令和元年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(川村伸浩君) 自由民主党の川村伸浩でございます。
 初めに、本年相次いだ台風等災害により犠牲となられた方々の御冥福をお祈り申し上げ、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 本日は一般質問の機会を与えていただきました先輩議員、同僚議員に感謝を申し上げます。
 3番目の登壇ということで、前に登壇されている議員の方々と重複する質問もございますが、私なりの目線で質問させていただきますので、答弁をよろしくお願い申し上げます。
 まず、令和元年台風第19号災害からの復旧、復興についてお伺いいたします。
 またもや強大な台風が日本列島を襲いました。台風第19号は、10月12日から翌13日にかけ猛烈な風雨をもたらし、岩手県において死者3名、全壊住家41棟、半壊住家758棟、床上、床下浸水166棟、避難者数は最大で1万人となる大災害を引き起こしました。県北、沿岸部においては、平成28年台風第10号災害からの復旧が進む中、再び台風による甚大な災害をこうむっております。
 そこで知事にお伺いいたします。平成28年台風第10号災害など過去の災害から得た教訓は、今回の災害対応に生かされたのでしょうか。また、過去からの教訓を今後の備えにどのように生かそうとしているのか、あわせてお伺いいたします。
 今般の台風襲来後、被災現場からは悲痛な声、切実な状況が寄せられております。自由民主党岩手県支部連合会では、令和元年台風第19号非常災害対策本部を設置し、10月22日、2班に分かれ、沿岸被災市町村での視察、聞き取りを行いました。私は会派の議員とともに、宮古市、釜石市、山田町を調査しましたが、大規模な土石流、道路の崩落、住家への浸水及びサケふ化場の損壊など、いずこにおいても目を覆わんばかりの被害でありました。
 この調査を踏まえ、11月12日に上京、自由民主党本部、関係省庁に対し要望、また、11月13日から25日まで、自由民主党岩手県支部連合会及び県議会自由民主党合同で、市町村重点要望調査で県内全33市町村を回りました。被災市町村からは、公共土木施設の改良復旧、土木技術者のマンパワー確保及び風評被害による観光客減少への対応などの要望を受けたところであります。
 また、災害によって発生したごみの処理への支援について要望を多数受けております。ごみの量は被災市町村で処理し切れない規模に上っていると思われますが、これらの処理が進まなければ復旧そのものが見えてきません。
 そこで、今回の台風災害で発生したごみの量はどれだけになっているかお伺いいたします。また、被災市町村以外での処理受け入れはどうなっているのか、処理にはどれくらいの期間が見込まれているのかについてあわせてお伺いいたします。
 被災市町村は、復旧に手いっぱいで、手続や処理を進めようにも進められない状況にあると思われます。このようなとき、県は災害ごみの処理においてどのような役割、役目を担っていこうとしているのかお伺いします。また、被災市町村から処理への財政支援を望む声が上がっていますが、所見についてあわせてお伺いいたします。
 今般の台風では、ことし3月に、リアス線として一貫運行を開始した三陸鉄道において、線路への土砂の流入や路盤流出など甚大な被害が発生しています。11月28日には、宮古―津軽石の区間が運行再開したところですが、いまだに釜石―津軽石及び田老―久慈の区間は運休が続いています。
 そこで、三陸鉄道の全線復旧の見込みはどうなっているか、お伺いいたします。
 三陸を訪れる方々を、北へ、南へ運ぶ重要な路線でもある三陸鉄道ですが、運休により団体利用のキャンセルも出ているとのことであり、今後、長期間の運休が再開後の利用者数にも影響を及ぼすことが懸念されています。県は、三陸鉄道の運行再開に向けてどのような支援を行うかについてお伺いいたします。
 今般の台風災害においては、県南地域においても住家の一部破損や浸水被害、農業施設や農作物などに被害が発生していますが、その状況についてお伺いいたします。
 県南地域は、戦後のアイオン台風、カスリン台風災害など、過去に甚大な水害が発生してきた地域でもあります。先人たちは、これを克服するため、北上川流域に田瀬ダムなどの5大ダムをつくり洪水を防止するとともに、蓄えた水で田畑を潤し、電力や工業用水を確保してこの流域に一大産業地帯をつくり上げました。しかし気になるのは、先人たちが水害に涙した記憶が風化し、水害への備えが薄らいでいるのではないかということであります。この恵み豊かな県南を水の災いから守っていくためには、住民の防災意識を薄れさせない取り組みが重要であると考えますが、これまでの取り組みと今後の方針についてお伺いいたします。
 次に、農業振興についてお伺いいたします。
 国は、農業の成長産業化を加速するため、農業経営の法人化を促してきたところであり、2010年時点で全国に約1万2、500経営体あった法人数を、10年間で約5万経営体まで増加させることを目指してきました。県内でも農業法人の設立が進んでいると思われますが、経営を担う役員が法人設立時からそのまま年齢を重ねている状況で、法人経営内部での事業を継承する後継者対策が課題となっています。また、集落営農組織も同じような構図で、法人化に踏み切れないところもあると思います。農業経営の活性化を図り、すぐれた経営感覚を備えた後継者を確保、育成していく意味からも、農業法人等経営体の後継者対策は重要であります。
