風第10号により被災した公共土木施設の復旧が全て完了しております。
 次に、政策推進関係についてでありますが、近年頻発する自然災害に備え、ハード対策とソフト政策を組み合わせた防災、減災対策を推進するため、昨年9月までに気仙川水系など五つの二級水系で、流域治水プロジェクトを公表したほか、防災、減災国土強靱化のための5か年加速化対策を活用し、河川改修等に取り組みました。
 また、産業や観光振興の基盤となる社会資本整備として、国道281号、久慈市下川井工区が開通したほか、いわて花巻空港において舗装改良工事を推進いたしました。
 さらに、社会資本の計画的な維持管理に取り組んだほか、ICT活用の普及拡大による建設現場の生産性向上等に取り組みました。
 以上が主な取り組みと成果の概要であります。
 続きまして、令和3年度決算について御説明いたします。
 お手元の令和3年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きください。一般会計について、当部関係は、6款農林水産業費3項農地費の一部、8款土木費。
 続いて、16ページをお開きください。11款災害復旧費3項土木施設災害復旧費であります。
 特別会計については、少し飛びまして、40ページが岩手県土地先行取得事業特別会計、50ページが岩手県港湾整備事業特別会計となります。
 資料にはございませんが、一般会計、特別会計を合わせた予算現額の合計は2、102億5、100万円余、支出済額の合計は1、400億100万円余となります。翌年度繰越額の合計は657億6、000万円余、不用額の合計は44億8、900万円余となります。
 続きまして、お手元の令和3年度岩手県流域下水道事業会計決算の3ページをお開きください。岩手県流域下水道事業会計の決算は、経常利益が2億9、000万円余、これから特別損失を差し引いた純利益が2億8、900万円余となります。
 以上、当部所管の令和3年度決算の説明となります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇名須川晋委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 県土整備部の皆さんは、岩手県の背骨の部分を背負っていらっしゃると私は思っておりまして、常にエールを送っているつもりでありますが、本日もそのつもりでお伺いいたしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、今定例会の招集日の前の議案等説明会の際に、今後発生するであろう地震、津波の報告書の案が示されたところであります。それによりますと、時期はまだ明確になっておりませんが、今後、日本海溝、三陸・日高沖モデル、千島海溝十勝・根室沖モデル、そして、東北地方太平洋沖地震、三つのモデルが示されたところであります。そして、それぞれ最大の津浪の高さが、日本海溝モデルは27メートル、千島海溝モデルは11メートル、そして、東北地方太平洋沖地震は33メートルということであります。
 そうしますと、現在作成をしてまいりました防潮堤、水樋門等は15メートルの高さでありますから、千島海溝モデルは防御ができたといたしましても、日本海溝モデルの27メートル、東北地方太平洋沖地震の33メートルは防御し切れないものと考えます。
 そうしたときに、河川との関係も非常に重要になってくると思います。本県には、一級河川が207河川、二級河川が168河川、市町村管理の準用河川が534河川あるわけでありますが、これは1本の河川を除いて、最終的にはみんな太平洋に入っていきます。つまり、当然この河川はみんな海とつながっているわけであります。
 そういう中で、水樋門等で防御できない。特に、準用河川等の場合は、ダイレクトに波が乗り込んでくるのではないかという心配があります。古い話でありますけれども、60年前のチリ地震津波。これは地震が全くなくて、いきなり来た津波でありました。その際の津波の高さが3メートルから4メートルあったと記憶しておりますけれども、宮古湾内の養殖の棚等が傷めつけられたと思っています。同時に、閉伊川をさかのぼった津波が運んだのでありましょう。宮古湾内にありました当時の二人乗りの手こぎのボートが茂市の下あたり蟇目で見つかりました。つまり、そのくらい波がさかのぼっていったということだと思います。
 そういう観点で捉えましたときに、今後来るであろう地震、津波等に備える河川としての考え方、そういうものもお持ちになってないといけないのではないかと思います。そういう考えがあるかどうかというのとあわせて、当然、河川の維持管理ということから、河道掘削は各地域でそれぞれ要望があるものと思います。全地域それぞれあると思いますが、宮古管内の令和3年度の実績と令和4年度の予定をお聞かせいただきたい。
〇馬場河川課総括課長 まず、津波に対する河川の備えの考え方という御質問でございました。県では、津波対策としましては、頻度の高い津波については、防潮堤や水門で人命、財産を守るということ。さらに、それを越えるような最大クラスの津波に対しては、避難を軸に、ハード、ソフトを総動員して対応するということで考えております。
 河川におきましては、それぞれ水門等を整備しております。また、準用河川につきましては、水門を整備したところもありますし、海岸防潮堤と一体として整備しているものもございます。
 伊藤勢至委員がおっしゃいましたように、今回、津波浸水想定、被害想定を公表したものについては、施設の計画高をさらに越える津波でございます。そちらについては、避難を軸に考えることが重要だと考えておりまして、県が公表しました津波浸水想定の周知を重ねるとともに、さらに市町村と連携しながら、ハザードマップの支援等をしてまいりたいと考えております。
 河道掘削について御質問がございました。宮古管内における河道掘削につきましては、令和3年度は、閉伊川の小山田地内、千徳地内、八木沢川、関口川、織笠川で実施したところでございます。今年度は、近内川、神田川、長沢川、津軽石川、織笠川で河道掘削の実施を予定しております。
〇伊藤勢至委員 河道掘削につきましては、宮古管内としては120点満点の125点、よろしくお願いをしたいと思います。
 重ねて伺いますが、閉伊川の場合でありますけれども、過去から10カ所の河制工―私たちは堰堤と言ってきました―があるわけでありますが、ここにも魚道を設置していただいております。これは淡水魚の保護、育成の意味で設置してもらっているわけですが、ここに砂利や砂が堆積していまして、魚道の役をなしてないと思っております。閉伊川の鮎は、四国の四万十川の鮎よりもおいしいと言う方々もいらっしゃいまして、まさに釣り人の垂涎の河川なわけでありますので、岩手県の魅力アップの一つといたしましても、せっかく設置したこの魚道が機能するような維持管理をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇馬場河川課総括課長 県では、洪水被害の軽減を図っていくことはもとより、魚類を含む多種多様な動植物の生息、生育環境に配慮しながら、河川管理に努めているところでございます。魚道につきましては、定期的な河川巡視によりまして、水が十分に上下流で流れているかどうかを確認しておりまして、必要に応じて、流木の撤去等を行っているところでございます。
 今後も、各河川の特性を把握しながら、良好な河川環境の保全と適正な管理により、地域に愛されるような川づくりに努めてまいりたいと思います。
〇伊藤勢至委員 魚道の維持管理の件、よろしくお願いいたします。
 以前はあまり聞いたことのない線状降水帯というものが、このごろしょっちゅう発生するようになりまして、山からの鉄砲水みたいなのが来ると、松の根っこや何かが魚道に引っかかって、それが原因で砂利がたまっていくということがよく見られますので、ひとつ御留意をいただきたいと思います。
 それから、県土整備部長にお伺いします。津波被害の件でありますけれども、33メートルの津波といいますと、現在設置している水門15メートルからさらに18メートル高いことになります。東日本大震災津波の際には、宮城県牡鹿半島のあたりが震源地でありまして、今回想定をされております東北地方太平洋沖地震の震源地は、大体似ているのです。似ているのですが、マグニチュードも高いということで、津波高が33メートルになっています。そして、東日本大震災津波の場合は、宮古湾内に津浪が到達するまで40分の時間がかかりました。しかし、今回、マグニチュードが大きく、津浪も高いとなると、震源地は一緒であっても、時間もイコールとは限らないと思います。この辺からは全くの素人の推理でありますが、特に、東日本大震災津波の際は、40分という到達時間があったわけでありますが、そのほか北海道絡みの二つの震源地ですと、宮古湾とか山田湾はその方向を向いているのです。したがって、何の防御線もないので、到達時間は相当早くなる。そのように予測されます。
 学者の間では、20分ぐらいで到達するのではないかということも言われておりますが、地震がおさまってからの避難となると、時間的な余裕がないと思います。宮古地区合同庁舎は水没する津波になってしまうという場合は、まず皆さんが、人に逃げろと言う前に、自分が逃げるということをしないと沿岸地域の最大被害が7、100人の死者と予測されていますが、こういうことをみすみす逃したのでは、何のための東日本大震災津波の経験なのかということになりますので、そういう点、まず人的被害を最小限に抑える、これは県職員を初め逃げるということになると思いますが、こういうことはあす来るか、あさって来るかはわかりませんけれども、命令系統の中で、常にみんなが確認し合っていなければならないことと思いますが、この点に関してはいかにお考えでしょうか。
〇田中県土整備部長 先ほど、9月定例会前に御説明がありましたというのは、多分、県土整備部がことしの3月に公表した津波浸水想定を踏まえた被害想定のことだと認識しております。3月に公表した津波浸水想定は、先ほど伊藤勢至委員からお話がありましたとおり、命が大事だということで、何としても命を守るということを基本理念にして、その基本理念に基づきまして、最大クラスの地震が、一番悪い条件下で発生した際の浸水域とか、浸水の深さ、到達時間などを示したものになっております。
 この津波浸水想定結果について、まず、住民の理解をいただくということを、行政の中でも共有することも当然大事ですし、住民の皆さんにもしっかり理解いただいて、このあたりはどれくらいの津波が来るとか、何分ぐらいで来るとかということを理解していただいた上で、地震がおさまったらすぐ避難していただくということが、命を守るというところにつながってくると思います。そういった意味で、津波浸水想定の結果については、市町村から要請があったところについては、県から説明させていただいて、これまで12市町村のうち9市町村で説明会をさせていただいて、津波浸水想定の結果については理解いただいた上で、避難が大事だということは住民の皆さんからも意見としていただいたと認識しております。
 こういった周知が一番大事だと思いますので、復興防災部などと連携して、住民の皆さんに即避難するという意識を持っていただくように、これからも努力してまいりたいと思います。
〇伊藤勢至委員 最後にしますけれども、十数年前の北海道奥尻町が被害をこうむった地震、津波がありましたが、震源地は日本海側だったわけでありますけれども、地震から5分後の津波襲来だったのです。したがいまして、人口の半分ぐらいが津波にさらわれてしまったということになります。
 また、秋田県の男鹿水族館の隣の海岸線のところに小学生が遠足に行っていました。当然、引率の先生がいたわけですが、その湾内の防潮堤を津波が越えてくるのをみんなと一緒に見ていたのです。そして、波にさらわれてしまった。
 それから、東日本大震災津波の際の石巻市立大川小学校では98名の生徒を1時間もほったらかしにして、結果的にみんなさらわれてしまったということがあったわけであります。これは、先生方が、地震、津波を知らなかったからであります。
 したがいまして、沿岸広域振興局に勤務する職員の中では知らない人がいないと思いたいのですが、そういうときのビデオとか、そういう資料を閲覧する機会を持っていないと、大川小学校のようなことになってしまう。そういうことがあってはいけないと思うのでありますが、ふだんから一般教養の中に組み込んで、地震が来て、津波が来たら逃げるということを、皆さんで確認し合っていないと、皆さんは逃げろと言う立場だと思わないで、まず、自分が逃げることから始まると、みんなで共有するべきだと思います。重ねて、もう一回お伺いして、終わりにします。
〇田中県土整備部長 津波の教訓を踏まえて、これを次の世代にどうつなげていくかというようなお話かと思い、伺いました。
 県土整備部としても、せっかくつくっている水門とか防潮堤がどういう機能を持っていて、それが、機能は持っているけれども、それを越える津波があるのだということ。津波が越えた場合は、即避難するのだということを伝えていく必要があると思っています。
 そういった意味で、つくった防潮堤や水門を活用して、小中学校の修学旅行で来ていただいたときに、そこで説明するといったことも取り組みとしてやっておりますので、そういった細かい活動を行いながら、住民の皆さんに、少しでも理解が深まるように努めていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 それでは、私から、大きく2点お聞きいたします。
 まず令和3年、県の施策に関する県民意識調査によると、岩手県への移住、定住をふやすための取り組みが行われていることについて、重要、やや重要と答えている割合が6割弱、移住、定住をふやすための取り組みが重要だと言っております。
 一方で、この対策について、満足、やや満足と感じている人の割合が全体で8%で、重要度と認識する方々、そして満足度、このギャップというか、ニーズ度が非常に高く、求められている施策の一つであります。
 県土整備部として、岩手県の喫緊の課題である移住、定住対策にどのように取り組んでいくのかという思いでお聞きいたしますが、初めに、県営住宅活用促進モデル事業の取り組み状況と、課題、今後の対応についてお伺いいたします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県営住宅活用促進モデル事業の取り組み状況と課題、今後の対応についてでありますが、令和4年度の取り組み状況といたしまして、本年度は、入居可能な住戸を県内全域の県営住宅とした上、県内企業、団体及び大学生への貸し出しをする事業内容の拡大を図ったところでございます。こちらにつきましては、30戸の募集をしておりまして、入居状況につきましては、本年度の入居申し込みが1戸、昨年度からの継続入居が5戸の計6戸の入居となっております。
 本事業の課題といたしましては、入居促進のための周知が課題と考えておりまして、今後の対応につきましては、引き続き、県ホームページで周知を図るとともに、企業に向けた周知につきましては、商工労働観光部等と連携を図りながら、就職や転勤の時期を捉えて、的確に取り組んでまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 30戸に対して6戸、今年度は1戸ということで、県土整備部の思いと、あとは、県民なり、利用しようとする方のニーズというか、ギャップがあるのか。あるいは、今言ったように、そういった対策がしっかり届いているのかどうかというのが、すごく大きなポイントになると思っております。
 昨今、移住相談の相談件数も増加傾向にあるということで、まさに、岩手県に住みたい、あるいは戻ってきたいというニーズが高まっているのは御承知のとおりだと思います。そういった意味からも、いわてお試し居住体験事業といった事業にも取り組んでいるわけですけれども、現在の取り組み状況、また、課題、今後の対応について、あわせてお伺いいたします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 いわてお試し居住体験事業の取り組み状況と課題、それから、今後の対応でありますが、まず、募集状況についてですが、県内13市町に設置しております県営住宅28団地を対象といたしまして、令和4年5月16日から入居者の募集を実施いたしましたところ、2週間程度で募集戸数15戸に達するとともに、募集終了後も多くの問い合わせを頂戴したところでございます。
 これを受けまして、8月30日から11市町、12団地を対象といたしまして、15戸の追加募集を実施しているところでございます。
 入居状況につきましては、本年7月1日以降、10月26日までに、追加募集分も含めまして、全体で17戸が入居済みでありまして、そのほかに8戸が入居手続中で、25戸の申請があるというところでございます。
 当事業による入居者をいかに多く本県の定着に結びつけていくかが課題と考えております。もともとの目的が移住、定住でございますので、いかに定着に結びつけていくかというところが課題と考えておりまして、入居者の方から同意を得た上で、入居者に係る情報につきまして、県の関係部局及び県内の市町や県内市町村に配置されております移住コーディネーターと共有を図りまして、本県への定住につながるように取り組んでいるところでございます。
〇臼澤勉委員 本当にこのお試し体験事業へのニーズや、期待感が高いのだろうと思っております。
 ただ、この事業の目的は、本県の人口減対策と捉えておりますが、こういった政策課題に対して、どの程度この県土整備部の事業が寄与しているのか、そこら辺の評価、事業効果についてお伺いいたします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県が取り組んでおります人口減少対策への寄与の程度と、事業効果についてでありますが、若者世代の住宅支援を目的といたしました県営住宅活用促進モデル事業を昨年度実施いたしまして、現在、入居は1戸ですけれども、入居者及び自治会に行いましたアンケートの結果を見ますと、入居者の方々の満足度も高く、また、自治会の会長等からも、自治会への参加が積極的に行われているということで、評価の高いものとなっておりまして、こちらの事業効果は高いと考えております。
 また、県外から本県への移住、定住を目的に実施しておりますいわてお試し居住体験事業につきましては、本年度から実施した事業であるため、今後、本年度中にアンケートを行いまして、入居の状況や、本県への定着状況を調査する予定としております。こちらにつきましては、事業効果の検討はこれから実施したいと考えております。今の入居者からの声といたしましては、事業に対する満足度が高いとお伺いしております。
 今後は、本事業の最終的な目的であります本県への定着を促進するため、県関係部局と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ニーズは本当に高いと私は思いますし、県外からの移住者も統計データを見ると微増ではありますけれどもふえている。そして、ちょっと古いデータですけれども、2016年の転入者に占めるUターン者の割合も8割を占めているということで、全国平均40%に対して8割ですから、全国第3位の割合、つまり、ふるさと岩手に戻ってきたい、あるいはIターンも含めて、そういったニーズはコロナ禍でもありますけれども、着実にふえていると思います。
 県土整備部として、これをもう少し重点的に取り組んでいくべきではないかと思うのですけれども、今後の対応についてお伺いいたします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 移住、定住施策といたしまして、いわてお試し居住体験事業を実施しておりますけれども、こちらは県の重要施策であります人口減対策ということで取り組んでいるところでありまして、先ほど答弁させていただきましたけれども、募集開始から早期に応募戸数の上限に達するなど、非常にニーズが高いと認識しております。
 県といたしましては、県の関係部局や県内の関係市町村と引き続き連携をとりながら、事業の目的であります本県への本格移住の実現というところを目指しまして、取り組んでまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひ、県営住宅に限らず、空き家活用も含めた、総合的な対策を進めていただきたいと思います。
 次に、住みたい岩手の家づくり促進事業についてお伺いしたいと思います。
 国を挙げて、2030年カーボンニュートラル、省エネ対策の強化に取り組んでいるわけでありますけれども、環境王国岩手としての住宅政策をどう考えるのかということで質問をさせていただきたいと思いますが、まず、この事業の事業実績と課題、今後の対応についてお伺いいたします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 住みたい岩手の家づくり促進事業の事業実績と課題、今後の取り組みについてでありますが、農林水産部と連携して実施しております本事業につきましては、岩手型住宅の普及のために、県産木材を活用した省エネ住宅の省エネ証明やバリアフリー証明を取得した場合に支援をするというものでございます。
 令和4年度の申請受付状況につきましては、省エネルギーが30件、省エネルギー及びバリアフリーが10件、合わせて40件で助成額500万円となっているところでございます。
 引き続き、本事業を積極的に活用していただけるよう、SNS等を利用して、建て主や事業者への周知に努めるとともに、県産木材の利用及び省エネルギー基準を満たす住宅の普及に取り組んでまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 この住みたい岩手の家づくり促進事業は、住みたい岩手の家はどんな家なのかイメージができるように解説していただきたいと思います。あるいは岩手型住宅というか、岩手県の住宅はこうありたい、目指すべき住宅像の説明をお願いします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 岩手県が目指す住宅の姿でありますが、本県を含む東北地方は、冬の寒さが非常に厳しいということで、特に、暖房による冬場のエネルギー消費が大きいという形になっておりまして、冬場のヒートショックによる事故につながる。また、移住、定住を考えている方にも、岩手県は寒いというイメージがございますので、住宅の断熱性の向上には努めていくところでございますし、また、断熱性につながる、県産木材を利用したCO2の低減というところに一緒に取り組むことを考えておりまして、こちらは岩手型住宅の位置づけに据えておりますので、引き続き、岩手型住宅の推進、省エネ住宅の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私も、若いころに家を建てて、今はもう二、三十年たつのですけれども、やはり寒いですよね。冬になるとちょっと寒うございまして、もう少し何とかできなかったかと思いつつ、家に住まわせていただいているのですけれども、今言ったイメージする住宅ですね。岩手県の住宅は暖かいよねとか、あるいは環境に優しいよねというようなわかりやすいメッセージをどんどん広げてっていただきたいと思います。そういった意味でも、目指すべき住宅の姿に誘導していくというか、実現するための県土整備部としての措置、対策みたいなところをお聞かせいただければと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県民に対しまして、岩手らしい住みやすい住宅というところの取り組みですけれども、岩手型住宅をつくった際には、賛同事業者を登録させていただきまして、普及に努めているところでございます。岩手型住宅をつくったときには、この賛同事業者の方に、ウエブ上とか、実際に住宅の見学会を行っていただくようにお願いしているところでございまして、暖かい住宅とか、住環境のすぐれたところを、実際に体験していただくというところが大切だと考えておりますので、そういった取り組みを引き続きとってまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 我が家もそうですけれども、既存ストック対策としての省エネ回収のあり方というか、回収を進めていくような、誘導するような対策も、ぜひ重点化しながらいろいろと進めていっていただきたいと思います。
