平成29年2月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇30番(郷右近浩君) 改革岩手の郷右近浩でございます。
質問に先立ち、あの東日本大震災津波から間もなく6年を迎えようとしている中、いまだに不自由な生活を余儀なくされている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また、昨年の台風第10号災害において、とうとい命を落とされた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
それでは、登壇の機会をくださった先輩、同僚議員に感謝し、通告に従い順次質問をさせていただきます。
最初に、平成29年度当初予算案についてお伺いします。
平成29年度一般会計当初予算案は総額9、797億円と、震災後の平成23年当初予算以降、初めて1兆円を下回った予算となりましたが、未来につなげる復興ふるさと振興予算として、東日本大震災津波と台風第10号災害からの復興を最優先に、岩手県ふるさと振興総合戦略に掲げる人口減少対策や被災者の生活再建、被災地三陸地域の振興にしっかりと重点を置きながらも、岩手国体のレガシーを生かした文化、スポーツ振興や海外へ岩手を丸ごと売り込んでいく国際戦略を進め、限られた予算の中で復興の先の種をまき、未来へ向かわんとする知事の思いが見受けられます。
震災分としては、この間の復興事業の進行により3、043億円と、平成28年度当初予算より962億円、24%の減となりましたが、これから残る災害公営住宅整備等のハード事業のほかに、被災地のコミュニティー形成支援や再開した事業者や産業の支援を行っていく意思があらわれているものと思います。
昨年11月の決算特別委員会の総括質疑で質問した際に話されていた編成方針が手当てされ、厳しい財政状況の中にあっても、できるだけ未来に向かう姿勢を貫いた予算であると思います。平成29年度は、復興計画の最終期間に当たる第3期復興計画がスタートする年でもあり、平成29年度、平成30年度で復興事業の総仕上げをする大切な時期であります。
ここでは地方財政制度に関する議論はしませんが、国が平成28年度から導入した復興事業費の地元負担拡大に伴う平成29年度負担額が19億7、000万円、さらには国税収入の減額や、これまで地方交付税の総額確保に活用されてきた前年度からの繰越金が見込まれないなど、地方にとってそして我が県にとって厳しい状況も出てきておりますが、そのような状況の中での第3期復興計画のスタートである年の未来につなげる復興ふるさと振興予算にかける知事の思いを伺います。
また、復興を支えてきた地域の建設業は、台風第10号などの災害時の対応にも見られるとおり、安全で安心な暮らしを守り、地域に欠かせない重要な役割を担う産業でありますが、復興の進捗に伴い、今後、公共事業は減少していくものと見込まれます。
県内建設業からは、工事量の減少により、将来的に影響が出てくるとの声も聞こえてきますが、建設業が地域を支えていくためにも、地元業者の育成と地域経済にも配慮した公共事業予算を確保していく必要があると考えますが、県の御所見を伺います。
以後は、降壇して質問席より質問いたします。
〔30番郷右近浩君質問席に移動〕
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 郷右近浩議員の御質問にお答え申し上げます。
平成29年度当初予算にかける思いについてでありますが、平成29年度当初予算案は、未来につなげる復興ふるさと振興予算として、第3期復興実施計画に基づく復興と台風第10号からの復旧、復興を最優先に、いわて県民計画第3期アクションプラン、ふるさと振興総合戦略を着実に推進する予算として編成いたしました。
〔副議長退席、議長着席〕
具体的には、復興関連予算では、第3期復興実施計画の初年度として、復興に向けた三つの原則に基づき、被災者イコール復興者一人一人の復興を見守りながら、復興事業の総仕上げを視野に、地域の状況に応じた復興を進めてまいります。
また、復興の先を見据え、三陸地域への誘客の促進や、ILCの実現を初めとする科学振興施策など長期的な視点に立ち、新しい三陸の創造を目指す三陸創造プロジェクトを通じ、復興のさらなる展開につなげてまいります。
さらに、台風第10号災害の復旧、復興対策については、今年度の補正予算案と平成29年度当初予算案を合わせ、切れ目なく対応してまいります。
一方、ふるさと振興については、総合戦略の計画期間の中間年に当たることから、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすの三つの柱に基づく取り組みを強力に推進するとともに、ラグビーワールドカップ2019釜石開催の準備や世界文化遺産の価値、理念の普及など、従来の枠を超えた文化、スポーツの振興、海外市場へ向けた岩手ブランドの発信など、国際関連施策の戦略的な展開などの取り組みを進めることとしています。
これら各般にわたる施策の推進により、県民一人一人が将来にわたって確かな未来を描くことができる岩手の実現を目指していく考えであります。
その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔県土整備部長及川隆君登壇〕
〇県土整備部長(及川隆君) 地元業者の育成と地域経済にも配慮した公共事業予算の確保についてでありますが、県の公共事業予算は、復興事業の進展につれて減少に転じているものの、台風第10号のような災害時における対応のほか、今後増加してくる社会資本の維持管理や老朽化対策への対応、生産性の向上に資する道路交通ネットワークの構築や治水対策、土砂災害対策など、地域の建設業が担う役割はますます大きくなっていくものと考えています。このため、地域の建設業が持続的に発展していけるよう、アイ・コンストラクションによる建設現場の生産性の向上や担い手確保への支援など、地元建設業の育成にも取り組むほか、地元優先の発注や、必要な公共事業予算の確保に努めてまいります。
〇30番(郷右近浩君) これまで、震災前でありますけれども、公共事業の減少により、建設業の方々がなかなか仕事がないため、それぞれの会社の規模を小さくしたり、事業所自体が少なくなっていく中で、東日本大震災であったり、また、この間にもさまざまなことが起きております。建設業者へ公共事業をとにかく多く出すことによって経済を動かすという考え方が全てではないと思いますけれども、やはり県内の建設業者が何かあったときに力になってくれる、そうした方々をきちんと育成できるような形というのは常に考えていかなければならないと思います。だとするならば、そうした意味合いからも、きちんと日ごろから県内で仕事を計画的に出しながら、その育成であったり、さらにはコミュニケーション等を図っていくべきだと考えており、私は、これまでも公共施設のアセットマネジメントを橋梁や道路のみならず、県管理の公共物全てで行うべきと発言してまいりました。
知事の演述にもありましたが、近年、これまでの常識が通用しない豪雨災害から県民の命、財産を守るための治水対策、そして土砂災害対策をさらに進める、また、必要な社会資本が将来にわたって機能し続けるよう、計画的な維持管理や長寿命化をさらに、そして早急に進める必要があると考えますが、御所見を伺います。
〇総務部長(風早正毅君) 県では、平成28年3月に策定しました岩手県公共施設等総合管理計画に基づきまして、インフラ施設を含む全ての公共施設等を対象に、維持管理や修繕、更新などに係ります中長期的なコスト縮減や財政負担の平準化を図るなど、長期的な視点に立ちました全庁的な公共施設マネジメントの取り組みを開始いたしました。
御指摘のとおり、橋梁など一部の施設については、従前からマネジメントに取り組んでおりますが、今後の計画の推進に当たりましては、計画の基本方針の一つである安全・安心の確保の観点も踏まえ、大規模災害時の拠点となる公共施設やその他のインフラ施設についても、平成32年度までに各部局において個別の施設計画を策定し、計画的な維持管理、長寿命化に取り組み、公共施設等に求められる機能の維持、強化を図ってまいります。
〇30番(郷右近浩君) 今後とも取り組んでいただきたいと思います。
