平成17年2月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇20番(川村農夫君) 今議会6人目の質問となります民主・県民会議の川村農夫でございます。
 前の質問者と重複することのないよう極力配意しながら順次質問させていただきますので、簡潔な御答弁をお願いいたします。
 最初に、小泉総理の国会答弁に係る国民世論に関して知事の所感をお伺いいたします。
 通常国会での小泉首相の答弁についてでありますが、1月24日、衆議院の代表質問で、民主党の岡田克也代表の再質問に、首相は、既に答弁していると説明を拒否しました。今度ばかりでなく、機会あるごとに小泉首相の答弁は、まともに答えない、誠意に欠けた振る舞いが繰り返されております。河野洋平衆議院議長が誠意を持ってきちんと対応するようにと苦言を呈したことは、歴代の首相として、国の最高責任者として、まさに国民に対する誠意と資質を欠いていることを露呈したことにほかなりません。国民世論調査でも、小泉首相の説明不足を指摘する声が多数を占めております。堂々と質問に答えるという気概は全く感じられず、しのぐことしか考えていない。改革なくして成長なしと言うならば、論戦への意識改革なくして共感もないと言わざるを得ません。
 私は、全国の児童生徒にあのような姿を見せることは、日本の将来に重大なあしき習慣、間違った規範、常識を植えつけてしまうのではないかと思い、大きな不安と憤りを抱いたのは私だけではないと思うのですが、知事はどのような所感をお持ちなのかお聞かせ願います。
 次に、増田県政10年の所感とこれからの施政方針についてお伺いします。
 一昨年の12月議会で、私は、増田知事の2期8年を振り返っての評価を伺いました。答弁で知事は、県の仕事はできるだけ住民に近い地方振興局において行い、地域づくり、住民自治の芽生えとしてその効果が見られると評価されました。この点について、地方振興局の裁量権が拡大したわけですが、森のトレー問題やふれあいランド用地問題など、地方振興局での裁量能力を超える課題に状況判断が下せなかったのではないかとの疑問が残るのであります。
 そこでお伺いしますが、地方振興局が任された行政課題に取り組むため、地方振興局長がその組織機構の構築を図ろうとしたとき、人事権をどこまで及ぼすことができるのか。必要な人材を配置できるシステムになっているのかが重要であると思いますが、現状についてお知らせください。
 また、地方振興局の組織改革に伴って、県民の期待に沿っていくためには、迅速な事務処理、特に許認可にかかわる事務ですが、スピード化が最も望まれるところであります。各種業界がこの不況の中に生き残りをかけて仕事を獲得した後に、待っているのはお役所の許可・認可であります。住民サービスは、住民に近いところでの改善は時間を短縮して結果を早く住民に示すこととして、今どのように成果を出されているのか。また、OA化が進む中での人員削減と矢継ぎ早の組織改編は、職員の意気込みや業務能力に見合ったものとして機能発揮できているのか、現状の評価を伺います。
 次に、昨年来、我が会派の同僚議員から、知事は出張が多過ぎて岩手にいる時間が少な過ぎるのではないかとの質問が相次ぎました。21世紀臨調ほか幾重にもわたる中央での重要な会議の座長を務めるなど、岩手の増田知事ではなく、今や全国知事会の会長を競う増田知事にまで上り詰めました。知事は、地域経営者としての観点から、構造的な問題こそ問題視していかなければならないとの強い意思でその取り組みをなされてきたわけであります。全国レベルでの発言と課題解決に向けた取り組みを否とするものではありませんが、県政課題の取り組み、その責任についてはっきりした説明がなされておりません。競馬組合の課題、その責任の所在や背景にあった原因の総括を抜きにして全国版に走られては、軸足が岩手にないとしか思えないのであります。記者会見の要旨でも明確ではありませんでした。今議会に提出された知事の報酬の35%カットが意味する、今後の取組姿勢をも含めて責任を明確に県民に示していただきたいと思います。
 次に、平成17年度県予算は、7、671億6、500万円として今議会に提出されました。昨日登壇された議員からも質問があったわけですが、県債残高1兆4、137億円、県民1人当たり最多の99万8、000円となるわけです。その中で、防災、人材育成、産業振興、豊かな暮らし、この4項目を重点予算としておりますが、農業立県としての視点や社会資本整備の立ちおくれについては非常に希薄になってしまいました。岩手県版景気浮揚対策、適度に金が回り税収が確保できるような施策はこの岩手ではできないものか非常に残念でありますが、いつの時期に夢と希望に満ちた夢県土いわてができ上がるのか、平成17年度の予算と今後の岩手の未来について知事のお考えをお伺いします。
 さて、次に、本県の農業についてでありますが、古くから人類の歴史は飢えとの闘いであったと言われております。そして、現在でも世界の至るところで絶望的な飢餓が存在しているとき、農業は国の源と言われながら、その農業を本当に大事にしているのだろうか、工業化社会における物の考え方になれ切って、目先の利益、それもせつな的な利益を求める余り、人間の生存にとって最も大切なものを失おうとしているのではないだろうかと思うのであります。
 農林業は、土地を通じて人間の命と暮らしを維持するための必要な農産物を生産するばかりでなく、良好な環境を保全する産業であり、それは、そもそも自然条件を無視しては成り立ちません。自然の中に溶け込み、それを利用しなければ生産できない、日に月に何度も繰り返して結果や成果を生み出せないものであります。そこには徹底した利潤と合理性を追求できる工業とは全く違った姿があり、国民の生命維持と再生には不可欠なものであります。そして、農林水産業は、国民に安全で良質な食料を安定的に供給するとともに、国民生活に不可欠な社会的役割と公益的な機能を担っております。また、地域経済の活性化機能、自然と国土の保全機能や景観の維持、保健休養機能、人間形成と教育機能をも担っております。これらの機能は、工業化が進化すればするほどその必要性が増大していることを国民は実感されているのではないでしょうか。
