平成30年2月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇4番(ハクセル美穂子君) いわて県民クラブのハクセル美穂子です。
今定例会において3度目の一般質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様、そして、県政運営に対し真摯なまなざしを向けてくださる県民の皆様に対しまして、深く感謝を申し上げます。
通告に従い順次質問をしてまいります。明快な御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。
初めに、農業振興についてお伺いいたします。
農林水産省が12月に公表した平成28年農業総産出額及び生産農業所得によると、岩手県の農業産出額は2、609億円で全国11位でした。お隣の青森県は、リンゴを中心とした農業を展開して全国7位となっています。
岩手県の平成26年の県内産出額は9兆円ですが、そのうち2兆円が工業の産出額であります。それに対して、農林水産業の産出額は合わせて約3、000億円程度であり、工業に比べますとわずか6分の1の額です。
県南を中心に工業が着実な伸びを示しており、地域経済に好影響を及ぼしている状況に比べて、県北・沿岸などそのほかの地域においては、地理的にも条件が厳しく工業振興が難しいことは、御承知のとおりです。
工業振興の恩恵が乏しい地域の経済を活性化させるためには、農林水産業のさらなる振興が必要不可欠と考えます。
岩手県内の均衡な発展を考えた場合、今伸び盛りのものづくり産業に負けない力強い農業振興策が必要と考えます。これからの農業振興をどうお考えか、知事にお伺いいたします。
力強い農業振興を考えた場合、農業後継者の確保も大きな課題として私たちの行く手に立ちはだかっています。
全国的に地方の人口減少が進む中で、秋田県の大潟村のように、農業後継者の確保ができている地域もあります。以前の一般質問でも取り上げましたが、大潟村の農家の子供は、東京の大学を卒業しても、村に戻って家業の農業を継いでいます。その理由は至極当然です。親世代と子世代、2世代が必要とする十分な農業所得を確保できているからです。
その農業所得額は1、400万円で、これが農業後継者を確保できる規模の目安と私たちも考えるべきではないでしょうか。たとえ現段階では、多くの岩手県の農家がこの所得のレベルに達していないとしても、将来的には大潟村と同じ規模の農家を岩手県内にふやしていくことを目標とし、具体的な施策に取り組むことは、我々が抱える農業後継者問題を解決する一歩となることは明らかです。
さて、現在、岩手県は販売額3、000万円以上の経営体を育てようとしていますが、今現在、県が取り組んでいる農業振興策を進めることで、こういった持続可能な農家の割合をどの程度上げていけると考えているのか、県の農業経営者育成目標も踏まえてお伺いいたします。
この後の質問は質問席でいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〔4番ハクセル美穂子君質問席に移動〕
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) ハクセル美穂子議員の御質問にお答え申し上げます。
本県の農業振興策についてでありますが、本県の農業は、食品産業、流通業等の他産業への波及が大きい、裾野の広い産業であり、地域経済を支える基幹産業の一つとして、持続的な発展を図っていくことが重要であります。
このため県では、いわて県民計画第3期アクションプランに基づき、地域農業の核となる経営体の育成や生産性、市場性の高い産地づくり、高付加価値化などに取り組んできており、その結果、平成28年の農業産出額は、畜産の販売額の増加などにより、目標を189億円上回る2、609億円となっています。
今後、産出額をさらに増加させるためには、金色の風、銀河のしずく、冬恋を初めとする県オリジナル農産物のブランド確立や、需要拡大が見込まれる加工、業務用野菜の生産体制の強化などが必要と考えております。
このため、水田等への高収益野菜の作付拡大により、新たな野菜販売額1億円産地の形成を目指す、いわて型野菜トップモデル産地創造事業などを当初予算案に盛り込んだところでありまして、こうした施策を関係機関、団体が一体となって推進し、農業者が意欲と希望を持てる農業の実現に取り組んでまいります。
その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔農林水産部長紺野由夫君登壇〕
〇農林水産部長(紺野由夫君) 持続可能な農業経営者の育成についてでありますが、農業が、地域経済を支え、持続的に発展していくためには、意欲と能力のある経営者の育成が重要であります。
このため、県では、販売額3、000万円以上または農業所得1、000万円以上を確保する経営体をリーディング経営体と位置づけ、平成26年度から、単年度当たり15経営体の育成を目標に設定し、いわてアグリフロンティアスクールによる経営感覚、企業家マインドを持った農業者の育成や、農地中間管理事業による農地の集積、集約化、いわてリーディング経営体育成支援事業などによる機械、施設の整備などに取り組んできたところであり、その結果、平成28年度までの3年間で、目標とする45経営体の約8割に当たる34経営体を育成することができたところであります。
さらに、本年4月1日には、農業団体と連携して、新たに農業経営相談センターを開設し、経営の規模拡大や法人化に向け、より一層きめ細やかな支援を行うこととしており、こうした取り組みにより、本県農業を牽引し、地域経済を支える農業経営者を育成してまいります。
〇4番(ハクセル美穂子君) 岩手県の農業産出額というのは、実は平成元年以降、一番低かったのが平成22年になります。そのとき2、287億円まで下がっていました。それから、平成28年の2、609億円まで400億円超ふやしてきているということは、私も認識しておりまして、震災復興などもあった中で、着実に伸ばすための努力をしていただいて、その成果が出てきていると思ってはおります。
しかし、今東北で一番なのが青森県なのですけれども、青森県は、岩手県より7年ぐらい前から、もう一回頑張るぞということで、ボトムが大体2、400億円で、そこから13年間かけて、今、平成元年ぐらいの水準まで戻してきていると。
我々岩手県も、これからあと5年はまず必死に頑張ること、これがすごく必要だと考えておりまして、あと5年たったらば必ず─必ずというのもどうなのかと思うのですが、平成元年程度の水準に戻していくのだと、数値目標をきちんと設定して頑張っていく必要があるのではないかと思っています。
次の総合計画の中でそういった数値目標をしっかりと設定した上で取り組んでいくというようなお考えがあるのかどうか、その点について知事にお伺いいたしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) そこは、これからの総合計画審議会を中心とする議論にもよるのだと思いますけれども、金色の風、銀河のしずく、冬恋のような売れる作物にどんどん力を入れていくと。そこで幾らで売れるかとか、そこでコストが幾らかかるかというようなことを積み上げていっても、なかなか10年とかというスパンでの農家所得あるいは収入額を定めていくのは難しいのかなという感じが、個人的には今しております。
〇4番(ハクセル美穂子君) 難しいのかなというお答えを今いただいたのですけれども、私が先ほど説明した隣の秋田県の大潟村の例もありますが、全国的にも1、400万円の農業所得があれば、農業後継者も戻ってくるし、大潟村に関しましては、増田レポートの中でも緑色で、秋田県で唯一消滅しない自治体だと設定されていると。それはなぜかというと、その所得ということだと私は思っていますので、やはり、それは私たちも、岩手県としても目指すべき目標値と考えていいのではないか。
やっぱり具体的な数値があって、それに対して、私たち県も取り組んでいるのだよということをあらわしていただけると、農家の方も、じゃ、その数値を目指して自分が何をするべきなのか、どういうふうに農業経営をしていくべきなのかというような目標も立てやすいのではないかと思います。
