令和4年2月定例会 第19回岩手県議会定例会会議録

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〇11番(山下正勝君) 自由民主党の山下正勝でございます。
 このたび一般質問の機会を与えてくださいました先輩、同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
 また、先般、久慈市で発生した高病原性鳥インフルエンザについて、養鶏業は県北地域の主要産業であることから被害拡大を懸念しておりましたが、迅速な防疫対応により鎮静化しておりますことに安堵しており、対応に当たった県当局や関係者の皆様に感謝を申し上げます。
 それでは、通告に従い順次質問させていただきます。
 初めに、知事の政治姿勢について伺います。
 知事が支持する小沢一郎衆議院議員は、小選挙区で落選し、比例代表での復活当選となりました。さぞかし知事は驚き、応援に入らなかったことを後悔したのではないでしょうか。
 そこで、次の参議院議員選挙で知事は、立憲民主党の木戸口英司参議院議員の再選のために積極的に応援に入り、マイクを持つことを考えているのかお伺いします。
 前回の知事選挙で4選を果たした際の知事の得票は40万票余でした。その際、我が党推薦候補は15万票余りでした。しかし、次の参議院議員選挙で我が党が推す候補者が当選し、知事が応援する候補者が敗れた場合、県民の知事に対する政治姿勢の不信感や県政に対する不満により、今後の県政運営にも影響が出ると考えられますが、知事は参議院議員選挙の重要性をどのように捉え、想定しているのか。また、その選挙結果により、これまでの政治姿勢を反省し改める考えはあるのかお伺いします。
 さらに、師と仰ぐ小沢一郎衆議院議員が野党共闘による政権交代を主張していますが、知事もいまだに政権交代を期待し、政権交代に至った場合、県民はより一層幸福になれると考えているのかお伺いします。
 次に、文化資源を活用した観光振興についてお伺いします。
 私は、令和3年6月29日の一般質問で、文化資源を活用した観光資源の推進について、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録前に、御所野遺跡の世界文化遺産登録後、県内3件の世界文化遺産、さらには東日本大震災津波の記憶を伝える遺構や三陸ジオパークなど、県内の貴重な文化資源を活用した観光振興の推進が、疲弊した地域経済を回復するための起爆剤になると考え、知事のお考えを伺いました。
 その際、知事からは、御所野遺跡は縄文文化が1万年以上も続いた先史文化を現代に伝える貴重で価値の高い遺産であり、登録実現により、さらに国内外から注目されること、また、平泉、橋野鉄鉱山と合わせ時代の異なる三つの世界遺産を有することになり、さらに、東日本大震災津波の遺構は、震災の経験や教訓を学ぶことができるほか、三陸ジオパークは、三陸復興国立公園と重なり雄大な自然を実感できるなど、岩手県ならではの大きな財産であること。
 県では、これらの資源を結びつけた広域観光ルートの構築や旅行商品の造成、世界遺産と震災学習を組み合わせた教育旅行の誘致などの取り組みを進めており、こうした取り組みを通じ、国内外の多くの方々が岩手県を訪れ、その魅力を実感し、学んでいただき、交流を活性化させることで地域の活力をさらに高めていきたいとの答弁をいただきました。
 その後、7月27日に無事、北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産に登録されたところですが、新型コロナウイルス感染症の影響等により、地域活力の向上にはいまだ至っていないと考えます。
 つきましては、コロナ禍で経済活動等も制限、抑制されている中、観光産業も経営的に大変な状況にありますが、地域経済を回復するために文化資源を活用した観光振興にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。
 次に、県北・沿岸振興について伺います。
 最初に、御所野遺跡の活用について伺います。
 御所野遺跡は、世界遺産に登録される前から国の史跡にも指定されており、御所野遺跡の公園内には竪穴住居や配石遺構など、当時の様子が復元されています。また、隣接する御所野縄文博物館では、御所野遺跡のみならず、一戸町内の歴史や文化についても学ぶことができ、遺跡と駐車場をつなぐ木製歩道橋、きききのつりはしも一見の価値があります。
 県は、これまでに世界遺産登録に向け御所野遺跡の発掘調査などの調査研究、縄文竪穴建物の復元を含む公園整備、御所野縄文博物館の整備などの技術支援や財政支援等を行ってきたことは承知しております。
 私は、前回の一般質問の際、今後も4道県並びに関係市町村等で構成する縄文遺跡群世界遺産保存活用協議会と、岩手県を事務局とする岩手県世界遺産保存活用推進協議会の場において、情報共有を図りながら、御所野遺跡の価値を十分に伝えることができるよう、児童生徒への教育活動やフォーラムなどの普及啓発活動を通じ保存活用に取り組んでいくことや、一戸町とは、住民生活と調和した遺産の保存管理と活用を進め、全ての人々にとって魅力のある世界遺産となるよう、遺産の保存と活用について相互に情報共有しながら取り組んでいくとの答弁をいただいたことから、その状況を注視しているところですが、現在の活用状況と今後の取り組みについて伺います。
 次に、漆の振興を支える職人の育成について伺います。
 漆の振興は、需要と供給のバランスのほか、その間で調整に努める人がいることから成り立つものと考えます。御承知のとおり、二戸市の漆生産量は国内シェアの7割以上を占めており、また、漆技術は2020年12月にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
