平成26年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成26年10月21日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 高  橋  勝  重
議事管理担当課長 渡  辺  謙  一
主任主査 清  川     勝
主任主査 村  上     聡
主任主査 藤  澤  壮  仁
主査 藤  枝     修
主査 田  内  慎  也
主査 菊  地  友  和
1説明員
教育長 高 橋 嘉 行
教育次長兼
教育企画室長 八重樫 幸 治
教育次長兼
学校教育室長 平 賀 信 二
参事兼教職員課
総括課長 金 田   学
教育企画室
企画課長 蛇 口 秀 人
予算財務課長 小 畑   真
学校施設課長 宮 澤 寛 行
学校企画課長 石 田 知 子
首席指導主事兼
特命課長 松 葉   覚
首席指導主事兼
義務教育課長 藤 岡 宏 章
首席指導主事兼
高校教育課長 岩 井   昭
高校改革課長 木 村   久
首席指導主事兼
特別支援教育課長 民部田   誠
首席指導主事兼
生徒指導課長 大 林 裕 明
生涯学習文化課
総括課長 松 下 洋 介
特命参事兼
文化財課長 佐々木 一 成
特命参事 長谷川 英 治
首席指導主事兼
スポーツ健康課
総括課長 八 木 浩 之
首席経営指導主事
兼小中学校
人事課長 佐 藤   進
首席経営指導主事
兼県立学校
人事課長 山 形 守 平

企業局長 佐々木 幸 弘
次長兼
経営総務室長 畠 山 智 禎
技師長 丹 野 幸 矢
経営総務室
管理課長 菊 池   満
経営企画課長 細 川 普 基
業務課総括課長 野 崎 明 裕
電気課長 榮 田   厳

会計管理者 菅 原 和 弘
出納指導監 田 中 耕 平

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 佐 藤 和 彦
監査第二課
総括課長 豊 岡 直 人

財政課総括課長 五月女 有 良
〇岩崎友一委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで及び議案第37号から議案第39号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会、企業局関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇高橋教育長 平成25年度の教育委員会関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、教育委員会が所管する事務事業の昨年度の総括的な取り組みと今後の取り組み方針等についてでございます。
 教育委員会におきましては、最優先課題である東日本大震災津波からの学びの場の復興に全力で取り組むとともに、いわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けて、学校教育の充実、社会教育の充実と生涯を通じた学びの環境づくり、文化芸術の振興及び豊かなスポーツライフの振興などを主要な柱といたしまして、重点的に取り組んできたところでございます。
 いわて県民計画第2期アクションプランにおける教育、文化のそれぞれの政策項目ごとにその概要を申し上げます。
 家庭・地域との協働による学校経営の推進につきましては、各学校において、自己評価や学校関係者評価の実施などを通じた学校経営の改善に努めるとともに、教育振興運動と連動した学力向上や体験学習の充実などに取り組んできたところであります。
 また、いわての復興教育の推進につきましては、研修会の開催や復興教育推進校の指定による支援も行いながら、全ての学校における復興教育の充実を図ってきたところでございます。
 今後は、本年度において作成した副読本と教師用手引きを活用した復興教育の定着を図るとともに、市町村や関係部局等との連携のもとに、それぞれの学校の実情に応じ、想定されるさまざまな自然災害に対応した防災教育の取り組みを推進してまいります。
 児童生徒の学力向上につきましては、義務教育においては明確な学習課題の提示や学力の定着を把握する授業の展開など、よりわかりやすい授業への改善を進めてきたところでありますが、今後におきましては、学習定着度状況調査の効果的な活用事例の提示などを通じ、授業改善に向けた取り組みを一層推進してまいります。
 高等学校においては、基礎学力の着実な定着を図るため、高校1、2年の基礎力確認調査に基づく授業改善の取り組みを推進してきたところであり、観点別評価の確実な実施に向けた取り組みを充実してまいります。
 また、子供たちが、グローバル化の一層の進展など、多様で変化の激しい社会を生き抜く力を養成するため、グローバル人材の育成に向けた教育の充実を図ってまいります。
 豊かな心を育む教育の推進につきましては、まず、大震災により心にダメージを受けた幼児児童生徒の心理面でのサポートをするためスクールカウンセラーの拡充等に取り組んできたところでありますが、今後におきましても、多様化する子供たちの支援ニーズに対応するため、スクールカウンセラーに加えてスクールソーシャルワーカーの配置を拡充し、多職種間の連携の強化を図るなど、引き続き、関係機関と連携しながら教育相談体制の充実に取り組んでまいります。
 また、本年度策定した岩手県いじめ防止等のための基本的な方針に基づく関係機関と連携した取り組みを進めるほか、道徳教育の推進、児童生徒の情報環境の変化に対応した情報モラル教育の推進など、児童生徒の豊かな心の育成に取り組んでまいります。
 健やかな体を育む教育の推進につきましては、スクールバス通学や生活習慣の多様化、被災地における運動活動場所の制限などに対応するため、体育授業の工夫や授業以外の運動機会の増加に向けた取り組みを進めてきたところでありますが、なお一層、体力・運動能力調査結果を活用した授業改善への支援や、家庭、地域と連携した啓発活動などに努めてまいります。
 特別支援教育の充実につきましては、小学部から高等部までの継続性のある指導の充実や、小中学校との交流、共同学習などに取り組んできたところでございます。今後におきましては、特別な支援を必要とする幼児児童生徒の増加等に対応するため教室不足の解消などに努めていくほか、特別支援学校のセンター的機能の活用や個別の教育支援計画の作成と活用、企業との連携による卒業生の一般就労に向けた支援の充実などに引き続き取り組んでまいります。
 生涯を通じた学びの環境づくりにつきましては、教育振興運動の充実のほか、沿岸被災地における放課後の居場所づくりなど、学習活動支援に取り組んできたところでありますが、各市町村の実情を踏まえ、民間団体等とも連携を図りながら、社会教育事業の充実や地域人材の育成などに取り組んでまいります。
 文化芸術の振興につきましては、被災した文化財の復旧、郷土芸能団体の活動再開への支援を進めてきたところでございます。
 また、世界遺産登録につきましては、近代化産業遺産群の平成27年の世界遺産登録に向け適切に対応するとともに、縄文遺跡群の早期登録、平泉の文化遺産の追加登録に向けた取り組みを進めてまいります。
 豊かなスポーツライフの振興につきましては、2年後に開催が迫った第71回国民体育大会に向け、各競技団体との連携のもと各種の強化事業に取り組んできたところでありますが、この取り組みを加速させるとともに、計画的かつ継続的なスポーツ医・科学サポートを推進してまいります。
 また、地域に根差したスポーツ振興を図るため、それぞれの総合型スポーツクラブに対し、各クラブの実情に応じた支援の充実を図ってまいります。
 以上、総括的な取り組みと今後の取り組み方針について御説明を申し上げました。
 続きまして、決算額等について御説明申し上げます。
 お手元の平成25年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。昨年度の教育委員会所管に係る一般会計予算現額は、10款教育費のうち、1項教育総務費から7項保健体育費までの1、328億7、691万円余と、16ページの11款災害復旧費、7項教育施設災害復旧費6億8、850万円余のうち、教育委員会所管分6億5、167万円余を合わせまして1、335億2、858万円余で、これに対する支出済額は総額1、316億5、096万円余、翌年度への繰越額は6億8、440万円余となっており、翌年度繰越額を除いた執行率は99.1%であります。この結果、県の一般会計決算額に占める教育委員会関係の決算額の割合は12.4%となるものでございます。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、お手元の平成25年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 決算事項別明細書の316ページをお開き願います。備考欄に記載しております主な事業等について御説明いたしますが、事業ごとの金額については省略させていただきますので、御了承をお願いいたします。
 10款教育費の1項教育総務費でありますが、1目教育委員会費の支出済額1、959万円余は、委員会の運営に要した経費であります。2目事務局費の支出済額26億3、811万円余の主なものは、事務局職員人件費等の管理運営費のほか、東日本大震災津波により被災した幼児児童生徒の就園機会や就学機会を確保するため、市町村が行う被災幼児就園支援事業及び被災児童生徒就学援助事業に要した経費への補助、親御さんを失った児童生徒等に奨学金の給付を行ったいわての学び希望基金奨学金給付事業費、県立学校のグラウンド除染等に要した放射線対策費であり、繰越明許費842万円余及び事故繰越4、839万円は、市町村が行う認定こども園の整備への補助を繰り越したものでございます。318ページをお開き願います。3目教職員人事費の支出済額107億3、214万円余の主なものは、教職員健康診断等の人事管理費、児童手当、退職手当の支給等に要した経費でございます。4目教育指導費の支出済額9億8、495万円余の主なものは、震災により心にダメージを受けた幼児児童生徒や、学校不適応の生徒を支援するためスクールカウンセラーの配置等を行った児童生徒健全育成推進費、県立学校等を結ぶいわて教育情報ネットワーク運営費、特別な支援を必要とする児童生徒のため支援員や看護師の配置等を行った特別支援教育推進事業費、県立学校における進学対策講座の開催や各学校の進学指導の取り組みを支援したいわて進学支援ネットワーク事業費、320ページをお開き願います。県立学校等における実践的な外国語指導を行った外国語教育推進事業費、新規高卒者の求人開拓や就職支援を行った就職支援相談補助員配置事業費、震災の体験を踏まえた復興教育プログラムの作成導入と、公立小中学校及び県立学校の取り組みを支援したいわての復興教育推進支援事業費及び県立学校復興担い手育成支援事業費、小中学校の学力向上対策等を行った指導運営費であり、繰越明許費2、573万円余は、復興教育・防災支援教育推進事業に係る経費を繰り越したものでございます。5目教育センター費の支出済額4億1、688万円余は、総合教育センターの管理運営等に要した経費であります。6目恩給及び退職年金費の支出済額1億2、283万円余は、恩給及び扶助料等の支給に要した経費であります。
 322ページをお開き願います。2項小学校費でありますが、1目教職員費の支出済額454億1、885万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費、多人数学級等に非常勤講師を配置したすこやかサポート推進事業等に要した経費であります。
 3項中学校費でありますが、1目教職員費の支出済額274億1、465万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費等であり、2目学校管理費の支出済額633万円余は、一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要した経費であります。
 次に、4項高等学校費でありますが、324ページをお開き願います。1目高等学校総務費の支出済額249億3、042万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費等のほか、被災した高田高校の仮校舎への通学バスの運行等に要した経費であります。2目全日制高等学校管理費の支出済額15億3、302万円余及び3目定時制高等学校管理費の支出済額5、620万円余は、県立高等学校の管理運営等に要した経費であります。326ページをお開き願います。4目教育振興費の支出済額9億1、241万円余の主なものは、県立高等学校に係る産業教育設備、情報処理教育設備等の整備費、農業実習や共同実習船運行のための教育実験実習費、公益財団法人岩手育英奨学会に対する高校奨学事業費補助、被災した生徒へ教科書購入等に要する経費の一部を給付したいわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費であります。5目学校建設費の支出済額12億3、790万円余の主なものは、花巻農業高校の耐震改築を行った校舎建設事業費、雫石高校の校舎等の耐震補強などを行った校舎大規模改造事業費であり、繰越明許費2億9、866万円余は、花巻農業高校の校舎大規模改造及び耐震補強等に係る経費の一部を繰り越したものでございます。328ページをお開き願います。6目通信教育費の支出済額581万円余は、通信教育の管理運営に要した経費であります。
 次に、5項特別支援学校費でありますが、1目特別支援学校費の支出済額98億6、564万円余の主なものは、教職員の人件費等の管理運営費のほか、花巻清風支援学校の特別教室棟の整備に係る施設整備費であり、繰越明許費2、520万円余は、釜石祥雲支援学校高等部の作業棟整備に係る経費を繰り越したものでございます。
 330ページをお開き願います。次に、6項社会教育費でありますが、1目社会教育総務費の支出済額11億7、969万円余の主なものは、県立青少年の家の管理運営費、子供たちの放課後の安全・安心な居場所づくりや、地域の学びの場を中心とする地域コミュニティの活性化支援を行った学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費、社会教育に係る職員人件費等の指導運営費であります。2目文化財保護費の支出済額6億1、664万円余の主なものは、指定文化財の保存、修理に対する補助や、東日本大震災により被災した文化財の修理等の支援を行った文化財保護推進費、被災地における埋蔵文化財調査の支援を行った遺跡調査事業費、柳之御所遺跡に係る整備調査事業費及び土地公有化事業費であります。332ページをお開き願います。3目芸術文化振興費の支出済額2億1、977万円余の主なものは、青少年へのすぐれた芸術鑑賞機会の提供等を行った芸術文化振興事業費、県民会館の管理運営費等であります。4目図書館費の支出済額3億3、725万円余は県立図書館の管理運営に要した経費であり、繰越明許費447万円余は、図書館自動化書庫のサーバー更新に要する経費を繰り越したものであります。334ページをお開き願います。5目博物館費の支出済額3億4、228万円余は県立博物館の管理運営に、6目美術館費の支出済額4億7、739万円余は県立美術館の管理運営に要した経費であります。
 次に、7項保健体育費でありますが、1目保健体育総務費の支出済額5億6、180万円余の主なものは、県立学校児童生徒の健康診断等の保健管理費、学校管理下における生徒の災害に係る共済の掛金及び給付金、特別支援学校の学校給食食材の放射性物質濃度測定を行った児童生徒放射線対策支援事業費、保健体育及びスポーツ振興に係る職員人件費等の指導運営費であります。336ページをお開き願います。2目体育振興費の支出済額5億399万円余の主なものは、小学校体育指導者の授業力向上や、被災地域の部活動に係る移動バス借り上げ等を行った児童の体力向上推進事業費、国体等への選手団派遣及び県民体育大会の開催事業費、岩手県体育協会等への選手強化補助及びスーパーキッズの発掘、育成を行った競技力向上対策事業費、第71回国民体育大会に向けた選手強化事業費、被災した生徒の運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助したいわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援費補助であります。3目体育施設費の支出済額5億4、813万円余の主なものは、県営体育施設の管理運営及び施設整備、第71回国民体育大会で使用する施設の整備に要した経費であり、繰越明許費3、954万円余は、県営スケート場管理棟改修工事、事故繰越1億8、272万円余は、国体で使用する予定の県営運動公園多目的球技場の整備に係る経費の一部を繰り越したものでございます。
 次に、ページを飛んでいただきまして、350ページをお開き願います。11款災害復旧費の7項教育施設災害復旧費でありますが、352ページをお開き願います。1目学校施設災害復旧費の支出済額5億9、096万円余のうち、教育委員会所管分に係る支出済額は5億5、412万円余で、大雨及び台風等の被害による県立学校の災害復旧、東日本大震災津波により被災した高田高校等の学校施設の災害復旧に要した経費であり、繰越明許費5、123万円余は、大雨及び台風等の被害による県立学校の災害復旧に係る経費の一部を繰り越したものであります。2目体育施設災害復旧費の支出済額1、407万円余でありますが、県立御所湖広域公園艇庫の備品、東日本大震災津波により被災した県立高田松原野外活動センター解体に係る陸前高田市への解体費負担金であります。
 以上で説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇岩崎友一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇樋下正信委員 まず最初に、ただいまも説明いただきましたけれども、小学校、中学校、高等学校の教職員費についてお聞きいたします。
 小学校の教職員費の金額は451億9、650万円余、中学校におきましては273億9、920万円余、高等学校が248億1、580万円余ということでございますが、中学校と高等学校は余り金額に差がないようですが、小学校に関しては200億円ぐらい多くなっているということでございますが、この内訳について教えていただきたいと思います。
〇金田参事兼教職員課総括課長 小、中、高の決算額ということでございますが、今、委員がおっしゃられたのは、ほとんどがいわゆる教職員の人件費でございます。それで、この差というのは、小学校は学校数が358校、学級数3、168で教職員が5、508名、中学校は学校数が173校、学級数1、405、教職員は3、357名、高等学校は学校数64校、学級数842、教職員数3、165名ということで、小学校は5、000名を超える教職員がおりますので、この学校の数、学級の数、教職員の数という違いによって、この人件費が大宗を占める額の差となっているものでございます。
〇樋下正信委員 わかりました。
 それでは、先生方の男性の方と女性の方の比率というのはわかるものでしょうか。わかれば教えていただきたいと思います。
〇金田参事兼教職員課総括課長 平成25年度における女性職員の割合を申し上げたいと思います。小学校で61%、中学校で45%、高等学校では29%となっております。
〇樋下正信委員 いずれ、小学校が6割台、中学校になると4割、高等学校になると3割ぐらいという感じで、上になっていくと女性の先生方が少なくなっていくということだと思います。
 私が何を言いたいかというと、女性の先生方に活躍というか、もっとその比率が上がっていけばいいのかなと。我々も、小学校、中学校、高等学校と通って、先生方にもちろん教えていただいたんですけれども、女性の先生に教えていただけるというのが、何かうれしいというか、安心感ではないんですけれども、そういう思いがありまして、いずれ、女性の比率が上がっていけばいいのかなと思っておりますので、感想でございます。
 それから、校長先生の割合というのはどうなっているのでしょうか。
〇金田参事兼教職員課総括課長 平成25年度における女性の校長ということだと思います。その割合ですが、小学校では22%、中学校では5%、高等学校は平成25年度はおりませんでしたが、特別支援学校のほうは13校中4名が女性の校長ということでございます。なお、今年度は高等学校でもお一人、女性の校長を任用しております。
〇樋下正信委員 実は私の知り合いでも中学校の校長先生をしている女性の方がおりまして、時々会ってお話しするんですけれども、なかなかすばらしい校長先生だなと思っておりまして、ぜひ女性の校長先生もたくさん誕生してくればいいなと思っております。
 次に、先生方の、何というんでしょうか、休職と言ったらいいのでしょうか、休んでいる人数というんですか、どの程度の先生方が、1週間とか何かだったら休職にならないのか、その辺、ちょっと詳しいことはよくわからないんですけれども、例えば2カ月とか半年とか休んでいるような先生方というのはいるものなのでしょうか、教えていただきたいと思います。
〇金田参事兼教職員課総括課長 教職員の病気の場合の休暇及び休職の制度でございますが、例えばけがとか一般の疾病の場合は、病気休暇は3カ月まで取得できます。ただし、長期の療養が必要な精神疾患、がんなどについては6カ月間まで病気休暇が取得できます。
 それで、まず病気休暇の状況でございますけれども、小中学校の教職員は、休暇のほうの服務監督権限は市町村にございますので、具体的に数字は把握しておりません。高等学校、特別支援学校の県立学校で申し上げると、14日以上の病気休暇を取得した人数ですけれども、平成25年度は101名ございました。先ほどの3カ月、6カ月の病気休暇で、さらに療養が必要な場合には休職に入ります。休職の人数は、小、中、高とも私どもで発令しますので、人数はわかります。平成25年度の休職した職員は、小学校で36名、中学校で29名、高等学校と特別支援学校を含む県立学校で33名、計98名となっております。
 それで、休職に入るほどの療養が必要な者というと、やはり長期に必要でございまして、平成25年度の休職者の休職期間を1人当たり平均で見ますと、年間で5.2月間というかなり長期の療養で休職するケースが多くなっております。
〇樋下正信委員 小、中、高で100人近くの方がいらっしゃるということで、そのやりくりというんですか、穴があいた後というか、その辺はどういう感じになるのでしょうか。
〇金田参事兼教職員課総括課長 いずれ、療養での休職が一定程度出てまいりますので、なかなか正規職員で動かす、補充するということは難しいので、臨時講師、非常勤の教職員というものでもって埋めているというところが現状でございます。
〇樋下正信委員 いずれ、その授業とか業務に支障が出ないようにしていただきたいと思います。
 次に、通勤状況についてお伺いしたいと思いますけれども、先生方の公舎というんですか、官舎というんでしょうか、寝泊りする施設もあると思うんですけれども、今、道路網とか公共交通機関が発達しておりますけれども、その辺の状況というのは把握しているものなんでしょうか。それと、公舎というか、宿舎の利用状況などもわかればお知らせ願いたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 職員住宅の入居状況でございます。小中学校につきましては県教育委員会として調べてございませんので、県立の高等学校についてお答え申し上げたいと思います。
 平成26年5月1日現在で、県の平均でございますけれども、67%の利用率となってございます。それから、内陸、沿岸部それぞれちょっと値が違っておりまして、例えば盛岡地区でありますと60.8%、沿岸でございますが、例えば宮古地区でございますけれども、93.3%という高い入居率となってございます。
〇金田参事兼教職員課総括課長 教職員の通勤について、わかる範囲内でお答えしたいと思います。
 教職員につきましては、やはり自動車による通勤が非常に多ございまして、教職員の81.1%、8割ちょっとが自動車で通勤しているというのが実情でございます。実際に通勤距離から見ると、4キロメートルから10キロメートルが32.4%で一番多くて、次に10キロメートルから20キロメートルぐらいが26.7%、40キロメートルを超えるような遠距離が8.3%いるというのが今の通勤の状況でございます。
〇樋下正信委員 いずれ、宿舎のほうもかなり利用しているというのがわかりましたし、何を言いたいかというと、今、道路網も整備されて、通勤する先生方は多いと思うんですけれども、あとは転勤とか、できれば地域に住んで地域の活動とか何かにも参加している割合というんでしょうか、よくその辺は詳しいことはわからないんですけれども、我々の地域では、例えばお祭りとか何かがあれば、校長先生とか教頭先生が来て、一緒にお祭りとか何かにも参加するんですけれども、そういうふうな地域のさまざまな行事に先生方も参加できるような環境といいますか、汽車で通勤だから、もう何時に帰らなきゃならないというような、それもわからないわけではないんですけれども、地域に溶け込んだ活動を、教育に限らず、そういうふうな活動もしていただければいいのかなというふうな思いで発言をさせていただきました。いずれ、生徒たちが生き生きと学校で学びができるような環境づくりをしていただくようにお願いを申し上げて、終わらせていただきます。
〇小田島峰雄委員 それでは、決算書で申し上げますと、高等学校通学支援バス運行費というものがございます。それに関連いたしまして、県立高校の再編について二、三お尋ねいたしたいと存じます。このことに関しましては、さきの所管常任委員会でも活発な議論が行われたということは承知しておりますし、また、その会議の内容も入手しておりますので、よくわかっております。
 あえてお尋ねいたしたいと思いますが、県教育委員会におかれましては、これまで県内の少なからぬ高校の統合再編を実施してこられましたし、また、毎年のように学級数も増減してまいりました。そういうことから、改めて、県立高校の再編あるいは学級数の増減に係る基本的なお考えをまずお聞きいたしたいと思います。
〇木村高校改革課長 県立高等学校の再編についてのお尋ねでございます。現在、県教育委員会といたしまして方向性を定めるに当たりまして、外部有識者によります県立高等学校の教育の在り方検討委員会を設置して、議論を行っているところでございます。
 再編の基本的な考え方といたしましては、東日本大震災津波の影響、少子化のさらなる進行など社会環境の変化を踏まえ、岩手の子供たちの確かな成長を支え、よりよい社会を形成し得る有為な人材、復興に寄与する人材を育成できる高等学校教育を目指していくものでございます。
 一方、次期再編計画が整備されるまでの間も、少子化によりまして中学校卒業者の減というものは続いていることから、学級数の調整の検討というものは毎年度行っているところでございます。
 学級数調整の基本的な考え方でございますが、前年度の入学者選抜におけます定員充足状況、そして、中学校卒業予定者の状況、高校への入学者の見込みなどを勘案いたしながら、ブロックごとの学級数調整ではなく、個別の学校について検討し、大きく欠員の生じている学校の学級数調整を行うこととしているものでございます。具体的には、県立高等学校の管理運営に関する規則を踏まえながら、募集定員に対しまして1学級相当程度の欠員が生じている学校について、学級数の調整の検討を行っているものでございます。
〇小田島峰雄委員 そのとおりこれまでもやられてこられたのでしょうし、基本的にはこれからもそういう方針でいこうとされておられるのだと思いますけれども、実は、昨日配付されました教育委員会議の結果についてというものがございます。ここの教育委員会議で話題になりました高校のこの方針につきましては、ただいまお答えをいただいた方針から逸脱してはおりませんか。例外になってはおりませんか。そこをお尋ねしたい。
〇木村高校改革課長 昨日の教育委員会議の審議経過というところでございますが、8月に学級減の案を公表後、県議会における議論や一関市議会からの意見書の提出等を説明した上で、入学者の生徒の減は突然で理由がはっきりせず、一度40名を割り込んだことによる学級減の決定は拙速である、あるいは地域が努力する一定の期間を確保すべきであるというような意見が複数の議員から出されたこと等も勘案した上で、花泉高校の学級減を当面見合わせること、そして、今後の進め方について議論を行ったところでございます。
 その中では、花泉町内の中学校から花泉高校への進学見通しの状況や、学級減を見送った場合の今後の進め方と、その場合のメリット、デメリット、そして、この学級減の案の公表に対する花泉地域における子供たち、保護者、PTAの皆さんからの反応等について質疑、意見があったところでございます。
 こうしたやりとりを踏まえながら慎重に審議を行った結果、今回の教育委員会議では、花泉高校の学級減は見送るものの、入学者の状況をさらに精査するとともに、これまで学級数調整を実施してきた事例とのバランスという部分も考慮し、平成27年度入試における入学志願者数の状況を見て判断することと決定したものでございます。
〇小田島峰雄委員 今、いろいろお答えをいただきましたが、地元の声に配慮しただの、あるいは議員の質疑にお答えをしたのだというお話でございますけれども、私には、きちんとこれまでやってきた教育委員会としての方針を逸脱する例外をつくってしまったと、そういうふうにしか見えないわけであります。
 少子化の大きな流れの中で、この花泉高校に限らず、県内の特に周辺部の高校というのはこういった問題が起きているわけであります。そういう中で、教育委員会は、先ほど基本的な考え方の中で述べられたように、何が大事なのか、子供たちの将来にとって何を優先すべきかということを勘案して、その方針、基本的考え方をつくられたと思うのでありますけれども、そこからいささか逸脱した今回の取り扱いではないかというふうに私は思っております。
 私が一番憂えておりますのは、一部の大きな声のほうを向く行政、あるいは公平公正を欠く行政、教育行政のトップに立っている者にとりまして、そういうことはやってはいかんと思うのであります。言葉を変えれば、県民の声を聞き、非常に柔軟に判断してフレキシブルに対応したというふうに言うかもしれませんけれども、それはいささか私の考えには合わないわけであります
 かつて、県立東和高校が統合再編されるに際しまして、これは学級数の減ではないです。1学年2クラスあったものを、いきなり廃止統合してしまったんです。地元から高校や中学校や保育所がなくなるということは、地域の人たちにとってはもちろん重大問題であり、大きな騒動につながるわけでありますが、東和高校も例外ではございませんでした。そういう騒動が持ち上がったわけであります。しかしながら、地元の子供たちが地元の高校に入学する割合が1割5分から2割程度、そういう中で大変つらい決断を迫られたわけであります。
 きょうはいらっしゃらないけれども、八重樫教育委員会委員長がその当時も担当しておられたんですけれども、そのときに、地元の皆さん方に懇切丁寧に言葉を尽くして説明されて、閉校式のときも、最後まで杯を持って地元の方々と一生懸命話しておられた。私は、そこに教育者の原点を見る思いがいたしましたし、教育行政のトップをあずかる方の姿勢というものを感じました。きょういらっしゃらないから、ちょっと持ち上げ過ぎた傾向はありますけれども、いずれどこかで聞いているかもしれませんけれども、その教育委員会委員長が、きのうの教育委員会議の中でどういうお考えを述べられたのか、それも含めて、きのうの教育委員会議でどんな議論が交わされたのか、それをお聞きしたいと思います。
〇高橋教育長 花泉高校の再編にかかわりまして、これまでの学校統合も含めまして、ただいま委員の御見解を頂戴いたしました。まさに教育行政をあずかる立場として、教育の体制の整備ももちろんそうですけれども、県民の教育を受ける機会を決めていくに当たって公平公正な判断をするというのは、まさにそのとおりだと思っております。
 そういう中で、今回の花泉高校の学級減につきましては、御案内のとおり、常任委員会で案を示させていただきまして、それ以降さまざまな議論がございました。その中で、特に本年度の入学生がこれまでの過去4年間に比して特別減ったという状況について、もう少し様子を見るべきではないかということでございますとか、地域の努力等も考えてくれというような地元からの声もございました。それから、県議会での御意見等も頂戴いたしました。
 そういう中で、私は一般質問でも申し上げさせていただきましたけれども、いただいた話を踏まえつつ、教育委員会として適切な判断を今月の委員会でさせていただきたいというような趣旨のお話を申し上げました。
 昨日の教育委員会議の中では、これまでの学級減を行ってきた学校との均衡、あとは、前計画の中で廃止に至った地域が苦渋の御決断をいただいた中で受け入れていただいた、その経過等についても議論等をいたしておりまして、今後の新しい整備計画の策定に当たりましては、その辺は十分踏まえていく必要があるだろうというように思っております。
