平成29年12月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

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〇16番(千葉進君) 改革岩手の千葉進です。
本日は、先輩議員、同僚議員の御配慮により、3度目の一般質問の機会をいただきましたことにお礼を申し上げます。
先日、若者たちと懇談した際に彼らからさまざまなことを教えてもらいましたが、そのうち、最初に二つ紹介したいと思います。
一つ目は、私が県議会議員に挑戦したこと等によって政治や議会、議員のあり方に関心を持ち始め、テレビ番組きょうの県議会等も見るようになり、ことし9月の一関市議会議員選挙、10月の衆議院議員選挙の投票に積極的に行くようになったということでした。高校時代よりも一回りも二回りも成長した若者たちがこの岩手にいるということが力強く思われました。
二つ目は、議会で話していることが結論が何なのかわかりにくいので、5W1Hがはっきりした授業のように、若者たちにもわかるような話し方や言葉遣いをしてほしいということでした。授業ではないにしても、私も聞きたいことは明確にお話ししたいと思っていますので、当局の答弁も、若者たちにも理解できるように、ぜひ5W1Hを念頭に置いてお願いします。
それでは、通告に従い順次質問させていただきます。
幸福度について伺います。
県が行っている県民意識調査は、1月から2月に5、000人を対象として無作為に抽出し、2017年は、それまでの20歳以上から18歳以上の男女に対象を広げてアンケートという形で調査しております。その際、この2年間、幸福度に関する調査も行われており、2016年から2017年にかけての質問項目、内容が変わってきている部分もあります。また、つながりに関する調査が新たにつけ加えられています。このような変更や、その内容の目的が私にはまだ理解し切れておりません。そこで、この2年間の経緯と意識調査による結果、それを踏まえた現状と課題をお伺いします。
関連して、知事に伺います。
知事は、御自身のブログの中で、幸福保障という新しい地方自治のあり方を提案したと述べております。知事はこの中で、幸福度の各領域を分析した上で、行政の対象になじむ幸福となじまない幸福があり、そこから行政の任務が導き出されること、復興の基本方針にも幸福保障の考え方が実質的に含まれており、既に復興の現場で実践されてきたこと、幸福保障にも自助、共助、公助の三分法が当てはまり、幸福はお互いに保障し合うものであること、さらに、幸福保障が民主主義の原点であり、自治の原点でもあると述べております。この幸福保障の考え方と、それを今後の県政にどのように反映させていくお考えなのかお伺いします。
次に、若者、女性の活躍支援について伺います。
今後の社会においては、若者が中心となって未来を切り開き、その中でも女性が重要な位置を占めるものと思われます。
私は、この10月、11月と教え子の結婚式に出席させていただきました。未来ある若者たちのカップルに幸多かれと願うものでありますが、若者たちの今後の生活、仕事、出産、育児等を考えたとき、不安も頭をよぎります。
11月22日の岩手日日新聞に、分娩、年度末でとりやめ、一関病院産婦人科、助産師不足、苦渋の決断との見出しの記事が掲載されました。前にお話しした懇談会に出席した女性もこの病院で1人目を出産したそうです。一関地方で分娩を取り扱っている医療機関は、一関病院を含めて4院しかありません。岩手の地において、女性が子供を産む、そして家族が、地域がその子供たちの成長を見守っていくためにも、医師、助産師等の育成、拡充、周産期医療施設をふやすなど、喫緊の課題と認識されているかとは思いますが、知事の御所見を伺います。
福島県内に設置されている女性─母親に特化した民間型ハローワークおしごと百貨店が、ことし、被災地福島県内に住む1、003名の母親に働くことに対する意識調査を実施しております。調査結果では、女性─母親の93.5%は働く意欲を持っている、ライフスタイルに合わせた働き方、雇用形態を希望する。扶養範囲を意識した収入希望が56.9%、働く際に重視することは、やりがいや社会貢献等、給与以外にさまざまな目的があるという傾向がうかがわれるようです。調査目的は、女性─母親の働く志向を調査し、広く周知することによって、志向に合った仕事の創出と、働く意欲のある女性に対する意識改革によって就業場所を広げ、ミスマッチを解消することによって活躍の場を創出するとしており、その内容や結果は岩手にも当てはまるものではないかと思います。
県では、いわてで働こう推進協議会を中心に女性への就労支援に取り組んでいると承知していますが、働こうとする女性の志向にマッチした働く場の創出に向け、どのように取り組んでいくのかお伺いします。
公共交通のあり方について伺います。
政府は、2016年7月、内閣官房IT総合戦略室にシェアリングエコノミー検討会議を設置し、同年11月に中間報告書をまとめました。そして、規制改革推進会議においても、需給の構造変化を踏まえた移動・輸送サービス活性化のための環境整備についてをテーマに、一般のドライバーが利用客から運送対価を受けて自家用車で利用客を送迎する、いわゆるライドシェア─無資格自家用車有償輸送の本格導入に向けた検討を進めていると聞いております。
ライドシェアは、道路運送法で禁止された、いわゆる白タク行為を合法化するものであり、多くの問題点が指摘されています。そのようなライドシェアが無秩序に地域で展開されれば、結果的に利用客の安全・安心が保証されない事態となることが危惧されます。これについての見解をお伺いします。