 しかしながら、今年度の二戸市の漆の生産量は市が目標に掲げた2トンに対し1.6トンと4分の3程度の生産量で、目標達成には至らない状況にあります。
 生産量がふえない理由として、職人の高齢化や後継者不足、十分に採取できる原木の確保等が挙げられていますので、関係者には御尽力いただき、改善等により来年度こそは目標を達成できるよう期待しているところです。
 漆の生産量は、漆の木の質のほか、漆のかき手の技量にも左右されるとも言われており、かき手については、地域おこし協力隊の制度活用など行政組織等の支援等もありふえつつあると認識していますが、そのかき手が必要とする漆かき道具については、かき手個々が好む大きさや個性に合わせた道具の製作になるとのことで、使用する道具により収穫量も変わるとのことです。また、なじんだ道具を長く使用する上でも、適宜メンテナンス等も必要とのことです。
 今後、漆の生産量をふやしていくためには、担い手確保とともに漆かき道具を製作する職人もあわせて育成することが重要と考えますが、県の考えを伺います。
 次に、いわて子どもの森について伺います。
 岩手県立児童館いわて子どもの森は、一戸町にある岩手県唯一の大型児童館であり、キャンプ場や宿泊施設や大型遊具設備を備えた複合施設で、子供の発達促進や地域全体の健全育成機能を果たすことを目的として設置されたものです。
 平成15年5月の設置以降、平成30年5月には来館者300万人を達成するなど、新型コロナウイルス感染症の流行前までは、整備時の年間利用目標11万人に対し、年平均20万人の利用者があり、魅力のある遊びの提供や、子供や親などの利用者ニーズを的確に捉えている施設と考えられます。
 そこで伺いますが、県が公表した令和2年度の管理運営状況評価シートによると、利用者からの苦情、要望は528件寄せられており、そのうちの積極的な評価は399件ある一方で、苦情17件、要望112件と、改善等を望む声もあります。
 そこで、近年の苦情や要望はどのようなものが多く、指定管理者である社会福祉法人岩手県社会福祉事業団は、どのような対応を図っているのかお伺いします。
 また、岩手県社会福祉事業団からの報告を受け、県はどのような指導や対応を図ったのか、あわせてお伺いします。
 また、施設に係る運営評価は、利用者数に左右されることが多い現状にあります。これまで年平均20万人の利用者があったものの、新型コロナウイルス感染症拡大時の令和2年度の施設利用者の状況は、施設の臨時閉館等もあり約3万8、800人余であり、感染拡大前の利用者数の19%程度にすぎません。感染拡大時、当該施設は、遊びの場を失った子供のストレス発散の場として、また、育児等に疲労した親の息抜きの場として大いに利用が期待されていたと考えられ、さらに施設内では、仕事ができないことによる職員のモチベーションの低下など、閉館による影響は施設利用者と職員双方に及んだと思われるが、感染予防上閉館はやむを得ない措置であったと考えられます。
 今後も新型コロナウイルス感染症の収束を見通せない中での施設運営が求められますが、どのような対応により利用者数の増加と満足度を上げ、あわせて施設設置の目的達成を図るのかお伺いします。
 さらに、いわて子どもの森の施設設置から20年近くになり、施設の老朽化も進み、維持修繕等にも相応の費用が必要と考えられます。利用者が安全・安心に施設を利用するためにも、利用者等からの苦情や要望をもとに、利用者の視点に沿った必要な施策を講じるべきと考えます。県の当該施設に対する老朽化対策について伺います。
 次に、県北沿岸地域の振興につながる道路整備について伺います。
 2018年に葛巻町等6市町村が、県北部の道路網改善に向け、北岩手・北三陸を横断する高規格道路の建設を求める北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会を結成し、現在は県央、県北地域の19市町村により建設に係る要望を県に働きかけているところです。
 幹線道路ネットワークの整備は、地域間の交流、連携や地域経済の活性化はもとより、防災、救急医療、福祉、教育、観光振興など多面的な分野の発展に大きく寄与するものです。
 盛岡市以北の市町村においては、農林水産物のほか、私がこれまでに取り上げた御所野遺跡やいわて子どもの森、漆など、魅力ある地域資源が数多くありますが、私は、農山漁村と都市部をつなぐ社会基盤整備のおくれが、産地間競争に大きな影響を与え、また、県南地域の道路網との格差拡大が、地域経済や人口減少にも深刻な影響をもたらしていると考えていることから、道路網整備は期待でもあり念願でもあります。
 県では、令和3年6月に策定した県全体の広域的な道路ネットワークの長期的な構想である岩手県新広域道路交通計画の中で、北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会の考えも踏まえ、将来的な高規格道路としての役割を期待する構想路線として(仮称)久慈内陸道路を位置づけています。
 この道路が整備されることにより、その効果は、北岩手、北三陸地域一帯に波及し、いわて県民計画(2019〜2028)で掲げる県北・沿岸地域の振興にもつながるものと期待しますが、構想路線(仮称)久慈内陸道路の整備について知事の考えを伺います。
 次に、豚熱の対応について伺います。
 野生イノシシの豚熱感染の確認地域が25都府県へと拡大し、東北では宮城県、山形県でも感染個体が確認されるなど、当県への侵入リスクが高まっています。
 県は、平成30年9月以降、死亡野生イノシシの豚熱検査を実施するとともに、令和2年11月以降は、捕獲した野生イノシシの豚熱検査にも取り組み、野生イノシシの感染状況の把握に努めており、これまで検査した約500頭は全て陰性との結果になっています。
