平成28年12月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇20番(神崎浩之君) 先日、改めて岩泉町と旧新里村のグループホームにお伺いし、手を合わせてまいりました。台風第10号の被害の悲惨さを痛感し、被害を受けられた皆様、そして、東日本大震災津波でつらい思いをされている皆様に心からお見舞いを申し上げます。
自由民主クラブの神崎浩之です。
一般質問の機会をいただき、先輩、同僚議員に感謝申し上げ、岩手の課題解決に向けた知事の所見を伺ってまいります。
知事に答弁を求めることが多いのでありますが、私は、知事には1年に1回、4年に4回しか議場で直接所見を伺う機会がありませんので、御了承をお願いいたします。
まず、大きな一つ目、県政課題に対する知事の所見についてお伺いいたします。
岩手県は、まず震災からの復興、そして人口減少対策、そのための産業振興や少子高齢化への対応が求められております。
そんな中、災害対応もあり、全国の都道府県でも最も忙しい岩手県と思っておりますが、知事の決断のもと、岩手国体、障がい者スポーツ大会が開催され、それは大成功をおさめたと思っております。国体、障がい者スポーツ大会の大成功をさまざまな分野で継承し、今後、岩手の多くの難題に対して、県民と手を携え、元気な岩手にしていく取り組みを進めていかなければなりません。
まずは障がい者のスポーツの振興、そしてボランティアの取り組みについて伺ってまいります。
知事とは、障がい者スポーツ大会において、一関市の車椅子バスケットボールを観戦いたしました。結果はなかなか厳しいものでありました。しかし、本県選手団は、金55、銀42、銅42の、過去最高となる139個のメダルを獲得いたしましたが、一方、そのほとんどは個人競技であり、団体競技はグランドソフトボールの銅メダル1個のみでありました。
障がい者のスポーツを、障がい者の生活を明るいものにしていくためには、競技力向上もさることながら、まずは選手層を、つまり数を広げなければならないと考えます。
皆さんも北上市の開会式での東京都の選手の多さに驚いたのではないでしょうか。障がい者が仕事につき経済的に豊かでないとスポーツまで手が届かない、私は、当事者を含め、関係者の方とそんな話をしております。障がい者の選手や障がい者の指導者を県が進んで雇用することも必要ではないかと考えております。そこで、県では、障がい者のスポーツの振興について、障がい者の雇用の観点も含め、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
両大会を通じて約4、700人が活躍したボランティア活動は大きな成果でありました。運営ボランティア、手話や要約筆記などを行う情報支援ボランティア、選手団と行動をともにする選手団サポートボランティアの登録実績は、全て目標人数を上回ったと伺っております。また、研修を通じたボランティアの育成も、3年前の平成25年度から計画的に進められ、このことが岩手のボランティア活動の高い評価につながったと考えております。
3年後、いよいよラグビーワールドカップ2019が釜石市で開催されます。昨年のイギリスでのワールドカップの大成功は、ボランティアの活躍により成功したと現地の方からお話を聞きました。また、それは、その前のロンドンオリンピック、パラリンピックでのボランティアの成功があってのことだとつけ加えて話されておりました。まさに、イギリスでは、オリンピックの成功からラグビーの成功に継承されたのでありました。
また、近年頻発する災害においても、さきの岩泉町、久慈市の土砂撤去のボランティアを含め、行政だけでは届かない人の手、声がけ、きずなを通しての温かさなど、もうボランティアなくしては行政は成り立たないほど重要なものとなっております。
東日本大震災があって、いや、その前の阪神・淡路大震災があって、その延長線上に岩泉町への日本全国からのボランティアがあり、継承されてきているのだと感じております。
このことから、今回の大会のボランティア活動の成果を一過性のものとせず、引き続き、地域で活躍する人材の育成、社会貢献の意識の向上、日本古来のきずな、行き過ぎた個人主義の脱却につなげていくことが重要と考えますが、県として、ボランティアの継承を具体的にどういうところでどうしていくのか、また、さらなる県民のボランティアの醸成、取り組み方針について伺います。
次に、人口減少対策について。
県は、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略を勘案し、昨年10月、岩手県ふるさと振興総合戦略を策定、人口減少対策への取り組みを進めております。現在の取り組み状況と課題、今後の対応についてお伺いいたします。
また、県内の全ての市町村でも総合戦略を策定し、人口減少対策に取り組んでおりますが、抱える課題はさまざまであり、市町村により達成度に差が生じるのではないかと心配であります。
県は、市町村と緊密に連携し、取り組みを進める必要があると考えますが、市町村の人口減少対策の取り組み状況と課題、さらに、市町村とどのように連携を図りながら取り組みを進めていくのか、あわせてお伺いいたします。
次に、岩手の幸福に関する指標について。
近年、幸福度について関心が高まっており、国内でも、熊本県や東京都荒川区、京都府京丹後市など、複数の自治体において幸福度指標の策定があります。
本県でも、先月、岩手の幸福に関する指標研究会の中間報告が出されるなど、指標策定に向けて検討が進められております。
幸福は、個人ごとに異なる主観的な感覚であり、それを指標化し、施策展開に活用しようとする取り組みは困難が予想され、私も中間報告を拝読いたしましたが、理解するのになかなか難しいというのが実感でありました。
そこで、改めて、幸福に関する指標の導入について検討を始めた目的と経緯、また、県政の中でどのように活用しようとしているのかお伺いいたします。
知事は、昨年10月に策定した岩手県人口ビジョンにおいて、人口減少を引き起こす住みにくさ、学びにくさ、働きにくさ、結婚しにくさなどの生きにくさを生きやすさに転換し、人口減少に歯どめをかけるとしております。この生きにくさの生きやすさへの転換と、幸福に関する指標とはどのように関係づけているのかお伺いいたします。
次に、大きな二つ目、東日本大震災からの復旧、復興、陸前高田市におけるにぎわいの再生についてお伺いいたします。
陸前高田市では、高田地区と今泉地区の2地区で、住宅の再建や事業者の再開に向け、土地区画整理事業による新たなまちづくりが進められております。
先週、陸前高田市の現地を見てまいりましたが、来年4月の開業を目指し大型商業施設が着工するなど、中心市街地の再生に向け着実な動きも見られますが、何せ広大な面積で、いまだに多くの場所でかさ上げなどの造成工事が行われている状況にあります。一刻も早くかつてのまちのにぎわいを取り戻したい、目に見える形で見たいというのが、仮設店舗で商売をされている方、応急仮設住宅や災害公営住宅で暮らす住民の方々、そして市役所職員の切なる願いであります。
私を含め、陸前高田市外の人の陸前高田市のイメージは、まず高田松原の海水浴であり、まちは、おいしいお寿司屋さん、お菓子屋さん、お土産屋さんでにぎわっておりました。夏の白い、青い、さわやかなイメージであります。そこまで達しないと、真の陸前高田市の復興にはならない。そのためには、行政の責任としてやるべきことはやる。やるべきこととは、土地をかさ上げし、区画をつくり、上下水道を通し、側溝をつくり、道路を通す。そこに電気や電話の電柱が設置され、そこまでやって、初めて個人の住宅やお店が出店されるのであります。
そこで、陸前高田市のにぎわいの中心地であった高田地区の土地区画整理事業の進捗状況と課題、完了の見通しについてお伺いいたします。
また、多くの海水浴客でにぎわっていた高田海岸では、現在、流出した砂浜の再生が進められておりますが、高田海岸の砂浜再生に向けた現在の取り組み状況、今後の見通しについてお伺いいたします。
次に、陸前高田市復活のための国としての大きな後押しとして、高田松原津波復興祈念公園があります。その構成資産として、下宿定住促進住宅、道の駅高田松原タピック、奇跡の一本松と陸前高田ユースホステル、気仙中学校の四つの大きな遺構があります。
