平成16年9月定例会 第9回岩手県議会定例会 会議録

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〇40番(伊藤勢至君) ただいまの佐々木博議員の質問に関連いたしまして、2点質問をいたしたいと思います。
 まず、第1点は選挙管理委員会委員長にお伺いをいたします。
 先ほどの答弁の中で、選挙当日県民からの抗議があったので云々というくだりがございましたが、私が抗議をした多分張本人だと思っております。選挙当日の9時半から10時半までの間に1市3町の有権者の方から、投票についての係員の指示がおかしいのではないか、党名もしくは個人名で書いてくださいと言うべきなのに、党名でお願いをしますということを言っているのはおかしいのではないか。こういう連絡がありましたので、早速県選管に電話をいたしました――いたしましたところ、県では今までに数度勉強会等を開いて徹底をしておりますので、今さらそういうことの指示をするつもりはありませんと、こういう返事でございましたが、今のあなたの答弁ですと徹底をしたということでありましたが、それは答弁が違っていますよ。選挙管理委員会法違反で逮捕するぞとまでは言いませんけれども、ごまかしてはいけません。このことを聞きたいのではありません。
 一つ要望しておきたいことは、そのほかにもいろんなことを聞かれまして、期日前投票に行ったのだけれども、町の公民館の2階が投票所で、とても足が弱って上がれなかったので戻ってきたとか、あるいは車いすで行ったけれども、とても上がれない状況なので戻ったとか、あるいは記載所に行って名前を書くところまでいったのだけれども、候補者の名前の書いた一覧表がなかったので大変不安だったと、こういう意見もいただいたところであります。私も過去、県知事選におきましては増田寛也と3回書いたのでありますが、やっぱり確かめながら書かないと、間違っては1票を損するかと思ったりして確かめるものなんでありまして、ぜひあなたは委員長として今度の選挙の際には御自分の部下なり何なりを使って県内の何カ所かを見ていただきたい。その上で改良していただいて、1票をむだにしないような努力をぜひなさっていただきたい。所感は後でお伺いをいたしたいと思います。
 それから、競馬についてお伺いをしたいと思います。
 この岩手県は馬と大変関係の深い県でございまして、南部ごま、南部の曲がり家、あるいは日清、日露、第一次大戦、当県から多くの馬を輩出しておりまして、大変馬とは関係の近いところだと思っております。また、同時に、今どき県内の景気状況の中で年間400億円を生み出す、あるいは2、000人の雇用を持っている事業というのはなかなかない。したがって、これはぜひ存続をしてもらいたい、あってほしいと思うわけでありますけれども、大体このような胴元といいますか、興行主といいますか、興行主が損をするはずはないのであります。興行主というのは大体売り上げの25%を取っていいことになっていますから、そこの400億円の売り上げですと100億円は胴元が取れますから、あとの300億円で営業すれば基本的には絶対もうかるはずなんです。したがって、それがこのように赤字が出てきたということは大変大きな構造的な問題があると思っておりまして、これを突き詰めていかなければならないと思っております。
 そういう中で我々議会といたしましては、岩手競馬の振興に関する提言ということで、岩手県議会の中の出資法人等調査特別委員会が数度にわたる会議、そして現地調査等を含めて提言をしたわけであります。8月だと思いますけれども。そうしましたところ、県の方から出てきたのは9月22日でありますが、この県議会からの提言をした部分をどのように反映をされているのか、まず知事にお伺いをしたいと思います。
 そして、この県議会の提言の中では、5といたしまして今後の対応について、まず岩手競馬にこのような現状をもたらした管理者、副管理者及び岩手県競馬組合事務局の経営責任は重大である。同時に、監視、チェック機能の役目を果たさなかった競馬議会の責任も当然問われるべきものである。こう言っております。したがって、我々の中から競馬議員を出している我々といたしましても責任がある。したがって、この改革につきましては双方が真剣な議論をしながら、いいものをしっかりしたものをつくり出していかなければ県民に説明がつかない。このように思ってこれを実は拝見をいたしました。県の方から出てきた基本方針でありますが、その第1ページを見ますと、乾坤一てきの改革案を策定し、事業目的の達成に向け不退転の決意で臨みます。こう書いてあります。大変言葉は勇ましいのでありますが、中身を見ますと随分悠長な策ではないか。私はこのように思うものでありますが、まずこれについて増田知事の所感をお伺いしたいと思います。

〇知事(増田寛也君) まず、競馬の関係についてお答え申し上げます。
 特別委員会の方から競馬についての提言をいただいております。この提言の内容を踏まえて今回の改革案をつくっているわけでございますが、提言の中で競馬議会の議員定数の増員を図るべきと書いているところがありまして、これは議会の関係の方で対応されるべきものであろうということで、この点についてのみ、提言をいただいたときに委員長さんの方にお話し申し上げていますが、それ以外の項目については今回の改革案の中で、その提言の趣旨が生かされるようにこの改革案の中に取り組んだつもりでございます。なお、管理者、副管理者、それから県競馬組合事務局にいた者の経営責任は大きいということでございます。これは当然の御指摘かと思いますけれども、これについては本改革案の策定、それから実行を図ることが今のこの段階での経営者等の責任と考えまして、この実行に全力を当てるということで考えております。
 具体的にそれ以外の提言の概要についてでございますけれども、コスト削減、それから委託の関係について競争原理、それから経費の削減について、それから関係者の十分な協議、それからあの中で二重体制の見直しも御指摘いただいているのですが、これについてもさまざまなケースで検討してございますけれども、そうしたことを踏まえて今回の改革案をつくってございますが、提言の中で従来の枠を超えた抜本的経営改善計画を早期に示すべき、これについて私どもは今回の改革案、今、議員からお話しございましたこれを基本方針として、その上で具体的な数値と期限を落とした実行計画というのを11月中旬に示す予定にしてございますので、それとあわせて一体のものとしてこの抜本的経営改善計画と考えておりまして、それを確実に実行していきたいと考えております。

