平成16年9月定例会 第9回岩手県議会定例会 会議録

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〇50番(佐藤正春君) 森のトレー疑惑解明と知事の責任についてお伺いいたします。
 森のトレー事業は、平成10年、県北の木材振興と地域活性化、景気対策のために鳴り物入りで始まった事業でございます。国より12億8、000万円、県より2億5、000万円、組合11億6、000万円、約27億円の事業ですが、この大金が事業の進展を見ずして、煙のごとく消え去ったのでございます。しかも、なぜか犯人がだれかわからない。国の会計検査院の不当指摘を受け、全額返還命令の中、知事はその3分の1、4億3、000万円慌てて補正予算に組み、国に返還したのでございます。なぜこのような不明、不正のまま、後始末を県民の税金で払わなくてはならないのか。また、残金は今後どうするのか。いかにして、どう返還するのか。県費にて再び支払うのか。一つ一つ疑惑を解明してまいりたいと思います。
 まず、昨年の補正予算、本年の本会議、予算特別委員会、総務・農林水産委員会連合審査会の質疑の中で、この問題の疑惑を追及し、県民の税金で支払うことに反対であった議会に対し、知事は泣いて助けてくれと頼んだと仄聞をいたしております。事実ですか。なぜそれほどまでしても知事はこの不祥事、疑獄事件にもなりかねない案件を県費で支払うのですか。
 私は、この疑惑解明のために調査を開始したところ、関係する県職員は黙秘でございます。また、証拠書類の提出はことごとく理由をつけて未提出でございます。総務部長、未提出。やっと手に入れた森のトレー問題に関する久慈地方振興局の復命書については、151ページあるうち、驚くなかれ121ページが黒塗りの状態。これ一部持ってきたよ、これだ、知事、あなた見たでしょう、黒塗りですよ、皆。151ページのうち121ページが黒塗りだ。これは完全に隠ぺい工作ではないでしょうか。知事はこのことを御存じですか。改革派知事として、情報公開が行政の基本であるはずなのに、恥ずかしくございませんか。これでは疑惑解明どころか、議員の調査権すら行使できません。去る8月25日に全国市民オンブズマン連絡会議があり、自治体の予算を第三者機関がチェックする包括外部監査の評価では、欠陥の多い改善要望の中に岩手――本県――が名指しされていることは当然です。このことについて監査委員の御見解をまず伺っておきます。
 去る3月8日の予算特別委員会総括質疑で、我が同僚議員の伊藤勢至委員は何と言ったか。県費2億5、500万円余の補助と国費約12億8、000万円を受けて進めてきた事業であります。ところが、結果的に目的とした製品が製作されず、会社経営が破綻し、会計検査院から国の補助金全額返還を求められております。県の補助金2億5、000万円余が泡と消えたばかりか、国からの補助金12億8、000万円余を県費で支払うとなれば、この財政状況の厳しい中で15億円以上の県民からの税金が全くむだになります。県民は決して許さないでありましょう。こう我が同僚議員の伊藤勢至委員などは言っている。全く私も同感でございます。私も伊藤勢至議員同様決して許しません。本当に県民はごしゃやいているよ。みんな怒っている。
 既に今まで議会において明らかになったとおり、計画がずさんなままに急いで着手したことに根本的な問題がございます。同時に、組合設立から事業着手、操業、事業中断まで、非常に不明朗、不透明。これを県民の前に明らかにすることが、我々議員の責務であると考えるのでございます。
 まず、組合設立疑惑についてお尋ねいたします。
 平成10年12月2日に、いわば、いわて森のトレー生産協同組合設立総会が開催されました。平成11年1月20日の設立時の役員、理事は5人おります。理事長、岡野朝雄氏、理事には兄の岡野利雄氏が載っています。平成16年7月現在では理事は3人になりましたが、理事長が岡野朝雄氏、専務理事が息子さんの岡野友保氏が就任しています。これでは同族組合ですよ。これは組合の形をなしていませんよ。岩手年鑑によりますと岡野朝雄氏は、岩手林材株式会社の社長であり、その営業内容には、原木の伐採、加工及び販売、建築工事の設計、管理、請負となっております。みずから優良会社を経営しながら、なぜ同じ事業を行う組合を設立し、しかも、親子、兄弟が役員になってやらなくてはならないのか。なぜこのような誤解を招くような不明朗な組合が認可になったのですか、だれが認可したのですか、お尋ねいたします。そこから解明していかなければならないと思います。
 中小企業等協同組合法によると、同法第35条は、理事の定数の少なくとも3分の2は、組合員または組合員たる法人の役員でなければならない。ただし、設立当時の理事の定数の少なくとも3分の2は、組合員になろうとする者または組合員になろうとする法人の役員でなければならない。こう規定されております。役員に関する規定を設けておりますが、設立時点からこれまで役員の就任要件で問題はなかったのかどうか。また、ことし7月の時点で理事3人のうち2人が親子であることは、組合運営の透明性、公平性の観点からいかがですか。問題になりませんか、こういうことが。
 また、同法第37条第2項は、左に掲げる者は、その組合の理事になってはならない。1、組合の事業と実質的に競争関係にある事業であって、組合員の資格として定款に定められている事業以外のものを行う者。2、組合員の資格として定款に定められる事業またはこれと実質的に競争関係にある事業を行う者であって、組合員でない者と、こうあります。トレー組合と岩手林材の事業内容は当然競合し、最初から違反していることは明白でございます。農林水産部長、よくあなた調べなさいよ。岩手林材より原木の納入、加工品の販売取引、その他の取引の事実があるかどうか。そのときの支払いなどに補助金の流用など不正使用があったかどうか。2点をまず伺っておきます。後で契約が事件になればこれはわかることですからね。あなたも参考人に引っ張られるんだから。
 平成15年12月25日の総務・農林水産委員会連合審査会の調査資料によると、約束事でバタバタと事業がスタートしたようですが、販売計画、販売方法、販売ルート、年間の売上見込みなど、調査資料のどこにもこれは出ておりません。一体全体どこに売るつもりだったのですか。総額27億円もの事業で、もしこれがはっきりしないままに着手されたとすれば、この森のトレー事業はそもそも無責任事業であって、補助金が目当てであったとこれは疑わざるを得ないんです。そこ、わかりませんか。
 1日50万個、平成13年度の計画数量は1億456万個にも上るこれらの販売計画はどうなっているのですか。販売先、販売数量のデータの根拠もあわせてお示しください。これはちょっと膨大だから後でよろしいですから、議長の方からもひとつお願いしてください。今出せと言ったって時間がないからね。
 また、事業計画に関連して伺いますが、開設までの予算の総額は幾らですか。あわせて、組合の11億6、000万円の内訳とその根拠、補助金の申請額の根拠についてもお示し願いたい。
 次に、5、000万円借入金、月500万円の試作品代提供疑惑についてお尋ねをいたします。
 組合では、納入業者トリニティ工業から5、000万円借り入れているほか、月500万円の運営費補助を受けております。一体この金は何なんですか。大した金額、これは何なんですか。地元関係業者から私は聞いたのですが、これは機械納入のリベートではなかったのかというお話がございます。事実ですか。トリニティ工業との契約関係は、その経緯を含めて非常に不明朗でございます。ほかにも組合の借入金がありましたらお示し願います。私ども議員は、組合の問題については関知するものではございません。当然でございます。補助金が組合により不正支出、目的外使用されていないかどうか、あるいは背任横領の事実があるかどうかということを明らかにするのが議員の責任でございます。仕事でございます。
