平成25年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成25年3月14日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    葛 西   貢
  主任主査    村 上   聡
  主査    藤 澤 壮 仁
  主査    藤 枝   修
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  保健福祉部長   小田島 智 弥
  副部長兼
  保健福祉企画室長 浅 沼 康 揮
  医務担当技監   菅 原   智
  保健福祉企画室
  企画課長    高 橋 勝 重
  保健福祉企画室
  管理課長    菊 池 達 也
  医療推進課
  総括課長    野 原   勝
  健康国保課
  総括課長     藤 原 信 明
  地域福祉課
  総括課長    岡 村 鋭 次
  長寿社会課
  総括課長    鈴 木   豊
  障がい保健福祉課
  総括課長    千 田   充
  児童家庭課
  総括課長    菅 野 啄 也
  医師支援推進監  今 野 秀 一

  医療局長    遠 藤 達 雄
  次長    佐々木   信
  経営管理課
  総括課長    熊 谷 泰 樹
  職員課総括課長  菊 池   儀
  医事企画課
  総括課長    佐 藤 敬 一
  薬事指導監    松 川 幸 市
  看護指導監    青 山 節 子
  医師支援推進監  千 葉 雅 弘

  医師支援推進室長 川 上 裕 二

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 田村誠委員は本日欠席とのことであります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第25号から議案第28号まで、議案第35号、議案第37号、議案第38号及び議案第90号の以上28件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、医療局の審査に際し、菅原業務支援課総括課長は欠席となりますので、あらかじめ御了承願います。
 最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇小田島保健福祉部長 平成25年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明を申し上げます。
 最初に、平成25年度予算編成に当たっての当部の基本的な考え方でございますが、岩手県東日本大震災津波復興計画の推進の加速化に全力で取り組むとともに、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けた施策を着実に推進する予算として編成したところであります。
 まず、復興計画に掲げた復興の基盤となる取り組みの一つであります暮らしの再建のため、生活・雇用の分野におきましては、被災者の生活の安定と住環境の再建等への支援について、保健・医療・福祉の分野においては、災害に強く、質の高い保健・医療・福祉の提供体制の整備及び健康の維持・増進、こころのケアの推進や要保護児童等への支援について、地域コミュニティの分野においては、地域コミュニティの再生・活性化について、重点的に取り組んでいくこととしております。
 被災者の生活の安定と住環境の再建等への支援については、国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療制度等における一部負担金及び利用料の免除に対する支援などに取り組んでまいります。
 災害に強く、質の高い保健・医療・福祉の提供体制の整備については、医療施設等の機能回復や移転、新築への補助、介護人材や薬剤師の確保に向けた支援を初め、保育所等の社会福祉施設の早期復旧への補助や必要な介護サービス等の提供体制の確保の支援などに取り組んでまいります。
 健康の維持・増進、こころのケアの推進や要保護児童等への支援については、県こころのケアセンターの運営や、いわてこどもケアセンターの設置を初め、被災地を巡回しての健康相談等の実施や、原発事故由来による内部被曝状況の把握や健康相談などに取り組んでまいります。
 地域コミュニティの再生・活性化については、県社会福祉協議会が行う被災した低所得世帯への生活福祉資金の貸し付け及び各種相談員の配置に要する経費の補助を初め、災害公営住宅等における高齢者等の見守り、支援体制の整備などに取り組んでまいります。
 次に、復興計画と軌を一にしたいわて県民計画の着実な推進のため、岩手の未来をつくる7つの政策の一つであります医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現に向けて、地域の保健医療体制の確立、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備、福祉コミュニティの確立の三つの政策項目に重点的に取り組んでいくこととしております。
 政策項目の一つ目、地域の保健医療体制の確立については、奨学金等による計画的な医師の養成、臨床研修医の確保、定着の促進及び病院勤務医の負担軽減などの取り組みを支援するとともに、県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るほか、看護職員志望者の拡大などに取り組んでまいります。
 また、ドクターヘリの運航による救急医療体制の充実を図るとともに、周産期医療情報連携システムの整備による周産期医療体制の整備を推進するほか、大規模災害時等における医療従事者や救助関係者の連携を強化するための災害医療等に携わる人材の育成などに取り組んでまいります。
 また、新型インフルエンザ患者の受け入れに当たる医療機関の設備整備の支援など、感染症対策の推進に取り組むほか、生活習慣病予防を推進するため、県民の健康づくりに取り組んでまいります。
 政策項目の二つ目、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備については、保育所における延長保育などに要する経費の補助や放課後児童クラブ等の活動の支援など、子育てに優しい環境づくりを進めてまいります。
 また、児童虐待の未然防止や早期発見、職員研修や対応力向上のための体制強化など児童虐待防止対策の推進を初め、障がい児のニーズに対応した質の高い療育が受けられるよう、障がい児療育の拠点となる県立療育センターの整備などに取り組んでまいります。
 政策項目の三つ目、福祉コミュニティの確立については、地域福祉活動コーディネーターの育成などの住民参加による生活支援の仕組みづくりなどを推進してまいります。
 また、引き続き、認知症疾患医療センターにおける専門的な医療機能の充実や、本人、家族への相談支援など、高齢者が住みなれた地域で生活できる環境の構築に取り組むとともに、障がい者の地域定着のための支援など、障がい者が必要な支援を受けながら安心した生活ができる環境の構築に取り組んでまいります。
 また、災害派遣福祉チームの早期設置に向けた取り組みを進めるとともに、市町村の要援護者避難支援対策の取り組みの支援などに取り組んでまいります。
 また、自殺対策アクションプランに基づき、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などを総合的に推進してまいります。
 以上が、平成25年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
 続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成25年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その1の6ページをお開きいただきたいと思います。
 当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費911億3、200万円余のうち、2項県民生活費と5項災害救助費の一部を除く829億9、600万円余と、次のページの4款衛生費1、865億1、800万円余のうち、2項環境衛生費を除く171億1、000万円余と、9ページに参りまして、11款災害復旧費3項保健福祉施設災害復旧費21億1、600万円余と、12款公債費1、273億2、400万円余の一部97万円と、13款諸支出金1項公営企業貸付金から、3項公営企業負担金までのうち、3項公営企業負担金の一部を除く306億8、400万円余であり、合わせますと1、329億800万円余の予算額となっております。これを、平成24年度当初予算と比較いたしますと、21億6、900万円余の減、率にいたしまして1.6%の減となっております。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の106ページをお開きいただきたいと思います。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業を中心に御説明させていただきますので、御了承いただきたいと思います。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、説明欄の上から8番目、生活福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行う低所得世帯等に対する生活福祉資金貸付事業と、相談援助の円滑な運営を支援しようとするものであります。107ページに参りまして、説明欄下から5番目、地域支え合い体制づくり事業費のうち、高齢者サポート拠点等設置運営費補助は、応急仮設住宅等における必要な介護サービス等の提供体制の確保を支援しようとするものであります。次に、その下の災害派遣福祉チーム設置費は、大規模災害時に災害時要援護者の福祉、介護等のニーズ把握や応急支援などを担う災害派遣福祉チームの早期設置に向けた取り組みを進めるとともに、市町村の要援護者避難支援対策の取り組みを支援しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、福祉コミュニティ復興支援事業費は、市町村等が実施する地域の見守り体制の構築や交流の場の提供等の事業を支援しようとするものであります。次に、その下の復興住宅ライフサポート事業費は、災害公営住宅において、高齢者や障がい者等に対する必要な見守り、支援体制の整備を支援しようとするものであります。2目障がい者福祉費に参りまして、説明欄下から3番目、障がい者虐待防止対策推進事業費は、障がい者の虐待の防止や虐待を受けた方に対する支援体制の強化を推進しようとするものであります。108ページに参りまして、説明欄下から2番目、障がい福祉サービス等利用者負担特例措置支援事業費補助は、市町村が、被災者の障がい福祉サービス等の利用者負担額免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。次に、その下、被災地障がい福祉サービス事業所生産活動等支援事業費は、被災地の障がい福祉サービス事業所に被災失業者の雇用を委託することにより、事業所における創作活動や生産活動等を支援しようとするものであります。3目老人福祉費に参りまして、説明欄下から6番目、認知症対策等総合支援事業費は、認知症疾患医療センターを中核とした専門的な医療提供体制を充実するとともに、本人、家族への相談支援、かかりつけ医等を対象とした研修の実施など総合的な支援体制の構築を推進しようとするものであります。109ページに参りまして、説明欄上から9番目、被災地要援護高齢者支援事業費は、被災市町村の地域包括支援センターの業務支援、高齢者からの相談対応、要援護高齢者
、要介護者のケア支援等を行おうとするものであります。次に、説明欄下から6番目、介護保険サービス利用者負担特例措置支援事業費補助及び次の後期高齢者医療制度一部負担金特例措置支援事業費補助は、市町村等が、利用料または一部負担金免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。次に、その下の介護人材確保事業費は、被災地の介護人材の確保を図るため、介護事業所の労働環境の改善や介護の仕事の魅力の発信等を推進しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、医療介護複合型施設復旧事業費補助は、被災した介護老人保健施設と診療所を一体的な複合施設として整備することに要する経費を補助しようとするものであります。110ページに参りまして、5目国民健康保険指導費のうち、説明欄の一番下、国民健康保険一部負担金特例措置支援事業費補助は、市町村が、国民健康保険の一部負担金免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。
少し進んでいただきまして、115ページをお開きいただきたいと思います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、説明欄上から10番目、保育対策等促進事業費補助は、保育所における延長保育、休日保育及び病児、病後児保育などの保育対策に要する経費を補助しようとするものであります。次に、その下の地域子育て活動推進事業費は、市町村が行う放課後児童クラブ等の児童健全育成のための取り組みを支援しようとするものであります。次に、説明欄下から4番目、児童養育支援ネットワーク事業費は、児童虐待の未然防止や早期発見などに取り組むとともに、沿岸3地域で実施している子供の心のケアに加え、子供の心のケアを中長期的にわたって担う全県的な拠点施設、いわてこどもケアセンターを設置し、子供の心のケアを強化しようとするものであります。次に、説明欄下の子育て支援対策臨時特例事業費は、市町村が行う保育所等の整備に要する経費を補助するほか、電力需給対策に伴う就業時間の変更に対応した保育等の実施や、震災により負担能力に著しい変動が生じた世帯の保育料徴収金の減免実施に要する経費などを補助しようとするものであります。116ページに参りまして、説明欄下の被災地発達障がい児支援体制整備事業費は、被災した発達障がい児者のニーズ把握及び障がい福祉サービス等の利用支援を実施するため、沿岸地域に専門職員を配置しようとするものであります。117ページに参りまして、4目児童福祉施設費のうち、説明欄の一番下、療育センター整備事業費は、障がい児療育の拠点となる県立療育センターの整備に係る基本設計、実施設計等を行おうとするものであります。
118ページに参りまして、4項生活保護費1目生活保護総務費のうち、説明欄上から2番目、生活保護給付事務費のうち、生活保護受給者就労支援事業費補助は、各市が実施する生活保護就労支援相談員の設置や、生活保護受給者の就労体験等の事業に要する経費を補助しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、被災者等自立支援事業費補助は、県社会福祉事業団が行う、被災による生活困難者の自立支援の事業に要する経費を補助しようとするものであります。2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費であります。
 少し飛んでいただきまして、122ページをお開きいただきたいと思います。4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費のうち、説明欄の上から2番目、母子保健対策費は、特定不妊治療費助成や小児慢性特定疾患児等に対する医療給付などを行うほか、総合周産期母子医療センター等の運営に要する経費の助成や、周産期医療情報ネットワークの活用等に取り組もうとするものであります。次に、説明欄下から5番目、被災地健康維持増進費は、市町村の保健活動等の支援や住民の自主的な健康づくり活動の支援などを実施しようとするものであります。次に、その下の被災地健康相談支援事業費は、応急仮設住宅の集会所や談話室等を定期的に巡回し、健康相談、保健指導及び口腔ケア等を実施しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、放射線健康影響調査費は、原発事故由来による内部被曝状況を把握するため、尿中放射性物質の継続調査を行おうとするものであります。次に、その下の放射線健康相談等支援事業費補助は、原発事故由来による県民の健康不安を解消するため、市町村が行う個別健康相談等の事業に要する経費を補助しようとするものであります。123ページに参りまして、3目予防費のうち、説明欄一番下の新型インフルエンザ健康危機管理体制強化事業費は、患者の受け入れに当たる医療機関の設備整備の支援などを行おうとするものであります。124ページに参りまして、4目精神保健費のうち、説明欄上から5番目、精神科救急医療体制整備事業費は、精神科救急医療施設を指定するとともに、精神科救急情報センターで24時間対応の相談等を行うことにより、精神科救急医療体制の充実を図ろうとするものであります。次に、その下、精神障がい者地域移行支援特別対策事業費は、精神障がい者の地域生活への移行に向け、退院、退所の促進や地域定着の取り組みを支援しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、自殺対策緊急強化事業費は、自殺対策アクションプランに基づき、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などを総合的に推進しようとするものであります。次に、その下の被災地こころのケア対策事業費は、県こころのケアセンター及び地域こころのケアセンターを運営し、被災者の長期にわたる継続した専門的ケアを実施しようとするものであります。125ページに参りまして、5目高齢者保健費のうち、説明欄下から4番目、地域リハビリテーション支援体制整備推進事業費は、脳卒中の既往のある者等に対し、住みなれた地域でさまざまな状況に応じたリハビリテーションが適切かつ円滑に提供される体制の整備を推進しようとするものであります。
 少し飛んでいただきまして、133ページをお開きいただきたいと思います。4項医薬費2目医務費のうち、134ページに参りまして、上から4番目、医師確保対策費は、医学部進学者に対する修学資金の貸し付けや臨床研修医の確保、定着の促進、病院勤務医の勤務環境向上や処遇改善、中核病院に対して開業医が診療応援を行う取り組みなどを支援するとともに、県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るなど、総合的な医師確保対策を行おうとするものであります。次の救急医療対策費は、高度救命救急センターの運営費の助成、救急医療を行う病院の耐震化整備の支援、小児救急医療遠隔支援システムによる小児救急医療体制の充実を初め、ドクターヘリの運航による救急医療体制の充実を図るとともに、災害拠点病院等の非常用発電設備等の整備の支援などに取り組もうとするものであります。135ページに参りまして、説明欄下から7番目、救助と医療をつなぐ災害時実践力強化事業費は、自然災害や大規模事故発生時における医療従事者、救助関係者及び行政職員の連携を強化するため、その人材の育成などに取り組もうとするものであります。次に、説明欄下から3番目、被災地医療施設復興支援事業費は、被災した民間医療施設の移転、新築等に要する経費を補助しようとするものであります。次に、説明欄の一番下、県立病院再建支援事業費補助は、被災した県立高田病院、県立大槌病院及び県立山田病院の移転新築に要する経費を補助しようとするものであります。136ページに参りまして、説明欄下から2番目、医療情報連携推進事業費補助は、被災した沿岸地域の医療の復興を図るため、岩手医科大学と沿岸地域の中核病院を結ぶ情報通信システムの整備等に要する経費を補助しようとするものであります。3目保健師等指導管理費のうち、説明欄上から2番目、看護職員確保対策費は、看護職員養成施設の在学生に対して修学資金の貸し付けを行うとともに、看護の質の向上や看護職員の早期離職を防止するための新人看護職員研修体制の整備などに総合的に取り組もうとするものであります。次に、説明欄の一番下、被災地看護職員確保支援費は、被災地における医療機関等の看護職員の確保、定着を促進するため、現地医療機関等への助言などによるきめ細やかな就業のマッチング業務を実施しようとするものであります。137ページに参りまして、4目薬務費のうち、説明欄の一番下、被災地薬局機能確保事業費は、被災した薬局の機能回復に要する経費を補助するほか、調剤業務などを行う薬剤師を確保するための取り組みを実施しようとするものであります。
 次に、ページを少し飛んでいただきまして、228ページをお開きいただきたいと思います。11款災害復旧費3項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費は、被災した保育所及び児童厚生施設等の災害復旧事業に要する経費を補助しようとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、238ページをお開きいただきたいと思います。12款公債費1項公債費1目元金のうち、97万円が当部の所管ですが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金であります。
 239ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し、運営資金の貸し付けを行おうとするものであります。
 240ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金の県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行おうとするものであります。
 241ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行おうとするものであります。
 次に、ページを戻っていただきまして、説明書の105ページをお開きいただきたいと思います。平成25年度に新たに設置される国体・障がい者スポーツ大会局のうち、当部から移管する事業について御説明いたします。
 2款総務費10項国体・障がい者スポーツ大会費1目事務局費のうち、説明欄の上から3番目、第16回全国障害者スポーツ大会開催準備費は、障がい者のスポーツの祭典である全国障害者スポーツ大会の平成28年開催に向けて必要な準備を進めるものであります。
 以上で一般会計についての説明を終わります。
 次に、議案第2号平成25年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。便宜、予算に関する説明書により説明をさせていただきます。
 298ページをお開きいただきたいと思います。歳入と、299ページの歳出の予算総額は、それぞれ3億100万円余であります。300ページから304ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金及び諸収入であります。次に、305ページから307にページにかけましての歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
 続きまして、予算に関連する議案について御説明いたします。大変恐縮でございますが、議案その2の11ページをお開きいただきたいと思います。議案第25号社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例について御説明いたします。この条例は、社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の有効期限を平成26年6月30日まで延期しようとするものであります。
 次に、15ページをお開きいただきたいと思います。議案第28号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、保健福祉部関係の改正について御説明を申し上げます。16ページから17ページにかけましての別表第4、保健福祉事務関係手数料として規定しております調理師免許等に係る事務につきまして、平成25年度から環境生活部に移管することに伴い、別表第3、環境生活事務関係手数料に規定するものであります。
 ちょっと長くなりましたが、以上で保健福祉部関係の議案の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
 委員13人の質問が予定されております。議事進行に御協力をお願いいたします。
〇高橋昌造委員 私からは、大きく6点について一括かつ簡潔にお伺いいたします。
 まず最初に、老人福祉施設等に対する消火設備の整備状況についてお伺いいたします。この法的根拠も含めて、本事業の補助対象施設の実態がどうなっているのか。また、これまでの補助実績、今後における特別対策に対する取り組みについてお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 老人福祉施設等消火設備整備特別対策事業についてでございますけれども、延べ床面積が275平方メートル以上の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、主に要介護状態の方を入居させる有料老人ホームにつきましては、消防法施行令でスプリンクラーの設置が義務づけられておりまして、補助の対象となっているところであります。
 これらの施設のうち、延べ床面積275平方メートル未満の施設と小規模多機能型居宅介護事業所などにつきましては、消防法施行令の法令でスプリンクラーの設置は義務づけられておりませんけれども、国の臨時特例基金の補助対象となっているところでございます。
 それから、これまでの補助実績でございますけれども、これら施設につきまして、平成22年度は92カ所、平成23年度は85カ所の介護施設等について補助を実施しまして、今年度につきましては6カ所について補助金の交付決定を行ったところでございます。
 今後の補助計画についてでございますけれども、ことし2月に発生いたしました長崎県の認知症高齢者グループホームの火災事故を受けまして、現在、県内の介護施設にスプリンクラー等の消火設備の設置状況について調査を行っておりまして、結果を取りまとめ次第、国の動向を踏まえながら、来年度における補助のさらなる実施について検討していくこととしております。
〇高橋昌造委員 老人福祉施設に限らず、児童福祉等同じような施設について、このような火災事故が繰り返されないように、県としてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、介護職員育成・定着促進事業についてお伺いいたします。介護職員の直近の有効求人倍率と定着率がどうなっているのか。あわせて、介護職員育成・定着促進事業の課題と今後の対応についてお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 介護職員の現状につきましてでございますが、岩手労働局で公表しております資料によりますと、平成24年12月末現在の県内の介護関係の求人数は1、693人、求職者数1、075人、有効求人倍率1.5倍と高い水準になっておりまして、各事業所における介護職員の不足は厳しい状況となっているところでございます。
 介護職員の定着率でございますが、定着率そのもののデータはございませんが、毎年10月1日に実施しております介護労働安定センターの調査によりますと、平成23年度の県内の介護職員の離職率は11.3%となっているところでございます。
 それから、介護職員育成・定着促進事業の課題と今後の対応についてでございますが、今年度まで実施してございます介護雇用プログラムの後継事業ということで、来年度から実施を考えているものでございまして、介護従事者として就労を目指す離職失業者等を新たに有期雇用して介護施設等で業務に従事させるとともに、介護職員初任者研修を、資質の向上につながる研修等をあわせて受講させまして、介護現場における雇用拡大と人材の育成を図ろうとするものであります。
 働きながら資格を取得することを支援する内容でございまして、平成22年度から本年度まで実施してきました介護雇用プログラムにおきまして、これまで介護福祉士を44人、ホームヘルパーを70人養成してまいりました。平成25年度から実施する定着促進事業につきましては、働きながら資格取得をさせるだけではなくて、従前実施してきました介護雇用プログラムの違いとして、資質向上のための研修等の受講、指導者につきましても、ちゃんと受講者を研修できるように、指導者の研修もあわせて実施する内容を考えているものでございます。
〇高橋昌造委員 介護現場は、今、本当に深刻な状況なわけでございます。そういったことで、人材確保をする上において、県も、介護現場の皆さん方と一体となって、どのようにしたら対応できるのか、もう少し前向きな御検討をいただければということで、ひとつ今後とも対応方、よろしくお願いいたします。
 次に、高齢者サポート拠点等の運営の実態についてお伺いするとともに、あわせて本事業の成果、課題、そして今後の対応、特にも認知症高齢者への対応についてどうなっているのかお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 高齢者サポート拠点等の運営の実態についてでございますけれども、応急仮設住宅におきまして、要介護高齢者、障がい者など支援を必要とする方が安心して生活することができるよう、相談窓口の設置でありますとか必要な介護サービスなどの提供を行うために、高齢者サポート拠点を設置しているものでございます。これは、各市町村におきまして、発災後の平成23年7月から随時事業開始しておりまして、現在、28カ所設置ということになっております。
 事業内容につきましては、先ほど申し上げたことを含みますが、入居者の相談対応、見守り活動の実施、介護予防教室の開催あるいはさまざまな催しなど、地域住民の交流の場となっているものでございます。なお、地域で必要な場合、それらの取り組みとあわせまして、デイサービスでありますとか訪問介護などの介護保険サービスを包括的に実施しているところも一部ございます。
 それから、この事業の成果と課題、今後の対応でございますけれども、要支援者等の相談窓口としての機能、あるいは介護予防教室などの各種イベント等の実施の拠点ということで、高齢者の生きがいづくり、健康維持、管理等に寄与しているものと評価しております。
 今後、災害公営住宅への移行に伴いまして、移行時あるいは移行後の支援が課題となっておりますので、県としても、引き続き、これらに対応するために、高齢者の相談窓口の設置、見守り等の支援ということで、平成25年度事業として復興住宅ライフサポート事業を実施することとしております。
 それから、認知症の方でございますが、委員御指摘のとおり、応急仮設住宅には高齢者、とりわけ認知症の方もいるわけでございますが、サポート拠点で仕事をしている方は市町村から委託された社会福祉法人の生活支援相談員等のある程度専門的な知識をお持ちの方々が配置されておりますので、認知症の方につきましても配慮した対応がなされているものと考えているところでございます。
〇高橋昌造委員 応急仮設住宅には、高齢者に限らず子供たちもおるわけでございますので、そういったサポートについても部局横断的に対応できればということをひとつお願いいたしたいと思います。
 次に、在宅難病患者自家発電設備の整備状況についてお伺いいたしたいと思います。
 まず、在宅難病患者のうち、補助対象者等の実態がどうなっているのか。そして、今までの整備状況なり、来年度の取り組みについてどのようになっているのか。あわせて、自家発電設備の整備とか貸し出しについて、どのような周知の仕方をなされておるのか、この手続等も含めてお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 在宅難病患者の方々に対する自家発電設備整備の補助についてでございますけれども、まず、その対象となる方でございますが、在宅で人工呼吸器やたんの吸引器等の使用が想定される筋萎縮性側索硬化症等の患者、約200名程度と考えてございます。
