平成19年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成19年10月23日(火)
1開会    午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長 切 金   精
  議事担当課長 保 原 良 和
  主任主査   菊 池 達 也
  主査     鈴 木 文 彦
  主査     石木田 浩 美
  主査     佐々木 ユ カ
  主査     菊 池 芳 彦
  主査     渡 辺 謙 一
1説明員
  県土整備部長   西 畑 雅 司
  県土整備企画室長 橋 場   覚
  道路都市担当技監 佐 藤 文 夫
  河川港湾担当技監 沖   正 博
  県土整備企画室
  企画担当課長   佐々木   信
  県土整備企画室
  管理担当課長   吉 田   拓
  建設技術振興課
  総括課長     早 野 義 夫
  技術企画指導
  担当課長     藤 原 健 二
  道路建設課
  総括課長     深 澤 忠 雄
  農林道担当課長  沼 崎 光 宏
  道路環境課
  総括課長     水 野 尚 光
  河川課総括課長  若 林 治 男
  河川開発担当課長 佐 藤   悟
  砂防災害課
  総括課長     野 中   聡
  都市計画課
  総括課長     沢 口   央
  まちづくり
  担当課長     西 尾 高 登
  下水環境課
  総括課長     佐 藤 英 夫
  建築住宅課
  総括課長     鈴 木   徹
  建築指導担当課長 茅 森 吉 則
  営繕担当課長   金 田 義 徳
  港湾課総括課長  竹 本 和 生
  空港課総括課長  白 崎 俊 介

  企業局長     岩 渕 良 昭
  経営総務室長   菅 原 研 一
  企業局技師長   斎 藤   修
  経営総務室
  管理担当課長   宮   卓 司
  経営企画担当課長 中屋敷   暢
  業務課総括課長  池 内   達
  電気担当課長   高 橋 盛 吉

  出納長      上 村 俊 一
  副出納長兼
  出納局長     平 澤 石 郎

  監査委員     菊 池 武 利
  監査委員     谷 地 信 子
  監査委員事務局長 小 川 明 彦
  総括監査監    門 口 正 雄

  予算調製課
  総括課長     中 村 一 郎
〇新居田弘文委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成18年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第14号平成18年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算14件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部及び企業局関係の質疑を行い、その後、決算14件について意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 なお、昨日の農林水産部審査の際、斉藤委員から要求のありました日本ユニシスと岩手県競馬組合の協定書につきましては、お手元に配付してありますので、御了承願います。[協定書の掲載省略]
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇西畑県土整備部長 県土整備部関係の平成18年度決算につきまして御説明申し上げます前に、県土整備部所管の事務事業に係る総括的な成果及び評価と、これを踏まえた今後の取り組み方針について御説明申し上げます。
 県土整備部では、豊かな自然と調和・共生し、交流・連携が活発に行われる快適で安全な県土の創造を基本に掲げて、各種施策に取り組んできたところでありますが、施策ごとに申し上げますと、交流・連携を支える交通ネットワークの整備につきましては、高規格道路を初め、県内の地域間の交流・連携を支える幹線道路や日常生活に密着した生活道路などの整備を促進するとともに、地域産業の振興を図る物流拠点としての港湾整備、国内各地域あるいは海外との交流・連携を図るための空港整備を進めているところであります。
 安全な暮らしの実現につきましては、洪水被害の防止及び水資源の有効利用のため、河川の改修やダムの整備を推進するとともに、土石流、地すべり、がけ崩れによる土砂災害などを防止するため、砂防施設や急傾斜地崩壊防止施設等の整備を進めており、また、津波や高潮などから住民の生命、財産を守り、県土の保全を図るため、海岸保全施設等の整備を進めています。
 質が高く快適な暮らしの実現につきましては、快適な生活環境を実現するため、公営住宅や下水道、公園等の整備を進めるとともに、快適で魅力ある都市環境の整備のため、区画整理、街路整備事業を実施しております。
 これまでの取り組みに対しての評価としましては、政策評価を実施する上で設定いたしました主要な指標の目標値を下回る項目が若干あるものの、おおむね目標を達成している状況となってございます。
 しかしながら、整備途上にある高速交通ネットワークの整備を初め、今後、高い確率で発生が予想される宮城県沖地震への対策、高度成長期に整備した橋梁などの公共施設の維持管理、修繕、更新への対応などが課題となっております。
 このため、県土整備部では、少子・高齢社会や来るべき公共施設の更新時期を見据えつつ、今ある施設の有効活用を図り、事業の選択と集中を行いながら、本県の社会資本整備の目指す方向として、災害に強い県土づくりの推進、産業振興を支援する物流ネットワークの構築、県北沿岸振興、戦略的な維持管理の推進の4分野について、重点的に取り組むこととしたほか、快適な生活環境と都市基盤の整備や建設業における構造改革の推進に向けた取り組みを進めてまいります。
 続きまして、平成18年度県土整備部関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の平成18年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。まず、一般会計についてでありますが、県土整備部関係は、6款農林水産業費の3項農地費から5項水産業費までの一部、8款土木費、16ページの11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費の一部、2項土木施設災害復旧費であります。これらの予算現額の合計は1、245億866万円余でありますが、これに対する支出済額の合計は1、023億331万円余となり、一般会計全体の支出済額に占める割合は13.3%となっております。また、翌年度繰越額の合計は213億8、151万円余となっております。これは、計画調整や設計、工法の検討に不測の日数を要したほか、用地交渉が難航したことなどによるものであります。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、便宜、平成18年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の248ページをお開き願います。6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち当部関係の主なものは、251ページに参りまして、備考欄下ほどにあります県土整備部の農道整備事業費でありますが、これは、軽米町軽米九戸2期地区ほか10地区の農道整備に要した経費であります。3行下の農業集落排水事業費は、汚水処理施設の整備費に対し市町村へ補助した経費であります。3目農地防災事業費のうち当部関係の主なものは、253ページに参りまして、備考欄6行目の海岸高潮対策事業費でありますが、これは、野田村野田海岸ほか1海岸の海岸保全施設の整備に要した経費であります。
 次に、260ページをお開き願います。4項林業費6目林道費の主なものについてでありますが、備考欄2行目の林業地域総合整備事業費は、雫石町志戸前川線ほか8路線の林道整備に要した経費であります。次の林道整備事業費は、八幡平市欠の山線ほか16路線の林道整備に要した経費であります。
 次に、272ページをお開き願います。5項水産業費11目漁港漁場整備費のうち当部関係の主なものは、275ページに参りまして、備考欄下から4行目の海岸高潮対策事業費でありますが、これは、防潮堤等の整備に要した経費であります。
 少し飛びまして、286ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、人件費など当部の管理運営に要した経費、土地先行取得事業特別会計ほか2特別会計への繰出金等であります。2目建設業指導監督費は、建設業者の指導監督等に要した経費であります。次に、288ページをお開き願います。3目建築指導費は、建築確認の事務等に要した経費であります。4目空港費は、いわて花巻空港の管理運営、空港拡張整備等に要した経費であります。
 次に、290ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、一般職員の人件費ほか、市町村道路事業の指導監督に要した経費等であります。2目道路維持費の主なものでありますが、備考欄2行目の除雪費は、県管理に係る国道及び県道の除雪に、次の交通安全施設整備事業費は、自転車歩行者道等の整備に、6行目の道路維持修繕費は、県管理に係る国道及び県道の維持修繕にそれぞれ要した経費であります。次に、292ページをお開き願います。3目道路新設改良費の主なものでありますが、備考欄1行目の道路改築事業費は、平成19年3月18日に開通いたしました一般国道283号仙人峠道路ほか31カ所の道路整備等を実施した経費に、7行目の緊急地方道路整備事業費は、一般県道佐倉河真城線奥州市水沢区ほか169カ所の道路整備に、9行目の地方特定道路整備事業費は、主要地方道一関北上線一関市舞川ほか53カ所の道路整備に、下から3行目の直轄道路事業費負担金は、東北横断自動車道釜石秋田線などで国が実施した道路事業等に対する県負担金であります。4目橋りょう維持費は、一般国道106号川井村大峠第一橋ほか44カ所の補修工事に要した経費であります。次に、294ページをお開き願います。5目橋りょう新設改良費の主なものは、橋りょう補修事業費でありますが、これは、一般国道106号宮古市新南大橋ほか8カ所の橋梁補修工事に要した経費であります。6目高速道路対策費は、国からの委託を受け、東北横断自動車道釜石秋田線の用地取得業務に要した経費であります。
 3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、備考欄1行目の河川水門管理費は、河川水門及び海岸水門の管理等に要した経費であります。次に、297ページをお開き願います。備考欄7行目の直轄ダム管理費負担金は、四十四田ダムほか4ダムの国の管理経費に対する県負担金であります。2目河川改良費の主なものでございますが、備考欄2行目の基幹河川改修事業費は、滝沢村の木賊川ほか7河川の改修工事に、5行目の河川激甚災害対策特別緊急事業費は、一関市砂鉄川の改修工事に、10行目の治水施設整備事業費は、八幡平市の安比川ほか40河川の改修工事にそれぞれ要した経費であり、16行目の直轄河川事業費負担金は、国の北上川上流の改修費等に対する県負担金であります。次に、298ページをお開き願います。3目砂防費の主なものでありますが、備考欄1行目の砂防事業費は、盛岡市猿田の沢ほか25カ所の砂防堰堤等の工事に要した経費であり、4行目の急傾斜地崩壊対策事業費は、一関市鬼吉ほか32カ所の擁壁工等の工事に要した経費であります。4目海岸保全費の主なものは、海岸高潮対策事業費でございますが、これは、洋野町の平内海岸ほか1海岸の防潮堤等に要した経費であります。次に、300ページをお開き願います。5目水防費は、水防警報施設の保守点検、釜石市ほか2町の洪水浸水予想図の作成等に要した経費であります。6目河川総合開発費は、平成18年度に完成いたしました鷹生ダムほか3ダムの建設に要した経費でございます。
 次に、302ページをお開き願います。4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか5港の港湾施設の管理及び修繕に要した経費等であります。2目港湾建設費の主なものでございますが、備考欄3行目の港湾改修事業費は、釜石港ほか4港の施設整備に要した経費であり、下から4行目の直轄港湾事業費負担金は、平成18年度に概成しました釜石港湾口防波堤など国直轄による港湾建設事業に対する県負担金であります。
 次に、304ページをお開き願います。5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものは、広域公園管理費でございますが、これは、花巻広域公園及び御所湖広域公園等の維持管理に要した経費であります。2目街路事業費の主なものは、緊急地方道路整備事業費でございますが、これは、盛岡南新都市地区ほか10カ所の都市計画道路整備に要した経費であります。次に、306ページをお開き願います。3目下水道事業費の主なものは、過疎地域公共下水道整備代行事業費でございますが、これは、八幡平市ほか5市町村の下水道施設の代行整備に要した経費であります。
 6項住宅費1目住宅管理費の主なものは、309ページにまいりまして、備考欄3行目の公営住宅維持管理費でありますが、これは、県営住宅等5、231戸の維持管理に要した経費であります。2目住宅建設費の主なものは、公営住宅建設事業費でございますが、これは、花巻市の宮野目団地ほか1団地における県営住宅36戸の建設等に要した経費であります。
 次に、少し飛びまして、346ページをお開き願います。11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費2目林道災害復旧費は、二戸市の日の沢線ほかの災害復旧工事に要した経費等であります。
 次に、348ページをお開き願います。2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものは、河川等災害復旧事業費でございますが、これは、紫波町の一般国道456号ほかの災害復旧工事等に要した経費でございます。次に、350ページをお開き願います。2目港湾災害復旧費の主なものは、直轄港湾災害復旧事業費負担金でございますが、これは、国の災害復旧事業に対する県負担金でございます。3目都市災害復旧費は、市町村都市災害復旧事業の指導監督に要した経費でございます。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計につきまして御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成18年度岩手県歳入歳出決算書の40ページをお開き願います。平成18年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でございますが、収入済額合計は11億3、066万円余であります。その主な内容は、土地の売払収入及び県債であります。
 次に、歳出についてでございますが、支出済額合計は11億3、064万円余であります。その主なものは、県債の元利償還金及び用地取得に要した経費であります。
 以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、44ページをお開き願います。平成18年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でございますが、収入済額合計は101億575万円余であります。その主な内容は、流域下水道の維持管理費等に係る市町村負担金のほか、国庫補助金、一般会計からの繰入金であります。
 次に、歳出についてでございますが、支出済額合計は88億2、670万円余であります。その内容は、流域下水道の維持管理費及び建設費、県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、48ページをお開き願います。平成18年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算につきまして御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でございますが、収入済額合計は34億4、007万円余であります。その主な内容は、港湾施設用地等の使用料、一般会計からの繰入金及び県債であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は32億5、252万円余であります。その内容は、港湾施設整備費、工業用地造成費及び県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 以上をもちまして県土整備部所管に係る平成18年度決算につきましての御説明を終わらせていただきます。よろしく御審議くださいますよう、お願い申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 私からは3点質問させていただきます。
 まず1点目です。総合評価落札方式に係る評価項目に地域精通度が設定されております。この設定内容はどうなっているのでしょうか、お示しください。
〇藤原技術企画指導担当課長 総合評価落札方式での地域精通度の設定内容についてですが、総合評価におきましては、企業の施工能力や配置予定技術者の要件及び地域精通度を評価する項目の中で、地域精通度について、配点10点中2点として評価してございます。
 その内容でございますが、地域内拠点の有無としまして、工事箇所の市町村内に本社・本店がある場合は1点としております。また、災害活動等の実績の有無としまして、災害活動の実績がある場合もしくは災害協定を締結している場合は0.5点としております。さらに、雇用対策の実績の有無としまして、建設関連学科の新卒者が採用されている場合や障害者の常時雇用をしている場合には0.5点を加点して評価することとしております。
〇及川幸子委員 内容を今お話しされましたが、私は、この地域貢献度に、特に、この点数でいいのかということで再度質問いたします。
 地域貢献については、建設業界の方々から多くの意見が寄せられているところです。点数の配分が大変低いのではないかという声が聞かれます。大雨洪水の災害においても、業界の方々の協力が大変大きいわけです。仕事のない状況の中で、本当に徹底して協力をいただいております。環境保全とか水量保全に努めておりまして、川の整備などについては、サケが上がってくるのではないか、そして蛍もすめる、魚もすめる川にするために本当に一生懸命、日曜日に皆さんで出られております。
 そういう中で、この建設業界の方々の意見をどのように受けとめられているのか。低いということは、多分お聞きになっていると思います。そしてまた、この点について、点数の見直しをする必要性をどう考えているのか、再度質問いたします。
〇藤原技術企画指導担当課長 建設業界の声をどう受けとめているかということについてでございますが、建設業界からの意見につきましては、建設業地域懇談会等において伺っておりまして、地域精通度における評価項目の見直しや評価点の引き上げをするよう要望があるところであり、技術評価の重要性を深く受けとめているところでございます。
 今後、業界の意見も参考にして、今年度の試行結果を検証し、災害時の協力等、地域で貢献している企業の評価点をどのようにするか等について検討していきたいと考えております。
 さらに、評価点数を見直す考えがあるかということについてでございますが、今年度110件余りの工事について総合評価落札方式を試行する予定でございますが、技術力が下位であったにもかかわらず、価格により落札しているケースがまだ3割弱もありますことから、試行結果を検証し、点数の見直しについて検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇及川幸子委員 やはり業者さん、本当に仕事がない中で、協定を結んで、いやあ、おれたち仕事ないのに何ともならない。こんな協定なんかなかったほうがいいという、そういう本音が聞かれるんですね。やはりその辺のところも徹底して、業界の方々と大分懇談もされているようです。本音を酌み取っていただいて、今後進めていただきたいと思います。
 2点目です。平成18年度における道路改築など、整備の要望件数とその対応状況はどうなっているのでしょうか。そしてまた、道路特定財源制度の見直しについて、県のお考えはどうなのでしょうか。
〇深澤道路建設課総括課長 道路改築等の整備に対する要望でございますけれども、平成18年度は、市町村や整備促進期成同盟会、それから個人等から延べ351件の要望がございました。
 要望等についての反映状況でございますが、要望の趣旨に沿って措置したものが46件の13.1%、実現に努力しているものが164件の46.7%、当面は実現ができないものが131件の37.3%、実現が極めて困難なものが5件、それからその他が5件となっております。
 道路整備に多くの要望をいただいているわけでございますけれども、当面実現できないものが約4割と多くなっておりまして、私どもとしては大変心苦しく思っているところでございます。
〇西畑県土整備部長 道路特定財源についてのお尋ねがございました。岩手県におきましては、まだまだ道路整備が必要であると考えてございます。産業振興支援、あるいは安全で安心できる県土の実現のためには、真に必要な道路整備を計画的かつ着実に進めていくことが重要であると認識してございます。
 地方の道路整備は、軽油引取税などの道路特定財源のほか、一般財源を充当して進めておりますことから、道路を計画的に整備するためには、その財源を拡充する必要があると考えてございます。
 このため、真に必要な道路整備を着実に進めるためには、財源の確保が必要であり、道路特定財源につきましては、道路整備の財源として確保し、地方公共団体への配分割合を高めることなどにより、地方公共団体における道路整備財源の拡充を図る必要がある、このように考えておるところでございます。
〇及川幸子委員 実現できないところもあり、大変心苦しいという苦しい部分もお聞かせいただきました。そしてまた部長からは、道路特定財源、まだまだ地方においては必要である、そういう答弁をいただきました。
 予算の少ない中での整備は本当に頭の痛いことだと思っております。国の施策では、地方にはもう道路は要らないよというかつての国土交通大臣のお話もありましたが、全く私はそれは違うと思います。本当に部長がおっしゃるように、地方ではまだまだ困っている箇所が多くあります。
 3月に仙人峠道路、そしてまた10月、早坂道路も供用開始され、私もどちらのところにも行って、人々の喜ぶ姿を目の当たりにしてまいりました。そういう中でまた道路ができるということは、産業振興、そして県北・沿岸振興においても大変重要な課題だと思っております。
 そこでお伺いいたします。県から国に向けての働きかけの状況をお示しください。
〇西畑県土整備部長 国への働きかけでございますけれども、特に、本県では高速交通ネットワークの未整備の区間が、横軸及び沿岸が非常におくれてございます。こういった部分を重点的に整備を進めていただきたいというのは、常々機会をとらえて御要望しているところでございます。
 それから、先ほども申し上げましたように、財源の問題が国も県も市町村も非常に大事になってきてございます。ですから、この特定財源の見直しの動きも受けまして、県議会からも何度も意見書もお出しいただいておりまして感謝してございますが、知事にも、全国知事会等での提言活動をしていただいておりますし、また、国では今、10年間の中期計画を策定するということがございます。そういう場に岩手県の道路の実情、県として要望する事項、こういった部分をきちんと文書でお出しし、意見を述べておるところでございます。
 特に、直近では、先週の17日に知事には、国土交通大臣、財務省の副大臣ほか主計局の方々、担当の主計官ともお会いしていただきました。それから、県選出の国会議員にも、地方が真に必要としている道路整備を計画的かつ着実に進めるためには財源が必要である。まだまだ岩手県では道路整備が必要であるということを強く要望していただいたところでございます。
〇及川幸子委員 御答弁いただきました。引き続き、部長を初めとして、知事もそのとおりですが、地方にはまだまだ疲弊している部分があるということを力強く訴えて要望活動をしていただきたいと思っております。
 3点目でございます。県内の渋滞箇所の状況はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
〇沢口都市計画課総括課長 渋滞箇所の状況ですが、県内における渋滞は、主に内陸部で発生しており、特にも盛岡市に集中、次いで一関市などの県南部地区で発生しております。
 渋滞対策は、平成15年度から平成19年度で実施しておりまして、渋滞のポイント数は、主要渋滞ポイント31カ所、その他の渋滞ポイントが11カ所、合計42カ所となっております。
 平成18年度末までの効果といたしまして、主要渋滞ポイント31カ所のうち10カ所で渋滞が解消または緩和しております。
〇及川幸子委員 31カ所のうち10カ所で解消ということですが、まだまだ解消ができていない分をこれから取り組んでいかなければならないと思っております。道路はつくったけれども、後の対応がなかなかまずいという部分もいろいろ見受けられます。
 1点ですが、国道342号一関市須川地区の渋滞対策として、道路管理者として、観光シーズンだけでも誘導する人を配置すべきと思うんですが、いかがでしょうか。
〇水野道路環境課総括課長 須川地区の渋滞対策についてでございます。
 須川地区の渋滞対策につきましては、岩手県、宮城県、秋田県を結ぶ観光ネットワークを強化し、交流人口の増加を図ることを目的といたしまして、今年度、県南広域振興局一関総合支局に、県や一関市、観光協会、公共交通等の関係者による栗駒地域交流促進懇談会が設置され、この中で渋滞緩和対策についても検討を行っているところであります。
 9月28日に開催されました第1回懇談会におきまして、オブザーバーとして出席した宮城県栗原市から、渋滞期には市が中心となりまして、市職員や一般からの募集により参加されたボランティアの方々によって、シャトルバスの運行や、ふもとでの情報提供、駐車場内での車の誘導が行われているとの事例が紹介されております。
 このような事例もありますことから、ただいま委員から御提案のあったことにつきましても、この懇談会の中で検討されていくものと考えております。
〇及川幸子委員 残念ながら、いろいろ立ち上げられて3県でやっていらっしゃるようですが、実際やられているようには見受けられません。
 実は、この紅葉時期に一度行ってみました。大変な込みようで、普通であれば1時間20分で私のところから行きますけれども、3時間ちょっと要しました。と申しますのは、坂を上るところで1時間ストップの状態です。しかしながら、これは渋滞でしようがないなとあきらめておりました。しかしながら、皆さんがどんどん上がってそれを見に行くんですね。どなたもこういう状況だからという説明はないんです。ですから、ドライバーは離れていきました。そうしましたら、何と細い道路、普通車がすれ違うぐらいの細い道路に福島の観光大型バスが動けない状態でとまっているんです。その運転手さんも、観光客もだれもおりないで、1時間そこに待機しているんです。
 そうしましたら、そのうちに、おりてくる車のドライバーさんが3人ぐらい、いや、これじゃだめだということで、まず軽自動車を通させました。普通車は通れないので、軽自動車を通らせて、どんどん通らせて、少し膨らんだところにその大型バスを移動させたんですね、一般の方が。そうすることによって、何とか1時間後に私たちもその道路を通り抜けたんですけれども、せっかくこういうふうに協議をやって渋滞の緩和対策を行っているのでしたら、実際そういう現場を見て、これは何とかしなければだめだと思われるのではないですか。実際、現場を見られていないのではないですか。
 大変残念なのは、他県のナンバーが戻っていかれるんですよ。上まで上がらないで、あきらめて。そういう車を何台も何台も見ました。やはり観光の振興の上からも、これはもっともっと整備しなければいけないと思うんですが、もう一度お願いいたします。
〇水野道路環境課総括課長 懇談会で10月7日に現地の調査も行っておりました。それで、今、委員おっしゃったような状況も把握しておりまして、そういう状況も踏まえまして、今後、来年に向けてになるんですけれども、栗原市の事例とかも参考にしながら、そういうことを考えていきたいと考えております。
〇及川幸子委員 先ほど来お話ししていましたけれども、こういうときに、多分、人手が足りないのではないかと思いますが、建設業界のそういう方々の支援をいただいて、点数をもっともっと加算する、そういう考えはないでしょうか。最後、お願いします。
〇藤原技術企画指導担当課長 今の御意見についてですが、地域貢献度の中で積極的に評価していきたいと考えております。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。本当の地域貢献度がそういうところから生まれるように私も願っております。
 以上で質問を終わります。ありがとうございます。
〇樋下正信委員 私からは、都市計画費の広域公園管理費というところでお伺いしますけれども、御所湖の広域公園の整備状況についてお伺いしたいと思います。
 平成18年度末の公園全体の整備の進捗状況はどのようになっているのか。そして、この御所湖広域公園について、今後の整備計画と完了見込みについてどういうふうになっているのか、まず1点目、お伺いしたいと思います。
〇沢口都市計画課総括課長 御所湖広域公園の整備についてでありますが、平成18年度末の公園全体の整備状況についてであります。
 御所湖広域公園は、昭和57年に整備に着手し、全体事業費約120億円に対し、これまでに約100億円の事業費を投入しており、事業費ベースでの進捗率は約83%となっております。
 次に、今後の整備計画と完了の見込みについてでありますが、平成18年度は大橋北たもとから西方約1.9キロの園路整備を進め、今年度は残りの元御所橋に至る約0.4キロの園路整備と町場地区の実施設計及び造成工事を予定しております。
 全体の完成予定ですが、当初は平成25年度の完成を目指しておりましたが、用地取得に時間がかかったことや公共事業費削減などの影響により延びる見込みとなっております。
〇樋下正信委員 整備が若干おくれているようでございますけれども、あそこは、御存じのとおり、御所湖をぐるっと囲んでの広大な公園が点在しているということで、早急な整備をお願いしたいと思います。
 次に、この公園の管理状況ということでございますけれども、あそこには御所湖のプールがございまして、今は営業がとまっているような状況でございますが、この管理状況はどうなっているのか、そして、ここは、公園自体は昭和57年から着工しているということでございますけれども、このプール自体は開業して何年たつのか、そして、営業がとまっているような状態になっておりますけれども、とまって何年になっているのか、お知らせ願いたいと思います。