それでは、先ほど知事からこの予算にかける思いということで御答弁をいただいておりますけれども、その中で、さまざまなお話があった振興について、そして施策についてお伺いしてまいりたいと思います。
まず最初に、文化、スポーツの振興についてお伺いいたします。
知事は、知事演述において、文化、スポーツの振興により、個人の感性、創造性が発揮され、心のつながりを育み、多様性を理解し尊重し合える社会の形成が図られること、また、文化、スポーツの振興は、地域コミュニティーの活性化や観光振興を初めとする経済分野への波及も期待され、新たな需要や人の流れを創出し、復興とふるさと振興につながりますとの理由を述べ、文化、スポーツの力を生かし、県民一人一人の個性と創造性が輝く地域づくりを進めるため、本年4月、知事部局に文化スポーツ部を設置すると述べられました。
また、文化スポーツ部においては、現在策定を進める岩手県文化・スポーツ振興戦略に基づき、文化、スポーツに関する施策の充実に加え、県民の健康づくり支援や観光振興との連携の推進、ラグビーワードカップ2019の成功に向け、受け入れ態勢の整備、充実に取り組むとしておられます。
平成29年度当初予算案には、文化やスポーツに係る事務を新設する文化スポーツ部に一元化し、ふるさと振興に資する施策を戦略的に推進するとありますが、知事は、演述の中で述べられた思いを平成29年度当初予算案の中にどのように盛り込んだのか、平成29年度に重点的に取り組む事業とあわせてお示しください。
〇知事(達増拓也君) 文化、スポーツの振興は、地域コミュニティーの活性化や、観光振興を初めとする経済分野の波及効果等も期待され、復興とふるさと振興につながるものであります。このような考えに基づいて、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を通じて得た自信や県民意識の高まりなどのレガシーを次世代に継承していくため、3月に、岩手県文化・スポーツ振興戦略を策定し、三つの柱からなる戦略の推進を図っていくこととして、これらの取り組みについて当初予算案に盛り込んだところです。
戦略1、国体・大会のレガシーの継承と従来の枠を超えた文化・スポーツへの取組では、ラグビーワールドカップ2019の釜石開催準備や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた機運醸成、ポップカルチャーやアール・ブリュットの振興などの従来の文化の枠を超えた取り組みなどを実施してまいります。
戦略2、県民の心を豊かにする文化芸術の振興では、伝統文化の魅力の国際的な発信や海外との文化交流など、県民がすぐれた文化芸術に触れる機会の創出、障がい者芸術に係る支援者の養成や作者の権利擁護等の障がい者の芸術活動の振興などを図ってまいります。
戦略3、県民が元気になるスポーツの振興では、トップアスリートや指導者の育成、トップスポーツチームとの連携やスポーツコミッションの設置によるスポーツツーリズムの振興などを推進してまいります。
これらの重点事業を中心に、観光施策など政策間の連携や市町村との連携など、相乗効果を高めるような文化、スポーツ施策の展開に意を用いてまいります。
〇30番(郷右近浩君) 今、プロスポーツ等との連携等もお話の中にあったわけでありますけれども、それでは、スポーツ振興戦略のほうにつきまして、各種大会誘致やスポーツツーリズム、さらにはプロスポーツ等との連携を進めていかれると、そうしたお考えもこれまで出されておりますけれども、この件につきまして、県ではどのように進めていかれるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
〇政策地域部長(大平尚君) 大会誘致やスポーツツーリズム等についてでありますが、県内のスポーツ資源と観光資源を活用、融合した地域スポーツ振興と地域の活性化を図るため、官民の関係機関が一体となった、仮称ではありますがスポーツコミッションの設立を目指し準備を進めてまいります。
その活動といたしましては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の代表チームの事前合宿の誘致、県外大学、社会人チーム等の合宿誘致、国内外のスポーツ大会の開催誘致、市町村が行う誘致活動に対する支援などを想定しております。
また、プロスポーツなどトップスポーツチームとの連携についてでありますが、来年度は新たな取り組みを行うこととして、当初予算案に盛り込んでおります。
具体的には、バスケットボールの岩手ビッグブルズ、サッカーのグルージャ盛岡、ラグビーの釜石シーウェイブス、この3チームを連携の対象とし、選手が持つ高いスキル、知識を活用したスポーツ教室、高齢者を対象とした運動教室を実施していただくことなどにより、新たな運動機会の創出や県民の健康づくりにつなげていくほか、県内各地からリーグ公式戦への観戦招待などの実施を想定しております。
〇30番(郷右近浩君) 岩手の中でもプロスポーツであったり、またプロを目指して頑張っている方々が多くいる中で、そのプロというものに触れていく、そしてスポーツという枠の中でさまざまな交流があるということ自体が元気を生み出すものと思いますので、ぜひ、またこの件も進めていただきたいと思います。
そしてまた、先日の知事の記者会見におきまして、岩手県の場合、観光の分野につきましては、旅行商品の企画や造成などに対して、宿泊施設や飲食店、旅行会社との連携が必要であること、また、農林水産業や地域づくり等の分野とも関連が深いということから、引き続き、商工労働観光部において所管するのが適当と判断していると発言されております。
一方で、文化・スポーツ振興戦略の中では、漫画の舞台となった地域への聖地巡礼や観光ツアーの造成ですとか、県内のスポーツ資源と観光資源を活用、融合した地域スポーツの振興と地域の活性化などにも取り組むこととしており、文化スポーツ部と商工労働観光部の連携によって観光振興施策の充実を図っていくこととしていると述べられたことから、今回、新たな部を新設するに当たり、文化スポーツ観光部とはせず、商工と観光の連携をさらに優先した中での所管、分担、連携に対しての知事の考え方は理解いたしましたし、文化スポーツ部の活動に今後期待してまいりたいと思います。
そこで、これから文化財を活用した振興施策について伺ってまいりますが、最初に、地域の祭りなど文化財の保護策、振興策の現状についてお伺いいたします。
本県は、国、県、市町村合わせた指定文化財の件数が有形、無形合わせて約2、600件以上あり、文化財の宝庫であります。昨年の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会では、全国の方々から、こうした本県の文化財や民俗芸能が高く評価されたところでありますが、その中でも、無形民俗文化財の保護や振興に、県ではこれまでどのように取り組んできたのかお伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 県教育委員会におきましては、これまで34件の民俗芸能等を無形民俗文化財として指定しており、先般開催した文化財保護審議会の答申を受け、本年4月を目途に、新たに2件の指定を予定いたしております。
また、多くの学校で、総合的な学習の時間や特別活動においてその伝承活動を推進するとともに、無形民俗文化財の保存会への備品整備の支援や、中学校総合文化祭、高等学校総合文化祭への支援、民俗芸能フェスティバルの開催などに取り組んできております。
今後におきましても、市町村等との連携を図りながら、無形民俗文化財の保護や振興が図られるよう努めてまいります。
〇30番(郷右近浩君) これまでも地域のお祭りや民俗芸能については、それぞれの団体や地域が支えて継承してきたものでありますが、しかし、近年、人口減少の影響による地域の過疎化やライフスタイルの多様化などによる後継者や参加者の減少により、継続、継承が難しくなっているものも少なくないと感じております。
学校現場等での教育機会でこれまで取り組んできていただいたということは評価するものでありますけれども、なかなかそれぞれ自身の地域のそうした文化を継承していくということが難しくなっているのかと感じている次第であります。