 昭和時代あるいは平成の初期に建てた家の更新の時期もくると思いますので、そして、生活様式も変わってきて、少しリノベーションをかけたいと思っているニーズも高うございますので、ぜひ取り組んでいただきたい。
 最後にちょっと地元ネタで恐縮ですが、特定機能病院のある岩手医科大学附属病院に向かって、北上川を越えて東から向かって来るために重要な橋である徳田橋の改修、整備の状況について、今の進捗状況、供用の見通しについてお伺いいたします。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 徳田橋の進捗状況についてでありますが、国道4号と国道396号を結ぶ県道大ケ生徳田線の徳田橋におきましては、平成23年度から橋梁のかけかえを含む道路改良工事を実施しているところでございます。
 本年4月に橋桁の架設が完了し、引き続き実施いたしました床版工事につきましても、今月、完了したところでございまして、現在、高欄の土台となるコンクリート工事を実施しているところでございます。供用の見通しについてですが、今後、橋梁部では、高欄や照明の設置、舗装工事などを予定しております。また、橋梁の前後では、交通量の多い現道上の道路改良工事を行っていくことから、今後の着実な進捗に努めながら、令和5年度の供用開始を目指してまいります。
〇臼澤勉委員 ぜひ、令和5年度の早い時期に供用できるように進めていただきたいと思います。救急車等々、岩手医科大学附属病院に向かってくる、あるいは沿岸地域や全県からアクセスして参ります。ぜひ、そこら辺の整備効果を高めていっていただきたいと思うのですけれども、この徳田橋の供用ができたときの整備効果をどう捉えているのか、最後にお伺いして終わりたいと思います。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 整備効果についてでありますが、車道部分の拡幅や、現在は片側にしかない歩道を両側に設置することによりまして、全幅が9メートルから15メートルに広がり、大型車のすれ違い困難や、交通事故の危険性が軽減され、円滑で快適な通行が確保されるものと考えております。
 また、徳田橋は、国道396号沿線の紫波町、花巻市、遠野市方面から岩手医科大学附属病院への緊急搬送ルートになっているほか、JR矢幅駅と北上川左岸地区を結ぶ重要な橋でありますことから、かけかえ整備によりまして、救急医療への支援や住民生活の利便性の向上、近隣の工場を初めとする地域産業の活性化にも大きく寄与するものと期待しております。
〇臼澤勉委員 県立盛岡聴覚支援学校も川の東側にあって、毎朝道路に立っていると、送迎バスが矢幅駅に向かって、そしてピックアップして学校に向かっていくということもありますので、ぜひ、早期に整備を進めていって、効果を上げていただきたいと思います。
〇工藤大輔委員 最初に、日本海溝・千島海溝地震津波の浸水想定の関係についてお伺いをしたいと思います。
 まず、県土整備部で津波浸水想定を出し、その後、復興防災部で被害想定をまとめたということになりますけれども、その基本となった津波浸水想定は、東日本大震災津波で被災し、新たに整備された防潮堤、これまで残っていた既存の防潮堤がありますが、今回の津波浸水想定を出すに当たって、最大規模、日本海溝・千島海溝クラス、過去の大規模地震津波を含めた津波浸水想定になったわけですけれども、実際に、県内の防潮堤はどの程度が破堤するのか、壊れるのかということを想定したのか、また、東日本大震災津波後に整備された防潮堤は、設計上においても壊れるという結果が出たのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇馬場河川課総括課長 まず、津波浸水想定で想定しております最大クラスの津波による防潮堤の破堤の件についてですけれども、本年3月に県が公表しました津波浸水想定は、何としても人命を守るという基本理念に基づいて、避難に主眼を置いたものであり、最大クラスの津波が悪条件下で発生した場合の最大の浸水範囲、浸水深さなどを示したものとなっております。
 シミュレーション計算を行うに当たっては、国の手引きに基づき、潮位は満潮位とする、地震によるさらなる広域地盤沈下を考慮する、地震による構造物の沈下や破壊を必要に応じて考慮する、といった条件のほか、津波が防潮堤等を越えた時点で破壊するという悪条件下を前提に計算を行ったものとなっております。
 次に、東日本大震災津波後に整備された防潮堤についてですが、県では、東日本大震災津波の教訓を踏まえまして、ハードとソフトを適切に組み合わせた多重防災型まちづくりを進め、被害をできるだけ最小化するという減災の考え方によりまして、地域の安全を図ることを津波対策の基本としてきたものでございます。
 防潮堤等のハード整備に当たりましては、震災の教訓を踏まえまして、最大クラスの津波に対しても破壊されにくい、いわゆる粘り強い構造を導入したところでございます。
 一つの例としましては、防潮堤を越流した津波により背後の地面が掘られまして、防潮堤が倒壊したことを踏まえまして、洗堀を考慮した保護工の設置や矢板を深く打ち込むなどの構造上の工夫も行っているところでございます。
 しかしながら、粘り強い構造の効果については、国の研究機関におきまして、水理模型実験等で確認はされておりますものの、個別施設における粘り強さについては、定量的に確認されていないため、浸水想定の計算条件として考慮することが難しいと判断しまして、シミュレーションを行っているところでございます。
〇工藤大輔委員 今回は、そういう形でまとめたと思いますけれども、今後、より精度の高い対策を県と市町村が講じていくことからすれば、新しく整備された防潮堤、そして、これまで過去に整備された防潮堤、構造が全く違うわけですし、つくった年度も違うわけなので、その耐久性や効果については、時間をかけて検証しながら対策を講じていかなければならないのだろうと思います。
 なぜかというと、それによって市町村の対策が大きく変わってくるわけです。これは今、防潮堤の話をしましたが、河川の護岸も同じですよね。一般的に、防潮堤がよく整備されているところ、あるいは大きい川があるけれども、水門が整備されずに河川の護岸を、例えば耐久性を高めながら越えないように、あるいは高さを上げていきながら対策を講じるなど、市町村においてもそれぞれ対策の考え方が、今後またさらに出てくるかと思います。
 その一つ一つに対して、県としてどのように対応していくのかということが大事で、今ある構造物をベースとした対策だけでは足りないのではないかと思います。そういった観点では、河川の対策も含めて今後どのようにやっていくのか、お伺いをしたいと思います。
〇馬場河川課総括課長 津波対策のハード対策としましては、海岸線の防潮堤のほか、河口部の水門の設置、それから、水門の整備のかわりに河川沿いの堤防をかさ上げして対応しているというところもございます。
 現時点では、粘り強い構造については、先ほど申し上げましたとおり、定量的に示す手法がないところではありますが、国や研究機関の検討の動向を注視してまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 河川、護岸のほうも何か考え方があれば。
〇馬場河川課総括課長 津波対策における河川の堤防の考え方につきましても、防潮堤と同じような、粘り強い構造としているところでございます。
 津波対策に対しましては、同じような考え方で行ってまいりますので、今後につきましても、海岸、それから堤防といったものを進めていきたいと考えておりますし、洪水対策についても、きちんとした適正な管理に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 今回、国が先に示した想定、そして、県が過去の最大津波、これは東北地方太平洋沖地震、あとは明治三陸地震、昭和三陸大地震を追加して出した浸水想定、被害想定ということになりますけれども、それによって、今後、市町村でも、津波被害対策緊急事業計画を策定し、それに沿って対策が進められれば、補助率2分の1から3分の2に引き上げられることになります。
 国が示した想定と県が示した想定は、設計の計算基準が違うので、対策に必要なものが拡大したのだと思います。県が出した想定計画どおりに事業を要求した場合に、実際に国でしっかりと認めてもらえるのかどうか。あるいは、国がさきに示した想定を基本に補助率が決まっていくのかどうか。これはかなり大きいところだと思いますけれども、国とどのような協議をし、調整されているのか伺います。
〇馬場河川課総括課長 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の関係についてですけれども、先日、津波対策の強化地域が決まりまして、県内では沿岸12市町村が全て指定になったところでございます。
 詳細については、まだ我々もつかんでいないところではございますが、今後、復興防災部とも連携しながら、市町村と一緒になって、津波対策の支援をしてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 これは両部にかかわることなので、補助率が2分の1から3分の2に上がって、市町村等の負担も軽減されるわけですけれども、一つ一つ整備していくと、これもかなりの金額になっていきます。なかなか耐えられないところが出てくると思いますので、県としても、市町村にプラスした支援も必要だと思います。これは、他の部署にもかかわるので、そちらのほうでも要求をしていきたいと思います。県土整備部でも、あわせて努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 この件はこの辺にして、次に、三陸沿岸道路についてお伺いしたいと思います。
 これは全線開通し、非常に便利な道路として、今後、地域においても期待がされ、相乗効果が出てくるような対策が必要だと思います。
 ただ一方で、大雨が降ると、三陸沿岸道路の水路から水があふれてしまって、市町村道や民家にどんどん入っていって被害が出ている事例が見られます。私の地元でもあり、実際に令和元年、そして令和3年と、ほぼ2年に一遍被害を受けている箇所もあります。
 全県でということを見れば、恐らく似たような事例もあって、私も、ほかの地域でも聞くのですけれども、結局、三陸沿岸道路が山の堤防のような形になって、上から降ってきた雨水を設計上の水路で受け切れていないというのが実態のようであります。三陸国道事務所でも、現状はわかっていながら対策が進まないという事例があるわけですけれども、県として、このような現状をどのように把握しているのか、お伺いしたいと思います。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 三陸沿岸道路からの溢水被害の関係でありますが、令和元年台風第19号及び令和3年8月の豪雨によりまして、洋野町において三陸沿岸道路の排水があふれ、町道を経由して宅地へ流入し、浸水被害が発生したことにつきましては、道路管理者であります三陸国道事務所から聞いております。
 国では、これまでに被災者と現地立会等を重ねるとともに、宅地への排水の流入を防止する措置を講じていますほか、今後の災害防止に向けて、関係機関と調整の上、対策方法について検討を行っているところと国から聞いております。
 県内におけるそのほかの同様の溢水被害につきましては、当方では現時点では確認しておりません。
〇工藤大輔委員 今、雨も非常に局地的であったり、量が多くて、さまざまなところで被害が出ています。恐らくそれぞれの地域において、大なり小なり課題があると思いますが、こういった事例等において、県道、市町村道にもかかわってくると思いますし、市町村とも一体となって、国にも要望をしてもらいながら、進めていただきたいと思います。
 いずれ、きょう質問しました日本海溝・千島海溝地震津波の件、かなり総合的な対策が必要になってきます。防潮堤や河川のかさ上げ等も今後も必要になってくると思います。県土整備部でしっかり対応していただきながら、その防災対策によって県土を強固にしていただきますようによろしくお願いを申し上げ、質問を終わりたいと思います。
〇名須川晋委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午前10時57分 休 憩
午前11時12分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇飯澤匡委員 大きく3点について、お伺いします。
 まず、1点目は繰越額についてです。特に道路環境改善事業についてお伺いします。これは91億円余の繰越額ということになっていますが、その理由は、計画調整に不測の日数を要したためとあります。他の事業項目についても、ほとんどこういう内容です。このように記載、記述されていますが、新規のところを要望する地域にとっては気になる数字なのです。繰越額が多額に及んでいる要因、また、どのようにして事業の進捗管理を行っているのかお伺いします。
〇菅原道路環境課総括課長 道路環境改善事業の繰越額についてでありますが、令和3年度から令和4年度への繰越額約91億円のうち約6割の55億円が通常分、残る約36億円が国の補正予算に対応いたしました、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などの経費として、令和3年度2月補正予算で計上いたしました予算となっているところでございます。
 通常分の繰越額約55億円のうち、約8割の43億円が主に橋梁などの道路施設の老朽化対策に要する経費でございまして、その具体的な要因でありますが、橋梁補修に伴います河川の渇水期施工等の工事期間の制約や、河川管理者などの関係機関との調整などによりまして、やむを得ず繰り越しの措置をとらせていただいたものでございます。
 繰越事業の進捗管理につきましては、これまで、工事を実施いたします土木センターと、定期的なヒアリングなどを通じまして、工程管理に努めてきたところでございます。本年9月末時点での契約率は約99%となっている状況でございます。
〇飯澤匡委員 大変詳細な答弁、ありがとうございました。
 いずれにしても、1年の会計年度ですから、どうしてもという部分は理解しますけれども、しっかり工程管理をして行っていただきたいということだけをまず申し上げたいと思います。
 2点目は、土地改良事業と一体となった河川整備や、道路の環境整備についてお伺いします。
 以前、令和2年の予算特別委員会で、土地改良事業圃場整備事業と河川整備について、一関市藤沢町黄海地区を例に出して、お話をさせていただいた経緯があります。そのときの答弁で、河川の現況流下能力の調査を実施しており、その結果を踏まえて、土地改良事業とあわせた事業導入の可能性を検討するという答弁がありました。その後の検討はどうなったのか。次に、別項目で質問しますが、まず第1点目として、この検討状況についてお伺いしたいと思います。
〇馬場河川課総括課長 黄海地区における河川改修事業導入に向けた検討状況についてですが、近年、洪水における被害状況及び現況流下能力の調査を実施しまして、浸水被害は農地が主体であることが判明したところでございます。
 県が実施します河川改修事業につきましては、近年の洪水により、家屋の浸水被害が発生した箇所や、資産が集中している箇所を優先的に進めることとしておりまして、調査結果を踏まえまして、黄海地区の河川改修事業の早期導入は難しいと判断し、令和3年2月に住民の皆様へ御説明したところでございます。
 黄海川におきましては、これまでに、河道掘削、立木伐採を進めてきたほか、危機管理型水位計や河川監視カメラの設置も進めてきたところでございます。
 令和4年度は、町裏地区におきまして河道掘削を予定しており、今後も、河川巡視等によりまして、河道内への土砂の堆積状況等を把握するとともに、地元住民からの要望も聞きながら、必要に応じて、河道掘削や立木伐採を進めるほか、危機管理型水位計等の運用など、地元一関市と連携した水防対応等のソフト施策もあわせて、水害の防止、軽減を図ってまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 その説明会については私も承知しておりますけれども、これからお話しするのは、また新たに大きな圃場整備事業が採択されて、その中でまた別の問題が出てきておりますので、その点についての考え方を再度お伺いしたいと思います。
 藤沢町黄海地区、北方地区の土地改良事業がこのたび採択されまして、これはかなり広い面積で約70ヘクタールです。そこで、この事業についてはさまざまな道路の環境整備であったり、また、先ほど申し上げました水害対策も含めて、市当局ともさまざまな打ち合わせをした上で、これから事業を展開していくということを聞いております。
 非常に面倒なのは、内水により水没する地区があり、これはほとんど私道関係ですけれども、もう一つ、先ほど申し上げたものとは別件の黄海川の県道にかかわる堤防にもかかわる事業が十分に関係してくるということです。
 要点は、ただの土地改良事業に終わることなく、地域の住民が要望している、ここを工事しているのに、何でこっちもやらないのかというのは、これは住民の切なる願いです。その点について、どのように県が関係をしていくのか。これは河川と道路の課長にお伺いをしたいと思います。
〇馬場河川課総括課長 圃場整備事業と一体となった河川整備についてでありますが、県の河川改修事業の方針は先ほど申し上げたとおりの方針でございます。そういった中で、圃場整備事業等の他事業と一体となった河川整備につきましては、そういったタイミング、それから、関係機関と調整の上進めることとしております。
 黄海地区の北方地区の土地改良事業につきましては、河川沿いの接するところについて、河川協議に来ていただいております。そういったところで、用水路の整備等、河川沿いに設置するところについては、事前に協議をさせていただきながら進めているところでありますので、そういった面で支援をしてまいりたいと考えております。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 主要地方道花泉藤沢線については、一関市花泉町から藤沢町に至る、地域の日常生活を支える路線であると認識しております。このうち、北方地区圃場整備事業計画に係る区間につきましては、2車線で片側に歩道が整備済みであり、線形につきましても、比較的良好な路線であると認識しておりますが、平成14年と平成25年には、大雨時の出水により盛土のり面が一部崩壊したことを確認しております。こうしたことから、今後とも定期的にパトロールを実施し、道路機能の適切な維持管理に努めてまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 何か現況のパッチワークで済ませようという雰囲気がぷんぷんとするのですけれども、住民はそういうことではなくて、大規模な事業が導入されるに当たって、先ほど言った主要地方道の花泉藤沢線については、道路と堤防がほとんど一体化したような状況で、付近の圃場についても、たびたび浸水して、被害が起きているわけです。道路の形状についても、非常に古い規格で、当時、結構無理してつくったのではないかという感じなのです。こういう工事が、目的は圃場整備という目的でありますけれども、市、それから、あなた方県もお話に乗って、自分たちの守備範囲を守るだけでなくて、国道107号などはきちんとそういうふうにやっているのだから、しっかりお願いしたいと思います。
 3番目の質問ですが、実は圃場整備等関連事業で、県道263号折壁大原線においても、これは地元の中で協議をしていただいて、線形が悪いところは、そこは地元の声を聞いてしっかりやってほしいという要望が地元から出ていて、私もそれをつないだ経過がありますけれども、その状況についてもお知らせください。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 一関市大東町大原地区での圃場整備事業とあわせた道路計画の経過についてでありますが、一般県道折壁大原線は、一関市室根町から大東町を結ぶ生活路線であり、1車線で道路幅員が狭くなっている区間があることから、令和2年度に地元から要望を受けて、土木センターによる現地立会を行い、車両のすれ違い困難箇所の把握を行ったところでございます。
 令和3年度から令和4年度にかけて、圃場整備事業を担当する農村整備センターや地元代表者と調整を行いながら、現道を極力活用する道路計画案の検討を進めてきたところでございまして、この計画案につきまして、10月3日に地元代表者から了承をいただいたところでございます。
〇飯澤匡委員 そういうふうにやっているところもあるのだから、藤沢黄海地区については、大東地区とは全く別次元の大きな事業なので、先ほど言ったように、そこはあなた方も自分の守備範囲だけでなくて、地域の安心、安全、環境整備という意味については、圃場整備も、県道整備も、河川整備についても、一体化してやっていくというのがあるべき姿だと思いますので、その点は強く要望させていただきたいと思います。
 三つ目ですが、国道343号の整備促進について、あわせて新笹ノ田トンネルの整備促進についてお伺いします。
 まず第一に、渋民工区沿線の道の駅整備の状況、それから、防災道の駅への取り組み状況について伺います。
〇菅原道路環境課総括課長 国道343号渋民工区沿線の道の駅の整備の状況についてでありますが、県では、今年度から国の交付金事業を活用して新規事業化を図り、一体型の道の駅として一関市と連携いたしまして、令和6年度の開業を目指して、現在取り組んでいるところでございます。
 駐車場など県の道路区域に係る事業用地については取得済みでございまして、市の区域については、現在、市において農地転用の手続を進めており、年内には用地取得が完了し、今年度内に敷地造成工事に着手する予定であると、市から伺っているところでございます。
 また、道路管理者である県と地域振興施設を整備いたします市との間で、施工区域や費用などに関する基本協定をことしの4月下旬に締結いたしまして、現在、市におきまして、休憩施設や地域振興施設に係る詳細設計を進めているところでございます。
