平成29年2月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇16番(千葉進君) 改革岩手の千葉進です。
本日は、先輩議員、同僚議員の御配慮により、2度目の一般質問の機会をいただきましたことにお礼を申し上げます。
最初に、昨年8月に本県を襲った台風第10号により犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害を受けられた方々にお見舞い申し上げます。
また、東日本大震災津波から間もなく丸6年となります。改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、今もなお被災地の厳しい環境の中で生活をされている方々にお見舞い申し上げます。
本日3月1日は、県内の多くの高校で卒業式が行われております。卒業する生徒たちは、震災当時、小学6年生でした。被災地の生徒たちは、震災後、中学3年間、高校3年間と、言葉では言いあらわせないほどの多くの御苦労をなされ、卒業を迎えたことと思います。この場から彼らに、高校卒業、本当におめでとうございますと心からお祝いを申し上げたいと思います。
それでは、通告に従い、順次質問をさせていただきます。
震災復興について伺います。
知事演述において、復興計画の3原則として、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生を挙げ、復興の先も見据えた地域振興、将来にわたって持続可能な新しい三陸地域の創造を目指すとしてビルド・バック・ベターを掲げました。これは具体的にどのようなものなのか、改めて知事の意気込みを含めて伺います。
幸福度について伺います。
前回の私の質問に対し、知事は、今後、次期総合計画での導入に向けて、広く県民の意見も聞いて、岩手の幸福に関する指標の検討を進めていきたいと答弁されましたが、現在はどのような進行状況なのか、また、導入時期をいつと考えているのか伺います。
農業振興について伺います。
私には、今、日本は、積極的平和主義という名のもと、戦争のできる国づくりを進めようとしているとしか思われません。しかも、国民の多数の声が訴える内容が国会では少数となり、強硬な政治運営がなされている状況があります。実際に多くの国民が反対した安保法案は国会で強行採決され、自衛隊が南スーダンに派遣されています。自衛隊の日報では明らかに戦闘が起こっているにもかかわらず、言葉を言いかえて戦闘状況を認めようとしないのが日本政府の姿勢です。
その日本政府は、安倍総理の号令のもと、農業政策においてもTPPの参加を強行採決しました。そして過日、安倍総理は、アメリカ新大統領トランプ氏と会ってさまざまな政策論議をしたようですが、その内容は全て不透明となっています。特にTPPについて、トランプ氏は大統領選前から離脱を明言しており、就任後は明確に離脱宣言をしました。
私は、岩手の主要産業である農業を発展、継承するために、食料自給率の向上を目指し、TPPに反対して農産物の輸入自由化を安易に許さず、地域の農林水産物と人材を生かした地産地消による食産業の発展を目指す必要があると考えていますが、知事は、今後どのように県内で農業振興をしようとしているのか伺います。
若者の活躍支援について伺います。
今後の社会は若者が中心となって未来を切り開いていくものと思われます。そのためにも私たち大人の責務は重大であります。できるだけ負の財産は残さず、彼ら若者を支援していくことが必要です。
知事は演述で、次代を担う若者の活躍は岩手の未来の礎となるものであり、若者が主役となるような地域振興を進めると話されました。その言やよし。ぜひ進めてまいりましょう。また、いわて県民計画に基づく7つの政策の推進では、ふるさと振興とあわせ、第2の政策、食と緑の創造県いわての実現で、岩手の農林水産業を担う経営主体を育成します。特に、林業においては、本年4月にいわて林業アカデミーを開講し、将来的に林業経営の中核となる人材を養成しますとも話されました。
私は、これまで、県として農業、水産業には力を入れているが、林業への取り組みについては不足しているのではないかと思ってきました。それは、林業は山づくりでもあり、環境をも整えるものだと思っているからです。しかし、昨年、新たにいわて林業アカデミーを開講する動きがあり、昨年の予算特別委員会でも質問してまいりました。そんな中での今回の政策名、食と緑の創造、大いに賛同します。
そこで、まず、いわて林業アカデミーについて伺います。
研修生の募集では何名が合格したのでしょうか。特に高校生の場合は、農業高校や農業コース出身者は何人だったのでしょうか。また、1年間の研修期間の費用と、それに対する奨学金等の給付あるいは貸与はどうなっているのでしょうか。
さらに、同じ1次産業に携わる同年代の若者や女性と相互交流する機会をふやし、互いにともに異業種研修を行う等によって連携が深まると思われますが、それらも予定しているのか伺います。
いわて産業人材奨学金返還支援制度について伺います。
県は、12月定例会においていわて産業人材奨学金返還支援基金出損金1億円を補正予算案に計上し、可決、成立しました。
これは、ものづくり産業等の持続的発展に不可欠な人材の確保及び定着を図るため、県内の事業所に就業する大学生等の奨学金の一部を助成するものであり、このことは、若者の県内定着の促進に向けて大きな前進と高く評価し、大いに期待しているところです。
この制度は、県と産業界から1億円ずつの出損により2億円規模の基金を造成し、来年度から募集を開始しようとするものですが、産業界からの出損金の状況により募集人数に影響するものと理解していますが、出損金の確保に向けた現在の状況と今後の取り組み予定について伺います。