私の住んでいる奥州市におきましても、毎年4月29日に行われる日高火防祭の主役となる小学校2年生から4年生の女の子が年を追うごとに集まらなくなっており、許されるなら、この場をお借りして、4月29日に奥州市水沢区で行われる日高火防祭の屋台に乗りたい、または孫を乗せたいという小学2年生から4年生の女の子の保護者の方がいらっしゃいましたら、私、郷右近浩まで連絡をと叫びたいぐらい、存続自体が大変になってきております。
また、奇祭と称される蘇民祭については、近年の参加者の減少から、県内10カ所の蘇民祭が今後協力してお互いを盛り上げようと、いわての蘇民祭青年部を結成。その勢いで龍谷窟の蘇民祭の復活へとつなげ、県庁売店にも張ってある合同ポスターを制作して参加者の増加へとつなげるなど、必死な努力をしております。
このようなお祭りや民俗芸能を観光資源とするならば、支える地域や団体の活動をサポートするのは本来的には市町村であるとは思いますが、それぞれ何百年と続けてきた文化財の未来に対して、県はどのように考えているのか伺います。
〇教育長(高橋嘉行君) 無形民俗文化財は、本県の地域地域の生活や習慣、信仰などと結びつきながら育まれ、時代を超えて受け継がれてきた本県の貴重な財産であるとともに、演ずる人たち、観賞する人たちそれぞれにとって、にぎわいの創出やコミュニティー形成の重要なよりどころであります。
本県は民俗芸能の宝庫であり、先般の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開会セレモニーなどさまざまな場におきましても、神楽や虎舞、鬼剣舞、さんさ踊りなど躍動感あふれる民俗芸能が披露され、来県した皆様方からも多くの称賛の声をいただいたところでございます。
さらには、ただいま議員から御案内ございましたけれども、奥州市の日高火防祭や黒石寺蘇民祭、大船渡市の吉浜のスネカなど著名な風俗慣習が今に伝えられており、無形民俗文化財は、本県の魅力向上や地域振興を図る上で、今後なお一層重要な役割を担っていくものと認識いたしております。
〇30番(郷右近浩君) 認識はわかりました。
また、今、国では、文化庁において文化財総合活用・観光振興戦略プランにより、文化財を保全、継承するのみならず、積極的に活用し、観光振興、地域振興につなげる取り組みが進められております。
本県のすぐれた文化財は十分観光資源となり得るものであり、その魅力を向上させ、観光振興や地域の活性化を推進すべきと考えますが、新設される文化スポーツ部においてどのように取り組んでいくのか伺います。
〇教育長(高橋嘉行君) 各地域に所在する文化財は、歴史的な価値を有するばかりではなく、地域振興や観光振興などに重要な役割を持っていると認識いたしております。
県教育委員会といたしましては、これまで、民俗芸能フェスティバルの開催や、本県の文化を総合的に紹介しているホームページ、いわての文化情報大事典による情報発信などに取り組んできたところであります。
文化財を含むさまざまな文化を活用した地域振興については、来年度からは文化スポーツ部において一元的に取り組むことといたしておりますが、同部における事業といたしまして、各部局から移管される事務事業に加え、岩手の豊かな民俗芸能の魅力を国際的に発信することを目的といたしまして、訪日外国人を対象とした伝統文化の鑑賞や体験プログラムの開発などにも取り組むことを計画しておりまして、所要の経費を当初予算案に盛り込んだところであり、文化スポーツ部の設置を機に、今後なお一層、岩手が誇る文化財を活用した地域振興が図られるよう努めていくことといたしております。
〇30番(郷右近浩君) しっかり取り組んでいただきたいと思います。
ただいまお話にあった訪日外国人等へ見せていくといったような部分だと思いますけれども、ただ、そもそも、地元の子供たちが地元の文化を知らない、もしくは日本の文化を知らないといった側面もあると思います。ですので、やはり教育現場から、さらには地域の方々が子供たちにそうした日本の文化等を見せるような機会も提供していただければと思うところであります。これは要望しておきたいと思います。
文化スポーツ部の中のスポーツの部分でお伺いしてまいりますが、次に、スポーツ医・科学サポートの今後の取り組みについて伺います。
スポーツ医・科学サポートの取り組みにつきましては、これまでも機会あるごとに質問、要望させていただいてまいりましたが、昨年の決算特別委員会総括質疑の知事の御答弁では、希望郷いわて国体におきましては、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業の修了生から入賞者10名を輩出いたしました。これは、アスレティックトレーナーによるトレーニング指導やコンディショニングのサポートなど、スポーツ医・科学事業との緊密な連携、協力のもとになし遂げられたものでありますし、あわせて、この修了生の中からは、スキー競技や陸上競技などにおいて国際大会で活躍している選手や、各年代の日本代表候補に選抜される選手も出始めていますとの認識を示されております。
また、過日まで行われておりましたながの銀嶺国体においても本県選手団の活躍があり、その活躍は、もちろん本人の努力が一番大きな要因ではありますが、スポーツ医・科学サポートの力も大きかったものと思います。
県では、スポーツ医・科学サポートの重要性を認識し、これまで、競技力向上支援のための選手強化講習会や個別サポート、スポーツ医・科学スタッフ派遣や講習会、相談会などの事業を推進しておりますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 希望郷いわて国体や先般のながの銀嶺国体におきましては、コンディショニングサポート等を実施し、選手のベストパフォーマンスの発揮につなげるなど、スポーツ医・科学サポートが本県の競技力向上に大きな成果を上げていることは、ただいま議員御案内のとおりでございます。
このような成果を、全国の舞台やオリンピック等の国際大会で活躍する本県選手の輩出につなげていくためには、スポーツ医・科学サポートの重要性は一層高まっていくものと考えております。
来年度におきましては、これまでの事業に加え、中高生のジュニア選手を対象に、スポーツ医・科学の専門的知見に基づいたトレーニング指導やメンタル面の指導を行い、本県からトップ選手を輩出する土台づくりを強化したいと考えておりまして、所要の経費を当初予算案に盛り込んだところでございます。
また、全ての県民を対象としたスポーツ医・科学講習会を県内各地で開催し、県民のスポーツを通じた健康づくりや児童生徒の体力向上、肥満予防の支援などにも努めていきたいと考えております。
これまでの競技団体へのサポートやスポーツ医・科学講習会等の開催により、スポーツ医・科学に対する期待が高まってきておりますので、岩手の競技力向上や県民の健康づくりを推進するため、一層のスポーツ医・科学サポートの充実を図ってまいります。
〇30番(郷右近浩君) スポーツ医・科学サポートにつきましては、これまで、例えば派遣してのさまざまなサポートであったり、また講習会に取り組んでいただいているというのは認識しておりますし、それが成果に結びついてきていると私自身は思っております。
過日、スポーツ・教育振興調査特別委員会において横浜のスポーツ医科学センターを視察に行きました。私自身はインフルエンザにかかって行けなかったわけでありますけれども、非常に残念な思いでありましたが、私自身は、一昨年、個人的に視察にそちらにお邪魔させていただいた際に、すばらしい施設だと。このような形で日ごろから地域の方々、そこの市民の方々、県民の方々が集まって、医・科学を身近に感じながら、トレーニングであったり自己管理ができる場所があるということがすばらしいと感じていたところであります。
そうした意味におきまして、現在、県営スケート場の一部を活用して事業を進めているスポーツ医・科学サポートについてでありますが、昨年の県議会2月定例会の一般質問では、今後、規模的にも立地的にも県民が使いやすい場所へ恒久設置することを求めたことに対しまして、答弁では、県営体育施設の総合的なあり方の方向性を定めていく中で検討いくとのことでありましたが、その後の検討状況についてお伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 県営体育施設の今後のあり方につきましては、県営体育施設のあり方に関する懇談会を本年1月に設置し、外部有識者や競技団体等からの御意見をいただきながら具体的な検討を始めたところであり、議員御質問のスポーツ医・科学サポートの拠点の設置につきましても、この中で検討していくことといたしております。
