令和2年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和2年3月17日(火)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 藤 枝   修
主任主査 千 葉 絵 理
主査 上 野 公一郎
主査 鈴 木   忍
主査 赤 坂 宏 紀
主査 鈴 木 貴 博
1説明員
県土整備部長 八重樫 弘 明
技監兼
河川港湾担当技監 中 平 善 伸
副部長兼
県土整備企画室長 多 田   繁
道路都市担当技監 田 中 隆 司
技術参事兼
建築住宅課
総括課長 伊 藤 勇 喜
県土整備企画室
企画課長 菊 地 幸 男
県土整備企画室
管理課長 吉 原 武 志
用地課長 佐々木 一 弘
空港管理課長 高 橋 栄 治
建設技術振興課
総括課長 大久保 義 人
技術企画指導課長 菊 地 健 司
道路建設課
総括課長 菅 原 常 彦
道路環境課
総括課長 和 村 一 彦
河川課総括課長 幸 野 聖 一
河川開発課長 佐々木 克 幸
砂防災害課
総括課長 菅 原 博 秋
都市計画課
総括課長 八重樫   学
まちづくり課長 紺 野 憲 彦
下水環境課
総括課長 水 野 久 禎
住宅計画課長 小野寺 哲 志
営繕課長 野 里 茂 生
港湾課総括課長 照 井   巧

財政課総括課長 小 原 重 幸
〇柳村一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第26号から議案第31号まで、議案第39号及び議案第41号から議案第44号までの以上31件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部関係について延べ11人の質問者を予定しており、その後、議案31件について意見の取りまとめをいたしたいと思いますので、御了承願います。
 それでは、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇八重樫県土整備部長 県土整備部所管の予算審査に当たりまして、まず、令和2年度当初予算の基本的な考え方について御説明申し上げます。
 令和2年度当初予算については、東日本大震災津波からの復旧、復興事業の着実な推進と、平成28年台風第10号、令和元年台風第19号で被災した施設の早期復旧とそれに合わせた改良工事の推進に最優先で取り組むとともに、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる施策を着実に推進するため、快適で豊かな暮らしを支える生活環境の整備、安全・安心を支える社会資本の整備、産業や観光振興の基盤となる社会資本の整備、生活を支える社会資本の良好な維持管理を重点項目として予算を編成したところであります。
 まず、震災復興関係では、防潮堤や水門等の津波防災施設の整備や、水門、陸閘の自動閉鎖システムの整備、災害に強く信頼性の高い道路ネットワーク構築に向けた復興道路等の令和2年度内の全線開通など、安全の確保のための取り組みを引き続き推進するほか、災害公営住宅の完成など、暮らしの再建に向けた取り組みを推進します。
 また、港湾の利活用やポートセールスの推進、根浜海岸の砂浜再生などのなりわいの再生、高田松原津波復興祈念公園の整備など、未来のための伝承・発信につながる取り組みも進めていきます。
 次に、たび重なる台風被害からの復旧関係では、被災した河川、道路等の早期復旧に向けた取り組みを引き続き進めるとともに、甚大な被害を受けた小本川や安家川等において、自然環境にも配慮した形で、災害復旧と合わせた河川改修事業を進めていくほか、土石流などが発生した渓流において、土砂災害対策施設の整備などを推進します。
 次に、快適で豊かな暮らしを支える生活環境の整備の関係では、耐震性などを備えた良質な住宅の普及や空き家の活用促進、いわて汚水処理ビジョン2017に基づく汚水処理施設の整備などに取り組んでいきます。
 次に、安全・安心を支える社会資本の整備の関係では、自然災害から県民の生命、財産を守るための治水対策や土砂災害対策の推進、道路の防災対策、橋梁の耐震補強などのハード対策に加え、水位周知河川や洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域等の指定などのソフト施策を推進していきます。
 次に、産業や観光振興の基盤となる社会資本の整備の関係では、内陸部と物流拠点である港湾を結ぶ路線やインターチェンジへのアクセス道路など、物流の基盤となる道路や主要な観光エリアを結ぶ観光振興に資する道路など、産業振興や交流を支える道路整備を進めていきます。
 また、観光振興、地域振興に資するクルーズ船の寄港拡大を図る取り組みや交流人口の拡大や外国人観光客の増加に対応するため、いわて花巻空港の機能の強化などの取り組みを進めていきます。
 次に、生活を支える社会資本の良好な維持管理の関係では、社会資本が将来にわたって機能し続けるよう、計画的な維持管理や長寿命化に取り組むとともに、建設業においては、若者、女性が働きやすい労働環境の整備やi−Constructionの取り組みなど、ICTの活用による生産性の向上、さらには、いわて建設業振興中期プラン2019に基づき、地域の建設企業の経営基盤の強化などに取り組んでまいります。
 続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号令和2年度岩手県一般会計予算についてでありますが、お手元の議案その1の7ページをお開き願います。県土整備部関係の予算は、6款農林水産業費3項農地費161億7、774万円余のうち2億191万円余、8ページをお開き願いまして、8款土木費1、622億7、306万円余、9ページの11款災害復旧費3項土木施設災害復旧費273億9、408万円余、12款公債費976億7、386万円余のうち1億1、333万円余、13款諸支出金2項公営企業負担金235億8、975万円余のうち8億6、242万円余でありまして、総額1、908億4、482万円余となっております。これを前年度当初予算と比較いたしますと126億2、479万円余の増、率にいたしまして7.1%の増となっております。
 以下、予算の内容につきまして、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の166ページをお開き願います。
 なお、説明欄に記載の主な事業の内容を中心に御説明申し上げ、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきます。
 6款3項2目土地改良費のうち県土整備部関係は、167ページに参りまして、説明欄の下から6行目、県土整備部と記載しておりますが、農業集落排水施設の整備に対する市町村への補助等であります。
 少し飛びまして、192ページでございます。8款1項2目建設業指導監督費のうち4行目、建設業総合対策事業費は、建設企業の経営基盤の強化、ICT技術の活用による経営効率化の推進や、若者や女性が働きやすい環境整備など、担い手確保に向けた取り組みの支援などに要する経費であります。193ページに参りまして、4目空港費は、いわて花巻空港の滑走路舗装改良工事や維持管理などに要する経費であります。
 194ページをお開き願いまして、2項2目道路橋りょう維持費のうち1行目、道路環境改善事業費は、災害に強く信頼性の高い交通ネットワークを構築するため、復興道路等における道路防災対策や橋梁の補修、補強等を行うほか、歩道の設置や舗装の補修など道路環境の改善に要する経費であり、195ページに参りまして、3目道路橋りょう新設改良費のうち1行目、地域連携道路整備事業費は、県が行う復興支援道路等の整備に要する経費であり、一番下の直轄道路事業費負担金は、国が行う三陸沿岸道路など復興道路等の整備事業に対する県の負担金であります。
 197ページをお開き願います。3項2目河川改良費のうち、198ページをお開き願いまして、1行目、三陸高潮対策事業費は、津波及び高潮による災害を防止するため、三陸沿岸の河川の防潮堤、水門等の整備に要する経費であり、3行目、河川激甚災害対策特別緊急事業費から河川災害復旧助成事業費までの3事業は、平成28年台風第10号により大規模な洪水被害のあった河川における再度災害防止のための河川改修などに要する経費であります。3目砂防費のうち6行目、砂防激甚災害対策特別緊急事業費は、平成28年台風第10号及び令和元年台風第19号により激甚な土石流被害が発生した地域における砂防設備の整備に要する経費であり、4目海岸保全費のうち1行目、海岸高潮対策事業費は、普金海岸、野田海岸等の防潮堤の整備等に要する経費であり、2行目、津波危機管理対策緊急事業費は、水門、陸閘の自動閉鎖システムの整備や根浜海岸の砂浜再生などに要する経費であります。
 201ページをお開き願います。4項1目港湾管理費のうち下から2行目、クルーズ船寄港拡大推進事業費は、クルーズ船の受け入れ及び寄港拡大に取り組むための経費であり、2目港湾建設費のうち1行目、港湾高潮対策事業費は、大船渡港海岸の防潮堤の整備等に要する経費であります。
 203ページをお開き願いまして、5項2目街路事業費のうち1行目、広域公園整備事業費は、高田松原津波復興祈念公園の整備等に要する経費であり、204ページをお開き願いまして、3目下水道事業費は、いわて汚水処理ビジョン2017に基づく生活排水対策などの取り組みを推進するため、市町村が行う公共下水道や浄化槽の整備に要する経費への補助等であります。
 205ページに参りまして、6項1目住宅管理費のうち3行目、住宅ストックリノベーション事業費は、住宅ストック活用に係る体制整備の促進や木造住宅の耐震診断、改修、省エネ性能にすぐれた県産材を使用した住宅の新築等に要する経費に対する補助などであり、下から3行目、生活再建住宅支援事業費補助は、被災者の住宅再建を促進するため、被災した住宅の補修等に対する補助であります。2目住宅建設費のうち、206ページをお開き願いまして、1行目、災害公営住宅整備事業費は、盛岡市の災害公営住宅の整備等に要する経費であります。
 次に、少し飛びまして、239ページをお開き願います。11款3項1目河川等災害復旧費及び240ページの2目港湾災害復旧費は、東日本大震災津波、令和元年台風第19号などにより被災した河川、道路や港湾施設などの復旧等に要する経費であります。
 243ページをお開き願います。12款1項1目元金、1行目、公債管理特別会計繰出金県債償還元金のうち当部関係は1億1、333万4、000円であり、これは、地方道路整備臨時貸付金に係る償還元金であります。
 245ページをお開き願います。13款2項1目公営企業負担金のうち、一番下の流域下水道事業会計負担金は、流域下水道事業会計に対して負担を行おうとするものであります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の議案その1にお戻りいただき、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、県土整備部関係は、12ページをお開き願いまして、一番下の28道路環境改善事業から、13ページに参りまして、下から五つ目の41指定管理者による県営住宅等及び県営特定公共賃貸住宅等管理運営業務までの14件であります。これは、河川激甚災害対策特別緊急事業、砂防激甚災害対策特別緊急事業など、工期が翌年度以降にわたるものについて、債務負担行為を設定しようとするものであります。
 次に、特別会計2件について御説明申し上げます。
 35ページをお開き願います。議案第7号令和2年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額について、歳入歳出それぞれ24万3、000円と定めようとするものであります。
 36ページをお開き願いまして、歳入の主なものでありますが、1款財産収入は、土地開発基金の運用に伴う利子であります。
 37ページに参りまして、歳出でありますが、1款管理事務費は、当該特別会計の管理事務費であります。
 次に、少し飛びまして、48ページをお開き願います。議案第11号令和2年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額について、歳入歳出それぞれ12億6、646万1、000円と定めようとするものであります。
 49ページに参りまして、歳入の主なものでありますが、3款繰入金は、埠頭用地の整備及び県債の元利償還等に充当するため一般会計から繰り入れるものであり、6款県債は、港湾施設整備事業等に係る県債であります。
 50ページをお開き願いまして、歳出でありますが、1款事業費は、埠頭用地の整備等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 51ページに参りまして、第2表地方債でありますが、これは、港湾施設整備事業に係る地方債の限度額等を定めるものであります。
 次に、企業会計1件について御説明申し上げます。
 少し飛びまして、63ページをお開き願います。議案第15号令和2年度岩手県流域下水道事業会計予算についてでありますが、これは、今回から企業会計予算として編成するものであります。
 第2条は、業務の予定量ですが、盛岡市など6市4町に対する年間総処理水量を7、015万9、000立方メートル、1日平均処理水量を19万2、216立方メートルとそれぞれ見込み、主要建設事業として、流域下水道施設の増設、改築、更新等を行おうとするものであります。
 第3条は、収益的収入及び支出の予定額でありますが、収入の第1款下水道事業収益は、市町村負担金などであり、支出の第1款下水道事業費用は、処理場費、減価償却費などであります。
 64ページをお開き願いまして、第4条は、資本的収入及び支出の予定額でありますが、収入の第1款資本的収入は、企業債、国庫補助金などであり、支出の第1款資本的支出は、建設費、企業債償還金などであります。
 第5条は、地方公営企業法適用の初年度に係る特例的収入及び支出について定めようとするものであり、第6条は、中川ポンプ場除砂設備ほか更新工事ほかなど9件の工事等について、債務負担行為の期間及び限度額を定めようとするものであります。
 65ページに参りまして、第7条は、建設改良事業に充てる企業債の限度額や起債方法などについて、第8条は、一時借入金の限度額を、第9条は、予定支出の各項の経費の金額の流用について、第10条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費について、それぞれ定めようとするものであります。
 66ページをお開き願いまして、第11条は、他会計からの補助金について定めようとするものであります。
 なお、これらの予算に係る実施計画、予定キャッシュ・フロー計算書などにつきましては、予算に関する説明書の552ページから575ページに記載しておりますが、これまで御説明申し上げました予算の明細等でありますので、説明を省略させていただきます。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 少し飛びまして、議案その1の76ページをお開き願います。議案第19号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、令和2年度において実施する土木関係の建設事業費の一部について、受益市町に負担させようとするものであります。
 次に、78ページをお開き願います。議案第20号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、令和2年度において実施する流域下水道事業の管理費及び建設費の一部について、受益市町に負担させようとするものであります。
 次に、条例案7件について御説明申し上げます。
 お手元の議案その2の26ページをお開き願います。議案第29号道路占用料徴収条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、道路法施行令の一部改正に伴い、道路の占用料の額を改定しようとするものであります。
 次に、32ページをお開き願いまして、議案第30号海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、漁港管理条例の一部改正案に合わせ、漁港区域に係る海岸保全区域の占用料の額を増額しようとするものであります。
 次に、33ページに参りまして、議案第31号岩手県手数料条例の一部を改正する条例についてでありますが、このうち当部関係は、別表第7県土整備事務関係手数料であります。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律に基づく省令や、都市の低炭素化の促進に関する法律に基づく告示及び建築基準法の一部改正に伴い、消費性能基準の適合認定について、新たに設けられた簡易な計算方法による認定申請に係る手数料の額を定めるなど、所要の改正をしようとするものであります。
 次に、少し飛びまして、81ページをお開き願います。議案第41号県立都市公園条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、岩手県営運動公園の登はん競技場の名称をスポーツクライミング競技場に変更し、使用の区分を定め、並びに使用単位及び施設の使用料の額を改定しようとするものであります。
 次に、83ページをお開き願いまして、議案第42号岩手県港湾施設管理条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、漁港管理条例の一部改正案に合わせ、占用料の額を増額しようとするものであります。
 次に、84ページをお開き願いまして、議案第43号花巻空港管理条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、道路占用料徴収条例の一部改正案に合わせ、土地占用料の額を増額するとともに、国際線に係る搭乗旅客及び機内持ち込み手荷物検査装置の更新に伴い、建物等占用料の額を増額しようとするものであります。
 次に、86ページをお開き願いまして、議案第44号道路法等の適用を受けない公共用財産の使用等に関する条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、道路占用料徴収条例の一部改正案に合わせ、使用料の額を改定しようとするものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木順一委員 委員長から2回もイエローカードをいただいておりましたので、3回目はもらわないように努めていきたいと思っております。
 それでは、県土整備部の新型コロナウイルス感染症拡大防止対策についてお伺いいたします。
 国の対策の方針によりますと、公共事業の受注者から申し出があった場合、必要に応じて請負代金もしくは業務委託料などの変更、または工期もしくは履行期間の延長を行うとされているところでありますが、現時点で申し出はあるのかどうか、あるとすればどういう内容か、事業件数、その理由、もしわかれば、おおよそでいいのですが、その総額についてお尋ねいたします。
〇菊地技術企画指導課長 新型コロナウイルス感染症による一時中止等の状況についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的に、国土交通省からの通知を参考といたしまして、契約中の工事及び業務におきまして、受注者の意向を確認した上で、必要に応じて3月19日までの一時中止や工期延伸の措置を行うこととしております。現時点で県土整備部所管の事業では、工事が2件、業務におきましては16件、合わせて18件につきまして、一時中止等の措置を実施しているところでございます。
 一時中止等の理由といたしましては、学校の臨時休校等に伴い、お子様の世話のために作業員に休暇の必要が生じたこと、業務におきましては、会社全体で在宅勤務や臨時休業といったことに伴うものなどとなっております。
 一時中止等の措置を行った工事及び業務の請負額の総額は約4億7、000万円となっております。
〇佐々木順一委員 業務というのは、具体的にはどういうものでしょうか。設計とか。
〇菊地技術企画指導課長 業務といいますのは、測量設計であったり、主に設計とか地盤調査などの業務のことを委託業務と呼んでおります。
〇佐々木順一委員 それは県内業者ですか、それとも大手でしょうか。
〇菊地技術企画指導課長 主に、県外の大手コンサルタント会社が多くなっております。
〇佐々木順一委員 3月19日までですね。これは国のほうの一応の区切りとしてそうなっているわけでありますが、今の状況を踏まえれば、新型コロナウイルス感染症については、収束するどころか、長期戦も覚悟しなければならないと思っております。
 19日以降については、どういう取り扱いになっているわけでしょうか。全く未定ですか。
〇菊地技術企画指導課長 3月19日以降の取り扱いについてでありますけれども、これまで、国土交通省の通知を参考に、一時中止等の措置を3月19日までとして対応してきたところであります。
 国から新たな取り組み等がまだ示されておりませんので、現時点におきましては、3月19日に一時中止の解除を行った上で、年度内に完了検査を行い事業の完了となる見込みとなっております。