県が昨年策定した高田松原津波復興祈念公園基本計画では、これらの遺構について、被害の程度や破壊力の大きさなどの津波の脅威を後世に伝えるものとして活用していくとされております。
陸前高田市では、県に対し、これら震災遺構の適正な保存と管理について要望していると聞いております。公園内の震災遺構の保存と管理について、検討状況と今後の対応についてお伺いいたします。
次に、大きな三つ目、台風第10号災害への対応についてお伺いいたします。
8月30日夕方6時、大船渡市に上陸した台風第10号は、死者20名、行方不明者3名、被害総額1、447億円と、本県に甚大なる被害をもたらし、いまだ54名の方が避難生活を強いられております。
県は、この台風により大規模な災害の発生が予想されたことから、通常は被害発生後に設置する災害対策本部を、上陸前の30日正午に設置して対応に当たりま
した。特別な警戒態勢をしいて対応に当たったものの、残念ながら、広範囲で多くの人的、物的被害が生じてしまいました。
5年前に東日本大震災津波を経験している本県は、そこで得られた教訓を生かし、災害に備えてまいりました。今回の台風第10号への対応では、5年前の東日本大震災津波の教訓が生かされた点も多かったと思います。一方、教訓が十分に生かされなかった点については、その原因などを検証し、今後に生かすことで、本県の災害対応力をより強力にしていくことが重要であります。
そこで、今回の台風第10号災害への対応において、東日本大震災津波の教訓が生かされた点、生かされなかった点はどのようなものがあったかお伺いいたします。あわせて、それらへの検証を踏まえ、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
関連して、台風第10号災害を踏まえた国土強靭化地域計画についてお伺いいたします。
県は、ことし3月、いかなる大規模自然災害が発生しても、致命的な被害を負わない強さと、速やかに回復するしなやかさを持った安全・安心な地域社会の構築に向け、本県の強靭化を推進するための指針として岩手県国土強靭化地域計画を策定し、いかなる大規模自然災害が発生しようとも、人命の最大限の保護や社会の重要な機能の維持、県民の財産と公共施設の被害の最小化、迅速な復旧、復興という四つの基本目標を達成するための対応方策を推進しております。
しかし、今回の台風第10号は、国土強靭化地域計画策定後に本県で最初に発生した大規模自然災害でありまして、その対応に当たり、計画では不足していた点についての検証をどのように行い、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
また、市町村における国土強靭化地域計画は、他の都道府県では策定済みの市区町村もありますが、残念ながら、本県で策定済みの市町村はまだありません。自然災害は国や県での対応には限界があり、よりきめ細やかな対応を図るために、現場の市町村単位での取り組みが不可欠と考えます。このため、市町村において早急に計画を策定し、対応方策を推進していただくことが重要と考えます。市町村の検討状況と策定に当たっての課題、県はどのように支援していくのかお伺いいたします。
次に、大きい四つ目、農業振興について、岩手のお米について御質問いたします。
米は岩手の農業の基幹作物ですが、先日、ショッキングな報道を目にいたしました。日本農業新聞が東京都内の20歳代100人に対して行った米の消費に関する街頭調査では、1カ月間に米を食べない人の割合は16%に上ったとのことでした。1カ月米を食べない人がいるのだとびっくりいたしましたが、米の生産を取り巻く環境は厳しさを増しており、県産米の販路拡大には綿密な販売戦略、生産戦略が求められます。
そのような中、ことし初めて出荷された新しい県のオリジナル水稲品種銀河のしずくは、情報誌日経トレンディが主催する米のヒット甲子園において、全国160品種の中から、今一番食べてほしいお米として今年度の大賞に選定されるなど、多方面からの高い評価を受けており、開発から生産まで、これまで携わった関係者の皆様の大変な努力のたまものであると考えております。
また、先日8日には、銀河のしずくに続くオリジナル品種の名称が金色の風と発表され、いよいよ来年、本県がフラッグシップ米と位置づける品種が市場に供給される予定です。
新潟県の魚沼産コシヒカリや北海道のゆめぴりか、山形県のつや姫など、全国のブランド米による産地間競争が激化する中、今後、これら県産米のブランド化戦略が極めて重要となります。今後、県では、銀河のしずくと金色の風をどのように差別化しながら、県産米のブランド化戦略を推進していくのかお伺いいたします。
次に、県産米全体の生産戦略についてでありますが、本県の稲作農家は3万5、000経営体であるのに対し、銀河のしずくの作付農家はわずか100経営体、同じく作付面積は5万ヘクタールに対して146ヘクタール、収穫量は27万トンに対して877トンと、銀河のしずくの占める割合は県全体の米のわずか0.3%程度でしかありません。金色の風も、来年は銀河のしずくと同程度の作付農家数、作付面積、収穫量と伺っております。
また、平成27年度産米の食味ランキングでは、全国139品種のうち46品種が最上級の特Aにランクされるなど、食味による差別化はますます難しくなっております。このため、県産米の販売拡大を図るためには、ブランド米の販売戦略とともに県産米全体の販売戦略が必要であります。生産コスト低減などの生産戦略を並行して推進することが不可欠であります。
国は、今年度の第2次補正予算において総額5、739億円の農林水産関係予算を措置し、また、本県でも9月補正予算で圃場整備事業は約60億円増額し、総額86億円で水田の大区画化等によるコスト低減の取り組みを支援することとしております。
県では、県産米全体の生産戦略をどのように推進していくのか、お考えをお伺いいたします。
次に、農業生産工程管理の取り組みについてお伺いいたします。
米以外でも、今後の農業振興を進める上では、昨年の一般質問でも提起いたしましたが、輸出が大きな鍵になります。そこで必要となる取り組みが農業生産工程管理、いわゆるGAPです。GAPとは、農産物の品質だけではなく、農薬の使い方、土壌や水質などの環境、それに農場で働く人の安全など、生産にかかわるあらゆる工程を第三者が審査した上で、一定の基準に適合していることを認める制度で、安全・安心が保障される一つの基準とされ、世界で広がり始めております。
GAPは、審査機関によって幾つかの種類があり、本県でも、平成19年度に岩手県版GAPを策定するなど、さまざまな主体で取り組みが進められております。
しかし、輸出を目指す生産者の間で取得の動きが起きているのは、ヨーロッパを中心にしたグローバルGAPと呼ばれる認証制度であります。このグローバルGAPは、4年後の東京オリンピック、パラリンピックで選手村に提供される食材の調達基準となる可能性もあるとされ、今後の農業振興において積極的な取り組みが必要と考えますが、県内の取り組み状況、課題、今後の対応についてお伺いいたします。
次に、本県の農業遺産や食文化の活用について。
先月、800年以上の歴史を持ち、一関市と平泉町を流れる照井堰用水が世界かんがい施設遺産に登録されました。これは、国際かんがい排水委員会が平成26年に創設した制度で、生活用水としての役割のほか、毛越寺の浄土庭園にやり水として疎水されている照井堰用水は、本県の施設として初めて認定されたものであります。
私は、昨年の一般質問で、まだ申請していない時期にこの世界かんがい施設遺産を取り上げ、その後申請され、先月決定と相なったわけであります。
また、同じく先月、一関市と平泉町の日本のもち食文化と黄金の國の原風景が、農林水産省の食と農の景勝地に認定されました。これは、地域の食と農林水産物を核に、訪日外国人などの観光客誘致を図る地域の取り組みを認証する制度として、ことし、新たに創設された制度で、競争率が非常に高く、初年度は、全国44地域の申請に対して、わずか5地域のみが特にすぐれた取り組みとして認定されました。