公共交通について伺います。
私は、昨年の6月定例会の一般質問で、高齢運転者による交通事故発生状況、運転免許証自主返納制度の取り組み状況、公共交通のあり方の3点について質問しました。その後、12月定例会では、高齢者の自動車運転免許の返納等に関し移動手段の確保を求める意見書が採択されております。
昨年の答弁では、高齢運転者による交通事故の発生状況は、減少傾向となっている中、全交通事故に占める高齢運転者による交通事故の割合は増加傾向にあるとのことでした。その後の県警の取り組みによって高齢運転者の交通事故発生件数や割合はどうなったのか伺います。
運転免許証自主返納状況について伺います。
昨年の答弁では、2013年に奥州市で、2015年に一関市で、それぞれ運転免許証自主返納者に対する公共交通機関利用時の優遇措置が導入されたところ、返納受理件数の対前年比増加率が、それぞれ県内全体における増加率を大きく上回ったとのことでした。その後の高齢運転者の運転免許証自主返納状況、各市町村での自主返納への支援策の動向や特徴について伺います。
また、高齢運転者による交通事故抑止の観点から、引き続き高齢運転者に対する周知を行うほか、自治体等に対しても、免許返納者への支援策の拡充について働きかけを行っていくとのことでしたが、これまで県警ではどのような働きかけを行ってきたのか伺います。
公共交通のあり方について伺います。
昨年、自動車の運転に多少の不安を感じている高齢者であっても、病院への通院や日常の買い物をしたくても近所に小売店がないなどさまざまな理由で、免許証を返納したくても自動車以外の移動手段がなく、返納できない方々へのニーズに応える方策として、充実した公共交通体系が整備される必要があり、各地域で、バスまたはタクシー事業者と地域の連携によって、地域と協働で公共交通のあり方を策定していく必要があると思われ、今後の取り組みについて質問しましたところ、県、市町村が連携し交通ネットワークを構築していく必要があり、地域住民、関係者の積極的な参画と連携のもと、市町村が設置する地域公共交通会議において、地域交通のマスタープランである地域公共交通網形成計画などの策定につなげていくことが望ましいと考えており、県としては、地域公共交通会議での検討や計画策定の取り組みを支援していきますとのことでした。
公共交通の課題対応は、高齢者による事故の増加や運転免許証自主返納の取り組みが拡大しており、それらと同じスピードでの対応が必須でありますが、その後、地域公共交通会議による具体的な計画策定に係る課題や、課題解決に向けた具体的な取り組みの時期について伺います。
教育振興について、県立学校図書館の人的体制の確立について伺います。
生徒たちが教養を高めるため自分から進んで図書館を活用するには、その指導をしてくれたりきっかけを与えてもらうためにも、図書館での司書の役割は重要なものと考えます。ただ、司書にも、学校司書、司書教諭、専任司書教諭と形態がさまざまあります。
そこで、まず初めに学校司書について伺います。
学校図書館法第6条において、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員を置くよう努めなければならないと、学校司書の法的位置づけが2015年度の改正により明確になりましたが、県立学校における学校司書の配置状況、資質向上に向けた取り組み状況及びこれらについての今後の方向性について伺います。
次に、司書教諭について伺います。
2003年度から12学級以上の学校には司書教諭の配置が義務づけられました。これにより12学級以上の学校には司書教諭がいるわけですが、本来は全ての学校に配置されることが望ましいのは言うまでもありません。
今年度の11学級以下の学校における司書教諭の配置状況及び今後の配置についての考え方について伺います。
専任司書教諭について伺います。
司書教諭の中でも、担任等の分掌を持たずに司書教諭を専任する専任司書教諭がおります。専任司書教諭配置については、これまでの県教委の回答では、今後は、成果や課題を分析し、校長の意向や専任司書教諭を希望する教員の状況を踏まえつつ検証を進めるとともに、司書教諭配置校に対しては、授業や校務分掌の負担軽減について、各学校の状況に応じて校務全体を勘案した上で適切な配慮がなされるよう各校に働きかけていきますとのことでしたが、学力向上のみならず生きる力を育み、子供たちの自主性を尊重し、創造力を育てるゆとりある教育を進めるためにも、専任司書教諭の配置により学校図書館教育の充実を図ることができると思われます。
これまで、県では、2006年度から北上翔南高校に、2007年度からは不来方高校にと、2校に専任司書教諭を配置してきました。また、盛岡市では盛岡市立高校に2011年度から配置しております。
私は、学校図書館教育について、力量のある司書教諭を専任司書教諭として、県央、県南、沿岸、県北地区の各地区1人ずつ計4名を配置し、各地域の学校司書及び学校図書館担当者への指導、助言に当たり、県内学校図書館教育の均質な図書館運営をできるようにすべきと考えておりますが、今後の専任司書教諭の配置についての考えを伺います。
県立高等学校再編計画について伺います。
まず初めに、学区のあり方検討について伺います。
教育長は演述で、学区のあり方の検討なども進めてまいりますとしましたが、県立高等学校再編計画は8学区という前提で作成していますし、2017年度の高校入試志願者状況を見ても盛岡ブロックに圧倒的に志願者が多く、普通科の学区見直しにより、一層盛岡ブロックに志願者が殺到する危惧があり、各地域の高校の存廃にもかかわるものであり、到底納得できるものではありません。