一関市地域公共交通総合連携協議会で明らかになったことですが、私の地元の一関市の東部、東磐井地域で、岩手県交通の路線バス、一関営業所から千厩バスターミナル管内で運行している5路線が維持困難な状況となっています。この5路線は、利用者減少の影響によりバス運行を維持できないため、国が一定の割合で赤字額を補填して運行を継続する補助路線となっていますが、国から補助を受けるには一定の人数が利用するという条件を満たす必要があり、5路線のうち4路線は条件に満たないということです。また、東日本大震災津波の特例で補助の期間が延長になっているものの、この特例は2020年度までとされていることから、将来的な廃止や縮小を検討せざるを得ない状況となっているとのことでした。また、これとは別に一関市では公共交通アンケートを実施し、回答は81人からでしたが、バスの利用者の年代は70代が75.3%、利用回数では月4回から5回が42%、利用目的が通院で73人という結果だったそうです。また自由意見では、運転免許がないのでバスが頼り、なくならないように願う、デマンド型乗り合いタクシーの運行充実等も書かれていたようです。
このように、国からの補助が受けられず路線の廃止や縮小を検討せざるを得ない中、地域においては路線バスなどの公共交通の確保が望まれる状況となっていますが、県としてどのような支援を行っていくのかお伺いします。
子供の貧困対策について伺います。
今の時代、格差社会とよく言われます。その格差が経済のみならず教育格差を拡大し、それによって子供たちの将来を左右しかねない場面も多々見受けられます。また、経済格差、教育格差が家庭に押し寄せ、家庭内の不和等も相まって母子、父子家庭が増加し、子供の貧困、それのみならず、子供の虐待等が起こっている状況があります。
具体的に岩手県の例で言いますと、2016年度の県全体の高校進学率は99.4%に対し、生活保護世帯では92.2%、大学進学率は68.8%に対し、生活保護世帯では28.0%となっています。また、2013年のひとり親家庭の就労収入の状況を見ると、月15万円未満が父子家庭では19.5%に対し、母子家庭では66.0%となっています。
子供たちの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等等を図ることが極めて重要であると県でも子供の貧困対策の必要性は認識しているようですが、今後の対応、方向性をお伺いします。
次に、教育振興について伺います。
前回、私は、県立学校図書館の人的体制の確立について伺いましたが、今回は学校図書館における新聞の購読についてお伺いします。
文部科学省は、2017年3月、今年度からの新たな学校図書館図書整備等5か年計画を策定し、同計画の策定に伴う地方財政措置の予算化等を通じて学校図書館への新聞配備等の整備充実に努めるよう通知しております。しかし、昨年─2016年度の学校図書館の現状に関する調査によると、学校図書館に新聞を配備している県内の学校の割合は、高等学校が92.3%なのに対し、小学校が18.8%、中学校が10.5%にとどまっています。
新聞を読む、触れることにより児童生徒が社会に関心を持ち、自分の意見をつくり上げていく。選挙権が18歳となった今こそ新聞の必要性が求められているにもかかわらず、このような数字が実態として出ていることをどのように認識されているのか、そして、今後どう対応されていくのかお伺いします。
次に、県立高等学校再編計画について伺います。
前回、私は、葛巻高校の学級減について、再編計画では葛巻高校は特例校であり、2018年度から学級減で1学級となっていましたが、地域の学校としての特色を出し、2学級80名に近づけようと努力しているにもかかわらず、県教育委員会では予定どおり学級減を行おうとするのかとお伺いしました。結果として、葛巻町と学校の取り組み状況を考慮いただき、学級減とはなりませんでした。県教育委員会の英断には改めて敬意を表します。
同様に、2020年統合予定の遠野高校、遠野緑峰高校については、一昨日の工藤勝子議員からの質問もありましたが、私からも再度確認させていただきます。
計画概要資料の再編計画の推進に向けた今後の取り組みでは、地域との連携を重視することとし、統合については、地方創生に向けたそれぞれの地域の取り組みの推移等の検証を行って統合時期等を検討することとし、学科改編、学級減等については、原則として再編計画に基づき実施するとしつつも、ブロック内の中学校卒業予定者数や各校の定員充足状況等に大きな変化があった場合には実施時期等の変更も検討するとしているわけですので、今後もしゃくし定規で前期計画を進めるのではなく、これらの市町村の取り組みについて県教育委員会はどのように考えているのかお伺いします。
新たな県立高等学校再編計画の方針の中に、夜間部の入学者が減少傾向にあることを踏まえて、定時制課程においては、全県のバランスを考慮しながら、ブロックを基本単位として多部制、単位制の設置や移行を検討しますとあり、県内唯一の工業科の盛岡工業高校定時制の統合等を視野に入れるなどとしていますが、そのような事例も含めて、再編計画は10年間を見越しての計画となっています。前期5年─2016年度から2020年度まででは63校ある高校が3校減って60校の計画となっているものの、後期5年─2021年度から2025年度までではその60校からさらに減り、49校から51校と見込まれ、後期だけで最大11校の統廃合が想定されております。このことは、受験する中学生のみならず、地域にとっても重要な影響を与えることは目に見えています。そういう面から、まだ先のことではありますが、後期計画に関する今後のスケジュールと、県民への説明や意見聞き取りの予定等についてお伺いします。