 自家発電機の整備の実態につきましては、平成23年度に46台、平成24年度には23台を整備予定としてございます。今後も、対象となる患者の病状の進行によりまして、その需要が見込まれますことから、岩手医科大学附属病院などの難病医療拠点病院等と連携いたしまして、来年度も引き続き整備をすることとしてございます。
 それから、その周知や手続についてでございますが、本事業につきましては、難病医療拠点病院、保健所、県の難病相談・支援センター等を通じまして、この制度の周知を図っております。また、自家発電機の貸し出しを希望される方につきましては、難病医療拠点病院に相談の上、その手続をしていただくこととしてございます。
〇高橋昌造委員 次に、難病相談・支援センターの運営についてお伺いいたします。
 障害者総合支援法において難病等の定義づけがなされまして、対象者が拡大されたわけでございますが、その中で、難病患者の専門相談、支援機関である同センターの充実を図るお考えはないのか。今も充実はしておるんですけれども、なお一層、これを計画的に進めていくお考えがないのかお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 難病相談・支援センターの運営につきましては、地域で生活する難病患者への日常生活における相談、支援あるいは地域交流活動の促進、就労支援を行う拠点として整備されていますが、県では、平成15年度に同センターを設置いたしまして、平成23年度には、就労に関する相談対応を行う就労支援員を新たに配置したところでございます。また、来年度の当初予算におきましても、新たに難病の患者やその家族の方々を対象に、難病支援制度等に関する説明会を行うために必要な経費を計上したところでございます。
 それから、計画的な対応についてでございますけれども、実は、先般公表されました難病対策の改革についての提言、これは国の審議会のほうからの提言でございますが、全国の難病相談・支援センターのネットワークの構築等の機能強化が盛り込まれたところでございます。
 県といたしましては、国による難病対策の法制化の動きを注視しつつ、これまでどおり岩手県難病・疾病団体連絡協議会と協議をしながら、そのさらなる充実強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 最後に、肝炎総合対策についてお伺いいたします。
 平成20年3月に策定されました県の肝炎対策計画は、今度は第2期の計画ということで、今、見直しを進められておるということでございますが、県の肝炎対策における課題、そして、今後どのように対応されてまいるのかお伺いいたします。
〇野原医療推進課総括課長 岩手県肝炎対策計画についてでございますが、今回の改定におきまして、新たに肝がん、肝硬変による死亡者数の将来的な減少を目標に設定いたしまして、対策のポイントといたしまして、市町村や保健所等で実施しております肝炎ウイルス検査の受検率の向上、未受診者の掘り起こし等の検査体制の充実、この検査体制で見つかった要治療者を適切に治療に結びつけるための検査と治療の連携、適切な治療を実施するための岩手県肝疾患診療ネットワーク等の診療体制の整備、肝炎ウイルス検査や治療の必要性に係る普及啓発活動の推進、この4点の課題を掲げたところでございます。
 県としては、こうした課題に対応するため、地域肝疾患アドバイザーの養成や、肝炎患者支援手帳等に係る予算を計上させていただいているところでございます。今後、こうした課題を市町村や医療関係団体、そして患者団体と共有しながら、計画に掲げる目標の実現に向けて具体的な取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 私のほうからは介護の人材確保事業についてお伺いいたします。ただいま、高橋昌造委員のほうからも人材確保に向けての質問がありましたので、私のほうからは観点を絞って質問いたします。
 まず、介護人材確保事業は、被災市町村に対して、今後、介護福祉施設が復興していく中で人材確保の支援をしていくというものでありますし、労働環境の改善や魅力を発信するというものであります。
 そこで、現在の介護施設における労働環境の現状を県はどう認識されているのか、この改善に向けてどう取り組もうとしているのかをお伺いしたいと思っております。
 介護に携わっている人たちから聞くと、非常に重労働であると。定年までは働けない。自分の体のほうを壊してしまうというようなことがございますし、逆に、夜勤もあったり、重労働の割には非常に給料が安いということも指摘されているわけですが、どう認識されているのか、また、改善に向けてどういう取り組みをするのかお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 現在の介護の労働環境の現状認識と改善に向けた取り組みでございますが、介護従事者の仕事の負担や不満等を調査した財団法人介護労働安定センターが実施しました平成23年度介護労働実態調査によりますと、県内で回答が多かった項目は、仕事の内容の割に賃金が低い、有給休暇がとりにくい、人手が足りないなどの項目が高い割合となっておりまして、全国の回答結果と比較しましても、本県におきましては賃金の低さに対する不満の割合が高くなっております。
 また、事業者側に対する調査において、早期の離職防止や定着促進のための取り組みとして回答が多かった項目は、職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている。賃金、労働時間等の労働条件─休みのとりやすさも含めてでございますけれども、こうしたことを改善しているなどとなっております。事業者においても、人材確保や定着促進のためさまざまな取り組みを行っておりますが、必ずしも職員の満足度につながらず、厳しい職場環境になっているものと認識しております。
 こうしたことから、職場環境の改善を促進するためのセミナー等を開催いたしまして、各事業者の労働環境の改善でありますとか、経営能力の向上等の支援をしたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 県内の高等学校で福祉科、総合学科の中にあるんですけれども、例えば福祉コースとかを受けている高校生の皆さんがいらっしゃいます。その中で訪問介護2級の資格をほとんど取っております。そして、介護福祉士も取れることになっております。その中で、平成23年度、公立高校で125人の方が介護2級の資格を取っておりますし、介護福祉士はまだ発表されておりませんが、前の年ですと、40人の方が取れております。そして、全部で卒業者127人のうち66人が福祉関係に就職されているというデータがあります。では、この66人が全員県内に残っているのか、県外に出ているのかを調査したいと思ったんですけれども、この部分は出てきませんでした。ただ、私立高校1校においても福祉科がありまして、19人が福祉関係の資格を取った中で、16人が県内に残っているというデータがあります。
 そういう中で、では、人材確保に向けて県は今までどういう対策をとってきたのか。例えばこういう高等学校に対して、介護の魅力なり、そういう情報発信をしながらやってきたのかというところをお聞きしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 県では、これまで関係機関と連携しながら、福祉、介護人材のマッチング支援を実施してまいりましたほか、被災地の介護現場の人手不足を解消するために、業界団体を通じた他県からの派遣職員の受け入れ支援などを行ってまいりました。平成25年度につきましては、さらに介護事業者の経営能力改善等の支援を予定しているところでございます。
 委員から御指摘のありました中学校あるいは高校との連携についてでございますが、県が岩手県社会福祉協議会を指定し、運営しております福祉人材センターというところがございます。ここでは、福祉の仕事紹介事業ということで、福祉人材センターの職員が、中学生、高校生を対象に、福祉に従事している現任職員による出前講座を実施いたしまして、体験談、意見交換を通じて、福祉の仕事全般に関する理解の促進を図っているところでございまして、平成23年度は13回、610人の方を対象に実施しております。なお、当部の所管事業ではございませんが、ジョブカフェという事業がございまして、このジョブカフェで、それぞれ各地区を担当している職員が担当の高校に参りまして、介護、福祉関係を含めまして、そうしたマッチング支援などもあわせて行っているところでございます。
〇工藤勝子委員 先ほど、介護、いろんな福祉にかかわる求人数が1、693人とありました。事務局との打ち合わせの中で、退職される方もあるでしょうし、体調を崩されて休職する方もあるので、年間どのぐらいの方々がいらっしゃればいいんでしょうかと言ったら、やっぱり500人から600人というような、ちょっと本当の数字ではなかったと思うんですけれども、お話がございました。
 では、被災市町村において、今後、いろいろな福祉施設が出てくるのだろうと思います。例えば小規模多機能施設だとか、グループホーム的なものだとかがどんどん出てきたときに、絶対的に人材が不足するという中において、被災のほうも含めて人材確保の支援ということがございますが、どう支援しようとしているのかお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 委員御指摘のとおり、今後ますます進展します高齢化に伴いまして、介護サービスが必要となる高齢者がふえまして、それに伴って介護人材の確保が喫緊の課題になってございます。
 これまで実施してまいりました事業に加えまして、介護事業者というのは中小の小さい事業体が多いことから、事業運営、経営そのものがなかなかうまく回せないといったような課題が浮き彫りになっております。このため、平成25年においては、こうした点に特に注力して支援して、あわせて、介護の仕事はきついとか大変だという話もありますが、実際介護していらっしゃる方々につきましては、介護そのものについては非常にやりがいのある仕事だと感じておりますので、こうした点につきましても、介護に携わっていない方に対して、実は介護の仕事というのは非常にとうとくて魅力がある仕事なんですよということも積極的に情報発信するような事業に取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 この件に関してはもう一つだけお伺いいたします。
 賃金、結局ここが一番の問題じゃないかなと。やりがいあると思って意欲を持って携わるんだったら、それの見返りみたいな形の中で─アンケートをとれば、ほとんど賃金が安いということが出ているわけですので、事業者と働く人、ここの間をどうしたら改善できると思いますか。
〇鈴木長寿社会課総括課長 大変難しい御質問をいただいたと思っております。
 一つには、介護報酬の関係もございますので、県としては、今年度も国に対して提言、要望してまいりました。ヘルパーだけではなくて、介護関係に従事する職員全般にわたっての介護報酬の引き上げについてを要望しているところでございます。あわせまして、介護関係の県内の平均賃金が大体20万円、他の一般全産業で25万円ぐらいということで、全産業の8割ぐらいになってございます。他方、すぐれた経営、運営をして、20万円を超える賃金を支払っている事業所もございます。そうした成功している事業所、あるいはどういうふうにすればきっちり回して、ちゃんとした報酬、給与を支払えるのかということにつきましても、平成25年度事業でセミナーを予定しておりまして、中小に限りませんけれども、介護事業者の経営者の方々にお集まりいただきまして、そうした点につきましても積極的に情報発信して、経営体の経営能力の向上を支援していくこととしております。
〇工藤勝子委員 今後どんどん沿岸だけじゃなくて内陸のほうも働く人たちの高齢化が進んできますので、ほとんどの方々がお年になれば若い人に負担をかけないでそういう施設に入りたいと希望するわけです。そういう中において人材の確保が非常に大事だと思いますので、今後ともいろいろな形の中で情報を出し、魅力発信をしていただければと思っております。
 次に、市町村が行っております集団検診の中にがん検診がございます。そのがん検診の受診率を県は50%と目標を立てていると思っておりますが、データをとりますと非常に低い状態であります。胃がんにすれば、岩手町が58.5%という一番高い受診率、低いのは、大槌町は被災されましたので仕方がないと思っていますけれども、3.2%。岩手県の平均は16.1%と出ております。それぞれ肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんと出ていますけれども、ほとんど低いわけであります。
 県として50%の目標を掲げている中で、この対策と課題を、市町村だけとは言わないで、県がどうやろうとしているのかお聞きしたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 がん検診の受診率50%目標に対する県としての課題と対策についてでございますけれども、まず、受診率が目標に達しない主な要因といたしまして、検診の意義を十分に理解いただいていないということ、また、検診実施期間や日時の設定が受診される方々のニーズに合っていないということ、さらには未受診者に対する働きかけが不十分であることなどが掲げられると考えてございます。
 このことから、県といたしましては、がんに関する正しい知識やがん検診の意義についての周知を図るため、リーフレットやポスターによる普及啓発を行いますとともに、市町村や検診機関に対し、休日、夜間検診の実施など受診環境の整備を働きかけるほか、保健推進員によるコールリコールなど、このようながん検診受診率向上に向けた取り組みを市町村とともに図っていくこととしてございます。
〇工藤勝子委員 データを見ていてもやはり被災市町村の受診率がうんと低くなっているわけでありまして、例えば、胃がんであるならば仮設住宅のほうに検診車を回すとか、そばに行ったならば大体の人は受けるだろうと思うんです。ただ遠くなので受けられないとかいろいろな形があると思いますので、今後、復興公営住宅等ができましたならそういうところにも受診車をどんどん回してやるとか、そういう対策について考えていないでしょうかお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 被災した市町村のがん検診についてですが、沿岸の被災市町村では、委員御指摘のとおり、発災前と比較いたしましてがん検診の受診率が低下している状況にございます。その要因といたしましては、検診会場がなかなか確保できない、それから受診者の検診会場までの移動手段の確保などが課題となっておりますほか、被災によりまして、行政連絡員等が行っておりましたがん検診の通知が困難になったことが掲げられております。
 このことから、県といたしましては、市町村が実施する検診会場への移動手段の確保やがん検診の周知を図るために要する経費への補助を行っているところでございます。なお、内陸に避難した被災者が避難先でもがん検診を受診できる方策もあわせて講じているところでございます。
〇工藤勝子委員 がんというのは、やはり早期発見、早期治療である程度のものは防げるというものがございます。特にも若い年代層で、体調が悪くなって病院に行くとほとんど手おくれだと。県内の死亡欄を見ていて、40代とか50代で、亡くなる時期じゃないなと思って聞きますと、ほとんどががんなんですね。悪性新生物で亡くなっている。特にも男性の方が多いわけです。議会も男性の方が多いわけで、皆さんは受けていると思うんですけれども、ぜひ率先して検診を受けてほしいと思っておりますし、今後のがん対策に対する県の取り組み状況を聞いて終わりたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 ただいま、がんで死亡される方々についてのお話をいただきながら、その対策ということで御質問をいただきました。
 がんで死亡される方々をいかに減少していくかという取り組みについてお話をさせていただきますと、現在策定中でございます第2次岩手県がん対策推進計画におきましては、75歳未満のがんの年齢調整死亡率を20%以上減少させることを目標といたしまして、生活習慣の改善や喫煙対策、がん検診を受診しやすい環境の整備など、がんの予防とがんの早期発見に係る対策を進めるとともに、がん医療の充実や働く世代や小児へのがん対策の充実など、このような施策を総合的、計画的に推進することによりがん死亡者の減少を図っていくこととしているところでございます。
〇岩渕誠委員 私は、子供の放射線調査についてまずお尋ねします。
 県内の子供の放射線量調査については、県が行っております放射線健康影響調査費、それから市町村に補助をする形で市町村が主体となってやっている放射線健康相談等支援事業費、この2本立てで行われていると理解しております。これはいずれも新年度も予算計上しておりますが、継続の事業でございます。これまでの県実施分と、それから市町村補助分の調査の実績とその結果についてまずお尋ねしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 まず、これまでの調査の実績等でございます。
 県で実施いたしました県南部を中心とする3歳から15歳の子供に対する放射線内部被爆健康影響調査でございます。こちらは平成23年度に132名を対象として実施し、同じ対象者の方々に継続調査という形で、本年度86名の方に御協力をいただきまして実施したところでございます。
 その結果でございますが、前年度には微量レベルとはいえ検出された尿中放射性セシウムが本年度はほとんど全ての対象者がさらに低下いたしまして、半数以上が不検出となった結果でございます。このことから、有識者会議におきましては、昨年度と同様、放射性セシウムの内部被曝による健康影響は極めて小さいとの評価が得られたところでございます。
 市町村補助分の内部被曝検査事業に関しましては、予算積算上3、700人と見込んでいたところでございますが、検査希望者は3、178名となっているところでございます。
 現在の検査の実施状況でございますが、一部は委託業者におきまして尿中放射性物質の検査が終了し、結果通知まで進んでおりますが、多くは今まさに検査中もしくは検査の結果通知書を準備している段階と伺っております。
〇岩渕誠委員 県独自で継続調査ということになろうかと思いますけれども、新年度も対応されると思いますし、市町村の対応分については今まさに調査中と。なかなか調査の特性上、夏場にできないということもあって、どうしても取りまとめは春ごろになるんだろうということは理解いたしますが、細かく見ていきますと、市町村分でいいますと、奥州市などは800人を予定していたのに対して大体1、400人近い数字ということで、やはり関心は高いだろうと。専門家の分析はあるものの、やはりいまだに不安を完全に払拭されている状況ではないだろうと思います。紙面に載る機会は少なくはなりましたけれども、それは完全に放射線に対しての理解が進んだというよりは、私は単純に風化じゃないかと思っております。そういう意味では、新年度もこの予算がついているわけでありますけれども、新年度の対応と、今後、継続調査の見通し、これをどういうふうに県としては考えていらっしゃいますか。
〇野原医療推進課総括課長 平成25年度の対応についてでございます。
 委員からも御指摘がありましたとおり、平成25年度につきましても、県で実施いたします内部被曝調査、また市町村の実施する調査、両事業について予算計上させていただいたところでございます。この実施に当たりましては、県実施分につきましては、多くのお子さん方にまた同じ検査をいたしますので、御協力をいただかなくてはならないということで、今、対象者の方々にアンケートを実施いたしまして、来年の御協力等の可否などもいただいているところでございます。
 また、市町村事業につきましては、今、市町村で調査を実施しておりまして、結果がこれから新年度早々に返されると伺ってございます。こういった市町村の対象者の方々の御意向、また実施している市町村の御意見なども伺いながら、その具体の内容につきましてはきちっと詰めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 これにつきましては、専門家の野原総括課長を前に言うのも釈迦に説法でありますけれども、当然、長期間の追跡が有効だと言われております。その検査の対象数というのはまた議論があるところとは思いますけれども、縦方向で調査を5年程度継続することが必要と思いますので、そのあたりも新年度でぜひその方向性を打ち出していただければと思います。
 これに関連してですが、やはり放射線と健康への理解を進めるということは、当然風評被害の払拭にもつながるという観点から見ても大変重要なことだと思っております。そういう観点で、住民へのこうした放射線の健康被害等への講演会といいますか勉強会といいますか、この開催の実績と新年度の予定、それから開催するとすれば講師はどういう方をお呼びになるおつもりなのか。環境生活部でもやっておりますけれども、これはあくまで保健福祉部の管轄ということでお聞きしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 委員御指摘のとおり、現在の状況について、正確な情報マターについて県民の方々にお伝えしていくということが重要であると考えてございます。当部といたしましても、この放射線に関しては、例えば食事のこと、また環境のこと、そして健康に関すること、これは密接に関係してございますので、環境生活部や食品の関係している部署とも連携した形での講演会ということで本年度は10回ほど実施してまいりました。またそのほか、地元では保健所が中心になりまして、昨年度から30回以上、県南部を中心とした講演会、講習会といったものを実施しているところでございます。
 また、来年度の予定ということでございますけれども、引き続きこうした取り組みをきちっと進めていくとともに、やはり今後は個別の相談へのきめ細かな対応といったものが必要ではないかと考えてございまして、例えば市町村の保健師、そして学校の先生方など、子供たちとじかに御相談の機会で接する方々に対する講習会─これは国の講習会、そのほか県の講習会をこれまで6回ほど実施してございますが、そうした方々を通じてきめ細かな相談対応を実施していきたいと考えてございます。
 また市町村では、年度明けに、実施している調査結果の報告とあわせた講習会といったものを予定していると伺ってございます。その講師については、やはりこういった分野の専門家の方々が必要かと思いますので、市町村からも御相談をいただきながら、私どもも適切な方々の御紹介などをさせていただいているところでございまして、そういった意味では、市町村と連携して、相談、広報、講演会といった活動を引き続き続けてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 これは首都圏のデータでありますけれども、特にも健康のことが心配で、いろいろな購買をするときに産地を見てとか、そういった非常に関心の高い層というのは大体40歳以下の女性ということがデータで出ています。そういうことを感じますと、やはりお母さん方ですね、PTAの会合なり、そうしたところに対してのきめ細かな講演会の開催というのもお願いしたいと思います。
 そこで、講師のところ、専門家というお話が出てまいりました。岩手県内では、いわゆる被曝医療についてどの程度の実際に人がいるのか。高レベル被曝の緊急的な医療の部分というのが中心になると思いまして、現在の低レベルの汚染に対しての医療自体なかなか経験がないということもありましてそういった専門家はいないとは思いますけれども、今どれぐらいいて、その活用についてはどのようにお考えになっているのかお尋ねします。
〇野原医療推進課総括課長 いわゆる高レベル被曝時の緊急被曝医療といった形での医療の対応でございます。
 例えば、今回の福島の事例などのように原子力災害が発生した場合、原子力施設内の従業員や原子力施設の周辺地域の住民などに対して行われる医療活動、すなわち緊急被曝医療に係る医学知識を習得するためには、放射線医学総合研究所等における一定の研修課程を修了する必要があると考えてございます。県内の医師でこうした研修課程を修了しているのは3名ございまして、実際に、具体的には1999年のJCOの東海の事故で医療に携わった経験のある医師もございます。こうした専門家が県内にございますので、具体に県の内部被曝有識者会議の委員としてもその1名についてはお願いしているところでございますが、こういった専門家の方々の御意見、知恵をおかりしながら、こちらも正しい知識、対応について、先ほど御答弁申し上げたとおり、県民に対してお伝えするために御協力、御支援をいただいてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 3名おられるということでありました。医大の関係者が2人、そして一関に藤沢病院がありますけれども、ここの医師も1人対応になっていると思います。このお医者さんというのは福島から藤沢にやってきたお医者さんでありますけれども、一関市ではアドバイザーということでいろいろなことに御協力いただいているわけでありますけれども、やはり大変お忙しい。しかも3人しかいないということで非常に御負担をかけることになろうかと思いますけれども、やはりそういった専門知識をお持ちの方がきちんと現場経験なりを踏まえてお話しするというのが最も大切なことだと思っておりました。放射線の関係で申し上げますと、一番健康が心配なんだけれども、初期段階においてコメントしているのは物理学の教授だったりとか、非常に聞きたいこととしゃべりたいことのギャップがあって、聞いたらますます不安になるというようなことがあったと思います。これはぜひそういった方々に、県としてもきちんとアプローチをして協力をしていただくようにお願いしたいと思います。
 次に、まとめて難病対策についてお伺いいたします。これは私も一般質問で取り上げましたし、ただいまも高橋昌造委員から関連した質疑がありました。
 まず、患者団体からは、本当に4月からサービスが受給できるのかと。そのためにはやはり判定会なりをきちんとやっていただきたいということと、それから、相談センターがありますけれども、多分全国の中でもそんなに、活動の中身は注目されていますけれども、スタッフが十分にいるというほどではございませんし、やや年配の方が中心でございます。機動性という部分に関しては、患者団体だけにお願いするというのでは非常に周知の面でも問題があろうかと思います。こうした問題について県としてどのように対応しているのか、また、対応していくのかお聞きして終わります。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 まず、判定会の実施の関係、それから4月から本当に受給できるかといったお尋ねでございました。
 障害者総合支援法に基づくところの難病患者の方の障害程度区分認定に係る審査会につきましては、現行の障害者自立支援法に基づき実施している身体、知的、精神障がい者の方と同様の方法により実施することとなります。支給申請があった後、市町村の認定調査員が訪問等によりまして106項目の聞き取り調査を行いまして、コンピューターで1次判定した後に審査会を開催しまして、聞き取り調査の際に把握した特記事項や主治医からの意見書を勘案して2次判定を行うこととなりますが、審査会はおおむね月1回から数回、各市町村で開催されている状況でございます。
 4月からサービスを利用するためには3月中に支給決定を受ける必要がございまして、特にも、現在、市町村において難病患者にホームヘルプサービスを提供します難病患者等居宅生活支援事業を利用している方につきましては、4月からも切れ目なくサービス利用できるように3月中に支給決定されるようお願いしておるところでございますが、現在のところ、当該事業を利用している方は県内にいないと聞いております。4月以降におきましても随時申請は可能でございまして、申請があった都度、市町村において支給決定に向けた所定の手続が行われることとなっております。
 それから、周知に関する御質問がございましたが、県としましては、市町村等に対する説明会をこれまでに3回開催しまして、制度の概要、法施行までに必要な事務処理のスケジュール、難病患者の方に係る障害程度区分認定の留意事項等の周知を図ったほか、各種会議、研修会等を活用して関係団体等への周知を図ってまいりました。このほかに、いわゆる130疾患の難病患者の方について個別には把握しておりませんことから、医療機関の協力もいただきたいと考えまして、県の医師会、難病医療拠点病院、難病医療協力病院など主な医療機関に対して患者への周知を依頼しているところでございます。
 なお、130疾患のうち、特定疾患治療研究事業の対象であります56疾患の方については、5月に受給者証の更新手続がございますので、この際に改めて個別に周知を図る予定でございます。
 難病患者の方が必要なサービスを利用し生活の質の向上が図られるよう、今後ともさまざまな機会を捉えまして周知を図ってまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 やめるつもりでしたけれども、患者さんがいないというのは、これはいないのではなくて、サービスを受けたいんだけれども市町村が事業をやっていないということなんですよ。そういう部分でいえば、やはりもっと掘り起こしをきちんとやっていかないとだめだというのが実態だと、私はそう思っております。その部分について、最後に部長、今までも法のはざまですき間の中に落ちていたのがこの難病対策であります。まさに今のようにそのとおりやっていけば掘り起こしなんかできないですよ。それはやっぱりもう少し本腰を入れてやってもらわなければいけないと思いますが、所感があれば伺います。
〇小田島保健福祉部長 確かに今の難病の方の利用状況がほとんどないということについては、要因は幾つかあると我々も分析していまして、例えば介護保険を受けておられる方もいますでしょうし身障手帳の交付の方もいらっしゃいますでしょうし、ただ、そういうものを受けないで、実際に市町村での取り組みがきちんと行われないことによってサービスを受けられていない患者、こういう方々については、やっぱり市町村できちっとそういう体制をつくっていただく必要があると思います。委員の御指摘はごもっともだと思っておりますので、その辺については、何度か市町村への説明会も行っておりますけれども、さらに働きかけを強めていきたいと考えております。
〇及川あつし委員 質問は、先に子ども、子育て支援新制度と思ったんですが、介護職員のほうを先に、それぞれの委員からもありましたので質問したいと思います。
 質問に入ります前に、当委員会が終われば議員提案で口腔保健条例が出される見込みであります。五日市座長のもとに、これまで私も委員として取りまとめにかかわってまいりましたけれども、可決の見込みであります。可決の後には、条例案に規定されているように、執行部におかれましてはしっかりとした県の計画及び財政措置について可及的速やかに御対応いただきますようにこの場をおかりしてお願いしてまいりたいと思います。
 質問に入ります。
 最初に、介護職員の関係であります。
 高橋、工藤両委員からも質問がございました。私は、都道府県議会の交流会でなぜか本県の状況を説明する役割をいただきまして、その関係でずっとこの問題についてはウオッチしてきたわけでありますが、冒頭答弁ございましたように有効求人倍率1.5という状況で、まだまだこの問題については根が深い問題だと思っております。