〇佐々木順一委員 いずれ、一言で言えば国の通達次第ということですか。それとも、県独自で19日になったら解除するということですか。どちらの選択になるわけでしょうか。
〇菊地技術企画指導課長 基本的には、国の通知に準拠した形で対応していきたいと思っておりますけれども、ここで言うのは、受注者の意向を確認してというところがポイントとなっております。ですので、すぐにでも検査を受ける体制になれば、完成検査を受けまして、事業の完了に持っていきたいと考えております。
〇佐々木順一委員 それでは、受注者の意思次第だということでありますね。仮に国の通知が来ても、それが優先するということですね。
 万が一、これが年度を越えた場合は、どういう取り扱いになるのか、その点を確認いたします。
〇菊地技術企画指導課長 現時点におきましては、県土整備部所管事業において、工期または履行期間が新たな年度を越えることとなる工事、業務はない見込みであります。
 仮に、年度を越える可能性がある場合には、国の通知にも書いてありますが、繰り越し等の手続を適切に行ってまいりたいと思います。
〇佐々木順一委員 事故繰越ですね。
 次に、資材不足、人手不足などについては影響が出ているのかどうか、どういう状況になっているのかお伺いいたします。
〇菊地技術企画指導課長 資材不足、人手不足の影響についてでありますが、一部の建築工事におきまして、トイレやキッチンなどの水回り関係の中国製品に納期のおくれが見受けられておりますが、現時点では受注者から一時中止の申し出はない状況でございます。
 また、技術者や作業員の確保につきましては、特に影響がないと聞いております。
〇佐々木順一委員 わかりました。
 それでは、今こういう状況で経済危機が深刻化しております。資金循環も急速に衰えてきております。政府は大規模な経済対策を打つという報道もありますが、伝統的には、景気対策となれば、金融政策と公共事業ということになろうかと思っておりますが、金融政策は、日銀は金融緩和はやり尽くした感がありまして、景気対策というよりも景気刺激策にとどまるような感もあります。観光事業ももう今は停滞ぎみでありますから、残るは公共事業ということになろうかと思います。
 この公共事業に関し、県土整備だけではなく、農業土木とか沿岸施設とかたくさんあるわけでありますが、その象徴的なものは県土整備部の公共事業でありますからお尋ねしますが、国の緊急経済対策に呼応して、予算の出動以外にも、可能な限り発注ロットの見直しを図るとか件数をふやすとか、質、量、数ともに発注のあり方などにもこれから柔軟に工夫を凝らしていく必要があるのではないかと思っております。
 また、県では長寿命化計画も定めておりますので、そういった計画も前倒しするなどして、できるだけ県内の工事関係者が受注の機会に恵まれるような柔軟な対策を年度を越えてやるべきではないかと思いますが、部長の見解をお伺いいたします。
〇八重樫県土整備部長 停滞する経済への対策としての公共事業の発注の打ち方というようなことかとお伺いしました。国の今般の経済対策の中身は、まだ正確な情報がございませんので、公共事業にどれだけの影響があるものかわからない段階でありますが、我々、長寿命化等に対することとしては、今、国土強靱化のための3か年緊急対策が施されておりまして、それも活用しながらいろいろ進めさせていただいています。それだけでは終わるものではないということを国には要求、提言をいたしているところでありまして、予算の量としては、しっかりと確保していかなければならないと思っております。
 あとは、確保した予算をなるべく早期に建設市場に投入することが必要であろうと思っております。やはり入札の時点で不調、不落が生じますと、その工事の再度の入札、いろいろな手続で大分また契約に時間を要して、お支払いできるもの、前払い金等もまたおくれていくという循環にもなります。そういうことが起きないように留意しながら、合理的であり、公平、公正であるものが前提でありますが、いろいろ業界の意見も十分お伺いしながら、できる対策をとってまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 それでは最後に、国道4号花巻、北上境における拡幅整備事業と花巻パーキングエリア、スマートインターチェンジの整備事業について、その見通しについてお伺いし、質問を終わります。
〇菅原道路建設課総括課長 国道4号北上花巻道路、そして花巻のスマートインターチェンジの見通しについてでございます。
 国道4号北上花巻道路につきましては、国の令和2年度の新規事業化候補箇所といたしまして、昨日開催された社会資本整備審議会において、新規事業化の妥当性が評価されるなど、事業化に向けた手続が順調に進められているところであります。
 また、花巻パーキングエリアに設置いたしますスマートインターチェンジにつきましては、新規事業化に必要な経費を令和2年度の県当初予算案に計上しているところでございます。
 県といたしましては、事業が円滑に進捗していくよう、引き続き関係機関とともに取り組んでまいります。
〇城内よしひこ委員 令和元年台風第19号災害の復旧についてお伺いしたいと思います。
 査定後の工事の発注状況と見通し、あわせて課題についてもお伺いしたいと思います。
〇菅原砂防災害課総括課長 令和元年台風第19号災害に伴います査定後の工事の発注見通し及び今後の課題についてでございますが、まず、発注の見通しでございますけれども、本年1月末までに国の災害査定を終了いたしまして、県、市町村合わせまして884カ所、約150億円の査定決定を受けまして、現在、順次発注の手続を進めているところであります。
 現時点で、県、市町村合わせまして50カ所が契約済みとなっておりまして、そのうち被災後直ちに着手いたしました箇所につきましては、約4カ所が既に完成している状況であります。
 なお、県、市町村ともに、現在、早期発注に向けまして手続等を進めているところであります。3月末までに契約済みの箇所を含めまして、現在のところ約190カ所が入札手続に付されるものと見込んでいるところであります。
 なお、今後の課題でありますが、特に沿岸部では、東日本大震災津波あるいは平成28年の台風第10号災害からの復旧、復興工事を進めているということで、今後の状況によりましては、やはり工事の集中による技術者あるいは労働者の不足等が懸念されるのではないかという認識を持っているところであります。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、不調等が起こらないように、発注の仕方、これまでも、東日本大震災津波、平成28年台風第10号災害でも発注の仕方を工夫して出してもらったと思っていますので、その辺もしっかりと取り組みをしてほしいと思います。
 そこで、先ほどのお話がありますけれども、こういった工事に対して、新型コロナウイルス感染症の影響は現時点ではないという認識でよろしいでしょうか。
〇菊地技術企画指導課長 先ほども説明させていただきましたけれども、現時点におきましては、影響がないという考えでおります。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、今後出た際にも、しっかりと対応をお願いしたいと思います。出ないに越したことはないですけれども、よろしくお願いします。
 次に、東日本大震災津波からの復旧状況についてお伺いしたいと思います。
 おかげさまで、道路が大分開通してまいりました。今後の開通の見通し、三陸沿岸自動車道路、あと国道106号、国道340号について、あわせてお伺いしたいと思います。
〇菅原道路建設課総括課長 道路の開通状況、そして今後の見通しについてでございます。
 復興道路として整備が進められております三陸沿岸道路は、県内の延長213キロメートルのうち、令和2年3月1日時点では137キロ、約64%が開通しております。
 また、国道106号、すなわち宮古盛岡横断道路につきましては、復興支援道路として事業化された延長66キロメートルのうち、令和2年3月1日時点で31キロ、約47%が開通しているところでございます。
 これら国において整備が進められている復興道路、復興支援道路につきましては、令和2年度内に全線が開通する見通しが示されているところであります。
 また、県において整備を進めております国道340号につきましては、平成30年11月に立丸峠が開通したところでありますし、現在、押角峠工区を初めとしまして3工区で工事を実施しておりまして、いずれも令和2年度内の供用開始を目指しているところでございます。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、これはお願いしたいところですけれども、特に新しい道路、国道106号についてでありますが、長いトンネルができてまいります。多分、防災の関係からラジオ等が受信できるような環境は整うものと思っていますが、その辺はいかがでしょうか。
〇菅原道路建設課総括課長 国道106号宮古盛岡横断道路についてのトンネル等でのお話であると賜りました。これは、現在、国において代行で整備を進めていただいているところで、一つ一つのトンネルに通信設備がつくかということは、実は存じ上げておりませんけれども、トンネルの延長等によって、それぞれつくべき施設等がございますので、その辺は国で進めていただいているものと理解はしております。
〇城内よしひこ委員 理解しているものではなくて、確認をして、ぜひお願いしたいものだと思います。その辺、黙っているとつかなかった場合があったりすると、利用する人たちは大変困るわけであります。
 そこで、国道340号ですけれども、遠野付近は携帯電話が通じないのです。これは関係する総務課との連携も必要になろうかと思いますけれども、せっかく道路が開通して、何かあった場合に携帯電話もラジオも不感地帯ということではいけないと思うのです。その辺の対応は、地域からの声としても要望も多分あるかとは思いますが、どのようにお考えかお伺いしたいと思います。
〇菅原道路建設課総括課長 国道340号、具体には押角のこれからできるトンネルとか、立丸トンネルのお話だと理解いたしました。それらにつきましては、今、委員御指摘のとおり、地元からは不感地帯がなくなるようにという要望があることは承知しております。そういうことで、我々も、事業は総務省、そして、具体には各市町村にその必要性等の調査が行くとも伺っておりますので、道路管理者といたしましても働きかけて、ぜひそれらが実現するように取り組んでまいりたいと思っております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、そこはしっかりと対応していただいて、利用される方々の安心・安全を確保してほしいと思います。
 次に移ります。宮蘭フェリーについてでありますが、今のところ残念な方向に向かっていると思っています。これまでの経緯と取り組みについて、まずお伺いしたいと思います。
〇照井港湾課総括課長 宮古―室蘭フェリーのこれまでの経緯と取り組みについてでございますが、県では、平成27年3月の川崎近海汽船株式会社によります宮古―室蘭フェリー航路開設計画の公表以降、フェリーターミナルの整備など受け入れ準備を進めるとともに、航路開設のPRなど利用促進に取り組み、平成30年6月22日に航路が開設されたところでございます。
 航路開設後は、誘致企業への訪問やテレビや旅行雑誌でのフェリーの情報発信、フェリー就航1周年を契機に、岩手から東海方面にかけて運行する大型トラック2台に宮古―室蘭フェリー航路のPRラッピングを施すなど、知名度向上に取り組んできたところでございます。
 また、トラックドライバーなどから実際に航路を利用した際のメリットや改善点等の意見をいただき、新規のトラック利用拡大につなげていく宮古・室蘭フェリー物流効果等実証事業を実施するなど、宮古市や関係機関と連携いたしまして、航路の利用促進を図ってきたところでございます。
 昨年12月20日の川崎近海汽船株式会社によります宮古寄港休止発表以降は、宮古市や室蘭市と連携いたしまして、川崎近海汽船株式会社に対し寄港継続の要望を行いますとともに、トラックの利用拡大に当たっての課題などについて情報共有を図るため、県、宮古市、室蘭市及び川崎近海汽船株式会社を構成員とします宮古・室蘭フェリー航路連絡調整会議を2月に設置したところでございます。
〇城内よしひこ委員 先ほど道路の完成の時期もお伺いしました。令和2年には三陸沿岸道路が全線開通する、まさに利便性が図られる。そのタイミングまでなぜ待てなかったかとも思ったりするわけであります。我々も乗りましたし、北海道が近くなったなとも思っていました。そういった意味では、大変残念であります。
 今後の見通しはどのような感じで、再開も含めて可能性はあるのかも含めてお伺いしたいと思います。
〇照井港湾課総括課長 航路再開の見通しについてでございますけれども、川崎近海汽船株式会社からは、三陸沿岸道路等の全線開通や本州―北海道間の貨物動向を注視しながら、宮古への寄港再開に向けた検討を継続すると伺っております。
 このため、県といたしましても、三陸沿岸道路等の開通区間の順次拡大に応じた交通量と物流の変化を注視しながら、川崎近海汽船株式会社との情報交換を継続いたしまして、寄港再開の見通しを立てていく必要があると考えているところでございます。
 今後におきましても、今申し上げた交通量と物流の変化や物流事業者等のニーズの把握に努めながら、宮古市や関係機関と連携し、川崎近海汽船株式会社への要望活動や宮古港へのアクセス性の向上のPRなど、寄港再開に向けて取り組んでいくこととしております。
〇城内よしひこ委員 これは、ぜひ本当にお願いしたいし、できることは私どももしっかりと協力をしていきたいと思っております。
 完全再開がどういう形になろうかわかりませんけれども、それまでの間、港にあるターミナルはどのような形で活用されるのかお伺いしたいと思います。
〇照井港湾課総括課長 宮古港におきましては、クルーズ船の寄港もございます。令和2年度につきましては7隻のクルーズ船の寄港を予定しておりましたけれども、新型コロナウイルス感染症の関係で5回になっておりますが、そのクルーズ船寄港時のクルーズターミナル的機能の提供とか、あとは宮古港の振興のための基地として、また防災では、例えば埠頭用地で働いている方が津波で逃げおくれた際の避難場所とか、そういうことで活用していきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 いずれ、あの建物は無人にはならないということでよろしいですか。
〇照井港湾課総括課長 現在、宮古市が指定管理者として指定管理していただいておりますけれども、令和2年度につきましても、宮古市が指定管理者として管理いただくということで進めているところでございます。
〇城内よしひこ委員 最後になりますけれども、これまで八重樫部長には、台風災害等の復旧であったり、いろいろな形で活躍をいただいてきたと思って感謝申し上げます。
 そこで、この宮蘭フェリーであったり、道路の開通であったり取り組んでこられた中にあって、今後、この宮蘭フェリーへの思いはどう感じているかお伺いしたいと思います。
〇八重樫県土整備部長 宮蘭フェリーですが、これまでも委員会の場で御答弁申し上げましたとおり、岩手県と北海道、宮古市と北海道の胆振地方を結ぶ非常に画期的な重要な航路でありまして、これは、川崎近海汽船株式会社の社長も、実際に自分の声で伝えていただいておりましたが、やはりしっかりと定着させていきたい、岩手県民、市民に愛される航路に育てていきたいという言葉を伺っておりました。
 そういう中で会社の最初の見立ては、もう少しトラックが、東北自動車道は八戸市まで寒いところを通っていくよりも雪のない沿岸道路を滑走していったほうが、メリットが高くて、お客さんがふえるのではないかというようなことで開港した航路だと存じております。今は休止状況にありますけれども、道路はできてきますので。気仙沼市内の大きな橋も来年度内にできて、関東から八戸市まで三陸沿岸道路がずっとつながるというようなことが出てきますので、そういったときにまた、非常に大きな効果が生まれるのではないかと思っております。
 先ほどの港湾課総括課長の答弁のとおり、そういった状況を注視しながら、また、早くキャッチして、広くPRするということを惜しまず取り組んでいきたいと思っております。何とか再開に向けて頑張ってまいりたいと考えております。
〇中平均委員 私からも、最初に新型コロナウイルス感染症の関係についてお伺いいたします。先ほど来の質疑の中で、この公共事業一時中止の状況であり、また金額、業務数と件数等出ておりますので、そこに重複しない点でお伺いしていきたいと思います。
 3月19日までの国の通知が来ているということでございます。それ以降は、今後の国からの通知に準じてやっていくということでございました。そういった中において、現在、岩手県では発症例がないですけれども、3月19日まででもいいですし、それ以降、例えば動いている現場で発症例が出た場合の対応は、どういう形で来ているのか、まずお知らせ願いたいと思います。
〇菊地技術企画指導課長 県内の工事現場において感染者が発生した場合の対応についてでございますけれども、まず、一義的には保健所の指導を前提として対応していくところですが、帰国者・接触者相談センターへの相談であったり、または発注者、また下請への連絡体制の確保をお願いしている状況であります。
 また、発症者、濃厚接触者の方の自宅待機などを指示するなど、保健所の指導のもとに対応を進めていきたいと考えております。
 なお、保健所により安全が確認されるまでの間は、工事等の一時中止の措置をとることになると思います。
〇中平均委員 その一時中止は当然そうなってくるのだろうと思うのですが、その一時中止になった場合に経費等が出てきますね。受けた業者もそうですし、県でも、本来の工期が一時中止のために延びていくわけですから、その分のかかった経費をどう見ていくことになるのかという点をお伺いしたいと思います。
〇菊地技術企画指導課長 中止期間の経費等についてどのようになるのかという御質問でございます。中止中におきましても、現場事務所の維持管理費などの経費が発生いたしますので、その辺は積算基準書にも記載がありますので、その基準書どおり、適切な設計変更をしてまいりたいと思っておりますし、工期につきましても、必要に応じまして、必要な工期を付加して、不足のない工期を確保できるように努めてまいりたいと思います。
〇中平均委員 そうすれば、今、3月19日まであと2日ですけれども、それ以降も恐らく同じような対応になっていくのだろうと思うのです。今の話あったところをより具体的にといいますか、入札業務のときにそういった点を明記して周知してもらわないと。いろいろな報道を見ていると、発症というか新型コロナウイルス感染症にかかっているけれども、無理をして仕事をして感染を広げてしまったとかといった例も出ています。そういった点をきちんと通知していきながら、もし一時中止になっても、仕様書に書いてあるとおり、その分の経費等は全部補填されるといった点を周知していく必要性がより出てくるのではないかと思っていましたので、その点をお願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。
〇菊地技術企画指導課長 国からの通知につきましては、各発注者向け、県、市町村に通知をいただいておりますほか、建設業の関係団体にも国土交通省から通知が出ております。その中に、一時中止等に伴いまして、受注者の責めに帰すことができないものにつきましては、契約書等に基づきまして一時中止を行うほか、必要な経費の計上であったり工期の延長もすることになっております。この通知のとおり、徹底してまいりたいと思います。
〇中平均委員 あと一つ、この新型コロナウイルス感染症に関してお聞きしたいのですけれども、その分のかかった経費とかは、県の事業だから県が持つものなのですか。それとも、その分、これからのさまざまな新型コロナウイルス感染症対策の部分で国から来る予定でやっていくものなのですか。それとも、それは今からなので、県として、これからきちんと要望に動いていくという形なのですか。どんな感じになっているのでしょうか。
〇菊地技術企画指導課長 経費の負担につきましては、今時点で国が全部負担するというお話はまだ伺っておりませんので、現時点では、補助事業、交付金事業であれば、それぞれの負担割合に応じての負担になろうかと思います。
〇中平均委員 ふだんの繰り越しとかと意味合いが違って、一時中止と違う状況になるということですから、各種の対策等に、国のメニューに盛り込んでもらえるような動きをお願いしたいと思います。
 次に、令和元年台風第19号の災害の復旧関連について。先ほどお話がありました災害査定が884カ所、総額150億円ということでございました。その中で、災害査定を受けて大体3年で完成するという工事ですけれども、平成28年台風第10号のときもそうでしたが、最初の1年目が、今の時期に災害査定が終わって、実質2年で工事をやらなければならないと。そしてまた、終わり切れないところは繰り越しをかけていたと記憶しているのですけれども、今回も実質2年で工事をやっていくということになると思います。先ほど入札不調等がないことを前提にというお話でしたけれども、不調がなく発注が進んでいったとして、2年で終わり切るということでよろしいのでしょうか。