次に、教員の多忙化と非正規教員─臨時採用教職員(臨採者)の採用について伺います。
11月28日の毎日新聞に、学校現場からは人手不足と過重労働への悲鳴が聞こえてくるという見出しで書かれた記事が掲載されました。これは、毎日新聞社が都道府県と政令市の67教育委員会を対象にした調査の結果として掲載されたものです。また、県内の小、中、高、特別支援学校には1、473名の常勤、非常勤講師がいるわけですが、2018年度の教員採用試験の結果では、合格者に占める臨採者の割合は、小学校では151人中69人で45.7%、中学校76人中48人で63.2%、高校55人中34人で61.8%、特別支援学校39人中24人で61.5%、養護教諭35人中5人で14.3%、栄養教諭1人中ゼロ人で0%となっており、全体の合格者数357人中180人で50.4%となっています。
学校現場の重労働化、教職員の多忙化が問題となり、特にも部活動指導等も含め働き方改革が進められようとしているにもかかわらず、学校現場でのこの非正規講師─臨採者は、児童生徒たちを前にして、教育に臨時はないとの意気込みで懸命に努力しています。また、若いゆえに、なれない部活動指導などにも取り組んでいます。その彼らがなかなか採用されない状況、これを何とかしなければそれこそ優秀な人材が県外に出ていってしまい、岩手県としても大きな痛手をこうむることになってしまいます。この多忙化と、若い臨採者の採用についてどのように認識されているのかお伺いします。
次に、35人学級の導入について伺います。
一昨年まで岩手県として35人学級を導入していたのは、小学校1、2、3、4年生と中学校1年生の5学年でした。2016年度には中学2年生への導入を拡大し、今年度は中学3年生への導入がなされております。改めてその英断に敬意を表させていただきます。
ゆとりある教育を進め、岩手の未来を担う人材を育成するためにも、今後、小学校5年生、6年生への導入を進めていただきたいわけですが、9月の商工文教常任委員会では、導入について詳細な検討を進めてまいりたいとの回答がありましたが、その後の進捗状況等をお伺いします。
次に、観光振興について伺います。
私は、前回、前々回と、地域おこし、地域創生のためには観光振興が重要と考え、著名人に着目した観光振興、東北6県との連携と歴史、文化を中心とする観光振興について質問しました。それに対し、歴史、文化については、県、市町村、観光、商工団体、報道機関等で構成する官民一体の観光推進組織であるいわて観光キャンペーン推進協議会において議論を行い、2017年度以降の事業展開に反映していくことで準備を進めているとの答弁がありましたが、これらに関して今年度─2017年度は具体的にどのような取り組みを展開しているのかお伺いします。
世界遺産平泉を観光振興の起爆剤と考え、平泉といえば春の藤原まつり、春の藤原まつりといえば源義経の東下りということで、源義経に関する場所を全県的な観光の目玉とすることを私は何度か提言してまいりました。
県ではこれまで、県北広域振興局と沿岸広域振興局が、東日本大震災津波からの復興を訴えながら、義経北行伝説~三陸街道を行く~、義経は北へというすばらしいパンフレットを作成してきました。
私も最初は北行にこだわり、ことし7月に宮古市を起点として南下し、山田町、大槌町、釜石市と義経北行伝説の跡を車で回りました。その後8月には、久慈市、八戸市、十三湊、竜飛岬、そして義経が岩窟にいた3頭の駿馬を得て北海道へ渡ったという伝説のある三厩と青森県も回りました。その際、どこでも会う若者がおり、彼はレンタカーを借りて、5日間、義経の足跡を訪ねているとのことでした。また、先週土曜日には、全国放送の衛星放送番組で消えた源義経の謎というタイトルで義経北行伝説を詳しく取り上げておりました。それだけ義経は今でもファンが多いのだなと思いました。
源義経の名前は、歴史上では1180年10月21日に兄頼朝に駿河国黄瀬川で会う場面として吾妻鏡に登場しています。それ以前、日時がはっきりしないものの、1174年ごろ16歳ぐらいのとき、鞍馬寺を出て平泉に来ていたことは確かだと思われます。その後の義経の活躍は、御存じのとおり、宇治川合戦、一ノ谷の合戦、屋島の合戦、そして1185年3月24日、壇ノ浦の戦いで平家を滅ぼしました。しかし、兄頼朝との確執の結果、同年11月6日に大物浦で難破して以降、平泉に着いたのもいつかははっきりせず、1187年ごろには平泉に来ており、同年10月29日の藤原秀衡の死、そして1189年うるう4月30日に藤原泰衡に襲われ、妻子を殺して31歳で自害したと吾妻鏡に書かれてあります。平泉で過ごしたと思われるのは、この間、前期は約7年、後期は約3年で、都合10年ぐらいは平泉にいたものと考えていいと思います。
義経北行伝説の場合、義経の死から始まってしまいますが、岩手の義経伝説とすれば、この10年ぐらいの義経の行動が全て当てはまり、大夫黒の出身地である千厩、若いころに乗馬の練習をしたと言われる紫波地域等も入り、北行という線だけではなく、岩手のとすることにより、さまざまな点、地域も含めていくことができます。これにより、県北、沿岸広域振興局に県南、盛岡広域振興局も入り、東日本大震災津波から6年9カ月がたった今、岩手の義経伝説のパンフレットを作成し、岩手の観光振興に役立ててはいかがかお伺いします。
次に、文化振興について伺います。