 一つ目に通告していた点については、先ほど平成23年度の離職率は11.3%という御説明がありましたけれども、総括課長に、経年変化について、多分おわかりになると思いますので、ここ何年かの変化も含めて、離職率、いわゆる定着状況はどうなっているのか。あわせて、新規の資格取得予定者の話も先ほど工藤勝子委員からも質問がありましたけれども、詳細にもう少し御答弁できるのであれば御答弁いただきたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 離職率は平成23年度で11.3%という説明を申し上げましたけれども、平成21年度につきましては、岩手県10.3%、全国では17.0%、それから平成22年度にまいりまして、岩手県で12.9%、全国では17.8%、そして、先ほど御答弁申し上げましたけれども、平成23年度は岩手県で11.3%で全国では16.1%ということになってございまして、その年によって若干上がり下がりはありますけれども、10%から11%台というのがここ二、三年の状況でございます。
 それから、介護職員の新規資格取得予定者でございますけれども、介護福祉士とホームヘルパーの資格取得状況についてですが、平成23年度実績で申し上げますと、介護福祉士につきましては1、117人、ホームヘルパーにつきましては2、508人が新規に新たに資格を取得しているところでございます。
 なお、平成21年度から平成23年度までを見ますと、平均で見ますと介護福祉士が1、048人、ホームヘルパーが2、559人ということで、数だけ申し上げますと充足している状況にはありますが、先ほど高橋委員あるいは工藤委員にお話し申し上げましたとおり、介護の仕事につくかということになると、その辺では、先ほど言いました仕事が大変だ、きつい、休みがとりにくい等々の状況があって、なかなか厳しい状況でございます。
〇及川あつし委員 いずれさまざま資格取得者に対する支援とかいろいろなことをやられてきていると思うんですが、今、御答弁があったように抜本的な改善にまでは至っていないということだと思います。
 先ほど総括課長はやりがいのお話をされておりましたけれども、私はもちろんやりがいも大事だけれども、結局、福祉の分野に携わる方々については、待遇、給料、これが全てだと思っております。これまで2回ですか、平成21年には介護報酬の改定があって、その後は基金で1万5、000円当たりということで徐々にやってきていますけれども、これは抜本的な恒久的な措置と言いながらまだそれも決まっていない。まだ基金でやるような話で先が見えないということでありますので、これについては、岩手県としてできることも当然あろうかと思うんですが、折に触れて、この後、保育士のお話もしますが、介護従事者の皆さんに対する抜本的な待遇改善について声高にぜひ言っていっていただきたいと思います。
 その関連でお伺いしたいのは、資格制度について変更があると伺っております。この資格制度がどういう形で今後変更になって、また本県としても対応しなければいけない部分についてもあろうかと思いますので、その内容と対応策について示していただきたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 今、及川委員から御指摘いただきましたけれども、賃金等、それから先が見えないということで、国としては、キャリアパス、例えば5年、10年仕事をしたなら主任になれるとか、その先が係長であるとか管理者になれるとか、そうした将来に見通しを持てないことが大きな課題だということを問題視しておりまして、介護員の資格というのは、介護福祉士のほかにホームヘルパー1級、2級、それから一部に3級というものがございましたけれども、これらの資格が十分に相互に連動していない。よって、キャリアパスにつながっていないということを問題視しておりまして、このため、国で、平成25年度─来年度からでございますが、介護員の養成体系の仕組みを3段階に分けまして、今までのホームヘルパー2級に相当します研修を初任者研修課程修了者、さらに一定の実務経験や養成施設で学んだ後に国家資格を取得する介護福祉士、そして、その後の実務経験などによって認定を受ける─仮称でございますけれども認定介護福祉士、こういう3段階の職を置いて、将来を見越せる、その仕事、職につけばある程度の待遇も見越せるという仕組みにしているところでございます。そういうふうに平成25年度からなる予定でございます。
 県では、これまで、ホームヘルパー研修の1級、2級課程の事業者指定をしておりましたけれども、初任者研修につきましては県で事業者指定をすることになります。実際150単位の研修をしてようやく初任者の資格を取れるということでございますけれども、これに基づきます新しいカリキュラム研修を実施する事業者の指定手続を今、順次進めているところでございます。
 なお、実務研修以降は東北厚生局等、国の所管となっているところでございます。
〇及川あつし委員 今、御説明あったように、介護従事者の皆さんが中長期的に自分のライフプランを立てられるように、キャリアアップできるようにという制度趣旨だと思っております。これがうまくいけばいいと思っているんですが、いかんせんまだ資格ビジネスをやっているところからは、最近も広告で見ましたけれども、今が最後のチャンス、ヘルパー3級、2級みたいなものをやっているんですよね。何かこれって、介護のためにやっているというよりも資格ビジネスでやっているような嫌いがあって、どうなのかなと思ったりもしているんですが、いずれお願いしたいことは、資格制度の大きな変更について、まだ周知が全然されていないような気が私はします。これからやろうと思う人間も何が何だかわかっていないようなところもあるし、今、説明のあった初任者研修についても、そんなにハードルが高いんだったらどうだとかいろいろな声が聞こえてきますので、周知についてはぜひ今後も意を払っていただきたいという趣旨であります。よろしくお願いします。
 次に、子ども・子育て支援新制度について伺いたいと思います。
 これについては、まず私、所感を申し述べたいと思うんですが、昨年の8月だったか国会で関連3法が成立しましたけれども、何が何だかわけがわからない。ヤマタノオロチのような制度ができたような印象を実は持っております。
 当初、自公政権のときに幼保一元化、民主党政権になって幼保一体化、最後に総合こども園制度ということで議論が進んできて、最後は両業界団体、幼稚園、保育所の業界団体の意見などもやって、結局、今の認定こども園制度を拡充させつつも、幼稚園として残してもいいよ、保育所として残してもいいよ、今度の新しい施設型給付の制度についてはこれから具体に検討しますよという内容だと理解していて、園を運営する側も保護者も、実は今、大混乱しております。これは県が云々という話ではないんですが、決まった以上はそれに従ってやっていかなければいけないのですが、ヤマタノオロチのような制度が導入されてしまうことになるんですが、岩手県としてできることは可及的速やかに保護者にも、また施設運営者にもわかりやすく進めていただきたいというのが質問の趣旨であります。
 そこでお伺いしますのは、今申し上げた子ども・子育て関連3法が昨年成立して、今、さまざまな準備が進んでおると思うのですが、その制度の目指すべき姿はどういうものでしょうか。また、その制度はこれからどのようになるのか。詳細の御答弁になれば1時間以上かかると思いますので概要で結構であります。御説明いただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 子ども・子育て支援新制度の目指すべき姿と今後の展望についてでございますが、新制度の目指すべき姿といたしましては、まず、質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供、保育の量的拡大、確保、地域の子ども・子育て支援の充実が掲げられているところでございます。具体的に申し上げますと、幼稚園と保育所のよさをあわせ持つ認定こども園の普及促進、子育て相談や一時預かりの場をふやすなど、地域のニーズに応じた多様な子育て支援の充実、待機児童解消のため、市町村による計画的な取り組みと支援、少人数保育への新たな財政支援、そして、子供が減少傾向にある地域における保育機能の確保と多様な保育ニーズへの支援などに取り組んでいくこととしているところでございます。
 なお、実施時期につきましては、平成26年度の消費税引き上げを経まして、平成27年4月から本格施行されるところでございます。
〇及川あつし委員 今、御説明あったのですが、非常に抽象的な話がばーっと出てくるんだけれども、じゃ、具体的にどうなるのということになると、実感を持って言葉で説明される方が誰もいないんですね、この話は。
 毎月、議員に配られる私立幼稚園連合会の岩私幼連というのが、98号、今回も届いております。坂本会長がその中でこう書いているんです。幼稚園の立場の方からすると、この子育て関連3法が成立して、これから基礎自治体の需要調査、調整、施設の指定、施設型給付、公定価格、応諾義務があるかないかなど、また、今、自公政権で幼児教育の無償化の話も出ていますので、それとの整合性等をこの2年以内に図っていかなければいけないというようなことを書いています。もっと具体的に言うと、私立幼稚園の皆さんは、本当に今の形で残していっていいのか施設型給付に移るべきなのか全く先が見えない。保育所についても、制度上は今のまま残ってもいいし、市町村の関与も残るからいい、でも、具体的な数字が見えないので、本当にどうしたらいいのと。施設運営側からしてそうですから、保護者の問い合わせに対しても実感と実態をもって説明できないんですね。本来目指すべき教育と保育のいいところをとった新しいシステムという話がちょっと違う形になっているのかなという思いをいたしております。
 これも第一義的には政府の問題なのですが、今決まっている制度の枠組みの中で、岩手県としても、今、御説明ありましたように、予定されている平成27年4月からの本格施行に向けていろいろな作業を短期的にやっていかなければいけないと思っています。今、政府は、内閣府と厚生労働省と文部科学省と、一元化と言いながら暫定的かもしれませんけれども三つの省庁にまたがってやっていて、いずれ一元化するそうですけれども、本県についてもそれぞれの組織の問題がある。これを早く検討していかねばいけないとか、あとは、地域版の子ども・子育て会議をつくって具体的な内容を検討していかなければいけないとかいろいろな課題があると理解しておりますが、お伺いしたいのは、平成25年度、岩手県としてこの点について取り組むべき事項は何であるのか御説明いただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 新制度の施行に向けまして、平成25年度に県及び市町村が取り組むべき事項についてでございますが、まず、県におきましては、教育、保育を提供する体制の確保や地域の子ども・子育て支援事業の実施に関します計画でございます県子ども・子育て支援事業支援計画を平成26年度前半を目途に策定することとなっております。その策定に当たりましては、地域の子育て当事者等の意見を反映させ、また、その計画の調査、審議等を行うための場といたしまして地方版子ども・子育て会議等の設置を検討する必要があるところでございます。
 また、その会議の設置、運営や事業計画の策定を初め、関係部局が連携し施行準備を行うこととなるため、委員御指摘のありましたように、窓口の一本化や準備組織の設置など円滑な事務の実施が可能な体制整備を図る必要があると考えております。また、市町村におきましても、市町村子ども・子育て支援事業計画の策定、地方版子ども・子育て会議の設置など、制度施行のための体制整備等に取り組むこととなります。
 このため、県といたしましては、広域振興局とも連携し、各市町村を積極的に支援していくほか、各種媒体によります広報等により県民の皆様への周知を図っていくこととしているところでございます。
〇及川あつし委員 いずれ、政府のほうで骨格はつくられたけれども、具体の制度設計等については地方で市町村も県もしっかり議論して決めてくださいよという内容だと思うんですが、ここでお願いは、先ほど来申し上げているとおり大混乱しておりますので、政府では、市町村計画と都道府県計画については、本格実施が平成27年4月ということなので、平成25年度から平成26年度の半ばまでにつくってよという話なんですけれども、私は、平成25年度中に絶対につくるべきだと思うんです。これができないと先ほど来申し上げているとおり現場が大混乱するので、半年前に詳細を示されて、さてどうしようと、これは絶対できないんです。だから、政府も何でこんなことをやったのかなという思いがあるのですが、都道府県としても、これについては現場の運用で何とかなる分野だと思いますので、早く組織を立ち上げて具体的な制度設計をしていただきたい。そのためには県庁内の組織についても一部大幅な見直し等も必要になってくるし、議会においても、じゃ、この所管をどこの常任委員会に置くとか、そういう問題もあわせて生ずることになると思っておりますが、これは部長に、所感があれば伺いたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 今、委員御指摘のとおり、今回の改正についてどういう中身になるのかということで、いろいろ事業者の方々が非常に混乱されているというお話を承っているところでございます。新しい制度がいろいろ変わる中でなかなかわかりにくいという話も承っています。したがいまして、来年度早々にでも現場の方々のいろいろ意見を聞きながら、できるだけ早く計画だとか、あるいは地域版の子ども・子育て会議の立ち上げだとか、そういうことについて取り組みを行っていきたいと考えています。平成25年度、平成26年度という2カ年の準備ではありますけれども、できるだけ早くその体制をつくれるようにしたいと考えております。
 所管につきましても、特に幼保連携型の認定こども園につきましては受付窓口から一元的な管理をすることになっておりますので、早く決めないとだめだと思っています。その組織の立ち上げの時期がいつになるかは別にいたしましても、平成25年度に、そういう窓口をきちっと定められるようなすり合わせを関係部局の間で行うこととしております。いずれ、そういう準備をいたしながら、事業者の方々がどの選択をするか、きっちり理解をしながら決められるような体制をつくっていきたいと考えています。
〇及川あつし委員 今、部長からは事業者ということで、私も関係者なのでそういう答弁があったと思うんですけれども、問題は保護者なんですよ。保護者が問題なんです。どっちにどう入れたら自分たちがしっかりとした子育てができるのかわからない、事業者も説明できない、こういう状況なので、ぜひその点も踏まえていただきたいのと、これはちょっと難しい表現になるんですけれども、幼稚園の業界の方も保育所の業界の方も長年やってきているのでプライドがある。自分たちのやってきた事業についての説明があるし、さらなる制度の要求がたくさんあるんだけれども、ここを調整すると考えたら絶対まとまらないと思うんですね。これは、これからどういう方向に行くのかということで主導的に進めていかないと、多分、足して割ってやるような話だとますますわけがわからなくなるので、御留意いただきたいと思います。
 例えば幼児教育の無償化にしても幼稚園のサイドからすれば早く導入してくれという話なんだけれども、平成27年度になったら財源プールが一つですよねと。現物給付と現金給付と同じプールなんだから、幼稚園の就学前の教育費を無料にするということは、現金給付の部分と施設給付のところでクラウディングアウトを起こすんですよということを言ってもわからないんですよね。なので、その事例が一番わかりやすいように、本当に大混乱しているので早目の対応をお願いしたいと思います。
 最後になりますが、繰り返しになりますが、周知を具体的にどうやっていくのかという問題と、あとは、本県については被災県でありますから、平常時の地域においても混乱を起こしている内容が被災地においてはさらなる混乱をもたらしていると理解しております。この点についてはどのように対応されるのか伺いたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 県民の皆様への周知につきましては、去る1月に、市町村に対しまして、広報紙等による広報、啓発への取り組みを依頼してございます。今後、県におきましても、国の広報活動と一体となりまして、住民向け広報紙やホームページによる広報活動を行うこととしております。
 また、年度内を目途に、国でリーフレットを作成する予定でございますが、そうしたリーフレットを市町村及び全ての保育所、幼稚園等に配布して広く周知に努めてまいりたいと考えております。
 次に、被災市町村における新制度への対応についてでございますが、新制度におきましては、全ての市町村がニーズ調査の実施、子ども・子育て会議の設置、さらには支援事業計画の策定など、施行準備のための体制整備に取り組むこととしております。しかしながら、沿岸市町村におきましては、震災対応などによりますマンパワー不足などのため、施行準備作業等の遅延が懸念されているところでございます。このため、県におきましては、来年度早々に、国とともに被災地域の自治体、保育所及び幼稚園等の事業者、関係団体、保護者等との意見交換会を開催する予定としております。その中で被災地域の皆様の御意見をお聞きしながら、制度が円滑に施行されるよう必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 今、御答弁あったように、被災市町村については、ニーズ調査一つとっても、生活再建が見えていない段階だから、ぜひ手厚いサポートをお願いしたいという趣旨でありますのでよろしくお願いします。
 最後の質問でありますが、介護士と同様に保育士の確保について、これまでも伺ってまいりましたが、改めて直近の本県の現状を示していただきたいと思います。
 あとは、政府から保育士の待遇改善について一部報道がございました。どんな状況なのか、まだ制度概要が見えていないようでありますが、その点についても伺いたいと思います。
 なお、この点については、先ほどの質問とも関連しますが、保育士については待遇改善される。じゃ、認定こども園において、同じ施設で同じ労働をしているのに保育士だけ待遇改善になって幼稚園教諭は待遇改善されないんですかということで、今、これまた現場で大問題を来しております。なので、この点についても機会を見てぜひ政府に整合性のある政策をとってもらうようにお伝えいただきたいわけですが、この点について答弁を求めて質問を終わりたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 まず、保育士の確保の現状認識でございますが、本県の保育士の新規の登録者数は平成23年度525人となっており、3年前に比較いたしますと71人減少しております。また、本県の保育士資格登録者を対象にいたしまして平成24年1月に保育士登録者現況把握調査を実施してございますが、回答のあった4、654人のうち、県内の保育所等に就業している方は2、626人、64.07%となっており、ほかの職についている方、また、離職される方なども相当数に上っていると認識しております。
 さらに保育現場からは、多様な保育ニーズへの対応や、受け入れ児童をふやしたくても必要な保育士を確保できないといった声や、市町村からも、年度途中での保育士確保が困難である、そういったことが待機児童の要因の一つと伺っておりまして、こうしたことを踏まえまして、新制度施行に向けて保育士の確保は喫緊の課題であると認識しております。
 次に、保育士の待遇改善の動向でございますが、国では、待機児童の解消のため、保育所整備等によって量的拡大を図る中、保育士の人材確保対策を推進する一環といたしまして、保育士の処遇改善に取り組む保育所に対して資金を交付することで保育士の確保を進めることとしているところでございます。
 その仕組みでございますが、保育所運営費の民間施設給与等改善費の仕組みを基礎にいたしまして、処遇改善のための上乗せ分を保育所運営費とは別に交付いたしまして、各保育所の平均勤続年数が長いほど上乗せ額が多くなるもので、それを通じまして保育士の処遇改善と離職防止を図るということで安心子ども基金の積み増し延長を行っているところでございます。
 県におきましては、国の動向を見守りながら、保育士の処遇改善を図り、その確保に向けて必要な支援の検討を行っていくこととしているところでございます。
 また、委員から御指摘のありました幼稚園の教諭等の待遇改善につきましても、関係部局と連絡調整等を図りながら、必要な改善等について国への要望について検討してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 ただいまの及川あつし委員の質問に関連して質問いたします。
 私も実は、菅野総括課長とか部長に御相談していたんです。この子ども・子育て会議というものが、大変な冊子で、中を見れば見るほどわけがわからない。それで菅野総括課長をお呼びして、これ、わかるんでしょうね、専門ですからと言ったら、わかりますということで、いずれ私なんかからすれば全然わからないです。実は、国の政策の認定こども園とか幼保一元化の失敗作が今度の子ども・子育て会議になったのではないかと私は思います。
 それで、部長、ある一定の評価もしないで、そういう反省もしないで次のステップに進むのは、私、どうかと思うんです。ずっとずっと取り上げておりました、大体保育園と幼稚園を一体化するということ自体が間違っているのではないかと。現場をよく見ない人の考えじゃないかということで、国に行って提言もしてまいりました。そういう中で、検証が行われないまま、今度、子ども・子育て会議でございます。菅野総括課長、大変準備がお忙しいと思いまして私も質問は避けましたけれども、及川あつし委員に取り上げていただいてよかったと思います。大変難しい問題だと思いますが、時間があるようでないと思います。いずれ菅野総括課長におかれましては、すぐに委員会設置を国から言われると思いますけれども、そのメンバーの選定とかいろいろ大きな問題があると思います。今まで認定こども園をやってきたところも何も評価を得ないまま続けているということをお酌み取りいただきまして、部長、地域の声を聞きながらということを何度もお答えになっていますが、もう一度その辺のところをお聞きして終わります。
〇小田島保健福祉部長 今までの認定こども園のあり方については、例えば幼稚園、保育園がただ合体したような形じゃないかとか、一方では応益負担、一方では応能負担、これが並存していて非常にやりにくいだとか、いろいろな運営上の問題点が指摘されておりました。今回そういうことを解消しようということも一つその中に入っているわけですが、いずれ検証をしつつ進めていかなければならないと考えておりますので、今までの運営された方々の声をよくお聞きしながら協議し、そして新しい設計については、本県は、その会議をつくるに当たっては、いろいろな方々の参画を得ながらいい仕組みをつくっていけるように取り組んでまいりたいと思います。
〇及川幸子委員 そういうことですが、設置するところが国では内閣府ですけれども、県にまたがるときは三つですよね。それの整備を一本化するということ、大変難しい作業だと思います。でもやっぱり急がなければならないし、菅野総括課長、頑張って、検証しながら、どうぞ強い意思を持って国に向けて意見を言っていく、申し上げていく、そういう強い意はないのか最後にお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 今、委員からお話がありましたように、早急に会議等の立ち上げをして計画の策定等に取り組まなければならないと思っております。そうした中で、本県における課題等につきましては国の会議等において意見等を申し上げ、円滑な施行に向けて努力してまいりたいと思います。
〇高橋元委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時3分 休 憩
午後1時3分 再開
〇郷右近浩副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、保健福祉部関係の審査では、この後、8人の質問者が予定されております。なお、質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑することとし、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とするとともに、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないよう御協力をお願いいたします。
 また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
〇佐々木努委員 それでは、私のほうから2点について質問させていただきます。順番を変更して質問いたします。
 障がい福祉サービス復興支援事業についてお伺いいたします。この件につきましては先日の一般質問でも取り上げさせていただきましたが、再度、確認の意味で質問させていただきたいと思います。
 前回の質問の際もお話ししましたが、いわて障がい福祉復興支援センターの圏域センターが、新年度からは廃止になるということが決まったようでありますが、圏域センター廃止については、県の意向であったのか、事業実施主体の社会福祉協議会の意向であったのか、その辺についてお知らせいただければと思います。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 ただいまお尋ねの障がい福祉復興支援センターの圏域センターの廃止というお尋ねでしたけれども、集約を考えております内陸部の圏域センターについて、中央センターに集約を考えているところでございます。今年度、内陸の圏域センターでは障がい福祉サービス事業所の訪問調査や、あるいは障がい者団体との意見交換等が終了いたしまして、来年度において想定されます業務量は、障がいがある方たちの災害対応のてびきの普及など新たな業務を含めても限定的でございますことから、今後の業務量に見合った人員配置や適切な運営体制のあり方を検討いたしまして、中央センターいわゆるいわてセンターに機能を集約することとしたところでございます。
 また、今年度の取り組みによって築き上げた事業所や障がい者団体等とのネットワークを来年度の取り組みに生かすために、内陸部の圏域センターの所長を支援アドバイザーに委嘱しまして、円滑な事業推進を図ることとしております。
 それから、事業に対する県の考えが事業実施主体に伝わったかというお尋ねでした。これにつきましては、事業の取り組み内容や実施体制などにつきまして、随時、委託先であります岩手県社会福祉協議会と、圏域センターを統括しておりますいわてセンターの意向も踏まえて協議しているところであり、同協議会やいわてセンターと意思統一を図った上で、事業を推進しているところでございます。
〇佐々木努委員 まだ質問していない項目まで答弁いただきまして、ありがとうございました。
 この件については、私は事前に担当課長、担当の方ともお話をさせていただきました。その際は、担当の方も圏域センターの必要性というのは非常に理解しておりまして、できれば内陸部の全部の圏域センターを廃止するのではなく、県南に一つ置くとかという形でも検討をしてみたいというニュアンスのお話までいただきました。非常に前向きな担当職員の方だなと思って私も非常に感激したわけですが、その後、県南に残すという話も出たということも実は私の耳に入りまして喜んだところなんですが、その後、またその話はなくなったということでありました。その辺の経緯というのを、もしおわかりになれば教えていただきたいんですが。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 残す手だてがないだろうかということで、県社会福祉協議会のほうとも御協議をしまして、どのような方法であれば残せるかといったことを確かに検討いたしました。その時点での、協議段階での情報があるいは伝わったものかと思われます。ただ、いろいろな事情を総合的に勘案しまして、やはり業務量について、残すほどの業務量、それに見合った業務量がなかなか難しいのではないかと。それから、例えば胆江圏域の所長などは、新年度につきましては常勤の形で勤務するのは難しいと。実はほかにもいろいろ取り組みたい仕事があるということも聞いておりまして、最終的に内陸部につきましては中央に集約という結論に至ったところでございます。
〇佐々木努委員 残念ですが、そういう結論になれば仕方がありません。
 胆江圏域センターから、これまでの間、これらの事業に対する2件の提言がなされておりますが、それについては担当課のほうではごらんになったでしょうか。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 胆江圏域から直接私どものほうに提言という形で受けたものは承知しておりません。
〇佐々木努委員 ということは、ごらんになっていないということですね。わかりました。
 この圏域センターの存続も含め、今度発行される障がいがある方たちの災害対応のてびきの有効活用についての提言が、圏域センターから県の社会福祉協議会というか、障がい福祉復興支援センターのほうに届いているはずなんですが、今、私の手元にあるんですけれども、非常に中身が充実しておりまして、これからの障がい者福祉政策を進めていく上で重要なことが書いてある、すばらしい提言だと思うんです。これは、圏域センターでは、県のほうにもぜひ伝わってほしいという思いで出したらしいんですけれども、肝心の県のほうに伝わっていないということで、非常に残念です。これは、後で課長にもお渡ししたいと思いますので、ごらんになっていただきたいんですが、こういう思いがやっぱり県のほうに伝わらなければ、圏域センターの必要性というのは県でも認識をされないのかな、それは仕方のないことかなと思います。そういうしっかりと上に伝わるシステムというのをぜひこれから構築していかなければならないと思いますし、ぜひ構築していただきたいと思います。
 次に、障がいがある方たちの災害対応のてびきについて御質問しますが、このてびきが間もなくでき上がるということなんですけれども、どのような形で障がい者の手元に届けようとしているのか、その配付手段についてお知らせください。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 個々の障がい者のところにいかに届けるかというお尋ねだと思います。個々の障がい者に対しましては、障がい福祉サービスを受けている方には事業所から説明を行いながら配付するとともに、それが難しい方には、確実な方法により配付を行った上で、民生委員等を通じて障がい者や地域の方々などへの説明を行い、てびきの活用による災害への備えを徹底していきたいと考えております。
〇佐々木努委員 それは、市町村、社会福祉協議会等々とは十分調整済みだということでしょうか。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 最終的な調整はまだ残っておりますけれども、配付につきまして、これまでも県社会福祉協議会あるいは復興支援センターといろいろ協議している中で、県としては、こういった方法を考えているということでございます。
〇小田島保健福祉部長 答弁を若干補足させていただきたいと思います。
 先ほど委員からお話がありました、胆江圏域センターとして提言を2点おまとめになったというお話でございますが、これは、いわゆる提言書というような形でいただいたというのであれば、あるいは違うのかもしれませんけれども、私どものほうでは、各圏域センターごとに、今まで取り組んできた課題と対応方針という形で、それぞれの圏域から頂戴いたしております。
