平成26年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成26年3月19日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長     高 橋 勝 重
  議事管理担当課長 鈴 木 文 彦
  主任主査     佐々木   誠
  主任主査    清 川   勝
  主任主査    村 上   聡
  主任主査    藤 澤 壮 仁
  主査    引屋敷   努
  主査    藤 枝   修
1説明員
  県土整備部長   佐 藤   悟
  副部長兼
  県土整備企画室長 菅 原 伸 夫
  道路都市担当技監 蓮 見 有 敏
  河川港湾担当技監 及 川   隆
  県土整備企画室
  企画課長    佐 藤 隆 浩
  県土整備企画室
  管理課長    小笠原 隆 行
  建設技術振興課
  総括課長    桐 野   敬
  道路建設課
  総括課長    加 藤   裕
  道路環境課
  総括課長    細 川 健 次
  河川課総括課長  八重樫 弘 明
  河川開発課長   志 田   悟
  砂防災害課
  総括課長     加 藤 郁 郎
  都市計画課
  総括課長    横 山 俊 夫
  まちづくり課長  田 村 荘 弥
  下水環境課
  総括課長    伊 藤 茂 樹
  建築住宅課
  総括課長    澤 村 正 廣
  住宅課長    勝 又 賢 人
  営繕課長    伊 藤 勇 喜
  港湾課総括課長  藤 本 栄 二
  空港課総括課長  木 嶋   淳

  参事兼
  財政課総括課長  佐 藤   博
〇樋下正信委員長 本日は13人の質問者が予定されておりますので、進行に御協力をお願いします。
 これより本日の会議を開きます。
 佐々木努委員は欠席とのことであります。
 これより議事に入ります。
 議案第2号から議案第22号まで、議案第36号から議案第44号まで、議案第46号から議案第57号まで、議案第62号、議案第63号、議案第67号、議案第68号、議案第70号から議案第77号まで、議案第79号、議案第82号、議案第84号、議案第86号から議案第94号まで、及び議案第166号の以上67件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部関係の質疑を行い、その後、議案67件について意見の取りまとめをいたしたいと思いますので、御了承願います。
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇佐藤県土整備部長 県土整備部所管の予算審議に当たりまして、平成26年度当初予算の基本的な考え方について御説明申し上げます。
 未曾有の被害をもたらした東日本大震災津波の発災から3年が経過いたしました。震災発生の年、中学校、高校に入学された生徒が、この春卒業を迎えました。
 我々が学校の校庭に応急仮設住宅を建設した際入学した生徒たちが、一度は自分たちの校庭で運動会ができるよう住宅整備等を進め、一刻も早く応急仮設住宅を撤去したいという思いで復旧、復興に取り組んでまいりました。
 残念ながら、そこまで到達することはできませんでしたが、全国から応援に来ていただいている職員も含め、県土整備部全職員が一丸となり、被災された皆様が一日でも早く安心して暮らせるよう、社会インフラの復旧、整備に引き続き全力を挙げて取り組んでまいります。
 平成26年度当初予算については、東日本大震災津波復興計画の着実な推進、いわて県民計画関係として、安全で安心な暮らしを確保するための取り組みの推進と、復興道路を核とした物流、産業振興を支える取り組みの推進の3項目を重点施策として位置づけ予算を編成したところであります。
 まず、復興計画関係ですが、安全の確保では、湾口防波堤や防潮堤等の復旧、整備や水門等の遠隔操作化などのハード対策と、安全に避難するためのソフト施策により多重防災型まちづくりを推進します。また、災害に強く信頼性の高い道路ネットワーク構築のため、国と連携して復興道路等の整備を推進するほか、港湾施設の主要機能を早期に復旧し、物流機能の回復に取り組みます。
 暮らしの再建では、被災された皆様が一日でも早く安定した生活に戻れるよう、安全で良質な災害公営住宅の整備を進めるとともに、住宅再建に向けた支援にも引き続き取り組み、住宅再建、確保対策を実施します。
 次に、いわて県民計画関係ですが、東日本大震災津波からの復旧、復興を最優先としつつ、アクションプランに掲げるいわてを支える基盤の実現を図るため、県民の日常生活を支える社会資本の整備に取り組んでまいります。
 第1に、産業を支える社会資本の整備では、企業ニーズ等を踏まえた物流の基盤となる道路やスマートインターチェンジ、希望郷いわて国体を支援する道路の整備や港湾施設の整備に取り組んでまいります。また、いわて花巻空港の国内路線の拡充や、台湾との国際定期便の就航を目指し、国際チャーター便の誘致拡大に取り組むとともに、空港の機能向上を図るため、旅客ターミナルビルの改修を行います。
 第2に、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備では、近年頻発している集中豪雨などの自然災害から県民の生命、財産を守るため、洪水、土砂災害対策施設等のハード整備とあわせ、水位周知河川や土砂災害警戒区域の指定等ソフト対策を一体的に推進します。また、地域医療を支える道路の整備や、児童等歩行者の環境に配慮した歩道の整備など交通安全施設の整備により、日常生活を支える安全な道づくりを推進してまいります。
 第3に、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりでは、市街地における混雑の緩和に向けた道路整備や、快適で豊かに暮らせる居住環境づくりを推進します。あわせて、人と自然が調和する良好な水辺空間の保全や生活排水対策などの取り組みを推進してまいります。
 最後に、社会資本の維持管理と担い手の育成確保では、震災からの復旧、復興工事に必要な人材の育成や、社会資本整備、維持管理の担い手である建設企業の育成確保に向けた環境整備に努めてまいります。また、道路や河川などの管理施設について、維持管理計画に基づいた計画的で効果的な維持管理を推進し、施設の長寿命化と安全、信頼性の確保に努めてまいります。
 それでは、県土整備部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第2号平成26年度岩手県一般会計予算についてでありますが、お手元の議案その2の7ページをお開き願います。県土整備部関係の予算は、6款農林水産業費3項農地費の183億8、689万円のうち2億5、203万円、8ページに参りまして、8款土木費が1、478億2、559万2、000円、9ページの11款災害復旧費5項土木施設災害復旧費が512億6、165万6、000円、12款公債費の1、325億4、510万9、000円のうち6、666万7、000円であり、総額1、994億594万5、000円でございます。これは、前年度の当初予算額1、632億3、131万6、000円と比較いたしまして361億7、462万9、000円の増、率にして22.2%の増となるものであります。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事項を中心に御説明申し上げますので御了承願います。
 予算に関する説明書の157ページをお開き願います。6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち県土整備部関係は、ページをめくっていただき、158ページの説明欄の後のほう、県土整備部と記載しておりますが、農業集落排水施設の整備に対する市町村への補助である農業集落排水事業費補助等であります。
 次に、少し飛びまして、182ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など管理運営に要する経費のほか、港湾整備事業特別会計に対する繰出金等であります。183ページに参りまして、2目建設業指導監督費は、建設業者などの指導監督に要する経費のほか、企業の経営基盤の強化の取り組みに対して総合的に支援を行う建設業総合対策事業費や震災の復旧、復興等を担う土木技術者の育成と確保を図る建設業技術者育成支援事業費等であります。3目建築指導費は、建築確認事務に要する経費や、宿泊施設等の不特定多数が利用する大規模な建築物の耐震診断に要する経費に対する市町村への補助である建築物耐震対策促進事業費補助等であります。184ページに参りまして、4目空港費は、いわて花巻空港の管理運営に要する経費のほか、官民一体となって空港利用を促進し、交流人口の拡大や地域経済の活性化を図るためのいわて花巻空港利用促進事業費や、利用者の利便性を向上し、国際線の受け入れ態勢を強化するためのいわて花巻空港ターミナルビル機能向上事業費等であります。
 185ページに参りまして、2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費など管理運営に要する経費等であります。2目道路橋りょう維持費は、道路橋梁の維持修繕などを実施しようとするものであり、歩道整備などのほか、復興支援道路等における道路防災対策等を実施する道路環境改善事業費等に要する経費であります。186ページをお開き願います。3目道路橋りょう新設改良費は、復興支援道路等の整備を実施する地域連携道路整備事業費や、国が行う三陸沿岸道路など、復興道路等の整備に係る県負担金の直轄道路事業費負担金等であります。
 188ページをお開き願います。3項河川海岸費1目河川総務費は、河川海岸施設の維持修繕に要する経費等であります。189ページに参りまして、2目河川改良費は、洪水被害を防止、軽減するための河川改修を実施する基幹河川改修事業費や、三陸沿岸河川の水門などを整備する三陸高潮対策事業費等であります。3目砂防費は、土砂災害を防止するための砂防事業費やがけ崩れによる災害を防止するための急傾斜地崩壊対策事業費等であります。4目海岸保全費は、高潮及び津波による災害を防止するため、防潮堤など海岸保全施設の整備に要する経費等であります。190ページに参りまして、5目水防費は、河川の水位情報等を収集するための水防警報施設の管理等に要する経費等であります。6目河川総合開発費は、簗川ダムの建設等に要する経費であります。
 192ページをお開き願います。4項港湾費1目港湾管理費は、大船渡港などの港湾施設の維持管理に要する経費等であり、193ページに参りまして、2目港湾建設費は、海岸保全施設を整備する港湾高潮対策事業費や、国が実施する久慈港湾口防波堤の改修等に係る県負担金の直轄港湾事業費負担金等であります。
 194ページをお開き願います。5項都市計画費1目都市計画総務費は、御所湖広域公園などの管理等に要する経費であり、2目街路事業費の主なものは、195ページに参りまして、円滑な都市交通の確保を図るため、街路整備を実施する都市計画道路整備事業費等であります。3目下水道事業費は、市町村が行う公共下水道や浄化槽の整備に要する経費等への補助であります。
 196ページに参りまして、6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅等の維持管理に要する経費や被災者の住宅再建を促進するため、被災住宅の新築や改修等を行う場合に利子補給補助を行う災害復興住宅融資利子補給補助、被災した住宅の補修や宅地の復旧等に対する補助である生活再建住宅支援事業費補助等であります。197ページに参りまして、2目住宅建設費は、災害公営住宅の整備に要する経費等であります。
 次に、少し飛びまして、233ページをお開き願います。11款災害復旧費5項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費及び次の234ページの2目港湾災害復旧費は、災害により被災した河川、道路や港湾施設等の復旧に係る経費等であります。
 237ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金の公債管理特別会計繰出金の県債償還元金1、130億7、130万5、000円のうち、当部関係は6、666万7、000円であり、これは、地方道路整備臨時貸付金に係る償還元金であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の議案その2に戻っていただき、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、県土整備部関係は、13ページに参りまして、34道路環境改善事業から14ページの50港湾災害復旧事業までの17件であります。これらは、工期が翌年度以降にわたるため、それぞれの期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものであります。
 次に、特別会計3件について御説明申し上げます。
 38ページをお開き願います。議案第9号平成26年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ122万1、000円と定めようとするものであります。
 39ページの歳入の主なものでありますが、1款財産収入は、土地開発基金の運用に伴う利子であります。
 40ページに参りまして、歳出でありますが、1款管理事務費は、当該特別会計の管理事務費であります。
 次に、47ページをお開き願います。議案第12号平成26年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ97億7、775万6、000円と定めようとするものであります。
 48ページに参りまして、歳入の主なものでありますが、1款分担金及び負担金は、関係市町からの管理費及び建設費に係る負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業に係る国庫補助金であります。
 4款繰入金は、県債の元利償還費等に充当するため一般会計から繰り入れるものであり、7款県債は、建設事業に係る県債であります。
 次に、49ページの歳出でありますが、1款流域下水道事業費は、流域下水道の管理運営、下水処理場の施設及び幹線管渠の建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 50ページに参りまして、第2表債務負担行為でありますが、流域下水道建設事業につきまして、期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものであります。
 次の51ページの第3表地方債でありますが、これは、流域下水道建設事業に係る地方債の限度額等を定めるものであります。
 次に、52ページに参りまして、議案第13号平成26年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ34億6、713万円と定めようとするものであります。
 次の53ページ、歳入の主なものでありますが、1款使用料及び手数料は、港湾施設の使用料であり、3款繰入金は、埠頭用地等の復旧事業及び県債の元利償還等に充当するため一般会計から繰り入れるものであり、6款県債は、港湾施設整備事業等に係る県債であります。
 54ページに参りまして、歳出でありますが、1款事業費は、被災した大船渡港などの埠頭用地等の復旧に要する経費等であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 次に、55ページの第2表地方債でありますが、これは、港湾施設整備事業に係る地方債に係る限度額等を定めるものであります。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 少し飛びまして、76ページをお開き願います。議案第20号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、平成26年度において実施する土木関係の建設事業費の一部について、受益市町に負担させようとするものであります。
 次に、79ページに参りまして、議案第21号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、平成26年度において実施する流域下水道事業の管理費及び建設費の一部について、受益市町に負担させようとするものであります。
 次に、条例案6件について御説明申し上げます。
 お手元の議案その3の43ページをお開き願います。議案第47号道路占用料徴収条例の一部を改正する条例でありますが、道路の占用料について、消費税率の改定等に伴い額を変更するとともに、道路法の一部改正に伴い所要の改正をしようとするものであります。
 次に、46ページをお開き願います。議案第48号河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例についてでありますが、流水占用料等について、消費税率の改定等に伴い額を変更するとともに、河川法等の一部改正に伴い所要の改正をしようとするものであります。
 次に、50ページをお開き願います。議案第49号海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例についてでありますが、海岸占用料等について、消費税率の改定等に伴い額を変更しようとするものであります。
 次に、55ページをお開き願います。議案第51号岩手県手数料条例の一部を改正する条例についてでありますが、このうち当部関係は、62ページをお開きいただき、別表第7県土整備事務関係手数料であります。これは、長期優良住宅建築等計画の認定の申請に対する審査等に係る手数料について、消費税率の改定等に伴い額を変更しようとするものであります。
 次に、少し飛びまして、181ページをお開き願います。議案第79号県立都市公園条例の一部を改正する条例についてでありますが、県立都市公園の使用料について、消費税率の改定等に伴い額を変更しようとするものであります。
 次に、190ページをお開き願います。議案第82号花巻空港管理条例の一部を改正する条例についてでありますが、花巻空港施設の着陸料等について、消費税率の改定等に伴い額を変更するとともに、花巻空港の着陸料に係る特別措置を講じる期間を1年間延長しようとするものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇樋下正信委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うこととし、他の委員と重複した内容の質疑は極力避けるとともに、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないよう、議事進行に御協力をお願いします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇柳村岩見委員 道路法において、県道であることが望ましいとされている道路はどんな道路ですか。
〇細川道路環境課総括課長 県道の認定の要件ということでございますが、道路法において、県道とは、地方的な幹線道路網を形成する道路で、かつ、道路法第7条に規定されている主要地と主要地を結ぶ道路とか、主要停車場と主要な観光地を結ぶ道路などの要件を具備している道路ということになります。
〇柳村岩見委員 そういう県道であることが望ましいという道路が県道になっていないという事例は、岩手県内にたくさんあると思います。その、なっているのが望ましいと言われる道路がなっていないということについて、これを県道にしていくという基本的な考え方と、事務の積み上げ、そして実績はどうなっておりますか。
〇細川道路環境課総括課長 県道認定の基本的な考え方と、それから実績についてでございます。現在、本県は膨大な延長の国県道を管理しておりまして、これらの道路施設の老朽化に伴い、維持、更新に係る費用がますます増大することが見込まれております。県の厳しい財政状況を踏まえ、現状では、整備を伴う市町村道の県道への認定は難しいものと考えております。しかしながら、市町村道の整備が進んだことなどにより、地域における交通の流れが県道から市町村道へ変化していると認められる場合などは、市町村道の県道認定と既存県道の市町村道への移管を、あわせて行うことも選択肢の一つと考えているところでございます。
 最近の実績についてでございますが、新規の県道認定は、東北横断自動車道釜石秋田線の花巻空港インターチェンジの開設に伴い、平成14年4月12日に認定しました一般県道花巻空港インター線を最後に、それ以降、行ってはおりません。
