平成28年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第8号)
平成28年11月24日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 田 内 慎 也
主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
1説明員
県土整備部長 及 川   隆
技監兼
道路都市担当技監 中 野 穣 治
副部長兼
県土整備企画室長 平 野   直
河川港湾担当技監 八重樫 弘 明
県土整備企画室
企画課長 小 原 由 香
県土整備企画室
管理課長 嵯 峨 俊 幸
用地課長 小 上 俊 雄
建設技術振興課
総括課長 菊 池 達 也
技術企画指導課長 大久保 義 人
道路建設課
総括課長 遠 藤 昭 人
道路環境課
総括課長 千 葉 行 有
河川課総括課長 高 橋 正 博
河川開発課長 佐 野   孝
砂防災害課
総括課長 楢 山   護
都市計画課
総括課長 千 葉 一 之
まちづくり課長 和 村 一 彦
下水環境課
総括課長 幸 野 聖 一
建築住宅課
総括課長 廣 瀬 公 亮
住宅課長 辻 村 俊 彦
営繕課長 谷 藤 正 徳
港湾課総括課長 佐々木 一 彦
空港課総括課長 箱 石 知 義

会計管理者 佐 藤   博
会計指導監 清 水 雅 典

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 小 原   勝
〇軽石義則委員長 これより本日の会議を開きます。
木村幸弘委員及び小野寺好委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで、並びに議案第28号及び議案第29号の以上17件を一括議題といたします。
本日は、県土整備部関係について15人の質問者を予定しており、その後、決算15件及び議案2件について意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇及川県土整備部長 平成27年度決算の内容について御説明申し上げます前に、県土整備部所管の事務事業に係る主な取り組みと成果につきまして御説明申し上げます。
平成27年度は、震災関連として岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進を重点施策に位置づけ、取り組んだところです。
防災のまちづくりでは、防潮堤や水門などの津波防災施設の復旧、整備に取り組むとともに、市町村の復興まちづくりの支援やこれと連携した道路整備を進めるなど、多重防災型まちづくりの推進に取り組みました。この結果、平成27年度末時点で、県土整備部が所管する防潮堤等の津波防災施設については計画箇所65地区全ての整備に着手したほか、まちづくりと連携し整備を進める道路についても24カ所で工事に着手しました。
また、市町村の復興まちづくりについては、宮古市田老地区や陸前高田市米崎地区脇の沢において防災集団移転促進事業が完成するなど、着実に被災者の住宅再建に向けた取り組みが進められました。
また、交通ネットワークでは、災害に強く信頼性の高い道路ネットワークを構築するため、国と連携し復興道路の整備促進に取り組んだほか、県で整備する復興支援道路、復興関連道路の整備推進に取り組みました。この結果、復興道路として国による整備が進められている三陸沿岸道路の吉浜道路や東北横断自動車道釜石秋田線の遠野−宮守間が供用されたほか、復興支援道路の一般国道283号上郷道路が供用されるなど、復興に向けた取り組みが着実に進捗したところです。
暮らしの再建では、被災者の方々が一日も早く安心して暮らせるよう、災害公営住宅の早期整備に取り組んだ結果、平成27年度末時点で、県が整備を予定している56団地2、784戸のうち43団地2、301戸で工事に着手したほか、大槌町屋敷前地区を初めとする34団地1、599戸が完成し、入居が着実に進みました。
震災以外の分野につきましては、安全で安心な暮らしを確保する取り組みの推進や復興道路を核とした物流、産業振興を支える取り組みの推進を重点施策に位置づけ、いわて県民計画第3期アクションプランに掲げる社会資本の四つの政策項目の着実な推進に取り組んできました。
まず、産業を支える社会資本の整備では、物流の効率化を支援する道路や主要観光地を結ぶ道路などの整備を進めた結果、産業振興や交流、連携の基盤となる道路ネットワークの整備が着実に進みました。
また、港湾の復旧、整備と利活用の促進につきましては、港湾施設の災害復旧工事を着実に進めるとともに、港湾所在市町や関係団体と連携したポートセールスに取り組んだ結果、平成30年6月の宮古−室蘭間のフェリー定期航路の開設が決まるなど、復旧した港湾施設や整備が進む道路ネットワークを見据えた新たな動きも見られました。
いわて花巻空港の利用促進につきましては、国際線の受け入れ態勢の整備や国内定期便の維持拡充に取り組んだ結果、航空機利用者数は前年度の実績を上回る結果となりました。
次に、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備では、近年、頻発している豪雨や土砂災害などから県民の生命、財産を守るため、治水施設や砂防施設等の整備とあわせ、土砂災害のおそれのある区域の公表を行うための基礎調査を推進し、新たに2、944カ所を土砂災害のおそれのある区域として公表するなど、ハード整備とあわせ、ソフト施策にも取り組みました。
次に、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりでは、衛生的で快適な生活環境の整備や地域の魅力を高める基盤づくりを進めるため、多自然川づくりによる良好な水辺空間の確保や汚水処理施設などの都市基盤の整備、美しく魅力あるまちづくりの推進などに取り組みました。この結果、汚水処理施設の整備や水辺空間の環境保全等に主体的に取り組む団体数が増加するなど、衛生的で快適な生活環境の整備等が着実に進みました。
次に、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保では、岩手県公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画の策定を進め、計画的な維持管理や施設の長寿命化等に取り組みました。また、道路や河川などの身近な社会資本について、草刈りや清掃など県民との協働による維持管理の推進にも取り組みました。この結果、社会資本の維持管理を行う協働団体数が着実に増加したところです。
また、維持管理の直接の担い手である建設企業の育成、確保につきましては、引き続き、経営力強化等に関する講習会の開催などを通じ、経営基盤強化や技術力向上に取り組んだところです。
以上が県土整備部における平成27年度の主な取り組みと成果の概要でありますが、東日本大震災津波の発災から5年8カ月が経過いたしました。他県等からの応援をいただきながら、県土整備部の総力を挙げて、これまで復旧、復興に取り組んでまいりました。県土整備部で担う、安全を確保するための防潮堤等の津波防災施設の復旧、整備には全ての地区で工事に着手したほか、被災された皆様の生活の基盤となる災害公営住宅の整備が本格化しているものの、いまだに約1万6、000人の被災者の方々が応急仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされております。今後とも、一日も早い被災された皆様の生活再建に向けて取り組むとともに、いわて県民計画の実現に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。
それでは、平成27年度県土整備部関係の決算につきまして御説明申し上げます。お手元の平成27年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きください。
まず、一般会計についてでありますが、県土整備部関係は、6款農林水産業費3項農地費の一部、8款土木費、16ページに参りまして、11款災害復旧費5項土木施設災害復旧費であります。これらの予算現額の合計は3、246億4、669万円余でありますが、これに対する支出済額の合計は2、120億5、970万円余となっております。また、翌年度繰越額の合計は1、014億2、939万円余となっており、これは、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた事業などについて、計画調整や設計、工法の検討に不測の日数を要したことなどが主な理由であります。
次に、一般会計歳出決算の内容につきまして、便宜、平成27年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
歳入歳出決算事項別明細書の254ページをお開き願います。6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち、当部関係の主なものは、257ページ、備考欄下から4行目の農業集落排水事業費補助でありますが、これは、花巻市熊野地区等の農業集落の汚水処理施設の改築等に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、290ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など当部の管理運営に要した経費、国庫補助事業費の確定に伴う償還金、特別会計への繰出金などであります。2目建設業指導監督費は、建設業者の許可、指導監督並びに支援などに要した経費であります。次に、292ページをお開き願います。3目建築指導費は、建築確認事務などに要した経費であります。4目空港費の主なものでありますが、備考欄1行目の管理運営費は、職員の人件費などいわて花巻空港の管理運営に要した経費であり、下から1行目のいわて花巻空港ターミナルビル機能向上事業費は、いわて花巻空港の国際線関連施設の整備に要した経費であります。
次に、294ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費や事務的経費、市町村道路事業の指導監督に要した経費であります。2目道路橋りょう維持費の主なものでありますが、備考欄1行目の道路環境改善事業費は、国の補助を受け、歩道の整備や道路、橋梁の補修など道路施設環境の改善に要した経費であり、2行目の除雪費は、県管理道路の除雪に要した経費であります。また、下から3行目の道路維持修繕費は、県管理道路施設の日常的、応急的な維持管理や舗装の補修などに要した経費であります。次に、296ページをお開き願います。3目道路橋りょう新設改良費の主なものでありますが、備考欄1行目の地域連携道路整備事業費は、国の補助を受け、現道の拡幅、線形の改良、バイパスの建設などの道路整備に要した経費であり、4行目の直轄道路事業費負担金は、国が行う復興道路などの整備に要した経費に対する県の負担金であります。
3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、備考欄下から2行目の河川海岸等維持修繕費は、河川、砂防、海岸施設の維持修繕に要した経費であります。次に、298ページをお開き願います。2目河川改良費の主なものでありますが、備考欄1行目の基幹河川改修事業費は、一級河川岩崎川など11河川の改良に要した経費であり、2行目の三陸高潮対策事業費は、二級河川長部川など11河川の水門の整備などに要した経費であります。3目砂防費の主なものでありますが、備考欄1行目の砂防事業費は、釜石市花露辺の沢ほか12カ所の砂防堰堤等の整備に要した経費であります。4目海岸保全費の主なものでありますが、備考欄1行目の海岸高潮対策事業費は、野田村野田地区海岸などの防潮堤の整備などに要した経費であります。次に、300ページをお開き願います。5目水防費は、水防警報施設の保守点検などに要した経費であります。6目河川総合開発費は、簗川ダムの建設などに要した経費であります。
次に、302ページをお開き願います。4項港湾費でありますが、1目港湾管理費は、大船渡港など6港の港湾施設の整備修繕などに要した経費であります。2目港湾建設費の主なものでありますが、備考欄1行目の港湾高潮対策事業費は、大船渡港海岸などの防潮堤の整備などに要した経費であり、305ページに参りまして、備考欄2行目の直轄港湾事業費負担金は、国の久慈港湾口防波堤の整備などに要した経費に対する県の負担金であります。
5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものでありますが、備考欄中ほどの広域公園管理費は、御所湖広域公園などの維持管理に要した経費であります。2目街路事業費の主なものでありますが、備考欄2行目の都市計画道路整備事業費は、都市計画道路の拡幅整備、橋梁整備などに要した経費であります。3目下水道事業費の主なものでありますが、307ページに参りまして、備考欄2行目の浄化槽設置整備事業費補助は、個人設置型の浄化槽の整備に要した経費であります。
6項住宅費1目住宅管理費の主なものでありますが、備考欄4行目の公営住宅維持管理費は、県営住宅の維持管理などに要した経費であり、下から2行目の生活再建住宅支援事業費補助は、被災者の住宅の新築、改修などに係る経費の一部を補助した市町村に対する補助であります。2目住宅建設費の主なものでありますが、備考欄2行目の災害公営住宅整備事業費は、陸前高田市栃ヶ沢地区など、災害公営住宅の整備に要した経費であります。
次に、少し飛びまして、348ページをお開き願います。11款災害復旧費5項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものについてでありますが、備考欄2行目の河川等災害復旧事業費は、東日本大震災津波により被害を受けた陸前高田市高田地区海岸や、平成25年7月から9月にかけての豪雨や台風により被災した河川、道路の復旧等に要した経費であります。350ページに参りまして、2目港湾災害復旧費の主なものについてでありますが、備考欄1行目の港湾災害復旧事業費は、東日本大震災津波により被害を受けた大船渡港など6港の港湾施設の復旧に要した経費であり、3行目の港湾整備事業特別会計繰出金は、大船渡港など4港の埠頭用地復旧などのための港湾整備事業特別会計に対する繰出金であります。
以上で一般会計の説明を終わります。
次に、特別会計について御説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の平成27年度岩手県歳入歳出決算書の42ページをお開き願います。平成27年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は140万円余であり、その主なものは、土地開発基金運用の利息収入であります。
次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は140万円余であり、その主なものは、土地開発基金の管理運営に要した経費であります。
以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
次に、48ページをお開き願います。平成27年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は89億3、464万円余であり、その主なものは、流域下水道の維持管理費などに係る市町負担金のほか、国庫補助金、前年度からの繰越金であります。
次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は81億3、180万円余であり、その内容は、流域下水道の各処理区の維持管理及び建設に要した経費や県債の元利償還金であります。
以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
次に、52ページをお開き願います。平成27年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は62億2、575万円余であり、その主なものは、一般会計からの繰入金及び前年度からの繰越金であります。
次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は41億9、807万円余であり、その内容は、大船渡港など6港の施設整備に要した経費及び県債の元利償還金であります。
以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
以上をもって県土整備部所管に係る平成27年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 今回の台風第10号の被害とそれらの復旧に関して、これは通年の課題でもあると思いますので、今後に向けた対策等についていろいろお話をさせてもらいたいと思います。
まず最初に、これまでも何度か言ってまいりましたが、岩手県には一級河川が207河川、そして県が管理する二級河川が107河川、そして市町村管理の準用河川が539河川、合わせて853の河川があるわけであります。江戸八百八町、浪華の八百八橋、京都の八百八寺、それに次ぐといいますか、次ぐ以上の河川大県である、私はこのように思っておりますので、当然、この河川を利活用した岩手県の特性というものは大事な視点になってくるだろうと思います。実は、今回の台風第10号の被害を受けるまで、特にも東日本大震災の前の阪神・淡路大震災以降、山、川、海のつながりを忘れて、間をとる河川という部分が、なおざりとは言いません、それなりにやってきたとは思いますが、大きな観点が見えてこなかったというところで、この台風第10号で思いがけないといいますか逆をとられたといいますか虚をつかれたといいますか、そういう状況があったのではないかと思います。
そこで伺いますが、今回の台風第10号の被害対応策として県は30億円を措置するという報道があったわけでありますが、これについては、今回被災した河川だけなのでしょうか。それとも岩手県の107の二級河川全体を見ながらやるお考えなのでしょうか。そして、これは何カ年ぐらいの目標を持った金額なのでしょうか、まずお伺いします。
〇高橋河川課総括課長 今、委員からお話がありました、まず、台風第10号に係る補正予算30億円の件ですけれども、河川課では、人家が密集したり事業所が林立しているところで浸水被害があったところに河川改修事業を導入してやりたいと思っております。30億円の中には、治水施設整備事業ということで、岩手県全体で河川数17河川27カ所で浸水被害防止を図りたいと考えておりました。
それと、事業年度ですけれども、ことしを含めておおむね3年から5年程度で対応したいと考えております。
〇伊藤勢至委員 今回の30億円は県単ということですね。そうすると、河川法の第62条によりますと、国は、二級河川の改良工事に要する費用については、政令で定めるところにより2分の1を超えない範囲内でその一部を負担する、つまり国も出してくれると。ということは、簡単に言えば、30億円出せば45億円の仕事ができると解釈していいのでしょうか。
〇高橋河川課総括課長 河川法第62条の件での御質問ですが、先ほどお話ししました30億円につきましては県単で、県単の費用が例えば30億円ですと、もし補助で2分の1いただくとすれば、その倍の事業費を河川改修事業として執行できることになります。ちょっと補足させていただきますと、河川法第62条の関係の河川改良費というのは、あくまでも補助事業の事業をこれから導入したいと考えておりまして、その事業費に充てたいと考えています。30億円に対する45億円ということではなく、あくまでも県単は県単、そして補助は補助ということで進めたいと考えておりました。
〇伊藤勢至委員 どうもそこら辺がはっきりしないといいますかすっきりしないんです。本当は会計検査院から来ていらっしゃる方もいるからそこを聞きたいけれどもきょうはやめておきまして、そういう中で107河川があるわけでありまして、3年ぐらいでやってしまうということはこの107河川全体には及ばないということだと思うんです。そういう中で、やはり恒久財源が必要だと思います。
増田県政の3期目の後半ごろに、全国的にいろいろな自治体が恒久財源、自主財源が欲しいということで、水源税、あるいは高知方式の森林環境税、あるいは愛知方式、これは中部水道事業団が導入したもので、水道料金に上乗せする、そういった方向で恒久財源を確保しようと。今言いました三つの方式を組み合わせたのがいわての森林づくり県民税で、年間7億円となったと思うのですが、それを、山、川、海のつながりの中の山にだけお返しをするというのは、全体を見れば偏っていると今になって思います。山にも川にも、まあ、海はそのままであっても、そこに使っていくものを半分分けして、山も川も守らなければ人間が困るよという部分にやればよかったと思っています。
これはこれからの議論といたしまして、これまでもお話をしてきましたが、アイオン台風の際、閉伊川には堤防がなかったことから、堤防づくりを急いだと思います。その状況はわかります。ただ、その堤防の堤体の底地を買っていない。了解をもらったとは思いますが、買っていないということ。それから、今回もそうですけれども、河川敷の中にある民地、田んぼをやっているところがあるかどうかわかりませんが、畑は相当やっていますし、木を植えている人たちもいらっしゃる。そういうのがトータル的に河川の断面を著しく減らして、あるいは立ち木が、特にも針葉樹が多いものですから、針葉樹は根が広がりませんので集中豪雨が来るとばたばた倒れる。そして、それが倒れて流れて雪谷川の昭和橋のような経緯が起こって、それがダムになってあふれて洪水被害になる。そういうこともあり得るわけですが、まず、この機会に堤体の底地は買うべきだと思いますし、そして、そのほかにもある民地、田畑の底地も県が買っていかないと最終的に河川の整備というのはかなわないと思うんですが、それについてお考えをお聞きします。