さらに、現在、平泉町を中心として、一関市と奥州市にまたがる束稲山麓が、国連食糧農業機関が世界的に重要な農業システムを認定する世界農業遺産への認定を目指して取り組みを進めており、実現すれば、農産物のブランド化や観光客誘致などが期待されております。現在、県南地域で進められている農業施設や食に関する歴史や文化伝承を継承、活用しようとする取り組みについての県の評価をお伺いいたします。
また、県内には他にも特徴ある食文化が多数あり、この食と農の景勝地の認定の取り組みを参考に県内の他地域でも取り組むことで、県全体へのさらに高い効果も期待できると考えておりますが、県の見解と今後の対応についてあわせてお聞きいたします。
次に、大きな五つ目、観光振興について。
観光庁の宿泊旅行統計調査によれば、平成27年の外国人延べ宿泊者数は、東北7県が約70万人に対し、北海道は540万人と約8倍という状況にあります。5年前の平成22年と比較すると、東北は16%の増加であるのに対し、北海道は160%増加しております。九州も大幅に伸びており、北海道は雪、九州は温泉の地域イメージをそれぞれつくり上げ、それを売り込むことで、外国人観光客が大幅に増加しているとのことであります。
本県におけるインバウンドは、まずはこれらの先行する地方に追いつき、さらに差別化を図りながら優位性を確保していかなければなりませんが、そのためには、県単位での取り組みは限界があります。まずは東北全体で戦略を持ち、具体策を展開していくことが必要であると考えますが、広域の戦略を含めた県のインバウンドの取り組み状況、課題、今後の方針について伺います。
また、先ほどの農業振興のところで触れた本県の農業遺産や食文化は、平泉の文化遺産などと結びつけて活用を図ることにより、外国人観光客の誘致拡大に大いに寄与することと考えられますが、県の見解と今後の対応についてお伺いいたします。
次に、大きな六つ目、医療、福祉について、医師不足対策についてお伺いいたします。
本県における深刻な医師不足に対し、知事はこれまでの答弁で、奨学金制度による養成と適切な配置などにより、医師の不足と偏在の解消を進めると力強く述べられておりました。
そのような中、いよいよことし4月、初めて、いわて医学生奨学金の養成医師31名が初期臨床研修を終え、うち16人が県立病院等に配置されました。しかし、残念ながら県立磐井病院への配置はなく、県内の9保健医療圏のうち、両磐保健医療圏にのみ配置されませんでした。
そこで、いわて医学生奨学金の養成医師が県立磐井病院に配置されなかった理由についてお伺いいたします。また、今年度、全体でも不足がより深刻な産科と精神科の医師も配置されておらず、知事が力強く答弁されていた状況にはなっておりません。医師の地域の偏在化、診療科の偏在化について、県の認識と今後の対応についてあわせて伺います。
次に、ことし7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設において信じられないような殺傷事件が発生いたしました。現在、国では精神保健医療福祉の検討会を設置し、また、事件を検証するため、事件の検証及び再発防止策検討チームは、今月8日、再発防止策についての報告書を公表いたしました。
報告書では、再発防止策に当たって、共生社会の推進など三つの視点を重視し、具体的には、退院後の医療等の継続的な支援を通じた地域社会における孤立の防止として、今回の事件において、容疑者は、措置入院先病院からの退院後に、医療機関や地方自治体から必要な医療等の支援を十分に受けることなく孤立しており、退院後に、医療、保健、福祉、生活面での支援を継続的に受けられる確実な仕組みがあれば、事件の発生を防ぐことができたのではないかとしております。
このことから、今後、精神障がい者を地域で支える体制の一層の強化が必要であると考えますが、本県の精神保健行政の体制と課題についてお伺いいたします。
また、これらを受けた県の見解と、今後の保健所の体制、保健師の体制整備についてあわせてお伺いいたします。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。以降は質問席にて行います。
〔20番神崎浩之君質問席に移動〕
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 神崎浩之議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、障がい者スポーツの振興についてでありますが、県では、岩手県障がい者プランに基づいて、障がい者スポーツの振興などによる活動、交流の場や機会の確保とともに、一般企業への就労機会の拡大と定着に向けた支援などによる多様な就労の場の確保に取り組み、障がい者の自己選択、自己決定に基づく自立と社会参加を促進してきたところであります。
希望郷いわて大会で入賞した本県成人選手の多くが県内企業等に就労している状況にあり、大会の成果を継承していくためには、障がい者がスポーツに継続して取り組むことができるよう、今後とも経済的自立による生活の安定を図っていくことが重要であると考えています。
このため、県としては、選手や指導者、競技団体等関係者から意見を伺い、障がい者スポーツの一層の振興に取り組むとともに、商工団体や経営者団体に対する要請活動による雇用の場の確保など、引き続き障がい者雇用を促進してまいります。
また、県の職員採用においても、これまでもスポーツや文化等の各分野で活躍してきた経緯についても評価の視点の一つとしてきたところであり、今後とも多様な視点を持って職員の確保に取り組んでまいります。
次に、今後の県民ボランティア活動の取り組み方針についてでありますが、東日本大震災津波発災後、県内外からの被災地へのボランティアの支援の輪が台風第10号による被災地への支援活動にも受け継がれ、また、今回の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会においてもボランティアの活躍が成功の大きな原動力となったところであります。
今回示された県民一丸となった地元の底力とさまざまなつながりの力を一過性のものとすることなく、復興をなし遂げる力、そしてふるさと振興を進める力として一層高める必要があり、このボランティア活動の成果をレガシーとして継承、発展させていくことが重要と考えます。
このため、福祉、文化、スポーツ、教育、さらには地域づくりなどの広範な分野で関係機関と連携を図り、県民が、いつでも、誰でもボランティア活動に参加できる体制の整備に努めるとともに、若者や女性を初めとする地域のボランティア活動の中核を担う人材を育成することなどを通じて、3年後のラグビーワールドカップ2019の成功を初め、岩手が目指すふるさと振興や復興につなげてまいります。
次に、県における人口減少対策についてでありますが、県では、岩手県ふるさと振興総合戦略に基づいて、やりがいがあり、安定して働くことができる雇用、労働環境の整備の促進、結婚したいと願う県民の希望に応えるための結婚サポートセンター―i-サポの運営を通じた結婚支援や、子育てしながら働きやすい労働環境の整備など、人口減少に歯どめをかけるための取り組みを行っているところであります。
このような中、直近の人口統計では、社会増減はマイナス3、708人、出生数は対前年でマイナス436人と、依然として人口減少が進んでいることから、引き続き、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすの三つの柱のもと、ふるさと振興を強力に推進してまいります。
また、社会増減については、国の経済財政政策や経済状況の影響を強く受けることが明らかでありますことから、地方の取り組みとあわせて、国家戦略として国が十分な予算を確保し、主体的に政策を展開していくことが不可欠であります。このため、国において、地方の実情を十分に踏まえた地方重視の経済財政政策を実施するよう、全国知事会などとも連動しながら強く訴えてまいります。
次に、市町村における人口減少対策についてでありますが、住民により身近な地域づくりを担う市町村が人口減少対策に果たす役割は大きく、県内各市町村では、平成27年度中に人口ビジョンと地方版総合戦略を策定し、地域の特性を生かした取り組みを積極的に推進しています。
