平成27年2月定例会 第18回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇26番(五日市王君) 一山会の五日市王でございます。
今般、9度目の登壇の機会を与えていただきました先輩、同僚議員に感謝を申し上げ、今任期最後であり、ともすれば、人生最後になるかもしれない一般質問を行います。
最初に、県北振興についてお伺いいたします。
平成18年1月に増田前知事のもとで発足した県北・沿岸振興本部は、本年1月で9年を迎えました。平成19年4月に増田前知事から県政を受け継いだ達増知事は、平成19年及び平成23年の2回の知事選において、県北・沿岸の発展なくして県勢の発展なしとの力強い思いのもと、県北・沿岸振興を県政の最重要課題と位置づけ、マニュフェストに盛り込み、その取り組みを推進してまいりました。
まず初めに、達増県政8年間における県北振興の成果と県北経済の現状、市町村民所得の推移並びに今後の課題をどのように捉えているのか、お伺いいたします。
また、知事は、3選に向けて出馬表明をいたしました。私は、震災発災直後から、これまでの県北・沿岸振興のくくりを県北振興と沿岸復興とに切り離し、復興関連事業の恩恵のない県北地域の振興をより強力に行うべきと主張してまいりましたが、知事は、県北振興の位置づけを今後どのように考えているのか、お伺いいたします。
次に、県北の雇用対策についてお伺いいたします。
県北地域に限らず、働く場の確保は、いかなる時代背景においても緊急かつ永遠の課題でございます。このため、企業誘致による雇用の創出はもとより、地場企業の育成や起業家の育成など、手綱を緩めることなく積極的に取り組まなければなりません。現在、県北地域へ進出する企業に対しては、企業立地促進奨励事業費補助制度において、補助要件の緩和策や、県南、県央地区より高い補助率により優遇措置がとられていますが、残念ながら、県北地域への企業誘致の実績は、平成24年度、県全体が37件であるのに対し2件、平成25年度、県全体21件に対しゼロ件、平成26年度は1月末時点で、県全体16件に対しこれまたゼロ件と、非常に厳しい状況にございます。企業誘致不振の原因をどのように分析しているのか、見解をお伺いたします。
企業誘致の厳しい現状の一方で、既存立地企業に目を向けますと、先日企業訪問をさせていただいた二戸市内のある製造業者は、新分野への展開などにより業績を伸ばしており、工場の増設や雇用拡大も考えているとのことでありました。ここで問題となるのが、増設費用や移転費用であります。現在は、増設に対する補助制度はございますが、移転に対する補助制度はございません。さらに、今後、各地域で工場等の老朽化なども想定されることから、これらにいかに対応していくのか考えなければなりません。
そこで、特にも県北地域への誘導策として、例えば公設の貸し工場や、域内での発展的移転に対し新たな補助制度を設けるなど、優遇制度を強化、拡充するお考えはないのか、お伺いいたします。
次に、人材確保の観点からの課題として、既存企業の地域での認知不足、高等学校との連携不足などがあり、特にも、新卒者や若手の人材が集まらないとの課題がございます。県は、これまでも、学校・地域の協働によるキャリア教育推進事業などを通じ、企業と学生とのマッチングに取り組んできたところではございますが、さらなる推進が必要と思います。特にも、小・中・高校生による企業見学や工業高校等の進路指導との連携が必要であると思いますが、この点は教育長にお伺いいたします。
次に、ものづくりの人材育成についてお伺いいたします。
昨年11月に愛知県で開催された第52回技能五輪全国大会を初めて拝見させていただきました。岩手県選手団は、建築大工、洋裁、メカトロニクス、日本料理など12職種、31名が参加し、そのわざを競い合い、本県選手団の成績は5名の選手が銅賞、敢闘賞を受賞いたしました。
これらものづくりの分野は、我々人類が生活を営む上で欠かすことのできない衣食住の分野を担っており、また、今後も震災復興による住宅建築や公共事業等、建設関連分野の需要増加が見込まれることなどから、これらの技術を受け継ぐ次世代の人材育成には、民間、行政一体となって強力な支援を行っていかなければなりません。
県では、平成23年度から平成27年度までの5カ年を第9次岩手県職業能力開発計画の期間と位置づけ、施策を展開してまいりましたが、県全体と県北地域におけるこれまでの成果及び最終年度である平成27年度へ向けた課題をどのように捉えているのか、お伺いいたします。また、あわせて、今後のものづくり人材育成の支援強化策をどのように展開していくのか、お伺いをいたします。
次に、寝台特急運行廃止への対応とIGRの経営についてお伺いします。
現在、上野‐札幌間を1日1往復している寝台特急北斗星は、本年3月13日で定期運行を終了し、その後の臨時運行についても、8月22日をもって終了するとの発表がJRからなされたところであります。また、同区間を週に約3往復しているカシオペアは、本年9月までしか運行計画が示されておらず、来春の北海道新幹線開業に伴う架線電圧等の問題もあり、廃止が危惧されているところであります。仮に両方とも廃止となった場合の影響額は、IGRで約3億円、青い森鉄道で3億8、800万円の減収が見込まれ、この額は、双方の会社とも旅客運輸収入の2割に上ることから、経営に与える影響は極めて深刻であります。北斗星の運行廃止とカシオペアの問題への対応と、仮にIGRが減収になった場合の対応策をお示し願います。
県北振興の最後に、風力発電についてお伺いいたします。
現在、企業局においては、高森高原に風力発電事業を展開していただいておりますが、このほかにも、県では、岩手県地球温暖化対策実行計画の目標達成に向け、大規模な風力発電の導入構想を検討していると聞いてございます。この構想の目的と、県北地域における今後の進め方についてお示し願います。