県は、2008年12月に文化芸術の振興を目指して岩手県文化芸術振興指針を策定し、その後、2015年に改訂しております。その目標は、豊かさを感じ伝える國“いわて”の実現としており、指針では、一人ひとりが豊かな文化芸術とともに生きる地域社会の形成ともしております。そして岩手県文化芸術振興基本条例においては、県は施策推進に必要な財源措置を講ずるよう努めることとされています。
そこで、県ではこれまで文学振興にどのように取り組み、その現状と課題をどう認識しているのかお伺いします。
岩手県にはすぐれた文学者が多々おります。石川啄木や宮沢賢治はもちろんのこと、銭形平次を書いた野村胡堂氏、江戸川乱歩賞を受賞した中津文彦氏、また、同賞及び直木賞を受賞した高橋克彦氏、直木賞を受賞した三好京三氏、そして、ことし7月に岩手県として初めて芥川賞を受賞した沼田真佑氏等々。私は、これらの文学者たちの作品をできるだけ網羅した岩手文学全集の発行を期待しております。
最近、道又力さんという方の書かれた、あるいは編集された著書を3冊読みました。1冊目は文学のまち盛岡─追悼・中津文彦さんで、2012年4月25日から盛岡の中央公民館で開催された岩手の文学展と、その中心としておられた中津文彦氏が前日24日に急逝されたことについて書かれておりました。2冊目は岩手の純文学で、これまでの岩手の文学者たちの作品が掲載されており、ほとんど読んだことのないものだらけでした。そして3冊目は文學の國いわてで、これは、岩手日報紙上に連載された岩手のこれまでの文学者たちのその時代での生き方と出会い等が書かれた、岩手の文学史とでも言える内容のものでした。そして、道又さんはその後書きで、次は岩手文学人名辞典、そしてその次は岩手文学全集の発行を目指すと書いていました。
2010年9月定例会において、当時の喜多正敏議員が、一般質問で同様に岩手文学全集の発行について質問していますが、当時から7年が経過しております。岩手県文化芸術振興指針も改訂され、今年度からは部局として文化スポーツ部が設置され新たな局面を迎えていると認識していますが、県の財政的支援も含め御所見をお伺いします。
以上、答弁によっては再質問もあることを申し添えさせていただき、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 千葉進議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、幸福保障についてでありますが、本県では、東日本大震災津波からの復興に向けて、復興の基本方針を貫く二つの原則の一つとして、一人ひとりの幸福追求権の保障を掲げ、被災者イコール復興者一人一人に寄り添いながら復興を進めてまいりました。
また、ことし7月に本県で開催された全国知事会議で採択された岩手宣言においても、復興の興の字を幸とした復幸という表現を並記した形で、一人ひとりの住民が幸福を実感できる真の復幸をなし遂げることが宣言されました。
こうした考え方を踏まえますと、復興とは幸福を取り戻すこと、つまり幸福の保障であり、県政全般についても、それがかなめなのではないか、幸福保障こそ民主主義の原点であり、地方自治の原点ではないかということを一つの考え方として、私のブログに掲載したものであります。
今後10年、県民みんなが力を結集し、行動していくための目指す将来像を明らかにする次期総合計画の策定に当たりましても、幸福をキーワードに、岩手が持つ多様な豊かさやつながりなどにも着目しながら、県民の皆さんとともに計画づくりを進め、県民一人一人が、自分、そしてお互いの幸福度を高める地域社会を実現することができればと思っております。
次に、出産支援についてでありますが、岩手で子供を安心して産み育てられる環境を整備していくことは、ふるさと振興を進めていくための重要な課題であります。
県ではこれまで、産科医等の限られた医療資源のもとで、効率的かつ質の高い医療を提供するため、県内四つの周産期医療圏を設定し、医療機関の機能分担と連携のもと、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の整備を進めてきたほか、ICTを活用した医療連携を推進し、周産期医療の充実に努めてまいりました。
産科医や助産師については、奨学金制度等によりその養成に取り組んできたところであり、今年度は、そのさらなる確保に向けて、産科等を専攻した奨学金養成医師の地域周産期母子医療センター等への配置に関する特例的な取り扱いや、助産師を目指す学生に看護職員修学資金を優先的に貸与する仕組みを検討しているところであります。
また、産科医療施設を確保するため、施設の開設、維持等への支援を開始しましたほか、潜在助産師等の掘り起こし、市町村における産後ケア事業の導入等により、地域で妊産婦を支える体制づくりを推進し、県内どの地域においても安心して妊娠、出産できる体制を整備していく考えであります。
次に、子供の貧困対策についてでありますが、県では、いわての子どもの貧困対策推進計画に基づき、保健福祉部門はもとより、各部局が連携して取り組みを進めてきたところでありますが、計画の指標である生活保護世帯における高等学校、大学等の進学率は、議員御指摘のとおり、県全体の進学率より低い状況となっており、貧困の世代間連鎖を断ち切るためにも、子供の貧困対策は重要であると認識しております。
子供の貧困対策を効果的に推進するため、子供のいる家庭の実態を把握することも必要であり、現在、子供の生活実態調査の実施について、庁内関係部局で構成する子どもの貧困対策連絡調整会議等において検討を進めているところであります。この実態調査の結果を踏まえて、新たな支援施策等について、市町村や民間団体と議論を深めていくこととしております。