具体的には、例えば、一関市と平泉町では、観光を中心とした地域づくりを進めるための地域連携DMOの設立を目指しておりますほか、西和賀町では、雪をコンセプトとしたローカルブランディングや販路拡大事業を行っています。また、葛巻町では、豊かな自然環境のもとで人材を育む取り組みとして、山村留学事業を行っていますほか、岩手町では、空き家対策と結婚支援の一体的なサポートに取り組んでいます。
人口減少に歯どめをかけ、地域に新しい人の流れを生み出すためには、豊かな自然環境などの地域資源を生かしながら、雇用の場の確保や移住、定住の促進、若者の結婚、出産の希望をかなえ、安心して子育てできる環境の整備などが求められており、地域の実情を踏まえたこれらの取り組みを着実に進めていく必要があります。
こうしたことから、県では、市町村訪問や県市町村連携推進会議などを通じて、市町村の人口減少対策について情報共有に努めるとともに、岩手県立大学と連携して、市町村の総合戦略に基づく事業実施に対する助言等を行っているところであり、県と市町村の取り組みが相乗的、また、効果的に発揮されるように、引き続き、市町村と十分に連携を図りながら、人口減少対策を進めてまいります。
次に、岩手の幸福に関する指標の検討の目的等についてでありますが、岩手県政の推進に当たり、所得などの経済的要素に加え、岩手に根差した風土や文化、暮らし、また、東日本大震災津波からの復興に大きな力となっている地域や人のつながりにも着目した施策の展開が必要と考え、昨年度から幸福に関する指標の導入に向けた検討を進めています。
検討に当たっては、専門的な知見を有する有識者から幅広く意見を聞くことが重要でありますことから、本年4月、岩手の幸福に関する指標研究会を設置し、11月に中間報告書を策定いただいたところであります。
指標の活用については、中間報告書において、指標の策定方針として、幸福という新たな切り口で、県民の実感やそれを支えるさまざまな要因を評価し、岩手県の強み弱みを多面的に分析することが可能になるもの、地域や県民が幸福について考えるきっかけとなるようなもの等が示されていることを踏まえて、指標の分析結果を政策評価等に用いるほか、県民の皆様と一緒に、どのような地域を目指すかを考えるためのワークショップ等の材料とすることなども考えられます。
研究会において、来年夏ごろをめどに、最終報告書を取りまとめていただく予定でありますので、その御議論も踏まえつつ、次期総合計画での指標の導入に向けて、引き続き検討を進めてまいります。
次に、生きにくさとの関係についてでありますが、昨年度策定した県の人口ビジョンにおいて、人口減少の背景として、子育てに要する支出の上昇や仕事と育児の両立の困難さ、非正規雇用の拡大、首都圏との経済格差の拡大などさまざまな生きにくさがあり、それを生きやすさに転換していくことが重要と位置づけたところであります。
また、岩手の幸福に関する指標については、研究会の中間報告において、幸福に関連すると考えられる領域として、仕事や居住環境、家族や教育など12の領域が挙げられています。これらの領域は、住む、学ぶ、働く、結婚するといった生きにくさ、生きやすさの要因とも重なる部分があり、人口ビジョンに掲げる将来展望を実現するためのふるさと振興総合戦略の推進によって、県民の幸福の向上にもつながるものと考えております。
次に、県産米のブランド戦略についてですが、全国の米産地から食味レベルの高い新品種がデビューする中、米卸売業者や小売店、消費者の認知度を高め、高い評価を勝ち取り、金色の風と銀河のしずくのブランドを確立することが重要であります。
この秋、市場に送り出した銀河のしずくは、首都圏の米穀専門店から、外観、食味、後味の全てにおいてバランスがよく、最近の新品種とは一線を画しているとの声が寄せられ、11月には、米のヒット甲子園2016で大賞を受賞し、品質、食味のすばらしさがテレビやイベントでも紹介されるなど、全国的に高い評価をいただいています。
また、来年秋に本格デビューさせる金色の風は、ふわりとした食感と豊かな甘み、そして変わらない粘りというすぐれた特徴を兼ね備えており、お米本来のおいしさを極限まで追求した最高級の品種として、今月8日に東京銀座で開催したデビューイベント以降、全国から問い合わせが殺到するなど、急速に注目度が高まっています。
今後においては、マスメディア等を活用した話題性に富んだプロモーションや大消費地でのトップセールスなどにより、それぞれの魅力や特徴を強力にアピールしながら、関係機関、団体が一丸となってブランドの確立に全力を挙げて取り組んでまいります。
次に、医師不足対策についてでありますが、奨学金養成医師の配置に当たっては、県、国民健康保険団体連合会、医療局及び岩手医科大学が締結した奨学金養成医師の配置調整に係る協定に基づいて、4者で組織する配置調整会議において決定しています。
今年度は、配置基本ルールに基づいて養成医師の円滑な義務履行とキャリアパスの両立を進める観点から、初期臨床研修病院での継続的な専門研修への移行や、大学院への進学などの本人の希望も踏まえた結果、両磐医療圏を除く8医療圏に1名から3名の配置となり、配置した養成医師には産科と精神科を選択した者はいなかったものであります。
次に、診療科偏在についてでありますが、本県においては、全ての診療科で医師が不足しているものと認識しておりまして、県では、これまで、医師の絶対数の確保に向けて、医師確保対策アクションプランに基づいて、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
県立病院においても、地域から特に要請のある診療科等について、即戦力医師の招聘や関係大学への医師派遣の要請などを行い、医師の確保に努めてきたものと承知しております。
また、議員御指摘の産科や精神科については、限られた医療資源の中、二次医療圏を超えた広域の医療圏を設定して、医療機関の機能分担と連携のもと、地域医療体制の確保を図ってまいりました。
さらに、医師の不足や偏在の根本的な解決に向けては全国的な取り組みが必要であることから、本県では、国全体で医師の計画的養成などに取り組むことを主眼とする地域医療基本法の制定を国に提言してきたところでありまして、今後とも、関係機関等と連携しながら、診療科偏在の解消に向けて取り組んでいく考えであります。
次に、精神障がい者を地域で支える体制の構築についてでありますが、県では、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づいて、保健所において、精神障がい者及びその家族等からの相談への対応や措置入院等に係る一連の事務、精神科病院に対する指導監督等を行い、また、精神保健福祉センターにおいて、精神障がいの専門的な判定等を行っています。
課題としては、通報されるケースの内容が複雑化していることから、職員のスキルの向上と計画的な育成が必要であること、地域により通報件数等に増減があり地域の実情に応じた対応が必要であること、いつ通報があるかわからない状況が続くことによる職員の負担があることが挙げられます。
相模原市での事件の検証等のために国が設置した検討チームが今般公表した報告書においては、共生社会の推進や退院後の医療等の継続支援など、5項目について再発防止策の方向性を掲げつつ、具体的な制度設計に当たっては、都道府県知事等や医療機関、障がいを有する当事者等の意見を聞きながら進めることが必要と述べており、県としても、実効性のある施策の実現に向けて、関係機関等による十分な検討が必要と考えています。
保健所の体制については、これまでも、地域の保健医療に関するさまざまな課題に対応できるよう、保健師など専門職員を配置するほか、業務量に応じた職員数の配置に努めてまいりましたが、今後、国において、検討チームの報告書や、精神保健医療福祉のあり方に関する議論等を踏まえ制度改正等を行うことが見込まれますことから、県としては、国の動向も踏まえながら、引き続き不断の見直しを行ってまいります。
その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔県土整備部長及川隆君登壇〕