 また、令和元年9月に養豚場での豚熱感染が関東地域まで拡大したことを受け、国は、令和元年10月より、豚熱の予防的ワクチン接種による発生防止対策に取り組み始め、当県も昨年6月に、国から豚熱のワクチン接種推奨地域に指定されたことを受け、7月から県内全ての養豚場を対象に、豚熱のワクチン接種を開始しているところです。
 しかしながら、他県ではワクチン接種を行っている養豚場であっても豚熱が発生する事例があると聞いています。このため、ワクチン接種を行っている本県の養豚場でも豚熱が発生する可能性があると懸念しています。
 そこで、全国における豚熱ワクチン接種農場での豚熱の発生状況と、その原因はどのように推察されているのか伺います。また、ワクチンを接種している当県の養豚場でそのような事例の発生を防止するため、県はどのように対応していくのか伺います。
 次に、葉たばこ廃作農家への支援について伺います。
 昨年11月に日本たばこ産業株式会社は、全国の葉たばこ農家の約4割に当たる1、729戸で、ことし廃作を決めたと発表しました。これは、喫煙率の低下など紙巻きたばこの需要が減っていることから、日本たばこ産業株式会社が7月から10年ぶりに廃作を募ったものであり、来年の全国の耕作面積は34%減り3、889ヘクタールになる見通しとのことです。当県でも282戸から142ヘクタールの廃作希望があり、令和4年度の県内の葉たばこ農家数は約540戸、耕作面積で約500ヘクタールの見込みとなっており、このように、県内でも廃作を決めた農家が多いことから、今後の廃作農家への支援と葉たばこ廃作後の耕作放棄地化を危惧しているところです。
 国では、令和3年度の補正予算で、葉たばこ作付転換円滑化緊急対策事業において、需要のある他作物への円滑な転換に取り組む農業者を支援するとのことですが、県では、廃作に応じた農家への支援と、高齢化や後継者問題等から耕作放棄地の懸念がある農地について、どのように対応をお考えか伺います。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 いまだ収束のめどが見えない新型コロナウイルス感染症について、これまで国及び県は、総力を挙げて対策に取り組んできました。今般、新型コロナウイルス感染症との戦いが続く中で、これまでのデルタ株と比較し、感染力が強いが症状は比較的軽く重症化しにくいとの報告があるオミクロン株の出現に対しては、医療機関や保健所の負担軽減のため、若年層で症状が軽く重症化リスクが低い感染者は、医療機関を受診せず、自宅療養を容認するなど、これまでの対応とは異なる方針を示され、国民、県民が判断の迷う状況にもあります。
 また、専門家の話では、今後さらに第7波の可能性も指摘されており、いまだ先行き不透明な状況の中で県は難しいかじ取りを迫られますが、弊害を最小限にとどめる工夫も求められます。
 このような状況の中において、これまで幾つもあった波に対し、県は、知事のリーダーシップのもと、感染拡大防止対策に適宜取り組んできました。しかしながら、波が来るごとに、その都度、医療機関による病床確保や保健所による濃厚接触者調査等の問題が提起されるなど、これまでの経験を生かし切れていないと私は感じています。
 さらなる変異株の出現など、今後も予断を許さない状況の中で、知事は、これまでの対策等により浮き彫りとなった課題や成果を、今後想定される波に対しどのように生かし、どのような対策を講じていくのかお伺いします。
 次に、コロナ禍での組織体制について伺います。
 新型コロナウイルス感染症への対策や取り組みについて、県内では、知事や市町村長の指示のもと、一義的には県職員等地方公務員が業務上対応に当たっていますが、これらの職員の中には、子育て世代の職員や親の介護や世話を余儀なくされている職員もおり、家庭内や身内への感染拡大も心配しおそれながら、また、多くの心配事を抱えながら不安を持って業務に従事している状態にあると考えます。
 今後さらに公務員の新型コロナウイルス感染症への対応業務が多くなると想定される中で、対応職員の感染や自宅待機は、公的機関の閉鎖を招きかねず、また、応援職員の増員にも限度があると思われます。
 保健所での濃厚接触者への聞き取り調査や自宅療養者の健康観察など、人手不足により対応が追いつかないとの話もありますが、県では、働き方改革も求められる中で、どのような考えにより組織体制を構築し、新型コロナウイルス感染症に対応していくのかお伺いします。
 次に、コロナ禍での人手不足対策について伺います。
 長引く新型コロナウイルス感染症のため、私たちの日常生活や経済活動にも大きな影響が出ています。石油等燃料の高騰や食料品等の価格上昇等、生活必需品が軒並み高くなっている一方で、少しでも安く物を提供しようと努力している県北地域の経営者からは、人手不足により生産活動が計画どおりできないことから、人手不足解消の要望が高まっています。
 担い手や人手不足については、県でもこれまでにさまざまな対策を講じてきたと思われますが、コロナ禍での入国制限の影響による外国人労働者の減少などもあり、いまだ問題解消には至っていない現状にあり、さらなる対策や支援、援助が必要と考えられますが、今後の取り組みについて伺います。
 次に、岩手・青森県境産業廃棄物不法投棄事案について、最初に、跡地の利活用について伺います。
 平成11年11月に発覚した二戸市と青森県田子町にまたがる原野27ヘクタールに不法投棄された廃棄物量は、当県側27万立方メートル、青森県側79万立方メートル、合計で約100万立方メートル以上にもなり、複数県にまたがる初めての大規模不法投棄事件となりました。
 また、不法投棄された廃棄物の多くは焼却灰、汚泥などで、これらに医療系廃棄物や有機溶剤などが混ぜられたものを有価物と称し広範囲に埋められており、大変悪質な不法投棄であったとのことでした。