〇柳村岩見委員 今までの県当局の答弁と同じでございます。そこは一貫性がございます。分権法における県と市町村との平等ということはそれはそれとして、要するに、県道であるのが望ましいという道路が市町村道のままあるということは、先ほど答弁されました膨大な維持管理費がかかると。そのことは、裏を返してみると市町村が膨大な維持管理費がかかっているということになります。誰かが管理しているのですから。その上で、そういう状況ということ、県の立場、市町村の姿、そういうものがこの道路行政の県道であるべき道路のことに関して成立をしていない。言えば、市町村におんぶに抱っこ。県としておかしくありませんか。その努力ということ。
 過去のことをレクチャーいただきますときに、過去では、道路法に基づいて県道であるべき道路を県道にするために、ローリングをかけて年何カ所ずつとかといって少しずつ県道にしてきた。県の財政が非常に厳しい状況になる中で、そのことが行われて、いつかそうすることをやめてしまったという今日の数年間、10年ほどに及ぶ歴史があると思います。しかし、道路法で言っている、県道であるべき道路というのを県道にするための道路行政というのは、通年でも、毎年でも、積み重ねて努力するべきだと思います。いかがでしょう。
〇細川道路環境課総括課長 県道に認定するということの県の取り組み姿勢ということだと思います。道路でございますが、道路を国の中核を担うような高速道路、それから幹線道路である国道や県道、それから生活道路としての役割が多い市町村道、そういったものがネットワーク、要は、道路網として形成することによって県民の経済活動とか毎日の生活を支えていくものと考えております。その中で、県道であるべきものというのは、一つは、ネットワークとしての広域性といいますか、そういったものの観点、それから交通量とか道路の問題点、それから今お話のございました維持管理、そういったものを総合的に判断しながら、国、県、市町村の役割分担を考えていくべきものと考えております。
 それで、今、県道の認定の要望はたくさん市町村からいただいております。その中で、地元の市町村のお話を聞きながら、困っているところの課題とかそういうのをつかみながら、私どもの県道の道路網のネットワークのあり方を検討してまいりたいと思います。
〇柳村岩見委員 今の答弁の前半のほうは道路法の拡大解釈です。自分の都合のいいように解釈をされていると私は思います。ネットワークということについてはそのとおりですよ。しかし、道路法では、停車場に接続するとかと書いています。新幹線の新花巻駅に接続する道路は、いまだに花巻市道でありませんか。だから、ネットワークということもそのとおりですよ。そのとおりですが、もっと具体的に書いておりますので、その具体性に基づいた道路行政だって行われるべき、十把一からげにネットワークと言って始末をしてしまうことはできません。これは拡大解釈だと思います。
 そして、私は質問する立場からでも、一気にそういう道路を県道にしなさいと申し上げるつもりは全くありません。いつも努力してそういうふうにしていくという、道路行政事務というものを積み上げていくという、そして努力しているんだと、市町村だって道路維持管理をしてくれているよねと。そこだってお金がたくさんあってやっていることじゃないでしょうと。県も大変ですが、しかし、道路法に基づいて、県道であるべきものは県道であるというふうになるように、このように努力していますと。努力を積み上げておりますという姿があるべきではありませんか。
〇細川道路環境課総括課長 道路網の県道の認定のそういう要望路線につきましては、今後も関係する市町村の皆様の御意見を聞きながら、どういう道路であるべきかを検討してまいりたいと思います。
〇柳村岩見委員 最後に部長に所感をお尋ねしたいと思いますが、やはり県道であるのが望ましい道路が市町村に維持管理をしていただいて成り立っているということを、市町村だって大変、財政は県だって大変、しかし、その中で県の立場、市町村の姿というのがあるわけですから、つらい話です。県道にすると維持管理がかかりますから、したくないの。だけれども、しなければならないというつらさ、苦しさ、それを腹に据えて事務を積み上げていくということが必要だと思いますが、部長の所感を聞いて終わります。
〇佐藤県土整備部長 県も市町村も、委員御指摘のとおり、非常に膨大な道路管理をしております。厳しい財政状況の中、今まで積み上げてきた結果、国、県、市町村、今のような役割、ネットワーク等の機能をそれぞれ担っているという形になってきていると思います。その姿につきましては、社会経済情勢が変わっていくという中で、交通量が変わる、あるいは移動の形態が変わるという中で、役割、機能も変化していくと考えております。
 今後もそのような流れをしっかり見ながら、国あるいは市町村とも連携しながら、それぞれの役割がどうあるべきかということもしっかり考えながら、適切な管理ができるように努めてまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 災害復興支援道路の問題についてお伺いします。
 県南地区においては国道284号、そして国道343号を復興支援道路と位置づけていただいて、沿岸部と内陸部の復興に向けた支援道路として、県のほうでも大変力を入れていただいております。
 国道284号については、室根バイパスが昨年に起工いたしまして既にもう動き出しております。国道343号についても、今月の28日に、懸案であった大原バイパスについても全面供用開始ということで、県が財源と人の一括事務移譲ということで進めていただいたその結実がようやくなされるということで、これまでの御尽力に対して心から感謝を申し上げたいと思います。
 さて、そこで、国道343号については、これからの復興も含めて、これは陸前高田市を中心に重要な路線と考えておりますので、きょうはこの点についてのみお伺いをしたいと思いますが、ただいま申し上げましたように、質問の第1は、大原バイパス完成後、地元でも期成同盟会をつくって国道343号の整備についてはさまざま重点的な優先順位をつけているわけですが、県土整備部としては、今後整備に当たっての優先課題、これをまずどのように捉えておるのかお知らせを願いたいと思います。
〇加藤道路建設課総括課長 国道343号の大原バイパス完成後の優先課題についてでございますが、当該地域におきましては、ILCの国際誘致を推進します科学者の皆さんが構成するILC戦略会議の中に設置されました立地評価会議が、平成25年8月23日に、ILCの国内候補地として北上サイトを最適と評価すると公表され、この国際プロジェクトの動向に注目しているところでございます。
 この国際プロジェクトにおきまして、一般国道343号は、新幹線などの広域的な交通施設から研究施設等を結ぶアクセス道路として重要な路線になると認識してございます。現在、本路線の中で調査を行っておりますのは、加速器トンネルにも近く時間短縮効果が大きい一関市大東町大原から渋民橋を結ぶ区間の整備でありまして、今年度については予備的な設計を行っているところでございます。
 今後、国際リニアコライダーの計画熟度の進展に合わせまして、具体的なまちづくりや周辺施設計画を考慮しながら、さらに検討をしていきたいと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 次に質問する項目まで答えていただきましてありがとうございます。
 私もILCに関して政策地域部でも質問させていただいたんですが、この社会資本整備についても、グランドデザインの中でこれから青写真的なものをしっかり県土整備部でも全庁的な課題として描いていくべきでうろうと、そういう観点で質問をしたんですが、国道343号については期成同盟会の中で、ただいまお話があった、もう既に創設換地として地元自治体のほうで取得をしている部分、渋民地域でありますが、そこの切りかえと、それから新笹野田トンネルということになろうかと思います。特に、現在ループ橋、当時は、平成の本当に初めのほうでしたか、大変な観光地にもなるのではないかというような大きな期待を得てつくったループ橋ですけれども、特に冬期間の道路環境が余りよろしくないと。また、余りにも落差が大きいために、雨が降るのと同時に人が降ってくるというようなお話もあって、これは地元としても何とかしないといけないなという話が随分出ております。
 次にお伺いするのは、現在ありますループ橋の交通環境について、県土整備部ではどのような把握をなさっているのかお聞きをしたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 ループ橋周辺の交通環境でございますが、ループ橋周辺は急なカーブ、それから下り坂というところでございますので、交通安全対策としまして、大型標識を4基今年度設置したり、また、道路照明灯の新設とか照明灯のランプを交換するといったことをやっております。また、今お話のありました、特に冬期間の交通安全対策でございますが、この峠、ループ橋を含む笹野田峠付近につきましては、凍結対策重点区間に設定しておりまして、初期除雪の推進ときめ細やかな凍結防止剤の散布、それから注意喚起看板の設置などを実施しているところでありまして、今後も適切な維持管理に努めてまいりたいと考えているところであります。
 また、笹野田大橋につきましては、橋の下の国道への落下防止のために、柵を設置しているところでございます。
〇飯澤匡委員 さまざまな御努力はいただいているということは理解をしております。しかし、大型自動車に乗って下ってみますと、特に冬期間は大変アールのきつさ、それから勾配のきつさというのはよくわかると思います。私も何回か大型自動車に乗って下ってみましたけれども、あそこは大変怖いですね。それらを考えて、また先ほどお話にあったILC建設という部分を含めて、また大型資材等が大船渡港あとは気仙沼港―気仙沼港については国道284号を利用することになると思いますけれども、これからそういう大型資材を運び入れるというような可能性も非常に高くなっていると。そして聞いたところによりますと、ILCの中心部に備えつける測定機械は地元で組み立てるのではなくて、CERNにあるLHCと同じで、上部から本体をつって入れるとも聞いておりますので、これらについての対策もしっかりやっておかなければならないと思っております。
 そこで、繰り返しになりますけれども、このILCのグランドデザインとあわせた社会資本整備について、県土整備部はどのような体制で今の時点でアクセス確保について考えていらっしゃるのか、お知らせを願いたいと思います。
〇加藤道路建設課総括課長 ILC建設に際しまして大型測定機械等の運び込み等が想定されておりまして、建設予定地とILCに関する部品、建設部材の陸揚げが行われるであろう港との間の交通アクセスの確保については、考えていかなければいけないと思っております。
 先ほど申し上げました、昨年8月の立地評価会議の評価結果におきましては、仙台塩釜港、釜石港、大船渡港などからの資材輸送のための道路は、一部の小さな改変箇所を除き、特段の大きな改変やつけかえは必要としないと評価されているところではございます。ただ、県としましても、今後、国際リニアコライダー計画の熟度の進展に合わせまして、必要な検討をしていかなければいけないと思っております。
 県土整備部は、現在、庁内に設置されましたワーキンググループ、まちづくりインフラ分科会にも参加しまして、その辺のところを一緒に考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 最後にしますが、ILCにかかわらず、陸前高田市の復興にかかわる重要路線であります。特に、陸前高田市からも非常にこの国道343号の整備については、期成同盟会あとは地域要望も含めて、最近かなりの要望の熱も上がっていると聞いております。特に新笹野田トンネル、ループ橋を経由しなければならない今のトンネルについては、地元としても大部分は問題が多いという指摘がありますので、この復興をなし遂げると、成就をさせるという意味においても、新笹野田トンネルの開通というのは私は必要不可欠であると考えます。ああいうループ橋をつくってしまったがために、なかなかトンネル化というのが後手後手に回っているという部分もありますけれども、四半世紀を過ぎた中で、新たな交通体系、また、ILCというものもある。これを県土整備部もしっかり捉えて、前々に計画を立てていただきたい。
 これも何回も質問しているわけですが、長大トンネルになる可能性が高いので予算的なという話に終始しているわけですけれども、これに執着をしていると肝心な部分で手落ちになってしまう部分があると考えます。
 工藤勝子委員が立丸峠の部分について毎回質問をするということで見事に成就なされましたので、私もことしから毎回質問させていただいて、今までも随時質問させていただきましたけれども、そういう思いを持って進めていただきたいと思うんですが、最後に所感があったらお願いをいたします。
〇佐藤県土整備部長 笹野田に新しいトンネルをということにつきましては、今お話がありましたように何度も御質問をいただいておりますし、地元地域からの御要望もいただいております。そういう思いは私もよくわかるところではありますけれども、先ほど道路建設課総括課長が申し上げましたように、まず、ILCについては、まだ方向を見きわめてから対応するという段階にあるということ、あと、現在の道路でございますけれども、本当に繰り返しになって大変恐縮でありますけれども、昭和49年から延長約6.5キロについて、総事業費69億円をかけてトンネル4カ所、ループ橋初め21橋梁により交通の難所の解消が図られたと、一定の道路サービスの確保がされたという状況になっているものでございます。
 そのようなことを踏まえまして、現時点で長大なトンネルを含む大規模な整備ということはなかなか難しいと考えております。いずれ、今後、ILCの進捗状況あるいは県全体の道路整備等を考えながら検討していく課題だと思っております。
〇飯澤匡委員 昭和49年以降云々という話がありましたけれども、本当に地元がああいうループ橋をつくってサービスを享受したかというのは、私は極めて疑問だと。一説によれば、かなり国土交通省が―その当時は建設省ですか、壮大な実験、これは山梨県等でもループ橋の建設について今非常に問題が惹起しているやに聞いておりますので、ここは住民サービス、それから復興という観点でそれは過去の経緯にこだわらずに、大体にして、今の時点でもかなりの交通の部分に、特に冬期間については問題がありますので、しっかりとそこらは捉えていただきたいと思います。
〇喜多正敏委員 私からは大きく二つについてお伺いをしたいと思います。
 日本とか岩手は急傾斜地が多く、砂防急傾斜地崩落対策等は安全・安心な暮らしからまことに重要であり、これについてお伺いします。
 現在、保全人家5戸以上、または、公共施設を有する土石流危険渓流数、保全人家5戸以上ある急傾斜地崩落危険箇所はどの程度あるか。また、現在までの整備計画完了数、平成26年度の整備計画の計画渓流あるいは計画箇所数を含め、今後の事業の見通し、課題と対応についてお伺いします。
 また、土砂災害警戒区域等の指定の状況についてもあわせてお伺いします。
〇加藤砂防災害課総括課長 砂防事業及び急傾斜地崩壊対策事業の取り組み状況等についてでございますが、事業対象としております保全人家が5戸以上、または公共施設を有する土石流危険渓流は県内に2、204渓流あり、平成25年度末で192渓流の整備を完了する予定となっております。また、保全人家が5戸以上ある急傾斜地崩壊対策危険箇所は県内に1、792カ所あり、平成25年度末で272カ所の整備を完了する予定となっております。
 平成26年度は、土石流対応の砂防事業につきましては、滝沢市の滝沢地区など20渓流の整備、また、急傾斜地崩壊対策事業は、宮古市の山口地区など16カ所の整備を進める予定としております。
 砂防施設等の整備には膨大な時間と費用を必要としますことから、事業効果を早期に発現できるよう取り組んでいく必要がございます。
 事業導入に当たりましては、災害時要援護者関連施設や公共施設、過去に被災履歴等のある箇所を優先的に進めているところでございます。
 続きまして、土砂災害警戒区域指定等の対応状況についてでございます。県内の土砂災害危険箇所1万4、348カ所に対しまして、警戒区域指定済み箇所は2月末時点で3、004カ所、視定率21%となっております。
 区域指定に当たりましては、その範囲を定めるための基礎調査を実施いたしまして、市町村と協力して地元住民への説明会を行いまして、地域の合意形成を図りながら区域指定を行っているところでございます。
 区域指定後の警戒避難体制の整備につきましては、各市町村において避難体制に関する事項を地域防災計画に定めるとともに、土砂災害ハザードマップを作成いたしまして、地元住民への周知を図るということにしております。
 県としましても、引き続き土砂災害警戒区域の指定を進めまして、市町村の警戒避難体制整備のための支援をしてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 警戒指定とかそういったようなことについて、地元で県から説明を受けたと。説明を受けたけれども、果たしてそれではどうしたらいいかということで非常に不安を募らせたと。
 滝沢市でありますけれども、ある団地ではそこの進入路が1本しかなかったということで、市当局とお話し合いをしてもう1本道路をつくって避難をするということで備えたということもありました。非常にそうしたことについては、指定とともに、まずここは危険な場所だと見るからにわかるようなところもあるわけでありますけれども、ぜひ県としても、今お話がありましたとおり、地元住民への丁寧な説明と、それから避難とか防災とかいろんな関係団体と合わせまして、そうしたことについて十分整備を進めるとともに、ソフトの面でも、いろいろと徹底的に説明なり体制の整備をしていっていただきたいと思っております。特にも、最近は集中豪雨が起こるということで、これからもそういうことが頻発をしていくと思いますので、そうしたことに合わせまして、部長の御所見をお伺いしたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 土砂災害につきましては、先ほど砂防災害課総括課長が申し上げましたとおり、非常に対象となる箇所数が多いと。一方で、ハード対策がなかなか進まないという状況にございます。そういう中で、人の命を何とか守りたいということで、土砂災害警戒区域の指定というような考え方が出されてきたものでございます。この部分についても、まだそれほど進んでいる状況でございません。ハード対策はハード対策として着実に進めながら、まずは土砂災害警戒区域の指定を進めて、市町村と一緒になって地域の方々が安全に避難できるような体制、構築に取り組んでまいります。
〇喜多正敏委員 急傾斜地において、民地で立木があると。これが崩落をして、そこの河川を塞いでしまうような危険な箇所も随分と見受けられるということで、そうした際は、県有林であれば別に問題ないわけでありますけれども、その民地との話し合いについてもぜひいろいろな面でアドバイスを重ねていっていただきたいと思います。これは要望であります。
 次に、予算に関する説明書196ページのいわての住文化継承事業についてお伺いいたします。
 本県の住文化を継承し、豊かな住生活を構築するためとしておりますが、本県の住文化とは何と捉えているのかお伺いします。
〇勝又住宅課長 岩手県の住文化についてですが、本県の気候に対応した住宅、地域の資材を用いた住宅、生活環境に対応した住宅そのものや、それを建てる大工等の供給側の体制など、これまで岩手県の先人たちが築き、守ってきた住宅文化の総体であると考えています。
 具体的には、例えば本県の厳しい気候環境を踏まえた、雪や寒さに強い住宅、気仙大工が気仙杉を用いて建てる住宅、馬とともに生活するための南部曲り家などとその供給体制であろうと考えております。
〇喜多正敏委員 物理的な構造もさることでありますけれども、そこで年中行事が行われたということでの生活様式を体現するのが住宅であると思うわけでありますけれども、一方、現代では非常に住宅のプレハブ化が進み、在来工法の建築について、設計とか、実際、建築に当たる大工あるいは技能的な職人が非常に少なくなってきているということで、そうした事業の中で伝統的な工法を継承するための調査検討事業が予算案に計上されておりますけれども、伝統的工法による建築を進めていく上で、課題と当該事業の内容、これをどのように具体的に生かしていくのかお伺いします。
〇勝又住宅課長 伝統的工法の課題、事業の内容、活用方法についてですが、伝統的工法が継承されていくための最大の課題は、市場においてその価値が適正に評価され、需要が生じることだと考えております。そこで、本事業におきましては、今年度募集した伝統的工法のモデルプランを類型化し、専門家の意見も踏まえながら伝統的要素の抽出を行いたいと考えております。さらに、各伝統的工法の設計事例集を取りまとめ、一般の方々、工務店、設計事務所等に広く周知を図っていきたいと考えております。