 そしてまた、花泉高校につきましては、結論を来年度以降に先送りしたということではなくて、これは、教育委員会規則の中で、学級減があれば、直ちに学級減を翌年度からするということではなくて、それが可能だというような規定になってございまして、将来的な見通し等も含めて慎重に判断することが大事だというようなことを、意見交換等を通じながら、最終的にそういう判断に至ったものでございまして、本年度末の入学希望者の状況等を見きわめた上で、年度内にその判断をしたいというように教育委員会議の中での合意形成がなされたところでございますので、その辺を十分見きわめながら、適切に対応していきたいと考えております。
〇小田島峰雄委員 決して先送りではないという今のお答えでございましたが、私にはやっぱり先に送ったというふうにしか見えないわけであります。
 きのうの部局の審査で、第三者による検証委員会を設けろという質問に対しまして、かたくなに拒む部局もあれば、本日のように柔軟に県民の意見を聞いてころころ変えていく部局もある。県もさまざまでございますが、問題は、花泉高校に関して申し上げれば、ことしの入学に際しましても、こういう議論が前年度行われたというふうに聞いております。
 そういう中で、どこの高校もそうなんですけれども、入学者数というのはどんどん年々減ってきております。まして地元の中学校から地元の高校に行く割合も同じように減ってきているということでございます。そして、まず、おおむね地元の中学校から地元の高校に入る割合というのは、ここをずっと見ましても、大体25%、26%で推移してきておったのが、本年度に至りまして16%になった。ちょうどかつての東和高校みたいですよ。だから、県教育委員会は、子供たちの将来にとってやっぱり考えなければいかんということで、そういう方針を出されたと思うのであります。先ほど申し上げましたように、どこの高校がなくなっても地元にとっては大重大問題、大変な問題であり、大騒動になる。だけど、基本的には子供たちにとって何が大事なのかということを念頭に置いて教育行政を進めないとだめだということを申し上げたいのであります。
 私は、少なければ少ないほど濃密な教育ができる、だから、5人になっても、3人になっても学校を維持していかなければならないなどという議論にはくみするつもりは毛頭ありませんし、少ない子供たちを高校で奪い合いをしてもどうにもなるものではございません。いつかはきちんとした考えに基づいて再編を進めていかないと大変なことになると私は思っております。
 国におきましては、これはきのうの新聞でしたか、58年ぶりに小中学校の統合に向けて計画を見直すのだという話もございました。これは、とりもなおさず、今、私が申し上げておりますように、子供の数が急激に減ってきたからにほかならないと思っております。そういう観点に立って、左から押されればぐらり、右から押されればぐらりと、こういう行政をしてはならぬと思うのでありますが、最後に、今、教育長の御答弁にありましたように、これからまた再編計画をつくられるのだろうと思いますが、今申し上げたことを踏まえて、この再編計画について、お答えになれる限りで構いませんけれども、御答弁を願いたいと思います。
〇高橋教育長 ただいま委員からお話がございましたように、考え方がその都度ころころとぶれるというようなことは、教育行政に対する不信感を増幅するというリスクを含んでいるというように私も思っております。ころころ変わるということは、基本的には十分戒めていかなければならないというように思っています。
 ただ、一方で、一定の方向性を決めるに当たって、広く多くの皆さんから御意見を丁寧にお聞きしながら、大胆かつ詳細に課題の解決に向けた対応というものをきちっと考えていくということもまた大事だというように思っております。
 そして、高校再編のあり方につきましては、現在、第三者検討委員会の中で、これまで、設置して3回にわたって議論をお願いしてきておりますし、地域での懇談会等もお願いしております。そういう中で、教育委員会に対しまして、一定の方向性についての御提言を可能であれば年内にお出しいただくということで、今後の議論をさらに深めることといたしております。
 県教育委員会といたしましては、そういう御意見等を十分踏まえながら一定の方向性を見定めていく。そしてまた、現在の岩手の状況というものが、委員がおっしゃるように、子供たちの進路選択を変えるようなことがあってはならない。望ましい進路選択ができるような環境整備をすべきだというのももちろんそのとおりでございますし、一方では、人口減少問題も大きな課題になっております。そういう、二律背反とは言えないかもしれないのですけれども、さまざまな課題に対して、学校教育としてどうあるべきかというような視点も十分に踏まえながら、現在御検討いただいておりますので、我々は、その検討委員会からの答申等を踏まえまして、適切な方向性を定めるべく努力してまいりたいと思っております。
〇小田島峰雄委員 これで終わりますけれども、一つ、通告していない質問で恐縮です。どさくさに紛れてお聞きするようで恐縮でございますが、統合になりました東和高校は、今、空き家になっております。何年も放置されたままになっておりますが、花巻市といろいろ協議をされておられるようですけれども、やっぱり放置しておいてはいかんです。統合再編をした以上は、地元と一緒になって、地元市と一緒になって、多少は面倒を見るような度量のある教育行政でなければいかんと思うんですが、学校施設課長にそこを聞いて、やめます。
〇宮澤学校施設課長 旧東和高校の校舎でございますけれども、現在、確かに未利用という形になってございます。これらの未利用校舎につきましては、地元市町村と種々協議を進めまして、市町村の利用あるいは地域における利用等を協議しております。結論と申しますか、使途につきます結果がまだ出ておりませんが、引き続き協議を継続してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 関連。じっと我慢していたんですけれども、ちょっと不正確な質問があったと私は思うんです。花泉高校の学級減の問題ですけれども、一部の声で基本方針が変えられたのではないかと。私は、これはやっぱり不正確だと。県議会の商工文教委員会の記録もきのうの教育委員会議に資料として提供されました。今までになく、商工文教委員会では圧倒的多数の委員から、やっぱり拙速ではないか、慎重に検討すべきだという声が出ました。
 もう一つは、一関市議会で全会一致で意見書が採択されているんですよ、慎重に検討してほしいという。私は、これは一部の声ではないと。
 そしてもう一つは、基本方針がやっぱり貫かれているんだと思います。先ほど教育長が言われたように、現段階での学級減は見送ったけれども、2月23日に入学志願者を見て判断するとなっているわけです。私は、かなり厳しい方針だと思っています。その点を改めて教育長に確認したい。そういうことがきちんと議論された結果ではなかったのかと。
〇高橋教育長 花泉高校の学級減に関しましてさまざまな御意見を頂戴したという経緯はございます。そういう話も含め、また、教育委員会として検討した見通し等も含め、総合的に判断した結果、昨日のような結論に至ったということでございます。
〇小野寺好委員 花泉高校の比較例として東和高校が出されましたけれども、今お話しのとおり、何年にもなるわけですけれども、非常にもったいない施設なわけです。ここはかつて全国初のIT講習などをやって非常に有名になったこともあるんですけれども、教育施設としての活用といったお話もちらっと聞いたことがあるんですけれども、現在、どうなっているのか。
 あと、これとの関係で、県内各地で、かつて県立高校の分校だったところが昇格していったわけですけれども、今はその逆のコースをたどっているわけですけれども、中学校を卒業する生徒の数から見て、計画みたいなものが大体できると思うのですけれども、そういった長期的な県有財産の利用、活用についてはちゃんとした計画があるのでしょうか、関連してお聞きしたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 東和高校の校舎の利用に関してでございます。
 昨年度でございますけれども、花巻市から看護系の大学について利用の計画があるということで、市が買い上げるという計画がございましたけれども、こちらのほうは計画がその後見直しになりまして、現在は、引き続き花巻市において利用方法を検討し、また、県教育委員会といたしましても、市、地元等と継続的にその利用について検討している段階でございます。現在のところ明確な利用方針は定まってございませんけれども、継続的にその利用について検討してまいりたいと考えてございました。
 施設の管理でございますけれども、現在は、花巻北高校で定期的に学校を巡視するとか点検するとか、そういったことで管理してございます。
 それから、旧校舎と申しますか、各高等学校の使われなくなった校舎でございますけれども、全体的に利用計画というのは定めてございませんが、各校舎ごとに、その所在します市町村等とその活用の方向について継続的に協議を進めてございます。
 私ども県教育委員会といたしまして、毎年度、そういった校舎の所在いたします市町村に出向きまして、その使途につきましていろいろ意見交換やら協議をしますとともに、さまざまな利用方法の提案等も行ってございまして、その中からいろいろな考え方が生まれるということもございますので、今後とも継続的にそういった努力をしてまいりたいと考えてございます。
〇小野寺好委員 県財政が非常に厳しいと言いながら、県民からすれば、例えば県立病院なんかでもそうですけれども、用途廃止になって、ただ遊ばせているだけじゃないかと。そういった病院とか学校に対する県民の視線は非常に厳しいものがありますので、きちんとした計画を立てて対処していただきたいと希望して終わります。
〇及川幸子委員 冒頭、高橋教育長からわかりやすい授業の取り組みとかわかりやすい授業の改善に向けた取り組みということでお話しされておりました。私からは、この授業の取り組み状況についてお伺いしたいと思うのですが、今、ILC―国際リニアコライダーの授業ということで中学生に向けてやっているわけですが、どのような成果があったのかをお聞きしたいと思います。まずもって小学校、中学校に聞いてみますと、全然わからないということが返ってきます。そういう中において、特別授業をされた内容をお示しいただきたいと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 ILCの授業の取り組みについての御質問でございますけれども、今、委員から御指摘がありましたとおり、今年度は県南広域振興局におきまして、委託事業を通して管内市町の12校の中学2年生を対象とした出前授業を実施しているところでございます。また、岩手県国際リニアコライダー推進協議会及び一般社団法人SAVEIWATEが主催しまして、昨年度までに小学校、中学校、高校の延べ65校においてドイツのマインツ大学の齋藤教授による出前授業を実施しているところでございます。ほかにも市町単独の授業を実施している例も聞いているところではございますが、小学校、中学校ともに、おおむね理科の授業等を活用しながらこの出前授業等に子供たちが参加するというような状況でございます。
 この取り組みにつきましては、学校の主体性を生かす教育活動の推進にもなっておりますし、児童生徒にとって、先ほど難しいというお話もいただいたところではございますけれども、科学的な興味、関心を高める取り組みとして大きな成果もおさめているのではないかと捉えているところでございます。
〇及川幸子委員 大きな成果をおさめているということで安心したんですが、その関心度についてちょっとお伺いしたいんですが、質問等はどういうものがあったんでしょうか。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 授業を受けました生徒たちの様子を実施した学校に幾つかお聞きしたところ、子供たちの姿とすれば、熱心にメモをとるという姿もございますし、質問等につきましては、ILCができることで地域とか生活がどのように変わるんでしょうかというような質問があったり、また、感想ではございますけれども、将来、宇宙にかかわる仕事についてみたいというようなことを申す子供がいたりというふうに、積極的に授業にかかわったり、あとは、見守った先生方の言葉ですと、内容とすれば難しいんですけれども、夢や希望を受けるような気持ちになって非常に楽しんで授業に参加していたというようなことを聞いております。
〇及川幸子委員 引き続き今年度も同じような形でなさるんでしょうか。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 齋藤教授の授業につきましては今年度も続くと聞いておりますし、先ほども冒頭で申しましたとおり、県南広域振興局のものにつきましては今年度スタートしたものでございますので、そういうものを中心としながら、また、推進協議会から県内全ての小、中、高校にDVDが配付されておりますので、それの活用等も今後期待されるところでございます。
〇及川幸子委員 続けてこういうものはやっていただくことで成果が上がるのではないかと思います。
 それから、昨年ですけれども、中学生男子は柔道、それから女子はダンスということで授業が行われたようですが、これの成果はあったのか全然聞いていないんですが、どうだったのかお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 中学生の武道の授業の取り組みについてでございますけれども、平成24年度から中学校の保健体育授業における武道、ダンスの必修化として、男女を問わず、中学校第1学年または第2学年において全ての生徒が武道とダンスを履修することとなっており、県内各中学校において武道やダンスの授業が実施されているところであります。
 武道、ダンスの必修化による成果として、多くの領域の運動を体験する中学校第1学年及び第2学年において、日本固有の文化に触れることができる武道や、仲間との交流を楽しむことができるダンスの特性あるいは魅力を味わうことができるのは極めて重要であると考えております。
〇及川幸子委員 武道は大変重要だと思うんですが、武道を通じて子供たちは何を学んだのでしょうか。
 けが等の心配はなかったのか、それから指導者はどうだったのかお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 先ほども申し上げましたけれども、武道については、日本固有の文化に触れるということでもございます。
 けがの心配ということでございますけれども、指導する教員の状況としては、武道やダンスに係る指導者研修の実施により、専門性の高い効果的な指導方法を学ぶ機会を設定したり、関係団体等の協力によって地域スポーツ指導者を希望する中学校に派遣するなど、指導教員の資質向上を図っております。特にも安全確保が必要な柔道の指導においては、全ての実施校で指導歴や研修歴のある指導教員が指導を行っておりまして、現在のところ、県内における中学校で大きなけが等の報告は受けておりません。
〇及川幸子委員 けがはなかったということでよかったんですが、指導者がなかなかいなくて困っている中学校があるということを聞いたんですが、そういうことはなかったんですか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 指導経験がない先生方については研修会を実施してその対応を行っておりますし、したがって、全実施校で、指導した先生あるいは研修を受けた先生が授業に当たっているということでございます。また、武道、ダンスの地域スポーツ指導者派遣事業というのがございまして、専門的な先生がいない、あるいは必要だという学校に対しては、その地域のスポーツ指導者を派遣している状況でございます。
〇及川幸子委員 基本的なこともぜひ教えていただきたかったと思うんですけれども、我が孫も、柔道ですけれども、全然一度も胴着を家に持って帰って洗ったことがないので、どうなっているのかなと。うちだけだったんでしょうか。
 そういうこととか、履物を脱いだらそろえるんだよという本当の基本的なことは教えられなかったのかお聞きします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 武道を含めて礼儀礼節を重んじるスポーツでございますし、今の部分についても今後も指導を継続していきたいと思っております。
〇及川幸子委員 指導を継続ということですので、ぜひ基本的な部分も教えていただきたいと思っております。
 2点目の質問です。
 携帯電話の所持状況をお伺いしたいと思いますが、携帯電話を高校に行くと必ず持たなければならないということで、持たなければいじめの対象になるなどということが聞かれますが、その所持状況はどうなのでしょうか。中学校から含めてお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 携帯電話の所持状況についてでございますけれども、まず、平成25年度全国学力・学習状況調査の結果を見ますと、携帯電話の所持率は、小学校6年生で34.5%、中学校3年生で42.8%となっております。また、高校生については、県の高等学校長協会が昨年8月に実施した抽出調査、これは1万4、000人ぐらいを対象にしましたけれども、携帯電話の所持率は96%、そのうちのスマートフォンの割合は80.1%となっております。
〇及川幸子委員 すごい率で、本当にスマートフォンもほとんどが持っているということなんですね。何か会話がなくなって寂しいなと思っていつも見ているんですけれども、この携帯電話に関してのいじめというのが随分ふえているんですよ。その点はどうなんでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 パソコンや携帯電話等によるいじめ、誹謗中傷等の県の全体の認知件数ですけれども、平成23年度は16件、平成24年度が62件、平成25年度が63件。平成25年度の内訳は、小学校が3件、中学校が22件、高校が38件と増加しております。
 要因といたしましては、スマートフォンの普及の影響が少なからずあると思われますけれども、やはりインターネット使用に係るモラルの欠如が大きいものと捉えております。
〇及川幸子委員 本当にこの携帯電話の所持ということでびっくりしたんですけれども、携帯電話を持たなければ仲間外れにされる児童が多いということ、その点についてはどういうふうな指導をなさっているんでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 小中学校につきましては、もちろん学校への持ち込みは県内では全て禁止しておりまして、あとは、それぞれの地域の学校とか警察とかPTAの協議会の中でも、できるだけ小中学生については携帯電話をいたずらに持たせないようにという運動を県内でされているという状況はございますが、ただ、これにつきましては強制力がございませんので先ほどの所持状況に至っております。
 いずれ、先ほども申しましたいじめについての対応も、小、中、高校それぞれで校長会の話を聞いても大変切実な部分もございますので、それぞれの校長会とも連携しながら、児童生徒の情報モラル教育を推進すること。あとは、携帯電話の所持、使用につきましては、やっぱり家庭との連携が不可欠であることから、さまざまな機会を使って保護者への啓発に努めること。あとは、県の総合教育センターでは、昨年、補正予算でスマートフォンとかタブレット等を購入いたしまして、それを活用した体験型の研修、これも毎年、研修者は大変ふえておりますけれども、そういう研修を実施するなどして、引き続き、携帯電話にかかわるいじめ、情報モラル教育については取り組んでまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員 よろしくお願いいたします。
 3点目に入ります。
 いじめとか不登校の状況ですが、このたび発表された資料を見ますと、不登校153人、暴力20件ということで、大変増加しているということで危惧しております。数は調べてわかりますけれども、これらの対応というのはどうなさっているのか。要因を、震災のあった後なのでということだけで片づけられないんじゃないかと思うんですけれども、その対応はどうだったのかお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 暴力ですか。いじめではなくて暴力。(及川幸子委員「不登校と暴力」と呼ぶ)
 まず、不登校につきましては、小学校が153人、中学校が710人、高等学校が373人となっておりまして、前年度と比較しますと、小学校が19人増加、中学校が5人増加、高校は減少という形になっておりました。
 暴力行為につきましては、小学校が20件、これは前年度から10件増となっています。中学校が88件で前年度よりも36件増、高等学校が54件で前年度よりも12件減という数字になっております。
〇及川幸子委員 小学校、中学校ともにふえていますけれども、高校は不登校も暴力も減っております。これは指導がよかったせいなのかどうだったのかお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 当然、指導の成果はあらわれているものと思っております。いずれ高校につきましては、不登校はここ5年ぐらいの傾向を見てもどんどん減少しておりますし、暴力については、実はその年度によって上がり下がりはあるんですけれども、今年度は減少したということで、やっぱり高校の指導の成果というものがあらわれていると思っております。
〇及川幸子委員 この間の土曜日、市内の小学校で学習発表会がありまして、2時間ほどずっと聞いてきたんですけれども、こういう子供たちに暴力とかいじめは絶対ないと思ったんです。命について一生懸命演じている姿を見て本当に涙してきたんですけれども、やっぱり1年生から6年生まで、ああいうふうに一つの学年がまとまってやっているという取り組み、そういう中で岩手県がどうしてこんなにふえたのかと思って危惧したんですけれども、その要因というのは震災というだけでは片づけられないと私は思ったんです。携帯電話が壊れますと、携帯電話を持っていかないと遊び仲間からいじめられるとか、床屋に行って髪を切らせると、今度は短くするとすごくみんなに笑われるとか、さもないことで物すごい反響なんですよ。そういう中で、やっぱり指導の先生方も大変だと思いますけれども、いじめという原点、家庭でも大事ですけれども、そういうのをやっちゃだめだということを徹底して教えていかないとだめだと思うんですが、いかがでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 いじめの対応策につきましては、昨年度、いじめ防止対策推進法が施行になりまして、そこで各学校で学校いじめ防止基本方針の策定を義務づけられております。それを踏まえて、やはり未然防止、早期発見、早期対応に各学校が努めなければならないと思いますし、今、委員がおっしゃいましたように、人間関係づくりというものを学校経営の基軸に据えることが大変重要であると思います。それがいわゆる安全・安心な学校づくりにもつながってまいると思いますので、その辺を今後も指導してまいりたいと思います。
〇小野共委員 平成25年度の主要施策の成果に関する説明書の数学・英語の学力向上についての話でありますが、少し英語に特化してお聞きいたしたいと思います。
 さまざまな施策をやられているようでありますけれども、先日の新聞に、先生の英語力、県で大きな差という記事が出ておりました。中学の最高は富山、最低は岩手という見出しでありました。全国の公立中学校、高校の英語教諭のうち、英検準1級レベル以上の取得状況を都道府県別に公表したものでありました。中学の最高は―英語教諭の英検準1級レベル以上の取得ですね―富山県で、最低が岩手県というものでありました。
 気になって少し調べてみましたら、文部科学省のホームページにありました。英語教育のあり方に関する有識者会議というものが定期的に開かれておりまして、その中の配付資料でありました、中学校の英語担当教員の英語力の状況と。岩手県の英語担当教員数422人に対し、英検準1級以上を取得している教員数が44人と。10.4%というもので、これはランキングにすると、47都道府県中、最下位であったわけでありました。
 そこで、高校の英語担当教員の英検準1級の資格取得の状況をお聞きしたいと思います。そして、その結果に基づいて、ほかの都道府県との比較というものを少し聞かせてください。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 県立高校の英語担当教員の英検準1級の取得状況についてでございますが、平成25年度英語教育実施状況調査における県内の英語教員の英検準1級等を取得している割合は43.7%となってございます。これは、全国平均が52.7%ですので、それに比較して9ポイント少ない状況になっております。(小野共委員「ランキングは」と呼ぶ)
 全国における位置づけにつきましては、岩手県は38番目となっております。
〇小野共委員 中学の教諭が10.4%で、ランキング最下位と。高校のほうが43.7%で、47都道府県中、38位と。一概には言えないということでしょうけれども、それでは、英検の取得と、子供たちに教える能力というものは果たして直結するのかどうかという話になっていくと思うんです。英検準1級の資格取得者が中学と高校において少ないということは、岩手県の英語の教育においてどのような意味があるかということになっていくと思うんですが、その辺を聞かせていただきたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 御指摘のとおり、資格取得の割合は全国に比べて少なくなっておりますけれども、県教育委員会といたしましては、教員の資格取得とともに、生徒に英語を使わせることのできる実践的な指導力を持つ教員の育成も重視しております。現在、県内の英語の授業において、50%以上英語で行っている教員の割合は89%となっておりまして、全国的に見ても高い数値となっております。今後とも、資格取得も奨励しながら、英語教員の資質向上に取り組んでまいりたいと考えております。
〇小野共委員 英語で授業をしている割合が岩手県とすればかなり高いと。これはすごくいいことなんだろうと思います。
 それで、英検準1級の資格の試験は、リスニングあり長文の読解あり単語あり、スピーチというかナレーションもありといったこともありまして、外国の英語圏で生活をする上で、あるいは英語を話す人たちとうまくコミュニケーションをする上で、私は、能力を試す上でかなりいい資格試験なんだろうと思っておるところであります。やはり、まず先生が資格を取って子供たちに教えるというような方向で進めていただきたいと個人的に思います。
 同時に、さっきの資料は、文部科学省の英語教育のあり方に関する有識者会議、この中で文部科学省のほうに提言があります。ある一定の方向性に流れとしてなっていくんだろうと思いますけれども、英検、TOEFL―御存じのとおりであります―などの外部試験の活用を今後入れていくという方向に日本の大学入試がなっていくだろうと。そういう方向性が決まりつつあるというものでございます。やはりこういった流れを考える上で、まず、中学あるいは高校の教師が英検なり、あるいはTOEFLの資格を持っておくというのは、私はマイナスではないと思いますし、むしろこれは進めるべきではないかと思っておるところでございます。
 中学の準1級の資格者の最高レベルは富山県でありますが、先ほどの順位は平成25年度のものでありますけれども、何でトップになったのかと。前の年―平成24年度から授業力向上の研修なりというものも進めておりますし、今、流れとして、他の都道府県なども英検あるいはTOEFLの資格の受験を県教育委員会のほうで、あるいは市町村教育委員会のほうで勧めているというものであります。先ほど、英語で授業をしている割合が全国的に高いというお話もありましたが、並行してやはりこれは進めていただきたいと思うものであります。具体的に、やはり教員の資格の取得状況の数値目標みたいなものを設けて強力に推進していただきたいと思うものですが、これについてどうですか。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 英語担当教員の英検準1級等の取得目標についてですが、本年度より文部科学省の委託で実施しております外部専門機関と連携した英語指導力向上事業におきましては、年次計画で取得に係る数値目標を求められております。本県でも、平成29年度までには国の目標である75%を達成できるよう計画し、取り組みを進めているところでございます。努力したいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 高校の再編についてお伺いします。
 きのうの20日ですか、この文書が配付されたわけですけれども、もう一度中身を詳しく説明してもらいたいのと、この文書を配付した理由を説明していただきたい。
〇木村高校改革課長 議員の皆様に配付した文書の内容、そして配付の理由について御説明いたします。
 この文書につきましては、昨日10月20日に開催されました教育委員会議定例会の状況をまとめたものでございまして、その内容は、10月定例会での学級減の決定は見送り、平成27年度の志願者の状況を見た上で学級数の決定を行うとしたものでございます。具体的には、入学志願者が40名を上回った場合は2学級を維持し、仮に入学志願者が40名を割り込んだ場合については平成27年度から1学級とするものでございます。
 文書を配付した理由でございますが、平成26年8月に公表いたしました学級数調整案と異なる決定をしたものであることから、教育委員会議の結果をいち早く議員の皆様にお知らせするために配付したものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 再編等検討委員会でしたか、ありますね、外部の。その委員会の皆さん方もこの決定は了解しながら出ているということでよろしいんですか。
〇木村高校改革課長 高校教育の在り方検討委員会の、外部の委員の皆さんに議論をいただきながら検討を進めているものではございますが、これは、高校教育の今後の方向性という部分について現在議論をいただいているものでございます。そういう中で、学級数の調整という部分は毎年検討が必要であるということで、次期再編計画が策定されるまでの間も、少子化等によりまして中学校卒業者の減が続いていることから学級数の調整の検討を毎年実施しているというようなことがございます。そうしたことから、この件については教育委員会議の場で検討しているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 最終的にはそうかもしれないけれども、その間に、その検討委員会でこれは決めていることじゃないんですか。そういう方針を決めたのを受けて教育委員会でやったのではないのかと思って、そうじゃなければそれでいいんですけれども、その委員の皆さんは知らないのかな。どういうふうになっているのか。
〇木村高校改革課長 検討委員会では、整備計画に向けた検討とともに、現在、こういった形で学級減を行っている部分についての全体的な評価は行っておりますが、個別の毎年の検討という部分については教育委員会議の場で議論するというものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。ということは、その委員会と、外部の委員会に……。でも、さっきの説明だと、相談しながらとか、そういうふうにして決めるという話じゃなかったか。その委員会というのはこの委員会じゃないんですか。違うのかな。
〇木村高校改革課長 在り方検討委員会は、高校教育の方向性全般について議論するものでございまして、学級減について個別にその委員会で検討するものではございません。
〇嵯峨壱朗委員 そんなこと言ってないですよ、全然。再編のことを検討する委員会だなんて一言も言っていませんよ。問題をそういうふうにすりかえないないでもらいたいけれども。
 そうじゃなくて、その委員会で、このことは別に相談しなくていい、さっきの外部というのはこの委員会のことでしょう、教育長が言ったのは。そこに相談しなくていいんですかと聞いているだけですよ。
〇高橋教育長 在り方検討委員会につきましては、本年5月に新たに設置したものでございます。これは、基本的な高校教育のあり方の方向性につきまして、第三者的な視点から御検討いただきたいという趣旨で設置したものでございます。その前提といたしまして、これまで、平成21年度までの再編計画、それ以降の取り組みをどうやってきたか。学級数調整をブロック別にやったとか、大震災後は各学校ごとにやっているというようなことを御説明した上で、現在も新たな計画を策定するまでの間はそういう動きにありますという前提でお話を申し上げて御検討いただいているものでございますので、検討委員会のほうでもそういう動きについては御理解をいただいているというように承知いたしております。
〇嵯峨壱朗委員 この学級減をしないことに対して私は悪いと言っているわけじゃないですよ。すばらしい結論だなと思っています。ぜひ今後もこういうふうに柔軟に考えてもらいたいと思っていますけれども、それはそれとして、検討委員会の皆さん方は、きのう教育委員会議で決めたこの決定を知っているんですか。