〇高橋河川課総括課長 今、委員からお話がありましたとおり河川の底地には結構民地がございまして、当時、アイオンとかカスリンのときに堤防を築いた際、地権者の方から了解をとって、起工承諾みたいな形で進めていた土地がありまして、それがそのまま民地になっているところが結構ほかにも岩手県内全般にあります。
今回、台風第10号の対応としましては、具体にお話ししますと、宮古市ですと刈屋川や長沢川に今度事業を入れますけれども、そういう事業を取り入れた際に用地も底地も全て買って、一連の区間、官地にするというような事業展開をしておりまして、これからも、そういう事業を入れた際に積極的に民地だったところを官地にして、管理をしやすいようにしたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 かつて、長野県の木曽三川と言われます木曽川、長良川、揖斐川、これらはいずれも一級河川でありますけれども、砂利、砂が相当たまってくる。そうすると、国土交通省では、それを砂利組合等の業者にとってもらって、そのお金─代価で河川の整備をしてきたという例があります。
岩手県には御所ダムがあるわけですけれども、御所ダムの堤体ができる際に、雫石川の河川の中に相当な賦存量の砂利があって、これをやはり業者にとってもらって立米幾らで売った形で、そのお金をプールして10億円ぐらいになったと聞いていますが、そのお金をもって湖岸の整備をしてきたという非常にすばらしい例があるわけであります。
したがいまして、今回、河川の中にある民地、民地といいますが、大体は砂利と砂です。そして、これからも、特に川砂、川砂利については、ラグビーワールドカップは大体方向性がつきましたが、国土強靭化計画もありますし、岩手県版の国土強靭化地域計画もあります。そういう中に使っていく優秀な骨材になり得るものと思うのです。したがいまして、そういう方法を参考にしながら、堤防と堤防の間にある民地、人間の体でいうとポリープであったり潰瘍であったりというものは早く取らなければならない、こういうことから、そういうものを買って断面確保に努めるべきと思いますけれども、そういう考えはないでしょうか。
〇高橋河川課総括課長 河川敷内の民地を積極的に用地買収を行って、その砂利を採取することによって収入を得るというような取り組みについてですけれども、まず、前提条件として、河川には民地と官地がありまして、官地の部分の砂利採取については県の収入になっているところです。民地の砂利採取については、その民地の所有者の方と砂利採取の方との契約になりますのでそちらの収入になるのですけれども、ただ、全体を見ると、すぐ民地を官地にできるかというとそうではなく、さまざま条件があります。我々も砂利採取は年次計画を立てながら進めているところでして、すぐに民地を官地にして砂利採取ができるかというとそうではないのが実情になっております。
〇伊藤勢至委員 例えば、ある市町村が都市計画を立てます。そして、ここはメーン道路にしたい、そういう図面を引いたところ、民家が何軒かあった。そうしたら、これは当然協力してもらって購入します、都市計画が優先ですから。そういう感覚を持てば、民地をお持ちになっている方々の、例えば畑であれば40年、50年継続して畑をやってくれば土がふえて、高くなるんです。落ち葉が根っこが腐って堆積する。あるいは、針葉樹は、5年、10年すれば直径15センチメートルぐらい、高さが十五、六メートルになる。そういうものが根むくれをして、根が掘られて倒れた場合、どうしても昭和の早い時期に建てた橋梁の橋脚と橋脚の間は狭いものですから、そこに横にひっかかってそれがダムの原因になる。そういうことからいけば、やはり民地に何ら手をつけないまま官地の部分だけの砂利をとっても河道掘削ということにはならないと思います。
したがって、河川敷、堤防と堤防で囲んだときからその中は岩手県が管理するものという観点に立って、やはりそういうものを買収する。少なくとも堤防の底地ぐらいはまず買う、それが第一です。
そして、例えば津軽石川なんかはほとんど民地がはびこっていまして、これでは幾ら県の部分だけを掘っても流水の断面が確保できないと思うので、長い勝負になるかもしれませんが、ぜひこの財源を捻出して、この3年で今回被害を受けた川は終わるかもしれませんが、107河川ですからまだ100近い河川があるわけですので、そういう全体を見ながら、山、川、海というつながりの中で、山がよければ川がよければ海がというトータルなんですが、山にばかりお金を向けて、伐採した後の植林を進める、それも悪くありません。当然しなければならないことですが、同時に、その間にある川もやっぱり守っていかなければならないと思うのです。したがいまして、国の支援も当然必要なわけで、歴代部長の中には、何か事業を入れなければその予算の中で民地の買収もできないと言っている方もいますけれども、その辺を、今回の最大被害があったことをてこに国の支援策もお願いするということを言いながら、何としても予算確保に努めながら107河川全体を見てほしいと思っています。
それから、もう一つ、前にも言ってきたことですが、きょう、山田線の盛岡−宮古間の今後の方向についての説明がありました。山田線の閉伊川にかかる橋梁には雪谷川にかかる昭和橋と同じぐらい橋脚と橋脚の間が狭いところがございます。今回はたまたまうまくみんな木材が縦に流れてくれたらしくてひっかからなかったのですが、これが横に流れたら第二の雪谷川、昭和橋の系統になったと思うのです。したがいまして、JRが移管について30億円払うということの交渉が近々あるようですが、その30億円で終わるなと。今回みたいなものがもしまた閉伊川筋に来たら、立ち木が倒れたら、ひっかかったらJRの責任だと。30億円ではなく50億円にせいとしゃべっていただくところですが、歴代の部長たちからも今までも答弁をいただいています。確かに狭いところがあって、これは逐次改良していかなければならないと思っていますということで、六十何カ所かあるという話でしたが、何ぼか減ったんですか。
大体鉄道なんて、今回みたいに長く休んだときでなければできませんよね。道路だったら、橋脚の片側通行どめをして半分ずつ舗装を直すということもできますけれども、橋脚の位置を動かすということは相当長い期間鉄路をとめなければならないということになると思うので、そういうことも含めて、川を管理する河川課から交通関係のほうともやりとりをしながら、本当に岩手の107河川を守っていくぞというスタンスで臨んでいただきたいと思います。
最後になりますけれども、今回、閉伊川の3カ所で橋の工事をやっております。上流からいきますと西道路関係の橋梁工事が始まったようでありまして、ここにも一部矢板が閉伊川の中に打ち込まれています。そして真ん中に三陸縦貫自動車道の橋脚の工事をやっていますが、ここは約半分近く矢板が打ち込まれております。そして、河口のほうですけれども、水門工事のため、ここは閉伊川の幅半分ぐらいに矢板を打って工事を進めている。宮古の特性として、宮古の水道の水源は根市地区であります。これは伏流水、60メートル下から自噴して上がってくる水を使っており、この水がどういうふうに流れていって宮古湾に入っているのかまだわかっておりませんが、昔からの言い伝えで、浄土ヶ浜の沖に沖の井というところがあるんです。満月の夜に地下からこんこんと湧いてくる真水の層があるというのが沖の井というんだそうですが、小野小町が来てそれを褒めたとか何かの話も……、そんなものは置いておいて、いずれ水の流れは誰も確認したことがありませんけれども、一つの河川、3キロから4キロの間に、たまたま別な工事ではあるんですが矢板を打っているということが今回の閉伊川の溢水、オーバーフローの原因ではないかという話をする人もいますが、そういったことについては何かやりとりとか研究をしてやってこられたんでしょうか。
〇高橋河川課総括課長 今回の台風第10号に関しまして、宮古西道路の仮設と、あとは閉伊川の水門の工事に関しての浸水への影響についてですけれども、今のところ、どちらも川からの浸水ということはまだ確認しておりません。今回の雨というのは非常に単時間で強い雨が市内に降りましたので、それで、ほぼ内水が影響しているのではないかと考えておりました。例えば市役所の近くの閉伊川の堤防の護岸を見ますと、そこからあふれたという痕跡は確認しておりません。あとは、専門家の方、具体に言うと岩手大学の専門家の方からも内水が影響しているのではないかという御意見をいただいていますので、県では、ほぼ内水の影響と考えておりました。今、その川についてと内水の関係は調査をしているところです。
〇樋下正信委員 私は、橋梁整備についてお聞きしたいと思います。
盛岡の県道本宮長田町線という道路がございます。そこの雫石川にかかっております杜の大橋は現在2車線で交互通行で運用されておりますが、この道路、またこの橋は、盛岡の中心地と盛南開発された盛岡第二副都心を結ぶ重要な橋、道路であります。現在は、国で整備しております前潟イオンから盛岡南イオンを結ぶ西廻りバイパスがございますが、一部2車線になっているところがございますけれども、そこの部分の4車線化の工事が再開されております。要するに、西廻りバイパスは4車線化になるということでございます。工事が始まったということでございます。そして、市内に目を向けてみると、旭橋から長田町を通り中央通に接続する道路でもあるわけでございまして、この重要な道路の橋梁整備について、もう大分時間が経過しておりますので、4車線化の見通しについてお伺いいたします。
〇千葉都市計画課総括課長 杜の大橋の4車線化の整備の見通しについてでございますけれども、現在、供用しております2車線区間は平成18年11月に供用いたしまして、平成23年度から4車線化を進めております。昨年度は中央公園の高架橋工事が完成したところでございます。残りの橋梁上部工工事につきましては、橋長が約500メートルと大規模なため、多額の予算を複数年確保する必要がございます。公共事業予算が厳しく、工事発注時期について再検討の必要が生じているところでございます。
今後は、国の予算の動向や他の大規模事業等の進捗等を見きわめながら、必要な予算の確保に努めていく考えでございます。
〇樋下正信委員 今、再検討と聞きましたけれども、再検討ということは中止もあり得るということですか。
〇千葉都市計画課総括課長 多額の予算をどうしても複数年確保する必要がございますので、その時期について検討しているところでございます。
〇樋下正信委員 先ほどのお話ですと、2車線で供用開始してもう10年たつということでございますが、東日本大震災がその間発災したとかいろいろな事情もあると思います。再検討は時期的なものと解釈するわけでございますけれども、先ほども言いましたが、中心市街地と盛南地区との大動脈にもなるわけでございます。そして、地域の方々からのいつなんだという声も多く聞かれますので、その辺もぜひとも勘案していただいて、前向きに早く進めていただくようにお願いして終わります。
〇飯澤匡委員 大きく3点ですが、なるべく要領よくやりますので、お願いします。
一つは、河川治水対策について、台風第10号のお話が今出ましたので、この点もあわせてお聞きします。
水防法が平成27年に改正されまして、想定し得る最大規模の洪水等への対策の実施が図られることになったということで、洪水浸水想定区域なども表示することになっております。これは市町村との連携が非常に重要になると思いますけれども、まずは、水防法改正による県管理河川の今後の管理方針、そして市町村と連携したソフト対策はどういうことをするのか、これもあわせて示していただきたいと思うし、もう一つ、台風第10号から考察された治水対策の教訓もあわせてお尋ねいたします。
〇高橋河川課総括課長 まず、水防法の改正に関してですが、近年、想定を超える浸水被害が多発していることを踏まえ、平成27年の水防法の改正では、想定し得る最大規模の洪水に対する避難体制の充実強化を図ることとしております。水防法改正を受け、県管理河川においても、想定最大規模の洪水に対し、ハード整備とソフト対策を組み合わせ、総合的な治水対策を推進していく方針としております。今年度から県管理河川においても想定最大規模の洪水浸水想定区域図の作成に順次着手しており、住民への地域の災害リスクの周知、市町村のハザードマップへの反映を通し、避難体制の確保に努めてまいります。
なお、市町村と連携したソフト対策は、県が作成した浸水想定区域図を市町村が作成するハザードマップへ反映することや、関係者が事前にとるべき行動を時系列的に整理したタイムラインの作成、市町村が行う避難勧告等の発令の目安になる水位の設定を行う水位周知河川の指定があり、いずれも市町村と連携を図りながら運用し、住民の円滑かつ迅速な避難を促してまいります。
次に、台風第10号から考察される治水対策の教訓ですけれども、今回の台風では沿岸部を中心に記録的大雨となり、河川の水位が急激に上昇するとともに、橋梁に流木が詰まるなどの現象により、岩泉町の小本川などで甚大な浸水被害が発生したところです。このことを踏まえまして、河川区域内にある立ち木処理の重要性を改めて認識したところです。
〇飯澤匡委員 2番目の質問で後段のほうですけれども、砂鉄川もあと30分降られたら大変なことになっていたと思います。ただ、事前に河道掘削を重要なところは大分やっていただきましたので、これは、大きな被害を免れるために非常にいいと言いますか、やはり事前の備えというのは大変大事だと思っております。
今、立ち木等の話が出ましたけれども、今後やはり河道掘削を初め河川の管理については計画的な事前の減災対策が必要と思いますが、その点についてお伺いします。
〇高橋河川課総括課長 事前の予防ということですけれども、県では、平成25年の局地的豪雨災害、具体に言うと砂鉄川、岩崎川等ございまして、このことを受けまして、堆積土砂や立ち木の調査を行いまして、平成26年度から平成31年度まで、計画的に現在、堆積土除去、立ち木処理を行っているところです。
〇飯澤匡委員 わかりました。その件は存じ上げていますけれども、これからもやはり計画的に予算を投入して行っていただきたいと思います。
次の質問に入ります。
港湾利用促進について、釜石港に2017年9月に大阪府からガントリークレーンを譲り受けて、新しい港の形態ができつつあります。それに呼応したように新規の定期航路の就航が予定されていると聞いております。このガントリークレーンの設置によってより大きく弾みがつくと思うのですが、今後、ポートセールスによる就航見込み、その将来予測はどうなっているかお知らせいただきたいと思います。
〇佐々木港湾課総括課長 釜石港へのガントリークレーンの設置によってどれだけの見込みがあるかということですけれども、南星海運ジャパン株式会社が平成29年度に外貿定期航路を開設する予定であるほか、先日、委員からお話がありましたように、中国の海運大手SITC JAPAN株式会社が12月1日から既存の国際フィーダー航路を利用した新たな物流サービスを開始することが新聞報道でございました。
今後の就航予定でございますけれども、今現在、これ以外の新規航路の打診はございませんけれども、今後も、釜石市と協力しながら、港湾セミナーの開催、首都圏等の荷主、船会社及び県内の誘致企業に対しましてポートセールスをしながら新規航路の誘致に取り組んでいきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 ガントリークレーンの設置はかなり大きなインパクトがあるのではないかと思います。新しいSITC JAPAN、ちょっと問い合わせていろいろ内容についても聞いてみましたが、東南アジアに非常に強い戦略航路を持っているということで、今後、本県の輸出、輸入にあわせて期待が持てるのではないか。横浜港を起点にしたフィーダーサービスですので多少時間はかかるかもしれませんが、この就航が定期化、固定化することによって本県の内陸貨物はより多く門戸が開けると。新しい会社ですけれども、その内容等については大変確実で、1、000TEUぐらいの余り大きくない船を使って就航するということです。ただ、気をつけていかなければならないのは、採算が合わないとすぐ撤退するという情報も得ていますので、しっかり気をつけて行っていただきたいということです。
それから、今後、こういう外貿の整備については大船渡港もあるわけですが、どうやら釜石港が中心となって動くような感じがするのですが、大船渡港についてはどのようなアクセントをつけてやる予定といいますか、どのように釜石港との差別化を図ってやるつもりなのか、その点についてお伺いします。
〇佐々木港湾課総括課長 大船渡港と釜石港の利用のすみ分けでございますけれども、大船渡港では、今、ケイラインジャパンという船会社が国際フィーダーをやっておりまして、ケイラインジャパンというのは、北米とか欧州に大変強い航路を持っております。また、釜石港で今、南星海運、あとはSITC JAPAN、これらは中国、東南アジア方面に強い航路を持っております。そういった仕出し先の違いを生かして、特色あるといいますか、そういった違いを生かしながら各荷主の方々にPR、ぜひ岩手の港湾を使っていただきたいということでポートセールスをして差別化を図っていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 ただいまあった南星海運というのはOOCLですね。(佐々木港湾課総括課長「はい」と呼ぶ)恐らくガントリークレーンが設置されると、CY貨物、要するにコンテナ仕上げで持ってくる貨物については少し動きがあるのではないかと。今、ケイラインジャパンは大船渡港で固定されたようなお話ですけれども、これも県のほうでいろいろ目配せをしておかないといけないと思うので、ちょっとそこら辺が心配ですから、そのすみ分け等の理屈、そして支援の仕方等も考えていただきたいと思います。
次の質問に入ります。
東北整備局が震災時に横軸連携、要は、震災復興のために道路啓開─啓も開く、それから開も開くということですが、くしの歯作戦をするということで、大いに横軸の道路整備をしながらやりましょうという話がありました。それが今の復興支援道路ということにつながっているんだと思うのですが、先ほど来話をしている港湾関係が非常に活況を呈してきますと、コンテナドレージのための使用、釜石道を補完するアクセスというのは、確実に整備をされなければならないと思うのですが、その対策等についてはどのように考察されているでしょうか、お伺いします。
〇遠藤道路建設課総括課長 今、委員からお話がありました釜石自動車道を補完する内陸と沿岸の港湾、釜石港や大船渡港を結ぶ道路の整備についてでありますが、現在、国道107号、343号、397号といった内陸を結ぶ横軸の道路は被災地域の早期復興を支援するとともに、港湾を初めとする基盤を活用した産業振興を支える上で、重要な路線であると認識しております。
県では、これらの道路を復興実施計画において復興支援道路に位置づけて、現在、国道107号では奥州市梁川口内工区、343号の一関市の渋民工区、397号の住田町の高屋敷工区などで交通隘路の解消に向けて整備を進めております。
今後も、これらの主要幹線道路につきましては、交通隘路の解消や防災対策、橋梁耐震化等に取り組みながら、物流の基盤となる道路として、整備推進に努めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 ただいま説明があった3路線、話は変わりますけれども、山形県でしたか、やっぱり酒田港で一つの基軸路線が、主要路線がとまってしまって、コンテナ輸出に影響が出たということですから、しっかりとした補完をする道路というのもつくっておかなければならないということになるかと思います。
あわせて、ILCについても、まだ実現ということは決定していませんけれども、さまざまな陸揚げ等の貨物がふえてくる可能性が、これも見込んでいかなければならないと思うわけです。
さて、ようやくたどり着いて、国道343号新笹ノ田トンネルの実現に向けてお伺いします。
実現を切望する沿岸住民を含んだ9万筆に及ぶ地域の要望熱の重みをどのように当局は受けとめているか、改めてお伺いします。
〇遠藤道路建設課総括課長 9万人を上回る署名についてでございますが、9万人を上回る方々から署名により示されました新笹ノ田トンネルの整備に対する地元の期待は、大変大きなものがあると受けとめております。一関、陸前高田、各地域のほうからこのような署名をいただいたこと、それについては県としても重く受けとめております。
〇飯澤匡委員 ずっと総括質疑から、また、大体もう、ここ二、三年同じぐらいのトーンで来ているわけですが、何が障害になるんだということでは、トンネルが長大になるということで、どれだけの予算がかかるのかということは具体的にまだ示されていないわけですが、その点は何か調査、また、検討していることがおありでしょうか、お示しを願いたいと思います。
〇遠藤道路建設課総括課長 笹ノ田峠のトンネル化に向けた整備に要する費用等のお話がございましたが、まだ詳細な地形測量等の調査を実施していないことから、最適な整備ルートや必要となる構造物の規模など不明となっております。ただ、トンネル規模等につきましても長大なトンネルを要することが見込まれており、やはり事業費としては多額になるものと、現在、考えてございます。
〇飯澤匡委員 具体的な内容についてはまだ触れられないのですけれども、旧大東町時代に、ある測量会社に町独自で依頼をして、仮測量みたいなものを出した。この間、御当局にもその写しを提出させていただきましたが、トンネルの長さが大体2.55キロメートルという状況で、これは大きく動かないのではないかと思います。今、トンネルの工事の単価は急激に安くなっていて、メートル当たり300万円ぐらいではないかと思われるわけですから、これを掛け算すると77億円弱ということになります。それから周辺の環境整備も含めると、プラス、十数億円ぐらいになるのではないかと思うのですが、大体そういうあたりで考えてよろしいのではないかと思いますが、いかがですか。