 その中で、胆江圏域センターからもおまとめいただいたものを頂戴してございまして、その中で、今回のマニュアルにかかわって、生きたものにするためには、それを実行するための組織体制をきちっとしてくれ、そういうものをつくっていく必要があるのではないかというような趣旨の提言はいただいてございます。もし、そういう趣旨の提言であれば頂戴いたしておりまして、それは、今後のセンターに集約した後におきましても、そういうものが生きるような形として進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木努委員 私がなぜこだわるかというと、せっかくつくった大事なマニュアルがしっかりと障がい者の手元に届いて、家族の方がそれをしっかり見る。そして、地域の方も、そういうものが届いているんだよということを認識して、初めて災害で弱い立場にある障がい者の方を救えるのではないかと思うわけです。そのためには、圏域センターでせっかくつくったそういうネットワークを生かすのがベストなんじゃないかと私は思ったので、少しこの辺はこだわりを持って質問させていただいたわけですが、いずれ、県といいますか、事業実施主体の方針が変わらないのであれば、それは仕方がありませんけれども、本当に漏れなく、そういうものを必要としている多くの障がい者の方の手元に届き、そして有効に活用されるよう、よろしく御配慮をお願いしたいと思います。
 2点目です。これは簡単な質問です。ドクターヘリについてですけれども、ドクターヘリ運航から10カ月になるわけですが、ドクターヘリにもそろそろ名前をつけてあげたらいいんじゃないかと思うんですが、県外のドクターヘリにもさまざまな名前がつけられています。最近だと、徳島県で藍バードとか、大阪府ではもずとか、この間視察に行った群馬県でははるなという名前をつけたりしているようです。岩手でも防災ヘリはひめかみという名前がついていますし、県警ヘリはいわてという名前がついています。ドクターヘリにもぜひ名前をつけてあげて、そして県民の方に親しみを持ってもらうということも必要だと思うし、名前をつけることによって、医師とか看護師、携わる方々のモチベーションアップにも若干はつながるんじゃないかと思います。面倒であれば担当者の方がつけても構わないと思いますので、そういうことにもちょっと配慮していただくといいのかなと思いますが、所見を伺って、質問を終わります。
〇野原医療推進課総括課長 ドクターヘリコプターの愛称につきましては、委員から御紹介いただきましたとおり、徳島県等で県民からの公募の手続を経て決定した例があると伺っておりまして、ドクターヘリコプターの活動や役割について広く県民に御理解していただく等の効果があるものと理解しております。
 本県では、岩手医科大学や県による導入検討時において、これまで愛称についての御提言というのはいただいていなかったものではございますが、今後、ドクターヘリ運航調整委員会などの場で、他県の動向等をお示ししながら、関係機関とも協議していきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 私からは2点お尋ねしたいと思いますが、まず1点目が被災地における孤独死対策ということであります。
 いただいたデータですと、平成23年9月から平成25年3月ということで、約1年半の間に、ひとり暮らしの応急仮設住宅入居者で孤独死された方ということで、14名の方が亡くなっていると。そのほとんどが死因は病死であるということですけれども、仮設住宅云々にかかわらず、人間最期、死ぬときに誰にもみとられずに死ぬというのは本当に悲しい話であって、こういったことはあってはいけない話だと思うんですけれども、仮設団地内で、今、コミュニティが形成されている団地もあれば、そうでない団地もあり、そういったものを補うことも必要ということで、支援員の方がいらっしゃって、見守りというか、声をかけて歩いたり、あとはNPOとかボランティア団体が集会所を借りてお茶会をやったり、何か物をつくったりする催しを開催していただいているわけであります。そういった場になかなか出てこられない方が多くて、出てこない方はほぼ決まっているわけですけれども、そういった方々に対してどうしていいのかというのが、これは支援員の方もそうだし、NPOの方々もどうしていいか困っている状況でありますが、県として、そういった認識があるのかどうかというのと、また、そういったことに対して対策と取り組みを行っているのかどうかをまずお聞きしたいと思います。
〇岡村地域福祉課総括課長 仮設団地内における孤独死対策についてでございますが、ただいま委員から御指摘がございましたように、県では、従前、孤独死を防ぐための取り組みといたしまして、社会福祉協議会で配置している生活支援相談員であるとか保健師、民生委員等が応急仮設住宅を戸別訪問するなど、安否確認や健康状態の確認の中で、特に状態が悪くてハイリスクであるといった方については、心身のケアが十分できるように、保健医療のサービスであるとか、福祉のサービスに適切に橋渡しをするように、そういう連携をしながら取り組んできているところでございます。
 また、お話の中にもありましたように、住民の方との触れ合いの場とか交流の場を持ちながら、みんなで支える取り組みを中心に地元でやってきているわけですけれども、御指摘のように、そういう場に出てこれない方、引きこもったり、あるいはそういう環境を拒否するような方も中にはいらっしゃると伺っております。当然、そういう方というのは誘っても出てこないし、特定の方が周りとの関係も持たずに暮らすという方が出てきておりますので、そういう方には、心のケアを初め地域で特に注意しながら支援に取り組むという取り組みもしておりますし、また、男性の中高年の方にも参加しやすいようなレクリエーション活動であるとか、さまざまな取り組みを地域で工夫していただいているという状況でございます。
 そういった中で、今後とも市町村と連携をとりながら、丁寧な見守りなど、被災地での孤独死、孤立死の防止等について引き続き取り組んでいく必要があるものと考えております。
〇岩崎友一委員 それで、出てこない方なんですけれども、やっぱり催し物をしても出てこないし、支援員の方が結構行っても出てこないということで、結局、そういった方々が困っているのは、プライベートですから、出てこない方々に強引に入っていくわけにいかないし、ただ、そういう心配は募って、どうしよう、どうしようということなんですけれども、そういったことに関して、具体的にこうやっているという取り組みとか、何かそういった事例はあるのでしょうか。
〇岡村地域福祉課総括課長 一つは、見守り活動の中の取り組みといたしまして、お元気ですかと言うだけだとなかなかつながりが持ちにくいので、健康状態を把握するような血圧を測定したりとか、保健師の方々とか医療関係の方のアドバイスについては比較的心を開いて接触していただきやすいということもございますので、そういう方たちをきっかけにして支援の方たちと関係づくりを進めるようにするというのが、直接は一定の効果があると伺っております。
〇岩崎友一委員 そういった取り組みを行っているということでしたので、とにかく孤独死をなくすためにいろんな機関で協力をし合いながら、仮設住宅の入居期間も本当は短ければいいんでしょうけれども、ちょっと長くなりそうな部分もありますので、その辺、十分考慮していただきたいと思います。
 次に、仮設住宅から出た後、住宅再建なり災害公営住宅に入居した場合ですけれども、私は、一般質問で県土整備部に、公営住宅の公募方針に関して、地域のコミュニティに十分配慮した形で行ってほしいというような要望というか、そういった形のお話をしたんですけれども、仮設住宅を出て住宅再建とか公営住宅に入居するというのは、恒久的な住宅ですから、その場のコミュニティというのは非常に重要で、阪神・淡路大震災、新潟中越地震を見ても、コミュニティの重要性というのはいろんな報告書などでもいろいろと書かれているところでありますけれども、公営住宅の入居方針一つにしても、ただただ県土整備部で建てればいい、募集すればいいじゃなくて、復興局もありますし、孤独死といった観点からは保健福祉部も、みんなで考え方とか意見とかを共有しながらしっかりやっていくべきと思いますけれども、これまでにそういった取り組みというか、一緒に何か検討する場を設けたりしたのかどうかと、そのコミュニティの形成について御意見があれば伺いたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 今、委員から御指摘がありました課題につきましては当部としても認識しておりまして、来年度から9市町村におきまして復興公営住宅が順次建ちまして、入居が始まります。これまでは福祉部局と住宅部局それぞれ縦割りでやられていて、なかなかその辺の連携がうまくいってなかったというような反省も踏まえまして、復興住宅ライフサポート事業という名称で、復興公営住宅入居後の高齢者あるいは障がい者の見守り支援とか相談支援、あるいは交流の場となるように、早ければ今年度中、遅くても4月早々には、市町村の住宅部局と福祉部局の担当者の方にお集まりいただきまして、今後、復興公営住宅を建築していくに当たり、そうしたことも県としてモデル事業で考えておりますので、どうですかということを御提案する予定です。
 また、見守り型にするのか、積極的に訪問して支援するのか、あるいは高齢者だけでなくて、共生型と申しますか、障がい者も含めまして支援する形にするのかにつきましては、それぞれの市町村の状況に応じて市町村の判断で選んでいただくようなことをモデル的に実施して、その事業効果を検証しながら、さらに事業の充実、継続等について検討していくこととしております。
〇岩崎友一委員 わかりました。それはよろしくお願いします。阪神・淡路大震災の事例を見ましても、やっぱり10年ぐらい、孤独死というのは年間60人、70人でずっと推移しているようなデータもありましたので、これから長い期間、そういったサポートをしっかりしていただきたいと思います。
 次に、医師の確保対策と偏在についてお聞きしますけれども、文部科学省と厚生労働省の地域の医師確保対策2012というもので、東日本大震災の被災地における医師確保への支援ということで大学の設置基準の上限で定員増が認められたということで、岩手医科大学においても、平成25年度から5名足して130人の定員ということですけれども、定員がふえるのはいいとしまして、定員がふえただけでなくて、卒業生がこの岩手にしっかり根づくというか残ってもらって、岩手の医師不足にしっかりと貢献というか、解決になるようにしていかなければならないと思うんです。
 今の岩手医科大学の在校生数を出身校別に見ると、合計で687人、そのうち岩手が156人で30%いないということで、他県から77%ぐらいですか、来ているという状況ですが、この問題に関してはこれまでもいろいろ議論はされてきたことでありますけれども、こういった岩手医科大学卒業生の方を本県にとどめるための、いろいろやってきたと思うんですが、これまでの成果と今後の対策、取り組みについてお伺いします。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御指摘いただきましたとおり、地元医科大学出身者が岩手で引き続き医師になっていただくということは非常に重要な課題で、我々も最も力を入れなくてはならない課題だと考えております。
 委員から御指摘がありましたとおり、岩手医科大学の約8割弱が県外出身者の在校生でございます。これは年によって前後はございますが、おおむね5割前後の岩手医科大学卒業生が、臨床研修というか、県内に残っていただいているところでございます。これに対しては、これまで、初期研修としてまず残っていただくという取り組みとして、岩手医科大学や県内の臨床研修病院等で組織いたしますいわてイーハトーヴ臨床研修病院群が中心となりまして、県内の臨床研修病院の説明会の開催や研修病院指導医の資質向上研修の実施など、県全体で初期研修医を迎えよう、育成しようという取り組みを進めてまいりました。
 先ほど御紹介した内容で、県外の方が在校生は多いんですが、8割が県外生でも、半分が一応岩手に残っていただいているということで、こういった県内の先生方の取り組みというのは一定の効果があるのではないかと考えております。しかしながら、まだまだ県内に残っていただく取り組みは必要でございます。初期研修が終わった後、いわゆる後期研修と呼んでおりますけれども、そういった後期研修の魅力あるプログラムづくり、また、勤務医の勤務環境の処遇改善や女性医師の就業支援なども今行っておりますが、今後とも、さまざまな取り組みに引き続き努力して取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 今回の定員増というのも、被災地においてしっかりと医師確保をするというのがこの制度の本旨でもあると思いますので、せっかくの機会ですから、しっかりと医師不足の解決に向けて一生懸命これは取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、医師の偏在についてですが、県内においても県北・沿岸の医師不足というのは顕著なわけであります。今も125名ということで医師がふえて、数年後には卒業して、ある程度いろんな病院に配置されていくかと思うんですけれども、そういった中で、今、医師不足の県北・沿岸において、医師がふえたならばどういった配置をするかといった計画を持ちながらやっていかなければならないと思います。特に今の二次医療圏の考え方で言うならば、基本的には基幹病院は専門医が必要であったり、それ以外の病院は総合医が必要というような、大きな認識で言えばそういった形になると思うんですけれども、今後、こういう配置にしようとか、そういった計画というのは県として持っているのかどうかお聞きします。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御指摘のとおり、県内でも地域偏在、特に被災しました沿岸部、県北部の医師不足というのは深刻な状況であり、この偏在解消に努めていかなくてはならないと考えております。そのための一番の大きな取り組みは、奨学生の制度をいかに円滑に進めていくかということにあろうかと考えております。
 現在養成している奨学生については、今後、平成28年度から本格的に配置になるわけですが、その養成医師の配置については、医療の高度化によります専門医資格取得志向の強い現状の中で、配置対象先である地域の医療機関で求められる医療ニーズといかにマッチさせていくかというのが大きな課題であると考えております。養成医師の効果的な配置調整の仕組みを構築するため、昨年9月に、関係機関の有識者をメンバーとするワーキンググループを設置いたしまして、現在、その方策を検討しているところでございます。
 今後、このワーキンググループにおいて、養成医師の中小医療機関勤務と医師のキャリアパスとの両立のあり方や、必要な診療科への配置調整のあり方、また、中小医療機関で求められる総合医的な技能の習得などの方策についても検討を進めまして、医師の地域偏在や診療科偏在の解消に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 ぜひともよろしくお願いします。やっぱり今つくづく思うのが、震災で内陸部のみなし仮設に入っているおじいちゃん、おばあちゃんも、内陸はいいなと言うんです。毎日外科があるって。沿岸は、小さい病院だと週に1回とか2回とかといった感じで、そのぐらい医療の重要性、年を重ねれば重ねるほどさらに重要になるんだなというのを実感しているところでありますけれども、地域医療の体制がしっかりしているかどうかというのは、その場所に定住するかどうか、その判断の大きな基準になると思いますので、しっかりとお願いしたいと思います。とにかく、先を見据えてお願いしたいと思います。
 一つ、具体的な話をしますと、産婦人科の周産期医療圏でしたか、県内に四つある。私も娘が生まれまして、嫁もママ友ができまして、いろいろとそういった話を聞きますと、例えば釜石ですと、早産ぎみだったりすれば大船渡に運ばれる。県北においても、あそこは二戸が拠点でしたか、久慈とか野田で何かあっても二戸に運ばれるということで、家族が通うのが大変云々の前に、子供を産むお母さんがやっぱり心配らしいんです。1時間なり離れると、何かあっても誰も駆けつけてくれないといった不安があるという声をよく聞きますので、これから医師がふえていく中で、そういったところにも視点を置いて取り組んでいただきたいと思いますけれども、最後に部長の答弁を聞いて、終わりたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 本県において絶対的に医師が不足しているということはもとより、特に沿岸・県北においては診療科、絶対数が不足している状況にございまして、震災からの復旧、復興、セーフティネットを築くためには、医師の確保、そして医療機関のきちんとした運営が必要だと思いますので、県としても、中長期的な観点から、喫緊の課題の解決に向け、双方の観点から必要な医師の確保に全力を挙げて努めてまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 児童入所施設の現況についてお伺いいたします。
 県内では乳児院、児童養護施設を含めて11施設、2月現在で384人の児童が児童入所施設に入っているということです。全国的にも親の虐待や育児放棄という理由で児童養護施設等に入る児童がふえているという状況の中で、県では課題をどのように捉えて、また、課題解決に向けて今後どのように取り組んでいくのか、施設内の職員の配置状況、生活、就学状況も含めてお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 児童入所施設の課題と対応策についてでございますが、県内における児童養護施設を含む児童入所施設の児童数につきましては、近年、減少傾向にございます。その施設におきまして、子供たちにつきましては落ちついた生活環境のもとで安定した生活を送っていると認識しております。
 また、施設における課題といたしましては、委員御指摘のように、虐待を受けた児童や発達障がいのある児童等、より専門的支援が必要な子供の割合が増加しております。そうしたことから、職員体制の充実によります専門的ケアの実施や、大人数で生活しているという現状をより家庭的な環境とするため、小規模でのケアなどが求められていると認識しているところでございます。
 こうしたことから、心理療法担当職員や医療的ケアを担当する専門職員を配置している施設に対しましては施設運営費の加算を行うなど、職員体制の充実を支援しているところでございます。
 また、家庭的な養育環境の整備につきましては、一部既に取り組みを進めている施設もあるわけでございますが、今後、平成27年度を始期といたしまして、家庭的養護推進計画を、県と各施設が協議の上、策定することとしております。この計画策定を通じまして、定員規模の見直しや少人数のグループで生活するユニットケアへの転換等について検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 減少傾向にあるということで、落ちついた生活環境ができている、安定しているという答弁だったんですけれども、私は、ちょっとそうではないのではないかという問題認識を持っています。児童養護施設に入っている、ことし大学に進学した子供にちょっと会う機会がありまして、いろいろ話を聞かせていただきました。彼女は岩手県内でも一番大きい施設に入っている子だったんですけれども、職員の数が少ないのではないかということと、1部屋に8人も一緒になって、特に年代がそれぞれ高校生から小学生まで一緒になっているので勉強もままならないという状況だったということだとか、職員の配置の基準自体が国で1979年以降全く変わってないんですけれども、子供6人に対して職員1人という、そこが変わってないのが私は課題なのかと思っているんですけれども、県として、落ちついた生活で安定しているという認識はちょっと甘いのではないのかと思っております。
 その中で、次の質問に入りながらですけれども、入所児童の進学、就職支援の状況についてですが、高校を卒業した後は基本的には入所施設を出なきゃいけないんですけれども、県では、進学、就職を含めて課題をどのように捉えているのか伺います。
 私の課題認識としては、児童入所施設に入っている子供が進学するためには、経済的な理由で諦める子が多いのではないかと。その子は自分で一生懸命、朝日新聞の奨学金を得て入学できたということだったんですけれども、周りの子供たちの声を聞くと、本当は進学したいけれども、奨学金という制度がないと─首都圏だと、結構、民間でも奨学金制度をやっていたりだとか、施設自体が奨学金制度を設けているところがあるということで、岩手県ではそういった支援がない状況の中で、進学、就職支援の状況について県でどのように把握されているか伺います。
〇菅野児童家庭課総括課長 入所児童の進学、就職への支援ということでございますが、県内の児童養護施設入所児童のうち、平成24年3月に高校を卒業された児童については、おおむね進学、就職が決定し、退所されているという状況にございます。しかしながら、一旦就職したにもかかわらず、例えば職場に適応できずに退職をされたと。そして、生活の場の確保や職業訓練等の支援を必要とする状況にある子供もいるということについては、委員御指摘のとおりだろうと思います。また、大学等に進学しながら、そういった経済的な理由等により中退されるという子供についても、御指摘のとおりだろうと考えております。
 こうした施設を退所した方を対象にいたしまして、生活の場を提供し、就労や生活のサポートを行う自立援助ホームというものが開設されております。その自立援助ホームにおきまして、個々の子供の状況を踏まえまして、それぞれ自立した生活を営むことができるよう生活指導や職業指導等の支援を行っているところでございます。
 次に、進学等に伴っての奨学金の関係でございますが、いわゆる進学に係ります学費等につきましては、一般に広く利用されております奨学金制度のほか、委員から御指摘がございましたように、児童養護施設の児童向けの各種奨学金の制度が設けられているところであり、こうした奨学金の活用等により進学などをされている方が大多数と考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 私がお話しさせていただきたいことは、それだけでは実際足りないという状況で、答弁の中で、次の質問も含めて答弁していただいたと思うんですけれども、対象児童に対して、児童保護措置費として7万9、000円が支給されることになっていると思うんですが、頼る先のない18歳の若者が、ひとり社会に出て自立することがどれだけ不安なことかと私は思います。その7万9、000円だけで本当に自立ができるのかというところで、もちろん、奨学金制度はあるんですけれども、やっぱりなかなかそこにまで行かない─もちろん至らない児童のほうが多い中で、もうちょっと県としても独自の支援体制というものを構築できないものかと思っております。
 先ほどもちょっと自立援助ホームの話がありましたが、これは、県の社会福祉協議会が運営しているということですけれども、この中で、きちんと県のほうでもいろいろ管理をしているのかを伺いたいんですが、彼女はここの自立援助ホームには入っておらず、別のお友達がここに入っているということで、ただ、本来は男女別で部屋割りすべきところを、部屋が男女一緒になっているという実態があると聞きました。ここで余り話をしたくないんですけれども、そういう性的な関係になってしまったということで、これというのは本当に県の社会福祉協議会できちんと管理されているのかどうか、私はちょっと、これで安定した環境をつくっていると言えないと思うんですけれども、その辺に対する認識というのを把握されているのでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 まず最初に、今お話のありました自立援助ホームの関係でございますが、この自立援助ホームにつきましては岩手県社会福祉事業団が設置運営をしておりまして、そこにおいて子供たちを入所させまして指導を行っているところでございます。その入所に際しましては、児童相談所等が必要な措置、支援を行うこととなっておりますので、設置運営主体と児童相談所等が協議、連絡を図りながら、子供たちに対する必要な支援を行っているものと考えているところでございます。
 また、お話のございました男女が同じ部屋ということに関しては、そういった実態にあるのかどうか、今ところでは把握してございませんが、今後、そういったことについても速やかに把握いたしまして、必要な対処等に努めてまいりたいと考えております。
 それから、県としての独自支援ということでのお話でございましたけれども、いわゆる退所される子供たちにつきましては、児童福祉法が適用されていた方々が、18歳になることによって、その支援の外に置かれてしまうということもございまして、委員御指摘のような、やはり制度のすき間的なものがあるのだろうと思います。ただ、施設におきましては、退所された子供についてのアフターケア等も行うということが責務になっておりますし、また、それについては、県としても、児童相談所などがかかわって協議、連絡をとりながら進めるということになっておりますので、そういった形でアフターケアなども取り組んでいるところでございます。
〇吉田敬子委員 把握されてないということをもうちょっときちんと監督していただいて、子供たち一人一人、児童養護施設に入っている子供でさえも子供の人権というものは確保されなきゃいけないと思いますので、そこはきちんと、自立援助ホームを含めまして、養護施設全ての職員配置も含め、これから体制を整えていただきたいと思います。社会的自立支援、奨学金だけではないと思いますけれども、7万9、000円だけで自立しろというのは不可能な話だと思いますので、ぜひ、県としてこれから検討していただきたいと思っております。
 次に、もう一つ質問したいので、ひとり親世帯の現状について簡潔に伺います。
 ひとり親世帯が母子、父子ともにふえている中で、その中でも生活保護受給者も増加しているそうですが、県として、その課題や認識をどのように把握されているか伺います。
〇郷右近浩副委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 ひとり親世帯における生活保護受給者の増加ということのお尋ねでございますが、生活保護受給者につきましては、現在の母子加算制度となった平成22年度は665件、平成23年度は743件、平成24年度は724件となっており、一定の傾向は見受けられないと考えているところでございます。
〇岡村地域福祉課総括課長 今の母子加算の受給世帯の数について児童家庭課総括課長から御答弁申し上げましたが、生活保護を受給している総世帯に対する母子世帯の割合につきましては、平成22年の調査では5.7%、平成23年は5.8%、平成24年の時点では5.7%と、多少の増減はありますが、一定の範囲で横ばい傾向ということが見てとれるのではないかと考えております。
〇吉田敬子委員 これは最後の質問にいたしますが、ひとり親世帯の中で、母子家庭等日常生活支援事業という、ひとり親だとできないような小さな買い物に行ったりだとか、子供を預けたりということができる事業があるそうですけれども、家庭生活支援員が県内にどのぐらいいて、実際の利用率がどのぐらいなのか、課題があればそれを伺いまして、最後にこれは部長に伺いたいんですけれども、先ほどの児童養護施設でのそういった現状も踏まえて、私は、子供の人権というのは一人一人もちろん─子供は私たちのこの社会の未来の宝であって、少子化が進む中で、どんな子供であっても私たち大人が守っていかなきゃいけないと私は思っています。生まれてきた子供が一人でも多く社会からドロップアウトしないように、社会の構成員となっていけるように、児童養護施設、ひとり親世帯であっても、教育、生活の機会というのがきちんと保障されるように、少子化だからこそやっていくべきだと私は考えていますが、最後に、部長の今後の意気込みも踏まえて、この2点をお伺いいたします。
〇小田島保健福祉部長 私のほうから総論、いわゆる決意といいますか、そういうことを述べさせていただいて、あと、具体的な御質問についてはそれぞれの課長のほうから答弁をさせます。
 先ほどから、吉田委員から実際の児童養護施設におけるケアのお話ですとか、あるいは退所後の自立援助ホームでの生活のあり方、奨学金についてのお話、さまざまな実態やら御提言を頂戴したところでございます。
 私どもは、今の制度の中で精いっぱいそれぞれの取り組みを行っていると認識はいたしておりますけれども、しかしながら、いわゆる児童の方々に十分寄り添い切れてない部分もあろうかと思います。そういう実態もよく踏まえながら、必要な対応について、これまで以上にきちんと取り組んでまいりたいと考えております。
〇菅野児童家庭課総括課長 母子家庭等日常生活支援事業の状況についてでございますが、この事業につきましては、岩手県母子寡婦福祉連合会に委託して実施しているところでございます。家庭生活支援員が登録されているひとり親世帯へ訪問いたしまして、料理、掃除等の生活援助あるいは子育て支援を時間単位等で行っているものでございます。
 実施状況、派遣件数でございますが、平成23年度におきましては62件、時間にいたしまして492時間という実績でございます。
 それから、先ほど御答弁いたしました自立援助ホームにおける男女の部屋割りの関係でございますが、定員については6名となっておりますが、各部屋につきましては男女個室になっております。職員が2名常勤で配置され、夜間も2名泊まるという体制をとります。ただ、委員からお話がございましたように、そういった実態にあるかどうかにつきましては、今後調査をいたしまして、必要な指導等について努めてまいりたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 私のほうからは在宅医療についてお聞きしたいと思います。
 今、岩手県保健医療計画の策定中ということで、中間案もいただいておりますし、それを議論する地域医療懇談会にも出席させていただいているわけでありますが、その中でも、今回新しく芽出しをして、規定されております在宅医療についてが話の中心という形になっておりました。その中で、医療計画でも在宅医療についての大きな課題として、保健、医療、介護の切れ目のない連携と人材の育成、確保ということが挙げられているわけであります。今般の予算の中にも、在宅チーム医療人材育成事業費ということで計上されておりますが、この事業内容について、どのような内容であるのか、また、どのような人材を育成していくのか、その人数などもお知らせいただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 在宅医療の推進に当たりましては、やはり地域でそれらを担う人材の育成が重要な課題でございます。こうしたことから、当該事業につきましては、在宅医療を担う医師、看護師、ケアマネジャー、行政などの多職種がおのおのの専門知識を生かし、チームとなって患者や家族の質の高い生活を支えていくために、各地域におきまして実情に合わせた研修を中心となって実施していく地域リーダーを育成しようとするものでございます。
 今年度、各市町村から推薦のあった118名の地域リーダーに対しまして、連携体制構築に向けた各地域の課題の抽出や解決方法の検討などを行う研修を実施したところであります。
 来年度におきましては、この地域リーダーが中心となりまして、医師会や行政を巻き込みながら、患者がどこにいても医療と介護が連携したサポートを受けることができる体制の構築を目指していきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 そのような人材育成を行っていただきながらというわけでありますが、地域医療懇談会では、全国的に見て、やはり在宅医療についての重要性、必要性については認識して、協力的な意見が多かったわけでありますが、一方で、県立病院の医師不足であるとか、地域の民間医師の高齢化や介護の人材の不足という点で不安があると。また、岩手においては過疎、高齢化が進んでおり、在宅医療利用者が点在しているという状況があることから、在宅医療従事者の負担が増加して、医療、介護体制の人材不足により拍車をかけるのではないかというような心配も指摘されておりました。
