平成26年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成26年10月15日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 高  橋  勝  重
議事管理担当課長 渡  辺  謙  一
主任主査 清  川     勝
主任主査 村  上     聡
主任主査 藤  澤  壮  仁
主査 藤  枝     修
主査 田  内  慎  也
主査 菊  地  友  和
1説明員
知事 達  増  拓  也
副知事 千  葉  茂  樹
会計管理者 菅  原  和  弘
出納指導監 田  中  耕  平

政策地域部長 齋 藤 淳 夫
政策地域部副部長
兼政策推進室長 大 平   尚
政策地域部副部長
兼地域振興室長 菊 池   哲

環境生活企画室
企画課長 工 藤 啓一郎

保健福祉企画室
企画課長 伊 藤 信 一

商工企画室
企画課長 永 井 榮 一
商工企画室
管理課長 高 橋 雅 彦

農林水産企画室
企画課長 藤 代 克 彦

県土整備企画室
企画課長 佐 藤 隆 浩

復興局長 中 村 一 郎
復興局副局長 大 友 宏 司

国体・障がい者
スポーツ大会局
総務課総括課長 小 友 善 衛
経営管理課
総括課長 小 原   勝

教育企画室
企画課長 蛇 口 秀 人

議会事務局長 杉 村   孝
次長 新 屋 浩 二
総務課総括課長 大 越   貢
政策調査課長 稲 葉   亘
 
総務部長 小田島 智 弥
副部長兼総務室長 佐 藤   博
総合防災室長 小 向 正 悟
参事兼管財課
総括課長 宮   卓 司
総務室管理課長 及 川   忠
入札課長 山 崎   隆
放射線影響
対策課長 工 藤 直 樹
人事課総括課長 熊 谷 泰 樹
財政課総括課長 五月女 有 良
法務学事課
総括課長 細 川 倫 史
私学・情報
公開課長 千 葉 政 典
税務課総括課長 小 向   哲
防災危機管理監 會 川 雅 行
防災消防課長 佐々木   哲
総務事務
センター所長 及 川 健 一

秘書広報室長 東大野 潤 一
副室長兼
首席調査監 保   和 衛
参事兼秘書課
総括課長 菅 原 芳 彦
調査監 八重樫 浩 文
秘書課管理課長 藤 本 さとえ
広聴広報課
総括課長 野 中 広 治
報道監 上和野 里 美

会計管理者兼
出納局長 菅 原 和 弘
出納指導監兼
出納局管理課長 田 中 耕 平
指導審査課長 小 原   博
 
人事委員会
事務局長 佐 藤   新
職員課総括課長 花 山 智 行
 
監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 佐 藤 和 彦
監査第二課
総括課長 豊 岡 直 人