 それから、この施設を廃止するかしないかは今後の課題かと思いますけれども、例えば、廃止して撤去するとすればどの程度の費用がかかるのかもお聞かせ願いたいと思いますし、また景観上も問題になっていると思いますが、今後、正式な廃止を考えたときの手続を含めてどのように対応していく考えなのかお知らせ願いたいと思います。
〇沢口都市計画課総括課長 まず、1点目ですが、開設してから何年ほどたっているかということだったと思いますけれども、昭和60年7月の開設でございまして、おおむね20年を経過しているのかと思います。
 次に、いつごろから営業休止しているかということでございますが、つなぎスイミングセンターは、利用者の減少、施設の老朽化に伴いまして大幅な更新費が必要となることにより、平成16年度から営業を休止しております。しかし、プールとして再開することは困難な状況であると考えております。
 なお、現在の施設は、人の出入りを制限しておりまして、指定管理者が定期的に目視で異常がないか確認しております。
 次に、施設の撤去経費ということでの御質問だと思いますが、施設を廃止し撤去する場合、試算ではございますが、管理棟とトイレを除き1億円ほどの経費が見込まれております。
 最後に、今後の対応についてでございますが、現在のプール施設については、補助金返還の問題もあることから、来年度の公共事業評価専門委員会での審議結果を踏まえた上で対応してまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員 ありがとうございます。いずれ、私もあそこを通る機会があるわけでございますけれども、公園全体的にはかなり完成されてきているようには見えますが、このプールについては、平成16年度から廃止しているということで、3年、4年ぐらいたつわけでございますが、いずれ何らかの形で活用していかないと、あのままでは安全面といいますか、時々は行って管理しているということでございますが、向かいの駐車場なんかには、プールの駐車場ですか、向かいのほうに広い駐車場があるんですけれども、いろいろな人たちが出入りもしているようでございますので、ぜひ管理方、きちんとやっていただくようにお願いして、終わります。
〇飯澤匡委員 河川改修に関してお伺いいたします。
 去る9月の大雨災害において県南地区も大変な被害を受けました。おかげさまで、県の直轄で対応いただいた砂鉄川については概成いたしまして、私も災害時見て回りましたけれども、ほとんど災害が出ませんでしたし、各住民の方々も喜んでおりました。ここで改めて、県単独事業で国の直轄部分と合わせてやっていただいたおかげで大変な効果を上げていただいたと思っておりますので、感謝申し上げたいと思います。
 しかし、これから質問に入るのは、藤沢町の黄海川の堤防の件でございます。これは、平成14年の台風6号災害の際にも、手当てといいますか補強工事をされたわけでございますが、このたびの大雨災害、これは黄海川の災害ではなくて北上川からの増水による逆流で、これは堤防からあふれたわけではございませんが、堤防から漏水したと。それで、地元住民は二晩、夜を徹しての警戒に当たったとお伺いしております。
 これは、北上川との兼ね合いもあるんですが、この逆流現象は、今後も十分に考えられるケースだと想定されます。今後、黄海川への逆流防止対策、そしてまた北上川との関連で国土交通省との協議、まず第1点は、過去どのような協議をなされてきたのか、また、今後どのように進めていくのか、まず最初、この1点についてお伺いいたします。
〇若林河川課総括課長 黄海川につきまして、北上川合流点から上流約3.7キロの区間が北上川の水位の影響を受けます。この対策といたしまして、所定の高さまでの築堤を行うことや北上川との合流点に水門を築造するという案が考えられております。
 国土交通省では、黄海地区の対策といたしまして、昭和63年度から築堤工事に着手いたしまして、北上川左岸堤防及び黄海川下流部の約1キロの区間につきまして、北上川の計画高水位までの高さとなります築堤工事を進めておりまして、本年度で一応概成すると聞いております。
 国土交通省では、現在、北上川の治水対策につきまして、今後20年から30年の整備計画を策定しております。この中で、黄海川についても整備の手法などを検討していくと聞いております。
 県といたしましては、国土交通省との間で、毎年事業調整会議を開催するなど、さまざまな機会を通じて、恒久的な対策などについて国に働きかけていきますとともに、調整を図ってまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 そこで、さっき触れましたけれども、黄海川の堤防は大変古い堤防でございます。これは、一部補強工事をされたわけですが、今回もまた、今度は漏水ですね、漏水、わきから水が漏れてきていると、収穫間際の地域の方は大変心配なさったということです。今回の漏水により、平成14年の台風6号の際の補強というのは効果があらわれなかったということでございます。
 それで、質問の第1は、技術的な問題点はどのように把握しているのかということ。そして2点目は、今回のこの漏水の事実を踏まえて、私は、抜本的な黄海川堤防の改修が必要と考えますが、県はどのように対処なさるつもりなのか、お伺いいたします。
〇若林河川課総括課長 黄海川は、平成14年度、台風6号の際にも漏水が発生いたしまして、川側の土手のところに遮水シートと護岸工と、それから堤防の盛り土材を一部入れかえる工事を行いました。今回の被災時におきましても、これらの対策工は、十分とは言えなかったかもしれませんが、漏水量の軽減など一定の整備効果があったものと考えております。
 しかし、今回の降雨は、平成14年の雨と異なりまして、黄海川流域にはほとんど降雨がございませんでした。川側の水位と堤内側の水位の水位差が大きくなりまして堤体への浸水が助長されまして、漏水により堤防ののり面が一部区間崩れたものと考えております。
 現在、被災箇所を復旧するために、対策工法等につきまして国土交通省と協議を進めているところでありますが、被災原因といたしましては、堤防の断面がやはり小さいということが主たる原因と考えられております。裏のり面に盛り土を行う補強対策などにより、水の浸透に対する強化を行っていくということで現在協議を進めているところであります。
〇飯澤匡委員 この断面を、ただいま御紹介いただいた外側を補強するというのは、前回、平成14年の台風6号の際も、地元からもそうしてくれ、そのような形でなければまた同じような災害が起きるというような話も出たわけですが、先ほど御紹介したような補強工事で済ませてしまった─というのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、その補強工事で終わってしまった。しかして、どのような原因によっても、今回漏水したのは明らかでございますので、これは、技術的な裏づけのもとに補強をぜひともお願いしたいと思います。
 そこで、住民の方々から、今回も災害対応に当たって、2度同じ思いをなさったということで、ぜひとも、先ほど答弁をいただいた外部の補強については、断面積を外側に延ばすという点について、これは住民としても協力する用意がある。やるのであれば、ぜひともそういう抜本的に考えていただきたいという声も聞いております。
 先ほど、その内容については検討なさっているという段階とお聞きしましたが、その際、その案が固まり次第、住民に対する説明会、もしくは意見交換会、そのようなことを開催するつもりがあるのかどうかお聞きしたいと思います。
〇若林河川課総括課長 住民の意見、当然、用地の提供も受けなければなりません。それから、堤内地で耕作を営んでおりまして、道路についても構造上、いろいろな協力をいただかなければなりませんので、ぜひとも皆様に説明会を持ちたいと考えておりまして、既に昨晩、地域住民の代表者の方々に御説明申し上げました。おおむね基本的にはいいだろうというお話をいただいておりますし、25日に地権者の皆様に重ねて説明申し上げて、御理解を賜るように今後も努めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 ありがとうございます。2回も出ましたので、これは十分な協議をしていただきたい。今回の迅速な対応には感謝申し上げます。
 あとは、国土交通省のほうも非常に、意外なほど早い対応をしていただきまして、これは大変よかったなと。日ごろから、河川を担当する方々の御尽力のたまものと感謝申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
〇工藤大輔委員 新築の住宅の着工の関係についてお伺いしたいと思います。
 この6月20日、建築基準法が改正され、住宅を建てるに当たってチェック項目がふえたということになっております。そして、私のいただいた資料によりますと、月別の着工数ということからすれば、この法律が施行された6月を契機として、月ごとに着工件数が激減しているというような状況になっておりますが、その要因について、担当課のほうではどのように把握されているのか、また、事前にこのようなことにならないように、どのような対応をとってきたのかお伺いしたいと思います。
〇鈴木建築住宅課総括課長 県内の新設住宅着工の状況でございますが、県の新設住宅着工戸数の推移を見ますと、建築基準法改正の前の4月から6月は、対前年比98%となっているのに対しまして、7月から8月は57%と大幅な落ち込みがある状況でございます。
 この原因についてでございますが、県内の経済状況が回復していないことに加えまして、改正建築基準法におきまして、審査の厳格化が打ち出されたということに対応いたしまして、申請者側が、わずかな図書の誤りでも再申請を余儀なくされるのではないかというような過度の不安から申請に慎重になっている面があること、また、審査会におきましても、厳格な運用ということの行政事例の蓄積がないことによりまして、申請者との調整がふえていることが挙げられると考えてございます。
 この対応でございますけれども、国のほうにおきましては、この建築基準法の改正に伴いまして、厳格な審査という部分の運用の方針が順次出されておりまして、対応が少しずつ明らかになっている状況ではございます。
 県といたしましては、この改正基準法の施行が理由で確認申請が減っているということは望ましくないと考えておりまして、8月から、確認申請の際に事前に申請者側が確認申請の窓口で事前相談を受け付けられるような体制を整備したところでございます。それからもう一つは、確認申請をする側と審査する側の双方を対象にいたしまして、正しい法律改正の情報提供や、あるいは審査時の取り扱いについての調整の会議を9月に実施してございます。
 今後とも、こういった方々を対象にいたしまして、調整会議あるいは情報提供の会議を随時開いていくこととしてございます。
〇工藤大輔委員 たしかこれは、姉歯事件のように構造計算書の偽装ということの中で大きく問題がクローズアップされ、その後に法改正となった事例であり、確かにこの件はしっかりと確認作業をしていかなければならないと思いますが、ただ、いただいた資料では、6月は対前年比78.1%、7月が58.6%、8月が55.3%と、これは明らかに減り方が大き過ぎて、そして今の対応をとってきたということでありますが、対応をとってきたよりも予想を超えていたのかどうかわかりませんが、落ち込みはかなりひどかったなと。そして、これがいつまで続くかということが、地域の経済においても非常に大きな関心事であり、また、地域に及ぼす影響も大きいと思います。
 例えば、盛岡市においては、前年度の累計値で、8月末現在で1、664戸建っていたのが1、187戸に減ってしまったとか、あとは、二戸市でも65戸建っていたのが35戸に減った。また、山田でも50戸から19戸だとか、いずれも市町村によって大きい数値が出ているところもあります。この要因として、中にはマンション、アパートが建たなかったということがあるかと思いますが、今回のこの件で、木造と非木造を仕分けした場合にどのような傾向があったか、激減した要因をさらに追求するとどういった要因なのかというのを、木造、非木造の要因別で見ればどうかということを、把握されていればお答え願いたいと思います。
〇鈴木建築住宅課総括課長 木造と非木造のデータについては正確には把握していないところでございますけれども、それにかわる指標といたしまして、建築確認数で見ますと大体7割ぐらいの前年比になってございます。一方で、新設住宅着工戸数で言うと、先ほど委員がおっしゃられたように、40%強の落ち込みがございます。これらをあわせますと、やや大規模の例えば集合住宅のほうが落ち込みが続いているのかなという面はございます。ただ、そうはいいましても、小さい木造建築物についてもやや落ち込んでいる状況であるととらえております。
〇工藤大輔委員 この傾向がどの程度続くと想定されるのか、また、それをいち早く改善するために新たにどのような対応をとろうとしているのか、お伺いをしたいと思います。
〇鈴木建築住宅課総括課長 県としては、まずは改正建築基準法が原因だというようなことも要因としてございますので、建築基準法の改正内容の周知が行き渡れば、ある程度は確認申請の減少に歯どめがかかるのではないかと考えております。ただ、短期的で緊急的な対応ということでございますけれども、住宅着工戸数が極端に減少したということから、国におきましては、中小企業に対しましてセーフティネットの貸し付け、あるいは既往債務の返済条件の緩和を実施しているところでございますので、この内容の周知を県としても図っていきたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 これから寒くなるにつれ、住宅着工件数は当然減っていくということで、この6月、7月、8月、そして恐らく9月、前年度も1、000戸を超えていた数が建っていますので、ここでもまた半減しているような落ち込みだとすれば、かなり県内経済には大きな影響を与えていると言わざるを得ませんので、早急にそういった対応をとっていただきたいと思いますし、また、担当課としては、住宅が着工しやすい環境というものも同時につくっていただきたいと思いますが、以前は、農林水産部のほうにあった木の香る何とかというのが若干の予算が計上されて、県産材をどのぐらい使ったらという形での支援策等もあったわけですが、農林水産部また商工労働観光部、これはかかわる件だと思いますので、新たに必要な対策はとってもらいたいと思いますが、現状では、住宅着工をしやすい環境をつくるためにどのような対応を担当課としてとっているのか、また、今後どういったものが必要となってくるのかの見解についてお示しを願います。
〇鈴木建築住宅課総括課長 住宅着工の落ち込みにつきましては、先ほど申しましたけれども、法律の改正が浸透すればある程度回復してくるのではないかとはとらえてございます。しかしながら、中小工務店の方々には非常に厳しい状況にあるととらえてございますので、県としては、これまで住宅祭やあるいは住宅建設に関する講習会の開催など、つくり手や住み手に対して住宅情報、住宅関係の情報の提供、あるいは新たに工務店の仕事につながるような住宅のリフォームというものを推進するようなことを、例えば講習会、あるいはことしの10月の後半に行いますけれども、耐震改修の事業者の育成のための講習会など、こうした機会をとらえて住宅着工につながるように取り組んでいるところでございます。
〇工藤大輔委員 現状ではそれ以上答えられないのかなと思いますが、いずれ先ほども申し上げました。住宅を建てるということは、地域にとって非常にすそ野の広い産業であり、家1棟建つことによってさまざま、例えばカーテンから電化製品すべてにおいて、かなり地域の経済に貢献できるものだと思います。それが建たないと、1棟、2棟建たなくなってきているということになると、これは冷え込み具合を象徴しているものだと思いますので、来年度の予算要求等の中にも含めて、地域経済も考えて他の部局と連携し、この件についても積極的に取り組んでいただきますよう御要望を申し上げますとともに、できれば部長から何か一言あれば幸いです。よろしくお願いします。
〇西畑県土整備部長 委員御指摘のとおり、審査はきちっとやらなければいけないと思っております。しかしながら、このように大きく建築確認の申請が減っておるというのは、大きな問題であると認識しております。業界の方々からも声は聞いてございますし、そういった声を踏まえて、非常に大きな問題であると国でもとらえてございます。先ほど課長が答弁いたしましたように、申請者も審査する側も、お互いに習熟することによって若干は回復するかなと思ってございますけれども、委員御提案のとおり、例えば農林水産部でありますとか環境生活部でありますとか、そういった部局と以前連携して県産木材を使うとか環境に優しい住宅と、こういった補助制度があったわけでございますので、こういった部分につきましても、必要な方策につきまして他部局とも連携して研究してまいりたいと思っておるところでございます。
〇佐々木一榮委員 工藤大輔委員の質問に関連します。
 基準法改正後の申請件数及び許可件数、これ前年同期に比べてどうなっているかお尋ねしたいと思いますし、それにあわせまして、建築住宅課の担当の職員の体制、人数がふえたかどうか、これについてお尋ねしたいと思います。
 それから、先ほどお話がありましたように、これ耐震偽装問題発覚からということになっておると思いますが、一昨日も遠藤建築士という方の偽装問題が出まして、全国で担当したのは69件、本県にも1件あるというような報道が既にされておりますけれども、問題になっていますのは、これは構造の検査機関だと思いますが、東北の検査機関は現在どのようになっていますでしょうか、お尋ねします。
〇鈴木建築住宅課総括課長 建築確認の件数のお尋ねがございました。前年度の割合で申しますと、4月から6月、基準法の施行前は、建築確認は前年度比85%になってございます。それから7月から8月、施行後以降で見ますと、建築確認申請ベースでは約66%となってございます。
 それから、人数の体制でございますけれども、構造計算書偽装問題がございまして、我が県では偽装された構造計算書はなかったものでございますけれども、万全を期すという意味がございまして、本庁内に、構造審査に携わる職員を、19年度から2人新たに増員して配置をしたところでございます。
 それから、確認検査機関のお尋ねがございました。現在のところ、指定確認検査機関でございますけれども、県の指定を受けた機関は、財団法人岩手県建築住宅センターがございます。それから、国の指定を受けた機関でございますけれども、日本ERI株式会社、財団法人日本建築センター、株式会社東日本住宅評価センター、株式会社都市居住評価センター、株式会社国際確認検査センター、ビューローベリタスジャパン株式会社の、国の指定は6機関が営業しているところでございます。
〇佐々木一榮委員 検査機関も県の部分で1カ所、全国6ということでありますけれども、先ほど工藤委員からもありましたけれども、非常に最近聞かれますのが、申請から許可までの日数が非常にかかるということを各地域でお伺いしますけれども、これは担当課長としまして、基準法改正前とそれから改正後、この申請から許可までの日数については、どのような感じをお持ちでしょうか。規模にもよると思いますが、もし数値があればどのようになっているか。
 先ほど2名、構造の担当の方を配置されたということでありますが、それでも非常に前年度よりもこの許可期間が長くなっていると思いますが、それがさっきの質問ともちょっと関連すると思いますけれども、いかがでしょうか。
〇鈴木建築住宅課総括課長 建築基準法の改正におきましては厳格な審査が求められておりまして、その法律の改正の中では、小さい物件については、従来から7日かかっていたものが改正後も7日になります。それで、構造計算を必要とする建築物につきましては、21日かかっていたものが改正後は35日に延びてございます。したがいまして、同じ物件をやるにしても、大規模なものについては法律の中でも延びるというようなことになってございます。それで、厳格な審査の導入以降、はっきりしたデータはありませんが、この35日をベースに、設計者とのやりとりの日数がやはりそれぐらい余計にですね、通常のものでも21日のときも21日ぐらいかかっておりましたけれども、改正後におきましても、そのやりとりの日数は35日ぐらいやはりかかって、倍ぐらいかかっているのかなというような感触でございます。
〇佐々木一榮委員 そうしますと、現在の建築住宅課の体制、先ほど言いました2名増員されたそうでありますが、この改正に合わせるためには、改正前のようなスムーズな許可体制に持っていくためには、実際どのぐらいのスタッフの増員が必要だとお考えでしょうか。
〇鈴木建築住宅課総括課長 単に人数をふやしたからそれで半分になるというものではなくて、建築確認の申請は、一つの件数を最初から最後まで一人の者が見ていくというのが審査の流れとしても適切かなと思ってございます。現在、振興局職員が処理をしているわけでございますけれども、その職員の話を聞いてみましても、書類がどんどんたまってさばけない状況ということではなくて、むしろ設計書の不備が何点かございます。それの訂正を相手方にきちっと求めていくという意味におきまして、やりとりが生じて日数が延びているということでございました。したがいまして、人数が何人か必要であれば短くなるとかということではなくて、設計者と審査する側とやりとりをなくすような工夫といいますか、そういったものがより重要かと考えてございます。
〇高橋雪文委員 私のほうから大きく2点質問させていただきたいと思います。
 まず、土木費にかかわってでございますけれども、一般的な建設投資額と災害などにかかわる投資額の全体の金額と割合をまず示していただきたいと思います。
 また、公共工事、特に県の建設投資額が非常に減っているわけでございますけれども、ピーク時と比べてその投資額はどれほど減少したのか、金額とパーセンテージを教えていただきたいと思います。
〇佐々木県土整備企画室企画担当課長 平成18年度の一般会計歳出決算のうち、県土整備部所管の投資的経費の決算額は868億3、000万円でございまして、これを一般建設投資に当たる普通建設事業費と災害復旧のための投資である災害復旧事業費に分けますと、普通建設事業費は831億2、200万円で、構成比は95.7%、災害復旧事業費は37億800万円で、4.3%となっております。
 次に、決算額のピーク時との比較でございますが、投資的経費全体のピークは、平成10年度の1、600億7、800万円であり、これに比べて平成18年度は、金額で732億4、800万円の減、増減率で45.8%の減となっております。これを普通建設事業費で見ますと、ピーク時は同じ平成10年度の1、552億9、200万円で、平成18年度は金額で721億7、000万円の減、増減率で46.5%の減であります。一方、災害復旧事業費は、災害の発生状況等により年度によってばらつきがありますが、最も決算額が大きかったのが、平成3年度の154億7、500万円でございます。これに比べますと、平成18年度は金額で117億6、700万円の減、増減率で76.0%の減となっております。
〇高橋雪文委員 建設業界を取り巻く環境は非常に厳しい。特に、県の公共投資は非常に大きな割合があったわけでございますけれども、それが半分以下になったと。非常に厳しい姿が浮き彫りにされているなと思うわけでございます。また、私自身、災害復旧にかかわる投資額、もう少し多いのかなと思ったんですけれども、今示された金額からすると全体の5%程度ということで、それほど大きくないということがわかりました。いずれ、東北6県の建設投資額と比べると、本県の投資額というのはやっぱり最下位であるというところもございまして、割合からすると、ぜひこれを高めていただきたいと思っているところでございます。それは要望として終わりたいと思います。
 次に、橋梁の維持費についてお聞かせいただきたいと思うんですけれども、この橋梁にかかわる予算の全投資額と、実質県の単独となる予算規模を示していただきたいと思います。
 また、橋梁の管理区分というのはちょっと明瞭ではなくて、国、県、市町村もあると思うんですけれども、その管理区分についてどのようになっているか、御説明いただきたいと思います。
 また、耐用年数、通常50年ということでお聞きしているわけでございますが、国ではそのままでは、この20年で、全体の橋梁の約半数が耐用年数に達し、取りかえなければならないという見通しを示しているそうでございますが、この耐用年数の議論の現状、そして岩手県において、今後、改修が必要な橋梁の数などを示していただきたいと思います。
〇水野道路環境課総括課長 県内の橋梁に係る投資額についてでございます。
 平成18年度の県内の道路事業に係る橋梁の事業費についてでありますが、国や県、市町村の事業費を足しますと、114億3、400万円余となっております。そのうち、県の事業費は53億5、300万円余となっております。
 なお、補助事業を除く県の単独の事業費は、20億500万円余となっております。
 続きまして、国、県の橋梁の管理区分でございます。
 一般国道につきましては、政令で指定された国土交通大臣が管理する区間と都道府県知事が管理する区間がございます。平成18年4月1日現在、国は一般国道4号、45号、46号の3路線を管理しております。この中で、橋梁数は328橋、橋梁の延長は21.2キロメートルとなっております。また、県は一般国道106号など16路線、県道では盛岡横手線など247路線の合計263路線を管理しております。ちなみに、橋梁数は2、723橋、橋梁延長は84.1キロメートルとなっております。
 続きまして、橋梁の耐用年数、国の今後の方針でございます。
 橋梁の耐用年数、これまでは、橋梁は損傷がより深刻化してから対策を実施する事後保全という対策をしておりまして、それで橋梁の寿命は約60年ぐらいと言われております。これからは、損傷がより深刻化する前の軽微なうちに対策を実施する予防保全というものに転換していくことで、橋梁の寿命を約100年くらいに延ばしていくという国の方針が示されております。
 次に、かけかえや修繕が必要な橋梁数についてでございます。
 本県における橋梁の高齢化につきましても国と同様の状況にありますことから、県といたしましても国の方針に沿いまして、従来の事後保全的な修繕及びかけかえから、予防保全的な修繕及びかけかえへと転換を図り、地域の道路網の安定性や信頼性の確保を目的とします、岩手県橋梁長寿命化修繕計画を今年度から3カ年で策定することとしております。今後、かけかえや修繕が必要な橋梁数につきましては、この長寿命化修繕計画を策定するに当たりまして、平成19年10月に設置しました岩手県橋梁長寿命化検討委員会におきまして、学識経験者などの専門家の御助言をいただきながら、具体的に検討していきたいと考えております。
〇高橋雪文委員 今後検討して、その対策について推進していくということでございますけれども、今お伺いしたように2、700以上の橋梁が県の管理であると。それぞれその情報入手をされている段階でありますけれども、この橋梁をできるだけ長くしていくということが、これから重要になってくると思います。ぜひ、その点早目に計画を出していただいて、そして段階的にこの橋梁の改修等が行われるように努力していただきたいと思います。
〇亀卦川富夫委員 私からは、中心市街地の活性化についての取り組み状況をお尋ねいたします。
 この中心市街地活性化、非常に県政の大きな課題でございます。ただいま、県当局ではまちづくりの施策として、いわゆるコンパクトシティー構想というものを打ち出しておりますし、さらには、12月の定例議会にかかるんだろうと思いますが、大規模集客施設立地誘導指針、これを今策定中でございます。これは明らかに、これからの市街地の再開発あるいは再生というものを促している誘導的な政策だと思います。このためには、インフラ整備が私は必要であろうと思います、こういったものを進める上において。そういうことで、これまでもかなり中心市街地に対して進めてきた経緯がありますが、財政悪化などでかなりおくれもしているんだろうと思います。改めて、このコンパクトシティー構想あるいは大規模集客施設立地誘導、こういったことで市街地のインフラ整備についての考えをお聞きしたいと思います。
〇沢口都市計画課総括課長 市街地再生のためのインフラ整備の方策についてですが、県は、平成16年度に策定した岩手都市計画ビジョンにおいて、コンパクトな都市づくりを理念として掲げております。現在、この理念を具体的に示すために、コンパクトな都市のあり方について、基本方針を策定しているところであります。
 市街地再生に係るインフラ整備としては街路事業がありますが、この事業については、費用対効果などの採択基準を満足した箇所について、緊急性や事業効果の高い箇所から実施してきたところであります。
 今後は、厳しさを増す財政状況の中で、さらに選択と集中を図り、事業効果の高い箇所に重点投資をしていく考えであります。
〇亀卦川富夫委員 この大規模集客施設の誘導指針を見ますと、立地が最も適切な地域ということで、最適地要件1というもの、それから最適地要件2、それから原則、適地、この三つを有するものは届け出が不要ということは、ここを集中してやりなさいと。言ってみれば、集中と選択の部分でございますが、その中の最適地要件というのは、県内11地域、この拠点性の要件ということの第1に、都市インフラの計画的整備が行われている地域─括弧して、わざわざここに都市計画区域を有していることと、このように記載されております。これは明らかに、私はただいまの御答弁の費用対効果あるいは緊急性、選択と集中ということをまとめてここに記しているんだろうと思います。そういった意味で、私はそういったものにかなう中心市街地に対して、やはり県がもっと積極的にここに打って出るべきできはないかと思いますが、いかがでございましょうか。
〇沢口都市計画課総括課長 今、条例等の案についてのお話だったかと思いますけれども、その前に法律の改正のところで若干ちょっと説明させていただきたいんですけれども、昨年度三法改正がございまして、一つは、大規模集客施設、これが立地することによって、中心市街地のにぎわい等あるいは人がいなくなっているというのがございました。それからもう一つは、公共公益施設が中心市街地から出ていって、同じような状況が出ているということがございまして、都市計画法の改正の中では、大規模集客施設を一たん禁止しましょう、というか立地をまず規制しましょうということにして、立地する場合はある手続を踏みなさいということで動いています。それで、今お話があったのは、大規模集客施設用途地域、6種類これまで立地可能だったんですが、今度の11月30日から3種類、商業地域、近隣商業地域、準工業地域ということで立地可能になりました。その中で、今回の条例の中では、特にも商業とか近商とか、そういうところに立地する場合は、本来、町なかの活性化に資するんだから、そういう意味で手続を簡易化しようということで考えております。したがいまして、まちづくりはそういう考えで進めておりますけれども、インフラ整備に当たっては事業費が大きくかかるものがございますので、そうすると、費用対効果、費用便益比というのがございます。それがやはり国庫補助といいますか、補助金等をもらってくるためには、やはり端的に申しますと1億円を超えるとか、そういう箇所でないとなかなか採択されないということになっております。
〇亀卦川富夫委員 考えとすればそういうことも成り立つと思うんでありますが、県政の中で、中心市街地の活性化が非常に大切だというときに、そういうものにとらわれていいのか。少なくとも、条例をつくるときにはあなた方も一緒になってやったと思うんです。その中の第1の条件が都市計画区域を有しているということは、都市計画を進めるということじゃないんでしょうか。