 トリニティ工業の5、000万円の貸付先は、森のトレー組合で、連帯保証人は代表理事の岡野朝雄氏と息子の岡野友保氏がなっております。これは森のトレー組合の議決を得ていない。得ていれば全員が保証人でございますから。また、この時点で息子さんの友保氏は理事ではございません。組合が借りているのに、なぜ理事でもない友保氏が保証人なんですか。この点についても伺っておきます。
 組合の5、000万円借り入れ、月500万円の1年間の試作品代は、組合の承認議決は、いつ、どこで、理事何人が出席して決めたのか。県はこのことを知っているのですか。――再三私はこれを要求したのですが、議事録全然出さない。私の方では捜査権というのはないからね――理事は何人出席して決めたのですか。県はこのことを知っているのですか。関与しているのですか。しないとすればいつ知ったのですか。5、000万円の借入金は何に使ったのですか。借入金返済の理事会が開かれず、返済金が組合でない岩手林材から出ているのはなぜなんですか。また、月500万円を試作品名義で出すことに問題はないのですか。この金は何に使ったのですか。関係書類、領収書をお示しください。これも今膨大だから、あるいは相当隠しているから、後でいいですから、議長、この方もひとつお願いします。補助金の目的外利用、不正利用ではなかったのかどうか。
 ふぐあいと不良品とはどう違うのですか。議員の皆さん、ふぐあいと不良品とどう違うのですか。不良品となるとこれはトリニティ工業の責任です。そのように断定していいのですか。だとすれば、なぜ会計検査院で指摘するように放置したのですか。何か理由があるのですか。岡野親子が被告となっている未弁済の分は、これは背任横領になりませんか。
 原告、いわて森のトレー生産協同組合代表理事岡野朝雄、被告、トリニティ工業株式会社代表取締役杉浦文夫、25億4、761万5、200円の損害賠償請求事件の訴状を私は見ました。契約日が平成12年1月27日、納期が平成12年3月20日である。第2回目は、契約が平成13年1月22日、納期が平成13年3月25日になっております。一方、平成16年5月14日の貸し金請求事件、3、200万円、被告、岡野朝雄、同、岡野友保に対する件は、平成12年10月25日付で金銭消費貸借契約を結び、5、000万円を貸し付け、3カ月後、平成13年1月25日一括弁済となっております。しかし、これは弁済できません。同4月27日に1、512万円を弁済し、残金3、488万円が未弁済となっております。5、000万円の貸し金契約は、取引契約後であるから道義的にこれは問題もあるけれども、法的に問題ない。この金は平成13年1月25日一括弁済となっているが、弁済しないまま、第2回の契約が平成13年1月22日となっております。だとすると、金を弁済しない相手の利害関係者とさらに契約することは、補助金を出している事業の遂行にこれは問題ございませんか。こんなこと許していいのですか。県はこの第2回の契約時にチェックをし、改めて入札をさせるべきではないか。なぜしなかったのですか。そこの責任者はだれですか。これは刑法第96条の3の談合に当たりますよ。わかりますね。
 次に、建物建設と業者選定疑惑についてお尋ねをいたします。
 まず、森のトレーの建物、機械の入札は、いつ、どこで、だれが立ち会いでやったのですか。発議者はどなたなんですか。念のためお尋ねいたします。
 建物建設に係る入札についてでございますが、平成11年9月に作業用建物2棟、製品保管倉庫1棟の指名競争入札を行っています。ここで新潟県に本社のある本間組と久慈市の山田建設による特定共同企業体が3億4、250万円で落札しております。なぜ地元業者優先と言われる中で、新潟の本間組がやらなくてはならないのか。このときの入札には9社参加しております。1回目、2回目の入札とも最低入札業者は本間組・山田建設でございます。これは完全に談合ですね。談合でしょう、あなたうなずくように。完全に談合です。お答えを願います。そのとおりだと、今言ったとおりね。
 また、この後の追加の作業棟などの建設は、この本間組・山田建設特定企業体との間で随意契約により行っております。最終的に本間組・山田建設が請け負った金額が総額で6億円弱になっています。これはなぜ随意契約なんですか。この随意契約の理由は、円滑な工事運営のほか、合算積算することにより諸経費の節減を図ることができるためとされております。御存じのとおりね。
 そこで、伺いますが、積算に当たって、他社からも見積もりを徴収し、金額を比較したと思いますが、その結果、経費の節減効果というものはどれくらいになりましたか。他社の見積もりとあわせてお示しを願いたい。
 次に、機械の納入の件についてお伺いいたします。
 当初、組合では、秋田の専門業者庄内鉄工に接触していたが、途中からトリニティ工業に変えました。途中で相手方を変えたことが、この事業が中断するこれは大きな要因になっているのです。どこでどういうふうにすりかわったのか。久慈の市議会では、この変更に市は関与していない、県が関与していると、この責任を求めております。この経過がいま一つ不透明でございます。県のだれが関与したのか。地元なのか、本庁なのか、だれかうまいやつがいて関与したのか、これをお答え願います。
 県の事故報告によると、ラインの自動化に対するコンサルのアドバイスなどにより、処理方式をトリニティ方式に変えたと、こうございます。しかしながら、1月16日の連合審査会における森のトレー生産協同組合岡野専務理事の証言によれば、まず、庄内鉄工との間に木製トレーの縁をカットする方法をめぐってトラブルが発生し、関係が切れた。その後にトヨタ自動車の関係者の紹介によってトリニティにしたと、こう証言しております。ラインの自動化をめぐる処理方式の違いなどとは認識しておりません。なぜですか。一体、庄内鉄工からトリニティに切りかわった正確な事実関係はどうなっているのですか。うそ言っては困りますよ、これね、後でばれることだから。また、この間、ウロコ製作所という会社とも接触しているようですが、ここはなぜだめだったのですか。なぜこのウロコはだめだったのですか。トリニティ工業への業者変更について、県としての責任を伺っておきます。
 庄内鉄工とは、組合設立前から事業化に向けて二人三脚で進めてきているはずでございます。庄内鉄工がだめになった時点で、森のトレー事業について再考することも可能だったのではないですか、その時点で。なぜ再考しなかったのですか。この事業をぜひとも実施しなければならない利益共有グループから圧力がかかったのではないですか。おいしい組合の連中から。かかりませんか。なぜ無理してやったのですか。これだけ重大な事案なのに、この時点の復命書を見ても事業者の変更にかかわる協議の記録がない。県に相談はなかったのですか。どのように協議を受けて、どのように指導したのですか。
 また、トリニティ工業との契約において、見積もりを新晃プラント、加藤工業からもとっていますね。これは、既に明らかになっているように、契約の相手方をトリニティ工業に決めた上で、証拠書類を整えるために行ったものでございます。ここが大変ですよ。見積もりを3社からとることは県の要領上これは義務づけられているんですよ。おわかりでしょう。このようなでたらめなやり方は許されていいのですか。これは官主導の談合であり入札妨害になりませんか。今後、警察の捜査の対象になると思います。この点について本部長にも一つ伺っておきます。
 次に、県の監督疑惑についてお伺いいたします。
 ここに会検の補助金に関する検査報告の不当事例の報告書を持っております。なかなか出さなかったけれども、何とかまず集めてね、私もね。この指摘の中で、組合は、補助金で取得した財産を久慈市の承認を受けないで、処分制限期間内は補助金の交付の目的に反して使用したり、担保に供してならない。こういう条件があった。にもかかわらず、組合では、自己負担分11億5、000万円を銀行から平成12年4月以降借り入れ、このうち10億8、000万円は久慈市に無断で――無断で平成13年3月以降施設を担保に供しており、重大な補助金適正化法違反を犯しております。この件については、この間、久慈の市議会、嵯峨さんね、久慈の市議会でも、違反は明白だという意見が出されております。このでたらめの責任はどうなっているのですか。背任横領になりませんか。詐欺になりませんか。お伺いしておきます。
