平成27年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇13番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。
まず最初に、TPPと岩手の農業について質問いたします。
安倍政権は2013年2月、オバマ大統領との会談で、一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ求められるものではないとの約束でTPP交渉に参加いたしました。そのもとで衆参の農林水産委員会では、米や麦、牛肉、豚肉、乳製品などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外または再協議の対象にすること、10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も認めないこと、交渉により収集した情報は速やかに報告するとともに幅広い国民的な議論を行うよう措置するとの国会決議を行いました。
しかし、大筋合意した内容は、除外または再協議の対象どころか、米の7万8、400トンの別枠輸入を認め、牛肉は、関税率を38.5%から9%へ、豚肉は、低価格品で1キログラム当たり482円の関税が50円へ、高価格品は関税率4.3%がゼロへ、乳製品も7万トンの輸入を認めるとともに、重要5品目では、586品目のうち約3割に当たる174品目で関税を撤廃するものであります。
今回の大筋合意は明らかに国会決議違反と考えますが、知事はどう受けとめているのでしょうか。
次に、本県の農業への影響であります。
農林水産省は11月4日に影響分析を発表いたしました。そこで示されたのは、多くの品目に輸入急増は見込みがたいもので、影響は軽微というものです。この影響予測は極めて楽観的であります。農家からは、生産費にもならない米価、飼料、肥料などの経費増大で、規模拡大、コスト低減の努力が間に合わないとの悲痛な声が寄せられ、水産関係者は、牛肉の輸入がふえれば、魚の消費が減少し水産物価格が下落すると危機感を表明しています。
今度の大筋合意についての影響をどう見ているのでしょうか。北海道などでは、既に影響を取りまとめ、公表しています。岩手県も早く影響を示し、国に対策を求めるべきですが、いかがでしょうか。
岩手県の農業生産額の2、433億円のうち、畜産は1、352億円、55%を占め、全国4位の畜産県になっています。一番打撃を受けるのは畜産分野であります。畜産農家からは、素牛価格が70万円台で飼料代すら稼げない、もう俺の代だけだとみんな言っていると、離農を考える農家が広がっています。
畜産県として深刻な実態をどう把握しているでしょうか。肥育農家への素牛導入への助成など、県としても再生産対策への支援を行うべきですが、いかがでしょうか。
現在の農業の危機というのは、農産物の価格維持政策を大幅に削減して、生産費にもならない農産物価格になっているからであります。しかし、農業所得に占める直接支払いは、日本は15.6%で主要国の中で最低で、米国は日本の1.69倍、フランス、イギリスは5倍から6倍にもなっています。農業生産額に対する農業予算は27%と主要国の中で最も低い国となっており、農業の過小保護の国となっています。関税撤廃、引き下げではなく、価格保障、所得補償こそ国に求めていくべきですが、いかがでしょうか。
飢餓人口の増大や地球温暖化による農地の減少などで、食料生産の増大を国連は世界に呼びかけているときに、国内農業を衰退させて一層の輸入大国に進むことは、食料主権を求める世界の流れにも逆行するものです。そして、食料自給率を45%まで引き上げようとする食料・農業・農村基本計画にも逆行するものであります。
大筋合意をしましたけれども、TPP交渉は決着したわけではありません。協定の調印、批准、国会承認があります。政府にTPP協定書の作業からの撤退、調印中止を求めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
次に、東日本大震災からの復興の課題であります。
東日本大震災から4年9カ月になろうとしており、5度目の厳しい冬を迎えています。今なお、応急仮設住宅には10月末現在1万8、370人、みなし仮設を含めますと2万3、469人、ピーク時の55%であります。ある被災者は、建設費が値上がりし資金が足りない。仮に家を建ててもその後の暮らしが不安で、胃が痛くて眠れない。年のせいかと近所の方に話したら、みんな、俺も俺もだと言われたそうであります。今、多くの被災者が眠れぬ夜を過ごしています。
知事は、12月までとなっている被災者の医療費などの免除措置を継続するとともに、被災地福祉灯油を予算措置し、5年連続実施いたしました。被災者を励ますものであります。被災者一人一人の生活の再建となりわいの再生に取り組むことは、引き続き県政の最大の課題であります。
そこで、知事に質問いたします。第1に、住まいの再建であります。
戸建ての災害公営住宅は、入居の5年後に買い取りができることになっています。しかし、被災者生活再建支援金は2018年4月10日までとなっており、申請期限の延長がどうしても必要であります。野田村の被災者からは、買い取り価格が当初の800万円から1、300万円と言われ、申請期限を延長されなければ購入ができないのだと訴えられました。
被災者生活再建支援金の500万円への拡充と申請期限の延長を国に求めるべきであります。同時に、県と市町村で行っている被災者住宅再建支援事業100万円も平成30年度までとなっており、申請期限の延長を行うべきですが、いかがでしょうか。
県が行った内陸、県外に移動して避難する被災者アンケートでは、現在地に定住したいが53.1%、現在住んでいるみなし仮設住宅に引き続き居住したいは22.9%となっております。被災者の半数は65歳を超えているだけに、住みなれた地域で生活したいと願っております。
現在のみなし仮設住宅を災害公営住宅として対応することが、最も合理的で被災者の願いに応えるものですけれども、いかがでしょうか。また、内陸に避難する被災者の災害公営住宅への希望は16.7%となっております。沿岸市町村とはどんな話し合いが行われているのでしょうか。整備の見通しについても伺います。
内陸で住宅被害を受けた被災者のみなし仮設住宅の期間は5年間となっており、期限内に住宅再建できない被災者、民間住宅で避難生活をおくる被災者にとっては、間もなく家賃が発生いたします。沿岸被災地と同じように、自立再建できるまで災害救助法が適用できるように国に求めていくべきですが、いかがでしょうか。
第2に、被災者の見守り支援であります。
社会資本復旧・復興ロードマップでは、災害公営住宅は平成28年度までに5、074戸、88%が完成の見通しとなっており、ここ2年で多くの被災者が、応急仮設住宅から災害公営住宅へ移動する時期となっています。応急仮設住宅に取り残される孤独感、集約による不安、災害公営住宅への引っ越しに伴う経済的な負担、マンション型の高層集合住宅という孤立感もあります。
阪神・淡路大震災では、20年間で孤独死は1、097人となり、その原因が、低所得、慢性疾患、社会的孤立、劣悪な居住環境であります。阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、これ以上、岩手県で孤独死を生まない被災者に寄り添ったきめ細かな支援が必要であります。生活支援相談員は、各社協に178人配置され、月約8、000件の相談件数となっておりますが、十分な体制になっているのでしょうか。
睡眠障がいや生活習慣病を持つ被災者が多くなっており、応急仮設住宅や災害公営住宅などの活動範囲も広がっています。災害公営住宅では、既に4人が孤独死となっており、一人一人の見守りとコミュニティーの確立が必要であります。
災害公営住宅への支援員の配置を提起してきましたけれども、県は、常駐できることは制度上可能であり、被災者に寄り添った対応となるよう市町村に要請していると答弁を行ってきました。市町村の受けとめ、対応はどうでしょうか。既に完成している災害公営住宅への集会室、備品の配置状況はどうなっているのか伺います。