〇菅原砂防災害課総括課長 ただいまの災害復旧事業の事業期間についての御質問でございますけれども、委員御案内のとおり、災害復旧事業につきましては、原則、発災が起きれば3カ年で復旧が必要だということで、国から予算措置がされるわけでございます。私ども、現在、そういった状況の中、令和元年台風第19号災害につきましても、まずは3カ年内、令和3年度以内の全箇所の復旧に向けて全力で取り組んでいくという姿勢でございます。
〇中平均委員 そういった中で、いろんな事態がどうなるか。それこそ新型コロナウイルス感染症の関係もあって、もしかすればとまる工事があるかもしれない。そういった中で、今のところも当然3年以内でやっていくということだと思うのですけれども、進捗状況を確認していきながら、今後延ばしてもらわなければならないところも出てくるかもしれないことを見越して、国との調整をしてもらいたいということであります。
 あと一つ令和元年台風第19号に関して、先ほどの災害査定の箇所等が出ました。その中で、これは公共土木施設が壊れた箇所ということだと思うのですけれども、堤防とか道路が壊れていなくても災害が発生している、内水被害であるとかありますね。そういったところの安全・安心をつくっていく点はどうしていくのか。道路で言えば、道路は直接崩落等をしていないけれども、土砂等が流れ来る地域がどうしても出てきてとまった箇所があったり、河川で言えば、河川堤防は壊れていないけれども、内水の被害で水につかってしまった地域等、今回そういった事例が多いと思っておりますが、そういった点についての災害査定の箇所にはのってきているかのってきていないか、直接壊れていないのでのってきていないのではないかという気もするのですが、そういったところの今後の対応、どういうふうにして今回組み込んでいるのか、わかる範囲で結構ですのでお願いしたいと思います。
〇幸野河川課総括課長 先ほど委員からお話しのあった河川関係であります。河川関係では、令和元年台風第19号災害で施設が壊れたという場所は比較的少ない、小規模でありました。一方で、久慈市内では非常に多くの雨が降りまして、小屋畑川で逸水が発生する、もしくは沢川周辺で内水被害が発生したということがございました。我々は、施設被害は少ないのですが、逸水被害を再び起こさないということを前提にしまして、現地調査を今行っておりました。調査結果をもとに抜本的に対策がとれないか、どのような事業が導入できるかということについてこれから検討してまいりたいと考えております。
〇和村道路環境課総括課長 道路につきまして、土砂が流れ込みまして、通行どめになる箇所がございました。この箇所につきましては、状況等を確認しまして、今現在のところは、土砂を土どめで行っておりますが、今後につきましては、どのような内容でできるのか、現在調査を進めているところでございます。
〇中平均委員 今調査をしているということでありますけれども、再度の災害を防止していくという点を当然考えていかなければならないだろうと。壊れた箇所に関しては、改良復旧等の考え方も取り入れてきているというのも承知しています。その中で、今御答弁いただいた直接的な施設の被害ではなくても、やはりやっていかなければならない地域というのは皆様御承知のことだと思います。ただ、災害の査定に入らない分、予算をどこから持ってくるかという点もまた大きな課題だと思いますので、ぜひとも、去年からプラスシーリングの1.05ということでも動いているということでもございますし、あとは国もさまざまな施策を打ってきているという中で上手に捉えながら、今後に進めていただきたいというところでございます。
 そして最後に、今、復興事業を盛んにやっていますけれども、国の復興道路も来年の3月いっぱいで完成して進んでいく中でありますけれども、沿岸部では復興需要というものが多かったというのも現実であります。そういった中で、これがいずれ切りかわっていくということですが、今まではどうしても復興の関係があって大ロットで、変更契約が今回も出ていますけれども、まず先に進んでいこうと。それを否定するものでは全然ないのですけれども、これからやっていく中ではある程度の発注前の調査とか精査も当然必要になってくるでしょう。また、今までは発注率をふやしていくために金額が大きかったものを、これをどうしていくか、地元の、あとはとりやすくしていくということも必要になってくると思うのですが、そこら辺をこれからどう考えていくのかという点をまずはお伺いしたいと思います。
〇大久保建設技術振興課総括課長 震災以降の発注方法についてでございますけれども、震災の復旧、復興事業におきましては、沿岸部において、大ロットの土木工事等の発注が見込まれましたことから、沿岸部での発注標準金額を引き上げて、そういう特例を定めまして工事の進捗を図ってまいりました。今後、復興事業の進捗に伴いまして、大規模工事が減少していくとともに、建設投資額は減少傾向になってくると考えております。ですので、従前の発注方法からの何かしかの転換も必要になってくると考えております。ですが、まずは地域の建設企業は、社会資本整備のほかに、災害の応急対応や維持管理なども担っておりまして、一方で、地域経済も支えているといった状況にあります。
 近年、災害が多発しておりまして、地域の建設企業が将来にわたって存続できるように、建設投資額の確保とともに、発注方法についてその時々の社会情勢に即したものとなるよう、見直しが必要になってくるだろうと考えております。
〇中平均委員 そういった中で、これからまたやっていくということだと思います。総合評価のほうも4月から切りかわる―切りかわるわけではないですね、少し点数の配分が変わってくるということも聞いておりましたので、そこの中で地元関係がどう、例えば今答弁でいただいた災害関係とかさまざま地元貢献等々の配分がどう変わっていくのか、ちょっとお伺いできればと思うのですが。
〇大久保建設技術振興課総括課長 総合評価方式よる発注ですけれども、これについては価格競争によらない入札方法でして、地域性等の要素も加味しております。主たる営業所の所在地などがどこにあるかといったことを総合評価点に反映しているところでございます。
 今般、総合評価方式の見直しを行いまして、近年の頻発する自然災害の発生状況等に鑑みまして、地域の守り手確保の必要性が高まっております。そういったことから、地域精通度につきまして、評価割合を高めることとしております。
 具体的には、ICTの活用工事の実績、週休2日制の実績、船舶の所有などの10項目の見直しなのですけれども、建設業において喫緊の課題となっている働き方改革への対応や担い手確保、そして地域での災害時の体制確保に関する活動等が評価されるように配慮しているところでございます。
〇中平均委員 そういった点等を含めながら、まず新型コロナウイルス感染症の対策をどうしていくかとか、この災害復旧、何より安全・安心な地域をどうつくっていくかということが一番問われてくることだと思っていますので、そういう点を踏まえて、これからもぜひとも県土整備部の皆様には御活躍いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いして終わらせていただきます。
〇飯澤匡委員 大きく3点について伺います。
 まず最初に、東日本大震災の復旧、復興についても、復旧だけではなくて、改良事業も含めたという地域住民の声がだんだん高まっているという議論がこの委員会でも幾度となく交わされているわけですが、現在、私の地元で土地改良事業が随分採択をいただいて、設計から施工へと移る段階にあるわけですが、その際に、県道と隣接している地域においては、狭隘部分を同時に改良できないかという声が上がってきております。
 まず、最初にお伺いしますが、この件について農村整備センター、土木センターとのいろんな協議が必要になるかと思いますけれども、基本的な県土整備部の考え方についてまずお伺いをしたいと思います。
〇菅原道路建設課総括課長 土地改良事業と合わせた県道整備の基本的な考えということでございます。
 土地改良事業と一体となった道路整備は、用地取得あるいは施工時の土砂流用などの面においては、効率的な事業実施の可能性があるものと我々認識しているところでございます。一般的に、土地改良事業が調査に着手する段階で、各地域で地方計画検討委員会が開催されます。道路管理者や河川管理者など関係機関に対して土地改良事業に係る情報が共有されているところでございます。道路管理者といたしましては、共有されました土地改良事業の計画区域ですとか、着手予定時期などを踏まえまして、道路整備の必要性、重要性、効率性、公共事業予算の動向などを総合的に勘案して、土地改良事業と一体となった整備が可能かを個別具体に検討しているところでございます。
〇飯澤匡委員 そのとおりなのでしょうけれども、ただ、実際、現場でいろいろ住民からも要望があって、いざ進もうとすると、行政の、この部分は農村整備センターだ、この部分の判断は土木センターだということになってしまいますので、共有意識の図り方、もっと具体的に進める方法はないものかと思うわけです。
 間に入って私も何度か行き来しましたが、なかなか前に進むものも見えてこないという状況なので、その点、基本的指針といいますか、そこら辺はしっかり協議の上で、総合的に勘案するというのはまさしくそのとおりなのですけれども、施工できるかできないかという判断もしっかり現場におろしていただいて、予算は別としても、そこら辺はそういう判断をさせるような仕組みを考えていただきたいと思うわけですが、その点についてはいかがですか。
〇菅原道路建設課総括課長 広域振興局内の情報共有についてということでございます。
 道路とか河川などに関連する場合には、関係機関として、道路管理者あるいは河川管理者なども委員会の場に参加いたしまして情報の共有を図っているところでございますが、やはり委員御指摘のとおり、なかなかそこがうまくマッチングしていないと感じるところがございます。いずれ、我々といたしましては、土地改良事業と一体となった道路整備は効率的な事業執行も見込まれる観点からも、必要な情報が確実に共有されるよう、今後、再度、広域振興局とも体制を共有していきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 わかりました。またその点は具体、個別にありますので、御相談をさせていただきたいと思います。
 2点目は、昨年も質問させていただきましたが、黄海川の治水対策について。
 この件については、ことしの1月に入って、地域の黄海地区の住民自治協議会が主催いたしまして、日曜日にもかかわらず、国土交通省の岩手河川国道事務所の職員の方、副所長さんも出席の上、特に北上川本川との接続地域の水門の問題について具体に黄海川の治水対策について御説明をいただいたところでございます。多くの住民の方が参加されて、この関心の高さを示した勉強会ではなかったかと思います。
 あわせて、一関市からも建設部長さんが出席をしまして、一関市の河川整備、治水対策についてもあわせて説明があったところです。一定程度の結論めいたお話が最後には河川国道事務所からあったようですが、岩手県としては参加していないので改めてお伺いをします。
 昨年も同じ質問をしておりますけれども、この件について国土交通省とはどのような情報の共有をされて、岩手県としては黄海川の治水対策についてこれからどうやって進めようとしているのか、その点について、水門設置にかかわってもあわせてお伺いします。
〇幸野河川課総括課長 黄海川の国が管理する北上川合流部でありますが、委員お話しのとおり、先般、自治協議会において勉強会がなされまして、その前段として、自治協議会からは、水門の整備に関して要望がなされていることも承知しております。
 この勉強会の中身については我々もお聞きしておりまして、国からは、近年洪水による家屋の浸水被害箇所を優先的に進める中にあって、なかなか黄海川の水門の早期整備は難しいというお話がありました。このような状況ではありますが、県といたしましては、北上川本流からの背水の影響によりまして、黄海川の周辺に浸水被害の発生の懸念があると認識しております。これまでも、国とは水門整備に関して調整をしてきたところでありますが、引き続き、恒久的な背水対策について国との調整を進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 それで、先ほど結論めいたという話をしましたが、いずれ、まだ決定したわけではないので、引き続き国との協議も進めていただきたいと思います。
 そこで、国から対応策として示されたのは、既に行われている本川の合流部近くの樹木の伐採、それから河道掘削、一関遊水地の整備、運用、それから既存ダムの洪水調節機能の強化、これがいわゆる北上川本川の洪水時の水位上昇を低下させると。
 それから2点目としては、流域面積の小さい黄海川の洪水を本川の水位上昇前に流下させると。何をやるかというと、黄海川の樹木伐採それから堆積土砂撤去、いわゆる河道掘削。そのようなことで、できることを総動員、全力で取り組むとされています。
 そこで、同じ地域で一関遊水地の整備も今やっているわけですが、今進捗率としてはどれくらいなのか。この進捗率の度合いによっては、これも絵に描いた餅になってしまいますし、まず、その点を確認させていただきます。
〇幸野河川課総括課長 一関遊水地の進捗率でございます。一関遊水地に関しましては、昭和47年から着工いたしまして、全体事業費約2、700億円と承知しております。平成30年度後半の完成を予定していると聞いておりまして、あと完成まで数年というような状況のところまで進捗していると承知しております。
〇飯澤匡委員 大きな事業なので、大体のところはぱっと出るようにお願いしたいものだと思います。通告はしていませんから御迷惑はかけましたけれども。
 工事費ベースで大体8割程度と聞いています。まだまだ遊水地の整備についても数年かかる予定でございますので、これはこれとしても、いずれ地域の住民としてみれば目に見える形で、安心・安全というものをやっていただきたいというのが水門の設置に集約されているのではないかと。
 それと同時に、前回も指摘をしましたが、下流部の堤防についても規格が非常に古くて、一つ例を申し上げれば、水害時には必ず消防団が集合をかけられる。大体旧東磐井地区では、東山町の松川地区か藤沢町の黄海地区かと、こういうことになっているわけです。また、土地改良事業を今後採択の見込みで動いていますが、築堤に関係をして、河川の横断で取水をしている部分が、前回も指摘をしましたが非常にもろくなってきていると。この間の令和元年台風第19号の災害においても、堤防付近からいろいろ災害が出ているという状況にもあります。
 最初に質問した部分と関連をするわけでありますが、今後、この地区においても、黄海川の築堤等の整備について予定される土地改良事業と合わせて、地域資本の効率的整備の観点から私は必要と思いますが、今後の方向について伺います。
〇幸野河川課総括課長 黄海川の築堤等の整備についてでありますが、県では、圃場整備事業が予定されている区間におきまして、河川の現況流下能力の調査を実施しているところでございます。その調査結果を踏まえまして、土地改良事業と合わせた事業導入の可能性も検討してまいります。また、治水対策としましては、浸水被害軽減のための河道掘削や立ち木伐採についても、あわせて計画的に実施してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 承知しました。国からも、岩手県と連携して、立ち木の伐採それから河道掘削について行いたいという話も出ていますので、そこの連携はしっかり強めていただきたいと思います。
 そして、最後の質問ですが、国道343号の新笹ノ田トンネルの実現について質問いたします。
 冒頭、城内委員の質問に対して、復興支援道路についても令和2年まで、年度末で完了するというお話でございました。渋民工区については、この予定で進んでいるのでこれに該当すると思うのですけれども、住民の強い要望として、何度も質問させていただいて、9万筆にも及ぶこの署名の重み、これについては重く受けとめさせていただきますというお話をしていただいていますが、このトンネル、もう復興期間を過ぎてしまいますとこれから予算の確保についても非常に困難になってしまうと思料されるわけです。
 まず質問の第1点ですが、この間釜石の式典に行ってきましたが、その際、ループ橋で補修工事をしているわけです。この工事の状況、これはどういう工事なのか。それから終了の予定、完工の予定をお知らせください。
〇和村道路環境課総括課長 現在工事を進めておりますループ橋の補修工事の状況でございますが、国道343号のループ橋は、陸前高田市側から下標示合橋、ハタゴロバ橋、笹の田大橋の3橋で構成されております。このうち、下標示合橋、ハタゴロバ橋につきましては平成30年度までに工事が完了しております。現在、笹の田大橋を工事しておりますが、平成31年3月末に、耐震補強と補修工事の契約をしたところでございまして、令和元年6月ころから橋脚の耐震補強や補修等の工事に着手し、令和2年度の完成を目指して工事を進めております。
〇飯澤匡委員 補修工事で安全の確保をするということは大事なことなのですが、この間その工事が進行中でありまして、停止区間で私も停車をしました。これが橋の上なのですよ。非常に怖かったですね、強風でありましたし。確かに三陸沿岸道路も橋脚部門が多くて、条件は同じなどと言われるかもしれませんが、非常に見通しがいいカーブの上で停車をさせられましたので、これは改めてこのループ橋の怖さといいますか、それを実感した次第であります。何度もやりとりをして、コンテナ車についても安全が確保されたとは言いつつも、実際、現場を見ていただいて、この恐怖、それから年に何人も命を絶つ人が出るという実態ですね。変なところで名所になっているわけです。これらも含めて、このループ橋は旧建設省時代に随分流行して、全国各地で建設をされたようですが、いまやどの地域でも無用の長物として扱われているという状況も聞きますし、部長には実際に谷底を見てくださいというようなお話を前回にしたかと思うのですが、この件についてどのような状況把握をされているか、感想も含めてお伝えください。
〇八重樫県土整備部長 谷底には参っておりません。申しわけございません。しかしながら、何度も国道343号は通らせていただいております。やはりあのループ橋をおりて、ちょっと広場が右のほうに、空き地があるのですが、そういうところから上方をのぞきますと、当然ながら道路の勾配を緩く稼ぐために、距離をとるためのループ橋となっておりまして、非常に高いところまでうねって、そして上方でロックシェッドとかを経てまたトンネルに入っていくという構造になっております。実際、上のほうに利用されている、営業されている方もおりまして、いずれ、しっかりと今管理して安全な通行を確保する必要がありますので、先ほどの答弁のとおり、耐震補強等をやらせていただいているところであります。
 いずれ、いろいろな要望をいただいておりますし、この委員会の中でも、これまでも新笹ノ田トンネルの必要性ということで御要望を何度もいただいているところでありますが、そういった御要望はしっかりと受けとめながら、笹ノ田トンネルの区間のこれからのあり方については、しっかりと捉えて継続して検討させていただきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 今の穏やかな答弁では、今予算にも恐らく計上されていなかったのではないかと思いますが、計上されていたらそういうふうに御答弁を願いたいのですけれども、よろしくお願いします。
〇八重樫県土整備部長 令和2年度当初予算案の中に具体的に笹ノ田工区の調査費等の項目は計上されておりません。
〇飯澤匡委員 地元の悲願でありますし、何度も言いますけれども、沿岸地域も含めて陸前高田市、大船渡市、この地域からも熱望されている新トンネルの建設でありますので、本当に重く受けとめてほしいと思うのです。
 震災関連のテレビ番組でNHKが、三陸沿岸道路の開通によって大手の物流会社が、Fという大きな路線会社ですけれども、久慈市から仙台市まですっかり張りついて、地域の仕事もこれから虎視たんたんと狙っていくというお話でありました。こういう路線ルートが確立をしてしまいますと、おおよそ横断道については、まことにこれは観光面においても後手後手を踏んでしまうと、こういうことになってしまいます。したがって、岩手県が岩手県として我々が誇りを持って地域の資源を生かすということを考えた場合に、何度も議論されていますが、平泉の世界遺産また釜石の世界遺産、これらもしっかり連携していくという意味においては極めて有効な路線だと考えるわけです。また、建設に向けて新笹ノ田トンネル整備促進期成同盟を立ち上げた旧大東町の小原町長も昨年御逝去されまして、私としては大変申しわけなかったなというような思いもしております。これは別にセンチメンタルな話ではなくて、それだけ思いをつないできた重要な課題だと私も認識しておりますので、これを実現するまで、この件については要望を重ねてまいりますし、実現に向けて運動も住民の方々と一緒になってやっていきたいと思っています。今後の展望策、昨年は部長から必要不可欠な課題だと答弁をいただきましたので、今後どのようにこの国道343号をつなげていくか、それも含めて御答弁をお願いしたいと思います。