次に、人口減少対策についてお伺いいたします。
いわゆる増田レポートの衝撃から、国も地方も、一斉に人口減少対策と地方創生に大きくかじを切りました。本県においても、新年度予算にさまざまな人口減少対策を盛り込んだことは評価するものであります。
さて、我が国における人口減少対策の歴史を振り返りますと、太平洋戦争前夜の1941年―昭和16年、大東亜共栄圏を建設するため、産めよふやせよ国のためを目指す人口政策確立要綱が閣議決定され、当時の人口約7、200万人を20年後に1億人にするとの目標が掲げられました。この要綱では、婚姻年齢をおおむね3年早め、一夫婦平均5人の出生数を基本目標に掲げております。
また、神野直彦東京大学名誉教授の著書によると、人口政策要綱には、その目標達成のため結婚資金の貸し付けを行い、5人産めば返済無用としたこと。また、30歳以上の独身者と子なしには独身者税を課税するなどの政策が盛り込まれていたと述べられております。独身者税を課税することは見送られたようですが、閣議決定から27年後の昭和42年に、ついに我が国の人口は1億人を突破いたしました。しかし、このころから、いわゆる産児制限や避妊が奨励され始めますが、その後もなお人口はふえ続け、2008年の1億2、808万人をピークに減少へ転じ、現在に至っております。
私が危惧する人口減少の問題点は大きく二つあると考えます。一つは、そのスピードが速いこと、二つ目は、生産年齢人口が減少し、超高齢化社会になることであります。このため、これからの人口減少対策に欠かすことのできない視点は、超高齢化と人口縮減を前提にした社会体制づくりを構築することだと考えます。つまり、岩手県においては、25年後の2040年に約94万人と見込まれることから、地方創生や人口減少対策を実現しつつ、一方で、94万人を前提にした新しい社会体制づくりを行わなければなりません。そのためには、基礎的自治体である市町村と、市町村を補完する県の役割はより重要性を増し、特にも、県は、市町村とこれまで以上に運命共同体として協力、連携を進めることが必要と考えます。
そこで、まず県では、平成18年に、県南広域振興局体制をスタートさせ、その後、平成22年に4広域振興局体制が本格始動し、四つの本局にその機能を集中させていきましたが、県南広域振興局設置から9年、4広域振興局体制スタートから5年がたとうとしております。広域振興局のこれまでの取り組みの評価と今後の方向性をどのように捉えているのか、お伺いいたします。
また、今後の人口減少対策や地方創生の実現には、広域振興局本局への一極集中ではなく、地域に密着した行政センターの役割を強化しながら、これまで以上に市町村との連携が必要であると考えますが、現実は市町村合併や人員削減などにより、市町村のマンパワー不足も懸念されるところでございます。このため、県庁のマンパワーを現場である地域に惜しげもなく投入していかなければならないと考えます。
二戸地区では、平成25年度より、市役所の建設部門及び農林部門が県合同庁舎に移転し、県の土木部門と農林部門、それぞれ同じフロアで業務を行っております。これは市民の利便性からも、行政側の効率、連携の意味からも非常にメリットがあり、まさにこれからの人口減少社会における県と市町村との新しい連携のあるべき姿であると認識をいたしてございます。広域振興局の機能強化と人材投入に対するお考えをお聞きいたします。
次に、これまでの一般質問で3度取り上げさせていただきましたので、今回で4回目となります。
私は、広域振興局等、県の出先機関に勤務する職員は、その勤務地に住むべきであるとの主張を繰り返してまいりました。先ほど触れました振興局及び地域振興センターの機能強化や人材投入も大事なわけですが、その前に、出先機関の職員はその勤務地に住み、地域と積極的にかかわりを持ち、地域の経済活動に寄与することこそが、今すぐにでも行え、かつ、最も効果のある県としての人口減少対策ではないかと思います。出先機関の県職員の勤務地居住の現状と県の認識についてお聞かせ願います。
次に、人口減少の原因である社会減、とりわけ高校生の県内外への進学状況についてお伺いいたします。
御案内のとおり、都市部へ人口流出する年代は15歳から24歳までの若い世代が多く、その要因は進学や就職であります。とりわけ、県内高校生の大学、専門学校への進学状況を県内外別で見てみますと、平成24年入試において、県内3、429人、県外4、287人、平成25年入試において、県内3、485人、県外4、274人、平成26年入試において、県内3、091人、県外4、212人となっており、平均すると県内進学率44%に対し、県外56%となっております。これに対し、県内の短大を含む大学と専門学校等の受け入れ可能人数は、大学およそ3、360人、専門学校およそ3、500人で、合計およそ6、860人が受け入れ可能となっております。平成26年入試で見れば、進学した高校生7、303人のうち、実際に県内に進学した高校生の数は3、091人と、受け入れ可能人数の45%にとどまっております。つまり、進学する場があるにもかかわらず、半数以上の生徒が県外に進学している現実がございます。この問題の解決なしには、進学する生徒の県外流出は避けられないと思います。まずは、公立、私立の別なく、県内の教育機関を総動員して、時代の求めや生徒のニーズなどをきちんと把握し、オール岩手で魅力ある教育環境を整えなければなりません。現状認識と対応について教育長にお伺いいたします。
〔副議長退席、議長着席〕
次に、地域医療についてお伺いいたします。