 これらの大量の廃棄物を排出した事業者は、首都圏を中心に1万2、000社にも上っており、この事件は地方の単なる不法投棄事件ではなく、首都圏から片田舎に大量の廃棄物が流入し不法投棄された典型的な事件として、国内に広く知られるようになりました。
 事件発覚から二十数年たち、県は、令和4年度の原状回復完了に向け、これまでに原状回復対策協議会における協議を踏まえ、不法投棄廃棄物等の撤去、土壌や地下水の浄化対策などを講じてきたところであり、これまでに撤去作業等に携わった方々の御苦労や御尽力に対し、私は改めて感謝と敬意を表したいと思います。
 そこで、原状回復完了間近となり、県民や二戸市民、周囲に暮らす方々の関心は、その後の跡地活用と考えられますが、県では、原状回復後の跡地利活用についてどのようなお考えか伺います。また、本事案の教訓を生かし、同じような被害を二度と発生させないよう、どのような対策を講じているのか、あわせて知事にお伺いします。
 次に、行政代執行に係る費用の回収について伺います。
 不法投棄の原因者には、破産等により不法投棄廃棄物の撤去等を履行する姿勢が見られなかったことから、県は、平成14年10月に行政代執行を開始し、その後、平成26年3月には、総重量約35万8、000トン余の廃棄物の全量撤去の完了に至っています。
 県は、これまでに、原因者の資産を差し押さえて売却するなど原状回復に要した費用の回収を進めていますが、原因者は既に破産等しており、その回収額は、これまでに県が投じた行政代執行費用のごく一部にしかすぎない金額と考えられます。
 行政代執行に係る費用は税金です。このことから、原因者や排出事業者に強く負担を求め、あらゆる手段を講じて回収に努めるべきと考えます。ついては、これまでに行政代執行で要した費用と原因者等から回収できた金額はどのようになっているのか伺います。また、県は今後、原因者等に対する責任追及について、どのように対応していくのかあわせてお伺いします。
 次に、県管理道路の維持管理と建設企業の育成について。
 最初に、県管理道路の除雪について伺います。
 県では、冬期通行どめ区間を除く全ての県管理道路の除雪を行っており、令和3年度は41の共同企業体、115の単独企業に除雪業務を委託するなどにより、約3、900キロメートル、253路線の除雪を行っているとのこと。
 地域の守り手である地元建設企業などの尽力により早々に除雪作業が実施され、安全・安心で快適な通行の確保が図れていますが、広大な面積を有する当県においては、気温や降雪量などの気象条件や地形条件が地域によって異なり、住民ニーズもさまざまであることから、その対応も難しいかと思われますが、要望等への対応状況はどのようになっているのか伺います。また、昨年度の大雪により、除雪オペレーターの不足が顕在化しているとのことですが、オペレーターの育成に対し、県は、どのような対応を図っているのかあわせてお伺いします。
 次に、県管理道路橋の老朽化対策について伺います。
 県が管理する国道及び県道の道路橋は、岩手県道路橋長寿命化修繕計画では、令和2年12月末時点で2、776橋あり、そのうちの約半数が岩手県地域防災計画における緊急輸送道路上に位置しているとのことです。
 当県は、本州の中でも冬期の気候が特に過酷で、国内有数の寒冷地であり、おおむね北上山地を境に西側の内陸部では積雪寒冷地、東側の三陸沿岸部は寒冷地となっており、このため、特に冬期間は積雪や路面凍結等の厳しい交通環境となり、スリップなどにより交通事故を起こすため凍結抑制剤が散布され、これまでに実施された法定点検では、積雪寒冷地特有の凍害や伸縮装置からの凍結抑制剤の塩分を含んだ漏水が原因と考えられる桁端部の腐食等、道路橋の安全性に支障となる損傷が多く確認されているなど、道路橋の維持管理を実施する上で厳しい環境に置かれているとのことです。
 県では、これらのことを踏まえ、かつ、今後、これらの道路橋の老朽化が進行し、一斉に大規模な修繕や更新の時期を迎えることが想定されることから、損傷が深刻化してから修繕を実施する事後保全型の維持管理から予防保全型の維持管理への転換を図ることとし、あわせて、将来的な維持管理費用を縮減するため、県が管理する全ての道路橋を対象とした長寿命化計画を策定して老朽化対策に取り組んでいるとのことですが、その実施状況はどのようになっているのか伺います。また、これまでの実施状況から、課題をどのように捉え、今後、どのよう対策を講じていくのか伺います。
 最後に、建設企業の育成支援について伺います。
 先般、民間分析となるが、帝国データバンクの調査で、コロナ禍で借金がふえ、人手不足や資材費上昇などでの採算悪化により、全国で倒産リスクのある建設企業は推計で約2万6、000社に上り、3年前と比較しほぼ倍増したとの分析結果の報道がありました。
 建設業の衰退は、関連する生コン業界や運送業界、資材会社等の経営にも多大な影響を及ぼすものであり、あわせて、国土の保全や社会経済にも大きな影響を与えることになるので、避けなければならないものと考えられます。また、県内において、建設業は地域経済を支える基幹産業の一つとなっており、さまざまな形で地域の安全・安心、維持発展に貢献していると私は認識しています。
 このような状況の中、建設企業は、必要不可欠な基幹産業として社会的使命を果たしていく上で、健全で安定した経営基盤を図るための事業量を地域の実情を踏まえた適切な規模で、継続的かつ安定的に確保していくことが必要と考え、さまざまな取り組みを行っています。
 東日本大震災津波での被災以降、たび重なる台風被害等も発生し、復興、復旧への貢献のため建設業への新規参入や、復興、復旧工事の受注により経営基盤が安定した会社も多くなったと認識していますが、県内建設企業の現状はどのようになっているのかお伺いします。