〇遠藤道路建設課総括課長 今、委員からトンネル整備の費用についてお話をいただきました。トンネルの整備に当たりましては、今現在、いろいろな工法も考えられておりますけれども、一方、資材の高騰あるいは人件費の高騰等、単価も高くなっています。平均的な単価みたいなものも、今委員からお話をいただいた300万円とかというものも、大体そのような状況でいろいろ推移してはおります。そういった中で、トンネルの部分が約3キロメートル程度というお話がありましたし、前後の道路改良も同じくらいの距離がかかるかと思います。合わせますと、多額の事業費として想定されますのは、やはり100億円を超える形になろうかと試算してございますが、まだ調査等未了でございます。
今後、いろいろな面を考えながら勉強してまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 最後にします。しっかり勉強といいますか、一歩踏み出して調査をしていただきたいと思いますが、部長、最後にお伺いして終わります。
〇及川県土整備部長 今の新笹ノ田トンネルについてでございますけれども、9万人を上回る署名があったということで、地元の要望、期待というものが大きいというのはそのとおりでございますし、また、地元独自でトンネルの検討をされているということで、その熱意はしっかりと受けとめながら、現在進められている復興道路等の整備状況、また、ILCの進展状況等その進捗もにらみながら、必要に応じて所要の検討を行ってまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 震災初め台風第10号からの復旧、復興に御奮闘されておられます県土整備部の皆様に、敬意と感謝を申し上げたいと思います。
私からは、土砂災害対策につきまして数点お尋ねをしたいと思います。
先ほど部長の冒頭の御発言にも触れられておりましたけれども、改めて、土砂災害危険区域の基礎調査公表箇所の状況、あわせて、土砂災害警戒区域の指定の状況、前年からの伸びと評価、そしてまた、全国、東北における岩手の位置づけと評価につきましてお伺いをさせていただきます。
〇楢山砂防災害課総括課長 まず、1点目の基礎調査公表箇所の状況についてでございますが、県内の土砂災害危険箇所は現在1万4、348カ所ありまして、このうち、土砂災害防止法に基づく基礎調査を実施し公表した箇所数は、平成28年10月末時点で8、057カ所となっております。
次に、土砂災害警戒区域の指定の状況についてでございますが、県内の土砂災害危険箇所は、先ほど申しましたとおり1万4、348カ所ありまして、このうち、土砂災害警戒区域等の指定済み箇所は、平成28年10月末時点で4、699カ所、指定率といたしまして約33%となっておりまして、前年度同時期3、987カ所と比べまして、712カ所、約5%の増加となっております。
また、本県の評価とか全国との関係ですけれども、本県におきましては、基礎調査の対象となる土砂災害危険箇所が多いことから、東日本大震災津波による復旧、復興事業を最優先に取り組んできたことから、平均の指定率といたしましては、全国と比べて37%、東北6県と比べて約15%程度低いという状況になっております。
〇関根敏伸委員 昨年も私はこの質問をさせていただきました。震災からの復旧、復興を優先的にしているという状況と、県内の危険箇所が多いということで、なかなか指定が進んでいないという状況であったわけであります。そんな中で、県民計画の第3期アクションプランが示されて、指標が若干変わっているわけです。これは法改正に基づいて、危険公表箇所をいち早く公表しながら避難行動に結びつけていくという、法の趣旨のもとで行われているものと思いますが、この指標であればまさに公表箇所がふえていると、Aランクという位置づけで、危険箇所に対しての対応というものは評価されるんだと思いますが、実質の土砂災害警戒区域の指定ということにつきましては、今御答弁があったように33%、全国に比べて37%、東北からも15%のおくれと、こういう状況が片側ではあるわけであります。ですから、しっかりと現在の県の土砂災害のさまざまなソフト対応の状況を認識する上で、あえて質問させていただいているわけであります。
その上でお尋ねをするわけでありますけれども、今後、この基礎調査と警戒区域指定完了に向けた課題と必要財源等をどのように見込んでいらっしゃるのか、改めてお伺いをいたします。
〇楢山砂防災害課総括課長 基礎調査と警戒区域指定完了に向けた課題及び必要財源の見込みということでございますが、まず、国が目標としております平成31年度までの基礎調査及び基礎調査結果の公表完了に向けまして、従来の年間調査箇所数の約2倍のペースで実施するための予算の確保や、住民説明会等を実施するためのマンパワーの確保などが現在の課題となっております。
今後につきましては、平成31年度までの基礎調査完了に向けて、事業費ベースで年間約7億円の予算を確保する必要がありまして、引き続き、国へ継続的な財政支援と拡充について要望するとともに、必要な予算の確保に努めていきたいと考えております。
〇関根敏伸委員 警戒区域の指定完了に向けたことにつきましても改めてお聞かせをいただきたいと思うのですけれども、いずれ、基礎調査については平成31年度に完了するということで、年間7億円程度の予算がかかると。国への要望の中でも、この国費のかさ上げでありますとか地方負担分の起債充当、これらが要望されているようでありますけれども、ぜひその辺も含めまして、2倍のペースという大変なペースだと思いますが、しっかりとまずは基礎調査の公表を完了していただきたいと思います。
次に、警戒区域の指定、これについての今後の目標、それから基本方針、具体的な指定箇所の見込み等について、改めてお伺いをさせていただきます。
〇楢山砂防災害課総括課長 指定の完了時期に係る今後の目標、基本方針、具体的指定箇所の見込み等についてでございますけれども、まず県では、国が目標とする平成31年度までの基礎調査及び基礎調査結果の公表完了に向けまして、いわて県民計画第3期アクションプランに掲げる目指す姿指標に基づきまして、計画的に基礎調査及び区域指定を進めているところでございます。
基礎調査及び区域指定に当たりましては、被災履歴のある箇所や要配慮者利用施設、避難所等が立地する箇所などを可能な限り優先して進めているところでございます。
今後は、引き続き、平成31年度の基礎調査及び基礎調査結果の公表完了に向けて取り組むとともに、並行して住民説明会を行いながら、随時、区域指定についても進めていきたいと考えております。
〇関根敏伸委員 わかりました。区域指定の目標については具体的な答弁はなかったわけでありますけれども、住民説明等々も必要になろうかと理解をしておりますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
それで問題となるのは、警戒区域指定と市町村の避難行動が具体的にどう連動していくのかということになろうかと思います。広島での大規模な土砂災害によって法改正が行われ、具体的な土砂災害警戒情報が避難行動に結びついていなかったので、さまざまガイドラインの見直し等も図られているかと思いますけれども、今回の台風第10号の被害も受けながら、改めて、県としての警戒区域指定と市町村の具体的な避難行動の連動の実態、それから課題、そしてまた、市町村の具体的な地域防災計画への反映、これについてどのように捉えられているのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇楢山砂防災害課総括課長 まず1点目の具体的避難行動への連動の実態、課題についてでございますけれども、土砂災害警戒区域の指定に伴いまして、各市町村においては、避難場所等の地域防災計画への反映や土砂災害ハザードマップの作成及び全戸配布、土砂災害避難訓練等の実施などが行われておりまして、平常時における住民の防災意識の向上や、非常時における迅速かつ自主的な避難行動に連動しているものと認識しております。
県におきましては、市町村に対して、各種会議等を通じながら、警戒避難体制に関する事項の地域防災計画への反映や、ハザードマップを活用した防災訓練の実施等を働きかけるとともに、ハザードマップ未製作の市町村に対しましては土砂災害警戒区域図等を提供するなど、市町村を支援してきたところでございます。
また、県におきましては、これらのことを踏まえまして、現在の防災体制の課題や対応について検討するため、岩手県防災会議幹事会議において、地域防災体制分科会、社会福祉施設等防災分科会及び河川・土砂災害防災分科会の三つの分科会を設けたところでありまして、今後、これを活用しながら地域防災計画を見直すなど、地域防災力の強化につなげていきたいと考えております。
2点目の市町村地域防災計画への反映についてでございますけれども、現在、33市町村のうち27市町村におきまして、土砂災害警戒区域等の指定箇所や警戒避難に係る情報伝達系統、避難場所に関する事項などが地域防災計画に明記されているところでございます。
県におきましては、これまで、各市町村における地域防災計画への反映状況につきまして、定期的な状況把握に努めてきております。また、反映されていない市町村に対しましては、各種会議等を通じまして、地域防災計画への反映を要請しているところでございます。
〇関根敏伸委員 わかりました。先ほどの御答弁の中でも、警戒区域を重点的に進める地域として、いわゆる災害時の要援護者がいる施設等を重点的に進めたいという御答弁があったわけでありますが、そこで改めてお伺いしますけれども、県内の災害時の要援護者がいる施設、立地している地域での土砂災害の警戒区域の指定の状況、これはどのように進められているのか、これを改めてお伺いをいたします。
〇楢山砂防災害課総括課長 要配慮者利用施設に係る土砂災害警戒区域の指定状況についてでございますけれども、県内の土砂災害危険箇所に立地する要配慮者利用施設につきましては、平成22年度の調査時点で337施設となっており、平成28年10月末時点で、このうち219施設の基礎調査を終えており、また、さらに161施設が土砂災害警戒区域に指定済みという状況になっております。
〇関根敏伸委員 私は昨年もこの同じ質問をさせていただきました。たしか、平成26年度までに100%完了を目指すという状況の中で、昨年は四十数%台にとどまっていたかと思いますけれども、一定の前進があるのかなと思っておりますが、いずれ、ここは早急に指定完了を終えるべきだと考えております。
加えて、こういった土砂災害の対策施設の中で、要配慮者がいる利用施設があろうかと思っておりますけれども、この施設の対象箇所と、具体的な土砂災害の対策等々の整備が進んでいる状況がどのようになっているのか、これもお聞かせいただきたいと思います。
〇楢山砂防災害課総括課長 要配慮者利用施設に係る施設の整備状況につきましてですけれども、先ほど申しましたように、337施設の立地箇所については、優先的に土砂災害対策施設の整備を進めているところでありまして、これまでに44施設において対策施設の整備が完了しているという状況になっております。
〇関根敏伸委員 337施設中44施設ということだと思います。十数%かなと思っております。これも非常に私も憂慮すべき数値かなと思っておりますけれども、先般の新聞等では、砂防ダム等も2017年度までに完了するというさまざまな方向性が示されておりましたが、改めて、要援護者がいる施設についての今後の整備方針と具体的な整備見込み等についてお知らせをいただきたいと思います。
〇楢山砂防災害課総括課長 これらの施設の課題と今後の整備方針及び具体的な整備見込みについてでございますけれども、まず、現在、厳しい財政状況下におきましては、施設整備によるハード対策を一挙に進めることは困難な状況にございまして、土砂災害警戒区域等の指定などのソフト対策を適切に組み合わせた効果的な土砂災害対策が重要であると認識しております。
今後につきましては、24時間滞在型の施設など、緊急度の高い箇所から順次対策施設の整備を進めるとともに、土砂災害警戒区域等の指定を可能な限り優先的に進めていきたいと考えております。
なお、今年度におきましては、県内4地区で対策施設を整備中でありまして、これらにつきましては、早期の完成に努めていきたいと考えております。
〇関根敏伸委員 最後になりますが、今お話があったとおり、ハード対策を一挙に進めるのは確かに大変だろうと思っておりますが、重点的に進めていただきたいと思いますし、あわせてソフト対策、先ほども避難行動等については全般的なことをお聞きをさせいただいたわけでありますけれども、災害時の要援護者がいる施設の避難行動をしっかりと具体的に確実なものにしていかなくてはならないだろうと思っております。
先般も保健福祉部などでの質疑の中で、国からの通知を受けて、県がいろいろな施設の災害対策の策定状況であるとか、避難場所や経路が具体的に定められているかなどの点検結果を取りまとめているというお話がありましたけれども、いわゆる県土整備部として、この土砂災害をハード面から本来は進める部署かと思っておりますけれども、そのソフト対策の一層の推進について、他部局とも連携をしながら結びつけていくための具体的な課題と解決策について、最後にお伺いをさせていただきたいと思います。
〇楢山砂防災害課総括課長 今のお話の中では、ソフト対策の中での迅速な避難行動に結びつけるための課題と解決策についてということですけれども、要配慮者利用施設におきましては、土砂災害時に適切な避難行動がとられるよう、施設管理者が災害のリスクを適切に把握するとともに、避難の判断とするための防災情報の入手や避難計画の作成等につきまして、理解を深めていただく必要があると認識しております。
県といたしましては、毎年、6月の土砂災害防止月間における地元市町村等と連携した点検パトロールやダイレクトメールの送付、また、施設管理者への研修会等を通じまして注意喚起等を図るなど、土砂災害防止に向けた取り組みを行っているところでございます。
今後は、国や市町村と連携いたしまして、河川及び土砂災害に関する情報やその利用方法等につきまして、要配慮者利用施設の管理者に理解を深めていただくための説明会を開催する予定としております。
〇工藤勝子委員 伊藤勢至委員からも河川改修についての質問がございました。私も今回の台風第10号の被害を受けまして、岩泉町が非常に大きな被害を受けたわけですけれども、遠野でもかなり大きな、3河川が被害を受けたところでありますので、河川改修におけるこれまでの実績についてお伺いしたいと思っております。
整備率は48.6%、平成27年度も22カ所でこういう改良事業を行ったという実績が述べられております。その実績の決算額も56億1、400万円余となっているところでもありますが、では、先ほどお話がありましたように、1級河川の整備率、また、県が管理する2級河川等の整備率、市町村が管理する河川の整備率はどうなっているのか、お伺いいたします。
〇高橋河川課総括課長 委員から今お話のありました整備率の関係ですけれども、1級河川あと2級河川、あとは市町村の管理しているそれぞれの河川の整備率、私、今、ちょっと手元にございませんので、後から報告したいと考えております。
〇工藤勝子委員 では、後からでもいいですけれども、よろしくお願いしたいと思います。
ただ、単純に今の考えの中で、多分1級河川というのはかなり整備が進んでいるのではないかと私は思うんですけれども、この48.6%というのは、県が管理する整備率なのかというところをお聞きしたいと思っております。
〇高橋河川課総括課長 今、委員からお話がありました48.6%ということですけれども、あくまでも48.8%の整備率でして、その率というのは岩手県が管理している河川の整備率となります。
〇工藤勝子委員 そうしますと、例えば市町村が管理する部分というのは、もっと整備がおくれているのではないかなと、そんな感じがするわけです。今回の台風第10号を踏まえまして、そう思っているところでもあります。
今回の台風第10号の被害における河川、雨が降ったことが一番の原因なのだろうと思いますけれども、県土整備部としては原因をどのように捉えていらっしゃるのかということと、実態と申しましょうか、今回の被害の実態は今査定中だと思いますけれども、大ざっぱなところで、この河川改修にかかる予算というものをどのくらいと捉えているのか、お聞きしたいと思っております。
私も遠野の土木センターのほうから、今回の被害についての説明をいただきました。遠野の河川改修における今回の被害の復旧も、3年の時間がかかるというお話もありました。3年間、雨が降らなければよろしいのですけれども、今、どこで、どのような形で雨が降るかということがほとんど想定できない状況、気象の変化があるわけでありまして、早目に進めていただきたいと思うのですけれども、いろいろな予算の関係もあるでしょうから、また、遠野においても用地買収をしなければならない部分も出てきていると。結局、小烏瀬川は、今回は自然災害で、災害復旧というのは現状復旧が基本なわけですけれども、根本的にある程度改修をしたいとお話をされているわけでありまして、そういう部分について、今回の被害の実態とか原因をどのように捉えているのか、お聞きしたいと思います。
〇高橋河川課総括課長 台風第10号の被災における河川被害の原因と被害の実態についてでありますが、今回の台風では、岩泉町を初め、沿岸部や遠野市において記録的な大雨となり、河川の水位が急激に上昇し、県内で17河川、27カ所で家屋浸水被害が発生したところです。また、主に河川の上流部で短時間に猛烈な豪雨があったことから、河川や沢沿いの立ち木が流出し、橋梁に流木が詰まる堰上げなどによって甚大な浸水被害が発生したところです。
そこで、河川改修の事業費ですけれども、先ほどお話があった、例えば遠野市内の小烏瀬川ですと数十億円の単位ですし、岩手県全体、今のところ7河川について抜本的な河川改修を考えているのですけれども、それは数百億円というオーダーになります。期間としては、先ほどもお話をしましたように、3年から5年程度で対策を講じたいと考えております。
それと、もう一点追加で、先ほど県の管理河川の整備率は48.8%ということですけれども、国は51.1%の整備率となっております。
〇工藤勝子委員 地域の人たちがこの河川について何を望んでいるのかというお話を聞きますと、結局は、河川の中に柳の木とかクルミの木とか、そういう木がいっぱい立っていることを非常に問題視しております。地域の人たちが伐採をしようとすると、結局はそのまま河川に切った木を置いてしまうわけです。ある時期、それが逆に、雨が降ったときに流れてダム的な役割をしたということで、地域の人たちは、そういう河川の中の木を切ることを禁じているみたいな状況があるのではないかと思っております。だんだん年数を重ねるごとに木が太くなっていく。根も、河川ですからそんなに張るわけじゃありませんので、今回のようにそれが流れ出す。さらにはまた、堤防があるわけではありませんので、川上のほうでは、河川のそばにある木が流れ出るというようなことが大きな被害につながったのではないかと思っているところでもあります。特に河道掘削もお願いしたいというお話もあるわけですけれども、とりあえず、河川の中にあるその立ち木を一斉に切るという仕事も、これからの被害対策を防止する上で非常に大きな要素になってくるのではないかと思っております。
その対策についてどのように考えているのかをお聞きいたします。
〇高橋河川課総括課長 立ち木の処理の関係の質問ということでお答えいたします。
今回の台風第10号でも、上流からの立ち木、そして川の中流部からの立ち木ということで、さまざまなところから立ち木が流れてきて、それが橋梁のところでひっかかって堰上げして、浸水被害があったのは事実です。そこで、我々としましては、今のところ、平成26年度から平成31年度を目途に計画的に、今までも立ち木の伐採の計画は行っておりました。これからも予算をしっかり確保して、それで対応したいと考えておりますし、あと、今回の台風第10号についても、9月の補正予算で、今回出た立ち木についても支障にならないように、家屋の浸水など、支障とならないように重点的に伐採したいと考えております。
〇工藤勝子委員 今回の経験というんですか、こういう災害を踏まえて、しっかりとした河川改修を進めるということが非常に大事だろうと思っております。そうすると、今回のいろいろな被害の復旧に予算をつぎ込むというようなこともあるのだろうと思っています。そうして、今まで行ってきた河川改修の部分も予算を確保して、今までどおり22カ所なり30カ所なりやっていく計画なのか、それとも、今回は復旧のほうに重点的に予算の配分を向けていくという考えなのか。でも、災害復旧ですので、県の持ち出し分も多分多額のものがあるのだろうと思っていますが、その辺の計画性というのはどのようになっているのか、お聞きいたします。
〇高橋河川課総括課長 今委員からお話があった復旧か、あとは抜本的な河川改修かということで、その予算の確保の仕方についてですけれども、あくまでも、我々今考えているのは、再度災害防止のために、例えば川幅を広げるなり、堤防を築くなりというのが河川改修になるのですけれども、それはそれでしっかり予算を確保して、あとは部分的に崩れた復旧とか、復旧は復旧で予算をしっかり確保したいと考えております。
〇工藤勝子委員 もう一点お聞きいたします。災害を受けて現状復旧ということで復旧するわけですけれども、どことは申しませんけれども、こういう大雨が降ったたびに、河川によって、現状復旧したところが毎回その後痛められるというところがあるわけです。例えばカーブがかかっているところの川などは、現状復旧ですので、壊れればそこを直すわけですけれども、また今回もそこが壊れてしまうと。それは何回も繰り返しているという、首長さんのお話があるわけです。だったら、もう少し抜本的な改良ができないのかという要望もあるわけですけれども、そういうふうに災害のたびに、大雨が降ったたび、台風のたびに、その同じ箇所が何回も壊れるというところの改修の考え方をお聞きしたいと思います。