 組合では、平成12年3月に整備した3ラインについて、試運転もせず、確認もせず受領していた。この完了確認の問題については、職員の対応に問題があると既に事故報告もなされており、また、久慈の市議会でも指摘されております。この背景には、組合と業者との癒着の問題がございます。なあなあの関係にあったために、岩手県においても担当者はろくに検査もしないで、完了確認調査の際、了としたと報告されております。完了確認時にふぐあいをなぜ発見できなかったのですか。担当者は、何回検査、指導に行かれたのか。日時、場所を明らかにお示しください。幾つかの組合と県職員、業者とのスキャンダルの投書が来ております。これを今後調査しまして、私も決算で取り上げていきたいと思っております。
 次に、監査に関する疑惑についてお尋ねをいたします。
 知事は、公式の場で、森のトレーの責任はみずからにありとして、職員の処分を発表しておきながら、4億3、000万円を県民の税金で支払う責任を事実上県民に転嫁しようとしました。私は、それはだめですよと、4月12日監査請求したところ、監査委員は、詳細な理由を示せということで却下されたんだ。こういうふうにね。
 そこで、監査委員にお伺いいたします。会検では、12億8、000万円の補助金は不当支出だから全額返還せよと、こう言っている。しかし、県では2億5、000万円の補助金について、平成12年7月の定期監査の結果、正当であると、こう報告しておる。なぜ県と国でこれは違うのですか。おかしいのではないですか。同じことをね。明確にお答え願いたい。
 その後、平成13年3月にはすべてのラインが稼働し機器のふぐあいが明確になっているにもかかわらず、平成13年度も監査を行っていません。こういう事態が生じていることを監査委員は把握していなかったのですか。していて黙っていたのですか。
 また、平成14年度には、会計検査院から補助金返還の指摘があったにもかかわらず、平成12年の事業が終了していることを理由に、該当がないということで監査を行っておりません。これでは監査委員としてどうですか。機能を果たしていますか。責任を感じるでしょう。これだけの大事件にもかかわらず、なぜ知事は地方自治法第199条第6項に基づく特別監査を指示しないのですか。これは知事の責任ですよ。十分に調査してから補正予算にかけるべき。これは順序ですからね。なぜそれをやらないのですか。お尋ねしておきます。
 また、定期監査では、適正、公平であったと報告をされております。なぜ適正でありながら、県では裁判費用1、200万円を計上して一方的に組合を支援しているのですか。これでは監査報告を信用していないのか無視しているのか。監査委員としてこれ黙っていられないですよ、こんなばかにされたことをされてね。どうでしょうか、見解を伺っておきます。
 最後に、トレー組合の結果責任と岡野理事長の自己責任についてお伺いをいたします。
 ここに平成14年8月23日の県の聞き取り調査があります。こんなに分厚いんだ。農林水産部長、あなたみんな黒で示したけれども、私は、これは一生懸命になって読んだよ、読めないんだよ、黒だから、でも読んだ。その聞き取り調査があります。組合は、8月25日をもって事業中断、従業員の解雇を行うが、その後はどうなるかという問いに対して、岡野専務理事は、組合を解散したいと考えている、こう述べております。県では、大慌てで、解散はしないように頼みます、拝みますと、解散させない。説得しているようでございます。そして、中断したまま今日になっているわけです。いずれ遠からずこれは解散せざるを得ないです。今お話しのとおり解散せざるを得ません。組合はいつ解散し、岡野氏はいつ自己破産を選択するのですか。これも黒く塗っているからわからないけれども透かしてみた。本人は自己破産したいと、こう言っているんだ、あれ見ていると、聞き取り見ると。その理事会はいつ開くのですか。黒塗りでちょっとわからなかったのですが、一番大事なこと、これは一番大事なことで一つお答えを願います。その後は管財人の管理となりますが、管財人は勝つ見込みのない裁判の原告は引き受けませんよ。その場合、裁判の行方について、県はどう訴訟するのかお伺いしておきます。つまるところは、県、国の補助金、県費による立てかえ金の回収をどうするのか。また、その責任の所在はどこにあるか。県民にお答え願いたい。
 久慈の市議会でも、岡野氏ら個人の返還責任を問う声もございます。銀行の保証人としての支払いも拒否していますね、聞き取り調査見るとね。農林水産部長、そうですね、あなたわかっているでしょう。拒否しています。ですから、支払い能力があるのかどうか、支払い能力があるのですかどうでしょうか。この点についても伺っておきます。
 以上をもって質問を終わりますが、あわせて再質問いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 佐藤正春議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず第1点目は、何ゆえ県費で支払いをしたのかという点でございます。
 本事案の補助金は、本来はトレー組合から回収して国に返還すべきものであると考えております。しかしながら、事業目的が達成されなくて会計検査院から指摘を受け、県は既に昨年の10月16日付で国から12億7、900万円余の補助金返還命令を受けまして、昨年11月5日からは補助金適正化法に基づく延滞金が発生しているという現実がございました。この適化法の中で、やむを得ない事情がある場合には延滞金の全部または一部を免除できるとされておりますので、林野庁との再三にわたる協議の中で、県が補助金の一部返還及び補助金の回収に最大限の努力をすれば延滞金の免除について林野庁としてもできる限りの対応をするとの考えが示されましたので、そうした現実の中で、県費によるいわば先行返還という形になるわけでございますが、最終的に県民の負担を最小限にするため、トレー組合からの回収を待たずに、県としての返還努力の一つとして、いわばぎりぎりの判断として行ったものでございます。その旨2月議会でも申し上げたとおりでございます。
 次に、復命書の内容が黒塗りが大変多いという御指摘をいただきました。議員御要望の資料の中には、特定の個人が識別できるもの、トレー製造の技術に関すること、トレー訴訟の戦術に関係することなど個人情報及び法人情報として配慮する必要があるものが含まれておりますので、情報公開条例の考え方によって該当部分を開示しなかったと担当部から聞いております。県民の皆様に御理解を深めていただくためにも、開示できるものは極力開示する方向で対応するよう担当部である農林水産部に検討を指示したところでございます。
 次に、5、000万円借入金、そして月500万円の試作品代提供の疑惑について、今、議員の方から御指摘がございました。これについて、利害関係者との契約の問題あるいは契約前にチェックすべきだったのではないかと指摘されたわけでございますが、利害関係者と補助事業に係る契約を行うこと自体は特に規制されておりません。トリニティ工業からの借り入れは、同社の責任を理由に資金提供を求めた結果、実行されたものであること、また、2回目の契約が当初からの計画であったことや、工場の効率的稼動のため、他の三つのラインと調和したものである必要があることなどから、今、御指摘をいただきました当該契約をトリニティ工業と行う合理性は十分に認められ、今、御質問の契約が利害関係者の便宜を図るために行われたものとは考えにくい、補助事業の遂行上問題のあるものであったとは認識していないところでございまして、当時の職員も特に問題意識を持っていなかったために指導等を行わなかったと聞いているところでございます。しかし、当時そのような状況があったとしても、結果的には本件契約に係る機械につきましてもふぐあいが解消されなかったことをかんがみますと、このときの契約が全く問題がなかったとは言いがたいものと考えております。
