平成15年6月定例会 第3回岩手県議会定例会 会議録

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〇36番(伊沢昌弘君) 社会民主党の伊沢昌弘でございます。
 ただいま議題となっております発議案第5号イラク復興支援特別措置法の慎重審議を求める意見書について提案理由の説明を行います。
 本案は、社民党の提案に対し自由・県民会議の木戸口英司議員、共産党の斉藤信議員、そして無所属の阿部富雄議員の賛成をいただき提出したものであります。
 そもそもこの法案の発端となったイラク戦争は、世界各国における平和的解決を求める声を無視し、アメリカとイギリスが大量破壊兵器に関する不確かな疑惑に基づき、新たな国連決議のないまま先制攻撃を行い、結果として多くのイラク国民の命を奪い去ったものであります。小泉内閣はこのイラク戦争に対しいち早く理解を示し支持をすると表明するとともに、戦後の人道・復興支援活動の名のもとに、自衛隊を派遣させるため、イラク復興支援特別措置法案を提案いたしました。しかし、この法案は米英軍によるイラクへの武力行使と占領支配を追認し、その統治活動を支援することを目的としているものであります。
 既にこの法案は7月4日に衆議院で可決され、7月7日からは参議院で審議が行われている状況にありますが、これまでの審議が十分尽くされたとは到底考えることができないものであります。この間の国会における論議においても、派遣する地域や支援活動の範囲、さらには携帯する武器の種類や使用方法など多くの問題点が指摘をされ、憲法の平和原則とは相入れないものであると考えるわけであります。
 確かにイラク特措法案の第2条には、支援活動は武力による威嚇または武力行使に当たるものであってはならない。わが国領域及び現に戦闘行為が行われておらず、活動期間を通じ戦闘行為が行われることがない地域で実施することがうたわれています。しかし、イラク国内においては現に米英軍に対する攻撃が頻繁に行われており、5月1日の戦争終結宣言以来これまでに多くの米英軍隊に死傷者が出ており、安全な地域がイラク国内に存在しないとの報告がなされているところであります。
 このような中で日本の自衛隊がイラク国内に入れば、米英軍と同じ占領軍とみなされイラク国民の反感をあおることになり、日本を含む多くの国から参加をしているNGO関係者の支援活動に支障を生ずるおそれがあるとの指摘もあるわけであります。今、イラクの国民にとって必要なことは、軍隊による統治ではなく、不足をしている食料の提供や保健・医療に必要な医師や薬品の確保であり、一日も早く民主的な手法によって選ばれた新たな政権の確立をすることであると考えます。このような援助を国連の枠組で行うことであるべきと思うわけであります。
 20世紀は戦争の世紀であったことを反省し、世界中の人々が求めた21世紀の戦争のない平和な世界創造に向け、日本の自衛隊をイラクに派遣するためのイラク特別措置法案については、慎重の上にも慎重を期すよう求めるものであります。
 以上が本意見書を提案する理由であり、皆様方の御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、提案理由の説明といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

〇議長(藤原良信君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第5号イラク復興支援特別措置法案の慎重審議を求めることについては、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第5号イラク復興支援特別措置法案の慎重審議を求めることについては、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより、討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第5号イラク復興支援特別措置法案の慎重審議を求めることについてを採決いたします。
 本案は原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立多数であります。よって、発議案第5号イラク復興支援特別措置法案の慎重審議を求めることについては、原案のとおり可決されました。(拍手)
   
日程第42 発議案第6号自治体行財政改革特別委員会の設置についてから日程第45 発議案第9号教育振興・人材育成対策特別委員会の設置についてまで

〇議長(藤原良信君) 次に、日程第42、発議案第6号から日程第45、発議案第9号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派共同提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第6号から発議案第9号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(藤原良信君) 起立全員であります。よって、発議案第6号から発議案第9号までは、原案のとおり可決されました。
   
〔参照〕
自治体行財政改革特別委員会
 高 橋 賢 輔   吉 田 昭 彦
 佐々木   博   平 野 ユキ子
 木戸口 英 司   工 藤   篤
 千 葉   伝   柳 村 岩 見
 樋 下 正 信   瀬 川   滋
 柳 村 典 秀   伊 沢 昌 弘
 斉 藤   信
暮らしの安全・安心対策特別委員会
 佐々木 順 一   工 藤 大 輔
 新居田 弘 文   千 葉 康一郎
 野 田 武 則   佐々木 俊 夫
 小野寺 研 一   照 井 昭 二
 工 藤 勝 子   田 村   誠
 小 原 宣 良   小野寺   好
産業振興・雇用対策特別委員会
 及 川 幸 郎   渡 辺 幸 貫
 及 川 幸 子   大 宮 惇 幸
 関 根 敏 伸   佐 藤 正 春
 菊 池   勲   平 沼   健
 高 橋 雪 文   田 村 正 彦
 飯 澤   匡   阿 部 静 子
 阿 部 富 雄
教育振興・人材育成対策特別委員会
 伊 藤 勢 至   佐々木 一 榮
 阿 部 敏 雄   川 村 農 夫
 ザ・グレート・サスケ   中 平   均
 藤 原 泰次郎   佐々木 大 和
 嵯 峨 壱 朗   吉 田 洋 治
 亀卦川 富 夫   平   澄 芳
   

〇議長(藤原良信君) お諮りいたします。ただいま設置されました自治体行財政改革特別委員会、暮らしの安全・安心対策特別委員会、産業振興・雇用対策特別委員会及び教育振興・人材育成対策特別委員会の委員の選任につきましては、委員会条例第5条第1項の規定により、お手元に配付の名簿のとおり指名したいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(藤原良信君) 御異議なしと認めます。よって、自治体行財政改革特別委員会、暮らしの安全・安心対策特別委員会、産業振興・雇用対策特別委員会及び教育振興・人材育成対策特別委員会の委員は、お手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 4特別委員会は、委員長互選のため、本日、本会議終了後、自治体行財政改革特別委員会は第1委員会室に、暮らしの安全・安心対策特別委員会は第2委員会室に、産業振興・雇用対策特別委員会は第3委員会室に、教育振興・人材育成対策特別委員会は第4委員会室にこれを招集いたします。改めて招集通知を差し上げませんので、御了承願います。
   
   閉 会

〇議長(藤原良信君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第3回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後2時10分 閉 会

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