 県は、この点についてどう解消しながら、この在宅医療を進めていくのか。また、この医療計画では、平成29年までに在宅の死亡率を14.8%から18%、また、二次医療圏の中の全てに拠点機能を整備するという点で目標を挙げておりますが、これがどのぐらいのスピードで在宅医療に傾向していくことを示しているのか、ぜひそのスピード感もあわせて伺いたいと思います。
〇高橋保健福祉企画室企画課長 まず、在宅医療の充実についてどう進めていくかということについてですが、新しい保健医療計画において、在宅医療の提供体制については、退院支援でありますとか日常の療養支援、病状の急変時における対応、さらには自宅や介護施設、患者が望む場所でのみとりの支援といったものが円滑に行われるように、地域の関係機関が連携する仕組みづくりでありますとか、あるいは人材育成等の取り組みを盛り込むこととしております。
 委員御指摘のとおり、医療、介護資源が地域によって異なる本県では、地域のニーズや実情に応じて、介護も含めた多職種がより一層理解し、連携を図ることによって、相互の負担の解消、軽減も図りながら、患者の疾患、重症度に応じた緩和ケアを含む医療の継続的、包括的な提供を目指していくことが重要であると考えております。
 こうしたことから、計画では、地域の医療及び介護関係者の参加による地域のケア会議の活用の促進でありますとか、先ほど御答弁申し上げました地域の取り組みを牽引するリーダーの育成、さらには、現在、2カ所で導入されております国のモデル事業の取り組み成果を踏まえました在宅医療連携拠点の拡大等を具体的な施策として掲げまして、平成29年度までの計画期間において、県医療審議会やあるいは地域の圏域医療連携会議等の場において、評価、研修も踏まえながら、着実に取り組みを進めていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、そのような地域の声を聞きながら、また、現場の声を一番に聞きながら、無理のない推進をしていただきたいと思います。
 また、もう一方で、医療懇談会等々では同時に家族側の支援についても重要性が示されておりました。在宅医療をこれからふやしていくという場合には、家族の方々の負担というのはやはり預けるよりもふえてくるというところで、そこをどうやって支えていくかというのが一側面では大きな課題になってくると思います。その点について県はどのように捉えて対策をとっていくのか伺いたいと思います。
〇高橋保健福祉企画室企画課長 家族の介護疲れですとか身体的、精神的負担を軽減するため、家族の休息を支援するサービス、いわゆるレスパイトの提供体制の確保を図る必要があることから、例えば認知症の人などを対象とした介護施設でのショートステイの利用でありますとか、あるいは在宅重症難病患者の難病医療拠点病院、協力病院における一時入院の受け入れ態勢の確保でありますとか、あるいはこうした利用可能なサービスの周知など、疾病や地域の実情に応じた取り組みを推進していくこととしております。
 また、在宅医療について気軽に相談できるよう、県及び市町村において保健、医療、福祉の相談窓口を一本化するなど、在宅医療に係る行政の相談窓口を明確にすることについて市町村の御理解もいただきながら進めていくとともに、支え合う地域づくりを進める観点も踏まえまして、県民の在宅医療に関する知識や理解の普及に努めていくよう考えております。
〇佐々木朋和委員 全国的な流れというのも感じるわけでありますが、ぜひ岩手に合った岩手型のシステムを構築していっていただきたいと思います。
 また、この計画においては、地域包括ケアだとか在宅医療ということで、介護、保健、医療の連携ということが強く打ち出された計画だと思います。今、沿岸地域においては、健康増進、健康づくりについてが大きな課題になっておりますし、また内陸においても大東病院の健康増進施設について住民から大きな要望もあって、この健康増進という部分については、これから高齢化を迎える中で大きな柱になってくると思います。沿岸地域において、ソフト面でも対策等々はしていただいているわけでありますが、病院と介護施設とあわせて、市町村の保健センターだとか老人福祉センターだとか公民館とか、そういった高齢者の方が運動する拠点、また老人クラブなんかが活動する拠点も一緒に整備することによって、交通弱者である高齢者の方にも、また医療、介護従事者の方にも負担軽減になると思われますので、ぜひその点も考えていっていただきたいと思います。
 また、もう一点、介護職員についての質問を出しておりましたが、重複しましたので、1点御指摘をさせていただいて終わりたいと思うんですが、この保健医療計画において、先ほども述べましたとおり、在宅医療とか地域包括ケアとか、やはり介護の面の部分も大きく取り上げられてありますので、人材確保の分野において、医師、歯科医、薬剤師、看護職員というところで挙げている中、やはり介護職員の充実という施策も一緒に盛り込むような形でつくっていっていただきたいと思いますので、指摘させていただいて終わりたいと思います。
〇小西和子委員 それでは、お伺いいたします。
 最初に、児童虐待についてお伺いいたします。
 平成24年度の児童虐待処理件数をお伺いいたします。前年度比もあわせてお願いします。要因をどのように捉えているのか、あわせて虐待種別、社会的、家庭的要因を伺います。まとめてですが、どのような対策を講じたのかまでお願いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 児童虐待の受け付け件数とその要因等についてでございますが、平成24年度の4月から12月までの児童相談所の受け付け件数は309件で、前年度の同時期より25件増加しております。
 また、虐待の種別でございますが、心理的虐待が38.8%、身体的虐待が37.9%、ネグレクトが19.4%、性的虐待が3.9%となっているところでございます。
 増加の要因といたしましては、核家族化等によります家庭養育機能の脆弱化や子育ての孤立化、妊娠期からの育児不安のほか、虐待通告の意識の高まりなどが考えられているところでございます。
 次に、対策についてでございますが、主なものといたしまして、11月の児童虐待防止推進月間に合わせましてオレンジリボン街頭キャンペーンを実施したほか、駅構内や路線バス車内へのポスターの掲示、虐待防止フォーラムの開催などによりまして県民の皆様への意識啓発を行ったところでございます。また、子育て中の親子を対象にいたしまして、命や家族のきずな、つながりの大切さをテーマといたしましたワークショップを県内8カ所で開催いたしました。さらには、妊産婦への支援といたしまして、医療機関と連携しながら、全市町村におきまして産後欝スクリーニングを行うなどメンタルヘルスケアなどにも取り組んでいるところでございます。
〇小西和子委員 ふえているということでございます。それでは、沿岸部の子供が置かれている状況をどのように捉えているか。それから、児童虐待の実態はどうか。子供たちの実態から児童福祉司を増員しておりますけれども、児童虐待防止の取り組みの成果と課題についてお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 沿岸部の子供の状況についてでございますが、震災によります転居や仮設住宅への入居など生活環境が大きく変化していることなどによりまして、不安やストレスを抱えている子供たちが多数いるものと認識しております。
 次に、虐待の実態ということでございますが、沿岸部におけます本年度4月から12月までの児童相談所における受け付け件数は70件で、前年度の同時期より26件増加しておりますが、この70件につきましては震災前の受け付け件数と同じ程度ということでございまして、これまでのところ震災の影響によって虐待がふえているとは認識していないところでございます。
 また、児童福祉司の増員によります取り組みの成果と課題についてでございますが、平成24年度に児童福祉司を2名増員いたしまして体制を強化いたしました。そうしたことによりまして、いわゆる児童虐待の通報等においては迅速に対応を図り子供たちの安心・安全を確保したところであり、また、児相職員が保育所や学校などを巡回いたしまして、子供の情報収集あるいは関係機関との連携強化を図ってまいったところでございます。
 今後、沿岸部におきましては、震災によりますストレス等を抱えた生活が長期化すると予想されることから、市町村や学校など関係機関と緊密な連携を図りながら虐待の防止等に取り組んでまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 59.1%ふえてはいるんですが、震災前と同じ程度であるということの捉えでよろしいわけですね。はあ、そうですか。
 本当に大変な状況の中に子供たちは置かれておりますし、親御さんたちもかなりのストレスを抱えているわけですので、特にも被災沿岸部の子供たちについては手厚く支援をしていただきたいと思います。
 つきましては、次年度の事業内容のうち、重点事業についてお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 次年度の重点事業についてでありますが、児童虐待防止アクションプランに基づきまして総合的な取り組みを推進することとしておりますが、来年度におきましては、子供のしつけに悩む親などを対象にいたしまして、そうしたしつけなどのスキルを身につけていただくための子育て支援講座の開催ですとか、母子保健と福祉担当を対象にいたしまして、妊産婦の乳幼児虐待リスクの早期発見や虐待を予防するための支援、連携などのあり方について研修会を開催するなど、虐待の未然防止などに重点を置いた取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 我が子がかわいくない親はいないと思うんですね。やはりすごく子育てというのは大変ですので、周りで支援してくれるようなシステムづくりといいましょうか、そういうことが大事じゃないかと考えますので、よろしくお願いいたします。
 次に、子供の貧困についてお伺いいたします。
 先ほど吉田敬子委員からは生活保護を受けている家庭の子供の割合等が質問されましたので、重複しないように質問させていただきます。
 ひとり親世帯における子供の人数というのはまだお伺いしていなかったような気がしますので、小・中・高校在学児童の状況について、簡単にでよろしいですからお願いいたします。
〇岡村地域福祉課総括課長 生活保護世帯の子供の割合等のお尋ねでございますが、本年7月に実施されました厚生労働省の被保護者調査によりますと、本県で生活保護を受給している世帯における18歳未満の子供の数は1、868人となっております。ちょっと時点はずれますが、平成23年10月1日現在の県内の子供の数はおおむね20万5、000人ほどと推計されておりますが、それのおおむね0.9%となってございます。
 また、先ほど吉田委員からひとり親世帯等の関係で母子世帯がふえているのではないかということで、関連して割合とか申し上げたんですが、先ほど申し上げましたのは、生活保護を開始する際にどういう理由で保護を受けるかというとり方があるんですが、生活保護開始時に保護を受給している総世帯数に対する母子世帯の割合が全体の5.7%から5.8%になっていますという御説明をしたんですが、個別に保護を受けている世帯の中で、ひとり親世帯というのは平成24年度では6.9%となっております。ちなみに、昨年度は7.1%が生活保護を受けている中でのひとり親世帯の割合となってございます。
 また、ひとり親世帯における子供の数は1、268人となっておりまして、保護を受給している18歳未満の子供の数の中に占める割合は67.9%となってございます。
 なお、小中学校、高校に在籍中の保護受給世帯の児童生徒数については、教育扶助を受けている小中学生は996人、高等学校就学奨学費を受給している保護世帯の高校生が430人、合わせて1、426人となっているものでございます。
〇小西和子委員 学校のほうでは準要保護というのもあるんですけれども、その数を教育委員会からいただきましたところ、全体では1万4、251人で13.4%なんですが、沿岸12市町村でありますと、これは被災就学援助も含めてですけれども6、246人で、割合が29.6%ということで、3割の子供が対象であるということでございます。大変な状況だと捉えております。
 そこで、生活保護引き下げ等もされるわけですけれども、それに伴う影響と、あわせて消費税増税に伴う生活保護世帯への影響をお伺いいたします。
〇岡村地域福祉課総括課長 生活保護の中で生活扶助基準が本年8月から引き下げられるという方向で、現在、国の予算編成あるいはさまざまな制度の詳細な検討がなされている状況でございます。通常はそういう基準の改定は4月時点でなされるので、3月のこういった時期であれば基準の詳細が示されているんですが、ちょっと時点がずれるということもありまして、モデル的な部分しかまだ示されておりません。
 就学費の支援等につきましては教育委員会等の所管の業務でございますので詳細は把握していない部分はございますけれども、今回の生活保護の基準の見直しでは、直接、教育扶助基準についての引き下げ等の見直しは検討されていないと伺っております。
 また、生活費相当の基準額は引き下げられるということでございますので、これらの基準に伴って、連動してほかの制度も引き下げになる影響が出るのが通常であれば見込まれるところでございます。そういうことで申し上げますと、就学援助等につきましては、生活保護の基準をベースにしまして低所得の世帯に教材費とかそういった支援を市町村等で行っているわけですので、国では、国の制度で影響が出るところについては、平成25年度は影響が及ばないような取り扱いを予算措置すると伺っておりますし、地方に対しては、関係省庁から同様の取り扱いをするように要請するようでございます。こういった点につきましては、当部からも教育委員会、市町村等、関係のところには情報提供はしておりますけれども、今後の影響については現状では把握できないところでございます。
 また、消費税の関係につきましては、来年度以降2段階の引き上げがなされるということでございますけれども、何しろ現状は8月の見直しの取り扱いの詳細がまだ示されていないような状況でございまして、消費税関係につきましては、その影響、低所得世帯向けの手当てをするという部分についてはまだ具体的な内容は示されていないところでございます。
〇小西和子委員 大きく影響しなければいいがと思っているところでございます。
 岩手県では、岩手県ひとり親家庭等自立促進計画というのを立てて推進しておりますけれども、ぜひきめ細かな実態調査に努めてその対策を講じていただきたいと思います。
 続きまして、子どもの権利条例についてお伺いいたします。
 何でこれほどまでに権利条例にこだわるのかということでちょっとお話しさせていただきたいんですけれども、我が国では1994年に国連子どもの権利条約を批准しました。しかし、国として条約を積極的に実施するまでには至っていないと言われておりまして、ですから、国とか自治体の子供の権利への理解が十分ではないと言われております。日本は、先ほどのお話にも通ずるんですけれども、家族関連の社会支出がGDP比、古い数字ですけれども約0.8%にすぎません。ヨーロッパ等は2%から3%と、大きく日本を上回っているわけです。本気で子供を社会で支えようという意識が乏しいと言えるのではないかと思います。先ほどの子供の貧困もそこからきていると考えまして、養育困難な家庭とか支援が必要な家庭がふえる中で、やはり予算の裏づけを伴った、どの子も健やかな成長ができる社会をつくっていかなければならないと考えます。
 そこで、大震災によりまして多くの子供たちが親を亡くしております。そういうことと、あとは……(「質問」と呼ぶ者あり)はい。沿岸部のまちづくりでは、子供たちの意見を反映させて進めているというところが多くあります。したがって、今こそ子供の参加権とか意見表明権が明記されている子どもの権利条例が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 子どもの権利条例についてでありますが、近年の子供を取り巻く環境は、虐待の増加、いじめ、家庭養育機能の脆弱化など、社会情勢の変化に伴いまして厳しい状況にあると認識しております。こうしたことから、これまで、他県の条例の情報収集や実地調査を実施したほか、庁内の関係課が参加いたします意見交換会の開催や関係団体との意見交換などを行うなど、検討を重ねてまいりました。
 一方におきましては、既に個別の法律等で各種支援施策が整備されており、条例をどのように位置づけるか検討する必要があるほか、子供に関する新たな法律の制定などの動きもあり、こうした状況を勘案する必要があると考えているところでございます。
 こうした課題等を踏まえまして、本県におきましては、委員御指摘のございましたように、東日本大震災津波で被災いたしまして、心のケアを初めとして子供の健全育成を中長期的に支援する必要があること、そして、子供を守り、権利擁護の基本的な方向を定める必要があると考えられることから、条例の目的や意義につきまして整理をしつつ、そのあり方についてさらに検討を重ねてまいりたいと考えているところでございます。
〇小西和子委員 最後に、子供を放射性物質から守る取り組みについてですけれども、先ほど岩渕委員から今年度の取り組みと来年度の事業概要についてということは質問されましたので、一つ残ったところの甲状腺検査についての見解をお伺いいたします。
〇野原医療推進課総括課長 甲状腺検査についてでございます。
 去る3月8日に環境省から公表されました甲状腺有所見率調査結果速報によりますと、青森県、山梨県及び長崎県の4、365人の子供に対し、福島県県民健康管理調査と同一の手法で甲状腺超音波検査を実施したところ、嚢胞や結節といった甲状腺異常の出現率等は福島県とほぼ同様という結果が示されたところでございます。より詳細な分析結果については今後公表される見込みであり、公式見解はまだ示されていないところではございますが、報道等によりますと、環境省は、放射線の影響により、福島県内の子供にしこりなどができる割合が特段高まったとは言えなさそうだと分析していると仄聞しているところでございます。
 県としては、こうした調査結果や各種の知見等、甲状腺への影響を含む内部被曝の状況について今後とも最大限の関心を持って注視するとともに、県の内部被曝健康影響有識者会議における意見等を踏まえまして必要な対応を検討してまいります。
〇小西和子委員 変化がなかったということですけれども、福島県の健康管理調査検討委員会が2月13日に発表したところによりますと、18歳以下の2人に新たに甲状腺がんが見つかり、昨年9月に判明した1人と合わせて3人になったということは御存じだと思いますけれども、この3人のほかに7人ががんの疑いありとして細胞検査が行われているということでございます。甲状腺がんというのはそんなに多く発生するものではないのに、こんなに10人も発見されたということは大変異常なことだということでございますので、甲状腺がんは進行も遅くて、早期に治療すれば完治すると言われていると聞いておりますので、ぜひ岩手県の子供たちの将来の安心のためにも甲状腺検査を実施していただきたいということです。もし何かございましたらお伺いして終わります。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御指摘いただいた点につきましては私どもも承知して、重大な関心を持って注視しているところでございます。
 一方で、今回のように小児数十万人を対象とした精密な検査による検査というのは世界で初めての試みと理解してございます。福島県の委員会でも、これについては以前からあったものが見つかったのではないかといったようなこと、もしくは今後5年、10年をきちっと見た上で評価しなくてはならないなどさまざま出ているところと承知してございます。そういう意味で、この甲状腺がんがふえているかどうかということについては、今後きちっと福島県で継続して調査して見守っていくといったような形でと理解してございます。私どもとしても、きちっとこの点については踏まえて注視してまいります。
 一方で、先日、WHOのほうでの評価なども出てまいりました。こちらの見解になりますと、例えば避難区域等については、最大限、例えば4カ月間そこにいて福島の食材をとってという前提の評価のようでございますけれども、避難区域等についてはやはり注視する必要があるものの、福島県外については、いわゆるがん等について、リスクの増加は無視できる水準といったような評価を示されているところでございます。
 こうした中にあって、子供たちの安全を守るためにどうしたらいいのか、一律にスクリーニング検査をするということの弊害も一方ではございます。そうした中にあって、きちっとした科学的な見解、状況を分析いたしまして、必要な場合に当たりましては速やかに対応できるように準備をしてまいりたいということでございます。
〇斉藤信委員 今の甲状腺がんの問題、先に私、関連してお聞きしたいと思うんです。
 既に今の段階で3人の子供が甲状腺がんで、7人の方々がその疑いがあると。これを無視できるという判断は今すべきじゃないと思います、私は。これは、先日、松本市長でチェルノブイリの甲状腺がん対策に取り組んできた方の講演会が日曜日ありました。そういう指摘をしておりました。わずかまだ2年しかたっていない、こうした中で3人、7人と。これを今の段階で無視できるなんていう、これは本当に非科学的なことではないのかと。今の状況、推移を注意深く見守るということがなかったら私は子供の健康を守るということにならないと思うけれども、この点についてだけお聞きしたい。
〇野原医療推進課総括課長 私どもといたしましては、先ほども御答弁いたしましたとおり、このことに関しては最大限の関心を持って、注視しながら内外の知見を集め、分析していただいているところでございます。その点については先ほど御答弁したとおりでございます。
 一方で、さまざまな評価については、これがあるという形で一般論として御答弁したものでございまして、この問題については最大限の関心を持ってきちっと注視してまいります。
〇斉藤信委員 岩手県は独自に子供の健康調査を希望者を含めてやっていますから、私はこれは本当に評価したい。継続的な調査を通じてこそ、我々が体験したことのない放射能被曝というこういう事態にあるわけだから、1年、2年でこの影響があるとかないとか簡単に言えない事態だと、私はそのことを指摘しておきたいと思います。
 もう一つ、私、一般質問でも評価したんですけれども、来年度も国保、後期高齢者医療、介護保険の一部負担の免除措置を継続すると。私は、岩手県の英断であり、部長はよくやったと評価したいと思います。
 問題は、事業主体は市町村なんです。今年度は33の全ての市町村でもちろん実施されましたが、きちんと4月から33市町村が足並みをそろえて免除措置が継続されるようになっているのか、その見通しを示していただきたい。
 もう一つは、今年度は陸前高田市など幾つかの市町村で国保の保険料の免除もやられましたが、この保険料の免除措置を継続するところはあるのか示していただきたい。
〇藤原健康国保課総括課長 まず、一部負担金の免除措置につきましてお答えいたします。
 国民健康保険でございますが、全ての保険者で実施または実施する方向で検討中と聞いてございます。それから、後期高齢者医療では、後期高齢者医療広域連合において実施を決定したと伺っており、県内では足並みをそろえて実施されるものと承知してございます。
 それから、保険料、保険税の減免措置についてでございますが、国民健康保険、それから後期高齢者医療制度ともに東日本大震災津波による被災に着目した減免を行う保険者は、4月以降ないと伺っているところでございます。
〇鈴木長寿社会課総括課長 介護保険の利用料の免除措置でございますけれども、介護保険では、全ての保険者で実施または実施する方向で検討中と伺っておりまして、県内で足並みをそろえて実施されるものと承知しております。
〇斉藤信委員 わかりました。安心しました。今、被災者の状況というのはほとんど2年前と変わらないような状況ですので、被災者の命と健康を守るこの施策を進めていただきたいと思います。
 次に、今度の大震災で民間医療機関が大きな被害を受けました。その再建状況、県の補助実績を示していただきたい。特に県が独自にどういう形で支援したのかも含めて示していただきたい。
〇野原医療推進課総括課長 民間医療機関の再建状況と県の補助実績でございます。
 東日本大震災津波によって被害を受けました民間医療機関は県全体で311カ所となっており、このうち253カ所が自院で診療を継続または再開し、30カ所が仮設施設で診療を行っているところでございます。
 これらに対する県の補助実績についてでありますが、恒久的な施設─いわゆる本設の診療所でございます─に対する補助は延べ101件となっており、このうち、施設に対する補助が4億6、200万円余、医療機器に対する補助は4億1、500万円余となっているところでございます。
〇斉藤信委員 あわせて、来年度の予算には、医療介護複合型施設復旧事業費補助6億250万円ですけれども、これは山田町の診療所と介護施設を複合して整備する、こういうふうに聞いておりますが、この複合施設は、いつ再建、整備する予定なのか示していただきたい。
〇鈴木長寿社会課総括課長 さきの東日本大震災津波で喪失しました山田町の老人保健施設をベースとします医療介護複合型施設の復旧事業でございますけれども、老健の再建にあわせまして、無床診療所、それからケアマネ事業所、それから、土地の関係でちょっとまだ微妙な関係にありますけれども、地域交流スペースということで、地域の医療の拠点、地域包括ケアシステムの拠点としての整備予定でございます。地域医療再生基金を使いまして、山田町を通じた間接補助方式を考えているところであります。現在、主体となります医療法人で用地を取得しまして、用地造成中でございます。予定どおりまいりますれば、平成25年度中の完成を目指して、山田町、医療法人と調整をしながら進めているところでございます。
〇斉藤信委員 次に、医師確保対策についてお聞きいたします。
 奨学金制度による奨学生の確保の状況はどうなっているでしょうか。平成28年度ごろから本格的にこの奨学生が医療現場に配置されると伺っていますが、医師不足解消の見込みはどうなっているでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長 奨学金制度による奨学生の確保についてでございます。
 現在、市町村医師養成事業、医療局医師奨学資金貸付事業及び県医師修学資金貸付事業、三つの奨学金制度で合わせて55名の貸付枠を設定しており、旧制度も含めまして、現在、226名の医学生が奨学金の貸与を受けているところでございます。
 次に、今後の医師不足解消の見込みでございます。
 委員からも御説明いただきましたとおり、これら奨学金を貸与した医学生は、卒後2年間の初期研修を経て、平成28年度以降、配置が本格化していく見込みでございます。今後、奨学金貸与枠55名全てに貸し付けを行い、また、これらの奨学生が初期臨床研修後すぐに公的病院等に勤務し、大学院等での研修などの勤務猶予を行わず最速で地域医療に従事すると仮定した場合─これは最速最大の仮定でございます─、9年後の平成34年度には、平成22年度に国で実施いたしました必要医師数実態調査の必要医師数293名を超える300名余の医師が養成される見込みとなっており、県内の医療機関においては段階的に医師の充足状況の改善が図られてくるものと期待しているところでございます。
〇斉藤信委員 226名の奨学生、そして今後も、今の条件は最大最速ということですから、私はこの制度を最大限に活用できるようにしたいと思うけれども、順調にいけば平成34年度には今の医師不足は解消できると。私は、やっぱりこういう見通しを今示していくことがすごく大事だと思うんです。震災で大変、特に沿岸地域は医師不足で悩んでいますけれども、今、本当に頑張って、しかし10年以内にはそういう見通しがあるのだということも私は大変大事なことだと思いますので、この医師確保対策を引き続き全力を挙げて取り組んでいただきたい。
 次に、私は岩手医科大学に対する補助金、委託費についてお聞きしたいのですが、新附属病院整備に対する県の補助金の考え方、補助金総額、どういうふうに考えているのか示してください。
〇高橋保健福祉企画室企画課長 岩手医科大学附属病院の整備に対する補助金の総額の見込みについてでありますが、同大の新附属病院の整備に対しましては、今後、小児、周産期、救急部門の一体化と機能拡充を図り、高度医療を提供する、仮称ではございますが統合医療センターの整備に対する支援として40億円、また、災害時の電力を確保するための発電施設の整備に対する支援として8億円の、合わせて48億円を地域医療再生等臨時特例基金を活用して支援することを想定し地域医療再生計画等に盛り込んでおりますほか、医療施設耐震化臨時特例基金を活用した支援を検討しているところでありまして、今後、具体化に向けて大学と協議、調整していくこととしております。
〇斉藤信委員 来年度予算でもさまざまな岩手医大に対する補助金、委託費がありますけれども、これはどうなっていますか。
〇高橋保健福祉企画室企画課長 当初予算案に計上しました支出の相手先が岩手医科大学となる見込みの事業費について、補助金が救命救急センター運営費補助やドクターヘリ運航等事業費等の救急医療対策費や医師確保対策費など11億633万1、000円、委託料は、被災地こころのケア対策事業費など9億1、286万1、000円、総額20億1、919万2、000円となっております。
〇斉藤信委員 岩手医科大学が岩手の医療にとって本当に大きなかけがえのない役割を果たしているというのは私はわかるんですけれども、同時に、かなりの補助、委託をしているわけです。この間、岩手医科大学が県立病院にどれだけの常勤医師を派遣してきたかわかりますか。
〇野原医療推進課総括課長 岩手医科大学からのいわゆる派遣、これは民間や公立さまざまございますので全てという形では今まとめてございませんが、例えば、県で委託してございます地域医療支援センターという形で岩手医科大学が医師派遣調整を行っている数でございます。これが、本年度4月から12月までの間、これはいわゆる医局人事としての地域医療機関への派遣というのを含んでいる数でございますが、293名となっているところでございます。
〇斉藤信委員 これは医療局からの資料なんですけれども、平成13年度は317人、平成24年度は236人、比べるとマイナス81人と。年度ごとにずっと減ってきているんですね。来年度予算に、今言われた地域医療支援センターも岩手医科大学にお願いすると。医師不足の地域病院に派遣する、こういう取り組みをやるんだけれども、現実は減っていると。この問題を私はやっぱりリアルに見ていく必要があるし、新附属病院の移転整備にかなりの額の補助金も、私は反対しないけれども、やっぱり補助するんだったらそれなりに県立病院、医師不足病院への派遣をしっかり保障させるということが必要なのではないか。
 以前に岩手医科大学の教授会で幾つかの地域病院には医師を派遣しないという決議を挙げている、これが大きな障害になっているということが問題になったことがあるんですよ。私はこんなことは許されないと思いますよ。また、地域医療支援センターの医師派遣の精神にもこれは反すると思うけれども、そういう事実を把握していますか。照会していますか。
〇野原医療推進課総括課長 委員から今、教授会の決議という話をいただきました。この件について岩手医科大学に確認したところ、教授会において委員御指摘のような決議といった形で行った事実はないと聞いてございます。
〇斉藤信委員 岩手医科大学が正式にそういう決議はないと答えたわけですね。そういう答えは答えで大事なことですから。しかし、現実問題、特定の病院には派遣されてこなかったのも事実なんです。これは、きょう、公の場で私聞きましたので、岩手医科大学が特定の病院には派遣しないなんていうことがあってはならない。私は、きちっと一定の、県民の税金を使って岩手医科大学に支援するときには本当に困っているところにきちんと医師を派遣してもらうとしっかり確約させることにしたらと思いますけれども、部長、しっかりお願いします。