 そこで知事にお伺いいたします。農業法人や集落営農組織の経営の安定的承継を進めるため、県はどのような対策、取り組みを行っていくのでしょうか。
 中山間地域等直接支払制度も第5期に入るところと承知していますが、集落では高齢化、農業後継者不足が顕著であります。専業農家だけでは地域や農地を守る活動も難しく、兼業農家なども含めた集落の後継者育成が必要と思われます。県は、これらの課題をどう捉え、どのような対策を講じようとするのかについてお伺いいたします。
 また、中山間地域の活性化のため、優良モデルの紹介、参入を促すための啓発活動が必要と考えますが、あわせて所見をお伺いいたします。
 農業法人等では、常勤、パート及び季節雇用を含めて、従業員確保がなかなか進んでいない状況であります。JAいわて花巻では、職業紹介などをやっていると承知していますが、農業法人等では、必要な労働力を確保できていないという現状であります。
 県では、農業法人等の就労者確保に対しどのような取り組みや支援を行っていくのか、お伺いいたします。
 農福連携も有効な取り組みであります。障がいのある方が住みなれた地域で個性と能力を発揮して働くことができるよう、多様な就労の場を確保することが重要となっています。県内でも、障がい者就労支援事業所に通う方々が、農業の分野で農産物の生産、収穫、加工など、さまざまな作業において活躍する姿が多く見られます。先月末には、盛岡駅のコンコースにおいて、就労支援事業所で生産した野菜や花、ジュースなどを販売する農福マルシェが開催され、たくさんの人でにぎわいました。
 このように、障がい者の就労の場の拡充と工賃向上が図られるとともに、農業の支え手の拡大にもつながる農福連携は、農業県岩手においてもすぐれた取り組みとして注目されているところです。
 本県における農福連携の取り組み実績はどうなっているかお伺いいたします。また、今後、どのように取り組んでいくのかもあわせてお伺いいたします。
 次に、観光産業振興についてお伺いいたします。
 東北デスティネーションキャンペーンが、令和3年度にやってまいります。本キャンペーンは、東北各県の力をかけ合わせ、東北の大きな力にし、東北の魅力を国内外へ発信する絶好の機会となることが期待されています。かの東日本大震災津波の発災から10年の節目を経て、その先の東北を照らす取り組みとも言えるのではないでしょうか。東北デスティネーションキャンペーンに対する本県の意気込みを改めてお聞かせください。
 キャンペーンのキャッチコピーは、巡るたび、出会う旅。東北、これを聞いただけでわくわくし、胸が躍る気分であります。既に本年10月末にホームページが開設され、約1年半後に向けた取り組みがスタートしているとのことでありますが、キャンペーンの実施に向け、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 日本を訪れる外国人が増加する中、岩手県を訪れる外国人の数が伸び悩んでいますが、これは東京や京都などの主要観光地に比べ、まだまだ知名度が低いからではないかと考えるところです。日本へ来たら岩手県へ、岩手県を含めて日本を周遊しようというようにしていくためには、外国人に対する岩手県の知名度を一層高めなければいけないと思います。日本に来てから外国語版パンフレットを手にするだけでは、岩手県への誘客は進まないと思います。
 県では、海外の旅行業者などに向け岩手県をどのようにアピールしているのか、これまでの実績をお伺いいたします。また、外国人旅行者の誘客において課題をどう捉え、どのような方向に取り組んでいくのか、あわせてお伺いいたします。
 沿岸各地には多くの震災遺構が残され、また、伝承する方々の活動により、訪れる者に震災の記憶と避難の大切さを伝えています。
 9月22日、陸前高田市に東日本大震災津波伝承館が開館いたしました。来館者は11月末に8万人を超えるなど、この施設に大きな注目が集まっているところであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 発災からもうすぐ9年を迎えますが、震災の記憶が薄れることがないよう、岩手のこれからを担う世代へ伝える機会の確保は非常に重要であります。
 津波伝承館では、開館以来、児童生徒の学習旅行受け入れの状況はどうなっているでしょうか。また、今後の受け入れに向けてどのように取り組んでいくのかあわせてお伺いいたします。
 沿岸各地には幾つもの震災遺構が残されていますが、大小さまざまなものがあり、これを訪ねて回ることは、個人でも団体でも容易なことではないと思います。そこで、案内役として、また、実体験を交えて伝えるのが地域のガイド団体ですが、ゲートウエー機能を担う津波伝承館は、震災遺構を案内する地域のガイド団体への橋渡しをする役目を担い、震災伝承ツーリズムの推進役を果たしていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、スポーツ振興についてお伺いいたします。