財政課総括課長 五月女 有 良
〇岩崎友一委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで及び議案第37号から議案第39号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより、昨日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。斉藤信委員。
〔斉藤信委員質問者席に着く〕
〇斉藤信委員 日本共産党の斉藤信でございます。
 知事に質問します。
 第1に、被災者の住宅再建は最も切実な課題であり、復興の土台です。同時に時間との勝負というべき緊急な課題であります。
 陸前高田市の被災者は、最近、坪70万円で家を再建したと言っていましたが、震災前と比べて住宅の建設費はどう推移しているでしょうか。30坪の家を建てる場合の負担増はどうなるでしょうか。
〇達増知事 県内の建築士、設計事務所、工務店、林業、木材産業関係者などからなる岩手県地域型復興住宅推進協議会では、被災地に建設された復興住宅の工事費等の調査を実施しておりまして、その調査結果によりますと、岩手県では、震災前に平均坪48.5万円だった工事単価が、ことし7月の調査では坪54.9万円と約1割上昇しています。仮に30坪の家を建てる場合では、この上昇分により約190万円の負担が生じると考えられます。
〇斉藤信委員 この調査は内陸の業者のほうが多くて、沿岸の場合には55万3、000円というのが坪単価です。そうしますと204万円になります。高台移転や区画整理などの宅地造成の計画が9、722戸から8、203戸に1、519戸減少していますが、その主な理由は何でしょうか。
〇達増知事 防災集団移転促進事業、土地区画整理事業等での計画区画数が減少した要因としましては、1、自力で移転先宅地を確保し再建した方や、2、災害公営住宅への入居に意向が変わった方がいることなど、住まいの再建方法についての意向が変化してきたことによるものと聞いています。
 今後とも、丁寧な意向確認を行いながら、被災者の希望に沿った形で宅地の供給ができるよう、市町村の復興まちづくり事業を強力に支援してまいります。
〇斉藤信委員 かなり大幅に減少しているというところに、私は、自立再建を諦めざるを得ない方々も少なくないと。
 県と市町村の補助、被災市町村のさらなる上乗せ補助というのは被災者の自立再建を大きく励ましてきましたが、この間の建築費の高騰は、これらの支援を飲み込むもので、住宅再建にさらなる支援が必要と考えますが、どうでしょうか。
〇達増知事 復興を進める上で住宅の再建は喫緊の課題の一つであり、県においては、資材高騰や人手不足など諸課題についての情報共有等を図りながら、全庁挙げて住宅再建を推進しているところであります。
 県といたしましても、既存の支援制度に加え、さらなる支援の拡充の必要性は認識しておりまして、このため、これまでも、被災者生活再建支援金の増額と震災復興特別交付税などの地方財政措置による支援の拡大を、国に対し、機会あるごとに要望してきたところであります。
〇斉藤信委員 30坪の家を建てる場合に約200万円、40坪だと270万円以上の負担増なんです。今、知事は、住宅再建への支援の必要性は認めた。国に要望することは当然だけれども、時間との勝負なんです。今支援しなかったら、自立再建ができないとしたら、私は、今こそ、県としてさらに100万円の支援を拡充する必要があると思いますが、いかがですか。
〇達増知事 県としてのさらなる支援ということでありますけれども、県としては、厳しい財政状況の中で復興の取り組みを進めているところでありまして、県独自でさらなる支援の拡充を行うことは極めて難しいものと認識しております。
 東日本大震災津波のような広域災害においては、本来、国において住宅再建が十分に図られるよう制度設計を行うべきと考えておりまして、先ほど申し上げた国による財政支援措置による支援の拡大を引き続き粘り強く求めてまいります。
〇斉藤信委員 それでは、災害公営住宅の1戸当たりの建設費はどうなっているでしょうか、空き状況を含めて示してください。
〇達増知事 県が整備するものの戸当たりの建設費は、現在までに設計を終えた団地まで含めた平均で約2、020万円となっています。
 次に、空き室の状況ですが、9月末現在で、県と市町村合わせて754戸の供用戸数に対して延べ667世帯の入居となっており、87戸、11.5%が未入居の状況となっています。
〇斉藤信委員 公営住宅を建てるので1戸当たり2、020万円かかるんです。自立再建を支援したほうが絶対に経済的にも効率的、被災者も助かる。
 宮古市は、9月議会でも利子補給の上限を250万円から470万円に引き上げた。浸水宅地の補助を一律40万円助成するとか、さらなる支援策を宮古市はやっています。時間との勝負なんだから、今、支援を強化しなかったら、住宅再建はできないとしたら、やっぱり今やるべきじゃないでしょうか。
〇達増知事 県といたしましては、災害公営住宅は、住宅を自力で確保できることが困難な方々に提供される公的な住宅でありまして、将来的には、被災者だけではなく低所得者や高齢者などで住宅に困窮される方々にも必要となるものでもありますので、一定数の公営住宅整備は必要と考えておりまして、持ち家での再建を望む被災者の意向は復興に弾みをつけるものであって、支援の充実を図ることが重要と考えておりますけれども、こちらのほうは被災者再建支援制度の支援額の増額と、震災復興特別交付税などの地方財政措置による支援の拡大を国に対して強く要望していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 グループ補助の場合は、資材高騰などで6割程度まで高騰分を上乗せするとなっています。住宅再建支援も必要なんじゃないですか。
〇達増知事 そういった現場の実態を国のほうに丁寧に説明していくことも含めて、国への要望をしっかり行っていきたいと思います。
〇斉藤信委員 必要なことはやって財源は確保するという構えで、私はぜひ取り組んでいただきたい。
 木造公営住宅の建設計画はどうなっているでしょうか。戸建て、長屋ごとはどうなっているでしょうか。
〇達増知事 木造の災害公営住宅の建設計画についてでありますが、県ロードマップで公表しているものは972戸あり、検討中のものも含めますと1、223戸になります。そのうち、戸建てのものは1、024戸、長屋のものが199戸であります。
 県では、野田村門前小路地区で26戸の木造長屋建ての災害公営住宅を整備したところでありますが、今後も、市町村と協議をしながら、必要に応じて木造の災害公営住宅を整備してまいります。
〇斉藤信委員 木造公営住宅の建設がかなり拡充されてきたと。こういう変化、動きがあるわけだから、被災者にとって震災前と同じような環境整備のために、これはぜひ県としても考えていただきたい。
 次に、防災集団移転促進事業にかかわる土地の買い上げによる影響について質問します。国保税、住民税の所得割については控除の特例がありますが、これについては各市町村に徹底されているでしょうか。
〇達増知事 土地の買い上げに係る特別控除についてでありますが、事業主である市町村は、土地を買い上げる際に地権者に対して特別控除制度の適用について説明していると聞いておりまして、周知徹底されていると認識しております。
〇斉藤信委員 内陸の市町村を含めて、通知なり何かを出していますか。
〇達増知事 内陸の市町村において、特別控除が適用されずに国保税の所得割が課税された事例があったという指摘もいただいておりまして、厚生労働省の見解をもとに、平成26年3月に国保税における譲渡所得の特例について県内市町村に通知して、制度の周知徹底を図ったところであります。
〇斉藤信委員 介護保険については高田議員も取り上げましたが、市町村が独自減免できると。既に仙台市、名取市が減免を実施していると。減免できることは徹底されているでしょうか。
〇達増知事 介護保険料の独自減免についてでありますが、市町村は、介護保険法第142条の規定によって、市町村みずからの判断で減免を行うことは可能であり、減免分は介護保険財政の中で対応するということになっています。
 減免が可能であることについては市町村に伝えておりまして、また、仙台市、名取市において、その独自判断によって介護保険料の減免を行っているということも参考までに情報提供しているところであります。
〇斉藤信委員 例えば200万円、300万円の所得が入って、第2段階2、500円の月額の保険料が、第6段階7、500円になるんです。これは大変なことで、できることは徹底して被災者の軽減措置をとるということで、私は徹底を図っていただきたい。知事、いかがですか。
〇達増知事 やはり大変な負担だと思います。介護保険制度の中で給付を行うことが制度的に困難であって、市町村が個々の事情を踏まえて対応しようとする場合には、独自施策を検討せざるを得ない状況になっているということで、現在、各市町村の実情を県としても伺っているところでありまして、その結果を国にも伝えて、被災地の特例的な取り扱い等によって国が適切に対応するよう要望してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 できることはすぐやる。
 もう一つ、介護保険のホテルコスト―食事代、居住費の補足給付は所得段階に応じてになりますので、第2段階の人が100万円ぐらいの年間の負担増になるんです。被災した土地の売却です。これは高台の土地を買い取るための費用、再建の費用なんです。私は、そのことによって100万円以上の負担増になるようなことは絶対あってはならないと思うけれども、この対策はどうなっていますか。
〇達増知事 ホテルコストと言われている食費や居住費に対する補足給付について、保険料と同様に所得に応じた段階区分によって対象者が定められてしまうという事態であります。これについて、仮に保険料の減免が行われた場合でも所得区分は変わらない仕組みになっているということで、介護保険制度の中で給付を行うことが制度的に困難でありますので、やはり被災地の特例的な取り扱いについて国に要望してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 ぜひ、この改善に取り組んでいただきたい。
 次に、子供の医療費助成の拡充について質問します。
 若い世代の子育ての最も切実な要望は、子供の医療費窓口負担の無料化です。岩手県の償還払いの制度は、全国でも10道県、少数派であり、東北では岩手県のみであります。この現状を知事はどう認識していますか。
〇達増知事 委員御指摘のとおり、償還払いは全国で10道県、東北では本県のみとなっています。現物給付とした場合に市町村の国民健康保険に対する国庫支出金が減額されるということで、本県においては、市町村等と協議をした上で償還払いとしているところであります。
 この国庫支出金の減額措置については、本来、国が全国統一的に行うべき子育て、少子化対策等に関する地方の努力に反するもので、地方のみに責任を負わせるものでありますので、廃止すべきであるとして、ことしの7月、全国知事会が国に対して要請をしております。本県においても、毎年度、国に対して減額措置の廃止を要望しているところであります。
〇斉藤信委員 石川県が窓口無料化に向かうと。そうすると、9道県になります。東北で岩手県だけ。全国でもこれだけ少ない、そういう岩手県の現状をどう受けとめているか、改めて聞きます。
〇達増知事 市町村と協議をした上で、自治として決めてやっていることではございますけれども、一方では、住民の皆さんの便益、特に子育て世代がより子供を育てやすくするようにしていかなければならないという状況についても認識しております。
〇斉藤信委員 各県から岩手県に転勤されてきた方がどう言っているか。福島の実家は中学生まで窓口負担なし。診療の待ち時間に加え会計待ちの時間だけでも負担が大きい。用紙を書くのも薬局分が別なので、子供が3人いると、1年間で70枚ぐらい消費します。無駄が多いと言っています。秋田県のお母さんもそう言っています、盛岡に来てびっくりしたと。私は、そういうことで人口減少とか少子化対策を取り組めるのかと。まず全国並みに改善、改革する必要があるんじゃないですか。
〇達増知事 市町村と協議した上で償還払いとしているところでありますけれども、特に人口減少対策、子育て支援という観点からは、今年度に入って県と市町村とのやりとりをさらに強化しているところでもありまして、この償還払いの現状についてもさらに市町村と協議、このままでいいのかということについて進めていきたいと思います。
〇斉藤信委員 対象年齢の拡充についてですけれども、小学生以上に拡充している全国の動向、県内市町村の動向はどうなっているでしょうか。
〇達増知事 対象年齢の拡充の動向についてでありますが、全国において、平成26年4月1日現在、小学生以上としているのは、通院では14都府県、入院では24都道府県となっています。
 県内市町村において、平成26年10月1日現在、小学生以上としているのは、通院では27市町村、入院では28市町村となっています。
〇斉藤信委員 全国でも、そして、さらに県内では28市町村が既に対象年齢を拡充している。高校生までが5町村です。中学生までが11市町村になっているんです。私は、この点でも岩手県はおくれているのではないかと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 先ほどの助成対象の拡充と窓口負担の現物給付ということとあわせまして、対象年齢の拡充ということにつきましても、現在、県の人口問題対策本部においても、人口減少対策として総合的な子育て支援施策について検討しているところでありまして、助成対象の拡充と窓口負担の現物給付について市町村等と協議をしていきたいと思います。
〇斉藤信委員 来年度予算編成方針でも、子供、子育て支援は重点課題となっているので、ぜひ、来年の予算編成で必ずこれは実現するようにひとつ頑張っていただきたい。いかがですか。
〇達増知事 今まさに担当のところで来年度予算に向けた予算の準備を始めたところでありますけれども、人口減少対策、総合的な子育て支援ということについてはいろいろと工夫がされるものと期待しています。
〇斉藤信委員 工夫でなく具体化をぜひやっていただきたい。
 次に、DIOジャパンによる緊急雇用創出事業について質問します。緊急雇用創出事業で交付された補助金、対象人員、現在移行した事業所を含めた従業員はどうなっているでしょうか。
〇達増知事 DIOジャパン関連コールセンターは県内7市町に立地し、緊急雇用創出事業として、平成24年度から平成25年度まで、県から総額15億4、203万円余が交付され、事業による新規雇用者数は、平成24年度は延べ535人、平成25年度は延べ303人となっています。10月1日現在、事業が行われている3事業所の従業員数は合計43人となっています。さらに、本年11月に奥州市で事業を開始する事業所では50人程度の雇用を見込んでいるところです。
〇斉藤信委員 838人の人材育成をやって、今は42人。私は、完全にこれは破綻した、失敗したと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 DIOジャパンの緊急雇用創出事業につきましては、事業が終了した後も安定的な雇用が継続されることを期待していたわけでありまして、事業終了後、間もなくコールセンターの閉鎖や解雇の事態が生じたということ、また、現在も賃金未払いが解決していないということもあわせ、まことに遺憾であります。
〇斉藤信委員 リース料の総額はどうなっているでしょうか。事業終了後、無償譲渡されたリース額はどうなっているでしょうか。
〇達増知事 リース料についてでありますが、別会社が出資、運営している一関コールセンターを除く6事業所のリース料は合計で4億7、055万円余であります。このうち事業終了後に無償譲渡が確認されたのは5事業所で、それに係るリース料は平成24年度分のみであり、合計額は1億229万円余となっています。
 平成25年度以降の事業においては、平成25年5月13日付厚生労働省通知によって、リース契約終了後に無償で借り手に所有権を譲渡する旨の特記のあるリース契約は認められないものとされております。
〇斉藤信委員 わずか7カ月のリースで、翌年は無償譲渡、これはリースに値するのでしょうか。こういうものは実質買い取りじゃないでしょうか。
〇達増知事 厚生労働省においても、平成25年度以降の事業については、リース契約終了後に無償で借り手に所有権を譲渡する旨の特記のあるリース契約は認められないものとしたわけでありまして、そういう趣旨だと思います。
〇斉藤信委員 代表監査委員にお聞きしたい。今のような7カ月のリースで1億何千万円も無償譲渡されるという、こんなリースはありますか。
〇吉田監査委員 極めて一般的ではございますけれども、拝見した限りは、ちょっと異質ではあるなというふうな理解をいたします。
〇斉藤信委員 異質というよりも、あり得ないですよね。一般のリースではあり得ないでしょう。もう一回聞きます。
〇吉田監査委員 あり得ないと断言することはできかねると思います。
〇斉藤信委員 もう一回聞きます。どういう場合にあるんですか。
〇吉田監査委員 これは相対の取引でございますので、当事者同士が了解すれば、ひょっとすればあり得るのではないかなとも思っております。
〇斉藤信委員 これは国民の税金を使った事業です。そして、これは事実上買い取りになります。50万円以上の買い取りができないとなったら、1億何千万円の買い取りはできないというのは当たり前じゃないですか。私は、平成24年度を認めたということが間違いだと思います。厚生労働省を含めて、これは間違いだと思うけれども、知事はどう思いますか。
〇達増知事 県のほうからは、これはおかしいと思って厚生労働省に知らせたわけでありますけれども、厚生労働省においては、平成25年度以降の事業においては認められないという判断をしたわけでありまして、さまざまな観点から検討した上で、そういう通知がなされたものと受けとめております。
〇斉藤信委員 私は厚生労働省も共犯だと思うんです。こんなものは会計検査院を通らないと思います。そんなことをやったら、50万円以上の財産取得はできないという原則が無視されてしまいます。だから、そういう50万円以上の財産取得ができないとしたら、こういうリースはあり得ないんじゃないですか、代表監査委員。
〇吉田監査委員 いわゆる購入とリースとの法的な限界、境目のところについては正確に詳しく存じ上げているわけではありませんので、ここでは答弁を控えたいと思います。
〇斉藤信委員 県が不安を感じて厚生労働省に問い合わせしたというのはよかったけれども、これを認めたら共犯なんです。
 それで、このリース料自身も平成25年度以降はだめだけれども、平成24年度は認めたということ自身が矛盾、あり得ない。徹底して総点検すべきだと思います。
 それと、研修の実態。私が従業員から聞いた限り、ほとんど実態がなかった。せいぜい3カ月。そして、研修中に仕事をさせられた。その事業収入は未報告。業務日誌は虚偽報告をさせられた。仕事をしても研修と書きなさい。こういう異常な人材育成事業の実態を把握しているでしょうか。完了検査では見逃したのでしょうか。
〇達増知事 平成25年1月から同年3月の間に、DIOジャパン関連のコールセンター関係者と思われる方々から県に対して、業務日誌の書きかえを指示されたなどの情報が4件寄せられましたことから、立地市町を通じた事実確認や当該事業所への指導などの対応を行ってまいりました。
 また、市町の完了確認時においては、従業員の業務日誌を研修計画や出勤簿と突き合わせて、そごが生じていないかを確認したものでありますが、現在、国からの指示を受けて、改めて立地市町において調査を行っておりまして、この過程で、研修中に業務に従事させていたと疑われる事案が確認されています。
 県としては、研修中の営業行為は不適正な事案と認識しておりますので、DIOジャパンに対して、立地市町への資料提供を申し入れるなど、調査に協力しているところであります。
〇斉藤信委員 市町村の調査の状況、今後の見通しはどうでしょうか。
〇達増知事 現在、国からの指示に基づいて、立地市町が、DIOジャパン及び関連会社の法的手続の開始に備えて未申告の収入等の調査を継続しているところでありまして、今後、国の見解を確認しながら内容を精査してまいります。
 また、未申告の収入等の全容を把握するためには、DIOジャパン本社についても調査をする必要がありますが、市町には制約がありますので、県としては、DIOジャパン本社に対して、取引に係る帳票の市町への提供を申し入れるとともに、国に対して、主導的な役割を果たすよう要請しているところであります。
〇斉藤信委員 委員長にお願いしたい。私は、DIOジャパン問題は徹底してこの決算で究明すべきだと。集中審議を求めたいので、よろしくお取り計らいをお願いしたい。
〇岩崎友一委員長 部局の審査終了後にまた申し出をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 最後ですけれども、山田町のNPO問題における県の検証結果、再検証について。
 私は、外部の方に個別に所見を求めるのではなく、第三者委員会で再検証すべきだと。そして、再検証に当たっては県議会での議論を踏まえたものとすべきだと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 第三者委員会で再検証をすべきではないかということでありますけれども、裁判や会計検査院の検査によって事実関係のより客観的な形での究明が行われており、現在、県としては、裁判の動向を注視するとともに、会計検査に協力、対応していく立場にあると認識しております。
 裁判が継続中で、関係書類や関係者による事実関係の確認が困難であり、また、会計検査院による補助事業の妥当性等の検査が行われている中で、一定の結論を導き出すような検証を行える状況にはないと考えております。
 一方、議会の決議に具体に対応するべく、外部の方に検証委員会における検証結果の内容について所見をいただくような方法も一つの選択肢ではないかと考えておりまして、その対応の方法を具体化していく中で、議会での議論も踏まえたものとなるよう検討を進めていきたいと思います。
〇斉藤信委員 山田町のNPO問題の一つのポイントは御蔵の湯でした。あれをリースで認めたというのが、まさに乱脈経理の出発点になったんです。リース問題です。それを反省しないから今回のDIOジャパンになっているわけです。どうですか。
〇達増知事 リースをめぐる判断については、それぞれ町の判断、そして町から県への情報提供等、過去もこの議会でそれぞれ答弁をしているところでございますけれども、東日本大震災からの復興という岩手にとって決定的に重要な事業、そしてオールジャパン、国を挙げて、国民の税金といいますか、国民全体からの財政負担も大きな額をいただいて進めているものでありますので、検証委員会の検証結果に基づいて今年度当初からさまざま体制の強化等を行っているところでありますけれども、さらに対応については検討を進めていきたいと考えます。
〇斉藤信委員 終わります。
〇岩崎友一委員長 次に、五日市王委員。
〔五日市王委員質問者席に着く〕
〇五日市王委員 9月16日に、清水恭一議員と2人で結成いたしました一山会の五日市でございます。会派結成後、初の総括質疑となりますので、よろしくお願い申し上げます。
 会派名一山会の由来でありますが、達増知事も尊敬されているとお聞きいたしてございますが、平民宰相と呼ばれた本県出身の原敬先生の雅号から引用させていただきました。白河以北一山百文と薩長出身者等から侮辱されたことへの反発から名づけたと言われてございます。清水議員と私の出身地である県北地域は、ともすれば県央、県南地域から見れば一山百文とさげすまされてきた感の歴史がございます。この悔しさを忘れず、県北・沿岸地域のさらなる振興底上げを会派の柱に据え、今後、積極的に活動してまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、順次質問いたします。
 県では、平成18年1月、本庁各部局及び当時の地方振興局が一体となって県北・沿岸振興に取り組むことを目的に県北・沿岸振興本部を立ち上げ、各般にわたる施策を展開してきました。この10月で8年9カ月を迎え、我々の任期満了となる来年9月にはほぼ10年の節目となります。
 最初に、達増知事に、これまでの県北振興の成果と今後の方向性についてお伺いいたします。
〇達増知事 県北振興については、県北・沿岸振興本部を設置して全庁的に総力を挙げて取り組んできたところであります。その結果、最近では、チキンや野菜加工などの食品事業者を中心に10社の企業立地が決定するなどにより、新規雇用の創出や、雑穀、甘茶等の商品開発、販路拡大など食産業の振興が図られてきているところであります。
 また、市町村民所得推計による県北地域の1人当たりの県民所得を見ますと、いわゆるリーマンショックのあった平成20年度以降、着実に伸びてきており、県平均との乖離の縮小が進んでいるなど、一定の成果があらわれているものと認識しております。
 さらに、最近では、民間における地域食材を活用した新たな御当地グルメの開発等が進められておりますし、また、郷土の英雄である戦国武将九戸政実公を活用した観光振興など、地域資源を生かした交流人口の拡大に向けた取り組みも進んでいます。
 今後におきましても、市町村や企業を初め関係者と連携しながら、地域の特性を生かした食産業やアパレル産業などの産業振興の取り組みを積極的に進めるとともに、多くの参拝者を集める天台寺や、世界遺産登録を目指している御所野遺跡等を活用した観光振興の取り組みなどを通じて、地域と一体となって県北振興を推進してまいります。
〇五日市王委員 次に、県北地域における地域資源と県北振興の取り組み方針についてお伺いいたします。
 今、るるお話がございましたが、県北、特に二戸地域の地域資源を見渡せば、食産業ではブロイラー、雑穀、甘茶、また、特徴ある産業としてはアパレル産業、観光分野では天台寺や九戸政実でおなじみの九戸城など素材はあるものの、そのよさを十分に生かし切れていない状況にございます。
 このような中、先般、12日に二戸市で開催された九戸政実主人公の文士劇天を衝くには私と工藤大輔委員も出演させていただきましたが、原作者の高橋克彦先生からの提案をきっかけに、二戸地域の住民が一体となってふるさとのよさを再認識した機会でもございました。
 そこで、県として、これらの地域資源をどのように認識しているのか、平成25年度の取り組み成果とあわせて、県北・沿岸振興本部長である副知事にお伺いいたします。
〇千葉副知事 県北地域におけます地域資源についてでありますが、県北地域は、豊かな自然や農産物、歴史、文化などすぐれた特色ある地域資源を有しており、地域資源の付加価値を高め、さらに活用していく必要があるものと認識しております。また、これについては各市町村におかれましても自覚されているところでありまして、二戸市では、地域の宝ということでさまざまな地域資源の発掘、磨き上げをなされていることも承知しているところでございます。
 平成25年度におきましては、食産業の振興としまして、二戸地域の食の魅力を発信いたします総合イベントといたしまして北いわて・プレミアムフードフェスタを開催いたしましたほか、食産業コーディネーターを配置し、農商工連携や6次産業化の取り組みによる新商品の開発等を支援したところでございます。
 また、県北地域に集積しておりますアパレル産業の振興といたしましては、縫製業のイメージアップと次代の地域産業を担う人材育成を図ることを目的に、学生デザインファッションショーなども開催したところございます。
 また、観光産業の振興といたしましては、先ほど申し上げました豊かな自然や文化などを生かしまして、高原野菜収穫体験あるいはみそづくり体験などの食と体験観光を組み合わせましたモニターツアーや、天台寺や御所野遺跡など北岩手の見どころを周遊する定額タクシー観光の整備なども実施したところでございます。
 これらの取り組みによりまして、ブロイラーや雑穀など地域のすぐれた食材の認知度向上や、体験型観光メニューの充実、九戸政実公などの新たな観光ブランドの活用によりまして観光客の増加等が進んだものと認識しております。
〇五日市王委員 ちなみにですが、10月12日の九戸政実公の文士劇天を衝くには、前日の11日の公開リハーサルが大体450人、12日、昼夜合わせておよそ2、000人、合わせて2、500人。市外の方も多かったというか、来ていただきましたが、いずれ、二戸の人口のほぼ10人に1人が見たという計算になりまして、これは、大変盛り上げていただきました政策地域部の皆さん、そして地域振興センターの皆さんには感謝を申し上げますし、今後ともこういった取り組みを推進していただきたいと思います。
 そして、この県北振興をさらに進めるに当たっての平成27年度に向けた取り組み方針についてお伺いいたします。
〇千葉副知事 平成27年度に向けた取り組み方針ということでございますが、先ほど申し上げました昨年度の実績を踏まえまして、今年度は、いわば平成27年度への発射台ということになりますので、まず、今年度の取り組みを前進させることが重要だと考えております。
 具体的には、今年度実施しております県北地域の基幹産業であります養鶏業とその製品にスポットを当てました食のイベント、北いわてとり合戦、あと、ただいま委員からも御紹介がございましたが、戦国武将九戸政実公を題材とした市民文士劇天を衝くの開催や、民間事業者によります九戸政実公関連グッズの商品開発、九戸城ボランティアガイドの活動などによる観光振興の展開、先ほど申し上げましたアパレル産業の一層の活性化に向けましては、学生や教育機関の注目が高まっております中、イベント会場の規模拡大あるいはシニア市場を視野に、新たに高齢者を対象とした作品を加えた学生デザインファッションショーの開催など、これらの施策を通じまして、民間事業者あるいは地域住民の方々の機運を盛り上げ、地域が一体となりまして県北振興への取り組みがさらに活性化していくことに取り組んでいるところでございます。
 来年度におきましては、こうした取り組みをさらに強化いたしまして、特徴ある資源をさらに磨き上げ、県北地域を現在牽引しております食産業あるいはアパレル産業の振興に引き続き取り組みますほか、民間事業者、地域の方々とさらなる魅力ある地域づくりを進めていきたいと考えているところでございます。
〇五日市王委員 地域振興施策としての三陸ジオパークのこれまでの取り組みと今後の活動の方向性についてお伺いいたします。
 日本ジオパークは、現在、全国36地域が日本ジオパークの認定を受け、それぞれの地域で活動を進めており、私も、先般、先進的な取り組みをしている箱根ジオパークや伊豆半島ジオパークを調査してまいりました。本県を中心とする三陸ジオパークについては地域振興策としても重要であり、昨年の平成25年9月に日本ジオパークの認定を受け、モニターツアーの実施、ガイド養成、学校教育での教育などさまざまな取り組みを展開していると聞いております。
 これまで、認定から現在までの取り組み実績とその効果をどのように捉えているのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 三陸ジオパークの取り組み実績とその効果についてでありますが、昨年9月の日本ジオパーク認定以来、県及び関係市町村等で構成いたします三陸ジオパーク推進協議会を中心に、地域住民の理解醸成や誘客拡大につながる情報発信、あるいは受け入れ態勢の整備に関する取り組みを重点的に展開してきたところでございます。
 まず、情報発信につきましては、観光マップやホームページの作成のほか、朝ドラのあまちゃんや、タレントを活用したPRなどの各種広報媒体を活用いたしまして、県内外に広く三陸地域の魅力を知っていただき、新たな誘客促進に努めてきたところでございます。
 また、受け入れ態勢の整備につきましては、ジオガイドと呼ばれております専門ガイドの養成のほか、新しい観光メニューづくり等を通じまして来訪者ニーズの多様化、高度化に対応するとともに自然景観以外の魅力創出を図るなど、通過型観光から滞在型観光への転換を進めてきたところでございます。
 さらに、国におきましては、震災メモリアルパーク中の浜等の集客施設が整備されるなど、ソフト及びハードの両面において取り組みが着実に進んできているのではないかと考えております。
 このような取り組みにあわせまして、先ほどのあまちゃん効果や三陸鉄道の全線開通など相乗効果がありまして、ことしのゴールデンウイーク期間中の例えば浄土ヶ浜におけます入り込み数は対前年比36%の増加となるなど、沿岸主要観光地におけます観光客入り込み数は全体として増加したところであり、沿岸地域全体に波及効果があったのではないかと認識しております。
〇五日市王委員 三陸ジオパークは第2期復興実施計画の三陸創造プロジェクトの中核事業の一つとして位置づけられ、県としても重点的に取り組むこととされていますが、今後、活動を本格化していくに当たってどのような方向性を持って進めていくお考えなのかお示し願います。
〇千葉副知事 今後の活動の方向性についてでございますけれども、ジオパークの推進は、今、委員からもお話がございましたが、創造的復興のシンボルの一つでございまして、第2期復興実施計画において、地域力の向上あるいは観光振興などに取り組んでいくこととしております。そのため、独自性の高い価値、魅力を県内外に統一感を持って効果的に発信していくほか、地域におけます啓発活動や人材育成を一層強化していく必要があると考えております。
 県といたしましては、先ほど申し上げました三陸ジオパーク推進協議会と連携しながら、運営体制の強化や住民の活動参画に努めますとともにジオパーク授業や観光案内表示の整備等を推進いたしまして、地域資源に対する理解増進や観光客の利便性向上を着実に進め、ジオパーク活動をさらに進めていきたいと考えております。
〇五日市王委員 企業誘致の実績についてお伺いいたします。
 県北地域の有効求人倍率は、直近で二戸地域0.79倍、久慈地域0.74倍と依然厳しい状況が続いてございます。雇用の場を確保することは常に喫緊の課題であることから、企業誘致には積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 平成25年度の企業誘致の実績を二戸地域、久慈地域それぞれお示し願います。
〇千葉副知事 平成25年度の企業誘致の実績でございますが、最近では、県北地域に10社ほど立地決定を見たところでございますが、平成25年度におきましては、残念ながら、二戸地域、久慈地域ともに立地はなかったものでございます。
〇五日市王委員 県全体では平成25年度21件ということでしたが、今、残念ながら実績がゼロとのことですけれども、いずれ、この要因をどのように分析しているのか、企業側の反応もあわせてお伺いいたします。
 また、県北地域への誘導策として実施しているかさ上げ補助等の施策は今後も継続強化し、企業誘致を積極的に進めるべきと思いますが、見解をお伺いいたします。
〇千葉副知事 県北地域への企業誘致についてでございますけれども、二戸、久慈地域におきましては、地域資源を活用した食産業あるいは高度技術によりますアパレル関連産業、先端技術によります電子部品産業などの産業集積を目指しまして、平成24年度までは毎年1企業以上の立地決定を見ているところでございます。
 御指摘の要因でございますけれども、現在、進出を働きかけております企業からは、地元企業との業務提携や人材確保などについて相談するケースが増加しておりますから、企業の生産コストの削減に向けた動きがより一層強まっていることが要因ではないかと考えているところでございます。
 今後におきましては、こうした企業の動き等を踏まえつつ、県外企業から要望される地元企業との業務提携など、事業誘致を促進しながら新たな企業の誘致に取り組んでいきたいと考えているところでございます。県北地域への補助制度につきましては、これまでも必要に応じて強化してきたところでございますが、今後とも、絶えずより効果的な制度となるよう関係市町村と連携しながら研究していきたいと考えております。
〇五日市王委員 県北地域にとりまして雇用の場の確保というのは切実な問題でございます。今、DIOジャパン等の問題もございますけれども、改めるべきは改めるとして、決してあつものに懲りてなますを吹くことのないように、委縮せずに積極的に誘致に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、観光についてお伺いいたします。
 昨年はあまちゃん効果により久慈地域の観光客が増加しましたが、その経済効果並びに二戸地域への波及効果をどのように捉えているのかお示し願います。あわせて、この効果を一過性のものとしないための方策についてお伺いいたします。
〇千葉副知事 あまちゃん効果等によります経済効果等についてでありますが、久慈地域におけます平成25年度の観光入り込み客数は延べ231万6、000人回でございまして、前年度に比し66万5、000人回の増加となっている一方、二戸地域では前年度並みの110万2、000人回となっているところでございます。
 久慈地域におけます観光入り込み客数の増加数をあまちゃん放映によります効果と捉えて、昨年の岩手経済研究所の経済波及効果額をもとに県が試算した場合でございますが、約45億円程度の効果と見込まれるところでございますが、二戸地域につきましては明確には把握しかねるところでございます。
 県といたしましては、あまちゃんの効果を持続させていくため、今月下旬に開催されます全国ほんもの体験フォーラムの開催などを契機としました交流人口の一層の拡大に努めていきますほか、ロケ地を初め三陸ジオパークや三陸鉄道などの県北・沿岸地域のさまざまな観光資源を組み合わせました情報発信の強化や、内陸から沿岸への周遊ルートの定着に取り組みますとともに、地域におけます観光ガイドの養成やおもてなしなどの受け入れ態勢の強化や誘客宣伝事業を積極的に支援してまいりたいと考えているところでございます。
 また、二戸を玄関といたしまして久慈に向かいます三陸観光応援バスツアーの運行支援を初めといたしまして、あまちゃんと二戸の観光資源を絡めたモニターツアーの実施や情報発信の強化、道の駅を拠点としました県北地域の観光案内機能の強化など、県北・沿岸地域におきます広域観光の勢いを持続させ、さらには拡大に向けて進めるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 二戸地域と久慈地域を結ぶスワロー号についてお伺いいたします。
 スワロー号はジェイアールバス東北が平成14年12月の東北新幹線二戸駅の開業に合わせ、新幹線の接続便として二戸―久慈間の運行を開始した路線であります。開業当初の運行数は11往復でありましたが、現在は7往復となっており、これは二戸駅の新幹線停車本数、上下線で24本に対し14本の接続となっております。二戸駅利用促進の観点や久慈管内からの利用客の利便性確保の観点からも、スワロー号の増便を要請することが必要と思いますが、見解をお伺いいたします。
 また、路線を維持するためには利用客をふやすことが必要でありますが、運行経費を支えていくことも必要と思います。これまで、ジェイアールバス東北側からバス運行に対する補助の要請があったにもかかわらず、実現に至っていない現状であるとお聞きしております。県の認識と今後の方向性についてお伺いいたします。
〇齋藤政策地域部長 この路線は、県北地域を訪れる観光客の移動手段となっておりまして、県北地域の振興を図っていく上でも重要な路線であると認識しております。残念ながら利用者が少ない便につきましては段階的に減便が行われてきました。
 県では、これまで運行主体であるジェイアールバス東北に対しまして、この路線を含めバス路線を維持していくために、ダイヤの改善やバス停の増設などにより利便性の向上を働きかけてまいりました。この路線におきましても、地元町村の要望に基づいて、昨年12月に停留所が増設されたところであります。
 本年4月、当該路線に関しまして補助の要請があったところであります。利用者の内訳を調べた結果、出張や観光目的による利用が多く、また、停留所の設置数は沿線のほかのバス路線と比べて少ない状況にございます。現行の県の補助制度は生活路線を対象としておりますので現状での採択は難しいということをお伝えしております。
 しかしながら、今後、地元での利用促進、事業者側の利便性向上などの取り組みにより、通勤や通学、買い物目的など生活路線としての利用者の増加など状況の変化もあり得ることから、引き続き推移を見守ってまいります。
〇五日市王委員 次に、冬季国体についてお伺いいたします。
