平成30年2月定例会 予算特別委員会会議録

前へ 次へ

予算特別委員会会議記録
(第 9 号)
平成30年3月15日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
県土整備部長 中 野 穣 治
理事兼副部長兼
県土整備企画室長 高 橋 宏 弥
道路都市担当技監 遠 藤 昭 人
河川港湾担当技監 八重樫 弘 明
県土整備企画室
企画課長 嵯 峨 俊 幸
県土整備企画室
管理課長 高 橋 一 志
用地課長 小 上 俊 雄
建設技術振興課
総括課長 菊 池 達 也
技術企画指導課長 沖 野 智 章
道路建設課
総括課長 田 中 隆 司
道路環境課
総括課長 白 旗 牧 人
河川課総括課長 岩 渕 和 弘
河川開発課長 佐々木 雅 章
砂防災害課
総括課長 大久保 義 人
都市計画課
総括課長 藤 井 幸 満
まちづくり課長 小野寺   淳
下水環境課
総括課長 矢 内   泉
建築住宅課
総括課長 廣 瀬 公 亮
住宅課長 辻 村 俊 彦
営繕課長 谷 藤 正 徳
港湾課総括課長 照 井   巧
空港課総括課長 箱 石 知 義

財政課総括課長 小 原   勝
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
議案第1号から議案第20号まで、議案第28号から議案第31号まで、議案第35号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第49号、議案第51号から議案第53号まで、議案第55号及び議案第56号の以上36件を一括議題といたします。
本日は、県土整備部関係について、延べ14人の質問者を予定しており、その後、議案36件について意見の取りまとめをいたしたいと思いますので、御了承願います。
それでは、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇中野県土整備部長 最後の部審査になるかと思います。県土整備部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
早速でございますが、審議に先立ちまして、私から、県土整備部所管の平成30年度の当初予算の基本的な考え方につきまして、御説明させていただきます。
平成30年度の当初予算につきましては、1、東日本大震災津波からの復興、2、台風第10号災害からの復旧、復興を最優先に取り組みますとともに、いわて県民計画や岩手県ふるさと振興総合戦略を着実に推進するため、3、物流の効率化やインバウンドの拡大により県の産業振興を下支えする取り組みの推進、4、県民の安全で安心な暮らしを確保する取り組みの推進の四つを重点項目といたしまして予算を編成したところでございます。
まず、1の震災復興関係でございますが、防潮堤や水門等の津波防災施設の整備や、水門、陸閘の自動閉鎖システムの整備、災害に強く信頼性の高い交通ネットワークの構築に向けた復興道路等の整備など、安全の確保のための取り組みを引き続き推進しますほか、災害公営住宅の早期完成、区画整理などの面整備事業の推進による暮らしの再建に向けた取り組みを推進します。
また、港湾の利活用、ポートセールスの推進、高田松原地区の津波復興祈念公園の整備や砂浜の再生など、なりわいの再生、復興の先を見据えたふるさとの振興につながる取り組みも進めてまいります。
二つ目の台風第10号関係では、被災した河川、道路等の復旧を引き続き進めますとともに、甚大な被害を受けた小本川や安家川等では、地元の理解を得ながら、環境にも配慮した形で河川改修事業を進めてまいります。さらに、水位周知河川の指定拡大を計画的に進めるなど、ハード、ソフト両面から復旧、復興に取り組んでまいります。
三つ目、物流や産業を支える社会資本整備の関係では、県内産業の振興や地域間交流の促進を図るため、国により整備が進められております復興道路を補完し、平常時、災害時を問わず物流の基盤となり、広域観光ルートの形成にも資する道路網の整備を推進いたしますとともに、ラグビーワールドカップ開催等のインバウンドの増加に対応するため、案内標識等の道路環境の整備や宮古港のフェリー航路の利活用促進、外航クルーズ船の受け入れ環境整備などの取り組みを進めてまいります。
四つ目、安全で安心な暮らしの確保の関係では、自然災害から県民の生命、財産を守るための治水対策、土砂災害対策の施設整備の推進、道路の防災対策、橋梁の耐震補強などのハード面での取り組みのほか、水位周知河川の指定、洪水浸水想定区域の公表、ホットラインの運用など、逃げおくれをなくすソフト面での対策を強化してまいります。
このほか、空き家の活用の促進、いわて汚水処理ビジョン2017に基づく汚水処理施設の整備など、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりに取り組みますとともに、i-Constructionの推進による建設業の生産性の向上、また、週休2日制の奨励や若者、女性が働きやすい職場環境の整備など、建設業の働き方改革にも取り組み、将来にわたる社会資本の維持管理や地域の安全・安心の担い手の育成、確保にも努めてまいります。
続きまして、当部の議案について御説明を申し上げます。
まず、議案第1号平成30年度岩手県一般会計予算についてでありますが、お手元の議案その1の7ページをお開き願います。県土整備部関係の予算は、6款農林水産業費3項農地費165億6、013万円余のうち、当部関係は1億5、004万円余であり、8ページに参りまして、8款土木費1、640億2、097万円余、9ページの11款災害復旧費5項土木施設災害復旧費359億6、465万円余、12款公債費1、098億3、730万円のうち当部関係は1億1、333万円余であり、これらを合わせますと、県土整備部関係の予算の総額は2、002億4、901万円余となっております。これを前年度の当初予算と比較しますと25億1、517万円余の減、率にいたしまして1.2%の減となっております。
平成30年度におきましても、引き続き大変大きな額の予算を要求させていただいており、県土整備部職員、各広域振興局の土木部等の職員、また、応援派遣をいただいている職員も含め、一丸となりまして適切な執行に努めてまいる所存でございます。
以下、予算の内容につきましては予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
お手元の予算に関する説明書の162ページをお開き願います。
なお、説明欄に記載の主な事業の内容を中心に御説明を申し上げ、事業ごとの金額の読み上げについては省略させていただきます。
6款3項2目土地改良費のうち県土整備部関係は、その下の163ページに参りまして、説明欄の下から6行目、県土整備部と記載がございます。この中の農業集落排水施設の整備に対する市町村への補助等であります。
次に、少し飛びまして、188ページをお開き願います。8款1項2目の建設業指導監督費のうち、説明欄の建設業総合対策事業費は、建設企業の経営基盤の強化、ICT技術の活用による生産性の向上や、若者、女性が働きやすい環境の整備など、担い手の確保に向けた取り組みの支援に要する経費でございます。189ページに参りまして、4目空港費のうち、管理運営費は、いわて花巻空港の維持管理などに要する経費であります。
次に、190ページをお開き願いまして、2項2目道路橋りょう維持費のうち、道路環境改善事業費は、災害に強く信頼性の高い交通ネットワークを構築するため、復興道路等における防災対策や橋梁の補修、耐震補強等を行うほか、歩道の設置や舗装の補修など道路環境の改善に要する経費であります。191ページに参りまして、3目道路橋りょう新設改良費のうち、地域連携道路整備事業費は、県が行います復興支援道路等の整備に要する経費であります。続きまして、直轄道路事業費負担金は、国が行います三陸沿岸道路などの復興道路等の整備事業に対する県の負担金であります。
194ページをお開き願います。3項2目河川改良費のうち、上から二つ目、三陸高潮対策事業費は、津波及び高潮による災害を防止するため、三陸沿岸の河川の防潮堤、水門等の整備に要する経費であり、二つ下の河川激甚災害対策特別緊急事業費は、平成28年台風第10号により大規模な洪水被害のあった河川における再度災害防止のための河川改修に要する経費であり、下から四つ目、治水施設整備事業費は、河川改修や河道掘削等に要する経費であります。3目砂防費のうち、上から六つ目にあります砂防激甚災害対策特別緊急事業費は、平成28年台風第10号により激甚な土石流被害が発生した地域における砂防設備の整備に要する経費であり、4目海岸保全費のうち、195ページに参りまして、津波危機管理対策緊急事業費は、水門、陸閘の自動閉鎖システムの整備や、高田地区海岸の砂浜再生に要する経費であります。
197ページをお開き願います。4項1目港湾管理費のうち、上から八つ目、外航クルーズ船誘致事業費は、2019年に予定されている宮古港への大型外航クルーズ船の寄港に向けた受け入れ態勢の構築等に要する経費であり、その下の宮古・室蘭フェリー利用促進事業費は、本年6月に開設される宮古-室蘭間のフェリー航路の周知、広報など、利用促進を図るための経費を新たに盛り込んだところであります。198ページをお開き願いまして、2目港湾建設費のうち、港湾高潮対策事業費は、港湾海岸の防潮堤の整備等に要する経費であります。
199ページに参りまして、5項2目街路事業費のうち、広域公園整備事業費は、高田松原津波復興祈念公園の整備等に要する経費であります。200ページをお開き願いまして、3目下水道事業費のそれぞれの事業は、いわて汚水処理ビジョン2017に基づく水環境の保全や汚水処理などを推進するため、市町村が行う公共下水道や浄化槽の整備に要する経費への補助等であります。
201ページに参りまして、6項1目住宅管理費のうち、上から三つ目、住宅ストックリノベーション事業費は、官民連携による空き家活用に係る体制の整備など、良質な住宅ストックの形成及び流通の促進を図るための経費であり、四つ下の生活再建住宅支援事業費は、被災者の住宅再建を促進するため、被災した住宅の補修等に対する補助等に要する経費であります。202ページをお開き願いまして、2目住宅建設費のうち、災害公営住宅整備事業費は、沿岸部及び内陸部の災害公営住宅の整備等に要する経費であります。
少し飛びまして、236ページをお開き願います。11款5項1目河川等災害復旧費及び次の237ページの2目港湾災害復旧費は、東日本大震災津波や平成28年台風第10号などにより被災した河川、道路や港湾施設などの復旧等に要する経費であります。
239ページをお開き願います。12款1項1目元金のうち、当部関係は、公債管理特別会計繰出金の県債償還元金の一部、1億1、333万4、000円であり、これは、地方道路整備臨時貸付金に係る償還元金であります。
次に、空港利用促進業務の移管に伴い政策地域部へ移管する事業について御説明を申し上げます。
恐れ入りますが、お戻りいただきまして、95ページをお開き願います。2款4項3目交通対策費のうち、96ページに参りまして、2行目のいわて花巻空港利用促進事業費は、国際定期便の就航や国内路線の維持拡充に向けたエアポートセールスに取り組むための経費であります。
次に、債務負担行為について御説明を申し上げます。恐れ入りますが、お手元の議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、県土整備部関係は、13ページに参りまして、上から二つ目の30道路環境改善事業から、14ページに参りまして、下から四つ目の58港湾災害復旧事業までの29件であります。これは、東日本大震災津波や平成28年台風第10号災害からの復旧、復興工事等について、工期が翌年度以降にわたりますことから、債務負担行為を設定しようとするものであります。
次に、特別会計3件について御説明を申し上げます。
36ページをお開き願います。議案第7号平成30年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額につきまして、歳入歳出それぞれ37万5、000円と定めようとするものであります。
37ページに参りまして、歳入の主なものでありますが、1款財産収入は、土地開発基金の運用に伴う利子であります。
38ページをお開き願いまして、歳出でありますが、1款管理事務費は、当該特別会計の管理事務費であります。
次に、少し飛びまして、49ページをお開き願います。議案第11号平成30年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてであります。第1条歳入歳出予算の総額について、歳入歳出それぞれ74億6、549万4、000円と定めようとするものであります。
50ページをお開き願いまして、歳入の主なものでありますが、1款分担金及び負担金は、管理費及び建設費に係る関係市町からの負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業に係る国庫補助金であります。
次に、52ページをお開き願います。歳出でありますが、1款流域下水道事業費は、流域下水道施設の管理運営及び建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
53ページに参りまして、第2表債務負担行為でありますが、流域下水道管理に係る管理業務委託及び流域下水道建設事業について、期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものであります。
次に、54ページをお開き願いまして、第3表地方債でありますが、これは、流域下水道管理及び建設事業に係る地方債の限度額等を定めるものであります。
次に、55ページに参りまして、議案第12号平成30年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額について、歳入歳出それぞれ21億3、845万3、000円と定めようとするものであります。
56ページをお開き願いまして、歳入の主なものでありますが、3款繰入金は、埠頭用地などの港湾施設整備や県債の元利償還等に充当するため一般会計から繰り入れるものであり、6款県債は、港湾施設整備事業等に係る県債であります。
57ページに参りまして、歳出でありますが、1款事業費は、埠頭用地の整備等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
次に、58ページをお開き願いまして、第2表地方債でありますが、これは、港湾施設整備事業に係る地方債の限度額等を定めるものであります。
続きまして、予算以外の議案について御説明を申し上げます。
議案その1の、少し飛びまして、82ページをお開き願います。議案第19号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、平成30年度において実施する土木関係の建設事業費の一部について、受益市町に負担させようとするものであります。
次に、85ページをお開き願います。議案第20号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、平成30年度において実施する流域下水道事業の管理費及び建設費の一部について、受益市町に負担させようとするものであります。
次に、条例案8件について御説明を申し上げます。
お手元の議案その2の47ページをお開き願います。議案第35号道路占用料徴収条例の一部を改正する条例でありますが、これは、道路法施行令の一部改正に合わせ、道路の占用料の額の改定、占用物件の所在地区分の変更などを行おうとするものであります。
次に、53ページをお開き願いまして、議案第36号海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例でありますが、これは、岩手県漁港管理条例の一部改正に合わせ、漁港区域に係る海岸保全区域の占用料の額を改定しようとするものであります。
次に、54ページをお開き願いまして、議案第37号岩手県手数料条例の一部を改正する条例でありますが、このうち当部関係は、59ページをお開き願いまして、別表第7、県土整備事務関係手数料であります。これは、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部改正に伴い、砂利採取計画認可申請手数料の額を改定しようとするものであります。
次に、少し飛びまして、222ページをお開き願います。議案第51号建築基準法施行条例の一部を改正する条例であります。これは、建築基準法の一部改正に合わせ、日影規制の対象区域に田園住居地域を追加し、当該地域内における許可申請手数料を整備しようとするものであります。
次に、225ページをお開き願いまして、議案第52号建築士法施行条例の一部を改正する条例であります。これは、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部改正に伴い、二級建築士試験及び木造建築士試験の受験手数料を改定しようとするものであります。
次に、226ページをお開き願いまして、議案第53号岩手県港湾施設管理条例の一部を改正する条例でありますが、これは、道路占用料徴収条例の一部改正に合わせて占用料の額を改定するほか、宮古-室蘭間のフェリー就航に伴い、新たに宮古港に岸壁への係留を補助するための動力装置を設置しますことから、当該装置を使用する場合の使用料を設定しようとするものであります。
次に、232ページをお開き願いまして、議案第55号花巻空港管理条例の一部を改正する条例でありますが、これは、道路占用料徴収条例の一部改正に合わせまして占用料の額を改定するほか、建物等占用料について、出発施設の一時使用に係る占用料の額を使用面積に応じた単価に改めますとともに、管理経費の実績に応じて占用料の額を改定しようとするものであります。
次に、234ページをお開き願いまして、議案第56号道路法等の適用を受けない公共用行政財産の使用等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、道路占用料徴収条例の一部改正に合わせまして、それぞれ占用料の額の改定等を行おうとするものであります。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願いを申し上げます。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 今、るる御説明を聞いたのですけれども、最後の説明になるといった話もありましたが、中野部長におかれましては、この3月を最後にといったことが一部で報道されております。中野部長におかれましては、震災からの復旧、復興のさなかに岩手県に着任していただきまして、これまで本当にいろいろ御尽力いただいたことに対しましては、私も心から御礼を申し上げたいと思います。また、災害は常にさらに起こってくるということで、平成28年台風第10号であったり、直近では暴風警報が発表される中で、県民の安全・安心の構築のために、これまでさまざまな形で御尽力いただきました。本当にありがたく思っております。
平成28年台風第10号災害のときも河川の氾濫がありましたが、本年も3月8日の暴風警報が発表された際にも河川の増水が多く見られる中で、いち早く警報の発表や危険箇所を周知し、避難させるという流れがあったと思っております。
それは、平成28年台風第10号災害後からさらにふやしていった河川情報システムの水位計が、迅速な情報発信というものにつながっていったと思うところであります。
現在、河川情報システムで公表している水位計については、県管理河川の312河川のうち58河川、82カ所、それ以外の国の管理の部分も含めまして67河川、126カ所の水位計を設置していると聞いておりますけれども、これは、県として、これからどのようにしていくのか。
昨年12月に市町村と洪水減災対策協議会を設置し、5カ年計画を策定してこれから進めていく方向をつくっているということでお聞きしておりますけれども、まずは5カ年計画の内容と、あわせて、そうしたものを踏まえてこれからどのように進めていこうとしているのかお伺いしたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 県はこれまでに58河川、82カ所に水位計を設置して、県のホームページの岩手県河川情報システムで水位情報を提供しております。
平成28年台風第10号災害を踏まえ、国、県、市町村で構成する洪水減災対策協議会を設置しまして、この中で、今後、5カ年で11河川に通常の水位計を設置しようということで考えております。
また、従来の通常の水位計というのは1カ所当たり約2、000万円と非常に高いもので、なかなか設置も進まなかったわけでございますけれども、国では、今、洪水時に特化した危機管理型水位計というものを開発しておりまして、そういったものも含めて協議会の中で協議しながら、これから設置を拡大してまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 これから5カ年計画で水位計を設置していくという話でありますけれども、もちろん、これから設置していく河川というのは、市町村といろいろやりとりをしている中で、非常に多くの箇所数になっていくと思います。以前は1カ所当たり2、000万円ほどのものが、危機管理型水位計の場合、比較的安価設定できるということでありますが、それにつけても、その財源等は、結局どのような形になっていくのかお伺いしたいと思います。
また、県管理河川に設置するいうことでありますけれども、市町村と一緒になって洪水減災対策協議会をやっている中で、市町村のほうから、ぜひ市町村分もというか、県管理河川と市町村管理河川の流れがつながっているようなところであったり、市町村でそれぞれ危険箇所として自分たちが認識しているところにつけてくれといったような要望等があったのかどうか、その点も含めてお伺いしたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 危機管理型水位計につきましては、平成30年度からの運用に向けまして、現在、市町村と設置箇所の調整を進めているところでございます。沿川に集落のないダム上流区間等を除く全ての県管理河川をカバーできるよう、人首川など約250河川、約300カ所に設置を予定しております。
今後も、これらの設置状況等も踏まえ、市町村の意見も伺いながら設置の拡大を検討してまいりたいと思います。
また、今お話ししました約250河川、約300カ所の設置に要する財源につきましては、平成29年度の国の経済対策があり、県もそれに連動しまして予算措置しておりますので、それで対応していこうということで考えております。
次に、市町村との連携の件でございますが、県が管理する河川の水位計については我々が設置していくわけですが、洪水減災対策協議会の中においても、市町村から、県管理河川のこういうところにも設置してほしいという要望も受けておりますので、今回の計画の中に反映する形で取り組んでいくこととしております。
また、市町村が管理する例えば普通河川、準用河川等もあるわけでございますが、そういった河川への水位計の設置につきましては、国の緊急防災・減災事業債による支援を受けることができる制度がありますので、市町村にも、引き続きこういった制度があるということも情報提供しながら、一層の監視体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 これまでも矢巾町などは自前で設置されてきていたという認識があるのですけれども、県管理河川、市町村管理河川は、住民にとってはどちらも一つの河川であって、なおかつ、例えば県管理河川と市町村管理河川に分かれているところほど、逆に言うと水の抵抗が出るというか、怖いといった思いのある箇所も多々見受けられると思います。ですから、区分的には県、国、そして市町村の管理河川となるとは思いますけれども、せっかく洪水減災協議会ができたので、その協議会の中で意見交換をしながら、ぜひ進めていっていただきたいと思います。
また、先ほど、市町村でも使える財源があることも聞かせていただきましたが、そういったものの指導と言ったらあれですけれども、一緒になって、どのような形でやっていくことがいいのか、そうしたことをさらに進めていただきたいと思うところでございます。
きのうの農林水産部審査の中でも、治山や治水ということが大切だといった話もありましたが、その中で、生活を守るところをしっかりとさらに取り組んでいただければと思います。
〇工藤勝子委員 平成28年の台風第10号によって、岩泉町を中心といたしまして、山や河川内から大量の流木や立ち木が流れてまいりました。それによって被害も拡大したと私は思っております。
そういう中において、被害を受けた小本川を初めといたしまして沿岸部における河川内の流木の現状、課題についてお伺いいたします。