 そのときの責任者はだれかとのお尋ねでございますが、県における一義的な責任者は当時の久慈地方振興局長となります。補助金の交付決定に係る事務は地方振興局長への委任事項という形になっておりますので、当時の久慈地方振興局長ということになります。
 刑法96条の3の談合に当たるのではないかいうお話も御質問の中にございましたが、これにつきましては、専門家の方に意見を徴したところ、刑法96条の3の談合罪は民間の商取引には該当しない、このような見解を得ているところでございます。
 次に、業者変更についての県の責任についてお尋ねがございました。これは、トリニティ工業に途中から切りかわったわけでございますが、当時トレー組合は、コンサルタントの指導を受けましていかにコストダウンを図るかを検討しておりまして、もう一方の当初の庄内鉄工ともコストを下げるために製造ラインの検討を行っていたわけでございますが、その検討の中で庄内鉄工とはトラブルが生じてそれまでの連携関係が解消になりました。その後、トリニティ工業からトレー組合の意向に沿う製造ラインの自動化の提案があって、トレー組合は、会社の規模や技術力等からも高く評価してトリニティ工業の生産方式を採用することとしたと認識しております。
 議員の方からお話ございました参考人質疑における岡野専務発言でございますが、これは、コストを下げるための検討の中で発生いたしました庄内鉄工とのトラブルの発端を言及したものと受けとめております。
 議員の方からウロコ製作所でなぜだめだったのかというお話がございましたが、ウロコ製作所の提案は、トリニティ工業よりも約3億円は高かったためトリニティ工業を採用した、そのように組合の方から聞いているところでございます。
 この業者の変更について、県としての責任はどのようなものがあるかというお尋ねでございますが、これは民間の事業でございまして、確かに補助事業で補助金が入っているわけでございますが、補助事業であってもあくまでも事業変更に係る責任は事業体側にございまして、今回のようにコスト低減を図るという事業体からの強い意向を示されれば、それを県が否定することはできないものと考えております。
 補助金適正化法違反ではないか、そして、その責任はどうかということでございますが、これについて経緯を申し上げますと、今お話がございましたように、一度組合が農林漁業金融公庫からの融資を断られましたので、当時の県の担当者が中小企業金融公庫を含む協調融資の場合の担保設定について林野庁の方に確認しております。その際、担保設定に関して協議されたことはない、それは事業遂行の目的のために設定するのだから、目的に反していないからである、林野庁の担当者からそういう回答を受けたと聞いております。このことから、組合との打ち合わせで、市中銀行であっても補助残融資であれば補助物件に担保設定が可能であるとの説明を行ったわけでございます。こうした林野庁からの確認を受けた後、組合との打ち合わせでそういう説明を行ったものである、このように認識しております。こうした経緯がございますので、これは必ずしも御指摘のような組合がでたらめにやったというものに当たるものではないと考えているところでございます。
 それから、監査についてお話がございました。何ゆえ知事――私がこうしたさまざま問題があるものについて特別監査を指示しなかったのかというお話でございましたが、本事案の事故原因等につきましては、農林水産部に特に指示をして補正予算の提案に必要な調査を実施させましたので、特別監査を必要とは考えなかったものでございます。なお、その後も、今度は総務部の方に検証チームを組織させまして農林水産部とは別な角度から調査を行わせ、本事案の計画策定、事業導入、事業実施等の各段階における行政対応にどのような問題があったかを検証しておりまして、こうしたことにより十分な調査が実施されたと考えております。
 最後に、組合が解散した場合の裁判の行方についてでございますが、破産管財人が訴訟を引き受けない場合の訴訟の行方ということでお尋ねがございました。まず、組合には訴訟が終結するまで当然全力を挙げて取り組んでいただくものと考えているわけでございますが、万が一訴訟の途中で組合が破産した場合は破産管財人が訴訟を受け継ぐことができることと破産法に規定がございます。こういう規定がございますので、仮にこうした事態に至った場合には、県としては、まずは破産管財人が訴訟を受け継ぐよう取り計らってまいりたいと考えております。
 それから、補助金の回収とその責任の所在でございますが、県では、いずれにしても現在提起してございます訴訟の継続を図って補助金の回収に努めてまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねは関係部長より答弁させますので、御了承お願いいたします。
   〔商工労働観光部長酒井俊巳君登壇〕

〇商工労働観光部長(酒井俊巳君) まず、岩手林材株式会社と何ゆえ同じ事業を行う組合の設立を認可したのかというお尋ねについてでありますが、事業協同組合の設立に当たっての組合員資格については組合の定款で定めるものとなっておりますが、当該組合の定款では、林業、木材・木製品製造業を行う事業者となっております。組合員である岩手林材株式会社が行う事業は、原木の伐採・加工及び販売などとなっており、組合の定款に定める組合員資格に合致するものであります。中小企業等協同組合法の規定において、事業協同組合が行うことのできる事業は、生産、加工、販売などに関する事業の共同化であり、当該組合の場合も組合員企業の行う事業の共同化を図ったものであり、組合の設立の認可は適法であったと認識しております。
 次に、何ゆえ親子、兄弟が役員となってやらなくてはならないのかということでありますが、協同組合では、親子、兄弟であっても、定款で定める組合員資格を有していれば加入が可能であり、役員への就任も可能でございます。
 参考までに、社会福祉法人等につきましては、社会福祉法において配偶者あるいは親族等の役員の就任の制限はございますが、協同組合法にはそういった規定はないということでございます。
 次に、設立時点からこれまで理事の就任要件等で問題はなかったかということでありますが、中小企業等協同組合法上、理事の定数は3人以上となっておりますが、当該組合の設立当時の定款における定数は5人以上8人以内であり、創立総会においては5人が選出されております。また、理事全員が組合員になろうとする者または法人の役員でありましたことから、役員の就任要件等で問題はなかったと認識してございます。その後、当該組合では、数次にわたり役員改選が行われ、現在理事3人という体制となっているものでございますが、この間、適法に理事の定数を3人以上5人以下に定款変更するなどの手続がなされておりまして、定数に関してはお尋ねの時点で問題はないものと認識してございます。
 次に、ことし7月の時点で理事3人のうち2人が親子であることは組合運営上問題がないのかということについてでありますが、さきに述べましたとおり、協同組合では、親子、兄弟であっても定款で定める組合員資格を有していれば組合への加入が可能であり、役員への就任もできることになってございます。
   〔農林水産部長今泉敏朗君登壇〕

〇農林水産部長(今泉敏朗君) まず、組合設立疑惑についてであります。
 そのうち、岩手林材との取引についてでありますが、トレー組合から入手していた取引関係の資料においては、岩手林材はトレー組合に対し原木の供給を行い、トレー組合から製品化されていたトレーを購入していたと聞いております。その他といたしましては、取引と言えるかどうかは別として、組合は岩手林材から借り入れを行っております。
 次に、補助金の不正使用がなかったかというお尋ねでございます。