〇八重樫県土整備部長 国道343号は委員おっしゃるとおり、沿岸と県南内陸部を結ぶ重要路線でございます。先ほどお話にも出ましたが、渋民工区の工事を早期完成に向けて鋭意取り組んでいるところでございますが、その先、東側についても、道路のあり方、また陸前高田津波伝承館などへの動線もこれからどのように変わってくるかということもあります。そういったこともしっかりと注視しながら、私としてはこれを命題としてしっかりと組織でつないでいきたいと今考えておりますので、これからもいろいろと御要望等の御指導はしっかり賜ることができればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
〇佐々木茂光委員 ちょっとおさめ方が静かだったなと。これから部長がかわられても、それは引き継いでいくということは私も承知したわけでありますけれども、今、飯澤委員のほうから、大分昔からの取り組みを含めて、地元の声もしっかりとこれまで届けてきたと。私が議員になってからももちろんそうなのですけれども、要はILC誘致に向けた取り組みも一つの大きな要素であるということも当局のほうからも返事をいただいたところでもあります。この間の2月6日の知事記者会見で、ILCが日本学術会議の学術大型研究計画として位置づけられたことについては、その意義が認められたことを評価しているとお話をされております。ある意味、これまでよりも、半歩になるか1歩になるか、いずれ前進をしたなと私は知事の答弁を解釈したわけであります。
 これは、もう、そろそろ手を打たなければだめなのではないかなと思うのです。これはある意味、受け入れる側としての姿勢ですよね。我々はILC誘致ということで、東北、北海道を含めて国に対して要望している。それが成果として、この間の知事の発言に受けたのではないかと思うのです。一つの区切りであったのではないかと思うのです。その節目のところで本当に必要と思われる、重要と思われるところには何らかの手を打っていかないと、世の中に対して示しがつかないのではないかと思うのです。
 今年度は、ILC推進事業費1億1、800万円余りですか、多少昨年度より予算を上乗せしたようであります。それは、国内外への情報発信、ここが大事なのですが、受け入れ環境整備、加速器関連の拠点形成の強化がこの事業の目的に入っているようであります。そう考えると、ここはILC絡みもそこまで来たらというところを見定めて、それに合うくらいのところまでは進めたほうがいいのではないかと思うのです。掛矢とくいがあれば、とりあえずここには道路ができますというのも世の中に対する一つの情報発信ではないかと思う。掛矢とくいを打つぐらいだったら、3万円、5万円くらいでできるかもしれませんけれども、そういった意味での調査費、少なくてもね。
 過去に飯澤委員から見せられたのですが、あそこのトンネルの法線路線図、それも多分部長も目を通しているかと思うのですが、当時120億円かかりますよということもお話を受けておりました。その事業費を捻出することができないということから、なかなか難しいということもお話をされていました。今、沿岸部の復興も事業としてもう底が見えています。それをいきなりゼロというわけにはいかないと思うのですね。これは業界の人たちを含めて。そういった意味で、つなぎではないですけれども、何がしかの手をそこに、将来的には工事を何とかここに県としても考えていますというものを示していくのも……(「そろそろ質問に」と呼ぶ者あり)そろそろ質問にということなのですが、既に質問しているわけなのだけれどもね。ここはもう一声踏み込んではどうかと思うのですが、少なくても調査費、どうですか。
〇八重樫県土整備部長 この国道343号、新笹ノ田トンネルの課題も含めて、岩手県は県土面積が広うございます。いずれ、県北から沿岸、県南と、それぞれに抱える地域課題もあります。それぞれまだまだ要望の大きい社会資本整備というのもあります。この笹ノ田の課題も含めて、これからの岩手県の未来につながるプロジェクトがどうあるべきか、しっかりと今後とも県土整備部の中で議論できるような体制を継続させていただきたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 いや、今ILCに注目されているのではないですか。確かに四国4県に匹敵するくらいの面積で、当然、路網の整備というのは着実に進めていかなければならないと思うのです。ただ、ILCがここまで見えている中でいかがなものかなと思うのですが、少なくても、それじゃ、くいだけでも打ちますか。部長の置き土産じゃないですけれども、お土産でも残されても喜ばれるお土産もあれば、いや、それは要らないねと言われるのもありますけれども、だけれども、これはやっぱりそのくらいの思いを残していってもいいのではないかと思います。どうですか、部長。(「くいだけでは悔いが残るぞ。だからやるのさ」と呼ぶものあり)
〇八重樫県土整備部長 悔いの残らない仕事をさせていただければ本望ですが、いずれ、いろいろな道路、まず、このILCという地域に関連する道路かとも思いますが、ILCの誘致に関しては、今現在は港湾道路での運搬ルートとしては利用が可能だというようなことでまず進んでいるところでありますが、これからILCがどのように絡んでくるかといいますと、新たなまちづくりなどの姿が具体的に示されてきた場合に、そのアクセスルートとしての位置づけがしっかりと明確になってくる可能性があります。そういったことを準備、しっかりと身構えながら、組織として対応できるような継続性を持って対応してまいりたいと思っております。
〇佐々木茂光委員 そうであれば、ILC推進局のほうに部長から、予算の増額になった分で、悔いが残らないくいを打ちましょうということを伝えていてもらえますか……。私はあと、ILC推進局に行ってお願いしたいと思いますので、その辺の取り次ぎだけよろしくお願いしたいと思います。
〇臼澤勉委員 それではまず私から、新年度、新たに単独事業として緊急的に河川のしゅんせつができるようになりましたけれども、国土強靱化の3カ年計画が60億円、そして緊急浚渫推進事業が約1億円で、県が管理している河川のしゅんせつ工事の必要河川数はどの程度見込んでいて、そしてこの3カ年、あるいは緊急浚渫推進事業を使ってどの程度整備が進められると考えているかお伺いします。
〇幸野河川課総括課長 県におきましては、近年、浸水被害がある箇所であるとか、資産が集中する箇所など、緊急性があり事業効果が高い箇所など114河川において河道掘削を進めることとしております。
 その取り組み状況についてでありますが、先ほど委員からお話しのあった防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策であるとか、また、令和元年度に国の補正予算等もございました。浚渫債などもございますが、それらを活用しまして、令和2年度末には85河川において河道掘削が進むものと考えております。
〇臼澤勉委員 大体1カ所当たりのしゅんせつの事業費は、平均したらどの程度なのですか。例えば3、000万円とか5、000万円くらいの、ざっくりとでいいですけれどもお伺いします。
〇幸野河川課総括課長 河道掘削につきましては、場所によって土砂をとる量が違いますので一概に言えないところではあります。ちなみに、令和2年度予算で約7億9、000万円の事業費を予定しておりますが、これは、河道掘削10カ所、10河川で予定しております。単純平均ではいかないのですけれども、その程度の規模で実施しているところでございます。
〇臼澤勉委員 総務省にも聞いたところ、岩手県のこの緊急浚渫推進事業、他県に比べて少し控え目だと聞いております。しゅんせつ1億円。国土強靱化の3カ年のほうが多少有利な部分もあるということでは理解しておりますけれども、ちなみに、私が聞いているところでは宮城県で20億円とか、あるいは秋田県7億円とか、青森5億円と予定されているようなのですけれども、もう少し踏み込んで使ってはどうかと思うのですけれども、その辺の御所見をお伺いします。
〇幸野河川課総括課長 本県の河道掘削への対応でございますが、先ほど委員から御指摘があったように、県としては、今、国土強靱化のための3カ年緊急対策、これが非常に有利な財源であるということから、これを使って進めるということで取り組んでいるところであります。ただ、この制度は、令和2年度までの取り組みということでありますので、令和3年度以降、どういう国の仕組みになるかということもございますが、仮にそういう3カ年計画、緊急対策のようなものがなくなれば、当然、浚渫債というのは非常に有効な事業だと考えておりますので、その辺に関しては国の制度を注視しながら、必要に応じて浚渫債についても積極的に活用していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 この緊急浚渫推進事業は5カ年事業ということで、令和2年から令和6年度までということになっておりますけれども、今後5年の事業見通しをどの程度進める予定かお伺いします。
〇幸野河川課総括課長 本県のしゅんせつ、河道掘削の見通しでございますが、先ほど答弁申し上げたとおり、必要な箇所としては114河川中、令和2年度で85河川まで進むということで、進度に関してはかなり進んできているということであります。今後5カ年につきましては、3カ年緊急対策なり114河川が終わるのを見据えて新たなる必要箇所を点検いたしまして、それに基づいて考えてまいりたいと思いますが、現時点では、まだその5カ年に関しては見通しというのは持っておりません。
〇臼澤勉委員 昨今の台風被害だとか、市町村からもあるいは住民からも多い事業であります。114河川で今85河川を国土強靱化の3カ年で進めていくということでは評価しますし、ただ、この114河川以外にも、もしかしたらまだまだ本当はやってほしいという事業もあると思いますし、一言で1河川と言っても、全長が長くてその中でしゅんせつするべきところとかあると思うのです。ぜひその辺をしっかりと地域要望もそうですし、県の河川管理者として安全・安心の確保のためにしっかり進めていただきたいと思います。
 そして、河道断面を確保しながら砂利の有効利活用を進めていくべきだと思います。走っていて、特に国管理河川でもいい砂利というか石があるなと見えるのです。一方で、水田とかを掘って環境保全課で許可しながら砂利採取をやっている業者もいるけれども、ぜひその辺の河道断面の確保をしながら砂利の有効活用を前に進めてほしいと思うのですけれども、御所見をお伺いします。
〇幸野河川課総括課長 県におきましては、県管理河川において、河川管理者が選定した区間で砂利採取を実施する民間企業を公募して、堆積土砂の撤去の推進と資源の有効活用を図る公募型土砂撤去制度を平成30年度から運用しているところでございます。実績としましては、現在まで10河川13カ所で実施されているところでございます。
 国のお話もございましたが、国では、現在、北上川ではこのような制度は行っていないと承知しておりますが、河川内の土砂の有効利用という観点から、こういった県の取り組みについても国と情報共有しながら、その有効利用を図ってまいりたいと考えております。
〇柳村一委員長 臼澤勉委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 臼澤委員、御了承願います。
   午前11時58分 休 憩
午後1時2分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日7人の質問者が予定されております。議事進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いします。
 質疑を続行いたします。
〇臼澤勉委員 それでは、引き続きお願いいたします。次は、道路ネットワークと土地利用についてお伺いいたします。
 岩手医科大学附属病院周辺の交通量の変化を県はどのように御認識されているのか。スマートインターチェンジを含めた周辺も含めての御認識、そして、新年度以降どのような取り組みを進めていくのかお伺いします。
〇菅原道路建設課総括課長 岩手医科大学附属病院の移転に伴う交通量についてでございます。矢巾町内におきまして、病院の移転前の6月と移転後の10月に交通量調査を実施いたしました。自動車の12時間交通量といたしまして、国道4号、あるいは国道4号から矢幅駅に向かう県道矢巾停車場線では、大きな変化は見られなかったところでございます。
 一方、国道4号に並行する町道中央1号線につきましては、移転直後は交通量が増加しましたけれども、矢巾町において4車線化の工事が完了しておりまして、現時点では大きな混雑は生じていないものと認識しております。
 また、スマートインターチェンジでございます。スマートインターチェンジは、御案内のとおり、平成30年に開通いたしまして、計画交通量といたしましては1、900台でございます。それが、直後からだんだん増加傾向にあるということを道路管理者のネクスコから聞いております。
 令和2年度以降の取り組みということでございますけれども、国におきましては、盛岡南道路の事業化に向けて着実に今進んでいるという認識でございますので、引き続き、早期の事業化に向けて取り組んでまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 大きな変化はないということでございますが、私が生活している実感とすれば、やっぱり日中というよりは朝とか夕方の時間帯、あるいは歩行者とかも相当程度ふえてきているのかなと。今は交通量の話もありましたけれども、歩行者も移転に伴って大分ふえているという御認識だけは持っていただきたいと思います。冬も間もなく終わるのですが、冬のバリアフリー対策も含めて、県としてどのような取り組みをお考えになっているのか、お伺いいたします。
〇和村道路環境課総括課長 矢幅駅から岩手医科大学附属病院までの歩道に関しまして、来年度、融雪について調査したいと考えております。
〇臼澤勉委員 いずれ、本当に大分ふえておりますし、冬期間、私も滑って転んだ記憶もあります。ぜひ、そこら辺の対策をしっかりお願いしたいと思います。
 そして、重要物流道路の選定状況、特に盛岡広域を含めた選定状況とかアウトプットはどのようになっているのかお伺いしたいと思います。というのは、県として、道路ネットワークをしっかりとつないでいく必要があろうと思うのです。防災拠点、物流拠点あるいは県内唯一の特定医療病院である医療拠点に、県として、県土整備部としてどうこの道路ネットワークを結んでいくのかお伺いいたします。
〇菅原道路建設課総括課長 重要物流道路についてでございます。御案内のとおり、平成31年4月1日に既に供用されております高規格幹線道路あるいは直轄国道及びこれらの道路から物流拠点までのアクセス道路を中心に、県内では985キロメートルが指定されております。
 盛岡広域エリアで申しますと、東北自動車道あるいは国道4号のほか、県道上米内湯沢線や県道盛岡和賀線の一部区間など、盛岡貨物ターミナル駅や県内の主要な工業団地などとの物流拠点までのアクセス道路が指定されている状況にございます。
 また、今後につきましては、今申し上げたような既に指定された区間に加えまして、事業中区間でありますとか計画路線を含めた新たな区間が2019年度以降に指定されると国から聞いておりますので、それにのっとって、県でも今後要望をしていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 本当にいろいろな拠点が県内各地にございますし、盛岡広域の中にも、先ほども言いました防災拠点あるいは物流であったり医療拠点があります。私は、国道、県道、市町村道、それぞれ役割があると思うのですよ。改めて聞きますけれども、県道の役割分担はどういうことになっているのでしょうか。
〇和村道路環境課総括課長 県道の役割分担と同じでありますけれども、県道の認定要件が道路法で定められておりまして、その中では、地方的な幹線道路ということで、市または人口5、000人以上の町と、これと密接な関係にある主要地、主要港、主要停車場または主要な観光地等を連絡する道路等になっております。
〇臼澤勉委員 ぜひ、医療拠点の岩手医科大学附属病院ができまして、それにいかに県内各地から安全に、しっかりと速く到達できるかというのは、国道の役割もありますが、県として国道を補完する重要な役割があります。管理水準についても、当然県道になれば市町村道よりは高い水準で、冬季の交通対策であったり、あるいは豪雨のとき、さまざまそういう水準が高くなりますので、県民の命を守るための医療、命のネットワークもしっかりと進めていただきたい。
 そういう観点から、ただ、その道路はつくっても、結局、面的な整備も必要になってまいります。盛岡の広域都市計画は5年ごとの定期見直しが行われておりますけれども、今の状況、そして、今何を進めているのかお伺いします。
〇八重樫都市計画課総括課長 盛岡広域都市計画区域における定期的な見直しの進捗状況でございます。
 県では、おおむね5年ごとに都市計画に関する基礎的な調査を実施しておりまして、都市の発展動向、人口や産業の将来見通しなどを勘案いたしまして、都市計画の見直しを実施しているところでございます。
 盛岡広域都市計画区域に係る定期的な見直しにつきましては、この基礎的な調査を終えておりまして、その結果を関係する市町と共有しております。現在は、市街化区域及び市街化調整区域の見直しに関して、関係機関と事前の相談を行っている状況でございます。
〇臼澤勉委員 いろいろと今そういった調整を関係機関とも進めているということであります。ちなみに、この盛岡広域の中の市街化調整区域における地権者であったり、あるいは開発業者からの編入要望がどの程度あるのか県は把握しているのか、要望に対してどう対応しようとしているのかお伺いします。
〇八重樫都市計画課総括課長 市街化区域への編入への要望についてであります。
 地権者あるいは開発事業者の方々からは直接お話を聞いてはおりませんので、その程度につきましてはわかりかねますが、盛岡広域都市計画区域を構成する関係市町からは、岩手医科大学附属病院の移転に伴いまして、住宅に対するニーズが増加していると聞いておりまして、これに伴う開発需要があるものと認識しております。
 そのため、県といたしましては、関係市町である盛岡市、滝沢市、矢巾町と協議しながら、広域的な観点から市街化区域及び市街化調整区域の見直しの必要性等につきまして検討し、関係機関と必要な調整を図っていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 市街化調整区域の中でも、以前も、例えば県として地区計画制度の取り組みも、国でも柔軟な運用の見直しを進めているのだから、あるいは山形県の事例もあるし、さまざまなそういった柔軟な対応を進めるべきではないかということで私は取り上げた記憶があります。
 ただ、今、例えば農地を所管している国の機関であったり、さまざま協議をしているのは私も知っておりますけれども、もうこれはどのくらいたったのでしょうか。もう1年半というか、そのくらいかけてもなかなか見通しが立たないような状況なのかなと。
 私は、その協議をすることはそれぞれ大事だとは理解しています。ただ、余りにも関係機関との協議に膨大な資料作成と時間を要し過ぎ、そして、そういったところについては、関係機関に対しても制度改善の方向性を働きかけていく必要性があると思うのですけれども、県としての御所見をお伺いします。
〇八重樫都市計画課総括課長 関係機関との協議の関係についてでございますが、市街化区域及び市街化調整区域の見直しに当たりましては、見直しの対象となる土地に都市計画法以外の法令による土地利用規制がかかっていることが多く、この規制の解除等に係る調整が必要となります。そのため、その協議につきましては、事前の相談も含めまして一定の時間を要するものと認識しているところでございます。
 国におきましては、都市計画の決定または変更につきまして関係機関とより円滑な調整がなされるよう協議のルールを定めておりまして、市街化区域及び市街化調整区域の見直しにつきましても、このルールに基づいて協議を行うとされているものでございます。
 県といたしましては、このルールに基づきまして必要な協議が迅速かつ着実に進捗していくよう、スピード感を持って対応していくこととしております。
〇臼澤勉委員 私は、無秩序に市街化区域を拡大すべきだとは思っていないのですよ。ただ、町というのは、生き物だと僕は思うのですね。その時代時代で変化しておりますので。そういった中において、ぜひ、この都市計画制度の都市の健全な発展、そして秩序ある整備というこの法の趣旨に沿いながら、市町村が、一方では、各自治体の自立型の財政基盤をつくっていく環境整備だと私は思うのですよ。財源確保のためにも、固定資産税であったり住民税を自力で確保しながら、自立型の独自の自治体経営を考える市町村もそれぞれありますので、そういった観点からも、しっかりと国なりに大きく働きかけをしていただきたいと思います。
 私も復興の現場で、さまざまな土地利用の協議もしてまいりました。ただ、おっしゃるとおり、農地側は、復興現場でも、あるいは住宅再建のために農地をここは転用しましょうと働きかけても難しいのは、担当者の皆様が本当に大変な思いをしているのもよくわかります。ただ、都市計画は―私は、県土整備部は、ある意味、母なる事業を所管している部局だと思います。新たな価値基盤を生み出すために皆様はお仕事をされていると。次の未来に向けた創造的な基盤を生み出す皆様のお仕事だと思っております。