次に、水産加工業の振興策であります。
東北経済産業局が実施したグループ補助金交付先アンケートでは、東北地域で44.8%の事業者が震災直前の水準以上に売り上げが回復する中、水産食品加工業は最も低い25.9%となっています。大船渡市の水産加工会社では、サンマの水揚げが前年比で5割、原材料価格は170%となっていると訴えられました。
沿岸地域の産業と雇用を支える水産加工会社の経営が大変になっていますが、県としてどう把握されているでしょうか。販路を失った事業所では、販路開拓、新商品開発に難儀しています。ことしに入って商談会、展示会など8カ月間で150日間駆け回り、交通費が震災前の10倍、840万円になったという会社もありました。新商品開発、販路開拓へさらなる支援を行うべきではないでしょうか。
水産加工業の雇用は63%が震災前まで回復しておらず、売り上げが回復しない要因になっています。有効求人倍率は2倍を超え、復興需要で建設業に人材が流出しています。外国人研修生の確保も大事な課題でありますが、何よりも地元の高校生にとって魅力ある環境にすることが大事ではないでしょうか。人材確保の現状と県の対策、対応についてお聞きいたします。
第4に、仮設店舗への支援についてであります。
仮設店舗に入居している商業者などは577事業所、県が実施した調査では、本設再開予定は71%となっています。少なくない事業所が仮設店舗での継続を求めています。
また、テナントで被災した事業者は、グループ補助金や県の中小被災資産復旧費補助を活用できず、再建支援を求めています。釜石市では単独での支援を始めましたが、県としても、補助対象外の事業者にも支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
仮設店舗の撤去費用への補助は5年以内となっており、間もなくこの時期を迎えようとしております。面整備のおくれなどで本設再開できない店舗などはどのぐらいになっているでしょうか。
釜石市では撤去費用が2億円と試算しています。撤去費用について国の対応はどうなっているかについても伺います。
次に、原発被害では、シイタケ生産農家が大きな被害を受けて、今も出荷制限が続いております。一部再開で希望の光が見え、再開を希望する生産農家も出ております。しかし、国は、いまだに汚染された落葉層の処理方法を示さず、ほだ場に一時保管し、一関地方森林組合の低温倉庫には、汚染され処分できない乾燥シイタケが25トンもあります。これから出荷制限解除されても、再開できるほだ場が十分確保されず、生産されても保管する場所の確保に大きな課題を抱えています。
落葉層の地中埋設、保管対策など具体的な対策を講ずるべきですが、県はどう対応されてきたのでしょうか。
次に、介護保険制度の改悪、介護報酬引き下げによる影響と県の対応についてお聞きいたします。
8月から施設入所者の食事代、部屋代などを軽減する補足給付は、世帯が別でも配偶者が課税されていれば対象外となりました。入所料が月6万円から13万4、000円となり、2人の年金20万円ではとても生活できない、こんな声が寄せられました。
盛岡市では、8月から949人が補足給付の対象外となっており、介護保険利用料が1割から2割となったのは1、675人、うち29%がサービス利用量を減らしています。岩手県全体ではどのような影響になっているのでしょうか。
介護予防サービスの一部は、保険給付から外されて市町村の総合事業になりました。介護認定をさせないで事業費を削減する狙いもあります。希望する高齢者への介護認定をさせるべきであります。同時に、要支援者への介護サービスを後退させるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
介護現場で特に深刻なのは介護の従事者不足であります。ある施設長から、内定は高卒1人だけ、小規模特養に手を挙げたが見通しがない、こう訴えられました。4月からの事業所の休止、廃止は46事業所となっており、うち介護人材不足を理由にした事業所の休止、廃止は23事業所もあり、今後、さらに事業所の閉鎖、奪い合いが起き、施設整備におくれが出ることは避けられません。
〔副議長退席、議長着席〕
介護崩壊を一層加速させないという基本姿勢に立って人材確保に取り組む必要があります。県は、現状と原因をどう捉えているのでしょうか、今後の取り組みについても伺います。
次に、第6期介護保険事業計画について伺います。
第6期計画の特養ホームの施設開所見込み数は991床で、地域によっては待機者よりも少ないものとなっております。低所得の高齢者とひとり暮らし老人の増加などにより、施設入所が必要な高齢者が増加することが予想されますが、待機者の解消になる計画になっているのでしょうか。
第6期での開設見込み数は、地域密着型が496床、広域型特養が495床となっています。広域型を増設し低所得者が入れる多床室をもっとふやすべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、障がい者問題について伺います。
第1に、障がい者福祉サービス等報酬の改定は、この4月から行われました。生活介護事業と就労移行支援、就労継続支援等がマイナス改定となりました。障がい者施設では、加算措置があっても人材を確保できず600万円の減収となり、介護現場より深刻です、こう訴えられました。県として、この影響をどう把握されているでしょうか。
第2に、高齢者が住む入所施設である指定障がい者支援施設では、介護保険サービスの支援が必要となっています。しかし、指定障がい者支援施設では介護保険サービスが受けられず、介護認定を受けるため、1度退所して在宅待機となります。在宅待機中に亡くなる障がい者も出ております。施設入所者も介護サービスが利用できるよう改善を求めていくべきですが、いかがでしょうか。
第3に、障がい福祉サービスの拡充についてであります。自閉症の子供を持つお母さんから、夫婦で頑張ってきたけれども、高齢となりつらい、息抜きもできない。ショートステイなどは緊急時にも即利用できない、こういう訴えがありました。
一方、就労継続支援事業でも、事業所を回ったけれども、なかなか空きがなく、孫が入れるか心配だ。進路説明会でも就労支援になかなか入れないと説明されて不安ですという訴えもありました。就労継続支援事業も不足しており、障がい者の就労支援の確保も大事な課題であります。就労継続支援事業、ショートステイ、グループホームなどの整備、増設が必要となっていますが、現状と課題について伺います。
第4に、精神障がい者の公共交通機関の割引制度について伺います。事業者の取り組みにより、身体、知的障がい者に対する移動手段であるバス、鉄道運賃の割引がありながら、精神障がい者は対象外になっています。とりわけ運賃割引については、全国で岩手県と大分県のみが未実施になっております。2013年12月県議会では、精神障がい者への交通機関の割引を求める請願を採択いたしました。全国障害者スポーツ大会前に解決すべき課題であります。県として、この間どう取り組んできたのでしょうか。
次に、児童虐待と子供の貧困問題について質問いたします。
貧困と格差の広がりを背景に2014年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は、前年比20.5%増の8万8、931件と過去最高となりました。県内では390件となり、今年度は昨年度を超える勢いとなっています。こうした急増する児童虐待問題に対応するためにも、関係機関が情報を共有して、早期発見して対応することが重要であります。全ての市町村に要保護児童対策地域協議会が設置されていますが、活動状況はどうなっているでしょうか。
児童相談所は、家庭などからの相談対応機能のみならず、児童の判定機能、一時保護機能を持っています。しかし、近年は困難事例が多く、職員の体制が整わないために、児童虐待対応に特化せざるを得ない現状にあります。児童福祉司、児童心理司などを抜本的に増員すべきではないでしょうか。
一関児童相談所は沿岸被災地も抱えています。大阪府から2人の応援職員が配置され、被災地を中心に対応しています。この間、調査、懇談しましたけれども、余りにも広域過ぎると感じました。一関、盛岡、宮古の3児童相談所体制の現状と課題についても伺います。