現在、県立高等学校再編計画に係る前期計画を進めていこうとしている今、なぜ学区のあり方の検討を進めていく考えなのか、その意図は何なのか伺います。
2017年度岩手県立高校入試と今後の見通しについて伺います。
推薦入試結果は、募集人数1、088名に対し1、004名が受験、776名が合格し、228名が悔し涙を流しました。そのうち152名、66.7%が盛岡ブロックという結果でした。そして、志願者数状況は、推薦合格者を除く実質定員9、201名に対し8、506名が志願し、倍率は0.92倍となっています。不足数は695人です。9ブロックのうち、充足しているのは盛岡、岩手中部の2ブロックだけであり、しかも盛岡ブロックでは実質定員2、720名に対し3、128名が志願し、408名超の倍率1.15倍となっています。
2015年度において、花泉高校は2016年度から学級数が2学級から1学級となりました。花泉地域では、これに対し、地域として生徒確保に取り組み、2016年度入試において1名が推薦合格し、実質定員39名に対し46名の志願者がありましたが、40名の合格となり、6名が涙を流すということがありました。
私が今回注目しているのは葛巻高校です。県教委の再編計画の推進に向けた今後の取り組みでは地域との連携を重視するとし、学科改編、学級減等は原則として再編計画に基づき実施しますが、ブロック内の中学校卒業予定者数や各校の定員充足状況等に大きな変化があった場合には、実施時期等の変更も検討しますと明記されております。
ことし、葛巻高校では推薦、連携型で28名の合格者があり、23名が志願しており、全員合格すれば51名の合格となります。再編計画では葛巻高校は特例校であり、2018年度から学級減で1学級の計画となっていますが、地域の学校としての特色を出し、2学級80名に近づけようと努力しているにもかかわらず、それでも県教委では予定どおり学級減を行おうとするのか伺います。
市町村の取り組みに対する評価について伺います。
2月10日、遠野地区の高校再編を考える遠野市民フォーラムに参加しましたが、他地区への通学が容易ではない遠野地区の事情も考えれば、生徒の進路選択の幅を狭める再編は簡単に納得できるものではない、遠野の未来を担う子供たちが夢と希望を持って学び、大人へと成長していくために、そしてそれを土台として遠野のまちを活気づけていくために納得できない、ホップ和紙について、遠野として農商連携できるような高校が残ってほしい等の意見がありました。
現在、葛巻町や遠野市のように地域が一丸となって存続の取り組みを行っていますが、しゃくし定規で前期計画を進めることはないとは思いますが、これらの市町村の取り組みについて、県教育委員会はどのように評価されているのか伺います。
県立高校における35人学級の導入について伺います。
一昨年まで岩手県として35人学級を導入していたのは小学1、2、3、4年と中1の5学年でした。昨年、新たに中2へ拡大し、次は中3へと期待していましたところ、来年度から導入されることに対し、その英断に敬意を表させていただきます。
ゆとりある教育を進め、岩手の未来を担う人材を育成するためにも、今後、小5、6年への導入を進めていただくのはもちろんですが、県立高校においては、盛岡ブロック以外の倍率が1倍を切るブロックが多い状況からも、きめ細かい指導を行うためにも、県立高校においても35人学級を検討されてはいかがでしょうか、教育長の考えを伺います。
地域医療、まず医師の配置について伺います。
私は、昨年6月の一般質問で奨学金養成医師について質問しました。それは、私の住んでいる県南部への配置を考慮できないものかとの思いを強く持っていたからであります。しかし、結果として、両磐を除く8医療圏への配置となってしまいました。地域の人たちからは、なぜ両磐だけが配置されなかったのかと何度も聞かれました。そして、昨年の12月定例会、また、昨日も、他の議員からも配置されなかった理由を質問しております。
前回の答弁では、県内公的医療機関の医師の充足状況は、特に地域病院では当面は厳しい状況が続くものと認識しているが、奨学金養成医師の配置により、平成40年─2028年ごろには県内の公的医療機関の必要医師数を満たす見込みであり、将来的には医師不足と地域偏在の解消に向かうと見込んでいるとのことでした。
2月10日の岩手日報では、2017年度に新たに配置対象となる奨学金養成医師のうち8人を公的基幹病院に配置するとして、盛岡、岩手中部、胆江、宮古医療圏へそれぞれ2人を配置とありました。初期臨床研修を終えて新たに配置対象となる養成医師が、2年続けて両磐医療圏へ配置ゼロというのは、特に地域病院で当面は厳しい状況が続くものと認識しているでは済まされません。地域の人たちは納得しません。今現在において、ぜひ医師が必要なのです。
昨日、医療局長の答弁もありましたが、私は知事に伺います。2017年度の奨学金養成医師の配置はどのようにお考えなのでしょうか。また、医師不足が深刻である産科等の診療科の偏在をどのように捉えており、そして今後、県全体としてどのように取り組んでいくのか伺います。
市町村における奨学金事業について伺います。
一関市では、2016年4月から、一関市医療介護従事者修学資金貸付制度を導入しました。それは、看護師、准看護師、介護福祉士の各5名を対象として、入学金や月額貸付金を貸し付け、卒業後3年間から5年間、市内の関係機関に勤務すれば返還免除となるものとなっています。