高齢化が進展し、医療、介護サービスの需要が増大していく中、患者それぞれの状態にふさわしい良質かつ適切な医療を効果的かつ効率的に提供する体制を構築するためには、医療機能の分化、連携を進め、各医療機能に応じて必要な医療資源を適切に投入し、入院医療全体の強化を図ると同時に、退院患者の生活を支える在宅医療及び介護サービス提供体制を充実させていくことが必要であります。
こうしたことから、昨年の通常国会において、医療介護総合確保推進法が成立し医療法が改正されました。改正医療法に基づく義務として、平成26年10月より、医療機関がその有する病床において担っている医療機能の現状と今後の方向を選択し、病床単位を基本として都道府県に報告する仕組み、いわゆる病床機能報告制度が導入されました。この制度に基づき報告された情報等により、都道府県は、地域の医療機関が担っている高度急性期、急性期、回復期及び慢性期といった医療機能の現状を把握、分析し、その結果に加え、地域の医療需要の将来推計等を活用して、2025年における二次医療圏ごとの各医療機能の需要と必要量を含め、その地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための地域医療構想を策定し、医療計画に新たに盛り込むことになりました。この法改正を受け、県ではどのような対応をするのか、お伺いをいたします。
次に、本県における地域リハビリテーションの現状と課題、今後の対応についてお伺いをいたします。
高齢化が進む中、脳卒中や急性心筋梗塞患者の予後の改善や社会復帰、高齢者の自立支援等を一層進めていくに当たり、心身機能や日常生活活動等の向上を図るリハビリテーションへの需要が高まっております。本県では、高度なリハビリテーション機能を有するいわてリハビリテーションセンターを中核に、各二次保健医療圏に地域リハビリテーション広域支援センターが指定され、地域のリハビリテーションの実施を支援する体制となっております。しかしながら、課題としては、予防、急性期、回復期、維持期の各段階における関係機関の連携が十分図られていないこと、圏域によってリハビリテーションにかかわる資源が偏在していること、地域リハビリテーションを担い、かつ、推進するための核となる圏域ごとの拠点が整備されていないことなどが挙げられます。
例えば、県北地域では、二戸病院において急性期のリハビリテーションは受けられるのですが、その後の回復期のリハビリテーションを受けられる施設がなく、市外であるいわてリハビリテーションセンターや東八幡平病院、盛岡つなぎ温泉病院等へ転院しているのが現状でございます。数にすると、平成23年度が93人、平成24年度83人、平成25年度75人、平成26年度は12月までで51人となっており、患者さんの負担は大変厳しい状況になってございます。
また、本県は、脳卒中での死亡率が男女とも全国ワーストワン、特にも県北・沿岸地域は、その発症率が他地域よりも高いとの統計もあることから、その必要性、緊急性は論を待たない状況にございます。このことから、急性期後のリハビリテーションを行う医療施設の整備を急ぐべきと考えますが、県内の現状、課題とあわせて見解をお伺いいたします。
人生の最終段階における医療体制についてお伺いいたします。
厚生労働省は、平成19年に終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインをまとめ、人生の最終段階における医療について、医療従事者から適切な情報提供と説明がなされた上で患者が医療従事者と話し合いを行い、患者の意思を尊重した終末期医療を実現することを目指しております。
平成25年3月に一般国民及び医師、看護師、施設介護職員等の医療福祉従事者を対象に実施した人生の最終段階における医療に関する意識調査では、人生の最終段階における医療について、家族と話し合いをしたことがある人の割合は、一般国民では約4割、医療福祉従事者で約6割となっております。また、自分で判断できなくなった場合に備え、あらかじめ、どのような治療を受けたいかなどを記した意思表示の書面を作成していくことに対しては、一般国民の7割、医療福祉従事者では8割が賛成との結果が示されております。
ちなみに、平成20年に実施された延命治療についての調査では、治る見込みがなく、死期が6カ月程度あるいはそれより短いと告げられた場合、延命治療を望むか否かの質問に対する一般国民の回答は、延命治療を望むは11%、どちらかというと望まない33.9%、望まないは37.1%の結果が示されており、どちらかというと望まない人と望まない人とを合わせると、実に71%もの人が延命治療を望んでいないことが示されました。
なお、私自身も延命治療は望んでおりませんので、妻や息子には、その旨伝えてございます。
このような状況の中、先ほどの意思表示の書面に関し、作成しておくことには多くの国民が賛成しているのに対し、実際に作成している人の割合は、一般国民3.2%、医療福祉従事者で約4%となっており、全くと言っていいほど進んでいないのが現状であります。
県立二戸病院では、厚生労働省の平成26年度人生の最終段階における医療体制整備事業に手を挙げ、全国10カ所のモデル医療機関の一つとしてこの問題に真剣に取り組み、患者の意思を尊重した終末期医療のあり方について議論をしていただいております。
また、これまでも県北地域では、介護、福祉、医療関係者からなるカシオペア地域医療福祉連携研究会が、地域版ガイドラインであるカシオペアガイドライン・口から食べられなくなった時に考えることを作成し、パンフレットの配布を行っているほか、人生の最期のときまで自分らしく生きるために、そして、自分らしい人生の終焉を迎えるための心づもりを書き記すノートであるカシオペア版事前指示書ホタルの作成など、この難しい問題に真正面から取り組んでいただいております。