 なぜこう言うかというと、教育長はさっき、第三者のブロック何とかに相談しながら何とかと言っていましたね、決めていくと。だったらそういうふうな手続があるはずですけれども、あったんですか。
〇高橋教育長 検討委員会での議論につきましては、これまでいろいろ情報提供をさせていただきながら御検討をいただいているところでございます。
 昨日の学級減につきましては、先ほど申し上げましたように、新しい方向性を決めるまでの間は教育委員会として学級減等の適切な対応をしていくということを御説明申し上げております。昨日の個別の花泉高校についてはまだ具体的に話は申し上げておりませんけれども、次回の検討委員会の場でその状況についての御説明をしたいというように思っております。
〇嵯峨壱朗委員 これにこだわっても……。私の聞き間違いかもしれませんが、先ほどの説明だと相談しながら決めていくという話をしていましたよね。それと矛盾しませんか、今の説明は。
〇高橋教育長 検討委員会と相談するという、検討を踏まえてというような基本的な検討の方向性、学校の存廃でございますとか、あとは新しいタイプの学校のあり方とか、高校教育全般について幅広な御検討をお願いしている、そういうことを前提にして先ほど御答弁をさせていただいたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、この学級を一つ減らす、減らさないということは特に大した問題じゃないからやらなくてもいいということなんですか。後で話せばいいということなんですね、説明からすると。そうですよね。
〇高橋教育長 それぞれの学級減につきましても、やはりこれは大きな問題だと思っております。そういう中で、県議会を初めさまざまな場でこれまでも説明をさせていただきました。そういう中で、検討委員会でもまた学級減等について御意見等……、これは望ましい学級規模等についての議論はお願いしておりますので、そういう中でまた検討委員会の中で検討がなされるのではないかと承知いたしております。
〇嵯峨壱朗委員 よくわからないんですけれども、さっきの説明とちょっと違うんじゃないかと思っていますよ。検討委員会に相談して決めているわけじゃないわけですから、相談する必要がない事項だったということなんですね。だから相談しなかったという説明だと理解しています。
 それで、この学級減の方針を見送りした理由について、改めて詳しくお尋ねしたいと思います。
〇木村高校改革課長 今回の教育委員会議におきまして学級減の方針を見送った理由についてでございますが、8月の学級減の案を公表した後の県議会における議論として、入学生徒の減は突然で理由がはっきりせず、一度40名を割り込んだことによる学級数の減は拙速である。地域が努力する一定の期間等を確保すべきであるというような御意見が複数の議員から出されたところでございます。また、一関市議会からも高校再編に係る意見書が提出されており、学級減についても慎重に実施するべきというような内容が含まれていたところでございます。
 こうした動きを踏まえまして、来年度における花泉高校への志望状況を十分見きわめる必要があるということ、そして、これまでの学級数調整における取り扱いなど、さまざまな観点から慎重に議論を行い、10月の教育委員会議における決定は見送ったものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 過去も多分、私が知っているのはそんなに古いわけでもないですけれども、先ほど小田島委員から話があった東和高校をなくするのも含めて、久慈なんかの場合でも三つの高校を一つにしたというのがありました。それにも反対はあったんですよ、当然。かなりありました。例えば久慈工業の学科、学級を減らすときも相当地域から要望しました。議会でもそうだったと思います。でも、やりましたし、やむを得ないだろうということで従っていますよね。だから、今後はこれが一つの例として、議会でそういった意見がある、地域の市町村議会から要望がある、さまざまな意見があると、こういうふうな形で見直してくれるんだと。教育委員会は柔軟に対応してくれるという理解でいいんですか。
〇木村高校改革課長 今回の検討は、来年度における花泉高校への志望動向等を十分見きわめる必要があるというような議論があったことから、これまでの、そういうふうに委員もおっしゃるとおりの学級数における取り扱いをしたことによっての不均衡とか、そういう部分についても教育委員会議の場で御議論をいただいたところでございますが、そういうことも勘案した上で今回はこの決定を見送ったところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 あなたでしょうか、木村高校改革課長、8月5日の商工文教委員会での説明では、この花泉高校についても、ことしの一般入試を実施する前に学級減ができる状況ではございましたが、再募集等の状況を見させていただくということで、この段階では学級減を実施しておらないところでございますというのがことしの3月の入試の状況だったわけですよね。だからそうするんだという理由としてこれを述べているんですよ、あなたは、商工文教委員会では。矛盾していませんか、今の説明と。
〇木村高校改革課長 その説明は、平成27年度入試における入学者の状況という部分について、再募集の状況も見て判断すると。規則に該当したのが1年目という部分について、平成26年度当初にそのような判断を行わなかったということを説明したものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 その一連の流れの中でいうと、平成27年度になぜ減をするかという説明の中で出てきているわけでしょう、これ。そして、じゃ、読みますか、全部。次に、花泉高校についてでございますけれども、花泉高校は、平成26年度の入試におきまして一般入試志願者が確定した段階で定員に対して55人の不足を生じ、この段階で県立高等学校の管理運営規則の第3条によりまして云々かんぬん、だからやむを得ず減らすんだよということをあなたは説明しているわけでしょう。それがなぜそういうふうになるのかなと思って。違いますか、矛盾していませんか。それは平成27年度じゃなくて平成26年度の入試について説明しているんですよ。
〇木村高校改革課長 私が説明したのは平成26年度の県立高等学校の編成についての御説明でございますが、委員がおっしゃられている部分は、平成26年3月の時点でそういうふうに学級数調整をしたのかという部分については、そういうところでやっておりませんというところを説明させていただいている部分でございます。
〇嵯峨壱朗委員 いいです。あなた方は間違っていないからね、それはいいですよ。絶対間違っていないからこれ以上言いませんけれども、何回も言うけれども、減らさないことが悪かったと言っているわけじゃないですからね。こういうふうに柔軟に対応してもらうべきだと私は思っています、基本的に。ですから、今後もこういう事案があった場合には今のような説明の形で余裕を持って対応してくれる、そういう理解でよろしいですね、教育長。
〇高橋教育長 ただいまの御質問にお答えする前に、今回の花泉高校に関しまして、昨日の教育委員会議の決定を見送ったということでございますけれども、これは、あくまでも昨日の決定にはならなかったということで、本年度にその方向性を定めるという合意形成については十分とらさせていただきました。これは、いずれ年度内に一定の方向性を見出すということですので、その点、御理解を賜りたいというように思います。
 それから、高校再編にかかわりまして、現在、検討委員会で御議論をいただいておりまして、その中でも県民の皆様から御意見を頂戴いたしておりました。そして、検討委員会の答申をいただきまして県教育委員会としての方向性をまとめたいというように考えております。その際も当然でございますし、そこから具体的な再編計画を策定するに当たりましても、県民の皆様、それから当然議員の皆様、さまざま多くの皆様から御意見を頂戴いたしまして、望ましい高校教育のあり方についてきちっとした案をつくるように努力したいというように思っております。
〇佐々木大和委員 今の嵯峨委員の質問に関連します。最後のところですが、きのう配られた花泉高校の関係ですけれども、こういうものが配られたのは初めてだと思うんですが、今回、教育委員会議でこのような決定をしたと。多分特別なことなのでこういう資料が配付になったと思うんですが、ここで、平成27年2月23日に確定する入学志願者数を見て判断することになりましたと。平成27年3月の教育委員会議で花泉高校1学級減の審議をすることに決定したと。これ、一回延ばしたということになれば、これでできるんだということを皆さんに示しているものですから、先ほど質問が出たように、いろいろなところから要望が出るんですが、最終的には、現況を見ながら、毎年これは3月に決めてもらえるんだということになるんですか。そういう捉え方をされる危険性があるんじゃないかと思います。そこについて教育長の明快な答弁をいただきたい。
〇木村高校改革課長 今回の学級減の取り扱いの関係でございますが、これに関しては、平成17年の学級数の検討の際、4校―大迫、伊保内、浄法寺等からの検討の結果がございまして、実際、平成18年2月にこのような形で1学級にしたというような事例があるところでございます。そうしたことも勘案した上で、今回はこのような方針で対応するというように教育委員会議の場で決定したところでございます。
〇佐々木大和委員 今回そういうように対応を決めたんだけれども、そういう環境のところがたくさんあるわけですから、こういうところを皆さんの意見を聞いて、さっきの意見のとおり、これを見送ったというのは教育委員会として大変な努力をした結果だと思って、それはそれで評価されると思うけれども、ただ、そういう環境の学校がいっぱい出てくる中でこのような決定をしたということになれば、最終的な志願者数を確認して、いろいろ地域では努力していますね。志願者の、それこそ40人を割った、割らない、41人になればこうですよということをよく聞きますので、そういう環境をそこまで引っ張っていきますよということになると、これは毎年3月まで押し込むんじゃないかと。そういうことに捉えますが、教育長、その辺の配慮はどうされたんですか。
〇高橋教育長 今回の案を公表させていただいたのが8月5日でございます。当然、公表に当たって、案を公表するということは、我々責任を持ってそれを仕上げていくということは極めて大事だというように思っております。それまでの間、地元の市町村等との話し合い等を通じながら、御理解をいただくべく努力はしてまいりました。そして、また一方でさまざまな御意見も頂戴いたしました。そういう中で、最終的に昨日の決定をするのが適当かどうかということをさまざまな観点から検討させていただきまして今回の決定ということになったところでございますけれども、いずれ今後におきましても、我々は、皆様に考え方を示すに当たっては、十分多面的な検討を行いながら、御理解をいただけるような姿勢を持って取り組ませていただきたいというように考えております。
〇佐々木大和委員 いろいろな要素はあると思います。当然多面的な要素を持って検討するんだろうと思いますが、ただ、先ほど来いろいろな話が出ているように、高校教育の本旨を明確に示して説得しなければ地域は納得しないと思います。そこを皆さんが期待しているわけだから、教育委員会ではその方針をしっかり出して、そして高校教育の責任者としての方向を示してもらって地域の方々に納得していただく、その手順をしっかり踏んでもらわないと、毎年こういうことで揺れては、3月まで引っ張ったら大変なことになるので、ぜひそこをしっかりやってもらいたい、そのようにお願いします。
〇岩崎友一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時53分 休 憩
午後1時51分 再開
〇高橋但馬副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ13人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇及川あつし委員 きょうは静かに質疑をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 放課後の子供の関係について伺いたいと思います。通告したものについては簡潔に御答弁ください。私が本当に質疑したいのは、政府が7月31日に出した放課後子ども総合プランについて、多々疑問、疑念、これからの混乱が予想されるという意味で、そこはちょっと質疑したいと思うので、よろしくお願いします。
 御案内のとおり、保健福祉部でも質疑が交わされましたけれども、子ども・子育て支援新制度ということで、今、現場においては大混乱が残念ながら起きている状況であります。私も事業に携わっている者として非常に残念に思っているわけですが、同じような文脈で、私は、この放課後子ども総合プランというものを実は見てございます。これから十分時間もない中だと思うんですが、現場でどういう状況かというものをお聞き取りいただいて、県としての対策も進めていただきたいという趣旨でございます。
 質疑をわかりやすくするために、これは非常に難しいというよりも複雑でありますので、御案内のとおり、放課後の子供をお預かりして教育や保育をやっている施設には放課後子ども教室、これは文部科学省の所管だと思います。放課後児童クラブ、これは学童保育とも言われて厚生労働省、あとは児童館、児童センターというものもあって、かなり、何がなんだかとわかっている方はほとんどいない、こういう状況だと思うんですが、一番最初に、わかりやすくするために、文部科学省所管の放課後子ども教室、厚生労働省所管の放課後児童クラブ、これは何が違うのか、簡単で結構ですので、概略、その違いを教えてください。
〇松下生涯学習文化課総括課長 今御指摘のございました放課後子ども教室と放課後児童クラブの違いについてでございますが、簡単に申し上げますと、放課後子ども教室は、全ての子供を対象とした学習体験活動の場であるということでございまして、放課後児童クラブにつきましては、共働き家庭などの児童に遊びや生活の場を提供するものであるという点が大きな違いであると認識しております。
〇及川あつし委員 その違いもあるわけですが、平成25年度、文部科学省所管の放課後子ども教室は県内ではどういうふうになっているでしょうか。また、近年、この放課後子ども教室はどうなっているのか、その動向、あとは、放課後児童クラブと対比した形でどうなっているかお示しいただきたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 平成25年度の県内の放課後子ども教室の実施状況でございますが、26市町村126教室で実施しております。放課後児童クラブにつきましては、31市町村293カ所で実施しております。
 近年の動向といたしまして、震災後、放課後子ども教室は、平成23年度の121教室から平成25年度の126教室に、放課後児童クラブにつきましては、平成23年度の284カ所から293カ所に増加しております。
〇及川あつし委員 ちなみに言っておきますが、御案内かと思うわけですけれども、保護者の方のいわゆる就労形態がどんどん変わってきて、ニーズは高まっている。全国の状況で、放課後児童クラブでいえば、15年前に比べれば施設は2.2倍、利用している子供は全国で2.6倍。本県はそこまで行っていないにしても、全県はわかりませんけれども、盛岡近郊でも同様の傾向が見られていて、一方で、この課題については、まだ若い課題なのかなとも思ってございます。
 私も事業にかかわっているというのは、そもそもこういう概念がなく、私がかかわっている幼稚園などでは、結局、小1の壁―預けるところがないからということで、実は最初に保護者の方から頼まれて、任意で、ではお預かりしましょうと始まった事業がどんどん拡大していって、滝沢村―今は滝沢市ですけれども、滝沢市から委託を受けてということで、どんどん進化してきて、政府のほうも、新しい対策ということで、かなり対応が後手後手に回っている部分もあるなと思っています。
 そういう中で、今回、7月31日ですか、新しい通知が出たわけでございますが、その中で、ちょっと私の理解が正しいかどうかも含めて答弁いただきたいんですけれども、これまでは放課後子どもプランというものがあって、各市町村において、教育委員会が主導し、福祉部局と連携を図り云々というのがあった。7月31日に出た放課後子ども総合プランについては、これは、国の部分で言うと文部科学省と厚生労働省が協力しということになっていて、市町村もこれからやらなければならないことがあるし、都道府県もやらなければいけないということがあるというところまでは理解はしてございますが、この放課後子ども総合プランについて、いろいろ課題があると思います。
 例えば、所管をどうするのか。松下生涯学習文化課総括課長のところでやられるのか、南子ども子育て支援課総括課長のところでやられるのか、どっちでやるのかも含めて、結構、これは簡単なようで難しい問題だなと思っているんですが、所管を今後どうするのかも含めて、課題は何かお示しいただきたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 今、御指摘のありました放課後子ども総合プランについてでございます。所管につきましては、放課後子ども教室に関することについては教育委員会、放課後児童クラブに関することについては保健福祉部が引き続き所管するということで考えてございます。なお、今回、国の通知も文部科学省と厚生労働省と連名で出されておりますことから、両部が一層連携して実施していくことが重要であると認識しております。
 また、国の放課後子ども総合プランにおきましては、平成31年度までに全ての小学校区で、放課後子ども教室と放課後児童クラブを一体的または連携して実施することを目指すとされておりまして、放課後子ども教室の実施主体が市町村になりますことから、その地域の実情に即した円滑な事業の推進を図ることが大きな課題であると認識してございます。
〇及川あつし委員 これは、言うはやすく行うはかたしの典型だと私は思っています。詳細の質疑はこの後しますけれども。
 では、国の放課後子ども総合プランで定められた県の役割について伺います。県は事業計画を策定していかなければいけないと思うんですけれども、その件についてはどういうふうな見通しになっているかお知らせください。
〇松下生涯学習文化課総括課長 事業計画につきましては、県においては、研修計画と、教育委員会と福祉部局の連携について、その具体的な方策を盛り込むということとされてございます。国が本年秋に行動計画を策定するとされていますことから、その内容を踏まえて県の事業計画を策定していきたいと考えております。
 現時点におきましては、子ども・子育て支援法に基づいて策定しておりますいわて子どもプランというものがございますが、その中に県の行動計画を盛り込んでいけないかという方向で、今、検討しているところでございます。
〇及川あつし委員 そうすると、スケジュール感としてどういう状況でしょうか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 今申し上げましたいわて子どもプランが本年度ちょうど期限を迎えて見直しをするということになっておりますので、今年度中に策定するという形になっていこうかと思っております。
〇及川あつし委員 今年度中ですね。やらなければいけないので、やらざるを得ないのでしょうけれども、これもタイミングを間違えると大変なことになるなと思うので、これも後で質疑させていただきます。
 県としては、都道府県の体制、役割等の中で推進委員会というものを設置するということになっていますけれども、これについてはどうなっていますか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 推進委員会につきましては、現在、教育委員会と保健福祉部の連携のもとに、幅広い関係機関、団体、有識者等の委員によって構成されました岩手県学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進委員会を設置してございまして、現行の放課後子どもプランの実施状況等についてもこの中で検討しておりますことから、今後の放課後子ども総合プランにつきましても本委員会において検討していくということにしたいと考えております。
〇及川あつし委員 それでは、論点の中でも最も難しいかなと思う、いわゆる政府のほうは一体型の施設を全国で1万カ所ふやしていくというようなことを言っていますけれども、実は私はこの一体型というのが全くわからないんです。想像がつかないんです。放課後子ども教室というのは、冒頭説明がありましたとおり、対象は全ての児童で、放課後児童クラブは、いわゆる保育に欠けると言われるような状況の子供をお預かりする。料金も原則無料と有料という違いがあって、運営の実態も違う。
 一方で、社会的なニーズは、保育所だったら例えば7時まで預かっていただいていたのが、小学校1年生に子供が上がった途端に、また、特にお母さんたちが自分の勤務形態を変えなければいけないという状況の中で、もっと女性の社会進出のためも含めて充実しようという話と、一体的な施設をこれから整備していくというのは、私は、全く矛盾しているような感じもしなくもないということなんですけれども、一体型の放課後児童クラブ及び放課後子ども教室とは何ですか、わかりやすく説明してください。
〇松下生涯学習文化課総括課長 一体型の放課後子ども教室と放課後児童クラブにつきましては、全ての児童の安全・安心な居場所を確保するため、同一の小学校等で両事業を実施し、共働き家庭等の児童を含めた全ての児童が放課後子ども教室の活動プログラムに参加できるものとされておりまして、同一の場所で放課後子ども教室と放課後児童クラブが開催されて、それぞれが連携をとりながら、放課後児童クラブに入っている子供たちが多様な体験ができるように放課後子ども教室のプログラムに参加できると。共通のプログラムをつくって運営をしていくというものだと認識しております。
〇及川あつし委員 地域の実情に合わせてということなので、総括課長には、本県の方ではないと思うので、さらに現場に入っていただいて地域の実情を見てもらいたいんですけれども、プランに沿っていろいろ疑問を呈してまいりたいと思うんですが、もちろん政府の方ですから、そもそも資料を持っていると思うんですが、3ページのプランのところにすごく気になることがあるんです。余裕教室―空き教室とも言いますけれども―の活用をとにかく前面に打ち出しているように私には読めるんです。新たにやるところは余裕教室を徹底的に活用しろという言葉も出ているし、既にやっているところも、小学校の余裕教室等を活用することが望ましいというふうになっている。
 私は、余裕教室を使うことが悪いとは思わないのですが、言うはやすく行うはかたしの典型で言うと、放課後児童クラブは、先ほど申し上げたとおり、保育に欠けるような子供をお預かりしている施設ですし、根拠法が児童福祉法になっているので、いわゆる子供たちに遊びと生活の場を与えるということが基本になっています。余裕教室を使ってやるのは悪いとは言わないけれども、どうやって生活の場を与えるんですかというのが私はイメージできないんです。これも、冒頭、県内の放課後子ども教室が平成25年130カ所ですか、もうちょっとふえているのかな、そのぐらいありますけれども、どういう表現がいいのだろう、人口密度が低い地域、いわゆる郡部とか在とかという言い方をしますけれども、そういうところは学校を使っているんです。そういう現場で放課後子ども教室としてやられていると思うんですが、そこは生活の場という概念はないと思うんですけれども、もし、そこで、保護者がなかなか保育ができないような状況の児童が生活した場合には、どうなっているんですかというのをぜひ把握してほしいんです。そこら辺の皮膚感覚というのは大事だと思うんですけれども、そこら辺については、今の時点で何か所感がございますでしょうか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 本県におきましては、今回新たに国から放課後子ども総合プランということで7月31日に示されたわけでございますが、その中で一体型というのがうたわれてございますが、現時点で一体的に行っているといったような事例は、我々としては把握していないところでございます。
 一方で、放課後子ども教室と放課後児童クラブがそれぞれ別の敷地にありながらも、それぞれプログラムを共通させるとか、放課後児童クラブの子供たちが放課後子ども教室に参加して連携して実施しているといったような事例は、本県の中でも実施されていると認識しております。
〇及川あつし委員 行政的な区分で言うと、一体的にはやっていないのだと思うんですけれども、子供たちですから、放課後になれば同じような過ごし方をしているので、実態は一体的なような形でやっているんです。例えば幼稚園と保育園の違いだって、幼稚園が教育だ、保育園が保育だと言っているけれども、幼稚園でも保育しているし、保育園でも教育しているし、行政的には違うのかもしれないけれども、現場は一緒なんです。
 放課後の児童対策についても、実際はそうなっている。それを、今までの縦割りの中でどう融合させようかという問題になっていると思うので、そこはよくよくもう一度現場感覚を持って計画してもらいたいなと思います。
 私が一番気になっているのは、今申し上げたように、一体型で頑張っていきましょうねという方針が一つ。二つ目には、余裕教室をどんどん使いましょうねと。つまり学校の中で一体的な施設を展開して、子供にいろんな機会を与える。ここまではいいんです。その後なんですが、私は、学校の中で放課後児童クラブとか放課後子ども教室をやることが悪いとは言いませんけれども、子供が、義務教育の時間を終わった後に、そこの学校の中でさらに親が迎えにくるまでずっと過ごすときに、どこかで線引きをしてあげなければいけないなといつも思うんです。学校の中でやるということを前面に出していった場合に、例えば、所管はこれから保健福祉部と一緒にやると言っていますけれども、学校の中でやった場合に、どうしても学校が主になって、放課後の運営主体が従になる。もっと言えば、上下関係ができてしまう。子供の例えば家庭学習ということを言っている中で、子供が学校で宿題を与えられる。一旦授業が終わって、学校内の放課後子ども教室なり放課後児童クラブに行く。そこに先生が行って、どうなっていますかとやったのでは、私は、本来的な教育とか子供の健全育成にならないと思うんです。ですから、そこで一定のファイアウオールというものも設けてやっていかなければいけないし、やり方を間違えれば、学校の連続性がどんどん続いていって、下手すると悪い意味での韓国みたいなことになってしまう。韓国で悪い事例になっているようなことになりはしないかというところも含めて、しっかりやってもらいたいと思いますけれども、基本的な考え方を伺いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 学校の余裕教室でやる場合に、国から示されたモデルケースというものがございまして、学校の余裕教室を使って放課後子ども教室と放課後児童クラブ両方をやる場合に、それぞれの専用の部屋を一つずつ設けるなど、その区画をするとか、そういう工夫をしてやっていくというのが一つございます。
 また、先ほど、学校でやった場合に、どうしても学校側が主導権を握ってという御指摘もございましたけれども、今回出された通知の中にあっては、学校施設の活用に当たって責任体制をまず明確化しておくと。管理責任というのをあらかじめ明確化して、それぞれの責任においてその運営をしていくことが重要であるということが書かれておりまして、このあたりにつきましては実施市町村のほうにもしっかりとお示ししながら、事業を推進してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 あとはまとめてやりますけれども、そこはしっかりやってもらいたいと思います。
 9ページのところにちょっと気になる表現があるんです。学校・家庭と放課後児童クラブ、放課後子ども教室の密接な連携。これもおっしゃるのは結構だけれども、日常的・定期的に情報共有を図る。これも結構だけれども、ただ、放課後のところに対しては、保護者との連絡帳のやりとりなどを通じてなんて書いているんですけれども、学校の先生は、低学年といえども連絡帳のやりとりなんてやってないですよね。いきなり放課後のところだけこういうものを課すとか、何か、これは、文部科学省の方々がいわゆる文部科学省目線で放課後のことを考えてはいないかなという象徴の文書だと私は思うんです。ですから、本来的に教育と保育、教育委員会と保健福祉部が、子供が放課後にどうやったらいい過ごし方ができるかということをイコールフッティングでぜひ検討してもらいたいなというふうにも思います。この件についても所感を求めたいと思います。
 何よりも、今、私が最も懸念しているのは、放課後児童クラブについては、子ども・子育て支援新制度において、各市町村で、やっと今、1人当たりの施設面積を決めたり、1クラス当たりのおおむね人数―40人になっていますけれども、40人と決めたり、これも、ついこの前までは大規模解消だ、70人以上はやるなといって頑張ってきたのに、今度はワンユニット40人程度だということで、実はこれによって、学童保育の需給が逼迫しているような地域においては、さらになかなか入れないというような状況が生まれつつあるんです。こういうタイミングのときに、またもう一方で一体的にやるんだとか、教育委員会と保健福祉部門が連携してやっていくんだと。これは結構なことなんだけれども、今、一方で進んでいるさまざまな、改革という言葉は使いたくないんだけれども、大きな変更点、この進捗状況も踏まえながらきちっとやってもらいたい。でなければ、結果として利用者とか子供にしわ寄せが行くことになりますから、ここらをしっかりやってもらいたいと思うんですが、そこら辺の所感を教育長にも求めて、終わりたいと思います。これについては、新年度から、いわゆる総合教育会議の中も活用してやっていけというようなことになっていますので、放課後の子供の十分な対策、対応についても手抜かりなくやっていただきたいという趣旨でありますので、その件についても答弁を求めて、質問は終わりたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 今、委員から御指摘がございました文書のこともございますが、ここの趣旨としましては、やはり放課後子ども教室も放課後児童クラブも、子供たちの安全・安心な居場所を確保するというところは変わらないと考えてございまして、その中でいろんな関係者が入ってくるといったときに、情報交換ですとか情報共有を行って、円滑に事業を実施していくということは大切なことだと考えてございます。
 また、さまざま制度の変更等ございますけれども、どういう形が子供たちにとって一番過ごしやすい場を提供できるのかといったことを市町村とも意見交換しながら、今後の事業実施に努めてまいりたいと考えております。
〇高橋教育長 新しい仕組みを導入するということは、この仕組みを導入することに意味があるのではなくて、その目指す本質を理解した上で、実情に即して運用できるように仕組みを構築していくということが極めて大事であるというように思っております。
 ただいま松下総括課長から申し上げましたように、これには関係者の十分な理解と実情を踏まえた対応が必要だと思いますので、各市町村ももちろんそうですけれども、保健福祉部のほうとも十分連絡、協調しつつ、合意形成を図りながら進めていきたいと思っております。
〇工藤大輔委員 それでは、特別支援教育について、初めにお伺いしたいと思います。
 特別支援学級、通級指導教室の設置学校数とその割合、近年の在籍者数の状況―これは増加傾向にあると思いますが、その状況についてお示しいただきたいと思います。また、特別支援学校の在籍者数の状況もあわせてお伺いします。教室数については後ほど質問しますので、そこは省いても結構です。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 お尋ねのありました特別支援学級及び通級指導教室の設置学校数とその割合、近年の在籍数についてでございますが、まず、特別支援学級の設置校ですが、平成26年度、小学校、中学校を合わせまして365校でございます。割合としては71.6%となっております。通級指導教室につきましては、同じく77校であり、15.1%の割合となっております。
 次に、近年の小中学校特別支援学級在籍者の在籍状況でございますが、特別支援学級在籍者につきましては、平成24年度が1、449人、平成25年度は1、527人、平成26年度は1、698人となっております。
 続いて、通級指導教室につきましては、平成24年度1、186人、平成25年度1、265人、平成26年度1、293人となっております。
 それから、県立の特別支援学校における在籍の関係でございますが、平成26年5月1日現在の在籍数でございますが、幼稚部が19人、小学部が413人、中学部が365人、高等部777人、専攻科10人となっておりまして、合計1、584名の在籍になっております。