児童養護施設は、職員の配置基準が低く心理的ケアが十分にできないなど、これ以上入所できない現状にもあります。家庭的な環境で養育できるよう、グループホームや児童養護施設のユニット化などの対応も必要になっています。県の対応はどうなっているのでしょうか。
里親委託推進員はわずか1人となっており、児童相談所では、非常勤や兼務職員で対応しているのが実態であります。里親は、実の子ではないがゆえに、さまざまな悩みを抱えながら子育てをしています。支援と相談体制を強化すべきではないでしょうか。
児童虐待や子育ての困難の背景には、若い世代の雇用破壊と貧困の広がりがあります。母子世帯数1万2、110世帯のうち66%が、平均就労収入が月15万円未満、生活保護世帯はわずか4%、492世帯となっています。生活保護以下で、ダブルワークしても貧困から抜け出すことができません。
貧困の連鎖は放置できない問題であり、まず実態把握をすべきではないでしょうか。また、県の計画策定に当たっては、どんな環境に育っても生活と学習が保障され、人間らしく成長できる権利の保障の文言を明記すべきですが、いかがでしょうか。
次に、子供の医療費の無料化の拡充についてであります。6月までに県に届けられた子供の医療費無料化の拡充を求める署名は約7万人となりました。6月以降、さらに3万4、046人の署名を集め、今月3日に、子どもの医療費助成制度拡充を求める岩手の会の皆さんが、副知事に要請を行いました。この要請に私も同席いたしました。参加した若いお母さんから、3人の子供がみんなアレルギーで、眼科、耳鼻科、小児科に通院しなければならず通院費が大変なんです。また、子供が病気になると家族みんなが病気になって、病院に行くのも順番待ちになってしまう。財布と相談するのではなくて、安心して通院できるよう無料化の拡充をやってほしいんだ、こういう訴えがありました。
ことしの8月から小学生の入院まで対象も広がり、来年8月からは現物給付となります。せめて小学校6年生の通院まで無料化を拡充し、現物給付とすべきであります。知事もさきの知事選挙で公約しており、決断すべき時期ですけれども、いかがでしょうか。
次に、子供の教育と県立高校再編問題について質問いたします。
県内の高校進学率は99%となっております。高校教育は準義務教育となっており、全ての子供たちに高校教育を保障して、成長を保障するとともに、高校中退をつくらない体制を構築すべきであります。そして、人口減少が議論されている中で、少人数学級を本格的に検討すべきでありますが、どう検討されているのでしょうか。
県立高校の43%が3学級以下であります。4から6学級が適正規模ということになれば、大規模な統合になりかねません。今、地域を挙げて努力して頑張っている学校は残すべきと考えますが、いかがでしょうか。
県立花泉高校は県境にあり、宮城県の通学エリアになっています。ことしの入学体験は63人が参加し、地元の中学生が部活にかかわって花泉高校へという動きもあります。両磐ブロックでは地元就職率が一番高く、地域貢献する学校となっています。
地域では、進学にも応えられる魅力ある学校をつくろうとの議論が行われています。ことしの学級減に続き廃止ということになれば、統合廃止のための学級減だったとの批判が出てくるのではないでしょうか。地域にとって魅力ある学校をどうつくるのかの議論が大事であって、性急に結論を出すべきではないと考えますが、どう検討されているでしょうか。
最後に、地方自治と民主主義が問われる沖縄新基地建設問題について質問いたします。
沖縄県が、辺野古の新基地建設を法と沖縄県民の民意に基づいて承認を取り消したことに、政府は、行政不服審査法を悪用して、知事の決定を執行停止いたしました。さらに、代執行の裁判を起こして、知事の権限を奪い去ろうとしております。まさに理不尽のきわみであります。
戦後多くの沖縄県民が収容所に収容されて、その間に銃剣とブルドーザーで土地を強制的に取り上げられてつくられたのが、今の沖縄県の米軍基地であります。それを返還するからといって、辺野古の環境を無残に破壊して新基地建設を行おうとすることは、沖縄県民の民意を踏みにじるものではないでしょうか。
2日に行われた代執行の口頭弁論で、翁長知事はこう述べました。これは沖縄への過重な基地負担の継続であり、憲法と地方自治、民主主義のあり方への挑戦であり、国民全てに呼びかけたい、こういう訴えがありました。
沖縄県は、未曾有の大冷害に見舞われ、種もみ確保が困難になったときに、温かい支援で種子確保に御協力をいただき、以来、20年以上にわたって岩手と沖縄はかけはし交流が行われています。
沖縄県民に連帯して地方自治をないがしろにする政府の対応を、この岩手からもただしていくべきと考えますが、達増知事の見解を求め、この場での質問を終わります。
答弁によっては再質問いたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高田一郎議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、TPPと岩手県の第1次産業についてでありますが、TPP協定は、本県の基幹産業である農林水産業を初め、県民生活や経済活動の幅広い分野に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。このため、交渉に当たっては、平成25年4月の衆参両院農林水産委員会における決議も踏まえて十分な情報開示と説明を行い、国民的議論を尽くした上で慎重に判断することなどについて、国に対して繰り返し要請をしてきたところでありますが、今般、そうした説明や議論がないまま、大筋合意がなされたことについては残念であります。
今回の大筋合意に当たって、国からは具体的な影響や対策など全容が明らかにされていませんので、それらを早期に明らかにするよう求めてまいります。
次に、TPP協定書の作業の撤退、中止についてでありますが、今後、TPP協定の批准、発効には、交渉参加国による署名と国会承認手続を経る必要がありますが、今般、政府が決定した総合的なTPP関連政策大綱の内容を見ますと、農林水産業の体質強化対策と重要5品目関連の経営安定対策等が示されるなど、これまで要請してきた内容が一定程度盛り込まれていたものの、国民生活に及ぼす影響や具体的な対策などの全容が明らかにされてはおりません。このため、県といたしましては、今月2日、関係省庁に対して、TPP協定に関する合意内容や農林水産業、商工業、国民生活などに及ぼす影響について十分な情報開示と説明を行い、国民的議論を尽くすこと、大綱に示された対策を早期に具体化するとともに、必要な予算を確保することなどの要請を行ったところでありまして、協定の全容とその影響、国による具体的な対策を早期に示すよう、引き続き政府に求めてまいります。
次に、住まいの再建についてでありますが、被災者生活再建支援金の拡充につきましては、持ち家による再建は復興に弾みをつけることでありますので、これまで繰り返し国に対し増額を要望してきており、今月2日にも、高木復興大臣に改めて要望いたしました。
国では、資材高騰等の物価上昇等に対して、災害公営住宅の建設費を含む公共事業費やグループ補助金の額については引き上げておりますので、被災者の住宅の再建支援についても同様に扱うべきと考えられますことから、今後も、増額について国に対して強く要望してまいります。
被災者生活再建支援金及び被災者住宅再建支援事業の申請期限の延長については、住宅再建の前提となるまちづくりの進捗状況等を踏まえて、被災者の方々が安心して自立再建できるよう、検討を進めてまいります。
次に、みなし仮設住宅の災害公営住宅化についてですが、みなし仮設住宅は、物件ごとに築年数、面積、設備、利便等の条件が大きく異なりますので、災害公営住宅としての利用には公平性の観点から問題があると考えております。また、みなし仮設住宅は広域に点在しておりますので、公営住宅としての管理が難しくなるほか、アパート等の一部だけが公営住宅となることで、維持修繕にも制約が生じます。現在、内陸での災害公営住宅の建設を含めた具体の支援策について関係市町村から意見を伺っているところでありまして、内陸に定住を希望する方々の住宅再建に係る不安を解消するために必要な取り組みを行ってまいります。