〇沢口都市計画課総括課長 条例の中身でございまして、都市計画区域の中には、御存じのとおり商業地域とか近隣商業地域というものを定めておりますので、そういうところでは優先してという考え方だと理解しております。
〇亀卦川富夫委員 どうもかみ合いませんので、これ、部長にお聞きいたします。
 私は、県政の重要課題である中心市街地の活性化について、集中と選択ということでもあろうかと思いますが、定まった都市計画、決定されているようなもの、こういったものに対しては最大の努力を払うのが私必要ではないかということを質問しているのでありまして、できない話を聞いているんじゃないんです。どうでしょうか。
〇西畑県土整備部長 コンパクトシティーの考え方あるいは中心市街地の活性化につきましては、さまざまな御議論があると承知してございます。
 私の考えではございますけれども、町なかでのにぎわいをまず取り戻す必要があると思っておりまして、そのためには、町なかに住んでいただく、まちなか居住を進めるというのが一つ大きな柱であると考えておるところでございます。
 それからもう一つは、病院でありますとか学校でありますとか、こういった多くの人々が集まる施設をできるだけ外に出さないという、これも大きな話だと思っております。委員御指摘のように、都市計画の中できちっと用途を定めて、それぞれの公共施設も配置しておるわけでございますので、そのまちなか居住でありますとか、あるいは公共公益施設が町なかでやっていけるような、そのためのインフラというのは必要であると考えてございますけれども、まずそのインフラがあって、それからという話ではないと思っております。ですから、まちなか居住なり適正な公共施設の配置等に必要なインフラ整備というものが必要であると私は考えておるところでございます。
〇亀卦川富夫委員 それに基づきまして、具体的にお尋ねいたします。
 奥州市水沢区の大町地区でございます。これは昭和60年にいわゆる中心市街地の活性化に認定された地区でありまして、これは県、市と民間、いわゆる地権者等が一緒になりまして計画を策定したものでありますが、何というんでしょうか、区画整理事業というものを手法として選んだわけであります。そういったものが財政の悪化によって、平成15年から進めようというものが、たまたま平成15年に財政悪化の第一歩ということになりまして、3年くらい待ったらどうだというお話で待ったわけですが、財政はますますひどくなると。こういう意味で、区画整理事業によるものは、もう十分すべての地権者が合意しておるものでありましたが、そういう事情で延びていると。このままではいつのものかわからないので手法を変えざるを得ないと、こういう形で、その軸になっているのが県道の拡幅でありました。いわゆる公共施設管理者負担金をもってやっていこうと。これができなくなったと。しからば、県道はどうなんだということで、先ほどの費用対効果というような観点もあったんだろうと思いますが、県の指導で都市計画を変更いたしまして、改めて都市計画道路ということで決定したのが平成17年度であります。しかし、その道路整備、今部長のおっしゃるように、いろいろな施設と一緒にこれは道路整備も行うと。道路整備がありきでやるんではないということは私もよくわかるんでありますが、しかし、例えば道路を拡幅する場合に、何軒かの地権者が自分なりに造成をして建物を建てる、それで道路になる部分をあけておく。そのあけておいたものを買って道路にすると。言ってみれば、拡幅というのは、本来、移転補償を出しながら道路を拡幅するというのが都市計画道路だと思うんですが、そこまでの財政はできないので、1軒ごとに下がった分を買っていくと。ただ1軒ごとではいつまでに建つかわからないということで、これもまたよくわからないやり方に今なっているのが事実であります。
〇新居田弘文委員長 簡潔にお願いします。
〇亀卦川富夫委員(続) はい。したがって、そういう計画と一体的に道路整備等をやるというようなものを講じていただきたいと、このように思うわけでありますが、いかがでしょうか。
〇沢口都市計画課総括課長 事業化ということでございますけれども、奥州市水沢の大町地区については、これまで沿道区画整理型街路事業とか沿道整備街路事業などの事業導入を検討してきております。ただ、事業費がやっぱり大きいということと費用対効果が小さいということから、早期の事業化は困難であると考えています。
 私どもとしても、平成15年度から事業化の可能性とか整備効果、事業手法等の調査を実施したり、これまでさまざまな検討は行ってきております。また、平成18年3月には、先ほど御案内がありましたけれども、地元の御提案も受けて都市計画道路の道路幅員を変更したところでありますけれども、いかんせん、費用対効果が小さいということから、現段階では早期の事業化は困難であると考えています。
 今後は、皆様の意見を聞いて勉強してまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 ただいまの費用対効果というものは、交通量だけに限定して考えているんじゃないでしょうか。先ほど以来、部長が話したまちなか居住、あるいは病院とかさまざまな施設、こういったものを講ずるような地区というものは、この費用対効果というのはどういうふうにして算定するんですか。これからできてくるわけですから、これ、なかなかしづらいわけですね。私はそういうよりも、むしろ県と市と、いわゆる行政と一緒になって計画をつくるためにやってきた地区、そういったものをもっと重きを持つべきではないかと思うんです。
 大体、下水道工事というものの観点からしても、この当該地区、中心市街地になってまだ整備がなっていない。これは事業化を待ってやろうと、後になってからやるということですね。下水道を先にやるというのは、本来、本末転倒だと。しかし、これを先にやらなければならないような今状況だと、そういうところの道路整備というのはやはりしっかり取り組むのが普通ではないでしょうか。もう少しこの辺の事情をしっかり、過去の20年間、そういったものをもう一度皆さんで振り返って考えていただきたい。行政の継続性という問題、私はこれ問われているものだと思いますが、いかがでしょうか。
〇西畑県土整備部長 大町地区につきましては、委員御指摘のとおり、これまでさまざまな検討会報告書が出されてございます。それに県の都市計画部局も、あるいは旧水沢市の方々も参加してやってきたわけでございます。
 それで、先ほど委員御示唆されましたように、住民の方があらかじめあけておいていただけるということになれば、費用対効果で便益をコストで割るわけですけれども、このコストの部分が小さくなるということで、割り算すると、費用対効果が今よりは上がろうかと思っておりますけれども、それで事業が成り立つものかどうかも含めまして、よく過去の経緯も踏まえて勉強してまいりたいと考えております。
〇亀卦川富夫委員 くどくなるようでありますが、過去ということになりますと、これはもう40年代、昭和40年当初に国道から県道になった部分があるわけです。これが今の県道ですが、幅9メートルの県道です、それを拡幅するという都市計画なんですが、それを待てないために昭和40年ころにアーケード、各民地を使って今やっているんです。それが建物の下をえぐったような、雁木スタイルになっているわけです。もう、40年間そういう意味では交通安全施設として使っておりますが、建物はもう既に老朽化。したがって、20年前からどうしようかというので区画整理の事業を選んだわけです。したがって、区画整理事業が進めば費用対効果は上がるんです。ところが、区画整理がストップしたために、それでは1軒ごとにいわば道路拡幅と、こういう経緯があるわけですから、その中でいろいろ今工夫をしてやろうというときに、費用対効果だけの一点をもって─確かに費用対効果は大切ですから、それを十分高めるような計画を一緒になってやって、道路整備も一緒に進むようにと。さっき言ったのは、1軒ずつ引っ込んで、道路用地ができたらやるというようなこと自体が、本来、都市計画道路は移転補償費をもって拡幅していくというようなものもあるわけでありますから、そういった意味ではしっかり取り組んでいただきたい、このように思うことを指摘して、なかなか答弁もできないでしょうから、指摘して、今後進めていただければと思います。
 御所見があればお伺いいたしますが、よろしくお願いいたします。
〇沢口都市計画課総括課長 先ほども申し上げたことでございますけれども、やはり皆様の意見を聞きながら勉強してまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 私からは、昨年発表されました建設業対策中期戦略プランに関連いたしまして、何点かお聞きをさせていただきます。
 これは改めてでございますが、県内の公共事業投資の環境が大変厳しさを増す中で県内建設業の今後の経営改革と、この方向性を示した構造改革の指針と、このようにとらえているわけであります。平成22年度の建設業者数を現在の6、800社から5、000社、そこで働く従業員数を現在の6万2、500人から5万人と、大胆な目標数を定めまして建設業の経営資源を細分化すると、このような趣旨で策定されたものと認識をしております。この計画は、20年度までの3カ年を重点期間として定めているようでありまして、さまざまな支援策を講じておりますが、そこで、平成18年度1年間を経過した中で、総括的な評価をまずお聞きをしたいと思います。
 重点支援の中には、建設業の縮小・撤退支援という部分も含まれておりますが、これにつきましてはお聞きをいたしません。技術力・経営基盤強化支援、経営多角化・業種転換支援、企業合併・連携支援、この三つの具体的な支援の状況について、平成18年度の評価をお聞かせいただきたいと思っております。
 また、あわせまして、平成18年度中に県内の建設業の業者数並びに従業員数はどのように推移されているのか、それをどう把握されているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇早野建設技術振興課総括課長 平成18年度における建設業対策中期戦略プランに基づく対策でございますけれども、各振興局に総合相談センターを設置するなど総合的な支援体制を整備するとともに、一つ目でございますが、技術力・経営基盤強化支援につきましては、建設業協会の経営支援センターの経営指導コーディネーター、これを2名から4名に拡充いたしまして指導体制を強化したところでございます。それから、経営革新アドバイザーの派遣、あるいは国のワンストップアドバイザーのあっせん、経営力強化をテーマとした経営戦略セミナーの開催などに努めたところでございます。
 二つ目の経営多角化・業種転換支援でございますが、新分野進出をテーマといたしました経営革新講座あるいは経営戦略セミナーの開催、それから、建設業新分野進出等支援対策事業費補助金による助成、建設業経営革新特別資金貸付金による貸付金といったようなことをやってまいりました。
 それから、三つ目の企業の連携・合併支援でございますが、経営指導コーディネーターによる助言指導、あるいは企業共同研究モデル事業による支援というものを実施してまいっております。
 建設業総合対策の成果でございますけれども、各種の支援策の活用によりまして、新分野進出等に取り組む企業が、平成18年度、28社ほど増加いたしまして、平成15年度からの累計が70社となり、徐々にではございますけれども、企業の経営革新に向けた取り組みの促進が図られているものと考えてございます。
 一方で、建設業地域懇談会などの場におきまして、厳しい経営環境のもとで、本業での技術力や経営基盤の強化に対する支援を求める声も大きいことでございますことから、今後、技術力・経営基盤強化支援にも重点的に取り組む必要があると考えてございます。
 それから、従業者数、事業所数の推移でございます。
 平成18年度事業所・企業統計調査によりますと、平成18年10月1日現在の事業所数は6、504社でございまして、平成16年の前回調査から290社ほど減った6、794社となってございます。従業者数でございますが、5万6、313人となってございまして、前回16年の調査から6万2、545人から6、200人余り減った5万6、313人となってございます。
〇関根敏伸委員 業者数で290社、従業員数で6、200人の減ということでございます。このプランの大きな支援、視点の一つは、従業員の円滑な労働移動ということが含まれていると思います。これ、具体にどのような支援を講じてきたのか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
〇早野建設技術振興課総括課長 県における労働移動支援策につきましては、主として二つございまして、一つは、建設企業の新分野・新事業への進出による雇用の確保、二つ目に、縮小・撤退する建設企業に係る従業員の転職への支援でございます。
 新分野・新事業への進出につきましては、現に抱えております従業員を新たな分野へ振り向けることで雇用を守っている企業が見受けられるところでございまして、今後とも、進出企業のフォローアップ、あるいは成長段階に応じたきめ細かい支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 続けてお伺いをいたします。
 平成18年度に試行的に始められました総合評価落札方式についてお伺いをいたします。
 この方式は、入札時の技術提案などにより、技術評価事項を評点化いたしまして、公共施設の良好な品質の確保と、あわせて技術力にすぐれた優良な企業の育成と、この二つを両立させる目的でつくられていると承知をしております。平成18年度は簡易型、標準型の2種類で約100件程度を目標に実施されると聞いておりましたが、この平成18年度の総合評価落札方式の状況がどのようになっているのか、お聞かせをいただきます。
 そしてまた、価格のみによらない総合評価で落札をされた件数の割合はどのようになっているのでしょうか。また、平成18年度の試行を受けて、平成19年度、今年度の本格実施に当たり、どのような評価のもとに制度の設計変更に当たられたのでしょうか。また、あわせて、平成19年度、現時点まで、この設計変更等によってこの落札の状況がどのようになってきているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇藤原技術企画指導担当課長 平成18年度の総合評価落札方式による落札の状況についてでございますが、県土整備部における平成18年度の総合評価落札方式の試行件数は22件となっております。
 価格のみによらない総合評価で落札した件数の割合についてですが、22件中で、技術評価が価格評価を逆転して落札した件数は3件でございます。
 また、平成18年度の試行を受けまして、平成19年度の本格実施に当たり、どのような評価のもとに制度改革に当たったかということについてでございますが、平成18年度の試行におきまして、技術評価点の下位の者による受注が5件ありましたことから、さらなる改善が必要であると考えまして、国や他県の評価点の状況も参考に技術評価の配点をふやし、技術力をより評価することとしております。
 さらに、それを受けた今年度の落札状況はどう変化しているかということについてでございますが、標準型及び簡易1型につきましては、38件中、いわゆる逆転受注が9件の24%となっております。昨年度と比較しまして、10%ほど逆転受注が増加している状況でございます。
〇関根敏伸委員 先ほどの及川幸子委員の答弁の中にも触れておりましたとおり、地域貢献を含む技術評価の必要性をかなり重く受けとめるという中で制度変更が行われ、平成19年度の状況につきましては、18年度より本来の目的が達成されると私は認識をしております。ぜひこの辺につきましても、さらなる検討をよろしくお願いをしたいと思っております。
 関連をしてお聞きをするわけでありますが、県土整備部の大きな仕事の中に、県内建設業の技術振興という部分が含まれているわけでありますが、こういった建設業の中期戦略プラン等々も踏まえる中で、現在の県内建設業の経営内容、収益性をどのように把握をされているのか、お伺いをいたします。
 総資本経常利益率でありますとか、完成工事高経常利益率、これはここ数年どのように推移をしているのか、あるいは全国平均と比べた場合の岩手県の状況はどのようになっているのか、お示しをいただきたいと思います。
〇早野建設技術振興課総括課長 東日本建設業保証株式会社のデータになりますけれども、県内の総資本経常利益率、平成13年度1.86%でございます。これが平成17年度にマイナス0.12%となりまして、5年間で1.98ポイントの減となってございます。
 完成工事高経常利益率でございますが、平成13年度1.22%、これが平成17年度には0.36%となりまして、同じく0.86ポイントの減となってございます。
 全国的なデータでございますが、同じ東日本建設業保証株式会社のデータになりますが、これは東日本管内23都県の数字でございますけれども、総資本経常利益率は、平成13年度1.54%、これが平成17年度は0.86%となりまして、0.68ポイントの減、完成工事高経常利益率は、平成13年度1.08%、これが平成17年度には0.82%となりまして、0.26ポイントの減となってございます。県も東日本管内も、全部総じて減少となっているわけでございますけれども、特に県内建設業の収益性は急速に悪化しているものと認識しているところでございます。
〇関根敏伸委員 ということでございまして、やはり現在頑張っていらっしゃる建設業自体の経営の収支の悪化が顕著になっていると、このようなことが示されていると思います。
 そこで、最後の質問になるわけですが、以上、中期戦略プランの1年間の試行、総合評価落札方式の試行を踏まえ、平成19年度中盤を迎えているわけでありますが、今後のこの建設業の経営内容等の状況を踏まえながら、今後の中期戦略プランの中間点を迎え、プランそのものの見直しや再検討の必要性、あるいは総合評価落札方式を含んだ入札制度のあるべき方向性の認識について、最後にお聞かせをいただきたいと思います。
〇早野建設技術振興課総括課長 平成18年度の投資実績を見ますと、建設投資額は6、056億円でございます。これが中期戦略プラン、18年度途中の推計になりますが5、878億円ということでございます。それから、建設業事業所数6、504社、これが実績でございますが、プランの18年度推計では6、200社、建設業従事者数の実績でございますが5万6、313人、プランの18年度の推計は5万7、000人程度ということで、ほぼプランで推計したような数字となっておりまして、大変厳しい状況が続いているものと認識してございます。
 県といたしましては、建設業地域懇談会などでの業界の意見なども参考といたしまして、中期戦略プランに盛り込まれた施策をその都度見直しをしながら、スピード感を持って着実に実行に移していくことが必要と認識してございます。
 それから、総合評価落札方式を含んだ入札制度及び方向性の認識でございますが、県土整備部といたしましては、工事の品質の確保、あるいは建設業の振興といった観点から、技術と経営にすぐれた企業が成長できる環境の整備が必要と考えてございます。
 総合評価落札方式は、一つ目に、経済性に配慮しつつ、価格以外の多様な要素をも考慮して、価格及び品質が総合的にすぐれた者を契約の相手方とすることができる。
 二つ目に、発注者が示す標準的な施工の仕様に対して、受注者が技術提案を行うことにより、企業のすぐれた技術力を活用して、公共事業の質を高めることができる等の効果が期待されておりますので、今年度の取り組み結果を検証するとともに、建設業地域懇談会等でいただいた意見、要望についても検討して、よりよいものにしてまいりたいと考えてございます。
 去る7月に、新しい入札制度となったところでございますが、今後とも県内産業の育成に意を用いつつ、公正性、透明性、競争性の高い入札制度となりますように、入札担当部局とも、しっかり連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 そのとおりだと思っております。さっき、最初に触れたわけでありますが、このプランの平成22年度の大胆な最終予測は建設業が1、800社減ると、従業員数が1万人以上減るという状況を見通しているわけでありますが、くしくも、今の状況はプランに定めた近い状況で推移をしていると。その中で、建設業の求める声としては、もちろん新規分野へのさまざまな進出も図っているわけでありますが、いわゆる本業の技術力、技術支援を求める声が非常に高いということでございます。その中で入札制度の改革が行われる。何度も申すようでありますが、やはり最終的には、品質にすぐれた公共施設をきっちりつくりながら、そこで働く従業員の雇用を守りかつ建設業の経営の安定化を図ると、非常に難しいバランスをとった行政の方向性が求められると思っております。
 十二分に意を用いた施策を展開していただけることを期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
〇新居田弘文委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時2分 休憩
午後1時3分 再開
〇新居田弘文委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇小野寺有一委員 先ほど同僚委員の高橋雪文委員のほうからも公共投資額全体についての質問がございましたけれども、その中で、私のほうからは、特に道路維持、そして新設改良費についてのお尋ねをさせていただきたいと思います。
 日本でももう一家に何台とかというような形で車が大分普通の家庭の中にも入り込んできておりますけれども、日本の場合には、欧米に比べてモータリゼーションの波が若干おくれて始まっていると認識しております。そうした中で、多分、我々が生まれたころからそういった動きが始まっているのだろうと思いますけれども、今までは、道路を延長する、新しい道路をどんどんつくっていくという方向で建設予算、公共事業予算が使われてきているわけですが、これから道路、先ほどお話もありましたが、橋梁、そういった構造物がだんだん耐用年数を迎えるに当たって、道路工事費の中でも、新設にかかわる部分に対して、維持、管理、修繕、そういったものに係る費用の比率が高まっていくものと考えております。
 そこで、県管理道路の道路維持費、それから新設改良費に要する予算執行額の近年の比率の動向、そして今後の見通しをお示しいただきたいと思います。
〇佐藤道路都市担当技監 道路維持費と新設改良費の比率の動向についてでありますが、道路維持関係費は、8款2項道路橋りょう費のうち、2目道路維持費、4目橋りょう維持費及び5目の橋りょう新設改良費であります。また、新設改良費関係は、同じく3目の道路改良費であります。
 これらの決算額を平成13年度の決算と比較しますと、平成13年度におきましては、道路維持関係費16.5%に対しまして新設改良関係費が83.5%となっておりました。平成18年度においては、道路維持関係費が22.8%に対しまして新設改良関係費が77.2%となっており、道路維持関係費の比率が最近5カ年間で6.3%ふえている状況です。
 今後の見通しについてでありますが、先ほど委員御指摘あったように、昭和30年代から40年代に整備した橋梁等の高齢化に対応した補修あるいは更新も予想されますことから、今後も道路事業の予算に占める維持補修費の比率はふえていく傾向にあると考えております。
〇小野寺有一委員 これは、今後の予算のあり方あるいは公共事業に対しての考え方によるものだと思いますけれども、今までの、ここ数年のように公共事業費が絞られていく、低下していく、そして道路延長は、基本的には今までの道路が廃止されない限りは延びていくということから考えますと、その論理的な帰結としては、基本的に、いつかは道路維持費が道路の新設改良費を上回る時期が来ると思うわけでございますけれども、それが大体、例えば我々の任期中であるのか、それとも何十年後かなのかよくわかりませんが、それがどういったタイミングで訪れるものなのかといったことが、もしもシミュレーションできているのであれば、教えていただきたいと思います。
 と申しますのは、やはり我々も、それから有権者というか受益者であります県民も、基本的に道路はどんどんつくっていっていただけるものだという考え方があるわけでございますけれども、そうした意識をある程度、このぐらいのタイミングには変革を迫られるということが遠からず来ると思うわけでございます。そういったところで、どういった考え方によって、今後、維持、それから新設改良をどのぐらいのペースで、あるいはどのぐらいのバランスで進めていかれるお考えであるか、お示しいただきたいと思います。
〇佐藤道路都市担当技監 今後の道路事業の進め方ということでございますが、まず、基本的な考え方を申し上げますと、先ほど御指摘ありました橋梁等の道路施設の維持修繕につきましては、やはり地域の道路網について安全な通行の確保を図るという観点から、従前の事後保全的な維持修繕とともに、予防保全的な維持修繕についても取り組むことが重要であり、これに優先的に取り組む必要があると考えているところであります。
 また、現在、事業を継続している箇所につきましては、早期に供用できるよう重点的に取り組んでいくという考え方であります。また、新規の箇所につきましては、公共事業評価の結果に基づき、整備箇所を選別しながら取り組んでまいりたいと考えております。
 県内の道路整備はまだ道半ばという状況であります。この既存の道路の維持管理、あるいは地域の生活道路網の利便性の向上を図る、この2分野とともに、国と連携して進めております高規格道路のネットワークの構築も重要な分野でございます。県全体の予算の動向を踏まえながら、この3分野への予算配分を中長期的な展望を持ちながら適切に取り組んでまいりたいと考えているところであります。
 シミュレーションにつきましては、現時点では、私どもとしては行っておりません。
〇小野寺有一委員 ありがとうございます。ぜひ、そういった意味では、それこそ今、どこの自治体でも義務的経費が伸びていって、政策的投資に回す余裕が失われているわけでございますけれども、それがなるべく弾力的に、少なくともこの道路予算については行われていきますことをお願いしたいと思っております。
 次に、急傾斜地の崩壊対策について伺わせていただきます。
 現在、県内の急傾斜地崩壊対策事業の対象となっている箇所の総数は何カ所あるのでしょうか。そしてそれは、現在いろいろな形で対策が行われていると思うんですが、それはその対策によって減っているのか、あるいは新たな急傾斜地というのが、認知されることによって増加しているのか、そういった形で傾向をお示しいただきたい。
 また、現時点で、今まで対象となってきた急傾斜地がどの程度対策事業がなされているのか、進捗状況をお示しいただきたいと思います。
〇野中砂防災害課総括課長 急傾斜地崩壊対策事業の対象箇所の総数でございます。これは、保全対象人家が5戸以上の箇所でございますが、平成12年度に行いました調査結果によりますと、これが現在把握している数値でございますが、1、792カ所ございます。そのうち、平成18年度までに260カ所の整備を終了しているところでございます。
〇小野寺有一委員 こうした急傾斜地崩壊対策事業というのは、この1、792カ所あるということでございますけれども、これは、県内各地に分散されているというか散らばっているのだろうと思いますが、その事業着手の優先順位というのはどういう基準に基づいて行われているのでありましょうか、お示しいただきたいと思います。
〇野中砂防災害課総括課長 事業の優先順位ということでございますが、老人福祉施設など、災害時要援護者施設、これは、災害時に1人で逃げることができない方を言いますけれども、そういった災害時要援護者施設がある箇所、あるいは学校、病院、道路など公共施設がある箇所、あるいは被災履歴のある崩れている箇所、そういった箇所などを優先しながら実施することとしております。
〇小野寺有一委員 それでは、具体的な事例に基づいてお尋ねさせていただきたいと思いますが、基本的に、民間の方が所有している私有地の崩壊対策というのは、その所有者によってなされるべきであるということは、私も承知しております。しかしながら、その民間の方が所有している急傾斜地の崩壊によって第三者に被害がもたらされるおそれがあって、なおかつ、身寄りのないお年寄りなど、崩壊対策に要する費用や予想される損害に対する賠償能力のない方が所有する急傾斜地というのがあると承知しております。
 日本語としてわかりづらいので平たく言いますと、例えば、80歳の老夫婦でお子様のない方の裏山がある。そして、その裏山が自分の家に向かって崩れてくるのであれば、それはしようがないところなんですが、その裏山が隣の家に対して崩れてくるおそれがある。そういった場合、こちらの持っている、この山を持っていらっしゃる方というのは、そもそもその山以外に価値のある資産というものがない。したがって、例えば、その急傾斜地の保全事業というものも自分でできないし、崩れてしまった後に、隣の方に対しての損害賠償もできない、そういった場合が実際にあるわけでございますけれども、そうした実情を把握されていらっしゃるか。把握されていらっしゃるとすれば、どの程度そういった件があるのかということをお示しいただきたいと思います。
〇野中砂防災害課総括課長 急傾斜地崩壊対策事業の採択に当たりましては、急傾斜地の高さや角度など物理的な要因、それから、先ほど申しました、災害時に1人で逃げることができない、災害時要援護者施設─老人福祉施設等でございますが─や公共施設の有無、あるいは人家の戸数が採択要件でございますので、そういったものを勘案しながらその採択について判断することになりますけれども、居住されている方々の事情については、採択の要件になっていないのが実情でございます。
 しかしながら、工事の実施に当たりましては、関係市町村と連携をとりながら、居住されている方の状況とか地域の要望などを把握しながら進めることとしております。
〇小野寺有一委員 今、私が申し上げましたような急傾斜地の崩壊対策の事業着手の優先順位というのは、先ほど、物理的な要件とか、あるいは戸数といったような要件があることをお話いただきましたが、今お答えをいただきましたように、どんどん、特に県北・沿岸部では高齢化が顕著に進んでおりますし、個別のそういう高齢化等に伴う地主さんの事情というものが今後大きく影響していくような感じがいたしております。ぜひ、こうした事情が考慮されて、かつ何らかの対策が今後講じられていく、そうした事情もその要件の中に含まれていくということが必要であると考えておりますが、御所見をいただきたいと思います。
〇野中砂防災害課総括課長 平成18年度に、これは指定の際の説明会を活用しまして、がけ地等に住む方々の調査を行った結果によりますと、居住されている方々の多くが、委員御指摘のとおり高齢者で、なおかつ、一人もしくは夫婦二人暮らしという方が多いのも実情でございますので、こういった点から、地域の防災対策が喫緊の課題であると考えております。
 こういった状況から、従来のハード整備に加えまして、土砂災害警戒区域の指定、あるいは警戒避難体制の構築などソフト対策が重要と考えておりまして、今後も、市町村等関係機関と連携しながら、地域の安全・安心確保に努めてまいりたいと考えております。