この懇談会におきましては、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会のレガシーを継承し、多くの県民の皆様がスポーツに親しむ環境や、競技力を向上させる施設を整備していく視点、県と市町村との連携、協働、役割分担の視点、また、本県の財政状況などをも十分に踏まえながら、県営体育施設の今後のあり方を総合的に検討していくことといたしております。
県といたしましては、この懇談会の御意見等を踏まえつつ、スポーツ医・科学サポートの拠点が本県のスポーツ振興に寄与するよう、方向づけをしていきたいと考えております。
〇30番(郷右近浩君) スポーツ振興のみならず、これは健康増進にも非常に効果があると私自身は考えております。そうした意味では、ぜひとも県民の皆様方が行きやすい場所、そして、常にそこに行けばという拠点を、医・科学サポートセンターといったものをきちんと設置していただくよう御検討よろしくお願いします。
次に、学校教育における運動部活動について伺います。
先日の教育長演述において、県では、少人数学級の推進について、思春期を迎え不安定な年代における学習指導や生徒指導の充実を図るため、教員定数の確保に努めながら、新年度から新たに35人学級を中学3年生にも拡充し、中学校全学年に少人数学級を導入することを示されました。
今回の決定において、受験や今後の進路などの岐路に立つ中学3年生の子供たちに対して教員の方々が向き合う時間がふえることで、これまでよりさらにきめ細かい指導ができる教育環境になるものと期待しているところであります。
さて、この間、教育の現場では、子供たちに向き合う教職員の多忙化解消が喫緊の課題とされてまいりました。
文部科学省においては、学校が抱える課題が複雑化、困難化する中、教員の長時間労働の実態が明らかになったとし、これからの時代を支える創造力を育む教育へ転換し、複雑化、困難化した課題に対応できる次世代の学校を実現するため、教員が誇りや情熱を持って使命と職責を遂行できる環境を整備するとともに、教員の長時間労働の状況を改善し、教員が子供と向き合う時間を確保するための改善方策として、平成28年6月13日、次世代の学習指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォースが、学校現場における業務の適正化に向けてという報告をまとめております。
その中においては、特にも部活動の負担が大きいことを指摘し、大胆に軽減することが大きな柱となっており、休養日の明確な設定等を通じた運営の適正化等を促進するとともに、4月1日には省令改正によって学校教育法施行規則を改正し、(仮称)部活動指導員を法令上明確化した上で、これまでは、法令上の問題から、指導、顧問、単独での引率等ができなかった外部指導者に加えて配置し、部活動を支える環境整備を推進することで、教員の負担の軽減を図りつつ部活動の指導を充実していく方向を示すと伺っております。
現状では、外部指導者は、全国の中学校で約3万人、高校で1万人ほどがいるとされておりますが、そのうちの1万人ほどが部活動指導員に移行していくと見られており、既に福岡県においては220人ほどの外部指導者が部活動指導員になる方向と聞いておりますし、埼玉県や岡山県は既に部活動指導員を置いているとのことであります。
我が県においても多くの外部指導者の方々に部活動の指導等に御尽力いただいておりますが、学校教育としての運動部活動の位置づけと、教員の負担を軽減する方策として外部の人材がさらに学校現場に入っていくことをどのように捉えるのか、御所見をお伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 学校教育における部活動は、生徒がスポーツや文化等に親しみ、部活動を通じた人間関係の構築や生徒自身の自己肯定感の向上等その教育的意義は大きく、学校教育活動の一環としての重要な役割を果たしております。
しかし、その一方で、適切な休養を伴わないなど行き過ぎた活動が行われる場合には、生徒、教職員ともにさまざまな無理や弊害を生む可能性が高くなりますので、県教育委員会におきましては、市町村教育委員会、PTA関係団体、職員団体、競技関係団体等で構成する協議の場において、休養日の設定や部活動の適正なあり方等について検討を進めてきているところでございます。
外部指導者の活用につきましては、本県において、現在、おおむね中学校で1、200人程度、高等学校で200人程度が外部指導者として指導に当たっていただいておりますが、部活動指導員としての法令上の位置づけが明確化され、部活動の指導や単独での引率等を行うことが可能となれば、教員の大幅な負担軽減のみならず、指導の充実による競技力向上等にもつながっていくものと考えております。
したがいまして、本年4月に施行が予定されております学校教育法施行規則の改正内容、さらには来年度中にスポーツ庁が示すこととしている運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの内容を踏まえつつ、適切に対応してまいります。
〇30番(郷右近浩君) 少し古いデータになりますけれども、平成26年に日本体育協会が調べた運動部活動指導者の実態においては、担当教科が保健体育ではなく、また、現在担当している部活動の競技経験がない教員の方は、中学校で45.9%、高校では40.9%となっております。もちろん運動部活動に熱心な教員の方々も私自身はよく存じ上げてはおりますけれども、競技経験のない教員の方が日々の指導や土日の引率等も行っている状況があることを考えたとき、私は、岩手においても、顧問や単独での引率まで行うことのできる部活動指導員の配置という考え方は、教員にとっても、生徒にとっても有効なものと考えるものであります。
国では、平成29年度から全国7地区を選定し、モデル的に運動部活動支援体制の構築のための実践研究を行う予定であるとのことですが、県もこの事業に積極的に手を挙げ、取り組むお考えはないか伺います。
〇教育長(高橋嘉行君) 本年度におきましては、スポーツ庁の委託事業を活用し、スポーツ医・科学を取り入れた運動部活動の推進や、スポーツ心理学に基づく指導研修会を実施するなど、担当教員の指導力の向上や負担軽減に向けた取り組みを行ってきたところでありますが、このような動きを一層推進していくためには、議員御案内のとおり、部活動指導員の配置などの環境整備を進めていくことが必要であると認識いたしております。
このような環境整備に向けまして、平成29年度におきましては、スポーツ庁の新規委託事業でございます運動部活動支援体制の構築のための実践研究の企画公募に申請し、総合型地域スポーツクラブなどの指導者の学校への派遣や研修会の実施などに取り組んでいきたいと考えており、外部の指導者と学校の連携が促進される体制づくりに積極的に取り組んでいきたいと考えております。
〇30番(郷右近浩君) これまで、県としても、総合型地域スポーツクラブと連携して、さまざまな学校現場であったり、昼休み時間における遊びの指導等の取り組みを宮古市や盛岡市で行ってきたことは存じ上げております。
ただ、それ以上、何というのでしょう、部活動という、日常的な学校現場に指導員が入っていくということについては、学校という一つの枠組みの中でもさまざまな形でこれまでも入っていたとは思うのですけれども、さらに一歩踏み込んでいくと、課題等がまた出てくると思います。
そうした中におきましては、今回、モデル事業等に採択されなかったとしても、それでもさまざまな形で試していくということが必要になってくると思いますが、もし採択されなかった場合はどのような形で県として進めていかれる方向なのか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇教育長(高橋嘉行君) まずもって、このモデル事業が採択されるようにできる限りの努力をしますし、国のほうにも、さまざまな機会を捉えて、採択されるように要請をしていきたいと思っています。
外部指導者の皆様からの御協力をいただくというのは、学校に対する期待というのがさまざま高まってきている中で、これまで地域を挙げて御協力いただき、また、学校も地域に近くなっていくという関係は極めて大事だと思っています。そういうときに、御協力いただく方々と学校との意思疎通を図り、ベクトルをしっかり合わせていくというのが極めて大事だと思っていまして、そういう努力をしていくということで、市町村教育委員会ともいろいろ話をしてきたいと思います。
