平成31年2月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(千田美津子君) 日本共産党の千田美津子です。
私は、請願陳情受理番号第83号、請願陳情受理番号第87号及び請願陳情受理番号第88号について、それぞれ委員長報告に反対の立場で討論いたします。
まず、請願陳情受理番号第83号2019年10月からの消費税10%中止を求める請願でありますが、私は、総務委員会で不採択としたことに反対いたします。
内閣府が今月7日に発表した1月の景気動向指数は、3カ月連続で悪化し、さらに政府が今月20日に発表した月例経済報告では、景気全体の判断を3年ぶりに下方修正し、政府自身が景気悪化の可能性を認めました。
今、国内景気、特に家計消費が冷え込み、実質賃金もマイナスであることに加え、中国、EU、米国と世界の景気が減速状態になっているもとで、消費税増税の方針は八方塞がりの状態にあります。ここで増税を強行することは、まさに日本経済にとって自殺行為であり、民間のエコノミストも、今回は、8%に引き上げられた2014年以上に景気低迷が長期化すると警告しております。
今、最大の争点は、消費税に賛成の人も反対の人も、今の経済情勢のもとで増税を強行していいのかが問われているのであります。
また、岩手県内の中小企業の58%が赤字のもとで、特に復興の途上で苦しんでいる県内の中小企業に及ぼす影響は多大であると言わなければなりません。
今議会の予算審査の中で明らかになりました県立病院の消費税負担額は、これまで、606億円の消費税負担のうち、診療報酬で補填される340億円を除く約266億円を医療局と県が負担しているということであり、大変な県民負担の実態が明らかになりました。
また、首相は、消費税でいただいたものを全て返すと言い、増税対策として9カ月で終わるポイント還元などを打ち出しましたが、これらは中小業者にとって、カード会社に支払う負担がとても重くて商売を続けられないという声が圧倒的であり、消費喚起策どころか、さまざまな弊害をもたらすものと言わなければなりません。
このような中で、共同通信社の世論調査でも、消費税10%に反対が54.4%、景気回復を実感していないが84.5%となっております。このまま増税が実施されれば、地域経済をさらに疲弊させ、中小企業者の営業を脅かし雇用不安を招くなど、国民生活への影響ははかり知れないものがあると言わなければなりません。
また、消費税増税は、ことし10月からの保育の無償化の論拠とされておりますが、給食費の負担が発生することや、待機児童が多いゼロ歳児から2歳児が無償化の対象外となっていることなど不十分な内容であるとともに、こうした財源は消費税に頼るべきではありません。必要な財源は大もうけしている大企業と富裕層にこそ、増税すべきであります。
まず、手をつけるべきは大企業への優遇税制であり、中小企業並みの課税をすることで約4兆円が生まれます。もう一つは、大株主などに優遇されている不公平税制を諸外国並みに課税するだけで1.2兆円、合計で5.2兆円が確保でき、10%の増税中止の財源が今すぐにでも生まれます。
このような観点からも、被災地である岩手県議会としてこの請願を採択し、さらに国に意見書を上げるよう御賛同をお願いするものでございます。
よって、請願陳情受理番号第83号の総務委員会での不採択に反対をいたします。
次に、請願陳情受理番号第87号看護師の全国を適用地域とした特定最低賃金の新設を求める請願でありますが、環境福祉委員会で不採択としたことに反対いたします。
この請願は、全国を適用範囲とした看護師の特定最低賃金の新設を国に求める請願でありますが、請願の提出者である岩手県医療労働組合連合会が実施した2017年看護職員の労働実態調査では、慢性疲労が8割、健康不安が約7割、3人に1人が切迫流産で、流産も1割に達するなど、人手不足の中で過酷な勤務実態が浮き彫りとなっています。また、仕事をやめたいと感じながら働いている人は81%に達しており、その理由は、人手不足の中で仕事がきついが第1位となっています。これらは、いずれも全国調査の結果よりも高く、本県の看護現場の深刻な労働実態が改めて浮き彫りになりました。全産業平均よりも2万円も低い看護師の賃金水準の原因には、同じ資格を持ちながら、働く地域によって給与体系なども大きく違い、それによって地域間格差が出ていることが挙げられ、さらには、それに起因して看護師の賃金水準が上がらず、看護師の地域偏在と離職者増を引き起こしています。
以上のことから、医療施設の安全・安心な職員体制や医療、看護職場に働く皆さんの処遇の確保及び特定最低賃金の導入は急務であり、国の責任で行われるべきと考えます。
よって、請願陳情受理番号第87号の不採択に反対いたします。
次に、請願陳情受理番号第88号介護従事者の全国を適用地域とした特定最低賃金の新設を求める請願でありますが、環境福祉委員会で不採択としたことに反対するものです。
高齢化が進み、介護従事者の人材確保策はまさに喫緊の課題となっています。しかしながら、全国労働組合総連合が実施した労働者アンケートでは、介護施設で働く労働者の賃金は、全産業労働者の賃金よりも約10万円も低くなっており、介護の仕事をやめたいと考えたことがある人は57.3%にも達し、その理由として、賃金が安いが44.7%、仕事が忙し過ぎるが36.9%などとなっております。また、十分なサービスができていないが回答者の4割を占め、その理由として、人員が少なく、業務の過密が約8割となっています。
また、保健福祉部からいただいた資料によれば、県内の介護職員の人員不足感は、平成26年度の57.9%から平成29年度は68.6%と、実に10.7%も高くなっており、全国の7.3%増に比べても、岩手の人材不足の実態がより深刻であることを示しております。また、岩手県の介護職員の賃金については、全産業に比べて約7万円、全国に比べて4万円も低いということが判明しております。
