平成27年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
議案第7号から第9号について、採択とする総務委員長報告について反対の討論を行います。
議案第7号から第9号の議案は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆるマイナンバー法の来年1月1日からの実施に伴う条例の改正を行うものであります。
マイナンバー制度は、赤ちゃんからお年寄りまで、外国人を含め日本に住民登録している人に一人残らず番号をつけ、納税や社会保障の行政手続などで利用させるものであります。戸籍、収入など大量の個人情報を結びつけることが可能なマイナンバーには、情報漏えい、国による国民監視の強化などに国民の不安と疑念が消えていません。
マイナンバーの通知が10月から全国で実施されていますが、本日の新聞報道では、日本郵便が昨日明らかにした12月9日現在の状況では、500万9、000通、8.9%が各市町村に返送され、郵便局で保管中も110万通あるとのことであります。実に1、000万人を超える国民に届いていないことになります。
県内では12月4日時点の速報値で、送付された54万7、792通のうち3万7、046通、6.8%が返還されています。7万人を超える県民に届いていないという状況であります。特に大槌町や陸前高田市など沿岸被災地の5市町村では1割を超えています。極めて深刻な事態であります。
全国でも誤配達や一時紛失、第三者の手に渡った事例などの問題も発生しています。マイナンバーの仕組み自体が、ちょっとした操作ミスによって容易に他人に番号を知られるリスクと一体であることを浮き彫りにしています。
マイナンバー制度の一番の問題は、個人情報の漏えいを100%防ぐシステムの構築が不可能なことであります。日本年金機構での125万件の個人情報の流出、ベネッセなど民間企業の情報漏えい事件などでも明らかであります。
また、意図的に情報を盗み、売る人間がおり、一度漏れた情報は、流通、売買され取り返しがつきません。情報は、蓄積されればされるほど利用価値が高まり攻撃されやすくなります。ところが安倍政権は、さきの延長国会の9月4日に、まだ実施もされていないのにマイナンバー法の改悪を強行し、プライバシー性の極めて高い個人の預貯金や特定健診情報なども利用対象に拡大しました。
既に実施されている諸外国でも問題が発生しています。アメリカでは、2006年から2008年に成り済まし犯罪の被害が1、170万件発生し、その被害額は約2兆円、年間では7、000億円に及んでいます。
事業者にも、行政機関に提出する税や社会保障関係の書類に従業員やその扶養家族の個人番号を記載することが求められます。事業主に、個人情報を管理、保管することへの不安と、そのための経費増の不安も広がっています。
マイナンバー制度は、国民にとってほとんどメリットがありません。一方で、情報漏えいの危険と国家による監視が強化されます。既に初期費用として約3、000億円が投入されていますが、大企業には数兆円規模でマイナンバー市場が提供され、厚生労働省の担当職員が収賄で逮捕されたように、利権、癒着まみれの実態も明らかになっています。
12月1日には、マイナンバー制度は個人情報漏えいの危険が高く、憲法が保障するプライバシー権を侵害するとして、仙台、新潟、東京、金沢、大阪の全国五つの地裁にマイナンバー違憲訴訟が起こされました。今後さらに全国に広がる状況であります。
マイナンバー制度は、国民の願いから生まれたものではありません。国民の所得、資産を厳格につかみ、徴税や社会保険料徴収の強化などを効率よく実施、管理したい政府とマイナンバーをビジネスチャンスにしたい大企業の長年の要求から出発したものであります。
今、緊急に必要なことは、マイナンバー制度の実施について、来年1月1日からの実施の延期を求めることであります。
さらに、大企業の利益のために個人のプライバシーを危機にさらすなど、国民に不利益をもたらすマイナンバー制度の凍結、中止を求めることが必要であります。
以上を申し上げ、議案第7号から第9号についての反対討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(田村誠君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、議案議7号から議案第9号までを一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、議案第7号から議案第9号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第14号及び議案第30号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第14号及び議案第30号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第1号から議案第6号まで、議案第10号から議案第13号まで、議案第15号から議案第29号まで、議案第31号から議案第34号まで、及び請願陳情を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第6号まで、議案第10号から議案第13号まで、議案第15号から議案第29号まで、議案第31号から議案第34号まで、及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第36 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(田村誠君) 次に、日程第36委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査及び継続調査事件
1 継続審査
総務委員会 
請願陳情受理番号第5号
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を中止し、「代執行」訴訟の取り下げを求める請願