 次に、防災道の駅への取り組みについてでありますが、防災道の駅の認定につきましては、県の地域防災計画等におきまして、広域防災拠点の位置づけなどが必要でありますことから、ことしの5月には、市において建物の耐震化、無停電化など、防災道の駅に必要な機能を有した施設として計画を進めていることにつきまして、関係部局に情報提供を行ったところでございます。
 今後も、関係部局と情報共有を行いますとともに、防災機能を有した道の駅の整備に向けて、市と連携しながら進めてまいります。
〇飯澤匡委員 農業振興地域の解除については大変苦労しましたけれども、大変御協力いただき、ありがとうございました。
 そして、渋民工区が開通をいたしまして、交通量も日に日に多くなってきました。大変線形もよくて、皆様方の御英断と、この実施に至っては感謝申し上げたい。
 さて問題は、その先なのです。この間、久々にループ橋を渡ってみましたけれども、富士急ハイランドのジェットコースター並みの恐怖を思い出しました。毎日通っていればあれかもしれませんけれども、たまに行くと、背中がやはりぞぞっとすると。私もかつて大型自動車で大船渡市まで何回か行った経験がありますけれども、運転席が高いとかなり怖いです。そういう恐怖を味わうあのループ橋は、周りの道路が大分よくなりましたので、これは安全という観点からも、ぜひともトンネル化を、地域の9万筆にも及ぶ署名と何回も言いますけれども、これは重く受けとめるという答えだけでなくて、本当に一歩も二歩も前に進めていただきたいと切に願うわけですが、毎回同じ答弁ではだめなので、何かちょっと別の答弁をお願いします。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 9万人を上回る方々の署名により示されました、新笹ノ田トンネルの整備に対する地元の期待は大きなものがあると、非常に重く受けとめているところでございます。
 このようなことを踏まえまして、県では、昨年6月に策定いたしました、県全体の広域的な道路ネットワークの長期的な構想である、岩手県新広域道路交通計画の中で、国道343号を一般広域道路に位置づけ、内陸と沿岸の拠点都市間の連携強化を図ることとしたところでございます。
 笹ノ田峠に新たなトンネルを整備することにつきましては、大規模な事業となることが想定されますことから、安定的な事業予算の確保が課題となるとともに、事業効果などを確認することが必要と考えており、岩手県新広域道路交通計画の具体化に向けて、現在進めております、県全体の道路ネットワーク上の課題や整備効果等の検討の中で、防災面や観光、物流、交通量の推移などさまざまな観点で、道路利用のニーズを分析していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 私だけでなく他の委員からも、新笹ノ田トンネルの要望については何度も発言、また、要望がありました。私も地域の方々と会うと、渋民工区については非常に感謝をしているけれども、その先の見通しがつかないのでは、片手落ちだろうと言われます。
 陸前高田市の方々も、三陸沿岸道路の状況が大変よくなって、どんどん気仙沼市のほうに流れが行ってしまっているのです。そうなると、横軸の道路整備は、ただいまお話がありましたけれども、岩手県にとっても非常に重要だと思っています。私が議員のうちはこれを毎回質問しますので、最後に県土整備部長。一言やりますと言っていただければ。
〇田中県土整備部長 9万筆の署名の全部は道路建設課には置けないのですが、一部段ボールにしっかり保管して、毎回、議会のたびに、その重みを肌で感じています。一関市のほか陸前高田市、それから、周りの市町村の方の署名もありまして、非常に地域の方々の期待が大きいということはいつも感じています。
 そういった中では、今、飯澤匡委員からお話があったとおり、横軸道路の一つの路線として、国道343号の笹ノ田峠が隘路になっているとうことで、それはよくわかっています。ネットワークとして重要だということを県として示すために、昨年の6月の広域道路交通計画に位置づけさせていただきました。その位置づけについては国が認めるものですので、国とはしっかり情報共有しておりますので、いずれ私どもとしましても、利用の状況を見ながら、既存のループ橋やトンネルのパトロール、点検等も行いながら、しっかり注視していきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 それでは、何点か質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 いよいよこの岩手県においても、氷点下の地点が出てくる中で、また、雪の季節が近づいてきたと感じるところであります。昨年も非常に大雪で、県内の交通がかなり乱れるなど、本当に大変な冬を過ごしてきたわけであります。
 そうした中で、令和3年度については、除雪費が58億4、000万円余でありますが、この間、私は大分ふえてきていると感じておりますので、まず、除雪費の推移からお伺いできればと思います。
〇菅原道路環境課総括課長 直近3カ年の除雪費の推移でありますが、県管理道路の除雪につきましては、令和元年度が約37億円、令和2年度は約57億円、令和3年度につきましては約58億円という状況になっております。
〇郷右近浩委員 このように除雪費が伸びているという状況でありますけれども、雪の降り方が、以前のような降り方ではなくて、朝降り出したと思うと、もうすぐ昼ぐらいにはにっちもさっちもいかないぐらい積もってきているといったような降り方。そして、幹線道路等がなかなか使えなくなってしまって、朝の通勤時間帯なども非常に混乱するような状況が見えていると思います。
 これまでも、市町村道と県管理道路の部分で、除雪路線の交換等をしながら、県では円滑な交通を守るためにいろいろ意を尽くしてきたと思いますが、今現状での交換除雪についてはどのような形なのか、実績等を伺わせていただければと思います。
〇菅原道路環境課総括課長 県と市町村との交換除雪の実績でございます。直近3年間の実績でありますが、令和元年度と令和2年度につきましては、花巻市など9市町村、令和3年度におきましては、金ケ崎町を加えました10市町村と取り組んできたところでございます。その交換路線数と延長でありますが、令和元年度が、県道14路線25キロメートルと市町村道35路線28キロメートル、令和2年度が、県道15路線25キロメートルと市町村道34路線28キロメートル、令和3年度につきましては、県道20路線34キロメートルと市町村道41路線35キロメートルの実績となっているところでございます。
〇郷右近浩委員 一昨年、私の住んでいる地域などでも、非常に大変な状態になっている中で、先ほど昨年、新たに金ケ崎町もというお話もありましたけれども、そこでの路線交換をやって、除雪を進めていただいたりしている中で、私は物すごく効果を感じておりました。
 ただ、これが有効だということではありますけれども、今お話を聞いた中では、路線1本という話ではなくて、同じ距離数を大体交換するような形でありますけれども、これに対して市町村から、どのぐらいの要望というか、ニーズというか、もう少しこことここを交換しようなどというような話は出てきているか、去年ベースで結構なので、お知らせいただけるものはありませんでしょうか。
〇菅原道路環境課総括課長 交換除雪における市町村のニーズでございますが、郷右近浩委員から先ほどお話ししていただきましたように、ここ数年、短期集中的な雪が続いているというところもございまして、毎年、除雪計画を立てる夏以降から、市町村と打ち合わせを行いまして、この交換除雪に係るニーズ等を把握いたしまして、意見調整、相互調整を行いまして、対応しているという状況でございます。
〇郷右近浩委員 お互いの効率性、もちろんそれが大事な要素ではあると思いますけれども、交換してそれが本当に効率や利用者の利便につながるのかについては、ぜひ、いろいろ検討しながら進めていただきたいと思うわけであります。
 また、昨年も何度か見受けられたのが、排雪というか、除雪したものを車に載せて持っていっていただいているということで、市街地等は除雪だけではなかなか難しいという中で、どのぐらいたまったらとか、何かの基準があるのだと思いますけれども、できることなら、私自身はそうした排雪もある程度セットで、常に目を配っていただきながら、雪がたまってきたなというタイミング、昨年よりはちょっと前倒しぐらいでやっていただくようなことができないかと思っているわけであります。
 もちろん除雪費については、国からの交付金等もあるわけでありますけれども、その中には県の単費部分も多くあるということで、やればやるほど、確かにいろいろな作業部分についての工賃であったりいろいろなお金がかかってくるのはわかるのですけれども、今のこの尋常ではない降り方とか積もり方を考えたときに、そのときにしっかりと雪を持っていっていただくことが私は必要なのではないかとおもいます。それは、ひとり住まいの高齢者の方などは、家の前に除雪で雪がたまった、もしくは、除雪に関係なくても、雪がどんどんたまっていく。そうすると、家から出られないなどということが、立ち話とかそこら辺の話で本当によく出ております。
 そのような状況、そして、さらには、学校に通うお子さんであったりとか、その地域の方々が歩く歩道、そうしたものもしっかりとやっていただきたいと思うわけでありますが、その排雪の考え方と、それから、歩道の除雪等について、どのように対応されているか。そして、何とかこれをさらにいい形に持っていけないかという部分についてのお考え等をお聞きできればと思います。
〇菅原道路環境課総括課長 排雪に係る基準、あるいは対応等についてでありますが、まず排雪につきましては、郷右近浩委員からお話がありましたとおり、市街地の隘路や狭隘な人家連担部におきまして、除雪した後の雪が路肩や歩道に堆雪いたしまして、幅員が減少することなどの交通障害が発生、または発生が予想される場合に、積込機械等を使用いたしまして、トラックで雪捨て場等に運搬する作業であります。
 このため、道路管理者といたしましては、まずは日常の道路パトロールを通じまして、堆雪状況を把握するとともに、市町村などから情報提供、あるいは降雪の予測など、気象情報なども踏まえながら、排雪のタイミングを判断している状況でございます。
 したがいまして、排雪のタイミングが非常に重要と考えており、先ほど御答弁申し上げましたとおり、降雪の予測や日常のパトロールにおける状況等を的確に判断いたしまして、適時、適切な対応ができるよう努めてまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 いろいろ状況を見ながら進めていっていただきたいと思います。あわせて、歩道の除雪についてもお伺いさせていただいたわけでありますけれども、歩道の除雪の場合は、子供たちが学校に通う朝の早い時間帯等にできればやっていただきたいのですけれども、地域の方々でやるとなっても、たくさんの雪が積もった日などは、自分の家の前までやるところからスタートしてということになりますと、学校の関係者や、近隣の方々もそこまで手が回らない。ですので、雪山が歩道に乗り上げているような状態のところは、ふだんから除雪してそこをなくしていくような感覚があれば、朝一番でさっとできるといったような側面もあろうかと思います。
 盛岡市などは、小型の除雪機を買って、各町内で使えるように貸し出したりもしておりますけれども、なかなかそこまで回らない市町村もあろうかと思いますので、そうした除雪についても、今後いろいろ検討し、市町村ともいろいろ話をしていただければと思うところであります。
 ちょっと話を変えます。市町村道の除雪でも、先ほど言ったとおり効率のいい除雪をやっていくという考え方があるとすれば、そうしたような道路など、地域にとっても、広域的であったり、公益的に利用される幹線道路などという部分になろうかと思います。今、それぞれの市町村から常に、そうした路線については、特に県道昇格の要望などが来ていると思いますけれども、そうした市町村からの申し入れに対して、私は除雪であったり、一体として使えるような部分は、ある程度県道昇格等も考えてもいい路線等も出てくるのではないかと思います。もしくはいろいろな交換という形があってもいいと思うわけでありますけれども、この点について、県の基準と考え方をお伺いしたいと思います。
〇菅原道路環境課総括課長 県道昇格の考え方でありますが、県道につきましては、地方的な幹線道路網を構成する道路ということでありまして、かつ、主要地と主要地を結ぶ道路や、主要停車場と主要観光地を結ぶ道路など、道路法第7条に規定されている要件を具備している道路であります。
 道路の認定に当たりましては、道路法に規定する認定要件を具備したものにつきまして、市町村道と県道の機能分担や地域の交通ネットワークのあり方、あるいは県道として管理する必要性等を踏まえまして、総合的に判断しているところでございます。
〇郷右近浩委員 その部分については、以前からお聞きしていた部分もあったわけであります。ただ、繰り返しになりますが、今回、交換除雪をやって、いい形でというか、本当に地域でそこの道路が安心して使えるようになると。
 片や、奥州市において、特に奥州市役所の前が去年も一番積雪が多い地点ということで、その日その日の記録が出たという部分もあったのですけれども、あそこは途中までは県道として県で除雪をやっているけれども、市役所の辺りであったり、そこから胆沢病院までは、奥州市の市道ということで、いきなり雰囲気が変わるというか、道路状況が変わるといったような面もあるということだったり、金ケ崎町の工業団地の中の道路が、県と交換したことによって、すっかりきれいになって、新車の積載車がはねなくて済むような状況が出ていたりと、いろいろな道路の扱い方にいい影響が出てくるところはあると思います。きょうは除雪ということでお伺いさせていただきましたが、しっかりと対応していただければと思います。
 黒石堤防の築堤等もお聞きしようと思っておりましたが、進行に協力して、きょうはこれで終わりにしたいと思います。
〇佐々木宣和委員 私は、道路整備に関して聞いていきたいと思います。
 まず、幹線道路ネットワーク整備に関してというところで、三陸沿岸道路も全線開通したところですけれども、国道106号に関して、宮古盛岡横断道路、箱石達曽部道路に関しましては、令和3年度新規事業箇所として1億円の予算がついたところであります。今年度の取り組み状況について伺います。
 それと、宮古市からは、道の駅やまびこ館へのアクセス向上について、要望が出されているところですけれども、これについてどう受けとめているのか伺います。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 国道106号につきましては、平成28年台風第10号災害により、復興道路として整備計画がなかった箱石−達曽部地区を含む宮古市内の各地で寸断し、最長で11日間の通行どめが発生するなど、大きな被害を受けたことから、令和3年度に箱石達曽部道路が国の直轄権限代行として事業化され、現地の測量や道路設計に着手されたところでございます。
 今年度は、引き続き、道路設計を進めるとともに、用地調査に着手する予定であると国から聞いております。
 次に、道の駅についてでありますが、箱石達曽部道路から宮古市の地域防災計画で、防災拠点に位置づけられております道の駅やまびこ館への円滑なアクセスの確保は、防災上の観点からも重要であると認識しております。
 国では、やまびこ館付近に(仮称)川内インターチェンジの設置を計画しており、現在、設計を進めている段階であると聞いております。
 県といたしましては、箱石達曽部道路の整備を推進する上で、防災拠点へのアクセス強化や道路の利便性確保の観点から、やまびこ館へのアクセスを確保するよう、国へ働きかけてまいります。
〇佐々木宣和委員 先ほど、御答弁の中でも触れられましたけれども、平成28年台風第10号の際に、11日間完全に通行どめになったというところでもあります。田鎖蟇目道路、また、箱石達曽部道路というところで事業化を認めていただいているわけですけれども、この工事がしっかりと進んで、一日も早く完成するように取り組んでいただきたいと思っております。
 そして、宮古−盛岡−秋田の横軸道路整備は不可欠でありまして、国道13号、国道46号、国道106号周辺の市町が、秋田・岩手地域連携推進協議会で積極的な取り組みをしています。
 また、岩手県新広域道路交通ビジョンが令和3年6月に策定されましたけれども、国も、東北地方新広域道路交通ビジョンを令和3年7月に策定をしたところであります。ビジョンによりますと、圏域別1平方キロメートル当たりの道路実延長は2.3キロメートルと、全国平均の3キロメートルを大きく下回っております。また、平均都市間距離は、全国平均が22キロメートルの中で、岩手県が33キロメートル、青森県が31.1キロメートル、秋田県が29.9キロメートルと、都市間の時間短縮にまだまだ取り組んでいかなければいけないと思っております。まず、岩手県として、広域道路の整備にどういう考え方で取り組んでいくのか伺います。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 県では、国の通知に基づき、広域的な道路交通の今後の方向性を定めた岩手県新広域道路交通ビジョンと広域的な道路整備の基本的な計画となる岩手県新広域道路交通計画を昨年6月に策定したところでございます。
 また、東北各県が策定した計画を反映し、国では、昨年7月に、東北版の計画を作成したところであり、県の計画と東北版の計画は整合がとれているところでございます。
 県の計画では、災害に強い道路ネットワークの構築や都市間交流を支える道路ネットワークの強化を基本方針として、東北縦貫自動車道、三陸沿岸道路の縦軸と、宮古盛岡横断道路などの横軸を高規格道路に位置づけるとともに、高規格道路を補完し、内陸と沿岸の拠点都市間を連絡する国道455号などを一般広域道路に位置づけたところでございます。
 こうしたことから、港湾と内陸部を結ぶ道路や都市間を結ぶ道路、工業団地等の物流の拠点へのアクセス道路などを重点的に整備していく考えでございます。
〇佐々木宣和委員 東北ブロックでの計画というところで、他県の状況を見てみますと、秋田県もこれから進んでいくという話であったり、4縦貫7横断、こうしたネットワークをしっかりつないでいくと。また、つながっていないミッシングリンクを道路としてつくっていくということも書かれていますし、国道106号に関して言えば、太平洋と日本海をしっかりとつなげていくということも書かれているところでもあります。
 さきに触れた国道106号については、国土交通大臣管理の指定区間への編入という要望もある中で、これらの動きを含めて、広く、この必要性を共有していく必要があると思っておりますけれども、東北地方の他県との連携について、また、要望活動にどう取り組んでいくのか伺います。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 本県では、青森県と連携いたしまして、北東北の広域観光や物流の活性化に関する広域的地域活性化基盤整備計画を令和3年度に策定したところでございます。
 この計画の策定によりまして、国土交通省道路局所管の道路事業に加えて、国土政策局所管の事業も活用することが可能となりまして、安定的に国費を確保しながら、広域的な観光ルートの整備を進めているところであります。さらに今年度からは、秋田県にも計画の枠組みに加わってもらっておりまして、北東北3県で、道路整備を推進するための連携強化を図ったところでございます。
 本年6月に実施した令和5年度政府予算に関する提言、要望におきましては、この3県で連携した道路整備への支援を国へ要望したところでございまして、青森県においても同様の要望を行っていると承知をしております。
 今後とも、隣県と連携しながら、事業を推進するための予算確保を国に働きかけ、あらゆる予算を活用しながら、必要な道路整備を取り組んでまいります。
〇佐々木宣和委員 次に、県管理道路の整備促進について伺いたいと思います。
 令和3年度の実績について、市町村から要望箇所をたくさんいただいているところですけれども、それにどう応えているのかというところと、全体の優先順位の考え方を伺いたいと思います。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 令和3年度に受理した市町村要望における県管理道路の整備に関する要望は、74路線について140件ございまして、うち1件が新規の要望でございます。
 要望への県政の反映区分につきましては、提言の趣旨に沿って措置したものであるAが25件、実現に努力しているものであるBが4件、当面は実現できないものであるCが111件という状況でございます。
 整備の優先順位の考え方につきましては、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げた防災対策や産業振興など幸福の追求を支える社会基盤が整っている岩手の実現に向けて、事業中箇所の早期の効果発現を図っていく中で、新規事業箇所の選定に当たりましては、公共事業評価制度に基づき、必要性、重要性、緊急性、効率性などの事前の評価を実施した上で、公共事業予算の動向等を見きわめながら、総合的に判断をしております。
〇佐々木宣和委員 非常に多く要望いただいている中で、実際にやると決めないと、CからBやAに行かないというところでもありますので、140分の111がCというところで、何とかこれをかなえるために、枠として予算をしっかりと確保するのもそのとおりですし、優先順位もしっかりつけながら、取り組みを進めていただきたいというところでございます。
 防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策から防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策にかわったというところで、令和3年の決算は、5か年加速化対策のほうの事業になっているかと思いますけれども、地域連携道路の予算についてどうなっているのか伺います。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 地域連携道路整備事業費についてでありますが、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の平成30年度から令和2年度までの緊急対策費は、内示額ベースの3カ年平均で、約24億5、000万円でございます。一方、復興事業やこの緊急対策費を除く通常事業費は平均約25億8、000万円でございまして、合計額は平均約50億3、000万円となっており、3か年緊急対策費の占める割合は、平均で約50%となっております。
 また、令和3年度からの5か年加速化対策の令和3年度分と令和4年度分の緊急対策費は、内示額ベースの2カ年平均で11億7、000万円でございます。一方、復興事業やこの緊急対策費を除く通常事業費は平均約43億8、000万円でありまして、合計額は平均約55億4、000万円でありますことから、5か年加速化対策費の占める割合は平均で21%となっているところでございます。
 3か年緊急対策費と比較して、5か年加速化対策費は減少しておりますが、先ほど御説明いたしました、北東北3県で連携して予算を獲得しました事業の活用によりまして、通常事業費が増加しまして、5か年加速化対策期間中の合計額は増加していることから、引き続き、あらゆる予算を活用して道路整備を進めていきたいと考えております。
