平成31年2月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇27番(工藤勝博君) いわて県民クラブの工藤勝博です。通告に従い、順次質問させていただきます。
まず、今、一番ホットな話題です。昨年末からノルディックスキーのワールドカップジャンプ男子で通算11勝、また、67回目を迎えたジャンプ週間で4戦全勝の完全制覇を達成しました小林陵侑選手の大活躍は、岩手県民にとってこの上ない喜びであります。日本人年間最多勝利、また、ジャンプ週間全勝は、史上3人目の快挙です。
先日、県庁のベランダに祝福の横断幕が掲げられました。本人の努力もさることながら、岩手県のスポーツ振興が大きく花開いたあかしであります。この小林選手の活躍について、県の所感を伺います。
次に、いわて県民計画(2019〜2028)についてお伺いいたします。
平成時代も残すところあと2カ月余り。平成19年、達増県政が誕生してから3期12年が経過します。東日本大震災津波、幾多の自然災害の復旧、復興に御尽力されましたことに敬意を表したいと思います。
さて、いわて県民計画(2019〜2028)最終案が示されました。県の政策推進の方向性や具体的な取り組みを示す最上位の計画であります。10年間の制度設計と捉えます。
今般の県民計画のキーワードは、幸福を守り育てるであります。素案の提示からいろいろ議論がありましたが、県民誰もが幸福を実感したいと願っているのではないでしょうか。不幸にはなりたくないと、日々努力しているのが現実であります。
幸福度指標を県民計画に導入することは、知事が、2015年の知事選挙のマニフェストに掲げた政策であり、その公約を実現するためでしょうか。
幸福の捉え方は人によって千差万別と思います。少なくとも、県民の意識調査をしっかり積み上げ、さらに、県職員が一体となり新しい計画策定に取り組んできたのか、いまいちその姿は見えません。
「岩手の幸福に関する指標」研究会が2016年4月に有識者で設置され、8回の審査を経て、2017年9月に研究会報告書が公表され、その報告書をもとに基本作成されたと認識しております。
そこで伺います。まず、この幸福度指標を導入するに当たり、県民の声をどれだけ取り入れたのか、また、その調査結果がどうであったかをお示しください。
先進事例の東京都荒川区では、2013年度から、46の幸福度指標の項目による区民アンケート調査を2017年度までの5年間、毎年実施しています。その調査結果の分析を進め、どの年代のどのような立場の区民がどこに幸せや不幸、不安を感じ、地域がどのような課題を抱えているのかなどの詳細な研究を進め、結果を区民に公表するとともに、編集可能なデータにして職員に公開しています。
区民の幸福の実感の向上に当たり、職員一人一人がどうすれば区民が幸せになれるのかを考え、仕事に役立てる組織文化をつくり上げている。さらに、業績評価と人事評価を結びつけるよう、年度当初に、職員は所属長との面接で、区民の幸せという視点に立って事務事業の目標を立て事業を推進する。この二つの評価をリンクさせながら、区民の幸せを価値評価に置く組織づくりを目指しています。荒川区は、この調査で1万件近いデータを集積し、それを解析することで政策課題を明らかにし、その対応の方向性を考察している。
そこで、県では、幸福度に係る指標を取れ入れる過程で、職員の共通認識は確保されているのか伺います。
次に、懸念される2点について伺います。
一般財団法人日本総合研究所は、2012年から2年置きに、全47都道府県幸福度ランキングを発表しております。基本的には、70の指標によって分析された数値で都道府県ランキングを位置づけています。岩手県は、2018年版では総合31位です。五つの基本指標において、人口増加率で41位、1人当たりの県民所得で29位、選挙投票率で8位、食料自給率で5位、財政健全度で29位にあります。また、特に教育に関しては、学力で30位、大学進学率で43位と下位にあり、有能な人材育成の環境を整える施策が急務と考えます。しかし、いわて県民計画最終案では、学力の向上に資する全国平均以上の児童生徒の割合が主要指標から削除されたことには、いささか疑問を感じます。
少子化が進み、児童生徒の減少に歯どめがかからない状況の中で、教育の目指す一番の指標は学力の向上ではないでしょうか。知事の見解を伺います。
本計画では、仕事・収入の政策分野の中で、ひとくくりにされています。九つの政策項目に分類され、働き方、中小企業の振興、ものづくり産業、地域資源を活用した産業、観光産業、農林水産業、6次産業、農山漁村づくりであります。人口減少の大きな要素である社会減を減らすためには、まさに仕事、収入の安定が第一義と考えます。このためにも、産業振興には力強いインパクトのある政策が必要ではないでしょうか。
先般、産業振興・働き方改革調査特別委員会で高知県の産業振興について調査してまいりました。
まず、産業振興に係る組織体制です。尾崎知事の肝いりで平成21年に発足し、現在、第3期高知県産業振興フォローアップ体制を外部委員200名で構成しています。また、産業振興推進本部は、知事をトップに五つの組織で構成し、年間スケジュールは本部会議5回、フォローアップ委員会3回で、進捗状況は、その都度、知事との面談で情報を共有するということです。言うなれば、知事のトップダウンで事業が動いている感じを受けました。PRパンフレットの監修も、知事みずからの手で行う徹底ぶりには驚きました。
人口減少の負のスパイラルの克服に向けた高知県の産業振興の取り組みは一考に値すると思いますが、知事の見解を伺います。
以後の質問は降壇して質問席で行います。
〔27番工藤勝博君質問席に移動〕
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 工藤勝博議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、幸福度指標を県民計画に導入することについてでありますが、前回、知事選挙における希望マニフェストでは、世界の国々や国際機関において、人々の幸福度に着目した研究やその政策への活用が進められていることなどを踏まえ、行政評価の手法として幸福度指標を新たに導入し、施策の効果的な展開に生かしていくことを掲げたものであります。
これを端緒としまして、幸福度指標の導入について県として検討を行うとともに、「岩手の幸福に関する指標」研究会において研究が進められ、その研究会報告書をもとに、総合計画審議会において御議論をいただいた結果、幸福度指標を導入することとなったところであります。
これを踏まえ、いわて県民計画最終案では、県議会を初め多くの御意見をいただきながら、お互いに幸福を守り育てることを基本目標に掲げ、10の政策分野ごとにいわて幸福関連指標を設定したものであります。
次に、県民意見の反映状況についてでありますが、「岩手の幸福に関する指標」研究会報告書は、2カ年にわたる県民意識調査結果を詳細に分析するとともに、大学生等を対象に開催した幸福ワークショップにおける意見も参考にするなど、県民の実感を十分に踏まえて幸福に関連する12領域を設定し、客観的指標を例示したものであります。
また、総合計画審議会においては、研究会報告書を踏まえながら審議いただいたところであり、その過程において、パブリックコメントを4回実施するとともに、地域説明会等を県内11カ所で2度開催したところであります。
これらを通じて、県民の皆さんから計画全般にわたって1、500件近い意見をいただいたところであり、特に指標については全国比較ができるなど、県の目指す方向性がわかりやすい指標を設定してほしい、農業分野において、担い手育成や付加価値の向上に関する指標を設定してほしいなどの御意見をいただき、これらを参考にしながら、いわて県民計画最終案を取りまとめたものであります。
次に、県職員の共通認識についてでありますが、いわて県民計画の策定に当たっては、幸福の理念や計画の策定方針などについて職員の共通認識を図ることが重要でありますことから、職員を対象に、幸福度をテーマにした研修会や、計画策定の各段階での職員説明会を開催したところであります。