〇工藤大輔委員 いずれも増加傾向にあるなということが見受けられますが、その増加している要因についてどのような把握をされているのかどうか。また、特別支援教育の生徒がふえている状況において、受け入れる学校側の体制がどうなっているかということで、まず、特別支援教育の免許所持率について、現状についてお伺いします。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 小中学校特別支援学級の児童生徒の増加の要因について、最初にお話ししたいと思います。
 要因といたしましては、保護者の方々の特別支援教育に関する理解が深まったこと、これまでの学習指導、生活指導における実績の評価と期待、それから、医療の進歩などが挙げられると考えます。また、保護者、学校、市町村の要望に応じて特別支援学級の設置をふやしてきたこともその要因と考えられます。
 特別支援学校の場合でございますが、前述した要因のほかに、特に近年増加しております知的障がいを対象とする特別支援学校の高等部の生徒増加につきましては、特別支援学級の増加はもちろんでございますが、特別支援学校での専門的な教育を受け、職業自立や社会参加を望む本人や保護者がふえたこと、LD、ADHD、高機能自閉症等、いわゆる発達障がいと言われる生徒が、高等学校だけでなく、少人数でより個別的な対応が可能で、教育的効果を上げている特別支援学校高等部へ進学していることによるものと思われます。
 小中学校の特別支援学校におけます免許状の所持率でございますが、小学校では、特別支援学級担任413名中182名が所持しておりまして、44.1%になっております。中学校でございますが、219名中38名が所持ということで、17.4%になってございます。
〇工藤大輔委員 この免許所持率なんですけれども、これは必須ではないやに聞きましたけれども、そうかどうかの確認をしたいと思いますし、やはり専門性を高めながら教育的観点で指導に当たるべきだという思いから、私は、中学校の免許所持率の17.4%というのは特別に低いなと思いますが、なぜ、こういったことになっているのかお示しいただきたいのと、今後の対策はどのように考えているのかお伺いします。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 小学校、中学校の特別支援学級につきましては、特別支援教育の免許状は必須になってございません。特別支援学校においては必須になってございます。
 免許取得にかかわりまして認定講習というものがございまして、本県における教育職員免許法認定講習につきましては、過去にはさまざまな免許状を対象として実施しておりましたが、平成21年度から、免許所持率の特に低い視覚障がい、聴覚障がい領域の特別支援学校の教員免許取得のための講座として、毎年、3講座ほど開設しているところでございます。平成21年以降の受講者は延べ847人となっております。そのほかに、免許取得にかかわりましては、大学の通信教育あるいは独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の研修等で取得可能になっております。
 特別支援学級の新任の担当者等の研修につきましては、当然初めてということで、県においても、年度初め、4月初めに新任の方々に、スタート研修ということで研修を設けておりますし、前期につきましては事務所単位で研修会、後期につきましては県主催の研修会ということで、年3回、担任の先生方には研修をしてもらっております。今後もいろいろな場面で研修につきましては実施していきたいと思います。特に新任の方に限らず、特別支援教育全般としまして、基本研修等いろいろな研修のところで必要な知識を得るような機会を設けていきたいと思っております。
〇工藤大輔委員 免許所持率に対する評価も聞きたかったわけですけれども、これを高めようとする考えはあるのかどうか、また、そういった支援、バックアップ体制がとれているのかどうか、あるいはそのかわりに認定講習を充実させる、その中身も強化するというのであれば、そういった方向性も考えられると思いますが、今後の対応についてお伺いしたいと思います。
 また、特別支援教育支援員の配置ですが、小中学校は財政措置がされているということで、一定の配置はなされていると思いますが、特にも県単事業となる高等学校への配置の状況は、現場等のニーズに応え切れているのかどうかお伺いします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 初めに、高校における特別支援教育支援員の配置につきましてですが、今年度、25校から30名の非常勤職員の配置希望がございました。配置希望のあった25校全てに配置することはできましたが、30名はちょっとかないませんで、27名の支援員の配置となっております。そういう意味では、ニーズに応えて切れているかというと、ちょっとニーズの面では足りなかったと考えております。
〇金田参事兼教職員課総括課長 教育職員の免許法認定講習の充実ということでございますが、いずれ、現場のほうの必要性ということに応じて必要な対応は考えていかなくてはなりませんので、関係の学校関係者といろいろ相談いたしまして、必要であれば充実に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 いずれと言われましたので、次の質問に入りたいと思います。
 次に、特別支援学校の教室数は一般質問でも高田委員も取り上げられたと記憶していますが、教室数が不足しているという現状は大きく考えなければならないのだと思います。生徒数も変わらないというのであれば、毎年度の対応で徐々に改善はするでしょうが、生徒数が増加しているということの中で、それに対する改善の方策は十分とれているのかどうか。花巻清風支援学校等の新設等もなされていると先ほど教育長からもお話があったわけですけれども、実態がどうなのか、改善し切れているのかどうかお伺いします。
〇宮澤学校施設課長 特別支援学校の教室の状況でございます。平成25年5月1日現在の調査結果におきましては、高等部の入学者の増等によりまして、各特別支援学校で合計68教室が不足している状況でございます。これに対しまして、現在、花巻清風支援学校におきまして特別教室棟を増築することにより教室不足を解消するように進めてございますが、既存教室の分割利用等を含めまして、これにより5教室の不足が解消される見通しとなってございます。
 今後における取り組みでございますけれども、特別支援学校におきましては、教室の使用状況について変動要因もございます。増加傾向にあるのは事実でございますが、変動部分もございますので、現在は長期の計画によらず個別に対応しているところでございます。しかし、今後におきましては、盛岡となん支援学校の矢巾町への移転に伴いまして、現在の校舎が空き校舎となりますことから、これらを活用することでありますとか、特別支援教育への需要が大きく、また、要請が強い地域への学校の分教室の設置を含めまして、できる限り早期に教室不足が解消されるよう努力してまいりたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 私がいただいた資料で、平成25年5月1日調査、平成26年5月1日調査、この1年間の中でもクラス数は25クラスふえたということ、在籍者数も68人増加したということになっていますが、今の説明で5クラスが解消したということになると、25クラスふえて5クラス解消したということの状況になるんですか。もう少し詳しくお示しください。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 計画的な教室不足解消につきましては、国においてのインクルーシブ教育の取り組み等の動向を踏まえながら、具体的な環境整備につきましては、それぞれの関係市町村あるいは保護者等の要望を十分に踏まえつつ、県立学校等の全体的な整備の方向を見据えながら、緊急度、優先度等を勘案するとともに、先ほど申し上げましたとおり、現有学校施設の活用などもあわせて検討し、課題の解消に取り組んでまいりたいと思います。
 なお、特別支援学校には特別支援学級というものがございまして、基準定員が3名になっております。その対象となる児童生徒につきましては、重複障がい等重い生徒でございますので、そういう重度の児童生徒がふえますと、教室としても、通常学級であれば中学部6名で1教室を使っていたものが3名で1教室、あるいは高等部であれば8名で1教室を使うということで、どうしても教室不足が生じますので、教室を仕切ったりしながら、その対応も考えているところでございます。
〇工藤大輔委員 私がお伺いしたのは、今の説明でも内容的はわかるんですが、昨年度1年間でクラスが25クラス、在籍者数が68名増加していると。これは、恐らくその1年に限ったことではなくて、私は1年分の資料しかもらわなかったわけですけれども、特別支援学級のほうでも平成23年から平成26年まででかなりふえています。恐らく平成23年等と同じ比較をすれば、クラス数も在籍者数も、このいただいた資料以上の差があるのではないかと思っているんです。そういった中で、教室不足の解消を進めるペースが遅いのではないかと思うんですが、それについて十分対応が計画的にとられているのかどうかをお伺いしたわけです。
 そして、先にもう答弁をいただいたんですけれども、やはり計画的に対策を講じる必要があると思いますし、そこに具体策がなければ、これは改善がなかなか進まない案件のまま毎年毎年進んでいくのではないのかなということを思い、質問しているわけですので、それについてはまた答弁をいただきたいと思います。
〇平賀教育次長兼学校教育室長 生徒数がふえているというのは、確かにそのとおりでございまして、かなりの割合で、ここ10年間を見るだけでも856名と、特別支援学級などでふえているというようなこともございます。それにつきまして、長期的な観点におきましては、小学校、中学校あるいは高校もそうなんですが、空き教室がふえているというような状況もありまして、インクルーシブ教育という観点から、なるべくそのあいた教室をうまく活用できないかというようなことで検討している状況でございます。
 実際には、今度、釜石高校のほうに釜石祥雲支援学校の高等部を移していくというようなことも考えております。問題もそういうところであるかもしれませんけれども、とりあえずそういうことを実施しながら対応していくというのが、今のところの計画でございます。
〇工藤大輔委員 学校も統合等で利用できる学校もあると思いますし、とにかく空き教室を活用するということを市町村ともっと詰めるなり、あるいは県立としての位置づけで新設を考えるなり、もっと具体的な計画性も示しながら、解消に向かって一層の努力を図るべきだと思いますが、これは教育長にお伺いします。
〇高橋教育長 今般の一般質問、本日の工藤委員からの御質問もございますし、常任委員会等でも、この教室不足につきましては、今議会で顕在化したといいますか、これまでもその話はいただいておりましたけれども、大きな課題だと認識したところでございます。
 先ほど来、盛岡となん支援学校の移転でございますとか空き教室の話等もございます。中長期的に解消していく課題と、それから、短期的に、どうしても今、早急に取り組まなければならないというような課題、この辺をきちんと全体的な見通しをつけながら、計画的に整備を進めていくということが極めて大事だと思っております。我々は、この教室不足にどのような対応ができるか、それを大きな課題として具体的な対応を検討してまいりたいと思っております。
〇工藤大輔委員 計画的にということで、これは要望にしたいと思いますが、その計画的に進めるというのがやっぱり見えなければいけないのだと思うんです。内部の中で計画的にということと、外部に向けて計画的に進めるというものでは、また意味合いが若干違いますし、父兄初め、ニーズにしっかり応える姿勢というものを見せることが何よりも大事だと思いますので、その計画ということも早期に策定すべきだと私は思いますので、これは要望にしたいと思います。
 次に、大学の進学率についてお伺いしたいと思います。
 さきに報道にもあったわけですが、2014年文部科学省の学校基本調査の中で大学進学率の件が載っておりました。残念ながら岩手県は最低の鹿児島県に次いで2番目の38.4%ということで、都市部のほうとさらに開きが拡大した、地域間格差が拡大という中身となったようであります。その現状についてどのように把握し、進学率をこれまでどのように高めようとしているのか、今の評価をお伺いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 今、委員から御指摘のあった進学率につきましては、恐らく10月15日付の朝日新聞をもとにお話しのことと考えておりますが、この記事につきまして若干補足をいたしますが、朝日新聞が全国の進学率53.9%、本県の進学率38.4%と報じた結果につきましては、これは朝日新聞が独自に集計したものでございまして、そのやり方というのは、学校基本調査に基づきまして、分子は浪人を含む進学者数、分母は現役のみの卒業者数でございますので、文部科学省が発表している学校基本調査の大学進学率よりは各都道府県は若干高目に出ております。そういった状況がありますので、趣旨の進学格差が拡大しているというのは、学校基本調査のデータよりは大きく見えるように報道されております。その辺を若干補足いたします。
 その上で、文部科学省が発表している進学率につきましては、現役の進学率でございますが、全国平均48%、本県35.6%という状況になっております。全国に比べて低い状況には変わりありませんが、朝日新聞のほうとは若干違うということを補足いたします。
 それから、進学率の推移につきましては、そのような状況にはありますが、進学率というのは3年間の進路指導の結果として出てくるデータでありまして、それまでの過程においては、高校生活で培われた生徒の職業観、勤労観に基づいて、そして生徒、保護者の希望あるいは教師のアドバイス、産業状況などの社会状況を踏まえた生徒一人一人の進路希望に応じて、就職希望、進学希望が出てくるものと考えております。その一人一人の進路希望に応じて学校は指導、力をつけまして、進路希望を達成しております。その結果としての進学率なんですが、それが、結果として全国より低く出ているというのはそのとおりでございます。
 その進学率につきましては、生徒の進学希望に応じて力をつけられるように、進学支援ネットワーク事業とかを活用しまして、進学希望の達成に努めてまいったところでございます。
〇高橋但馬副委員長 工藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう議事の進行に御協力願います。
〇工藤大輔委員 今の説明だと、生徒の希望が少ない、希望に合わせてやってきたんだということの説明にも聞かれるわけですが、果たしてそれだけなのかどうか。家庭の事情等も大きいものがあるのではないかと思いますが、それに対しての認識をお伺いします。
 時間がないので、1点、最後にお伺いします。
 実習船種市丸についてなんですが、平成元年に建造されて以降、26年経過するということになりますが、実習船の更新時期というものをどのように捉えているのか。遠くに行く、あとは近くとさまざま、練習船それぞれ基準等は、一定の基準はまずあると思いますが、前の船の更新時期とあわせて現状がどうなっているのか、更新時期の見通しがあるのであればお伺いします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 進学希望が少ないという状況については、御指摘のとおり、身近に進学できる大学が少ないとか、それに伴う保護者の経済的な負担の問題とか、そういった要因も確かにあると認識しております。
〇宮澤学校施設課長 種市高校の実習で使用しております種市丸の件でございます。種市丸は平成元年3月に整備された船でございまして、トン数が33トン、FRP構造、船員4人、その他の乗員32名でありまして、沿岸区域9海里以内で使用する船でございます。
 使用状況でございますが、平成25年度におきましては、42日間、実習に使用しておりまして、1回当たりの実習時間が約2時間となっております。
 現状でございますけれども、過去においてはエンジントラブルがあったが、これは修理済みでございまして、現在は故障はなく、特に航行に支障はないと聞いております。ただ、現在の船は建造から25年たっております。以前の船につきましては、済みません、ちょっとデータはございませんが、使用頻度が低いものの、通常の船の耐用年数から考えて老朽化の進行も考えられるところでございます。現在の財政状況は非常に厳しいものでございますけれども、施設整備費の年間の平準化も踏まえる必要がございますけれども、船の状況を精査いたしまして、学校側とも連携をとりながら対応してまいりたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 直せば、確かに故障は改善されたということになります。ただ、故障の頻度も確認してもらいながら、船の現状をもう少し見ていただきながら検討していただくと、また違う見方になるのかなと思いますので、これは要望にしたいと思います。
〇佐々木朋和委員 私からは県立図書館の役割についてお伺いしたいと思います。
 まず、その前提で、主要施策の成果に関する説明書の児童生徒の月別の読書冊数について、小学校5年生が13.6冊でAですが、中学校2年生になると3.9冊でC、高校2年生になると1.9冊のDということで、高校2年生については3年連続のDとなっております。しかしながら、それに対して、それを推し進める推進方策を構成する事業実績はAからBということで、決して悪くないという状態でございます。
 この現状を県はどのように分析しているのか。特に小学校5年生から中学校2年生に移ると冊数が激減しているということなんですけれども、これは、相対的に読む冊数が下がっているのか、それとも読む子と読まない子と二極化しているのか、また、目標に対して適切な方策をとっているのか伺いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 児童の読書に関する御質問でございますが、小学校5年生から中学校2年生の冊数の減少につきましては、学業や部活動等で多忙なことが要因として考えられ、学年が上がるにつれて読書冊数が減少するという傾向にございます。また、1カ月1冊も本を読まなかった児童生徒の割合は、小学校5年生で1%、中学校2年生で10.8%となってございます。
 読書活動の推進につきましては、読書ボランティアの活用などによりまして、読書を推進する環境の整備を進めているところでございまして、読書率も向上してきているところでございます。
 一方で、中学生、高校生につきましても、少しずつではございますが、読書冊数は伸びてきている状況であります。ただ、今回目標に掲げた中学生、高校生の読書冊数の目標値までは達していないということになってございます。
 今後も、読書支援活動にかかわるボランティアの育成や研修機会の充実、ブックリストの活用によります啓発の一層の推進等、学校、家庭、地域との協働のもとに、子供の読書活動の推進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 御説明の中で、また、この説明書にも書いてあるんですけれども、部活動や学習の関係で、中学校2年生、高校2年生については読書冊数がなかなか上がらないというお話でございました。また、地域活動などでも、子供が減少している中で一人一人にかかる比重も多くなって、子供たちのほうが大変忙しいんだなというのが実感のところであるんですけれども、そのような中で、学習、部活動、また地域活動ということで、バランスをとるような何か指導は行っているのか。また、そのような忙しい子供たちに読書の冊数を課しても気の毒だと思うんですけれども、こういう忙しい学生に対して、この目標値というのは適正なのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 平成25年度の県子どもの読書状況調査によりますと、1カ月で1冊も本を読まなかった理由として、勉強が忙しいということですとか、スポ少、部活動が忙しいを合わせますと、小学校5年生で23%、中学校2年生で35%、高校生では44%になってございます。特に高校生ではスポ少、部活動が忙しいという理由が1番に挙げられております。
 目標値の設定につきましては、読書の必要性等も鑑みて毎年増加するように設定しておりましたが、中高生においては読書時間の確保が主な要因となりまして、目標までは達していないという状況になってございます。
 これまでも、学業、部活動等で多忙な児童生徒に対しまして、関係団体や関係機関と連携を図りながら、地域の読書ボランティア団体による学校朝読書等での読み聞かせの実施、ブックリスト、中高生のためのおすすめ図書100選というものを作成してございますが、これの活用による読書活動の推進を図ってまいりました。
 先ほど申しました県子どもの読書状況調査によりますと、読書に対する意識としまして、とても大切、ある程度大切としている児童生徒が9割を超えている状況もございまして、今後も、このような取り組みを進めながら、学校職員を対象としました研修機会の充実を図るなど、引き続き読書活動の必要性についても理解を図ってまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 御説明で、やはり子供たちも読書はしたがっているのだなというのはわかりました。お話があった学校の朝読書にように、ぜひ子供たちにも読書をする機会や時間をつくるような施策も推し進めていただきたいと思います。
 そのような中で、今、地域の市町村の図書館などでは、公民館とかいろいろな複合施設の中に取り入れられたりして、子供たちが図書館に近づいてくる環境が整いつつあるのかなと思っております。その中で、市町村立の図書館の利活用や、また、図書館司書による読書の普及活動もぜひ充実させていただきたいと思っているところでありますけれども、一方で、市町村では財政が逼迫している中で、図書館司書においても任期つきの職員や、また、指定管理者制度を使っている市町村も多くあって、熟練の司書や職員の育成に苦慮している。また、育ったとしてもすぐいなくなってしまうというような現状をお聞きすることがございます。県では、このような状況をどのように理解しているのか伺いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 市町村立図書館における職員の体制についてでございますが、平成21年度には、市町村立図書館の職員数は392名であったのに対しまして、昨年度は445名となっております。こういうことから、図書館の運営体制の充実は進んでいる状況と考えてございます。
 一方で、非常勤職員及び臨時職員が全職員数に占める割合が平成21年度には49%であったのに対しまして、昨年度は57%と増加しております。このようなことから、各市町村とも、さまざまな事情や制約の中で、工夫しながら充実した図書館運営に向けまして努力されているものと認識してございます。
〇佐々木朋和委員 では、そのような中で、県立図書館としては、各市町村立図書館にどのような支援を行っているのか伺いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 市町村立図書館に対します県立図書館としての支援についてでございますが、先ほど申したような実態を踏まえまして、市町村立図書館職員を対象としました初任職員研修会ですとか中堅職員研修会、専門研修会などを実施しているほか、沿岸被災地を初めとしまして、各市町村の図書館に出向いた上で運営の支援や助言等を行っているところでございます。
〇佐々木朋和委員 かく言う県立図書館も指定管理者制度を使っているということで、住民の皆さんへのサービスは向上しているのではないかと思っている一方で、市町村へのバックアップはどうなのだろうという疑問があります。
 その市町村立図書館へのバックアップは県の職員たちで行っているということで、全員で9名、司書資格を持っている方が3名ということで当たっているということでありまして、やはり市町村の中堅、ベテランの方に向けたレベルアップの講義については、県の職員のベテランの司書が実際に体験を伝えたり指導したりということが私は重要ではないかと思っているところでございます。
 そのような中で、教育長に質問させていただきたいと思うんですけれども、他県においては、県立図書館の使命は市町村立図書館のバックアップということで、財政が苦しい中でも、専門性を重視して、一方では休館日をふやして、そこでコストをカットして専門職員だけを置くという方向性を打ち出しているところもあります。県立図書館の岩手県における方向性、また、市町村立図書館との役割分担、また、今、一般の図書販売店でも大型のものが出てきて品ぞろえは十分だというところもありますけれども、それらの役割分担をどのように捉えているのか伺いたいと思います。
〇高橋教育長 県立図書館と市町村立図書館の役割分担等についてでございます。
 まず、県立図書館は、県民の皆様に広く読書の機会を提供するという役割のほか、市町村立図書館への支援等の役割も大きく担っていると考えております。このような考えのもとに、県教育委員会におきましては、より広域的な視点で図書館資料の収集、保存に努めるとともに、指定管理者との連携による相談機能の充実や公務部門の一般的な執務時間にとらわれない利用時間の設定などを行ってきているところでございます。
 一方、市町村立図書館でございますとか図書販売店は、住民により身近な存在でございます。市町村立図書館におきましては、それぞれの地域特性を踏まえまして、住民のニーズに応じた図書貸し出しでございますとか閲覧の実施、地域資料の収集等を担っていただいておりまして、書店においては、顧客のニーズを踏まえた図書の販売サービスを提供しているというように承知いたしております。
 いずれにいたしましても、県立図書館と市町村立図書館の連携は極めて大事な視点でございますので、市町村職員を対象といたしました研修機会の充実でございますとかタイムリーな情報提供などに努めながら、今後におきましても、市町村立図書館のニーズ等も十分踏まえた上で、各市町村の実態に応じた支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 このような質問をさせていただきましたのは、今、市町村立図書館においては、そのような任期付職員であるとか、また、指定管理者制度を使ってサービスの向上に向かっている。また、財政が逼迫している中、コストダウンに向かっている中で、私は、県立図書館も同じ方向に行っていいのかという思いがあります。であるならば、私は、専門性を担保するとか、そういった面で県立図書館と市町村立図書館の役割分担をして、そして全体としての図書館のサービス向上に努めていくという方向がいいのではないか、そういう思いで質問させていただきましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、全く別の質問をさせていただきたいと思うんですけれども、先ほど午前中来、花泉高校の学級減の話が話題になっておりました。今回は募集を2クラスということで、その結果を見て1クラスにするか2クラスにするか決めていくという方針であったと思いますけれども、一方で、昨年は千厩高校の学級減という話がありました。それについても、地域住民の方からは、最初から学級減を打ち出すとさらに募集について不利になるのではないか、そんな心配もされていた中で、千厩高校においては初めから1学級減ということで方針を打ち出してそのような流れになったということでございますけれども、これについての方針の違いがどのようにして出たのかということを御説明いただきたいと思います。
〇木村高校改革課長 千厩高校の1学級減を行いました平成26年度の学級数調整につきましては、平成25年度入試におきまして、普通科定員の160名、4学級で募集したところ54名の欠員があったということで、平成26年度の募集定員を決定するに当たりまして、1学級減の定員120名、3学級ということで決定したところでございます。
 今回の措置につきましては、小規模校の学級減、特に2学級校を1学級にするということについての地域に与える影響、そして、進学または就職という進路への対応等も考慮するとともに、花泉高校への志望動向をさらに見きわめる必要があるということで慎重に検討した結果、10月の教育委員会議での決定を見送り、平成27年度の入学志願者数を見た上で学級数の決定を行うこととしたものでございます。
〇佐々木朋和委員 御説明ありがとうございました。
 お話を聞くと、やはり1学級か、また、3クラスかというところが大きな違いであったという説明だったと思っております。
 今、高校だけではなく、小学校、中学校でも合併統合、廃校というのが私の地域でも起こっております。その中で、地域の皆さんも、最初はいろいろな意見がありますが、最後は子供たちのためということで、いろいろな思いを抱えながら一緒の方向で合意形成をしてきたところがございます。今の話でありますと、やはり1クラスになってしまうと子供たちにも大きな影響をするということでございました。そういう中で、2クラスで募集して、2クラスだと思って募集に応募した子供たちが、1クラスになる、そういったときに子供たちにとって不利益はないのかと心配するところもございます。ぜひとも今回の決定を子供たちの目線で検証していただいて、今後に生かしていただきたいとの思いをお伝えして終わりたいと思います。
〇福井せいじ委員 私は、体育施設の整備についてお聞きしたいと思います。
 今、公共施設の維持管理について、さまざま改修あるいはスクラップ・アンド・ビルドなどに取り組んでいる自治体が多いと思いますが、県は、市町村の体育施設、特に野球場とか体育館とか、あるいは陸上競技場等、利用頻度の高い施設整備について、市町村と連携がある場合はそのような例、そしてまた、その状況についてお聞かせいただきたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 現在、岩手国体開催に向けて、県と市町村が連携して一体となってさまざまな施設整備を行っているところでございます。例えば、北上市の陸上競技場においては走路改修、電光掲示板の改修等を県の補助によって行っておりますし、岩手町のホッケー会場では夜間照明施設等の整備を行っているところでございます。
〇福井せいじ委員 今、国体を契機として、市町村の施設のそういった改修あるいはレベルアップに県として連携しているということでありますが、私は、この前も国体局のときにお話ししましたが、県のスポーツ振興については、国体をステップとして、今後大きくスポーツ振興について取り組んでいくべきだと思っております。スポーツ振興については、施設整備、それから競技の運営手法、そしてまた選手育成という形でさまざまな切り口があると思います。
 きょうは施設整備とか運営についてお聞きしたいんですけれども、国体以後、私は、国体をステップとすると、ジャンプという意味ではスポーツツーリズムというものに取り組んでいく。せっかくそういった国体を開催するわけですから、スポーツツーリズムに取り組んではいかがかと思っております。これは、大会の開催とか大会の参加とか観客の誘致によって交流人口が増加していくわけでありますが、そのためには、やはりプロスポーツの試合を誘致するとか大きな大会を誘致する必要があるのであります。今、岩手県には、最近課題になったのは、釜石シーウェイブスのワールドカップあるいはサッカーのJ3におけるグルージャ盛岡、そしてまた岩手ビッグブルズといったバスケット、サッカー、そしてラグビーといった非常に注目を集めているスポーツがあるのでありますが、この競技に関して、岩手県として、競技場の支援という意味では何らか今後行う計画があるのか、それをお聞きしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 委員御指摘のように、大きなスポーツイベントの誘致にはスポーツ施設の充実が必要であると考えておりまして、県におきましては、現有施設を有効に活用して、市町村体育施設との連携を図りながらイベント等の誘致に取り組んでいるところです。
 来年度におきましては、東北総合体育大会及び全国中学校体育大会等の全国規模の大会が順次行われる予定でございますし、このような大会が国体開催後も本県において開催されるよう、関係競技団体等と連携を図りながら積極的に働きかけてまいります。特にも2020年の東京オリンピックに関しては、組織委員会において被災地及び復興支援を大きな柱として掲げていただいていることから、本県施設を活用したさまざまなイベントが行われるよう、その誘致に向けて、市町村とともに連携を図りながら関係団体に働きかけてまいりたいと思います。
 地域振興のためにもスポーツ施設は非常に重要でありますけれども、その内容については、今後、国体後のスポーツ施設のあり方ということで、盛岡市を初め市町村と情報交換をしながら検討してまいりたいと思っております。