また、教育の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援などの重点施策を着実に推進するとともに、子ども食堂など子供の支援に取り組む団体のネットワーク化に取り組み、官民一体となった支援を展開することにより、子供の将来が、その生まれ育った環境に左右されることなく、自分の将来に希望を持てる社会の実現に向け、子供の貧困対策を総合的に推進してまいります。
その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔政策地域部長藤田康幸君登壇〕
〇政策地域部長(藤田康幸君) 幸福に関する調査についてでございますが、昨年1月に幸福に関する調査項目を初めて加えた県民意識調査を実施いたしまして、この調査結果に基づいて、岩手の幸福に関する指標研究会において御議論いただきましたところ、人や地域などとのつながりのことを指すソーシャルキャピタルが豊かな地域は、幸福度が高い傾向にあるという先行事例が示されているため、岩手における幸福の特徴として、ソーシャルキャピタルに着目することは重要ではないかとの御意見があったところでございます。
そして、この御意見を踏まえまして、ことし1月に実施した県民意識調査においては、ソーシャルキャピタルに関する調査項目を加えたところでございます。
この調査結果から、本県のソーシャルキャピタルは全国より高い傾向にあることや、ソーシャルキャピタルが高い人ほど主観的幸福感が高い傾向にあることが確認されたところでありますが、このことは、長期的に確認していく必要があると考えております。
現在、次期総合計画の策定に向けて、研究会の報告書を参考にしながら、岩手が持つ多様な豊かさやつながりなどにも着目した岩手の将来像につきまして、総合計画審議会で御議論いただいているところでございます。
次に、ライドシェアについてでございますが、一般のドライバーがガソリン代等の実費を超える対価を得て利用客を運送する、いわゆるライドシェアにつきましては、道路運送法に基づく許可を受けずに有償で旅客を運送する違法行為でありますことから、国内での導入例もないと承知しております。
また、自動車による旅客運送は、安全、安心の確保が最も重要でありますけれども、ライドシェアにつきましては、運行管理や車両整備等の責任者がおらず、議員御指摘のとおり、安全の確保や利用者の保護等の観点から問題があると認識しております。
次に、バス路線の維持についてでございますが、人口減少や自家用車の普及による利用者の減少が、路線の収支悪化やサービス水準の低下をもたらし、さらに利用者の減少を招くといった悪循環によりまして、路線バスの維持が難しくなっているといった状況にあると認識しております。
このため、利用者のニーズや需要に応じまして、路線バスからコミュニティバスやデマンドタクシーなどの交通手段への転換や、適切な交通手段の組み合わせなどによる公共交通ネットワークの再構築等が求められていると考えております。
こうしたニーズに対応していくため、県では、市町村が行う計画策定やデマンドタクシーなどの新たな交通手段の実証運行など、地域公共交通体系の再編に要する経費への補助や、有識者である公共交通活性化アドバイザーの派遣などの支援を行っているところでございます。
また、国からの補助の要件が大幅に緩和される、いわゆる被災地特例が平成32年度までで廃止されることを控えており、県におきましては、本年7月に、国、市町村、交通事業者、学識経験者等による会議を設置し、広域的な幹線路線とそれに連なる市町村内の公共交通網を一体的に捉えまして、効率的で利便性の高い持続可能な交通ネットワークを再構築するための方策等の検討を進めているところでございます。
〔商工労働観光部長菊池哲君登壇〕
〇商工労働観光部長(菊池哲君) まず、女性の就労支援についてでありますが、県では、いわてで働こう推進協議会を核として、女性や若者の就業の促進とともに、仕事と生活の両立や女性の活躍促進につながる働き方改革の推進を特に注力する目標として掲げ、さまざまな取り組みを展開しているところであります。
今年度においては、女性の活躍推進の視点にも配慮したいわてで働こう総合イベント、いわてとワタシゴト展を開催し、加えて、県内各地における女性が働きやすい職場環境づくりやワーク・ライフ・バランス実現に向けたセミナーや講習会等を開催してきているところであります。
働こうとする女性の中には、給料以外のやりがいや社会貢献などを重視する方も多く、また、パートタイム労働など、多様で柔軟な雇用形態や労働環境を求める方も多いと認識しているところであります。
そうしたことから、いわて働き方改革推進運動は、ワーク・ライフ・バランスに配慮し、若者や女性が働きやすい環境づくりの観点からも取り組んでおりまして、例えば、いわて働き方改革アワード受賞事例には、短時間正社員やパート等の雇用タイプ選択制を採用し、さまざまなライフスタイルに柔軟に対応できる制度を導入している企業も紹介されているところでございます。
こうしたモデルとなる取り組みについて、企業、さらには広く県民に知ってもらうようPRに努めているところでありまして、女性や母親が安心して就業し、さまざまなライフスタイルにおいて活躍できる環境づくりを引き続きしっかりと推進してまいります。
次に、平成29年度の観光振興施策についてでありますが、まず、著名人の活用につきましては、本県を初め東北6県等で構成する東北観光推進機構が、JR東日本と連携し、各地の魅力や歴史、文化を掘り下げて紹介することで誘客拡大につなげる東北歴史文化講座を年明けに東京で開催することとしておりまして、本県の歴史、文化に関する著名人を講師とするよう、現在調整を進めているところでございます。