 ラグビーワールドカップ2019の岩手・釜石での開催は、スタジアム来場者約1万4、000人、公式ファンゾーンに延べ約3万9、000人など多くの来場者を集め、成功裏に幕を閉じました。今回の大会を通じて、ラグビー、スポーツの力が県民に大きな力を与えたことを大いに感じたところであります。この大会成功のレガシーをぜひ未来の岩手県、未来の三陸へつなげていきたい、形に残していきたいと思う県民も多いのではないかと思います。
 例えば、岩手県の高校ラグビーの決勝は、釜石鵜住居復興スタジアムで開催、岩手県の高校ラガーマンは釜石を目指す、そして、釜石の先に花園ラグビー場が待っている。さらにその先に世界がまっているなどと、夢あふれるアイデアもあっていいのではないでしょうか。
 そこで、この大会を契機として、岩手県のスポーツ振興のため、どのような取り組みを行っていくかについてお伺いいたします。
 県営スポーツ施設は、県営運動公園の各施設を含め、多くが盛岡市とその周辺に設置されています。また、昭和45年の岩手国体に合わせて整備されたものが多く、老朽化が進んでおります。県内の交通アクセスの改善が進み、利便性が向上したことも踏まえ、県営スポーツ施設の県内分散設置を進めるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 また、計画的に分散設置を進めることにより、施設の改修時期が集中することを回避する上でも有効であると思いますが、所見をお伺いいたします。
 盛岡南運動公園内に新たに整備される野球場については、県と盛岡市が共同で設置することとなっています。これについては、県や市町村が直面する現状に鑑みた決断であったと思うところであります。
 県内では、県営と同様のスポーツ施設が市町村で整備されてきましたが、かつてのような交通事情では、住民の利便性から考えて各地で整備する必要があったものと考えるところです。
 一方、交通アクセスの改善が進んだ現状からすると、同様の施設が散在していることは、利用者確保の上でも施設を維持していく上でも、デメリットが生じていくのではないかと思うところであります。
 このような状況を踏まえ、今後の県営スポーツ施設の整備については、市町村との共同整備、共同設置を進めていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 ラグビーワールドカップ2019大会が終わり、釜石鵜住居復興スタジアムは仮設スタンドが取り払われましたが、美しい芝生のグラウンドを眺めると、選手たちの興奮と観客の歓声が今でも脳裏によみがえってきます。スタジアムは釜石市の施設ですが、大会の聖地でもあるこの地は、岩手県の誇り得る財産であることは間違いありません。
 そこで、今後、釜石鵜住居復興スタジアムはどのように活用されていくのかお伺いいたします。また、スポーツ施設の市町村との共同設置とも関係してくると思いますが、県はスタジアムの利活用にどのようにかかわっていくのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、産業振興についてお伺いいたします。
 県内では、県南部を中心に、東北でも指折りのものづくり産業の集積が進んでいます。それに伴い、ものづくり産業を支える人材の育成、確保が重要となっております。金ケ崎町には、トヨタ自動車東日本の工場がありますが、宮城県大衡村にある同社工場の敷地内には、企業内訓練校であるトヨタ東日本学園が平成25年度に開校しております。同校では、トヨタ自動車東日本の社員の技術向上を図っているほか、地域の企業に活用してもらうための教育コースを設定し、外部からの受け入れも行っているとのことであります。本県でも、自動車関連産業に従事する者の技術向上を図るため、このような企業内訓練校の誘致をすべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 キオクシア岩手が北上市に新工場を建設し社員を募集したところ、募集定員を満たせなかったことが記憶に新しいところであります。このように、県内では、半導体関連産業における人材ニーズが高まっているところですが、このようなニーズに対応するための人材の育成はどのように行われているのか、お伺いいたします。育成された人材が県内に定着しているかどうかについても、あわせてお伺いいたします。
 ものづくり産業にかかわる者がさらなる技術向上を図る上で、地元の高等教育機関等での知識、技術習得の機会を得ることは、企業、社員にとって重要なこととなっています。このような高等教育機関等による人材育成はどのように行われているのかについてお伺いいたします。また、この取り組みに対し、県はどのようにかかわり、支援等を行っているかについてあわせてお伺いいたします。
 次に、いわて花巻空港についてお伺いいたします。
 本県の外国人延べ宿泊者数は、平成30年で約24万6、000人となっており、そのうちトップは台湾からの約14万8、000人となっていますが、次いで中国が約3万人、香港が約1万5、000人と、中国、香港から岩手県を訪れる観光客が多くなっています。
 一方、香港では、大規模なデモが長期化、過激化し、デモ隊と警察の衝突による混乱が続いています。このことは、日本から中国や香港へ、あるいは中国や香港から日本への旅行に少なからず影響を及ぼしているものと思われます。国内外の旅行客が利用するいわて花巻空港への影響が懸念されるところですが、香港での混乱発生後、いわて花巻空港の国際便利用に影響が出ているかお伺いいたします。また、今後の国際便運航や就航に影響があるのかあわせてお伺いいたします。