〇福井せいじ委員 私が今お聞きしたいのは、例えばラグビーのワールドカップあるいはサッカー、J3のグルージャ盛岡あるいはbjリーグの岩手ビッグブルズ、こういった県民が今、注目している競技に対して、競技場の何らかの施設整備についてのバックアップというものは県としては何か考えはないのかということですが、いかがでしょうか。ないならないでいいんですけれども。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 県としては、現在、国体に向けた施設整備を最優先に進めているところでありますので、今後、復旧、復興の状態を考えながら、総合的にそれらの部分については考えていかなければいけないと考えております。
〇高橋但馬副委員長 福井委員に申し上げます。決算審査であることに御留意願います。
〇福井せいじ委員 決算審査でありましたから、済みません、施設整備についてお聞きして延長してしまったんですけれども、わかりました。
 今回、国体をやるということで、先ほどのバスケット、サッカー、ラグビーについては置いておいて、全国大会、国体を開催するに当たって、その競技場をいかに活用していくかということも非常に大切だと思うのであります。例えば岩手町におけるグラウンドホッケーであるとか、あるいは、今度、二戸でやるカーリング、そういった全国大会を開催できるような環境整備を今後もしていく。そしてまた、今回、施設整備するに当たって、単独の競技の全国大会を開催できるような整備をしてもいいのではないかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 現在、国体は、全国規模の大会を誘致できる、開催できるという基準で整備を行っておりますので、その施設にぜひ全国規模の大会を招致してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今、昭和45年の国体からかなり年月がたって、スポーツ施設の改修というのが必要になってきていると思います。ぜひともこの国体を機に、さらに市町村と連携をとって、施設整備を行って、一つ一つの単独競技の全国大会を誘致できるような整備を図っていただきたいと思っております。ぜひその御決意を教育長に伺って終わりたいと思います。
〇高橋教育長 スポーツ施設の整備につきましては、今議会でもさまざま御意見を頂戴いたしました。現在は復興に最優先で取り組むということとあわせて、岩手国体の成功に向けて取り組む中で、ただいま総括課長から申し上げたような状況にございます。
 大震災津波の発災を受けまして、いわゆる屋内ドームの整備についても凍結している状況にございまして、今後、復興の動向等を見きわめた上で、全体的にスポーツ施設のあり方、県営の施設整備がどのようにあるべきかということについては総合的な見地から検討してまいりたいと思っております。
〇高橋但馬副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後3時11分 休 憩
午後3時33分 再開
〇岩崎友一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 昨日の商工労働観光部審査における斉藤信委員の質疑において、後日、執行部から資料配付することとされた消費税の取り扱いについては、お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 〔参照〕 配布資料(DIOジャパンに係る資料提供について_消費税額)(PDF形式)
 次に、昨日、及川あつし委員から議事進行がありました株式会社DIOジャパン及び関連コールセンターに係る緊急雇用創出事業等について、商工労働観光部長等の出席を求めて審査することについて、世話人会を開催し、協議を行いましたので、その結果を御報告いたします。
 及川あつし委員から議事進行があった株式会社DIOジャパン及び関連コールセンターに係る緊急雇用創出事業等について、商工労働観光部長等の出席を求めて審査することについては、10月23日の県土整備部審査終了後に商工労働観光部長等の出席を求めて審査するとの結論に至りました。
 お諮りいたします。10月23日木曜日に予定されている県土整備部審査終了後に、商工労働観光部長等の出席を求めた上で、株式会社DIOジャパン及び関連コールセンターに係る緊急雇用創出事業等に関して審査を行うこととしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 委員各位及び執行部に申し上げます。本日は、この後、審査を予定している部局について、延べ8人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇工藤勝博委員 高等学校教育改革推進費に関連してお伺いいたします。
 県立高等学校の通学区域に関する規制についてお伺いしたいと思います。
 岩手県立高等学校の通学区域に関する規則に定める区域で、高等学校に就学しようとする者は、学区内の高等学校に出願することを原則とする。ただし、特例により、学区の制限を受ける者は全日制課程の普通科に出願する者のみとなっている。また、全日制課程の普通科においても、定員の10%以内で学区外からの入学を許可しているとあります。まず、この規制をかけている理由は何なのかお伺いしたいと思います。
〇木村高校改革課長 学区についてのお尋ねでございます。
 このように学区を設定している理由でございますが、特定の高校への入学志願者の過度の集中を避け、遠距離通学等による生徒の負担を軽減するために普通科においてこのような学区を設定しているものでございます。
〇工藤勝博委員 この規制は昭和24年に始まっているとなっております。それから何回か改革しておりますけれども、現在は旧広域生活圏の中で8学区とあります。当時の時代から、最近では平成16年ですけれども、現状の、先ほど来議論があります中学生の人口の問題、子供たちの数の問題を考えると、この規制はこのままでいいんでしょうか。
〇木村高校改革課長 先ほども述べましたとおり、この学区というものは、特定の区域の特定の学校に入学志願者の過度な集中を避けるということで設定しているものでございます。他県においては全県を1学区というような事例もございますけれども、本県は……(「ふえているんだよ」と呼ぶ者あり)でございますが、本県は、広大な県土によります交通事情等を考慮いたしますと、学区の拡大等については相当慎重な検討が必要となるものと考えております。
〇工藤勝博委員 今の答弁の中に特定の学校に集中するという話がありました。現実に、今日までに特定の学校に集中したという例はどのぐらいあるんですか。
〇木村高校改革課長 現在、在り方検討委員会でその学区の部分についても検討しているところでございますが、普通科において10%を超えた志願があったところは、平成21年と平成25年を比較したところでございますが、盛岡三高でそういった事例があったところでございます。
〇工藤勝博委員 これからまたその在り方検討委員会でも検討することになっているということですけれども、本当にこれは必要なんですか。その辺お伺いいたします。
〇木村高校改革課長 普通科の高校においては、盛岡が中心的な感じにはなっておりますが、やっぱり各地域の中核の普通校を盛り上げていく必要があるというところもあります。一方、小規模な学校についてもそれぞれ多様な価値観という部分でやっていかなければならないですが、各地域の中核校というようなところは、この学区があることによって守られている部分があるのではないかと考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 実際、盛岡圏内といいますか盛岡広域圏の中では、いずれ人口も含めて学校も多いわけです。過度に集中するということは、当然、私は考えられないような気がしますけれども、なぜそこまでこだわる必要があるんでしょうか。
〇木村高校改革課長 県立高校におけます高校教育を今後も持続的に維持していくという中では、やっぱり地域の中核校については一定の規模で維持していくというようなこと等がこれまでの再編に当たって地域の皆さんから意見を聞く中で出てきているということがございますので、そういう地域の中核となる普通科の高校を存続していくという視点で考えた場合には、この学区というものは有効であると考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 学区を規制しながら平準化を図るということだろうと思いますけれども、明らかに生徒数が減っているわけです。減るわけです、これからも。資料の中にありますけれども、昭和47年、中学校卒業生が2万7、000人もいました。当時はまだ進学率もそんなに高くなかったわけですけれども、それから平成26年―ことしは1万2、000人にまで下がっている。半分以下ですよ。そういう中で規制をいつまでも盾にとって、学区を、ハードルをつくるというのはもうやめてもいいのではないかという思いがします。
 そういうことで、他県はどうなんですか。先ほどちょっと話がありましたけれども、他県の例はどうでしょう。
〇木村高校改革課長 他県における学区の状況についてでございます。
 47都道府県のうち、通学区域を全域1学区としているところが23都府県となっております。近年においては、全域を1学区とする都道府県が増加しているところでございます。
 なお、ほかの都府県が全域を1学区としている主な理由でございますが、高校の特色化の促進、そして市町村合併の進展等となっているところでございます。
〇工藤勝博委員 今の時世を反映しながらそういう改革をしているということは、明らかに他県でも取り組んでいるということがわかりました。そういうことで、岩手県でも生徒数の減少に伴って、ちょうどきのう、教育委員会議があったということで、けさの新聞にもありました。葛巻高校が、やっぱり年々生徒が少ない、この先も余り見込めないという中で、町内だけの生徒では無理だと。明らかに無理であると。それで葛巻の自然を生かした山村留学を進めたいということで以前から話がなされました。それがきのうの会議の中でも出て、きょうの新聞にも載っております。まさにこれから地域地域の特色を生かした教育環境をつくるには、この葛巻の取り組みが必要だと思いますけれども、どのように捉えておったでしょうか。
〇高橋教育長 まず、学区のあり方でございますけれども、これは、御案内のとおり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律というのがございます。この中で、高校を設置した教育委員会は、その学区を定めるという法律の規定がかつてございました。規制緩和の流れの中で、その規制が今、撤廃されております。そういう中で、全国でおおよそ半分ぐらいの都府県が学区を撤廃したというような状況にございます。総じて、公共交通機関の発達したところ、県土のエリアが狭いところが先駆けで進んできているというような状況にあろうかと認識いたしております。
 この学区のあり方につきましては、今回の高校再編の検討委員会の中で、学校の配置のあり方、それから学区のあり方も含めて検討をいただいているところでございます。
 ただ、一方で、この学区については、いろいろな見方ができます。いわば都市部においては、より多くの子供たちが集まることによって学ぶ環境が相対的に恵まれるというような面もあろうかと思いますけれども、人口の少ない地域、高校の存立がなかなか将来的に厳しいというような地域においては、逆に流出を促進することになる面もあります。いわばもろ刃の剣だと思っております。それらも含めて検討していくことが大事というように思っております。
 葛巻高校でございますけれども、まさに人口減少対策という大きな課題に向かって、地元の町が高校を支援するというような観点も含めて取り組んでいることは斬新的な取り組みというように思っています。
 現在、教育委員会といたしましては、山村留学につきましては、県外の方々については一家転住を条件といたしておりますし、それから、県内の高校生の場合には学区の縛りが出てまいります。というようなことで、一定程度の欠員が出ている学校についてはその辺の弾力化ができないかどうか、それは前向きに対応していきたいというようなことで、現在、教育委員会の中でも議論をいたしておりまして、できるだけ市町村支援という観点からも対応していきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 県内の今の学区の制度、そしてまた、県外から入りたいというときには、今、話がありました一家転住でなければだめだと。そういう縛りをこれからも続けなければならないということに関してはどのような認識を持っているでしょうか。
〇高橋教育長 高校生といえども、まさに子供でございますので、その生活環境が安定するということが極めて大事だと思っております。そういう中で、これまで一家転住を条件としてまいりましたけれども、今回の葛巻の考え方でございますけれども、その保護者にかわって町が宿舎の環境とか、それから子供のお世話等も含めて責任を持って対応するというような考え方も持っておりまして、それが一家転住と同等とみなすことができるかどうかというような観点を我々含めて検討いたしておりまして、前向きに対応したいということで、現在、最終的な詰めを行っているところでございます。
〇工藤勝博委員 そういう中で、これからの人口減少時代に、やっぱりもっと間口を広げる必要もあるだろうと思います。こういう縛りをつけると、やっぱり表現で、許可する、容認するという一つの、見方とすれば上から目線でという感じになると思うんです。そういうことではなく、やっぱり葛巻高校なり、あるいは、例えば岩手町の沼宮内高校のように、ホッケーをしたいんだと、どうしても岩手県に行ってやりたいんだという生徒には、どんどん来てください、全国から来てくださいと、そういう取り組みをこれからする必要があると思います。
 そういう中で、この学区制をこのまま続けるという表現に聞こえておりますけれども、どうなんですか、そういうことも含めて。
〇木村高校改革課長 学区についての現状認識、そして今後の対応でございますが、少子化が進行いたしまして高等学校への入学者も減少が見込まれる中におきましては、ブロックによりましては学区内に普通科高校が1校となるような事態も想定されることもあり、今後、高等学校の再編を含めた検討が必要となってくると考えております。
 そして、今後、再編が行われた場合には、より広域的な地域単位での学校配置という部分も視野に学区の見直しについて検討を行っていく必要が生じてくるものと認識しております。現在、県立高等学校教育の在り方検討委員会におきましても学区のあり方を論点の一つとしておりますので、委員会での議論の結果も踏まえながら、今後、検討してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 今、ブロックごとにそういう学校が減るんだということがありました。午前の議論でも、花泉高校の学級減に至る過程でも、やっぱり地域の皆さんが、我がまちの学校だよと。そういう思いが強ければ強いほど、なくなる心配がなくなると思うんです。だから、葛巻町で率先してそういう環境を整えて全国から呼びたいんだと。それは、これから当然そういう姿になるべきだろうと思います。資料でも明らかにどんどん減っていくわけですから、県立高校の維持とか、当然いろいろな課題が出てくるだろうと思います、学級減なり、廃校ということも含めて。そうじゃなくて、市町村に今それぞれある学校が自分たちの学校だよという思いを込めるような、そういう学校にしてもらえれば、生徒もわざわざ盛岡に来なくてもいいということになるだろうと思います。そういう環境をこれから十分考えて取り組んでもらいたいと思います。
 最後になりますけれども、いずれ学区制を取り払うか、全国を目指した間口を広げるか、その辺を聞いて終わりたいと思います。教育長、お願いします。
〇高橋教育長 学区のあり方については、いわばオール・オア・ナッシングという考え方も一つにはあろうかと思いますけれども、この少子化時代、それから人口減少時代に学校教育がどうあるべきかというようなことも含めて総合的に考えていく必要があるのかなと。そういう中で、現状で起きている課題等に対応するには、また別の観点での学区のつくり方というようなことも選択肢の中にはあってもいいのかなというように思っておりまして、いずれにいたしましても、検討委員会の中で学区のあり方についても先ほど来申し上げておりますように御検討いただくことといたしておりますので、それを踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
〇佐々木博委員 今、工藤勝博委員から学区制の問題が出ましたから関連で御質問しますけれども、私も一般質問で過去に2回、学区制のさまざまな矛盾を指摘して、学区制を廃止すべきだということを申し上げたことがあります。そのときは前向きに取り組むようなニュアンスの答弁はあったけれども、現実にはほとんど何も進んでいない状況だと思っていました。
 先ほどお話があったとおり、全国的にはどんどん学区制がなくなっているという状況ですよ。それを踏まえて私も学区制を廃止すべきだと思っておりますし、矛盾点の幾つかの中には、例えば、隣の近くの学校に行けるんだけれども、学区制で、そこの学区に入っていないために遠くの学校に行かなければならないという事例も具体的に幾つかある。そのこともお話ししたことがありますし、それから、例えば高校に入学するとき―現実にあるんです―、学区制を逃れるために、中学から例えば盛岡市内に寄宿する、あるいは親と一緒に住む、そして学区制を逃れて盛岡市内の学校に入っている子供たちも相当数いますよ。その実数がわかるかと言ったら、県ではそこまでは掌握していないという当時の答弁でしたけれども、現実にあるわけです。そんなのは高校に行って聞けばすぐにわかる話ですから。やはりそういった、例えば学区制が経済的な格差でそういった利用のされ方があるとか、こういったことは私は本当によくないと思う。
 それからもう一つ、当時、通学に負担がかかるというお話もあったけれども、一関の県立中学は全県1区でしょう。かなり遠くからも通っていますよね。中学生が学区がなくて、そして全県一つで認めているのに、より体力がある高校生はそれが理由で制限しているだとか、あなたたちの言っていることは全く筋が通らない話が多いんですよ。本当に真剣に取り組んでいれば、私がこの問題を取り上げてからもう10年近くたちますよ。全然真剣に議論した経緯はありません。ぜひとも、今回の高校再編でこの問題を真剣に取り上げていただきたいと思いますが、いかがですか。
〇高橋教育長 工藤勝博委員の御質問にも答えさせていただきましたけれども、学区のあり方も含めて、現在の検討委員会の中で大きな論点として御議論いただいているところでございまして、学校のあり方とあわせまして、その答申を踏まえまして具体的な検討を進めさせていただきたいと考えております。
〇佐々木博委員 過去の再編の議論の報告書も読ませていただきましたけれども、なくしたほうがいいという意見もある。1行ぐらいしか書いてないんだよね。もう少し真剣に議論をしていただきたいと思います。お願いします。
〇喜多正敏委員 私は、事項別明細書322ページ、小学校費、中学校費の教職員費に関して質問いたします。
 午前中に樋下委員からも質疑がありました。最初に、教職員の採用についてお伺いします。
 平成25年度を含む過去2年間及び今年度の教諭の男女別の採用数についてお伺いします。
 また、正規教員のほかに任期付教職員、臨時的任用教職員、非常勤講師、職員等が雇用されておりますけれども、これらの小中学校別の過去3年間の採用数についてお伺いします。
〇佐藤首席経営指導主事兼小中学校人事課長 平成25年度を含む過去3年間における小中学校の男女別の正規教員の採用数についてでございますが、平成23年度は、男性が32名、女性が23名、計55名。平成24年度は、男性が53名、女性が57名、計110名。平成25年度は、男性が46名、女性が67名、計113名。平成26年度は、男性が42名、女性が57名、計99名となってございます。
 任期付教職員、臨時的任用教職員、非常勤職員の採用数についてでございますが、平成24年度は、任期つきが51名、臨時的任用が541名、非常勤が302名となっております。平成25年度は、任期つきが59名、臨時的任用が532名、非常勤が301名。平成26年度は、任期つきが70名、臨時的任用が472名、非常勤が307名となってございます。
〇喜多正敏委員 まず、性別では女性の教員採用数が非常に多くなっているということ、それから、正規教員に比較して、非常に任期つきあるいは臨時的あるいは非常勤職員の採用が大変多くなっているという感じがいたしました。現在の小学校、中学校において、正規職員、任期付教職員、臨時的任用職員、非常勤職員、講師等の構成比はどのような状況であるかお伺いします。また、北海道や青森県、秋田県、宮城県などと比較してどういう状況にあるのかお伺いいたします。
〇佐藤首席経営指導主事兼小中学校人事課長 小中別の正規教員と任期付教職員、臨時的任用教職員、非常勤職員の構成比についてでございますが、平成26年5月1日現在で、小学校では、正規教員は4、312名で90.8%、任期付教職員は42名で0.9%、臨時的任用教職員は253名で5.3%、非常勤職員は142名で3.0%となってございます。また、中学校では、正規教員が2、680名で86.7%、任期付教職員が28名で0.9%、臨時的任用教職員が219名で7.1%、非常勤職員が165名で5.3%となってございます。
 また、北海道、青森県、秋田県、宮城県との比較についてでございますが、平成26年度につきましては把握できておりませんが、文部科学省がまとめた平成24年度における公立小中学校の教員定数に占める臨時的任用教員の割合を見ますと、正規教員の占める割合は、本県が92.9%、北海道は95.6%、青森県は95.1%、秋田県は93.0%、宮城県が91.6%となっております。臨時的任用教職員と非常勤講師を合わせた臨時的任用教職員等の占める割合は、本県が8.3%、北海道が5.0%、青森県が6.4%、秋田県は9.6%、宮城県が7.6%となってございます。
〇喜多正敏委員 義務教育の場合、毎年、子供の数から算出した定数部分の給与費は都道府県が負担しておりまして、その3分の1は国庫負担金、3分の2は地方交付税交付金として国から出されると聞いております。国庫負担金は2004年度から総額裁量制が導入されまして、定数に国の給与基準を掛けた総額の範囲であれば、具体的な配置方法については地方に委ねられました。給与水準を下げて多数の正規教諭を置く選択を可能にするためだったと文部科学省は説明しているわけですが、その後、多くの都道府県では非正規の定数内講師がふえたと報じられているわけであります。
 本県では、定数内の非正規講師が何人いるのか。また、今後も予想される少子化時代を迎えまして、適正な教職員数の定数を維持するために、産休や育児休業あるいは傷病などへの対応、さらに、教員の年齢構成の多数を占めてきた団塊の世代以降の大量退職や、最近、早期退職者も増加する中で、こうした任期付教職員の採用等も必要と思うわけでありますが、教職員の定数や正規職員、任期付教職員、臨時的任用職員、非常勤講師の採用について、本県の考え方についてお伺いします。
 また、樋下委員から長期にわたり休んでいる教職員の実態についての質問があり、小中学校については把握していないということでありましたが、2014年7月25日の新潟日報によれば、新潟県の教育委員会では、県内の公立中学校の教職員は、2013年度、1カ月以上病気休暇をとっている者が190人ということで、新潟県教育委員会は、精神面のケア、研修など予防対策をとるとともに、教職員が職場復帰しやすいよう、出勤日数や時間を限定し、徐々に子供と触れ合う機会をふやす試し出勤を導入するなどしている。新潟県教育委員会の石附福利課長は、さまざまな原因が考えられるが、引き続き丁寧に対応していきたいと話をされております。
 私は、やはり県教育委員会でも、本県の市町村の教育委員会と連携して、こうした実態について県としても把握し、丁寧な対応をしていくべきではないか。また、あわせて、産前産後の休暇の取得状況について、きちんと捉えているかどうかお伺いします。
〇佐藤首席経営指導主事兼小中学校人事課長 定数内の講師による配置についてでございますが、本県では、先ほど委員から御指摘のとおり、総額裁量制導入以前から定数内の講師も配置しているところでございますが、総額裁量制の導入にかかわってその数を大きくふやすという状況ではございません。これは、産休、育休、そして病気休暇、休職等の補充、また、少子化、学校統合等に伴う教職員定数の減少を見据えながら中長期的な定数管理のためのものであり、一定数の定数内の講師配置はやむを得ないものと考えてございます。
 今年度における定数内の講師の配置についてでございますが、小学校が46名、中学校が8名、合計54名となっているところでございます。
 任期付教職員、臨時的任用教職員、非常勤職員の採用についてでございますが、希望する者を対象に書類審査と面接を行って適任者を選考しているところでございますが、それぞれ、先ほど委員から御指摘のあったような状況で本務者が学校を休まなければならないという状況もございますので、適切に配置ができるように運用しているところでございます。
 正規職員への登用については、毎年実施しております教員採用候補者選考試験を受験していただきながら、受験者の中から成績上位者を採用候補者として定めているところでございますが、今後、退職者がふえてくると、それに伴って採用者もふやしていかなければならない状況が数年後に予測されておりますので、ここのところについても、能力のある方々にたくさん本県を受験していただけるように検討してまいりたいと思います。
 次に、産育休の補充についてということでございました。
 10月1日現在の数で申し上げますと、小学校は産休者が14名、育休者が59名、合計73名でございます。中学校は、産休者が3名、育休者が48名、合計51名となってございます。合計124名の方々が産育休者として在籍しております。
 なお、これら全てに補充者を配置して対応してございます。なお、病休、休職等さまざまな状況で学校を休まれている先生に関しても、市町村からの要望を受け、その内容を精査しながら、できるだけ適切に補充を配置してきているところでございます。(喜多正敏委員「小学校の病気休暇等についての対応について質問いたしましたが」と呼ぶ)
 比較的短期の病気休暇の教職員につきましては市町村のほうで数を捉えておりまして、県では1カ月を超える者については把握してございますが、比較的短期の者に関しては把握しておらないところでございます。
 なお、先ほども申し上げましたけれども、長期にわたる病気休暇、休職者については補充を配置して対応しているところでございます。
〇喜多正敏委員 いずれ新潟県のように、ここはあるわけでありますけれども、本県でもやっているかどうかわかりませんが、いずれそうした長期の、特にも精神面のケア等については大変厳しいような状況に、一生懸命頑張っている先生方もおられるので、そのケアを丁寧に把握して市町村と連携してやってほしいという趣旨でありました。
 それから、全国的にも教育現場で非正規の教員がふえて、全国では12万人、人数割合は16%を超えていると報道されております。若いときの正規職員との給与は大体同じような状況にあるわけでありますが、給与の上限額が定められている。あるいは、1年限りで失業する不安定な雇用である。給与格差も大きい、待遇の格差も大きいのではないか。教育の継続性の面でも影響について懸念されている。しかしながら、担任を受け持つなど、正規教員と同じような仕事もしているという状況もある。
 こうした中で、やっぱり校風や、生徒の学力や性格や家庭の事情がわかった時点で1年で切れるとか、こういうことではなかなか落ち着いた指導ができないのではないか。また、次の任期や採用試験が気にかかって自分の言いたいことも言えない。教育に対する熱意も指導力もあるつもりだけれども、そうした中で先ほどのお答えがあったわけでありますけれども、非正規雇用の教員の任用期間の延長、例えば2カ月とか1カ月とか5カ月とかあるわけでありますけれども……
〇岩崎友一委員長 簡潔にお願いします。
〇喜多正敏委員(続) その間に契約を変えるとか、そうしたようなことについての延長、あるいは複数年での雇用、あるいは夏のボーナスも任用期間の関係で出ないとか低いとか、こういうことであるわけでありますけれども、正規雇用の任用については先ほどお答えがありましたけれども、待遇改善の面で配慮ができないかお伺いしたいと思います。
〇佐藤首席経営指導主事兼小中学校人事課長 ただいま御指摘があったとおり、これまでも非常勤講師を含め非正規の方々については、学習指導、生徒指導、各種行事等々、熱意を持って業務に当たっていただいていると承知しております。
 一方で、非正規教員の複数年雇用等の処遇についてでございますが、現行の制度では、臨時的任用及び非常勤職員については1年を超えた任用ができないことになってございます。現段階において、非正規教員を複数年雇用することは難しい問題であると認識してございますが、こうした方々の勤務条件のあり方等については、今後、研究してまいりたいと考えてございます。
〇喜多正敏委員 そのほかに、正規職員は初任者の折に210時間の研修が受けられる、非正規雇用の方は体系的な研修はなかなか受けにくいとか、特にも、特別支援教育とかICT教育など現代的な課題についての研修の経験が不足しているのではないか。生徒からすると、非正規であろうと正規であろうととにかく先生だということで、教育行政においては、すぐれた先生を非常勤であろうと正規であろうと教壇に送り出す責務があるのではないかと思っているわけであります。いずれ、そうしたことについて、1年の制約があるということも含めて、国に対して必要な改善の要請をするとか、国においても、なかなか財政当局は難しいと言っているようですけれども、文部科学省は、子供たちが減少する中で、教職員も減少するのではなく手厚い配置をしていくという方向で、今、検討を始めたというニュースもありました。ぜひこれらのことも含めて、今後、教職員あるいは非正規職員の教育環境の充実を含めて対応するべきではないかと思っているわけですけれども、高橋教育長の御所見をお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 臨時的任用、それから非常勤での任用というような、いわゆる非正規雇用でございますけれども、これは、御案内のとおり、地方公務員法上、基本は正規職員としての採用と。例外的な扱いとして1年以内の臨時的任用が認められているというものでございまして、これは法的な制約があるということでございます。
 ただ、一方で、委員がおっしゃいますとおり、学校現場、特に子供たち、保護者にとってみれば、その任用形態がどうということは関係なく、大きな期待を持って、また、設置者とすれば、それぞれの子供たちの将来を育んでいくという大きな責任を持っているというように考えております。
 そういう中で、そういう方々の士気を高めるという方策もまた大事だと思っております。あわせまして、職員採用に当たりましては、これはやはり平等取り扱いの原則がございますので、教員を希望する多くの人たちに門戸を広げて、選考試験という形の中で同じ土台の中で競争していただいて、人物を見きわめるというようなこともまた必要な視点というように思っています。いずれ、それぞれの非正規の職員の方々の勤務条件も含めまして、どうあるべきかというものは総合的に検討させていただきたいと考えております。
〇喜多正敏委員 ぜひ、先生方が教育に没頭できるような環境、それから、公務員というお話がありましたけれども、官製のワーキングプアをつくり出すような仕組みを教育現場から排除していただきたいとお願いして終わります。
〇城内愛彦委員 私は、3点お伺いしたいと思います。
 いわてキャリア教育についてでありますが、この間、何度か私はこの問題について取り上げてまいりました。インターンシップの実績と今後の課題、評価も含めてお願いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 インターンシップの実績と今後の課題についてでございます。
 まず、インターンシップの実績についてでございますが、おかげさまで、地域の企業あるいは関係諸団体の御協力を得て、平成25年度は、全日制65本分校のうち、これは盛岡市立高校を含みますが、54校でインターンシップを実施することができました。実施率は83.1%でございます。
 課題につきましては、インターンシップの実施により、生徒の勤労観、職業観が培われるということ、あるいは地域の企業との連携が進んでおります。そういった中で、平成25年度は前年度に比べて3校が新たに実施することができましたけれども、平成24年度に実施した3校が逆に平成25年度に実施できませんでした。こういったことから考えまして、延べで実施する学校はふえてきておりますが、これを恒常的に続けることが大事であると考えておりますし、地域にこのインターンシップがより定着してきておりますが、さらに中身を充実させることが今後の課題であると考えております。
〇城内愛彦委員 ちなみに、そのインターンシップに参加した子供たちの感想というのはとっていらっしゃるでしょうか。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 一人一人の生徒の感想については、事務局といたしましては把握しておりませんが、各学校でインターンシップの記録集を作成して在校生に配付したりということは行っております。