〇県土整備部長(及川隆君) まず、陸前高田市におけるにぎわいの再生についてでありますが、高田地区の土地区画整理事業の進捗状況につきましては、平成28年10月末現在、中心市街地の商業エリア20ヘクタールにおいて、150万立方メートルの盛り土工事は全て完了しており、現在、道路や上下水道等の整備を進めております。この地区の中核施設となる大型ショッピングセンターが平成29年春の完成を目指し、建設が進められております。
今後の整備においては、区域周辺に居住される方々の生活道路を確保しながら、中心市街地周辺の盛り土を効率よく進めることが課題であると伺っております。
完了の見通しについてですが、中心市街地以外の区域を含めた土地区画整理事業全体の工事完成は、平成30年度を目指しております。
県の支援についてですが、被災市町村へ職員を派遣するとともに、土地区画整理事業の進め方や法手続等について助言等を行っているところであります。
今後も、早期の事業の完成に向けて、引き続き国と一体となって市町村を支援してまいります。
次に、高田海岸の砂浜再生についてでありますが、県では、平成26年より砂浜復元の可能性を調査するとともに、学識経験者より構成される高田地区海岸養浜技術検討委員会において議論を重ね、平成27年1月に基本計画を取りまとめたところです。
砂浜再生は、全体計画1、750メートルのうち1、000メートルの事業化がなされ、200メートルを試験施工区間として平成28年1月より着手し、8月までに砂の投入を完了したところです。その後、数回の台風等の波浪を受けたものの、現時点では大きな変状は確認されておらず、経過観察を行っているところです。
今後は、観察結果を踏まえながら、平成29年度より、残りの800メートル区間への砂の投入に着手し、海水浴等のための砂浜地形の変化を観察するとともに、周辺の海水への影響調査等を行うこととしており、おおむね平成30年度内の完成を予定しています。
次に、高田松原津波復興祈念公園内の震災遺構についてでありますが、公園内の震災遺構については、高田松原津波復興祈念公園の基本計画にて、被害の程度や破壊力の大きさなどの津波の脅威を後世に伝えるものとして、保存、活用していくこととしており、本年9月に公園全体の基本設計を取りまとめたところです。
四つの震災遺構については、遺構の周囲に柵を設置するなど、安全の確保を図った上で外部からの見学、いわゆる見守り遺構として活用することとしていますが、具体的な保存管理のあり方については、今後、公園の実施設計を進める中で、施設所有者である陸前高田市等の関係機関と検討してまいります。
〔総務部長風早正毅君登壇〕
〇総務部長(風早正毅君) 東日本大震災津波の教訓についてでありますが、県では、東日本大震災津波の教訓を踏まえ、職員を被災市町村へ早期に派遣し、また、広域防災拠点に備蓄していた物資を迅速に届けたほか、被災市町村においては、県が構築した被災者台帳システムを活用し、円滑な罹災証明書の発行を行ったところであります。
一方、今回の台風災害においては、河川の急激な氾濫により被害が拡大し、避難勧告などの発令が必ずしも住民や社会福祉施設等の避難行動につながらなかった面があったところであります。このため、今回の台風災害で得られた教訓、さらには、近年多発するゲリラ豪雨などを踏まえ、新たな風水害に対応した防災体制の整備を推進していくため、岩手県防災会議幹事会議に三つの分科会を設置し、現在の防災体制の課題や対応策などについて検討をしております。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) まず、国土強靭化地域計画の台風第10号災害を踏まえた検証と対応についてでありますが、岩手県国土強靭化地域計画の策定の際に行った大規模自然災害によって引き起こされる最悪の事態を想定したリスクシナリオの設定、脆弱性評価や重点施策の選定など岩手県の弱みを明らかにし、平常時に何を行う必要があるかを洗い出す検討のアプローチが有効であると認識しております。
今回の台風第10号による甚大な被害状況や県の取り組み内容を踏まえ、今後、計画に盛り込んだ想定リスクや脆弱性評価、重点施策等の内容について見直しを行うことが必要と考えているところであります。
具体的に見直しが必要と考えられる取り組み内容は、計画において重点施策として掲げている項目のうち、避難体制整備における市町村の避難勧告等の発令体制や県等による支援体制、要配慮者等への支援における社会福祉施設等の防災体制、住民等への災害情報伝達強化における水位周知河川の指定やタイムラインの作成、河川改修等の治水対策における洪水浸水想定区域図の作成などが挙げられるところであります。
これらは、先ほど総務部長から答弁いたしましたように、岩手県防災会議幹事会議に設けられた三つの分科会において、現在、課題の対応方策等について検討が行われているものであり、今後、分科会における検討結果も踏まえながら、改めて計画の各分野について全庁的な検討を行い、有識者の御意見も伺いながら、岩手県国土強靭化地域計画の見直しを行ってまいります。
次に、市町村における国土強靭化地域計画の策定についてでありますが、県全体の強靭化のためには、市町村においても国土強靭化地域計画を策定し、県と連携を図りながら、計画に基づく取り組みが進められることが重要でありますが、県内においては、まだ計画策定作業に着手した市町村はない状況となっております。
ことし7月に、国と連携の上、市町村を対象に国土強靭化地域計画策定に関する説明会を開催し、その後行った計画策定に関する意向調査によれば、県内6市町村において計画策定の意向が示された一方、課題として、計画策定に係る全庁的な体制づくりや、計画の目的、特徴、策定プロセス等に対する庁内での認識が十分でないことなどが挙げられたところであります。
県では、現在、計画の策定意向がある6市町村を中心に、個別に意見交換を実施しているところでありますが、今後も、県の計画策定や取り組みの実績を生かし、国とも十分連携の上、市町村における計画策定が進むよう、先行事例の紹介や出前講座の開催などによって積極的な支援を行ってまいります。
〔農林水産部長紺野由夫君登壇〕
〇農林水産部長(紺野由夫君) まず、県産米の生産戦略についてでありますが、平成30年産からの米政策の見直しを見据え、稲作農家の経営安定に向けては、生産コストの低減や良食味米の安定生産などの生産対策に、これまで以上に取り組む必要があります。このため、いわての美味しいお米生産・販売戦略に基づき、生産コスト低減に向け、市町村や農協等と連携し、農地利用集積による経営規模の拡大や直播栽培の導入、鶏ふん等の活用等による資材費の低減などに取り組んでいるところであります。
また、良食味米の安定生産に向け、施肥等管理技術の定着や消費者等と結びついた特色ある米づくりなどの取り組みを支援しているところであります。
今後は、こうした取り組みを強化し、集落営農組織や担い手農家が安心して稲作経営を継続できるよう、支援してまいります。
次に、GAPの取り組みについてでありますが、GAPは、食品の安全や品質の向上等を図る管理手法であり、消費者や実需者の信頼を勝ち取り、県産農産物の評価を高めるために有効な取り組みであります。このため、県では、平成20年1月に、県版GAPを策定するとともに、毎年、普及啓発セミナー等を開催するほか、JGAP指導員を育成し、県版GAPの普及、定着を図ってきたところであり、その結果、取り組み産地数は全体の64%まで拡大しており、これは、全国平均の約3倍となっているところであります。
しかしながら、現時点において、国際的に通用する高度なGAPであるJGAPの認証取得は2農場、グローバルGAPは1農場にとどまっており、今後、東京オリンピックへの食材供給や輸出拡大を見据えると、農業法人や産地の認証取得を進めることが重要であります。
このため、今後におきましては、ICT技術を活用するなど、高度なGAPの導入環境を整備するとともに、県や関係機関、流通業者等で構成する岩手GAP推進チームやJGAP指導員による現地指導を強化するなど、高度なGAPの認証取得の拡大に向けた取り組みを強力に進めてまいります。