いつも評価目標のときに私もちょっとお話をしますが、ちょっとずつ上げていくのもいいけれども、例えば5年後、6年後、7年後に絶対この目標に到達するのだというしっかりとした明確な目標を掲げてもらうというのも、また力になる部分だと思います。その点について、もう一回知事にお聞きしてもよろしいですか。お願いします。
〇知事(達増拓也君) 大潟村の場合は、国を挙げた大規模干拓で、とにかく米をつくるのだという、日本で数少ない成功事例であり、青森県の場合はリンゴという、これも米や野菜など不利な条件の中で、これはみんなリンゴだけつくろうというようなことでリンゴ生産に集中させることができたというようなことから、結果として収入、所得が伸びているということだと思います。
岩手は、ある条件の中で、お米についても全国有数のお米がとれますし、リンゴも全国有数のものがとれ、畜産もそうでありますし、また、野菜についても全国有数、定評があるものがとれる。花卉に挑戦している方々もいらっしゃいます。
そういう地域に合う作物を、その地域の人たちが、みんなで話し合いながら、そして、その中で自己実現しながら生産をしていく。そういう中で、他県にあるような大規模化、集約化のようなことになってはいないのですけれども、やはりその地域や人々の営みに応じた農業政策というものがあるのではないかと考えておりまして、そういったことをうまく計画の中に定めていければと考えております。
〇4番(ハクセル美穂子君) 岩手県というのは、いろいろな品目があって、青森県のようにリンゴとか、そういうふうに設定してはなかなかできない部分ではあるのですけれども、そのために私は、農業所得の部分を目玉にして、どの分野であっても1、000万円とか1、400万円を目指せるような形で具体的な支援をしていくことが重要だと考えております。
ぜひ、これからも、次の計画の中でも具体的な農業者の元気が出るような支援策を打ち出して、県としても農業振興を強力にバックアップしていただきたいと思います。これは要望として、次の質問に移りたいと思います。
農業後継者の確保とともに、非農家出身の方にどれだけ農業の世界に入ってもらうのかということもあわせて重要だと考えています。非農家出身の方が農業に携わる近道は、農業法人で就職すること、いわゆる雇用就農です。こういった雇用就農者の受け皿の育成にも私たちは取り組まねばなりません。
去年、私は秋田県大仙市にある株式会社ライスボールという会社を訪ねました。この会社は、私と同年代の若手の社長の鈴木さん、この方が7人の若い社員を率いて、あきたこまちを生産、販売している会社です。
社長の鈴木さんは大仙市の御出身なのですけれども、今、稲作の生産総括をしている方は神奈川県出身の非農家の方でした。それから、私がお邪魔したときには、2年前に高校を卒業して入社したという、それまで全く米づくりをやったことのない若手社員が、2年間そこで働いて、そのときは精米作業をしていたのですけれども、今では主力社員となって、ほとんど全ての作業を任せることができるように成長しているというようなお話も聞きました。
株式会社ライスボールの経営規模は80ヘクタールで、先ほど大潟村のお話を知事もされましたけれども、大潟村のように大規模な圃場ではなくて、30アールとか、小さいものでは10アールの田んぼもお借りして、何百枚と作付されていました。大規模な圃場で大規模に経営というわけではなくて、年をとって作付ができなくなった農家の方から集積されてきた田んぼを請け負って、経営規模を徐々にふやしていって今に至るということです。いろいろと圃場が飛び飛びに分布している状況は岩手の現状とも似通っていて、こういう同じようなところで勝負をされていることに感銘を受けました。
株式会社ライスボールでは、ICTを駆使して生産管理の効率化を図っていました。事務所には大きいモニターを置いて、大仙市の地図データが見られるようになっていました。また、管理されている圃場を一つ一つパソコンで一元管理をしていらっしゃって、いつ、どれぐらいの施肥をしたのかとか、薬をまいたのかなど、圃場管理データが積算されて、これがスマートフォンで社員と共有できるようなシステムも活用されていました。
若手社員の方に管理作業を指示する場合にも、スマートフォンで、この田んぼに行きなさいよとナビをさせて、初めての人でも、余りなれていない人でも、間違いなくその圃場に行くことができるというような使い方をしていました。
それまで、私もスマート農業と言われてもなかなかぴんと来ないところもあったのですけれども、その現場を見たときに、こういうふうに使っていくのだと腑に落ちたことを今も忘れません。
岩手県においても、こういったスマート農業をこれから推進していくことになるのでしょうけれども、先進的な取り組みをしたいと考えている農業者に対して、スマート農業機器の導入に関する各種支援制度や、それから、県がこれまで農業改良普及センターでも積み重ねてきたさまざまな栽培データとか気象データがあると思うのですが、こういったデータを農業者に対して積極的に提供する必要があると考えます。これについて県ではどのように応えていこうとしているのか、その点についてお伺いいたします。
〇農林水産部長(紺野由夫君) 農業者への情報提供のあり方についてでございますが、農業が、若者や女性にも魅力的で雇用も担える産業として持続的に発展していくためには、意欲と能力のある農業者に生産技術や経営に関する有益な情報を適時、適切に提供していくことが重要であります。
このため県では、農作物技術情報サイトや農業振興施策情報サイトなどを通じて、農業者に対しまして、生育状況に応じた栽培管理技術やスマート農業機械の導入を含む各種補助制度等の情報を提供しておりますほか、農業改良普及センターや農業青年組織等が、SNS等を活用いたしまして、経営力強化に向けた各種研修会などの周知や情報共有に取り組んでいるところであります。
また、農業者が、必要とする情報を迅速かつ容易に入手することで経営発展の取り組みにつながりますよう、栽培技術や気象データ、農業施策などの情報を一元的に管理、提供できる農業情報ポータルサイトをこの3月に新たに開設することとしております。
さらに、今後は、普及活動の現場におきまして、タブレット端末などを活用いたしまして、農業普及員が農業者に対して有益なデータを直接提供するなど、迅速かつきめ細かな情報発信に努めてまいります。
〇4番(ハクセル美穂子君) わかりました。県がこれまで蓄積されてきたデータというのは、本当に農業者の方にとっても、そして県にとっても貴重な財産だと思っています。
この間、若手の方にお話を聞く機会があったのですけれども、そういったデータがどこにあるのか。県としては出している、提示しているということなのですが、使いやすいような形で出すべきではないかと考えています。パソコンのサイトのものをスマートフォンで見るとなかなか見づらかったりとかしますので、農家の皆さんは、スマートフォンを持ちながらさまざまな作業をされている方もいますし、その場その場で情報が欲しいなというときに、スマートフォンでもしっかりとさまざまな県のデータがとれるような、そういった体制をこれからさらにつくっていっていただきたいと思いますので、その点もお願いして、次の質問に移りたいと思います。
岩手県の農業産出額2、609億円のうち6割の1、578億円を畜産部門が担っています。その中でも酪農は、初期設備投資に多額の費用を必要とするため、新規参入の条件が厳しい分野でございます。
県内を見ますと、飼養頭数1、000頭、年間生乳生産量1万トンを超えるメガファームができている地域もあれば、私の地元の雫石町のように、中小規模、家族経営で酪農に取り組んでいる地域もあります。
新規参入者の確保が難しい分野であるがゆえに、現在、酪農を営む農家が後継者を確保できる経営規模に拡大するように、さらに支援していくことが重要だと考えます。
ことしの4月から生乳流通に関する新たな制度が開始され、また、EUとのEPA、TPP11などの国際貿易交渉による影響も懸念される中で、岩手県は、今後どのように酪農振興に取り組もうとお考えかお伺いいたします。