仮に採択されなかった場合でございますけれども、現在の部活動等に御協力いただいている方々も、いわゆるボランティアというような形で御協力いただいておりますので、将来的には、これがチーム学校の動きに進むことを前提にしながら、そういう環境整備やどういうやり方がいいかということをただいまの御意見等を踏まえまして考えさせていただきたいと思っています。
〇30番(郷右近浩君) 部活動指導員に関しては、これまでの外部指導者と違う部分は、法的にさまざまな責任問題であったり、報酬等もどのようにするかといったようなことまで考えることができると。もちろん、その点につきましては、今度は財源という問題が出てくるとは思いますけれども、方向性としてはどのような形が子供たちにとって一番いいのか、そして、まさに多忙化と言われて久しい教員の方々、その多忙の部分をどのように取り除いて雇用にうまくマッチングできるのか、そうしたことをさらに検討していただければと思います。
次に、いわて国際戦略ビジョンについてお伺いいたします。
現在策定中のいわて国際戦略ビジョンは、海外との互恵性、多面的な交流を進めながら、成長が見込まれる海外市場においてより多くの外貨を獲得し、ふるさと振興を図っていくために、海外へのビジネス展開を中核に置きながら、人材ネットワークの強化と多文化共生の推進も要素として入れ、海外展開の基本戦略と位置づけたものと理解しております。
また、この戦略ビジョン推進のために国際室を設置し、国際関連業務を統括しながら進めていくというのは、これまで、いわてまるごと売込み推進本部と、その実働部隊のいわてまるごと売込み隊を設置し、対外的売り込み活動に係る施策情報を共有するとともに、部局横断的な取り組みを戦略的、総合的に推進し、相乗効果が発揮されるよう取り組んできた知事の一つの答えであるものと受けとめております。
平成28年度においても、知事は積極的に海外でのトップセールスを行ってこられました。5月29日から6月2日に行われた台湾でのトップセールスでは、担当課の県土整備部空港課が中心となり、国際定期便化要望、岩手観光物産フェア視察、副総統との面談ほか多岐にわたる用務をこなされております。その後の東北6県等台湾トップセールスやベトナムトップセールスについても、同様に横断的な取り組みとなっております。
トップセールスについて、知事は、各分野のキーパーソンに効果的に本県を売り込むことができるとともに、現地の生きた情報を得る貴重な機会であると感じている。これまで、アジア地域や欧州、米国において、万国博覧会、各種商談会やフェアに参加し、本県が全国に誇る豊かな自然や歴史、文化、特色ある伝統工芸や食文化など、本県の多彩な魅力を直接現地の方々にPRしてきたとの成果を話されております。
これまでは、その時々の主たる担当課が全体を取りまとめていたとのことですが、物産フェアから要人との面談と、多岐にわたる知事のトップセールスの効果をさらに高める余地があったのではないかと考えるところでございます。
そうした意味で、いわて国際戦略ビジョンと、その司令塔である国際室の設置によって、私は、さらに岩手をまるごと売り込む体制が整ったものと考えますが、改めて、いわて国際戦略ビジョン策定と国際室設置に対する知事の考えを伺います。
〇知事(達増拓也君) 平成27年度にいわてまるごと売込み推進本部等を設置して、国内外において対外的売り込み活動を総合的に推進してきたところでありますが、2度の万博への出展などを通じまして、本県の観光資源や県産品への関心が高まっている現在、さらなる海外展開を図るため、その基本方針となる国際戦略ビジョンを策定して、政策所管部に新たに設置する国際室が中心となって、部局横断的に国際関連施策を推進しようとするものであります。
現在策定中の国際戦略ビジョンでは、三つの柱からなる基本戦略の推進を図っていくこととしておりまして、これらの取り組みについて当初予算案に盛り込んだところであります。
戦略の一つ目、海外市場への展開では、重点品目と重点市場を設定した上で、安全・安心で品質にすぐれた岩手県産品のブランド化の推進と、継続的、安定的な販路の確保、拡大、東アジアに加え、経済成長が著しい東南アジアなど新興有望市場の開拓強化などを図ってまいります。
戦略の二つ目、外国人観光客の誘客の拡大では、台湾を最重点市場とするほか、重点市場、開拓市場を設定し、各市場のニーズに合わせたプロモーションの展開、ラグビーワールドカップ2019釜石開催や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした誘客拡大などを図ってまいります。
戦略の三つ目、人材ネットワークの強化と多文化共生の推進では、本県とゆかりのある専門人材、現地企業、研究者、海外県人会などとの連携強化による世界と岩手をつなぐネットワークの構築などを図ってまいります。
これらの取り組みに当たって、国際室が司令塔となり、より効果的、戦略的に国際関連施策を展開していくとともに、重点市場を初め有望な市場についても、引き続き積極的にトップセールスを展開してまいります。
〇30番(郷右近浩君) ただいま知事から考えをお伺いいたしましたけれども、だとすると、今回設置する国際室の具体的な役割、そして事業を担当する部署との連携方策など、今後の海外トップセールスの推進体制及び展望につきまして、担当する政策地域部の部長よりお伺いしたいと思います。
〇政策地域部長(大平尚君) トップセールスの推進体制と展望についてでございますが、これまでも、トップセールスにおきましては、いわてまるごと売込み推進本部のもと、関連する部局も含めて実施してきたところでありますけれども、さらなる海外展開を推進するため、先ほど知事が答弁したとおり、新たに国際室を当部に設置し、推進体制を強化することとしたものであります。
国際室は、県全体の国際関連施策を統括し、部局横断の取り組みを展開していくものであり、その体制としては、副部長級の室長と総括課長級の国際監を専任で配置することとしております。また、国際関連施策の全庁的な調整に当たりましては、関係室課との連携を強化し、効果的に取り組んでいく必要があるため、商工労働観光部の産業経済交流課、観光課、農林水産部の流通課、県土整備部の空港課等の総括課長を国際監として兼任で配置することとしております。
このような体制となりますことから、今後は、トップセールスの企画、立案段階から国際室が部局横断的に調整することによって、一体的、戦略的に実施していくことが可能となり、これまで以上に効果が高まるものと考えております。
〇30番(郷右近浩君) 確かに、さまざまな部局を調整する司令塔を得た中で進めていくということで、私自身は、これからさらに動きやすくなり、知事のトップセールスがさらに有効なものになってくると思います。ぜひとも、相乗効果というか、今回の国際室の設置でさらに知事のトップセールスが岩手の大きな力になってくることを期待したいと思います。
また、知事はことしも既にベトナムでのトップセールスを行うなど精力的に海外トップセールスを行っておりますが、2017年度も夏以降に、中国の北京、上海、大連の3都市でそれぞれ約1カ月間、岩手フェアを行うとし、中国における岩手認知度向上促進事業費6、860万円の予算を計上しております。まさにこの事業も、県産品フェアとはいえ、それぞれ1カ月をかけて岩手をまるごと売り込みに行く事業だと考えますが、どのような体制で、どのような展開を考えているのかお伺いいたします。
〇商工労働観光部長(菊池哲君) 中国における岩手認知度向上促進事業費についてでありますが、この事業は、中国において高まっている南部鉄器への信頼、認知度を高品質なものづくりを行う地域としての岩手に結びつけまして、中国における岩手の認知度向上を図り、岩手県産品の輸出拡大、さらにはインバウンド促進を図るため、岩手に関する情報発信を強化しようとするものでございます。
なお、岩手フェアの開催に当たりましては、大連経済事務所が構築してきましたビジネスネットワークを活用し、上海大可堂を初め現地で多くの取引先を有し、大きな情報発信力などを有する事業者との協力体制のもと、実施することとしております。