そこで質問ですが、人生の最終段階における医療体制について、県内医療介護福祉機関ではどのような取り組みが行われているのか、お伺いいたします。また、県としてこの問題にどのように向き合っていくのか、お伺いをいたします。
最後に、高校再編についてお伺いいたします。
まずは、新年度予算において、県立盛岡みたけ支援学校高等部の二戸分教室開設に向けた予算計上をしていただきましたことに感謝を申し上げます。生徒、保護者の皆様も御安心なされていることと存じます。
さて、現在改訂作業中の今後の高等学校教育の基本的方向の中には、地域や産業界との連携として、市町村や産業界と連携し、地域や地域産業を担い、地域社会の発展、地域産業の振興方向を念頭に置いて学科の配置を検討するとあります。現在、二戸地域の食産業は、せんべい、ブロイラー、日本酒など、全国的に展開している地場企業に加え、近年、食料品製造業の企業が立地するなどにより、全製造品出荷額の約75%、全製造業従業員数の約55%を占め、地域の経済や雇用を支える重要な基幹産業となっております。しかしながら、食品関係企業に必要な衛生に関する社会的な慣習が身についていない新入社員が多く、この教育に多くの時間を要するなど、企業経営にとって大きな負担となっているという課題がございます。このため、食産業が引き続き地域経済の柱となり雇用を支える産業として成長していくためには、その基盤となる人材の育成と確保、きめ細かな支援体制の強化が必要不可欠であります。特にも、食品関係企業は、食品衛生や品質管理など基礎的知識を有する人材を望んでいることから、企業が求める人材の養成が急務となっております。
以上のことから、地域の食産業の担い手、さらには即戦力の人材を育成するため、二戸地域の県立高校に食品工学などの食品関係学科を創設すべきと思いますが、教育長の見解をお伺いいたします。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 五日市王議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、県北振興についてでありますが、県北地域については、これまで、いわて県民計画に基づき、県北・沿岸振興本部を中心に、全庁挙げて取り組んできたところであります。その結果、平成19年度以降、チキンの加工製造や農産物の冷凍加工など、食品事業者を中心に10社の立地による新規雇用が創出されたほか、雑穀、甘茶等の商品開発、販路拡大など、食産業の振興が図られてきているところです。市町村民所得推計による県北地域の1人当たりの市町村民所得は、県平均を100とした水準では、平成18年度の78.8から平成24年度は85.1へ6.3ポイント上昇し、県平均との乖離が縮小されてきており、所得格差の解消に向け、一定の成果があらわれているものと認識しております。
しかしながら、震災以降、沿岸地域では復旧、復興に向けた取り組みが重点的に進められていますが、県北地域の内陸部では復興需要による経済効果が余り期待できないことから、この地域の振興を特に進める必要があるものと考えております。
また、県北地域の人口減少率は県平均を上回る状況が続いており、若者の地元定着のための産業振興や雇用機会の確保、U・Iターン等の人口問題対策を重点的に実施する必要があります。
このため、最近、二戸ぶっとべ料理や北いわて学生デザインファッションショーなどの新しい動きもある、県北地域を牽引している食産業やアパレル産業のさらなる振興や、九戸政実文士劇も印象深い豊かな歴史や文化も含めた地域資源を活用した観光振興や定住、交流の促進などについて、市町村や地域関係者と協働して進めてまいります。
次に、4広域振興局体制の評価と今後の方向性についてでありますが、広域振興局体制は、産業振興による地域経済の活性化を主眼とし、地域ニーズに即した施策展開が可能となるよう、市町村優先の行政システムのもとで、市町村への支援、広域的、専門的サービスなどを提供していくことを目指して整備したものであります。
産業振興による地域経済の強化の取り組みとしては、県北広域振興局におけるアパレルを初めとした地域の基幹産業への支援、沿岸広域振興局における水産加工業者等への生産現場へのカイゼン導入など、圏域ごとに特色ある取り組みが進められているところであります。また、県南広域振興局における首長懇談会での圏域としての人口減少対策の検討や、盛岡広域振興局における市町村の広域連携の推進に向けた取り組みへの支援など、市町村と協働、連携した取り組みが行われており、こうした広域振興局の取り組みは着実に成果を上げつつあると認識しております。
今後も、それぞれの圏域の目指す将来像の実現に向け、本庁と広域振興局及び本局と行政センターの適切な役割分担や市町村との連携の強化に配意しながら、各地域の特性に応じた体制となるよう努めてまいります。
次に、広域振興局の機能強化等についてでありますが、各広域振興局には、地域課題に即した、より実効性の高い施策に対応できるようにするため、各局の判断で実施できる地域経営推進費や広域振興事業の予算を措置しております。また、局長は市町村等の要望の窓口となっており、庁議や政策会議など県の重要な政策決定や予算編成の過程に参画することで、地域の声が県全体の施策に直接反映されるシステムを構築しております。このほか、広域振興局と市町村の人事交流も積極的に進めておりまして、二戸地区を初め、県内4地区の合同庁舎に所在市の関係組織が入居するなど、市町村と連携して住民サービスの向上にも取り組んできたところであります。
これまで、各地域の特性に応じて副局長を配置するなど体制を強化してきたところであり、今後においても、人的資源を含めた体制の整備に努めるとともに、広域振興局長のリーダーシップのもと、市町村や地域住民の方々と地域の目指す姿について共通の認識を持ちながら、独自性や機動力を発揮した地域経営を一層強化してまいります。