次に、本県の農業遺産や食文化の活用についてでありますが、本県には、先人が築いた用水やため池、農業用の施設など、古くから地域の農業を支え続ける遺産が数多くあるほか、米、雑穀、海産物など、豊富な農林水産物を活用した多様な食文化が伝承されており、このたびの世界かんがい遺産への登録や食と農の景勝地への認定は、これまでの取り組みの成果が認められたものであり、高く評価しているところであります。
県といたしましては、このような歴史的価値の高い農業施設や、地域独自の魅力ある食文化の価値を積極的に情報発信するとともに、農業体験の場や、餅等地域の食文化に根差した食の提供を進め、国内外からの誘客につなげるなど、地域資源を活用した活性化に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。
〔商工労働観光部長菊池哲君登壇〕
〇商工労働観光部長(菊池哲君) まず、インバウンドについてでありますが、本県を訪れる外国人観光客は、その入り込み状況を宿泊数で見ますと、平成27年においては、震災前の水準を超え、約10万人泊と過去最高となっておりますが、同期間の全国の伸びに比べると低く、東北全体で見ても、昨年の東北のシェアは全国の約1%にとどまっておりますことから、東北が一体となって取り組んでいくことが重要と認識しております。
このため、本県を初め東北各県等で構成します東北観光推進機構が中心となりまして、日本の奥の院・東北探訪ルート形成計画を策定し、東北の美しい四季や歴史文化、食文化を素材とした具体的なコースを設定し、国の選定を受けたところでございます。
また、本年4月には、東北6県の知事が一堂に会し、東北全体で観光プロモーションを行っていくことの重要性を共有し、8月には、各県の知事や関係団体の代表者が一体となって台湾で東北トップセールスを実施するなど、海外での情報発信や海外旅行会社の招請等のプロモーションに東北が一体となって取り組んでいるところでございます。
国においては、本年を東北観光復興元年と定め、予算の拡充を初め、東北が連携したインバウンド拡大の取り組みを展開することを支援していることから、今後も国の支援を活用し、各県がさまざまなテーマで連携して多彩な観光商品の造成を促進し、外国人観光客の誘致拡大に取り組んでいきたいと考えております。
次に、農業遺産や食文化の観光への活用についてでございますが、世界遺産平泉と農業遺産、食文化などの観光資源を組み合わせることは、平泉を核とした本県観光の集客力を高めるとともに、多様な魅力の提供によるリピーターの確保にもつながることから、外国人観光客の誘致拡大にとって極めて重要であると認識しております。
このため、これまで、地域との連携のもと、外国人観光客向けのユネスコ無形文化遺産の和食にちなんだ平泉もち御膳の提供や、農産物の収穫体験の実施などによる食と農の魅力づくりに取り組むほか、海外での国際旅行博覧会等での餅つきパフォーマンスや、中国の大手旅行会社の幹部とマスコミを対象とした平泉の文化遺産と農、食を組み合わせたモデルツアーを実施するなど、誘客拡大の取り組みを展開してきているところでございます。
今後におきましても、市町村や地域の関係者とよく連携し、世界遺産と食などのさまざまな観光資源を組み合わせたプロモーションの強化を図りまして、外国人観光客の誘致拡大を図っていきたいと考えております。
〇20番(神崎浩之君) 知事におかれましては、思っていた以上に丁寧な答弁をいただきましてありがとうございました。
順番に、今までのところで再質問してまいります。
まず、陸前高田市のにぎわい再生についてであります。私たちのイメージは、やはり海水浴ということであります。砂浜の再生があるわけなのですが、その後に果たしていつごろ海水浴ができるものなのか、お伺いしたいと思います。
それから、震災遺構については四つもあって、復興交付金は市町村内一つという制約があると聞いておりますが、この辺の取り扱いについてどういうふうに今進んでいるのか、お伺いをいたします。
〇県土整備部長(及川隆君) 砂浜の再生についてでありますが、復興祈念公園の予定地や高田海岸の現地におきましては、国道から試験施工区間までのアクセス道を多くの工事車両が通行しております。また、海水浴など一般に開放するためには、砂浜地形の変化などを十分に確認する必要があると考えています。
このことから、利用者の安全が確実に確保できるまでは一般に開放することは難しいと考えておりまして、現時点では海水浴ができるようになる時期など見通しをお示しできる段階にはございませんが、陸前高田市などと協議の上、必要に応じて市民見学会などの開催を行ってまいりたいと考えてございます。
〇復興局長(木村卓也君) 震災遺構に係る復興交付金の関係でございます。現在、陸前高田市で予定しております四つの大きな震災遺構につきましては、先ほど県土整備部長から御答弁申し上げたとおり、高田松原復興祈念公園整備事業の取り組みの中で、これを、いわゆる見守り遺構ということで整備する方向で進んでいるものでございまして、復興庁で示している1市町村1カ所の震災遺構の整備とはいわば別のスキームということで整備を進めているものでございます。
〇20番(神崎浩之君) やはり陸前高田市というのは高田松原の海水浴だと思いますので、一緒に国にも働きかけながら、早く実現するように頑張ってまいりたいと思っております。
それから、陸前高田市のにぎわいの復活に一番重要なのは新笹ノ田トンネルの整備ということであります。陸前高田市が元気になるということは、もちろん市民の方の購買もそうなのですけれども、やはり市外からの誘客というのが非常に大きいと考えております。例えば東京から高速道路で一関市に来て、そこから平泉を見て、そして陸前高田市に行く、復興祈念公園に行く。それから、北海道新幹線が開通いたしましたので、北海道新幹線で一関市に来て平泉に行く、そして陸前高田市に行く。こういうことで陸前高田市を元気にしていかなければならないと考えております。
復興祈念公園の中だけをさまざま整備されても、そこに行く方が行きづらいというところでは、陸前高田市の真のにぎわいは戻ってこないのではないかということでお伺いするわけなのですけれども、この道路につきましては、新しいトンネルを整備して、特に冬場でも安心して通れる、工事関係者、関係車両、通勤道路としての要望が強いにもかかわらず、なかなか実現に向かわないところであります。陸前高田市からも、あの道路は陸前高田市の玄関口なのだということが言われておりますし、さらに医療も、医師確保のためにも笹ノ田トンネルは重要だという話も、建設、商工以外からも出ているということもお知らせいたしておきます。
そこで、新笹ノ田トンネルの整備についてお伺いいたします。
〇県土整備部長(及川隆君) 新笹ノ田トンネルの整備についてでありますが、国道343号は、被災地域の早期の復興を支援するとともに、物流の円滑化や観光振興、医療のためにも大きな役割を果たしており、県では、復興計画において復興支援道路に位置づけ整備を進めているところでありますが、新たなトンネルの整備につきましては、多額の事業費を要することが見込まれることから、より慎重な判断が必要であると考えているところであります。
整備に当たっては、事業予算を確保するとともに、県の公共事業評価制度に基づいた必要性、重要性、緊急性などの評価を経なければなりませんが、現在進められている復興道路の整備に伴い形成される道路ネットワークによる物流の変化やILCの立地構想実現に向けた進捗もにらみながら、今後、必要に応じて所要の検討を行ってまいります。
〇20番(神崎浩之君) 陸前高田市だけではなくて大船渡市のほうからも要望されております。ぜひ、部長も冬場に何回も来ていただいて、冬場だけではなくて、雨が降ったときの夏場も大変なのですよ。暗いトンネル中で、カーブしながら、そして水がたまっている。ぜひ、安全・安心のために早期着手について、私も頑張りますので、よろしくお願いいたします。
次に、台風第10号への対応については、被災県であるということから早々の対応をとったということで、これは評価したいと思っております。被害発生後にではなくて、発生前に設置するということは、これは教訓が生かされたと思っております。今後も初動の態勢についてよろしくお願いいたします。