〇小野寺有一委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、港湾の整備についてお尋ねさせていただきます。
 現在、本県の産業分野の牽引役として関東自動車工業岩手工場というトヨタ系の自動車組み立て工場が力強く、特に県南部の経済を牽引しているわけでございますけれども、昨年約30万台生産され、本年はさらに20%増ということで36万台の生産に及ぶということを聞き及んでおります。
 そういった中、新聞報道によりますと、同じトヨタ系の、現在相模原市に本社が置かれているセントラル自動車の東北工場が、宮城県に進出してくるのではないかという情報が現在もたらされている状況であります。
 これまで関東自動車工業岩手工場で生産される完成車のほとんどが仙台港から積み出され、残り約5%程度が釜石港から積み出されているという状況にございました。そうした中、本年3月に、釜石市と内陸部とを結ぶ新しい仙人峠道路が開通いたしまして、4月以降、積み出しの台数が増加している。そして、セントラル自動車が宮城県に進出してきた際には、仙台港のモータープールがオーバーフローするのではないかというお話があるわけでございます。
 今回のセントラル自動車の話が進展することで、仙台港の手狭さから、関東自動車岩手工場で生産される完成車の釜石港積み出しの利用拡大及び活用が必須となると考えておりますけれども、私が6月定例会でも申し上げましたとおり、港湾の建設は、着手から完成までにほぼ5年ぐらいを要すると承知しております。そういった中で、機動的な県の対応が求められていると考えるわけでございますが、平成17年11月に港湾計画一部変更ということが釜石港についてなされているわけですが、その早期実施のタイミングとあわせて、県のほうがどういった対応を考えているか、そうした点についてお尋ねしたいと思います。
〇竹本港湾課総括課長 釜石港積み出しの利用拡大についてでございますが、釜石港は、これまで水深7.5メートルの岸壁に加え、新たに水深11メートルと水深7.5メートル耐震強化岸壁並びに埠頭用地3.3ヘクタールが完成し、平成19年4月から、モータープールは最大で3ヘクタール、約1、500台分確保可能となっております。
 また、委員御案内のとおり、仙人峠道路供用による輸送環境の改善や湾口防波堤が概成したことによる湾内の静穏度の向上、それから安全な荷役が可能となったことを踏まえまして、完成自動車積み出し取り扱いの拡大について、市とも連携して要望を続けてまいりたいと考えております。
 釜石港の今後の計画の拡大ということにつきましては、現在の公共埠頭の利用状況を踏まえながら、今後、公共埠頭のさらなる活用について見きわめる必要があると考えております。
〇小野寺有一委員 (「市長ともよく相談して」と呼ぶ者あり)はい。新しく市長さんになる方とも、よくよく相談して進めさせていただきたいと存じますが、釜石港では、岩手県の港湾ビジョン、それからアクションプランに基づきまして、内航フィーダーコンテナ航路というものを開設すべく、今現在、自治体、それから関係企業と調整を図りながら取り組んでおりまして、それを県として御支援いただけると6月定例会でも御答弁をちょうだいしているわけでございます。また、地元の自治体といたしましては、県に対して、荷役機械を含んだ港湾整備の推進について要望を行ったところだと承っております。
 さらに、地元では荷役機械の整備、それから運営に関する検討会を立ち上げて、具体的な検討を行っているという報道もございました。
 こういった動きに関しまして、港湾管理者であります県といたしましては、釜石港に対して具体的にどういった支援を考えて、そして、どういったスケジュールで県北・沿岸振興につながるこういった取り組みを進めていこうとされていらっしゃるのか、御所見を伺いまして、私からの質問を終えたいと思います。
〇竹本港湾課総括課長 内航フィーダーコンテナ航路開設に向けた支援及び取り組みスケジュールについてでございますが、コンテナ定期航路開設に向け必要な設備としては、荷役設備や船舶関連設備等が考えられます。荷役設備については、現在、釜石市や荷役業者が中心となって調整を進めております。
 県で整備を検討するものとしましては、設置するクレーンに対応するための設備や照明設備、船舶への給水設備等が考えられます。このうち、照明設備と給水設備については、既に整備を行ったところでございます。
 取り組みスケジュールでございますが、釜石港湾振興協議会が設置しました釜石港内航フィーダーコンテナ輸送検討会において、現在、航路開設に当たっての課題解決に向けた取り組みやスケジュールの検討を進めているところであり、市や港湾関係者などと連携しながら、定期航路の早期開設に努めてまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 私のほうから2点お尋ねさせていただきます。冒頭、部長から今後の最大の課題として、社会資本の公共施設の維持管理、それから宮城県沖地震への対策ということが挙げられましたが、その二つに関連するものであります。
 ただいま小野寺委員から3点質問があったわけですが、二つともかぶっておりますので、かぶらない部分についてお尋ねさせていただきたいと思います。
 まず1点目でありますが、がけ崩れの危険住宅移転促進事業についてお尋ねさせていただきたいと思います。
 土砂崩れや土石流などの土砂災害の危険があって、住宅が5戸以上ある場所は、県内で4、187カ所─これは2006年8月のデータでありますが─と言われておりますが、近年、ここで実際にがけ崩れ等の被害が一体何件ぐらいあったのか、把握していれば教えていただきたいと思います。
〇野中砂防災害課総括課長 平成14年度から5カ年のデータを調べてみましたところ、平成14年度から18年度まで過去5年間で、保全人家対象戸数5戸以上の土砂災害危険箇所におきまして、がけ崩れは28カ所、土石流は1カ所と把握してございます。
〇高橋博之委員 わかりました。宮城県沖で想定されておりますクラスの大きな地震が仮に起きた際に、こういった地域で大規模ながけ崩れ等が発生するリスクはどの程度あるのでしょうか。
〇野中砂防災害課総括課長 がけ崩れが発生するリスクということでございますが、基本的に私ども把握している危険箇所のがけ崩れについては、定義としまして、角度が30度以上、それから高さが5メートル以上の箇所をいわゆる急傾斜地と定義してございますので、その箇所の地形、地質、それによって危険度は異なると思いますので、恐らく大規模な地震が起きたときには、例えば山古志村のような大規模な被害も起きるかもしれませんが、その地質等によって、どの程度の数なのかというのはちょっと把握できないと思っております。
〇高橋博之委員 県内で、ただいま4、187カ所と私申し上げましたが、既にコンクリートを張るなど、がけ崩れの防止の工事をした箇所はこのうち445カ所、率にして10.6%ということでありますが、これは、他の都道府県、東北を見ますと、東北の平均は17.6%ということで、本県の場合、大変に整備率が低いということが浮き上がってまいります。全国で見ましても、全国平均で20から25%ということですから、本県の場合、半分以下ということであります。
 そこで、近い将来想定されます宮城県沖地震に対して、やはりこういった地域に早急に対応していく必要があるんだろうと思いますが、ただ、これまでのように、コンクリートを張るといった対策、やはり人口減少社会を迎えて、財政も厳しい中、大変投資効率が悪いということで、昨年、このがけ崩れの危険住宅移転促進事業といったことが始まったんだろうと私も認識しておるところでございます。
 そこでお尋ねいたしますが、昨年、釜石市で1件、合意に達してこの事業が行われたということでありますが、この成果について、改めてどのように総括しているのかお尋ねいたします。
 それから、この事業に実際かかった費用、もし、ここに従来のコンクリートを張るなどの対策をした場合、幾ら程度かかったのか、今おわかりになればお聞かせいただきたいと思います。
〇野中砂防災害課総括課長 がけ崩れ危険住宅移転促進事業の成果についてでございますが、平成18年度に事業を創設し制度の周知を行った結果、昨年10月に釜石市内の土砂災害特別警戒区域におきまして、移転について地域の合意が得られた箇所がございまして、ことし3月に全6世帯のうち2世帯が移転してございます。今年度は、残り4世帯のうち1世帯につきまして、移転に向けた支援を行っているところでございます。
 また、事業の課題につきましては、事業の対象となる土砂災害特別警戒区域の指定をさらに拡大する必要があること、それから地域の合意形成をいかに図るかが課題と考えております。
 なお、ハード整備をした場合の費用比較ということでございますが、これはあくまでも平均的な値でございますが、1戸の住宅を保全するためのハード整備の平均値でございますが、大体2、000万円前後ととらえておりまして、ここの場合、6世帯7戸のうちがございましたので、その程度のお金が、掛ける2、000万円というお金がかかるのかなと考えております。これはまた、その土地の地形地質によって工法が異なりますので、あくまでも平均値ということでございます。
〇高橋博之委員 ありがとうございます。今の、あくまで平均ということでありますが、もしもこれまでのようなハード事業であれば、これは単純計算で1億4、000万円かかるところ、この住宅移転ということであれば、県は住宅の撤去に147万円、購入で260万円、新生活の準備に175万円という補助、それから国の国庫の事業もあります。やはり投資効率が大変厳しい中でこういった事業を推し進めていくことは必要なんだろうと私は思いますが、いかんせんまだ1件しかこの事業の利用がないとお聞きしておりますが、今後、県としてこの事業を推進していく上でどのように課題を整理されておるのか、その点についてお尋ねさせていただきたいと思います。
〇野中砂防災害課総括課長 先ほど申しましたとおり、やはり対象となる土砂災害警戒区域の指定を広げることがまず第1点でございます。それから、この移転の要件としまして、地域の合意形成が必要だということでございまして、その合意形成をいかに図るかというのが課題でございます。
 このため、市町村あるいはNPO等々、関係機関との連携を密に図りながら指定の拡大に努める必要があることと、それから、指定のための住民説明会等を活用しまして、その制度の周知をさらに徹底することが必要になると考えておりまして、ハード、ソフト、効果的に活用しながら土砂災害対策に努める必要があると考えております。
〇西畑県土整備部長 先ほどの御質問でお答えしていない部分がございますので。どれぐらいの経費がかかったかというお尋ねがあったと思いますけれども、この2件につきまして、合わせて400万円余が住宅の除却費用、それから移転経費として県費として支出してございます。
〇高橋博之委員 ありがとうございます。いずれコストの面で大変安く済んでいるわけでありますが、やはりこの事業を進めていく上で、先ほど合意形成がなかなか難しいというお話もありましたが、私は、もっと危険性も含めてしっかりと説明会等で住民の御理解、御協力をいただくとともに、あとは、この補助制度を最大活用しても1、000万円程度ということでありますが、やはり新しく家を建てる場合、1、000万円ですと自己負担が発生しますから、ちょっと厳しいということになるんだと思うんですが、コンクリートを張るなどのがけ崩れの対策の費用を考えれば、それでもまだまだ安いと思うものですから、ぜひとも補助額をふやすなど、インセンティブをさらにつけていただきたい。
 それから、これは部長にお聞きしたいわけですが、先ほど、亀卦川委員の答弁の中でもありましたが、これから中心市街地に人が住むのが活性化の一番大事なことだろうというお話をしておりましたが、このがけ崩れの危険箇所から移転される方々、近辺にある中心市街地に空き地や空き家も出ております。そういったところに移転していただくというふうにあわせて考えていくことも、私は一つの方策ではないだろうかと思うわけですが、部長の御見解をお伺いしたいと思います。
〇西畑県土整備部長 この制度は、実は、岩手県で初めて全国に先駆けて創設させていただきました。これまでは、急傾斜地は、委員御指摘のとおり、コンクリートの擁壁で守る、それから一方で住宅政策のほうでがけ地の危険な場所から移転するという国の補助制度もあったわけですけれども、この急傾斜地崩壊事業と住宅政策をあわせ、しかも県費の上乗せをするという形で、前知事の主導もあって、かなり思い切った形になってございます。
 やはり地域の合意形成が一番大事だろうと思っておりまして、よく地域の方々に御説明して、まだ制度2年目でございますので、今の制度でたくさん適用していただけるように働きかけてまいりたいと思っております。
 それから、まちなか居住の関係で、こういうがけ地のところから町なかへということは、私どもとしても非常に望むところでございますけれども、地価の問題とかがございますので、それぞれの個人の方々ともよく御相談しながら、まちづくりとも関係してこの制度の拡充を図ってまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 よろしくお願いいたします。
 それでは、2点目の質問に移ります。二つ目は、これも先ほどの質問に絡むのでありますが、建設事業費全体の中で、維持補修費が占める割合、近年の推移について、まずはお尋ねしたいと思います。
〇佐々木県土整備企画室企画担当課長 建設事業の中で新規事業に占める割合ということでございます。
 平成18年度決算におきまして、県土整備部所管の普通建設事業費と維持補修費の合計における新規投資のほうの割合については87.9%という数字になってございます。
〇高橋博之委員 済みません、聞き方が悪かったんだろうと思いますが、その建設事業費の中に占める維持補修費の割合、これは近年どういった推移で、上がっているのか、下がっているのかを含めてお示しいただきたいと思います。
〇佐々木県土整備企画室企画担当課長 失礼いたしました。
 維持補修関係の割合でございますけれども、近年の傾向ということで、平成13年度の決算と18年度で比較いたしますと、県土整備部所管の決算額に占めます維持補修費の割合は、平成13年度は5.4%程度でありましたものが、平成18年度は10.7%ということで増加してございます。
〇高橋博之委員 ありがとうございます。
 今後の見通しについてお尋ねいたしますが、この維持補修費のシェアが今後も引き続き拡大していく傾向にあるのかどうか、その辺、どのように分析されておりますでしょうか。
〇佐々木県土整備企画室企画担当課長 今後の維持補修費につきましては、橋梁の高齢化などに対応しまして、既存社会資本に係る補修や更新の必要性も高まりますことから、今後も維持補修費の増加傾向は続くと思われます。
 全体に占める割合につきましては、新規投資について、公共事業費全体のボリュームの中で新規投資にどれだけ回せるかというところにも絡んでまいりますので、その割合については、今ちょっとはっきり申し上げることはできません。
〇高橋博之委員 ありがとうございます。
 先ほどの小野寺委員の質問がありましたが、私も問題意識をともにしておりまして、今後、1回目の岩手国体の際に、道路を初めとする社会資本整備を本県はわっと進めてきたわけでありますが、その耐用年数が間もなく10年後、20年後に今度はやってくるという大変な時代になってくるんだろうと思います。
 先ほど、シミュレーションしているのかどうかということで、しておらないというお話でありましたが、私は、やはり今後の社会資本整備は、長期的な計画に基づいて行っていく必要があるんだろうと思います。
 ここに、大蔵省主計局の主計官、松谷さんという方が、国民経済計算に基づいて行った今後の我が国の公共事業に占める維持改良費の割合を計算した表があるのでありますが、2020年には90%に達する。そして、2023年には、更新投資や維持改良の費用額が公共事業費の許容量を上回ってしまう。つまり、新規の社会資本整備はおろか、既存の社会資本の維持も大変厳しくなってくるといったような計算をされている方もおるわけであります。
 そこでお尋ねいたします。今後、そうはいってもやはり新規の事業も必要だろうと思います。とりわけ高齢化社会がやってきますので、お年寄り向けの社会資本の整備の需要というのもこれからますます高まっていくんだろうと思います。いずれ既存の社会資本について厳格な再点検が必要になってくるんだろうと私は思います。その社会資本が、今後の人口減少、高齢化社会においても果たして必要なものかどうかという視点からの再点検であります。もし必要がないと仮に判断された場合、あるいは必要性が少ないと判断された場合、その社会資本に対しては維持改良事業は行わずに老朽化するに任せ、耐用年数が来たところで撤去するというような選択も視野に入れていかなければならないんだろうと思うわけですが、その点について部長のお考え、どのように考えておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇西畑県土整備部長 維持管理費についての松谷さんの論文は私も読みました。私が記憶している限りにおきましては、松谷さんの論文は、今のまま公共事業費が下がっていったときに、2025年ぐらいにもう交差して新規投資ができなくなるという論文でございますので、まず前提条件があるということを御理解賜ればと思っております。
 しかしながら、先ほど企画担当課長も申し上げましたように、これからも維持管理、補修、更新の投資は必ずふえていくものだと思っておりますし、きちんと管理しなければ、県民に社会資本を享受していただけないと思ってございます。
 要らなくなったのはもうやめたらいかがかというような御趣旨の御質問だったのではなかろうかと思っておりまして、今、特に県土整備部関係では、道路の舗装の点検を平成16、17年度できちんとやりました。それから、橋梁を平成18、19年度で、これは振興局の職員、それからコンサルタントの人も一部頼んできちんと点検してございます。
 県土整備部の中では、ほかも維持管理費はたくさんかかるわけでございますけれども、特に道路関係が大きな比率を占めてございますので、自分たちできちんと点検をして、その結果に基づいて修繕計画を立てていくことが大事だ、そういうことで進めてございます。
 それから、要らなくなったものについてということでございますけれども、岩手県内は非常に広くて、人家も散在しているところもあって、じゃ、1戸だけのところはもういいじゃないかというところまではちょっと言えないと思っておりますので、私どもとしては、今ある施設をうまく長持ちさせて使っていくというようなことで、きちんと維持管理に努めてまいりたいと思っております。
〇菅原一敏委員 私からも2点についてお伺いいたします。まず、1点目は、住宅供給公社についてお伺いいたします。
 財産に関する調書の9ページに住宅供給公社の出資金1、500万円が記載されておりますけれども、まず、この住宅供給公社の県以外の出資者の状況について、それから基本財産全体に占める県出資金の割合についてお伺いしたいと思います。
〇西畑県土整備部長 住宅供給公社の県の出資は1、500万円でございまして、出資割合が66.67%でございます。あと、盛岡市260万円、花巻市35万円、北上市40万円、奥州市60万円、一関市35万円、宮古市90万円、釜石市130万円、遠野市25万円、久慈市25万円、大船渡市40万円、陸前高田市10万円、合わせまして2、250万円でございます。
〇菅原一敏委員 ありがとうございました。
 住宅供給公社につきましては、設立以来、市町村と連携しながら、文字どおり良質な住宅を低価格で県民に提供する、こういう事業に携わってきたところでございますが、このたびの県の出資法人改革の一環として、平成20年度末での解散が予定されているところでございます。
 そこでお伺いいたしますけれども、解散に向けてのさまざまな課題があるだろうと思うわけでありますが、保有財産の販売処分はどうするのか、あるいはプロパー職員の再就職と処遇をどうするのか、さまざまな課題があるだろうと思いますが、これらの課題にどのように今対応されているのかお伺いいたします。
〇西畑県土整備部長 まず、保有資産の処分についてでございます。
 平成20年度の解散までにすべての資産を処分すべく取り組んでおるところでございます。平成16年度で92区画、17年度で161区画、18年度で101区画ということで、今年度分の43区画を加えまして397区画でございまして、進捗率が57%という状況にございます。
 それから、公共施設用地というものがございまして、これも23物件中、平成18年度までに6物件、その他用地については52物件中44物件の処分を行っております。
 残資産につきましては、公社において引き続き積極的に販売促進に努めるということが大事でございますけれども、解散までもういとまもございませんので、解散までに販売できない資産が出る可能性が考えられます。この取り扱いにつきましては、先ほど御説明いたしました出資団体、それから、現在ある土地の所在市町と協議を行ってまいりたいと考えております。
 それから、もう1点、解散に向けての課題の中で職員の再就職についても大事な課題でございます。現在、公社では職員の相談窓口あるいは早期退職者に対する優遇措置の制定、あるいは再就職の支援研修制度の導入、あるいは民間の再就職支援会社との契約というようなもの、さまざまな手段を使って職員の再就職の支援に努めてございまして、この結果、平成18年度中に3名、今年度も1名の再就職が実現してございます。
 県としては、この職員の再就職というのは非常に大事な問題と認識してございまして、これまでも県や、あるいは盛岡市などの関係団体なども訪問して、いろいろな情報を集めたり、あるいはお願いしたりということをやってきたところでございますが、今後も引き続きまして、再就職に有用な情報がございましたら、情報提供に努めて、円滑な再就職ができますように努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
〇菅原一敏委員 職員の再就職につきましては、しっかりと対応されるようにお願いしたいと思います。
 分譲宅地の処分、販売でございますけれども、現時点で397区画中57%の処分というお話でございましたが、解散まで残り1年半を切っているわけですが、残りの43%について、果たして完売できるのか非常に心配なわけでございますが、その完全販売のために何か特別な対策を講じる、あるいは販売価格の引き下げ等、さらにされるお考えはないでしょうか。その辺、お伺いいたします。
〇西畑県土整備部長 ちょっと私の答弁がまずかったわけでございますけれども、397区画というのは既に売れた部分でございます。それで43%残っておるわけでございますけれども、これは積極的に販売促進に努めてまいりたいと思っております。
 現在でも、それぞれの団地ごとにキャンペーン価格を設定しておりまして、この団地は例えば10%割引でありますとか、そういうような設定をしておりますので、これから新たにさらなる値下げということは、既に御購入いただいた方々との関係もございますので、現在のところは考えてございません。
〇菅原一敏委員 それから、先ほどお話がありましたけれども、それぞれの団地内には、駐車場用地でありますとか、あるいは集会施設の用地、公園用地などが公社所有のままあるところもあるわけでございますが、これらの処分については、土地の所在市町村との協議というお話でございましたが、どういう姿勢で協議をされようとしているのか、無償譲渡するのか、あるいはある程度の今後の長い間の維持管理がかかるわけですから、そういうことを踏まえた上での価格設定をされるのか、どういう基本的な対応を考えておられるのかお伺いします。
〇西畑県土整備部長 公共施設用地、あるいはその他用地につきましては、これまでも関係市町村と協議してまいったわけでございまして、これからも市町村との協議の中で円滑に処分ができるように努めてまいりたいと考えております。
〇菅原一敏委員 ぜひ、地元市町村の意向を酌みながら、円滑に公共施設等用地の処分が進むようにお願いしたいと思います。
 最後に、これから解散に向けての手続がどうなるのか、お伺いしたいと思います。
〇西畑県土整備部長 平成17年6月に地方住宅供給公社法が改正されまして、自主解散の規定が整備されました。これによりまして、公社は、設立団体の議会の議決─県議会でございますね、県議会の議決を経て、国土交通大臣の認可を受けたときに解散できるということになったところでございます。
 県といたしましては、先ほど申し上げました資産の処分あるいは職員の再就職といった部分をきちんとやりながら、解散認可に向けて、国とも事前の協議を進めていくこととしてございます。
〇菅原一敏委員 長期の借入金等もあるわけでございますけれども、ぜひとも資産処分を順調に進められまして、黒字清算になるように頑張っていただきたいと思います。
 次に、もう1点お伺いいたしますが、事項別明細書の301ページになりますけれども、津付ダムの建設事業についてお伺いいたします。
 津付ダムにつきましては、昭和52年から、これは県単の調査事業に着手いたしまして、もう既に30年という長い長い年月が経過しているわけでございます。そしてこの間、地権者の皆さん方には大変な御迷惑をおかけしてきているところでございます。生活の基盤を失って、そして移転を余儀なくされた地権者の皆様方には、これまで賜りました御理解と御協力に対しまして感謝を申し上げなければならない、そういうふうに思っているところでございます。
 そこでお伺いいたしますけれども、この事業の全体計画、総事業費、それから、これまでの進捗状況、事業費ベースでの進捗率、それらについて、まずお伺いしたいと思います。
〇佐藤河川開発担当課長 津付ダムの進捗状況についてお答えいたします。
 津付ダムでございますけれども、平成12年度に国庫補助による建設事業として採択されたところでございます。この間、各種調査と用地交渉などを進めてきたところでございますが、おかげさまをもちまして、地権者の皆様の御理解と御協力によりまして、平成17年7月に津付ダム建設に伴う損失補償協定の調印がなされまして、平成18年度末までに水没地権者の皆様方の移転を完了したところでございます。
 続きまして、事業の事業費ベースでの進捗率でございますけれども、全体事業費が141億円となってございます。平成18年度末までの進捗状況でございますけれども、総事業費141億円に対して累計事業費が22億4、300万円となっておりまして、進捗率では15.9%となっております。
 ダム建設に伴いまして、国道397号のつけかえがございますけれども、国道の全体事業費は73億500万円になっておりまして、平成18年度までの事業費の累計は1億5、500万円となっておりまして、進捗率は2.1%となっております。
 つけかえ道路についてでございますけれども、今年度、つけかえ道路の工事用道路でございますが、間もなく着工することとなっております。
〇菅原一敏委員 ちょっと確認させていただきますが、141億円の中に73億円のつけかえ分があるのか、これは別なのか、それはどちらですか。
〇佐藤河川開発担当課長 141億円というのはダム本体とつけかえ国道の舗装工事の分、合わせて141億円になってございます。
 道路のほうの73億円というものでございますけれども、こちらにつきましては、ダムの補償工事で負担いたします37億円、これは先ほどの141億円の中に入っておりますけれども、31億円と道路拡幅分で道路管理者が負担することとなっております約36億円、合わせて73億円がつけかえ国道の事業費になるということでございます。ですから、全体で言いますと、ダム事業費と道路事業費合わせまして約177億円になるということでございます。
〇菅原一敏委員 国道397号のつけかえ工事もこのダム事業の中には含まれているということでございますが、397号は、沿岸部から、気仙地区から奥州市あるいは北上市へ抜ける産業道路として非常に大事な道路でございますので、この道路の整備とあわせて、今後力を入れて取り組んでいただけるようにお願いしたいと思います。特にも、部長の説明にもありましたけれども、平成18年度で鷹生ダムの整備が完了したわけでございますから、その分の大変大きな事業費の枠も次年度以降は余るわけでございますから、ぜひとも予算獲得に部長の力を発揮していただきまして、大型予算を組んで津付ダム事業の整備促進をしていただきますようにお願いしたいと思います。
 部長から所見があればお伺いして、これで終わります。
〇西畑県土整備部長 397号の改良につきましては、津付ダムに関連する部分を津付道路と呼んでおりますが、これはこれからでございます。その先のほうを今、高屋敷工区と呼んでおりまして、ここは盛んに工事を行っておるところでございます。県内の横軸の重要な路線だと考えてございますので、ダム事業とあわせまして、国道の改築事業にも精力的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇喜多正敏委員 私からは2項目について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、広域公園についてお伺いをいたします。
 広域公園は、県民に潤いを与えることはもとより、岩手県の自然や風土を観光客に与えるということで、大きな効果を発揮しているわけでありますが、まず最初に、広域公園の利用客数についてどのようになっているか、お伺いをしたいと思います。
〇沢口都市計画課総括課長 広域公園の利用者数でございますけれども、広域公園は花巻の広域公園と御所湖の広域公園がございます。花巻の広域公園では、公園の利用者数は平成17年度が8万9、000人、18年度が10万9、000人と、約2万人ほどふえてございます。それから、御所湖広域公園では、これはファミリーランドの利用者数でございますけれども、平成17年度で2万4、425人、18年度で2万9、458人と、5、033人ほどふえてございます。そのほかに、有料の施設もありまして、若干増減している状況にございます。
〇喜多正敏委員 この広域公園の利用が少しずつでも伸びているということは大変好ましいことだと思います。御所湖広域公園には、遊歩道や展望、あずまや等がありますが、こうした施設についての維持管理はどのようになっておられるでしょうか。
〇沢口都市計画課総括課長 維持管理についてでございますが、御所湖広域公園は、平成18年度から指定管理者を指定し管理を行わせております。
〇喜多正敏委員 このせっかくの公園が、季節によっては雑草が繁茂し、非常に潤いを与えるべく快適な空間が、行くことによって、何かがっかりするような状況に立ち至っているということでありますが、そうした管理については、きちんと目が届くような形で管理をしていくことが必要ではないかと思っております。
 また、御所湖広域公園には南部曲り家が設置をされておりますけれども、この管理については、どこがどのように行っておられるでしょうか。
〇沢口都市計画課総括課長 今、南部曲り家の前に道路のお話がございましたけれども、遊歩道がございます。遊歩道の維持管理でございますが、これも指定管理者が歩道周辺の刈り払い、樹木の剪定、枯れ枝の除却等を行っているほか、道路敷地や駐車場に伸びた枝の伐採などに努めております。
 また、公園の安全性を確保するために、指定管理者が毎日公園内を巡視することとしているほか、シーズン初めには、県として管理者が共同で施設の一斉点検を行っております。こうした活動を通じて問題点を把握するとともに、利用者の声に耳を傾けながら、今後とも、利用者が利用しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 また、南部曲り家でございますが、南部曲り家の維持管理については、同じように指定管理者に管理していただいているところでございます。