その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、企業誘致についてでありますが、県北地域においては、地域資源を活用した食産業や高度技術によるアパレル関連産業、先端技術による電子部品産業などの産業集積を目指し、平成24年度まで毎年度1社以上の立地を決定しているところです。現在、進出を働きかけている企業からは、地元企業との業務提携や人材確保、原材料の調達などの相談が多く、生産コストの削減や、より投資リスクを重視する動きが強まっていることが立地が進まない主な要因ではないかと考えております。
また、企業が進出する際には、交通アクセスやエネルギー供給、上下水道、通信網などのインフラに加えて、関連産業の集積や高い技術力、人材の確保が重要な要素となっていることから、県北地域においても、地元市町村及び関係機関と連携しながら、引き続きそうした立地環境の向上に努め、企業誘致を図ってまいります。
次に、県北地域への誘導策の強化、拡充についてでありますが、県北地域への企業誘致につきましては、これまでも必要に応じて補助率を引き上げるなど、補助制度を強化しながら取り組んできたところでありますが、今後は一層、地域の主要な産業を中心に、集積と高度化を図っていくことが重要と考えております。
御提言のありました貸し工場につきましては、国が平成27年度予算において補助制度を創設する予定であることから、制度の内容について情報収集するとともに、さらなる生産及び雇用の拡大が見込めるような企業の移転についても、どのような支援策が可能か、関係市町村と連携しながら研究してまいります。
次に、第9次職業能力開発計画のこれまでの主な成果と平成27年度に向けた課題についてでありますが、復興人材の育成を目指す建設関連の離職者訓練では、目標とした就職率67%に対し、本年度の実績は、県全体で83.0%、県北地区では85.7%となっております。平成27年度においては、建設業等は依然として人手不足にあることから、引き続き復興需要に対応した効果的な訓練を実施していく必要があると考えております。
県立5施設の学卒者訓練では、目標とした県内就職率75%に対し、本年度は県全体で69.0%、二戸校は86.2%と見込まれ、県内産業界に多くの人材を送り出せる見込みとなっております。平成27年度においても、引き続き職業訓練の重要性について広く周知を図るとともに、効果的に訓練を実施し、産業人材を育成していく必要があると考えております。
また、平成26年度の技能五輪全国大会には県全体で31人が出場いたしましたが、県北地区からは3人が出場しており、これは、盛岡地区に次ぐ出場者数となっているところでございます。
このように、計画はおおむね順調に成果を上げてきており、今後も、職業訓練や技能振興への取り組みを通じまして、この計画を着実に推進してまいります。
次に、今後のものづくり人材育成の支援強化策の展開についてでありますが、県では、県北ものづくり産業ネットワークなど各地域のものづくりネットワークを中心に、小中学生を対象とした出前授業や工業高校生を対象とした技能講習、企業技術者資質向上のためのものづくり塾などに取り組んでいるところでございます。さらに、こうした取り組みに加えまして、平成26年度2月補正予算案に未来の産業人材育成事業費を計上し、小・中・高校生を対象としたものづくり紹介パンフレットの作成や工場見学、小学校を対象とした企業紹介DVDの作成などを行うこととしております。
今後におきましても、産学官が一体となってものづくり産業人材育成の支援を強化してまいります。
〔政策地域部長齋藤淳夫君登壇〕
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) 寝台特急運行廃止への対応についてでありますが、県では、これまで数回にわたり、北海道、青森県と合同でJR東日本及びJR北海道に対しまして寝台特急の存続を、また、国土交通省に対しましては、寝台特急が減便、廃止された場合に新たな支援措置を創設するよう求めてきたところであります。本年1月にJR両社に要望した際、カシオペアの来年度下半期の運行計画については、平成28年3月に予定されている北海道新幹線の開業準備との調整を図っていくという回答がなされたところであります。寝台特急の旅客運賃収入は、並行在来線鉄道会社の経営を維持していく上で重要であることから、引き続き、北海道、青森県と連携して、JR両社及び国に対して寝台特急の存続と国の支援を求めてまいります。
また、IGRにおいては、これまでも近・中距離通勤定期運賃を中心とした運賃値下げを実施するなどして利用者増を図ってきたところであります。今後も、利便性向上による沿線住民の利用増や、地域資源を活用した着地型旅行商品造成による交流人口の拡大を図ることなどによって収支への影響の抑制を図ることとしており、県としても沿線市町と連携して支援してまいりたいと考えております。
〔環境生活部長風早正毅君登壇〕
〇環境生活部長(風早正毅君) 風力発電についてでありますが、本県は、北上高地を中心に風力発電のポテンシャルが高いことから、再生可能エネルギー導入拡大の核として位置づけ、積極的に取り組んでおります。現在、一戸町において企業局が事業化に向けた取り組みを進めるなど、各地で事業者による調査が進められているところであります。
県としては、さらなる導入の拡大を図るため、風況や地形などの状況を踏まえ、導入可能性が高いと見込まれる地域の選定を進めた結果、県北の3地区を含めた4地区を有望と考えたところであります。今後、構想を策定後、説明会を開催して事業者に参加を呼びかけるなど、有望地域の市町村や事業者と連携して、推進体制を構築しながら、風力発電事業の実現、合意形成に向けて着実に取り組んでまいります。