2 継続調査
総務委員会 ・
いわて・三陸地域の海洋再生可能エネルギーの取組について
環境福祉委員会 ・
福祉総合相談センターにおける児童虐待への対応状況について
商工文教委員会 ・
新しい高等学校再編計画について
農林水産委員会 ・
TPP協定に係る国の対応等について
        ・
秋サケの漁獲状況について
県土整備委員会 ・
県道に係る路線の認定及び廃止について
        ・
復興道路等の整備状況について
〇議長(田村誠君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
日程第37 議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについて
〇議長(田村誠君) 次に、日程第37、議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを議題といたします。
提出者の説明を求めます。千葉副知事。
〔副知事千葉茂樹君登壇〕
〇副知事(千葉茂樹君) ただいま議題とされました人事案件について御説明いたします。
議案第35号は、収用委員会の委員であります八木橋伸之氏、須山通治氏のお2人の任期が12月24日で満了となりますので、両氏を再任するとともに、同委員会の予備委員であります菅原葉子氏の任期が、同じく12月24日で満了となりますので、同氏を再任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
収用委員会の委員及び予備委員は、土地収用法第52条第3項の規定により、法律、経済又は行政に関してすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者から任命することとされており、八木橋伸之氏は、法律分野の委員として、これまでの在任において、法律の専門知識に基づき、的確な裁決を導くなど、すぐれた経験、知識を有しており、収用委員会継続事案が増加する中にありまして、収用委員会の適切な運営に必要不可欠な方と存じております。
須山通治氏は、法律分野の委員として、これまでの在任において、法律に関する専門知識に基づき、的確な裁決を導くなど、すぐれた経験、知識を有しており、同じく収用委員会の適切な運営に必要不可欠な方と存じております。
菅原葉子氏は、法律分野の予備委員として、不動産の所有や権利関係に係る民事法や登記事務に精通する司法書士として活躍されており、専門知識に基づく適正な職務執行が期待できる方と存じております。
よろしく御審議の上、原案に御同意くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(田村誠君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
ただいま議題となっております議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
日程第38 発議案第1号子どもの医療費助成の現物給付に伴う国民健康保険の国庫負担金減額調整措置の廃止を求める意見書から日程第47 発議案第10号少子化対策の推進及び子育て支援の拡充を求める意見書まで
〇議長(田村誠君) 次に、日程第38、発議案第1号から日程第47、発議案第10号までを一括議題といたします。
お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
これより、発議案第1号から発議案第10号までを一括して採決いたします。
各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第10号までは、原案のとおり可決されました。
日程第48 議員派遣の件
〇議長(田村誠君) 次に、日程第48、議員派遣の件を議題といたします。
〔参照〕
議事日程第5号中 日程第48 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期 間派遣議員
平成27年度「県民と県議会との意見交換会」二戸市平成27年
12月15日
郷右近   浩 議員
佐々木 朋 和 議員
阿 部 盛 重 議員
福 井 せいじ 議員
川 村 伸 浩 議員
工 藤 勝 博 議員
工 藤   誠 議員
高 田 一 郎 議員
平成27年度「県民と県議会との意見交換会」 盛岡市 平成27年12月17日 高 橋 但 馬 議員
名須川   晋 議員
神 崎 浩 之 議員
佐々木 宣 和 議員
ハクセル美穂子議員
田 村 勝 則 議員
小 西 和 子 議員
臼 澤   勉 議員
平成27年度北海道・東北六県議会議員研究交流大会盛岡市平成28年2月4日小 野   共 議員
高 橋 但 馬 議員
佐々木 朋 和 議員
佐 藤 ケイ子 議員
柳 村   一 議員
菅野 ひろのり 議員
岩 崎 友 一 議員
高 橋 孝 眞 議員
神 崎 浩 之 議員
川 村 伸 浩 議員
佐々木 宣 和 議員
ハクセル美穂子議員
千 葉 絢 子 議員
中 平   均 議員
田 村 勝 則 議員
斉 藤   信 議員
小 西 和 子 議員
吉 田 敬 子 議員

〇議長(田村誠君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました3件についてでありますが、会議規則第116条第1項の規定により議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
閉 会
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
これをもって本日の会議を閉じ、第3回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
午後2時41分 閉 会

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