〇農林水産部長(紺野由夫君) 酪農振興についてでありますが、本県の酪農は、飼養頭数や産出額において全国トップクラスであるものの、経営規模が小さく、生産コストが高いことから、一層の経営体質の強化に向けまして、規模拡大と生産性の向上が必要でございます。
また、酪農後継者の状況は、2015年の農林業センサスの調査結果を見ますと、飼養規模が大きくなるほど後継者のいる農家の割合が高い傾向にありますことから、後継者確保の観点からも規模拡大が重要と考えております。
このため、規模拡大を志向する生産者の牛舎等の整備に加え、本県の強みである豊富な自給飼料の積極的な利用や飼料の収穫、供給を行うコントラクターやTMRセンターなどの育成、強化を進めております。
また、生産性を高めていくため、乳牛の能力を最大限に発揮させるための牛群検定の活用などのほか、新たに性判別精液等を活用した効率的な乳牛の後継牛確保のモデル実証を進めていくこととしております。
県におきましては、今後におきましても、生産者や次世代を担う後継者が、意欲と希望を持って酪農経営を行っていくことができるよう、規模拡大の取り組み支援など、酪農経営の体質強化に取り組んでまいります。
〇4番(ハクセル美穂子君) 生乳生産は肉用牛とかに比べるとなかなか大きくトピックとして出されないのですけれども、実は、肉用牛、豚に続く5番目で、結構主要な品目だということ、部長がお話ししたとおりだと思います。産出額も豚と大体同じということで、重要な分野だということも認識しています。
それから、最近一番懸念されているのは、草地の耕作放棄地が拡大しているということです。水田の耕作放棄地に関しては話題にも上るんですけれども、実は牧草地などの山手にある草地の耕作放棄地も拡大しています。そこを活用するためには、やはり酪農の振興が重要なところですので、県土の保全の観点からもしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
それから、最近、私の地元の酪農の若手グループにも、県の支援をいただいたりしながら、研究グループをつくって、いろいろな国の事業などにチャレンジするというような動きも出てきています。酪農に関しては6次産業化の成功事例も多い分野でございますので、これからも、ぜひ、これまで以上に力を入れて経営規模の拡大などにも積極的に取り組んでいただきたいと思っております。その点をお願いして、また次の質問に移ります。
次に、野生鳥獣対策についてお伺いしたいと思います。
関係者の努力のかいもありまして、野生鳥獣被害は減少傾向にありますが、しかし、新たな脅威も出現してきております。鳥類やハクビシンによる被害額は減少していますが、反面、ニホンジカ、ツキノワグマ、イノシシによる被害が増加しています。
特にイノシシの被害は、平成27年度の被害額173万円から、平成28年度は604万円と大幅に増加して、その生息域も県北に向かって拡大傾向にあります。
私の町にもとうとうイノシシが出没して、被害も拡大してきました。イノシシは、米とか、それから牧草にも被害が及ぶということで、広大な農地をどのように被害から守るべきなのか、十分な支援があるのかどうか、農家の皆さんは非常に心配をしています。
そこで御質問をいたします。県は、拡大してきている野生鳥獣被害を防ぐために今後どのような取り組みを進めていくのか、その点についてお伺いいたします。
〇農林水産部長(紺野由夫君) 野生鳥獣対策についてでありますが、野生鳥獣による農作物の被害を防止するためには、ニホンジカやイノシシなどの個体数を適正に管理するとともに、野生鳥獣から集落や農作物を守り、寄せつけない対策が必要でございます。
このため県では、市町村で作成しております鳥獣被害防止計画に基づき、猟銃、箱わなによる有害捕獲や、本県で開発した積雪に強い恒久電気柵の普及等に取り組んでおります。
また、研修会等を通じて、野生鳥獣を人里に寄せつけない対策や効果的な捕獲活動の普及に取り組んできた結果、昨年度の盛岡市猪去自治会に続きまして、遠野市ニホンジカ捕獲応援隊が、本年度の国の鳥獣被害対策優良活動表彰を受賞するなど、県内各地で猟友会と住民が一体となって行う被害防止活動が広がってきております。
さらに、有害鳥獣の緊急捕獲などを担う鳥獣被害防止対策実施隊の設置を市町村に働きかけ、これまでに設置を予定している32市町村中、31市町村で設置されておりまして、残る1町も、この4月1日に設置することとしております。
こうした取り組みによって、野生鳥獣による農作物被害額は平成25年度以降減少傾向にありまして、今後におきましても、必要な予算を確保し、市町村や関係機関等と連携しながら、鳥獣被害防止対策の充実強化に取り組んでまいります。
〇4番(ハクセル美穂子君) わかりました。野生鳥獣害対策ということで、守るほうの予算について、なかなか必要な分を確保されてないのかというような感触が私は去年はしておりました。町のほうでも、予算に限りがあるので、ある分だけでということで、必要としている農家の方皆さん全員に行き渡ることができなかった現状も見ておりますので、これについては、予算確保についてもぜひ頑張っていただきたいと思っております。
農業振興はいろいろな部分があり、6次産業化とかいろいろなことも話はされているのですけれども、基幹となる農業生産をしっかりと支援して、農業産出額がぐっと上がっていくように、これからも着実な農業振興をしていただきたいと思います。そのことをお願いいたしまして、次の分野の質問に移りたいと思います。
次に、観光振興についてお伺いいたします。
爆買いといったモノ消費から、体験などにお金を費やすコト消費へと外国人観光のあり方が大きくシフトし始めています。
訪日外国人旅行者の旅行消費額を平成32年度までに年8兆円とするという政府目標の達成に向けて、昨年10月に観光庁は訪日旅行における体験型観光の活性化に乗り出す方針を固め、来年度から訪日客向け体験型観光についてのマーケティングや推進マニュアルの策定、情報通信技術を活用したコンテンツなどの先進事例を水平展開するといった政策を実施することとしたという発表がありました。この変化は、むしろ東北にとってはプラスになると私は考えておりますが、コト消費を有機的に進めるために県はどのような戦略を考えているのか、そのことについてお伺いいたします。
〇商工労働観光部長(菊池哲君) 観光振興を図るためには、観光客数の増加のみならず、観光消費を拡大させることが重要であると認識しております。特に、外国人観光客については、県が昨年3月に策定した国際戦略ビジョンにおいて、サイクリング、スキー、トレッキングなどの体験型コンテンツの発掘や磨き上げを促進することにより、いわゆるコト消費の拡大を目指しているところであります。
このため、平成28年度に国や北東北3県などで策定した十和田・八幡平国立公園ステップアッププログラム2020に基づき、関係部局とも連携して、トレッキングを初めとした体験型コンテンツの整備や人材育成を支援してきているほか、まちの景観や文化に触れるまち歩きなどのさまざまな体験メニューの拡充に市町村等と連携して取り組んでいるところであります。
さらに、さまざまな体験コンテンツを組み合わせた旅行プランの旅行会社への売り込みなどにより、より広く、より長い周遊、滞在型の観光を促進し、コト消費を初めとする観光消費の拡大につなげていく考えであります。
〇4番(ハクセル美穂子君) コト消費というのは、地域の文化を観光コンテンツの一つとして変化させることを可能にするものだと思っています。
東北の文化というのは、日本史のバックグラウンドがない外国人にとっては未知の分野であって、観光コンテンツとして変化させるためにはきめ細かい配慮が必要であると考えます。
私はかねてから、文化とスポーツの振興は、観光が組み合わされてこそダイナミックな地域振興が展開されると考えております。そして、このコト消費の観光振興の促進ということを考えても、文化、スポーツと観光を一緒にした部を発足すべきだったと今でも思っています。今さらの感ではあるのですけれども、文化スポーツ部が4月に発足して、もうすぐ1年となります。
今後、コト消費、いわゆる体験型観光を進めるに当たって、文化スポーツ部はどのような役割を果たすとお考えか、また、どのように活発な部局間連携を図っていこうとお考えかお伺いいたします。