〇名須川晋委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時59分 休 憩
午後1時2分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇中平均委員 私からは、国道281号についてお伺いいします。
 総括質疑で、軽石義則委員から御質問があり、答弁がありましたけれども、その中で出た国道281号の案内−戸呂町口工区の件で、まず現在の進捗状況について教えてください。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 国道281号、久慈市案内−戸呂町口工区についてでありますが、これまでにトンネルも含めた道路の詳細設計と用地測量が完了しており、現在、用地取得を進めているところでございます。
 今後、用地取得が一定程度進み、準備が整った区間から順次工事に着手し、事業の進捗を図ってまいります。
〇中平均委員 この事業化を進めていくということであります。その際、用地のほうもだんだんに終わってくるのだろうと思うので、その前の案内トンネルですか、地権者も大体同じという話も聞こえておりましたので、順次進めていただきたいと思います。
 こちらは高規格道路化を見据えた規格で整備された区間ということで、軽石義則委員のときに答弁がありましたけれども、今、それを見据えて整備された区間はどこになるのか、お知らせください。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 昨年6月に策定いたしました岩手県新広域道路交通計画におきましては、国が示した考え方に基づいて、高規格道路を、拠点都市間を結び、路線全体にわたり時速60キロメートル以上のサービス速度の提供が求められる道路としており、時速60キロメートル以上の設計速度や走行速度を低下させないための沿道利用の制限、他の道路との交差方法など、道路構造に配慮が求められるものでございます。
 国道281号につきましては、近年、久慈市内で整備を進めておりますけれども、これまでに供用いたしました案内工区、下川井工区に加えまして、現在、整備を進めております案内−戸呂町口工区につきましては、設計速度を時速60キロメートルとしておりますほか、トンネルを中心としたルートとすることにより、沿道利用や主要な交差点を排除し、高規格道路にも対応した道路構造としているところでございます。
〇中平均委員 久慈内陸道路という構想路線ということでございます。まず災害に強い道路ネットワークの構築を目指していくということでありますが、災害に強い、イコールさまざま流通環境であったり、圏域間の人口の移動、また、医療で、観光、さまざまな分野に波及していくというネットワークかと考えております。
 今御答弁があったように、現在県では、高規格化を見据えた路線の整備を順次進めておりますけれども、その構想路線の実現に向けた現在の調査の状況とスケジュール感的なものを示していただければと思います。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 (仮称)久慈内陸道路は、将来的に高規格道路としての役割を期待されるものの、個別路線の調査に着手していない構想路線であることから、まずは、全国的な高規格道路ネットワークにおける必要性や緊急性の検討から始めているところでございます。
 これとあわせまして、起点、終点の位置や久慈−盛岡間の大まかなルート、道路構造等の調査を進めているところでございます。これに加えまして、早期の効果発現を図っていくためには、国道281号の活用も検討する必要があることから、国道281号の整備状況や、走行速度の実態、急カーブ、急勾配等の通行上の支障となる箇所等、現道課題の調査なども進めているところでございます。
 これらの調査の次の段階は、より詳細な地形図を用いて、具体的なルートの位置や道路構造の検討を進めていくこととなりますが、延長が長く、北上山地を通過するルートとなるため、技術的な難易度が高く、継続的な検討が必要になるものと考えているところでございます。
 今後とも、国道281号を規格の高い道路として着実に整備を進めるとともに、久慈内陸道路について着実に調査の熟度を高めながら、久慈―盛岡間の道路ネットワークの構築に取り組んでまいります。
〇中平均委員 スケジュール感と言っても、今は出せないという答弁だと思いますが、必要性は県土整備部の皆さんも重々御承知のことだと思いますし、地域にとって、今、三陸沿岸道路が全線開通して、横軸道路というと、先ほど佐々木宣和委員からあった国道106号は順次道路整備が進んでおり、花巻―釜石間はもう開通しているという状況でございます。そういった中で、県北地域と盛岡市をつないでいく横軸道路は進んでおらず、まさにミッシングリンク的なところでもありますので、そういった点を踏まえて、今後とも、事業を早急に進めていっていただきたいと思います。
 次に、土砂災害警戒区域についてお伺いします。9月30日に公表され、新たな箇所5、668カ所ですね。今、災害警戒区域であるところと、さらに全県で5、668カ所を整備するのは、正直、時間もかかるでしょうし、事業費も大きくかかるというところだと思いますが、今回のその公表を受けて、どのように対応していくのかをまずお伺いをいたします。
〇戸来砂防災害課総括課長 土砂災害警戒区域の新たな指定への対応についてでありますが、土砂災害警戒区域における対策施設の整備につきましては、災害履歴のある箇所のほか、避難所、防災拠点、学校、病院などの要配慮者利用施設が立地する箇所を優先して整備を進めてきたところでありまして、令和4年3月末現在、要整備箇所3、994カ所のうち整備済みが529カ所となっております。
 また、先ほど中平均委員からお話しがありましたとおり、先月30日に、新たな土砂災害が発生するおそれのある箇所、5、668カ所を抽出し、公表したところでございますが、今後、保全人家5戸以上などの要整備箇所がさらにふえる見込みとなっています。
 これらの要整備箇所におけるハード対策については、箇所数が膨大でありまして、多大な費用と時間を要しますことから、土砂災害警戒区域等の指定による危険の周知や、警戒避難体制の整備などのソフト対策を効果的に組み合わせながら、土砂災害対策を推進していきたいと考えています。
〇中平均委員 確かに箇所数が膨大で、そして、ことしが内陸と沿岸で、来年が山間部といいますか、北上山地のほうをまた公表していくということですから、そうなると、箇所数は間違いなくさらにふえるということになると思います。
 ソフト対策はそのとおりでありますけれども、そうは言いつつも、毎年度出る箇所なり、緊急的にやっていくところで進めていると、今、答弁がありましたけれども、今月ですか、国の経済対策等でも強靱化対策を含めたハード事業の予算も盛り込まれるような報道もありますが、そういった点と絡めていきながらやっていく必要性があるのだろうと思うのです。そこら辺の見通し等ありましたら、教えていただければと思います。
〇戸来砂防災害課総括課長 砂防施設につきましては、整備箇所数が膨大になっておりますことから、例年、県の当初予算以外にも、5か年加速化対策の国の補正等を活用しまして、整備を進めているところでございます。今年度も、補正予算について国から示されましたら、それらを活用して整備を進めていきたいと考えております。
〇中平均委員 事業費が膨大になりますが、国の予算を上手に活用していただきたいと思っております。
 あと、新たに今回5、668カ所ということで、県土整備部のホームページにいわてデジタルマップがありますよね。津波浸水想定を見ますと、この土砂災害とハザードマップは、各自治体がこれから当然つくっていくというところではありますけれども、このデジタルマップでは今回新たに指定になったところもきちんと地図上に出てくるというところで、地域とかでも、今回出たけれどもどこだというときに見ていただいて、見やすい感がありますので、そういった点、今後、よりさまざまに発信していきながら、災害の避難であったり、周知であったりしていっていただきたいと思います。所感をお伺いします。
〇戸来砂防災害課総括課長 県では、既存の土砂災害警戒区域のほか、先月30日に公表しました新たな土砂災害が発生するおそれのある箇所を、県のホームページ、いわてデジタルマップで公開しておりまして、県民に広く周知し、避難行動につなげてもらうために、地元市町村の広報誌に、いわてデジタルマップに掲載していることを載せていただくよう依頼をしているところでございます。また、市役所等での閲覧なども、市町村と連携して周知に取り組んでいるところでございます。
〇中平均委員 それでは、津波浸水想定区域について、私からもハード整備に向けた対応等をお聞きしたかったところでありますが、工藤大輔委員に全て語っていただきました。ハード、ソフトだけでは厳しいというのは、皆さんも御承知だと思いますので、ハード整備に向けて、全部の対応は無理だとしても、避難時間をいかに確保していくかとか、そういった点を含めながら、この検討なり、事業を実行していっていただきたいということを申し添えて、終わらせていただきます。
〇千葉絢子委員 それでは私は一点だけ、岩手県における土砂災害警戒区域標識の整備状況について、お伺いしていきたいと思います。
 近年、台風や豪雨被害の増加などに伴って、土砂災害の発生件数は増加傾向にありまして、全国的に土砂災害へのハード、ソフト両面での対応が急務になっていると認識しております。特に土砂災害警戒区域標識の整備については、ここ二、三年の間に、全国で急ピッチで進められています。この事業は、その重要性と緊急性、また、整備しなければならない規模が大きいことから、各都道府県で、交付金を活用しながら予算を確保し、複数年かけて整備を進めているところが多いようです。
 本県でも、令和2年から土砂災害警戒区域の標識を整備し始めていますけれども、県が行った調査の結果、本県における土砂災害警戒区域は、ことし6月30日の時点で、1万3、305カ所ということで膨大であります。本県では、この整備事業をどのように進めているのか、事業の流れを大まかに説明していただきますとともに、土砂災害警戒区域で、整備の必要な箇所数、それに対する現在の進捗についてもお示しください。
〇戸来砂防災害課総括課長 土砂災害警戒区域の標識設置に係る事業スキームと、本県の進捗状況についてでありますが、本県における土砂災害警戒区域の標識等の設置につきましては、土砂災害に対する住民の理解を深めるため、また、避難の実効性を高めることを目的としまして、令和元年度から実施しているところでございます。
 標識等の設置に当たりましては、広域振興局土木部等におきまして、管内の市町村と事前に設置箇所等に係る調整を行い、意向を確認した上で、市町村とともに現地調査を行って設置場所を決定し、県が設置しております。
 本県における整備が必要な箇所数につきましては、現在、市町村と調整中でありまして、今後、確定していくこととしておりますが、昨年度までに375基を設置してきたところでございます。
〇千葉絢子委員 では、整備が必要な箇所は、今、算定中というか、計画中ということでよろしいですね。昨年度の決算では、標識の整備事業も含まれている総合流域防災事業費に10億円余りが充てられたようでございます。そのうち、土砂災害リスク情報整備事業の実績はどれぐらいでしょうか。また、今年度の予算額についてもお示しください。
〇戸来砂防災害課総括課長 昨年度の実績でありますが、昨年度は、令和2年度からの繰越予算1、379万2、000円を活用しまして、整備を進めてきたところでございます。また、今年度につきましては、令和4年度以降に、国の土砂災害リスク情報整備事業を活用するに当たり、当該事業に係る全体計画の策定が必要となっておりますことから、今年度は、市町村と調整を図りながら、当該計画を策定することとしておりまして、令和4年度の設置に係る予算につきましては、計上していないものであります。
〇千葉絢子委員 では、令和3年度は、繰越分の1、379万2、000円を実績で使ったということでよろしいのですね。トータルの事業費としては、2、698万円ということでいただいておりますけれども、今年度は、その計画をまず策定しなければいけないということで、ゼロということでよろしいですね。
 計画を策定するということが決まる前段階のところでも、市町村と一緒になってこの事業を進めてきたと思います。予算の目途とかは別かもしれませんけれども。
 国土交通省砂防部会の資料を見ますと、この事業が始まったきっかけは、平成30年の豪雨被害の被災者を対象にしたアンケート調査で、152人のうちの実に76%が、自分の住んでいる地域の土砂災害のリスクについて、正しく認識していなかったと回答したことが背景にあると私は認識しておりますが、よろしいでしょうか。
〇加藤技監兼河川港湾担当技監 千葉絢子委員御指摘のとおり、平成30年7月の災害を受けて、国土交通省が設置した委員会において、土砂災害警戒区域内に住まわれている方々が、そういった区域内住んでいることの認識が不足しているという指摘がなされているところでございます。
〇千葉絢子委員 本県におきましても、平成28年台風第10号で大きな被害を受けたわけで、多くの命や財産を損なう土砂災害が各方面で起きております。居住地域のリスク認知や防災意識を避難につなげていく、また、市町村における防災計画や避難確保計画に生かしていくということが急務であるという認識は、皆さんも私も同じであると思っていますが、本県でこの事業がなかなか進んでいない理由は何でしょうか。
 先ほどお伺いしたところ、土砂災害の危険区域に関しましては、1万3、000カ所以上あるところで、看板設置は375カ所にとどまっている。このうまく進んでいない理由は何なのでしょうか。
〇戸来砂防災害課総括課長 本県における事業推進に当たっての課題についてでありますが、令和3年度まで、実効的な警戒避難体制の整備を図るために、本県では、市町村と連携しまして、まず、土砂災害警戒区域等の指定に注力するとともに、市町村からの意向も踏まえまして、標識の設置を進めてきたところであります。
 標識等の設置場所につきましては、要配慮者利用施設や避難場所等の防災拠点がある箇所を優先的に選定する方針を示した上で、地元の情報に詳しい市町村の協力を得て、選定しているところであります。
 今年度、土砂災害リスク情報整備事業の全体計画を策定しているところでございますが、その必要性については、市町村と確認しておりますが、当該事業を進めるに当たりまして、市町村によっては、土砂災害警戒区域の箇所数が多いことなどから、設置場所の選定に時間を要すること、また、適切な設置場所が見つからないなどの用地の調整、確保、それから、設置後の市町村における維持管理について、意見等が挙げられておりまして、これらが今後の課題として認識しているところでございます。
〇千葉絢子委員 岩手県では、令和2年から土砂災害警戒区域標識の整備が始まっていると先ほど申し上げました。現状としては、各市町村で足並みがそろっていない。市町村によっては、その整備が全く進んでいないというところもあると伺っています。
 当初、県では、県が主導して優先度の高い区域から整備をする方針で、各市町村にヒアリングを行って、整備をしていくことにしていましたよね。でも、その整備の目的の説明不足とか、整備後の保守管理の役割分担が明確に決まっていないということが原因で、賛同を得られない市町村が出てきたというのが、この事業がいまいち進捗していないことの本当の原因ではないかと私は思うのです。しかも、今年度からは、そもそも県が事業化したものでありながら、県が主導で行うのは、その優先度が最も高い区域のみで、ほかの区域については、市町村で計画を立て、予算化して行うことという通知を出しています。
 この通知に、各市町村の担当者は実は困惑をしておりまして、優先度が最も高く、県が整備するのが一体何箇所になるのか、その後の維持管理について、県と市町村の役割分担がどのようになると、市町村に説明しているのかをお伺いいたします。
〇戸来砂防災害課総括課長 標識の設置に当たりましては、先ほど千葉絢子委員からお話がありましたとおり、県の方針としましては、全体の警戒区域数が非常に膨大でありますことから、要配慮者利用施設や避難所等の防災拠点がある箇所などを優先的に整備したいということで、市町村に提示した上で、市町村の意向を踏まえて設置場所を計画してきたところでございます。
 また、本標識の設置事業につきましては、実際に市町村が主体となって行っているところもございますので、市町村へも、令和3年度、国が創設した土砂災害リスク情報整備事業の事業趣旨をお伝えする通知を出しまして、意向等を確認してきたところでございます。
〇千葉絢子委員 最初にいただいた資料では、標識設置を進める上での課題について、設置及び維持管理に係る市町村との調整がうまくいかないということだけ書かれていました。これでは全く理解ができなかったわけです。それで、再三、資料や説明をお願いして、きょうの質問に臨んでいるわけですけれども、私が詳しく知らないだろうと思って、そういう紋切り型の資料を出してきたのですかと勘ぐりたくなってしまいます。たった1行ですから。
 でも、最初の資料の出し方、また、それに付随する御説明の仕方では、相手に意思はなかなか伝わらないのです。議員には調査権がありまして、その中でも大事なものが、この決算や来年2月、3月の予算特別委員会の質疑だと私は思っているのですけれども、事前に資料も請求して、対面での質問の趣旨もお話をしているのに、なぜ、当局はこういう説明しかしてくれなかったのか、皆さん方の対応は非常に残念で仕方がありません。市町村にも万が一このように説明をしているのだとしたら、県には協力したくないと市町村が思ってもおかしくないと私は思います。
 こちらはコミュニケーションをとろうとして、最初の資料請求の段階からボールを投げているわけです。でも、それをパスボールにしたり、あとは、こっちがとれないような剛速球みたいな感じで返してきても、人さし指が痛くなるだけなのです。本会議でも、委員会でも、私は質疑の趣旨やこういう意味で聞いていますという打ち合わせを十分にやってから臨んでいると思いますので、対決したいわけではないのです。誠意ある対応をしていただいて、進めていきたいから質問しておりますので、そこはよろしくお願いいたします。
 具体的にお聞きいたします。市町村とはどんな意見の相違があって、なぜ進まないのか、なぜ方針転換したのかというところを御説明ください。
〇戸来砂防災害課総括課長 市町村と事前に調整している中におきましては、一部の市町村からは、引き受け後の維持管理について、その標識の更新時の費用とか、今後の維持管理に係る点検等が課題になっているという声も伺っているところでございます。
 また、市町村によっては状況が異なっておりまして、引き受けいただいているところもございますので、今後はそういった課題を共有しながら、意見交換していく必要があると考えております。
〇千葉絢子委員 今回に限らず、国のさまざまな制度を利用して県が事業を行う際に、市町村が不満に思っているのは、市町村との連携、協議もなく、いきなり通知、通達が来ることです。その県のやり方のまずさは、協議やすり合わせの前に、これは市町村がやってくださいといきなり言ってしまうところだというところが、去年も市町村要望でお伺いしているときに、沿岸地域の市町村などからも大分承ったクレームのようなものでした。
 今回の標識設置についての望ましい姿としては、今行っているように県が調査をして全体計画をまず立てる。何カ所必要でどのように整備していきますという方針をまずつくるのですよね。そうすれば、全体の予算がわかります。その上で、どうしますかと市町村に投げかけて、協議や説明を丁寧にして、必要な場所、また、要配慮者避難施設の位置など、防災担当と建設担当の部署とも話し合いながら、整備計画を進めていくことだと思っています。
 でも、実際は、調査は県が行って、レッドゾーン、イエローゾーンを決める。最初は、県が特別なところは設置するけれども、あとは、市町村が設置しなさいとなっているところに、市町村からの反発が出ているのだと、私は思います。
 県からの通知は確かに一方的で、後からその要件が変わってきたりということも多々あるようです。市町村にしてみれば、1万三千何カ所を県が指定をされて、県が設置したところの中には、そこは必要ないでしょうというところも出てくるわけですよね。
 設置するまではいいとしても、その後の1万何千カ所の危険性を示す標識を恒久的に維持していくことについて、できるとはっきり言い切れる市町村はないと思うのです。なので、その役割分担をきちんとするということ、どこまでだったら維持してもらえるかというところをしっかり詰める作業が、私は大事だと思っているのです。
 先ほど、中平均委員からもお話がありましたけれども、日本海溝・千島海溝沿いの地震、津波への備えなどもあったり、市町村では指定された場所全ての維持管理、標識設置については、手も、そして、首もとても回らないと私は思っております。
 県と市町村は対等だと知事もおっしゃっていますし、職員の皆さんもそういう意識でいらっしゃるのであれば、市町村との丁寧な協議の手間を惜しんではいけないと私は思っております。誠意のある協議をお願いしたいと思います。
 他県の例を挙げますと、沖縄県、静岡県、山梨県などを初め、都道府県が主導して設置場所の調査も県が行っているところがあるようです。その予算を見てみますと、沖縄県は6億円、山梨県などは10億円規模で予算執行をして、毎年この事業を進めているわけですけれども、一方の本県はというと、決算ベースの実績で見ると、令和元年が86万円、令和2年が540万円ということで、かなり見劣りする数字ですよね。昨年度は1、379万円ですか、今年度の予算はゼロ。
 予算に対しての執行額で見ると、翌年度の繰越は、令和元年が690万円、令和2年は1、380万円と予算の数倍の額になっているわけです。不用額とか繰り越しが多いということです。この数字だけでも、本県の整備の進捗には相当問題があると思うのですけれども、この点について、県土整備部長の認識をお伺いしたいと思います。
〇田中県土整備部長 標識設置についてでありますが、警戒区域の周知をいかにするかというのが非常に大事でありまして、それはホームページでも公開してパソコンでも見られるようになっていますが、現地で平時に、ここが危険だということを、現地で歩いたときにわかっていただくというのが非常に大事なことの一つだと思っていて、そういう意味で標識設置は非常に大事な事業だと思っています。それを計画的に進めていくために、今、市町村からの要望もいただきながら、全体計画をつくろうとしているところであります。
 ただ、設置に当たっては、設置後の維持管理という課題も当然ありますので、その全体計画を立てる中で、設置の考え方、優先度の考え方とか、設置した後の維持管理のあり方は、あわせて市町村と丁寧に意見交換をしながら、早く住民の皆さんに伝えていけるようにするということは、市町村の皆さんとは共有していると思っていますので、その目的に向かって、どうやっていくかということを考えていきたいと思います。
〇千葉絢子委員 我々議員の多くは、前の任期のときに防災士の資格を取っております。震災や台風によるあのような被害はもう嫌だという気持ちは、現任期の議員も全員が共有していると思っております。