〇岩渕河川課総括課長 平成28年台風第10号により発生した流木の処理についてでございますが、県では、平成28年台風第10号災害を踏まえまして、流木の処理を集中的に実施してきております。これまでに、橋梁部に流木が堆積した箇所や資産が集中している箇所など、緊急性が高い箇所における流木処理はおおむね完了したところでございます。
平成29年度におきましても、河道内に残っている流木処理を推進してきたところであり、平成30年度当初予算案では、河川海岸等維持修繕費約10億1、000万円を措置し、継続して取り組んでいきたいと考えております。
また、河川内に流木が残っている箇所がまだありますので、重機等の搬入などに大がかりな仮設が必要となる箇所もございます。そういったところにつきましては、今後、河道掘削工事等とあわせまして、こういった機械が入ったときに一緒に効率的に対応していこうということで考えております。
〇工藤勝子委員 河川改修の工事を行うに当たりまして、流木というのはかなり難儀をしたのではないかと思っております。現地に行って見たときも、至るところに多くの流木があって、本当に大変だったのではないかと思っていますけれども、大きなところは処理をされているということです。
では、その流木を河川から回収した後の処理はどのようにされているのでしょうか、お伺いいたします。
〇岩渕河川課総括課長 河川内から回収した流木についてですが、まきとして利用できるものにつきましては、地域住民の皆様方に活用していただき、資源の有効利用に努めております。そのほかに、木の根っことか、まきストーブに使うにしても、中には燃焼効率の悪いような木もございますので、そういったものは処分場で処理するということで進めております。
〇工藤勝子委員 まだ残っている流木も、今後、このような形で活用されるということでありますね。
平成28年台風第10号災害の経験から、軽米町の雪谷川でしたか、あのときも流木が橋をふさいで町内に水があふれていったという大きな災害があったわけですが、今後の流木対策をどのようにとろうとしているのかお伺いいたします。
〇岩渕河川課総括課長 今後、具体的な対策としましては、河道内の立ち木伐採の年次計画を見直ししたところでございます。また、発生源対策としまして、計画的に河道内で流木になり得る立ち木の伐採に取り組んでまいります。
また、流木が発生した場合に、これを捕捉する対策としまして、現在、小本川上流部の河道断面に余裕がある場所を利用しまして、流木を捕捉する施設を計画しております。また、山間部におきましては、土砂や流木の捕捉効果が高い透過型の砂防堰堤を計画的に設置していくこととしております。これらを組み合わせまして、今後の洪水時の流木被害の軽減に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 今、砂防堰堤のお話が出ましたので、広い県土があるわけですけれども、土砂災害やこういう大水をとめるための砂防堰堤は大きな役割を果たすと思っております。そういうことにおいて、現在、必要とされる砂防堰堤数はどのように捉えているか、どのぐらいの箇所をつくったならば、ある程度安全を守れると考えていらっしゃいますでしょうか。
〇大久保砂防災害課総括課長 土砂災害に対する砂防堰堤等の整備についてですけれども、県内では、土砂災害が発生するおそれがあると考えられている箇所は1万4、348カ所ございます。このうち、土砂災害が発生した場合に、人家5戸以上が被災すると見込まれる箇所が3、994カ所となっております。
県では、この3、994カ所のうち、土石流による被害が及ぶと考えられる2、204カ所につきまして、砂防堰堤等による整備を進めることとしております。平成30年2月末現在で、砂防堰堤につきましては200基ほど整備しておりまして、整備率につきましては9.1%となっております。
〇工藤勝子委員 いろいろなデータがあるようで、基礎調査の結果を見たりしますと、全体で1万4、348カ所ぐらいあるというお話もございます。この中で、土石流危険渓流等も約7、000カ所ありますし、急傾斜地崩壊危険箇所等も約7、000カ所、地すべり危険箇所も191カ所あります。
今後、いろいろな形でハード整備の事業を進めていくことも大事ですし、これを計画的に、何年計画で今後もずっと進めていかなければならないのか。今、本当に緊急性のあるところを何年計画でやろうとしているのか。さらには、全てをハード整備で防ぐことはできませんので、地域住民の人たちに、大雨が降ったときにいち早く避難するということのソフト対策の部分もあわせてやっていかなければならないのではないかと思っています。
そのためには、土砂災害のハザードマップ等を作成するのが、義務ではないでしょうけれども、市町村に対して作成を指導されているようでありますけれども、このハザードマップをまだ作成していない市町村もあると伺っております。今後、県の指導もあると思いますけれども、この辺について、市町村では予算の関係があるのか、さらには人的、人材の関係があるのか、今後は、県でどのような指導をしていこうとされているのかお伺いいたします。
〇大久保砂防災害課総括課長 ただいま、ハザードマップ作成の指導等について質問がございましたけれども、当方といたしましては、いろいろなハザードがございますうち、土砂災害につきまして市町村のハザードマップの作成支援を行っております。
具体的には、土砂災害防止法に基づく基礎調査を実施しまして土砂災害警戒区域を指定します。その後、災害時に住民の方が迅速、的確に避難できるようハザードマップに反映してもらうわけですけれども、現在、ハザードマップが作成できていない市町村は7市町村ございます。
実情について伺いましたけれども、今、沿岸で土地造成が進んでいているため、ほかの浸水区域のハザードマップの作成もあることから、あわせて作成したいという話を伺っております。また、町村におきましては、ちょっと人がいないといった声も伺っておりますので、我々としましても、土砂災害警戒区域の図面などを提供しまして、できるだけ作成を支援してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 いろいろな資料を見ますと、平成32年度までにはハザードマップの作成率を100%にしたいというお話もございました。まだ、全市町村ではないようであります。岩手県の33市町村を見ても、土砂災害、河川もあるわけです。いろいろなところでいろいろなハザードマップがありますので、1枚にそれぞれをきちっと表示できるような形があれば、住民の方々も見やすいのではないかと思っております。
次に、建設業総合対策事業費についてお伺いいたします。
県内における土木工事業者というのは、入札参加資格で、特A級、A級、B級、C級の等級別区分があるわけです。岩手県建設業協会に登録されていない業者もあるようですけれども、840社と伺っております。また、建築一式工事業者も420社で、これは土木と建築が重複しているところもあると思うのですけれども、このように伺っているところであります。
そういう中において、社会資本の整備、特に東日本大震災津波からの復旧、復興も83.7%とかなり進んでまいりました。どういう声が聞こえてくるかというと、この復興が終了した後、震災が起きる前の県土整備部の予算にまた戻るだろうと。それは、復興が終わればそのようになるのだろうと思っています。そうしたときに、自分たちの会社が維持できるのかという建設業の人たちのいろいろな声もあるわけであります。さらに、いろいろ事業も縮小してくるのではないか、減少するのではないかという話もあります。
資料を見ますと、建設企業が存続できる環境づくり、経営改善への支援とありますが、今後、県土整備部として、建設業の存続に向けた支援の方法、また今後の予算についてどのように考えているのかお伺いいたします。
〇菊池建設技術振興課総括課長 建設業が存続できるための環境づくり、経営改善への支援の予算と方向づけでございますが、地域の建設業は、社会資本の整備あるいは維持管理の担い手であるとともに、災害等の緊急時に即応できる必要不可欠な存在として、今後とも県民生活を支える重要な役割を担っていくものと認識しております。
このため、県では、復興後も見据えて策定いたしましたいわて建設業振興中期プランに基づきまして、建設企業の経営改善あるいは人材育成等への支援を行っております。また、公共事業の担い手であります建設企業の経営基盤の強化を図っているところでございます。
具体的には、今回も予算を計上させていただいておりますけれども、建設業総合対策事業によりまして各種支援施策を実施しているところでございます。建設企業の経営支援を目的に岩手県建設業協会に設置しております経営支援センターを通じまして、経営革新アドバイザーを派遣しての相談対応ですとか、企業共同研究モデル事業あるいは各種の経営革新のための講座の開催といったことを実施しております。また、担い手、技術者の確保に向けましたいわて建設業みらいフォーラムを開催いたしまして、将来の担い手がどんどん建設業に入ってくるような取り組み、イメージアップ等を図っており、平成30年度当初予算案といたしましては2、260万円余を計上しているところでございます。
〇工藤勝子委員 そういう中に若者や女性が働きやすい環境整備ということも挙げられております。現場で働く若者と女性はどのぐらいいらっしゃるのかと思っています。年齢構成から見ると、大体50歳以上の方がいろいろな形の中で偏在している現状です。建設業が今後存続することは、いろいろな災害等が発生した場合、インフラの整備において非常に重要ではないかと思っております。
そういう中において、若者、女性の今後の働きやすい環境整備のために県はどのように取り組んでいらっしゃるかお聞きいたします。
〇菊池建設技術振興課総括課長 若者や女性が働きやすい環境整備におけます建設業についての認識、支援でございますけれども、委員がおっしゃるとおり、建設業の担い手を確保するということは非常に重要な課題でございます。委員から御指摘がありますとおり、建設業界の高齢化も進んでおりまして、50歳以上の方が半数を超えるという状況でございます。また、女性の方が1割程度しかいないという現状でございます。
そういった中で、建設現場における若者あるいは女性が働きやすい労働環境の整備は非常に重要な要素であると考えております。
このため、県では、まずもって建設現場における労働環境の整備といたしまして週休2日制の推進が重要であるということで、将来的な完全週休2日制の実現に向けまして、課題を把握するために今年度からモデル工事を実施しております。
また、今年度から、女性につきましては、いわて女性の活躍促進連携会議の部会の一つといたしまして、これは部会長以外は全員女性ですけれども、けんせつ小町部会を設置いたしまして、建設業で働く女性の方々の就労、活躍支援に向けた取り組みにも着手しているところでございます。このほか、建設現場における女性の使用にも配慮しましたいわゆる快適トイレの設置につきましても促進しているところでございます。
さらに、賃金水準の向上、あるいは十分な休暇の取得といったこともやはり大事でございますので、i-Constructionの取り組みによります建設現場の生産性の向上を推進しておりまして、今後とも国や他自治体の動向を注視しながら、この取り組みをさらに拡大していきたいと考えております。
今後とも、建設業者の団体ともしっかりと連携あるいは情報共有させていただきながら、若者や女性も含めた全ての方々が働きやすい職場環境の整備を進めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 女性の方々もいろいろな建設業に入って、胆沢ダムに行ったときだったと思うのですけれども、すごく大きなダンプカーを運転している女性を見かけまして、ああ、すごいな、女性もこういう分野にまで入ってきて活躍しているのだなという思いを抱いたことがございます。建設業だから男性だけというのではなくて、こういう環境づくりには女性の視点というのは非常に大事ではないかと私は思っております。今は週休2日制でやっている企業がどのぐらいあるかもわかりませんけれども、環境整備にぜひ皆さんの御指導、御支援をお願い申し上げたいと思っています。
最後になりますけれども、部長が今度かわられるということで、最後のお言葉として、県内における建設業の必要性、そして重要性をお聞きいたしまして質問を終わりたいと思います。
〇中野県土整備部長 県内における建設業の重要性というのはもう言わずもがなですが、地域の安全・安心を守る担い手として、地域が存続するためにも、建設業はなくてはならない業界だと思っておりますので、しっかり守っていくために、建設業界の皆さんにも改善してもらわなければいけない部分はあると思いますし、発注者としてもいろいろやらなければならないこともあります。品質確保の話もありますし、適切な利益が上げられるようにしっかりと発注の形を整えていくということも大きな責任であります。そういったものを、受発注者両方でしっかりと対応してまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、岩手の景観の保全と創造に関する条例に関することについて御質問をさせていただきます。
まず、近年、再生可能エネルギー事業の導入促進に力が入れられてきていて、県内でもいろいろなところで事業が行われていることは皆様も御承知のとおりだと思います。再生可能エネルギー事業というのは環境負荷が低いというように考えられているのですけれども、最近は住環境を脅かすような場所に施設が建てられてしまったりというようなトラブルもふえてきております。こういった再生可能エネルギー関連施設が景観や県民の生活に及ぼす影響について、県土整備部ではどのようにお考えかお示しください。
〇小野寺まちづくり課長 再生可能エネルギー関連施設が景観に及ぼす影響についてでございますけれども、設置される施設が景観に配慮されていない場合につきましては、岩手の良好な景観形成の実現に当たって影響があると認識しているところでございます。現在、設置が進められている一部の施設には、景観への配慮が必要な案件も出始めていると承知しております。
今後、再生可能エネルギー施設の設置に当たっては、市町村や関係部局とも意見交換や情報共有をしながら、設置者に景観への配慮を求めていきたと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 そういった事例も出てきたということは認識されているということで、それに関しまして、これは環境生活部の審査でも話をさせていただいたのですが、私の地元で、昨年の10月に小型風力発電施設が建設されそうになったというケースがありました。小型風力発電施設を建設しないでほしいというわけではないのですけれども、建設する範囲もきちんと配慮してほしかったという思いがあるのです。住居から10メートル、20メートル、30メートルぐらいの位置に、小型といっても26.55メートルのかなり高い施設なので、大体8階建てぐらいの大きさです。そういった施設を15基ぐらい建てるような計画が出まして、そのときに、結局、住民が民事裁判を起こしたのです。そして、景観法を根拠に訴訟を進めていこうと思ったのですけれども、県の条例に住民の景観権を守るような数値規定がないために、訴訟でも有力な手だてとして使うことができなかったというケースがありました。
この裁判に関しては、別荘地だったので管理規約というものがあって、それを活用して、住居から10メートル、20メートルという範囲にこういった大きな発電施設を建てることは遠慮というか、中止していただけることになったのですけれども、例えば、こういった管理規約もないところに建てるとなると、制限するものが今現在はないような状態なのではないかと感じております。
それで、県でも条例に数値をきちんと入れるとか、そうでなければ、再生可能エネルギー事業の導入では、風力発電が特に高さのある施設と思うのですけれども、ガイドラインといった形で具体的な数値を明記することを考えていってほしいと思っておりますが、これについて県のお考えをお示しください。
〇小野寺まちづくり課長 再生可能エネルギー施設の住環境への影響につきましては、景観以外の分野も考えられますけれども、景観保全については、景観法に基づき届け出のあった行為について、岩手県景観計画に定められた景観形成基準に適合するように届け出者に対して指導しているところでございます。
再生可能エネルギー施設に対する岩手県景観計画への位置づけについては、国や他の自治体の動向を参考とした上、県内の景観行政団体市町村等とも連携しながら、そのあり方については今後検討をしていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 届け出は努力義務ということで、今も届け出はされるような形になっているのですけれども、実際には、届け出をすればもういいのではないかというような方もいらっしゃるのです。届け出をして、県も受け取ったからできるはずだというようなことを訴訟で言われると、住民の住環境の景観権をどうやって訴えていけるのか。今回のケースは高さ13メートル以下の建造物しか建てられない地域だったのですが、風力発電施設の形式上やむを得ないというような形で建設が進められていったという経過があります。たとえ高さ制限が13メートル以下という条例があったとしても、建設が進んでしまっているという事実があるので、やはりこの点についてはさらに研究していただいて、ガイドラインといったものに反映していってほしいと思っております。
青森県では、住居からの距離を500メートルとか700メートルと規定してしまって、かえってそれが業者とのトラブルになっていたりというのもあるのですけれども、どちらも納得のいくような範囲というのはどうなのかという研究も進めていくべきではないかと思うのですが、その点について、もう一回お伺いします。
〇小野寺まちづくり課長 再生可能エネルギー施設の影響については、先ほどもお話ししたように、景観以外の分野も多岐にわたっていると認識しております。他の自治体あるいは国のほうでもこれを課題としまして、今、いろいろな調査等を行っていると聞いておりますので、それらの情報も踏まえて、今後、検討しててまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 最後ですけれども、部長には国のほうでもぜひこの問題を取り上げて、研究していってほしいと思っています。環境に関連する景観だけでなく、景観の保全というものも、世界各国でさまざまな基準があって、これから先を考えたときに、日本の基準が、本当に正しいのかということも研究していかなければならない部分であると思っておりますので、ぜひ、この点について部長の所感を聞いて、終わりたいと思います。
〇中野県土整備部長 再生可能エネルギーもそうですし、我々が実施する公共事業もそうですが、その地域に入っていく中で、環境との調和であったり、地域住民の方々との合意というのは本当に大事なプロセスになってきます。我々が事業を行う上でも環境影響評価をしっかり受けて実施するということになりますし、再生可能エネルギーの業者においても、まず、しっかりと環境との調和であったり住民の合意を得られるような関係法令を整えるべきだと、これは私の所感ではないかもしれませんが、そういうふうにあるべきだと思います。
我々が所管している景観行政についても、今、総括課長から答弁させていただきましたが、いろいろな動きもございます。事例もございますので、再生可能エネルギーのほうもまたいろいろな事業がどんどん出てくる状況ですので、それにしっかりついていって、どのような形で地域との調和を図るべきかということについては、いろいろ研究してまいりたいと思っております。
〇中平均委員 最初に、国で行っている官民連携基盤整備推進調査費は、以前から続けられている事業ということでございますが、これは、岩手県で今までも活用した事例があると思うのですけれども、まず、その活用の実績をお知らせください。
〇嵯峨県土整備企画室企画課長 官民連携基盤整備推進調査費の活用実績についてでございますが、県におきましては、平成28年度に本調査費を活用いたしまして、宮古港における10万トンを超える大型クルーズ船の受け入れに向けた安全性の調査を実施したところでございます。
内容といたしましては、大型クルーズ船が安全に入港できる航行環境や操船に係る施設の確認、検討などを行いまして、有識者等で構成する宮古港大型客船航行安全対策検討委員会におきまして、安全に入港することが可能であることを確認いたしまして、宮古港への大型クルーズ船の誘致につながったところでございます。
また、市町村におきましては、盛岡市が今年度、本調査費を活用いたしまして岩山南公園、いわゆる盛岡市動物公園におきまして、民間事業者と連携した公園内での民間収益事業の展開や公園の整備、運営に係るPPPやPFIの導入に向けた検討を実施することとしていると伺っております。
〇中平均委員 何でこれを聞いたかといいますと、やはりこの調査費の概要を見ますと、民間活動にあわせた自治体の基盤整備検討に対して国が調査費の2分の1を補助すると。そして、国土交通省所管の社会資本整備の事業化を検討するために実施できると。今、答弁にもありましたPPP、PFIの導入に向けた検討もできるということで、岩手県はこれから復興需要、復興の工事もだんだん収束に向かっていくと。そして、沿岸部の復興道路は、基本的にパーキングエリアがないということで整備しますので、復興道路をおりた先に、各自治体で道の駅的なものを整備していこうという動きもあります。
どの自治体も予算が厳しいという中でこういった調査費等を十分に活用していく方法があるのではないかと考えております。
県もこれから、この予算、国の調査費に限らず、いろいろな制度を有効に活用していかなければならないと考えていると思いますが、そういった方向性と、ことし県や県内自治体でこの調査費を活用するところがあるのかどうかをお伺いします。
〇嵯峨県土整備企画室企画課長 本調査費の今後の活用ついてでございますが、平成30年度におきましては、現在、二戸市が金田一近隣公園におきまして、老朽化した温泉施設やプールの建てかえに係る民間事業者との連携や公園整備、運営に係るPPPやPFIの導入に向けた検討を行うため、本調査費の平成30年度第1回の募集に応募していると伺っております。現在、国において審査中と聞いております。
今後、各地域の個性や特色を生かした地域振興の取り組みを進めていく上で、民間と連携した基盤整備や公共施設の整備、運営におけるPPP、PFIの活用は、有効な手段の一つであると認識しております。本調査費については、引き続き、市町村に周知を図るとともに、今後、必要に応じて活用を検討してまいりたいと考えております。
〇中平均委員 やはりPPP、PFIは、特に市町村において、導入したくても、今までのノウハウがないとどうしてもやりづらいところがありますので、事業主体は市町村となりますけれども、県もぜひ連携をとっていただいて、今後進めていただければと思います。
次に、港湾の利活用ということでお伺いしたいと思います。
港湾議員連盟等の資料をいただいておりますが、港湾の取扱貨物量は、震災以降少しずつふえてきております。釜石港の湾口防波堤も、たしか今年度で完成するということでもありますし、復旧が徐々に進んできている中で、今後の港湾の利活用をどうしていくかが大きく問われるということだと思います。
宮古-室蘭間のフェリー航路開設ということも大きなニュースでありました。ポートセールス等も引き続き行っていると存じ上げておりますが、今までのポートセールスで一番大きい成果がこのフェリー航路開設ということだと思うのです。そして、先ほどの答弁のあった大型クルーズ船の誘致に向けて、いろいろな事業を活用しながら宮古港に大型クルーズ船を誘致してくるという、宮古港に限らずですけれども、そういうことだと認識はしておりますが、改めてその点をお伺いしたいと思います。
〇照井港湾課総括課長 ポートセールスの成果でございますけれども、県と港湾所在地が連携してポートセールスを展開しておりまして、その成果といたしましては、コンテナ船の航路の拡充が進んでおり、実入りコンテナの取扱数量が平成29年に4、263TEUと過去最高を更新したところでございます。
また、クルーズ客船誘致におきましても、東日本大震災津波以降初となる外航クルーズ船が今年5月に宮古港に寄港することや、来年には、同じく宮古港に県内初の大型クルーズ船が寄港する予定となっているところでございます。
〇中平均委員 港湾の利活用ということで、岩手県港湾利用促進プランもたしか平成14年に策定されて、震災後の平成28年に再度策定されております。各港がいろいろ頑張っていただいているということでございますが、やはり今、各委員からもお話がありましたけれども、復興道路ができて、これから大きく流通の形態が変わってくるという中で、もっといろいろな方策、やり方があると思うんですね。