 部長、今までのこういった経験の中で、県土整備部が果たすべき、これから令和の新しい時代に、どういうふうにこの新たな未来のまちづくりを進めていかなければいけないと思っているのか、お伺いします。
〇八重樫県土整備部長 岩手県にも33市町村が実際にありまして、盛岡市を初め、都市部もございますし、農村農地部、里山といった町村もございます。いろいろな土地に暮らしていらっしゃいます県民の皆様が、これから幸福の実現にチャレンジできる、そして幸福を取得できる、実現できるような県の姿をつくっていくことが非常に大事かと思っております。
 土地利用につきましても、いろいろな土地利用の法律が当然ございます。それぞれの立場、理念、理由から、いろいろな土地の管理がそれぞれの法律のもとに行われているわけですが、そういった中で、いろいろな思いが重なって、この土地はこのように展開していきましょうというようなことは、かなり労力、時間がかかるということは承知しております。それぞれの思い、理由をしっかりと伝え、あとは整理するべき事象、数値的な根拠といったことも一生懸命スピード感を持って対応しながら、考えが同じ方向に向いていくようになお一層努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 本当に県土整備部は、ある面、男性型のお仕事づくりのイメージを持たれるような気もしますけれども、私は、都市計画、区画整理事業も含めて、そういった新たな価値を生み出していく、そして、暮らしを支え、あるいは産業の基盤を進めていく大きな意味での新たな社会を生み出していく仕事を皆様はされていると思っております。
 住宅についても、きょうは質問できませんでしたけれども、そういったことで、県土整備部の皆様のさらなる活躍も期待しておきたいと思っておりますし、国の機関にも負けずにというか、しっかりと推し進めていただきたいと思います。
〇米内紘正委員 私は、臼澤委員が住宅について質問できなかった分、県の住宅政策について質問をさせていただきます。
 まずは、県営住宅についてお聞きします。現在の県営住宅の入居率及び高齢者のみの世帯の割合をお知らせください。
〇伊藤技術参事兼建築住宅課総括課長 県営住宅の入居率及び高齢者のみの世帯の入居率についてでございますが、令和元年12月末現在で、災害公営住宅を含みます県営住宅の管理戸数6、751戸に入居する世帯数は5、492世帯で、入居率は81.4%となっております。
 次に、高齢者のみの世帯の入居率ですが、令和元年12月末現在で、65歳以上の高齢者のみの世帯は1、685世帯で、入居世帯全体の30.7%となっているところでございます。
〇米内紘正委員 高齢者のみの世帯が30.7%ということで、住宅施策においても、もちろん人口減少、高齢化の課題は同じく押し寄せてきているわけでございまして、県営住宅についても課題がこれから、今もですけれども、出てくるかと思います。
 まず、県営住宅に関してもかなりのところが、3階建て、4階建てでもエレベーターがないところですとか、本当に高齢者だけが取り残されてしまって、地域コミュニティーの活力の低下だったり、あるいは施設の老朽化ですね。30年、40年たってかなり老朽化が進んでしまって、今、入居率を教えていただいたのですが、倍率のデータもいただいたところを見ますと、平成19年度に約300戸の募集戸数に対して1、700の応募、約5.8倍あったのが、令和元年度は、同じく約300戸の募集戸数に関して425の応募ということで1.42倍。5.8倍から1.42倍まで倍率が下がってしまっているところでございます。
 これらの課題について、解決に向けてどのような方策で取り組んでいくかお聞かせください。
〇小野寺住宅計画課長 高齢者等の問題が進んでいるということでございましたけれども、県営住宅におきまして、高齢者対策等のバリアフリー化対策、それから、居住環境を向上させるための浴室改修などの機能向上工事につきましては、県で定めております岩手県県営住宅等長寿命化計画に基づき、今のところ実施しているところでございます。
 来年度につきましては、これまでどおり、花巻市の団地で行ったり、奥州市の団地で行ったりですとか、それぞれ建てられた時期によって団地の劣化状況ですとか、それから、やはり地区で抱えている高齢化等の問題が異なるところもありますので、こちらは、長寿命化に基づきまして適切に実施してまいりたいと思っております。
〇米内紘正委員 バリアフリーに関して、私も今、松園という住宅団地に住んでおりますけれども、松園のアパートでも改修が進んでいるところを見ます。毎年1戸か2戸ずつですが改修が進んでいると。バリアフリーということで手すりがついていっているのですけれども、ただ、エレベーターはないのですね。
 バリアフリーの根本のところで、手すりがついただけでどうにかなるのかという不安もありますし、しかもその松園の北アパートでいうと、管理戸数386戸のうち空室が142ということで、40%以上空室なのですね。私も外から見ると、半分ぐらい空室のところが、お金をかけて改修されているわけでございます。果たしてこれでいいのかなと思うところから、今回質問させていただいたわけでございます。長寿命化というところは必須のことで、国でも長寿命化しなければいけないということになっていますけれども、ただ、これは、私は問題の先送りでしかないと思うのですね。
 災害公営住宅を除いて約5、100戸の県営住宅があって、そのうち3分の1の1、700戸が1970年代につくられたと。今はまだ長寿命化で何とかなるかもしれないですけれども、これが20年、30年となったときに、公営住宅の根本のあり方、そもそも今、何で倍率が5.8倍から1.42倍まで下がってしまっているかというと、現代のニーズに合わないちょっと老朽化した団地になってしまっている。ただ、これを全部建てかえたり改善するには、これまた財源の確保が難しいと思います。
 なので、その根本のところ、問題の先送りではなくて、ほかの自治体ではいろいろ、PFIの手法によって、そもそものあり方、スマートウェルネスタウンとか、高齢者に特化した住宅地、子育て世代に特化した住宅地とか、あるいは移住者に向けた住宅地として性質そのものを変えていく。長期的には、もちろん住宅のセーフティネットとして必須のものでありますので、その辺も踏まえて、長寿命化という先送りではなくて、根本のところをどう考えているかお聞かせください。
〇小野寺住宅計画課長 県の長寿命化計画につきましては、平成28年度に策定いたしまして、ライフサイクルコスト、一気に大量供給した時代、昔はやはり大量供給という時代でしたので、大量供給から、現在の質、バリアフリーですとか居住環境ですとか、そちらのほうにシフトしまして現在のところ住宅政策を行っております。大量供給の時代に供給いたしました住宅につきましては、予算の問題ですとか人口の問題、それから地域の問題等さまざまな問題がありますので、その辺を踏まえながら、もちろん市町村とも連携しながら、適切に、平準化を図りながら、長寿命化計画の中で計画を進めてまいりたいと考えております。
〇米内紘正委員 長寿命化はいいのですけれども、もちろん進めていただきたいのですが、この倍率がどんどん低くなってきたときに、空室だらけになってしまったときに、日本国内にはたくさんありますけれども、廃墟になってしまって社会的資産としての価値がゼロになってしまう。そういうことだけは避けて、県営住宅の未来に向けての政策を考えていただけたらと思います。
 あわせて、今度、県営住宅ではなくて、県内の住宅団地についてお伺いいたします。今般、地域再生法が改正されまして、その柱として、地域住宅団地再生事業が創設されました。日本国内に5ヘクタール以上の住宅団地が3、000あると発表されましたけれども、そのうち県内には幾つあるでしょうか。
〇小野寺住宅計画課長 平成29年度に国土交通省が行いました住宅団地の実態に関する調査によりますと、岩手県内では、盛岡南新都市のほか、松園ニュータウンを含めまして全部で41団地、延べ面積にいたしまして約2、055ヘクタールとなっております。
〇米内紘正委員 この地域住宅団地再生事業が創設された背景に、やはり日本各地で、先ほどの大量供給の時代に造成されたかつてのニュータウンがあるわけでございます。このかつてのニュータウンは、どこも同じ課題、高齢化による空室率の増加、それによって景観が悪化したり、衛生面が悪化したり、はたまた犯罪率が増加したりというところ、先ほどの県営住宅と同じ、地域コミュニティーの活力低下というところが課題としてある中で、このような事業が創設されたわけでございます。
 その中で、県営住宅と絞ったときよりも、この住宅団地は、幅を広げたときに県のかかわり方はかなり難しくなってくると思います。県営住宅だったら県の中である程度完結するかもしれないですけれども、その中で、あるいは民間の事業者が造成した団地になってくると、なかなか難しくなってくるわけでございます。住民との協働が必要になってくるわけでございますけれども、住宅団地の再生事業に関しては、県は、今後どのようにかかわっていくつもりか教えてください。
〇小野寺住宅計画課長 先ほど国で行いました住宅団地の実態調査による面積ですけれども、岩手県では41団地、約2、055ヘクタールとなっております。
 住宅団地の実態調査によりますと、住宅団地は、やはり高度成長期に供給された団地が非常に多いということでございまして、築年数がかなりたってくると、高齢者の急増ですとか、人口が減っていく中での生活利便性の低下等といった問題があるところでございます。
 先ほど委員おっしゃられたとおり、内閣府の所管になりますけれども、地域再生法の一部を改正する法律で、団地再生に向けた取り組みが進められるという形になっておりまして、この辺の再生事業制度を利用いたしますと、国土交通省で所管しております住宅市街地総合整備事業などの団地要件の緩和ですとか、国費率のかさ上げ等が行われる新たな制度も創設されております。
 県といたしましては、県独自の取り組みであります木造住宅の取り組み等と合わせまして、市町村が主体という形の再生制度の取り組みと承知しておりますので、住宅市街地総合整備事業の活用を希望する市町村がある場合、事業が円滑に実施できるように市町村を支援してまいりたいと考えております。
〇米内紘正委員 市町村主体となっている、プラス内閣府のというところで管轄外なのですけれども、これからまちづくりを考えたときに、先ほど臼澤委員も話していましたが、やっぱり一体となって未来の基盤を考えていくというところで、まちづくりはこっち、住宅はこっちという考え方でいくとなかなか難しい。
 そして、今回の地域再生計画も、町から主体となって声を上げてきて、また、地方の地域協議会をつくって、またそれを法人化してというと、なかなか難しいところなのですね。なので、そこはなかなか県のかかわり方としては難しいかもしれないですけれども、この2月、3月も、地域住宅団地の再生に関してハンズオン支援の公募をしていましたが、例えば市町村に働きかけるなどしていただけたらと思います。
 そこで、最後に部長にお伺いいたします。住宅団地のところは、いろいろな主体が一緒になるのでなかなか難しいかもしれない。ただ、その中で県営住宅を見ると、そこから手をつけていくことは私は可能だと思うのですね。平成25年の調査でも、岩手県の空き家率がもう14%となってしまっている。そして、先ほども申しましたとおり、県営住宅に対する応募倍率も下がってしまっている。その中で、ここから10年、20年、あるいは50年先まで住宅政策を考えたとき、例えばライフステージに合わせて住みかえしていく、あるいは住みやすい場所を提供していくことを考えたときに、県独自の予算だけではなかなか難しい。民間も交えた根本的な公営住宅のあり方に関してどのようにお考えか、お聞かせください。
〇八重樫県土整備部長 公的な住宅提供の大きな目的として、やはり世の中に社会人として奉職されて、これからどんどん収入を獲得していく若い方々が、居住環境を確保できるような施策と承知しております。そういった方々に、まずは働くためのすみか、そこを利用していただきながら収入を高めていただいた上では、あとは御自分で、例えば住居を確保されるとか民間の賃貸を活用されるとか、そういった機能を公的な住宅が国費を投入して建設もできるということで、比較的家賃を低廉化できる施策であると承知しております。
 あと、まだいろいろな募集をしている中では、5倍というような倍率ではありませんが、やはり1を超える、2倍とか、そういった住宅団地もあります。そういった方々のニーズがまだまだあるとも承知しております。
 先ほど委員のお話にもありましたとおり、やはり入居される方々のニーズに沿った魅力のあるような団地環境を、しっかりと時代に沿ったものを整備していくことも非常に大事かと思っております。あいているということで、それを放っておくということではなくて、やはり必要なリニューアルを行って、まだまだニーズがあるという方々に向けて、ぜひ活用していただくような政策を継続していくべきものと思っておりますので、しっかりと社会のニーズを注視しながら対応させていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、最初に新型コロナウイルス感染症による県土整備部の事業への影響、建設業への影響をお聞きします。先ほど、県土整備部にかかわっては18件の工事中止その他がありました。要因別の件数を示してください。そして、建設業全体にどういう影響が出ているかも示してください。
〇菊地技術企画指導課長 理由別の件数ということでよろしいでしょうか。
 主に委託業務につきましては、午前中も申し上げましたとおり、在宅勤務であるとか自宅待機というような会社ぐるみで取り組みを行っているところがございますので、委託業務につきましてはそのような理由となっております。工事につきましては2件ありますが、こちらにつきましても、午前中申し上げましたとおり、学校の休校に伴う子供の面倒を見るために休まなければならないというような状況でございます。
〇大久保建設技術振興課総括課長 県内の建設業への影響についてでございますが、県内建設業団体への聞き取りでは、民間の住宅建設において、トイレや水回りの設備などの中国産の資材や機器において、一部入手が困難になっていると。そのことに伴いまして、住宅の納期のおくれの懸念があると聞いております。
〇斉藤信委員 企業局の審査のときに、企業局の工事で、中国からトイレが入ってこないので工事中止になっていると。これは本当にもう少しリアルに、今かなり出ていますよ。中国からの資材がストップしているので。もっとリアルに、危機感を持ってよくつかんでいただきたい。リアルな答弁が出ないのでやめますけれども。
 次に、私は、きょうは災害公営住宅にかかわって集中してお聞きしたい。
 災害公営住宅における高齢化と孤独死の状況はどうなっているか、部長はその実態をどう受けとめているか示していただきたい。
〇八重樫県土整備部長 災害公営住宅での高齢化の状況についてでございます。
 令和元年12月末現在で、災害公営住宅に入居している5、146世帯のうち、65歳以上の高齢者を含む世帯は3、191世帯、62%となっております。そのうち高齢者のひとり暮らし世帯ですが1、712世帯と、全体の33.3%となっているものでございます。
 この災害公営住宅における孤独死の状況については、ひとり暮らしとはいいながら、お一人でお亡くなりになるという事実は大変痛ましいものでございまして、そういう事態はあってはならないことであり、極力改善していくべきものと考えております。
 この孤独死の状況につきましては、関係部局とも共有しておりますが、令和元年9月現在45人ということでございましたが、令和元年12月末現在には50人と、この3カ月で5名の方がお亡くなりになられていると承知しております。
 このような状況に鑑みまして、高齢者が孤立を深めることがないような、高齢者の見守り、そしてコミュニティーの形成に取り組んでいくことが重要と考えております。
〇斉藤信委員 災害公営住宅の特徴は生活苦と高齢化、その中で孤立化、孤独化が進行して孤独死が急増していると。昨年末までに災害公営住宅で50人、応急仮設住宅での孤独死は46人でしたから、ついに昨年、逆転してしまった。特に重要なのは、この2年間で災害公営住宅での孤独死は34人です。これは50人のうちの68%。いわばこの2年間で孤独死が急増しているのが実態でね。私は本当に、阪神・淡路大震災で20年以上孤独死が続いた、1、000名を超えたと。私はこの教訓、轍を繰り返してはならないと。そういうことで具体的な思い切った手だてをとることを求めたいと思います。
 最近、岩手県立大学のグループと岩手大学の船戸特任助教による、それぞれの災害公営住宅入居者の生活実態調査、災害公営住宅コミュニティと生活に関する調査結果が明らかにされました。その内容をどう受けとめていますか。
〇伊藤技術参事兼建築住宅課総括課長 コミュニティと生活に関する調査結果について、その内容をどう受けとめているかということでございますが、岩手県立大学等の調査結果では、誰が入居者かわからないが69.2%、あるいは相談相手がいないが47.0%などと災害公営住宅の問題点が明らかにされておりまして、単なる見守りにとどまらない対策が必要であるとなっているところでございます。
 高齢者の見守りとコミュニティーの確立は、非常に重要な課題であると認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 岩手県立大学グループの調査結果は紹介されましたが、船戸特任助教のものは触れられませんでしたので、私が若干紹介いたします。
 船戸特任助教のほうが岩手県の入居者の回答が多いのですね。1、100人を超える回答でありました。ここで特に注目するのは、コミュニティー形成の拠点である集会所が一回も利用がないというのが42%、年に数回が33%で、ほとんど使っていないというのが75%に達しておりました。もう一つは、御自宅からお隣3軒程度の方々の顔と名前はどの程度わかりますか、ほぼわかる、大体わかるが47%、5割以上はわからないということですよ。
 そして、公営住宅で困ったときに相談できる人、信頼できる人はどのぐらいいますか、いないが28%。さらに、今の災害公営住宅に今後も住み続けますか、住み続けるという答えが58%なのです。いわば、家賃が上がっているから、住み続けられるかどうかわからないという不安が圧倒的に多い。
 実は、岩手大学の調査は具体的な生の声がたくさん出ていまして、家賃が上がって大変だというものが一番多かった。
 その点で、私は今の災害公営住宅の状況をお聞きしますが、これは県営災害公営住宅ですけれども、自治会の確立状況と集会所の活用状況はどうなっていますか。
〇伊藤技術参事兼建築住宅課総括課長 災害公営住宅における自治会の確立の状況と集会所の活用状況についてでございます。
 自治会の設立状況につきましては、令和元年12月末現在、県管理の災害公営住宅29団地中23団地が設立済みであります。
 それから、集会所の活用状況についてですが、集会所を併設しております27団地全てで活用がございますが、1カ月当たりの使用回数で見ますと、少ないところでは月2回程度、あるいは多いところでは月30回を超えるような集会所もあるというような状況でございます。
〇斉藤信委員 県営災害公営住宅の自治会は、私が昨年11月の決算特別委員会で聞いたときには10団地残っていましたから、それが6団地にまでね。しかし、まだ6団地で自治会がつくられていないと。
 集会所の活用状況は答弁が極めて不正確なのです。圧倒的に多いのが月に2回から5回程度です。10回以上利用されているのは3カ所だけですよ。この3カ所のうち、大槌町上町と大船渡市みどり町は、生活支援相談員が複数配置されているところです。もう一カ所は栃ケ沢アパートですね。だから、きちんと手だてがとられているところは、それなりに集会所が活用されてコミュニティーの拠点の役割を果たしていると。
 私は、このことをリアルに見て、50戸以上の災害公営住宅には生活支援相談員を複数配置して、今深刻になっている災害公営住宅のコミュニティー形成、そして、ひとり暮らし高齢者などの見守りのために、生活支援相談員をしっかり配置すべきだと思いますけれども、この見通しはどうなっていますか。
〇伊藤技術参事兼建築住宅課総括課長 今、委員からお話がありましたとおり、本年度、生活支援相談員を配置いただきましたみどり町、それから上町アパートにつきましては、集会所の利用が増加しているほか、生活支援相談員がいるということで、自然に集会所を訪れる人がふえているなど、地域で孤立を深めることがないように、被災者一人一人に寄り添ったきめ細やかな支援をいただいていると思っております。
 また、その役割につきましては、個々の世帯の状況に応じた頻度による訪問活動や災害公営住宅における見守り支援、相談対応など、民生児童委員や介護等事業者などと連携した、被災者が生活する上で必要となる支援を行っていただいていると思っております。
 災害公営住宅への生活支援相談員の配置につきましては、一定規模以上の災害公営住宅に配置していただけるように、関係者の間で情報の共有を図った上で、市町村の社会福祉協議会の設置事業に協力するなど、集会所で関係機関が活動しやすいように今後取り組んでいきたいと考えております。