〇文化スポーツ部長(上田幹也君) 体験型観光に関する文化スポーツ部の役割についてでありますが、文化、スポーツは幅広い分野へ効果を及ぼす多面的な価値を持っておりまして、観光産業の振興など経済的な力を生み出す大きな可能性を有しております。
本県は、二つの世界遺産を初め、古くから伝わる伝統芸能などの文化的資源や、スポーツに適した自然環境、高規格なスポーツ施設などの多様なスポーツ資源にも恵まれております。文化スポーツ部は、これらを磨き上げ、その価値を共有することにより、観光産業の振興につなげる役割を担っていると承知しております。
したがいまして、当部職員を観光課への、また、観光課職員を当部への兼務発令を行うとともに、新たに知事を本部長として各部局長等を構成員とする文化・スポーツ事業推進本部を設置いたしまして、部局横断的な推進体制を整備したところであります。今後とも、商工労働観光部などの関係部局としっかりと連携し、文化、スポーツの持つ力を観光産業の振興につなげるよう取り組んでまいります。
〇4番(ハクセル美穂子君) この文化スポーツ部は、知事の強い意思で発足したわけですけれども、文化スポーツ部と商工労働観光部の横連携について、知事はどのようにお考えなのか。最初にお考えで発足してから、今まで1年間ぐらいこの部をやってきて、どういった感想をお持ちなのかというところをお聞きしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 文化スポーツ部のほうで、文化、スポーツそれぞれについて、県内の資源の価値を高めるということ、それぞれ文化芸術に携わる人、スポーツだったらアスリートの育成というものも含めて、そこで高まった価値というものを生かしながら、観光については部局横断的に観光振興の計画を立てる中で、文化、スポーツを生かしていこうという連携ができているのではないかと思っております。
〇4番(ハクセル美穂子君) 文化の価値というのは、教育委員会が所管していたときも、それなりにわかる方が見ればわかるということですが、今言われている文化の価値というのは、岩手県に来た方にわかりやすく、そして、その方たちにとってのコト消費に変わるような発信の仕方とか、そういったところを研究していってこそ、その文化のさらなる価値というか、新しい価値が生まれているのではないかと私は思っています。
それで、部長から、経済的な価値を生む大きな可能性を持っているというような御答弁がありましたが、経済的な価値を生むためには、文化とスポーツだけではなかなか生めないと私は思うのです。来た方が観光産業のところで物を買ったり、宿泊をしたりといったこととコラボレーションというか、そういったことをするからこそ、文化、スポーツで経済的な価値をこの地域に生むことができるのではないかと。その部分で、観光はやはり文化、スポーツと一緒になってやっていかなくてはいけないのではないかと、今、御答弁を聞いて改めて思ったのですけれども、その点について、今後、コト消費の部分も含めて、どういうふうに展開をしようかというお考えが知事の中にあるのか、もう一回だけお聞きしてよろしいですか。
〇知事(達増拓也君) 文化について言えば、平泉の文化遺産や、最近力を入れているのは、るんびにい美術館などのアール・ブリュット、それから、県民会館をベースにやっている県の芸術祭についても、県民参加の機会も設けて、その機会を広げるようにしているのですけれども、基本的に文化の価値をどう多くの人に見てもらえるかというような取り組みと、そして観光課を司令塔にしながらの部局横断的な観光計画づくりと実践との間でうまくバランスがとれているのかと思います。
オリンピック憲章を最近読んで、オリンピックのスポーツとしての質を高める部分というのが、商業面の活用みたいなところとは独立した形で価値の追求を責任を持ってやるということで、トップのもとに文化やスポーツが置かれていて、そこと経済の論理を優先させる部署とが連携しながらやるというのがバランスがとれているのかと感じております。
〇4番(ハクセル美穂子君) 文化とスポーツは、観光と経済的なものとは別に考えて連携できる部分は連携するというのが岩手県の今の考え方と捉えていいのかと思いながら、今お聞きしていましたけれども、コト消費は観光のところなのです。
私がいろいろ本を読んでいてとても感じるのは、縄文に関しましても、私の地域の文化に関しましても、外国人にとっては非常に新鮮なわけです。京都とか東京のような中央集権のところの文化ではないものがここでは見られると。そういったことをしっかりと発信するためには、観光のまなざしというものも非常に重要で、そういったところをしっかりとコラボレーションするためには、やはり一緒の部のほうがいいのかと。兼務発令だと、半分半分になってしまうのではないかというところもありますので、これは、今後の研究課題としてぜひやっていただきたいと思いますので、その点はお願いして、次に行きたいと思います。
先日、知事も御出席された県主催の意見交換会に私も出席しまして、その中で、私の地元の旅館経営者の方の意見をお聞きして、それが非常に心に残りました。これまでは着地型観光とか地産地消ということで、実は県内にはさまざまなコンテンツは生まれている、コンテンツは十分なぐらいあるのだとその方はおっしゃっていました。ただ、今、十分ではないのは、コンテンツとコンテンツをつなぐツールがないのだということをお話ししていました。今、FITと言われる個人旅行客の方々が多いのですが、宿泊客の4割ぐらいは実は次の日の予定がない方だというお話もしていて、予定がない方に、実は近くにいろいろなおもしろい観光資源があるのだよということをどういうふうにつなげるかといった工夫を、これからはやっていかなくてはならないのではないかということをお話しされていました。
先ほど御質問しました体験型観光のコンテンツ開発とともに重要と考えられるのが、コンテンツとコンテンツをつなぐツールなのですけれども、この観光コンテンツ間の連携のあり方をこれからどう展開されていかれるのか、それについて方針をお伺いしたいと思います。
〇商工労働観光部長(菊池哲君) 魅力ある観光コンテンツを核とした観光地づくりを進めるとともに、これをつなぐことにより、より長く、より広く周遊、滞在する観光を促進していくことが重要と認識しております。
また、民間事業者の調査では、外国人観光客の半数近くが、宿泊先以外の行きたいところや体験したいことを日本到着後に決めているというデータもあります。そういうことから、各地域や各施設での観光コンテンツなどの情報提供機能の強化も大切なことであると考えております。
このため、県や市町村、観光、商工事業者、さらに報道機関などで構成いたしますいわて観光キャンペーン推進協議会において、相互連携の枠組みを活用し、さまざまな取り組みを進めてきたところでございます。
その結果、例えばスキー場での雪遊びや三陸鉄道の乗車体験、沿岸や温泉地での宿泊を組み合わせた外国人観光客向けの広域周遊、滞在型の旅行商品が造成されてきているなど、誘客拡大につながってきているところと受けとめております。
また、この協議会にDMO推進部会を設置し、市町村における地域がみずから観光で稼ぐための基盤となる地域DMOの設立や観光地づくりを推進するとともに、モバイル端末向けのエリアメニューごとのコンテンツ情報の多言語での提供や、モデルルートを紹介するパンフレットの制作、各施設向けの外国人観光客対応マニュアルの制作、そして人材育成研修などに取り組んできております。
今後においても、地域における魅力ある観光地づくりへの支援や、これをつなぐ周遊観光の情報発信も強化していく考えでございます。
〇4番(ハクセル美穂子君) いろいろ取り組んでいただいていてあれなのですけれども、今、タイなどの東南アジアとか台湾の方々がいっぱい来ていますが、これからは、多分、マレーシアとかベトナム、インドネシアといったところの経済がぐっと上がってきて、そこからも個人の旅行客が来るようになる時代が来るのではないかと、先進的な旅館経営者の方は予測をしていらっしゃいました。そういったときに、コンテンツとコンテンツというか、皆さんスマートフォンで調べていらっしゃるので、例えばJR乗車券を買ったり飛行機のチケットを購入したときに、その行くであろう場所にある観光コンテンツがポップアップで出てくるというような、そういったICTを駆使したツールも実際にもうあるということなので、コンテンツ間をつなぐ方法は非常に難しいのですが、今後、そういった先進的な広告の戦略などもしっかりと取り組んだり、さらに研究していってほしいと思っています。4割の方にこの地でもうちょっと遊んでいただくためには、そういったぽっと出てくるものも使いながら、さまざまな工夫をして取り組んでいただきたいと思っていますので、その点をお願いして、次の質問に参ります。