次に、東北6県との連携につきましては、香港での東北6県知事等によるトップセールスを初め、海外における商談会への出展、旅行会社の招請などによるプロモーションを連携して実施しているほか、ネクスコ東日本や東北各県と連携してのスタンプラリーの実施など、広域での誘客に取り組んでいるところでございます。
次に、歴史、文化の活用につきましては、世界遺産を周遊するバスツアーの造成支援、世界遺産と早池峰神楽などの伝統芸能、地域に伝わる祭り等を組み合わせた広域観光ルートの売り込みなどを行ってきたところでございます。
さらに、今月には、あの寝台特急カシオペアを活用し、橋野鉄鉱山や鉄の歴史館、キューポラの館など、歴史、文化をめぐるモデルツアーを実施し、首都圏から多くのお客様に参加いただいたところでございまして、今後は、本格的な商品化に向け取り組んでいきたいと考えております。
次に、義経北行伝説についてでありますが、国内外からの誘客の拡大を図るためには、魅力ある観光ポイントをつなぐストーリー性のある広域観光ルートを売り込んでいくことが重要と認識しております。
このため県では、平泉の集客力を県北・沿岸地域への誘客拡大へつなげるためのコンテンツの一つとして、義経北行伝説をテーマとした観光ルートをホームページやガイドブックなどを通じ情報発信を行い、誘客に取り組んできているところでございます。
また、東北エリアを広く周遊する集客力のある観光ルートを構築するため、本県を初め、東北6県等で構成する東北観光推進機構が中心となって策定いたしました日本の奥の院・東北探訪ルートにおいては、義経とかかわりのある平泉を核とし、県北、県南、沿岸方面をめぐるルートを設定し、東北各県と連携し国内外への売り込みを展開しているところでございます。
今後におきましても、義経の物語とそのゆかりの各地の魅力をつないだストーリー性のある広域観光ルートの売り込みを図っていく必要があると認識しておりまして、その取り組みに当たっては、御提案のありましたパンフレットの制作も含め、さまざまな方策について研究してまいりたいと考えております。
〔文化スポーツ部長上田幹也君登壇〕
〇文化スポーツ部長(上田幹也君) まず、文学振興についてでありますが、県はこれまで、石川啄木や宮沢賢治を初め、多くのすぐれた文学者を輩出しておりますが、本年7月には沼田真佑さんが県内在住者として初めて芥川賞を、また、本年8月には本県出身の若竹千佐子さんが文藝賞をそれぞれ受賞するなど、本県ゆかりの新進の文学者が全国を舞台に活躍しており、文学に興味や関心を寄せる県民の方々の創作意欲がより高まることが期待されております。
県では、岩手県文化芸術振興指針に基づき、本県在住者等のすぐれた芸術活動を岩手芸術選奨として顕彰するほか、県内の文化芸術団体等と連携し、岩手芸術祭における県民文学作品集の刊行や文芸祭の開催、岩手県文化振興基金による文芸作品集の発刊経費への助成などに取り組んでおり、今後とも、県民の創作活動が活発に行われるよう積極的に取り組みを進めてまいります。
次に、岩手文学全集についてでありますが、先ほど御答弁申し上げましたけれども、本県は、多くのすぐれた文学者を輩出しており、こうした方々の作品を収録した文学全集を発刊することは、本県の文化芸術振興を図る上で意義深い取り組みであると認識をしております。
現時点におきまして、文学全集の発刊に関する企画等は承知しておりませんが、今後、御相談などがあった場合には、企画内容や他県の取り組み状況等を十分勘案しながら、対応について研究してまいりたいと考えております。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 学校図書館における新聞の講読についてでありますが、文部科学省による学校図書館の現状に関する調査が公表されて以降、新たな予算措置を行った市町村も増加してきていることや、新聞販売店等から新聞の提供を受けている学校もありますので、新聞を学習に活用している学校が増加してきている傾向にあると把握いたしております。
議員御案内のとおり、子供たちに主権者教育などさまざまな学習場面を通じて、社会の動きに向き合い主体的に判断する力を育成していく上で、新聞を活用することは極めて有効であると認識しており、本年3月に告示された小中学校の次期学習指導要領においても、情報活用能力の育成を図るため、新聞の適切な活用を図ることが明示されております。
県教育委員会といたしましては、学校に学習指導要領の趣旨を丁寧に説明しながら、新聞を適切に活用した学習活動が展開されるよう文書による通知に加え、諸会議の場等を通じながら指導、助言してきたところでありますが、地方財政措置を踏まえつつ、学校図書館への新聞の配備が充実するよう、改めて通知を発出し、市町村教育委員会と連携しながら取り組んでまいります。
次に、県立高等学校再編計画についてでありますが、新たな県立高等学校再編計画は、望ましい学校規模の確保による学びの質の保障と本県の地理的諸条件等を踏まえた学びの機会の保障を大きな柱として策定したものでありますが、策定に当たりましては、統合予定校や学科改編、学級減の対象校がある市町村等からの要望や地域説明会等でいただいた多くの県民の皆様からの御意見等を踏まえ、事前に公表した素案を見直した上で決定したことは、御案内のとおりでございます。