〇斉藤信委員 これは一般質問で千田美津子議員が取り上げ、私は復興局で取り上げ、保健福祉部では高田一郎委員も取り上げました。そこでの答弁は、今3市町、そのうち1カ所、釜石市は空き家ですから災害公営住宅は2カ所ですけれども、来年度は5市町で災害公営住宅に配置の見込みと若干前進しますが、さっきの災害公営住宅のアンケート調査にあるように、極めて深刻な状況なわけだから、私は、5市町から、せめて二桁以上のところに配置できるように。直接的には保健福祉部の生活支援相談員の配置ですが、復興局は全体にかかわっています。復興局、県土整備部、そして保健福祉部が本当に連携して、この現状を共通認識にして―知事の答弁はこうでした。来年は5市町だけれども、さらに広げるという答弁でした。さらに広げるというので、来年4月から間に合わなくても、やっぱり5月、6月はさらに広がったと。
 私は、みどり町の自治会長にじっくりお話を聞いてきました。女性の自治会長がとても頑張っていて、頑張っているのだけれども、結局、自治会の役員が集会所にいなければ、集会所は鍵をかけて閉まってしまうのです。生活支援相談員が来るときは、朝、鍵をあけてお願いする。いつもあいているから入居者が安心してそこに来られる、こういうことなのですよ。
 だから、今そういう支援をして、自治会も、今の仕事でさえ大変だという感じになっていますので、私は、自治会も支援する、そして、入居者のコミュニティーの拠点としてやるように、ぜひこれは来年度さらに広がるように取り組みを進めていただきたい。
 次に、入居者名簿の提供についてどう取り組まれているか。同意書の意向状況、個人情報保護のマニュアルなどの自治会に対する丁寧な説明、今後どう取り組まれるか示してください。
〇伊藤技術参事兼建築住宅課総括課長 入居者情報の提供に向けた取り組みについてでございます。
 入居世帯の氏名、生年月日、災害時の支援の必要の有無などの個人情報の提供の可否について、県では、あらかじめ全戸に対し意向確認を行っているところでございます。
 令和2年1月24日現在ですけれども、同意書配布世帯数1、351戸に対しまして、同意書を提出いただいた世帯数は727世帯、率にしまして53.8%の提出率となっているところでございます。
 また、項目別の同意状況につきましては、提出世帯数727世帯のうち、氏名は632世帯、率にしますと86.9%、性別につきましては621世帯、85.4%、生年月日につきましては570世帯で、78.4%、災害時の支援を希望するかどうかにつきましては544世帯で、74.8%というような同意状況になっております。
 今後の取り組みについてですが、同意書の提出率が53.8%とまだ十分ではない状況でございます。自治会への入居者情報の提供実績がない状況もございますので、県では、単独で自治会を形成する主な自治会に、個人情報保護のためのルールの作成など、自治会名簿の作成の現状や効果的な取り組み方法等について、機会を捉えて協議を行ってきたところでございます。
 その中で、例えば、入退去により実際の入居者と提供される入居者情報に差異が生じているとか、個人情報保護のルールのつくり方にちょっと手間がかかるといったような課題、御意見をいただいているところでございます。今後につきましては、こういった課題の解決に向けましていろいろ検討を進めまして、入居者情報の提供につなげていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 一般の町内会と違って、いろいろなところから集まってつくられているコミュニティーであり自治会です。ですから、先ほど言ったように、誰がどこに住んでいるかわからないというのが7割なのですから、この入居者名簿を提供することは大変重要なことで、全国的にも注目されています。同時に、これは自治会と協力して、協働してやらないとうまくいきませんので、よく説明するし、一緒になってそういう取り組みが進むようにお願いしたい。
 災害公営住宅の家賃問題についてお聞きします。
 岩手大学の調査では、現在の生活で不安や課題を感じること、第1位が家賃、生活費、第2位が健康、運動、第3位が仕事、収入でした。一番切実な課題が家賃なのですよ。
 そこで、国の家賃低減措置の対象世帯、値上げの状況、県の軽減措置への移行状況、収入超過者の状況。収入超過者については、3年間はいいとなっていますから、これからのことも含めて収入超過している方が幾らいて、3年過ぎて値上げの対象が幾らになっているかも含めて示してください。
〇伊藤技術参事兼建築住宅課総括課長 国の家賃軽減措置の対象世帯数の状況、それから、県の軽減措置への移行状況についてでございます。
 令和元年12月末現在の国の家賃特別低減事業の対象世帯数は929世帯で、同じく12月末時点での全入居者世帯数1、354世帯における割合は68.6%となっております。このうち県の減免制度に移行が可能な世帯は891世帯で、同じく65.8%となっているところでございます。
 なお、釜石市に所在します平田アパートは平成31年2月から、山田町に所在します豊間根アパートは令和元年8月から、供用開始から5年が経過したため家賃が段階的に上がっていく、この減免措置の期間5年を経過したということで徐々に上がっていく対象団地になっているところでございます。
 また、収入超過者の状況についてでありますが、令和元年12月末現在の未申告者を除く収入超過者認定世帯数は41世帯となっております。
〇斉藤信委員 国の家賃軽減対策、これは5年間軽減で、6年目から値上がりしていきます。この6年目からの値上がりに今悲鳴が上がっているのですね。岩手県や被災市町村は、国の減免とほぼ同等の減免制度を持っていますから、これはきっちりそうした県や市町村の減免制度を徹底していただきたい。
 切実なのは収入超過者なのですよ。私が聞いたことで答えなかったのだけれども、今、実際に県の災害公営住宅の中で収入基準を超えているのは165世帯あるのです。このうち一般が144世帯です。これは3年経過すると、4年目から値上がる。もう既に4年になっているのが、さっき答弁された48世帯ですね。
 ですから、この人たちはどのぐらい上がるか。例えば、収入基準が、所得が15万8、000円から18万6、000円の方は、3年間は3万9、600円です。4年目、4万7、100円、5年目、5万4、700円、8年目、7万7、400円、実に倍近くに上がるのですよ。倍近くに上がったら、もう災害公営住宅を出ていってくださいと言うようなものなのですよ。
 災害公営住宅というのは15万8、000円の政令月収、所得基準を超えても入居できる。住むところがないからなのですね。これが一般の公営住宅と違うところですよ。しかし、収入超過者は4年目から値上がりして、今紹介したように2倍近い値上げをされるのです。これはやってはいけません。もう既にそういう退去者が出ています。私がお話をしたみどり町の災害公営住宅で、40代の自治会の主要なメンバーが収入超過者になって退去を決めた。もう自治会は本当に支えられないという悲鳴が出ています。
 そこで、私は、中堅所得層も収入超過者も安心して生活できるような災害公営住宅にすべきだと思います。陸前高田市は、国土交通省の了解も得て、みなし特定公共賃貸住宅をやっています。中堅所得層も入れる。収入超過者も同じように居住を継続できる制度を去年5月から導入しています。私は、県営災害公営住宅もこういう措置をとって、災害公営住宅から事実上退去させるようなやり方は絶対やってはならないと思うけれども、いかがですか。
〇伊藤技術参事兼建築住宅課総括課長 みなし特定公共賃貸住宅制度の導入についてということであります。
 先ほども答弁させていただきましたけれども、令和元年12月末現在での収入未申告者を除く収入超過者認定世帯は41世帯あるところですけれども、県では、沿岸部における民間賃貸住宅が不足していることに鑑みまして、災害公営住宅の入居世帯が収入基準を超過した場合でも直ちに明け渡しということではなく、引き続き入居していただくことが可能という取り扱いをしているところであります。また、入居後3年が経過した後に収入基準を超過している世帯については、当該住宅の建設費をもとに算定される家賃が適用されるところですけれども、復興事業の集中等によりまして、建設費の上昇などにより一部の団地では高額となることから、入居者間の公平性を確保するということで、家賃の上限を設けまして超過分を減免する制度を実施しているところでございます。
 陸前高田市が行っております中堅所得者向けに市営住宅の災害公営住宅の一部を提供する、いわゆるみなし特定公共賃貸住宅の導入に当たりましては、先ほど委員からもお話がございましたけれども、国との協議の上、一般公営住宅としての活用が認められたところでして、その上で、空き住戸の状態が継続していること、また、それぞれの市町村内に、中堅所得者向けの賃貸住宅が不足しているといったようなことで、公営住宅の本来の趣旨が保たれるような活用が要件とされているところであります。
 県管理の沿岸の災害公営住宅におきましては、昨年8月から先月までに、全県を対象としました3回の追加募集を行ったところであります。これまでの結果に基づきまして、県内全域において、被災された方々の入居に対応できているかどうかを判断した上で、空き室への一般募集の具体化を検討していきたいと考えております。
 県によるみなし特定公共賃貸住宅制度の導入につきましては、一般公営住宅として運用した上で、入居者のニーズや市町村の意見等を参考にしながら検討を行っていきたいと考えております。
〇柳村一委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 委員長、まだ30分たっていないのですよ。何で私にだけそういうことをあなたは言うのですか。全然不公平だ。おかしいよ。私は時間をちゃんと見てやっているのだよ。間違っているよ。全く不当だ、あなたは。
 それで、みなし特定公共賃貸住宅制度を陸前高田市はやったのだから、同じ陸前高田市内にある栃ヶ沢住宅もやるべきです。そうでしょう。今、収入超過者は退去しているのです。そのことによって若い世代がいなくなり、自治会が支えられなくなっている、悲鳴のような声が出ているのですよ。私は早く一般入居をやって、そしてみなし特定公共賃貸住宅制度を導入すべきだと思いますよ。時間との勝負だから、迫られているのだから、家賃値上げで。今後の取り組み方向をはっきり示していただきたい。これで終わります。
〇八重樫県土整備部長 先ほど答弁がありましたように、一般公募について速やかに検討を進めさせていただきたいと思います。その後に、みなし特定公共賃貸住宅制度の導入についても検討させていただきたいと思います。
〇高田一郎委員 私からは住宅政策について幾つか質問いたします。
 まず、最初に空き家対策でありますけれども、2018年の住宅・土地統計調査では、全国の空き家は846万戸、7戸に1戸という計算であります。2033年には、空き家は3戸に1戸という将来が来ると予測する民間調査機関もあります。これ以上ふやさず、どう活用するのか、今後のまちづくりにとっても大変重要な課題だと思います。
 そこで、岩手の空き家の現状がどうなっているのか、空き家の戸数、空き家率、この実態について示してください。
 また、空き家というのはさまざまに分類されますけれども、今一番問題となっているのは、放置されたままのその他空き家であります。その他空き家について、岩手県の状況がどうなっているのかもあわせて答弁いただきたいと思います。
 そして、2015年には空き家等対策の推進に関する特別措置法がつくられました。危険な空き家について、助言や指導あるいは勧告、命令、行政代執行など、法に基づくさまざまな措置ができるとなっておりますが、その措置状況についてどのようになっているのか、答弁いただきたいと思います。
〇小野寺住宅計画課長 初めに、県内の空き家の状況ですけれども、平成30年住宅・土地統計調査によれば、県全体の住宅戸数57万9、300戸に対しまして、空き家は9万3、500戸となっておりまして、空き家率は16.1%となっております。
 また、空き家等対策の推進に関する特別措置法施行後の状況ですけれども、県内市町村におきまして、先ほど委員からも御紹介ありました空き家等対策の推進に関する特別措置法によります空き家等対策条例の制定状況につきましては、昨年9月30日時点で11市町村となっております。また、国土交通省と総務省が行いました空き家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況調査によれば、県内で市町村が助言、指導、勧告、命令、代執行を行いましたのは、昨年度末で84件と承知しております。
〇高田一郎委員 わかりました。その他住宅も答弁しましたか。
〇小野寺住宅計画課長 空き家につきましては9万3、500戸となっておりまして、その他住宅等につきましては、岩手県内ですと、温泉地に別荘ですとかがございまして、定期的に使われているかどうかというところの判断が非常に難しいという声も市町村のほうから聞こえておりますので、これは市町村と連携をとりながら、危険になる前に適切に管理してくださいという対策をとりたいと考えております。
〇高田一郎委員 そうすると、空き家住宅についての分類は、岩手県としては把握していないということですか。そのことについてもお伺いしたいと思います。
 いずれ、全体の空き家の数からして、空き家等対策の推進に関する特別措置法に基づく対応はほんのわずかということになると思いますけれども、圧倒的に空き家が存在していると。これが年々増加しているというのが岩手の実態、全国の実態だと思います。
 それで、国は住生活基本法におきまして、次のように述べているのです。地方圏においては特に空き家の増加が著しいため、空き家対策を総合的に推進して地方創生に貢献する。そのために空き家の増加を抑制するという方針になっております。この間、市町村で、空き家バンクとか移住者に対するリフォーム助成事業など、さまざまな取り組みが行われていますけれども、空き家の実態からしてまだまだ取り組みが足りないのではないかと思います。
 そこで、この間どんな成果があったのか。これまでの対策にとらわれない空き家対策が必要ではないかと思いますけれども、この点について県の取り組み方針をお願いいたします。
〇小野寺住宅計画課長 最初に、委員からお問い合わせがありました空き家の内訳ですけれども、居住実態のない住宅につきましては、総数からすれば9万5、700戸。これにつきまして現在者のみ、一時的な滞在という形で1、800戸。それから建築中が500戸等とありますけれども、完全な空き家としては9万3、500戸と認識しているところでございます。
 また、県の空き家の対応状況でございますけれども、空き家になって地域の住環境に影響を及ぼすような空き家にならないようにということで、県といたしましては大きく二つの方針を持っております。
 まず一つは、適正管理、不良空き家にしないで流通等に乗せるということ。あとは、もともと優良な住宅、良質な住宅ということであればそのまま活用していく、優良ストックの活用ということでやっておりまして、これにつきましては昨年度、住宅の適正管理に関するチラシをつくるとともに、優良空き家等につきましてはリノベーションの事例等を紹介するパンフレットをつくり、ホームページで紹介するとともに、市町村を通じまして周知を図っているところでございます。
〇高田一郎委員 空き家対策について県の二つの基本方針で取り組んでいるというお話でありますけれども、なかなか活用されていないというのが実態だと思います。それで、空き家が増加する要因が一体何なのか、ここに光を当てて、分析して取り組む必要があるのではないかと私は思います。
 参考までに、日本弁護士連合会が2017年に行った調査があります。これは全国の自治体に調査を行って出された結論でありますけれども、ここでは三つのことを整理しています。
 一つは、中古建物よりも新築建物を優遇する税制になっているということ。二つ目は、都市部への人口が集中する都市政策。三つ目は、住宅需要を超えた新築建物の建設を容認するような税制措置になっていると。サービスつき高齢者住宅あるいは賃貸住宅とか、市場原理に基づいて、需要と供給のバランスを考えないでどんどんつくられるというところにあるという指摘であります。私は、これは真実だと思います。これらの原因に対応するためにも、新築優先、住宅の過剰供給の住宅政策から根本的に転換するような、そういう住宅政策への転換が必要ではないかと思います。中古住宅をもっと活用できるような誘導政策、あるいはリフォーム助成事業、これまでの取り組みをさらに強化して誘導していく、このことも、この日本弁護士連合会の調査からも必要なのかと思います。空き家がふえる要因と、通告しておりませんでしたけれども、今の日本弁護士連合会の調査結果についてどう受けとめているのかも含めて答弁をお願いしたいと思います。
〇小野寺住宅計画課長 空き家が増加する要因につきましてですけれども、先ほど委員のほうから御紹介いただきました中古住宅の優遇ですとか新築の税制の優遇措置ということもあります。県の状況につきましても、住宅・土地統計調査を分析いたしますと、本県におきましては、昭和48年から総住宅数が総世帯数を上回っていると。要は、住んでいる世帯数よりも住宅の数が多いという状況があることも一つの背景になっているのかなと。平成30年の調査におきましては、岩手県内では1.19倍で、要は世帯数より住宅のほうが多くなっていることが背景にあるのではないかと考えております。
 委員御指摘のとおり、これからは、先ほど申し上げましたけれども、量から質への転換ということで、県といたしましてはリフォーム関係、省エネ性にすぐれた住宅の普及促進ですとか、本年度からは中古住宅を流通に乗せるためのインスペクション制度、住宅の状況調査の制度の普及にも努めているところであります。
〇高田一郎委員 空き家がふえている要因について共通した思いだったと思います。今課長から、住宅リフォーム事業の充実や省エネ対応のお話がありました。それで、課長からも住宅リフォーム助成の必要性についてお話があったわけですが、二つ目に、住宅リフォーム助成事業についてお聞きしたいと思います。
 これは、私も議会で何度も取り上げてきましたけれども、住宅リフォーム助成事業について、今県内でどこまで進んでいるのか。あわせて、事業効果について、もし数字があればどのようになっているのか、この点についてもお伺いしたいと思います。
〇小野寺住宅計画課長 本年度における県内市町村の住宅リフォーム助成事業の取り組み状況についてでございますが、住宅リフォームに関する助成制度を有している市町村につきましては、県内28の市町村で実施されているところでございます。
 実績につきましては、1月末時点で補助件数が485件、補助額が約9、500万円となっておりまして、その効果ですけれども、リフォーム助成制度の対象工事費を経済効果と捉えますと、事業費といたしまして約9億3、000万円となっております。補助額に対して約10倍となっておりますので、約10倍程度の経済効果があると認識しております。
〇高田一郎委員 28市町村、実績が485件、多くの自治体がやっている割には件数が少ないのではないかと率直に思いましたけれども、いずれ、10倍の経済効果があるということだと思います。
 秋田県では、県を挙げてこの住宅リフォーム助成事業をやっています。今、県内経済が大変深刻で、リーマンショックよりも悪化するのではないかということが指摘されています。この住宅リフォーム助成事業というのは、地元の業者に住宅リフォームをお願いすればその1割とか2割とか、自治体によっては地元の商店で購入できる商品券を支給するとか、一石三鳥とか、すごく経済効果があるわけです。今、新型コロナウイルス感染症で経済が大変疲弊している、そういうときだからこそ、真剣に取り組んでいかなければならない課題ではないかと。東日本大震災の住宅再建支援が中心だと、そこにしっかり取り組んでいかなければならないということもこの間お話をされていましたけれども、復興需要もどんどん落ち込んでいく、そういう状況になったときに、タイミングとしてはやらなければならない課題ではないかと思います。きのうは県産材の活用が非常に落ち込んでいるという、もっともっと活用すべきだという議論もありました。そういうことから考えると、今取り組まなければならない課題ではないかと思いますけれども、改めて県の対応についてお伺いしたいと思います。
〇小野寺住宅計画課長 本年度、市町村で行っておりますリフォームの助成事業の内容を見ますと、経済対策としての住宅リフォーム補助という議論もあるのですけれども、空き家対策ですとか地域産材の活用、それから子育て支援という一定の政策目的を持ったものが多くなってきているのかと分析しております。ただ、リフォーム助成の効果につきましては、委員御指摘のとおり、経済の活性化ですとか、それに従事する工事の事業者の雇用の創出ですとか、それから県の住宅政策であります良質な住宅に係る定住促進等、多方面での影響があると考えておりますので、このリフォーム助成につきましては、状況を見ながら継続できるように努力してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 市町村も継続できるようにではなくて、県もしっかり支援に入って、全市町村で取り組むことができるように、また、事業規模もさらに拡大をして取り組んでいただけるようにお願いしたいと思います。
 最後ですけれども、住宅確保要配慮者の住宅環境の整備についてお伺いしたいと思います。