〇高橋河川課総括課長 今、委員からお話があった復旧は原形復旧なので、また雨が来た場合、そこでまた崩れたりあふれたりということに対する対応策についてですけれども、その件に関しましては、今回9月補正予算で、先ほどほかの委員の方から30億円というお話があったのですけれども、局所的に浸水したところも予算をある程度確保して、そして復旧と拡幅を同時に進めるようなことも我々検討しているところです。
〇工藤勝子委員 ぜひ現状復旧というんですか、そういうのでも、やはり何回もそういうところに予算をつぎ込まなければならない箇所というのは全面的に見直すべきではないかなと、私はそう思っております。
今後とも、県民の命、そしてそれぞれの財産を守っていくという大きな使命もあるのだろうなと思っております。ぜひ、しっかりと、さまざまな河川の状況を見きわめながら対策をとって進めてほしいということを申し上げたいと思っております。所感があれば部長からお聞きして終わります。
〇及川県土整備部長 治水対策についてでありますけれども、今回の台風第10号災害からの早期復旧整備ということに全力で取り組むということはもちろんなのですけれども、現在事業中の、通常事業でやっている河川改修も59カ所ぐらいございまして、その早期整備にも努めてまいりたいということでございます。
また、堆積土砂の撤去、立ち木の処理といったことも、早急に対応させていただきたいと考えております。
また、さまざま予算の関係もございますので、予算につきましては、国のほうに防災安全交付金の拡充を求めてまいりたいと考えております。それとあわせて、ソフト対策についても取り組んでまいるということでございますので、よろしくお願いいたします。
〇高橋但馬委員 私は、平成27年度主要施策の成果に関する説明書の154ページ、緊急輸送道路・復興道路・復興支援道路・復興関連道路における道路防災対策必要箇所解消率について、年度目標値69%に対して実績値69%、達成度Aとなっております。この対策必要のり面165カ所について、平成30年度までに100%の対策完了を目指していると思われるのですけれども、その対策について示してください。
〇千葉道路環境課総括課長 道路防災対策についてでございますけれども、平成19年度の道路防災総点検で対策が必要と判断された箇所のうち、緊急輸送道路や復興道路、復興支援道路、復興関連道路において、緊急に対策が必要とされる165カ所を優先的に整備を進めているところでございます。平成27年度までに114カ所が完了し、残り51カ所について平成30年度の対策完了を目指し、安全・安心な道路ネットワークの確保に向け、計画的に対策を進めていくこととしております。
〇高橋但馬委員 それを踏まえて、ことしに入り、台風第10号により各道路が被災していると思うのですけれども、年度目標値、実績値には今後どのように反映していくのか、お知らせください。
〇千葉道路環境課総括課長 台風第10号被害によって、年度目標、実績値へどのように反映するかという御質問ですけれども、多くの道路が被災を受けているところでございますけれども、今のところ、年度目標値や実績値は変わらないものと考えているところでございます。
なお、今年度から、国の経済対策予算などを活用して、平成19年度に行った道路防災総点検の再点検を実施することとしており、台風第10号による影響等も踏まえ、新たな防災対策の計画を検討することとしております。
〇高橋但馬委員 この県民計画の部分に関してはこのまま進めて、新たに総点検をしてチェックを行うということでよろしいですね。(「はい」と呼ぶ者あり)わかりました。
そこに関連してですが、被災した各道路、応急復旧工事のために、県は岩手県建設業協会との災害時における応急対策業務に関する協定に基づいて協会員が復旧工事を行っていると思います。しかし、東日本大震災津波の影響で工事量もかなり増加している状況でありまして、協会員である建設業者も、自分の現場もありながら対応しているということであります。
私も建設業界にいたころ、自分の工事で現場代理人や主任技術者を務めてまいりましたけれども、普通の工事であっても、なかなか工期の間にいろいろなことが起きて大変なんです。このような応急復旧工事に携わった場合に、対応した建設業者、要するに、現場のその業者が応急復旧で、例えば岩泉とか久慈に行って道路を直したり河川を直したりすると思うのですけれども、その部分に携わった場合に、その業者の現場の工期延長などの対応も必要だと思うのですが、その辺についてお知らせください。
〇大久保技術企画指導課長 応急復旧に携わった建設企業の工期延期等の対応についてですが、震災からの復旧、復興工事の最盛期を迎えているさなかに、台風第10号により多くの土木施設が被災してしまったところです。建設企業の方々にありましては、災害協定に基づき、すぐさま分断された道路の復旧、流出土砂や流木の撤去を実施していただき、孤立解消や被災者支援に必要不可欠な緊急輸送道路等の応急復旧に昼夜を問わず尽力していただきまして、早期の交通開放を果たしていただいたところでございます。しかしながら、応急復旧に当たっていただいた建設企業の中には、施工中の工事があるにもかかわらず、応急復旧工事を優先して出動していただいたケースもございます。
県では、台風等の自然災害の発生による工事現場の被災や、関連工事への協力が必要となった場合など工事を実施できないときには、工事中止や工期延期を可能とする取り扱いとしておりまして、受注者と協議しながら対応しているところでございます。
〇高橋但馬委員 対応策があるということでありますけれども、私も被災地のほうに行ってまいりまして、現場の方々に話を聞いたときにそういう話が出てきたものですから、そういう方々に知らせることがまず重要だと考えておりますので、その辺の周知の徹底をよろしくお願いいたします。
続いてですけれども、それとは別に、被災した地域のほうにも建設業者がいるわけですが、災害の影響で抱えている現場がストップしている状況で、再開できない状態であるという場合、そういう場合、現場代理人というのは基本的に常駐でありますし、例えば機械などもリースしている場合とか、いろいろなことがストップしている状態でも、維持するにはお金がかかるという状況であります。そのような場合でも、こういう災害発生の場合は、現場が再開までの維持運営費とか補助があったほうがいいと思うのですけれども、その辺についてお願いいたします。
〇大久保技術企画指導課長 災害発生による建設工事の中止に伴う現場維持運営費についてですが、台風を初めとする自然災害の影響などにより、受注している工事の施工ができないなど、受注者の責めによらない場合におきまして、工事中止や工期延期ができることとなっております。こうした場合、中止に伴う再開までの工事現場の維持に要する費用や、中止により工期延期となる費用につきまして、設計変更により計上できることとしているところでございます。
また、天災等の不可抗力により、工事目的物や工事材料等に損害が生じた場合には、損害額のうち、請負代金額の1%相当を除いて、その損害額の全てを発注者が負担することとしているところでございます。
このような事案が生じた場合には、受注者と協議の上、現場の実情を踏まえた対応を行っていくよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋但馬委員 非常に、今、工事も東日本大震災津波の部分も抱えていますし、今回の台風第10号でさらに工事が増大すると考えられます。県と建設業界としっかりと手を組んで努めていっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇軽石義則委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時52分 休 憩
午後1時2分 再 開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇高橋河川課総括課長 午前中に工藤勝子委員より河川整備率について御質問があった件ですけれども、国管理河川の整備率が51.1%ですし県管理河川は48.8%、市町村管理河川の整備率は50%になります。
〇軽石義則委員長 質疑を続行いたします。
〇城内よしひこ委員 私は、国道の維持管理についてお伺いしたいと思います。
国道340号の宮古から岩泉に抜ける道路の部分についてお伺いしたいと思いますが、刈屋地区内で崩落事故が起きて大分たつわけでありますが、現状のままで通行どめであります。迂回路が狭隘で、私もたびたび通りますけれども、なかなか大変な状況であります。復旧の見通しはどのようになっているのでしょうか。
〇楢山砂防災害課総括課長 国道340号の宮古市刈屋地内の復旧見通しについてでありますが、本格的な復旧工事につきましては、現在、契約手続を進めておりまして、12月には工事着手する予定であります。
また、復旧の見通しにつきましては、大規模な斜面対策工事であるため、現時点では来年の冬前までを見込んでおりますが、今後とも早期復旧に向けて努力していきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 午前中も大分皆さんから話が出ましたけれども、台風第10号があった際にも、本来であれば通れる道路であったところが通れなかったということで、皆さん大分不便をしながら復旧作業に当たられたようであります。その中で明るい兆しとして、和井内地区内に国道340号の工事で橋がもう既にかかっておりました。ただ、前後の整備はまだなされていなかったのですけれども、その橋があって、そこを仮で通していただいたおかげで、復旧あるいは地域の方々の足が確保できたという状況があります。それは本当にありがたかったところであります。ですが、その前後はまだ工事が未整備でありますので、そこを急いで工事を進めていただきたいところであります。それで、国道340号和井内地区内の改良の実績と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
〇遠藤道路建設課総括課長 国道340号の宮古市和井内地区についてですが、計画延長は約4.9キロメートルございますが、そのうち2.2キロメートルについては既に供用済みとなっているところでございます。現在、残る2.7キロメートルについて整備を進めておりますが、主要構造物である橋梁が5橋ございます。そのうち1橋は既に完成し、3橋については舗装の下の床版まででき上がった状態でございます。現在は、残る橋梁工事とその前後区間の改良、舗装工事を推進しているところでございます。
先ほど委員からもお話がありましたが、台風第10号によりまして340号の現道にかかっている橋梁の橋台部分の盛り土が流出してしまって通行が困難になったことから、別ルートで工事中だった橋梁工事を一度中断し、迂回路として通行車両に開放させていただきました。そのため、一部工事の工程の見直しも必要になったところでございます。
今後につきましては、残る工事の工程をしっかり調整しながら鋭意工事の進捗に努め、平成29年度上半期の全線供用を目指していきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ進めていっていただきたいと思います。この橋を仮で通していただいた部分は、皆さん、ああ、こんなになるんだというイメージを抱かれたようであります。しっかりとそのイメージを崩さないようにお願いしたいと思います。
次に移ります。3点目であります。
宮古市の県代行で行っていただいている宮古市道北部環状線の実績と状況、あわせて今後の開通見通しをお伺いしたいと思います。
〇千葉道路環境課総括課長 宮古市道北部環状線の実績と状況についてでございます。
北部環状線は平成23年度に事業着手し、計画延長2、331メートルに対し、平成27年度末の延長ベースで92%の進捗となっております。開通見通しについてでございますけれども、年内開通を目指し、現在、仕上げとなる舗装工事等を進めているところでございます。
〇城内よしひこ委員 年内にですね。年度内じゃなくて年内ですね。それというのは、年内は、もう12月はあすあすですけれども、日程はもう決まっているのですか。
〇千葉道路環境課総括課長 年内、11月、12月しかありませんけれども、年内ということで今頑張っておりますので、よろしくお願いします。
〇城内よしひこ委員 朗報であります。一日も早く開通できるようにお願いしたいと思います。
次、4点目、お伺いします。
県道41号重茂半島線の工事の進捗です。重茂地区民からするとなかなか工事の見える化というのが伝わっていないらしくて、山の中で、大分工事は進んでいるというお話をお伺いしていますが、工事の進捗状況と今後の見通しをお伺いしたいと思います。
〇遠藤道路建設課総括課長 主要地方道重茂半島線についてでございます。
東日本大震災と同規模の津波が発生した場合でも浸水しない道路としての整備を目指しております。現在、宮古市と山田町で全7工区、総延長15.2キロメートルにおいて事業着手し、ことし1月には路線全体での着工式を開催させていただいたところです。現在、7工区全てで改良工事に着手するとともに、主要構造物でありますトンネル2カ所、橋梁5カ所の下部工などが契約済みで工事を進めさせていただいております。
事業計画の地元との調整あるいは現地状況の精査により一部設計の見直し等が必要になったため、一部工区において工程の見直しが必要となったところでございますが、今後、鋭意工事の進捗に努めながら、目標とします平成30年度末の路線全体の供用開始を目指してまいりたいと思います。
また、今、工事の状況がよく地元にお知らせできていないのではないかというお話がありましたので、その点についても地元にお知らせできるような工夫をしたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひお願いします。皆さん心配していらっしゃいます。県の工事が遅いというわけではないのですけれども、国で進める工事は、大分見える化も含めて、しっかりと地元の方々に伝える方策をとっているようであります。地域の子供たちの見学会などもやったりしているようですので、もしよかったら現場見学会のようなものを一度やると、私は、地域の方々も皆さんの頑張りようを認めてくれるのではないかと思いますが、その辺は、いろいろなPRの仕方はあろうかと思いますが、いかがでしょうか。
〇遠藤道路建設課総括課長 現在、整備しているところを、工事の段階段階で地元の方にお知らせできるような状況のときには現場見学会等も開催させていただいている箇所もございます。今、委員からもお話しいただきましたことから、現場の状況を踏まえながら、そういった取り組みを今後検討していきたいと思います。
〇城内よしひこ委員 ぜひ頑張っている姿を皆さんに見せていただいて、しっかりと工事を進めていただきたいと思います。
〇名須川晋委員 私からは、大きく2点でございますけれども、主要施策の成果に関する説明書でいえば153ページにありますいわて花巻空港ターミナルビル機能向上事業費になります。インバウンド需要があるということでターミナルビルを改修したわけでございますけれども、今現在どういうふうな効果が発揮されているものか、これについてまずお知らせ願います。
〇箱石空港課総括課長 いわて花巻空港のターミナルビル増改築工事の効果についてでございますが、これまでのターミナルビルは、到着後の入国審査場や手荷物受取所が手狭なため、国際チャーター便が就航した際に長時間の待ち時間が生じておりました。今回の工事によってこれらの混雑が解消され、供用開始後最初の大型機によるタイ国際航空のチャーターにおきましてはその整備効果が発揮されたところでございます。
また、こうした施設面の改善によりまして、お客様の快適性、動線が改善されただけでなく、ハンドリング業務も効率的に行うことが可能となり、課題とされていた60分ターン─これは、飛行機が到着してから出発するまでの時間でございますが、その60分ターンがクリアできるようになりました。60分ターンは国際便を誘致する上で航空会社から求められている条件で、これも大きな整備効果と考えております。
このほか、これまで搭乗橋が2本だったため、国内定期便2便と国際チャーター便が重なった場合に受け入れができなかったことも、搭乗橋を1本増設したことにより柔軟な受け入れが可能となり、実際、4月のタイチャーターの際、国内便と重複しましたが、搭乗橋3本の効果により受け入れることができるようになったものでございます。
もう一つ、ことし5月から朝の時間帯において札幌線の機材が大型化されましたが、これも搭乗橋3本の効果により、国内定期便3本のふくそうも可能となっているという効果があらわれております。
〇名須川晋委員 そうしますと、かなり改善が図られてお客様からも好評だと受けとめました。
ということで、ほかに新たにさらなる改善が必要なところが今現在あるかどうか、そういう問題、課題を把握されているかどうかについてお知らせください。
〇箱石空港課総括課長 今回の増改築に伴います今後の改善でございますが、特に国際線を利用した方からの反応についてでありますけれども、増改築後のビルにつきましては、以前あったような狭いとか待ち時間が長いといった特段の苦情がないことから、快適に利用していただいているものと考えております。
なお、今回の一連の整備において空港内に免税店を整備いたしましたけれども、このたびの花巻空港内の免税店は、消費税免税、いわゆるタックスフリーということで、お客様からは、なぜデューティーフリー─酒税、たばこ税が免税ではないのかといった声があると聞いております。デューティーフリーにするためには、国際定期便の就航など、一定の売り上げが見込めるなどの要件をクリアする必要があるということで、今後、定期便の可能性も見据えながら、税関への所要の手続等について、空港ビル会社に対し必要な助言を行うなどの支援をしていきたいと考えてございます。
〇名須川晋委員 タックスフリーとデューティーフリーということで、ああ、なるほどと。聞いてみれば、ああ、そういうものなのだなと思ったところでございます。
話題を変えますけれども、夢のある話ということになろうかと思いますが、尾道で最近、水陸両用機が就航されております。尾道の諸島をめぐるということでおおむね50分のコースのようでございますけれども、せとうちディスカバリーフライトと名づけられたしまなみ遊覧飛行が開始されているということでございまして、観光等、地域活性化に大いに資するものではないかと思っております。向こうには海外からのお客様もこちらよりは多く来てくださっているものと思いますが、ぜひともこれを御検討といいますか、この可能性を見出してもらえないものかどうかということで、その辺の考え方をお知らせください。
〇箱石空港課総括課長 今、お尋ねのありました水陸両用機による観光等ができないかということについてでございますが、現在、それに類似した取り組みとしては、花巻空港においては遊覧飛行ということで1社の事業者が実施しております。平成27年度の利用者は年間で100人に満たない状況にとどまっております。
水陸両用機につきましては、委員から御紹介いただきましたとおり、せとうちSEAPLANESということでことしから実施されていますが、仮に実施するといたしますと、利用者の確保とあわせて初期費用の調達、あるいは、水陸両用ということで、空港だけではなく水上の離着陸施設の場所の選定、あるいは桟橋等の整備といった検討すべき課題が多いのではないかと考えております。
いずれ、空港を活用した地域活性化につきましては、今後も、観光資源の掘り起こし、あるいは新しい事業の創出といった観点も踏まえまして、先進事例等の情報収集や勉強をしていきたいと考えてございます。
〇名須川晋委員 なかなかハードルが高いのはわかりますけれども、沿岸の復興と絡めて、陸前高田あるいは釜石、そういうところと直通で短時間で移動できる手段、あるいは沿岸・ツー・沿岸のような、釜石と陸前高田を結んで復興の状況を見るツアーをつくってみるとか、そういうさまざまな考え方ができると思いますので、大がかりにとは言いませんが、研究もぜひともしていただければという要望でございます。
さて、空き家対策とリノベーション施策について質問させていただきます。
空き家活用等モデル事業というのがございますけれども、平成27年度の詳細、そして、できれば今年度どのような状況になっているか、そして、来年度の見通しまでお知らせください。
〇辻村住宅課長 空き家活用人材育成支援事業についてでありますが、平成27年度は、行政職員向けに公民連携セミナーを開催するとともに、県民対象のイベントとして岩手県公会堂を会場としてシンポジウムを開催するなど、広くリノベーションのイメージの共有に努めたところであります。
今年度は、岩手県の取り組みを全国に発信するため、東京で開催されましたリノベーションまちづくりサミット2016に参加したほか、昨年度のセミナー等を通じて、リノベーションに取り組もうとする意欲を持った方々に対しまして研修会を開催するなどにより人材育成を開始したところでございます。
来年度は、これまでの取り組みを継続しつつ、県内各所で立ち上がりつつあるリノベーションまちづくりの具体的な取り組みに対し助言を行うほか、今年度立ち上げました岩手県空家等対策連絡会議と連携しながら、空き家等の相談体制整備や空き家等の利活用に向けて取り組んでまいる予定としております。
〇名須川晋委員 ちょっと前後しますが、そのリノベーションの県内での状況についてお知らせいただければと思います。先ごろは盛岡でコワーキングスペースも新たに開設されて、県庁職員の方もかなり期待を持って見ているのかなと推測されますけれども、ぜひとももっとこういう事業を活用しながら地域活性化を図っていただければと思いますが、今現在どのような状況になっているかお知らせください。