次に、内陸で被災された方のみなし仮設住宅の供与期間についてでありますが、みなし仮設住宅を含めた応急仮設住宅の供与期間は、内陸、沿岸にかかわらず、災害公営住宅の建設や面的整備に時間を要する場合、市町村と県が協議をして、国の同意を得て1年ごとに延長しているものであります。
一関市及び奥州市で被災された方のみなし仮設住宅については5年間で供与期限が終了となりますが、災害公営住宅等に入居が決まって完成を待っている方々については、入居が可能となるまでの間、特定延長という方法によって延長しているところであります。
県では、供与期間の終了時期については1年前に公表して、公営住宅への入居あっせんや生活再建支援金の制度説明等、被災者の方々が一日も早く恒久住宅へ移行できるよう市町村と連携して支援してきたところであり、引き続き、きめ細かな支援をしてまいります。
次に、子供の医療費の無償化についてでありますが、人口減少対策としての総合的な子育て支援施策の一環として、県では、厳しい財政状況にはございますが、市町村等と協議の上、本年8月から、助成対象を小学校卒業の入院まで拡大するとともに、来年8月から、未就学児及び妊産婦を対象とした窓口負担の現物給付を行うこととしたところであります。
総合的な子育て支援については、今般策定したふるさと振興総合戦略を展開していく上で重要な施策でありますが、子供の医療費助成は、本来、自治体の財政力の差などによらず、全国どこの地域においても同等な水準で行われるべきであり、本年6月に実施した県の政府予算提言、要望において、全国一律の制度を創設するよう要望いたしました。また、全国知事会からも同様の要請を行っているところであります。
国においては、現在、子供の医療制度のあり方等に関して有識者による検討会を設置し、見直しに向けた検討を行っているところであり、その動向を注視し、今後の状況を見きわめながら、国に対する働きかけに積極的に参加してまいります。
次に、辺野古の新基地問題についてでありますが、昨年11月に翁長知事が当選して以来、沖縄県と国ではさまざまな対話の場が設けられてきていますが、両者の対立がエスカレートして訴訟が提起されるまでに至ったことは、まことに残念であります。今後、沖縄県と国とがしっかりと話し合い、沖縄県民が納得できるような解決が図られることが望ましいと考えます。
その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので御了承をお願いします。
〔復興局長中村一郎君登壇〕
〇復興局長(中村一郎君) 災害公営住宅への支援員の配置に係る市町村の対応等についてでありますが、県では、市町村に対し、地域で必要とされる見守り等の支援体制が総合的に確保されるよう要請をしているほか、復興庁におきましても、市町村に対し、平成28年度に拡充予定の被災者支援総合交付金を活用し、災害公営住宅も含めた一体的支援が行われるよう、直接依頼をしているところであります。これらを受け、市町村では、来年度に向け、現在、応急仮設住宅や災害公営住宅などに住んでいる被災者の皆さんの見守り体制について、総合的に検討を行っている段階と伺っております。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) まず、TPP大筋合意の影響についてでありますが、TPP協定が発効し、安価な輸入農畜産物の輸入が増大した場合には、米や牛肉、豚肉の価格の下落が懸念されるなど、本県農業への大きな影響が見込まれます。
国では、品目ごとの農林水産物の影響を示したところでありますが、政策的な対応策などを踏まえた経済効果分析結果については、年内に公表することとしております。
県では、国の影響分析や大綱等を踏まえ、想定される主な農林水産物の当面の影響について取りまとめることとしておりますが、農林漁業者等から不安の声が多く寄せられていることなどから、近々中間取りまとめを公表することとしており、現在、作業を進めております。
これらの影響分析結果なども踏まえ、引き続き、国に対し、必要な対応を強く求めてまいります。
次に、畜産農家の実態把握等についてでありますが、本県の酪農及び肉用牛経営は、配合飼料価格の高どまり等により生産コストの削減が困難な状況にあり、特に肥育農家は、全国的な繁殖雌牛の減少による子牛価格の高騰から収益性が悪化するなど、厳しい経営状況となっております。このため、県では、繁殖農家の増頭に向け、優良雌牛の導入や畜舎等の整備に加え、公共牧場と預託施設であるキャトルセンターとの一体的活用を支援してきており、さらに、今年度からは、県独自に増頭意欲のある肥育農家に対し、肥育素牛の導入に必要な経費の一部を補助しているところであり、引き続き、経営の安定化が図られるよう支援してまいります。
次に、農家の所得対策についてでありますが、本県農業、農村の振興を図っていくためには、農家が将来にわたり安心して営農できるよう、経営の安定が重要であります。国では、経営の安定化に向けて、これまで、数量調整などによる価格支持政策を中心として進めてきましたが、近年、経営所得安定対策や農地維持のための日本型直接支払などの所得補償政策の充実を図ってきており、平成24年度の農業産出額に占める農業予算の割合は約33%となっております。
現在、国では、農業経営全体の収入に着目した収入保険制度の導入に向けた検討を進めており、その検討状況を注視しながら、本県農家の経営安定を図る上で効果的な対策が講じられるよう、国に求めてまいります。
次に、シイタケ生産再開への県の対応についてでありますが、本県において、シイタケは山村地域のなりわいを支える重要な栽培品目であり、一日も早く産地の再生を図ることが重要であることから、県では、これまで、ほだ木造成に対する助成や、生産者の事業継続のための資金の無利子貸しつけなど、必要な支援を行ってきました。
ほだ場については、生産者が生産再開を希望する全ての箇所について、落葉層の除去などの環境整備を進めてきたところであり、一時保管されている落葉層の処理方針の早期提示については、国に対して働きかけを続けております。
また、新たに生産される干しシイタケの保管場所については、現時点では支障はないものと把握しておりますが、低温倉庫に保管されている干しシイタケの管理経費等につきましては、引き続き、東京電力に対し強く求めてまいります。
〔保健福祉部長佐々木信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐々木信君) まず、生活支援相談員の支援体制についてでありますが、生活支援相談員は、県社会福祉協議会が各市町村社会福祉協議会の意向を踏まえながら地域の実情に応じて適正な配置に努めてきたところであり、本年度は、188人の計画に対し、10月末現在178人の配置となっております。
今後においても、被災者の生活の変化に伴う見守りや相談のニーズに応じた配置となるよう、県としても、引き続き必要な支援を行ってまいります。
次に、介護保険制度における補足給付と利用料見直しの影響についてでありますが、施設入所者の補足給付については、本年8月末までに申請を行った約1万5、000人のうち約500人が、資産要件や世帯分離している配偶者の住民税課税という新たな要件により対象外となっております。
一定以上の所得を有する方の利用料自己負担割合の引き上げについては、8月1日時点での市町村データでは、負担割合証を交付された約7万7、000人のうち、約4、500人が2割負担となっています。
次に、市町村の介護予防等に係る総合事業についてでありますが、市町村においては、高齢者やその家族が希望する介護予防サービスの内容に応じて、要介護認定を受けての予防給付もしくは認定を受けなくてもサービスを利用できる総合事業につなげていくこととされているところです。また、介護予防サービスが総合事業に移行した後も、ケアマネジメントついてはこれまでと同様、地域包括支援センターが実施する仕組みとなっており、利用者の意向や心身の状況等に応じて必要な身体介護や生活援助、機能訓練サービスなどが提供されるものであります。