 国は、農政の課題を利益、工業の理論で解決しようとし、規格化、集中化、競争化、大規模営農のみを求めようとしてきました。一国の農政の基本は、食料自給率を高め、食料の安定供給を図ることでなければならないにもかかわらず、我が国の食料自給率は先進国の中でも最低であります。国民が期待するところは、自国産の安全で安心できる食料の供給による食料自給率の向上であり、これを農政の最大の基本とすべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせ願います。
 自給率40%の国が、何ゆえに国際競争力の強い農業振興などと言えるのか不思議でなりません。国民の85%以上が自給率の向上を願っております。この背景には、自国の目に見える土地で、顔が見える人がつくる作物が安全で安心を最も確実なものにしていることは知事も常に訴えていることです。自治体ごとに自給率目標値を設定すること、そして、生産額に自給率を置きかえるなどのまやかしは、国としての責務を放棄したことにほかならないと考えます。自治体、産地、地域ごと作目別の生産量の達成目標を示し、自給率向上を図りながら所得安定策、所得補償策を実施することであれば、国民、農業者も意を決して取り組み、そして、消費者、市民からも理解と協力を得られるものと思いますが、いかがでしょうか、知事のお考えをお示し願います。
 そして、この岩手の農地は、北上川流域などに平たんな優良農地5万9、800ヘクタール、約38%があるほか、中山間地域、丘陵地に狭隘な水田、畑地、果樹園が9万8、000ヘクタール、約62%となっております。このような労働条件の不利な農地が約6割を占めております。このような農地において地域の秩序や伝統文化、集落のコミュニティー、緑の環境保全の営みが行われております。一部の大規模農家だけが農業に携わるというような農村では、岩手の農業力が今後も維持・発展していくことができなくなるのではないかと考えられます。小規模農家や兼業農家であっても、共同体として、高齢者から子供に至るまでの結っこ農業や、農村の持っている地域秩序の維持や伝統文化の伝承、アメニティーの向上などの視点から、農村地域の振興支援策が今こそ必要だと強く思うのですが、いかがでしょうか、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、林業公社の実情と今後の動向についてお伺いします。
 県が打ち出した平成19年に県有林事業と林業公社事業とを一元化する等の機関造林の経営改善方針は、結果的に、機関造林をどのような姿に整備して、それにいかなる機能を期待していくのか、また、どのような運営体により構築していくのかが不透明であり、非常に疑問が残ります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 一元化により清算される林業公社は、昭和39年に設立され、後の昭和60年に知事の認定を受けた分収林特別措置法に基づく森林整備法人でもあります。この林業公社は平成14年度末で458億円という多額の累積債務を抱えているようでありますが、公社は、国策でもあった拡大造林を通じて、北上・奥羽山系地域の振興を図るために、しかも県行造林では導入できなかった農林漁業金融公庫資金の導入を可能とするために設立されたものと伺っております。そして、これまで2万4、000ヘクタールに及ぶ森林を整備し、県土の保全や県民生活環境の維持増進、地域経済の振興などに貢献し、今後においても、その整備された森林が特にも公益的な面で効果が期待されていることを考えますと、まだ主伐の時期に至っていないこの時期に、累積債務のみをとらえて公社を清算することにも疑問があります。
 そこでまず、公社について、これまでの評価と現在の置かれている実情についてお伺いします。
 また、方針によると、一元化は、この公社事業を県行造林事業の方に吸収して県が行うものとなっていますが、一元化した事業をどのような方法で実施するお考えなのかお伺いします。
 方針では、林業関係法人の再編整備を促進し、林業関係法人に委託すると定められていることから、再度外部に委託するようにもうかがわれますが、今後の森林・林業施策を推進する上で重要な役割を果たすこととなっている森林整備法人であり、かつ機関造林のノウハウをも蓄積している林業公社を清算してほかの法人に委託しようとするのはなぜなのか私は疑問に思いますので、お答えいただきたいと思います。
 次に、少子化対策、子育て支援について伺いますが、こうしたテーマのシンポジウムやセミナーが企画開催されておりますが、参加者の中に、今現在子育てにかかわっていない人が多かったり、または各地域の役職のある方々の占める割合が高く、現実に向き合っている皆さんには届かないように思えてならないという声が多くあります。確かに、文化会館や市民ホールで開催しても、休めない、行けない、子供から目を離せないなど、子育て最中の親たちには手の届かないところでの出来事でしかありません。集めて話をする講習会のような待ちの構えから、人がいるところへ行って話をする、例えば保育園、学校での父母会などの機会をとらえ、出向くという考えに変わっていかなければ、主催者側の消化試合で、効果は薄いものでしかありません。保健福祉部は、この実態をどう評価し、また、今後の取り組み方についてのお考えをお伺いいたします。
 青少年犯罪防止と健全育成のシステム的見直しの必要性についてお伺いします。