特に、10の政策分野に掲げるいわて幸福関連指標と県が取り組む具体的推進方策については、さまざまな取り組みに関係する多くの職員が携わり、県民一人一人の幸福度を高めるために必要な施策を体系化しながら検討してきたものであり、その過程を通じて、職員の共通認識が醸成されてきたものと考えております。
また、今後、いわて幸福関連指標や具体的推進方策の状況、県民意識調査等で把握した県民の実感、社会経済情勢などを勘案して評価を行う中で、それぞれの職員が県民一人一人の幸福度について、より一層意識することにより、幸福度の向上に向けたさらなる政策形成につながっていくと考えています。
次に、教育の指標についてでありますが、いわて県民計画の最終案においては、学びや人づくりによって、将来に向かって可能性を伸ばし、自分の夢を実現できる岩手の実現のため、確かな学力の育成に関する指標として、意欲を持ってみずから学ぼうとする児童生徒の割合、授業で自分の考えを深めたり広げたりしている児童生徒の割合を設定するとともに、政策推進プラン案において、学力が全国平均未満の児童生徒の割合を参考指標として、その推移を毎年度フォローアップしていくこととしたところであります。
これらの指標は、確かな学力を育むために不可欠な児童生徒の学習意欲や学習活動、教員の指導等の改善を推進することに加え、学力の定着状況を継続的に確認し、全体的な底上げを図ることを目指すものであり、昨年12月にお示しした指標である学力が全国平均以上の児童生徒の割合に対する県議会での議論やパブリックコメント等において、学力に関する過度な競争を招くことへの懸念などの御意見を踏まえ、見直したものであります。
いずれ、本県の児童生徒一人一人の確かな学力をしっかりと育成し、この岩手の地で、岩手の、そして日本の次代を担う人材を育んでまいります。
次に、産業振興についてでありますが、人口減少が進む中、活力ある地域社会を形成していくためには、農林水産業やものづくり産業を初め、産業全般にわたり強固な産業基盤を構築し、質の高い雇用を確保していく必要があります。そのためには、労働生産性の向上や県内企業の経営力強化に加え、産業全体の底上げを図っていくことが大切であり、国際競争力の高いものづくり産業、地域の特性や資源を最大限に生かした農林水産業や観光産業など、いわゆる域外市場産業について、地元調達や付加価値を高めながら強化するとともに、商業やサービス業の振興により、地域内経済循環を拡大していく総合的な産業政策が重要であります。
こうした考えのもと、いわて県民計画最終案における10の政策分野の一つである仕事・収入分野では、農林水産業やものづくり産業などの活力ある産業のもとで安定した雇用が確保され、また、やりがいと生活を支える所得が得られる仕事につくことができる岩手を目指す姿として掲げ、地域経済を支える中小企業の振興、地域資源を生かした産業の魅力向上、観光産業の総合産業化、農林水産業の持続的な発展などに総合的に取り組むこととしています。
また、新しい時代を切り拓くプロジェクトとして掲げているILCプロジェクトにおける加速器関連産業の集積地域の形成を初め、各地域の資源などを生かし、可能性を広げていく三つのゾーンプロジェクトの取り組みなどにより、総合的な産業振興を図っていく考えであります。
次に、産業振興に係る組織体制についてでありますが、本県では、より戦略的に産業振興を展開していくため、知事や副知事を本部長とするいわてまるごと売込み推進本部や岩手県観光産業振興本部などを設置し、産業関連部局が一体となって、部局横断的な観点からの政策的な議論のほか、施策実施に当たっての調整や情報共有を行っているところであります。
また、いわてで働こう推進協議会やいわて観光キャンペーン推進協議会、いわて純情米需要拡大推進協議会など、分野ごとに行政と民間が一体となった協議会を設置し、意見交換やさまざまな情報の共有のみならず、施策推進に当たっての具体の連携、調整を行っているところであります。
なお、高知県においては、いわて県民計画に相当する総合計画を策定していないと承知していますが、本県では、新しいいわて県民計画のもと、仕事・収入分野など10の政策分野の施策を一体的、戦略的に展開することにより、相乗効果を発揮しながら産業振興を図ることとしています。
その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔文化スポーツ部長菊池哲君登壇〕
〇文化スポーツ部長(菊池哲君) 本県出身スポーツ選手の活躍についてでありますが、八幡平市出身で、田山スキー場のジャンプ台から世界へ羽ばたいた小林陵侑選手は、オリンピックや世界選手権と同等の世界最高峰の大会の一つと言われておりますスキージャンプ週間において、あの船木和喜選手以来、日本人2人目の総合優勝、しかも、日本人初の4戦全勝での完全制覇を達成しました。さらに、今シーズンのワールドカップ個人戦では、圧倒的な強さで、6連勝を含む史上6人目となる11勝目を上げ、日本男子初の個人総合優勝に手が届くところまで来ており、八幡平市市民はもちろんのこと、県民そして日本中がその快進撃に沸き立っており、大変すばらしいことであります。
小林選手は、平成19年度に、全国で4番目にスタートいたしました本県のいわてスーパーキッズ発掘・育成事業の第1期生であり、全国25都道府県で同様に行われております、いわゆるタレント発掘・育成事業の数千人と見込まれる対象者の中で、オリンピアン第1号の選手でありますことは画期的でございまして、こうした選手が岩手から育っていることは、非常に意義深いことと認識しております。そして、この活躍は、本県のスーパーキッズを初め、スポーツに取り組む若者たちに対しては夢と希望を与え、大きな励みとなっていると受けとめているところでございます。
こうしたことから、今後におきましても、この岩手から小林選手のようなトップアスリートの輩出を目指し、取り組みを進めていく考えであります。
〇27番(工藤勝博君) この幸福度の指標の導入によって、職員の共通認識が図られたと知事はおっしゃいました。そういうことも含めて、従来のいわて県民計画でも、毎年度、政策評価、事務事業の評価をなされております。そういうことですと、従来と同じような評価の仕方ではなくなるだろうという感じを持って受けとめているのですけれども、評価の仕方は今後どういう形でなされるのか、まずお聞きしたいと思います。
〇政策地域部長(白水伸英君) 今後の政策評価のあり方でございますが、まず、知事から答弁をさせていただきましたように、今回、新たにいわて幸福関連指標というものができますので、それをメーンにしつつ、県が具体的に取り組む具体的推進方策と方策指標というものがございます。そういったものも踏まえつつ、引き続き、県民意識調査等でも県民の幸福に関する思い、考え等を調査いたしまして、さらに社会経済情勢の変化等もしっかり勘案をいたしまして評価をしてまいりたいと考えております。
〇27番(工藤勝博君) この指標を取り入れる段階の県民意識調査、5、000人を対象にしてアンケート調査を2回行っていますけれども、その回答が65%なのです。35%の方は無回答となっています。わずか3、200人程度の回答で、大きな計画の中に盛り込むというのは、かなり難があるのかなと私は感じております。そしてまた、今後も県民意識調査も継続すると。当然、継続していただかなければならないと思いますし、声なき声をどのような形で吸い上げていくのかということも、これからの長期計画中で大きな課題ではないかという思いもしております。
そういうことも含めて、今後の県民の意識の捉え方をひとつ聞きたいし、逆にまた、職員に相当な負担がかかるのではないかということも懸念されます。従来の指標の示し方と、幸福度が入ることによって、かなり難儀な評価の仕方が出てくるだろうという危惧もありますけれども、そのことについてお聞きしたいと思います。
〇政策地域部長(白水伸英君) 政策評価に当たっての県民調査のあり方でございますが、まず、回答率でございますけれども、議員御指摘のとおり、平成28年、平成29年ということで2回行っておりまして、平成28年については5、000人を対象にして回答率が71.5%というところでございます。平成29年については68.4%の回答率ということでございますので、しっかり回答をいただけるように、対象をどういう形で調査をしたらいいのかということも引き続き考えていきたいと思いますが、来年度以降もしっかりと調査をやってまいりたいと考えております。