 昨年度、冬季国体の本県開催が決定し、完全国体となりました。ことし3月の予算特別委員会において、オリンピック種目であるカーリングを国体の正式種目にするよう働きかけるべきとの質問に対し、正式種目は困難だが、デモンストレーション競技等の可能性を探りたいとの答弁をいただいておりました。その後の検討結果についてお伺いいたします。
〇千葉副知事 冬季国体におけますカーリング競技についてでございますけれども、デモンストレーションスポーツとしての開催を視野に、本年7月から8月にかけまして県内全市町村に対しまして実施意向調査を行いました結果、県カーリング協会との協議が整ったといたしまして、盛岡市と二戸市からカーリング競技の実施希望があったところでございます。この調査結果を踏まえまして、9月29日の県実行委員会冬季大会専門委員会におきまして、冬季国体において実施するデモンストレーションスポーツとして審議し、カーリング競技を含む3競技を実施する案が了承されたところであり、今後、11月に開催されます県実行委員会常任委員会での決定を経て、12月、日本体育協会の国体委員会で正式に承認される見込みでございます。
 カーリング競技は、ソチオリンピックでの二戸市出身の苫米地選手の活躍が記憶に新しく、また、新設されます盛岡市アイスリンクにカーリングの専用レーンが設置される予定となっており、地域に愛され、交流の輪を広げるスポーツとして、冬季国体を契機に一層の普及、発展が期待されるところでございます。
 県といたしましては、完全国体の幕開けとなります冬季国体を盛り上げるという観点からも、二戸市や盛岡市、県カーリング協会と連携いたしまして、準備に万全を期していきたいと考えているところでございます。
〇五日市王委員 いろいろと御努力をありがとうございました。これを機にさらに普及して、いずれは国体の正式競技になるように我々も盛り上げていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 最後になりますけれども、世界遺産を目指す北海道・北東北の縄文遺跡群についてお伺いいたします。
 先般、秋田市内で行われた国際シンポジウムにおいて、縄文の魅力、価値は十分評価されており、もっと丁寧な説明が必要との総括がなされました。しかしながら、現場や専門家の中には、4エリア18資産からなる構成資産をもっと絞り込むべきだとの意見が根強くあるようでございます。一戸町の御所野遺跡は、この18資産の中でも一、二を争う価値や保存状態を保っているとの評価を受けているわけでありますが、どの市町村も構成資産を絞るべきとの意見はなかなか言いづらい雰囲気にあるやに聞いてございます。ここは、4道県の中で唯一平泉の世界文化遺産登録を果たした実績と経験のある我が岩手県が火中のクリを拾う覚悟で提言していくことが必要と思いますが、見解をお伺いいたします。
〇達増知事 一戸町の御所野遺跡を含む北海道・北東北の縄文遺跡群については、本年7月に国の文化審議会から、推薦書提出に向けて検討を深める必要がある事項として、縄文文化の定義づけや構成資産を北海道・北東北に限定する理由、構成資産選択のあり方などが示されたところであります。
 世界遺産登録に向けた推薦書提出のためには、これらの課題を解決する必要があると認識しておりまして、関係自治体で構成される縄文遺跡群世界遺産登録推進本部会議の事務局である青森県ともこの認識を共有しております。
 本県といたしましては、平泉の世界遺産登録の経験から、構成遺産の選択については、専門家の意見を十分に反映させ自治体間の合意形成を図るということが重要であると考えておりまして、今後の縄文遺跡群世界遺産登録推進本部会議等において早期に合意形成が図られるよう、一戸町を初め関係自治体と連携しながら取り組みを進めてまいります。
〇五日市王委員 終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇岩崎友一委員長 次に、小野寺好委員。
〔小野寺好委員質問者席に着く〕
〇小野寺好委員 公明党小野寺好です。
 県が行った県の施策に関する県民意識調査の結果について、県民が考えている重要度の高い施策が平成25年度決算においてどのように反映されているか、重要度の高い順に伺います。
 最初に、適切な医療体制についてですが、どこで暮らしていようと、いつでも高度医療を受けたいというのが県民にとって一番重要度の高い願いであります。かねてより広い県土に良質な医療があまねく行き渡るようにと県立病院が運営され、高い信頼と評価を得てきました。しかし、公立病院改革ガイドラインが示されたり、人材や機器等の医療資源を有効に生かすための集約化、合理化が進められてきた結果、県立病院と県民との間に距離が生じた気もいたします。県は、住民の願いに応えるため、県立病院及び民間医療機関に対し、どのような施策を展開してきたか伺います。
 さらに、救急医療についてですが、たらい回しが社会問題化したこともありましたが、各地の消防本部では、救急病院との連携にどのような改善を行ってきたか、また、県境地域の急患に対するドクターヘリの隣県連携の実績、及び悪天候で北上山地を越えることができなかった事例と対策はいかがでしょうか。
 なお、市町村は、国民健康保険の運営に苦慮していますが、今後の国保の展望、及び平成25年度の国保税未納者の医療受診実態はどうであったか伺います。
〇千葉副知事 医療政策の展開、ドクターヘリの隣県連携及び今後の国保の展望については私から、消防本部と救急病院の連携については総務部長から答弁させていただきたいと思います。
 まず、医療政策の展開でございますが、県におきましては、平成25年度から5カ年間の医療政策の方向を定めます保健医療計画を策定いたしまして、限られた医療資源の中、県立病院や地域の医療機関相互間の機能分化、連携などを進めておりまして、また、県立病院におきましては、平成21年度から平成25年度までを計画期間といたします経営計画におきまして、患者中心の医療の展開や経営の効率化に取り組んできたところでございます。
 特に平成25年度におきましては、県では、奨学生養成医師の配置調整等に係るルールを取りまとめるなど、医師確保に向けた取り組みを進めましたほか、救命救急センターであります県立大船渡病院と県立久慈病院にヘリポートを整備し、ドクターヘリの運航体制の充実強化などに取り組んできたところでございます。
 また、県立病院におきましては、遠野病院へのMRIの整備等の高度診断装置の導入、更新など、良質な医療を提供できる環境の整備を図りますとともに、医師の招聘活動や認定看護師を初めといたします専門資格職員の育成などの人材確保、養成に取り組んできたところでございます。
 さらに、収益の確保に向けた診療報酬上の上位の施設基準の取得や後発医薬品の使用拡大によります費用の効率的な執行など経営改善に努めましたほか、患者中心の安全・安心な医療を提供できる環境整備に向けまして、患者と病院の対話を促す役割を果たします医療メディエーターの育成を図ってきたところでございます。
 県では、今後、本年6月に成立いたしました医療介護総合確保推進法に基づきまして、医療提供体制のあるべき姿を示す地域医療ビジョンを策定することといたしております。その実現に向けまして、市町村や県立病院を含めた地域の医療関係者などと医療の現状や課題を共有しながら、地域医療を確保するための協議を進めていきたいと考えているところでございます。
 次に、ドクターヘリの隣県連携等についてでございますが、北東北3県の広域連携は、この10月1日から正式運航に移行したところでありますけれども、昨年4月から試行的に実施しておりまして、本年10月6日までの1年半の間に3県合計で11件の運航実績となっております。その内訳は、本県の事案に青森県または秋田県のヘリに対応いただいたものが7件、秋田県、青森県の事案に本県ヘリが対応したものが各1件、秋田県の事案に青森県ヘリが対応したものが2件となっているところでございます。
 また、本県ドクターヘリが悪天候によりまして北上山地を越えて沿岸市町村に出動できなかった事例といたしましては、平成25年度におきまして、ヘリ基地周辺や、あるいは運航経路上の天候不良のため沿岸市町村に出動できなかった事例が30件、出動したものの、現地周辺の天候不良等のため引き返した事例が4件ございました。このうち、沿岸北部の事案1件につきましては、先ほど申し上げました北東北3県の広域連携の枠組みの中で青森県ドクターヘリに対応していただいたところでありまして、その他の事案につきましては、現場の救急隊が救急車により、症状に応じた医療機関に搬送して対応したところでございます。今後とも、ドクターヘリ、消防機関、救急医療機関の密接な連携で対応していきたいと考えているところでございます。
 次に、今後の国保の展望についてでございます。
 まず、県内市町村国保におけます平成25年度の決算では、一般会計からの繰り入れ等を除きました単年度収支差し引きでは21市町村が赤字であり、依然として厳しい財政状況となっております。このような中、国におきましては、将来にわたる安定的な制度運営が可能となるよう、国保の都道府県化について検討が進められておりまして、本年1月以降、国と地方によります国保基盤強化協議会において議論され、この8月に中間整理が行われたところでございます。この中間整理では、財政上の構造問題解決への道筋が国から明確に提示されず、その財源等につきましては、国保税の賦課徴収の仕組みなど、都道府県と市町村の役割分担とあわせて、引き続き検討することとされております。
 県といたしましては、全国知事会等を通じ、できるだけ早期に追加公費の規模や財政基盤強化案を提示するよう国に求めているところでございまして、今後とも、国保基盤強化協議会や社会保障審議会医療保険部会の議論の方向性を注視したいと考えているところでございます。
 また、国保税の納税が困難な被保険者につきましては、失業や疾病などに起因いたします経済的事由による場合などさまざまなケースがありますことから、市町村に対し、きめ細やかに相談に応じ、分割納付や徴収猶予、減免を適切に行うよう要請しているところでございます。市町村では、個々の事情に配慮しながら、短期被保険者証や資格証明書を交付するなど、受診の機会が確保されるよう対応しているところでございます。
 なお、平成25年度末のデータはございませんが、本年2月1日現在での短期被保険者証発行世帯数は9、443世帯、資格証明書発行世帯数は247世帯となっているところでございます。
〇小田島総務部長 消防本部と救急病院との連携についてでありますが、県内の救急搬送における医療機関の受け入れの状況につきましては、総務省消防庁及び厚生労働省が行った調査によりますと、平成24年、重症以上傷病者の搬送件数6、274件のうち、照会1回で受け入れされた件数は5、677件で全体の90%を占めているほか、国において救急搬送がおおむね円滑に行われていると判断されている照会回数3回以内での受け入れ件数も6、213件と全体の99%に当たり、全国平均の96%より高く、近年はほぼ同程度で推移してございます。こうしたことから、本県では円滑な救急患者の搬送及び受け入れが行われているものと考えております。
〇小野寺好委員 2番目に、重要度が高いとされた高齢者や障がい者に安心な地域づくりについてお尋ねいたします。
 脳や身体機能が低下した場合でも、人間らしく生きていけるかどうかと多くの県民が不安を覚えております。例えば、特別養護老人ホームを見た場合、既に毎年増床を図っても待機者を解消し切れていない状況にあります。こうしたことから、医療と介護の連携、介護人材の養成、確保対策、提供すべきサービスの内容等に関しどのような認識のもとに計画が進められているか、2025年以降はどうなるのか伺います。
 認知症高齢者が急増していますが、その権利擁護、家族支援等についてはどのように対応しているか、あわせて、今後の増加予測と対策はどのように展開されていくか伺います。
 障がい者の人権が保障された安心社会を希望するところですが、県民が望む障がい者に安心な地域づくりについてはどのような実績があるか、また、これから拡充が期待されている内容は何か伺います。
〇千葉副知事 まず、医療と介護の連携等についてでございますけれども、本県におけます高齢化は今後とも進行いたしまして、65歳以上の要介護、要支援認定者数は、2014年の約7万1、000人から2025年には2万4、000人増の約9万5、000人になると推計されておりまして、今後とも介護サービス需要は一層増大すると見込まれているところでございます。
 このような中、まず、医療と介護の連携についてでございますが、これにつきましては一層の強化を図っていく必要があると考えておりまして、そのためには相互の情報共有が重要でありますことから、平成25年度から釜石地域及び宮古市におきまして介護情報も含む医療情報ネットワークが運用されており、現在、他地域においても導入が検討されておりますことから、今後とも先行事例を紹介するなど、普及を図ってまいりたいと考えております。
 また、介護人材の養成、確保対策につきましては、看護人材の不足が全県的な課題となっておりますことから、平成25年度におきましては、介護福祉士等修学資金を新規に55人に貸し付けるとともに、介護事業所の労働環境整備、改善やIT活用を促すセミナーを計17回開催いたしました。さらには、テレビ、ラジオで介護のイメージアップ番組を50回放映しましたほか、介護事業所で働く職員の資格取得の支援を35人に対して行っているところでございます。平成26年度につきましては、特に人材不足が深刻でございます被災地においては、事業者が行います新規採用職員用の住宅確保への支援や就労支援金の支給補助を行っております。
 次に、提供すべきサービスについてでございますが、これは、さきに各委員に御報告しているところでございますけれども、平成25年度末の特別養護老人ホーム入所待機者数1、321人に対しまして、平成26年度の開設予定は561床でありますことから、引き続き計画的に施設整備を行っていく必要がございます。
 また、一方で、施設サービスのみでの対応は困難でありますことから、施設サービス以外の充実も必要でございまして、平成25年度には認知症高齢者グループホーム135床、小規模多機能型居宅介護51床の整備を行い、平成26年度には、同じく同グループホーム90床、同居宅介護33床の整備が予定されておりまして、今後とも必要なサービスが供給されるように努めてまいります。
 なお、施設整備の財源となっております介護サービス施設整備等臨時特例基金は今年度で終了する予定でございますから、国に対して、平成27年度以降も施設整備に対する助成を継続するよう要望しております。
 こうした認識のもと、現在、第5期岩手県介護保険事業支援計画に基づき取り組みを進めておりまして、第6期計画につきましても、介護保険法に定める計画期間は3年間ではございますが、中長期的な視点を持って策定し、その取り組みを進めていきたいと考えております。
 次に、認知症高齢者等急増によります権利擁護等への対応についてでございますが、日常生活で見守りや介護が必要な認知症高齢者につきましては、直近5カ年の推移におきましては、平成21年3月末の3万4、251人から平成26年3月末には4万2、347人と、8、096人、約1.2倍に増加しているところでございます。
 こうした中、権利擁護につきましては、県では、認知症高齢者や障がい者の方の日常的な金銭管理などを目的といたしまして社会福祉協議会が実施しております日常生活自立支援事業の相談体制の強化などに支援しておりまして、平成25年度の認知症高齢者の関係の相談件数は5、059件、利用者数が329人で、この5年間で相談件数は約1.3倍、利用者数は約1.2倍となっており、増加するニーズに対応してきているところでございます。
 このほか、成年後見制度の周知を図っているところでございまして、利用者数は、盛岡家庭裁判所によりますと年々増加し、平成25年には1、262人となっておりますが、平成25年に選任されました成年後見人には市民後見人はなく、また、法人後見実施団体は現在6法人にとどまっている状況にございます。
 家族支援につきましては、岩手県高齢者総合支援センターで高齢者福祉、看護等の専門職によります相談を毎月2回実施しておりまして、平成25年度の相談件数は65件となっております。
 また、認知症の人と家族の会に委託し、家族の経験を生かした相談対応では、平成25年度の相談実績が267件、家族交流会は、平成25年度、県内12カ所で実施いたしまして、参加者は889人となっております。
 次に、今後の認知症高齢者の増加予測と対策についてでございますが、要介護、要支援者におけます認知症高齢者の割合をもとに推計いたしますと、2025年には本年から約1万4、000人増の約5万6、000人となり、このような認知症高齢者の方の増加に対応するため、今後も法人後見実施団体の育成や市民後見人の養成支援を行っていきますほか、行方不明への対応を含め、地域全体で見守る仕組みづくりを促進してまいります。
 さらに、認知症の早期診断、早期対応のため、市町村が新たに取り組みます専門医を中心といたしました初期集中支援チームの設置を支援するなど、認知症の方が尊厳を持って安心して生活できる地域社会の実現を目指してまいります。
 次に、障がい者に安心な地域づくりについてでありますが、バリアフリー化の取り組みにつきましては、平成8年に施行されましたひとにやさしいまちづくり条例に基づき、これまで、公共的施設へのスロープの設置や身体障がい者用トイレの整備、駅舎へのエレベーター等の設置や低床バスの導入等に継続的に取り組んできましたほか、平成22年度からは、ひとにやさしい駐車場利用証制度が開始されたところでございます。
 平成25年度におきましては、JR一ノ関駅及び平泉駅へのエレベーター計3基の設置や民間バス事業者の低床バス計16台の導入に係る費用助成を行いましたほか、ひとにやさしい駐車場利用証制度によります利用証発行件数は、平成25年度末累計で6、977件、指定駐車区画数873区画となっております。
 バリアフリー化について、今後、拡充が期待されている内容についてでありますが、これまでも障がい者関係団体と意見交換を行ってきておりまして、その中では、移動手段の確保や歩道、交差点における安全上の配慮等について要望をいただいているところで、こうした要望を踏まえまして、JR駅舎へのエレベーターの設置や低床バスの導入促進、横断歩道へのエスコートゾーンの設置拡大に努めてまいりたいと考えております。
 なお、平成28年に開催されます希望郷いわて大会に向けまして、会場のバリアフリー化などハード面での取り組みにあわせまして、障がい及び障がい者の方に対する理解の促進が加速するように一層取り組んでまいります。
〇小野寺好委員 次に、災害に強く安心して暮らせる県土が重要視されていますので、防災と被災者支援について伺います。
 東日本大震災の発災直後から特に津波対策が重要であると考えられ、湾口防波堤、防潮堤等を強固なものにしようと計画されてきました。県土整備委員会では、先進事例として宮城県名取市閖上の巨費を投じて建設された防潮堤を視察いたしましたが、単調な砂浜に出現した、高く分厚い、しかも目視では両端が確認できないほど幅広い構造物でした。例えば陸前高田市にこのようなものを建設することについては、天然の景観、環境負荷、費用対防災効果等を考えると、にわかには賛同しがたいものを覚えました。本県では、地元との協議が重ねられてきたと思いますが、平成25年度までにハード面での津波対策はどこまで進められたか伺います。
 局地的都市豪雨、河川の氾濫、山間部からの土砂流出、さらには火山灰の噴出等々、自然災害が続いております。構造物で防ぐには時間と費用が際限なくかかりますので、住宅建築の制限、早期の避難誘導などで減災に努めるしかありませんが、どのような対策がとられたか伺います。
 東日本大震災では、津波災害で住居を失った被災者の恒久住宅への転居についてはその展望すら持てない皆さんも多いと聞きますが、仮設からの転居見通しをどのように把握しているか、また、その間のプレハブ仮設住宅の維持補修計画はどうなっているか伺います。
 持ち家を再建する方にとって、用地や建設資材の高騰で割高な建物を購入せざるを得なくなっていますが、想定外の負担に対する支援はどのようになされたか伺います。
 災害公営住宅への入居希望者の調査をした上で建設計画を実行しているはずですが、災害公営住宅が完成しても埋まらない場合があります。状況変化にはどのように対応しているか伺います。
 また、被災前は車を五、六台所有していたり、犬や猫を飼っていた等、生活態様はさまざまであったのに、災害公営住宅の駐車場は1台限りとか、ペット飼育は禁止等、一律のルールで生活することになります。通路への無断駐車や犬、猫の鳴き声、ふん尿等のルール違反は隣人への迷惑となります。住人の主張の違いをどのように調整してきたか伺います。
〇千葉副知事 減災対策については私から、その他については復興局長から答えさせていただきます。
 まず、減災対策についてでございますが、大きく三つの項目について御質問がございましたので、順次お答えをさせていただきます。
 まず、河川災害対策についてでございますが、昨年は、御案内のとおり、本県におきましても7月から9月の間に3回の記録的な豪雨がございまして、全県的に大きな浸水被害などが発生したところでございます。浸水被害の発生いたしました河川につきましては、氾濫被害の防止を図るため、補助事業を導入し、河川改修を進めているところ、あるいは、現在、計画的な河川改修の着手に向けて、地元と調整しながら検討を行っているところでございます。
 一方で、河川改修は効果の発現までに時間と費用がかかりますことから、洪水から県民の生命を守るためには、市町村が行う水防活動や避難勧告等が適切になされることが極めて重要でありまして、県といたしましても、浸水被害のございました砂鉄川、松川、安比川、馬淵川の4河川につきまして、避難判断水位の情報を提供いたします水位周知河川として本年3月に追加指定を行いましたほか、市町村が作成いたします洪水ハザードマップのもととなります当該河川の浸水想定区域図の作成を進めておりまして、今年度中に各市町に提供することとしているところでございます。
 次に、土砂災害につきましても、盛岡市繋地区や岩泉町国境地区などで発生したところでございまして、急傾斜地の崩壊対策や災害関連緊急砂防事業によります砂防ダムの整備を進めているところでございます。
 また、市町村と連携いたしまして、土砂災害危険箇所の周知や土砂災害特別警戒区域等の指定を推進することで、危険が想定されます地域の警戒避難体制を市町村地域防災計画に位置づけますとともに、宅地分譲等の一定の開発行為を規制して、住宅建築等を制限する仕組みを進めてきているところでございます。
 さらに、盛岡地方気象台と共同で土砂災害警戒情報を発表し、市町村の避難勧告等が適切になされるよう支援いたしますとともに、降雨出水期前には関係機関等と合同での土砂災害危険箇所点検パトロールを実施し、危険周知に取り組んできているところでございます。
 次に、早期の避難誘導につきましては、昨年の大雨災害の際に、一部市町村の避難勧告発令がおくれ、被災者が取り残されました教訓を踏まえまして、昨年度末に修正いたしました県地域防災計画におきまして、市町村によります避難勧告等の具体的な発令基準の作成を明確に位置づけたところでございます。こうした県地域防災計画の修正に加えまして、今年度に入りまして内閣府が避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインを新たに作成いたしましたことを踏まえ、市町村に対して、会議や文書通知による要請のほか、資料提供や個別の調整により避難勧告等発令基準を作成するよう強く促しますとともに、災害発生のおそれがあるときにはちゅうちょなく避難勧告等を発令し、多様な情報伝達手段を用いて住民に確実に伝達されるよう求めるなど、住民の早期避難に資する対策の充実に取り組んでいるところでございます。
〇中村復興局長 ハード面での津波対策についてでございます。
 平成25年度末におけます津波防護施設の整備率は、県全体で26.7%、延長では19キロメートルが整備済みとなってございます。引き続き、防潮堤等の復旧、整備につきまして、復旧・復興ロードマップの目標達成に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。
 また、国が復旧してございます釜石港及び大船渡港の湾口防波堤につきましては、本年9月末現在、両防波堤とも5割弱のケーソン据えつけが完了しており、引き続き、早期完成に向け鋭意工事を進めていると伺ってございます。
 次に、恒久住宅への転居の把握についてでございます。
 沿岸被災市町村が行った住まいの再建の意向調査結果におきましては、再建を要する被災世帯、約1万9、000世帯余りでございますが、このうち約4分の1が未回答または検討中となってございます。これは、復興のおくれや御家族の年齢、健康、さらには資金の問題などによりまして住宅再建方法をまだ決めかねている方が多いものと考えております。今後、市町村等関係機関と連携いたしまして、こういった方々の意向を丁寧に把握しながら、被災者一人一人に寄り添った支援を行ってまいります。
 次に、仮設住宅の維持補修計画についてでございますが、県が整備を行いました応急仮設住宅は、これまで年2回の定期点検を行ってきたほか、保守管理センターで入居者の方からの電話等による依頼を受けて個別にふぐあいの対応を行ってきております。
 一方、長期的な使用が見込まれる応急仮設住宅においては、木ぐいの基礎など、日ごろ入居者の方々が目にする機会がなく、かつ大がかりな工事を必要とする箇所につきましては計画的な対応が必要なことから、この8月に試験改修を実施するなど、具体の補修方法の検証を行っているところでございます。今後は、11月に予定しております応急仮設住宅の定期点検に合わせ、基礎の状況の確認を行い、年度内に改修の計画を策定することといたしております。
 次に、持ち家再建のための支援でございます。
 住宅の再建は喫緊の課題の一つでございまして、県におきましては、資材高騰や人手不足など諸課題についての情報共有等を図りながら、全庁挙げまして住宅再建を推進してございます。
 現在の支援策といたしましては、国の制度であります被災者生活再建支援金の加算支援金200万円のほか、本県独自に市町村と共同で被災者住宅再建支援事業費補助100万円を交付してございます。また、県では、住宅を新築した場合の支援といたしまして生活再建住宅支援事業を実施し、バリアフリー工事や県産材使用工事に対して補助金を交付してございます。さらに、市町村におきましては、追加交付されました震災復興特別交付税を活用いたしまして、住宅を新築した場合に100万円から300万円の補助金の上乗せや利子補給、宅地造成費用等の支給など、それぞれの市町村の実情に応じた住宅再建支援策を講じてございます。
 次に、災害公営住宅への入居希望の状況変化への対応についてでございますが、災害公営住宅の建設に当たりましては、被災者の意向も踏まえ、市町村とも十分に協議をしながら建設する地域や戸数等を決めてきたところでございますが、委員から御指摘ありましたように、さまざまな要因から一部の団地におきまして空き住戸が生じてございます。これまで、最新の意向調査の結果を踏まえ、工事着手前の団地の整備戸数や供給する住戸タイプ割合の見直し及び設計の修正を実施してきたところであり、今後も可能な限り被災された方々の希望に沿った災害公営住宅の供給に努めてまいります。
 災害公営住宅の入居ルールの調整でございます。
 災害公営住宅の駐車場につきましては、少なくとも各世帯1台分は確保することとしておりますが、敷地の制約等により2台目の駐車場が十分に確保できない場合もあり、希望される方々に対しましては、駐車場のうち住戸数を上回る部分について抽せんで利用者を決定するほか、近隣の駐車場を利用するようお話をしてございます。
 また、ペットの飼育につきましては、これまでの公営住宅では禁止してきたところでございますが、被災された方々の強い要望があったことも踏まえまして、一方でまた、他の入居者がペットを飼うことについて否定的な方も相当数いらっしゃるということもございます。こういったことから、県では、当該市町村と調整した上で、団地や建物等を限定した上で飼育を認めることとしてございます。敷地内通路への駐車や、ペット飼育が禁止されている公営住宅でのペット飼育は他の入居者の方々に対する迷惑行為となることから、入居案内や説明会等におきまして入居希望者に丁寧に説明するとともに、違反者に対して個別に是正指導を行うなど、災害公営住宅に入居された方々が快適に過ごされるよう、今後も適正な管理に努めてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 最後に、子を産み育てる安心な環境整備について伺います。
 各種調査によりますと、希望する子育ての人数よりも実際は少なく産んでいると言われます。社会が人口減少に向かう中、県行政が子育てを制度的に支援できる分野は積極的に行うべきであります。例えば、子を産み育てる環境整備に関し、産科医のいない自治体住民に対する対策、不妊治療希望者への支援、乳幼児医療費の拡大及び現物給付への切りかえ等について、平成25年度はどのように手当てされたか伺います。
 県のホームページにあるいわて子育てiランドはとても有効であると思いましたが、利用者からはどのような声が寄せられているかお聞きしたいと思います。
 なお、インターネットに入る環境にない方に対しては、どのように手当てしているかお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、子を産み育てる安心な環境整備に係る対策についてでございますが、大きく3点お尋ねいただきましたので、順次お答えをさせていただきます。
 まず、産科医のいない自治体の対策についてでございますが、先進事例といたしましては、遠野市では遠野市助産院が医療機関と連携した妊婦健診を実施しておりまして、平成25年度には延べ87人が妊婦健診を行っております。県では、遠野市助産院と県立大船渡病院との間で行われております遠隔妊婦健診に対して継続して財政支援を行いますとともに、こうした取り組みの他市町村への普及に向けまして、遠野市への委託によります研修等を実施しているところでございます。
 また、妊産婦等の情報を共有します周産期医療情報ネットワークに新たに5市町の加入を得まして医療機関と市町村との連携を強化いたしましたほか、平成24年度に引き続き超音波診断装置を整備するなど、県内10カ所の周産期母子医療センターの機能強化に取り組んでおります。
 次に、不妊治療希望者への支援についてでありますが、体外受精及び顕微授精に係る不妊治療に要する経費に対し継続して助成を行っておりまして、平成25年度の県による助成件数は600件と、年々増加している状況にございます。また、県内では、中核市であります盛岡市においても助成を行っておりまして、その件数は336件とお伺いしておりまして、合計では県全体で936件となっております。
 次に、乳幼児医療費助成の取り組みについてでございますが、先ほども御質問、答弁がございましたが、継続して就学前の乳幼児を対象に10市町村に対して補助金を交付しておりまして、平成25年度の交付実績は、約49万8、000件で約4億9、000万円となっております。
 現行の償還払いにつきましては、市町村等と協議の上、平成7年8月から実施しているところでございますが、県といたしましては、減額措置の廃止について国に要望しております。また、現物給付化につきましては、現在、市町村議会等から要望がなされているところであり、総合的な子育て支援施策についての検討の中で、助成対象の拡大とあわせて市町村等と協議していきたいと考えているところでございます。
 次に、いわて子育てiランドの利用状況等についてでありますが、いわて子育てiランドは、子育て中の親に対する情報提供を目的に県が平成23年度に開設いたしましたポータルサイトでございまして、パソコンでも携帯電話でも閲覧できるようにしてございます。利用者からは、この情報を見てイベントに参加した、情報が豊富でよくつくられているなどの感想や、イベント情報をふやしてほしい、もっと宣伝したほうがよいなどの御意見も頂戴いたしております。
 インターネット以外の情報発信の取り組みといたしましては、これまで、子育て世代を中心に、岩手県オフィシャルコミックでございます子育て支援漫画を作成いたしましてコンビニエンスストアに配架するなど、子育て情報を手軽に入手できるように努めてまいりましたほか、ポータルサイトに掲載いたしました情報は毎月センター便りなどの情報誌に載せ、アイーナに設置しております県子育てサポートセンターを初め、地域の子育て支援センターや市町村等の関係機関で県民の方々にごらんいただけるようにしておりまして、今後とも、インターネット環境にない方でも県内各地で必要な情報を入手できるよう積極的に発信してまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 ありがとうございました。
 終わります。(拍手)
〇岩崎友一委員長 次に、吉田敬子委員。
〔吉田敬子委員質問者席に着く〕
〇吉田敬子委員 無所属の吉田敬子です。
 女性の活躍支援についてお伺いいたします。
 県では、これまで、平成14年の岩手県男女共同参画推進条例制定を初めとして、平成23年には新しいいわて男女共同参画プランを策定し、男女共同参画を推進しています。平成25年度においては、いわて男女共同参画プラン推進事業などで県民への意識啓発や機運の醸成、人材育成等を行ってきたものと認識しています。また、このたび県が公表した人口問題に関する中間報告の中では、女性の働きやすい職場やワーク・ライフ・バランスの実現を目指すこととしています。女性が活躍することは、人口問題だけでなく経済活性化のために必要なことであり、東日本大震災からの復興の加速化にもつながることから、女性の活躍支援について、具体的にどのように実施していくのか知事の考えをお伺いいたします。
〇達増知事 女性が活躍できる社会は、女性も男性も働きやすい社会につながり、経済や地域の活性化に寄与するものと考えております。県では、第2期復興実施計画において、重視する視点として参画を掲げ、若者、女性を初めとした地域住民の幅広い参画により復興の取り組みを推進していくとともに、本年5月には、県内の産業団体、経済団体等17団体と連携していわて女性の活躍促進連携会議を立ち上げまして、官民連携した取り組みを進めているところであります。
 これまで、県内事業所における女性の活躍に関する実態調査や活躍している女性からの講演などを実施してきておりまして、今後は、活躍している女性をロールモデルとして学生に示す事業や、女性の活躍に関する経営者向けのセミナーなどを行って、関係団体と連携して女性の活躍支援に向けて取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 昨日の工藤勝子委員の質問にもありましたが、県職員の皆さんの女性の環境ということで、子育てや介護をしながら働きやすい環境かという質問に、知事は、県職員は恵まれているほうだと思うが、災害対応の苛酷さから厳しい項もあるという答弁でありました。改めてお伺いいたしますが、県庁だけでなく、県の出先機関、また外郭団体を含めて、知事は、女性が本当に働きやすい職場であるとの認識でしょうか。
〇達増知事 全体としての女性が活躍している数でありますとか、女性の社長初め役員の数、そうしたところなど、岩手全体を見ていますと、やはりバランスがとれていないという実態があると思います。そこはやはり、働きにくさ、それは就職のところから始まりまして、働きながら結婚したり家庭を持ったり子育てをしたりすることの難しさ、そしてまた、会社等の中で枢要な位置についていくことの難しさというものが背景としてあるのだと思います。
 女性の活躍支援というのは、男女を問わず、人間として本来あるべき働き方や、そういったことがきちっと実現すれば、おのずと結果として、さまざまな役職につく男女比でありますとか、そういったものがバランスのとれた数字になっていくはずだと考えておりまして、やはりまだまだ努力しなければならないところはあると思います。
〇吉田敬子委員 先ほどの答弁では、活躍している女性からもっとお話を聞いたりとか、経営者の女性から話を伺うということでしたけれども、実際にもう既に活躍している女性は何とかしてやってこられているんですけれども、今、本当は、もっと能力のある人を伸ばしていくところが大事だと私は思っています。国でも、女性の活躍という言葉、この女性の活躍という言葉自体聞かない日がないくらい大変女性としてはありがたいことではあるんですけれども、実際に実現するための具体的な施策が先ほどの答弁からは正直見えてきていません。
 これは私の家族のことになるんですけれども、盛岡市役所で働いている私の妹が10月から仕事に復帰していますけれども、保育所が見つからずに、私の両親が面倒を見ています。私の妹は市役所にもかかわらずそういった現状になっていて、多分県庁の女性の職員の皆さんでもそういったことがあるんじゃないかと私は思っています。もっと現状を把握していただくために、例えば時短をとりづらいとか、急病―子供はすぐ熱が出たりとかするので、そのためとりたいけれども結局とれないとか、両親が自分の住んでいるところにいる人はいいんですけれども、そうじゃない人もいますので、県庁からやることが私は大切だと思いますので、ぜひもっと具体的に施策も掲げて女性の活躍支援をこれからも行っていっていただきたいと思います。
 次に、国体開催等を契機としたスポーツを通じた教育振興と地域振興についてお伺いいたします。
 まず、スポーツを通じた教育振興についてでありますが、平成25年度主要施策の成果に関する説明書によると、健やかな体を育む教育の推進は、推進方策指標の3指標のうちの児童生徒の「体力・運動能力調査」の全国平均値以上の項目割合で、平成22年度73.6%に対して平成25年度は41%でD、もう一つ、児童の「定期健康診断」の肥満度が正常の範囲内と判定される児童の割合もDということで、三つのうち二つの達成度がDとなっていることからも、より一層の取り組みが私は求められていると思っております。平成28年の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会を機に、スポーツを通じた教育振興を図っていくべきであると考えています。
 先日、グルージャ盛岡の鳴尾監督などと意見交換をさせていただきましたが、鳴尾監督も、規律、自律、挨拶、マナー、フェアの精神、スポーツは人間教育から始まるということをおっしゃっておりました。全国に比べて本県の子供たちの体力や運動能力の低下が見られていることから、スポーツを通じた教育振興について力を入れていくべきだと思いますが、知事の考えをお伺いいたします。
〇達増知事 本県の学校教育におきましては、知、徳、体を備え調和のとれた人間形成を目指して、いわて県民計画をもとに取り組みを推進しているところでありますが、学校体育においては、生涯にわたって健康を保持増進し、豊かな心や健やかな体の育成を図っていくことが大事であります。
 本年度の政策評価における健やかな体を育む教育の推進の結果については、被災地において運動環境がいまだ制約されていることや、通学環境の変化などにより、児童生徒の体力や運動能力、肥満度などがD評価となっています。教育委員会においては、このような現状を踏まえて、限られた環境でも実施できる運動プログラムの提供や、各校の運動機会の拡大に向けた教職員研修、食生活の改善指導などに取り組んでいると承知しております。
 スポーツには、県民に夢や希望を与えるとともに、次代を担う子供たちの人間形成を図る上で大きな力があります。2年後の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催は、県民のスポーツへの関心を一層高める絶好の機会でありますので、この機会を十分に活用して、児童生徒の体力向上などにも一層取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 次に、希望郷いわて大会は障がい者のスポーツ大会であることから、今回のいわて大会を機に、社会全体でバリアフリー化を図る機会にもなると思っております。車椅子利用者に必要な整備をすれば、高齢者、そしてベビーカー利用者の子育てにも優しい社会となると私は考えております。
 さきの一般質問では、東京オリンピック、パラリンピックの事前合宿等の誘致も視野に入れながら、各種大会合宿の誘致やスポーツ観光の推進による交流人口の拡大を図っていきたいと聞いております。合宿の誘致やスポーツ観光の推進を図るに当たっては、本県の豊かな自然や食文化など岩手らしさを生かした取り組みも必要であると思いますが、そういった取り組みをどのように展開していくつもりなのかお伺いいたします。