 また、復興事業等もおおむねめどがつき、規模の大きかった復興事業も減少する中で、県は、異業種に参入する建設企業に対して表彰を実施するなど、経営体質強化の一環として異業種への参入を後押ししていますが、今後、建設企業をどのように育成支援していくのかお伺いします。
 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 山下正勝議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、知事の政治姿勢についてでありますが、次の参議院議員選挙については、東日本大震災津波からの復興に真摯に取り組まれるなどの実績により、岩手県民から参議院議員に選ばれ、その後、6年にわたり、医師偏在の解消など地方の課題に向き合ってこられた、現職である木戸口英司参議院議員に、引き続き議員として活躍していただきたいと考えておりますが、応援の仕方については関係者と調整してまいります。
 来る参議院議員選挙の重要性についてですが、およそ国政選挙というものは国の歴史であり、民主主義国においては、政治的に最重要のものであります。
 次の参議院議員選挙も、日本の未来がかかった極めて重要なものであり、主権者国民たる者、それぞれの全力を尽くして臨むべきものであります。
 私の政治姿勢については、安易に政治姿勢を変えることのないように、引き続き努めてまいります。
 政権交代については、主要な政党グループがお互いに切磋琢磨しながら、国民生活の向上を競い合うような政権交代が繰り返されれば、政治は進歩、発展するものであり、そのような政権交代が起きれば、当然、岩手県民の幸福度は高まるものと考えます。
 次に、文化資源を活用した観光振興についてでありますが、昨年7月の北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録は、東北デスティネーションキャンペーンや東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の期間と重なっており、国内外から多くの方々に訪れていただく大きなチャンスでありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企画やイベントが予定どおりに実施できなかったことは、非常に残念だったと受けとめております。
 今後、コロナ禍で落ち込んだ地域経済を回復させていくためには、経済波及効果が高い観光振興が重要であり、来年度は、貴重で高い価値が認められる御所野遺跡を初めとしたすぐれた地域資源を活用し、世界遺産登録1周年を契機とした誘客イベントのほか、縄文遺跡をテーマに北東北3県による大型観光キャンペーンを7月から3カ月間実施するなど、青森県や秋田県とも連携して誘客促進を図ることとしております。
 また、来年度実施を予定しておりますいわて旅応援プロジェクト第3弾と連動し、県内の三つの世界遺産を初めとした文化資源や、県北地域のすぐれた食や工芸などを生かした旅行商品造成、増加傾向にある教育旅行の誘致などの取り組みを進め、さらなる交流人口の拡大を図り、地域経済の活性化に努めてまいります。
 次に、(仮称)久慈内陸道路の整備についてでありますが、県北・沿岸地域が有する御所野遺跡や漆などの特色ある地域資源や三陸ジオパークなどの豊かな自然環境を生かした交流人口の拡大のためには、広域的な道路ネットワークの強化が必要であります。
 このため県では、今年度新たに御所野遺跡から安比高原への周遊ルートとなる県道二戸五日市線の二戸市柿ノ木平工区を事業化するとともに、令和4年度岩手県一般会計当初予算案に一般県道金田一温泉線の金田一地区の隘路解消に必要な経費を計上したところであります。
 また、昨年6月に策定した岩手県新広域道路交通計画では、久慈市と盛岡市を結ぶ国道281号を一般広域道路に、さらに、これに重ねる形で(仮称)久慈内陸道路を将来的には高規格道路としての役割を期待する構想路線に位置づけたところであります。
 国道281号については、将来的な高規格道路化を見据えた規格により、必要性の高い区間から順次整備を進めており、今後、久慈―盛岡間の連絡強化に向け、必要な道路構造等の検討を進めてまいります。
 県としては、引き続き、都市間や主要な観光地を結ぶ道路の整備を着実に進め、県北・沿岸地域の産業振興や広域観光の推進に取り組んでまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、保健医療体制、検査体制については、昨年10月に国から全ての感染者が速やかに健康観察や診療を受けられることなどの考え方が示され、第5波のピーク時の1.2倍の入院患者数を想定した病床確保等の対策を強化してきたところであります。
 しかし、オミクロン株により国の想定を大幅に超える感染拡大が全国に広がったことから、本県においても、高齢者や基礎疾患を有する方などに必要な医療を適切に提供するとともに、一般医療への影響を最小限にとどめるため、診療・検査医療機関や健康観察サポートセンターによる健康観察、医療支援等の体制を県医師会等と構築し、重症化リスクが低く入院等の必要がない方の自宅療養を開始したところであります。
 また、保健所の支援体制については、これまでの保健所支援本部や保健所間の相互応援、各広域振興局内の業務支援等に加え、健康観察サポートセンターの設置や総括課長級職員をリーダーとする保健所支援チームの編成により、一層の強化を図ったところであります。
 本県では、依然として過去にないレベルの新規感染者数が継続していることから、これまでの取り組みの積み重ねや変異株に係る新たな知見等を踏まえつつ、必要な方への確実な医療の提供、重症化リスクに応じた医療体制の強化、保健所業務の重点化や支援の強化など、今後想定される感染拡大に備え、全県を挙げて感染対策に取り組んでまいります。