 青少年犯罪の増加に歯どめがかからない状況に、大人の力が全く機能しなくなってきております。怖い、何をされるかわからない、すぐに殺される。これを裏づけるかのごとく、毎日のニュースは、殺人、死体遺棄、集団暴行、強盗殺人の連続であります。先日、東京の定時制高校の教師が、夜の町を徘回する青少年を更生させるために、あるいは薬物の害から立ち直らせるために、寝る間もなく活動している様子をドキュメンタリーで放送していました。その姿に感動を覚えた反面、一教師が自身を犠牲にして対応せざるを得ない実情に心を重くしたのであります。果たしてこのような青少年による犯罪や非行の実態は、この岩手ではどのような状況になっているのか、まずお聞かせください。
 機会あるごとに地域の連携でもって非行防止に取り組むことが大事ですという締めくくりで事は引き継がれていきます。防犯意識の高揚は、子供たちに悪い誘惑に乗らない強い心があればよいだけではなく、誘惑に引き込まれそうな友達を引き戻してやる、守ってやるという仲間意識や連帯意識も大きな要素であります。しかしながら、現状では、関係機関、地域、家庭などそれぞれの努力があるにしても、連携システムが未熟ゆえか、成果がいま一つではないでしょうか。
 一例を挙げれば、柔剣道やスポーツを媒体として各地域で防犯柔道・剣道大会を企画、実施しているところも多く見受けられますが、この開催についてはそれぞれの地域での温度差があり、開催を望む市民団体の呼びかけに対し、一体となって取り組む姿勢が感じ取られませんでした。よし、やりましょうという意気込みもないのです。一度消極的結論を出してしまえばこんなにも後退してしまうものかと大変な危機感を抱いたものであります。近年の経済・財政状況の折とはいえ、経費的理由からのみ、市民が長年継承してきた健全育成や防犯推進のよき習慣、行事を安易に削減、廃止してはならないことを痛感いたしました。もっとしっかりしたシステムをつくり、育てていかなければならないと感じたのであります。
 県の関係部署が率先して連携強化を図りながら、各市町村、学校、地域、家庭等それぞれが非行防止協力推進の目的意識を持つことが必要と考えるところですが、現状どのような取り組みがなされているのかお伺いします。
 次に、職業教育の今後のあり方及び全国スポレク祭の取り組みと、見込まれる種々の効果について伺います。
 昨年の10月23、24日の両日に開催されました技能五輪は、県内各地で若者の技能のすばらしさを競い、大成功裏に終了いたしました。関係各位の連携や御努力に深く敬意を表したいと思いますし、立派な成績を上げられた本県選手団にお祝いの拍手を送りたいと思います。
 さて、技能五輪には職業高校の生徒も見学したと伺っておりますが、職業能力の重要性を再認識するよい機会となったと思っております。そこで伺いますが、県では、職業教育の今後のあり方をどのように考えておられるのかお示し願います。
 また、本年は、全国スポーツ・レクリエーション祭が10月1日から4日にかけて本県で開催されます。生涯スポーツの振興やスポーツ・レクリエーションの普及活動が体育指導関係者の活動によって県内広く展開されている中、全国スポレク祭は大きなイベントであり、活性化の起爆剤でもあります。県教育委員会の担当部署は、日夜その成功に向けて取り組んでいることにエールを送りたいと思います。
 このスポレク祭の実施効果をどのように見込んでいるのか、今後のスポーツ振興活動にどのように弾みを生かしていくのか、また、経済効果を見込んでいるならお示しください。
 次に、県体育協会の各種取り組みについてですが、国体における競技団体への強化費補助などはどうなっているのか。財源と配分の考え方、成績の評価、期待度などにどのように反映されているのか伺いたいと思います。そして、その情報公開は現状でどのようになっているのか伺います。
 次に、岩手県競馬組合改訂実行計画について、その中の1点についてのみ伺います。
 話題性の喚起という中で、歩くスキーなどのほか、春休み期間を利用した大型映像利用のテレビゲーム大会開催とあります。岩手の子供たちを、生きる力をはぐくむたくましい子供を育てる、岩手の大地の中で濶達に伸び伸びと育てる、こうした岩手の恵みを謳歌させて子供たちを健全に育てようとする観点から見て、商業ベースに子供たちを駆り出すという発想をどう評価するのでしょうか。ゲーム大会の練習に、内にこもって夜遅くまでゲーム上達に熱中する姿、ゲームプロを目指す子供を育成するのか、最近の若者犯罪の背景をつくり出していると危惧している我々にとっては大変なショックであります。ここまでして競馬を再興するという発想は、子どもたちの環境、暮らしを引きかえにしても成し遂げるという公序良俗の感覚を欠いた執念としか感じ取れないのでありますが、現教育長のお考えをしっかりと伺いたいと思います。
 次に、岩手医大移転に伴う諸環境の整備への取り組みについて伺います。
 最初に、岩手医科大学は、建学昭和3年以来、盛岡市において、本県の医療の中心として医師養成に大きく貢献しております。今般、矢巾町に移転することが決まり、その実現と新しい高度な医療機関としての期待が高まっております。そして、矢巾町の岩手医科大学移転予定地は、県の防災センター、消防学校に隣接し、まさに県の防災救急機能の中枢と言っても過言ではありません。本県医療の最も高度な救命救急センターとして機能を発揮するよう期待されることは必至であります。
 その際、緊急車両に求められる交通アクセスとして、高速道路矢巾パーキングエリアからの出入りが非常に効果的であり、救命率の向上にも大きく効果を発揮できる必要十分条件であります。この条件整備についての県のお考えをお示しください。地元矢巾町は、誠心誠意その実現に向けた取り組みを行っていきますので、よろしく御理解をいただきますようお願いいたします。
 また、北上川より東側の地域から救命救急にアクセスする場合に、徳田橋は最も有力な北上川を横断する橋でありますが、昭和37年の架設以来、40数年を経過して老朽化が進んでおります。徳田橋のかけかえ促進についても重要な時期を迎えますが、県の取組状況と早期着工の見通しについてお伺いします。
 次に、福祉施設の民間移管に伴う財産の取り扱いについてお伺いします。