〇齋藤政策地域部長 2年後の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催を初め、2020年の東京オリンピック、パラリンピックなどは、多くの方々に本県を訪れてもらう絶好の機会として捉えております。このため、県といたしましても、本年2月に県、市町村、観光協会、スポーツ関係団体が情報共有を図るとともに、合宿などの本県への誘致を目指すスポーツツーリズム推進連絡会議を設置いたしました。現在、本県の各市町村におきましては各地域の資源などを生かした取り組みが行われており、例えば、花巻市における温泉宿泊施設を生かしたスポーツ合宿誘致や八幡平市の冷涼な気候を生かしたラグビーなどの夏季合宿誘致など、スポーツを核とした地域振興に取り組んでいるところであります。また、盛岡地区の8市町においては、今年度、共同して、スポーツ観光客や合宿の誘致に向け、施設、食材、交通アクセスなどを紹介するパンフレットの作成が進められております。
 県といたしましても、これら各市町村で行われております取り組みを一層促進するとともに、本県が全国に誇る豊かな自然や伝統文化、食材などをアピールしながら、事前合宿の誘致やスポーツ観光の推進による交流人口の拡大を図ってまいります。
〇吉田敬子委員 岩手国体がゴールではなくスタートだと思っておりますので、今後の取り組みに期待いたしております。
 次に、いわての森林づくり県民税についてお伺いいたします。
 岩手県は北海道に次ぐ森林県であり、多面的機能を有しております。一方、木材価格の長期低迷や林業従事者の減少、高齢化などといった問題があり、管理が行き届かない森林がふえております。県では、平成18年4月にいわての森林づくり県民税を創設し、平成18年度から平成25年度までの8年間で約56億円の税収をもとに事業を行っていますが、その事業の成果はどうなっているかお伺いいたします。
 また、これは平成27年度までの期間となっておりますが、未整備の森林もありまして、こういったことを考えると引き続き森林整備に取り組む必要があると考えておりますが、今後のあり方についてどのように考えているかお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、いわての森林づくり県民税の成果についてでございますが、いわての森林づくり県民税は、平成18年4月に課税期間を5年として創設いたしまして、その後、内容を一部見直し、平成23年度から平成27年度までの第2期がスタートし、現在に至っております。この間、公益上重要であり、かつ管理が行き届いていない混み合った森林を高い割合で間伐し、針葉樹と広葉樹が入りまじり、水源の涵養などの公益機能の高い針広混交林への誘導を行うためのいわて環境の森整備事業につきましては、平成25年度までの整備目標面積約1万2、300ヘクタールに対しまして、ほぼ計画どおりの約1万1、900ヘクタールの面積を整備したところでございます。
 また、県民が行う森林を守り育てる活動や、児童生徒の森林学習などを支援する県民参加の森林づくり促進事業などのソフト事業につきましては、これまでに延べ3万6、000人余りの県民の方々の参加をいただいたところでございます。
 このような取り組みを進めたことによりまして、森林環境の改善が図られますとともに、森林環境保全に対する県民の参画と理解の醸成が進んでいるものと認識しております。
 次に、今後のあり方についてでございますけれども、制度創設時点では、管理が行き届かず緊急に整備が必要な森林は県内全域で約2万6、000ヘクタールと見込んでおりまして、第2期が終了いたします平成27年度末までの目標面積約1万5、500ヘクタールが整備された場合でも、残りの約1万ヘクタールの整備に向けた取り組みが必要と考えております。
 今後、いわての森林づくり県民税事業評価委員会などにおきまして、これまでの取り組みの評価を行い、管理が行き届かず緊急に整備が必要な森林も含めた森林づくりのあり方や、森林環境保全の重要性に対する県民理解の醸成のあり方などについて御議論をいただきますとともに、県民の皆様方の御意見も頂戴しながら、第3期への事業継続の必要性も含めて幅広く検討してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 引き続き、森林、林業施策に積極的に取り組んでいただきますことをお願いして終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〇岩崎友一委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め執行部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 これより、各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動及び昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
午前11時54分 休 憩
午後1時2分 再開
〇高橋但馬副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、決算の審査であることを踏まえ、当該年度の決算に関する質疑とすること、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないことについて御協力をお願いいたします。
 また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び執行部の答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 また、冒頭でも申し上げましたが、本日は、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇杉村議会事務局長 平成25年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、152ページをお開き願います。152ページから153ページにかけてでございますが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は12億9、972万円余でございます。内訳でございますが、第1目議会費の支出済額は8億7、057万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費でございます。次に、第2目事務局費の支出済額は4億1、002万円余でございまして、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費でございます。次に、152ページから155ページにかけてでございますが、第3目議員会館費の支出済額は1、912万円余であり、これは、議員会館の維持管理等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。
〇高橋但馬副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 一つは、議会棟の受動喫煙防止対策について、改めて全国都道府県議会の対応状況と岩手県議会の対応はどうなっているか示していただきたい。
 二つ目に、県議会のインターネット中継の視聴、県議会への県民の意見、要望の提出状況とそれへの対応はどうなっているでしょうか。
〇杉村議会事務局長 まず、全国都道府県議会の受動喫煙防止の対応状況についてでございます。
 平成26年2月の青森県の調査でございますけれども、敷地内禁煙は大阪府のみ、建物内禁煙は8県、建物内分煙は38都道府県となっております。
 また、本県議会棟の受動喫煙防止についてでございますが、本年3月25日の議会運営委員会におきまして会派控室を禁煙とすることに決定いたしまして、7月1日の議会運営委員会におきまして、喫煙室を2階の渡り廊下に設置することとされたところでございます。
 喫煙室の設置につきましては、議会事務局では、議会棟の維持修繕を所管する総務部管財課に対しまして喫煙室設置の申し入れを行ったところでございますが、管財課によりますと、事業費は約200万円であり、11月中旬の完成、供用開始の見込みとのことでございます。
 次に、インターネット中継の関係でございますが、インターネット中継には、リアルタイムで中継するライブ中継と、いつでも閲覧できる録画による中継、これはオンデマンド放送でございますが、この二つがございます。ライブ中継の平成25年度の閲覧件数は9、983件となっており、前年度比で1、977件、24.7%の増となっております。また、オンデマンド中継の閲覧件数は8、969件となっており、前年度比1、011件、12.7%の増となっております。
 次に、県議会への県民の意見、要望についてでありますが、県議会への意見、要望等の平成25年度の受理実績は171件でございまして、受理方法の約8割が電子メールによるものでございます。
 提言内容の主なものでございますが、被災者支援策、復興策の提案など東日本大震災津波からの復旧、復興に関するもの、国会で審議している各法案に関するもの、さらには議会広報に関するものなどとなってございます。
〇斉藤信委員 インターネット中継については9、983件ということで、オンデマンド放送が8、969件ですから、合わせるとかなり視聴されていると。これは大変いいことではないかと私は思います。
 それで、受理した県議会への提言の状況はわかりましたが、こうした提言に対してどう対応したか、答えたか。本来、議会がもう少し関与すべきだと思うのですけれども、その対応状況はどうでしょうか。
〇杉村議会事務局長 提言の関係でございますけれども、提言者に対して回答したものが当然ございます。そうしたものを含めて、議会の皆様にお配りしてございます情報(別冊)のほうにそういったものは掲載いたしまして、議員にも情報提供しているところでございます。ただ、中には意味不明なものも多数ございまして、いずれ、回答したものを中心として議員のほうには情報提供している状況でございます。
〇斉藤信委員 次に、政務活動費の活用状況についてお聞きします。今、全国的に我々の活動というのはいつになく厳しい視線と注目を受けていると思います。
 それで、昨年度の政務活動費の活用状況はどうなっているか。返還した人数、返還額はどうでしょうか。
〇杉村議会事務局長 平成25年度における政務活動費につきましては、議員48名に対しまして1億7、174万円を交付いたしまして、そのうち1億4、509万円余が執行され、2、664万円余が残余となったところでございます。交付額に対する執行額の割合は84.5%となっておりまして、前年度より2.8%増加しているところでございます。
 返還額が生じた議員数でございますが、全部で32人でございまして、交付対象議員48人に対する割合は66.7%となってございます。
〇斉藤信委員 これは公表されているので、6月3日にその報道もありました。それで、この記事を見ると、例えば県政報告会などの経費として茶菓子代は10万円単位で計上していたとか、1回の県政報告会で122万円を使ったケースもあったとか、県央部の1泊2万6、000円のホテルに泊まったケースもあったと指摘されていますが、これは1人当たりどの程度の額を政務活動費として使ったのか、その中身はどうだったのか、社会通念上、それはきちんとしたものだったのかお聞きしたい。
〇杉村議会事務局長 政務活動費の1人当たりの執行額ということでお答えさせていただきますと、月額26万1、000円程度で、そういった今の報道に対するものについては、ちょっと調べてございません。
〇斉藤信委員 例えば盛岡市議会でこういうことがあったんです。議会報告会に弁当を出したということが大問題になって、結局それは返還の対象になったんです。今、盛岡市議会では茶菓子代もだめという厳しい、そういうふうになったと私は聞いているのですけれども、茶菓子代も食糧費なんですけれども、公職選挙法の制限もあることから、社会通念上妥当なものであると認められることを前提としてとなっているんです。例えば1人当たり800円とか、弁当代に近いものは、社会通念上、公職選挙法上の制限も含めて、どうなんでしょうか。
〇杉村議会事務局長 具体的に、例えば幾らが社会通念上を超えるとか、そういった基準は特にございませんので、まさに、いわゆる社会通念上許される範囲ということで解釈されるかと思います。
〇斉藤信委員 これは、我々議員一人一人が、厳しく有権者の検証にたえ得るそういうチェックを私たち自身がやっていかなければならないのだと思うんです。
 それで、先ほども言いましたが、1回の県政報告会で122万円を使ったと。恐らくこれは全部活動費ではないんだと思うんですけれども、122万円を使った県政報告会というのはどういうもので、そのうち政務活動費が使われたのはどういうものでしょうか。
〇大越総務課総括課長 ただいまの御質問の関係につきましては、全体で120万円ほどではございましたけれども、うち10万円ほどが交通費として支出されたものと見てございます。この内容については、120万円ほどが政務活動費として支出されたといった報道でございましたけれども、これは、記者のほうの若干勘違いがあったようでございまして、領収証、請求書関係の金額をそのままストレートに見て政務活動費というふうな誤解があったようでございまして、そのうち10万円ほどが政務活動費として支出されたものというふうに私どもは見ておりました。
〇斉藤信委員 それが実態だと思うんですけれども、ただ、122万円の議会報告会ということになると、私は、これは飲食を伴ったものが主だったのではないかと。そうすると、それに対する交通費の支給自身が妥当なものだったのかと私は思います。
 それで、これは、最終的には我々一人一人がチェックすべき課題なので、これ以上は言いませんが、今、全国的に政務活動費が大きな社会問題といいますか、政治問題にもなっています。その上で、議会事務局が政務調査費の事務処理マニュアルの立派なものをつくったと思うんです。全国に先駆けて全て領収証添付。ただ、これを本当に実行するという点でいくと、厳しくチェックしていかなくてはならないと思いますが、その事務局が厳しくチェックするという点で、どうですか、事務局長、どんな課題がありますか。どうしたら厳しくチェックできますか。
〇杉村議会事務局長 議会のチェック体制の関係でございますけれども、収支報告書が提出された際には、まず、政務活動費の交付に関する条例等に定める書類が提出されているか、あるいは政務活動費の事後処理マニュアル等に沿った処理がなされているか等について、議会事務局のほうでチェックしております。
 そのチェックに際しましては、確実性を高めるために、事務局の複数の職員によりまして1次審査及び2次審査を実施しております。そういった過程で、書類等の不備がある場合あるいは使途について不明なものがある場合につきましては、直接議員等に確認することなどによりまして、より適正な執行と透明性の確保に努めているところでございます。
〇斉藤信委員 立派な政務調査費の事務処理マニュアルがあるので、私は、議会事務局の皆さんが議員に遠慮しないで、やっぱり不透明なボーダーラインのところは厳しくチェックして、本当に県民の信頼にたえ得るものにしていかなければならないと、そのことを指摘して、終わります。
〇高橋但馬副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、議会関係の質疑をこれで終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇小田島総務部長 平成25年度決算の概要につきまして、昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容について御説明申し上げます。
 お手元の平成25年度歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。
 説明書の48ページをお開き願います。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、一番上の行にありますように5、718億4、805万円余で、前年度に比べて246億4、168万円余、4.1%の減となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中ほどの行になりますが、5、861億7、580万円で、前年度に比べて345億7、285万円余、5.6%の減となっております。前年度と比較して減少した要因は、国庫支出金が365億8、173万円余、15.2%の減となったことによるものであります。
 次に、これら歳入の内容について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書によって説明させていただきます。
 6ページをお開きいただきたいと思います。まず、第1款県税の収入済額は1、107億9、822万円余で、前年度に比べて17億689万円余、率にして1.6%の増となっております。これは、個人所得の回復に伴い、個人県民税が増加したことなどによるものであります。また、調定額に対する収入済額の割合であります徴収率は97.6%で、前年度より0.1ポイントの増となっておりますが、収入未済額は24億4、370万円余と、前年度より5.7%減少しております。この収入未済額の主なものは個人県民税でありますが、個人県民税は、市町村民税と合わせて賦課徴収することとなっておりますので、関係市町村とより一層の連携を図りながら、その徴収に努めてまいります。
 次に、18ページをお開きいただきたいと思います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間の消費相当額に応じ清算するものであり、収入済額243億8、732万円余で、前年度と比較して0.8%の減となっております。
 次に、20ページをお開き願います。第3款地方譲与税でありますが、収入済額232億4、317万円余で、前年度と比較して16.1%の増となっております。これは、地方法人特別譲与税の増などによるものであります。
 次に、22ページをお開きいただきたいと思います。第4款地方特例交付金でありますが、収入済額2億7、989万円余で、前年度と比較して1.9%の減となっております。
 次に、24ページをお開き願います。第5款地方交付税の収入済額は2、700億555万円余で、前年度と比較して16.3%の減となっております。これは、普通交付税及び震災復興特別交付税などの減によるものであります
 次に、26ページをお開き願います。第6款交通安全対策特別交付金は、収入済額4億6、493万円余となっており、前年度と比較して5.8%の減となっております。
 次に、28ページをお開き願います。第7款分担金及び負担金の収入済額は31億8、398万円余で、前年度と比較して55.0%の減となっておりますが、これは、農林水産業費負担金の減などによるものであります。
 次に、34ページをお開き願います。第8款使用料及び手数料の収入済額は46億57万円余で、前年度と比較して0.8%の増となっております。
 次に、50ページまで進ませていただきます。第9款国庫支出金でありますが、収入済額は2、189億4、916万円余で、前年度と比較して11.1%の減となったものであります。これは、東日本大震災復興交付金の減などによるものであります。
 以下、95ページまでは国庫支出金の内訳であります。
 次に、96ページの第10款財産収入でありますが、収入済額は16億6、999万円余で、前年度と比較して21.3%の増となっております。これは、償還金の増などによるものであります。
 次に、104ページをお開き願います。第11款寄附金でありますが、収入済額は23億2、378万円余で、前年度と比較して0.4%の減となっております。
 次に、106ページをお開き願います。第12款繰入金は934億7、116万円余で、前年度と比較して19.2%の減となっております。これは、東日本大震災津波復興基金や財政調整基金からの基金繰り入れの減などによるものであります。
 次に、110ページをお開き願います。第13款繰越金は1、100億3、185万円余で、前年度と比較して16.0%の増となっております。これは、復旧、復興に係る事業の進捗などにより増加したものであります。
 次に、112ページをお開き願います。第14款諸収入は、収入済額2、076億7、676万円余で、前年度と比較して17.1%の増となっております。これは、災害廃棄物緊急処理に係る受託事業収入の増などによるものであります。
 146ページまで進ませていただきます。第15款県債でありますが、収入済額は869億3、748万円余で、前年度と比較して4.2%の減となっております。
 なお、平成25年度末の一般会計県債残高は1兆4、265億1、893万円となっております。
 以上、款別に申し上げましたが、歳入の合計額は、150ページ、151ページにありますように、予算現額1兆3、496億7、273万円余、調定額1兆1、831億6、467万円余、収入済額1兆1、580億2、385万円余となっており、収入済額は、前年度に比べ592億1、453万円余、4.9%の減となっております。
 なお、不納欠損として処理したものは、県税や県税にかかる延滞金、加算金の地方税法の規定に基づく納入義務の消滅や、出資資金貸付金の債権放棄などによるものであります。
 次に、歳出について御説明申し上げます。恐れ入りますが、先ほどの歳入歳出決算説明書にお戻りいただきたいと思います。
 説明書の60ページをお開きいただきたいと思います。第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況をお開き願います。
 歳出決算を性質別に申し上げます。左側の区分に従いまして、義務的経費につきましては、計欄にありますように3、112億6、293万円余で、決算総額に占める割合である決算額構成比は29.4%で、前年度より1.0ポイント増加、決算額は前年度と比較して1.0ポイントの減となっております。
 投資的経費につきましては、計欄のとおり3、354億1、363万円余で、構成比は31.7%で、前年度より5.9ポイントの増加、決算額は、漁港災害復旧事業費の増加などにより、前年度と比較して17.5%の増となっております。
 なお、今後の財政運営に当たっては、東日本大震災津波からの復旧、復興に係る事業については優先的に実施するとともに、厳しい財政環境の中、施策の一層の選択と集中を図り、いわて県民計画を着実に推進してまいります。
 次に、総務部関係の決算について説明を申し上げます。
 最初に、総務部所管の事務事業に係る総括的な評価と、これを踏まえました次年度以降の取り組み方針について説明を申し上げます。
 総務部におきましては、震災からの復旧、復興が県政の最重要課題であることから、復興を推進するための財源確保対策の強化やマンパワーの確保など、復興を支える行財政運営に取り組むとともに、着実な復興と、その先にある希望郷いわての実現に向けて、地域防災力の強化、原発放射線影響対策の推進、岩手県立大学における教育・研究の充実及び特色ある私立学校の支援を重点施策として掲げ、推進してまいりました。
 地域防災力の強化につきましては、東日本大震災津波の教訓を踏まえ、減災の考え方のもと、地域防災力強化プロジェクト事業により、防災教育の推進や自主防災組織の育成強化など、地域の災害対応力の強化に努めてまいりました。
 また、大規模災害時に対応可能な防災体制の整備を推進するため、広域防災拠点配置計画を策定するとともに、災害対策基本法の改正や一連の大雨災害の検証を踏まえた県地域防災計画の見直しを行いました。今後とも、県地域防災計画の不断の見直しや市町村の避難勧告等発令基準作成の促進を図るほか、広域防災拠点の運用体制整備を進め、地域防災力の強化に努めてまいります。
 原発放射線影響対策の推進につきましては、放射線量監視体制の充実強化や放射線量の低減等の原発放射線影響対策を推進するとともに、風評被害の払拭に向けた消費者への情報発信の強化のほか、原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介の申し立てを行うなど、東京電力に対する損害賠償請求の実施に取り組んでまいりました。
 岩手県立大学における教育・研究の充実につきましては、公立大学法人岩手県立大学の自主的、自律的な運営を尊重し、経営の効率化を促しながら大学の運営を支援することにより、地域の中核人材を育成するため運営費の一部を交付するほか、東日本大震災津波により被災した学生の就学支援に取り組んでまいりました。
 特色ある私立学校の支援につきましては、県内に所在する幼稚園や高校、専修学校など私立学校の教育水準の維持向上を図り、建学の精神に基づく特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費補助や授業料等の負担軽減のための助成など各種の施策を実施しているほか、東日本大震災津波により被災した児童生徒等の就学支援や被災した学校等の経営支援に取り組んでまいりました。
 これら以外におきましても、復旧、復興に向けた経費に多額の財源が必要となることから県税収入等の歳入確保に取り組むとともに、政策の優先度に応じた事業の重点化による限られた財源の重点的かつ効率的な活用、膨大な復旧、復興業務を迅速かつ強力に推進するための体制整備と人材確保などに取り組んでまいりました。
 総務部としては、各部局の取り組みが効果的かつ効率的に実施できるよう後方支援を行いつつ、防災等の部の重点施策を推進しながら、岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進と、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に貢献してまいりたいと考えております。
 続きまして、平成25年度総務部関係の決算につきまして説明を申し上げます。
 なお、本年度の組織再編に伴い、政策地域部に行政情報化推進に係る事務が、保健福祉部に認定こども園に係る事務がそれぞれ移管されましたことから、現在、当部が所管している事務事業につきまして説明をさせていただきます。
 最初に、一般会計についてでありますが、総務部の一般会計における支出済額の総額は2、060億1、786万円余であり、その概要につきましては、歳入歳出決算事項別明細書の156ページから順次説明を申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書でございます。156ページ、2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように18億1、075万円余でございますが、その主なものは、総務室などの管理運営費や県営建設工事の入札関係費、外部監査費でございます。
 なお、以後、以下の説明につきましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に説明を申し上げますので、御了承願います。
 2目人事管理費でございますが、その主なものは、職員の研修や退職手当及び公務災害補償費のほか、県勢功労者表彰などの各種表彰に要した経費でございます。158ページをお開き願います。3目文書費でございますが、その主なものは、法規審査事務や文書の収受及び発送、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進に要した経費でございます。4目財政管理費でございますが、その主なものは、予算編成事務等支援システムの運営や、財政調整基金及び地域振興基金などの積立金であります。160ページをお開き願います。6目財産管理費でございますが、その主なものは、庁舎及び公舎の維持管理や県有資産所在市町村交付金に要した経費であります。162ページをお開き願います。8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営費、9目公会堂費は、岩手県公会堂の管理運営費であります。10目恩給及び退職年金費は、恩給などの給付に要した経費であります。11目諸費のうち総務部関係は、備考欄にございますとおり752万円余でございますが、これらは、宗教法人の設立認証事務、公益法人の事務調整などの事務的経費でございます。
 少し飛びまして、168ページをお開き願います。3項徴税費1目税務総務費でございますが、この主なものは、税務担当職員に係る人件費及び県税の還付金に要した経費であります。2目賦課徴収費でございますが、この主なものは、市町村への個人県民税徴収取扱費交付金などの賦課徴収に要した経費であります。
 また、少し飛びまして、176ページをお開きいただきたいと思います。6項防災費1目防災総務費でありますが、この主なものは、防災担当職員の人件費、防災ヘリコプターの管理運営及び放射線影響対策に要した経費であります。2目消防指導費でありますが、この主なものは、産業保安業務の指導や消防学校の管理運営に要した経費であります。
 次に、大きく飛びまして、336ページをお開きいただきたいと思います。10款教育費8項大学費1目大学費でございますが、公立大学法人である岩手県立大学に対し、運営費を交付したものであります。
 338ページをお開き願います。9項私立学校費1目私立学校費でございますが、その主なものは、私立学校の運営費補助、私立高等学校等就学支援金交付金、私立学校被災児童生徒等就学支援事業費補助などの私学の振興に要した経費でございます。
 なお、備考欄の下から6行目の認定こども園整備事業費補助及び最終行の認定こども園等環境整備事業費補助につきましては、本年度から組織再編に伴い、保健福祉部に事務を移管してございます。
 340ページをお開き願いたいと思います。11款災害復旧費1項庁舎等施設災害復旧費1目庁公舎等災害復旧費でございますが、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように5億2、028万円余でございますが、これは、東日本大震災津波で被災した地区合同庁舎、防災情報通信設備及び航空消防施設の災害復旧に要した経費であります。
 少し飛びまして、352ページをお開き願います。7項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費でありますが、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように3、683万円余で、東日本大震災津波で被災した私立学校等の災害復旧に要した経費であります。
 354ページをお開き願います。12款公債費でございますが、総務部関係の支出額は、1項公債費1目元金1、071億1、543万円余のうち、県債償還元金1、062億7、003万円余及び県債管理基金積立金元金8億3、033万円余の計1、071億36万円余、2目利子189億1、620万円余、3目公債諸費1億2、609万円余となっており、事務費を除いて、公債管理特別会計に対して繰り出しを行ったものでございます。
 356ページをお開きいただきたいと思います。13款諸支出金でございますが、4項地方消費税清算金につきましては、都道府県間での地方消費税の清算に要した経費でございます。
 5項利子割交付金から、358ページの11項自動車取得税交付金までにつきましては、いずれも市町村に対して交付しました税関係の交付金でございます。
 12項利子割精算金につきましては、都道府県間での県民税利子割の精算に要した経費でございます。
 360ページをお開き願います。14款予備費でございますが、当初予算額3億円につきまして、3款民生費、8款土木費、9款警察費、10款教育費に、計3億円全額を充用いたしております。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、総務部の所管する特別会計について説明を申し上げます。歳入歳出決算事項別明細書の412ページから415ページまでをごらん願います。
 公債管理特別会計でありますが、収入済額及び支出済額の合計は、それぞれ2、189億6、701万円余であり、歳入の主なものは、一般会計からの繰入金、県債管理基金繰入金、借換債であり、歳出の主なものは、県債償還元金、県債償還利子、県債の償還事務費及び県債管理基金の積み立てに要した経費であります。
 以上をもちまして、歳入歳出の構造、歳入の全般及び平成25年度総務部関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようにお願い申し上げます。
〇高橋但馬副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇樋下正信委員 ただいまの御説明、大変ありがとうございます。厳しい財政の中で、ただいまの御説明のとおり、それなりに積極的に取り組んでいただいているということで敬意を表したいと思います。
 私は、12款の公債費についてお聞きしたいと思います。
 きのうも総括質疑で佐々木博委員のほうからも質疑があったところでございますけれども、平成25年度公債費の決算額は1、261億5、773万円で、前年度に比べて44億8、475万円、3.7%増加しているということでございます。
 一方、平成25年度末における県債現在高は1兆4、265億1、893万円となり、前年度末現在高1兆4、466億9、688万円に比べますと201億7、795万円、1.4%減少しているということでございます。これらについて、今後の財政の推移についてお話をいただければと思っております。
〇五月女財政課総括課長 まず、公債費についてお答え申し上げますが、公債費につきましては、過去の経済対策等に伴う元利償還金の増加などによりまして上昇傾向が続いておりましたが、平成26年度がそのピークとなっておりまして、平成27年度以降は減少に転じる見込みとなっております。
 続きまして県債残高でございますが、こちらは平成22年度末をピークに、今、減少してきておりまして、今後についてですが、公債費が引き続き高水準で推移する一方で、災害公営住宅に関する県債発行が落ちつくというようなこともありまして、県債残高についても引き続き逓減していくというような見込みでございます。
〇樋下正信委員 平成26年度をピークに徐々に減っていくというような御説明でございました。利子について、平成25年度は189億1、620万7、367円という記載がされておりますけれども、この利子についても減っていくのかと思われますが、この辺の推移についてはどういうふうに考えているのか教えていただきたいと思います。
〇五月女財政課総括課長 利子につきましては、先ほど申し上げたとおり、県債残高が減少いたしますので、利子についても、今後、利率が一定であれば、利子償還額についても減少していくこととなると見込まれます。
 ただ、一方で、昨日、佐々木博委員からの御指摘がありましたけれども、今後、利率が上昇するかもしれないということもありまして、現在、公債費負担適正化計画ですとか中期財政見通しにおいては一定の金利上昇リスクも見込んで計算しておりますが、それによりますと、例えば平成28年度、中期財政見通しの最終年度になりますけれども、そういったころになりますと、利子償還額が200億円程度ということで、若干上昇するというようなことも見込んでいるところでございます。
〇樋下正信委員 少しは上がっていくのかなという話でございましたが、現在、国債は0.5%ぐらいかなと私は認識しておるんですけれども、何というんでしょうか、一般的な会社のお話で恐縮でございますけれども、銀行から借り入れ等をする場合は、国債に銀行で1%ぐらい上乗せして1.5%、1.6%ぐらいが貸し出しの最低の金利かなと私は解釈しているんですけれども、これについて、今、県で支払っている利息のパーセントが、私のざっくりの計算でいくと、1.3%前後ぐらいで長短合わせて借り入れしているのかなと私自身で計算してみたんですけれども、その辺についてはどうなんでしょうか。
〇五月女財政課総括課長 利子の平均の借り入れ利率についてですけれども、平成25年度末残高につきましては、委員おっしゃるとおり、全体平均、押しなべますと1.3%となっておりまして、内訳を若干申し上げますと、5年債で0.5%程度、10年債で1.2%程度、20年債で約1.6%ということで、平均いたしますと1.3%というような状況になっております。
〇樋下正信委員 そうしますと、一般の民間の企業に比べたら安いのかなということで、それはそれなりに、地方公共団体というようなこともあっての金利かなとも思っております。
 そこで、議会資料の33ページの借入先別内訳という資料がございますけれども、この中に市場の公募債というのがございます。これを見ますと、岩手県はパーセントでいけば0.2%、青森県が0.3%、宮城県が39.8%、秋田県が0.3%、山形県が0.5%、福島県が21.2%ということで、市場の公募債を発行しているようでございますが、この辺のことについては、県なり総務部ではどういうふうに見られているのかということをお知らせ願えればと思います。
〇五月女財政課総括課長 市場公募債につきましては、ちょっと今手元に資料がないんですけれども、岩手県についてはまだ発行はしておりませんでして―失礼しました。ミニ公募債については岩手県も一部発行していますが、実際、規模は余り大きくないというような状況でございます。
 今回議論にもなりましたとおり、いわゆる金利上昇のリスクなどもありますので、今後、こういったさまざまな借り入れ形態といったことも考慮しながら対応していく中で、いろいろ検討、研究は進めていきたいと思っております。
〇樋下正信委員 まさにそこを言いたかったんです。ぜひ、その辺のいろいろな観点から、例えば市中銀行からの借り入れのウエートが岩手県とか青森県とか秋田県は多いように―山形県もかな―見受けられるものですから、その辺のバランスも考える必要があるのかなと思っておりますので、その辺を考慮しながら対応していただければと思います。
 次に、資料の14ページの自動車税の滞納繰越分というんですか、平成10年度から載っているんですけれども、平成24年度は滞納が4、700万円ですか、この辺の推移と、県ではどのように徴収しているのかお知らせを願えればと思います。
〇小向税務課総括課長 自動車税の滞納の状況でございますが、まず、件数のほうで御説明させていただきますけれども、平成25年度の自動車税の課税件数は54万4、178件ということで、県税の課税件数の79.9%を占めてございます。そのうち滞納件数は6、170件、これは、同じく件数でいきますと、滞納件数の75.9%と、それぞれ県税全体の滞納に占める件数においても、額においても割合が高うございます。
 自動車税の収入確保に当たっては、1件1件職員が行って対応する。そして、状況に応じた滞納整理の方法をとっていることから、非常に労力を要しているということでございます。平成23年度の徴収率というのは、震災の後、影響を受けておりますので、98.09%と今年度よりも低かったわけでございますが、平成25年度決算においては99.03%ということで、全国で第3位の徴収率まで回復させていただいてございます。
 引き続き、滞納者の事情に十分配慮しながら、特に被災者の方々でございますけれども、滞納整理を推進して、収入確保に努めてまいりたいと思います。
〇樋下正信委員 いずれ、震災が発災してから数字も上がってきているのではないかと思いますけれども、何というんでしょうか、回収不能であれば、いろんなルールの中でやっていかなければならないと思いますけれども、早く落とせるものは落としたほうがいいのかなと。でないと、ずっといつまでも残るわけですので、その辺をお願いして、終わります。
〇及川あつし委員 二つの項目を伺いたいと思います。
 一つ目は、技術系職員の期限つきの方々の採用について、これは、問題提起と今後の改善策をぜひ検討していただきたいという趣旨であります。
 二つ目は、消防救急無線デジタル化整備事業について、これは厳しくお尋ねしたいと思います。
 まず1点目の技術系職員の期限つきの方の採用についてですが、これは私だけではなくて、多分、いろいろな議員も聞いていると思うのですが、最近になって建設系の会社の経営者の方から非常に悲痛な相談を受けております。それは、自分のところの会社の技術者が県が採用するたびに抜かれていってしまうと。何とかならぬかなというような話なのでありますが、県として復興事業を進めるためにこういう職員の方を採用しているのは当然でありますし、やらなければいけないということは認識していますが、そもそもこういう技術系の期限つきの職員を採用する計画はどうなっているのか、あと、平成25年度も含めてこの実績はどうなっているのか、まずお伺いします。