それから、評価のあり方についても御指摘をいただきました。実は来年度からこの評価についても、今回、いわて幸福関連指標も導入いたしますので、しっかりとした研究会といいますか検討会も設けて、どういう形で県民の皆さんにお示ししていけるか、あるいはいわて幸福関連指標等と具体的推進方策指標の考え方といったことも検討しながら、より適正なものにしていきたいと考えております。
〇27番(工藤勝博君) 次の質問に移ります。農林業の振興についてですけれども、我が国の農業においては、担い手の高齢化や減少が課題となっておりますが、近年、農業法人等での雇用が拡大し、若手の新規就農者が比較的高い水準で推移しているという明るい兆しが見えます。農業の持続的発展に向けて、次代を担う若手農業者が、付加価値を高めることを実現していくことが重要でもあります。
県においては、2015年の農業就業者人口は7万人と減少が続き、農産物販売農家数は4万5、000戸であります。その反面、農業生産額は3年連続で増加し、都道府県別では順位を一つ上げ、栃木県に続いて10位にランクされました。
そこで、従来、食料供給基地を掲げて進んできた本県農業の今後の目指す姿をお示しいただきたいと思います。
〇農林水産部長(上田幹也君) 岩手の目指す農業像についてのお尋ねでございます。
本県の農業でございますが、食品産業あるいは観光業など、他産業への波及が大きい裾野の広い産業でございます。また、地域経済を支える基幹産業の一つとして、持続的に発展するとともに、食料供給基地としての役割をしっかり果たしていくことが重要でございます。
一方、就業人口の減少あるいは経済のグローバル化など、農業を取り巻く環境が大きく変化する中で、担い手の確保、育成、あるいは農業の体質強化などを進めていく必要がございます。このため、地域農業の核となる経営体や次代を担う新規就農者の確保、育成、若者や女性が活躍できる環境を整備するとともに、スマート農業などのイノベーションの推進や、安全・安心で高品質な県産農産物のブランド化、国内外への販路の開拓、拡大等によりまして、生産性、収益性の高い産地づくりなどの取り組みを重点的に進めていくこととしております。
このような取り組みを通じて、生産者の一人一人が生き生きと働くことができる活力ある農業を実現してまいります。
〇27番(工藤勝博君) 担い手の育成という話もありました。第1期アクションプランの仕事・収入の36の政策項目に、意欲と能力のある経営体を育成し、農林水産業の振興を図りますとあります。また、基本方向では、集落営農組織等の法人化や経営規模の拡大、生産活動の効率化の推進、農地の集積・集約化等による経営基盤の強化の取り組みを進めるとあり、まさに今部長がおっしゃったとおりでありますけれども、いかにしてこれを実行し成果を上げるかであります。
盛岡広域振興局管内の8市町の認定農業者協議会と管内選出の県議会議員との意見交換会が開催されました。そのテーマは、農業後継者の確保と育成についてであり、各市町が取り組んでいる現状と県に対する要望が出されました。
新規就農者に対する給付事業は国、市町でもありますが、親元就農者が事業を活用するには要件が厳しく、利用が難しい。親元就農での初期投資を支援する仕組みがあるといい。親としても子供に農業を勧めやすいという声があります。また、岩手町の取り組みでは、後継者不足が深刻な問題であるが、一方では、農業生産額が年々伸びています。新規就農者が安定かつ多角的な農業経営に将来にわたり展開できるような体制を整えている。町独自で取り組んでいる政策です。
実例として、大規模経営体になるほど後継者がしっかり育っている。この背景には、法人、個人問わずに経営管理がしっかり定着し、休日、給与等が他産業並みに改善されているものと思います。
次世代経営者の育成は、人数を追いかけるのではなく、いかに経営感覚のすぐれた人材育成を進めるかだと思いますが、その点の県の取り組みをお聞きしたいと思います。
〇農林水産部長(上田幹也君) 担い手の育成についてでありますが、農業が地域経済を支える産業として持続的に発展していくためには、農業後継者などが就業意欲を持てる安定した所得を確保できる経営力の高い経営体の育成が重要であります。
このため、県では、岩手大学等と連携したいわてアグリフロンティアスクールなどによる経営感覚や企業家マインドの醸成、農地中間管理事業を活用した農地の集積、集約化による経営規模の拡大、いわて地域農業マスタープラン実践支援事業などによる機械、設備の整備など、経営発展のための支援に取り組んでおります。
さらに、今年度からは、農業団体と連携し、新たにいわて農業経営相談センターを開設して、専門家の派遣による経営の法人化、多角化などを支援しているほか、大規模経営体の経営高度化に向け、普及指導活動の一層の充実、強化を図るため、本定例会に農業改良普及センター条例を一部改正する条例案を提案させていただいておりまして、今後とも、地域農業を牽引する経営感覚にすぐれた農業経営体の育成に積極的に取り組んでまいります。
〇27番(工藤勝博君) この担い手の育成に関しては、ここしばらく、目標値として260人の担い手を育成するという指標があったわけですけれども、私は、その260人が、なぜ260人なのか、この根拠がわからないと思います。後ほどまた質問しますけれども、なぜ260人なのか、その根拠を示してください。
〇農林水産部長(上田幹也君) 本県農業を持続的に発展させるためには、やはり農業就業者人口を適正に維持、あるいは拡大していく必要がございます。そのために、現在の農業者の年齢構成を加味し、新規就農者が入るとした場合の定着率等も勘案いたしまして、これからの農業を維持、発展させていくため必要な人数等を試算させていただきました。こういった試算を経まして、年間260人育成すれば本県農業は維持できる、こういう試算結果となりましたので、今回、目標に掲げさせていただいたところでございます。
〇27番(工藤勝博君) 今、集落では集落営農がどんどん進められ、また法人にもなっております。大規模経営体が出現して、従来の260人の発想は転換すべきではないかと私は考えるのです。ある町の方は、地区にはもうほとんど個人でやるものがないから、10人もあれば、5人もあればいいのだという発想もあります。それらも含めて、もう少し精度の高い数値に目標を設定し直すべきではないかと思います。後で一緒に答弁していただきたいと思います。
次に、農業のイノベーションについてお伺いします。
ロボットや人工知能を活用したスマート農業が普及に向けて加速しています。政府が2019年度スマート農業加速化実証プロジェクトとして先端技術の実証に乗り出します。例えば、大規模水田ならば圃場のデジタル管理、自動走行のトラクターや田植え機、遠隔操作できる水管理システム、ドローンによる生育診断や農薬散布や施肥など、また、県においても、昨年からスマート園芸技術研究開発拠点を開所し、最適な環境制御で、トマトは従来栽培の5倍の収量が見込まれています。産地の競争力強化や担い手の意欲喚起に大きく寄与しているものと思います。
一方、今後導入の判断に当たっては、農家は経営戦略を改めて見直す必要があります。どんな農業経営を目指すのか、その方向性とそれに見合う機器やシステム、収益性のバランスを考えなくてはいけません。投資倒れになるようなことになってはならないと思います。
そこで、県では、実証の成果をしっかり示し、所得が確保できるようなスマート農業の推進に当たるべきと思いますけれども、その施策について伺います。
〇農林水産部長(上田幹也君) お尋ねについてでございますが、特にスマート農業につきましては、農作業の省力化あるいは生産性の向上、軽労働化などが期待されておりまして、担い手が希望を持てる魅力ある農業の実現に向けた重要な取り組みでございます。
一方で、議員もそういったニュアンスでお尋ねかと思いますが、スマート農業に関しましては、急速に高性能化が進んでおりまして、その農業機械あるいは設備は、高機能ではありますが、高額となっております。当然、導入時には、その必要性、収益性を十分に検討する必要がございます。