 次に、岩手・青森県境産業廃棄物不法投棄事案における原状回復後の跡地の利活用についてでありますが、県では、平成14年10月から、原状回復を図るため行政代執行による事業を開始し、有識者や住民、二戸市等で組織する青森・岩手県境不法投棄現場の原状回復対策協議会における議論も踏まえながら、平成26年3月には不法投棄廃棄物の全量撤去を完了するなど、これまで多くの関係者に御尽力いただき、着実に事業を進めてまいりました。
 現在、残された地下水汚染の浄化等に取り組んでおり、令和4年度の原状回復事業終了のめどが立ったところであります。有識者及び住民の皆様等の御助言、御理解に心から感謝申し上げます。
 原状回復後の跡地利活用に当たっては、地元からの意見も参考にしながら、市民による植樹や再生可能エネルギーによる水素の利活用などにより、不法投棄による負のイメージを払拭し、二戸市や協議会と連携して地域の安心感を醸成する取り組みを進めてまいります。
 次に、本事案の教訓を生かした対策についてでありますが、現場に不法投棄された産業廃棄物の大半が首都圏から搬入されていたことを踏まえ、平成14年には、循環型地域社会の形成に関する条例など3条例を制定し、同じ課題を持つ青森県、秋田県と連携しながら、北東北3県の圏域内で廃棄物の処理が完結するよう取り組みを進めてまいりました。
 また、全国に先駆けて産業廃棄物処理業者の格付制度を創設し、優良な処理業者の育成による産業廃棄物の適正処理を推進してまいりました。
 さらに、不法投棄の早期発見、早期対応を図るため、広域振興局に産廃Gメンを配置し、監視、指導体制を強化してきたところであります。
 県としては、本事案を教訓にこれら施策を的確に行い、不法投棄のない循環型地域社会の確立を目指してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼環境生活部長石田知子君登壇〕
〇企画理事兼環境生活部長(石田知子君) 行政代執行に係る費用の回収についてでありますが、不法投棄廃棄物の全量撤去や地下水浄化対策などの原状回復に要した費用は、令和2年度までに237億円余となっており、一方、不法投棄の原因者等に対しては徹底的な費用請求を行い、これまでに8億6、000万円余を回収しておりますが、その回収率は約3.6%にとどまっております。
 原因者のほとんどは既に破産廃止決定や解散をしており、今後、法人からの費用回収は厳しい状況にありますが、現在、元法人役員個人の給与を差し押さえ、継続的に費用を回収しているところであります。
 元役員の高齢化や個人資産には限りがあることから、今後の回収は難しくなっていくものと思われますが、今後とも、資産調査等を行いながら、少しでも多くの額を回収できるよう努めてまいります。
   〔文化スポーツ部長熊谷正則君登壇〕
〇文化スポーツ部長(熊谷正則君) 御所野遺跡の活用についてでありますが、世界遺産登録を記念し、縄文遺跡群世界遺産保存活用協議会においては、全国紙への広告掲載やホームページの多言語化など、構成資産の紹介や遺産の価値の国内外への発信を行ったほか、県においては、御所野縄文公園内での縄文ウィークスや、県内2カ所での縄文ワクワクデーなどの記念イベントの開催、IGRいわて銀河鉄道と連携したラッピング電車の運行などにより、縄文文化の魅力の発信に努めました。
 今後においては、盛岡市での世界遺産登録記念フォーラムの開催のほか、教育旅行の誘致や児童生徒を対象とした世界遺産出前授業、教員向け研修会を実施し、御所野遺跡の学びの機会を創出していきます。
 また、首都圏主要駅でのデジタルサイネージによる広報、世界遺産の紹介動画の制作など、平泉、橋野鉄鉱山と一体的な情報発信を行い、本県が有する三つの世界遺産の普遍的な価値の理解促進に取り組んでいきます。
   〔商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、漆職人についてでありますが、漆かきや漆かきに必要な道具を製作する職人の育成に関しては、二戸市の日本うるし掻き技術保存会が、文化庁から日本産漆生産・精製技術の保存団体として認定を受けており、その補助事業などを活用しながら取り組んでいるところであり、具体的には、漆かき技術の習得希望者を対象とした研修会の実施や、漆かき道具の全国からの調達などの取り組みを行っております。
 また、二戸市から、漆かき道具を製作する職人の高齢化が進んでいることを背景に、職人育成についての相談も受けており、新年度におきましては、二戸市や日本うるし掻き技術保存会と連携し、漆かき道具の製作を含め、漆器の製造、販売までの技術を習得できる機会の確保に努め、漆振興を支える職人の育成に努めてまいります。
 次に、人手不足についててありますが、人口減少が進む中で、今般のコロナ禍による海外との移動制限も地域の生産活動に影響を及ぼしており、経営者が抱えるそれぞれの課題に対し、きめ細かな支援を行っていく必要があると考えております。
 生産活動を支える担い手や人手不足については、県として、まずは、若者の地元定着を進める観点から、小学生段階からのキャリア教育支援を初めとした地域産業の認知度向上の取り組みを進めるとともに、U・Iターンの促進に向けた取り組みを強化し、その解消に努めているところです。
 また、コロナ禍で急速に進んだデジタル技術を活用することで、企業活動の生産性向上を図り、人手不足の解消につなげていくこととしております。