〇熊谷人事課総括課長 任期つき職員の採用に関しましては、毎年度、関係部局と協議の上、当該年度の職員数の需要等を勘案いたしまして採用予定数を決定しているところであります。
 その採用実績でございますけれども、技術系の職員の任期つき職員ですが、平成24年度40人、平成25年度97人、平成26年度26人、延べ163人となっているところであります。
〇及川あつし委員 その都度、採用の需要を見てやられているということだと思うのですが、かなりの数の任期つきの職員を採用してきているというのはわかりましたが、この一連の採用の過程の中で、課題として何か認識していると思うのですが、その点はどうでしょうか。
 その中で、一緒に3項目目も伺いますけれども、民間の建設関係の事業者の方から、せっかくおらほで育ててきた人材を県に引き抜かれて困るというような苦情がなかったかどうか、この点についてどう承知しているかお示しいただきたいと思います。
〇熊谷人事課総括課長 まず、課題についてでございます。
 1点目といたしましては、平成24年度以降、任期つき職員を採用してきておりますけれども、年々応募者数が減少している状況にございます。
 二つ目といたしましては、さまざまな分野の方々が集まっていらっしゃいますが、特に民間企業出身の方は、民間企業と行政との業務の進め方の違い等によりまして、行政の業務になれるまで一定の時間を要しているというようなところがございます。
 3点目、最後でございますが、比較的年齢の高い方も多いということもございまして、これまで培われた技術とか経験が生かせるというプラスの面もある一方で、健康上の理由等によりまして存分に実力を発揮できない方がいることなどを認識しているところでございます。
 続きまして、御指摘ございました民間の建設関係事業者からの苦情ということについてでございますけれども、まず、任期つき職員の採用は、任期の定めはございますが、正規の公務員採用試験として公募により実施しているところでございます。現在任用中の技術系の任期つき職員は140名―先ほど、延べ163名と申しましたが、退職等がございますので、任用中は140名ですけれども、このうち、採用前の前歴が民間の建設関連会社の方は、県内、県外の企業を合わせて69名となってございます。
 委員御指摘の件につきましては、私どもでは直接聞いてはございませんが、所管部局と業界団体との意見交換の場において、そういったようなお話があったということは伺ってございます。県内の民間事業者も県とともに復興事業に携わっているという認識がございます。そうした影響を極力避けるために、首都圏での説明会、告知を強化するなど、幅広く人材の確保に努めておりますほか、面接時におきましても、円満な転職が可能かどうかを確認するとともに、雇用主に対して丁寧な説明を行うよう受験者に求めているところであります。
〇及川あつし委員 よくわかりました。しからば対策ということなわけでございますが、私もいろいろ意見は聞きましたけれども、例えば我が社が育てた大事な人材だけど、本人の意向もあって県庁に期限つきで行くのであれば、何というか、契約みたいな形でやることはできないのかというような提案も聞きました。これはどうかな、厳しいかなと私は思いましたけれども、そういうことも言われました。
 これについて所感があれば後で教えてほしいんですが、あともう一つは、これは教育委員会と話し合って、特に工業高校の、今、必要とされている人材を養成するための学科があると思うんです。そこについて、暫定的にでも定員を見直してふやすとか、そういうことも考えるべきじゃないかという提案もございました。教育委員会とこういう点について協議してきた経緯があるのかないのか、今後の予定についてもお示しいただきたいと思います。
 ちなみに、県内に公立の工業高校はたくさんいろいろあるわけですが、盛岡工業でいえば、例えば土木学科、平成21年のときは受験者43人が平成26年度は50人にふえているという感じです。一関工業についても同じく39人だったのが51人にふえているし、沿岸の工業高校についてはどういう分析をしたらいいのか難しい数字だと思うんですが、総じて震災復興需要に伴って工業系の特定の学科には多くの希望者がいるような状況だと思うので、ミスマッチの解消策にもこれはいいんじゃないかと思うんですが、この点についての所見をいただきたいと思います。
〇熊谷人事課総括課長 さまざま御提案いただきましたが、まず、1点目の民間企業からの人材の派遣ということでありますけれども、こちらのほう、私どももこれから積極的に行っていきたいと思ってございます。期限を区切って、そういった会社の職員に県の復興事業に参画していただけるというお話があれば、そこは積極的に私どもも御相談に上がりたいと思ってございます。
 それから、二つ目、御提案がありました工業高校の関係でございます。
 委員御指摘のとおり、長期的な視点に立った人材養成の策は必要なことと認識してございます。ただ、本格復興期間という短期間で復興事業を推進するために、当面は即戦力の確保が必要でございます。そうしたことから、他県応援職員の要請とか再任用職員の任用、こういったことを中心といたしまして、そのほかさまざまな手法も検討しながら必要なマンパワーの確保に努めてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 わかりました。きょうは問題提起と改善方のお願いでありますので、今、御答弁があったような方向で、ぜひ現場の声をもうちょっと聞いて対策をとっていただきたいと思います。
 次に、事項別明細書161ページにございます6、142万3、950円、当該年度の決算額でありますが、消防救急無線デジタル化整備事業について伺いたいと思います。これまで総務委員会でも質疑が一部交わされたようでありますが、私から改めて伺いたいと思います。
 まず、そもそもこの事業は何なんですか。震災を経て、非常に大事な事業として県もこれまで位置づけてきたと思うわけですが、全委員にわかりやすく、そもそも何の計画で何をやろうとしているものなのか、概要で結構でありますので、お示しいただきたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 消防救急無線デジタル化整備事業でありますけれども、平成25年(後刻平成28年と訂正)5月末までに、消防救急無線は電波法審査基準の改正によりましてデジタル化への移行が義務づけられております。その移行期限までの整備を目指しまして、各消防本部におけます指令台、基地局ですとか必要な機器等の整備を進めることといたしまして、県において基本設計、実施設計を行い、各消防本部の支援を図っているものでございます。
 それから、もう一つ側面がございまして、無線のデジタル化とあわせまして、広域的な災害への対応を円滑に行うため、専用回線によるネットワークを構築しまして、各消防本部間及び県庁との間で音声通信によります連絡調整を可能とする無線の広域化を進めることといたしまして、平成25年度から平成26年度までの事業としてネットワークの整備を進めることとしているところでございます。
 失礼いたしました。平成25年5月と申し上げましたけれども、平成28年5月末のデジタル移行期限でございます。
 そういうことで、無線の広域化につきましては、平成26年度までの事業で整備を進めることとしているものでございます。
〇及川あつし委員 これは、平成23年度、平成24年度に基本設計で1億4、200万円余をまず県としては投資しているわけです。当該年度の平成25年度においては6、100万円、実施設計をやったということでありますが、基本設計、実施設計をやったものは、その後どうなっていますか。執行状況について詳しく説明してください。
〇佐々木防災消防課長 執行状況につきましては、基本設計についてでございますけれども、基本設計部分は、震災で各沿岸消防本部が被災いたしましたので、そこの復旧の際にデジタル化をあわせて進めてございます。そこの部分に活用されておりますほか、平成25年10月までに行われました実施設計につきましては、内陸部7消防本部のデジタル化に向けた整備の基本設計として用いられておりまして、現在、それを活用したデジタル化移行のための工事が各内陸7消防本部でもって進められているところでございます。
〇及川あつし委員 何か今の答弁を聞くと全く問題ないように思うわけですが、その後、県で入札をやっていると思いますけれども、その件について聞きたかったんです、今の答弁じゃなくて。入札、その後どうなっているかちゃんと説明してください。
〇佐々木防災消防課長 県でただいま行っています入札でございますけれども、県で行っております入札につきましては、県が行うデジタル化整備、これは消防本部と防災航空センターの消防無線がございます。これの無線もデジタル化を行う必要がございますので、ここの部分のデジタル化。それから、もう一つですが……(及川あつし委員「そんなこと聞いてないよ、入札状況を聞いているんだよ、簡潔にお願いします」と呼ぶ)
 県で行っております入札については、もう一つ、無線の広域化のネットワークの作成のための入札を行っておりまして、先般、1月、2月に入札を公告いたしましたけれども、1度、入札条件の誤りで公告を取り下げた経緯がございます。それから、今年度に入りまして2回の入札を行ったところでございますけれども、いずれも不調となるなど、同事業が停滞している状況にございます。
〇及川あつし委員 質問に簡潔に答えてください。
 何か今の課長の答弁を聞くと淡々と何事もなかったように思うわけですけれども、私は認識が違いますよ。つまり、3回入札を失敗しているんじゃないですか。そういう認識でいいですか。小向室長か小田島部長、きちっと答えてください。
〇小向総合防災室長 昨年度、取り下げました入札につきましては、先ほど佐々木課長が申し上げたとおり、条件に誤りがあったということで取り下げたわけでございます。今年度に入って1回目の入札につきましては、そうした条件等もきちっと見直して入札したわけですけれども、いわゆる入札応募者がいなかったということでございます。そのため、入札担当とも連携しながら、なぜそういった入札ができなかったのかというような理由を踏まえまして2度目の入札をしたわけでございますけれども、2度目につきましても入札者が出なかったというような状況でございます。
〇及川あつし委員 室長も淡々と答弁しておりますけれども、結局、これまでの3回の失敗をきちっと掘り下げてやっていないからじゃないですか。そもそも論。
 もっとその前にさかのぼれば、今回、一般質問で佐々木努議員が質問しておりましたけれども、県庁の中に、きちっとこの分野について理解して把握して、どうするべきかということをコントロールできる職員がいないんじゃないですか。どんどんこういうおくれについて、何となく皆さん、隠そう隠そうとしているけれども、事実は事実として残っていますから、きちっと説明するべきだと思うんですが、どうですか。
〇小向総合防災室長 1回目の入札につきましてはそうした条件の誤りということでしたけれども、さまざまな課題もあるということで、2回目、入札をしたということでございます。その際に、先ほど申し上げましたとおり、入札できなかった理由といったものを尋ねたところ、工事の範囲というものがなかなか明確でないというようなお話がありましたので、今年度に入っての2回目の入札の際には、そういった工事等の範囲につきましても明確にして、こちらとしては努力をして入札に臨んだわけですけれども、それでも入札者があらわれなかったということでございまして、現在また、そういった理由がどういうものがあるのかといったことを調査いたしまして、それを踏まえて今後どのようにするか検討してまいりたいと考えておるところでございます。
〇及川あつし委員 現実を見ようとしていないんだと思うんです、私は。いろいろな方々の指摘をほとんど聞いていないでしょう。それでどんどん進めるから3回も入札を失敗しているんですよ。それでこんな大事な事業がどんどんおくれているんじゃないんですか。大丈夫ですって途中で私、聞いた覚えがあるんですけれども、全然大丈夫じゃないと思うんですよね。
 おまけに、私、いろいろ話を聞くと、県内の市町村の広域消防からもかなり県に対して苦情が出ているようですけれども、皆さんどういう認識でいますか。
〇小向総合防災室長 先ほど、工事の範囲が明確でないということを今年度1回目の入札の際に指摘されたという話を申し上げましたが、その際、それと関連して、結局、県の工事を市町村の指令台につなぎ込む部分の範囲について、市町村側でも、一部の消防本部でつなぎ込みの範囲が明確でないのではないかというような指摘もありまして、それについては、先般、佐々木課長が疑義が生じている各消防本部に説明して歩いたところでございますけれども、さらに来週には担当者会議等を開きまして、これらの共通認識を持つように努力してまいりたい、そのように考えてございます。
〇及川あつし委員 佐々木防災消防課長が消防組合を回ったということも伺いました。けれども、肝心な話になると、過去の説明について、言った、言わないの議論には応じられないというようなことを何回も、これはどなたが言ったかわからないけれども、そんな話で、ほとんど話し合いになっていないと聞いていますよ、私。そういうところも踏まえてやらないから失敗しているんじゃないですかと前から言っているんだけれども、やらない。だから入札が失敗していると私は思っていますけれども、部長、答弁、きちっとしてください。
〇小田島総務部長 私ども、この入札に関しましては、最初の設計の段階での誤りがありまして、その後、どういう入札をやるべきかということについていろいろ検討してきたところでございます。
 今回の入札につきましては、県としてどういう整備をするかということについて、きちっとした入札をやろう、公明正大にやっていこうという考え方のもとに進めてきたところであります。それが単価の面とかいろいろな事情があって入札に至らなかったという話は当然担当部から受けておりましたが、あわせて、いわゆるネットワークの問題があると聞いたところであります。先ほど委員から、いわゆるつなぎ込むところについて、消防本部との間での言った、言わないの話があるというお話についても聞いております。
 したがいまして、私は、いずれ今回の問題につきましては、そういうそごを来しているところについて、きちっと同じ認識を持って整備をしていかないと、このネットワークの結び方について禍根を残す可能性があるということで、総合防災室が担当しておりますけれども、よく関係のところと話を進めながら御理解もいただき、3度目の入札には臨むような形で……(「4度目」と呼ぶ者あり)、入札誤りの分を含めますと4度目になりますが、そういう形で取り組んでいきたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 関連します。この件について、私、いろいろ聞いた経緯があるんですけれども、なぜ応札者がいなかったかという分析がどこまでされているのかというのをこの間も非公式に話した記憶があるんですけれども、それをどこまで分析しているかですよね。この間話したのは、県で発注する工事のところは決めていると言うけれども、それを受ける側の消防本部は、デジタル化が進んでいるところもあれば、そして、県が想定しているメーカーと同じ機械を入れているところであればスムーズにつながるわけですね。そうじゃない場合には、どういった経費がかかるかどうか算定できないわけですよ、受ける側が。だから応札にならない。そういう認識で間違っていないですか。どうでしょうか、これ。
〇小向総合防災室長 この議会での御議論、あるいは先ほど申し上げましたけれども、市町村と来週話し合いを行うという部分もございますので、そういった部分を踏まえて、次に向けてきちっとやっていきたい、そのように考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 今、市町村という言葉が出ましたけれども、市町村なんですよね。広域消防ですけれども、実際に予算を持っているのは市町村ですので、いかに整備しろと言っても、消防ではそれを説明しなければならない。なぜこれが必要か。県からはこういうふうに来ているけれども、我々はそれをきっちり市町村に説明しないと予算がつかないわけですよね。そうすると、実際にやろうとしても進みません。
 今、市町村という言葉が出たからこれまでよりは進歩したかなと思っていますけれども、その辺の認識をきっちりしないと実際にやろうと思っても予算がつかないし、先ほど、範囲を限定したと言いますけれども、受けるほうの業者からすれば範囲は全然限定されていなくて、どれぐらいかかるのかわからないと思っているのではないかと思うんです。ですから、その辺も含めて、ぜひ、今言われたとおり市町村とも話をしながらうまくやるようにやってください。
〇岩渕誠委員 私は、事項別明細書の176ページ、6項防災費の1目防災総務費に絞りまして質問させていただきたいと思います。
 昨年度、県では、放射性物質除去・低減技術実証事業費ということで予算執行、事業執行をしております。大変県南では放射能問題というのがいまだに残っておる問題でありまして、この事業について期待する向きもあるわけでありますが、昨年度の事業の成果、そして、そのことが汎用技術に転用できるものなのかどうか、結果についてお示しいただきたいと思います。
〇工藤放射線影響対策課長 放射性物質除去・低減技術実証事業の成果についてでございますが、当事業は、放射線影響対策に関する市町村の課題に対応するために、関係各部及び県の試験研究機関により検討チームを構築して平成24年度から実施しているものでございますが、平成25年度において試験を実施しました9技術につきまして市町村に情報提供させていただいておりまして、うち3技術が県南の3市町において実際に活用されてございます。
 具体的には、道路側溝汚泥をくみ上げた際に、現地で簡易的な測定方法でセシウム濃度を推定する方法ですとか、セシウムを内部に閉じ込めながら水を外に出すことによって汚泥を減容化することのできる土のうなどの技術でございます。
〇岩渕誠委員 私は、この事業については一定程度評価しております。今、具体的にありましたけれども、側溝汚泥の問題、これはかなり県南では本当に頭の痛い問題になっております。根本的な部分とは違いますけれども、そういった形でサポートしていただくと大変これはありがたいと思っております。今年度もやっていたと思いますので、ぜひその実績を上げるような研究をしていただきたいと思いますし、付随して、願わくば情報提供のみならず、人と予算をつけて解決に当たれるように、これは財政当局にもお願いしたいと思います。
 次に、原発の放射性物質の問題では、東電との賠償、それから原発ADRとの交渉について課題が残っておると思います。今、県単位で行われている東電の賠償請求につきましては、おおむね8割、9割、中には100というのもありますけれども、賠償が進んでいるのでありますが、一方において、行政経費につきましては御承知のとおり非常に困難な状況でADRとの交渉になっている。9月25日にペーパーをいただいておりますけれども、その後の交渉状況についてお示しいただきたいと思います。
〇工藤放射線影響対策課長 損害賠償請求の状況につきましては、これまで6次にわたりまして県が平成25年度までに放射線影響対策に要した費用78億2、000万円余について賠償請求を行いまして、4次分までの平成23年度、平成24年度分の請求額47億4、000万円余のうち、東電との直接交渉により東電が支払いに応じない残りの費用6億3、000万円余について、本年1月、原子力損害賠償紛争解決センターに和解の仲介の申し立てをしたところでございますが、その後、審理に対応してまいりまして、本年8月に同センターから正式な和解案の提示に先立ちまして和解案骨子が開示されたところでございます。
 和解案骨子においては、事業費につきましては、東京電力が県の任意の判断によるもの等として認めてこなかった経費についてもほぼ県の主張どおりに認めております。また、人件費につきましても申し立てどおりに超過勤務手当分を認めておりますほか、正規の勤務時間内分につきましても、県の主張を受けまして、一定程度認める内容となっております。
 しかしながら、人件費について認められた金額が申立額の3割弱にとどまっております。また、人件費以外についても認められていない部分がございます。そのため、人件費を中心に、賠償対象外とされた経費についても賠償を認めるように、先日、同センターに対して改めて県の主張を申し入れたところでございます。
〇岩渕誠委員 確かに、和解案骨子を拝見いたしますと、人件費の比率が非常に高うございますから、ここの部分が認められるのはたしか26%ですか、その程度でありますから、全体で見ても4割に足らないというような状況でございます。これは早期決着をしていただきたいと思うんですが、平成25年度分についてもたしか30億円ほど残っておったと思います。これについては現在も交渉中ですが、交渉状況によってはADRへの申し立ても検討しているということはお聞きしておりますが、この平成23年度、平成24年度分のADRとの和解交渉の中で、これを認めた場合には、平成25年度の分についてはADRに対して申し立てをするのか、それとも和解になるのか、このあたりはどのようにお考えですか。
〇工藤放射線影響対策課長 平成25年度分の損害賠償につきましては、委員おっしゃるとおり、現在、直接交渉中でございまして、今後、本格化する見込みでございます。それから、平成23年度、平成24年度分の審理につきましても、今のところ開示されておりますのは和解案骨子でございまして、正式な和解案につきましては、紛争解決センターからは今月下旬ごろに示したいと言われております。その後の対応につきましては、正式な和解案が提示された後に適切に判断したいと現段階では考えております。
〇岩渕誠委員 いずれ平成23年度、平成24年度の和解案というのが平成25年度の交渉にも大きく影響すると思います。早期決着を望むわけでありますけれども、ただ、やはり人件費等については、私は、この和解案骨子ではちょっと弱いのではないか、はい、そうですかと言うわけにはいかないんじゃないかという思いを持っておりますので、早期解決を目指しながらも、ぜひそれはできるだけパーセンテージを上げるように頑張っていただきたいと思います。
 この賠償とかADRもさることながら、実は、今、県単位で土俵に乗っているものについての交渉は大変進んでいるのでありますけれども、そこからこぼれた部分というのは全く個別物件になっていますから、東電との交渉等も、そもそもどこにやっていいのかわからないという方もいらっしゃいます。例えば、これは直接的には農林水産部の話になりますけれども、ソーラー電気牧柵みたいなものがありまして、それの賠償をどうするんだという話になっているわけでありますけれども、これについては、なかなか県にも窓口がない、農協のほうにも窓口がないということで、大変困っておる農家も多いわけであります。私は何度か取り上げておりますけれども、土俵に乗らないものを救わないと本当の解決にならないわけであります。その辺、放射線対策をつかさどる総務部としては、そういったところについてもう少しアクセルを踏んで政策展開していただきたいと思っているんですが、どのようにお考えですか。
〇工藤放射線影響対策課長 民間事業者等に関する損害賠償についてでございますけれども、県では、JAグループによる組織的な損害賠償請求支援ですとか、県弁護士会と連携した被害者相談会の実施等についてこれまで取り組んできておりまして、一定の進展があるところでございます。
 委員おっしゃるようなところも、漏れがないように、引き続き、担当する関係部局と連携しながら、十分な賠償が実現するように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 私が申し上げているのは、そういう相談会とかJA組織を通じたものは確かにやっているのは認めます。その中で賠償が進んでいるのも数多くあります。しかし、今現在、そこの取り組みだけでは救えない人たちが多くいて、考えると、このままでは泣き寝入りという人たちが多くなってきているのも実態としてあるわけです。相談は今でもかなりあります。そういったところに対して、系統とか民間、これまた団体なんですね。確かに東電も、団体でまとめていただければ交渉のテーブルに着きますよという対応でありまして、個別具体の問題についてはなかなか難しい状況になっているんですが、そこを掘り起こさないと本当の意味での解決という部分は見えてこないと思います。そこはもう少し工夫してやっていただきたいと思います。
 次に移ります。
 防災ヘリの対応についてお伺いいたしたいと思います。
 これは、震災前後、特にも震災後、防災ヘリの役割についてはかなり認識が上がってきたと思いますが、現状で岩手県内の防災ヘリの離着陸場の整備状況についてどうなっているかお示しいただきたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 防災ヘリコプターの離着陸場についてでございますけれども、まず、航空法上の飛行場といたしまして花巻空港と県警盛岡ヘリポートの2カ所、防災ヘリコプターひめかみ用として国土交通大臣から許可を受けている飛行場外の離着陸場が45カ所、県内にはございます。したがいまして、常時使用できる離着陸場としては合計で47カ所確保しているというような状況です。
 それから、ふだんは使用いたしませんけれども、救急活動など緊急時に使用する飛行場外離着陸場といたしまして、各消防本部が土地管理者と申し合わせを行いまして確保している離着陸場が166カ所ございまして、常時使用できる離着陸場と合わせまして213カ所を確保しているところでございます。
〇岩渕誠委員 お聞きしますと、一見、県内に随分あって、いつでもどこでもおりられるというような錯覚をするんですが、個別に見ていきますと、かなりこれはすき間があるというのが実態ではないかと思います。例えば、常時利用できる飛行場外の離着陸場ですが、釜石・大槌地区はゼロですね。それから、久慈地区は一つですね。
 もう一つ申し上げますと、最近の大きな災害のときには、防災ヘリを超えて自衛隊の大型輸送ヘリみたいなものが活躍するわけであります。今回の御嶽山なんかでもそうだと思いますけれども、実はこれ、213カ所もあって、大型ヘリが複数機離着陸できるところは26カ所しかないですし、それから、実は、その中でも全くゼロというところがありますね。ちょっとお示しください。
〇佐々木防災消防課長 大型ヘリが複数機離着陸できる場所がない地区でございますけれども、地区につきましては、便宜、消防本部単位でまとめてございますが、一関市、大船渡地区、陸前高田市、釜石大槌地区、二戸地区の5カ所となってございます。このうち、釜石・大槌地区につきましては、東日本大震災前につきましては、常時利用できる離着陸場が3カ所、このうち大型ヘリ複数機が離着陸できる場所を2カ所確保してあったわけですけれども、いずれも震災津波により浸水した区域にありまして、使用が不可能となったということで除外したという経緯もございます。いずれにいたしましても、ない地域というのはこれぐらいあるということでございます。
〇岩渕誠委員 これで十分に対応できると思いますか。
〇佐々木防災消防課長 防災ヘリによる災害応急活動ですとか大規模災害時における自衛隊等の要請等を想定した場合につきましては、各消防本部には少なくとも1カ所以上の大型機が着陸できるところがあるのが理想的とも考えられますし、できるだけ事前にそういった場所を確保しておくことの意義は大変大きいものがあると思いますので、今後とも、各消防本部、市町村、それから広い土地を持っていらっしゃる地権者等に御協力をいただきながら、空白地域の解消ですとか、適地のさらなる確保に努めてまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 これは、整備の主体は市町村、各消防本部になるわけでありますけれども、一関市も含めて、最近、大きな震災があった中で、3年たっておるのに本当にこういう状況でいいんだろうかと。やっぱり県も相当後押しをしていかなければならないと思います。
 私がなぜこの質問を取り上げたかというと、来月、みちのくアラート、大規模な防災訓練があります。実は、大型へリによっての搬送訓練というのは釜石で予定されているんですね。ところが、常時、離着陸できるところがないということで、その場所をどうするということでいろいろな議論があった。特に医療関係者からはここでやってくれという話もあったんですけれども、なかなかこれは地元がうんと言わないということで、かなり県には御努力いただいて最終的にそこで訓練ができるようになりましたけれども、ふだんおりるところじゃないのに訓練しても、これは果たして意味があるのか、そういった問題も出てくるわけでありますので、これはぜひ、なぜ進まないかということも踏まえて早急に計画化してやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
〇佐々木防災消防課長 委員御指摘のとおり、できるだけ確保しなければいけないという気持ちを持ってございます。
 今年度、12月にも防災ヘリコプターの運用の実証検討会を各消防本部を集めて行うことにしてございまして、いろいろな事例を検証することにしてございます。そういった中におきましても、さまざまな御提言を聞きながら、また、こちらからもそういった離着陸場の確保のお話をいたしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 確かに、釜石市、大船渡市、陸前高田市は、今、高台移転とか、もともと土地がないというのはよくわかるんですけれども、それにしても、やっぱりあれだけの被害があって、ヘリによっての救出活動によってかなり多くの人命が助かったという事例を踏まえれば、3年も放置しておくというのは相当問題があるという問題意識に立って県は政策を進めていただきたいと思います。
 最後にします。
 昨年度も火山防災計画についてはさまざまな観点で議論がされてきたと承知しております。岩手山並びに秋田駒ヶ岳、これについてはハザードマップ的なものもあるわけでありますけれども、県内には、常時火山でありながらまだそういった防災計画そのものがない地域、山というのがあるわけであります。どこか明示をしていただいて、今後の対策についてお聞きします。
〇小向総合防災室長 常時観測火山につきましては、本県では岩手山、秋田駒ヶ岳、栗駒山と三つあるわけですけれども、委員御指摘のとおり、岩手山、秋田駒ヶ岳につきましてはハザードマップ等が策定されまして噴火レベルの適用がされてございますけれども、栗駒山につきましては、現在、ハザードマップ等が作成されてございませんで、そうした噴火警戒レベルというものの適用がない状況にございます。
〇岩渕誠委員 なぜできないのかという理由と、今後どうするつもりなのかお示しいただきたいと思います。
〇小向総合防災室長 栗駒山につきましては、いずれ過去の噴火被害等の研究がなかなか進んでいないというような状況にございます。これがハザードマップの前提になるものでございまして、噴火シナリオや被害予測の検討材料が不足している状況にあるというようなことがございまして、これが具体的な火山防災対策の取り組みが進展していない原因だと捉えてございます。
 このため、有識者の方々の意見を聞きながら、また、地元一関市とも連携を密にしながら、今後の栗駒山の火山防災対策につきまして進めていきたいと考えております。特に、今回、御嶽山の事態というものが起きましたので、そういう火山防災ということが非常に注目されているということでございます。ただ、やはり火山防災ということにつきましては地元の理解が必要でございますので、そういった部分も踏まえ、また、先ほど申し上げました研究、解明につきましては、学識者の皆さんの御意見も聞きながら、何とか前に進められるよう努力してまいりたいと存じます。
〇岩渕誠委員 いずれ、計画づくりもさることながら、やはり可及的速やかに配備しなければならない問題というのも出てくると思います。計画づくりは、そういういろいろなシミュレーションという問題、さまざま学術的な問題もあろうかと思いますけれども、実態に即して対応していただきたいと思います。
 終わります。
〇佐々木朋和委員 私から、防災費についてお伺いしたいと思います。
 まず初めに、昨今発生いたしました広島の土砂災害において、避難勧告のおくれの原因として、膨大な情報量の中で真に必要な情報を見逃してしまった、情報の精査について問題があったと報道がございました。また、その膨大な情報の中から現状を分析して方策を打っていく専門家の育成の必要性が改めてクローズアップされているところでありますけれども、震災を経験した本県において、この情報の精査、また、専門家の育成について、取り組みはどのようになっているのか伺いたいと思います。
〇小向総合防災室長 確かに災害時というのは膨大な情報が出るということでございますけれども、その災害情報の精査につきましては、本県におきましては、災害対策本部を設置した際には本部支援室というものを設置するわけでございます。この本部支援室におきましては、原則として統括班、情報班、対策班、広報班、総務班という5班の編成によりまして、入ってくる多数の情報に対する役割を分担しつつ、その中で総合クロノロジーという時系列の情報整理表をオープン画面にして、全ての関係職員が災害情報を時系列に的確に把握、共有できるように工夫するとともに、こうした災害情報を的確に分析し、災害応急対策につなげられるよう、そうした流れについて、毎年度、本部支援室の図上訓練を数回にわたり実施しているところでございます。
 また、専門家の育成につきましては、災害情報を的確に分析し、災害応急対策につなげるためには、一定の専門的知識を持つ職員の育成が必要であると認識しているところでございますが、本県では、平成14年度から災害に対応した経験のある自衛隊の退職者等を防災危機管理監等として任用し、発災時の対応に当たらせるとともに、国の主催する研修等につきまして、職員を派遣して資質の向上に努めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 昨今の気象状況を見ますと、大変判断の難しい状況というのがあると思っておりまして、それに関して、ゲリラ豪雨などに対して計画の見直し等を行っていただいていることに対しては感謝申し上げる次第でありますけれども、やはり今後、市町村からアドバイスを求められたり、また、国とのパイプ役として、県にはより一層重要な役割があると思っておりますし、また、自助、共助が弱まっている中において、しっかりとしたリーダーシップをとってやっていただきたいと思っているところでございます。
 次に、自助について質問させていただきます。
 主要施策の成果に関する説明書の、県民がみずからの身をみずからが守る意識の醸成―自助というところで、具体的な推進方策指標として、ふだんから災害に備え準備していると回答した者の割合というところで49.3%が備えていると回答したということでA判定となっておりますが、調査の方法はどのようになっているのか伺いたいと思います。
〇小向総合防災室長 この調査の方法でございますけれども、この調査につきましては、県内に居住する20歳以上の男女5、000人を対象にして実施しております。設問票につきましては、郵送によるアンケートという形で行っております。ふだんから災害に備え、何らかの準備をしているのかどうかを確認するとともに、準備している内容や準備していない場合の理由もあわせて調査をしているところでございます。
〇佐々木朋和委員 ランダムに抽出してアンケートをとっているということでございましたけれども、今、消防団のマンパワー不足など共助の弱まりが指摘されておりますが、やはり県民全体の中の防災に対する意識の向上ということも大切だと思います。
 一方で、やはり頻発地域において特別にそこの地域における防災意識を深化させるなど、そこにクローズアップした、特出しをしたモデルケースをつくったりというところの取り組みのほうが重要なのではないかと。このようなアンケートの実施もいいとは思いますけれども、そちらのほうが私は重要ではないかと思っているところでございます。この点について、次の指標をつくっていくときにはより反映させていただきたいと思っているところでございますが、御所見を伺いたいと思います。
〇小向総合防災室長 いずれ、自助、共助、公助ということで、地域防災力を強化していく中で自助という部分も大変大切な部分と認識してございます。特に、訓練でできないことは実際にもできないという部分もございますので、そうした県あるいは市町村あるいは地域の中で行う防災訓練に積極的に参加していただけるように、そうした部分も含めて啓発等に努めてまいりたいと考えてございます。
〇高橋但馬副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時48分 休 憩
午後3時14分 再開
〇高橋但馬副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇福井せいじ委員 私は、消防団についてお聞きしたいと思います。
 最近、非常に身近なところでも災害が発生しております。そこで、消防団の現在のそのような災害に対する活動の状況、そしてまた、そういった消防団に対する設備、用具の支援等はどのような仕組みになっているのかをお聞かせいただきたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 消防団でございますけれども、平成26年4月現在で消防団員数は2万2、411人ということになってございます。
 出動の内容でございますけれども、これは統計的にちょっと古いのでございますが、最新の数字としてお聞きいただきたいと思いますが、平成24年4月1日から12月31日までの統計でございますが、火災出動が552回2万582人、風水害等の災害対応が168回1万3、434人、演習訓練が3、022回9万9、749人、トータルでいきますと1万51回、延べで23万4、434回の出動がなされているということでございます。こういった火災ですとか自然災害発生時の防災活動や訓練のほか日常の火災予防活動など地域に密着した活動をされているということでございまして、地域の消防、防災力の確保、向上に寄与するとともに、活性化にも大きな役割を果たしていると考えてございます。
 消防団の支援の状況というお尋ねだったかと思います。これまで、国においては、消防団安全対策設備整備費補助金がございまして、安全装備品の整備支援ですとか、救助資機材搭載型消防車両の無償貸し付け等による支援がございます。こういったものでたくさんの消防自動車ですとか、近いところで言いますと、トランシーバーのようなものも配備されているとお伺いしてございます。
 それから、消防救急無線のデジタル化の問題がございますけれども、本部のデジタル化にあわせて行う消防団無線の整備についても財政支援があると聞いてございます。
 それから、公益財団法人自治総合センターにも助成制度がございまして、消防団員等公務災害補償共済基金が消防団の装備に係る助成事業を実施しているということでございます。
〇福井せいじ委員 御丁寧にお知らせいただきまして、ありがとうございます。
 私が直接お聞きしたいのは、これは市町村の問題なのか、県の問題なのか、国の問題なのかわからないのでありますが、山林火災において、私が視察した際に、山の火災の中に入っていくときにジェットシューターというものを持って入っていくんだと言って、これはすごいものなのだろうなと思っていったら、20リットルの水を背負って入っていって、ホースでまいてくると。非常に大変な作業なんだと。1回行くと、へとへとに疲れるということなんですが、こういった山林火災とか防災の現場で、今、消防団員の方々が安全に、また快適にというか、円滑にそういった災害に対する適切な防災活動ができるような環境づくりというのは、今、改めて必要なのではないかと思うのでありますが、こういったような支援というのはどのような形でこれからやっていくのかということをお聞きしたいのですが、どうなんでしょうか。
〇佐々木防災消防課長 消防団に関する装備でございますけれども、先般、平成25年12月に、消防団を中核とした地域防災力の強化に関する法律、いわゆる消防団新法というものが公布、施行されました。それに基づいて消防団の充実、強化を一層推進していくという基本的な方針が示されたところでございまして、国におきましても、装備の基準の見直しを、今年の2月7日だったかと思いますけれども、改正したところでございます。そういった流れもございまして、国においては、市町村に対して地方財政措置、交付税措置を行っております。その装備の基準に合った装備を市町村の財政負担でもって整備をしていくというような流れができたところでございます。