このため、農業研究センターでは、トマトの生産能力を最大限に発揮させる環境制御技術、あるいは導入した場合の費用対効果などについて研究、実証に取り組んでおります。個々の農業者がスマート農業の技術あるいは設備、機械を導入するに当たりましては、農業改良普及センターを中心に、経営規模やニーズに応じた選択ができるよう助言をするなどの支援を行っているところでございます。
また、来年度からは、国のスマート農業加速化実証プロジェクトを活用いたしました最先端技術の実地実証にも取り組むこととしておりまして、これらの実証成果につきましては、いわてスマート農業推進研究会等を通じまして、農業者などに広く情報提供するなど、本県農業の実情に即したスマート農業技術の早期普及に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。
〇27番(工藤勝博君) 過去に機械化がどんどん進んだ当時は、機械化貧乏と言われた時代もありました。ぜひともそういう投資倒れにならないような、しっかりとしたデータを示しながら導入に進んでいただきたいと思います。
次に、森林再生と森林環境税について伺います。
昨年制定された森林経営管理法に基づき、手入れの行き届かない私有林の管理を、市町村を介して林業者や企業に集約する新たな森林経営管理制度が4月からスタートします。
国では、管理に要する経費等の財源として、2024年度から森林環境税として1人当たり年間1、000円を徴収するとともに、これに先行して、来年度から森林環境譲与税を市町村に譲与することにしており、かつてない林業政策が行われようとしています。
関係者の期待は大変高まっている一方、新たな制度で森林所有者に森林を適切に管理する責務を課しており、所有者みずから管理できない場合には、市町村が所有者から経営管理の委託を受け、その運用を図ることとされています。しかし、市町村には森林、林業行政に精通している専門職員がいない場合も多く、新制度の開始に向けた課題もあります。
県は、市町村がこの制度を有効に運用していくために、今後どのような取り組みを進めるのか伺います。
〇農林水産部長(上田幹也君) 市町村への対応についてでございますが、森林経営管理制度が4月から運用されることとなっておりまして、これに伴い、市町村では、森林の状況把握あるいは所有者への経営意向調査などの新たな業務が生じます。市町村では、これに的確に対応する体制を整備する必要がございます。
このため、県では、昨年2月以降、制度説明会を2回開催するなど、機会を捉えて制度の周知を図ってまいりましたほか、6月には、農林水産部内に市町村を支援する対策チームを立ち上げまして、県内4ブロックで、各市町村や関係団体と今後の対応やあり方等について意見交換を行いまして、その中で明らかとなった各市町村の課題等に対応するため、例えば林業等の知識、経験を有する地域林政アドバイザーを配置したらどうか、あるいは新たに生ずる業務の外部委託はどうあったらいいかといった、制度を運用するに当たっての具体的な助言を行ってきたところであります。
県では、来年度、航空レーザー等を活用した森林資源解析技術の実証に係る新規事業を当初予算案に盛り込んでおりまして、これにより得られた成果を市町村に提供するとともに、各広域振興局に市町村を支援する専門職員を配置するほか、業務の具体的な進め方に関する研修会の開催あるいは優良事例の紹介などに取り組むこととしておりまして、引き続き、現地機関等を中心として、市町村が森林経営管理制度を適切に運用できるよう、きめ細かく支援してまいります。
〇27番(工藤勝博君) 林業に関してもう一点伺います。いわての森林づくり県民税を活用し、既に森林の環境整備に取り組んできていますけれども、林業関係団体からは、再造林への活用も要望されております。木材の利用拡大が進む昨今、計画的な伐採と再造林は不可欠です。持続する林業を維持するためにも、再造林に要する経費負担の支援が求められております。柔軟な制度運用の時期に来ているのではないでしょうか、伺います。
〇農林水産部長(上田幹也君) いわての森林づくり県民税でございますが、本県の豊かな森林環境を次の世代に良好な状態で引き継いでいくため、県民みんなで支える仕組みとして平成18年度に創設したものでありまして、5年を一つの期間として事業を実施し、現在、2020年度を終期とする第3期の取り組みを推進しているところであります。
このいわての森林づくり県民税の使途は、森林環境保全に関する施策に要する費用に充てるものとし、水源の涵養など公益的機能の高い森林へ誘導する間伐や、県民理解の醸成を図るための地域住民活動などを支援しているところでありまして、現行制度では、再造林への支援は制度の対象とはなっていないところであります。
第3期終了後の使途を含めましたいわての森林づくり県民税のあり方については、今後、具体的に検討を進めてまいりますけれども、検討に当たりましては、いわての森林づくり県民税の第3期におけます取り組みの成果や課題、さらには社会情勢の変化等も踏まえながら、県民の皆様を初め、事業評価委員会あるいは県議会の御意見などを伺いながら検討を進めてまいります。
〇27番(工藤勝博君) 次に、観光施策についてお伺いいたします。
2018年8月1日に台湾の航空会社タイガーエアーの花巻-台北間の定期便に続き、本年1月30日から中国上海-花巻空港を結ぶ国際定期便が就航しました。今回の上海便の就航により、世界一の人口大国中国、アジア屈指の大都市上海が4時間の時間軸で結ばれ、観光客の流れが大きく変わります。
以前は仙台空港や成田空港、羽田空港経由で本県に入っていた観光客が、直行便で結ばれる効果は絶大であり、本格的なインバウンドの増加が期待されます。
岩手の春夏秋冬、はっきりとした四季の魅力が観光客に支持されるものと確信しております。文化、習慣、社会制度の違いを理解し合いながら、一度だけでなく、リピーターにつなげる仕掛けも必要です。中国などは既にキャッシュレス決済などが普及しているそうですけれども、本県でもそうした受け入れ態勢の構築が急務ではないでしょうか。
そこで、キャッシュレス決済、Wi-Fi、二次交通などのインバウンドの受け入れ環境整備について、県の取り組みがどうなっているのかお伺いいたします。
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) インバウンドの受け入れ環境整備についてのお尋ねでありますけれども、外国人観光客の誘客の拡大を図るために、受け入れ環境の充実が重要と認識しているところでありまして、県では、これまで、宿泊、観光施設等に対するキャッシュレス決済に係る機器、無料公衆無線LAN、多言語表示、トイレの洋式化、客室の和洋室化などの整備への支援や多言語電話通訳、電子メール翻訳サービスの提供などによる受け入れ環境の充実を図ってきたところでございます。
また、今年度は、県内の第三セクター鉄道やバスが定額で一定期間乗りおり自由となる外国人向け周遊パスの販売に向けた実証実験を実施しておりまして、来年度の販売に向けて調整を行うなど、二次交通の充実にも取り組んでいるところであります。
今後におきましては、ラグビーワールドカップ2019釜石開催に向けまして、外国人観光客の受け入れ環境の診断と整備支援をパッケージで行う事業も新たに展開することとしておりまして、引き続き、受け入れ環境の整備、充実に取り組んでまいります。
〇27番(工藤勝博君) 岩手県は県土が大変広いわけですけれども、この受け入れ環境の一つの問題の二次交通については、到着便に合わせたバスの運転はありますが、それだけではお客さんは恐らく満足してくれないと思います。
隣の青森県では、一歩先んじて定額タクシーを運行しています。空港から主要都市に向けた定額タクシーということで、利用客にとっては大変安心して使える二次交通だろうと思いますので、ぜひとも、岩手県でもそういう受け入れ態勢を早急に進めるべきだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、十和田八幡平国立公園は、世界水準のナショナルパークとして評価され、国立公園満喫プロジェクトに選定されており、インバウンドの増加も期待されるところであります。従来もさまざま取り組んでおりますが、国立公園満喫プロジェクトの取り組みにより、一気にインバウンドがふえる可能性がある状況の中で、さらにその対応に取り組まなければならないと思いますが、今後についてはどのようにお考えかお聞きしたいと思います。