 私事ですが、昨年、久慈工業高校におりまして、生徒は充実したインターンシップを終えて、職業観を高めて、会社を選択するにしても、自分が将来つきたい職業をベースにした会社選択を行っておりますので、その会社に就職したいという気持ちをより一層強めて学校に戻ってきておりまして、2年生で実施しておりますが、3年生に向けて一層学習意欲が高まっていると認識しておりました。
〇城内愛彦委員 インターンシップを受け入れる企業の側も、子供たちを地元で採用したい、地元に残りたいという子供たちの出会いの場になったり、あるいはいろんな意味でお互いに刺激を受けるということでありました。そういう意味では、ぜひ、この事業というのはしっかりと続けていってほしいし、脱落することのないようにお願いしたいと思います。これは大事な事業だと思いますので、よろしくお願いします。
 次に移ります。不登校児童生徒について、これはきょうの午前中も取り上げられた案件でありますけれども、小、中、高の現状と今後の見通し、課題というんですか、対策も含めてお考えをお示しください。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 本県公立学校における不登校の現状についてでありますが、平成25年度問題行動等調査の結果によりますと、小学校は153人、中学校が710人、高等学校が373人で、前年度と比較して、小学校は19人、中学校は5人増加、高等学校は28人減少となっております。
 不登校となったきっかけにつきましては、小学校では無気力が多く、中学校、高等学校では不安など情緒的混乱が多くなっております。指導の結果、好ましい変化の見られた児童生徒の割合は、小学校で64.1%、中学校で61.8%、高等学校で42.9%であり、各校種とも前年度を上回っております。
 次に、不登校対策にかかわる今後の見通しについてでありますけれども、まず、不登校の状況についてちょっと補足をさせていただきます。
 平成25年度の本県の小中学校の不登校の比率、これは1、000人当たりの不登校児童生徒数で言いますと8.5人となっておりますが、これは全国で一番低い値でありまして、ここ数年、ほぼ同様の状況が続いております。東日本大震災津波後の大変厳しい状況の中で、現場の教職員が、児童生徒及び保護者に寄り添いながら、継続的に指導、対応したことによる大きな成果であると捉えております。ただし、前年度よりも不登校児童生徒数が増加したという事実を受けとめ、対策を講じなければならないと考えております。
 その具体として、不登校に陥っている児童生徒に対しては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用を通した支援を行うなど、引き続き、教育相談体制の充実を図るよう指導してまいります。
 また、不登校児童生徒を生み出さないための予防的対応としては、各学校において、全ての児童生徒が楽しいと思える教育活動を行うことが必要であり、各会議や研修会において、学級経営の充実を進めるよう教職員の意識啓発に努めてまいります。
 また、不適応状況の早期発見と早期対応が大切であることから、小学校と中学校、中学校と高等学校の連携の強化、関係機関と連携した児童生徒の心のサポート体制の充実を図るよう指導してまいります。
〇岩崎友一委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇城内愛彦委員 全国一低い不登校率だということで、甘んじることなくて、しっかりとやってほしいと思います。
 これは、前段にも質問した、子供がしっかりと勤労観を養って、地元に残る、あるいは他県に行って就職しても、しっかりと働いていけるという基礎をつくるものだと思っています。これは、後々ひきこもりになったりして、違う部署で大変な予算をかけて対応しなければならないということにつながっていきます。しっかりとできるうちにやっておけば、そういう問題というのは起きないと私は思います。この部分については関連がありますので、ぜひ、小、中、高と連携してしっかりと取り組んでほしいと思います。
 3点目に移ります。体力・運動能力調査についてであります。小、中、高の現状、今後の見通し、対策について。
 最近、子供たちの体力が落ちているということで取り上げられております。子供の数も少なくなってきて、切磋琢磨がなくなったのかなという不安も覚えながら、今、質問するところですが、どうでしょうか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 平成25年度の体力・運動能力調査における小学校、中学校、高等学校の現状についてでございますけれども、アクションプランの目指す姿指標である児童生徒の体力・運動能力調査の全国平均値以上の項目割合について、平成25年度と平成24年度の調査結果を比較しますと、小学校で低下傾向が続いているものの、中学校で回復傾向、高等学校で現状維持となっている状況でございます。小学校、中学校においては、東日本大震災津波発災前の水準に回復していない状況となっていますが、その要因としては、被災地において運動環境がいまだ制約されていることや、通学環境の変化等の影響があるものと認識しております。
 今後の見通しについてでございますけれども、児童生徒の体力、運動能力の状態を発災前の状態に回復させることを目標として、運動機会の拡大を目指した事業を展開してまいりたいと考えております。
 対策として、被災した学校においては、制限のある中でも工夫して体力向上に取り組んでいる学校が見られるようになってきていることから、これらの取り組みへの支援を強化することにより、現状の回復を図ってまいりたいと思っております。
 また、各学校における体力向上の取り組みにばらつきが見られることから、各学校の体育担当者が一堂に会する会議を設定したり、運動習慣の改善に向けて家庭や地域との協働の取り組みを強化したりして、児童生徒の体力向上を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、被災地域の学校に対して、限られた状況でもできる運動プログラムの効率的、効果的な活用方法について周知するとともに、指導主事によるきめの細かい学校訪問を行うことにより、各学校における体力向上の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 被災地の子供たちは、そういった余りよくない環境で暮らしていますし、その点については、今後しっかりとした対応をしていただくことを望むところであります。
 そこで、子供たちが少なくなって、いろんなところで、先ほどお話ししました切磋琢磨というんですか、いろんな遊びの場もなくなって運動しなくなった。あわせて、少子化の中で統廃合になってスクールバスで通っていって、自分の足で歩いて通うことができなくなってきた。また、今日のいろんな諸問題があって、御両親というんですか、御家族の方が車で送り迎えをするようになった、そういうこともあると思うんです。とすると、やはり大事になってくるのは、学校現場でどういった形で子供たちの体力向上を図っていくか、そういうことをしっかりと指導していくか。家庭に帰ってもできるようなものが必要になってくると思います。そういう取り組みは今のお話で承ったんですが、さらなる踏み込みというのは今後必要になってくると思いますが、その辺はどうでしょうか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 今、委員御指摘のとおり、統廃合による徒歩の通学時間の減少とか、ゲームの普及などによって外遊びが減少しているという状況がございます。これは、やはり家庭の協力あるいは学校のある程度の運動を推進する状況がなければ改善できないと思っておりますので、家庭と学校が連携しながら、今後進めていきたいと考えております。
〇城内愛彦委員 2年後に完全国体をされるわけですけれども、ぜひ、すばらしいプレーヤーの活動を子供たちに見せていただきたいと思います。それを通じて、ぜひ自分がやりたいなと思えるような仕組みづくりもしてほしいなと思うんです。そういうことが実は大事だと思うし、国体の果たす役割の大きな要因の一つであろうかと思います。いろんな形で子供たちを取り組んでほしいなと思います。
 私も八木総括課長も10歳のときに国体を経験しました。私は、レスリングを見に行って、レスリングをやろうかなと思ったんですけれども、耳がつぶれているのにちょっと違和感を感じて柔道をやったんですけれども、柔道でも耳がつぶれている人がたくさんいて、ちょっとびっくりしましたけれども、そういう意味で子供たちにいいものを見せる機会です。教育長、どうでしょうか。しっかりと取り組んでもらいたいと思うんですが、その準備を今からしておかないといけないのだと思うんですが、どうでしょうか。
〇高橋教育長 希望郷いわて国体は、子供たちにとってもスポーツに親しむ、そしてまた全国の代表が集うスポーツ界の日本で一番大きな大会でございますので、この機会を通じて子供たちがより競技力向上、それから、スポーツに親しむという大きな機会にしたいと考えています。
 そういう意味で、国体開催に当たりましては、それぞれの学校が1都道府県を応援するというような機会についても参加するような取り組みをしていきたいと思いますし、運動能力につきましては、何よりも子供たちの将来の健康な体づくりという極めて大事な時期でございますので、スポーツ健康課総括課長から申し上げましたように、地道な活動ではございますけれども、学校教育、それぞれの家庭との協働というようなことで、今後ともなお一層頑張ってまいりたいというように考えております。
〇城内愛彦委員 最後になります。そういう出会いが生涯スポーツ、生涯健康につながると思います。そういう取り組みを子供のころからというのがやっぱり大事だ、基本だ、キーワードだと思います。働くこともそうですし、スポーツになれ親しんで生涯続けていくということにもつながるということで、よろしくお願いしたいと思います。
〇佐々木努委員 それでは、私からは、平成25年度における不登校、暴力行為、いじめ、情報モラル教育についての県の取り組みについてお伺いしますが、先日公表されました平成25年度の児童生徒の問題行動等調査の結果をベースにして質問させていただきたいと思います。不登校につきましては、午前中に及川委員が、そして今ほど城内委員が質問されたので、重複する分は質問しませんが、1点確認をさせていただきたいと思います。
 今回、不登校がふえたということですが、地域あるいは年齢に傾向があったのか、そのことを確認したいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 本県の不登校における地域別の傾向についてでございますが、各年度の不登校の児童生徒数のばらつきがございまして、地域による差というものは特定できない状況にあります。年齢別につきましては、毎年度、小学校は学年が上がるにつれて増加し、中学校1年生で大幅に増加しながら、そのまま中学校3年生まで増加する。中学校3年生でピークを迎えて、高校で学年が進むにつれて減少していくという傾向になっております。
〇佐々木努委員 2月の一般質問でも取り上げたんですけれども、阪神・淡路大震災後、3年、4年で心的外傷後ストレス障害が非常に問題化したと。ちょうど今の状況が阪神・淡路大震災と同じ状況だというふうに思うんです。暴力行為と不登校がふえてきたのは、もしかしたら、そういうことが要因としてあるんじゃないかと思うんですが、その辺の分析等はされているのでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 震災からことしで4年目ということで、阪神・淡路大震災では2年後から4年目までに大体ピークを迎えているという状況―ピークというのは、心のサポートが必要な生徒がピークを迎えているというふうな事例がございまして、岩手県では、そこら辺も頭に入れながら、心と体の健康観察を継続してやっているわけですけれども、この調査だけで言いますと、震災の影響が、例えば不登校とか暴力行為に及んでいるというデータになるものまでは行ってございませんが、ただ、何も影響がないということはやはり言えないものと考えております。
〇佐々木努委員 私も沿岸にたびたび行って学校の先生方と話をすることがあるんですけれども、間違いなく子供たちに変化があらわれている、行動に変化があらわれているというふうに話されているんです。これは絶対見逃せない発言だと思うので、その辺のところは十分に留意されて、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの方々を効果的に活用して、ぜひ、これ以上不登校あるいは暴力行為がふえないような形で対応をお願いしたいと思います。
 次に、いじめ防止対策についてお伺いしたいと思います。これも、問題行動等調査におきますと、2012年から随分と件数が減っているということですが、この要因は何だと分析されておりますでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 いじめの認知件数が平成24年度から大幅に減少した要因についてでございますけれども、各学校で行っている教職員間で共通理解を図る取り組み、これは研修会等も含みますが、教育相談体制の整備、児童生徒に対する人間関係づくりの促進や、道徳や学級活動の時間などでの指導、アンケートや面談によるきめ細かな対応など、日ごろからいじめを許さない学校づくりに努めている結果であると捉えております。
 また、県教育委員会として、平成24年度から県内の小、中、高、特別支援学校の教員対象の研修会を実施しているところであり、各学校において、いじめはどこの学校にも起こり得ることとの認識のもと、未然防止に係る児童生徒への指導につながっているものと認識しております。
〇佐々木努委員 県のそのような取り組みについては私も評価しているところですが、いじめの問題行動等調査で、東北6県ではかなり差が出ているのは御存じだと思います。岩手県は849件、お隣の宮城県は1万7、624件、岩手県の20倍です。ただ、これは人口の関係がありますから単純に比較はできないわけですけれども、1、000人当たりですと、岩手県が6人、宮城県は69人、京都は100人ぐらいになっています。これは、間違いなく調査のやり方が違うんじゃないか、把握の仕方が違うんじゃないかと私は思うんですが、我が県ではどのような形で把握をされたのでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 この調査につきましては、各県が独自に調査を行っているのではなくて、文部科学省で定義されているいじめの定義に従って各都道府県で行っているというところで、具体的には、文部科学省の依頼を受けて、県立学校については県教育委員会のほうから直接調査をいたしますし、公立の小中学校については、各市町村教育委員会を通じて調査用紙を配付して調査を実施しているという状況がございまして、今、委員が御指摘のような、それぞれの都道府県で独自に、それぞれの都道府県のやり方によって行っている調査ということではございません。
〇佐々木努委員 私は、この差がどこにあるのかなということを疑問に思ったものですから、宮城県の教育委員会の担当者にお話を伺ったんですが、宮城県は、とにかくどんな小さなことでも子供たちに挙げてもらうというやり方をしていて、1年に複数回、子供たちにアンケートを実施しているそうです。それをすると、子供たちが、何か起きたときに、すぐに、自分はこういうことがあったよということでそのアンケートに書くということで、ある意味、気軽にというか、そういうものを伝えることができるということが、今回、このように件数が多くなったことにつながったと。宮城県では、そういう形で、本当に小さなことも吸い上げて、これからのいじめ対策につなげたいという返答をいただきました。
 私は、そのやり方が実は大事なんじゃないかなと思うわけです。とにかく最大限、いじめを子供たちから吸い上げて、それを少しずつでも減らしていく努力をするべきであって、やはり県としても他県に倣って、別に件数がふえたからだめだとか、少なくなったからいいとかということは私は言いたくありませんので、ぜひ、そういう数字を恐れないで、できる限り子供たちからそういういじめの状況を吸い上げることをしてほしいなと思うんですが、他県のそういう取り組みについて所感があれば伺いたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 今回の47都道府県のいじめの認知件数を見ましても、少ないところは200件、300件台、多いところが2万件、3万件台というところで、各県の認知件数に非常に差が出ているということについては、こちらも了知している部分でございます。
 先ほど、委員御指摘のとおり、文部科学省の考え方も、いじめの認知件数がたくさんあったからだめで、少なかったからいいというふうな単純な数の差ということを問題にしているわけではなくて、子供たちの、アンケートも含めてさまざまな訴えとか、保護者の訴えに現場の教員がしっかりと耳を傾けて、それがいじめかどうかをしっかりと認知して、それの解消に向けて対応していくというふうな姿勢が現場でも必要だと思いますので、県としても、そういう認知にかかわるところを、しっかりと学校現場でいじめと向き合いながら、対応しながら、解消に向けて努力していくということは今後も続けていきたいと思います。
〇佐々木努委員 よろしくお願いいたします。
 次に、三つ目、情報モラル教育についてお伺いしたいと思います。スマートフォンの使用についてでありますけれども、この件につきましても、午前中、及川あつし委員のほうからいろいろお話があった、質疑が交わされたということですけれども、やはりスマートフォンはいまだにさまざまな課題を抱えていると思います。学力の低下、情緒の不安定化、健康そのものに害がある、あるいはいじめの温床になるとか、さまざまな問題が指摘されています。そういう中で、県としてもしっかりとスマートフォン等の情報モラル教育に取り組んでいただきたいと思うんですが、スマートフォンの所持台数は午前中にお聞きしたので今はお聞きしませんけれども、子供たちの使用状況はどのようになっているのか調査をされているのか。もしされているとすれば、どういう状況になっているのかお示しいただければと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 小中学生につきましては、所持率については午前中もお話ししましたが、スマートフォンを小中学生でどれぐらい所持しているかというところの調査まではしておりませんで、いずれ、平成25年度の全国学力・学習状況調査によりますと、小中学生で平日に携帯電話等を2時間以上使用している小学校6年生が8.5%、中学校3年生が26.1%、高校生につきましては37.9%という使用状況になってまいります。
〇佐々木努委員 今のは県内のということでよろしいわけですか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 県内の状況でございます。
〇佐々木努委員 私は、所有している全ての子供たちに対して状況をきちっと調査しておいて、県の教育委員会のほうで、今はこういう状況になっているんだよというものをバックデータに持ちながら、さまざまな対策を講じる必要があると思うんですが、定期的にそのような調査をぜひやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 県として、スマートフォンに特化しての調査という予定はございませんけれども、いずれ、スマートフォンを含む携帯電話でのトラブルの弊害については憂慮すべき状況であると捉えておりますので、さまざまな機会に、その使い方等の指導も含めて、小、中、高と連携をしながら取り組んでまいりたいと思っております。
〇佐々木努委員 できる限りやっていただければと思いますので、ぜひ、引き続き検討をお願いします。
 スマートフォンの使い方についての、各県というか、他県の取り組みについてでありますけれども、御存じのように愛知県刈谷市で、夜9時以降、小中学校の全児童生徒の使用を禁止するという取り組みがことしの4月から行われています。これについて、県教育委員会でどのような所感をお持ちでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 スマートフォン使用のルールづくりといいますか、時間の制限という取り組みについて、愛知県刈谷市を含めた他県の取り組みにつきましては、全体を把握しているわけではありませんけれども、インターネットで検索しますと、何県かの市町のところで取り組んでいるということは承知しております。このような取り組みについては、児童生徒の生活習慣の改善や、インターネット上でのトラブルの回避について効果がある試みであると捉えております。
〇佐々木努委員 この取り組みのすばらしいところは、教育委員会だけが先走ってやったということではなく、学校側、家庭、PTAの三者、四者が一緒にやろうという取り組みで行われたということで、私は非常に評価しているわけです。ぜひ、県内でもこういう取り組みを進めてほしいなと思うんですけれども、例としては、県教育委員会で、9時以降は使わないようなキャンペーンを行うとか、シールをつくってそれを携帯電話に張ってもらうとか、県として、親に対して、そして子供たちに対して、こういう使い方はだめなんだよというふうな何らかの意思表示をするべきだと思います。しっかりとそのことを、県として、市町村あるいは子供たちに、家庭に訴えていけば、理解する市町村、そして家庭の方々もどんどん出てきて、この運動が広がっていくと思うんですけれども、そういうものに取り組むお考えはないか、教育長にお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 情報モラル教育を全県で取り組んではどうかということでございます。
 学校、地域、家庭が一体となった情報モラル教育への取り組みにつきましては、県教育委員会におきまして、これまでも、総合教育センターに体験学習用のスマートフォンを整備するなどして、情報モラル教育の推進を通じて、教職員、児童生徒の情報リテラシーの向上を図ってきたということでございます。
 今後におきましても、このような取り組みを一層推進する必要があると考えておりまして、委員御案内のとおり、学校、地域、家庭を通じた共通理解が極めて大事でございますので、この三者に子供、行政を加えた五者で取り組みます今後の教育振興運動―全県共通課題は本年度で終了することになっております。新たな教育振興運動の全県共通テーマといたしまして、スマートフォンを含むメディアとのつき合い方というようなことを、来年度からの新たな全県共通課題などとして取り上げて、その方向で取り組まさせていただきたいというように考えております。
〇佐々木努委員 私は、本当にこのスマートフォンというのは危険なものだと思っているんです。大人になればいいですけれども、仕方ないかもしれませんけれども、小学生、中学生には不要だと私はずっと言ってきているんです。私はそう思うんです。及川あつし委員はどう思うかわかりません。特に、どうしても持たせなければならないとか、そういう子供たちに対しての使い方については、しっかりと大人がルールをつくってやらないとだめだと思うんです。そのルールをつくるのは教育委員会なり、そして先生方なり、親たちなんだと思いますが、先頭に立ってそういう活動をしていくのは、やっぱり県教育委員会にその役割を担ってほしいと私は思います。ぜひ、問題提起を市町村に投げかけていただきたいと思うんですが、早急に私はやるべきだと思うんですけれども、もう一度、教育長のお考えをお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 ただいま、教育振興運動の全県共通課題として来年度から取り組む方向で具体的な動きをしてみたいという話を申し上げさせていただきました。
 そして、私も各学校訪問等をいたしておりますけれども、ある学校―盛岡北高校でございましたけれども、先日お邪魔した際に、スマートフォン、携帯電話の使用のルールは、学校からの指導ということも大事ですけれども、生徒会みずからが共通のポスターをつくって子供たち全体に呼びかけるというようなすばらしい活動をやっております。これは、いじめも同じでございます。やはり子供たちが自主的に取り組むというような環境をつくっていくということも大事ですので、全県的な動きの中で、それぞれの学校の取り組み、家庭の取り組みが推進するように努力してまいりたい、共感を得るようにしていきたいというように考えております。
〇佐々木努委員 期待しております。
〇佐々木茂光委員 関連。済みません、1点だけ。
 先ほど、問題行動が震災の影響だという、これは新聞にも実は書かれているんです。私から見ると、ある意味、震災の影響を受けたというのは、直接的に受けているのは沿岸部かと思うんです。内陸の方で、沿岸部から内陸のほうに来ているお子さんもいるかと思うんですが、先ほど、調査の中に、その辺の地域別のあれがないというような話なんですが、どういったお考えの中でその対応を図られているのかお尋ねしたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 震災後の幼児、児童生徒の心のサポートという部分が県の教育委員会としては最重点として取り組んでいるところがありまして、特に沿岸部、沿岸被災地のケアというか、それをもっと厚くしなければならないというところは常に思っておるところでございます。
 それで、スクールカウンセラー等につきましても、今まで、いわゆる沿岸部出身者というか、その地域にいる方が少ないという部分もありましたので、全国から臨床心理士資格を有した方を公募しまして、実際に沿岸部に住んでいただいて、それを年々ふやしながら、今年度は、当初5人から始まったものを13人までふやしまして、沿岸部の小中学校を中心に、子供たちの心のケア、もしくは保護者、教職員も含めて心のケアに当たっている部分がありますし、スクールソーシャルワーカーというのは社会福祉士の資格を持った方なわけですけれども、この方も、今年度は沿岸部の全教育事務所に配置しまして、経済的な部分とか社会的な部分、環境の部分のことで不登校とかさまざま問題行動等を起こす子供たちのケアという部分でスクールソーシャルワーカーも厚くして、そういうところで、特に沿岸被災地の子供たち、保護者の対応に当たっているというのが現状でございます。
〇佐々木茂光委員 ということは、沿岸部の被災地のほうの子供たちにそういう問題行動が顕著にあらわれているという解釈でいいんですか。
 今、いろいろその手だてについての対応をされているのは私も実は承知しております。子供たちにそういう目線で温かく、先生たちを含めて―もちろん先生たちも被災地にいながら子供たちと一緒に暮らしているもので、そうやってほかから来ていろいろ手をかけてもらっているのは本当に非常に助かります。子供たちがちょっと外れそうなところにも手をかけてくれているのも私らも承知しているんだけれども、先ほどお話しされた、これは実は岩手日報の記事で、大学の先生が、復興の長期化が影響しているというふうな、小学生の問題行動を含め、こういう記事が震災の影響というのを大きく書いているから、それで、では、被災地の子供たちにそういう問題が顕著に出ているのかどうなのかということを実は私は聞きたかったんです。だから、先ほど、佐々木努委員のほうからあったように、地域の、例えば内陸が多くなっているのか、沿岸部が多いのか、実は私はそれを聞きたかったんです。例えば、その問題行動は沿岸部が多いですよ、明らかに被災地が多いですよと言ってもらう―言ってもらうということはないけれども、そういう傾向があるというのを、これでは、岩手県の子供たちは、復興だ、震災だでみんな問題が多くなっているということが、新聞を見る限り、ここに書いているので、本当にそれが、我々被災地にいる親たちにしてみても、それならそれなりにちゃんと親たちも考えた対応をしていかなければならないものだから、その違いがもしわかるのであれば教えてもらいたいなと思って、今聞きました。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 沿岸部全体が、例えば不登校がふえているとか、いわゆる暴力行為がふえているとかという状況ではございません。ただ、何というか、ここはなかなかしゃべりにくい部分があるんですけれども、例えば暴力行為などは、学校によっては、これは沿岸部、内陸部にかかわらず、ある特定の子供が何回か繰り返しやっていることで、件数がどんどん増加してしまうというふうな状況もあることもありますので、いずれ、沿岸部については震災の影響があるというのはこちらも認識しておりますので、そういうふうなさまざまな弊害といいますか、そういうものが子供たちから出てこないような予防的な対策も含めて、先ほどの人的な部分での厚さというものをやっておりますし、いずれ、今後も沿岸部については厚く対応しながら、問題行動の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員長 関連ですから、簡潔に。
〇佐々木茂光委員 そういった心のサポートというか、引き続き力を入れてやっていただきたいなというふうに思うところもまずありますけれども、我々、被災地にいると、それもやってくれる、これもやってくれるという待ちの姿勢が、ある意味、これから自分たちが立ち上がろう、起き上がろうということに対しても、その辺の見きわめは非常に大変だと思うんです。
 その問題行動という取り上げ方で、我々のころは、当時は、田んぼのくろは歩かない、麦の穂を取らない、そういうのが自分たちのある意味問題行動だったのです。ただ、今の問題行動の捉え方というのは確かに違うと思うんです。それが、地域によっての問題行動のあり方というのは一つでないということも皆さんは承知していただきたいなというところもあるんです。だから、その現地の状況をわかって子供たちにケアするのと、まるっきりわからないでケアするのでは、まるっきり違う方向に形が出てしまうものですから、その辺もある程度理解を深めてお願いしたいと思います。
〇岩崎友一委員長 答弁はいいですか。
〇佐々木茂光委員 はい、いいです。
〇岩崎友一委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後4時54分 休 憩
午後5時13分 再開
〇高橋但馬副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行します。
〇久保孝喜委員 大変お疲れさまでございます。
 きょうの質疑でも取り上げられました特別支援学校に関連してお尋ねしたいと思います。
 最初に、昨年11月に策定されたいわて特別支援教育推進プランの狙いと、そして、これによって何がどう変わってきたのか、あるいは変わろうとしているのかというところについてまずは御説明をいただきたいと思います。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 昨年策定いたしましたいわて特別支援教育推進プランについてでございますが、本プランは、国の教育施策としてのインクルーシブ教育の動向を見定める必要があるため、共に学び、共に育つ教育を理念として策定されました前推進プランを継承的に再構築し、就学支援に係る機能改善など、前プランで残された課題の解決を図ろうとするものでございます。
 本年度につきましては、県就学指導委員会に係る機能改善の検討や共生社会の形成に向け、特別支援教育への理解、啓発を図るための県民を対象としました講演会など、新たな取り組みを行っているところでございます。
〇久保孝喜委員 そういう取り組みの中で、先ほどの質疑の中にもあったように、特別支援学校あるいは学級を含めて、関心が高まるといいますか、ニーズが掘り起こされるという結果を生んでいると解釈するわけですが、そのことによって、学級の教室の増とかに取り組んできたわけでしょうけれども、現在の支援学校の立地について次にお尋ねしたいわけです。各学校14校の中で、特色のある部分だけで結構ですけれども、立地自治体以外からの通学あるいは入寮も含めて、その率がどういうことになっているのかということをお尋ねしたいと思います。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援学校の立地自治体以外からの通学率についてでありますが、過去に全児童生徒の出身自治体のデータ等を確認しておりますが、隣接する病院に入院している、あるいは施設入所で、実際に立地自治体以外からの通学者と言えない者も含まれておりますが、平成26年5月1日現在で、県立特別支援学校における立地自治体以外の出身者の構成率は53.8%となっております。
 具体のところでございますが、となん支援学校につきましては、立地以外のところが53.2%、峰南高等支援学校におきましては、立地以外のところが87.2%、それから、盛岡みたけ支援学校におきましては47.3%が立地以外、花巻清風支援学校につきましては67.3%というような知的のところを含めての状況でございます。