フェアの内容につきましては、南部鉄器、日本酒、食料品等の県産品の展示、販売を行うほか、インバウンド促進に向けて、岩手の食を初め、歴史、文化、観光などのPRもあわせて展開しようとしておるものでございます。
〇30番(郷右近浩君) それぞれ1カ月ほどかけてということであります。この中では、単なる物産フェアのみならず、いろんな紹介であったりとか、そうしたものが展開されていくと思うわけでありますけれども、その中で県の職員の方々、または知事がどのような形でその現場で活動されていくのか、そうした点についてさらにお話をいただければと思います。
〇商工労働観光部長(菊池哲君) このフェアの期間中は、当然、御指摘のとおり、県関係者も現地に参りまして、先ほど申し上げましたビジネスネットワークを活用したさまざまな取引の拡大、あるいはインバウンドの関係で申し上げますと、向こうの旅行代理店との交流、そして売り込み、そういったものを各般にわたって展開しようと考えているところでございます。
〇30番(郷右近浩君) ぜひ頑張っていただきたいと思います。
それでは次に、ILCの実現に向けた取り組みについてお伺いしてまいりますが、国際戦略ビジョンの中のグローバル人材とのネットワークづくりにおきましては、ILCや海洋等の海外研究者との交流の促進を初め、グローカル人材の育成や外国人県民等の受け入れ態勢の整備も掲げられております。この国際戦略ビジョンは、ILCの実現を目指す本県にとって、内容、タイミングとも時機を得たものと考えます。
国際リニアコライダープロジェクト立地にかかわる調査検討報告書、いわゆるKEKレポートによれば、建設時から外国人がふえていき、運転期間には、家族も含め、常時約3、000人の外国人がILCにかかわるとの試算があります。本県にとって、かつてない多くの外国人を受け入れることとなり、さまざまな課題があることを考えると、それを克服して本県の強みにしていくことこそが重要と考えます。
そこで、この国際戦略ビジョンを踏まえ、ILCの実現に向けた国際化の課題とその対応について、県の見解を伺います。
〇政策地域部長(大平尚君) 県におきましては、ILCの実現を見据え、外語人研究者やその家族への対応について検討を進めてきたところであります。
現在、庁内の副部長級を構成員とする研究会において課題の整理と具体の対応策の検討を行っておりますが、その主な検討項目といたしましては、外国人研究者やその家族の行政手続、生活支援、就労支援などのワンストップサービスの提供体制のあり方、安心して医療サービスを利用できる環境の整備、外語人研究者子弟の教育環境の整備などとなっており、これらについて、今後、一定の取りまとめを行うこととしております。
また、地域住民の方々や地域コミュニティーが外国人を受け入れるという地域の国際化という課題につきましては、これまで、県内在住外国人の方々によるILCサポート委員会が自発的な取り組みとして地域に出向き、交流を図っていただいておりますが、今後は、県や県立大学も同委員会と連携して地域住民との対話などの取り組みを行うこととしております。
さらに、昨年12月に開催されましたリニアコライダーワークショップにおきましては、外国人研究者との交流や意見交換を行い、国際化に向けてネットワークの重要性も改めて認識したところであります。先般、副知事などがCERNなどの研究機関を訪問し、国際化に向けた海外とのネットワーク構築に向け、取り組んでいるところであります。
今後は、課題解決に向け、関係機関、各種団体との協議を具体的に行うとともに、いわて国際戦略ビジョンに掲げられた国際学会の誘致や海外研究機関との連携などを進めながら、ILCの実現に向けた環境整備に積極的に取り組んでまいります。
〇30番(郷右近浩君) 課題とそれに対する対応をどのように進めていこうとしているかはわかりました。
ILCの国内誘致につきましては、日本政府の判断がことしから来年、まさに平成29年度内にも出てくる可能性があり、これから数カ月間が勝負どころであると私自身は考えております。
ちまたでは、知事が与党でないから決まらないなどとの声がありますが、我が岩手には、国会議員超党派のリニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟副会長の鈴木俊一氏を初め、与党国会議員の方々が5名もいらっしゃいます。日本の基礎科学研究が、そして岩手の未来が政争の道具になってはならず、オール岩手で頑張っていただきたい、そして、岩手の未来をつくっていただきたいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) ILCは素粒子物理学の世界最先端の研究施設であり、基礎科学の発展に大きく貢献するほか、その波及効果は、医療、宇宙、エネルギーなど、多岐の分野にわたるものと期待されています。このため、ILCの実現に向けて超党派の国会議員によるILCの建設推進議員連盟が日本への誘致活動を進めており、昨年12月に開催されたリニアコライダーワークショップにおきましても、河村建夫議員連盟会長が世界の研究者に向けてILC実現の意義を訴えるなど、ILCの日本誘致に積極的に取り組んでいただいているところであります。
こうした中、本県におきましても、地元選出の国会議員の方々の活動を初め、県内の産学官で構成されます岩手県国際リニアコライダー推進協議会、そして、岩手県議会の全議員の皆さんに参加いただいている議員連盟、そして、県、市長会、市及び町村の議長会による要望活動を行っておりますが、さらに民間や地域住民、小・中・高校生にまで活動の輪が広がるなど、オール岩手でILCの実現に向けて取り組んでいるところであります。
また、東北におきましても、岩手、宮城両県の知事等が理事を務めます東北ILC推進協議会や、また、北海道東北地方知事会、そして北海道・東北六県議会議長会などが一体となって、オール東北で活動を進めております。
今後とも、ILCに関係する多くの方々と密接に連携して、ILC実現に向け取り組んでまいります。
〇30番(郷右近浩君) ILCの建設コストの縮減を図った最新計画書が、8月に中国で開催される国際将来加速器委員会の会合で決定するとの見通しであります。コスト面の課題克服を示した計画書が決まれば、国の判断にも大きく影響があるものと思いますし、この機会を捉えて運動をさらに強めていくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇政策地域部長(大平尚君) ILCの実現に当たりましては、1兆円を超えると言われます建設コストや、そのコストの国際分担が大きな課題とされております。第1段階を20キロメートル程度とし、段階的に拡張していく、いわゆるステージングという手法は、プロジェクトをスタートさせるときにコスト縮減が図られることから、これらの課題に対して効果的な手法であると考えております。この手法を踏まえた計画書が認められるということは、大きな意味があると考えます。
ステージングの考え方につきましては、先ほども申し上げましたリニアコライダーワークショップに参加したILC研究者の方々、あるいはILCを推進する超党派の国会議員の方々などの間では共通の認識となりつつありまして、それが決定されるということは、誘致活動の大きな後押しになると考えております。
県といたしましては、関係者とこのような認識を共有しながら連携をさらに強化し、誘致活動に全力を挙げてまいります。
〇30番(郷右近浩君) どうぞよろしくお願いいたします。
それでは次に、農業と福祉の連携について伺ってまいります。
先ほど私の前に質問をされました高橋孝眞議員が同様の質問をしております。ただ、私のほうでも、ぜひともこの点につきましては県を挙げて頑張っていただきたい、そうした思いから、そのまま質問してまいりますのでよろしくお願いいたします。
近年、人口減少や高齢化が進行する中で、医療分野や福祉分野と連携した、食品分野や農業分野の取り組みが全国各地で盛んになっており、政府が平成27年6月に定めた日本再興戦略改訂2015─未来への投資・生産性革命では、障がい者の就労支援を初めとした社会参加支援の推進が位置づけられ、経済財政運営と改革の基本方針2015についてにおいては、障がい者の活躍に向けた農業分野も含めた就労支援が位置づけられております。