 いわて花巻空港と羽田空港を結ぶ便については、昭和60年に休止し、東日本大震災津波後の臨時便を除き、運航が終了しているところであります。
 一方、羽田便は、国内各空港への乗り継ぎや、インバウンド誘客の観点からも重要な路線となっていることから、復活を望む声が大きいところであります。これらを踏まえ、羽田便の運航再開を航空会社に強く働きかけていったらどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。また、運航再開に当たり課題となっている点をどのように認識しているかについて、あわせてお伺いいたします。
 以上で登壇しての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 川村伸浩議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、台風等の風水害からの教訓及び対策についてでありますが、近年では、平成25年8月に、花巻市、雫石町、紫波町等で発生した大雨災害を踏まえ、災害時における迅速な情報収集のため、必要に応じて職員を現地に派遣する体制を整備しました。また、平成28年の台風第10号災害を教訓に、台風等の風水害の発生が見込まれる場合に、市町村の災害対応を支援するため、風水害対策支援チームや河川管理者から市町村長への助言等を行うことといたしました。これらを踏まえ、今回の台風第19号の接近にあっては、11市町村にリエゾンを派遣するとともに、風水害対策支援チーム会議を開催し、県から市町村に早期の警戒体制の確立及び日中の避難完了について助言したところであります。さらに、河川管理者から市町村に水位の情報をホットラインで伝え、迅速な警戒対応を促しました。
 一方で、今回、夜間に避難した方もいらっしゃることから日中の早期避難の重要性が改めて認識されたところであり、市町村に対しては、防災気象情報等に基づき、早期に避難指示(緊急)を発令すること、県民に対しては、いち早く避難することなどを働きかけることが重要と考えております。
 今後におきましては、予期せぬ災害に対応できるよう、県民一人一人の防災意識の向上、住民同士が助け合える体制の強化、関係機関が連携した防災体制の整備に取り組んでまいります。
 次に、農業後継者対策についてでありますが、県内の農業法人や集落営農組織においては、円滑に経営継承されている経営体がある一方で、後継者がいないなどの不安を抱える経営体もあると承知しており、農業法人等の経営を支える担い手を確保、育成していくことが重要と考えております。
 このため、県では、農業団体と連携し、いわて農業経営相談センターを設置して、円滑な経営継承に関する課題を抱える農業法人等に税理士や中小企業診断士等の専門家を派遣するなどの支援を行っています。また、農業法人等の経営への参画が期待される若い雇用就農者などを対象に、いわてアグリフロンティアスクールにおいて、岩手大学等と連携しながら、生産、販売、財務、労務管理など経営全般にわたる講義や経営ビジョンの作成等の実践的な演習を行うなど、経営者として求められる知識の習得や能力の向上に取り組んでいるところであります。
 このような取り組みにより、農業法人等の経営に参画する人材が着実にふえてきており、今後とも、関係機関、団体と連携しながら、農業法人等の経営を支える担い手の確保、育成に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、東北デスティネーションキャンペーンについてでありますが、ことし本県では、三陸防災復興プロジェクト2019、ラグビーワールドカップ2019釜石開催、KOUGEI EXPO IN IWATEなどの大きなイベントが続き、来年には復興五輪と位置づけられる東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の一部競技と関連イベントが東北各地で開催され、令和4年には全国植樹祭の本県開催が決定されているなど、国内外から岩手県への関心が高まっていると認識しております。
 こうした中、東日本大震災津波の発災から10年の節目となる令和3年に開催される東北デスティネーションキャンペーンは、東北6県の広域で、かつ6カ月という長期間にわたりJRグループ6社が総力を挙げて誘客、送客する大きな取り組みでありますことから、国内外の多くの方々に、東北ならでは、岩手県ならではの魅力に触れていただく絶好の機会と捉えております。
 県といたしましては、東北の行政、民間団体が広く連携し、観光の力を結集するこのキャンペーンに参画することで東北全体での誘客の一翼を担っていくとともに、東北を旅する多くの観光客が岩手県を訪れ、岩手の旅を通じて幸せを感じていただけるような取り組みを市町村、観光関係団体、民間事業者、そして県民の皆様とオール岩手で進めてまいります。
 そのほかのお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔環境生活部長大友宏司君登壇〕 
〇環境生活部長(大友宏司君) 災害ごみ処理への支援についてでありますが、台風第19号により県内で発生した災害廃棄物の量は現時点で約5万トンと推計しておりますが、本推計値には、土砂、流木、稲わらが含まれていないことなどから、その量は今後増加することが見込まれるところです。