〇久保孝喜委員 今、聞いた数字を見て、ある意味でちょっとびっくりするわけです。先ほど県立高校の学区の話もありましたが、こうした児童生徒については、保護者の通学に対する負担という問題も実は当然ながらあるわけです。そういう負担の現状について、今、挙げた数字は、ほとんど全部いわば他自治体から立地校に来ているということでしょうから、そういう意味では、かなりの、要望も含めて、あるいは自治体からの声も含めて、さまざまあるのではないかと思うんですが、保護者負担と、そうした市町村からの要望を含めて現状をどういうふうに受けとめていらっしゃいますでしょうか。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 ただいま委員の御指摘がございました件につきましては、保護者の要望等を踏まえつつ、県立学校等の全体的な整備の方向を見据えながら考えていきたいと思っております。その方策の一つとして、小中学校の空き教室の活用とか空き校舎の活用、その他、どういう形での整備がいいのかにつきましては、保護者等の要望を踏まえつつ、地元教育委員会とも十分協議の上、検討してまいりたいと思っております。
〇久保孝喜委員 今の話ですと、個別対応だと、こういうことですか。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 全体計画、整備計画等につきましては、東日本大震災津波からの復興状況に応じたり、インクルーシブ教育の動向を踏まえて検討することとしておりますので、個別の対応で対応していきたいと思っております。
〇久保孝喜委員 今と同じような理由で、高校再編は検討を一旦とめて、そしてことしの春からやっているんですよね。なぜ特別支援学校だけは依然としてその理由で全体計画をつくらないまま推移するのか。どうでしょうか。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 国におきましてインクルーシブ教育システムの構築に向けた制度改革等が現在行われている最中でございますので、そこも踏まえながら、今後、インクルーシブ教育のあり方、国の方針等を受けて検討してまいりたいと思っております。
〇久保孝喜委員 先ほど、保護者の声とか市町村の声については全く答弁なさいませんでしたけれども、どういう要望があるのかということについてもっと真摯に受けとめないと、個別対応という話だけだと、これは恐らくほとんど納得できない話になってしまうと思うんです。県立高校が再編計画を在り方検討委員会に委ねて、今、議論してもらっているように、この特別支援学校だって、年々数がふえるということはわかっているわけです。先ほどの質疑の中でも出たように、どんどん数がふえているというところに関して、個別の対応ということで済みますかね。今、そういう現状じゃないんじゃないですか。今こそ全体計画をつくる、あるいはその中において計画的に整備を進めるとか、そういう具体の一歩を踏み出さなければならない、そういう今、タイミングなのではないでしょうか。どうでしょうか、教育長。
〇高橋教育長 特別支援学校の狭隘化の問題ですとか、さまざまな通学の便等についての課題等についても保護者等から要望が出されているのは御案内のとおりでございます。特別支援学校、旧養護学校、知的な特別支援を必要とする子供たちを中心とした学校については、全県に、県内の拠点地域に配置いたしておりますけれども、視覚支援でございますとか聴覚でございますとか、これは全県の中で重点的にその指導をするというようなことで、全県1区にしている。1校だけ、中心校だけで支援をしているというような学校。そういう学校については集中的な支援をするということで御理解をいただきたいと思いますけれども、知的支援の子供たちについては、やはりより身近なところで教育をするというのが基本として大事だと思っております。
 そういう中で、インクルーシブ教育という観点で、通常学級の子供たちの近くに分教室等で対応するというようなこともあってしかるべきだと思いますし、それから、それぞれの特別支援学校を充実というようなこともまた大事だと思っております。それぞれ具体的な対応につきましては、今後、市町村教育委員会等と対応を検討していきたいと思いますけれども、県教育委員会といたしましては、全体的な現状をまずもって把握しつつ、毎年度の予算編成過程の中で、緊急に必要な整備をするものについては計画的に進めていく、あとは全体的な整備計画のあり方につきましてもあわせて今後の検討課題とさせていただきたいと思っております。
〇久保孝喜委員 今の答弁は一見して前向きのように見えますけれども、現実にはほとんど一歩も進んでいないという感じがしてならないわけです。つまり、個別対応ではそろそろ限界なんじゃないかということが保護者からも自治体の側からももう既に出されている。この期に及んで教育委員会と相談してどうこうという話、もうそういう現状ではないと私は思うんです。しかも、例えば毎年の県政要望の中にも、ずっとこの問題が組み込まれている市町村があることは皆さんも御存じのとおりだと思います。
 花巻清風支援学校について言えば、北上からの通学者はほぼ全校の半数を超えるという数字になっています。それに対して、北上には現在、中部病院に分教室があるわけですけれども、ここは就学が限定されていますから、何とか分教室をつくってほしいというような保護者からの思いや自治体からの要請、これに対して県が答えた回答ではCランクなんですよ。思いを共有して、今の教育長のような答弁があるのであれば、それを誠実にやろうとするなら、Cはないんじゃないですか。そこが結果的に今の答弁が何ら具体性を持たない、しかも現実を踏まえていないことの証明だと私は思うんですが、もう一度いかがでしょうか。
〇高橋教育長 北上地区からの要望に対しましては、今後の検討課題ということで、現時点で具体的な対応、方向性をまだ定めていないということで、その対応方針としてCということを付させていただきましたけれども、これは、花巻清風支援学校の狭隘化の話もございます。現在、特別教室等の増築等に取り組んでおりますけれども、その中で全てが解消されるわけではございません。一方で子供たちがふえてくるというような状況もございますので、今後、具体的にその対応を検討してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 冒頭申し上げた特別支援教育推進プラン、本来、プランですから、こういう施設のあり方、学校配置のあり方も含めて、中長期的な展望をきちんと示すことが私は必要だったんだろうと思うんですが、今のいろいろやりとりしたそういう現状について、プランにはどういうように反映されているんですか。プランの中ではどういうふうにうたわれているんでしょうかお答えください。
〇民部田首席指導主事兼特別支援教育課長 ただいまのプランへの反映についてでございますが、推進プランは、主にソフト面の施策の方向性などについて策定しているものでございまして、特別支援学校の環境整備計画等ハード面については触れていないものでございます。主にソフト面で、特別支援教育の教員の専門性あるいは児童生徒の成長を願って、できるソフト面の施策について記載したものでございます。
〇久保孝喜委員 だからプランが実効性を持たないのではないかと。だって、教室が狭隘になっていて、ニーズはどんどんふえていく。学校配置もなかなかままならないという状況の中で、プランを先行して、いわばソフトの面を先行させてどういう教育が実現できるんですか。プランですから、本来はある意味セットになっていかなきゃならないわけで、そういう点でもう一回聞きますけれども、この全体計画に着手するつもりはあるんですか、ないんですか。
〇高橋教育長 本来的なあるべき姿としては、課題を抱えている中では、その実現に向けてどういう段階を踏んでその解決の道筋を歩んでいくかという計画をつくることは望ましい姿だというように思っています。
 ただ、一方で、前計画が終了した昨年度におきまして、ソフト面を中心にした推進プランになったということにつきましては、現在の岩手県の抱えている大きな課題、これは東日本大震災からの復興ということが最優先、さまざまな課題がございます。もちろんその中にはこの特別支援学校の問題もあろうかと思います。
 財政的な制約がある中で、教育委員会といたしまして、年度間の平準化を図った施設整備、これは学校もそうですし、それから先ほど来出ておりますスポーツ施設、文化施設の維持管理等もあわせてやっていくという中で、やはりこれは責任を持って対応していくということが極めて大事でございまして、その中で、この特別支援学校に限って中長期的なプランをつくるというのはなかなか困難な状況にあったということで現在に至っているということでございます。
 今後につきましては、どうあるべきか、プランの策定も含めまして検討課題とさせていただきたいと思っております。
〇久保孝喜委員 きょうも話がありましたけれども、県立高校については、例えば年度末にぎりぎりその募集状況を見ながら学級減にするとかしないとかという判断ができるというぐらいの弾力的な教育施策をとっている教育委員会ですから、この問題についても、私は十分でき得るキャパシティーがあると思いたいんです。県立高校の場合は減らすことについての議論というのが主ですから、それはかなりすんなり皆さん方も提案をしたりして出すわけですけれども、ふやそうとか、あるいは拡大しようという議論は、今のやりとりのようになかなか進まない。だから、ある意味、教育委員会の施策展開の中でもそういう二元論が並列してずっと今までも続いてきているということを指摘しておきたいと思いますし、今後の検討課題ということですが、早急にこれは、切実な願い、要望が現実にあるんですから、ぜひ取り組みを進めていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
 そのことにかかわって、今度は県立高校の再編に関して最後にお尋ねしますが、これまでの在り方検討委員会も含めて、議論のポイントというのをいま一度お示しいただきたいと思います。
〇木村高校改革課長 高校再編に係ります議論のポイントということでございます。
 現在、県立高等学校教育の在り方検討委員会におきましては、小規模校のあり方や望ましい学校規模、1学級の定員、学区のあり方等について主に議論されているところでございます。
 また、8月から9月にかけて県内9カ所で開催いたしましたブロック別懇談会における主な意見について4点に大きく分けますと、小規模校への配慮から、小規模校も一律の基準で統廃合せず、地域の状況を踏まえ、存続も視野に検討すべき。第2点としては、地域産業とのかかわりから、少子化の中でも生徒に選択されるような各校の特色を打ち出すため、高校と地域との連携を積極的に進めていくべき。第3番目といたしましては、通学の支援に関し、遠距離で通学を余儀なくされている生徒が多く、通学に対する経済的な支援を実施してほしい。第4点といたしましては、1学級定員は地域の実情に合わせて検討していくべきであり、全県一律ではなく、地域によっては少人数学級等の設置についても検討が必要というような意見が寄せられているところでございます。
 現在、在り方検討委員会におきましては、そのブロック別懇談会での意見も踏まえまして議論をさらに深めているところでございまして、年内を目途に在り方検討委員会から県教育委員会に対する答申をいただく予定で進めております。
〇久保孝喜委員 今、答弁されたポイントいうのはいずれも欠くことのできない議論だと思いまして、この議論を鋭意進めていただきたいということをまず前提に申し上げた上で人口減少との関係でお尋ねしたいんですが、先般出された県の人口問題に関する中間報告、教育長が本部員ということで要綱上なっているわけです。その中で教育と人口減少にかかわる記述を拾ってみましたが、少子化の進行という問題が教育のあり方に大きな影響を与えているというような記述が中心になって、さらには、そのことによって地域の伝統文化などの継承にも黄色信号がともる、こういうような書き方になっております。つまり、ここでは、人口減少、少子化という問題が教育に与える影響だけが書かれていて、教育の現場で、例えば学校が減少してしまうことによって生ずるであろう地域の人口減少という逆の視点が全くどこにも見えていないわけです。過去の高校再編で、例えば、統合になりました、学校がなくなりましたということによってどういう現象が地域で起きたのかということは、本来、学校再編を進める教育委員会がフォローして調査することがあって当たり前だと思うんですが、そういう経過はこれまであったんでしょうか。
〇高橋教育長 人口減少問題対策本部での教育のかかわり方という御質問でございますけれども、ただいま委員から御案内のあった内容については、現状分析のところでそういう状況にあるというお話と思っております。後ろのほうになりますけれども、今回の高校再編等についての記述も載せておりまして、人口減少時代における学校教育のかかわり、特に小規模校の役割、その考え方の再構築等をする必要があるというような記述も載せさせていただいているところでございまして、学校教育が人口減少問題にどう対応するかというようなことについても、これも非常に密接な関係にございますので、我々は大きな課題認識を持ちながら適切に対応する必要があると考えております。
 そしてまた、検討委員会の中では、小規模校の役割でございますとか、あとは、本来望ましい学校規模、また、都市部も含めました学校の配置のあり方等々について御議論いただいているところでございますので、その答申等も踏まえつつ、人口減少の問題は、単に中山間地だけの問題ではなくて岩手県全体の大きな課題でございますので、教育委員会としても十分その辺を踏まえながら対応してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 私ごとで恐縮ですが、私は、新設高校の第1期入学生なんです。結果的に、地域のいわば廃止される学校の生徒がその後どうなったかということをリアルで体験している世代なものですからあえて申し上げたいんですが、例えば中山間地では、学校がなくなると、子供が例えば高校生の場合ですと卒業して就職時期になる。就職が決まる。そうすると、一家転住してしまうという例が幾つもあるわけです。つまり、子供が学校にいる間はそこにいるけれども、子供が卒業してしまうと、その行った先に家族が全部転住するという形で人口減少が誘導されてしまう、そういう影響が出てきたという例は幾らもあるんです。
 つまり、さっき言ったように、学校が減少していく、これは教育的観点からいっても、あるいは今の人口減という観点からいっても、ある種しようがないところはありますけれども、一方で、それがどう地域に反映、影響を与えているのかということを丁寧にフォローするという姿勢もないと机上の空論になってしまうと思いますので、先ほどの私の質問には答えていないわけですが、そういう経験、そういう調査のあり方も含めて、難しいとはわかっていますが、やるべきだと思うんです。それが、今、岩手の抱える人口減少問題に対する一つの重要なアプローチだと私は思うんですが、最後にそこを聞いて終わります。
〇高橋教育長 この人口減少問題への対応につきましては、これはまさに、今、東日本大震災からの復興に県を挙げて最優先課題として、市町村、それから県民の皆さんと力を合わせながら取り組んでいるということで、これはすなわちふるさとを守るためにどうするかということで現在の最優先課題として取り組んでいると。そういうことでございますけれども、この人口減少問題はまさにそういうことでやっていく必要があると、これは、沿岸部のみならず全県的にそういう課題があると捉えております。
 そしてまた、ふるさとが消滅しないようにするためには、これは県の一方的な思いだけではなくて、地域と一緒に取り組むという姿勢が極めて大事だと思っています。そういう中に教育のあり方についても含めて、我々、地域の皆さんと十分意見を交わしながらそのあり方を検討してまいりたいというように考えております。
〇高田一郎委員 それでは、私から、まず、被災地の子供の学習環境について伺います。
 第1に、応急仮設住宅の現在の児童生徒の入居状況といいますか、どの程度になっているのでしょうか。
 もう一つは、放課後の児童の学習支援に取り組まれていますけれども、現在、取り組まれている自治体数と生徒数、そして、どういう方々が支援の担い手になっているのか伺います。
〇松葉首席指導主事兼特命課長 児童生徒数の推移についてでありますが、平成25年6月末は、小学生1、322人、中学生846人、県立高校生812人でした。平成26年6月末は、小学生1、134人、中学生692人、県立高校生736人でしたので、小学生188人、中学生154人、県立高校生76人が減少しております。
〇松下生涯学習文化課総括課長 放課後の児童生徒の学習支援についてでございますが、平成25年度におきまして、沿岸被災地の中学生、高校生の学習支援を9市町村24カ所において行っております。登録者は740名となってございます。また、運営につきましては、一般社団法人やNPO法人等によって行われておりまして、大学生や地域の教員OBの方々などが支援に当たっている状況でございます。
〇高田一郎委員 今、応急仮設住宅で生活を余儀なくされている子供たちが3、000人を超えていて、そして、中には、1時間も超えて通学せざる得ない、そういう環境になっているんです。そういう中でこの放課後の児童の学習支援というのは大変大きな役割を果たしてきていると思います。これは継続して、しかも充実して取り組むべきだと思いますが、人的な体制とか財政的な問題ですね。これまで、大学生とかNPO法人とか、そういった本当にボランティアの方々が支援されていると思うんですけれども、今後、進めていく上での人的な支援、あるいは財政的な問題でも、地域コミュニティ再生支援事業など国の補助事業を活用してやっているんですけれども、財政的な面での拡充というのは心配ないんでしょうか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 今、委員御指摘のとおり、先ほど申し上げた事業につきましては、主に国庫補助事業であります学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業を財源として実施しているものでございます。また、まだ多くの児童生徒が応急仮設住宅に入居している、このような状況がありますので、安全・安心な環境のもとで学習できる場所を確保するための取り組みを継続する必要があると考えてございます。
 今後も、関係団体と連携しながら、児童生徒の放課後等における居場所の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 対象年齢をもっとふやして拡充して取り組んでほしいというニーズもありますので、ぜひ被災地のニーズをよく実態把握して、充実した取り組みにしていただけるように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、心と体の健康観察、これは毎年取り組んでおりますけれども、平成25年度の観察の結果はどうだったのか。前年度と対比してどういう特徴があるのか。
 それから、スクールカウンセラーの配置状況については先ほども議論がありました。被災地に厚くしないといけないというようなお話もされましたけれども、十分な体制のもとでこういう対策を行っているのかどうか、その点についてもお伺いいたします。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 まず、心と体の健康観察の結果についてでありますけれども、この調査は平成23年度から継続しており、平成25年度の結果を見ますと、要サポートの児童生徒は県全体として12.0%と回復傾向を示しておりますけれども、沿岸部の市町村について見ますと、13.7%と、平成24年度と比較すると0.1ポイント上昇しているところが特徴的な部分でございます。また、平成25年度、要サポートであった児童生徒12.0%の内訳については、過去3回この調査を実施したうち、今回初めて要サポートになった児童生徒が6.6%ということで、半分を超えている状況になっております。
 次に、スクールカウンセラーの配置状況についてでありますけれども、平成26年度は、訪問日数に差がありますが、小学校34校、中学校140校に配置しておりまして、中学校配置のスクールカウンセラーによる学区内の小学校への訪問は140校となっております。県立高校については全ての学校に配置しております。なお、これらに加えまして、沿岸部被災地には、先ほども話をしましたけれども、13名の巡回型カウンセラーを配置しておりまして、各学校のニーズに合わせた支援を進めております。
〇高田一郎委員 私は、スクールカウンセラーについて人的な体制が十分なのかというお話をしましたので、それについて答弁いただきたいと思うんですが、いずれ専門的な職員の確保ですからなかなか簡単なことではなくて、県も全国からの支援の要請をしてはおります。被災地に行きますと、今、3年7カ月たっても、回復する子供もいれば、中にはまた状況が悪くなる、そういう二極分化の傾向にあるということを聞きますし、3年7カ月たって新たに顕在化する子供たちがふえているという話も聞きますので、マンパワーを確保するというのは簡単なことではありませんけれども、引き続き、スクールカウンセラーを含めた拡充といいますか、そういうことで努力していただきたいということで、これは要望です。
 次に、時間がないのであわせてお聞きしますが、被災した学校の再建状況はどうなっているのかお聞きします。
 最近、大槌の小中一貫校が2度の入札不調ということで、きょうの報道でも、唐丹小学校が資材の高騰で1年間延長するという状況で、大変深刻な状況にあると思いますけれども、被災した学校の再建状況。それと、今後はやっぱり入札不調対策もきちっとやっていかないと大変なのではないかと思いますが、その点の対策についてお伺いいたします。
〇宮澤学校施設課長 被災した学校の再建状況についてでございますが、市町村立小中学校につきましては、現在、5市町、被災前の統合前の学校数で申しますと17校において移転新築復旧のための校舎あるいは体育館等の建設あるいは用地の造成工事等が進められてございます。
 現在、校舎及び体育館の建設工事を行っておりますのは、岩泉町の小本小中学校でございますが、こちらは平成28年度の開校に向けて、今後、工事を進める予定となってございます。
 また、その他では、釜石市の4校―これは小、中各2校でございます―、大船渡市の3校―小学校2校、中学校1校でございます―、また、陸前高田市の2校―小、中各1校におきましては、敷地の取得で難航しておりましたり、また、入札不調対策のために、最初に建設業者をプロポーザル方式により選考するなど、多くの学校におきましては平成27年度内の完成を目指しましてそれぞれ取り組みが行われていると承知してございます。
 県といたしましては、被災した学校の早期再建が図られますように、国との調整、及び市町村に対し、入札不調対策を含めました必要な助言あるいは情報提供など、適切な支援に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、大槌の問題でございます。
 2回の不調となったものでございますが、大槌町といたしましては、建設工期の短さ、それから技術者、現場代理人、型枠工等の人材不足が最大の理由と分析してございまして、去る14日に行われました臨時議会において、工期の延長―これは労働者を確保するための準備期間の3カ月の付与でございます―、積算単価の見直しを行いまして新たに事業費を増額した、そういった内容の補正予算を提案し、可決されたところでございます。
 再々入札でございますが、11月に行われまして、順調に進めば年明けの1月に着工し、また、平成28年9月の完工、10月ころの開校の予定と伺っているものでございます。
〇高田一郎委員 以前お伺いしたときには平成27年度中の完成ということだったんですけれども、最近の状況を見ますと、かなり予定よりずれるのかなという思いをしています。小中学校、義務教育施設というのはやっぱり最優先の課題で取り組んでいってほしいと思うんですけれども、いずれきょうの報道を見ても、やっぱり鉄筋コンクリートよりも木造のほうがコスト的には軽減になる。工事費、建設費というのは抑制されるんですかね。そうであれば、今後の校舎建設についても木造校舎で建設するということも検討してもいいのではないかと私は思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
〇宮澤学校施設課長 確かに、従前の状況と比べますと、人材不足、それからコンクリート等の資材の高騰等によりまして、価格がだんだん上昇する傾向にございます。そうしたところに木造校舎ということで、これは唐丹小学校もそうですけれども、非常にいい御判断ではないかと思います。
 木材の利用の促進という側面もございますので、あくまでもこれは市町村の計画によるべきものではございますけれども、そういった相談がございました場合には、木造の使用もあわせて検討するように助言を行ってまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、就学援助制度についてお聞きいたします。
 現在の支給状況と、市町村の支給要件というのはどうなっているのか。
 それから、消費税増税や生活保護基準の見直しによる影響ですね。消費税増税によって支給額を当然引き上げないといけないと思いますし、同時に、生活保護基準の見直しによって、当然就学援助制度にも連動するものでありますから、本来対象になるべき人が対象から外れてしまうということがないようにすべきだと思いますけれども、この辺の影響はどのように見ているのかお伺いいたします。
〇宮澤学校施設課長 就学援助制度でございますけれども、平成25年度の支給状況でございますが、要保護及び準要保護、被災児童生徒就学援助事業の対象となる児童生徒を合わせました対象者数は1万3、959人でございまして、金額は約12億5、900万円となってございます。これは、全体の13.7%に相当する児童生徒が何らかの援助を受けており、その状況は、ここ3カ年ほぼ横ばい、もしくは若干の減となってございます。具体的な数値を申しますと、要保護児童生徒数でございますが、平成23年度1、009人、平成24年度978人、平成25年度889人。準要保護児童生徒数、平成23年度9、822人、平成24年度9、661人、平成25年度9、480人。被災児童でございますが、平成23年度4、429人、平成24年度3、997人、平成25年度3、590人という状況でございます。
 また、支給要件でございますが、要保護者に対する就学援助でございますが、こちらのほうは生活保護法第6条に規定する要保護者であることとなってございます。また、準要保護に対する就学援助でございますが、これは市町村事業ですので、各市町村でそれぞれ基準を定めているところでございます。市町村によりまして若干の開きはございますが、生活保護の基準に1ないし1.5倍の係数を掛けた支給要件を設定してございます。
 それから、2点目でございます。
 生活扶助基準の見直しに伴う影響の推定でございますが、国庫補助でございます要保護者に対する就学援助につきましては、国において、見直しの影響が出ないように、平成25年度当初に対象であった児童生徒は引き続き従前の取り扱いにより対象となるような扱いとされてございまして、各市町村でもそのように対応しておるところでございます。
 また、準要保護に対する就学援助でございますが、先ほど申しましたとおり独自に要件を設定しておるわけでございますが……
〇高橋但馬副委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇宮澤学校施設課長(続) はい。
 これらの要件は29市町村で採用しておりまして、全ての市町村におきまして、係数を上げる、または見直し以前の基準を用いるなどで影響が出ないような対応をしてございます。また、残り33市町村中、4市町村でございますが、認定基準に生活保護の基準を用いてございません関係で、見直しの影響はないものでございます。
 消費税の関係でございます。これは、国の要保護の補助金のほうでございますが、これは補助単価の増額がございました。また、準要保護児童生徒に対する就学援助につきましても、国の取り扱いに倣い単価を引き上げている市町村が多うございまして、極力影響の出ないような取り扱いをしているものでございます。
〇高田一郎委員 消費税増税に伴う支給額の見直しも国から通知されていますし、ただ、これは交付税措置でありますから、市町村の裁量でどうなるかということもあるんですよね。
 それから、生活保護基準による見直し、連動するわけですから、これも3年連続生活保護の引き下げが行われるわけですから、やはり影響のない形で、引き続き児童生徒が支援を受けられるような状況になっていくように県としても引き続き支援をしていっていただきたい。これは要望だけにしておきます。
 次に、教材費についてですけれども、県内の市町村の教材費の実態、1人当たりの教材費というのはどの程度になっているのかお伺いいたします。どれぐらいの最高と最低の開きがあるのか、これももしわかればお願いしたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 教材費でございます。
 県内市町村の平成24年度決算の状況しかわかりませんのでその決算の状況を申しますと、33市町村の合計で金額が5億8、506万円余となってございまして、1人当たりの教材費は平均で5、657円となってございます。
 全国との比較につきましては、文部科学省の調査結果において都道府県別のデータが公表されておりませんので比較はできませんけれども、県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会に対しまして、教材の整備充実により一層努めていただくように、さまざまな機会を捉えて要請を行っているところでございます。
〇高田一郎委員 時間がないので私のほうから数字を申し上げますけれども、教材費についても、県内33市町村を見ますと、児童生徒1人当たりの決算状況を見ますと13倍の開きがあるんですね。1学校当たりにしますと12倍の開きがあると。一番少ないところでは31万円から高いところで376万円と、こんな開きがあるわけです。それによって保護者の負担も、やはり市町村によって格差がありますから、違ってくるのかなと思うんですね。これも実際は交付税措置でありますから、市町村の財政事情によって違ってくるわけです。だから、市町村間でこんなに開きがあってはならない。これを、市町村の財政状況から見て、保護者に大きな負担をやってはいけないと私は思います。こういう実態をよくつかんで対応していただきたいと思います。
 時間がないので、最後にいじめ問題についてお伺いいたしますが、先ほど来いじめ問題について議論されて、いじめ件数とかその特徴について先ほど議論がありましたので、これは割愛いたします。
 私は、今、大事なことは、いじめを生まない学校づくりですね。そして、早期発見、いじめが発生したら、学校で集団で最優先で取り組むということが大事だと思います。子供たち一人一人に丁寧に教える、子供たちの変化をよくつかむ、これがやっぱり大事だと思います。そのためには、やはり教員の多忙化の解消と、そして少人数学級を拡充していくことが大事だと思います。
 教員の多忙化の問題はたびたび私も質問しているんですけれども、どのように改善されたのか。特に、厚生労働省が示す過労死ラインというのは80時間です。これが県教育委員会の調査でも10%を超えている。高等学校教職員組合が調べたのでは20%と食い違いがありますけれども、これは直ちに改善することが必要だと思いますし、現在の少人数学級も、ことしから4年生までになりましたけれども、やはりさらなる拡充を行うことがいじめ問題の対応を考えていくときの重要な柱になっていくと思いますけれども、この二つの点で県としての対応についてお伺いいたします。
〇高橋但馬副委員長 質疑は簡潔にお願いします。
〇金田参事兼教職員課総括課長 まず、多忙化についてでございます。
 いじめ問題ということで、小中学校の状況について申し上げます。数字自体はなかなか私のほうで把握できないので、どの程度改善しているかというのが見えない部分もあるんですが、いずれこれまで、特に事務の簡素化、教員が事務処理でかなりの時間をとられているということもございますので、そういうことに取り組んできましたし、時間外勤務記録簿の活用ということで、市町村教育委員会にも、記録をまずとって、実態を把握して必要な対策をとるようにお願いしております。
 それから、県教育委員会といたしましては、要するに各学校が見通しを持って学校運営ができますように、調査、照会文書、会議、研修についての年間計画を出しまして、それに沿って効率的にやっていただく取り組みというのを実施してございます。今後も、いずれいろいろな工夫をしながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐藤首席経営指導主事兼小中学校人事課長 少人数学級の拡充についてでございますが、本県においては、児童生徒一人一人に行き届いた指導のもと、安定した学校生活と基礎学力の定着を目指し、小学校は4年生まで、中学校では1年生で少人数学級を実施しているところでございます。現在、今年度上半期の実施状況について、市町村教育委員会と35人学級を実施している小中学校を対象にアンケートを実施しているところであり、これを検証しながら、将来的なあり方について検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 最後に、教育長にお伺いしたいと思います。