 県は、1月26日の社会福祉審議会で、県立社会福祉施設の今後のあり方について改革プランを示しました。雫石町の養護老人ホームなど9施設が社会福祉事業団などに移管する方針として示されました。審議会での意見は、質の維持が可能かについての疑問の声も上がったと聞いております。地方財政の規模が縮小に向かう中で行政サービスの質を高めようとすれば、行政が事業の企画から実施に至るまでの全工程を担うやり方では限界が生ずることもあると思いますが、入所者、受益者に対する説明と不安にこたえる観点から、今回の改革案について県の考え方を確認したいと思います。
 そして、今回の県の方針が、市町村で運営している保育所を初めとする福祉施設の民営化を急激に推進するきっかけになることも予想されます。民間へ移管になる際の財産――土地建物、人員の取り扱いはどのように進められるのかお伺いします。
 最後に、公共職業安定所ハローワークの利用者への利便性確保についての取り組みを願いたく質問いたします。
 勧奨退職やリストラ、そして倒産解雇による失業者が増大しております。ジョブカフェでの若者への就業支援、これは大きな効果と評価されておりますが、中高年や中途退職者、高齢者の就職探しは、ハローワークがその多くを担っております。
 盛岡のハローワークを例にとりますと、失業中の身にある方々が職探しで込み合っている中、駐車場の料金を払い、また、ハローワークの駐車場に順番待ちで待機する、あるいは路上駐車するというような市民の苦情を多く聞き、また、その状況を目の当たりにしているところがあります。弱者に対して非常に不便、気持ちの落ち込みは一層激しくなります。職もなく、必死に仕事を探す人の身になった場合、駐車場あるいは立地条件にまで踏み込んで、適切な場所を県としてあっせんしてはいかがでしょうか。利用者は県民であることに配意した関係部局の取り組みに期待いたしまして、お考えを伺えればと思います。
 以上で、私の壇上からの一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 川村農夫議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、御質問のございました1月24日の衆議院代表質問のやりとりについてでございますが、私は一般論といたしまして、議会においては、質問される側と答弁する側の双方が、それぞれに誠実に質疑に臨み、充実した論戦を展開して、国民や住民の負託にこたえることが最も大切である、このように考えております。国民の政治に対する関心を喚起するためにも、国会における真摯な議論、そして論戦を強く期待するものでございます。
 次に、地方振興局の人材配置につきましては、地方振興局の自主的な判断によりまして機動的かつ柔軟に対応できる、こうした組織体制を目指したいと考えているところでございます。このため、平成15年度に地方振興局長が職員の配置先を決定できる特別の定数を設けましたことや、地方振興局の中でかなりの組織を決定できる権限を地方振興局長に付与したほか、課長の専決権を設定できるようにするなど、この地方振興局の中での組織や職員定数などに関する権限を、地方振興局長に委譲いたしたところでございます。今、そうしたことを受けまして、地方振興局の中で、こうしたことを定着させている段階にあると認識をしております。
 地方振興局の県民へのサービス向上についてでございますが、地方振興局のみならず、県全体として、平成12年度から、民間企業の経営管理手法を取り入れた行政品質向上運動を展開してございまして、職員一人一人が顧客である住民の皆様に、これまで以上に御満足いただけるようなサービスの提供に努める、そうした意識改革と具体的な行動を促してきたところでございます。
 こうしたこの運動については、幾つか具体的な成果を見ているわけでございますが、しかし、これまでの取り組みの中でいまだ不十分でございましたのは、基本中の基本でございます、お客様である県民本位の視点に立った迅速なサービスの提供、とりわけ、コストを強く意識した仕事の進め方、費用においてもそして時間においても、いずれにしてもコストを重視した仕事の進め方であったと、このように反省をしております。そこで、今後は、こうしたコストを強く意識したお客様への迅速なサービスの提供に向けて、さらに職員がみずから実際の行動を起こすように指導していく考えでございます。
 次に、人員削減と組織改編の評価についてでございますが、本県では、既に平成13年度に職員1人1台パソコン体制がほぼ実現をされているわけでございますが、電子決裁や電子申請システムなどの導入が少しおくれておりまして、IT化により最も期待される業務革新は不十分であると。仮に、電子決裁などの活用をさらに図ることができれば大幅な業務の簡素化、さらには組織のスリム化が可能となると考えております。
 また、組織のフラット化やグループ制の導入、カイゼンなどに、職員みずからが取り組み始めているところでございまして、こうしたことに対しての職員の意気込みは、以前に比べはるかに異なってきていると考えております。したがいまして、電子決裁や電子申請システムなどを導入していくことによりまして、IT化による業務の革新を目指すとともに、職員がみずからカイゼンに取り組むということによりまして、より効率的な組織体制の構築と、さらには、住民の皆さん方への利便の提供を図っていくことができるものと考えております。
 次に、給料の減額の問題でございます。三役の給料の減額を提案してございますが、これは、いわて森のトレーの問題、県競馬組合の経営問題、ふれあいランド用地代替地問題など、それぞれの問題に対して、責任を明確化するための減額措置というものでございます。この減額措置でございますが、こうした問題が発生をいたした原因は、これまでの行政の、すなわち、我々の仕事の仕方そのものに一因があると、このように考えておりまして、具体的には、住民や地域の声を優先する生活者主権、地域主権の考え方が弱かったことや、上意下達式に、上に判断を仰いでその指示に従っていればいいと、指示どおりにやるというやり方が主なやり方であったと。そのために、解決すべき問題に対して迅速な対応をとってこなかった、あるいは管理職などの成果が問われないために問題を先送りするなどの、いわゆる行政特有の弊害を挙げることができるものと考えております。