次に、介護人材確保についてでありますが、本県における10月の介護職の有効求人倍率は1.87倍と、全産業の1.28倍を大きく上回り、人材不足が顕著となっています。
人材不足の原因は、平成26年度介護労働実態調査結果によると、仕事の内容の割に賃金が低いとの印象を持たれていることなどが考えられます。
県では、県内各地に介護人材キャリア支援員を配置し、介護人材の新規参入や求人とのマッチング支援などを行っており、さらに、介護の仕事の魅力を発信するテレビ番組の制作、放映なども行う予定であり、今後とも、介護に関係する方々の協力を得ながら、介護人材の確保に努めてまいります。
次に、第6期介護保険事業計画についてでありますが、市町村では、地域の実情や将来的に高齢者人口が減少に転じることなどを考慮し、施設、居住系サービスだけでなく在宅サービスを充実させ、高齢者のさまざまなニーズに応える計画を策定し、特別養護老人ホームの待機者解消に努めることとしております。
多床室整備については、市町村が地域におけるニーズに応じて検討すべきものでありますが、県では、多床室についてもユニット型個室と同額の整備費補助を行っており、また、平成27年度からは、既存の多床室のプライバシー保護のための改修費を補助対象に加えたところであり、市町村の計画的な整備を支援していきます。
次に、障がい福祉サービス等報酬改定の影響についてでありますが、本年4月の報酬改定では、施設職員の処遇改善を図るため、福祉・介護職員処遇改善加算の拡充がなされたほか、各サービスの収支状況や事業所の規模等に応じ加算の単価を増減するなどし、改定率はプラスマイナスゼロとされたところです。これに伴い、県内の障がい福祉サービス事業所から、加算の取得が難しくなったことなどにより減収となったとの声を聞いている一方、事業所によっては増収となったところもあると伺っております。
次に、障害者支援施設入所者の介護保険サービス利用についてでありますが、障害者支援施設は、障がい者に対し、夜間は施設入所支援、日中は生活介護などを行っており、国では、当該施設入所者に、介護保険サービスに相当する介護サービスが提供されていることなどの理由から、当分の間、介護保険の被保険者とはならないこととしております。
一方、当該施設入所者が介護老人福祉施設等へ入所しようとする場合には、関係者間での密な情報共有や連携を図るなど柔軟な対応により、障害者支援施設から介護老人福祉施設等へ入所することも可能となっています。
現在、国において障害者総合支援法施行3年後の見直しを行っており、その中で、障がい福祉制度と介護保険制度の連携についても検討されておりますことから、その動向を注視してまいります。
次に、障がい福祉サービスの拡充についてでありますが、平成24年度から平成26年度までの第3期障がい福祉計画においては、雇用契約を結び就労する就労継続支援A型は、平成26年度の見込み量756人に対し実績は699人、雇用契約によらない就労継続支援B型は、見込み量は3、589人、実績は3、545人です。また、短期入所は、見込み量は541人、実績は364人、グループホームは、見込み量は1、908人、実績は1、673人であります。
今年度を初年度とする第4期計画においては、各市町村計画をもとに平成29年度の見込み量を、就労継続支援A型は922人、就労継続支援B型は4、135人、短期入所は586人、グループホームは2、006人としており、見込み量に見合ったサービス供給体制を着実に整備していくことが課題と認識しております。
県としては、事業者が取り組みやすくするため、報酬の引き上げについて引き続き国に要望していくとともに、市町村や事業者と連携して、サービス提供体制の確保に努めてまいります。
次に、精神障がい者のバス運賃の割引についてでありますが、県では、毎年度継続して岩手県バス協会及び県内の主要バス事業者に対して、身体障がい者及び知的障がい者同様の割引が適用されるよう要請しているところです。
精神障がい者については、通院などの日常生活においてバスを利用することも多く、また、社会参加の促進のためにも移動手段の確保は重要であり、県としては、精神障がい者へのバス運賃割引が実現されるよう今後とも要請を継続し、理解が得られるよう協議を進めてまいります。
次に、市町村要保護児童対策地域協議会の活動状況についてでありますが、協議会の運営については、国の指針において、代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議の三層構造による運営を標準としているところですが、三層構造となっていない市町村があるほか、全ての虐待ケースの進行管理を行う実務者会議を国の指針どおり3カ月ごとに開催していない市町村もあるなど、市町村によっては必ずしも十分と言えない活動状況にあります。
次に、児童相談所体制の現状と課題についてでありますが、本県では、三つの児童相談所を設置しており、県北広域振興局への駐在を含めて4カ所に児童福祉司28名、児童心理司14名を配置しているところです。昨年度、児童相談所における虐待相談受付件数及び虐待対応件数が増加したところであり、増大する児童虐待に的確に対応するため、職員の専門性のさらなる向上が必要であると考えております。
次に、児童養護施設への県の対応についてでありますが、社会的養護を必要とする子供たちを健やかに育成するため、国においては、社会的養護は原則として家庭養護を優先するとともに、施設養護もできる限り家庭的な養育環境の形態に変えていく必要があるとして、都道府県及び児童養護施設等において計画を策定し、取り組みを推進することとされたところです。
県においては、これまでも、施設のユニット化等の取り組みを進めてきたところでありますが、本年3月に策定した岩手県家庭的養護推進計画に基づき、施設の小規模化やグループホームの整備などに計画的に取り組んでいくこととしております。
次に、里親への支援についてでありますが、県においては、これまでも、児童相談所の児童福祉司と里親委託推進員を中心として、児童養護施設等の里親支援専門相談員や県里親会とも連携を図りながら、里親への研修やレスパイト・ケアの実施、家庭訪問による相談対応等の支援を行ってきたところです。
虐待による影響など、さまざまな課題を抱えた子供を養育する里親の果たす役割はますます重要となっておりますことから、先ほど申し上げた岩手県家庭的養護推進計画等に基づき、各施設への里親支援専門相談員の配置促進など必要な相談体制を整備し、里親へのさらにきめ細やかな支援に努めてまいります。
次に、子供の貧困に係る実態把握についてでありますが、子供の貧困率は国民生活基礎調査に基づき算出されておりますが、都道府県別のデータは算出されていないことから、本県では、公的支援の対象となっている子供に関する統計資料等により、実態の把握を行ってきているところです。
次に、子どもの貧困対策推進計画の基本方針についてでありますが、現在策定している計画は、子どもの貧困対策の推進に関する法律や国の子供の貧困対策に関する大綱、さらには、子供の権利尊重を基本理念とするいわての子どもを健やかに育む条例の趣旨を踏まえつつ、総合的に子供の貧困対策を推進しようとするものであります。
本計画の基本方針においては、この法律の目的や条例の考え方に基づき、子供の将来がその生まれ育った環境に左右されることのない社会の実現を目指すことを掲げる方向としております。
〔県土整備部長蓮見有敏君登壇〕
〇県土整備部長(蓮見有敏君) 災害公営住宅の集会室の備品についてでありますが、釜石市の平田団地と大船渡市の上平団地については、ストーブ、ガスコンロ、机、座布団等の備品の配備が完了しています。
宮古市と山田町の9団地については、一部の備品を除き配備を終えており、残る備品も順次納入される予定です。
また、10月に入居を開始した大槌町の屋敷前団地については、配備する備品について、入居者の方々及び大槌町と調整を行っているところです。
〔商工労働観光部長菅原和弘君登壇〕
〇商工労働観光部長(菅原和弘君) まず、水産加工会社の経営状況についてでありますが、県が本年8月に実施しました被災事業所復興状況調査の結果において、水産加工業については、業績が震災前と同程度以上と回答した割合が42.6%でありますが、前回2月と比べ、この半年間で14.6ポイント増加しており、着実に回復してきているものと受けとめているところです。