〇喜多正敏委員 設計する、あるいは建築する方のそうした伝統的な工法について、最近はどうも組み立てする職人はいるけれども、刻んだり物をつくっていく方が随分と少なくなって、頼んでもなかなかできないという状況もありますので、これもデジタル化あるいはビジュアル化して、ぜひわかりやすいデータを残していっていただきたいということと、あわせて、消費者に対して、住宅を建てる施主に対して、いろいろな手だても講じているわけでありますけれども、PRをしていっていただきたいと思います。
 現在、住宅80万戸時代といっても、昔と今では内容が大変異なっておるわけでありまして、柱には集成材が85%使われている。一方、使用量の多い羽柄、下地材は国産材比率が36%。いわゆるはり、桁に至っては国産材の比率は5%しかない。幾ら住宅が建っても国産材、県産材が使われていないような状況になっているということが一方ではあるわけであります。
 また、施主あるいは工務店からお伺いすると、材種がそろわないというような苦情というか要望がある。県産材活用ということを掲げられているわけでありますけれども、供給するサイドからは、山側の問題として製材も含めていろいろな手だてを講じられているわけでありますけれども、問題は使うほうからということでありますけれども、適時適切に必要な乾燥材とか、あるいは強度表示をされた県産材あるいは必要な材種は、今お話し申し上げました柱とか羽柄材とか、そういったものがうまく供給されているか。価格面も含めてこうしたことについての建設サイドからの所見、あるいは平成26年度も含め、これらについてどのように対応しようとしているのかお伺いします。
〇勝又住宅課長 県産材活用の課題と対応についてですが、岩手県、宮城県及び福島県の地域型復興住宅推進協議会が行った被災3県の木材の生産、加工、流通に関する実態把握調査によりますと、県産材を活用する場合の課題として価格が高いと回答した工務店等が49.1%、調達することが困難と回答した工務店等が20.8%となっておりました。
 県産材の価格が高いことへの対応としては、今後も、生活再建住宅支援事業や住みたい岩手の家づくり促進事業といった補助事業を通じて県産材利用の促進を図っていきたいと思っております。
 また、調達が困難となっていることについては、岩手県地域型復興住宅推進協議会におきまして、木材等の資材について、普段はつき合いのない供給事業者から資材を融通するための連絡体制を来年度から整えることとしておりまして、県産材の調達を支援できるように準備を進めているところです。
〇喜多正敏委員 よく言われるわけでありますけれども、販売なくして事業なしということと、それから、物を売る場合に、やっぱりプロダクトインということで、そうした末流というか、住家のほうから見た供給体制の整備ということが極めて重要だと思うわけであります。県産材活用ということは皆、大賛成なわけでありますけれども、なかなか遅々として進まない。山元の路網整備とか高性能機械の林業資材を投入するとかいろいろなこともあるわけでありますけれども、いずれこれは極めて重要な問題だということであります。
 また一方、合板も非常に盛んになってきているわけでありますけれども、クロスラミネート工法ということで、現在までは3階くらいの木造建築しかなかなか難しいということが、8階とか9階建てのビルもそうした工法を採用することによってヨーロッパでは建築をしている。こうなれば極めて木造建築というものの将来性が出てくるのではないかなどといったようなことも含めて、ぜひ建設サイドから、森林あるいは製材のほうに対していろいろな情報の提供あるいは技術、新製品の開発について提案をしていっていただきたいと思うわけでありますけれども、佐藤部長の御所見をお伺いしたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 県産材活用についてでございますけれども、先ほどお話しいたしましたいわての住文化継承事業については岩手県で長年培われてきた伝統的な工法に着目しておりますけれども、あわせて県産材を使っていただくことも非常に大事なことだと思っております。委員御指摘のとおり、使う側―こちら側がきちんとどういうものが欲しいのかというのを供給していただく側に示していく。そこでしっかり情報を共有しながら、流通がうまく回るような仕組みというのが非常に大事なことだと思っております。
 先ほど申し上げましたように、地域型復興住宅推進協議会の活動等を通じて、そのような枠組みがしっかりでき上がって活用が進むように取り組んでまいりたいと思います。
〇喜多正敏委員 しっかりと取り組んでいただきたいわけでありますけれども、住宅展示場に行くと、近代工法というか非常にしゃれた住宅が並んでいるわけでありますけれども、岩手の住文化を化体した住宅を見るところがない。さんざん言われているペレットストーブもなかなか見る機会がなくて、いろいろな催事のときに片隅でちらちらと燃えている。こういうことでは、理解を求めるといってもなかなか、連続10年という住宅メーカーもあるわけでありますけれども、やはりこうした具体的な形を建てて、見せる。あるいは、こうした住宅を建てる場合には、全体がそうでなくても、県産材を使うということについて具体的に説明できるような場所づくりも必要だと思うんです。売る気になって物事を進めていくということでそうしたことも必要だと思いますが、これは直ちに建築しろと言っても、その場所とか予算の関係もあるでしょうから、こうしたことについてもぜひ検討していっていただきたいということで、要望で終わります。
〇小野共委員 災害公営住宅の入居の資格についてお聞きします。
 この1月末の段階で、公営住宅6、038戸完成予定のうち、もう既に御承知のとおり467戸完成しておるわけです。引っ越している人たちが400世帯いる。入居の資格、申請の添付書類について、入居希望の方々から課題、要望などが出ておりますので、それをお伺いいたしたいと思います。
 県の災害公営住宅の入居の資格について、県では、入居者に入居者個人の所得証明あるいは納税証明を要求しております。これは当然のことだと思います。このほかに、連帯保証人等保証人の所得証明書というものを添付書類として要求しております。入居の予定者、希望者の人たちとお話しすると、連帯保証人になってくれという話でさえもお願いするのが心苦しい。それ以上に、連帯保証人になってもらったその上に、所得証明書を出してくれとお願いするのもさらに心苦しいという話を聞いておりますので、これは何をやろうとしているのかと。これは何とかならないのかという話をされております。
 市町村営の災害公営住宅の入居資格も先日資料でいただきました。連帯保証人をつけてくれと。今、災害公営住宅をつくっている11市町村全てにおいて連帯保証人を必要としていると。県の災害公営住宅の入居のしおりに倣っているのだろうと思いますけれども、そういったような状況であります。
 この入居の基準は、震災前の県営あるいは市町村営の公営住宅の基準、連帯保証人の所得証明であるとか納税証明であるとか、そういった要件と全く同じであるわけですが、これはやはり何らかの配慮がされるべきなのではないか、当然そう思うところでありますけれども、見解を聞かせてください。
〇勝又住宅課長 災害公営住宅の連帯保証人と所得証明についてですが、入居者の連帯保証人については、入居者が家賃を滞納した場合に、事業主体である県が適切に家賃を徴収できるように求めているものであり、連帯保証人に家賃の支払い能力があるか否かを判断するために、その所得証明が必要となるものであります。また、連帯保証人を確保することは、入居者にとっても、家賃を支払えない場合に、県が退去等を求めてくる前に連帯保証人に家賃を請求してくれるという利点があります。
 なお、県では、震災により家族や親戚が亡くなった場合など、やむを得ず連帯保証人を確保できない場合には連帯保証人を求めないこととしております。また、市町村においても同様の取り扱いをしていると聞いております。
〇小野共委員 県営も市町村営も入居のしおりにはそう書いておきながら、つけられない場合にはつけなくても結構だというような取り扱いというのは、本当にそれは公平だと言えるんですかね。
 入居希望者の人たちにしてみれば、本当に苦労して探している人たちもいるわけで、その人たちは苦労して探して入れて、見つけられなかった人たちは、じゃあいいですよと。見つけられなくても入って構いませんよというようなやり方というのは本当に公平ではないのではないかと思います。市町村の担当者に聞くと、そういったようなことは、やはり実際に窓口とすればできないと思いますという話は私の耳に入ってきております。
 やはりここは、先ほども申し上げましたとおり、災害公営住宅は震災前の市営、県営アパートと同じ基準なわけです。これは何で同じ基準で運営する必要があるのか、そこに疑問が残ると思うんです。応急仮設住宅に入居している人たちに聞くと、応急仮設住宅に入居している人たち同士で連帯保証し合うという話をしている人たちもいます。しかし、沿岸被災市町村の入居のしおりの運用を見ますと、連帯保証人の資格として災害公営住宅に入居していない方という条件を付しているところもあるんですね。だから、なかなか難しい話になっておりまして、そもそも何でこの災害公営住宅の入居の基準を決めるときに災害公営住宅以前の震災前の通常の場合の県営あるいは市町村営と同じ運用になったのか、全く私はここが疑問に思うところであります。何とかその運用を見直してもらえないかと思うところであります。
 加えて、滞納した場合、県土整備部の常任委員会でも何度も出てきておりましたけれども、滞納した場合、訴訟という手段にも担保されているわけであって、つまり、入居者の滞納があった場合には訴訟という賃貸料を取れる手段が残されているわけです。それだったら、何でこういったような非常時に非常時らしくない話になってくるのかという話になっていくのだろうと思います。もう一回答弁をお願いします。
〇勝又住宅課長 家賃滞納があった場合、県がとれる手段としては大きく三つあろうかと思います。一つは、敷金から家賃滞納分を引く考え方、それから連帯保証人に請求するやり方、最後の手段としては、訴訟によって家賃の支払いと退去を求めていくやり方というのがあると思います。災害公営住宅については、被災者の方の負担を考えて、敷金については免除しているところです。ここでさらに連帯保証人についても求めないということになりますと、家賃滞納があった場合、県がとり得る手段というのは、訴訟、それから退去を求めていくということになってしまいますので、それについては、入居者の方の保護の観点からも連帯保証人はなるべくつけてもらうほうがいいだろうということで、連帯保証人については要件としているところです。
 ただ、先ほども申し上げましたように、頼れる親もいない、知人もいないということであれば、そこについては連帯保証人はなくても入居していただけるという運用をしているところです。
〇小野共委員 先ほど申し上げましたとおり、繰り返しになりますけれども、そうなのであれば入居のしおりに書いておいていただきたいと思います、これは厳密ではありませんとか。そうじゃないと、やはり公平性がとれないと私は思いますよ。
 やり方とすれば、やはり1回目に入る入居者というのは、連帯保証人と添付書類―所得証明は不要にすべきではないのかと。1回目の災害公営住宅に入居される方、これはもろに被災者の方々でありますので。2回目に入ってきた方々、厳密に罹災証明を持っていない方々については従来の災害公営住宅あるいは市営住宅の基準でいいと思います。いいと思いますけれども、1回目に入居される方々については、やはりこれは基準を緩和すべきだと思います。これはもう一度検討をお願いしておきます。
 次の質問に入ります。
 さらに入居者資格についての話ですが、現行の県営アパートの入居者資格にはさまざまな基準があるわけでございますけれども、五つほどありましたね。東日本大震災津波により住宅を滅失した者、国で定める事業により移転を余儀なくされた者、あるいは住宅を失った者、アパート等の賃借人が自己都合によらず退去せざるを得なくなった者、あるいは暴力団員でないことなどさまざまありましたが、実際、首長の皆さんと話をしておりますと、これは前々から、先日も質問しましたけれども、応急仮設住宅のときからの要望がありましたけれども、災害公営住宅にもUターンで町に戻ってきたい人たちも入れてほしいと。私は、確かに今の沿岸の被災地の人口減少の現状を考えれば、これは当然の要望だろうと思っております。当然、筋とすれば、罹災証明を持った人たちが全員入った後でという話になるのだろうと思いますけれども、Uターンの人たちは厳密に言えば罹災していないわけですから。空き部屋があれば、罹災証明を持った人たち、被災者が全員入った後で入れてもいいのではないか、そういった方針を出してもいいのではないかと思っておるところでございます。応急仮設住宅の目的外使用の話にしても、時期とすれば話が遅過ぎるのではないかと。本来、あの話というのは災害公営住宅の話なのではないかと思っております。災害公営住宅の入居基準の緩和について、現時点での県の方針を聞かせてください。
〇勝又住宅課長 U・I・Jターンのことが例として出ておりましたけれども、災害公営住宅について、被災者がもういなくなった、応急仮設住宅で生活する方がいなくなったということを前提にして、空き室がある場合には、そこに、基本的には通常の公営住宅と同様に低額所得者の方、それから高齢世帯の方に入っていただくことになるんですけれども、目的外使用が認められる事例として幾つか限定列挙されているものがありまして、その中の一つにU・I・Jターンの方も認められております。ですので、将来的には、あきが生じてきた災害公営住宅について、U・I・Jターンの方に住んでいただくことは手続を踏めば可能となっています。
〇小野共委員 災害公営住宅であきがある場合は、将来、Uターン、Iターンの人たちを住まわせることが可能である、了解しました。ありがとうございます。
 3点目の質問であります。
 スクラムかみへい住宅というのがあります。釜石市、大槌町、遠野市の木造住宅にかかわる事業者54社から成っている上閉伊地域復興住宅協議会というものが震災の年―平成23年11月に発足しておりまして、遠野市でプレカットした木材を現場に運んできて使うため、工期と値段がかなり安くできるというすごく喜ばしい協議会なのでありますが、大体100平米―33坪で1、000万円ほどという住宅となっております。実はこれはマスコミ報道等、鳴り物入りで導入された話でありましたが、現時点での完成戸数は1棟だけという話であります。平成23年にこの協議会が成立してから、実は完成戸数が1棟だけということになっておりますが、課題は何であると当局では認識していらっしゃいますか。
〇勝又住宅課長 上閉伊地域復興住宅協議会の代表会社の方から聞き取ったところによりますと、協議会の設立当初は業者間の意思疎通がうまくいかなかったということでしたけれども、その後、話し合いを進めた結果、現在は受注できる体制が整っているということで、完成戸数は少ないんですけれども、今現在の契約戸数としては21戸まで伸びてきているというお話でした。
 それからもう一点、建設費が上がっている現状を踏まえまして、工務店が快く引き受けてくれるように受注価格を見直したということでして、現時点では順調に動き出しているようです。
〇小野共委員 私も現場の方々と話をしている限り、33坪1、000万円という価格だけが先走りしてしまって、これだけ人件費と資材が高騰している中で、その値段ではとても請け負えないというような話が協議会の内部から出ているという話が聞こえてきたものですから、うまくいっているのだろうかと。では、うまくこれを動かしていくためにはどうすればいいんだろうかということできょうこの質問をさせていただいたわけでございますけれども、最後にお聞きしたいのですが、県のかかわり、スクラムかみへい住宅、この協議会に対するかかわりというのは今後どういったスタンスでいくところですか。
〇勝又住宅課長 この上閉伊地域復興住宅協議会は岩手県の地域型復興住宅推進協議会に所属しております。この地域型復興住宅推進協議会に県も名前を連ねておりまして、そちらのPR活動ですとか、あとは住宅フェアでの展示ですとか、そういったものを通じて地域型復興住宅推進協議会全体のPR活動、盛り上げに取り組んでいきたいと考えています。
〇福井せいじ委員 まず最初に、平成25年9月16日に発生しました豪雨災害復旧計画についてお伺いいたします。
 まず最初に、玉山区の松川についての復旧工事の説明会がことしの1月23日に行われたと伺っておりますが、今後の松川における復旧のスケジュールをお伺いしたいということが一つと、また、治水対策についても今後どのような形で取り組んでいくかを伺いたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 台風18号に伴う盛岡市玉山区の松川における河川の災害復旧の状況でございますが、河岸や堤防の欠壊箇所があります。これにつきましては災害復旧事業によりまして復旧することとしておりまして、昨年12月には災害査定を終了し、現在、発注手続を進めております。順次工事に着手いたしまして、早期復旧に努めてまいりたいと思います。
 それから、浸水被害を防止する治水対策につきましては、委員御質問のとおり、玉山地区地域協議会など地域の方々への説明を行っておりますが、さらに、今、土地利用状況等を勘案しながら検討を進めておりまして、これがまとまり次第、また地域の方々にそれをお示しして計画の詳細を詰めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今回の豪雨災害は、松川と同時に合流する北上川でも発生しておりますが、今、北上川に関する復旧、それからまた治水対策に関してはどのような取り組みをなさっているのかも重ねてお聞きしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 北上川に関する復旧、治水対策の取り組み状況についてでありますが、北上川についても、四十四田ダム上流の県管理の北上川沿川において浸水被害が発生したところであります。河岸や堤防の欠壊箇所につきましては同じく災害復旧事業により復旧に取り組んでおりまして、こちらにつきましては昨年12月に工事は完了しております。
 また、治水対策についての検討も松川同様、一体として検討を進めておりまして、従来から検討は進めておったんですが、昨年9月の台風18号により浸水被害が拡大したということもありますので、今、北上川については見直しをかけて、松川と一体として再検討を行っております。治水対策がまとまり次第、北上川の沿川の方々にもお示しして詳細を詰めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 いずれそうすると、松川、北上川あわせて同時にこの治水対策について進行していくということでよろしいのでしょうか。
 それを一つ確認したいことと、また、この北上川、松川の合流地点においては圃場整備事業も計画されていると伺っておりますが、この圃場整備事業とのかかわりについてはどのように取り組んでいくのかお示しいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 まず、治水対策については、北上川、松川合流して、その後に県管理区間を経由して船田橋を過ぎて四十四田ダム下に入っていくということで、一体の計画として作成することが必要だということで、これは同時に進めてまいりたいと考えております。
 それから、北上川の圃場整備との調整につきましては、圃場整備の計画があるという情報はいただいておりますので、これについては、河川計画が定まり次第、圃場整備側とも調整して、土地の利用等については検討してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 ぜひとも松川、北上川一体となった復旧、そしてまた治水対策工事に取り組んでいただきたいと思いますが、そこで、さらにお聞きしたいのですが、この工事は一体どれくらいかかるものなのか。非常に大規模な治水対策の工事になるとは思うんですが、どれくらいの期間を要するものなのか。そしてもう一つ、この治水対策費用がどのくらいかかるものなのか、今の時点で、推定額で結構ですのでお聞かせいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 先ほど申し上げました治水対策に係る事業費につきましては、まだ把握できる段階にはございません。ただ、一般論として、一連の区間の治水事業を行う場合、やはり大規模な事業費となることが想定されております。一時雨が降りますと、未改修の区間に昨年のように被害が集中するというような状況になりますが、根本的な改修が一気に終了できるという状況はまれでございまして、やはり相当期間がかかるのが実態であります。従来からも予防防災的な河川改修は実施しておりますけれども、時折、数年に1度は大きな災害があります。こういった場合には、災害復旧と抱き合わせの河川改良ということで、なるべく国費の導入を図って足早に進めるという対策もしておりますが、いろいろな改修、治水対策によってはそういった災害復旧費を導入できない場合もありますので、一般的な河川改修費を導入していかなければならないということもあります。そうなると、今、手持ちの予算の中での配分を工夫しながら重点的に進めていくことを考えていかなければなりません。ということもありまして、相当数時間はかかると思いますが、県内のいろいろな必要な治水対策箇所を見ながら、その都度状況に応じて重点的に予算を配分していかざるを得ないものと考えております。