〔総務部長小田島智弥君登壇〕
〇総務部長(小田島智弥君) 出先機関に勤務する職員の居住地域についてでございますが、広域振興局等に勤務する職員で、その管内に居住している者の割合は、盛岡を除く広域振興局全体では69.0%と、5年前に比較して7.2ポイントの増加、また、県北・沿岸地域では86.6%と、5年前に比較して3.5ポイントの増加となっております。
県北・沿岸地域を初め広域振興局等に勤務する職員は、それぞれの地域において全力で地域振興に尽力するとともに、地域社会と一体となって、意欲的に地域経営に参画することがその使命であると認識しています。その中で、例えば九戸政実プロジェクトや北いわて学生デザインファッションショーなど、地域のさまざまな構成主体と職員とが緊密に連携し、地域資源に焦点を当てた活動を展開しているところであります。
職員がその勤務する地域に居住することは、地域の経済活動に寄与するものと認識いたしておりますが、一方で、配偶者の勤務の状況や、子育て、親の介護など職員個々の家庭事情もありますことから、職員の居住地や居住形態の選択について誘導等を行うことは難しい面があるものと考えています。職員が勤務時間の内外を問わず地域活動に積極的に参画することにより地域とのかかわり合いを深めていくことは、県北・沿岸地域を初めとする地域の振興に寄与するとの認識に立ち、より一層、地域社会とのかかわりを深めていくよう職員に促してまいります。
〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、医療法改正への県の対応についてでありますが、昨年6月に成立した医療介護総合確保推進法に基づき、平成27年度以降、都道府県は、将来の病床機能ごとの医療需要を踏まえた目指すべき医療提供体制などをまとめた地域医療構想を策定することとなります。都道府県が地域医療構想を策定するに当たっては、将来の医療需要を踏まえた必要病床数の推計方法など、国が示すガイドラインを踏まえて策定することとされています。現在、国において地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会を設置し、検討が行われているところであり、今年度中に都道府県に対してガイドラインが示される予定です。
県としては、このガイドラインに沿って、公的医療機関が地域医療に大きな役割を担っている本県の特殊性や、広大な県土を有し、県内各地において高齢化や医療、介護資源の状況が異なることなどを踏まえ、地域の医療関係団体などの意見を伺いながら地域医療構想を策定したいと考えております。
次に、地域リハビリテーションについてでありますが、本県における診療報酬上の回復期リハビリテーション病床数は、人口10万人当たり約56.3床で、回復期リハビリテーション病棟協会が提唱する50床の水準には達しています。しかしながら、議員御指摘のとおり、こうした医療資源は地域偏在しており、地域リハビリテーション拠点の強化や関係機関の連携を図りながら、地域における切れ目のないリハビリテーション提供体制を構築していくことが重要です。
県では、先ほど申し上げた地域医療構想で二次医療圏単位の病床機能ごとに目指すべき医療提供体制等を示すこととしていますが、特に、回復期を担う医療機能の整備が必要になると考えております。この構想の実現に向けては、地域の医療関係者等により具体的な取り組みを協議していくこととしており、その協議を踏まえ、回復期のリハビリテーションを担う医療機能の整備など、病床機能分化や連携等の取り組みに対し、地域医療介護総合確保基金等を活用して支援していきたいと考えております。
次に、終末期医療の体制についてでありますが、緩和ケアや在宅医療では、患者の最期をみとることも踏まえた医療が求められており、県内でも、医療や介護の現場で医師や施設それぞれの判断により終末期医療が提供されていると認識しておりますが、地域や施設等の団体を挙げた組織的な取り組みは、議員からお話のあった二戸地域の例にとどまっている状況でございます。
県としては、人生の最終段階における医療が適切に提供されることは重要であり、国が示したガイドラインにのっとり、患者本人による決定を基本とした医療やケアが、終末期医療が行われる場で広く実践される必要があると考えております。国においては、このガイドラインが十分認知されていないことから、今年度、県立二戸病院を初めとする全国10カ所で実施されているモデル事業の状況を踏まえ、専門的な相談員の配置などの体制整備を図っていく方向と聞いており、こうした国の動向を注視するとともに、関係者の意見も伺いながら、取り組みの必要性や方向性等を検討していきます。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 企業人材確保のための小・中・高校との連携についてでありますが、企業との連携につきましては、地元企業などからの御協力をいただきながら、小中学校においては工場見学や職場体験、高校においてはインターンシップや地域の技術者による専門高校での実技講習会、地域の企業人による普通高校への出前授業などを行ってきております。また、小・中・高校におきましては、小中学生の興味、関心を高めるための、専門高校の生徒による工作教室や小中学校への出前授業なども行っております。
地域産業の担い手の育成には、地域企業に対する教員の理解もまた必要であることから、県北ものづくり産業ネットワークを初めとする各地域のものづくりネットワークとの連携による、教員を対象にした企業見学会などにも取り組んできております。