コト消費と関連してなのですが、先ほど、商工労働観光部長のお話にもあったように、ハイキングとかトレッキングというのも外国人の観光客の方には非常に好評で、そういったサイトにもいろいろな場所が紹介されるようになってきました。
ただ、トレッキングサイトで岩手県で唯一紹介されているのが、三陸みちのく潮風トレイルではないかと思われる、三陸コーストと書いてあるものぐらいなのですけれども、岩手県にはさまざまな山があったり、本当に美しいハイキングコースが広がったりしています。
岩木山や出羽三山などは観光スポットとしてよく見かけます。それはなぜかというと、気軽に登山を楽しめるところまで行けるといった環境の整備がなされているから、岩木山や出羽三山というところが外国人観光客のハイキングスポットとか、そういったところに出てくるのではないかと考えています。
岩手山というのは、山麓からずうっと時間をかけて登っていく山なのですが、そういった山ももちろんあってしかるべきなのですけれども、岩手山に岩木山のような道路整備をこれからしろとは私ももちろん申しませんけれども、既に整備してある道路を活用せずに眠らせておくというのもいかがなものかと思うのです。
雫石町の網張温泉から松尾八幡平へ続く道としてかつて開発していて、県が委託した工事業者による自然破壊が発覚して計画が中止となった道路があります。一般県道雫石東八幡平線、通称奥産道と呼ばれているこの道路は、現在、ゲートが設置されて、ゲートの奥側については、子供たちや高齢者が自然の美しさに触れる機会が得られる場所として活用できないかということで、試験的な活用方策が広域振興局を中心に今まで行われてまいりました。
岩手山周辺の豊かな自然をたくさんの方々に楽しんでいただく有効なツールとして、この奥産道を活用するべきではないかというような声が、雫石町だけでなく、滝沢市とか八幡平市においても今も実は根強くあります。
トンネルの開通は地元の悲願だったわけですけれども、それはかなわなかった。せっかく多額の費用を費やして建設された道路も、今はゲートがあるので、有効活用するにはほど遠い状況にあります。中止以前の計画に戻して再びトンネルの建設をというのは非常に難しいことだということは理解していますが、地元では、道路計画をまた復活してほしいという声が今もまだ後を絶たないのです。少なくとも、これまで建設された区間、今ある区間について有効に活用して、地域振興の一助にすることを切実に考えてほしいと思っています。これが地元の人々の声なのです。この声が県に届いているといいと思っているのですが、どうでしょうか。
私は、奥産道の最終到達地点付近に、電気自動車の駐車スペース、登山客が立ち寄れるような場所を整備して、秋の紅葉が美しいと評判の三ツ石山などに登山できるような登山道の始発地点としてさらに活用していくべきではないかと考えます。
前増田知事が工事を中止して、現在の利活用策が図られていますが、知事は、その結果の分析を踏まえて、今後、奥産道をどう利活用されるのか、そのお考えをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 県では、平成10年に道路工事の再開を断念した後、整備済みの道路の利用に伴う環境負荷の軽減による自然環境の保全を基本的な考え方とする活用計画を策定し、平成19年6月から、整備済みの道路と連絡路を一連の登山ルートとして歩行者に開放しているところであります。
これまでの登山ルートとしての利用状況は、三ツ石湿原において、平成19年度の約400人から平成28年度には約1、300人になるなど増加傾向にありますことから、登山ルートとしての利用はある程度定着していると考えております。
また、平成24年度からは、小学生等の環境学習や、高齢者等が自然と触れ合う機会の創出を目的とする場合には、事前申し込みによって、ゲートから連絡路入り口までの区間について、自動車の乗り入れを可能としております。自動車乗り入れの利用実績は、今年度までで8組53名、直近2カ年では7組49名となっており、利用者は増加傾向にあります。
登山道としての利用や環境学習等の利用が定着していることを踏まえて、当面は現在の利用形態を継続してまいりますが、今後のさらなる利活用のあり方については、沿線市町、観光や環境分野の関係機関や団体からの意見も伺ってまいりたいと思います。
〇4番(ハクセル美穂子君) 去年の11月ごろの新聞だったと思うのですけれども、ゲートを外して利活用を進めるべきではないかというような県民の方の声が載ったことがあります。事業中止から結構な月日がたっていまして、今は歩く県道ということで登山客の方には活用されているのですけれども、それから向こうは行ってはいけないのかと思うようなゲートなのです、行ってみると。入ってはいけないのではないかと感じてしまう。今回、実は平成8年当時につくったであろう登山マップを県の方にいただいて初めて見ましたけれども、地元でも、そのときまで一回も見たことがなかったぐらいで、登山ルートとして定着しているという御答弁をいただきましたけれども、そこまで定着しているのかというのも感じるところです。
実は、三ツ石山まで行くのには滝ノ上温泉のほうから行くルートがあるのですが、それはちょっと長いので、例えば気軽にという点では、やはり今の奥産道を活用したルート、そこから登っていくようなところを整備していけば、さらにこの奥産道の活用も進むのではないか。そして、今は電気自動車などもありますので、環境にも配慮した形で利活用策というのはできる時代になってきていると思います。ですので、その点については、さらにもう一歩踏み込んだ形の利活用策を考えていただきたいと思うのですが、その点をもう一回知事に、今後、現状のままではない方向でやっていただきたいということに対しての意見をお願いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) ゲートについては、ブナ林を徒歩で観賞できる利用形態の創出や、三ツ石湿原の自然環境負荷の軽減を目的として、新たに造成することなく駐車場や転回場の確保が可能となるので、現在の位置に設置としたものであるということで、ゲートの位置は現状のままとしていく考えであります。
三ツ石湿原等の環境負荷の軽減による自然環境の保全を尊重していくという基本的な考え方のもとで、登山道としての利活用を図っていく考えでありまして、そういう中でさまざま利用もふえている中、いろいろな御意見もありますので、そういった御意見を参考にしながら活用してまいりたいと思います。
〇4番(ハクセル美穂子君) ぜひ、いろいろな方の意見をお聞きして、さらなる活用策というものを─いろいろに使われないと朽ちていってしまうのです。木も切ってもらえなかったりというのが、実はゲートの向こう側ではあったりします。切るべきところも、切って整備がなされていないというような現状も聞いておりますので、ぜひ、いろいろな方の声を聞いて、この活用策についてはさらなる検討をしていただきたいと思います。その点についてお願いをして、次に参りたいと思います。
次は、保健福祉政策についてお聞きしたいと思います。
私は、これまでも保健福祉政策ということでいろいろお聞きしてきました。代表質問で私と同じ会派の佐々木努議員も一般事業主行動計画の策定についてお聞きしていましたが、私も違うポイントからこのことについてお聞きしたいと思っています。
一般事業主行動計画は、101人以上の企業には策定が義務づけられていて、その点については岩手県は100%だということなのですが、100人以下の努力義務の企業での策定が進んでいない現状です。
岩手県の企業総数が5万9、000社あり、そのうち90%が従業員数20人以下の小規模企業です。ここで一般事業主行動計画の策定というのが進まないということは、子育て支援の機運というのがストップしているような状態ではないかと私も感じています。