〇福井せいじ委員 今の課長の御説明によりますと、かなりの予算規模になるということと、それに応じてやはり工事期間もかなり長くなるということをお聞きしましたが、ここで、予算というお話が出たんですが、国費という話も出たんですけれども、このような災害対策における県及び国の財政措置はどのような形でなされるのか。これは課長がわかるのか、もしくはどなたかにお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 治水対策に関する予算の措置につきましては、通常、今回も県の予算案として、先ほど部長からも説明がありましたが、計上しているところです。基本的に、河川改修事業も費用がかかるということで、社会資本整備交付金、これが国費を導入できる事業、メニューになっておりますが、なるべくこのメニューに盛り込んでの実施ということで執行しているところでありますが、こういった採択基準に乗らないものにつきましては、県単独費を措置していただきまして対応しているところでございます。災害が起きた場合には、また別途、対応事業等の導入が可能な場合は極力導入して対応しているところでございます。
〇福井せいじ委員 社会資本整備交付金の話も出ましたが、私が特にお聞きしたいのは、こういった災害において、対策事業を行わなければいけない、復旧事業を行わなければならない場合、激甚指定というものもあるんですが、国において、やはりこういった財源をどうやって確保していくかということもひとつ県側からも要望していく必要があるのではないか。今後、局地的な災害が非常に至るところで起きる可能性があります。そうした際に、通常の予算措置、財源措置ではなかなか、先ほど課長がおっしゃったとおり工事が進まない可能性があります。そのうちにまた二次災害、三次災害が起こる可能性がありますので、やはりこういった備えとして、国に対して、基金なりを創設してすぐにお金が使えるような制度を要望していくことも必要ではないかと思うのでありますが、部長、いかがお考えかお聞かせください。
〇佐藤県土整備部長 近年、大規模災害が県内各地で発生しております。そういうことも踏まえまして、私どもは、さまざまな機会を通じて国に対しては財源の手当て等について要望を重ねてきております。昨年の災害で申し上げますと、松川、北上川については、これから具体的な治水対策の結果を踏まえて国の事業を導入できるかどうかという検討に入るんですが、例えば雫石川ですと、一連区間での災害箇所がかなり多かったがために、災害復旧事業と通常の改修―これも国費導入できるんですが、災害関連というような形で、できるだけ早い期間で国費を導入してやる。あるいは岩崎川についても非常にたくさんの戸数が床上まで浸水したという大変な災害でありましたので、床上緊急対策事業というようなことで、短期間に国費を導入するというような事業も導入しながらやっていきます。
 そうはいいながら、なかなかできない、通常の河川改修的なスピードの箇所もたくさんあります。そういう中で我々が考えなければならないのは、ただ機械的にやっていくのではなく、家が密集しているところからまず先にやるとか、そういうふうなやり方も我々自身工夫しながら、考えながらやっていくことも必要だと思っております。いずれ、さまざまな手だてを通じて、できるだけ早く効果のある治水対策をしていくことが我々の責務だと思っております。
〇福井せいじ委員 非常に、今、私たちの県は、大震災の影響で復旧、復興工事も必要ですし、こういった局地的な災害における被災者の生活と安心を確保しなければいけないということで、さらにそういった制度の整備についても国に対して要望していただきたいと思います。
 次に、災害公営住宅、先ほど小野共委員からもありましたが、私は、資格ということではなく、入居状況について確認していきたいと思いますが、現在、釜石市の平田災害公営住宅が県の担当で完成しました。整備戸数126戸に対して、2月末現在は87戸、それからさらに入居も進んだと伺っておりますが、そういった中で、空き戸数の発生する原因をまず示していただきたいと思います。
〇勝又住宅課長 釜石市平田団地の空き住戸の原因についてですが、釜石市平田団地の入居者数については、現時点では97戸まで埋まってきている状況です。
 平田団地で空き住戸が発生している原因としては、時間の経過とともに被災者の方の意向が災害公営住宅の入居から持ち家再建に変化したこと、それから、利便性が高いなど、より自分の希望に沿った災害公営住宅の完成を待っていること、災害公営住宅では新たに家賃負担が発生することなどが考えられます。
 県では、入居者の募集を随時募集に切りかえるとともに、内覧会の実施や、案内チラシを周辺の応急仮設住宅に配布することなどにより入居の促進にこれからも努めていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 そういった利便性あるいは持ち家再建ということについては、これからも考えられることでありますし、また、当初からそういった心配はあったと思います。その結果の現在の進捗状況にあると思います。同時に、市町村が事業主体となった団地についてもやはり空き戸数が散見されるということでありまして、非常にこれからこの入戸調整の取り組みが重要になってくると思っております。この入戸調整の取り組みについて、これから県は市町村とどのような形で行っていくのか。また、住民と整備事業主のまたそういった関係も重要になってくると思いますが、この2点についてどのような形で取り組んでいくのかお示しいただきたいと思います。
〇勝又住宅課長 今後の入居希望の変化に対する対応についてですが、災害公営住宅に空き住戸が生じないよう、今後も引き続き市町村と相談をしながら、市町村においては引き続き意向調査を行っていくこととしておりますので、随時、被災者の方のニーズを把握していきたいと思っています。被災者の入居希望の総数が変化した場合には、完成時期が比較的遅い団地の整備戸数を増減させることによって対応していきたいと思っています。
 また、各団地の入居希望の数が変化した場合には、工事着手前であれば設計を変更してでも対応したいと思っております。他の団地への誘導など団地間の調整も行いながら、できる限り空き住戸が生じないようにしていきたいと思っております。
〇福井せいじ委員 今のお話ですと、市町村と県との調整を行っていくという考えでよろしいのでしょうか。
〇勝又住宅課長 災害公営住宅は県と市町村で分担して建てておりますので、当然総数についてはニーズ調査の中で把握します。当然、県は県で調整するというわけにはいきませんので、県と市町村で戸数も一緒に調整していくということになります。
〇福井せいじ委員 ぜひこの空き戸数が出ないようにしていただくのがまず一つ必要だと思います。そしてまた、空き戸数があると、そこに住まわれる方も環境的に非常に悪い状況になると思いますので、そこをぜひ何とか満室になるように取り組んでいただきたいと思いますし、また、先ほど利便性の問題がありましたが、利便性をいかに高めていくか、これも附帯的な環境整備として必要だと思いますので、そういったことに取り組んでいただきたいと思います。
〇樋下正信委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時49分 休 憩
午後1時2分 再開
〇樋下正信委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、当職から御報告いたします。
 去る3月14日の商工労働観光部の審査終了後、柳村岩見委員から議事進行のありました件について、3月17日、18日及び本日開催しました世話人会での協議結果を報告いたします。
 この件につきましては、議会としての対応という申し入れであり、予算特別委員会といたしましては、このまま審査を続け取りまとめに入ることとするとの結論に至りましたので、御了承願います。
〇斉藤信委員 取りまとめはいいんだけれども、予算特別委員会で事実上の集中審議をやって、全ての会派から、あの検証報告では納得できないと、こうなったわけですよね。だとすれば、検証報告に対する議会の対応はどうするのか。どのレベルで協議しようとするのか、世話人会はどういう議論をしたんですか。
〇樋下正信委員長 先ほどもお話ししましたけれども、世話人会の結論を出しましたので、そのような形で御了承願いたいと思います。
〇斉藤信委員 結論を出したというけれども、あれだけ議論をして、検証報告について何か議会としてやらないんですか、再検証しろとか。
〇樋下正信委員長 ですから、先ほども言いましたけれども、この件につきましては、議会としての対応という申し入れでありました。予算特別委員会といたしましては、このまま審査を続け取りまとめに入っていきたいと。ですので、あとは議会のほうでということになっていくものと思っております。よろしいですか。
〇斉藤信委員 ちょっと意味不明なんだけれども、あれだけの議論をして、検証報告に対して、私は、予算特別委員会で取りまとめの中でやるのか、それともまた別な形で検証し直せと、あれだけの議論をやったんだから何もなしということにならないんじゃないの。世話人会はそういうあれなの。
〇樋下正信委員長 ですから、この件につきましては議会としての対応という申し入れであり、予算特別委員会としては、このまま審査を続け取りまとめに入っていくという結論に至りましたので、御了承願います。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。これから質疑を続行いたしますが、この後、8人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うとともに、他の委員と重複した内容の質疑は極力避けるよう、改めてお願いいたします。
〇高橋昌造委員 予算に関する説明書185ページの道路橋りょう維持費に関連して、歩道の整備1点のみについてお伺いいたします。
 まず、県が管理している国道、県道においての歩道の設置状況はどうなっているのか。また、そのうち、通学路における歩道の設置状況もどうなっているのか、あわせてお伺いいたします。
〇細川道路環境課総括課長 歩道の設置状況についてでございますが、本県における歩道の設置状況は、平成25年4月1日現在、県が管理している国県道約4、190キロメートルに対し、歩道設置延長が約1、648キロメートル、設置率が39.3%となっております。また、通学路においては、通学路の全延長約1、100キロメートルに対し、歩道設置延長が約822キロメートル、設置率が74.4%となっている状況にございます。
〇高橋昌造委員 それでは、平成25年度において、県内の市町村から歩道整備に関する要望、状況はどうなっているのか。例えば何件ぐらいあったのか。また、そのうち、通学路に関するものもどのくらいあったのか、あわせてお伺いをいたします。
〇細川道路環境課総括課長 歩道の整備に関する要望についてでございますが、平成25年度に市町村から歩道の整備を要望されている件数は65件ございます。そのうち、主に通学路として歩道整備を要望されているものは39件となっている状況でございます。
〇高橋昌造委員 そういった多くの歩道整備に関する要望がある中で、今後、県はどのようなお考えで歩道の整備を進めていくのか、お伺いをいたします。
〇細川道路環境課総括課長 歩道整備に当たりましては、市町村からの要望を踏まえ、小学校の通学路などで交通量が多い箇所とか、交通事故が多発している箇所といった早急に交通の安全を確保する必要がある箇所などで整備を進めており、今後とも、そのような考えで安全な歩道の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋昌造委員 それで今お答えをいただいた中で、歩道の設置の設置率というか整備率が40%未満だと。それから、通学路においても75%を下回る状況だということで、最後に部長、この歩道整備のうち、児童生徒の交通安全の確保の上からも、特にも通学路の整備は土木行政の私は最重要課題であるのではないかと思うところでございます。そういったことで、今後、歩道整備に対する部長の所感があればお伺いして質問を終わります。
〇佐藤県土整備部長 歩道につきましては、各地域からかなりの御要望をいただいておりまして、地域の強い思いは私どもも非常に感じているところであります。
 県では、大体年間50カ所ほど歩道の整備を進めております。その年によりますけれども、10カ所程度完成して、その分、新たに10カ所程度また新規に着手するというような進め方をしてきているものでございます。
 歩道整備を進めるに当たっては、これまでもそうでありましたけれども、やはり子供たちの安全の確保は非常に重要なものと考えておりまして、その部分を通学路の歩道の整備を重点的に進めてきているものでございます。
 これからも引き続き同様の姿勢で進めてまいりますが、これらを進めるに当たりましては、予算の確保とあわせて、用地の取得が課題となっております。整備が円滑に進みますよう、市町村と連携しながら、特にも通学路の歩道整備を重点的に進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 私も1点、契約変更の状況について質問をさせていただきます。
 これまで人材不足、材料費の高騰など、現在の復興のおくれの大きな理由の中で対策をとってきているという議論もしてきておりますけれども、現場のほうの声を聞きますと、契約変更をする仕方、あり方等に非常にいろいろな声があることも事実だと思っておりますので、現状、労務単価の見直し、復興係数、スライド条項の適用など、平成25年度の適用件数、推移、傾向などを含めて、現状と課題についてお示しを願いたいと思います。
〇桐野建設技術振興課総括課長 変更契約などの状況についてですが、まず、公共工事設計労務単価につきましては今年度2回改定しており、平成25年4月1日及び平成26年2月1日以降、入札公告する工事から適用しているところです。
 なお、新たな設計労務単価の適用前に予定価格を積算した工事につきましては、受注者からの請求によりスライド条項の適用が可能であり、平成25年4月1日以降適用の設計労務単価によるインフレスライドの請求件数につきましては、1月末時点で75件となっています。平成26年2月1日以降の設計労務単価によるスライドの請求件数についてはまだ調査しておりません。
 また、復興係数の適用につきましては、平成26年2月3日以降、当初契約する全ての工事から適用することとしており、入札条件に当初契約締結後に設計変更を行うことを明記しているところです。
 変更契約などの課題につきましては、業務量の増加ですとか、受注者、発注者双方のマンパワー不足などにより、変更契約の手続がおくれているものもございますが、受注者に対してはその状況を御説明しているところであり、今後とも、受注者への丁寧な説明や、できる限りの迅速な手続に努めてまいります。
〇軽石義則委員 そのような対応をされているということでありますけれども、報道等を見ますと、既に一部企業におきましては、被災地から東京のほうに撤退しているというような報道も出されているわけでございまして、まさに人手不足の対応、いわゆる労務単価、あとは材料もかなり急速に高騰している部分もあったりして、今の現状の対応ではなかなか間に合わないというか、受注者が不利益をこうむっているのではないかというところも見受けられると思っておりますけれども、それらについて具体的にどのように今捉えているのか、もう一度お伺いをいたします。
〇桐野建設技術振興課総括課長 受注者が不利益をこうむっているのではないかという御指摘ですが、直接各業者から、工事ごとに利益が出ている、出ていないというのは確認はしておりません。ただ、発災後、積算基準というのは県で独自にできる部分もございますし、国が制度として改正しなければならないものがいろいろございまして、確かに対応がおくれている部分はあるかとは思いますが、要望を受けている内容等積算のあり方については、ことしの2月に設計労務単価の前倒しとあわせて復興係数の導入などを行ったところですが、現時点では、おおむね制度的にはやりたいものが大体できているのかなと。あとは、これをいかに漏れなく適用させていくかというのが課題かなと考えております。
〇軽石義則委員 聞いていないという部分もあるということで、やっぱりしっかりと現場の状況、課題を把握した上で対応していただかなければ、まさに人手不足が加速的になっていったり、受注者が不利益だと思えば、次の仕事に取り組む姿勢も変わってくるのではないかと思っています。
 具体的にお話をしますと、当初契約の段階から工法が変わったりして、それは当然協議の上でそういう形になっていくと思うんですが、工法が変われば当然入札条件も変わってきていると思うんですね。そういう中において、変更後の契約においては、今は県の場合は請負率を変更後にも掛けての契約になっていると聞いておりますけれども、国土交通省の場合は、契約後の工法変更であれば、請負率を掛けないでストレートにその分、変更の金額が支払われるとも聞いているんですけれども、その実態は今はどうなっているんでしょうか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 変更契約のときの請負率の扱いでございます。岩手県におきましては、県土整備部所管事業における県営建設工事につきましては、部内の通知文書に基準があるんですが、変更後の設計額に請負率を乗じて変更額の契約額を算出することとしております。
 なお、変更契約につきましては、請負契約書に基づきまして、請負代金の変更については発注者と受注者が協議して定めることとしておりまして、このため、新たに追加となる工種等につきましては、発注者、受注者間で協議が整った内容で契約変更することとしているところです。
〇軽石義則委員 部内の文書であれば、今必要な対策をとるのは現実、やはり実勢に合わせた契約というものに持っていくようにしていくべきではないかと考えておりますし、契約段階から変更するということは、実勢の価格に合わせて変更を受注者はお願いをしているわけですから、支払い金額に率を掛けていったら最初からマイナスになって、受注者がその分負担するような状況になれば、元請がマイナスであれば2次、3次に行くと、さらにそのしわは寄っていくとも考えるわけですけれども、その点はどうなんでしょうか。
〇桐野建設技術振興課総括課長 実勢価格に請負率を掛けたらマイナスになるのではないかという御指摘かと思います。設計額というのが実勢価格と多少ずれているものもあるかと思いますが、官側で積算した設計額に対して受注者がどのくらいの割合でできるのかというのが請負率だと捉えています。それで、変更契約時においても、官積算、発注者が積算した価格に対して当初の請負率を掛けて変更額としているものでございます。実勢価格、やった額に請負率を掛けているということではございません。
〇軽石義則委員 当然そうだとは思うんですけれども、受注者側は、毎日物を買うにもその変化は実際にわかっているわけですし、官側が押さえているブランクがないとも限らないわけですね。そういうところをしっかり埋めていかなければ、本来の受注者側の県内における力を十分発揮できないのではないかという部分も含めての思いだったので、そう聞いておりますから、ぜひその部分は改善できるものは早急に改善していただいて、新年度、そういうこともしっかり配慮した上で対応いただきたいということですので、ぜひこの部分についてはしっかりと受けとめていただきたいと思います。このことについて、部長の所感をいただいて終わります。
〇佐藤県土整備部長 復旧、復興工事は、非常に大変な量になってきております。そういう中で、業界全体の利益率等を見ますと、震災前は赤字傾向であったものがプラスに転じていると。業界全体としては、そういう流れにあると思っております。ただ、一方で、個別の現場で見ていきますと、やはり利益を上げるのが難しい工事、あるいは資材調達がなかなか難しくて時間がかかってしまう工事、個々にさまざまな課題があるということは認識しております。個別の現場にきめ細やかな対応をできるように取り組んでまいりたいと思います。