〇環境生活部長(大友宏司君) 国立公園満喫プロジェクトの取り組みについてでありますが、平成28年に環境省など関係省庁、北東北3県の関係自治体、民間団体等による地域協議会を設置し、2020年までに十和田八幡平国立公園の外国人利用者数を平成27年と比較し3倍となる2万1、000人に増加させることを目標とした十和田八幡平国立公園ステップアッププログラム2020を策定したところであり、関係機関が相互に連携しながら、アクセスルートの景観向上、案内誘導の強化、情報発信、プロモーションなどに取り組んできております。
県としましては、このプログラムに基づき、来訪者の方々に八幡平の地形の成り立ちや季節ごとの魅力を紹介するため、松尾八幡平ビジターセンターのハイビジョン映像設備を改修し、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語対応としたところです。
また、外国人にも安全に利用してもらえるよう、岩手山や八幡平の登山道を再整備するとともに、多言語表記した案内標識、誘導標識等を設置したほか、見返峠付近の景観を改善するため、八幡平市と連携し、旧レストハウスの撤去を行ったところです。
今後も、環境省や関係機関と連携しながら、外国人の方々に八幡平の魅力を十分満喫してもらえるよう、主要施設や周辺環境の改善などに取り組んでまいります。
〇27番(工藤勝博君) 次に、観光の掘り起こしという観点から、博物館を観光や地域おこしの資源、資産として活用しようという機運が各地で起きております。博物館は社会教育施設でありますけれども、教育委員会が管轄しているわけですが、最近、地域おこしや観光振興を念頭に運営を知事部局に委任する動きがふえています。知事部局での観光や産業担当部署との連携を強めて、地域活性化につなげようというのが発想ということです。
博物館を地域資源として活用している例としては、福井県立恐竜博物館があります。2009年度に知事部局に観光営業部が発足した際に、教育委員会から同部に運営が委任されています。
恐竜博物館の強みは、第1に、コンテンツが本物で福井県で発掘されたもの、そして、第2には、唯一無二の点であることを踏まえて、同県では恐竜をトップブランドとして位置づけて営業をかけていると。知事部局が営業をかけられるという点に違いがあるものかと思います。
また、石川県の金沢21世紀美術館では、美術館本来の機能を徹底し、来館者が全国の市、区の美術館の中で最多の年間250万人を超えているという、まさに観光資源の目玉になっております。
そこで、他県と比較するのも何ですけれども、本県の博物館、美術館の取り組み状況、また、今後の運営についてお聞きいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 自然史や文化史あるいは芸術文化の面から、岩手の魅力や価値などを発信する県立博物館、県立美術館の両施設は、本県の観光資源としての機能も求められており、県内外の広い世代の方々を積極的に呼び込む取り組みが必要であると考えておりまして、企画展の充実やさまざまなイベントの開催、報道機関との実行委員会方式による企画展の運営、メディアを活用した広報活動の強化などにより、その誘客に努めてきているところでございます。
昨年度の来館者数について申し上げますと、県立博物館においては、平成17年度以来12年ぶりに5万人を超え、また、県立美術館におきましては、前年度比120%増、開館以来4番目となる9万8、000人の方々においでいただき、来館者のアンケート結果でも高い評価をいただいたところでございます。
今後におきましては、御案内のありましたような他県の取り組み事例等も参考にしながら、県立博物館では、今般の改正文化財保護法の施行を踏まえまして、文化財を活用した地域づくりへの支援の取り組みを進めるとともに、2020年度の開館40周年の記念展示など、より魅力ある企画展示や幅広い普及活動などに積極的に取り組み、県内外への情報発信等にも努め、県立美術館におきましては、実行委員会方式により培われましたパートナーシップや広報等のノウハウを生かしながら、岩手ゆかりの作品によるすぐれた芸術文化の提供や、ニーズに応じた魅力ある企画展等を展開し、新たな来館者の開拓を図るなど、県内外のさらなる誘客に努めてまいります。
なお、知事部局、文化スポーツ部との連携も十分に図りながら進めていきたいと考えております。
〇27番(工藤勝博君) 県立博物館で2年ほど前から、敷地を活用して旧車の展示といいますか、そういうことをやって、大変好評をいただいて、多くの皆さんが博物館に来たということを伺っています。そういう一つの企画もこれからどんどん進められれば、博物館の価値がさらに上がっていくと思います。
そしてまた、博物館開館当時から、周辺の樹木が大変伸びて岩手山が見えないと言われています。岩手山の見える博物館にぜひ戻すといいますか、なるように、環境整備もしていただければと思います。
次に、岩手の教育について伺います。
前段で知事からもお聞きしましたけれども、まず、学力トップ級の秋田県の実践例です。秋田県は、小学6年生と中学3年生の全国学力・学習状況調査では、2007年度から始まった第1回目以降から全国トップレベルの学力を維持しています。好成績を支えているのが児童生徒の、みずから課題を設定し、話し合いながら解決方法を探る、そしてまた、学習内容を振り返るという三本柱による学習、探究型授業が主体であり、宿題のかわりに自分で学ぶ内容を決める家庭学習も自主性を育むとされ、多くの親も賛同しています。このような学習方法が全国の子供を呼び込んでおり、教育留学の制度も開始しているといいます。また、現職の教員もその仕組みを研さんし効果を上げているという実例があります。
今般のいわて県民計画、教育の主要指標の素案にあった学力が全国平均以上の児童生徒の割合を削除し、意欲を持ってみずから学ぼうとする児童生徒の割合に変更されました。議会の意見を反映されたとありますけれども、岩手の現状を鑑みたら学力向上の方針はしっかり示すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 学力の育成に当たりましては、基礎的、基本的な知識、技能とこれらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力、そして、主体的に学ぶ態度を総合的に育んでいくことが重要であると考えております。
このため、先ほど知事から答弁がありましたとおり、いわて県民計画最終案におきまして、指標を設定することとあわせまして、政策推進プラン案におきましても、学力が全国平均未満の児童生徒の割合を参考指標として、その推移を毎年度フォローアップしていくということで、全体的な底上げを図っていくというようなことで取り組んでいきたいと考えているところでございます。
また、具体的推進方策におきまして、これからの社会で一層必要とされる資質、能力を育むための問題発見、解決学習の充実や、児童生徒のつまずきに応じた授業改善、授業づくりの共通指針の見直し、家庭や地域と連携した計画的で効果的な家庭学習の充実などを盛り込み、その推進を図ることといたしております。
こうした方針のもとに、市町村教育委員会等との十分な連携を図りながら、子供たちの学習意欲の向上や学習環境の改善を含めた学びのあり方の一層の充実を進め、確かな学力の育成に取り組んでいきたいと考えております。
〇27番(工藤勝博君) この学力の向上の指標を変えたということ、はっきりとした数字が出てこないことに大変不安を感じるわけですけれども、教育を競争であおるという発想は、従来、岩手県ではそういう事例があったのでしょうか。