 これは、林材との取引においてそういった不正使用がなかったかというお尋ねと思いますが、取引の支払いに補助金が流用されるなどの不正があるかどうかにつきましては、平成12年5月に、組合の預金通帳、見積書、契約書、代金支払い関係書類等を確認しております。さらに今月も、そのときの補助金支払いに当たってそうした不正使用がなかったか調査した結果では不正な事実は認められませんでした。
 次に、トレーの販売計画についてでございます。
 当初生産計画50万個に係る販売計画では、計画生産量のうち50%を東京に本社がある企業と、20%をこれも同じく東京に本社がある企業と契約し販売することとしており、当該販売提携契約書の写しも計画書に添付されております。また、残りの30%においても引き合いがあり、販路は確保されていたと認識しております。
 次に、事業予算額等についてでございます。
 事業計画に関連して開設までの予算総額でございますが、林業構造改善事業で整備した木材処理加工施設が事業費で26億9、200万円、工業用地取得代金が3億4、100万円、合計で30億3、300万円の事業費となっております。
 次に、組合の11億6、000万円の内訳でございますが、林業構造改善事業の事業費から補助金額を差し引いたものが11億6、000万円でございまして、これは組合が負担する金額でございます。なお、そのうち11億5、000万円は借入金となっております。
 次に、補助金申請額の根拠についてでございますが、補助金の申請額は、トレー組合が整備する施設や導入する機械設備などのうち、国の林業関係事業補助金等交付要綱で、補助対象となる施設等について、その事業費に県の補助金交付要綱において定める補助率を乗じて積算した補助金の総額でございます。
 次に、5、000万円借り入れ、月500万円試作品代金提供疑惑に関するお尋ねについてでございます。
 5、000万円の借り入れと月500万円の運営費補助は何かというお尋ねについてでございますが、これは、トレー製造ラインの不都合により組合が資金難に陥ったことから、その責任を理由にトリニティ工業に資金提供を求めた結果行われたものである、トリニティ側がそれに対して応じたものであると認識しております。
 次に、リベートがあったとの話は事実かというお尋ねについてでありますが、平成12年5月ごろお話のような内容の投書がありまして、久慈地方振興局の職員が理事長等から事情聴取を行い、そのような事実は確認できなかったという記録が残されております。
 次に、ほかにも借入金がないのかというお尋ねについてでございますが、5、000万円以外にトリニティ工業から借り入れがあったかどうかについては承知しておりません。
 次に、5、000万円の借入金の保証人についてでございます。
 連帯保証人の一人岡野友保氏は理事ではなかったのではないかというお尋ねでございますが、契約当時、岡野友保氏は理事でございました。
 次に、5、000万円の借入金、月500万円試作品代金の使い道と問題点についてでございます。
 借り入れの組合承認議決は、いつ、どこで、理事何人が出席して決めたのかというお尋ねについてでありますが、トリニティ工業からの借入金についての承認議決は、平成12年5月31日に理事全員の出席のもと理事会を開催し、トリニティ工業から借り入れを行う方針を決定した旨組合から聞いております。
 県はこのことを知っていたのか、関与したのか、いつ知ったのかというお尋ねについてでありますが、聞き取りした当時の職員からは、全く関与していないと聞いております。また、知った時期につきましては、当時の職員は明確な記憶がないということで当時の書類を調査いたしましたところ、平成12年7月6日に行われたトレー組合との打ち合わせに係る復命書の中にトリニティ工業からの借入金に係る記載がございました。したがいまして、この前後に県としては知ったのではないかと推察しているところでございます。
 次に、5、000万円の借入金は何に使ったのかというお尋ねでございますが、当時、組合を運営していくために月々およそ1、400万円の運転資金が必要であったと組合から聞いております。したがいまして、この一部に充てたものと認識しております。
 次に、借入金返済の理事会が開かれず、返済金が岩手林材から出ているのはなぜかというお尋ねについてでありますが、当時、組合では返済金を負担することが困難であったため、岩手林材等からの借入金で捻出したと組合から聞いております。また、組合によれば、トリニティ工業を含め、資金の返済に関しては理事会において理事長に一任する旨の決定がなされていたとのことでございます。
 次に、500万円を試作品名義で出すことに問題はないのか、この金は何に使ったのかというお尋ねについてでございます。
 トリニティ工業からの月500万円の入金につきましては、材料代、電気代等の機械等の調整に要する経費だったと承知してございます。組合とトリニティ工業が協議の上でトリニティ工業が経費を負担したものでありまして、一般的な商慣習としてはこういうことはあり得ることであり、問題ないものと認識しております。
 なお、お求めの書類につきましては、できるだけ提出するように努力いたします。ただし、組合の協力がなければ提出できるものではないので、その点については御理解をいただければと思っております。
 次に、補助金の目的外利用、不正使用がなかったのかについてであります。
 平成12年5月に組合の預金通帳、見積書、契約書、代金支払い関係書類等を確認し、さらに今月も調査を行いましたが、調査した範囲内においては不正な事実は認められませんでした。
 次に、ふぐあいと不良品とどう違うのかについてでありますが、ふぐあいとは、機械が所期の性能を発揮しない状態と認識しております。また、不良品とは、実際上の使用にたえない機械そのものの性質あるいは評価と認識しております。
 不良品となるとトリニティ工業の一方的な責任と断定できるかというお尋ねについてでございますが、組合は、機械のふぐあい、トレーの不良品が多く発生したことをもってトリニティ工業に債務不履行があったと主張しております。この関係につきましては、いずれ裁判で明らかにしていきたいと考えております。
 機械のふぐあいが確認されてから会計検査院の指摘まで何をしていたかというお尋ねについてでありますが、機械にふぐあいがあることが判明した平成12年4月以降平成13年5月末までトリニティ工業の社員が常駐し、機械のふぐあいの解消に向けた処置が行われておりました。また、トレー組合は、トリニティ工業の社員の常駐がなくなった以降におきましても、納得していない機械のふぐあいについては解消するようトリニティ工業に対して要請しており、トリニティ工業から社員が来て機械のふぐあいの解消に向けた処置が行われていたものと認識しております。その間、県では、組合及びトリニティ工業に対し機械のふぐあいの早期解消を求めるとともに、林業技術センター等の職員が技術的な助言を行うなど、これを側面から支援しておりました。
 岡野親子が被告となっている未弁済の分は背任横領ではないかというお尋ねについてでございますが、これにつきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 次に、建物建設と業者選定疑惑についてでございます。
 建物、機械の入札について、いつ、どこで、だれがというお尋ねについてでございますが、作業用建物2棟と製品保管庫の入札は、平成11年9月30日、久慈市役所において、トレー組合が主宰し、久慈市職員と久慈地方振興局職員の立ち会いのもとに行われました。管理棟の入札は、平成12年4月24日、久慈市役所において、トレー組合が主宰し、久慈市職員の立ち会いのもとに行われました。2回の入札の発議者はトレー組合の現専務理事であったとトレー組合から聞いております。
 次に、特定共同企業体の入札についてのお尋ねであります。
 なぜ本間組かについてでありますが、県外大手業者1社と地元業者1社による特定共同企業体としたことについては、建物の事業規模が大きいこと、大断面集成材の施工など技術的にも大手業者に発注した方が確実な事業の遂行が見込めることなどの理由であったとトレー組合からは聞いております。