〇神崎浩之委員 スマートインターチェンジの整備、それから道の駅の整備の2点についてお伺いいたします。
 まず、スマートインターチェンジの整備でありますが、現時点での東北6県の整備数について、岩手県はないと承知しておりますが、あわせてお伺いをいたします。
 また、平成26年以降の整備の計画についても、東北6県の状況、それから県内の動きについてお示しをお願いいたします。
〇加藤道路建設課総括課長 スマートインターチェンジ、現時点での東北6県の整備済みの箇所でございますけれども、平成26年2月22日現在で、東北6県におけるスマートインターチェンジの開通済み箇所は、宮城県の長者原スマートインターチェンジを初め9カ所となってございます。その後、東北におきましては、平成25年6月に東北全体としては8カ所、新たに連結許可を受けておりまして、平成25年度から事業が進められ、平成26年度も引き続きその8カ所で整備が進められると考えてございます。このうち、岩手県では、いずれも仮称ですけれども、奥州、矢巾、滝沢南のスマートインターチェンジ3カ所の整備を行っているところでございます。
 岩手県内のこの3カ所につきましては、今年度、ネクスコ、県、市町により、施行区分を定めました協定を結びまして測量作業を進めているところでございます。
 平成26年度につきましては、各スマートインターチェンジとも土質調査、それから詳細設計等を行い、事業進捗を図ることとしてございます。
〇神崎浩之委員 平成26年度については、県内では奥州、矢巾、滝沢南ということであります。事業予定期間が平成25年度から始まって、奥州は平成29年度で、平成30年から供用開始、それから矢巾も平成29年度事業、そして平成30年3月から供用開始、滝沢南が同じく平成25年度から始まっているんですが平成31年3月と、滝沢南だけ1年おくれているわけなんです。
 事業費を見てみますと、奥州が全体で26億円、それから矢巾は18億円、滝沢南が35億円と事業費も倍というか、逆に半分ということがあるんですが、よく見ると矢巾は矢巾パーキング接続ということで、両者は本線から直接スマートインターチェンジにおりるということなので、事業費がパーキング経由ではなくて本線直結だとかかるかなと思われます。その中で、ネクスコの負担が、矢巾が一番少なくて13億円、そして奥州が23億円、そして滝沢南が30億円ということになっておりますので、この点についてネクスコの持ち出しが多いので滝沢南がおくれているのかなみたいなことも考えられるわけなんですが、この点の滝沢南の進捗状況について何かあれば教えていただきたいと思います。
〇加藤道路建設課総括課長 今お話のとおり、パーキングエリア等を利用した接続では事業費規模が小さく、本線直結だと大きくなるという、全体の傾向としてはそのとおりでございます。それで、既に東北6県で開通していますスマートインターチェンジ9カ所と申し上げましたけれども、この9カ所のうち、8カ所がサービスエリアやパーキングエリアに接続するタイプ、本線直結は1カ所です。ただ、現在やっています8カ所全体を見ますと、今度は逆にサービスエリア等から接続するタイプは3カ所で、本線に直結するタイプが5カ所という比率になってございます。
 工事費の規模はその場所によってさまざまな要因がございますので、どうしても安く済むところとそううまくいかないところ、さまざまございます。滝沢南につきましはやっぱり事業規模が大きくなっておりますので、その分1年、余計にかかると考えてございます。
〇神崎浩之委員 続いて、私は4カ所目と思っているんですが、平泉のスマートインターチェンジなんですが、これも前々から御指摘をしているわけなんですけれども、平泉のスマートインターチェンジ、これは県としても平泉の観光客を県内にということで言われているわけなんですが、この平泉のスマートインターチェンジがどうも進んでいないということで、その進捗状況、それから課題について教えていただきたいと思います。
 あわせて、このスマートインターチェンジは高速道路利用増進事業という中で進められておりまして、これが平成26年度から制度が変わるような話を聞いておりますが、今の制度それから平成26年度以降の新しい制度の違い、概要等があればあわせてお示しを願います。
〇加藤道路建設課総括課長 平泉のスマートインターチェンジでございます。県としましても、今、お話のとおり世界遺産登録の平泉観光増進、そういったことを目的に、平泉町と連携しながら設置に向けて一緒になって検討を進めてきたところでございます。
 スマートインターチェンジの設置につきましては、設置の要件として、当該事業のBバイCとか採算性、そういったものをクリアしていく必要がございます。
 今年度の検討におきましては、世界遺産登録後初めてとなる平成24年度の交通量データ等がきちんと入手できましたので、それらをもとに関係機関と協議を重ねてきているところでございます。現在は、具体的な形状の検討などを関係機関と事前協議を進めております。
 もう一つです。あとは利便増進事業等が今年度で大体資金が枯渇するということで、平成26年度からは新しい制度が今国会にかけられていると承知しております。新しい制度の具体的な中身については、まだ十分承知はしておりませんけれども、従来に近い形でスマートインターチェンジの整備ができるものと受けとめております。
〇神崎浩之委員 前も委員会で取り上げたことがあるんですが、実際、それよりも進んでいるのかどうかということが心配であります。今後、平泉のスマートインターチェンジが実現するためには、どこにどう働きかければいいのかということであります。それを県が地元の意向を酌んで、どういうふうにアタックしていくのかというところをお聞きしたいと思います。
 平泉のインターチェンジは新聞報道でもあるように、平泉の新しい体育館とあわせて、このスマートインターチェンジの整備と駐車場と体育館を整備するということで体育館建設を1年先送りしているという、単にスマートインターチェンジをつくるということではなくて、平泉町のまちづくりにも大きくかかわってくるスマートインターチェンジでありますので、その点これからどういうところにアタックしていって県は地元を支援していくのか、お伺いをしたいと思います。
〇加藤道路建設課総括課長 今、関係機関と事前協議を重ねていると申し上げましたが、この関係機関の中には、国それからネクスコ等も入ってございます。そういう中で、関係者がきちんと集まって実現に向けて協議を重ねております。従来、ちょっと震災時期の交通量データしかなかったりとか、そういうデータが十分得られなかったときもございましたけれども、先ほど申し上げましたように、世界遺産登録後、平成24年度の交通量データ等も入手がしっかりできて議論の上に使うことができておりますので、今は実現に向けて本当によく協議が進んでいると受けとめております。
〇神崎浩之委員 次に、道の駅の整備についてお伺いいたします。
 これも現時点での整備数について、東北6県それから県内の箇所数、それから平成26年度における新たな整備の計画等についても、東北6県並びに県内についてお知らせいただきたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 道の駅の整備数についてでございますが、平成25年度現在、東北では例えば青森県では27カ所、秋田県では30カ所、宮城県では22カ所(後刻「12カ所」と訂正)、6県合わせて142カ所になっております。県内では、30カ所の道の駅が供用されているところでございます。
 次に、平成26年度における道の駅の整備計画でございますが、初めに東北6県においては、福島県の2カ所が供用開始予定と伺っております。
 岩手県内におきましては、事業が具体化しているものが2カ所ございまして、一つが、釜石市が単独で整備する一般国道283号の道の駅、仮称でございますがかまいしが、平成26年度に施設や駐車場などの工事を進め、平成27年の早いところで供用開始を目指していると伺っております。
 それからもう一カ所でございますが、一関市と県が一体となって整備する一般国道284号の道の駅、(仮称)むろねは、室根バイパスの事業に合わせて整備をするものでございまして、平成26年度に、市、県とも用地買収に着手する予定であり、今後も市と調整を図りながら整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 先ほど、宮城県の整備箇所は12カ所で、もし言い間違っていましたら訂正をお願いしたいと思います。
〇神崎浩之委員 かまいしは平成27年度、それからむろねは、室根バイパスの供用に合わせてということでありましたので、確認をさせていただきますが、室根バイパスの供用の予定はいつなのかということと、それから、供用に合わせてということは、室根バイパスは計画では山のほうに入っていきますので、そうすると山の整備、買収等も含まれてくると思われますが、バイパスの供用開始の年ではなくて、供用開始からずれるというような見方でいいのかというように、何もないところにバイパスを山の中につくりますから、そうすると、並行して道の駅整備というのはちょっと厳しいのかなというような気がしておりますので、室根バイパスの供用開始と、この道の駅との時期の関係についてもう一度確認をさせてください。
〇細川道路環境課総括課長 室根バイパスの整備年度と道の駅の整備の関係でございます。今、室根バイパス用地等鋭意進めているところでございます。あわせて、道の駅の準備も進めているということでございます。県としましては、バイパスの整備の状況と道の駅の整備状況、調整をしながら進めてまいりたい。今、現時点で目標としているのは、平成28年ころの完成を目指して整備を進めてまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 平泉も今道の駅、地元でも大変盛り上がっているわけなんですけれども、この平泉の計画はどうなっているのかということ。それから課題を含めて。
 けさの新聞に、世界遺産保存活用推進協議会の中で、道の駅について遺産影響評価を予定しているというようなこともありましたので、単純に土地を買ってそれに開設するというわけにはいかないようなことも平泉の場合はあります。この辺の懸念もあるんですが、平泉の整備の課題と、それから教育委員会との関係についてお尋ねをいたします。
〇細川道路環境課総括課長 道の駅、(仮称)平泉の計画でございます。この平泉は国道4号に隣接される道の駅でございまして、これまで平泉町と国土交通省において道の駅の設置について検討しており、平成24年度に設立された道の駅平泉(仮称)施設整備検討委員会において施設配置や運営計画等の検討を行い、今年度、基本計画案を策定したと伺っているところでございます。
 教育委員会との関連ということでございますが、県の教育委員会では、世界遺産委員会の決議に基づいて策定した包括的保存管理計画に従って、平泉遺跡群調査整備指導委員会による道の駅の計画に対する資産影響評価を実施する方向であると聞いているところであります。
 このようなことから、国としては、今後、道の駅の具体化に向けて、町など関係機関と計画を調整していくと伺っているところでございます。
〇神崎浩之委員 最後に部長に二つの件をお聞きするわけなんですけれども、世界遺産のこの遺産影響評価については、教育委員会のほうとも私も詰めておりますが、余り問題ではないんではないかなということを受けておりますので、安心して進めていただきたいわけなんですけれども、スマートインターチェンジについて、BバイCの関係でどうも利用率がということだったんですが、今回は新たに見直すということだったので、前より進んでいるのでないかと思っていますが、それについてと、それから、この道の駅についても前より前進しているのではないかと思うんですが、部長の見解と、今後の進め方について御所見をいただきたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 まず、スマートインターチェンジでございますけれども、平泉につきましては、特に採算の面で非常に厳しい状況で、さまざま協議をしてきたところであります。先ほど答弁申し上げましたように、新しい交通量で解析を進めてきた結果、その部分についても解決するめどがついたという状況で、私自身としては大きく前進したと思っております。ただ、事業化には、国土交通省あるいはネクスコの最終的なゴーサインが必要ですので、町と一緒になって実現に向けて取り組んでまいります。
 道の駅につきましては、あのような場所でございますので、しっかりと世界遺産の地域に合った施設としていくことが非常に大事なことなんだろうと思っております。そういう意味で、教育委員会が実施するとしている遺産影響評価でございますが、これらについてもしっかりと対応していくこと、早目にこういう対応をしていただいていると思っているんですけれども、そういうことで、円滑に、なおかつ地域に合ったものが整備されるものと考えております。
〇佐々木朋和委員 私からは水害関連についてお伺いをしたいと思います。
 まずは、河道掘削についての県の基本的な考え方について。
 平成25年度の水害の原因の一つに、河道内の土砂の堆積や立ち木の繁茂による流下能力の低下が挙げられておりますけれども、県の河道掘削の基本的な考え方、平成25年度の水害を受けての改善点、来年度の予算へ反映されているポイントをお示しいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 河道掘削の基本的な考え方についてであります。
 大雨により進行した土砂堆積については、洪水の都度状況が変化することから、日ごろから河川パトロールを行い状況把握に努め、家屋等への浸水被害のおそれがある区間など、緊急性の高い箇所から優先的に河道掘削等を進めているところでございます。また、昨年の水害を受けまして、平成25年度補正予算により緊急的な河道掘削を実施しているほか、災害対策等緊急事業推進費などの国の補助制度も可能な限り活用しているところでございます。
 また、平成26年度予算につきましては、河道掘削などの維持管理に要する経費として、前年度比6%増となります8億2、000万円余を計上しておりまして、パトロールや地域からの要望などを踏まえ、緊急性の高い箇所に配分し、対策を進めてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 緊急を要するところの河道掘削は随時していっていただけるというところでありますけれども、やはり住民の皆さんが心配しているのは、またたまっていくのではないかというところで、パトロールの強化ということも住民説明会等々ではしていただいていると思います。しかしながら、これまでも住民の皆さんからもしくは区長さんから、そういった要望は出ている中で、実態的にはやってくれという場所は多いんだけれども、なかなか予算措置が難しいということだったのかなと思っております。その点についての本年度の水害を受けて改善した部分というのはあるのか、もう一回御答弁をお願いしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 今年度の予算措置上の改善点というお話でありますが、当初予算としては、前年度比6%と先ほど申し上げましたが、強化させていただいていると考えておりますが、また、大雨等による中小洪水が起きて、今現状以上に堆積等が進んだ場合には、またその時点で昨年同様、いろいろな予算要求等も、補正要求等も行う必要があろうかという場合には、そういった対応をさせていただきたいと思ってございます。
〇佐々木朋和委員 河道掘削をしていただくというところで、結果論かもしれませんけれども、水害になって床上浸水が起こる前に掘削をしていただくと、それが私は財政的にも余計な出費をしないで済むということだし、住民の皆さんにとっても一番いいことだと思っております。その点をそういうふうに改善をしていくんだという姿勢がなかなかあらわしていただけないということは残念だと思っておりますので、ぜひとも御検討いただきたいと思います。
 そのゲリラ豪雨についての今後の対策なんですけれども、今般の水害は、通常の雨に比べて急速に水位が上がって、想定された対策がとれなかったということも多くあったと思っております。
 そこで、県土整備部としてはこれをどのように総括をして具体策をとっていくのか、伺いたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ゲリラ豪雨への対応策についてでございます。
 昨年の砂鉄川などにおきまして大雨洪水災害がございました。これらの雨量や流量などの解析、それから浸水範囲、河道などの調査を昨年来実施してきました結果、委員御指摘のような状況も明らかになってきたところでございます。再度災害を防止するためには、堤防の断面、河道の流下能力の確保といったハード対策を進めることはもとより、必要な樋門の操作、それから避難が確実に行われるためのソフト対策がさらに重要であると、改めて認識したところでございます。
 樋門等の操作に関しましては、砂鉄川の松川地区において、地域住民を対象とした現地研修会を開催しております。それから照明や水位標の設置など、安全で確実な操作が行われるための対策を実施しているところでございます。
 また、確実な避難に関しましては、砂鉄川それから盛岡市の松川等において水位周知河川の指定を行うこととしておりまして、水位情報を市町村や関係住民にいち早く伝えるとともに、市町村が行います避難勧告等が確実になされるように支援してまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 具体例を挙げていただいてありがとうございます。ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。今の答弁の中にも、使い方の周知というところもあったと思います。そんな中で、今後はハード面をどうやってうまく住民の皆さんも含めて使っていくかということだと思うんですけれども、そういった意味で水防団の訓練のあり方であるとか、おっしゃっていただいた住民への周知などについてソフト面を充実させていくということが重要だと思っております。その件について、総務部との連携とか、また、役割分担を含めてどうなっているのか、あわせて伺いたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 水防団の活動の支援ですとか、県の総務部との連携ということについてでございます。
 まず、水防団の行います水防訓練につきましては、指定水防管理団体としての市町村が年1回以上実施することとされておりますが、県内では年1回、合同演習というものが実施されておりまして、これに参加する水防管理団体のほか、一関市などで独自に水防工法の訓練等を実施しているところでございます。昨年の大雨洪水災害を受けまして、これまでこういった訓練で行っている水防工法の訓練のみならず、樋門等の施設の確実な操作方法、こういったものの知識等についても周知されるような取り組みも必要であると改めて認識したところでございます。
 また、住民に対しても、河川水位等の情報を伝えるために、先ほども申し上げましたが、砂鉄川や松川等について水位周知河川に指定することとしておりまして、今後とも、国や市町村と意見交換の場を持ちながら、洪水情報の効果的な周知方法について検討を続けてまいりたいと思います。
 なお、昨年の大雨洪水災害に係る対応につきましては、総務部と連携しながら国や市町村との意見交換を実施しておりまして、課題や今後の取り組みを整理したところでございます。
 総務部におきましては、県地域防災計画の修正、それから体制の見直し等を行うこととされております。県土整備部におきましては、河川情報の的確な提供や水位周知河川の指定に取り組みまして、総務部と連携しながら、市町村の防災対策の支援を継続して行ってまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 水防訓練や住民の皆さんの訓練についてなんですけれども、地域住民の皆さんからは、ある程度水位があるときにポンプの操作であるとか樋門の操作であるとか、実際にそれが機能しているかというのを自分の目で確かめながら訓練もやりたいという話も聞いております。そういったときに、どういうふうに設定をすればいいのかちょっとわかりませんけれども、ぜひそういう思いも酌み取っていただいて段取りをいただければと思っております。
 総務部との連携について教えていただきましたけれども、総務部の部局審査においては、このゲリラ豪雨についてはある程度頻発するものではなくて、レアケースであるというような認識でございました。県土整備部においては、ゲリラ豪雨への認識また減災の基本的な考え方を伺いたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ゲリラ豪雨への認識、減災の基本的な考え方ということでございます。