各港の独自色を出していきながらもっとやっていく必要があるかと思うのですが、そういった点では、まず、今成果を示していただきましたけれども、もうちょっと、例えば久慈港も、野田村のバイオマス発電の燃料の輸入によって少しずつ取扱高がふえてきていますが、もう一つ、二つと重ねていかないと、それが実質的に地域の経済にきちんと反映してこないところもありますので、その点のこれからの方法なり方策をお伺いいたします。
〇照井港湾課総括課長 久慈港におきましては、湾口防波堤の整備が進んでおりまして、広大な静穏海域が形成されつつあります。また、バイオマス発電の燃料となるPKS(パームヤシ殻)の取り扱いも始まっており、それに対応して、県では埠頭用地を舗装するというような対応をしております。
県といたしましては、ポートセールスに当たりましては、復興道路、三陸沿岸道路の進捗が非常にセールスポイントになっておりますので、復興道路の整備状況等、そして港湾施設の復旧状況、整備状況を荷主企業等に示しながら、ポートセールスを展開してまいりたいと考えております。
〇中平均委員 より積極的なポートセールスやほかの部局との連携、多分商工労働観光部との連携も当然やっていると思いますから、そういった点をさらに密にしていっていただきたいと思います。
あと、港湾や復興道路の縦線はできていますが、久慈市で言えば国道281号、宮古市は今国道106号を整備していますね。そういった形で、どうしてもまだ整備が行き届いていない道路もあると。これは、総括質疑でも聞いているので答弁はあえて求めませんけれども、そういった港と内陸をつなぐ路線の整備を当然県土整備部の皆さんは重々理解していることだとは思いますが、これらの整備も計画的に、よりきちんと進めていっていただきたいと思います。
あと1点、通告していなかったのですが、今年度末、平成31年、平成32年とどんどん復興道路ができてくる中で、恐らく工事の進捗に向けて土地収用法にのっとっての収用裁決であったり、その先の行政代執行とかが出てきていると聞いておりましたけれども、その点をちょっと教えていただければと思います。
〇小上用地課長 本年3月7日に国から行政代執行の請求をいただいたところです。三陸沿岸道路では初めての行政代執行の請求ということになります。これまで、岩手県内においては、これも国土交通省の事業だったのですが、平成13年に1件の実績がございます。今後の見込みとしては、まだ国からは特段情報がなく、現在は、この1件の請求ということになっております。
この1件についても、丁寧に手続を進めていきたいと考えているところでございます。
〇中平均委員 たしか、以前は国道4号金田一バイパスでしたかね。時期がまだ具体的にはなっていないと思うのですが、やはりこれは、法律にのっとってさまざまな経緯を重ねて行うことなので、進めていく上で、今まで当然瑕疵はなくやっているということですが、行政代執行になると、どうしてもニュースになって映像が流れる。そうすると、正しくやっていても、見ている人たちには、いかにも権力で無理やりやっているようなイメージを与えてしまうところがあります。それはもう言わずもがな、皆さん御承知のことだと思うのですが、そこをより丁寧にやっていただきたい。必要な公共事業をきちんとやっていくための手法の一つでありますので、その点を今後きちんと詰めていっていただければと思います。その点申し添えて、私の質問を終わらせていただきます。
〇軽石義則委員 私は、震災復興に関して2点質問させていただきます。
1点目は、災害公営住宅事業の進捗についてでございますけれども、進捗率を見ますと、昨年12月31日現在で、災害公営住宅の未着手が3%、整備中が6%という報告がされているわけでありますが、未着手の現状はどのようになっているか改めて確認したいと思います。整備中のところも大分進んできて、内陸にも第1号の災害公営住宅ができたということのようでございますが、その進捗状況はどのようになっているのかお示し願いたいと思います。
〇辻村住宅課長 災害公営住宅の現状と整備の状況についてでございます。
まず、未着手の箇所につきましては、基本的に全ての団地等で、設計等には着手しております。こちらは、面整備事業との整合といった関係から、まだ工事には着手しておりませんが、実際の計画は動いているところでございます。
具体的な数字で申し上げますと、内陸部を含む整備予定戸数5、871戸に対しまして、今年度末で5、284戸、90%、平成30年度末で5、685戸、96.8%、平成31年度の全戸完成に向けまして整備を進めているところでございます。
〇軽石義則委員 大分整備が進んできているということでありますが、これまでも何回か私も質問しておりますけれども、完成後のふぐあい等をそれぞれチェックして、改善もしてきていただいていると聞いております。完成後のふぐあい等あるものがあれば、改めてまたお示し願いたいと思います。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 災害公営住宅の完成後のふぐあい等の対応についてでございます。
災害公営住宅の完成後、実際に入居いただきましてから、さまざま、例えばちょっと閉まりがよくないところがあるですとか、細かいところで言うと設備系のふぐあいといったところにつきましても、逐次対応しているところでございます。
また、完成後1年たちましたら、その時点でまた検査をして、ふぐあい等があれば修繕をしていくという形で対応しております。住民の方へのこういった対応につきましては、丁寧に行ってまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ、真新しいところに入って安心して暮らしたいという思いでいる皆さんでございますので、これからもしっかり対応してほしいと思います。
そこで、いよいよ建設が終わって、その後は、やはり管理、修繕が必要となってくると思うのですけれども、一般の公営住宅と災害公営住宅の管理には違いがあるのでしょうか。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 災害公営住宅と一般の公営住宅の管理の違いについてでございます。
基本的に、入居いただいている方は、被災者の方も一般の方も変わらず大切な入居者でございますので、その管理に差が出ることはないと思っております。
ただ、被災者の方は、今まで一戸建て住宅等にお住まいの方も多いこと、また、やはり高齢の方が多いこともございますので、生活されていく中で不安に思われたり、いろいろ難しい部分もあるかもしれませんので、そこは丁寧に対応させていただければと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ、そのような考え方で進めていただきたいと思いますけれども、予算上の話をしていくと、一般の公営住宅の管理予算と、災害公営住宅は、建設するときは国からの予算も入ってきたわけですが、以降、災害公営住宅の管理についても別途、国からも支援をいただけるのかどうなのか。なぜかといいますと、本来、災害がもし来なければ災害公営住宅の分はふえなかったわけですから、これまである公営住宅を整備、建てかえを含めて進めることもできたことがあると思うのです。そういう意味で、予算も含めて復興に集中して対応してきたと思うのですが、そういう部分はどうなっているのでしょうか。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 災害公営住宅がふえていく中で、一般公営住宅も含めたこれからの管理についてでございます。
基本的に公営住宅に関しましては、その整備費に対しても管理していく中で家賃に対しても国の補助が入っているところでございまして、その管理をいかに円滑に行っていくかというのは、我々に課された課題と考えております。
委員は、公営住宅全体ストックの供給量についてお話しいただいたと思いますけれども、災害公営住宅は相当数を建設しておりますので、そういった意味でのストックに対するインパクトはかなり大きいものがございます。
他方、一般の公営住宅の老朽化ですとか、改善が必要な部分も出てきているところがございますので、今後、災害公営住宅の存在をかなり意識しながら、一般の公営住宅をいかに改善していくかについて、市町村のストックも含めまして、全体を見渡す中でどのように管理していくのかをまた検討していきたいと考えております。
〇軽石義則委員 ということは、一般の公営住宅と災害公営住宅の予算として、枠は別々に考えるのではなくて、一括で考えるということでよろしいのでしょうか。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 予算の管理の考え方についてでございます。
一般の公営住宅も災害公営住宅も、ストックがあり、それで管理していくことにつきましては同じものでございますので、そこに特段の予算の枠を設けているわけではございません。
ただ、委員から御指摘いただいたとおり、やはり新しいストックとかなり老朽化しているストックとの違いはどうしてもございますので、そういったところにもしっかりと配慮しながら、予算配分等も含めて考えていきたいと思います。
〇軽石義則委員 県独自で全て解決できる課題ではないぐらいの規模になってきていると思いますので、引き続き、国からも、災害公営住宅は、まだまだ定着する、また、これから維持するのにもそれなりの予算がかかると思いますので、そのことはしっかり考えて対応していただきたいと思います。
内陸部の災害公営住宅の建設状況は先ほどお話を聞きましたけれども、具体的なこれからの対応、スケジュールなどあれば、お示し願いたいと思います。
〇辻村住宅課長 内陸部に建設を予定しております災害公営住宅の状況とスケジュールについてでございます。
まず、盛岡市に建設予定の県営備後第1アパートにつきましては、8号棟が完成し、9号棟、10号棟は、現在工事中でございます。
また、盛岡市南青山地区に建設予定の(仮称)南青山アパートにつきましては、建物の基本設計及び造成設計等を進めているところでございます。
また、盛岡市以外の県営の災害公営住宅につきましては、建物の設計を現在進めております。
一方、花巻市が建設いたします災害公営住宅は、工事に着手するところと聞いております。また、遠野市が建設する災害公営住宅につきましては、一部がこの3月中に完成予定であり、他の団地については、現在設計を進めていると聞いているところでございます。
これら内陸部に建設を予定しております災害公営住宅の建設スケジュールにつきましては、各地区とも昨年9月に公表いたしました社会資本の復旧・復興ロードマップに基づきまして事業を進めているところでございまして、平成31年度までに完成する予定となっております。
〇軽石義則委員 大分進んできておりますし、これからいよいよ形が見えてくるだろうと思います。内陸部の災害公営住宅第1号のモデルケースは、特に地域にこれまであったところを建てかえるわけですから、地域の皆さんからも非常に受け入れられやすいと思いますし、これから町内会ともしっかりと連携していくという新聞報道もございます。
盛岡市南青山の災害公営住宅については、新たに建設される。そうすると住環境がかなり大きく変化するだろうという地域の住民の皆さんからの声もありますけれども、現在、地域との関係、対応はどのようになっているでしょうか。
〇辻村住宅課長 盛岡市の南青山地区に建設を予定しております災害公営住宅の地域との連携の状況でございますが、まず、昨年4月に建設場所を公表した時点で、近接する8地区の町内会長に御挨拶させていただいて、いろいろお話をいただいたところでございます。
先ほど申しましたとおり、現在、造成設計及び団地の基本計画を進めているところでございます。こちらの団地につきましては、委員御指摘のとおり、大規模な造成工事を伴いますので、周辺環境に与える影響が大きいということで、現在、おおむね基本の計画が固まりましたことから、周辺住民を対象とした説明会の開催等につきまして、造成設計及び団地の基本計画を委託しておりますURと説明会の開催について調整を行っているところでございます。現時点では、来年度の5月ぐらいの開催を目途に、今協議をしているところでございます。
〇軽石義則委員 5月ぐらいということで、地域の皆さんは、新聞報道等で情報がどんどん入っていて、自分たちの生活にどのような影響があるのかも含めてかなり心配をしておりますので、できるだけ早い情報提供と、新たに地域の住民になる皆さんも、やっぱり受け入れる態勢があるかないかでも今後の生活に大きな影響が出るのではないかと思います。建設時からトラブルがあって、そのままそこに入居して、その後いろいろ気まずい思いもするということのないように、しっかり地域の住民の皆さんとも一緒になって取り組みができるように建設時点からやっていただくのが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、2点目に入ります。災害時に緊急輸送道路の確保は大事だと思っておりますけれども、県では岩手県の緊急輸送道路-県管理道路でありますが、電柱新設を禁止しようという考え方を持って関係箇所と協議を進めているようでございますが、具体的に今どのような状況になっているのかお示し願いたいと思います。
〇白旗道路環境課総括課長 岩手県緊急輸送道路への電柱新設の禁止に伴う関係事業者との協議でございますけれども、既に電柱の新設を禁止する措置の趣旨や概要を説明した上で、禁止措置の実施について協力を依頼しているところでございます。
電柱管理者からは、禁止措置の趣旨については御理解いただいているところではございますけれども、区域指定について柔軟な対応等の意見、要望をいただいているところでございます。
〇軽石義則委員 道路には電柱以外の工作物も今も当然あると思いますけれども、それらについての対応はどうなのでしょうか。
〇白旗道路環境課総括課長 現在は、電柱のみを対象として考えております。
〇軽石義則委員 電柱があると邪魔だというのはよく言われておりますけれども、なければ生活ができないのも現実だと思います。これまでの東日本大震災津波からの復旧、復興を含めて、やはりエネルギー、また通信を早期に復旧してほしいという要望は、地域の皆さん、行政の皆さんも同様だと思うのですけれども、電柱がないほうがいいというところも当然あると思います。
岩手県は広いわけですし、岩手県の道路事情は皆さんのほうがよくわかっていると思うのですが、全て民地に移せと言われても、民地との境がないところとか、川だったり、海だったり、崖だったり、どうしても道路を占用させていただかなければ電柱の整備ができない状況も十分あると思っているのですが、その点についてはどうなのでしょうか。
〇白旗道路環境課総括課長 まず、電柱新設禁止の措置の検討に入った理由でございますけれども、国においては、災害発生時に、電柱の倒壊によって救急救命活動等に支障を来すことを防ぐ観点から、平成28年4月から、直轄国道において電柱の新設禁止の措置を講じているところでございます。
県といたしましても、国の禁止措置の趣旨を踏まえて現在検討しているところでございますけれども、指定する基準や区域につきましては、新設禁止の措置の対象になる電柱は、緊急輸送道路の道路区域内に新設されるものをまず対象としており、具体の区域につきましては、国の取り扱いや電柱管理者からの意見、要望も考慮しながら検討していきたいと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 それぞれが課題を整理して、今後協議して進めるという柔軟な対応も含めて考えているということだと思いますけれども、災害時にいわゆる県管理道路で電柱の倒壊が発生して緊急輸送の支障となった過去の事例はあるのでしょうか。
〇白旗道路環境課総括課長 例えば暴風雨や着雪などによって、倒木と一緒に倒れたというようなことはあったかと思いますが、電柱が何本も倒れて交通に支障を来した事例は、それほど多くはないと記憶しております。
〇軽石義則委員 そういうことも加味した上でこれから対応していくと思うのですけれども、これは前にもお願いしておりましたが、暴風の場合の倒木は、道路の近辺の樹木の伐採等も、県管理道路であれば、事業者としっかりと連携をとった上でやっていただくのも大事だと思います。そういう対策をお願いするほうからも、ある程度の支援策といいますか、例えば、地中に埋めるのであれば、共同溝を設置するからそっちに移してくれという考え方はあるのでしょうか。
〇白旗道路環境課総括課長 今、委員御指摘のとおり、電線を地下に埋設する場合は、その低コスト化が課題になっていると認識しております。
そうしたことから、電線を地下に埋設するような場合、電線共同溝方式のみならず、電線類を地下の浅い層に埋めるといった手法を検討しているところでございます。国でも、低コスト手法を検討していると聞いておりますので、今後、引き続き国の支援策の検討の動向を注視していきたいと考えております。
〇軽石義則委員 危険なところを解消するのは大事だと思いますし、いざとなったときに道路が使えないというのは問題だと思いますので、その対策ということは私も十分理解ておりますが、そこで生活にかかわる部分が皆付随しておりますので、そのこともしっかり対応していただかなければならないと思います。
全国一律で対応することも大事だと思いますが、この岩手県はまだ復興途上で、復興事業を今進めている最中ですから、そういうところに事業者の皆さんもいろいろな努力をして、協力ができる部分は最大限協力したいという思いはあると思います。そのこともしっかり聞いた上で、期限はもう決めました、決まったのでこれからはもう変わりませんという対応ではなくて、目的は理解しているわけですから、ある程度その目的に沿った対応を今後も引き続きやっていただきたいと思います。
国の動向も注視していくということでしたので、先ほどの災害公営住宅の件もそうですが、地域ごとの課題はこういうものがあるので、国がしっかり、それにあわせた対応をして、県にも任せられる部分は、裁量を持たせるようにしてもらうことも大事だと思うのです。部長もそういう立場になっていくと思いますけれども、その点を最後にお聞きして、終わりたいと思います。
〇中野県土整備部長 まず、電線の地中化についてでございますが、これは、いろいろな意義があると思っております。一つは、今も議論がありました緊急輸送道路ですが、これは救命救急等の緊急時に道路が使えないということがありますし、また、日常の生活においても、やはり交通安全の観点から、電柱が歩行者や自転車の通行の妨げになっていることによって発生する事故もあります。それから、景観という話ももちろんあります。いろいろな観点から今、電線類を地中化しようというのが全国的な動きでございます。
もちろん電力供給という目的があるわけですが、道路空間にはいろいろなものが存在するわけです。人が歩きますし、車も通りますし、いろいろなインフラ、ライフラインも通っています。上空も、地中も含めて、それをどう使えば皆さんが一番幸せか、利用者や、住民の方も含めて一番いい形で使うことを総合的に考えた上で、チャレンジしていかなければいけない話だと思っております。
電線を地中化するためには、エネルギー、コストもかかります。そこを誰がどう負担するのかという非常に大きな問題があって、これが、これまでなかなか進んでこなかった理由でありますが、そこについては、低コスト化もありますし、来年度からは、電線管理者等が独自に地中化する場合も、国が補助をする新しい制度もつくって促進していこうという流れでございます。これは、利用者の方々が、道路空間をいかに快適に使うかという中でのチャレンジと考えていただければと思います。
国の施策について、それぞれの地域の事情があることはもちろんでございます。今回の措置についても、既に東京都などは、都内全域の都道で電柱の新設を禁止するということもやっています。地域によっていろいろなやり方があります。そこは、岩手県の事情、復興の現状を踏まえて、どういうやり方がいいかを議論させていただきたいと思っております。
〇城内よしひこ委員 私からは3点お伺いしたいと思います。まずもって、今年の6月22日に運航が開始されるフェリーについてであります。
岩手県の重要港湾は四つありますが、特色ある港づくりがいよいよ進められてきて、各地域、各港で頑張って港づくりをしているところであります。これまで、県では金太郎飴状態の予算配分等があって、なかなか特色ある港づくりができなかったわけであります。そこで、フェリーターミナルについてお伺いしたいと思います。
建設途中であるようですが、完成時期はまだまだかなという感じもするのですが、運航開始までに間に合うのか、また、フェリーターミナルの管理運営委託について、相手先と内容をお伺いしたいと思います。
〇照井港湾課総括課長 フェリーターミナルの完成時期でございますけれども、フェリーターミナルビル本体は4月末の完成、船とターミナルビルを結びます人道橋、駐車場の照明工事等は5月末の完成を予定しているところでございます。
次に、フェリーターミナルの管理運営についてでございますけれども、フェリーターミナルは公の施設ということで、設置条例議案とともに、管理運営については、宮古市を指定管理者とすることについて議決を求める議案を今定例会に提出しているところでございます。
業務の内容といたしましては、フェリーターミナルの管理運営に関すること及びフェリーターミナルの利用の促進に関する業務を行うこととしております。具体的には、施設の使用等の許可と利用料の徴収、施設の維持管理及び施設利用案内の情報提供などの利用促進業務を行うこととしております。
〇城内よしひこ委員 ということは、運航開始までには間に合うということでよろしいですね。わかりました。
あわせて、フェリーが入港する際のタグボートは、どのような手配状況になっているのかお伺いしたいと思います。
〇照井港湾課総括課長 タグボートの配置についてでございますけれども、宮古市と県が連携いたしまして、県内のタグボート事業者に対しまして、宮古港へのタグボート1隻の常駐を要請してまいりましたが、本年6月から宮古港に常駐することとなったところでございます。
〇城内よしひこ委員 タグボートは1隻で間に合うのでしょうか。
〇照井港湾課総括課長 フェリーの運航会社から、当初、タグボート2隻の常駐を要望されておりましたけれども、県と市、そしてフェリー運航事業者で協議いたしまして、フェリーバースに係船、接岸を補助する装置をつけることとしております。タグボートについては1隻で大丈夫ということになっております。
〇城内よしひこ委員 では、次の質問に移ります。先ほどの質問にもありましたけれども、宮古港に大型客船が入港するという話でありました。調査事業を実施して、大型客船が入港できるということでありましたが、何隻ぐらい入る予定なのか、また、どういうポートセールスをされているのかお伺いしたいと思います。
〇照井港湾課総括課長 最初に県全体のクルーズ船の寄港実績について御説明したいと思います。
平成29年度は、宮古港に3回、大船渡港に4回の計7回の寄港がありました。いずれも国内のクルーズ船でございます。
平成30年度につきましては、現在把握しているもので、宮古港が5回、大船渡港が5回の計10回となっております。宮古港5回のうち2回は、震災後初となる外国船籍のクルーズ船が寄港することとなっております。
次に、ポートセールスですけれども、港湾所在地と県が連携いたしまして、港湾関係だけではなくて、観光サイドの部署の担当者も連れていきまして、海外のクルーズ船社の日本支社とかに岩手県の港の整備の状況や観光地の状況を示しながら、ポートセールスに取り組んでいるところでございます。
〇城内よしひこ委員 東日本大震災津波から7年がたって、本当に道路整備もおかげさまで進められてきましたし、これから我々沿岸部の者とすれば、あれがないから、これがないからという不平不満は言えなくなってきたとも思っています。一層増してポートセールス等をしていただいて、いろいろな方々に見に来ていただけるような方策を進めていってほしいと思っています。
そういった中で、再度確認ですが、大型客船が入港する際に、常駐のタグボートが1隻ということであります。今後、そういったタグボートの導入等も県当局の力添えをいただきながら進めていかなければならないと思いますが、とりあえず、大型客船が入港する際のタグボートは大丈夫でしょうか。
〇照井港湾課総括課長 平成28年度に宮古港の航行安全検討委員会で大型クルーズ船が入港する際の安全性の確認を行っておりますけれども、その際はタグボート1隻で安全に入出港できるという検討結果になっております。
〇城内よしひこ委員 港がにぎわってくるわけですので、安全には万全を期してお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。ことしは大雪が降りました。そこで県内の道路が結構傷んでいます。新聞等にも載りました。道路補修の予定、計画はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇白旗道路環境課総括課長 道路の舗装に生じた穴ぼこについてですが、県が管理する国県道におきましては、今年度、道路の穴ぼこに落ちたことにより車両が破損したことが原因で、道路管理瑕疵による損害賠償事件として議会に報告させていただいた件数は8件ございます。これは、昨年度と比較すると3件多くなっております。