 完全談合ではないかというお尋ねでございますが、特定共同企業体の入札は、久慈市役所において、久慈地方振興局及び久慈市の職員の立ち会いのもと、適切な手順を踏んで行われたと聞いております。
 次に、追加建設の随意契約でございます。
 当時のトレー組合の資料によると、随意契約とした理由は、工期が重複しているため現場での交錯を防ぐこと、合併積算することによる経費の節減を図ることということでございました。このことは、工事場所が隣り合っており、いわゆる出合い丁場であったことに加え、経費の節減が図られるということからトレー組合が判断したものと考えております。
 次に、随意契約の経費節減効果についてであります。
 随意契約の理由とした経費の節減効果でございますが、トレー組合の資料によりますと、追加契約した工事全体の設計額で2、480万円余の節減が図られることとなっておりました。
 他社の見積もりがあるのかというかお尋ねでございますが、分離発注の場合と随意契約の場合とを比較した積算はやってございますが、今回のような随意契約では他社から見積もりをとらないのが一般的ということであり、トレー組合も他社からの見積もりはとっておりません。
 次に、トリニティ工業にかえた経緯についてでございます。
 トレー組合が庄内鉄工からトリニティ工業に変更したことにつきましては、トレー組合の岡野専務理事から次のような経過であったと説明を受けております。
 トレーの製造については、当初、トレー組合は庄内鉄工と話を進めておりましたが、コンサルタントのアドバイスを受け、いかにコストダウンを図るかという検討の中で平成11年5月ないし6月ごろ庄内鉄工との間にトラブルが生じ連携関係が解消した。その後、トレー組合は、営業に来ていたトヨタ自動車から紹介されたトリニティ工業と以前から営業に来ていたウロコ製作所の2社を選定し、この2社からライン及び見積もりの提案を出させ、その提案を平成11年7月13日の理事会に諮り、最終的にトリニティ工業のラインを採用することにした、以上のような説明を受けております。
 庄内鉄工がだめになった時点でなぜ再考ができなかったのかというお尋ねについてでございますが、庄内鉄工との連携関係が解消になった後、間を余り置かないでトレー組合はトリニティ工業からの自動化ラインの提案を受け、会社の技術力なども高く評価してトリニティ工業方式でいくことを決定した、そういった事業体としての意向を県としては否定することができなかった、そのような経過であったと認識しております。
 利益共有グループから圧力がかかったのではないかというお尋ねについてでありますが、トレー組合へ何らかの圧力があったということは聞いておりません。また、県に対する圧力、そのようなものもなかったものでございます。
 変更に当たって県に相談がなかったのか。どのような協議を受け、どのように指導したのかというお尋ねについてでありますが、庄内鉄工からトリニティ工業への変更につきましては、県の担当職員がトレー組合から、コスト低減を図るためトリニティ工業方式で変更したいとの話を受けております。その際、当初計画のとおり実績のある庄内鉄工方式で進めてはどうかとも指導いたしましたが、トレー組合はトリニティ工業方式採用の意思が固かった。そのように承知しております。
 次に、完了確認等指導状況についてでございます。完了確認時にふぐあいをなぜ発見できなかったのかというお尋ねについてでございますが、完了確認調査につきましては、検査要領により行われたものであります。これは機械の据えつけ状況等の外形的検査にとどまり、そうしたふぐあいがあったものを発見できなかったものと考えております。
 トリニティ工業から購入した機械の検査についてでございますが、トレー組合がトリニティ工業から購入した機械を対象とした完了確認調査は、久慈市の完了確認調査に立会する形で、平成12年3月27日及び平成13年3月27日に行ったものであります。時間につきましては、当時の担当者からの聞き取りでは、どちらも検査箇所が非常に多かったことなどから、10時ごろから始まり夕方ごろまでかかったと聞いております。
 次に、機械のふぐあい解消に係る指導でございます。トレー組合の機械のふぐあいが発生した後、指導につきましては、打ち合わせに係る復命書等から確認できる範囲では、平成12年度は、平成12年4月26日から平成13年2月14日にかけて15回、平成13年度は、平成13年4月25日から平成14年3月7日にかけて10回、それぞれトレー組合事務所あるいは久慈地方振興局などにおいて指導を行っております。そのほかにも地方振興局では、機械のふぐあい解消につきまして週1回程度はトレー組合から状況報告を受け、その都度対応していたと聞いております。
 次に、トレー組合の結果責任と岡野理事長の自己責任についてでございます。トレー組合の動向についてでございます。いつ解散し、岡野氏はいつ自己破産をするのかというお尋ねでございますが、当時の地方振興局と組合との打ち合わせにおいて、組合が解散という選択肢も考えていたということでございます。現在訴訟中でありまして、組合は訴訟に勝訴するための活動を積極的に行っており、現在ではそのような考えを持っていないと認識しております。
 トレー組合理事個人の支払い能力についてでございます。理事個人の支払い能力につきましては、久慈市では支払い能力がないものと認識していると聞いているところでございます。
   〔監査委員一戸克夫君登壇〕

〇監査委員(一戸克夫君) まず、包括外部監査の評価についてでありますが、この評価結果については、平成15年度に県から委託を受けた包括外部監査人がみずからの判断と責任において、必要と認める特定のテーマを選定し実地した監査内容について、全国市民オンブズマン連絡会議が独自の基準に基づき評価したものであると承知しております。監査委員としましては、包括外部監査制度が導入した地方自治法の精神である包括外部監査人の独立性の観点からコメントできる立場にはないと考えております。
 次に、国の検査と県の監査の相違についてでありますが、会計検査院においては会計検査院法により、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査を実地しており、今回の結果は、補助事業が補助の目的を達していないという有効性の面から不当と認められたものと承知しております。一方、私ども監査委員の監査は、地方自治法により毎会計年度における財務に関する事務の執行について監査することとされており、平成12年7月25日に実地した久慈地方振興局林務部の定期監査においては、平成11年度に執行した景気対策臨時緊急特別林業構造改善事業を監査しております。当該事業は、市町村が事業主体に補助を行った場合に、県が市町村に補助金を交付する間接補助事業であることから、監査対象機関である同林務部が保管している関係書類を点検した結果、一連の事務は適正に処理されていると判断したものであります。
 次に、平成13年度の監査についてでありますが、久慈地方振興局林務部の定期監査は平成13年9月11日に実施しております。この中で平成12年度に執行した補助金として久慈市を通じていわて森のトレー生産協同組合に対し、経営基盤強化林業構造改善事業補助金が交付されておりますが、平成13年度の監査に当たっては、各地方振興局とも県単事業を中心に抽出しておりましたので、当該補助事業については点検対象とならなかったものであります。また、この時点においては当該機器のふぐあいなどの情報は得られなかったところであります。