 昨年、本県においては、大雨が7月から9月にかけて連続したこと、これまでに経験したことのないとされた8月の大雨を初め、各地で過去の記録を上回る時間雨量が観測されたところでございます。このように、いつ、何時、どこにこのような災害が起こるかわからないという、自然災害への備えの意識を常に持たなければならないということを再認識しております。
 洪水から県民の生命、財産を守るとともに、県土の保全を図ることは極めて重要な施策と認識しておりまして、大雨や洪水に対する被害を最小限にしていくためには、ハード対策とともに、より安全で暮らしやすい地域をつくり上げていくための防災意識の向上、それから避難行動を促す取り組みを防災文化として醸成し、継承していくことが重要であると考えてございます。
〇佐々木朋和委員 ぜひそのような心がけで総務部と連携をして努めていただきたいと思いますし、そういった、いつ起こるかわからないというところで、私は新しいものを建てるよりも河道掘削というのが一つ大きなポイントだと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、今回の水害による公共土木施設の復旧の状況をお教えいただきたいと思うんですけれども、午前中の質疑で、福井委員の質問に、河川関係の復旧について時間がかかるという御答弁をいただきました。私からは、もしできれば、道路とかそのような関係のところの進捗状況と今後の見通し、住民や関係市町村への説明はどうなっているのか、伺いたいと思います。
〇加藤道路建設課総括課長 昨年7月から9月にかけまして発生いたしました公共土木施設災害の復旧状況についてでございます。
 ことし3月末時点での工事発注見込みでございますが、県及び市町村合わせまして、被災箇所全体1、291カ所のうち312カ所、事業費ベースで申しますと、145億3、600万円のうち26億3、700万円が今年度末までに契約見込みということになっております。引き続き、この災害復旧につきましては、早期復旧に向けて工事発注をしてまいりたいと考えております。
 また、災害復旧工事の発注に当たりましては、関係市町村や業界団体とも意見交換を行いますとともに、地元住民への説明につきましても、例えば被害の甚大な雫石川、松川等では、農地災害を担当する市町村と共同で説明会等を開催しておりますし、その他の箇所につきましても、個別に地権者あるいは関係者の皆様と協議しながら取り組んでいるところでございます。
 また、補足いたしますと、先ほどの道路関係の災害ということでございますが、例えば県南のほうで災害査定が7月の豪雨ということで早い時点で終わったわけでございますが、その後、災害復旧の発注工事を進めております。ただ、道路関係につきましては、金額が特に大きくない箇所につきましてはまとめた形で発注はしておりますが、入札不調等が発生いたしまして、若干工事着手がおくれているという状況にございます。ただ、そういった箇所につきましても、現在さらに発注ロットの拡大、あるいはそういった随意契約方式等を活用しながら、早期に工事着手できるように今取り組んでいるところでございます。
〇佐々木朋和委員 おっしゃっていただいたとおり、なかなか道路の小さいところが直っていないということで、この冬場、危ない思いをした方も多かったと聞いております。また、現状それがどうなっているのか、7月に壊れたのが、年度が明けようとしているのにもまだ直っていないということで、市にも多く相談が寄せられていると聞いておりました。ぜひその辺の情報を、住民の皆さん、また、関係市町村と連携をとってやっていただきたいと思いますし、そういった想定よりも長くなっていると思うんですが、そういうときに応急処置をするかしないか、その辺の基準とか判断というのはどうなっているのか、伺いたいと思うんですけれども。
〇加藤砂防災害課総括課長 応急工事の考え方でございますけれども、特に明確にこういった場合に限って応急工事を認めるということではございませんで、例えば道路の場合は、基本的には住民の方々が利用する身近な社会基盤ということもございますので、速やかに通れるようにするというのが基本でございます。そういった場合は、例えば近くに迂回路がないとか、その被災した箇所が唯一の道路だといった場合には、緊急に交通路を確保しなければならないということで応急工事が認められるということでございますし、また、例えば道路の半分が被災したといったケースにつきましては、なかなか応急工事が認められないケースもございますけれども、そういった場合につきましては、片側一車線でも円滑な通行ができるように、県の維持修繕等々で通行を確保するといったような取り組みをしているところでございます。
〇佐々木朋和委員 了解いたしました。
 次に、砂鉄川について伺いたいと思います。先ほど少し触れていただきましたけれども、そのような防災対策を河道掘削であるとか立ち木の伐採をしていただいておりますし、また、避難対策もしていただいていると思っております。その中で、各樋門、ポンプについての改良はまだ検討中でございましたが、それがどのようになっているか。
 また、松川地域以外の里前、木和田堀地域でありますとか流矢地域の対策はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 砂鉄川の対策についてでございます。
 松川地区におけます樋門の改善につきましては、確実に操作ができるよう、夜間照明の設備の設置を進めておりますほか、フラップゲートによる無人力化についても検討を進めております。
 また、ポンプの改善につきましては、停電時についても機能するように、予備発電機の設置等について取り組んでおります。
 また、木和田堀については、現在沢田橋のかけかえ工事を行ってございまして、これと並行して河道掘削を行っておりまして、これによって昨年の洪水に対しては効果が発揮されるものと考えております。
 その他、里前地区、流矢地区につきましても、現在、地形測量を終了いたしました。これをもとに、再度の家屋等浸水被害を防止するような対策を、現在、鋭意検討を進めてございます。
〇佐々木朋和委員 最後にさせていただきたいと思います。
 その中で、先ほどおっしゃっていただいたポンプなんですけれども、夜間照明または停電対策ということはよろしいのですけれども、やはり能力そのものについて、もくしは川の角度について住民から疑問の声も上がっている中で、また、離れた宮本沢樋門、磐井沢樋門の開閉と一体でなければ効力を発揮しないという難しさもあるということであります。それについて、今後の対応、能力アップ、もしくは、やはり樋門の近く、もしくは今ある水門の下流のほうにでも新たにポンプ、水門ができないかという話もありますが、いかがか。
 また、今回、国所有のポンプ車を持ってくるということだったんですけれども、水位上昇が急でありまして、道路が冠水して排水ポンプ車が来られなかったということがありました。今後の運用として、砂鉄川が水防警報河川に指定されるということでありますけれども、どの水位の時点でポンプ車が来ることにしているのか、詳細が決まっているのか伺いたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 砂鉄川松川地区のポンプ等による内水対策ということでございます。
 松川地区に設置しておりますポンプの排水能力は毎分45立方メートルでありまして、これは、一般的に対策規模とします、10年に1度程度の雨が内水として湛水した場合に家屋の浸水被害の防止が可能な規模となってございます。
 ただし、委員がおっしゃるとおり、ポンプが中通川水門なんですが、その上流にあります宮本沢樋門、それから磐井沢樋門が確実に閉鎖されませんとポンプの効能が発揮されないとなってございますので、先ほど申し上げましたように、フラップゲートによる無人化の検討、夜間でも操作できるような照明の設置を進めますほか、付近の住民の皆様の参加による定期的な水門、樋門操作の勉強会を開催してまいりたいと思っておりまして、県、市が連携して取り組んでまいりたいと思ってございます。(佐々木朋和委員「排水ポンプ車の話」と呼ぶ)
 失礼しました。排水ポンプ車の活用についてでございます。
 ポンプ車につきましては、今、国土交通省のほうで県内に7台保有してございます。そのうち、一関管内には4台が配備されているところでございます。豪雨に伴って内水被害が発生した際には、市町村等の要請を受けまして、国では排水ポンプ車を出動し、浸水被害の軽減のために対応いただいているところでございます。
 松川地区におきましても、昨年、出動がございましたが、委員がおっしゃるとおり十分な対応とはならなかったような状況になっておりました。先ほど申しましたとおり、樋門操作が着実に行われた場合には、現在の県のポンプ施設で、10年に1度程度の内水に対して対応可能でございますが、雨の降り方や、この地区の場合は北上川本川の水位等の状況を見ながら、的確な排水ポンプ車の出動要請を行う手順や、現在、市で進めております砂鉄川左岸の道路計画を考慮した排水ポンプ車の通行経路についても国や市と調整を進めてまいりたいと存じております。
〇佐々木朋和委員 雨量はいいけれども、降り方によってはやはり排水ポンプ車が必要な部分もあるということで、近年のゲリラ豪雨を見ていると、住民の皆さんはとても心配だと思います。この中通川のポンプの能力も含め、また、排水ポンプ車の使い方も、実際に来てからどこをどうやってかくんだという細かいところまで詳細設計をしないと結局は使えないということになってしまいますので、ぜひともこの辺を詰めていただきたいと思います。
〇久保孝喜委員 最初に、雪寒道路見直しについてお尋ねいたします。
 昨年11月、国土交通省が雪寒道路の対象路線を延長するということで見直しを行っているわけですが、本県においては道路種別ごとにどういう延長が行われているのか、その状況についてまずはお示しいただきたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 このたびの雪寒指定道路の見直しによりまして、県内の直轄国道は539キロメートルで16%の増、県管理道路は1、247キロメートルで25%の増、県道が2、397キロメートルで2%の減、県管理道路の全体では3、644キロメートルで6%の指定延長の増となっているところであります。また、市町村道全体では4、463キロメートルで96%の増となっているところでございます。
〇久保孝喜委員 この指定延長に伴って具体的なメリットというものがどういうふうにあらわれているのか、新年度予算の実績など、もし例示できるものがあればそれを含めてお示しいただきたいということと、これまで、県として雪寒道路の指定延長についてはどういう活動をなさってきたのかあわせてお尋ねしたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 雪寒道路の指定に伴ってのメリットでございます。
 雪寒道路に指定になりますと、例えば除雪事業ですとか防雪、それから凍雪害防止事業の費用に対して社会資本整備総合交付金の対象になります。そのほか、豪雪時の除雪事業については国庫補助の対象となります。したがいまして、新たに指定になった道路で例えば雪崩対策をやるといったことについて、そういった国の交付金等の支援が受けられるようになるものでございます。あと、地方交付税―普通交付税の算定の中にこの雪寒道路の指定というものを加味して、増額になるような計数等を用いて算定が多くなるというメリットもございます。
 それから、予算でございますが、指定の見直しが昨年11月でございます。県では、具体的に除雪費用について約5%の国費の増額を要求しているところです。そのほか、新たに指定道路になったものについて、先ほど言いました防雪のフェンスですとか、そういったものは今のところはございません。(久保孝喜委員「要請活動について」と呼ぶ)
 失礼しました。要請活動につきましては、除雪費等々の要望等にあわせましてやっているほか、全国の雪寒協会等を通じて要望はやってきたところでございます。
〇久保孝喜委員 この指定のメリットは、特にも本県のような積雪地帯にとっては非常に行政にとっては必要な、そして欠くべからざる要件だと思うわけですが、今回の見直しが21年ぶりということで私も改めてびっくりしたわけですけれども、21年間この指定が見直されなかったことも問題なわけですし、そういう意味で、今、要請活動の実態をお聞きしたわけですが、今回の見直しによっても、例えば岩手県として、県道あるいは市町村道を含めて、なおこれだけは延長してほしいというような部分があろうかと思うんですが、その点について、概略で結構ですから御説明をいただきたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 今回の雪寒道路指定の基準がございまして、例えば気象条件ですと、2月の積雪の深さが最大値の累年平均50センチ以上の地域、それから、1月の平均気温の累年平均が0度以下の地域でございまして、それからあと、交通量とかそれぞれあるんですが、大体、国県道、それから市町村道もおおむね300台以上の地域、そういった状況で今回、県及び市町村がそれぞれの指定延長を国に要望したというふうになっております。
 このところで論点としましては、300台というものがいいのかというのと、それから、結構細かい作業がございましたので、算定する時間といいますか精度をもう少し高める必要があると考えております。
〇久保孝喜委員 指定されるための条件を今るる御説明いただきましたけれども、少なくともこの路線のこれだけの距離については雪寒道路に指定してもらわないと困るみたいな、具体的なそういう要望は整理されていらっしゃるのかということをお聞きしたかったのですが、その点はいかがでしょうか。
〇細川道路環境課総括課長 具体的な箇所につきまして、特に市町村のほうに大きなメリットがある指定道路でございますので、指定に当たっては各自治体の中でよく吟味していただきたいということは再三お願いをして決めたところでございます。
〇久保孝喜委員 市町村と連携しながらぜひやっていただきたい。
 条件があって、それぞれ一律に延長になったわけではないようですが、例えば青森県の場合は31%増というような延長結果なども示されておりますので、ここはかなり力わざも含めて、力こぶを入れて頑張っていただきたいと思うところでございます。
 それでは、2点目に入ります。
 昨年から取り上げておりますが、災害公営住宅の木造の建築分についてお尋ねしたいと思います。
 資料をいただきましたが、今現在までの供給実績でいうと9団地147戸が供給済みということになっております。この供給済みのうちの建築の坪単価を昨年も指摘させていただきましたが、岩手県で建設した分についてはおよそ68万円ということになっております。他の町村の数字を今回出していただきましたけれども、一番低いのが坪単価57万8、000円、一番高いのが112万2、000円と。坪単価が100万円を超える災害公営住宅という事態も出てきたという点で私は本当にびっくりしてしまいましたけれども、こうした建築坪単価にこれだけの大きな差があらわれているということはどういうふうに受けとめられているのか、分析をされているのか、まずその点をお示しいただきたいと思います。
〇澤村建築住宅課総括課長 木造の災害公営住宅の坪単価の差が生じた理由についてでございます。
 長屋建てと一戸建てを比較しますと一戸建てのほうが、それから2階建てと平屋建てを比較しますと平屋建てのほうが、床面積当たりで見た場合、屋根とか外壁の面積がふえますので坪単価が高くなる傾向がございます。それから、台所あるいは風呂場等の費用がかかる設備につきましては、住宅が小さくても必要でございますので、1戸当たりの床面積が小さくなれば坪単価が高くなるということが一般的に言えると思っております。
 そのほか、地元業者を優先するような発注で、設計の段階で見積価格をとるんですけれども、その中で、地域によっては資材調達能力が低いとか、ある程度の金額を出さないと調達できないとか、そういう状況もございますので、そこで坪単価が違ってくることが考えられると認識しております。
 さらに、100万円を超える特殊な例と考えてございますけれども、この例につきましては、一つは平屋建てで戸建ての住宅だったということ。それから、これは払い下げを予定していまして、入居者の方と相談等をしまして、払い下げ後に入居者の方が手を入れなくても済むようにある程度つくり込んでいくといったこと。それから、潮風が直接当たるような場所でございましたので、通常ですと金属板の屋根をふくんですけれども、瓦屋根でつくっていると。あるいは、瓦屋根にしますと荷重が大きくなりますので、柱もそれなりに太いもの、それから、基礎も布基礎ではなくてべた基礎にするとか、そういったことでこういった金額になってしまったものと認識しております。
〇久保孝喜委員 坪単価112万円は、今、御説明いただいたことも含めて、災害公営住宅としてはあり得る金額の範囲だと、こういう理解だということでよろしいのでしょうか。私はどう考えても、この112万円なるものが、将来にわたって払い下げをする方との協議の中で決まった仕様に基づいてつくられたからこうなったのだという説明はそのまま受けとめたにしても、住宅のあるべき姿みたいなものをある種公営住宅は示していく責務があると思うんですが、そういうときにこの112万円というのは私は異常に見えてしようがないんですが、これはいたし方ない現実だという受けとめでよろしいんでしょうか。
〇澤村建築住宅課総括課長 坪単価でお話ししますと先ほどお話ししたような金額になるんですけれども、戸当たりの工事費で見ますと2、000万円前後ということで、もう少し大きな建物であれば2、000万円いくものもございます。
 それから、これが正常かどうかというのは、私どもとしては、それが補助制度の中で補助対象のものとそうでないものをきちっとやっているかとか、標準建設費の中で見られるものかどうかというあたりの指導はさせていただいておりますけれども、その事業主体の中でそういったものを建てたいということであれば、こちらとしては値段を下げる指導というのはなかなか難しいものと考えております。
〇久保孝喜委員 もとより建築主体がそれぞれの市町村で、さまざま買い取りだったり、あるいは直営工事だったりいろいろあるんでしょうけれども、少なくとも復興にかかわっての住宅建築が、ある意味こういう形で、災害公営住宅とうたっていながら倍以上の坪単価の開きがあるということは、これから先の復興にとって、決して私はいい状況ではないと思うんです。一方で、きょうもお話がありましたが、例えば地域型復興住宅の推奨モデルでは坪単価50万円前後が大体一番多いわけですよね。そこと公営住宅の違いをではどのように説明するのかという問題もあると思うんです。仕様自体がもちろん違いますから、それぞれの建てる場所だとか地域だとか、それからかかわる施工業者の問題を含めて一律でないのはわかった上で、しかし、住宅政策をつかさどる県がそこは全くしようがないんだということになってしまうとすれば、これはやっぱり復興のある種のゆがみになるのではないかという気がするんですが、その推奨モデル、これは県も入っていますよね、この協議会に。そこが出している推奨モデルが50万円。しかし、県あるいは市町村が建てる公営住宅については単価が60万円近くから112万円まであると。この違いをどのように説明なさいますか。
〇澤村建築住宅課総括課長 先ほど委員がおっしゃったとおり仕様が違うので正確には比較できないと考えますけれども、公の資金を使って建築した場合、公営住宅等につきましては、後で会計検査等もございますので、それらはきちっとした工事がなされたことを証明できるような書類、写真も準備しなければいけないということもありまして、ある程度の管理経費というものが必要になってくるかと思います。一般の工事よりはある程度諸経費を見てやる必要があると思っていますので、若干割高になるのはやむを得ないことと認識しております。
 それ以上につきましては、こういうことですということで説明されれば、いや、好ましくないと言う程度といいますか、なかなか苦しいものがあると思っております。
〇久保孝喜委員 今、住宅再建の問題が復興にとって一番の問題になっていると。しかも、自力再建するためには二重ローンの問題を含めた資金をどうするかという被災者側の切実な問題も横たわっていると。一方で、住宅建築そのものの基盤であるところの用地確保の問題もなかなか進んでいっていないというところで、被災自治体の一番の課題は、そこに住んでいただくための住宅をどうやって安定的に、しかも早期に提供できるかというところが一番のポイントなわけです。報道にあるとおり、加算支援金の申請なども岩手県の場合は被災3県の中では率が一番低いわけです。それは、用地の問題とかさまざまあるのだろうと思います。