〇教育長(高橋嘉行君) 具体的にそういう事例があったかどうかということですけれども、今般のこの計画策定に当たりまして行ったパブリックコメント等におきまして、やはり子供たちの学習意欲の向上を目指すことが大事なので、過度な競争をあおるというようなことはぜひ避けてほしいと。また、議会での議論等もございました。具体的にどこの学校でとここで申し上げることはできませんけれども、その辺を危惧している声があることは事実でございます。ただし、これから変容する社会を生き抜いていくためには、しっかりした学力を身につけていくことが必要だということで、全国平均未満の子供たちの割合を少なくするように全体的な底上げをやっていくということで、そういう取り組みをさせていただきたいということでございます。
〇27番(工藤勝博君) 人生長いわけですけれども、いずれ大なり小なり競争の社会に生きているのだと思います。生き抜く力を養うことは教育の大きな目標だろうと思いますので、過度な競争ではなく、ほどほどの競争もあおりながら、学力を向上させていただきたいと思います。
次に、高校再編についてお伺いいたします。
後期計画の策定に向けて、各ブロックごとに市町村長、教育長、産業関係者、PTA関係者等が集い、高校教育の現状や今後のあり方について意見交換されました。私も盛岡ブロックの検討会議を拝聴させていただきました。まさしく今、地域ごとに抱える実情の声が届いた懇談会でもありました。
また、昨年10月には、高校再編を考える市町村長懇談会が33自治体の参加で発足し、岩手モデルの高校教育をつくり上げるべきとの方向が示されました。
既に取り組みを進めている葛巻町では、葛巻高校に山村留学として生徒を受け入れています。洋野町の種市高校では、全国唯一の潜水土木を学ぶ海洋開発科の入学者確保のために、町では産業界等との連携により、学生寮を準備、整備し、入学者の受け入れの態勢を整えています。
同じように、人口減少、少子化が進む隣県を見ますと、秋田県では、専門高校に35人学級を導入するとともに、普通高校でも、一部35人学級にすることで段階的に入学定員を減らす措置をとっています。また、各地区ごとの構想で、準備の整ったとこから再編整備を推進しております。
青森県では、平成29年から10年間で、3、100人の中学校卒業予定者が減少するということで、高等学校教育改革推進計画の第1期実施計画が策定されます。その中で大きなポイントは、各地域の実情に沿った配慮です。生徒の通学環境や地域における高校の役割等に配慮した学校配置です。
県では、今後、二、三回、意見交換を重ねて後期計画を策定する運びの予定とのことですが、望ましい学校規模に満たない地域の高校が大半です。岩手の将来を担う人材をどう育成するのか、お伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 昨年末から県内各地で開催している後期計画の策定に向けた地域検討会議におきましては、小規模校の教育環境の充実や地域人材の育成という視点を持った高校再編のあり方など、さまざまな御意見をいただいておりますけれども、特に、高校教育に対する大きな期待や地域を担う人材の育成等に対する強い期待がございます。
現在、国におきましては、地域との協働による高等学校改革が進められ、市町村におきましても、地方創生の観点などから、今後の方向性等について主体的に考えていきたいという取り組み等が行われておりますけれども、このような状況等も踏まえまして、いわて県民計画最終案におきましては、魅力ある学校づくりに向け、地域社会や産業界等との連携した取り組みを推進していくこととしており、地域を含めた社会とのつながりの中で、本県の高校生に地域理解や地域貢献の意識を一層深めてもらい、地域で活躍する人材育成に努めていくことといたしております。
新たな高校再編計画では、望ましい学校規模を示しながら、隣接する高校への通学が極端に困難な学校につきましては、特例として、1学年1学級でも維持する等、可能な限り地域における学びの機会の保障に努めておりますけれども、今後におきましても、地方創生における地域の高校の役割等も重視しつつ、丁寧な意見交換等を行いながら、後期計画の策定に取り組んでいきたいと考えております。
〇27番(工藤勝博君) 文部科学省は2019年度、来年度からですけれども、高校を拠点とした地域が抱える課題の研究や実践的な職業教育を実施する高校を公募して、50校程度指定します。高校が地域振興の核となるような教育機能を強化することが狙いですが、県ではどのような対応をしているのか、お伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 2022年度から実施される高校の新学習指導要領では、学校の教育目標を、地域と共有しながら、生徒の健全育成を目指す社会に開かれた教育課程の実現を重視しており、地域と学校との協働は極めて重要であると示されております。
県立高校におきましては、総合的な学習の時間や課題研究などを活用して、地元自治体や産業界との協働による、地域課題の解決や、地域産業の振興に向けた探究活動に取り組んできており、このような活動は、生徒に、地域への愛着や地域の未来を担う当事者としての意識の向上に加え、思考力、判断力、表現力などの未来社会を切り開いていくために必要な資質、能力の育成に大きな意義がございます。
県教育委員会といたしましては、このような取り組みを一層深化、発展させるため、国の新規事業である地域との協働による高等学校教育改革推進事業の本県への導入を目指して、現在、二つの市町の県立高校を候補に、採択に向けた取り組みを進めているところでございます。
〇27番(工藤勝博君) 次に、商工業の振興についてお伺いいたします。
地域経済を支えている中小企業の活力を生むため、今、最も重要課題となっているのが事業承継であります。岩手県においては、企業数3万8、737社で、そのうち中小企業は3万8、665社と、全体の99.8%であります。さらに、その中でも小規模事業者は85.9%を占めております。経営者の高齢化も進み、帝国データバンクの調査では、最も社長の平均年齢が高い県は岩手県であります。第1次産業でも、後継者、担い手の不足が長年の課題になっておりますけれども、近年は商工業においても、後継者難から廃業する事例が増加しております。地域経済の衰退が人口減少にさらに拍車をかけます。
シャッターが閉じないよう、また、閉じたシャッターが再び開けられる施策が求められておりますけれども、どのようなお考えでしょうか、お伺いします。
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) 事業承継についてのお尋ねでございますけれども、承継のタイミングを迎える経営者に対しまして、まずは、承継に向けた準備の必要性をしっかりと認識してもらうことが大事だと考えております。こうしたことから、県や商工指導団体、金融機関を初め26の関係機関で組織いたします岩手県事業承継ネットワークでは、経営者に気づきを促すための事業承継診断を実施いたしますとともに、第三者への承継を含めたさまざまな選択肢や税制などの支援策をお示しいたしまして、経営者の事業承継に対する意識を高める取り組みを進めているところでございまして、まずは、親族内や社内に後継候補者がいる経営者の方に対しましては、ネットワークに配置をいたしました専任の事業承継コーディネーター1名と、中小企業診断士のコーディネーター4名が、事業承継計画の策定の支援をしております。また、後継候補者がいない経営者の方に対しましては、盛岡商工会議所に開設されております岩手県事業引継ぎ支援センターが相談対応やマッチング支援を行っております。
県といたしましては、こうした事業承継に向けた取り組みがより一層円滑に進むように、商工指導団体や金融機関等との連携を強化してまいりますとともに、商工業における新たな担い手を育成、確保していくため、新規創業者や後継者の育成による経営人材の確保にも引き続き取り組んでまいります。
なお、これら事業承継や創業支援は中小企業振興の喫緊の課題でありますことから、来年度は、新たに当部経営支援課に事業承継と創業支援を担当する特命課長を配置いたしまして、支援を強化することといたしております。
〇27番(工藤勝博君) もう一項目は、時間も経過しておりますので、次の委員会で質問したいと思います。
次に、入札制度についてお伺いします。