 災害廃棄物については、原則として市町村の処理施設において処理が行われますが、今回、災害廃棄物が一度に大量に発生したため、被災市町村のごみ処理施設だけでは処理できない状況も出ており、県では、県内他市町村のごみ処理施設での処理が可能となるよう調整を行ってきたところであり、現在、普代村の可燃ごみが二戸地区広域行政事務組合で、久慈市の可燃ごみが盛岡市でそれぞれ処理されているところであります。
 また、災害廃棄物の処理期間については、家屋解体や混合廃棄物の分別、処理等に時間を要するケースも想定されることから、平成28年台風第10号の処理実績を勘案し、1年から2年程度と見込んだところです。
 災害廃棄物の処理に要する費用については、国に対し、復旧、復興に要する経費について特段の財政措置を講ずるよう要望したところであり、補助対象事業費に係る国の負担割合が通常災害の90%から97.5%まで引き上げられたところであります。
 県としましては、災害廃棄物が迅速かつ適正に処理されるよう、引き続き被災市町村の取り組みを支援してまいります。
   〔政策地域部長白水伸英君登壇〕 
〇政策地域部長(白水伸英君) まず、三陸鉄道の復旧についてでありますが、三陸鉄道では、早期の運行再開が可能と見込まれる区間から順次復旧を進め、これまで、釜石―盛間、田老―津軽石間の運転を再開したほか、年内に津軽石―陸中山田間及び田老―田野畑間の運行を目指し復旧工事を進めており、残る区間につきましては来年3月中の全線運行再開を目指していると承知しております。
 現在、三陸鉄道は、運休による個人利用の落ち込みや団体客のキャンセル等により大幅な減収となっており、運休の長期化に伴い、運行再開後の利用者数への影響も懸念されることから、県と関係市町村で構成する三陸鉄道強化促進協議会などにおいて利用促進の取り組みを強化していくこととしております。
 具体的には、三陸鉄道がたび重なる災害から復旧を果たす力強い姿を県内外に情報発信し、利用促進に向けた機運醸成を図っていくとともに、運行再開区間に乗車し、三陸鉄道を応援するツアーの誘致に向けた旅行会社への働きかけや魅力的な企画列車の造成に向けた支援などを通じ、運行再開後も三陸鉄道の利用拡大が図られるようしっかりと取り組んでまいります。
 次に、香港情勢による国際便への影響についてでありますが、香港便については、これまでチャーター便の運航実績がございまして、平成29年度、平成30年度には各2便でありましたが、本年度は既に7便が運航されたところでございます。ただ、ことし秋には、香港からのチャーター便の運航計画があったものの、最終的には運航見送りになった事例があり、香港におけるデモによる影響があったのではないかと推測しております。
 現在、現地ではデモの影響による混乱が続いていますが、訪日外国人旅客数が中国、韓国、台湾に続いて4位であること、県内への宿泊者数が台湾、中国に次いで第3位であることなどから香港は有望な市場と認識しておりまして、将来の展開を見据え、当面は香港の航空会社や旅行会社に対しチャーター便の運航を働きかけてまいります。
 次に、羽田便についてでありますが、羽田便が実現すれば、国内各地への乗り継ぎの利便性向上やインバウンドの誘客拡大等が図られ、いわて花巻空港の航空ネットワークが一層充実することが期待されるところであります。このため、これまで運航会社に対し、機会を捉えて羽田便の再開を要望しているところであります。
 羽田便の実現に向けては、東北新幹線との競合や羽田空港の発着枠の確保が課題と認識しております。一方で、ILCの誘致が実現すれば相当数の研究者等の往来が期待されることも見据え、県としては、引き続き航空会社に対する働きかけを行ってまいります。
   〔総務部長八重樫幸治君登壇〕 
〇総務部長(八重樫幸治君) まず、県南地域の被害状況についてでありますが、住家については、11月22日現在、一関市や奥州市を初め7市町において、強風、浸水などにより一部破損、床上浸水、床下浸水など80棟の被害が生じています。また、奥州市や花巻市等において水稲、豆類、雑穀、野菜、花卉類の冠水、果樹の落下、倒木等の被害があったほか、花巻市や一関市等においてパイプハウス等の破損が、一関市や奥州市等において農地への土砂流入や畦畔崩落、農業用施設の水路のり面崩壊が発生したところであります。
 県南地域における被害額は、11月22日現在でリンゴの落果など農作物の被害が約2億2、000万円、パイプハウスの破損など農業施設の被害が約4、000万円、農地への土砂流入などの農地、農業用施設の被害が約4億円となっています。
 県では、さきの9月定例会において補正予算を計上し、被災者の生活再建支援や農林水産業の再開に向けた支援などの取り組みを進めてきたところであり、引き続き市町村と十分連携し、被災地の一日も早い復旧、復興に取り組んでまいります。
 次に、住民の防災意識を高める取り組みについてでありますが、水害を初めとする災害時においては住民に迅速に避難してもらう必要があり、日ごろから住民の防災意識の高揚を図っていくことが重要であると考えています。
 このため、県では、県政広報誌いわてグラフや県政テレビ番組を活用した防災知識の普及啓発、岩手県地域防災サポーターによるワークショップの開催、小中学校における防災教育などに取り組むとともに、自主防災組織など、地域の中核となって防災活動を担う人材を育てるため、市町村と連携して、今年度から新たに防災士養成研修を実施しているところであります。