 そういう中にあって、例えば、最近出た被災自治体の首長のインタビュー記事の中で、山田町の佐藤町長は山田型住宅についての構想をお話しされております。その中ではどういうことが言われているかというと、坪単価40万円ぐらいで20坪の住宅を建てようじゃないかと。そうすると800万円だと。加算支援金を含めてさまざまな支援措置を講ずると、これはきちんと見えてくる。つまり実現可能性の高い住宅というのがそこで生まれるんだと。町長が言う坪40万円というのは何も根拠のない話ではなくて、実際の民間の実勢価格、住宅建築の価格がおよそ40万円程度だという認識があるからなんですよね。今の資材が高騰している中にあっても、公営住宅として資材調達を一括でやればそれなりのコストダウンは図れるというようなことを含めて目安を坪単価40万円というふうに言っている、こういう話なんです。
 つまり、そういう姿勢がないと、定住策というものも含めて、私は、住宅政策はこの復興の中では残念ながらなかなか前に進んでいかないのではないかと。そういうときに先ほど紹介したような値段で公が住宅をつくってしまうということのギャップ、そこが私は問題なのではないかと思っているわけです。
 二つ目の質問をお聞きいたしますが、来年度も、木造を含めてこれから先の計画を含めますと41団地544戸の建設予定が木造の場合あるということですが、このうち、先ほど一部紹介のあった払い下げを前提として建築している部分についてはどの程度を見込んでいるのかお示しいただきたい。
〇澤村建築住宅課総括課長 木造災害公営住宅の払い下げの見込みについてでございます。
 市町村から聞き取ったところによりますと、払い下げを前提として整備されているのは現在14団地275戸あります。なお、戸数等につきましては、入居者の意向とか資力の状況等によって今後変わる可能性があると考えております。
〇久保孝喜委員 一部の自治体では、災害公営住宅の入居案内の中に、払い下げ時、買い取る方の値段が幾らになるのかということを例示している例もあるんですが、そういう形で払い下げ時の価格についての算定モデルみたいなものを示している自治体はつかんでいらっしゃるでしょうか。
〇澤村建築住宅課総括課長 申しわけございません。その辺につきましては調査しておりません。
〇久保孝喜委員 この木造災害公営住宅は、もちろん用地の問題も含めて、本来であれば集合住宅にしたほうがはるかに戸数を稼げるところをわざわざ戸建てにしたり、あるいは2軒長屋方式にしたりしてやっている意味というのを私は重く受けとめたいと思うわけです。それは、最大の課題は払い下げだと思うんです。そこによって定住をしていくという考え方ですね。したがって、そこも含めてやっぱり県がきっちり状況をつかんでおく、あるいはその動きを注視することが必要だろうと思っているところでございます。
 部長にお聞きしますが、住宅政策全般の話、そもそも論の話になってしまうわけですけれども、こういう形で復興局などを含めて住宅建設の推進、拡大ということを考えていくときに、県が、あるいは県土整備部がどういう役割を果たしていくのかという点で、私が今、指摘した坪単価の問題は極めて象徴的な話になっているのではないかと思っているわけです。そもそも住宅建設は、公がやる場合にはもちろん快適で住みよい、しかも安全・安心ということが求められますし、安価であるということもまた一方の要件だと思うわけです。今回の災害公営住宅はまさに税金を使って建てるわけですから、当然そういう方向性、意識が働いていかなくてはならない。そういうときに、市町村を含めたこういう住宅の建設にかかわって、県土整備部がどういう役割を果たしていくのか、この点についてまず御認識をお示しいただきたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 私どもが今、真っ先にやらなければならないことは、まずは災害公営住宅の整備をいかに早くやるかということであります。そういう中で、主に私どもがやっておりますのは集合型の災害公営住宅でございます。これをまず早く進めるということが第一でございます。
 先ほどお話のありました市町村の災害公営住宅は戸建てを中心に進めているところもございます。それらにつきましては、地域の状況あるいはそこに住まわれる方の状況がさまざまございます。そういうものを酌み取りながら市町村にしっかり進めていただくことが基本だと思っております。
 そういう中で、本当にオーバースペックかどうかということについては、単に数値だけでなく、それぞれの個別の事情を見ながら、私どもも一緒に市町村と必要に応じて相談しながら対応していくということが必要だと思っております。
 また、それぞれの方が自力再建されるところもございます。そのことも非常に大事なことでございまして、大きなスキームでの支援については復興局の加算支援金等がございます。県土整備部でやっておりますのは、県産材の活用あるいはバリアフリー等、住宅の基本性能を高めるような分野について支援をしていきながら、より良質な住宅が整備されていくということを支援していくことに私どもは努めていくことが必要だと思っております。
 いずれ、さまざまな役割を持っておりますけれども、それらについてしっかり取り組みながら、県全体の住宅、公営住宅あるいは個別の住宅の促進に努めてまいります。
〇樋下正信委員長 久保委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇久保孝喜委員 これでやめたいと思いますが、今、部長からも大事なことが話されたと思うんです。資料をいただいた中で、例えば公営住宅として一般住宅と異なる部分、こういうところに金をかけているんですと。住宅の品質の上で重要なところが価格にどれだけ転嫁されているのかと聞いたところ、やっぱり坪五、六万円ぐらいのところなんですね、いわゆる品質が上がっている分について言えば。もちろん先ほどの課長の答弁にもあるように、公営住宅がほかのどこよりも低ければいいという話を私はしているわけではなくて、そういうことを含めて、全体の流れというか方向性みたいなものを県がきっちり指導していかないとだめなのではないかという思いで発言させていただきました。
 この単価設定に当たっては県が勝手にやっているわけではなくて、設計単価にかかわるさまざまなガイドがあって、それに基づいて積算しているということも含めて、あるいは、働き手の問題、資材の高騰の問題を含めて、では、それらをどうやって下げる方向に、例えば資材高騰が言われていますが、それを下げる方向に県が力を発揮しているのかと。業界とどういう協調をしながらやっているのかということがなかなか見えてこない中では、それを理由にした坪単価の高騰というのは県民の理解がなかなか得られないのではないかと思いますので、上げている要素の一つ一つをつぶしていく手だてについて、今、御所見があれば最後にそれをお聞きしたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 現在、復旧、復興工事が非常にふえてきている中で需要と供給のバランスが逆転しているということで、どうしても資材あるいは作業員の方々の単価が上昇傾向にあります。作業員の方については、もともと私は安過ぎたんだろうという思いも持っております。そういう中で、一定の単価上昇はやむを得ないと考えております。
 ただ、一方で、先ほどの地域型復興住宅推進協議会等の取り組みもございますけれども、さまざまなグループで設計の標準化、材料の共通化等の取り組みを進めていただいております。それらの取り組みについて支援させていただきながら、安くなる、というよりは極力上がらないように一緒に取り組んでまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、復興の中で中心課題になっている住宅確保、その中でも持ち家再建というのが本当に中心中の中心の課題だと思いますが、防災集団移転促進事業、土地区画整理事業、漁業集落防災機能強化事業など、まちづくり事業による民間住宅用用地確保の年度ごとの見通しはどうなっているか。
 復興のおくれで、この1年間でかなり計画が減少しました。どのぐらい減少したか。今後も減少しかねないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。あわせて、用地確保の見通しはどうなっているか示していただきたい。
〇田村まちづくり課長 まず、民間住宅用の宅地確保の見通しでございます。
 市町村において宅地を造成する復興事業としましては、土地区画整理事業、防災集団移転促進事業及び漁業集落防災機能強化事業が実施されております。これらの事業により整備する宅地の総数は、昨年12月に公表されました社会資本の復旧・復興ロードマップによると、3事業合わせて約8、500戸を予定されております。
 これらの年度別の完成戸数を累計で申し上げますと、平成25年度までに約180戸、平成26年度までに約1、100戸、平成27年度までに約4、900戸、平成28年度までに約5、600戸、飛びまして、平成30年度までに約6、400戸の宅地が完成予定でございます。このほか、完成時期が具体的になっていないものが約2、100戸ございます。
 続きまして、土地区画整理区域内や高台団地等の計画宅地数の今後の見通しでございますが、土地区画整理事業などの面整備事業により整備する宅地数につきましては、平成24年12月から平成25年12月の間に約1、600戸余りの計画数の変更や減少がございました。
 この変化の原因としましては、この間に制度化されました震災復興特別交付税を財源としました各市町村の独自支援策によりみずから宅地を購入し自力再建を選択された方や、被災者御自身の仕事や御家族の状況の変化等によりまして災害公営住宅への入居を選択された方もおられるものと伺っております。また、市町村では、事業を進める上で、アンケート調査や個別面談を行い、必要に応じて事業計画の変更を行っておりまして、これによる被災者の意向把握の精度が上がったことも宅地数の変化の要因の一つと考えております。
 今後の見通しでございますけれども、被災者の住宅再建の意向につきましては、社会情勢の変化とか復興の進捗状況等により変化することが考えられますので、今後とも、被災者の意向に対応した計画変更を進めるなど、柔軟に対応していく必要があるものと考えております。
 続きまして、用地確保の見通しでございます。
 防災集団移転促進事業は県内において52地区で進められておりますけれども、この事業による団地の整備に要する土地の取得率は、2月末現在で面積ベースで61%となっております。用地買収が完了していない地区では、用地境界の確認や相続関係の調査等に時間を要したことや、団地移転に関する意向調査により団地の位置とか規模を見直して用地買収への着手がおくれたことなどが原因と伺っております。
 今後の見通しですが、おおむね用地境界の確認や権利関係の調査は終了しておりまして、団地移転の希望者数の変化に伴う設計変更を行っている地区では、計画が確定すればすぐに用地買収に着手できる状況となっていますが、相続関係の調整や地権者との交渉の状況により、時間を要する地区もあると考えております。
〇斉藤信委員 今、答弁がありましたけれども、住宅用の用地の確保は来年度末で1、100戸で13.6%です。再来年度はかなり進んで4、900戸までいって58.4%、3年目で66.4%で、2、100戸は調整中で、まだ未定だと。そうすると、今、応急仮設住宅にいる人たちは、3年、4年、5年と待たなければならないということに残念ながら今の計画ではなっているんですね。この1年間で、区画整理でお話があったように1、600人が待ち切れずに自力再建とか公営住宅に移ってしまった。私は、本当にこれはあと2年、3年以上待たなければだめだということになると、8、500戸の宅地造成というのは余りにも遅過ぎるのではないかと。本当にこれは頑張っていかないと大変なことになるのではないかと思いますが、部長、どうですか、これは前倒しが可能なのか、もっとおくれる可能性のほうが大きいのかお聞きしたい。
〇佐藤県土整備部長 これまでもこの件については申し上げたことがありますけれども、今回の津波災害に対する復旧の困難さは、現位置での再建ができないということでございます。そのために背後の山を削る、高台あるいは盛り土をして現地盤を高くするということがどうしても必要になります。それらをやっていくためにはこのぐらいの時間が結果としてかかってしまう。そのことについては我々土木技術者としては本当にじくじたる思いがございますけれども、この部分について、これをさらに早めることについてはなかなか技術的に難しいものと思っております。
 現場のほうはさまざま課題はございますけれども、関係者間でかなり密に情報共有を図りながら取り組んでいるところでございますけれども、今後もこれまでに比べて課題がより具体的になってきます。そういうことについてしっかり取り組みながら、おくれがないように取り組んでいくということを一生懸命やってまいります。
〇斉藤信委員 もう震災から3年たって、本当に被災者の方々は限界だと、こういう感じなんですよね。だから待ち切れずに、条件のある人は別なところに家を建てる、そういうふうになっています。さらにこれから2年、3年、それ以上待たなければだめだというときに、私は、例えば高台移転にしても区画整理にしても、やっぱりそこに移ろうという人たちがみんなで集まって知恵を出して、こういうまちをつくろうと、こういう取り組みなしには大変だと思いますよ。そのために専門アドバイザーを派遣する事業もあったと思うけれども、ことしの実績は1カ所か2カ所だと。住民主体でまちづくりを一緒に進める、こういう取り組みを私は強力に進める必要があると思うけれども、いかがでしょうか。
 あわせて、岩手型地域復興住宅のことが議論になっておりました。これから、例えば来年度は975戸新たに宅地造成される。再来年度は3、815戸なんですよ。来年度、再来年度に住宅供給の希望が急速に高まるときに、その供給体制をしっかりつくらないと、造成したけれども1年、2年以上待たなければならないということになったら、これはまた大変なことになるんですね。私は、持ち家住宅の供給体制を本当に県が音頭を取ってつくる必要があると思うけれども、岩手型地域復興住宅の実績を含めて答えていただきたい。
〇田村まちづくり課長 住民参加の計画策定でございますけれども、先ほど委員がおっしゃいました専門家派遣の取り組みとあわせまして笑顔と希望あふれるふるさと再生事業というものを今年度やりまして、野田村の城内地区で、住民の皆さんを対象に、この団地の将来のあり方を議論した経緯がございます。来年度も引き続き、1カ所ですがやる予定でございます。
〇澤村建築住宅課総括課長 まず初めに、地域型復興住宅の取り組みについてでございます。
 岩手県地域型復興住宅推進協議会に属する生産者グループは、現在、138グループございます。ことし1月末までに710戸の地域型復興住宅が受注されております。
 それから、住宅の供給体制についてでございます。
 住宅着工統計によりますと、平成25年度の沿岸12市町村の住宅着工数は大体4、000戸を超える見込みとなってございます。発災前の水準のおよそ4から5倍。従前は800戸とか1、000戸というオーダーでございましたので、四、五倍のオーダーになる見込みでございます。ですから、少なくとも現時点ではそれだけの住宅に着工できるだけの供給体制があると認識してございます。
 また、岩手県、宮城県及び福島県の地域型復興住宅推進協議会が行いました被災3県の住宅復興に関する実態把握調査―これは第2回目でございますけれども、これによりますと、沿岸市町村の工務店の61.1%が工事の受注に対してもう余裕がないと答えている一方で、36.1%の工務店は余裕がある、またはどちらでもないと答えている状況がございます。供給のさらなる増加にも対応できる余地も若干ですけれどもあるというふうに認識しております。
 さらに、岩手県地域型復興住宅推進協議会におきましては、建設労働者を工務店間で融通し合ったり、普段はつき合いのない資材供給者から資材を融通したりするための連絡体制を来年度より整えることとしておりまして、住宅需要のさらなる増加にもできるだけ対応できるよう準備を進めてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 課長、私は少し甘いと思いますよ。今、どんな取り組みが起きているかというと、これは高台移転なんだけれども、集落ごとに共同発注しようと。1年前からそういう取り組みをやっているんですよ。これからつくろうというときに頼んだらとんでもない話になる。今からそういう共同発注で準備もしてと。私は、こういう取り組みを被災者も、そして建設業者のところでもやっていかないと、おくれたところにさらにおくれるということをやってはならないと思います。
 住宅着工戸数というのは公営住宅も入っているんでしょう。持ち家が問題なんだから、やっぱり持ち家再建の希望に応える体制をぜひ万全を尽くしてやっていただきたい。
 次に、災害公営住宅の建設計画についてお聞きしますが、災害公営住宅の年度別の完成戸数を示していただきたい。先ほど木造災害公営住宅の話もありましたが、正確に、今、何団地何戸の計画になっているか改めてお聞きします。
〇澤村建築住宅課総括課長 災害公営住宅の年度別完成戸数についてでございます。
 平成25年12月に発表した復旧・復興ロードマップにおきましては今年度末までに587戸が完成する見込みであるとともに、平成26年度に1、541戸、平成27年度に2、843戸、平成28年度に979戸、平成29年度に88戸が完成する予定となっております。
 また、木造の災害公営住宅につきましては、県が野田村で建設した2団地26戸を含めまして全体で43団地583戸が計画されております。
〇斉藤信委員 災害公営住宅の場合は来年度に1、541戸、再来年度に2、843戸新たに建設されると。だから、来年度、再来年度が私はピークになると思います。残念ながら来年度の到達点は35.2%です、6、038戸のうち。だから、災害公営住宅もあと2年、3年待たなければならない、こういう状況です。この計画は絶対おくらせないでやっていただきたい。
 今、市町村で意向調査をやっています、陸前高田市、大船渡市、釜石市、その他。この特徴は何かというと、中心部の利便のいいところに希望が集中する。周辺は残念ながら計画戸数を下回る。特に県が整備する住宅は大幅に下回るというのが大船渡市なんかでは出ているんです。釜石市は、周辺部を減らして中心部を幾らでもふやそう、そういう見直しを示していますが、最大限被災者の希望に沿った災害公営住宅をつくるというのでそういう見直しを図っていく必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇澤村建築住宅課総括課長 被災者の希望に応えた建設計画の見直しについてでございます。
 既に工事に着手した災害公営住宅あるいは完成したものにつきましては戸数を変更することはできませんけれども、そういったものにつきましては、他の団地からの誘導、あるいは団地間の調整等により空き室が発生しないように努めていくというふうに考えております。ただ、工事着手前の団地でありますと、市町村の最新の意向調査の結果に沿いまして、柔軟に整備計画を見直していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 全体とすれば災害公営住宅の希望は減っていないんです。ただ、どこに入りたいかということになるとそういうアンバランス、ミスマッチが出ていて、大船渡市の場合、市がやるものは、472戸に対して希望が549戸、これは大幅に超えているんです。県がつくろうとしているのは、262戸に対して164戸です。100戸足らない。そういう意味でいくと、簡単ではないけれども、最大限被災者の希望に沿ったことを検討していただきたいと思います。
 次に、建設労働者の実態と育成についてお聞きします。
 今、私がお話しした計画を本当に着実に進められるかどうかの一つの鍵が職人不足への対応だと思うんです。県内の建設労働者の実態はどうなっているのか。この間、設計労務単価は引き上がっているが、建設労働者の賃金に十分反映されていない、こういう声も出されていますが、実態を把握しているでしょうか。
 あわせて、来年度、建設業技術者育成支援事業費6、700万円が計上されていますが、この実績と来年度の中身を示していただきたい。
〇桐野建設技術振興課総括課長 まず、県内の建設労働者の賃金についてでありますが、県が実施しています平成24年毎月勤労統計調査地方調査によりますと、建設業の現金給与総額は、平成22年までは下降傾向にありましたが、平成22年の24万2、000円を境に上昇傾向に転じておりまして、平成23年は6%増の25万6、000円、平成24年は24%増の30万1、000円となっています。
 次に、建設業技術者育成支援事業の内容についてであります。