 今、いじめ防止対策基本法の成立を受けて、県教育委員会でも基本方針をつくり、対策会議も進めていって、これからさまざまなことが具体化されていくと思うんですけれども、私は、今、お話しした教員の多忙化の解消と、やはり少人数学級を拡充して、一人一人に行き届いた教育、そして、子供の変化が日々わかる、そういう学校をつくっていくことが大事だと思うんです。これからのいじめ問題対策会議の中でもこれを大きな柱にして議論していくことが非常に大事だと思いますけれども、その点についての教育長の考え方をお聞きして終わりたいと思います。
〇高橋教育長 それぞれ学校経営を行う中でさまざまな課題があるということでございますけれども、それぞれの課題を我々は直視しながら、その解決に向けて取り組んでいくという姿勢は極めて大事だと思っています。
 そういう中で、各学校においてはさまざまな取り組みがなされております。そしてまた、いじめ対策につきましては、いじめ防止基本方針の策定に向けて、現在、全体では県立学校、市町村立学校、大体8割程度の策定率になっておりますけれども、それを全学校において取り組めるように、近々に、その取り組みをなお強化していきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、さまざまな課題に対しまして、また、教職員、それぞれの学校との意見交換等を通じながら、その解決に向けて努力してまいりたいと考えております。
〇高橋但馬副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
 教育委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇佐々木企業局長 それでは、企業局関係の決算概要、未処分利益剰余金及び資本剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明申し上げます。
 初めに、平成25年度の事業運営における総括的な評価、今後の取り組み方針等について御説明申し上げます。
 平成25年度の事業運営に当たりましては、平成25年度から平成27年度までの第4次中期経営計画の初年度として、公営企業の経営の基本原則である経済性の発揮と公共の福祉の増進を基本としながら、クリーンな電力と良質な工業用水の安定供給のため、施設の計画的な改良、修繕等を行ったほか、業務コストの節減を図り、効率的な経営に努めてまいりました。その結果、電気事業の損益については引き続き純利益を計上することができ、良好な経営を維持していると考えております。
 一方、工業用水道事業については、契約水量の減量により収益は減少したものの、最終損益は純利益を確保することができました。
 個々の取り組みでは、電気事業の新規開発においては、胆沢第三発電所の建設を推進し、本年7月に運転を開始したところであり、相去太陽光発電所については、建設工事に着手し、本年11月の運転開始を予定しております。
 また、(仮称)高森高原風力発電所については、環境影響評価や基本設計業務などの具体的な取り組みを進めたところです。
 このほか、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用し、再生可能エネルギー導入促進のための県事業及びクリーンエネルギー設備の導入を行う市町村等事業に対して、引き続き支援をしたところです。特に、沿岸被災地域については、平成23年度から補助要件の緩和と補助率の引き上げによる積極的な支援を行っているところです。
 工業用水道事業においては、平成24年度に策定した配管更新基本計画に基づき、計画どおりに配管の更新及び耐震化を進めたところです。さらに、災害への対応については、平成25年8月9日に発生した大雨では過去に例のないほど北上川の濁度が急上昇しましたが、長時間にわたる職員の現場対応により、給水を停止することなく工業用水の供給を継続したところです。また、9月の台風16号に伴う大雨では、発電施設への被害が生じましたが、関係機関と連携して迅速な復旧に努めたところです。
 なお、中期経営計画の取り組みの評価についてでありますが、電気事業では、出水率が年間を通じて好調であったことなどから供給電力量が目標値を上回り、また、経常収支比率も目標値を上回りました。
 工業用水道事業では、契約水量が減少したものの、経費の効率的な執行に努めたこと等により経常収支比率は目標を上回り、繰越欠損金も解消されました。
 このように、両事業とも年度目標をおおむね上回る成果を上げたものと考えており、外部の有識者で構成される経営評価委員会からも同様の評価をいただいております。
 本年度は、電気事業では、(仮称)高森高原風力発電所建設について、環境影響評価や送電線実施設計業務等の取り組みを進めるとともに、現在、国において進められている電力システム改革における対応について検討を進めてまいります。
 工業用水道事業では、配管更新基本計画に基づく配管の更新及び耐震化を計画どおりに進めるとともに、今後の厳しい収支見通しへの対応について検討を進めてまいります。
 これらの取り組みなどにより、長期経営方針及び第4次中期経営計画に沿って、電力と工業用水の安定供給を続けながら、一層の経営効率化と健全経営に努めてまいります。
 それでは、お手元の決算書及び議案に基づき、決算概要等を御説明申し上げます。
 なお、決算書のうち決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税を含めた金額で作成しておりますが、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税抜きの金額で作成することとなっておりまして、金額に相違がありますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。
 それでは、電気事業会計決算書の1ページをお開き願います。平成25年度の収益的収入及び支出でありますが、上の表、右から3列目の収入の決算額は45億4、600万円余であります。
 収入の主な内訳でありますが、第1項営業収益43億7、500万円余は、水力発電に係る電力料等であり、第2項財務収益7、400万円余は、株式配当金、預金利息等であります。
 第3項附帯事業収益7、900万円余は、稲庭高原風力発電所に係る電力料であります。
 下の表、右から4列目の支出の決算額は40億9、500万円余であります。
 支出の内訳でありますが、第1項営業費用37億4、500万円余は、水力発電所の運転及び管理運営に要した経費であり、第2項財務費用1億1、200万円余は、企業債に係る支払い利息等であります。
 第3項附帯事業費用7、800万円余は、稲庭高原風力発電所の運転及び管理運営に要した経費であり、第4項の事業外費用5、200万円余は、納付消費税及び地方消費税等であります。
 第6項の特別損失1億600万円余は、有根沢地点開発中止に伴う建設準備勘定の償却費であります。
 次に、2ページをお開き願います。資本的収入及び支出でありますが、上の表、右から3列目の収入の決算額は30億600万円余であります。
 収入の主な内訳でありますが、第1項補助金18万円余は、相去太陽光発電所の建設事業に係る補助金であり、第2項負担金4、100万円余は、胆沢第三発電所等の共同工事負担金等であります。
 第3項長期貸付金償還金9億5、400万円余は、一般会計等からの長期貸付金の償還金であり、第4項投資償還収入20億1、000万円は、資金運用のために購入した利付国債の満期償還収入等であります。
 下の表、右から4列目の支出の決算額は26億6、400万円余であります。
 支出の内訳でありますが、第1項建設費4億7、700万円余は、胆沢第三発電所等の建設に要した経費であり、第2項改良費12億4、800万円余は、各水力発電所等の施設の改良や更新に要した経費であります。
 第3項電源開発費6、300万円余は、(仮称)高森高原風力発電所建設に係る環境影響評価業務委託や基本設計業務委託等の発電開発調査に要した経費であり、第4項企業債償還金3億6、000万円余は、発電所の建設のために借り入れた企業債の償還金であります。
 第5項投資4億9、800万円余は、利付国債の購入であり、第6項繰出金1、500万円余は、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を原資として、一般会計へ繰り出したものであります。
 ちょっと小さくて恐縮でございますが、下段欄外に記載してありますとおり、資本的収入額が資本的支出額に不足する額11億5、900万円余については、過年度分損益勘定留保資金などをもって補填したところであります。
 次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益は、右側の上段、5億600万円余となっており、この営業利益から財務収支、附帯事業収支及び事業外収支の合計の損失、右側の三角、2、700万円余を差し引いた4億7、800万円余が経常利益となっております。
 また、有根沢地点開発中止に伴う建設準備勘定の償却により特別損失を1億600万円余計上したことから、当年度純利益は3億7、200万円余となり、これに前年度繰越利益剰余金600万円余を加えた当年度未処分利益剰余金は3億7、900万円余となりました。
 次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書の左から2列目の資本金のうち自己資本金は、一番下の当年度末残高のとおり275億4、600万円余、その右隣の借入資本金の当年度末残高は30億8、400万円余であり、左から3列目の剰余金のうち資本剰余金は、国庫補助金以降、3列目の資本剰余金合計の一番下、当年度末残高のとおり21億4、000万円余であります。
 また、剰余金のうち利益剰余金につきましては、減債積立金から環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金までの額に未処分利益剰余金3億7、900万円余を加えた利益剰余金合計の当年度末残高は、一番下のとおり56億3、100万円余となっております。
 資本金と剰余金を合わせた当年度末資本合計は、表の一番右下のとおり384億300万円余であります。
 次に、未処分利益剰余金の処分についてでありますが、恐れ入りますが、薄い冊子の議案その3の1ページをお開き願います。議案第37号平成25年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについてであります。
 平成25年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金3億7、920万5、780円のうち、1億8、460万2、890円を減債積立金に、1億8、460万2、890円を建設改良積立金に、1、000万円を環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金に、それぞれ積み立てようとするものであります。
 次に、2ページをお開き願います。議案第38号平成25年度岩手県電気事業会計資本剰余金の処分に関し議決を求めることについてであります。
 処分の内容としましては、資本剰余金に整理すべき資本的支出に充てるために交付された補助金をもって取得した資産の撤去により発生した損失を埋めようとするものであります。この処分につきましては、平成24年4月1日に改正されました地方公営企業法第32条第3項の規定により、資本剰余金の処分は議決等により行わなければならないとされたことから、議会の議決を求めるものであります。
 恐れ入りますが、電気事業会計決算書の5ページにお戻りをお願いいたします。5ページは剰余金処分計算書でありますが、これは、これまで御説明いたしました資本金、資本剰余金及び未処分利益剰余金に係る処分計算書であります。
 なお、6ページ以降は貸借対照表、その他の事項についてでございますが、説明を省略させていただき、以上で電気事業会計決算、同事業会計未処分利益剰余金及び資本剰余金の処分に関し議決を求めることについての説明を終わります。
 次に、工業用水道事業会計決算書の1ページをお開き願います。平成25年度の収益的収入及び支出についてでありますが、上の表、右から3列目の収入の決算額は9億5、300万円余であります。
 収入の主な内訳でありますが、第1項営業収益9億4、600万円余は、一般水及びろ過水の給水料金等であります。
 下の表、右から4列目の支出の決算額は8億800万円余であります。
 支出の主な内訳でありますが、第1項営業費用7億2、300万円余は、各工業用水道施設の給水業務及び管理運営に要した経費であり、第2項財務費用7、500万円余は、企業債及び電気事業会計からの借入金に係る支払い利息であります。
 次に、2ページをお開き願います。資本的収入及び支出でありますが、上の表、右から3列目の収入の決算額は4億100万円余であります。
 収入の主な内訳でありますが、第1項企業債3億6、900万円余は、各工業用水道施設の改良工事に係る起債及び特定被災地方公共団体借換債であり、第2項補助金3、100万円余は、第一北上中部工業用水道緊急更新・耐震化事業に係る補助金であります。
 下の表、右から4列目の支出の決算額は12億1、900万円余であります。
 支出の内訳でありますが、第1項改良費4億7、400万円余は、各工業用水道施設の改良や更新に要した経費であり、第2項企業債償還金4億8、900万円余は、工業用水道施設の建設のために借り入れた企業債等に係る償還金であります。
 第3項他会計からの長期借入金償還金2億5、500万円余は、一般会計等からの借入金の償還金であります。
 下段欄外に記載してありますとおり、資本的収入額が資本的支出額に不足する額、8億1、800万円余については、過年度分資本勘定留保資金などをもって補填したところであります。
 次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益は、右側の中段、1億9、200万円余となっております。この営業利益から財務収支及び事業外収支の合計の損失、右側の三角、6、800万円余を差し引いた1億2、300万円余が経常利益及び当年度純利益となりましたが、前年度繰越欠損金が1億1、800万円余あることから、前年度繰越欠損金を当年度純利益で埋めた後の当年度未処分利益剰余金は400万円余となりました。
 なお、当年度未処分利益剰余金400万円余は、平成26年度当初予算において純損失を計上していることを勘案し、繰越利益剰余金とする予定であります。
 次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書の左から2列目の資本金のうち自己資本金は、一番下の当年度末残高のとおり31億400万円余、その右隣の借入資本金の当年度末残高は39億8、200万円余であり、左から3列目の剰余金のうち資本剰余金は、国庫補助金以降、3列目の資本剰余金合計の一番下、当年度末残高のとおり28億9、800万円余であります。
 また、剰余金のうち利益剰余金につきましては、利益剰余金合計額の一番下、当年度末残高のとおり、400万円余となっております。
 資本金と剰余金を合わせた当年度末資本合計は、表の一番右下のとおり99億8、900万円余であります。
 次に、資本剰余金の処分についてでありますが、薄い冊子の議案その3の3ページをお開き願います。議案第39号平成25年度岩手県工業用水道事業会計資本剰余金の処分に関し議決を求めることについてであります。これは、先ほど御説明申し上げました電気事業会計資本剰余金の処分と同様の趣旨で、議会の議決を求めるものであります。
 また、恐れ入りますが、工業用水道事業会計決算書の5ページにお戻り願います。5ページは、剰余金処分計算書でありますが、これは、これまで御説明申し上げました資本金、資本剰余金及び未処分利益剰余金に係る処分計算書であります。
 なお、6ページ以降は、貸借対照表、その他の事項についてでございますが、説明を省略させていただきます。
 以上で、企業局関係の平成25年度決算概要、未処分利益剰余金及び資本剰余金の処分に関し議決を求めることについての説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋但馬副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋孝眞委員 電気事業会計の部分でお聞きいたしたいと思います。特別損失と建設準備勘定について伺います。通告どおりにならないのかもしれませんので、よろしくお願い申し上げます。
 最初に、特別損失ですけれども、1億600万円余を計上し、剰余金が最終的に減少しております。経常利益の22%の損失金処理であります。この説明が今回の決算報告書のどこを見ましてもありません。重要事項としての説明の必要性があると思いますが、なぜないのでしょうか。県民に公表する決算書です。なぜ発生したのか、どういう理由からの発生か、最低限決算書に記載すべきものと思いますが、どうでしょうか。
 また、この特別損失は有根沢地点の水力発電の調査で、資産として建設準備勘定に計上してきたものを、今回、開発中止に伴って償却するとの説明がありましたけれども、当初、調査するに当たりどれぐらいの水量といいますか、流量が見込め、事業としての可能性があるものとして調査することになったのか、調査はいつから始まったのか、調査費用の委託費7、200万円、負担金2、200万円の具体的な内容は何か伺います。
〇畠山次長兼経営総務室長 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、この特別損失につきましては決算書のほうには記載させていただいていないところでございます。そのため、内容を御理解いただくために、私どもといたしましては、提出予定議案等説明会での資料、あるいは本年5月に所管の常任委員会の委員の方にはお知らせしたところでございますが、決算の概要説明資料におきまして特別損失の内容を記載して説明させていただいているところでございます。また、この決算の概要説明資料につきましては、記者発表あるいはホームページへの掲載などを行いまして、県民の皆様にも御理解をいただくべく努力をしているところでございます。
 ただし、ただいま委員からの御指摘の御趣旨も踏まえまして、内容をよりおわかりいただけるように、今後におきましては、決算書の備考欄におきまして説明を付すなど、検討をさせていただきたいと考えておるところでございます。
〇野崎業務課総括課長 水量をどのぐらいの見込みでこの調査を始めたかということでございますけれども、まずは、平成8年に概略設計を行いまして、その際に概略として算出した水量が、低水量でございますけれども、0.17トンでございました。この0.17トンを見込みまして流量調査をした結果ですけれども、平成20年度におきましては、ほぼ期待どおりの数値にはなってございます。ただ、年間の平均水量でいきますと、1トン程度を期待していたところが、0.8トン程度まで落ちておりますので、採算的には厳しくなったということでございます。
 次に、いつ調査を行ったかということでございますけれども、平成8年から流量観測所を設置しまして流量観測を開始しており、平成12年に基本設計、平成20年に基本設計を行ったものでございます。
 次に、委託費の具体的な内容についてでございますが、平成10年度に新エネルギー財団の基本設計現地調査業務委託におきまして基本設計を行いまして、内容につきましては、基準点測量とか地形の測量、河川流量の測量、発電の規模、建設費等についての試算でございます。平成20年度につきましては、10年間観測した流量の結果を踏まえまして、基本設計の出力の見直し、また、同様に建設費の試算等を行っているものでございます。
〇高橋孝眞委員 17年間にもわたりまして開発の判断をしなければいけないという理由ですが、水力発電ですから、水量の調査が主であり、最低の水量を得るということであれば、こんなに時間をかける必要はなかったのではないかというふうに思うわけであります。土地改良区の小水力発電の調査は、概略設計をしましても、2年で一応事業化のめどを立て、実施するかどうかの判断をしております。どこに、なぜ時間をかけなければならない理由があったのかについて教えていただきたいと思います。
 また、最終的に建設単価、東北電力への売却単価でありますけれども、どの程度を当初予定し、現在、幾らであれば事業化が可能であったのか、開発を中止するという判断に至った建設単価は幾らと推定したのか伺います。
〇野崎業務課総括課長 事業の開始から17年間の時間を要した理由でございますけれども、水力発電の開発に当たりましては、10年以上の流量データの蓄積が必要であるとされております。これは、河川法における水利権の申請、水利権許可において求められている年数でありますとともに、電気事業法の中におきましてもそのように定められているものでございます。これは事業用の発電所を対象としたものでございますが、そういったところでございます。
 次に、流量の調査が主であり、最低の水量を得ることで、5年ぐらいで一応判断できるのではないかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、流量調査は10年間必要とされているものであり、流量調査の開始時の結果によっては早期に断念することもあり得ますが、有根沢地点については、流量調査開始後5年間についてはほぼ期待したとおりの流量であったこともあり、必要な観測期間の調査を継続して行ったものでございます。
 次に、採算性についてでございますけれども、発電所の建設の採算を判断する場合には、建設におきましては、キロワットアワー当たりの建設単価ということで判断してございます。一応の目安でございますが、そういったところで、その判断の基準となるのが1キロワットアワー当たり250円で、有根沢におきましては、当初、250円までは行きませんでしたが、280円台とごく近い値を得られましたので、可能性があると見込み、そういったところから基本調査に進み、10年間の流量観測を継続して行ったところでございます。
 最終的にということにつきましては、1回目の基本調査で280円程度で採算がある程度見込めましたが、10年間の観測結果、流量が期待どおりいかなかった面もございますけれども、採算的に厳しくなりまして、その段階におきましては1キロワットアワー当たり352円、350円を超える値となっております。これによりまして採算が厳しいというふうに判断されたところではございますけれども、平成24年に固定価格買取制度が創設されたことに伴いまして、そういったことも踏まえて、改めて採算性を検討したところでございます。その結果におきましても採算を確保することが難しいという試算結果となりましたので、開発を断念することとしたところでありますとともに、有根沢地点につきましては、土石流による災害、土木施設の被害ということも想定されましたので、そういったところも総合的に判断いたしまして、開発を断念することとしたところでございます。
〇高橋孝眞委員 余り時間をかける過ぎる必要性はないんじゃないかなと思いまして、質問したところでありました。
 次に、建設準備勘定ですけれども、期末で8億4、600万円余があります。現在の調査の箇所数、調査の目的、今後の調査期間の見込み、それぞれの現時点での事業化の見通しを教えていただきたいと思います。
〇野崎業務課総括課長 現在の調査箇所数についてでありますが、風力の高森高原地点、水力の簗川地点、南本内地点など5カ所でございます。
 調査の目的は、発電所新規建設のための調査、設計等であります。
 調査の期間につきましては、それぞれの箇所ごとに条件が異なりまして、明確にはお答えすることはできませんが、経済性や実現性が確認できた箇所につきましては、その時点で建設準備勘定での調査を終了して、建設を前提とした作業に取りかかることとしております。
 また、経済性等の課題が残る箇所につきましては、さらに十分な精査を行い、中長期的な視点で建設に向けて調査、検討を進めてまいりますが、いたずらに結論を先延ばしせず、しかるべき時期に判断していくこととしております。
 個別の地点の今後の見通しでございますけれども、風力の高森地点につきましては、現在、建設に向けて調査を準備勘定で進めているところでございます。
 水力の簗川地点につきましては、建設事業化の可能性について検討して、現在、基本設計を行っているところであります。
 南本内地点につきましては、流量観測を継続しておりますとともに、今年度、改めて基本設計(後刻「基本検討」と訂正)を行うこととしております。
 その他、北本内地点につきましては、採算性を見込めることで候補地点に挙げておりますけれども、道路に崖崩れがあるなどといった課題がありますので、現在、調査を見合わせて休止しているところでございます。
 槻木平地点につきましては、地震の被害がありまして流量観測所が損壊した状況でありますが、今後も地質調査等の必要な経費が生ずることや、現在におきましても地すべり等のそういった課題もありますので、調査を見合わせて休止しているところでございます。
 失礼しました。南本内地点は基本調査ではなく基本検討でございますので、可能性調査の段階でございます。
〇高橋孝眞委員 投資額が多額になっております。監査委員の決算審査意見書でも、新たな風力発電、水力発電など再生可能エネルギーの開発に向けた計画について、採算面も考慮の上、検討を進められたいというふうに指摘しております。早目の事業化といいますか、事業の中止の決断も必要ではないのかと思いますので、特にも、先ほど、厳しい北本内地点の話もございましたので、早急に検討して、中止すべきものは中止したほうがいいのではないかというふうに思います。
 次に、建設準備勘定ですけれども、今回のように特別損失として、過去の平成18年度、平成19年度にも償却されております。私は、事業化への調査のための費用であり、単年度費用としての処理がよいと思いますけれども、来年度から始まる新公営企業会計でも建設準備勘定での資産計上となるのか伺います。
〇畠山次長兼経営総務室長 建設準備勘定への計上についてでございますが、これにつきましては、従来から、準備に要する経費につきまして資産の準備勘定のほうに計上しているところでございまして、今後、来年度から新会計基準が適用されます貸借対照表におきましても、同様に、準備のために要した経費につきましては、この準備勘定のほうに計上してまいる予定でございます。
〇高橋孝眞委員 そういうふうに決まっていたというのであれば、それは仕方ないことでしょうけれども、いずれ、早目に処理するといいますか、余り投資額が多くならないように対応するべきだと思うところであります。
 建設仮勘定は事業化の確定をしたものですけれども、建設準備勘定は事業の見込みについて判断する費用であり、償却として損失金処理もあるのですから、特記事項として、リスクのある資産としてそれぞれ明細の必要性があると私は思うわけでありますけれども、所感を伺いまして、質問を終わります。
〇佐々木企業局長 委員からの御指摘のとおり、非常に多額の経費をかけて、今回、当該年度の利益剰余金の20%ぐらいの損失になったというようなものでございますので、そうした調査の経緯については、議会の委員の方々にも明らかになるように、先ほど、畠山次長が答弁しましたとおり、今、決算書の附属明細書の中に建設準備勘定と一本で書かれておりますけれども、そこを何か工夫しながら、備考に書くのか、または、その中での地点ごとに内訳を書くのか、そうした形でしっかり説明できるような形を、他県の例なども参考にしながら検討してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、高森高原風力発電所建設の事業費、規模、進捗状況と環境影響調査、猛禽類の調査などもやられていますが、現段階での特徴などについて示していただきたい。
〇野崎業務課総括課長 高森高原風力発電所の計画についてでございますけれども、発電所の最大出力につきましては2万5、300キロワット、年間供給電力量で約5万3、000メガワットアワー、これは標準世帯で約1万6、000世帯分に当たります。
 制御方式について、ここの発電所は特徴がありまして、畜電池併設型を利用しまして、出力変動緩和制御型風力と申しますけれども、風力発電は、風力の発電した電力が不安定なところを蓄電池を利用して出力の変動を緩和するというような特徴を持っております。このため蓄電池を併設し、その容量で約6、200キロワットの容量を持っております。
 高森高原風力発電所から東北電力までの送電線は約10キロメートルとなっており、総事業費で約115億円を見込んでいるところでございます。
 現在の進捗状況でございますが、現在は送電線の設計と環境影響調査の段階でございまして、猛禽類につきましては、希少猛禽類の調査などを行っております。平成25年1月から現在までの調査結果におきまして、当該地域にはクマタカ、ハイタカ、ノスリ等の猛禽類が確認されておりますが、そういったところで、ノスリについては、発電所建設箇所の周辺での繁殖は確認されておりますけれども、事業外エリアも含めた広い行動圏の中の一部であり、牧野には餌狩り場としての利用頻度が少ないこと、また、その他の鳥類については繁殖の兆候が見られず、飛来頻度も少ないことから、現時点においては風力発電所建設における影響は少ないものと認識しておりまして、調査は11月までで終了することとしております。
〇斉藤信委員 次に、相去太陽光発電所のこれも規模、事業費と今後の採算の見通しについて示してください。
〇榮田電気課長 相去太陽光発電所の事業費と今後の採算見通しでございますけれども、総事業費は5億300万円余となりまして、運転開始の平成26年から15年目となる平成40年度が投下資金回収年となる見込みであります。
 20年間の運転収支の見込みでは、収益は9億2、600万円余、営業費は7億5、200万円余となり、累積損益で1億7、300万円余の黒字が見込まれております。
〇斉藤信委員 次に、簗川ダムにおける水力発電の検討状況は先ほども少しありました。この検討状況について、一度は撤退したんですね。あのときのダム負担金はどうなったのか。そして、私はもう参加すべきじゃないと思うんだけれども、ダムは見直しすべきだと思っていますが、もし、新たにまた参加する場合の負担金というのはどういうふうになるのでしょうか。
〇野崎業務課総括課長 簗川地点のダム負担金の取り扱いについてでございますけれども、前回参加した際には5、440万円余を負担しております。このダム負担金の取り扱いにつきましては、現段階ではダム事業者との協議は行っておりませんので、まだ予測できない状況でございますし、今後のダム負担金につきましても、まだ協議を行っている段階でございます。そういうことで、今の段階では金額としては答えられない状況となっております。
〇斉藤信委員 最後ですけれども、追加して工業用水道事業についてお聞きしたい。
 契約率が70.5%で、前年比6.6%減少したと。契約企業の変更により契約水量が減少したとなっていますが、実給水量も減少しているんですね。この背景はどういうことなのか、これを示してください。
〇野崎業務課総括課長 実給水量についてでございますけれども、これにつきましては、現在の経済情勢が厳しい状況の中で、ユーザー企業の経営が反映されててるところで、やはりユーザーにおいても厳しい経営状況によって節水が進んでいる。また、ユーザーにおきましては独自に水のリサイクル―そういう状況でなくても、リサイクル、再利用というのが進んでおりまして、こちら側の供給量によらない再利用のリサイクルが進んでいるところが、実使用水量の減少につながっていると考えております。
〇斉藤信委員 どうですか、今後の中長期の見通しでそういう傾向がずっと続くのか。せっかく黒字転換して、今回も経営努力で累積赤字がなくなったんだけれども、この傾向が続くとなかなか大変だと思いますが、その中長期の見通しをどういうふうに受けとめていますか。
〇野崎業務課総括課長 実使用水量の今後につきましては、やはりこういった状況が、経済情勢に伴わないメーカーのリサイクル、ユーザーのリサイクル、そういったところが進んでおりますので、これから伸びを期待することはなかなか厳しい状況であると思います。
 そういったことがありますが、まだ未売水がございますので、そういったところで新たなユーザーの誘致、あるいはそもそもの契約水量の増量といったところを期待しているところでございまして、また、そういった期待に進めるように、私どももいろいろと努力してまいりたいと考えております。
〇高橋但馬副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、企業局関係の質疑をこれで終わります。
 企業局の皆様は御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後6時52分 散 会

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