一方、保健福祉部と連携してやっているという話によく出てくる岩手労働局のほうでも、子育て支援制度に両立支援等助成金というものを設置して支援しています。この両立支援等助成金の中には、出生時の両立支援コースとか育児休業等の支援コースが設けられていて、小売業だと常時雇用労働者数50人以下、サービス業と卸売業であれば、常時雇用労働者数100人以下の中小企業事業主が助成対象になると。しかし、この助成金を受けるためには、一般事業主行動計画の策定が義務づけられるというか、課されるということなのです。今の状況だと、かなりの数の中小企業が、一般事業主行動計画を策定していませんので、この両立支援等助成金も受けていない状況なのではないかと感じています。
私も中小企業の経営者の一人ですけれども、この両立支援等助成金は欲しいなと思うような助成が受けられるのです。男性の育児休業に取り組んだ企業に対しては最大で72万円とか、育児休業取得時と職場復帰時に最大36万円の助成が受けられるといったメニューがあって、実は内容を知れば、中小企業の経営者の方も、一般事業主行動計画をつくってみようかなと思うようなメニューがあるのです。ただ、やはり20人以下の経営者の方というのは、ハローワークとか岩手労働局に行く機会がなかなかないので、こういったメニューを見る機会も実はないのでないかと私は感じています。
中小企業に対する働き方改革の取り組みということで、県は、いわてで働こう推進協議会が主導して、いわて働き方改革推進運動を展開しています。この中でも、この岩手労働局の両立支援等助成金とか、それから、いきいき岩手支援財団の子育てにやさしい職場環境づくり助成金の活用が例に挙げられています。
ただ、この中では、一般事業主行動計画については深く触れられていないのです。商工会とか、中小企業同友会などでも、働き方改革についてはお話があるのですけれども、一般事業主行動計画を策定するのがいいのだよというような、そういった話は、ほぼ耳にする機会がありません。
ですから私は、やはり働き方改革を進めるためには、そういった両立支援の助成金も必要ですし、であれば、やはり一般事業主行動計画を策定していかなくてはと経営者の方に考えてもらわなくてはいけないと思っています。そのためには、やはりこの情報を周知して、活用してもらうように促していくことが重要だと思っています。
働き方改革をオール岩手で推進するためにと知事はいつもおっしゃっているのですけれども、少なくとも、県庁の中でもオール県庁で確実に取り組むために、さらなる有機的な部局間連携を図り企業に対する働きかけをしていくべきと考えますが、今後の部局間連携の方向性について知事にお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 県では、いわて働き方改革や女性の活躍促進、また、子育て支援を担当するそれぞれの部局が連携して、ワーク・ライフ・バランスの推進や女性活躍促進に向けたセミナーを年間を通じて開催しております。
いわて子育てにやさしい企業等認証は、一般事業主行動計画の策定を要件としておりまして、昨年10月に創設したいわて女性活躍企業等認定においても、女性が働きやすい環境づくりの観点から同様の要件を定め、計画策定が義務づけられていない中小企業の計画の策定が促進されるよう、関係部局が連携して取り組んでいるところであります。
今年度、いわて子育てにやさしい企業等認証においては、公益財団法人いきいき岩手支援財団と連携して、従業員100人以下の企業等に、最大30万円まで助成金を交付できるよう優遇措置を拡大したところであり、認証企業数は、昨年度末の40社から現時点で63社まで増加し、一般事業主行動計画の届け出企業数も319社となったところであります。
また、いわてで働こう推進協議会をもとに展開しているいわて働き方改革推進運動におきましても、普及啓発を図るなど、庁内各部局や関係機関と連携し、行動計画の策定に向けた働きかけを行うことによって、来年度以降も、企業における働き方改革や子育て環境の整備につながるよう取り組んでまいります。
〇4番(ハクセル美穂子君) いろいろ取り組んでいるというような御答弁でございましたけれども、佐々木努議員が代表質問でお話をしたとおり、100人以下の企業に対しても、条例とかそういったもので策定の義務を課すことは、そういった経営者の方が、この両立支援等助成金などといった有効な助成金を知る機会にもつながるのではないかと私は思います。
やっぱり経営者の方の努力なのだと突き放すのではなくて、こういうこともあるのだよ、岩手労働局でこういうものもあるし、働き方改革のほうでも、こういったものも手伝っているよということを、どちらの情報もわかっている県の方が有機的に動いていただいて、経営者の方にさらに積極的に活用してもらうような周知をしっかりとやっていくべきだと思っています。
中小企業の中には、もう既に一般事業主行動計画で定められているような取り組みをしている会社も結構あるのではないかと私は思っています。そういった会社の方にも、この計画を策定して、もう既にやっていることを盛り込むと、さらに自分の会社の発展につながるような助成金が得られたり、取り組みを認証してもらったりすることがあるのだよということを私たちがしっかりと伝えていくことに取り組んでいくべきだと思っています。条例等も活用して周知を図るということも、ぜひ、考慮に入れていただきたいと私からもお願いしたいと思います。
それからもう一点、具体的に企業に対する情報提供とか策定支援のあり方についてのお考えも伺いたいと思います。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 企業に対する策定支援のあり方についてでありますが、県では、ワーク・ライフ・バランスや女性の活躍促進に関するセミナーの開催、いわて子育てにやさしい企業等認証における優遇措置の拡大により、一般事業主行動計画の策定支援に努めているところです。
これらに加えて、広域振興局の職員や地域ジョブカフェ等に配置している就業支援員が企業訪問する際に、助成金制度や各種支援制度の情報提供とあわせて、一般事業主行動計画の周知を行っています。
また、いわて働き方改革アワードにエントリーいただいた企業に対し、行動計画の策定や、いわて子育てにやさしい企業等認証の申請について重点的に働きかけを行い、先ほど議員から御紹介がありましたが、実際にそういう取り組みをやっている企業に、計画の策定まで行っていただいたというような事例もあるところでございます。
来年度以降は、いわて子育てにやさしい企業等認証等における優遇措置をさらに拡大するほか、県において新たに配置を予定しております女性活躍に関する働きかけや、助言を行う女性活躍推進員などと連携して、企業に対し、より一層、行動計画の策定を働きかけていきたいと考えております。
〇4番(ハクセル美穂子君) いろいろと、もう既にやっていらっしゃる会社というのは結構あると思いますので、そこは商工労働観光部ともさらに連携して、いわて働き方改革アワードにエントリーした企業じゃなくて、アワードにエントリーできるような要件がある企業などに周知するときに、一緒にそういったものも周知しながら取り組んでいただきたいと思います。
それでは、次に行きます。次に、小児予防接種事業についてお伺いいたします。
子育て支援といいましても、いろいろと内容は多岐にわたってまいります。この小児予防接種は、子供を授かってすぐのヒブワクチンとか小児肺炎球菌などといった予防接種から始まりますが、接種回数が今はすごくふえてきています。この小児予防接種というのは、子供たちは、なかなか体の異変を言葉で表現するのが難しいので、小児専門医での接種が望ましいと考えられています。