〇喜多正敏委員 あのかいわいをよく通るわけでありますけれども、残念ながら、曲り家がなかなか開館をしている日が少ないということで、大変魅力的な施設でありますので、地域の方々からも、もう少し有効に活用することができないかなと。あるいは、あそこで祭事を行う場合には、物品の販売がなかなかできにくいというような決まりもあるということで、そうしたことで弾力的に活用ができないかという話を耳にすることがあるわけでありますけれども、その辺はどうなっておられるでしょうか。
〇沢口都市計画課総括課長 南部曲り家は、実は人が管理しているものではございませんで、どなたが行ってもその中に入ってごらんいただけるという施設でございます。これまで神楽の公演を行ったり、地元の作者による工芸品の展示や、テレビ番組の収録にも活用されてきた例などがございます。情報発信基地としての曲り家の活用も考えられるところでございます。
 また、物品の販売についてもありましたけれども、施設見学者の支障にならない限度で認められるものでありますが、物品販売も含め、曲り家の一層の利活用に努めてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 公式的にはそういう話になるわけでありますけれども、実態としては、指定管理者に対する予算措置とかいろんな状況もあると思いますけれども、きちんと整備された形にはなかなかなっていないように感じております。したがいまして、地域では、例えばつなぎ温泉とか小岩井とか手づくり村でわいわいプロジェクトとか、あるいはダム管理者と連携した団体でいろいろその辺の振興策とか維持管理について、湿地公園なども含めてボランティア的な活動も行われているわけであります。私は、こうした中ですべて県がやるということではなくて、でき得れば地域の方ということで、例えばイギリスから発生をし、静岡県の三島で大いに発展をしたわけでありますけれども、グラウンドワークということで、地域の住民や企業あるいは行政、こうした方々が一体となって環境改善、こうしたことについて努めていく手法がいいのではないかなと思っているわけでありまして、そうしたことについて、例えば盛岡の西松園では地域公園を維持管理しているということや、滝沢の親水公園の区域では、振興局と村とそれから住民が砂防ダムの親水公園を建設して維持管理をしているという状況もありますので、ぜひ広域公園であってもそうしたことを進めながら、もう少し管理の徹底がなされるようにしていっていただきたいと思っておりますが、その辺はどうでしょうか。
〇沢口都市計画課総括課長 指定管理者による管理が適正に行われているか否かの検証は、第三者による県立都市公園管理運営検討委員会を組織して検討しております。昨年は2回委員会を開催しておりまして、今年度は1回開催するという予定しております。その中で、今、御提言があったことについて議論等をしていきたいと考えております。
〇喜多正敏委員 次に、まちづくり景観推進事業についてお伺いをいたします。
 景観は、住みよい環境あるいは訪れてこられる方に、地域の魅力を大いに訴えるものであります。しかしながら、県内を歩いてみますと、特に観光地周辺によく目につくわけでありますけれども、無人の住宅で荒れているものがあったり、あるいは閉鎖した集客娯楽施設、店舗、あるいは看板、せっかく美しい田園風景をつくっていこうという中にあっては、廃車あるいは産業廃棄物の集積所、資材置き場、こういったものが見受けられるわけでありますけれども、こうしたことについて、景観維持向上のために県としてはどのような指導、対応をなさっておられるかお伺いをします。
〇西尾まちづくり担当課長 観光地等における景観形成上の取り組みについてでございますが、県では、平成5年に、岩手の景観の保全と創造に関する条例を施行いたしまして、平成10年には岩手山ろく・八幡平周辺地域、平成12年には平泉周辺地域を、それぞれ条例に基づく景観形成重点地域に指定して、建築等行為に対する景観形成基準に基づいた指導、誘導等を行ってまいっております。これらの取り組みでは、平成10年度から平成18年度末までに、重点地域内の建築行為等につきましては863件届け出を受理いたしまして、建物の配置や色彩等について必要な指導を行っております。また、看板等につきましても、屋外広告物条例に基づく規制を行っているところでございます。
 委員御指摘の景観上好ましくない物件等につきましては、廃車、廃棄物等これらにつきましては、先ほど申し上げました条例に基づく制度上の規制対象となっていないということで、現状、指導がなかなか難しいという状況であるがために目につかれたものと考えてございます。これらにつきましては、地元の市町村はもとより、地域住民の方々による取り組みが非常に重要だと考えてございます。
 県では、景観形成に対する県民意識の醸成を図るためのフォーラム等を実施いたしまして啓発に努めております。さらに、平成16年度から、地域の景観点検事業というものを実施いたしまして、地域の住民の方々がみずから考えて活動する、地域の景観改善に向けた取り組みを今まで12件、本年度3件の活動を、住民団体に委託という形で実施しておりまして、県民意識に基づく景観形成の促進を図っているところでございます。
〇喜多正敏委員 こうしたものについては、個人財産や事業活動あるいは関連する法整備等が、なかなかかゆいところに手が届くといったところまではいっていないのかなということで、やむを得ない面もあるわけでありますけれども、今後、平泉の世界遺産登録や岩手の国体ということで交流人口をふやそうという動きが一層強まってくるわけであります。また、ソフトパワー戦略ということで、我々の生きざまが観光の一つの大きな力になっていくということにもなると思いますので、ぜひとも、景観形成とそれからこうした観光施設、特にも県有施設については、地域の方々と力を合わせながら、大いに管理そして向上に努めていっていただきたいと思います。
〇岩渕誠委員 私からは1点、木造住宅の耐震診断にかかわる問題についてお尋ねをしてまいります。
 まず、本論に入ります前に、耐震偽装の関係で、このかかわりといいますか関与も取りざたされる建築士が、県内においても手がけたところが1カ所あるという報道がありました。耐震偽装、構造計算書等の問題については、県の所管分とそれから盛岡市の所管分とあると承知をしておりますが、いずれこの審議については早急に調査をしていただくようにお願いをしたいと思っております。これはお願いにしておきます。
 それでは本論に入ります。
 県内の耐震診断の状況と耐震化率について、平成18年度さまざまな診断を行ったと思いますが、その状況について倒壊危険度がどの程度あったのかも含めて、まずお示しをいただきたいと思います。
〇鈴木建築住宅課総括課長 耐震診断の状況でございますけれども、平成18年度までに、合計で1、310戸の耐震診断を行ってございます。その結果、95%の建物につきまして倒壊の危険性があるというような診断結果となってございます。
 それから、もう一つの木造住宅の住宅全体の耐震化率のお話がございましたけれども、平成18年度で65%ということになってございます。
〇岩渕誠委員 1、310戸についてでありますけれども、当然御承知のとおりといいますか、昭和56年の建築基準法の改正以前のものについてこれは耐震を診断していると思います。阪神大震災等の資料を見ますと、昭和56年以前と以後では、大きく破損する率が違うわけでありますけれども、まず、全体の話をちょっとお聞きしたいんですが、全体で岩手県内では耐震診断の対象になる建物がどの程度あって、今の耐震診断がどの程度まで進んでいるかという率。それから阪神大震災以降、中越地震、大きな地震がありました。ちょうど3年だそうでありますけれども、その中において、この耐震診断の成果というものをどのように県としてとらえているか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
〇鈴木建築住宅課総括課長 県内におきましては、旧耐震基準によるものの木造住宅が約17万戸ございます。それに対して、耐震診断済みのものは先ほど申し上げましたように1、310戸ということで、診断率について換算すれば0.8%と、大変低い状況になってございます。それで、新潟県の中越沖地震あるいは3年前の新潟県中越地震におきましても、このような旧耐震基準による住宅が多く倒壊したものと認識してございます。
〇岩渕誠委員 耐震診断が0.8%であるということ、それぞれの年度による予算というものもありますでしょうから、その部分について理解しないわけでもありませんが、どう見ても0.8%というのは低いと。当然、人的被害、物的被害に直結をいたしますので、特にも岩手県、宮城県沖地震が近年来ると言われておりまして、特に県南、沿岸の住民にとりましては本当に心配がされるところであります。そうした中でこの0.8%という数字は、これ何とかしてほしいというのが思いでありますが、これは耐震診断の進め方について私はちょっと問題を提起したいのでありますが、診断を進めるに当たってどういったような協力体制をしいておるのでしょうか。例えば、診断をする診断士の問題がありますが、自主防災組織であるとか、あるいはその他の関係機関との連携をとった上で耐震診断について周知を図っているのかどうか、この問題を部局横断で取り組まなければならない問題だと思いますが、今までの実態をお教えください。
〇鈴木建築住宅課総括課長 県の耐震診断の進め方でございますけれども、耐震診断に当たって技術的な知見が必要になるかと思います。したがいまして、県内で言いますと、建築士会あるいは建築士事務所協会という建築関係団体の協力を得まして、1、000名余りの耐震診断士を育成してございます。それで、実際、年間900戸程度診断をやっておるんですけれども、その際には、こうした建築関係団体、それから市町村のPR、あるいはこの両者に県も加えましてPRを行いながら、耐震診断を促していくという取り組みになってございます。
〇岩渕誠委員 私、市町村とか関係のところを訪ねてみますと、やはりセクショナリズムといいますか、建築住宅課とか県土整備部の中の話に終わっておりまして、例えば自主防災組織でありますとか、建物共済を手がけるJA関係とか、あるいは損保関係との連携というものがなかなかとられていないのではないかと思います。こういったところと連携をして耐震診断を進めること、これ受診率のアップにもつながると思います。実際、市町村の中では大変重要な事業だとわかりながら、県民側のほうでなかなか周知が進まないということで、8割程度の受診率に終わっているというところもあるようでございますので、その点は改善を進めていただきたいと思います。
 それからもう一つでありますが、これは耐震診断というのはあくまでも防災、減災上からは入り口にしかすぎないと。つまり、倒壊危険と判定されたうち、どの程度改修になったのかというところが肝要なところでありまして、その点でお伺いいたしますが、この1、310戸のうち95%に倒壊危険度があるということでありますが、このうち実際に改修に入ったものというのは何件ありますか。
〇鈴木建築住宅課総括課長 改修の戸数でございますけれども、現在、大船渡市、陸前高田市、釜石市の3市におきまして耐震改修の支援というものを実施しておりまして、大船渡市でこれまでに6戸、釜石市で3戸の改修になってございます。
〇岩渕誠委員 大変少ないという気がいたします。今、沿岸の三つの自治体においては支援を行っているということでありますが、これ県レベルで申しますと、耐震改修まで含めた制度を設計しないと、これは目的を達しないと思うんですね。他県の例を言いますと、ほかの県では耐震改修の制度に対する補助というものがあったはずであります。これ国もたしかやっているはずでありますが、岩手県はまだ導入をしていなかったと承知をしておりますが、こういうところをきちんと、出口の部分をある程度見ないと、これは診断をするだけでは目的の達成になりませんが、そのあたりをどのようにお考えでしょうか。
〇鈴木建築住宅課総括課長 委員御指摘のように、耐震診断の後に耐震改修に進むということは、大変重要なことだと思っております。県の耐震改修の助成は現在はないところでございますので、まず住民を誘導するために、例えば10月を耐震促進運動月間として設定するなど、普及啓発を中心に取り組んでいるところでございます。ただ、そうはいいますものの、耐震改修に対する助成につきましては、この7月から9月にかけて実施いたしました、これまで耐震診断を受けた方々を対象としたアンケート結果、あるいは県内の市町村の耐震診断や改修に取り組む状況を見ながら、検討していきたいと考えているところでございます。
〇岩渕誠委員 くどいようでありますけれども、この耐震診断の制度というもの、これはなぜ出てきたのかということをもう一度原点に立ち返ってお考えをいただきたいというものであります。阪神大震災等において、本当に多くの方々が被災をし圧死をしたと。つまり、つぶれて下敷きになったと。こういう犠牲のもとで、これを踏まえて耐震診断をし、耐震改修を進めようと。特にも、被害の大きかった昭和56年以前の旧建築基準法に基づく木造建築物については、これは急を要するという行政判断があるはずでありますから、ぜひそこは、耐震診断をするというのが目的ではないのであります。最後は人命をどうやって救うかと、こういうことでありまして、岩手県の置かれた状況は、本当に近々に地震がやってくるのだということがわかり切っているわけでありますから、ぜひその点お考えをいただいて、人命救助の観点から、防災の観点から、本当に救いになるような制度設計、助成のあり方というものを考えていただきたいのでありますが、部長、その辺いかがお考えでしょうか。
〇西畑県土整備部長 委員御指摘のとおり、診断だけしても改修なり建てかえなりをしない限り、建物の安全性、それからそこに住んでいる方々の安全性を守れないわけでございます。それから、宮城県沖地震が日本国内では一番切迫した地震だと認識してございますので、委員御指摘の意を踏まえまして、制度設計、耐震改修につきまして検討してまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 予算等の面で大変厳しい面があるかとは承知をしておりますが、ぜひ前向きに取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
〇斉藤信委員 それでは、最初に先月の大雨洪水による被害状況と対策についてお聞きをします。
 昨年も低気圧による大きな災害がありました。9月の台風9号と大雨洪水による河川にかかわる被害状況、これ北上川も含めてどうだったか。
 二つ目に、堤防に対する詳細点検を、この間35河川、約109キロでやっていますが、その結果はどうだったでしょうか。
 内水被害に対する対策はどうだったでしょうか。
〇若林河川課総括課長 県管理河川におきます河川施設の被害額をまず、9月7日の台風9号でありますが、86カ所、16億5、700万円、それから9月16日から18日の豪雨では、166カ所、37億4、000万円となっています。また、浸水家屋でありますが、台風9号では、気仙川や甲子川など3河川におきまして、床下浸水が12戸、それから16日から18日の豪雨では、八幡平市の安比川を初め、18河川で床上浸水が43戸、床下浸水が109戸となっています。それから、北上川の直轄の河川施設の被害でありますが、20カ所、約30億円と聞いております。それから、全体になりますと、総合防災室のデータがございますが、台風9号では床上11戸、床下32戸、それから9月16日から18日にかけては、床上が98戸、床下浸水440戸と把握しております。
 次に、河川管理、堤防の管理についてでございますが、従来から堤防を中心に河川巡視を実施してきておりまして、本県では平成16年に新潟県、福井県の中小河川において洪水による堤防が破堤したということを受けまして、平成16年、17年で堤防点検を実施したところであります。平成18年度に、被災の履歴それから背後の市街地が進んでいる、つまり、破堤すると非常に危ないであろうと考えられる簗川など3河川4カ所についてボーリング調査を行いました。その結果、簗川と木賊川におきまして、堤防への浸透に対する安全性を確保するためには、何らかの補強対策が必要となったということであります。このことから、堤防強化対策の実施が必要と判断された簗川などにつきましては、国庫補助事業による堤防強化対策を要望するとともに、出水期前の堤防点検の実施や日常の河川巡視、それから出水期における河川パトロールの強化及び水防警報等指定河川の指定など、ハード、ソフト、あわせた両面に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、内水対策でありますが、県では、これまで宮古市津軽石地区など10カ所の固定式排水ポンプ場、それから釜石市松原地区など2カ所の排水樋管を整備してまいりました。加えて、移動式ポンプ車2台などを配備し、対応を図ってきたところであります。
 また、国土交通省では、花巻市後川地区など6カ所の固定式排水ポンプ場を整備してきたほか、移動可能な排水ポンプ車を6台配備しております。今回の出水に際しても、各所ポンプ場がフル活動いたしまして、排水ポンプ車も花巻市後川地区、盛岡市みたけ、それから紫波町二日町などに出動し、浸水被害を最小限にとどめたと聞いております。
 今後とも、国や市町村と連携を図りまして、水防情報の速やかな共有、排水ポンプ車などによる水防活動への支援によりまして、減災に向けた取り組みを一層強化してまいります。
〇斉藤信委員 私、今回の台風とあわせて、大雨洪水対策の教訓を今後の治水対策に生かすべきだと。北上川に限って言うと、カサリン、アイオン以来の降雨、水量だったと。それで、実は北上川も31%が破堤のおそれのある堤防なんですよ。無堤のところもあります。こういうところで大変大きな被害を私は出したんだと思いますよ。県管理の河川もそうだと思いますね。だから、ダムダムと言わないで、現実の大雨洪水被害に対応する、こういう堤防の強化こそ私は必要だと。
 あと、内水の問題で言いますと、都南地区でも内水被害があったんですけれども、今回のような大雨洪水でありますと、もう全然内水を吐くポンプが設置されていない。だからそういう意味でいけば、ぜひ今回総点検をして、今回の被害から見てどういう対策が必要なのか、ぜひこれきちんととっていただきたい。第1点はこれで終わり。
 次に第2点。今の教訓から、私は簗川と津付の問題についてお聞きをしたいんだけれども、実は簗川の場合どういう雨が降ったかといいますと、2日間雨量で流域平均雨量が161ミリでありました。そして葛西橋地点におけるピーク流量は200立方。これは雨の量で見ますと、20年に1回の雨に値するんですね。ところが、流量で見ますと、簗川ダムをつくるときのあなた方の試算は、20年に1回の雨が降れば450立方流れるはずなんだけれども、実際には203立方でありました。私ね、やっぱり簗川の試算は極めてずさんではないかと。
 もう一つ、簗川流域の洪水ピークはどうなっていたかといいますと、葛西橋付近、いわば河口に比較的近いところ、これが17時。宇曽沢というのはそれからもう少し上流に行ったところですけれども、23時。中村というのが簗川上流地点でありますけれども、21時。簗場というのは根田茂川になりますけれども、16時でした。この簗川、根田茂川というのは、いわば根田茂川の流域面積が広いということもあって、川の特性から、自然に洪水調節をしているということがここからも見えるのですよ。私、こういう自然の特性から言って、簗川と根田茂川が合流するところにダムをつくったら、結局洪水のピークを合わせてしまう。あふれたら流してしまうという、大変なことになってしまうんじゃないか。一番危険なのは、先ほど言われたように、河口付近の堤防強化なんですよ。ここをしっかりやれば、基本的には安全が守られるというのが簗川の特性。私は、簗川については今回の大雨洪水からもきちんと教訓を踏まえて、簗川の特性に応じた対策こそとるべきだと思いますが、いかがですか。
〇佐藤河川開発担当課長 簗川の特性を生かした河川改修に転換すべきではないかという御質問がございました。
 まず、先日の雨でございますけれども、簗川流域に降った雨は、20分の1程度の確率の雨に対して流量が小さかったのではないかというお話が1点ございましたけれども、24時間雨量では確かに20分の1程度の雨になってございますけれども、今回の雨の特徴といたしまして、1時間あるいは2時間の短時間降雨強度という言い方をするんですけれども、この確率について見ますと、それほど大きな雨にはなっていないということで、結果として雨の総雨量は大きかったのですが、ピーク流量はそれほど大きくならなかったのではないかと考えてございます。
 続きまして、根田茂川と簗川本川につきましては、洪水の到達時間が違うということで、ピークがずれているから自然に調節していると。それを、ダムをつくることによってピークを合わせることになり、危険なのではないかという御指摘ございましたけれども、この件につきましては、さまざまな雨の降り方を検討して流出計算、検討をしております。それらの流出特性を踏まえたダム計画を立てておりまして、それに基づいて下流の流下能力に見合ったダムを計画しているというものでございまして、決して簗川の現在の自然調節より危険なものになるということは考えてございません。
〇斉藤信委員 簗川というのは、河口付近が人口密集地帯。ここは100年に1回の洪水を通す許容量があるのですよ。だから、基本的にここの堤防が破堤しなければ安全は守られるのです。
 もう一つ、根田茂川流域というのは、簗川流域の2倍の流域面積を持っているのですよ。これはもう当たり前の話で、いろんな雨の降り方があるだろうけれども、そのことによって洪水を調節していると、これ専門家がはっきり指摘していることですよ。あなた方も、30分以上洪水のピークはずれると、大規模評価委員会でちゃんと報告していることですよ。いいですか。基本的には、堤防の強化によって人口密集地帯の安全は守られる。そして、この河川の特性として自然の流れで洪水のピークを調節している。だったら、無駄なダム要らないじゃないですか。私はそのことを指摘しているのですよ。いかがですか。
〇佐藤河川開発担当課長 簗川の下流堤防について補強あるいは強化をすれば、簗川については安全になるという御意見がございましたけれども、現況の簗川全体の流下能力を申し上げますと、10年に1回程度の洪水までは流せる能力があると。下流についてはもう少し高くて、100年に1回の洪水が流せるほどの断面があるというお話がございましたけれども、それは堤防の天端まで使った場合に100年に1回の洪水に対応できるということでございまして、通常、河川堤防を考える場合には、川の流れ、波打って流れると、あるいは堤防の安全性などを考慮いたしまして余裕高というものを取り入れてございます。その余裕高を考慮いたしますと、下流の広いところについても、100年に1回の流下能力を持っているものではないという状況でございます。ですから、危険な区間については、先ほど御指摘ありましたように、堤防の補強等を考えていく必要はございますけれども、100年に1回の治水安全度を確保するためには、やはりダムは必要であると考えております。
〇斉藤信委員 簗川ばかりやっていられないので一言言いますと、私はもう簗川の特性も言いました。河口部分は基本的には100年に1回という、そういう許容を持っている。だから、必要な河川改修をしたら、200億円もかかるようなダム本体をつくらなくても対応できると。掘り込み河道と言って、いわば中流、上流域はあふれても戻る川なのですよ。そのことをこれは指摘しておきます。
 津付ダムなんですけれども、先ほどお話がありました。津付ダムの道路が何でおくれたかというと、無理無理ダムとセットしたからなんですよ。それで、今度この津付ダムについても、ダム建設予定地のちょっと下流ですけれども、高屋敷の流量というのが225立方だったんです。実はここは、ダム最大70年に1回の流量というのが250立方と予定しておりまして、ほぼそれに近い流量、降雨があったと。しかし、これだけ雨が降ったのに、気仙川本川にはほとんど影響がなかった。わかりますか。その上流にダムをつくっても、何も意味がないということですよ、これ。
 そもそも、気仙川本流に対して大股川上流にダムをつくっても、ほとんど洪水対策に大きな影響を与えないというのはあなた方も認めてきたところですけれども、私は今度の大雨洪水、これ気仙川を見ても大股川という支流の上流にダムをつくる効果というのは、これでは全くないのではないか。
 住田町内で床下浸水2棟だというけれども、これ気仙川支流の被害ですね、違いますか。
〇佐藤河川開発担当課長 2点お話があったかと思いますけれども、まず1点目でございますけれども、先日の降雨で高屋敷地区のほうではかなりの流量があったにもかかわらず、気仙川本川はそれほどの流量がなかったのではないかと。そういうところにダムをつくっても効果がなかったのではないかというお話がございましたけれども、ダム計画あるいは治水計画を考えるに当たりましては、流域全体の降雨量を考慮しながら計画を立てていくものでございます。今回の雨は、たまたま地域的な偏りあるいは時間的な偏りがあって、結果として大きな出水にならなかったというようなことがございますけれども、気仙川につきましては、70年に1回の降雨に対応するような治水計画を県では考えているということでございまして、そういう場合には、津付ダムの効果はきちんと出てくるものだと考えてございます。
 あと、2棟の家屋の浸水でございますけれども、これは御指摘のとおり支川でございます。
〇斉藤信委員 ダム予定地の支流で大雨が降ったんですよ。ダムのないのにその影響は全くなかったと、私言っているんですよ。気仙川本川に大雨降ったら丸々その影響を受けるのですよ。いいですか。だから、本当は大きな被害がなかったら、そこにダムをつくる意味がないということなんですよ。わかっていますか。これは単純な話なんですよ。気仙川本川に大雨が降ったら、そのまま影響を受けるというのが気仙川の治水なんですよ。いいですか。影響のない支流につくるから、みんなが、なぜあんなところにつくるのかと。それは道路のためだとみんな思っているのです。ここに大問題があるのですよ。道路のためのダムなのですよ、津付ダムは。
 それで、私はことしの予算でも去年の決算でも各論については詳しく指摘していますので、改めて、そういう効果のないダムを141億円かけてつくる─いいですか、141億円のダムで30年に1回の洪水に対応できないのですよ。30年に1回の洪水に対応する河川改修は、94億円でできるのですよ。何でこんな無駄なことをやるんですか。
〇佐藤河川開発担当課長 今御指摘のありました30年に1回であれば、河川改修のほうがダムより経済的だという御指摘でございますけれども、気仙川につきましては、先ほども申し上げましたとおり、河川整備基本方針におきまして70年に1回の洪水、降雨に対して安全になるような河川にするということで、現在、県は整備を進めているというものでございます。当面、この20年から30年ぐらいの整備の計画といたしまして河川整備計画を立てておりますけれども、その中で、最終的には70年に1回の洪水に対して安全な河川にするんですけれども、まず、ダムをつくりまして30年に1回程度の洪水に安全なようにするということで進めているということでございます。最終的には、ダムと河川改修をあわせて70分の1の安全度にするという考え方で進めているものでございます。
〇斉藤信委員 そこがすごく大事なんですよ。河川整備の基本方針と当面の整備計画と、今は2段階になっているんですよ。そして、当面の整備計画というのは二、三十年のうちに整備するという目標なんですよ。いいですか。今の厳しい財政状況のもとで、二、三十年に1回、30分の1の治水対策をやったら、あとは未来永劫、もう、ほとんど可能性がないと言ってもいいんですよ。見通しのない70分の1のために、70億円の無駄遣いをしていいのかと私は言っているんですよ。今、全国、当面の整備計画が30分の1であれば、30分の1でふさわしい整備をするというのは常識ですよ。2段階で考えていますか。70分の1の治水を考えていますか。考えていないでしょう。当面の整備計画という2段階で出されたというのが、今の河川整備の方針なんですよ。70億円は全く無駄遣いじゃないですか。
〇若林河川課総括課長 今、70年に1回というのは、あくまでも気仙川として、治水対策として、ほかの県内河川のバランスを見ても、70年に1回は必要であろうと、うちではそういうふうに基本方針として立てているわけです。
 さて、それでは、河川を整備するときには、段階的な整備は当然我々も今やっております。段階的な整備のときに、ダムと河川改修という方策を今70分の1ではあるわけです。それで、津付ダムをつくれば、当面30分の1まで今上がりますと。今我々は約30分の1まで上がりますという言い方をしています。先にそれでは河川改修をしたらいいのではないかというのが斉藤委員のお話だと思いますけれども、ダムをやったほうが、全川にわたって治水安全度が上がるという一つのメリットがあります。ダム下流、それから河口まで一気に30分の1近くまで治水安全度が上がるということがあります。でも、河川改修をしますと、とにかく延長が長いものですから、極めて長い間工事をせんといかんということがありまして、まず、今、気仙川の治水安全度は10分の1程度なものだから─今回の雨は北上山地のほうに降ったもので、北上山地というか、沿岸ぶちに降りました。遠野、釜石それから住田の気仙川のこっち側ですね、東側に降ったもので、例えば種山とか物見山とか、あの辺に降る雨とまたちょっと違う形態だったわけです。そういうことからして、それぞれの雨に対応した形で、現在うちのほうではいろいろな流出モデルをつくって検討しておりますので、今回の雨は若干ちょっとこちら側に偏って降って、先ほど申しましたけれども、気仙川の流量自体が大股川と気仙川本川の配分になりましたということが今回の特徴であっただろうと思います。先ほど……(斉藤信委員「いいから、もう」と呼ぶ)
〇斉藤信委員 141億円のダムをつくって、50年に1回の洪水に対応できるというなら、まだ話もわかる。二十五、六年に1回の洪水にしか対応できないのですよ。30年に1回の洪水にも対応できないのですよ。高いダムをつくって、30年に1回の洪水にも対応できない。河川改修をやったら70億円安くできる。私、このことを考えなかったらだめだと。そういう致命的な欠陥を持った津付ダムなんだということを、これは指摘をしておきます。これを地域住民にちゃんと知らせて、簗川もそうですけれども、津付も流域住民の合意、納得は全然得られていませんからね。簗川だってあれですよ、48%は今の自然を守ってやってほしいというあなた方のアンケート調査結果ですよ。この点については引き続き、そういうことできちんと地域住民との正確な説明と合意を図っていただきたい。
 次に、花巻空港整備事業についてお聞きをいたします。
 花巻空港整備事業の進捗状況はどうなっているか。利用客の推移はどうなっているか。減少し続けているとすれば、その要因は何か。
 ターミナルビル整備事業、これが当初42億円から24億円ということになりました。ところが、ビル会社の負担は9億円から15.3億円にふえるのです。私、利用客が減っている中で、なぜこうやって、一方ではビル会社の負担がふえるという計画になったのか示していただきたい。