 また、例年、開催地域を変えて総合防災訓練を実施し、風水害による浸水や洪水被害を想定した広域避難や避難所の開設、運営などの住民参加型の訓練を行ってきたところであり、来年度においては、県南地域で総合防災訓練の実施を予定しております。
 今後においても、予期せぬ風水害の発生に対応できるよう、防災知識の普及啓発や実践的な訓練の実施などにより住民の防災意識を高め、地域防災力の強化を図ってまいります。
   〔農林水産部長上田幹也君登壇〕 
〇農林水産部長(上田幹也君) まず、中山間地域における農業振興についてでありますが、中山間地域の活性化に向けては、地域の核となる担い手や小規模、兼業農家などの生産者や地域住民など多様な主体が連携、協働した農地等の保全活動や地域活動の活発化などの取り組みを進めていくことが重要であります。
 このため、県では、中山間地域等直接支払制度や県独自のいわて農山漁村コミュニティ活性化支援事業などによりまして畦畔の草刈り等の保全活動や伝統行事等の地域活動を支援しているほか、いわてアグリフロンティアスクールに農村地域活動に係る講座を開設するなど、地域リーダーの育成に取り組んでおります。
 また、新たな担い手を確保、育成していくため、他産業に従事する地域の若者が農地保全活動や地域活動に取り組むなど、中山間地域の活性化に成果を上げている集落に対しいわて中山間賞を授与するとともに、こうした取り組み事例に学ぶセミナーを開催するほか、広報誌中山間だよりや県のホームページにより広く紹介をしております。
 さらに、若者から定年帰農を希望するシニア層まで、農業に関心を持つさまざまな世代を対象に農業大学校で農業の知識や農作物の栽培方法を学ぶ研修を行うなど、新規就農者の確保にも力を入れており、今後とも中山間地域の活性化に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、農業法人の就労者確保についてでありますが、県では、新規就農者の確保に取り組むとともに、農業団体等と連携し、本年4月に岩手県農業労働力確保対策推進会議を設置して労働力確保等に係る情報共有やJAの無料職業紹介所などの活動を支援しているほか、農業経営体を対象とした労務管理研修会を開催しております。また、地域の実情を踏まえながら、現地見学会の開催等による就業希望者の掘り起こしや農作業アルバイトの募集とマッチング、障がい者の就労支援などの取り組みを進めております。
 このような取り組みにより、JAグループを通じた労働力の確保状況でございますが、10月末現在で約280人の求人に対し約230人、率にして約8割の就業実績となっているほか、本年度末までには県内の7JA全てで無料職業紹介所が開設されるなど、労働力確保に向けた体制の整備や取り組みの充実が図られているところであります。
 県では、引き続き関係団体と連携しながら、農業労働力が安定的に確保できるよう積極的に取り組んでまいります。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕 
〇保健福祉部長(野原勝君) 農福連携についてでありますが、県では、平成30年度に福祉、農林水産、商工、教育等の関係機関等で構成する農福連携協議会を設置し、各分野が連携して、農業者向けに障がい者の理解に係る研修会や、就労支援事業所職員が農業の知識を習得する研修会の開催、農業者等と事業所の作業受託を調整するマッチング支援、事業所が生産した商品の販売を行うマルシェなど、総合的な支援に取り組んできたところであります。
 この結果、作業受託に係るマッチング支援件数は本年11月末までに26件に達し、県が把握しているところでは、農業に取り組んだ就労継続支援事業所は、平成29年度の70事業所から令和元年度は105事業所と増加しているところであります。
 県としては、農福連携の取り組みが広がってきていると認識しており、今後もこれまでの取り組みを継続し、今年度作成した農福連携応援マークを活用した普及啓発を図りながら、農福連携が全県的に広がり、障がい者の個性に応じた多様な就労の場の確保と工賃向上、農林水産業の支え手の拡大につながるよう推進してまいります。
   〔商工労働観光部長戸舘弘幸君登壇〕 
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) まず、東北デスティネーションキャンペーンに向けた取り組みについてでありますが、本年4月に東北デスティネーションキャンペーンの実施が発表され、7月には本県も参画して東北デスティネーションキャンペーン推進協議会を立ち上げ、10月にはロゴマーク、キャッチコピー及びキャンペーンの取り組み方針を決定するなど、準備を進めてきたところであります。
 現在は、国内外の旅行会社に商品造成を働きかける機会、マスコミ関係者に対しては東北をPRする最大の機会であります、来年6月の全国宣伝販売促進会議の開催に向けまして、東北デスティネーションキャンペーン推進協議会において観光資源の情報収集やキャンペーン期間中の企画等について検討を進めておりまして、県におきましては、本年9月に市町村説明会を開催し、各地域の観光資源の発掘、磨き上げ等への主体的な取り組みを要請したところであります。