また、企業訪問によるヒアリング結果によると、経営上の課題として人材の確保、育成を初め、魅力ある商品づくりや販路開拓などを挙げる事業者が多く、これらの課題への対応が必要であると認識しております。
次に、新商品開発や販路開拓への支援についてでありますが、県では、水産加工業の復興を重点的に推進するため、沿岸各地域で専門家による個別相談会を開催し、売れる商品づくりを支援しているところです。
また、販路開拓に向けては、県内外で食の商談会を開催するとともに、いわて希望ファンド等の助成事業により、商談会等への出展を資金面で支援しているところです。さらに、大手量販店等と連携した岩手フェアを各地で開催しているほか、今年度新たに、沿岸の商工会議所やいわて産業振興センターに販路拡大アドバイザー等を設置したところであり、引き続き、こうした取り組みを充実させ、水産加工業の再生を着実に推進してまいります。
次に、人材確保の現状と県の対策、対応についてでありますが、沿岸4公共職業安定所分の雇用保険被保険者数を見ますと、産業全体では、平成27年10月は6万6、495人と、震災前の平成23年2月を上回る状況となっておりますが、水産加工業を含む食料品製造業では1、455人減少しており、水産加工業関係の有効求人倍率は、他の産業よりも高い状況となっております。
県としては、水産加工業の人材確保対策として、DVDを活用して水産加工現場のイメージアップを図るとともに、中高生やその教員を対象とした事業所見学会や若手社員向けの職場定着研修会の開催、採用力強化に向けた企業PRスキルの向上などの支援を行ってきたところです。
また、人材確保のためには雇用条件の改善も重要でありますことから、今年度においても、岩手労働局と連携して、正社員転換や待遇改善等について、経済団体等への要望を行っているところであります。
次に、仮設店舗入居者への支援についてでありますが、仮設店舗については、特区制度による期間延長が可能なほか、中小企業基盤整備機構が整備し市町村に譲渡した仮設店舗にあっては、一般建築物として長期間利用するために必要な修繕費等に対する国の助成制度もあり、所有者である市町村が、地域の実情を踏まえながら、関係者と十分協議等を行って対応していくものと考えております。
テナントで被災した事業者につきましては、所有していた設備等の復旧費用は、グループ補助金や県単補助金の対象になります。また、大家である被災事業者と同一のグループを組む場合や組合等が設置する共同店舗に入居する場合は、建物を含めてグループ補助金を利用して復旧することが可能です。
県では、こうした補助制度に加え、市町村等と連携して、専門家派遣などによる本設移行に向けた事業計画の策定や商店街のにぎわい創出のためのイベントなどに支援してきたところであり、引き続き支援に取り組んでいきます。
次に、仮設店舗の撤去費用についてでありますが、面整備などのおくれを理由として本設再開していない店舗等の数については把握しておりませんが、県が8月に実施した被災事業所復興状況調査によると、本設再開を予定している事業所のうち、用地確保を本設再開の課題としているのは34.2%となっております。
仮設店舗の撤去費用については、市町村に負担が生じることのないよう、完成後5年を超える施設の撤去等も助成対象とすることについて、国に対して要望を行っており、今後も引き続き要望してまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 県立高校における少人数学級についてでありますが、1学級の定員は、高校標準法により学級編制の基準が40人と定められており、本県でも40人を1学級の定員としているところですが、これまで行ってきた地域での意見交換会等におきましては、県北・沿岸地域や中山間地域等において、少人数学級の導入を求める御意見等もいただいております。
現在は、中山間地域の小規模校や被災地の高校を中心に、復興加配定数等を活用し比較的手厚く教員を配置し、実質的な少人数教育を行っております。
しかしながら、復興加配は今後縮小していく可能性がありますし、また、仮に正規の学級定員を少人数とした場合、高校標準法に基づく算定基礎定数にも影響が及び、地方財政措置が減少することなどの懸念がございます。
このような状況を踏まえ、今後とも、国に対しては復興加配の継続及び教員定数の改善について要望を行ってまいりますが、現在、大きな議論となっている教員定数の削減問題や、本県における小中学校の少人数学級の取り扱いとのバランス等をも見据えつつ、検討しなければならないものと考えております。
次に、県立高校の統合についてでありますが、5月から11月に開催してきた地域検討会議などにおきましては、今後の高等学校教育の基本的方向で望ましい学校規模としている1学年4から6学級に満たない学校を中心に、高校の存続に関して多くの御意見をいただいており、あわせて、人口減少対策に取り組む市町村の現状も踏まえるべきではないかといった御意見なども頂戴いたしております。
県教育委員会におきましては、これまでの御意見等をも踏まえ、10月から11月に開催した地域検討会議、意見交換会において、望ましい学校規模に満たないことのみを理由に統合等を行わない考えのもと再編計画の検討を進めている旨を説明してきており、現在、高校教育の質の保証という視点に加え、教育の機会の保障の観点も十分考慮しながら、再編案の公表に向けた具体的な検討を進めているところでございます。
次に、花泉高校についてでありますが、同校は、平成26年度入試において40名を上回る欠員が生じたことから、地域における同校の志願者増への取り組みなども参考とさせていただきながら、平成27年度入試の志望状況を確認した上で、本年度から1学級の募集としたものであります。
地域において、同校の存続に向け、さまざまな努力をなされておられることは十分承知しており、今後の中学校卒業予定者数の推移や地域の状況等も踏まえ、現在、慎重に検討を行っているところでございます。
〇議長(田村誠君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇13番(高田一郎君) それでは、再質問いたします。まず、TPP農業問題であります。
11月25日に総合的なTPP関連政策大綱が発表されました。私も中身を読んでみましたけれども、牛とか豚のマルキンの法制化とか、補填率の引き上げということも明記されています。これは農家の皆さんの強い要望なんですね。しかし、よく見ますと、TPP発効にあわせて措置をすると。つまりTPPに参加したら措置をするということになっているんです。全体がそういう中身で貫かれているんです。これは、まさに畜産農家にとっては、こんな厳しい現実はないのではないかと思うんです。
今回の政策大綱は、大筋合意の全容も影響試算も全く明らかにならない中での対策であって、その具体化は来年の秋だというんでしょう。
こういう状況の中で、この2日に知事が国に申し入れた中身は、この政策大綱に示された対策を早期に具体化するとなっているんです。私は、そうではなくて、やっぱり今はまだ大筋合意という段階ですから、国に対しては、農家が、生産費にもならないような米価、あるいは畜産もそうですけれども、そういう状況になっている中で、しっかりとした価格対策を求めていく、そして、国会決議を遵守してほしいんだという立場で国に申し入れるということが、今の段階での県の対応ではないかと思うのですけれども、その辺について知事から答弁をいただきたい。
それから、シイタケ生産対策であります。
落葉層の除去については国に要請しているという答弁でありましたけれども、その内容、対応はどうなっているのでしょうか。つまり、今はそういう状況じゃないんですね。きのうも生産農家とちょっとお話をしました。一時保管されている落葉層は、フレコンバッグが劣化していて積み込み作業ができない、生産施設とか人工ほだ場に、ちりやビニールの劣化物が飛んでしまうという状況になっている。ほだ場が確保されないだけではなくて、生産が再開されても、そういう状況が続けば、これは大変なことになるわけです。だから、私は対策が急務だと思うんです。ぜひ部長はそういう現場に行って、こういう現状をよくつかんでいただいて、やはりこの対策は急務なんだということを関係機関等に申し入れて、対策をとっていただきたい。これが一つです。