〇白崎空港課総括課長 花巻空港の進捗状況についてお尋ねをいただきました。
 花巻空港整備事業全体でですけれども、平成18年度末進捗状況は、事業費ベースで見ると85%となっております。事業の内訳を見ますと、滑走路の延長ですが、これは一昨年3月に既に供用を開始してございます。また、ターミナル地域は、再来年の春、供用を開始する予定でございまして、18年度末時点では77%の進捗状況でございます。あと、平行誘導路ですけれども、これは舗装工事を残すだけでございますが、5年間休止してございまして、進捗状況は87%、その他緩衝緑地の整備などに43%となってございます。
 次に、花巻空港の利用数の状況とその推移ということについてお尋ねをいただいております。
 いわて花巻空港の利用者数ですけれども、平成9年度、55万2、000人をピークに緩やかに減少しておりまして、平成18年度は44万6、000人、国内定期便が43万4、000人と国際チャーター便が1万1、000人となってございます。
 次に、減少の要因についてお尋ねをいただいております。
 空港の利用数ですけれども、航空会社JALの事情でありましたり、あるいは原油価格の高騰、あるいは地域経済の状況などの要因、あるいはダイヤの変動によりまして、その時々影響を受けて推移してございます。
 近年の減少の要因についてもう少し具体的に見てみますと、航空機の機材が少し小さくなって団体さんを受け入れられなくなったとか、あるいは就航先空港が同じ大阪の地区でも変わってしまったと。あるいは原油価格が最近高騰しておりますけれども、航空運賃が毎年上がっておって、それで鉄道との比較においてやや不利になっているのではないか。あるいは割引運賃が一部あったわけですけれども、これが廃止になった影響が大きいと考えてございます。
 最後に、利用者数が減っている中でターミナルビルの整備をして、それがビル会社のさらに負担を増すような経費負担になっているのではないかと、そういう見直しはどうなのかというお尋ねでございますけれども、まず事業費でございますが、ターミナルビルの事業費ですけれども、全体で、現時点では23億5、000万円ということで、2月の時点より5、000万円ほど減ってございます。内訳を見ますと、ターミナルビル本体が19億6、000万円、そのほか施工管理、租税公課、あるいは貨物ビルの整備などが3億9、000万円となってございます。
 次に、この計画の見直しによって、ビル会社の負担がふえたのではないかというお尋ねでございますけれども、この点については資金スキームが42億円の当初計画から今回大きく変わりましたので、そこの点について先に補足させていただきたいと思います。
 当初計画は42億円で計画しておりまして、そのうちビル会社が自分の内部留保で払う部分、あるいは金融機関から借りる、あるいは県から借りる、そういったものの額は42億円のうち当初は28億円ございました。委員御指摘の9億円というのは、恐らく自己資金と金融機関からの借り入れの部分だけのことを指摘されているかと思うんですけれども、このほかにも県からの借入金というものが23億円計画しておりましたので、ビル会社としては28億円を借りるという計画であったわけですけれども、今回の見直しでは事業費が24億円下がっているわけですが、自己資金それから借入金と、この部分については15億円というのを予定しております。借入金だけで見ますと、28億円が8億円にということになっておりまして、借入額は減ってございます。こういった事業規模の見直しによってこのように縮減することができたわけでございますので、ビル会社の負担と、経営的な負担という観点で言いますと、今、借り入れ金額が減ったことを申し上げましたけれども、軽くなったと言えると思います。
 また、このほかビル会社につきましては、さらに経営の効率化を図るために、先ほども申し上げました貨物ビルの整備費用の縮減であったり、あるいは借り入れ金額の縮減、支払い利息の縮減など、さらに経営の効率化に努めているところでございます。
〇新居田弘文委員長 斉藤委員に申し上げます。
 委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえ質疑されるよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 はい、わかりました。
 花巻空港については、平成9年度55万人が平成18年度には44万5、600人と、これ10万人減少ですよ。約20%。こうした中で、321億円の花巻空港整備事業をやってきたと。私、この見通しに本当に財政が一方で厳しくなる中で、この費用対効果はどうだったんだろうかと。本当にこれ反省すべき課題だと思います。これは指摘だけにとどめて、時間がないので、次にまとめてお聞きをします。
 先ほど住宅の耐震診断と耐震改修の取り組みに質問がありました。私、耐震改修に取り組んでいる全国の県の状況、何県やっているか。どういう補助額でやっているか示していただきたい。私はてっきり、6月の補正で岩手県もやるものだと期待していたんですよ。それが盛り込まれなかった。本当にこれ、防災対策から言っても経済対策から言っても一番効果の大きい、県民が切実に求めていた課題なんですよね。恐らく知事査定で落とされたんじゃないですか。そこらの経過がわかったら教えてください。必ずこれは早くやるべきだと。本当にこれは切実な課題で、県が音頭をとってこそ、全市町村が耐震改修に取り組めるわけだから、ぜひそのことについてお聞きをしたい。
 大規模林道川井住田線横沢-荒川区間、この進捗状況と猛禽類のモニタリング調査の状況はどうなっているか。
 大船渡港湾整備事業、この計画に対する今の事業の進捗状況と貨物取扱量の実績、今後これは四百数十億円の事業費になっているけれども、私はここで一たん立ちどまって実績を見て対応すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
 県道花巻大曲線の笹峠地区の新規工事について。
 6月補正に、知らない間に調査費が盛り込まれた。とんでもないことですよ。私はこの点で、今までどれだけの事業費をかけたのか。これから峠までの事業費というのはどれぐらい予想されて、費用対効果は幾らなのか。湯田から秋田の、あそこは今はもう合併したから名前変わっていますが、どのぐらい時間がかかるんですか。107号を回ったほうが、高速を回ったほうが、私は安全で早いと思いますけれども。冬期間、半年以上閉鎖するような道路の新規工事を進めるなんていうのは、今の財政状況の中で考えられないことだと思いますけれども、いかがですか。
〇鈴木建築住宅課総括課長 平成19年4月現在、26の都道府県が耐震改修への補助に取り組んでおり、さまざまな額ではありますけれども、一般的に言えば補助額60万円というところでやってございます。
 19年度の予算化につきましては、耐震診断に取り組む市町村や実施戸数が少ないことから、予算査定の中で事業化が図られなかったということでございます。県としては、先ほども申し上げましたけれども、県内の市町村の耐震診断や改修に取り組む状況等も見ながら、検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇沼崎農林道担当課長 緑資源幹線林道川井住田線横沢-荒川区間の進捗状況についてでございますけれども、川井村の鈴久名あるいは横沢と、遠野市の下附馬牛を結ぶ40.6キロの区間でございますけれども、平成18年度までの実績、開設済みの延長でございますけれども、39.1キロとなっておりまして、進捗率は延長ベースで96.3%となっております。
 それから、猛禽類の環境調査でございますけれども、平成9年度に希少鳥類の生息が確認されたところでございまして、それ以降、事業主体であります独立行政法人緑資源機構がモニタリング調査を継続してきております。緑資源機構では、その結果を専門家にお示しして、御意見をいただきながら、着工の時期とかあるいは施工の方法等に工夫を加えながら工事を進めてきているものと承っております。
〇竹本港湾課総括課長 大船渡港の港湾整備事業の今後の見通しについてでございますが、大船渡港港湾整備事業につきましては、永浜・山口地区で2バースの岸壁の整備を進めております。今年度末の事業費ベースでの進捗見込みは、国が整備している水深13メートル岸壁が86%、県が整備している水深7.5メートル岸壁や埠頭用地造成等が77%となり、国が整備を進めている水深13メートル岸壁については、平成19年度に一部使用を開始する予定と聞いております。
 また、大船渡港での計画貨物取扱量730万トンに対し、平成18年度実績が302万トンとなっております。今後の整備方向としましては、大船渡港は沿岸南部の産業活動を支える基盤でもあることから、現在整備中の施設について、着実に整備に努めてまいりたいと考えております。
〇深澤道路建設課総括課長 花巻大曲線の峠部の件でございますけれども、昭和55年度からこれまで、延長でいきますと4、785メートルでございますけれども、この延長に投資した事業費は約22億円でございます。それから、残事業でございますけれども、6月補正で計上しました笹峠でございますが約800メートルでございまして、事業費は7億円を見込んでおります。
 それから、いわゆる効果でございますけれども、時間短縮でございますが、盛岡横手線から107号を通って国道13号を通っていくという形で遠回りした場合との比較でございますが、距離にしますと45.9キロから29.1キロということで、16.8キロメートルの短縮になります。時間でいきますと、73.6分から50.9分ということで、22.7分の短縮ということでございまして、BバイCを計算いたしますと、1.6という数字になるものでございます。
〇斉藤信委員 最後。これで私終わりますけれども、緑資源機構は談合事件でこれは廃止になるんですね。ですから、今後、大規模林道というのは地方が必要だったらやりなさいと。これ、交付金に変わってしまうという方向が出されていて、私は本当に今後の、こういうやり方でいいのかということと、本当の意味で道路の必要性を判断して進めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、大船渡港湾については、私、今の事業費の段階でこれが完成したら、一度立ちどまって貨物取扱量の実績を見て対応すると。大体貨物取扱量はずっと減少しっ放しなんですよ、残念ながら。私はそういうことだと思いますけれども、いかがでしょうか。
 県道花巻大曲線、あなた方の試算、でたらめなんですよ。大体、半年使えない道路を比較できますか。幅員4メートルで、これ距離なんかで見れないのですよ。これ、半年埋もれて何に使われる道路なのか。地域間交流だったら高速道路を、高速道路だったらもっと早く行くでしょう。107号も立派に整備されているのですよ。そういうときに、貴重な奥羽山系の自然環境、豊かな地域を破壊して山岳道路をつくる意味がどこにあるのか。これ維持管理費もかかるんですよ、豪雪地帯で。私、本当にこういうものをちゃっかり進めるなんていうことを、必要な工事がたくさんある中で許されないことだと。
 最後の最後にお聞きしますが、実は自費で飲食やゴルフを利害関係者と726件やっていたというのが発表になりました。今、防衛省で大問題になっていますね。国はこれ禁止ですよ。ところが、お金を払えばいわばそういう利害関係のある人たちと飲食、ゴルフをやってもいいと岩手県は残念ながらまだなっている。私は、恐らく一番多いのは県土整備部ではないかと思いますけれども。飲食で611件、ゴルフで30件ありますけれども、県土整備部関係の実態はどうだったんでしょうか。料金を払えばいいということに、私はならないんじゃないか。
 岩手県土木技術振興協会の業務委託145件、9億4、900万円、これ落札率どうなっていますか。
〇沼崎農林道担当課長 緑資源幹線林道の必要性についてでございますけれども、緑資源幹線林道、御案内のとおり、地理的に非常に厳しい地域の森林整備を進めようということで、全国で7山地について進めているところでございますけれども、いずれこの北上高地を貫く北上幹線林道、森林整備はもとより、森林整備以外のさまざまな産業振興、それから地域の活性化、それから地域間交流とか、さまざまな面での効果が期待されております。そういうところで、これまでややもすると社会資本の整備が立ちおくれてきた地域、やっと日が差してきたというところですので、ぜひ地域の皆様の御意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと思っておりますし、我々としては前向きに取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、国の農林水産省のほうでは、交付金事業ということでお話をしておりますけれども、県としましては国の施策として進めてきたものでございますので、ぜひ残る区間についても国で整備していただきたいということで訴えてまいりたいと思っております。
〇竹本港湾課総括課長 港湾は沿岸地域の物流拠点、産業拠点として重要な役割を担っており、内陸部との物流ネットワークの構築により、さらなる物流コストの縮減、CO2の削減に寄与するものと考えております。今後、さらに県内の誘致企業はもとより、首都圏の荷主・船会社に対し、各港の特性をPRし新たな貨物の掘り起こしに努め、貨物定期航路の取扱貨物の集積拡充を図るとともに、新規定期航路の開設に努めるなど、港湾の利活用を進めてまいりたいと考えております。
〇深澤道路建設課総括課長 笹峠でございますけれども、整備の目的でございますが、岩手県側、秋田県とも豊富な観光資源がございまして、これらをネットワーク化をすることによって観光周遊ルートを形成するということも目的でございまして、これらによりまして、地域間の連携が図られるのではないかと考えております。
 なお、BバイCについてでございますが、冬期間は冬季閉鎖するということでございまして、BバイCの算出に当たりましては、夏季の通常期の215日間でBバイCを算出しておりまして、その結果として1.6ということでございます。
〇藤原技術企画指導担当課長 土振協への落札率はどうかという御質問でございますが、設計積算業務における平均の落札率は97.9%となってございます。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 利害関係者とのゴルフ、飲食の件数につきましては、ただいま調査をしておりますので、判明次第お知らせいたします。
〇斉藤信委員 97.9%という話で、あと残念ながらゴルフ、飲食は答えられなかったけれども、私、警察の被服も聞いたんだけれども、やっぱり一つは業者との癒着というのは許されないということと、こういう高率の業務委託というのはやっぱり見直さなければだめだと思いますよ。
 最後に、代表監査委員に聞いて終わります。
〇菊池監査委員 御指摘の趣旨、よく理解できます。
 一般論になりますけれども、予定価格が公表されていない競争入札において、100%あるいは97%、98%、99%、いわゆる限りなく100%に近い札で入る、あるいは落札するという現象をたまに見ます。非常に神わざ的な現象じゃないかなと内心思っております。ただ、一方で、ちょっと待てよという、疑問符ですね、実は気もいたしております。
 この間1週間ぐらい前ですか、ここで議論された警察の被服の際にも同じことが言えるかと思います。ただ、しかし、落札率が100%あるいは限りなく100%に近いと言っても、それは談合があったからだと、あるいは予定価格が漏れた結果だと断言できないことも事実であります。私たちは、きょう改めて提起された問題に深く関心を寄せて、監査委員として従来どおり厳正、公正な監査をやっていきたいと思います。
〇新居田弘文委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後3時13分 休憩
午後3時31分 再開
〇新居田弘文委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、吉田管理担当課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 利害関係者とのゴルフ、飲食についてでありますが、平成18年度、県土整備部本庁におきましては168件ございました。この168件といいますのは、お1人で何回か出ていらっしゃるものにつきましては、その1回ごと1件という件数になっております。
 相手方といたしましては、建設業協会青年部でありますとか、岩手河川ボランティアですとか、NPO災害サポーターシステム、あるいは岩手道路ボランティアクラブ。こういった岩手道路ボランティアクラブというようなものにつきましても、構成員として建設業の関係者の方がいらっしゃると考えまして、このような届け出をしているものだと承知しております。
〇新居田弘文委員長 質疑を続行いたします。
〇小野寺好委員 道の駅について伺います。
 20年ぐらい前から、当時の建設省がいろいろ力を入れてやってきたような、そういった記憶がありますけれども、さまざまな役割を果たしていて感謝しますが、中には、心ない利用者もいて大変かと思います。
 本県の道の駅設置及び管理状況はいかがでしょうか。特にも、地元の市町村とか町内会などの任意団体との関係、物品販売などでどのような効果、影響を及ぼしているか。
 あと、今後のことですけれども、設置要望とか、あるいは県として今後設置を考えているような予定があるかどうか伺います。
〇水野道路環境課総括課長 道の駅の設置についてでございます。
 現在、県内で道の駅として登録を受けている施設は、本年8月に新規に登録されました国道455号の道の駅三田貝分校を加えまして29カ所となっております。このうち、国の管理道路に設置されている道の駅は10カ所でございまして、県の管理道路に設置されている道の駅は19カ所ございます。
 道の駅の整備手法には、道路管理者が24時間利用可能な駐車場やトイレを整備し、あわせて市町村が物産館などの地域振興施設を一体的に整備する一体型と、市町村が単独ですべての施設を整備する単独型の二通りがございます。
 道の駅の管理につきましては、一体型は、道路管理者と市町村が管理協定を結びまして、市町村が日常的な管理を行っております。単独型は、市町村が管理を行っております。
 なお、多くの施設では、物品販売を担う団体などが、市町村から委託され実際の管理を行っていると聞いております。
 続きまして、道の駅の設置予定についてでありますが、一体型につきましては、現在のところ新たな整備の予定はございません。単独型の道の駅につきましては、市町村から登録要望が出された場合には、設置位置あるいは駐車場の大きさ、トイレの機能など、道の駅への登録要件がございますので、これを検討いたしまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 高速道路のETCについて伺います。
 利用者の購入費の負担という問題もありますけれども、おおむね料金所でのスムーズな流れが随分広がっているのかな、そんな感じを受けております。例えば、盛岡市内を通過する車については、割引してあげるから高速道路を使いなさいみたいな、そういった誘導なんかもありますが、渋滞緩和に対してどのような効果があるか伺います。
 あと、今後ですけれども、サービスエリアとかパーキングエリアから、ETC通過する部分についてだけ出入りさせようといった話も聞いていますけれども、本県内はそういった予定はいかがでしょうか。
〇深澤道路建設課総括課長 最初に、ETCの関係でございますが、県内のインターチェンジにおけるETCの利用率でございますが、最新のデータで、今年の9月分でございますが、約64%が利用しているということでございます。
 それで、渋滞対策への影響でございますが、今、平成17年1月から、ETC車を対象にしまして午前6時から9時までと午後5時から8時まで、おおむね50%の通勤割引などを行っております。
 これらの割引制度によりまして、盛岡でのピーク時の高速道路とこれに並行する4号の総交通量に対する高速道路の利用割合でございますが、平日で2%増加しているといったようなデータもございます。また、導入後の平成17、18年度の県内インターチェンジの1カ所当たりの日出入り交通量でございますが、これが平均3、470台でございまして、割引前の平成15、16年の交通量が3、310台でございますので、約5%増ということでございますので、並行する道路の渋滞緩和に一定程度の役割を果たしているのではないかと考えているところでございます。
 それから、SA、PAからの出入りの件でございますが、いわゆるスマートICということでございます。これは、ETCを活用しまして、いわゆるサービスエリアとかパーキングエリアなどから高速道路に出入りするということでございますが、今、県内でも幾つか動きがございまして、例えば平泉とか矢巾とか、そんなところで話題になっております。これらにつきましては、いろいろ越えなければならない課題もありますので、市町村や国土交通省あるいは東日本高速道路株式会社などとともに勉強していきたいと思いますし、また協議を重ねてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 盛岡市内の国道4号茨島跨線橋以北について伺います。
 高速道路滝沢インターからおりて盛岡に向かった場合に、すぐに巣子のあたりで渋滞、せっかく高速料金払ってきたのにといった思いをする方が多いと思います。国土交通省では、平成18年度末に、たしか新たな方針を発表したような気がしましたけれども、その内容について、行政あるいは学識経験者の意見及び地元の要望など、どのような反映がされているか伺います。
 あと、今後のタイムスケジュール。
〇沢口都市計画課総括課長 国道4号茨島跨線橋以北の4車線化タイムスケジュールについてですが、茨島跨線橋の盛岡市厨川三丁目から分レの滝沢村巣子地区までの延長約3、600メートルの4車線化について、国では平成19年度から事業に着手しました。
 県では、当該区間の都市計画変更を行うべく、本年1月に変更素案の公表、説明会を行い、4名の方々から原案作成に当たっての意見をいただきました。
 この意見について、国では本年8月と10月に、有識者や地元の代表等から成る一般国道4号盛岡滝沢道路懇話会を開催し、懇話会として、一部ルートを変更することでおおむね了とする意見をいただきました。
 県では、意見に対する国からの回答を待って、今後、手続を進め、早期に都市計画変更し、整備促進を国に強く要望してまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 同じく渋滞関係ですけれども、国道46号西回りバイパス建設状況について伺います。
 特に、館坂橋付近は非常に渋滞が少なくなったな、そういったふうに感じていますけれども、ただ、その一方で、46号のイオンの周辺、イオンから盛南のほうに向かう渋滞、あるいは盛南から青山に行く場合に、1遍右折するために結構渋滞が起こっています。たしか、盛岡市では都市計画を変更して、盛南から真っすぐイオンのわき、滝沢分レのほうに向かっていくような、そういった変更をしたかと思いますけれども、今後の予定を伺いたいと思います。
 あと、この西回りバイパスから県道の主要地方道上米内湯沢線、これへのタッチについてどのような予定になっているか。
 もう一つですけれども、この上米内湯沢線、日赤病院東の都南大橋から東、国道106号へのタッチ、どのような今後の予定になっているか。
〇沢口都市計画課総括課長 まず、国道46号西回りバイパス、イオン盛岡から滝沢分レの計画についてですけれども、これは、いわゆる西回りバイパスは、長期的な構想として、国道46号の盛岡西バイパスから北進して国道4号の分レの間で計画されているものですが、昭和47年3月の盛岡広域都市計画構想時から社会経済情勢等が大きく変化し、現在の道路計画の検証が必要であることや、現在の厳しい経済、財政情勢下においては、事業実施の具体化になお時間を要するものと考えております。
 次に、上米内湯沢線のタッチについてですが、国が整備を行っている国道46号盛岡西バイパスの建設状況です。この事業は昭和59年度に上厨川前潟地区から事業着手し、平成17年度までに開運橋飯岡線と交わる向中野までの約5、100メートルが供用されています。
 国では、引き続き、盛岡南インターチェンジにつながる主要地方道上米内湯沢線までの南進区間の整備に取り組んでおり、県として、バイパスが通る盛南開発の事業完了時期に合わせた供用が実現されるよう、今後とも国に要望してまいります。
〇深澤道路建設課総括課長 都南大橋から106号までのタッチでございますけれども、この区間、約6キロメートルございます。宮古盛岡横断道路の都南川目道路として、国が平成9年度から直轄権限代行により整備を進めております。
 整備状況でございますが、現在、用地買収や埋蔵文化財調査を鋭意進めているところでございまして、工事につきましては、本線の工事に必要な河川のつけかえや工事用道路の工事を実施しておりまして、今後、本線の道路改良工事に着手する予定だと聞いております。
 今後とも、都南川目道路の整備促進を国に働きかけてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 四十四田ダムについて伺います。
 このダムの中の堆積土砂、こういったことが問題になっていて、特にも、前にも重金属等、そういった問題をお聞きしていましたけれども、今回の大雨の後、岩手工事事務所の河川担当副所長にお会いしましたら、割と楽観的なお話をされまして、この程度の雨でもまだ心配ない、そういったお話をお聞きしたんですが、この土砂の排出について、必要性、その辺のところをお伺いしたいと思います。
〇佐藤河川開発担当課長 国土交通省所管の四十四田ダムでございますけれども、昭和43年の完成後、平成16年度末までの間に土砂の堆積が976万立方メートルとなっておりまして、計画に対して84.1%まで土砂の堆積が進んでいるという状況でございます。
 これらに対する対策を検討するために、国土交通省北上川ダム統合管理事務所では、平成17年度に四十四田ダム貯水池堆砂対策検討委員会というものを設置いたしまして、対策を検討してきているところでございます。
 これまでの検討の結果でございますけれども、堆積土砂によりダムの容量がやや減少しているというのが1点ございます。もう1点でございますけれども、砒素を含んだ堆積土砂が貯水池内にございますが、それによる水環境への影響は小さいということが、これまでの検討結果として報告されている状況でございます。
 今後、これらの課題に対する対策について、引き続き四十四田ダム貯水池堆砂対策検討委員会で検討していく。予定では次回、時期はまだはっきりしないんですが、第3回の委員会で対策の基本方針を取りまとめると聞いております。
〇小野寺好委員 次に、盛岡市内の県管理河川のうち、木賊川、南川についてお伺いいたします。
 河川改修、いろいろやっているふうに見えますけれども、どの程度進んでいるのか。特に、先月の大雨のときに、木賊川については、北上川の水位が上がって、上堂の合流地点で、もう木賊川からの水がなかなかのみ込めないような状況で、青山とかあっちのほうでもうちょっとであふれてしまいそうだな、そういった状況にありました。
 あと、南川については、津志田小学校の東側のマンションの駐車場にも冠水するような状態でしたし、もうちょっとこれが続けば、恐らく国道4号、電気屋さん、自転車屋さんのあたりですけれども、あの辺で冠水したら、国道4号も終わりになってしまうのかなと。そういったことで、断面積を確保するために2層式にするとかと前に聞いていましたけれども、余り進んでいないのではないかなと。
 あと、国道4号から東の県でやる部分、こちらも床上浸水しそうなくらいちょっと危険な状況なので、本当に河川改修はどの程度なのかお聞きしたいと思います。
〇若林河川課総括課長 市内の2河川、木賊川と南川についての御質問でありますが、木賊川につきましては、非常に断面が小さいということで、2カ所で水防活動を実施しました。1カ所は牛橋というところで、排水ポンプ車を持ってきて懸命にかきまして、何とか浸水を防いだということですし、下流の工藤材木店の裏のところの橋があるんですが、そこにも引っかかって、そこは若干、国道4号の歩道を使って、東大橋のわきを流して回避したということになっております。
 進捗状況でありますが、現在、木賊川につきましては、分水路の工事を進めております。平成19年度から、本年度からですが、緊急対策特定区間ということで、とにかく重点的に進めましょうということで、事業費ベースで現在19%の進捗率になっております。今後、順次進めまして、平成23年3月末の分水路の完成を目指します。その後、遊水地の整備を進めてまいりたいと考えております。
 また、南川につきましては、国道4号上流は、盛岡市の都市基盤河川改修ということで2層河川で進めておりまして、順次それも進めておりますが、実際、下のボックスを一生懸命やっておりますので、なかなか事業としては目に見えてきてはおりませんけれども、着実な事業進捗を図っております。
 なお、国道4号下流の県区間につきましては、現在、用地の取得を進めております。事業費ベースでの進捗率は約33%になっておりまして、今後、事業の着手に向けて、今段取りを進めているところであります。
 県としても、両河川の整備を重点的に進めまして、今後、引き続き、盛岡市を初め関係機関と連携を密にして取り組んでまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 最後です。旧安代町内の安比川、米代川について伺います。
 去年も10月にこの地域では大雨があったわけですけれども、ことしもまた大変な被害が出ております。去年のそういった被害からいろいろ要望があったかと思うのですが、この1年間、どのような改良が加えられてきたのか。
 ついでなんですけれども、田山のほうのつり橋、線路が流されましたが、線路のちょっとわきのつり橋等については今後どうなるのか。
〇若林河川課総括課長 昨年10月6日から8日にかけても県北地区で豪雨がありまして、河岸決壊や畑地への冠水被害が発生しております。米代川流域では3件、安比川では6件の河川災害復旧の採択を受け、現在復旧に努めているところであります。
 安比川流域では、従前より家屋の浸水や農地への冠水など被害がありましたので、八幡平市、旧安代町浅沢地区などにおいて、平成13年度より堤防整備を進めております。
 このような中、ことし9月16日から18日にかけての豪雨により、安比川流域では、その浅沢地区などにおいて、また浸水被害をこうむったと。また、米代川流域につきましては、田山町矢神川という川がありますが、家屋への浸水、農地への冠水等、大きな被害が発生したところであります。
 なお、今御指摘のつり橋につきましては、河川の構造物ではないと思いますので、そこのところにはちょっと災害復旧がどうなっているのか承知しておりません。
 県では、今後もこれら事業着手している築堤工事などを進めますとともに、災害箇所については、早急な災害復旧の申請に努めていきたいと思います。
 また、矢神川のように大規模に被災したところにつきましては、一定計画によります河川等災害関連事業によって事業を進めてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 通告した質問の前に、今、小野寺好委員からお話がありました木賊川の件について、ちょっと御意見を申し上げて、所感もいただければと思うわけであります。