〇辻村住宅課長 リノベーションまちづくりの県内の状況についてでございますが、現在、花巻市花巻駅前地区、紫波町日詰商店街、盛岡市葺手町商店街及び釜石市釜石大観音仲見世の4カ所で行政と民間事業者の連携による取り組みが始まっているところでございます。このほかにも、民間主導によるリノベーションの事例といたしまして二戸市二戸駅前地区等があり、県内各地で徐々にですが広がりを見せているところでございます。
〇名須川晋委員 何か一関でもそういう動きがあるような話を聞いておりますけれども、これと絡めまして、今のは普通のビルだと思いますけれども、空き家が発生しにくいということで、家族信託制度の啓発普及が必要であると思っております。一般質問のときにも質問させていただいたのですけれども、大まかに言いますと、空き家となるおそれのある建物の所有者の意思がしっかりしている間に生前信託契約を締結し、高齢の所有者にかわって第三者が管理するということで、これをもって空き家が発生しにくくなる。所有者が亡くなりますと非常にその手続が難しく煩雑になりまして、そのまま空き家になってしまうという状況がございます。各自治体でぜひともこれを普及させて、モデル地域みたいなところをつくって、シラミ潰しにここは将来的にどうなるんだという状況把握をして、家族信託制度を導入していくことが空き家が発生しにくくなる一つの大きな方策になると思うのですけれども、これについての取り組みについてお知らせください。
〇辻村住宅課長 家族信託制度についてでありますけれども、こちらの制度につきましては、御指摘のありましたとおり、空き家の発生抑制に大きな効果があるものと私どもも考えております。県では、今年度実施しております不動産所有者─オーナー等を対象といたしましたセミナーにおいて、資産管理や相続対策に詳しい専門家による家族信託制度等に関する情報提供を行うなど、制度の普及に向けて取り組んでいるところでございます。
〇名須川晋委員 県はそういうところにとどまると思うんですけれども、やはり最前線である自治体がどれほどこの制度を把握しているかが大きいのではないかと思います。それぞれ地域を設定して、一軒一軒詳細な状況を把握して空き家の発生抑制に努めるということをもうちょっと徹底すれば空き家が出にくくなると思いますので、新年度はさらに、業界の方だけではなく、それぞれの自治体にも働きかけを行っていただければと要望いたします。
古民家のリノベーションが最近、はやっておりまして、私の住む地域にも、古民家─古い民家というより立派な古いお宅ですけれども、今、売り出しをしておりまして、3件ほど問い合わせがあって見に来た。関東から来られて、もしかしたらその人が買ってくださるのではないかというお話を所有者はされておりました。その目的としては、インバウンドの方を対象にして、そういう方に短期間住んでもらうようでございますけれども、この古民家情報を積極的に収集してU・Iターンにつなげることも一つの方策なのではないかと思われます。今、古民家を改修したいというニーズといいますか、そういう人たちはかなり多くなってきているのではないかと思われますので、例えば、そういう情報を県が積極的に県内から収集して、東京にある最前線のいわて暮らしサポートセンターとか県のUターンセンターでこちらに帰ってきたい、あるいは仕事をしたいという方々に対して情報提供を行うシステムがあるのかないのか。なければ、そういう情報を積極的に紹介する施策も必要になってくるのではないかと思われますが、いかがでございましょうか。
〇辻村住宅課長 U・Iターン需要の喚起に関しての御質問と思われます。
近年、古民家に対して、そういうところに住んでみたいというニーズをお持ちの方が多数出てきていらっしゃることは私どもも承知しております。一方で、古民家に限らず、優良な既存住宅の情報につきましては、U・Iターンを検討しております方々にとって大きな判断材料になるものと考えております。今年度立ち上げました岩手県空家等対策連絡会議を通じて、関係各所との連携を構築する中で、そういった情報の収集や活用等のあり方等について今後検討していきたいと考えてございます。
〇川村伸浩委員 私からも、いわて花巻空港の利用促進についてお伺いしたいと思います。
成果に関する説明書の153ページに旅行商品造成支援事業、いわゆる旅行商品を提供しながら空港の利用客数をふやそうという事業でありますけれども、この路線別の実績と、それから、ここ数年の花巻空港の利用客数、そして、この事業に対する評価についてはA評価ということではありますが、この評価についてお伺いしたいと思います。
〇箱石空港課総括課長 旅行商品造成支援事業の実績とその評価についてでございますが、この事業は、花巻空港を利用する旅行商品に対しまして、広告に係る経費等の一部を助成するものでございます。平成27年度は、アクションプランの計画値24社に対し、実績値27社と計画を上回る実績となりました。
路線別の利用実績は、名古屋線が19社、大阪線が5社、福岡線が1社、チャーター便利用が2社であり、本事業を活用した旅行商品の利用人数は合計1、441人となっております。
花巻空港の利用客数につきましては、現在、運航されている名古屋、大阪、札幌、福岡の4路線での運航となった平成23年度以来、毎年、利用客数が増加しておりまして、直近の昨年度─平成27年度で国内線が約39万1、000人の利用となっており、この事業によって一定の成果を上げているものと考えてございます。
〇川村伸浩委員 大変成果が出たということ、しかも総体での利用客数も40万人に届こうとしているということで、非常にいい結果が出ていると思います。
特に名古屋線が非常に成果が出ているように見えるわけですけれども、この要因についてお教えいただきたいと思います。
〇箱石空港課総括課長 特に名古屋線の実績が良好ということでございますが、県といたしましては、特に震災後に路線が復活した福岡、名古屋両路線を重要路線として利用促進に重点的に取り組んでいるところでございます。あわせまして、名古屋線を運航するフジドリームエアラインズがかなり熱心に旅行会社にも働きかけていただいて、連携してこういった商品造成に取り組んでいるといった成果もあるものと考えております。
〇川村伸浩委員 いずれ、そういった旅行商品を企画する会社あるいは航空会社と今後も連携して、その利用客数をふやしていくことをお願いしたいと存じます。
次に、国際線の運航回数でありますけれども、この成果を見ますと、目標が98回に対しまして実績が48回でありますけれども、この原因についてお教えいただきたいと思います。
〇箱石空港課総括課長 国際線の運航回数についてでありますが、平成27年度の目標値98回に対し実績値は48回となりましたが、この主な要因といたしましては、昨年、台湾桃園国際空港の滑走路工事の影響によりまして、チャーター便の運航が秋以降一時制限されたことがございまして、それにより秋以降のチャーター便数が減少した。あわせて、同じ時期にいわて花巻空港ターミナルビルの増改築工事がございまして、同年11月から翌年3月まで一時的に国際チャーター便の受け入れを休止したことによるものでございます。
〇川村伸浩委員 桃園の工事あるいは花巻空港の工事が原因ということで、了解しました。ということであれば、今年度は順調に回復しているのではないかと思っております。
台湾の定期便についてお伺いしたいのですが、残念ながらいまだに定期便化になっていないわけであります。現在の取り組みといいますか、相手方もあるわけでありますが、現在の状況について、そしてまた今後の対応についてお伺いしたいと思います。
〇箱石空港課総括課長 台湾定期便の交渉状況の現状と今後の対応についてでありますが、台湾定期便の誘致に向けて、平成26年度から、より定期便の運航形態に近い形での定期チャーター便が運航され、これまで4度の実績はいずれも8割を超える高い利用となっており、一定の成果を上げてきたものと認識しております。一方で、予定されていたことし秋の定期チャーターは諸般の事情により見送りになるなど、中華航空を取り巻く状況も変化してきているところでございます。
いずれ、定期便化につきまして、中華航空からは今月末ころまでに来年上期の運航計画を決定したいという意向が示されてございますので、引き続き早期の定期便化を要望していきたいと考えております。
〇川村伸浩委員 中華航空の考え方、経営方針等にもかなり影響される部分があると思いますが、引き続き御努力をお願いしたいと思います。
台湾は台湾でありますが、花巻空港を利用したさまざまなチャーター便あるいは定期便化への今後の対応についてお伺いしたいと思います。
〇箱石空港課総括課長 台湾以外の対応についてでございますが、県としては、まずは台湾定期便就航を目指し、台湾を最重点市場と位置づけて取り組んでいきたいと考えているところでございますけれども、一方で、訪日外客数の多い中国や香港も台湾に次ぐ有望な市場と認識しております。このため、中国、香港の航空会社を訪問し、花巻空港の受け入れ能力や東北周遊に適した立地環境等について情報提供、PRしているところでございまして、台湾以外の国際便の誘致にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
〇川村伸浩委員 花巻空港も国際線向けにせっかく増改築したわけでありますので、積極的に利用していただけるような方策あるいは交渉をお願いしたいと思います。
直接、花巻空港から海外へということは理想ではありますが、現実的には新しい路線を確保していくことはかなり大変なことだと思います。国内にも、国際線を持った、ハブ空港と言っていいのでしょうか、そういった空港があるわけでありまして、特にも花巻からですと札幌あるいは福岡が国際線を持っていることになります。花巻−札幌間を利用しての東南アジア圏等への国際路線についてどういうお考えがあるかお伺いしたいと思います。
〇箱石空港課総括課長 札幌等の国内ハブ空港を利用した国際線の利用についてでございますが、花巻空港との国内定期路線が運航されている札幌や福岡は、委員御指摘のとおり国際定期便が多数就航しており、多くの外国人旅行者に利用されております。花巻にも就航しております日本航空では、訪日外国人旅行者の周遊型旅行の需要を喚起するため、国際線で来日した外国人が日本国内を移動する場合、航空券を割安─1区間1万800円で購入できる新運賃制度Japan Explorer Passを昨年12月から実施しております。
外国人旅行者の誘客については、花巻との定期路線のある空港を活用することも有効と考えられることから、日本航空のこの制度をPRしながら、定期路線のある空港を経由した外国人旅行者の誘客にも取り組んでいきたいと考えております。
〇川村伸浩委員 私も札幌、新千歳空港の関係を調べていただいたのですが、ソウルあるいは釜山、台北、高雄、香港、上海、北京、天津、シンガポール、バンコク、クアラルンプール、グアム、ホノルル、サハリンと非常に多くの国際線を有しております。しかも航空会社が1社ではなく何社も運航しているということは非常に利便性のいい空港だと思います。しかも花巻からは50分ということで、非常に利便性のいい路線を運航していると思います。
今、Japan Explorer Passということで、いわゆる海外から日本に訪れていただく方々へのサービスといいますか利便性を上げるという意味でのパスのようでありますけれども、逆に、国内から日本人といいますか県内の方々が海外にそういった形で行く場合の支援といいますか、そういった方策は今とられているのでしょうか。
〇箱石空港課総括課長 札幌等を経由して県内の方が海外に行く際の助成制度というものは今のところは取り組んでございませんし、現時点ではインバウンドのほうに力を入れるということで、そこまでは考えていない状況でございます。
〇川村伸浩委員 やはり、インバウンドもアウトバウンドも、双方向があって成り立っていくものだと思います。結果としていわて花巻空港の利便性が上がっていく、あるいは利用客数がふえていくことになると思いますので、ぜひ助成といいますか商品といいますか、そういったことも検討をお願いしたいと思います。
〇佐々木朋和委員 私からは、河川海岸等維持修繕費に関連しまして、午前中も議論がありましたが、河川の河道掘削、立ち木処理についてお伺いしたいと思います。
今、県では、平成26年度から平成31年度にかけて計画をつくって、河川の堆積土砂あるいは立ち木の処理に取り組んでいるところでございますけれども、平成27年度の河川の河道掘削、立ち木処理の決算額、また、実施量はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇高橋河川課総括課長 河川海岸等維持修繕費9億9、054万円余のうち、河道掘削、立ち木処理等の決算額としましては9億7、377万円余となっております。河道掘削の実施量としましては約16万2、000立方メートル、立ち木処理の実施量としましては約11万6、000平方メートルを処理したところです。
〇佐々木朋和委員 9億7、000万円余ということで、毎年このぐらいの予算をかけながら、6年間かけて危険箇所を河道掘削、立ち木処理をしていくということだと思っております。そういった中、県として取り組んでいただいているところ今般の台風第10号被害ということで、課長も悔しい思いをされていることは重々認識しておりますけれども、この点について、平成25年にも私の地元も含めて水害がありまして、そこから3年たってまた水害がありました。そういった今の天候、気象状況を考えると、6年間かけて危険箇所を処理していくという計画スピードはどうなのかと疑問を感じるところであります。
次に、計画についてお聞きしたいのですが、少し細かいところも聞きたいと思います。
午前中の質疑で、災害になって30億円県費をつけて対応していくということでありました。地域の住民の方からお聞きすると、いつも災害があってから予算をつけて河道掘削なりをする。そうでなくて、何で前もってできなかったかという話があるわけです。災害になってから県費で30億円つけるのであれば、前倒しをして立ち木処理、河道掘削の計画を進めていくことも一つの策ではないかと思うわけでありますけれども、今回の台風第10号を受けて、河道掘削、立ち木処理の計画について前倒ししていく予定はないのか。また、この県費30億円ですけれども、この財源はどこから来ているのかお伺いしたいと思います。
〇高橋河川課総括課長 河道掘削、立ち木処理の前倒しの件ですけれども、平成26年度から平成31年度までの計画を一回は立てたものの、それ以降、今回の台風第10号でまたたまったり流木が発生したりということで、今回また計画を見直して、そして次の取り組みを行いたいと考えております。
予算は限られていますけれども、あくまでも浸水被害が発生する可能性が高いところ、当然、人家連檐、あとは事業所が張りついているところを重点的に進めたいと考えております。そのときは過去の浸水実績等も考慮して、それらを総合的に判断して、効率的に河道掘削、立ち木処理を行いたいと考えております。
財源につきましては、維持修繕の対応となりますので、県単の事業で対応することになります。
〇佐々木朋和委員 その30億円の話ですけれども、これは6年間かけてやっていく河道掘削の予算を前倒ししたということではなく、別個でつけたということでしょうか。
〇高橋河川課総括課長 今、委員からお話ありましたとおり、別個に予算化して、それで対応しているところです。
〇佐々木朋和委員 これ以上言ってはあれですけれども、そうやって別個に用意できるのであれば、被害を受ける前に先に予算をつけて早急にやっていくことはできないのかという思いであります。いろいろ被害があれば原因もしっかりとわかって適切な手が打てるということはあるかもしれませんけれども、しかしながら、災害に遭う方にとっては事前にやってほしいという思いであると思います。県も、100年に1度の水害については命を守る、また、10年に1度については財産、家屋を守るということでやっておりますので、それが今の6年間で計画を立てていくということで守っていけるのかというのは大変私は疑問でありますし、しかも、また台風が来たら一回また計画を練り直して危険箇所からやっていくということが計画的と言えるのか、対症療法ではないかと思ってしまいます。
今、私の地元でも河道掘削をやっていただいておりますけれども、おっしゃったとおり、今回の台風でまたたまってきた。効果のほどは飯澤委員も午前中に示していただいて大変ありがたいことですけれども、やはりまたたまってきた。住民の方からは、やっている最中ですけれども、今度はいつかいてくれるのかという話が出るというところだと思うのです。私は、計画的というのは、河道掘削が終わったら、次はいついつごろに、5年後にかきますよ、そういったことを示せるのが計画的ということではないかと思っておりますので、ぜひとも財源の確保を含めてやっていただきたいと思います。平成25年から国の防災安全交付金というものができておりますが、これについて、事業規模が大きくないと採択されない。河道掘削や立ち木処理にはこれは使えないことになっていて、私は、改修も大事ですけれども、改修したところから砂がたまっていって危険がふえるのであれば、これは本末転倒ではないかと思うところでありまして、これについても、私は使えるように国に対して要望していくべきだと思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。
〇高橋河川課総括課長 今、委員から国に対する要望という話がございましたけれども、私らも機会あるごとに特に埋塞土の除去、立ち木処理について国の予算を配分していただけないかと強く要望していますけれども、なかなか実現できていない状況です。
計画的な取り組みということに関してですけれども、一回掘削したらそこに印をつけて、そして、印をつけたあたりまでまた土がたまるようであれば、ここの河川についてはもう掘削する時期かなという目安をつけるようにやり始めているところがあります。委員からお話しのあった前倒し云々ではありませんが、この工区についてはいつ河道掘削すべきタイミングなのかということを早目にキャッチして対応するような取り組みを今、検討し始めているところです。
〇佐々木朋和委員 すばらしい取り組みだと思います。住民の方にも見える化をするということは大事だと思いますから、ぜひ応援をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思いますし、国の防災安全交付金については、来ているもので、この使い方ということですので、ぜひともこれはまた連携して、我々からも要望していきたいと思います。
その中で、午前中、伊藤勢至委員からもお話がありました河川の砂や砂利の活用についてです。総括質疑で立ち木の活用については郷右近浩委員からもお話がありました。川砂というものもしっかりと使いながら、民間の力もかりながら処理していくことが大事だと思うのですけれども、一方で、昔よりも川砂、川砂利のニーズが余りないのではないかという話もございました。沿岸に要望をお聞きしに行ったとき、こういったことだったら震災の復興工事に川砂をしっかり使ってやっておけばよかったという話もお聞きしたものですから、この点についての今の状況はどのようになっているのかお知らせいただきたいと思います。
〇高橋河川課総括課長 川砂の利用状況についてですけれども、主にコンクリート骨材の砂、砂利として利用されているところです。
河川においては砂利採取業者にお願いしてとっていただいているところです。現在、5カ年計画を立てて、平成27年度から平成31年度までの期間において実施しているところです。実績としましては、平成27年度は計画13万5、000立方メートルに対しまして15万立方メートル、率にして111%となっておりまして、採取量につきましては、委員からお話があったように東日本大震災以降かなりふえておりまして、砂利採取業者からももっととらせてくれという強い要望がありますので、私どももぜひそういうことはお願いしたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 了解しました。そういったニーズがあるということでございましたので、河川の維持管理等々を絡めながらぜひとも進めていっていただきたいと思っているところでございます。
最後に、部長に所見を伺って終わりたいと思うのですけれども、この河道掘削、立ち木処理について、今さまざまな現場でも努力をしていただいているということですけれども、河川の改修等を含めて、維持管理のための河道掘削、立ち木処理ということはほかの委員からも多く質問がございまして、やはり予算についても抜本的に改革をしながらやっていっていただきたいという思いがあるわけでございますけれども、今後の取り組みについてお話を聞いて終わりたいと思います。
〇及川県土整備部長 今回、立ち木が流木となって被害を大きくしたというお話もございますし、土砂が、洪水でもたまりましたけれども、河道の堆積でもって洪水を大きくしたのではないかというお話もございます。そういう状況の中で、まずは9月補正で予算化していただきまして、立ち木、そして堆積土砂の撤去ということで進めていくわけですけれども、基本的にはこれは防災安全交付金の対象にならないということで、今回の台風第10号関係で、国に対して防災安全交付金で措置してもらえるように要望しているところでございます。
先ほど総括課長が言いましたとおり、なかなか県単でやっていくのは大変でございますけれども、しっかりと計画をつくりながら、見直しながら、そしてマーカーもつけながら着実にやっていきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 私からは、土砂災害対策費についてお伺いしたいのですが、河川改修及びハード整備、それと課題については関根委員と重複しておりますので、これは省きます。