また、委員御指摘のとおり、ことしの冬は寒くて積雪も多かったほかに、3月に入ってから急激に気度が上がったことから、道路の舗装部分の損傷が県内各地で多く発生しておりまして、道路の穴ぼこによるものと思われる車両破損の事故が、例年より多く報告されている状況となっております。
道路管理に当たりましては、道路パトロールにより目視で路面等の状況を確認いたしまして、穴ぼこの発生等、異常が確認された都度、穴埋めなどの応急対応を行っております。そのほか、年間で委託契約している道路維持修繕業務によりまして、穴ぼこやひび割れ部分にアスファルトをかぶせるパッチング補修を行うなど、穴ぼこなどが拡大しないよう速やかな対応に努めているところでございます。
〇城内よしひこ委員 その穴ぼこの補修は応急対応ということでありますので、抜本的な改良が必要な気がする箇所もたくさんあるように見受けられます。
例えば、私が毎日走っている国道106号簗川道路と旧道との結節点は、もう200メートルぐらいにわたって道路が波打っている。それによって私の目の前で事故が2回ほどありました。急な坂道を下ってきて、曲がり切れなくて起きた事故のようでしたし、積み荷ががたがたしてばらまかれたりということがありました。そういう事故が起きることを考えると、管理者としての責任が問われる案件がふえてくると思います。
ぜひ、目視チェックも大事ですし、チェックをした以上は早急に道路を直すことが必要だと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
〇白旗道路環境課総括課長 委員御指摘の国道106号の盛岡市簗川付近の対応状況でございますが、国道106号の盛岡市簗川から宮古市区界にかけては、毎日道路パトロールを実施しておりまして、確認した穴ぼこは、その都度、穴埋めをしているのは、先ほど御説明したとおりでございます。
宮古盛岡横断道路川目インターチェンジの付近であるとか、もう少し区界寄りの源治橋付近の2カ所につきましては、今月中に質の高い舗装補修を行いたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 わかりました。ぜひ、事件事故が起こらないように、そして、毎回のように専決処分で議案が上がらないように、私は祈っています。
そこでちょっとお伺いしたいのですけれども、凍上災という言葉があると思いますが、今回そういった改修をするのに凍上災にエントリーできないのか、また、凍上災の対象になるような路線といいますかエリアはどれぐらいあって、どういう仕組みなのか、ちょっとお伺いしておきます。
〇大久保砂防災害課総括課長 道路の凍上災についてでございますけれども、まず、凍上災は、低温によりまして道路の地盤中に霜柱が発生することにより、地面の隆起等によりまして舗装面にひびが発生するといった災害でございます。近年では、平成24年に発生しております。
凍上災の採択ですけれども、冬季の日平均気温を積み上げまして算定する凍結指数が10年確率を超えて寒いことが要件となっておりまして、現時点で県内の34ある気温観測地点のうち、西和賀町沢内の1地点のみが該当になっているところでございます。
対象となる道路につきましては、県道、市道全てでございます。
〇城内よしひこ委員 わかりました。なかなかハードルが高いのですね。まあ、しようがないと言えばしようがないですけれども、いずれ、道路維持管理には万全を期していただきたいと思います。
次に移りたいと思います。砂防事業についてでありますが、砂防堰堤については工藤勝子委員からも質疑がありましたので、私からは、問題提起も含めてお伺いしますが、閉伊川の千徳河制工、地元の方々は第2堰堤と呼んでいるのですけれども、そこは閉伊川と長沢川が合流する付近であります。そこの河床が高くなっているので地元の方々から、第2堰堤は要らないのではないかという話がありますが、第2堰堤、千徳河制工を廃止するようなことはできないのでしょうか。
〇岩渕河川課総括課長 千徳河制工についてでございますが、河制工は、河道の安定を図り、洪水による河床の低下や堤防の決壊を防止するため必要なものでございまして、河川管理施設としては必要なものと認識しております。
今、委員から御指摘のとおり、河道内の堆積ということもございます。今後も、その管理に当たりましては、河道掘削も含めまして、また、魚の遡上の関係もあると思いますので、あわせて地元漁協の意見も聞くなどの調整をしながら、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 そこは閉伊川と長沢川が合流するエリアでありまして、そこの川床が高くなると、一方の長沢川の水がなかなかのみ込めずに逆流し、水位が上がっていくことがあるようです。
今の話にあった理由で、第2堰堤の廃止ができないというのであれば、やっぱりしっかりとした河川の管理、立ち木の伐採は定期的にやっていかないと、近隣に家が今たくさん建っています。特に、東日本大震災津波を経験した方々が宮古市松山地区に住みました。そうしたら、また平成28年台風第10号で被災をしたと。二重に被災をした方々がたくさんいらっしゃいました。そういったことを考えると、やっぱり皆さんがやっている河川の管理というのは必要だと思います。その辺をどう考えていくのかお伺いしたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 宮古市松山地区におきましては、今、委員御指摘のとおり、平成28年台風第10号で長沢川等の越水によりまして浸水被害が発生したところでございます。
そういったことから、県では、現在、長沢川の河川改修を進めておりまして、平成30年度の完了を目標として工事を進めているところでございます。
また、松山地区は、閉伊川に2本の沢が流入している箇所でもあり、閉伊川の水位が上がると長沢川が逆流するということも確認されておりますことから、来年度から調査、検討を進めることとしております。
今後、宮古市など関係機関と調整を行いながら、浸水被害の防止を図っていくこととしております。
〇城内よしひこ委員 最後に、通告はしていませんでしたが、去年、国道340号整備期成促進同盟会に参加していただいた部長に、国道340号の改良を何とかお願いしてきたのですけれども、次は誰にお願いしたらいいのか、今、路頭に迷っている気分です。ぜひ、感想も含めて、何とか後押しをしていただけるようなことも含めて、最後に答弁をお願いしたいと思います。
〇中野県土整備部長 御質問いただきました国道340号で整備を進めさせていただいた押角トンネルの前後の区間に未改良区間が残っておりまして、これは一般質問でもお話がございました。道路はつながってこそ効果を発揮しますので、押角トンネルに対する投資を生かす意味でも、全区間を改良していかなければならないと認識しております。
皆様方から非常に応援もいただいておりますし、地域の皆様の熱意も感じております。あとは、しっかりと整備に向けて財源を、予算を確保すること。その前段として、やはりこれは県土整備部の中でしっかりと事業評価をして、投資の有効性を皆さんにお示ししていく作業が残ります。これは内部での作業になりますし、いろいろ知恵を絞らなければならない部分がありますが、そこは、もう作業を始めていますので、しっかりやっていけると思っております。ちょっと工夫と知恵が必要です。
ほかの県なり国も、交通量が余り多くない道路の重要性、必要性をどう示していくかはいろいろな工夫をしていますので、その辺は引き続き勉強しながらやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
〇伊藤勢至委員 関連。ただいま閉伊川の第2堰堤、千徳河制工の話が出ましたので、これに関連してちょっとお伺いしたいと思います。
この河制工、宮古では堰堤と呼んでいますけれども、宮古市小山田の第1堰堤から新里の第15堰堤まで15基あると思っておりますが、閉伊川漁協ともやりとりをしてきたのですが、この第2堰堤の下流側がアユの産卵場所になっているのだけれども、第2堰堤ができた後、上流からの伏流水がそこに浮き上がってくることがなくなって、ヘドロがたまって産卵場所になり切れていないという話がありました。いろいろやりとりをした結果、上流側、下流側15メートルぐらいだと思いましたが、矢板を抜こう、撤去しようという話まで行ったことがございました。
けれども、担当者がかわってしまいましたら、どうも次の方がその辺の理解をしてくれないまま今に至っているのですが、この閉伊川のアユの産卵場所というのはいまだに変わっていないと思っています。もし今後、四万十川のアユよりもいいアユがとれる閉伊川ということで通り評判になっていますから、この閉伊川の魅力を発信する意味でも、そこまでお考えをいただいて、もう一回取り組んでいただく気持ちがあるのか。いきなりの話ですので、調べてみようぐらいを言っていただければありがたいかと思います。
それから、部長から、国道340号の話も出ましたが、国道340号、サヨナラにならないように、しっかりと後進の皆さんに残しておいてもらいたいと思います。これは要望にしておきます。
〇岩渕河川課総括課長 今の第2堰堤、千徳河制工の下流のところについて、ヘドロがたまっているという御指摘をいただきましたが、これにつきましては、以前に、私もちょっと宮古にいたことがありまして、記憶にあります。そのときに、矢板をとるのもなかなか難しいものですから、とってしまえば堰堤自体の構造にも悪影響を起こすということで、堰堤の天端を少し切り欠いて、ヘドロがたまらないような対策を講じたと記憶しています。
その後、今、委員から御指摘がありました以外にも、またほかにもそういった状況があることも予想されますので、現場を見ながら、その辺については今後、引き続き対応を考えていきたいと思います。
閉伊川はアユのメッカでございます。魚がすみやすいような河川環境に配慮しながら、適正な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
〇高橋元委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時0分 休 憩
午後1時3分再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 まず初めに、午前中も議論がありましたけれども、河道掘削、立ち木の伐採についてお伺いしたいと思います。
郷右近委員の質疑でもございましたけれども、平成29年度から5カ年計画で114河川、239カ所、152万立方メートルの河道掘削と、74河川、116カ所、127万平方メートルの立ち木伐採を行おうとしておりますけれども、まず、平成29年度の実績と平成30年度の計画をお示しいただきたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 河道掘削、立ち木伐採の平成29年度の実績と平成30年度の計画でございますが、河道掘削は、平成29年度予算及び前年度からの繰り越し予算を含め、30河川、34カ所において実施しております。
平成30年度当初予算案では、治水施設整備事業費約12億円として、前年度の当初予算約3億9、000万円より手厚く措置しております。この中で、砂鉄川等20河川、22カ所において実施する計画としております。
立ち木伐採につきましては、平成29年度予算及び前年度からの繰り越し予算も含め、24河川、28カ所において実施しております。平成30年度当初予算案では、河川海岸等維持修繕費約10億1、000万円として、前年度の当初予算約9億3、000万円よりも増額とし、15河川、18カ所において実施する計画としております。
〇佐々木朋和委員 5カ年計画ということで、前年度よりもボリュームアップした形で進んでいるということでありましたけれども、これは、この5カ年計画の中でこの程度の予算をずっと確保していくという計画なのでしょうか。
〇岩渕河川課総括課長 河道掘削にしても結構大きいボリュームでございます。引き続き、補正予算等の措置も含めまして計画的に実施してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今後の見通しについてはなかなか明確には言えないところかと思います。そういった中で、毎年大雨の危険があり、この3月頭にも大雨があったわけでありまして、そのたびに河川には土砂がたまっていくと思うのです。この計画については、出水後の見直しなど適時実態と整合していくとしておりますが、平成29年度中に新たにこういった対策箇所として計画に加えられたところ、または選定基準相当となったところはどのぐらいあるのか、わかればお示しいただきたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 出水後の計画の見直しについてですが、今年度におきましては、昨年10月の台風第21号や、先週9日の大雨等もあったところですが、土砂の堆積状況等に大きな変化がないということを確認しておりまして、現在の計画において対応を行うということで考えております。
なお、平成28年台風第10号災害のように大規模な河道の状況変化が確認された場合におきましては、適宜見直しを行って、実態に即した計画として進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 我々素人目からすると、5年間かけてこれだけの量の河道掘削を行っていくときに、次の5年間で、また同じように、県内の河川の掘削をしなければならない状況になっているのかどうかというのは大変気になるところでありまして、その点についての見通しはどのように考えているのでしょうか。例えば、5年間かけて河道掘削をしていけば、あとはしばらくは大丈夫なのか、それとも、また5年後にはこのような計画を立てて、同じような予算を確保してずっとやっていかなければいけないのか、もしわかれば、教えていただきたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 河川内に堆積する土砂というのは、雨が降れば上流から雨と一緒に洪水となって移動しますので、いずれ、何年かすれば、また同様に堆積することが想定されますので、継続的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 県民の皆さんに、5年間という長いスパンで河道掘削していくということを見える化したということは大変評価させていただきたいと思います。
一方で、それ以降も河道掘削の、もしくは立ち木伐採の予算というものがどのぐらい県にとって必要なのか、また、どのぐらいのペースでかいていけるのかということを、もっと長期的な安心感というところも県民の皆さんには計画的に示していっていただきたいと思いますので、今後ともそういった調査も含めてよろしくお願いしたいと思います。
県としてはこれから公募型土砂撤去制度によって、民間の力も活用しながら河道掘削を行っていくということでありましたけれども、応募者にはどういったメリットがあるのか。また、現在、平成27年度、平成28年度を合わせて、県内の河川で砂利を採取しているところは6河川、6カ所に限定されていると思っておりますが、どの程度の拡大を期待しているのか。また、そういったメリットが認められる場所というのは、この5カ年計画の選定場所に限るのか、もう少し広い範囲なのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 民間の砂利採取の活用についてでございますが、県では、河道掘削の5カ年計画を推進するため、民間の砂利採取を活用する仕組みとして公募型土砂撤去制度を4月から開始することとしております。
この制度の活用のインセンティブとしまして、河川流水占用料等徴収条例に基づく河川産出物採取料を免除することとしております。また、河川法や砂利採取法に基づく許可に必要な図面の作成や関係機関との協議の大部分を県が実施することとし、応募者の手続の簡素化を図ることとしております。
この制度の活用の拡大についてでございますが、県内の全ての砂利採取業者に対しましてチラシを送付するなど制度の周知を図りまして、県内全域において本制度が活用されるよう努めてまいりたいと思っております。
また、今後、どのぐらいの拡大するかという見通しでございますが、仮に堆積土砂の撤去を請負工事として支出する場合と、公募型土砂撤去制度によりまして河川産出物採取料を免除して行った場合を試算してみました。河道掘削の5カ年計画の全体量が約152万立方メートルございます。その中で、近年、砂利採取の実績のあった箇所の近傍における計画量が36万立方メートルございますので、割合にして大体20%の部分で比較しますと、約8億2、000万円ほどの経費の節減が見込まれるものと試算しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 業者にとってはそのぐらいのコストダウンになるということでありましょうし、また、砂利採取をしていた近隣で、36万立方メートルぐらいの計画量があるということであれば、そのぐらい事業としても進むのだろうと思います。ただし、これから震災復興の需要も少なくなってくる中で、どれほど河川の砂利というものが必要になるのかというところもあると思います。これは、私もこれからも注視していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
また、県としてはそういった業者の皆さんとの連携というものもありましょうし、地域住民との協働ということも掲げておりますけれども、県としてはどのようなことを考えているのか伺いたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 地域住民との協働についてでございますが、立ち木伐採におきましては、例えば地域の自治会とか町内会で立っている木を伐採していただいて、枝葉は地元の人たちも要らないと思いますが、幹の部分を例えばまきストーブの材料などにしたいと考えているということをよく伺っておりますので、枝葉の処理の部分については行政の方が実施して、幹の部分については地域住民の方々が活用するといった形で参画しやすいような仕組みとなるように、国や他県の事例も参考としながら、今後、取り組みを検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 では、立ち木の伐採については住民の皆さんとの協働の中でやっていくということでよろしいですか。前に議論させていただいたときは、危険性もあるという話もありましたけれども、立ち木伐採については、県としては住民の皆さんとの協働の中で-河川の草刈りなどは今は協働事業ということでやっているかと思うのですけれども、その範囲として、立ち木の伐採についても認めていくということでしょうか。
〇岩渕河川課総括課長 立ち木伐採の処理につきましては、現在、国や他県でもこのような取り組みを進めているということを伺っておりますので、これから、実際にどういったやり方で進めているのか、その辺もベンチマーキングしながら、本県の取り組みに反映させていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 きのう、農林水産部の審査の中で、リンゴも苗木から5年間で果物がとれるまでに成長するという話がありまして、恐らく、5年間の計画の中で、平成29年に切った立ち木は5年後には果実が実るほどに大きくなるのだろうと思っております。そうすると、また県としては予算をかけて立ち木を伐採していかなければならないといった繰り返しになってしまうところを、安全性を確保するため1回目は県が切る。あとは、毎年、地域では河川の草刈りでありますとかごみ拾いとかをやっているわけでありますが、そこで大きくなる前の苗の部分の立ち木を草刈りと一緒に伐採していただく。きれいな形をずっと維持していただく。こういったところに県としても協働の補助金などを出しながらやれば、私は、いいサイクルになるのではないかと思っておりますので、ぜひとも御検討をいただきたいと思います。
次に移らせていただきたいと思います。小学校統合などによります通学路の変更と歩道の整備についてお伺いしたいと思います。
今、県内では人口減少が進んでいる中、小中学校の閉校や統合が進んでおります。それに合わせて通学路の変更と歩道の整備が必要となると思っております。県土整備部としては、教育委員会と連携して情報収集をしながら予算の確保に努める必要があると思いますが、現在、どのように進めているのか伺いたいと思います。
〇白旗道路環境課総括課長 教育委員会との連携と予算確保についてでございますけれども、教育委員会を初め学校や警察、市町村と連携して定期的に合同点検を実施しておりまして、その中で危険箇所の把握に努めているところでございます。
小中学校の統合など通学路の変更が伴う場合におきましても、合同点検を行い、歩道整備が必要とされた箇所は、市町村が策定する通学路交通安全プログラムに位置づけ、優先的に整備することとしております。
なお、歩道を設置するまでの間、学校や警察等と連携して、通学児童への交通安全指導や注意喚起などのソフト対策による安全確保にも努めてまいりまして、児童生徒の安全で安心な通学路の確保に向けて取り組んでいるところでございます。
〇佐々木朋和委員 では、具体的にお聞きしたいと思いますけれども、私の地元でも来年度から千厩小学校が統合になりますし、また、花泉小学校の統合も控えております。その通学路の歩道整備の進捗状況はどうなっているのか。また、花泉町涌津二ツ壇のJR跨線橋の歩道整備についてはどのような方針であるのか伺いたいと思います。
〇白旗道路環境課総括課長 まず、千厩小学校の統合による歩道整備の進捗についてでございます。
新小学校につきましては、4月開校に向けて準備を進めていると聞いておりますけれども、先ほど御説明した合同点検につきましては、県管理道路までを対象としたものはまだ行われていないと聞いております。ただし、平成29年11月に行われた現小学校の合同点検においては、新小学校に近い国道456号において歩道が狭いなどの指摘を受けております。これを受けて、県では歩行空間の改善を以前から進めているところでございます。
今後とも新小学校の合同点検などが開催されると思いますけれども、その際には、学校関係者を初め一関市、市の教育委員会、警察等の関係機関と連携しながら必要な対策を検討していきたいと考えております。
次に、花泉小学校の統合による歩道整備の進捗でございますが、県では、現在、統合小学校建設予定地付近の県道若柳花泉線におきまして、二ツ壇地区として歩道整備を実施しておりまして、今年度中に完成する見込みでございます。
同じく花泉町涌津二ツ壇のJR跨線橋の歩道整備についてでございますけれども、当該箇所につきましては、一関市の通学路交通安全プログラムにおいて対策が必要な箇所と位置づけられておりますことから、歩道整備の必要性については認識しているところでございます。事業化に向けましては一定の時間を要するものと考えられますので、今後は、地域の沿道状況であるとか、県全体の歩道事業の進捗等を踏まえながら慎重に検討していきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今、検討していただいているということでありましたけれども、開校が近づいているところであります。危険箇所も発見されている、また指摘されているところでありますから、ぜひとも早急に事業化されるように、よろしくお願いしたいと思います。
最後になりますけれども、広域公園整備事業費についてお伺いしたいと思います。
県土整備部は高田松原津波復興祈念公園の整備を所管しておりますけれども、同じく、他県においては、宮城県石巻市、福島県は双葉町と浪江町で復興祈念公園が整備されようとしております。そういった中で、どのように連携をしながら差別化をしていくのかお伺いしたいと思います。
〇藤井都市計画課総括課長 復興祈念公園についてでありますが、国営追悼・祈念施設の整備を進める国土交通省東北地方整備局が中心になって、三つの復興祈念公園の、例えば案内サインの共通化といった連携を進めることとしており、本県もともに取り組んでいきます。
また、他県の公園の特色としては、宮城県は市民活動拠点などの整備を行う計画であり、福島県は、基本計画の策定段階ですが、原子力災害の教訓などを継承し、情報発信を行うアーカイブの拠点施設と連携する計画と聞いております。