 私がきょう質問させていただきました事業は、知らなかったとか、逃げおくれたという方を減らすための事前防災、また、災害に強いまちづくりの取り組みの一つでございますので、事業を進めれば、県民の皆さんから岩手県も感謝されるわけです。なので、救える命もふえますし、ぜひ、県が責任を持って事業を完遂していただきたいとお願いを申し上げて、終わります。
〇菅野ひろのり委員 私からは、事項別明細書324ページの港湾費等について伺わせていただきます。
 産業振興の観点から、きょうは質問したいと思いますが、私の課題意識は、整備いただいている釜石港等、港湾の活用と、内陸の産業をどう結びつけて県内の経済を発展させていくのかというところにあります。
 そこで、輸出入につながるわけですが、そうすると、今は、どうしても国内だけではなく、国際情勢の関係がありますから、まず冒頭、国際コンテナ輸送の状況について伺いたいと思います。
 令和4年3月、国土交通省の港湾局の国際コンテナ輸送をめぐる状況を見ますと、北米航路、例えば横浜−ロサンゼルス間は、コンテナスポット運賃が五、六倍上がっているようですが、現状、今後の見通しとして、全体の状況はそれほど改善されないと記載があります。国際状況と為替の状況を踏まえ、本県コンテナ取扱高への影響と、今後の見通しについて伺います。
〇乙部港湾課総括課長 本県コンテナの取扱量についてでありますが、コンテナの取り扱いにつきましては、釜石港、大船渡港で実施しております。まず、釜石港のコンテナ取扱貨物量については、平成29年度のガントリークレーンの供用開始や、外貿定期コンテナ航路の開設、さらには、平成31年の釜石自動車道の全線開通により、令和元年度において、9、292TEUと過去最高を記録したものの、その後、コロナ禍による世界的な物流混乱により減少に転じ、令和3年は7、460TEUとなったものでございます。
 また、大船渡港のコンテナ取扱量につきましては、釜石港と同様に、コロナ禍による影響を受けているものの、令和2年に再生可能資源を輸送する内航コンテナ静脈輸送航路が開設されたことによりまして、令和3年には3、994TEUと過去最高を記録しております。
 今後の見通しについてでありますが、菅野ひろのり委員御指摘のとおり、昨今の円安基調により輸出が有利な状況ではありますけれども、コロナ禍における世界的な物流混乱が継続していることから、引き続き、その辺を注視していかなければならないと思っております。いずれ、集貨拡大に向けて、ポートセールスにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
〇菅野ひろのり委員 農林水産部の審査でも、お米の輸出が上がっているということで、県内のその可能性は非常にあるのだろうと思っております。
 一方で、港湾議員連盟などでも、福島県の小名浜港とか、ほかの港湾を調査させていただいていますが、取扱高は太平洋側の東北地方の他県に比べて、9港以上重要港湾があるようですが、まだまだ力を入れていく必要があるのだろうと思っておりました。
 それで、輸出量の推移、今後の港湾の活用、これをどのようにやっていくのかというところをお聞きしたいと思っています。今、久慈港の洋上風力であったり、宮古港のフェリーは難しい状況ですが、釜石港、大船渡港等の輸出等がふえている中、今後の港湾活用の課題をどのように捉えているかお伺いいたします。
〇乙部港湾課総括課長 コンテナ貨物の輸出量についてでありますが、釜石港の輸出は令和元年で2、809TEU、令和2年は2、803TEUと横ばいでありますけれども、令和3年は世界的な物流混乱の影響を受けまして、2、441TEUと減少したところでございます。
 大船渡港と釜石港は、京浜港までの国際フィーダーコンテナ定期航路を運航しておりまして、港湾統計上、輸出にはカウントされておりませんけれども、京浜港から輸出されているコンテナも相当数あると聞いております。
 次に、港湾の利活用に向けた課題についてでありますが、県では船主とか荷主企業等への聞き取りによりまして、港湾利活用への理解不足、あとは、港湾輸送コスト、環境コストの削減を検討していることを把握しております。
 港湾の利活用を進めるためには、内陸部の荷主企業等に県内港湾への理解を深めていただくこととか、CO2の削減の社会的要請などを周知しながら、県内港湾の利用を拡大することが必要であると捉えております。
〇菅野ひろのり委員 実際は、京浜港からも輸出されているということで、まだまだそういった事例はあるのだろうと思っていますし、港湾の活用について先ほど御回答いただいた中で、ポートセールスの重要性を御発言いただきました。まさにそのとおりではあるのですが、今回いろいろ調査していくと、荷の確保と運送業者との連携といいますか、その輸送をどうしていくのかということが必要だと思っています。ですから、物をつくるメーカーもそうですけれども、物流業界、運送業へのPRが必要なのではないかと思っていました。
 例えば、最近ですけれども、県南広域振興局の事業で、小口輸送ということで白金運輸株式会社が荷を混在させながら輸出していると。実際に、これが大きな商売になるかというと、また、別問題なのかもしれませんけれども、実際、そういった県内の需要を見きわめて、それを県内の港湾から出していくと、それが非常に重要だと私は考えています。船主、荷主だけでなく、運送業へのPRも必要だと考えますが、県の認識を伺います。
〇乙部港湾課総括課長 県が行うポートセールスでありますが、船主や荷主企業を初め、物流事業者に対しても展開しております。個別の企業訪問を始めまして、そのほかにも、首都圏に本社を有する企業、物流企業に向けた、知事のトップセールスであるいわてポートフォーラムを開催するなど、本県港湾の利活用についてPRをしております。
〇菅野ひろのり委員 その中で、運送業者が今直面している課題が、働き方改革であると思っています。県内から関東、京浜までだと五、六百キロメートルですが、青森県からだと1日ではなかなか行けないということで、リレー輸送とか、あるいは港湾の活用がさらに膨らんでいくのだろうと思っています。
 そこでお伺いしますが、港湾活用を含め、実際、トラックドライバーや運送業者のそういった働き方改革の中から、どんな要望が上がっているのか、県の認識をお伺いしたいと思います。
〇乙部港湾課総括課長 運送業者だけでなく、船主や荷主企業から、企業訪問などでいろいろ聞き取りをしております。その中身といたしましては、県内港湾を利用して海上輸送ができることの理解が不足しているということや、道路整備の状況、輸送時間など、港湾へのアクセス向上が浸透してないようなところが少しあること。あとは、輸送コストや、CO2などの環境コストの削減を検討していることを把握しております。
〇菅野ひろのり委員 いろいろ伺っていくと、例えば、きょうの昼には、トヨタ自動車株式会社の方の講演もありましたけれども、トヨタ自動車株式会社の部品等はJRで来て、宮城県の県北のほうに物流を置くようなところをつくっていて、現状は、盛岡市で、そこからトラック輸送とかという環境も少しずつ変わっていく可能性もあるのだろうと思っていますし、この働き方改革は、岩手県のさらに県南地域の特に地域を活用した輸送の創造が、次のヒントになってくるのではないのかと、まだ勉強不足ですが、私はそういうふうに考えていました。
 そこで、特にこれから大事になっていくのが、港湾の所在地と内陸市町村の連携、あとは、ポートセールス、物流と一体となったPR等の連携だと考えています。そのように考えますと、ちょっと遠回しになりましたが、今、産業集積を北上市はやっているわけですから、北上市、金ケ崎町や奥州市等の産業集積から、さらに港湾の活用、この可能性をしっかりと話し合って、考えていくべきではないかと思っていますが、県の考えをお伺いします。
〇乙部港湾課総括課長 内陸市町村の集積地の連携でありますが、内陸部では、現在、新規企業立地数が増加しておりまして、産業集積が進んでいると承知しております。
 新たに整備された高速道路ネットワークにより、港湾へのアクセス性が大幅に向上していることをPRするなど、物流事業者を初め新規立地企業、あとは、県内港湾を利用している企業へのポートセールスを、港湾所在地だけではなく、内陸市町村とも連携しながら展開することにより、県内港湾がさらに利用される可能性があると考えております。
〇菅野ひろのり委員 実際にいろいろ物流業者等から話を聞くと、今、半導体の部品は小さいので、港湾というのはなかなか難しいようで、パルプ等が多いようです。
 一方で、キオクシア岩手株式会社では、メンテナンスの保守といった部材等で非常に大きい部品等があるようなので、そういったものの可能性は非常に感じていたと思いました。ぜひ、そこら辺は産業集積のメーカーや運送業者とリレーションをとりながら、可能性を模索していただきたいと思っています。
 なぜ、この話をするかといいますと、今、北上市、奥州市、金ケ崎町による期成同盟会だったり、新しく橋をつくってほしいといった要望が出ていますので、お話ししています。例えば、8月25日の新聞でありましたけれども、北上ジャンクションと江刺田瀬インターチェンジを直結させるという、新しいところが言われておりました。私は、この可能性も非常に大事だと思っていますし、さらに奥州市からは、金ケ崎橋をもっと拡張して、物流を流すような方法も必要ではないかということがありました。
 岩手県では、期成同盟会が50ぐらいあるそうで、なかなか実現は大変だと思うのですが、県内の産業の発展と港湾を活用してどう広げていくかという視点はしっかり持っていく必要があるのだろうと考えております。県は、この現状をどのように捉えているか、整備促進に向けた課題認識をお伺いします。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 内陸部の工業団地から江刺田瀬インターチェンジまでのアクセスが重要だというお話だと思いますけれども、北上市、奥州市、金ケ崎町の3市町から要望されております北上金ケ崎パシフィックルートがございまして、江刺田瀬インターチェンジから国道107号、国道456号、今お話がありました金ケ崎橋があります県道江刺金ケ崎線を経由するルートと、もう一つ、国道456号の広瀬地区で分岐し、県道三ヶ尻線を経由するルートの二つの要望を受けているところでございます。
 県南地区の工業団地と江刺田瀬インターチェンジを結ぶ主なルートといたしましては、この二つのルートのほかに、江刺田瀬インターチェンジから国道107号と国道4号を経由するルート、県道玉里梁川線、水沢米里線を経由するルートなど複数のルートが考えられるところでございます。
 これらのルート周辺には、北上南部工業団地、岩手中部工業団地、江刺中核工業団地などが立地しておりまして、一定程度、物流ルートとして利用されるものと認識しております。現在、工業団地を発着する貨物車に着目した物流ルートの調査を進めているところでございます。
 県といたしましては、港湾のさらなる利用促進のためには、インターチェンジへのアクセス向上が重要であると認識しており、東北横断自動車道釜石秋田線、及び三陸沿岸道路の全線開通後の物流の変化、周辺の開発動向などを見きわめながら、県南地区の工業団地と江刺田瀬インターチェンジの間のアクセスのあり方について検討してまいります。
〇菅野ひろのり委員 アクセスのあり方を検討いただくということで、御答弁いただきましたように、産業振興の観点と、奥州工業団地が集積していますから、そこに港湾の活用を引き続き調査いただきながら、経済自体もしっかりと発展していく、そのインフラ整備をお願いしたいと思います。
〇高橋穏至委員 私からは1点だけ、令和3年に検討を進めて、令和4年から始まった総合評価落札方式、条件付一般競争入札における地域貢献活動の実績に係る改定についてお伺いします。もう4月に改定されているわけですが、その改定の背景、経緯、課題等についてお伺いします。
〇菅原建設技術振興課総括課長 総合評価落札方式の背景と経緯でありますが、令和2年度の建設業団体との意見交換におきまして、地域の安全、安心に直結する維持修繕業務や、除雪等を担う地元企業をより評価してほしいとの強い要望が出されたところです。
 昨年度、県内13地区で実施した建設業地域懇談会において意見を伺うなどした上で、従前は評価点のウエートが同じでありました無償奉仕活動と維持修繕業務等について、維持修繕業務等のウエートを引き上げるという改正を行いまして、今年度から運用しているところでございます。
 課題でありますが、今年度もいろいろと意見を伺っております。今年度実施しました建設業団体との意見交換におきましては、維持修繕業務等の実績として評価する対象を拡大してほしいという御意見とか、今回の改正に伴って無償奉仕活動の評価点が下がったことから、改正前の配点に戻してほしいという意見もあった一方で、維持修繕業務等の配点をもっと上げてほしいと、全く逆の意見も伺っております。
 4月の改定からまだ時を経ていない現状におきましては、引き続き、適切な評価のあり方につきまして、建設業団体との意見交換が必要であると考えております。
〇高橋穏至委員 そういったさまざまな意見が、私のほうにも寄せられているわけですが、私にも答えられないといいますか、これは課題かと思うのは、要は、維持修繕業務をやることによって評価点が上がるということなので、それに入ろうと思っても、その業務に参加するには実績がないと入れないという条件のものがありまして、そうすると、ことしからスタートして、去年までの実績がない人は、もうそこには入れないということで、それは公平性から見てどうなのだという質問をされまして、それは何とも言えないなと。そういった課題があるのではないかと思っているわけですが、その公平性という観点からはどうでしょうか。
〇菅原建設技術振興課総括課長 今の高橋穏至委員のお話は、恐らく入札参加条件と私は理解しておりますけれども、県土整備部で所管している業務のうち、いわゆる設計とか測量の建設関連業務以外の業務、例えば除雪とか、道路の維持管理全面委託とか、そういう役務を中心とするような業務がございます。そちらにつきましては、しっかりとした維持管理が必要だという観点から、実績要件が必要だという考えでございます。
〇高橋穏至委員 私はそういう考え方は非常に大事だと思いますし、私も雪の多いところに住んでいますので、業者がころころかわると、そのたびに施設が壊れたり、あるいは除雪がまずかったり、たくさんクレームが来るのです。そういう意味では安定してしっかりとした業務をやってほしい。
 その一方で、その実績がないと、その事業に参加できない。そうすると、ほかの工事の入札に全部影響するということがありますので、そこは、例えば、実績をつけるまでの間を、1年なり2年実施までに時間をあけるのだったらまだわかるのですけれども、発表して翌年からとなると、その1年間はその点数はとれないという条件がついてしまいますので、この問題点を早急に見直す必要があるのではないか。
 その背景の中で、特に言われているのは、除雪業務が大変なわけでして、先ほど郷右近浩委員もおっしゃっていましたけれども、しっかりと除雪業務をやるオペレーターの人材を確保できるような業者の体制をつくらなければいけないのだろうと思います。それはそれとしてしっかりとやりながら、入札制度の公平性という部分では、検討する必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
〇菅原建設技術振興課総括課長 入札制度に関しましては、一般的な建設工事、それから、建設関連業務等も含めて、条件の一つとして、先ほど来申し上げている実績要件を設定しているところでございます。
 繰り返しになりますが、実績要件は、未経験の受注者による工事目的物とか設計成果品等の品質低下を防ぐために、発注しようとする案件と同種の実績を求めるというものでありますが、一般的には、発注案件と完全に同規模の実績ではなく、それよりも少しハードルを下げて設定しているものもございますし、発注案件に類似した実績でも、入札参加は可能としているところであります。
 また、市町村等の県以外が発注した工事や業務の実績も認めるということでもありますので、そういう点からは、参入機会の増加を図っているという観点で、公平性、公正性は保たれているものと認識をしております。
〇高橋穏至委員 公平性は保たれているということですけれども、実績が総合評価の中の点数に反映する、そして、その実績が、結局、その維持活動ではないほかの、要は工事全般の点数に関係するということになると、これは、制度としてどうなのかということが、疑問に残るところであります。
 実績が大事だというのは私もそのとおりだと思いますので、その制度はいいのですが、この制度がほかの発注に影響するという制度設計は見直す必要があるのではないか、検討し直す要素はあるのではないかという観点から質問をしているわけですが、どうでしょう。
〇菅原建設技術振興課総括課長 入札制度の改定ということになりますと、工事については所管が出納局になるため、私からはお答えはできませんけれども、業務の観点から言いますと、制度を見直すということになりますと、公平性、公正性、それ以外にもさまざまな要件があると思います。
 実態として、どのような影響が及んでいるのかをしっかりと見きわめた上で、進めていかなければならないと考えているところでございまして、具体にここを改正するという考えは、現時点では持っていないところでございます。
〇高橋穏至委員 制度を運用しながら見直していくと先ほど言ったのですけれども、見直す考えはないということで、今、ちょっと矛盾している答弁だと思うのです。制度に問題があれば、見直ししながら進めなければいけないと思うのですけれども、はっきり見直さないと断言するのでしょうか。
〇菅原建設技術振興課総括課長 誤解を招くような答弁をいたしまして、申しわけございません。どちらが先かという話もありますが、まず現時点におきましては、業界からの声とか、そのようなあらゆるものを判断した上で、現時点においては、まだ見直す予定はないということを申し上げたのでございますが、引き続き、業界団体からの御意見とか、その状況はしっかりと見きわめながら、今後、変更、改定が必要である場合には、当然その検討は必要であるという考えでございます。
〇高橋穏至委員 ぜひ、そこら辺の業界からの声も聞きながら、見直すときは見直す必要があるのではないかと思います。
 その背景の一つに、除雪業務の担い手不足というか、確保が難しいという、これは市町村要望でも出ておりまして、先ほど郷右近浩委員からも質疑があったとおりでございます。除雪業務の魅力といいますか、条件になろうかと思いますけれども、そういった除雪に係る積算、例えば今ですと、燃料の高騰とか、人件費も上げなければいけないとか、そういった積算に関してはどうなのでしょうか。
 入札実績を見ますと、最低でも4回、多いのは十数回入札をして、ようやく落札するという入札状況がずっと続いているわけでありまして、県の設計には問題はないのかお伺いします。
〇菅原建設技術振興課総括課長 除雪業務における発注価格の設定という御質問であると思いますが、除雪業務の発注に当たりまして、労務費あるいは機械経費、また、燃料費など、これは発注時点の最新の価格動向を反映した設計単価や国に準拠した積算基準等に基づき、適切に予定価格を設定していると認識しているところでございます。
 また一方で、高橋穏至委員からお話がございました入札状況につきましては、詳しいところは把握していないところでありますが、何度も入札が行われているようなところも見受けられるという話もございますが、入札参加者が、極力高い価格で受注するためではないかと推察されるところでございます。
〇高橋穏至委員 今、雪が多く降ることが多いわけでして、そういったところに報いるためにも、設計のときも、例えば待機時間の問題とかさまざまありますので、しっかりと考慮して進めていただきたいと思います。
〇米内紘正委員 私は県営住宅についてお聞きします。まず、現在の県営住宅の現状についてでありますけれども、総戸数、一般県営住宅及び災害公営住宅のそれぞれの戸数、また、そのそれぞれにおいて、空き家率をお知らせください。あわせて、今のところ、応募倍率がどのようになっているのか。最高のところと低いところで、どれぐらいの差があるのかというところをお聞かせください。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県営住宅の現状でありますが、県では、令和4年9月末現在で、一般県営住宅5、100戸、災害公営住宅1、760戸の合計6、860戸を管理しているところでございます。
 計画空き家を除きます空き家の戸数といたしましては、同じく令和4年9月末現在で、一般県営住宅で896戸、災害公営住宅289戸の合計1、185戸でありまして、計画空き家を除く空き家率につきましては、一般県営住宅が19.2%、災害公営住宅が16.4%で、平均18.4%となっています。また、応募倍率につきましては、令和3年度の実績になりますけれども、一般の県営住宅が0.35倍、災害公営住宅は0.43倍の平均0.38倍となっております。
 県内で最も応募倍率が高かったのは、募集するアパートごとには異なるのですけれども、盛岡市の仙北アパートで7倍ちょうどでございます。一方で、ほかの18団地におきましては、募集に対して応募がなかったという状況になっております。
〇米内紘正委員 この人口減少の中で、一般県営住宅の空き家率は19.2%ということでしたけれども、たしか15年前ぐらいだと5%前後だったと思います。それぐらい、空き家率がふえているということです。この辺はいろいろ考えていかなければいけないというところで、プランもつくっていらっしゃると思うのですけれども、あわせて、市町村営住宅の状況はどのように把握しているのか。例えば、戸数や、空き室率なども把握していらっしゃるのでしょうか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 市町村営住宅の状況でありますが、令和2年度末の国の調査結果によりますと、一般公営住宅及び災害公営住宅を合わせた市町村営住宅の管理戸数は1万5、932戸となっております。また、1万5、932戸のうち、計画空き家を除く空き家戸数は1、294戸でありまして、空き家率は約9%と承知しております。
〇米内紘正委員 市町村営住宅のほうがまだ空き家率が低くなっているのですけれども、合わせて2万戸以上の公営住宅がありますが、そして、これからの人口減少というところで、そして、建物の老朽化も進むため、より効率的な運営をしていかないと、全部修繕するには莫大なコストがかかってしまいますし、それをそのまま放置すれば廃墟みたいな形になって、そのエリアの価値を下げていってしまうと思います。その上で、今後の県営住宅をどうしていくのか、今、県ではどのように計画を立てているかお聞かせください。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県では、昨年度、岩手県公営住宅等長寿命化計画を改訂させていただきました。その中の基本方針といたしまして、将来の需要の見込み、沿岸部を中心といたしました災害公営住宅の整備を踏まえた公営住宅等の適正管理というところや、既存ストックの有効活用というところを位置づけておりまして、今後、老朽化が進む既存ストック、それから、災害公営住宅をつくったことによる管理戸数の増加も踏まえまして、県営住宅をどのように管理していくかというところを考えながら、進めたいと考えております。