また、平成27年11月には、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策─成長と分配の好循環の形成に向けてとして、高齢者、障がい者等の活躍を促進する方向性が示されております。そして、その一つの方策として、障がい者の就労訓練や雇用の場として農業分野の可能性が注目されており、他県においては、特例子会社が農業に附帯する軽作業を複数の農家から請け負うことで周年で障がい者の働く場所を確保し、20人の障がい者を雇用している事例や、就労継続支援B型事業所として、自然栽培による農業で米や野菜を生産し、付加価値が高い有機農産物を通常の価格以上で販売することで、障がい者に支払われる工賃が月額平均5万円ほどの事例も出てきており、工賃の平成27年度全国月額平均が1万5、033円であることから見ても、高い水準を実現している事例も出てきております。また、岩手県においても、不足している園芸農家の労力を確保するため、県南広域振興局において、社会福祉法人とのマッチングを行うなどの取り組みが行われております。
今、農業、農村の現場では、農業従事者の高齢化などにより、農業労働力の減少や耕作放棄地の増加が課題となっている一方で、障がい者の方々の就業率はほぼ全ての年齢層で一般よりも低く、特に精神障がい者においては顕著であり、障がい者にとって働きたくても職場が見つからないという状況であるとともに、就労継続支援B型事業所での工賃も少なく、また、職員の方々が請け負う仕事の受注に奔走している状況でもあります。
現状を鑑みたとき、私は、農業と福祉の連携は、双方の課題を解決しながら、双方に利益があるウイン・ウインの取り組みとなるものと考えますが、県は、農業と福祉の連携の現状と課題をどのように捉えているのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(紺野由夫君) 農福連携につきましては、障がい者に、高齢化、後継者不足に悩む農業に参加してもらうとともに、障がい者の就労機会を農業分野でふやし自立を助ける、農業分野、福祉分野双方にメリットが見込める取り組みと言われております。しかしながら、平成27年度に国が公表したアンケート調査によりますと、回答のあった全国867の農業法人のうち、障がい者を雇用している法人は1割程度にとどまっているというのが現状でございます。
また、農業者が福祉との連携に踏み出せない要因といたしましては、障がい者に適した業務がわからないこと、賃金等の就労条件や雇用条件がわからないこと、障がい者の受け入れ方や事故への対応などに不安があることなどが挙げられておりまして、こうした不安や懸念を解消していくことが課題と考えられるところでございます。
〇30番(郷右近浩君) 現状と課題は、そのような整理となっていると思います。県南広域振興局のほうでも、かなり取り組みを進めていただいておるのは私自身認識しておりますし、その中で、なかなか理解の部分について進めるのが難しいといったような側面があるということは承知しておりました。ただ、私は、農業と福祉の連携を進めるということ自体が、それぞれにとって利益となる関係であり、また、障がいを持った方も含め、全ての方が活躍できる一つの道になるものと考えますが、御答弁いただきました課題を踏まえ、今後どのように進めていくのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(紺野由夫君) 今後につきましては、農業者が抱く障がい者の受け入れへの不安、懸念の解消に向けまして、就労受け入れ、障がい者が働きやすい作業工程などを解説いたしましたマニュアルの活用、優良な就労事例を紹介するセミナーなどの開催、障がい者の農作業体験の実施などに取り組みますとともに、農業に利用者を派遣することを検討しております福祉施設において、農業や農作業に関する知識や理解を深めていただきますように、県の農業農村指導士等のアドバイザーの派遣などに取り組んでまいります。
さらには、農業分野と福祉分野の関係機関、団体によりますネットワークづくりを進めまして、障がい者の農業への参加を促進いたしますとともに、農業分野での就労を通じた自立を支援するなど、関係機関、団体と連携をしながら、農福連携の強化に向けた取り組みを推進してまいります。
〇30番(郷右近浩君) 課題の部分でありますけれども、やはり農家におかれましては、障がいを持った方が農作業等で何ができるのかと、何を手伝っていただくことができるのかといったような不安、また、障がいを持った方々御自身、さらにはそれに関係する方々は、そうした現場で、自分たちも何ができるのかわからないといった不安を持ちながらも、それぞれの作業所などにおいては、有効な手段であるということは大分認知されてきているのが現状であると思っております。だとするならば、それぞれが不安を持った部分に対してさらに県として背中を押してあげるような、例えば農家の果たして本当に労働力になるのかどうかといったような不安については、その導入部分において、県のほうで指導員であったり、国のほうの施策でも対応することはできますけれども、例えば働いている方々の工賃を多少援助するなり、就労支援事業所等におきましても作業の説明等を丁寧にやるなど、そうした形の直接的な支援も含めてやっていくことが私は有効だと考えるものでありますけれども、その点につきまして御所見をいただきたいと思います。
〇農林水産部長(紺野由夫君) 確かに障がい者の皆さんの個々の特性、状況ですとか程度は、一人一人異なりますので、そうした状況にどう対応していくかというのはやはり現場における悩みだと思っておりますので、今後におきましては、さらに農業分野、福祉分野の連携をもっと強化しながら対応を図ってまいりたいと思っております。
〇30番(郷右近浩君) どうぞよろしくお願いします。
それでは次に、地域医療と県立病院の役割についてお伺いしてまいります。
これまで、岩手の医師不足を解消する切り札として大きな期待をかけてきた奨学金養成医師が昨年の初期研修修了者から医療現場の戦力となり、今年度に初期研修を終え、平成29年度に県立病院に配置を予定する8人と合わせ21人ほどとなったことは、岩手の医療環境にとって明るい兆しで、現在、後期研修や大学院進学などで県外の医療機関に出ていく方々、また、岩手医科大学に残る若い医師が、岩手のあすの医療を支えていただけるものと心強く思っております。
また、来年度配置対象となる64人の養成医師のうち、医師不足が深刻である産婦人科を選んだ方が1名と小児科を診療科に選んだ方が4名に上ったことは、岩手の周産期医療を支える種が芽を出してきたものと感じておりますし、5名の医師の皆様には心からの敬意を表するとともに、今後の活躍に期待したいと思います。しかし、芽が出たとはいえ、まだまだ診療科の偏在解消に十分ではない状況に変わりはなく、365日、24時間対応の産婦人科医と小児科医を目指す医師を養成するには、使命感のほかにも何か別の要素が必要であり、それは地域とか県とかというレベルではなく、国や学会にしかなし得ないものと私は考えます。
県は、国に対して、産婦人科医と小児科医が養成されるような施策を求めていくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇保健福祉部長(佐々木信君) 産婦人科医と小児科医の確保についてでありますが、本県の人口当たりの医師数はほとんどの診療科で全国平均を下回っており、県では、これまで、医師の絶対数の確保に向けて、医師確保対策アクションプランに基づき、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
議員御指摘のとおり、医師の不足と偏在の根本的な解決に向けては全国的な取り組みが必要であるにもかかわらず、これまでの国における医師確保の施策の方向性は都道府県ごとの取り組みにとどまっており、人口当たりの医師数の都道府県間の格差は拡大する傾向にあります。このことから、本県では、国全体で医師の計画的養成と適正配置に取り組むことを主眼とする(仮称)地域医療基本法の草案を独自に作成し、制定の必要性を国に提言してまいりました。
また、国に対して、地域別、診療科別の医師偏在を解消するため、各都道府県、医療圏ごとに必要な病院勤務医師数を算出するガイドラインを策定し、その必要数を踏まえて、特に深刻な状況にある産婦人科、小児科等の医師不足を解消する施策を充実するよう要望してきており、引き続き国に対して働きかけてまいります。