 今後は、こうしたことが起こらないように、再発防止策を講ずることはもちろんでございますけれども、さらに、さまざまな行政ニーズにスピーディーに対応していくために、生活者主権、地域主権の理念を県庁内に徹底をして、そして県庁内の分権を進めて、施策実施部門である各部局や地方振興局の現場において主体的に施策を展開し、柔軟・迅速に行政運営を行うように、権限の委譲をさらに進めるということ。それから、住民の方々から求められている課題を業務目標として掲げて、その目標をしっかり実施したかどうか、きちんと達成状況を管理していく、いわば責任ある執行体制の確立を図ることなど、こうしたことが必要でございまして、仕事や組織の仕組みを全庁的に見直しをしていくこととしているところでございます。
 次に、17年度予算でございますが、その編成に当たりまして、今、議員の方から、農業の関係について希薄になってきているのではないか、それから社会資本整備の立ちおくれについても希薄になっているのではないか、こういうお話がございました。
 農業については、人の命を支える食料を供給するという重要な使命を担っているわけでございまして、本県が、日本でトップクラスの安心できる食料供給基地としてその責務を果たしていきたい、このように考えております。そのため、集落営農組織の育成や新規就農者の確保、経営感覚にすぐれた担い手の育成、トレーサビリティーシステムの拡充や新商品の開発、さらには、海外への輸出に向けた産地づくりと販路拡大など、さまざまな課題に積極的に取り組んでいく必要があると思っておりますし、社会資本整備については、特に農林水産基盤の整備に今回は配意をして、この分野につきましてシェアをアップさせたわけでございますが、また、特に16年度の2月補正予算におきまして、17年度実施予定事業の一部を前倒しして計上すると、この年度を通した切れ目のない事業量の確保に努めたわけでございます。
 今後も、発展が見込まれるこうした有望な産業分野の育成やその産業を支えるその人材育成、これに努めていきたいと思っておりまして、このような取り組みを通じて、岩手の将来を確かなものとしていきたいと考えております。
 次に、本県の農業振興につきまして何点かお尋ねがございました。
 繰り返しになりますが、食料は人の生命の維持に欠くことのできないものでございまして、また、健康で充実した生活の基礎としても最も重要である。こうした食料を可能な限り国内で生産をして、自給率を高めていくことが、農政の基本となるべきものと考えております。
 我が国の食料自給率ですが、今議員お話のとおり、カロリーベースで国全体40%と、いわば先進国の中で最低水準ということでございますが、この主な原因は、国民の食生活の大きな変化によるものでございまして、さらに、その背景には、高度経済成長のもとで、消費者の食に関する正しい知識や農業に対する関心が低下をしてしまったことがあると考えております。しかし、BSEの発生や食品の不正表示事件など、こうした負の事件を契機としてではありますけれども、近年、国民の安全・安心の食に対する関心というものが著しく高まってきておりまして、私はこうしたこの関心の高まりを好機ととらえて、地産地消運動を提唱して、生産者と消費者の顔の見える関係の構築に努めるとともに、食育の観点からも、学校給食における地産地消の推進にも取り組んでいるところでございます。こうした取り組みが、食料自給率を低下させている構造の改善につながって、結果として、自給率の向上に結びついていくものと考えております。
 それから、ただいま議員御提案の、いわば自治体ごとに農業生産目標を設定して所得安定対策を関連づけていくと、こういう御提案でございます。これは、自給率向上のための一つの有効な施策と考えるわけでございますが、幾つかの解決すべき課題もあると考えております。
 食料自給率を向上させるためには、まずもって、今申し上げました自給率を低下させている構造の改善に取り組むことが第一でございまして、生産面におきましては、将来の農業を支える力強い担い手の確保・育成はもとより、消費者ニーズに即して、適地適作を基本としたさまざまな農産物の生産や、基盤である優良農地の確保、そして耕作放棄の防止のための施策を粘り強く進めていくことが必要と考えているところでございます。
 さらに、この農村地域の振興策としての担い手の問題でございますが、農業従事者の減少や高齢化、国際化の中で、地域農業の核となる力強い担い手の育成は重要でございますが、他方で、中山間地域が大宗を占めている本県におきましては、地域が一体となった取り組みを進めることも、農村地域の振興を図る上で重要と考えております。このため、本県におきましては、県下各地で、地域特性を踏まえた集落水田農業ビジョンというものを作成してもらったわけでございますが、その中では、専業農家、兼業農家などが、それぞれの役割分担のもとで、地域が一体となって行う集落営農を展開することとしてございまして、こうしたこと、これを岩手型の農業振興策として取り組んでいるところでございます。こうした地域の主体的な取り組み、いわば集落経営体を育成していくということが産業としての競争力を高めて、岩手の農業・農村の維持・発展につながるものと考えているところでございます。
 最後に、林業公社の問題でございますが、この林業公社ですけれども、岩手県におきましては、これまで2万4、000ヘクタールの森林造成によりまして、設立当初17%以下でございました対象市町村の人工林率でございますが、これが平均39%に高まりますとともに、この間、延べでございますが545万人の雇用を生み出すなど、この地域の振興に大きく貢献をしてきたものととらえております。