〇高橋但馬副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇福井せいじ委員 わかりました。まず、災害に対して私たちの命を守っていただく消防団の方の命も守る必要があると思います。そういった体制をぜひ整えていただきたいと思っております。
 今度は、その消防団員の充足率についてなのでありますが、これは報告書にも書かれてありますけれども、非常に充足率を高めていかなければいけないのではないかと思っております。私も町内の消防団に行くと、人が足りないんだ、入ってくれと言われますが、なかなか入れるような状況にないので、(「足手まといなんだ」と呼ぶ者あり)わかりました。そういう気もしますけれども、いずれ、団員の充足率と、また募集についてどのような取り組みをなさっているのかをお知らせください。
〇佐々木防災消防課長 市町村が条例で定数を定めておりまして、その定数が、平成26年4月1日でございますけれども、2万6、030人で充足率86.1%というような状況でございます。加入者の減少につきまして、御指摘のとおり、年々減少傾向にあるというような状況でございます。
 それから、消防団の募集についてでございますけれども、減少傾向にあるというのは、地域防災力の確保の面から課題であろうと認識してございまして、従来型の団員確保の取り組みに加えまして、災害時等の特定の活動のみに参加する機能別消防団員ですとか、事業所の消防団活動への一層の理解と協力を得るための消防団協力事業所表示制度というものがございます。そういったものの導入促進、それから、日中は勤務地近くの消防団活動に参加する消防団員等を確保するなど、減少をできるだけ補いながら活動を支える仕組みについても各市町村において検討していただいて、取り入れていただければいいなと考えていまして、県としてもそういった情報の提供等に努めてまいりたいと考えてございます。
〇福井せいじ委員 先ほど、充足率について86.1%という答弁をいただいたんですが、これは、大変申しわけないんですけれども、例えば名簿に記載されている名前をもとに判断したのだと思います。現場に行くと、これが名前だけという方がかなり多いということで、私は、実際に消防団の活動に対してもっと近くに行ってそれを見て、充足率について聞き取りをしながら、やはり改善をするべく取り組みをしていただきたいと思うんです。
 そこで、先ほど、機能別消防団員とか事業所における認証の札をつけるとか、あるいは日中の対応について取り組んでいるというお話ですけれども、それによって実際に活動する人がふえているのかどうかお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
〇佐々木防災消防課長 必ずしも本県においてうまくいっているということではなくて、新しい考え方として、今、全国にそういった取り組みが広がってきていると承知しておりまして、できるだけそういった情報提供しながら、前向きな取り組みをしていただけるようにということでございます。
〇福井せいじ委員 ぜひ、これからそういった取り組みに力を入れてほしいなと。
 私は、消防団は、このまま行くと消滅しかねないなと思うところもあります。消滅可能性分団もあるなと僕は思っております。そういった意味で、消防団の果たす機能、役割は、防災活動も一つでありますが、コミュニティの中心にもなっています。ぜひ、そういった意味で消滅しないよう、人口減少問題と同様な形で消防団の減少にも取り組んでいただきたいと思っておりますが、総務部長、お考えをお聞かせください。
〇小田島総務部長 ただいま、消防団の活動について、地域防災力を支える観点から非常に大切だというお話を頂戴したところでございます。
 私どもといたしましても、さまざまな制度、あるいは側面的に、例えばアドバイザーの派遣だとか、いろんなことを行いまして、消防団の活動の活発化なり消防団員の増加に向けて、市町村と一体となって取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
〇工藤勝博委員 私からも防災に関して4点ほどお伺いいたします。
 まず最初に、火山災害に対する岩手県の備えということで伺います。
 先般、9月27日に御嶽山の突然の噴火により、戦後最悪と言われる被害が出ました。火山列島に住む我々国民に大きな衝撃を与えました。特にも紅葉シーズン、そして週末の好天の、また昼食時といういい部分が重なり合った中での大噴火ということで、本当に大惨事になったわけですけれども、県内には岩手山、秋田駒ヶ岳、栗駒山、八幡平と四つの火山があります。気象庁などが火山活動の観測、監視を行っておりますけれども、八幡平を除く三つの火山は24時間体制で常時観測を行っていると伺っておりますけれども、県においては、火山噴火また土石流等の被害に対する備えということをどういう形で行っているか、まず先にお聞きいたします。
〇小向総合防災室長 本県におきましては、平成10年からの岩手山噴火危機に際しまして、火山防災マップの作成、岩手山火山防災ガイドラインの策定、地域防災計画、火山災害対策編の策定等を行いました。また、平成15年までの間には、火山災害を想定した防災訓練を9回実施しているところでございます。さらに、これは岩手県の大きな特徴だと存じますけれども、岩手山の火山活動に関する検討会という学識者との集まりを催しておりまして、これを毎年度2回開催して、行政、防災関係者、有識者が、岩手山、秋田駒ヶ岳、栗駒山の火山活動に関する状況確認と情報共有を図っておるところでございます。また、火山現地調査として防災ヘリを利用した機上観測を行うとともに、登山による現地調査も実施しているところでございます。
 さらに、今年度におきましては、県総合防災訓練としては初めて火山災害を想定した訓練を実施し、避難勧告発令に至る県、関係市町、防災関係機関、有識者相互の連携と協力体制を再確認した中で、降灰と大雨に伴う土石流災害に対する応急対策訓練等を行ったところでございます。
 また、今回の御嶽山の噴火を踏まえまして、登山者に対する火山活動の状況や噴火に遭遇した場合の対応等に関する情報提供の充実に本県としても取り組む必要があると認識しておりまして、先ほども申し上げました岩手山の火山活動に関する検討会を今月29日に開催し、今後の県や関係市町の取り組みのあり方について、現在、国において検討しております事項等も踏まえながら、本県の火山防災対策について整理、検討してまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 特にも3年7カ月前の東日本大震災のあの地震以降、地殻といいますか、やはり変動があったということで、それと連動した火山の活動が心配されるということが各地で言われております。特にも岩手山、そしてまた栗駒山、何か、蔵王山のほうもそういう傾向があるという話があります。そういう中でさらに精度の高い備えというのが必要になるだろうと思います。
 そういう中で、岩手山の火山防災に関するガイドラインを見直すということを言われておりますけれども、どのような形で従来のガイドラインから見直しをかけるのかお伺いいたします。
〇小向総合防災室長 今回の御嶽山の事態を踏まえますと、登山者に対する部分ということで、いかに噴火の際に情報を提供するのかということが一つあろうかと思いますし、もう一つは、平時においても、レベル1という段階でああいう状況になりましたので、レベル1であっても、活火山としては相当なリスクがあるのだというようなことを、やはり皆様方に周知していかなければならないというようなことがあると思いますので、そういった部分の普及啓発、そして情報提供といったことが主要な論点になるのかと考えてございます。
〇工藤勝博委員 次の質問項目とも関連しますけれども、今、そういう伝達方法という話で、重点的に見直すということがありました。防災通信設備の設置の状況も含めて、その運用についてもあわせてお伺いしたいと思います。
〇小向総合防災室長 防災の際の防災通信設備の状況でございますけれども、現場である市町村におきましては、防災行政無線あるいは広報車のほか、最近ではパソコンや携帯電話の普及にあわせ緊急速報メールやインターネット、いわゆるホームページ、メール、そしてソーシャル・ネットワーキング・サービス、ツイッターなど多様な伝達手段を整備、活用しながら、迅速かつ確実な災害情報の伝達に努めているものと存じております。
 一方、昨年度の大雨災害では、高齢者等のインターネット環境を有しない住民の方々への情報の伝達といった部分も大きな課題となったところでございまして、県といたしましては、市町村に対しまして、放送事業者への積極的な情報提供によりまして、高齢者の方でもごらんになれるテレビ、ラジオを通じた災害情報の伝達に努めるとともに、防災行政無線等の伝達手段の定期的な点検や伝達手段のさらなる充実に取り組むよう働きかけを行ったところでございます。
 また、登山者に対する部分につきましては、今後、先ほど申し上げました伝達方法の一つとしてエリアメールといった手段等につきましても、ひとつ検討していくような方向で考えていきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 東日本大震災のとき、そういう情報伝達に関する、不備とは言いませんけれども、そういうものがたくさんあったと思います。特にも停電の状態の中で、どういう形でそういう情報伝達するのか。よく携帯ラジオなり、そういうものがあればいいんですけれども、今言った情報通信機器が使えないような状況の中での現場にいたとすれば、なかなか伝わらないということも想定されるだろうと思います。
 そういう中で、岩手山の入山規制がありました。その入山規制の中で情報伝達をどうするか。解除になった後に、当時はサイレンなり赤色灯で周知したと思いますけれども、それも、入山が緩和された中では、今は全く機能していないという状況でもあります。それらのことも含めて、そういう情報伝達のあり方を、特に火山の場合、今後どのように設置する予定があるのかお伺いしたいと思います。
〇小向総合防災室長 先ほど申し上げましたとおり、登山者に対する情報伝達というものは非常に大切な論点だと思っておりまして、先ほど申し上げました岩手山火山災害に対する検討会においてもそうした検討を進めてまいりたいと思いますが、エリアメールの発信あるいは登山者名簿の提出、そういった部分も含めてさまざまな議論を深めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 情報伝達に関して、各市町村の首長の判断で避難指示とか避難勧告というのはあるわけですけれども、それらの情報をどういう形で県のほうで周辺の市町村に伝達するのか、そしてまた、首長がそれぞれの判断で地区にその情報を伝達するのか、その辺はなかなか、首長にすればちゅうちょする部分があるということを伺っております。その辺のこれからの情報伝達の部分で確認をしていただきたいと思います。
〇小向総合防災室長 県から市町村への情報伝達につきましては、先ほど委員から御指摘があったとおり、さまざまな災害の際には混乱するというようなことも考えられますので、複数の回線をまず確保するということで、通常のNTT回線、ファクス、さらに防災行政情報通信ネットワーク、いわゆる衛星系の電話、ファクス、そして衛星携帯電話というようなものもございますし、あるいは県の情報ハイウェイに係ります防災情報ネットワーク、本当の緊急時、国からの指示などもございますけれども、衛星系のジェイアラート、さらにはLGWANという専用回線を使いますEm-Netというような複数の伝達手段によりまして、市町村に対してさまざまな通知を申し上げるというような形で考えてございます。
 さらに、大雨、洪水災害等に関しましては、さまざまな専門性、特殊性というものもございますので、県あるいは気象台から各市町村のほうに、非常に危険な状態だといった場合には、そういった複数の回線を通じて、できるだけ早く助言を行うというようなことにも心がけてまいりたいと存じます。
〇工藤勝博委員 次に、この防災対策等を含めて観光振興ということでお伺いします。
 近年は、中高年を含めて若い女性の方の登山がすごくふえているということがあります。登山なりハイキングの山々は貴重な観光資源でもあります。そういう中で、岩手山では、先ほど話がありました1998年、火山性の地震が頻発して、噴火の可能性があるということで入山規制がされました。6年ほど規制があったわけですけれども、その間、周辺の観光施設は大変な打撃を受けたということが今でも記憶にあるわけですけれども、また、そういう反面、秋田駒ヶ岳は溶岩の噴火ということで、夜空を赤く染めるような、一つの観光地にもなるような状況にもあったと記憶しております。ちょうど昭和45年、1970年の岩手国体の年でした。私たちも何回か行ってみましたけれども、そういう状況の中で、周辺に住む地域の皆さんにとっては、観光と防災というのは大きな課題だろうと思います。安心して、そしてまた安全な登山ができるような仕組みといいますか、いずれ、情報伝達が一番のかなめになるだろうと思いますけれども、それらに関して、山に行く人、楽しむ人も含めて安全ですよと、それらをいかに確保するかということがこれから求められると思いますけれども、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
〇小向総合防災室長 防災対策と観光ということについてのお尋ねでございますけれども、今回の御嶽山の事態につきましては、まさに、先ほど申し上げましたが、活火山にはまだ大きなリスクがあるのだ、内在しているのだということが示されたものでございますけれども、一方で、委員御指摘のとおり、火山は風光明媚な自然景観あるいは温泉といったような自然の恵みをもたらしまして、地域経済にとって欠くことのできない貴重な資源でもあるというふうにも思ってございます。
 こうしたことを踏まえまして、本県では、これまでも、先ほどから出ております岩手山火山防災ガイドラインの中に観光客等への情報提供計画といったものを盛り込んでおりますし、また、風評被害防止計画というものも定め、火山防災対策と観光振興の両立を図ってきたところでございます。
 今回の御嶽山の事態を受けた新たな取り組みの検討に当たりましても、火山防災の専門家はもとより、地元市町や観光、山岳関係団体の意見も伺いながら、防災関係者も観光関係者も納得できる形で議論を深めてまいりたいと存じております。
〇工藤勝博委員 今のこの状況の中で、登山も含めて、岩手にとってはなくてはならないそういう資源でもあります。そしてまた、それらをうまく活用できることが岩手にとっての魅力だろうと思いますけれども、逆に不安をあおるようなことなく、そういう山と共生できるようなガイドラインになればと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、先だっての8月29日、30日の県においての総合防災訓練についてお伺いしたいと思いますが、総勢6、000人とか言われる皆さんが参加し、総合的な防災訓練になったわけですけれども、特にも火山を想定した訓練ということでは、何といいますか、時宜を得た訓練であったなということが言えると思います。
 その中で、それぞれの関係市町村の部分も含めて、いろんな成果あるいは課題が出てきただろうと思います。その辺をもし捉えているとすれば、お伺いしたいと思います。
〇會川防災危機管理監 今年度の訓練の成果といたしましては、災害の中でも、降灰等と土石流災害が複合的に発生するなど、特に専門性とか特殊性の高い火山災害の特色を踏まえ、県、防災関係機関、有識者が連携して市や町に対して助言できる体制を構築して、その有効性を確認できたことが挙げられます。また、課題といたしましては、訓練項目が増加したことによりまして、一部訓練において実施手順の共有等が事前に十分実施できなかったといったことが挙げられます。
 今回、県、防災関係機関、有識者が連携し、市や町に対する助言体制を構築できた成果については、秋田駒ヶ岳や栗駒山における火山防災対策に生かしてまいります。
〇工藤勝博委員 私もその訓練の現場に行かせてもらいましたけれども、総合的なということですから、いろんな分野の皆さんが一体となった訓練ということがありました。ただ、やっぱり訓練という名目上、緊張感がなかったなという部分もありました。いずれ、想定されるそういう災害に対しての備えということに関しては、それぞれの市町村でもそういう問題を共有しながら、次の段階に進むのだろうと思っております。
 そういう中で、今定例会で火山防災対策の充実強化ということで意見書を議決していただいたわけですけれども、これから、いろんな形で山と火山と、そしてまた、そういう自然と共生できるような地域になればと思います。
 そういうことで、八幡平には、前回のいろんな経過を踏まえて火山防災情報ステーションがあります。通称イーハトーブ火山局というのがありますけれども、地域の皆さんは結構知っているんですけれども、岩手山なりあるいは火山のそういう情報を流す情報ステーションがあるわけですけれども、火山に対する教育の場にも大いにもっと活用していただければ認識がさらに深まるだろうと思いますので、それらも、今後、防災とあわせて推進していただけることをお願いして、終わります。
〇神崎浩之委員 2点お伺いいたします。
 まず1点目は、県の未利用財産の処分、売却についてであります。
 総括質疑の中でも質問があり、当局は、平成25年末で土地は64件50億円、建物は33件20億円という答弁をされておりました。これについては、知事部局だけなのか、教育委員会、医療局、例えば学校とか県立病院の跡地も結構大きな資産だと思いますが、そういうものが入っているのかどうかについてお伺いいたします。
〇宮参事兼管財課総括課長 売却関係の未利用資産の内訳についての御質問でございましたけれども、土地64件のうち、学校関係につきましては29件、知事部局が29件等となってございます。医療局、企業局等の資産については管財課のほうで所管してございませんで、この中には入ってございません。
〇神崎浩之委員 今いただきました未利用財産についてでありますけれども、市町村や県の所有になっているんですけれども、このうちに、もともと市町村であったり、個人であったり、地域であったり、団体であったり、寄附により県が無償で取得している土地についてはどのぐらいあるのかお聞きしたいと思います。
〇宮参事兼管財課総括課長 先ほど申し上げました資産の中で、寄附により取得したとされている財産につきましては、土地が21件ございますし、建物が1件となっているところでございます。
〇神崎浩之委員 よく市町村が県の未利用の財産を使って事業を起こしたいということがあるわけなんですが、もともとその地域で、地域のためにこういう県の施設を立ててほしいということで無償で寄附したという物件があって、今度それを市町村で活用するという場合に、無料で取得したにもかかわらず、県は市町村に買えと言うというお話をされております。議員の中には自治体の首長をやられた方とか、市町村の議員をやられた方で、私と同じ思いの方もいらっしゃると思うのですけれども、何で、地域で、個人で県にただで寄附したそれを戻してもらうのに、払い下げられるのに、買わなければならないんだということをよく言われるんですけれども、実際に無償で、寄附で取得したものについて、市町村が活用する場合には、どういう内容で払い下げを行っているのかお伺いいたします。
〇宮参事兼管財課総括課長 県におきまして、寄附受けにより取得いたしました財産を用途廃止して、これらを寄附者に譲渡する場合というようなことでお答えいたしますと、寄附に際して、例えばそういった用途、事業が終了した場合には返していただくという特約をした場合ですとか、あるいは寄附を受けた後20年を経過していないものにつきましては、県の財産の交換、譲渡、貸付け等に関する条例に基づきまして、これを譲与―譲与というのは基本的には無償ということですけれども―又は時価よりも低い価格で譲渡することができるとしているところでございます。実際に譲渡の希望があった場合には、個々の案件ごとに、相手側の意向なども十分お聞きしながら、経緯なども検討の上、ただいまの条例に基づいて検討、判断するということになろうかと思います。
 なお、市町村についてということでございましたけれども、特に市町村の場合には、寄附受けにかかわらずということになりますけれども、市町村が行政目的で使用するとして、こうした土地を再び使いたいという場合についてでありますけれども、これも同じ条例の中で、市町村と公共団体などにおいて公用、公共用等に用いるために譲渡する場合は、時価より低い価格で譲渡することができるとされておりまして、市町村に対して譲渡する場合には、市町村の意向などにも配慮いたしながら、過去の経緯ですとか利活用計画などの実情を総合的に勘案しながら、県と市町村双方の協議により、こうした価格、譲渡方法などを決定するということになろうかと思います。
〇神崎浩之委員 私は、ただでもらったものを売るというのは、やっぱりそれは地域の方も納得できないと思っております。市町村でも、地域の方も、ただで寄附したのに、何で逆に今度は金を払って買わなければならないんだと。自治体のほうでも、県の条例が、頑張っても2分の1の減免だという話をよくされていたわけなんですけれども、今後、やはり学校施設などは、残念ながら、地方については統合、閉校で使わなくなってくるわけです。それを地域の中で自治体が何かで使いたいということが出てくると思うんです、特に学校は。そういう場合には、取得した経過、ただでやったのに何でということがあると思いますので、総務部長、条例を見ますと、昭和39年に、財産の交換、譲渡及び貸付等に関する条例ということで、第3条の中に、譲与し又は時価よりも低い価格で譲渡することができるということが書いてありまして、2分の1ということは何も書いておりませんし、ただでもらったものはただで返してもいいんじゃないかなと思うんですけれども、前向きな回答をお願いしたいと思います。
〇小田島総務部長 お話の言わんとするお気持ちについては十分理解は申し上げるわけではありますけれども、寄附をされたということは、貸し付けだとか何かとはまた性格が異なりまして、ある一定の意図を持って寄附をなさったということでありまして、そういうことの安定性の観点から条例が定められ、それを何らかの形で譲渡するような場合については、この条例に基づいて、その個々の事案において、時価よりも低い価格で譲渡することという規定が設けられているものでございます。したがいまして、個々の事案については今お答えすることはできないわけでありますけれども、それぞれの事案に応じまして、どういう形で譲渡することができるのかということについて、さまざまなケースに応じて判断していくことになろうと考えてございます。
〇神崎浩之委員 条例の中には、譲与ということで無償で譲ることもできるという旨も書いてありますので、ぜひ、購入の際の経緯を深く調査していただきながら、真摯な対応をしていただきたいなと思っています。
 次に、人事管理でありますが、警察、医療、防災等は24時間356日対応の業務でありまして、そういう体制でシフトを組んでいらっしゃると思います。それ以外の業務の職員の緊急呼び出しの対応について、人事課としてはどういうふうに把握し、支援をなさっているのかということであります。
 例えば精神障がい者の緊急入院とか児童相談所の児童の保護、DV等に絡んで婦人保護等、予期せぬ事態で県の専門的な職種の方が、時間外、休日、夜間を問わず呼び出されて対応しなければならないというようなことがあるわけであります。こういうことについて、総務部人事課といたしましてはどういうふうに把握されていて、また、これら保健部門以外の福祉分野以外ではこういう事案があるのかどうか、それに対してどういうふうに対応、また課題を持っているのかお聞きしたいと思います。
〇熊谷人事課総括課長 時間外、休日、夜間等の対応の関係であります。委員からお話のありました精神保健福祉法に基づく保健所への通報につきましては、主に担当保健師、保健課長が交代当番制により対応していると承知してございます。特に通報件数の多い県央保健所におきましては、担当課以外の職員も当番に組み入れて担当者の負担軽減を図っていると伺っております。
 それから、児童相談所における児童保護、婦人相談所における婦人保護等の対応につきましては、当直の正職員が連絡を受領いたしまして、緊急対応が必要な場合は、所長及び担当者に電話連絡をして対応していると伺ってございます。
 なお、保健福祉部以外の部局におきましても、例えば総務部における気象警報の発令時等の災害警戒本部の対応とか、環境生活部におきます野生生物の保護等の対応、そういった夜間、休日対応が必要となる業務があると承知してございます。
 それから、課題ということでございます。こちらは保健福祉部から聞き取り等をしていましたので、そちらのほうを答弁させていただきますが、まずは、ケースが複雑化していることから、職員のスキルの向上と計画的な育成が必要だということでございます。
 2点目といたしましては、通報件数等に、その時々とか地域により増減がございまして、なかなか統一した対応が難しいと。その時々、地域の実情に応じた対応が必要となっていると伺ってございます。
 3点目でございますが、実際に対応した場合に加えまして、いつ連絡が来るかわからない状況が続くことによる職員の負担というところが課題であると伺っているところであります。
〇神崎浩之委員 例えば災害、台風が来るぞという状況であれば、県土整備部も農林水産部等も構えることができるんです。ところが、精神障がい者とかDVとか、こういうケースというのは、いつ、どこで、どう起こるかわからない。その中で常に待機しておかなければならないということで、晩酌もできないわけです。余り離れられないとか、そういうことがあるわけでありまして、ぜひ、人事課として、そういう方々の支援ということを考えていかないと、疲弊してやめていくという状況もあるようであります。
 震災を契機に、内陸部の職員が沿岸に応援に行っていると。その関係で逆に内陸部のほうが手薄になっていて、特に保健所等については、保健業務というのは市町村に結構権限移譲をしている部分があるんですが、残っている部分は精神障がい者の通報とか警察の関係とかと、誰でもできるものではないということがありますので、総務部といたしましても、県庁にいるとなかなか出先機関の状況は把握できないところもありますが、そういうことに配慮して、人事管理、時間外の呼び出し等について支援をする体制をつくっていただきたいと思いますが、最後に総務部長にお伺いして、終わりたいと思います。
〇小田島総務部長 特に福祉、保健を担当されている皆様方というのは、精神障がい者の問題あるいはいろんな、例えば虐待のケースだとか、いつ、どういうふうな場で呼び出されるかわからないような状況の中で勤務されているということで、そういう勤務の実態について、担当部局ともよく連携を図りながら、できるだけ御負担がないような形でフォローをすること等について検討を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私からは、総務管理費のうちの一般管理費に関係して、県営建設工事の入札に関連した質問をさせていただきたいと思います。
 震災後、復興事業、国の経済対策等で県営工事も大分ふえました。そういうことで、県内の建設業者は結構忙しい思いをして仕事をされているわけなんですけれども、仕事の量がふえるということは、それだけさまざまな問題等も発生してくるのだと思いますが、初めに、平成25年度の県営建設工事の指名停止等の措置状況についてお知らせいただければと思います。
〇山崎入札課長 県営建設工事の指名停止等の措置状況についてでございますけれども、平成25年1月1日から12月31日までは、指名停止が23件、文書警告が16件、文書注意が15件となっており、ことしに入って、平成26年1月1日から10月14日までは、指名停止6件、文書警告1件、文書注意8件となっております。
〇佐々木努委員 昨年の11月に本音で語ろう県議会という県議会議員と地域の方々、県民の方々との懇談会が金ケ崎町でありまして、その会場に建設会社の方がいらっしゃいまして、こういう話をされました。
 その業者は県営工事を請け負ってのり面の災害復旧工事をやっていたわけなんですが、その作業をしているときに落石がありまして、落石といっても5センチメートル程度の石だということなんですが、それが落ちてきて作業員の方の肩に当たって負傷したということです。その業者は、けが人が出たということで、もちろん県には届けましたし、労働基準監督署で現場確認もしてもらったということですが、県としての対応は、この業者は、実はこの2年の間に1回文書注意を受けているということで、今回が2回目ということで指名停止等の措置基準にのっとって文書警告ということになるわけなんです。県のほうではイエローカード2枚、つまりレッドカードということで文書警告を出したということで、1カ月の指名停止という処分になったわけなんです。
 その流れはといいますか、事務的には全く問題がないというふうに私は思うわけなんですが、実はこの業者は県のほうに苦情の申し立てを行いました。その内容はといいますと、確かに落石があってけがをしたんだけれども、その落石があった箇所というのは工事施工箇所とは全く違う場所から落ちてきて、何が原因で落石があったかということが全く特定できない。それは労働基準監督署の専門家の方も同じような見解だったということで、それで処分を受けるのは納得がいかないというふうなものでありました。私も、その話を聞いて、ちょっとこれは、本当にそういう処分で間違いがなかったのかなと思って、いろいろ調べてみました。
 そこで伺うんですが、例えば工事現場等で突風が吹いてきて、現場とは関係ないところから物が飛んできて作業員が負傷したとか、あるいは工事現場に車がたまたま突っ込んできてけがをするとか、地震が来て何か物が倒れてけがをするとか、業者の過失がないそういう事故であっても行政処分の対象になるのかどうか、そこをお聞きしたいと思います。
〇山崎入札課長 本県の県営建設工事に係る指名停止等措置基準というもので運用しているものでございますけれども、この基準は、中央公共工事契約制度連絡協議会で策定した指名停止モデルに準拠しつつ、本県の実態や県民感情に配慮した基準として、昭和61年9月から適用しているものでございます。また、指名停止モデルと比較しまして判断基準をより明確にするとともに基準を外部に公表し、透明性を確保しているところでございます。
 これまで、本県の指名停止等措置基準は、社会情勢の変化等に対応しまして適宜修正等を加えてきております。
 今、御指摘になった事案につきましてですけれども、工事事故でございますけれども、発生した事故等につきましては、監督官庁の指導ですとか発注部局の意見、過去の事案に対する措置の状況等も加えて判断しているところでございます。
〇佐々木努委員 そうすると、これは業者側に過失があったというふうに県で判断したということでしょうか。
〇山崎入札課長 今回の判断につきましては、指名停止等措置基準と、あとは、いわゆる過去の事案というものがございまして、監督官庁からの指導書というか、そういうものが出ていたということを総合的に踏まえまして、今回の判断になったものでございます。
〇高橋但馬副委員長 佐々木努委員に申し上げます。決算審査であることの趣旨を踏まえて、決算に関連する質疑を行うように願います。
〇佐々木努委員 平成25年度を取り上げているつもりでありますけれども。
 労働基準監督署のほうからは過失があったというふうな書類は出ていなかったと思うんです。それを、そういう指導書がただ出たからということだけで判断するというのは、私は、ちょっと県の判断としては、余りというか、いい判断ではなかったんじゃないかなと思うんですが、どうでしょうか。
〇山崎入札課長 本件の場合、基本的に基準と過去の事例ということを重視してやった対応でございますけれども、ただ、この中でも、現行基準の運用の中である程度柔軟に対応できる部分もあるというふうに考えておりまして、今、御指摘のありましたように、発生した事故等の外形ばかりではなくて、事故等の発生原因やこれまでの経過などを精査し、事案によっては社会的な影響なども考慮して適切に対応してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 県内において生じた事故等に基づく措置基準というものが出ているんですけれども、多分というか、今回の行政処分については、工事関係事故ということで安全管理上問題があり、1名の軽傷者を生じさせたときに1カ月の指名停止にしたんだというふうに思いますけれども、ここには安全管理上問題がありと限定されているわけです。今回の事案は、安全管理上問題がなかったという見方を労働基準監督署のほうでしていたということは、これに該当しないのではないかと思うわけです。これはどうでしょうか。
〇山崎入札課長 指名停止という御指摘をされておりますけれども、先ほど委員が申したとおり、文書注意が2回あったということで文書警告ということですので、指名停止ということではなくて、非指名ということで、通常の随意契約とか民間のものとかの契約はできるというふうな、指名停止ということではございません。文書警告でございます。
〇佐々木努委員 1カ月指名しないということですよ。入札に参加できないということですね。同じことだと思うんですけれども、わかりました。これは終わってしまったことなので、今さら処分は覆らないと思いますけれども、この処分をしたことによって、県営の優良建設工事の表彰も2年間受けられなくなるというふうなことになってしまいます。企業としては大きな打撃を受けたと思います。
 私が今回取り上げたのは、県の方々の姿勢が余りにも事務的というか、短絡的に処理をしたがために、業者の育成とか、業者に寄り添うとか、そういうことに欠けていた。そういう気配りとか心配りに欠けていたということで、仕事に対してというか、県民に対しての、何というんですか、寄り添うというふうな気持ちが根本的に欠けていたことがこういう処理につながったのではないかということで、非常に残念に思うわけです。総務部長、その辺はどうでしょうか。
〇小田島総務部長 今回の事案につきまして、私どもの判断の一つの考え方になったのは、2回目の事故の際に、花巻労働基準監督署から安全衛生指導書というものが出ておりまして、それは、落石防止柵の設置措置を実行して同種災害防止対策を講じてくださいというような安全衛生指導書が出たということで、これは2回目の事故でそういうことがあったというようなことから判断をしたということでございます。
 一方で、いろいろこれから指名停止を検討する際の基準におきましては、判断基準をより明確に持ちながら、社会情勢の変化だとか、先ほど答弁申し上げたことの繰り返しになるかもしれませんけれども、さまざまな状況を判断しながら、画一的に、あるいは機械的になることなく判断すべき必要があると考えておりまして、現行基準の運用の中で柔軟に対応できる余地のあるものについては、十分にそういう検討を加えながら判断してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 一生懸命いいものをつくろうということで頑張っている業者がいるということ、そして、やはり県は、そういう方々を育成する、支援するという役割もあると思いますので、今、部長からはそういう発言をいただきましたが、ぜひ業者に寄り添った形で、もっと状況をよく判断しながら、さまざまな処遇とか措置とか、そういうものに対応していっていただきたいと思います。
〇木村幸弘委員 私からは、1点質問いたしたいと思います。
 防災関係にかかわることでありますが、今般、私ども委員に資料として提供いただいた、みんなで取り組む防災活動促進条例に基づく県のさまざまな施策が公表されております。この取り組み事例から1点だけですけれども、平成25年度の実施状況について公表されているわけでありますが、特にこの条例の第13条及び第14条に規定する施策のうち、第14条の、市町村が作成する避難行動、要支援者の避難の支援に関する計画についてということで、基本的には事業実施主体は保健福祉部が所管するわけでありますけれども、要支援者台帳システム構築の取り組みをしているわけであります。同条の第5条では、事業者の取り組みに関して、要支援者のやはり避難について、例えば医療機関であれば入院患者への対策であるとか、あるいは高齢者の福祉施設であれば、体の不自由な入所者等についても避難計画等の作成が当然必要だろうと思うわけであります。訓練を行うなどさまざまな取り組みが必要になっているわけでありますけれども、防災担当部としては、全体を取りまとめる視点から、このような取り組みについてはどのように考えているのかお伺いしたいと思います。
〇小向総合防災室長 要支援者の避難対策についてでございますけれども、県では、平成25年6月に行われました災害対策基本法の一部改正を受けまして、県地域防災計画の改定に当たりまして、避難行動要支援者名簿の作成についての規定を設けるなど、要支援者の避難対策の充実を図ってきたところでございます。
 また、平成25年度に実施いたしました総合防災訓練におきましては、医療機関や市町村社会福祉協議会にも参加いただき、要支援者避難確認訓練や福祉避難所移送訓練を実施するとともに、今年度の訓練におきましては、福祉、介護専門職員で構成しております岩手県災害派遣福祉チーム、いわゆる福祉版DMATと連携した訓練も初めて実施いたしまして、災害時における要支援者への対応の確認を行ったところでございます。
 今後も、関係機関、団体や市町村、保健福祉部と連携しながら、要支援者の避難対策の充実に努めてまいりたいと存じております。
〇木村幸弘委員 いずれ、今回の東日本大震災津波の災害の教訓の中でも、やはりこうした高齢者の避難であるとか、あるいは医療機関の入院患者に対する対応であるとか、非常に困難をきわめた事例などもあったわけですし、そうした中でしっかりと、とりわけ不自由な方々にはマンツーマンではなくて、むしろ2人、3人と寄り添ってかかっていかないとこういった避難計画も絵にかいたもちになってしまうということで、しっかりとした万全の体制を敷きながら取り組む必要があるんだろうという観点で、より一層防災計画の中で重視した取り組みをお願いしたいと思います。今、答えの中にもありましたけれども、今回の指標の中では、例えば市町村の地域防災計画の見直しについて、見直しを行った自治体数という意味での評価として達成度Bになっているわけでありますけれども、これらの市町村における地域防災計画などにおいても、こういった福祉版DMATと言われるお答えも今いただいたわけですけれども、具体的なこれらの取り組みなどが地域や市町村等の取り組みの中でも導入がしっかりと図られているのかどうか、この見直し作業とあわせて、その動向等を含めて最後にお聞きしたいと思います。
〇小向総合防災室長 要支援者の支援策として、いろいろあるわけですけれども、具体的には保健福祉部で作業をしているところでございますが、先ほど申し上げました要支援者の名簿作成につきましては、4月1日の段階の調査でございますけれども、市町村数でいいますと23市町村で作成が済んでいるということでございます。また、福祉マップといったものもございますけれども、これについては29市町村で作成が済んでいるところでございます。また、福祉避難所の指定といったことも課題になってございますけれども、これについては15の市町村で設置しているという形でございます。
 そういったさまざまな支援策を講じていかなければならないわけでございまして、先ほど申し上げましたとおり、地域防災計画を所管する総務部といたしましても保健福祉部と連携しながら取り組んでまいりたいと存じます。
〇斉藤信委員 最初に、決算状況について幾つか質問します。
 一つは、法人事業税が173億1、594万円となっていますが、前年比でどう増加しているのか。法人事業税の対象とならない、いわゆる赤字の事業所数、率、中小企業の場合はどうか。
 二つ目に、県たばこ税が11億5、593万円余、自動車取得税1億8、863万円余、自動車税が1億5、147万円余減額となっていますが、その要因は何だったのでしょうか。
 三つ目に、地域の元気臨時交付金、歳入を見ると95億1、301万円となっていますが、昨年度、今年度、主にどういうふうにどういう分野で活用されているのか。
 4番目に、消費税の増税による県政への影響、県民への影響についてはどう把握されているか。