医師不足が続く中で、医師の負担を軽減する助産師などの人材確保、介護に携わる資格を持っている人材を確保するために、各市町村では喫緊の課題として独自に奨学金事業等を導入しているものと思われます。このことは、見方を変えれば、県の取り組みを待っていられないということでもありますが、県は、これら市町村の取り組みをどのように評価しているのか伺います。
観光振興について伺います。
私は、1月30日に開催された北海道・東北六県議会議員研究交流大会の第1分科会、広域観光振興についてに参加しました。各県からは、地域の特徴を生かしながらの観光振興を進めている発表がありました。共通しているのは、外国人観光客の誘客拡大に取り組んでいることでした。その際、東北各県、さらには北海道と連携したコース設定等、広域観光の構築を進めていることでした。特に印象的だったのは秋田県で、秋田犬のお出迎えから始まり、さまざまなポスターやホームページ等で活用し、秋田犬が大いに活躍していたことでした。また、各県とも隣県との連携した取り組みも重要視していました。
私は、この観光振興については、何度も言いますが、歴史、文化を中心とする観光振興も大事だと思っております。例えば、松尾芭蕉の奥の細道コースで、山形の山寺、松島の瑞巌寺、平泉の中尊寺や毛越寺を回るルート。特にも現代は若い女性が中心となって御朱印帳が流行している背景を考慮に入れ、推進すればいいと考えております。
そんな中、昨年6月定例会の一般質問で、私は、著名人に着目した観光振興を質問したところ、歴史的舞台の宝庫である本県ならではの観光を売り込んでいくためにも、著名な作家やその作品を活用するなど、さまざまな工夫をしながらプロモーションを強化していく考えであると答弁がありましたが、具体的にこれまでどのようなことを工夫し進めたのか伺います。
義経北行伝説については、前回も申し上げましたとおり、多くの方々が関心を持っております。1189年の義経の死を史実ではないとして、その後の生き方に夢をはせている人々が多数います。
県では、これまで、義経北行伝説〜三陸街道を行く〜、義経は北へというすばらしいパンフレットを作成しています。しかし、どちらも発行は県北広域振興局と沿岸広域振興局で、協力は青森県八戸市となっております。北行という言葉にこだわればやむを得ないことかもしれませんが、義経伝説ならば、県南部や宮城県、青森県、さらに福島県とも共同することで、現在より大きな観光ルートが作成できると思いますが、いかがでしょうか。
また、岩手県のみならず、震災復興を掲げ、青森県、宮城県、福島県など太平洋沿岸地域の他県と連携した取り組みを行うことで岩手県の観光資源の魅力が増し、より魅力ある観光ルートが作成できると考えられますが、このような他県との交流も含めた観光振興の取り組みについて県の考えを伺います。
以上、答弁によっては再質問もあることを申し添えさせていただき、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 千葉進議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、震災復興についてでありますが、ビルド・バック・ベター─よりよい復興は、平成27年3月に仙台で開催された第3回国連防災世界会議におきまして、世界の防災強化の指針となる採択文書に盛り込まれた考え方で、災害前と同じ状態にただ戻すのではなく、被災の教訓を踏まえ、より強靭な社会へ復興することというものであります。
現在策定を進めている第3期復興実施計画においては、平成29年度及び平成30年度をビルド・バック・ベター、三陸のよりよい復興の実現につなげる三陸復興、創造期間とも言えるよう、復興事業の総仕上げを視野に、復興の先を見据えた地域振興にも取り組みながら、復興を推進することとしています。
具体的には、安全の確保については、水門・陸閘自動閉鎖システムを備えた海岸保全施設や、かさ上げ、高台移転等によるまちづくり、防災意識の向上等のソフト対策などにより、災害に強い安全な多重防災型まちづくりの実現に向けた取り組みを進めます。
暮らしの再建については、地域の医療と介護をつなぐ情報ネットワークシステムなどを活用した地域包括ケアの取り組み支援や、多様な主体の参画や国内外に広がったさまざまな交流による地域コミュニティーの活性化等により、お互いに支え合い、安心して心豊かに暮らせる生活環境の実現に向けた取り組みを進めます。
なりわいの再生については、復興道路等の交通ネットワークを活用した産業振興や、ラグビーワールドカップ釜石開催を好機とした交流人口の拡大等により、なりわいの再生と地域経済の回復を目指します。
これらの取り組みを進めることにより、市町村、県、国が一体となって、被災からの復旧にとどまらない三陸のよりよい復興の実現を目指してまいります。
次に、幸福度についてでありますが、検討状況については、現在岩手の幸福に関する指標研究会で御議論いただいており、昨年11月には、幸福に関連する領域は、仕事、健康、家族などの12領域が考えられること、岩手が目指す豊かさをあらわす指標として、つながりをあらわすことのできる指標が考えられること、指標が県民の実感を踏まえたものとなるよう、ワークショップ等の方法について検討することなどを内容とする中間報告書が取りまとめられたところであります。
本年1月には、中間報告書を踏まえ、県民の皆様から御意見を聞く手法を検討するため、学生を対象としたワークショップを実施いたしました。
幸福に関する指標は、次期総合計画における導入を検討しておりまして、導入時期については、計画の開始時である平成31年度を考えているところでありますが、まずは、本年夏ごろを目途として、研究会からお示しいただく予定の最終報告書を踏まえながら、引き続き議論を進めてまいりたいと思います。