 あわせまして、海外との移動制限の状況も注視しつつ、影響を受けている方々が求めている支援の内容の把握に努め、その対応についての検討を行ってまいります。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) まず、いわて子どもの森の要望等の改善対応についてでありますが、当該施設では、利用者の利便性の向上を図るため、館内にアンケート箱を設置し御意見を頂戴しているところであり、年度によってばらつきがありますが、積極的な評価が6割から8割を占めている一方、清掃の不徹底など宿泊施設の管理に関するものや、職員の対応に関する苦情、遊具やイベントの充実に関する要望等が多く寄せられております。
 これに対し、指定管理者において、委託先への連絡や職員の指導など、要望等の内容を踏まえた改善策を講じるとともに、その対応状況について県に毎月報告いただいているところであり、県では必要に応じ、利用者ニーズに応じた施設運営について、助言や指示、予算措置などを行っております。
 また、県や外部委員で構成するいわて子どもの森運営委員会において運営状況を報告し、委員からの意見を運営に反映させていただいているところであり、利用者に楽しく気持ちよく施設を御利用いただけるよう、引き続き指定管理者とともに適切な運営に努めてまいります。
 次に、コロナ禍における施設運営についてでありますが、いわて子どもの森では、新型コロナウイルス感染症の感染状況に応じて、臨時休館等の措置をとりながら、保健所の指導のもと、感染防止対策を強化する運営マニュアルの改定などを行い、利用者が安心して利用できるような環境づくりに努めており、今年度の利用者数の推移を見ると、感染が落ちついていた時期には、平年並みの来館者数を確保できたところであります。
 また、コロナ禍における新たな遊びの提供として、自宅で楽しめる遊びキットを送付する取り組みを始めているほか、今年度には、いわての森林づくり県民税を活用した県産材の屋外木製遊具を新たに設けるなど、遊具の充実などを図っております。
 さらには、県立の大型児童館として、県内の児童館等に対して、コロナ禍における子供の遊び方のモデルを提供するなど、県内の児童育成の中核的役割を果たしてきており、引き続きこうした取り組みを継続してまいります。
 次に、施設の老朽化対策についてでありますが、いわて子どもの森は、平成15年の開館から19年が経過しておりますが、これまでにも新しい遊具の導入やリニューアルを行ってきたほか、管理棟屋根の修繕やボイラー設備の更新など、子供たちが安全・安心な環境のもと、楽しく施設を利用できるよう必要な対策を講じてきたところであります。
 令和3年度においては、ウッドデッキのメンテナンスや先ほど申し上げた屋外木製遊具の設置を行ったほか、来年度当初予算案においては、クラウドファンディング型ふるさと納税による寄附を活用した、みずの広場防水改修工事の経費を計上しているところであります。
 今後においても、利用者の意見を尊重しつつ、計画的に施設の改修や修繕に努めていくとともに、岩手県の将来を担う創造性豊かな子供を育成するため、自然の中でさまざまな遊びを体験できる県内の中核的な施設として機能していくよう、指定管理者と連携を図りながら取り組んでまいります。
   〔農林水産部長佐藤隆浩君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) まず、豚熱の発生状況等についてでありますが、国内では、豚熱のワクチン接種を実施している36都府県のうち、これまで11県20農場で豚熱の発生が確認されています。
 豚熱の発生原因は特定されておりませんが、国の疫学調査チームによれば、発生農場では、農場周辺で豚熱に感染した野生イノシシが確認されていること、関係車両の消毒など農場にウイルスを持ち込まないための衛生対策が不十分であったこと、農場内にワクチン接種前の子豚やワクチン接種直後で免疫が獲得できていないと考えられる子豚がいたことなどが確認されています。
 次に、県の対応についてでありますが、豚熱の発生防止に向けては、農場内へのウイルスの侵入防止対策の徹底と子豚への適切なワクチン接種が重要であります。
 このため、県では、捕獲した野生イノシシ等について豚熱の検査を実施しているほか、これまで国庫事業等を活用し、県内の養豚農場における野生イノシシの侵入防止柵の整備を支援してきたところであり、令和2年10月末までに全ての農場で整備が完了しています。
 さらに、侵入防止対策を強化するため、令和4年度当初予算案に、車両を消毒する設備や豚の飲み水を消毒する機器等の導入を支援するための経費を盛り込んでいるところです。
 また、子豚へのワクチン接種については、子豚が生まれてからの日数等を考慮することが重要であることから、現在ワクチンを接種している家畜保健衛生所の獣医師等の家畜防疫員に加え、国の知事認定獣医師制度を活用し、日ごろから診療等で農場の状況を把握している民間獣医師もワクチン接種が行えるよう、今定例会に関連する条例の改正案を提案しています。
 引き続き、本県の養豚農場での豚熱の発生防止に向け、全力で取り組んでまいります。
 次に、葉たばこ廃作農家への支援についてでありますが、日本たばこ産業株式会社は、令和4年産葉たばこの廃作募集を昨年7月から開始したところでありますが、廃作農家の営農継続等が懸念されることから、県では、直ちに情報収集を行うとともに、国や日本たばこ産業株式会社に対し、葉たばこから他作物への転換に必要な機械導入等への支援を要望したところです。
 また、廃作農家の営農継続や廃作地の有効活用を進めていくため、県、岩手県たばこ耕作組合、全国農業組合連合会岩手県本部、公益社団法人岩手県農業公社等で構成する岩手県葉たばこ廃作対策会議を設置し、廃作地への野菜等の導入や担い手への農地集積などについて検討するとともに、県、市町村、農業委員会等で組織する地域推進チームを県内9カ所に設置し、廃作農家への営農相談や廃作地の活用に向けた地域の担い手とのマッチングなどを進めています。