県教育委員会といたしましては、これらの取り組みが一層充実したものになるよう、各広域振興局や地域企業との連携をさらに深め、地域産業の担い手の育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、県内高校生の進学状況に関する現状認識と対応についてでありますが、高校生の進学に関しては、生徒一人一人の将来の職業観への思いや、学びの環境の希望などを踏まえた進路を実現できるよう、丁寧に指導や支援をしていくことが一義的には大事であると考えております。一方では、議員御案内のとおり、人口減少社会にあって、地域の担い手となる若者の定住を促進していくこともまた重要な視点であると捉えております。
地元定着の促進については、まずもって高校生に県内の大学の魅力や実績を広く理解してもらうことが必要であり、県教育委員会におきましては、公立、私立の高校生を対象に、県内5大学で構成するいわて高等教育コンソーシアムと共同で、全ての大学を会場にした高大連携ウィンターセッションなどを実施し、生徒が各大学で学ぶ内容の理解の醸成を図ってきております。加えて、県内の大学には、関係部局とともに、生徒、保護者のニーズや地域産業の振興に結びつくような学部、学科の充実を要望してきており、今般の岩手大学の改組に当たりましても、ILC誘致などと連動した理数教育の充実や水産系コースの設置など、地元ニーズに沿う形での実現も見えてきております。
県内大学等の地元占有率は全国平均よりも高い状況で推移しておりますが、県教育委員会といたしましては、今後におきましても、高校生に県内の進学先の理解促進を図りながら、県内の大学等と連携して、地域や生徒のニーズをしっかり踏まえた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
二戸地域の高等学校での食品関係学科の創設についてでありますが、県内において食品に関する学科を設置している高校は、盛岡農業、花巻農業、宮古水産の3校があり、食品製造や食品管理、流通等の基礎的、基本的な知識と技術を習得させているところでありますが、高校における専門学科においては、その特色や魅力等を高めながら、地域産業を支える将来の担い手を育成することが特にも重要であると認識いたしております。
県教育委員会といたしましては、現在、今後の高等学校教育の基本的方向の見直しに当たって、学科の配置については、各地域における産業構造や地域特性にも留意し、中学生の志望動向、高校卒業後の進路状況、生徒、保護者の意識変化の状況等を踏まえ検討することとしておりまして、そうした点を念頭に、地域の方々や産業界等の御意見を丁寧に伺いながら検討を進めてまいります。
〇26番(五日市王君) 御答弁ありがとうございました。
何点か再質問をさせていただきます。
まず、知事にお伺いしたいんですが、県北振興について、るる評価、今後の課題というのはわかりました。私が一番聞きたかったのは、知事は3選に向けて出馬を表明しているわけですが、その中で、この県北振興の位置づけをどうするのかということが聞きたかったんです。つまりは、これまでどおり続けますよということなのか、それとも、いやいや、もう少し力を入れて頑張りますよということなのか、その意気込みが聞きたかったわけでございます。現在のところ知事選に立候補されているのは現職お一人でまだ選択肢はないわけでございますが、その思い次第では、知事も県民党、私も県民党でございますので、事と次第によってはということもあるので、ぜひともそこはどのように思っているのか、その思いを聞かせていただきたいと思います。
それと、総務部長、出先機関の職員の居住状況が5年前に比べて全体で7.2%アップと。県北・沿岸でも3.5%アップ。県北・沿岸については、沿岸部はほとんど住まわれていて、県北部は恐らくこんなに……、平均すればこうだということなので、もう少し低いのだろうとは思いますが、いずれアップしているということは、私も言い続けてきたかいがあったなということです。
ただ、特に二戸は確かに通いやすい、利便性がいい部分もあるんですが、やはりこれからの人口減少とか地方創生といったときには、県の職員の皆さんもその地域に住んで、そこの経済活動に貢献するというのは非常に大事な視点です。強制はできない、そのとおりかもしれませんが、そこをやはりもう少し、特にこれから必要になってくるんだと思います。地域の経済が大分違うと思うんです。例えば、月どのぐらい消費するかわかりませんが、二戸広域振興局、100人住めば、月10万円使ったって1、000万円なわけです。年間で1億2、000万円の経済効果があるわけです。そういったことも大事なことだと思います。きょうは公安委員長もおいでで、いろいろなお顔をお持ちの方でございまして、銀行の会長もやられておりまして、銀行がどういった職員をそういうふうに―恐らくほとんどの方は支店のところにお住まいになっているのではないかと、そういうところも聞いてみたいところではございますが、それは無理でございますので、ぜひ民間のそういったことも参考にしていただきながら進めていただきたいと思います。
それと、教育長にお尋ねいたします。
新聞報道等で最近見たのですが、お隣の青森県では、全国で唯一、りんご科というのがあるようでございまして、これが生徒が集まらないということで、だんだんに廃止するようなお話です。
お隣ではないですが、山形県は、東北で初めて林業関係学科を新設する方針だというきょうの新聞報道がございました。こちらは10人程度の生徒を受け入れる方針。いずれ、確かにさまざまな産業で、衰退していくところもあれば、これからだというところもあると思うのですが、きょうの答弁でもいろいろあったように、二戸地域の食産業の集積というのはもう大分進んできておりますので、地元の経済界からもこういった声が出ております。いずれ、今の高校再編は、ともすれば縮小の議論ばっかりなんですが、県内で例えば、新しい学科として産業界からとか市町村から要望があるものがあるのか、あるいは現段階で教育委員会として新しい学科に向けて検討の俎上にあるものがあるのかというのをちょっとお知らせいただきたいと思います。