 公営住宅の保証人の義務づけについて、この間、国土交通省が、保証人の確保について、公営住宅への入居に際しての前提とすることから転換すべきだという通知を出されました。私も公営住宅の連帯保証人の義務というのは見直すべきだと思っておりましたけれども、この通知を受けて県としての対応、また、もしわかれば、市町村でどのような状況になっているのか、その実態について答弁いただきたいと思います。
〇伊藤技術参事兼建築住宅課総括課長 まず、県の公営住宅の保証人の義務づけの状況についてであります。
 県では、県営住宅等条例施行規則におきまして、入居の手続について定めているところでございます。入居に当たりましては、県営住宅入居請書に連帯保証人が連署する形で提出を求めているところでございます。また、入居を許可されたもので、例えば震災で身内を全て亡くされた方の場合、連帯保証人を立てることができないやむを得ない事情があると認められる場合におきましては、連帯保証人の連署を要しないという扱いをしているところでございます。
 それから、先ほど委員からお話がございました公営住宅への入居に際しての取り扱いについてということで、平成30年3月に国から技術的助言が出されているところでございます。この中で、連帯保証人の取り扱いにつきましては、事業主体の判断に委ねられているところですが、近年身寄りのない単身高齢者等が増加しているということなどを踏まえまして、入居に際して保証人の確保が困難となることが懸念されることから、住宅に困窮する低所得者に対して的確に公営住宅が供給されるよう、特段の配慮が求められたところでございます。
 また、同通知の中で、国が進める家賃債務保証業者登録制度に登録の家賃債務保証業者等による機関保証を活用することによりまして、保証人の確保が難しい方の入居の円滑化を図ることも必要とされている状況でございます。このため、県では、他県等の状況を踏まえまして、機関保証の導入も含めまして今検討を進めている状況でございます。
 市町村の状況でございますけれども、今承知しているところでは、既に先ほど言いました機関保証について導入をされている市町村がございます。その他につきましては、今検討中ということで、具体的な取り組みをされているところは1市町村だけという状況でございます。
〇高田一郎委員 検討中ということでありますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 連帯保証人というのは、入居するときだけではなくて、入居した後でも、連帯保証人が亡くなるとか、あるいは保証能力が著しく困難なときにはかわらなくてはいけないわけですから、入居するときだけの問題ではないと思います。それで、今お話があったように身寄りのない高齢者がどんどんふえて、しかもこの4月から民法改正で、賃貸住宅契約者の保証人が責任を負う上限額が明示されるということで、さらになかなか渋る状況があります。
 私もこの間、さまざま相談がありまして、保証人がいないためにどうしたらいいのだろうかと、保証人探しに奔走している。今、高齢者ということで民間住宅はなかなか入居させないという状況もあるのです。そういったこともあって、特に公営住宅というのは福祉住宅ですから、公営住宅法でも、住宅に困窮する住民が低廉な家賃で入居する福祉住宅であります。保証人がないためにこの制度からはじかれるということがあってはならないと思いますので、国の通知を受けて、しっかりとした対応をしていただきたいと思います。
 最後です。もう一つは、同じ住宅の中で、住宅確保要配慮者の住宅環境の整備で、特に高齢者、若者への住宅確保です。ひとり親家庭についてもそうだと思います。こういった方々に対する住宅政策が必要だと思いますけれども、私もこの間、いろんな方から相談を受けました。2人の高齢者暮らしの方からは、国民年金が2人で12万円、4万円が家賃。年金がどんどん目減りしていますから、とても暮らしていけないと。あるいはひとり親家庭の女性からは、収入の3割が家賃だと。とても大変でせつないと。非正規労働者の若者がふえて、今、親との同居率がどんどん高くなっているというのが実態であります。先ほど米内委員からも子育てに対応した、高齢者に対応した住宅政策の必要性というものが訴えられましたけれども、住まいは人権なのだと、こういう立場で、本当に住宅確保要配慮者に対する住宅環境の整備にもしっかりと取り組んでいかなければならないと思います。
 いろいろと県の取り組み状況を調べましたけれども、なかなかそれに対応する住宅政策がないと思います。実態把握をしっかり行って、住宅政策を進めていかなければならないと思いますけれども、この状況がどうなっているのか、さらなる取り組みを強化すべきだと思いますけれども、その辺についてお伺いしたいと思います。
〇小野寺住宅計画課長 住宅に困っている方、いわゆる住宅確保要配慮者の方につきましては、まず県営住宅等初め公営住宅制度がありまして、低廉な家賃で住宅を提供させていただくという制度になっております。また、国で改めたセーフティネット住宅制度がありまして、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として住宅を登録できるとなっておりまして、昨年度、県内では420戸ほど登録いただいております。また、家賃につきましても、月、戸当たり4万円を限度といたしまして、市場家賃からの差額を国で補助する制度というものもありますけれども、残念ながらまだ活用実績がない状況になっておりますので、これにつきましては、県といたしましてももっと周知に努めてまいります。
 また、生活に困窮されている方の住まいの確保に関しましては、生活困窮者自立支援制度によります住宅確保給付金ですとか、生活保護制度といった福祉部局との連携も必要かと考えておりますので、公営住宅の入居など、生活に困窮されている方の住まいの確保については、継続して確保に努めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 最後にします。私も岩手県の住宅マスタープラン、住生活基本計画を見させていただきました。そしてこの間、県内の取り組みの実態についても資料をいただきましたけれども、高齢者あるいは若者、あるいはひとり親家庭、こういうところでの住宅政策が非常に弱いのではないかということを実感しております。基本計画をつくるに際しても、住まいは人権という立場で本当に取り組んできたのか、あるいは住宅政策の実態調査をしっかりと取り組んでこういう政策をつくったのかどうか、非常に疑問を持ちました。今後の住宅政策では、そういうことを改めて対応していくべきではないかと思いますけれども、住宅政策の基本的な考え方について、改めてお伺いして終わりたいと思います。
〇小野寺住宅計画課長 県では、高齢者もふえている状況も鑑みまして、高齢者のための住宅を適切に設計できるような設計者を養成する講座等もやっています。また、住宅政策につきましては、先ほど申し上げましたとおり、団地の再生から始まりまして、高齢者がふえている、コミュニティーが衰退しているところもありますので、これらを総合的に鑑みまして住宅政策を考えていくと。最終的には大量供給の時代から、質ですとか環境を重視するような住宅の時代になってきていると考えておりますので、ちょうど来年度、岩手県の住宅マスタープランにつきましては改定を予定しておりますので、委員から御指摘のあったことなども念頭に入れながら、改定を進めさせていただければと考えております。
〇千田美津子委員 私からは、洪水、土砂災害対策について何点か質問いたします。
 まず一つは、砂防堰堤の整備についてでありますけれども、これは土石流による被害を防止する上で砂防事業が非常に大事だと考えております。これまでさまざま質問の中で答弁があった部分で言いますと、土石流危険渓流が県内では7、198渓流あって、このうち保全人家5戸以上の要整備対象箇所が2、204渓流とのことでありました。平成30年度末までの整備箇所が205カ所、整備率が9.3%というお答えだったと思います。私は、これは大変な事業ではありますけれども、もっと引き上げるべきだという点でお伺いするわけですが、今年度末の実績、それから来年度の見込みはどの程度になるのか、お聞きをいたします。
〇菅原砂防災害課総括課長 砂防堰堤の整備の状況でありますけれども、委員から先ほどお話がありましたとおり、土石流危険渓流の保全人家5戸以上の要整備箇所2、204渓流に対する今年度末の整備箇所数は210カ所、整備率は9.5%となる見込みであります。また、来年度末におきましては、216カ所、整備率9.8%ほどを見込んでいる状況であります。
〇千田美津子委員 今、御答弁いただきましたけれども、現状では210カ所で、整備率が9.5%ということであります。この事業は本当に大変な事業だと思いますが、多発する大災害から県民の命を守るという点で、何とかスピードを上げていただきたいと思うわけでありますけれども、そのために必要なものは何でしょうか。体制があればいいのでしょうか、その辺をお聞きをしたいと思います。
 それから、来年度予算案では、国庫補助事業が13カ所、県単が1カ所となっているわけですが、これらの事業のすみ分けというのはどのような形でなされているのか、お聞きをいたします。
〇菅原砂防災害課総括課長 砂防事業の整備の状況でありますが、委員御指摘のとおり、箇所数が非常に多いという状況であります。特に本県は砂防につきましては、土石渓流は東北で一番多い箇所数があります。そういった中でなかなか整備が進まないということで、大体年間0.1%ずつの進捗状況ということでございます。いずれ、限られた財源の中でございますので、これらを着実に整備していくことが県民の安全・安心を守る上で非常に大切なことかと思っておりますので、引き続き着実な整備に努めてまいりたいと考えております。
 それから、来年度予算案の国庫補助事業と県単事業のすみ分けでございますが、まさしく限られた財源ということで、私ども可能な限り、国の補助事業制度を活用しまして、砂防堰堤の整備に努めていくということで進めておりまして、県単につきましては、補助事業に満たない小規模なもの、あるいは補助事業に向けた事前の調査等、そういった費用に予算を計上させていただいているという状況でございます。
〇千田美津子委員 東北で一番多いということで苦労がわかるのですけれども、しかし、最近の気候変動で本当に、いつ、いかなるときに大災害が起こるかわからないと。そして、これまでも台風災害で大きな被害を受けているわけですから、これについては特段の取り組みが必要だと思うわけですが、財源もそうですが、体制的にはどうなのでしょうか。
〇菅原砂防災害課総括課長 いわゆる整備に対する人員ということでございますが、体制的には各事務所とも、これも決められた人員の中で精いっぱい頑張らせていただいているという状況でございます。
〇千田美津子委員 これ以上は出てこないでしょうから、整備率が9.5%、そして令和2年度末で9.8%ということで、非常に心配な状況にあります。ぜひ、これは引き続き財源確保とともに進めていただくようお願いしたいと思います。
 それでは次に、土砂災害警戒区域についてお尋ねをいたします。
 土砂災害警戒区域の指定の現状と、そのうち特別警戒区域があるわけですが、その状況がどうなのでしょうか。それから、来年度以降の指定の見込みについてもお聞きいたします。
〇菅原砂防災害課総括課長 土砂災害警戒区域の指定の状況でございますけれども、土砂災害危険箇所1万4、348カ所に対しまして、平成31年3月末時点では6、664カ所、整備率は46.4%となっております。本年2月末現在の指定箇所数は、いわて県民計画(2019〜2028)の目標値7、300カ所に対しまして7、459カ所、土砂災害危険個所に対する指定率は52%となっている状況であります。また、そのうち災害特別警戒区域につきましては、6、875カ所となっている状況でございます。
 また、来年度以降の取り組みでありますけれども、同様に、いわて県民計画(2019〜2028)におきまして、指定箇所数で令和2年度末には延べ8、200カ所、令和3年度末につきましては9、100カ所を目標と掲げております。これの確実な達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 昨年3月末で46.4%、6、664カ所、ことしの2月末で7、459カ所と上がって、本当に担当課とすれば随分頑張っていただいたのではないかと。そして、今後は900カ所ずつ上げていくわけですね。そういう目標を立てておられるということで、ぜひそれも前倒しでやっていただきたいですが、その点が一つ。
 それから、全体で土砂災害警戒区域が52%まで指定をされたということであります。それで、実は市町村ごとの指定状況の表をいただきましたけれども、非常に大きな差があるなと思っています。沿岸地域はこの間の被災からなかなかままならないという状況がある中で、それとはまた別に、内陸部でも非常に指定率が低かったと。特に私がいる奥州市でも9月末で35%という、3分の1程度でありましたけれども、ことし2月末で63カ所ふやしてもらって41%になっておりますし、また、遠野市も20%どまりだったのが、秋から107カ所ふえて34%までふえたと。これは市町村を励ましながら県当局が頑張っていただいた成果だと思います。引き続き私はこの平均値である52%、最低でも52%に達していない市町村については、県がもっと支援をすることが必要だと思いますので、この間の引き上げることができた市町村の教訓は何だったのかというのが一つ。
 それから、沿岸部においては、これから指定をしなければならない箇所が、例えば宮古市であれば1、000カ所近くあります。それから釜石市では700カ所、岩泉町もあと800カ所くらい指定をするところが残っているわけで、しかし、ここにも県がいろいろ支援して少しずつ引き上げてもらっている状況があります。大槌町も指定率が18%にとどまっているということで、内陸部、そして沿岸地域への特別の支援をぜひお願いしたいわけですが、その点お聞きをいたします。
〇菅原砂防災害課総括課長 まず、土砂災害警戒区域の指定の箇所数の前倒しというお話でございます。御案内のとおり、最近非常に豪雨等による土砂災害がふえている状況でございます。私どもといたしましても、住民の危機意識の向上、危険箇所の認知の向上を高めるためにも、可能な限り前倒しできるように頑張ってまいりたいと考えております。
 それから2点目、指定区域の高い箇所の教訓ということでありますけれども、実は比較的指定率が現在高いところは箇所数が非常に少ない箇所、一方、なかなか指定率が進まないところは、委員御指摘のとおり沿岸部は非常に震災等の影響がありまして、マンパワーとの関係でなかなか進まないという点がございます。また、内陸部におきましては箇所数が多いというところで進まないという状況でございます。
 一方、進んでいる箇所につきましては、これまでの住民説明会の方法、いわゆるオープンハウス方式ということで、一定の時間を決めまして、住民の方に好きな時間に来ていただき、そこで説明するというやり方をいたしますと、非常に多くの住民の方に来場していただけるという傾向も出ておりますので、そういった取り組みなども、指定率の低い市町村につきまして来年度以降、積極的に働きかけてまいりたいと思います。
 一方、市町村の職員が足りない等々マンパワー不足の点につきましても、NPOあるいは私ども砂防ボランティア等、あるいは外部へのアウトソーシング等を含めまして、可能な限り指定率がアップするように、先ほどの52.2%を上回るような形で、来年度以降も引き続き頑張ってまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。私は表を見させていただいて、頑張って指定をしたところと、それから1年間、全く指定ができなかった箇所も13自治体くらいあります。さまざまな要素があると思います。もう100%指定は終わっている市町村を抜けば、そういう市町村に対して、今答弁いただいたような方式等々で助言をいただくことが非常に大事だと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、土砂災害危険箇所の整備率の現状と今後の見込みについてお尋ねをいたします。
〇菅原砂防災害課総括課長 土砂災害危険箇所の施設、整備率の御質問でございますけれども、土砂災害危険箇所1万4、348カ所のうち、保全人家5戸以上などの要整備箇所3、994カ所に対する平成31年3月末時点での整備の状況は、整備済みが503カ所、整備率12.6%という状況であります。
 今年度末の見込みでありますが、整備箇所数512カ所、整備率は12.8%を見込んでいるところであります。
〇千田美津子委員 先ほどは土砂災害危険箇所の指定を急いでほしいと、それはそのとおりなのですが、それでは整備をどのくらい進めているかという率で言えば、12.8%ということですね。今年度末で12.8%ということで、危険箇所の指定と同時に整備を進めると。本当に人とお金が欲しいというのが担当の本音だと思います。これも県民の命を守るという点で、12.8%をもっともっと引き上げていくことが私は必要だと考えますので、同じようになってしまうかもしれませんが、もう一度お聞きをいたします。
〇菅原砂防災害課総括課長 今回は土砂災害危険個所ということで、土石流、地すべりあるいは急傾斜、これらに対する施設の整備ということになりますけれども、繰り返しの答弁で恐縮ですけれども、非常に限られた財源の中でございます。私どもとしてもより優先度を高めながら、着実な危険箇所の解消に努めてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、かかわりがあるのですけれども、土砂災害警戒区域の指定をする上で、基礎調査を実施されてそれを県民の皆さんに知らせるということが非常に大事になっております。この基礎調査結果の公表状況と今後の見込みについてお尋ねをいたしますが、これについては9月末で1万1、379カ所、79.3%とのことでありましたが、その後、現状ではどのようになっているでしょうか。それから今後の見込みについてもお尋ねいたします。
〇菅原砂防災害課総括課長 土砂災害危険箇所の基礎調査の状況でございますけれども、今年2月末現在の公表箇所数は1万2、505カ所、その率は87.2%となっているところでございます。
 なお、今後の見込みでございますが、この基礎調査につきましては、今年度内に終えることで今現在最終の詰めの段階に入っております。残り2週間程度でありますけれども、全ての公表に向けて頑張ってまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 今年度末の完了ということで、本当にありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次に、洪水浸水想定区域の指定の現状と今後の見込みについてお尋ねをいたしますが、この間の質疑の中では、平成30年度末まで15河川において想定最大規模の降雨に対応した区域を指定していると。そして今年度が5河川を指定し、20河川にするということだったと思います。それから、令和3年度末までに30河川を指定する予定とのことでありましたが、どのような状況かお知らせいただきたいと思います。
〇幸野河川課総括課長 洪水浸水想定区域の状況でございます。ただいま委員から御指摘があったように、平成30年度末までは15河川、それから令和元年度は5河川を指定したところで、現時点で20河川が指定済みという状況でございます。
 それから、今後につきましても、令和3年度末までの計画ということで進めておりまして、令和3年度末までに30河川、目標値はそのとおりでありますが、これについてはできるだけ前倒しをして今進めているところでございます。
〇千田美津子委員 今御答弁がありましたように、本当に前倒し、どのくらい前倒しして体制をつくるか、指定をしていくかということが非常にどの分野でも問われてくるわけです。それで、令和元年台風第19号災害で、被災をした七つの県では、71河川のうち約半分の36河川で洪水浸水想定区域図がつくられていなかったと。お隣の宮城県の丸森町では、決壊した3河川全てで洪水浸水想定区域の指定がなかった。そして宮城県の担当者は、大規模な河川の浸水想定作業を優先したためだと述べていたようですが、この指定については、費用もですし、調査時間が半年以上かかると言われているようです。本当に大変だと思うのですが、今課長の答弁にあったように、1カ所でも2カ所でも前倒しをして大災害に備えていく、これが私は求められていると思います。
 それで、洪水浸水想定区域のみならず、先ほどまでの土砂災害区域の指定と、予算を獲得して前倒しするということがこれらの全ての課題になってくると思うわけですが、ぜひ部長に、この辺のところをお聞きしたいと思っております。
〇八重樫県土整備部長 洪水浸水想定区域の指定でございます。水害リスクを明らかにするだけではなくて、住民の皆様の適切な避難行動を支援する洪水ハザードマップ等の作成にもつながっていくソフト施策であります。関係市町村の皆様とも調整の上、技術的な、時間的な課題はございますが、そこは一生懸命ロスすることなく詰めてまいりたいと思います。さらなる指定拡大に取り組んでまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 もう一つかかわることがありました。水位周知河川もこの間いろいろ答弁があったわけですけれども、令和元年度では38河川、47区間まで指定の予定だったと思いますし、それから令和3年度末までに44河川、53区間という計画だったと思いますが、これについても今後の見込みについてお尋ねいたします。