〇小田島保健福祉部長 今回、岩手医科大学にさまざまな支援をいたしておるわけでございますが、この岩手医科大学はやはり本県の随一の医師養成機関でございまして、さまざまな医療機関に医師を派遣してございます。この岩手医科大学の社会的な使命として、やはり医師派遣を初めとした地域貢献をきっちりやっていく必要があるだろうと考えてございます。そういった観点から、一般質問での答弁の際も、知事から、岩手医科大学が県民の期待にきちんと応えるようにみずからも県内医師の確保を図るとともに、県立病院等の公的医療機関への勤務医師数などについても目標を定めて、全学が一丸となって邁進していくことを期待すると。県としても、同大学とのパートナーシップのもとにその実現を働きかけていきたいと答弁をいたしているところでございまして、私どもとしては、知事のそういう答弁を受けまして、岩手医科大学にそういう働きかけをしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 岩手医科大学は私立だけれども、やっぱり岩手県の地域医療にとって本当にかけがえのない大きな役割を果たしていると私は思うし、今回、地域医療支援センター、さらなるさまざまな支援がありますので、ずっと減りっ放しということがないようにぜひやっていただきたい。
 次に、看護師不足と看護師確保対策についてお聞きします。
 看護師需給見通しと看護師不足の状況はどうなっているのか。県内の看護学校、看護学部卒業生の県内就職の状況、看護師の労働条件改善の取り組みについてお聞きします。
〇野原医療推進課総括課長 まず、県内の看護職員の需給見通しと看護職員不足についてでありますが、平成22年度に策定いたしました第七次岩手県看護職員需給見通しにおいては、平成27年に看護職員需要数1万7、170人に対しまして供給数が1万6、433人と推計され、737人が不足することが見込まれてございます。現時点でもこの状況は変わっていないと考えており、引き続き看護師不足の状況は厳しいと認識してございます。
 次に、県内の看護学校、看護学部卒業生の県内就職の状況でございます。
 大学、短期大学を含む看護職員養成施設卒業生の県内就業率は、近年、低下の傾向にございまして、平成22年には42.6%と、10年前に比較しまして10ポイントほど低下するなど、県外流出が進んできたところでございました。その後、平成23年には50.1%、平成24年には50.8%と、ここ2年は若干回復が見られる状況ではございますが、依然として4割弱の卒業生が県外の医療機関等に就業している状況であり、今後、卒業生の県内就業率の向上は重要な課題であると認識してございます。
 最後に、看護師の労働条件の改善の取り組みでございます。
 看護職員の確保、定着のためには、苛酷な勤務条件にございます看護職員の就労環境や労働条件の改善が重要であると認識してございます。県では、看護師等の雇用の質の向上を目的として、多様な勤務形態の導入や看護業務の効率化及び職場風土改善を図るため、県内医療機関等の看護管理者を対象とした研修会を実施するとともに、労働行政と連携いたしまして、岩手労働局が設置しております看護師等の勤務環境改善企画委員会への参画や研修会の共同開催などを行っているところでございます。
〇斉藤信委員 岩手県は看護師を養成しているけれども、頑張ってやっと5割が県内就職と。今や看護婦を確保しないと病院は経営できないという状況に全国的にもなっていますので、私は、岩手県はしっかり養成していますから、やっぱり県内で本当に働きがいがあって就職できるような状況をぜひつくっていただきたい。
 最後です。
 東北メディカル・メガバンク構想についてお聞きいたします。
 この構想は突然国家プロジェクトになったのでありますけれども、中心的な目標は遺伝子情報の地域疫学的な調査研究であります。そして、被災地を対象にしてこういう遺伝子的な研究をされるということは、さまざまな倫理問題、人権問題、セキュリティーの問題が私は問われると思います。国内では、久山町、長浜市が2年間ぐらい地域住民、医療関係者、専門家と協議して取り組んでいるところがあります。しかし、今、大震災を受けて困っているときに、そういう人たちの遺伝子情報を集めるというような事業が拙速で進められていいのかと思いますが、この事業の内容、事業費、県の関与について示していただきたい。
〇野原医療推進課総括課長 この事業につきましては、委員から御案内のとおり、国家事業として、文部科学省、東北大学、岩手医科大学を中心に進められているものでございます。本県においては、岩手医科大学が実施主体となりまして、沿岸地域に医師や看護師等の医療関係人材を派遣して住民に対する健康調査を実施するほか、健康相談への対応、疾病予防のアドバイス等を行い、地域医療への貢献を図ろうとするものでございます。また、この健康調査にあわせて住民に血液等の生体試料の提供をお願いし、いわゆるバイオバンクを構築し、それをもとに、病気の正確な診断や薬の副作用の低減、将来なりやすい病気の予測など、次世代医療の実用化を目指そうとするものでございます。
 この事業費につきましては、実施主体である岩手医科大学からは、文部科学省から同大に交付される補助金は平成24年度が約10億円であり、来年度につきましては、現在、交渉中で、未定と伺ってございます。
 県の関与でございますが、県としては予算措置等の予算的な関与は行っていないところでございますが、本事業の実施によりまして、被災地域において、健康相談や病気予防のアドバイスなどにより住民の健康確保等の効果が期待されますことから、県としても、岩手医科大学と市町村等関係機関との連携体制の構築を中心に必要な協力を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 これで終わりますが、私は9月の決算特別委員会でもこの問題を取り上げたんですけれども、ヒトゲノム、いわゆる遺伝子情報の地域疫学的な調査研究というのは、倫理問題、人権問題、セキュリティー問題が絡む大変シビアな問題だというのは国際的にも明らかになっていることであります。先行事例でも、時間をかけて地域住民の合意をとりながらやっているんですね。震災で少しぐらい健康調査をやりますよという形で遺伝子情報を集めるなんていうやり方はヘルシンキ宣言にも反するやり方ですから、私は、本当にきちんと、拙速にならずにこの問題は県としても対応すべきだと。最後、部長に聞いて終わります。
〇小田島保健福祉部長 今、委員から御指摘がございましたいわゆるヘルシンキ宣言等の倫理的な問題につきましては、既に国におきましてもワーキンググループを立ち上げて十分な議論を行っているところでございます。また、岩手医科大学におきましても倫理委員会を設置しておりまして、同宣言の趣旨に反するものではないと理解しておるところでございまして、いずれこういうことについて、倫理的な問題をきちんとクリアした形でやっていただくということは必要であると考えております。
〇郷右近浩副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時58分 休 憩
午後3時17分 再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高田一郎委員 私は、まず介護保険制度についてお聞きいたします。要介護、要支援の認定を受けた高齢者の人数、沿岸12市町村及び県全体の推移、特徴はどうなっているのか。
 まとめてお聞きします。介護サービスの利用状況、とりわけ介護サービス、居宅サービスにおける限度額に対する利用状況がどうなっているのか。また、特別養護老人ホーム施設待機者はどうなっているのか、この実態について、まずお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 まず1点目でございますけれども、要介護認定、要支援認定の数でございます。平成24年12月末現在で認定を受けている65歳以上高齢者は、沿岸12市町村で1万5、375人、震災前の平成23年3月と比較しまして619人、4.2%の増、全県では6万7、504人、震災前の平成23年2月と比較いたしまして5、007人(後刻「5、070人」と訂正)、8.1%増となっております。なお、新規に認定を受けた65歳以上高齢者は、沿岸12市町村では、平成24年4月から12月までの9カ月間で2、639人となっておりまして、震災前の平成22年度同期と比較しまして28人、1.1%の増となっております。全県では、同じく4月から12月までの9カ月間で1万1、649人ということで、1.8%の増になっております。
 特徴でございますけれども、沿岸12市町村におきましては、平成23年度1年間における新規の要支援、要介護認定者数がふえまして、平成22年度に比べまして20.6%という高い伸び率を示しましたけれども、先ほど触れましたように、4月から12月までの9カ月間で見ますと、平成22年度同期と比べまして1.1%増ということで、平年並みの状況になってございます。
 それから、介護サービスの利用状況でございますけれども、厚生労働省が発表いたしました平成23年度介護給付費実態調査結果によりますと、平成24年3月サービス分の介護サービス受給者1人当たりの費用は、施設サービスや地域密着型サービスではおおむね全国平均に近い水準でございますけれども、在宅サービスは全国平均比89.2%の水準ということで、結果、全国46位ということになっております。
 それから、居宅サービスにつきましては、要介護度に応じまして、1カ月当たりの保険給付の上限額─区分支給限度基準額と申しておりますけれども、これが設定されておりますが、これに対しましてのサービス利用割合は、平成24年11月サービス分で見ますと48.4%、限度額に対して半分以下ということです。全国平均より3.6ポイント下回っている状況でございます。
 3点目の特別養護老人ホーム待機者の状況でございますけれども、市町村が早期の入所が必要と判断した在宅の待機者についてでございますが、平成22年3月末時点で1、235人、平成23年7月末時点で1、253人、平成24年3月末時点で1、164人となっておりまして、平成24年3月末において、在宅の待機者が初めて減少しているという状況になっております。
 失礼しました。一番最初の要介護、要支援認定の数で、全県で6万7、504人で5、070人増加しているところを、先ほど、誤って5、007人の増加と申し上げましたが、5、070人が正しい数字でございます。
〇高田一郎委員 新規の認定者数が、沿岸あるいは全県を含めて増加していると。沿岸12市町村については平年ベースに戻ったということでありますけれども、しかし、人口減少の中でふえているということは言えると思います。
 この数字を見ても明らかなように、やはり保険料を払っても必要なサービスが受けられない状況になっている。これは医療保険制度では考えられないことなんです。私は、この間、この制度の見直しを求めて質問を何回かしてきましたけれども、とりわけ介護報酬見直しに伴う施設あるいは在宅サービスに対する実態把握を行って、必要な要望、要求をしっかりと国に求めていくべきだということを繰り返し要望してきましたけれども、こういう対応がどうなっているのでしょうか。
〇鈴木長寿社会課総括課長 介護報酬の見直しでございます。平成24年から平成26年の第5期介護保険計画に伴いまして、平成24年度から介護報酬改定がございました。この改定がなされてから1年が経過するところでありまして、国では、次期改定に向けまして、介護報酬改定検証・研究委員会などを設置いたしまして、今回の改定の効果検証あるいは介護事業者の経営への影響などにつきまして実態把握、分析を行うと聞いております。
 県におきましては、国の調査、分析等の動向を踏まえつつ、日本高齢者生活協同組合連合会でありますとか県内の事業者団体等の御意見、あるいは利用者からの相談等を参考に課題を把握しまして、必要に応じて、国に制度改正等について要望してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 知事も、答えは現場にあるということを繰り返していますけれども、やはり県も現場によく足を運んで実態把握をして、必要な対策、提言を国に強く求めていってほしいと思います。
 とにかく、施設を訪問しますと、介護報酬見直しに伴って経営が悪化したとか、また新たな事業を展開しないと、なかなか経営が大変になっているという状況をお聞きします。そして、先ほども介護人材不足のお話もありましたけれども、国の介護保険制度のあり方という点では、介護という専門職としての身分を保証することが利用者にとってもいいんだという視点が全くないわけでありますから、介護報酬をしっかりと引き上げて人材を確保する。そのために国がしっかりと国庫負担をふやすということが一番大事だと思いますので、こういったことも含めて強く要求していってほしいと思います。
 この問題の最後は、被災した介護施設の再建状況です。先ほど、山田町の老人保健施設の整備を新年度対応で行うというその措置もされました。今、被災した介護施設の再建状況はどうなっているのか、全体の再建の見通しについてもお伺いしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 被災した介護施設の再建状況についてでございますけれども、特別養護老人ホームなどの入所居住系施設につきまして、現在まで未再開となっております7カ所と、仮設で再開しております1カ所の合計8カ所の被災施設が移転による本格復旧を目指しているところでございます。
 そのうち6カ所の施設につきましては、昨年11月に社会福祉施設等災害復旧費補助金の国の災害査定を受けておりまして、現在、復旧事業に着手しております。何とか来年度中の再建にめどがついたところでございます。
 また、1カ所につきましては、医療と介護の複合施設─先ほど触れましたけれども、山田町の老人保健施設シーサイドかろを中心とした医療と介護の複合型施設でございますけれども、これにつきましては、地域医療再生基金を活用した支援により、何とか平成25年度中の完成を目指して進めているところでございます。
 残る1カ所につきましては、介護サービス施設整備等臨時特例基金を活用いたしまして別途補助を行っておりまして、今年度内に工事が完了する見込みとなっております。
〇高田一郎委員 わかりました。
 次に、被災者支援についてお聞きいたします。
 震災から2年経過しましたけれども、長期の避難生活によって、避難者の生活も本当に大変になっていると思います。山田町の特定健診調査では要支援が56.6%を占めて、高血圧症疾患と糖尿病が増加していることが明らかになっております。また、岩手医科大学による大槌町での調査では、33.9%が鬱病を発症するリスクが高いという指摘もされております。
 そこで県にお聞きしますけれども、こうした長期の避難生活による被災者の生活の実態をどのように把握しているのでしょうか。さまざまな対応もされているとは思いますけれども、こうした課題への対応、今、どのような課題があるのか。
 あわせて質問しますが、みなし仮設住宅に対する被災者への支援活動です。内陸部でもたくさんの被災者が避難生活を余儀なくされておりますけれども、こうした方々も含めてどういう支援活動を行っているのか、具体的にお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 長期の避難生活による体調の悪化への現状認識なり対応と課題ということでございますが、被災地住民の健康状態につきましては、二つの調査により把握しているところでございます。
 まず一つは、県環境保健研究センターによる陸前高田市等沿岸6市町村の発災前の平成22年度から平成24年度までの特定健診の結果であります。これによれば、測定された血圧の値では、高血圧の者が増加している傾向にはない状況ではございますが、降圧薬─これは高血圧の薬でございますが─の服用者の方は増加しているという状況がございます。
 二つ目の調査でございますが、これは県から岩手医科大学に委託した平成23年度の被災地住民の特定健診結果の分析であります。これによりますと、東日本大震災津波の被害の有無の違いによります、血圧や血液検査による脂質、糖質、肝機能への大きな影響は見られなかったところであるという結果でございます。ただ、被害を受けた住民は、被害を受けなかった住民よりも身体活動の時間が少なく、体重や肥満度をあらわす指数であるBMIの数値が高い傾向にあるほか、男性の1日の飲酒量が多い、男女の喫煙習慣の割合が高いというような結果が出ております。
 これらに対しまして、県では、応急仮設住宅の集会所等を定期的に巡回いたしまして、健康相談や栄養相談、口腔ケア活動を実施するとともに、住民の自主的な健康づくり活動を促進するための健康調理教室などを実施してきましたほか、被災市町村が実施する全戸訪問等の活動へ内陸市町村等の保健師や栄養士を派遣するなどの支援を行ってきたところでございます。
 また、今後におきましても、肥満等による生活習慣病や運動不足による生活不活発病、独居者の食生活の偏りや飲酒量の増加などに注意する必要があるほか、復興住宅への移動など生活環境の変化による健康への影響が懸念されますことから、被災地健康維持増進費や被災地健康相談支援事業費により、引き続き被災地住民の方々の健康支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〇岡村地域福祉課総括課長 みなし仮設住宅への支援活動の実態についてでございますが、支援活動につきましては、復興局を中心といたしまして、関係部局が連携を図りながら取り組んでいるところでございます。例えば復興局においては、被災者への情報提供、相談窓口の設置といった取り組みをしているところでございます。
 当部といたしましては、社会福祉協議会に配置しております約200名の生活支援相談員や民生委員が、みなし仮設避難者を含めた被災者を訪問して、さまざまな生活上の相談に応じ、必要な福祉サービスの利用等につなげているところでございます。
 また、特に健康面のフォローといたしましては、ただいま健康管理保健活動のお話がございましたけれども、保健師等が心身の状態把握に努めるとともに、必要に応じまして個別の健康支援を実施、あるいは医療サービスの利用につなげているところでございます。
 こういった訪問による相談、見守り等の支援活動のほか、社会的に孤立する方が生じないよう、社会福祉協議会等が実施しておりますいきいき・ふれあいサロン等の交流活動を通じまして、住民同士の連携、きずなを強めながら、地域における支え合いの機運醸成等といったことにも取り組んでいるところでございます。
〇高田一郎委員 東日本大震災から2年が過ぎましたけれども、ある程度時間がたてば、2年、3年たてば何とか見通しがつくんじゃないかと思っていた人も、なかなか復興の歩みが実感できない状況、そして復興格差がどんどん出てきて、被災者の生活の実態、心の問題も含めて、本当に大変な状況になってくると思います。
 私は、今、まちづくりに伴う人材不足ということが言われていますけれども、被災者の皆さんの心と体のケア、健康管理をしっかり対応するということ、この人材もしっかりと確保していかなければならないと思うんですけれども、この点についてどう思うのか。
 それから、とりわけ内陸部のみなし仮設に避難している方々─一関にもあります。ボランティアの方々も支援しています。しかし、実態は、行政の支援というのは仮設住宅に対する支援はあるけれども、雇用促進住宅とかその他の民家の住宅に住んでいる方々に対する支援はほとんどない。情報も余りないし、今お話しした見守りとか健康管理とか、そういったことが本当にやられるのかということがボランティアの方からも指摘されるんです。私は、仮設住宅で暮らしている方々も大変な状況ですけれども、内陸部の民間の住宅などで生活している人はさらに孤立感が強いんじゃないかと思うんですけれども、内陸部に避難された人たちに対する支援というのを本当にやられているんですか、このことについてお伺いしたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 内陸に避難されている方々の健康に関する支援についてでございますが、これにつきましては内陸の市町村で対応していただいておりまして、例えば沿岸の市町村と同じように戸別の訪問を行いましたり、または仮設住宅、みなし仮設を中心とした、そういう方々に対するサロン活動を行いながら、その方々の健康相談、栄養相談を行っているところでございます。
〇岡村地域福祉課総括課長 今、委員のほうから一関の取り組みについてもお話がございましたけれども、一関に限らず、内陸の市町村でも社会福祉協議会のほうに、全部の市町村ではございませんが、被災者が比較的多く避難して居住されている市では、生活支援相談員を配置して取り組みを進めていると。ただ、市町村によっては、情報提供あるいは交流の場への呼びかけとか、そういうことを中心に行っているところもあれば、沿岸と内陸の方たちのさまざまな交流のイベントを組んだり、かなり積極的にというところもございます。
 ただ、民間の賃貸住宅に被災者の方がみなし仮設として住んでいる場合には、被災者だということを余り積極的にあらわさないでいらっしゃる方もいるようですし、その支援のあり方も、沿岸と違って、どうしても難しい部分もあるということはお伺いしているところでございます。
〇高田一郎委員 内陸部の避難者に対する支援も一生懸命取り組んでいるところもあると思うんです。しかし、全体として、被災者に対する支援というのは、例えば一関でいえば2、000人ぐらい避難されていますけれども、仮設住宅という点では、気仙沼の方々が千厩に仮設住宅をつくっています。そういったところは支援の手が差し伸べられるんですけれども、個々に雇用促進住宅とか民間に入っている方々は、ボランティアは行くんですけれども、行政の支援がなかなか来ないということがよく言われます。だから、どんな支援がやられているのか、そこは実態をしっかり調査して、必要な対応をしていっていただきたいということを申し上げたいと思います。
 次に、復興住宅ライフサポート事業です。先ほど、岩崎委員の質問の中で答弁がありましたけれども、新年度、2億円近い予算措置をして被災者をサポートするというのがありました。これは、平成25年度に建設される災害公営住宅においてモデル的に実践して、その効果を検証するというお話でありましたけれども、先ほど、9市町村という話がありました。これは、1自治体にしますと2、000万円を超えるぐらいの予算措置になっているんですけれども、イメージ的にどんな事業をされるのかちょっとわかりませんので、もう少し具体的に説明していただきたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 復興住宅ライフサポート事業の詳細でございます。概要につきましては、先ほど岩崎委員の御質問の際にお答えしたとおりですが、もう少し詳しく申し上げますと、事業内容は、ソフト事業とハード事業の2本立てで考えております。来年度、復興公営住宅の着手、それから入居が始まるところが県内に9市町村ございますので、大きく3パターンで、集会所パターン、あるいはサポートセンター型、あるいは高齢者、障がい者を含む共生型福祉施設パターンを考えております。いずれのパターンにしても、そこに、例えばイメージとして生活支援相談員みたいな方がいて、そこを拠点に訪問して面倒を見たり、あるいは逆にそこに来てもらっていろんな活動をしてもらったり、対象者を高齢者に限らないで、障がい者あるいは子供たちまで含めてということ。これは、いずれにしても、手本にしているのが、阪神・淡路大震災で復興公営住宅入居後の高齢者の見守り活動をやっているのをベースにしまして、どのパターンでやるかは市町村に任せまして、そこに必要となる生活支援相談員の人件費につきまして、完成から入居期間に応じて必要な経費を補助するというのがソフト部分です。
 それから、ハード部分につきましては、復興公営住宅と同じ、つまり住宅の棟内にそういうスペースを設ける、もしくは敷地内に設ける場合には、災害復興交付金の対象になると見込まれておりますが、残念ながら、そういう敷地にスペースがない、あるいは住宅団地内だけではなくて地域の人まで含めるといった場合には対象になりませんので、そこはモデル的に当部のほうで補助しようと。3パターンのうちの一つですので、9市町村のうちの3分の1ということで、3市町村分を見込んでいるものでございます。
〇高橋元委員長 高田一郎委員に申し上げます。委員の質疑が長時間に及んでおりますので、世話人会の申し合わせを踏まえて質疑をされるよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇高田一郎委員 阪神・淡路大震災の教訓に学んで対応していくという話でありましたが、阪神・淡路大震災でも2年以降に孤独死の問題が深刻になったということだと思います。岩手の場合は、仮設団地の約30%が高齢者だということが言われていますけれども、こういう方々が、これから災害公営住宅に入居することになりますので、やっぱり息の長い支援をしていってほしいと思いますし、これをさらにほかの自治体にも広げていってほしいと要望申し上げます。
 次に、災害孤児、遺児に対する支援策についてお伺いいたします。
 現在の支援の対策、体制はどうなっているのでしょうか。また、児童福祉司の増員状況についてお聞きします。
〇菅野児童家庭課総括課長 震災孤児、遺児に対する支援体制等についてでございますが、孤児、遺児に対しましては、児童相談所の職員や沿岸広域振興局に配置しております遺児家庭支援専門員が家庭訪問等によりきめ細かな相談支援を行うとともに、必要に応じまして心のケアを行っているところでございます。
 こうした取り組みを強化するため、平成24年度から宮古及び一関の各児童相談所に児童福祉司をそれぞれ1人ずつ増員したところでございます。また、児童心理司につきましても、他県の協力をいただきまして2名増員いたしまして、きめ細かなケア活動を実施しているところでございます。
 今後におきましても、こうした体制を維持しつつ、関係機関等と連携を図りながら、ニーズに応じた相談支援や心のケアなどを通じまして、孤児、遺児等に対します支援を充実してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 親族といっても、里親の経験のない中で、本当にさまざまな御苦労もあると思います。その中心になって活動するのが児童福祉司であると思います。先ほどの議論でも、児童虐待が大変ふえているという話もありました。たった2名の増員だけでは、災害孤児、遺児に対する支援は非常に弱いのではないかと思いますので、引き続き児童福祉司の増員を強く求めて、最後の質問に移りたいと思います。
 最後は福祉灯油の問題でありますけれども、灯油価格の動向です。福祉灯油を実施した、最近では平成19年度、平成20年度との対比、または内陸部の被災者に対する福祉灯油の実施状況、何戸実施されたのか、それと、今年度の福祉灯油を実施された自治体をまとめてお聞きします。
〇高橋元委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。
〇岡村地域福祉課総括課長 福祉灯油の価格動向の関係でございますが、平成19年度、平成20年度につきましては、国の交付税措置等もございまして、全県で実施した状況がございます。当時は、9月から12月にかけての価格水準は、配達価格が18リットル当たり1、400円台から2、300円台であったほか、早い段階から冬場にかけて灯油価格が高騰したという状況がございます。
 なお、本年度につきましては、秋から冬にかけての灯油価格は1、600円台後半ということで、昨年度と同様の水準でございましたけれども、1月以降、大きく変動して、1、800円台となっているような状況でございます。
 また、内陸部では福祉灯油を実施する市町村も一部にとどまっているという状況がございます。現状では、沿岸部に対して、福祉灯油の実施を県のほうで補助事業を設けたところでございますが、内陸に避難している方で、実際どれぐらいの方が対象になるかというのは、現在、12市町村のうち7市町村が、内陸部に住民票を移さないで避難されている方にも助成対象にしていると伺っておりますが、現状では、事前に住民票を移しているかどうかということはわからないので、事業が終わらないと、なかなかそういうことはわからないし、結果、私は内陸に避難しておりましたということを具体的に申し出がないと、なかなか確認は難しいというのが市町村から伺っている状況でございます。
 なお、福祉灯油の実施自治体でございますが、県では、沿岸12市町村を対象にしておりますが、このほか、内陸部の21市町村のうち独自に実施を予定しているのは、遠野市、葛巻町、九戸村の3市町村、残り18市町村については実施する予定はないとうかがっているところでございます。
〇佐々木茂光委員 3点の予定であったんですが、2点についてお尋ねいたします。
 まず最初に、被災地こころのケア対策事業についてでありますが、震災から2年が経過した中で、前回も予算の中にいろいろ被災地という言葉が羅列されている状態の中で、まさに被災地に向けた事業がそれだけあるということなんですが、最初に、被災地こころのケアというネーミングに対して、皆さんはどのような経緯でこの事業名をつけられたのか、まずお尋ねいたします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 被災地こころのケアというネーミングの経過ということでございますけれども、ネーミングの意味合いということでお答えできればと思います。経過につきましては詳細はなかなか難しいところかと思います。
 経過ということですが、これは、阪神・淡路大震災の際に、やはりこころのケアということの大切さが国内でも一つの経験として蓄積されまして、こころのケアという用語としてはあったように考えております。発災直後から、そういった経験を踏まえまして、当初は全国からのいろんな精神科医等の応援を受けまして、被災地こころのケアチームというものが、厚生労働省の主導的なリードがございましたけれども、それによって、1年間はほぼそういうチームの活動として展開されてきたと。その後、それを引き継いで、広い意味ではこころのケアチームの活動からこころのケアという活動にはなるんですが、今現在、岩手県としましてはこころのケアセンターというものを県の中央、沿岸4カ所に設置して対策を進めているということでございまして、基本的には、阪神・淡路大震災で使われていたこころのケアといった名称を、厚生労働省等々の主導もあって使わせていただいているというような流れと考えております。
〇佐々木茂光委員 まさに被災地の今の状況というのは、恐らく皆さんも御存じかと思うんですが、具体的にこころのケアとはどういったところに皆さんが入っていこうとしているか。事業内容ですが、今、少し触れられたようですけれども、もう少し具体的にお話しいただけますか。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 入っていき方ということですが、事業の概要として答弁させていただければと思います。
 震災から丸2年が経過いたしまして、いまだ仮設住宅等での生活を余儀なくされ、精神的な負担を抱えている方々に対して、中長期的な支援のために、県では、岩手県こころのケアセンター、そして地域こころのケアセンターを設置して支援を行っているということでございます。
 こころのケアセンターが行います仮設住宅等への訪問活動では、主に健康調査を目的としております市町村の全戸訪問、あるいはそこでピックアップされました要支援者に対する継続的な支援を行う。この活動を通じまして、一人一人に対する丁寧な傾聴あるいは必要な支援のアセスメントなどを、市町村保健師と連携して取り組んでいるところでございます。
 また、こころのケアセンターは、福祉、保健、医療という全体としてかなり広い領域で展開されている活動のうち、主として保健の分野の活動を担っておりまして、心の健康問題を重篤化あるいは医療化させないための予防介入、あるいは心の健康増進を行いまして、また、見守りが必要な方については福祉の分野へつなぐ、専門的、医療的なケアが必要な方は医療の分野へつなぐなどという活動を、関係機関と連携を図りながら取り組んでいるということでございます。