本県の高田松原津波復興祈念公園は、広いエリアを有し、名勝高田松原の再生と重点道の駅高田松原が整備され、県による震災津波伝承施設や陸前高田市による物販施設が設けられることで、インバウンドを取り込み、地域経済等の活性化とまちのにぎわいの創出に貢献するといった特色を持った公園として着実に整備を進めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 今、インバウンドを取り込みという話もございました。一番の懸念は、別に競争しているわけではありませんが、石巻市は、陸前高田市よりも仙台空港に近いということであります。また、3.11のテレビ番組に村井宮城県知事が出ておりまして、宮城県の沿岸をずっと周遊させるようにして、観光の力も取り込みながら復興を進めていくということですが、気仙沼市までという話であり、そこから陸前高田市と連携していくという言葉は出なかったわけでございます。
岩手県の高田松原津波復興祈念公園の特徴というのは、平泉、釜石の世界遺産、また、これから世界遺産になろうとしている候補の縄文遺跡群も含めて三つの世界遺産があるという中で、教育旅行と高田松原津波復興祈念公園をつなげることによって、教育旅行、修学旅行のメッカにしていくということが大きな特徴づけではないかと私は思っているところであります。
そういった意味では、そういったところを結ぶ道路の整備ということはやはり大事でありまして、何としても新笹ノ田トンネルの整備をという話になってくるのかと思っております。
部長にお聞きしたいと思いますが、私は、高田松原津波復興祈念公園は、沿岸地域の復興というところでは大きな観光資源にしていかなければいけないと。そういった中で、三陸沿岸道路を仙台空港から北に真っすぐ来て、もしかしたら宮城県でとまってしまうかもしれない。そういった中にあって、平泉あるいはほかの世界遺産等も含めて道路を整備していくということは大事だと思っております。そういった意味も含めて、高田松原津波復興祈念公園を生かす道路整備をどのように考えているのか、新笹ノ田トンネルも含めて御答弁をいただきたいと思います。
〇中野県土整備部長 本県の世界遺産も含めて非常にたくさん存在している観光拠点をつなぐような広域の観光ルートの形成という観点でまいりますと、今、国で整備を進めていただいている復興道路のネットワーク、県がそれを補完するネットワークとして、国道343号も含めて復興支援道路として改良を進めております。こういったものがネットワークとしてできてまいりますと、いろいろな組み合わせでの広域観光がやりやすくなる。その中の一つに、当然、三陸ゲートウエーとしての機能を待たせようとしている陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園が入ってくるということと考えております。
まず、道路整備という観点でまいりますと、今、復興事業として進めているもののネットワークを一日も早くつくっていく。必要なものについては、ラグビーワールドカップという大きな目標もありまして、それまでに整備していくということが大事になってこようかと思います。そこから先、さらにネットワークの密度というものを高めていくということも場合によっては必要になってくるかもしれませんし、それに付随する広域観光ルートというものも出てくるかもしれません。それにつきましては、その後の需要であったり、インバウンドの増加の状況であったり、道路網への負荷のかけ方であったり、そういったものを見ながら検討を進めてまいりたいと思っております。
〇神崎浩之委員 まず初めに、ラグビーワールドカップ釜石開催に対する県土整備部の対応についてお伺いいたします。
初めに、一昨年、国体、障がい者スポーツ大会がありまして、それを受けて、県土の整備も大分進んだと思っております。道路、案内標示板、トイレ等も含めたバリアフリー化も大いに進んだと思っておりますが、その整備状況、成果について、部長にお伺いしたいと思います。
〇中野県土整備部長 昨年度の国体、障がい者スポーツ大会を受けての県土の整備の成果、整備状況ということでございます。
国体のインフラの整備ということに関しまして、従前は国体の開催に合わせて国体道路がたくさんできたりとか、インフラの整備が進むということがございましたが、最近ではなるべく既存の施設を使いながら効率的に大会運営をしていくという傾向にございます。
昨年度の本県で開催された第71回国民体育大会においても、選手や大会関係者の円滑な移動であったり、渋滞緩和という観点から、国体関連道路整備計画をつくりまして、具体的には県内8カ所の道路において道路整備や交差点改良なども実施しましたほか、アクセスルートの舗装の補修や防護柵の修繕といったところも実施したところです。
また、来訪者への案内という観点では、案内標識の新設、修繕も行いましたし、おもてなしや機運醸成という観点から、道路の視線誘導標-デリネーターにわんこきょうだいのシールを張ったりして盛り上げにも取り組んだところでございます。
このほか、バリアフリーにつきましては、従前から歩道の段差解消や道の駅におけるオストメイト対応トイレの設置に取り組んでまいりましたが、国体開催時には、これを少しスピードアップして、県管理道路沿いの道の駅のうち、16カ所においてオストメイト対応トイレの設置も完了したところでございます。
〇神崎浩之委員 今度はいよいよラグビーワールドカップということで、何としてでも成功させたい。
私も、ラグビー発祥の地でありますイギリスに行って調査をさせていただきました。その大きな歴史、意義を非常に強く感じてまいりました。
釜石市での開催決定前に、私も東京に誘致のお願いに行ったのですが、仙台市で試合を開催し、その何試合かを釜石市に持ってくるという話だったのですが、その仙台市が落選して釜石市が残ったということで、その主催者の意義というものを考えて、岩手県はおもてなしの心でやっていかなければならない。
そこで、県土整備部として、ラグビーワールドカップ釜石開催に向けて、釜石会場への来場方法、ルートをどう想定しているのかということをまずお聞きしたいと思います。
国体、障がい者スポーツ大会と大きく違うことは世界から観客が来るということです。国体、障がい者スポーツ大会と違って世界の方がいらっしゃる。それから、港湾ではフェリー、クルーズ船という話もありますけれども、そういうところが違うと。さらに言えば、お金持ちが来るということもあるのですけれども。
それに対し、道路、案内表示、外国語対応、フェリー、クルーズ船等の港湾、バリアフリー等について、どういう感じでこの1年進んでいこうとしているのかお伺いしたいと思います。
〇中野県土整備部長 ラグビーワールドカップ釜石開催への来場者に対する準備についてでございますが、まず、来場のルートにつきましては、ラグビーワールドカップ2019釜石開催実行委員会の中に観客の交通輸送等に関する専門部会を設けまして、交通輸送基本計画の検討が進められていると承知しております。
これによりますと、釜石会場への来場のルートについては、海外からのお客さんも含めてということでありますけれども、内陸の盛岡市、北上市、花巻市方面からアクセスするルートと、沿岸の北から、沿岸の南からアクセスするという三つの方向が想定されておりまして、それらにつきまして、自家用車の利用、公式代理店が企画するツアーバス、鉄道等の公共交通機関であったり、あるいは公共交通機関を利用することが困難な方にはライナーバスによる輸送等も想定されていると承知しております。
県土整備部の準備、対応ということでございますが、これは、国体の開催と同様でございますけれども、来ていただける方に気持ちよく来県いただけるように、基本的なことですが、道路施設の清掃とか草刈りを行ったり、適切な維持管理を行うということが、まず大きく一つあるところでございます。
それから、外国人の観光客の方も含めたわかりやすい案内表示ということに関して申し上げますと、まず、高速道路のナンバリング表示が全国的に進んでおりますが、これを県内の県管理道路の標識においても道路のナンバーを表示していくことでわかりやすくしていく、また、道の駅等の案内標識についても多言語化表記に取り組むということを進めております。
港湾関係で言いますと、現在整備中の宮古港フェリーターミナルのバリアフリー化に取り組んでおりますほか、宮古-室蘭間のフェリーを利用して来県される方に対して、フェリーターミナルから釜石会場までの移動が円滑に行われるように、仮設の案内板等の設置を検討しております。
また、釜石会場に来場される方に広域に観光していただくこともあり得るかと思っています。そういった場合には、先ほどの繰り返しになりますけれども、整備が進んでおります復興道路等のネットワークによって、広域の観光に対しては大きな効果を発揮するのではないかと考えております。
〇神崎浩之委員 イギリスの会場でも、実際に大きい体の車椅子の方がラガーシャツを着て応援に来ているということも私は見てまいりましたので、施設だけではなくて、施設周辺の道路事情、交通状況についてもぜひ対応していただきたいと思います。
次に、除雪の件であります。ことしは本当に寒い日が続きました。そこで、今年度の対応状況ということで、予算の執行状況について、また、除雪の出動基準に、県と市町村では違いがあるのか、その辺についてまずお伺いしたいと思います。
〇白旗道路環境課総括課長 除雪の今年度の対応状況についてでございます。
まず、予算につきましては、2月補正後の予算額は49億4、600万円となっております。次に、執行状況につきましては、除雪機械の稼働状況から集計いたしました3月1日時点の執行状況でございますが、約43億6、000万円となっております。
次に、除雪の出動基準でございますが、県では、車道除雪は、降雪量5センチメートル程度で引き続き降雪が予想される場合や、降雪量が10センチメートル以上ある場合などとしております。歩道除雪につきましては、路線や区間の重要度に応じて基準を設けておりまして、通勤、通学路などの重点除雪区間では、降雪量が5センチメートル程度で、それ以上の降雪が予想される場合ということとしております。
市町村における除雪の出動基準につきましては、車道についてはおおむね県と同様の基準を準用されていると聞いておりますが、歩道につきましては、各市町村の地域の実情を踏まえながら対応されていると聞いております。
〇神崎浩之委員 次に、平成30年度の県管理の除雪対象ということなのですが、県として、除雪対象の路線を広域振興局ごとに道路延長、道路、歩道についてお伺いしたいと思っております。
あわせて、除雪の課題と対応についてですが、先日も熟練の技術者から若い方へ除雪の指導みたいなことをテレビでやっておりました。技術の課題、委託している企業では、なかなか除雪は難しいという話があるのですが、この辺の対応についてお伺いいたします。
〇白旗道路環境課総括課長 まず、道路の除雪延長についてでございます。平成30年度の除雪対象につきましては、平成29年度の道路の整備状況を踏まえまして平成30年10月までに県の除雪計画を策定いたしまして、対象路線や延長を決定することとしております。
平成29年度の除雪対象の延長でございますが、車道は3、817.5キロメートル、歩道は1、992.1キロメートルで除雪を行っているところです。
平成29年度の広域振興局ごとの除雪延長につきましては、盛岡広域振興局管内は、車道が約725キロメートル、歩道が約436キロメートル、県南広域振興局管内は、車道が約1、630キロメートル、歩道が約1、060キロメートル、沿岸広域振興局管内は、車道が約851キロメートル、歩道が約281キロメートル、最後に県北広域振興局管内は、車道が約611キロメートル、歩道が約213キロメートルとなっているところでございます。
次に、除雪の課題と対応についてでございます。
まず、技術的なことにつきましては、委員御指摘のとおり、除雪オペレーターの高齢化と担い手の減少に伴いまして、熟練オペレーターの除雪機械運転、操作技術の伝承が課題となっているところでございます。
県では、これまでに座学の除雪講習会の開催や、建設企業と協力し実地研修を行うなどの取り組みを進めてきたところでございまして、今後はこのような技術の伝承を目的とした取り組みをふやしていきたいと考えております。
次に、委託先の企業についてでございますが、除雪を委託している企業においては、従業員の高齢化の進行や確保が困難な状況にあると聞いておりまして、熟練した技術を必要とする除雪業務においては、今後、除雪機械のオペレーター等の確保が深刻な課題になると認識しているところでございます。
県では、これまで、除雪業務の委託において、待機費用を含め、作業の実態に即した経費の計上に努めておりますが、今後も引き続き建設企業等との意見交換を行いながら、除雪の担い手の確保と体制の維持に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇神崎浩之委員 歩道も結構な延長があるということを理解しましたし、私の地元の一関市内でも除雪を引き上げた会社もありますので、この辺の対応についてもお願いしたいと思います。
次に、追加で通告しましたけれども、先ほど城内委員から質疑があった凍上災については、非常に大きな問題だと捉えております。
そこでお聞きしますけれども、これから道路維持、修繕が始まっていくと思いますが、予算はどの程度ふえるかということをお伺いしたいと思います。
私も一関市から高速道路で通っていると、最近、そういうでこぼこを修繕しているのがちらほら出てきておりました。作業も、自動車を運転するほうも非常に危険だと思っております。この凍上災でありますが、これからですけれども、その修繕の予定、ある程度の金額の見通しを教えていただきたいと思います。
〇大久保砂防災害課総括課長 凍上災の修繕に係る費用の御質問でしたけれども、現在、先ほど申しましたとおり、県内34地点ある観測地点のうち、西和賀町沢内の1地点のみが凍上災の採択基準を満たしております。こちらでは、もちろん凍上災として採択はできるのですけれども、今のところ、県と町の道路を合わせて9カ所ほど、延長にしまして5キロメートル程度の被災があると伺っております。今後、その費用につきましては、4月に国から災害査定をことし申請してよろしいといった通知を受けまして、7月ごろに査定されて、それから決まるものと考えております。
〇神崎浩之委員 私の質疑は、凍上災の該当になるとかの話ではなくて、県として、今回の被害で今後、維持、補修が必要となる箇所についてお聞きしたわけでありますけれども、まだわからないですよね。わかりますか。
〇白旗道路環境課総括課長 午前中にも、3月になってからふえているという答弁をさせていただきましたが、具体的には、道路の穴ぼこによるものと思われる事故報告は、先週の9日現在で53件受けております。この穴ぼこは、道路パトロールを行って、発見すれば、その都度穴埋めをするということで、緊急性を求められるものでございます。それに対する費用につきましては県単独事業の道路維持修繕費で対応しておりますので、100%が県費ということになります。
〇神崎浩之委員 これは凍上災の対象になるかならないかで大きな違いがあると思うのですが、対象にならない場合は全部一般財源でやらなければならないということですけれども、いずれ、県として、凍上災に採択になればどのぐらい有利になるのかということ、それから、これはわかればですけれども、あと何日ぐらい、何度追加になれば対象になるのか。
〇大久保砂防災害課総括課長 まず、凍上災ですけれども、これは、先ほど申しました寒さについての要件がございます。また、凍上によって壊れたものであることがわからなければいけないと。具体的には、穴ぼこ程度であれば、それは凍上ではないというような判断がなされます。わだちのみでも凍上とは扱われませんでので、凍上というのは、午前中に御説明したとおり、路盤が凍り道路全体が持ち上がり、それが原因になって被災するものでありまして、通常の維持管理のように表面にクラックが入ったり、穴ぼこができたりするものは、災害査定の段階で既に削られてしまいます。
凍上災として採択されますと、国庫負担法に基づいて国が災害復旧費用を負担します。通常であれば国費が3分の1(後刻「3分の2」と訂正)充当されまして、残りについては起債で、その起債につきましても地方交付税が95%措置される、非常に有利な内容となっております。
あとどれぐらい寒くなれば凍上災として採択されるかということでございますけれども、西和賀町の沢内地点が採択基準を満たしておりますけれども、これに続きまして、南の湯田地区が追随しております。そちらで申しますと、凍結指数がマイナス284ということで、マイナス3度の平均気温が10日間続きますとマイナス30ですので、マイナス300としますと、マイナス3度の日数が100日あれば採択されるといったものです。ただ、今回、西和賀町の湯田地区におきましては、昨日までの実績としてあとマイナス29度ほど足りないということががわかっておりますので、日中平均気温がマイナス3度の日が10日間続けば採択要件を満たすという状況にございます。
〇神崎浩之委員 わかりやすく説明いただきまして、ありがとうございました。我々議員も今後意識しながら暮らしていきたいと思います。
次に、橋梁の耐震化でありますけれども、修繕対象の基準と、現在、基準の対象となっている広域振興局ごとの橋の管理箇所数、また、整備に当たっては平成30年度の対応はどうなっていくのか。その辺についてまとめてお伺いしたいと思います。
〇白旗道路環境課総括課長 まず、橋梁の修繕対象の基準についてでございますが、県では、橋梁長寿命化修繕計画を策定しておりまして、この中で、健全度区分として、早期に修繕が必要な橋梁、予防的な修繕が必要な橋梁、当面修繕の必要がない橋梁に区分して修繕を実施しております。そのうち、早期に修繕が必要な橋梁につきましては、平成29年度で修繕が完了する見込みでございます。
現在は、主に予防的な修繕が必要な橋梁について修繕を行っておりまして、引き続き橋梁の長寿命化に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
次に、広域振興局ごとの管理橋梁数についてでございますが、県で管理している全橋梁数は2、704橋ございまして、このうち、盛岡広域振興局管内は443橋、県南広域振興局管内は1、165橋、沿岸広域振興局管内は711橋、県北広域振興局管内は385橋となっております。
次に、橋梁修繕の進捗状況についてでございます。
まず、先ほど御説明した、現在主に修繕を進めている、予防的な修繕が必要な橋梁の平成29年度末までの進捗につきましては、15メートル以上の橋梁463橋に対して354橋が完了し、修繕率は76%、15メートル未満の橋梁469橋に対して53橋が完了し、修繕率は11%、横断歩道橋9橋に対して5橋が完了し、修繕率は56%となっております。
次に、平成30年度の橋梁修繕の進捗状況についてでございますけれども、平成30年度におきましては、予算約29億円で89橋の修繕を予定しております。この修繕を予定どおり実施した場合、15メートル以上の橋梁は398橋完了し、修繕率は86%、15メートル未満の橋梁は73橋完了し、修繕率は7%(後刻「16%」と訂正)、横断歩道橋は6橋完了し、修繕率は67%となる見込みでございます。
〇神崎浩之委員 多くの橋がある中で、15メートル以上の橋梁についてはある程度整備が進んでいくのだと感じました。その中で、遠野市であれば100%、一関市管内であれば83%と。それから、心配なのは15メートル未満の橋梁で、例えば一関市は23橋対象になっているのですが、来年度実施してもゼロ%となっているのですけれども、こういうものはどう受けとめればいいのでしょうか。15メートル未満がゼロ%、さっきは全体で7%だということなのですが、その辺について教えていただきたい。
〇白旗道路環境課総括課長 委員御指摘のとおり、一関市管内では先ほどの数字になっておりまして、15メートル未満の橋梁の修繕率は確かにゼロ%でございます。これにつきましては、予防、保全的な修繕に移行しながら取り組んでいるところではございますけれども、橋梁の重要度といったことも考慮いたしまして修繕を進めております。15メートル以上の橋梁となると、100メートルぐらいの橋梁もございますので、そういったことから、15メートル以上の橋梁は、万が一、橋梁に何か大きな損傷があったときの社会的に与える影響が大きいと考えられますので、まずは15メートル以上の橋梁を優先的に整備していきたいと考えております。ただし、15メートル未満の橋梁につきましても、放置しておけばいずれ大きな損傷を招いて多くの費用がかかるという判断がされるような橋梁があれば、それはそれで点検を行いながら、早目の修繕に努めていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 河道掘削について質疑項目をお知らせしておりましたけれども、先ほど答弁がありました。そこで、これも追加でお願いしていたのですけれども、きょうの岩手日日新聞では、河道二極化対策を検証するということで、国土交通省が、北上川上流河道管理検討会で河道内の樹木管理や河川環境の保全について意見交換をしたということですが、川の蛇行等に対するバイパスということなので、これについて内容がわかれば教えていただきたいです。
それから、今、天候の予想が結構はっきりしているので、タイムライン等の整備ということが重要視されておりますが、市町村でのタイムラインの整備状況についてお伺いしたいと思います。
最後に、河道掘削について、部長に、県内を回っていただいて、県内の河川は、草が生えたり砂がたまっていたりということで、とても川ではないような、草原のような川が多いということを感じられたと思いますが、国費がないということもありますので、それに対する思いと、帰ってからの課題解決に対する心構えなどをお聞かせいただきながら、終わりたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 岩手河川国道工事事務所で開催した北上川上流河道管理検討会につきましては、治水と環境に配慮した河道内の樹木の管理や河川環境を保全する上での手法について、学識経験者等から意見をいただくという場になっております。
その検討会の中で、一つは、川が蛇行している中で、どうしても外カーブのほうに水が多く流れると内カーブのほうに土砂が堆積してくると。砂に近いような軽い部分が、流速が遅い分、たまってくるというところを砂州と言っているわけですけれども、その砂州がだんだん発達して、洪水が発生したときに、外カーブのほうがどんどん浸食されていくということを防止するために、砂州の内カーブのところを溝掘りをして、そこも水が流れるような対策を講じていく事例等が報告されたということを聞いております。
もう一つは、環境対策について意見交換されております。具体的には、植物、鳥類、魚類といった生物関係のモニタリングを行いまして、そういった自然環境にも配慮した取り組みを進めていこうという意見交換をされたと伺っております。
次に、タイムラインについてでございます。現在、水位周知河川は30河川、34カ所を指定しておりますが、その水位周知河川におきましてタイムラインを設定しようということで、国、市町村等で構成する昨年12月の洪水減災対策協議会におきまして、そういった取り組みを進めることとしております。
対象市町村が全部で19市町村ございますが、現在、策定済みが9市町村という状況になっていますので、引き続き、早急に設定できるように、私たちも市町村と一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。
〇中野県土整備部長 県管理河川の河道掘削を継続していく、持続していくに当たっての費用をどうするかという問題でございます。
県管理河川は321河川ございまして、これを5カ年で一旦河道掘削をするわけですが、必ずまた埋まりますので、これをずっと続けていかなければいけないわけでございます。
これにつきましては、どこの県でもそうですが、河川の維持管理費なので県の単費でやるというのが大きな原則でございます。これでは、本県のみならず、これだけ頻発化する災害の中で、それに備えるという意味でうまくいかないのではないかという声が全国から上がっております。
先般、昨年11月でしたか、命と生活(くらし)を守る新国土づくり研究会ということで、11県の知事と国土交通省の間でこの問題についての意見交換をする場がございました。本県からも達増知事が出席しまして、直接、副大臣等に問題を投げかけたところでございますし、私も、機会あるごとに水管理・国土保全局の幹部の皆様とは意見交換をさせていただいております。
冒頭申し上げましたが、維持管理という範疇で捉えますと、国の直轄で管理する河川は国で、県で管理する河川は県でというのは大原則なので、ここを破るというのは大きな壁ではありますが、維持管理という範疇で考えるのか、事前の防災というのをもう少し違う範疇で考えるのかというところが突破口かと思いますので、そういったところで議論を重ねながら考えてまいりたいと思っております。
〇高橋元委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇大久保砂防災害課総括課長 先ほど、凍上災の県の負担につきまして、説明に誤りがございましたので、訂正させていただきます。