 さらに、葉たばこから他作物への転換に必要な機械の導入等の支援に要する経費を今定例会に提案した補正予算案に盛り込んだところであり、引き続き関係機関、団体と連携しながら、廃作地を活用した新たな園芸産地づくりを推進するなど、廃作地の有効活用と廃作農家の所得確保に取り組んでまいります。
   〔総務部長白水伸英君登壇〕
〇総務部長(白水伸英君) 県の組織体制についてでありますが、新型コロナウイルス感染症への対応に当たりましては、感染状況や行政需要に応じて、機動的かつ柔軟に組織、人員体制を構築することが重要と認識しております。
 このため、会計年度任用職員や前倒し採用により、保健師等の専門職員を確保するとともに、保健所への職員派遣や、自宅療養者に対する健康観察と相談対応を担ういわて健康観察サポートセンターの運営などに対し、全庁から業務支援を行っております。
 感染拡大時におきましては、議員御指摘のとおり、職員の罹患等による人員不足のリスクが想定されますことから、BCP計画を実行し、新型コロナウイルス感染症対策業務や中核業務を優先的に実施するための体制構築を図っております。
 また、岩手県庁働き方改革ロードマップに基づき、ペーパーレス化やリモートワーク環境の整備等を進め、効率的な業務遂行や、テレワークを活用した感染拡大防止により、行政機能の維持に努めております。
 今後におきましても、業務継続体制と職員の働き方改革の推進の両立を図りながら、必要な行政サービスの維持と職員の安全の確保に取り組んでまいります。
   〔県土整備部長田中隆司君登壇〕
〇県土整備部長(田中隆司君) まず、県管理道路の除雪についてでありますが、県では、今年度、253路線、約3、900キロメートルを対象に、通勤、通学前の作業完了を目標に除雪を行っているところです。
 これまでの除雪に対し、でこぼこの解消や幅員の確保など、約320件の御要望をいただいており、路面の整正や拡幅除雪等に努めているところです。
 昨年度の大雪を受け、除雪を受託している企業を対象としたアンケート調査において、約75%の企業が除雪オペレーターの確保が課題と回答したところです。
 こうしたことから、今年度、二戸地区の県道一戸葛巻線や北上地区の国道107号など8地区において、熟練のオペレーターが除雪機械に同乗し、若手オペレーターに対して機械操作や作業手順を指導するなど、技術力を高める取り組みを進めているところです。
 今後とも、きめ細かな除雪や除雪オペレーターの育成支援等を通じ、安全・安心な冬期通行の確保を図ってまいります。
 次に、県管理道路橋の老朽化対策についてでありますが、道路法では、5年に1度のサイクルで点検を行い、橋梁の損傷度に応じて4段階に区分した判定を行うことを定めており、令和元年度までの5年間の点検結果等に基づき、昨年3月に岩手県道路橋長寿命化修繕計画を策定したところです。
 この計画では、緊急的な措置が必要な区分4の橋梁はありませんが、早期の措置が必要な区分3は212橋、予防的な措置が必要な区分2は1、538橋、健全で措置の必要のない区分1は889橋となっております。
 現在、区分3の橋梁の修繕を進めており、今年度末までに101橋、約5割の対策が完了する見込みとなっております。
 予防保全型の維持管理は、区分2の段階で対策を講じることを継続していくことでトータルコストの縮減等を図っていくものでありますが、まずは、計画に位置づけた区分3の橋梁への対策を加速化していくことが課題と認識しております。
 こうしたことから、定期点検を着実に行うとともに、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策も含めた必要な予算の確保について、国に働きかけてまいります。
 次に、建設企業の育成支援についてでありますが、地域の建設業は、社会資本の整備や維持管理の担い手であるほか、自然災害や高病原性鳥インフルエンザ等の発生時に即応できる存在として、地域に欠かせない重要な役割を果たしていると認識しております。
 このことから、県では、建設企業が期待される役割を将来にわたって果たすことができるよう、いわて建設業振興中期プラン2019において、建設投資額の確保に加え、安定的な経営環境の確立などを施策として掲げ、本業の経営強化や経営の複業化などの支援に取り組んでいるところです。
 県内建設業の現状を震災前と比較すると、マイナスであった総資本経常利益率は、直近3年間ではプラス5%台で、また、年間20件を超えていた倒産件数については、直近3年間では1桁台でそれぞれ推移しておりますが、今後、復興事業減少の影響が懸念されるところです。
 このような中、国の経済対策も含めた県土整備部の令和4年度当初予算案は、令和3年度に引き続き、震災前を上回る水準を確保したところです。
 今後とも、必要な公共事業予算の確保を国に働きかけていくとともに、建設業団体との意見交換を行いながら、プランに掲げた取り組みを着実に進めてまいります。
〇議長(五日市王君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時7分 休 憩
出席議員(47名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 千 葉 絢 子 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時28分再開
〇議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。柳村一君。
   〔16番柳村一君登壇〕(拍手)

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