次に、農業振興についてでありますが、本県の農業は、他産業への波及が大きい裾野の広い産業であり、地域経済を支える基幹産業の一つとして、国際貿易ルールの動向にかかわらず、将来にわたり持続的に発展していくことが重要であります。このため、県では、いわて県民計画第3期アクションプランに基づいて、農業経営の高度化や生産性、市場性の高い産地づくり、高付加価値化などを柱として、農業者の収益アップと農業、農村の活性化に向けた取り組みを進めているところであります。
今後におきましても、こうした取り組みをさらに進め、地域の核となる担い手を中心として、多くの農家が生産活動に携わりながら、多彩な資源を生かした6次産業化の推進など、地域の特色や強みを生かした収益性の高い農業の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。
次に、医師の配置についてでありますが、奨学金養成医師の配置に当たりましては、配置基本方針に基づいて、養成医師を公的医療機関の基幹病院と中小規模の地域病院にそれぞれ一定期間配置することとしており、キャリア形成支援の観点から基幹病院に先行して配置し、その後、地域病院に配置することとしています。
このような考え方のもと、来年度の配置については、県、国民健康保険団体連合会、医療局及び岩手医科大学で組織する配置調整会議において、現時点で配置先が未定である者を除き、両磐医療圏の2名を含む21名の養成医師を公的病院に配置することとしたものであります。
次に、診療科偏在についてでありますが、本県では全ての診療科で医師が不足しているものと認識しておりまして、県では、これまで、医師の絶対数の確保に向けて、医師確保対策アクションプランに基づいてさまざまな取り組みを行ってまいりました。
県立病院においても、地域から特に要請のある診療科等について、関係大学への医師派遣の要請などを行い、医師の確保に努めてきたものと承知しております。
また、来年度配置対象である奨学金養成医師が選択した診療科は、産婦人科や小児科を含む23のさまざまな診療科に及んでおり、このように幅広い診療科の養成医師が順次地域医療に従事することにより、地域医療体制の確保に寄与するものと考えています。
さらに、医師の不足や偏在の根本的な解決に向けましては、全国的な取り組みが必要でありますことから、本県では、国全体で医師の計画的養成などに取り組むことを主眼とする、地域医療基本法の制定を国に提言しているところであります。
今後とも、関係機関等と連携しながら、診療科偏在の解消に向けて取り組んでいく考えであります。
その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔農林水産部長紺野由夫君登壇〕
〇農林水産部長(紺野由夫君) いわて林業アカデミーについてでありますが、現時点の合格者は、推薦選考、一般選考合わせて12名であり、現在、最終募集を実施しているところであります。
高校生の合格者につきましては10名で、そのうち農業高校出身者は2名となっております。
研修に要する費用といたしまして、受講料11万8、800円のほか、教科書や作業服、長靴などの購入費や傷害保険料、さらに、通学に係る交通費や生活費などが必要であります。これらの費用に対して、国の緑の青年就業準備給付金制度を活用し、月額最大12万5、000円を支給するための事業費を新年度の当初予算案に盛り込んだところであり、安心して研修を受講できるよう支援をしてまいります。
また、研修生の交流につきましては、県立農業大学校の学生などとの交流を計画しており、同年代との交流を通じてお互いの理解を深め、意識、意欲の向上に努めてほしいと考えているところであります。
〔商工労働観光部長菊池哲君登壇〕
〇商工労働観光部長(菊池哲君) まず、いわて産業人材奨学金返還支援制度についてでありますが、産業界からの出捐金の確保に向け、県では、商工関係団体を通じた周知や協力依頼に加え、理工系大学生等の採用実績のある企業を中心に、個別訪問による出捐の要請などを行ってきているところですが、これまでのところ、本制度が対象とする分野の企業からの出捐の動きはまだない状況にあります。
これは、支援対象分野の企業の平成30年度に向けた採用活動がこれから本格化してくるものと見込まれ、今後、本制度活用のメリットを勘案した具体的な採用の取り組みと連動し、出捐に向けた動きが出てくるものと期待しているところでございます。
一方で、ものづくり産業の高度化を本県産業経済の持続的成長につなげていくという制度の趣旨に御賛同いただいた県外に本社を置く複数の大手企業からは、既に出捐に向けた動きが出てきているところであります。
県としては、これまでの取り組みに加え、商工関係団体の広報活動等の協力も得ながら出捐要請を一層強化し、対象分野の企業のみならず、本県産業経済を牽引する有力企業の皆様にも、理解と協力を求めていく考えであります。
なお、出捐の状況によって募集人員の再検討が必要になることもあり得ますが、現段階では、当初見込んだ規模での募集を進めることとしておりまして、引き続き出捐の確保に努めてまいります。
次に、歴史文化を中心とする観光振興についてでありますが、著名な作家や作品などの活用により、本県ならではの歴史文化を観光資源として売り込んでいくことは、国内外からの誘客拡大にとって重要と認識しているところでありますが、その取り組みに当たっては、さまざまな主体と連携を図りながら取り組んでいく必要があると認識しております。