財源的なお話も関根委員からありましたけれども、いずれ、温暖化に伴う気候変動によって、豪雨、中長期的な地震災害などの大規模災害が懸念されている状況でございます。少子高齢化による厳しい財政的な制約により、国の補助は補助としてありますけれども、事業費のコスト縮減などを図り、効果的な対策は今後さらに必要と思われますが、その御所見をお伺いいたします。
〇楢山砂防災害課総括課長 事業費のコスト縮減等に係る効果的な対策についてでありますが、砂防堰堤等の施設整備には膨大な費用と時間が必要であることから、現在、被災履歴のある箇所や老人福祉施設等の要配慮者利用施設が立地する箇所などを優先して整備を進めるとともに、並行して、土砂災害警戒区域等の指定により土砂災害のおそれのある区域を明らかにし、警戒避難体制の整備を促進するなど、ハード対策とソフト対策を適切に組み合わせた効果的な土砂災害対策の推進に努めているところでございます。
〇阿部盛重委員 いずれにしても財源的な部分がある程度制約されてきますので、これは県土整備部以外でも全庁挙げて行革にも取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
災害情報の収集、伝達方法ということで、先ほどこれも関根委員からお話がありました。私からは、いろいろな膨大な情報がたくさん集まってくるわけですけれども、その情報の中で最優先的な情報を取りまとめて市町村に通知をしていると思うのですが、その取りまとめの仕方といいますか、それをどのように早目に情報伝達をされているのかお伺いします。
〇楢山砂防災害課総括課長 土砂災害情報の収集及び伝達体制についてでございますが、県におきましては、大雨等によりまして土砂災害発生の危険度が高まったときに土砂災害警戒情報を盛岡地方気象台と共同で発表しておりまして、関係市町村に通知しているところでございます。
この土砂災害警戒情報につきましては、総合防災室から岩手県総合防災情報ネットワークで関係市町村に通知されるとともに、当課からも関係市町村に別途ファクスでの送信を行いまして、電話による受信確認を行って確実な伝達に努めているところでございます。市町村におきましては、この土砂災害警戒情報を避難勧告等の警戒避難の重要な判断材料の一つとして活用しているところでございます。
県といたしましては、今後とも、住民の迅速な避難行動に結びつくように、適時適切かつわかりやすい土砂災害警報情報の発表に努めていきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 市町村にしっかり情報伝達されているというようにお聞きしました。地域住民に対してわかりやすい災害情報を周知するためにも住民に一斉に伝達させなければならないということがありますが、22日早朝の地震でも、避難指示、勧告を発令したが避難しない住民も各地で見られたということです。市町村の担当者も、警報であればすぐに避難指示を出せた、注意報での判断は難しかったとも述べておりました。その点、市町村には分析、判断の徹底が図られていると理解したいのですけれども、その御所見をお伺いします。
〇楢山砂防災害課総括課長 先ほど、土砂災害警戒情報等をネットワークで伝えているとお話をしましたが、この警戒情報につきましては市町村単位で発表されておりまして、市町村におきましては、避難勧告等を判断する上では地域をより特定する必要があることから、これを補足する情報といたしまして、県では、土砂災害警戒情報システムによりまして警戒避難判定参考情報を提供しております。これは、1キロメートルメッシュの区域ごとに、土砂災害が発生するおそれがある基準に達するまでの予測時間によって、避難準備や勧告、指示レベルの危険度を3段階であらわしまして、そういうものを市町村に対して別途、配信することによりまして、市町村の方々がより適切に判断できるような補足をしております。
〇阿部盛重委員 いずれにしましても、災害対策基本法では、県、市町村、国は住民の生命及び財産を災害から保護する使命がありますので、今後、起き得る災害対応をしっかりとお願いして私の質問を終わります。
〇斉藤信委員 それでは、東日本大震災津波からの復興状況について最初にお聞きいたします。
災害公営住宅の整備について、整備状況、入居状況、空き室の状況とその要因。予算特別委員会の際には重いドアの改善の方向も示されましたが、それはどのように取り組まれているでしょうか。
〇辻村住宅課長 災害公営住宅の整備等についてでございます。
10月末現在で完成いたしました災害公営住宅は、県、市町村合わせて5、694戸の建設計画に対しまして4、237戸であり、入居戸数は約9割の3、787戸となっております。450戸が空き室となっておりますが、一度入居されて既に退去された方が95戸あるほか、災害公営住宅の入居か持ち家再建とするか、いまだ決めかねている方がいらっしゃること、応急仮設住宅から災害公営住宅に入居することにより、新たに家賃負担が発生することなどが空き室発生の原因と考えております。
また、玄関ドアでございますけれども、昨年12月以降に発注いたしました県営5団地につきましては、あきにくさを解消したタイプのドアを設置しているところでございます。
〇斉藤信委員 災害公営住宅については、計画に対して74.4%が整備をされたと、入居率は89.4%ということになるのですけれども、10%超が空き室になっている。今、その理由も示されましたが、そのうち95戸で退去があったと、この退去の数も決して少なくないと思うのですが、この退去の理由は何なのか。
もう一つは、重いドアの改善が図られたことは大変私は評価したいと思いますけれども、これは、県営、市町村営、ほぼ半分ずつ整備しているので、市町村で整備する場合もこういう形の改善がされているのかどうか、それ以前のものは改善はされないのか、示していただきたい。
〇辻村住宅課長 まず、95戸の退去された方々の理由についてでございます。
県営住宅の場合、退去される場合は、届け出といった形で具体に退去の理由等を示していただいているわけではございませんけれども、実際、指定管理等の直接の事務を行っておりますところから聞いたところによりますと、仕事の都合で転勤されたですとか、最初、災害公営住宅に入っていたのですけれども、息子さん夫婦と暮らすことになりましたと、そういった理由で退去されている方が出ていると聞いております。
それから、玄関ドアの改善でございますけれども、市町村に対しましては、県では、このような取り組みをしているということの情報はお伝えしておりますけれども、現在、市町村がどのような形で整備されているかというところについては、申しわけございませんが、県では確認しておりません。
それから、既存のドアの関係でございますけれども、なかなか玄関ドアの改修となりますと、そのままドアを入れかえるといった作業になってくるところでございます。実際、あきにくいという現象は、お部屋の中にお住まいの方々が換気扇をお使いになると、どうしても気圧の関係でちょっとあきにくくなるといった状況等が原因と考えられますので、既存の住宅につきましては、まず、使い方、ドアのあけ閉めに関して、常時運転されています換気扇をちょっと御留意くださいといった御案内をする形で対応させていただいているところでございます。
〇斉藤信委員 ドアの改善については新聞でも取り上げられているし、私も何度か入居者からも共通して出された問題だったので、県は改善しているのだけれども、これは大体県と市町村が半々の整備なので、情報提供もいいけれども、きっちり市町村でも、その気になればできるわけだから、しっかり徹底していただきたい。
それで、災害公営住宅での孤独死そして高齢者世帯、ひとり暮らしの実態、見守りについて示していただきたい。
〇辻村住宅課長 災害公営住宅の高齢者及びひとり暮らし世帯の実態と見守りについてでございます。
済みません、データが9月末時点になってしまいますが、県営の災害公営住宅にお住まいの65歳以上の入居者は634人となっており、うち単身で入居されている世帯は、管理戸数1、202戸に対しまして259戸、21.5%となっております。
災害公営住宅を含む県営の公営住宅におきましては、75歳以上の単身高齢者及び80歳以上のみの世帯に対しまして、指定管理者が3名の専門職員を配置いたしまして訪問等の確認を実施しておりましたが、今年度からは、団地内での入居者相互の見守りがより重要になってくるということを踏まえまして、顔合わせ会などを実施いたしますコミュニティ形成支援事業といったものを開始したところでございます。
この県の取り組みに加えまして、市町村では、応急仮設住宅や災害公営住宅に入居している高齢者に対しまして、社会福祉協議会の生活支援相談員などが、個々の世帯の状況に応じた頻度により訪問活動を行っているほか、地域によっては、老人クラブによる見守り隊、住民が主体となった活動も行われていると聞いております。
〇斉藤信委員 災害公営住宅で65歳以上が634人ということになれば約50%ということになりますね。大変な比率だと思います。
それで、私は復興局の審査でも取り上げましたが、県営の陸前高田市の栃ヶ沢住宅、これは空き戸数がかなり多いけれども、県内最大規模の300戸の災害公営住宅なんです。私も見てきましたが、外に集会所があって、丸型の大変しゃれたものなんだけれども、誰もいないので使われていない。それで、陸前高田市では下和野住宅、さらに県が整備して市の管理になっている中田住宅に市民交流プラザを設置すると。これは大変注目をされているもので、私は栃ヶ沢住宅の集会所にもそういう市民交流プラザで人も配置して、相談もできるような機能のものが何としても必要だと思うけれども、その点をぜひ検討していただきたいが、どうですか。
〇辻村住宅課長 県が整備しております災害公営住宅の集会所につきましては、通常の公営住宅よりも広目のものを整備しているほか、市町村の支援をされる方がそこで活動できるような事務スペース等を設置しているところでございます。
陸前高田市の栃ヶ沢住宅については、まだそちらの利用について市町村と調整ができていないところではございますが、そういった形での運営を想定した整備をしておりますので、ぜひ、そういった活用をしていただけるよう市町村とも連携を深めてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 ぜひ前向きに検討して、全国のモデルになるような、コミュニティー確立の取り組みを私は進めていただきたいと思います。
次に、内陸の災害公営住宅の整備についてですが、10月13日に、291戸の内陸での災害公営住宅の整備方針を示しました。私は大変これは重要なことだと思っていますが、現段階での検討状況、今後の整備の見込みを示していただきたい。
〇辻村住宅課長 内陸の災害公営住宅の整備についてでございます。
委員から御指摘ありましたとおり、10月13日に、内陸災害公営住宅に係る復興交付金の事業計画を復興庁に提出したところでございます。内陸の6市におきまして291戸の災害公営住宅を建設する予定としておりまして、盛岡市、北上市、奥州市、一関市に建設する災害公営住宅は県が、花巻市と遠野市に建設する災害公営住宅は、それぞれ各市が事業主体となることとしております。
現在、県が建設する災害公営住宅につきましては、内陸部の関係市に建設候補地について情報提供を依頼しているほか、具体の建設手法の検討を進めているところでございます。
〇斉藤信委員 この記者発表より不十分な答弁だと困るんだね。この記者発表では、来年度当初をめどに建設場所を決定し、仮入居募集を実施することを予定していますと言っているのに、もっと具体的に言ってもらわないと、何で議会で聞いているかわからないじゃないですか。もう少しリアルに答えてください。
〇辻村住宅課長 大変失礼いたしました。内陸の災害公営住宅意向調査を行った際に、入居はしたいのだけれども、やはり具体の建設場所がわからないと、ちょっと判断をしかねるといった形の御回答をいただいていた方もいらっしゃるところでございます。しかしながら、ある程度の数の見込みが立たないと建設候補地を決定することができませんので、先ほど291戸という数字をお示ししましたが、まず一度、意向調査を踏まえて数を押さえたところでございます。現在、これらの各市町村別の戸数に応じてボリュームがつかめましたので候補地を検討しているところでございますが、これらを来年度早い時期ぐらいまでに具体の候補地を確定いたしまして、そこで仮入居受け付けといった形で実際の募集等を行い、具体の建設戸数を確定するといったような作業に入っていきたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 次に、住宅改修、県産材の活用、バリアフリー補助、宅地補修などで県独自の支援に取り組んでいますけれども、この実績を示していただきたい。そして、この申請期間はどうなっているのか、そのことについて。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 生活再建住宅支援事業における実績についてでありますが、平成23年度から平成28年10月末までの実績で、補修工事については、累計で7、345件、約18億1、300万円の支出となっているところでございます。
また、県産材の活用ですとかバリアフリー補助につきましては、新築工事及び改修工事を行う場合に助成を行っておりまして、県産木材活用にあっては、累計で1、755件、約4億2、900万円の支出になっております。また、バリアフリーの補助にあっては、累計で6、244件、約39億600万円の支出となっております。
いつまでにという申請につきましては確認いたします。申しわけございません。
〇和村まちづくり課長 次に、宅地補修の実績ですが、平成23年度から平成28年6月までの実績で、累計で1、554件、約14億8、300万円となっております。
なお、補助につきましては、平成30年度までを予定しております。
〇斉藤信委員 住宅改修などの申請期限も恐らく同じ平成30年度だと思います。ただ、ロードマップを見ますと、平成29年度までの土地区画整理の完了が72%なんです。平成30年度でやっと100%になると。ですから、土地区画整理事業の場合には、平成30年度、整備されてから家を建てなければならないという事態も発生しますので、私は申請期限も、希望がある限りやりますというメッセージをはっきり示す必要があるのではないか、後で答えてください。
そして、防災集団移転促進事業、土地区画整理事業の整備状況と今後の見通し、瑕疵担保責任について簡潔に答えてください。
〇和村まちづくり課長 防災集団移転促進事業、土地区画整理事業の整備状況と今後の見通しについてでございますが、まず、平成28年10月末の整備状況については、防災集団移転促進事業の宅地の完成数は1、596宅地、土地区画整理事業につきましては1、523区画となっております。
次に、今後の見通しですが、防災集団移転促進事業につきましては、平成28年度末の累計で1、694宅地、約80%。平成29年度末の累計で2、009宅地、約95%。平成30年度末で全て完成の見込みとなっています。
土地区画整理事業につきましては、平成28年度末の累計で2、076区画、約40%。平成29年度末の累計で3、758区画、約72%。平成30年度末で全て完成の見込みとなっております。
次に、瑕疵担保責任についてですが、防災集団移転促進事業における土地の売買契約の瑕疵担保責任については、昨年度末に関係市町村に適切に対処するよう文書で依頼しております。また、宮古市、大船渡市、釜石市の一部の契約書に瑕疵担保責任を認めない記載がありましたが、今年度以降も新規契約がある大船渡市では、契約書を改定し、瑕疵担保責任を認める特約条項に変更しております。
なお、宮古市、大船渡市、釜石市とも、既に契約した土地にふぐあいが生じた場合には、適切に対応すると聞いております。
土地区画整理事業についてですが、土地にふぐあいが生じないように施工することが一番ですが、仮にふぐあいが生じた場合には、防災集団移転促進事業と同様に、適切に対応すると市町村から聞いております。
〇斉藤信委員 瑕疵担保責任の問題については、県弁護士会が岩手県に、これは提言も出ているんですけれども、民法上では10年間認められていると。なぜ2年間なのか。私は民法上で認められている10年間の瑕疵担保責任ということをきちんと認めるべきだと思います。そうしないと、何か起きたときに、家を建てた人の責任になっちゃうのですよ。
もう一つは、区画整理事業ですけれども、これは売買契約じゃないから瑕疵担保責任という制度はないと。しかし、通常の区画整理と違って、陸前高田では約10メートルのかさ上げ、大槌では3メートルのかさ上げをしている。これは、私は通常の区画整理と同じ発想が通じないと思うんです。大体、盛り土で液状化が起きたり、いろんなことが起きたのが東日本大震災の教訓です。私はそういう点では、今回の復興にかかわる区画整理事業に当たっては、きちんとした瑕疵担保責任というのがあるべきだと。同じように対応するというのはどういうことなのか、そこをもっと明確に答えてください。
〇和村まちづくり課長 最初に2年間についてですが、これは契約書に2年間と記載はしておりますけれども、各市町村とも、その2年間を境にして、一切、応じないというわけではなく、その後もきちんと対応すると言っておりますので、債務不履行ですとか法律的にも保護されておりますので、その2年間で切るものではないということでございます。
次に、土地区画整理事業ですが、これはあくまでも行政処分で行うために契約書がなく、瑕疵担保責任が生じませんが、確かに委員がおっしゃるとおり、10メートルの盛り土をするとか、以前住んでいた場所とは違う場所に換地するということがありますので、これにつきましては、飛び換地ということになりますので、民法を類推適用するということで、いわゆる瑕疵担保責任がとれるとなっております。
〇斉藤信委員 前向きの答弁をしているんだけれども、余り保証がないという感じね。そこが私はひっかかるんですよ。2年以降も面倒を見るというのだったら、きちんと、瑕疵担保責任というのは契約関係だからやっぱり明記すべきだと。例えば附則でそういうことを、2年以降もやるとか、そうしないと、私は口約束にしかならないと思います。
それで、時間がないので、最後、まとめて二つだけ聞いて終わります。
一つは、台風第10号被害の関係ですけれども、河川情報システム、これにアクセスが集中して開けなかったという問題が起きました。災害のときにこそ、この情報が必要なわけです。この原因は何だったのか、それは改善されたのか。
あと、水位周知河川の指定なんですけれども、水位計を設置しているところを優先して指定をしたいと。小本川については指定の方向と、安家川あと刈屋川はその方向も出ているようですけれども、先ほどの答弁で17河川、27カ所で浸水被害が起きたわけです。私はこの17河川のうち、指定されていないのがどのぐらいあるのか。それを基本的には指定して、再び浸水被害を受けないような対策が必要だと思います。いかがでしょうか。
最後の最後ですが、応急仮設住宅の整備状況を聞いて私の質問を終わりますので、再質問しないようにやってください。
〇高橋河川課総括課長 まず、河川情報システムのふぐあいですけれども、アクセスが異常に集中して、そしてフリーズしたということが実態でして、それで調査してみますと、サーバーがちょっと機能的に弱いということが大体判明しつつありますので、これから今年度の予算で対応したいと考えております。まだ改善はされておりません。
あともう一点、17河川、27カ所のうちの水位周知河川が何河川かということは調べさせてください。済みません。
〇谷藤営繕課長 次に、応急仮設住宅の整備状況についてでありますが、県では、応急仮設住宅の各団地の建設場所や建設戸数を確定し、町内に8団地の整備を進めているところでございます。また、岩泉町との協議を重ね、風除室や和室を設置するなど、被災された方のニーズを反映した応急仮設住宅となるよう対応しております。
応急仮設住宅の入居につきましては、早い団地では11月下旬、そのほかの団地についても、12月下旬を入居の目標としております。一日も早く全世帯が入居できるよう、応急仮設住宅の整備を進めてまいります。(斉藤信委員「整備戸数」と呼ぶ)
整備戸数につきましては、171戸を新規に建設する計画でございます。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 先ほどは失礼いたしました。住宅改修等の申請期限につきましても、平成30年度までとなっておりますけれども、住宅再建をする敷地等の確保にもいろいろ課題があると感じておりますので、そちらについても必要性を含めて、検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 それでは、私からは北上川流域の治水対策についてまずお聞きいたします。
国土交通省岩手河川国道事務所が昨年の関東・東北豪雨などを受けて、北上川で最大規模の降雨を想定した家屋倒壊等氾濫想定区域というものを発表いたしました。この被害想定と被害予測がどのようになっているのか、まず答弁をお願いいたします。
〇高橋河川課総括課長 国土交通省が発表しました家屋倒壊等氾濫想定区域についてですけれども、国が管理する北上川などにおいて想定し得る最大規模の洪水が発生した際、堤防の決壊や河岸の侵食が起こった場合に、家屋が倒壊、流失する可能性がある区域と聞いております。詳しい図面等は国のホームページに掲載されております。(高田一郎委員「被害予測は」と呼ぶ)
失礼しました。被害想定、いわゆる範囲とかにつきましては、ホームページの図面に範囲を示しておりますが、数的にはございません。把握しておりません。
〇高田一郎委員 被害の具体的な予測というのは出ていないのですか。どれだけの地域が浸水区域になって、家屋が倒壊する、そういう規模がどの程度になるとか、そういう具体的な被害予測というのは、今回、国土交通省では示されなかったのですか。
〇高橋河川課総括課長 浸水深についての範囲は示しておりますけれども、どのぐらいの戸数とかということは示されておりません。ある一定の浸水深、そして川からあふれた場合、流速というのが発生します。水の流れなのですけれども、ある一定の流速以上になった場合、その付近で家屋が倒壊するという予測と聞いております。