国庫負担法に基づきまして、災害復旧につきましては、国の負担が3分の1ではなくて3分の2となっております。残った3分の1につきまして起債をするというものでございます。
〇白旗道路環境課総括課長 先ほど、神崎委員の質疑の中での答弁で間違いがございましたので、訂正させていただきます。
橋梁の修繕について平成30年度末の15メートル未満の橋梁の修繕率を7%と答弁いたしましたが、16%の間違いでしたので、訂正させていただきます。
〇柳村一委員 私からは、道路施設等の維持管理についてお伺いします。
平成30年度の事業内容と、普通建設事業費に占める道路の維持管理費の割合について伺います。また、岩手県公共施設等総合管理計画における道路、橋梁等の維持管理、修繕、更新の計画についてお伺いします。
〇白旗道路環境課総括課長 道路の維持管理についてでございますけれども、平成30年度におきましても、信頼性の高い道路ネットワークの確立と日常生活を支える安全な道づくりの推進に向けて、道路のり面からの落石等に対処するための道路防災対策や、整備後、年数が経過し、傷んだ橋梁の補修、舗装の補修などの修繕事業を着実に実施することとしております。
次に、道路関係事業全体に占める、これら維持管理に要する費用の割合につきましては、おおむね3割となっているところでございます。
道路、橋梁等の維持管理計画として岩手県公共施設等総合管理計画に位置づけているのは、舗装、橋梁、トンネル、シェルター及びシェッド、門型標識の5施設でございまして、これらの施設につきましては、老朽化等の現状を分析し、施設の更新や長寿命化など具体的な対応方針を定める個別計画を策定し、計画的に取り組むこととしております。
引き続き、定期的な点検と、それを踏まえた各施設の長寿命化修繕計画等の策定や更新を行いながら、計画に基づき効率的な維持管理に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇柳村一委員 今、普通建設事業費の中で道路維持管理に占める割合がおおむね3割とお答えいただきましたけれども、当初予算の説明の中の普通建設事業の公共事業の中で、通常分の金額のうちおおむね3割が維持に使われているという解釈の仕方でよろしいのでしょうか。
〇白旗道路環境課総括課長 道路に関する普通建設事業費でございます。
〇柳村一委員 そうすると、震災前の公共事業の道路の事業費は大体300億円を超えていたのですけれども、最近は震災分がふえてきて、通常分がどんどん減ってきています。そうなると、維持管理費に占める金額の割合も震災前に比べて減っているという解釈でよろしいでしょうか。
〇白旗道路環境課総括課長 道路整備に関する事業は確かに震災関係でふえておりますので、現在、平成30年度の当初予算案、平成29年度の当初予算で、先ほどのとおり、維持管理に要する費用は3割ぐらいになっております。ここに詳しい数字はございませんけれども、震災前と比較すると、割合は低くなっていると思います。
〇柳村一委員 平成22年度で通常分の予算が3、490万円余で、通常分の公共事業に占める道路の割合が30%ぐらいです。それが、震災後、通常分が大体、平成30年度ですと18.6%で、トータルで30%にはなるのですけれども、結局、震災分では維持、修繕には使われないので、通常分の約3割ということは、結局、震災前に比べて維持、修繕にかけているお金は大分減ってきているという解釈でいいですね。
〇白旗道路環境課総括課長 道路の維持管理に係る費用につきましては、復興に使う財源はそれほど多くございませんので、感覚的に低くなっているとは言えますけれども、ちょっと時間をいただきたいと思います。
〇柳村一委員 普通に道路を建設するのと維持管理の違いをちょっとお伺いしたのです。どうしてかというと、補修をした部分に対して、ことしなどは、凍上災に採択されないと先ほどおっしゃっていましたが、穴ぼこがあいて、補修した部分にさらに穴ぼこがあいて、またそれを補修するということでしたので、補修の考え方をお伺いしたいのです。道路の舗装方法というのは、アスファルトやコンクリートとかいろいろありますね。その中で、最近、アスファルトの価格が高騰してきてコンクリートが安価になっている地域もあるようです。新設のときはコンクリートを使うのでしょうけれども、その後は、やっぱり維持していく部分ではアスファルトになってきているのですが、舗装面の使い分けについて、どのような考え方をしていらっしゃるのかお伺いします。
〇白旗道路環境課総括課長 アスファルト舗装の場合とコンクリート舗装の場合の補修の仕方についてのお尋ねだと思いますけれども、アスファルト舗装の場合につきましては、舗装表面の損傷部分を削り取って新しく舗装をかけ直すというような修繕工事が一般的でございます。
アスファルトの下にある路盤、砂利の部分ですけれども、そこに水が浸入すると、舗装表面だけでなく路盤まで損傷が進行しますので、その場合は、路盤の砕石を入れかえるといった補修を行っております。
また、普通のコンクリート舗装の場合につきましては、ひび割れのところにシール材という接着剤みたいなものを注入して損傷の進行を防止するような簡易な補修をやっているケースがあります。さらに損傷が進行する際には、表面にアスファルト舗装をかぶせるというような修繕工事を行うことがございます。
そのほか、既存のコンクリート舗装を撤去いたしまして、再びコンクリート舗装をかけ直す修繕を行うこともありますけれども、これは大がかりなものになってしまいますので、アスファルト舗装の補修に比べまして、工事期間が長くなったり、片側交互通行や通行どめといった通行車両への影響が大きくなることもあり、結果、費用が多額になるという状況でございます。
〇柳村一委員 アスファルトの舗装についてもいろいろな種類があるのですけれども、今、普通に固めているものではなくて、排水性の高い舗装というのが最近使われていますが、県道で排水性の高い舗装を使っているパーセンテージみたいなものはないですね。
排水性の高い舗装のよさというのは、雨がはねないので歩行者にも優しいとか、走っている音が静かになるという利点があるらしいのですけれども、冬になって、いつも道路を走っていて感じるのが、ほかの舗装面よりも雪が積もるのが遅くて、雪が解けるのが早く感じるのですね。一般的な舗装と排水性の高い舗装で積もっている雪の量が全然違っていたりするのですけれども、そういうものは立証されたことはないですか。
〇白旗道路環境課総括課長 県としては、検証したことはございません。
〇柳村一委員 私の感じ方かもしれませんけれども、多分、研究してみればそういうものも出てくると思いますので、補修する際にはそこら辺も考えていただきたいと思います。
どうしても、だんだん補修にかけるお金も少なくなってくるということになりますと、補修に関しても、修繕に関しても、長寿命化を考えていかなければいけないと思うので、簡易的な補修でいいのか、それとも、もっともっともたせるためには全面改修みたいなことを行ったほうがいいのか、やっぱりきちんと計算しながらやっていただければ、無駄なお金を使わなくて済むのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
次に、私も城内委員、神崎委員が質疑されていた凍上災についてちょっとお伺いします。
道路環境課ではなくて砂防災害課が答弁していたのでちょっと不思議だなと思ったら、凍上災は、水管理・国土保全局の管轄だからそちらで行っているのかとは思いますけれども、凍上災が平成に入ってから平成13年、平成18年、平成24年に採択されているのですが、その凍上災が採択された年は、必ずどこの地点でも気温が平均を下回っていたのでしょうか。わかりましたら、お答えください。
〇大久保砂防災害課総括課長 近年の凍上災の実績ですけれども、平成24年と平成18年に採択されております。これは、先ほど申しました34地点のうち、凍結指数が超えた箇所を受け持つエリアに該当する市町村にある県道、市町村道が対象となりますので、全箇所の凍結指数が県内全域で超えなければいけないといったものではございません。34地点で地域ごとという話になります。
〇柳村一委員 ということは、平成24年はすごく寒かったのですね。全国2、000カ所のうちで、岩手県が500カ所を超えて全体の4分の1ということですので。今回の穴ぼこは凍上災に該当しないということですけれども、それにつきましても、凍上災に採択されるような災害になっている道路もあるわけですね。
そのときに、修繕とかの計画があるときとの兼ね合いですか、凍上災に採択されると、先ほど言ったように3分の2というかなりいい補助を受けられるメニューですけれども、維持修繕に関しては県費でやらなければいけないという部分との駆け引きがあると思うのです。寒くなるかどうかはわからないから難しいと思いますが、そこら辺の計画をどのような感じで捉えているかお伺いします。
〇白旗道路環境課総括課長 先ほど来、砂防災害課長からも凍上災の答弁をしていますけれども、やはり目的が違うと思いますので、駆け引きといったものは生じないと考えております。やはり道路の維持管理から考えますと、速やかにやらなければならないことも多くあります。凍上災に採択されるためには、どうしても査定を受けたりといったいろいろな準備に時間がかかってくる場合もあります。全県的に凍上災が採択されるようであれば、それはそれで道路維持管理を担当する部署からすると、財源的には確かに有利になるとは思いますけれども、直すまでの間の維持管理はやらなければならないといった考えでおります。
〇柳村一委員 確かに、凍上災は4月か5月ごろ国から通知があって、6月から9月に査定に入って、9月以降、10月ぐらいにやっと採択されるということで、その年度ではもう間に合わないような感じなので、わかりました。
ただ、前回、平成24年のときには、凍上災が結構採択されておりまして、その年ではない、大分前から、草も生えているような道路でも凍上災が採択されたというものが結構あったのですね。だから、そういう感じで国に見てもらえると、地方の厳しい財政の中で道路も快適になっていくのではないかと思います。
中野部長、先ほど来から一生懸命皆さんにお言葉をいただいているようだったので、私からは、国に戻られてからの御健勝と御活躍を御祈念申し上げ、岩手への大いなる御支持をお願い申し上げまして、終わりにします。
〇高橋元委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇白旗道路環境課総括課長 先ほどの柳村一委員からの質問の中で、道路維持管理費が震災以降ふえているのか減っているのかというお尋ねがございましたけれども、道路環境課所管事業ということから考えますと、例えば維持費であれば、震災以降30億円から40億円ぐらいで推移していますし、橋梁補修、舗装、補修のいわゆる施設の修繕費につきましては50億円前後で推移していますので、それほど大きく変わっていないというところでございます。
〇佐々木宣和委員 何点か質疑が重なる部分もあったので、そこは削りまして、少し順番を変えて質疑をさせていただきたいと思います。
まず、水防災意識社会への対応について伺いたいと思います。
平成30年度は水位周知河川の新たな指定が13河川と聞いていますけれども、そのスケジュールを伺いたいと思います。そしてまた、今指定されている30河川の34カ所には随時水位監視カメラをつけていくということを伺っていますけれども、新たに指定される13河川に関しても水位監視カメラをつけるのか伺いたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 水位周知河川の指定及び水位監視カメラについてでございますが、県ではこれまで、30河川、34区間を水位周知河川に指定しております。さらなる指定拡大に向けて、平成29年12月に開催しました洪水減災対策協議会におきまして、今後5カ年で20河川を指定する計画を取りまとめたところです。
平成30年度は、現在進めている普代川及び閉伊川など10河川を含む13河川について、指定を行う予定としております。
水位監視カメラにつきましては、水位周知河川の水位観測所に設置を進めており、30河川の34観測所のうち、水位監視カメラの設置が完了した26河川、27カ所について、平成30年3月9日から画像の配信を開始しているところでございます。
残りの観測所についても設置を進めまして、4月中には全箇所の観測所にて配信を行いたいと考えております。
新たに水位周知河川に指定される13河川につきましては、平成29年度の予算で取り組んでいるところもございまして、早いところはちょっと早く進められるかと思いますけれども、現在調整しておりますので、ここでは、はっきりいつごろとはお示しできませんことを御了承願いたいと思います。
〇佐々木宣和委員 水位監視カメラですけれども、先日の大雨のときに私も見ましたし、非常にいいと思ったところでございます。
また、この水位周知河川の指定が、ほかのいろいろな取り組みのスタートなのかと思っているところで、きちんとことしは13もの河川を指定していくということでございますので、スケジュールどおりに進めていただきたいと思っております。
次に、洪水浸水想定区域に関して、2017年は15河川が指定されたと思いますけれども、住民への説明会の実施状況を伺いたいと思います。
〇岩渕河川課総括課長 新たに水位周知河川に指定する13河川のうち、まず、8河川につきましては、平成30年の出水期前に指定したいと考えております。残り5河川につきましては、後半に順次、できたところから指定を進めてまいりたいと考えております。
また、13河川の水位監視カメラの設置についてでございますが、新たに水位周知河川に指定された河川については、平成31年度以降、計画的にカメラを設置し、画像を配信していきたいと考えております。
次に、洪水浸水想定区域の指定状況と住民への周知についてでございます。県では、先ほど来、御説明しております洪水減災対策協議会におきまして、今後5カ年で30河川を指定する計画としております。
今年度は、一関市の夏川につきまして洪水浸水想定区域を指定しておりまして、一関市と調整し、一般地域住民への説明会を2地区で開催し、水害リスクの情報提供により早目の避難行動を促したところでございます。
今後も、洪水浸水想定区域の指定に当たりましては、関係市町村と調整の上、住民説明会を開催して、地域住民に水害リスクについて丁寧に説明し、指定の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 つくったものをどう活用していくのかがすごく重要だと思っていますので、周知の取り組みを徹底していただきたいと思っているところです。
浸水想定区域図に関して私がちょっと感じていることですけれども、例えば中山間地域ですと、浸水想定すると平地はもう全部赤くなってしまうようなこともあったりするので、なかなかつくったものを見せたところでということも想定されるのかと。ある程度平地のところであれば、シミュレーションの精度を上げていくことはすごく意味があると思うので、この運用に関しては、地域の実情にあわせて説明会の実施にも取り組んでいただきたいと思っているところです。
一連の取り組みで、きょうも河道掘削やタイムラインのお話も出ましたけれども、水位周知河川の指定拡大から一連のサイクルを回して、また、県民の方が台風前よりも、中小河川に関して安全になったと実感できることがすごく大切なことだと思っていますので、引き続き取り組みをしていただきたいと思います。
次に、平成28年台風第10号災害に関して、工事発注、進捗状況、建設業者の確保状況、また、課題点について伺います。
〇大久保砂防災害課総括課長 まず、平成28年台風第10号により被災した公共土木施設に係る災害復旧工事の発注状況についてでございますが、2月末時点で、県分が428カ所、72.3%、市町村分が986カ所、75.9%、県と市町村合わせまして1、414カ所、74.8%が契約済みとなっております。
また、工事が完成した箇所は、県と市町村合わせまして489カ所、25.9%の進捗率となっております。7市町村で全ての災害復旧工事が完成しているところでございます。
〇沖野技術企画指導課長 建設業者の確保状況についてでございます。
平成28年台風第10号災害復旧工事については、県及び被災した各市町村による災害復旧工事が同時期に多数発注されている状況でございまして、建設業者における技術者及び労働者が不足ぎみの状況にあると認識しております。
このため技術者の専任配置や雇用要件の緩和、発注ロットの拡大などを行い、限られた人材、人員を効率的に活用するほか、広域的に業者が参入しやすくなるよう、労働者の宿泊に係る施設あるいは宿泊施設を建設する費用といったものを工事費に追加計上するなどの対策を講じてきているところでございます。
これらの対策等により契約は着実に進んでおり、一定の効果があったものと考えております。
〇佐々木宣和委員 全体にするとすごく進捗しているような感じもするのですけれども、私は沿岸広域振興局土木部岩泉土木センターにも行っていろいろな話を聞いていますが、去年の第2、第3四半期はかなり入札不調も多かったようで、年明けからかなり回復したかのかと。おっしゃられたとおり、いろいろな取り組みをしていることの効果が出てきていると思うところですけれども、注意深く見ながらきちんと取り組んでいただきたいと思います。
最後に、宮古・室蘭フェリー利用促進事業費に関して伺いたいと思います。先ほど城内委員から港湾のお話はありましたけれども、私はPRについて伺いたいと思います。
商工労働観光部の三陸復興・絆観光キャンペーンという事業もありますけれども、それとの関係性と位置、内容とポイントを教えていただきたいと思います。
〇嵯峨県土整備企画室企画課長 宮古・室蘭フェリー利用促進事業費についてでありますが、本年6月のフェリー航路の開設は本県初となるものでございまして、物流の促進による産業振興や交流人口の拡大などによる地域振興が期待されるところでございます。
このことから、県土整備部の事業といたしましては、主に自動車等を利用する旅客利用促進を狙いといたしまして、テレビや情報誌によるフェリーを利用した旅の魅力の情報発信、復興関係で整備した復興道路、あるいは県内の道の駅等にも誘客していくといった事業を展開しようと考えております。
また、商工労働観光部におきましても、フェリーに限らず、地域の観光資源の磨き上げや旅行商品の造成あるいは二次交通の充実等への支援策を実施すると聞いておりますので、商工労働観光部とも連携しながら、地域の観光資源などを生かしたフェリーの効果的な利用促進につながるよう、事業を推進してまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 どんどんPRしていただいて、何とかこのフェリー航路を確立していきたいところですけれども、一つ意見としてお話しします。
まず、宮古港出発の時間が午前8時で、室蘭港に18時に着くというのは、なかなか一般の観光客の方々は使いにくいところと、物流関係者も、日中にトラックを休ませるのもなかなか考えづらいかと思っています。スタートの時点で1便体制というのはなかなか厳しく、2便にするのはハードルが高いかと思っていますけれども、結局この宮古港のフェリーがハブになって、いろいろな交流を拡張させていくためには、何とか2便にしていくのが次の目標になるというところで、私も宮古市にストックポイントというか倉庫をつくったらいいのではないかとかいろいろな提案をさせていただきましたけれども、何とか次は2便にしていこうという目標を持って取り組んでいただきたいと思います。これは意見として、終わります。
〇斉藤信委員 最初に、災害公営住宅の課題について幾つかお聞きします。
災害公営住宅の整備状況について、今年度末、平成30年度末、そして平成31年度末、それぞれどれだけの整備率になるのか。災害公営住宅の入居状況、入居率、空き室の状況、今後の入居の見通しを示してください。
〇辻村住宅課長 まず、災害公営住宅の整備状況についてでございますが、内陸部を含む整備予定戸数5、871戸に対しまして、今年度末で5、284戸、90.0%、平成30年度末で5、685戸、96.8%、平成31年度末で全戸完成する予定となっております。
次に、災害公営住宅の入居状況等についてでございますが、本年2月末現在で供用開始されております5、130戸に対し、入居戸数は4、696戸、入居率91.5%でございますが、既に退居された住戸が279戸あり、延べの入居戸数は4、975戸となっております。
今後の入居の見通しでございますが、今年度全ての市町村で応急仮設住宅の特定延長への切りかえが行われ、応急仮設住宅への入居期限が示されたことから、今後、災害公営住宅への入居が進むものと考えております。ただ、一方で退居される方も相当数生じてきておりますので、今後、市町村と調整しながら、新規の入居予定者の見込み数を確定させるとともに、その上で生じる空き住戸等につきましては、一般公営住宅化への検討を進めてまいります。
〇斉藤信委員 昨年12月末の応急仮設住宅暮らしの方々の住宅意向では、この時点で926世帯が災害公営住宅に入居予定と。この数は余り変わらないのだと思うのですね。
それで、現在434戸が空き室で、これから整備されるのは587戸ですから、単純に計算しますと1、021戸でキャパシティーは大体間に合うと。
ただ、私が今の答弁でちょっと心配になったのは、これまでに279戸が退居していると。この退居の理由がわかれば示してください。
〇辻村住宅課長 退居につきましては、届け出で足りることになっておりますが、届け出をいただいた際に聞き取りを行っている例ですと、1人で暮らしていた高齢の方が、施設に入ることになったとか、お子さんと一緒に暮らすことになったという形で退去される方もございます。また、仕事の都合で、転勤等といった事情で災害公営住宅を離れるといった、種々のケースがあると伺っております。
〇斉藤信委員 災害公営住宅の入居者がこれからどんどん増加すると思いますけれども、新しい問題は、特に高齢者、ひとり暮らしの方々の孤立化、孤独化であります。高齢者のひとり暮らしの状況と、その見守り、コミュニティー確立の取り組みはどうなっているか。
私は、県内最大の県災害公営住宅である陸前高田市の栃ヶ沢団地、これから盛岡市に整備される南青山災害公営住宅には、ぜひ、陸前高田市が独自に整備している市民交流プラザや、生活支援員などを配置して入居者の見守りやコミュニティー確立の取り組みを進めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇辻村住宅課長 高齢者の入居状況等についてでございますが、県営の災害公営住宅における高齢者につきましては、昨年12月末現在で、入居戸数1、260戸に入居している入居者数2、241名のうち、65歳以上の方が864名、38.6%おりまして、うち379名の方が単身で入居されております。
高齢者の見守りにつきましては、県営住宅の指定管理者の自主事業として、75歳以上のひとり暮らし及び80歳以上のみの世帯を対象に訪問巡回等を実施しておりまして、災害公営住宅におきましては、昨年12月末時点で延べ511回の訪問を行っているところでございます。
また、これら高齢者の見守りにつきましては、コミュニティーの形成が不可欠と考えており、団地自治会の設立を支援しておりまして、今年度は12月末時点で、3団地で6回の交流会、相談会を開催したほか、自治会の設立準備委員会にコミュニティ形成支援員を延べ37回派遣しているところでございます。
次に、生活支援員の配置につきましては、私どもはハード施設をつくる部署でございますが、現在、災害公営住宅に整備した集会所事務室への生活支援員の配置を市町村にお願いしているところではございますけれども、残念ながら実現には至っておりません。
御指摘ありました県内最大規模の災害公営住宅でございます栃ヶ沢団地につきましては、私自身が、今後、陸前高田市を訪問いたしまして、対応を直接お願いすることとしております。
また、盛岡市の団地につきましては、建設に際しまして、現在、入居予定者との意見交換会等の場で支援団体の方といろいろ調整させていただいております。建設自体はこれからでございますけれども、そういった方々の手助けもいただきながら、住まれる方にとって、よりよい暮らしができるような形の取り組みをしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 いろいろ努力されていることはわかるけれども、事態は本当に切実なので、県の社会福祉協議会の生活支援相談員などとの連携も含めて、また、市町村とも連携して、この取り組みを強めていただきたい。
次に、災害公営住宅の入居要件についてお聞きしますが、きょうの新聞にこういうものが載りました。84歳のお母さんを見るために、息子さんが1年前に東京の仕事をやめて帰郷したと。しかし、母に何かあったらここを出ていかなければならないので大変不安だと。転居先を探すのは難しくて、まちに残れないかもしれないと。