このため、県、市町村、観光、商工団体、報道機関などで構成する官民一体の観光推進組織でありますいわて観光キャンペーン推進協議会において議論を行い、平成29年度以降の事業展開に反映していくことで準備を進めているところでございます。
また、今年度におきましては、著名な日本文学研究家や歴史研究家を招いてのイベント開催と、これにあわせての世界遺産と県内観光地をめぐるエクスカーションの実施や、平泉と県南部の内陸、沿岸の観光地を組み合わせたバスツアーの運行支援、本県出身の有名漫画家の作品のゆかりの地でのイベント開催など、歴史文化を活用した誘客の取り組みを展開してきているところでございます。
今後も、歴史文化を有力な観光資源として活用し、その魅力の発信を強化をするなど効果的なプロモーションを展開いたしまして、国内外からの誘客拡大に努めてまいります。
次に、他県連携による観光振興についてでありますが、義経ゆかりの観光ルートなど、他県との連携による広域的な周遊ルートの構築の方向性につきましては、今後、本県を初め、東北各県等で構成する東北観光推進機構のもとで議論を深めるなど、各県とともに研究を進めていきたいと考えおります。
また、これまでも、東北各県の連携による広域観光ルートの構築に取り組んできているところでございまして、東北観光推進機構が中心となり策定いたしました日本の奥の院・東北探訪ルートにおきましては、平泉を拠点に、歴史文化をめぐる東北の歴史文化満喫コースを初め、震災復興のコンテンツをめぐる三陸の恵みと復興コースなど6ルート、6コースを設定し、海外へのPRや、海外旅行者の招請などによるプロモーションの展開も行っているほか、青森県、宮城県及び福島県との連携のもとで、みちのく潮風トレイルモデルコースや、海外教育旅行モデルコースなどを初めとする太平洋沿岸をめぐるコースづくりを進めているところでございます。
今後も、東北各県と連携しながら、文化、歴史などの観光資源も組み合わせ、テーマ性、ストーリー性のある魅力的な広域観光ルートの構築や相互交流を進めていく考えであります。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) 公共交通のあり方についてでありますが、地域における持続的な公共交通ネットワークの確保に向けて、地域公共交通会議などにより多様な関係者による議論と連携のもと、地域公共交通網形成計画を策定し、公共交通の再編を進めることが望ましいものと考えております。
地域公共交通会議による具体的な計画策定に当たっては、市町村の公共交通を担当する体制や人員の不足、専門的なノウハウの不足などの課題があることから、県においては、計画策定のための調査委託などに対して補助を行うほか、有識者による公共交通活性化支援チームの派遣などにより支援しているところであります。
現在、県内では、31市町村において地域公共交通会議が設置されており、地域内交通のあり方や適切な輸送手段、路線形態、サービス水準や利用促進策等の議論がなされておりますが、このうち、3市町が本年度中に、6市町が来年度中に、地域公共交通網形成計画を策定する予定となっております。
また、来年度、県において、市町村や交通事業者、有識者などによる公共交通再編、活性化のための検討会議を設置することとしており、所要の経費を平成29年度当初予算案に盛り込んだところであります。
この会議では、全県的視野に立ちながら、地域のニーズに即した持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて、その戦略や対応策などを協議する予定であり、検討結果をマスタープランとしながら、市町村等における交通再編の促進につなげていくこととしております。
〔保健福祉部長佐々木信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐々木信君) 市町村における奨学金事業についてでありますが、本県の地域医療の充実を図っていくためには医療従事者の確保が重要であることから、県では、特に不足している医師や看護職員について奨学金制度による養成に取り組んできたところであり、今年度の新規貸付者は、医師が42名、看護職員が126名となっています。
一方、市町村立病院や診療所等を設置、運営している市町村では、地域における医療従事者の確保などを目的に、それぞれの地域の抱える課題や実情等を踏まえ、独自の奨学金制度を運営しているものと承知しており、こうした各地域における取り組みが、本県医療全体の充実につながっていくものと期待しております。
今年度は、新たに、独自の医師奨学金制度を有している市町村と県との情報交換会を開催したところであり、引き続き、県と市町村、関係機関が連携し、医師や看護職員等の養成に努めてまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 学校司書についてでありますが、県教委では、これまで、学校司書の配置に取り組んできており、本年度は、高等学校で13校、率にして20.3%、特別支援学校は1校、7.7%となっており、今後、その計画的な充実に努めていく必要があると認識いたしております。
また、学校司書の資質向上に当たっては、毎年度、読書活動の充実を図ること等を目的として、学校司書等を対象に学校図書館担当者研修会を開催し、読書活動の実践報告や情報交換などに取り組んできているところであります。
今後におきましては、図書館運営や教育活動の支援に果たす学校司書の役割に加え、昨年11月に文部科学省から示された学校図書館ガイドラインの趣旨等をも踏まえつつ、具体的な体制の強化を検討していく必要があると考えておりますが、人的制約もあり、当面は、例えば学校事務職員の役割として図書館業務を明確に位置づけ、司書教諭との協力体制づくりに取り組むとともに、学校司書に求められる資質、知識等を踏まえた研修内容の一層の充実を図ること等により、より効果的に図書館機能が発揮されるよう努めてまいります。