それに比べて、国土強靭化地域計画なのですけれども、今、市町村で取り組まれていない、まだ策定されていないということは非常に残念なことであります。これだけ大きな被害があった岩手県、沿岸地域も含めて、それ以外の業務もあるわけでございますけれども、こういった国土強靭化というのは道路とか橋だけではないわけです。情報網の整備も含めて守っていかなければならないということなので、今現在、6市町村が取り組み始めているということでありますので、早くそれを形あるものにして、全市町村に浸透していただくように、今、担当者の方も市町村を回っているということも聞いておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、GAPの話でありますけれども、我々は東京オリンピックには岩手の農産物に非常に期待しているわけなのですけれども、どうやら物すごく厳しいグローバルGAPという話もありまして、よもやラグビーワールドカップ2019釜石大会にはないとは思うのですけれども。
そこで、現在、本県で1カ所だけ、一関市のある農業団体ということでありまして、これは、今後、東京オリンピックを見据えたグローバルGAPに取り組むようなところはその1カ所以外にもある状況なのでしょうか、お伺いいたします。
〇農林水産部長(紺野由夫君) GAPに取り組む法人でございますけれども、なかなかそこまで意識が高い法人があらわれていないというような状況でございます。このため、県といたしましては、意識の高い農業法人を確保いたしまして、そこに、取得に向けた動きを加速化させるため、本県の農業改良普及センターを中心に重点的に指導に入りたいということで取り組んでおります。また、農業改良普及員にJGAPの指導員というものも取得させて、そのような動きを加速化させたいということで現在取り組んでいるところでございます。今後、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇20番(神崎浩之君) 東京オリンピックにはさまざまな面で岩手は期待しております。東京でもさまざまなことで復興の応援をしたいということがあるのですが、肝心の岩手のおいしい安全な農産物が入らないということで、農家の人も非常にがっかりすると思います。いずれ、その辺の支援についてもよろしくお願いいたします。
次に、医療、福祉であります。
精神障がい者を地域で支える体制については、知事から、今現在の保健所の体制とか今後の取り組みについても詳しく答弁をいただきました。あの事件が発生後、知事は、神奈川県相模原市の障害者支援施設での事件に対する知事談話ということをいち早く出していただいて、県内の障がい者の方にも勇気を与えたのではないかと思っております。これが、このとおり引き続き理念の中に入っていけばいいと思っております。
医師不足について、再度、知事にお伺いいたしますけれども、先ほど、16名もいるうち、9圏域の中で両磐地区だけが配置されなかったという話だったのですけれども、来年、再来年は両磐地区には奨学生の医師は配置されるのでしょうか心配でありますので、お聞きいたします。
〇保健福祉部長(佐々木信君) 奨学金養成医師の来年4月1日の配置については、現在、四者からなる配置調整会議の中で検討中でございまして、まだ未確定でございます。
〇20番(神崎浩之君) 細かいことはいいのですけれども、知事に所見だけお伺いしたいと思うのですが、県立病院の医師の人事というのは、一番強いのが大学の医局であって、その次に病院長があって、そして医療局ではないかと思っております、特に奨学金の医師について。
そこで、来年は33人が卒業する予定でありますけれども、なぜ県立磐井病院に来ないのかということでいろいろ考えるのですけれども、やはりこれは医局制度というものがあると思います。例えば岩手医科大学の医局に所属していると、行ける病院というのは限られてきます。県南は、どちらかというと東北大学の医局関係の派遣が多いということがありまして、そういう医局の関係で、県立磐井病院のほうに岩手医科大学の医師がなかなか来られないという状況があると私は考えております。
医局人事がありまして、例えば、特に外科系でありますと、岩手医科大学の方が東北大学系列の人事の中になかなか入れないということがあるのですが、このままだと、幾ら奨学金医師が養成されても県南には来ないのではないかというような心配をしているわけなのですが、このことについて知事のほうから所見をお願いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 本県の養成医師の配置に当たりましては、養成医師の円滑な配置とキャリアパスの両立を進める観点から、県立病院長を経験した医師支援調整監が、岩手医科大学だけではなく東北大学など東北他県の大学も訪問して、本県の配置基本ルール等について説明を行っているところであります。
このように、養成医師本人の希望を踏まえつつ、キャリアアップに向けての所属大学の意見も聞きながら調整を進め、今年度は東北大学医学部と関係のある県立中央病院、県立中部病院、県立胆沢病院にも養成医師が配置されたところであります。
県としては、引き続き、地域医療の提供体制を確保するため、関係機関や関係大学と連携を図りながら、配置基本ルールに基づいて養成医師の配置を進めていく考えであります。
〇20番(神崎浩之君) 岩手医科大学で外科をやっていると、県立磐井病院に行きたいといっても、そこは東北大学の医局であって、行きたいけれども行けない。県立磐井病院でも医師が欲しいけれども、なかなか医師を採用できない。あの辺は医療も伊達藩でありますので、そういう医療の体制についても目を届けていただきながら対応していただきたいと思います。
次に、大きい七つ目でありますけれども、これも知事にということでお願いしておりましたが、本県の農業遺産や食文化について、一関市、平泉町の日本のもち食文化と黄金の國の原風景の食と農の景勝地認定については、先ごろ、自民党本部でいわて復興応援フェアの折に、農林水産省の担当についても知事に御紹介したところでありますが、食と農の景勝地、照井堰用水の世界かんがい施設遺産、本県の農業に関する遺産や食文化についての知事の所見と活用の考え方について、改めてお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) このたびの照井堰用水の世界かんがい施設遺産への登録や、一関市と平泉町のもち食文化等の食と農の景勝地への認定については、地域の関係者の皆さんの長年の努力とその価値が認められたものであり、本県の歴史的価値の高い施設や特徴ある食文化が広く国内外に発信されることによって、地域の活性化につながるものと高く評価しております。
本県には、このほかにも、古い歴史を有し地域の農業を支える施設がたくさんあり、また、地域の生活や風土に根差した多様な食文化が伝承されていますので、今般の登録、認定は、県内各地で取り組まれる活性化のモデルとなると期待しています。
県としては、歴史的価値の高い農業施設や地域独自の魅力ある食文化の情報発信、食文化に根差した食の提供、これらを通じた国内外からの誘客の拡大など、地域資源を活用した活性化に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。
〇20番(神崎浩之君) 照井堰用水は800年の歴史を持ち、毛越寺にもつながっているということで、こういうことが表に出てよかったと思っておりますので、ぜひ、県としても活用していただきたいと思います。
次に、最後の大きな8項目目でありますけれども、災害時の介護、福祉の支援体制について、災害派遣福祉チームの活動についてお伺いいたします。
県は、県内の福祉関係団体とともにケアマネジャーや社会福祉士、介護福祉士等の福祉専門職で構成する岩手県災害派遣福祉チームを平成26年3月に設置し、大規模災害時に避難所等において災害時要援護者の応急支援、相談などのチームの組織化、研修を行ってまいりました。