〇米内紘正委員 例えば、その戸数の管理については、来年度はどういうふうに戸数を絞っていくというか、その辺は、具体的にもう決まっているのでしょうか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 改訂いたしました岩手県公営住宅等長寿命化計画の中では、計画期間が10年間と位置づけさせていただいておりますけれども、8アパート、518戸につきまして、用途廃止に向けた取り組みを進めていくという形にしておりまして、こちらは必ずしも10年間で用途廃止をするというわけではございませんけれども、管理戸数のほうが災害公営住宅の整備に伴いまして増加しているという状況を踏まえまして、こちらの用途廃止に向けた取り組みを進めていくということで考えております。
〇米内紘正委員 先ほど、一般県営住宅の空き家率も20%に近づいているということで、やはりその辺は考えていかなければいけないいところだと思います。
 ただ、現状、もう何十年もそこに住んでいる方がいらっしゃるので、この取り組みは結構難しくなっていると思います。
 そこで、それにどういうふうに取り組んでいくのか。例えば用途廃止をするに当たって、その転居等を進めていくのか、あるいは進めていく場合は、そこに移転の保証や、家賃の変化に対する補償など、その辺はどういうふうに考えているのか、お聞かせください。
〇小野寺建築住宅課総括課長 縮小、用途廃止いたします住宅団地における居住者への対応でありますが、県営住宅の性質上、特に居住の安定の確保が必要な方々が、安心して住まいを確保するということを目的に建設しておりますので、その辺を踏まえまして、県といたしましては、廃止や再編に伴いまして、住まいの移転が必要となる入居者の方につきましては、引き続き居住の安定が確保できますよう、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
 対応といたしましては、まず居住者に対してアンケートを行いまして、住まいの意向の把握を行った上で、説明会の実施とか、個別相談の対応、それから、生活の変化が小さくなるよう、近隣の公営住宅の空き家や民間賃貸住宅の紹介などとあわせまして、米内紘正委員からも御指摘がありましたとおり、移転費用については国との協議が必要になると考えておりますので、国との相談等を行いながら、進めてまいりたいと考えております。
〇米内紘正委員 長くそこの場所に親しんだ方もいらっしゃると思うので、ここは丁寧に対応していただければと思います。設備の充実している近くの新しい移転先ということであれば、応じてくださる方も多いのではないでしょうか。そういうことをしながら集約していって、集約したところにバリアフリー対応など、そこに集中して投資していく。そこで住みやすい環境をつくっていく。
 例えば、3割、4割空いている全ての団地に投資していくとなると、どうしても効率が悪くなってしまいますので、そういうふうに丁寧な対応をしながら、住んでいる方がより快適に住めるような対応をしていっていただければと思います。
 今のは、総戸数に対して少しずつ再編していくという観点ですが、それでも空いている戸数はかなり出てきているので、これからは、有効活用の施策についてお聞きをします。午前中に臼澤勉委員から、移住、定住政策の試みと成果については質問がありましたので、私からは、来年度に向けて、例えば拡充していくとか、あるいは新たに何か考えているものがあれば、お聞かせいただければと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 来年度に向けた県営住宅の有効活用策でありますが、現在県では、県営住宅の目的外使用ということで、いわてお試し居住体験事業を実施しておりますが、今後、入居者の定着に向けた状況や、今後の事業展開を把握するための基礎資料として、アンケートなどを行う予定としております。
 県といたしましては、引き続き、空き住戸など、県営住宅の既存ストックの有効活用を図りながら、このアンケートの結果を踏まえまして、県関係部局と連携の上、本県への移住、定住や県の施策に向けた取り組みを検討してまいりたいと考えております。
〇米内紘正委員 私は、建築住宅課のいろいろな取り組みは大変すばらしいものだと思っております。戸数ということでは大きな数字ではなかなかあらわれてはこないのですけれども、そこに大きな投資をしているわけではないので、大変効率がいいと思います。
 例えば、いわてお試し居住体験事業も合わせて25世帯、それも、県外あるいは関西地方からも申し込みがあるということで、例えば1世帯当たり年間200万円消費するとすれば、それだけで5、000万円の経済効果が県に生まれるわけなので、活用されてないものを使って、こうやって人を呼び込むのは、私はとても有効な政策だと思って、この目的外使用についてはどんどん進めていってほしいと思っております。
 ただ一方で、あまりやり過ぎると民間業者の圧迫にもなってしまいますので、その辺について、どういうふうな配慮をしていくかというお考えがあればお聞かせください。
〇小野寺建築住宅課総括課長 いわてお試し居住体験事業につきましては、入居期間を1年間という形で限定しております。その後、本格移住となった際には、民間の賃貸住宅の入居も想定されるものですので、本事業につきましては、将来的に、民間の賃貸住宅に居住する可能性のある世帯を、県外から県内に呼び込むものと考えておりますので、基本的には、民間業者の圧迫にはつながらないと考えております。
 また、住宅規模で考えますと、平成30年度の住宅土地統計調査によれば、岩手県の住宅総戸数は約58万戸、そのうち民間の借家は空き家を含めまして約14万戸となっております。一方、県営住宅の管理戸数は、6、860戸で、市場の規模から言っても、それほど大きいものではございませんので、民間への影響は極めて少ないと考えているところでございます。
〇米内紘正委員 最後に、県土整備部長にお伺いしたいのですけれども、今回、建築住宅課がやっているこの施策の取り組みは、県においては、結構新しいやり方ではないかと私は思っております。
 今、国では、行政改革推進会議で、アジャイル型政策形成・評価の在り方に関するワーキンググループがありまして、いわゆるトライアンドエラーを繰り返して、実装とテストを繰り返して、その政策をよりよいものにしていこうと。これまでの行政の職員の方のマインドセット思考は、失敗しないように失敗しないようにという、そういうところが働いていたと思うのですけれども、こうやって新しい政策をどんどんやっていって、目標に対してなかなか戸数が埋まらない、だったらこうしていこうというような。1回失敗したから、もうそこで終わりではなくて、どんどん新しいことにチャレンジしていくということを始めるきっかけにしていってほしいのです。
 例えば目的外使用についても、全国を見るといろいろあります。県営住宅をサーファー向けの住宅にするとか、これはやっていらっしゃるかもしれないけれども、グループホームとして一緒に開発するとか、いろいろなコンセプトを持たせているのです。
 学生のルームシェア用や留学生用とか、子育て専門とか、そういういろいろなコンセプトで取り組んでいるところがあるので、どんどん新しい取り組みを進めていただきたい。
 そして、先ほども申しましたけれども、大きな投資がかからない、何億円で建物を建てます、何十億円でやりますというものではなくて、例えばWi−Fiの設置にしても、数万円から十数万円というところでやっていけるもので、この取り組みをどんどんふやしていってほしいと思うのですけれども、県土整備部長のお考えをお聞きします。
〇田中県土整備部長 いろいろ教えていただきまして、ありがとうございます。
 県土整備部としては、今まではどちらかというと、つくるほうに注力をしていて、人口減少とかそういったトレンドが変わってきている中で、既存ストックをどう活用していくかとか、あるいは縮小していくというところを、次に考えていかなければだめなのですけれども、そういう意味では、今、住宅行政は、県土整備部の行政の中でも、先端のほうにあると言っていいと思っています。
 そういった中で、新しいチャレンジというか、既存ストックを活用しながら、人を呼び込んで岩手県に住んでもらうという取り組みは、人口減少という県庁全体の課題の中で、住宅行政としてやり始めて2年目になっている事業もありますし、今回始めたいわてお試し居住体験事業もありますが、たくさん応募をいただいているところは、それはニーズをきちんと調べて、次の改善なり、拡大なりにつなげていきたいと思いますし、まだ住んでいただけないところがあるのであれば、そこもしっかりニーズを捉えて、どうしていったらいいのかというのは常に考えていって、よりよい施策として、引き続き取り組んでいきたいと思います。
〇名須川晋委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時20分 休 憩
午後2時42分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 それでは最初に、災害公営住宅の課題についてお聞きいたします。まず家賃問題ですけれども、今年度の4月から、収入基準の引き上げが行われました。これは、入居者にとって大変重要な一歩だったと思います。しかし、この実態をまずお聞きをしたい。対象となった世帯、ならなかった世帯の状況、それによって退去された例はどのように把握されていますか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 家賃問題についてでありますが、県営災害公営住宅につきまして、本年4月の収入基準の引き上げにより、裁量世帯となった世帯は、本年9月末時点で62世帯となっております。
 また、収入基準の引き上げ後も、収入超過認定されている世帯につきましては、31世帯となっております。
 なお、収入基準の引き上げ後も収入超過認定されている世帯で、本年4月以降に退去した世帯は、3世帯と把握しております。
〇斉藤信委員 約7割が裁量世帯で、対象になった、所得に応じた家賃になったと。一方で、25万9、000円の基準を超える超過世帯もありますので、今の答弁だと、3世帯が退去したということです。
 私も聞いているのですけれども、例えば、40代の現役世代で、自治会の副会長をやっている方は、残念ながら対象世帯にならなくて7万円の家賃になった。それでも、災害公営住宅に残って頑張っているそうです。
 一方で、これも40代ですけれども、8万円の家賃でもう出ざるを得なかったという事態も生まれております。
 災害公営住宅は、収入基準なしに入居ができます。しかし、これは3年ですね。その後、収入基準を超えていれば、今までだったら15万8、000円でしたが、収入基準が引き上げられて25万9、000円となりましたけれども、ついの住みかとして考えて入居したにもかかわらず、収入超過世帯となると倍近い家賃になるのです。7万円になったら、もう家を買ったほうがいいとか、建てたほうがいいとか、中古住宅を買ったほうがいいということになるのです。そうすると、夫婦で共働きをしている現役世代は残れない。自治会の担い手もいなくなる。私は、こういう点で、災害公営住宅に入居された被災者の入居者の方々、25万9、000円を超える方々も引き続き入居できる、いわゆる先ほども議論になった目的外使用ですね。やはりこれを考えるべきではないのかと思います。
 既に陸前高田市では、中堅所得層を対象に、みなし特定公共賃貸住宅を数年前から導入しています。先ほど聞いたら、9月末現在、38世帯が入居しているという実績があるわけですから、私は、被災者限定でもいいので、本当に入居を続けたい方々が入居を続けられるような対策を検討すべきだと思いますけれども、いかがですか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 退去を防ぐ方法といたしまして、みなし特定公共賃貸住宅制度の導入ということでありますが、このみなし特定公共賃貸住宅制度は、中堅所得者向けということで、被災者や本来対象とする所得階層の方々の入居に影響を与えないことが条件となります。
 退去防止やコミュニティーの維持ということでは、斉藤信委員から御指摘がありましたとおり、目的外使用によりまして、全国的にも、高齢者の見守りやコミュニティーの活性化という使い方もされているところでございます。また、みなし特定公共賃貸住宅というやり方もございます。
 どちらのやり方がいいかというのは、本来入居者に対して影響がないような形で制度を導入していくことが必要になってきますので、この辺は、本年4月に収入基準を引き上げの特例措置を講じさせていただきましたので、この辺の特例措置の状況やコミュニティーの状況を見ながら、把握に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 先ほども議論になったのですけれども、県営災害公営住宅で、これは管理戸数1、760戸、入居世帯1、473戸、入居率83%です。空き室は287室です。これは新しい災害公営住宅ですよ。こんなに空いているときに、そして、今入っている方々は、高齢者が約4割、高齢世帯が55%、独居世帯が34.3%、3世帯に1世帯は高齢者です。5年、10年たったら亡くなってしまうとか、施設に入ったりするのです。これからもっと空き室はふえるのですよ。
 だから、積極的活用を今から考えなければならない。移住、定住で呼び込むのも積極的対策です。しかし、今入っている人たちを追い出すようなことがあってはならないと。私は、この対策は最優先で考えるべきだし、先ほど紹介したように、陸前高田市ではやっていて現役世代が38世帯入っているわけです。
 そして、私が紹介したように、今、7万円の家賃で副会長を頑張っている方もいます。そういう現役世代に自治会活動を支えるような条件をつけても私はいいと思うのです。しかし、追い出すようなことがあってはならない。
 そういうことで、県土整備部長、私は2月にも聞いたけれども、収入基準引き上げは評価するけれども、追い出すような状況をつくらない。積極的に空き室を活用する、そういう対策を最優先で早急に考えるべきではないですか。
〇田中県土整備部長 令和4年4月から割り増し家賃が発生する収入超過者の認定に係る基準額を15万8、000円から、公営住宅法で定める上限額である25万9、000円に引き上げさせていただいています。
 この25万9、000円は、全国の2人以上の世帯の収入を低い順から並べて、ちょうど真ん中にある位置になっているのが25万9、000円でありまして、これを超える収入の方は、収入が上位にある世帯となっています。
 災害公営住宅は、もともと収入の低い世帯を対象として入居していただくものでありまして、公営住宅法では、この25万9、000円が上限となっているものです。そうは言っても、なるべく出ていただかないようにということで、25万9、000円を超える高額所得者の方でも、退去を求めない措置は講じさせていただいていますが、既存ストック活用の観点、それから、コミュニティーの活性化の観点は、大事なところだと思っています。今いわてお試し居住体験事業でも、陸前高田市の県営住宅に入居していただいていましたので、そういったところも広く周知していくなど、なるべく活用していただくようなことを考えていきたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、目的外利用ということで提起したのです。それで、陸前高田市の住宅にも移住、定住で入ったと。私は、自治会と懇談したのです。残念ながら自治会の方と連絡をとっていないのです。そこは大いに力が発揮されるようにしていただきたいし、もう最優先の課題で、被災者の方々が追い出されることがないようにということを、私は実例も示したのだから。陸前高田市の実績も示しました。287戸の空き室を積極的に活用し、自治会のコミュニティーも確立するということで考えていただきたい。
 次に、集会所の活用状況について、どうなっているか示してください。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県営災害公営住宅の集会所の活用状況についてでありますが、県が管理しております災害公営住宅29団地の集会所の活用状況につきましては、令和4年度第2四半期の一月当たりにおきまして、4回以下が24団地、15回から20回が5団地となっているところでございます。
〇斉藤信委員 29団地のうち、4回以下が24団地とのことです。実は、ゼロから2回というのが19団地なのです。4回は週1回ですよね。これは2団地です。月1回ということは空いてない、あかずの間になっているということです。
 立派な集会所がどこでもつくられています。阪神淡路大震災で孤独死を出したという教訓から、これは、県営、市営の災害公営住宅で立派な集会所がつくられて、生活支援相談員の部屋まで準備されました。しかし、それが今、こういう形で使われてない。これは何が原因なのか。
 実際に使われているところは、大沢、上町、緑町、栃ケ沢、南青山の生活支援相談員が入って支援しているところなのです。生活支援相談員が入っているところは、15回、20回活用されている。こんなに違いがはっきりしているのだったら、しっかり生活支援相談員を配置すべきです。災害公営住宅のひとり暮らしが、もう3世帯に1世帯ですよ。孤立化、孤独化、本当に大変な状況の中で、人を配置するところは、保健福祉部地域福祉課だと思うけれども、災害公営住宅の集会所を活用するのはあなた方の仕事ですから、本当に連携をとって、これをしっかり改善すべきではないかと思いますが、いかがですか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 斉藤信委員御指摘のとおり、保健福祉部や復興防災部と定期的に意見交換させていただきまして、コミュニティー活動の状況については、情報共有に努めているところでございます。
 その中で、支援員や生活支援相談員の配置につきましては、集会所を積極的に活用していただいても構わないというところは繰り返し申し上げておりますので、もしも、そのような配置をしたいということがありましたら、連携して、活用の促進に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 阪神淡路大震災のこの教訓を岩手県は生かすべきです。阪神淡路大震災のときには、集会所はなかったのです。しかし、東日本大震災津波では、そういうスペースは確保されたのです。確保されたけれども活用されなかったなどという教訓をつくっては、私は絶対だめだと思うのです。
 そして、孤独死を出さない。コミュニティーがこれによって自治会でしっかり確立されたという前向きの方向で、このことを打開すべきではないですか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 阪神淡路大震災や孤独死の問題というところは、私どもも認識しておりまして、県土整備部といたしましては、今、岩手県立大学との共同研究で、南青山アパートに番屋という支援組織がありますけれども、そちらと連携をとりながら、どのようなやり方で、公営住宅のコミュニティーの維持や、見守りといった取り組みを進めていけるか。また、その支援団体についてやはり問題になるのは、支援団体の費用であり、今は盛岡市に南青山の番屋の費用を負担していただいていますけれども、その支援団体が自立できるような組織、制度にしないと、なかなか厳しいと思いますので、その辺は継続して研究してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 この間ずっと災害公営住宅のコミュニティー支援にかかわってきた船戸義和さんは、岩手大学の特任助教授でしたけれども、今はNPOの活動をしています。被災者がいろいろなところから集まっている、高齢化も高い、そういう災害公営住宅は、被災者に任せていたら、自治会の確立もコミュニティーの形成もできません。行政の支援が大事とのことです。今、生活支援の事業費もあるのだから、これを積極的にしっかり活用する。生活支援相談員が配置されれば、それなりのコミュニティーの形成の力になることははっきりしているわけだから。そういうことでやっていただきたい。時間がないので次に入ります。
 住宅の断熱化を進める取り組みはどうなっているか。岩手県住宅マスタープランを見ても、岩手県がどういう高いレベルの住宅を目指しているのかどうも見えない。先進県の取り組みはどうなっているか。先進県並みの住宅の断熱化の推進と、補助制度の実現を図るべきだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 住宅の断熱化を進める取り組みについてでありますが、斉藤信委員御指摘のとおり、岩手県住宅マスタープランにおきまして、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組むとしております。
 それを踏まえまして、まずは、本県といたしましては、本年度から省エネ住宅の普及を加速するために、建築士や工務店を対象といたしました、省エネ基準に係る県主催の講習会の実施、既存住宅の省エネ化に係る設計、改修等への補助を実施させていただいております。
 また、先進県の取り組みについてですが、鳥取県や長野県において、現在の省エネ基準を超えるZEH基準をさらに超える、独自の省エネ基準を設定して取り組んでいることも承知しているところでございます。
 そして、先進県並みの本県の住宅の断熱化の推進と補助制度でありますが、国におきましては、ZEH基準による住宅を、既存ストックも含めた平均で2050年に確保するという方針を示しているところでありまして、この方針の実現に向けまして、新築住宅につきましては、2025年には省エネ基準の義務化、2030年にはZEH基準が適用という形になっているところは承知しております。県といたしましては、鳥取県や長野県のように、ZEH基準を上回る省エネ住宅について、2050年カーボンニュートラルを達成する上で非常に重要な視点と考えておりますので、先進県の取り組み事例を参考にさせていただきまして、本県の基準の方向性につきまして、今後、岩手県住宅政策懇話会などで意見を聞きながら、検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 前向きな答弁だったと思います。今、岩手県地球温暖化対策実行計画の見直しとセットで、そういう方向性が示されるようにお願いいたします。
 最後に、住宅リフォーム助成事業で、宮古市の取り組みだけ紹介してください。どういう取り組み、実績になっているか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 住宅リフォームに係る宮古市の取り組みの状況ですけれども、宮古市におきましては、県で今把握しているところでは、地域木材の利活用の促進というところと、経済対策としてのリフォーム補助金を実施しているということを把握しております。
 内容につきましては、上限額がそれぞれ10万円、30万円、70万円という形になっておりまして、補助実績といたしましては、1、900万円余となっております。
〇千田美津子委員 私からは、大きく3点質問いたします。まず、通学路の整備、安全対策についてお聞きいたします。