次に、司書教諭についてでありますが、司書教諭の配置が義務づけられていない11学級以下の学校の配置状況は、高等学校で1校、特別支援学校で4校となっております。
11学級以下の学校への配置につきましては、司書教諭は、学校図書館法において、学校図書館の専門的職務をつかさどることとされていること、さらには、学校図書館を活用した教育活動の企画運営に果たす中心的な役割がありますので、今後、全体的な人事配置等を進める中で検討してまいりたいと考えております。
次に、専任司書教諭についてでありますが、学校図書館の適切な運営や利活用の推進など、学校図書館の充実に向けた取り組みを推進するという観点から、現在、県立高校2校に専任司書教諭を配置しているところでありますが、学校図書館は、主体的な学習活動を支援し、また、学習情報センターとしての機能を持ち、学校教育において重要な役割を担っており、その運営に当たる司書教諭などの人的体制の充実を図っていくことは重要であると認識いたしております。
このような認識のもと、今後の具体的な配置につきましては、現在配置している2校における図書館運営の状況や各学校ごとの課題、意向等を十分に把握しつつ、また、司書教諭を含めた教職員定数全体の配置のあり方を十分に踏まえ検討してまいりたいと考えております。
次に、学区制のあり方についてでありますが、県立高校における学区制は、特定の高校への入学志願者の集中を避けること等の理由から、一部の学系、コースを除く全日制普通科に適用いたしております。
この学区のあり方に関しては、新たな県立高等学校再編計画の策定に向け、県内各ブロックごとに開催した意見交換の場等におきましても、生徒の学校選択の機会拡大の観点から学区の撤廃を求める御意見や、議員の御意見と同様に、地域外への生徒の流出防止の観点等から学区の維持を望む御意見等もあり、また、県議会におきましても御意見をいただき、再編計画の策定後に検討を進める旨お答えしてきた経緯がございます。
加えて、県外からの入学志願者の受け入れについては、中山間地域においては、県内外からの人口流入のチャンスにもなり得るというような期待の声もございます。
いずれ、学区制は、高校進学を控える子供たちにとって身近で重要な問題でありますので、あらかじめ学区制の存廃いずれかの方向性を目指すということではなく、平成28年度から移行した新たな入試制度の状況や再編計画の推進状況を見きわめるとともに、広く御意見をもいただきながら、多面的な検討を進めたいと考えております。
葛巻高校の学級数についてでありますが、昨年3月に策定した新たな県立高等学校再編計画は、本県の児童生徒数が減少していく中で、望ましい学校規模の確保による教育の質の保証と、本県の地理的諸条件等を踏まえた教育の機会の保障を大きな柱としたものであり、本年度においては、本計画に基づく学級減を行ったところでありますが、今後におきましても、計画に基づく考え方等を十分に踏まえながら、着実な推進に取り組んでいくことが重要と考えております。
県教委におきましては、再編計画の策定や計画の実施に当たり、市町村等との丁寧な意見交換等に努めてきたところであり、今後におきましても同様の対応をしていく考えでありますが、葛巻高校については、本年度の入試における志願者数の確定による定員充足状況や、葛巻町におけるふるさと振興に向けた取り組みに加え、連携型の中高一貫教育校であること等をも考慮の上、町や学校との十分な意見交換を行いながら、適切に対応していく考えであります。
また、市町村の取り組みについてでありますが、これまで、学校と市町村との間でさまざまな取り組みが展開されてきているところでありますが、このような取り組みは、高校の魅力づくりやふるさと振興の観点等からもありがたく存じております。
高校再編計画の実施に当たりましては、そのような動向等も十分に見きわめながら適切に対応してまいります。
次に、県立高校における35人学級の導入についてでありますが、1学級の定員は、高校標準法により学級編制の基準が40人と定められていることから、本県でも40人を1学級の定員としているところでありますが、これまで行ってきた新たな高校再編計画の策定に当たり、ブロックごとに開催した地域検討会議等においては、県北・沿岸地域や中山間地域等において少人数学級の導入を求める御意見もいただいております。
現在は、中山間地域の小規模校や被災地の高校を中心に、復興加配定数などを活用し手厚く教員を配置し、実質的な少人数教育に取り組んでいるところであります。しかしながら、復興加配は今後の復興の進展に伴って段階的な縮小が見込まれるところであり、また、仮に正規の学級定員を少人数とした場合、高校標準法に基づく算定基礎定数にも影響が及び、地方財政措置が減少することなどの懸念があります。
このような状況を踏まえ、今後とも、復興加配の継続及び教員定数の改善を国に要望してまいりますが、子供たちの発達段階等を考慮すれば、義務教育における少人数教育の拡大にまずもって優先的に取り組むことが必要と考えており、県立高校におきましては、当面は40人学級を維持しつつ、習熟度別クラスの編成や進路希望別コースの編成等で対応する方向を維持したいというように考えております。
〔警察本部長堀誠司君登壇〕
〇警察本部長(堀誠司君) 高齢運転者による交通事故の発生状況でありますが、平成28年中の発生件数は563件、一昨年と比較して20件の減少であります。