県立高校が所在する市町村においては、地域振興の一環として、地元高校生へのさまざまな支援など主体的な取り組みも展開していただいており、心強く感じるとともに、ありがたく思っております。
県教育委員会においては、現在、平成32年度までの前期再編プログラムに沿って計画の着実な推進に取り組んでいるところでありますが、今後におきましても、市町村における地方創生に向けた取り組みの推移や入学者の状況等を十分に見きわめた上で、統合や学科改編、学級減等の時期等について丁寧に対応してまいります。
次に、後期計画についてでありますが、新たな再編計画においては、平成32年度までの前期計画期間における学校統合と学科改編、学級減の予定校等を示すとともに、後期計画の方向性についても示しておりますが、県教育委員会におきましては、現在、市町村等との意見交換を行いながら、まずもって前期計画の着実な推進に向けた合意形成などに努めているところであります。
後期計画においては、大きな社会増がなければ、今後も中学校卒業予定者数の大幅な減少が見込まれる中で、統合や学級減等の検討が必要になるものと想定されますが、新たな再編計画の基本的な考え方である、望ましい学校規模の確保による教育の質の保証と本県の地理的諸条件等を踏まえた教育の機会の保障を大きな柱としつつ、弾力的な教育課程となる高校のあり方等についても、全県的なバランスを考慮しながら検討することも重要と考えております。
平成33年度からの後期計画の策定に当たっては、来年度以降、前期計画の検討と同様に、県内各地域において地域の皆様との意見交換の場を設けることも予定しており、前期計画期間中の定員充足状況や各校の実情とともに、地域の声も十分にお聞きしながら、よりよい教育環境を整えていくという視点や社会情勢の変化等も十分に踏まえた多面的な検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、非正規教員の採用等についてでありますが、学校教育の推進に当たり、正規採用の教職員とともに、常勤講師、非常勤講師として任用している非正規教員の方々にも重要な役割を担ってもらっているところでありますが、具体的な教員配置に当たっては、正規教員の配置を基本としつつ、少子化による学級数の変動等を見通した教員定数の減少や、産休、育休等の代替のため、一定数の非正規教員の任用を必要としている実情にございます。
非正規教員の役割としては、それぞれの学校の事情によって、担任や部活動の業務を担うなど正規教員と同様の業務を行うケースもありますが、その際には、通勤に負担の少ない最寄りの学校への配置や校務分掌を含めた業務調整、正規教員を目指す者に対しては、学校における個別の受験指導等を管理職が行うなど、教員採用試験の受験への支援を行うとともに、採用試験の公平性を確保する中で、昨年度からは、県内講師経験者に対する一部の試験科目の免除の措置も講じてきているところであります。
岩手の教育の充実のためには、何よりも教育に対する情熱と力量を備えた人材の確保が重要でありますので、学校現場での経験を通して指導力を高めている非正規教員の方々が、夢や情熱を持って教員を目指すことができるように、御指摘の多忙化問題の改善にも取り組みながら、職場環境の充実に努力してまいります。
次に、35人学級の導入についてでありますが、本県の小中学校における少人数学級については、加配定数の確保等を国に強く働きかけながら、その対象を順次拡大してきたところでありますが、学校現場からは、チームティーチング等の少人数指導に比して、総体的には学級集団のまとまりを築く上での肯定的な評価に加え、学力の定着や不登校、いじめ問題への対応などに効果が高いと受けとめられております。
小学校5、6年生への拡大については、まずもって、これを実現するための国からの教員定数を確保することが重要でありますので、加配定数の確保並びに全体的な教職員定数の充実などを国に対し引き続き強く要請していくとともに、一方では、少人数指導のほうを優先したいという考えも一部にはありますので、市町村教育委員会の声も丁寧にお聞きしながら、そしてまた、5、6年生は、学習指導要領の改訂による英語の教科化が導入される対象学年であることなども含め、多面的かつ具体的な検討を行っていきたいと考えております。
〇16番(千葉進君) ありがとうございました。大分前向きな部分があったと思っていますが、3点ちょっとお伺いしたいと思います。
まず一つ目は、今お話のあった学校図書館の新聞ですけれども、とにかく昨年までと違って、文部科学省から学校図書館に新聞を置くということで通知が出された。はっきり言えば予算的には倍増しているわけですね。そして、小学校では1紙、中学校では2紙、高校では4紙を目安とするというような形で通知が出されています。
先ほど私が質問の中で出した数字は1紙という形での質問だったわけです。もしそれを中学校で2紙とかというような形になったらば、もっとパーセンテージは下がるのではないかと思うのですが、せっかく5カ年計画ということで予算も倍増されて交付されると。ただし、それが地方交付税という名のもとで、使い方は各自治体にという部分があることは重々わかっております。
そういう面で、今、教育長から、改めて通知という話もありましたが、市町村教育委員会にも周知徹底を図っていただいて、せっかく予算化されたものでありますので、新聞を使っていろいろな指導ができる、勉強ができるというような中身をもう一度周知徹底するという形でやっていただければと思っているのが1点目であります。