 一方、林業公社ですが、人工林面積を拡大するという大きな目的の中で、地形や道路事情など、立地条件の厳しい地域におきましても森林整備を進めてまいりましたので、現在においても間伐収入がほとんど見込めない、こういう状況にあるのは御承知のとおりでございます。
 他方で、公庫借入金の償還に対する県、市町村の貸し付けが年々増加をしているわけでございまして、特に市町村を取り巻く財政状況を考えますと、経営をこのまま継続するには厳しい実情にあると認識をしております。
 この林業公社の事業でございますが、これを一元化した後におきましては、これはすべて県が管理をしていくことになるわけでございますが、実際の業務に当たりましては、現場の管理業務などにつきましては、外部に委託することにしたいと考えているわけでございます。
 この林業公社事業についてでございますが、これはさきにも述べましたように、経営をこのまま継続をするには厳しい状況にあるほか、関係する市町村からも財政難などの理由によりまして、県有林事業へ一元化をするような要請がございまして、さらに、長伐期化の導入によります管理期間の延長等から管理経費の節減が必要でございまして、県有林へ一元化を図ることとしているものでございます。
 この一元化によりまして、林業公社から分収造林事業を切り離した場合でございますが、そうした場合、公社経営の存立基盤がなくなるわけでございまして、公益法人として設立した目的が失われますので、林業公社は一元化に合わせて清算せざるを得ないと、このように今考えているわけでございます。
 なお、現在、地球温暖化の防止など、近年の森林の役割に対する多様な社会的要請を踏まえますと、将来の岩手の森林づくりのあり方はどうあるべきか。また、少子・高齢化が一層進む中で、これまで森林を管理してまいりました事業主体も高齢化が進んでおります。そうした中で、今後、その担い手をどのように育成・確保すべきかなどにつきまして、現在、幅広い観点から検討しているところでございまして、この一元化後の県有林の管理委託につきましては、その中で検討されるべきものと考えているところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願い申し上げます。
   〔保健福祉部長佐藤敏信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐藤敏信君) 初めに、少子化対策に関連して、子育て支援をテーマとするセミナーや懇談会等を開催する場合の問題点についてでございますが、こうした懇談会等を開催する場合は、より多くのお母さん方に参加していただくため、場所や時間の設定などについて配慮するとともに、公民館など地域住民の身近なところでの開催にも努めてきたところでございます。また、こうした会を県が主催する場合には、原則、会場に託児コーナーを設置するなど、配慮してきたつもりでございます。
 その実態を見てみますと、県が主催するものにつきましては、場所は、県合同庁舎を初め地域の保健福祉センター等でございまして、時間を見てみますと、主に平日の昼の時間帯に設定されておりまして、夜間や休日の開催というのは少ないのが現状でございました。こうしたことから、今後は、地域ニーズをもう少し踏まえまして、場所や時間の設定に十分留意するとともに、託児コーナーにつきましては、子育てボランティアやNPOの協力を得ながら一層の充実に努め、さらに、こういうことを市町村に対しても県と同様の取り組みとなるよう、働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、岩手医科大学の移転に伴う諸環境の整備、取り組みについてでございます。
 岩手医科大学の移転スケジュールにつきましては、現在のところ、平成19年の4月ということで、薬学部の開設と教養部の改編が予定されているようでございます。医学部、歯学部、それに附属病院の移転時期というのは、その後の事業の進展を踏まえながら検討されるものと聞いております。
 こうした中での緊急車両に係る交通条件の整備でございますが、周囲の道路状況等を考慮すれば、東北自動車道の矢巾パーキングエリアの活用というのは、非常に有効であろうと考えております。
 今後、ただいま申し上げましたような附属病院等の移転事業の進捗を踏まえながら、県としても必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
 次に、県立社会福祉施設の民間移管に伴う財産等の取り扱いについての御質問でございました。
 初めに、見直しの基本的な考え方でございますが、先般お示ししました改革プランの原案は、利用者の視点に立ったサービスの提供や地域生活の支援、さらには、民間活力の活用、あるいは社会福祉事業団の自立化などの視点を加えたものでございまして、さらに近年、さまざまな福祉制度の改革や指定管理者制度の導入などがありましたことから、こういったことを加えて取りまとめたものでございます。
 具体的には、入所型施設については事業団などへの移管を基本としまして、その創意工夫に基づく運営にゆだねることが適当と考えているところでございます。
 県としましては、こうした改革プランの基本的な考え方について、まず、関係する皆様方の御理解を得ることに全力を注ぐことといたしまして、この間は岩手県社会福祉審議会において御議論いただいたほか、利用者や保護者の皆様方、さらには民間施設の関係者、事業団の職員などに対しまして、説明会や意見交換会を開催してきたところでございます。
 その財産処分、職員の処遇等についてでございますが、事業団などへの移管に当たっての諸条件、具体的な事項につきましては、ただいま申し上げましたような基本的な考え方について、県民の皆様の御理解が十分得られたという後に、速やかに検討を進めることとして対応してまいったところでございます。
 移管の際の土地建物等の取り扱いにつきましては、法令等では特に定められていないところでございますが、それぞれの施設の特性や建物の老朽度、所在地の状況などを種々考慮しながら、例えば無償でいくのか有償なのか、あるいは貸与なのか譲渡なのか、こういった点について、これから個々の施設ごとに詳細に検討してまいりたいと考えております。