 次に、平成14年度の監査についてでありますが、平成14年9月10日に平成13年度分の財務監査を、また、平成15年度は平成15年9月9日に平成14年度分の財務監査を実施しておりますが、当該補助事業は平成12年度で終了していることから、監査対象とはならなかったものであります。また、会計検査院による実地検査は平成14年6月に行われ、不当事項として指摘されて補助金返還命令に至ったところでありますが、その後、県においては指摘された問題について返還方法も含め関係省庁との協議が進められたほか、県議会での審査も行われており、このような状況下においては監査の実効性が確保できないと判断し、改めて監査を実地しなかったものであります。この間、監査委員としては重大な事案であるとの認識のもと、これまで情報の収集や担当部局長から説明を受けるなど、随時その状況把握に努めてきたところであります。
 次に、定期監査結果と裁判費用の計上に係る見解についてでありますが、今回会計検査院から補助金の不当執行との指摘を受け補助金返還に至ったことはまことに遺憾であります。裁判費用については、県議会の議決を経て予算措置されたものであり、監査委員としてはこの議決の意義を重く受けとめております。今後におきましては、県民の貴重な税金である補助金返還金の回収に向けて万全の取り組みを期待するところでありますが、監査委員としては県民の信頼にこたえられるよう、その職責を果たしていくとともに、この事案の処理手続が適切に行われていくよう、十分注視してまいりたいと考えております。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕

〇警察本部長(山内正和君) いわて森のトレー国庫補助金返還問題につきましては県において調査がなされ、また、種々議論がなされていることにつきましては承知しております。議員御質問の件についてでございますが、特定の行為が特定の犯罪に該当するか否かにつきましては、具体的な事実関係に即して、法と証拠に基づき判断されるべき事項であり、捜査機関として具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。

〇50番(佐藤正春君) ただいままでの質疑を同僚議員がお聞きになって、いかにでたらめであるかということをおわかりになったと思う。知事は答弁の中で一番私は正直だと思う。知事はもう今回のことについて、特にトリニティの契約等については問題がなかったとは言えないということを言っているわけですよ。ほかの部長は何ですか、農林水産部長、あなた自分で行ったのですか。全部こう聞いています。組合に行ったらこう言っていました。あなた自分で調べたのですか。あなた責任ですよ。やめざるを得ない、あなたね、こうなってくると。何をしているのですか。担当者でしょう。全部あなたの答弁皆そうでしょう。組合に行ったらこう言っていました。こう聞いていますですよ。無責任きわまりないじゃないですか。それから、酒井部長、あなた、組合の法規上これは親子だろうと問題ないと。問題なかったら何で事件がこうなったのですか。こういうものを、それは、あなた法規上は問題ないかもしれないが、親子、兄弟であればだれだってそうですよ。情が移るし、独占的になるし、公平さは欠けるし、当たり前でしょう。そこを監視するのが補助金を出している県ではないですか。問題なかったらなぜこういう問題になったのですか。それはやっぱり十分反省しなければだめでしょう。今の答弁聞いていると知事が一番反省の情も厚いし、本人がはっきり言っているんだからね。余り褒めたことないんだけれども、今回はこれは知事はやっぱりみずから示しているから。
 いいですか、この森のトレーの事件というのは森のトレーじゃないんですよ、これは。森の幽霊なんですよ。幽霊なんですよ、これは。どこに犯人いるかわからないのだから。これは征伐するのが我々議員の役目ですからね。まず、この組合は、資金計画がなく、自己資金も余り出していないんだ。補助金で取得した財産は、勝手に借金担保に入れる。生産したものは売る計画もない。今、部長は、いや、こうこうこういうので売る計画ありましたと、そう聞いていますと言う。調べたのですか、あなた。丸受けでしょう、ただそれは。監督機関である県が全く組合と業者と癒着関係にあって、見て見ないふりをしている。だからこういう結果になった。監督どころか共犯に近い関係であるということ。私はそう申し上げたいんだよ。悪意のある共犯ではない。なれ合いの共犯だ。私はそう見たい。なぜこういうものを明らかにしないんだ。これは明らかにすれば例えば、今、農林水産部長が、こう聞いています、こうですと。はっきり、補助金出しているのだから、議事録を出しなさい、これはどうなっている、なぜ言えないのですか。組合、独立性があると言ったって、それだけの金を出しているのだから、補助金を。我々は、だから組合のことは関知するものじゃないですよ、議員ですから。補助金の行方を、どう使われているかを我々は調べるのが、調査権があるんですよ。だめですよ、そんなことでは。したがって、この事業は、景気対策、木材振興に名をかりたみずからの事業拡大の延長線上にあり、利益を共有する人たちの補助金食い、最初から官民が組んだ、補助金適正化法に違反する計画的な違法行為ではなかったか、こう疑わざるを得ないんですね。
 去る6月28日の樋下議員の質問の中で、知事は、国の責任についても明らかにしたいと、こう述べております。私は、県議会議員として、その前に県の責任を明らかにしていただきたい。知事は、今ちょっと明らかにしたようだがね。知事は、みずからの責任を任期中に明確にしたい、こう答弁しております。そんなことで県民は納得しませんよ。部下は処分する。知事、あなた今期でおやめになるんでしょう。あなたやると言うなら私はまたやるよ、本当に。今期でおやめになる知事は、食い逃げすることになりませんか。私の政治の師匠である増田盛先生は、政治家は、けじめが大事だ、きちんとけじめをつけなさい、こう教えていただきました。知事は今、明らかにすることを求めるものでございます。私は県民の代表として。任期中などと言わないで、この場で知事みずからの責任を明らかにしていただきたい。
 さらに、知事にお伺いいたします。4億3、000万円の県費からの支出は本当に正当であったのかどうか。今もやむにやむを得ずというようなことを言っていたのですが、本当に正当だったのですか。この金はいつ県民に返すのですか。盛んに裁判で勝ったら返すとか何とかと言ったって、組合は解散するんですよ。裁判に勝ち目がないですよ。私は勝ち目がないと思って見ている。裁判は3回も行って聞いてきた。どこから金が出るのですか。残る国の分は8億5、000万円、県の分2億5、000万円、どうするのですか。県費から出すのですか、どうですか。この1点だけを明確にお答え願いたい。どうするのですか、この金を。返す、返すと皆言っているけれども、だれが返すのですか、どこから返すのですか。
 さらに、今泉農林水産部長に伺います。あなたは、県も原告、森のトレー組合と勝訴に向けて全力で取り組みたい。こう答弁しておりますね。平成14年8月23日の聞き取り報告書を見ているわけでしょう。私より前に見ているのだから、あなた。組合は解散したいと言っているんですよ。岡野さん本人は、自己破産したい、自分でやめたいと言っているんだ。そう言っているにもかかわらずぬけぬけと、原告、森のトレー組合と勝訴に向けて全力で取り組みたいと、何を言っているのですか、あなた。原告はいなくなるんですよ。よくそういう答弁を言うことできますね。本当に無責任だ、これは。勝てる自信がありますか。最高裁まで10年かかります。これは最終的には示談ということになるのが先例・判例でございます。その勝訴の具体的な進め方があったらひとつお示し願いたい。
 7月16日の第2回の裁判で、盛岡地裁は、補助参加人――県ですね――久慈市に対する補助金返還請求権及び延滞金支払い請求権の存在をもって、県が本件訴訟の結果について法律上の利害関係を有するとは認めがたいとして、県の補助参加の申し出を却下と決定しております。県は、これを不服として7月21日に仙台高等裁判所に即時抗告しましたが、棄却されました。この1、200万円の裁判の費用は何だったのですか、そうすると。何に使ったのですか。私はこの点について監査請求をまた出しますよ。こういうむだ遣いして。監査請求を出して県民に返してもらいますよ。残った費用をまた裁判に使うのですか。原告はいなくなりますよ。先ほど知事は管財人が引き受けると、管財人は引き受けません。今までの先例・判例。私も友人に多くの弁護士もいるけれども、引き受けませんよ。負ける裁判など引き受けるわけないじゃないですか、あなた。どうするのですか、その場合。この点についてもお伺いしておきます。