 本事業は、建設業の経験のある技術者や新規卒業者等を雇用し、建設関係の各種資格を取得させることにより本県の建設技術者の育成と確保を図るものであり、内訳としましては、新規雇用者の人件費として約4、300万円、研修費用として約1、800万円、その他の経費として約500万円となっております。
 実績等ですが、平成25年度も平成26年度も人数としては20人を見込んでいるんですが、平成25年度については11人という実績になっております。
〇斉藤信委員 先日の日曜日に、建設労働組合、いわば大工職人の決起集会がありました。賃上げの決起集会です。設計労務単価は、大工で直近2万800円なんですね。実に大震災の年の平成23年は1万4、400円で、一番落ち込んだときに震災になったと。それからここまで戻ってきたんですけれども、実際に現場で働いている技能労働者の実態の賃金は1万3、000円だという訴えです。私はちょっと乖離があるのではないかと。設計労務単価がそこまで改善されているのに、現場の労働者への賃金に反映されていない。昨年3月に国土交通省が技能労働者への適切な賃金水準の確保についてという通知を建設業界にやっています。私は、この点で、設計労務単価はまだ不十分だと思うけれども、この間、引き上がった単価は現場の技能労働者、建設労働者にしっかり反映されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。その手だても含めて。
〇桐野建設技術振興課総括課長 実際、末端の労働者にどのくらいの賃金が払われているかというのは、なかなか難しくて、現状でもそこをきちんと把握しているわけではございません。ただ、傾向として上がっているのを見れば、労務単価が上がればある程度上がってきているという傾向は見てとれると思います。国土交通省でも、今までは原則、年1回上げていたものを、我々の要望に応えてことしは前倒しして2月に上げておりますし、今後も、年1回の調査だけではなく、何回か調査して、状況を見て随時上げていくということを聞いております。そういうことも踏まえて、機会あるごとに関係団体ですとか建設業者にそういうものをきちんと払っていただきたいというアピールをしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 国土交通大臣は昨年4月に建設業4団体と会合して、10月23日には建設業団体トップへの直接の要請、フォローアップ会合をやっていますよ。
 部長、せっかく設計労務単価が上がってきているのだから、現場の労働者にきちんと反映するように国土交通大臣に負けないようにやらなければだめなんじゃないですか。
〇佐藤県土整備部長 実際の現場においての賃金でございますけれども、企業の経営状況あるいは職人の方の経験年数等でばらつきが出てきます。そういう意味で一律にこうだということは申し上げられないんですが、私も地域に行っての建設業協会との懇談会等の場では、口頭ではございますけれども、適切な賃金支払い等をこれまでもお願いしてきております。今後もさまざまな場を通じて業界団体等に働きかけをしてまいります。
〇斉藤信委員 私は、熟練の大工職人の皆さんが実態は1万3、000円だと、こういうことも指摘しましたから、これは聞き取りすればわかることだから、ぜひ対応していただきたい。
 最後になりますが、復興事業の中で、地域で本当に切実な要望だった陸前高田市の高田−米崎間道路、大槌町の三枚堂大ケ口のトンネル道路、これは社会資本整備交付金で取り組むということで申請をしているようですが、その見通しはどうでしょうか。
 復興支援道路の重茂半島線、この間のシンポジウムでもこれは報告されていましたが、この重茂半島線のルート、事業費、そして完成の見込みと来年度の中身を示していただきたい。
〇細川道路環境課総括課長 私のほうからは、陸前高田市、大槌町の今お話のありました2路線についてお話ししたいと思います。
 この2路線につきましては、市、町が社会資本整備総合交付金―復興枠により、平成26年度に新規事業化となるよう国へ要望しているところでございます。平成26年度予算については、復興庁において実施に関する計画の策定を行い、その後、国土交通省において整備計画の内容や配分額を財務省と調整の上、決定されると伺っているところでございます。新規事業化となった場合は、国の平成26年度予算の成立後、国から内示があるものと考えているところでございます。
〇加藤道路建設課総括課長 重茂半島線でございます。
 重茂半島線では、今回の大規模な震災津波で長い時間の孤立―5日を超えるような孤立が発生したりしてございます。そのため、高台移転のまちづくりと一体となったもの、また、孤立解消のための道路整備としまして、復興交付金事業によりまして7工区計画してございます。
 ルートということでございましたけれども、そういう津波の浸水エリアを避ける山側ルートを主に選択してございます。
 平成26年度の予定ということでございますが、現在、設計と用地測量を行っておりまして、来年度は用地買収、そして用地買収が進みましたら後半からは一部工事にも入っていきたい。そして、完成の見込みということですが、何とか平成30年度までにはでき上がるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。(斉藤信委員「来年度の予算だけ、これで終わるから」と呼ぶ)
 復興交付金、7工区全体で約170億円を予定しております。平成26年度の事業費ですが、25億円余を予定しております。
〇樋下正信委員長 3時を過ぎましたが、質疑を続行したいと思いますので、御了承願います。
〇吉田敬子委員 いわて花巻空港ターミナルビル機能向上事業についてお伺いいたします。
 県産材利用拡大については、昨日、農林水産部においてもこれからも頑張るという御答弁をいただきましたが、県土整備部においても、やっぱり川下のところでの需要拡大というのが大切だと思っている中で、先日の総括質疑において、11億円近い予算を立てて、今回、花巻空港ターミナルビルを改修されることについて、できるだけ県産材を利用してほしいということで質問させていただいた際、知事からは、他県の事例等を参考とし、県産材の活用の可能性を研究していくとの御答弁をいただきました。県土整備部としては、具体的に今後どのように取り組んでいくのかお示し願います。
〇木嶋空港課総括課長 いわて花巻空港ターミナルビルの施設改修に伴う県産材利用についてでありますが、今回、予定しておりますターミナルビルの施設改修は国際線の受け入れ機能を向上することを目的としており、基本的には一部の施設を増改築するものです。今後、秋田空港の事例などを参考にしながら、空港ターミナルビルの機能向上という目的、また、改修に当たっては、建築基準法などの法令の制限、また、コスト削減への対応、また一方では県産材の利用拡大、効果的な県産材PRなどさまざまな要素を勘案した上で、空港施設における県産材の利用につきまして、空港関係者などと研究してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 その中で、先ほど喜多委員から、いわての住文化継承事業、特に伝統的工法についても触れられていたんですけれども、先ほど御答弁の中でも秋田空港の事例をお話しされていましたが、県でさまざまな伝統的工法というのを研究とか開発しているんですけれども、それを県土整備部では把握されておりますでしょうか。
〇木嶋空港課総括課長 あくまで空港に関してという観点でございますが、今のところそちらについては特段行っておりません。
〇吉田敬子委員 きのう農林水産部で林業技術センターについて質疑させていただいたんですけれども、林業技術センターでは、平成24年度のものですけれども、長期優良住宅に適応した地域材活用技術の開発とかアカマツ高付加価値化技術の開発等を行っていて、これは4年も5年もかけて林業技術センターで研究されていて、これは住宅におけるというものではあるんですけれども、十分な機能を有している等の研究結果が出ております。先ほど秋田空港での取り組み事例をおっしゃっていましたが、ただ木材を使っているだけではなく、いろいろな伝統的な手法をもって改築されていたのを私も実際に見ました。せっかく林業技術センターで5年もかけてすばらしい技術だとしたものを県土整備部のほうで把握されていないというのはちょっと残念かなと思います。今回は花巻空港のお話をさせていただきましたが、これ以外にも、多分私が把握していない部分で住宅でのいろいろな技術も林業技術センターで開発されていますので、それも含んで、ぜひ花巻空港の改修、増改築にはたくさんの県産材を使って、また、伝統的工法も含めて取り組んでいただきたいと思いますが、最後に部長の御所見を伺って終わりたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 空港ターミナルビルにつきましては、御承知のとおり、非常に大空間の工事となります。その中で、一定の法令、消防法等の制約、あるいはコストの制約等の結果、今のような構造になっているということでございます。増改築のところを、何か構造的なものについて外材的に木造にするということについては、現実にはなかなか難しいだろうと考えております。
 一方で、県産材の活用につきましては、県全体として重要な課題、そして県を挙げて取り組んでいるものでございます。改めまして農林水産部とさらに情報共有を深めながら、我々は公共事業もやっております、あるいは住宅政策もやっておりますので、可能な限りの活用に努めてまいります。
〇吉田敬子委員 最後に、花巻空港はやっぱり玄関口でありますし、今度は台湾との定期チャーター便もできるということで、ほかにも他県で事例があると思うんですけれども、秋田空港に着いた瞬間にすごくぬくもりのある空港だなと感じましたので、ぜひそういった形で増改築に取り組んでいただくようお願いして終わります。
〇佐々木茂光委員 私から2点ほどお願いしたいと思います。
 昨年もこれに触れたと思いますが、復興工事も大分本格的にさらに進んでいくものと期待するところでありますが、そういった中で、かなり交通量も多くなり、工事車両も下手をしますと一般車両の何倍という車の数がある中で、現実のものとして接触があったり事故があったりということがいろいろ聞こえてくるわけですが、そういったところの現状の認識と、それからまた、年度が明けまして新しい工事がこれから進んでいくわけでありまして、それらに対する対策等がございましたらお示し願いたいと思います。
〇桐野建設技術振興課総括課長 復旧、復興工事の増加に伴う交通安全対策についてでございます。
 沿岸部におきましては、復旧、復興工事の増加に伴い交通量が増加しており、交通事故件数も多くなっていると認識しているところでございます。これに対しまして、沿岸各地域に設置しました復旧復興工事施工確保対策連絡調整会議に警察ですとか安全関係の労働基準監督署などの関係機関も入り、情報共有を図りながら交通安全対策に各地で取り組んでいるところでございます。
 具体的な取り組みとしましては、通学時間帯の通学路をなるべく重車両は避けるですとか、必要なところへ新たな信号機を設置、交通誘導員への指導強化、土砂運搬車両がなるべく右折しないルートを設定するというような対策や、工事業者に対して交通安全や交通マナー徹底の働きかけなどを行っているところです。
 今後とも、各地の状況に応じ、必要な対策を進めながら交通安全の確保に努めてまいります。
〇佐々木茂光委員 工事が始まる前ももちろんそうですが、恐らく1日の作業が始まる前に、皆さん朝礼とかそういうところは徹底してやっているかと思いますが、いかんせん、そういうことが徹底されていながらも、起きるときは起きてしまうというのが現状でありますので、常日ごろから、そういったものを常に現場のほうに、発注者である県のほうからでも定期的に指導を促すような動きが必要になってくるかと思います。一応そういうことでよろしいと思います。
 それから、今、現場のほうに行ってみますと、大分伐採が済んだり、それから山肌がまさに物の見事に見えてきているのは大変喜ばしいことではあるんですが、実際、去年の豪雨それから集中豪雨があったときなどは、私は現場から水が流れているということははっきり承知しているわけではないですが、例えば広田湾のことを話しますと、半分ぐらいまでは水の色が変わってしまうという現象がありまして、これはちょうどことしですか、今年度分のカキの出荷の時期に入りましたところ、死骸が見えてきている箇所があるということで、これは林業水産部のほうにもお話をして、どういう状況になっているのかということは聞いた経緯もありますが、当然、現場から流れていく水に対しては最大の注意を払ってやっているかと思いますが、それらの現状等についてどのように考えられているのか、お尋ねをしたいと思います。
〇桐野建設技術振興課総括課長 復旧、復興工事に起きます水質汚濁対策については、基本的には、施工計画段階ですとか工事の実施の各段階において検討して、沈殿池ですとか沈砂池というような対策を講じることにより、周辺地域の環境保全になるべく努めているところです。
 委員がおっしゃるような状況というのは、直接は確認しておりませんでしたので、引き続き、沿岸各地域に設置した復旧復興工事施工対策確保連絡調整会議などを通じて、漁業関係者ですとか漁港管理者ですとか、そういう関係者とも情報共有を図りながら、適切な対策を講じていきたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 現場をあずかっている方々は、それなりの対応、対処はして進めているかと思います。ただ、現場から離れた部分については、水の回り方によっては自分の現場から行かなくても、要は隣の山一つ、そっちのほうから出ているかもしれないし、そういったところをみんなで共有して監視をしていかないと、漁業者の方々も、やっと2年、3年になって、それぞれの仕事、なりわいとしてやってきておりますので、そこは造成だダンプだと言っても、みんな自分たちの仕事をしてもらっていると思うから、ほんとに思っていることを吐き出せないでいるのが現状なんですね。確かに水際はみんな復興工事となっているので、確かに波がちょっと来ても風が来ても常に海は濁るような状況がありますので、お互いにそういうところに意を用いて、これからの復興事業にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
〇樋下正信委員長 ほかにありませんか。
〇佐々木大和委員 お疲れのところ済みません。一つお伺いします。
 県産材活用で、きょう喜多委員から質問が出ましたけれども、CLTについて答弁というか説明がなかったんですが、このクロス・ラミネーティッド・ティンバーが新しい木材の素材として注目されているんですが、県土整備部ではどういう協議をされていますか、お願いします。
〇勝又住宅課長 その木材については、まだ日本に持ち込まれて余り時間がたっていないということで、こちらで聞いているところだと、四国のほうで実験的に1軒建てられたということでして、ただ、実は技術的な基準がまだ日本ではできていない状況で、これから日本で建設が進むように技術基準をつくるための検討を国のほうで何カ年かかけて行うということで、平成26年度の予算を獲得していると聞いていますので、県としての取り組みとしては、国の基準ができ上がった後、どう普及をさせていくかということになろうかと思います。
〇佐々木大和委員 そのとおりで、まだ国では、いっとき国会で話が出たそうですが、そういう段階のようであります。きょう、喜多委員も紹介しましたけれども、ヨーロッパでは各地、オーストリア、ドイツ、イギリスで始まって、ロンドンでは9階建てが建っているというようなことで、兵庫県で始まったのが、高知県の知事が大変興味を示して実験建物が完成したという情報もあります。そういうことになってきますと、岩手県も林業県としてはこのCLTは注目していくべき素材だと思うんですが、これまで大断面集成材のときには出雲ドームとか隣の大館ドーム、そういうのがあって、象徴的なああいう木造建築を欲しいなという一般の希望があったんですけれども、残念ながら岩手県はできなくて、大断面集成材は今もう既に遠野に工場も全部あるわけですけれども、その後、それほど使っているようにも見えていないんですが、今回そういう形で新しい素材が生まれると。国の基準ができてから使うということになると、また、同じぐらいになるんだろうと思うんです。本当にもう伐期を迎えた山がいっぱいある中で、そういう素材を使って―これは法律が整うまでは相当かかるんじゃないですか。10年ぐらいかかるんじゃないかなという見方もあります。だけれども、準備ができていなければ、これまた同じように流れるんだろうと思っておりますので、県土整備部のほうでもやはりそういう意味での前向きな検討をお願いしたいと思います。
 岩手県の素材は大分他県では使われていまして、遠野のベニカラマツは東大の弥生講堂をつくっておりますし、それから、埼玉国体の際の剣道場の床板はナンブアカマツを使っています。そういうことで、議員連盟―森林林業政策研究会も、どちらも視察をしてきておりますけれども、素材はあるんですけれどもそういう使い方ができていないということで、これは林業のほうもそうですけれども、県土整備部のほうで、そういう新しい技術が入ったら率先して使っていくと。特にも、そういう岩手県の素材としての活用方法を常に先端を取り入れて取り組んでもらいたいというので、部長、いかがでしようか、その辺の活動。
〇佐藤県土整備部長 今、委員からお話のありましたCLTにつきまして、大変申しわけございません、私は詳細を承知しておりませんでした。今、住宅課長が申し上げましたように、新しい技術を現場で適用していくというには一定の評価も我々欲しいなという思いがあります。それはそれとしながら、今お話をいただいたことも含めて、研究しながら準備を進めていくような取り組みもやってまいりたいと思います。
〇樋下正信委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 質疑がないようでありますので、これで県道整備部関係の質疑を終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました議案67件についての意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後3時25分 休 憩
午後7時47分 再開
〇樋下正信委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されました議案67件について、各会派の代表の方々で協議した結果を御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました議案第67件については、それぞれ原案を可とすることといたした次第であります。
 これより討論を省略し、採決を行います。
 まず、議案第36号、議案第40号、議案第46号から議案第53号まで、議案第56号、議案第57号、議案第62号、議案第63号、議案第67号、議案第68号、議案第70号から議案第77号まで、議案第79号、議案第82号、議案第84号、及び議案第86号から議案第94号までの以上36件について一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇樋下正信委員長 起立多数であります。よって、議案第36号、議案第40号、議案第46号から議案第53号まで、議案第56号、議案第57号、議案第62号、議案第63号、議案第67号、議案第68号、議案第70号から議案第77号まで、議案第79号、議案第82号、議案第84号、及び議案第86号から議案第94号までの以上36件については、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第22号まで、議案第37号から議案第39号まで、議案第41号から議案第44号まで、議案第54号、議案第55号、及び議案第166号の以上31件について一括して採決いたします。
 各案件は、原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇樋下正信委員長 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第22号まで、議案第37号から議案第39号まで、議案第41号から議案第44号まで、議案第54号、議案第55号、及び議案第166号の以上31件については、原案を可とすることに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対しまして深く感謝申し上げます。
 これをもって予算特別委員会を閉会いたします。御苦労さまでございました。(拍手)
   午後7時51分 散 会

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