〇小向税務課総括課長 法人事業税の平成25年度決算額の増加状況でございますが、委員御指摘のとおり173億1、594万円で、増加率は前年比で107.5%、増加額は12億1、511万円となってございます。これは、復興需要を反映して、建設業を初めとします非製造業が堅調に推移したことによるものでございます。
 次に、法人事業税の対象とならない事業所数、率あるいは中小企業の状況についてでございます。
 申告義務のある法人は、平成25年度において2万3、694社ございます。そのうち、事業税が発生しない、いわゆる赤字法人は1万3、592社でございまして、全法人の中の57.4%を占めてございます。また、資本金が1億円未満のいわゆる中小法人は2万1、985社でありまして、その割合は法人全体の92.3%となっております。その中小法人のうちのいわゆる赤字法人は1万3、560社でございまして、中小法人中の61.7%を占めてございます。
 次に、県たばこ税、自動車取得税、自動車税の減収の要因でございます。
 まず、県たばこ税の決算額は前年度を11億5、593万円下回っておりますが、これは、税制改正がありまして、県たばこ税の一部が市町村たばこ税へ税源移譲されまして、これが平成25年4月から施行されたことによるものでございます。
 税源移譲の理由でございますが、法人県民税の課税標準となる国の法人税の税率が引き下げられたことによりまして、県、市町村は税収が減るわけですが、法人県民税よりも市町村の法人市町村民税の減収額が大きいための措置としてそのような措置がとられたものでございます。
 次に、自動車取得税の減収でございます。
 これは、エコカー減税対象の車が増加したものでございまして、取得税の対象である軽自動車も含めまして―これは官公庁の非課税車両を若干含んでございますけれども―平成25年度の非課税車両が前年度よりも9、500台ほど増加しておるということでございます。
 次に、自動車税の1億5、147万円の減収でございますが、これは維持費の安い軽自動車へのシフトによるものでございまして、県税の自動車税の課税台数が前年度比較で0.9%減、台数にしましておよそ4、700台減っておるということでございます。
 それから、もう一つのお尋ねの消費税の増税による県民への影響の部分を続けて答弁させていただきます。
 消費税による県民の負担増について最初に答弁させていただきます。
 地方消費税が平年度ベースの税収となるには約2カ年度間かかります。平年度ベースでお答えさせていただきます。平成25年度の地方消費税額などから推計した国、地方を合わせた消費税額のうちの家計負担分の増収額を平成26年8月1日現在の県内の世帯数51万7、796世帯で割って推計いたしますと、税率が5%から8%になったことに伴いまして、1世帯当たり年間6万1、100円の負担増という数字が出ております。仮に、今後、税率が8%から10%になった場合でございますが、1世帯当たりさらに年間4万1、400円の負担増になるものと見込まれてございます。
 税務課のほうからは以上です。よろしくお願いします。
〇五月女財政課総括課長 元気臨時交付金についてお答え申し上げます。
 元気臨時交付金は、総額で108億6、300万円余交付されておりまして、平成25年9月補正で13億5、000万円ほど活用いたしまして、残額の95億1、300万円余につきまして、平成25年2月補正で21億9、000万円余、平成26年度は、現在の9月補正時点で65億6、100万円余、合わせて101億200万円余の活用見込みとなっております。
 主な充当先でございますが、分野別で申し上げますと、例えば医療関係では、県立病院の医療機器の整備に15億2、000万円余、いわてリハビリテーションセンターの機器整備に1億9、800万円余など、17億1、800万円余となっております。次に、福祉関係では、いわて子どもの森の遊具等の改修に7、400万円余、ふれあいランド岩手の施設改修に5、000万円余など、1億9、000万円余となっております。それから教育関係では、県営の野球場ですとか県営体育館の施設改修に3億1、000万円余など、6億9、100万円余となっております。その他としまして、交通安全施設の整備に11億円、いわて花巻空港のターミナルビルの機能向上に10億9、500万円、それから、農業大学校の施設整備に4億500万円余、それから、警察署や交番、駐在所などの警察施設整備に3億1、000万円余など、75億200万円余となっておりまして、いずれ広く県民に還元されるような事業に活用してきたところでございます。
〇斉藤信委員 中小企業が61.7%赤字企業だということと、10%に消費税が上がれば10万円を超える負担増になると。県議会は意見書を採択しましたので、ぜひこういう増税は許してはならないと思います。
 大きな二つ目に、防災対策についてお聞きします。
 東日本大震災津波の市町村における検証が行われています。陸前高田市でも8月にまとめました。こうした検証を県としてどう受けとめ、今後の防災活動にどう生かすのか示していただきたい。
 二つ目に、昨年7、8、9月と豪雨災害、台風災害がありました。この検証と、防災上の教訓、対策はどうなっているでしょうか。
〇小向総合防災室長 一部の市町村で取り組んでおります独自の検証につきましては、市町村地域防災計画の充実や防災体制の強化につながるものと考えており、また、県といたしましても、今後、防災に関する広報、啓発や自主防災組織の育成強化に向けた支援など、さまざまな防災対策を検討する際の貴重な現場からの参考資料として積極的に活用していかなければならないものと存じております。
 次に、昨年の豪雨災害の検証とその対策ということでございますけれども、検証では、市町村における災害対応体制が不十分であったことや、県としての災害情報の収集や分析、関係機関との調整等に課題があったことなどが挙げられたことを踏まえ、本年3月に県地域防災計画の修正を行ったところでございます。
 この修正の中身といたしましては、被災市町村に対し、振興局職員を現地連絡員として派遣すること。県の災害対応組織として、新たに災害特別警戒本部を設置すること。これは、災害警戒本部と災害対策本部の間に特別警戒本部を設置するという中身でございます。さらに、市町村において避難勧告等の具体的な発令基準を作成すること。また、市町村が行う避難勧告等の判断に対しまして県等が助言を行うことなどを新たに規定いたしまして、県として市町村の災害対応を支援する体制を構築するとともに、県の対応体制の充実を図ったところでございます。
 県としては、こうした修正内容が今後の防災対策において有効に機能するよう、防災訓練の実施やマニュアル等の整備に取り組んでまいりたいと存じております。
〇斉藤信委員 津波災害でも昨年の豪雨災害でも、私は、一つの大きな共通の教訓というのは、やっぱり避難の問題だったと思います。今、地域防災計画の見直しで、避難勧告の発令基準、また、助言というのがありました。今回の台風19号でも避難勧告は結構出たんですね。しかし、避難している数は少ないんですよ。だから、自治体が的確に避難勧告を出すというのと、それを受けて地域住民が避難するというのはまた別の問題なんですね。やっぱり地域住民が避難して当たり前というような状況をどうつくっていくか。津波なんかでは、陸前高田市の保育所なんかは毎月避難訓練をやっているんですよ。そういうような取り組みをしていかないと、避難勧告を出しても避難する人は少ないと。
 だから、なぜ避難しなければならないのか、また、もう一つは、避難場所が体育館だけでは、やっぱりお年寄りは行けないのですよ。避難しやすいところ、そこに暖房施設があるのか、横になれるのか、私はそういうことも含めて教訓を生かしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
〇小向総合防災室長 避難の勧告、指示といったことにつきまして、まず、今回の台風19号について言いますと、避難勧告、避難指示の前のいわゆる避難準備情報というものがたくさんの市町村で出されたと。これは、台風の接近が夜半にかかるという中で、先ほどもありましたけれども、要支援者の方であるとか、そういった方々には早目に準備していただきたいということについて、市町村の意識が非常に高くなっていると感じたところでございます。
 これにつきましては、先ほど申し上げました、県の地域防災計画の中で判断基準を策定してほしいというようなことを中身に入れまして、また、ことし4月には内閣府からそういったマニュアルもできたという中で、市町村に対してそういった基準をつくるように強く求めてきたところでございます。
 そういった中で、避難者の数が少ないのではないかという御指摘でございますけれども、もう一つ、避難ということが、実際に避難所に行くということと、もう一つは、いわゆる垂直避難といいますか、2階に上る、あるいは崖とは反対側の部屋に移るというようなこともこれまた避難なんだということも災害対策基本法あるいは国のマニュアルの中等でも示されたところでございますので、そういった数の捉え方もまた検討していかなければならないのかとも感じているところでございますが、ただ、避難につきましては、できるだけ避難していただいたほうがいいと思います。どうしても無駄になるというか、オオカミ少年的になってしまうというようなこともありますけれども、そうではなくて、まさに先ほど来お話がありました、いい訓練だったと思えるような、そういう防災文化といいますか、そういったものを地域の中でつくっていくことが大切なのかなと思っておりまして、そういったことにも努めてまいりたいと存じております。
〇斉藤信委員 よろしくお願いしたい。
 三つ目は、入札の状況と改善についてでありますが、入札不調の状況、昨年度、今年度、最新状況を示してください。
 1者入札の状況はどうなっているでしょうか。今後の対策を含めて示してください。
 もう一つは、入札制度の改善について県建設業協会からの要望が出ていると思いますが、県の対応はどうなっているでしょうか。
〇山崎入札課長 まず、入札不調の状況についてでございますけれども、東日本大震災以降の推移を見ますと、平成23年度が9%、平成24年度が12%、平成25年度21%となっており、年々増加している状況にございます。今年度におきましては、9月末現在で発生割合は20%となっております。
 また、1者入札の状況についてでございますけれども、平成23年度が12%、平成24年度が22%、平成26年度が26%となっており、1者入札の割合も年々増加してきております。今年度におきましては、6月末までで発生割合は21%となっているところでございます。
 入札不調や1者入札が増加している要因につきましては、設計単価と実勢単価との乖離や、技術者、労務者の確保や資材調達が困難であることなどのほか、国、県、市町村における復旧、復興工事の本格化に加えて、昨年度に発生した大雨等による災害復旧工事の急増なども要因の一つと考えております。
 県としては、入札不調等への対応としましては、入札参加資格において施工実績要件を付さないことや、沿岸地域の地域要件の拡大などを図ってきたほか、ことしに入ってからも、県外建設企業の参入に配慮した入札要件の緩和、労働者や資材確保のための施工準備期間の設定、復興係数による工事費の補正などさらなる対策を進めているところであり、引き続き、国、関係市町村、業界団体と情報交換、連携を密にし、これまでの対策を推し進めながら、できるところから必要な対策をとっていく考えでございます。
 引き続きまして、建設業協会からの要望に対する県の対応についてでございます。
 建設業協会から提出された要望のうち入札関係の要望は、予定価格の事前公表の廃止と失格基準価格の引き上げの2項目ございます。
 予定価格の事前公表の廃止につきましては、予定価格の事前公表が企業の適正な積算による価格競争ではなく、予定価格から幾ら値引きして入札するかということだけを助長していることから、事前公表を廃止し、事後公表とされたい旨の要望内容でございます。これに対しまして、県としましては、予定価格の事前公表は、これまでの入札制度改革の中で、入札手続の透明性の向上、不正行為の防止の観点から導入した経緯があり、また、受発注者双方の入札手続の簡素化等にも効果があると考えている。また、企業による適正な積算により入札に参加してもらうため、詳細な工事費内訳書の作成、提出を義務づけており、現時点では過度な低価格競争も生じていないことなどから、当面、入札状況等を注視しながら、状況に応じて必要な対応を検討していく旨の回答をしているところでございます。
 失格基準価格の引き上げにつきましては、失格基準価格の引き上げによる落札率の向上を図る趣旨の要望でございます。県としましては、これまで、調査基準価格の引き上げや失格基準価格の引き上げを図るなど取り組んできたところでございます。近年、平均落札率が90%を超えるなど、落札水準も向上してきている状況であり、今後とも、入札動向、落札率の状況等を見ながら、低入札価格調査制度の適切な運用を図っていく旨の回答をしているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、失格基準価格の問題というのは、制度が複雑なだけで余りメリットがないのではないかと思います。恐らく東北各県、全国も最低制限価格の導入のほうが多いと思うんです。最低制限価格を導入したほうが、私は業者にとってもわかりやすい制度になるのではないかと思います。
 きのう、佐々木博委員から県庁舎等の消火設備、庁舎清掃の事業で落札率が28.6%とか24.6%で落札しているという話がありましたね。あり得ない話ですよ。何でこういうものにきちんと最低制限価格が導入されないのか。私は、やっぱり末端の労働者に犠牲が押しつけられるような入札制度というのはあってはならないことだと思いますけれども、いかがですか。
〇小田島総務部長 入札に際しましては、国土交通省の定める建築保全業務労務単価等を参考にし、県の最低賃金を上回る労務単価で積算を実施しているほか、入札参加資格審査において、雇用時の最低賃金を記入させ、県の最低賃金を上回っていることを確認するなど、従業員の労働福祉に問題がない業者を入札に参加させているところであります。
 一方で、庁舎等の管理業務委託については、きのう、知事が答弁申し上げましたとおり、最低制限価格導入は、一定の基準価格を下回る入札参加を排除することによりまして、品質の確保及び労働環境の改善に一定の成果を上げていること、また、労働者の適正な労働条件の確保を図る上でも有効な手段の一つであると認識しているとお答えしております。
 いずれ、かなり低い落札率での例も見受けられることから、落札状況なども注視しつつ、公平な競争環境の確保を図るため、最低制限価格制度の導入等も含め、さまざまな方策を検討していきたいと答弁したところでございますので、私どももその方向に従いましてさまざま検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、全国からの応援職員、任期付職員の待遇改善を求めたいと思うんですが、どれだけの人が岩手県に―県から市町村というのもあると思いますが―任期付職員が配置されているのか。そして、その労働条件、そして、健康、心のケアの対策はどうなっていますか。
〇熊谷人事課総括課長 応援職員、それから任期付職員の状況でございます。
 まず、他県からの配置職員は、現在、173名の派遣をいただいてございます。本庁など内陸部に62人、それから沿岸広域振興局など沿岸部に111人配置しているところであります。それから、任期付職員につきましては、市町村の派遣も含めてでございますが、現在、295人を任用しているところでございます。内陸部に72人、沿岸部に223人を配置しているところであります。
 それから、待遇面というお話でございましたが、任期付職員につきましては県での採用でございますので、県の一般職と同様に給与決定をしてございます。40歳前後で、高卒の方、標準的なところで申しますと二十七、八万円ぐらいの給与となっていると承知してございます。それから、諸手当等につきましては、一般職員と同様に支給される形になってございます。
〇斉藤信委員 私は、40歳前後で二十七、八万円というのは、ちょっと待遇が悪いんじゃないかと思います。任期付職員というのは、それなりのキャリアを持って来ているんですよ。現場の方々から聞くと、応援職員は交代で次も来てもらわなくちゃならないから県の対応は温かいと。ところが、任期付職員というのは3年から5年で切れてしまうので使い捨ての雰囲気があると。これはぜひ改善していただきたい。
 時間がないので、最後にまとめて聞いて終わります。
 みちのくアラート2014について、県と市町村の参加状況はどうなっているでしょうか。私は、震災対象訓練と言うんだけれども、震災対象というのは、県、自治体が主体になってやらなければ震災対象訓練にならないと思いますよ。なぜ自衛隊主導になるのか。そして、一番の問題は、オスプレイ―これは宮城ですけれども―、これが飛行されると。事実上の軍事訓練ですよ。オスプレイの既成事実をつくることになってしまうのではないか。そういう点で、宮城県だから物を言えないというのではなく、本来、自治体が主体でこういうものはやるべきで、きちっと訓練全体にも岩手県は物を言うべきではないのか。
 最後の最後ですが、旧盛岡短期大学跡地の利活用についてはどうなっているかを最後に聞いて終わります。
〇小向総合防災室長 みちのくアラート2014についてでございますけれども、みちのくアラートについては、11月6日から9日までの4日間、実施される予定となっており、県は、自衛隊や警察、消防、市町村と連携した災害応急対策の総合調整に係る図上訓練に参加するとともに、広域医療搬送訓練等の実動訓練にも参加する予定としているところでございます。また、県内では17市町村が参加する予定でございますけれども、参加市町村は、災害応急対策の実施要請に係る図上訓練や実動訓練に参加する予定となっているところでございます。
 次に、自治体が主体となった訓練であるべきではないのかというお問い合わせでございますが、県地域防災計画では、防災訓練の実施の基本方針として、県、市町村、防災関係機関―これは自衛隊も含みますけれども―は、単独または合同で、計画的に訓練を実施するよう規定しているところでございます。また、県は、前回のみちのくアラート2008にも参加いたしておりますけれども、東日本大震災津波での災害対応は、こうした訓練が生きたものと考えているところでございます。
 県としては、自治体のみならず、自衛隊を含めた防災関係機関においても、単独または関係機関の参加、協力を得ながら、災害時における責務や役割に応じた訓練を計画的に実施し、防災実務の習熟や関係機関との協力体制の構築を図り、災害に備えていくことが重要と考えているところでございます。
 最後に、オスプレイの参加について、既成事実がつくられるのではないかというお尋ねでございましたが、オスプレイの低空飛行訓練に関しましては、東北防衛局に対しまして、飛行ルートの詳細等を明らかにし、その安全性を含めて県民の不安の払拭に努めるよう要請してきたところでございまして、その飛行については、みちのくアラートへのオスプレイの参加いかんにかかわらず、十分な安全性の確保と県民の不安の払拭が必要であると考えてございます。
〇及川総務室管理課長 旧盛岡短期大学跡地の利活用についてでございますが、旧盛岡短期大学校舎は現在も県の行政文書などの保管場所として活用しているほか、県体育協会が体操競技の練習場に利用し、また、グラウンドにつきましては、盛岡二高がテニス部の練習場として利用しているところでございます。
 跡地利用につきましては、建物の老朽化も年々顕著になっておりまして、現在、県による公共的な利用について、庁内三つの部局から利用希望がありましたが、その活用案については各部局におけます事務レベルの構想段階の内容でありまして、今後、内部検討に時間を要する状況にあります。
 また、昨年度に引き続きまして、ことし6月に地元町内会などで構成します旧盛短跡地利用促進期成同盟会から盛岡市に対しまして、地域住民などの利用者を対象としたアンケート調査の結果を踏まえまして、盛岡市が旧盛岡短期大学跡地を地域活動の拠点施設として活用できるよう敷地を確保し、整備してほしいとの要望があり、現在、盛岡市において検討している状況と伺っております。
 今後の対応につきましては、引き続き、県や盛岡市による公共的な利用について、庁内関係部局との協議や期成同盟会から要望を受けました盛岡市と情報交換を行いまして、市の検討状況等も踏まえながら、跡地の利用方針につきまして検討してまいります。
〇熊谷人事課総括課長 先ほど委員の御質問に答弁漏れがございました。大変申しわけありませんでした。
 健康維持対策ということでございます。
 まず、超過勤務の縮減につきましては、事務事業の緊急度や優先度を勘案した適切な業務執行体制の確保、それから、グループ制のメリットを生かした随時の事務分担の見直しなどについて各所属へ徹底を図っているほか、超過勤務が一定時間以上の職員を抱える所属長との面談を実施しまして、縮減に向けた意見交換をしてございます。
 また、応援職員や任期付職員を多く抱える沿岸部を中心に、沿岸部に参りまして所属長といろいろお話ししています。職員管理の面、悩みとか、そういった部分の相談とかを行っているところでございます。
 それから、職員のメンタルヘルスの対策といたしまして、派遣職員を含めた全職員を対象といたしましたストレスチェックの実施、それから、高ストレスや抑鬱状態にあると認められる職員に対する精神科医による個別相談、管理監督者を対象とした研修会を開催いたしますとともに、応援職員や任期付職員を対象といたしましたメンタルヘルスセミナーの開催や、所属長または人事課との面談によりまして職員との意思疎通を図り、状況把握に努めているところであります。
 こうした超過勤務の縮減やメンタルヘルス対策の取り組みを通じまして、応援職員や任期付職員に限らず、復興事業にかかわる職員全体の健康維持を図ってまいりたいと考えているところであります。
〇高田一郎委員 それでは、私は、先ほども議論がありましたが、消防団員の確保と待遇改善について質問いたします。
 消防団の強化を支援する新法が昨年成立いたしまして、待遇、装備、訓練などの強化を求める中身になっています。そこで伺いますが、消防団の現状、とりわけ消防団の装備の基準に照らしてどうなっているのか。
 また、消防団員の定員と充足率については先ほど答弁をいただきました。県内の状況を見ますと、加入率が70%から96%と大きな開きがあります。これはなぜこうなっているのか、県としてどう分析しているのかも含めて答弁いただきたい。
 待遇の問題ですけれども、この間、どのような改善がされているのでしょうか。団員の報酬については地方交付税で措置されておりまして、団員については年3万6、500円、出動では7、000円となっておりますが、この基準に照らして支給されているのかどうか、この辺も含めて答弁をいただきたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 消防団の充実に関しましては、委員おっしゃったとおり、消防団新法が成立し、強化が図られるということでございます。消防団の装備の基準が改められて市町村で整備を進めるということになったわけでございますけれども、改正が本年2月、消防庁告示が行われたのが2月でございまして、平成26年度当初予算に基準に即した装備の充実に係る予算を盛り込んだ市町村は、残念ながら余りなかったということで承知してございます。
 これについては、改正のタイミングが遅かったということもございます。それから、実際、交付税で措置されるわけでございますけれども、その交付税措置額を見きわめたいとする市町村が多かったためと認識してございますので、今後、平成26年度の補正予算でありますとか来年度の当初予算における措置について促してまいりたいと考えてございます。
 それから、充足率につきましては、先ほどの答弁でもございましたけれども、86.1%となってございます。この傾向につきましては、ここ数年ずっと低下傾向にございます。社会情勢の変化等もあるものと考えてございますし、災害等の多様化といったような事情もあろうかと思います。いずれにいたしましても、地域防災力の確保の観点からはとても大きな課題であると認識してございますので、関係機関、団体と連携しながら確保に努めてまいりたいと考えてございます。
 それから、消防団の待遇改善につきましては、市町村の条例におきまして階級ごとに定められているところでございます。一般団員の交付税措置が3万6、000円程度ということでございますけれども、これを上回っている市町村は残念ながら、ないという状況でございます。一方で、平成25年におきましては5市町村において若干でございますけれども引き上げが行われたということでございますし、平成26年度におきましては、1町で団員の報酬の引き上げの改定を行っています。徐々にではありますけれども、改善の取り組みもあるということで認識しているところでございます。
 ただ、申し上げましたとおり、交付税措置額との乖離が大きいので、消防団の果たす役割等に鑑みまして、それから、確保を図る観点なども踏まえて、処遇の改善に努めるように市町村に対して働きかけを行ってまいりたいと考えております。
〇高橋但馬副委員長 答弁は簡潔に願います。
〇高田一郎委員 装備の充実については、当初予算に間に合わなかったということで、これからだと思います。ただ、県の役割として、装備が本当に充実されるように県としてもしっかりと役割を果たしなさいという通知がありますので、市町村の消防団の要望に即して対応、財政支援をしていただきたいと思います。
 それから、消防団の報酬についても、3万6、500円を全ての自治体が下回り、出動手当についても、資料をいただきましたけれども、7、000円に対して2、000円前後と。火災の出動手当については手当を出していない自治体もあるわけであります。ですから、この点についてもしっかりと県が役割を発揮していただいて、消防団の活動にふさわしい適切な報酬になるように支援をしていただきたいと思います。
 自主防災組織の役割というのは大変大きいと思うんですが、その中で、消防団の役割というのはどのように発揮されているんでしょうか。
〇佐々木防災消防課長 自主防災組織でございますけれども、災害発生時におきましては、避難所開設ですとか炊き出しですとか、消防団活動の後方支援などが自主防災組織によって担われているということでございます。地域の実態とか組織の内容に応じた連携が行われているものと認識しておりまして、このほか、訓練などにも積極的に参加していただいていると考えてございます。
 それから、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律で、消防団の役割として、自主防災組織等の指導的な役割を担うことも期待されているところでございまして、自主防災組織のリーダー育成等の強化を図る取り組みを推進することにより、一層連携を深めてまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 私はこの間、2度の大災害を経験し、自主防災組織が機能したところと、ほとんど機能しない、そういう組織もありました。したがって、岩手県全体として自主防災組織がまだ79.5%でありますので、やっぱりこの組織率を高めるということと、自主防災組織にふさわしい活動内容にするように、しっかりと実態把握をしてさまざまな支援をしていくべきだと思います。それが一つ。
 それからもう一つは、地域の土砂災害危険箇所とか要援護者がどのぐらいいるのかとか、あるいはそういうものを実態把握して、災害があったときにどういう活動をしたらいいのかというワークショップ、これはきめ細かくやっていく必要があると私は思うんです。そのための人的、財政的な支援体制というのも必要と思いますし、その中で消防団員の果たす役割は大きいと思います。そのためには消防団員の訓練が必要だと思いますけれども、私は十分な団員の訓練がされていないのではないかと思いますけれども、その辺の対応についてお聞きしたいと思います。
〇佐々木防災消防課長 消防団員の訓練につきましては、ことし3月に消防団員の訓練の基準も新法の施行、成立に伴いまして改正されてございます。自主防災組織に対する指導の役割を期待されているということもございまして、団員の中級幹部科の教育課程についても消防学校のカリキュラムの見直しを進めることにしておりまして、その中で充実を図ってまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 いずれ新しい法律がつくられたばかりでありますので、それに即して、本当に具体化されるように、充実されるように、県としてもしっかりと努力をしていただきたいと思います。
 次に、時間がないので、私学助成について伺いたいと思います。
 現在の岩手県内における高等学校就学支援金認定状況、そして、生徒の年間の納付金額はどの程度になっているのか。また、実質的な負担、保護者の負担というのはどうなっているのか、その現状について伺います。
〇千葉私学・情報公開課長 就学支援金の認定状況についてでございますが、平成26年度は、県内の私立学校生徒6、611人のうち、94.1%に当たる6、219人を対象に総額9億6、000万円余の支援を予定してございます。
 次に、生徒の年間納付金額及び実質負担額についてでございますが、現在、制度の移行期でもあり、学年や世帯収入等によって負担額は異なりますが、新制度に移行した1年生のうち、世帯収入250万円未満程度の世帯の場合で御説明いたしますが、入学時負担金を含む年間納付金額は、生徒1人当たり、県内の私立学校平均で51万5、815円となっております。この金額から就学支援金年額25万2、000円を差し引いた実質負担額は26万3、815円となっております。
〇高田一郎委員 実質負担額は25万円という話でありますけれども、学校によっては高いところもありますので、岩手の場合は年間納付金額が42万4、000円から62万円ほどになっていますので、所得階層によっては年間40万円、50万円と支払わなければならない、そういう実態になっていると思います。現在でも、支援金がスタートした以降も、実際はバイトする学生とか、あるいは経済的に大変で退学せざるを得ない、学校の同じクラスの中でも修学旅行に行ける子と行けない子がいる、こういう実態になっているんですね。
 ところが、岩手の場合、就学支援金が始まって以降、県の単独授業料補助がどんどん削られまして、ことしからゼロになってしまいました。なぜこういう状況になったのか、支援金が始まる平成21年から5年間、今日までの県の授業料免除額の推移について数字を示していただきたいと思います。
〇千葉私学・情報公開課長 授業料の免除に対する県単の事業の推移でございますけれども、平成21年度につきましては、902名を対象に1億411万8、000円、就学支援金制度が始まりました平成22年度には、679人を対象に1、289万2、000円、平成23年度は、642人を対象に1、536万8、000円、平成24年度は、874人を対象に2、369万4、000円、平成25年度は、942人を対象に2、244万3、000円の交付をしたところでございます。
〇高田一郎委員 就学支援金制度が始まる前の年には県単の事業の補助として1億円を超える補助金があったんですが、現在は二千二百数十万円ということで、大幅に落ち込みました。全国的な状況を見ますと、高等学校の支援金制度が始まった以降も、これまで県単独事業として授業料補助をしていたものを、削らないでそのまま生徒の授業料免除に上乗せをして、埼玉県とか長野県ではさらに支援を厚くした、そういう自治体もあれば、岩手県や沖縄県のように、国の就学支援金制度を導入した直後に県の単独事業、補助事業を削ったと。こういう状況が二つに分かれているんですね。先ほどの就学支援金制度が導入されても年間40万円から50万円の負担をしなければならないという状況を鑑みますと、やっぱり岩手県もさらなる支援の拡充というのがあってもいいのではないかと私は思います。私立と公立の格差、こんなに開いていいのかと私は思いますけれども、そういった検討がこの間、されなかったのでしょうか。
〇千葉私学・情報公開課長 県単補助金の推移、充実についてでございますけれども、授業料の県単補助につきましては、本年度に就学支援金制度が改正されまして、支給対象世帯の所得制限が設けられた一方で低所得世帯に対しては加算が増額されるなど、支援が手厚くなったところでございます。
 さらに国では、低所得者世帯に対しまして、授業料以外の例えば修学旅行費とかにも充当できる教奨学のための給付金制度というものを本年度から創設しまして、このような措置状況を背景としまして、今年度、授業料の県単独補助金の通常分については見直しさせていただいたところでございます。
 私立学校の授業料につきましては、国の就学支援金に加えまして、これまでと同様に不慮の災害とか家計の急変によって収入が減収になった世帯に対する授業料等減免補助事業により支援を行いますとともに、被災者に対しましては、いわての学び希望基金による教科書購入費等の給付など、各種事業により引き続き支援に努めてまいりたいと存じます。
〇高田一郎委員 授業料の補助についてもそうですけれども、私立学校の運営に対する助成も岩手県の場合は非常に少ないと思うんです。
 そこで関連してお聞きしますけれども、県内の私立学校の耐震診断あるいは改修の実態がどうなっているか。生徒1人当たりの経常費助成額、これがどのようになっているのかお伺いいたします。
〇千葉私学・情報公開課長 私立学校の耐震診断、改修の実態についてでございますが、最新の文部科学省の調査によりますと、平成25年4月1日現在の数字になりますが、県内の私立小、中、高校及び特別支援学校につきましては、耐震診断が必要となる昭和56年以前に建設された建物28棟のうち耐震診断実施済みの建物は14棟であり、耐震診断実施率は50%となってございます。また、私立幼稚園につきましては、同様に建物23棟のうち耐震診断実施済みの建物は4棟であり、耐震診断実施率は17.4%となってございます。
 次に、耐震改修の状況でございますけれども、県内私立小、中、高校及び特別支援学校のうち、耐震診断によりまして耐震補強が必要と判断された建物全3棟のうち1棟が改修済みでございまして、残る2棟が今後の改築を予定してございます。また、私立幼稚園につきましては、耐震補強が必要な建物が1棟あり、今後、改築を予定していると伺ってございます。
〇高田一郎委員 耐震診断については、公立学校については国の支援もかなり厚くて恐らく90%以上の耐震化率になっていると思うんですが、私立については、今、お話ししたように35.3%の耐震実施率です。これは子供たちが1日の大半を過ごす場所にふさわしくないような数だと思うんです。やっぱり耐震診断にもかなりのお金がかかりますし、耐震診断をやれば改修しなければならないということで、私学の場合は経営状況を見てなかなか前に進まない、そういう状況になっています。
 私は、岩手県の私学に対する1人当たりの経常費補助金が全国で41番目になっているというこの現状、そして、長野県や埼玉県では、授業料補助、今まで県単独補助金としてやったものを削減しないでさらに上乗せをしている、この違いが、今回の就学支援金制度が出されてからこういう開きが出ているのではないかと私は思います。
 そこで部長にお聞きしたいんですけれども、今、就学支援金制度が導入されても、本当に経済的な問題でアルバイトをしながら高校に通わざるを得ない、同じクラスでも修学旅行に行ける子と行けない子が今でも私立学校にある、こういう状況を見るとき、今の岩手県の就学支援金制度というのはもっと拡充すべきではないか、経常経費、運営費補助についてももっと改めるべきではないかと私は思うんですが、この点について部長の見解をお伺いしたいと思います。
〇小田島総務部長 今回、就学支援金について、県単補助金の廃止に至った検討経過は、今、御答弁申し上げたとおりでございます。
 低所得者世帯について厚くする国の制度が設けられたことを背景に廃止したものでございますけれども、今、委員御指摘のいろいろな状況も把握しながら、また、国や他県の動向も勘案しつつ、検討は続けてまいりたいと考えてございます。
〇千葉私学・情報公開課長 ただいま、経常費の助成額がどうなっているかということに対して答弁漏れがございましたので、大変失礼いたしました、答弁させていただきます。
 生徒1人当たりの経常費助成額についてでございますけれども、平成25年度においては、国の交付税措置等による生徒1人当たり31万3、229円に県単かさ上げ分2万2、703円を加えますと総額で33万5、932円となっておりまして、これは、前年度と比較しまして3、560円、1.07%の増となってございます。
 大変失礼いたしました。
〇高田一郎委員 いずれ私学に対する支援というのは岩手県は全国的におくれている分野でありますから、ぜひ全国の状況をよくしっかりつかんで対応していただきたいと思います。
 最後に、原発の賠償問題について、先ほども議論がありましたけれども、お聞きしたいと思います。
 現在の賠償請求額と実際の支払い状況がどうなっているのか。未払いの主なものは何か、支払いの見通し、これについてお伺いしたいと思います。
〇工藤放射線影響対策課長 損害賠償請求額と支払い状況については、県は、これまで6次にわたり、県が平成25年度までに対策に要した費用78億2、000万円余について賠償請求を行っておりまして、うち、平成23年度、平成24年度分の請求額47億4、000万円余のうち、41億1、000万円余について直接交渉により支払いを受けております。
 次に、残りの未払いのもの約6億3、000万円余についてでございますが、東京電力は、政府指示等によらず自治体の判断で実施した放射線影響対策業務に要した経費などについて、一方的に、必要性、合理性がないとして支払いに応じておりません。例えば風評被害の払拭を目的とした広報経費や汚染された農林業系副産物の焼却処理費用など、それから、平成24年1月以降の空間放射線量の測定などでございます。また、職員人件費につきましても、東京電力が認める業務に係る超過勤務手当分のみを認め、それ以外については支払いに応じておらず、こうした経費が未払いとなってございます。この未払いの経費につきましては、東京電力との直接交渉によっては支払いの見通しが立たないと考えられたところでございまして、そのため、本年1月、原子力損害賠償紛争解決センターに対して和解仲介の申し立てを行ったところでございます。
〇高田一郎委員 わかりました。ADRの和解申し立てについてもお聞きしたいと思います。特に人件費が26.5%になっているということで、非常に残念な中身になっていますけれども、これは、平成23年、平成24年の和解案ですから、平成25年以降にも、今度の和解案でどう対応するかによって影響が出てくると私は思うんです。
 今回、残業代は和解案として認められたけれども、通常の業務の内容については認められないと。これは賠償についての相当因果関係があるということを認めておきながら、時間内の人件費は認められないというのは少しおかしいのではないかと私は思います。この点について、県は、十分な説明を継続していくということを述べておりますけれども、これからどういう視点で強く求めていくのかということが一つ。
 もう一つは、今まで産直の賠償などについては、かかり増し経費については賠償の対象にならなかったと。家に持ち帰って事務作業をしていたということなんですけれども、今回の和解案の中身を見ると、そういったものも賠償の対象になるのではないかと私は思うんですが、この点についても答弁いただいて、私の質問を終わります。
〇工藤放射線影響対策課長 人件費に係る和解案骨子についてでございますけれども、県としましては、放射線影響対策業務に従事した全ての人件費について損害賠償請求の主張をしているところでございますが、原子力損害賠償紛争解決センターからは、判例に照らして、就業時間内に行われた放射線影響対策業務の全てを損害と認めることは困難であるというふうに説明をしております。
 一方で、同センターでは、そうは言っても、就業時間内に放射線影響対策業務に従事したことによって通常業務を就業時間外に行わざるを得なくなるということは経験則上認められるということで、同センターの算定の考え方によって、県の主張を受けまして、一定程度認めたというような説明をしてございます。
 そういう状況ではございますが、正式な和解案においては、和解案骨子において認めていない部分についても賠償を認めるように、先日、既に同センターに対して県としての主張を改めて申し入れたところでございます。