 いっぱいあるから一々言うとあれだから、もう一点聞こう。いわゆる入札疑惑についても今、部長からいろいろありました。建物入札、機械入札、設備の入札、すべてこれは、組合と言えばそれは理事長、専務あるいは理事かもしれないけれども、内訳を言うと親子ですよ、全部これは。親子、兄弟で――いいですか、酒井さん、あなたも聞いていてくださいよ――入札の審査もする、立会人もする。久慈の市役所からも立ち会いしたと言うけれども、これでは問題起きませんか、あなた。よほどかたい人でも問題起きますよ。起きるからいろいろスキャンダルがあるんですよ。いわゆる刑法第96条の3の談合罪は、公の競売または入札における不正な談合行為となっており、国または地方公共団体が対象になっておりますが、莫大な公金を投入する事業は公の入札、準ずるがあるんだ、私はそう見るんですよ。特に悪質なものは談合罪の適用も当然であると思います。この公の入札、この点について私はやっぱりこれは、法律ですがね、国とか地方公共団体と言っているようですが、実際にはこれは公に準ずるものですよ。どう判断しますか、御見解を伺っておきます。
 それから、県警本部長に伺います。某新聞によると山内本部長は不言実行の人、こう言われておりますので、ぜひ私は期待したいと思います。この中には補助金適正化法第22条に抵触する補助金の不正使用、目的外支出はもとより、供応、背任、横領、贈収賄の疑惑が見え隠れしております。いずれ縄つきも出るでしょうが、県警は捜査しているのですか。また、今後は捜査の対象となるのですか。この点についてお伺いいたします。
 私ども議員は、疑惑を解明する調査権はございますが、警察や検察庁と違って強制的な捜査はできません。限界がございます。あとは司法にお任せするよりほかございません。ぜひこの点について警察、県警本部長の決断をもってこの森のトレーの、森の幽霊の疑惑の問題についてひとつよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 以上です。

〇知事(増田寛也君) お答え申し上げます。
 まず、1点目は責任の問題でございます。県としての責任は、私は三つあると思います。一つは、国庫補助事業等の実施に当たりまして適正な指導監督や事業遂行上の必要な検証を十分に行わなかったという、こういう責任であります。二つ目は、組合が機械納入業者であるトリニティ工業を相手取って提起してございます現在のこの訴訟でございますが、この訴訟の勝訴に向けて、久慈市と今後連携をとって全力を傾注することでございます。また、三つ目は、事業を実施した組合、さらには、会計検査院に指導監督の責任を問われた県、それから久慈市のみならず国の方にも責任の一端があるということを明らかにすること。以上の3点が県の責任と思っておりました。
 このことから考えますと、私は県政の最終責任者、執行者でございますが、私は今後こうしたこの訴訟への対応、これを全力を尽くすというそういう仕事もございますし、再発防止策など本事案の残されたさまざまな問題に対応することも私の責任の中にあると考えております。そうしたことを踏まえまして、私自身の責任については今この時点ということではなくて、この任期中にそうした今申し上げましたことの対応をしっかりと行った上で、任期中に明確にする考えでございます。
 次に、この費用の支出の問題でございますが、どこから金が出るかと、こういう端的なお話でございました。これにつきましては、国へ先行返還をいたした分も含めた国へのこの返還額、これ全額でございますが、その全額と県費のかさ上げ分ございます。この両者をあわせまして、組合が今行っております訴訟を支援することにより、そうした中で全額を回収してその充当させる、こういう考え方であります。

〇農林水産部長(今泉敏朗君) まず、理事会の議決の問題がございました。確かに、現在は理事がもう3名しかおりませんけれども、この事業がスタートしたときには理事が6名、監事2人から構成されておりまして、当然それぞれの案件についてはその中で審議されて適正な決定がなされていたのではないかと考えております。
 次に、談合罪に当たるのではないか。要するにこの事業そのものが公共事業に準ずるのではないかというお尋ねでございますが、先ほどもこの組合の性格について答弁いたしましたように、やはり組合自体は民間でございます。民間について談合罪は適用されないという、そういった見解を受けております。ただ、これだけ大きい額でございます。かつ補助事業でございます。そういったことで私どももやはり適正に執行されていかなくてはいけないだろうということで、当時、地方振興局としてもその都度必要な指導は行っていたものでございます。ただ、このこと自体が、では談合罪に当たるのかということであれば、それはいずれ民間同士の取引であり、そのまま法的な問題でいけば談合罪に当たらないと考えているところでもあります。
 次に、だれと組むのかというお話であります。確かに平成14年8月のときの打ち合わせでは、岡野理事長は解散したいというようなことをおっしゃっていたわけでありますが、それはただ単に今後どうするかということの選択肢の一つとして考えていたというふうに受けとめております。その後、私どもトリニティ工業を提訴し、いずれ工事代金の回収に向けて訴訟に取り組んでいるわけでございまして、私どももそういった取り組みを支援しながら、勝訴に向けて取り組んでまいりたいと思っております。いずれ私どもとすれば、やはりトリニティ工業が納めた機械がそもそもの要求性能を満たさなかったということに問題があると考えておりまして、そういったことを裁判の過程の中で明らかにしてまいりたいと考えております。
 最後に、訴訟費用のお尋ねがございました。訴訟費用として予算措置された昨年度予算1、200万円余ございますが、そのうち約1、100万円は、訴訟を提起するために要する印紙代、原告弁護士の着手金等訴訟そのものに要する費用でございます。それに従って支出してございます。さらに、県の補助参加分といたしまして約100万円が措置されました。このうち約20万円を県の弁護士の着手金として支出したところでございますが、その後補助参加が結果的に認められなかったということで、残額を不用額として返還する予定でございます。
 それから、もう予算の意味がなくなったのではないかというお尋ねでございますが、この訴訟の目的は補助金に係る返還金の回収にありまして、今回、県は補助参加の申し出を行い結果的に認められなかったものでありますが、これは、訴訟支援に万全を期すため、県としてとり得る手段の一つとして行ったものでありまして、補助参加はできなかったわけでありますけれども、訴訟自体が遂行できなくなったものではないわけでありまして、予算の意味を失っていないと考えております。いずれ、引き続き組合の勝訴に向けて全面的に支援してまいりたいと考えております。

〇警察本部長(山内正和君) この事案につきまして、県警察が捜査をしているか否かという御質問でございますが、個別具体的な事案に関して警察が捜査をしているか否か、あるいは今後捜査の対象となるか否かにつきましては答弁は差し控えさせていただくというのが警察としての一貫した立場であり、その点御理解を賜りたいと思います。
 なお、一般論として申し上げれば、県警察といたしましては、犯罪に対しては法と証拠に基づき事案の真相解明と刑罰法令の迅速な適用に努め、厳正に対処してまいる所存でございます。

〇議長(藤原良信君) 次に、関根敏伸君。
   〔5番関根敏伸君登壇〕(拍手)


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