県では、2019年度から、県営建設工事の入札業務を総務部から出納局に移管します。予定価格の事前公表は、適正な積算による価格競争ではなく、予定価格から幾ら値引いて入札するかだけを助長しています。公共工事の品質確保の促進に関する法律の改正における基本指針の中で、必ず実施すべき事項として、ダンピング受注を防止するため、低入札価格調査制度または最低制限価格制度の適切な活用を徹底し、予定価格は原則として事後公表とすることとして国でも指導しています。
健全なる建設業の維持、発展を図るために、コンプライアンスを確立し、社会的責任を果たすとともに、適正な取引秩序を確立し、良質な社会資本の提供と雇用の確保、地域経済の基幹産業として持続可能な施策が必要であります。
かねてから、岩手県建設業協会からも要望されております予定価格の事前公表の廃止について、県の見解を伺います。
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) 予定価格の事前公表については、入札の透明性の向上、発注者、受注者双方の事務効率の向上、さらに予定価格に係る不正防止の観点から有効なものとして導入しているものでございます。
国と地方の取り扱いの違いについて申し上げますと、国は、予算決算及び会計令で事後とされておりますが、地方公共団体は、地方自治法、同法施行令には規定がございませんで、裁量に委ねられているものでございます。
全国の状況を見ますと、事前公表は、一部では事後との併用を含みますが、そういった取り扱いをしているのは、本県を含む30都府県で採用されているところです。
この事前公表の実施に当たりましては、国が求めている実施の適否について十分検討を行いながら運用しているところでございまして、現時点におきましては、事前公表による弊害は特に認められないことから、現行の制度で対応しているところでございます。
さらに、企業による適正な積算により入札に参加してもらうため、詳細な工事費内訳書の作成、それから提出を義務づけているところでございまして、現時点では、適正な競争が確保されていると捉えております。
引き続き、入札状況等を注視しながら対応してまいりたいと考えております。
〇27番(工藤勝博君) そういう状況の中ですけれども、大震災復興事業も縮小されていくと思います。建設業の健全な発展のために、ぜひ、また検討していただければと思います。
次に、北いわての産業振興についてお伺いします。
まず、頭出しに北いわてを表記したことには、大いに賛同いたします。私は、盛岡以北の国道4号分レ交差点から北は北いわてだと、そこで分けてもいいような表現だと思いまして、あえて今定例会で発言させていただきます。
提案されているいわて県民計画最終案は、今後10年間の基本計画であります。マニフェストサイクルで多少の見直しはあると思いますけれども、長期ビジョンを掲げる中で大変気になる点があります。新しい時代を切り拓くプロジェクトで、ILCプロジェクト、北上川バレープロジェクト、三陸防災復興ゾーンプロジェクトは、誰の目に見てもアクティブなプロジェクトであります。
北いわて地区の市町村長たちは、それに比較して、北いわては取り残されている感じがありありということを言われております。従来からの振興策は羅列されております。革新的な取り組みをするということでありますけれども、私からはそうは見えない。
全県に先行している人口減少、高齢化社会が進んでいる地域に起爆剤となるような骨太の振興策を示していただきたいと思いますが、産業振興を所管する保副知事にお伺いします。
〇副知事(保和衛君) 県北圏域を初めとする北いわては、ブロイラーや高原野菜など、県内トップクラスの農林水産物や再生可能エネルギー資源、さらには、特徴ある地域の資源等に立脚した元気な企業の存在など、ほかのエリアにはないすぐれた特色がある地域だと考えております。
このことから、このプロジェクトの取り組みの方向性といたしましては、地域経済を牽引する産業や企業等のさらなる成長支援や、大学等の高度な知見の活用による人口減少、高齢化への対応、これらを通じた地域の未来を担う人材の育成といったことを柱に据えていきたいと考えております。
例えば、八幡平市での特産のリンドウの輸出拡大に向けた取り組み、二戸市での酒造メーカーを核とした地域連携による酒蔵ツーリズムの取り組み、久慈市での久慈地域エネルギー株式会社による電力の地産地消を目指す取り組みなど、さまざまな先進的な取り組みが進められておりますけれども、これらのような取り組みの認知度をさらに高め、地元の力を引き出し、その中から産学官等のネットワークによる相乗効果を生み出すということで、新たな産業の創出や若者のU・Iターンの促進にもつなげて、いわゆる外貨を稼いで地域内の経済循環を拡大させていくという取り組みを進めてまいりたいと思っております。
私は、去る1月21日に、県北広域振興局が主催して久慈市で開催されました北いわて地域未来牽引サミットに出席いたしましたけれども、まさに地元経済を牽引する企業の代表として登場したお二人の気概あふれる発表に大変大きな感動をし、希望を持つことができました。
市町村を初め、地域の振興に尽力されている皆さんに対しては、皆さんはすばらしい地元の宝や飛躍の芽を持っていますし、この計画のプロジェクト自体もこれからどんどん成長させていくものでありますから、もっともっと大きく育てていきましょうと呼びかけてまいりたいと思っております。
〇27番(工藤勝博君) 今の答弁の中に人材の確保ということもありました。北いわて圏内の高卒者の地元就職率は、2017年度で43%しかありません。農林水産業、食産業、アパレル産業それぞれの人材確保に、業界の皆さんは大変苦労しているという話があります。持続ある地域産業を発展させるためにも、若者の地元就職を、地元の企業の皆さんはどういう形で確保するのか。あわせて、人材の育成は地元の産業に合わせた、高校再編とも絡みますが、いろんな形のやり方があると思いますけれども、そういう人材育成を高校再編と合わせて考えるなど、その辺、教育長からもお聞きしたいと思います。
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) 人材の確保に関するお尋ねでありますけれども、特に若者の人材確保のためには、企業が生産性の向上や働き方改革の推進などによりまして、自社や業界の魅力や価値を高めること、そして中学校、高校等の各段階に応じた地元企業等への理解を深める取り組みを通じまして、生徒等に地元で働く魅力をしっかりと伝えていくことが重要と考えております。
北いわて圏内におきましては、食産業やアパレル産業といった特徴的な産業がございます。ブランド化や販路拡大などによる産業振興と、それから食に関するイベントや、昨日も二戸市で開催されましたが、ファッションショーの開催などによりまして、地元産業の認知度向上等の取り組みを進めているところであります。
また、北いわて圏域における働き方改革の取り組みといたしましては、働き方改革の先進事例の紹介や処遇改善の取り組みを促すセミナーの開催や、働き方改革実践モデル企業の選定、そしてコンサルタントの派遣、こういったことによりまして、近隣、周辺企業にこれらの取り組みを波及させ、地域全体の企業の魅力向上に努めているところでございます。
また、若者の地元企業への理解促進や就職支援に向けまして、高校生を対象とした地元企業訪問ツアーや、厚生労働省の委託事業によります求職者を対象としたスキルアップセミナーの開催などにも取り組んでいるところでございます。
今後におきましても、持続的な産業振興を図るために、こうした取り組みを積み重ねて、地元企業等の魅力や価値の向上、若者の地元就職そして定着と、こういった大きな流れをつくってまいりたいと存じております。
〇教育長(高橋嘉行君) 高校教育を通じて地域振興を推進する人材育成にしっかり取り組んでほしいという御質問でございますけれども、あわせて、グローバル化や産業構造の変化など、急激な環境変化に伴う知識、技術の高度化への対応も必要と考えておりまして、例えば、農業学校における例を挙げさせていただきますと、平成30年度の学科改編では、水沢農業高校に新たに食品科学科を設置し、6次産業化に対応した食品製造などに取り組むとともに、盛岡農業高校では自動栽培管理システム等の設備を導入し、スマート農業の広がりに対応できる人材育成などに取り組んでいるところでございます。