 それから、産直のかかり増し経費についての御質問をいただきましたが、これについての具体的な検討というのは今のところはしてございませんが、いずれにしましても、東京電力に対しましては、県初め行政、民間事業者全てがこうむった損害について、実態に即して賠償するように強く求めているところでございますし、東京電力としても、直接交渉の場では、相当因果関係等を認定する必要はあるけれども、そういった方向で対応したいという回答を得ているところでございます。引き続き強い姿勢で交渉を続けてまいりたいと思っております。
〇高橋但馬副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、総務部関係の質疑をこれで終わります。
 総務部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
〇高橋但馬副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後5時19分 休 憩
午後5時37分 再開
〇高橋但馬副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇東大野秘書広報室長 平成25年度の秘書広報室関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、秘書広報室所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針につきまして御説明申し上げます。
 当室におきましては、いわて県民計画や岩手県東日本大震災津波復興計画に基づく県の重要な施策を県民の皆様に適時的確に伝えるとともに、特にも復興加速年と位置づけた平成25年度につきましては、沿岸市町村と内陸市町村の復興に向けた一体感を醸成し、オール岩手としての復興を進めるため、沿岸地域と内陸地域とをつなげる広報に取り組みました。
 また、国内外からの復興支援に対する感謝や復興への取り組みを伝えるとともに、震災を経ても変わらない岩手の魅力、特色を発信することにより、復興への継続的支援や岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大につながる広報に取り組みました。
 今後におきましても、いわて県民計画や岩手県東日本大震災津波復興計画に基づく県の重要な施策の周知とともに、県民の皆様が復興の歩みを実感できる広報の展開のほか、国際リニアコライダーなどの三陸創造プロジェクトや、開催が2年後に迫りました希望郷いわて国体、いわて大会に関する情報発信に取り組み、希望郷いわての実現に資する広報活動を推進してまいります。
 また、ひたむきさプラスつながりイコール笑顔をコンセプトといたしまして、国内外に向け、震災の記憶の風化の防止、継続的な支援や岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大につながる広報を展開してまいります。
 それでは、当室関係の決算につきまして、歳入歳出決算書によりまして御説明申し上げます。
 12ページをお開きください。秘書広報室に係る決算は、2款総務費2項企画費の支出済総額120億9、567万円余のうち5億7、801万円余で、不用額は616万円余となりました。
 以下、決算の内容につきまして、お手元に配付されております歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の164ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、備考欄の管理運営費は、人件費、一般管理事務費及び皇族の被災地お見舞い対応等に要した経費です。次に、166ページをお開き願います。3目広聴広報費の主なものは、2行目の県政広報事業費は、県の重要な施策等につきまして、いわてグラフなどさまざまな広報媒体を通じて広く県民の皆様に周知する県内向け広報に要した経費であり、3行目のいわて情報発信強化事業費は、復興にひたむきに取り組む岩手の人や、本県の普遍的な魅力を発信する県外向け広報に要した経費です。また、4行目の海外向け情報発信事業は、復興に向けて立ち上がる岩手の姿を海外に向けて発信し、本県への関心を高め、復興への継続的な支援や本県のイメージアップにつながるための広報に要した経費であり、5行目の復興シンポジウム開催事業費は、本県への応援職員等のつながりや情報発信のためのシンポジウム開催に要した経費です。
 なお、この復興シンポジウム開催事業費につきましては、いわてつながり強化事業費として、平成26年度から復興局に移管しております。
 以上で秘書広報室関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋但馬副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川あつし委員 二つの項目について伺います。
 まず、DIOジャパンとの関係について伺います。当該年度もいろいろあったわけですから、決算質疑には値する質問だと思いますので、委員長、よろしくお願いします。
 まず、当該事案は平成23年9月ぐらいからいろんな動きが出てきたと承知してございますが、6月の一般質問で私は知事に、その企業と社長との関係ということでいろいろ伺ったわけでございますが、改めて、日程を管理されている秘書広報室に伺いますが、各年度、DIOジャパンと知事の訪問面談等の回数についてどうだったのかお示しいただきたいと思います。また、一番最初に面談したのは何月何日だったか、その点について確認したいと思います。
〇菅原参事兼秘書課総括課長 DIOジャパン社への知事の訪問面談等の回数についてでありますが、平成23年度に1回、平成24年度1回の計2回であります。
 また、一番最初に、初回の訪問面談でございますが、平成24年1月26日であります。
〇及川あつし委員 もう一回確認しますが、平成24年1月26日、知事のトップセールス、東京都DIOジャパン本社ということで間違いないか確認していただきたいと思います。
 その前にDIOジャパンの本社の方が本県に来て、いわゆる誘致の関係で話をして、そこに知事がいたということはないということを確認してもらいたいですが、いかがでしょうか。
〇菅原参事兼秘書課総括課長 知事のスケジュール、日程を管理しておりますけれども、その中に記録はございません。
〇及川あつし委員 わかりました。
 次に、秘書広報室の役割についてなんですが、このDIOジャパン社については、本県で問題も発覚して、どんどん拡大してきたわけですが、他県でまず火の粉が上がったような部分もあります。危機管理という意味で、秘書広報室が一定の情報を集約する必要もあったのではないかと思うわけですが、全国的に一連の問題が発生してきた中で、秘書広報室としてはどのような対応をしてきたのか伺いたいと思います。
〇野中広聴広報課総括課長 DIOジャパン社に関する秘書広報室の対応についてでありますけれども、DIOジャパン社関係の事業所閉鎖など一連の報道があったことから、その状況の変化に即応できるよう、担当部局と同社の事業の状況につきまして情報共有を図りながら、その推移に注意を払っていたところでございます。
〇及川あつし委員 わかりました。
 では、具体を伺いますが、これも一般質問で伺いましたし、我が会派の飯澤議員も商工文教委員会でたびたび取り上げてきているわけでありますが、7月7日ですか、私も早くやったほうがいいんじゃないかと言った同社のホームページに掲載されていた知事との対談の削除についてどのように対応したのか、その経緯について秘書広報室に伺いたいと思います。
〇野中広聴広報課総括課長 知事とDIOジャパン社の社長との対談記事の取り扱いについてでありますけれども、6月定例議会で、必要に応じて関係部局と連携して対応というふうに申し上げておりましたが、改めて、商工労働観光部と情報分析し、取り扱いを協議した上で、関係記事の閲覧停止を、7月4日に商工労働観光部からDIOジャパン社に口頭で、それから、7月16日には文書で要請したところでございます。
〇及川あつし委員 結果としてそういうことになったわけですけれども、行政ですから、いろんな積み重ねがあって、根拠を見つけて対応しなければいけないとは思うんですが、私は、結果として遅かったんじゃないかなと言わざるを得ませんが、今後も同様な問題が起きてほしくないわけですが、そういう危機管理という意味で、情報を収集して、分析して対処するというのが皆さんの役割だと思いますので、今回の事例というのは、決して的確にやったとは私は思わないんですが、削除の依頼まで至った経緯について、早かったか、遅かったという分析も含めて、どのような所感をお持ちなのか伺いたいと思います。
〇東大野秘書広報室長 今回のDIOジャパン社に対する対応についてでございますけれども、6月定例会で御答弁申し上げておりますけれども、当該企業のコールセンターに働く多くの県民の方々がいるといったような事情もあり、そういったことと、あと、委員御指摘のように、早晩削除を要請したほうがいいのではないかというお考えもあり、その両方のバランスの中でどういう判断をするかという状態でありましたが、当時の状況としては、そのコールセンターで働く方々がいるといったようなことを考えれば、その時点で、まだDIOジャパン社が事業継続あるいは譲渡に向けて動いているという状況の中で、ホームページの関係記事の削除を申し入れるのは適当ではないという判断をしたわけですが、その後の状況の変化は、今、広聴広報課総括課長が説明したとおり、十分見ながらということで対応させていただきました。その時々で判断しなければならない要素がさまざまあり、その中で判断をしなければならないということに、別案件でもなるかもしれません。総合的にさまざまな要素を兼ね合わせて判断していかなければなりませんけれども、できるだけ的確な判断と言われるような判断をしていきたいと思います。
〇及川あつし委員 わかりました。いずれ、まだ、今の事案は終わったわけではありませんが、どこかの時点で振り返って、どうだったのかということをぜひやっていただきたいと思います。
 これは通告していない件を1点聞きますけれども、削除を要請して、DIOジャパン本社は事実上の倒産状態にあるのでホームページもクローズされたということもあるようですので、基本的に県が要請した部分については削除されているということでありますが、先ほど、同僚委員から、こんなものもあるぞということで指摘があったのですが、当時掲載されていたときのホームページの対談の概要をコピーしてほかのブログとかに張りつけているものがある。きょう時点でもある。こういうものについて、まず、その存在について認識していますか。
〇野中広聴広報課総括課長 1件ほど承知しております。NPO団体の記事の中に掲載されているというふうに認識しております。
〇及川あつし委員 この件については何か対応策があるのでしょうか、対応をどのように検討しているか伺います。
〇野中広聴広報課総括課長 この件につきましては、県からの閲覧停止を要請し、閲覧ができなくなる間にその団体がコピーして張りつけているという状況でございますけれども、直接県のほうからその当該団体に対してというのはなかなか難しいとは思いますけれども、この辺の対応につきましては、関係部局とも相談しながら対応を検討してまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 私も明確に、だからどうしたほうがいいというのはいろいろあると思いますので、申し上げられないんですが、今、答弁にあったように、二次被害的な風評被害みたいなところも懸念されるので、的確な対応をお願いしたいと思います。
 もう一点は、6月の一般質問の際に、東大野秘書広報室長から、いわゆるフライデーの記事の件についても、知事は一般質問の答弁で違うということを明確に言っていた。私の記憶では、前も何かいろいろ週刊誌等で書かれたときは即抗議したりやったような記憶があるんですが、このフライデーの記事についても、記事のとおり読みますけれども、本門は卓球の実業団の監督をしていた経緯から、政財界にも顔がきき、達増拓也岩手県知事や東国原英夫元宮崎県知事とも交流がある。知事に直接売り込むことで、岩手や宮崎で自治体からの信用を得ていったとびちっと書いているわけです。これが事実でないのであれば、やはりきちっと反論しておかないと、今、これが事実として出回っている部分もありますので、まずいんじゃないかなと思います。今後検討してまいるということだったんですが、どのように検討して対処してきたのか伺いたいと思います。
〇上和野報道監 県といたしましては、報道内容に正確性がより求められている新聞、テレビ等の報道機関と異なり、週刊誌等につきましては、記事の内容や当該記事が社会や県民等に与える影響を考えあわせまして、ケース・バイ・ケースで対応してきたところでございます。
 フライデーの記事は、明らかに事実とは異なる内容でございましたが、新聞、テレビ等とは異なり、話題性がより求められる写真週刊誌の記事であり、社会的な影響は大きくないと考えられること、既に、6月定例会という公の場で、記事の内容は事実と異なる旨を明確にしていることから、検討の結果、特段の対応をしないこととしたところでございます。
〇及川あつし委員 さらっとやめようと思ったんですけれども、そういうメディアを分類して対応するということは一般論としてはわかるんですけれども、フライデーは云々くんぬんという説明とともに、だから対応しないというのは、ちょっと私は合点がいかないんです。違うものは違うと言わないと、ひとり歩きしていきますから、本会議の答弁で否定したといっても、それは1回こっきりですよね。違うということは、何度も言わないと事実になるんですよ、僕の認識では。やっぱりフライデーだから云々ということで対応しないというのは、ちょっとどうかなと思いますが、再度答弁を求めます。
〇東大野秘書広報室長 ただいま報道監が答弁させていただきましたけれども、それぞれマスメディアの媒体には性格があると存じております。そういう中で対応は、委員から御指摘がございましたけれども、さまざま対応があると存じました。そういうことで、今回は、先ほど説明したような理由で対応はしないという結論を導いたものでございます。
〇及川あつし委員 ここで何回議論しても、では対応しますということにならないと思いますので、きょうの今の答弁でスタンスを聞いて、ちょっと私はびっくりしましたけれども、私はやるべきだと思います。絶対にやるべきだと思う。けれども、秘書広報室としてはそういう判断だということでありますが、ぜひ再検討していただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。
 次に、今定例会でいろいろ質疑が交わされておりますJR東日本との関係についてでありますけれども、いろいろ委員側からの指摘では、平成25年度も含めて、JR東日本本社と、知事がきちっともっと念を押していれば、こうならなかったのではないかというような趣旨の質問が多々出ております。その意味で、今後の質疑にも関係がありますので、知事がJR東日本本社とどういう接触があったのか、その内容について、概要で結構ですのでお示しいただきたいと思います。
〇菅原参事兼秘書課総括課長 JR東日本と知事の、行事、懇談会等でも会っている機会があるかと思いますけれども、被災以後、秘書課が日程管理上把握しておりますのは10回接触していると。面談、会合しているということでございます。
 平成25年度につきましては、県庁で2回、仙台で1回の計3回でございます。それぞれ6月17日、12月25日、平成26年3月2日ということで会っておりますが、本社ということであれば、少しまた違いますが、接触の回数となれば、そういうことになります。
〇及川あつし委員 わかりました。終わります。
〇飯澤匡委員 関連。対談を、いつ、どこでやったか。2013年3月11日の新聞広告に出たと出ていますけれども、いつ、どこで、場所も教えていただければ、その質問だけです。本門社長と知事との対談です。
〇東大野秘書広報室長 本門社長と知事の対談ですけれども、平成25年2月25日、県庁において対談いたしました。
〇久保孝喜委員 先ほどのJRの問題で関連でお尋ねいたしますが、答弁で、JR東日本と回数的には10回でしたか、接触したということのようですが、今定例会中に私は政策地域部に、知事のJR山田線復旧にかかわる関与についての回数、日にち、誰とということも含めて、その接触を含めた関与について資料請求をしていたんですが、その中には、JRとの接触については1行も書いてないんです。この問題は、今議会でもいろいろ指摘されているように、知事の発信力の問題や、あるいは復興にとって大切な鉄路復旧ということで、議会も、そして県民も関心がある話。ところが、現実に知事がそうやって接触している話が、知らないのかどうかわかりませんけれども、政策地域部においては全く掌握していない、あるいは情報を出していないかどうかわかりませんが、少なくとも私の資料請求の中には1行も出ていないんです。これはどういうことなのかと思うんですが、何かコメントがあれば。
〇菅原参事兼秘書課総括課長 ただいま、委員の御指摘になったのは、JR山田線等の関係という観点からのお話かと思いますけれども、私がただいま申し上げましたのは、さまざまなところで、観光の場での面談、行事等もありますし、そういったものも含めた、県庁全体でのJR東日本との面談等の設定、あるいは会談等があったという回数でございます。
〇久保孝喜委員 先ほどの及川あつし委員の質問は、JR山田線にかかわっていろいろ議論があると。したがって、知事はどういうふうに関与していたかという質問だったわけです。そうすると、観光も含めて全体の知事の接触の話だという回答だと、すれ違っていませんか。その点で具体的に折衝も含めたJR東日本との接触があったのかどうかという趣旨だと私は思ったんです、及川委員の質問は。その点で言うと、どういうことになるのでしょうか。
〇東大野秘書広報室長 先ほど菅原参事から、東日本大震災以降、JRの関係の役員等と面談あるいは接触した回数ということで答弁させていただきまして、我々は、接触の回数ということで通告いただいたので、県業務全体の回数としてお知らせしたということでございます。
〇久保孝喜委員 関連ですから、これでやめますが、何点かちょっと確認したいことがあるので。
 一つは、JR山田線復旧の問題については、8月の首長会議の中で、知事が、挨拶かお話の中で、折衝経過については皆様にお知らせするというようなことをきちんと明言しているんですが、知事サイドから折衝経過についてのコメントが何らかの媒体を通じて出されたという事実があるかどうかがまず第1点。
 第2点目は、知事は定例会見以外にもさまざまなイベントや行事の後に、通称ぶら下がりと言われる取材を受けていると思うんですが、そういう取材の際の記録は何らの形で残っているのかどうかの確認。
 三つ目は、その折衝と大いに関係があるんですが、知事が記者会見で、JR東日本との折衝について、クリエーティブな交渉だというふうな表現を使っているわけです。直訳すると創造的なということなんだと思うんですが、これは、秘書広報室として、知事の発言としてどういうふうに説明ができるか。この鉄路復旧に関して創造的な交渉だということの中身、意味を教えてくれませんか。
〇東大野秘書広報室長 発言の有無とぶら下がりの記録については担当から答弁させます。
 クリエーティブな交渉という御質問についてですが、これにつきましては、交渉そのものの中身を当室は知り得る立場にございません。まことに申しわけございませんが、知り得る状況にございませんので、したがって、クリエーティブという意味が何を指すのかをここで説明することはできかねますので、御了承ください。
〇菅原参事兼秘書課総括課長 記録については、秘書課のほうで保管しているというものはございません。
〇上和野報道監 ぶら下がりにつきましては、県政記者クラブから申し出がありまして実施いたしますぶら下がりついては記録がございますけれども、各行事、イベント等でのぶら下がりにつきましては、それぞれ担当部局で采配しておりますので、秘書広報室としては持っておりません。
〇木村幸弘委員 それでは、全く観点の違う質問になりますが、一つは、先ほどの平成25年度事業にかかわる説明をいただいた復興シンポジウム開催の内容についてであります。簡単に報告というか、先ほどの説明だけではちょっとイメージがつかめないし、不十分なものだと感じましたので、改めて、この復興シンポジウムの内容と、そして、このシンポジウムがどのような目的、ねらいを持って、その結果、どういう成果を得ているのかについてお尋ねしたいと思います。
 あわせてお伺いしますが、県政懇談会いわゆる知事と県民とのさまざまな懇談事業が行われているかと思います。平成25年度においてはどのような実績であったのかということと、その実績に基づいて、例えば成果はどうだったのか、そして、課題等の設定について、どういうふうな設定がなされてきているのかについてお尋ねしたいと思います。
〇八重樫調査監 まず、復興シンポジウムの件でございます。このシンポジウムは、ことし2月6日から7日に、いわての復興を自治の進化にというテーマで、復興事業に携わる他県からの派遣職員等の報告や、被災地における諸活動の取り組みの発表などを、盛岡市内におきまして、五つのテーマに分けての分科会と、全体集会という形で開催いたしました。
 そして、県内の自治体の職員や民間企業の方々、県外からも本県に職員を派遣いただいております自治体等からの参加が多数ございまして、2日間の延べの参加者数で約1、000人、1、053名の方々の御参加、実人員数でも、ダブりがありますが、約800名の方々の参加がございました。また、マスコミにも広く取り上げられまして、本県の復興の現状や取り組みを全国に情報発信することができました。これにより、本県と全国の自治体、さらには応援職員や関係者とのきずなを深め、今後の本県への継続的な復興支援への理解を深めることができたと考えております。
〇野中広聴広報課総括課長 県政懇談会の平成25年度の開催状況、実績についてでございますが、平成25年度は復興をテーマに、被災市町村や内陸市町村で復興に取り組んでいる方々や支援している方々を対象といたしまして開催したほか、新たに、岩手の未来を切り開く取り組みであります国際リニアコライダーの誘致、三陸ジオパーク構想の推進をテーマに、その取り組みに参加または期待している方々を対象に広域で開催いたしまして、沿岸8回、内陸4回、計12回開催してございます。
 また、成果と課題についてでございます。
 成果といたしましては、知事が現地で、参加者の現状や活動状況、今後の取り組み等をお伺いし、県政に関する意見、提言をいただき、各部局と共有を図り、県政推進への反映を図ったほか、参加者がお互いの活動状況を知ることによって活動の連携のきっかけになるなどの効果もあると考えてございます。
 また、課題でございますが、やはり復興推進年ということで、復興の進捗に応じたテーマの設定が必要であるということと、2016年に開催を控えております国体や、若者や女性が躍動できる取り組みというものをテーマに取り上げていく必要があると考えてございます。
〇木村幸弘委員 わかりました。そうすると、復興シンポジウムについては、先ほどの説明ですと、平成26年度からは復興局へ移管したということですが、事業そのものは継続的に、これらの復興シンポジウムは開催するという方向であるのかどうかを確認したいと思います。
 それから、県政懇談会についてですが、今、成果と課題をお聞きしましたけれども、参加者と知事との意思疎通というか、意見交換の内容について、私は直接参加しているわけではありませんから、どのような状況になっているのか十分に承知できないのですが、ただ、ちょうど今年度、この間、富士大学との懇談会が行われて、今、課題にもあった若者や女性の躍動にかかわるテーマなのかなというふうに、一つの課題として富士大学を選定したことになるのかなと今思ったんですけれども、あの懇談会などを傍聴する機会をいただいて同席いたしましたけれども、何というか、とてもクリエーティブな、創造的な議論ということにはならずに、むしろ無味乾燥的な、一方的にお互いに準備したものを語り合っただけにとどまっている印象を強く持ったんです。これで果たして県民と知事との距離感を縮め、あるいはあの若者たちが訴えている課題や発想が本当にしっかりと伝わっているのだろうかということを非常に感じたわけでありますけれども、そういう点で設定の仕方、運営方法―この富士大学については、富士大学の職員が司会進行を務めておりましたけれども、あらかじめ準備されたものが順番どおりに話されただけで、あと、そこで会話がとまってしまうんです。また次の話にもっていくという形で、懇談と言うには何か非常に寂しいというか、物足りなさを痛感するわけですけれども、そういった点は、これまでの取り組みの実態から見た場合に、皆そうではないとは思うんですが、むしろ、知事からいろんな呼びかけ方、あるいは促し方をしながら、若者たちの思いや声を引き出していくような姿勢というのがあっていいんじゃないかなという私の感想です。ほかの先生方も出席しておりますから、それぞれ思いや感じ方があると思いますけれども、そういう意味で、この懇談会の設定の仕方と進め方を含めて、あるいは知事からの発信力という意味での運営の方法について工夫が必要ではないかと思うんですが、いかがなのでしょうか。
〇東大野秘書広報室長 私からは、県政懇談会の運営方法について御答弁申し上げます。
 県政懇談会の運営は、学校については、できるだけ参加する学生、生徒が緊張しないようにということで学校に運営をお願いしている経過がございます。ただ、そのほかの懇談会については、従前、広域振興局長に進行していただいていた経過がございますが、今年度からは全部私が司会進行するという方式に切りかえました。と申しますのは、初めて司会進行するということになりますと、やはりさまざま段取りがわかりにくいということがあって、発言者の方の発言をうまく引き出すことができないとか、広域振興局長は逆に発言者の方の意見を引っ張り出す役に回ってほしいというところもございまして、その役割分担を変えました。
 あと、発言者も、今までは全部発言していただいてから知事がコメントするという形をとっておりましたが、今年度から2人ずつに区切って、できるだけ応答時間が短くなるようにというような工夫もしてございます。
 今、委員から御指摘があったような指摘は従前からございましたので、そういった工夫をしてございますけれども、まだまだ、場合によっては一方通行ではないかと言われるような場面も正直ございますけれども、参加した方が自分の思いをきちっと伝えることができる、あるいはやりとりがキャッチボールできるというような運営をするように工夫してまいります。
〇八重樫調査監 今年度の復興シンポジウムにつきましてのお尋ねでしたけれども、今年度は復興局におきまして予算措置をしております。今年度につきましては、県民の方々を対象としましたいわて三陸復興フォーラムと一体的に開催する予定と聞いております。
 その中で、引き続き、職員派遣を初めとする他県等への復興支援の御理解と御協力を同様に全国にアピールしていくこととしてございます。
〇木村幸弘委員 懇談会の手法、やり方についてはまだまだ工夫が必要だというのは認識されているようですので、ぜひ、そのような対応をお願いしたいと思います。
 それから、課題設定ですけれども、これについては、例えば知事が自分自身の思いとして、今回、こういう方々を相手に、自分からこういう課題でぜひ県民との意見を深めたいとか、そういう設定の手法がとられているのか、あるいは逆に県民サイドや懇談の相手方のほうから、我々としてぜひ知事にこういうお話をさせていただきたいという企画、その設定の仕方というのはどういう状況になっていますか。
〇野中広聴広報課総括課長 今年度のテーマ設定につきましては、実は昨年度の段階で秘書広報室と知事と協議しながらテーマ設定を考えて、方針について御了解をいただいて、それに基づいて具体的に進めているということでございます。
〇木村幸弘委員 そういうことであれば、なおさら、この間の懇談などは知事のほうからもっと積極的に大学生に対して働きかけるというか、呼びかけながら引き出していくような姿勢が必要ではなかったのかなと思っています。
 なぜ富士大学を設定したのかなと、私は御案内をいただいたときに思っていたのは、ある意味で、県外から入学してくる子供たちが大変多くて、そういう中で岩手における学生生活を通じて、あるいは災害に対するいろんなボランティア活動などの取り組みを紹介しておったわけですけれども、そういう外部からの視点というか、若い人たちなんですけれども、実は我々が気がつかないような課題であるとか、そういった若い人たちなりの、そして、外部から見た岩手みたいなところで、そういう意見やいろんな発想を取り入れていくような思いが富士大学の設定にはあったんじゃないかなと私は期待して傍聴に行ったんですけれども、そういったことが全然なかったので、非常に残念だなと。なぜ設定をしたのかなという部分で、その辺のところをもう少ししっかりと、企画も含めて考えていく必要があるのではないかということで、御意見を申し上げたいと思います。
〇斉藤信委員 いろいろ議論がありました。知事と被災地首長との懇談、協議を予算委員会でも取り上げて、昨年はわずか7回、10分、15分程度の挨拶程度にとどまっていたと。今回は、被災地首長とは9月末までに11回ということで、努力の跡は見られますが、どうですか、実際に被災地に足を運んで懇談した回数というのは何回になりますか。
〇菅原参事兼秘書課総括課長 平成26年度における沿岸被災地訪問数は9月末で15回となっておりますが、そのうち7回、市町村長面談を行っているところでございます。
〇東大野秘書広報室長 ただいまの御質問は、知事が実際現地に足を運んで面談した回数ということで申し上げますと、19回のうち12回が現地で面談しているという状況でございます。平成26年度でございます。
〇斉藤信委員 10月10日付で、私がもらった資料は、沿岸首長との懇談は11回です。私が聞いたのは、このうち知事が被災地に足を運んで行った懇談は何回ですかと聞いたんですよ。
〇東大野秘書広報室長 失礼いたしました。19回のうち12回、現地に足を運んで面談してございますけれども、被災市町村に限りますと8回です。12回のうち8回が被災市町村でございます。
〇斉藤信委員 11回と12回で微妙に違うんだけれども、8回は現地に足を運んで懇談したということですね。昨年度から比べれば若干努力はされていると。
 それで、私も首長に会うんだけれども、1時間懇談しても話を聞き切れないというのが実際ですよ、首長と懇談するときに。だから、時間を見ると、40分、50分、そういうふうになっていますから、昨年度と比べれば改善はされているなと思います。
 副知事はどうですか、副知事も被災地に足を運んでいますか。運ぶ余裕がありますか。
〇東大野秘書広報室長 手元に回数資料はございませんが、副知事も機会あるごとに沿岸市町村に足を運んで、都合がつく限り市町村長とお会いしてお話を伺い、課題については持ち帰り、各部に指示してございます。
〇斉藤信委員 リアリズムでわかりませんか。知事を上回るぐらい回っているんですか。
〇菅原参事兼秘書課総括課長 副知事の被災地出張でございますが、平成25年につきましては25日間の出張数がございますけれども、多くの場合は役場等を訪ねておりますので、ここで相当数の市町村長とお会いしているかと思いますが、具体の数については、申しわけございません。
〇斉藤信委員 副知事のことはちょっと追加で聞きました。
 議論にもあったように、上野副知事のときにはしょっちゅう足を運んで、ざっくばらんに話を聞いてくれたというのが被災地の首長の声だったので、1人の副知事になって大変だと思うんですよ。だから、適材適所で1人で間に合っているという答弁があるんだけれども、これはどうなんですか。国に要請しているけれども、国が応えてくれないということなのでしょうか。
〇東大野秘書広報室長 ただいまの御質問は人事関係でございますので、答弁いたしかねます。御了承ください。
〇斉藤信委員 わかりました。
 では、最後です。県政懇談会は木村委員からも議論がありました。平成25年度を見てみると12回やっているんだけれども、学生、高校生との懇談が12回のうち5回なんです。高校生から話を聞くのもいいんだけれども、やっぱりそのバランスから考えると、平成25年度はちょっとバランスが崩れているなと。あと、平成25年度の12回の県政懇談会というのは、大体6人、7人、8人を呼んでいるんだけれども、1時間です。1時間で6人から話を聞いたら、10分も話せないんですよ。ことしは1時間15分です。やっぱり6人ぐらい呼んでいるんですね。これでは話は聞けないですよ。6人呼んで、1時間15分で懇談しようといっても、一言話して終わりと。こういうのは懇談にならない。県政懇談会の持ち方は、6人前後呼ぶんだったら2時間。やっぱり言いたいことも聞きたいことも交流できる懇談で、懇談なんですから。話の聞きっ放しというような懇談になっているのではないか。せめて、この形式だったら、やっぱり2時間程度、じっくり1回聞いた上で議論を深めるということがなかったら、懇談にならないんじゃないか。
 もう一つ、私は何回も言っているんだけれども、やっぱり5人、6人に限定した懇談会だけでなくて、県民に開かれた、そういう懇談会も年に何回かあってもいいのではないかと思いますよ。知事の顔を見たい、知事に一言物を言いたいという県民もいるわけだから、テーマを決めた懇談会とあわせて、開かれた懇談会というものも考える必要があるのではないでしょうか。いかがですか。
〇東大野秘書広報室長 県政懇談会の時間、開催方式の件でございますけれども、開催時間につきましては、できる限り時間をとろうということで、今年度から15分という、御批判もございますが、時間を延長してございますし、先ほど木村委員に御答弁申し上げたとおり、運営方式も、できるだけ御意見を引き出すようにというような工夫も重ねてございます。引き続き、時間だけの問題ではないとは思いますので、開催方法については工夫を重ねてまいります。
 それから、開かれた懇談会という御提案でございますが、開かれた懇談会開催については、運営について非常に難しさが伴うというふうに考えます。どういった問題を解決していかなければならないか、さまざま検討させていただき、その上で結論を出したいと思います。
〇高橋但馬副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、秘書広報室関係の質疑をこれで終わります。
 秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇菅原会計管理者兼出納局長 出納局関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明させていただきます。お手元の最も分厚いものでございます。
 最初に、156ページをお開き願います。第2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、157ページの備考欄の中ほどに記載のとおり、出納局の管理運営費2億1、715万円余でございます。これは、職員29名分の人件費など、出納局の管理運営に要した経費であります。続きまして、160ページをお開き願います。第5目会計管理費の支出済額は3億1、327万円余でございます。これは、161ページの備考欄にありますとおり、一時借入金の支払い利息などの管理運営費と、収入証紙売りさばき手数料及び電子収納システム運営費であります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、416ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計の決算についてでありますが、収入済額の合計は44億2、253万円余でございます。次の418ページをごらん願います。支出済額の合計は、419ページに記載しておりますとおり43億7、743万円余でございます。これは、一般会計への繰出金でございまして、その内訳は、県税並びに使用料及び手数料となっております。
 次に、ページをまた飛んでいただきまして、444ページの実質収支に関する調書をお開き願います。444ページは、証紙収入整理特別会計の実質収支についてでありますが、5の実質収支額に記載のとおり4、510万円余でございまして、これは、翌年度に繰り越しをしているものでございます。
 以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋但馬副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、出納局関係の質疑をこれで終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元にございます歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、180ページをお開き願います。第2款総務費のうち、8項人事委員会費でございます。予算総額1億7、111万8、000円に対しまして、支出総額は1億6、971万3、000円余でございます。内訳でございますが、1目委員会費の支出済額の652万9、000円余は、人事委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目事務局費の支出済額は1億6、318万4、000円余でございますが、これは、職員15名分の人件費及び事務局における任用関係事務、公平審査関係事務、給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋但馬副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、人事委員会関係の質疑をこれで終わります。
 人事委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇菊池監査委員事務局長 監査委員関係の平成25年度決算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。182ページをお開き願います。第2款総務費のうち、9項監査委員費1目委員費の支出済額は2、471万円余でありますが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。2目事務局費の支出済額は2億614万円余でありますが、これは、事務局職員の人件費等、事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋但馬副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありますか。
〇斉藤信委員 一つだけ代表監査委員にお聞きしたいと思います。
 決算審査ですので、昨年度の決算にかかわる監査結果と指摘事項、今後の取り組み方針についてお聞きしたい。
〇吉田監査委員 平成25年度普通会計に係る監査は、295の機関を対象に実施いたしました。その結果、指摘事項は全体で68件と、件数としては前年度より5件減少しておりますものの、依然として多数に及んでおります。
 また、重点項目として、工事及び委託契約の精算、補助金事務の完了確認、物品管理事務の3点を掲げ監査いたしました結果、その指摘事項は23件となっております。
 次に、今後の取り組み方針でございますけれども、決算審査意見書にも記載いたしましたとおり、留意改善を要する事項の中には内部管理体制に要因があるものが多く見受けられたことから、各所属におきましては、管理監督者のリーダーシップのもと、進行管理や確認を十分に行うとともに、実効性のある再発防止策の徹底など、内部管理体制の強化を期待しております。
 また、前年度以前から財産管理の不適当なものが依然として多数発生していることにつきましては、本年度から財産管理に関する研修を強化しており、今後、その成果に期待しているところであります。
 このことから、今後に向けましては、これらの取り組み成果を確認しつつ、指摘事項の多い項目に重点を置きながら、健全な行財政運営と県民の信頼のため、県民視点でしっかり監査をしていきたいと考えております。
〇高橋但馬副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋但馬副委員長 質疑がないようでありますので、監査委員関係の質疑をこれで終わります。
 監査委員事務局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後6時41分 散 会

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