せっかくお母さんを見守るために東京からこうやって帰ってきても、災害公営住宅は、配偶者しか入居の継承ができないこととなっているので、岩手県弁護士会も意見書を提出していますけれども、私は、災害公営住宅なのだから、一般公営住宅と全く同じ条件ではなく、本当にその地域で復興のために頑張っている方々が、地域で生活できるような柔軟な対応が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇辻村住宅課長 委員御指摘ありましたけさの新聞記事は、私も読ませていただきました。同居人の退居の考え方でございますけれども、災害公営住宅に関しましては、東日本大震災津波に係る被災者の住宅再建を目的に建設された建物になっておりますので、基本的に、被災者ではない方が入居名義人になることはできないという縛りがかかっております。
こちらの制限につきましては、同居の方には適用されませんので、被災者ではない方も同居することは可能でございますけれども、今お話がありましたとおり、仮に名義人の方が亡くなった場合、同居されている方を新たに入居名義人とする必要が生じるため、原則として、その時点で入居資格を喪失することとなります。
入居名義人が亡くなった場合または何らかの事情で退居された場合、同居者による入居の承継でございますが、委員からもお話がありましたとおり、例外として夫婦間の承継は認めておりますが、親子間の承継は、一般の公営住宅でも認めていないところでございます。入居承継に係る承認は承認行為になるわけでございますけれども、長年にわたり同じ親族が居住し続け、入居者、非入居者の公平性を著しく損なうことが生じないよう国土交通省通知に基づいて運用を行っている状況でございます。
とはいえ、お話しいただきましたとおり、被災地における人口定着が大きな課題だということは重々認識しております。それに伴いまして、このような災害公営住宅の入居の承継についても、やはり大きな課題になってくるものと認識しております。
来年度以降、先ほども災害公営住宅の入居率のところで少し触れましたが、空き住戸の一般化の検討が必要と考えております。このことにより、被災者でない方の入居の問題が解決することとなりますので、そういったことも含め、質問のありました入居の承継につきましては、市町村等の意見も聞きながら運用を検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 被災地の状況に合った入居要件があっていいと。収入超過者も入居できるようになったわけでしょう。そして、今回、収入超過者の家賃軽減も岩手県は独自にやったわけですよ。それはなぜかというと、被災地に民間のアパートがないからなんですね。かなり含みのある答弁でしたから、そういう状況をぜひ前向きに検討していただきたい。
そこで、一般質問でも取り上げたけれども、収入超過者の家賃軽減は、私も一部評価するけれども、田野畑村や野田村は、家賃を上げないという措置をとりました。今のままと。私は、こういう選択もできたのだと思うのですね。収入の率に応じた家賃になっていますから、それを超過させる必要はないという選択肢もあったのではないかと改めてお聞きしたい。
もう一つは、国の特別家賃軽減世帯ですけれども、これは1月31日現在で4、492世帯のうち3、473世帯、77.3%の入居者が国の軽減対策の対象でした。この方々は、県や市町村の減免制度で基本的には対応できると県は答弁してきたので、しっかり徹底していただきたい。
山田町と岩泉町には独自の減免制度がないという新聞報道がありました。これは事実なのかどうか。それと、確実に県や市町村独自の減免制度に移行するように、これは申請主義で、申請しなかったら対象にならないということがないようにしっかり対応してほしいと思うけれども、いかがですか。
〇辻村住宅課長 まず1点目の収入超過者の家賃低減の手法についてでございます。田野畑村等では、家賃の減免という形ではなくて、現在の家賃をそのまま引き継ぐ手法を選択したということは聞いております。ただ、岩手県の沿岸地域は広いため、被災地も種々条件が違っていると考えております。例えば、田野畑村等では、民間賃貸住宅といったものがほぼないような状況にあると思っております。一方、私どもが県営住宅を抱えています市部におきましては、それなりに民間の賃貸住宅等も存在しているところでございます。
それらの状況を勘案して、被災者の方々にどういった支援ができるのか、また、既存の公営住宅制度とのバランス等を勘案しまして、県としましては、収入超過者に係る家賃は団地間でばらつきがございますので、そこを一番安いところにそろえるという形での減免制度を考えたところでございます。
2点目の国の減免規定がなくなった後の移行の関係でございます。まず、御指摘のありました市町村等に関しましても、類似の減免制度を有しているということは確認しておりましたので、そちらの整合性の関係については確認させていただきます。
また、移行の関係でございますけれども、現在、家賃の減免に関しましては、県営住宅の条例に基づいた運用をしております。こちらの制度は、申請に基づいて減免するという手法をとっているものですから、やはりこれは申請をいただくことが必要となってくるところでございますが、例えば、手続を失念したことで不利にならないように、入居者の方々には、私どもも、一度切りということではなく、何度かそういう御案内を差し上げて、対象になられる方が手続をとっていただくように取り組んでまいります。
〇斉藤信委員 次に、閉伊川筋藤原地区水門災害復旧工事について質問したいと思います。
水門工事の事業費は現段階でどうなっているか。工事の進捗状況、来年度の事業費はどうなっているでしょうか。
〇岩渕河川課総括課長 水門工事全体の事業費についてですが、水門土木工事や別途発注の水門機械設備工事及び用地補償費などを合わせ、約400億円を見込んでおります。
工事の進捗状況につきましては、現在、左岸側の水門工の基礎ぐいについて施工中でございまして、平成29年度末の工事の進捗率は約22%の見込みでございます。
来年度の水門土木工事の予算は約52億円を見込んでおります。
〇斉藤信委員 これは高田議員も2月28日の質疑で取り上げましたけれども、約70億円の当初事業費が変更請負契約で約300億円にとんでもなく拡大した工事でありました。今お聞きしたら、今年度末の進捗率は22%、事業費で見ると約37億円ですよ。だったら今見直したほうがいいですよ。まだ37億円しか使っていないのだから。黙っていれば、これは約400億円になるんですよ。
堤防強化の場合の当初の予定額は235億円でした。民間事業だったら、当初の事業費が4倍、5倍になるなんていうことは絶対にやりませんよ。そんな無駄なことは。80億円、100億円あったら笹ノ田トンネルだってできるではないですか。災害復旧だから、幾らかかっても一度決めたことはやるなどということは、まだ傷が浅いですから、進捗率22%、37億円しか使っていないのだから、私は、安価で安全な堤防の強化に根本的に事業計画を見直すべきだと思いますけれども、いかがですか。
〇岩渕河川課総括課長 当初、水門案と堤防かさ上げ案との比較についてですが、閉伊川河口部における津波対策は、平成23年度に水門案と堤防かさ上げ案を対象としまして、まちづくりへの影響や最大クラスの津波による影響、経済性等を総合的に検討しまして、宮古市の意向も伺った上で水門案を選択したものでございます。
引き続き工事を進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 当初比較した水門案の事業費は約167億円だったんですよ。それが、今の段階では約400億円になるんですよ。私はもっとふえると思います。実は、宮古市議会も堤防強化案だったんですよ。それをあなた方が水門に変えさせたのです。しかし、あなた方の論拠は今完全に崩れたのですよ。私は、こんなに莫大に事業費がふえているときに、見直しもしないで事業を続けるなんていう、本当にやってはならない官僚の手法というものは根本的に見直すべきだと、これは強く指摘しておきます。これは必ず検証されますよ。
県漁業協同組合連合会の大井会長は、あれは防災のためではなくて、災害をふやしていると言っていますよ。この間の大雨洪水でも何でも、あの工事は災害をふやしているんですよ。だから、本当によくみんなの声を聞いてやるべきだと思います。
最後、まとめて簡単に聞きます。住宅リフォーム助成事業の実施状況と実績、来年度の実施の予定はどうなっているか。
本年3月9日の大雨の際、都南浄化センターの下水が近隣の住宅地域であふれたということでしたけれども、被害の状況を含め、なぜそういう状況が生まれたのか、これまでもあったのか、今後の対策はどうなっているか示してください。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 今年度の住宅リフォーム事業の実施状況ですが、県で把握している市町村の住宅リフォーム助成制度につきましては、生活再建住宅支援事業や障がい者向けの住宅改修制度などのように、おおむね全ての市町村が実施している助成制度を除く数字になりますが、県内の33市町村のうち22市町村で実施されています。
平成29年度の住宅リフォーム助成制度の実績につきましては、平成29年8月末現在で、補助件数が661件、補助確定額が約5、100万円となっております。
これに伴う経済波及効果につきましては、リフォーム助成制度の対象工事費と捉えますと、平成29年8月末時点の額は約12億8、000万円(後刻「12億6、000万円」と訂正)となっております。
来年度の住宅リフォーム事業の実施予定でございますが、今年度実施した市町村につきましては、対象の重点化等、内容に変更がある自治体はございますが、基本的に事業を継続するものと聞いております。
〇矢内下水環境課総括課長 平成30年3月9日の大雨による都南浄化センター周辺のマンホール等からの溢水の被害状況、また原因、対策、過去に発生した同様の事案でございますけれども、まず、溢水の状況でございますが、県の管理している流域下水道のマンホール5カ所から溢水がございました。ただし、宅地等への浸水はございませんでした。
また、盛岡市の施設でございます公共下水道につきましては、民家14区画、民間事業所1区画の公設ますやマンホール等から溢水がございましたけれども、家屋等の床下浸水などの被害ははございませんでした。
次に、今回の溢水の原因でございますけれども、処理区域内に大雨が降りまして、何らかの原因で下水管に浸入した雨水が下流の都南浄化センターに流れ込み、計画の流量よりも多くなったために、下水管が満杯となって、付近で逆流してあふれたと考えております。
処理区域が広域なものですから、下水管に雨水がどういう形で浸入したのか今のところはっきりした原因はわかっておりませんけれども、現在、調査を継続しているところでございます。
次に、過去にこの地点で溢水した事案ですけれども、平成29年7月23日にやはり同じような被害があったところでございます。過去3年間では、この3月9日と昨年の7月23日の2回発生しております。
次に、今後の対策でございますけれども、下水管に雨水が浸入した原因は、通常ですと管の老朽化、家屋からの雨水と雨水の誤接続が考えられるのですけれども、それについては、市と連携して、その箇所を特定するために、今後検討を進めていきたいと考えております。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 大変申しわけございませんが答弁の訂正をさせていただきます。
先ほどの住宅リフォーム事業の今年度の実績のところで、経済波及効果につきまして、対象工事費約12億8、000万円と申しましたけれども、12億6、000万円の間違いでございます。訂正させていただきます。
あと、先ほどの岩泉町と山田町の家賃の減免制度の適用についてでございますけれども、基本的に県と同じような形で条例による制度が組まれていると理解しております。ただ、その減免は、事情がある方について行うというようなたてつけになっておりますので、そのあたりに運用の余地があると理解しております。県といたしましては、被災者の方を対象に減免制度を運用させていただいておりますけれども、現時点では市町村によって運用の考え方が異なってくる部分があると考えております。
〇高橋元委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時54分 休 憩
午後3時13分再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇千田美津子委員 まず最初に、交通安全施設整備事業について、平成29年度の事業実績と平成30年度の事業の見通しについてお聞きいたします。
〇白旗道路環境課総括課長 交通安全施設整備事業の平成29年度実績と平成30年度の見通しについてですが、県単独による交通安全施設整備事業と、国の防災・安全交付金を活用した道路環境改善事業により歩道の整備や交差点改良等を行っており、平成29年度は、事業費約27億円により47カ所で事業を実施しているところでございます。
また、平成30年度につきましては、事業費約23億円により53カ所で事業を行う予定としております。
〇千田美津子委員 平成29年度分を平成30年度に繰り越した分が2億5、000万円ほどあると思いますけれども、その事業の内容、どのようなことを主にやられるのかお聞きしたいと思います。
〇白旗道路環境課総括課長 平成29年度に国の経済対策がございまして、交通安全施設整備事業に伴うものが2億5、000万円含まれております。これにつきましては、先月、交付を受け、平成30年度に繰り越して実施することとしております。これを含めますと、平成29年度と同程度の事業進捗が図られるものと考えております。
〇千田美津子委員 次に、先ほども議論がありましたが、通学路における歩道整備のこの5年間の整備実績と今後の見通しについてお聞きいたします。
〇白旗道路環境課総括課長 通学路における歩道整備の実績と今後の見通しについてですが、平成27年度は事業費が14億5、700万円ほどで33カ所、完成は2.9キロメートル、平成28年度は14億600万円ほどで34カ所、2.7キロメートルの完成、平成29年度は13億6、300万円ほどで40カ所、1.8キロメートル、平成30年度は9億5、800万円ほどで39カ所、約1.6キロメートルの完成を見込んでいるところでございます。
〇千田美津子委員 通学路における歩道整備については、これまでも質問をずっと続けてきておりますけれども、今お答えいただいたように、平成27年度が33カ所、平成28年度が34カ所、平成29年度が40カ所、平成30年度が39カ所ということで、手がける箇所は少しずつ広がっていると思うのですが、完成した延長はどんどん短くなっている。平成27年度に2.9キロメートルだったのが、平成28年度は2.7キロメートル、平成29年度が1.8キロメートル、そして新年度が約1.6キロメートルということで、新年度は事業費も10億円を切るような状況になっています。
私は、この間、訴え続けてきたのが、少子化であるからこそ、子供たちの命を守る通学路の歩道整備は、復興事業は別ですけれども、他に優先しても整備すべきだと考えますが、なぜこのようにふえるどころか減少する状況にあるのか。職員、技師が足りないためなのか、それとも何かほかの原因があるのか、その点についてお聞きしたいと思います。
〇白旗道路環境課総括課長 歩道の整備完成延長が、年度で大体2キロメートルから3キロメートル、少ないときは1.5から1.6キロメートルということが現実ですけれども、実際には予算の関係もございます。年間大体14億円、13億円、10億円というような予算額で、十二、三億円ぐらいしか歩道には事業費を投入できないという現実もございます。あとは現地の歩道を設置する箇所については、子供が住んでいるということで、人家が続いているようなところに歩道をつけなければならないということもあり、そのような用地上の制約-用地を買収して、家屋を移転してということになりますと、やはり時間も、費用もかかるということも、計画がなかなか進まない、整備延長が延びないという原因にもなっていると思います。
児童生徒の安全を守るためには、歩道を全ての通学路に設置するということが理想ではございますけれども、なかなかそうも行かないのが現実でございますので、ソフト面も含めた対応を、警察、学校、市町村と連携して考えてまいりたいと考えております。
〇高橋元委員長 答弁は少し大きな声でお願いします。
〇千田美津子委員 予算の関係もあってそれほど事業費を投入できないというお答えでありました。歩道の整備を進めるに当たって、通学路の交通安全プログラムを市町村につくってもらって、それで優先的に進めてきたという答弁がこの間あったと思います。なぜそういう形態をとるようになったかというと、平成24年に全国で子供たちの通学路等での死傷事故が非常に多かったわけです。それに対して、国が、各小学校の通学路において、関係機関と連携して緊急の合同点検をして、必要な対策を協議して対応しようということで、全国に通知を出しながらやったわけです。
私は、どこの市町村もほぼそういうことで交通安全プログラムをつくっていると思います。それで、盛岡市の一例ですけれども、盛岡市のプログラムの中の山岸小学校の要対策箇所を関係者で緊急点検して、対応策のメニューを出しているのです。たまたまここの場合は盛岡市が3カ所で歩道を整備するという答えになっていました。これは、市がやることになっていますが、県道があれば県でやるとこれに載せてあるはずなのです。全県で、県が整備すべきとプログラムに載っている箇所について、何カ所、何キロメートルぐらいあるか把握されているでしょうか。
〇白旗道路環境課総括課長 平成29年度末で県が対応すべき対策の必要箇所数は186カ所になっております。このうち、対策済み箇所は156カ所、今後対策予定は30カ所ということになっております。(千田美津子委員「延長距離は」と呼ぶ)延長距離につきましては、この30カ所は、全て歩道を整備するものではなく、対策が必要な箇所ということで、例えばカーブミラーの設置とか、夜間でも道路の形がわかるような光る視線誘導標の設置といったものもありますので、何キロメートルということにはならないものでございます。
〇千田美津子委員 プログラムに載っていて整備すべきところがあと30カ所、それが全て歩道の設置ではないという答弁でありました。カーブミラーにしても何でも、まずは、この30カ所について早急に対応すべきだと私は思います。
それから、この間の質問の中で、県管理の歩道で整備すべき箇所は、総延長で1、100キロメートル、整備済みは834キロメートルと答弁がありましたので、残りが266キロメートルあるわけですから、これを単純に2キロメートルで割ると、130年ぐらいかかるわけで、それでは困りますよと。
私は、地域ごと、学校区ごとに危険箇所を皆さんで点検して、対策が必要だという部分はやはり早急に手だてするべきだと思うのです。最終的に1、100キロメートルが早く整備できればいいのですけれども、それはそれとしても、今、本当に子供たちの安全にかかわる場所については緊急に対応すべきではないかと思うのです。ですから、予算の関係でなかなか事業費を投入できないという答弁でしたけれども、子供たちの命を守る安全施設を優先して設置するために、整備が必要な歩道の延長が何キロメートルかというのをちゃんと把握しているのですから、どのぐらいの予算が必要かという試算をして、要望していくことが私は必要だと思うのですが、その点をお聞きします。
〇白旗道路環境課総括課長 通学路交通安全プログラムに位置づけられている歩道整備には、国の交通安全交付金のほうで重点パッケージというものがございまして、それに位置づけられれば財源的に有利になります。そういった意味で、警察や教育委員会と市町村、県を含めた道路管理者と合同で点検をして、その4者が、ここには歩道が必要だという合意に至って整備を進めていくということになれば、国の採択基準などもありますけれども、そのパッケージのほうに組み入れてやっていくようにすれば、整備のスピードは少しは速まると考えております。
〇千田美津子委員 そのパッケージに組み入れればということではなくて、ぜひ組み入れて、早急に整備をしていく、子供たちを守る、子供たちがどんどん減っている中で一人も犠牲にはしないという観点で、この対応を至急進めていく。そして、国からの有利な財源があるのであれば、なおのこと、それは優先的に進めていただきたいと思いますので、もう一度お聞きします。
〇白旗道路環境課総括課長 先ほど来答弁しているとおり、私どももやらないと言っているわけではございませんので、少しでも早く児童生徒が安全に通れるような通学路の確保に向けて頑張っていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 次に、浄化槽の設置整備事業について、平成29年度の事業の実施状況及び新年度の事業実施の見込みについてお聞きします。
あわせて、県内の汚水処理の状況と水洗化率についてもお聞きします。
〇矢内下水環境課総括課長 まず最初に、浄化槽整備事業の平成29年度の実施状況と平成30年度の見通しについてですが、平成29年度は32市町村において事業を実施しており、整備基数は1、426基で県補助額は1億9、500万円余となっております。また、平成30年度は32市町村において、整備基数1、826基で県補助額は2億5、800万円余を計上しているところでございます。
続きまして、県内の汚水処理の状況でございますけれども、県内の汚水処理人口普及率についてですが、これは、県の行政人口に対する汚水処理施設を利用できる人口の割合のことで、水洗化率については、汚水処理施設を利用できる人口のうち、汚水処理施設に実際に接続して利用している人口の割合となります。
汚水処理人口普及率は平成28年度末で79.8%となっており、水洗化率については87.1%となっております。
〇千田美津子委員 汚水処理の方法として、下水道、農集、漁集、浄化槽があるわけですけれども、今お答えのあった汚水処理人口普及率が平成28年度で79.8%ということでありました。これは全国の平均と比べると10%以上の差があると思います。これから人口をどうやってふやすかという中で、快適な状況をつくる上で汚水処理の普及を進めるということは非常に大事だと思うのですが、今後、岩手県の進める方向についてお聞きしたいと思います。
それから、水洗化率87.1%は間違いない数値でしょうか。
〇矢内下水環境課総括課長 まず最初に、水洗化率のお話でございますけれども、県では、今、汚水処理ビジョン2010を継続しておりまして、そのビジョンでは水洗化率と水洗化人口割合ということで、水洗化人口割合といいますと、行政人口が分母になっており、その分母に対して汚水処理施設に実際に接続して利用できる人口の割合で、これにつきましては平成28年度末で71.8%ということになっております。水洗化人口割合と水洗化率と、ちょっと似たような言葉があって申しわけないのですけれども、水洗化率は汚水処理施設を利用できる人口が分母になっており、水洗化人口割合は行政人口が分母になっております。分子のほうは、それぞれ実際に利用している人口ということで、それによりパーセンテージが算出されるということで御理解いただければと思います。
続きまして、今後の汚水処理の方向性でございますけれども、現在、汚水処理県構想である汚水処理ビジョン2010は来年度で最終年度となることから、今年度において新たに、2018年度からの汚水処理県構想いわて汚水処理ビジョン2017を策定したところであります。このビジョンでは、2025年度末の汚水処理人口普及率の目標を91%として計画を進めてまいります。
今後、いわて汚水処理ビジョン2017に掲げた整備目標を達成するために、下水道などの整備については、事業主体である各市町村と連携を図りながら計画的に取り組んでいきたいと思っております。
また、浄化槽の整備については、市町村とともに地域住民への理解が得られるよう普及啓発活動に取り組み、整備促進を図っていく所存でございます。
〇千田美津子委員 それでは、次に移ります。
最後の質問になりますけれども、水位計、簡易水位計-今は危機管理型水位計と言うようでありますけれども、この設置について、重複しないようにお聞きしたいと思います。
きょうの答弁でも明らかになったのが、県管理河川の通常の水位計はこれまで58河川、82カ所、新年度は小本川、久慈川など5カ所に設置すると。今後、11河川に設置するということのようでありますけれども、危機管理型水位計との兼ね合いもあって、この11河川に設置後は、例えば危機管理型でない本当の水位計にするとか、そういう検討はされていないのかどうかが一つです。