 今後、東北が連携して誘客の取り組みを進める中で、キャンペーン期間中に国内外から東北を訪れる観光客に岩手県を訪れていただけるよう、県といたしましては、各地域の磨き上げられた魅力的な観光資源の情報を集約し、それらを周遊するルートの構築と積極的な情報発信を行いますほか、旅行会社への売り込み等による商品造成の促進、本県独自のプレキャンペーンの実施やおもてなし機運の醸成などの取り組みを行政のみならず、県内の観光関係団体や民間事業者、県民の皆様と一体となって進めてまいります。
 次に、岩手県の知名度アップについてでありますが、県では、海外旅行博等への出展、海外の旅行会社、メディア等の招請による県内観光地視察、海外での商談会開催や旅行会社の訪問などに取り組んでいます。
 平成30年度の取り組み実績は、東北観光推進機構や日本政府観光局など他の機関と連携したものも含めまして、海外旅行博等への出展15回、海外の旅行会社、メディア等の招請140名、現地商談会への参加7回、旅行会社への訪問は81社となっています。今年度におきましても同様の取り組みを行っておりますほか、本年1月に花巻―上海国際定期便が就航いたしましたことから、中国上海市において本県主催の観光説明商談会を初開催するなど、市場ニーズに合わせ、本県への誘客に効果的と考えられるプロモーションを実施しております。
 外国人観光客の誘客における課題につきましては、本県にとって大きな市場であり、個人旅行客の割合が増加している台湾、中国、欧米豪市場などからの観光客に魅力を感じてもらえる観光資源の発掘や磨き上げと、直接訴求する情報発信、受け入れ環境のさらなる充実が必要と捉えております。
 このため、引き続き地域が主体となった観光資源の磨き上げ等を支援するとともに、個人旅行客に直接訴求するSNSでの積極的な情報の発信、多言語表示や無料公衆無線LANの整備など受け入れ環境の充実にも取り組んでまいります。
 次に、企業内訓練校の誘致についてでありますが、県では、自動車関連産業の集積や高度化を進める上で技術、技能の向上は重要な課題と認識しておりまして、産学行政が一体となって、各地域のものづくりネットワークの取り組みなどによりまして人材育成を推進してきたところであります。
 議員御紹介のトヨタ東日本学園は、トヨタグループのものづくり競争力の向上と東北におけるものづくり基盤の強化を目的として設置されておりまして、平成25年度以降、県内の高校卒業者15名が同学園で学び、岩手工場などで活躍しているほか、県内のものづくり企業からも長期、短期などの各コースで延べ約80名が受講し、学んだ技能をそれぞれの企業で生かしているところであります。
 こうした企業内訓練校は、本来的には企業内人材の育成機関でありますが、関連企業の人材育成にも活用し得る方策の一つと考えられますことから、サテライト的な展開の可能性も含め、今後、研究してまいります。
 次に、半導体関連産業における人材育成についてでありますが、県は、集積が進む半導体関連産業全体の持続的な発展につながるよう、ものづくり人材の育成に重点的に取り組んできたところであります。
 具体的には、産学行政で組織するいわて半導体関連産業集積促進協議会におきまして、大学生を対象とした企業見学会や半導体応用講座などを実施してきましたほか、平成30年度からは、国の委託事業を活用し、岩手大学と連携して、大学生や社会人等を対象に、専門的な知識、技術の習得を目的とするいわて半導体アカデミーを開講するなど、半導体関連産業の未来を担う人材を育成しているところであります。このような取り組みによりまして県内大学生等の半導体関連企業への就職者数は年々増加しており、着実に成果を上げていると捉えております。
 県内半導体関連産業は今後ますます集積や高度化が進むと見込まれますことから、引き続き産学行政が連携し、人材の育成と県内定着に取り組んでまいります。
 次に、高等教育機関等による人材育成についてでありますが、高等教育機関等では、その専門性を生かして、社会人を対象とした技術の高度化や企業の課題解決に資する人材育成に取り組んでいるところであります。
 県では、これまで、国の交付金や委託事業の活用によりまして、高等教育機関と連携して、大学生や社会人等を対象に、岩手大学では、先ほど御答弁申し上げましたいわて半導体アカデミーを、岩手県立大学では、ものづくり産業におけるITのさらなる活用を進める知識、技術を習得する講座を、一関工業高等専門学校では、企業における研究開発人材も対象とするいわてEVアカデミーを開講するなど、さまざまな事業を実施しているところであります。また、県立産業技術短期大学校に設置している産業技術専攻科では企業派遣による社会人の受け入れを行い、その企業が指定するテーマに基づくオーダーメードカリキュラムなどにより実践的な人材を育成しているところであります。
 今後におきましても、国際競争力が高いものづくり産業の振興に向けまして、国の交付金等の活用を図りながら、高等教育機関等と連携し、高度技術人材等の育成を推進してまいります。
  〔復興局長大槻英毅君登壇〕 
〇復興局長(大槻英毅君) 震災遺構を活用した学習旅行の受け入れ等についてでございますが、東日本大震災津波伝承館において本年9月22日の開館から11月末までに受け入れた学習旅行は、小学校7校、中学校14校、高等学校12校の計33校であり、このうち県内の学校は、小学校6校、中学校10校、高等学校5校の計21校となっているところでございます。さらに年度内に県内外の4校から予約があるところですが、引き続き多くの学校が来館するよう、岩手県高等学校長協会等の場を活用し、伝承館での学習方法等の説明を行っているところでございます。