 さらには、県内外の精神科医療機関から精神科医師の派遣協力を得まして、沿岸七つの市町村において、震災こころの相談室を開設しておりまして、身近なところで気軽に専門的な相談ができる体制を整えているところでございます。
〇佐々木茂光委員 そうしますと、見回りされたり、関係者が被災地の方々にお会いしながらいろんな情報をとって、それを、この方はどういう形にしたほうがいいのか、どのような形で拾い上げたらいいのかということをそのセンターに集約するということなんですか。そのセンターに集約された、それでより専門的なものに分かれて、その方を、そういった方向づけの中から拾い上げてくるという、簡単に言うとそういうことなのでしょうか。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 基本的にはそのようなこころのケアセンターの活動でもってピックアップされた要支援者につきまして、そこで必要に応じて精神科医師のアドバイスを受けながら、専門的な医療につなぐか、あるいはそれよりは福祉的な、地域の力でいろいろな活動でフォローしてやるかといったような一種の選別等をしているところでございます。
〇佐々木茂光委員 そうしますと、これから現場のほうに出向く方々は、より専門性が高いという判断でよろしいんですか。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 こころのケアセンターのスタッフは、精神保健福祉士ですとか保健師ですとか臨床心理士等々、いわゆる専門職の職員でございます。そういった方々が、今、被災地の市町村の保健師等々の力がなかなか不足しておりますので、そこに専門職が入っていって支援をしながら、また、そこの支援スタッフの専門性を高めるような研修もしているという状況でございます。
〇佐々木茂光委員 ちょっと悲しい事業ですよね。悲しい事業とはどういうことを私が言っているかというと、もう既に2年間たった。先ほども被災地沿岸部は要介護は増加の傾向にあると。もう2年もたって、これまでも確かに社会福祉士の方々も個別に被災地の仮設住宅をいろいろ回ってお世話をしていただいたのは大変感謝するところなのでありますが、この2年が一つの境目になって、皆さん、焦りから諦めの境地に入っているような、今そういう状況なんです。
 その中で、これから来られる皆さん方がその現状をどのように認識して入ってくるのかというところがちょっと心配なところもありまして、要するに、ある意味、医学的な見地から物を捉えていくと、この方はこの方、この方はこういう方向と完全にすみ分けされてしまうような傾向が、私とすればそういうのが一番心配なんです。それでなくてもみんな─その辺がちょっと、皆さん意識的に、やっぱりそこから本当に救い上げようというような気構えでまず現場に入ってほしいと思うんです。ですから、今までも、現場のお話というのは恐らく皆さんには重々耳に入っているかと思いますが、それをそのとおりうのみにして現場に入っていったら、それこそ大変なことになるではないかと私は心配するんです。ですから、あくまでも皆さんは、自分たちの立場がどういう立場で心のケアに当たるのかということを、まずしっかりと気持ちの中に見据えてから現場に入ってほしいと思います。見たものをそのまま感じた形で区分けされてしまうと、大概の人は、上がってこれる人はいない状態になると思うんです。ですから、あくまでも被災地の方々を本当に上に上げてやるぞというような気構えで現場に行ってもらえればということをまず申し添えたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に行きます。これも被災地の県立病院の再建ということの問題なんですが、山田町、大槌町、陸前高田市と、今回、その整備、移転に向けた予算が組まれておりますが、これまでの取り組みと、再建の完成がいつになるのか、そこまでお示し願えればと思います。
〇野原医療推進課総括課長 県立病院再建支援事業費補助についてでございます。当該事業は、来年度からの新規事業として、昨年3月に策定いたしました岩手県医療の復興計画などに基づきまして、今回の震災で全壊した県立高田病院、県立大槌病院及び県立山田病院の新築に要する経費を支援しようとするものであり、来年度予算につきましては、これら3病院の用地や実施設計等に要する所要の経費として14億9、900万円余を計上しているところでございます。これによりまして、気仙を初め釜石、宮古保健医療圏における医療提供体制の早期の復興を図るため、県立病院の再建を支援しようとするものでございます。
 具体の事業の内容につきましては、今、医療局のほうで、その機能、規模、場所等を検討している状況と考えてございまして、複数年、まずは来年度は設計、用地ということで、その後、具体的な工程というのは示されてくる。ただ、今年度の予算についても、当方としてはきちっと確保して支援をしていきたいと考えているものでございます。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。大変御苦労さまでした。
 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇遠藤医療局長 平成25年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明を申し上げます。
 まず、予算の説明に入ります前に、事業運営に当たっての基本的な考え方につきまして御説明申し上げます。
 御案内のとおり、平成24年4月の診療報酬改定において、全体で0.004%と小幅ではあるものの、前回に引き続きプラス改定となりましたが、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が進むなど、医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況にございます。
 本県の県立病院等事業におきましても例外ではなく、医師の定着支援として、医療クラークの充実などの取り組みにより、常勤医師数の減少傾向に一定の歯どめがかかりつつあるものの、医師の絶対数の不足などにより、診療体制は当面厳しい状況が続くものと見込まれ、患者数は依然として減少傾向にあります。
 一方、感染防止対策地域連携加算など、診療報酬の新たな施設基準取得や基幹病院での診断群分類別包括支払方式、いわゆるDPCの効率的な運用などの取り組みに診療報酬のプラス改定効果も加わり、患者1人1日当たりの収益が増加傾向にあるなど、経費節減の取り組みとあわせ、安定した経営基盤の確立に向け、収支の改善が図られてきているところでございます。
 こうした状況のもと、平成25年度の事業運営に当たりましては、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた取り組みを加速させるとともに、これまでの取り組みや課題を踏まえ、引き続き、経営計画を着実に推進することにより、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療サービスを持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めることとしております。
 具体的な計画の推進に当たっては、医師の確保、定着に向けた取り組みとして、医師招聘活動を重点的に実施するとともに、奨学資金の貸付制度の運用、地域病院担い手医師の育成、勤務環境や処遇の改善、医師の業務負担の軽減を図るための医療クラークによる診療支援の強化、女性医師に配慮した職場環境の整備などに引き続き取り組んでまいります。
 また、医師の勤務環境改善への影響も大きい、認定看護師など各職種の専門有資格者の養成など計画的な人材育成を進めるとともに、市町村等との連携、協働に重点的に取り組みながら、県立病院の現状や課題等に関する情報の共有にも努めてまいります。
 さらに、現在の計画は、平成25年度を最終年度としておりますが、医師不足等の限られた医療資源の中で、県民に良質な医療を持続的に提供するためには、県立病院はもとより、他の医療機関との役割分担と連携をより一層進める必要があり、また、平成26年度からの会計基準の見直しや消費税の引き上げ等への対応など、安定した経営基盤の確立に向けた取り組みが求められることから、平成26年度を初年度とする次期経営計画の策定を行うこととしております。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その1の55ページをお開き願います。議案第13号平成25年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を5、035床と定め、年間延べ患者数を、入院では136万5、000人、外来では201万9、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事のうち、新築工事では、高田、大槌、山田の沿岸3病院の新築工事に係る用地取得費及び基本実施設計料ほかを計上するものでございます。増改築工事及び設備整備工事では、平成25年度末の竣工に向けた大東病院の増改築工事や、中央病院ほか3病院の非常用発電設備整備に係る所要の事業費を計上するものでございます。また、医療器械につきましては、宮古病院に整備いたします循環器用エックス線透視診断装置の購入が主なものでございます。
 56ページをお開き願います。第3条の収益的収入及び支出と、第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 次のページに参りまして、第5条の債務負担行為でございますが、これは、期間が平成26年度にわたります高田、大槌、山田の沿岸3病院の基本実施設計料と中部病院増改築工事費等について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものでございます。
 第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械の整備の財源となる企業債の限度額を39億200万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものでございます。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 58ページをお開き願います。第9条は、薬品、診療材料等のたな卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 第10条、重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械を掲げているものでございます。
 それでは、次に、予算に関する説明書の426ページをお開き願います。平成25年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出についてでございます。
 まず、収入でございますが、第1款病院事業収益は1、001億7、500万円余で、平成24年度の最終予算と比較しますと、およそ0.1%の減少を見込んでいるものでございます。
 第1項医業収益は866億4、000万円余で、1目入院収益は574億200万円余、2目外来収益は230億8、700万円余でございます。3目その他医業収益は61億4、900万円余で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰入金、健康診断等の公衆衛生活動の収益等でございます。
 第2項医業外収益は135億3、500万円余で、その主なものといたしましては、2目補助金9億300万円余は、救命救急センター運営事業費等に係る補助金でございます。3目負担金交付金120億1、900万円余は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰入金でございます。5目その他医業外収益6億200万円余は、不動産貸付料等でございます。
 427ページに参りまして、次に、支出についてでございます。第1款病院事業費用は987億1、500万円余で、平成24年度の最終予算と比較しますと、およそ0.4%の減少を見込んでいるものでございます。
 第1項医業費用は925億7、600万円余で、その主なものといたしましては、1目給与費524億5、100万円余、2目材料費225億6、000万円余、3目経費128億100万円余、5目減価償却費38億9、500万円余等でございます。
 第2項医業外費用は56億8、700万円余で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費26億8、200万円余、次のページをお開き願いまして、2目繰延勘定償却27億9、700万円余等でございます。
 第3項特別損失3億5、000万円余は、磐井病院の旧建物基礎部解体費でございます。
 この結果、収入から支出を差し引きまして、14億6、000万円余の純利益が見込まれるものでございます。
 429ページに参りまして、次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 まず、収入でございますが、その総額は130億900万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的収入第1項企業債39億200万円で、これは、中部病院の増改築工事や医療器械の整備等に充てるためのものでございます。
 第3項負担金54億3、100万円余は、企業債償還金等に係る一般会計からの繰入金でございます。
 第4項補助金36億7、200万円余は、さきに業務の予定量で御説明申し上げました高田、大槌、山田の沿岸3病院の新築工事等に対する地域医療再生基金を活用した補助金でございます。
 次に、430ページをお開き願います。支出についてでございますが、その総額は193億8、100万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的支出第1項建設改良費76億3、200万円余で、その主なものといたしましては、1目土地費14億1、100万円余、2目建物費29億9、000万円余、3目医療器械費28億5、800万円余等でございます。
 第2項企業債償還金は108億5、800万円余でございます。
 第4項開発費は5億3、000万円余でございますが、その主なものといたしましては、情報処理システム等の開発費でございます。
 なお、432ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては、説明を省略させていただきます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇名須川晋委員 簡潔にお伺いいたします。
 中部病院が開設されました後、旧北上病院と旧花巻厚生病院がそのままの状態で、跡地ということで廃墟のままになっております。地元の方々も非常に頭を悩ませておりまして、防犯上の問題やら景観上の問題ということで、とにかく、跡地活用策があろうがなかろうが、早く取り壊してほしいというのが、そこにお住まいの皆さん方の本音でございますが、今現在、なぜ壊せないかということで、この点についてお伺いいたします。
〇熊谷経営管理課総括課長 まず、旧花巻厚生病院建物の治安上の関係でございますが、地元花巻市のほうからは、防犯、防災上、景観上の問題が危惧されますことから、旧病院建物の管理に万全を期すよう要望を受けているところでございます。
 医療局といたしましては、この建物の周囲を1日朝夕2回、建物内部を週1回、警備員による巡回を実施いたしまして安全面の確保を図ることとしてございまして、引き続き適正な管理に万全を期してまいる考えでございます。
 なお、旧花巻厚生病院につきましては、地域から医療体制の充実について要請を受けまして、その都度、増改築を行ってきた経緯がございます。このため、平成23年度末現在で建物の残存価格が6.1億円程度、それから起債残高が2億円程度、また、建物の解体費用につきましても概算ではございますが2億円から3億円程度と見込まれておりまして、現在の県立病院の経営状況から判断いたしますと、経営に与える影響が大きく、早急に建物を解体することは困難な状況にあるところでございます。
〇名須川晋委員 旧北上病院のほうもあわせて、資料があればお答えをお願いいたします。
〇熊谷経営管理課総括課長 旧北上病院の関係でございますけれども、平成23年度末現在での建物の残存価格は8.4億円程度、それから起債残高は9.8億円程度、また、建物の解体費用でございますが、これも概算でございますが2億円から3億円程度と見込んでいるところでございます。
〇名須川晋委員 かなりの残存価格はあるということで合わせて14億円程度だと思いますが、帳簿上はそのようになるんでしょうが、実際の価値はゼロ、住んでいる近隣の方にとってはマイナスでしかないということでございます。
 そうした中で、平成22年6月に高橋元委員長が一般質問の中で取り上げられましたその会議録を引っ張り出してまいりました。その際、旧磐井病院跡地につきましては国の地域活性化経済危機対策臨時交付金を活用したということで、恐らく県内のさまざまな自治体もこの交付金を活用してこうした廃墟を壊したということで、花巻も何かそういう記憶が私あるんですが、今現在そういうメニューがないものかどうか。そして、さまざまな大型補正も組まれておりますが、このメニューがあれば、自治体の負担がどれぐらいあるのか私はわかりませんが、例えば花巻の場合、残存価格は別にして、もうゼロですから、起債残高2億円程度ということで、これを国に一括で償還しなければいけない場合、解体費がこれで賄えるとすると行って来いで負担ゼロになるのかなという単純な考えもできるわけでございますが、こうしたことで何かいいメニューがないものか、それを検討した経過があるのかどうか、それについてお知らせいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 いわゆる国費というような形で、平成21年度、経済対策の交付金ということで磐井病院の上物の解体を行ったところでございますが、現在、そうしたようなメニューはない状況でございます。
〇名須川晋委員 基本的なことで大変恐縮なんですが、例えば来年度取り壊すとした場合、起債分は国に償還するわけで、その上にプラス解体費ということで、これを負担した上で、土地は実勢価格に応じて当該自治体に売却するということでの認識でよろしいんでしょうか。
〇熊谷経営管理課総括課長 実際、現金の流れから申しますと、花巻厚生病院でいきますと起債残高が2億円程度、これが一括繰り上げ償還という形になります。それから、要は解体費用、先ほど2億円から3億円と申しましたけれども、そのお金がかかってまいります。ただ、起債の一括繰り上げ償還に伴いまして一般会計からの繰入措置がございますので、それを差し引けばおおむね3億円程度の負担になるところでございます。
〇名須川晋委員 ともかくも、そういう財政上の難題というのは重々承知しておりますけれども、地元民にとってはもう無用のものとなっておりまして、一刻も早く取り壊していただきたいということが、皆さん、これは花巻、北上の方々も持っている共通の認識だと思いますので、何とかこれをしてほしいと思います。起債につきましてはこれぐらいあるんでしょうが、償還期限を迎える前に何とか処理をしてほしいと思っております。そうした中で、何かしらそこで地域に活用方法があるとまた話は進捗してくるのかなと思いますが、そういう場合は県の対応としてはどのようにするのか。そして、今、花巻でございますが、具体的に何か活用策等があるのかどうか、何か活用策の打診があるのかどうか、北上も含めてお知らせいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 病院跡地の活用につきましては、まず、県の他部局での活用、それから次に地元市町村での活用、それがなければ民間企業への売却の順で検討していくという考え方でございます。
 旧北上病院、それから花巻厚生病院いずれも県で活用の見込みがなく、地元市に対しまして跡地活用策の検討を依頼しているところでございます。地元市から─北上市、それから花巻市とも昨年度、解体の要望をいただいておりますけれども、いずれも活用の計画はないということでございましたが、そうした中で、先月、地元花巻市から市の公共施設の建設候補地の一つとして当該跡地を検討しているとの説明を受けたところでございます。医療局といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、建物の残存価格、それから起債残高、解体費用等ございますことから、経営に与える影響が大きく、現在の経営状況からいたしますと極めて厳しいものと考えているところでございますが、地元花巻市からのお話でもございますことから、今後よくお話を伺いながら、対応について検討していきたいと考えてございます。
〇小田島峰雄委員 今の名須川委員の質問にさまざまな答弁がございました、残存価格があるの残債が残っているの解体費用がかかるのと。その答弁は答弁で結構でございますけれども、それでは、起債の償還期が来たときに解体をするのか、そういう問題でもないでしょう、財政はいつまでも厳しいんだから。そうであれば、きちっと地元に対しましていつごろというめどをつけてしっかりとした説明をすべきだと思います。
 それから、建物が建っているから土地の活用計画が立たないということもあるわけであります。更地にしてしまえば売却処分も可能であります。例えば花巻厚生病院の跡地というのはまちの真ん中の一等地でございますからさまざまな活用方法も花巻市で考えていく可能性があるというふうにも思っておりますが、いずれ老朽建物、役割を終えた建物をそのまま放置するというのは行政としてあるべき姿ではないと私は思いますが、その点についてもう一度答弁をいただきたい。
〇熊谷経営管理課総括課長 先ほど、なかなか今の経営状況の中で厳しいということは申し上げたところでございますが、毎年度の収支等の状況を見ながら、委員御指摘の点につきましては検討を進めてまいりたいと思ってございます。
〇小田島峰雄委員 さっきも申し上げましたけれども、建物がある限り土地の活用計画は立たないわけです。土地の評価をしておられると思うんです、坪当たり何ぼ、平米当たり何ぼという。解体撤去するのに相当財源がかかることはよくわかるんですけれども、解体撤去した後で実勢価格で土地を処分できるということになれば、その差し引きは簡単に計算できると思うんです。そういう点も考慮に入れながら、きちんと真摯にこの問題については向き合っていかないといけないと思いますが、遠藤医療局長、その基本的な考え方をお伺いして終わります。
〇遠藤医療局長 病院跡地も、使っているときには非常に地域の皆様方から大事にしてかわいがっていただいているんですけれども、古くなりますと邪魔者にされるようなところがあって、大変地域の皆さんに申しわけないと思っているところでございます。
 私どもとしましても、やはり未利用の形で資産を抱えておくということは経営上余り好ましくないことでございますので、気持ちとしてはできるだけ早期に解体するなり売却するなり、そういう対応をしたいというのは常々考えておりますが、いかんせんどうも現金支出が伴うもので、はい、わかりましたと言えるような私どもの経営収支の状況ではないものでございます。しかしながら、地域にそういった声もございますので、いずれ、かかる経費も病院の建物もそれぞれ違いますので、個別の案件ごとにいろいろ検討させていただきたいと考えています。
〇及川あつし委員 初めに、沼宮内地域診療センターについてということで通告しておりましたが、この点を聞いて、質問の趣旨は、前議会で花泉地域診療センターの件については一定の決着を見たわけでありますので、当初、地域診療センター化して無床化した際に今後どうするという方向性を示したわけですが、そのとおり残念ながら進んできていない状況もありますので、全体の問題についても若干お伺いしたいと思います。
 まず、沼宮内地域診療センターについてでありますが、これまでさまざまな取り組みをしてきていることは承知しておりますが、一体どうなっているのか概要で結構でありますのでお示しいただきたいのと、あとは、当初予定よりもおくれてきておりますので、今後どのようにされるのか、その見込みについてもまずお示しいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 沼宮内地域診療センターの民間移管に向けた取り組み状況についてでございますけれども、地元岩手町におきましては、民間運営主体と覚書を締結いたしまして、地域の入院ベッドの確保等に向けた協議を進めているところでございます。
 町が行っております合意に向けた取り組みにつきましてこれまで情報交換等を行ってきたところでございますが、過日、町からその協議状況につきましてお伺いいたしましたところ、沼宮内地域診療センターの民間移管による有床診療所化につきまして、協議しておりました民間運営主体が、医師や看護師の確保のめどが立たないため、当初目標としておりました平成25年春からの実現は困難との見通しが示されたと伺ったところでございますが、引き続きその民間運営主体と協議を続行していくと伺っているところでございます。
〇及川あつし委員 沼宮内を今、個別に取り上げましたけれども、全体の地域診療センターについても状況は同じなんだろうと思うんです。
 質問の趣旨は、沼宮内も含めてなかなか有効な手段を医療局の皆さんも見出せないと思うんですが、当初出されていたいろいろなプランについてを総合的に今、検討しているのかどうか。私は検討するべきだと花泉地域診療センターの際にも申し上げてまいりましたが、そういう検討については今、行われているのかどうか、これから全県的にどうされるつもりなのか、その点についてお示しください。
〇熊谷経営管理課総括課長 その他の地域診療センターの状況でございます。
 まず、紫波地域診療センターにおきましては、紫波町が福祉関係の通所リハビリ施設というようなことで活用を検討しているというお話を伺っているところでございます。それから、大迫地域診療センターの空きベッドにつきましては、地元の住民の有志の方々が設立いたしました社会福祉法人が平成24年4月1日から特養ホームを開所して事業運営しているところでございます。それから、住田地域診療センターにつきましては、住田町が地域医療対策協議会を設置いたしまして、その活用について検討を行っているという状況でございます。それから、九戸地域診療センターにつきましては、九戸村が空きベッドの部分─2階部分でございますが─のスペースを借り受け、九戸福祉会が運営いたします特養のサテライト施設といたしまして、平成24年7月17日におりつめの里として29床の特養として開所して運営しているところでございます。
 この地域診療センターの空きスペースの活用につきましては、現在、次期経営計画の中でも検討項目の中にございますので、そうした中で今後検討してまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 きょうも冒頭、局長の重点施策の説明や予算の説明で、沿岸の被災病院の再建等が最大の課題であると承知しております。課題が山積しているのは承知しておりますけれども、この件についても大事なポイントと思われますので、しっかりと次期経営計画に、これまでの検討経過も踏まえて、できるだけ早く解決するように御努力をさらにお願いしたいと思います。
 次に、患者の受け付け体制などについて伺いたいと思います。主に、私は盛岡ですので、中央病院で実際に見て感じた点について伺いたいと思います。
 まず1点目は、救急の窓口体制についてであります。
 過日、家族の関係でやむを得ず救急を利用することがございました。1月でありましたので、インフルエンザの患者とかノロウイルスかなと思われるような患者とか、結構患者がいる日でありました。ドクターも看護師も本当に少ない人数で、献身的に、救急の患者ですから早く診ようということで一生懸命頑張っているなと私は見ました。
 しかし、救急で診療が終わった後の患者が窓口で支払いが終わるまでに1人1時間ぐらいかかっていたんです、ずっと。私もそういうふうに待たされましたけれども、何でこんなことになっているのかなと。結構ぐったりしている患者もいるんです。せっかく診療が終わったけれども、あそこの救急の待合のところで横になりながら、最後の会計事務に1時間ぐらい待っているんです、皆さん。よくよく見ましたら、受付の方の事務能力がないのではなくて、何で体制がこんなに貧弱なのかなと私は見受けました。3人いたときもありますけれども、1人だった時間も結構長いんです。私も都合そこに3時間ぐらいいましたけれども、こんな窓口体制でいいのかなと思ったんですが、改善すべきだと思いました。現状認識と、何か対応策があるのであればお示しいただきたいと思います。
〇佐藤医事企画課総括課長 救急外来の窓口の配置体制についてでございます。
 各県立病院の救急患者数に応じて、その状況に応じて配置しているわけでございますけれども、通常1名から3名の体制となってございます。
 中央病院につきましては、受付、会計担当各1名を基本に配置してございます。救急患者が多くなる午後の時間帯は、一応1人追加して3名の体制としているところでございます。また、中央病院では、小児救急の輪番日にはさらに1名を追加配置する等、状況に応じた体制をとっているというふうな認識はしてございます。
 ただ、委員御指摘のとおり、同じ時間帯に患者が集中したりするとやはり待っていただくというところがあるのかなと感じてございます。ただ、その辺は、少し利用する方々にも御理解していただければと思ってございます。
 あと、会計の待ち時間が長いという御指摘でございました。中央病院でも、そういったことに対して、会計のない方につきましては、会計に戻ってきた時点で会計はございませんとお知らせすることによって若干待ち時間を全体的に短縮したいというふうに、今、改めて取り組んでいるところでございます。
〇及川あつし委員 一部のマッチングが悪いのかもしれませんけれども、私見ていて、本当にソファーにぐったり横になっている救急の患者が結構いましたので、これはまずいなと思いましたので改善方をお願いしたいということであります。
 2点目は、その際に気づいたんですが、救急だけではなくて、いろいろな窓口にトリアージというのが書いてたんですね。当院ではトリアージを採用していますと書かれておりました。私は、家内にトリアージって何と聞かれて答えられなかったんです。待てよと、これを答えられる人はどれぐらいいるのかなと。普通の患者が来て、窓口に当院ではトリアージを採用していますといってわかるのかなと思いましたが、トリアージって何ですか。
〇佐藤医事企画課総括課長 トリアージということでございますけれども、一般的には、特定の基準に従って優先順位を決めるということのようでございます。ただ、救急医療におきましては、同じなんですけれども、いずれ先着順ではなくて、重症度といいますか、より重症度の高い患者を優先に診察するということでございます。県立病院でも同様に、看護師がいらした患者を見て、重症度の高い患者を優先的に診察していますということで説明申し上げて、それをまた掲示しているという状況でございます。
〇及川あつし委員 つまり、わからないんですよ。看護師も本当に忙しくいつも働いているので、一人一人の患者にトリアージの内容の説明なんかしていないですよ。なので、あの表記は全く意味をなしていないし、疑問だけをもたらすと思いますので、これは全病院そうなっていると思いますので、トリアージ表記についてはきちっとわかるようにしないと患者のほうも誤解を招くし、何のための表記かわかりませんので、改善方この点についてもお願いします。