〇高田一郎委員 先ほど、最大規模の雨量になった場合の今回の想定だというお話でありましたけれども、今度の被害予測というのは、新聞でも報道されているようですが、2日間で313ミリメートルの大雨が降った場合の被害予測となっています。国土交通省では、昨年の関東・東北豪雨などを受けて、この間公表したということでありますけれども、昨年の関東・東北豪雨というのは24時間で雨量が300ミリメートル、栃木県日光市では551ミリメートルという想定外の大雨が降ったわけですから、今度の国土交通省の家屋倒壊等氾濫想定区域というのは被害想定はされていますけれども、私はそれを上回るような災害もあるのだという危機管理を持って対応をしていくべきだと思います。
それで、今回の想定区域の公表に伴って、北上川の改修事業の見直しというものはあるのかどうか。また、恐らくハザードマップの見直しとか、また、監視計画の見直しとか、今度の公表を受けて、県としてもさまざま対応が必要ではないかと思いますけれども、県としての具体的な今後の対応についてお伺いいたします。
〇高橋河川課総括課長 北上川の河川改修事業の見直しにつきましては、あくまでも家屋倒壊等氾濫想定区域というのは、北上川の沿川住民の円滑かつ迅速な避難を確保するいわゆるソフト対策でして、ハード整備である河川改修事業の見直しは行わないと聞いております。したがいまして、想定し得る最大の洪水に対しましては、ハード整備とソフト対策で減災に取り組むと国から聞いております。
また、県の取り組みについてですけれども、県も今年度から、県管理河川において想定し得る最大規模の洪水による家屋倒壊等氾濫想定区域図の作成に順次着手しており、市町村のハザードマップ作成の支援をしたいと考えております。
〇高田一郎委員 わかりました。それで北上川流域の治水対策で、特に私が住んでいる一関地域は、非常に水害の常襲地帯と言われている地域です。一関の狐禅寺地域では川幅がかなり狭くなって、そして勾配もかなり緩くなるということで、いつでも常襲地帯と言われています。そして、今、一関遊水地事業というものが行われて、これから小堤あるいは水門などが整備されると、逆に下流地域では水位が1メートル、2メートルも上昇するんじゃないかということで、一体的に整備してほしいんだという声が各自治体から挙がっております。それで、北上川の狭隘地区の治水対策の整備状況がどうなっているのか。
もう一つは、県の管理であります金流川の治水対策、住民説明会が1年以上前にあったのですけれども、それ以降なかなか進展していないと、どうなっているんだという声も地元から寄せられております。この治水対策の進捗状況についてお伺いいたします。
〇高橋河川課総括課長 まず、北上川の狭隘地区の治水対策につきましては、最近では、一関市藤沢町の小日形地区におきまして、輪中堤による治水対策を平成25年度に完了したところです。今年度は、一関市藤沢町曲田地区及び同川崎町畑の沢地区において、輪中堤による治水対策を実施中と国から聞いております。
また、金流川の河川改修につきましては、平成25年度に県単事業で測量調査に着手し、ことし1月には、地元有識者の出席をいただき金流川河川懇談会を開催し、8月には、事業導入に必要な河川法に基づく両磐圏域河川整備計画を策定したところです。現在は、早期の事業化に向け、国と協議しているところです。
〇高田一郎委員 進捗状況はわかりました。金流川については、やっとことしに入って整備計画が策定されて国と協議をしていると、随分時間がかかっているなという思いをしています。
そもそも、この北上川との合流部分である金流川については、北上川上流狭隘地区治水対策事業ということで、国の責任で行うということになったんですね。ところが、途中から、内水対策については河川管理者が行うということで、急遽方針が変わって、そして進捗状況がかなりおくれたのかなと思っております。事業の性格からして、上流の治水事業により水位が上昇する、それに伴う影響ですから、国が責任を持つということが大事だと思うのですけれども、国の対応というのは、あくまで県が対応すべきだと、この考えはずっと変わっていないのかどうか、その交渉の具体的な内容について。
そして、もう一つは、一関遊水地事業、小堤、水門等が間もなく完成しようとしておりますけれども、完成すれば必ず下流に影響が出ます。一体的にやってほしいという思いをしていますけれども、今年度整備計画が策定されて、それ以降どうなるのですか。どういう日程になっていくのですか。完成に向けた具体的なスケジュールがもしわかれば示していただきたいと思います。
〇高橋河川課総括課長 まず、金流川の国の支川処理のような事業については、当初は委員からお話しがあったように、国でやるということで進めていたのですけれども、どうしても事業の性格上、支川管理者がやらなければならないということで県が実施するとされたところです。それで、当時も、我々から国のほうに強く整備をお願いしたいと要望したところなのですけれども、もう国は、県の責任でやってくださいということで、我々が平成25年度から県単でやっているところです。したがいまして、強くは要望しているけれども、県でやる方向は変わりません。
あともう一点、金流川のスケジュールですけれども、まだ事業化になっておりませんので、事業化になりましたら皆様方にお示ししたいと考えております。
〇高田一郎委員 この金流川については、国の事業でやるということで、国の担当職員も現地に来て調査もし、設計もある程度出した、そういう中で方向転換したということは、本当に国の対応というのは許されないと思います。いずれ、国に要望してもなかなか対応は難しいということでありますけれども、県の事業として恐らく大きな事業費も想定されますけれども、上流地域の進捗状況もありますので、一刻も早い対応をお願いしたいと思います。
次に、インフラの長寿命化対策、計画についてお伺いをいたします。
この間、道路法の改正によりまして、橋梁、トンネル等のインフラについても5年に1回、打音点検等を含む点検についての法制化といいますか、義務化をされました。この道路法改正に伴う点検の実施状況と点検結果がどうなっているのか。
あわせて、今、県や市町村では、1万3、000を超える橋梁、トンネルは200本の管理が県内で、県の市町村を含めて管理をされています。国土交通省の東北整備局では、50年以上経過する橋梁については、東北6県だと思いますが、現在15%から10年後には42%、20年後には67%になるという試算を行っております。岩手県内においては、50年を経過する橋梁が1、900程度あるということをお聞きしておりますが、この修繕状況とか、10年後どの程度になるのか、この点についてまずお聞きいたします。
〇千葉道路環境課総括課長 道路施設等の点検については、平成25年6月の道路法の改正により、点検が5年に1回の頻度で義務づけられたことから、県では、平成26年度から、橋梁、トンネルを中心に点検を進めているところでございます。
点検の実施状況についてですけれども、橋梁2、671橋に対し平成27年度末で933橋、約35%、トンネル154カ所に対し、平成27年度末で46カ所、約30%となっております。
また、点検の結果でございますけれども、早期に修繕をすべき橋梁については118橋、トンネルに関しては24カ所となっております。
次に、橋梁の修繕状況でございますけれども、平成23年度に策定した岩手県橋梁長寿命化修繕計画に基づき、いわて県民計画アクションプランにおいて、予防保全型修繕が必要な463橋を対象として対策を進めており、平成27年度末で273橋、約59%が修繕を完了しております。
あと、10年後のお話ですけれども、県で管理している橋梁に関しては、現在のところ50年経過しているのが20%ぐらいあります。それが50年後、ちょっと古いのですが、平成23年度に長寿命化計画を立てたときでは50年経過した橋梁が14%と、その10年後、平成33年度には40%、20年後、平成43年度には61%とふえる状況となります。
〇高田一郎委員 ちょっと確認しますけれども、点検結果については、道路法では判定区分を四つに分けて点検結果を示しております。それで、判定区分IIIというのは、早期に措置が必要な分野、判定区分IVについては、通行どめなど緊急措置が必要だということになっています。具体的に、平成26年度、平成27年度に点検を行って、いわゆるIII以上に区分された箇所というのは、先ほど言った橋梁が118橋とトンネルが24カ所ということで理解していいのですか。もう少し具体的に示してください。
〇千葉道路環境課総括課長 済みません。橋梁で早期に修繕を実施すべきIII判定ですけれども、118橋で約13%、トンネルでIII判定の箇所が24カ所で52%ということで、橋、トンネルについてIV判定はないということでございます。
〇高田一郎委員 点検を行って早期に措置が必要な橋梁は118橋、トンネルについては24カ所となっています。IVがなかったということは大変よかったと思うのですけれども、早期に必要な措置という区分になっておりますが、この点検結果で明らかになったところの改善あるいは修繕方針、そして維持管理費が国全体ではどんどん抑制されている状況ですけれども、県として、この点検を行って、将来の維持管理費の負担ということをどのように推計しているのか、この点についてお伺いいたします。
〇千葉道路環境課総括課長 要修繕箇所の修繕方針ですけれども、今後、未対策の橋梁についても、いわて県民計画アクションプランの計画目標値である平成30年度末における修繕率86%の達成に向けて、計画的に取り組んでいきたいと考えております。
将来の修繕費については、岩手県橋梁長寿命化修繕計画に基づき、年間、約30億円を見込んでいるところでございます。
〇高田一郎委員 県民計画の中で平成30年までに86%を改善、修繕するということですけれども、例えば平成26年度、平成27年度に明らかになった早期必要な、橋梁で言えば118橋、トンネルで言えば24カ所、これはどのような計画になるのですか。平成30年までに86%ということですけれども、平成30年までに118橋と24カ所というのは、修繕、改修になると理解していいのですか。
〇千葉道路環境課総括課長 全部それが対応できる─先ほど年間約30億円ということで、III判定の中でも優先順位がありますので、その中で、程度の重いものとかは優先的に取り組んでいくということで、今の計画だと、そういうペースでいけば、将来的には重症になる前に対応できると考えております。
〇高田一郎委員 限られた予算ですから、予算の範囲内で対応せざるを得ないと思いますけれども、これから課題になっていくのが財源をどう確保していくかと。国土交通省では、点検で修繕が必要になった場合には、できれば5年以内に対応しなさいとかという方針が示されていますけれども、今のお話でいきますと、なかなかそうならないという状況ではないかなと思うのです。
それで、財源確保の見通しですけれども、国の直轄維持修繕予算というのはここ10年間で2割程度下がっていると思います。また、点検基準の法制化で土木技術者の確保が課題になっています。5年に一度きちっと技術者を確保して、きちんと5年に一遍ちゃんと点検できるような体制を構築していかなければならないと思います。それで、防災安全交付金という話も先ほど出されました。あるいは社会資本整備総合交付金なども活用して対応していくのかなと思いますけれども、必要な財源が確保できていないという思いをしており、5年に1回きちっと点検をして、そして早期に措置が必要なところがあれば5年以内に対応できるということになると、どの程度の予算が足りないのかという試算もして、きちっと国に対して要求していくべきじゃないかと思いますし、先ほどの技術者の確保についても、点検を実施していない自治体もあるとお聞きしておりますので、こういった技術者の確保対策もしっかりと取り組んでいくべきではないかと思いますけれども、その辺についての見通し、対策を含めて答弁いただきたいと思います。
〇千葉道路環境課総括課長 必要な財源措置ですけれども、橋梁の老朽化対策にかかる費用については、国の防災安全交付金において重点項目の一つに掲げられており、予算確保に努めるとともに、今後も国には必要な財源措置について働きかけていくこととしております。
橋梁点検に携わる技術者の確保ですけれども、国の調査では、やはり市町村の技術職員が少ないということになっております。人員の確保が課題となっていることから、平成26年度に国、県、市町村等の関係機関が連携して老朽化対策を進めるために設立した岩手県道路メンテナンス会議というものがありまして、それを通じて、講習会とか技術的な助言を行って支援することとしております。
あと、先ほど30億円というお話をしましたけれども、この額は、岩手県長寿命化修繕計画ということで、これは先ほどからの繰り返しになりますが、ここで言えばIV区分にならないように、傷が小さいうちにどんどん補修しましょうということで、それに伴う予算で、若干少ないのですけれども、これはおおむね毎年確保して今進めているという状況でございます。
〇軽石義則委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇高橋河川課総括課長 先ほど斉藤委員から質問がありました17河川のうち、水位周知河川が何河川指定されているかということについては、5河川指定されております。(斉藤信委員「周知河川の見通し、あわせて答えてください」と呼ぶ)
その中には小本川とか安家川とかありますので、そういう今回浸水実績があったところは指定したいと考えております。
〇軽石義則委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時51分 休 憩
午後3時12分 再 開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇千田美津子委員 私は、3点お聞きしますので、よろしくお願いいたします。
まず、1点目は、通学路の安全対策についてお聞きします。
ことしも全国で登下校中の児童が巻き込まれる交通事故が多発しております。私は、通学路の安全確保はまさに喫緊の課題と考えております。
そこで、県が管理する道路におきまして、今後、整備が必要な通学路の箇所数と総延長、それから、平成27年度において通学路の整備が行われた箇所数と道路延長、それから、今年度─平成28年度においてどれだけ整備が進められたのか、箇所数と総延長についてお聞きします。
〇千葉道路環境課総括課長 今後、整備が必要な歩道の箇所数と総延長についてでございますけれども、通学路の歩道整備は、通学路延長約1、100キロメートルに対し、いわて県民計画アクションプランにより平成30年度までに75.3%の歩道を整備することとしており、平成27年度末までに829キロメートル、率で75.1%の歩道が整備済みでございます。
残る通学路の歩道整備が必要な箇所数や総延長については、現在、事業を進めている箇所を除いては具体的な整備計画がないことから、現時点で示すことは難しいところでございますけれども、小学校の通学路などで、交通量が多く緊急に交通の安全を確保する必要がある箇所について重点的に推進していくこととしております。
平成27年度は、事業費約15億円を計上し、事業実施33カ所のうち2カ所、道路延長で2.9キロメートルの歩道整備を完了しました。平成28年度においては、事業費約14億円を計上し、事業実施34カ所のうち2カ所2.3キロメートルの整備が完了する予定でございます。
〇千田美津子委員 お答えいただきましたけれども、確かに主要施策目標値は75.3%になって、平成27年度末で75.1%でA評価にはなっております。ただ、最近、児童が巻き込まれる交通事故が本当に頻発している中で、私は、この数値も、もともと低いのですけれども、見直さなければならないのではないかと思うわけですが、その点が一つ。
それから、平成24年度に、非常に交通事故が多いということで、国により緊急の合同点検が行われました。その後はそういう点検が行われているのかどうか、その点をお聞きします。
〇千葉道路環境課総括課長 計画の見直しですけれども、今、アクションプランにおきましては、この計画でとにかく目標を達成していきたいと考えています。
点検の話ですけれども、平成24年度以降も継続しておりまして、地域の学校や警察、道路管理者などが連携して毎年、合同点検をやっております。その中で、緊急の箇所とかそういうものに対応していきたいと考えております。
〇千田美津子委員 毎年、合同点検をなされているということで、それはそれで結構ですけれども、実は、全国的に実施したさきの平成24年度の合同点検で、事故が多発していると言われたところ以外での事故が非常に多くなっているという指摘もあるのです。ですから、私は、子供たちが本当に逃げようのない場所で事故が起きているということで、やはりこの歩道整備は緊急にアクションプランを見直し、平成30年度までの目標値を超える、それはそれで必要でありますけれども、それをもっと超える取り組みがないと大事な子供たちの命にかかわるわけですから、そういったことで内部的にも点検の必要性をぜひ論議すべきではないかと思いますので、その点もう一度お伺いいたします。
〇千葉道路環境課総括課長 この点検は毎年やっていますけれども、一方で、市町村では交通安全プログラムをつくってその対策をしております。そこら辺と連携しながらこれからも対策を講じていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 本来であれば、事業費の予算の問題になるのかもしれませんけれども、やっぱり私は、緊急性を勘案してぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
それでは、二つ目の土砂災害への対応についてお聞きしたいと思います。
きょうも関根委員ほか質問がありましたが、私は、土石流、がけ崩れの危険箇所に対して、この間も砂防事業あるいは急傾斜地対策事業が進められてきたと思いますが、今現在の土石流の危険箇所、それからがけ崩れ、急傾斜地崩壊危険箇所の現状はどうなのか、そして整備がどの程度進められてきたのか、その点お伺いいたします。
〇楢山砂防災害課総括課長 土石流とがけ崩れ危険箇所の現状についてでありますが、県内の土石流危険渓流箇所は7、198カ所、このうち要整備対象箇所は2、204カ所になっておりまして、平成28年10月末現在で197カ所が整備済みで、整備率といたしましては8.9%という数字になっております。
また、急傾斜地崩壊危険箇所につきましては6、959カ所で、このうち要整備対象箇所は1、599カ所、同じく平成28年10月末現在で276カ所が整備済みで、整備率は17.3%という数字になっております。現状につきましては、数字的にそういう状況になっております。
〇千田美津子委員 今御答弁いただきましたけれども、危険箇所のうち整備が必要という箇所が、例えば土石流災害では7、198カ所のうち2、204カ所、それからがけ崩れに対しては6、959カ所に対して1、599カ所要整備とされたわけですが、私は、この要整備の場所というのは、危険箇所のうちでも非常に危険度の高いところとして多分指定されているのではないかと思うのですけれども、それにしては、整備率が土石流災害でいえば8.9%と10%に満たない。それから、がけ崩れについては17.3%。10%は超えていますが、この現状についてどのように考えておられるのか、また、対応策についてもお聞きしたいと思います。
〇楢山砂防災害課総括課長 要整備対象箇所につきましては危険箇所の中でも特に必要な箇所として選定している箇所ですけれども、これらの要整備対象箇所数については数が膨大であり、かつ施設整備に多大な費用と時間を要することから、やはり施設整備率がこのように低い状況となっていると判断しております。
この対応ですけれども、現在の厳しい財政状況下におきましては、施設整備によるハード対策を一挙に進捗を図ることは困難な状況ということから、土砂災害警戒区域等の指定などのソフト施策を適切に組み合わせた効果的な土砂災害対策が重要であると考えております。
〇千田美津子委員 全て財源の問題になってしまうわけですけれども、岩手では、特に復興、それから台風被害、そしてさまざまな対応の中で、人命を第一にという部分では、あれもやらなければこれもやらなければという状況の中で苦労しておられるのは本当にわかります。ただ、さっきも言ったように、整備が必要と指定したその中でも、特に土石流の対策が8.9%と非常におくれているという点では、私は、これは本当にもっと進めなければならない。事故が起きてからでは遅いわけですから、さまざまありとあらゆる方策を練って整備を進めていただきたいと思うわけですが、その点お伺いいたします。
〇楢山砂防災害課総括課長 今、委員から御指摘がありましたとおり整備率が低い数値ですけれども、もう少し具体的に言いますと、やはり1カ所の整備に数年というスパンの時間がかかり、事業費的には数億円ということで、一つ一つやっていくにはそれなりの時間と費用が必要ということなので、先ほど申しましたとおりソフト対策ということで、前にもお話ししたと思うのですけれども、平成26年の広島の土砂災害を受けて、基礎調査結果の公表とか指定といった方面で、住民の方が迅速に避難できるように、そして危険度の軽減を図れるような対策を講じていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 ぜひもっと前に進むようにお願いしたいと思います。
もう一つ、がけ崩れ危険住宅移転促進事業が主要施策の成果に関する説明書の成果指標がD評価となっているのです。現状と今後の対応についてお聞きしたいと思います。平成28年度の予算が平成27年度に比べて半分になっているので、これがなぜなのか、その点もお聞きします。