〇30番(郷右近浩君) この部分についてもなんですけれども、私の昨年2月定例会の一般質問において、現在の周産期医療の提供体制は、県内四つの医療圏という単位で、常にブロック単位での対応となっている中で、県立病院単位に見直した体制整備を求めた質問に対して、見直しに関して、現在、国が周産期医療のあり方に関する検討会を設置して検討を進めており、今後指針を出す予定であり、その指針に基づいて、県の次期周産期医療体制整備計画を策定していく中で、関係者の意見を伺いながら、持続可能な周産期医療提供体制のあり方の検討を行い、安心して出産できる環境づくりに努めていく考えであるとの御答弁をいただいております。しかし、昨年12月に取りまとめられました国の周産期医療体制のあり方に関する検討会の報告を見ても、地域の限られた医療資源、関係者により継続的に検討することが必要などとの言葉が並ぶだけで、産科医師をふやすことなどは記述もなく、とてもがっかりするものでありました。
県は、周産期医療のあり方に関する検討会の報告や、今後国から示される予定の医療計画作成方針を踏まえ、次期周産期医療体制整備計画を含んだ次期医療計画を策定していくものと思いますが、産科医師を今後どのように確保していくのか、県立病院の役割をどのように考えるのか、医療計画の策定まで含めたお考えをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 産科医師の確保に向けましては、県では、関係大学への派遣要請や即戦力医師の招聘に引き続き取り組むほかに、新たに産科医療施設の開設等への支援や、助産師等を活用して地域で妊産婦を支える体制をつくる取り組みについて当初予算案に盛り込んだところでありまして、地域で安心して出産できる環境づくりを進めていく考えであります。
県では、これまで、周産期医療体制整備計画に基づいて県内四つの周産期医療圏を設定し、医療機関の機能分担と連携のもと、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の整備を進めてきたところであり、現在10カ所の周産期母子医療センターが設置され、このうち7カ所が県立病院となっています。これらの県立病院では、各周産期医療圏において、正常分娩から中リスクの分娩まで幅広く取り扱っており、本県の周産期医療体制を維持していく上で重要な役割を担っているものと認識しております。
周産期医療体制整備計画の見直しについては、今年度、有識者による新たな検討組織を立ち上げ、次期計画の策定に取り組んでまいりましたが、昨年12月に、国から周産期医療体制整備計画と医療計画を一本化するとの方針が示されたところであります。
県では、国が今年度中に示す予定の医療計画作成指針に基づいて次期医療計画を策定していく中で、岩手県周産期医療協議会等関係者の意見を伺いながら、本県の持続可能な周産期医療提供体制のあり方の検討を行って、県内どの地域においても、安心して出産できる体制の確保に努めてまいります。
〇議長(田村誠君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
──────────────────
〇30番(郷右近浩君) 今、知事からお考えをお伺いいたしましたけれども、今県内では、平成22年に28施設あったお産を取り扱う診療所が、平成28年には20施設になっておりまして、また、20診療所の医師の平均年齢は64歳と、高齢化も進んでいるというのが現状であります。県でも、当初予算案において、診療所開設の施設整備費補助や潜在助産師の掘り起こし等事業を行うとされておりますが、今、もう既に時間をかけているいとまがない中で処方せんが見つかるのか、不安だけが募る思いであります。
県として、県民に対して、安心して産み育てることができる環境を早期に整備してくださいますよう、要望するものであります。
さて、私の質問はまだ5分時間が残っているわけでありますが、本日はプレミアムフライデーであります。きょう、日本で初めてのプレミアムフライデー、私も5分間の協力をして質問を終えたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(田村誠君) 以上をもって郷右近浩君の一般質問を終わります。
日程第2 議案第51号平成28年度岩手県一般会計補正予算(第4号)から日程第47議案第96号指定障害児通所支援の事業等の設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例まで
〇議長(田村誠君) 次に、日程第2、議案第51号から日程第47、議案第96号までを一括議題といたします。
提出者の説明を求めます。風早総務部長。
〔総務部長風早正毅君登壇〕
〇総務部長(風早正毅君) ただいま議題とされました各案件につき御説明を申し上げます。
議案第51号は、平成28年度岩手県一般会計補正予算(第4号)であります。これは、台風第10号災害への対応や、国の交付金を活用した地域振興事業など喫緊に必要な予算を措置したほか、税等歳入の最終見込みや事業費の確定に伴う所要の整理などを行うものであり、総額448億7、800万円余の減額補正をするものであります。
補正の主なものは、東日本大震災復興交付金基金積立金135億9、300万円余、特定被災地域復興支援緊急交付金8億3、100万円、直轄道路事業費負担金130億5、700万円余、基幹河川改修事業費15億3、200万円余、河川災害復旧助成事業費16億2、500万円余、港湾施設改良事業費1億9、900万円余、施設整備事業費5、500万円余、林道災害復旧事業費35億9、500万円余などであります。
次に、繰越明許費の追加は、県庁舎管理ほか205事業に係る予算を翌年度に繰り越して使用しようとするものであります。
次に、債務負担行為の追加及び変更は、治山事業ほか6件を新たに追加するとともに、14件について期間及び限度額を変更しようとするものであります。
また、地方債の追加及び変更は、県庁舎管理ほか5件を新たに追加するとともに、9件について起債の限度額を変更しようとするものであります。
議案第52号から議案第64号までは、平成28年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計外9特別会計及び3企業会計の各補正予算でありますが、これらは、それぞれの事業費の執行見込みに基づき所要額を補正しようとするものであります。
議案第65号及び議案第66号の2件は、建設事業に要する経費の一部負担及び一部負担の変更に関して、それぞれ議決を求めようとするものであります。
議案第67号から議案第71号までと、議案第94号から議案第96号までの8件は条例議案でありますが、これらは、看護師養成所授業料等条例など、8条例の一部をそれぞれ改正しようとするものであります。
議案第72号から議案第91号までの20件は、災害復旧工事などの請負契約4件及び変更請負契約16件の締結に関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。
議案第92号は、財産の取得に関し議決を求めようとするものであります。
議案第93号は、財産の処分に関し議決を求めようとするものであります。
以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
日程第48 臨時的な協議等の場の設置の件
〇議長(田村誠君) 次に、日程第48、臨時的な協議等の場の設置の件を議題といたします。
〔参照〕
議事日程第3号中 日程第48 臨時的な協議等の場の設置の件
名称目的構成員招集権者
議員定数等検討会議議員定数等に関し協議又は調整を行うため交渉団体である会派において指名した議員最初に行われるものにあっては議会運営委員会委員長、その他のものにあっては座長

〇議長(田村誠君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしておりますとおりでありますが、会議規則第115条第2項の規定により、議員定数等検討会議を設置いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時1分 散 会

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