それから、危機管理型水位計については、全ての県管理河川をカバーできるように、約250河川、約300カ所に設置予定ということで、非常にすばらしいと思っています。これについては、昨年の9月議会の一般質問で、その当時、国が開発中でありましたけれども、安全を確保するという点で簡易型の水位計の導入を検討すべきだというお話をしましたが、早速、部長、担当の方々の頑張りで実現される見込みとなったことは大いに評価したいと思います。
それで、その管理の方法ですけれども、通常の仕組みよりは人的な対応がさまざま求められると思うのですけれども、それらについてはどのように把握されていますか、お聞きします。
〇岩渕河川課総括課長 危機管理型水位計についての御質問でございます。今の御質問の中で、従来型の水位計を設置したほかに、これから設置する危機管理型水位計についてどんな形で進められるかということでございますが、国、県、市町村で構成する洪水減災対策協議会におきまして、今、実際にどこの場所に設置しようかということについて、市町村のほうにも意向を確認しながら進めているところでございます。今後も引き続き、その設置状況を見ながら、さらに不足がないか、こういうところにも欲しいのではないかという意見も賜りながら、検討してまいりたいと考えております。
二つ目の、実際に危機管理型水位計を設置した際の管理についてでございますが、従来型の水位計はかなり頑丈なものを現場のほうに設置するわけですけれども、今回の危機管理型水位計というのは、今までのものに比べても大分コンパクトなものもございます。例えば橋梁に設置するものでありますと、A4版を半分に折ったぐらいの小さな機器でして、橋のわきのほうに受けのポケットをつくって、そこにセットすれば、それで対応できるというものになっております。
そういったことで、危機管理型水位計というのは毎日常にデータのやりとりができるかという、死活監視といいますけれども、そういったところの確認をするとともに、日常の河川パトロール等においても、機器等に異常がないかといった設置状況についてもあわせてパトロールしながら、適正管理に努めてまいりたいということで考えております。
〇千田美津子委員 最後になりますけれども、死活監視、パトロールをするということで、1基が100万円以下ですか、しかし、洪水のときには非常に大事なものだと思います。当面、これでそういう危機を乗り切る対応ができるのかと思うのですけれども、その管理については直接は誰がやることになるのか、その辺の運用について具体的に検討はされているのでしょうか。
〇岩渕河川課総括課長 この危機管理型水位計は、河川管理者である県が設置しますので、我々のほうで直接管理することになります。
ただ、実際の運用といった面におきましては、河川維持、修繕ということで、全面委託という形で業者のにパトロールや点検等も含めて委託しておりますので、両者でもって一体的に管理してまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員 私からも下水道の普及状況、向上に向けてということで通告しておりましたけれども、ただいま千田委員のほうから質疑がありましたので、かぶらないように何点かお聞きしたいと思います。
先ほど、矢内下水環境課総括課長から、下水道の接続率の向上を図るため、引き続き市町村職員を対象とした勉強会の開催や出前講座による普及啓発、各市町村の支援制度の情報共有などの取り組みを進めていくという答弁がございました。その中身について、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。
〇矢内下水環境課総括課長 普及啓発活動についてもう少し具体的にどういう取り組みかということでございますけれども、現在も小学生を対象とした出前講座を実施しておりますけれども、これをさらに拡充していくということで、小学生の皆さんに下水道の大切さをわかっていただくのが、今後の普及に対しては非常に効果があるのではないかと考えております。
また、市町村の職員への支援についても、県のほうで勉強会を開催しており、各市町村の職員のスキルアップ等にも努めているところでございますが、これも今後も継続しながら、それぞれの市町村のニーズを拾いながら進めていきたいと考えております。
〇樋下正信委員 盛岡市のある地域ですけれども、市境がすぐ滝沢市でありまして、ことし1月に、そこの地域の新年の会があってお邪魔したのですけれども、そのときに、その会に来ていた人たちの話で、家を新築したが下水道は滝沢市のほうにつないだという話を聞きました。私は、下水道はこの地域にはとうの昔に入っているものと認識しておりましたので、この公民館だって下水道は入っているでしょうと言いましたら、いや、合併浄化槽だいう話をされまして、いまだに入っていなかったということでございました。
30戸ぐらいの集落なのですけれども、隣の滝沢市は下水道が入っていて、盛岡市は入っていないと。今、総括課長からは、出前講座や各市町村の職員の方々とも勉強会などもしているというお話でしたけれども、今、話を聞いていて、本当に勉強会をやっているのかなと思ったわけです。いずれ、そういう話を地域の方から聞きまして、私も20年近く議員をやっていますけれども、こちらの地域にはとうの昔に入っていたと思っていたのが、入っていなかったということでがっくりしたのですけれども、先ほど千田委員からも話がありましたが、早く文化的な生活をさせてあげたいと思っておりました。ぜひ、御所見をお伺いしたいと思います。滝沢市は入っていて、盛岡市は入っていないというのは本当にびっくりしました。
〇矢内下水環境課総括課長 ただいま委員のほうからございました特に市町村境の件については、私ども県のほうは直接広域下水道を所管しているわけではございませんので、市町村境の汚水処理の接続等について、市町村にいろいろと御相談してみたいと思います。公共下水道は各市町村ですので、ここで、できる、できないの話はできませんが、料金の徴収ということにも絡んでくると思いますので、そこら辺も含めて、すぐ目の前に管が来ているということであれば、市町村境の扱いについては、対象となる市町村のほうにお話は持ちかけてみたいと考えております。
〇樋下正信委員 そのとおりだと思います。ただし、受益者にすれば、合併浄化槽だろうが、農業集落排水、都市下水でも、入れてもらえれば。何でもいいのですよ、ですから、さっき、勉強会などを市町村の方々ともやっているというお話でしたが、その辺は県が主導的な立場といいますか、両方の市の方々とすり合わせてをしていただく、現実に新しく家を建てた方はつないだということも地域の人たちは見ているわけですので、県が音頭をとっていただいて、ぜひ、滝沢市に負けないような盛岡市になってほしいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇飯澤匡委員 それでは、簡潔にやりますので、よろしくお願いします。
港湾利用促進について、今、快進撃で三陸沿岸道路が建設中でありますが、これはメリットは非常に大きいだろうと思います。今回、釜石港にガントリークレーンも整備されて、岩手県の港湾利活用、また物流環境も大きく変わろうとしています。集荷、そしてその地域にメリットがあるような施策を同時に打っていかないと、ただ物が北から南に流れるだけということになってしまいますので、この点もしっかり留意されてやる必要があると考えています。
そこで、質問の1番目は、港ではいわゆるCYカーゴといいますが、今、釜石港はほとんどがFCLのコンテナですが、FCL以外の小口混載貨物が県外の港へ流出するLCL貨物量はどれぐらいあるのか、これはしっかり分析すべきだろうと思いますので、まずこれをお尋ねして、あわせて流出割合はどれぐらいあるのかをお尋ねします。
まとめて聞きます。
本県は水産物、最近はちょっと不漁で地域経済も大変でありますけれども、これは競争力のある商品です。そういう水産物をリーファーコンテナで輸出するため集荷力を強化する必要があると私は考えますが、県土整備部ではどのように分析し、対応するかお知らせ願います。
〇照井港湾課総括課長 コンテナ貨物のうち小口混載貨物の県外流出についてですけれども、少しデータが古いのですが、平成25年に国が行った全国輸出入コンテナ貨物流動調査の結果を見ますと、小口混載貨物で県内発の輸出コンテナ貨物は1カ月当たり約600トンでございます。そして、輸入貨物が1カ月当たり約630トンでございまして、これらは全て県外の港湾を利用している状況になっております。
水産物の関係で、県内港湾における水産物のコンテナ輸出の状況ですけれども、平成26年に209TEUだったものが、平成29年には542TEUとなっており、約2.6倍に増加しております。
以前は、県内で水揚げされていた水産物が八戸港や仙台塩釜港から積み出されている状況がありましたけれども、最近は県内の港も利用されるようになってきております。また、県外で水揚げされた水産物が逆に岩手の港に運ばれて積み出されるというケースも出てきております。
このことは、県内港湾のコンテナ定期航路が拡充してきているということが要因として考えられますし、今後、三陸沿岸道路や復興道路の整備の進展に伴い港湾へのアクセスが改善すれば、さらにふえる可能性があると考えているところでございます。
そして、リーファーコンテナ用のコンセントですけれども、今、大船渡港に31口、釜石港に16口設置しております。口数の少ない釜石港には来年度増設する予定としております。港湾施設の充実の状況と、地元自治体がコンテナ利用の奨励金を出しておりますので、それらをPRしながら、取扱貨物量の増加に向けたポートセールスを展開していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 前者の質問の中でポートセールスという話が出ましたが、一歩、もっと進まなければだめだと思うわけです。
伏木富山港では、自分たちで県外港へどれだけの荷物が流出しているかということをしっかり分析して、それに合わせて補助制度を創設したという例も報告されていますし、また、リーファーコンテナについても、1TEU当たり2万円まで補助するというような有効な手段をつくっています。岩手県はまだまだ潜在能力はあると思っています。ただ、残念なのは、釜石港もヤードが少し狭いので、二次展開というのがなかなか大変だと思っていますので、その点は、どういう形であれ増強して、競争力ある港湾をつくっていただきたいと思います。
港湾についてもう一つですが、宮古-室蘭定期フェリー開設は非常に喜ばしい事柄でありますが、先ほどの質問にもありましたが、その答弁として、観光を軸にという嵯峨企画課長のお話でした。
ところが、私も物流業界の中で生活をしていまして、フェリー観光というのはほとんどといいますか、余り期待できるものではない。要は、商業者がほとんどでして、その中で往復便でどれだけペイできるかということがフェリー業界の一つの常識です。フェリーのメリットとすれば、トレーラーで運んできて、北海道の業者がそのままトレーラーに載せて宮古まで持ってきて、引っ張るトラクターは県内の業者で持っていくということで、労働時間の短縮にもなるし、フェリーでの移動時間は休息時間と今は認められるようになりましたから、それはそれでまた別な話ですが、いずれ、地元の物流業界にとってメリットがあるとすれば、まずそれが一つ。
ただ、これもあくまで通過型でありまして、やはり岩手県の荷物をどうやって集荷して宮古港から出していくかということも考えていかなければならない。
質問項目には入れていませんでしたけれども、さっき城内委員からあったフェリーターミナルについて、トラック協会からもオフィスのスペースをつくってくれという要請があったはずですが、その状況はどうなっているか、まずそれをお伺いします。
〇照井港湾課総括課長 昨年、トラック協会の宮古支部からフェリーターミナルの中に事務所を構えたいという御相談を承りました。それで、県で考えている事務所の使用料があるのですけれども、どうしてもそれがトラック協会で持っている予算となかなか合わなくて、本部とも相談をしてみて、その支援とかを受けられるのであれば入居してみたいけれども、なかなか難しいというような話で承っております。
〇飯澤匡委員 とりあえずはそういう形でありましょうけれども、いずれ、集荷力をどうするかというのは、県側も、商工労働観光部が中心となって何か荷物をつくらなければならないのです。北海道向けですからなかなか難しいでしょうけれども、これはトライをしてみて、せっかくフェリーが就航するわけですから、その点はよろしくお願いしたいと思います。
もう一つ、県内貨物集荷等の取り組みについてはどのように考えていますか。
〇照井港湾課総括課長 宮古-室蘭フェリーへ県内貨物の集荷を図っていくということは、県内の荷主企業にとっても物流コストの削減につながると考えております。
平成28年に国で調査を行っていまして、岩手県から北海道への貨物量が年間29万5、000トンありまして、逆に北海道から岩手への貨物量が88万9、000トン、合わせて118万トンぐらいの貨物が動いております。
今現在、他県港湾から発着しているフェリーもしくは鉄道を、何とか宮古-室蘭フェリーに転嫁してもらうということがまず第一ではないかと考えておりまして、今年度は、県内企業の北海道との取引状況等を把握するために、荷主企業と物流企業に対して、宮古-室蘭フェリー開設に向けた物流の動向アンケートを実施しております。
今後は、このアンケート調査において、フェリーの利用の可能性がありますとか、北海道との取引がありますと回答をいただいている企業がありますので、そういうところに、宮古-室蘭フェリーを使った場合の物流コストや、復興道路等が整備されることによって時間短縮が図られるということをPRしながら集荷につなげていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 この航路の最大のメリットは、宮古-仙台間の高速道路が無料ということです。恐らくこれは当分続くでしょうから、例えばアンケートをとる、ポートセールスをするにしても、要は八戸から仙台までの高速料金がただになるわけですから、その点も荷主に対してしっかりアピールするべきだと。どうも、岩手県民はまじめ過ぎて、そういうメリットを余り出さないところがあるので、そこはしっかりやっていただきたいと思います。
大きな質問の2番目ですが、国道343号の整備促進について。
1番目は渋民工区の進捗状況についてお伺いします。
2点目は、新笹ノ田トンネルの整備実現について。これは、各委員も関心を持っていただいて、実現を図っていただきたいというような話が出ております。復興祈念公園の話であったり、陸前高田市の今後の復興の鍵を握るというような観点は絶対に忘れてはならないと思うのです。横軸の整備については、震災が起きたときに、岩手県でも横軸をどの程度整備しますかという案が出たときに、国道343号については、多分、費用対効果は出ないのでないかという分析で、復興支援道路という形になったのだと思いますが、これからの交流人口を図るためには、絶対不可欠な路線だと私は思いますので、毎回同じ答弁でしょうけれども、もう一つ、何か変化をつけてお知らせ願いたい。どうぞよろしくお願いします。
〇田中道路建設課総括課長 まず、1点目の国道343号渋民工区については、一関市大東町大原から渋民間の急カーブとなっている区間の回避を図るため、平成27年度に延長5.5キロメートルのバイパス整備に着手しております。
これまでに、測量調査、道路や橋梁等の設計を進めているほか、西側約3.7キロメートル区間の用地測量を実施し、昨年11月、用地説明会を開催の上、現在、用地取得に係る個別の交渉を進めさせていただいているところであります。
また、東側約1.8キロメートル区間につきましては、昨年12月に開催した説明会において事業計画に合意をいただいたことから、現在、詳細設計等を進めているところであります。
平成30年度におきましては、西側区間について、用地取得を進めながら、橋梁や道路改良等の工事に着手する予定としております。それから、東側の区間につきましても、来年度の早い時期に工事説明会を開催の上、関係者の皆様に事業内容について御説明をさせていただきたいと考えております。
次に、新笹ノ田トンネルの件でございますが、国道343号は、内陸部から復興祈念公園へのアクセスルートとなるところでありまして、また、内陸と気仙地区を結び、沿岸地域の早期復興を支援する、安全・安心な暮らしを支え、広域的な観光などの振興にも資する重要な路線であると認識しております。
こうしたことから、復興支援道路に位置づけ重点的に整備を進めており、平成26年には大原バイパス、昨年12月には一ノ通工区が完成したほか、現在は、先ほど御答弁させていただきました渋民工区の整備に鋭意努めているところであります。
笹ノ田峠に新たなトンネルを整備することにつきましては、大規模なトンネルとなるということで多額の事業費を要することが見込まれますので、安定的な事業予算の確保が課題となります。したがって、慎重な判断が必要と考えております。
〇飯澤匡委員 私はめげないでやりますから。いずれ、実現のために9万筆の署名が集まっているわけですから。
それで、これだけは申し上げたい。一つは、陸前高田市をどうやって産業復興させていくのか、そしてまちをどういうふうに交流させていくのかという観点で、国道343号というのは非常にキーになる路線だということ、陸前高田市の方々にとっては非常に大事だと思っています。
そして、大船渡線についてもBRT化で、交通体系も近距離は便利かもしれませんけれども、体系的には国道343号を通らないとだめだということになっています。
もう一つ、ILCはことしの夏というのが一つの期限となっていますが、やはり先手を打ってビジョンの中に入れて-今までも、答弁の中にもありましたけれども、そこの中に入れて検討するという、もうちょっと前に進んだぐらいは答弁をいただきたいと。答弁要求ではないですけれども、やはり何につけても用意をするということは非常に大事なことだと思っています。
あわせて、大船渡市議会もきょうが最終日で議決があって、ILC関連で対策費1、000万円強の予算が計上されているときょうのNHKのニュースでありました。県南、沿岸を含めて、やはりその路線系統をしっかりつくっていかないとこれはだめだと思いますので、ぜひともそこの点を留意していただきたい。所感を求めたいと思います。これは部長にお聞きします。
〇中野県土整備部長 新笹ノ田トンネルの整備につきまして、いつも応援をいただいておりましてありがとうございます。
答弁としては繰り返しになりますが、安定的な事業予算、事業性、投資の効率性を確認するということが課題になってきます。我々事務方としては、まず、事業効果や投資の有効性の確認という作業を進めなければいけないわけでございますが、これに当たっては、ILCの進捗、特に中央キャンパスといった新しい拠点がどこに立地して、どのような交通需要が国道343号にかかってくるのか。これは、陸前高田市の津波復興祈念公園の将来のインバウンドもあるかもしれません。そういったものをしっかりと推測することによって、初めて精度の高い確認ができるということだと思いますので、そういうものをしっかり見据えてやってまいりたいと思っております。
事業予算の確保につきましては、我々だけでは何ともならないところもございますので、ぜひお力添えをいただきながら、お願いしたいと思います。事業予算の確保において我々ができることは、まず、今進んでいる事業の効果-ストック効果という言葉もよく使いますけれども-がどれだけあるか、どういう効果をもたらしているかということをしっかりと説明していくということが、回り回って予算の確保につながるのだと思いますので、そこはしっかり事業の見える化に取り組んでまいりたいと思ってございます。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで県土整備部関係の質疑を終わります。
県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
お諮りいたします。当委員会に付託されました議案36件についての意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において世話人会で御協議願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
この際、世話人会を開催するため暫時休憩いたします。
午後4時7分 休 憩
午後7時51分再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
当委員会に付託されました議案36件について、世話人会で協議した結果を御報告申し上げます。
議案第1号平成30年度岩手県一般会計予算については、次の意見、すなわち、多くのとうとい命と財産を奪った東日本大震災津波の発災から7年が、平成28年台風第10号災害から1年半が経過し、復興道路等の整備や地域の再生などの復興事業が着実に進む一方、今なお約8、000人の被災者が応急仮設住宅等での生活を余儀なくされている。このような状況を踏まえ、災害の記憶と教訓を風化させることなく、被災者一人一人の復興がなし遂げられるよう、引き続き市町村と緊密に連携し、一日も早い復旧、復興の実現に全力で取り組まれたい。
平成30年度は、いわて県民計画の最終年度であることから、計画や岩手県ふるさと振興総合戦略に盛り込まれた人口減少対策、県民所得水準の向上、地域医療の確保、人手不足を踏まえた雇用環境の改善及び人材育成等、本県が直面する喫緊の課題の克服に県の総力を結集して取り組まれたい。
特に、雇用、男女共同参画及び子育て支援の分野や、観光及びスポーツ振興の分野など、重点施策の推進に当たっては、部局間の連携に意を用いられたい。
国際リニアコライダーの建設の実現やラグビーワールドカップ2019釜石開催の成功、世界遺産登録の実現は、震災からの復興と再生や世界に開かれた岩手の象徴となるものであり、その達成に万全を期すとともに、広域的、総合的な防災復興行事の開催準備に当たっては、地元市町村と連携しながらオール岩手の体制で進められたい。
また、復興五輪を理念に掲げる東京2020オリンピック、パラリンピック競技大会に向けて、市町村や関係団体と連携した取り組みをあわせて推進されたい。
次期総合計画については、復興とその先を見据え、県民一人一人を初めとした多様な主体が岩手の未来のあるべき姿を実現するとともに、復興に係る計画についても広く県民の理解が得られる計画として策定されたい。
一方で、本県の財政状況は、中期財政見通しでは公債費が大幅に低減するものの、社会保障関係費の増加や財源対策基金残高の減少により、引き続き厳しい局面が続くものと見込まれる。今後の財政運営に当たっては、あらゆる手法により歳入を確保し、より効果の高い施策、事業への一層の選択と集中を進めるなど歳出を徹底して見直し、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努められたい。
あわせて、国に対し、復旧、復興財源の確保のほか、地方一般財源総額の確保、適正な地方財政計画の策定等について、継続して要請されたい。
また、平成30年度当初予算の執行に当たっては、より大きな効果が発現されるよう早期執行に努め、あわせて適正な事務処理の執行に留意されたい旨の意見を付し、原案を可とすることとし、また、そのほかの議案につきましては、それぞれ原案を可とすることとした次第であります。
これより、討論を省略し、採決を行います。
まず、議案第1号について採決いたします。
本案は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇高橋元委員長 起立全員であります。よって、議案第1号は、先ほど読み上げました意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。
次に、議案第2号から議案第20号まで、議案第28号から議案第31号まで、議案第35号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第49号、議案第51号から議案第53号まで、議案第55号及び議案第56号の以上35件について、一括して採決いたします。
各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇高橋元委員長 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第20号まで、議案第28号から議案第31号まで、議案第35号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第49号、議案第51号から議案第53号まで、議案第55号及び議案第56号は、原案を可とすることに決定いたしました。
以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対しまして深く感謝を申し上げます。
これをもって予算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
午後7時58分 閉 会

前へ 次へ