ただ、岩手県は、小児科医の偏在というものも大きな課題となっております。他市町村の小児科医で予防接種を受ける場合に一手間かかってしまうという医療格差を是正するためにも、県主導で小児予防接種事業を広域的に展開してほしいということをこれまでもお話をさせていただいておりますけれども、現在の取り組み状況についてお伺いいたします。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 小児の定期予防接種事業の広域的な対応についてでありますが、県ではこれまで、広域的な連携の支援の観点から、予防接種法上の実施主体である市町村に対する技術的助言等に努めてきたところでありますが、今般、かかりつけ医が他の市町村にある児童など、広域的な対応を必要とする子供たちが、より円滑に予防接種を受けられるよう、岩手県医師会や各市町村と連携して体制の再構築に取り組み、本年1月、岩手県広域的予防接種事業実施要領を策定したところであります。
この要領に基づき、新たに広域接種パスポートを作成しましたが、このパスポートは、申し込みから接種、支払いに至るまで、県内いずれの市町村でも共通の手続で行うことが可能となるものであり、これを活用して、安全を確保しつつ、対象者や医療機関の手続を極力簡素化し、円滑な予防接種の実現を目指しています。
現在、県では、県医師会と連携し、県内各地において、医療機関向けの説明会を開催するなど、平成30年度中の事業の実施を目指して準備を進めておりまして、安全で円滑な広域的定期予防接種の実施が図られるよう市町村を支援してまいります。
〇4番(ハクセル美穂子君) この予防接種広域化は、県の方々が主体的に一生懸命動いてくださった結果でこういう形に、全県でできるような形になったと思います。やはりこういう事例を見ましても、県の皆さんが力を入れる、取り組むということは、すごく大きなムーブメントになるのだなということを改めて感じております。積極的な働きに対しては、私も本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
そこでもう一つ、この成功事例を踏まえて次の質問に移りたいと思うのですが、広域的なサービスが必要とされているものの一つとして、病児保育事業も実はございます。病児保育施設というのは小児科医院に併設されているケースが多い。先ほども申し上げましたとおり、小児科専門医の偏在は、やはり岩手県の大きな課題でもありますので、必然的に病児保育施設の設置状況についても、地域間の格差が今大きくなってきていると思っています。
私は、病児保育事業についても広域的な推進体制の整備に取り組む必要があると考えていますが、このことについて、県はどのような認識を持たれているのかお伺いいたします。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 病児保育事業についてでありますが、今年度の実施施設数は、病児対応型が10市町、12カ所、病後児対応型が9市町、13カ所、体調不良時対応型が11市町、40カ所で、実数では、県内市町村の約6割に当たる21市町の65カ所で実施されておりまして、前年度と比べ1町、10カ所の増となっています。
このうち、今年度から紫波町と矢巾町が協定を締結して病児対応型施設の共同利用を開始しましたが、県では、費用負担の方法の助言等を行い支援したところであります。
引き続き、事業の実施や広域利用について、地域の実情に応じた取り組みが促進されるよう市町村を支援するなど、広域での調整において必要な役割を果たしていきたいと考えております。
〇4番(ハクセル美穂子君) ことしの4月、部長がおっしゃったとおり、紫波町と矢巾町の間で病児保育事業の広域連携協定、これは県内で初めて締結されまして、二つの町の子供たちが利用できる施設が設置されました。
国も、対象者の絶対数が少ない市町村における対応を考慮して、広域連携の方法を参考例として昨年度提示されたわけですが、その結果が、この県内初の広域連携病児保育施設の誕生につながったのかと私は思っております。
こういった事例を初めとした県内市町村の取り組みとか、それから、現在、市町村が多様な保育サービスを進めるに当たって抱えている課題解決に関して、情報交換をする場について、実は私は、決算特別委員会の総括質疑でも話をさせていただいたのですけれども、こういった市町村の担当者の方から、いろいろな県内の事例を情報交換する場が、保健福祉の分野では余りないというお話も聞いております。
そういった部分について、県が主導して、市町村の実務担当者等を対象とした広域的な保育事業等の情報交換の場を設けて、多様な保育サービスの充実をさらに図るべきと考えますが、そのことについてお伺いしたいと思います。
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) 多様な保育サービスの充実についてでありますが、県では、市町村を支援するため、今年度から新たな取り組みとして、4月1日時点で待機児童が発生している10市町村を対象に、個別に意見交換を行い、年々高まる保育ニーズへの対応等について、例えば、小規模保育事業の活用などの取り組み事例の紹介や助言などを行ったところであります。
また、今御質問のありました意見交換の場につきましては、広域振興局において、管内市町村の担当者会議を開催し情報交換の機会を設けておりまして、病児保育施設の共同利用の活用事例、全国にいろいろな先進事例がありますが、そうしたことや、子育て支援員研修の共同開催に向けた意見交換などを行っています。
県では、市町村が抱える課題の解決について個別に相談に応じたいと思いますし、引き続き担当者会議など情報交換の場を設けることとしておりまして、こうした機会を活用して、保育サービスの充実に向けた市町村の取り組みを支援してまいります。
〇4番(ハクセル美穂子君) ぜひ、さらに多様な保育サービスが充実していくように頑張っていただきたいと思います。
では、その次に、庁内保育施設についてお伺いしたいと思います。
以前、知事にも、県庁のイクボスとして、県庁組織の中でどういった働き方改革を実行していきたいかというようなことをお聞きしたときに、庁内保育施設の検討に取り組むという御答弁をいただきました。
県庁内保育施設の検討状況について、今どのように進められているのかについてお伺いしたいと思います。
〇総務部長(佐藤博君) 庁内保育施設の検討については、平成28年度にワーキンググループを設置し、庁内保育施設に関する職員ニーズ調査を実施し、今年度は副部長級職員で構成する検討委員会を、また、委員会の中にワーキンググループを設置しまして、さらには、若手職員から意見を聞くなどして、庁内保育施設のあり方等について検討を進めているところでございます。
あわせて、庁内に保育施設を設置している他都県の訪問調査等も実施しております。
検討委員会におきましては、県内では、例年4月1日時点で発生している待機児童の9割程度が2歳までの低年齢児であること、盛岡市では、年度途中に待機児童が発生していること、県庁舎近辺の認可保育所等においては、低年齢児の年度途中の入所は難しいことなどの状況があることや、それから、育児休業中の県職員が年度途中に復帰しようとする際、預け先を確保できないため、育児休業を延長するケースもあるといった意見もあったところです。
今後、こういった課題や意見を参考に、保育担当部署等と連携しまして、地域の実情も踏まえ、仮に庁内保育施設を整備する場合の保育内容等の具体化に向けて、検討を継続していくこととしております。
〇4番(ハクセル美穂子君) わかりました。私は、今はもう子供も大きくなったので、一時保育を使いながら議会に来ることもなくなりましたけれども、私が2年前に一時保育を活用して議会で仕事をしようと思ったときに、内丸には一時保育を受けてくれる保育所すらなかったのが現状です。私は雫石町の保育園にお願いして議会に来ていた。だけれども、やっぱり一時保育というのは6時ぐらいで終わってしまうので、1時間かけて迎えに行くためには5時に終わらなくてはいけない。ほぼ無理なのですね。
そういう意味では、働いているところの近くに保育園とか預けるところがあるというメリットはあると思いますし、部長がおっしゃったとおり、年度途中での復帰というのは非常に難しい現状でございますので、ぜひ、この点についてもさらに考慮して、なるべくこれは実現に近づくように、働きかけというか取り組みを強化していっていただきたいと思います。その点お願いして、次の質問に移りたいと思います。
次に、教育政策についてお聞きします。