〇幸野河川課総括課長 水位周知河川につきましても、委員の御指摘のとおり推移しているところでございます。令和3年度末の44河川、53区間、ここまで指定を進めるということを目標にやっているところでございますけれども、これにつきましてもできる限り進めると。前倒しで進めたならば、また新たな河川を指定のリストに挙げて対応していくということをやってまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 どうぞよろしくお願いします。
 最後になりますが、急傾斜地崩壊対策の現状と今後の見込みについてお尋ねをいたします。
 急傾斜地の崩壊対策事業は、被害を防止する上で擁壁等を整備するなどで大変重要なものでありますけれども、どのような現状にあるでしょうか。それから、今年度末までの見込みについてもお尋ねいたします。
〇菅原砂防災害課総括課長 急傾斜地崩壊危険箇所の整備の状況の御質問でございますけれども、危険箇所6、959カ所のうち、保全人家5戸以上などの要整備箇所1、599カ所に対します平成31年3月末時点での整備状況は、整備済みが281カ所、整備率17.6%となっている現状でございます。
 今年度末の見込みでございますが、整備済みが285カ所、整備率17.8%となる見込みでございます。(千田美津子委員「令和2年度末の見込み」と呼ぶ)失礼しました。令和2年度末の見込みでございますけれども、整備済み箇所数が291カ所、整備率18.2%を見込んでいるところでございます。
〇千田美津子委員 急傾斜で崩壊の危険がある箇所の整備率が、現状では17.8%にとどまっているということで、すぐにやってほしくてもなかなかというのは、この間の御答弁でもわかりました。ただ、総じて県民の命を守るという体制を私はどの数値を見ても担当課に頑張ってもらって指定を進めてきた、そういう部分も非常に評価をいたしますが、ぜひ命を守る以上に大事なことはないので、そういう体制をもっと促進するためにぜひ頑張っていただきたいということを申し上げまして終わります。
〇柳村一委員長 おおむね午後3時になりますが、質疑を表明している委員があと2人となっていることから、質疑を続行したいと思いますので、御了承願います。
〇小林正信委員 私からは、道路の陥没対策についてお伺いします。
 道路の陥没については、2016年のJR博多駅前の陥没事故、また、2018年の大阪北部地震では被害が相次ぎ、道路の陥没の発生件数は、2017年のデータでは年間約1万件を超えるとのことです。これは老朽化した水道管からの水漏れ等による道路の路面下の空洞化が主な原因であり、国の国土強靱化計画においても、路面下の空洞化調査について明文化されております。
 まず、県内の調査について、これまでの取り組み状況をお伺いします。
〇和村道路環境課総括課長 路面下の空洞化調査のこれまでの取り組みですが、路面の状況等につきましては、日々の道路パトロール等によりまして変状の有無を確認しており、これまで地下に埋設された占用物件の損壊による道路の陥没は発生していないところであります。また、平成30年9月の道路法改正によりまして、道路占用者の責任が明確化され、道路の構造や交通に支障を及ぼすことがないよう、適切な時期に占用物件の巡視、点検、修繕など、適切な維持管理をしなければならないとされたところであります。ただし、道路管理者といたしましても、占用物件の安全確認の徹底にかかわる国の通知を踏まえ、埋設物の占用許可更新時に、占用者による点検結果などを確認しております。
 今後の予定でありますが、道路占用者の維持管理の状況を確認しながら、日々の道路パトロールに努めてまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 パトロールや目視による確認をされているとのことでありますけれども、特に救急医療機関の周辺など人命にかかわる施設の周辺など、優先的にまた早急に調査、対応をすることが重要かと思います。令和2年度の県の路面下調査、空洞を調査する取り組みについて、実施される予定なのかお伺いします。
〇和村道路環境課総括課長 令和2年度の計画でございますが、今までと同様に、道路パトロール等による路面状況の変状は確認いたしますが、地下を直接、センサー等を使っての調査は予定しておりません。
〇小林正信委員 上から見ても中が空洞になっているかわからない状況だと思いますので、やはりそういったセンサー等を使ってしっかりと空洞化を調査するべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇和村道路環境課総括課長 地下の占用物件に関しましては、先ほども申し上げましたが、平成30年度の道路改正法によりまして、道路占用者がみずから点検することになっておりますので、県としましては、その占用者に対して指導していきたいと考えております。
〇小林正信委員 わかりました。
 次に、住宅確保要配慮者に対する取り組みについてお伺いいたします。
 先ほども議論があったところですけれども、国では住宅セーフティネット制度をスタートさせ、取り組みを進めておりまして、この中で住宅確保要配慮者に対する協議会の設置を進めています。県においても、居住支援のための協議会を設置し、住宅の確保に配慮を必要とする方に対する情報提供、入居の手助けを行っていると承知しております。
 この協議会のこれまでの支援の取り組み状況についてお伺いします。
〇小野寺住宅計画課長 県では平成23年度に、岩手県居住支援協議会を市町村や福祉団体等とあわせまして設立しております。これまで、被災者、高齢者、障がい者、子育て世帯等への住宅確保、要配慮者への対策を行っておりまして、内容といたしましては、先ほど委員から御紹介ありましたとおり、事務局に相談窓口、どういう住宅に入りたいといったような相談窓口の開設、それから、要配慮者が賃貸住宅に入居する際の不動産業者への相談の同行、契約手続の立ち会い、それから、入居後の定期的な訪問など、要配慮者の個別ニーズに対応しながら取り組みを進めているところでございます。
〇小林正信委員 窓口を設置しているということですが、なかなかこの窓口も、しっかり機能し切れているのかが少し気になるところであります。
 例えば豊島区の居住支援協議会では、空き家、空き室とシングルマザーの方をマッチングする制度、また、京都市では、単身高齢者の方を対象に、業者と連携して低廉な住まいを提供し、社会福祉協議会による見守りを一体化したサービスを提供していると。
 国でも、この協議会の設置の役割としては、業者と利用者のマッチングの部分が重要だと考えていると思います。
 今後は、県としても、市町村とも連携して、住宅確保要配慮者の吸い上げと同時に、420戸ほど登録されているセーフティネット住宅のマッチングにしっかりと力を入れていっていただきたいことと、また、この取り組みの周知を市町村とも連携してしっかり行っていただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇小野寺住宅計画課長 本県の居住支援施策の周知につきましては、本年度は岩手県居住支援協議会におきまして、住宅確保要配慮者への支援に係る取り組み事例を紹介するセミナー、先ほどいろいろとお話がございましたとおり、さまざまな取り組みが行われておりますので、そういった事例を紹介するセミナーを開催させていただいたほか、岩手県内の居住支援活動を行う福祉団体相互の連携を図りながら、居住支援に関する課題の把握や意見交換、情報交換を行う情報交換会もあわせて行わせていただいているところであります。こちらにつきましては5カ所で開催させていただきまして、居住支援施策の周知を図ったところであります。
〇小林正信委員 今のような取り組みを着実に進めていただいているので、やはりこれを住宅確保がなかなか困難な方に対して、しっかりと周知していくことが、これから非常に重要になっていくと思います。
 これからの取り組みについて何かお考えがあればお伺いして、私の質問を終わります。
〇小野寺住宅計画課長 これまで関係団体等と意見交換等行っているところでございますけれども、そのほか、県の社会福祉協議会ですとか市町村の地域包括支援センター等におきましても、居住支援にかかわるパンフレット等の配布をお願いしているところでございまして、県といたしましては、引き続き、岩手県居住支援協議会におけるセミナーや情報交換会を通じまして、今後とも引き続き、居住支援施策の周知を図ってまいりたいと考えております。
〇上原康樹委員 東日本大震災津波から丸9年がたちました。私は3.11の原点に立ち返って質問したいと思います。項目は一つ、それに関連してもう一つというところでございます。災害時の孤立を防ぐ道路整備について。そして、これに関連して、部局横断で避難のための動線づくりは可能かどうか。
 あの日、3.11の記憶には道、道路の印象が強く残っています。あの日、道路は津波から逃げ惑う車で渋滞しました。高台を目指している人がひしめきました。災害、避難、道路は密接に絡み合っているという実感でした。
 中でも三陸のリアス式海岸においては、独特の地形が避難を困難にしました。入り江に点々と存在する集落が津波に襲われ、道路が浸水、遮断されて、孤立しました。避難のための動線を確保し孤立を防ぐことは、復興の課題の重要な一つのテーマです。
 県土整備部におかれましては、津波浸水区域を通ることなく高台へアクセスでき、津波浸水などで寸断されない災害時の孤立を防ぐ道路整備について、今どう取り組んでいるのか。令和2年度の建設予定の主なものを予算も含めお示しください。
〇菅原道路建設課総括課長 災害時の孤立を防ぐ道路整備についてでございます。
 県では、東日本大震災津波における被災地域のまちづくりと一体となって整備しなければならない道路事業をまちづくり連携道路整備事業と位置づけまして、市町村のまちづくりとあわせて行うことですとか、既存集落の孤立解消を目的とした道路事業を行っているところでございます。
 このまちづくり連携道路整備事業に位置づけている事業箇所は全部で32カ所ございます。このうち24カ所については、今年度までに供用開始となる見込みでございます。
 令和2年度につきましては、陸前高田市の国道340号(仮称)今泉大橋工区など残る8カ所につきまして、合わせて約67億円を当初予算案に盛り込みまして、令和2年度内の供用開始を目指しているところでございます。
〇上原康樹委員 リアス式海岸はのこぎりの歯のように入り組んだ地形で、各集落を取り囲む自然の環境は非常に険しいわけです。こうした環境、地形の中での道路整備の難しさ、課題は、どうお感じでしょうか。
〇菅原道路建設課総括課長 ただいま委員から御指摘のありましたリアス式海岸は、高いところを通っている道路もありますけれども、一度津波等が来て孤立すれば、非常に大変なことになるという認識であります。
 特に、今回の東日本大震災津波におきましても、そのような孤立が発生しまして、市町村のまちづくりと連携した道路整備にも主眼を置きながら整備を進めてきたところでございます。
 主要幹線道路につきましては、御案内のとおり、三陸沿岸道路等、国で整備している道路もございますが、いずれ、このリアス式海岸沿いを通る道路につきましては、なかなか難しいという認識でございます。
〇上原康樹委員 非常に複雑な地形の中での道路ですから、多分転回も真っすぐとかというわけにはいかないと思います。そうしますと、そこを避難する皆さんがスムーズに安全な避難場所へたどり着けるように誘導することも大切になると思います。
 標識の整備などの工夫は、ほかの避難道路とはまた一味違ってくると思いますが、今どういう対策をとられていますか。
〇菅原道路建設課総括課長 ただいま委員から御指摘があったように、津波の際の避難誘導の標識等は非常に重要なものでございます。我々道路管理者としてできる範囲はありますけれども、どこまで津波が来たというような標示等は国でもしているところであります。一方で、避難場所まで誘導する看板等につきましては、市町村等でも設置しているところでありますので、その辺は市町村とも連携しながら、道路管理者として設置について取り組んでいきたいと考えております。
〇上原康樹委員 夜間に津波が来る場合もありますので、道路標識を照らすライトなども必要だと私は思っております。
 それから、何よりも近年、すごい豪雨が連続して発生します。険しい山間部を通る避難道路にとっては、これは脅威です。豪雨に強い道路が求められているわけですが、避難道路の構造、強度、また、周辺の森林の地すべり、倒木などに対して、どのように対策を立てているでしょうか。
〇菅原道路建設課総括課長 まさに近年の豪雨等によりまして、最近でも令和元年台風第19号、あるいはその前の平成28年台風第10号等によりまして、道路が決壊したという事態もございました。そういうことで、我々としては、いわて県民計画(2019〜2028)でも、災害に強い道路ネットワークの構築を一つのテーマにいたしまして、いろいろと取り組んでいるところでございます。
 例えば、委員御指摘の避難誘導路までの道路につきましては、基幹道路である国県道でそこまでの誘導はなかなか難しい側面もございますけれども、いざとなったときに道路が寸断されないようにということで、まさに冠水対策ですとか、我々もそういう視点で道路整備に取り組んでいるところでございます。
〇上原康樹委員 ここから関連という形になるわけですけれども、今回の避難道路を漠然と考えているときに、実は、漁港で津波が押し寄せてきたときに避難する一つの施設として、人工地盤という専門用語が出てきました。人工の地盤、足場というのでしょうかね。専門家によっては津波避難デッキという表現もしております。
 これに関して県土整備部は関係ないのだろうかと思いました。漁港も港湾も同じようなもののように思えるしということで、この人工地盤を調べました。港にある、漁港にある漁協の大きな建物の上のほうまで垂直に移動し、そして、すぐ近くにある標高の高い土地に今度は水平に移動する足場というか通路、これを人工地盤というのですけれども、これは、聞いていきますと、農林水産部の受け持ちであるということになりました。ちょっと私、おいおい、縦割りってこれだよなと思いました。
 けれども、考えてみれば、一つ一つの動線が、避難するための動線が、全部受け持ちが分断されていていいのだろうかと思ったわけです。県土整備部担当の道と農林水産部担当の施設がつながって一つの動線になることもあるのではないか。むしろそのほうが自然なのではないか、こう思いました。
 そこで、県土整備部がほかの部局と連携する、こうした部局横断の対応は可能でしょうか。
〇菅原道路建設課総括課長 部局横断的なという観点で、私からは、道路の立場で申し上げますけれども、申しわけございません、道路というのは、先ほど来申し上げているように、災害に強い道路ネットワーク、ネットワークということは、つながるということでございます。そこからさまざまな施設への枝のようなものも当然出てくるわけでございますので、その辺につきましては当然漁港あるいは市町村道、先ほど、市町村の中でもまちづくりのほうとは連携して、いろいろと施策を共有しながらやっているということもございますので、それは必要性を認めておりますし、今後とも必要であると認識しております。
〇上原康樹委員 せっかくつくった孤立を防ぐための道路整備でございます。この道路を地域の人々に有効に活用していただくためのいろいろな説明ですとかアドバイスですとかあると思うのですね。こういうところに県土整備部が寄り添うということはいかがでしょうか。
〇菅原道路建設課総括課長 やはり、せっかくつくった公共施設は、利用者の方々に周知することはすごく重要なことだと思っております。道路整備をするときにも、計画段階から目標等を丁寧に説明しながら合意を得ているところでございますので、今後とも、そういう状況に応じまして、どんどん我々のやっている事業、それから効果等を周知いたしまして、利用者の方々がうまく利用できるような道路づくりに努めてまいりたいと思います。
〇上原康樹委員 どうもありがとうございました。質問を終わります。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで県土整備部関係の質疑を終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました議案31件についての意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において世話人会で御協議を願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 この際、世話人会を開催するため暫時休憩いたします。
   午後3時22分 休 憩
午後6時52分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されました議案31件について、世話人会で協議した結果を御報告申し上げます。
 議案第1号令和2年度岩手県一般会計予算については、次の意見、すなわち、東日本大震災津波の発災から9年が経過し、復興の歩みが着実に進められている一方、平成28年台風第10号や令和元年台風第19号災害など、たび重なる自然災害もあり、生活基盤や産業経済は、今なお回復の途上にある。
 このような状況を踏まえ、被災者の心のケアやコミュニティーの形成支援、なりわいの再生など、被災者や被災地の実情を踏まえた支援に引き続き取り組むとともに、災害の記憶の風化を防ぎ、防災力の向上も図りながら、国、市町村との緊密な連携のもと、近年の異常気象を起因とする災害の大規模化に鑑み、全県的な安全・安心を確保し、被災者が一日も早く安心して暮らせるよう復興を推進されたい。
 いわて県民計画(2019〜2028)に係る施策の推進に当たっては、急速な人口減少と高齢化の進行による社会保障制度や経済活動及び社会活動の変化への対応、地域医療の確保等、本県が直面するさまざまな課題の克服に向け、岩手の独自性を生かした施策の展開など、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略と一体的、総合的に取り組むとともに、国、市町村、民間事業者や関係団体などとの連携、協働により、女性や若者が活躍できる環境づくりを推進することで、定住化の促進と岩手の新しい流れを生み出せるよう努められたい。
 また、計画の推進に当たっては、政策評価等に基づき、事業効果や効率性等を踏まえた施策や事業の実施に努められたい。
 特に、東北の復興と再生の原動力ともなる国際リニアコライダーの実現については、国や関係機関等と連携し、引き続き全力で取り組まれたい。
 一方で、本県の財政状況は、法人二税を中心に減収が見込まれるとともに、財源対策基金残高が減少するなど、引き続き厳しい局面が続くものと見込まれる。
 今後の財政運営に当たっては、あらゆる手法により歳入を確保し、より効果の高い施策、事業への一層の選択と集中を進めるなど歳出を徹底して見直し、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努められたい。
 あわせて、国に対し、復興・創生期間終了後における復旧、復興財源及び地方一般財源総額の確保について、継続して要請されたい。
 また、令和2年度当初予算の執行に当たっては、内部統制の推進と法令遵守の徹底によるリスクマネジメントの強化を図り、適正な事務処理の執行に留意されたい。
 さらに、新型コロナウイルス感染症については、国内においても感染者の拡大が確認されており、県民の不安が拡大し、経済的影響も大きい状況であることから、感染防止対策と経済対策に国の支援を求めるとともに、県独自の必要な支援策を講じるなど、その対策に万全を期されたい旨の意見を付し、原案を可とすることとし、また、そのほかの議案につきましては、それぞれ原案を可とすることに決定した次第であります。
 これより、討論を省略し、採決を行います。
 まず、議案第1号について採決いたします。
 本案は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇柳村一委員長 起立全員であります。よって、議案第1号は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第20号まで、議案第26号から議案第31号まで、議案第39号及び議案第41号から議案第44号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇柳村一委員長 全員起立であります。よって、議案第2号から議案第20号まで、議案第26号から議案第31号まで、議案第39号及び議案第41号から議案第44号までは、原案を可とすることに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対しまして深く感謝申し上げます。
 これをもって予算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後6時58分 閉 会

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