2点目は、幸福度にかかわる部分で知事にちょっとお伺いしたいところがあるんですが、ざっくばらんに聞かせてもらうんですけれども、働き方改革という名目のもとで今進められていて、私がいろいろな場面でよく使うのは、働くという言葉についてですが、山本有三という小説家がいます。彼の評価は別としても、作品で路傍の石というのがあるんですけれども、その中で、ある老婆が主人公の男の子に教える、諭す場面で、働くという言葉についてこういう言い方をしています。働くのハタは周りのことだよと─まあ、はた迷惑という言葉もありますが、そして、ラクは楽しいということなんだよということで、働くということは、本人が経済的な部分で金銭を得るということがあるにしても、その働くことによって周りの人も楽しくなる、幸福になるということなんだよというような説明をしている、諭している場面があります。
そういう面で、この幸福度調査の幸福ということを考えたとき、私はそれに通じるのではないかと思っているんですが、働くことによって本人も楽しくなる、周りの人たちも楽しくなる。そしてまた、働くという言葉は、それぞれの場合場合で違うと思います。子供の場合だったならば一生懸命遊ぶ、勉強するというような形で、その年代によって働く内容は違うかもしれませんが、一生懸命そのことをやることによって周りの人たちもともに幸福になるというのが働くという言葉ではないのかと私は考えていろいろな場面で話をすることがあります。その上で知事にお伺いしたいのは、私が今言っているようなことを前提としての幸福度調査なのか。12領域を主観的幸福感に関連する領域として設定しておりますが、働くということは、それら全ても網羅することではないのかと私は考えているのですが、それと違うのか、あるいは同じなのか。そういった部分の認識が知事と同じなのかということをお聞きすることによって、今後、私もいろいろな場面で言い方が変わってくると思っていますので、その点についてお伺いしたいということが2点目。
もう一つ、先ほど部長からお話がありました義経にかかわる部分ですけれども、実際に回ってみたところ、その当時は立て看板とかいろいろなものが企画されて立てられていたようですが、ほとんどそれが朽ちかけていて見えない、あるいは内容が統一したものになっていて個性がないというような感じを受けました。そういう面で、観光振興を進めていくときには、その地域ではこういうふうに考えている、あるいは郷土史家の方々はこういうふうに考えているという部分があったりすると思います。地域で何によって地域振興を進めたいのか、さらに、それを観光にどう結びつけるのかといったところをぜひ考えていただきたい。特に私の場合は義経ということでずっと言ってきているわけですが、史実とはまた違うかもしれませんが夢があるのではないかと。そういう面で、岩手には希望がある、夢があるというような観点で見たときに、義経をどう活用できるのかという部分を知事がどう考えられているのか御所見を伺いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) まず、幸福度との関係で、仕事、働くということについてでありますけれども、岩手の幸福に関する指標研究会で幸福に関する12の領域という整理をしていただいた中で、収入の指標とは別立てで仕事という指標がありまして、収入とは別に、やはり働くこと自体、そういう場を得られること自体が幸福度を高めることにつながるという理解を基本にしております。これは、岩手の研究会が特別そのことを言っているというより、さまざまな先行事例でありますとか過去からの幸福指標研究の積み重ねとしてそういう認識が得られていると言っていいと思います。
仕事イコール働くということは、突き詰めて言えばほかの人の幸福度を高めることが働くということであって、どれだけほかの人の幸福度を高めたかに応じて収入が得られれば大変いいのではないかと考えております。
それから、義経関係でありますけれども、朝日新聞だったと記憶していますが、物語の舞台になっているところでどこが一番好きかというようなアンケートのランキング1位は坊ちゃんの愛媛松山だったんですけれども、2位が義経物語ということで平泉が選ばれていました。そして、NHKの大河ドラマのホームページには歴代大河ドラマの人気ランキングがあるんですが、1位は義経で─新しいほうの義経でありますけれども─、義経の物語というのは、やはり日本全国の人たちがそれを楽しみたい、より深く理解したいという潜在的なニーズがあると言っていいと思います。岩手県においても、そういった歴史的な事実プラス物語の側面についても、県民が理解を深め、そしてそういった情報を県外の人たちとも共有できるような看板等の工夫はぜひぜひ発展させていかなければならないと考えております。
〇教育長(高橋嘉行君) 学校図書館における新聞配備の充実につきましては、議員から御案内のあったように、地方財政措置、それから国からの指導内容についてはおっしゃっていただいたとおりの内容となっております。
本年度におきましては、市町村教育長会議の場等におきまして地方財政措置の考え方にも触れながら情報提供してまいりましたけれども、来年7月には、新聞の教育への積極的な導入を高めていくことを目的といたしました運動を展開するNIE─これはニュースペーパー・イン・エデュケーションの頭文字をとったものでございますけれども─教育に新聞の活用を広げるという全国大会が本県を会場に開催される好機が予定されております。この機会等も活用しながら、学校教育における新聞の活用を一層高めていきたいというように考えております。
〇議長(佐々木順一君) 次に、川村伸浩君。
〔10番川村伸浩君登壇〕(拍手)

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