 昨年、千葉県八街市で児童5人が死傷した事故後、関係機関の連携による通学路の合同点検が実施されております。この点検によって、昨年度から整備が実施されていると思いますけれども、その状況はどうなっているか。また、未整備の場所がどれだけあって、それらの整備の終了はいつごろとなる見込みか、お聞きをいたします。
〇菅原道路環境課総括課長 通学路の合同点検による整備、安全対策についての御質問でございますが、昨年千葉県八街市で発生いたしました交通事故を受けまして、教育委員会、道路管理者、警察等による合同点検を昨年11月までに実施いたしまして、点検の結果、歩道の設置や防護柵の整備、あるいは路面標示など、県が道路管理者として対策を行うべき箇所が113カ所となったところでございます。
 この対策につきましては、10月末時点で、91カ所、約81%の対策が完了しておりまして、12月末までには、106カ所、約94%の対策が完了する見込みとなっております。残る7カ所につきましては、新たな歩道の設置などに伴う詳細設計や、用地取得などの対策を終えるまでに一定の時間を要する見込みでありますことから、これらの箇所につきましては、今年度内に注意喚起を促す看板を設置するなどの対策を行うこととしております。
〇千田美津子委員 12月までに94%、106カ所が整備をされるということで、残る7カ所が、新たな歩道の設置等、時間を要するということで、注意喚起の看板を設置するということですが、実は文部科学省の全体的な対応としての事務連絡で、点検による整備必要箇所は、全体で7万6、404カ所、そのうち4万5、057カ所、約59%が全国では終了したと。ただ、未実施のところについては、令和5年度末までに完了をという通知を出しております。
 歩道設置や周りの状況などの関連で、なかなか難しいところはあるかもしれませんけれども、令和5年度末までの完了についてはどうでしょうか。
〇菅原道路環境課総括課長 千田美津子委員からお話があったこの対策につきましては、国から、令和5年度末までにという通知が来ているのは、そのとおりでございます。
 繰り返しになりますが、用地や設計を進める段階ということで、国の通知を踏まえまして、それに向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 わかりました。よろしくお願いします。
 それでは次に、いわて県民計画(2019〜2028)の実施状況では、令和4年度までに整備しなければならない通学路の目標値は8.8キロメートルとなっておりますけれども、そのうち県として急ぐべき箇所数については、どのようになっているか。
 それから、この間、県教育委員会の関連指標の中で、子供たちの自家用車による送迎がふえているということがありました。また、学校統合等も進むことによって、子供たちがスクールバスでの登校となり、通学路の見直しも行われていると思うのですが、どのような状況にあるか、把握していますでしょうか。
〇菅原道路環境課総括課長 県では、いわて県民計画(2019〜2028)の第1期アクションプランにおきまして、小学校の通学路に指定された県管理道路で、市町村が策定する通学路安全プログラムに位置づけられた箇所などにつきまして、歩道整備を優先的に進めることにしておりまして、現在、一般県道衣川水沢線の奥州市胆沢恩俗地区など24カ所で、対策を進めているところでございます。
 また、スクールバス利用による通学路の見直しの状況についてでありますが、これにつきましては、県では、交通安全施設等整備事業の推進に関する法律に基づきまして、指定する通学路の見直しにつきまして、昨年の3月、国からの事務連絡を受け、昨年度に見直し作業を進めたところでございます。この見直しの結果につきましては、ことし4月には、国から指定告示がされている状況でございます。
〇千田美津子委員 その指定告示によって、岩手県が具体的にどのように対応していくのかについて、お知らせいただきたいと思います。
〇菅原道路環境課総括課長 これらの通学路の見直し結果に基づきまして、市町村において策定いたします通学路交通安全プログラムの中に位置づけられた箇所などを、引き続き優先的に、歩道の整備などの安全対策を進めていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 全国では、過去5年間に児童900人が、死亡あるいは重傷事故に巻き込まれております。子供たちの安全確保は、いろいろな理由はあるとは言っても、できるだけ早期に整備をしていくことが重要だと思います。
 それで、ことし3月に改訂された岩手県道路事業実施計画を見ますと、通学路関係の整備中の箇所は、歩道整備が20カ所で、事業費として約45億円、歩道を含む道路改良が3カ所あると見ました。これらの整備でまず着手している部分を急ぐことが重要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇菅原道路環境課総括課長 児童生徒の通学路の安全対策は、極めて重要な課題だと認識しております。したがいまして、限られた予算の中ではありますが、引き続き、これら交通安全対策について、優先的に、着実に進めてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 では、よろしくお願いいたします。
 二つ目は、県営住宅の長寿命化についてお伺いをいたします。先ほど来、質疑がありましたけれども、長寿命化計画の基本方針として、公営住宅の供給は、原則として、市町村において実施することとありました。これはどういう考え方なのか。それから、これに対する市町村の受けとめはどうなっているか、お聞きをいたします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 岩手県公営住宅等長寿命化計画を改訂する際に当たりまして、公営住宅の供給に関する県と市町村の役割分担ということで書かせていただいたところだと考えております。
 まず、基本的な考え方の役割分担といたしまして、地域の住宅需要の課題に対するための公営住宅の供給は、原則として、市町村において実施することとしております。これは、地域の住宅事情や住宅の需要を把握しているのは市町村ですので、基本的には、市町村にお願いしたいというものでございます。
 また、全国的または県全体に係る問題については、県が取り組むとしておりますので、地域的な課題につきましては、市町村にお願いしたいというものでございます。
〇千田美津子委員 その場合、市町村は財政的な面で限界があるわけです。それらに対しては、県は相当な支援をしていくのだと思いますが、その点と、それから、市町村の受けとめはどうでしょうか。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県もそうですけれども、市町村におきましても、今は、建てかえ事業はなかなか進まない状況であります。その中で、市町村に対する支援というところでありますが、新しくつくるに当たっての導入につきましては、建てかえに関して、PFIとかPPPといった、新しい取り組みが全国的にもあります。そういったものを紹介して、なるべくコスト縮減に努めながら供給していくというやり方を、国を通じてですけれども、情報共有させていただいているところでございます。
 これに対する市町村の受けとめですけれども、岩手県公営住宅等長寿命化計画を改訂する際に、一通り市町村を回って説明させていただきました。特に今回、計画期間内に用途廃止をするという取り組みもさせていただくということで、この辺は市町村に丁寧に説明させていただきましたけれども、この中で否定的な意見はなかったと考えていますし、特に盛岡市におきましては、岩脇緑が丘アパートがございますけれども、北上川の浸水想定区域の中に入っておりますので、ここにつきましては、お住まいの方の安全性などを考えまして、廃止するということを伝えるとともに、隣接する市営住宅の廃止につきましても、連携して取り組むこととしております。
〇千田美津子委員 先ほども、米内紘正委員から質疑がありましたけれども、市町村に対して、それから、今、住んでいらっしゃる住人の方々に対しても、丁寧な説明と配慮が必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そういう中で、令和3年度の県営住宅の長寿命化型改善及び建てかえ戸数が、指標でC評価となっています。その理由は、令和3年度において、岩手県公営住宅等長寿命化計画の見直しを行ったために、令和3年度の建てかえ予定の県公営住宅が用途廃止になったためとあるのですけれども、同じ年に見直しをして、その年に建てかえ予定だったものがなくなるということは、本来あり得るのでしょうか。これについて御説明をいただきたいと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 岩手県公営住宅等長寿命化計画を令和3年度に改訂させていただきましたが、この計画の策定前までは、災害公営住宅の供給を、県として進めてまいりまして、沿岸部、あわせまして、内陸部においても、盛岡市、北上市、奥州市、一関市で供給させていただきました。また、供給におきましては、もともと前計画で建てかえ予定でありました盛岡市の備後第1アパート、一関市の駒下アパートにつきましては、建てかえを災害公営住宅に振りかえて供給させていただいたという経緯もあります。前計画において、令和3年度までに、備後第1アパートを含む3アパートについて、建てかえしますという計画がありましたが、災害公営住宅の供給によりまして、その辺の計画が少し早まったというところがございましたので、今回、計画の見直しにあわせまして、建てかえのほうを見直したということでございます。
〇千田美津子委員 了解いたしました。もっと丁寧なやり方はないのかという気がしたのですが、説明をいただいてわかりました。いずれ、今後、丁寧な対応をぜひよろしくお願いいたします。
 3点目ですが、土砂災害警戒区域について、きょうも議論がありましたが、お聞きをしたいと思います。
 まず、土砂災害警戒区域の指定状況について、令和3年度末、それから、ことしの9月までの状況についてお知らせください。
〇戸来砂防災害課総括課長 土砂災害警戒区域の指定状況についてですが、令和3年度末におきましては、指定が必要な1万3、305カ所に対しまして、1万3、302カ所を指定したところでございます。
 また、令和4年9月末時点の指定状況につきましては、1万3、303カ所。その指定率は99.98%となっております。
〇千田美津子委員 昨年の9月の指定率は84.5%だと、私は認識していました。1年後、ことしの9月末では99.9%ですか。未指定が2カ所だけになったわけですね。この間、実に2、000カ所を1年間で指定されたということで、本当に大変な仕事をみんなで協力してやったということで、関係の皆様の御努力に本当に敬意を表したいと思います。
 ただ、先ほどもお話ありましたが、9月30日に新たな土砂災害が発生するおそれの箇所が発表されました。それが5、668カ所で、また来年度さらにふえるということで、大変な事業だと思います。
 ただ、本当に市町村の方々と連携をし、特に、指定率が低かった沿岸部に対して、この1年間で60%台のところから100%まで引き上げたということは、本当にすばらしい取り組みをされたと思います。
 これからのところもかなり多いわけですが、何とかみんなで協力をしてやっていただきたいと思います。ただ、いかんせん、先ほど千葉絢子委員からもお話あったように、予算と体制が不足していると私は思います。
 そういった意味では、ぜひ予算を獲得し、体制も充実させて、市町村にしっかり支援をしていくということが、これまで以上に必要になってくると思いますので、その点、県土整備部長にお聞きして終わりにしたいと思います。
〇田中県土整備部長 先般、公表させていただきました、新たな土砂災害が発生するおそれのある箇所は、岩手県だと、令和元年台風第19号でも、警戒区域に指定してなかったところでも、2割程度土砂災害が発生しており、全国でも似たようなところがあることも含めまして、今の高精度な測量で、新たな危険箇所として抽出したものです。
 これから、これを区域指定するということで取り組んでいくわけですが、その前には、現地の測量をして、そのエリアを詳細に決める必要があります。それが基礎調査というものですが、それを経て、警戒区域の指定という手続になっていくわけですが、それには一定の予算、それから、マンパワーが必要になってまいります。
 これまでの1万3、000カ所余りのところも、土砂災害対策のソフト対策として、現場事務所も本庁も、また市町村にも当然協力をいただきながらやってきましたので、これから新たな部分につきましても、同じような体制をとって、速やかな指定に向けて取り組んでまいりたいと思います。
〇名須川晋委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇小野寺建築住宅課総括課長 先ほどの斉藤信委員へのリフォーム事業に関する答弁を補足、修正させていただきます。
 宮古市のリフォーム助成ですけれども、内容につきましては、木材利用及び経済対策リフォームということでございますけれども、その件数ですけれども、令和3年度2、010件、実績額といたしましては1億8、890万円という形になっております。
〇小林正信委員 私からは、流域治水について、令和3年度は、二つの水系でのプロジェクトを充実させてきたと伺いましたけれども、令和3年度の取り組み状況、また、取り組みの推進によってどのような効果が得られたのかという点、また、小本川における取り組みも充実させてきたところと思いますけれども、それらを含めてお伺いしたいと思います。
〇馬場河川課総括課長 流域治水の取り組み状況についてですが、近年、激甚化、頻発化する自然災害から県民の生活や財産を守るため、流域のあらゆる関係者が、ハード、ソフト両面にわたり協働して取り組む、流域治水を推進することが、重要と認識しているところです。
 このため、流域治水に取り組む実施主体や対象、内容、工程表を示しました流域治水プロジェクトにつきまして、県においては、二級水系の小本川水系を対象として、令和3年3月に策定公表したほか、令和3年度には、気仙川など4水系でも策定公表したところでございます。
 小本川水系におきましては、令和3年度には、新たに、森林整備の関係機関、そして、岩泉町の小本地区の自主防災協議会などの地域で、防災活動に取り組む民間団体の皆様にも参画いただき、協働体制の強化を図ったところでございます。
〇小林正信委員 小本川でも、この民間団体との取り組みが深まってきたということで、やはりソフト面の充実も大事だと思います。ソフト面の部分の河川情報の共有とか、あるいは住民や学校への出前講座とか、タイムライン防災の意識向上とか、そういったものがあって初めて、流域治水が機能するのだと思います。
 その部分では、復興防災部等との連携の状況が大事だと思いますけれども、この流域治水を柱とした他部局との連携状況について、お伺いしたいと思います。
〇馬場河川課総括課長 他部局との連携についてでありますが、小本川流域におきましては、岩泉町が防災士などの地域リーダーの育成を行っているほか、高齢者利用施設に隣接する事業者や自治会が、災害時の避難行動を支援する協定を締結し、地域全体で安全かつ速やかな避難につながるよう、日ごろより訓練を行っているところでございます。
 また、国とともに取り組んでおります北上川流域の流域治水におきましては、矢巾町におきまして、地域の農業従事者の協力を得ながら、水田への雨水貯留により洪水被害を軽減させる、いわゆる田んぼダムの実証事業等の取り組みを行っているところでございます。
 このほか、各水系におきましては、森林整備や治山対策など、各部局においてさまざまな取り組みを行っていますことから、流域の関係者で組織する流域治水協議会の場を通じて、連携を図っているところでございます。
〇小林正信委員 ぜひ、ソフト面の充実も中心となって進めていっていただきたいと思います。小本川以外の二級河川においても、プロジェクトが進んでいるということだと思います。
 ただ、堤防の強化とか、河道掘削、あるいは水位計の整備などの整備予算、また、地域住民との協働における人材の確保等、さまざま課題もあると思います。そして、予算の確保、人材確保等、この課題をどう捉えて、流域治水の取り組みをどう進めていくのか、そういったあたりをお伺いしたいと思います。
〇馬場河川課総括課長 流域治水対策を進めていくに当たっての課題でありますが、小林正信委員御指摘のとおり、予算についてもしっかりと国に働きかけていく必要があると考えております。
 河道掘削等につきましては、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を利用しながら、進めていきたいと考えております。
 また、計画規模、あるいは現在の施設規模を超えるような雨が降る場合もありますが、そういったときには、流域のあらゆる関係者で対応していく必要があると考えておりますので、今後も引き続き、流域治水の取り組みを深めていったり、広げていったりという対策をとっていきたいと考えております。
〇小林正信委員 この流域治水の考え方は、県民の命を守る上で重要なものと思いますので、ぜひ充実をさせていっていただければと思います。
 続きまして、災害時の住居確保、また、平常時には移住、定住の促進にも活用できるコンテナ型の移動可能住居、いわゆるムービングハウスの取り組みについてお伺いします。まず、県内における状況についてお伺いします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 ムービングハウスの県内の状況についてでありますが、県内におきましては、岩手町におきましては、町の総合運動公園内に、現在、3棟設置しているというところは承知しております。
 岩手町では、これまでこの3棟を避難所的施設ということで利用してきたようですけれども、10月からは、ホテルという形で利用すると聞いているところでございます。
〇小林正信委員 岩手町では、今おっしゃったように、森のアリーナに設置されておりますけれども、季節が変われば、また、別の眺めのいいところに移動することもできる。移動するホテルといった趣であります。
 また、岩手県の民間企業では、独自のムービングハウスを作成して、幕張メッセで行われたソサエティー5.0の総合展と言われているCEATEC2022において、このムービングハウスがグランプリを受賞したということで、全国的にも、あの東日本大震災津波を経験した岩手県のムービングハウスの取り組みが注目されているものと思いますけれども、県としての取り組みの促進について、これまでどのような検討がなされてきたのか、お伺いしたいと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 ムービングハウスに対する県の取り組み、検討状況ですけれども、一定の住環境や電気設備が付属いたしまして、さらに、移動や設置が容易なムービングハウスにつきましては、災害時の応急仮設住宅としての活用も有効と考えております。
 県といたしましては、ムービングハウスを災害時の応急仮設住宅として活用するに当たりまして、移動や設置などの導入の仕方、それから、東日本大震災津波の際に必要となった追加工事、ひさしを設置したり、風除室を設置したりというような、追加工事が必要になりましたけれども、こちらの要否、それから、その設置工事に対する対応、設置後の維持管理や、他県の協定締結の状況などを踏まえながら、活用のあり方の検討を進めていくということで考えているところでございます。
〇小林正信委員 本年夏の豪雨災害で、新潟県村上市では、被災した市民に対して、仮設住宅としてムービングハウスを活用し、短期間で整備、入居が進んだとのことです。この背景には、常時、新潟県が民間団体との連携を進めてきたことが大きかったと思います。
 協定締結というお話もありましたけれども、豪雨災害が多発する広島県や群馬県、またはお隣宮城県や秋田県は、民間団体との連携協定を結んで、災害時の備えを充実させる、民間活力の導入を図っているということでございます。
 こうした連携協定のあり方など、今後、ムービングハウスの取り組みについてのお考えをお伺いしたいと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 日本ムービングハウス協会と災害時の協定の締結状況ですけれども、都道府県レベルでは、6月30日現在ですけれども、10団体が締結しているということは承知しております。
 今後の取り組みへの考え方ですけれども、繰り返しになりますけれども、ムービングハウスにつきましては、応急仮設住宅としての活用も有効であると考えているところでございます。
 なお、その活用に当たっては、移動や設置などの導入の仕方、東日本大震災津波の際に必要となりました追加工事の要否と対応、それから、設置後の維持管理などを考えながら、活用のあり方を引き続き考えてまいりたいと思います。
〇小林正信委員 民間団体との連携というところについて、他県においては、連携協定してもお金かからない、何かあったら民間の力を借りるということで、結構軽いのりで結んでいるイメージがあるのです。岩手県は、民間活用、民間との連携に少し消極的な部分があるのではないかと思います。佐々木朋和委員の質疑でも、PPP/PFIプラットフォームの整備に結構後ろ向きだった印象がございます。
 連携協定についてはしっかり結んでいくべきではないかと考えておりますけれども、そのお考えをお伺いしたいと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 民間との連携についてでありますが、まず、応急仮設住宅に対する考え方というところで答弁させていただきますけれども、昨年度改定いたしました岩手県住宅マスタープランにおきましては、東日本大震災津波の経験を踏まえまして、頻発、激甚化する災害への対策の検討を進める中で、応急仮設住宅の供給に当たりましては、現在、県では1団体だけの供給主体と締結しておりますけれども、1団体だけですと、整備に時間がかかることがありましたので、この辺の経験を踏まえまして、多様な供給主体との協定締結による迅速な建設を位置づけたところでございますので、民間との協定につきましては、引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 ぜひ、積極的にお願いいたしたいと思います。
 次に、県営住宅について。県として、公営住宅の長寿命化計画をもとにして整備を進められているものと思います。管理コストの適正化、ライフサイクルコストの縮減、事業の平準化、修繕、点検の実施など、長寿命化に関する基本方針に沿って、令和3年度はどのような取り組みが実施されたのかお伺いします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 長寿命化計画を踏まえました令和3年度の取り組みでありますが、岩手県におきましては、昨年度の岩手県住宅マスタープランの改訂、公表にあわせまして、県営住宅の計画的かつ確実な維持管理、事業の推進による長期間にわたる有効活用と、ライフサイクルコストの縮減を目的といたしまして、岩手県公営住宅等長寿命化計画の見直しをさせていただきました。