そして、ほだ木の確保の問題ですけれども、今、全国的に原木が不足して価格が高騰しているという話です。もう震災前の2倍、こういう状況です。シイタケというのは先行投資型ですから、本当に将来が不安だと言うんです。自治体によっては、ほだ木に対する補助をしている自治体がありますから、流通が混乱していると言うんです。ですから、やっぱり長期的にほだ木を安定的に確保する、これは、生産を再開をしていく上で大変大事な課題なんです。こういう対応がしっかりとなされているのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
次に、介護保険制度についてお伺いいたします。
補足給付の関係で資料をちょっといただきましたけれども、7月と8月の比較です、食費、居住費にかかわる負担限度額の認定数、全県で3、000人減っているんです。そして、利用料がふえて大変になっているということは壇上でもお話ししました。6万円の入所料だったものが、8月から13万円になったという話を紹介いたしました。この方は年金が月20万円なんです。だから、施設に利用料金を払うと7万円で生活しなければならない。これは生活保護以下なんですね。生活保護以下の生活を強いられなければならない。こういう方は生活保護の対象になるんですか。やっぱりこういった方々に具体的な支援が必要だと私は思うんです。
住民税非課税のボーダーラインにいる人たちが、大きな負担増になっています。だから、世帯分離をしても配偶者に課税をするという介護保険制度の見直しは、どうしても改めさせていかなければならない課題だと私は思うんですけれども、この点についての考え、見解を伺いたいと思います。
そして、介護現場では、私もいろいろ歩いてきましたけれども、介護報酬を大幅に引き下げたことによって、大変な減収です。それを挽回するために、どこの施設でも経営改善しています。みとり加算とか、あるいは重度の高齢者をたくさん入所させると、重度加算といってたくさんの加算が受けられる。しかし、仕事がきつくなると言うんですね。仕事、職場が大変だと。そして、中には経営が大変になって、今まで事業としてやっていた市から委託されていた地域包括支援センターが、もう赤字でやめざるを得ない、撤退する、こういう状況が今、介護現場で生まれているんです。こういう実態があることを県はどう把握されているのか、この点についてもお伺いしたいと思います。
子供の医療費の無料化問題です。
知事は、国の動向を見て対応するということでありました。今は来年度予算編成の時期であります。来年度予算編成に向けて、私は、一歩でも実現できるようにぜひ努力していただきたいと思います。
そこで、ちょっとお伺いしたいのですけれども、この間、岩手県保険医協会が行った学校歯科診療調査報告書が全議員に届けられましたので私も見ました。これの中身を見ますと、1度診察を受けて、改めて治療が必要な児童が、実際に病院に行って治療を受けた受診率は46.6%、半分以上の子供たちが病院に行っていないんですね。今、口腔格差が広がっているという指摘をされています。これは、親の歯科保健への意識が低下していることと経済的な負担の問題が横たわっていると保険医協会が分析しています。そのためには窓口負担を無料化することが大事だということを、保険医協会が実態調査を踏まえて指摘しています。
そして、副知事にもこの前、交渉に参加していただきましたけれども、この1年間で10万人を超える署名が集まっているんですね。この県民運動、そして保険医協会でのこの実態調査を踏まえて、知事はこういったことに対してどう受けとめているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) では、子供の医療費の無料化についてからお答え申し上げますけれども、まずは、ことし8月からの助成対象の小学校卒業入院までの拡大、そして、来年8月からの未就学児及び妊産婦を対象とした窓口負担の現物給付、この決めたことをしっかりやっていくことが大事ということでありまして、国に対してもしっかり申し入れ、訴えていくわけでありますが、県といたしましても、やるべきことをしっかり進めていくという発想は必要だと思っております。
今、再質問の中でも指摘がありましたけれども、子供の医療、口腔の歯科医療のところも、格差社会化とか貧困問題の深刻化といったことが弱いところに出てきているという実態の深刻さは、しっかり受けとめなければならないと思います。
医療について体制を充実させていくこと、また、広くそういった格差社会化問題、貧困の問題の深刻化といったところに、県としてもしっかり取り組んでいかなければならないと思います。
TPP大綱の関係ですけれども、これも、まずは、合意内容や日本国民への影響の部分をしっかり情報開示、説明してもらうことが必要と思っておりまして、また、それを踏まえた国民的議論も、まだこれから必要になってくるのではないかと考えております。そういったことを踏まえた上で、必要な対策を早期に具体化、また必要な予算を確保ということでありまして、内容不明、影響不明のままで決めて突っ走るのがいいとは思っておりません。
〇農林水産部長(小原敏文君) シイタケ生産再開に向けた落葉層の処理でございますが、県としましても、落葉層の抜本的な対策は、議員御指摘のとおり、急務であると認識してございます。
県では、林野庁に対しまして、これは何度となく、その対策について繰り返し要望しておるのですが、林野庁からは、いずれ対応を検討中という言葉しか返ってきていないのが現状でございます。
また、抜本的な対策につきましては、環境省との協議、調整が必要である、ここが進んでいないというふうにも把握してございます。
しかしながら、やはり生産再開に向けては、この落葉層の処理について、今その抜本的な方針が示されない中で、県として、法令に反しない範囲において何が可能なのかについて、現在、関係部局とも協議を進めているところでございます。
また、ほだ木の助成でございますけれども、ほだ木の造成に対する補助、原木購入に対する費用については、県としてこれまでも進めてきておりまして、昨年からは、ほだ木自体が不足しておるといったような状況もありますが、これについても、その需給の調整を行っておりまして、現在では、おおむね確保されつつあると把握しております。
原木購入、さらに、ほだ木の助成、ほだ場の環境整備については、いずれトータル的に、引き続き県として支援してまいりたいと考えております。
〇保健福祉部長(佐々木信君) 介護保険制度の補足給付や自己負担割合の見直し等によるサービス利用への影響につきましては、今後とも、介護給付費の動向分析や事業者及び市町村等からの聞き取りなどにより状況把握を行ってまいります。
それから、介護報酬改定の影響でありますけれども、事業者団体からは、改定内容が厳しく、加算取得による対応にも限界があるなどの声も聞いております。
県としては、国が行う介護報酬改定影響調査や事業所団体との意見交換会等を通じて実態把握に努め、その状況に応じて、必要があれば国に対する要望をさらに行ってまいります。
なお、本年6月に実施いたしました平成28年度政府予算提言要望におきましても、介護従事者全般の処遇改善を図るための介護報酬設定を国に要望したところであります。
〇13番(高田一郎君) TPPの問題ですけれども、知事のこれまでの答弁を聞いていますと、やはり情報をしっかり開示して、そして、国民的な議論を行って、その結果、地域経済や国民生活に大きな影響を与える場合は、撤退も視野に入れて対応していきたいということをずっと述べてきましたが、現時点においても、その考え、姿勢は変わらないということで確認してよろしいですか。
もう一つは、食料の安全保障にかかわる点です。知事は外交官も務めていた方ですから、この点についてちょっとお聞きしたいと思います。