 また、職員の皆さんの処遇につきましては、これも現時点では明確なことは申し上げられませんが、事業団職員の雇用の確保ということには十分配慮しながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
 なお、その検討の状況につきましては、適宜、機会をとらえてお示ししたいと考えております。
   〔県土整備部長橋本義春君登壇〕
〇県土整備部長(橋本義春君) 徳田橋の整備の見通しについてでございますが、現在の橋梁は昭和37年に架設以来、大型交通量の増加などに伴いまして損傷が進み、これまで補修や補強工事を行ってきたところでございます。また、幅員が狭く、大型車のすれ違いにも不便を来しているという状況にありますことから、かけかえが必要な橋梁であると認識しております。そのため、架橋位置や橋梁の形式などについて調査検討を行ってきたところであり、今後は、河川管理者などの関係機関との協議を進めますとともに、それらを踏まえて都市計画の変更や公共事業評価などの手続を進め、厳しい財政状況ではございますが、予算の状況等を見ながら、整備に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長酒井俊巳君登壇〕
〇商工労働観光部長(酒井俊巳君) ハローワークに関するお尋ねでございますが、県内のハローワークでは、求職者等が集中する4月から5月ごろにかけて、特に駐車場が不足する事態が発生するところもあると伺ってございます。このため、専用駐車場が少ない、例えば盛岡のハローワークなどでは民間駐車場を借り上げまして、無料駐車場として来所の方に提供していると伺ってございます。
 このほかの対策といたしまして、盛岡では、本年の1月24日から、それまで年齢で区分しておりました窓口というものを一本化いたしまして、窓口での待ち時間を短縮するというようなことで来所者の回転を早くするような、そういった方策も講じていると伺ってございます。
 こうした対策を講じましても、なお、混雑が緩和されないという場合につきまして、労働局等の方から、ハローワークの方から、近隣の県有地に駐車スペースを確保したいという要請があった場合――実は昨年5月に、県の方、所管しているのは管財課でございますが、加賀野の職員駐車場の利用の意向を労働局に伺ったことがございますが、その際には、管理等の問題で利用まで進展しなかったということがございますが、いずれ、労働局、ハローワークの方から要請がございましたならば、県の所管部局を交えまして、実現に向けて対応してまいりたい考えでございます。
〇議長(藤原良信君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕
〇教育長(佐藤勝君) 職業教育の今後のあり方についてでありますが、職業教育は、必要とされる知識、技能の習得はもとより、望ましい勤労観、職業観の育成や豊かな感性、創造性を養う総合的な人間教育を通して、産業社会に貢献できる人材の育成という役割を担っているものと考えております。本県の専門高校はこうした基本的な考え方に立って、これまでも、将来の職業に関するそれぞれの専門分野の基礎的、基本的な内容の定着を図るとともに、インターンシップやものづくり教育、資格取得への取り組みなどを積極的に行ってきたところであります。
 今後においては、多様化する生徒のニーズにこたえ、高度化し複合化する産業社会において活躍できるよう、複数の専門教育を横断的、総合的に連携が可能となるような教育環境を整備しながら、地域産業との結びつきを重視した、本県らしい特色ある職業教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、全国スポーツ・レクリェーション祭、いわゆるスポレク祭の実施効果についてでありますが、全国的な規模で実施する本祭典には、選手、役員を初め多くの県民が開催にかかわることによって、県民一人一人のスポーツ・レクリェーションへの関心、意欲がより一層高まるとともに、各種目団体の組織の充実、指導者の増加、ひいては、このことがスポーツ・レクリェーション人口の拡大に確実につながっていくものと期待しております。
 また、全国各地から多数の参加者を迎え、県民との幅広い交流や地域の情報発信、観光や物産販売を通じてその地域のイメージアップが図られ、活性化が促されるものと考えております。
 今後におきましては、本祭典を通して、スポーツ・レクリエーションが地域に定着し、その活動が県全体に波及することで県民のスポーツの普及・振興につながっていくものだと認識しております。その環境づくりとして、県としては、広域スポーツセンターの機能を十分に生かしながら、総合型地域スポーツクラブの設立に向けて各市町村を支援し、県民の豊かなスポーツライフの実現に努めてまいりたいと思っております。
 また、スポレク祭の経済効果についてでありますが、この祭典には、県内外から選手、役員1万5、000人の参加を初め、多くの来場者が見込まれております。これらをもとに、おおよそではありますけれどもその経済効果を推計してみますと、運営費、個人消費などの直接効果として約25億円と見込まれております。
 次に、国体における競技団体への強化費補助についてであります。
 県体育協会においては、県からの補助金を原資に、まず、通常強化として、国体に出場する37競技を対象に強化合宿等の経費を配分しているほか、ホッケー、ウエートリフティングなど競技得点を毎年獲得している競技等に対し、一層の競技力向上を図るため、重点強化として加算配分を行っているものであります。また、本県の特性を生かした雪国スポーツ育成強化として、スキー競技等についても重点配分を行っているものであります。