社会問題でもある都市一極集中の是正は、難易度の高い課題であります。この課題は、高校再編の中にも同じような課題があると感じています。
少子化が進んでいますので、現在と同数の高校を存続させるのは実質困難であることは私も認識しています。どの地域に高校が何校あるべきかということは、今後の人口動態などにもよるのでしょうけれども、入学者数が減った学校を順次削減していくという考え方を再編の基本に置くことは、過疎地域のさらなる過疎を促す政策につながると言っても過言ではありません。
教育長は演述の中で、新たな県立高等学校再編計画について、教育の質の保証と学ぶ機会の保障という観点、社会情勢の変化等を踏まえて多面的な検討を進めるとおっしゃいました。
従前からお話をさせていただいていますけれども、私は、高校再編において県教育委員会がさらに検討するべきは、進学したい生徒が十分に学習できる高校、そして、地元で活躍していきたいと考える生徒が、早い段階から地元の大人に仕事を学び、就職につなげられる高校など、県内にどれだけ多様な学びができる学校をつくっていけるかではないかと考えています。
私の地元の中学校は、卒業生が150名程度いるにもかかわらず、今年度、地元の雫石高校への入学者数は16名でした。その結果、来年度から1学級減となり、存続も危ぶまれています。中学校の卒業生の大半が、隣の盛岡市にある公立と私立の高校を選びます。それは、中学生は、雫石高校では自分の望む進路に進めないのではないかと考えているからです。
中学生がなぜそのように考えるのかというと、私が中学生のときは、たしか自分のテストの点数と比較して、どの高校に入れるかということを中学校の先生が示してくれて、それから選んで進路を決めたという記憶をしています。
私は、地元の中学生が雫石高校をなぜ選ばないのかということには、少なからず中学校での情報提示のあり方というものが影響しているのではないかと考えています。
この点を踏まえた学校経営をして成功をおさめているのが葛巻高校です。葛巻高校のように、中学校と高校の教員の交流を活発化する、そういった場をつくっていくことは極めて大切だと考えますが、県教育委員会はこの点についてどのようなお考えか、また、そういった取り組みに対してどのような支援をお考えかお伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 県全体の生徒数の減少が見込まれる中で、これからの岩手の復興、それぞれの地域の発展を支え、ふるさとを守る人材を育成することは大変重要であり、今般の再編計画も、そうした方向性で策定したところでございます。
そのためには、高校と地域、中学校が、これまで以上に連携し、深くかかわりを持ちながら、生徒一人一人の学力を高め、豊かな人間性や社会性などの生きる力を育成していくことが重要と考えています。
具体例を申し上げますと、本県では、連携型の中高一貫教育を行っている軽米高校と葛巻高校におきましては、地元自治体の主体的な参画をいただきながら、同一の町内にある中学校から高校までの6年間を通した特色ある教育課程の編成や教員、生徒間の交流等を行っており、学習指導や生徒指導等に当たり、教員間の相互理解を深めながら、生徒一人一人の適性や関心、意欲などに応じた進路指導の充実に取り組んできております。
また、近年は、議員御案内の雫石町を初め、高校が所在する市町村においては、地元高校の魅力の向上を図るため、地域の代表者等を構成員とする委員会を立ち上げるなどして、ふるさと振興の一環としても、地域を支える人材育成に主体的に取り組む動きもあり、県教育委員会といたしましても、こうした場に積極的に参加し、意見交換等を行ってきているところでございます。
入学者数が定員を大きく割っている高校においては、厳しい状況にはございますが、岩手だからこそできる教育、やるべき教育という考えも念頭に置きながら、今後とも、さまざまな機会を捉えて、高校の教育内容や魅力、現状などを地元の中学生、保護者にしっかりと伝えるとともに、高校と地元自治体、中学校等との連携を深め、地域と一体となった教育活動の展開に取り組んでいきたいと考えております。
〇4番(ハクセル美穂子君) ぜひ、こういった活動に積極的に支援をして、数で計画を立てていくのではなくて、必要な学校を残していくというような観点でも取り組みをお願いしたいと思います。
最後に、岩手県内の大学の連携についてお聞きしたいと思います。
県立大学では、今度、幼稚園教諭免許が取得できなくなります。その中で、岩手大学でも、やはり幼稚園教諭免許の取得が難しいという現状があります。
県が主導して県内の公立、私立の大学の話し合いをする場をつくるべきだと考えますが、このことについてお聞きして、終わりたいと思います。
〇議長(佐々木順一君) 答弁は簡潔にお願いします。
〇知事(達増拓也君) 県内の大学等は、いわて高等教育コンソーシアムを設立して、単位の互換による授業科目の相互履修や遠隔講義システムなどで連携を行っております。
県としては、岩手の教育や保育を支える人材の育成が安定的に行われ、また、子供たちが、みずから希望する大学に進学し、それぞれの希望する進路を実現するための体制等が構築されていることが重要と考えています。
大学の運営については、基本的に大学の自律的な判断により行われるものでありますが、県としては、人材育成の重要性に鑑み、本県における教員需要の見通し等について、コンソーシアム等を通じて情報提供等を行って連携を深めていきたいと考えております。
〇議長(佐々木順一君) 以上をもって、ハクセル美穂子さんの一般質問を終わります。
〇議長(佐々木順一君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時30分 休 憩
出席議員(45名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 臼 澤   勉 君
3  番 千 葉 絢 子 君
4  番 ハクセル美穂子 君
5  番 菅野 ひろのり 君
6  番 柳 村   一 君
7  番 阿 部 盛 重 君
8  番 佐 藤 ケイ子 君
9  番 佐々木 宣 和 君
10  番 川 村 伸 浩 君
11  番 田 村 勝 則 君
12  番 工 藤   誠 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 吉 田 敬 子 君
15  番 佐々木   努 君
16  番 千 葉   進 君
17  番 佐々木 朋 和 君
18  番 名須川   晋 君
19  番 軽 石 義 則 君
20  番 神 崎 浩 之 君
21  番 城内 よしひこ 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 佐々木 茂 光 君
24  番 高 橋 孝 眞 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 工 藤 勝 博 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 高 橋   元 君
32  番 関 根 敏 伸 君
33  番 岩 崎 友 一 君
34  番 中 平   均 君
35  番 五日市   王 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 小野寺   好 君
40  番 飯 澤   匡 君
41  番 佐々木 順 一 君
42  番 田 村   誠 君
44  番 工 藤 勝 子 君
45  番 柳 村 岩 見 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 大 輔 君
48  番 樋 下 正 信 君
欠席議員(1名)
43  番 伊 藤 勢 至 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時49分再開
〇議長(佐々木順一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。斉藤信君。
〔38番斉藤信君登壇〕(拍手)

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