それと、最後に、商工労働観光部長にお伺いします。
企業立地の件でございますけれども、先般、九戸の食産業というか食品加工会社のほうにちょっとお邪魔をさせていただいたときに話されていたのは、そこも工場を増設して、そして雇用も少ないんだけれども、雇用も今度、何というんですか、やろうと思っているらしいんです。ところが、ワサビとかニンニクの加工をやっているんですが、そのときワサビなんかが足りなくて岩手県にもいろいろお願いをしたと。どこかでつくってくれるところがないでしょうかとお願いをしたところ、さっぱりのれんに腕押し状態で、結局、二戸にある食品会社を通じて青森県に行っちゃったんですね。その知り合いの関係で、青森では、では、うちのほうでやってみましょうというある市が手を挙げて、今ワサビの栽培をやっているという状況もあるやに聞いてきました。そういったこともあるので、これはどういった事情でワサビのそこの連携がうまくいかなかったのかわかりませんけれども、今本当に食産業というのが集積してきているのです。恐らく二戸は二戸で、誘致企業の協議会みたいなものがあると思います。ほかの市町村もあるかもしれませんが、もう少し広域的にきちんと食産業の、何というのでしょうか、マッチングみたいなものをきちんとやる体制というのは必要なんじゃないかなと思いますし、きめ細かなアフターフォローというのも必要なのではないかと思いますが、その辺、どう取り組んでいくのかというのをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 次期知事選の公約につきましては、さまざま御意見を伺いながらこれからつくっていこうというところでございますけれども、県北広域振興局圏内の地域資源、またそこに生きる人、知れば知るほど魅力的だなと思っておりますし、また、先ほど答弁したような新しい動きには大変わくわくするものもあり、過去の公約以上に、公約に県北振興ということについては盛り込んでいきたいという気持ちを持っておりますので、さまざまアイデアをいただければと思います。
なお、アイデアをいただきたいというのは五日市議員に限らず、全ての県議会議員の皆さんに門戸を開いておりますので、念のため。
〇総務部長(小田島智弥君) 県北広域振興局への定住、居住に関連してお答えを申し上げますと、県北広域振興局としては3.5ポイントでございますが、二戸地区で見ますと2.3ポイントふえてございます。そういう形で着実にこの定着が進んでいると今認識をいたしておりまして、先ほども申し上げましたとおり、さまざまな職員の事情によりまして、これを強制なり誘導というのは難しいものではありますけれども、そういうことを推奨しながら、できるだけ地域の経済活動に寄与できるように、県としても、我々としても努めていきたいと考えております。
〇教育長(高橋嘉行君) 先ほど御質問いただきました食品経営学科のほかに、それ以外の学科の要望等があるのかと、そしてまた検討する余地あるのかというような御質問だと思います。
先般公表いたしました高校教育の基本的方向の改訂案、この公表した後に地域説明会等を開催しているところでございますけれども、そういう場等を通じまして、ILCの誘致を念頭に置いて、それで理数系とか外国語学系を学ぶ学科、そういうものを充実すべきじゃないかというような御意見とか、それから中山間地域においては、山形県と同様に林業に関する学科の設置などへの御意見もいただいたところでございます。それで、新しい学科も含めました各地域における学科のあり方につきましては、先ほども申し上げさせていただきましたけれども、各地域における産業構造、それから地域特性をも考慮しながら皆様とさまざまな意見交換をするということとあわせまして、生徒の志望動向などをきちんと把握いたしまして、検討を進めたいというように考えております。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 議員から御紹介のありました食産業関連の企業の声ということでございますが、県北地域におきましては、やはり何と申しましても、地域資源活用型の産業振興ということに可能性が大いにあるものと思っております。また、北上川流域地域と比較いたしまして、総体的に企業の集積は少ないわけでございますけれども、現に二戸とか県北地域において立地をされ操業している企業がございます。そうした企業についてしっかりとフォローアップをしながら、御用聞き活動もする中で、そういうニーズにしっかりと応えていくということが大事であると思っておりますし、これについては部局を超えて、例えば原材料のこういうものが必要だというような声をお聞きした場合には、すぐそういう関係するところにつなぎながら、県内で、県北地域でしっかりと操業し、さらに拡張していただけるような業容拡大をしていただけるような環境づくりに、県としても支援をしてまいりたいと思っているところでございます。
いずれにいたしましても、現に立地をされている企業の声に、県北地域への今後の企業誘致の可能性のヒントがいただけるものと考えておりますし、ニーズに応えていくことがまさに議員御指摘のとおりでございますので、そのように努めながら、県北地域への誘致あるいは操業の拡大に向けた取り組み支援を図ってまいりたいと思います。
〇議長(千葉伝君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時2分 散 会

前へ 次へ