〇楢山砂防災害課総括課長 がけ崩れ危険住宅移転促進事業の現状と課題でありますが、本事業につきましては平成18年度に立ち上げたものでありまして、平成27年度までに9地区で13戸の移転が完了しているところでございます。平成27年度におきましては、当初2戸の移転を目標としておりましたが、実績として1戸となったことから、成果指標の評価結果もDとなったところでございます。
このようなことから、移転に係る本事業制度につきましては、これまでも、土砂災害警戒区域指定に係る住民への説明会の際や、またはマスメディアを活用した広報等によりまして住民の方々への周知を図ってきたところでございますが、今後も引き続き市町村と連携を図りながら制度の周知に努めていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 移転しようにも移転費用が膨大にかかるということもあります。ですから、思ったように進まないという現状はあると思います。さまざまな支援策も組み合わせて、この事業が進むようにぜひ対応をお願いしたいと思います。
3点目に移ります。
木造住宅の耐震化の県内の現状について質問いたします。
震災への対応としてこれまで木造住宅の耐震化が進められてきたと思いますけれども、県内の現状についてお聞きします。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 木造住宅の耐震化の県内の現状についてでございますが、木造住宅のみの耐震化率の数字はございませんが、木造以外の住宅や集合住宅を含めた岩手県における住宅の耐震化率については、平成20年時点で67%、平成25年時点で73%となっております。
岩手県におきましては、平成28年2月に策定した耐震改修促進法に基づく第2期岩手県耐震改修促進計画により木造住宅の耐震化を進めているところでございます。本計画におきましては、住宅の耐震化率について平成32年度時点で85%とする目標を位置づけており、この目標達成のために、耐震診断と耐震改修に対して助成制度を設けて支援を実施しております。今後も引き続き制度の周知に努めながら、木造住宅の耐震化に向け取り組んでまいります。
〇千田美津子委員 耐震化率は推計のようですけれども、そうしますと、今の耐震診断、それから耐震改修への支援が県民の耐震化への準備がどのくらい進んでいるかということにかかわると思いますので、この耐震診断あるいは耐震改修の支援事業の実績についてお聞きします。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 木造住宅耐震診断支援事業の実績について御質問がありました。
まず、耐震診断への支援事業でございますけれども、平成23年度から開始しております。実施戸数でございますけれども、平成23年度に610戸、その後、平成27年は110戸という実績になっております。また、耐震改修の支援事業につきましては平成23年度から開始しておりますが、そのときに51戸、その後は平成24年度が一番多くて66戸でございますけれども、平成27年度には21戸という形で推移しておりまして、当然、補助事業ができたときには、それまでお待ちだった方々がこの制度を御利用になったということでかなり数として多くございましたが、近年少し減ってきております。これにつきましても周知を進めて、御利用いただけるように進めてまいりたいと考えてございます。
〇千田美津子委員 平成23年度の耐震診断が610戸、それからどんどん減って平成27年度が110戸ということで、やはり震災のあたりは非常に耐震ということに関心が高かったと思うのですが、だんだん関心が薄れてきているのかなと思います。平成23年度の610戸、平成24年度には294戸ということで、耐震診断の結果、耐震補強や耐震改修が必要と判断された率はどのくらいでしょうか。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 申しわけありません。今、そういったデータがあるかどうかも含めて確認させていただきます。
耐震性がなかったというようなところも診断を受けていただく形になりますので、かなり多いのではないかと思われます。あとは、実際に耐震改修をする際に見積もり等をしていく形になるのですけれども、そういった形で出てきたものと、今後、住宅をどういうふうに使われるか、ほかのリフォームを含めて耐震改修をされるケースが一番多いように聞いておりますので、そういったタイミングを資金計画の中で見ていただくことが多いと聞いております。
〇千田美津子委員 では、数字については後でお知らせください。
いずれ耐震診断は本当に大事なことですので、これをもう一回周知を図ることが非常に大事だと思いますので、市町村ともさまざま連携をしながら、この耐震診断あるいは耐震改修につなげるようにぜひ取り組みをしていただきたいと思うのですが、部長に最後に伺って終わりたいと思います。
〇及川県土整備部長 委員御指摘のとおり、やはり耐震診断、改修というのは非常に重要と認識しておりまして、今後も市町村と連携しながら周知に努めてまいります。
〇吉田敬子委員 洪水や土砂災害に対する防災、減災の取り組みについてお伺いしますが、先ほど来質疑、答弁等がありましたので割愛いたしますが、岩手県の土砂災害警戒区域の指定率が32.8%の中で、市町村によって格差があるようです。例えば紫波町だと90.3%終了されていて八幡平市だと4.7%ということですけれども、県のほうで、その違いといいますか、何か状況を把握されていればお知らせいただきたいと思います。
もう一つは、洪水ハザードマップや土砂災害ハザードマップを各市町村で作成されているのですけれども、作成されていない市町村もまだある中で、作成済の市町村でも、これから平成31年度の基礎調査完了に向けて進める中で、もしかしたらもう一回ハザードマップを変えていかなければいけない市町村もあると思うのですけれども、そういったことについて県ではどの程度把握されているかお伺いいたします。
まとめて次に行きたいと思いますが、通学路における歩道設置の取り組みについて先ほど質疑がありました。歩道設置延長が平成27年度の事務事業評価では2.2キロメートルの計画に対し実績が1.8キロメートルということで達成度がB評価だったのですが、前回取り上げさせていただいたとき、進まない理由として地権者の方との用地交渉といった理由もあると伺っていたのですが、そういった中で、設置できない場合に何か別の対処をされているのであればあわせてお伺いいたします。
〇楢山砂防災害課総括課長 まず、土砂災害警戒区域の指定の数字のばらつきといいますか、そういう御質問ですけれども、全国的な問題といたしまして、やはり指定には時間がかかると。特に指定にかかわりまして、住民の方々に丁寧な説明をして、理解をいただいて指定をしていくという手順になっております。そういった中で、やはり市町村においては組織の人員体制の中で割り当てられる人の数などもありまして、なかなか進めない。もしくは、指定に係るいろいろな手続の費用とかもありますので、やっぱりそういうもので温度差が出ているのではないかと思っております。(後刻「指定は県がしている」と訂正)
あと、ハザードマップの変更といいますか修正についてですけれども、土砂災害警戒区域の場合ですと、指定を順次やっていくのですけれども、やはり地域的に進めながらも全部を一気にできるものではないものですから、例えば10あるうちの八つができた、六つができた、そういう数の変化が出てきますので、そういった指定箇所の変化に応じて、タイミングを見て土砂災害のハザードマップについては変更が生じてくるものと承知しております。
〇千葉道路環境課総括課長 歩道がなかなか整備できない箇所、市街地で、人家連檐とかそういう部分に関しては、やっぱり地域の協力や用地取得の関係でなかなか進まないのが実態でございます。そういう箇所については、路側帯の拡幅や歩道と車道を明確に分けるようなカラー舗装化、ポールの設置等、地域の実情に応じて、歩行空間の確保、小学生が歩けるようなスペースの確保を何とか図っているところでございます。
〇吉田敬子委員 ハザードマップについては見直し等も必要になってくる市町村も多分あると思いますので、ぜひそういった市町村に対する支援をこれからも続けていっていただきたいと思います。見直しされていく中で、以前にいただいた資料の中では、ホームページ等でデータを確認できるようにほとんどの市町村ではなっていて、ハザードマップがある市町村はホームページにも対応されているみたいですけれども、それがすぐに反映されている状況ではなく、後になっている状況も私は確認しているところもあったので、紙にはならなくても携帯等では確認できるような状況にぜひしていただくように、県から市町村に対する指導といいますか、ぜひ行っていただきたいと思います。
通学路に関してですが、先ほど千田委員からもお話がありましたけれども、児童を巻き込む交通事故がふえている中で、通学路の確保をこれからも引き続きやっていっていただきたいと思っています。私の住んでいるところの近くにある永井小学校は、岩手飯岡駅から今、新しい道路が盛岡南野球場のほうにできたことで、さらに交通量がふえています。もちろんそこだけではなく多分県内各地にたくさんそういう状況があると思うので、歩道は難しくても、せめて何とか子供たちが歩けるような場所の確保だけでも進めていっていただきたいと思います。
最後に一つ、岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画の取り組みについてお伺いいたします。
今現在は第4期の取り組みになっているのですけれども、その取り組み実績と評価、課題の認識について、これまでの第1期、第2期、第3期も含めてお伺いいたします。
〇大久保技術企画指導課長 木材利用推進行動計画の取り組みについてでございますけれども、県では、森林・林業、木材産業の活性化を図る観点から、岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画を策定し、県が実施する公共施設整備や公共工事において木材利用を推進してきたところでございます。
第4期計画期間の平成26年から平成28年における推進目標値を公共施設整備1万3、500立方メートル、公共工事7、500立方メートルとして取り組んできているところでございまして、実績は、おおむね目標を達成すると見込まれているところでございます。
なお、第1期から第3期にかけても推進目標値を上回る実績となっておりまして、計画に即して順調に推移しているところでございます。
また、課題についてでございますけれども、公共工事における木材利用については、自然環境や景観への配慮の観点から使用される例が多いのですけれども、利用する工法や箇所が限定されることが課題と認識しております。
〇吉田敬子委員 木材利用は進んでいるということですのでこれからも引き続きお願いしたいと思っているのですけれども、他県だと、都道府県がこの計画を立てて、各市町村に対してもそれぞれ行動計画を立てるように指導があります。岩手県は各市町村に対してどこまでその指導をされているかわからないですけれども、各市町村に対しても、ぜひ積極的に木材利用をしていくような取り組みをしていっていただきたいと思います。
最後にまとめて部長にぜひお伺いしたいのですが、平成26年3月の予算特別委員会のとき、佐々木大和委員からのCLT(直交集成材)の活用についてどのようなことを県でされていますかという質問に対する答弁で、その当時の佐藤部長は、CLTについてはまだ聞いたことがなく、県土整備部では取り組みはわからないという状況だったのですが、もう全国的にCLTについての研究等が進んでいるのですが、岩手県としてどのように把握といいますか研究等を含めてされているかお伺いいたします。
〇及川県土整備部長 まず、1点目の木材利用についての市町村指導でございますが、県も目標量を達成すべく努力しておりますし、市町村に対しても情報提供等をして一緒に取り組んでいこうということで進んでいるところでございます。
それと、CLTの県での位置づけ等についてでありますけれども、CLTの普及は、本県の主要樹種である杉、アカマツ、カラマツなどの新たな需要を生み出す可能性がありまして、県産材の利用にとって大変意義のあるものと認識しているところでございます。
しかしながら、CLTは海外で開発された新しい技術でありまして、国内で広く普及させるためには、国産材による製造技術や建築物への活用技術の確立等が課題と建設会社などから聞いているところでございます。このため、国では、平成26年11月にCLTの普及に向けたロードマップを作成し、強度データの収集や施工ノウハウの蓄積に努めているところでございまして、ことし4月からCLTを用いた建物の建築手続の簡素化が図られたところでございます。建築指導や営繕を担当している県土整備部といたしましても、農林水産部と連携しながら、CLTを含めた県産材の利用が図られるように取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 農林水産部でも積極的にそういったことに取り組んでいるのですけれども、やっぱり川下の建築関係の方々にもこういったCLTという新しい木材の技術等を積極的に使っていただくことが大事ですので、ぜひそういったいろいろな場面場面で県産材を有効に使っていただくことをお願いして終わりにしたいと思います。
〇廣瀬建築住宅課総括課長 先ほど木造住宅の耐震化の支援事業について御質問をいただいた件でございますけれども、事業で実際に耐震診断を行った結果、オーケーだったのかNGだったのかについてはデータがございません。申しわけございません。
ただ、先ほどお話をしたとおり、耐震性に問題がありそうなところも診断されているということでございますので、かなり多くの木造住宅で診断結果が悪く、耐震改修が必要という形になっているケースが多いと聞いております。
また、先ほど平成23年度以降の事業の実績を御答弁させていただいたのですが、事業自体は東日本大震災以前からございまして、平成17年度から耐震診断、耐震改修に関しては平成20年度から事業を実施してございます。もちろん東日本大震災を受けまして、委員御指摘のとおり、耐震診断、耐震改修ともにそういった制度を利用していただく方がふえたという形になっております。
〇楢山砂防災害課総括課長 先ほど吉田委員から質問のあった指定率のばらつきの関係で説明が足りない部分がありまして、指定に関しましては県が指定することになっているのですけれども、それに先立ちます説明会につきましては県と市町村が一緒になってやっていくと。そういう中で、県もそうですけれども、特に市町村の方々も人が少ない中で説明会に同席することが難しいといったこともありまして、人員不足ということになっております。そういうことで、指定につきましては県がやっておりますので、済みません、訂正させていただきます。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
県土整備部の皆様は退席されて結構です。お疲れさまでした。
少々お待ちください。
次に、お諮りいたします。当委員会に付託されました決算15件及び議案2件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において世話人会で御協議願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
午後3時48分 休 憩
午後6時36分 再 開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
決算15件及び議案2件に対する世話人会の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
議案第28号平成27年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて及び議案第29号平成27年度岩手県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについての2件は、それぞれ原案を可とすることといたした次第であります。
次に、認定第1号平成27年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、次の意見、すなわち、1、決算に対する全般的な意見。
平成27年度における本県財政は、景気が緩やかな回復傾向にある中で、復興需要及び税制改正を背景とした県税収入の持ち直しや国の復興財源の一定の確保などがあったものの、復旧、復興事業の本格化に伴う歳出が増加し、厳しい運営を迫られたものとなった。
また、平成27年度末の普通会計における県債残高は1兆4、321億円余と前年度末に比べ408億円余減少したものの、一般財源の規模に占める公債費の割合を示す実質公債費比率は20.5%であり、地方債の発行に当たり国の許可が必要となる基準を超える状況が続いているところである。さらには、依然として高い水準で推移する県債の償還や社会保障関係経費の増加などにより、これまでにも増して厳しい財政運営を強いられることが予想される。
このような中、県では、平成27年度を本格復興邁進年と位置づけ、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた事業を最優先に取り組んできたところであり、さきに県が公表したいわて復興レポート2016によれば、本格復興の着実な推進により、県民の復興に対する実感は、進んでいるという回答がふえているものの、おくれている、ややおくれているという回答が依然として半数近くを占めていることから、新たな課題を含めた実態の把握に努め、県民がより一層復興を実感できる取り組みが求められる。
加えて、本年8月に本県に上陸した台風第10号に伴う災害により、多数のとうとい人命が失われるとともに、社会インフラや産業などに甚大な被害をもたらし、多くの方々が避難所などでの不自由な生活を余儀なくされている。この台風災害は、東日本大震災津波からの復興道半ばにある中で被災地を直撃したものであり、二重の被害に遭われた多くの方々の暮らしの再建やなりわいの再生など、復旧、復興に全力で取り組んでいくことが求められる。
したがって、今後の財政運営に当たっては、県民が実感できる本格復興を強力に推進しながら、被災者一人一人に寄り添い、地域の具体的な将来像の実現に向けた施策を展開していくため、人材の確保など体制面を強化しつつ、国との連携による一層の財源確保を図るなど、歳入の確保に全力を傾けるとともに、より効果的な事業を厳選するなど徹底した歳出の見直しを行い、限られた財源の重点的かつ効率的な活用に努められたい。
あわせて、このような認識のもと、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の成功を未来に引き継ぎ、継続的かつ発展的な文化、スポーツの振興に向けた取り組みを進めるとともに、東日本大震災津波から続く自然災害からの一日も早い復旧、復興、人口減少対策や地域特性を生かした産業の振興、雇用対策を含むふるさと振興、医療、介護、福祉の充実、学校現場におけるいじめ対策や自然災害防止対策など、喫緊の重要課題に対する具体的な取り組みを着実に推進されたい。
なお、政策等の評価の実施に当たっては、政策等の成果をより適切に評価し、課題解決につながるような指標に見直すなど、評価の実効性を高めるよう改善を図られたい。
平成29年度予算編成に当たっては、以上のことを踏まえ、適切に取り組まれたい。
2、事務の適正化に関する意見。
平成27年度決算の監査結果では、前年度の指摘事項等であったにもかかわらず改善が認められないものが含まれていたことから、真の原因の追及や再発防止策の徹底等の組織的な改善努力を怠ったことに起因すると認めざるを得ないとして、組織的なチェック体制を構築するとともに、職員や組織の意識改革を図るよう強く指摘されている。
県においては、補助金事務や委託契約の適正な事務処理を確保するため、専門部署の設置や職員の配置、内部考査の実施等により組織的牽制機能の強化を図っているところであるが、これらの取り組みを通じて内部管理体制の確立に努めるとともに、改めて所属長の関与を促すなど、全庁的な取り組みの強化を図り、今後、再び同様の事例が生じることのないよう強く求めるものであるとの意見を付し、認定することとし、認定第2号から認定第15号までの14件は、認定することといたした次第であります。
これより採決いたします。
お諮りいたします。議案第28号及び議案第29号の2件について一括して採決いたします。
各議案は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇軽石義則委員長 起立全員であります。よって、議案第28号及び議案第29号の2件については、原案を可とすることに決定いたしました。
次に、お諮りいたします。認定第1号については、先ほどの意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇軽石義則委員長 起立全員であります。よって、認定第1号については、ただいまの意見を付し、認定することに決定いたしました。
次に、お諮りいたします。認定第2号から認定第15号までの14件について、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇軽石義則委員長 起立全員であります。よって、認定第2号から認定第15号までの14件については、認定することに決定いたしました。
以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し深く感謝を申し上げ、これをもって決算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
午後6時46分 閉 会

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