 まずもって、私も平成14年の被災家屋の1人でありますけれども、今回、避難勧告が出まして大変心配したわけでありますが、5年前に比べまして、今御答弁あったように、大変にいろいろの対応が改善されているなと率直に感じたところではあります。この場をおかりして御礼申し上げますとともに、特に、インターネットで牛橋の水位の状況をライブで中継されていたと思うんですけれども、あれが非常に参考になりました。上流の水量がどうなるかということによって、下流域でどのように対応したらいいかということで大変参考になった次第でありますので、その点、もう少し、可能であれば観測地点をふやして、ライブで流していただけるところがあれば、避難対応により効果があるのかなと思いました。
 あと1点は、本来的にこれは市町村の話でありますが、被災場所に何とインターネットがつながる設備がなくて、被災者の方が、どうなんだ、どうなんだということで、近くでインターネットを接続しまして、水位の状況を見ながら、こうなりそうだからもう帰ったほうがいいのではないかとか、いろいろ現場で若干混乱した部分がありましたので、ぜひ避難担当の市町村のほうとも、さらに連携を強めていっていただければと感じたところでありますが、まずその点、何か所見があればお願いしたいと思います。
〇若林河川課総括課長 ただいま御指摘いただきました、あと一歩で大惨事になるところでありました。平成17年の教訓を生かしまして、やれるところは、とにかく土のう積みでも何でもやろうという形で今進めてきておりまして、それが効果を発揮したかと考えております。
 それから、情報提供につきましても、現在3カ所インターネットで見られるようになっておりますけれども、引き続き、それにつきましては、今回の水害もあわせて検証しようということで、滝沢村と盛岡市と、来週にでも、防災担当者が集まった上で、今後どうまた進化させた防災対策にしていくか検討してまいりたいと思いますので、そこは、今後の課題として承っておきたいと思います。
〇及川あつし委員 そういう会議があるのであれば、なおのこと、ぜひ改善方お願いしたいと思います。今申し上げたインターネット設備がきちんと被災場所にあることとか、あと、今回混乱しましたのは、避難勧告って何ぞやという住民側の受け取り方の問題、あとはもろもろあるわけでございますが、ぜひ改善方、さらにお願いしたいと思います。
 それでは、通告していた質問内容に入りたいと思いますが、流域下水道事業の特別会計の中の管理費、事項別明細書によれば28億8、000万円余ということになっておりますが、ここについてお尋ねしたいと思うわけであります。
 まず、下水処理場の維持管理については、国土交通省のほうから包括的民間委託の推進についてという通知が出ているやに伺っております。これまでの仕様発注から性能発注へ、単年度計画から複数年契約へ云々という内容であるように伺っておりますが、本県では今、試行実施という段階にもあるように聞いているところでございますが、試行実施の内容と、まだ4カ所のうち一部の試行実施ということでありますので、明らかな成果というものはまだ検証できていないのかもしれませんが、現段階までの試行内容と事業効果、お示しできるところがあればお示しいただければと思います。
〇佐藤下水環境課総括課長 包括的民間委託についてでございますが、流域下水道の一関浄化センターにおきまして、平成19年度から試行により実施しております。
 その契約でございますけれども、性能発注方式で、平成19年度から平成21年度までの3年間の契約でございます。業務内容は、下水処理場の運転、保守点検、50万円までの簡易修繕及び清掃等となっております。
 その成果についてでございますけれども、受託者の裁量範囲が拡大されることによる業務の効率化及び委託者の業務の軽減を期待いたしまして試行を始めたところでありまして、今後、試行を通じて検証していきたいと考えております。
〇及川あつし委員 ありがとうございました。一関処理区について試行的に、その前段階でもいろいろ、1.5カ年の一部包括業務の試行というものもやられていたようでありますけれども、今後についてもまた、いろいろ検討課題が見えてきているのかとも思いますが、課題もあるのではないかと思うところであります。
 この民間委託というのは、一種のはやりというか何といいますか、指定管理者の制度も含め、委託、委託と、財政面の部分については大変に寄与するんだろうとは思いますが、何となく私の率直な直観では、委託は、いいところもあるし、悪いところもあるし、冷静に判断するべき時期にも来ているのかとも思っているところでありますが、課題について、現段階までに見えてきているものがあれば、あせてお示しいただきたいと思います。
〇佐藤下水環境課総括課長 包括的民間委託の課題についてでございますが、電気や機械設備に突発的な事故が発生した場合、その原因が経年劣化によるものなのか、あるいは不適正な運転操作によるものなのか等、技術的判断が難しいことなどがあると懸念しておりまして、今後、全国の事例等を参考にしながら検討していきたいと考えております。
〇及川あつし委員 ありがとうございました。今、御答弁いただいた部分については一部の課題かとも思うわけでありますけれども、ちょっと調べてみましたら、福島県が平成24年から全面導入方針などということにもなっているようであります。
 今御指摘、御答弁なかった部分について言えば、職員の方の年齢構成とか、また退職時期も勘案しながら、いろいろ進めていかなければいけないのかなとも思っておりますが、いずれ今試行しながら最終的に判断ということになろうと思いますが、今後ほかの三つの処理区の扱いについて、また、委託の方向性について、現段階で、検討している段階で結構ですので、お示しできるものがあればお知らせいただければと思います。
〇佐藤下水環境課総括課長 本県の流域下水道におきましては、四つの処理場がございます。それで、一関浄化センターと水沢浄化センターにつきましては、この3年間の試行の結果を検証いたしまして、この委託方法がすぐれていると判断されれば、この両センターにつきましては、包括的民間委託を導入したいと考えております。
 それから、ほかに焼却炉を有します北上浄化センター及び、焼却炉と一部合流の処理区を有します都南浄化センターにつきましては、平成16年度に調査を行った時点におきまして、包括的民間委託による経済的なメリットが見出されなかったということもありますので、この二つにつきましては、全国の事例等も調べて検討していきたいと考えております。
〇新居田弘文委員長 この際、吉田管理担当課長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇吉田県土整備企画室管理担当課長 先ほど、平成18年度県土整備部関係の飲食、ゴルフ届け出件数を申し上げましたが、その内訳は、飲食は168件、ゴルフは0件でございます。
〇伊藤勢至委員 今回の定例会、それから委員会で出てまいりましたのは、北上川の洪水対策等がよく出てまいりまして、それはカスリン台風を忘れてはいけないという帰結になったようでありますが、アイオン台風を忘れてもらっては困るという思いから、二つ、三つ質問させていただきたいと思います。
 まず、アイオン台風でありますが、61年目となったわけでありますが、早池峰の北斜面のアイオン沢が集中豪雨によって崩落して、そこから始まって、ダムができて、それを乗り越え、またダムができて乗り越え、こういうことで、当時の川井村、新里村、そして宮古市が大きな被害を受けたわけであります。
 そういう視点で見ますと、現在、閉伊川の川床が随分高くなってきているという思いがいたしております。特にも刈屋川と閉伊川の合流地点以下の宮古に近いほうの各堰堤という─河制工と言うんだそうですが、その前後が非常に砂利、砂が堆積をして危ない状況になってきていると思っております。
 このことを振興局の土木のほうに相談いたしますと、実は地権者との交渉が非常に難しいのでという話が出ます。仄聞いたしますと、本県の二級河川106河川の中で、河川敷内を全部県が取得していない川というのは、閉伊川、津軽石川、小本川だけではないか、こういうふうに言われているわけでありますが、大体県が整備をする、堤防をつくる、その河川敷というのは当然、県が取得して、もって管理をするべきものだと思っているんですが、まず、その辺についてどうなっているのかお伺いいたします。
〇若林河川課総括課長 ただいまアイオン台風以来のことを例にしたお話しがありまして、閉伊川の各河制工のところの上流側に結構土砂、土石がたまっているというお話をいただきました。確かに、私が行っても、たまっているところがあります。現在、河川敷内の民地が多いのは、確かに閉伊川、津軽石川は、ほとんどが民地になっています。その民地をなるべく改善するために、事業が入ったところにつきましてはなるべく買収するように、そのように進めてはいますけれども、具体には、閉伊川の緑地であるとか、あと老木地区であるとか、そういうところについては、なるべく換地にするように手当てをしているわけですが、県内のほかの河川においても、一部、昔災害なんかでやったところについては、どうも用地買収をしないで、権原を取得していないままでやっているところがあります。ここについても、管理のいろいろな問題が生じているのも確かな現実的な問題であります。
 さて、それで、これからどうするかという話ですが、非常に少ない維持管理費をとにかくまず一つ使いながら、災害なんかもいろいろ抱き合わせながらとれるところはとっていこうと。
 それから、あわせて、閉伊川ではことしもやっておりますけれども、砂利採取も、要望があれば、それを積極的に有効に活用していこうと考えております。
〇伊藤勢至委員 何年か前の軽米町の雪谷川の洪水というのは、いろいろな原因があったかと思いますけれども、詰まるところ、河川敷に放置されたといいますか繁茂してきた15年から20年ぐらいの松でありますとか杉でありますとか、そういう樹木が根を掘られて、横になって流れてきて昭和橋に詰まって、そこからあふれた、それがあの大洪水の原因だったかと思うんです。
 そういうふうな視点で見ますと、閉伊川には実は山田線が走っておりまして、山田線の橋脚がやはり十二、三メートルぐらいの間隔しかないところがありまして、ここにそういう雪谷川のような状態が起こると106号が寸断されてしまいやしないかと思っているわけでありまして、そのためにも、この樹木の伐採などは常に心がけてやっていってもらいたいと、これは要望しておきたいと思います。
 それから、先ほどは、この河川にかかる橋脚等をかけかえするという話でありました。これも何年か前にお話し申し上げましたが、今回、2、700とか2、400橋と言われましたが、これで県内の土木関係の人たちが少しでも潤ってくれればいいなと実は期待いたしております。
 そういう視点で見ましたときに、どうも私の嫌いな片仮名の業者が、これは本県の業者でないと思うんでありますけれども、接着剤の名前のような何とかボンドとか、あるいは野球で言いますとレフト、センター何とかというような、そういうものばかりの看板しか見えないのですよ。こういう事業は岩手県の業者でも十分できるのではないか、私はそう思っておりまして、なぜそういうふうな手段をとらないのか。
 振り返ってみますと、どうもこの橋は前、この業者がやった橋だなという部分が、また同じ業者がとっている。今度はそのほかに、あなた方は、発注した際に、下請なんかは地元を使えと言うわけでありますが、どうもそれが地元が使われていないようでありまして、レンタカーでありますとかリースでありますとか、看板のない車が入っています。ところが、ときたま看板をガムテープで張って隠した車がいるんですよ。ところがそれが、秋田県何々市とか、仙台何々、車のナンバーまでは隠せないので、ああ、そっちから来ているんだなとわかるわけです。
 したがいまして、仮に、どういう経過かわかりませんが、県内に主たる事務所を所有しない会社が受注した場合は、ぜひ地元を使えということをもっと確定していただきたい。そうでないと、地元にさっぱりお金が落ちない。(「そうだ」と呼ぶ者あり)県税を払ってくれる会社を大事にしなくてはいけない。はい、そこら辺でそうだと。そういうふうにやってもらいたいと思うんですが、それについてお伺いします。
〇西畑県土整備部長 県内企業でできる仕事は県内企業でということで、振興局の土木部長にもきつく申し渡しておるところでございます。また、資材、機材につきましても、県内の商社でありますとか県内の会社から購入するようにということにしてございます。それで、どうしても県外を使うということになれば、理由を書いた紙を出していただくということを今年度からしております。
 今後とも、県内でできる仕事は県内でという方針のもと、県内企業の育成に努めてまいりたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 閉伊川あるいは106号で起きていることは、多分全県内でも起きていると思っております。私は106号の無料モニターだと思っていますので、今度、そういうレンタカーとかリースの車がとまっていたら、あなたはどこから来た人ですかと聞いてみて、報告をします。岩手県でなかったらちょっと問題が起きる。あらかじめお話をしておきたいと思います。
 それから、もう一つ、106号に係ってでありますが、昭和45年の岩手国体の際に大急ぎでつくった道路だと思っています。そののり面といいますかコンクリートで吹きつけをしたところに、直径15センチか20センチぐらいの樹木が生えている。これは本来あり得ないはずだと思いまして、これの写真を撮って振興局に届けまして、ことし幾らか切ってもらったようでありますが、まだまだ太いものが残っております。もう一回写真を撮ってこなくてもいいように、ひとつ見ていただいて手当てをしてもらいたい。
 それから、もう一つ、106号を走っていて思うんですけれども、緑の回廊といいますか、非常に道路上を樹木が覆ってきている状況になってまいりました。これは、やはりふだんの維持管理上問題があるのではないか。特に、これから冬場を迎えますので、積雪あるいは台風等で樹木が折れて、それが道をふさぐうちはまだ、片づければいいんですからいいんですが、通行人に当たるとか車両にぶつかるとか、そういうことが十分に予見されるわけでありますので、そういうところを早目に手当てしていただきたいと思います。これはふだんの努力の問題だと思います。木が生えてきたからこれが自然だという話ではなくて、道路の地下には占用という部分がありますよね。この占用がどこまで上っていくのかわかりませんが、多分、道路の上にもあるんだと思います。そういったところから管理を徹底していただきたい。答弁を求めて、終わりにします。
〇水野道路環境課総括課長 道路管理についてでございます。
 樹木につましては、道路パトロール等で発見した場合には、できるだけ伐採するようにはしておりますけれども、委員おっしゃるとおり、そういう状況もございますので、できるだけそのような方向でやってまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇高橋比奈子委員 1点だけ、盛岡市の北山トンネルの進捗状況について伺います。
 現在どこまで進んでいるのかという現状と、開通までの今後のスケジュールについてお知らせいただきたいと思います。
〇深澤道路建設課総括課長 北山トンネルの件でございますけれども、現在は、延長950メートルの北山トンネルを含みまして1、400メートルの間で工事を行っております。北山トンネルは、平成18年11月22日に貫通いたしまして、本体工事は本年7月12日に完成しております。現在は、トンネルの前後の改良工事を行っております。引き続きまして、トンネル前後区間の舗装、それからトンネルの中の舗装を行います。
 それと同時に、管理設備でございますが、これは照明とか、防災設備とか、換気設備でございますが、こういった工事、それから消融雪設備の工事も行いまして、現在の予定では平成22年ごろの完成を見込んでおります。
〇高橋比奈子委員 ありがとうございます。地元の方から、貫通したということで、もうすぐに開通できるだろうという思いがあるようで、いつなんだろう、いつなんだろうという思いがあるようですので、平成22年の、早ければいつごろとか、遅くてもこのころをめどに頑張りたいとか、もしよろしければ、お知らせいただければ幸いです。
〇深澤道路建設課総括課長 今現在のスケジュールでは平成22年ということでございます。しかしながら、地域の皆様の御期待も感じているところでございますので、もう少し工程を詰め直してみたいと考えておりまして、できるだけ、1カ月でも早くできるように調整していきたいと考えております。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇岩渕企業局長 企業局関係の決算概要について御説明申し上げます。
 初めに、平成18年度の事業運営における総括的な評価、今後の取り組み方針等について御説明申し上げます。
 平成18年度の電気事業及び工業用水道事業の運営に当たりましては、最終年度を迎えた中期経営計画及び経営改革プログラムを着実に推進しながら、水力発電を中心としたクリーンな電力と良質な工業用水の安定供給のため、施設の計画的な改良・更新等を行ったほか、工業用水において供給停止ゼロ時間を達成するなど、供給支障事故の発生を防止するとともに、一部発電所の保守等業務委託や人員削減などによりコストの低減を図るなど、効率的な経営に努めてまいりました。この結果、損益については両事業とも黒字を継続することができ、おおむね良好な経営を維持していると考えております。また、小規模水力発電の事業化など新エネルギー開発に取り組んだほか、地域社会に貢献するため、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用し、地球温暖化対策などに係る県事業及び小規模なクリーンエネルギー設備の導入を行う市町村事業に対し、支援したところであります。
 なお、平成18年度に終了した前中期経営計画及び経営改革プログラムについては、電気事業では、目標電力量に対する供給電力量の達成率平均が100.6%、工業用水道事業では、累積欠損金の削減目標15%に対し47%を達成するなど、おおむね目標を上回る成果を挙げたものと考えており、外部の有識者で構成される経営評価委員会からも同様の評価をいただいております。
 ことし2月には、平成19年度から3年間の新たな中期経営計画を策定したところであり、今後とも、目標と計画を着実に管理し、外部評価なども踏まえながら一層の経営効率化を図り、健全経営に努めるとともに、積立金の活用などにより地域貢献を行ってまいりたいと考えております。
 それでは、企業局が所管しております認定第2号平成18年度岩手県電気事業会計決算及び認定第3号平成18年度岩手県工業用水道事業会計決算について、お手元の決算書に基づき、その概要を御説明申し上げます。
 なお、決算書のうち決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税を含めた金額で作成しておりますが、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税抜きの金額で作成することとなっておりまして、金額に相違がありますので、あらかじめ御了承をお願いします。
 認定第2号平成18年度岩手県電気事業会計決算であります。
 電気事業会計決算書の1ページをお開き願います。平成18年度岩手県電気事業決算報告書の収益的収入及び支出でありますが、収入の決算総額は47億5、700万円余、支出の決算総額は41億900万円余であります。
 収入の内訳でありますが、第1項営業収益42億5、800万円余は、水力発電に係る電力料が主なものであり、第2項財務収益1億9、300万円余は、株式配当金、貸付金利息及び預金利息等であります。第3項附帯事業収益2億400万円余は、稲庭高原風力発電所及び柏台発電所に係る電力料が主なものであり、第4項事業外収益1億100万円余は、早池峰発電所建設に係る利子補給金、稲庭高原風力発電所の発電機損傷事故に係る保険金等であります。
 支出の内訳でありますが、第1項営業費用33億200万円余は、水力発電所の運転及び管理運営に要した経費であり、第2項財務費用3億100万円余は、企業債に係る支払い利息等であります。第3項附帯事業費用2億5、500万円余は、稲庭高原風力発電所及び柏台発電所の運転等に要した経費であり、第4項事業外費用1億5、000万円余は、納付消費税及び地方消費税等であります。第6項特別損失1億円余は、下嵐江地点の水力開発を断念したことによる建設準備勘定の償却費であります。
 次に、2ページをお開き願います。資本的収入及び支出でありますが、収入の決算総額は7億8、400万円余、支出の決算総額は16億7、000万円余であります。
 収入の内訳でありますが、第1項補助金1、300万円余は、胆沢第三発電所の建設事業に係る国庫補助金であり、第2項負担金1、500万円余は、仙人発電所の共有施設に係る東北水力地熱株式会社等からの負担金であります。第3項長期貸付金償還金7億5、400万円余は、一般会計等からの長期貸付金の償還金であり、第4項固定資産売却代金80万円余は、固定資産の売却処分収入であります。
 支出の内訳でありますが、第1項改良費2億8、200万円余は、各水力発電所の施設の改良や更新に要した経費等であり、第2項電源開発費5、800万円余は、胆沢ダム建設事業に係る負担金及び水力発電開発調査に要した経費であります。第3項企業債償還金5億8、800万円余は、発電所の建設のために借り入れた企業債の償還金であり、第4項長期貸付金7億円余は、一般会計への財政支援及び工業用水道事業会計に対する企業債償還元金の償還原資として貸し付けをしたものであり、第5項繰出金4、000万円は、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を原資として、一般会計へ繰り出したものであります。
 2ページの下段欄外に記載してありますとおり、資本的収入額が資本的支出額に不足する額8億8、500万円余については、当年度消費税及び地方消費税資本的収支調整額並びに減債積立金などをもって補てんしたところであります。
 次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益は、右側の数値7億9、300万円余となっており、この営業利益から財務収支、附帯事業収支及び事業外収支の合計の損失、ただいまの営業利益の下のほう6、100万円余を差し引き、特別損失1億円余を引いた6億3、200万円余が当年度純利益となっております。
 次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書の利益剰余金の部についてでありますが、減債積立金から5ページの環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金までの当年度末の積立金合計額は、5ページの右側の数値、二重線を引いておりますが55億900万円余となっており、また、当年度未処分利益剰余金は、一番下の数値6億3、200万円余となっております。
 次に、6ページをお開き願います。資本剰余金の部でありますが、国庫補助金以下3科目の当年度末の合計額は、右側の一番下19億3、400万円余となっております。
 次に、7ページの剰余金処分計算書(案)でありますが、当年度未処分利益剰余金6億3、200万円余のうち、企業債償還金に充てるための減債積立金に6億700万円余を積み立て、地域貢献に活用するための環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金として2、500万円を積み立てようとするものであります。
 なお、貸借対照表その他の事項については説明を省略させていただき、以上で電気事業会計の説明を終わります。
 次に、認定第3号平成18年度岩手県工業用水道事業会計決算について御説明いたします。
 工業用水道事業会計決算書の1ページをお開き願います。平成18年度岩手県工業用水道事業会計決算報告書の収益的収入及び支出についてでありますが、収入の決算総額は10億9、600万円余、支出の決算総額は9億9、900万円余であります。
 収入の主な内訳でありますが、第1項営業収益10億9、500万円余は、一般水及びろ過水の給水料金が主なものであります。
 支出の内訳でありますが、第1項営業費用7億3、800万円余は、各工業用水道施設の給水業務及び管理運営に要した経費であり、第2項財務費用2億2、700万円余は、企業債及び電気事業会計からの借入金に係る支払い利息であり、第3項事業外費用3、300万円余は、納付消費税及び地方消費税であります。
 次に、2ページをお開き願います。資本的収入及び支出でありますが、収入の決算総額は4億9、100万円余、支出の決算総額は8億8、500万円余であります。
 収入の内訳でありますが、第1項企業債2億9、000万円は、北上中部工業用水道の改良工事に係る起債及び工業用水道高資本費対策に係る借換債であり、第2項出資金1億円余は、経営健全化支援に係る一般会計からの出資金であります。第3項他会計からの長期借入金1億円余は、電気事業会計から企業債償還元金の原資として借り入れたものであります。
 支出の内訳でありますが、第1項改良費1億円余は、各工業用水道施設の設備の改良や更新に要した経費であります。第2項企業債償還金6億1、000万円余は、工業用水道施設の建設のために借り入れした企業債等に係る償還金であり、第3項他会計からの長期借入金償還金1億7、400万円余は、一般会計等からの借入金の償還金であります。
 2ページの下段欄外に記載してありますとおり、資本的収入額が資本的支出額に不足する額3億9、400万円余については、当年度消費税及び地方消費税資本的収支調整額並びに過年度及び当年度の損益勘定留保資金で補てんしたところであります。
 次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益は右側の上のほうの数値3億1、800万円余となっており、この営業利益から財務収支及び事業外収支の合計の損失2億2、500万円余を差し引いた9、200万円余が当年度純利益となっております。
 次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書の利益剰余金の部でありますが、当年度の未処理欠損金は、前年度の未処理欠損金、右側の上のほう3億6、900万円余から当年度純利益9、200万円余を差し引いた2億7、600万円余となっております。また、資本剰余金の部でありますが、国庫補助金以下3科目の当年度末の合計額は、右側の一番下、二重線を引いておりますが40億3、000万円余となっております。
 次に、5ページの欠損金処理計算書でありますが、当年度の未処理欠損金2億7、600万円余は、翌年度へ繰り越しをするものであります。
 なお、貸借対照表及びその他の事項については説明を省略させていただき、以上で企業局関係2会計の平成18年度決算の説明を終わります。よろしく御審議を賜りますよう、お願い申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇千葉康一郎委員 それでは、私から大きく3点ほどお聞きしたいと思います。
 企業局は、部局審査で最終になります。時間も大分たっていますから、再質問ができないような御答弁をお願いしまして、質問に入らせていただきます。
 まず、第1点目ですけれども、中期経営計画及び経営改革プログラムの取り組み結果等の総括について伺いたいと思います。
 企業局では、平成16年度から18年度までを期間とする中期経営計画に取り組むとともに、同計画の行動計画と位置づけられた経営改革プログラムに取り組んできたところであり、また、外部の有識者で構成する経営評価委員会を設置し、客観的な視点で取り組みの成果等について評価を行ってきたところと承知いたしております。
 先ほど電気事業では、目標電力量を達成し、工業用水道事業においても、累積欠損金を大幅に削減するなど、おおむね目標を上回る成果を上げたという説明がございましたが、その計画期間全体の具体的な取り組み結果や評価をお示し願いたいと思います。
〇岩渕企業局長 平成18年度で終了した、前の中期経営計画及び経営改革プログラムの取り組み結果及び評価についてでありますが、この計画は、電力の自由化が進展し、一層のコスト削減が求められる厳しい経営環境の中で、経営を効率化し、経営基盤を強化するために作成し、取り組んできたところであります。
 まず、電気事業についてでありますが、東北電力に対して、事故等による供給停止などが発生することなく電力を安定的に供給する、このことが最も重要でありますことから、発電所のオーバーホール、設備更新などの改良・修繕に計画期間の3年間で約33億円を投入するとともに、人的ミスによる供給支障の低減に取り組んだ結果、平成18年度には、供給支障件数を目標の年間5件以内に抑えました。そしてまた、目標を上回る供給電力量、平均達成率100.6%を達成したところであります。また、発電コストを削減するために、一部発電所の保守等業務の委託化を推進して民間活力を導入するとともに、職員数の削減及び特殊勤務手当の見直しによる人件費の削減や、工事費のコスト縮減に努めた結果、発電コストを平成15年度対比で8.4%削減できたものであります。
 次に、工業用水道事業については、ユーザーの生産活動などに支障を来たすことなく、用水を安定的に供給するため、第二北上中部工業用水道送水管の電気防食工事などの改良・修繕を実施してまいりました。また、平成17年度の油流出事故に伴う供給停止によりまして、ユーザーに相当の損害が発生したことから、平成18年度には花巻市及び北上市の協力を得て、河川への油流出事故防止キャンペーンを新たに実施するなど事故防止に努めた結果、給水停止時間ゼロ時間を達成し、給水量についても達成率99%と、おおむね目標を達成することができたものと考えております。
 給水コストにつきましては、北上中部工業用水道と第三北上中部工業用水道の事業統合に取り組むとともに、人件費の削減や高利率企業債の借りかえを実施したことなどによりまして、7.2%を削減して純利益を順調に確保したところであります。平成18年度末における累積欠損金を、目標4億4、500万円でございましたが、これに対して2億7、700万円と大きく改善したところであります。
 また、地域貢献にも取り組みまして、企業局創立50周年を契機として、県内各地の植樹活動を支援するため、3年間で40地区に苗木を提供し、延べ約250人の職員が参加いたしました。平成18年度には、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を創設し、環境保全活動等への支援を始めたところであります。この結果、計画に掲げた経営の効率化や経営基盤の強化が図られたと考えているところでありまして、経営評価委員会においては、個別・具体の取り組み37項目などについて審議した結果、総合的に良好と評価されたところでございます。
〇千葉康一郎委員 電気事業ですけれども、収益的収支についてですが、計画では年平均6億円程度の純利益を有するということでございまして、18年度は6億3、200万円ということで、この計画を上回っておるわけですけれども、今後の見通しについてはどうなのか、その辺をお伺いしたいと思います。