 今後におきましても、教育委員会や学校関係者と連携し、各学校の防災学習等における伝承館の積極的な活用について働きかけを行うとともに、児童生徒の学年や見学時間など、学校のニーズに対応した受け入れを行ってまいります。
 また、伝承館では、エントランスに沿岸各地域に点在する遺構や津波記念碑を含む震災伝承施設を紹介する大型パネルを設置し、職員が案内、解説をしているほか、沿岸各地域の震災語り部ガイドの実体験や伝承の取り組みについての企画展示、語り部を招いての講話の開催、ホームページやSNSによる震災語り部ガイドの紹介を行っているところです。
 今後におきましても、三陸DMOセンターなど観光関係者の意見も伺いながら、三陸鉄道や沿岸各地の震災語り部ガイド団体が実施している震災学習プログラムと一層の連携を図り、震災伝承ツーリズムの推進に貢献してまいります。
  〔文化スポーツ部長菊池哲君登壇〕 
〇文化スポーツ部長(菊池哲君) まず、ラグビーワールドカップ2019を契機とした岩手県のスポーツ振興のための取り組みについてでありますが、アジアで初、ラグビーの伝統国以外での初の大会として世界中の注目を集めた日本大会は、釜石開催を含め大いに盛り上がったところでありまして、今大会で高まった県民のラグビー熱を今後も絶やさず、県民にとって身近なものとし、そしてラグビーのみならず、本県のスポーツ振興につなげていくことが重要であると考えているところであります。まずは、こうした高まりを来年の復興五輪につなげていくことが重要でありまして、県民とオリンピアンが触れ合うスポーツイベントの開催や、いわゆるホストタウン事業による国際交流や事前キャンプ誘致によるオリンピック、パラリンピック選手団と地元小中学生等との交流などが展開されているところであります。そして、これとあわせ、ラグビーワールドカップ2019を記念したメモリアルイベントや、議員御指摘の高校ラグビー公式戦などの釜石鵜住居復興スタジアムでの開催についての検討も進めているところでありまして、こうしたさまざまなスポーツイベントや交流事業の実施などにより、県民がスポーツに親しむ環境づくりやスポーツの力を地域活性化につなげる取り組みを一層推進してまいります。
 次に、県営スポーツ施設の県内分散設置等についてでありますが、平成28年の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会開催に向け、競技会場となる市町村の施設の充実を図るため、14市町、27の競技施設の整備に支援を行ったところであり、国体等終了後においても各地でさまざまな全国大会等が数多く開催されるなど、県内のスポーツ施設は充実してきているものと受けとめております。
 一方、県営スポーツ施設は老朽化が進んでいる状況でありまして、利用者が安心してスポーツを楽しめるよう、安全の確保を最優先に計画的な維持管理を行っているところであります。
 今後においても、計画的な更新や長寿命化、施設配置の最適化などを進め、県民のスポーツ環境の整備を図っていくためには、市町村との役割分担と連携は重要な視点であると考えているところであります。
 議員御指摘の県営スポーツ施設の分散設置や市町村との共同整備等については、外部有識者による県営スポーツ施設のあり方に関する懇談会から、県と市町村との連携や役割分担、県の財政状況も考慮した整備等について提言を受けているところでありまして、県、市町村及び大学等関係団体が有するスポーツ資源の有効活用を基本としつつ、良好なスポーツ環境の提供が図られるよう、市町村や各種競技団体などとともに検討を進めていく考えであります。
 次に、釜石鵜住居復興スタジアムの利活用についてでありますが、大会後、トップチャレンジリーグの釜石シーウェイブスの開幕戦や元プロ野球選手団による野球教室、映画上映会などを行ってきたほか、今後もラグビートップリーグの公式戦、子供たちや中高齢者によるラグビー交流会など、さまざまなスポーツや文化イベント等で活用を図っていくこととしております。
 また、スタジアム利活用については、県は先般、釜石市が立ち上げて検討に着手いたしました釜石鵜住居復興スタジアム運営委員会にオブザーバーとして参画しているところでもございます。その第1回会議においては、現在、釜石市が策定を進めているスタジアム運営計画案について協議し、今後、スタジアムの運営主体を釜石市から民間主導に、時期は令和3年4月の移行を目指して検討を進めていると承知しております。
 県といたしましては、このスタジアムが釜石市民のみならず、県民にとっても、ラグビーなどのスポーツを初め、教育、文化、観光など、さまざまな分野での積極的な活用が図られることが重要であると考えておりまして、釜石市を初め関係者と連携しながら、今後の検討に参画してまいりたいと考えております。
   
〇議長(関根敏伸君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時39分 散 会

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