 県体育協会が行う国体に係る競技団体への強化費補助等については、毎年度2回でありますが、各競技団体等の代表者――100人から120人ぐらいおります――で構成される評議員会等で公開により審議され決定しているなど、その透明性は確保されているものと考えております。
 次に、岩手県競馬組合改革実行計画についてでありますが、このたびの競馬組合による改訂実行計画は、経営の抜本的な改革を図るために、さまざまな施策に広く取り組もうとするものであると理解しております。この計画の中で、御指摘のありました大型映像利用のテレビゲーム大会については、その詳細な企画につきましては今後検討されると伺っておりますが、競馬場の走路等を利用した馬ぞり試乗会、歩くスキー大会と同じ趣旨であり、現有施設の地域社会への開放の一環としての取り組みと聞いております。その観点からも、健全なレクリエーションの場の提供であると理解しているところであります。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕
〇警察本部長(山内正和君) まず、当県におきます青少年犯罪や非行の実態についてですが、平成16年中の非行少年等の補導総数は1万3、838人で、前年と比較して横ばいの状態にあります。その内訳は、深夜徘回や喫煙等の不良行為少年が1万2、541人で1.5%、180人増加し、逆に刑法犯少年につきましては1、246人で12.9%、185人減少しております。
 この刑法犯少年を罪種別に見ますと、窃盗が847人と全体の68%を占め、殺人や強盗などの凶悪犯が9人で0.7%、暴行や傷害などの粗暴犯は80人で6.4%などとなっております。
 補導総数が横ばいの中で刑法犯少年が減少傾向にありますのは、非行の入り口であります不良行為少年の補導活動を重点に取り組んだ結果と考えておりますが、一方では再非行率が30%を超え、集団化傾向が一層顕著になるなど憂慮すべき実態もありますことから、補導活動の強化とあわせて、関係機関との連携による立ち直り支援等にも今後力を入れてまいりたいと考えております。
 次に、関係機関・団体等が非行防止推進の目的意識を持つため現状でどのような取り組みをしているのかとのことでありますが、県警察では、少年非行の実態を踏まえ、平成16年度からいわて非行防止チャレンジ1000作戦として、関係機関・団体等と一体となった非行防止活動を展開しております。この作戦は、刑法犯少年の数が平成14年、15年と連続して1、400人を超えたことにかんがみ、その数を平成17年度末までに1、000人以下に減らすことを目標に、大人が変われば子供も変わるをスローガンとして、家庭対策、地域対策、学校対策、商店や駐輪場等の管理者対策の4本柱で種々の施策を展開しているものであります。本作戦には、県の関係機関はもとより、岩手県青少年育成県民会議、岩手県防犯協会連合会、社会を明るくする運動岩手県実施委員会、岩手県少年補導員協議会など多数の関係機関・団体、地域ボランティアの方々などの積極的な御参加をいただき、平成16年中の刑法犯少年の減少につながる大きな力になっていると考えているところであり、今後とも、その活動の一層の充実等を図ってまいりたいと考えております。
〇20番(川村農夫君) 御答弁いただきましてありがとうございました。
 2点ほどについて再質問させていただきます。
 まず、商工労働観光部長はハローワークから要請があればということでございますが、実は私、盛岡に来るたびあの道路を通っています。駐車違反の議論が先ほどありましたけれども、けさも両側路上駐車がほとんどであります。県民のためでありますので、そういった状況をしっかりと把握しながら積極的な対応を望みたいと思いますので、所感をいただきたいと思います。
 それから、増田知事から農業施策についていろいろお話がございましたが、集落水田農業ビジョン、確かにすばらしい施策でありまして、私も共鳴、共感しているところでありますが、ただ、水田農業に特化した部分ではなく、畑、果樹園、それから狭隘な、集団化できないところの農地も、岩手の、特にも60%以上を占める山間地においては重要な食料生産の土地でありますし、そうしたところにも目を向けて、水田農業ばかりではない、ほかのその施策から漏れたところに対する県としての支援策という視点も忘れないでほしいと思ってお伺いしたわけであります。ですから、その点についてもう一度お考えをお聞きしたいと思います。
 以上であります。
〇知事(増田寛也君) ただいま議員お話しのとおりでございまして、先ほど申し上げました集落水田農業ビジョンは全県下3、000を超える集落で策定してもらいましたが、水田となっていますが、畑作地域は畑作のビジョンを作成していただいておりますし、それぞれの地域に合った形での、集落での営農形態に合ったビジョンを作成していただいております。したがいまして、言わんとする趣旨は、今、議員からお話がありましたように、決して主業型農家あるいは大型農家だけではなく、兼業あり、零細の農家も含めて、地域全体で適切な役割分担をした上でそれぞれが役割を果たし、お互いに相互扶助の考え方のもとで全体として農業を振興させ、底上げをしていこう。そのために、例の中山間地域の制度も今回延長されますが、それも有効に活用して本県の農業を確固たるものにしていこうということでございますので、今お話ございましたとおり、幅広く農業形態に目を向けて、そしてまた、農業従事者の範囲も広くとらえながら、その効果が確実に農業生産者に戻るような、そういう実のある施策を展開していきたい、このように考えております。
〇商工労働観光部長(酒井俊巳君) ハローワークの関係でございますが、いずれ労働局ハローワークの方の現状の認識を再度私の方から確認させていただきまして、しかるべき対応をさせていただきたいと存じます。
〇議長(藤原良信君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時6分 散 会

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