いずれ、再編計画を進める上で、新しい学科やコースの配置につきましては、中学生の進路希望、卒業後の進路、産業施策の方向性等、さまざまな観点からの検討を行った上で適切に対応していきたいと考えておりますけれども、地元就職を促進する観点からも、今後なお一層、地域の教育資源を活用した実践的な教育活動の充実を図りながら、生徒や保護者に地域の産業や企業等への一層の理解を深めてもらい、即戦力となる人材の育成に努めていかなければならないと考えております。
〇27番(工藤勝博君) 次に最後の項目ですけれども、道路整備についてお伺いいたします。
まず最初に、県道雫石東八幡平線について知事にお伺いしたいと思います。
県道雫石東八幡平線は1965年に車道として着工し、自然保護団体の反対もあり一時中断、1984年に一部トンネルに変更して工事を再開しました。ところが、1996年に、原生林の無許可伐採が判明し、1998年に約3キロメートルを残して事実上、工事は中止しております。現在は車両が制限され、既存登山道も使い、歩行者のみが通行可能となっております。先人の思いは、産業振興とともに山岳観光道路としての活用を目指したものと察します。
今、車社会の中でありますが、旧来の排気ガスにより自然環境への影響は余りないものと考えます。岩手に残されている観光資源の掘り起こしに向けた決断すべき時期と考えますけれども、知事の見解をお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 県道雫石東八幡平線についてでありますが、県では、平成10年に網張から松川間の道路工事の再開を断念した後、利用に伴う人為的な影響を極力軽減し、自然環境の保全に努めるということを基本的な考えとして、平成14年3月に活用計画を策定したところであります。
この計画に基づいて、整備済みの道路を既存の登山道とつなげて、一連の登山ルートとして平成19年6月から歩行者に開放しております。
また、平成21年7月には、一般県道雫石東八幡平線活用検討委員会から、登山ルートがある三ツ石山、三ツ石湿原周辺地域は、十和田八幡平国立公園の核心地域に位置し、高い自然性とすぐれた環境資源を有しており、環境保護が必要な地域であるという提言が示されております。
県といたしましては、この提言を踏まえて、高い自然性とすぐれた環境資源の保全に努めながら、引き続き登山道としての利活用を図っていく考えでございます。
〇27番(工藤勝博君) 私も歩く県道を何度か歩きましたけれども、せっかく整備した道路も含めて、あのままでいいのかなと常々思っております。これからの岩手のインバウンドも含めて、このすばらしい山岳観光、アスピーテライン、樹海ライン、そしてまた雫石東八幡平道路がつながるということになれば、全国屈指の観光道路に結びつくものだろうと思います。それを先人の皆さんが計画したわけですが、私、個人的にですけれども、平成の取り残した大きな事業ではないかなと、ぜひとも知事にはそれを再考していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 自然と親しみ、多様な触れ合い体験のできる環境学習に適したフィールドということで、この登山道としての利活用については、さまざまな利用、活用がされているところだと思いますので、そうした利活用の発展を図っていく考えであります。
〇27番(工藤勝博君) 今までも何回か他の議員も質問されておりますけれども、新たな視点で知事はこれから次の時代に向けて考えていただければと思います。
次に、中平議員、千葉伝議員からも質問がありました。北岩手・北三陸横断道路の整備についてであります。
県北部の6市町村は、八幡平市と野田村─八幡平と言っても高速道の西根インターですけれども─野田村を結ぶ自動車専用道路の実現を目指して、北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会を立ち上げております。県北部に横断道を通じ時間距離の短縮を図ることが、何より人口減少の歯どめや産業振興につながる。その背景には、道路整備や産業集積が進む他地域に対し県北部が取り残されている危機感があるわけです。二つある国立公園の相乗効果、そしてまた、魅力ある農山漁村等と都市をつなげ、県北部と県全体の発展につながる道路整備がぜひとも必要です。当局の見解をお伺いしたいと思います。
〇県土整備部長(八重樫弘明君) 北岩手・北三陸横断道路についてでございます。
県北地域の道路ネットワークの強化は、県北・沿岸振興や災害に強い県土づくりに加えて、物流の効率化や人の交流の活発化の面からも、県として特に重要な課題と認識しています。このため、県央部と沿岸北部地域を結ぶ国道281号においては、現在進めている改築事業に引き続いて、路線全体として災害時にも機能する信頼性の高い道路となるよう、整備に取り組んでまいります。
新たに設立された同盟会が構想しております自動車専用道路については、全国の高規格幹線道路の整備状況や、県が整備している国道281号の効果なども含め、県北地域の道路ネットワークのあり方について、関係市町村とともに幅広く検討してまいりたいと考えております。
〇27番(工藤勝博君) ありがとうございました。以上で終わります。(拍手)
〇議長(佐々木順一君) 以上をもって工藤勝博君の一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午後2時29分 休 憩
出席議員(46名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 千 葉 絢 子 君
3  番 ハクセル美穂子 君
4  番 菅野 ひろのり 君
5  番 柳 村   一 君
6  番 阿 部 盛 重 君
7  番 佐 藤 ケイ子 君
8  番 佐々木 宣 和 君
9  番 臼 澤   勉 君
10  番 川 村 伸 浩 君
11  番 田 村 勝 則 君
12  番 工 藤   誠 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 吉 田 敬 子 君
15  番 佐々木   努 君
16  番 千 葉   進 君
17  番 佐々木 朋 和 君
18  番 名須川   晋 君
19  番 軽 石 義 則 君
20  番 神 崎 浩 之 君
21  番 城内 よしひこ 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 佐々木 茂 光 君
24  番 高 橋 孝 眞 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 工 藤 勝 博 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 高 橋   元 君
32  番 関 根 敏 伸 君
33  番 岩 崎 友 一 君
34  番 中 平   均 君
35  番 五日市   王 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 小野寺   好 君
40  番 飯 澤   匡 君
41  番 佐々木 順 一 君
42  番 田 村   誠 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 工 藤 勝 子 君
45  番 柳 村 岩 見 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 大 輔 君
48  番 樋 下 正 信 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時48分再開
〇議長(佐々木順一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。臼澤勉君。
〔9番臼澤勉君登壇〕(拍手)

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