このように、介護職員の低賃金、過重労働の実態は改善されておらず、これが人員不足を深刻化させ、利用者の安全と介護の質にも影響を及ぼしかねません。これら介護従事者の賃金の底上げを図り、安全・安心の介護体制を確保するためには、今こそ、全国を適用対象とした介護従事者の特定最低賃金の新設が急務であり、そのためには国の責任でこの制度を新設することが必要であります。
よって、請願陳情受理番号第88号の不採択には反対をいたします。
以上でありますが、何とぞ御賛同賜りますようお願いをいたしまして、反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木順一君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、請願陳情中、受理番号第84号沖縄県民投票の結果を踏まえ、辺野古埋め立て工事を中止し、沖縄県と誠意を持って協議を行うよう政府に求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) そのままで、少々お待ち願います。
起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第84号沖縄県民投票の結果を踏まえ、辺野古埋め立て工事を中止し、沖縄県と誠意を持って協議を行うよう政府に求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第83号2019年10月からの消費税10%中止を求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第83号2019年10月からの消費税10%中止を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第86号医師養成定員を減らす政府方針の見直しを求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第86号医師養成定員を減らす政府方針の見直しを求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第90号平成31年度岩手地域最低賃金改正等についての請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第90号平成31年度岩手地域最低賃金改正等についての請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第91号2019年度最低賃金引き上げに関する請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第91号2019年度最低賃金引き上げに関する請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第87号及び受理番号第88号を一括して採決いたします。
各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第87号及び受理番号第88号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第21号から議案第27号まで、議案第29号、議案第31号、議案第40号、議案第42号、議案第46号、議案第56号、議案第58号、議案第59号、議案第64号、議案第72号から議案第76号まで、議案第78号、議案第79号、発議案第1号、議案第115号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木順一君) 起立全員であります。よって、議案第21号から議案第27号まで、議案第29号、議案第31号、議案第40号、議案第42号、議案第46号、議案第56号、議案第58号、議案第59号、議案第64号、議案第72号から議案第76号まで、議案第78号、議案第79号、発議案第1号、議案第115号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第27 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(佐々木順一君) 次に、日程第27、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査及び継続調査事件
1 継続審査
環境福祉委員会 請願陳情受理番号第89号
幼児教育・保育の無償化、待機児童解消、保育士の処遇改善のための必要な措置を求める意見書の提出を求める請願
2 継続調査
総務委員会 ・
盛岡地方気象台の防災対策における役割について
環境福祉委員会 ・
児童虐待防止に係る取組について
商工文教委員会 ・
ファブテラスいわてによるメイカームーブメントの推進について
農林水産委員会 ・
施設園芸作物の周年栽培について
県土整備委員会 ・
いわて建設業振興中期プランについて

電力システム改革に伴う新たな売電方法について
〇議長(佐々木順一君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木順一君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
日程第28 議案第1号平成31年度岩手県一般会計予算から日程第82 議案第71号武道館条例の一部を改正する条例まで
〇議長(佐々木順一君) 次に、日程第28、議案第1号から日程第82、議案第71号までを一括議題といたします。
各案件に関し、委員長の報告を求めます。軽石予算特別委員長。
〔予算特別委員長軽石義則君登壇〕

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