〇岩渕企業局長 今後の見通しにつきましては、今年度から3年間の中期経営計画の中で具体的な数値を出しているところでございますが、いわゆる経常収支比率ベースで100%を超すのは当然でございますけれども、大体110%を超すような収益を上げていきたいと考えております。額といたしましては、3億円から5億円台程度は確実に確保するという計画をしております。
〇千葉康一郎委員 それでは、これは大きい2点目でありますけれども、工業用水道の関係について、これも2点ほどお伺いしたいと思います。
 まず、災害や事故発生時の対応、復旧体制についてであります。
 先ほどいろいろ話がございました。ことしの7月に発生しました新潟県中越沖地震は記憶に新しいところですが、この地震により自動車エンジン部品工場、たしかリケンと言いましたか、その工場が被災しまして、国内の自動車工場の多くが操業を停止したことが大きなニュースとなったところでございます。この部品工場には、工業用に使用される上水道が給水されておりまして、やはり地震のため配管に被害が出て、供給が停止したのでありますが、工場の復旧、操業再開に間に合わせるよう修復を行ったと聞いております。
 また、本県の工業用水に関連しまして、先ほどの報告の中でもございましたが、数年前に油の流出事故がございまして、一部受水企業が操業停止となって、多額の損害を生じたということがありました。
 そこでお尋ねいたしますが、工業用水のユーザー企業の経営に直接影響を及ぼすこととなる地震や油流出事故等の発生時における対応、それから、復旧体制はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
〇池内業務課総括課長 工業用水道事業におけます地震や油流出事故などが発生したときの対応、復旧体制についてでありますが、地震による被害や油流出事故への対応は、工業用水道事故対策マニュアルに基づきまして、職員を招集し、現場や受水企業との連絡体制を確保し、被害状況を把握して直ちに応急対応を実施することとしております。
 また、復旧体制につきましては、早急に復旧を行うため、施設を建設した業者と協定を締結しておりまして、災害や事故などが発生した場合に、復旧に必要な資機材や要員をすぐに確保することができる体制としております。
 なお、供給支障を最小限にとどめるため、岩手中部工業団地に供給している第二北上中部工業用水道では、沈殿池を1池ふやすことにより給水能力を向上させ、また、北上工業団地に供給している第一北上中部工業用水道では、建設時期が異なる二つの工業用水道施設を事業統合することによりまして、工業用水を相互に融通して使えるよう、バックアップ機能を充実させてきたところであります。
 さらに、油流出事故に対しましては、油膜を検知するセンサーを設置して、監視体制を強化してきたところでありまして、また、何よりも油流出事故を未然に防止することが重要であり、昨年度から油流出事故防止キャンペーンに取り組み、関係市町村の協力のもと、油を大量に扱う事業所への訪問要請や広報車による事故防止の呼びかけなどの啓発活動を積極的に行ってきております。
 今後とも、施設の維持管理を適切に行うとともに、関係機関と連携を密にいたしまして、地震や事故などに備えていきたいと考えております。
〇千葉康一郎委員 それでは、工業用水道の関係で、もう一点伺いたいと思います。
 累積欠損金の今後の見通しについてでございますけれども、平成18年度の工業用水道会計では純利益を計上し、累積欠損金は2億7、600万円と、前年度の決算の3億6、900万円余から9、200万円余ほど減少しまして、経営の健全化が進んできていると見受けられます。しかし、ここ5年間の損益の推移を見ますと、平成18年度は幾らかよかったものの、徐々に減少する傾向にあるようです。こういった中、累積欠損金の存在はキャッシュフローを厳しくし、事業経営を縛ることになると考えますが、累積欠損金の今後の見通しはどうなのか、このことについて伺いたいと思います。
 監査委員の決算審査でもありましたが、いずれ推移を見ましても、今申し上げたような状況でございますので、見通しをお聞きしたいと思います。
〇池内業務課総括課長 工業用水道事業におけます累積欠損金の今後の見通しについてでありますが、厳しい経営状況を改善するため、これまで人件費の削減や高利率企業債の借りかえによる支払い利息の縮減などに取り組み、累積欠損金を削減してきたところであります。
 今年度から平成21年度まで取り組むこととしております中期経営計画におきましても、累積欠損金の削減に向け、新規需要や既存契約水量の拡大に努め、収入の確保を図るとともに、高利率企業債の借りかえによる支払い利息の縮減や事務費の削減などによる支出の適正化に取り組むこととしており、できるだけ早い時期に累積欠損金の解消を実現したいと考えております。
 なお、平成24年度に、第二北上中部工業用水道の水利権である日量5万2、000立米のうち3万5、000立米を、国営かんがい排水事業和賀中部地区の農業用水源として農林水産省へ転用することとしております。これによりまして、一時的に固定資産売却損による欠損金を生じることが見込まれますが、企業債償還金の繰り上げ償還による支払い利息の縮減、減価償却費、ダム管理負担金、市町村交付金の減少などの効果が生じることにより、経営の健全化につながるものと考えております。
〇千葉康一郎委員 それでは、再質問ができないように答えいただきましたので、次に進みます。
 最後に3点目ですけれども、新規小規模水力開発について伺います。
 近年、電力自由化の進展など、電気事業を取り巻く環境は厳しい中にあります。水力発電の開発は約10年の長きにわたり新規の採択が行われず、事実上凍結されている状況と聞き及んでおります。しかし、小規模な水力発電を含め、太陽光、風力などの新エネルギーは、地球温暖化の防止に貢献するクリーンなエネルギーであり、国は電気事業者に対し、販売電力量に応じて、一定の割合でこれらの新エネルギーの導入を義務づける、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、いわゆる新エネルギー等電気利用法ということなそうですけれども、もっと訳せばRPS法と言うそうですが、平成15年4月からこれ施行されております。また、現在県が策定を進めている新しい地域経営計画の中では、政策の6本の柱の一つ、世界に誇れる岩手の環境の実現に向けた取り組みとして、新エネルギーの利活用の促進について盛り込まれているところであります。
 そこで伺いますが、企業局では、新エネルギーの利用促進の観点から、RPS法を活用した小規模水力開発についてどのように取り組んでいるのか。企業局中期経営計画において、小規模水力発電の可能性調査等に取り組んでおりましたが、その成果とそれから今後の見通しはどうなのか、それをお示し願いたいと思います。
〇池内業務課総括課長 小規模水力開発の取り組みと見通しについてでありますが、近年、水力開発候補地点は、山間奥地化することによりまして建設費がかさみ、売電単価が高くなり、電力会社から新規の開発の同意を得られない状況が続いておりました。このような中、RPS法の対象である1、000キロワット以下の小規模な水力発電について開発の可能性を調査検討し、北ノ又発電所の下流部にある落差を利用した地点を候補としてきましたけれども、本年から、地域新エネルギー等促進事業対策補助金の補助率が2分の1に引き上げられたことによりまして、売電単価を引き下げることができまして、本年6月に東北電力の開発同意を得たところであります。これを北ノ又第三発電所とし、最大出力61キロワットで、平成21年12月の運転開始を目指しております。
 今後は、この補助金の対象である1、000キロワット以下の小水力発電に視点を置きまして、これまで9年間測水調査を実施してきた雫石町の有根沢地点や、胆沢第二発電所の取水堰堤の維持流量を利用した胆沢第4地点などを候補といたしまして、開発の可能性を検討してまいりたいと考えております。
〇千葉康一郎委員 大変ありがとうございました。よくわかりました。とにかく、企業局は良好な経営を行っているということでございまして、これも局長初め各職員の努力によるものと思っておりまして、皆さんの御労苦に謝意を表したいと思います。
 今後の経営に当たっては、収入の確保とコスト低減に努めるなど、引き続き経営健全化に努力されるよう申し上げまして、質問を終わります。
〇小野寺有一委員 ただいまの千葉康一郎委員の質問とも若干関連をしてまいりますが、電気事業について大きく3点お尋ねをしたいと思います。
 まず、電力受給に関する基本契約について伺わせていただきます。
 企業局におかれましては、昨年度、当面、公営企業方式で事業を継続するということを決定されたと伺っております。電気事業につきましては、現在、柏台発電所を除く12カ所の水力発電所が、東北電力と岩手県営発電所の電力受給に関する基本契約書というものを締結しており、契約期間は平成7年からの15年間、平成21年度、平成22年3月までと聞き及んでおります。将来は、電力の小売自由化が進展し、卸供給以外の事業形態という選択肢も考えられると思いますが、引き続き平成22年度以降も、電力会社と10年以上の長期契約となるよう協議をしていくと伺っておりますが、その考え方をお聞かせ願います。あわせて、協議の内容、それから今後のスケジュール等についてもお示し願います。
〇岩渕企業局長 平成22年度以降も電力会社と基本契約を締結しようとする考え方についてでありますが、平成11年度の電気事業法の改正によりまして電力の小売が自由化され、公営企業も制度的には現行の電力会社に対する卸供給のほかに、特定規模電気事業者ということで、これは需要家と毎年電力受給契約を結ぶものでありますが、これで小売するなどの事業展開が可能となっております。しかしながら、電力会社以外が供給する卸売市場は2%程度と限られておりまして、また、水力発電は一般的にダムの水位運用、農業用水の供給などの制約があり、需要に応じた臨機応変な出力調整ができないということなどで、特有の課題も持ち合わせております。このことから、卸供給以外の新たな展開にはリスクがあると考えております。したがいまして、平成22年度以降も計画的で安定した経営をするためには、電力会社に長期に卸売する現在の形態を当面維持するのが最善であり、契約期間としては、今のところ10年間程度が望ましいと考えているところでございます。
 なお、東北電力からも、引き続き長期契約を締結したいとする意向を確認しているものであります。
 次に、協議内容につきましては、契約期間のほか、対象とする発電所などについて協議することとしております。
 対象とする発電所につきましては、既設の13発電所に加え、新規に運転開始の予定が平成21年度の北ノ又第三発電所及び平成24年度の胆沢第三発電所の計15の水力発電所にしたいと考えております。
 なお、具体的協議を年内に開始いたしまして、来年度中には大筋で合意したいと考えているところでございます。
〇小野寺有一委員 続きまして、地域貢献について伺わせていただきたいと思います。
 先ほど局長のほうから御説明のありました、企業局の新しい中期経営計画においては、経営方針の4本柱の一つとして地域貢献がうたわれております。その中で、幾つかの取り組みが行われていると伺っておりますが、さきの新聞報道によりますと、企業局では、小中学生等を対象とした、発電所などの施設見学会を開催していらっしゃると伺っております。
 私、昨年まで青年会議所に身を置いておりましたけれども、その中でも、東北電力の水力発電所等でございましたけれども、小学生に対する見学会を主催するというようなことをやっておりましたが、来てくれた子供たちにとっては大変いい思い出となって、エネルギーの理解促進のために大変役立ったと感じております。そういった意味では、企業局を身近に知ってもらうことやクリーンエネルギーの理解促進のためにも、このような取り組みというのは大変有意義なものと考えておりますが、この施設見学会の実施状況についてお示しを願いたいと思います。
〇中屋敷経営企画担当課長 まず、施設見学会の実施状況についてでございますが、施設見学会は企業局創立50周年を契機に、県民に対する企業局のPR拡大及び小中学生等を対象としたクリーンエネルギーの学習、理解促進を目的として、平成17年度から実施しているものでありまして、平成18年度は、地下式水力発電所を中心とした岩洞コース、風力発電所を中心とした稲庭コース、北上中部工業用水道施設と入畑発電所を組み合わせた北上コースの3コースを実施し、145名が参加、平成19年度も同じく3コースで152名の参加がございました。
 見学会では、貸し切りバスを手配するとともに、施設見学のほか、地球温暖化防止への取り組みを題材とした環境教室や地元食材を利用したそば打ち体験を組み入れるなど、内容にも工夫を加えて実施しており、見学者を対象としたアンケート結果では、両年度とも満足度が全体の80%を超えており、期待どおりの成果と認識しているところでございます。
〇小野寺有一委員 昨年度から環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金というのを活用した、県や市町村への支援事業を行っていらっしゃるという御説明が先ほどございました。こうした地域貢献につきましては、今後とも、ぜひ続けていただきたいと考えているところでありますけれども、この積立金の平成18年度の活用状況と、それから、本年度の活用見込みはどのようになっているか、お示し願いたいと思います。
 なお、平成18年度の決算における利益譲与金の処分案では、2、500万円の積み立てを予定しているとなっておりますけれども、これはどのような考え方によるものか、あわせてお示しいただきたいと思います。
〇中屋敷経営企画担当課長 環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金の活用状況についてでございますが、積立金は御案内のとおり、県内の環境保全やクリーンエネルギーの導入促進のために活用するものであり、県の一般会計事業及び市町村事業への支援を行っているところでございます。
 まず、県事業に対しては、平成18年度に県営温水プールへのチップボイラー等導入事業や地球温暖化防止活動推進センターが実施する事業など、5事業に対して4、000万円を支援したところであり、平成19年度はバイオディーゼル燃料を使用する移動環境学習広報車を導入する地球環境教育推進事業など、3事業に対して約3、200万円の支援を決定しております。また、市町村事業に対しては、主に太陽光や風力などを利用した小規模なクリーンエネルギーの導入に一定額を補助するものであり、平成18年度は、岩泉町の津波避難経路へのソーラー式避難誘導灯の設置など、7市町に対し約1、000万円を支援したところです。平成19年度は、補助対象を自治会組織などの公共的団体等にも拡大し、滝沢村の鞍掛山登山口へのソーラー式登山者カウンターの設置ですとか、北上市の口内自治協議会が行う浮牛城址公園内へのソーラー街灯設置など、昨年度の倍増となる15団体、約1、900万円の支援を決定しております。
 次に、積立金への積み立ての考え方についてでありますが、好調な出水により目標を上回る電力量金収入があった場合には、その増収分を積立金に補てんしようとするものであり、平成18年度においては増収分が約2、500万円であったということによるものです。
 企業局といたしましては、今後ともこの積立金を活用し、県内の環境保全・クリーンエネルギー導入促進への取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇小野寺有一委員 次に、風力発電についてお伺いいたします。
 企業局では、水力、風力など自然エネルギーを利用した発電企業に取り組んでおられますが、風力発電に関しては、平成13年度の稲庭高原風力発電所での運転開始以来、故障の発生が多い上に、たび重なる落雷の被害を受けて発電実績は思うように伸びていないという状況が続いてきたと伺っております。
 そこでお伺いいたします。
 まず、平成18年度及び19年度における稲庭高原風力発電所の運転状況及び事故、故障等の状況はどのようになっているのでしょうか。そして、発電実績の向上にはどのように取り組んでいらっしゃるのか、あわせてお示し願います。
〇高橋電気担当課長 風力発電の18年度の運転実績についてですが、18年度は売電実績が約295万キロワットアワーで、目標電力量548万キロワットアワーに対する達成率が53.7%となり、前年度の達成率67.6%より13.9ポイント低下しました。達成率の低下については、雷害や事故などによる停止日数の増加及び風速が計画値の約88%と弱かったことが主な要因です。
 事故は、落雷による風車の損傷が3回発生したほか、発電機内のボルト脱落事故などによる発電停止が発生しました。平成19年度は、9月までの平均風速は計画値と同じ6.2メートルでしたが、定期点検や軽微な故障等に伴う発電停止により、供給電力量の達成率は97.3%となりました。トラブルに関しては、軽微な故障はあるものの、重大な事故、故障は発生しておりません。
 次に、発電実績の向上に向けての取り組みですけれども、発電実績の向上については、事故を防止するとともに、機械の性能を十分に発揮させることが重要と考えています。これまでの事故で、発生回数も多く、一度の事故で大きな被害を受ける落雷事故に関しては、平成15年度に落雷警報装置を設置したのに加え、平成18年度には、3号機の風車ブレード先端にアルミキャップを取りつけ、落雷を受けてもブレードが破損しにくい構造に変更する対策を施しました。
 これまでの経過観察では、キャップを取りつけたブレードは、落雷した場合でも損傷に至っておらず、効果が認められています。機器本来の性能を発揮させるには、軽微な故障を含め、トラブルを未然に防止するための保守管理が重要と考えております。平成19年度は、故障原因となりやすい部品の交換を適宜行ったことに加え、定期点検の項目を見直すなど、予防保全に努めました。また、導入した機器特有のトラブルも発生しており、納入業者から有効な対策が示されないため、同じ機種の風車を導入している高知県、京都府と共同で、納入業者であるJFEエンジニアリングに対し、誠意を持って故障原因の徹底究明を行い、抜本的な対策を講じるよう強く申し入れを行っております。今後も、発電実績の向上に向けて、機器の保全に万全を期してまいります。
〇小野寺有一委員 昨年開発が有望視されておりました高森高原地点の風力発電について、残念ながら事業化断念を表明されておりますけれども、新規風力の検討状況は、現時点でどのようになっているのかをお聞かせ願います。
 最後に、県内では、私の地元であります釜石、大槌それから遠野にまたがる釜石広域ウィンドファームでありますとか、葛巻の風力発電所といった大規模に風力発電に取り組んでいる事例があるわけでございますけれども、企業局では、風力発電を今後県の地方公営企業の中でどのように位置づけ、進めようとしているのか。大規模にこれからどんどん広げていこうとしているのか、それとも、今の形で小規模的、パイロット的に進めていかれるおつもりなのか、開発の基本的な考え方と将来の方向性について伺わせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
〇岩渕企業局長 私からは、風力発電開発にかかわります基本的な考え方につきましてお答えをいたします。検討状況につきましては、高橋電気担当課長から答弁をさせます。
 風力発電につきましては、自然との共生あるいは循環社会の形成の視点から、本県の施策に沿って取り組んできたところであります。近年は、東北地方を中心に多くの風力発電が導入されたこともありまして、電力会社は、風力発電の受け入れに条件あるいは制限を設け、また、県内の風力開発の適地が限られてくるということなど、風力開発を取り巻く状況が年々厳しくなってきているのが現状であります。しかしながら、企業局といたしましては、今後とも、県の新しい地域経営の計画に掲げた新エネルギーの利活用促進や地球温暖化対策の促進に対応する観点から、また、県民への環境に対する意識啓発の上からも、風力開発を進めたいと考えております。
 なお、開発に当たりましては、国それから電力会社の動向を注視しまして、経済性も十分勘案しながら、事業費は起債しないで、借金をしないで、自己資金から調達できる範囲内としまして、出力2、000キロワット未満のものについて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋電気担当課長 新規風力の検討状況ですが、開発を行うには1年以上の風況観測を行った上で、機種選定、採算性の試算など、準備期間に2年以上の期間を要します。したがって、開発の好機を逃さないためには、現時点から風況観測を行って、開発候補地点を確保する必要があります。現在は、二戸市上斗米地区において、ことし11月までの予定で1年間の風況観測を実施するとともに、配電系統の調査も行っていますが、9月末までの平均風速が4.8メートルと、風況がよいとは言いにくい状況です。今後、1年間の風況データがそろった段階で採算性など詳細な検討を行い、本年度中に最終的な判断を行ってまいります。
〇斉藤信委員 まとめて聞きます。
 風力発電について、今年度はかなり改善をされているようですが、先ほどの決算報告を聞きますと、附帯事業収益で決算額2億400万円余、そして支出で2億5、500万円余ですから、これは風力発電だけを見ると赤字ということになるのか。それとも、事故などがありますから、そこらの補償も含めて対応されているのか、ここの収支を示していただきたい。
 二つ目に、北本内ダムと簗川ダムに対する負担金、これ、それぞれ幾らで、これが返還の見通しがあるのかどうか。先ほど特別損失という話もありましたけれども、そこを二つ目に示していただきたい。
 三番目に、工業用水道で入畑ダムの農業用水への転用ですけれども、これは水利権がどうなるのか。計画を聞きますと、入畑ダムはマイナスになって、早池峰のほうから回すというお話でしたが、そこらあたりを示していただきたい。
 早池峰は過大な投資だったのではないかという疑念もわきますが、いかがですか。
〇高橋電気担当課長 風力発電の18年度の収支ですが、まず収入ですが、電力料については3、387万円余りですが、発電機損傷事故にかかわる保険金、災害共済金、その他発電機損傷事故に係る相殺収入と合わせて1億391万円余りの収入となっております。上記の結果、収入全体では1億3、779万円余りの収入になっております。また、費用については、全体で1億3、962万円余りの支出となっており、風力としては、この結果、183万円余りの損失となっております。
〇池内業務課総括課長 ダム建設事業からの撤退に伴う事業費の返還についてでありますけれども、北本内ダムにつきましては、ダム負担金として、平成4年度から12年度までに2、036万4、000円を支払っております。現在、県土整備部において行われているダム負担金の清算業務は今後数年を要すると聞いておりますが、企業局の持ち分である残存物件は取得時の評価で約50万円となっており、ダム負担金として支払った残りの金額については、清算の見込みがないものと受けとめております。
 簗川ダムにつきましては、ダム負担金として平成4年から15年度まで5、441万5、000円を支払っております。支払い済みの負担金の取り扱いにつきまして県土整備部と協議を行っておりましたが、直轄ダムが対象となる特定多目的ダム法の撤退ルールによる返還は、現行の補助金制度では難しいこと、全国的にほかの事例がないことなどから、負担金の返還を求めることは難しいとの判断に至っております。平成19年3月27日には、簗川ダム建設事業基本協定に関する解約協定書を締結いたしまして、簗川ダムの建設事業から正式に撤退したところであります。
 次に、水源転用後における工業用水の水利権の状況と活用についてでありますが、水源転用後の水利権は、入畑ダムを水源とする第二北上中部工業用水道事業が国営かんがい排水事業に3万5、000立米を転用することで、現在の全体での日量9万3、600立米が5万8、600立米となります。また、その結果、現時点で見込める供給余力は、全体で日量1万2、000立米余りとなります。第二北上中部工業用水道事業エリアでの企業誘致や若干の供給能力の不足に対応していくために、第一北上中部工業用水道事業の北上川表流水あるいは早池峰ダムを水源とする供給余力を活用できるよう水利権の統合を行い、今後の需要増に備えたいと考えております。
 それから、早池峰ダムの水源が余剰だったのではないのかということでありますけれども、これは、北上工業団地の誘致企業に対して給水するという計画のもとに水源を確保したものであります。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、企業局関係の質疑をこれで終わります。
 次に、お諮りいたします。当委員会に付託されました決算14件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議願い、その結果を待って、委員会を開き、結論を出すことにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〇佐々木一榮委員 ちょっと意見として申し上げたいと思いますが、実はこの平成18年度決算は、御案内のとおり、3月15日の本会議で一度否決、そして3月19日に議員提案により可決されました330億円の競馬組合の基金条例を含む平成18年度の決算ということになっております。2月定例会以来、その後選挙があり、6月定例会、そしてさっき言いました18年度決算でありますので、その当時それぞれの議決にかかわった方々の中には、この認定についてのさまざまな思いはあろうかと思いますが、いずれ、議会としては決定したことでありますので、あくまでも決算認定ということになろうかと思いますが、今後、世話人の方々がお集まりになってさまざま附帯意見等の原案を検討されるかと思いますが、その辺の今までの流れを十分に考慮いただきまして、これから競馬を存続していくために、県当局に対しての強い審議を通じての申し入れ、この部分をぜひ御検討いただきたいということを申し上げさせていただきます。
〇新居田弘文委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後5時16分 休憩
午後6時48分 再開
〇新居田弘文委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 決算14件に対する各会派の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
 認定第1号平成18年度岩手県立病院等事業会計決算については、次の意見、すなわち、医療を取り巻く環境が一層厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
 平成18年度の経営収支は、診療報酬の改定、医師の不足による診療体制の弱体化等に伴う入院・外来患者数の減少などにより、経営の根幹である医業収益が減少したことにより、事務部門等の職員数の見直し、院外処方せんの発行促進等、費用削減の努力を行ったが、9億円余の純損失が生じ、当年度末の累積欠損金は127億円余となっている。
 また、今後も医療費の抑制に加え、患者数の減少等により収益の増加が見込まれない状況下においても、医療需要等に対応した施設の整備等による諸経費の増加が見込まれるなど今後とも厳しい経営環境に置かれることが予測される。
 今後の経営に当たっては、引き続き国に対し、財政措置の強化や医師等人材の確保・育成支援などを積極的に要請するほか、医師確保対策を一層強化するとともに、医療資源の有効活用や職員一丸となった県立病院改革への取り組みを進め、安定した経営基盤の確立と、良質で効率的な医療提供体制の構築を図り、もって県民に信頼される医療サービスの充実、向上に努められたいとの意見を付し、認定第4号平成18年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、次の意見、すなわち、平成18年度における本県財政は、国と地方に関する三位一体の改革の影響により地方譲与税が増加した一方で、国庫支出金が大幅に減少したことから、政策評価結果等に基づく選択と集中により、施策の重点化、効率化を図ったものの、依然として非常に厳しい運営を迫られたものとなった。
 当年度末の普通会計における県債現在高は1兆4、439億円余と前年度末に比べ97億円余減少したものの依然として多額であり、経営収支比率及び公債費比率は前年度を上回る高い水準にあるなど、本県財政の硬直化は一層進行している。
 また、今後も多額の財源不足が見込まれる中、岩手競馬再生推進基金の造成等に伴い県の主要3基金の残高が大幅に減少するなど、本県の行財政を取り巻く環境は、極めて危機的な状況にある。
 今後の行財政運営に当たっては、地方税財政制度の改革を国に強く働きかけるとともに、年々増加傾向にある収入未済額の解消を図るなど歳入確保に全力を傾け、また、中期の財政見通しのもと、新たな行財政改革プログラムを早期に策定し、すべての事務事業をゼロベースから見直すなど不断に行財政改革の取り組みを進める必要がある。
 あわせて、安定した行財政基盤を確立するため、プライマリーバランスの均衡を基本としながら中長期的に県債残高の縮小に努めるとともに、顕在化する県政の諸課題の解決、特にも岩手県競馬組合の経営健全化に全力で取り組み、県民福祉の維持・向上に一層努める必要がある。
 平成20年度予算編成に当たっては、以上のことを踏まえ、適切に取り組まれたいとの意見を付し、それぞれ認定することとし、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第14号までは、認定することといたした次第であります。
 これより採決をいたします。
 認定第1号及び認定第4号については、ただいまの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇新居田弘文委員長 起立多数であります。よって、認定第1号及び認定第4号の2件については、ただいまの意見を付し、認定することと決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第14号平成18年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇新居田弘文委員長 起立多数であります。よって、認定第14号平成18年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算については、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第13号までの11件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇新居田弘文委員長 起立全員であります。よって、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第13号までの11件については、認定することに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し、深く感謝を申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後6時55分 閉会

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