 計画では、令和3年度から令和12年度までの10年間の計画期間におきまして、奥州市の内匠田アパートの改善事業を含む13アパートにおける修繕、改善事業の実施のほか、8アパートについて、用途廃止に向けた取り組みを行うこととしておりまして、令和3年度におきましては、花巻市の天下田アパートと奥州市の内匠田アパートの改善事業を実施させていただいております。
〇小林正信委員 岩手県の県営住宅は、1970年代後半から80年代前半に建設されたものが多い。建てかえが必要な県営住宅がかなり集中する時期を今後迎えると思います。先ほどもお話がありましたけれども、長寿命化計画にも、建てかえの実施方針の中に、PPP/PFIなどの民間事業の積極的な活用を検討とあります。県営住宅におけるPPP/PFIの活用についてのお考えをお伺いしたいと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県営住宅事業におけるPPP/PFIの導入への考え方についてでありますが、こちらは民間の創意工夫を活用いたしまして、なおかつ、効率的かつ効果的な公共施設の整備を進めるため、PPP/PFIの手法の導入は、有効な手段の一つと認識しております。
 国からは、導入事例の紹介や、導入の検討に当たっての可能性調査の費用の補助などもあるところでございます。同手法のほかの自治体の導入事例につきましては、本県の現在の計画では、計画がない建てかえ事業における活用がほとんどでありますので、本県が現計画で位置づけております既存住宅の改善事業におきます導入の可能性につきまして、事例の把握等の研究をしてまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 今の長寿命化計画では、建てかえの部分はまだないということですけれども、他県の状況を見ると、建てかえにおいて、十分な予算や組織、人員の確保が困難だと。県としても、市町村にもしっかりPPP/PFIという手法についてアナウンスもしているということでしたので、この建てかえの大量更新期を迎える前に、十分に民間活用の手法の研究、検討をしっかり進めていっていただきたいと思います。
 先ほど、空き住戸についての質疑がありましたけれども、例えば群馬県では、県営住宅を改修して障がい者のグループホームにするとか、シングルマザー用のシェアハウスにするといった活用事例もあるそうです。
 岩手県でも、先ほどもありましたけれども、南青山アパートでは、盛岡復興支援センターが入られて、さまざまな支援をやっていらっしゃいます。今後、こうした例のように、県としても、団体や企業の入居やそのための整備など、空き部屋の有効活用を積極的に進めていくべきと考えますが、県のお考えをお伺いします。
〇小野寺建築住宅課総括課長 県営住宅の空き住戸の活用につきまして、現在県では、県営住宅の目的外使用の制度を活用させていただきまして、令和3年度からは、若者の住宅支援というところを目的とした県営住宅活用促進モデル事業を実施しております。
 また、本年度からは、人口減少社会への対策といたしまして、本県への移住、定住促進を目的とした、いわてお試し居住体験事業を実施しております。
 このような目的外使用による活用ですとか、さまざまな既存ストックの活用というところにつきましては、国からも、目的外使用については柔軟に対応するということでお話をいただいておりますので、この辺は、民間活用やさまざまな取り組みを検討してまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 公営住宅は、困窮世帯とか、住宅のセーフティネットの役割があると思います。そういった困窮世帯の支援などを充実させるような、空き部屋の活用が今後もっと必要になってくるという気もしますので、ぜひとも、取り組みの充実をお願いしたいと思います。
 最後に、いわてお試し居住体験事業の取り組みについてですけれども、先ほど臼澤勉委員から質疑があって、手続中も含めて25戸と伺いました。もう少し詳しくお伺いしたい。この25戸の内訳は、県北、沿岸、県央、県南のどこの地域が多くて、どこの地域が少ないのかというあたりについてお伺いしたいと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 いわてお試し居住体験事業の実績の内容についてでありますが、まず、当初募集いたしました15戸の入居アパートにつきましては、盛岡市が4戸、花巻市が3戸、北上市が3戸、奥州市が2戸、大船渡市が3戸、宮古市が1戸という形で、広く活用していただいていると認識しております。
 済みません、当初の実績といたしまして、北上市は2戸という形でございます。
 続きまして、追加募集といたしまして、盛岡市が2戸、花巻市が2戸、北上市が1戸、奥州市が1戸、大船渡市が1戸、釜石市が2戸、大槌町が1戸という形で、こちらにつきましても、沿岸部、県内陸部含めまして広く活用していただいているものと考えております。(後刻訂正あり)
〇小林正信委員 今、幅広く活用されているということでしたけれども、特に人口減少の幅が大きいながらも、さまざまな魅力を持っている県北、沿岸地域の移住、定住を促すという点で、これは、実は有効なのではないかと思っております。
また、お試し居住をされている方に対する岩手県の魅力を発見してもらう仕掛けづくりとか、さまざまな体験イベントを紹介するとか、地域にかかわってもらえるような取り組みも必要と考えますけれども、今後の取り組みの充実についてのお考えをお伺いして、終わりたいと思います。
〇小野寺建築住宅課総括課長 今後の取り組みの充実につきましては、入居いただいた方につきましては、基本的には、個人的にSNSで情報発信していただくほかに、県からのお願い事項といたしまして、いわてのわという、移住、定住のSNSがございますので、こちらで情報発信に努めていただくということを条件として入居いただいております。
 さまざまメディアでも取り上げていただいておりまして、いろいろと情報発信はいただいているところではございますけれども、引き続き、情報発信に努めていただくとともに、先ほども答弁させていただきましたけれども、今年度中には、入居いただいた方に、この事業の内容についてのアンケートを行い、いい点や悪い点など、事業の内容につきまして、いろいろ検証させていただいた上で、改善を図ってまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇千葉伝委員 決算特別委員会最後の質問者になるかと思いますけれども、道路整備の関係で、改めてお伺いしたいと思います。
 きょうの冒頭、伊藤勢至委員が、県土整備部の皆さんに、大変頑張っていただいているということのエールを送ったと思っていますが、私からも、県土整備部長を初め県土整備部の職員の皆さんには、本県のインフラ整備等々、いろいろと頑張っていただいていることについて敬意と感謝を申し上げる次第であります。別に点数をとっているつもりはありません。素直な気持ちで言っておりますので、よろしくお願いします。
 道路整備について、県北地域というか、盛岡以北と沿岸北部の振興という観点で、私はお伺いしたいと思います。
 総括質疑では、軽石義則委員から防災の関係で質疑があったところであり、本日も、国道281号で質疑があったところであります。私もそれと関係するわけでありますけれども、私が県議会議員になって27年たちますが、国道281号の整備に当たっては、大坊峠の拡幅を含めて、いろいろと頑張っていただいていると思っております。
 震災前まで、早坂トンネルの次は平庭峠ということで、平庭峠のトンネル化を目指して沿線の関係者一丸となっていろいろとお願いをしてきました。そのときに、ある程度トンネル化に向けた測量をして、設計まで行っていて、もうそろそろ着手して始まるだろうと思ったところに、11年7カ月前の東日本大震災津波が発災したということで、この平庭トンネルの話が、そこの時点で立ち消えになったと思っております。
 その後については、東日本大震災津波の復興を含めた部分で、ほかの必要なところを優先的に進めてきているのは承知しておりますが、平庭のトンネル化も含めて、県土整備部長は、そういったあたりの経緯は承知しているでしょうか。
〇田中県土整備部長 国道281号の整備については、千葉伝委員からお話がありましたとおり、県北地域の振興を支える上で、基幹となる道路だと思っておりますので、その強化は非常に大事な課題だと思っていて、昔から整備を進めており、大坊峠のところであるとか、あるいは、葛巻町の鈴鹿口といったところのトンネル化の整備も進めてきました。
 ただその中で、平庭峠について、住民大会に私も出たことがありまして、思いは感じていたところですが、公共事業を取り巻く環境の変化や、国道281号の交通量の推移などを見て、PIということで、ルートの検討までオープンにしたところではありましたが、現時点では、事業をするといったところにはちょっと至っていないというのが経緯でございます。
 そうは言っても、国道281号の整備は大事な課題でありますので、震災を受けてからは、下川井とか、案内工区とか、久慈川沿いのところをトンネルでショートカットするという整備を進めさせていただいていましたし、震災の事業が終わると同時に、通常事業ということで、現在、案内−戸呂町工区ということで、そこは、令和元年台風第19号で被災したところをトンネル化するということで、安全、安心な道路の整備を今進めているところでございます。
〇千葉伝委員 いずれ、国道281号の整備に当たっては、私も先ほど言ったとおり、県議会議員になって27年たつのですが、毎年のようにこのお願いをしてきたところであります。
 御答弁いただいていた話を総括すると、たしか国道281号を規格の高い道路として整備するとともに、盛岡市と久慈市を結ぶ(仮称)久慈内陸道路の検証の熟度を高めるという答弁をしていると承知しております。
 お聞きしたいのは、この規格の高い道路として整備するということの意味が、これを素直に読めば、高規格道路とも読めるわけですけれども、どこがどう違うのでしょうか。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 昨年6月に策定いたしました岩手県新広域道路交通計画におきましては、国が示した考え方に基づきまして、高規格道路で、拠点都市間を結ぶ路線全体にわたり、おおむね時速60キロメートル以上のサービス速度の提供が求められるとしており、時速60キロメートル以上の設計速度や走行速度を低下させないための沿道利用の制限、他の道路との交差方法など、道路構造に配慮が求められるものであり、規格の高い道路とは、これらの要件を満たした道路ということでございます。
 岩手県新広域道路交通計画におきましては、一般広域道路に位置づけた国道281号に重ねる形で、(仮称)久慈内陸道路の将来的な高規格道路としての役割を期待する構想路線に位置づけたところでございまして、国道208号につきましては、将来的に、久慈内陸道路の一部を担えるよう、高規格道路化を見据えた規格により、着実に整備を進めているところでございます。
〇千葉伝委員 聞いたのは、国道281号を規格の高い道路として整備をするということで、皆さん答えていますよね。それは今度の北岩手・北三陸横断道路、これから質問しようと思ったけれども、それとあわせた格好で進めるということは、国道281号全部を規格の高い道路として整備するということではないと。その一部というか、部分的に高規格になるところもあるし、それから、質の高い道路という位置づけにするということで、一部、部分的に質の高い道路になるという理解でよろしいのでしょうか。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 国道281号につきましては、必要性の高い工区から、順次整備を進めているところでございまして、その整備に当たりましては、規格の高い道路で整備していくということで、必ずしも全線を規格の高い道路で整備するということではございません。
〇千葉伝委員 この規格の高い道路というのは、今の北岩手・北三陸横断道路も含めた格好になっているという答弁ですが、高規格に近い格好で整備してもらえるというのであれば、これは沿線住民、諸手を挙げて万歳というくらいに全面的に高規格にして、いわゆる宮古盛岡横断道路、あるいは釜石自動車道みたいな格好にしてもらえるのであれば、これは最高のことだと思うのですが、そうではないということです。そうすると、私からすれば、本当は全面的にしてもらいたいという気持ちでいます。
 それはなぜかと言ったら、先ほど言った平庭峠の難所のトンネル化、あるいは大坊峠もトンネル化していかないと高規格に近い道路にはならないだろうと思っているのですが、それはそういうことではないという話ですので、これからその整備に当たっては、そのあたりも頭に入れながら、ぜひ整備を進めていただきたいと思います。
 そこで、これからの進め方に当たっては、北岩手・北三陸横断道路との関連は、今言ったとおりの進め方で進めるという理解でよろしいのですか。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 昨年6月に策定いたしました岩手県新広域道路交通計画では、国道281号を一般広域道路に、さらに、これに重ねる形で、(仮称)久慈内陸道路を将来的に高規格道路等の役割を期待する構想路線に位置づけたところでございます。
 この計画の策定に当たりましては、こうした考え方につきまして、北岩手を横断する高規格道路の整備を要望していただいております、北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会の役員となっておられます市町村の皆様と認識を共有して、進めたところでございます。
 今後とも、沿線市町村と、適宜、情報共有をしながら、調査を進めてまいりたいと思っております。
〇千葉伝委員 今の答弁の中で、市町村の関係者と十分に話をしながら進めてきているということでした。ところが、私の耳に入っているのは、北岩手・北三陸横断道路の整備促進に当たって、県からの説明というか、そういったものが十分聞いてもらえない、あるいは説明してもらえないような話も聞いております。
 言いたいのは、それを進めるに当たっては、私が先ほど質問した国道281号との関係、それから、北岩手・北三陸横断道路との関係、そういったあたりが、その地域の人たちによくわかるように、どういう格好で進めるかといったあたりは、改めて、ぜひ何度か説明会等を開いてやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
〇照井技術参事兼道路建設課総括課長 久慈内陸道路につきましては、延長が非常に長く、北上山地を通過するルートになるため、技術的難易度が高く、継続的な検討が必要なものでございます。沿線の市町村長の方々とは、適宜、情報共有をしながら進めてまいりたいと考えております。
〇千葉伝委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 いずれにしても、国道281号の先ほど言った平庭峠のトンネル化がストップしているという状況の中で、最終的に、県の均衡ある発展という言葉を昔は使ったけれども、要するに、バランスのとれた地域振興を図っていくという意味では、いわゆる北岩手・北三陸横断道路の整備が、将来的に岩手県の全体的なバランスがとれる道路になるべきものだと、私は思っております。
 したがって、盛岡以南と内陸北部と沿岸を比べれば、盛岡以北の内陸部と沿岸北部を結ぶ道路を、何としても早く完成してもらいたいと私は思っておりますので、それに対して、田中部長、いい話をしていただければありがたいのですが、意気込みをぜひよろしくお願いします。
〇田中県土整備部長 昨年6月に公表した岩手県新広域道路交通計画ですが、答弁では、国道281号を一般広域道路にして、それに重ねる形で構想路線として、(仮称)久慈内陸道路を位置づけていますという答弁をずっとさせていただいています。
 これは、同じ高規格道路になっている宮古盛岡横断道路の例を出すと、宮古盛岡横断道路は、全部が自動車専用道路になっているわけではなくて、部分的に例えば区界峠とか、そういったところは自動車専用道路になっていますが、自動車専用道路と一般道路が混在している形の道路になっています。それも高規格道路になっていますので、同じように、盛岡と久慈を結ぶ道路についても、国道281号の道路としてそれほど課題がないところを使う形で、なるべく段階的に高規格道路化を目指していこうという意味で、重ねる形でとしています。
 高規格道路というのは、サービス速度として、60キロメートル以上の速度となっていますので、平成28年台風第10号対応で進めている整備については、60キロメートルの設計速度で進めており、将来手戻りがないような構造としています。
 ただ、全体としての計画は立てる必要があるので、その件については、現在大まかなルートの検討や交差する位置などの調査をしておりますので、国道281号の整備を進めながら、並行して、調査を進めていきたいと思っていますし、適宜、地元の皆さんとも情報交換等はさせていただきたいと考えております。
〇千葉伝委員 北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会ということで、第4回の決起大会まで開いてやっております。そこの中での私の理解は、国道281号は国道281号の整備を進めながら、この横断道路については、別途、それをやってもらうようなお願いの仕方をしていると思っているのですが、今の県土整備部長を初め県の答弁からすれば、そのルート等は、これからを考えるとは言っても、国道281号とあわせて進めるというやり方については、先ほど言った首長などの沿線の関係者に、そういったあたりの進め方も含めて、しっかりと説明をしていただきたいと思いますので、その部分はぜひお願いしたいと思います。これはお願いで、終わります。
〇名須川晋委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇小野寺建築住宅課総括課長 先ほどの小林正信委員から質問がございました、いわてお試し居住体験事業の実績について、地区単位と市町単位を混在して答弁したので、訂正させていただきます。
 市町単位で答弁させていただきます。当初実績分でありますが、盛岡市が4戸、花巻市が3戸、北上市が2戸、奥州市が1戸、金ケ崎町が1戸、大船渡市が2戸、陸前高田市が1戸、宮古市が1戸の15世帯でございます。
 続きまして、追加募集分でありますが、盛岡市が2戸、花巻市が2戸、北上市が1戸、奥州市が1戸、陸前高田市が1戸、釜石市が2戸、大槌町が1戸でございます。
 訂正させていただきます。申しわけございませんでした。
〇名須川晋委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇名須川晋委員長 ないようでございますので、これで県土整備部関係の質疑を終わります。県土整備部、会計管理者及び監査委員の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、お諮りいたします。当委員会に付託されました決算15件及び議案3件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において世話人会で御協議願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇名須川晋委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後4時4分 休 憩
午後8時37分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 決算15件及び議案3件に対する世話人会の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
 初めに、議案第37号令和3年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについてから、議案第39号令和3年度岩手県流域下水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについてまでの3件は、原案を可とすることといたした次第であります。
 次に、認定第1号令和3年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、次の意見、すなわち、今後の事業執行に当たっては、次の点に留意されたい。
 人口減少対策として、これまでの事業成果が人口の自然増や社会減の克服に結びついていない要因をより詳細に分析した上で、若者の県外流出の抑制や結婚、妊娠、出産、子育て環境の充実などの施策の強化に努めること。
 新型コロナウイルス感染症対策として、感染拡大防止に万全を期すとともに、医療従事者の確保、定着と医師の偏在の是正等による医療提供体制の強化を図ること。あわせて、物価高騰対策も含めた県内事業者等を支える取り組みを適時適切に実施すること。
 東日本大震災津波から11年が経過し、復旧、復興の歩みは着実に進められているが、被災者の心のケアやなりわいの再生などに引き続き取り組むこと。
 DX―デジタルトランスフォーメーションの活用等による職員の業務の効率化と行政経費の縮減を図り、将来への投資と市町村との連携、協働に対し重点的な配分を行い、効率的な行財政運営に努めること。
 持続可能で希望ある岩手を実現するための行財政改革に関する報告書に示された提言について、県民からのさまざまな意見を聞きながら具体的な議論を進めることとの意見を付し、認定することとし、認定第2号から認定第15号までの14件は、認定することといたした次第であります。
 これより採決いたします。
 お諮りいたします。議案第37号から議案第39号までの3件について、一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇名須川晋委員長 起立全員であります。よって、議案第37号から議案第39号までの3件については、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第1号令和3年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、先ほど読み上げました意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇名須川晋委員長 起立全員であります。よって、認定第1号令和3年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、先ほど読み上げました意見を付し、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第2号から認定第15号までの14件について、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇名須川晋委員長 起立全員であります。よって、認定第2号から認定第15号までの14件については、認定することに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。
 委員各位の御協力に対し深く感謝を申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後8時41分 閉 会

前へ 次へ