〇選挙管理委員会委員長(岩崎康彌君) 本県におきましては、期日前投票が国政選挙での初めての実施であったこともあり、個々の投票所で見ると反省を要する点もあるかと考えられますので、改善すべき点につきましては市町村選管とともに対応してまいりたいと考えております。
 佐々木博議員からの質問の中にもありましたように、期日前投票が9.3%にもわたっているということ、ただ、期間は1日ではないわけですが、恐らくこんなになるとは予想していなかったので、期日前投票の場合も狭い部屋で行ったようでありますので、そういう点で反省すべき点があると考えております。
 それから、選挙の当日は選管の委員が二手に分かれまして、これは毎回でありますけれども、投票所の視察は行っております。
 以上です。

〇40番(伊藤勢至君) 競馬のことについて今度は農林水産部長にお伺いをしたいと思います。
 先般、私どもの会派の控室においでをいただきまして基本方針の概略の説明をいただきました。その際に部長は、とりあえずは出血をとめるのだ、こういうお話でありまして、それには納得をした次第でありますが、しかし出血をとめても大量出血の場合は輸血をしなければいけないのではないか、死んでしまうのではないか。では、その輸血という部分がどこに書いてあるのだと言いますと、平成29年までには云々と言いますが、これまでもたない状況ではないか。私はそう思うのですね。
 したがって、11月にそのいろんな考え方を示すとおっしゃっていますが、確かに今までいいときの思いがずっと残っておりまして、メイセイオペラなどが頑張った時期、あるいは県議会にも報告があったのでありますけれども、2億円の絵画を組合で買うということが予算案に上がったときがありますよね。ああいう絵画も買った、大した景気がいいときがあったのだなと思いつつも、今そういう時代でなくなってきた。
 そういった中で、では集客という部分をどうするか、あるいはリストラといいますか、経費削減という中で大変気になったわけでありますけれども、まさに競馬は人馬一体のものだと思います。しかも、馬は基本でありますけれども、その馬をやはり人が世話、面倒を見なければいけないものでありますから、騎手だとか調教師だとか厩務員の方々、50歳、60歳になる方々が年収250万円前後で、40年も50年も勤めてきてもこのくらい、だけれども馬が好きだからやっているのだという、こういう方々が一生懸命いて底支えをしていただいているのだと思っています。したがって、リストラと言うと何かすぐ弱いところを切ってというふうに考えますが、私は競馬をやっていくということになれば、いい馬と、馬を愛する人たちに手をつけてはいけない。むしろそういう人たちの待遇をアップして、それ以外の寄生虫のような部分を退治していかなければならないのだと思っています。私はこれを最初に見たとき、これは生ぬるいと、一見だれが見ても盲腸だという人に湿布薬を張ってごまかすようなものだ。やはり切り取るときは切り取って、痛みを伴ってもそれが将来につながるのだ。こういうことからやっていくべきだと思っております。
 上田に競馬場があったときは自転車でも行くによかったおじいちゃん、おばあちゃん、行けなくなりました。だったらば駅前からシャトルバスを出すとか、あるいは平成29年、13年後の計画でしたら、13年たったら今の7歳の子供が二十歳になるんですね。そういう子供たちを今から競馬場へいざなうような――いざなうと言いますのは、馬のすばらしさを教えるという意味ですよ。馬券を買えというわけではありませんので――そういうことからやっていかなければ、この岩手県の馬事文化も残っていかないのではないか。
 あるいはまた、これは大胆な発言になるかもしれませんが、吉田洋治議員の持論でもあるのですけれども、ナイター競馬というものに思い切って取り組んだらいかがか。恐らくこれをやるには5億円ないし6億円の照明の事業がかかるかもしれません。しかしながら、この岩手に夏の目玉の夕方の人集めのできるイベントというのは東北にもないかと思いますし、これは盛岡だけでなくて青森、秋田あるいは仙台からも集客が十分に可能であると考えます。
 したがいまして、出血をとめた、輸血をする、そういう感覚の中にぜひこのような部分も持っていただいて、それから本当の県民の競馬ということを取り戻したいというのであれば、貴賓席を老人クラブの方々に開放するとか、そういう思い切った手を打って本当に県民の手にこれを取り戻していかないと、一部特定の人たちだけのものになってしまってはいけない、このように思います。どうもいろんな方々の話を聞きますと権力が集中している構造があるようであります。そういう場合は、馬に例えて言うわけでありませんけれども、思い切って泣いて馬謖を切る、こういうことがあってもいいのだと思いますが、農林水産部長の所感をお伺いして終わります。

〇農林水産部長(今泉敏朗君) 大変心強いというか、背中を一生懸命押していただいた、そういう気がいたしております。ただ、確かに議員おっしゃるとおりでございまして、私どもはやはりまず、今、議員から御意見、御提言ありましたこと、これはもう当然私どももそういったことを本当に素直に取り組んでいかなくてはいけないだろうとは思っております。ただ、その前提としてはやはりまず出血はとめなくてはいけないだろう。手術をするにもやはり一度止血はしなくてはいけない。その上で今、議員から御提言ありました数々のことについて、これは全く素直に真っ白な気持ちでまた取り組んでまいりたい。そういう中で少しでも上向かせていきたいと思っておりますので、これからもひとつよろしく御指導のほどお願い申し上げます。

〇議長(藤原良信君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時30分 散 会


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