今度のTPPの大筋合意の中身を見ますと、協定発効から7年後に再協議をして、さらなる開放をという方向になっております。TPP問題そのものが、関税撤廃が原則なんです。今でも主要国の中で最大の輸入国になっている、こういう状況の中で、世界的な食料不足が言われている、そして、アメリカの大統領や農務長官を務めた要人も、食料はアメリカが持つ外交上の手段だ、餌や穀物を供給すれば日本の食肉供給をコントロールできる、こういう発言があるんですけれども、やはり自由化に、市場開放に向かうということは、食料の安全保障政策からしてもやるべきではないと私は思うんです。
その点から考えてTPPは問題ではないかと私は思うんですけれども、知事はその点についてどのようにお考えなのか伺いたいと思います。
それから、シイタケの再生産対策でありますけれども、今、農家の皆さんは、国に対する対応も求めているんですが、落葉層とかほだ木を地中に埋設できないかということを言っているんです。これは、例えば学校の校庭などの除染も地中埋設したんです。ですから、なぜシイタケはできないのかと。今々、これから生産再開が始まろうとしている、出荷制限解除も次々出てくると思うんです。そういったときに、ほだ場がない、そして、劣化するビニールなどがどんどん風で飛んでしまう。こういう状況を見るときに、やっぱりこういった対策を国にも求めて、一刻も早く対応していくべきだと私は思うんです。この点についていかがでしょうか。
そして今、農家の皆さんが願っているのは山の除染なんです。シイタケ生産農家の皆さんは、高いほだ木を買って生産するのは今までやったことがないんですね。自分の山を冬に伐採して、コストを極力下げて、そして、規模を拡大して今日の産地をつくってきたんです。そういう点で、里山の再生も農家の皆さんの強い要望なんです。これも県の対応はどうなっているのか、国の動向も含めて答弁いただきたいと思います。
それから、介護保険制度について、部長にもう一度お聞きしたいと思います。
岩手県社会保障推進協議会という団体が、この間、通所介護事業所の実態調査を行いました。61.9%の事業者が、収入が減少していると。そして、驚いたのは、今後の対応では、人件費を削減すると考えているのが27.2%の事業所であった、これは深刻な状況ですね。
私は、この間の議会の部長の答弁を聞いていて、処遇改善についての加算に事業所の86%が対応しているけれども、もっと引き上げたいとか、あるいは介護職以外も賃金が引き上げられるように国に求めていきたいと述べておりました。それはそれで大事なことです。
しかし、今、大事なことは、介護報酬を大幅に引き上げされることが一番の問題だと私は思うんですね。これは、3年後の改定を待たないまでも、直ちに国に対して、処遇改善だけではなく、介護報酬全体をもっと引き上げるように求めていくべきだと私は思います。その点での県としての対応を求めていきたいと思います。
そして、第6期計画についても、今、一関市でも、事情を聞きましたら、計画では123床ぐらいですけれども、手を挙げる法人がないと言うんです。その理由はさまざまあります。その一つに、やっぱり施設の建設費に対する補助が非常に少ないということであります。つくっても経営が大変ということもありますけれども。いろいろお聞きしましたけれども、50床つくれば12億円、補助金は2億円しかないと言うんですよ。小規模特養は5億円、補助金は1億2、000万円しかないと言うんです。やっぱりこの補助金をもっと引き上げて、施設整備に対する支援をもっともっとやっていくべきだと私は思います。
そして、最後に、子供の医療費について知事にお伺いいたします。
知事は前向きの答弁をしてきたと思います。これをもっと踏み込んで対応していただきたいと思います。この間の知事答弁をずっと調べてみましたけれども、知事は、人口減少対策にとって大事な課題だ、岩手県においても独自の努力をしなければならないと言っていますね。この独自の努力というのは一体どういうことでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 子供の医療費無料化についてから先に答弁させていただきますけれども、まさに、ことし8月、その対象の拡大、そして来年の8月、現物給付の導入というところが独自の取り組みでありまして、やるべきときにはしっかりやっていくということであります。
そして、TPPについてでありますけれども、この交渉の過程においては、基本的に秘密交渉という原則で行われたわけでありまして、その間、国民の民主的なコントロールが及ぶ度合いが弱かったと思うんですが、結論が出て、その結論がいいかどうかというのは、当然国民の民主的コントロールの及ぶもとで判断されなければならないわけで、この合意の内容や影響の部分について明らかになって、これではだめだということになれば、当然、日本としてTPPに参加しないという選択肢は、まだあり得ると思っています。
また、通商や国際的な経済ルールに関してさまざま決めていくというのは、つまるところ国民の命や生活を守るためにやるわけでありますので、食料安全保障の観点から、国民の命や生活が脅かされるような形の貿易条約、また経済ルールの条約に参加するというのは、政府として本末転倒でありますので、そういうことはあってはならないと思います。
〇農林水産部長(小原敏文君) まず、落葉層の件でございますけれども、県では、生産現場の実情は十分理解してございますが、国のほうから落葉層の法律上の位置づけ、それに基づく取り扱いについて示されていません。その段階で落葉層を地中に埋設した場合、不法投棄として法令違反になるおそれがあるとされてございます。したがいまして、なかなか県独自で処分等を行うことは困難であるということではございますが、まず、いずれ国に対して、それでは、落葉層の法律上の位置づけを早期に示していただきたい、また、管理、処分の基準を明らかにするよう、これは引き続き強く求めてまいります。
あとは、山の除染ということでございましたけれども、国においては、当初、山林についても除染方針を示すとしておりましたが、いまだ対象が広く、なかなかコストもかかるということで、その方針が示されておらないということでございます。
県では、いわゆる牧草地、農地と、できるところから順次除染を進めてございますが、山林については、引き続き国に対して確認するなど、シイタケ産地の再生に向けて努力してまいります。
〇保健福祉部長(佐々木信君) 介護報酬についてでありますが、介護保険制度において、各種介護保険サービスが継続的に、必要なサービスが安定して供給できるような介護報酬の設定になることが必要であると考えております。
繰り返しになりますが、本年6月に県で行いました政府予算提言、要望におきましては、介護労働を取り巻く状況に鑑みて、介護従事者全般に対する処遇改善を図るための適切な水準の介護報酬を設定するよう、要望したところであります。
それから、介護施設等の整備に係る補助単価についてでありますが、今年度からは、医療介護総合確保基金を活用して補助を行っております。その補助単価につきましては、従来、国庫補助制度であったときの単価等を参考にして設定しております。
基金の総額の制約等もございますが、今後とも、事業者の方々のお話を聞きながら、その補助単価についても、必要があれば見直しを行ってまいります。
日程第2 議案第30号主要地方道重茂半島線堀内・津軽石地区道路改良工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについてから日程第6 議案第34号大沢漁港海岸防潮堤災害復旧工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについてまで
〇議長(田村誠君) 次に、日程第2、議案第30号から日程第6、議案第34号までを一括議題といたします。
提出者の説明を求めます。風早総務部長。
〔総務部長風早正毅君登壇〕
〇総務部長(風早正毅君) ただいま議題とされました各案件について御説明申し上げます。
議案第30号から議案第34号までの5件は、災害復旧工事等に係る請負契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時15分 散 会

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