 次に、待合のスペースについてでありますが、医大もですけれども、中央病院も毎日物すごい患者が待合のほうにいらっしゃいます。立って待っている方も大勢いらっしゃる。そもそもの設計が悪いのか、なかなか患者に対する、これまで議論になってきた、地域の医療機関を受診してから中核病院にみたいな話が徹底していないとか、そういう話もあるんでしょうけれども、いずれにしても待合スペースについては、誰が行っても非常に混雑していて大変だというのはおわかりかと思います。例えば中央病院でいえば、予約の時間帯に行っても呼び出されるまで平気で1時間以上待たされるし、呼び出されて診察室の前に行ってからも15分、20分、長いときで30分、1時間かかる。そういう状況の中で、体調を崩している方々の待合スペースとして何かもっと改善できないかと感じております。
 特に車椅子で来る患者、診察室の前のところなんかは車椅子で1台ぎりぎりですよ、入れるかどうか。また、診察室の前で待っている時間、今申し上げたとおりかなりの長い時間ですけれども、車椅子で待っている場所がなかなかないんですよね。終わってから、今度はまた会計をする際に、車椅子の方が待っている場所がない。車椅子の方が受付のところで会計事務をやっているとほかの車椅子が通れない。歩く患者も通れない。車椅子の患者はどこにいたらいいんだというような問題もここ何カ月か病院に行く機会が多うございましてずっと目にしておりますが、どういう方法がいいのか、あの狭いスペースですからなかなか難しいかもしれないんですけれども、この点についても改善を検討すべきだと思っておりますが、どうでしょうか。
〇佐藤医事企画課総括課長 各病院においては、待合スペース全部に長椅子を配置することなく、空きスペースをつくって確保して、車椅子を利用する方が来院した場合はそのスペースでお待ちいただくというふうに各病院の状況に応じて一応対応している状況と認識してございます。
 狭いと言われればそのとおりかもわかりませんが、ただ、場所は狭くても、看護師なり、日中ですと補助者なりも介護が必要な方のお手伝いをしながらお待ちいただくスペースのほうに御案内させていただいていると思ってございます。
〇及川あつし委員 じゃ、総括課長、今のままでいいという答弁ですか、今のは。
〇佐藤医事企画課総括課長 いや、いいというわけではございませんけれども、いずれ狭い場所を有効に活用しながら、職員の手助けというんですか、患者に寄り添った対応をしながら、余り御不便をかけないように努めてまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 総括課長、見ていると思うんだけれども、もう一回、1日朝から晩まで見てくださいよ。本当に大変だから。看護師も、受付でぐあいが悪い方はこうします、ああしますと言っても、もうてんてこ舞いなんですね。その間に現場で車椅子の方とか本当にぐあいが悪い人が待合の中で物すごく劣悪な環境で医療を受けるということになっているので、解決策が何なのかというのはわかりませんけれども、改善しなきゃいけないという認識でもう一度きちっと精査していただきたいということでございます。
 今、支援が必要な患者に対しての方もいるということだったんですけれども、それについても一般の患者は余り認知していないんですよね。腕章をつけた方がいらっしゃいますけれども、どのように利用できるのかもわからないし、あの方々の人数もどうも不十分かなというような感じがしていますので、その点についても所見を伺いたいと思います。
〇佐藤医事企画課総括課長 まず最初に、腕章をつけたという部分なんですが、病院職員は通常腕章はつけておりませんので、腕章をつけた方というのは、病院施設なり設備の修繕なり保守点検を行う業者につけてもらって院内で作業してもらっているという状況です。
 日中であれば、そういった介助が必要な方々に対しては、先ほども申し上げましたけれども看護師なり看護補助者が対応してございますし、病院によってはボランティアの方々に軽易なお手伝いをしていただいているという状況でございます。夜間であれば、看護師もやりますけれども、あと、事務担当職員なり警備の職員と連携をとりながら対応しているという状況でございます。
 いずれそういった対応はしているんですけれども、そういったお知らせというか掲示がなかったものですから、そういったことを掲示していない病院では掲示するように努めて、より使ってもらうというか、気軽に申し出いただけるように改善してまいりたいと思ってございます。
〇及川あつし委員 最後にしますが、いずれ今、細かい問題をいろいろ取り上げましたけれども、抜本的な患者に対する医療の利用の仕方、周知についてはこれまで長年の課題でありますので、そこもやりつつも、やっぱり改善する点がたくさんあると私は見ましたので、総ざらいでもう一度この点についても細かい配慮をしていただきたいと強く要望しておきたいと思います。
 局長に最後、見解を伺って終わります。
〇遠藤医療局長 委員御指摘の点ごもっともでございまして、せっかくわかりやすいように掲示しておいても、トリアージって意味がわかりづらい掲示があったりとか、今お話ありましたように、実際に患者が来たときに介護をしてお手伝いをする職員はおるんですけれども、それについては掲示がないので来られた患者がわからないとかという今、御指摘をいただきました。ごもっともだと思っております。いろいろスペース的な建物の制約等もございますけれども、ただいまいただいた御意見等も踏まえまして、できるだけ患者サービスにつながるように努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 まず第1に、県立高田病院の再建整備についてお聞きします。
 今、仮設の病院ということになっていますが、医師、看護師の体制、外来、入院患者の状況、救急患者の状況はどうなっているでしょうか。
〇熊谷経営管理課総括課長 県立高田病院の仮設診療所に係ります職員体制等についてでございますが、医師、看護師の人数につきましては、平成25年2月1日現在の状況で、臨時を含めた常勤医師は、内科が6名、呼吸器科が1名、小児科が2名、眼科が1名の計10名となっており、看護師は39名となってございます。
 それから、患者数につきましては、こちらは平成24年12月末累計の1日平均患者数でございますけれども、入院患者数が平均で31人、外来患者数が230人となってございます。
 それから、救急患者の状況でございます。これも平成24年12月末の累計での1日平均患者数の状況でございますが、こちらの救急患者は7.3人となってございます。また、救急患者のうち9割以上は当日帰宅している状況でございますし、救急車による搬送患者も1日平均で0.3人となっているところでございます。
〇斉藤信委員 県の医療局は、再建整備の医療機能について、いわば夜間、土日は一次救急も対応しないとしているんですが、私は院長先生にも病院関係者にも聞いてきたんですけれども、今でも二次救急に対応していると。そして、今お話あったような医師の体制、看護師の体制で頑張っているわけですね。実際の救急患者は1日当たり7.3人ということですから、十分これは本設の病院再建をやっても対応できるし、対応したいと言っている。これを閉ざす道はないのではないか、医療局長にこの点をお聞きしたい。
〇遠藤医療局長 現状につきましては委員御指摘のとおりの現状でございます。今般、被災病院の再建に当たりまして、基本的には、医師の負担をできるだけ少なくしたい、それからベッドの確保、維持を最優先に考えたいということでいろいろ検討しているところでございます。現況においては、確かに高田病院の医師数、今現在、支援の医師もおりましてある程度のそういった対応ができる体制になっているところでございます。ただ、現時点におきましては、再建時においてどれくらいの医師が確保できるかというところは、3病院含めましてなかなか確たる見通しが立っていないところでございます。救急にも対応できるくらいの十分な医師を確保できるかというのはまだ先の話でございますので。したがいまして、現時点におきましては、二次救急を含めまして休日、夜間の救急は対応しないというのを基本線に考えているところでございます。
〇斉藤信委員 私は余りにも画一的だと思うんです。今、仮設の状況でこれだけ頑張って二次救急にも対応している。そして、立派な病院を再建したらもちろんそれも続けたいと言っているわけですよ。私、大槌、山田までそうやれと言っているんじゃないんですよ。私は大槌の院長先生にも聞いてきた。大槌の院長先生は、何とか病棟を維持することに専念したいと。そして、全県的な医師確保の状況を見て中長期的にはそれは考えるということでしたが、しかし、高田病院は仮設の段階でこれだけ頑張っているわけですから、最初から本設は基本はそうだという画一的なことではない、条件が合えばやるんだと。そういう病院の関係者、地域住民の願いに応えて、条件が合えばやると、そのぐらい局長、言えないんですか。あってもやらないんですか。
〇遠藤医療局長 いずれ基本的な考え方といたしましては、できるだけ再建時には医師の方々に来ていただきたいと思っておりますので、現時点におきましては、3病院とも休日、夜間の救急については行わない。基本的には基幹病院での対応という考え方で、現時点においてはそういう考え方で対応させていただきたいと思っています。
〇斉藤信委員 私は驚くべき答弁だと思いますよ。今、仮設で病床も確保して一生懸命頑張って、本設になったらもっと充実させたいというのは当たり前の話じゃないですか、これは。今、仮設で救急に対応してやっているのに、本設になったらそれは受け付けませんと。これは病院関係者も納得しないし地域住民も納得しませんよ、そんな画一的な話だったら。条件が合ったらやる、なぜこの程度のことが言えないんですか。もう一回。
〇遠藤医療局長 条件が合ったらとか、仮定の話でやる、やらないというのはちょっといかがなものかと思いますので、基本的には、いずれ現時点ではそういう考えだということで御理解をいただきたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは全然理解されない。地域住民、病院関係者にも理解されませんよ、そんな発想は。今やっているんだから。仮設という厳しい状況の中でやっているんだから。それを、本格的に病院を再建して立派にしようとしているときに医療を縮小するなんていう話は、私は誰も納得しないし意欲も出てこないと思いますよ。今頑張っているこの機能を守り発展させたいというのが当たり前の医者、看護師、病院関係者の思いじゃないですか。
 そして高田病院は、高齢者に最も優しい、そういう地域医療を介護とも連携して進めたいと。今、地域でもそういう連携の体制をつくってやっていますよ。私はこういう取り組みを医療局としては支援すべきだと思いますが、いかがですか。
〇熊谷経営管理課総括課長 現在、委員お話しされたとおり、高田病院では、寝たきりや車椅子の患者等を対象とした予約制の外来とか認知症外来など独自の診療サービスを行っているほか、陸前高田の在宅医療を支える会に参画して、在宅医療にかかわる専門職員の連携強化の取り組みを行うなど、高齢者医療に向けたさまざまな取り組みを行っているところでございます。こうした地域との連携を図り、高齢者の医療の充実を図っていく取り組みは今後も大事にしていく必要があるものと認識しておりまして、医療局本庁としても支援してまいりたいと思ってございます。
〇斉藤信委員 石木院長が高齢者医療で強調しているのは、高齢者は、病気が治っても退院するときには歩けなくなったと。これでは医療にならないのだと。やっぱり元気になって帰していく、そういう高齢者医療を目指したいのだと。私は、そういう意味でいけば本当に一つの地域医療のモデルになるのではないかと思っていますので、救急医療も含めて、医療局はそういう熱意に応える支援体制を強化していただきたい。
 次に、県立山田病院の再建整備についてですが、私は、旧山田病院跡地の再建整備が一番早く、交通の弁もいいし、まちづくりの関連でも地域住民にとっても一番利用しやすいと思います。先ほど保健福祉部で聞いたんですけれども、医療と介護の複合施設で、来年度中には今使用している診療所が新しいところに整備される、こういう見通しです。これ、私は真剣に、医療局が行った地域住民の説明会でもたくさん意見が出たと思うけれども、1回医療局の考えを説明しただけではなく、本当に10年、20年先を考えて、地域住民の利便性、交通の便、私はそういうことを考えて対応すべきだと思いますが、これも医療局長に聞きましょう。
〇遠藤医療局長 山田病院の再建の場所ということでございます。地元町からは織笠地区の3カ所を候補ということでいただいているところでございます。これは町でもいろいろ中で検討し、なおかつ町議会にも御説明を申し上げた上で候補地ということでいただいているところでございます。
 ただいま委員から御指摘のありました点、これもやはりごもっともな意見だとは思っております。基幹病院と異なりまして地域病院でございますので、なおかつ高齢者中心の医療ということであれば、やはり高齢者の方々もすぐに行けるような近い場所、高台じゃなく近い場所というところはごもっともだと思っております。ただ、10年、20年先というお話がございましたけれども、私どもとしてもやはり100年先を見越した形で考えなければならないと。すなわち、今般の東日本大震災津波は千年に一度とか百年に一度とか言われております。私どもやはり、減災という考え方もありますけれども、事、医療機関に限って申し上げますと、患者を抱えておりますので逃げるということは基本的にできません。それから、職員もまた患者を置いて逃げるということもできません。ですから、基本的にはやはりそういった可能性のないところを最優先で考えるべきだろうと思っております。
 ちなみに、旧山田病院のところにつきましては、ちょっと孤立したりとかいろいろなことがございましたので、いずれ基本的には、委員御指摘の点はごもっともだとは思いますが、ただ、やはり安全性を最優先に考えるのが重要だと考えております。
〇斉藤信委員 安全性の問題でも、十分中心部もかさ上げされる。例えば旧山田病院跡地も、ピラー型にするとかかさ上げするとか、そうすれば駐車場確保と一体で整備ができると思いますよ。100年なんて言って、いや、病院がもたなかったと。利用しづらくなったといったら100年もたないんだから。そういう意味でいくと、今、地域で地域病院を支えているところは本当に中心部の中心部ですよ。それは、そうやって地域住民が使いやすいようにしているからもっているのですよ。だからそういうことも含めて、1回限りの話し合いというのではなくて、ぜひこれはもう一回ボールを投げて、本当にベストの選択を検討していただきたい。これ以上議論しても……、これは要望にしておきます。
 次に、医師確保対策でお聞きしたいのは、県職員、医療局の職員もそうだと思いますが、平均すれば400万円の退職金の減額と。医師確保上こういう減額はできないんじゃないかと思いますが、医師に対する対応、その他の職種に対する対応はどうなるんですか。
〇菊池職員課総括課長 医療局職員の退職手当についてでございますが、医療局職員の手当につきましては、県の一般職の職員の退職手当に関する条例の例により支給されることとなっておりますので、条例が改正された場合には、基本的にはその支給額は減額されることとなります。
 しかしながら、医師につきましては、退職した医師の補充も困難な中で、定年に達した先生に勤務延長を要請するなどにより対応しているところでございます。したがいまして、今回の改正によって、早期に退職した方が手当の支給額が多くなる場合があるなど早期退職を促す要因になる可能性があることから、何らかの措置を講ずる必要があるのではないかというところで検討しているところでございます。
〇斉藤信委員 医師確保対策はまさに緊急、重要課題で、私はそれはあって当然だと。退職金を下げるということが問題なんだから。
 次に、看護師の労働条件の改善と看護師確保対策についてお聞きします。
 先日、私、中央病院に行きまして、中央病院の看護師と懇談をしてまいりました。7東病棟では、3人夜勤で、看護師不足で朝5時からの早出勤務、手当はなし。8東病棟では、病休者が出て、4-4体制から3-3体制となって早番、遅番で対応している。6東病棟でも朝7時から仕事、休みもとれず、いつ医療事故が起きてもおかしくない、いつでもやめる覚悟で働いている、こういう切実な実態、声でありました。
 医療局長は、こうした看護師の実態というのを把握しているでしょうか。看護師から直接話を聞いたことはありますか。
〇遠藤医療局長 中央病院での看護師の勤務実態ということで、委員にはみずから足を運んでいただいて直接聞いていただいたということで、その点については感謝申し上げたいと思います。
 私のところで直接行って看護師の皆さんと意見交換ということは特段やってはおりません。ただ、それぞれ業務支援課、職員課を通していろいろな看護の現場の課題というのは報告も受けておりますし、協議、検討等も行っているところでございますし、それから、病院現場に出向きまして意見交換、懇談という形で各病院単位にやっておりますので、そうした席の中で、総看護師長、副総看護師長あるいは病棟師長の方々から実情といったことはうかがっております。さらに、そういった役付職員以外からということでございますれば、私どもにも組合がございまして、組合を通じましてきついお言葉をたびたび頂戴していることも事実でございまして、そういう意味では現場の実態については把握しているつもりでございます。
 委員御指摘のとおり、私どもの県病の看護師は3交代という勤務体制なものですから、なかなか休みが十分にとれないとか、そういったところでいろいろ御苦労をおかけしているところでございます。看護師の皆さんが献身的に頑張っていらっしゃるということで私どもの県病も何とか維持できているということで、職員の皆さんには非常に感謝しているところでございます。
 そういった実情につきましては、本来であればどんと定数をふやしてというというところではございますけれども、なかなか経営収支がこういった状況でございますので厳しいものがございますけれども、いずれそういった環境の改善に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私がリアルに紹介したように、看護師が不足しているから、今の看護体制では対応できないから朝5時出勤ですよ。これは特別の手当なしなんですよ。私は、7対1看護体制をとって、そういう状況の中では、中央病院の場合は入退院も激しい、重症患者も多い、4-4体制をとらなかったら対応できないと思いますよ。そういう看護師の増員を責任を持って図るべきではないのか。
 全体の看護師の確保状況、退職者、新規採用、退職の状況、私は定年まで働ける人が少なくなっているんじゃないかと思いますが、そういう状況も示していただきたい。
〇菊池職員課総括課長 看護師の退職状況と採用状況についてでございますが、現時点におきまして平成24年度の看護職員の退職見込みは152名となってございまして、平成25年度当初の採用予定者数見込みは142名となってございます。
〇斉藤信委員 えらい淡白な。退職が152名で新規採用が142名だったら減ってしまうじゃないですか。
 私はもう少し立ち入って聞いたんですよ。退職者のうち、定年が36人、勧奨40人、普通退職76人、定年を待たずに、もたないんですよ、今の看護師の状況というのは。途中でやめる方もいるけれども、ほとんど補充されない。中央病院の場合には激務だということがわかっていますから、途中の採用というのはほとんどできないんですよ。今、看護師が不足して大変なときに、やめる分も補充しないというのは許されないんじゃないですか。思い切って大幅な増員が必要ではないのか。
 中央病院のことでもう一つ言いますけれども、中央病院の場合は、年次休暇が平均5.3日です。代休もほとんどとれない。結局年休を余すけれども、毎年余していますから、ただ働きなんです。中央病院の職員でこれを計算しますと年間2億円ですよ。年休を消化できずに2億円のただ働き、こういう状況になっていますよ。まともに年休がとれる、休みがとれる、最低のそういう人員確保が必要ではないですか。改めてもう一回聞きます。
〇菊池職員課総括課長 年休のとれる体制の整備ということでございますけれども、中央病院の看護部門の年次休暇の状況についてでございますが、平成23年に比較しまして、平成24年は0.3日多い5.7日となったところでございます。また、県立病院全体では0.4日多い8.3日となっておりまして、若干増加している状況でございます。
 年次を取得しやすい環境整備に向けては、看護体制上の必要数を配置するとともに、あらかじめ見込める産前産後休暇や育児休業者に対する職員についても正規職員を補充してきているところでございますし、夏季休暇等と合わせた連続休暇や記念日休暇などの取得促進について、毎年、各病院に周知を図ってきたところでございます。今後においても、こうした取り組みを通じて年休を取得しやすい環境づくりに努めてまいりたいと思います。
 また、中央病院の平成25年度の体制についてでございますけれども、病院から御要望のありました5西病棟及び6西病棟の夜勤体制の引き上げにつきまして要望どおり認めたほか、救急あるいは外来部門等の増員要望に対しましては14名の増員をする予定としているところでございます。
〇斉藤信委員 この点はこれで最後なんですけれども、中央病院は4-4体制を目指すべきだと。今、来年度は14人ふやすということでこれは確認していいですか。
 あと、全体として退職者より10名も少ない新規採用、これは今すぐ手を打つべきですよ。全体とすれば10名減ということでは、私は今すぐ手だてをとって採用をふやすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇菊池職員課総括課長 退職見込みよりも採用見込みが少ないという点についてでございますけれども、この点につきましては宮古病院の病棟再編などの体制見直しを行った結果の人員を充てておりまして、そのほか、県病全体では結果としては37人の増員をして体制強化を図るというふうに考えているところでございます。(斉藤信委員「計算合わないんじゃないの。10名減るのに何で37人ふえるの」と呼ぶ)
 失礼しました。先ほどの14名は中央病院ということでございまして、中央病院以外の、宮古病院の病棟の体制強化とか、そういったものを含めて全体として37名ということでございますし、先ほど言い忘れましたけれども、中央病院の14名の増員につきましては、現段階ではそのとおり予定しております。
〇高橋元委員長 斉藤委員に申し上げます。1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 まだ22分、早い。私、ちゃんと時間内にばしっと終わろうと思ってやっているんですよ。
 これで最後です。これで最後のつもりで聞いているんですよ。
 総括質疑で喜多委員が大変大事な問題を指摘しました。県立病院の消費税負担額、これまでの累積が139億7、700万円と。これは県立病院全体の205億円の約7割ですよ。そして、もし消費税8%になれば、来年度、3億1、950万円ぐらいの消費税負担額が10億円、10%になれば15億円と見込まれると。まさにこれは県立病院を財政破綻に追い込むような増税になりかねないと。全国自治体病院協議会とか、これは民間も含めて、本当にこういう消費税が一気に倍に上がったら病院も地域医療も守れなくなるのではないか。この点についてどういう対応、取り組みをされているのか局長に聞いて終わります。
〇遠藤医療局長 消費税の負担の問題でございますけれども、委員御指摘のとおり、医療費については非課税という形の取り扱いになっていると。一方、その見合いの分については診療報酬で見ていると言われているというふうに医療関係者の間では言われているんですけれども、実際そのくらいちゃんと補填されているのかどうかというところで乖離があるというのがありまして、これは制度の話ですので、医療局といたしましては、いずれ制度の見直しなり、そういった改善を要望していく、これは県も同じですし医療関係機関も同じでございます。そういった要望をしていくというのが一つの対応でございますし、あと経営上は、できるだけ診療材料とか、そういったものについてコストを抑えて対応していく、そういった努力をしていきたいと考えています。
 ただ、基本的にはこの制度がいいか悪いかというところに尽きるのではないのかと。消費税が上がる、上がらないという議論ではなく、診療報酬に対して非課税になっていて、結果的に控除対象外消費税が生じるという仕組みの議論で、消費税が上がる、上がらないには関係なく、そういった制度的なところを何とか国において改善していただきたいと思っております。
〇佐々木茂光委員 それでは、私からは、今、斉藤委員からお話があった県立高田病院についてお尋ねしたいと思います。
 この間、一般質問でも取り上げられた中で、1月20日になりますか、そのときに地元の説明会、意見交換会ということで、陸前高田市のほうに医療局の方々が来られまして、私たちは、そのときには意見交換ということで、地域の考え方を述べたと解釈しておったんですが、ある意味、医療局の、これから自分たちが進めようとする─自分たちがという表現が余りよろしくはないんですけれども、医療局として進めたい方向づけについて示していかれたというわけなんですが、あのときにどのようなお話が出たと取りまとめをされておりますか。
〇熊谷経営管理課総括課長 陸前高田市におきまして、1月20日に意見交換会を実施させていただきました。地域の方々からは、1日も早い病院再建を希望する、病床規模は縮小することなく原状復旧すべき、被災者のケア、特に子供たちの心のケアを担う医師、相談員の配置を要望する、診療時間外の救急対応や訪問診療の継続といったような御意見を頂戴したところでございます。
 これらの御意見に対しまして、医療局といたしましても早期の再建を目指しております。地元市町と連絡を密にして進めていくこと、病床規模につきましては、被災前の入院施設の利用状況等を勘案いたしまして、地域に必要な病床数を確保すること、医師の負担軽減のため診療時間外の救急は基幹病院で対応するということを丁寧に説明したところでございまして、皆様には一定の御理解をいただいたものと認識してございます。
〇遠藤医療局長 今、総括課長から答弁したのは、機能的な病院のそういった側面のやりとりのお話をしたところでございます。それ以外に、ここのところが重要なんですけれども、地域の皆様からいただいたポイントとなるのは、やはり高田の地域に合った高田らしい病院にしてほしいとか、あるいは復興に向けてシンボルとなるような、みんながそれに向かって行けるような、そういう特色のある病院にしてほしいといったような、地域としての思いの部分をいただいたと受けとめているところでございます。
〇佐々木茂光委員 医療局長みずからそのように解釈されたということは、私としても大変感激しております。
 まさに私たちは、県立病院が赤字という話の中から始まりまして、これまで院長先生を初め地域で病院をいかに立て直すかということが、今、黒字になった一つの大きな原因でありまして、病院にだけそういうものを任せてはならないのではないかということが、当時、私は小学校のPTAの会長をしておったんですが、そういった声がけをやりながら、先生たちに来てもらって、今の県立病院がどういう病院体制になっているのか、皆さんでそういう話を聞く機会を持とうということから始まりまして、小学校の父兄を集めたり、中学校の父兄を集めたり、いろんな地域に来てもらって、院長先生を初め看護師の方々、いろんな形で、事務長が来られたり何かして、その地域を非常に丁寧に回って歩いた結果、病院のそういった姿勢、体制にも住民も応えていこうということから、それが功を奏したのか、黒字のほうに向かってきた。そういった中で、来年度から、病床を含め少しそのような方向に向けていこうということで構えていた中に、あの大きな震災を食らってしまって、ものの見事に流されてしまって、今まで積み上げてきたものが全部砕かれてしまった状態であります。
 そんな中、早々に県立病院が、仮設ではあるんですが、復旧して、まさに地域医療、自分たちが今まで積み上げてきた中で、院長先生を初め、もちろんこれは医療局の後押しなくしてできたものではなかったんですが、震災からもう2年になっております。完全に住民も焦りの境地からもう諦めの境地にいる中で、かろうじて病院の形がしっかりと根づいているものから、やはり皆さん、その中に一つの安心感を持って日々生活しております。
 それは、先ほど、斉藤委員のほうからもお話があったとおり、まさに地域は病院に対する期待、そして自分たちが病院をしっかり支えるんだぞという意気込みが、今、私たち陸前高田市で行われている医療にあらわれていると私は感じております。
 そういった中で、医療局長もわかるように、病気というんですか、病は気からという言葉があるように、まさに気持ちの中に緩むものがあったり、夢をなくしたり、望みをなくしたり、そういうものが大きく病気というものに入っていくんだと思います。今、地元で求めているのは、病院を再建するんだというときの状況に、少なくても維持するなり戻すなりしてくれという一番根っこの望みだと私は捉えております。
 この間、請願も出したわけでありますけれども、それが……
〇高橋元委員長 佐々木委員に申し上げます。質問をしてください。
〇佐々木茂光委員(続) ここを話さないと質問には入れませんので。
 そういった思いがあって、私たちが、今また手を挙げて、何とか医療局にお願いしようと。やはりそれは医療局の理解なくして、当然、私たちの医療も守られるわけでもないのでありますし、先ほど言ったように、局長みずから、まさに再建の、復興のシンボルだと。私たちがこれから力強く立ち上がっていくためには、今の医療体制を少なくても維持してもらえるような施設にしていただきたいというのが地元住民の望みでありますので、今お話をされましたことに対しまして、感想という言葉がいいわけはないので、医療局長の受けとめた思いをお伝え願えればと思います。
〇遠藤医療局長 被災前から、現院長のもとに、いろいろ地域の懇談会とかを開いて、住民の方々と一緒に医療も考え、保健、予防も考えといった形で取り組んできているというのは、まさに高田病院のエリアならではの取り組みだったと受けとめております。
 この間の意見交換会、それから、先般、要請書をいただいたときもお話をお聞きしたところでございまして、今、委員がおっしゃったような趣旨のお話でございまして、いずれ、思いを受けとめてほしいというところだろうと私は感じております。
 この間の意見交換会のときもそうだったんですが、そのときに私はちょっと厳しい話をさせていただきました。思いとしては私も理解できるんですが、ただ、病院の規模、機能といったときに、それを、建物の規模とかに置きかえるというのがなかなか難しいなというところで、正直苦慮しているところなんです。70床がいいか、80床がいいか、60床がいいか、50床がいいかという物理的な数の議論じゃないのではないかと私は思っています。高田のエリアでは、これまでもさまざまな取り組みをやってきていますし、今、震災後においても、現院長を初め地域の方々がいろんな独自の取り組みをやられています。専門外来とか、認知症関係のものもやっていますし、介護の関係も今度立ち上げると。それは地域みんなで考えてやっている。高田らしさ、あるいは復興に向けての象徴というのは、箱のスペースだとか云々というものじゃなくて、そういう病院と地域の皆さんが一緒になって考えて取り組んでいる、それがまさに高田モデルではないのかと私は受けとめています。こういった取り組みはほかの県立病院の中ではありませんので、ですから、それがまさに高田らしさというものではないのかと受けとめています。
 ただ、地域の皆様方はそういった取り組みを当然のようにやっていらっしゃるので、意外にほかの地域との違いというのをお気づきになられていないのではないかと感じておりまして、今やっていること自体が、まさに復興に向けた高田の高田らしさと私は受けとめているところでございます。
〇高橋元委員長 佐々木委員に申し上げます。質問の趣旨説明はもう少し手短にお願いいたします。
〇佐々木茂光委員 今、まさに局長が言ったとおりでございますので、もう少し時間をかけて、地域と時間をとっていただけますことをお願いいたしまして、終わりにしたいと思います。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時29分 散 会

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