本年4月に発生した熊本地震においても、熊本県益城町の避難所において支援活動を実施するなど、全国に先駆けて活動をしており、今回の台風第10号災害においてもいち早く現地に入り、幅広い支援活動を行い、県内外を問わず大規模災害への対応に欠かせないものとなっております。
そこで、本県の災害派遣福祉チームの台風第10号災害への対応を初めとした具体的な活動内容と成果及び今後の活動に際しての課題と対応についてお伺いいたします。
〇保健福祉部長(佐々木信君) 災害派遣福祉チームについてでありますが、県では、平成25年度に、関係団体等とともに知事を本部長とする岩手県災害福祉広域支援推進機構を組織し、岩手県災害派遣福祉チームを設置したところであり、本年11月末時点でチーム員234名を登録しています。
本年4月に発生した熊本地震に際しては、設置以来初めてチームの派遣を行い、また、台風第10号災害に際しては、8月31日から10月7日までの間、チーム員延べ58名を岩泉町等へ派遣したところです。
岩泉町等での活動に当たっては、熊本地震での経験を踏まえ速やかにチームを派遣し、被災した施設の入所者等の搬送に係る介助支援や、町内孤立集落から移送された避難者のスクリーニング、要配慮者の見守りや相談援助などを行うとともに、現地に設置された岩泉保健・医療・福祉・介護連携会議を通じて各支援関係者と連携し、避難所での要配慮者支援体制の充実に努めました。
実際にチームを派遣しての課題としては、全国的な広域派遣調整の仕組みがまだ整備されていないために熊本県へ派遣するまでに日数を要したこと、岩泉町では、チーム派遣の長期化に伴いチーム員の勤務する福祉施設の業務調整が必要となるなど、チーム員の確保に苦慮したことなどが挙げられます。
県といたしましては、災害派遣福祉チームの制度化や全国的な派遣調整システムの構築について引き続き国に要望していくとともに、今般の派遣実績を評価、分析し、災害時における支援体制の充実、強化や関係者の理解の醸成に努めてまいります。
〇20番(神崎浩之君) 整理いたしますと、被災で支援を受けた岩手県で、逆に岩手県から応援する災害派遣福祉チームというものを県が設置いたしました。研修をいたしました。その中で、ことし、2回ほど派遣した実績を持ったということであります。一つは熊本県ということで、大分旅費もかかっておるわけなのですけれども、全国に先駆けて熊本県に岩手県の福祉チームが行って活動したということであります。
それから、岩泉町、宮古市も含めた実績ということで、国の制度がない中で動いたということは画期的なことだと思っております。災害で支援を受けた全国に恩返しをしたいという岩手県民の願いのあらわれではないかと思っております。
そこで、本県で全国に先駆けて災害派遣福祉チームが活動しましたが、現状、派遣に要する経費に対する国の財政措置がないという答弁もありました。おのおの500万円ぐらいかかっていて、それが、このままであると県費で処理ということになる。このために、例えば災害救助法の中に、医師は位置づけられているのですけれども、福祉チームはないということもあります。財政の担保、それから、全国で広く応援し合える体制を整備していく必要があると思います。また、東北6県でも岩手県が先進県としてリーダーシップを発揮して取り組みを進めてほしいと考えております。今、東北6県でも、よちよち歩きの中で各県でも整備しようかという段階であります。
そこで、災害派遣福祉チームのこれまでの活動について、まず、知事の御所見と、今後の体制の充実に向け、被災地の知事として、また全国に先駆け熊本県に派遣した先進県の岩手県の知事として、国に制度の充実を働きかけるべきであると考えますが、それらも含めた御所見をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 本県では、東日本大震災津波の被災地において、介護、福祉の専門職が活躍した経験を踏まえて平成25年度に岩手県災害派遣福祉チームを全国に先駆けて設置し、本年4月の熊本地震において初めての派遣を行いました。
また、台風第10号の災害に際しても、保健、医療関係者と連携して、避難所等でのニーズ把握や環境改善など、要配慮者支援の充実、強化に貢献していただいたところであり、チーム員の献身的な働き、そしてチーム員を送り出していただいた福祉施設等の理解と協力に対し、改めて感謝を申し上げたいと思います。
今後の支援体制の充実に向けて、県としては、今般の経験を踏まえて、災害時における災害派遣福祉チームによる介護、福祉的支援の必要性や重要性を引き続き国に訴えていくとともに、東北各県を初め全国に向けて本県のチーム員養成研修プログラムや派遣ノウハウ等を提供するなど、災害派遣福祉チームの制度化、全国的な相互派遣の仕組みづくりにつながるよう取り組んでまいります。
〇20番(神崎浩之君) よろしくお願いします。
今回は、障がい者のスポーツ、ボランティア、陸前高田市、県南の食と農の関係も含めた観光戦略について質問いたしました。そして、医師確保については、事務方ではなかなかわからないような後ろの医療の仕組みということも話をさせていただきました。最後の災害派遣福祉チームについても、全国に誇っていい岩手県の制度だと思います。今後も力強く進めていただきたいと思います。
なお、きょうは県南から県民の方も来ておりますので、ぜひ、知事も県南のほうにも出向いていただきまして、県南の課題についても聞いていただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(田村誠君) 以上をもって神崎浩之君の一般質問を終わります。
〇議長(田村誠君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時28分 休 憩
出席議員(44名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 臼 澤   勉 君
3  番 千 葉 絢 子 君
4  番 ハクセル美穂子 君
5  番 菅野 ひろのり 君
6  番 柳 村   一 君
7  番 阿 部 盛 重 君
8  番 佐 藤 ケイ子 君
10  番 川 村 伸 浩 君
11  番 田 村 勝 則 君
12  番 工 藤   誠 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 吉 田 敬 子 君
15  番 佐々木   努 君
16  番 千 葉   進 君
17  番 佐々木 朋 和 君
18  番 名須川   晋 君
19  番 軽 石 義 則 君
20  番 神 崎 浩 之 君
21  番 城内 よしひこ 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 佐々木 茂 光 君
24  番 高 橋 孝 眞 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 工 藤 勝 博 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 高 橋   元 君
32  番 関 根 敏 伸 君
33  番 岩 崎 友 一 君
34  番 嵯 峨 壱 朗 君
35  番 中 平   均 君
36  番 五日市   王 君
37  番 斉 藤   信 君
39  番 飯 澤   匡 君
40  番 渡 辺 幸 貫 君
41  番 佐々木 順 一 君
42  番 田 村   誠 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 工 藤 大 輔 君
欠席議員(4名)
9  番 佐々木 宣 和 君
25  番 木 村 幸 弘 君
38  番 小野寺   好 君
44  番 工 藤 勝 子 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時48分 再開
〇議長(田村誠君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。佐藤ケイ子さん。
〔8番佐藤ケイ子君登壇〕(拍手)

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