全交通事故に占める割合につきましては、昨年中は23.7%、これは、一昨年と比較しますと0.9ポイント増加しております。
次に、高齢運転者の運転免許証自主返納状況についてでありますが、昨年中の自主返納件数は2、451件であり、一昨年と比較いたしまして555件、率にして29.3%増加しております。
次に、各市町村における自主返納への支援策の動向あるいは特徴などについてでありますが、昨年中の新たな動きといたしましては、北上市そして釜石市でそれぞれ免許証の自主返納者に対する公共交通機関利用時の優遇措置が新たに導入されたところでありますが、その結果、両市に居住いたします高齢運転者の方の自主返納件数が増加しており、それぞれの対前年比増加率は、先ほど申し上げた県内の平均の29.3%を上回っている状況にあります。
次に、自治体などに対する免許返納者への支援策の拡充についての働きかけについてでありますが、高齢運転者が年々増加する中で、この加齢に伴い運転に不安を感じる方などに免許証の自主返納制度を広く知っていただくことは、高齢運転者の事故防止を図る上で重要と考えております。
県警察といたしましては、ホームページ、各種交通安全講習、運転適性相談等の機会を利用いたしまして制度の周知を図っておりますが、そのほか、地域公共交通会議における自主返納者への優遇措置の導入の要請、あるいは岩手県バス協会に対する運賃割引等の支援の要請など、免許返納者への支援策の拡充に向けた働きかけを行っているところであります。
〇16番(千葉進君) ありがとうございました。本当は幾つかあるんですけれども、司書のことに集中して再質問させていただきます。
先ほど言いましたが、学校司書、司書教諭、専任司書教諭という形の部分で、図書館というのは、それぞれの生徒たちがいろいろな教養を深めたり、あるいは進学、就職等にも使ったりと。自分でなかなか見つけられないという部分があったりするわけですので、それを導いてくれる人という位置づけをした場合、やはり図書館教育というのは非常に大事だと思うのですけれども、学校司書の場合は、今、14名ということですが、はっきり言いまして、全員、司書の資格がない人たちではないかと思うのです。そういう面で、司書の資格がある人たちを配置する必要性があると思います。司書の資格のある人たちを多く採用する方向性といったものを打ち出すことによって、学校司書あるいは司書教諭、専任司書教諭というものが開けていくかと思うのです。
なおかつ、専任司書教諭についても、10年以上たって2人のままという状況があります。あと2人という形で県内4地区という、せめてそこの部分でそれぞれの地域のもの─全て花巻の総合教育センターで研修するということだけではなく、いろいろなものを知っている方が各学校の図書館、特にも、今、CASA(学校図書館資料管理システム)という形で書籍の管理等もしているわけですので、それがわからない、使い切れていない人も中にはいるわけです。私も図書館を担当したことがありますが、CASAは、はっきり言って最初は使えませんでした。そういう面でも、いろいろなことを教えていただく専任司書教諭をメーンとして各地域に欲しいですし、なおかつ、司書の資格のある方々をできるだけ多く育成もしてもらいたい。
そういったことを考えたとき、図書館教育というものの重要性を教育長がどう認識して、少しでもそこの部分を広げようとしてくださっているのかお伺いします。
〇教育長(高橋嘉行君) まず、図書館機能をどう認識しているかということでございます。先ほども学校図書館の重要性につきましては御答弁させていただきましたけれども、さらに加えて申し上げさせていただきますと、学校図書館は、授業を通じた能力の育成に加えまして、子供たちの豊かな心を育むとともに主体的な学びの力を身につける大きな機会である。これは議員のほうからもお話がございましたけれども、そういうことを通じながら生きる力を育むために極めて重要な活動でございまして、学校図書館というのは、その中心的な役割を果たしているということで、極めて大事なものと認識いたしております。
それから、学校司書でございますけれども、資格の有無についての御質問がございました。法令等におきまして、学校司書については資格は定められているものではございません。そういうことで、現在、司書等の資格を有する学校司書は配置していないということでございますけれども、文部科学省が示しましたガイドラインにおきましても、学校司書の専門的な知識や技能の必要性が示されているところでございまして、学校司書の一層の資質向上に向けて取り組んでいくということは極めて重要であると思っております。
そして、議員御指摘のとおり、学校司書が司書資格を有するということが望ましいことではありますけれども、有資格者が極めて少ないという現実がございますので、ガイドラインの内容等を踏まえつつ、当面は各種の研修等への参画を促すということと、職員採用に当たりまして、司書資格、有資格者の採用が可能かどうか等についてもあわせて検討してみたいと思っております。
それから、専任司書教諭でございますけれども、御案内のとおり、2校ということでございます。専任司書教諭は全体の教職員定数の中で配置するということで、それぞれの学校からは、校務分掌、教科等でこれを重要視したいということがあり、そういう各学校ごとの話を丁寧にお聞きしていく必要がございます。そういう中で図書館の重要性についてもしっかりと学校側に伝えながら、全体的な配置のあり方の中で検討することが必要かと考えております。
〇議長(田村誠君) 次に、小野寺好君。
〔38番小野寺好君登壇〕(拍手)

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